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1972/08/30 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第20号
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1972/08/30 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第20号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第20号
昭和四十八年八月三十日(木曜日)
   午前十時五十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 八月二十九日
    辞任         補欠選任
     船田  譲君     玉置 猛夫君
     嶋崎  均君     鬼丸 勝之君
     戸叶  武君     成瀬 幡治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                斎藤 寿夫君
                増田  盛君
                安井  謙君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                成瀬 幡治君
                和田 静夫君
                上林繁次郎君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    江崎 真澄君
   政府委員
       警察庁警備局長  山本 鎮彦君
       大蔵省主計局次
       長        辻  敬一君
       自治省行政局長  林  忠雄君
       自治省行政局公
       務員部長     植弘 親民君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    伊豫田敏雄君
       自治省行政局公
       務員部給与課長  小林 悦夫君
       自治省行政局公
       務員部福利課長  佐野 政一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (金大中事件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十九日、嶋崎均君、船田譲君及び戸叶武君が委員を辞任され、その補欠として鬼丸勝之君、玉置猛夫君及び成瀬幡治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久次米健太郎君) 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案及び昭和四十二年以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を一括議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○上林繁次郎君 最初にお尋ねしたい点は、今回提案されている法案の年金額の改定、これは昨年と比べますとどういうような相違があるのか、その点をひとつお聞かせ願いたい。
#5
○政府委員(林忠雄君) 今回の改正の昨年と異なります最も大きな点は、改正の率でございます。昨年までは、昨年に至ります数年の間、一つのルールのような形としてとってまいりました方式が、公務員の給与の改定率から消費者物価の上昇率をまず引いて、その残りを六掛けいたしまして、六割かけましてそれに最初に引いた消費者物価の上昇率を加えたものをもって改定率としておりました。まあこの理屈はいろいろあると思いますけれども、本年はそれをもう少し思い切りまして、長年の間の国会筋の御要望もございましたし、公務員の給与の改定率をそのままとって年金の改定率にするというふうにいたした点が大きく異なる点でございます。
#6
○上林繁次郎君 したがって、今回の年金額の改定は、給与改定率を用いたという点については一歩前進である、こういうことが言えると思いますね。
 そこで、来年度以降の問題ということですが、来年度以降も今回と同じような考え方で進めていく、こういうふうに受けとめてよろしいかどうか。
#7
○政府委員(林忠雄君) 御承知のとおり、この共済制度は発足がわりあい新しゅうございまして、従来の恩給期間をずっとそれにつなぐというような関係で、恩給と非常に密接な関連を持っておりますので、ここ数年、恩給の改定に準じた改定をずっと続けております。したがって、昨年までルール化されたと言われたところの、消費者物価を引いたものの六掛けプラス消費者物価というものを、ことしは恩給が公務員の改定率をとったわけでございますので、それに準じたわけでございますから、まあ申してみれば、恩給がことしと同じような改定の方針をとる限り、ずっと来年以降も公務員の改定率をとるということになるのではないかと存じます。つまり、恩給に一つの主導権があるように思います。
 そこで、恩給について来年度以降の見通しはどうかということでございますけれども、これはあくまでも見通しでございますから、その財政事情その他によって変わることがないとは申せませんけれども、まあ私個人の感じを申し上げさしていただければ、長いこと国会筋の要望であった公務員の改定率というのをことしからとったということは、来年さらに後退するということはまずあり得ないのではないかと一応感じるわけでございますが、これを確定したものということはやはり言い切ることはできませんけれども、見通しとして、私たちはおそらくこういう改定の方式が今後も続けられるであろうという感じを持っております。
#8
○上林繁次郎君 ですから、結局、いままではスライド制といいますか、実質的にはスライド制、まあこういった形でもってやってきたと。そうだとすれば、今後もこういう形でいくんだという、こういうことであるならば、やっぱりその基準――スライドの基準ですね、これを法律化したらどうか、こういうような考え方もあるわけです。考え方というよりも、そうすべきではないか、固定さしていく、こういうふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。これはひとつ大臣にもあわせてお答え願いたいと思います。
#9
○政府委員(林忠雄君) まずちょっと事務的に御説明をいたします。
 この点は実は相当むずかしい問題を含んでおります。一つには、恩給ではっきりそういう給与改定率によるスライドというのを明文化するという話がつき得るかどうかということでございますが、もう一つは、他の公的年金、まあ厚生年金との関連がやはり非常に深いわけでございまして、厚生年金のほうはことし、御承知だと思いますが、物価上昇にスライドする規定を入れたわけでございます。立案の過程では、共済年金についても同じようなものを入れるべしという意見もございましたんですけれども、その場合には、従来の実質的なスライド、消費者物価上昇率プラス残りの六割というのがありましたので、むしろ、物価上昇にスライドするという規定を入れることは、ある意味では最低保障の意味になるかもしれませんけれども、逆に消費者物価にスライドするのだという方向づけをされるということが懸念されましたので、やはり関係者に反対が多くて、恩給あるいはこの共済年金ともスライドする法的な規定は入れなかったわけでございます。
 そこで、来年度以降、おそらく実質的にはことしのような改定が確保されるだろうと予想はするわけでございますけれども、法律上それをはっきり書くとなりますと、これは法律上の保障を与えることになりますが、その場合は、当然ほかの公的年金、特に国民生活に関係の深い厚生年金との均衡の問題になってまいりまして、それでは厚生年金も当然公務員の改定率と申しますか、消費者物価以上のものを保障しなければおかしいじゃないかという、そこの均衡論が起こってまいりまして、それを解決するまでに相当たいへんな問題になるであろうというふうに考えられるわけでございます。その場合、厚生年金と、恩給、共済あたりの公務員年金はまた違うのだという本質論もいろいろ戦わせるという複雑な問題が起こってまいりますので、私の見通しといたしましては、ここしばらくは実質的には公務員の改定率による改善がなされるとは思いますが、それを制度化するとなりますと、また二つ、三つの大きな障害を越えてまいるということになりますので、やや時間がかかるだろう。むずかしい問題をやはり秘めていると存じます。
#10
○国務大臣(江崎真澄君) いまの説明で万事尽きるわけでありまするが、御指摘のような問題につきましては、今後も関係省庁と連絡をとりながら十分ひとつ検討をしてまいる重要課題というふうに考えております。
#11
○上林繁次郎君 現在国会において審議中の健康保険制度ですね。この改正案によりますと、政府管掌健康保険制度に、一〇%の定率国庫補助、この制度が新たに設けられている。今後、共済制度においても、短期給付制度に公費負担を設ける、こういう考え方、この点についてはどうですか。そうすべきだと、こういうふうに思いますが。
#12
○政府委員(林忠雄君) 公務員の短期給付のお話だと存じますが、これについては、いま先生の御指摘の問題は、まだちょっと、ここしばらく当分話題にあがらないのではないかと考えられます。
 と申しますのは、結局、保険でございますが、現在、労使といいますか、五〇%五〇%でこの経理をまかなっておる。ところが、これに対しての実質的な経費の負担能力、それが政府管掌健康保険のほうと比べまして、数字的にやはり何といっても、どう申しますか、公務員グループのほうが負担能力が高いわけでございますので、掛け金率の上において非常な不公平でも出てまいりますれば別でございますけれども、そうでない限り、いまこの短期給付が収支償う。赤字で困るという形になってまいりませんし、当分ここ、なってまいらぬと思いますので、公費でもってこれを埋め合わせるということは、逆に負担能力のあるものの負担をむしろ減らすということにもなりかねない。逆の社会的不公平論議が出てまいると思いますので、当分この問題については――まあ医療費が非常に上がるとか、罹病率が高くなるとか、特殊な状態になって、こちらの短期給付のほうの経理もたいへん危機に瀕すれば別でございますけれども、当分そういう問題は起きてこないんではないかと考えております。
#13
○上林繁次郎君 先ほどの厚生年金との関係ですね、ちょっとお話がありました。そこで、現在国会に提案中の厚年法の改正案、これによりますと、老齢年金の年金額の水準、これは退職時の標準報酬額の六割程度を標準的なものとしているということですね。そこで、共済年金制度についても、この支給率を厚年法並みに引き上げるという、こういう考え方を持っていないのかどうかということです。
#14
○政府委員(林忠雄君) 厚年とこの公務員の共済とは、算定方法を、御承知のとおり全く異にしておりまして、厚年は報酬比例部分と定額部分という二つの要素から算出すると。その結果が、定額部分の改善その他合わせまして、あるいは報酬比例部分の計算方法も逐次改善してまいりまして、その結果出てまいりますのが、退職時の六割というような数字が出てまいると存じます。
 それとの均衡というのは、まあ計算方法が違いますために、特に厚年との直接の均衡を考えてこちらの改善をはかるというよりも、共済なり、恩給なり、独自で、財源も考えつつ、年々給付内容の充実してまいる方法を考えておりますわけで、逆に言えば、また、厚年のほうは六十歳にならなければ支給しないんですが、こちらの共済年金のほうは五十五歳から支給するというのが、余命との関係においては非常に有利な面もあるのではないか。一律に、退職時の何割であるかということで有利不利は言えないのではないかと思っております。
 これは、公務員の共済のほうは、厚年との比較とは別に、できる限りの改善措置を年々講じておりますので、全体を通じてみれば、まだ公務員の共済年金関係のほうが有利だといわれておるんでございますけれども、これも直接数字のぶつけ合いはむずかしいわけで、五十五歳支給というのと六十歳支給というのをどう評価するかなどの、評価のしかたにもだいぶ区別がございますので、御趣旨のように、改善についての努力は年々やっておりますし、今後もぜひ続けたいと思いますが、直接算定方法の違う厚年との比較においてということは、少し理屈上苦しい面があると考えております。
#15
○上林繁次郎君 長期給付の算定の基礎となります給料ですね、これは現在、三年を平均をすると、こういうことになっておりますね。そこで、御承知のように、情勢は毎年大幅なベースアップ、こういうようなことで、公企体なんかを見ますと、これが最終退職時の給料を用いているわけですね。ですから、そうなりますと、相当な開きが出てくる、こういうことがいえると思います。
 そこで、やっぱりこの共済においても、公企体同様に最終給料とすべきではないか、こういう議論があるわけですけれども、私もまたそうすべきじゃないかと、こう思います。それで、その点についてのひとつお答えを願いたいと思います。
#16
○政府委員(林忠雄君) これはたびたび国会でも附帯決議その他の形で御指摘を受けました点でございまして、同じ公務員――まあ公企体も公務員だと存じますが、同じ公務員間に不均衡があるのではないかということは、まさに御指摘のとおりでございます。で、ぜひこれを改善したいということで、この数年来関係省庁と話をずっと詰めてまいっておりましたんですが、残念ながら、ことしはその改善に至りませんでしたわけでございますが、これについては、ぜひ、できれば来年度から改善できるように関係省庁との話をさらに詰めるよう努力をいたしたいと思います。
#17
○上林繁次郎君 その点について、大臣、ひとつ大臣のお考えを。
#18
○国務大臣(江崎真澄君) これは、いま行政局長がお答えいたしましたように、できるだけ実現するという方向で努力してまいるつもりでございます。
#19
○上林繁次郎君 次に、通算老齢年金についてお尋ねしてみたいんですけれども、通算老齢年金は遺族年金制度を設けるべきだと、こういう声が強いわけです。これは、ないわけですけれども、当然そうすべきであると私は思います。皆年金だなんというふうに言われているわけですから、当然これに遺族年金がないということそれ自体が私はおかしいと思う。この点ひとつ明確にしていただきたいと、こう思います。
#20
○説明員(佐野政一君) 厚生年金の通算老齢年金、これは共済の長期給付でいいますと通算退職年金のことでございますが、この制度について、ただいま先生御指摘のように、年金の受給者が死亡した場合にその遺族に遺族年金として支給する、遺族年金に転給すると、こういう制度がないのは御指摘のとおりでございます。でこれが通算退職年金制度の一番大きな欠陥だというふうに私どもも存じております。
 この点について、なぜ遺族年金が設けられなかったかという点でございますが、三十六年にこの制度ができましたんですが、その当時、国民年金も入れまして各年金制度をじゅずつなぎにいたしまして、そうしてこういう年金制度を設けた、こういうことからいたしまして、当時国民年金には遺族年金に転給するという制度はございません。そうしたことから制度を設けなかったんではないだろうかというように聞いております。
 しかし、国民皆年金ということからいたしますと、確かに、本人がなくなった場合に、やはり遺族に遺族年金を支給するような制度を設けるべきではないだろうかということで、ただいま関係各省と、こうした点をどのように改善したらよいかということで検討いたしております。
#21
○上林繁次郎君 次に、災害補償法についてお尋ねをいたします。
