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1972/07/10 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第15号
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1972/07/10 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第15号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第15号
昭和四十八年七月十日(火曜日)
   午前十一時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月九日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     玉置 猛夫君
 七月十日
   辞任          補欠選任
    玉置 猛夫君      林田悠紀夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                片山 正英君
                斎藤 寿夫君
                林田悠紀夫君
                原 文兵衛君
                増田  盛君
                安井  謙君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                和田 静夫君
                藤原 房雄君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       自治大臣官房審
       議官       森岡  敞君
       自治省財政局長  鎌田 要人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       運輸大臣官房参
       事官       佐藤 久衛君
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部長  中村 四郎君
       運輸省自動車局
       業務部長     高橋 寿夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨九日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として玉置猛夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久次米健太郎君) 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○藤原房雄君 与えられた時間がわずかでございますので、何点かにしぼりまして、また、同僚議員からだいぶ質疑がございましたので、なるべく重複を避けて若干の質問をしたいと思います。
 最初に、基本的なことになりますが、このたびの健全化促進に関する法律案につきましては、当面の緊急措置としては一応私どもも認める点もございますが、しかし、現在のこの激しくゆれ動く社会の中にありまして、特にこの交通問題につきましては、非常に根の深いと言いますか、大きな問題をかかえております。それで、緊急措置を財政的な面でとられただけでは、決して今後の対策を講じられるということじゃありませんで、同じことが繰り返されるんじゃないか、こういう懸念を非常に強く持つわけであります。このことにつきましては、提案理由の説明の中にも、「都市における交通の円滑化を確保するためには、基本的には、都市計画と都市交通との有機的な調整をはかるとともに、各種交通機関の機能分担を明確化し、合理的な都市交通体系を形成するようにつとめることが不可欠」であると、このように認めていらっしゃるわけでありますが、このたびの第二次の再建策をとるにあたりまして、各種の交通機関の機能分担を明確にするとか、合理的な都市交通体系を形成するにどうするとかしなければならないということはここにうたっておりますが、提案理由の中にもありますけれども、具体的にこの問題については今後どういうようにお進めになるお考えなのか、まず、この点からお伺いしたいと思います。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
#5
○国務大臣(江崎真澄君) 交通渋滞の問題につきましては、道路が車の増加を追いかけるというような形で今日に至りました。全くその点は、見通しが悪かったと言えば、確かに一つの見通しのそごは道路計画上あったというふうに言わなければならぬと思います。したがって、今後は、今後できる特に新しい道路につきましては、これは建設省においても都市計画上いろいろ配慮をきれておるようでありまするが、やはり広い道路というだけでなしに、歩行者が優先して安全度が保障される。そしてまた、自転車の見直しと申しまするか、自転車道路等についても今後配慮をしていく。
 で、現在すでに非常な混乱が起きておるこの状況をどう解決するか、これは、中央政府はもとよりでありまするが、それぞれ関係の地方公共団体においても非常な苦慮をしておるところであります。したがいまして、今後できるだけ、これは交通規制という面、それから従来ある道路を分離帯等によって安全度を増す。広い道ならばまた自転車専用道路とか、あるいは広い歩道ならばそれに乗り入れられるように構造の改善をする等々、至急、ひとつ関係各省庁が連絡を密にいたしまして、そういった具体化に手を打ちたいというふうに考えております。
#6
○藤原房雄君 ただいまお話しございましたが、何といいましても、この公共輸送機関の運行をスムーズにするということのためには、運行を確保するということのためにはいろいろな諸施策が必要だろうと思いますが、最近、新聞に報じられておりますが、都市部への諸車の乗り入れ規制――交通規制につきましてはいろいろ御検討のようであります。通行税をどうするとか、いろいろ御検討のようでありますが、現在の段階におきます検討の内容についてお伺いしたいと思います。
#7
○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。
 先日、新聞にちょっと出たわけでありますけれども、これはまだ政府の正式に検討している案でもございません。私ども運輸省の自動車局の一部局の中で一つの試案を作成している段階でございますので、そういったことを前提にいたしまして、ちょっと簡単に私ども考えていることを御報告申し上げます。
 先生いまお示しのように、道路をどんどんつくりましても、これを走る車の量を制限しなければ、現在の都市交通はどうにもならないということは言うまでもないことでございます。特に、公共交通機関の運行の確保ということを考えます上には、どうしても、個人的な交通機関というものの制約を考える必要がある。私は、都市交通におきましては一〇〇%の自由を市民が求めるということは、これはすなわち一〇〇%の不自由という結果になるというふうに考えております。したがいまして、都市における最大の市民に与えられる自由というものは制御された自由でなけりゃならない、というのが都市交通の基本であると思います。したがいまして、マイカーを持っていらっしゃる方も、都市生活をみんなで楽しむという観点に立ちまして、制限された自由をエンジョイするというのが基本であると思います。もちろん、都市の道路に制限のない広がりを持っている町は別でございますけれども、特定の大都市等におきましては、もはやそういったことは許されませんので、そういった場合におきましては、好ましいことではございませんけれども、都市の道路の効率的な利用という面から制約を加える必要があるということが基本でございます。したがいまして、たとえば、乗り入れ賦課金とか、通行税とか等々の形でお金をとるといたしましても、このとったお金で何か財源にしようということは本来二義的のことであるべきでありまして、第一義的には、やはり、そういう経済的な賦課を課することによって車の総量を減らすということが本来の趣旨でなけりゃならないと思っております。
 そこでむずかしいのは、どういった地域を対象にするか。たとえば東京の場合ですと、二十三区全域にかけるべきなのか、あるいは特定の環状八号道路とか、あるいは七号道路とかいうところから中に入るものについてかけるべきかという問題もございます。また、対象をいかにすべきか、マイカーだけに限るべきなのか、あるいはさらにもう少し広げて、道路の使用に対する一つの対価という意味でもうちょっと広げるべきなのかということについても、なお検討する必要があると思います。
 また、これを経済的な賦課金とした場合に、一体それでは、一回当たり幾らのお金を徴収するようにしたら抑制効果がどのぐらいあがるだろうかという点が問題でございます。実はこれはかなり問題でございまして、いわゆる禁止的なお金を取れば、それは抑制効果はあがりますけれども、本来、都市の道路を使うということが悪ではないのであって、さっき申し上げたように、制限せられた自由というところであって、禁止的な金額を課することについてはやはり問題があると思います。ところが、安くいたしますと効果がない。このジレンマをどう解決するかという点がやはり問題でございます。
 それからまた具体的なこれの規制の方法、つまり、ステッカーを張ることによって区分をするというふうなことにいたしましても、どこでどういうステッカーを買うんだ、売るんだという話、あるいはそれを張った車と張らない車の識別をだれがどういうふうにするんだというふうなチェックの方法の問題、これはかなり頭の痛い問題でございまして、警察官その他に相当労働がかかる問題でございますので、相当慎重な検討を要すると思います。
 それやこれや、いろいろございますけれども、私どもはそういったふうの賦課金方式というものが、東京なり大阪なり、大都会の自動車交通量を減らす唯一絶対のものであると思っておりません。これはやはり、従来やっておりました警察の交通規制のやり方と、いわば縦糸と横糸とからみ合いまして、最適の組み合わせを持ったときに初めて有効な効果があがるのでありまして、この経済規制を万能と考える見方はとっておりません。したがいまして、その経済的な規制につきましても、いま申し上げたようないろんな問題がございますけれども、これらの問題を検討した上で、さらに今度交通規制の手法とどう組み合わしたら一番いい効果があがるかという点について、関係省庁と相当慎重な検討を要すると思います。
 したがいまして、いまのような考え方を一体いつの時点になったら煮詰めることができるんだろうか。そう二月や三月で煮詰まるものと思いませんけれども、できるだけ政府関係機関に働きかけまして、皆さんのお知恵を伺った上で、できれば一つの試行段階でもけっこうでありますから、何とか早く実施をしたいというのが、私ども立案を担当しております事務部局の念願でございます。簡単に経過を申し上げました。
#8
○藤原房雄君 いまのお話、大体わかりましたが、なかなかむずかしい問題があるようでございますので、いろいろひとつ検討しなければならないことだと思います。
 この都心部に対する諸車の乗り入れ規制とともに、もう一つは優先レーン、それから専用レーンの問題でございますが、この優先レーンやまた専用レーンは、十分な道幅がなければ設けないという――三車線以上ですか、こうなっておるはずでありますが、二車線のような道幅の狭いところこそ公共交通機関を優先させなきゃならない、こういう考え方も当然起きてくるわけであります。これは時間を限るということで、やはりラッシュ時において公共交通機関がスムーズに運行のできるようにという配慮が、三車線以上の道幅の広いところだけではなくして、狭いところについても、時間を限った専用レーンといいますか、レーンを設けるという、こういうことが必要ではないか。現在は二車線のようなところについては優先や専用レーンが設けられてない。こういうことにつきまして、現在もお考えがあるのかどうかということを、道幅の狭いところについても優先または専用レーンを設けるお考えがあるかどうか。公共交通機関を優先させるという――これは限られた時間、時間を限ってやるわけでありますけれども、そういう必要があるのではないか。道路が拡幅されれば問題はないわけでありますけれども、地方の中核都市等におきましてはそう簡単に拡幅できるわけでもありませんし、現状がなかなか打開されないということから、こういうことも一つは考えられることだと思います。
 それから、先ほど大臣がおっしゃっておりましたけれども、自転車の専用道という――最近非常に自転車が見直されておる、こういうことで、これも一ぺんにどこでというわけにはいかないかもしれませんけれども、最近そういう考えが非常に強くなっておるということからいたしまして、自治省としましても、今後のことについていろいろお考えになっておることがありましたらお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(江崎真澄君) パス、特に公営交通を健全にするためには、やはりこのパスの優先レーンというようなものを確保する、これは大事なことだと思います。御質疑を通じましてもそれは強調された点でありますので、これは関係省庁と連絡をとって、これが確保できるように、また、終日確保することが困難であるならば、せめてラッシュ時だけでもほんとうにバスが優先するように、ラッシュ時にマイカーで都心に乗り込んでくることが道義上反省されるといったような雰囲気づくりがこれから必要ではないかというふうに考えられます。
 それから、自転車の問題でありまするが、これは先ごろ来、警察庁の交通局長に相当細部にわたって具体的な計画を立てさせておるわけです。これは名古屋などではすでに実行されておるという報告を受けましたが、都心部に向けて、裏通りを、自動車を締め出して自転車専用で開放しておる。これが相当な成果をあげておるということでした。それから広い歩道には当然乗り上げさせる。で、この車道と歩道との段差をなくする工事も完了しておるということであります。したがって、にわかにいま自転車専用道をつくるといいましても、これは道路全般の構造がもともと狭いということもありまして、非常な不備もございます。したがって、やれるところからやっていくというつもりでおります。
