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1972/04/12 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第6号
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1972/04/12 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第6号

#1
第071回国会 内閣委員会 第6号
昭和四十八年四月十二日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    補欠選任        鶴園 哲夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高田 浩運君
    理 事
                内藤誉三郎君
                中山 太郎君
                山本茂一郎君
                片岡 勝治君
    委 員
                源田  実君
                長屋  茂君
                星野 重次君
                町村 金五君
                柳田桃太郎君
                上田  哲君
                鈴木  力君
                鶴園 哲夫君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   衆議院議員
       内閣委員長代理  加藤 陽三君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       坪川 信三君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       総理府人事局長  皆川 迪夫君
       林野庁長官    福田 省一君
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十九日、神沢浄君が委員を辞任され、その補欠として前川旦君が選任されました。
 また、三十一日、鶴園哲夫君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高田浩運君) 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坪川総理府総務長官。
#4
○国務大臣(坪川信三君) ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国家公務員等の退職手当につきましては、民間における退職金の実情等にかんがみ、これを改善する必要が認められますので、政府といたしましては、このたび、国家公務員等退職手当法について、所要の改正を行なおうとするものであります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、職員が公務上でない死亡により退職した場合において、その職員の勤続期間が二十年以上二十五年未満のときは法第四条、二十五年以上のときは法第五条の規定による退職手当を支給することとしたことであります。
 第二は、公庫等に出向した職員の勤続期間の計算について、職員が休職により政令で定める公庫等の業務に従事した場合には、その全期間を通算することとするとともに、職員が任命権者の要請に応じ、退職して退職手当の通算規程のある公庫等の職員となった場合には、退職手当を支給せず、その者が引き続いて再び国家公務員等となった場合には、国家公務員等の期間と公庫等の職員期間とを通算することとし、また、退職手当の通算規程のある公庫等の職員が公庫等の要請に応じ、退職して国家公務員等となった場合にも、その公庫等の職員期間を国家公務員等の在職期間に通算することとしたことであります。
 第三は、職員が二十年以上三十五年以下の期間勤続して勧奨等により退職した場合には、当分の間、法第三条から第五条までの規定により計算した額に百分の百二十を乗じて得た額の退職手当を支給することとするとともに、職員が勤続期間三十五年をこえて勧奨等により退職した場合には、当分の間、勤続期間を三十五年とした場合の支給割合に百分の百二十を乗じて得た割合により計算した額の退職手当を支給することとしたことであります。
 以上のほか、附則において、この法律の施行期日、適用日その他所要の措置について規定しております。
 以上、この法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(高田浩運君) 引き続いて、本案の衆議院における修正部分について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員長代理加藤陽三君。
#6
○衆議院議員(加藤陽三君) ただいま議題となりました国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府原案では、施行期日を「昭和四十八年四月一日」とし、適用日を「昭和四十八年一月一日」といたしておりましたが、衆議院における議決の日が四月一日を経過しておりましたので、施行期日を「公布の日」に改めるとともに、勧奨退職の実情等を勘案して、適用日を「昭和四十七年十二月一日」に改めた次第であります。
 以上が修正の趣旨であります。
#7
○委員長(高田浩運君) 以上で説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○片岡勝治君 それでは、若干具体的にこの法案を中心に質問をしたいと思います。
 まず最初に、公務員の給与の基準、あるいはその決定に関する基本的な考え方についてお伺いをしたいと思うわけであります。御承知のように、今日まで民間給与水準というものが大きなウエートとして公務員の給与が勧告され、決定をされてきたということは否定できない事実であります。しかしながら、民間給与の考え方も、従来とられておりましたいわゆる生産性基準原理、つまりもうかった分の何がしかを労働賃金として渡すんだというような従来の考え方が改められつつありまして、労働者――働く人たちの生活を維持していく、生活を保障していく、そういう考え方に変わりつつあるわけであります。したがって、私は、公務員の給与、退職金も含めて、給与関係については民間に追随するというような考え方ではなくて、公務員の生活を保障していく、より高めていくという点から考えて、一体どういう水準がいいのか、こういうふうに考え方を変えるべき時期にきているのではないかと私は思うわけであります。これについて人事院のお考え方あるいは政府のお考え方を、まず最初にお聞きしたいと思うわけです。
#9
