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1972/09/13 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第22号
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1972/09/13 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第22号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第22号
昭和四十八年九月十三日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月十二日
    辞任         補欠選任
     古賀雷四郎君     鬼丸 勝之君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                斎藤 寿夫君
                原 文兵衛君
                増田  盛君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                戸叶  武君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       建設省都市局参
       事官       國塚 武平君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    伊豫田敏雄君
       建設省計画局宅
       地部長      大富  宏君
       建設省住宅局住
       宅計画課長    京須  実君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) それではただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十二日、古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として鬼丸勝之君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久次米健太郎君) 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案を議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○神沢浄君 私はこの法案をいろいろ検討してみまして、内容的にはきわめて簡単なものであって、したがって、内容についてのお尋ねをする部分はわずかでいいように思うのですが、むしろ、法案の名前のほうが長いような法律なので、正確に覚えるにはこれは容易じゃないような名前の法律ですが、ただ、この法案を検討してまいりますと、内容的な問題というよりか、むしろこの法の性格的なものにかなり重大な意義が内包してあるような感じがしてならないわけであります。
 大体、この法案を通称あめ法案とこう呼ばれておるようでありまするが、私もこのあめ法案という意味はどういうことなのかと考えてみたのですが、なかなかその辺が把握しにくい点がありまして、ただ常識的に考えれば、あめというのはむちに対する対語ですか、あめ法案が出されるについてはむち法があったと、こういうことだろうと思います。これが裏側とすれば、表側のむち法はいわば農地に対する宅地並みの課税をさしておるんだろうと思うのですが、そこでむちをくれたりあめを与えたり、何でこんな手の込んだようなことをしなければならないか。一面的にはこれも行政のやはり混乱にもなりかねないですし、あるいはこういう混乱めいたようなことをなさること自体が、政府の土地政策あるいは住宅政策というものの自信喪失みたいなものを、はからずも意味しているのではないかというような感じもしないでもございませんし、それから、あるいはあとからお尋ねしようと思っているのですが、宅地化政策、住宅政策というようなものが幾重にも出ておるようでありまして、いわばそのときどきの思いつきでもって無責任に施策を乱発をされるというようなことになりますと、あまり見識ある政治姿勢とは言えないというようなことにもなりかねないですし、それにもう一つの問題とすれば、ほとんど内容的にも税制をいじくっているわけなんですけれども、肝心な土地政策とか住宅政策とかいうようなものを、ただ税制だけを道具にしていじくり回すような、そういう政治姿勢というようなものに問題はありはしないかというようなことを実は感じた点もあるわけでありまして、したがって、これから、申し上げましたような点について若干お尋ねをしてまいりたいと思います。
 そこでまず第一点として、この法案は政策なのか、それともいわば農地の宅地並み課税という問題についての勇み足を手直しをするというような意味なのか、どちらに大体考え方があるのか、こういう点から入っていきたいと思うのですが、これは大臣でも局長でもけっこうでございます。
#5
○国務大臣(江崎真澄君) 本法案は、御承知のように、特定市街化区域の農地にかかるいわゆる固定資産税の課税の適正化をはかった、これが前提になるわけであります。そこで、農家全体から見ますると、農家というものは非常に収入の少ない階層であります。しかし、それがだんだん近郊の農地の宅地化が促進されておる、売れば相当な値段でありましょうが、やはり売ったのでは、これはもう所有――自分のものではなくなる。したがって、農地という財産の上に、農作物をつくってそれをかてとしたと、収入源としたと、これが農家でありまするが、やはり税の公平の負担の原則からいいますれば、こういうところはやはり宅地並みの固定資産税を納めてもらう、これはもう当然なことだと思います。そうなりますると、そこから本来の農業を営んで、その収穫で生計を営むということでは、非常なコスト高といいまするか、矛盾が出てまいります。そんなことから、本来農作物をつくる農地ではあるが、税の公平の負担をしてもらう以上、今度はその三大都市圏で特に住宅が不足をしておる、その住宅の要望が強いというならば、いわゆる家作によって生活をしてもらう。その方向転換を容易ならしめる。そのために特別融資をしたり、税の減免をしたりということで、農家に収入源の転換を促進しよう、一方においては住宅不足の三大都市圏における要請にこたえていこう、まあ一石数鳥と言えると思いまするが、そういった政策をこの簡単な法案の中に盛り込んだというものでありまして、これは相当成果のあがるものであるというふうに考えております。
#6