 今度のこの法案の中に、通勤災害保護制度、これを新しく設けるという、こういう内容でございますけれども、これを設けようとする基本的な考え方、この基本的な考え方についてひとつお伺いしたいと思う。
#22
○政府委員(林忠雄君) 今回通勤保護制度を設けることといたしました趣旨は、通勤途上災害調査会というものの報告に基づきまして、通勤自体は勤務そのものとは言えない。しかし、通勤と勤務との間には密接な関連性があり、勤務を提供するために通勤という行為が必要不可欠である。それからまた今日の交通事情その他によりまして、通勤に伴う災害の数が非常にふえる。危険性も増大しておる。これも何とかすべきであろうということで、通勤災害を受けた職員に対して、公務上の災害を受けた場合と同程度の補償を行なおうという報告がなされまして、これに基づきまして、国家公務員の災害、他方公務員の災害、同じような趣旨により改正をしようというのが基本的な考え方だと存じております。
#23
○上林繁次郎君 通勤途上災害調査会、この審議の過程について荒々ひとつ御説明願いたい。
#24
○政府委員(林忠雄君) これ、実は主管が労働省でございまして、その審議の過程の詳しいことについては、実はまた聞き程度で十分承知しておりませんけれども、これは四十五年二月に労働大臣の私的諮問機関として設置されまして、二年半にわたって、この通勤途上をどうするかについて検討を行ないました。その内容、中身としては、通勤途上災害を業務上災害とするかどうかということについて、労働側の委員と使用者側の委員に意見の対立があったようでございます。端的に言えば、労働側の委員としては、通勤も勤務を提供するために必須なものなんだから勤務上災害と同じに扱うべきだという強い主張に対して、使用者側の委員は、通ってきて工場の門に入ってからならば自分らの責任なんだけれども、その外で災害にあったものまで責任を負うというのはそれはたまらないと、場合によれば通勤途上寄り道したり、工場の門を出たら本人はどこへ行くかわからぬのに、家へ帰るまでの全部の責任はとても公務というふうには考えられないということで、強い議論が戦わされたようでございます。しかし、そうやっておりますと切りがないものでございますから、それじゃ一応勤務上か――民間まで含めれば勤務というか、公務というか、業務上か業務上でないかという問題を一応たな上げにして、とにかく通勤について何らかの保護をやろうじゃないかということでどうも意見が一致した。したがって、業務上――公務でいえば公務上ということになりますが、公務上ではないけれども、公務に準ずる保護をするんだという議論の論点をたな上げした結論がこういう形で報告がなされ、それに基づいて労災、それから国家公務員災害、それから地方公務員、全部その趣旨に準じまして改正が出された、こういうふうに聞いておる次第でございます。
#25
○上林繁次郎君 いまおっしゃったように、労働側とそれから使うほうの側と、いろいろと意見が対立をしてきたわけですね。それで今日に至って、どうしてもその妥協というか、中間というか、そういうものを考えざるを得なくなった。で、今回こういった法案が出てきたと、こう言えると思います。
 そこで、いまおっしゃったように、補償内容は公務上の災害補償に準じて行なう、こういうふうになっているわけですね。そこで、いわゆるその内容は、公務上の災害と同じような考え方でこれを行なうということなんですが、にもかかわらず、労災と、内容的に一つ一つ当たりますと違ったところが出てくる。そこで、そういうふうに二つに分けなくちゃならないというその理由、なぜ二つに分けなくちゃいけないか。いわゆるいま申し上げたように、補償内容は公務上の災害補償に準じて行なうというんですから、それならば何も二つに分ける必要はないじゃないか、こういう感じがするわけですが、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#26
○政府委員(林忠雄君) 実は、労災と比較したらどの点が違うかということは、申しわけございませんが、ちょっと不勉強で私よくわかりませんですけれども、同じ公務員の中での公務災害とこの通勤災害とは、補償内容はほとんど同じでございます。違う点は、一部負担金二百円を払うという点が一つ違いますけれども、あとは、災害補償に関しては公務と全く同じ扱いをするように今度改正しております。違いますのは、災害補償の点以外の、傷を受けてたとえば休職になったという、その休職間の給与とか、それからからだがなおって帰ってきたときの、復職したときの昇給の回復、そういう点が公務と違いまして差ができておりますけれども、御指摘の災害補償の内容では、全く公務災害と、公務員同士の間では一緒になっておる次第でございます。まあこの二百円一部負担というのがちょっとよくわかりませんけれども、何とか公務と違うんだということをちょこっと示したという、何か気休めだろうと存じますけれども、この二百円さえ払えば、あとは災害補償の点で公務と全く同じ扱いをすることになっております。
#27
○上林繁次郎君 そこで、いわゆる公務災害――いわゆるこれに準じた補償内容と、こう言っているわけですね。いま違う点をお尋ねしたわけです。休職になる、その内容は大きな開きが出てくるわけですね。これはもう私がこまかく御説明を申し上げなくてもおわかりのことだと思うんですね。ですから、そういう隔てをした理由はどこにあるのかということですね。それをひとつお答え願いたいんです。
#28
○政府委員(林忠雄君) これは実は、先ほどの調査会の議論の根本的な観念の問題でございまして、公務であるか公務でないかということによって、災害補償の面こそ全く同じ補償をするにいたしましても、休職をします場合に、公務上の、公務傷病の休職とそれから私傷病とは扱いが違っておりますので、必然的にそういう扱いの違いになったわけでございます。そこで、これを解決する一つの方法は、労災から何から含めて、通勤も完全に業務上――公務員で言えば公務上という扱いにするということになれば一挙に解決いたします。それがまたそうなかなかならない場合には、今度は同じ私傷病であっても、通勤災害を公務に準じて、通常の私傷病よりも今度は公務員側で待遇を直していくかどうか、こちらのほうの制度でその救済を考えるかどうかという問題がありまして、これは現在、国家公務員との均衡もとりながら今後考えていかなきゃならない問題と思いますし、人事院のあたりでも、それについていろいろ研究を進め、さらには労働者側のいろいろな要望その他も聞いて検討しておるそうでございますので、逐次改善がなされる方向で制度が動いていくと考えております。たとえば休職給あたりは、公務災害の場合は全期間全額でございますけれども、通勤災害の場合は一年間、それも八割と、あるいは復職時の調整が、公務災害の場合は十分の十でございますのが、通勤災害の場合は三分の一とか、いろいろ御指摘のような、公務災害補償の面ではない別のほうの給与の面での取り扱いが違うことは御指摘のとおりでございまして、その辺については、いま言ったような考え方で今後対処してまいりたいと考えております。
#29
○上林繁次郎君 そうしますと、いまいろいろとお話があったわけですけれども、この趣旨ですね、こういう制度をつくるという趣旨、これはやっぱり通勤途上の災害、それはいわゆる勤務という、いま勤務するために向かっている、それはいわゆる勤務ともうみなされるんだと、考え方がそういう傾向になってきていると思うのですね。だからこそ、今度の――中間的な感じはいたしますけれども、こういうような折衷案みたいなものが出てきた。そこで、もう一歩突っ込んで、ここまでいくのですから、あくまでもこれは通勤途上における災害もこれも公務上の災害、そのようにはっきりと認めるべきではないか、こう私は思うのです。それはもう、この表によりましても、通勤災害の場合にはあくまでも私傷病として扱われてしまうわけですから、そうすると、二年くらい後の本人の収入を見たときにえらい違いが出てくるわけですね。ですから、そういった点をやはり今後も是正していく努力が私は必要ではないか、こう思うわけですね。その点について、もう一歩ここで、全くこの段階でもって公務災害だと、こう言い切れなければ、その中間的な、もうちょっと前進した考え方は持てないものかどうか。今後の問題ですね。これは、あとであわせて大臣からもひとつお答えをいただきたい。
#30
○政府委員(林忠雄君) まさに御指摘の点、一つの見解でございまして、つとめるためにうちを出て役所へ行くのでございますから、もう公務だというのが一つの見方だと思いますし、ある意味では世間的な常識かとも存じます。
 ただ、先ほども御説明いたしましたとおり、これは、事公務のみならず、一般の民間のいわゆる労災と均衡をとるべきものでございますし、労災のほうで、先ほどのような議論が戦わされて、結論が出ないまま、一たんたな上げしてその中間的な案になったというわけでございますから、今後さらにそちらのほうの議論も進んで、当然通勤が公務に付帯するものだという形で出てまいりますれば、御指摘のような改革の方向に世間全体が動いていくのだろうと思いますが、現在、やはりそこの労使間の意見の対立がまだ完全に一致しておりませんために、民間の労災、そうして公務災害補償、こういうような形でいかざるを得なかった。一歩前進ではあると存じますけれども、今後前進する幅はなお残されているというふうに考えておりますし、そういう方面への努力は続けてまいりたいと存じます。
#31
○国務大臣(江崎真澄君) 私も、おっしゃる意味はそのとおりだと全く同感します。
 ただ、御承知のように、通勤災害と公務災害、これをほとんど同じことに持ってきたわけですが、給与、休暇の面で御指摘のような開きができます。これをどう近づけるか、これは今後のやはり重要な努力目標だと思いまするので、十分検討しまして、これは関係する省庁もありまするし、他に、いま指摘したような法律案とのバランスの問題もありますが、そういうものを乗り越えて、やはり、通勤しなければ公務が遂行できないというものですから、これは本来一体であっていいものだ。むしろ、通勤の条件で規制する。今度でもこれ、いろいろ規制しておりまするが、そういう面で締めくくっていけば、そんな不公正はないものと考えられまするので、十分努力したいと思います。
#32
○上林繁次郎君 いままでにずいぶん問題になってきたわけですけれども、いわゆる通勤の範囲の問題ですね、こいつを論じ出しますといろいろなケースがあるわけですね。いままでにいろいろと言われてまいりました。そこで、私もうここでもって一つ一つ具体例をあげて、これはどうだ、これはどうだという議論はやめたいと思うわけです。
 そこで、やはりこの法の目的というか、法の精神といいますか、これはやはりこういう立場に立った人たちを救済していくという、こういう見地からすれば、これは帰りにマージャンをやって、そのマージャンをやった帰りにけがをしたんだということでは、これは通勤時と言うわけにはいかぬかもしれない。しかし、そういった特殊な問題は別といたしまして、やはりこの法の精神からいっても、広くこの運用にあたっては、その適用にあたっては、やはりこれを拡大していく、できる限りこれを適用していくという、そういう前向きな考え方、姿勢というものが必要ではないか、こう思いますけれども、この点、ひとつ明らかにしておいていただきたいと、こう思います。
#33
○国務大臣(江崎真澄君) これは政治的な意味も含みますから、私から申し上げますが、事務当局に言わせるというと、不公平になってはならないから一定の基準を設けた、これは大事なことだと思いますね。しかし、少なくともこの通勤災害というものを公務上の災害と同じ形に近づけてきたという思想は、通勤というものは公務遂行の不可欠の条件であるというたてまえに立っておりまするので、極力、恩情のある――というか、解釈で事が処理されるように指導をしてまいりたいと思います。
 ただ、冒頭申し上げましたように、事務的に言うならば、そのことによって上司の判断に幅があまりにもでき過ぎて不公平になる、これは十分慎まなければならぬと思いますが、おっしゃる意味は十分体して、具体的に処置してまいりたいと思います。
#34
○上林繁次郎君 最後に――これが最後になりますけれども、先ほど二百円のことにつきましてちょっとお話しありました。お話しあったというよりも、あまりよくわからぬようなことでしたけれども、この二百円、金額の面からいえばそうこだわる金額ではないかもしれませんけれども、また突っ込んでいきますと、この二百円というものが、非常に大きな意味といいますか、障害といいますか、こういうものを含んでいるということが言えると思いますね。そこで、この二百円の根拠ですね、この根拠についてひとつお聞かせ願いたいと思います。
#35
○政府委員(林忠雄君) 二百円、特にこの二百円でなければならないという根拠は私のほうもよくわかりません面もございます。ただ、健康保険やなんかと同じような金額にしたということを聞いております。これが確かに、いまほんとに御指摘になったように、これをやるということで、言ってみれば公務じゃないんだぞこういうことをはっきりさせるような、ある意味では重要な意味を持っております。当然検討すべき問題だと思います。二百円自体の根拠というのは、健康保険と合わしたということ以外にはないんではないか、正直な話、そういうことでございます。
#36
○上林繁次郎君 いまのお話ですが、この二百円は健康保険と合わしたんじゃないか、こういうことなんですけれども、これは健康保険の場合には、いわゆる乱診乱療というものを防ぐという一つの意義があったわけですね。この公務災害、いわゆる通勤途上の災害については、そういうものとは意味が違うわけですね。あくまでこれは認定を要する問題である。ですから、こういった行き方というものはぼくはかえって誤りではないか、こう思います。ですから、これは直ちに是正をすべきである、こういうふうに思いますけれども、その点どうでしょうか。
#37
○政府委員(林忠雄君) そういう御批判の御趣旨まことにごもっともだと思います。ただ、民間の労災とそれから国家公務員と全部軌を合わしておりますので、関係省庁で今後検討すべき項目に加えるべき事柄だと存じますので、十分検討さしていただきます。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
#38
○成瀬幡治君 承りますと、同僚和田君が、私がお尋ねしようということについてはすでに詳細に質問し、答弁もいただいているようでございますから、私は非常に簡明にお尋ねをしてみたいと思っております。
 その件は、あなたのほうからいただいたこの資料の二ページにございます、「その一」を中心としてでございますが、四十五年以前に退職した者については二三・四%、四十六年度の退職者については一〇・五%、それぞれ増額をするということですが、まず伺いたい点は、その一〇・五%あるいは二三・四%という数字は何を基礎にして出されておるかということです。
#39
○政府委員(林忠雄君) 今度の共済の改定につきましては、すでに何度も御説明いたしましたとおり、従来の公務員の給与改定率のうちから消費者物価をまず除いて、残りの六割、それに消費者物価を足して改定率をきめたということを、今度思い切った改善をいたしまして、公務員の給与の改定率そのままとるということにしたわけでございますので、この数字はその四十六年度の一一・七%、これが公務員の給与の改定率でございます。それから四十七年度の一〇・五%。この一一・七と一〇・五をかけ合わせますとこの二三・四になる。それから四十六年度の方は一〇・五そのままとる、こういう形で数字をとったわけでございます。
#40
○成瀬幡治君 わかりました。
 そうしたら、その切ってあるのが四十五年度までですから、四十六年の三月三十一日までに退職した者は二三・四%、それから四十六年度ですから、四十六年四月一日の者は一〇・五と、こういうことになると思うんです。そこで、人事院勧告の実施されたのは、四十六年度は四十六年の五月一日だということは御承知のとおりだと思います。そうすると、この恩典に浴さない人が、端的に申しますと四月付で退職された人はどういうことになるわけですか。
