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1972/09/20 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第24号
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1972/09/20 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第24号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第24号
昭和四十八年九月二十日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月二十日
    辞任         補欠選任
     玉置 猛夫君     高橋 邦雄君
     岩本 政一君     斎藤 十朗君
     原 文兵衛君     寺下 岩蔵君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                柴立 芳文君
                寺本 広作君
                河田 賢治君
    委 員
                片山 正英君
                斎藤 十朗君
                斎藤 寿夫君
                高橋 邦雄君
                寺下 岩蔵君
                増田  盛君
                秋山 長造君
                神沢  浄君
                戸叶  武君
                上林繁次郎君
                藤原 房雄君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       建設省都市局参
       事官       國塚 武平君
       自治大臣官房長  山本  悟君
       自治大臣官房審
       議官       山下  稔君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       農林省構造改善
       局審議官     小山 義夫君
       建設省計画局宅
       地部長      大富  宏君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久次米健太郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。本日、玉置猛夫君、原文兵衛君及び岩本政一君が委員を辞任され、その補欠として高橋邦雄君、寺下岩蔵君及び斎藤十朗君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久次米健太郎君) 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適花化に伴う宅地化促進臨時措置法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○上林繁次郎君 何点かお尋ねをしてみたいと思いますが、この法律案を見ましていろいろ感ずるものがあるわけですけれども、一番強く感ずる点は、これはいわゆる固定資産税の軽減ということを目的にしているのか、あるいは宅地化を促進していくということを目的にしているのか、どっちがどっちなんだという、こういう感じを受けるんですが、この点ひとつお答えをいただきたいと思います。
#5
○国務大臣(江崎真澄君) これは御承石のように、市街化区域の農地、わけてもA、B農地という、完全に市街化が進みつつある地域の農地、それに、税負担の公平を期する意味で宅地並みの諸税をしよう、これがまず第一でありまして、これは御承知のように税法改正で先ごろ成立を見たわけでございます。それに伴いまして、農家というものの収入はきわめて低うございます。これは一般的に言って、しかも、その農地によって農作物をつくり、これが生活のかてになっておる。しかし、市街化区域内のA農地、B農地というようなところで、宅地並みの固定資産税を払って、そして農作物をつくっておったのでは、これは必ずしもペイするとは言えないと思います。また、日陰になりやすいというような地理的環境にもあります。したがって、その農地を手放せば、これは幾らに売れたにしましても、これは人の所有に帰するわけですが、農地として持っておるその土地で農作物をつくって生活のかてにするというのではなくって、政府が手をかして、そしてこういう地域の住宅建設の非常に強い必要性と相まって住宅建設を促進し、あわせてそれが農作物にかわる農家の生活のかてになるように、いわゆる家作によって農家が生活のかてを得る。いわば転業を慫慂する、その部分だけに限ってはですね。そこで、農家というものの所得がおしなべて低いがゆえに、これはひとつ税負担の公平を期してもらう反面において、宅地促進という時代の要請にもこたえるが、ひいてはまた農家の高所得対策ということにも焦点を合わせよう、一石何鳥かをねらったというのがこの法改正でございます。
#6
○上林繁次郎君 建設省にお伺いしますがね。建設省はどちらですか――いま大臣からお答えがあったわけですけれども、どうも私どもこの法律案を見ましてね、いわゆる先ほど言いましたように、住宅をつくっていくということについては、これはもういまの状況からいって、当然これは進めていかなきゃならない。そういう意味も含めるとするならば、これはやはり建設省の分野じゃないかという感じが強いわけなんですがね。建設省のほうはその点どういうふうに考えますか。
#7
○政府委員(國塚武平君) ただいまのお尋ねは、市街化区域内の市街化の促進と申しますか、住宅宅地を提供いたしますための市街化の促進についてはどのような考え方で進めるかというお尋ねだと存じます。都市計画法によりまして市街化区域を定めておるわけでございますが、全国ベースで申し上げまして、その面積は約百二十万ヘクタールでございます。この市街化区域の中で、すでに既成市街地もございますし、また、その周辺で市街化が進んでいる地域は相当ございますが、これらを除きますいわゆる新市街地と申しておりますが、これから新しく市街地を形成していこうという地域が、面積にいたしまして約六十六万ヘクタールになろうかと思います。この六十六万ヘクタールの中に、A、B、C農地が約二十八万ヘクタール含まれておると、こういう関係に相なるわけでございますが、この新しく開発すべき六十六万ヘクタールをどのように整備を進めていくかということになりますと、私どもといたしましては、新しい市街地を形成するわけでございますから、なるたけ、市街化の中でばら建ちの建築物が無秩序に建つということを一番おそれるわけでございまして、できるだけ都市計画として早く必要な地域をきめ、または都市施設をきめて、そして整備の手法といたしましては、やはり土地区画整理事業、あるいは土地区画整理事業以外にも、新住宅市街地整備事業といいますような面的な大規模な整備事業がございますが、その種の面的な土地区画整理事業等の事業によって、できるだけ組合なりあるいは公共機関の手で整備を進めていくということが最も望ましいと、こう考えておるわけでございます。
 そこで、その分担でございますが、公的機関の区画整理事業によるもの、あるいは民間の手による大規模な宅地開発、あるいは個人個人の手による開発と、いろいろございますけれども、私どもは、公的機関による土地区画整理事業では、この六十六万ヘクタールの約四割、二十七万ヘクタールになるわけでございますが、私どもの試算によりますれば、この二十七万ヘクタールについてはひとつ区画整理事業による整備を予定したい。残りはその他の市街地開発事業でございますとか、あるいは民間の手による開発事業によってこの整備をはかっていくというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、そういうスケジュールがうまく進むかということになろうかと思いますが、道路その他の基幹的な公共施設の整備はもちろんでございますけれども、この土地区画整理事業が、公共施設の整理をし、かつまた宅地の利用の増進をはかるという意味で一番有効なものでございますから、区画整理事業を中心にいたしますると、昭和五十二年までにこの二十七万ヘクタールのうちの十五万ヘクタールの区画整理を完了をいたしたい。そういたしますと、残りは十二万ヘクタールでございますが、それは昭和五十三年以降、おおむね五ヵ年かかりまして整備を進める。こういうことになりますと、私どもが考えております要区画整理面積は、おおむね十年以内に所要の区画整理面積が施行できる、このように考えておる次第でございます。区画整理がすべてではございませんが、やはり公的開発が中心になって市街化をすべきだと、このように考えているわけでございます。
#8
○上林繁次郎君 いま住宅建設についての御説明を伺ったような気がするのですが、私はこの法律案が、いわゆる自治省で取り扱うという立場と建設省が取り扱うという立場、これがいろいろ考えられると思うんです。そこで、私は住宅促進という面については、これはやっぱり建設省の分野じゃないだろうか、こういうふうな感じが強いわけですね。そこで、建設省はこの法律案についてどういうふうにその点をお考えになっていますかと、こういうことをお聞きしているわけなんです。
#9
○国務大臣(江崎真澄君) これは上林委員のおっしゃるとおりで、宅地をつくって住宅を建設、促進するというならば、これはまさに建設省が所管すべきものだというふうに考えます。これは閣議で、また堂側でもいろいろ相談をしたわけでありまするが、御承知のように、先ほど申し上げました、農地を宅地並みに固定資産税を負担してもらうという前提があるわけでございます。したがって、その裏法案という形になるものですから、そこで表裏一体と、この法律は二本で一本と、そこで満足に双方目的とするところが達成されるということで、税法改正とそしてこの宅地促進とを一体を見て、自治省が所管しようと、こういうことになったわけでありまするが、御承知のように、法案審議にあたっては、建設省側がこの宅地促進の面については責任を持ってもらいまして答弁にも出てくる、共同でやっておるわけでございまして、本来建設委員会にかかるべきものというふうにおっしゃるならば、確かにそういう要素はあると思います。いま申し上げたような経緯で地方行政委員会に持ち込んだ、こういうことでございまして、御了承願いたいと思います。