○政府委員(佐藤達夫君) お話の点はよくわかりますので、実はかつて数回申し上げたこともあるかと思いますけれども、私どもの基本的な理想の形として考えますところは、やはり民間がどうこうというようなことは顧慮することなしに、公務員そのものの生活あるいはその職務というようなものの特殊性に光を当てて、そしてそれにふさわしい給与というものを白紙の上に描き出すということが、これが終局の私は理想だと思っているんです。現に、戦争前の旧憲法時代、私は、当時は官吏の給与関係は内閣の法制局でやっておりまして、法制局に職を奉じながら給与関係の法令をいじったことがございますが、そのころは、いま申しましたようなことで、民間を調べてどうこうということなしに、そのものずばり給与というものをつくり上げていたという記憶もございます。ただ、基本的に、まあ憲法も変わりまして、公務員といえども憲法上のやはり特権的な地位におるものではないんだと、やはり二十八条の勤労者の一部だというような考え方が今日では当然のこととなっておりますから、公務員を特権的に考えるというようなことは許されませんし、また、そういう誤解は避けていかなきゃならぬという立場に立つわけです。片や、全体の奉仕者として、その給与は一般納税大衆の負担にかかっておるというようなことから申しますと、一番やはりその筋からいって手がたい行き方は、民間給与を克明に調べて、そうして民間の水準はこうである、現在の公務員給与はこれだけ低いということで給与の引き上げの勧告を申し上げるという形が、当面のいま申しましたような点から申しますというと、一番手がたいことだろうとまあ考えて、私の前から、人事院の先輩たちがいまの官民比較のたてまえというものをとってきておるわけです。しかし、いまやっておりますことも、とことん民間に追随しておるわけではありませんので、やはり公務員らしい仕事、民間にない職種というものもございますから、それらについては、もちろん公務員の特殊性から給与を盛りつけておるわけであります。基本的な考え方は、当面はまだやはり民間との比較を基礎にしていくことが各方面の信頼なり理解を得るゆえんであろうという気持ちでおりまして、したがいまして、今後経済情勢、社会情勢の進展に伴って、あるいは私が最初に申しました終局の理想というような方向へだんだん進み得るんじゃないかという気持ちはいたします。いたしますけれども、当面はそういう立場に立つのが一番賢明だろうと、まあ率直に申し上げまして、そういう気持ちを持っておるわけでございます。
#10
○国務大臣(坪川信三君) 公務員の給与に関しましては、ただいま人事院総裁もお述べになりましたとおり、政府といたしましても非常に重要な重大関心事でもあり、課題でもございます。したがいまして、国民も重大な関心をいたしておる等を踏まえながら、人事院において、第三者機関である人事院において、いまお述べになりましたような問題を踏まえられまして、公正な第三者機関としての御討議をいただいて、その御答申をいただきまして、政府といたしましては、その答申をそんたくいたしながら、この問題に取り組んでおることは御了承のとおりでございます。今後もそうしたことを心に入れながら、第三者機関の人事院勧告を尊重いたしまして、これらの問題に取り組みたいと考えておる次第であります。
#11
○片岡勝治君 まあ、戦後非常に国そのものが疲弊をしておりまして、生産力が非常に小さかったというような時代の公務員の給与というのは、それなりにいまの方式をとらざるを得なかったということは、私も決して否定するわけじゃないんです。先ほどちょっと触れましたように、日本の民間の労働者のいわゆる賃金というもののあり方が、まあこの春闘を通じても逐次変わりつつあるわけですね。これはむしろ政府がそういう意味で主導的に私はその役割りを果たしてもらいたいと思うわけです。つまり従来の生産性に基づく賃金、つまりもうかったらその一部をやるんだと、こういうようなことが裏返せば日本の高度成長というものをささえてきたんだし、資源配分が必ずしも公正でなかった。一方、生産性は非常に上がるけれども、それに比例して日本の働く人たちの生活水準、生活環境というものはよくならなかった。こういうことでは困ると、したがって、政策転換をしていかなければならないというところに、いまきているわけですから、民間の賃金であっても、働く人たちの生活保障ということをまず考える。そういうことからすれば、公務員においても民間に追随するということじゃなくて、公務員――つまり広くは国民としての生活保障はいかにあるべきかという考えに立っていかなければならぬと思うんです。そういう点で、まあ依然として民間給与水準に追随するというようなお考えのようでありますけれども、これはひとつ検討していただいて、逐次変えていただくように私は希望するわけであります。
 そういうふうに考えを変えていくならば、いまの人事院勧告方式というものが、これまた変わっていってしかるべきだろうと思うんです。私は、いままで人事院がたいへん努力をされたということについて、決して評価をしないものではありません。しかし、そういうふうに労働者の賃金、公務員の賃金がいかにあるべきかという考え方が変わっていくとするならば、いまの第三者機関による勧告、それに基づく措置ということではなくて、直接労使の関係の中でこれらの問題が解決されていく方向にいくのが私は近代化された労働者の賃金のあり方だろうと思うんです。まあこの点については、後ほど鶴園委員のほうからその点についてこまかく質問をする予定になっておりますけれども、そういうことからすれば、公務員のいわゆる労働基本権というものにもっと私は積極的に取り組むべきだと、かように思うんです。聞くところによると、依然として政府はかたくなな態度を示しておるようでありますけれども、もしそういう態度をいつまでも政府がとっているならば、つまり公務員に対する労働基本権というものについて何らの譲歩を示さないということは、口で政策転換とか何とかかんとか言っているけれども、その実、何らそういう方向にはいっていないということの証左だろうと思う。この点について、ひとつ概括的に政府のほうの考え方をお示し願いたい。
#12
○国務大臣(坪川信三君) ただいま御指摘になりましたごとく、私どもといたしましては、人事院の公正な勧告を受けて、これをそんたくする。また、公務員の給与に関しましては、やはり国民的な立場から、もう私が申し上げるまでもございませんが、国民も非常に関心を払い、国民の税金によってまかなわれるという立場から、やっぱりきびしくそうした点を踏まえていかなければならぬということは御理解いただけると思うのでございます。したがいまして、民間の給与に追従するようなことでなくして、民間の給与状態を科学的に公正に御判断になりまして、それを踏まえて勧告をいただいておるという私どもは考えを持っておりますので、追従とか、あるいは民間がというような気持ちでなくして、いま申し上げましたところを踏まえながら公正な判断が出て、それを受けて立って、そんたくいたしまして、実施に移すと、こういうような気持ちであることを御理解願いたいと思うのであります。
#13
○片岡勝治君 いまの問題については、後ほど鶴園委員、あるいは今後もひとつそういう問題についてもっと討論を深めたいと思うわけでありますが、一応それで終わりたいと思います。
 さて、具体的にこの内容についてお伺いいたします。
 まず、第一番目に、国家公務員の退職者の勤続年数別の人数、政府あるいは人事院が把握しているその資料でけっこうですから、もしありますれば御発表願いたいと思うわけであります。
 それからもう一つは、現在の給与のあり方について、いまお話がありました民間給与の実態調査あるいは公務員給与の実態というものについて、人事院と、あるいは政府でも調査をされておると思いますけれども、退職後の生活費というものが一体どのくらいかかるのか、そういう点について、もし何かお調べになった資料がありますれば、お知らせ願いたいと思います。
#14
○政府委員(皆川迪夫君) 昭和三十六年の退職の状況を調べたのがございますが、それによりますと自己都合による退職も含めまして、勤続年数一年以上五年未満の者が最も多くなっております。その総数が一万二千三百三十一人でございます。十年から五年までの間が五千六百二十一人、それから二十年と二十五年の間が六千三百九十七人、この辺が比較的多いところでございます。
#15
○政府委員(尾崎朝夷君) 退職者の生活につきまして、人事院といたしましては昭和四十一年度におきまして、昭和三十五年及び昭和四十年に退職した職員全員を対象といたしまして、退職時及び退職後の生活の状況について調査を行なってきております。なお本年度予算におきましても、ことし新しい調査を、継続調査を行なうということで認めていただいておるので、その関係の把握もいたしたいというふうに考えているわけでございます。調査におきましては、退職時の状況、退職勧奨の割合、それから就職あっせんをしたかどうか、再就職の状況、それから住居の状況、家族の状況、退職手当の使途等について調査をいたしております。
#16
