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1972/07/17 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第17号
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1972/07/17 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第17号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第17号
昭和四十八年七月十七日(火曜日)
   午前十時五十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十三日
    辞任         補欠選任
     藤原 房雄君     鈴木 一弘君
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     鈴木 一弘君     藤原 房雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                片山 正英君
                斎藤 寿夫君
                玉置 猛夫君
                原 文兵衛君
                増田  盛君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                戸叶  武君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       建設省都市局参
       事官       大塩洋一郎君
       自治大臣官房審
       議官       近藤 隆之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    伊豫田敏雄君
       大蔵省理財局国
       有財産第二課長  川崎 昭典君
       建設省計画局宅
       地部宅地開発課
       長        吉田 公二君
       建設省河川局治
       水課長      栂野 康行君
       建設省住宅局日
       本住宅公団首席
       監理官      福地  稔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○神沢浄君 私は、この本法制定の昨年の委員会の論議にも加わっておる立場でありますだけに、いわば、施行されて半カ年弱ぐらいのものでしょうけれども、きょうは本法の総括というようなことをも含めての見解でもって、若干の質問を進めたいと、こう思うわけなんです。
 そこで、今度の改正案の内容に入る前に、参考として一、二点お聞きをしておきたいと思います。その第一点は、資料も手元にいただいてはありますけれども、なかなか詳しく見ておるひまもなかったものですから、ぜひ、法施行後の今日までにおけるところの実績というような点について、わかりやすい説明をしていただきたいと、こう思うんですが。
#4
○政府委員(大塩洋一郎君) 今日までの実績について簡単に御報告いたします。
 昨年の十二月一日から実施されました本法に基づきまして、本年の五月末までの集計をいたしました。その実績を申し上げますと、届け出及び申し出、この両方合わせました件数は四千七百七十件でございまして、この中で買い取りの協議を公共団体等が通知いたしました件数が千二百四十三件、約二六%に当たるのでございます。その千二百四十三件の中で、協議が成立いたしました件数が二百十件と相なっております。その内訳を申し上げますと、買い取りました面積が六十万六千九百七十平方メートル、買い取りの協議の、まだ協議中であるという件数が三百五十八件残っております。大体、その買い取りました価格の平均は一平米当たり二万六千八百円。以上のような状況でございます。
#5
○神沢浄君 そのうち、届け出と申し出との関係というやつはどんなようになっておるんでしょうか。
#6
○政府委員(大塩洋一郎君) いま申し上げました数字の中で、届け出の件数が四千四百十二件、申し出の件数が三百五十八件という内訳でございます。
#7
○神沢浄君 いま、申し出の件数が三百五十八件と言われましたね。
#8
○政府委員(大塩洋一郎君) はい。
#9
○神沢浄君 これは協議中の三百五十八件と、偶然でしょうか、数字が一致しておりますけれども、それはどういう――何かかかわり合いがありますか。
#10
○政府委員(大塩洋一郎君) いま申し上げましたのは、届け出、申し出の件数でございまして、たまたま、申し出件数が協議中の件数と偶然一致いたしております。届け出の件数四千四百十二件のうち、さらに申し上げますと、買い取り協議の通知をいたしました件数がその中で一千五十五件、それから申し出の件数三百五十八件のうち、買い取り協議を通知いたしました件数が百八十八件。そのうちで協議が成立いたしました件数が、届け出に関しまして百六十三件、申し出に関しまして四十七件と相なっておりまして、協議中の件数は、届け出に関するもので協議中であるという件数が二百七十六件、申し出に関する百八十八件の通知をいたしましたもののうちまだ協議中であるというものが八十二件でございますので、まだ協議中のものが三百五十八件ということでございます。
#11
○神沢浄君 そこで、この件数の土地の地目ですけれども、おそらく主として農地ではなかろうかと思いますが、この中に、いわゆる農地以外のもの、言うなればデペロッパーなりあるいは企業などの所有のものと申しますか、そういうようなものがどの程度ありますか。
#12
○政府委員(大塩洋一郎君) この中で農地及び宅地の別につきましては、いまのところ調べておりません。いままでは市街化区域の中でこの法律が適用されておりましたものですから、市街化区域の中でございますと、農地、宅地――農地も農地法の転用の許可も要りませんし、本法の目的からいいまして調べる必要がなかったので、あいにく、そういう資料を持っていないような次第でございます。
#13
○神沢浄君 ないということについてはやむを得ないですけれども、あとから質問の中で触れたいように思っておりますが、私がお聞きいたした趣意は、農地の場合はわかるんですが、やはりいま、大きくは土地政策といいますか、その中の一環として公有地の拡大をはかっていくという際に、一つの障害として考えられますのは、もうすでにこの市街化区域の中におきましても、企業ないしは業者あたりが取得をしてしまっておる土地が、これが、ときによれば都市計画上の不円滑の要因になってきはしないかというような点が想定されますので、その点をお聞きをしたんですが、いずれ、あとから調査をされましたら、ひとつ、その結果、資料については御提出をいただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
#14
○政府委員(大塩洋一郎君) さっそく、県等に問い合わせ調査をいたしました結果、資料提出したいと思います。
#15
○神沢浄君 そこで、第二点といたしまして、自治省が公共投資のための必要な土地の調査というようなことを行なっておるようには聞いているわけなんですが、言うなれば、この都市計画を進行さしていく、公共投資の対象として必要な土地というものをどのくらいにつかんでいっておるか。いわば目標面積というようなものについて説明をしていただければありがたいと思うのですが。
#16
○政府委員(近藤隆之君) 昨年、昭和四十七年でございますが、今後、五カ年間におけるところの地方公共団体及び地方公社の土地需要予測というものを、各地方団体の協力を得てつくったことがございます。そのときには、五年間で総面積三十三万一千九百五十八ヘクタール。それから当時の金額でございますが、十一兆百二十一億円という数字が一応出ております。これは公共用地だけでなくて、工業用地、その他の用地も含みまして、地方団体が五年間でどの程度の土地の購入が予測されるかというものを計算したものでございます。
#17
○神沢浄君 要するに五年間でもって約三十三万ヘクタール、こういうようなものを、どういう形であろうとも、公共団体として取得していかないことには、いわば自治省が考えておられるところの都市計画というものは達成してまいらない、こういうことだと思うんですけれども、そういうふうに理解してよろしいですか。
#18
○政府委員(近藤隆之君) そのとおりでございます。
 ただ、この金額あるいは面積、大きいようでございますけれども、過去の実績を見ましても、昭和四十六年度地方公共団体と地方公社が買い入れました土地の総面積が六万七千ヘクタール、それから四十七年度では七万六千ヘクタールというような形になっておりますので、こういう実績に裏づけられたほぼ確実な数字ではないかと思っております。
#19
○神沢浄君 そこで、この改正案が出されてきたわけなんですが、なるほど、提案理由は末尾に文章になっていますから、読めばわかるようなものですが、しかし、それだけではちょっと十分に理解し得ないような面もありますので、この際、この改正案によって適用地域を拡大をしなきゃならない、こういうことについての動機と、それから目標とでもいいますか、そういう点を少し詳しい説明をしていただけませんか。
#20
○政府委員(大塩洋一郎君) 実は、この法律を先国会におきまして制定されましたその当初の動機は、この制度が、良好な都市環境の計画的な整備をはかってまいります上には、どうしても道路とか、公園とか、住宅といったような用地を先行的に取得して、その円滑な施行をはかる必要があるということを目的とした法律でございまして、しかしながら、その際、その中身といたしまして、当事者が契約をしようとする直前にそれを届け出させまして、公共団体がその届け出を見て判断いたしまして、これは要る要らないということをそこで判断しようという、横から入る、こういった制度として構成したものでございました。したがいまして、民間の取り引きの安全に対する影響というものを当然その中で考慮しなければならないというので、その際、当面の措置としまして市街化区域の中だけに限りまして、市街化区域の中は、これは十年以内に優先的に、計画的に市街化をはかるべき区域でございますから、その市街化区域だけに限ったというのがこの法律であったのでございますが、ところが一方、事情変更と申しますか、その後、一昨年あたりからの金融の緩和を背景といたしまして、特に大都市周辺におきましては――全国の都市もそうでございますが、企業等による投機的な土地投資が活発化いたしました。その結果、土地利用の混乱あるいは地価の異常な上昇ということが目立ってまいったのでございます。このような事態が進行いたしますと、全国的に公共用地等の取得ということがますます困難になるおそれが出てまいりますとともに、将来の都市整備のための秩序ある開発という、この法律の目的も不完全なことになってしまうということにわれわれは着目いたしましたので、今回このような改正をいたしたい。
 さらに、今後とも大都市集中の流れを転換いたしまして、国土の均衡ある発展をはかりたいということを考えましたときに、公共用地等の需要は今後ますます大きくなるということが予想されるのでございます。そこで、このような事態に対処いたしますためには、いろんな他の手法に加えまして、この先行取得を積極的に行なうということが必要であろうというふうに考えましたことと、その際に、この届け出にかかる土地の譲渡の制限期間につきましても、その後の経験によりまして、どうも二週間、二週間では少し短過ぎる。やはりこれを、届け出を受けました際に、これを協議に持ち込むべきかどうかということの判断の手続等におきましても、あるいはまた、協議の期間の二週間にいたしましても短過ぎるということで、これを六週間にいたすというようなことを織り込みまして、さらにこの中身の一つとして、公共施設等の用地に使うというだけに限定されておりますのを、これを代替地にも使えるというふうにすることによって公有地の拡大をはかる必要がある、このように考えたのでございまして、以上のような諸点を盛り込みまして改正案の中身といたした次第でございます。
#21
○神沢浄君 わかりました。趣意についてはまあ了解できますし、いま答弁の中にもありましたように、企業等によるところのこの土地買い占めといいますか、そういう情勢が非常に進行いたしている中で、これに対応する一措置として私はやっぱり意義があると、こう考える立場ですけれども、そこで、私はさっきも申し上げましたように、この本法を制定したときのその論議に加わっている立場からいたしまして、対象範囲を広げたというだけでは、やっぱりこの法自体の目的の達成というようなものには、まだずっと問題が最初からあるものが解消しないのではないかというようなことを考えざるを得ないんです。
 その第一点としては、実は本法の審議をいたしましたときにもこういう点があったんですが、たとえば協議になる、協議の際に、やっぱり価格の問題がこれは一つの何といいますか、障害になる。価格の点でもって協議がととのわない場合には、これは本法に従えば手がつかないということになっていると思うんですが、そういう点が、まだ半カ年弱の経過ですから完全につかめていない点もあろうかと思いますけれども、きょうまでの経過の中で、やはりそういうような点が一つの不円滑の要因になっておるというような点はないでしょうかね。そういう点をひとつお聞きしたいと思うんですが。
#22
○政府委員(大塩洋一郎君) 先ほど申し上げました件数の、特に成約件数が少ないということの一つの大きな理由といたしまして、価格の折り合いがつかないという点がかなり大きな比重を占めておることは事実でございます。で、この買い取りにつきましては、公示価格を基準として買い取るということをきめておりまして、取引の実態から見まして、やはりその土地がほしいということで契約が成立しかけている、それを横から来て、これぐらいならば買えるかもしれないというので協議に入るわけでございますが、やはり公示価格と、それから相手方の期待価格と申しますか――との間のギャップというものが相当大きな理由になっていることは事実でございます。
#23
○神沢浄君 そこで、前の論議の中でもかなり中心になった点なんですけれども、結局その価格の点についての調整をはかっていくという場合には、現行制度上はやっぱりその税制を関連させる、まあ平たい言い方をすると、道具にするよりほかには、適切な手段というか、方途というものはないではないか。こういうような点でもって、前の論議の中などにおきましても、私どもはこれは明らかに矛盾かつ不合理の点だというようなことについての指摘を行なったわけなんですが、たとえば税制上の措置といたしましても、公共用の土地の収用については免税点が千二百万ですか。それから区画整理事業――住宅公団などですね。区画整理事業の場合は六百万になる。それから、この法律による四条の場合においては、まああのときは三百万だったんですね、あとから五百万にこれは引き上げになっておるようでありますけれども。それから、五条は何らの優遇措置もないと、こういうようなことだったと思います。こういう点について、まあ私などもこれは非常に不合理じゃないかと。たとえば、公有地の取得を目途として、その拡大を目標としておるからには、自分から進んでそして協力をしよう、提供をしようというのがまあいわば五条ですからね。その、自分から進んで協力をしようというケースについては何ら優遇されずに、他の部面だけに優遇措置がきめられておるというふうなことは、これは非常にわれわれしろうとの側からいたしますとたいへん不合理に感ずるわけでありまして、その際、実は大蔵省などの税の専門家の御意見を聞きましたら、一方は意思の制限が行なわれておるからこれはまあそうあるべきで、一方は全く任意にその自由の考えに基づくものだからそうはいかないと、こういう御説明だったわけです。そこで、それはやっぱり役所的発想だとそうなるでしょうけれども、われわれ国民の立場からいたしますと、むしろ意味は逆になりまして、公有地の取得拡大が目的であるからにはそれに協力をみずからしようというような立場の者がまず優遇され、尊重されないということは、これは国民の中の道理や常識には当てはまらないというような論議が重ねられました。そうして、それに対して当時の渡海自治大臣が、確かに御意見のあるところは理解できるから、そういう趣旨に従ってひとつできる限りの努力をしようということに、――これは会議録の上でも明らかですがね――なっているわけです。そこで、ひとつどのように努力していただいたか、そしていま現状はどんなふうになっておるかというような点からお聞きしてまいりたいと思います。
#24