#10
○上林繁次郎君 私は建設省のほんとうの腹を聞きたかったんですけれどもね。大臣に横取りされたような感じでなにですけれども、それはけっこうです。
 そこで、結局はこの法律案が施行されて後の、どういう効果があがってくるかということ、これが一番問題だろうと思いますね。そこで、そのことについては大臣がこの前の委員会で、他の委員からの質問で、十分効果があがるんだと、こういうふうにおっしゃっています。ですから、それはまあ一歩譲りまして、そうだとします。そこで、そうなりますと、いわゆる地元の市町村においては、どうしても建築関連事業費負担というものが相当出てくるんではないか。これが促進されれば促進されるほど、そういう形が出てくるんではないか、こう思うわけです。そういう面でのいわゆる手当ですね、これをどういうふうに考えておられるか、その点をひとつ。
#11
○国務大臣(江崎真澄君) お示しのように、確かに人口急増の傾向が生ずるということは考えられます。もうとも、ことしまだその対策が立っていないわけですが、それは御承知のように、いま九月でございます。十月からかりに施行されるとしても、住宅資金を借りて建てていくまでにはまだ相当かかるわけでして、来年度予算で具体的に措置する。これがいまの話で、非常な効果をあげて人口急増がめざましくなったなんていったら、これはもう大成功でございまして、それだけに、裏づけをしなければならぬ公共、公益的な施設の整備が必要となってまいります。それには財政負担が当然生じてまいります。で、国としましては、国の負担、そして補助金等々につきましては、この地域には特に優先的にこれを採択することを配慮していかなければならぬと思います。それからまた地方債等についても、これは自治省として大いに広い視野からこれを優先させていくというような形でこの成果に期待をしたいというふうに考えております。
 それから、さっき私自治省の所管と言いましたが、これは建設省との共管でございます。まあたまたま地方行政委員会に付託されたと、こういうことでございますので、ちょっと訂正いたしておきます。
#12
○上林繁次郎君 そうしますと、いまの大臣のお話ですと、いわゆる市町村における宅地化が促進されていく、そこに建物が建っていく、そういったことによって市町村がいろいろな負担をこうむる可能性が十分出てくる、それに対してい十分考えておる、こういうお話だったと思いますが、そこで、当然そういう負担が出てくるということは考えられるわけです。そこで第十条の二項で、国は地方公共団体に対して、財政上、金融上の援助を与える、こういうようにいっておりますね。このいわゆる財政上、金融上の援助をするというこの内容ですね、この内容はどういうことを考えておられるのか、もうちょっと突っ込んで、抽象的ではなくて。
#13
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま大臣が申し上げました内容に尽きるわけでございますけれども、宅地化の状況が具体的にどういう市においてどれだけの分量が出るかということはまだ明確ではございませんが、ただいま申し上げましたように、公共施設の整備につきましては、その補助対象になります事業について、優先的な採択というものが、当然国の立場で、それぞれの関係省において行なわれる必要があるだろう。さらにまた、それに伴うところの地方負担分につきましての措置を当然自治省として考えておかなければならないわけでございます。まず第一次的には、地方債によって措置をしていくということになるだろうと思います。それからさらにまた、この地域におきましては、この該当市は人口急増地域になる事例が相当多いわけでございます。そうした人口急増地域につきましては、本年の予算におきましても、義務教育施設等につきましては補助率のかさ上げ等が行なわれておりますが、さらに、昭和四十九年度の予算にあたりましては、その他の施設につきましても、消防でありますとかあるいは保育所等につきましても、現行の補助率にさらに割り増しの補助率を措置をするということを、私どもも各省にお願いをし、私どももそういう補助率かさ上げにつきましての制度の実現というものをはかってまいりたいというふうに考えております。そういうことによりまして、こうした制度によるそれぞれの都市の財政につきましては、それぞれの実態に応じて必等な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#14
○上林繁次郎君 そこでこれまた建設省になりますかね。これ、宅地化が促進されていきますと、もうすでに都市計画がなされた都市、またこれからやろうというところもあると思いますけれども、現在もうすでに都市計画がなっておる、しかし、事業の面ではこれが進んでおらない、こういうようなところもあると思いますね。そういった場合、この宅地化が促進されていった場合に、先ほど建設省もちょっとおっしゃっていたんですが、ばらばらに建てられちゃ困るようなことを――そういう可能性が十分に出てくるということです。都市計画上、これは非常に支障を来たすという、こういう問題が起きてこないか、こういう心配をするわけなんですが、この点どういうふうに考えておりますか。
#15
○政府委員(國塚武平君) 市街化を進めていきます場合の都市計画との関連の問題でございますが、先生仰せになりますように、市街化区域は計画的な町づくりをするところでございますから、また、そういうことによって市街化区域を設定した意味合いも出てくるわけでございますので、計画的な開発をするためには、まずしっかりした都市計画が前提になるということでございます。そこで、この法案で言っております要請土地区画整理事業にいたしましても、この事業を施行いたします前段階としては、必ず都市計画を設定をしていくということに相なるわけでございますが、全般的な市街地整備の進め方の上から申し上げますと、私ども、一番市街地の整備がむずかしいなと考えておりますのは、やはり既成市街地の周辺部の、建築が相当市街化を進めてきておる地域――新市街地につきましては相当思い切った計画を立てて、そしてそれに適合するものを、そういう事業を慫慂し、また必要があるときには公的機関がこれをやっていくということでございますから、都市計画とのからみでかなりなことができるかと思いますが、にじみ出しと申しますか、既成市街地に接しております区域の事業というのが実はなかなかむずかしかろうと、こう考えておるわけでございます。この法案で取り上げております行政区画整理につきましては、私どもも最も大事な仕事だという考え方でおりまして、面積的にはさほど大きな地域にならない。これは容積からいたしますと、五ヘクタール以上ということでございますので、施行区域はそんな大きなものではございませんが、この都市計画を早急にきめまして、そして事業を実施をする際には都市計画制限がかぶってまいりますから、都市計画の決定と同時に、都市計画制限によりまして、一定の建築物以上のものは建てられないということになるわけでございますから、すみやかに都市計画をきめて、その計画に基づいて区画整理事業を施行していくことが肝要だと考えておるわけでございます。
#16
○上林繁次郎君 そうすると、この面積からいってさほど支障にはならないと、こう考えていいということだと思いますがね。そこで、この法律案、いわゆる下の部分だけですけれども、宅地化を促進するためにいろいろなことが盛り込まれているわけでありますけれども、これからいろいろとお尋ねするわけですけれども、その前提としまして、農地を宅地に転用する場合の手続並びに法律関係を御説明をしていただきたいと思いますね。いわゆる農地を宅地にするという場合に、どういう法律に基づいてどういう手続をやるのか。その点をひとつはっきりしていただきたいと思います。
#17
○政府委員(國塚武平君) 農地を農地以外のものに転用いたしますことにつきましては、農地法の定めるところによるわけでございますが、先生御存じのとおり、市街化区域内の農地の転用につきましては、届け出をもって足りることになっているわけでございます。
#18
○上林繁次郎君 それで、市街化区域は届け出ということですね。
 最近、それでいろいろな一これは全国的な問題だろうと私は思いますけれども、たとえば届け出は農地委員会ですね、これに届け出ればいいということですよ。そうすると、不動産登記法でもって地目変更届けもしなければならぬわけですね、ほんとうからいうと。片方だけやって、片方はほうっておいていいというわけはないと思うのですね。そこで、いわゆる地目変更届けをする場合に、農地委員会に届けたというその証拠になるもの、あるいは許可証なら許可証、そういうものを添付して地目変更届けをするという、そういう必要がないのかどうかという問題ですがね。この点どういうふうにお考えになっていますか。これは農林省ですね。
#19
○説明員(小山義夫君) 市街化区域の中の農地を転用いたします場合には――普通一般の土地ですと、転用の許可が要る。しかし、市街化区域の中の場合には、あらかじめ農業委員会を経由をいたしまして知事に届け出をすれば足りる、こういう仕組みになっております。
 その次に、不動産登記法の地目変更の手続との関係でお尋ねがございましたけれども、地目変更の手続は、これは、実はすでに農地が非農地に転用された後に、その事実に基づいて、登記簿にございます農地という地目を、宅地だとか原野だとか山林だとかというふうに変更する筋合いのものでございます。そこで、その場合に、制度としては農地法の制度と不動産登記とは別々の制度になっておりますので、これが別々にちぐはぐに運用されると、非常にお互いの制度としてもまずいし、それから国民一般の方々、取引される方々も迷惑を受ける、こういうことになりますので、二つの制度がうまく整合して運用されるようにということで、かねてから法務省とも相談をいたしまして、一応明らかなものはそれでいいわけですけれども、境目にあるような事案、たとえば農地を土盛りをいたしましてした場合に、これは水田に土盛りをして畑になったのか、それともあるいはおよそ宅地にするために土盛りをしたのかというふうなことでいろいろ見解が分かれる場合、争いがある場合等もございますので、できるだけ両者が同じ見解で運用ができるように、相互によく連絡をし今ってやろうではないか、こういうことでかねてからやっております。