○片岡勝治君 その資料をあとでひとついただきたいと思うわけでありますが、これは民間の調査でありますけれども、退職後一体どのくらいのお金があれば生活できるかというようなことが、調査をされまして、発表をされておるのがあるわけでありまして、それを見ますと、たいへん多くの金が必要だというようなことが資料として出されておるわけであります。そういう点について、私はむしろ政府のほうも積極的にそういう推計をして、年金なりあるいは今回の退職金の算定の基礎にすべきであろうと思うわけであります。
 ちょっと私の手元にある資料によりますと、これは大和銀行で昭和四十五年に試算をしたものによりますと、昭和五十五年に夫が六十歳で、七十五歳までの夫婦の最低生活費、つまり五十五で一応やめて、七十五歳まで夫婦の生活をする上に最低必要経費は二千三百万円である、大和銀行の調査によって明らかにされておるわけであります。また、三菱銀行の昭和四十四年の調査によりますと、夫が五十二歳で六十五歳までの夫婦の生活費は二千百万円かかる。あるいはまた生命保険協会が昭和四十五年に調査いたしますと、夫が五十五歳で退職後、夫婦が平均寿命まで生活する場合には千三百二十五万円の金がかかる。これだけの費用がかかる。あるいはまた古賀誠さんという方が調査をされた資料によりますと七千六百九十五万円、これは昭和五十五年に五十五歳で退職し、夫婦のみ平均寿命を全うする場合の定年後の必要準備費。実に七千六百九十五万円かかるという、相当この金額には差がありますけれども、いろんな基準の取り方によってこういう数字が出てきたものと思われます。しかし、いずれにしても、私どもが想像する以上に、はるかに定年退職後の経費というものが非常にかかるということは、これらの資料を見ても明らかであるわけであります。こういった資料をむしろ政府のほうも調べて、一般国民に発表していくということが、国民全体の、特に老後の問題、老後の生活保障の問題が大きくいま叫ばれているとき、しかも老年人口が飛躍的に増大をするときに、これは他人事ではなくて、国民全体の大きな課題だろうと思うわけです。こういう試算を政府も積極的にやるべきであろうと思うんですが、ちょっと政府の見解をお聞かせ、あるいは人事院の見解をお聞かせ願いたいと思います。
#17
○政府委員(皆川迪夫君) 御指摘の点は、大きな社会福祉政策あるいは老人対策等を踏まえて考えました場合に、きわめて重要な事柄であろうと思いますが、これを直ちに退職年金と結びつけて考えることはいろんな点で困難な点があろうかと思います。御案内のように、退職金の制度というのは、定年までおつとめになった方から、そうでなくて早くやめる方まで全部なべての一つの制度でございまして、いまお話しのありましたような点は、むしろ年金の問題等の角度からとらえなければならぬ要素が多いかと思います。もちろん私たちもその点で無関心であるわけではないのでございます。いままでそういった調査はいたしておりませんけれども、これは国民老齢年金全体の問題ともからむと思いますので、十分検討いたしたいと思います。
#18
○片岡勝治君 何も公務員の退職金だけの資料として、そういうものをやれということじゃなくて、いま申し上げましたように、老人問題が大きくいま浮かび上がりつつあるときですから、そういう資料を積極的に推計して国民にどんどん発表する。国民もそれに対応した準備なり何なりやるということは、私は決してむだではないし、そういう資料をどんどん出すべきである。それが民間の賃金、退職金、もちろん年金、そういうものに大きく活用されるだろうと思うわけです。そういうものを出すと、国民の要求が高まるから政府としてはなかなか出しにくい。やらないほうが得だというふうなことがもしあるとすれば、それはたいへんな問題だろうと思う。銀行までがこうして調査をするのです。その前に私は政府がやるべきであると思うのです。これはぜひやっていただきたいと思います。
 さて、そこでいま退職年限の発表がありましたが、これもたいへん資料が古いということで私は不満なんですけれども、こういう点はもっと適切な資料を、十年前の資料ですね、昭和三十六年というと。
#19
○政府委員(皆川迪夫君) 失礼いたしました。先ほど三十六年と申し上げたとすれば、たいへん恐縮でございます。四十六年でございます。
#20
○片岡勝治君 それならばけっこうです。これで見ますと、私どもが想像していた以上に、比較的若年で、つまり若い人の退職者が相当あるということなんですよね。そうすれば、この二十年以上のつまり勤続者に対して、特例措置として二〇%の加算をするということが今回の大きな改善の内容でありますけれども、これを見ますと、十八年、十五年一生懸命にやった者については何ら特段の措置がない。二十年やればプラスアルファが二〇%つくということは、これはちょっとおかしいのではないか。まあこれが人数が非常に少なくてほとんど問題にならない、二十年未満の者が。そういうことであれば、まあ実態として大部分は適用されるわけでありますけれども、これを見ると、そう大きな開きがない。予測しているよりもはるかに多くの人が二十年未満でやめていくという実態があるとすれば、これは三年、五年でプラスアルファを加算をつけるということについて、これは論外といたしまして、少なくとも二十年に近い年数については、この実態からすれば配慮すべきではないのかと思うわけでありますけれども、これについてお考えを伺わせていただきたいと思います。
#21
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど申し上げましたように、五年未満でおやめになる方が一万二千三百三十一人ということでございまして、圧倒的に多いわけでございます。それから十年以下がその半分近く、約五千六百人くらいいるわけでございますが、十年から二十年までの間になりますと、ずっと数字は落ちてまいっております。御案内のように、現在、昭和三十二年の改正によりまして、その当時在職された方には特例があるわけでございますから、現在の制度でいきますと、在職十六年以上で、いまおやめになる方は大体その四条特例が働くわけでございます。さらに、これを一般的にそのほかの人にも広げるかどうかということがいまお話しの点であろうかと思いますが、実はこの官民比較を行ないました結果を見ますと、公務員全体としての退職金の割合というのは、そう民間に比較しまして遜色がないというふうにうかがわれるのでありますが、ただ、民間で定年退職をされた方と公務員の勧奨退職というものを対比してみますと、公務員のほうが悪いという数字が出てきましたので、いささか単純な作業かもしれませんけれども、そういう実態に合わせまして、現在採用しております二十年以上の勧奨退職について割り増しをするということにいたしたわけでございます。もちろん、退職金の考え方にもよろうかと思いますが、先ほどお話しありましたように、若いうちに退職なさる方は、比較的そのほかの職場でお働きになるということもいろいろあろうかと思いまして、現在、いままでの制度を踏襲しまして、勧奨退職部分について上積みをするということにいたしたのでございます。
#22
○片岡勝治君 この法律ができれば、自治体のほうもこれにならった措置が講ぜられると思うわけでありますが、これは政府の方針でもあって、いろいろ社会保障制度の拡充整備が今後大幅に行なわれていくであろうと思うわけです。私は神奈川県でありますけれども、いろいろな医療センター、医療施設ができておりますが、医者、看護婦、医療技術者がいないために、ベッドが三分の一、あるいはひどいところは半分あいているわけであります。こういうところは、お医者さんにしろ、医療技術者あるいは看護婦さん、相当中高年齢層をどしどし入れざるを得ないわけですよね。そういう人は、全部これははずれるわけですよ、二十年勤務しなければプラスアルファが出ないということですから。そういうふうにこれからどんどん拡充する層、しかも技術関係については、定年までやったとしても二十年未満の人が私は今後相当出るのではないか。そういうことになれば、何だ、十八年つとめたって、だめなのかということになれば、これはなかなかお医者さんにしろ、医療技術者にしろ、そういう人を確保することはたいへんむずかしくなると思うんですよ。もし政府がそういうことで社会保障制度をどんどん拡充するということになれば、そういった技術関係、中高年齢者に対しても特段の措置を講ずるということがなければなかなかむずかしいだろうと思うんです。したがって、そういう点については、もっと積極的に取り組むべきであろうと思うわけでありますが、再度この点についてお答えを願いたいと思います。