○説明員(伊豫田敏雄君) 公有地拡大法の四条と五条の件につきましては、先生ただいまお話しございましたように、何べんか私のほうからも説明をさしていただき、また御質問をいただいておるわけでございますけれども、われわれの立場と申しますか、あるいは現在の租税特別措置法の考え方と申しますものにつきましては、やはり従来どおりの考え方をもっていかざるを得ないと、いまの段階では考えております。言いかえれば、やはり何らかの権利制限があった場合に土地の譲渡について税をまけていく、軽課してまいるということでありまして、やはりそちらのほうへ誘導するという考え方は、現在の特別控除の制度では非常に弱いものでございまして、あるいはないと申し上げていいのではないか。むしろ、権利の制限に対応して税の面で軽課していくという考え方になっています。いまの段階では、これを変えることは私どもとしては考えておりません。
 なお、先ほど先生がおっしゃいました、収用の千二百万並びに土地区画整理の六百万等は、それぞれ今回七割ほど上げまして、二千万、千万と変わっております。ちょっと申し上げます。
  〔委員長退席、理事柴立芳文君着席〕
#25
○神沢浄君 いまの収用の場合だとか、それから区画整理の場合だとか、それらが引き上げになっておるということになりますとなおさらのことでありますが、いま、大蔵省の考え方はお聞きをいたしました。私は、これはやはり大臣にお尋ねするよりほかないと思うのですけれども、いま、われわれがというよりか、大きく言えば日本が際会をしている土地問題というのは、おそらくこれは政治課題としては最大問題の一つだろうと思う。これをどう解決をしていくかということになりますと、私はやはりその基本の思想の転換というか、もういままで仕組まれた組み立てのその中での役所的な考え方、発想というようなものでは、もう手のつかないものになってきておるんじゃないかと思います。現に、繰り返すようですけれども、全くこれは国民の側からするとわからないですよ。公有地を拡大をしていこう、取得をしていこう、こういう際に、みずから進んでその協力をしようという、いわゆる申し出をしていく。それから、なるほど一方は、それは意思、権利の制限になるかどうかしらぬけれども、協力をしようとするのではないが、取引のあるものについては届け出をしろという、これに対しては税制上優遇の措置がとられていく。一方、自主的に協力をしていこうという者については、これは何らの優遇的な措置というものは用意されてない。これでは、役所の理屈は立つかもしれませんが、国民の側からすると、こんな常識や道理というものはありやせぬじゃないかということになるわけでありまして、こういうような点でもって、前回もかなり、そんな形のままならばどうも本法の目的の達成というようなものはおぼつかないというようなことが、かなり数多くの委員の方の御意見に共通をしておったわけなんです。ですから、そういう点で、当時の渡海自治大臣も努力をしようということになったんですが、これはやはりいま大蔵省の御説明を聞けば、これは役所の考え方というのはそうかもしれませんですけれども、やっぱりそういう壁は破れないものですかね。その壁が破れないような脆弱な政治性じゃ、私はとてもこんないまの土地問題なんというものは、土地政策なんというものは解決できないんじゃないかというような感じがしてならないところでありまして、大臣の御所見はどうでしょうか。
#26
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は私も全く同感でございまして、非常にことこまかにむずかしく規制される。大体土地を投機対象からはずそうということで、今度は土地の譲渡税については税金を重課して相当取る。それから土地特別保有税を取る。取るほうを活発にやってるんですから、まけるほうも活発にまけたらいいと思うんです。そのあたりがなかなか大蔵省もこまかい。それはやっぱり税金を取るほうですから、こまかいことも努力のうちですから、わからぬわけではありませんが、国民の側からすると、非常にわかりにくいですね。しかも、種目別によっていろいろと違うというわけです。これは先買い制度をより実効あるものにするために必要なことという中には、やっぱり租税特別措置による控除額を引き上げてもらいたいというのが一番要望も多いわけですね。ですから、今後の問題として、これはひとつやりますから、来年を控えてやっぱりやらなくちゃならぬと思っております。特に今度宅地開発公団だとか、いろんな構想を総理も持っておるようでございますから、よく調整をしまして、引き上げ措置――一方で取るんですから、だからやっぱり引き上げ措置もする、そして公有地が拡大される、こういうことが望ましいと思いまするので、十分にひとつ努力することをお約束申し上げておきます。
#27
○神沢浄君 まあひとつやってくださいよ。私は政治というものは、国民の常識に通らぬような政治なんというのは意味ないと思うですよ。これはなるほど――私は大蔵省にもの申そうなんて思いません。大蔵省の場合は、一応税体系の上でもって税理論というものがこうちゃんと仕組まれてきておりますから、それをくずそうなんというのは、とても役所、役人的立場でもってそれは無理だろうということはよくわかります。しかし、そんなことを言っておったんじゃ、それはとても土地政策にも、公有地の拡大にもなりゃせぬと思うから、特に強調してみたわけなんですが、次に移ります。
 そこで資金の問題ですが、私、この資料もいただいてありますから、一べつはいたしましたが、いろいろ複雑になっておって、なかなかのみ込みにくいんです。
 私は、大臣、こういうような考え方をひとつしておるんですが、法律をつくるのもけっこうですけれども、いまの公有地の取得などという問題につきましては、企業であろうと業者であろうと、相手がどうであろうとも、それと競争しても負けないというか、勝って取得がしていけるだけの条件というものを持たなければ、法律なんか幾らりっぱにつくったっても実効があがらないじゃないかというような感じを強く持っております。そういう点からして、まず資金の問題だと思うんですけれども、質問をいたします順序として、現状におけるところの資金供与の内容ですね、これをひとつ説明をしていただけたらと思いますけれども。
#28
○政府委員(近藤隆之君) 地方公共団体が公有地を取得いたします場合には、御案内のように、地方団体が積み立てておりますところの土地開発基金、それ以外は地方債の活用ということで措置いたしております。それから土地開発公社の場合には、これは地方団体でございませんので、地方債の許可制度もございませんので、それぞれ金融機関からの融資、それから公営企業金融公庫からの融資ということでまかなっておるような状態でございます。
#29
○神沢浄君 そこで、この手元にいただいてあります資料の番号を追って、5というところですね、「地方公共団体および地方公社の土地取得状況」というのがありますね。この区分の中に、「公共用地」と「その他」と、こうありますが、「その他」というものの中身をちょっと御説明をいただきたいと思うんですが。
#30
○政府委員(近藤隆之君) 工業用地等がそのおもなものかと思います。それ以外に、いろいろなもの、公共用地と言えないものを全部ここへ合わせております。
#31
○神沢浄君 その公共用地と言えないものというのは、内容的にはどうかということを、まあべらぼうに詳しくなくてもいいですけれども、大別したようなものを説明していただけませんか。
#32
○政府委員(近藤隆之君) 工業用地であるとか、流通団地用地であるとか、そういったいわゆる公共用地でないもの、公用及び公共用に用いられる用地以外のものを全部ここへ入れております。したがいまして、分譲するようなものですね、宅地の分譲というようなものもここに入っておるわけでございます。
#33
○神沢浄君 そこで、この資料を見ますと、それぞれ内容別というか、目的別に資金供与のルートというものがあるわけですね。住宅は住宅の関係、学校は学校の関係というようにですね。そうすると、「その他」の中には、そういうひとつの資金供与のルートからはずれているものもあるのじゃないですかね。どうなんでしょうか。
#34
○政府委員(近藤隆之君) ルートからはずれておると申しますか、その次のページのところに、「公有地取得の資金措置」という表がございますが、たとえば地方債の一般債の中でも、上の欄から二つ目にあります「地域開発事業債」、これで措置したものなどは「その他」のところへ入っております。それから、土地開発公社等が買います場合におきましては、これは公共用地に使うもの、それからそれ以外のものも全部一括して、ほとんどが銀行融資になっております。
#35
○神沢浄君 そこで、きょうまで、総括をいたしますとどのくらいの金が出ておりますか。
#36
○政府委員(近藤隆之君) ただいまの資料5のところにございますように、四十六年度では、地方公共団体の取得いたしましたもの、及び地方公社の取得いたしましたもの、合わせまして一兆八千億、それから四十七年度は同じく二兆三千億、四十八年度でやはり二兆三千億といった程度の金が流れております。
#37
○神沢浄君 そこで、これはいずれも利息のついている金だと思うわけなんですが、この利子に対する補給などの関係はどんなようになっておりますか。
#38
○政府委員(近藤隆之君) まあすべてが地方債あるいは銀行融資ではなくて、中には土地開発基金等の活用によっておるものもありますし、また一般会計そのもので買っておるものもあろうかと思いますが、地方債あるいは銀行融資によっております分については、現在のところ、利子補給の制度はとられておりません。
#39
○神沢浄君 そこで、私はさきの税制上の措置と並んで、やはり法律の目的を達成をしていこうということについてのたいへん柱のような問題点になろうかと思うんですけれども、地方の公共団体の財政上のサイドから考えれば、先行的に取得をしなければならない、それはわかるんですが、しかし、取得をするには当然資金が要るわけですから、資金の借り入れのルートというところまでは約束をしてもらいましても、今度は借り入れた金の利息を払っていかなきゃならぬという段階になりますと、これは地方財政は圧迫されます。これはほんとうに公有地の拡大をはかり、もって都市政策の一環として成功を目ざすならば、やっぱり国は利子補給あたりまで親切に考えてやらなきゃどうにもならぬのじゃないかと思うのですが、これはやっぱり大臣にお聞きせぬといかぬですね。ちょっと大きいことかもしれません。
#40
○国務大臣(江崎真澄君) その点は私も全く同感に思っておるのです。ただ、問題なのは、公共用地の中で、大蔵省的な考え方から言うというと、こまかく分けたがる。特にいまは高金利政策の時代ですからね。ですから、ある程度の利子補給をしない限り、スムーズな用地確保はなかなかできない。わけても、これは私は、大臣に就任してから終始土地対策閣僚協議会等で強調しておりますのは、住宅用地の確保のために、たとえば農協などの系統資金を使う。まあ農協法の改正でそういうことになりますね。それから縁故債を使うというときに、非常に市中金利が高いですから、その分は、政府融資の分との差額については補給すべきじゃないか。これも終始強調しておるわけです。事務当局が大蔵省と折衝しますと、なかなか抵抗の壁が強い、こういうことを言っておりますが、今日までの段階では実現できませんでしたが、いよいよまた来年度の予算措置をしなければならぬ時期に入ってまいりまするので、これは政治的に強く大蔵大臣に申し入れをしましてぜひ解決したいと思っておる。こんなくらいのことができぬようなことなら、いろんな政策もかけ声だけでだめだということになりますね。わずかな金利補給ですが、それはやはりそこに政府の姿勢を示すことになるわけですから、これは実現したい。これは宅地だけですけれどもね。全部にというところまではなかなかちょっと――私もそれは賛成なんですが、むつかしいかと思いますが、とりあえず、宅地に関しては利子補給制度を設けたい、こういう姿勢で強く進めていきたいと考えます。
#41
○神沢浄君 何かたいへん重要な都合があるそうですから、いま大蔵省には帰ってもらいました。端的に言って、全くお役所的、お役人的考えを聞いてももう意味ないですよ、と思います。もうそんなこととは違うと思うのですね。そう思いましたから、多少あと質問の関係もありましたけれども、わざわざ残っていていただくほどのこともないと思って帰っていただきましたが、私は前に本法をきめるときの論議の中でも、それから今日においてもそうですけれども、さっきもちょっと申し上げたように、実際、公有地の拡大ということを、これを目的としているのであるならば、法律の文章などをきめるのにいろいろと頭を使うことよりか、肝心な条件というものをそろえなきゃ、ほんとうは生きないというように感じているわけなんですが、そのことの一つというのは、繰り返しになりますけれども、やはり喜んで公有地としての提供をしてくれるような条件づくりをしていく。それから公共団体の側からすれば、やっぱり金の心配をさしてなどということ、資金での問題からして、財政上の不安を感ずるなどというような、そんな状態のままだったら、これはとても、幾ら文章なんかばかりりっぱな法律つくってみたからったって、法律は生きやしないじゃないかという、そんな感じがするもので率直に申し上げてみたわけなんですが、まあ御決意をお述べになりましたように、ひとつがんばっていただくことを期待をいたします。
 そこで、これから調整区域まで今度は拡大をすると、こういうわけですが、これはどのくらい広がるものでしょうか。
#42
○政府委員(大塩洋一郎君) 今回の改正におきましては、従来市街化区域のみに限定されておりましたのを、調整区域ももちろんでございますが、都市計画区域全体に広げたのでございます。したがいまして、面積的に申し上げますと、市街化区域の面積は大体百十七万ヘクタールでございましたのが、今回の改正によりまして、その対象とする地域は約八百一万平方キロと、七倍の地域に広がることに相なります。
  〔理事柴立芳文君退席、委員長着席〕
#43
○神沢浄君 そこで、現在において調整区域上の土地の移動状況といいますかね、端的な言い方をすると、この調整区域の中でも、もう企業だとか業者だとかいうようなところがかなり土地取得をしておるように思えるのですよ。そういうような状態がつかめておりましたら、説明をほしいと思うのですがね。
#44
○政府委員(大塩洋一郎君) 市街化調整区域内の土地の移動の実態につきましては、調査を持っておりません。
 そこで、これにかわる資料と申すと変でございますけれども、大体どのような土地が最近買われているかというような資料といたしまして、建設省が計画局におきまして昨年行ないました、東京の証券取引所の第一部及び第二部の上場会社に対する調査に基づいて申し上げますと、それらの会社が昭和四十一年の四月から六年間に取得しました土地のうちで、四十七年三月末まで大体七年間かかりまして、その四十七年三月末現在で持っております土地は約四万一千ヘクタールございますが、そのうち、市街化調整区域の中に所在するものが、約一七%に当たる七千百ヘクタールというような数字が出ております。そのようなことを申し上げまして、調整区域内の移動の実態につきましてはいま調査を持っておりません。
 なお、立ちましたついでに、先ほど私、百十七万ヘクタールから八百一万ヘクタールと申し上げるべきところを、平方キロと申し上げたかと思いますが、訂正いたします。
#45
○神沢浄君 そこで、今度調整区域も対象にはしていくんですが、その場合に、取得した土地については、その代替地にもこれを振り向けるということになっているのが改正案の一つの内容ですね。その代替地ということの意味はわかりますけれども、具体的にはたとえばどういうケースだというようなことを、理解しやすいためにちょっと説明を受けたいと思うのですがね。
#46
○政府委員(大塩洋一郎君) たとえば、公共団体が買い取りました土地を、道路なら道路の事業に使うためにそこの道路の用地の取得を将来いたしますときに、そこの人たちが住むところがないからというので、その近くに、できるだけ近くにあるようなかえ地を持っておりますと、非常に公共用地の円滑な遂行が行なわれやすい、そういう意味で、大体類似のような土地をこれにかえて与えるというのが代替地の政策でございます。
#47
○神沢浄君 しかし、考え方とすれば、要はその市街化区域の中で必要な取得をする、その際に、いま御説明があったように、たとえば宅地の場合であればこれは代替地の要求がなされる。これを調整区域のほうに取得をしてあるところ、先行的取得をしてあるところのその土地を代替地として振り向けるというようなことや、それから市街化区域の中においてすでに企業だとか業者などが早期に取得をしておるところの土地がある、これが都市計画上どうしても公用地として必要である、その際に、その代替地として、今度拡大したいわゆる調整区域内で取得をしたところの土地を代替として振り向けるというようなことになりますか、どうなんでしょう。
#48
