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1972/03/06 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第4号
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1972/03/06 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第4号

#1
第071回国会 内閣委員会 第4号
昭和四十八年三月六日(火曜日)
   午後零時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月一日
  委員水口宏三君は逝去された。
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高田 浩運君
    理 事
                内藤誉三郎君
                山本茂一郎君
                上田  哲君
    委 員
                長屋  茂君
                星野 重次君
                町村 金五君
                柳田桃太郎君
                片岡 勝治君
                鈴木  力君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       坪川 信三君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       総理府人事局長  皆川 迪夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言申し上げます。
 皆さますでに御承知のことと存じますが、去る三月一日、本委員会委員であられました水口宏三君は、心筋梗塞のため逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。
 ここに、つつしんで同君の生前の功績をしのび、各位とともに黙祷をささげ、御冥福をお祈りいたしたいと存じます。
 御起立を願います。
 黙祷。
  〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(高田浩運君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(高田浩運君) 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○鈴木力君 今度の国家公務員の寒冷地手当の改正につきましては、人事院も昭和四十三年以来だいぶ調査をなさっておったようでありますし、また今度の改正案を見ますと、相当それぞれ苦心をされた面もよく理解できるのでありますが、ただ、私自身も寒冷地の居住者なんですけれども、寒冷地にいる国家公務員、職員の側からこの法案をながめてみますと、今度の改正案というよりも、いままでの制度そのものにもずいぶん問題点があると思います。そうした問題点は、やはり本来であれば、この法案改正のときに改正すべきであったと思うのでありますが、改正に至らなかった若干のそういう問題点につきまして御質問を申し上げまして、今後の方針等についての政府の御所見を承りたいと、こう思います。
 まず第一は、今回の改正にあたりましての改正にならなかった分から御質問申し上げますが、そのうちの定率、定額部分の問題であります。これは昭和四十三年に、従来は五級地であれば八五%支給であったものが、定率と定額に分けられました。ところが、定率と定額に分けられましたけれども、定額部分については、本俸はどんどんベースアップになっておるのにこの手当が変わらない。こういう点で職員は相当の不満を持っているし、また不合理な点がたくさん出てきたと、こう思います。
 そこで、まず伺いたいのは、あとで具体的なこまかいことについても御質問申し上げますけれども、どうして今回定額部分の改定をいたさなかったのか。私は改定をすべきであったという立場でお伺いするのでありますけれども、政府側の御見解を承りたいと思います。
#6
○政府委員(尾崎朝夷君) 勧告いたしました人事院といたしまして御説明を申し上げたいと思います。
 今回、寒冷地手当の増額につきまして勧告をいたしまして、御審議をお願いいたしておるわけでございますけれども、昭和四十三年の改正以来、その後の状況をいろいろ検討した結果、今回のような改正案ということにいたしたわけでございます。で、前回の改正にあたりましては、従来非常に定率的な関係が多くて、どちらかというと月給比例と申しますか、月給が高い人に寒冷地手当が非常に高くいくという関係がございまして、それが主要な部分を占めておったということでございますので、それはやはり寒冷地手当の本旨から申しますと、生活給的な手当という性格が強いというふうに考えておりますので、その定率的な中身を、ほぼまん中半分は定率的に残しますとともに、半分は定額的に改めまして、そして、どちらかというと、給与の低い人にも高い人にも同じような給与をやるという生計費的な観点の形に改めたわけでございます。その改め方といたしましては、定率分を定額に改めるということになりますと、どうしても月給の低い人は上がるということになりますが、高い人は下がるという関係になりますので、そこがあまり下がらないようにという経過的な措置を考慮いたしまして、役付職員の平均額というところをとりまして新定額をきめますと、下がる人が比較的に少ないと、そういう関係の経過的な移行からいたしまして、定額化した金額というのは平均よりもやや高目の線できめたという点がございます。したがって、その後における寒冷地手当の構成と申しますのは、残っている定率分と、それから定額化した分と、それから従来からいわばいきさつとして残っております北海道、内地における加算額的なものという三本立てになって、やや複雑でございますけれども、三本立ての形になってまいっておるという状況でございます。
 問題は、やはり一番大きなポイントは、全体として寒冷地手当というものが動かす必要があるかどうか、適切であるかどうかという点が一番大きなポイントでございますけれども、そういう点から申しますと、民間の状況などをいろいろと調べてみておりましても、全体として公務員の寒冷地手当の金額というのは、もうそう低いものではない。民間に比べては決して低いものではない。そういう点で、しかも定率分というのはまだ北海道においては四割ぐらい、四五%も残っておりまして、年々ベースアップがありますとふえていくという関係がございます。年々やはりふえておるわけでございます。そういう点で申しますと、国家公務員の寒冷地手当は全体としては決して低いことはないということで、定額分をそういう意味合いでは増額する必要は現在の段階ではないというふうに判断をいたしたわけでございます。ただ、四十三年以来の燃料価格などを見ますと、これは北海道におきましては相当石炭価格が上がっておるという関係がございますので、そういう点を配慮をいたしまして加算額につきまして若干の改正をいたすとともに、北海道の中におけるいわばアンバランスと申しますか、地域的なアンバランスを直すという点を今回の勧告のポイントにいたしたということでございます。
#7
○鈴木力君 全体の構想はわかったのですが、いま私が伺っておりますのは、そのうちの定額と定率の部分ですね。局長に伺うのですけれども、長官もひとつお聞きおきいただいて、人事管理の立場から御判断をいただきたい。
 いま局長が御答弁をなさいましたけれども、二つの要素がある、この定額部分についてはですね。一つは、基準といいますか、標準といいますか、標準点を一応定めて、やや生活給的な方向に持っていくために高い部分は下がる、それから低い部分は上がる、そういうことを配慮した。これは四十三年の改正のときの考え方だったと思うのですね。だから、そういう考え方からすれば、すでにもう今日までベースアップが何回かあっているわけですから、したがって低い部分、高い部分というのはどこが中心になるのか、だいぶずれてきておるのか、あるいは四十三年の中心が、そこが動かないとすれば定額部分が動いていないと合理的ではない、そういう問題が一つあるでしょう。
 それからもう一つは、いま民間との比較ということをおっしゃった。これは私は人事院は官民比較ということをいままでたてまえにしてきておりますから、一応そうおっしゃることの気持ちはわかる。しかし、昭和四十三年現在に民間と比べて大体対等であったと、昭和四十三年のときにも民間の調査をし、民間を対象として民間との比較も配慮したわけでしょう。そうすると今日になって民間と比べて、公務員のほうは四十三年現在で、民間は今日現在でどっこいどっこいだと、そういうことでないと説明にならないわけですけれども、あとのほうだけまずお答えいただきたいのですが、そうなんですか。
#8
○政府委員(尾崎朝夷君) 民間との関係につきましては、やはり公務員給与と申しますのは、官民均衡という大きな原則を考えておるわけでございますけれども、そういう意味合いで、寒冷地手当につきましても、民間の動向につきまして絶えず私どもとしては調べて注視をしているわけでございますが、民間の寒冷地手当の上がり方というのも毎年若干ずつ上がっているということがございます。しかし、全体といたしまして、四十三年の当時における民間との関係と、今度の現在の段階における民間との関係というのは大まかに言えばそう違ってない。公務員のほうがまあ低いということは言えない状況だというような感じでございます。
#9
○鈴木力君 これは、もしそういう議論をなさるとしますと、私は人事院から資料を出してもらわないと、ちょっとこれは議論にならないんです。それは終戦直後のいまの給与体系の移り変わりを、民間の寒冷地給の移り変わりと公務員の寒冷地給の移り変わりとのその全体の表の比較から議論していかないといけない。しかし、いまそれをつくれと言うと、きょうのおそらく議論には間に合わないから、それはいいとしますが、傾向としますと、寒冷地給に関する限りは、官民比較というけれども官が誘導してきた形になっているんですよ。民間の寒冷地給のほうがあとから追っかけているはずですよ、これは。もし、うそであれば、はっきりしたデータがあればお示しいただきたいんでありますけれども、少なくとも私が今日まで知っている限りは民間のほうが追っかけている。公務員に寒冷地給がついた、民間が団体交渉で寒冷地給をつける、そういう形できているわけですよ。だから、民間側においてはそういう追いかけの形というのはまだ直っていないんです。だからそれをいいことにして、四十三年に民間と一応対照にやってみた、それで今日まで民間もまた上がっていないから――民間上がっていない理由は、正直言うと、公務員のほうの定額と定率に分けた、そして定額部分を今日まで据え置いたところに大きな原因がある。だから、公務員が定額部分を据え置いておいて、民間がそれを追っかけてきたという歴史からそこまでにとまっているという例が非常に多いわけでありますから、そういうことを全般的な傾向として、これでよろしいとしたら、これは私は公務員の立場に立った人事院とすると少し説明がおかしいと思うんです。
 それからもう一つは、民間には、いまもちろん御調査なさっていらっしゃると思いますが、この寒冷地給にかわるものとしてはいろいろな形のものがあるでしょう。寒冷地給という名前の給与のほかに現物支給的ないろんなものもある。あるいは最近は札幌あたりではもう大きな企業の社宅あたりでは暖房器をつけた社宅も出るようになってきておる。そういうような時期に、数字の比較というようなことでは、これはもう人事院の考え方は私は変えるべきだ。少なくとも今日まで官のほうが先導してきたという歴史上からいうと、いま民間に官のほうを追いかけさしていくという考え方はまだ早いのではないか、こういう感じを私はするのであります。きょうはそのデータを持ってきて申し上げているわけじゃありませんから、傾向としてどうも私はそういう感じがいたします。
 だが、それはそれといたしまして、私はさきに局長が説明されたもう一つの部分ですね、要するに昭和四十三年に改定をしたときは、定率と定額と分けたその趣旨は生活給的な寒冷地給にしたがったのだと、四十三年時点においては私はその考え方は正しかったと思うんです。ところが、それがいまになってどういう形になっているのかということを人事院はお調べになったと思うんですが、まず伺いたいのは、おそらく昭和四十三年のときには、五等級の十三号が基準といいますか、標準といいますか、この辺を大体平均値ぐらいに押えておいて、それより上はつとめて圧縮するように、下のほうはそれに追いつけるようにという趣旨だった、そういうふうに記憶をしているんです。それが今度の改定にあたっては中心点にすべきところが変わったのか変わっていないのか、ちょっと伺いたい。
#10
○政府委員(尾崎朝夷君) 先ほど申し上げましたように、四十三年の改正にあたりましては、従来の定率的で月給に比例して支給されている度合いが非常に高かったそういう点をかなり定額化するということで、八五%のうちの四割、約半分を定額化したわけでございますが、その際に、その定率的になっているものを定額化するという場合にはどうしても月給の低い人は上がり、高い人は下がるという関係になりますので、その定額をどこに定めるかという点が問題の一つであったわけでございますが、それをいま御指摘のように五等級十三号俸というところで定めたわけでございますが、これはやはりなるべく上がる者が多く、下がる者が少なくという、いわば経過的なそのときの制度改正を円滑に処理するという関係で、なるべく下がる者を少なくしようという形で五等級十三号俸、役付職員の平均というところで定めるということにいたしたわけでございます。したがって、その時点における制度改正の経過的な措置であるということでございまして、それはベースァップによりまして五等級十三号俸自身はかなりその後上がっておるわけでございますけれども、寒冷地手当の額といたしましては、やはり制度改正の経過的な移行措置ということで、当時のやはり金額そのものは、それはそれでよかったわけであったというふうに私どもは思っておりますし、それをさらにベースアップがありましたときに直していくというのも、まあ直していく必要があるかどうかということは、結局全体として寒冷地手当を直す必要があるかどうかという観点からこれを見ていく。そういう点で申しますと、先ほど申しましたように、全体としてはまだそういう新定額まで上げる必要はないのではないかということで今回は上げなかったということでございます。
#11
○鈴木力君 どうも私の質問が悪いのかどうか、私が伺いたいことがぴたっと御答弁に返ってこないのですが、私は前の改定のとき、四十三年の改定の趣旨がこれが間違いであったということをいま申し上げているわけじゃない。その趣旨に立っていけば今日もその趣旨が生きていなければいけないはずなんです。そうでしょう。経過的措置であったから、あとはどうなれ知らないということじゃなかったでしょう。寒冷地給というのは生活給的な性格を強めていきたいということでああいう改正をしたのですから、そうすると今日も寒冷地給というものは生活給という性格を持っているべきである。その方針に変わりはないわけでしょう。そうすると、その後の四十三年から今日までの給与の移り変わりによって、平均額といいますか、基準といいますか、五等級の十三号をとった、それをいま動かさないと合理的でない事態が出てきているのではないかということを私は聞いている。
 具体的に申し上げますと、五等級十三号の人は四十三年は六万六千百円だったでしょう。これは本給だけで申し上げますよ。それが現在は、四十七年度は九万八千七百円になっている。そうしますと、四十三年の改正前の手当額はおそらく八万三千八百九十五円、これはまあ私といいますか、私どもの試算でやってみた。ところが、定率と定額を分けた結果が現在は七万一千二百十五円です。そうすると、定率と定額を分けたがゆえに一万二千円が下がっているわけですね。それでこれがいいんだということになれば、もう少し下のところを中心にしなければ理屈が合わないわけです。この辺が中心と言って、大体そこの前のところと差が少ないところに持っていくという方針でここを中心にしたのですから。そうでしょう。ところがそういう結果がいま出てきている。そうして低いほうを上げるようにというその御趣旨は、なるほど四十三年のときにはそうだった。四十三年にたとえば七等級の十五号の人を見ますと、四十三年は四万八千三百円でしょう、本給が。そういたしますと、改正以前は寒冷地給が四万一千五十五円だった。しかし、定額と定率と分けたがゆえに四万八千五百三十五円に上がった。これは先ほど局長がおっしゃったのですね。生活給的な趣旨を生かそうとするまさにその考え方が生きておったのです。と思いますよね。ところが、四十七年になったらどうですか。同じ七等級、当時、四十三年に七等級十五号の人は今日は俸給は七万二千七百円になっておる。そして改正以前の寒冷地給、まあ八五%をかけるといたしますと、六万一千七百九十五円であるべきものが五万九千五百十五円になっておる。要するに、四十三年のときのその趣旨が今日はもう逆転してしまっている。そうでしょう。すでにもう逆転をしてしまっているわけですよ。こういう現象が出ても、これを是正する必要がないとおっしゃる人事院の気持ちが私はよくわからぬのですよ。さきの四十三年のような傾向で、ここが逆転をしないで伸びていくというのであればまだ話がわかるのですよ。下のほうも逆転をしておる。そうして、たとえば指定職の甲なんかになりますと、もちろんこれはその趣旨に従って下がっておりますけれども、それでも四十七年現在では、いまの計算でいきますと二十二万円にもうなってしまりている。四十三年のときの趣旨と今日の状態では現実が実際狂ってきた。私はこれを是正すべきではないかということを伺っておったのです。どうですか。
#12
○政府委員(尾崎朝夷君) 御質問の御趣旨は、四十三年に非常に本俸比例的なものを定額化したわけでございますが、もしそれがそういう一部定額化しなければ、つまり定率のままでくればもっと上がっていたはずではないかという御趣旨だと思うのでございます。それはまさにそうでございまして、つまり毎年相当なベースアップが行なわれてまいっておりますので、本俸に比例してたとえば八割なら八割ということでずっとまいりますと、毎年毎年これは相当な額としてプラスしてくる、寒冷地手当はふえてくるという傾向になってくるわけでございます。で、先ほどの御指摘のように、四十三年の定額化したときの五等級十三号俸の金額にいたしましても、当時四十三年、六万六千百円でありましたのが現在約十万円近くになってきておるというように、約四割も五割近くもふえているという状況でございます。そういう意味で、もし定額にしないで定率のままでずっとまいっておれば、もっと金額はふえておったはずじゃないか。そういうお話になるわけでございますけれども、しかしそういう定率にしてまいりますと、結局そういう定率というものの性質によりまして、給与の高い人、本俸の高い人にたくさんいくという形に絶えずなるわけでございます。そういうやり方自身はどうしても手当の本質に合わないという点で定額化するということにいたしたわけでございますが、定額化すれば、それはどうしても、ベースアップがございましても、その分だけふえるというわけにはなかなかまいらなくなるという点はございます。そのかわりに、定額化すれば、まあ月給の高い人につきましても、月給の低い人につきましても、同じ金額がいくということで、非常に生活給的な方向になるというよさを持っているわけでございます。そういう意味で、定額化するか定率化するかということは一長一短の問題がございますけれども、そこで半分定額化し、半分定率として残したというのがこの前の趣旨でございます。