 あと、具体的に申し上げますが、こういうふうに退職金を改善をいたしますと、一般の人たちは、ことによると、大幅な整理があるのではないかということを心配するわけであります。つまり、そういった行政整理のための特例措置ではないということをひとつこの際明らかにして、公務員全体を安心させていただきたいと思うわけであります。
 それからこの法律ができますと、いま申し上げましたように、自治体のほうもこれにならうわけでありますが、自治体によっては、あるいはまた政府関係のそれぞれの機関で、いままで退職金についての協約、慣習、慣例、そういうものによって若干の配慮があったと思うわけでありますけれども、この法律ができたことによって、もしそういう既得権と申し上げますか、そういうものが奪われるということは万々ないと思いますけれども、そういう点についての見解を明らかにしていただきたいと、このように思うわけです。
#23
○政府委員(皆川迪夫君) 第一点の勤続期間の短い方の退職金についての検討の問題でございますが、先ほど私は、今回の措置は、こういう考えに基づいて二十年以上の勧奨退職者にとどめたのでありますということを申し上げましたが、お話のように、将来の雇用状況の変化、あるいはこれに伴って民間における退職金の取り扱いの異同、こういう事情を十分に調査して、将来ともに検討してまいりたいと思っております。
 それから次に、勧奨退職を強行するんじゃないかというようなお話でございますが、これはそのような考えのもとにこの法律をお願いしたわけではないのでございまして、もちろん職場の状況からして、従来のような勧奨退職制度というものは存続していかなければならないと思いますが、特に、この法律をてこにしてこれを強化していこうというような考えは毛頭持っていないのでございます。
 それから地方団体の扱いにつきましては、自治省等におきまして、国の措置に準じた取り扱いをするように行政指導をいたしておりますが、個々の自治体の判断によりまして若干の付加的な取り扱いをしておるところもあると思っております。しかし、この問題につきましても、一般論としては別として、この法律に関連して特に強い是正を求めるというようなことは、私たちとしても考えておらないのでございます。
#24
○片岡勝治君 一応、私はこれで終わります。
#25
○鶴園哲夫君 国家公務員の退職手当法ですね、これはちょうど十四年ぶりぐらいに出てきたのですよ。せっかくの機会ですからいろいろお伺いをしたい点もあります。ですが、ちょうど人事院総裁も見えておりますので、また給与担当大臣もいらっしゃいますので、まず、公務員の給与の問題について若干お尋ねをしたいと思います。
 一つは、この間の予算委員会で、私どものほうの安永委員が総裁に対しまして質問しまして、義務教育の先生方に特段一〇%かさ上げするという点について、総裁の答弁をたまたま私聞いておったのですけれども、まああの法律があろうとなかろうと人事院としては勧告するんだと、なおまた一〇%格上げといいますか、そういうものは人事院が従来考えてきた路線の上にあるんだと、こういう答弁をなさったように私は記憶しているわけなんですよ。そうだったですね、そのとおりなんですね。それをまずお尋ねします。
#26
○政府委員(佐藤達夫君) 骨子はまさにそのとおりでございますが、一〇%というのは法律のどこを見ても出ておりませんから、私は一〇%ということばを出した覚えはございません。
 それからもう一つは、それは法律があろうとなかろうと、もちろん勧告権がありますから、必要があれば勧告いたします。ただし、その法律があれば、何と言ったかな、なお心強いと言いましたか、何かそういうことばをつけ加えた、あとはもうおっしゃるとおりです。
#27
○鶴園哲夫君 給与予算の中には一〇%を組んであるんでしょう、予算の上にはね。ですから、よく言うように、一〇%とわれわれも承知しておるわけですよ。これは人事院総裁も御承知だと思う。
 そこで、お尋ねをしたいのは、従来の人事院の給与の考え方からいいますと、そういうことには直ちにはならないのじゃないかと、直ちにはそういうことにはならないのじゃないかと。私は、だからその意味では、従来とは人事院総裁お考えをお変えになったのじゃないかというふうにそのとき非常に強く感じたわけなんですよ。従来からいえば、そんなことにはならないですよ、総裁。というのは、あれは人事院の勧告というのは、よく世上、勧告体制、勧告体制といいますけれども、私は勧告体制の本質は、中身は、民間給与をたいへん詳細に、全国にわたって非常に詳細な調査をされて、そしてその上に総合格差なるものをつくり上げまして、たいへんな大きな構築物ができておって、その構築物から勧告が出てくるわけですね。ですから、従来の人事院のそういう勧告体制といいますか――からいえば、先ほどの総裁のような発言は変わったというふうに私は思うんですけれども、もう少し簡単にいえば、従来の勧告のやり方からいえば、一〇%というようなものは、それはこんりんざい出てこない。出てくるはずはないと私は思うんです。ですから、これお変えになったんだろうと私は思うんですよ、どうですか。
#28
○政府委員(佐藤達夫君) これは、変えたということには私は絶対にならないと思います。一〇%ということばも私自身は使っておりませんが、もっと根本にさかのぼれば、大体一般の八月勧告による給与の引き上げの原資というのが予算にどのくらい盛り込まれておるかと、初めは勧告が出てからたいへん大騒動されて、補正予算か何かお組みになったわけですが、その後これは改善されて、本予算の中へ顔を出しておるわけですが、これがなんと五%なんですな。われわれは五%が入っているということはそれは承知の上で、十コンマの何%や十何%とかというのを勧告しておるわけでございます。その点は、たまたま一〇%か百三十億か知りませんけれども、そのお金入っているのと、これは理論的には全く同じことで、最近になって心変わりがしたとかなんとかということには、これはならないわけだと考えております。
#29
○鶴園哲夫君 総裁、もう少し率直に話していただきたいんですけれども、私も突然この内閣に来ましたので、六年か七年ぶりに――その間ごぶさたいたしておったわけですけれども、しかし勧告のやり方は変わっていないと思うんですけれども、勧告は毎年拝見さしていただいておりますから。ですから、従来のこれは勧告のやり方からいえば、それはとても予算に組んである一〇%というものを格上げするというようなやり方にはならないのではないかと私は思いますですよ。しかも、総裁の予算委員会における答弁は、これは人事院の勧告の路線の上にあるんだと、私も、三年や四年、五年という長期の見通しを持てば、そういうことを言えるかもしれませんですが、しかし来年という、あるいは本年という問題を考えた場合にはそう簡単ではないと、このことは。だから、やっぱり私は時代とともに人事院総裁の考え方もお変わりになるのは、これはあたりまえの話であって、これはもう二十年前にできたやり方をあまり変えない、少しは変えてきたけれども、あまり変えないということでは、これまたまずいわけですから、その意味で私は、総裁が昨年あたりからだんだんお変えになったような感じがするし、今回発言を聞いておりますと、相当にこれは変わったなと、いいことだと私は考えておったわけですよ。ところが、どうも総裁のいまの話を聞いていると、どっちともとれぬような話で、期待に反するような向きがあるんですけれどもね。だんだんお変えになるつもりじゃないんですか。
#30