○神沢浄君 ただいまの御説明については、その説明の範囲においてはやっぱり理路が通っているわけでしょうけれども、ただ、現実の問題として、私どもは、さっき申し上げた、むち法に当たるこの農地への宅地並み課税というものには本来反対をしている立場なんですが、まあ私どもにしましても、たとえばA、B農地だと言われておるような個所の中には、これはもう実際問題として農地でなくなってしまっておる、もう農地として別に取り上げて考えなきゃならないような条件はもうなくなってしまった、こういうようなものまで――課税の適正化ということばが当たるのかどうか別にしましても、実態に即した課税の方針がとられていくというようなことについては、私ども決して異論のあるところじゃないわけであります。ただ、しかし、このあめ法が出てくるまでの経緯というようなものを考えてみますと、四十四年ですか、農地の宅地並み課税という制度についてはすでに定められてきていたわけでしょうけれども、なかなかこの実施に踏み切れなかったというものには、これはもうそれなりのやっぱり要素や要因というものがあったからだろうと思うんです。一部に言われておるように、やっぱりこれは農家は、たとえば与党自民党にとっても大票田でございますから、票田からの、農民からの突き上げというようなものの前にはたいへんこれは弱かったというようなこともあるかもしれませんしいたしますけれども、しかし、そのくらいのことでもってその宅地並み課税という考え方が、実際に推移していくであろう社会情勢というものにマッチしておるものであるならば、私はそんなに容易に実施に踏み切れないようなことではなかっただろう。それがなかなか実施に踏み切れないから、法律の取り扱いとしても、各政党間で、与野党間でもって話し合いのような経過をたどってきていたようでありますけれども、特に、特定圏域の首都圏、中部圏、近畿圏においてのA、B農地については、私どもの知る限りにおいては、田中総理のお声がかりでもってこれが実施をされたと、こういう経過がたどられているようですけれども、私はやっぱりそこにちょっと無理があったのじゃないかというような感がしてなりません。踏み切れないような情勢と要因というものが現にあるからこそ踏み切れなかった中で、やっぱりA、B農地についてのみであろうともそれをあえて実施をしたというのは、私は若干政治の流れの上においては勇み足だったのじゃないかというような感がするわけであります。というのは、私も衆議院の会議録などを見てみましたけれども、たとえばC農地については、これは五十年までに考えようというようなことでございまして、何かあの応酬の中から看取されるニュアンスとしましては、やっぱりもうC農地というものは手をつけていかないような方向にやりとりがされているようであります。そうすると、A、B農地だけをこういう特殊な扱いをしたというようなことにこれはなりかねないでしょうし、そこに私は勇み足的な感じを受け取らざるを得ないわけであります。というのは、四十四年――四十六年ですか、当時の段階においては、政府の考え方というのは、とにかく宅地化を進めるために、住宅供給の目的のために、あいておるのはその農地なんだから、したがって、その農地の宅地化を進めるということに私は考え方というものがこれは傾斜をしてしまっていたのであって、その後に及んで、やっぱり一つの都市政策というものを、これを真剣にとらえなきゃならないような、たとえば公害の問題に刺激をされまして、住みよい都市――この間の都会議員の選挙などを見ましても、各党ともそういうことを言っております。自民党だって、東京ふるさと計画というようなことを盛んに言っていたようでありますが、そうすると、やはりこれはもう緑地の問題というようなものは、これは重大な問題として提起をされてきておる。それから、A、B農地が必ずしもそれに当たるわけではありませんけれども、しかし、農地というものに対する一つの政策上の考え方として、その後、世界の食糧事情なんかの変化によって、この食糧政策の問題、ひいては農業政策の問題というようなものが、別の意味、価値観を持って出てきておる。こういうふうな情勢の変化の前に、農地をひとつ宅地化していこうというようなことだけに集中傾斜をした当時の考え方というようなものは、かなりの、その部面において根本的に崩壊をしてきていた、こういう情勢がありましたから、これはやはりただ単に農民側の突き上げなどというような皮相的な理由だけ、原因だけではなくて、この農地の宅地並み課税というものは、結局は踏み切り得ないような情勢に進んでいっていたではないかと、こう考えられるわけであります。そういう中でもって、たとえA、B農地のみであったとしても、これを適正化と称する宅地並み課税に実施をしていったということは、私は、やはり情勢とは合わない、いわば政策上の勇み足のようなものをやってしまったんではないか。やってしまったあとで、これはどうもやっぱり手直しの必要が考えられる、こういうふうなことから、むちばかりでは済まないからということでもってこの法案が用意をされた。そこに、期せずして、だれ言い出すともない、私は実にうまい言い方だと思うわけですけれども、あめ法案というような言い方というものが生じてきたのではないか。これは簡単にあめ法案と言いますけれども、私はそのあめ法案という語感の中身というものは、かなり、いま私なりに申し上げてきましたような情勢や政治的な意味や、こういうものを含んでいるではないか、こんなふうに私はとらえているわけなんです。そこで、大体当局、政府側としては、あめ法案ということばをどんなように受けとめておられるかという点を、ひとつお尋ねをしてみたいと思うんですが。
#7
○国務大臣(江崎真澄君) これ、私衆議院でも申したんですが、どうもあめ法案という形容がこれは俗に言われる形容であって、法案そのものをとらえてこれがあめであると言うのは、農家に対しても一種の侮辱ですし、不穏当であるというふうに思うわけであります。したがって、やはりこの特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化という、税の公平負担の原則を貫いたというのと、もう一つは、さっきも申し上げましたように、三大都市圏の特に市部、そのA、B農地などというところは、もう完全な宅地化がなされたところですから、そういうところで農作物をつくるよりも、家をつくって生活の資としてもらう。このほうが農家にとってもはるかに合法的なんですね。それをねらったものでありまして、本来、あめとかむちとかという性格のものではないというふうに考えます。それはその証拠に、すでにA、B農地等についてはどうしても措置しなければならぬということで、四十六年の法制定が現実に衆参両院を通過したわけであります。その一年間、暫定的に、四十七年度の間に何らかのひとつ方途を見つけろということで一年延びましたものの、その間において、自治省は自治省としての考えをまとめ、そのまとめるためには、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に関する研究会というものを設けまして、その研究会の答申を得た。その答申によれば、やはりこれは宅地並み課税、俗にいう宅地並み課税に持っていくべきものであるという答申もあったわけでございまして、田中総理が決断しましたことは、これは勇み足というよりも、行なうべきことを総理として行なう方向を決断したというものであって、決して行き過ぎがあったというふうには、四囲のそういった情勢、条件等から見ましてなかったというふうに私どもは了解をいたしておるわけであります。
#8
○神沢浄君 そこで、私はそういう御説明を承っても、なおかつ、どうも申し上げましたような見解が変わらないのですけれども、では、これが政策だと、こういうことでとらえてまいりますと、私はA、B農地のみというふうな点が非常に引っかかってくる点だと思うのです。政策であるならば、やはりこれは宅地化、住宅化ということに置かれるわけなんでしょうが、そのねらいは。そうなりますと、むしろ、A、B農地だけを対象にするなどということでなしに、市街化区域の全般にわたってやはりこの政策というものはとられなければ意味がないのじゃないか。A、B農地だけを対象とするということは、これはどうしたってA、B農地に対する、私流に言わせれば、勇み足についての手直し的な意味にしかならないのじゃないか、こういうような感じが禁じ得ないわけなんですが、その点はどうなんでしょうか。また、これが当面A、B農地を対象にしたけれども、これは結局は一つの政策として、やがては市街化区域の全般に対して、一般的、普遍的に実施をしていくものなのかどうなのか、この辺がやはり問題のところだと思うのです。
#9