#41
○政府委員(林忠雄君) 御指摘の点、確かにそういうある意味では欠陥がございます。この年はたまたま人事院勧告の実施が五月一日であったために、四月に退職した人は、そのベースアップの恩典も受けられない。しかもその給与の、今度の年金の改定率については、四十六年度退職として一〇・五%しか受けられないということで、この一カ月間に退職した方だけ、ある意味ではその前後の方に比べて不利になるということは御指摘のとおりでございます。
 で、なぜこういうことにしたかというと、実は、従来、共済の改善については恩給に全く準じてまいりましたし、恩給の改善がとにかく年度年度でとらえてやってきたということから、現実にはこういう数字になったわけでございまして、この一カ月間の方は確かに非常に不利でございます。しかし、これは、従前も年度年度でとらえて恩給が改善してまいりました関係上――まあ従来ベースアップは古いころは十月実施でございました。それから九月、八月と、だんだん上がっていって、この四十六年に五月になり、もう次には四月からになったわけでございまして、従来も、途中で退職された方が、そのベースアップ前に退職するか、あとに退職するかによって、有利、不利があったわけでございます。その一番最後のこの一カ月というのが実はここに集約されてしまった。ですから、そのときにもう少しこまかい神経を働かしまして、この五月まではその二三・四%とすれば、その不公平は実はなくなったはずでございますけれども、そうなりますと、じゃ一年前の改定のときに、ベースアップが五月の前はたしか六月か、あるいは五月でボーナス抜きだったか、だんだん人事院勧告の改善の月が早くなってまいりましたので、その前のその人はどうするかということで、どうしてもその有利、不利というのが残っておりましたので、まあ恩給が従来年度ごとにとらえて改定するということでこういう形になったんでございまして、今後は、人事院の勧告による改善が全部四月にもうなっておりますので、こういう問題は起きませんが、申し上げてみれば、一番最後に残った谷間の一つではなかったかと存ずる次第でございます。ただ、従来の、それよりも前の年度の方々は、退職した月によって有利、不利があった、これを受忍していただいたということでございますので、まあ今回も、恩給がこういう年度でとらえている以上はやむを得なかったのではないかと考えておる次第でございます。
#42
○成瀬幡治君 思い切った答弁で、人事院の勧告がこれから四月一日になると。なるほど、そうかなと思って、この法律の七ページの第三条の二項を読むと、「四十七年三月三十一日までの」云々においてはこうなっておると、こう書いてあるから、今度は――人事院の勧告は四月一日付なんですよ。実施が問題なんです。ですから、これからは四月一日を、ここで人事院の勧告は完全実施することを予測してこういう第三条の二項の規定になっておるかというふうに考えて、私は完全にこれからは四月一日から実施するものと踏んでこの法律はできておるものと了解をしておりますが、これは間違いございませんか。
#43
○政府委員(林忠雄君) それは実は私のほうできめることではございませんが、従来の経緯の、十月が九月になり、五月になり、ことしから四月になったということを考えてみますと、今後はおそらくこの四月ということが続くであろうという見通しを持っております。
#44
○成瀬幡治君 辻次長もおられますから、大臣のことはまた伺うことにして、大蔵省は、大体これについて何らクレームをつけておらぬ、大蔵省も了承しておると。ですから、昭和四十八年度は人事院勧告はもう出ましたが、これは四月一日から実施されるものと、大蔵省も大体そういうつもりで、資金と申しますか、財政の手当てをしておるというふうに了解してよろしゅうございましょうか。
#45
○政府委員(辻敬一君) 成瀬委員御承知のように、大蔵省といたしましても、従来から人事院勧告をできる限り尊重するという立場でまいっておるわけでございます。
#46
○成瀬幡治君 答弁はそのぐらいのことしかできないだろうと思いますが、政府がしばしば、今度は四月一日からと、こう言っておられるその主体と申しますか、言明をしておられることについての一つの裏づけがここに出ておるように思うので、私も非常にいいことだと実は思っておるので、これについてとやかく言うものではございません。
 そこで、いま行政局長の答弁で、そういう不利があったんだと、そうして、いままでも前々からこういうような不利がちょいちょいあったんだから、今度もやむを得ませんよということで、ああ、そうですかと、これではちょっと引き下がれないわけですよね。
 そこで、それじゃそういう不利というものがあるのだと、いままでも積み残してきたと――六〇%云々というようなことをおっしゃっておりましたが、人勧の消費者物価指数を引いた、それの六〇%ですか――にプラス物価上昇分、これの仮定算定基準によってきたんだと、だから四〇%ずつは大体積み残してきたと。その罪滅ぼしが、その次に出てくる七十歳以上の者は四号俸アップしますよという、私はここに出ておるんだろうと思うのです。そうでなければ、七十歳以上の問題が出てこないと思う。老人問題というのはなぜかというと、老人が急にふえたわけじゃなくて、年金等、あるいは退職金等を当てにして生活をしておった人たちが、物価が異常に上がっちまって、老人問題が私はこのインフレ化の中で出てきた、顕在化してきたと、こういうふうに理解をしておるわけです。そこで、今度七十歳以上の者については四号アップするというなら、これは一つの救済規定だろうと思うのですよ、いままで積み残してきたものに対する。そこで、それじゃことし七十歳になった人はこれでいいと思うのですよ。ことしというか、四十八年の九月三十日、受給者で七十歳の者はいいが、いま六十九歳の人ですね。来年にこの人が七十歳になったときにはやはり四号アップというものはやるのかやらないのか、これはどういうふうになるのか、お答えいただきたてと思う。
#47
○説明員(佐野政一君) この四号アップの取り扱いにつきましては、恩給制度の取り扱いに準じまして同じような取り扱いをするということにいたしております。そういたしますと、恩給のほうで七十歳以上の人について四号アップするということになりますと、ただいま御指摘ございましたように、共済年金についても、その七十歳以上の人について四号の範囲内でアップするということになってまいります。そうしますと、現在六十九歳の人については該当ございませんが、恩給では、その方が七十歳になった場合には四号アップするということになっておりますので、共済のほうも、同様に、現在七十歳未満であっても、七十歳になった場合に同様の措置を講ずる、このようにいたしたいと思っております。
#48
○成瀬幡治君 そうすると、恩給法では、七十歳に達すると、当分の間と申しますか、何年かこう続くと思いますけれども、大体四号アップされるんだとなっておるから、それに準じて必ず行なわれていくと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#49
○説明員(佐野政一君) 恩給の取り扱いに準じて実施いたしたい、このように考えております。
#50
○成瀬幡治君 これは法律事項になりますか、それとも政令になるのか、ただ省令でやっていけばいいとか、どうなんですか。ここで、こちらでは法文になっておりますもんだいね。そこで、そうすると法律事項だとすると、毎年これで出されることになると思うんですが、その辺はどういうことになりましょうか。
#51
○説明員(佐野政一君) この改正法律案の第一条の改正の中で、五ページの、第二条の四の三項の規定がございます。この三項によりまして、七十歳に達したときにはその前項の規定に準じて改定するというように法律で規定しております。ですから、七十歳未満の方は、七十歳になった場合には同様に実施するということになります。
#52
○成瀬幡治君 わかりました。
 そこで重ねてお尋ねするわけですが、実はなぜ私がこういうことを申し上げるかと申しますと、くどいように申し上げるかというと、定年で退職する一まあ定年制はないわけですから、各都市の条例によって行なわれてくるわけです。幸か不幸か、名古屋は誕生の月の初めの日に、たとえば四月生まれの者は四月一日、五月生まれの者は五月一日に退職する。まああからさまに申し上げれば、そのときに退職しますから、月給でございますから、四月分の給料はいただく、ただし出ないと、こういうことになってやってきたわけですね。ですから、趣意としては、職員の方たちを優遇するというたてまえでやってきた。それから小中学校の先生も、御苦労であったというので、そういう人たちによかれと思って実はやってきたわけなんです。ところが、今度の恩給法の改正を見ますと、結果的には、これから何年生きられるかは別として、一カ月云々だけじゃなくて、たいへんな不利なことになってしまうという結果になっちゃった。そこで、まあ私が申し上げなくても、大臣もおわかりですがね。乏しきを憂えないわけなんですよ。公平かどうかというほうを心配をしておるわけです。そこで、法律のことばとしてこういうふうに明確に規定されてしまえば、私は運用でどうこうするということは容易なことじゃないだろうと思う。しかし、法はやはり運用――善用するということも許されると思うんです。何か、こういうふうになっておるんだけれども、これに対して救済の手を何か運用で差し伸べることができないものだろうかどうか。何か知恵をひとつしぼっていただきたいと思いますが、いかがなものでございましょうか。
#53
○政府委員(林忠雄君) 先ほど御答弁したとおり、この一カ月、この四十六年の四月退職の方が確かに不利になる、一つの谷間に入ることはまさに御指摘のとおりでございますし、一たん算定基礎でそこがきまりますと、言ってみれば、その方が生きておられる限り、その基礎をもとにしてベースアップ、ベースアップしていくわけでございますから、不利は確かにずっと一生続くわけでございます。しかし、先ほど御答弁したとおり、この一カ月の方々だけではなくて、それよりも少し前の、人事院勧告の実施が八月であったり七月であったりしたときの年度に、そのベースアップの改定前に退職された方が、実は同じ年度でも、そのベースアップ後に退職された方に比べて、同じような不利をこうむっておるということはやはり残っておるわけでございますので、
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
この一カ月のほかに、四十五年以前の同じような方々のその不利をどうするかということは、これは恩給、それから国家公務員、地方公務員、全部合わせて軌を一にして措置をしなければならないことでございますので、今後何らかの不均衡是正の措置にこういうことが含まれるかどうかを取り上げまして、今後、関係省庁少し相談はしてみたいと存じております。
#54
○成瀬幡治君 不合理が、不公平があるということはまあよくおわかりになる。それは恩給局もわかっておる。それから大蔵省もこれに相談すると思うから、大蔵省もわかっておる。わかっておるとするなら――あやまちですよね、これは悪いことなんですから、不公平なんですから、訂正するというのが大道であって、本筋であって、むずかしいからとか、ああだこうだと言って言を左右にしてやるということは、行政の怠慢そのものだと思うのですがね。
#55
○国務大臣(江崎真澄君) これはなかなかむずかしい問題で、従来とも解決し得なかったというところにもそのむずかしさが象徴されておると思うんです。しかし、成瀬委員が指摘される意味は、一年間に一回の昇給というたてまえからいうと、その月がまたまたはずれたことによって非常な不利をこうむる人、それから有利になる人、これがさい然と分かれるということは、年一回の昇給であるだけに、これは何とか処置はできないものか、そういう疑問は私率直な御意見だと思うんです。ですから、行政局長も申しましたように、これは怠慢とか不公平とかという問題ではなくて、有利、不利をどう調整するか、これはやはり大事な問題だと思いまするので、大蔵省の主計局も出席しておられまするが、これはやっぱり国も豊かになってきたんですから、あまりこういうことで有利、不利になって、将来、長い間、死ぬまでいやな思いをさせるなんというようなことのないように、できるだけひとつ調整をしていくようにこれは努力してまいりたいと思います。
#56
○成瀬幡治君 大臣の答弁、全く前向きでけっこうだと思うのですが、具体的にこれをやろうとすると、どういう進め方になってくるわけですか。いままで検討してお見えにならなけりゃならぬ問題なんです。
#57
○国務大臣(江崎真澄君) いや、検討しますよ、これは。
#58
○成瀬幡治君 いままでにすでにやってお見えにならなきゃならぬはずなんです。ですから、どういう筋書きでやられるのか、ひとつお答えを願っておかぬと、やりますわと言われちゃ――江崎さんは答弁がうまいから、ちょっとごまかされたようなことになっちゃどうにもならぬですからね。ひとつ行政事務的に御説明願いたいと思う。
#59
○政府委員(林忠雄君) いまこれを直ちにどうするかという具体案は実は持ち合わしておりません。まあ怠慢だとしかられるかもしれませんが、実は退職時期によっての有利、不利という問題は、このベースアップにも問題もございますけれども、また御本人の昇給が、年一回といっても、四月昇給、七月昇給、十月昇給の方がありまして、まあそういう方か昇給期を前にして――たとえば八月に退職される。十月まで残っていればもう一号上をもらえたんじゃないかという御議論もあるかもしれない。そういうふうに、いろんな意味での有利、不利というのがいろんな場所で実は起きてまいります。ですから、この問題は、たまたまベースアップというのが、昇給と違いまして、ことにベースアップ率が、相当率が伸びておりますので非常に目につくわけでございますが、これだけを取り上げて不公平を解消してみ――不公平といいますか、有利、不利の調整をしてみましても、あと、いろんな理由により、いろんな退職時期あるいは退職事由その他によっても有利、不利が残りますので、いまこれについての具体案を持ち合わしておりませんけれども、そういう有利、不利を――まあ制度でございますから、どんなにいじってみましても、完全に有利、不利をなくするというわけにもまいりませんので、できるだけ不均衡が生じた場合に不均衡を調整するように、その不均衡調整の中の一つの重要な項目として検討し、具体的な案を関係省庁で合意に達するようつとめてみたいと思っている次第でございます。
#60
○成瀬幡治君 一割というと、四万円の一割あるいは三万円の一割というと、その人にとってはたいへんなことなんですよ。これが逆に〇・〇幾つとか何とかということになるんなら、それはまあたばこ一つだとかあるいは二つだと、こういうことなら、しんぼうもしていただけるかと思うのですね。ところが、そうじゃないわけです。しかも、七十歳のときにはひとつやろうじゃないかということもある。大体、定年制というものはないけれども、自治省が内面指導されて地方自治体に条例をつくらしてお見えになる。私はその条例が、年度末で区切っておるのか、あるいは月々になっておるのかどうかということはつまびらかじゃございません。しかし、あなたのほうが――私はつまびらかじゃないといいながら、ちょっとよそで聞いてみると、大体半々ぐらいになっているだろうという話です。あるいは誕生日の誕生月が大体相当数あると聞いておる。そうすると、片方じゃそういうことをやりなさいよと認めておりながら、法律の問題になると、人事院勧告にひっかかっちゃってそういうアンバランスが出てきた。これは自治省にも責任があると思うんです。だから、何とか一そうたいへんなことじゃないと思うのですよ。しかも、片方で言えば二%、三%ぐらいのときのことをまで――それは全部直すのが一番いいことですけれども、一〇%の差がついちまっちゃ、これでずっと続くのですからたいへんなことだと思うから、何か知恵をしぼってこれを解消する、ことしはしんぼうしてください、しかし来年はやりますよということがなければ、いまの大臣の答弁だけじゃ納得しかねるのですが、納得せないほうが無理なのか、いかがなものですか。