○政府委員(佐藤達夫君) たいへん含みのあるようなおことばで、御真意のあるところをちょっとはかりかねますけれども、まあ変えたという覚えはございません。基本的ですよ、基本的な態度というものは、いままで鶴園委員しばらくお留守でございましたけれども、その間に変わったようなことはございません。そういう意味を申し上げておるわけなんです。しかし、形はいろいろな形でそれは周囲の条件というのはあらわれてきますから、そのいろいろな形の中でどうわれわれが対処していくかという問題になるわけです。しかし、いろいろ形がございますけれども、われわれとしては、基本的な態度は従来どおりで、一貫しておるつもりでございますし、今後もそのつもりでおります。これも禅問答のようなことになりますけれども、そういうことになるわけだと思います。
#31
○鶴園哲夫君 もう一つ、総裁。この点はちょっとおかしいですね、総裁。あるいは正確に勧告体制というのを御承知ないのかな。ちょっと解せないですね、総裁の考え方は。総裁、もう一つ、予算委員会で、あれは共産党のだれかだったと思いますが、質問いたしまして、医療職の(三)ですね、医療職の(三)について特に上げることを配慮したいというようなお話がありました。御記憶だと思うんですね。私はそれも聞いておったんです。だから、医療職の(三)を特に上げるというようなお話になりますと、これはやっぱりいままでの人事院の行き方からいきますと、相当これは変わってきたなという私は感じを持っているんです。で、われわれもいままで公務員の賃金についていろいろな意見を言ってきました。その一番焦点は何であったかといえば、それは人事院が非常にかたくなな総合格差というものを使ってやっている、それがいかぬというのがぼくらの最も大きな主張点だったわけですよ。その点が非常に弾力性が出てきたというふうに私は考えまして、ですから、たいへんかたくなであったところが、たいへん変わってきたと、変わりつつあるんじゃないかというふうに私は判断したわけです。そういう意味でお尋ねしておるわけなんですよ。
#32
○政府委員(佐藤達夫君) そういう意味ならよくわかります。いまの看護婦その他のお話も一緒に出ましたけれども、大体てまえの問題として一言申し上げておきたいのは、今回問題になっておりますような事柄は、まあわれわれが多年念願してきたことであるということですね。これは速記録にもちゃんと出てますから、証拠は残っておるわけです。その念願しておるところではありましたし、またその実現に努力はしてきましたけれども、これは鶴園委員十分御承知のとおり、かたくななというおことばがありましたけれども、まあそれに近いような官民格差というものをたてにとって考えていますと、たとえば行政職の割り当て分をこっちへ持っていって、ほかへ犠牲を与えなけりゃこっちのほうは伸びないというやりくりの問題が非常にあるわけです。したがって、十分努力はしてきましたけれども、その辺のところを考えると、あんまり伸び伸びとした野心的な手当てはできなかったと、これは言えるわけですね。
 ところが、今回幸いにして――私どもは幸いにしてと申しておるんですが、ガソリンの特配があったと、こう申しておるんですけれども、われわれがかねがね念願しておった教員の分と、それから看護婦さんの分とについて、予算上の措置をしていただいたということでありますから、たいへんけっこうなことであり、今度の法律がかりに不成立であっても、勧告権は持っていますからと、しかし、まあそれは法律があったにこしたことはない。さらに、つけ加えていけば、法律が妙な形で不成立にでもなるとわれわれの出る幕はなくなるぞというような気持ちは、これは持っていますけれども、大体において、そういう気持ちでこれを迎えておるものですから、先ほどのようなことになるわけでございます。
 ところで、いまのかたい官民比較の鉄壁と申しますか、そういうことにこれが触れてくるわけです。私は、これはもう事柄の性質上当然――今度はかりに一〇%か何%か知りませんけれども、教員の給与を上げて、それで今度官民比較をやられた日には、これはとんでもないひずみが出てくる、ゆがみが出てくるということはもう目に見えておりますからして、その辺のところは、これは新しい時代に対処してわれわれは考えなければならぬということは、あたりまえのことなんです。基本的精神はそのまま堅持いたしますけれども、その辺の周辺の整理というものはあり得るのではないかという気持ちを持って臨んでおると、こう申し上げればもう十分おわかりになっていただけると思います。
#33
○鶴園哲夫君 そこで、総裁、二つ問題があるんですけれども、一つは、従来の考え方というのはがっちり置いといてという話ですから、その問題が一つと。もう一つは、いまお話しのような教育職の(三)ですね。義務教育の俸給表、教育職の(三)。これは少なくともいままでの非常にかたくなな構築物から引っぱり出さにゃいかぬですね、はずさにゃいかぬ。はずさなければ、とてもいま総裁のお話しのようなことにならぬわけで、また、総裁もそういうようなお話をなさっていらっしゃる。そうしますと、問題は教育職の(二)ですね、これも考えにゃいかぬわけです、これは。政府も考えると言っているんです。それから教育職の(一)ですね、これも当然考えにゃいけない。それから教育職の(四)ですね、これも考えにゃいかぬ。そうでありませんと、ここのところは民間よりぐっと高いわけですからね。それを官民格差という総合格差の中で非常にかたくなに押えられていたわけですから、どうしてもそれをとれと、われわれはしょっちゅう主張してきたわけですよ。それがとれつつあるわけです。とれつつあるわけですから、ですから、その意味でいいますと、これはいま問題になっている義務教育の教育職の(三)だけではなくて、(二)も(一)も(四)もこれは変えなければならないということになります。
 もう一つ、この問題は、当然従来から非常に問題でありました医療職の(一)ですね。これはもう俸給表になっていないですね。とにかく調整手当というのが二十何年もつくなんというおかしな俸給表ですよ。こんなおかしなものはないです。二十何年も、やめるまで調整手当がついているなんというようなこと。それはまあ別にいたしまして、たいへんこれは問題があるわけですね。これは教育職よりももっと大きな問題がある。御承知のとおりです、これは。教育職にも劣らない問題を持っています、これ。研究職もそうでしょう。当然私は、これは医療職の(一)も考え直さなければならないと思うし、研究職の俸給表もこれは考えなければならない。さらに、これは従来から問題であった税務職俸給表、これも考えにゃいかぬです。警察官の俸給表、公安職の(一)、(二)、これも考えにゃいかぬ。そうしなければ問題は解決しないと私は思うんです。
 そこで、総裁、何か前のやつはがっちり握ったままとおっしゃるけれども、握ったものは中身はなくなっているわけですよ。握っていらっしゃるものは、とっととっと抜けちゃうんですよ、これは。いま私が申し上げたようにみな抜けちゃうんですよ。抜けなければならぬですよ、また。そうしますと、しっかり持ったとおっしゃるけれども、そのものは、中身はなくなっているじゃないかと。そういう意味で私は、人事院が二十年来持ってきましたこの民間の給与を詳細に調査をして、その上に積み上げながら大きな構築物をつくって、その頂点にあるのが、総合格差というものをつくって、そして、それでこの俸給表をつくっていったその体系というものが、いわゆる構築物というものが、これはその中身など急速になくなってきている、また、なくしなければならないと。そういうところに人事院としてきているし、総裁はそういうようなお話をなさったものと私は考えておるわけです。これがまあそういう時代の移り変わりに対する人事院のまた態度でなければならぬのじゃないかと私は思うのですけれども、それについて二つ私は申し上げました。総裁の御意見をいただきたい。
#34