○国務大臣(江崎真澄君) C農地については五十年までにその措置を考えるということを申しておるわけでして、これは御承知のように、A、B農地とは違いまして、C農地の場合はやはり比較的まとまっておる、土地がですね。集団的といいますか、まあまとまりを示しておるという面からいいまして、これは五十年には何らかのやはり方向づけをしなければならぬというふうに政府では考えております。御承知のように、今度の市街化区域のA、B両農地に対する宅地並み課税も、これは年を追うてだんだん増加させる、漸増方式をとっております。したがって、直ちに本年度からいきなり宅地並み課税にするという方法をとっておるわけじゃないのですから、したがって、A、B、C農地のそれぞれの間に極端なアンバランスがあるというふうには私ども考えておりません。したがって、A、B農地が宅地並みの課税がなされる段階では、やはりC農地についてもしかるべき措置がとられることは望ましいし、また、そうしなければならぬというふうに考えております。
#10
○神沢浄君 そこでお尋ねをしたいところですが、この宅地並みの課税A、B農地についての実施以降ですね、私どもの聞いておるところでは、これを受けて立つ自治体、公共団体側においては、条例の否決をしておるところなどもある。それから、条例はきめましても、緑地保全というような目的のために奨励金を出すことを条例化して、いわば上がった税金の相殺をしてやっておるところもある、こういうようなことがいわれておるわけなんですが、この点は自治省では把握をされておられますか。おりましたらひとつ説明を受けたいのです。
#11
○政府委員(佐々木喜久治君) 今回の市街化区域農地についての、A、B農地の新しい課税方式が適用されます都市は、東京都の特別区の区域も含めまして百八十二団体、百八十二市あるわけであります。このうち、条例措置が完了をして、すでに課税がなされております都市が百六十六市でございます。条例の未制定になっております都市が十六市ございます。このうち、二市が条例が否決になった市でございます。それからあと十四市は、継続審議、あるいは条例がまだ議会に未提案という市が十四でございます。私ども聞いておりますところでは、この十六市は、いずれもこの九月から十月にかけての議会に提案をいたしまして、条例は制定したい、こういうつもりでおるようでございます。
 それから、この市街化区域農地について、交付金なり、緑地保全のための補助金といったようなものを、その措置を行なっております市が九市ございます。百八十二のうち九市ございます。そのほか、現在、そうした補助金、交付金等を交付することについて検討しているという報告があります市が二十五市ございます。
 この交付金、補助金等の交付のしかたでございますけれども、これは新しい課税方式による税額をすべて補助金にして返すというような方式をとっておる市はございませんで、現在、地方税法にあります都市計画上の施設緑地に準じた、いわば緑地保全の観点から、一定の条件に該当する農地について、それを市が緑地として保全することが必要であるというふうに認定した農地について、一定額の補助金を交付する、こういう方式をやっておる市がほとんどでございます。そういう意味におきまして、実質的に税金を還付してしまうというふうな方式をとっております市はございませんので、こうした方式の場合には、施設緑地を補完する意味におきましての緑地保全のための補助金方式ということであるならば、それはその市の必要に応じてそういう措置をとられることについては、私ども、別に不適当な措置であるというふうには考えておりません。
#12
○神沢浄君 それについてお尋ねをするんですが、これは条例が否決されたというような場合には今後どうなるのかという点と、いずれにしても、いま御説明がありましたような情勢というものが生じておる。そういう情勢が出てきておる。条例の否決をしたところもあるし、あるいは、いまの奨励金の制度などを設けて、いわば自治体側の一種の抵抗ですね、そういうような状況というものが生じてきておる理由といいますかね、そういうふうな点を、自治省ではどんなような把握のしかたをしておるんですか。お尋ねしたいと思うんです。
#13
○政府委員(佐々木喜久治君) 実はこの市街化区域農地についての新しい課税方式に関する税条例の否決という問題は、昭和四十六年の法律改正後の税条例の改正の際にも、その税条例の否決がなされたという市が数市ございました。それらの市の場合には、その後、さらに条例の再提出というようなことで、前の法律改正の関係税条例はすべて最終的には成立をしておったわけでございますが、今回否決になりましたところは、以前に税条例を否決した団体ではなしに、新しい団体に二件否決という事態があったわけでございます。この否決の理由といたしましては、やはり営農を継続するという場合に、固定資産税が非常に高くなるということによって、今後の営農を継続することができない状態になるのではないかというような、農業保護の見地からの議会の意思表示であったであろうというふうに考えております。
 ただ、実際の問題としまして、この課税方式について税条例で否決をするという、その否決自体の法律的効果というものは別に生ずるものではございませんけれども、ただ、市としましては、議会において税条例を否決をされるという場合におきましては、やはり税務の執行上はいろいろ政治的な問題があるだろうというふうに考えております。ただ、法律上の問題としましては、いま申しましたように、否決それ自体が課税を否定してしまうというようなものではございませんので、その点は、各市とも、よく議会側と話し合いをいたしまして、最終的には税条例の改正が成立いたしますように、私どもも指導してまいりたいというふうに考えております。
#14
○神沢浄君 しかし、固定資産税というのは地方税ですから、そこの公共団体で条例化ができないということになれば、これは税金は取れないということになりますね。その辺はどうなってきますか。
#15
○政府委員(佐々木喜久治君) 地方税法は、御承知のとおり、国会の審議によってその課税の要件がきめられる事項と、それから地方団体の議会の議決によって課税要件が定められますものと、その二つの部分に分かれておるわけでございます。市街化農地についての新しい課税方式、どういう課税方式をとって、固定資産税を課税するかということは、これは法律事項でございまして、条例事項ではございません。しかし、これまでの税条例の内容というものは、できるだけ住民に税制の仕組みというものを広く周知をさせるというような観点から、法律事項でございましても、できるだけ税条例を詳しくきめるという趣旨で、本来条例できめなければならない事項のほかに、重要な法律事項の部分もあわせて規定をさせるという指導をしてまいったわけであります。
 そういう趣旨で、この新しい課税方式につきましても、本来法律事項でございますけれども、税条例のほうにうたうという方式をとっておりますために、こういう否決という問題が出たわけでございますが、課税要件自体は、これは法律できめられておる事項でございますので、別に、市がこれによって最終的に課税できないというものではございません。ただ、政治的には、議会の意思がそういう否決というようなことで意思表示をされた場合に、やはり課税としましては、やはり市側と議会側と十分話し合って、相互に了解したところで課税をしていくということが適当であろうというふうに考えております。
#16
○神沢浄君 そこで、冒頭にもちょっと触れたのですけども、いま政府が行なっておる、それから、これから行なおうとしておる、かなり具体的構想については、どんないま施策としたものがあるのか、それをここで一応勉強のために承りたいと思うのですが、建設省の方もお見えになっておりますね。たとえば農地を対象にしたものであっても、これもあるけれども農住法もあるというようなものだし、その他何とか公団とか、いろいろあるように思うのですけれども、どうも具体的によくわかっていないので、この機会に、大体、宅地化の施策、住宅施策というものがどんなものがいまあるのかという点を、一とおり説明をしていただけませんか。