#61
○国務大臣(江崎真澄君) これは私もおっしゃる意味がよくわかりますので、関係省庁とよく検討しますということを端的に言えばお答えしたわけですね。どうも、自治省だけでどうするといいましても簡単に結論が出ないものですから、十分、ひとつ前向きでこれは検討したいと思います。そうして退職――長い間功績のあった人が、ほんの偶然のことからたいへんな有利、不利をこうむるということは、これはやはりよくありませんですね。十分検討します。
#62
○成瀬幡治君 ひょいと自動車が四つ角のどこからか飛び出してきて、全く交通災害にあったようなものですよ、この人たちは。そんなことを政治で認めていくということは、全くいけないことだと思うのですよ。罪悪を犯しておると私は思っております。だから、これを直す最大の努力をしてもらわなきゃいかぬと思う。いままでにちょっと聞いてみると、私は自治省が今度のこの改正をやられたという努力、全くよくやっていただいた。どうも大蔵省のほうが少し冷淡だったけれども、自治省が非常に推進されたというような巷間の声も聞いております。全く今度の改定については、受給者としては非常に感謝し喜んでおる。しかし、片方では、いま言ったように、そういう問題もあるということを認めて、もうこれ以上私が申し上げてもどうにもならぬ問題だと思いますけれども、ぞひ、来年度中にはこの問題についてあたたかい手が差し伸べられたという結果を期待をして、要望とあわせて私の質問を終わります。たいへんありがとうございました。
#63
○政府委員(林忠雄君) いまの先生の、大蔵省は冷淡だったというのは、そんなことは決してございません。大蔵省とよく話を詰めた上でこの改定を政府のほうとして出しましたんで、その点はぜひ御了解いただきたい。
 御指摘の点は、できるだけの努力をさしていただくことをお約束いたします。
#64
○秋山長造君 公務員の腰痛症の関連で、ちょっと簡単に御見解を伺いたいと思うのです。
 御承知のように、最近、養護学校だとかあるいは一般的な身体障害者の収容施設、こういうところの仕事に携わっておる職員の腰痛症の問題が、非常に大きい社会問題になっていることは御存じのとおりだと思うのですが、ただ、この腰痛症というのは腰が痛い痛いというので、この法律の別表へずっと列挙してあるように目に見えぬものなんですね。ちょっと外部からわかりにくいもので、しかしとにかく痛いということで、もうほとんどこういう施設の職員というものは例外なしに慢性的な腰痛症を訴えておる。にもかかわらず、症状がはっきりせないものですから、公務災害の認定というのが非常に受けにくいようです。この腰痛症の実態について、自治省のほうで何か調査でもなさったことがあるかどうか。それからまた、この腰痛症の問題を公務員災害補償法との関連でどういうようにお考えになって扱われておるか、ちょっと教えていただきたいと思います、あまり厳密でなくても。
#65
○政府委員(植弘親民君) 腰痛症の問題について特に最近調査したということはございませんが、私どもといたしまして、国家公務員につきまして、人事院のほうで、しかも労働省の労災の関係等もございまして十分協議いたしておりますが、どうも先生のおっしゃいますように、腰痛の問題だとか心臓疾患といったような問題、こういったようなものは非常に原因がわかりにくうございまして、いわゆる職業病の認定をどうするかというのはいつも問題になっているのでありますが、特に腰痛について最近調査したという事実はございません。
#66
○秋山長造君 それがいままでの役所での扱いの実態だと思うんです。ただ、それにもかかわらず、もう非常にこの腰痛症の悩みを訴えている人が多いということは事実なんですね。おそらく、皆さんのほうでもずいぶんいろんな機会にそういうことをお耳になさっているんじゃないかと思う。これはもう社会福祉施設の関係では避けて通ることができないぐらい、大きな、しかも普遍的な問題になっていると思うんですがね。これは私どももいろんな機会にこの訴えを聞くんですけれども、申請をしても、なかなかはっきりせないものですから、結局うやむやになってしまう例が多い。それからまた、もう腰痛症はいわばあまりに一般的になってしまっているものですから、それはまあ福祉施設へつとめる限りはそれは覚悟の上でつとめてもらわなければしようがないじゃないかというようなことで、とにかくはっきりこれをどう扱うという基準もなければ、またそういう先例もないし、しかも、現実に腰が痛い痛いという実態があることはもう間違いがないんです。これは厚生省あたりでも悩みのたねになっているんじゃないかと思うけれども、ただ、困った困ったでほうっておくわけにいかぬことじゃないかと思うんですよ。自治省あたりで、この災害補償法の運用に関連して、地方公共団体あたりにいろいろな指導をしておられると思うんですが、その指導の中で、腰痛症というものをひとつ具体例をあげて、これについてはこういうように扱う、あるいは腰痛症はできるだけ公務災害に認定をしていくべきではないかとか、何かそういう具体的な指導がありますと、またそこから道が開いてくると思うんですけれども、どうも現状のところ、第一、そういう施設で働いている人は、なかなか、いわゆる社会事業的な考え方、感じ方が強い雰囲気の中で働いているものですから、大体、少々腰が痛くても、あんまりそれをとりたてて言うと、何か大げさに事を荒立てるような感じになって、大体遠慮しておる、泣き寝入りしておるような感じが強い。よくよくひどくてどうにもがまんできないとか、あるいは何か特にかまわずに声を上げるというような篤志家でないと、なかなかこれ、具体的な問題になってこない、くすぶっているだけで。それからまた、県の審査会なんかに出しましても、どうもはっきりしないものですから、結局うやむやなことになってしまうということになる。はっきり県の審査会あたりで腰痛症を、ある程度のものだったらこれはどんどん取り上げるという先例ができますと、またそこから解決の糸口ができるんですけれども、これは非常に困った問題だと思うんですが、自治省のほうでもう少しこの問題を積極的に取り上げて研究していただけませんか。研究よりも、もう現に全国にあるたくさんな施設――公立の施設はもちろんですけれども、私立も多いんでしょう、社会福祉施設は例外なしに。だから、公立の施設でそういう道が開ければ、私立のほうでもそれに準じて取り扱いができるわけですから、これは施設で働いている職員にとってはやっぱり非常に朗報になると思うんです。そういう問題について、これ、あなたからでもいいし、大臣からも――これは大きな政治問題じゃないかと思うんですが。
#67
○政府委員(植弘親民君) ちょっといま資料がなくて舌足らずになりましたが、御承知のように、地方公務員の公務災害につきましては、基金を設けていただきまして、基金でやっておるんでございますが、その実績を見ますと、腰痛症の関係で、大体は県段階で処理いたしておりますが、白黒はっきりしないもので、本部に――東京にございます基金のほうに協議がございました件数が、四十七年度二十八件ございました。そのうちで、本部の判定で公務となりましたのが二十二件、公務外というのが六件であります。大体、公務災害の場合には、それぞれの案件ごとに、個別的に発生の事由なり状況なりというものをケース・バイ・ケースで検討しておるわけでありますが、ただ、いま申し上げましたように、腰痛というのはどうしてもやっぱりよくわかりません。それは、原因が、老化現象とか先天的なものとかいろいろございますので、それでほうっておくわけにもいきませんということで、基金のほうでは、本年度に専門機関に研究委託をするということで、いま計画をいたしております。まだ具体の計画は進んでおりませんが、契約等きまっているわけではございませんが、いまのところでは四カ所ぐらいの保育所と契約いたしまして、そこで具体の実態を専門の機関に研究調査していただこうと、こういったような気持ちで進めておりまして、いま先生の御指摘のような点で少し基金のほうも前向きに取り組んでおりますので、御趣旨を体しまして私どもも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#68
○国務大臣(江崎真澄君) いま御指摘の点は、公務員一般の腰痛症というよりも、むしろ養護施設等を中心にしての腰痛症、これはなるほど腰痛症が起こりそうな環境であることは常識でも私どもすぐ理解できるわけでありますが、特にそういう施設の勤務者にしぼりまして、一般論とは区別して、もうちょっと深く検討をして、御趣旨にこたえられるような環境づくりをしたいと思います。これは努力いたします。
#69
○秋山長造君 これは、原因ははっきりしておるんです。要するに重い不治症の者を、用便だとか入浴だとか、その他いろいろなことを、不自然な姿勢で、とにかく力を入れて持ち上げたり抱きかかえたりするものですから、それがずっと重なるから腰痛症が起こってくる。ぎっくり腰というのがありますね。あれに似たような症状になって、それが慢性的になって腰が痛い、腰が痛いと。腰が痛いから今度は両足の神経が痛み出すというようなことで、だから、原因ははっきりしておるんですが、いままでどうしてこういう問題が具体的に行政の面で取り上げられなかったかと思って、ふしぎに思うぐらいな問題ですけれども、最近は新聞なんかでも、ずいぶんあっちこっちの福祉施設で腰痛症の問題が具体的な問題として御承知のように取り上げられるようになってきておりますね。だから、やっぱりこういうことに、あとから追っかけるのでなしに、先手先手で積極的に取り上げていただくことが、同時に社会福祉の前進にもなるし、また福祉国家だ何だ言うことも、抽象的な呼びかけでなしに、具体的な施策の積み上げということにやっぱり通ずると思うのです。それで、この別表を見ましても、たとえば腰痛症あたりに該当するんじゃないかと思われるようなことも幾らかあるんですよ。たとえばこの別表の第七級というところの四というところに、「神経系統の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」だとか、それから第十四級の九に、「局部に神経症状を残すもの」とかいうようなものが、私しろうとですからよくわかりませんけれども、腰痛症なんかに当たるんじゃないかと思うんですけれども、いずれにしても、そのものずばり、腰痛症を公務災害として該当するということはどうもこの法律のどこにもないようですが、だから、そういう意味で新しい問題かもしれませんが、ぜひひとつこれ、自治省のほうでも、厚生省にまかせっきりにしないで、公務災害という面からひとつ積極的に研究していただいて、しかも、これは事は現実にそこら辺じゅうでみんな腰が痛い痛い言いよるわけですから、取り上げて、何か具体的な指導を地方に対してやっていただけませんか。自治省がそういう通達でもひとつ示すと、これは地方のほうも積極的に取り上げるようになるんですよ、うやむやにしないで。これをぜひお願いしておきたい。
#70
○政府委員(林忠雄君) この腰痛症というのは、最近特に新聞その他でも取り上げられた問題でございますが、実はだいぶ古くからそういう議論がいろいろございまして、私のほうで指導いたしまして、すでに昭和四十三年の五月に、補償基金の理事長から地方の支部長にあてまして、この腰痛症の取り扱いについてこまかい注意を送っております。そこで、地方の支部の段階ではっきり公務と認定されるものは、そこで処理をされておりますし、それがあいまいではっきりわからないというのが、さっきの公務員部長の答えのように、二十八件ほど、これはどんなものだろうかと本部まで伺いがきたのがありまして、それについて、いま二十二件は公務と認定して、六件ははっきりわからなくて公務外と認定したということでございますから、これに対する措置はもう前からある程度万全を期しておったつもりでございますけれども、さらに今後も、御趣旨に従いまして、この点についての公務の認定ということについて研究を深め、進めてまいりたいと思います。
#71
○秋山長造君 局長の、万全を前から期しておるというような一それはそのおつもりだからまあしようがないけれども、万全を期しておられるとは、まあわれわれからはちょっと受け取りがたいですけれども、現にこの本部のほうなんて、全国これだけたくさんある施設の中で、みんな痛い痛いちゅうて口々に言うておるのに、二十八件ですからね。これはもうよくよく特別にひどい例だろうと思うんですよ。しかし、そこまでこなくてね。最初にも申し上げましたように、これは福祉施設はこれに限りませんよ。一般待遇問題でも何でもそうですよ。やっぱり昔の社会事業という、社会奉仕、社会事業という感じ方、考え方がずうっと流れているからね。それはそれなりに悪いことじゃありませんけれどもね。ただしかし、この社会福祉を画期的に前進さそうといういまの時代からいうと、やっぱりそれは非常に立ちおくれていますわ、この腰痛症対策というものは。だから、まあ万全を期してこられたことはそのままお聞きするとして、あらためて、これは積極的に、しかも具体的に指導していただけませんか。で、そういうことを一つ一つ具体的に解決をしていくことが、やっぱり社会福祉の大きい前進につながるんじゃないかと思いますので、同じことを繰り返し申し上げるわけですけれども、もう一度大臣から、具体的にこれからどうする、あらためて通達を出すとか、こういう指導をするとかいうお考えを承って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#72
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点につきましては、いかにもごもっともな点が多うございます。これはもう至急検討して、具体的に通達を出すなり、しかるべき措置をとってまいりたいと思います。
#73
○委員長(久次米健太郎君) 午前中の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十五分開会
#74
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#75
○河田賢治君 質問はだいぶいろんな点で答弁されておりますから、ごく簡単にちょっと問題になると思うところだけを質問したいと思います。
 災害補償の問題については、調査会の報告に基づいて一応提案されて前進したと思うんですが、第二条の、通勤についての住居と勤務場所との往復という、これを「合理的な経路及び方法」となっていますが、もちろんいろんな実例をあげますればこれは千差万別で、上林先生もおっしゃられましたように、これはたいへんな実例になると思うんで、避けますけれども、大体、合理的な経路、方法というのはどういうふうなことなんでしょうか、ちょっと伺いたい。
#76
○説明員(小林悦夫君) 一般的に申し上げまして、「合理的な経路及び方法」と申しますのは、社会通念上、住居と勤務場所との間を往復する場合におきまして、一般に職員が用いるものと認められる経路及び手段等を言うものでありまして、したがいまして、当該職員が通常は国鉄などの公共交通機関、こういうものを用いている場合、特定の日に特別の事情のもとに当日のみタクシーを用いる。通常は公共機関を利用しておりますけれども、そういう特別な事情にある場合にタクシーを使う、こういうようなものでも「合理的な経路及び方法」に入るわけでございまして、これらいろいろなケースがあると思いますけれども、これは具体的に今後判断してまいりたいと思います。
#77