 それから、これはいま関係各省庁で話し合いをしておりますが、総理にも同意を求めまして、政府として、このラッシュ時の車の規制等々を思い切って手が打てるように、関係各省庁に政府の方針として方向を打ち出してもらおう、こういう構想でいま進めておるわけであります。その原案づくりのようなことをいま関係省庁でやっておるわけで、特に、私の関係しておる自治省、警察庁等においてその作業を進めております。これが成り立ちますと、主として運輸、建設というところ、それから総理府などに協力を求めるわけでございますが、具体化したい。具体化すれば、これは共鳴してくださる地方公共団体の首長の同意を得て、モデル地区といいまするか、実験地区というようなことで手始めにしたらどうであろうか。そういう場合にちょっと考えられまするのは、たとえば郊外から駅におりて、その駅からそれぞれのつとめ先に向かうといったような駅前広場を運輸省に提供してもらって、そこへ自転車置き場等、公共施設をつくる。そういう場合には、自治省が何がしかのやはり助成方途を講ずるというようなこともありましょう。また、建設上、道路構造については、これは建設省側が配慮してもらわなければならぬ点も多々あるわけです。一つずつ具体化してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#10
○藤原房雄君 新しい最近の考え方として自転車の問題が出てきたわけでありますが、非常に変化の激しい今日でありますので、これは、新しい時代に即応した問題につきましても、ひとつ早急に御検討いただきたいと思います。
 次に、都市交通整備調査会におきましても、モノレールの問題につきましては非常に積極的に取り上げておりますが、交通体系の中でモノレールをどういう位置づけでお考えになっていらっしゃるのか。今後また、モノレールの建設について、これは早くからいろいろ議論されておりましたけれども、具体的にまだあまり進んでいないわけでありますが、
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
建設の計画、また、これからお進めになるといいますか、現在地下鉄には相当力が入っておりますけれども、モノレールの建設というものはあまり進んでいないように思っておりますが、この建設について将来どうお考えになっていらっしゃるかという、交通体系の中のモノレールの位置づけといいますか、どういうふうにお考えになっていらっしゃるかということと、今後の建設計画ですね。モノレールにつきましては、いろんな開発、新都市交通システム等、御研究になっていらっしゃることは私どもよく承知しておるわけですが、いずれにしましても、モノレールの長所、短所いろんなものがあるだろうと思います。また、現在地下鉄がどんどん進められておる。これらのものとの比較、こういうことからいたしまして、モノレールについて、自治省としましてどのようにお考えになっていらっしゃるかということについて、ちょっとお伺いしたいと思います。
#11
○説明員(佐藤久衛君) 先生御指摘のモノレールにつきまして、今後の都市交通の体系の中でどのように位置づけるかということにつきましては、私どもとしましては、都市内の交通機関というのは、都市空間の有効利用というふうな問題と、それから交通事故が少ないということ、さらには騒音とか排気ガス、振動などの、いわゆる交通公害というふうなものの発生量が少ないと、そういうふうなものが都市交通機関の中で大きな役割りを果たすべきだ、こういうふうに将来の構想を描いておるわけでございまして、モノレールはこういった条件に一応適合する要素を持っている、こういうふうに存じております。さらに、輸送能力等について見ますと、大体ピーター時間当たり二万人から三万五千人程度の輸送能力を持っておりますので、いわゆるこの程度の輸送需要の発生しておる都市等においては、一つの適切な交通機関ではないかと、こういうふうに考えております。現在、岐阜とかあるいはまた熊本、その他、二、三の都市におきまして、私どものほうと一緒になりまして、具体的な計画を検討しつつある段階でございますけれども、それぞれの都市におきましてこういったモノレールを採用すべきかどうかということにつきましては、それぞれの都市におきますところの路面交通事情の問題、あるいはまた交通規制の問題、それから、これらの都市につきましては、御承知のように、バスの路線網が整備されているわけでございますので、先ほどから問題になっておりますところのバスの優先通行措置というようなものがどのような形で具体化されて、それをまたそれぞれの都市において今後どういうふうに生かしていくべきかというような問題等をもあわせ考えまして、その導入をする必要があるんじゃないかということで、いま検討している最中でございます。
 それで、こういったモノレールにつきましては、大体いま申し出ております建設主体というのは、地方公共団体、あるいはまた地方公共団体と民間と合わせました、いわゆる第三セクターと申しますか、そういうふうな建設主体が一応考えられておるようでございます。
 これの建設につきまして、先生御指摘のように、地下鉄と同じような考え方で補助をしたらいいじゃないかというふうな御意見があるわけでございますが、これにつきましても、地下鉄建設につきまして、現在、基礎工事費の六六%というものを国と地方公共団体で補助しているわけでございます。そういった事態も踏まえまして、その補助方式というふうなものも当然検討されるべきではないか、こういうふうな考え方でいるわけでございます。
#12
○藤原房雄君 路面交通事業の再建対策というと、特にバス路線網の再編成ですね、これは検討されておるわけでありますが、地下鉄についても同じように再編については考えなければならぬ点があるのじゃないか。具体的な問題で、首都圏で都営一号線がございますが、終点が西馬込になっておるわけでありますけれども、これが国鉄の南武線につながるようなふうに、他線との――たいてい乗り入れてちゃんと接続するようになっておるわけでありますけれども、それを地下鉄によってはもう少し延ばして、そうしてより有効な活用をするようにすべきじゃないかという、こういうところが何カ所かあるわけであります。バスと地下鉄の再編の問題についてはいろいろ検討することになっておりますけれども、現在私どもが見た段階におきましても、何点か考えられる点があるわけです。特に地下鉄網につきましては、相当巨額な費用を使ってつくるわけでありますから、現在ある、既往の路線をより有効に使っていくという考え方がなければなりませんし、こういう点では地下鉄網の再編、活用する考え方というものを強く進めなければならない、有効に、利用する利用者の便益のために再編成を考えるべきではないか、こういうことを痛感するわけでありますが、これは都営一号線の問題は一つの問題でありますが、たいへんな建設費がかかるわけでございまして、また新たにどうするというわけにはいかないかもしれませんが、現在使っておりますものとの連携、それからまたバスとの関係、こういう問題について鋭意努力をし、問題について、有効な活用というものについて検討すべきだと、こう思うのでありますが、当然お考えになっていらっしゃることだと思いますけれども、今後の計画、そうしてまたそれらに対する基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
#13
○説明員(中村四郎君) 地下鉄網と既存の国鉄なり私鉄との連携の問題につきましては、私ども、地下鉄網を設定いたします場合の基本的な考え方としましては、ただいま先生申されましたように、都心部を貫通いたしまして、原則的には国鉄なり郊外私鉄と連絡を持つと、これが一つの考え方でございます。それからまた住宅地域と都心との直結の問題については、地下鉄を郊外部へ延伸する、あるいはそれと郊外私鉄との間に直通運転を行なう、こういう考え方で進めてまいっておりまして、都市交通審議会におきましても、既存の交通機関と地下鉄網が一体として機能するように有機的な路線網を形成すると、こういうことに相なっております。したがいまして、われわれとしましては、接点につきましては、乗りかえ駅の改良とかあるいは連絡通路の設置の問題、それから案内標識の徹底と、こういうことをはかっておりますが、何と申しましても、乗り継ぎの利便、あるいは都心への到達時間の短縮というようなことを考えますと、御指摘のように、直通運転ということが有効な手段でありまして、昭和三十五年に一号線と郊外の二私鉄との直通運転を実施しまして以来、東京におきましても日比谷線と両端の私鉄、あるいは東西線と国鉄の中央線、総武線との直通運転、あるいは千代田線と常磐線の直通運転、こういうものを実施してまいっておりますし、現在工事中の八号線、十三号線、あるいは十、十一号線につきましても、直通運転の計画で進めておるわけであります。また、大阪地区におきましても、御堂筋線、堺筋線との郊外私鉄との直通運転ということも実施されておるわけであります。このように、われわれといたしましては、地下鉄網設定にあたっての考え方で進めておるわけでありますが、西馬込の問題につきましても、現在、一号線については、御存じのように、京浜急行と京成電鉄との直通運転をやっておりますが、西馬込の問題につきましては、今後運輸政策審議会におきまして、これと南武線方面との需要をよく見きわめまして、その既設線との連携ということを当然検討をいたしてまいりたい、かように考えております。
#14
○藤原房雄君 最後に地下鉄建設費の補助についてですが、これも同僚委員から質疑があったことだと思いますが、ことしの予算から、純工事費の五〇%方式から六六%方式に増額されるということでありますけれども、これは御存じのように実質五割ちょっとという現状でございますし、またその支払い方法につきましても六年分割という、こういうことで、非常に物価騰貴、また建設費のかさむ地下鉄工事におきましては、実質効果が――地方自治体にとりましてはたいへんな負担になっておるわけでありまして、この地下鉄建設費補助については、実質六六%、また建設費一括交付すると、こういう制度を確立すべきじゃないかと。現在百万都市以上のところにおいて、どうしても地下鉄を建設しなければ交通渋滞の解決にならないということで建設が進められております。現在はさらに五十万都市に至る地方の中核都市においても地下鉄の建設が計画されておる。地価の高騰によって、どうしてもやはり路面より地下にもぐらなければならないという、こういう現状にありまして、この地下鉄建設にあたりましては、十分な補助の内容の充実といいますか、実質的な六六%、また建設費の一括交付という、こういう制度が確立されないと、なかなか地方財政、地方自治体にとっては大きな負担になって、なかなか地下鉄建設ができない。そのために交通渋滞の解決がなかなかはかれない。また、計画があっても実際建設が進めない、そのことのために都市計画が進まない、こういう問題が起きてくると思うんであります。この問題につきましては、前回よりは、このたびまあ一歩前進したとはいいますものの、さらに、地方自治体の現状からいたしまして、より一歩進めていただきたいというのが、進めるべきだというのが私どもの考え方でありますが、自治省としまして、この点どうお考えになっていらっしゃるか。いろいろな問題ございますが、時間もありませんので、この一点だけお聞きして終わりたいと思います。
#15
○国務大臣(江崎真澄君) 建設費につきましては、いま御指摘のように、非常な大幅な改善措置をとったわけです。しかも、過去の建設にかかる特例債、そしてその孫利子の補給の拡充、企業債の貸し付け条件の改善などを行なったわけでありまして、経営の圧迫要因であったいわゆる資本費の負担、これは今度の措置によって大幅に軽減されることになったわけでありますが、藤原さんが御指摘されるような事情はもとよりございますが、政府としては、今回の措置というのは、これは相当思い切った措置をしたつもりでございまして、今後、料金の適正化であるとか、この省力化の推進であるとか、いろいろ企業の効率化をはかって努力をしていけば、これは地下鉄の場合は、まだ何といっても交通機関としてはこれは青年期の機関であります。ただ、この設備費が非常に大きい。まあそれを見たというわけでありまするので、十分、今後健全な運営が期待されるものというふうに考えております。この点を、ひとつ政府側の努力も認めていただきたいというふうに考えます。
#16
○和田静夫君 六月の二十八日の私の質問、さらに今月になって五日の神沢委員の質問、それとのかね合いで、まず、一、二お聞きをいたしますが、第三条との関連で、この法律は地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律、こう銘打たれているわけであります。政府がこうした法律を出すに至った背景というのには、地方公営交通事業に対する国の責任意識というものが強く働いていたと、こう思うんですが、そう理解してよろしいですか。
#17
○政府委員(鎌田要人君) 結論的には御指摘のとおりだと思います。公営交通事業というものは、第一次的には当該地方団体の経営と責任で行なわれるべきものでございますけれども、やはり地域住民の足の確保という上に果たします役割りの重要性、あるいはまた最終的に、他の民間企業が交通事業から撤退をするという場合に、最終的には、やはり地方団体というものがこの住民の足の確保に携わらなきゃならない。こういったもろもろの点からいたしまして、この公営交通事業の経営の基盤の強化をはかる、そのために、経営上現在生じておりますところの赤字というものの解消をはかってまいる、こういうことが必要であるという国の政策判断というものに基づいて今回の措置がとられたと、こういうことでございます。
#18