#20
○上林繁次郎君 いまのお話はよくわかるのです。しかし、現実はそうなってないのですね。そこでいまこういうことをお尋ねしているわけですが、これは結局この法案に関係のない問題ではないのです、これは。これからまた起こり得る可能性がある問題ですね。ですからお尋ねをするわけなんですけれども、これ、千葉県を例にとります。私は千葉県に住んでいるものですから、すぐ千葉県ということになるのですが、ことしの六月一日から過去二年間の実態調査を実施したわけです。そういう面での。そうしますと、農地法の許可を得ない農地が百八十八ヘクタール、届け出をしていない農地が六十三ヘクタールあるというのです。その件数は約三千件に及んでいるというわけです。こうなってきますと、これはまず最初にこの実態からいって、こういうケース、農業委員会を通さないで、いわゆる不動産登記法に基づいての地目変更、これだけをやってしまうのですね。これが百八十八ヘクタールあるというわけです。これは違法になりませんか。
#21
○説明員(小山義夫君) いま御指摘のような事案が千葉県において出ておりますことは、私も承知をしております。これは現に農地であったものが、届け出なり許可を得ないで転用いたしました場合には、農地法では取引自体が無効になるという規定になっておりまして、それがまた転々第三者に売買をされていきますと、非常に取引の安全を害すると申しますか、そういう事態にもなりますので、いま千葉県で起きております事案につきましては、千葉県当局並びに法務省の両方に対しまして、善処方のいま協議をしておるという状況、段階でございます。おっしゃるように、明らかに農地法の違反になります。
#22
○上林繁次郎君 これはあれですか。違反なんですが、こういうことがいままで相当続けられてきているわけですよ。その違反に対する――違法ですから、ですからそれの罰則があるはずですよ。どういう罰則があるのですか。また、その罰則が実際に実施されたかどうかという問題、それはどうでしょうか。
#23
○説明員(小山義夫君) 農地法の各規定の、条文の違反については罰則がございます。いままで、いわゆる無断転用等についてこの罰則が適用された事例もございますが、本件につきましては、いま関係の各当事者に是正措置をする勧告をいたしております。やはり問題は早く事態を正常な状態に戻すことが先決であろうという考え方から、いま当事者に勧告の指導をいたしております。この経過を見まして、非常に悪質な事例になるかどうかというふうなことも十分見きわめた上で所要の措置をとりたいというふうに考えております。いまの段階では行政指導を非常に強力にやっていくと、何よりも事態を正常に戻すことのほうが先決ではなかろうかという判断であります。
#24
○上林繁次郎君 したがって、いまのお話ですと、罰則規定はあるけれども、それはいわゆる運用されたことはないということですね、いままでは。
#25
○説明員(小山義夫君) 千葉県のいまの事案についてはそうでございますが、ほかに、一般によく無断転用がございますが、これについては発動された事例はございます。
#26
○上林繁次郎君 何点かあるということで、あまり強力なものではないことですね、これは。そこであれなんですよ、いま土地の値上がりということでもって、これはもう大騒ぎです。こんなことがいつまでもほっておかれれば、ますます土地騰貴の原因になることは間違いないわけです。その辺のところが、やっぱり法律できまっているんですから、ぴしゃっとやらすようにしなければいかぬと思いますね。これは大臣もそういうようにお考えだろうと思いますけれども。
 そこで、こういう例はないかということなんですが、こういういま申し上げた例から、土地改良事業施行済みのものですね、そういうものも、そういう土地にもこういう問題が発生はしていないのかどうか、その点、何かおつかみになっておりますか。
#27
○説明員(小山義夫君) 千葉県の事例の中にも、ごく一部分でございますけれども、土地改良事業を施行いたしましたところが、地目変更が行なわれて転用されているという事案が中にまじっているようでございます。こういう土地については、農業、農地法の転用許可基準からいきましても許可されないはずのものでございますから、そういう土地については十分是正の措置を講じていきたいというふりに考えております。
 なお、先ほどから非常に全国的にこういう事例があるのではないかというお話でございますけれども、むしろ、これは非常に局地的な例外的な事例でございまして、普通は、私ども法務省と協議をいたしまして、一番望ましい形で運用されておりますのは、先ほど先生もちょっとおっしゃいましたけれども、転用許可なりあるいは届け出が行なわれて、そして合法的に転用がされる、その事実を確認をして、農業委員会等が、いわゆる非農地証明と私ども言っておりますけれども、農業委員会が確認をした書類を出す。法務省当局、登記所では、それを確認をして、当事者に、申請があった場合にそれを確認をいたしまして地目変更をやるというのが一番望ましい形として、法務省とも相談をいたしまして、そういうふうに行なわれているほうが多いわけでございます。
 ただ、これは制度としてそれが必要添付書類にはなっておりません。不動産登記法上の手続で、これは必要添付書類には定められておりませんで、両者のお互いの運用上の相談事としてそういうふうにやろうではないかという形でやっておるという仕組みになっております。
#28
○上林繁次郎君 いまのお話ですと、いわゆる登記所のほう、法務省のほうで、地目変更があったときには農地委員会のほうに問い合わせて、それでそれが届けられているかどうかということを確認した上でやるのが一番望ましいというお話ですが、全くそうだと思うのです。それが行なわれていないところにこういう問題が発生してきているわけです。特に千葉県の場合には、いま申し上げたように、地目変更届けだけをする。農地委員会などには届け出しないというケースが多いわけです、これは。そうすると、いまお話しになったように、それはほんとは逆になるわけですよ。それがいわゆる今度はまたその逆をいっているわけです。そこで、やはりその辺のところをはっきりさせないと、これからもまたこういう問題が起きてくる。いわゆるいまとにかく全国的に開発ブームですから、どんどんブームで開発されていくと、いまのお話ですと、千葉県だけがこんな問題が起きているみたいなお話ですけれども、これから全国的にこういう問題が起きてくる、こういう可能性があると思います。ですから、そこでやはり地目変更については農地法の許可あるいは届け出、これとの関連をちゃんとさせて、法令を改正する必要があるんじゃないかという感じがするのですけれども、この点どういうふうにお考えですか。ただ、何というか、操作だけで今後そういったものをきちっととめていけるかどうかという問題、その点を私ははっきり知りたいと思うんですがね。
#29
○説明員(小山義夫君) 法令上の改正を必要とするではないかということにつきましては、不動産登記法が法務省の所管でございますので、私から農林省ということで御意見を申し上げる立場にないので御宥恕をいただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、いま御指摘のような事例が全国に広がってまいりますと非常に憂慮すべき事態になりますので、いま法務省当局にもいろいろ善処方を申し入れをして協議をしている、こういう段階でございます。
#30
○上林繁次郎君 法務省は来ていらっしゃらないですね、いるかと思ったのですけれども。
 そこで、すみませんけれども、大臣をわずらわして申しわけないですけれども、私はそういう感じを持っているのです。これはこれからこういう問題が、特に国総法の問題だとかいろいろな問題もありますし、だんだんいろいろな面で開発されていきますと、農地がつぶれていく、そうすると、そういうときにこれは起きてくる問題です。土地が非常に言うなれば値打ちが出てきたものだから、こういう問題が特に起きているということは言えると思いますよ。そこで、やはりその辺をきちっとしておかなければぼくはまずいんじゃないかと思うのですね。そうだとすれば、ただ小手先の操作でなくて、基本的にいわゆる法令をもって、こうなくちゃいけないというものをぼくはつくっていく必要があるんじゃないかと思うんですね。いまのいろいろな面の情勢からいってそういうふうに思うのですけれども、大臣のその点についてのお考えを、所管は法務省になりますけれども。
#31
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘のように、いろいろ問題は多いと思います。したがって、これは関係各省にわたりますから、よくひとつこれは御指摘の御趣旨を体しながら十分検討いたします。
#32
○上林繁次郎君 今度は、土地区画整理。これは建設省ですか――建設省にお尋ねしますが、土地区画整理組合でございますが、これに貸し付けているお金がありますね。これは昨年度から比べると、今年度は二億二千五百万円ふえているということです。総額にすると十六億七千五百万円、これが全額無利子、こういうことになっているのですね。このいわゆる土地区画整理組合の性質といいますか、性格というか、またこの目的ですね、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#33