○政府委員(大塩洋一郎君) 形式的には、代替といいますのは、いま設例されましたように、市街化区域の中に持っておる土地にかえて調整区域の中の土地を与えるということも可能でございます。しかしながら、調整区域という地域の性格といたしまして、そこでは開発許可という制限がかかっておりまして、市街化を当分待たせるところであり、開発許可の都市計画法三十四条の規定によれば、相当これを、建築物の建築の用に供するためにはこれを制限的に扱っているのが実情でございますので、市街化区域に企業あるいは法人あるいは個人が持っておる土地を、それが公共用に必要だからといって、その代替地として、調整区域にたまたま持っておる公共団体が取得した土地を代替地として提供するということはほとんどあり得ないことではなかろうかと思います。と申しますのは、それが代替地としての効用をなさない場合が多いからでございまして、都市計画上の制限が非常にきつい地域の土地が、代替地としての効用を持ち得ないからだと思います。
#49
○神沢浄君 理論上はそうでなけりゃいかぬですけれどもね。そうすると、現実に代替地というのはどういうようなケースが当てはまるんだろうか。実際に、特にこの法案の改正点の一つとして代替地というものが出ておるわけですけれども、そこら辺がちょっと――私も実は市街化区域と調整区域の国境線みたいなところに住んでおりますけれどもね。したがって、自分の何か周辺の状況などを頭の中に浮かべてみますと、この代替地というものがどういう役割りを――役割りというか、どういうふうなケースをいうのかという点がどうも理解しにくいんです。それでちょっとくどい目にお聞きをしているのですが、さっき私自身が触れましたように、市街化区域の中に公有地としてどうも必要な個所がある、これは入手しなければならない、しかし、それはもうすでにデベロッパーなどの所有になっておる、ですから、それを入手したいためには、新しく調整区域に拡大をして、そして先行的取得をしたその土地に振りかえていく、こういうようなことじゃなかろうかと私は考えてもみたのですけれども、いまの御説明は、それは法律上の他の制限等があるからちょっと考えられないことだというふうになるわけなんですね。そうなりますと、代替地というのは現実には大体どんなような場面を言うのだろうということがまだちょっとつかみにくいのです。もうちょっと詳しく御説明していただけませんか。
#50
○政府委員(大塩洋一郎君) 市街化区域の中等におきましては、典型的に――市街化区域というのは、大体建物が建つことを予定し、かつ十年以内に計画的に市街化をはかるべきところでございますから、代替地を取得するということは大いに意味があることであります。なお、この代替地に拡大する直接の動機と申しますか、必要性を感じましたのは、現行の法律のままでございますと、たとえば街路がございまして、街路に引っかかった土地をこの届け出によりまして申し出がありましても、街路をはみ出した一筆の土地としてでないと売れないというような場合がございます。その場合に、代替地にその公共団体が使えませんと、はみ出した部分というものは使いようがないので、やむなく買えないというような事例がございます。ですから、街路に引っかかってはみ出しているような部分、これが典型的な例と思いますけれども、そういうような場合に、代替地の制度を認めておきますことは、将来その続きの街路をやる場合のかっこうの代替地になり得る。そこを収用したりあるいは買い取ったりいたします場合の、住宅をのけたりしますから、そのかえ地になり得る。そういうのが、非常に取引件数等から見まして障害となっておりましたので、ぜひ代替地を入れたいということであったのでございます。調整区域の例を申し上げましたが、調整区域の中におきましても、代替地ということは可能でございますけれども、いま申し上げましたように、開発許可という手続をもう一度経なければなりませんので、その意味においておのずから限界があるということを申し上げましたのでございまして、まして、市街化区域の中の公共施設をどんどんやっていくために、その代替地として調整区域を与えるということにおきましては、実態としましてはなかなかむずかしいだろう。調整区域の中の代替地は、その調整区域の街路なら街路の付近のものについて代替地として与えるということは可能であろうかと思いますけれども、市街化区域の中の代替地として調整区域を使うというような場合は非常に少なかろうと思います。
 なお、今回の改正は、市街化区域、調整区域以外の、いわゆる線引をしていない都市計画区域全体について広げておりますので、その点は、そういう地域につきましては代替地の制度は有効に働き得ると思っております。
#51
○神沢浄君 何かこうわかったようなわからぬようなことですけれども、そういたしますとですね、調整区域に拡大をされて、そこに公有地が先行的に取得をされていく、こういうことですね。そうすると、大体いまの御説明の代替地のケースであれば、調整区域に新たに買う土地というのは、別に特別に代替地用と考えておるわけじゃないわけなんで、そうすると調整区域と――私はここら辺がちょっとわかりかねるし、一番問題点のような気がしてならぬのですがね。調整区域も市街化区域もあまり区別がなくなってしまって、法律上のそれぞれの位置づけというものが何かあいまいになるというのか、変わってしまうのではないか。こういうような、線引きをしたことが全く意味を失ってしまうのじゃないかというような感じがするのですけれども、どうなんでしょうかね。そうすると調整区域内に公有地をふやしていくということは、結局はどういう――ほんとうにどんずばりと言ってどういう目的かというようなことがなかなかわかりにくい点になっちゃっているんですがね。
#52
○政府委員(大塩洋一郎君) 調整区域の中にもこの制度の拡大をいたしました理由といたしましては、なるほど、市街化区域よりも件数あるいは頻度は少ないかもしれませんけれども、公園だとかあるいは試験所であるとか、ごみ焼却場であるとか、そういった、市街地の中に用地を確保することが困難、あるいは市街地の中に必ずしも置くことが必要でないというような施設が立地し得ることは、調整区域の中でも立地し得るわけでございますので、また新幹線とかあるいは縦貫道とか、それらの通過交通用の交通施設等をお考えいただきましても、こういった市街化区域と同様に、あらかじめそれらは確保しておく必要が調整区域の中にもあるわけであります。さらに、将来調整区域が市街化区域に変わるというようなことも予想しまして、たとえば大規模緑地とかあるいは広域公園の用地というようなものをあらかじめ取得しておくというような必要も調整区域の中にあったわけでございます。ですから、これらの需要にもこたえるために調整区域にも広げた、こういうことでございまして、市街化区域よりも頻度は少ないことは確かでございます。ですから、いまおっしゃいますように、調整区域の中でどんどん市街化を進めていき、ことに代替地もどんどん買っていって市街化区域との交換をやるというようなことを考えたものではないのでありまして、調整区域に広げましたのは、そういう調整区域自体を積極的に開発していこうという趣旨に出たものではないのでございます。そういう意味におきまして、先ほど来申し上げましたように、調整区域には――これは市街化はしばらく押えようという区域でございますが、しかしながらその区域ではありましても、いま例示いたしましたような公共施設の先行取得という必要性がありますので、これを都市計画区域全体に広げた、こういう趣旨でございます。
#53
○神沢浄君 大臣、そうでしょうか。私はいまの御説明ならば、わざわざ法律を変えなくたって、調整区域の中へ公有地の取得ができぬことはないんじゃないですか。そういうことよりか、むしろ今日の土地問題の現状といいますか、ほうっておけば、調整区域だっても企業なり何なりの手に帰してしまう。まあよくスプロールということが言われますけれども、結局そうなってくると、秩序あるところの地域の発展のための計画というようなものは、これは立ちにくくなってまいるわけでありますから、したがって、この際公有地として確保する、そのための拡大をはかっておかなきゃならない、こういうような大きい目的があっての上のことではないかと受け取っていたわけなんですが、いまの御説明のように、公園だとかあるいはその地域内の道路だとかというような目的をあげてのことであれば、これはわざわざ法律を変えてみなくたって、現状だってできぬことはないのじゃないですかね。そうすると、私の何か法案に対する最初の認識とかなり食い違うのだけれども、その辺は――私はそれはいまの御説明わかるんですよ。調整区域は、これはこの法律に基づけば当然その市街化のむしろ抑制をはかる地域ですからね。法律はそうきめてあります。ありますけれども、現状はどうかというと、そんなことをもう言っちゃおれないと、うんと端的な言い方をいたしますとですね。このままだと、それは調整区域といえども実際買い占めされてしまうかもしれぬ、やはり法の改正をはかって、そして公有地としての先行的な取得ができるように拡大をしていかなければならぬ、こういうことだと思うのです。ですから、さっき私、代替地の点についてもお尋ねをしたのですけれども、御説明があった程度のことならば、私は特にこの法律の中に一本の柱みたいに代替地なんということをうたうほどのことはないんじゃないかというような感じがするんですけれどもね。どうなんでしょうかね、私の認識の誤りですか。
#54
○政府委員(大塩洋一郎君) 私は、大体運用の一つの例として申し上げたのでございまして、市街化区域、調整区域の線引きをいたしました趣旨からいたしましても、調整区域というのはなるべく押えておいて、市街化を今後やるのは市街化区域に重点を置いてやろうと、こういう趣旨から線引きというものはなされた、こういう意味において、調整区域の中にやたらにそういう市街化区域と同等にどんどんそれを買っていくという姿勢ではなかったということを申し上げたので、例示が局限的になったのだと思います。私があげましたもののほかに、たとえば最近よく見られます、高等学校等の進学率が上がりましたので、公共団体等が高等学校等をそこに取得するというような事例はたくさんございます。したがいまして、その調整区域の中で公益的施設の用地を先行取得し、あるいはその代替地となるべきところを取得するという必要性はあるのでございます。ただ、その頻度等におきまして、県なんかは開発許可の規定から対象外にされておりますけれども、民間等におきまして代替地を提供するというような場合には、開発許可という制度があるので、おのずから限界があるということだけ申し上げたのでございます。
#55
○国務大臣(江崎真澄君) いまの説明で大体尽きると思うわけですが、民間の大手がいわゆる調整地域をどんどん買いあさると、だから、地方公共団体もそこに手を入れるようにしたのではないか。このお尋ねはちょっと違っているように思うのです。大手がかりに調整地域に買いの手を伸ばしたとしましても、これは政府として農林省側でもう絶対に農転を認めぬということでやかましく言っておるわけです。それから、当然将来、都市計画上調整地域を市街化区域に線引きを見直すというような場面が出てまいりますね。そういう場合には、大手が法に反してかってに仮登記ぐらいの形で買っておるものについては、何らかの具体的規制をしようということをいま私ども閣僚間で話し合いをいたしております。これは、合法的な優良デベロッパーが宅地開発をやるという、あの例の二十ヘクタール以上ですか、そういったものは別として、何かそういう農地であるべきものを不当に買い占めた者があれば、これは相当な処罰の対象にでもなり得るではないか、あるいは、よく言われるように、優先的に地方公共団体が関係事務費と利息ぐらいで買い上げるというような措置に出るのは当然だと、こう考えております。したがって、地方公共団体の場合なら、これが調整地域に及ぼしたからといって、その公有地が、いうところの乱開発を誘ったり、公共団体のいわゆる土地利用計画全体を乱るようなことにはならない。これはやはり公共団体そのものの良識をわれわれ信頼しておるわけで、まあ適切な公有地の利用がなされるであろう。それには調整地域といえども値段は安い、また必要の度合いに応じてそれが利用されることが望ましいと、こういうことでこの改正になったというふうに理解いたしております。
#56
○神沢浄君 代替地の問題でもう一つお尋ねしておきたいと思うんですが、市街化区域におけるところの農地を買い取った、しかし、その農業者はどうしても代替地を要求する、こういう場合については、調整区域内に先行的に取得したところのその土地を代替地として与える、それは入りますか。
#57
○政府委員(大塩洋一郎君) お説のような場合に、地方公共団体が調整区域内に農地を取得するということ、これは農地法上認められておりませんので、そのような場合には、普通はあっせんその他の方法によって、事実上代替地のお世話をするというような形になろうかと思いますが、本法の規定によりまして、調整区域の中にその代替地を求めて交換ないしは代替をするというようなことは、本法の代替地という取得には当たらないのでございます。
#58
○神沢浄君 そうすると、この代替地ということはきわめてあれですね、小さく局限をされた意味にしかなっていないというわけですね。私などの感じでは、調整区域にその取得をしたところの土地を、特に農地、農業者などに対する場合においては代替地として与えるための便宜を開いたんじゃないかと、こういう考え方をしておったわけですが、そうではないということなんですね。この辺はやっぱりはっきりさしておきたいと思いますが。
#59
○政府委員(大塩洋一郎君) 代替地という道を開きましたことは、先ほどもその理由を申し上げましたが、この代替地を取得いたしますときにも、目的を示して、これは何の代替地とするということを大体相手方に通知をしまして取得をする。それから、これを使いますときには、その目的は多少違いましても、公共施設の代替地であればいいと、こういうアローアンスはございます。そういう意味におきまして、代替地として取得し、予定して公共施設あるいは住宅施設等の用に供すべくこれを保有しておくということは、非常な進歩であろうかと思いますし、これは狭く解するというよりは、むしろ、この法律の趣旨からいいまして、この代替地を取得することによって公共施設全体の円滑な遂行ということに大いに手助けになるというふうに考えております。
#60
○神沢浄君 時間がもうなくなってしまったから、そこでおきますけれども、次に価格ですがね。価格の点については、要するに、地価公示法によるところの公示価格を基準にする、あるいは近傍類地の価格を参照をして、そうして算定をする、こういうようなことになっておるようですけれども、これは具体的にはどうなるんでしょうか。いま大体公示法によるところの公示価格というのは、どれくらいの範囲にきまっているのですかね。
#61
○政府委員(大塩洋一郎君) 現在、地価公示の実績と申しますか、地点数を申し上げますと、昭和四十八年の四月一日で五千四百九十地点の地価公示を行なっているところでございます。四十八年度におきましては、市街化区域の全域につきまして、一平方キロ一地点という割合で一万二千地点の標準地につきまして土地の評価を行ないますとともに、約二千五百地点の標準地を市街化区域以外にも拡大いたしまして、今度地価公示法を改正いたしまして拡大いたしまして、あわせて一万四千五百七十地点の標準地について、昭和四十九年、来年のことでございますが、当初に公示する予定にいたしておるのでございます。現在は五千四百九十地点、市街化区域内ににつきまして、一平方キロ一地点ということで公示しております。
#62
○神沢浄君 ですから、いま御説明がありましたように、大体現状においては、まだ限られた範囲にしか公示価格というものはきまっていないと。そういたしますと、調整区域内に取得のケースが起こったと、そうすると、その際、公示価格を基準にするといっても、その地域においては公示価格がきまっていないというような場面が多いと思うのですよ。そういう際には、近傍類地ということになるんでしょうけれども、近傍類地というのは大体具体的にはどんなような算定方法をとるのでしょうか。
#63
○政府委員(大塩洋一郎君) 地価公示がないような場合には、近傍の類地価格等を参酌いたしまして、地方公共団体がこれを鑑定評価いたしまして、公正な価格を出すのでございます。で、どういう方法でということにつきましては、地価公示法の中に規定がございまして、大体不動産鑑定士等の土地鑑定の専門家を使うのが通例でございますが、近傍類地の価格もあまりないというようなときには、諸種の収益還元の方法であるとか、あるいはすでに一定の土地から引っぱってきまして、その土地との比較をいたしましてその地価を導き出すというような方法でもって地価の確定をいたしておるような次第でございます。その際に、大体鑑定員というのは二名以上というふうにきめておりまして、われわれの経験によりますと、普通三名くらいを使いまして、そうしてその鑑定の結果を見て、さらにその責任当局がこれを勘案してきめる、このようなやり方をとっています。
#64
○神沢浄君 最後になりますが、協議期間を延長しているわけですね、この改正の中でもって。これは、この本法を制定いたすとき、私ども、協議期間がちょっと短いじゃないかということを指摘をした立場なんですよ。案の定短かったということになるわけなんですがね。そのときの説明は、私の記憶しておる範囲では、都市計画法におけるところの先買い期間が一カ月だと、だから、それとの関係の上で四週間というようなことだったと思うんですが、そうなりますと、今度の場合だってそのことの別に変化は生じていないわけですからね。今度はどういう説明になるんでしょうかね。