#17
○説明員(京須実君) 政府は、国民がその能力に応じた適正な居住費を負担することによりまして、それぞれその家族数、あるいは居住する地域の特性に応じまして、適性な規模、構造の住宅を持てるようにというために種々の施策を講じております。その中で、大きく分けますると、まず借家と持ち家とございます。
 借家を希望する、主として都市勤労者、あるいは所得の低い方々に対しましては、まず、公営住宅あるいは公団住宅等の公的機関が直接に住宅を建てまして、それをお貸しするという制度がまず一点ございます。そのほかに、土地の所有者等に対しまして低利のお金を貸す、あるいはお金を民間から借り入れてもらいまして、それに対して利子補給をいたしまして、やはり賃貸住宅をつくっていただきまして、そのかわり、低利の金を貸してやり、あるいはまた利子補給でございますから、その見返りといたしまして一応いいものをつくってもらう。そのかわり、家賃も適正に押えてもらう。そういうチェックをしながら、民間の賃貸住宅の供給をはかる。この二つが賃貸住宅に対しまする大きな二つの方途でございます。
 また次に、持ち家を希望する者、この方も多うございますが、これに対しましても、住宅公団、あるいは地方住宅供給公社と申します地方の団体がございますが、そこで分譲住宅の供給を行ないまして、長期低利の割賦金でお金を払っていただく、それで持ち家を持っていただく。そのほかに住宅金融公庫がございまして、個人の方々に、自分でマンションをお買いになるとか、あるいは自分の持っている土地に住宅をお建てになるとか、あるいは土地も買って家も一自分で建てるという方々には、公的機関が家をつくって供給するのではございませんで、資金の融資をいたしまして持ち家を持っていただく。そういったようなわけで、持ち家あるいは賃貸に対しましてそれぞれの援助をいたしております。
 なお、これらの施策等によりまして、戦後から四十八年までに供給されました、公的の、大小いろいろございますが、援助をいたしております住宅の実績は八百三十四万戸にのぼっております。
 それから最近で申しますと、四十六年度から五十年度までを第二期の住宅建設五カ年計画と申しておりますが、これで四十六年、四十七年、四十八年度、本年度の予定も入れますと、約二百八万戸ばかりの供給をはかっておりまして、一応着実に住宅建設をはかっておるわけでございますが、たまたま最近は大都市地域におきまして、たとえば地価の高騰とか、そういった問題がございまして、いろいろ特に住宅に対しまする敷地の取得難、そういうものが非常に多うございます。そういう問題でややおくれぎみの点もございます。そのために、特にこのたびの特例措置によりまして、A、B農地等につきましてはいろいろ税金等もあるわけでございますが、そういう土地の所有者の方々、農家の方々、そういう方々に対しまして、たとえばいわゆる農住法と申しまして、政府が利子補給を行ないましてアパートをつくっていただく、あるいは金融公庫で低利の融資をいたしまして同じくアパートをつくっていただく。そういうものにつきまして、特段のまた助成と申しますか、あるいは要件の緩和をはかりまして、特にその土地の所有者の方々が、土地をみずから売りませんでそのまま持っておいでになる、その上でしかも資金的な援助を行ないまして、良質、低廉な賃貸住宅の供給をお願いする、そういう制度の促進をはかっているわけでございます。
#18
○神沢浄君 概略の施策というようなものの説明だったと思うのですけれども、それでまだどのくらい足らないですか。
#19
○説明員(京須実君) どのくらい足らないかというお話でございますが、住宅建設の五カ年計画でございますと、第二期でございますが、これで公的住宅の建設は三百八十万戸を予定しております。一応これは全体の必要戸数が九百五十万戸ございますが、そのうち、特に経済的理由等によりまして公的に援助をする必要のある住宅が三百八十万戸と計算しております。その三百八十万戸のうち、ただいま申しましたように、最初からの三年間のうちに二百八万戸の建築ができますので、現在のところは一応着実に実施しつつあると考えております。
 ただ、大都市近傍におきましての建設のおくれがございまして、たとえば住宅公団でございますと、四十七年度は約四万戸ばかり予定よりおくれてまいりました。それからまた東京都の公営住宅では、予定が一万九千戸のところ、一万七千戸ばかりのおくれがございます。そういったものがございますが、これはまだ第二期の五カ年計画の途中でございますので、いろいろの施策を通じまして今後挽回しようと思っております。具体的に何戸不足というのはちょっとお答えいたしかねます。
#20
○神沢浄君 これは八月の末の新聞ですが、持っているのは朝日新聞ですが、この新聞の報道に、宅地開発公団の構想が出ておるわけなんですが、これは対象は、「東京、大阪、名古屋の三大都市圏で昭和六十年度までに三万ヘクタール、約百万戸分の宅地を造成し、三・三平方メートル当たり十万円前後で分譲する」という、こういうたいへんけっこうな構想でありますけれども、これはもうまとまっているのですか。もしそうでしたら、ちょっと詳しい説明をしてほしいと思うのですが。
#21
○説明員(大富宏君) 宅地政策といいますのは、先ほど住宅局から答弁ございましたように、住宅政策に呼応しまして、従来とも、公的機関によるところの宅地供給及び民間による――これは区画整理組合も民間に含めますのでございますが、民間による宅地の大量供給、この二本柱でいままでやってきておりますのでございますが、御承知のように、三大都市圏におきましては、住宅難、宅地難という問題が非常に重要な課題となっておるわけでございます。
 ところが、従来こういう供給機関といたしましては、御承知のように、日本住宅公団あるいは地方公共団体、地方住宅供給公社、こういった公的機関があったわけでございますが、地方公共団体あるいは住宅供給公社といいますのは、それぞれの地域内における住宅地需要あるいは住宅需要にこたえる機関としてそれ相応の仕事をし、日本住宅公団は、圏域をこえた住宅不足の著しい大都市周辺におきまして、政府施策住宅を建設する一方、宅地需要にもこたえる宅地分譲、こういうものをやってきたわけでございますが、最近に至りまして、こういった新たな宅地開発につきましてはいろいろ制約が出てまいりました。一つは、水とかあるいは鉄道とかいう基本的な根幹公共施設、しかも、そういう大団地を開発するに最も必要な基礎的な施設についての手当てがついていかい。それからもう一つは、急に宅地開発をやりますと、その市町村あるいは地方公共団体の財政負担が非常に過重になりまして、いわゆる団地お断わりというようなムードが出てくる。また片一方、地価が高騰するというような問題で、国民が非常に望んでおりますところの宅地需要あるいけ住宅需要に十分これにこたえるのに至らないと、そういうような背景を踏まえまして、三大都市圏を対象といたしまして、宅地供給をもっぱら主たる任務とする宅地開発公団を設立いたしまして、従来、既存の供給機関の持っていないような、水の経営あるいは鉄道敷設をして鉄道も経営するいうような、大きい権限を持った公団をつくらして、宅地供給に専念させたいということで、四十九年度要求といたしまして、すでに建設省から大蔵省に要求している事情でございます。
#22