○説明員(大富宏君) 土地区画整理法は、施行主体といたしましては、地方公共団体が施行する区画整理と、それから組合の区画整理と両方あるわけでございますけれども、いまお話しの無利子貸し付けで行なう区画整理というのは、組合の区画整理でございまして、これの貸し付け金の対象は組合になるわけでございまして、いまお述べになりましたように、前年度で、四十八年度で国費で十六億ほど貸しつけておるわけでございますが、本来、区画整理組合が区画整理をやる場合の財源といいますのは、保留地を処分して、その処分価格で事業費をまかなうという仕組みでございますけれども、御承知のように、区画整理というのは若干長期にかかるものでございますので、その財源支揺という意味で無利子貸し付けを行なっている次第でございます。
#34
○上林繁次郎君 そこで、これは政府の金が無利子で貸し出しがなされるわけですね。そこで、いま保留地の話が出ましたけれども、保留地を除いてあとの部分については、これは売買されることについて何ら規制があるわけじゃありませんね。そこで心配になるのは、ただでさえも土地価格の上昇ということでいま問題になっているわけですけれども、国が金を出して、それで応援をしてそういう土地が造成されて、それでこれがどんどん値上がりしていくというんでは、非常に私はその辺矛盾を感ずるわけですね。ですから、その辺をもう少し何とか、いわゆる土地区画整理組合の事業、この組合によってつくられた土地というものについての何らかの規制といいますか、いわゆる公有地の拡大に寄与できるような、そういうような仕組みというか一ものをつくっていく必要があるんじゃないか。そうでないと、国が金を貸して、それであとはどんどんこの土地の値上がりを待って、そして高く売ってもうけると、こういう形は全く不動産業者と同じになってしまうわけですね。その辺を何とかする方法はないのかという感じがするわけなんですが、その点どういうふうにお考えになりますか。
#35
○説明員(大富宏君) 国が無利子の貸し付けをする場合の区画整理というものについては、一定の基準をもうけまして、良好な区画整理事業が行なわれるようなものに貸し付けをしているわけでございますが、たとえばその区画整理施行区域内には十一メーター以上の道路を含むこととか、あるいは七〇%以上が住宅市街地になる内容を持つ区画整理とかということで、条件をつけまして無利子の貸し付けをやっているわけでございますが、お述べになりましたように、主たる財源を保留地処分に置いている。現在のところはこれが競争入札によるものですから、高ければ高いほど財源は、ふえるということで、むしろその辺から地価暴騰を招く結果になりはしないか、御指摘のとおりのような問題があるわけでございますが、これの無利子貸し付けというような国の援助もやっているわけでございますので、この保留地の処分につきましては、地価公示価格を基準にやりまして、しかも、なるべく公共団体の公的機関の確保するような公営住宅用地になるように、そういうような行政指導でいまやっております。
#36
○上林繁次郎君 理屈はわかりますけれども、なかなか現実はそういうふうになっていないという感じが強いんですよ。とにかく、これもまた一例をあげますと千葉県になりますけれども、松戸あたりの例を見ますとね。ですから組合がいわゆる事業施行して、そうしてその値上がりするのを待っておる。いわゆるきまっていますからね――保留地をとって、そうしてあれですね、三〇%はどうするとかこうするとか、きまりがありますわね。だから、じゃそれができているからもうそれでいいんだということでは、私はないと思うんです。それじゃ残されたあとの七〇%なら七〇%については、これは競争入札なり何なりを行なう、そうしてもちろん一番高いところにこれが払い下げになると、こういうことになると思うんですね。ですから、それがいわゆる土地をどんどんせり上げている原因にもなっているじゃないかと。国はその土地についてはわざわざ金まで出しているんだと。そういうものは、言うならば何の規制も受けずに国の金を借りて、ただの金を借りて、そしてりっぱな宅地促進をやって、そしてそれが、それによって多くもうけられるという行き方は、これはどう見ても私は納得できないんじゃないか、こう思うんですね。その点なんですね。その点、もう少し何とかきちっとする方法はないか、だから、いわゆる個人に、いわゆる組合にまかしていると、そういう問題が起きるわけですね。そして、いまあなたがおっしゃったように、これは市で行なう場合があるというんですね。ですから、これはやはり市の施行事業、こういう形にやっぱり持っていくということが、一番公平な行き方じゃないかという、こういう感じがするわけですよ。その点、もう一歩突っ込んでひとつお答えいただきたいと思いますがね。
#37
○説明員(大富宏君) 国が無利子貸し付けするというような大きい助成をやっている事業でございますから、その事業によって不当に、むしろ、保留地処分価格が高騰することによって、また周辺の地価の高騰を招くというような結果は、非常に好ましいわけじゃございません。私どもも、先ほど申しましたように、処分価格につきましては、地価公示価格を基準にいたしまして、これを公募によって抽せんで行なうとかというようなことで、いま御指摘のような現象が起きないように十分指導してまいりたいと思っております。
#38
○上林繁次郎君 これはこの法律案の第四条ですがね、これを見ますと、土地区画整理法第十八条で定めている土地区画整理組合設立認可の要件では、所有権者三分の二、借地権者三分の二の同意を必要とするが、第四条では、所有権借地権のすべての三分の二であればよいとなっている、こういうことなんですがね。ということは、この辺はどういうことになるんですか。たとえば、十五人――それは十五人のうちの三分の二という、こういうことがうたわれているということなんですか、意味は。
#39
○政府委員(國塚武平君) 先生いま抑せになりましたように、土地区画整理組合の場合は、事業計画等につきまして、施行予定地区内の宅地の所有者と借地権者のそれぞれの三分の二以上の同意を得なければならない。こうなっておるわけでございます。これに対しまして、本法案の区画整理事業の要請者は、事業概要につきまして、事業施行要請区域の土地所有者または借地権者の三分の二以上の同意を得なければならないという点で、先生仰せになりますように違うわけでございます。これは、要請を受けますと、公共団体が施行するものでございますから、必ずその土地区画整理法の整理組合と同じように考える必要はあえてないわけでございますが、できるだけ施行予定地域内の所有者の意向を尊重するという考え方に出たわけでございます。
 そこで、「又は」といたしまして、それぞれの三分の二以上の同意がなくてもいいというふうに考えるに至りましたのは、この第三条の要件にもございますように、要請区画整理事業の施行区域は、建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないという要件がございまして、したがって、建築物の敷地として利用されている土地がきわめて少ないということから、借地権者ということにつきましても、同意についての条件の緩和をはかったと、こういう次第でございます。
#40
○上林繁次郎君 で、いわゆる土地区画整理組合設立認可の要件ですね、このほうは、いま申し上げたように、両方三分の二ずっということです。今度の法律案によると、それはひっくるめて三分の二と、こういうことですね。当然、そうなりますと、私は問題が起きると思うんですよ。幅を広げたんだという考え方かもしれません。その辺が、いわゆる緩和されたという、こういう考え方が成り立つかもしれませんけれども、しかし、一面ではそれによって権利が侵害されるという、そういうおそれが出てくることは間違いないと思うんです。ですから、この辺をやっぱりもう少し考え、考えるというか、やはりこれは土地区画整理法の整理組合設立認可の要件、これとやっぱり合わせる必要があるんじゃないかという、こういう感じがするわけです。それでないと、必ず権利の侵害が生まれてくるということです。これはもう売るほうの側で全部操作されちゃうということですよ。だから、借りているほうは全然もうあれじゃないですか、何も言えない。不満があっても一言も文句も言えないという、そういう形でいわゆるこの事業が行なわれてしまうという、そういう心配が出てくると思うんですけれども、その点どういうふうにお考えになりますか。
#41
○政府委員(國塚武平君) 私の説明が少し不十分な点があろうと思いますので、補足させていただきますと、この四条をごらんになりますというと、その施行区域内の土地について所有権または借地権を有するすべての者の三分の二以上というのが要件でございます。「及びその区域内の特定市街化区域農地の所有権を有するすべての者の三分の二以上の同意」というのも合わさってかかるわけでございます。この区画整理は特定市街化区域農地を中心といたしまして、その周辺の地域も含めた区画整理をやろうとするわけでございます力その中心になる特定市街化区域農地につきましては、所有権を有する者の三分の二でございます。借地権ということを書いておりませんのは、農地でございますから、農地には借地権は存在しないということから、所有権を有する者の三分の二といたしておるわけでございます。
 問題は、特定市街化区域農地以外の周辺のところについてのお示しの議論というふうに相なるわけでございますが、その場合には、先ほど言いましたように、確かに所有権及び借地権のそれぞれの三分の二というのが適当かと思いますけれども、先ほど申し上げましたような理由によりまして、要請区画整理事業をやります要件として、これはきわめて少ないというふうに考えたわけでございます。
 しかし、先生仰せになりますように、それじゃそれらの借地権者の意向を無視するのはおかしいじゃないかと。確かにそれは議論でございますが、この点につきましては、この要請区画整理につきましても土地区画整理法が適用になりまして、土地区画整理法におきましては、事業計画を定め、あるいは事業計画を変更いたします場合には縦覧手続をいたしまして、借地権者を含めます利害関係者はすべて意見書の提出をする機会が与えられておりますし、また、提出されました意見につきましては、都市計画地方審議会の審議を経まして、その決定に際して必要な意見は取り上げる、こういう手続がとられているわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、先生の仰せになったような趣旨は貫かれておるように措置をいたしたつもりでございます。