○政府委員(佐藤達夫君) これは実は昨年の勧告の際に、衆参両院の内閣委員会で声を大にして申し上げたわけでございますが、とまれ昨年をもって四月にさかのぼって完全実施ということができた。これは給与勧告史上画期的なことであろうと、ついては、次は給与体系その他の根本的な再検討に取りかかるのでありますということを大きな声で申し上げたわけです。そういう再検討に取りかかるのでありますということは、ずいぶん幅広いこれは問題で、また底の深い問題であるわけです。たまたま、さっきのお話のひっかかりから、今度のたとえば教員給与の問題なんていうのは、その面で一つのいい刺激に、私どもは歓迎すべき刺激だと思うのです。だから、今度の措置は非常にいいということで、べたぼめでおるわけですけれども、そういう意味ではいい刺激でもあるしというようなことで、いまお話しになったようなことを、いまここで具体的な、まだ勧告が相当時期がありますから、考えているわけじゃありませんけれども、まあそういう点が、いろいろ考えるべき点があるなということは確かに考えておるわけであります。
#35
○鶴園哲夫君 私は、いま総裁のおっしゃったように、私はまあ不幸にいたしまして、総裁の声を大にしておっしゃった二つのことをたまたま聞いていなかったわけですけれども、私はおっしゃるとおりだと思うのですね。去年おっしゃったそうでありますが、四月一日になったという問題、これは確かに勧告史の上においては画期的な問題だと思います。続いて、いま総裁のおっしゃった給与体系の問題について――給与体系といいますか、給与の問題について、根本的なひとつ検討を進めていきたいという考え方ですね、これも私たいへんおっしゃるとおりだと思っております。
 で、一番目の問題は、画期的という、おっしゃるとおりだと思います。いま二番目ですね、おっしゃった問題。これはいま私が御質問をいたしておるわけですけれども、つまりその教育職の(二)、教育職の(三)、義務教育の先生方の給与の問題、それから、そういう問題からいいますと、これまた私は四月一日よりももっと画期的な問題だと、そう思っておるわけです。画期的なものが二つきますと、どんなことになるのかということになりますけれども、私はたいへんな事態じゃないか、そういうふうに思っております。そういう点についての総裁のお考えがありますか、どうですか。
 もう一つ、これは政府に伺いたいのです。四月一日の問題については、これは政府も十分御承知のとおり、総裁がおっしゃるとおりに画期的な問題であります。人事院史上において画期的な問題です。そうしてもう一つ、いまお話しのその一〇%の問題、これまた、もう勧告史上において決定的な私は大事件だと思うのです。そう思うのです。そういう問題について、政府としてはどうお考えになっていらっしゃるか、政府のお考え方も聞きたい。
#36
○国務大臣(坪川信三君) 今回、いま御指摘になりました法案は、御承知のとおりに、ことに義務教育の重要性にかんがみまして、これらの関係職員に対しまして特別な給与措置を講ずることによりまして、学校職員のよりよき人材を確保いたしまして、教育の水準向上、維持をはかりたいというのが今回の法案の目的であると私は解釈いたしておるような次第であります。したがいまして、人事院におかれましては、これを受けられまして、公正な判断をされまして、適切なるところのこれに対する改善の措置が要請されるものと考えておるのであります。したがって、政府は、これを踏まえましてそれぞれの措置を講じてまいると、従来も、今後も、こうした給与に関する問題は何ら変わることなく、公務員の適正な第三者機関としての公正な答申を踏まえまして、これを具現化いたしていくという政府の方針は何ら変わらないこと、また、従来と同様の人事院の公正な判断を待ってこれを行なうということであることを御理解願いたいと思います。
#37
○政府委員(佐藤達夫君) いま鶴園委員は、画期的ということは二つあるようにおっしゃられたように思いましたが、私どもとしては、それは違うということを申し上げさしていただきたいのは、私がさっき画期的と申しましたのは、昨年の勧告を四月にさかのぼって完全実施ということができたということは、勧告史上これは画期的なことであるということを申し上げたんですね。それしかないわけです、われわれが画期的と考えておることは。いろいろその後に起こった、たとえば、いまお話しの今度の問題などは、これはわれわれとしては喜ぶべきこととは思いますけれども、決して画期的と考えておりません。
#38
○鶴園哲夫君 去年、いま総裁のおっしゃった画期的という問題ですね、四月一日の問題。で、そのときの新聞は、各紙とも大体社説を掲げまして論評いたしました。それは、人事院の機能というものは一体なくなったのじゃないかというのが論評の趣旨だったと思うんです。それはだれしもそういう印象を強く受けたです。で、新聞が、各紙が社説でそういう取り上げ方をした。一体人事院の勧告権というのはどうなったのかと、人事院の機能というのはどうなったのかという論評だったんです。今度は、これは実施の時期じゃなくて、その内容について出てきているわけです。これはまた勧告以上のものです。これは私は、従来、そういう意味では人事院が怠慢であったというふうに言って何ら差しつかえないと思うんです。怠慢であった面があるというふうに思います。ですけれども、私は、今度出た問題は、これは四月一日よりもっと大きな問題だ。しかも政府がこれは法案として出したわけです。何かいろいろお話はなさいますけれども、これは政府がはっきり出してきた。人事院の中立機関としての存在というものについては、これは非常な大きな私は問題だと思います。そのことが、私が冒頭から申し上げているように、人事院の長い間の勧告体制といいますか、それが、その中身がだんだんだんだんなくなっちゃって崩壊に瀕しておるではないか。それは計算はなさいましょうし、構築そのものはありましょうけれども、それは中身のない空虚な構築物として残るという段階にきておるのではないか。ですから、昨年の人事院総裁みずからおっしゃった画期的な事件、私が言う今回の画期的な事件に大きく発展しようとしておるこの問題、この二つをいえば、一体国家公務員法によって与えられている人事院の機能というものはどうなっているのか、私はその点を総裁にお尋ねをしたかったし、それから政府の総理府総務長官にお尋ねしたかったわけなんです。そういうところにきておるんじゃないですか、全体の流れとしては。
 具体的に、公務員の賃金というのは、これはもうだれが何と言おうと、どう言おうと、これはもう事実のように、公務員共闘というものがあって、それが政府に対して要求書を出し、政府がそれに回答を出して、そうして政府との間の交渉をやっておるわけです。そして人事院に対しましては要請書を出しておる。具体的なそういう運動というのは、はっきり進められてきているんですから、そういう中で公務員の賃金というものをおのずから考えざるを得なくなってきている。それが私は昨年画期的な事件になり、今回また大きな画期的な事件に発展してきている。その二つがそろえば、これは一体人事院の存在というのはどういうことなんだ。形は残るでしょう。構築物もありますけれども、中身はないですよ。どういうふうにお考えなのかという点が私のお尋ねしたい結論なんです。
#39
○国務大臣(坪川信三君) おことばを返す意味じゃございませんけれども、今回の給与の問題は、さっき申し上げましたとおりでございます。政府といたしましては、公務員の給与に関しましては、いわゆる労使が相対しましてこれを話し合うということでなくして、国民的な立場に立って、この問題の第三者の中正な立場であられる機関が、これに対してあらゆる角度からこれを踏まえられ、あらゆる資料を通じられて、科学的にこれらの問題に取り組まれて、そして適正な答申が出ましたら、それを政府は誠意をもって受けて、その具体的措置を講ずる。これが私は一番よりよき方法であり、正しい道であると考えておるような次第でございます。どうかそうした意味において、政府の意のあるところを、やはり民間に追従するというような形でなく、民間の正しい給与体系を十分把握され、それを踏まえられて公正な答申が出された場合には、政府は十分誠意をもってこれに処する、これに具体的な措置を講ずるという従来の、また、今後の方針をひとつ御理解願いたいと考える次第であります。
#40