○和田静夫君 ある自治省の役人の方が、都市交通問題と都市問題というのはイコールである、こういうふうに渇破しているのをどこかで読んだ記憶があるのでありますが、そういう意味では、今日の都市交通問題というのは、単なる経理上の赤字をどうするかといったようなびほう策で解決できる、そういうものではありません。どうにもそういうことにはならない。まさに都市問題という国家的課題に取り組む、そういうかまえで、その財政措置なりあるいは交通環境の整備、これに国も一歩踏み込む方向に向いてきた、そういうふうに第三条を理解をしておいてよろしいですか。
#19
○政府委員(鎌田要人君) この第三条の規定の考え方でございますが、やはり自治大臣の提案理由の趣旨にもございますように、この都市問題、都市計画というものとたとえば交通問題というものは、これは密接に結びついておるわけでございます。都市問題は、交通問題だけでございません。住宅の問題もございますし、あるいは良好な生活環境を維持するための各種の生活関連社会資本の充実、こういった問題等々あるわけでございますが、そういう問題につきましては、やはり地域の自治体でございますところの都市、地方自治体というものがこれは基本的に取り組むべき問題、そのために地方自治体の存立の意義と根拠があるわけでございますが、それに対しまして、地方自治体として手の及ばないところがある。手の及ばないところにつきましては、やはり国といたしましても、いわゆる機能分担という考え方のもとに、この都市問題を自治体が解決をしてまいる、そのために、やはり適切な配慮のもとに所要の措置を講ずる、こういうことであろうと思うわけでございまして、その考え方のあらわれが第三条と、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
#20
○和田静夫君 それから、まあ大きく言っては、第三条を通して国の責務というものについても深く理解をしている――いま一、二の質問をいたしましたが。自治大臣、そう理解をしておいてよろしいですね。
#21
○国務大臣(江崎真澄君) これは財政局長がお答え申し上げたところで尽きると思うわけでありまするが、当然企業でありまする以上、直接の責任は、当該企業を持っておる地方公共団体の首長、この人に負ってもらう。しかし、当然その公共性から申しまして、国側としてもあとう限りの協力とそれに対する深い理解を示す、これは当然なことであるというふうに考えます。
#22
○和田静夫君 この原案にありました「合理化」が、「効率化」という形に衆議院段階で修正をされ、改められてきました。この経過、その内容について。
#23
○国務大臣(江崎真澄君) これはまあ「合理化」ということばのほうが広く使われるので、私どもは「合理化」と最終結論に表現したわけでありまするが、どうも「合理化」ということばは、見方によっては首切りだとか労働条件の改悪に主眼を置いて進めるというような誤解をされる向きもないわけじゃないわけですね。そこで、もとより政府としては、首切りであるとか労働条件の改悪とか、さようなことを前提にして交通事業の経営の健全化をはかろうなどとはゆめゆめ考えておりません。したがって、これはあくまで労使の信頼関係、一般住民の協力のもとに経営改善が行なわれることが望ましい。したがって、そういう見方を――前に申し上げましたようなそういう誤解といいますか、見方をされるようなことばは変えるにやぶさかでない。「合理化」、「効率化」、何もそうこだわることはないということで、「効率化」に変えたわけでございます。で、「合理化」についてはいま御説明申し上げたような疑義をさしはさむ向きがあったわけでございます。
#24
○和田静夫君 すなわち、職員の労働条件の改悪などというようなものを意図するという意味のことを当然的には含まないという、こういう形で理解をしておいてよろしいわけですね。これは事務当局、よろしいですか。
#25
○政府委員(鎌田要人君) ただいまの大臣の御答弁のとおりでございまして、首切りあるいは労働条件の改悪、こういうことを直接的にそれのみを意図しておるものではない、こういうことでございます。
#26
○和田静夫君 六月二十八日で実は懸案になった問題でありますが、地方公営企業法十七条の三にいう「災害の復旧その他特別の理由」、この特別の理由があるかないかというのはだれが判断するのかという私の質問に答えて、森岡審議官は次のように答えられました。速記録を読ませてもらいますが、「法律のことでございますので、その解釈は、行政上は政府が最終的に判断するということであろうかと思います」。で、この答弁は私は訂正をされてしかるべきだと実は思うのですが、自治大臣、そもそも法律の機能なり作用というものを一体どのようにお考えになっておられるのか、今後の議論の前提として、これとの関連で伺っておきたいのであります。まあまさに釈迦に説法でありますが、私は、法律というのは、その適用を受ける者にとっては、その規定に従って行動しなければならないという、そういう意味で一種の強制であります。が、もう一つの側面から見れば、法律の規定の範囲内で行動する限りは何人からも制約を受けないという意味で、自由と権利を保障する機能を持っていると思います。これは法律の持っている機能の民主的な側面だと実は私は考えているのでありますが、したがって、ある法律が民主的であるかどうかということは、その規定する内容自体が民主的でなければならないということはまあ当然でありますけれども、もう一つ、いま言ったこの法律の民主的機能の側面が十分に生かされなかったらならない、そういうこともまあ大切だと思うのです。で、憲法第九十二条には、「地方公共團體の組織及び運營に閲する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」とあります。この場合に、「地方自治の本旨に基いて」というのは、この自治体の自主性をでき得る限り尊重するものでなければならないことを一般的に規定したものであります。「地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」。で、私がいま言った、法律の規定の範囲内で行動する限り何人からも制約を受けないという、法律のこの民主的機能の側面が十分生かされるべく運用されなければならないということ、ここでこそ強調されてしかるべきだと実は考えるんです。そういう意味で、先日の答弁というのは実は肯定ができないんで、で、また法律そのものというのは、かりに民主的内容を持っていても、その解釈なり運用は一々自治省の指示に従わなければ違法だ、まあこの間の答弁によればそういうことになりますが、そんなことでは、地方自治の本旨に基づいて法律で定めたということにはならないというふうに考えるわけですね。
 で、さきの委員会で、身障者あるいは老齢者などに対して行なう無料制度によって生じた減収を一般会計から補てんするのは地公企法十七条の三の「補助」として合法化されると答弁された。まあ当然の解釈であります。で、毎年度、交通事業再建債の当該年度の元利償還額から国の利子補給分を控除した額を一般会計から特別会計に補助するというのもまあけっこうでしょう。
 で、私が問題にしておるのは、そういう自治省の考え方のよしあしではなくて、違法か合法かの判断が自治省の手に握られていることがまさに問題だと、実はあの答弁で考えたので、法制局長官の出席を求めたんですが、したがって、私は、地公企法十七条三の「特別の理由」があるかないかというのは自治省にありとする森岡審議官の解釈には、いま言った理由で承服できません。その解釈からすれば、地公企法十七条の三というのは、一般会計からの補助は自治大臣の定めるところによってこれを行なうということになるのではないだろうかと実は思う。
 また、自治省の財政局の公営企業第一課あるいは第二課編の「改正地方公営企業法解説」の六十三ページにこう書いてあるわけです。「改正法により具体的に政令で規定された経費については、企業会計は一般会計等に対し権利としてその負担を要求でき、一般会計等は企業会計に義務として負担することとなる。しかしそれ以外の経費について、一般会計等は企業会計に繰出しできないというものではない。制度上負担区分として一般会計等が負担する経費は、経費の性質及び各事業の性格に応じて通常の場合負担すべきであるとされるものについて政令で定められるのである。しかしこれら経費以外に、たとえば災害の復旧に要する経費のように臨時例外的に一般会計等が補助して差しつかえないあるいは補助する必要がある場合も考えられるので、各地方公共団体がその財政の状況、企業の置かれている具体的状況に応じて自主的判断に基づいて補助し得るよう、従来の補助規定は存置することとされた」、こういうふうに書いてあるわけです。どっちがほんとうなのか。この機会に統一見解を求めたいのであります。
#27
○政府委員(鎌田要人君) この十七条の三の規定についてでございますが、この十七条の三の規定に基づいて、一般会計なり他の特別会計が地方公営企業特別会計に補助をするかしないかということにつきましては、これは当該地方団体の自主的な判断にまかしているわけでございます。
 ただ問題は、御存じのとおり、この地方公営企業法の全体の立て方と申しますのが、これはもうあらためてここで申し上げるまでもないことでございますけれども、一応経費の負担区分というものを前提に置きまして、その負担区分において確立せられました考え方に基づくこの費用負担を別にいたしまして、その他の経費につきましては当該企業の収入をもって必要な経費をまかなうと、こういう柱をもって一貫いたしておるわけでございまして、その運用につきましては、やはりその範囲を逸脱するということは、これはやはり法律の全体の立て方からいたしましていかがであろうかと、そういう意味におきまして、政府として法律の解釈のいわば統一的な基準というものを確保する必要がある。あるいはまた地方団体に対しまする助言、指導という権能も、当然自治大臣には留保されておるわけでございます。また、地方団体からこの疑義について照会をしてまいる。それに対してわれわれとして適切な判断もしなければならない。こういう面も、地方公営企業法の運用の円滑を期するという面におきましてあるわけでございます。
 で、先般、森岡審議官の御答弁を申し上げましたのは、この後段、いわゆるこの十七条の三の規定の解釈というものは、これはやはり法律としていま申しましたような前提のもとに政府にあるんだと、こういうことを申し上げたわけでございまして、具体的にその金を出すか出さないかということの判断というのは、地方公共団体の自主的な判断にまかしておると、こういうことでございまして、後段のほうに森岡審議官の答弁が重点を置いた答弁であったということでございますので、その点は私から補足をさしていただきたいというふうに考える次第でございます。
#28
○和田静夫君 じゃ、端的に言って、第一義的には地方公共団体にあると、こういうことでいいんですか。
#29
○政府委員(鎌田要人君) そのとおりでございます。
#30
○和田静夫君 そこで、まあ私も第一義的には地方公共団体が行なうと理解をしています。それをいまの答弁で了といたします。
 そうして、ちょっと考えてみますと、この法案の第八条というのは、大臣、不必要になるのではなかろうか。この「交通事業再建団体は、地方公営企業法第十七条の三の規定にかかわらず、毎年度、」云々という言い方は、地公企法十七条の「特別の理由」について、すでに自治省が第一義的に判断をしてしまっていることになるのではないだろうか。第一義的には地方公共団体にあるのに、どうもこの文言、「地方公営企業法第十七条の三の規定にかかわらず」ということは、自治省が第一義的に、いわゆる政府が第一義的に解釈をしてしまっているのではないだろうか。つまり、「特別の理由」についての判断が第一義的に地方公共団体にあるといま確認をされたのでありますが、そうであるならば、ある地方公共団体の交通事業が再建団体に指定された場合、当該地方公共団体が、その指定されたことを特別の理由と判断して自主的に一般会計から補助できるわけですから、この第八条は不要になるのではないだろうかというのが私の見解なんですがね。
#31
○政府委員(鎌田要人君) その点はいささか私ども認識を異にいたしておりまして、この第八条の規定を設けたということは、非常に意義があることだと私どもは理解をいたしておるわけでございます。と申しますのは、本来でございますれば、やはりこの第十七条の二の二項の規定、こういうもの、十七条、十七条の二、十七条の三と、こういう規定を読み合わせてみました場合に、やはりこの新法第八条の規定を設けませんというと、この累積不良債務の解消のための元本あるいは利子、こういうものを一般会計が持つということはまあ当然には出てこない。むしろ、この第十七条の三の規定をそのまま読みますというと、やはり先ほど申し上げました現在の地方公営企業法全体の立て方からいたしますというと、できないというふうに解さざるを得ない。ところが、この新しい法律をつくりまして、国の財政援助あるいは一般会計の財政援助のもとに既往の累積不良債務を解消すると、身軽なかっこうで地方公営交通事業が出ていく、こういうまあいわば画期的な制度をつくったわけでございまして、したがいまして、この第八条の規定は、この第十七条の三の規定によれば消極に解せられるその財政支出というものを、一般会計に対しましていわば当然支出をすることができるのだ、こういうことで、そこに大きな道を開いたということでございまして、この第八条の規定がございませんければ、やはり一般会計で、元本並びに国が利子補給いたします以外の利子部分、こういったものを負担するということは当然には出てまいらない、こういうふうに理解をいたしておる次第でございます。
#32
○和田静夫君 ということは、やっぱり、さっき私が言ったとおり、こうもうすでに政府の側は、解釈としては、十七条の三に再建団体というものの指定そのものは当てはまらない、それからもう除外してしまっているのだと、こういうことが前提的にやっぱりあるわけですか。
#33
○政府委員(鎌田要人君) 財政再建団体でございませんければ、この十七条の三の規定によって「特別の理由」云々ということでこの財政支出をするということは当然には認められない。それを、財政再建団体については、この再建計画に基づいて再建を執行しておるということを前提にいたしまして、これはまあ無条件にこの一般会計からの財政支出を認めておる、こういうことでございます。
#34