 で、いま御指摘のように、全部定率で残しておれば、それは現在よりも上がってくるはずだろうと思うのですが、やはり定額化したためにそれは上がらなくなったのは、これはやむを得ない。そのかわりに、下のほうの若い人のためには多くをやったんだという制度改正であったわけであります。しかし、その定額化したものにしたって、今後永久に改めない、引き上げないというのかどうかと申しますれば、そうじゃないんでございまして、それはどういうときに引き上げたらいいかという点につきましては、やはり寒冷地手当が、全体としてそういう引き上げるべき必要が生じたかどうかという点から判断してまいる必要があるのではないか、そういう観点から別途見ていく必要があるのではないかということでございます。
#13
○鈴木力君 だからですね、何だか局長は、四十三年の改定は悪かったと私が言っているかのごとくに聞くから、いまのような御答弁になるのであって、まあいいか悪いかは別ですけれども、私は一応あのときの趣旨に立っているのです。趣旨に立ってみますと、当時の五等級十三号というのは平均だ。あのときのスタートは、大体この級はというところでいったのは、この級までは全部の定率のときよりも、定額、定率と分けたときには少し上がったんですね、寒冷地給が。そのときは上がっている。だから、今日の五等級十三号もあるいは少しは上がっているのかもしれませんがね。ところが、その人がわずか四年もたつと一万円からも逆転をしてしまっている。しかもこの九万八千七百円というのは、いまで言ったら、やっぱりやや当時の六万六千一百円くらいの、大体の中心くらいにおってもいいのじゃないか。だから私は、この辺を中心とするならば、上のほうが下がるようにという配慮は私どもも賛成だった、生活給という考え方から。しかし、ここらあたりまでを、ベースアップになれば、前が高くなったから下げるぞという、逆転があまりにも目立つようないき方は、やっぱり是正をすべきじゃないのかということを私が言っているわけですよ。しかも、もっと安いほうも逆転をしているのです。たとえばいま七等級の十五号の人が四十六年で六万六千一百円になっているでしょう。このときにもうやや逆転に近くなっているというか、同じくらいのところにいってしまっているわけですからね。しかも物価はどんどん上がっておって、あとで加算額のほうにまいりますけれども、ベースアップというのは生活と関係なしにベースアップというのはないはずだ。全体がこう上がっている中で、寒冷地給だけを逆転をさしていくというのは、その時期がきたらやっぱり是正をすべきだ、これは私はその考え方には変わらない。
 時間がありませんから、一応四十三年の原点にもう一ぺん戻ってみて、そうして著しく逆転をするようなことになれば、それ、いまのささやきわかるのです、私は。要するに、五等級十三号の六万六千一百円にすれば、今日も逆転をしていない、同じ立場だと、こうおっしゃりたいだろうと思うが、それはそのとおりなんです、数字は動かないから。ところがベースアップを、いままでこうなってきたという生活状況が変わるのですから、そこのところは物価が上がる、何が上がるということで上げてくるわけでしょう。そうすると、やっぱり逆転現象というものが出てくるわけですよ。そういう形で検討をすべきである。これはまあ私は時間がありませんから、もうこれ以上申し上げませんけれども、もう一度くどく申し上げれば、四十三年の改正の時点にもう一度考え方を戻してみて、そうして数字をこう浮かべて検討してみてもらいたいということです。
 その次にお伺いいたしたいのは、この加算額のほうなんですけれども、今回は北海道の甲地と乙地が改定をされた。丙地はまあ残ったと、そういうことになりますが、私どもちらっと見ただけでは、この加算額を改定をした根拠というのはどうもはっきりわからぬですがね、どういう形でというか、どういう根拠で加算額を今度上げたんですか。差額はどこから出てきているんですか、お伺いいたしたい。
#14
○政府委員(尾崎朝夷君) 北海道加算額につきましては、従前いわゆる石炭手当という関係の名称が使われておったわけでございますが、そういう関係のものが、いわば従前のいきさつを背負いまして、変形をしていまの加算額的なものにあがってきておるといういきさつがございます。これにつきましては、従前のやり方というのは、やはり燃料価格が上がりますと上げるという方向で調査をいたしまして、燃料価格、特に石炭価格を調査をいたしまして、まあ適否を検討してくるということで、四十三年のときもこういうふうに行なったわけでございます。そういう関係で、今回もそういう従来のやり方というものをまあ踏襲をいたしまして、その後における燃料価格がどうであったかという点を調査をいたしてみますと、四十三年から最近まで約三割近い石炭価格が上がっておるという関係がございます。
 ただ、最近では石炭から灯油への、消費状況がたいへんこう変動してきておりますので、石炭だけで処理をする、使っているものとして考えて処理をするというわけには、実態に合わなくなるという点がございますので、やはり石油につきましても、この際燃料の対象として石炭及び石油を加えまして、両方の消費実態からいいまして、そうして石油のほうの上がり方もここで考えるということで、石油のほうはあまり動いておりませんので、その両方を平均いたしますと約一五%上げる必要があると、北海道全般につきまして約一五%上げる必要があるという考え方になってまいったわけでございますが、ただ、それをそのまま至急上げるということにいたしますと、北海道内における各地域間の支給額の均衡という点につきまして、従来からいろいろ検討してまいったのでございますけれども、やはり現在のまあ函館地方の道南、札幌付近の道央、それから道東、道北という三つの段階の支給額の関係を見ますと、非常にくっついておりまして、従来からこれはたいへん北海道内は格差が非常に少なかったという点がございます。もともと格差が全然ないところからスタートしておりますので、あんまり現在も差がついてないという点がございますが、そういう関係を寒冷という点から見ますと、やはりもう少し差をつける必要があるというふうに判断されますので、その傾斜につきましては、従来の傾斜をやはり寒冷度の傾斜に改めるということで、全体としては一五%を上げますけれども、寒冷度の傾斜に現在の支給額を改めるという、合理化するという面も加えまして、支給額を今回改定するということにいたしたわけでございます。
#15
○鈴木力君 私が伺いたいのは、その方式は大体わかったわけですが、石炭が二七・八%上がったと。同時に灯油が小売り価格が六・四%値下がりした。そういうところから一五%ですか、割り出していった。その経過はわかるのです。それで人事院が調査のときに、暖房の燃料が切りかわった場合ですね、切りかわった場合の全体の消費量がどう変わっていくかという調査をなさいましたか。
#16
○政府委員(尾崎朝夷君) 石炭から石油にかわっていく面が非常に見られるわけでございますけれども、それはいろいろな実際の消費量、販売量面からも見られますし、逆に設備のほうからも見られるわけでございますが、一体、石炭を使っておった人が石油を使うということになった場合に、その経費という関係はどうなるのだろうかという点が一つの問題点でございます。そのために、石油を使ったほうがよけい金がかかるということではないかといったような面がございますが、私どもとしまして、そういう点を非常に注意をして検討をしてみたわけでございますが、石炭と石油につきましては、有効な発熱量、千キロカロリー当たりにつきましてどの程度の値段になっているかということを見ますと、灯油の場合には二円六十銭、石炭の場合には二円八十銭ということで、その両者につきましてはほとんど、特にかわったからといって、それによって経費がよけいかかるということはないというふうに考えられまして、そういうことをいろいろ聞いてみましても、そういう感じでございますので、いわば石炭から石油に移りましても、特に経費がふえるということはなく、大体同じようなかっこうに転換していくんだというふうに考えたわけでございます。
#17
○鈴木力君 まあ、これはふえるかふえないかは、その個人にもよりましょうから一がいには論じられないと思うけれども、いまの局長のおっしゃった、大体同じような傾向になるんだと、こういう前提に立ってものを見ますと、石油が六・何%下がったから、その部分を下げておいて、石炭の値上がり部分との調整して一五%に持っていったというこの計算の度合いは、ちょっと私は納得できないんですね。同じような方向にいったということになれば。だから私は、消費量というものを考えてみると、石油の値下がりがあったにもかかわらず、石炭と石油と比較した場合に六・四%下がることにならないわけです。そうすると、このいまの計算をして下げていったというのに、寒冷度を持っていったということになると、どっちがどっちだかさっぱりわけがわからないようになってしまうんでして、寒冷度というのは昔からそんなに変わっていないわけです。それに、いまさらそこを持っていって下げるという、まあ下げたわけじゃない、上げないわけですけれども、そういう点の調査ということは私はもう少しこれは進めるべきであると思うのですね。
 それは私は、もう一つほんとうは御質問申し上げたかったのは、いまの北海道の場合の石炭との比較はまあいい――いいというわけにいかぬ、その辺には疑問がありますがですね。今度は、北海道以外の地域では、この燃料の使い方は薪炭から石炭にいって、石油にかわっているわけですね、大部分は。それから薪炭から石炭を通らずに石油にいっているという二つのコースがあるわけです。その二つのコースについては何かお調べになったんですか。
#18
○政府委員(尾崎朝夷君) 内地につきましては、従来いわゆる北海道の石炭手当的なものに対しまして薪炭手当的なものが出されておりまして、私どもは内地加算額というふうに申しておるわけでございますが、これは五級地、四級地に出ておるわけでございます。この昔からのいわゆる薪炭手当的なものというもので従来からやってきておるわけでございますけれども、東北地方で最近暖房用燃科として薪炭はほとんど使っておりませんで、たとえば統計局の家計調査によりましても、光熱費の総額の中で薪炭の割合というのが二%といったような状況でございます。そういう意味で、現在薪炭そのものは暖房用ではもう使ってないといってもいいぐらいでございまして、確かに薪炭そのものはほかの用途のために値上がりしているという面がございますけれども、そういう点が特に使ってないというふうに見られまして、したがって、薪炭からほかの電気、ガスあるいは灯油その他を使う、あるいは石炭、そういうものに――。大体灯油が東北地方の場合には、現在の段階では二割ぐらい、それから電気が四五%、ガスが二三%という、家計調査ではそういうふうに出ておるわけでございますけれども、そういう関係から申しますと、そういうものの値段から見まして、こちらのほうは特に改正する必要はないのではないかというふうに考えたのでございます。
#19
○鈴木力君 そこまではわかるが、改正する必要がないと思うというところに、これからつながるところがよくわからぬのですよ。現在の薪炭の価格と、それからいまの灯油、電気、ガス、これの価格と直接比較するということは、いま局長がおっしゃったように、もうほとんど薪炭が暖房燃料になっていない現実ですから、それはちょっと無理だと思いますね。ただ、私がさっきお伺いしたのは、二つの型があるわけですね、かわってくるき方に。当時は――当時はというのは、だいぶ前はほとんど全部まきだった、薪炭だった。したがって、例の薪炭手当のときには、おそらくまき十たなというのが五級地の基準だったと思うのですけれども、それが全然なくなった行き方に、いま灯油二〇%、電気四五%ですか、それからガスが二三%、こういう形で暖房費が変わってきますと、当時のまきの値段を基準にしてきた一万一千円という五級地の世帯主ですね、一万一千円でこの灯油、電気、ガスに変わってきた。それで上げなくてもいいという、そういう調査は、そういう数字が出てくるんですか。
#20
○政府委員(尾崎朝夷君) これは結局東北地方におきまして寒冷地手当が支給されております実態につきまして、やはり総体として民間の関係と均衡をとってみた場合にどうであるかという、定額分を引き上げる必要があるかどうか、新定額も同じでございますけれども、そういう両方の見地で検討しますと、その点は東北地方におきまして、民間の寒冷地手当の額と対応してみますと、特に引き上げる必要はないのではないかというふうに判断したのでございます。
#21
○鈴木力君 また民間に戻りますと話がややこしくなる。さっき私が言ったように、民間というのは、特に東北なんかはなおそうですよ。公務員を追っかけて、民間が半分でもいいから、三分の二ぐらいでもというのがいまの現状なんですから、それと比べて公務員が心配ないというような御答弁は人事院らしくないですよ。そうじゃなくて、私が聞いておるのは、東北は薪炭からいま燃料と暖房、生活形式が変わってきた、こういうことでしょう。だから、もう少し言うならば、函館と青森というのはどんなに違うのか、ほとんどもう形が接近してきているわけですよ。そうすると、函館のほうは北海道の丙地で二万五千六百円ですか、それから青森のほうは一万一千円。だからこういう生活形態の変わりと、それからもう一つは暖房の量というものを見てきますと、東北のほうはかまわないでもよろしいのだということになると、函館と比べてかまわないでもいいのだという理屈がだんだん通らなくなってくるわけです。そういう面の検討は私は今度しなかったのではないかと思うけれども、しなかったのはきわめて残念だと思うのですね。特に私は東北の住民ですから、きのうまでガスと石油と電気を使ってきたほうの側なんですが、どうも人事院の数字と私が岩手県で暮らしておって使ってみた数字とはどうしても合わないのです。平均的にそういう形に東北といえども、青森県人といえども、秋田県人といえども、設備が改善されて、もうそういう形になってきておる。特に石油の消費量というのは非常に大きくなってきておる。灯油の値段が何%下がったからということではなくて、量がふえているところからの生活費というのが非常に多くなってきておる。こういう点の検討をしないと、私はやはり地域的な不均衡ということが解消されないのではないかと、こう思うのです。時間があまりありませんが、いずれこれは、今日のこの法案には間に合わないにしても、十分にひとつ御検討をいただきたいと、こう思うのです。
 少し進みますけれども、もう一つだけ。ちょうど総裁がおいでになりましたから、総裁に伺いますが、実は寒冷地給で総裁に、一番先に申し上げたのですけれども、だいぶ苦心をされた節も見えるということで、一応そういう点は評価できると思いますけれども、しかし、われわれのほうでどうしても納得できない点がある若干についていま御質問しておるわけですが、ちょうどいま総裁がお見えになりましたので、これは総裁から直接伺ったほうがいいと思いますのは、一般職の公務員が寒冷地給に非常に不満なのは、時間がありませんから一つ一つ申し上げませんが、公労協の寒冷地給と、国鉄なり全逓なりあるいは林野庁の職員なり、要するに通称公労協に所属している職員と公務員との間に非常に差異がある。これはやはり一般職の公務員で寒冷地に勤務している者は非常に不満が大きい。ところが、伝え聞くところによりますと、衆議院でこの点の質問がありました場合に、総裁は、公労協は他人様のことだという御答弁があったということを伝え聞いたのであります。そういうことが公務員の中に広がると、ますますどうも不満が多くなってくるのではないか、こう思うのですが、ひとつ真意を伺いたいと思います。
#22
○政府委員(佐藤達夫君) それらしいことをいつも実は申し上げておるので、鈴木委員もおそらくもう御理解いただいておると思いますけれども、私の申し上げるのは公式論を申し上げておるわけじゃないんで、これは法律をごらんいただけばおわかりのように、公労協関係のほうこそ一般職の国家公務員のほうを参考にしてきめるべきだという条文もあるくらいのことなので、われわれのほうは公労協を手本にするわけにはまいりませんと、その公式論をいろいろな場面で申し上げておるわけなんであります。今回のおそらく衆議院における発言もそういう気持ちで申し上げたことだと思いますけれども、それはそれとして、公式論は公式論として、しかしあちらさんは非常にいいらしいと、どういうわけでよくなっておるかなということを考えるのもまたわれわれの情のいたすところでございますから、そのぐらいのことは当然考えてやっておるわけでございます。それについてはおそらく給与局長から御説明があったと思いますけれども、非常に感情的に、気持ちとして申し上げますれば、たとえば北海道の非常に寒いところにいる人、あれを公労協の人たちの比べて、どうもこっちがあまりに額が低過ぎやしないかというような気持ちを持つこともこれは事実なんで、そういう気持ちもまたあずかって、今度のような北海道の加給のほうの調整ということもあずかってと言うと、それがおもな原因にはなりませんけれども、そういう気持ちもあってやったことです。非常に正直に申し上げればそういうことでございます。
#23
○鈴木力君 どうも時間がなくなってしまったんで、一つ一つは申し上げませんが、私はまとめて申し上げますと、いままで総裁がお見えにならなかったけれども、局長といろんなやりとりをしてまいりました。たとえば定率、定額制にいたしましても、金額についてはどうも私には相当、考え方は賛成だけれども、その考え方に立つと数字の是正をすべき面があるというふうに、その点はいま局長にも申し上げたところなんですけれども、そういう点をずっと検討してまいりますと、制度上ば公労協ば公労協でとおっしゃるけれども、それはそのとおり。しかし、実際は公労協は公労協なりに団体交渉を積み上げながら仲裁裁定までもっていって、あちらはあちらなりに検討しているわけです。そうすると、やっぱりいま私が指摘申し上げたような、たとえば東北地方の薪炭手当についても私がさっき申し上げたような事情があるのです。そういう点をもう一ぺん検討し直すというような、そういう態度こそが私は人事院にやっぱり望まれる。そうして、あちらは制度上別だからということにしないで、それならば公労協は理論的にはここまでがほんとうで、これ以上はあるいは同情の金額かもしれないぐらいのところまでの検討が私はされてしかるできではないか。こういうふうに思うんですが、これもできればそうしていただきたいという御要望にとどめておきますれども、もう一つだけ、そういうことで、どうも寒冷地給の議論をしてみて、非常にあいまいなところにもっていって、受けるほうも何かすっきりしないようなところにいっているのに寒冷増高費ということばがある。これがくせ者じゃないかというふうに、どうも私はいろいろ考えてみてそう思うんですが、そしてこれいろいろ議論してみても、寒冷度というのはわかるにしても、寒冷増高費が値上がりができなかったからどうこうというようなことで説明をされているが、この辺がどうもはっきりしないわけです。