○神沢浄君 その構想と、それからいま審議をしているこの法案とがどうかかわるかというふうな点と、それから構想けっこうでございますけれども、坪十万円くらいでもって分譲できるような、大体、その土地の取得というものが、ほんとうにいまの情勢の上でもってできるものかどうなのか。私は、この法案にも、やっぱりそういうふうな点でもって非常にかかわり合いが生じてくると思うからお尋ねをするわけなんですが、計画は非常にけっこうですけれども、たとえばこの法案、このあめ法についても、分譲すれば税金もまけてやるというようなことであめを投げかけてみたところでもって、おそらくそんな簡単に、いまの政府の土地政策下、地価の状況などから考えてみますと、しかく容易なものではなしに、むしろ私はあまり期待が持てないじゃないかというような予想さえもせざるを得ません。ましてや、いまのこの宅地開発公団構想というようなものは、ほんとうに見通しとして自信が持てるものなのかどうなのか、こういう点をひとつ承りたいと思うのですよ。
 それを承りたい点は、私は、いろいろさっきも御説明がありましたけれども、住宅政策にしても、宅地化の政策にしても、政府もいろいろ御苦労されているようでありますが、何か一番こう根本のものが抜きになっちゃっていて、そして、目先の思いつきのびほう策だけに終始をしているのじゃないかというような点が非常に懸念をされますので、そういう関係でもってお尋ねをしたいと思っているところなんです。坪十万円くらいでもって、実際、この構想に言われるように、これが実現していくということであれば歓迎したいと思うのですが、ほんとうにそういう自信がお持ちになれるかどうかというような点をお尋ねしたいのです。
#23
○説明員(大富宏君) お尋ねの、坪十万円ではたしてできるかというお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、いまの宅地開発公団の構想及び初年度の事業内容等につきまして、実は大蔵省に要求するとともに、記者クラブでこの内容を説明したわけでございますが、できますところの分譲宅地の価格は坪十万円でございますという説明は一言もしたことはございません。実は、当初、初年度要求といたしまして五千ヘクタールを着手いたします。で、その場合の予算単価は、買収の予算単価は幾らを計上しているかということでございましたので、計上といたしましては平方メートル一万円を計上いたしております、で、事業費としては千四百六十五億要求いたしておりますというようなことを御説明したわけで、ただ、まだこれを、いまからやる公団――認められるかどうかも問題でございますが、いまからやる公団で、この五千ヘクタールがどこの県のどこということをいま発表するわけにもまいりませんし、あくまでもこの積算内容は、一つの想定に基づいてつくっているわけではございますけれども、少なくとも大団地――五千ヘクタール級の大団地になりますと、東京圏で申しますと、少なくとももう四十キロ圏、五十キロ圏、そういうところになるだろうと思うわけでございます。しかし、だからこそ、これは実は建設省だけの要求じゃございませんで、先ほど申しましたように、基本になるところの鉄道施設もこれにあわしてやるということで、運輸省と共管でこれは要求することになります。そういうような所でも、措置価格、平均予算単価平米一万円ということで、坪で言いますと坪三万三千円でございますから、それに、いまのような鉄道とか水とか、あるいは関連公共施設等をいろいろ投資しましてでき上がる宅地の分譲価格が坪十万円というようなことでは、私ちょっとなかなかむずかしいのじゃないかと思っております。
 しかし、およそ非常に庶民が渇望しておりますところの宅地需要にこたえるための公団として発足するわけでございますので、でき上がりました宅地の分譲の方法等につきましては、予約分譲制度等を活用いたしまして、なるべく手に入りやすく、長期割賦の仕組みをもってこたえていきたい、かように思っております。
 したがいまして、結論から申しまして、新聞に出ておりましたように、十万円で分譲できるという自信はわれわれはございませんけれども、なるべく庶民の宅地の入手しやすいような造成をやっていきたいと思っております。
#24
○神沢浄君 坪十万円の自信もないでしょうけれども、私などの予見するところからいえば、大体その充当する土地を取得すること自体にだっても、あまり自信が持てないのじゃないか。まあ国鉄の土地を分けてもらうのは、これは政府の中だけの問題だから、そのくらいなことはできるかもしれませんが、大体、本案に返りますが、A、B農地の東京周辺などにおける時価というのが大体どのくらいになっているものか、お調べなったことがありますか。
#25
○政府委員(佐々木喜久治君) 時価ということになりますと、非常にこれは推定が入ってまいりますけれども、東京都の特別区の中におきますA農地というものは、時価水準からいいますと、おそらく最低坪二十万円以上ということになるだろうと思います。この辺の数字は、大体いまの評価水準から推してみましても、時価はおそらく二十万から三十万というような感じだろうと思います。これが、東京から相当離れてまいりますというと、その辺の値段が二十万以下というところも出てくるだろうと思いますけれども、A農地あるいはB農地というところは、大体はもう道路等の公共施設があるところでございますので、大体その付近の宅地価格とほとんど変わらない値段で取引されているというのが現状でございます。そういう意味で、その辺の宅地の価格というものをごらんいただければ、農地の価格は大体自動的に出てくるという感じだろうと思います。
#26
○神沢浄君 いや、私も同じように考えるのですよ。考えるから、そのような申し上げ方をしておるわけですけれども、さっき建設省のほうから御答弁ありましたように、家をつくりたい者には金も貸す、なるたけ長期で低利の制度を用意するというふうな説明に加えて、この宅地公団ですか、こういう構想もいま用意をされておる、こう言われるのです。考え方としては、まあいろいろあるように確かに承知をいたします。しかしそれが、たとえばいまの坪単価の問題一つ取り上げてみましても、たとえばA、B農地を、それでは税金をまけてやるからというような特恵的な制度までつくって、そうして買おうとしたって、まさか時価以下で押えるなどということにはとうていいかぬでしょうから、二十万も三十万も出さなきゃならぬようなことにならざるを得ません。こういう状況の中で、構想だけは幾らまとめてみても、とても坪十万でもって分譲できるような、そんな構想は私は成り立たないと思うんですよ。そうすると、いま政府がやっておることは、考え方としてはなかなか整っているけれども、現実には全く合わないようなことだけを繰り返し繰り返しやっておるというのが私は現状ではないかというような感じがしてならないわけであります。そういう点で、こんなことに時間をかけておってもしようがないですから、私は率直に大臣のお考えなどを聞いておいてこの問題は置きたいと、こう思うんですが、私はいまの政府がいろいろにやっておる――思いつきだなんという言い方は、これはちょっと言い過ぎであるかもしれませんけれども、いろいろ御努力をされておる。されておるんですが、何か根本のものが一つ抜きになっちゃっている。根本のものは何かというと、やっぱり土地政策、地価の問題でもあろうかというふうに考えざるを得ません。おそらく私はこのA、B農地を、こういう、まあ他に比べればそれこそ特恵的な優遇措置をとって、そして誘い出しをしようと思いましても、私は、しかし簡単にはいかぬのじゃないか。制度だけはきまっても、それは実効というものはあまり期待は、できないんじゃないか。お百姓さんは私は売らぬじゃないかと思うんですよ。というのは、まだ売らぬでおいたほうが得ですからね、いまの地価などの関係からいたしますと。あるいは安い金借りて、あまりうるさいから、家をつくって貸すぐらいのことを考える一部の人はあるかもしれませんですけれども、私はやっぱり結果的にはこの制度というものは、そんなに政府が期待するような実効があがっていくようには考えられないんです。