○和田静夫君 そうですから、言ってみれば第八条という規定は要らなくなりませんか。
#35
○政府委員(鎌田要人君) 逆に、そういうことですから、第八条でそこを明確にするということが必要になってまいるのだろうと思います。
#36
○和田静夫君 第一義的には地方公共団体にある。しかし、それは漫然と解釈をされていったのではたまったものでないから、行政的にはやっぱりチェックをしなければならない。それはまあ自治大臣として当然お考えになることでしょう。そういう意味ですか、いまのを要約をしますと。
#37
○政府委員(鎌田要人君) 私の申し上げておりますことを端的に申しますと、財政再建団体でなければ、第十七条の三の規定によって一般会計が財政支出をするということは当然には認められない。それを財政再建団体につきましては、この新法の第八条の規定によりまして、無条件に十七条三の規定のいわば適用があるんだ、出してよろしいんだ。こういう――そういう意味におきましては非常に重大な特例というものを認めておる、こういうことでございます。
#38
○和田静夫君 そうだから、第八条の、「十七条の三の規定にかかわらず」というのは別に必要じゃないじゃないですか。そこで何もきめなくたって、さっきの論理からいって、十七条三でもって補助できるわけでしょう、指定をされたものについて。
#39
○政府委員(鎌田要人君) そこのところの考え方の問題だと思います。第十七条の三の規定の適用があるんだよという行政指導で足りるのではないかというのが、おそらく先生の御質問の真意だろうと思うわけでございますが、やはりそうではございませんで、これだけの国の財政援助というものも伴いながら、また、一般会計に対するこの財政支出というものをしいるわけでございますから、これにつきましては、やはり法律に明確に規定をして、十七条の三の規定にかかわらず出せるんだよという、こういうことをやはり規定をするということが法制としては正しい姿勢ではなかろうかという、私どもの政策判断に基づいておるわけでございます。
#40
○和田静夫君 政策判断に基づいていると言われれば政策判断に基づいているんだろうと思うのですがね。どうも私ここでひっかかるのは、実はたとえばこの「地方公営企業法逐条解説」、関根則之著、地方財務協会から出された本でありますが、この著者、おそらく関根さんという方は自治省関係者でしょう。そうすると、その百五十六ページに「一般会計から補助することができる場合として、法は災害の復旧の場合のほか「その他特別の理由により必要がある場合」と規定し、補助できる場合の具体的事由を制限的に列挙するのではなく、いわゆる概括的な規定の仕方をしている。しかし「特別の理由」とは単に経常的でない何か特殊な理由があればよいというように広く解釈されるべきものではなく、災害に準ずるような、災害の場合と同程度の合理的理由がある場合のみがここにいう特別の理由に該当すると解されるべきものである。具体的にどのような場合があるかという問題は極めて困難な問題であるが、たとえば、炭鉱所在地の水道事業で炭鉱閉山に伴い急激に給水人口が減少してしまったような場合はこれに該当すると考えてもよいであろう。非能率な経営のために生じた赤字に対して漫然と補助するというようなことが認められないことはいうまでもない。」と書かれているわけです。地公企法十七条の三の「特別の理由」について地方団体があまりに広範に解釈することをおそれて、いま政策的にお考えになって第八条。そこで、私はやっぱり行政的にチェックをされようということだろうと思うのですね、政策的に。そういうことであれば、この地公企法の十七条の三を、いま言ったような形で、こういう行政指導で、先ほど私が言ったような形で徹底されれば、それで足りるんじゃないだろうかという感じがどうしてもするんです、何べんこれを考えてみても。しろうとですから、おまえの考えは足りないと言われればそれまでですがね。それにもかかわらず、第八条にこういうふうに書くというのは、いかにも、この自治省が、地方公共団体の交通事業が再建団体に指定されることを、ここの関根さんが言う文章でいけば、「非能率な経営のために」そうなったという予断をまずされて、そして再建団体に指定されることを、地公企法十七条三の「特別の理由」から自治省が第一義的に判断をしてはずしてしまっている、こういうことにどうしてもなるんですがね。そうなりませんか。
#41
○政府委員(鎌田要人君) 繰り返しになるかもしれませんが、実は昭和四十一年に地方公営企業法の大改正を行ないました。そのときに、この負担区分という十七条の規定との関連におきまして、十七条の三の規定というのはむしろ落としたらどうだ、こういう論議も実はあったわけでございます。ただ、その点につきましては、まさに災害等の場合――ここに書いてございますような場合というのがやはり想定されるわけでございますから、この四十一年改正前にあった規定というものは存続をしたらいいではないかという経緯が、実は私どもの立法の過程ではあったわけでございます。その考え方の基礎にございましたのは、やはりこの一般会計が交通事業に対して金を出すということにつきましては、これはやはりこの公営企業制度の全体の立て方からいたしまして、きわめて限定的に解釈すべきである、むしろ、その限定的な場合というのは、本来負担区分というもので解決をすべきものではないかという考え方があり、負担区分である程度カバーができるならば、むしろこの補助の規定というものは削除をしたほうがいいではないかという有力な議論があったわけでございます。
 その点はそれといたしまして、やはり一般会計から交通事業に対して財政支出をするということを、ある程度、この今度の新法の第八条におきましてはまあ義務づけておるというふうにも考えられるわけでございまして、それであるならば、やはりそれは法律の規定をもって根拠を明確にして、その財政支出というものを明らかにすべきではないか、こういう考え方でございまして、私どものほうでこの第十七条の三の特別の事由というものを先取りをして第八条で書き込んでおる、こういうことではございませんで、むしろ、この財政再建の促進のために、一般会計からの財政支出の道を再建団体については認めよう、それについては十七条の三の規定との関連が出てくるから、第十七条の三の規定にかかわらず、いわば一律無差別に再建団体については一般会計の財政支出という道を開く、こういうことでございまして、その点は、行政指導だけではやはり足りないのではないだろうかというふうに考える次第でございます。
#42
○和田静夫君 ちょっとぼくはあれだな。こう解釈することができる――いわゆる端的に言ってみたらこれは解釈の問題ですか。行政規範の問題ですか。
#43
○政府委員(鎌田要人君) やはりこの第八条の規定を新しく設けましたということは、これは解釈の問題ではなくて、いまの先生の用語に従いますれば、行政規範の問題というふうに考えるべきではないかと思います。
#44
○和田静夫君 これはやっぱりその行政規範の問題だと言われる――ぼくもそういうふうに、これ、ずっと自治省の考え方そうだろうと思って、想定をしてみたんですが、そうなると、どうしても私はこの第八条というのは必要でない、十七条の三という法律が現存をしている、それを、言ってみれば行政指導を強めていくことによってできる、こうどうしても解釈せざるを得ませんから、第八条は本委員会でやっぱり修正をする、削除をするということになるというのが、ぼくは法律から言って至当だと、こう思うんですがね。
#45
○政府委員(鎌田要人君) 第八条の規定を、お示しのように削ってしまうということになりますというと、当然には、一般会計からこの元本なりあるいは利子の残余部分というものを出すという解釈が私は非常に困難になってくるんじゃないかというふうに思います。と申しますのは、やはりこの一般会計で累積不良債務のたな上げ分についての元本を持つあるいは利息を持つということは、この第八条の規定を用いませんで、現在の地方公営企業法の十七条の三の規定の解釈としてはいささか無理があるんじゃないだろうか。と申しますのは、これは明らかに十七条の二の二項の規定を見ていただきますというと、地方公営企業の特別会計においては、その経費は、前項の規定により云々を除き、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てなければならない、こういう――これがいわば地方公営企業運営の基本原則になっておるわけでございまして、そうでございますから、やはりこの累積不良債務といえども、これは当然当該地方公営企業の経費でございますから、それを解消するためには当該公営企業の収入をもってこれを消してまいらなければならない、こういうことになるわけでございまして、現に、御案内のとおり、四十一年のいわゆる第一次再建のときのこの規定におきましては、いまの新法の第八条のごとき規定を設けませんでしたから、元本部分というものをこの一般会計が公営企業会計に対して支出をするということは認められなかった。ただ、例外といたしまして、路面電車の累積不良債務につきましては、これはこの十七条の三の規定によりまして、私ども、再建計画の変更の際にこれは認めたことはございますけれども、当然には十七条の三の規定の運用としてはそれは出てまいらない。いわばそういう面におきまして、この再建団体につきまして第八条の道を開いたことによって、私はこの再建というものが実効あるものになってまいる、こういうことでございまして、第八条の規定は、これはやっぱりどうしてもなければ、一般会計の財政支出というものは担保されないというふうに考える次第でございます。
#46
○和田静夫君 私、ちょっとやっぱりどうしても理解できません。とにかく行政的な規範であるのならば、現行法十七条の三が生きていくと、どうも現存をするという考え方です。しかし、これはあさってもう一ぺん、残された交通以外の病院その他の問題で、この公営企業全体で論議をする機会をもらっていますから、そこでもう一ぺん少し考えて論議を、きょうの取り扱いを別にしても一ぺんあれしてみたいと思います。
 それでは、ラッシュ時の表定速度について先日答弁が出なかったわけですが、その後、運輸ですか、交通ですか、返事が出るようになりましたか。
#47
○政府委員(森岡敞君) 表定速度の計算につきましては、鉄軌道の場合は基準ダイヤ表から算定いたしておるわけでございますが、バスにつきましてはそういう計算がなかなか困難でございますので、一つの方法として、毎年度特定の日を選びまして、その日の実績をとる、あるいは年間を通じた推計をするという二つの方法があるわけでございますが、いずれにいたしましても、全体の走行キロを総所要時間で割りまして、一時間当たりの平均走行距離を算出しておる、これが表定速度の計算の方法でございます。
 そこで、路線ごとに、先般御質問があった後、東京都の交通局で調べてもらったのでございますが、調べました中で一番終日の表定速度の低いところ、これは江古田――池袋間の目白通りでございますが、終日の表定速度が時間当たり十・五キロでございます。朝のラッシュ時は九・四キロ、夕方のラッシュ時は九・五キロ、終日平均の表定速度に比べまして約一キロ前後低くなっております。これに対しまして、始車時は十二・一キロ、日中は十・九キロ、終車時は十一・八キロ、これはいずれも終日の平均の速度を上回っております。それから、比較的表定速度がいま申しました例よりも高いもの、これは環七通りの王子駅から新宿駅までの間でございます。終日の表定速度が十四・八キロ、朝のラッシュ時が十四・二キロ、夕方のラッシュ時が十四・二キロ、同じでございます。始車時が十五・三キロ、日中が十五・六キロ、終車時は十七・三キロということでございまして、ラッシュ時はこの場合には終日の表定速度よりも〇・六キロ低くなっておる、こういう状態でございます。
#48
○和田静夫君 これは実は先般もちょっと触れましたが、人が一番利用するとき、必要とするときに、一体車の運行状況がどういうふうになるかということがわからなくて、都市におけるバス事業の経営の健全化をどうすべきやという問題にほんとうに対処するというわけにはいかないだろうと思います。ラッシュ時のこの公共輸送機関に対する需要を円滑に充足するためには車がどの程度必要なのか、あるいは常時確保しておかなくてはならない人員はどうなのか、あるいはバス専用レーンの設定はどうあるべきなのか、あるいは車種別規制時間帯をどうすべきなのか、職員の勤務体制ややりくりをどうするのか、あるいはピーク時との関連で効率的な経営はどうあるべきなのか等々、おそらく非常に多くの基本的な問題、そういうものに関係を持つ実態が十分にこう調査をされていない状態ではないのだろうか、先日のやり取りから見てですね。こういうことは非常に遺憾だと思うのですが、これは一応指摘するにとどめておきます。
 で、私がこの一日の平均的な表定速度よりも、人が一番利用する時間帯の表定速度というものを問題にしたのは、サービスの向上というのは、人が一番欲しているときに必要とするものを提供することだと思うからであります。実はこの企業環境の悪化から、サービスは年々低下していると私は見ています。そこで、料金の問題をここで考えなければなりませんが、実は自治省は、この路面交通の赤字問題のことになると、自治省といいますか、政府全体、必ず料金の適正化、すなわち値上げの問題を持ち出されるわけです。交通料金というのは、他の交通機関との料金の関係、あるいは料金引き上げによる利用者の減少、あるいは物価対策等、さまざまな関連を考慮する必要があります。単純にこの原価主義を貫くことは私はできないと思います。特にワンマンカーなどによって老人や子供、身障者等に対する配慮が著しく欠落することになったり、さきに述べた表定速度の問題を見ますと、そこでも値上げというわけにはなかなかいかないわけです。で、路面交通の赤字問題ですぐ料金値上げを持ち出すのは、そういう意味で間違いで、自治省としても、金がかかってもよい、まず安全が確実で、そして利用しやすい交通機関をつくるということを先に考えるべきではないだろうか。そうした上で、次に料金の値上げのほうも考えるという態度でいくべきではなかろうか。何もしないうちから値上げだけを先行させるということは許されないと考えているわけですが、それはそれでよろしいですか。
#49