 そこで、ことばの意味はわかるのですけれども、これは局長さんに伺いたいのですが、寒冷増高費というのは一体何なんですか、費目からいえば何がこれに入っているのか伺いたい。
#24
○政府委員(尾崎朝夷君) 寒冷増高費と通称いたしておりますけれども、要するに冬季におきまして、寒冷積雪地におきまして、それによって特に暖地に対しましてよけい生計費が増高するという面があるわけでございますけれども、そういう同じような生活をいたしました場合に、あたたかいところに対して寒いところではやはりそれだけの生計費がかさむという面から、そのかさんだ分をとらえるということでございますが、その場合の中身としましては、まずやはり暖房関係のものがございます。それからそれ以外にも暖房設備なんかもございますが、それから防寒用の衣服とか、その他若干食品のロス等いろいろこまかい問題がございますけれども、そういう関係を理論的にいろいろ検討したものも、従来研究されたものがございますけれども、私どもとしましては、やはりこれは実態面からいいますと、暖地における生計費とそれから寒冷地における生計費との差、格差という点の動向をひとつ注目をしているわけでございます。さらに一面におきましては、そういうさっき申しましたようなものにつきまして、一応寒冷増高費目というものについての値段の上がりぐあい、価格動向というものを指標的にとらえまして、その中で特に一番問題になりますのは、やはり燃料価格の動向でございますから、そういうものに一番注目をしている、そういうことでございます。
#25
○鈴木力君 その寒冷増高費目をとって調査をされたが、燃料価格はわかった。それから衣服、食品ロス、これだけわかったのですが、あとはないのですか、その費目のうちに。
#26
○政府委員(尾崎朝夷君) 家具什器といたしますと、申すまでもございませんけれども、暖房器具がございます。それ以外にたとえば食品類、脂肪性の食品類あるいは酒類等におきまして格差があるかどうかという点の注目はいたしておりますけれども、あまりはっきりしたものは出ておりません。
#27
○鈴木力君 これは将来の寒冷地給を今後検討される上に私は非常に大事なものだと思いますから、もう少しやはり詳細な一つの費目というものをきめていただいて、そうしてこれを御調査いただいたほうがいいのではないか。こう思いますが、いま局長からおっしゃったものはそのとおりだと思いますけれども、まだまだやはり寒冷地に生活をする職員とすると、こんなものじゃないと思うんですよ。私も実はきちっとしたものを文書に並べたわけじゃありませんけれども、いま伺ってみても、たとえば建築費から違ってくるでしょう。寒冷地の建築とそれから暖地の建築というのは建築様式が違わなければいけないわけです。そういう問題があるわけです。建築費ということになると、一生に一ぺんしか建てないとすれば、寒冷地給とのかかわり合いはどうかということになるだろうけれども、修理費は毎年やらなければいけない。雪によっていたむものの修理費はどうなるかということになりますから、住居費というものもある。あるいは最近は特に傾向が多くなりましたけれども、積雪によっての交通がとだえたあとの交通費というものがばく大になる。総裁がいつもおっしゃる、公務員も車の時代になったとおっしゃる。その公務員の車のタイヤからみんな違ってくる。そういうやつを人事院で整備してみたらどうでしょう。これはいま私が申し上げたのも思いつきなんですけれども、これを整備したもので調査をもっと進めていただいて、そうして先ほど私が申し上げたようないろいろな点を検討していただいて、この寒冷地給についてなおさらに合理的なものに前進をさしていただきたい。これが私の申し上げたかった結論なんですけれども、そういう点をひとつ御配慮いただきたいと思います。
 最後に、総務長官にひとつお伺いをいたしますが、この寒冷地給が支給になっておりまして、いろいろ寒冷地に勤務する職員はこれによってある程度助かっておる。ところが、どうしても私どもわからないのは、支給基準日をきめておるわけです。支給基準日後の異動についてはそれぞれの手当てがしてあるわけです。ところが、御存じのように寒冷地給はそのときの世帯の構成状況によって、給与が違うわけでありますから、基準日を過ぎたあとに世帯形成が変わりますとそこらには何も恩典がないわけです。たとえば基準日を過ぎたあとに結婚をして、部屋住みであった男性と女性が結婚をして一人が世帯主になるわけです。その世帯主になっても、その人には何ら世帯主の給与は追給はない。どう見てもこれは不合理だと思いますけれども、この点について法律提案者としての長官の御見解を承りたいと思います。
#28
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから鈴木委員の適切な、また非常に御検討になっておる御意見等十分傾聴もいたしておったわけでございます。ただいま最後に御質問に相なりました寒冷地のところでおつとめの公務員の方々の生活のいわゆる様式といいますか、幕らしの波が結婚その他によって変わられ、あるいはそうした異動、あるいはそうした時期的な変わりというようないろいろの問題点があるが、これに対しての考え方、あるいは今後の方針等についてお伺いをされたわけでございますが、私といたしましては、あくまでもやはり第三者機関であるところの人事院の公正な、適切な勧告を受けた場合には、これを尊重いたしまして、それを実施してまいりたい、こういうような方針は何ら変わっておりません。そうした意味において、人事院の非常に適切な調査によって生ずる御意見をば私のほうにおいていただき、それをそんたくしてまいる方針であることを表明申し上げておきたいと思います。
#29
○鈴木力君 私が長官に特にお伺いしたいのは、確かに人事院の勧告を尊重しておやりくださる、これはけっこうですよ。ただ、いまの基準日から過ぎた新任、新採用の職員とか、あるいは結婚した職員の支給区分が変わってくる。これはやっぱり人事管理の責任者としての長官がですね、法律の提案の責任者としての長官ですよ、こんな点は勧告を受けなくても、人事管理上これはおかしいということを言われてけっこうだと思うんです。もちろん人事院はそれぞれの勤務条件等も調査されているからでありますけれども、これまでも人事院から勧告なければいけないんですか。
#30
○国務大臣(坪川信三君) この問題につきましては、衆議院においても行なわれ、また、ただいま鈴木先生からもお話があったわけでございます。家庭の構成その他についての変動が生じた場合、時期的な変動の場合というような、これなども私といたしましては、やはり人事院の答申をあくまで受けて、これを誠意をもって実行に移したいと、こういう考えであるということだけは御理解願いたいと思います。
#31
○鈴木力君 私が伺っているのは、価格の変動があったり、級地の変動とか、そういうことを言っているんじゃないんですよ。いまのこの法律に、勧告されたとおりの法律が実施をされても、あなたの提案した、あなたのところで所管している法律によると、いいですか、八月一日が基準日だ。八月二日に新採用になった人には寒冷地給は支払われないんでしょう。それであたりまえだかということを聞いているわけです。それからひとり者――ひとり者というのはことばはよくないですけれども、独身者でおった者が八月のかりに十日に結婚をしたと、世帯主になったけれども、八月一日以後に結婚したがゆえに世帯主の給与がもらえない。これは不合理なのではないかということです。それは総務長官は勧告を受けて法律をつくって提案している責任者でしょう。おそらく前の法案に欠陥があるんじゃないかと、これは見落としじゃないかとさえ私は思うのですけれども、まあ人事院の勧告を受けてとがんばるから、人事院側からの御見解を伺ってもいいんですけれども、これは直すべきだと思いますが、どうですか。
#32
○政府委員(佐藤達夫君) これは衆議院でもお答えをしてきておりますけれども、御承知のように、それらのお話と、それからもう一つ転勤者の問題等がわれわれの長い間の宿題であったわけです。転勤者の問題はおかげさまでそれだけ一足先に解決させていただいて、あと残る問題はおっしゃるとおりの問題、これは何とかしたいという気持ちを持っていることは申すまでもないことであって、おそらく総務長官も心の中ではそう思っていらっしゃるに違いないと思うんですけれども、われわれとしてはそれを十分検討して何とか解決をしたいという心組みでおるわけです。ただし、これについては、もう一つの根本的な方法としては、なぜ八月何日かに一括して払わなければならないものか。これを月割りで払えば、払うことにすれば、そういう問題は根本から解消するではないか。ことに、最近では石油の消費量などもだいぶ多くなってきております。そういう基本問題はありますけれども、これはこれでまたいろいろいやがる向きもおありになるかとも思いますですが、それらの点も勘案しながら、まあ不合理なところは勇気を出して、たとえば一つずつでもいいからやっていこうじゃないかということをわれわれとしては申し合わせておるわけでございます。
#33
○国務大臣(坪川信三君) いま人事院総裁もお述べになりましたとおりでございまして、基準日後の家庭等の変更、そういうような調整等につきましては、衆議院においても十分御意見もあり、また衆議院の決議の上においても検討すべきであるという何もございます。いま人事院のほうにおいてもそれを受けられて検討する、私もそれを検討申し上げて――人事院の勧告、あるいは御検討いただいた後においての検討を加えて、法的な改正とかいろいろの手続を取りたいということはさっき申し上げましたとおりでございます。
#34
○鈴木力君 もう一言だけ申し上げます。
 どうもいまの支給日と、まあそれは支給日を月割りにすれば問題がないと言うけれども、それにしたって法律を直さないと新任にはいかないわけです。また基準日、私はさっき八月一日と言いましたけれども、八月三十一日の誤りでしたが、それはやっぱりそれなりに八月三十一日を基準日とした一つの理由がありますから、暖房費が石油にかわっただけで変えるというのは、私はそう簡単にやるべきではないと思いますけれども、それはそれとして、いまの新任職員とか、あるいは結婚した者、そういう者については、私はそんなに検討しなくてもわかり切っていることだと思う、これは直ちにでもほんとうは善処すべきだと思います。
 これで終わりますけれども、最後に御要望申し上げますが、いまいろいろな点でもずいぶん要望要望で繰り返しましたけれども、もう一つ今度級地の改定も勧告があり、決定をされたわけでありますが、これについても何となしに人事院はもうこれで終わりと言ったとか、そういう空気が見えるとかということで、公務員感情もだいぶ不安な気持ちもあるようであります。いましかし調査をされて勧告をされたばかりでありますから、どこが不合理だと、不合理がないはずだと思っていらっしゃるに違いありませんが、しかし私どもが見ますと、やっぱりまだまだ検討の余地があるように見えてなりません。これはもう御答弁いただかなくてけっこうですけれども、もう再検討といいますか、その上にもなおさらに検討されまして、できるだけ不合理がないようなものになお改善をされていっていただくように御要望申し上げたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
#35
○宮崎正義君 私は、最初に、この国家公務員の寒冷地手当に関する法律、この法律そのものにつきましてお伺いするわけですが、御存じのように、これは議員立法によって制定されてきたということでございますが、先ほど来からのやりとりで論議されている面も、この法律全体の中に明確化されているものが非常に少ないというふうに思えるわけであります。先ほどのお話の中にも、生活給面的な問題、あるいは寒冷増高というものは何かというようないろんな話し合いがなされておりますが、この第一条におきましても、この法案の立法精神というものはどこにあるのか、何を精神としているのか、また語句についても明確化されてないというふうに私は思うわけです。まず私は総務長官にこの点をお伺いしてみたい。
#36
○国務大臣(坪川信三君) 寒冷地手当の立法のやはり目的というものは、積雪寒冷地帯におつとめになっておられます公務員の方々の生活に、燃料その他非常にこうした気候上の大きな異常、激変地におられる公務員の方々の生活費的な手当を差し上げ、またこれに対応して価格的な支給を申し上げるということが本法の私は主要な目的であると、こう考えております。
#37
○宮崎正義君 私ば、先ほど鈴木委員とのやりとりを聞いておりましても、この増高費というものについては、おもに衣服だとか燃料とか器具とかそういうようなお話等が出ておりました。確かに生活給的な手当だといま長官はおっしゃいますけれども、この立法の性格といいますか、立法精神といいますか、このものがこうであるということと、それともう一つ、語句に対する定義づけといいますか、そういうものが明確化されてないために、これは一通り見ますと、この趣旨説明、法律案の提案理由なんかも、ちょっと燃料費みたいなものが主体というようにとられるわけですが、そのようにも書いてありますし、非常にこういう点がぼけてるんじゃないか。そこから考えていきませんと、先ほどの増高費はどうだとか、あるいは生活給的なものだとか、そんなような論議がかもされてきてんじゃないかと、こういうように思うわけですが、その点を私は伺っておるわけでございます。
#38
○国務大臣(坪川信三君) 確かに、その目的の上において、全くばく然といいますか、抽象的なることばの表現によってなされておることは御指摘のとおりだと私は思います。ただ、しかし、その目標とするものは、あくまでも寒冷地帯のまことに環境が違った異常なところにおつとめの公務員の生活の安定をはかる。その生活の不安定なのは何であるかと言いますならば、防寒、あるいはそれからくるところのあらゆる施設、あるいは家庭等に及ぼすところの増高によって生ずる生活費にやはり手当を差し上げるという解釈で、まあすなおといいますか、ありのままの実態をそんたくしてお手当を差し上げるという解釈でいいんじゃないかと、こう考えております。しかし、御指摘になった点は全く私も同感でございます。
#39
○宮崎正義君 寒冷地手当の支給規則というものがせっかくこまかくできているわけですから、こういう面の中でもやはり明確化していくほうが私はいいんじゃないかと思う。そうしますと、いまの時点では、言い伝え言い伝え、議員立法だった、議員立法だったんだということで、語句においても明確化されていかないと、またその立法の精神というものははっきり明確化さしてきておりますと、いつの時代になっても、とにかくこの法の上ではこういう精神で、このように明確化されてんだというふうにしたほうがいいと、そういう考えのもとに申し上げておるわけですから、この点ひとつお考えを願いたいと思います。
 次に、私は、鈴木委員の質問となるべく重複をしないようにお伺いいたしますが、本法の予算はどのようになってるでしょうか。これは局長のほうからひとつ御答弁を願います。
#40
○政府委員(皆川迪夫君) 四十七年度分につきましては、予算が計上してございませんので既定経費でまかないたいと、かように思っております。四十八年度分につきましては、来年度の予算に計上いたしております金額は一応一億四千万円であります。
#41
○宮崎正義君 この経費の内容はどんなふうにお考えになっていますか、一億四千万の内容ですね。
#42
○政府委員(皆川迪夫君) 内容とおっしゃいます御趣旨がよくわかりませんが、寒冷地……。
#43
○宮崎正義君 一般の経費だとか、いろいろなものがあるでしょう。
#44
○政府委員(皆川迪夫君) 寒冷地手当として計上してあるわけでございます、四十八年度におきましては。
#45
○宮崎正義君 私の問い方が悪いのかもわかりませんけれども、寒冷地手当一切を含めた全支給額なんですね。これは事務経費とかなんとかかんとかというのでなくて、支給額のみですね。
#46
○政府委員(皆川迪夫君) さようでございます。
#47
○宮崎正義君 私、総務長官にお伺いしたいのですが、こういう寒冷地手当とかあるいは調整手当、暫定手当ですね、これに対する考え方をお伺いしたいのです。これは税金なんかば、課税をされるのかされないのか、課税させていいものなのか、課税を免除してやるべきなのか。こういう考え方をひとつ大蔵大臣のかわりじゃなくて総務長官として、総務――全体でございますので、そういうお立場の上でひとつお聞かせ願いたいと思います。
#48
○国務大臣(坪川信三君) この寒冷地手当に対する課税あるいは非課税という問題課税は不合理ではないかというような、非課税にすべきでないかというようなものを含めてのお尋ねでございますが、これはやはり非常に重要な国家全体の税制の問題にかかわる問題でもございますので、私からいま直ちに専管事項でない私がこれに対する所信を申し上げる――気持ちだけ、あるいは心情だけ申せという仰せではございますけれども、やはり責任的な立場から考えると、いま直ちにそれらに対する問題の私の表明は御遠慮申し上げておきたいと思います。
#49
○宮崎正義君 それはたいへんむずかしいことだと思います。しかし私は、これらもやはり立法精神の中に入っていかなければならないのじゃないかと思います。いずれにしましても、所管でございませんからとやかくは申し上げませんけれども、先日でしたか、橋本自民党幹事長と愛知蔵相とが、自民党の税制調査会長に、四十九年度から大幅なサラリーマンの減税を実現される新構想を示した。これ御承知でございますか。この内容をちょっとお聞かせ願いたい。
#50
○国務大臣(坪川信三君) 私、新聞で拝見いたした程度で、中身まで十分検討はしていないわけでございますので、お許し願いたいと思います。
#51
○宮崎正義君 なぜ、私こういうことを申し上げますかと言いますと、納税人口が毎年減税だ減税だといいながらでも三千万人をずっとこえてきているわけです。過去十年で二倍以上増加しているという現況から考えて、私も新聞で見ただけでございますから内容はよくわかりませんけれども、一律に三〇%程度の必要経費を認めてそれを控除していく、それから配偶者控除あるいは扶養控除を加算する方式を採用して、サラリーマン減税に伴う税収減について法人税等を引き上げて考えていこうというような内容が出ておったようでありますが、いずれにしましても、せっかくの手当を出してあげても累進課税で税を引かれていけば何にもならない。そこで私、先ほど一億四千万と局長が言われましたけれども、この一億四千万というものは税を引かれていない額なのかということが私の聞きたいところの問題点であったわけです。ですから、そっくりそのままいくのならいいわけですが、調整手当にしましてもあるいは寒冷手当にいたしましても、俗にいう暫定手当等にしましても累進課税で全部引かれていくわけです。だからこういうふうなことを、何がためにじゃ手当というものを出そうというのか、その手当を出した精神というものから考えていけば、それなら手当に対する税金は取らぬと、このように私は総務長官は大蔵大臣にびしびし言うべきじゃないか、こう思うわけです。それが何よりも四十九年度に大幅なサラリーマンの減税に対する一つの行き方にもなるんじゃないか、こう思うわけなんですが、その点どうなんでしょう。