#42
○上林繁次郎君 時間が来ましたので、けっこうです。ありがとうございました。
#43
○河田賢治君 この法案について、御承知のとおり、各地で宅地並み課税が施行された結果、これによって農民が打撃を受けるということで、いろいろなところで、御承知のとおり、生産緑地等を取り上げて、税金を納めたものを返還させる等、いろいろな助成の措置、こういうことをやっております。これは相当今後とも、各地方自治体でもこういう問題が普及していくと考えるわけですが、これについて自治省のほうでは、いまのところ数が少ないので、いろいろな要件または助成額等々のいろいろな差が地方自治体によってありますけれども、今後この問題について、これが相当普及するようになれば、これに対するいろいろな要件を、各地でいま違っておりますから、こういうものについて何か統一的な行政措置をとられるおつもりがあるのかどうか、この点を聞いておきたいと思います。
#44
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま述べられましたように、一部の都市におきまして生産緑地保全といったような目的のために補助金交付をするという制度をきめ、あるいはいまそういう制度を検討しているということを聞いております。この考え方は、法律にございますような施設緑地としての指定をするには至らないけれども、農地を現状のまま保全をしておくということがその都市の都市計画上必要だというふうな考え方のもとに、一定の面積要件、それから一定期間の営農継続ということを条件にして、こうした生産緑地の補助制度ということを検討しているようでございます。この点につきましては、その都市の実態に応じて都市計画上必要な緑地を保全するという判断をしているわけでありますから、私どもとしましても、特段、一定の指導をするということは現在の段階では考えておりませんけれども、ただ、先般の地方税法の成立にあたりまして、当委員会におきましても、生産緑地制度についての法的な整備を検討しろというようなお話もございまして、現在、建設省のほうにおきまして、都市計画上の制度としての生産緑地制度の検討が進められております。こうした制度ができました段階におきましては、この制度に、いま各市が考えております生産緑地の補助制度というものを、こうした制度に乗り移るようにこれは将来検討していかなきゃならないだろうというふうに考えております。
#45
○河田賢治君 建設省に聞きますが、いま自治省のほうからの話があり、また、御承知のとおり、この生産緑地の問題は、自民党の先生方の然烈な御支援のもとに、乗議院でも参議院でも、院議として、これはどうしても法の改正が必要ですから、都市計画などについて。そういう問題について、建設省のほうは都市計画法の中に、そういう生産緑地というような、衆参両院で附帯決議で申し上げた問題をどの程度に具体化しておるか。ひとつ、また今後、きまっておればどういう方向でこれをやっていくおつもりか、この点をちょっとお聞かせを願いたいと思います。
#46
○政府委員(國塚武平君) ただいまお話がございましたように、生産緑地の制度化につきましては、これを都市計画の一つとして検討すべきであるという附帯決議があるわけでございまして、建設省といたしましても、その趣旨を受けまして、前向きに検討し、その法制化をはかりたいと考えておりまして、目下準備を進めております。具体的に申し上げますと、去る七月十九日に、建設大臣の諮問機関でございます都市計画中央審議会に、その具体策につきまして諮問をいたしましておるわけでございますが、同審議会に生産緑地部会という部会を設置をいたしまして、現在鋭意検討が続けられておるわけでございます。今後の見通しといたしましては、審議会の答申が得られれば、関係方面と協議しつつ法案をつくりまして、通常国会に提案をする予定といたしたいと考えております。
#47
○河田賢治君 それほど宅地並み課税というものは評判の悪かった法律なんですね。したがいまして、今後担当各省が、これについて、いまお聞きしたとおり、一応これを何らかの修正措置をとるということになっている。これは私了解できるんです。私の京都あたりにしましても、金閣寺のほんの近くのところに、たんぼじゃありませんけれども、畑で、ずっといわゆるいろんな野菜をつくくったりなんかしまして、大きなもうほんとうの市街地ですね、こんなところに農地がちょこちょこあるわけですから、こんなものはもう農地として認められぬわけですけれども、しかし、やはり一定の緑地なんかを保存したり、これは災害やら、あるいはまた、都市のあまりに過密なところを防いでいく。いろんな意味で――また野菜の供給なんかもありますし、それからまた、古い農地を百姓さんにすぐやめろと言っても、相当お年寄りが長い間百姓をやってきて、まだ自分も命もある、もうしばらくはやりたいという方もおるわけですからね。そういう点で、いろいろ住宅を建てたり、都市の都市化をほんとうにはかるということも必要ですけれども、若干そういう面も考慮したりしてやる必要があると思うんですね。だから、こういう問題については、やはり町の自治権を最大限に運用して、やはり審議会のようなものを設けて、これには農民の代表とか、都市側の代表とか、いろんな者を入れて、そういうものを審議しながら、どこまでをどうするか、二、三年たてばまたどうするかということを漸次やはりやるべきだと、私は思うわけなんですね。それについて、一応この問題はそれにとどめておきます。
 さて、住宅のほうの、直接A、B農地の住宅問題にはかかわりませんけれども、最近行政監理委員会あたりでも、公団を設けて、ひとつ住宅建設をやるというようなあれが出ております。それからまた、建設省でも、最近は宅地公団ですか、そういうものを設けて、これから特に三大都市圏でこれをやっていきたい。しかも、大体において市街化区域だけでなくて、調整区域なんかもできるだけ重点にやっていきたいというようなことが、新聞にちょこちょこ出ておりますが、この方向についての、いまどの程度まとまり、どういう構想であるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。建設省。
#48
○説明員(大富宏君) 宅地開発公団に関するお尋ねだと思いますが、いま四十九年度の要求といたして、宅地開発公団を建設省から要求いたしておりますが、この趣旨は、お述べになりましたように、この三大都市圏、非常に住宅難、宅地難の問題があるわけでございまして、これにこたえるものといたしましては、いままで地方公共団体あるいは住宅供給公社あるいは住宅公団というような開発主体があったわけでございますが、最近の三大都市圏におきましては、いろいろの事情もあろうと思いますけれども、大規模用開発というものがだんだん非常にむずかしくなってまいりました。そこで、片一方におきましては都市勤労層の宅地取得、住宅取得という熱も非常に強うございますので、これにこたえる意味で、大規模開発、むしろ水とかあるいは鉄道とか、そういう宅地開発に必須のそういう根幹公共施設を、自分の、みずからの権限としてやれるような公団として宅地開発公団をつくり、そこてもっぱら宅地分譲を――宅地分譲だけではございませんけれども、宅地分譲を主とした事業内容とするような権能を持ったものとしていま要求いたしておるわけでございますが、大規模開発ということでございますと、お述べになりましたように、少なくとも千ヘクタタール、あるいは二千ヘクタールという――鉄道も引かなければいかんし、水も確保しなければならないというようなところでの立地ということでございますと、いきおいやはり市街化調整区域にある程度は立地せざるを得ないであろうと思いますが、しかし、本来そこでやるところの宅地開発というものは、宅地ということではなくて、良好な市街地として形成するわけでございますので、現在調整区域になっておりましても、開発に着手する場合には、市街化区域にこれを編入いたしまして、手続をとって都市計画事業としてやるということになろうかと思います。
#49
○河田賢治君 この問題について非常に私たち疑惑を持つ問題があるんですね、これは新聞情報しかありませんけれども、特に東京の不動産協会あたりが、首都圏で宅地供給を倍増すると、現在でも相当調整区域で、御承知のとおり、二十ヘクタール以上の土地であれば農地の転換ができるということで、かなりこういうものを持っているんじゃないかと思うんですね、これに若干山林とか原野とかというものを加えれば、相当大きな宅地開発ができるわけなんですが、これについて政府の指導に反撃を加える、放出より手持ちの開発ということを言っているわけですね。新聞ですけれども、ここに出ているわけですね。ですから、こういう点で、不動産業者がそういうところでかなり持っているとすれば、これをおびき出す意味でも、また住宅公団あるいは建設省自身でも、今度宅地開発公団というものをおつくりになっておやりになると思うんですけれども、いまこういう地域で不動産会社なんかがどの程度持っているかということは、何か資料がおありでしょうか、三大都市圏で。
#50
○説明員(大富宏君) 建設省のほうで昨年アンケート方式で調べた数字によりますと、不動産業者が持っている土地保有面積は四万三千ヘクタールと言っております。これは相当アンケートの回答率が悪うございますので、もっと大きな数字じゃなかろうかと思います。それから、私どもが最近調べました大手の十六社関係で調べた数字によりますと、一万八千ヘクタールほど持っております。その中で、南関東だけに限定いたしますと、八千ヘクタール、市街化区域に三千ヘクタール、市街化調整区域に五千ヘクタール、合わせて八千ヘクタールというような数字を持っております。
#51