○河田賢治君 やはり抽象的に書かれておるんで、法律をつくる場合には、相当――あまり単純すぎてもいかぬだろうし、そうかといって、複雑なものをそう羅列するわけにもいかぬでしょうが、やはり原則的なものと、またそれでも例外があるわけですから、だから、基本的なものやいろんな角度から準則になるようなものがやはり書かれないと、いろいろ問題が起こると思うんです。
 そこでちょっと横道に入りますが、この五十一条の不服審査を要求することができると、これは今度の通勤の問題はこれまで入っておりませんけれども、この問題についてどのくらいの件数があったか、ひとつ。それから、内容の主たるものですね、おわかりになりましたら伺いたい。
#78
○説明員(小林悦夫君) 昭和四十二年十二月一日、これは基金の発足のときでございますが、それから四十八年の六月三十日まで、この間におきまして支部審査会で受理した件数が百六十六件ございます。このうち、本部のほうの審査会のほうにさらに再審査してまいりましたのが三十件でございます。このうちの大体のものは、公務上の災害であるかまたは公務外であるか、こういうものが大部分となっております。
#79
○河田賢治君 そこで、今度この住居と勤務場所との往復ということで、特に大都会では、大体汽車なり電車なりで、それから一定の距離と、これはわかると思うのですがね。いなかあたりになりますと、いろいろなところから通ってきますが、それからまた近道もありますし、それから車に乗る場合もありますし、あるいは自転車で通う場合等もあるとか、またその日の都合で、おそく出たために通りがかりの人に自動車に乗せてもらったと。そうすると、これは普通の本人のあれとは違ってくるわけですね。いわばどういうふうに指定するのかどうかわかりませんけれどもね。そういう場合に、臨時に問題が起きたというようなときには、これはやはり目的からすれば勤務と住居とになりますけれども、もしもこれを厳密に、住居はどこからどこまでだというような、ここは往復経路だというような指定がありますと、これはまたよほど問題が出てくると思うのですね。公務の問題でそういう不服審査の問題がありますが、通勤途上の問題が入りますと、これはやはり一つのいろんな争点にも、争いにもなるケースがかなりふえるんじゃないかと思うんですね。ですから、この問題については相当自治省のほうとしましても、よほどこの点はおきめになるとき、また下から実際に実行する場合に、十分にやれるような指導をなさる必要があるんじゃないかと、こう思うわけですね、あまりこういうことでトラブルばっかり起こしておったんではたいへんですから。
 そこで、負担金の問題さっきお話しになりましたが、二百円、確かに額はそう多くはありませんけれども、普通法律からしますと、「費用の負担」という第四章ですね。ここは、いろいろ地方自治体が責任を持ってこれを負担するということになった負担の原則をここに書いているわけですね。そうすると、今度二百円というのは基金に入れるとありますけれども、これはどういう名目になるのですか。これはしかも、雑則のほうの、つまり無料証明、戸籍については無料で証明を請求することができるという、こういうふうなところへこれが入るわけですけれどもね。法律の体系からいいますと、ちょっとこれはおかしいんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、二百円というのはどういう名目になるのか、ただ基金に入れるというだけになっていますが。
#80
○政府委員(植弘親民君) いま最初の問題は、御質問ではなかったかと思いますが、ちょっと申し上げますと、通勤の経路といったような問題になりますと、先生の御指摘のようにいろいろなケースが出てまいるだろうと思います。私どもも、この法案をつくります段階におきましてもいろいろと論議もしてみたのでありますが、何かはっきりとしたものさしをつくって、それで簡単にあてはめるというのはなかなかむずかしいだろうと思うのでございますけれども、やはりその場合にはケース・バイ・ケースで職員の立場に立ってものを考えるという姿勢が大事でございましょうし、それからまた、これに関連の深い、今国会でも御審議いただいております労災保険なり、国家公務員、人事院と、こういったところと十分に詰めまして、あまり認定についてトラブルがないように準則的なものも考えていかざるを得ない、このように考えております。細部は、やはりいろいろと判例といいますか、実例の積み上げによって適正、妥当なものができるだろうと思いますが、今後さらに努力したいと思っております。
 それから、いま御質問の二百円の件でございますが、これも労災保険なり、国家公務員災害との均衡で考えておりますが、本質的に、今度の通勤災害は純粋の公務災害ではない。実質的にはその補償という点については公務災害と全く同じようにしますが、少なくともこれは準ずるものであって、公務災害そのものではないという立場をとっております。したがって、この二百円も、労災その他と同じように、初診療というかっこうで職員が負担する、こういうたてまえにしているわけでございます。
#81
○河田賢治君 そうしますと、初診料にしましても、給与から天引きするというやつですね。普通、何でも自分で払うというのがあれじゃないかと思うのですがな。主として、労働基準法なんかでも天引きということはあまり許しておりませんからね。こういうところはどうなんです。
#82
○政府委員(植弘親民君) 先生の御指摘のように、賃金の本人払いということは労基法等の基本原則でございますが、その具体の内容によりましては、たとえば社会保険料といったようなものを、チェックオフといいますか、天引きするということも認められております。労基法も、法令に根拠のある場合認めておるわけでありますが、今回の初診料につきましても、やはりそういった社会保険料的なものと考えまして、一々本人から支払うよりも、むしろそういった給与から天引きしたほうが便利であるということから、そういう法令の根拠によっての措置をする、こういうたてまえをとったわけでございます。
#83
○河田賢治君 これは公務と認めて一つのものにしちまえば、こういう問題は起こらぬだろうと思うのですがね。これはやっぱりそういう方向へいくべきじゃないかと思うのですがね。
 それから審査会ですね。これは御承知のように、審査会は、委員が五人で組織、それから「委員は、学識経験を有する者のうちから基金の理事長が委嘱する」、こういうふうになっておりますが、こういうものは、やはりある程度職員の――職員と書くかどうかは別としまして、こういうものはやっぱり入れるべきじゃないですかな。できるだけ、いろいろなものにしましても、民主的な運営をする、すべて国から出る金の使用についても、やはり職員側なりあるいはそれの支払いを受ける側からも出して、民主的な運営をするように、できるだけ機関というものはそういうふうにすることがいいんじゃないかと思うのですが、その辺はどうですか。
#84
○政府委員(植弘親民君) 公務災害の運用のしかたなり、どういう基準をつくるかといった場合において、十分当局者なり職員の代表の意見を聞くということはあると思いますが、具体の審査という問題になってまいりますと、やはりこれは公平な第三者の専門機関、専門者によって審査することが、こういった審査会というのはいわば準司法機関でございますので、より妥当であろうというふうに考えられます。したがって、現在では弁護士さんだとかお医者さん、こういった方をお願いしておるわけでございますが、ただ、先生の御趣旨のような気持ちもございまして、私どもの地方公務員災害の場合には参与という制度を設けまして、これに使用者側といいますか、官の側と、それから職員を代表する労働組合等の代表者、こういった方々を参与にお願いいたしまして、そういった審査会の不備を補完するといいますか、あやまちがないように参与の方々にも補完していただくというたてまえをとっておるわけでございます。
#85
○河田賢治君 それは法律上にはそういうものはないのですがね。制度的にそういうことをおやりになっているという意味ですか。
#86
○政府委員(植弘親民君) 基金の定めております業務規定に参与という制度があるわけでございます。
#87
○河田賢治君 この問題については附帯決議がありますし、これで問題は一応打ち切ります。
 次に、共済組合の法案ですが、実はこれについては、衆議院で盛んに大臣と林議員との間にやり取りがあり、いろいろ最低保障の問題やら、年金スライド制や、それから積み立てにかわる賦課方式とか、こういう種々の問題についてかなり論議されておりますし、かなりの部分でまた大臣も新しい方向へ努力するという御答弁もあります。だから、ここではもう私は触れません。
 ただ一つ、昨日の夕方、急に婦人の人々がたくさん来ましてね。私も全然知らなかったのですけれども、婦人の、学校のつまり産休ですね、それの産休のときに臨時に雇われる学校の先生、これらの方が十人ばかりいらっしゃったのですね。この方らの言い分を聞きますと、非常に私いま問題があると思うのです。そこに一つの請願の趣旨を書いてありますけれども、つまり、「産休補助教員が共済組合加入のための条例「地方公務員等共済組合法施行令」第二条三を改正し、就職と同時に加入できる道を講じ、あわせてこれを産休補助教員制度の始まった時点にまで遡って適用されますことを請願します」、これが請願の趣旨なんですがね。大体自治省のほうでもおわかりだと思うのですけれども、聞きますと、東京で産休のいわば資格のある者が約千人ぐらい、それに実際に産休でつとめるのが、実際いまつとめるのが三百人ぐらいいるという。しかし、この人々が、いろいろこれまで法律の内容も変わってきましたが、現在、四十四年の四月から産休補助教員の共済組合の家入が認められたが、任用期間が十六週間という臨時採用形態のために、一年継続することは難事に等しいと。したがって、共済組合法を適用され、健康保険と年金の資格を得る人はごく少数で、せっかくの制度も無に等しい状態だと。一生家庭にあって職につかなかった人たちでさえ、老後には福祉年金、その金額の上昇が世論を動かしているときに、難事に等しい一年継続後から加入を認める制度は、あまりに現状を無視したものと思います、臨時任用でも加入できるというこの制度をいま一歩前進させ、就職と同時に加入させ、勤務が切れた期間も就職希望の登録期間中は有効であるよう法改正されますことを願いますという理由書がついているわけですね。これは確かに多くの人から見れば数は少ないんですけれども、しかし、この人々は大体労働組合にも入っておらぬわけですね。それから、やはり比較的こういう用務員であるとか、あるいは産休の補助教員だとか、こういう少数の人は、えてして忘れがちにされると、そういう事態があると思うんです。病気にしましても、非常な重症病者で数の少ない者は何とかすみのほうへ押しやられている。しかし、やはり私たちはいま、そういう人々の苦労やそういう人々の権利、そういうものをできるだけ法律で救っていくとか、あるいは認めていくとかいうことをやるべきじゃないかと思うんですね。これ、十二ヵ月しませんと資格が取れないというんですね。普通ですと、入ったらその日からいわゆる資格はあるわけですね。ところが、なるほど、この方々の任用期間が十六週間というんですから、切れはしますけれども、それを継続してはいきますけれども、しかし、一年継続してやっとそれから以後に入れるということになりまして、つまり、資格の取得というものが非常に困難だと、そしてこれらが十年もつとめている人もあるわけですね、いま、聞きますと。そういう方がきのう来られまして、年金の支給資格を得る人は非常に少ないんだから、この辺の問題を、地方公務員共済組合ですか、施行令等々を検討してもらいたいというお話があったわけですが、自治省のほうでこういう問題、少しはこれまでにでも――昭和三十二年に採用制度ができて以来、各学期ごとに打ち切られてきたと。しかも発令が、一日、十五日に限られたと。この身分の不安定をなくすための運動のかいがあって、三十八年から継続採用ということになったと。対象あっての産休補助のため、一年継続できる人たちは数えるほどしかありませんというんですね。だいぶ改善はされてきているんですね、相当の年月をおいては。しかし、まだこういう欠陥があるということできのう来られたわけなんですがな。自治省あたりはこういう問題どういうふうにお考えなんですか。
#88
○政府委員(植弘親民君) 御指摘のように、産休代替職員につきましては、共済組合の加入資格が一年ということになっております。これも従来はなかったんでありますが、先生の御指摘のような点で、一年もつとめるということになりますと、非常勤職員でも、常勤的ということで相当これをカバーしなければいけないだろうということで、一年というものを一つの要件として認めてきたんでありますが、それをもっと下げて、半年にするとか、三カ月ということがどうであろうかという点は検討してはおりますが、やはり単にこの産休代替職員のみならず、いまちょっとお話しございました他の臨時的任用職員といったような関係もございます。そうなってまいりますと、本来、掛け金と負担金と両方で持っておる共済組合の資格、基本を一体どう考えていくかといったような問題もからんでまいりますので、いまのところではちょっと一年未満のものまで直ちに救済するというところまでは踏み切っておりませんが、今後とも検討すべき問題であろうかと、このように考えております。
#89
○河田賢治君 こういう人々は、比較的今後も長く働こうという人が、わりあいに年のいった人が採用されるわけですから、あるわけですね。しかも、いまはこういう産休の補助職員として学校につとめようという人が非常に少ないと。労働組合のほうで一生懸命さがし回らなければならぬとかというような事態も生まれているわけですね。看護婦なんかでも、いま病院なんかでずいぶんそういうふうに足らなくて、とにかく資格を持った人に昼間働いてもらいたいというような要求もずいぶんあるわけなんですが、やはりいろんなそういうところで条件を満たすためには、そこらにある困難ですね、これをやっぱり解決するべきだと。私自身ちょっと考えましても、なるほど採用、つまり実際に学校で働いている。しかも学校ではほかの教員と同じ仕事をしているわけですね、全然差別のない。ですから、少なくとも働いている期間、最初つとめてからもうやることにして、それを積み上げて――空白のときは別にしましても――そういうような計算をすれば、ある程度この人々の満足も――まだ十分とは言えぬと思いますけれども、そういうような方法でも講じられれば、一歩前進じゃないかと私は思うんですけどな。その点はどうでしょうか。
#90
○政府委員(植弘親民君) いろいろと先生の御指摘のような方法もあろうかと思いますが、現在のところではまだ一年未満まで要件を下げるというところまでいっておりません。やはり継続して一年以上という考え方が共済を通ずる基本的な考え方でもございますので、そこらのところも含めて今後の検討の課題とさせていただきたいと思います。
#91
○河田賢治君 しつこいようですけどね。これは任用期間は十六カ月って、こういうふうにきめられているんですよ。そうすると、一年、一年と言ってたって、これは次から次へ渡り歩くわけなんでしょうけどね。しかし、その本人たちは、一ぺん産休補助教員としての一応資格を持ち、認定されれば、たいていずっとつとめるという方針でつとめているに違いないんですね。ですから、そういうような、仕事の都合でお産をする人がなければ休まなければならぬのですけれども、しかし、お産をやって学校の先生が休めば、その補助としてこれはどんどんどんどんつとめていくわけなんですからな。その辺はやっぱり普通にそこらでちょっと臨時に半月ばかり来てくれとか、一月ばかりまあまあといって働いてくれとかいうのとはちょっと違うと思うんですね。その辺の、やはり今日のいろいろこういう社会の大きな集団的ないろいろなことから落ちこぼれた人、こういうものに相当目をつけて、やはりこれらの人々に対する社会生活ができるような措置を少しでも講じていくということが行政のあれじゃないかと思うんですよ。