#65
○政府委員(大塩洋一郎君) 確かに、先回の法律の審議の際には、都市計画法第五十七条等におきます先買い権という形成権、これの期間が三十日ということにきめられておりました。で、これとの均衡を保つ必要があるということで御説明いたしまして、二週間、二週間と、大体その日にちに合わせたのでございます。
 ところが、その後、大体五、六カ月たちましたけれども、その後の経験に照らしまして、やはり実際に運用いたしてみますと、買い取りの届け出がありました場合に、これを買うべきかどうかということの判断をする期間が非常に短い。それからなお、申し出をしましてから協議する期間が短いということで、地方公共団体のほうからも非常にかなり要望が多かったのでございます。そういうような事情があります上に、今回、市街化区域のみならず、先ほど申し上げましたように、地域的には七倍の都市計画区域全域に広げたというような事情がございますので、都道府県知事等の行ないます事務処理のことも考えまして、これを三週間、三週間というふうに延長することにいたしたのでございます。
#66
○神沢浄君 時間がなくなりましたから、私の質問は打ち切りますけれども、最後に私は大臣に、お聞きするよりかむしろ要望を申し上げたいと思うんですが、私なりの考え方でもっていろいろお尋ねをいたしたわけです。しかし、率直に感じを申し上げると、何か私は、この際調整区域までこの先行の取得の範囲を拡大をしたということにつきましては、考え方として数歩のこれは前進と言うべきであって、まあ期待するところもあるわけです。ですから、私ども、この法案には賛成をしていきたいと思ってはいるわけでありますが、ただ端的に言わしていただきますと、やっぱり何か、いまの代替地などの問題についてもしかりですけれども、いわばなるほど健保あり他の法律あり、むずかしいんでしょうが、しかし、きょう直面しているこの土地問題というものの中での公有地というものの位置づけから考えてみまして、私はこの内容のごとき微温的なものでは、これは法律は一つの進歩を示したとしても、はたして目的のその達成というものが円滑に進行できるかどうかという点は、かなりの懸念を持たざるを得ません。私はもっとずっと前にもそういう点は特に主張もいたした点ですけれども、実際やるんでしたら、国がたとえば資金問題なんかについてはほんとうに親切にめんどうを見るくらいの姿勢をかまえ、同時に、やらせる地方公共団体に対しては、もっといわゆる強力な立場、権限というようなものを持たせる。たとえば届け出とかなんとか言っておるよりか、むしろその許可権限くらいをやっぱり地方公共団体に付与するくらいのところまでいかなければ、いまの土地問題の現状からして、そして大きな――まあこういう言い方はどうかと思うんですけれども、資本が政治を動かしてしまうような状況の中においては、全くこれはもう期待することが容易じゃないと感じているわけなんです。ですから、いまの許可制の問題などまで含めて、大臣がよく蛮勇をふるうと、こうおっしゃられますが、やっぱりそのくらいの決意でもって対応しなければ、全く期待することは容易じゃないじゃないかというような感じがしてならないわけです。私のそういう率直な感想を申し上げまして、そしてひとつ大臣の蛮勇に期待を申し上げまして、質問は終わることにいたします。
#67
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する午前中の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十九分開会
#68
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#69
○村尾重雄君 今回提案されました公有地の拡大推進に関する法律案を審議するにあたりまして、まず私は自治大臣に、この法律の目的、この法律の施行上のネックといいますか、一番じゃまになっている最近の土地の値上がり、それから企業の土地買い占め等について、自治大臣としてどうお考えになっているか、ひとつ大臣の基本的な姿勢について伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(江崎真澄君) 最近土地が投機の対象になっておる、これはまことに迷惑な話であるというふうに考えます。土地はもとより個人的な一つの財産ではありまするが、非常に規制のある、制限のある財産というふうに私どもは理解しておりますが、一昨年来、金融をゆるめて国民消費をふやそうとしたのが、反対に、土地であるとかあるいは証券であるとか、そういう買いあさりになったことはいかにも残念でありまして、政府といたしましては、そこで土地の利用計画を策定する、そしてこの土地を有効に利用するためには規制措置もとる、一方では、土地税制を強化することによって土地をいわゆる営利の対象、投機対象から除外する措置をとろう、こういうことで今日努力をしておるような次第でございます。
 本法案の意図いたしまするところは、公有地を地方公共団体が極力スムーズに確保できるようにということを念願して改正しようというものであります。午前中にも御議論がありましたように、もとより、これで十分な対策が網羅されておるなどとは私どもも思っておりません。まあ現行法よりはよほどよくなる、これは土地買収の対象地域を拡大いたしまするし、またそれについて、政府側としてもそれぞれ相当な財政措置をしてこれに協力をしようというものでありまするので、改められることは相当改められるというふうに考えます。そして一方、業務範囲を拡大するというあたりにねらいがあるわけでございます。
#71
○村尾重雄君 お話うかがいましたが、再度大臣に御所見を伺いたいのですが、実は私は、国土総合開発法案に関連してお伺いしたいのですが、これは建設省のほうの所管のことですが、ただいまお話をうかがってなお再質問するような形になりますが、地方公共団体なり地方開発公社などが、五年後、十年後に使用する土地を先買いしておかなければ公共施設などの整備ができないということは、膨大な財政需要のある中で、しかも資金面においては、午前中からお話がありましたことを聞くまでもなく、いろいろ各面から御苦労願ってようやく確保したが、すぐに使用できないというその土地をば、あらかじめ十年先のものをば確保しておかなければならないということは、資源の有効利用の点から見ましても、決して私は望ましいこととは思えません。やはりこのような先買い制度などなくても、公共施設などの整備が円滑に行なわれるように私はすべきでないかと、こう思うのですが、再度大臣の所見をひとつ聞きたいと思います。
#72
○国務大臣(江崎真澄君) 地方公共団体が土地を先買いすることをスムーズならしめるという点に力点があるわけでありまするが、なかなか複雑な問題があると思うんです。これは地方公共団体がまたあまりにも土地を買い過ぎるというようなことになりますると、これがかえって鎮静しかけた土地価格をまたあおるということにも反面なりかねませんですね。したがって、今度の法改正のこのあたりが大体いいところかというふうに、不承不承ながらも私ども納得をするわけであります。あまりにも買いやすく、どの地域でもということになりますと、これは地方公共団体が土地を買いあおる、全く逆な、所期せざる結果が出てまいったのではぐあいが悪い。しかし、そういう比喩を出しまするのにはあまりにも地方公共団体の土地の入手というものがむずかしい実情ではないか、こういう御反問も出るかと思いまするが、そういう面から、調整地域等にも購入することができたり、あるいはまたそこに代替地を求めるというような便宜措置をはかったわけでございます。今後、十分財政措置も考えて、また特に宅地等については、利子の補給等も政府側において配慮されるように努力をしてまいりたいというふうに考えます。
#73
○村尾重雄君 午前中の委員の質疑に重複しないように、二、三お聞きしたいと思います。
 この法案は、昨年の六月十五日に公布されました。また、土地の先買い制度に関する規定は、十二月一日から実施と、本法が実施になってからまだ日が浅いのに改正案をば提出せざるを得なかった理由、このことについては、先日の委員会でも御質問がございましたし、衆議院の速記録を読ましていただいても、非常に大きな議論の中でやはりこの問題に触れられておりますので、私はあえてこの理由をこれ以上聞こうとは思いません。そこで、この法案の要綱の中で一、二、三と三つあげられております。私なりの解釈からひとつお尋ねしたいと思うのですが、一の、土地先買いに関する制度の対象区域を都市計画区域に拡大することにするということなんですが、これも昨年の審議の中で、私は直接タッチはしなかったのですが、いろいろ記録を見ておりますと、やはりこの法案実施によって、土地の値上がりが非常にはなはだしい中に、かえってこの法案の実施によって土地の値上がりを来たすんでないかという意見がたびたび出ておりました。今回また、市街化区域から都市計画区域に対象区域を広げられるのですが、同じようなことがひとつ私は起こるんではないかという憂いを持つのです。協議事項、また先買いのひとつの進展等で、いろいろそういうように土地のかえって暴騰を来たすような心配がないかどうかということについて、御意見を聞きたいと思います。
#74
○政府委員(大塩洋一郎君) 本法によりまして土地を先買いいたしますときには、公示価格に準拠してこれを取得するということを掲げております。大体、いままでの買い取り実績を見ましても、公示価格に準拠して買っているのでございまして、また、公示価格がなされていない、標準地がないというようなときにおきましても、公正な、適正な価格をそこで鑑定評価いたしまして、これで取得するということにいたしております。したがいまして、価格の面におきまして、これが土地の高騰をむしろ誘導するというような面は私はないと思っておりますし、それからこの公有地法案の対象といたしておりますのは、四条一項から四号までに掲げる事項及び五号の事項につきまして、いずれも公共的なあるいは公共の用に供する土地に限定しておりますし、そのまた代替地ということに目的を限定いたしております。そのような面から見まして、一般的な地価の上昇をこれを助け、あるいはその先駆者になるというようなことはないと考えております。
#75
○村尾重雄君 公示価格については、後ほど少し私なおお尋ねしたいと思いますので、次いで、この二の項の、「地方公共団体等が届出により先買いをした土地は、公共用地等の代替地に充てることができる」ということで、この「代替地」なんですが、これは公共用地の代替地なんだが、しかし、この法施行によって取得した土地を地方公共団体等によって他に転用する、公共用地でないものに代替地としてこれを充てるというようなことの、これは防止といいますか、そういうことがないということは責任持たれるんでしょうか。おわかりでしょうか、意味は。代替地を公用地ではない目的にこれを充てるようなことはあり得ない、あるいはまたあってもいいんですかどうかということですよ、地方公共団体が。代替地を他に流用することがあってもそれは容認されるのかどうかということです。
#76
○政府委員(大塩洋一郎君) これは代替地ということの意味でございますけれども、この公共団体等が公用地を取得いたします場合に、その取得されました人に代替地としてこれを提供すると、こういう意味でございます。
#77
○村尾重雄君 その意味ならわかるんです。しかし、そうして取得した土地を、たとえば今度の協議事項になって成立するときに、代替地が必要になってきてこれを充てるというようなことはあり得ないかというんです、私の言うのは。一ぺん取得した土地を、次に代替地としてこれを利用するようなことは起こり得ない事実なんでしょうかということです。
#78
○政府委員(大塩洋一郎君) 一ぺん取得しておりました土地、これは目的を示して大体買います。これは公共の用に供するとかあるいはこれは学校の用に供するとか、公園に供するとか。それがその後事情変更によりまして使わなくなったというような場合に、これを代替地に使うことは可能でございます。
#79
○村尾重雄君 次いで、三の項なんですが、「土地の造成とあわせて行なう公共施設等の整備等の業務を行なうことができる」と、これは前々からも問題になっておった、上物の建設等にも使われるということなんですが、私は土地開発公社の本来の目的は何だということをちょっと聞きたいんです、現状の。
#80
○政府委員(近藤隆之君) 本来の目的は、申すまでもなく、土地の取得、造成でございます。
#81
○村尾重雄君 それが今度はどういう――たとえば「公共施設等の整備等の業務を行なうことができる」というのは、どういう範囲内の仕事ができるということなんでしょうか。
#82
○政府委員(近藤隆之君) 法文にございますように、「前項の業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内において、次に掲げる業務を行なうことができる。」といたしまして、土地の取得、造成というのが本務ではございますけれども、余裕がある場合におきましては、地方公共団体の委託を受けまして、そうして一団の土地を買収する場合に限りますけれども、その一団の土地にかかるところの関連公共、公用施設を整備することができると、制限したワク内においての業務を認めたのでございます。
#83
○村尾重雄君 いただきました参考資料の一ページなんですが、その2に、土地開発公社の設立状況というのが出ております。そこで(1)の(イ)、(ロ)の中で、(ロ)の未設立の県が十二カ所あがっておりますが、これは現在ある、地方――これは何公社というんですか、こういう公社によって間に合っているから設立を出さないのか、あるいは何か必要がないのか、何かほかに理由があるのか、ちょっと伺いたいんです。
#84
○政府委員(近藤隆之君) 公有地拡大法が昨年の九月成立いたしまして現在に至るまで、ここにありますように、三十五都道府県につきましては公社の設立を見ているわけでございますが、未設置の十二のうちで、六月県議会に議案を上程しておりまして、近くわれわれのほうへ回ってくると思いますのが、承認申請があると思われますのが三県ございます。それ以外の県につきましては、現在、いろいろ県内部におきまして検討中であるということを聞いております。たとえば、東京都などは新都市建設公社というような公社がございますけれども、この公社は、土地の取得、造成及び若干の上物、区画整理事業等を行なうような形になっております。現行法の場合によりますと、この公社が上物をやるということになりますと、二つの公社に分割しなければならないというような形になるわけでございますが、今度の法改正によりまして、上物も若干できるということにいたしましたので、形としてはスムーズに移行できる形になるわけでございますが、そういった点を含めて、そのほかの県もそうでございますけれども、それぞれみな民法法人の土地開発公社を持っているわけでございまして、それをどういうふうに組織変更するかということは、今後県内において検討していくということになろうかと思います。
#85
○村尾重雄君 いま御説明いただいたんですが、それはこの仕事の遂行上決してじゃまにはなっておらないと解釈してよろしいですか、現状。
#86
○政府委員(近藤隆之君) 御案内のように、民法法人でございますところの従来の土地開発公社、それなりにメリットはあると思いますけれども、御案内のように、この法律に基づくところの土地開発公社になりますと、税制の面等のメリットがございます。あるいは地方公共団体におきますその公社の管理、監督といったような面におきましても、ある程度地方公共団体の権限が強くなってまいりますので、公共性という意味におきましては相当のメリットがあるということで、各地方団体ともそのメリットについは認めておることであろうと思っております。それゆえに、県におきましても、現在すでにもう大多数の県が土地開発公社をつくり、市町村におきましては、すでに三分の一の市町村が法律に基づく土地開発公社に切りかえておるような状況でございます。今後の推移を見なければわかりませんけれども、いま申しましたように、法律に基づく土地開発公社のほうがそれなりのメリットもございますので、自治省といたしましては、できるだけこの土地開発公社に切りかえるように今後とも指導していきたいと思っております。
#87
○村尾重雄君 午前中の委員の質問に対しまして、それは土地の先買いの状況について御報告をいただいたんですが、私ちょっと数字を筆記しておったんですが、いま一度土地の先買いの状況をひとつ。届け出、申し出並びに協議通知の件数、それから協議成立の件数、数字だけひとつ教えていただきたいと思います。五月の末日まで。
#88
○政府委員(大塩洋一郎君) 本年五月末までの届け出、申し出につきまして、われわれの六月五日現在の実績で申し上げますと――集計いたしました日が六月五日でございます。まず、届け出、申し出件数が四千七百七十件でございました。そのうち、買い取り協議の通知をいたしました件数が千二百四十三件、約二六%でございました。そのうちで協議が成立いたしました件数が二百十件、これは千二百四十三件の通知に対しまして約一七%ぐらいになっておりますが、二百十件となっておりまして、その買い取り面積は六十万六千九百七十平方メートルでございまして、なお買い取り協議中の、まだ協議しているというのが三百五十八件でございます。