○河田賢治君 そこでこういう問題につきまして、かなりこの新聞に報道されたあと、各地方の知事あたりがこれに対して非常な不満を述べておりますですね。これは行政監理委員会の新開発公団構想に対して、神奈川、埼玉も反対を表明すると、あるいは千葉なんかもやはりこれに反対するというようなことが出ておるわけですね。非常に新しく開発されるところは、普通の町からいいましても、どこかちょっとへんぴなところですな、調整区域になりますと。そうなりますと、地方自治体の側としても、こういうようなものが開発されますと、建設省がどんなに住宅公団にやらしておりましても、十分な都市としての開発ができないし、環境が、いろいろの公共施設というものができないということなんで、これまででもずいぶん住宅公団に対するいろいろな不満不平が各地で起こっておりまして、ある程度のところは譲歩されて、若干公共施設なんかも負担するということになっておりますけれども、こういうような大規模開発が行なわれた場合に、建設省は、それは下水とか、水道はあなたのほうの関係ですから、うまくここに何千ヘクタール買った、そうすれば、どれだけのやがて住宅も建てば、水道はどうだとか、下水はどうだとかということもおわかりになるから、それによってある程度環境を保金、整とんしていくという計画も立つと思うんですけれども、しかし、これは今度はもう一方のほうは、自治省の側からいえば、自治体としては、なかなかそういう連絡がありましても十分な予算措置もできない。現に、人口急増地帯、確かに公共施設についていろいろ予算あるいは負担は国が持つように少しずつは改善されておりますけれども、しかし、人口急増地帯に特別にいまやらなければならぬという法律すら、御承知のとおり、なかなか足踏みして進んでいないわけですね。ですから、十分なそういう地方自治体が責任を負わなければならぬ問題が、しかも各省がそれぞれセクトがありますから、保育所とかあるいは幼稚園とか、いろんなそういう厚生省関係、これもやはり一緒になって新しい都市ができるときには建設が進んでいかぬわけですね。本来ならば、家一軒建てば便所もあれば下水道もある。まあ外のことはわからぬでも、家の中におる限りはちゃんとそういうものはつくって、そこへ排せつする。あるいはごみはどこか近くに置くとか、こういうことをして、一軒の家は、そのような家の中の環境というものは保全できるわけです。今度は町全体とすれば、やはりごみ処理であるとか、いろんな衛生設備であるとか、あるいはそれに伴ういろんな施設が必要なんですね。ところが、こういうものがセットとして出されていきませんから、どうしてもこれに対して地方自治体が反対するのは当然だと思うんですよ。現在でも非常に少ないですから。だから、こういう点で、住宅公団をお建てになりましても、あるいは宅地開発をおやりになりましても、まず道路であるとかあるいは下水であるとかあるいは上水とか、そのほかいろんな衛生設備、こういう公共施設がむしろそういう住宅よりも先行して、そして環境のいい都市をつくらなければ、私は非常に――家だけをつくって、これでもう私のほうの建設省としては仕事は済んだというお考えになりますと、これは私はたいへんなことになると思うんです。こういう点は、どの程度あなた方は公共施設などについて――建設省自身が実は受け持っております下水であるとか道路、これなんかを見ましても、外国と比べまして非常に劣っている。外国と比べぬでも、もう日本では常識的に考えなければならぬ道路の舗装であるとかあるいは施設、下水の処理であるとか、ごみの処理だとか、こういう問題がたくさんあるわけですね。ところが、こういう問題があまり実行が進んでいない。確かに家の不足は非常に緊急な問題ではありますけれども、しかし、道路をつくっても、あとからまたガス管を入れる、電気を入れる、水道を入れるで、いつも道路つくったあと掘り返しているんですよ、毎年毎年どこを見ましても。これでもうべらぼうな浪費をやっているわけですね。ですから、やはり新しい小都市でありましても、そういうものができる場合に、やはりそういう構想をまず立てていないと、家だけを建てる、宅地だけを造成するということに重点が置かれれば、私はあまりこれは現在のいわゆるあと追い政治になってしまう、こう思うんですが、この辺を建設省あたりはどうお考えなんですか。
#52
○説明員(大富宏君) お述べになりましたように、三大都市圏、市街化のテンポの激しい地方におきまして、都道府県知事が市街化調整区域におきますところの開発施行に対して非常に消極的であるという姿勢は、本来、市街化調整区域というのは、市街化を抑制すべき地域として設定してあるわけでございますから、むしろ当然の私は態度だと思っております。したがいまして、市街化を進める方向といいますのは、市街化区域の中の既成市街地の再開発が第一でございますし、さらには新市街地、いま議論されておりますところのA、B農地あるいはC農地の開発をまず第一義的に考えるべきである、われわれもそのように考えております。
 ただ、その場合に、市街化区域内の開発につきましても、御承知のように、現在市町村で開発指導要綱というようなものをつくりまして、現実には、河川とか、道路とかあるいは公園、下水道というような、あるいは学校にいたしましても、基本的な根幹公共施設あるいは公益施設については、市街化区域でございましたら、本来、これはそれぞれの管理者が施設をやらにゃいかぬはずでございますけれども、お述べになりましたように、非常に市街化のテンポが激しい。したがって、地方公共団体がこれを処置するには一時に多額の財政需要が要る。非常に地方公共団体の財政の圧迫になるわけでございます。そこで、こういった根幹公共施設あるいは公益施設、本来管理者が持たにゃいかぬようなものにつきましても、全額あるいは一部を開発主体側に負担させる。それは行政指導でやっておるわけでございますが、やむを得ない私は背景があると思います。
 で、お述べになりましたように、今後やはり新しい宅地を開発するということは、単に住宅を建てる、宅地を造成するというだけじゃごいませんで、やはりそこには一定の生活をする住民が住みつくわけでございますから、当然、関連の公共、公益施設というものが整備されではじめて宅地であり、市街地であるという認識に私ども立っておりまして、いまのような地方公共団体の新しい宅地開発に対する拒否反応といいますか、これを抑制しようという姿勢は、むしろこういった公共、公益施設に対する開発者とあるいは地方公共団体の負担区分をまず明確にする。持つべきものは地方公共団体に持ってもらうにいたしましても、それが財政負担の過重な圧迫にならないように、国において応分の助成措置をするという方向で解決しなければならないというぐあいに考えております。
#53
○河田賢治君 いずれにしましても、いま地方公共団体は、保育所の問題でもずいぶん最近新聞をにぎわしておりますように、とにかく国の補助金制度というものが非常なむちゃになっておって、結局どこの地方団体でも、超過負担その他、いま問題を起こしております。自治省も、いつも毎年のように、各省庁に対して、いろいろとそういうことのないようにという通達は出しておりますけれども、実際には守られていないわけですね。自治省も、それほどまた他の省に対して権威を持って、自治省の要求はどこまでも通すと、そうでなければわしは何もやらぬというような姿勢もあまりありませんから、こういう点が一つ問題だと思うんです。
 さらにもう一つは、最近経済企画庁が、これはまだ素案の意味で発表したものですけれども、これは新聞でみな御承知だと思うんです。もう首都圏、東京圏はパンクに間近い。現在の人口でも、御承知のとおり、昭和六十年ですか、これへいきましても、他から社会的な流入をやめにして自然増だけで大体四百六十万人、これが限界だと言っておるわけですね。そして新全総を実施した結果、過度にやはりこういう首都圏あるいはまた大阪、中京等々、こういう三大都府県、これについて非常な反省を今度加えまして、それで相当やはり人口の抑制をある程度はからなければならぬ。首都の移転すらも考えなければならぬということをこの間発表しておるわけですね。これはおそらくまだそういうものが発表されて、経済企画庁なり、それからその他の関係省庁との十分な打ち合わせばできておらぬとは思いますけれども、しかし、三大都府県が、御承知のとおり、東京圏だけでも四百六十万だ、これにいま宅地公団であるとか、A、B農地であるとか――確かに住宅は不足しているのは事実なんで、これを何とか解決しなければならぬ一面もあるわけなんですね。しかし同時に、ここにどんどん人が集まれば、結局、水は不足する、電力はなくなる、いろんなまた生活物資の流通も困難になるということを経済企画庁は反省しておるわけですね。こういう問題について、十分な各責任者同士の間の、まだ政府のいわば統一見解的なものは出ていないとは思いますけれども、しかし、建設省がいま考えておられます住宅公団あるいは宅地公団などで、結局は三大都市圏に重点が置かれているわけですね。まだまだそれは若干人目がふえる余地はあると思いますけれども、しかし、もう経済企画庁の一角でこういう反省を加えられて、しかも新聞にも発表するというこの段階に至って、建設省あたり、こういう問題で、住宅政策あるいは土地の開発政策、こういうものを検討されたことはおありなんですか。それともまだでしょうか。この辺をちょっとお聞きしたいと思います。
#54
○説明員(大富宏君) 私どもは宅地開発を推進する立場でございますが、いまお述べになりましたように、宅地開発公団等も、この大東京をますます過密のるつぼに化し、ますます膨張をはかるという意味で宅地開発公団を設立するわけではございません。基本的には、やはり過密都市における人口、産業を分散をする、需要を分散をするというのが、何といいましても根本の施策かとも思います。まあそれにいたしましても、企画庁が発表いたしておりますように、昭和六十年にはどんなに押えても二千八百七十万人と。ほっておけば三千八百万人だ。多少抑制して三千三百万。二千九百七十万というのは、よほどの抑制がないとこれは実現するのはむずかしいだろうという見通しに立っておるわけでございます。
 私どもは、そういう人口、産業の分散を前提にいたしまして、いま企画庁が申すような二千八百万あるいは多少押えて三千三百万という長期計画を前提にいたしまして、宅地政策あるいは住宅政策を立てているわけでございまして、そういう前提に立ちましても、昭和六十年段階で、三大都市圏で、やはり世帯分離なり、あるいは人口の自然増というのがございまして、三大都市圏でやはり四百四十万戸の住宅はどうしても足らない。それに必要な新しい土地は七千六百ヘクタールはどうしても要る。これを南関東だけに限定いたしましても、二百二十万戸の住宅を建て、それに要するところの三万八千ヘクタール程度の新規宅地をこれをどうしてもつくらないと、住宅難あるいは宅地取得難というものにこたえるわけにはまいらぬ。そういう施策の一環として宅地開発公団を要求いたしておるわけでございますが、それにいたしましても、やはり基本となりますのは、水の問題等があるわけでございまして、これを一体どこに立地するかという問題も、関係各省とも十分詰めながら、一方におきましては、過大都市のこれ以上の膨張を抑制しつつ、なお必要となるところの住宅あるいは新規宅地部門を、水あるいは交通等とも関連いたしまして立地していくということを検討いたしておるわけでございます。