 この方がきのう言いますには、自治省にも行ったと、それから文部省にも行きましたと。ところが、法律がどうもそうなっているんでこれはどうにもなりませんよ。ひとつ議員さんにこの法律を直してもらったらそれは直りますというようなことを言ってくるんですね。これはおかしなことだと私は思いましてね。議員さんがやるんじゃなくて、本来ならば政府がこういうことはもういろいろ目をつけて、そして内閣提出、そして法を改正するとか、それが政府の責任なんですから。それを何でも議員さん、議員さんで、通したらいいったって、通したらって、出しもしないんですからな。そういう問題を私は話したんですけどね、ようわかったと言っていましたが。だから、そういう点で、これはまあ大臣にまず一言だけで、最後ですが、こういう問題がたくさん、学校の用務員とかあるいは産休のこういう補助職員だとか、いろいろなこまごました問題で、しかもやはり社会的にはそれらの人々が大きな負担を負わされていると、こういうものについてやはり相当検討して、必要なものは次から次へ、政令でやれるものならやるなり、それから地方条例でできるものなら、そのほうを地方条例の中へ入れさせて行政指導もしていくというふうにして、やはりこういうところへ目をつけて少し仕事をしていただきませんと、ただ統計をとるばかりじゃちょっとあまり――まあこう言っちゃ失礼ですけども、能がないんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。ひとつ大臣からその所信について。
#92
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと、こっちから先に。
#93
○政府委員(林忠雄君) これは、御指摘のような問題点あると存じております。現在の規定は、産休だけを対象にした規定ではなくて、要するに臨時職員、これ全体を対象にしまして、最初は臨時職員は全然資格がなかったのが、ある程度、常勤職員と同じように、ある期間つとめれば臨時職員のままでも共済の加入の道を開いたということでございますので、その臨時職員は、たとえば統計をとるためとか、あるいは特に忙しい仕事をするためとかいうことで、二カ月、三カ月というものが引き続いて更新をされて一年以上になったような場合には、身分はまだ臨時職員でも、共済に加入を認めようとした制度でございますので、産休にはこれがぴたりと当てはまらないわけでございます。
 その点、問題点があるわけでございますが、私は問題点はまたもう一つ別のところにあるのではないかという気もいたしておるのです。産前産後の十六週間の休暇を、本来の先生にかわって臨時的に預かる先生というのは、考えようによっては普通以上に能力がなければいけないのではないか。そういう産休の間のつなぎを臨時職員でやるという現在の教育側の制度にも、これ多少問題があるんではないか。そういう一定期間ぽつぽつとこま切れのような教育をやっていくためには、たとえば子供の顔を覚えるにしても、人以上に早く覚えなければならぬとか、従来の教育がどういうふうに進んでいたかをいち早く察知して、それに合うようなつなぎをしなければならぬということで、相当高度な能力が要求されるのじゃないか。それで、こういう産休を受け持つ先生方もちゃんとした定員化をいたしまして、ちゃんとした資格の、しかもちゃんとした身分を持った方にやっていただくということが、ほんとうは教育の見地からは一番いいんじゃないか。もしそういうふうにすれば、この問題はそちらのほうから解決してしまいまして、臨時職員という問題は起きないわけでございます。ただ、現在は、まあいろいろ財政上の理由とかその他でもって、そういう十六週間ぐらいの間のつなぎをするのを臨時職員でやるというたてまえになっていることが、まあここに一つひずみをもたらしているのではないかと思うわけでございますので、本来、文部省のほうでそういう制度についても検討していただくことをこちらもお願いをしたいと思いますし、まあそうは言っても、すぐこの臨時職員制度がなくなるとは思いませんので、御指摘の点踏まえまして、共済の側からはどう対処していくかをさらに検討課題にさせていただきたいと思います。
#94
○和田静夫君 前の委員会での質問について、いわゆる源泉徴収の対象者との関係で片手落ちではないかという質問をしているわけですけれども、まず答弁を承ります。
#95
○説明員(伊豫田敏雄君) お答えいたします。
 現在、年金の源泉徴収につきましては、一応三十万円以下については源泉徴収を行なわないでよろしいということになっているのは、もう御指摘のとおりでございます。本年の改正で、老年者につきましては、老年者年金特別控除、年間六十万円という制度が設けられました関係から、老年者につきましては九十万円まで源泉徴収を行なわないで済むようになっております。しかしながら、御指摘がございましたように、年金の給付水準の引き上げに伴い、この三十万円の、源泉徴収を行なわないでいいとなっている金額を引き上げるべきだという御意見につきましては、これはやはり確かに、おっしゃるとおり、問題はございまして、今後十分検討を続けてまいりたいと考えております。
 ただ、その際の考え方といたしましては、一つには、これが公的年金のみならず、適格退職年金等、比較的水準の高い年金等につきましても、あるいは別途に収入がある程度見込まれるような系統のものにつきましても、同じように三十万円という数字が適用されているという問題と、それからもう一つの問題といたしましては、この源泉徴収を行なわないということが、必ずしも非課税にするという趣旨ではございませんので、問題といたしましては、年金の受給者の皆さんにどのように公平に税を納めていただくかという問題と、他方におきまして、どれだけ手間を省くかという問題とのかね合いの問題として考えてまいらねばならぬ、このように考えております。
 いずれにいたしましても、問題があることは承知いたしておりますし、十分検討さしていただきたいと、こう思います。
#96
○和田静夫君 公共企業体等職員共済組合は、退職時の給料となっているわけですね。したがって、この三年平均の公務員共済と比べてみて、年金額においても実質的に一五%程度の格差が生じている、こういうことになります。そこで、これは提案ですが、そろそろ退職時一年前の一号上ぐらいの給料に改めるべきではないかと、こう考えますが、いかがですか。
#97
○政府委員(植弘親民君) 御指摘のように、現在の共済組合年金の計算の基礎になります給料は、前三年間の平均になっております。国鉄等におきましては、退職の年と、この間につきましては、その格差については、国鉄等の場合は、退職手当の割り落としといったようなかっこうである程度均衡はとっております。しかしながら、私どもといたしましても、この共済の年金額の基礎となる給料につきましては、改善をはからなければならないだろうというふうに強く考えております。そして、先般もお答えいたしましたが、共済年金の水準を基本的にどうするかという問題とあわせて、先生の御指摘のような考え方も十分考慮に入れて考えておる次第であります。
#98
○和田静夫君 これは考えておるだけではなくて、もうそろそろやるべきだ。やりますね。
#99
○政府委員(植弘親民君) 地方共済だけでは片づかない問題がございまして、国家共済等の関連もございますが、積極的に関係省庁と連絡協議いたしまして、実現に努力したいと思います。
#100
○和田静夫君 これは大臣どうですか、もうひとつ。この辺は大臣、一言で――これはもうやらなければならぬところへきているのですわ。せひやりましょう。よろしいですか。
#101
○国務大臣(江崎真澄君) これは、公務員部長もお答えしましたように、私どもの省だけで解決できない点もありまするので、関係省庁と十分連絡をとって、解決の方向で努力いたします。
#102
○和田静夫君 くどいようですが、大臣、いまのおことばは、積極的に解決する、こういうことにとっておいてよろしいですか。
#103
○国務大臣(江崎真澄君) よろしゅうございます。
#104
○和田静夫君 その際、既裁定者についても再計算して引き上げるべきであるという見解を持ちますが、これもよろしいですか。
#105
○政府委員(植弘親民君) 既裁定分につきましても、そのような方向で考えたいと思っております。
#106
○和田静夫君 それから次は、最低保障額について、新法の年金については、今回、退職年金について三十二万一千六百円、それから遺族年金について二十五万四千四百円、こう倍額に引き上げられたにもかかわらず、恩給における最低保障額が引き上げられないために、結果的に旧年金制度の最低保障額が、退職年金について十一万四百円、六十五歳以上は十三万四千四百円ですが、遺族年金については五万五千二百円、これは六十五歳末満の妻、子、孫、これは六万七千二百円が据え置かれることになるのですね。これは非常に不公平である、そうお思いになりませんか。
#107
○政府委員(植弘親民君) 御指摘の点は、新法と旧法との関係で若干の不合理が出ている点はそのとおりでございますが、先生もよく御承知いただいておりますように、共済制度は社会保険の一環でございますけれども、やはり恩給との関係もございますので、恩給のほうで改善措置を講じられない限り、単独で進めるというわけにもいきません。あわせて検討させていただきたいと思っております。
#108
○和田静夫君 これはそれだから、いまのやつは、あわせて検討というのは、恩給のほうでもこの趣旨に基づいて努力しろということをあなた方のほうは言うと、そういうことですか。
#109
○政府委員(植弘親民君) 恩給の担当なり国共の担当なり、そういう関係方面にも私ども働きかけまして協議、検討したいということです。
#110
○和田静夫君 通算退職年金に遺族年金の転給がありませんね。これは非常におかしいと思うんです。この辺、自治省はどう考え、対処されますか。
#111
○説明員(佐野政一君) この通算退職年金の受給者が死亡した場合に、その遺族に遺族年金として転給できないということについては、この制度の欠陥として前々から指摘を受けておるわけでございます。実は今回の厚生年金の改正の際にも、こうしたものについて検討したらどうだろうかということで、厚生省と話し合ったことはございます。ただ、この通算退職年金については、先生御案内のとおりに、各公的年金がすべて遺族年金に転給の制度がございません。そうした点で、もしこうした制度を設けるということになりますならば、関係の制度全部の改正を必要とするわけでございます。そうした点で、私ども先般、厚生年金でこうした制度がとれないだろうかということで意見の打診はしたことはございますが、社会保険審議会の場でもまだそこまでの結論は出てなかったようでございます。そうした点で、今後引き続いてこの問題については検討いたしたい、このように考えております。
#112
○和田静夫君 大臣、ぜひここの部分、たいへんこまない問題ではありますが、厚生年金法の改正のときに、やはりこの基本的な改正をいま答弁にあったようになされませんと、こちらにもそれが波及してこない、こういう状態になりますので、これは大臣としてぜひ厚生大臣などと、少し具体的な煮詰めをこの部分はやってもらいたいと思うんですが、どうですか。
#113
○国務大臣(江崎真澄君) 関係各省庁と連絡をしまして、十分検討いたします。
#114
○和田静夫君 それから、先ほど河田委員が触れられた産休補助職員の共済適用問題というのは、これは非常に重要な問題でして、林行政局長が述べられるような教育制度の中に持っている基本的な問題は当然ある。あるんですが、そのことを述べていても現状の問題についての解決にはならないので、抜本的にはそこのところをいじくればそれは解決になりますが、現在いる職員に対する適用問題というのは、非常に気の毒な状態というのは、被扶養者であった、その妻であるところのいわゆる産休補助職員が、この被扶養家族の適用からもはずされ、そうして疾病になる、そうすると、結局はこの皆保険の時代に実費でもってかからなければならぬ、こういう状態に泣いているところの女教員の人たち、補助職員の人たちが非常にたくさんいるわけですね。この状態、いわゆる無保険の状態に追いやられている、こういう状態というものを、どうしてもやはり即刻救ってやる必要があると思うんです。そういう意味での非常にスピーディーな解決というものが要請をされている、そういうふうに考えますから、その辺を十分に踏んまえながら、即刻適用に踏み切るというような形のことをお考えになるのが至当だと思うんですが、いかがですか。
#115
○政府委員(林忠雄君) 先ほど河田先生にもお答えをしたとおりのことでございまして、十分その辺を踏んまえて検討いたします。
 ただ、いま無保険になるというお話でございますが、これは直ちに国保に入る資格はできると思いますし、扶養者の給付と国保の給付では、いまや国保のほうか高くなる――まあ付加給付を含めれば必ずしもそうでもございませんけれども、その点に関しては、完全に無保険になるとは思いません。
#116
○和田静夫君 ただ、いわゆる国保の保険料の関係その他手続の関係、いろいろなことで、やはり職を持っているその現場に適用されるところの諸保険に期待感というものは非常に集まるわけですから、その辺を十分に配慮をされながら措置をされることが必要である、そういう意味で述べたわけです。
 それから年金のスライド制については、これはすでにずいぶん長い間論議されて、附帯決議でも何回でもうたってまいりました。そうしてその方向ももう出てきていると思うんですね。この点について、七月五日の衆議院地方行政委員会で、自治省の武藤政務次官が、「従来の物価の上昇分にプラスアルファではなくて、国家公務員の給与のベースアップにスライドといいますか、合わせて二三・四%というものが恩給で上がり、それを受けて、この共済年金も二三・四%上がった、こういうことでございますから、ぜひこれが一つの制度として今後確立をするように私も極力努力をしてまいりたい、」と答えられているわけです。この方向での制度化を政府部門でも検討している、こういうふうに考えてよろしいですか。
#117
○政府委員(林忠雄君) けさほどのたしか上林先生の御質問、同じ趣旨のものでございましたのですが、従来の物価上昇分プラスアルファというのが三年、四年と続きまして、これが事実上スライドといいますか、事実上の慣習として確立したというのが昨年までの話でございましたが、ことしはさらにそれを踏み切りまして、公務員の給与ベースの率そのまま使うということになりまして、そこでこれは法文化しておりませんので、制度として保障されていない、これは確かでございます。場合にこれは、そのときの財政事情によって動くということは可能性としてはあり得ますけれども、従来の形から一歩前進したことしの形がとられるとすれば、見通しとしてはこれからちと戻りをすることはあるまいというのをわれわれは持っておりますが、ただ、それを制度として法文化するについては、なお三つ、四つ、たいへんにいろいろな障害があるわけでございまして、最も端的な問題が、厚生年金との均衡問題というのが出てまいります。それを制度としてやるとなりますと、それは厚生年金との均衡をどうしてくれるかということで、厚生年金と公務員の年金はいろいろな点で本質的に違うという議論をさらに繰り返さなければなりません。そこで、制度化するという方向、スライド制を実現することについて、何度も附帯決議その他もいただいておりますし、そういう方向での努力は続けますが、来年度以降、実質的にこれが守られるかということと、制度化することということの間になお多少隔たりがございます。その隔たりを御理解いただいた上で努力は続けてまいりたいと思います。
#118
○和田静夫君 私はやはり制度化がされないと、言われるとおり、大臣、これは逆行する危険性は十分に持っていると思うのですよ。これはもう制度化に踏み切られる時期にきていると思いますから、これは江崎自治大臣、どうですか、制度化をいつごろやる――大蔵省からも見えていますし、その辺こうはっきりされませんか。