#89
○村尾重雄君 いま設立して間もないときの実績でございますので、非常なむずかしい仕事ですので、御努力願った結果だと思いますが、いまお伺いした成立件数、五月末における二百十件にしても、われわれこの仕事に大きな期待を持っておった者からは、そうかんばしい成果だとは残念ながら言えないと思うのです。私はこの二百十件が成立したということ、また協議件数が、いま現在扱っているものでも三百五十件あるということですが、いままでの多くの件数が未成立に終わっておりますが、その未成立に終わった根本の理由を、ひとつ御報告いただければいただきたいと思うのです。
#90
○政府委員(大塩洋一郎君) われわれが都道府県等を通じまして調査しましたその結果に基づきましてお答えいたします。
 協議の成立件数が二百十件と非常に少ないという理由と考えられますものに、まず第一に、届け出あるいは申し出がありました場合に、協議に入る件数が少ないわけでございますが、これはまず第一に、届け出がありましたそこの土地が、将来使うことは使うんだけれども、まだ見込みが当分先であって立たない、こういう理由が第一。それから第二といたしまして、都市計画施設、たとえば道路、公園等に一部ひっかかり、一部はみ出しているというような場合の土地の取得につきましては、このはみ出している部分等について、これが今回改正いたしましたけれども、大体主として使えませんので、つまり、その土地は一括でないと売ってくれないし、それは使う見込みがないというような事例が第二に考えられます。それから第三番目といたしまして、この届け出、申し出がありましても、公共団体等が必要とするのには小さ過ぎるとか、あるいは適地でないという案件でございます。
 四番目に、価格が、協議に入るまでもなく高過ぎて、これはもう当然入ってもだめだろうと、こういうようなことが考えられまして、四千七百七十件の申し出がありましても、届け出がありましても、協議に入れなかった。
 そこで次には、協議に入りましても成立する件数が少なかった、その理由といたしましては、やはり第一には、売り主が主張いたします価格が、こちらの算定いたします適正と思われる公示価格あるいはそれを基準とした価格をこえておりまして、価格面で折り合いがつかなかったという点が第一点であります。第二点は、売り主がやはり契約をしようとする直前に届け出るわけでございますから、その買い主に対する信用というようなこと等の個人的事情がございまして、公共団体にはやはり売りたくないと、こういう点でございます。
 以上が少ない理由と考えられます。
#91
○村尾重雄君 いま大体四つの理由があるということでお話しいただきましたが、私は実態だと、こう思います。しかし、その買い取り価格で協議が成立しないということが私はおもな理由だと、こう思うんです、おっしゃるように。そこで、私は本案第七条で、地方公共団体等は「公示価格を規準として」土地の買い取りをしなければならないとなっております。この条文で示している価格では土地を買い取ることがたいへんむつかしいということを私はあらわしていると、こう思うんです。そこで、また買い取った二百十件ですか、その土地の価格は、最初にお話しありましたように、公示価格で買い取られたのかどうか、その実態をひとつ御報告いただきたいと思うんです。
#92
○政府委員(大塩洋一郎君) 買い取りました事例の全部について当たっておりませんが、その約三分の一の事例につきまして調査いたし、報告を受けております。その調査によりますと、買い取った件数の三分の一の事例につきまして調べましたところ、その約五割が公示価格を基準としております。その他のもの、すなわち公示価格を基準とし得ないものあるいは標準地が近くにないというような場合に、つまり公示対象区域外であるというような理由によりまして、その場合には鑑定士の鑑定等に付しまして評価いたしておるわけでございまして、したがいまして、公示価格を基準とするということに準じた手続を経て買い取っております。すべてそのような手続で買い取っておりますので、先買いした土地の買い取りに際しましては、地価公示制度の趣旨が守られておる、このようなデータになっております。
#93
○村尾重雄君 非常にきれいな御説明をいただいたんですが、しかし、地方公共団体等が公示価格で買おうとしても実際買えないというのが現状だと、こう思うんです。そこで、一般の土地の売買が公示価格で取引されていないということは、私は今日はっきりしていると思うんです。上回っていることは事実だと、こう思うんです。そうなりますと、これは質問がちょっと違うかわかりませんが、建設省おられますか。――はい、失礼しました。公示価格とは一体どんなものかということなんですね。地価の値下げの防止の、よく言われる基準の役割りで、地価の上昇を政府があと追いして追認していく効果しかないのでないか。このような公示価格について、ひとつ、なお御説明あれば伺いたいと、こう思うんです。
#94
○政府委員(大塩洋一郎君) まず最初に、公示価格というのはどういうものか、どうやってきめるのかということにつきまして、簡単に御説明いたしました上で、先ほど説明漏れいたしましたので、公示価格を、買い取ったものについては守っているという事例をあとで申し上げます。
 公示価格のきめ方といたしましては、地価公示法によりまして、大体売り手と買い手とが十分に土地市場の事情に通じておって――これは仮定でございますけれども、しかも特殊な事情や動機を持たない場合に、通常の取引市場において成立すると認められるような適正な価格をいうものというふうに、公示価格の中身をそのようにきめております。で、公示価格は、土地の評価に関しましての専門家でありますところの不動産鑑定士等、これを複数鑑定をさせまして、その結果を土地鑑定委員会が審査し調整する、こういった慎重な手続をもって定められるのでございまして、その価格は、近傍類地の取引価格とか、あるいはその土地からあがる収益とか――これを収益還元法と呼んでおりますが、それから土地の造成費用によって推定する方法、原価法と呼んでおりますが、こういった幾つかの――その土地によって事情が異なりますが、方法をもって、いま申し上げました客観的な市場価値に近づく、アプローチさせるこのテクニック、これを評価理論、これを使いまして鑑定するものでございます。
 なおそのほかに、参考事例としましては、精通者価格であるとか、あるいは場所によりましては古老価格などと申しまして、そういうものを使って算出しているものもございます。
 このようにして、地価公示法の趣旨の地価公示というものの価格は、客観的な市場価値をあらわしたものというふうに考えられますし、したがって、その公示価格の中身には、その土地の持っている可能性というものも当然その中に含まれているものというふうに考えるのでございます。
 次に、事例の五〇%は公示価格により、他の五〇%は公示価格に準拠してやったというような事例について若干申し上げますと、大阪府とかあるいは名古屋その他で、買い取りました価格について調査いたしましたところによれば、公示価格がたとえば三万六千円ありました場合に、これを三万二千六百七十円というふうに、その場所ではございませんが、引っぱってきて、その土地の地層あるいは規模、形等からこれをきめておりますので、低い場合もございますし、それから時点修正などをやりますので、公示された日から半年かかっておるような場合、たとえば和泉市のある例でございますと、二万二千五百円という公示価格に対して、二万四千二百円という時点修正をやったというような例もございます。また、堺市の五万五百円という公示価格に対して、地柄が劣りますので四万五千四百円というふうに、でこぼこがございます。多くしたり、高くしたりしたことはございます。準拠しているという、基準としたという意味で例をあげたのでございます。
#95
○村尾重雄君 いま私から聞きますと、珍しい例をあげてお示しいただいたんですが、しかし、この公示価格が、いろいろお話がございましたが、公示価格を、最初にお話しあったように、またこの法にきめられておるように、基準とせよということなんですが、私はこのことが地方公共団体が土地を思うように買い取ることができないネックになっているということは、そういう事例を一ついまおあげいただいたけれども、これは事実だと思います。大部分がそういう状態だと、こう思うんです。そこで私は、これは私の私見になるかしれませんが、公共用地などを積極的に拡大しようとするのであれば、民間の土地の売買でも公示価格を守らすような施策を考える必要があるのでないかと、こう思うんです、民間において。また、公有地の拡大をする際、今日の実態を見て、地価の上昇の元凶にならないように配慮する必要が私はあるのでないかと、こう思うんですが、いかがでございましょう。
#96
○政府委員(大塩洋一郎君) 今度の地価公示法の一部改正法におきましては、民間につきましても「標準地について公示された価格を指標として取引を行なうよう努めなければならない」、こういうような規定を置いております。なぜ公共団体についてはこれを「規準」とし、民間についてはこれを「指標として」というふうにしたかと申しますと、二百数十万件という年間取引の件数の中には、個人の必要とする需要の動機、目的、用途等について千差万別でございまして、やはりどうしてもほしいとか、あるいはその他のいろいろな事情がありますので、これを基準として行なえということは取引の実態あるいは実情等から見てむずかしい、そういう点を考え、しかしながら公示価格を頭の中に置いて、その取引が行なわれることを期待した、こういう意味で、民間につきましてはこれを指標とするようにというふうな規定を置いて指導しておる。これがやはりもし公示地点の数がふえまして、全国についてその件数もふえていきますと、この効果も相当出てくるのではないか。いろいろな制度とからみ合わせまして、今後そのような効果が出てくるのではないか、このように考えておるのでございます。
#97
○村尾重雄君 公示価格を基準としてということなんですがね。実は私は関係者にお話を伺って了解をしたのですが、ひとつ公示価格の範囲というか、影響するところはこうだというようないろいろの説明を伺ったのですが、私は法文の「規準」という字なんですが、規律の規に準ですがね、それで私は、手元にある岩波の国語辞典を引いたのですが、その一つは、基という字の「基準」なんですね、「物事の基礎にする標準」、それから、いまのこの法律にある「規準」は、「模範・標準となるもの。従うべき規則」という、こういう解釈なんです、これをなおもう一つ広辞苑でひとつ帰ってから引いたのですが、いわゆる基となる「基準」は「物事の基礎にする標準、考えたり行ったりするのにそのもととなるべき目あて」、そして、ここにあります、法律で使われている「規準」は、「一般的に規範、実際的な規則や手本という意味」だと、こう書いてあるのですね。この点で、実は土地の取得ということ、また公示価格、地価公示の価格表示ということは、いまの国総法でもこれは相当問題になってくると思うのですが、非常に重要な問題だと思うのです。で、私はむずかしいことではございましょうが、地価公示を行ない、これを基準としてすべての土地、政府の対策というものが立てられ進行されていくということになりますれば、相当私はきりっとした土地公示の基準でなければならないと思うのです。今日の情勢からいって、公示価格というものはもっとあらゆる多方面に影響するところ等御協議いただいて、その上に立ってこういう文字が使われているのかもしれませんが、どういう法律上の文字でありましょうとも、やはりき然とした地価公示というものをばひとつお示し願えるようにお願いしたい、こう思うのです。
 そこで、ひとつお尋ねするのですが、いまの地価公示の標準地なんですね、建設省土地鑑定委員会の四十八年度の「地価公示のしおり」によりますと、五千四百九十地点で一平方キロメートルに一地点と、網の荒いもので、地価の基準とするのにはどうも大まか過ぎるのではないかと、こう思うのです。そこで、今後の公示地点の拡大についてどのようになっているか、ひとつお考えを伺っておきたいと思うのです。
#98
○政府委員(大塩洋一郎君) お説のとおり、現在におきましては五千四百九十地点公示しておりまして、なお、四十八年度におきましては、これを一万二千地点の標準地について四十九年度当初に公示したい、あわせて、今度の地価公示法の改正によりまして、公示対象区域を市街化区域以外の区域に拡大いたしまして、四十九年当時には一万四千五百七十地点の標準地について公示することにいたしております。しかしながら、一平方キロに一地点という標準地というのは、必ずしもこれで――特に権利ふくそうしております市街地等におきましては、これで満足すべき十分な地点数とは考えられません。
 で、将来のことでございますが、われわれは、いま検討中でございますけれども、これをもとにいたしまして、県または市町村におきまして、さらにこまかいこういう地点網の増加をできるだけ拡大するように検討いたしたい。で、この国の公示いたします地点と、それから県、市町村の、こういったこれを拡大した地点網とによりまして、その拡大をはかってまいりたい、このような考え方でございます。
#99
○村尾重雄君 私は、締めくくりがないようですが、大体けっこうです。
#100
○河田賢治君 公有地の拡大の推進に関する法律改正について、この法律が昨年できたとき、私たちも一応、先買い権というものが一つの公共用地を取得するのに意義があるということで賛成したわけですが、しかし、この法律の施行の結果を、やはり私たちは、まだ半年ではありますけれども、実態がどうであるか、それから今後どういうところに欠陥があるか。そしてほんとうに公有地を取得のできるような、そういう法律をつくることが、まあこれは政府も必要ですし、また、立法機関であるわれわれも、地方行政委員会も、そういう方向で検討すべきだと、こういうように考えるわけです。
 御承知のように、土地問題はいま、特に昨年あたりは非常に暴騰しまして、そしてこの法案は市街化区域に限ってはおりますけれども、しかし、市街化区域の中にも、日本全体から見ますと過疎地帯なんぞもあるわけなんですね。人口がほとんどふえてないとか、若干、いなかのほうにいきますと、都市であっても減るとか。しかし、反面また、東京あるいは首都圏、あるいは中部圏とか、近畿圏、こういうところは非常に人口が急増しておるし、したがって公共用地の取得ということが特に要望されておるわけです。その結果、ここで自治省のほうから出されておりますけれども、これは全国の集計であって、この土地の取得においていろんな条件があるわけですね。そういう条件を何らかの形で法律的に改めるとかして、そして公共用地の取得というものをある程度完全に遂行できるということ、そういう法改正が必要だと思うわけです。
 そこで、東京、大阪あたりの新聞をちょっと見ますと、大阪の住宅用地は買収はゼロである。これは七三年三月十九日の新聞でございますが、こういうことなんですね。これじゃ地方自治体は、公営住宅の割り当てなんか受けておりましてもこれは何もならぬ。あるいは東京は――これは自治省のほうでも知っておられると思いますが、東京あたりでも、この公有地拡大法に基づいて――三月の末までほとんどなかった。三十何件ですか、要するに協議はしたらしいのですけれども、折り合いがつかなかった。それでようやく三月三十一日、かけ込んできて二つの件数だけが整った。しかし、その面積はわずかに〇・六ヘクタール、こういうのですね。そうすると、大都会ではまあ地価の関係が一番大きい問題だと思いますけれども、とにかくこれはこの法律が有効に実施されてないということになるわけですね。そうすると、今度の法改正によってこれが満たされるかどうかということです。そういう内容になっているかどうか。若干、中都市なんかにいきますと、確かに先買い権もあり、土地もそう一般に急増地域ほど上がってなければ、ある程度買えるわけです。だから、そういう実績ができたと思うのですけれども、こういう点で、ひとつ公有地の拡大について、ほんとうにこういう諸条件というものを考えられて、そしてこの法案を考えられる過程で、まあ直ったところはわずかなんですけれども、こういう問題についてひとつ当局から聞きたいと思うのです。
#101
○政府委員(大塩洋一郎君) 確かに、公有地の拡大法の中身、考え方というものは、当事者が契約成立いたします寸前に届け出ていただきまして、それを、同じ売る意思があるならば公共団体に売ってくれという協議権を持つということが中身でありますので、その意味におきまして、当初から計画的に、ここを指定してあるいは収用していくという体制の、公共事業でやっておりますようなそういう体制のものと比較いたしまして、これは補助的な役割りを示すものであり、そしてそういう公共事業の円滑な将来の遂行を助ける、こういう意味のものだと思います。