#55
○河田賢治君 住宅を建てられることに責任を持っておられる方は、やはりそういう問題でこれをやっていきたいと。ところが、この三大、巨大の都市を、ではそれで進んで、しかし、これをどんどん早く完成さしたところで、本来ならば、人口やあるいはまた産業あるいは学校、こういうものを地方に分散させようとするならば、いまこれまで地方の二十五万都市であるとか、百万都市と、こういうことが言われておりましたけれども、いずれにしましても、地方でもそういう仕事にかかりませんと、まず三大都府県だけを一応完成した形にして、それからその次は地方都市だというふうにいきますと、地方都市だって、御承知のとおり、五万、十万の都市は、これからほんとういえば再開発しなければならぬのが――やはり道路は狭いし、それから住宅は非常に込んでいるところもたくさんありますし、また、非常に土地の利用高度からいっても、低い家しかありません。こういうところへ工場を持ち、あるいは住宅を建てるにしましても、これもいわば新しい、半ば開発を目ざしたような地方都市をどんどんつくっていきませんと、これだって相当費用もかかるでしょうし、また時間もかかるわけですね。ですから、一方において都市の抑制をするには、そういう方向で地方都市あるいは地方の都市圏と申しますか、そういうところをやはりずっとやっていきませんと、三大都市圏だけをまず完成さして、それから次の第二段に地方都市へ移るのだというようなお考えになりますと、これは私はあまり、何ですね、ほんとうの意味で人口を分散さしたり、あるいは中枢機関をできるだけ地方にも置くとかいうようなこれからの方向とは、やっぱり違った形になるのじゃないか。ここを私はおそれるわけですね。ですから、これはあなたに質問しても、一つの小さな局なんですからこれは無理だと思いますよ。これはまあ大臣のやはり仕事なんで、ひとつ江崎さんから、こういう問題について、あなたはこれまで、新全総が通ったらこれはうまくできますなんて一枚看板でおっしゃっておりましたけれども、実にもう企画庁自身が、この前立てたあれがまずかったと言って告白しているわけでしょう。反省しているわけですね。そうして、これからまたやっていかなければならぬ。ところが一方では、これまでどおりの都市圏にやはり住宅をどんどん建てるとか何とかいうことが、この四十九年度の予算あるいは方向では出ているわけですね。だから、この辺について、一体大臣は、新全総は総理の一枚看板でもあり、またこれから大いに練られるわけでしょうけれども、大体のこういう経済企画庁が反省した材料をもとにして、一体どういうふうにお進めになるのか、この辺をひとつ聞いておきたいと思うのです。
#56
○国務大臣(江崎真澄君) 非常に重要な御質問だと思います。
 国土の均衡ある発展をはかっていくために、人口、そして産業、これが大都市に集中してくることはむしろ抑制して、地方へ分散させるべきではないか、それは私も全く賛成でございます。それが新全総に盛り込まれている。そこで地方中核都市というものを気がまえていこう、こういうわけです。
 そうすると、A農地、B農地で宅地、住宅を促進するということと矛盾するじゃないか、これでございますね。これは、私、さっき建設省側から答弁がありましたように、決して矛盾をしない。それは、そもそも三大都市圏においてはもう極端な住宅難、宅地難が生じておるわけであります。したがって、そこへ過度に人口を集中させようということではなくて、むしろ首都圏一つをとりまするならば、首都圏内で極端な住宅不足で、平均すればまことに狭い住宅で、何といいますか、世帯主が何人にも分かれておるというような、これを解消する。これがA農地、B農地などによって住宅ができることによって、よほど緩和するわけですね。これは、新たにまた千葉県や静岡県からそこへ人を導入しようというていのものではありません。そんなにA農地、B農地でたいへんな住宅ができるわけでもないわけでございまして、むしろ、現在の宅地難、住宅難を緩和する。さっきもお話にありましたように、世帯分離ということも、当然これだけ巨大な東京都であるだけに、この数もおびただしいものが予測されます。そういった期待にこたえていこう。地方に人口や産業を分散させようとする国の基本方針は、今後地方中核都市あるいは各県を中心にした土地の利用計画等々によって、これを地方に分散し、大都会に集中することを排除していく。この大方針は、私はやはり厳として進めなければならぬと思います。このA農地、B農地は、いま申し上げたような宅地、住宅の極端な不足、世帯の分離、こういうものにこたえていこう。そもそも、この三大圏において、これは都市化すべきところである、住宅化すべきところであるというので都市計画区域に編入されておるところでありまするから、そこに住宅ができたからといって、さしたる矛盾撞着は起こらないというふうに考えておるわけでございます。
#57
○河田賢治君 一応、それは理屈としてはそういうことなんですけれども、実際にA、B農地をみんなつぶしてしまう、やがてC農地も、現在の近畿圏整備だとかあるいは首都圏整備、こういう地域を大体において住宅で埋めてしまうということになれば、もう人口も、経済企画庁がおそれておる人口の過密状態というものは、やはりこれはとどまるところを知らずにまた進むわけですよ。しかも、いま住宅公団にしましても、それじゃ中都市とか、いわゆるこれから――人口を三大都市は大体そのままにして、そうしてさらに伸びていくようなところに目がけて、この住宅公団、宅地公団というものがそこを目ざして発足してないわけですね。いま。三大部市圏に限っているのですよ、大体三大都市圏に限っておると新聞には書いているのですから。それはほかがあるかもしれません。いま打ち合わせされたかどうかわかりませんけれどもね。だから、こういう点で、新聞で見る限りは、そういう――つまり地方分散なら分散でよろしいのですけれども、しかし、そういう処置をいまとっておかないと、なかなかいなかのほうで、ほんとうに都市らしい都市というものは、ありましても人口だけであって、ほんとうに都市らしい施設もなければ何もないところが多いわけですね。そうすれば、やはり新しくそういう開発をも心がけなければ、三大都市圏を中心に住宅公団あるいは宅地公団というものを――これも一応は必要ですけれども、しかし、そっちに重点を置かれたんでは、ほんとうの意味の、日本の首都は移転しなくちゃならぬということまで言われている、こういう状態が解消できないわけですね。だから、この点を私は述べているのであって、若干の、現在の三大都市圏の区画整理をやったり、土地の高度利用をやるということを私は別に反対しているわけじゃない、これは納得のいくようにやらなければならぬ。しかし、建てられる住宅にしましても、なかなか低所得者の入れぬところが多いわけですね。これからまた開発されるところでもそうに違いないのです。ですから、この辺がやはりほんとうの国民生活に密着した住宅、そうしてだれでも入れるような住宅を建てるとなれば、よほど政府のほうでも、この土地政策と住宅政策というものを十分考えて、ほんとうに低所得者もその恩恵にあずかれるような、そういう方向にいくことと、そうして他の地方都市、これらをどのようにしてまた再開発あるいは新設をしていくかと、こういう問題ですね。こういう問題はやはり総合的に、特に地方自治体にみな関係してきますから、現在どこの地方自治体でも、それは町がりりっぱになることは望むんですよ。けれども、現状では、いろいろな施設の支出にあるいは土地を入手することに、みな困難を感じて反対しているのが多いわけなんですから、この辺は特に、新しく経済企画庁の出しましたものに基づいてさらに練られると思いますけれども、このときは、自治大臣が一番やはりこういう問題を真剣に、ほかの省とは違いまして、家を建てるとか、水道だけの問題じゃないので、地方都市全体がいかに環境をよくして生きられるかという問題ですから、ひとつ、この点は責任を持って今後臨んでいただきたい、このことを申して、時間が来ましたから終わります。
#58
○委員長(久次米健太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#60
○神沢浄君 私は、日本社会党を代表して、本案に対して反対の立場から意見を申し述べます。以下、その理由を簡単に指摘をいたします。
 まず第一に、わが党は、市街化区域農地の宅地並み課税には反対をしておるのでありますが、加えて、地方自治体においても、円滑には条例化が進まず、根強い反対があるのが実情であります。地域によっては、実態に応じて生産奨励金を支給するなど、事実上、宅地並み課税は完全には実施されていないと考えられます。
 第二には、農民も積極的に税対策によっての農地の売買あるいは宅地化は行なっておらず、わが党の指摘してまいりましたように、土地問題を解決するものとはなっていないと思います。
 第三には、しかも与党・自民党内部においても、来年度またもや宅地並み課税を骨抜きにしようとする考えがあるとされておりまして、二転、三転するこの態度のもとで、本法案の前提条件は完全に崩壊していると言っても言い過ぎではないと言わざるを得ません。
 第四には、かりに本案が施行されたといたしましても、現実に異常に高い地価のもとでは、勤労者の負担能力をはるかに越えた家賃、価格となることは明らかでありまして、真の住宅困窮者には何ら供給される期待は持てません。
 第五には、住宅金融公庫の融資の特例、所得税、固定資産税の軽減等、まことに税及び金利優遇策は積極的であるに反して、これに応じた家賃、価格に対する上限規制は本法案には何ら盛られていないことは、はなはだ片手落ちといわなければなりません。