#119
○政府委員(林忠雄君) 繰り返すようでございますが、衆議院の議論でもいろいろございましたように、公務員の年金というのと厚生年金というのは違うのだといった議論がもちろんありまして、特に公務について安心して仕事をさせるために、一般の国民の厚生年金以上に何がしかの有利な面があるのは当然だという議論があるわけでございますけれども、またそうあってはおかしいのじゃないかという議論も当然ありまして、制度化するとなりますと、そういう議論を戦わして、これを克服しない限りできない問題でございます。そこで、実質的には三年、四年続きました物価上昇プラスアルファーが、今回は公務員の給与改定率というものをそのままとった。一方厚生年金のほうは、ことしの法律改正で物価にスライドするのだという――これは最低保障の意味でございますけれども、物価にスライドするのだという規定が入った。この現状を踏まえます場合に、じゃ来年度すぐ、公務員の年金について公務員ベースのスライドが法文化できるかというと、これにはなお相当の障害があるということでございますので、そちらの方面への努力は引き続きさしていただきますけれども、先生のおっしゃるように、もうそういう時期になったと、来年から直ちに制度化をというと、これはなお相当困難な問題を乗り越えていかなければならない問題であろう、こう考えておる次第であります。
#120
○国務大臣(江崎真澄君) 行政局長が申したとおりでございまして、これはちょっと私もにわかにお引き受けしかねるわけですが、もう少し時間をこれにはおかし願いたい、こういうわけでございます。
#121
○和田静夫君 大蔵省、そうすると、新しい年度に向かっての、いま言った趣旨での公務員給与の率をそのまま使っていくという形で、この前二三・八などという大蔵省からの発表がありましたようですが、この辺のことは、率の面ではどういうふうにお考えになっていますか。
#122
○政府委員(辻敬一君) 年金の実質価値を維持しなければならないということにつきましては、御指摘を待つまでもなく当然のことでございまして、私どもも、従来から各共済年金法にございます調整規定の趣旨に沿いまして、国民の生活水準あるいは公務員の給与、物価その他の諸事情を総合勘案いたしまして、このところ毎年、恩給の改定等を勘案して額を改定していただいているところでございます。四十八年度におきましては、御承知のように、厚生年金等他の公的年金が大幅に改善されたということもございまして、恩給にならいまして従来の改定方式を改める。そういたしまして、四十六年度と四十七年度におきます公務員の給与改定率を基準といたしまして、二三・四%という大幅な引き上げをお願いしたわけでございます。しかし、先般来自治省から御答弁申し上げておりますように、これはいわゆる賃金の自動スライド制をとったものではないわけでございます。賃金あるいは給与の自動スライド制につきましては、いろいろと御議論のあるところでございますし、何よりも、先ほど行政局長からもお答え申しましたように、社会保険の根幹でございます厚生年金につきまして、物価スライド制を導入しているということとの均衡があるわけでございます。もちろん、その他、財源負担等の問題もあるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、引き続き関係の審議会、あるいはまた政府部内の調整の場でございます公的年金制度調整連絡会議等にもはかりまして検討してまいりたい、かような考え方でいるわけでございます。
#123
○和田静夫君 私が問いましたように、四十九年度に向かって二三・八%などという率の発表がございましたね、これは日経でしたか何か。あの発表というのは正しいですか、四十九年度に向かって。
#124
○政府委員(辻敬一君) ただいまお話のございましたのは、おそらく一部の新聞に出ました、四十九年度の恩給の概算要求の数字ではなかろうかと存じますが、概算要求につきましては、御承知のように、八月末までに提出することになっておりまして、私どもまだ正式に受け取っていないわけでございます。恩給局のほうの要求が提出されましたならば、他の年金とのバランスあるいは財源等々考えまして、政府部内におきまして慎重に検討してまいりたい、こういうところでございます。
#125
○和田静夫君 今日のように、年々物価が高騰しているときに――労災の問題で若干最後に聞きますが、年金額が常に社会保障のしんとならなければならない、その実質な価値が維持されていかない限り、立法の趣旨というのはこの目的を達しない。で、通勤途上災害を公務災害補償を準じて保護していこうとする今度の提案も、基本的な自動スライド制の問題が解決しない限りは、実は公務災害を受けた職員の生活というのは十分保障されない。
 したがって、そういう意味で、スライド制の問題は非常に大きな問題だというふうに考えます。わが国に自動スライド制が採用されているただ一つの制度としては、民間の業務上の災害補償としての労災がある。労働省の毎月勤労統計における全産業の労働者の平均賃金が二〇%以上上下したときは、年金受給者の給付基礎日額をその変動率に自動スライドさせて年金額を改定させる、そういう方式がとられているわけですが、地方公務員災補償法においても二条五項で、「平均給与額が著しく公正を欠く場合に」云々ということで、一応労災に準じた措置がとられているけれども、必ずしも自動スライド制は採用されていない。で、スライド制については、「労働者災害補償保険法に準じて実施するように努力する」云々と、この附帯決議が付されてずっときているわけですが、この国会の論議を通じて、社会党からも対案が提出されて、そしてわれわれとしては、労働省の毎勤統計における平均賃金額が五%以上変動した場合には、その率を基準として改定することというような法案準備をしているわけです。
 そこで、労災法の二〇%というのはあれですが、社会党案の五%程度のところで自動スライドというものをお考えになるつもりというのは、労災に関してはありませんか。
#126
○政府委員(植弘親民君) 先生の御指摘のように、現在労災が二〇%ということで、地方公務災害につきましても、基金の定めによりまして二〇%のスライド制を採用いたしておりますが、これを五%以上にしたらどうかということでございますが、この変動率をどの程度にするかということは、いろいろと議論のあるところでございます。それはまあ五%とか一〇%とかにすることがいいのかもわかりませんが、やはり一般的に、他の労災の問題だとか、公的年金との関係もございますので、いま直ちにこれを社会党案のように下げるというお答えもできかねます。しかし、実際問題としては、現実に差が開いてまいる場合もございますので、今後とも十分に検討しなければならぬ、このように考えております。
 しかしながら、実際具体的に見ますと、年々改定されてまいっておりますので、四十年ぐらいのと現在と比べますと、倍以上にはなっております。実際、二〇%、五%という議論をされておりますけれども、現実には、年々の改定でそういう年金の措置も、価格も上がってまいっておりますので、今後ともそういうことで検討していきたいと思っております。
#127
○和田静夫君 現在、年金の改定については、平均給与額が二〇%以上上下したときに、その変動率に応じて平均給与額を是正して年金額を改定すること、こういうことにいまなっていますが、定期昇給分が何ら考慮されていませんよね。公務災害による年金の増額については、通常の定期昇給分を加味するように検討すべきであると思いますが、いかがですか。
#128
○政府委員(植弘親民君) 定期昇給分を加味するということになりますと、その方が退職しないままずっと引き続いて在職しているという仮定のもとに計算するということになるわけでありますが、やはりそこらのところは、この種の制度としていかがなものであろうか。現実の問題として、年若くして公務災害でなくなった人の年金といった問題を考えてみますと、なるほど、その人がずっと生きておった場合に定期昇給分でもみてやったらいいじゃないかという感じがしないわけでもございませんが、それはそれとして、基本的にそういった年金の計算をどうするかという問題であろうと思いますので、やはり、退職されたあとにおいてなお引き続いて在職すると見なしての昇給分というのは、ちょっといかがであろうか。かりにいま、先生先ほど御質問の賃金スライドの問題にいたしましても、これはやはり定昇分はちょっと入れられにくいものでございますので、非常に困難な問題だと思います。
#129
○和田静夫君 これはおいおいひとつ論議をさらに深めることにしますが、最後に、通勤途上の災害を公務災害に準じてという措置によって私傷病扱いになる、この問題については、議論が出尽くしているので、多く論ずるつもりはないが、復職後の調整等の問題で、人事院総裁が七月十二日のこの参議院内閣委員会で「民間の扱いなどを調べてみまして、そして参考にしながら適正な措置をとりたいということで、まだこれは実施期日まで間のあることでもございますので、じっくり検討したいということで、しかもできればあんまりぎこちない割り切り方をしないで何とかいかぬものか」、こう佐藤人事院総裁は述べています。この発言は、前後の関係からいって前向きなニュアンスです。大臣、これは最後なんですが、この問題にどういう態度でお臨みになりますか。
#130
○政府委員(植弘親民君) 若干事務的な問題がございますので、大臣のお答えの前にお答えしますが、この通勤災害を純粋の公務災害と見るのか、単なる私傷病と見るのかという問題は、こういった労災を担当いたしております労働省で長年にわたって検討されましたが、結局、やはり通勤というのは使用主の支配管理下にないということで、公務上、何というか、業務上の災害と見ることはできない。しかし、現実の交通渋滞だとか通勤による災害が非常に多発しているという実情からいいますと、社会問題的にやはりその補償だけは十分にする必要があるだろう。したがって、本来は私傷病のワクの中にあるべきものでありますが、補償についてはそこから抜き出して、公務災害並みの、業務上災害並みの補償をしようと、こういうことでとられる制度でございます。
 しかし、先生のおっしゃいますように、そういっても、通勤というものが非常に勤務そのものにも重大な影響を持っていることでもありますし、公務と同じように扱ってもいいではないかというお考え方は、議論としては十分聞くべきものがあると思います。
 そこで、補償は大体同じになったわけでありますけれども、たとえば復職後における給与の調整とかいったようなものが私傷病と同じでございますので、その点の不満が出てくるわけでありますが、そこらのところを人事院総裁は、何とか運用できる範囲では考えようというお気持ちを示したものかと思います。私どもも、まだ具体的には検討いたしておりませんが、運用の範囲で、現在の公務上ないしは公務外私傷病との均衡を著しくそこなわないで運用できるものがあれば、これは業務上の問題なり、国家公務員の問題なりと合わして、地方公務員についても考えてもいいんではないだろうかというふうに考えております。制度の基本そのものをいま直ちにこわすというわけにはまいらぬだろうと思っております。
#131
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま公務員部長がきわめて行き届いた答弁を申し上げました。まあ私ども政治家からしますると、やはり運営上相当な幅をもって考慮してあげていいんではないか。通勤しなければこれはどうも公務を遂行することもできないんですから、だから、午前中、私上林さんにもお答えしたんですが、いま公務員部長も申しまするように、いわゆる不公平にわたらないことを十分意図しながら行政上幅広く措置することが望ましいというふうに考えます。
#132
○委員長(久次米健太郎君) ほかに御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#135
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#136
○寺本広作君 私は、ただいま可決されました地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、左の事項について善処すべきである。
一、通勤途上の災害は、通勤と公務との密接な関連性等にかんがみ、公務上の災害とするよう検討すること。
二、通勤の範囲を定める運用基準の決定にあたつては、公正を図り、職員が不利益な取扱いを受けることのないよう、関係組合の意見をきく等十分な配慮を行なうこと。
三、公務災害による年金の増額については.通常の定期昇給分を加味しうるよう検討すること。
四、一般公務員が、とくに危険な業務の遂行にあたつた場合の補償についても検討すること。
五、民間企業における業務上の死亡等に対する法定外給付の実情にかんがみ、公務員の場合においてもその均衡を考慮して適切な措置を講ずること。
六、遺族補償等公務災害補償の給付内容の改善について検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#137
○委員長(久次米健太郎君) ただいま寺本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、寺本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、江崎自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江崎自治大臣。
#139
○国務大臣(江崎真澄君) ただいま本委員会に付議されました本案につきましては、慎重御審議の結果、全会一致をもって御可決賜わりまして、厚く御礼を申し上げます。
 なお、ただいま賜わりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重して善処してまいりたいと思っております。
#140
○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#144
○寺本広作君 私は、ただいま可決されました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  右決議する。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#145
○委員長(久次米健太郎君) ただいま寺本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(久次米健太郎君) 全会一致と認めます。よって、寺本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、江崎自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。江崎自治大臣。
#147
○国務大臣(江崎真澄君) ただいまは全会一致をもちまして法案を御可決いただき、厚く御礼申し上げます。
 なお、附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと考えます。
#148
○委員長(久次米健太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#150
○委員長(久次米健太郎君) 地方行政の改革に関する調査のうち、金大中事件に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#151
○和田静夫君 国家公安委員長は、金大中氏事件に関する韓国側からの捜査状況についての回答について、まずどういう判断をお持ちになりますか。
#152