 で、そういう性格のものでありますから、先ほど来申し上げておりますように、なかなか成約件数等も少ない理由も、そういう性格の中にあると思うのでございますが、まだ五カ月くらいの施行期間しかございませんけれども、漸次、公社その他の地元の執行体制が整ってまいりつつございますので、調査によりますと、近々二、三カ月の間に相当成約件数が上がってきておると思うのでございます。東京都におきましても、先ほど二件とおっしゃいましたけれども、件数といたしましては相当件数、協議件数が上がってまいっております。
 以上のような回答をまずさせていただきました。
#102
○河田賢治君 私が言ったのは、これはまあ新聞ですから、新聞を信用なさらなければそれは何ですけれども、ここには、四月十一日の「朝日」ですけれども、「都には三月末までに百三十件の届け出があり、このうち三十件について交渉にはいった。が、三月中旬までに買えた土地はゼロ。年度の大づめになって、ようやく二件の交渉がまとまった。といっても面積は合計わずか〇・六ヘクタールで、「公有地拡大推進」は名前だけにとどまっている」、こういうふうに書かれているわけですね。まあこのごろの新聞、大体二月、三月、四月、これは公共用地の手に入らぬことはたいていの新聞には書いてある。なるほど補完的な法律かもしれませんけれども、それでは補完的でない法律で、大阪の公営住宅はだめ、全然ほとんど用地が入らなかったとか、あるいは東京都でも、あと地は別問題で、あとで話しますけれども、とにかく住宅難なのに、従来の十分の一ぐらいしか建設されない、こういう事情もあるわけです。単に予算だけの問題ではない。こういう場合に、もうりっぱな法律があって、それでどんどんどんどん必要な土地が何らかの形で手に入る、これは補完的だというふうに一体お考えになってこの法律をつくられたのでしょうか。そうじゃないだろうと思いますね、昨年あたりは。ある程度先買い権を与えれば、届け出なりあるいは本人の申し出によって手に入る。必要なところは、いろんな価格の問題はありますけれども、まあある程度これで公共用地、必要な用地が確保できるというお考えで昨年は確かにお出しになったはずなんですね。ところが、その結果、全国的には中都市等はある程度手に入れておりますけれども、さっき申しました主要な大都会は手に入らぬという状態、そうすれば、やはりこの法律の中に何らか、公共用地が、特に住宅やあるいはその他公園あるいはいろんな施設、こういうものをつくる場合に必要なんですから、これに対して何らかのもっときつい法律の内容を盛っていく、こういう必要があるんじゃないかと私は思うわけなんです。そうでないと、法律はできておりましても、実際に公共用地が取得できないとなれば、これはあってなきがごとしなんですね。事実また、この法律のもとにほんとうに入手したというのは、非常にわずかなんですから、数えるに足りない。
 こういう一つの問題で私はこの問題にまず最初入っていくわけですが、次いで、それでは工場あと地の問題ですね、これは確かに自治省直接の所管ではないと思います。これは通産省が主としてやるわけですけれども、この工場あと地が、しかし、県の指導によって工場あと地を都に売却するとか――たとえば東京に工場がありまして、そして埼玉県あたりで工場団地をつくる。そしてそこへ移っていきますね。そうすると、そのあと地は必ず前の市町村に売り渡すべきだという念書を入れさせて、行政指導のもとにこれをやっているわけですね。こういう一つのあり方があるんです、地方自治体に。ところが、一方におきましては、工場あと地をずいぶん手に入れようとしても、東京あたりの例ですけれども、井関農機なんか、あそこなんかのあと地は公団やらいろんな公共機関が交渉している間に、三菱地所がばっと取ってしまう。そして、もう非常に高い値段でこれは買っているわけなんですね。こういう例が相当あるわけです、東京あたりは特に。だから、こういう公共地――これは都が公園にするのかあるいは住宅にするか、いろいろ用途はあると思いますけれども、しかし、こういうあと地を、直接のこの法律ではなくても、これは非常に公共用地として関連するんですからね。こういう問題について自治省のほうは大体どういうお考えになっているか、ひとつその辺の考えをお聞かせ願いたい。
#103
○政府委員(近藤隆之君) 工場用地、工場のあと地などにおきまして、公共用地あるいは公用用地といたしまして適当なものがございますならば、当然地方公共団体といたしましても、話し合いによって買収したいということであろうかと思います。この場合、土地開発公社等も相当活用する余地はあろうかと思います。
#104
○河田賢治君 工場あと地という問題は、私もさっき言いましたように、一方では行政指導で、法律によらなくても、ひとつのあと地利用計画を立てて、要綱というものをつくって、そして行政指導をやっているんですよ。地方自治体にとってはたいへんなことなんです、これは。それでも、ある程度中小企業の諸君を説得して、念書も入れさしてそして移らせている。ただ工場あと地なんか、特に最近は御承知のように工場再配置で、つまり国から融資を受ける、そして、行った先は一定の期間地方税を減免される、こういうつまり国家の優遇を受けているのですね。ところが、あと地はかってに処分していいというようなことで、これは放置されているわけですね。そして、一つの大きな団地がまとまるのが、一つのところだけが反対しているために、なかなか都なんかが考えているような一つの団地ができないという場合がしばしばあるのですね。ですから、やはり公共用地として工場あと地、特に、政府の融資を受けたり、また税の減免を受けるというような、こういうものに対して、何かひとつ規制なりあるいは行政指導なんかで、もっときつい手段がとれぬものですか。私はそういう国の税金をどんどんまけてもらったりあるいは融資をしてもらう工場――また工場は、行けば、例のスクラップ・アンド・ビルドで、工場の設備は入れかえる、そうするとさらに能率の高い工場になるわけですよ。だから、移転費なんかでも幾らでも出るのです。こういうものが、それぞれの地方自治体が利用できないということになれば、これは地方自治体として、非常にこの法律自体に問題があるのじゃないかと私は思うのです。一体、大臣はこういう問題をどのようにお考えでしょうか。まあこれはどうしたって自治省のお役人だけに聞いても何ですから、通産相も内閣の閣僚の一人として――こういう特別の恩典を受ける工場が、全然その市町村に譲り渡さぬ――何もただでくれと言っているのじゃないのですね。しかも、埼玉県あたりはそういう指導をして、さっき申しましたように、十一ばかりの会社が念書を入れて、そうして移っているわけでしょう。優先権を与えているのですよ。こういう問題についてひとつ大臣から……。これはどうしても抜け穴的な法律はもっともっと緻密に攻めていかなければならぬ、私はこういうふうに思うのですが。
#105
○国務大臣(江崎真澄君) まあこの問題はなかなかむずかしい問題ですし、私有権の存在を認めておりまする以上、なかなか政府がこれに介入をして、一定価格で公共団体が優先的にこれを取るということについては、相当問題があろうかと思います。なるほど、この工場再配置のために、受けざらをつくってそこへ行ってもらう。それをあと地をどう利用するか、そこに多角的な経営、いろんな利用法とか計画されるわけでありまするが、これを一律一様に必ず公示価格でというまでにはまだ至っていない。それは公示価格そのものをだんだんこれから権威づけていく。それは今年度の予算でも、一万四千数百カ所の地価公示をすることで予算計上がなされておりまするが、これはもう全国的に見ればほんとうに微々たるものでありまするし、それは指定都市等にはこれがあるわけで、工場再配置法に基づく地域に関係はあるわけですが、これで強制するということはちょっと問題があるというふうに思います。
#106
○河田賢治君 しかし、これはあとでまた問題出しますけれども、とにかく私有権なり、所有権ですね、これに対しては、確かに憲法でも保障されなくちゃならぬということになっておりますけれども、しかし、もうだんだん土地が指定――どこにあってもどんな家を建ててもいいということになってないでしょう。ある一定の区域に住めば、たとえば天然記念物、史跡――京都の嵯峨野あたりではそんな高い家は建てられぬということですね、自分の家だといっても。東京だって、そういうところはだんだんできてきているでしょう。だから、所有権といったって、完全な、自分で支配するような権利はだんだんなくなってきているのです。しかも、目に余るものがあるから世論は高まって、デベロッパーや、それからその他の大土地を買い占めたものに対して、いろんな手を打つような時代になってきているのですからね。いま大臣のおっしゃったように、土地の所有権をどうこうというようなことをおっしゃっていたのでは、これは都市の再開発なんていったってできませんわ。農村だってこれはなかなかいきません。いまだって、農業振興地域はちゃんと、どうでしょう、この地域は田畑として残す、樹園として残すとか、この辺は家を建ててもいいとかいうような、土地の制約がだんだんできてきている、農村に行っても。だから、自分自身の土地だからといって、かってなすべての支配権を自由に持つわけにはいかなくなってきているんですよ。そういう時代なんだから、法律なんかも漸次そういう方向へいかなきゃならぬと私は思うんです。そういう立論から、いま工場あと地の問題をどうしても通産省あたりによく改めてもらって、必ず工場あと地はとにかくここに先買い権を与える――買う買わないはそれは別です。しかし、そういうものを与えなければ、大都市の工場でも密集したところは公園一つできませんし、また公共施設ですか、多少でもそういうものをつくろうと思ってもできぬわけですからね。これはもうできる限り、国家の資金や、あるいは減税を受けるような特典があるんですから、これはやっぱりそのくらいの規制はすべきで、そこの土地が要らぬから出ていくわけですからな。その土地をまだ使うというならこれはまた別問題です。この点を、私は県自身が行政指導までしてやっているんですから、政府が行政指導もできぬようじゃ、これは値打ちがないですよ。県はどんどん行政指導をして、それを実地に土地を提供さしているんですよ。これはもうあなた方のほう、自治省あたりや通産省は、そのくらいの行政指導しなかったら、法律になければ行政指導でもやっていくと、こういう私は覚悟が必要なんじゃないかと思うんですよ。
#107
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃる意味はもう政府でも実は実行しておる。私はさっき原則論をやったわけですが、今度の国総法でも、土地の利用計画が出てくれば、その利用計画に基づいて規制することはできるようにしておるわけです。ですから、公共用地として工場あと地は政府の低利資金を借りておるし、法律によっていろんな助成が策されておるから、要っても要らなくても公有地として優先的に買うんだということになりますと、ちょっと行き過ぎになる。やはりそこに正当な、地方公共団体としての、こういう形で利用したいという計画があり、要望があれば、それは満たされるようになっておるし、また、国総法では特にそれを強く規定づけようとしておるわけでしょう。だから、ほんとうは国総法を早く通していただくというと、いろいろいま御質問のような問題がスムーズにいくことになるというふうに考えます。
#108
○河田賢治君 まあ国総法はこことは関係ないんでして、それを持ち出されてもわれわれは問題外。少なくとも自治省が行なうこういう公有地の取得などについて、できるだけ、たとえ補完的なものであってもそういうものを詰めていくべきだと。そうしなければ地方自治体自身が今日なかなか用地の取得ができぬ。東京が百三十六億ですか、予算を組んでいたけれども、用地費が七十何億余ったというような、こんなことも出ているわけですね。だから、この法律ができましても、中小都市にはある程度これは効果があると思いますけれども、しかし大都市になると、もうちょっとこの法律だけでは全くどうにもならぬという事態に私はなっていると思うんですよ。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
 そこで、宅地の問題などについてちょっとお尋ねするんですが、いま特に住宅地というものが、東京でも百万戸不足の住宅があるとか、あるいは不良住宅がたくさんあるというようなことが絶えず言われ、ときおり新聞を見ましても、わずかの小さな間に子供が寝て窒息をして死んだとか、おやじさんの足が子供の上に乗っかって死んだとか、今日、そういう不良住宅で非常に多くの住民が困っているわけですね。そうすると、どうしても公営住宅なんかをほんとうにもっともっと建てていかなきゃならぬ。ところが、昨年あたり、大体この計画がどこでも相当ダウンしているんじゃないか。
 ちょっとそれでお聞きしますが、住宅公団なんかは大体どのくらい去年の計画が進行しているか、それからことしは大体どういう見通しになるか、それから、将来何カ年計画というようなものがあって、どの程度のいま計画を立てておられるか、ちょっとその辺のところを大ざっぱに伺いたいと思うんです。
#109
○説明員(福地稔君) 住宅公団におきましては、御承知のように、首都圏、近畿圏、あるいは名古屋、その他の大都市において住宅建設をいたしております。そのうちで特に重点を置いておりますのは首都圏でございまして、大体各年度とも、事業は六割を首都圏地域に計画しております。従来とも大体六割の戸数を確保してまいったわけでございますが、昭和四十七年から非常に建設がダウンしてまいりました。理由はいろいろございますが、交通だとか、あるいは地方公共団体の財政難だとか、いろいろございまして、公団が家を建てます際に、地方公共団体あるいは地元と折衝いたします際に、その折衝が難航いたしまして、非常に建設に時間がかかるということでございます。したがいまして、前年度、四十七年度におきましては、約六割の四万三千戸くらい建てる予定でございましたが、すでに発注しておりますのは約一万三千戸でございまして、残りは今年度に繰り越している状態でございます。
 で、四十八年度につきましても、やはり六割見当は建てるつもりでおります。その用地といたしましては、ほぼその用地、六割の建設分につきましては、用地そのものはございますけれども、先ほど申し上げましたように、いろいろ地元との折衝難、交渉に時間を費やしまして、おそらくことしも、かなり建設に着手するのもおくれるのじゃないかというように考えております。
#110
○河田賢治君 この間、建設省の大手商社、不動産会社等からの放出について新聞に出ておりましたが、ちょっとその内容についてお伺いしたいと思います。
#111
○説明員(吉田公二君) 先般の二、三の新聞に記事が出てございまして、私どもも確かに、いわば大手の企業と称されます幾つかの企業と協議をいたしまして、大都市地域――主として首都圏に重点を置いておりますが、大都市地域において土地を保有している者と協議をいたしまして、その保有地の一部について公的機関に譲渡するということの話し合いをした事実はございます。
 この趣旨でございますが、建設省といたしましては、民間企業におきまして優良な宅地を造成し、これを適正な価格で供給してもらうということは非常に望ましいことでございますので、極力その促進をはかっておるわけでございますが、たとえば市街化調整区域でございますとか、そうした、民間企業におきまして直ちに開発することが必ずしも適当でない、あるいは非常にむずかしい、こういう土地でございまして、関連施設の整備等、まあ公的機関の手に移したほうがより早く一般に供給できるというようなものにつきましては、これは公的機関の手に移して開発を促進するということが望ましいケースもございますので、そうした点で一応お話し合いをしたということでございます。
#112
○河田賢治君 首都圏内で大手不動産が保有している住宅用地面積、これは向こう何年分の住宅建設の可能面積か、資料ありますか。
#113
○説明員(吉田公二君) 住宅用地面積と、こう一がいに申しましてもちょっと非常にむずかしいわけでございますが、私ども、昨年の春に調査をいたしまして、東京証券取引所の一部、二部に上場されておりますような会社、この全会社に対しまして調査を行なったわけでございますが、その中で、その回答におきまして、四十七年三月三十一日現在――四十一年度から四十六年度までの六年間に取得したもので、四十七年三月三十一日現在に保有している土地というものが全国で四万一千三百ヘクタールございまして、このうち、首都圏のうちの一都三県、この場に限定した数字といたしましては六千六百ヘクタールとなってございます。この中には、工場あるいは事務所等の事業用資産を目的とするものもございますので、造成して譲渡するという目的のたなおろし資産だけをあげますと、私どもの調査では四千ヘクタール程度となってございます。
#114