○政府委員(佐藤達夫君) 古いことを申し上げたくはありませんけれども、たまたまお話が出たので、何か二度、また重大事件――たいへん二度というのがたびたび出てまいりますが、それは昨年の四月一日云々の点にお触れになったわけですが、これはその当時この委員会でも申し上げたと思いますけれども、新聞のとにかく報道そのものというものは、見出しを見るといかにも政府――政府というのか、使用主としての政府と申し上げたほうがいいかもしれませんが――が、もう先ばしって、四月が適当であるというふうなことを表明された。これは総評ですか、の関係との首脳会談の席上でそういうことを言われたような形で大見出しが出て、それが非常にいろんな誤解を生んだと思います。新聞の記事の内容を見ますというと、そこまでのことは書いてありませんし、現に、私が気にして政府筋なりあるいは組合筋の方々にお尋ねしたところでも、そういうことではなしに、非常に話はかたい話で、人事院の勧告は完全に実施する、時期は四月一日であっても実施するというような形であったとわれわれは聞いておるわけです。いかにも先に使用者たる政府側が四月を打ち出されて、人事院はそれを受けて立ったというようなふうに世間にとられておることは、はなはだ心外なことである。われわれ発表はしておりませんでしたけれども、あれは七月でしたかしりませんが、その前にすでにもう勧告は、準備する過程においては四月実施を前提としてやっておったわけであります。たいへんくやしい思いをしたということだけを申し上げさせていただきたいと思います。
 そのあとの基本問題のほうは、これは、いろいろ、いまおことばに出てきたような現象があります。われわれは非常にそれはまた不愉快なことだと思っておるわけでありまして、労働基本権を回復されるということは、これは大きな問題、次元の高い問題でございます。これは現に公務員制度審議会でも根本的に検討されておるところでございますが、その関係が何とか具体化しない限りにおいては、厳然として人事院がやはり労働基本権の代償機関として重大な使命を負っておるわけでありますから、われわれはそういう基本的な改革がなされるまでは――いつなされるか知りませんけれども、それが成立すれば別でありますけれども、それまでは、われわれはいま申しました労働基本権のいわゆる代償機関として重大な使命を持っておるという意気込みで取り組んでおるわけでありますからして、したがいまして、これもよく職員団体の方々との会見の際に申し上げるわけで、現在のわれわれはやはり基本権の代償機構として機能を果たしておるという使命感でやっておるんで、かりに労働基本権を回復される暁においても、さかのぼって人事院時代を振り返ってみられて、やっぱりいい勧告をしておったなと思われるようなふうにあるべきだという意気込みで勧告をやっておるんだということをたびたび言明しておりますけれども、それは決してうそ偽りではないわけであります。
#41
○鶴園哲夫君 まず、総裁に申し上げたいんですけれども、これは総裁、改革があるかないか、改革があるまではこうだとおっしゃいますが、しかし、私は、人事院がそういう中立の機能を持って勧告をしていくという体制は昨年から大きくくずれているんだと、大きくくずれているんだと。そうして本年また決定的にこれはくずれつつある、崩壊過程にあるという私は考え方を持っておるわけです。これは急に一ぺんに変わるわけじゃなくして、中身がだんだんなくなって、ある時期になったら法律が改正になる、こういうことになっているんじゃないかと私は考えておるわけなんです。総裁の話を聞いておりますと、大体そんなもんじゃというお感じをお持ちのようでありますが、けっこうな話だと思います。
 もう一つ、政府の総理府総務長官に。長官のお話は十年前に聞いたような話で、これはずっと時代おくれですね。もともと人事院の勧告というものと政府との関係、これはもう二十七年か二十六年の歴史がありますけれども、初めは人事院が勧告したってさっぱり実行しなかったんですよ。それは金額を値切るのはもう毎年のこと、実施時期なんというのは翌年やったのですよ。具体的に、私は三十四年に国会に出てきた。三十四年の七月に勧告があった。その勧告は勧告の実施の時期を明示してなかったんです。いまの総裁と違いますけれどもね。前の総裁ですけれども、前の前ですかね。実施時期、期日を書いてないのですよ。勧告に日にちを書いてないという勧告があるかと、がみがみ言うのですけれども、なかった。実施はいつだと思うと、翌年の四月一日実施ですよ。これはずっと前も、続いているのですよ。翌年の四月一日実施ですよ。それが三十五年に五月一日というふうに人事院は勧告の実施時期を明示した。それが十月になったのですかな。とっととっととなかなかに動かないで十何年かかった、これが五月一日にくるのに。どうです、政府のおっしゃることは、勧告が出たら、それをまじめにとか、そんな問題じゃないんですよ。まじめじゃないんですよ。額は値切るわ、実施時期はむちゃくちゃに値切るわ、そういうものがどんどんどんどんこの公務員と政府なり人事院との関係の中で運動として発展してきているのですよ。それを実施しなければならなくなったんですよ。守らなければならなくなった。そして昨年は御承知のように四月一日ということになってきたわけですよ。今度は、御承知のように、これはもう政府としても黙っちゃおれぬというところへきたんですよ。だから、その一〇%出ざるを得ないですよ。これは政府としては、おそらく研究職についても、医療職(一)についても、看護婦さんについても考えたに違いないです、これ。だれしも、そう思っておるんですから。人事院だけはそう思っていなかった、いままで。それは、その総合格差というものは押えられておったから、やむを得ない、やむを得ないということで理屈を立てておった。それはそれなりにまた理屈はありました、それは。現実はそうじゃないんですよ。
 そうなった場合に、一体、これは先ほど総理府総務長官のお話のあったようなことは、これは通り一ぺんの理屈であって、十年前の理屈ですよ。時代はそういう時代じゃないですね。ずっと変わってきているのですよ。私は前進してきていると思うのですよ。だから、ここでやはり新聞等でもよく問題になりますように、また公制審のほうでも盛んに問題になっておりますように、労働基本権というものを考えなければならぬ段階になってきている。事実そう動いてきていますよ。何か盛んに歯どめを、歯どめをというふうに総理府総務長官お考えになるかもしれませんですがね、そうじゃないんじゃないですかね。やっぱり大きな流れの中で正常な関係というものを取り戻していく、憲法で言う正常な関係を取り戻していくというふうに持っていかなければならぬと思うのですけれどもね。その点について、総理府総務長官もう一ぺんひとつ。
#42
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから御意見を私なりに十分お聞きもいたしておるような次第であります。私も昭和二十二年から長い議員生活をやっておりますけれども、給与問題については一歩一歩と私は非常に力強く進んでおり、進歩いたしておると考えておるのでございます。したがって、この二つの二大事件がいかにも大きい事件かのごとくおっしゃるけれども、私はそう解釈しません。当然なことである。当然とられた措置である。それが飛躍的に直ちにそうしたことが取り組まれるということは、やはりなかなか困難であることも御理解いただけると、こう思います。したがって、私は十年立ちおくれているというふうな気持ちはいたしません。二、三年まだ進んでいると、こういうふうな気持ちを――おしかりを受けるかもしれませんが、いたしておるような次第であります。
 また、基本的なスト権の公制審の問題でございますが、ほんとうにいま公制審において意欲的に、積極的にそれぞれ三つの各委員において取り組んでおられ、これが適切なるところの答申が行なわれることを深く期待いたしておりますので、その答申が行なわれました場合には、それを尊重いたしまして、それぞれの政府の方針を最終的にきめたいと考えておりますので、御理解願いたいと思います。
#43