○国務大臣(江崎真澄君) 金大中事件についてこのたび韓国側から正式な報告、連絡を受けたわけでありまするが、まだ事の核心に触れておりません。しかし、当方の要請に従いまして回答せられたということについては、一応の誠意を認めて評価するものであります。しかし、問題の核心については、たとえば捜査上、金大中氏、梁一東氏、あるいは金敬仁氏、それぞれの発言が食い違っておりましても、これは当方にとっては非常に重要な参考になりまするので、それぞれ食い違いは食い違いとして報告を寄せられたい、こういったことを外務省を通じて要請をしておるような次第であります。
#153
○和田静夫君 そうしますと、いまのお答えだと、二階堂官房長官は、二十九日の記者会見で、韓国政府の金大中事件の捜査報告について、日本の今後の捜査の手がかりになる要求にこたえたものでない、いずれにしてもこの報告は具体的な内容が足りない、と述べています。いまの江崎国家公安委員長の答弁をそのように理解をしてよろしいか。
#154
○国務大臣(江崎真澄君) 二階堂官房長官がどのような表現を用いましたか、私は存じませんが、わがほうの要請に対して、内容にはこれという見るべきものが少ないといたしましても、一応、回答を寄せられ、報告を寄せられた――中間報告ですね――ということを私は評価しておる。したがって、身柄をぜひ日本にもらいたいということ、それから、いま申し上げたような、今後、そちら側の、いわゆる韓国側の捜査状況を、統一的なものでなくても、また結論的なものでなくても、随時報告を寄せられたい、こういうことについて期待にこたえてくれるものということを、私は希望を付しながらお答えしたわけでありまして、私自身は、回答が寄せられたことについては一応の評価をする、しかし、問題は今後である、今後なお友好国として誠意を持ってわがほうの期待にこたえられたいということを強く要請するものであります。
#155
○和田静夫君 一昨日のこの委員会で、私の質問に答えられた江崎国家公安委員長は、回答が来た場合のその内容が、いまのように、たとえば不満である、不足している、また期待も満たされていない、こういうようなときのことまでは、いま――いわゆる一昨日は考えていない。しかし、きょうのこの時点で韓国からの回答については、そうしますとどういうふうに考えられますか、内容的には。
#156
○国務大臣(江崎真澄君) 内容的には、まあ、日本の捜査当局としても、そんなに大きな参考になるというものはないというふうに言っております。これは、ここに警備局長が来ておりまするから、あとから説明していただきましょう。ただ、問題なのは、わがほうの要求に沿って回答が寄せられた。内容は、ほとんど参考になる、見るべきものはないといたしましても、今後、これが第一回ですから、二回、三回と続くことを私どもは期待するわけです。第一回が内容がないからといって、誠意がない、けしからぬと言うのは、これは少しことばの言い過ぎてはないか。これは、むしろ今後を期待する糸口ができたわけで、われわれのほうも、遠慮なく、本事件を解明するために要求すべきものは要求していく。また、先方においても、誠意を持ってこれには答えてもらいたい、こういう希望を持っているわけですから、われわれとしましては一応の評価をすると、こういうことになるわけです。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
#157
○和田静夫君 いま、最初のお答えの中に、たとえば、韓国の中の取り調べの過程を通じてなり、いろいろな調査の過程を通じてそれぞれに食い違いがあっても、いわゆるその食い違いは食い違いとして報告をしてくれたほうが、わがほうは非常に都合がいい、こういうお話がありました。そこで、食い違いが食い違いとして存在をすることは明らかになったわけですか。
#158
○国務大臣(江崎真澄君) そういうことを申しておるんじゃなくて、向うじゃ供述がまだ一致してないということを言っておりまするから、無理に一致したものだけを承る必要はないので、食い違いは食い違いとしてありのままをお聞かせ願いたい、そのことはわがほうの捜査に重要な貢献をしますと、こういう見解を向こうに外務省を通じて申しておるわけでございます。
#159
○和田静夫君 私のほうは、新聞に出ている談話を見ての判断でしかありませんが、この捜査資料に対する判断といいますか、あるいは評価の点で、いま江崎国家公安委員長が答弁になりましたが、私が読む限りでは、警察庁と警視庁との間で若干のニュアンスの違いが見られます。たとえば、いまお見えの山本警察庁警備局長は、日韓捜査協力の糸口がつかめたと、きのう談話を発表しています。これに対して、警視庁の三井公安部長は、全く参考にならぬ、こういう失望の色をあらわしています。どっちがほんとうのところですか。
#160
○国務大臣(江崎真澄君) これは私は、現場の責任者としては、この報告書は全く参考にならぬと、正直にありのままを申したものと思います。また、警察庁の警備局長という立場からいいまするならば、私が先ほどお答えしたように、回答を、報告を求め、その期待にこたえて――まあ役に立たない報告書であるにしろ、第一報が来た。これをもって終わりとは決して言っておりません。第二報、第三報が期待できる糸口が開けたものと評価する、まことに言い得て適切であるというふうに考えます。
#161
○和田静夫君 いわゆる捜査の糸口が開けたという山本さんの発言なんですよね。片一方は、捜査の糸口なんかとっても開けない、こんなものは話にならぬという発言なんですよ。これは明確にやっぱり違っている。それは形式行為としては、国家公安委員長はこれを是とし、そして、実質内容的にはこれを否とする、こういうことですか。
#162
○国務大臣(江崎真澄君) これは私、もうちょっと簡単に受け取っていただいていい話じゃないかと思うんです。現場で事の解明を急いでおる責任者からいたしまするならば、残念ながらこの報告書は役に立たなかったということを率直に言う。しかし、これだけで終わるものじゃないんですから、今後を期待するという立場を、やはり総括責任者である警備局長としては持ってしかるべきだというふうにお考えいただければ、私、必ずしも矛盾しておると思いませんが、いかがでございましょうか。
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
#163
○和田静夫君 たとえば船舶の調査の結果についての評価ですね、もっと具体的な話をしてみますと。山本警備局長は、「日本側からは事件当時、日本の港を出港した三十五隻の韓国籍の船舶の捜査状況を知らせたが、このうち十一隻が韓国側の捜査で一応シロになった、とされており、これらの点は国内捜査の上でも十分参考になる」、こう言っていらっしゃるのです。これは警察庁の側ですね。ところが、警視庁の側は、「「参考になることはないか」との記者団の重ねての質問に対し、「しいてあげれば船十一隻の名前がわかったくらいだろうか」といっただけ。「これだって私どもの捜査結果から浮かんだ三十五隻の韓国船の中に含まれている」と不満をあらわした」、こうなっているわけです。明らかにこれはもう私は違うと思うのです。現場で捜査に苦労されている警視庁の判断が私はほんとうのところで、どうも警察庁の発表には政治的配慮が含まれ過ぎるのではないか。何か、今度の論議で、大平外務大臣の発言というのが非常に政治的過ぎるような感じがする。そのてらいにおいて警察庁までもがその影響を受けているのではないかという感じを直観的に実は持つのです。持つほうが誤りだとは実は思わないので、私はこれを北海道からの帰りの中で読みながら、まわりの同じく同席をした多くのいわゆる一般の住民の人たちが、これは一体どっちがほんとうだろうということをつぶやいている。この状態というものは、やはりすなおなところだと、私は実は委員長、思うんですよ。
#164
○国務大臣(江崎真澄君) これは私繰り返し申し上げておりまするように、現場で捜査の結論を急ぐ者の考え方と、それから事件全体を解明していこうという総括者の立場とでは、それは多少評価は違ってもしかたがないと思うのです。
 ただ私、念のために申し上げておきたいことは、警察庁は政治的配慮などというものは一切ございません。この事件をいかにすみやかに解明するかという、これが至上命令であります。政治配慮などということは、これは外務省その他がなされることであって、警察庁においては、政治配慮などという必要はないというふうに割り切っておるつもりです。
#165
○和田静夫君 私もそういうふうな期待を持つがゆえに、この一連の発言を読んで実はいま感じたことを述べているわけです。したがって、いま委員長答弁にあったような姿勢というものが堅持をされる。
 で、韓国からの資料に、金大中氏の陳述により、ら致されたとき使用されたという船舶を索出するために、八日午後一時から十日午前零時まで日本の大阪、神戸港とその付近から出港し韓国内に入ってきたすべての韓国国籍船舶云々とあるのです。それで、私がこの前の委員会の質問でちょっと言い抜かしたところのこの部分なんですが、実は日本の捜査当局というのは、ああした状況で金大中氏がした判断、その判断に基づく判断、いわゆる大阪、神戸あるいはその付近からの出港ということを全面的に信頼をされているのだろうか。ああいう場合、検問にすぐひっかかる高速道路を飛ばすなどということが一体常識では考えられるのだろうかということを実は思うのですが、この辺は警備局長、どうお考えになっているわけですか。
#166
○政府委員(山本鎮彦君) お答えいたします。
 金大中氏がソウルであらわれてからお話しになったいろいろな事柄ですね、これはほんとうに御本人が完全な自由意思のもとにそのまま話されたのか、あるいはいろいろな制約があって話されたのか、そういう点、全くわれわれとしては承知していないわけでございますので、単に、金大中さんの言ったことをそのまま真実であるという前提に立って、船の捜査なり自動車の捜査なり、そういうものをしているわけではございません。いろいろな場合を想定して、いわば大きく網を打ってやっているということでございます。
#167
○和田静夫君 日本政府が梁一東氏の血液型について問い合わせを行なっていらっしゃいますね。それはどういう目的からですか。
#168
○政府委員(山本鎮彦君) これは、あそこのホテルに部屋を借りておった梁一東さん、その部屋と、それから隣室の部屋、いわゆる金大中さんが押し込められた部屋、そういうものの中にたばこの吸いがらなどかなりあるわけです。御承知のとおり、つばから血液型がわかるわけでございまして、そういうことから、梁一東さんの吸ったたばこの関係から梁一東さんがそこにいたという立証になるし、それから鼻血らしいものを詰めた鼻血止めの紙がある、そういうものの血液型、こういうものを知悉したいという関係でございます。
#169
○和田静夫君 この鑑定書がおくれて手交された、これによって何が明らかになったかということが実はしろうとなりにあれなんですが、ということは、ちょっとあれすると、梁一東氏の血液型はA型であるということは初めからわかっていた。それなのになぜ問い合わせたのかということを実は含みながら、梁一東という名前をあえて出すための一つのトリックではないのかというようなことを、推理小説の読み過ぎかもしれませんが、実はそういう感じがするんですがね。
#170
○政府委員(山本鎮彦君) お答えいたします。
 梁一東さんの血液型がA型であるという連絡がきのうまいっておりますが、それまで、われわれとしては血液型は存じておりません。
#171
○和田静夫君 そうすると、前段の答弁はどういうことに。
#172
○政府委員(山本鎮彦君) これは、先ほどお答えいたしましたように、たばこの吸いがらだとか、そういう鼻血止めですね、そういうものの血の鑑定、そういうものに対して参考になる資料であると思います。
#173
○和田静夫君 それで付節はしたんですか。
#174
○政府委員(山本鎮彦君) これはいまやっておるところでございまして、ただきのうでございますので、ちょっと直ちにわかりません。
#175
○和田静夫君 わかりました。
 警備局長が、「今回の資料提供をはじめ、後宮駐韓大使に金氏との会見を許したなどの韓国側の姿勢の変化からみて、金氏の再来日についても、いずれ韓国側から前向きな連絡があると期待できる」と言っていらっしゃいますね。そこで、これを額面どおり受けとめられない面もありますが、ほんとうに警察庁はこういう期待をお持ちになっているわけですか。
#176
○政府委員(山本鎮彦君) お答えいたします。
 それは記者の質問に対して答えたわけでございますが、われわれとしては何項目かの要求をしておる。その中に、金大中さん以下、関係の方の来日を強く希望するということで要請をしておったわけですが、ここで若干の項目について返答があった。だから、次の段階はそういう金大中さんの来日も期待できる、そういうことでございまして、この今度の向こうの回答を見ましても、いろいろ捜査中である、次に回答するというニュアンスが非常にしみ出しておるわけでございますので、さらに金大中さんの来日も期待できるのじゃないか、そういう希望を持っておる、そういう私のコメントをしたわけでございまして、特にそういう外交上の根拠とか、そういうものでやったわけではございません。
#177
○和田静夫君 これが最後ですが、委員長、そこで先ほどお答えになりましたように、外務省を通じて、さらに強く内容的なものについて不満の部分での回答を迫る。これは、私たちがおとといここで国家公安委員長と論議をしている間に、衆議院の地方行政委員会では、高橋警察庁長官は、どうしても不満な場合にはやはりこちらから捜査官を派遣する、こういうような意思についてお述べになっておりましたね。そこで、形式的には今度の形のものがありましたけれども、内容的には捜査上参考になるものがない、こういう段階において、次回の回答というものをお待ちになっているだけですか。その次回の回答も、今日のように、回答は回答として寄せられたけれども、捜査の過程にあるというようなことで、将来に期待をつなぎとめておく程度の回答であった場合におけるわが国におけるいわゆる捜査、それから韓国に求めるところのもの、そういうものは一体どういうふうに、派遣の問題も含んでお考えになっているわけですか。
#178
○国務大臣(江崎真澄君) 私どもとしては、身柄を要求する、それから、先ほど申し上げたように、捜査の経過を詳しく随時報告してもらいたいという点を強く要請しておるわけです。
 そこで、衆議院の地方行政委員会には、和田委員の質問のあと、私も出かけてまいりました。同じような質問が私にもまいりまして、これは私も、警察局長も、長官も、身柄を要求しますと、どうしても渡さない、その時点で次のことは考えるべきで、いまは考えておりません。たとえば、質問者のほうから、こちらから捜査官を派遣して、そして別途日本側としての捜査をすべきではないか。いや、そういう場合もあり得ると思います、あり得ると思いますが、それは身柄をどうしても引き渡さないという時点であらためて考えることにしたいと思いますと、こういう答弁で統一をしておるわけです。もとより、身柄を要求しておる最中に、こちらから捜査官をやることもあり得るなんてことは、身柄が来ぬ場合はいたしかたありませんということを言外に裏づけるようなことになりまするから、そういうことを高橋長官も言うたことはたぶんないだろう一またないはずです、これはよく内輪で話し合っておりますから。
 それじゃじんぜんと腕をこまねいておるかと。そうじゃございません。もうすでに延べ人員一万人以上の人員数でどんどん捜査も展開いたしておりますから、わがほうはわがほうとして、身柄のない捜査というものは非常にやりにくいわけですが、手探りながらも捜査の結論を急いでいく、こういう状況です。
#179
○委員長(久次米健太郎君) 本件に対する調査はこの程度とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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