○河田賢治君 新聞によりますと、この用地の放出という問題では、そのうちの一部でもいいからというような調子で新聞には出ておりましたが、相当土地は持っておりまして、御承知のとおり、参議院の例の参考人喚問で、伊藤忠とか、その他丸紅ですね、土地投機などが問題になったころ、個々の不動産の社長自身も、ある程度こういう問題は解決していかんならぬと、土地は出してもいいと、丸紅も、土地の新規買い増しはしないと、伊藤忠も、越後正一社長は十五日、株の思惑買いをやめ、土地の新規取得をできるだけやめるというような宣言をしているわけです。伊藤忠は、三月末現在の手持ち土地は千八百八十万平米、約四百億円相当だといわれておりますし、丸紅は、土地開発関係予算は従来の十分の一に削減して、資金面から新規取得はできないようにしたと会社は言っているわけです。三月末現在、約一千七百万平米、三百五十億相当の土地を持っているといわれておるんです。ですから、こういう大規模な大会社がやはり土地を持って、しかも、かなりここ数年の間に値上がりしているんですから、少々、公示価格で売ってもおそらく損するようなことはないと思うんです。こういうふうにお考えできませんか。それと、もっと強烈にそういうものに対して要請すると。いま法律がないとすればそれはまあしようがないですけれども、あれば、もう強制収用でもするとか、ある程度のやはり大会社の土地の放出をしなければ、さっきのお話ですけれども、住宅公団なんかの建設もなかなか進まぬだろうし、大都市におけるいろんな公共施設もなかなか思うようにならぬのじゃないかと思うんです。この辺はどうでしょうか。
#115
○説明員(吉田公二君) ただいまいろいろ例をお示しいただいたわけでございますが、私どももいろいろ話は聞いておりまして、大企業が持っておる土地がすべてイコール優秀な土地であって、それがそのままに住宅用地に充てられると、それをいわば投機的に保有して出さないということかどうかも調べたわけでございますが、必ずしも直ちに利用できるという土地ばかりではないわけでございまして、市街化区域内等でまとまった土地がございまして、これをそのままに使えば使えるものを非常に保有してて離さない、あるいは開発する意思もない。必ずしも全部が全部そういうわけではないわけでございまして、いろいろと条件の多い土地を持っているケースが非常に大きなウェートを占めております。でございますから、開発をいたそうということになりますれば、開発行政を担当しておりますそれぞれ都道府県知事の意見も徴する必要もございますので、そこらを慎重にいまお話し合いを詰めているという形でございます。
#116
○河田賢治君 これはもう主として外へ公表されたように、日興リサーチセンターが関東大手私鉄――私鉄ですよ――七社の宅地ですね、宅地の分譲用地保有面積というものを発表しておるのですね。東武が千五百六十ヘクタール、西武が五百四十五ヘクタール、東急が千四百五十九ヘクタール、京浜が千百四十八ヘクタール、小田急が一千三十四ヘクタール、京王が七百八十六、京成が二千四百二十六ヘクタール、合計八千九百六十二ヘクタール、年間平均のこれらの販売面積はまあそれぞれありますが、それを現在の保有面積でずっと割りますと、東武が十五・四年分、西武が二・二年分、東急が二十四・七年分、京浜が三十一・一年分、小田急に至っては三十三・五年分、京王では三十六・一年分、京成では二十二・二年分と、こういうふうに相当膨大な土地を、日興リサーチセンターの発表によると、宅地を持っておるといわれておるのですね。ですから、これは八千九百六十二は、一戸建て住宅を二月分百五十平米として約六十万、このうち、首都圏内で約二分の一と見ても約三十万戸分の家が建つわけです。
 こういうふうに、まあ私鉄もそうですし、また大手不動産会社の住宅用地の買い占め状況も、これは去年の九月の決算時ですけれども、大手不動産会社の販売用の土地の所有状況、これは「住宅産業」誌に載った――七三年一月号です――角榮建設が三千ヘクタール、大和団地が三千ヘクタール、三井不動産が二千百ヘクタール、東急不動産が千九百五十ヘクタール。住宅用地ですからね。もちろん都心に若干遠いところもあるいは近いところもあると思いますが。
 とにかく、こういうふうな大企業が今日相当の土地を持っているんですから、まずある程度これらに行政指導、あるいは法律によって放出するようなことをしませんと、上のほうから相当やっていきませんとね、そうしませんと、やはり小さなわずかばかりの農地を持っている人でも、少しは値上がりを待つとかというような気分になるわけですね。ですから、今日やはりこういう事態なんですから、向こう三年間ぐらいは大企業独占グループの土地の新規買い入れを原則として禁止するような一つの新しい方向を打ち出すと、そして大企業から逐次放出させるとかいうふうにしませんと、都市の再開発もなかなか困難ですし、あるいは公共用地もまだまだ日本は欧米諸国に比べれば非常に少ないんですから、こういうこともなかなかできないわけですね。ですから、こういう点の――私はこれはまあ主として建設省になると思いますけれども、相当大きな料理をしなければ、この土地公有の先買い権制度というものがやっぱりほんとうに生きてこないんじゃないかと、まあこういう、つまりこれは補完ですから、そうすると本流の仕事をやっぱり真剣にやらなければ、これは生きてこないんじゃないかと思うんですね。こういう考えを持っておりますが、こういう問題について、一応大臣からでも――行管外でありますけれども、しかし、地方自治体として見ればこれはかなり大きな問題ですからな。ひとつ御答弁を願いたいと思うのです。
#117
○国務大臣(江崎真澄君) 大手の買い占めにつきましては、もうすでに特別土地保有税等々が創設されたこと、それから、かねて御審議をいただきましたように、土地の譲渡所得に対する分離課税の強化、こういったもの、それから金融の土地購入に対する規制、非常に強い引き締めをやっております。そういうことで、商社としては土地を投機対象にはしない、そういう気風が幸い出てまいったことは、何よりの一つの成果であるというふうに思っております。そればかりか、ここでほんとうはこの国会で国総法を通していただけるとよかったんですが、どうもこれはちょっと時間切れになりそうで、私どもも残念に思っておるのですが、もう一つ下がったんじゃないだろうかという気がします。これは日本経済の十四日土曜日の新聞記事ですが、「土地売り注文ふえる」「換金を急ぎ値下げも」というのですからね。ですから、そういうふうにだんだん成果をあげております。したがって、土地の買い占め等をした大手商社に対しましては、やっぱり今後の土地利用の策定等々と相まって、優先的に地方公共団体に売り渡しをしてくれるようにという要請を具体化することは、国総法が通ればいつでもできます。現在の段階では、先ほど来お話がありまするように、建設大臣からしばしば大手商社の代表に、買い占めた土地で、それが住宅団地等々に向くようなものは、ぜひひとつ譲り渡されたいという要請をいたしておるところでございまして、先ごろ建設大臣の話によりまするというと、これは相当期待できるぞということですから、間もなく成果をあげ得るものというふうに私も期待をいたしております。
#118
○河田賢治君 次に、現在地方自治体は土地問題では非常にいろんな面で困っておるわけでしょう。特に人口急増や、生活関連施設などの開発、そういう地域では非常に問題がある。それぞれの地方自治体が、特にかなり全国的にいま各県が指導要綱なんかをつくって、開発に対する規制をやっているのですね。自治省ではそういうものをずっと集めておられますか。どのくらい規制要綱をつくって、どのような成果があるか、よさそうなやつを一つ例にあげてもらいたい。
#119
○説明員(吉田公二君) 自治体の開発行為に対します指導と申しますか、通称宅地開発指導要綱と呼ばれておりますものは、これは大体市町村が一応内規として定めておりまして、開発にあたりまして、できるだけそういう線に沿ってもらいたいということで、開発主体に対して御相談する一つの基準というふうにいたしておりますが、大体昨年度末、四十八年度に入りますころで約百七十七、百八十足らずでございますが、そのくらいの数のものがつくられておりまして、大都市圏区域の市町村が非常に多いわけでございます。内容的には、それぞれの公共団体の実情等からそれぞれかなりの幅がございますが、内容は、おもなものは公共施設の整備水準でございますとか、そうした公共広域施設の整備に伴います費用の分担でございますとか、大体そういう内容を盛り込んでございます。
 さらに最近二、三の県等では、こういった指導要綱とまた別に、たとえば千葉県で申しますと、千葉県の地価対策要綱、これはまだ実施に至っておらないものもございますが、そうしたもので、もっと大まかに開発行為についての指導をしていこうという動きも若干あるようでございます。
#120
○河田賢治君 非常に注目すべき――千葉県あたりでは考えているのですね。新聞にまで――その後直接問い合わしてみますと、四月に大体要綱をつくって、それで八月に全地域を完全にやらすという指導ですが、これには、「十ヘクタール以上の大規模開発をする業者に販売価格の協議を義務付ける」、それから、「協議の際は土地取得費、造成工事費、諸経費を含めた造成原価を報告させ、県がこれを公表する」と。ですから、これは公示価格とは違いまして、実際に今日かかった費用、それに経費も含めて、それを公表すると、こういうことになるんですね。今度は販売価格です。「販売価格の適否は、県の宅地問題協議会の中に宅地販売価格審査部会を新設、地元市町村長の意見を加えて審査する」、「販売価格はすべて原価主義を原則とする」、こうなっていますね。ですから、かなり地価公示制度以上に、きちんと一応の審査もしたりして、そうしてこれが大体取引の条件になるというところまでいっているわけですね。こういうふうに、地方自治体はみずから土地問題を何らかの形で少しでも前進させなければならぬ、土地利用についても、また土地の開発についても、自己防衛的にいま地方自治体がこういうことに取り組んできているんですね。そうだとすると、こういう地方自治体が岡山その他にずっと――新聞なんかにも、開発指導をやっているところ、利用計画をつくっているところとありますけれども、これらはいわゆる法律でありませんから、つまり比較的拘束力が弱いわけですね。そうすると、自治省としましては、こういうものを条例でつくったり、あるいはいろいろな、何ですか、条例ですね、県なりあるいは市町村というところがこういうものをつくり、そうして同時に公有地の確保を確実にするという意味からも、いわば国よりも先行した制度をつくり、事業をやり出したところを、やはり法的にこれを保障していくということが政府の仕事の一つじゃないか、拘束するばかりでなくて。この前、宅地開発税ですか、あれがつくられましても、ほとんどの地域で条例ができなかったということをこの前報告受けました。だから、市町村が実行できないようなものを中央でつくるのでなくして、むしろ現在地方で進めているようなものを、条例なり何かをつくってそれを保障していく、大幅にそれで援護していく、そうして彼らにある一定の拘束力を持たしていくと。これまた、前進すればどんどん変えればいいのですから、そういうような大きなゆとりを持って自治省あたりが地方自治体を防衛していくのが至当じゃないかと思うのですが、この点についてお考えを伺いたいと思います。
#121
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点等が国総法に織り込まれておると、こういうことなんです。一々自治省がそういうものをカバーするということよりも、国の方針として、国総法で土地の利用計画を立てさせて、一定の規制措置を設けたり、地域指定をして、その地域については取引の中止勧告までできる。これは千葉県で構想して実行に移しておるところを、国全体としてひっくるめて方向づけをしておるというわけでございます。したがって、国としても、そういう地方公共団体の県等の傾向に合わせて率先法案化しておるが、どうもこれがうまく成立しないという経緯でございまして、できればひとつきょうからでも通していただければたいへんありがたいと思います。
#122
○河田賢治君 それはこの委員会の任務外ですから……。(笑声)
 しかし、ここで千葉県の自治体の中にある鎌ケ谷市ですか、ここで、さっき申しました宅地開発指導要綱をつくって、公共用地の提供に加えて、そして大手民間宅地開発事業に対して分譲宅地の価格の規制というようなことを、年間適正利潤率は一二%、造成費取得価格以下に押えるという要求をしていたわけですね。ところが、こういうことでいま千葉県は全市町村にこのような方式を大体進めておるようでありますが、ここで、東武鉄道ですね、宅地分譲十三ヘクタールに対して、ことしの一月、分譲価格規制――市の計算では坪十万円を要求したけれども、東武鉄道はこれを受け入れず、事実上拒否している。これは一九六八年に坪当たり二万八千円で買収した土地、造成後の分譲価格を坪十五万から二十五万、取得価格の約五倍から八倍で分譲することが予想されている。こういうふうにして、ほかの人は大体聞いたけれども、東武鉄道が聞かぬという、こういう場合があるのですね。そうすると、やはりこういうものは自治省なりあるいは条例をつくらして、相当強制的にこういうものをやらなければ、地方自治体は一つの計画さえできぬことになるわけですね。ですからね、いま大臣が盛んに、国土総合開発でこれはやっていけるんだと言われるけれども、もう地方自治体はやっているのですから、自分たちの町をりっぱにつくり、美しくつくり、住みよくつくるという地方自治体の本旨からしましても、できるだけ地方自治体に大きな権限を与えていくということが私は主であると思うんですよ。上からばかりやりましても、なかなかそううまくいくものじゃないです。だから、こういう点はやはり自治省としまして、特に開発地域、あるいは地域的にも、さっき申しましたように過疎地域もありますし、同じ市街化地域、都市計画地域でありましても、いろいろな――だから、そういう必要なところはやはり法律的に、こういうことのないように――一部のこれこそごね得なんですからな、大会社の。こういうものが文句の言えぬようなやはり法的な要綱を自治省あたりで考えるべきだと。で、そういうものが公有地の法体系から入るか入らぬかは別としまして、そういうものも入れていかないと、ほんとうの公有地の取得はこれはなかなか文面だけであって、こういうつまり三大圏域ではかなり価格の問題等々がありまして実行されてない。これではせっかくおつくりになりましても、公有地推進とも言えませんわ、ちっとも進まぬのだから。むしろストップしちゃっている。だから、この辺が私は――現在それぞれの地方自治体が苦心していまいろんな知恵を集めてやっているんですからな。そういうものを自治省はできるだけバックアップする、こういう必要があると思うんです。これがないと、自治省がそれはいろいろお考えになってこういう法案をつくられても、むしろ首都圏あるいは近畿圏、中部圏等は、大体においてこの法案はあまりそう役に立たぬ。なるほど、さっき大臣は土地をだいぶ売るところがあるなんておっしゃいましたよ。それはあるでしょう。それは、金融の引き締めで、すぐに土地がうまく運用されると思っていたが、金がない、すぐに売れなくなった、年々上がっていけば安心してほうっておいても上がりますけれども、なかかな金融引き締めで借金は返さなければならぬ、何とか安売りしなければ現金が回らぬというところもあるでしょう。しかし、大勢としては、やはり国民所得を年々上げ、それからまたいろいろな成長率を考えましても、大体において土地の投機なりあるいは土地の買い上げというものは進みますから、だからこういう点で、私はどうしても、本来ならば公有地の拡大についても法案をもう一ぺん練り直す、ことし間に合わなければ来年にでも。そういうふうな内容をも含めてお出しになる必要があるのではないかというふうに考えるわけなんですが、重ねてその点で大臣の答弁を求めて終わりたいと思います。
#123
○国務大臣(江崎真澄君) おっしゃるように、この法律だけではなかなか公有地の拡大を十分充足することはむずかしいと思うのです。私はいかにもかさにかかったような話になって恐縮ですが、いま河田さんがおっしゃいまするような事例を具体的に解決するのには、やっぱり国総法しかないと思うのです。自治省が一々公有地拡大法で規制するということになりますと、ちょっと法体系の上からいってむずかしくなる。やはり国総法の実施と相まって、公有地の拡大推進のこの法律がまた所期の目的をあげやすくする、これがほんとうだと思うのです。だから、国総法は、なるほど、おっしゃるようにこの委員会の責任じゃありませんから、これは皆さまにどうこうと申し上げておるわけではもとよりございませんが、やっぱりこれは通すべきであったという感じがしきりにするわけでございます。したがって、今後いずれ――この国会ではむずかしいかもしれませんが、また次の国会では必ず通していただきましょう。そういう形で、これらと相まって、いまおっしゃるような問題をすみやかに解決して、公有地がスムーズに確保されるようにいたしたいというふうに考えます。
#124
○藤原房雄君 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案、これは法案、条文、そしてまた新しくこのたび改正になる問題につきましては、だいぶ先輩委員から質疑がございました。時間もありませんので、現実的な問題、何点か質疑をしたいと思います。