 第六には、したがって、しょせん土地、住宅の供給については、その根本に手を加えることなく、ただにびほう策的な税制上の措置だけで解決しようとすること事体が根本的に誤っており、本末転倒であると考えます。
 以上申し述べましたように、本案は、いみじくも通称されますように、まさにその場だましのあめ法案でありまして、とうてい政策とは言えない、単なる思いつきのむだづかいに終わるおそれが多大だと思います。
 以上をもって反対討論といたします。
#61
○柴立芳文君 私は、自由民主党を代表して、本案に対する賛成の討論を行なうものであります。
 本法案は、先般の地方税法の改正により、首都圏など、三大都市圏の都市に所在するいわゆるA、B農地に対する固定資産税の課税の適正化とあわせて、これら特定市街化区域農地の宅地化を促進し、住宅建設を奨励する目的のもとに、特定市街化区域農地の所有者等に対し、市に対する土地区画整理事業の要請、これら農地の所有者が中高層の賃貸住宅及び分譲住宅等を建設する場合の住宅金融公庫の貸し付け利率の引き下げ、農地所有者等賃貸住宅建設利子補給措置にかかる水田要件の撤廃、宅地の用に供するため譲渡した者に対する譲渡所得税の軽減、農地を転用し中高層住宅等を新築した場合の不動産取得税と固定資産税の軽減などの特例措置を講ずることとしております。
 さきの固定資産税の改正では、課税の不均衡を是正し、生地対策に資するため、A、B農地について段階的税負担の均衡を進めることにしたのでありますが、これによってA、B農地の所有者はは、従前に比べて営農の継続が困難になることは事実でありますので、これらの方々が地価の実情に合った有効利用を行ないやすいよう優遇措置を講ずることは不可欠の施策として要請されたのであります。今回の措置は、農地の所有者等の所得の向上に資し、さらに住宅不足に悩む都市勤労者の切実な要望にこたえるという双方の要請を実現するものであり、まことに時宜にかなった適切な措置であると考えるものであります。
 なお、低家賃の住宅供給をさらに推進するための融資金利の引き下げ、住宅建設に伴う生活環境施設整備のための地方公共団体に対する財政援助の強化を、この際特に政府に要望をいたします。
 以上、主なる賛成の理由を述べ、賛成討論といたします。
#62
○上林繁次郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案に対し、反対の意を表するものであります。
 反対理由の第一は、農地の宅地並み課税とともに、宅地化促進のための本案は、都市の近郊における農業を破壊し、無秩序な宅地化を促進させるだけで、根本的住宅対策になっていないことであります。単に住宅をふやせばよいのではなく、都市計画上生産緑地をどのようにするのか、公共施設の整備をどう進めるのかといった環境条件を考慮しながら住宅政策を進めるべきであるにもかかわらず、その点についての配慮が全くなく、きわめて不十分であります。
 反対の第二は、民間住宅依存の姿勢についてであります。わが党は、大都市及びその周辺の住宅問題は、勤労者を中心とした低家賃の公共住宅の大量建設の推進を主張してまいりましたが、公共住宅は地価の暴騰、建築資材の値上がり等で遅々として進んでおりません。これらの施策に対し万全の措置をせずに、住宅不足の解消を民間住宅でまかなおうとしているものであり、国民の望んでいる低家賃住宅建設にはほど遠いものがあります。
 反対の第三は、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の特例についてであります。
 いわゆる農住法による特定市街化区域農地の所有者などによる特定賃貸住宅の建設については、水田要件を適用しないという特例が設けられることになっておりますが、農住構想を実現することに対して明確な制度上の裏づけがないため、農住都市建設自体が進んでいない現状を考えるとき、今回の特例措置には効果が期待できないのであります。
 最後に、本法案提出に際しての政治姿勢についてであります。
 農地の宅地並み課税とともに、今回の宅地化促進臨時措置法案は、与野党の話し合いを踏みにじり、きわめて短兵急に田中総理の一声で国会に提出されたものであって、まさに土地問題に対する根本的政策のなさを吐露したものでありまして、とうてい国民の要請にこたえ得るものではありません。
 以上、おもなる反対理由を申し述べまして、私の反対討論といたします。
#63
○村尾重雄君 私は、民社党を代表して、特定市徳化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案に反対の意を表明するものであります。
 本法案は、政府の土地対策の貧困と混迷を象徴するものであります。すなわち、農地の宅地並み課税については、政府は一年前、われわれの強い反対を押し切って、いわゆるA、B、C農地の区分による課税法案を成立させ、本年度から実施することといたしたのであります。
  〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕
しかるに、その実施直前に至り態度を急変し、本年四月、三大都市圏のA、B農地に限り、宅地並み課税を実施することとしたのであります。そして、都市環境の計画的改善、宅地供給促進のはっきりした見通しも持たないまま、いま議題となっているいわゆるあめ法案を申しわけのように提出してきたのであります。
 私は、このような無定見な政府の土地問題に対する態度では、生活環境整備に必要な用地の確保はもとより、安くて良質な宅地の供給など、全く思いもよらないことだと思います。
 昨年後半以来の地価の異常な暴騰も、言うなれば政府の腰のすわらない場当たり的政策の当然の帰結であります。
 本法案は、一部市街化区域内農地の保有者に対し、融資、課税の減額等のいわゆるあめ措置を講じておりますが、これらの対策が、都市大衆の願う住みよく便利な住宅供給の問題の解決になるものではないことは、政府答弁によっても明らかであります。
 以上が反対理由のおもな点でありますが、わが党は、市街化区域内農地は、A、B、C農地にかかわらず、宅地並み課税を推進して税負担の公平を期し、線引き、都市施設の再検討等を含めて、住民サイドに立った健康な都市づくりをはかり、強力な土地政策の実施によって、都市住民の期待にこたえるよう主張してまいりました。政府の善処を強く要望し、反対討論といたします。
  〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕
#64
○河田賢治君 私は、日本共産党を代表して、宅地化促進臨時措置法案に反対の討論を行ないます。
 そのおもな理由は次のとおりであります。
 第一に、この法案は、提出の経過とその内容から明らかなとおり、三大都市圏市街化区域内農地に対する宅地並み課税を前提として、近郊農民の離農を一そう促進させ、宅地造成に誘導させることをねらったいわゆるあめ法案であります。
 だが、本法案の前提となっている宅地並み課税そのものが、法施行後わずか五ヵ月の今日、地方自治体、住民の強い抵抗に直面しているのであります。すなわち、税条例の否決、未成立がいまだ十数団体に及んでいるばかりか、多くの自治体で、生産緑地に対する補助金交付の形をとった、宅地並み課税差額還元方式が決定され、さらに各地に波及する勢いを示しているのであります。
 このことは、政府の意図した近郊農業破壊、農民締め出しのねらいが、地方自治体、住民によって否定され、逆に緑地、空間、都市施設用地等としての近郊農地保全の重要性があらためて確認されたことを示すものであり、無秩序な宅地化の促進をはかる本法案の前提条件が、すぐにくずれつつあると言わねばならないのであります。
 第二に、かりに本法案によって近郊農地の宅地化が急速に促進されるならば、三大都市圏の過密化を一そう激化させ、学校、保育所、幼稚園、公園、下水道など、各種公共施設不足、さらには水、電力、ごみ、屎尿処理問題の解決をますます困難にさせるばかりか、極度の財政難にあえぐ都市近郊人口急増都市に深刻な影響をもたらさずにはおかないのであります。
 このことは、今日ほとんどすべての人口急増都市が、宅地開発指導要綱など、各種の開発規制をますます強め、いま以上の宅地増、人口増をきびしく抑制している点を見れば明らかであります。しかも政府は、これら人口急増都市年来の主張である人口急増都市財政特別措置要求をいまだに実現しないまま、宅地化促進の重圧のみを強要しており、これでは宅地供給促進どころか、自治体の開発拒否を一そう強める結果にしかならないことは明らかであります。
 しかも、本法案による宅地化促進が、新全総総点検中間報告で政府みずからが反省し、警告した、三大都市圏の深刻な各種都市問題を一そう激化させるばかりか、首都の遷都論をはじめとする、人口、産業分散による過密緩和の打解の方向にさえ逆行するものと言わねばなりません。
 第三に、本法案によっては、都市勤労者の住宅難の解決も決して実現し得ないという点であります。
 本法案が目ざす中高層住宅建設は、政府の説明によっても、その家賃は三万数千円あるいは五万円前後で、一般勤労者月収の実に三分の一以上というものであります。また、高い税負担に追い立てられ、譲渡所得の特例に誘導されて農民が手放した土地を入手できるのは、大企業、大手デベロッパーに限られ、勤労者の手に届かない高級マンションの林立となることはまた明白であります。
 以上、本法案に反対する主要な理由を申し述べ、私の反対討論といたします。
 以上です。
#65
○委員長(久次米健太郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#67
○委員長(久次米健太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審議報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任題いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(久次米健太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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