というのは、とにかく地価が上がるというのか、どんどん金の価値が下がっておるような現状でありまして、たとえ物価の問題を一つ取り上げてみたところでもって、前年の同月比がここのところ大体一二、三%ぐらいの上昇を続けているような状況ですから、これは一番確かな、逃げもしなければ、腐りもしなければ、焼けもしなければ、減りもしない土地というものは、いまのようなそういう政策下におけるところの価値の問題としては、これは最高、最良のものですから、そんなもの、それは容易に離そうなどということはとてもあり得ないだろうと思うんですよ。やっぱりもっと憲法の範囲内において、もうぎりぎりの限界あたりまでこらえりゃ、もっとぐっと――たとえば地方公共団体に相当の権限を持たせるとか、政府自体であってももっとずっと積極的な公的介入を加えるとか、何か根本的な土地政策というものがまず土台に用意をされなければ、いま、目の前にそれこそ花が咲いたように、どんな制度、施策を並べてみても、私はあまり期待ができないじゃないかというような、一つの悲観的な予見をしておるのでありまして、まあその辺の大臣の見解をお尋ねをしてこの問題は置いておきたいと、こう思うんですが。
#27
○国務大臣(江崎真澄君) 私はその土地政策の実効というものはだんだんあがりつつあると見ておるのであります。それは税制面だけでは、なかなか土地の思惑対象からの除外とかあるいは高騰を押えることはできないと言っておりましたが、金融引き締めと相まって、特別土地保有税の実施であるとか、あるいは譲渡益の分離課税とか、税の重課とか、これを国会で通していただいただけでも、あれくらい思惑の対象になって高騰に高騰を続けておりました土地が、横ばいに転じたことだけは間違いがない。いまや、土地は買い手市場ではなくて売り手市場――マンションなんかでも、これはマンション建設業者の資金操りの面もありましょうが、けさの新聞でしたか、たしか、私、登院の途中の車の中で見ました中に、二〇%から三〇%値切れるような、マンションの購入についてはですね。それくらい、これは資金操りの面で苦しくなっておるから、相当値切り得るんではないかというようなことが書いてございました。したがって、この土地税制と金融引き締めによってすら効果があがったのですから、あの国総法を通さないという手はないと思うのですね。これは衆議院のほうを向いて申し上げなければなりませんが、あの国総法を通していただければ、また効果がこれはあがるのです。そしてまた事実、欠陥があれば、これはやはり私は次の国会ででもいつでもまた手直しをしていくということで、とにもかくにもあれをお通しくだされば、相当の効果があがるというように見ておるものであります。したがって、都会地においては、特に首都圏などにおいては、なかなか土地が安く入りませんが、そうかといって、あの豊地の宅地並み課税は、ようやくこれで――数年間漸増していく形ではありまするが、実現を見たわけであり、そうなると、農家の方といえどもこのごろは非常に収支そろばん勘定については敏感でありまするので、特に都会地の農家であればあるほどですね。必ず固定資産税が宅地並みであれば、これはひとつ売り渡すことはしなくても、神沢さんおっしゃるように、にわかに売り渡しがどんどん進むとは思いませんが、しかし、安い金で家を建てよう、こういうところに結びつくことはほぼ間違いがないというふうに私ども期待を持っておるわけでございます。そこで、国総法が通って、いろいろな土地の利用計画あるいはその規制等々がはっきりしてくれば、これはまた買い上げを地方公共団体がするということにもなって、一そうその利用が活発になるわけで、そういう意味で国総法は通してもらいたいということを、これは要らざることかもしれませんが、つけ加え申し上げたようなわけですが、相当私はこれは期待できると思っている。農家は譲り渡さなくても必ず家をつくる。そこへもういかざるを得ない形に税制面でもなってきているというふうに見ておるわけでございます。
#28
○神沢浄君 大臣、国総法の問題はあと回しでいいですが、ただ国総法――これは衆議院の会議録を見ると、何かこの問題でもって田中総理が委員会に出られて、あれは田中総理の国総法のコマーシャルをしたようなやり取りになってしまっているようですけれども、この委員会でもきっと一度ぐらいは出るんじゃないかと思っておったらあれしたわけですが、これはまたわれわれもかなり意見のあるところですから、あとの問題にしても、いまお話がありましたように、確かにマンションなんかは一つの――いま大体マンションとボーリング場ですか、あれはかなりもうむずかしいところへさしかかっているようですが、それについて、これはマンションなどの問題はきわめて高額の家賃の問題というのがかかってくるだろうと思いますけれども、この法案の中でもいろいろな優遇措置を講じてやって、そして中高層の建築をさせると、こうなっておるのですけれども、由来、政府の施策では、公的な補助、助成等が行なわれた場合には、必ずその果実に対して今度は公的なその規制というようなものが対応するのが常識だろうと思いますが、この法案で見ますと、それはありませんね。一方交通みたいなもので、優遇措置だけはするけれども、家賃に対するところの規制というようなものはどこにも見当たらないようでありますが、それはどういうようになっているのですか。
#29
○説明員(京須実君) この法案に出ております農地所有者等の賃貸住宅あるいは住宅金融公庫等の賃貸アパートでございますが、いずれも家賃規制はもとの法律のほうに書いてございますので、適正な限度によりまして、もちろん、土地所有者あるいは建物所有者等の方々の利益も十分配慮いたしますが、適正な額で家賃は規制いたします。
#30
○神沢浄君 規制をするんですか。
#31
○説明員(京須実君) はい、いたします。
#32
○神沢浄君 それは規制をするというのをどこできめるんですか。まあとにかく、この法案見たら、この法案に関する限りは、法条文に関する限りはどこにもあらわれていないようですが。
#33
○説明員(京須実君) それぞれ住宅金融公庫法あるいは農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法というもとの法律がございまして、その法律のほうに家賃規制のことは書いてございます。
#34
○神沢浄君 そうすると、これは農住法とかかわるわけですか。
#35
○説明員(京須実君) 農住法のうちの、農地所有者がアパート経営をする場合、特にこのA、B農地につきましては、水田要件をはずしておりまして、一般の、もとの農住でございますと水田要件がございまして、一ヘクタール以上、あるいは全体の敷地の二分の一以上の水田をつぶしませんと農住は建てられませんが、この特別法によりまして、そういう水田要件を払いまして、特に首都圏、関東地方等でございますと、水田がないために、農家の方々がアパート経営、農住をやりたいという御希望がありましても、従来できないという面がございました。そういうものを改善いたしてまいります。
#36
○神沢浄君 そうすると、農住法とこの法案とは相乗関係を持つわけですか。農住法でも、一応は、あれでしょう、利子補給等が定められておりますね。そうすると、さらにそれに加重をしてこの法案が生きてくるというような関係になりますか。
#37
○説明員(京須実君) おっしゃるとおりでございます。
#38