#52
○国務大臣(坪川信三君) 公務員の、ことに寒冷地におつとめの方々に対する手当に対する非課税の問題、宮崎委員の御心情もよくわかります。私もかくあってほしいなという願望といいますか、心境は同じな気持ちという立場でおるわけでございますけれども、しかしやっぱり一つの国家的な減税方針、あるいはこれらに対するところの国家的な立場から考えなきゃならぬということも御理解いただけるんじゃないかと私は考えるのであります。そうした意味において、専管事項でない私がかくすべきであり、かくありたいということをここで申し上げることは慎みたいと、こう思っておりますので、御心情は十分御理解申し上げておるような次第であります。
#53
○宮崎正義君 これ以上申し上げてもしようがありませんけれども、事業主にサラリーマン並みの給与所得控除が認められることになった。サラリーマンは何でもかんでもすぐ徹底的に給与から面と向かって引かれていく。個々に営業をやっている企業あるいは店舗の人たちというものは、ある程度の控除というものは、いろんな経費とかいうもので差っ引かれていきますけれども、サラリーマンはそういうものないんです。いま私の申し上げたことを長官は了とされましたので、どうか閣議なんかのときにこのことをぜひ取り上げて主張していただきたいということ、公務員の方々に対する諸手当の件については課税をしないと、こんなふうに思うというように御発言を私は願いたいと思います。どんなにか公務員の方々がこのことを喜ばれるか、私は目に見えるようです。
 それから、もう一つお伺いいたしますが、寒冷地手当が調整手当とこれは同様に勤務地主義をとっているように思えてならないのです。これは居住しておる地域に考え方を取り入れたらどうなのかという点なんです。この点どうなんでしょう。
#54
○国務大臣(坪川信三君) 前段の問題でございますが、公務員の給与あるいは公務員の諸手当、これらに対しましては国民も非常に重大な関心を持っておる非常に重要な問題でもございますので、先ほど申しましたごとき気持ちをもって私は今後取り扱いたいと思っておりますけれども、そうした国民的な立場に立ってこれもやはり考えなければならぬということも御理解を願いたいと、こう考えております。後段のほうは皆川人事局長をして答弁させます。
#55
○政府委員(皆川迪夫君) 寒冷地手当だけではございませんが、そのほかにも調整手当とかいろいろなものがございますが、勤務地域に着目をして支給します手当については、職場内の権衡とか、あるいは一体居住地というのはどういうことになっているのか、認定上の困難の問題とかいろいろございまして、確かにお話の御趣旨がわからないわけじゃございませんが、現在勤務地によりまして支給をするというたてまえをとっておるわけでございます。これを早急に改めるということもなかなかむずかしい問題があろうかと思います。
#56
○宮崎正義君 それを考えませんと、いつまでたっても実施ができないということで、調整手当のことについても、千葉に勤務する人、それから千葉から東京に勤務する人、これらの考え方等につきましても、調整手当等の問題というものもあると思う。それから同じように寒冷地の場合においても、甲地、乙地、丙地というこの関係性からも、そういうものが居住地によって違ってくると思う。いま御承知のように、非常に生活環境も違っておりますし、社会情勢もまことに複雑をきわめてまいりました。また家庭環境というものも、家族の形成というものもそれぞれみんな違った複雑な様相を示しておるわけです。ですから、そういう面から考えていきましても、これは早急に取り上げていくべきだと、こう思うわけなんですが、もう一度その点明確にしておきたいと思います。
#57
○政府委員(皆川迪夫君) お話の点は、先ほども申し上げましたように一長一短でございまして、直ちに結論を出しかねることでございますが、一つの検討の項目ではあろうというように考えております。
#58
○宮崎正義君 勧告級地の点、あるいは甲乙丙地の区分の支給区域について、先ほど鈴木委員のほうからもちょっとお話が出ておりましたけれども、この考え方がどんなふうなところに根拠を置いておられるのか、私は非常に大ざっぱ過ぎるのじゃないか、こんなふうに思うのですが、この点どうでしょう。
#59
○政府委員(尾崎朝夷君) 級地の区分でございますけれども、北海道につきましては甲乙丙の三区分が行なわれております。で、この区分は、従来北海道は区分がございませんでしたのですけれども、みんな同じ金額を支給するという形で行なわれてまいりましたが、昭和三十五年になりまして三つの区分をするということで、当時非常に画期的な改正であったわけでございますが、したがって、この地域区分についてはたいへん問題点でございましたので、現地のいろいろな職員団体その他の御意見も十分徴しまして、いわばそういう現地における協議の結果をもとにしまして三区分にいたしたということで、そういう点でそれを踏襲してまいっているわけでございます。現在私どもこまかく考えてまいりますと、たとえば函館地区が丙地ということになっておりますが、寒冷度から考えますと、たとえば室蘭などは、やはりどちらかといえばあたたかい丙地並みの気候になっておるという、寒冷度になっているというような面もございますので、そういう点の若干の問題はなしとしないわけでございますけれども、この点の改正は、従来のいきさつもございますし、かなりやはり慎重に考えないとこれはむずかしい問題であるというふうに考えております。それから内地のほうの関係の五段階につきましては、これは積雪度、それから寒冷度の二本を基準にいたしまして、それに風速、日照時間、積雪期間等をいわば副基準にいたしまして、一つの指定基準というものによって格づけをするということでやっておるわけでございます。
#60
○宮崎正義君 ただ単に丙地というのは函館というだけで、あと室蘭といういまのお話し出ておりますが、その中にはやはり奥尻島なんというのもございますし、実際これはあまりにも何というんですかね、現地の言ったことに従ってこれは乗せたんだということよりも、もう一歩進んで実態調査をして、そしてこれは事実長年にわたって確かに甲に適するものである、あるいは乙に適するものであるとかということがやられていかなければ何にもならないじゃないかと思うんです。この一応のワクをきめた中で判断をいつまでもしていくということから、今回も甲地、乙地のみがこの対象になったということになる。丙地の中にもこれは甲地に匹敵するようなところもありますし、乙地に匹敵するようなところもあるわけです。この細則によりまして各地域がずいぶん出ております。出ておりますけれども、この級地の分については北海道全地域になっている五級地、これはこのとおりで、これを踏んまえた上の甲乙丙というふうに設定されたというんですから、さらに今度はこの甲乙丙というものに対して、せっかくここまで研究され、ここまでやられたならば、丙の中にも甲地に匹敵する、乙地に匹敵するというところもあるし、乙のところが甲に匹敵するところもありますし、こういうもう少し本州のようにこまかく分析をしていくという面から考えていきまして、もうちょっと度合いを考えたらどうか、こう私は思うわけですが、いかがですか。
#61
○政府委員(尾崎朝夷君) 先ほど申しましたように、この北海道における三つの区分というのは、現地における相当長い間の検討の結果で、一応安定した形として、現地においてもあまり私どもその地域区分についての問題は実は伺っておりません。それほどかなり安定している状況ではあるわけです。いま御指摘になりました、たとえば丙地の場合の函館、渡島支庁管内あるいは檜山支庁管内というところが丙地になっておるわけでございますけれども、たとえば奥尻の島などは対馬海流がずっと回っておりますので、温度としては比較的あたたかいところでございます。ただ島として、はずれておりますので、これは隔遠地手当が別につく。寒冷度としては決してそう寒いわけではないということでございますし、また、いまの丙地の中でいわば穴ぼこのように寒い、たとえば倶知安の付近がございますけれども、そこは特に抜き出しまして甲地に編入しておるというような比較的芸のこまかい関係も若干入っております。そういうことで、一応かなり安定した割り方になっておりまして、これについて私ども長い間現地の関係で伺っておりますけれども、特に割り方について問題があるというふうに伺ったことはございませんが、私どものほうから申しますと、やはり気象条件からいたしますと、たとえばさっき申しましたように、室蘭等についてはいま乙地になっているけれども、あたたかさからいえば丙地とあまり変わらないではないかというような問題が若干ございますけれども、そういう点についてはなお現地の方々の意見もやはり十分聞いて慎重に扱わなければいかぬというふうに考えております。
#62
○宮崎正義君 そのようにやっていただきたいと思います。たとえば小樽は乙地にありますけれども、函館との、函館の中にある黒松内なんというのは境ですから、それが丙になっていますね。ですから、境界といいますかね、そういうようなところなんかもだいぶ問題点があるから申し上げているわけですから、いま御答弁がありましたように、将来じゃなくて、この次の課題としてひとつ御検討を願いたいと思います。
 先ほど消費量というものをどうとめているかという論議が盛んになされておりましたですね。もちろんこの消費量の増減によって支給手当というものが当然変わってくる、これはあたりまえのことだと思います。ですから金額のことについては触れられておりません。私は、このお考えになりました石炭、先ほどの御答弁がありましたその石炭、四十三年から石炭の価格が上がっていると御答弁がありましたね。それからさらに石炭手当の関係のものが背負ったいきさつ等があって、燃料価格が上がったことを加算額の対象にしたという御答弁がありましたね。そこ価格をどこからどのように推定をして、改定の根処といいますか、算定根拠といいますかね、そういうものをひとつお示し願いたい。
#63
○政府委員(尾崎朝夷君) 北海道におきましての燃料価格につきましては、従来石炭価格が中心であったものでございますので、石炭価格の動向をずっと長い間毎年調査をしてまいっているわけでございますが、前回と申しますか、前回改正時、つまり四十三年のときには石炭価格はトン当たり七千七百四十一円、運搬費が五百二十四円ということで、合計しまして一トン当たり八千二百六十五円ということで前回の改正をいたしたわけでございますが、その後石炭価格の上がり方がかなり顕著でございまして、四十五年に一割、四十六年に一割というような形でかなり顕著でございますので、最近の調査、昨年の夏場における調査におきますと、これがトン当たり九千八百五十円、運搬賃としまして七百十五円、合計しまして一万五百六十五円ということで、四十三年に比べまして二七・八%上がったということでございます。そういう非常に顕著な燃料価格の上がり方というのがあったということを注目をいたしまして、ただ、従来のようにこれだけで引き上げるというのは、燃料の消費実態の動向からしますとやはり石炭から石油にいま非常に転換しつつあるということで、現段階においては石炭だけで上げるというのはいかにも実情に沿わないという面がございますので、両方の面を踏まえまして、その後における石炭から石油への転換状況も踏まえまして、まあ現段階では大体六割ぐらいが石炭になり、残りが石油になったという関係を踏まえまして、石油のほうもどう動いたかという点をあわせまして、燃料価格全体として石炭、石油をあわせましてどれだけ上がったかという点を平均いたしてみますと、一五・八%上がっておるというふうにとらえたので、一五・八%程度の水準を高める必要があるというふうに考えたわけでございます。
#64
○宮崎正義君 灯油のお話を、私、価格がどれぐらいに推定されたかということをお伺いしなかったから灯油のお話は出ませんでしたけれども、あとでお願いします。これは石炭の材質といいますか、上炭、中炭、何を基準になさった単価ですか。七千七百四十一円ですか、いま御答弁ありましたね。それは何を、どの石炭を対象にされたのか。
#65
○政府委員(尾崎朝夷君) 北海道におきます暖房用石炭の消費状況及び価格の状況というものを、まあ調査を毎年いたしておるわけでございますけれども、その場合に、北海道の燃料小売り店におきまして売っております石炭が、実際どの程度のものがどれだけの値段で売られたかという調査をいたすわけでございます。その場合に、塊炭、中塊炭あるいは粉炭といったような形状別に、そしてカロリー別に、そして値段が幾らであったか、売られた数量は幾らであったか、どれだけ売られたかという調査をいたすわけでございます。そういたしますと、結局各形態別のものは一応ならしまして、カロリー別に、平均どれだけの値段であって、それがどれだけの数量売られたかということになりますので、全部平均をいたしますと、平均して何カロリーのものが売られて、その何カロリーのものは幾らの金額であったかというふうな結果に誘導してまいるわけでございます。そういたしますと、本年の一万五百六十五円の場合には、本年は運搬賃込みで一万五百六十五円でございますが、石炭だけでは九千八百五十円ということでございますが、それは六千七百六カロリー相当のものという形に対応したものというふうになっておるわけでございます。前回の七千七百四十一円というのに対応するカロリーは六千六百七十六カロリーということで、まあ少しずつキロカロリーの品質が高まってきておるという点はございます。
#66
○宮崎正義君 私どもが調査したものと価格が大体二千八百円ぐらい違うのですね、トン当たり。このカロリーの問題等も大体私どもの考え方より少し何といいますか下降しているようでありますけれども、大体その使用量も三・六というふうになっておりますけれども、この甲地の場合に、これなんかの使用数量等も非常に疑義がある。この点もどんなふうな関係でそうなったかというのは、あとでけっこうですから、いま御説明がありましたカロリーの点と、それから四十三年から四十七年にわたっております石炭の中塊炭七千カロリーですね、七千カロリーのものについて、これくらいのものでなければ実際燃料としては使えないということです。そういうふうな面から推定価格をどのようにしているかということを、ひとつ委員長、資料をお願いしたいのですがね。資料を要求したいのです。おわかりでございましょうか、申し上げたことが。これはいますぐに、本来ならば、ゆっくりやれば、私はカロリーの面から三・六トンというこの算定数量というものを一つ一つこまかく計算したものを持っているわけです。ですから、その点につきましてももっと深くやりたいわけなんです。時間がございませんので、これは省略します。ですから資料を出してもらいたいと、こういうわけであります。よろしゅうございますか。
#67
○政府委員(尾崎朝夷君) 必要な資料を調製して差し上げたいと思います。
 ただ、三トンとか三・六トンとか申しますのは、何と申しますか、それだけ必要であるということが認定されてつくられたものではございませんで、昭和二十四年に議員立法でつくられましたときに三トン、三トンに小売り価格をかけるといったような形でつくられたものが、その後三十五年に地域の区分をいたしましたときに、それと同時に、一番北のほうは三・六トン、三・三トン、三・〇トンということで、そのときに改正されたということでございます。
#68
○宮崎正義君 お説にありましたように、この法律そのものが二十四年なんですね。二十四年六月八日、いまお話のありましたとおりです。現在は時代がだいぶ変わってきております。先ほども若干触れておられるようでありますけれども、今日のこの形態というものは、住宅産業の花形、申し上げるまでもなく、これはセントラルヒーティングというもので、いま非常に建築様式も変わってきておりまして、これを石油にするものとガスにするものと電気にするものの形態はそれぞれ違っておりますけれども、そういうセントラルヒーティングに移行しているという現在の世相から考えあわせてみて、二十四年の時代の石炭が大体三・六トンあればいいんじゃないかというこの仮定そのものが私は非常に時代ズレしている。ですから、立法精神というものがどこに置いてあるのかということを一番最初に私が申し上げたのは、こういうふうなずっと推移を見ていきまして申し上げているのであって、もう大気汚染問題からくる石油というものも、だんだん遠ざかってくるという、もういやになってきているのです。本州のほうへ行きますと、お話がありましたように、薪炭から石炭、それから灯油というふうに変わってきておりますが、その灯油自体ももう汚染でいやだという声が出てきている時代でございます。そういう時代様相が非常に激変しているという、進歩があまりにもはなはだしいときに、まだ二十四年時代の基準のものを制定して置いているということは私はこれは噴飯ものじゃないか。極端に申し上げて申しわけありませんけれども、そのように思うわけですけれども、その点どうでしょう。
#69
○政府委員(尾崎朝夷君) 御指摘のように、二十四年につくられまして、つまりそのときは三トン、北海道におきましては石炭三トン分について小売り価格をかけたものを支給するということでございましたのですが、やはりあまりにも平等主義ということで、三十五年になってそれを三区分をするというようなことを行なってまいっております。
  〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕
で、何トン程度が適当であるかどうかという点につきましては、これは私もずいぶん調査をいろいろ十何年やってまいっておりますけれども、これはどの程度といいましても、なかなか家の構造によりましてたいへん違う関係がございます。いま御指摘がございましたように、昔の北海道の家屋構造から申しますと、比較的にそのたく量が多かったという面がございますが、最近のように鉄筋コンクリートのいい宿舎などになりますと、その関係が非常に少なくて済むといったような関係もございます。で、家屋構造が次第によくなってまいりますと、暖房用の量もそれほど、比較的少なくて済むといったような関係もございまして、そういう関係があるわけでございますけれども、私どもとしましては、やはりこの寒冷地手当と申しますのは、やはり寒冷地における方々の非常に強い要望の上に構成されておりまして、そうして非常に、かつこれを根本的に改正するという角度でいろいろ検討しておるわけでございますけれども、そういう意味で四十三年にはまあ従来の定率的な関係を定額的な関係に改めるとか、そういう点をかなり根本的な改正を一度いたしたわけでございますが、やはり改正につきましては、いろいろ問題といいますか、抵抗と申しますか、やっぱり従来の関係を尊重していくという関係もいろいろございまして、そういうもの等も調整しつつ、なるべく御指摘のような合理的な関係をいれていくという方向でいろいろ検討いたしたいというふうに考えているわけでございます。
#70