○政府委員(鎌田要人君) 私ども、今度この再建計画というものを立てます。立てまして、この企業の重荷というものは、全くこれは当該企業以外で処理をするわけでございますから、そういう意味では非常に有利な条件で前へ出ていけるわけでございますが、その段階でやはり一番問題になりますのは、やはりいま御指摘になりました、交通混雑によりますところの定時性の喪失、この問題をいかにして回復するかということが、やはり公営交通を含めまして、路面交通全体のやはり将来の展望というものを持つための第一の前提条件だろうと思うわけであります。私どもも、このことも考えながら、何もそういうことは全部ほったらかしにして、料金、料金と言っておるわけではないわけでありまして、やはり今後の路面交通、公営交通を含む路面交通というものが明るい展望を持ち得るというためには、やはり、先般来この委員会で再三再四御論議がございますような、信頼される乗りものとしてこの路面交通というものが存続しますためには、やはり定時性の回復ということが第一の前提条件である、そのために優先通行の確保あるいはマイカー等の車両の規制、こういったことはどうしても一方において並行して行なわれなければならないという点の認識については、これはもう先生と全然同一でございます。
#50
○和田静夫君 バスなどの交通料金については、これは二十八日の日も総論の中で少し私も世界の状態について申し述べましたが、世界各都市でいろいろの試みがなされていますね。ローマなどの無料もありますし、これは私が行って聞いてきたことと、森岡審議官が行って調べたこととずいぶんかけ離れていたままになっておりますけれども、そのことは別にして、ローマなどの無料もありますし、あるいはニューヨークなどの、割引運賃分を市で負担する制度、あるいはパリにおける企業に対する便益性の徴収制度など、さまざまありますよ、態様は。すでにいろいろの試みがなされていますが、世界各都市の状況を自治省で調べられているわけですが、その状況を自治省はどう認識をされているのか。あるいは運輸省はこれを一体どういうふうに調査をされ、どう認識をされているのか。この機会に明らかにされたい。
#51
○政府委員(森岡敞君) 私どももそれほど各都市の状況を詳細に承知しておるわけではございませんので、そういう意味合いで、網羅的なお答えはなかなかできかねるんでございますけれども、たとえばロンドンの話を伺いますと、昔はバスが非常に収益がよかった、逆に地下鉄の建設に相当のコストを要した、したがって、バスの経営に伴う収入増をもって地下鉄建設の足しにしたという時期があったと聞いております。それが、最近ではむしろ地下鉄の経営収支のほうがよくなって、バスの経営収支が非常にむずかしくなってきておる。したがってまた、そういう状態に対処するために、地下鉄の収入増をはかって、バスの赤字と申しますか、資金不足を助けていく、こういうふうな状況にもなってきておるというふうにも聞いておるわけでございます。いずれにいたしましても、どの都市におきましても、バスの料金問題というのは、日本だけでございませんで、都市混雑、交通混雑、各国に共通の事態でございますので、バスの表定速度が落ちる、あるいは定時性が確保されないということで、なかなか経営が困難になってきておる。したがいまして、料金改定につきましては、いろいろ苦心があるというふうに私ども見ております。しかし、苦心はございますけれども、適時適切な料金改定というのはやはり必要だという考え方は、これ、やっぱり全体の基本的な考え方としてはあるんではないか。そのときどきに応じまして、料金改定の市民に与える影響でありますとか、そういう問題、いろいろ苦心をして検討を重ね、適切な結論を得るように努力をいたしておるわけでございますけれども、しかし、それにいたしましても、料金の適正化という問題は、やはり一つの経営上の大きな課題になっており、各都市でもそれについて相当の努力を払われておる、かように考えております。
#52
○説明員(高橋寿夫君) 運輸省におきましても、つかんでおります実態の認識は、自治省の方とほぼ同じことでございます。
 こういった状態に対しましてどう考えるかという点につきましては、私どもやはり原則的には、バス路線は一つのテリトリーの中をネットワークを組んで営業しているわけでありますから、おのずから、その路線によりましては、非常に収益の高い路線もあります。低い路線もございます。したがいまして、従来はそれらを全部合わせまして、総合的にその企業体として原価を償い得る料金を設定するという形で、いわゆる総合原価主義と申しますか、そういったことで運賃の設定をしてまいってきております。
 ただ、極端な過疎地帯あるいは大都市の過密交通状況のもとにあるような路線につきましては、いわゆる企業の内部以外の状況によってコストの増高が進展しております。したがって、これに対しましては、先ほど来御議論もございますように、まずはやはり交通環境をよくするということを心がけるべきだと思います。したがいまして、関係各省にお願いいたしまして、バスレーンの設定あるいは駅前広場等の拡幅等をしていただきまして、バスが円滑に運行できるような交通環境をつくっていただくということによりまして、適正な原価に押えたい、こう思っておりますけれども、将来、この交通環境の整備ということが、いわゆる物的な施設の整備あるいはバスレーン設定等のソフトな手段、さらには、たとえば市内への乗り入れの制限というふうなことまで含めましたことをもっていたしましても、どうしても費用の増高がそういった面から進展をする、でそういったものを全部利用者の負担にするということについてやはり問題があろうというふうな状況におちいる場合におきましては、そういった外部的な要件による費用の異常な増高に対して、全部利用者負担だけにかぶせるのがいいかどうかという点につきましては、見当違いと思います。したがいまして、現在でも、たとえば過疎バスにつきましては補助金が出ておりますし、あるいは都市周辺でも、団地等につきましては、期間を限って補助金が出ておりますが、こういった思想はやはり必要に応じて加味いたしまして、適切な料金を設定し、そしてまた、負担力の限界を越えないようにしたいと思っておりますが、一応原則的にはやはり私どもは総合原価主義ということでしばらく貫きたいと思っております。
#53
○和田静夫君 私は各国の例が必ずしもすべてよいということではありませんが、政府としてはもう少しやっぱり視野を広くして、いろいろな試みを行なってみるという、そういう態度というものがあってよいのではないだろうか。大臣のほうでぜひそういうことをやっぱり認識し、深めてもらいたいと思うんですね。
 で、第五条の一項は、この再建計画の承認にあたって自治大臣が必要な条件をつけることになっているわけです。これは第二項で、変更の場合にも準用されることになっています。こういうような規定というのは、現行法の四十四条にもあるわけですけれども、現行再建計画の承認、変更にあたってどういう条件を付されましたか。説明、いまできますか。
#54
○政府委員(森岡敞君) 一般的には、いままで条件をつけた例はきわめてまれでございます。昨年、東京都の財政再建計画の変更にあたりまして、バスの起債の利子等について一般会計から繰り入れをしたいと、こういう申し出がございました。それにつきましては、先ほど来いろいろ御議論のあるところでございますが、私どもといたしましては、現行の地方公営企業法のたてまえからして、それは措置すべきではないということで条件を付しました。その例が一つございます。
#55
○和田静夫君 それは資料としていただけますか、つけられた条件、こう具体的には。
#56
○政府委員(森岡敞君) 後刻、先生のところへお届けいたします。
#57
○和田静夫君 資料が出たら、検討してまた質問しますが、たとえば八賃の改定の計画変更にあたって自治大臣の付した条件はいろいろ問題を含んでいますが、労使間の交渉の積み上げにより達成された賃金体系や慣行を変更せよというような条件を付するというようなことは、これは不当な労使介入でしょう。そういうことは、自治大臣、今後ありませんね。
#58
○政府委員(森岡敞君) 八賃の際に、政府といたしまして、再建計画について条件はつけておらないと思います。地方公共団体のほうから、今後の経営収支の改善をはかるためにこういう措置をとりたいという申し出はありましたが、政府から条件という形でつけたということはございません。
#59
○和田静夫君 「危機にたつ都市交通」という著述によりますと、百九十九ページですが、「昭和四三年の九月から六大都市の当局は、再建計画の変更について自治省と本格的な折衝を始めた。しかし、自治省は、再建計画変更の条件として、金改定のための財源を一般会計から繰入れないこと、賃金体系を行政職日表にかえること、さらに合理化の徹底をはかること、の三点を提示してきた。この三つの条件は、六大都市の当局側にとっては不可能に近い困難な条件であった。なぜならば、第一の条件である一般会計から財源の繰入れをしてはいけないということは、約九〇〇億円に近い累積赤字をかかえている六大都市にとっては、事実上賃金改定を否定する意味をもつものである。また、この条件である賃金体系を行政職(二)表にかえるということは、次の理由によりまったく不可能なことであった。それは、1「貸付金」という名目ではあっても、現行制度の上に増額した賃金改定の差額を昨年八月にさかのぼって支給している。この事実は、名目はどうあれ、現行賃金体系を認めた上での差額支給である。しかもそのことは、一〇数回に及ぶ六大都市労使の統一交渉によって確認されたものである」、こういうことになっていました。二百三十三ページにいくのですが、「三つの条件とは、1給与改定のための財源を一般会計から補助しないこと、2現行賃金体系を行政職(二)表にかえること、3企業内合理化を徹底的に行なうことという条件である。」云々と、こういう形になっている。こういう事実はありませんか。
#60
○政府委員(森岡敞君) いまお示しの問題は、公営交通事業の財政再建を進める上にあたりまして、各経営主体におきましても、また自治省におきましても、非常にむずかしい問題としていろいろ議論をした課題でございます。ものの考え方としては、そこでいろんな議論も出るわけでございますけれども、私どもといたしましては、そういう点についてかなり立ち入った議論をいたしました。しかし、地方公営企業法四十四条の、条件をつけて再建計画を承認するという形での条件の設定はいたしておりません。
#61
○和田静夫君 そうすると、大臣、先ほど私が述べたような形で、今後の問題としてはやはりそういうことはあり得ない、こう理解をしておいてよろしいですか。
#62
○政府委員(鎌田要人君) やや行政手続的な問題にわたりますので、私から答弁をさせていただきたいと思いますが、この労使間の信頼関係安定ということは、やはりこれは危機に立つ公営交通であればあるだけ、その円滑な再建のためには、労使一体あるいは議会、一般住民、こういった支持がなければいけないということは当然のことでございまして、そういう意味合いにおきまして、私ども労使間の話し合いに基づく結果というものは、これは極力尊重するということは当然でございます。
 ただ、この数あります地方団体の中には、まあ申しては何でございますが、やや私どもから見て、いかがであろうかというようなものもないわけではございません。そういったものにつきましては、やはり私どもといたしましては適切な指導、助言というものはこれはなさざるを得ない、こういうことでございまして、基本的に尊重をするという姿勢においては変わりはないということでございます。
#63
○和田静夫君 そうしますと、公営交通事業職員の賃金、給与というのは、自治体の独自性というものを十分に尊重しながら、地方公共団体の一般職員と差別されるようなことがない、そういうことを含みにして、今後とも労使間の自主的な折衝結果というものは尊重していく、こういうふうに理解してよろしいですか。
#64
○国務大臣(江崎真澄君) 労使の問題につきましては、いまお答えしたように私どもも認識をいたしております。当然尊重しなければならない。それから、この公営交通事業職員の賃金、給与についてでありまするが、これはやはりその地方団体の独自性というものを勘案しながら、一般職員との間で差別のないこと、それが望ましいと考えております。
#65
○和田静夫君 不良債務の八百七億円についてですね。再建債の発行が行なわれたとして、おおよそこの国の利子補給額というのは全体でどの程度にのぼることが予想されますか。
#66
○政府委員(鎌田要人君) 正確な数字は後ほど申し上げますが、大体全体の、元本と利子全体引っくるめまして、三割から四割程度のものに国の負担部分というものがなろうかと思います。正確な数字は後ほど調査の上申し上げます。
#67
○政府委員(森岡敞君) 国の利子補給の総額は、八百七億円を基礎にして計算いたしますと三百六十億円強になるものと考えます。
#68
○和田静夫君 第九条の第二項に、「期間を定めて」というのがありますね。これはどのくらいの期間を定めて改善するように指示をされるつもりですか。
#69
○政府委員(森岡敞君) まだ確定的に十分な結論を得ておりませんが、私といたしましては、できるだけ短い期間にいたしたい。あまり長期間になりますと、いろいろかえってむずかしい面も出てまいりましょうから、できるだけ短期間で、改善を要する面があれば改善の措置をとってもらうようにいたしたいと、かように考えております。
#70
○和田静夫君 自治大臣のこの指示に従わなかった場合ですね、この九条の三項によりますと、再建計画の承認は取り消され、取り消しの日以降の利子補給は行なわないということに、いまなっていますね。取り消しの日以降の期間にかかる利子補給を行なわないと明文に書いている以上、これは停止期間中の利子については国から補給が行なわれるわけですね。
#71
○政府委員(森岡敞君) 利子補給の停止という意味は、その期間中、利子補給を行なうことを取りやめるということでございます。したがって、他の立法例に徴しましても、その後において停止にかかわる事態が改善されたといたしましても、停止期間中の利子は、将来にわたって補給は行なわれない、こういう解釈でございます。
#72