○神沢浄君 その点はわかりましたが、そうすると、まさにこれはあめ法案でありまして、相当のこれはもう特恵待遇をするわけなんですが、そうなると、また話が冒頭へ戻るけれども、どうもそこまで優遇をしなきゃならないというような点が、私は一つの問題点になりそうな気がしてなりませんね。A、B、農地というのは、おそらくああやって政府が踏み切られたのも、現状からすればもう大体農地的条件ではないと、もう踏み切って差しつかえないと、こういうような認識もあっての上だろうと、こう思われますが、そうであるとするならば、いま御説明がありましたように、農住法にさらに加重をするような、それこそ最特恵待遇みたいなものを講じなきゃならぬような理由が、はたして存在をするんでしょうか。そうすると、私はどうも冒頭申し上げたように、勇み足の手直しみたような意味合いが濃くなってきてしまうような気がしてならないんですが、どうなんでしょうかね、それは加重するんですかね。そうすると、利息がないようになっちまうんじゃないんですかね。
#39
○国務大臣(江崎真澄君) これは必ずしも私はそういうふうに解釈しておりません。三大都市圏の住宅不足というものが、非常に極端に不足しておりますね。したがって、その不足を充足しようという、非常に緊急、しかも要請度の高い地域のA、B農地、そのA、B、農地は畑が多い、住宅建設は比較的やりやすいという条件下にあるわけでありまして、それに手を付するということは、むしろ住宅政策の面から申しましても、非常に適切であるというふうに考えます。しかも、それについて家賃規則等々もあって、できる限り所得の少ない人にも入っていただけるような措置を講じていく、これはやはり適切な措置だというふうに考えます。
#40
○神沢浄君 どうもいまの家賃規制の問題と農住法のかかわり合いの問題というのは、私は何かあとから考えてそうされたような感じがしてなりませんが、こういうこまかい点については、また別に、この委員会審議の中でなくても検討さしていただきたいと思います。
 そこで、これだけはお尋ねしておきたい点ですけれども、これによって農家が中高層の住宅を建てますわね。建てて――規制されるというのであれば、大体どのくらいの家賃を考えておられるのか。どうなんでしょうか。
#41
○説明員(京須実君) 農住のほうについてお答え申し上げますと、地価が、農住でございますと相当いなかのほうになりますので、地価を一応約十三万五千円ぐらい――坪でございますが――と押えまして、五十五平米くらいの住宅をつくりました場合に、家賃は三万二千五百円ぐらいになると、このように想定しております。
#42
○神沢浄君 これはいなかのほうということにならぬのじゃないですかね、A、B農地については。
#43
○説明員(京須実君) ちょっとお答え、失礼いたしました。
 先ほどの自治省のほうの方のお答えのように、東京都内のA農地でございますと、坪当たり二十万ぐらいでございますが、B農地になってまいりますと、十五万、あるいは十二万――十万まではいかないと思いますが――ぐらいの農地があるように考えております。
#44
○神沢浄君 どうもその辺がなかなか、あんまり、はいそうですかと了解しきれぬような点がありますが、まあ三万にしましても――三万ということになりますと、大体あれですね、何とかいう基準があるんでしょうね。その家賃は所得の何%とか――五%か二〇%か、そういうふうななにがあると思うんですが、そういう基準に照らしてみて、大体どの程度の所得層が対象になりますか。
#45
○説明員(京須実君) 三万でございますと、月三万でございますから、年間に三十六万パになりますが、大体、年収の二〇%程度を家賃と見込むのが大体最高限度と考えております。そのようなことでございますと、大体南関東でございますと、所得を大きく分けまして、下から二〇%、二〇%――五つに分けるのを五分位階層と申しますが、大体頭のほうから約六〇%の方々くらいまでは対象に十分かなうと思っております。
 なお、それより下のほうの方につきましては、公営住宅と申しまして、公共団体のほうで、国の補助金を受けましてつくりますものがございますが、その公営でございますと、たとえば東京都の場合には、四十八年度はすべて一万二千円以下ということでございまして、非常に安い家賃で入れます。もちろん、これに入る場合には、所得の制限がございまして、所得の多い方は入れませんのですが、そういうことで、特に低い方につきましては、公営を用意いたしまして、大体中堅からちょっと下の階層、その辺を考えております。
#46
○神沢浄君 いや、それは公営住宅へ入れる人のことを聞いているわけじゃなくて、この法律で農家が建てた家は、どの程度の所得層の人が大体対象になるか。たとえば月収どのぐらいの人たちが対象になるかという点をちょっと聞きたいと思っておるわけです。
#47
○説明員(京須実君) 家賃契約でございますので、ボーナスをならしました月収で申し上げますと、大体十万から十五万程度の負担、このように考えております。
#48
○神沢浄君 月に直して十万から十五万ということですか。二割を充てるとすればそういう計算になるわけなんでしょうが、十万から十五万ということになりますと、これは広義で庶民層にも入るわけでしょうけれども、何か若い人たちでもって、結婚して家に困るとか、こういうふうな人たちの対象にはちょっと無理ですね。
#49
○説明員(京須実君) お話しのように、特に低い方々、こういう方々は、政府援助のあります民間のアパートでも、家賃の支払いは困難かと思います。それにつきましては、再三申し上げますが、公営住宅がございまして、現在の規定では、公営住宅は月収――これもやはりボーナスも全部ならしまして、約十二万以下の方々が一種、八万以下の方々が二種と申しますが、二つございますが、大体十二万以下の月収でございますと、公営住宅のほうへお入りになる抽せんに応募できるというふうになっております。そういう方々はそちらのほうで対処したいと、こう考えております。
#50
○神沢浄君 わかりました。公営住宅のことを聞いておるわけじゃないんだけど、たいへん御親切に教えていただいてこれはけっこうです。
 時間がありませんから進みますけれども、この法案を見ますと、要するに要請すれば区画整理事業は、支障がない限りその市町村は、市町村といいますか、市はやらなきやならぬと、こういうように書いてありますし、それからまた一面では、区画整理事業については市が財政上、金融上、技術上の援助をしなきゃならぬと。そうすると、要請すれば市はやらなきやならぬというのは、これは市の直接の事業ということになるでしょうし、財政上、金融上、技術上の援助をしなきゃならぬということになりますと、これは農家がやるものを援助というようなことになるんでしょうけれども、その辺は実際にはどうなるんですか。
#51
○政府委員(國塚武平君) 要請区画整理のことでございますが、先生仰せになりますように、要請をいたしますと、市が、特別の事情がない限りはこれを引き受けまして区画整理をやるということになりますから、したがいまして、市はこれに対しての責任を負うということに相なるわけでございます。義務づけられるということでございます。したがいまして、市が要請を受けて区画整理がやれる体制を整えなきゃならぬ。市がやるという意味は、まず第一番目には、この区画整理は制度的にもあるいは技術的にもかなりむずかしい制度でございますから、農地の所有者の発意を尊重いたしまして、一定の要件に該当する区画整理をやってくれという申し出を受けたら、この意味は、なかなか土地区画整理法にいう区画整理組合をつくって自分たちでやるというのはなかなかむずかしかろう、したがって、市がこれを引き受けるという制度でございますので、できるだけ技術的な援助をしながら、要請をいたしますのに手続が必要でございます、事業概要をつくるというような手続を経て申請してまいるものでございますから、そのお手伝いからして差し上げるというふうに考えておるわけでございます。