○宮崎正義君 石炭は三・六じゃ足りないのですよ。石炭の場合、私どもの計算によりますと。まあそれはそれとしまして、この所要量というものが、年間所要量というものの算定基準というものは、いまやっていかなければならない大事な転換期じゃないか、こう思うがゆえに申し上げたわけなんです。それを勘案されていかれることを私は要望をいたしたいと思うんです。ただ、この石炭それ自体からいえば、いま三・六トン以上のものが使用されているわけなんです、現に使っているところは。ですから、今度ばその移行している時代的な様相から生ずる冷暖房、寒冷というものについて変わってきているんだということもやはり取り入れられてお考えをあわせてもらえればよろしいんじゃないか、こう思って申し上げたわけなんですがね。いずれにいたしましても、この資料が出てきまして、また機会があればその資料に基づいて、私のほうの調査したものとあわせながら、次のおりを見まして質問をいたしたいと思います。
 最後に、時間もきておりますのでお伺いをいたしますが、石炭と灯油が値下がりをしているというふうなことでございますが、たしか一時下がったようにも思えるわけですが、現在私どもの調べてきた動向から見ますと、灯油がおっしゃられておるような六・四%も値下がりしているという推定とちょっと違うのです。灯油のことについて、どんなふうにお考えになっておりますか。
#71
○政府委員(尾崎朝夷君) 北海道におきましての灯油価格の推移でございますけれども、私どもとしましては、総理府統計局の小売り物価統計調査によりまして、四十二年の十月から四十三年の四月までの十八リットル当たりの灯油価格ば三百六十二円、
  〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕
それが昨年、四十六年の十月から四十七年の四月までの期間で三百三十九円ということになっておりまして、九三・六%ということになっておりますので、六・四%ダウンというふうに見たのでございます。
#72
○宮崎正義君 それも疑義がありますけれども、それは先ほど申し上げました石炭ばかりじゃなくて、灯油のほうもひとつあわせて資料をお願いしたいと思います。よろしゅうございますか、その点、資料の。
#73
○政府委員(尾崎朝夷君) 必要な資料は調製して差し上げたいと思います。
#74
○宮崎正義君 最後に、人事院総裁にお伺いしますが、この今回の寒冷地手当の法改正、昨年の十二月の二十七日でしたかの人事院勧告に基づいて政府から提出されたということなんですが、この勧告を行なった背景といいますか、そういう理由について御説明を願いたいと思います。
#75
○政府委員(佐藤達夫君) その前の改正が、たしか四十三年にお願いしたと思います。私どもはそういう改正のたびごとに、その際はとにかく完ぺきなものだという自信を持ってお出し申し上げておりますけれども、先ほど来もお話がありましたように、まあしかし常に情勢は変転してまいりますし、われわれとしては変転する情勢を常にフォローしながら、直すべきもの、合理化すべき点があれば、これはまあ遅滞なく直すという意気込みでずっと見守ってきておるわけでございますが、たまたま、まあ三年たってみますと、やはりこういう点ああいう点ということが出てまいりますので、それらの結果の集積を勧告を申し上げたということでございまして、実は三年目だとかなんとかきまった別に期間があるわけでもございませんけれども、一応の結論を得次第、遅滞なく勧告を申し上げると、そういう態度でまいったわけでございます。
#76
○宮崎正義君 いまの総裁のおっしゃられたことをそのまま今後も実際の上でやっていただきたいと思う。そうしますと、三年だとか五年だとかというその論議が少なくなってくると思います。この点をひとつあわせて要望をいたしておきます。
 それから総務長官にお願いをしたいのですが、この勧告を受けられてどの程度の検討をなさったのか。その検討の内容あるいはその経緯といいますか、そういうものについて最後に伺って、私の質問をやめたいと思います。
#77
○国務大臣(坪川信三君) もちろん人事院から勧告を受けました場合におきましては、総理府といたしましては、公務員の生活の安定につながる最も重要な課題でもありますので、われわれといたしましては人事院の勧告をそんたく申し上げながら、その勧告に沿うことを最も優先的に考えながら検討を加えておるということで御理解願いたいと思います。
#78
○宮崎正義君 そのときに、まるのみ込みということはなされていないだろうと思います。いずれにしましても、総務長官としては、こうであるんだということをお示しになっているんだと思いますが、その点最後にお伺いして、私の質問をやめます。
#79
○国務大臣(坪川信三君) 公務員の給与という問題は、国民的な重要な厳粛な問題でもあります。したがいまして、私どもば、人事院からなされました正しい答申に対して、これをそんたくいたし、こたえ得るだけのまじめさをもって真剣に取り組んで、法の改正あるいはそれぞれの手続を今後ともとってまいりたい、こう考えております。
#80
○中村利次君 私は、最初に総務長官にお伺いいたしたいと思いますが、三月の二日に公務員の賃金、労働基本権等に関して全官公の申し入れがございましたね。それに総務長官は、担当大臣としての総務長官、労働大臣、それから官房副長官、文書をもって三月の中旬に回答をするというお約束、これはそのとおりですね。
#81
○国務大臣(坪川信三君) 御指摘のとおりでございます。
#82
○中村利次君 これは教育職俸給については、これはまあ政策として政府主導型を出そうというのじゃなくて、すでにお出しになっておるわけでありますし、私は、そういう意味では、公務員の使用者としての政府が、賃金その他労働条件等について使用者としての責任を持つ、そういう姿勢を示すということはこれは当然だと思います。しかし――これはしかしではつながらないので、これは当然です。そこで新しいそういう姿勢下で人事院との関係、厳正な第三者機関としての人事院との関係を今日以降どういうぐあいにお考えになっておるかですね、お伺いしておきたいと思います。
#83
○国務大臣(坪川信三君) 人事院との関係は何ら微動だもいたしません。あくまでも人事院の第三者機関としての立場の御答申を受けて立つということで、これによって政府が公務員のいわゆる給与等の問題に対して動揺とか、あるいは変更を来たしておるなどとはつゆ感じておりません。
#84
○中村利次君 そうすると、こう解釈をしてよろしいですね。人事院の勧告は勧告として尊重をすると、同時に政府は、公務員の使用者としてのやはり責任のある姿勢を持つのだと、こういうぐあいに解釈をしてよろしいですね。
#85
○国務大臣(坪川信三君) 給与に関しましては、御承知のとおりに、あくまでも人事院の公正な答申を得て、これを受けるということでございます。
#86
○中村利次君 それは一面で当然でしょう、一面でですね。しかし、それがすべてであるとするならば、教育職の俸給に対して、人事院の勧告を待たないで政府がああいう措置を講じようとされるのはどういうわけですか。
#87
○国務大臣(坪川信三君) 今回の教職員に対するところの措置につきましてのその目的は、あくまでも教育の重大性にかんがみまして、いわゆる教職員の人材を、有為な人材を確保いたしながら教育の水準向上をはかるという目標でございまして、あくまでも給与に関しましては、人事院においてそれぞれ検討をされまして、勧告がありました上に立ってこれを措置するという方針でございますので、何ら方針は変わっていないということで御理解願いたいと思います。
#88
○中村利次君 大臣、あなたね、速記録を読んでごらんなさいよ。もう矛盾撞着だらけですよ、それは。ですからね、何かある一つのことに対しては、給与に関しては人事院の勧告絶対であるという言い方をしですよ、教育職については、これは優秀な人材を求めるためにはやはりこういうことをやってちっとも予盾がないのだ、どうして予盾ないですか、矛盾大ありじゃないですか。ですから、人事院の勧告というのは、先ほど申し上げましたけれども、公正なる第三者機関としてこれはもうりっぱな存在価値があるとする、しかし公務員の使用者としての政府の責任、労働者に対する姿勢、こういうものは並立して一向差しつかえないのだという議論ならわかりますよ。しかし、給与は絶対それは人事院なんだと言って、何であなた、教育職の俸給表はどうしたんですか、矛盾じゃないですか。
#89
○国務大臣(坪川信三君) どうも中村委員の御解釈、いろいろと矛盾撞着ありと、こうお考えになる。私はあの教員給与法の改正措置をそれぞれの法的な何を拝見いたしまして矛盾は感じていない。従来どおり人事院がこれを受けられまして、そしてそれぞれの人事院の公正なお立場で検討を加えられるだろうと思います。その検討を加えられまして答申をされた、勧告をされた上に立って政府はそれぞれの措置を講ずる。こういう態度でございますので、どうも私は矛盾は感じないのでございます。
#90
○中村利次君 なるほど、それならばわかりますよ。政府はこうあるべしという具体的なものを出すと、それを人事院で十分検討して、そしてまた同じものを勧告すると、違うことになるのかどうか。そんなら矛盾は感じないでしょう。それならば教育職のみでなく一般公務員、その他の公務員の場合も、公務員給与というのはみんな同じですよ。海事職、教育職、一般職、みんな並んで表があるわけですからね。切り離すわけにはいかないですよ。ですから、ほかの一般公務員の場合にもそういうこともあり得ると、こう解釈できますよ。それでいいですね。
#91
○国務大臣(坪川信三君) 中村委員はそう解釈されるかもわかりませんが、私といたしましてはそうは解釈いたしていないので、いわゆる政府が非常に義務教育の重要性を考えて、よりよき人材を確保するということが国家的な重要な課題であるという政策の上に立って措置を講ぜられる、それを受けられた人事院のほうでは、どうであるべきかということを十分公正に第三者機関として御検討に相なるだろうと思います。それでございますから、私はそこに矛盾は何ら感じない。まことにおことばを返すようでございますが、そう御理解いただきたいと思います。
#92
○中村利次君 ことばを返すことにも何にもならないのですよ。それは教育の重要性なんというものはだれでも、大臣が何もここで強弁されなくても、みんなが国民ひとしくこれは認めますよ。こういうことはまことに重要だから、これは政府が主導型で、公務員給与についてこれは重要だからできるんだと、そして人事院がそれを検討して、そして政府に勧告をする、そういう手順を踏むといいますかね、それだったら一般公務員の一般職は重要でないのか、海事職は重要でないのか、医療職は重要でないのか。これは比較してみんな重要でしょう、やはり。だから特に重要を強調されるのかしらぬが、重要だからということだけで変わったパターンをとるということは納得できないですよ。ですから、たとえば大臣が強弁されるように、教育職についてはそれができるんだと、人事院というフィルターを通してくるんだから、その勧告、人事院でまたよく検討して勧告をしてくるだろうから、それじゃほかのこともそういうパターンはあり得るということにならないと矛盾があると言うんです。そうでしょう。そうですよ、それは。
#93
○国務大臣(坪川信三君) 私は、たいへん何でございますけれども、やはり義務教育の重要性を考えていい人材を確保すると、これが私は国家の政策の至上の問題として立法措置を講ぜられたと、こう考えております。
#94
○中村利次君 それはあなた、そんなことを強弁されても、あなたや政府や自民党はわかるかもしれませんよ、それは仲間だから。しかし国民はわかりませんよ。それはわかりませんよ。そういうことをおっしゃったり、おやりになったりするから、そういう矛盾撞着をあえてなさるから政治の信用なんていうものは失墜するんですよ。もっとつじつまの合うような、私は長官がそんな答弁をされるんなら質問は続けたくないけれども、しかしまあほかにもいろいろ差しさわりがあるんでしょうからこれ以上追及しませんよ。追及しませんけれども、そんなどこに出しても通らないようないわゆる国会用答弁をというか、政治用の感覚というか、そういうものは今後私はやめていただきたい。
 次に移りますけれども、寒冷地手当につきましては、先ほどからお二方の委員がだいぶ問題点を指摘されたところでありますけれども、これはしかし人事院総裁が、勧告の時点においてはパーフェクトなんだという、まことにおそれ入った御発言がございましたけれども、これは完ぺきというのは、特にこういうものについては私は人間がつくる以上はないと思います。たとえば調整手当でも寒冷地手当でもそうですけれども、道路一つを隔てて六%、八%、三%、これはそれがどこで線を引くかということになりますと、なかなかそれは万人が万人納得するような線の引きようは、これはできません。ですから私は、そういう意味では完ぺきたり得ないと。しかし、ベターを求めて人事院は営々としてやはり努力をなすっていると、こういうぐあいに解釈をするわけでありますけれども、これは寒冷地のみでなく、いろいろな諸手当その他休暇等々につきましても、やはり同じようにまだまだ御努力中のものがあると思いますが、一応そういうぐあいに、ベターを求めてできるだけやはり前向きの勧告を今後も続けていらっしゃるという解釈をしてよろしいですね、前提として。
#95
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは、先ほども申し上げたとおりに、勧告を申し上げる以上は自信を持って勧告を申し上げておると、これはもう何ともおおうべからざるわれわれの心境でございますから、これを変えるわけにはいきませんが、これに対して、今度は国会の内閣委員会なり、あるいは中村委員なりがどういう御批判をされるか、これは完全に別であります。ただいまベターであるという御批判を受けまして非常に喜んでおるということでございます。今後もしかしその意気込みでやるつもりでございます。
#96
○中村利次君 いろいろな手当の中で、やはりどうも改善されたほうがよろしいんではないかと思うようなものが幾つかあると思うんです。たとえば住居手当ですけれども、これは三千円を限度として二年前に発足したものでございますから、まあ前進をしたわけでしてね、二年たってこれを議論するのがいいのか悪いのかわかりませんけれども、しかし実際問題として、たとえば一万円の家賃のうちに住んでも三千円ですね。この三千円という家賃がはたして――六畳一間でもいま大都市周辺は一万数千円するわけでありますけれども、これがいま何といいますかね、非常に妥当なものであるかどうか。これはまた政府に対してはにくまれ口になりますけれども、日本列島改造論なんてどえらいものをお出しになるものだから、土地は上がり家賃は上がり、あなた、うちは上がり、これはどうしようもない。庶民なんかたいへんに大迷惑でございますけれども、三千円というこの金額がはたして今日ただいまの時点で妥当なものになっておるかどうか、いかがでしょう。
#97
○政府委員(佐藤達夫君) 御承知のとおりに、先年住宅手当に踏み切ります際には諸方面からたいへんな御要望がございまして、当委員会におきましても強い御意見もございまして、当時われわれとしては、いろいろこれは周辺に問題をかかえておる問題で、なかなか簡単には割り切れない問題でございますと、たとえば借家に住んでいる人だけで済むかどうか、持ち家の人あるいはその他その周辺にある人たちに対する手当をどう考えていいか、なかなかむずかしいというようなことを申し上げて、相当慎重な態度をとっておりましたけれども、しかしそればかりではいかぬというわけで踏み切ったわけですが、その踏み切りましたのは、申すまでもなく、当時非常に表面に出ておりました公務員宿舎、これは非常に安い家賃で入っておる。公務員宿舎に入っておる人と入っていたい人とのアンバランスを何とかすべきではないかということが一番の焦点だったわけです。したがいまして、まずそれじゃその点に着目していまお示しの数字というものが出てきて、そういう方々に対するアンバランスの是正という意味でこの制度を設けていただきましょうということで踏み切ったわけでございます。その当時は皆さんから非常に喜ばれましておったんですけれども、はたして数年たちますというと、それじゃ持ち家の者はどうしてくれる、まだこれだけじゃ不足じゃないかという御要望が出てくる。これはわれわれとしては当初から問題視しておったわけでございますけれども、依然としてまだその点の問題はわれわれ残っておると思います。たとえば借金して家を建てた、その借金を返済する金を何とかすべきじゃないかというようなことがすぐ出てまいりますけれども、いや借金はしないで歯を食いしばって爪に火をとぼすようにして月給から積み立てて、それで家をつくった人は一体どうしたらよかろうか。それからまあ親の家におっても修繕代その他がまた問題があるだろうというようなことまで、ずっと連鎖反応が広がってまいりまして、いつか申し上げたこともありますけれども、民間のわれわれ調査をしましたときに、住宅手当と銘打ちながら、べたにみんな一律に支給している会社もございましてね、これはどういうわけだろうということを考えたんですが、いまのようにだんだん連鎖反応をたぐってまいりますと、結局皆さんにもうべたに差し上げにやならぬということまで、極端な言い方でございますけれども、たどりつくような性格の問題である。そういうことになるならば、むしろ本俸のほうで水増しして、本俸のほうにそれを回したほうが、これは退職手当のもとにもなりますし、いろいろな手当のもとにもなりますし、かえってお得ではないかというようなことも、いろいろまあこれは思いつきを申し上げているようでありますけれども、われわれとしては、考えに考えて、まだその辺は宿題として残しておるというのが率直なところでございます。
#98
○中村利次君 これは人事院でも、いまの総裁の御答弁に、宿題としてお残しになっておるということでありますから、それ以上の質問はいたしませんけれども、やはり私がどうもこれはそういうことになるというように意識するようなことを申し上げますると、まあ調整手当は、これは物価その他必要と認めて八%、六%、三%ございますけれども、しかしこの調整手当八%のところの人がかりにうちを借りるとしますと、十万円の俸給の人、八千円のあれで、いま公団住宅で通勤距離一時間半ぐらいのところでも二万円以上ですよね、二DKあたりで。そうなりますと、これは二万円前後ぐらいの自己負担をやらなきゃいけない。公団住宅にしてなおかつしかりですね。そうしますと、これはもう調整手当なんかはまさに問題にならなくなっちゃいますね。物価差なんというものは、物価差調整手当の全く必要でないところが一万円で借りられる、地価の関係もありましょうけれども。そうなりますと、手当そのものが何かもうどうにもならぬというような矛盾になりかねないと思うんですね。ですから、まあ宿題としてお残しになっているということでありますので、いろんな調査をなさったり、あるいは実態等を配慮をされて、ひとつできるだけ早い機会にこれは何とかベターをお求めいただくよう要望しておきたいと思います。
 それからもう一つは、この通勤手当の所得税法上の取り扱いについて、これはまあ通勤手当は人事院のあれでございましょうけれども、人事院の勧告を受けて法律化していくわけですが、ところが所得税法上、通勤手当の免税点というのは民間にもこれ影響するんです。税務署の役人なんというものはとにかく重箱のすみをほじくるようなことをして、そして企業からも、あるいはそこに働く人からもひんしゅくをされているようでありますけれども、これを比較をしてみますと、まあこれは通勤費が上がりまして六千円ですか、その場合自転車等ですね。自転車その他の用具といいますと、これは自動車も入るしいろいろなものが入るわけですけれども、これは十キロ以上で千五百円なんですよ、免税点が。たとえば鉄道、バス等を利用し、あるいは有料道路を通るでしょう、有料道路を通ると、その有料道路の通行代もこれはその六千円の中に入る。そうすると有料道路というのはどういうのを対象にしているのか。私どもの観念では、有料道路というのは、自動車が通って料金を払うのを有料道路だと思うんですけれども、そういうこともお伺いをしたいし、それからこういうものに対して、これはたいへんはなはだしい矛盾をお感じにならないかどうかですね、お伺いをします。