○和田静夫君 停止を解除しない限り、国からの支払いは行なわないということですね。で、これは取り消しの日以後利子補給を行なわないと、明確に明文の規定をされたわけですからね。その限りにおいては反しませんか。
#73
○政府委員(森岡敞君) この取り消しの日以降の期間にかかわる利子補給金の補給を行なわないという規定の意味でございますが、取り消しということになりますと、さかのぼって最初までその利子補給を遡及して返還を求めるとか、そういうふうな法律構成も、これはあり得るのだろうと思います。しかし、ここではその前の部分については問わない。取り消し日以降の利子補給は行なわないということを明確にしたと、こういうふうに考えてよいと思います。
#74
○和田静夫君 それから、いわゆる取り消し日以降の利子補給を行なわない。したがって、停止期間中――いわゆる取り消されない前ですね、停止期間中の利子についてはその時点で補給を行なう……。
#75
○政府委員(森岡敞君) 「停止」ということばにつきましては、たとえば共済組合法でありますとか、それぞれ御案内のように規定が設けられております。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
 それらを通じまして、停止期間中のお金の交付はこれはもう行なわないという用語例になっておるわけでございます。そういう意味合いで、この場合には、停止期間中の利子補給は、その後改善された、あるいは改善されないの問題とは別に、まさにとめる、停止をするということでございますので、さかのぼって、改善されたから利子補給を行なうということにはならないと、こういう解釈でございます。
#76
○和田静夫君 ここで特記した理由は何ですか、そうすると。取り消し日以降行なわないと特記をされた理由は。
#77
○政府委員(森岡敞君) 先ほども申したわけでございますが、取り消しという行為の効果が遡及するのかあるいはどうかという問題がございますので、取り消しの日以降の利子補給は行なわないということを明確にした、こういうことでございます。
#78
○和田静夫君 そうだから、それはわかるんですよ。なぜそうなんですか。いわゆる取り消し日以降の利子補給は行なわない、取り消し日以前の利子補給はおくれてもやると。そこで、停止期間中のものは回復して、それ以降はやらない……。
#79
○政府委員(森岡敞君) 取り消しの日以降の補給は行なわないとかりに書いていないといたしますると、停止期間中のみならず、その前の利子補給について一体どうなるんだという問題が起こるのではないかと思います。そこのところを、取り消しのあった日以降の利子補給は行なわないということを明確に書いた。停止期間中の利子はどうなるんだということは別途解釈の問題で、「停止」ということばを使ったその解釈の問題でございます。まさにそれは、各種年金その他についても使われておりますように、これはまさにとめるということでありますので、自後、どのような状態になったから遡及してその停止を解除をするということにはならない、こういう解釈に立っておるわけであります。
#80
○和田静夫君 遡及することはあり得ないという解釈に立っていると……。この辺はちょっと疑義を残しておきます、これは。時間の関係もありますから。いまのやつ、政府の統一見解でよろしいですね。
#81
○政府委員(鎌田要人君) そういうことでございます。
#82
○和田静夫君 次に、バスについてですね、一車両当たりの職員数。それから走行一千キロメートル当たりの職員数。それから輸送人員一万人当たりの職員数。これは東京地区と名古屋地区の分だけでけっこうですが、公営及び民営。民営については一社だけでなくて数社の実態を説明してもらいたいわけです。四十五年分は一応承知していますから、四十年以降から四十六、七年ごろまでの累年の推移が出ますか。
#83
○政府委員(森岡敞君) 過去の推移につきましては手元に資料がございません。四十六年度につきましての資料がございます。それも、お示しのような民営バス各社についてというのではございませんので、御要望の数字そのままではございませんが、申し上げますと、民営バスの実働一日一車当たりの平均使用人員が三・二九八人、それから公営バスが三・三三一人でございます。で、民営、公営合わせまして三・三〇五人でございます。
#84
○和田静夫君 資料なければ、いま言った資料出していただけますか。あさっての論議までに間に合いますかね。
#85
○政府委員(森岡敞君) 運輸省で出しておられます資料をもとにいたしまして私ども抽出したわけでございます。明後日までに取りそろえられると思いますので、御報告いたしたいと思います。
#86
○和田静夫君 それじゃ、まあそれに基づいて、さらに、法案の取り扱い終わったあとになりますが、少し論議をやりますけれども、とりあえず、ここに私は四十五年度の資料がありますので、それに基づいてちょっと質問をしておきますが、公営、民営ですね、あるいは民営の間でも非常に格差があるんですね、キロ当たり営業収益及び営業費用について。これは原因をどういうふうに理解をされているわけですか。これは運輸省。
#87
○説明員(高橋寿夫君) これは理由はというか、原因は、一がいにはなかなか割り切れませんけれども、一つは、それの置かれている地域の交通環境の違いがございます。まあ乗車人員がたくさんあって、そしてわりにスムーズに走れる地域はいいですし、その逆の場合は逆というふうなこともあります。それから、やはり各社比べますと、いわゆる生産性といいますか、走行キロ当たりのはりつけ人員等に若干の差がございます。そんなふうなことがからみ合って各社の差が出てきていると思います。
#88
○和田静夫君 まあ説明は説明として承りますがね。私はこういうふうに考えるのですよ。この表を見てみますとね、一車両当たりの職員数というのはほとんど大差ないんですね。ところが、走行一千キロ当たりの職員数となると、相当ばらつきが目立ちますね。で、特にこの輸送人員一万人当たりの職員数となると、公営と民営、民営の中でも相当違ってまいります。で、走行キロで多少のばらつきが出るのは、これは路線の設定だとかあるいは交通事情などによると考えられますけれども、輸送人員との関連となりますと、車は走らせるが、人が乗らない。言うなれば、バスに対する信頼性の喪失といいますか、あるいは人気の離散などというようなことがこの原因ではないだろうか。この辺を見ても、赤字だから料金を引き上げるべきなんだというようなことにはならないのではないだろうか。料金値上げを口にする前に、もっとすべきことがあるのではないかと、まあ先ほども言いましたし、答弁もいただきましたが、私はこの一覧表を見て――これは運輸省のあれですが、見ても、そういうような感じがするんですがね。それはどうお考えになりますか。
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
#89
○説明員(高橋寿夫君) あまりどうも確定的なお答えがじょうずにできないわけでありますけれども、やはりただいまお示しの輸送人員当たりの職員数に相当開きがあるということにつきましては、私はやはりその一番大きな原因はその路線設定の問題だと思います。つまり、その路線設定の問題といいますのは、一つは、さっき申し上げましたようなその地域の中の輸送人員、あるいは交通環境の問題もありますけれども、もう一つは、そういった交通環境なり輸送人員にうまく適合させて、一番コストのかからないような路線設定をするということになりますれば、生産性は一番上がるわけでございます、形の上では。しかしながら、それを極端にやりますと、やはり地域の住民の希望に沿えないということもありまして、わかっておりながら地域のサービスのために――かなり極端なことを言えば、がらがらのバスを走らしているという路線もあるわけでございます。そういったことの代償というものが、いまのような数字になってあらわれてくると思います。したがいまして、これはやはり一がいにどうも生産性の高いほうにそろえろというわけにもいきませんので、むずかしいところだと思います。
#90
○和田静夫君 なかなかすきっとした答弁もらえないのですがね。バスの事業について、営業収益に対する人件費、それから営業費に占める人件費の推移、それを公営と民営、あるいは民営の場合は数社、それを四十一年ごろから数字をあげて説明できますか。
#91
○説明員(高橋寿夫君) 現在、手元に数字を持っておりませんので、後刻御提出申し上げたいと思います。
#92
○和田静夫君 あとでください。
 そこで問題は、先ほど言った四十五年度のやつで、営業収益に対する人件費の割合を見ますと、職員一人当たりの輸送人員との関連で大体パラレルになっていると思うんです。したがって、バスの乗車人員をふやす、そのためには、定時性の確保であるとか、あるいは走行キロの向上であるとか、あるいは特にラッシュ時、人が一番利用を必要とするときですね、そういうとき、これらを保障する措置であるとか、すなわち企業環境を整備することがまず何よりも必要だと思うのであります。で、私はそれが数字的にもこれを裏づけているんじゃないかと思うんですね。で、大臣、企業環境の改善策について、内閣全体の問題として考えると前回答弁されました。で、具体的にいつごろ総理とこれ相談をされて、着手されますか。
#93
○国務大臣(江崎真澄君) できるだけすみやかに相談をして推進することにしていきたいというふうに考えております。
#94
○和田静夫君 もっと具体的に。
#95
○国務大臣(江崎真澄君) 来週にも相談したいと思っているんです。来週といいますと、ちょうど国会の最終の場面に入りますので、これはやっぱりけじめをつけておきたい。そして、あと、どういうことになりますかは別として、そのあとにかけて、各省庁緊密な連絡のもとに環境改善を積極的に進める、これはぜひ御協力願いたいと思います。
#96
○和田静夫君 その時期の問題で、恐縮ですが、この前論議がありました、そして本会議でも御答弁をいただきましたが、いわゆる身分移管問題について、地方事務官問題について、さらにちょっと。運輸省いろいろこうじぐざぐしておりましたが、福田行政管理庁長官と、あの本会議後いろいろ具体的な煮詰めをやり、そして、この国会終了後、自治大臣が述べた趣旨に基づいて早期解決をはかる、問題をそういうふうに日程にのせますと、こういうことになりました。そのことを自治大臣、自治大臣の場合は私は疑いませんがね、そのことに関しては。早急に路線にのせてもらうこと、運輸省の側は、この前からの論議を踏まえて、以上の趣旨に基づいた方向に協力をすること。これは両方とも……。
#97
○説明員(高橋寿夫君) ちょっとここでは責任あるお答えができないのをたいへん恐縮に存じます。私のセクション、業務部というセクションの仕事ではないということもございまして、責任あるお答えはできませんけれども、先日来の状況よく存じておりますので、伝えまして、できるだけ自治省のお考え方にフォローできるように、善処するように努力いたします。
#98
○和田静夫君 自治大臣、前段のほう、いいですね。
#99
○国務大臣(江崎真澄君) 自治省としては、さきに本会議でお答えしましたように、福田行管長官を中心に関係各省庁の大臣が集まりまして、やはり何べんもいままで根本的に覚え書きを交換したりして、その処置を結論づけながら今日に至っているということは、私はいかにも残念だと思います。したがいまして、早急にと申しましても、これは手間ひまもかかることでありましょうが、自治省が通達をしました四十九年度中には結論を得られたい、こういうことで地方事務官制度は解決したいと考えております。
#100
○和田静夫君 ともあれ、国会終了後早急に手をつけてください、明確な約束ですから。
#101
○国務大臣(江崎真澄君) 早急に結論づけたいと思っております。
#102
○和田静夫君 じゃ、最後ですが、雑誌「公営企業」のことしの四月号に、森岡審議官が、「昭和四十八年度の地方公営企業」という小文をお書きになっていますね。それを見ますと、「昭和四十八年度においては、自治省に公営企業担当の審議官の設置が認められ、指導体制の強化が図られるとともに、公営企業制度全般についての検討も予定されている。」と書かれています。まず、公営企業担当の審議官が設置されたのかどうか。設置されていないとすれば、いつごろ置かれる予定ですか。
#103
○政府委員(鎌田要人君) 公営企業担当の審議官は、現在のこの御審議いただいております健全化促進法案、これの成立を待ちまして、設置の運びに持ってまいりたいというふうに考えております。
#104
○和田静夫君 大臣、自治省の制度問題でちょっとこの機会に伺っておきたいのですよ。いわゆる審議官、参事官ですね、これは自治省の組織令という政令で置くことができることになっています。情報管理官、過疎対策管理官、数理官、それから固定資産鑑定官、これは自治省内部部局組織規程という自治省令によりますね。また最近できたこの理事官、これは各課に置かれているのですが、課長補佐等の設置に関する訓令に基づいて設置する、こういうことになっています。これらの役職がいつごろ設置され、現在何人いて、それぞれの官にどのような等級が付されているのか、どういう必要があって設置することになっているのか。大臣、おわかりですか、これ。
#105
○国務大臣(江崎真澄君) これは前任者以来のきわめて事務的な問題ですから、私も詳細調べまして、あとで御報告申し上げます。
#106
○和田静夫君 これを取り上げたのは、実は役職はふえる一方で、減ることないわけですよ。そういう根本的な理由と、今後の方向というものをどういうふうにお考えになっているのかということを実は問題にしたかったわけです。その辺含んで、それじゃあとで答弁してもらえますか。
#107
○国務大臣(江崎真澄君) ええ、よくわかりました。
#108
○和田静夫君 さきに経済企画庁で、何というんですか、上へ上がるやつね、天下りじゃない反対のやつですね、その部員制度が問題になりました。自治省に働いている者はすべて自治省の職員であると思うんですが――自治省の職員ですか。関係機関から手伝いに来ている者はありませんか。
#109