 具体特に申し上げますと、この事業概要を作成いたします場合には、市の職員が積極的にそれを助けまして、事業概要の内容になりますところの事業概要説明書でございますとか、あるいは設計図だとか、各種の区画整理をやっていくために必要な基礎的な設計書の作成等がございますから、その技術的指導をしていく。それから、実際にまた測量をいたしましたり、あるいは地籍をはかりましたりというようなことが必要になるわけでございますので、場合によりましてはそういう図面の作成だけじゃなくて、その実際の測量のような仕事も、ひとつ市の職員が出かけていってなるべくお手伝いをして事業概要を早くつくろう、こういうふうにいたしておるわけでございます。
 それから、市が今度やるということになりますと、その義務化を受けるわけでございますので、したがって、市の財政負担ということも十分に考えていかなきゃならぬわけでございまして、この要請区画整理につきましては国庫補助の対象を拡充してまいりたいと。現行制度で申し上げますと、国が公共団体に道路整備特別会計から三分の二の補助をいたしておるわけでございますが、その補助対象の採択基準というのがございまして、その採択基準の中身が、区画整理の施行区域内に含まれる幅員十二メートル以上の道路について補助対象にするというのが現行の制度でございますが、今回の要請区画整理につきましては、その補助対象の積算根拠になります道路の幅員要件の緩和をいたしまして、幅員八メートル以上の道路、都市計画道路、都市計画街路をその対象にすることができるようにする。したがって、そういう緩和された道路幅員のものについて、その用地費あるいは建物移転費、工事費、舗装費という土地区画整理事業の施行経費を補助していこうということにいたしまして、要請を受けた市に対して、義務化をする以上は十分な手当てをしなければならぬということで措置をいたしておるわけでございます。
#52
○神沢浄君 それから、市が区画整理を、この法案によれば一応半義務づけられているわけですね。そうすると、それに対して国が財政援助措置を講ずる、こういう仕組みになっておるようですが、国の財政援助措置というのは具体的にはどういうことになりますか。
#53
○政府委員(國塚武平君) 国の財政措置と申しますのは、土地区画整理事業について申し上げますれば、ただいま申し上げましたように、国から、土地区画整理事業施行経費について市に対して三分の二を助成し、かつまたその採択基準を緩和して御提案をしたということに相なるわけでございます。
#54
○神沢浄君 三分の二を助成するというわけですか。
#55
○政府委員(國塚武平君) さようでございます。市に対して三分の二の助成をいたします。市が施行いたします区画整理事業の施行に要する経費について、三分の二の助成をいたします。
#56
○神沢浄君 農家が行なう場合の、今度は市と農業との関係で、財政、金融、技術上の援助というのは具体的にはどんなようなことになりますか。さっきもいろいろ御説明がありましたが、たとえば経費の何分の一とか、何かそういうような、もっと具体的な説明がほしいと思うのです。
#57
○政府委員(國塚武平君) 区画整理に関して申し上げますと、第一番目の援助は、市ができるだけ区画整理事業を施行するについての技術援助を組合に対してして差上しげるということでございまして、これを受けまして、市に対して今度は国がどういう技術的援助をするかということになりますと、われわれのほうから、この法律が施行になりますというと、市の職員あるいは関係府県の職員を集めまして、今回の要請区画整理事業の円滑な運営をはかりますために、こういうところまでひとつ指導するようにというような具体的な指示をいたしまして、それを受けて市に技術的な援助をやらしていく。それから財政的な面につきましては、三分の二の助成をするということでまいりたい、こう考えております。
#58
○神沢浄君 時間が終わっちゃったようですから、これを最後にいたしますが、大蔵省の方は来ておられましょうか。
 時間がありませんから、一問だけお尋ねをしておきますけれども、この法案の内容を見ると、これはまあほとんど税金いじりみたいなことになっているようであります。自治省、建設省が法律については所管の立場でしょうけれども、内容は、税金をまけてやるというようなことでもって終始されているわけでありまして、これはここで審議をいたしました例の公有地の拡大推進の法律にしても同様でありますし、このところ、宅地化あるいは土地取得、住宅、これらの当面のきわめて重要な施策というようなものの内容というのは、もう税金にかかわらないものはないような、言いかえれば、ほとんど税金、税制を道具にして成り立っておるような内容のものばかりだと言えるのじゃないかと思うのです。税制というものの、税というものの本来性から考えてみて、こんなにいわゆる道具のようにいじくり回されてしまうと、税制そのものがこれは混乱をしてしまうというようなおそれもなきにしもあらずで、そういう点について、主税の立場でもってのひとつ私は見解をお聞きをしておきたいと、こう思うのですよ。極論をすると、これはまあ何というのか、政策というよりか、むしろ、当面の取りつくろいのために税制をただ道具にしていじくり回しているような感じもなきにしもあらずでございまして、その辺の見解を主税の立場からお聞きをして終わりたいと思います。
#59
○説明員(伊豫田敏雄君) ただいま御質問の件につきましては、われわれとしても、税制改正等を考えます場合に常に留意して考えておりますところでございまして、われわれは一応政策的な目的の非常に強いものにつきましては、これを租税特別措置という区分で扱っておりまして、それに対して本法はございますわけでございます。したがいまして、たとえば今度の宅地並み課税に関しまして所得税におきましてとりました措置等は、一応租税特別措置法上の規定として整理をしたわけでございます。
 税には、ただいま御質問のございましたような、本来的な、国の歳入を公平にとるという立場があると同時に、税の持っております機能といたしまして、やはり誘導的な効果と、あるいは禁止的な効果というものを持っておりまして、それを使いまして、国の政策を側面から助けていくというのもやはり一つの税の本来の性格かと思っております。しかしながら、御質問にございましたように、確かにそういう問題に深入りをいたしますと、非常に税制も複雑になり、同時に、税の本甲の趣旨も失われてくるような場合もなきにしもあらずでございまして、そのために、われわれといたしましては、租税特別措置につきましては、毎年その性格、その効果というものを考えまして、それが必ずしも既得権化することのないように常時留意しているわけでございまして、その点をひとつ――私どもが御質問の趣旨につきましては常に努力重ねているということを御了承願えればと考えております。
#60
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと私からも補足して申し上げますが、政策目的を実現するために、またその政策目的が非常に重要であるという場合に税を使うことは、この場合が一つの例です
 それから、先ほど来、土地を思惑の対象からはずす、また土地価格を鎮静させるというたてまえから特別土地保有税を課したり、譲渡所得の分離課税、またその重課というようなことで、いわゆる優遇措置とは別な、重課によって土地を投機対象からはずしていこうという大政策を実現していく、これはもうあってふしぎはないと思うわけです。特定市街化区域内、特に三大都市圏においては非常に住宅が不足しておる。その住宅不足の、しかも緊急充足されなければならぬための住宅建設が容易になるための優遇措置というものは、これは政策目的にかなったものであるというふうに私ども考えておるわけでございます。
#61
○委員長(久次米健太郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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