#99
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほども御質問がありましたように、給与その他の諸手当に対してどういう観点から税金をかけあるいは免税するかという問題なかなかむずかしい問題でございまして、一般的には、全体の所得を見てその中から税金をちょうだいすると、そういうたえまえになっておりまして、通勤手当については特別な税法上の取り扱いがあるわけでありますけれども、確かにいまの制度が十分であるか、あるいは欠陥がないかどうか検討をする余地はあろうかと思いますけれども、これは税の立場からそれぞれの理屈があることだと思いますので、私どもも税務当局と折衝はいたしたいと思いますが、いまここでとやかくの批判なり御意見は申し上げにくいという事情をひとつ御了承いただきたいと思います。
#100
○中村利次君 通勤手当については人事院にお伺いをしたいと思うんです。私が総理府の総務長官――人事局長でもけっこうでございますけれども、お尋ねをしておるのは、人事院が勧告をしますね、公務員の通勤手当はこうだと。それが法律化し人事院規則によってずうっときまりますね。そうなりますと、そのことが即、今度は所得税法上の取り扱いになっちゃうんですよ。ですから一つは、鉄道、バスその他を利用した、いわゆる普通にいう定期、そういう公共の交通機関を利用して通勤をする場合は通勤手当は六千円、それから自転車その他の用具を使う場合には千五百円、これは昭和四十年にできているのですから、当時はいまみたいに車通勤というのはほとんどなかったと思うのですね。それから東京の場合には、これはそういう通勤を人事院規則で認めていらっしゃらないと思うのですけれども、地方では鉄道等を使うとえらい回り道をする、あるいは本数が非常に少なくて、時間がかかってどうしようもないというようなところがありますですね。自動車を使えば、普通通勤時間二時間のところを一時間以内で行けるという、こういうところを自動車を使うのは千五百円というぐあいに限定されているのですよ。だからこれは人事院にお伺いしたいのですが、いま総理府に伺っているのは、即それが税法上の取り扱いになってしまうのですよ。免税点は自動車等を使えば千五百円、鉄道等を使えば六千円、まことにこれはどうもあまりにも何というのか、納得しかねる取り扱いだと思うのですがね。通勤費をきめる、通勤手当をきめると、即それが税法上の取り扱いになってしまうと、そこら辺の扱いはどうなんですか。
#101
○政府委員(皆川迪夫君) これは、一つには自動車による交通、通勤に対して手当を見るかどうかという問題があるだろうと思いますけれども、もちろんこれは税の立場から考えておりますことですので、私のほうでこういう考えであるかということは一々申し上げにくいと思います。いまお話にありました自転車で、つまり汽車とかバスとかそういう交通機関以外のものを利用して通勤をする場合には、通勤手当自体の額が少ないものですから、そういう名目で出して非課税になるものも少ないということになってこようかと思います。自動車通勤に対して、あるいは有料道路を使用する場合の通勤手当をどういうようにきめるかということは、人事院でいろいろ御検討いただいておることと思いますが、税との関係につきましては、少なくとも自転車で通勤する場合に六千円も出しているわけではないですから、それを非課税にするということはちょっとむずかしいのじゃないかというように考えます。
#102
○中村利次君 いや、私は、これはちょっとずれているのですよ。御答弁がずれている。これは所得税法上の取り扱いがきまりますと、通勤費の免税点は一般の場合は六千円、自転車ならいいですよ、足でこいで行くのですから。自動車の場合には千五百円、民間までこの税法によって全部これは法律でやられてしまう。ですから人事院の勧告した通勤手当、即この通勤にかかる免税点と税法上の取り扱いがもう全く一致するという点についての矛盾を私は言っているわけですよ。ですから、千五百円が適当かどうかということは人事院にお伺いをいたします。
#103
○政府委員(皆川迪夫君) そういう生活上の必要な経費をどういうように税法上非課税の取り扱いにするかということになってまいりますと、俸給も含めまして、どういうものが必要であるからこれば免税にするという取り扱いになってくるのであろうと思いますが、いま特殊な手当として支給した部分そのものを非課税の取り扱いにするということになりますと、千円以上出していなければその非課税の対象がふえないというのは、どうもやむを得ないのじゃないかと思うのであります。したがって、支給する金額がどうなるかにかかってくるのじゃないかと思うのです。
#104
○中村利次君 なるほどごもっともです。そこで人事院にお伺いしますけれども、これは昭和四十年で、八年たっておりますけれども、自転車を大体の対象にされたんだろうと思うんですよ。これはしかし、いまの御答弁も民間の場合は別ですよ。民間もそれに縛られるんですからね。それ以上かりに出すところがあればこれは会社が、使用者が税金分を負担するか、あるいは支給された者が税金分を負担するか、これはもうほかとは比較のできない税法上の不利益な取り扱いを受けることになるわけです。そこで人事院にお尋ねするんですがね。どうですか、これは改定の検討をなすっていらっしゃいましょうか。
#105
○政府委員(尾崎朝夷君) 自転車等の交通用具の関係でございますけれども、これはやはり私どもとしては民間においてどの程度支給しているかという関係を調査を絶えずいたしまして、それとほぼ均衡をとった措置を講ずるということでやってまいっております。で、従来、民間の一般的な交通用具に対する給与の考え方といたしましては、大体出す事業所が比較的少なかったのでございますけれども、やはり最初のうちは自転車を交通用具として使うという状況が一般的でございましたので、それに対しては大体四、五キロ、五、六キロといったようなところを想定していると思うのでございますけれども、大体定額という形で支給されてきておったのが一般でございまして、最近、この数年のところ比較的に自動車がずっとふえてまいっておりますので、民間の支給のしかたも、その自動車を意識しまして手当てしていくといったような傾向が見えてまいっております。それは自転車よりもやや距離がかなり長くなるという面がございまして、その対処のしかたは、一つはその距離に応じまして、大体国鉄の運賃並みを支給するという運賃相当額支給制という方向と、それから距離の段階に応じまして何キロまでは幾らという、十キロ以上十五キロ以上といったような関係のかなり遠い距離までも距離段階として支給するという二種類が自動車に対する対応のしかたとして出てきております。昨年調査しましたところ、そういう関係が半分ぐらい出てまいりましたので、昨年の改正におきましては、公務員の場合にも距離段階制というものを初めて導入いたしまして、十キロ未満につきましては、民間の調査の結果千二十八円でございましたのでこれを千円にし、十キロ以上につきましては千五百二十五円でありましたので千五百円、十五キロ以上につきましては千八百六十円でありましたので千八百円にするといったような三段階を設けたわけでございます。今後、そういう動向といたしましては、やはり自動車が非常にふえてきているという関係に対応する手当てのしかたがふえていくだろうという感じがいたしますけれども、そうしますと、そういうふうに対応したしかたをやっぱり公務員のほうでも採用する必要があるのではないか。さらにそういう方向に沿ったしかたをやる必要があるのじゃないかといったような感じもございます。そういう点で今後調査をいろいろいたしてまいりたいというふうに考えております。
#106
○中村利次君 そうしますと、これは地方に行きますとほんとうにそういうのがうんとふえているのです。いわゆる鉄道等を使って行きますと、とてもじゃないけれどもたいへんなんだという通勤、車のほうがうんと便利で近いという、あるいは時間もうんと速いと。まあいまのお話によりますと、そういう該当者にはいわゆる鉄道その他の交通機関を利用したものを支給しているところがある。あるいはまた、それはそうではない別途な算出方法をとっているところがある。そういうのを検討したいと、こういうことですか。
#107
○政府委員(尾崎朝夷君) まあ自動車対応措置だと思うのでございますけれども、距離に応じまして国鉄の運賃相当額を支給する方向をとっている会社もございますし、また距離の段階に応じて幾らというふうに支給している事業所と両方あるわけでございますけれども、私どもとしましては、昨年はこれは距離段階を取り入れるということで三段階、従来は全く距離にかかわらず一段階でございましたのを三段階に改めるという形をとったわけでございます。昨年はそういう距離段階をとったわけでございます。まあ今後民間の動向もよく調べまして、その動向に沿った方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
#108
○中村利次君 これもいまやはり数十キロですよね、対象は、問題になるのは。五キロあるいは十キロ前後あたりを自転車で通勤する場合はそれほど問題になりません。しかしそういう人はだんだん少なくなってきています。いまやはり自転車その他の交通用具というのは、これはもうほとんど自動車にかわりつつあるわけですね。ですから、距離も五キロあるいは十キロ以上というそういうものじゃなくて、数十キロというこれが実態です。ですから、そういうことをよくひとつ調査をされて改善をされるようにこれは要望しておきたいと思います。人事院にそういうぐあいに要望しておきたいと思うのですが、何としてもがまんがならないのは、これはやはり現行十キロ以上千五百円、これは自動車を用いた場合には千五百円なんですよ。それから乗りものを用いた場合は、鉄道、バスその他六千円、これが公務員の通勤手当ですから、これが即、まあくどいようですけれども、即通勤費の免税点になって、六千円までは鉄道等を使う人はこれは税の対象になりませんけれども、千五百円以上二千円、三千円、これは民間でですね、自動車通勤で確かに通常の交通機関を回ってくれば二時間かかる。これが自動車で来れば三、四十分で来る。そういうのが自動車のガソリン代そのものずばりかどうかは別にして、何らかの算出方法でその交通費を支給する。それが四千円、五千円になると、千五百円以上、これは税の対象になる。こんなばかげたことは何ともがまんのならないことですから、これは税法上のことは大蔵大臣に言わなければならないのでしょうが、これは総務長官、ぜひそういう点の是正を何かしゃくし定木にやりやすい方法でぴしっとやっちまうということでなくて、やはり政治というものは実情に沿った手当てをしなければ、どうもあまり日陰者が多過ぎますと問題があると思いますから、これもまあ御答弁をいただくよりも要望しておきたいと思うのです。
 だいぶ時間もなくなってまいりましたけれども、次に人事院にお伺いしますけれども、手当のほかにも休暇ですね。これは結婚休暇だとかあるいは出産休暇ですか、こういうものはこの前も私はちょっとお伺いいたしましたけれども、おそらく民間調査をおやりになって、まあほとんどはこういう休暇はやはり労働協約あるいは就業規則上実施されておると思いますけれども、ぼちぼちこういうことを考慮される段階になっておるのかどうかお伺いします。
#109
○政府委員(佐藤達夫君) これも私どもにとっては一つの懸案となっております。ただいまお話がございましたとおりに、民間において、少なくともこの結婚の分は相当圧倒的な多数の民間の会社がこれを認めておるというようなこともつかんでおります。ただ、われわれがいままで多少気にしておりました点は、御承知のように、この有給休暇の日数が労働基準法ですか、労働基準法による有給休暇の日数に比べますと、公務員のほうの有給休暇のほうはもう初めから二十日ということで、まあずっと二十日もらえるような形になっております。民間の場合ですと、一年目は六日、三年で八日、五年で十日というようなことで、そういう点を比べますというと、公務員のほうがずっと有給休暇がたっぷりいただけるような形になっているものですから、そことのかね合いで、さあここを踏み切るべきかどうかという率直な気持ちでございますけれども、今日まできておったわけですけれども、いまお話のように、もうそろそろ踏み切る時期が近いのではあるまいかというような、実は私自身気がまえを持って部内に検討させておる実情でございます。
#110
○中村利次君 よくわかりました。
 次は、寒冷地の問題ですけれども、これは先ほど申し上げましたように、お二人の委員から問題点がだいぶ指摘をされたわけです。やはり私も感じますのは、これは冒頭申し上げましたように、調整手当にしても寒冷地の手当にしても、これはもう万人が見て、万人みんな満足するというものはできっこないんです。ほんとうに道路一つ隔ててたいへんな格差ができる。しかし、行政区分以外にどこで線を引くんだろうと、どこで引いてもこれはそういう矛盾が出るわけであります。まあ今度北海道の甲地、乙地を是正をされたというのは、これは一歩前進でございますし、それなりに私は対象になる方たちはそれでたいへん救われるし、喜ばれると、思うんですけれども、そういうやはり一歩前進をやられますと、今度は恩給法でもそうですけれども、またその他との矛盾というのがだいぶ浮き彫りにされてまいりますし、先ほどから皆さんが指摘をされましたけれども、同じ北海道の中でも、やはりわれわれは不満だという、それからまた生活実態に照らしても、積雪の量、あるいはここに算定基礎として温暖度ですか、冷寒度といるのですか寒冷度ですか、等々だけで数字をはじき出して、その数字をぴたり、これは実に数字には文句のつけようがないほどまあ大体パーフェクトに計算されたと思いますけれども、しかし、であればあるほど、人間生活というものは機械ではなくて、これはやはりなま身のものですから、氷点下十五度のところと氷点下五度のところがストーブのたき方が数字にあらわれるほど違うのかどうか、いろいろ問題が出てくると思います。あるいはまた、これも先ほど質疑の中で問題点として出されていましたけれども、東北との関係、新潟なんかでも高田だとか、何んですか、向こうのほうなんかは積雪がひどくって、雪害でもって建設省あたりにも毎年あそこの県会あるいは市長、市会議長なんかが陳情に来るぐらいこれはもう相当のものですね。北陸の日本海沿いなんかも相当やはり積雪寒冷地、これも確かに五級地になっています。しかしそういうところの、やはり新たにベターを求められて、これは大いにけっこうだけれども、その結果、またやはり是正をされなきゃならないというものが必ず出てきますけれども、そういうものに対する対策をお伺いしたいと思う。
#111
○政府委員(佐藤達夫君) おっしゃるとおりに、私どもの従来の経験から申しますと、級地をきめるについて、すぐ出てまいりますのは、一つの級地を上げますというと、すぐ隣は、もうほんとうに小川を境にしておるその隣は、据え置かれるのは何事ぞというような形の御要望が非常にございます。したがいまして、一ついじりますというと非常に連鎖反応があることは事実でございます。ただ、数年前に私どもとしてはこまかい基準を、日照時間とか、それから零下になる気温の関係、それから積雪の関係とか、たくさん指標を設けまして、そしてそれらの指標で点数をとって、それを組み合わせて総合点でけじめをつけようという方式をとりまして、まあそうでもしませんことには、とてもそれはまずそういう数字には出ない寒さ、はだに感ずる寒さというのがあるといわれましても、これは何とも証拠のあげようがないわけですから、どうしてもそういう機械的なデータ、指標で算定をしなきゃならぬ、これはもうおわかりいただけると思います。それを公表いたしまして、もうわれこそはと、これでデータを引っ下げて来られる人は、これに合格間違いなしという自信のある地方におかれては大いに名乗りをあげていただきたいというようなところまで公開いたしまして、いろいろ御要望を承ってきまして、だんだんおかげさまで煮詰まってまいりまして、今回の勧告に対象となりました分も、もう非常な数としてはわずかな町村になりました。こういうことでたいへん安定してきておるということは、われわれとして、これははっきり申し上げられると思いますけれども、しかし、先ほど申しましたように、今日はこれで完ぺきだと思っておりますけれども、なおまた、いろいろなデータなどもあるいは出てくることもありましょうし、それはそれとして今後も謙虚に承って調査をしていこう、そういう心組みでおるわけでございます。
#112
○中村利次君 先ほど冒頭に総務長官にお伺いをして、どうも納得のできないものがございましたけれども、前総務長官に週休二日の問題、これはもういま大きな政治課題になっております。これは人事院としても調査もし、お考えになっておることと思いますけれども、前総務長官は、もうこれは政治以前の問題であるということでございました。先ほど繊維関係に中労委のあっせん案が出まして、御承知のように、繊維というのは何千というたいへんに中小企業を主体とした産業なんですね。これにことしから中労委のあれは月に一回と、来年から隔週、月に二回、それから昭和五十一年度から完全週休二日と、こういうものが出ておりますね。経営者もこれをのんだと、まあ前のこの内閣委員会の議論に、公務員先導型がどうの、民間先導型がどうのということがあったんですが、これはいまや繊維という非常にむずかしい産業ですら、中労委という公的の仲裁機関がとにかく本年からもう週休二日に一歩踏み切れという、それを経営者も受け入れるという、こういう時代になってきて、政策として、これはもう円対策にしてもいろんな対策をいま政府はお打ちになっておりますけれども、これは必要ないとは言わない。確かにやらなきゃならないことをおやりになっているわけだけれども、やはり欧米諸国から痛烈に非難をされておる日本の労働条件、低労働条件、アメリカなんかからはもう十五年も二十年も前からそれを痛烈に非難、攻撃をされてきた。ですから、そういう週休二日あるいは賃金等を含む労働条件を西欧先進国並みにどう引き上げていくかということが、即根本的な円対策あるいは国際経済社会での日本の健全な発展というものにつながる。政府はそういうことをおっしゃっておるのに、この週休二日等についてはなかなかみこしを上げようとなさらないんですが、これは総務長官に就任されて間もない威勢のいいところでひとつお考えを承りたいと思います。
#113