○政府委員(鎌田要人君) 自治省に働いておる職員は、もとより、すべてこれは自治省の職員でございます。ただ、自治省の特異性と申しますか、やはり御案内のとおり、私どもの役所は、地方、都道府県や市町村、こういったところの実情というものを知悉しながら、政策の立案あるいは行政運営、こういうものを行なわなければ、これは役所の役割り、使命というものは果たせない、こういう、ある意味におきましては非常に特殊な役所であると私ども考えておるわけでございまして、そういったことで、正確な人数を私掌握いたしておりませんけれども、それぞれの課に、都道府県――いまは府県が多いと思います――から、研修という形で、併任の形で事務を勉強してもらっておる、こういうものがございます。
#110
○和田静夫君 コンピューターの操作であるとか、その他、いわゆる民間の関係等ではございませんか。
#111
○政府委員(鎌田要人君) ちょっと正確な状況を私把握いたしておりませんが、そういうことはないと思います。
#112
○和田静夫君 官房長を呼んでおかなかったから、あれですがね。
 それでは、森岡論文に戻りますが、「指導体制の強化」というのは、具体的にどういうことをさされているわけですか。
#113
○政府委員(森岡敞君) 率直に申しまして、公営企業問題はかなり特殊な分野に属するわけでございます。企業会計というたてまえに立っております。一般地方財政とはかなり様相を異にいたしております。また、その仕事も、交通、水道、病院というふうに、それぞれ機能が同じではございません。かなり専門的に指導なり助言をしていく必要があろうと思います。
 そういう観点から考えました場合に、いま公営企業一、二課という、二課の分掌によりましてやっておるわけでございますが、それを掌握いたしまして、いろいろ方針なりものの考え方を煮詰めてまいりますのに――まあ自分のことを申して恐縮でございますが、財政局で一般財政と公営企業を審議官一人で両方担当いたしておるわけでございます。そういたしますと、どうしても両方が中途はんぱ――まあ才覚が至らない面もあるわけでございますが――になりかねない。やはりこの際、公営企業を専門的に担当して指導助言をしていく人間がおることがぜひ望ましい、こういう観点から審議官の設置を要望し、認められたわけでございます。「指導体制の強化」といいます意味は、まさに、そういう審議官の新設によりまして、公営企業一、二課の所掌しております事務の趣旨を的確に把握し、適切な地方公共団体に対する指導というものを行ないたい、こういうことでございます。
#114
○和田静夫君 全く最後ですがね。
 そのあとに続いている、「指導体制の強化が図られるとともに、公営企業制度全般についての検討も予定されている。」と、こう書かれておりますが、この公営企業制度全般の検討というのはどういう意味ですか。たとえば、各事業の問題点、あるいは検討の進め方、あるいは、かつての地方公営企業制度調査会ですか、ああいうようなものをつくられるということなのか。あるいは民間機関に委託をされるというようなことなのか。あるいは、これを裏づける四十八年度予算はどうなっているのか。ちょっと具体的に説明してください。
#115
○政府委員(森岡敞君) 地方公営企業制度調査会というふうな形で、網羅的な公営企業全般の基本に触れる問題を論議をするという考えは、現在のところはございません。
 予算といたしましては、公営企業研究会という予算が、金額的にはたいしたことございませんが、ついております。そこで、私どもといたしましては、公営企業制度全般にわたる問題もさることながら、病院でありますとか、水道でありますとか、現在経営収支がかなり悪化してきておる、将来その健全化を考えなければならない、そういう問題につきまして、この研究会でいろいろ御検討を願うようにしたい。現在のところ、そういう考え方でおるわけでございます。
#116
○和田静夫君 そうしますと、これは、どういうことをどういう形で検討を進めていくかというような具体的なプランというのは、いまのところまだないわけですか。これからお考えになるということですか。
#117
○政府委員(鎌田要人君) 地方公営企業制度全般のあり方というのは、これは私どもも当然の職掌としてやらなければならないわけでございますが、当面、そういう基本的な問題の内部検討とあわせまして、病院事業、こういったものについて、どういう経営基盤の強化をはかっていくか、こういう火急の問題が実は目の前にあるわけでございまして、こういう問題に当面は差しかかってまいりたい。
 特に私ども、地方公営企業の指導体制といたしまして、率直に申しまして、公営企業一、二課、二課でやっているわけでございますが、おそらく、地方団体から研修に来ていただいている方を含めまして、三十人そこそこの体制でございまして、これは何といたしましても、からだがまいることはこれはいといませんけれども、指導体制に欠けるところがあるということで、この公営企業担当の組織というものの拡充というものは、これは政府全体で職員の配置転換というものを考えながらやっていかなければいけないと思いますが、私どもといたしましては、これを一つの大きな目標に立てておりますので、せっかくの機会でございますので、議員各位の御協力もお願いをいたしたいと思う次第でございます。
#118
○和田静夫君 わかりました。
 最後に、特に病院に重点があるということになってくれば、あさって、病院問題厚生省もここへ来てもらって、少し予算委員会のあとの煮詰めを大臣やらしてもらいます、その予定をしています。ぜひこの研究会、病院問題、いま言われたように、非常に緊急を要する状態に自治体立病院がなってきていますから、自治体立病院関係者の意見というものも十分にくみ上げる条件というものを、大臣、配慮をしてもらいたい。それを最後に……。
#119
○国務大臣(江崎真澄君) これはもう御指摘のように、非常に重要な問題でありまするし、実際に経営に当たっておる責任者の意見をぜひ私ども直接聞いてみたいと思っております。これは十分配慮いたします。
    ―――――――――――――
#120
○委員長(久次米健太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、玉置猛夫君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#121
○委員長(久次米健太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#123
○神沢浄君 私は、日本社会党を代表して、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案に対して、反対の立場で意見を申し述べます。
 地方公営交通事業の経営の悪化の原因は、第一に、自民党政府の高度経済成長政策の結果によるものであることは明白であります。産業と人口の大都市への過度集中こそ大都市交通の危機の真の原因であり、政府が依然として高度成長を続けようとしている以上、公営交通の危機は何ら解消をしません。
 第二の原因は、言うまでもなく、独立採算制の押しつけであります。今日、都市交通に占める公営交通の役割りはきわめて高く、一地方自治体、一企業の努力だけで危機的状況が解消されるわけがありません。国の適切な財政措置が講じられてこそ公営交通の経営は成り立つのであり、独立採算制の押しつけは時代錯誤と言うよりほかありません。
 第三の原因は、交通環境及び交通規制について、地方自治体に対し、政府は何ら行政権限を与えておらず、都市交通行政について地方自治体は全くつんぼさじきに置かれているのであります。
 この公営交通の危機の三つの原因から今回の政府案を見ますと、問題は何ら解決されていないばかりか、むしろ事態をあるいは一そう悪化させる懸念なしとしません。
 第一に、公営交通の累積不良債務八百七億円について、政府は何ら財政措置を講じておらず、もっぱら地方自治体の一般会計からの繰り入れに頼っているだけであります。自主財源の乏しい地方自治体の財政から八百七億円もの返済をしいる今回の措置は、公営交通に限らず、地方自治体の財政を一そう悪化させるものであります。そればかりか、交通環境について何ら改善措置を講じておらず、公営交通の経営基盤たる財政と交通環境について、政府は責任を負おうとしていないのであります。
 第二は、第一次財政再建の失敗をこれまた何ら反省することなく、依然として強制再建を基本とし、地方自治体の自主性と労使間に重大な干渉を行なおうとしていることであります。第一次再建の失敗の基本は、何といっても労使間の慣行を踏みにじり、賃上げ、労働条件の改善等について考慮しなかったことが最大の原因でもあります。わずかばかりの財政支出を口実とした自民党政府の干渉は、公営交通労働者に合理化による一方的犠牲をしいるのみであり、それはそのまま住民の利便な公営交通をますます不便で高いものとしてしまうことは明らかであります。その意味で、自治大臣の許可制を基本とした財政再建は、にわかに容認し得るものではありません。
 第三に、今回の政府案の第一次原案においては、行政路線についての補助制度の創設があったはずでありますが、それが単に車両購入費補助に変えられてしまっていることであります。住民の足を守る公営交通について、行政路線補助は緊急に行なうべきことであり、購入費補助という小手先の対策のみでごまかした今回の政府案は納得できません。
 わが党は、こうした政府案に対し、自主財政再建を基本とし、国の不良債務に対する三分の二の財政措置及び交通環境整備、交通規制に対する国の責任を明らかにした根本的対策を提案をするとともに、今後、地方公営企業について国の財政責任を明確にした地方公営企業法改正案を提案をいたしております。わが党の二法案こそ、危機に立つ地方公営交通を根本的に再建するものと確信をいたしておるところです。
 以上をもって反対討論といたします。
#124
○柴立芳文君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案に対して、賛成の討論を行なうものであります。
 公営交通事業は、都市交通の中核の一つとして、地域における交通需要にこたえ、住民福祉の向上に大きく寄与してきたのでありますが、バス、路面電車等、いわゆる路面交通事業は、自家用車の増加その他社会経済の著しい変貌に伴い、昭和三十年代後半からその収支が急速に悪化してまいったのであります。
 こうした状況に対処するため、昭和四十一年の地方公営企業法の改正により、路面交通事業の財政再建対策が推進されてきたところであります。しかしながら、都市構造の変化、路面渋滞等に基づく企業環境の著しい悪化、毎年の給与改定による人件費の大幅な上昇、料金適正化のおくれ、さらには地下鉄建設費の急騰に伴う資本費負担の累増等の諸事情が加わって、経営状況は一向に好転せず、昭和四十六年度末における公営交通事業の累積赤字は一千九百二十九億円に達し、まことに憂慮すべき状況に立ち至ったのであります。
 もとより、都市交通の円滑化を確保するためには、基本的には、産業及び人口の適正な再配置をはかるとともに、都市計画と都市交通との有機的な調整、各種交通機関の機能分担の明確化、合理的な都市交通体系の確立等の諸施策を積極的に推進すべきでありますが、当面の緊急措置として、公営交通事業の深刻な経営危機をすみやかに打開し、その存立維持をはかり、地域における交通需要にこたえることがぜひとも必要であります。
 このような見地から、この度政府が、地方公営交通事業の経営の健全化をはかるため、路面交通事業に関する新たな経営の再建制度を発足させ、昭和四十七年度末における不良債務をたな上げするための交通事業再建債の発行、その元利償還に対する国及び地方公共団体の財政援助措置の拡充、再建企業バス購入費補助の新設、地下鉄事業に対する大幅な財政援助等の措置を講ずることはまことに時宜を得た適切な処置であり、地方公共団体の自主的な経営努力と相まって、すみやかに経営健全化が達成されることを期待するものであります。
 なお、公営交通事業が、健全なる経営を回復し、地域の交通需要にこたえて機能を発揮してまいりますためには、財政援助措置の強化とあわせて、都市交通環境の抜本的な改善整備をはかる必要が痛感されるところであり、そのための諸施策を強力に推進されることをこの際政府に対し要望し、私の賛成討論を終わります。
#125
○藤原房雄君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案に対し、反対の討論を行ないます。
 まず、反対の第一は、今日重大な経営危機に直面している公営交通企業に対し、今回の法案は目先の赤字対策に終始し、将来の展望に欠けている点であります。
 地方公共団体の経営するバス、路面電車、地下鉄のいわゆる公営交通事業は、昭和三十年代後半より、人件費の高騰、建設投資の元利償還金の急増、交通渋滞等の環境悪化により、乗客の減少を招き、毎年経営の悪化は深刻な状態になってきているのであります。この間、四十一年度に財政再建に関する制度が新設され、バスと路面電車について第一次再建計画が実施されているにもかかわらず、経営の向上は見られず、ますます悪化の一途をたどってきたのであります。このことは、都市交通の経営危機の根がきわめて深いところにあることを示すものであり、これに対する抜本策を講ずべきであるのに対し、今回の法案では、財政措置のあとはみられるものの、必ずしも赤字要因に対する反省が見られず、相変らず企業経営の改善、効率化を押しつけているのであります。
 公営交通事業の経営の危機をもたらした最大の要因は、国の都市政策がなかったことであり、路面渋滞等、企業環境の悪化を招いたのであります。こうした外的要因の悪化を是正せずして、公営交通事業の真の健全化は不可能であります。
 公営交通事業が、その本来の目的である住民福祉の向上と地域住民の足の確保に資することを目的としている以上、この際、発想と姿勢を大きく転換して、長期的展望に立った都市交通環境の抜本的改善整備の諸施策を積極的に推進することが必要であり、その時期にきているにもかかわらず、何ら新規の施策が見られないのはまことに遺憾であります。
 反対の第二は、再建債の元利償還費が地方財政を圧迫することであります。
 今回の改正により、八百七億円にのぼる不良債務は、再建債を発行して一時たな上げし、その金利はほぼ全額を国が肩がわりし、元金償還と国の補給する部分以外の利子支払いは、自治体の一般会計から十五年をめどに返済することになっています。