 公有地を拡大するということについて、これは当然現時点においては大事なことだと思います。これは昨年六月ですか、この法律ができましてから一年間の実績、いろいろデータをいただきました。まああまり実績が上がってないようにも見受けられるわけでありますが、きょういろいろ議論のありましたように、まだまだ公有地拡大のためには考えなければならない諸問題があろうかと思います。さらに、昨年から大手業者の土地の買い占め等ございまして、こういうことで、法律ができてもなかなか運用の面で問題があったという時代的な背景もあったろうと思うのでありますが、今後、そういう問題につきましては鋭意ひとつ改善を加えて、公有地の拡大が推進される、こういう方向に持っていくべきだろうと思うのであります。
 私は、現時点で、公有地拡大の推進にあたりまして、国有地の有効利用ということも考えなきゃならないことだ。実際、現実的には、国有地の有効利用ということの可能ないろんな問題があるわけであります。その可能な問題といいますのは、現在見直されております河川敷の問題でありますが、この問題につきましては、最近特にいろいろな議論を呼んでいるようであります。河川敷につきましては、治水、利水という、こういう働きのほかに、第三の河川の機能として、河川敷の公園、緑地の利用ということが最近叫ばれております。これは大臣もよく御存じのことだと思いますが、当然、都市化が進んで、市民のいこいの場を求めるという今日、私的な土地を市民のいこいの場というわけにはなかなかいきません。そうすると、勢い河川敷の利用ということが住民の声として大きく高まってくる、こういうことも当然なことだと思うのであります。いろんな問題があるわけでありますが、何点かにしぼりまして、この河川敷、なかんずく、国有地の有効利用の中の河川敷の問題につきまして、二、三お伺いしたいと、こう思うわけであります。
 最初に、建設省にお伺いするわけでありますが、大臣管理の河川の区域指定、それから都道府県管理の河川の区域指定の状況をまず御説明いただきたいと思います。
#125
○説明員(栂野康行君) まず、建設大臣が管理しております一級河川の指定区間外の河川区域の指定でございますが、これは、最近指定しました河川を除きましては、ほぼ一〇〇%近く河川区域の指定が終わっております。しかしながら、都道府県知事が管理します一級河川の指定区間の区域並びに二級河川の河川区域の指定につきましては、一部の府県におきましては非常に進捗しておりますけれども、全般的には三四%程度の進捗状況でございます。でございますので、これらにつきましては、早急に河川区域の指定をするように現在行政指導をしておる段階でございます。
#126
○藤原房雄君 ただいま御答弁がありましたように、大臣管理の河川区域指定というのは一〇〇%終わっておるようでありますが、都道府県管理の区域指定につきましては三四%しかできていないということであります。これはいろんな原因が――原因といいますか、時代背景といいますか、問題があろうかと思いますが、いずれにしましても、区域指定をはっきりしないと、どんどん都市化いたしますと、これがまた紛争のもとといいますか、いろんな問題になるところでありますので、三四%――各府県によりましてでこぼこあるかもしれませんけれども、たいへんにおくれておるということが言えると思いますね。早急にこれをしなければ、だんだん都市化するに従って問題が出てきて、早くにやっておけば何事もないものが、問題を引き起こす、こういうことを私は非常に憂うるわけでありますが、この区域指定にあたりまして、これら河川の実測調査というのはどこが責任を持ってやるのか、また、具体的に、これを行なうにあたりまして費用はどのぐらいかかるのか。これは私もあちこち聞いておりますけれども、なかなかたいへんな費用がかかってむずかしいことだということも聞いておるわけですけれども、建設省ではどのようにこれを掌握していらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいと思いますが。
#127
○説明員(栂野康行君) 都道府県知事の管理区間の河川区域の指定がおくれておるということですが、その原因としまして、いま先生がおっしゃいましたように、非常に費用がかかるということも一つであろうかと思います。それと同時に、また、人手が不足しているというような、いろんな面がおくれておる原因になっております。
 それで、大臣管理区間につきましては国が測量を実測しておりまして、二級河川などにつきましては府県の知事が実測するというたてまえになっております。それで、現行制度におきましては、そういう府県が要する費用につきましては、これを補助することができません。しかしながら、河川から生じます水利使用料あるいは占用料あるいは砂利採取の使用料といいますか、砂利採取料でございます。そういうものはすべて都道府県に入ることになっておりますので・これらの収入を、河川区域の指定あるいはその他の河川管理費用に充てるよう現在指導しているところでございます。
 それからなお、国におきまして、一級河川につきましては、大臣管理区間以外の地域につきましても河川図をつくっておりますので、これを利用することも可能でありまして、それに対しましては極力利用するように便宜をはかっておるところでございます。
 以上でございます。
#128
○藤原房雄君 一級河川につきましては、これは区域指定が完全にできているようでありますけれども、都道府県の管理しておる河川については非常におくれておる。先ほど、占用料と砂利採取の料金というものが入るんだからということですけれども、実際、実測調査には相当な費用がかかるわけですね。およそ一キロに百万ということが一応いわれているのじゃないでしょうか。ところが、この河川管理費というのは交付税の中に含まれている、こういわれておりますけれども、実測にあたりましては、実測に対する費用というのは、いまお話あった占用料とか砂利採取にあたって入る料金ということですけれども、河川によりましていろいろあるわけです。特に、おくれているところは相当な費用がかさみますので、わずかな収入があったといたしましても、これだけのものを早急に実測調査するということは不可能に近い。不可能に近いというか、相当な費用を持ち出さなければできないという、そういうところが非常にあるわけです。特に北海道の場合なんか、非常にそういう点はおくれておりまして、いままで川べりのだれも振り向きもしないようなところがどんどんどんどん都市化しまして、見る見るうちに川べりが、河川敷が非常に貴重な利用価値が出てきた。また、川のふちにたくさん建物が建つ。ところが、その境界がはっきりしない、こういう問題が非常に起きているわけです。それから実測調査にあたって、およそ一キロ百万ぐらいかかるだろうといわれる経費を考えますと、管理費とは別に、実測調査だけでもたいへんな地方公共団体の費用負担ということになるわけですね。ここのところは、どっちかというと、そういう市町村財政に及ぼすたいへんな負担がかけられなければ実測調査ができないという、こういう点は、いままで都市化現象なんというのはゆっくり進んでおったわけですから、入ってくるお金でできたのかもしれませんけれども、こういう非常に急激に発展する現時代におきましては、現在におきましては、早くに実測調査をして区域指定をしなければならない。これが非常に費用がかかるということで、各市町村ともにたいへん頭を痛めておるんです。はっきり区域指定をしないために、河川敷の不法占用がどんどん進んであとを断たない。悪いことばで言えば、ほんとに野放しみたいな状態になっていると、こう言っても過言ではない。こういうことで、非常に市町村の超過負担といいますか、たいへんな財政的な負担をしいる一つの問題にもなっているわけです。このことについては、建設省としても、その実態はよく御存じだと思うんですけれども、自治省としましても、当然これは何らかの対策を立てなければならないと、――自治省としてもお考えのことだと思いますから、地方税法のときにこのことをひとつ大きく取り上げなければならないことだと思っておったわけですが、きょう、たまたま河川敷の問題をやりますので、この財政的な問題につきまして、相当建設省としましてこれはお考えいただかないと、あとになってからいろんな禍根が出てくるということで、現在どのようにこの実測調査につきまして、河川区域の指定につきましてお考えになっていらっしゃるのか。管理は全部市町村に、都道府県にまかせているわけですね。それで、国からこれという、こういう区域指定のためのお金は出ていない。しかし、まかされているからといっても、微々たる収入で一切それをしなきゃならないということ、これは非常に地方財政にとりましては大きな負担になるという実態は、建設省でもよく御存じだと思うんですけれども、ここあたり、どうお考えですか。
#129
○説明員(栂野康行君) 先ほどの実測に要するお金でございますけれども、大体一キロメートル当たり十万円程度でございます。それから、現行制度におきましては、先ほど申し上げましたけれども、こういう問題につきまして補助することはできませんわけでございます。しかしながら、県によりましては、まあ非常に進んでいる県もあります。したがいまして、今後とも、おくれている都道府県と、よくこの管理、河川区域の指定の重要性をお互いに認識し合いながら、ぜひ対処してまいりたいと、こういうように考えております。
#130
○藤原房雄君 実測調査をいつまでにするという年次計画、こういうお考えはないんですか。各府県によりましてでこぼこがあるだろうと思いますけれども、いつまでにはこれをはっきりさせるんだという、こういうお考えは建設省はお持ちなんでしょうか。
#131
○説明員(栂野康行君) 府県のいろいろの実情もありまして、現在のところできるだけ早くと。したがいまして、いま先生のおっしゃいましたように、やはり年次計画も今後立てていきたいと、こういうふうに思っております。
#132
○藤原房雄君 これから立てるわけですか、現在は立ってない。
#133
○説明員(栂野康行君) 現在のところ、内地につきましては今後二カ年ですけれども、それから北海道につきましては平均しまして五カ年と。しかしながら、これにつきましても、やはり各都道府県とよく打ち合わせしながら、できるだけ早く河川区域の指定を終わりたいと、まあこういうふうに考えております。
#134
○藤原房雄君 都道府県の管理、それからまた市町村が管理します普通河川、それから準用河川ですね、この管理費、またその境界の測量費、これもまたたいへんに市町村の財政を圧迫する一つの要因になっておるんであります。特に、先ほどこの測量費が一キロ十万円とかいうお話ですけどね。これはまあその河川によりましていろいろ差異があろうかと思いますが、特に北海道の場合は、内地のほうと違いまして、準用河川といっても非常に広い面積の河川敷地がありまして、調査測量が非常にかさむということが一つは言えるわけです。これは私、まあ札幌でいろいろ調査しましたところ、およそ札幌市で六百キロ、それから河川が二百五十八本、これだけの札幌市としての管理河川をかかえているわけですね。その通常の維持管理費だけでも、これは年間一億二千万かかるだろうといわれております。それから、この二百五十八本の河川の境界測量、これをちゃんとするということになりますと、およそ六億ぐらいかかるんじゃないかというようなこともいわれておるんです。こういうことを考えますとね、河川の、国のやる一級河川は国の力でやりますからいいんですけれども、市町村の財政に応じてまあこれは考えなきゃならないのかもしれませんけれども、いまひとつ札幌――政令都市でありますからあれですけれども、考えてみましても、相当な財政的な負担をかけると。特に北海道の場合には大きな河川が非常に多いわけで、こういう市町村の通常維持管理費、それからまた境界の測量費、こういう問題につきまして、現在、現行法では一応基準は定まっておるわけでありますけれども、何らかの形でこれは見てあげないと、非常な――まあ北海道の場合は五カ年で終わらせようというお考えのようですけれども、現実はそこまで進まない。それは財政的な面、それから人的な面で、進め得ないいろいろな問題があると思う。こういうことを建設省としてよく御存じかどうかということを私は非常に疑問に思うのですけれどもね。いずれにしましても、これは建設省としてはあまり、まあそっちは市町村にまかせているんだからというようなお考えのようなんですけれども、これはどちらかというと地方財政のことで、自治大臣に関係することかもしれませんけれども、たいへんなこれは負担になっている事実、そしてまた、内地と北海道では――北海道でも全部が全部じゃございませんけれども、非常に大きな財政負担をしいる結果になる。また早くこの実測調査というものをしなければ、後々問題が起きる。そういうことで、この河川敷のことにつきましても、最近いろいろな問題が提起されているわけでありますけれども、早くにやるためには、何らか国で見なければならないんじゃないかと、こういう考えを私は持っているわけですが、その間のことにつきまして、自治大臣としてどのようにお考えになっていらっしゃるか、ちょっと見解をお伺いしたいと思います。
#135
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、ちょっと私からお答えするのは筋違いのように思いますが、そうかといって、まあわれわれ地方公共団体には全部関係するわけですから、せっかくのお示しですからお答えするとしますならば、なるべく早くやれ、これは全くそのことは同感でございます。したがって、建設省と十分打ち合わせまして、これが対策をはっきり確立したいというふうに考えます。
#136
○藤原房雄君 大蔵省、いまお聞きのとおりですね。まあ大臣もおっしゃるように、確かに地方自治体にはたいへんな苦労――苦労といいますか、財政的な負担をかけておる。で、河川というのは全部国のものでありますから、国の財産を管理しておるわけですね、地方財政で。で、その河川敷が用途廃止になった場合には――まあ管理するときには、また測量したり何かするときには地方財政の中でいろいろめんどうを見るわけでありますが、
  〔理事寺木広作君退席、委員長着席〕
用途廃止になったときには、大蔵省が、その敷地の処分についてはこれはまあ国の財産だからうちのほうでやるんだということで、めんどうを見るときには一生懸命地方財政で見ましてね、いざ使おう――用途廃止というか、これがなくなったときには、用途廃止になって河川敷でなくなるというときには、それは国の財産だからおれのところによこせと、こういうことで、地方自治体としましては非常にやり切れないといいますか、たいへんな矛盾を感じておるのが現状なんです。そういう場合には、相当な経費をかけて負担しておったわけですから、地方自治体に対して、土地あるいは税制上の見返りが、何らかの見返りがあってしかるべきじゃないか。それからまた、この処分にあたりましては、用途廃止の場合には的確な処分がなされてしかるべきじゃないか、こういうことをいわれているわけであります。
 それで、札幌について私が調べたところ、三十年の七月から四十八年の三月まで、五十三カ所の河川敷で払い下げられたうち、市に払い下げられたのがわずか七カ所しかなかった。もっと公有地を拡大するために、自治体優先に払い下げるよな形を考えるべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
#137
○委員長(久次米健太郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#138
○委員長(久次米健太郎君) 速記開始。
#139
○説明員(川崎昭典君) ただいまの御質問でございますが、昭和三十九年以来施行されております現在の河川法では、一級河川を除きますと、大蔵省へ引き継ぐというふうになっておりませんで、二級河川、準用河川につきましては、知事が直接市町村に譲与できるという道が開かれております。また国有財産法上でも、その管理の費用を負担した市町村に国有財産の譲与をできると。これは費用の範囲内でという制約がございますが、そういう規定がございます。また、一般に未利用地につきまして、大蔵省では、公共用、公共用に優先的に充てるという方針をずっと打ち出しておりますから、今後は、御指摘のように、市町村に譲り受けられた件数がわずか七件で、それ以外は民間その他に払い下げられておると、そういった事態はなくなるように考えております。ただ、旧法、旧河川法時代の処理で現在残っておりますものもありますし、またいわゆる未利用地でない、いろいろな意味で使用が継続されてきました財産につきましては、その使用者に処分するのが適当といったような場合もございますので、ケース・バイ・ケースで判断をしていきたい、こういうふうに考えております。
#140
○委員長(久次米健太郎君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後三時四十五分休憩〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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