○国務大臣(坪川信三君) 国家公務員の週休二日制の問題につきましては、私はあらゆる情勢を見ますときに、ほんとに本格的にこれに対しまして取り組むべき時期が到達しつつあると、こういうような私は見方をいたしております。中村委員同様な気持ちも持っております。政府といたしましては、御承知のとおりに、閣内にこれらの週休二日制の問題につきまして関係閣僚協議会を持ちまして、過般もその対策につきまして関係大臣が集まりまして協議をいたしておるような立場でございます。まあ私総務長官といたしましても最も重大な関係を持つ立場にはおりますけれども、やはり御案内のように労働大臣のなにもございますので、労働大臣等とも連絡を密にいたしまして、これらの問題をひとつ前向きに検討いたしたいと、労働大臣もどうもそうしたお考えを持っておられるということは私お察しでき得るのでございます。ただし、こういうような問題は国家、国民が非常に関心を持つ重要な問題でもございますので、国民の気持ちがどこにあるかということもやっぱり十分察せなければなりません。そうした立場を踏まえまして、週休二日制にはひとつ前向きの姿勢で取り組んでまいりたいと、こう考えております。
#114
○中村利次君 たいへんに積極姿勢を示される、何ですか、そばから非常にやはりそうでないうしろ向きのあれも同居しているわけですよね。国民の動向等を見きわめながら、これはどうもいまその時期ではないというような答えもその次には出てくる可能性もあるわけでありまして、ところが、これは何と申しましても、先ほどから言っているように時流ですよ。そういうものを日本がやはり政策として解決をしていかなければ、何と言ったってこれは直接間接に円の再々切り上げ、再再再切り上げにつながることは間違いございませんでしょうし、それから時流というものは、これは二十年、三十年前に、おそば屋さんだとか商店なんかで日曜日に休ませる、あるいは休ませなければその代休を与えるというようなそんなことはあなた考えたことがなかったです、これは。すし屋さんだって、そば屋さんだって最近は。これは決して政治がそういう福祉政策というものを先取りしたんじゃなくて、若年労働力の不足だとかなんとかそういう特殊事情によって、そういう零細企業の人たちがそいつを消化して乗り切ったんですね。けっこうそれでやっておる。週休二日をやると中小企業はぶつつぶれてしまうなんという、そういう議論もあるようですけれども、そういう零細企業が時の流れに従って乗り切って克服をした。今度は政治が先取りをしていかないと、日本の福祉政策どこにありやという、年金等々を含めて、ということになるわけでありましてね。私はこれは御答弁は要りません。ぜひとも人事院でもこれはひとつ積極的にお取り組みになって、国家百年の計からいってもこれは実現をすると、そして国際的な仲間入りをするという、そういうことが実現しますよう要望しまして、私の質問を終わります。
#115
○岩間正男君 時間がありませんので簡単に質問したいと思いますが、まず第一に、給与担当大臣としての総務長官に公務員給与制度に対する基本的な見解を二、三お伺いしたい。きょう初めてですからお伺いしたいと思います。
 それで第一の問題ですね。これは国家公務員労働者の労働条件は、当然使用者である政府と労働組合との間の団体交渉できめられるのが本筋だと思うんですね。使用者でない第三者機関である人事院によって、労働者の生活に直接かかわりのある給与や手当などが定められているこういう現行の問題は、これは非常に人事院制度そのものが矛盾している、基本的考え方が。この点をどうお考えになりますか。
#116
○国務大臣(坪川信三君) 国家公務員の労働条件の基本問題ということは非常に私は重要な問題であり、その推移を国民も深く関心を持っておる事柄であると私は解釈いたしておるのであります。したがいまして、これらの公務員の労働関係の基本に関する問題等につきましては、岩間委員御承知のとおり、目下公務員制度審議会に御審議をいただいて、その審議会においてただいま真剣に討議をされておりますので、その審議の御答申をば待っておるという状態である次第であります。
#117
○岩間正男君 大臣のこれは意見としては発表できませんか。
#118
○国務大臣(坪川信三君) 公務員の給与関係の責任大臣といたしましては、いま申し上げましたことが私の基本的な考えであると御理解いただきたいと思います。
#119
○岩間正男君 これは憲法にも保障されているわけですけれども、当然これは国公労働者は、この使用者、政府との直接交渉によって自分の生活権、そういうものをはっきり確立するという基本的なこういう態度というものは尊重さるべきじゃないかと、こういうふうに思うんですけれども、この点いかがですか。
#120
○国務大臣(坪川信三君) 岩間委員の御指摘になりました、いわゆる基本的人権を尊重するというその御心情は私も全く感をともにするのでございますが、こうした国家公務員としての労使関係の基本的な問題という立場になりますと、やはり公正なる判断によってこれが確立されなければならぬというようなことでございますので、御承知のとおり、岩間委員御専門の立場でございます。政府といたしましては、公益委員並びに使用者並びに労働者三者の公正な協議機関によってその結論を出していただく、それを踏まえてそれぞれの対応策を政府はいたしたい、こう考えておる次第であります。
#121
○岩間正男君 あくまでこれは国公労働者の基本的なそういう考え方ですね、そういうものを尊重するという立場に立たれますか。国公労働者はいま非常に人事院制度それから国公制度ですかね、そういうものに対して矛盾を感じているわけです。自分たちの要求というやつは非常に何かくつを隔ててほんとうにかゆさをかくような、直接自分たちの要求というものは実現されない。そのことは同時に国公労働者の一つの権利であり、さらには、多くを言えば国民に対する当然奉仕の立場というものをほんとうに守る、その生活権の確立という点から考えても当然の要求だというふうに考えるわけです。だから人事院勧告制をやめて労働基本権をほんとうに取り戻す。それによって労働者の労働条件の改善、それから労働組合活動の自由、それから不当に加えられているこの不当労働行為に対しまして、これを禁止すべきだ、このような要求を掲げて、これは団結していま戦っているわけですね。この態度は、当然憲法に保障されたその基本権を守ることであり、同時に国民にほんとうに奉仕するという、そういう生活基盤をはっきり確立するという、そういう要求からきているわけです。この点をどう考えられますか。
#122
○国務大臣(坪川信三君) 岩間委員の御意見は、御意見としていま承っておるわけでございますが、まことに恐縮次第ではございますけれども、おことばを返す意味ではございませんけれども、どうもいまのお持ちになっておられる、お述べになっておられる御意見を、私は私としてそう理解をいたし、それを賛同申し上げるということは、私といたしましては、まことに残念でございますが、意見としては十分お聞きいたしますけれども、全く意見の相違であることをお許し願いたいと思います。
#123
○岩間正男君 そこのところが、国公労働者のそういうような要求が広範囲に、これはしかも結集された意思として表現されている。それをほんとうに尊重するのかどうか、そしてそれをほんとうに検討するのかどうか、政府としての責任が問われているんです。現行法によると、いわゆる国公法体制、こういうふうにいわれると思いますが、これによってスト権等の労働基本権を広範にこれは禁止、制限している。そうして使用者たる政府当局は自分のほんとうに権力的な支配を押しつける。そして非常に使用しやすいそういう体制をとるためには、非常に政府に有利な態度ですよ。しかしそういうことでは、これは当然勤労者の賃金、それから労働時間その他の労働条件を労使の対等な関係に立って協議によって決定されねばならないという、そういう基本的な権利というものがこれは奪われている。これに対して、当然これを取り戻す、当然の権利回復の要求として、私は当然過ぎる要求だと思うんですけれどもね。だから政府の態度そのものが、このような要求にあって非常に私はここで検討され、十分にやっぱりこの問題について対処するということが必要になってきていると思うんですが。そうすると、いままでの態度はあくまで変えないのだと、こういう前提に立ってこの問題を取り上げたのでは、私はこれは全く問題について前進がないと思うんです。そしてまた、ほんとうにこれは公務員制度というものは、公務員の持っている任務というもの、ことに現行憲法下において持っている、国民に対して当然持っている責任ですね、それをほんとうに果たすということは不十分になってくる。そう思うんですが、この点いかがですか。
#124
○国務大臣(坪川信三君) 前段に申され、また御指摘になりました国家公務員の賃金、給与、この問題については岩間委員御承知のとおりに、人事院において科学的に公正な中正的な立場に立って、その給与体系をどうすべきであるかということを御検討になって、それが正しく答申され、政府といたしましても、それを受けて、人事院の勧告を十分そんたくいたしまして、それぞれの手続きをとっておりますことは御承知のとおりでございます。
 後段に至りましての基本的な問題につきましては、その背景に立って、一つのわが国の流れ、あるいはそうした政治的な問題、あるいは行政的な問題も専門の岩間委員よく御承知のとおりでございます。したがいまして、これはほんとうに国家的な重要な問題でありますから、これに対して第三者的な立場で公正にその結論をいただきたいという立場から公制審に御審議を委託いたしておるわけでございます。公制審のほうにおきましても、公益委員の立場、使用者の立場、また労働者の立場、それぞれの立場で非常に論議を重ねて真摯にこれに取り組んでいただいておられます。私は、そのすみやかなる討議が終わられまして答申をされました場合に、その答申をとうとびながら、そんたくいたしながら、政府といたしての処置を、結論を出したい。こういうふうな気持ちでおりますので、決して政府はこれに対して拱手傍観、冷寒なる気持ちでこれを放置しておるというような姿でないことは、ひとつよく御認識はいただいておると思いますが御理解をいただきたいと思います。
#125
○岩間正男君 ただいまの答弁のように必ずしもなっていない。人事院が人事院としてのこれは任務が果たされていない面、これはあとで聞きますけれども、こういうものがあるからこそ、今日国公労働者のこれは要求、不満、こういうものが非常に高まっているんですよ。そうしてはっきりしたいまそのような要求を掲げてこれは戦っておるわけですね。ですから、この点はもう少しやっぱり公務員の実態、公務員の要求はどこに根ざしているのか、こういうことについてほんとうに担当大臣はこれは検討すべきだというふうに思うのです。生活実態についてもなかなかそういっていない。歴代のいままでの総務長官に聞いてみますというと、足元の自分の総理府の労働者の様子を知っていないのですよ、国公の。これはずいぶんひどいのがありました。中には自分の賃金で食えない、そうしてもうほんとうに夜間の労働をしている。そういう例をこの委員会でも何回かあげて、そういう実態を知っているのかというのでわれわれ追及したことがありますけれども、知っていられなかった。それが実態ですからね。一般論だけじゃこれは解決しない。こういう点から言いますというと、何が原因しているかというと、いまのような第三者機関が出ている。そうして直接労働者のそのような素朴な要求というやつがそのまま直接使用者の政府に伝わらないというところにこれは問題があるわけです。だから、その点については、私は人事院そのものについて、人事院制度というものを十分検討して、むしろもう人事院制度をやめる、そうして労働三権をはっきり回復する、国公労働者に返して、そうしてそれらの立場に立ってほんとうに公務員の生活権を確立する、同時に民主的な体制を、国民に負っているそういう責務を果たせる、そうして権力の支配、そういうものからほんとうに独立できるような体制をとるべきだ、こういうふうに考えております。これは日本の民主主義の過程において非常に重大な課題なんです。再びそのような権力支配が始まろうとしている。そういうところに問題があると思います。
 そういう中で、次にお聞きしたい。次の問題ですけれども、これはさっきも出ましたけれども、小、中学校教員に対する一〇%のかさ上げの問題、これが出されて非常に大きな論議を呼んでいるんですが、こういうやり方というものは、これはこれでいいというふうに考えておりますか。労働対策として考えてどうですか。
#126
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどの中村委員の御質疑に対しましてもお答え申し上げた次第でございますが、このたびの義務教育従事者職員に対する特別措置の目標というものは、さっきも申し上げましたように、まことに教育というものの重大性をかんがみますときに、その教職員に対しまして、よりよき人材を確保いたしますために、重要なる教育事業に携わっていただくということは、私は政治の上において、また国全体を考えましたときに、まことに重要な事柄であると考えるのであります。私もかつて教職の任に二年ばかり携わったこともございますけれども、教育者の使命感の重きこと、また教育者の生活の実態その他の事情というものも十分把握もいたしております。明治、昭和にかけての小説あるいはいろいろの時論というものが小学校の先生方を中心として幾多の話題を呼んでおるということも私はよく知っております。そうしたことを考えますときに、義務教育に携わられる職員の生活を守ると、生活の向上をはかりながら、真剣に教育の場を守り抜いていただくという教育者をつくり上げていく、持つということが現下の私は国益に立つ最も重大なる仕事であろうと考えるのであります。そうした高度な政策の立場に立ってとりましたのが今度の立法措置であろうかと思います。しかし、御承知のとおりに、具体的なるところの法は全部人事院においてそれぞれ検討され、人事院において検討された、公正な答申が行なわれた上に立って政府は具体的な措置を講ずるということになっておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
#127
○岩間正男君 なるほど表面のうたい文句は、政府のうたい文句はそういうことになっています。しかし、この実態がどうだかということは、今日ではあまりにもこれは国民は知っていますよね。二つのこれは意図がある。これはもう端的に言ったら非常に分裂政策ですよ。一つは、労働者階級から教員を切り離すこと、ねらいは、労働者の連帯という中で。そういうところで、これは教員は当然労働者でありますから、組織労働者でありますから、そういう立場からいえば日本の教育を民主化する、そして真にこれは平和で明るいそういう時代を切り開く、そのにない手をつくる、そのような立場から考えたって、当然これはその労働者階級の連帯ということは大きな問題になっておるわけです。ところが、これに対しくさびを入れる、一つは。もう一つは、教育体制そのものの中にこれははっきりくさびを入れ分裂をさせる、つまりこれは五段階の賃金でしよう。五段階の賃金にこれは一つのはっきり突破口を切り開いていく。そうして校長、教頭、それから教員、助教諭というふうな、そういうかっこうで、それにしかもこれは一律一〇%ということになっておりますけれども、平均一〇%ということでしよう。それですから、この操作というものは非常にこれは意図的にやられておる。そうするというとですね、この背景に何かあるということは言うまでもないことです。これはなぜこういう問題が起こってきたか。言うまでもなく、これは中教審の答申が出された、この中教審の方針によりまして、はっきりこの教育職場における体制を変えていく、そして反動的な再編成をはっきり考えておる。これは今日あまりにも国民の間で論議されて明確になってきた問題だと思うんです。それでこういうような点から明確に指摘されるんですね。いまのお話のように、なるほど教員の待遇は悪い、賃金は低いと、そういう初任給は少し高いようだが、だんだんだんだん年をとるに従ってもうこれは追い越されてしまうと、そういうことで何とかこうやらなければならないということで、まあとりあえず一〇%、二、三年内で四〇%というようなことを考えているようです。しかし、教員だけを特別扱いすることによって、これははっきりした背後の意図があるんだという点ね、この点は明白だと思うんですね。だから、単にこれは教員の生活権をほんとうに向上さして、それによって教育に専心するんだなどと言ったって、これは通らない問題だと思いますが、いかがですか。
#128
○国務大臣(坪川信三君) 岩間委員、多年労働問題その他に一生をささげておられる委員として、私は御意見としてはお聞きいたしておりますけれども、いやしくもこの問題が労働組合、労働問題にくさびを打つというような考え方、また教育者、いわゆる教員の仲間に対するくさびを打つという、そんな小乗的な考えであるということでは絶対にないということだけはひとつ御信頼いただきたいと思います。
 中教審云々の問題については、私所管大臣でございませんから、私からそれを意見として申し上げるのは遠慮したいと、文部大臣の立場でお答えになるべき問題だと、こう考えております。
#129
○岩間正男君 中教審にはっきり書いていますよ。教員の待遇をこれは格段に上げなくちゃならないと、大体四〇%ぐらいですか。そういうようなことを明確にしている。それに即応してこれはやっていることは明らかですよ。中教審のこれは答申はお読みになったでしょう。その具体化ですよ。しかし、これは人事院総裁にお聞きしますけれども、賃金体系はどうなりますか。いままであなたたちがとってきた賃金体系はね、ここでこういうような、何というかな、横車みたいなのがぐっと入ってくるわけだね。政府の意図だって人事院にこれをやってくるわけだ。人事院にいわばしりぬぐいさせるつもりなんだ。そうすると、これはどうなりますか、ほかの労働者との均衡の問題というものはこれは出てくるわけだ。そういう問題についてはこれは差しつかえないですか。どのようにこれは考えておられますか。
#130
○政府委員(佐藤達夫君) 最初に申し上げておきますが、かねがね私どもは現在の教育職の俸給はまだまだこれは不十分だということできておるわけです。したがいまして、毎年の勧告においても特段の配慮をというような表現で報告書にも書いておりますように、相当できるだけの配慮はしてきた。しかし、これで決して十分とは思えない。それで一昨年でしたか、例の教職調整額のときの文教委員会などでは、私は、もっともっと大幅に引き上げるべきだと、その職務と責任からいって、教員の方々についてはさらに大幅にこれを引き上げる必要があると思いますと、そのほうで努力いたしますと、相当な大ぶろしきを広げてきておるわけですから、その意味で教員の方々についての職務と責任を非常に大きく見てきて、かつその辺の待遇は決して十分ではないという気持ちをもって臨んでおるわけですから、これがよくなることはたいへんけっこうなことだと思います。ただ、いま御指摘のように、われわれとしては一般の公務員も全部引き受けてその辺の調整も考えなきゃならぬ立場におりますから、それはそれとして、われわれまた十分なる判断のもとに適正なる勧告を申し上げる、そういうことになるわけでございます。
#131
○岩間正男君 これはさっきもだれかが言いましたけれども、何も給与が十分でないのは教職員だけじゃありませんよ。あらゆる職種はみなそうですよ。だから今日こんな物価高の中でこれはたいへんなことになっている。なお、がたがたがたがた生活がもうほとんどこれはひどいところに追い込まれていますよ。そうしてまた教職員だけを特に取り上げている。