 申すまでもなく、地方自治体は、生活関連施設の整備や福祉行政の充実等、財政需要は年々増大しているのであります。その上、一般会計から元金を返済することは、ただでさえ苦しい地方財政をますます困窮させる結果となるのであります。
 公営交通問題研究会が報告しているように、八百七億円の元利償還にあたっては、国と地方公共団体の一般会計が折半負担し、地方自治体の財政負担の軽減をはかるべきであります。
 反対の第三は、公営交通事業の料金の決定方式の改善がなされていないことであります。
 公営交通事業の料金は、利用者を含めた住民代表が、地方議会で公聴会を開くなどして慎重に審議しており、その上に国の認可を得なければならないのは、全くむだな二重行政であります。このような仕組みのために、タイムリーな料金改定に支障を生じ、経営悪化の一因となってきたことを考えますと、早急にこのような弊害を取り除き、認可制を届け出制に改め、料金決定制度の改善をはかるべきであります。
 反対の第四は、行政路線に対する国庫負担制度が設けられなかったことであります。
 公営交通は、住民の足を確保するため、新興団地への路線など、採算を度外視して運行しなければならない、いわゆる行政路線を多くかかえております。これに対し、本年度より、経営再建を行なう交通事業のパス購入費の一部を、五年間に限り補助する措置がとられておりますが、これでは、必ずしも十分な対策となっていません。
 行政路線については、その公共的な性格を考慮し、早急に客観的基準を定めて、路線の設定と国庫補助制度の確立をはかるべきであります。
 反対の第五は、地下鉄建設費の補助が、実質六六%となっていない点であります。
 地下鉄建設の補助については、本年度より純工事費の五〇%方式から六六%方式に増額されていますが、対象工事費を総建設費の七六・五%に押え、その六六%、すなわち実質五〇・四九%が今回の補助額であります。また、この支払い方式が六年分割であるため、実質効果は五〇%を割っているのが実態であります。地下鉄建設費の補助については、実質六六%、建設時一括交付する制度を確立すべきであります。
 反対の第六は、独立採算制についてであります。
 地方公営企業の経営は、独立採算制の原則のもとに、公共性と経済性を両立させることが要請されておりますが、現在の地方公営企業の中では、独立採算制を実行するだけの基礎条件の整っていない企業が多いのであります。
 欧米諸国では、すでに都市公共交通の固定施設、固定設備を公共財源でまかない、その運営のための費用は、利用に応じて、料金で支払う方法が一般化しているにもかかわらず、わが国においては、いまだに認められていないのはまことに遺憾であり、いまや、都市交通は公共財であるという観点に立って政策転換をはかるべきであると思うのであります。
 最後に、公営企業全般にわたる赤字経営の現状についてであります。
 公営交通事業以外の病院事業、水道事業等の企業については、何ら経営の健全化の対策がなされておりません。今後、住民福祉向上のために、その対策を講ずべきであります。
 以上、反対のおもな理由を述べ、反対討論といたします。
#126
○村尾重雄君 私は、民社党を代表して、本法律案に対し、反対の討論を行なうものであります。
 反対の第一点は、都市交通が都市行政の一環であるにかかわらず、本案の基本的姿勢が、相変わらず、地方自治体に対し、事業運営の効率化と利用者負担の適正化を義務づける等、経済性を強調している点であります。
 今回の路面交通事業の経営危機の原因が、インフレによる物価上昇、都市政策の欠除による都市への産業と人口の過度な集中、モータリゼーションの無秩序な増加等、企業環境の悪化によるものである以上、この際、思い切った発想の転換をはかり、公営交通事業の本来の目的である公共の福祉の増進、すなわち都市住民の足を確保するという見地に立って、独立採算制を再検討することが必要であり、あわせて公共交通機関の優先通行、自動車交通の規制等の、都市交通環境の抜本的な改善整備をはかるための国の総合的な施策を早急に講ずる必要があるにもかかわらず、本案には何らの具体案が示されていなかったのは、まことに遺憾であり、賛成し得ないところであります。
 反対の第二点は、国の財政援助がきわめて後退していることであります。
 再建債の元利償還金に対する国と地方公共団体の折半負担が実現しなかったことや、いわゆる行政路線に対する国庫補助制度が認められなかったことは、そのことを端的に示すものであります。
 第一次再建計画における国の財政援助と比較してみても、再建債に対する利子補給は若干増額はされているものの、その他は、予算措置による地下鉄建設費に対する国庫補助の引き上げと、再建団体のバス車両購入費の一部補助のみにすぎないのであります。これは、地方自治体の負担額と比べて、きわめて不十分なものであり、今日の公営交通事業が直面している深刻な経営危機に対処する国の姿勢としては、納得のいかないところであります。
 反対の第三点は、いわゆる行政路線に対する国庫補助制度の実現が見られなかったことであります。
 路面交通事業、特にバス路線の中には、企業経営的には採算のとれる可能性がないのにかかわらず、地域においては不可欠の公共交通機関であるがゆえに、公営交通事業として維持することが要請される、いわゆる行政路線があります。今回、再建団体のバス車両購入費の二分の一の補助が認められましたが、これによって行政路線の運営上の赤字を解消することは不可能であります。また、これが再建団体のみに限定されており、自主再建に進む地方公共団体に対して再建促進上の特別な配慮があってしかるべきことと思うのでありまするが、これに対する納得のいく答弁は得られなかったのであります。今後、早急に認定基準を明確にして、その公共的性格を考慮して、国庫補助の制度を確立すべきであります。
 反対の第四点は、地下鉄建設費に対する財政援助が必ずしも十分なものとなっていないことであります。
 現在、国及び地方公共団体の一般会計による財政援助として、地下鉄建設費補助と地下鉄事業特別債の利子補給が行なわれていますが、昭和四十六年度決算によると、地下鉄事業にかかる企業債の元利償還費が料金収入の一二七・三%に達するなど、増高する資本費負担の重圧を軽減するための十分な助成となっていないのであります。
 本年度より補助率の引き上げが行なわれてはいるものの、今後、さらに地下鉄経営の改善をはかるために、国庫補助制度の拡充、低利資金の確保、起債条件の緩和等について、一そうの努力を傾注されんことを強く要望し、私の反対討論といたします。
#127
○河田賢治君 私は、日本共産党を代表して、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案に対する反対討論を行ないます。
 第一の反対理由は、今回の政府の対策が公営交通、特に大都市公営交通が直面している深刻な事態の根本原因に何一つメスを入れず、政府の責任をあいまいにしたまま、もっぱら地方自治体と住民の負担と犠牲による赤字解消策に終始している点であります。
 第一次再建計画の破綻が示す最大の教訓は、政府の産業政策、都市政策によって引き起こされた産業と人口の大都市集中、無制限なモータリゼーションを放置したままでは、公営交通事業がどのように合理化を徹底さしても、経営の改善も交通難の解決もあり得ず、逆に公共大量輸送機関の存立さえおびやかされざるを得ないという点であります。
 しかるに、今回の政府の対策は、これらの解決のための方策は何ら具体的に示さず、危機打開を、再び、企業内合理化と料金引き上げという第一次再建で破綻済みの対策で事足れりとするものであり、とうてい賛成し得ないものであります。
 わが党は交通環境改善のための最小限の措置として、次の点を政府に強く要求するものです。
 第一に、交通需要激増をもたらしている大都市立地大企業に対する思い切った負担強化と立地規制をはかり、事務所・事業所税にとどまらず、地下鉄建設費を含む各種公共施設整備費の負担制度の実施、新規立地に対する地方自治体の規制権限
 を抜本的に強化することです。
  第二に、都市における公共大量輸送機関優先の原則を徹底させるため、交通規制の権限をはじめ、総合的な交通政策の展開に必要な権限を地方自治体に大幅に移し、バス専用優先レーン、地域別、時間帯別、車種別の自動車交通規則の拡充をはかり、さらには道路容量など、一定の基準に基づく自動車所有の規制の実現をはかることであります。
 第二の反対理由は、政府が引き続き公営交通事業に対する独立採算制を維持し、最小限必要な国の財政負担さえ放棄している点であります。すなわち、第一に、今日のばく大な不良債務の原因が、すでに述べたように、もっぱら国の施策の破綻にあるにもかかわらず、政府は利子の一部負担をするにとどめ、地方自治体にその負担を押しつけ、しかも、わずかな利子補給と引きかえに、国の統制のもとに、一そうの合理化と料金引き上げを強要しようとしているのであります。
 わが党は、累積不良債務の全額を国の負担と責任で解消すべきことを強く主張するものであります。
 第二に、地下鉄建設費について、引き続き約二分の一を運賃収入で負担させることにしている点であります。地下鉄建設は、今日、路面交通、道路交通の代替としての役割りをになわされ、今後の都市交通の基幹的役割りをになわされており、しかも、ばく大な建設投資を要するものとなっている現状から見て、その負担を運賃収入に求めることはとうてい許されるべきではなく、当然これを基幹的な都市公共施設として扱い、その全額を国と地方の一般会計で負担する制度に改めるべきであります。
 第三に、政府は、路面バス事業に対する赤字助成制度の要求を無視し、さらには自治省の公営交通研究会報告が示した、いわゆる行政路線に対する補助制度さえ見送ったのであります。今日、都市のバス事業は、ほとんど例外なしに経営採算制を度外視し、その存続と拡充整備を社会的に要請されており、その置かれた状況は、何ら地方バスの行政路線と変わるところがないのであります。したがって、政府が大量公共輸送機関の拡充を目ざす限り、少なくとも地方バス同様に、運営赤字補助制度を導入すべきことは当然であります。
 最後に、わが党は、今回の第二次財政再建計画が持つ反労働者的、反住民的性格について指摘するものであります。すでに触れたとおり、本法案による第二次再建計画は、真に公営交通事業の抜本的再建に役立たないばかりでなく、政府の計画承認権や制裁規定をてこにして、労働者の賃金、労働条件の抑制、料金値上げ、路線廃止等を地方自治体に強制するものであります。
 わが党は、政府がみずからの責任と負担を放棄して、なおかつ、国家統制のもとで住民と交通労働者の犠牲を再び強要する再建計画に強く反対するとともに、その撤回を要求して、本法案に対する反対討論を終わります。
#128
○委員長(久次米健太郎君) ほかに御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(久次米健太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#131
○寺本広作君 私は、ただいま可決されました地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#132
○委員長(久次米健太郎君) ただいま寺本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、寺本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、江崎自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江崎自治大臣。
#134
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、適切な措置を講ずるよう努力をいたしてまいりたいと存じます。
#135
○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて午後三時まで休憩いたします。
   午後一時四十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十六分開会
#137
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。江崎自治大臣。
#138
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま議題となりました公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。
 公有地の確保につきましては、公有地の拡大の推進に関する法律に基づきへその促進をはかってきているところでありまするが、最近の土地需要の動向に即応し、地域の秩序ある整備を推進するため、土地の先買い制度を整備するとともに、土地開発公社の業務を拡充する等、所要の措置を講ずる必要があります。
 これが、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、土地の先買い制度の整備についてでありまするが、現在、市街化区域に限定されております土地の先買い制度の対象区域を都市計画区域の全域に拡大いたしまするとともに、届け出により先買いをした土地は、公共用地等の代替地に充てることができることといたしております。なお、届け出等にかかる土地の譲渡制限期間を最長四週間から六週間に延長することといたしております。
 次に、土地開発公社の業務の拡充についてでありまするが、公社の本来の業務に支障のない範囲内において、地方公共団体の委託により、土地の造成とあわせて行なう公共施設の整備等の業務を行なうことができることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決賜わりまするようお願い申し上げます。
#139
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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