 そこで、私はお聞きしたい。これは担当大臣としてお聞きしたいのですが、この前円切り上げの問題起こりましたね。衆議院で御承知のようにこの円切り上げの、円ドルの問題で二日間の特別審議をやったわけです。その中で田中総理ははっきり認めたわけだね。日本のいま国際通貨のこの変動の中で、しかもそのしわというのは一切これは中小企業と労働者に大きくきているわけだ。これは何かといえば、言うまでもなく、この輸出優先のそういう政策にあるわけだ。そうしてしかも低賃金制度、合理化が強行されている中小企業に対しましてまたしわがきている。こういうかっこうで必然的にそのような出血輸出をやっている。そういうところから外貨が非常にたまる。日本のこの輸出優先主義が、大きく言えばいま世界のこれは批判にさらされているというような問題があるわけです。この問題で日本の労働者の賃金はどうかということを田中総理に対してこれは質問したはずです。そうでしょう。田中総理ははっきり認めているわけだね。日本の労働者の賃金は非常に低い。これははっきり認めたわけだ。そういうことになりますと、当然この点で、この総理の答弁というものが一体どういうふうにこの賃金の中に生かされてくるのか。ここが非常に重要です。そういう点からいえば、何も教員だけをこれを上げるというようなそういう方法じゃないわけだ。やはり労働者全体に対するこれは底上げということは、当然大幅の底上げがあるということは、同時に、いまの政策に対して根本的なやはり転換がなされるためにつまり生活優先の方向に切りかえる。そういう点から非常に重要な課題だということはこれは明らかだ。そういう問題の中で解決されずに、労働者全体のやっぱり中でこれは解決されるべきですよ。国の大きなそういう政策の中で解決されるべきだ。ところがそういうことはやらない。口先ではそう答弁しているけれども、実際はやらない。そしてつまみ食いのように、ここだけ教職員を引っぱり上げてきて労働者から切り離す、こういうやり方、正しいと思いますか。これは国の政策からいったって、こういうことではまずいんじゃないか。全体の労働者に対してどういうふうにする。これがいま国際通貨の危機に対する大きな解決策であり、同時に輸出中心主義から、産業中心主義から大きく、やはり国民の命と暮らしを守る生活優先の方向にこれは変えていく。そういうことだと思んですが、ここで国際的な労働者の賃金の水準はどうだとかこうだとか数字はあげません、時間の関係もありますから。しかし、この点はどうお考えになりますか。この点は人事院総裁にも見解としてお聞きしておきたい。まず総務長官から。
#132
○国務大臣(坪川信三君) ドル相場の変動あるいは円切り上げ等の関連性からくる国内外の経済情勢の大きな波紋、あるいはそれらに対する重大な影響からくるところの賃金問題の御指摘、私は、予算委員会において加藤労働大臣がその賃金の問題に答えられたことを記憶いたしておるのでございますが、いま時間がないからそういう問題は触れぬでおこうとおっしゃっておられますから、私もそれにあえて触れようとは思いませんけれども、非常に日本だけが賃金が国際的水準から落ちているということではないということの実例も、答弁の中に入れておられることも私は聞いております。しかし、やはり何といいましても、国家公務員また一般労働者の各位の生活の安定をはかるということは、国の政治の大きい大事な課題であろうと思いますとともに、国民もこれに対しましては重大な課題として関心を持っておることでございますので、これらに対しましては、やはり納得のいく方法によってこれを解決していくということが政治の公正なとるべき姿勢であり、とるべき方法であろうと考えておるような次第でございますので、人事院において、これらの立場を十分科学的に公正に中正に御判断になって、あらゆる体系を御検討になりまして、それぞれの勧告がなされ、またなされるものと私は思うのであります。そうしたときに、政府は、これを受けまして、まじめにそのそんたくを申し上げるという立場でこれに取り組んでいくという方針であるということはひとつ御理解願いたいと、こう思います。
#133
○岩間正男君 人事院総裁にお伺いしますが、田中総理ははっきり日本の低賃金を認めたわけですね。そうすると、これについて人事院は検討しておるのかどうか。それから、いままでの人事院勧告というような形じゃなくて、実際国際賃金に当然踏み込んだそういう賃金体系をこの際やはり考える必要があるのかどうか、とるべきじゃないかというように思うんだけれども、そういう点についてはこれはどうなんですか。従来のやり方をあくまで守る、こういうことですか。
#134
○政府委員(佐藤達夫君) 私は、労働大臣のお株を奪うわけにはまいりませんので、いまおっしゃいましたような規模雄大な日本国における一般の賃金のあり方というようなことについては、われわれとしては、まあ昨今組合方面あたりでもずいぶん努力をされておられるなという事実を認識しておるというところでございますが、しかし、われわれおあずかりしております公務員の給与に関しましては、従来からとっております態度でおわかりいただけますように、一般の民間の企業の従業員とは劣ることのないようにあるべきだ。したがって、その意味では民間賃金の今後の推移というものを関心をもって見守っておるというのが率直なお答えになります。
#135
○岩間正男君 教職員の給与をそういう基本的な広い視野から解決すべきじゃないかと思うんです。そうでないと、私がさっき指摘しました、ほんとうに労働者階級からこれを切り離す、また職場における分裂政策を深くする、そうして背後からの支配、そういうものを非常にこれは強めるという、そういうねらいをもった賃金がまかり通ることになることは明白なんです。これはことにこういう法案が出るんですから、そういうところで詳しくやろうと思いますけれども、そういう点からいいますと、人事院としてはどうなんですか。いま言ったような一〇%教員だけに何かほんとうに孫にお菓子でもやるようなかっこうで、頭をなぜるようなこんなばかげたやり方で、ほんとうに労働者としての教育者を尊重することにならぬと思うんです。どうですか、そういう点は。
#136
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申しましたように、教員の給与があまりにも低いということはかねがねわれわれが痛感し、かつ機会あるごとに大きな声で申し上げてきておるわけですから、その意味でわれわれは、やはり今回の法案がねらっておるようなところは、これはたいへんけっこうなことだ、新聞あたりの社説その他の世論を見ておりましても、あまりにも低過ぎるという、これはわれわれとしては非常に耳の痛い批判でありますけれども、したがって今回の教員の給与の引き上げについての大体の世論は、みんな賛成のほうにあるようにわれわれも思います。われわれもまさにそのとおりだと思っております。その限りにおいてはけっこうなことだと思っております。
#137
○岩間正男君 世論賛成というのは、だれが賛成なんですか。
#138
○政府委員(佐藤達夫君) 教員の給与の引き上げはするなという反対の世論というものは、われわれはいままで見受けておりません。上げるのは当然だという形のものは至るところに散見されるということであるという客観的の情勢をわれわれの判断によって申し上げただけであって、これは何もそれに左右されるわけではございませんけれども。
#139
○岩間正男君 上げるなというような、そんなことを私も言っておるわけじゃない。上げるけれども、上げるには上げるやり方があるんだということを言っておるわけです。だから国民全体の答えであり、労働者全体の答えですね、そういうような中でやっぱり解決すべきじゃないか。これが最も正しい方向であり、そして分裂政策とか国家支配のそういう芽を許さないということになるんですから、その点についての警戒をすべきじゃないか、私は警告しているわけです。
 それでは人事院にあと二、三お聞きしたいんですが、国公法の第一条に国公労働者の利益擁護をはかり、こういうことが、目的がうたわれているわけですけれども、これはほんとうに果たされておりますか、どうです。
#140
○政府委員(佐藤達夫君) もちろん果たされておると思っております。
#141
○岩間正男君 総裁がそう言うのは、これはやむを得ないでしょう。あなたの立場から、果たしておりませんと言えば、これは全く自己否定になりますから、そういうことになると思いますが。これはどうです、たとえば勧告基礎作業がもう始まっておりますね。これはいつから始まっているんですか。すでにもう開始されておると思いますが、いつからですか。
#142
○政府委員(尾崎朝夷君) まず、一月十五日現在につきまして国家公務員の実態を現在調査をいたしております。
#143
○岩間正男君 一月十五日ですか。
#144
○政府委員(尾崎朝夷君) 一月現在につきまして国家公務員の給与の実態を調査いたしておりますが、民間の関係の調査は、今後いろいろ検討していくということでございます。
#145
○岩間正男君 人事院に対して国家公務員が、たとえば国公のほうに労働組合がありますが、こういう人たちはどういうふうに見ておるか御存じですか、この勧告作業なんかについて。こうじゃないですか。「勧告内容が゛政府の認容する範囲におさまる゛よう資料をつくりあげるものになっています」人事院の性格は。笑っているじゃないですか。
#146
○政府委員(佐藤達夫君) これは驚いた話で、こんな話は国公の方々――いま国公とおっしゃいましたけれども、国公の方々にしょっちゅう私自身お会いしていろいろなことを話し合っているんですが、そんなことは一言半句も聞いたことはない。たいへんだよりにしていらっしゃるという感触を持っております。
#147
○岩間正男君 私はここに「人事院総裁佐藤達夫殿」「一九七三年「給与勧告」に関する基礎作業について」というのを持っているわけです。そうして、これは二月十二日に出されたものです。この申し入れ書あるでしょう。あなたたち受け取っているでしょうな。その辺どうです。いま言ったように、人事院をこれは賛美していますか。いまの申し入れ書があるんですよ。「他方人事院の「勧告基礎作業」のこれまでの経過と実績をぶり返ってみればわかるように、勧告内容が゛政府の認容する範囲におさまる゛よう資料をつくり上げるものになっています」、こう言っているでしょう。
#148
○政府委員(佐藤達夫君) これは、いつものことですけれども、確かにいま給与局長のところに謄写版刷りが来ておるようです。来ておるようですが、私は全然まだ知りませんけれども、これは毎年の例で、議長の人なりその他のお歴々が必ず正式に、私あてになっていますから、私に会って、そうして私に手渡されるのです。で、その場合にいろいろなお話をお互いにするという段階がありますけれども、まだそれの申し入れも何にもありませんから、またお会いしたらじっくりひとつそこでお話しをしてみたいと思っております。楽しみにしてお待ちしております。
#149
○岩間正男君 この中で、基礎作業のやり方について、これは基本的な見解が出されているわけですね。七つぐらい出ているはずだ。これ、どう思いますか。これは手元に持っていますな。
#150
○政府委員(佐藤達夫君) それは、議長その他の幹部の方が正式にお持ちになるまで私はあんまり見ないほうがいいんじゃないかと思います。これは私に直接あてたもので、まだ私自身が見てないわけですから、ですから先ほど、お会いするのを楽しみにと申し上げているわけです。
#151
○岩間正男君 そんなことは、あなた怠慢ですよ。これはすぐに見るべきだし、これに対して返答要求されているが、これは返答するでしょうな。どうですか。
#152
○政府委員(佐藤達夫君) いつも、その場で返答を申し上げております。
#153
○岩間正男君 その場でじゃなく、これはあとで文書で要求しております。ちゃんと日にちまで明記していますよ。「おそくとも一九七三年四月一〇日までに文書によって回答されることを申しそえます」、こう書いてあります。まだ見てないから、そういうところわからなかったんだろうが、しかしちゃんと見ているんです、あなたの係は見ているんですよ。どうなんですか。これは回答するんですか、しないんですか。
#154
○政府委員(佐藤達夫君) 私は見ないほうがいいと思っております。お会いするときまで私は知らぬという形で、そうして私に突きつけられるわけですから、そのときに、あっと、こういうことで内容を承る。初めから内容を知っておった日には、これは私は相手方に対してもぐあいが悪いと思うわけです。
#155
○岩間正男君 その中で、「比較対象職種を行政職に限ること」、こういうふうにこれは言っています。これは時間の関係から――いろいろいままでのやり方に対するこまかなところがある。第二には「職務の対応関係は等級別標準職務者に準拠すること」、第三は「標準労働者の制度的賃金の比較衡量を重視すること」、第四は「比較基礎給を基本給に限ること」、第五「追加較差の算出式の適正化をはかること」、第七「完全な理論生計費の算定にむけて適正な改善をすること」、こういうふうに七項目をあげているわけですが、これに対する、これは給与局長でもいいです、あなた見ているのだから。見ている立場からどう考えていますか。
#156
○政府委員(佐藤達夫君) 毎年こういうような要望書をお持ちになりまして、そうして、たいてい中にはごもっともと思われることもあるわけです。したがって、それは進んで喜んで取り入れて勧告を申し上げるということで、勧告のあとの勧告批判というパンフレットみたいなのをお出しになっていますが、それも私は十分拝見して、ここは評価する、ここは評価するとちゃんと書いてあるわけですから、評価はしていただいている面もたくさんあるというふうに思っております。したがいまして、ここでしかつめらしいところで岩間委員から承るよりも、ひざを交えて幹部の方々とすみからすみまでじっくりとお話しをするというふうに機会を譲っていただきたいと思います。
#157
○岩間正男君 これは文書回答を求めているんですが、これに対する返答はなかったんですね。しかし、人事院はさっき言ったように第三者的機関、こういうことで、実際はこれは憲法に保障された、労働者と資本家がほんとうに基本的に対等の立場で話し合いをする、そうして具体的な問題についてこれは協議をしてきめていく、はっきり生活権を確立していく。そういうような基本的権利の立場に立てば、当然やはりそういう一つの何というか中間の機関を通すと、非常にそこのところで不明朗になってくるところがあるんじゃないか、こういうように思うんです。人事院をこれはやむなく相手にしているわけだ。実際は政府と直接交渉して、そうしてはっきりしたやはり労働者の基本的な権利――団結権、交渉権、それからスト権、そういうような三権を持った立場でいまや問題を解決しなければ、ほんとうに基本的な解決はあり得ないと私は考えるんです。
 いま人事院総裁、なかなかいろいろ含みのあるような、それから何かうまいような話で言っているけれども、もっと率直に答えていいんです、あんた。そういう話し方、態度が、いかにも中間的なそういう調節弁みたいな役割りになるんですよ。もっとほんとうにある程度まで政府のそういうものを代表し、人事院は労働者の権利を守るんだ、擁護が大事だと第一条に書いてあるんですから、当然その立場に立つならば、やっぱり労働者の要求というものに対してはもっと率直であっていいと思う。何かあんたたちは、勧告が出てから話し合うとか、そんなことじゃ話にならない。これは独断的ですよ。聞いておくんだ、それじゃだめですよ。そこの態度が問題になってくるんですね。ほんとうにいま話し合えばいい、率直に。そうしてこの問題についてよく聞いたらいい、労働者のほうに。そうじゃないですか。だからそういう点を含めて、これはやっぱり人事院制度というもの、国公法体制というものとの関連において考えなければならぬ。これは日本の民主主義を進める上にとって、そして国民のほんとうに権利を守る上にとって非常に重大な課題ですからね。そういうことをどう考えておられますか。最後に総務長官の答弁をお願いします。
#158
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどからお述べになりました意見は、意見として十分承っております。これらに対する公務員制度のあり方についても、従来どおり、公務員のおとりになっておられるあり方というものは最も公正妥当なるものと信じております。
#159
○委員長(高田浩運君) ほかに御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#161
○上田哲君 私は、ただいま可決されました国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社の四党共同提案にかかわる附帯決議案を提出いたします。
 まず、附帯決議案を朗読いたします。
   国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  積雪寒冷地帯における公務員の生活の実態にかんがみ、今後における燃料価格の動向を含む寒冷増嵩費の実情等について十分検討を行ない、定額分および加算額の増額ならびに基準日後の世帯区分の変更等に応ずる支給額の調整について考慮すべきである。
  なお、寒冷地手当の支給地域区分について継続して検討を行ない、その不均衡の改善措置を講ずべきである。
   右決議する。
 附帯決議案の趣旨は、案文及び審議の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上です。
#162
○委員長(高田浩運君) ただいま上田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#163
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、上田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坪川総務長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坪川総務長官。
#164
○国務大臣(坪川信三君) 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の改正案を御提案申し上げましたところ、委員会におきましては、あらゆる角度から十分御討議を賜わりまして、ただいま全会一致をもって議決を賜わりましたことを深く感銘いたしておるような次第であります。長時間にわたって真摯な御討議を重ねられていただきましたその中にお述べになりましたとうとい御意見は、今後われわれといたしましては、大切な指針として皆さまの御意見を十分そんたく申しまして、皆さまの御意見に沿いたいと考えておる次第であります。また、全会一致をもって御決議をいただきました問題につきましては、人事院勧告にかかる事柄ではございますけれども、政府といたしましては、人事院勧告を十分尊重いたしまして、委員長はじめ委員各位の御期待に沿いたいと思います。
 ここに厚くお礼を申し上げて、私のごあいさつを終えたいと思います。どうもありがとうございました。
#165
○委員長(高田浩運君) なお、審査報告日の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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