○鶴園哲夫君 総理府総務長官、私は十年間の歴史を申し上げて、結論として御質問申し上げたんですけれども、なおそういうものはお考えなく、ぽかっと紋切り型の答弁で、はなはだ不満ですけれども、実態は十年の歴史というものがあるわけです。力強く一歩一歩前進しましたけれども、それはやはり公務員共闘というものの力ですね。それは弱いときにはやらなかったんですから。木で鼻をくくったような感じで、実行しなかったんですから。それはやはりそういうふうばかりにはいつまでもいきませんですわな。今日は前進してきているというふうに思います。
 少し具体的な問題になりまして伺いますが、総裁、すでに五月一日に入りますと、連休が明けますと一斉に全国の調査を行なわれるわけですね。すでに調査票もできておるわけだし、もうおそらくあっちこっちで全部各県で説明会も終わったんだろうと思いますが、今度の調査の中で、特に従来と変わったようなものがあるんですか。たとえば交通手当がどうだとか、あるいは住宅手当がどうであるとか、あるいはその他看護婦さんの夜勤手当がどうであるとか、その他週休二日制がどうだとか、定年制がどうだとか、そういうような問題について調査なさっている面があるんでしょうか。調査の内容について簡単に御説明をいただきたいと思います。
#44
○政府委員(佐藤達夫君) まず、例の地域給に当たります調整手当がことしは一応再検討の時期になっておりますので、昨年あたりと違いまして、調整手当関係の調査項目を入れております。それから先ほど申し述べましたように、根本的に見直そうという立場から、いろんな手当などについても一応幅広く、去年調べたものもありますけれども、一応幅広くこれを洗ってみようというような準備をしておるわけであります。その他定年制の問題は――勤務時間、週休二日はもちろん調べるつもりでおりますが、定年制の問題は調査の中には考えておりません。
#45
○鶴園哲夫君 そうしますと、住宅手当とか、そういったほかの手当等の問題についてはどうですか。
#46
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど触れましたのですが、そういうことはずっと一ぺん洗ってみようという意味で、当たるつもりでおりますということであります。
#47
○鶴園哲夫君 それでは、私、久しぶりに内閣委員会に来て給与表を見てみたんですが、たいへん指定職俸給表というのがえらい人間がふえまして、たいへん人間がふえてますね。あれが創設されましたのは、三十九年の勧告でできて、ですから四十年から実施した。四十年に指定職俸給表の在籍人員というのが出てくるわけですけれども、それから七年たって、八年ぐらいになりますか、七年たっているわけですね。それで約二倍にふえてますね。非常にわれもわれもと指定職俸給表の中にもぐり込んだという感じを与えているんですが、最初この指定職俸給表ができましたと雪の人事院の説明は、それは事務次官が指定職の甲であると、外局長官が指定職の乙であると、こういう説明であったですね。私が最後に内閣委員会をやめるころ、ですから七年ぐらい前になりますか、そのころには重要局長という者を指定職の中に入れるというような話をなさっていらっしゃったんですが、それからまたこう見てみますと相当ふえている。局長は全部入っておるんじゃないですか、指定職の中に。どういう状況になっておるのか、この指定職の甲、乙の問題、どこまで入っているのか、それを簡単に御説明いただきたい。
#48
○政府委員(尾崎朝夷君) 公務員の給与につきまして、民間との関係をいろいろ調査をしているわけでございますけれども、民間との対応関係といたしまして、たとえば民間の大会社の部員級、それから課長級という関係を、そういう組織関係をつぶさに調べてきておりますけれども、民間の部長級につきましては大体三十人ぐらいの規模でございます。それから、民間の課というのは大体十人ぐらいの規模の課が標準でございまして、そういう関係からいたしますと、公務員の場合の対応する関係は、部長級に対応する、つまり三十人ぐらいの規模に対応するものとしましては、現在重要な課はたいてい三十人ぐらいの規模を持っているわけでございまして、そういう関係で重要課長を対応させ、まあそうでない課長につきましては、課長級と対応させるといったようなことでやっておるわけでございますけれども、そういう関係からいたしますと、一官一給与という関係につきましての、たとえば次官、長官といったような職務につきまして、一官一給与制を従来からとっている官職以外のたとえば局長級あるいは局次長級の官職につきまして、従来のようにどこまでも昇給があるという関係につきましても、やはり給与のあり方を考えますと、一官一給与に近い体系ということが望ましいというふうに考えてまいっておりまして、そういう点で、一官一給与に近い関係として指定職の乙に、局長級につきましては指定職の甲の一番下に格づけをいたしておりますし、次長級につきましては、あるいは大きなブロック機関の長につきましては、指定職の乙ということで格づけをしてまいっておりまして、そういう関係で民間の重役級あるいは平重役級というものと対応させているのが適当だということできているわけでございます。
#49
○鶴園哲夫君 まあ、いま局長から答弁ございましたですけれども、私が先ほど申し上げたように、この制度ができてちょうど七年か八年になるわけですが、その間に人員が二倍にふえているということ、これは事務次官がふえたわけじゃありませんし、局長がふえたわけじゃ全然ない、それから外局長官が全然ふえたわけでないのであって、それからいいますと、従来入ってなかった者がどんどんその中に入ったということになるんだろうと思うのです。いま私聞いておりまして、ははあ、だいぶ変わったな、という感じを非常に強く受けたのですが、局長というのは前は行政職の二等級だったですね。それが一等級を飛び越して、最初は指定職に入っておらなかったのだが、それを指定職乙に入れちゃって、今度は甲に入っちゃっている。三段飛びどころか、四段ぐらい飛び越えて甲に入っておる。私はそのことをどうこうと言わないのですよ。それじゃ、それ以外の行政職の問題についてもっと抜本的に考えるべきじゃないか。何か少数の非常に声のでっかい人についてはそういう便宜を続々はかっていく。しかしながら、最も苦しんでいる人たち、多数であるにかかわらず、そういう者はいつまでもほうっておかれている。ほうっておかれていると言ってもいいですね。そういう事態にあることを根本的に――総裁、根本的、根本的とおっしゃるから、そういうものこそ根本的に最大の問題として私は取り上ぐべきじゃないかと思います。局長だけは四段階飛んじゃって、係長は二段階から動きがとれないというようなことじゃどうにもならぬのじゃないか。たとえば、ちょっとここで計算してみましたところが、いま行政職の五等級というところは係長ですね。係長のところに約三分の一の人がいますね。これはこの七、八年の間、行政職俸給表の(一)は二十四万人、全然変っていないですね。全然変わっていないのですが、その中で三割というのがこの五等級におります。急にふえてきている。ここにぶったまっている。よく俸給表が卵をのんだような形、これはでっかい卵ですね。卵はアヒルの卵じゃない、ダチョウの卵みたいなものをのみ込んだ形になっている。これを抜本的に私は改善すべきだと思うんです。
 それからもう一つ、二等級というのはこれは全然ふえていない。この十年の間、七、八年の間全然ふえていない。七年か八年前の三千七百名がいまでも三千七百ですよ。全然ふえていない。どうしてこういうものをこっちへ上げられないのかというのです。私、七、八年ぶりに来て、頭にかっかきたですね。何やっていらっしゃるのだ。上のほうだけは、たったたったともぐり込ませて――もぐり込ますと言うとかっこう悪いですけれども、これから言うとそういう感じがしますね。私はこの五等から四等の問題と、それから二等の問題、これは根本的に改正すべきだと思うのです。何をなさっていらっしゃるのだろうと思うのです。だから、われわれが看護婦さんの夜勤手当をしょっちゅう問題にした、三百五十円が千円になった。だめですよ、そういうことじゃ。全然話にならない。この問題、私は、政府は知らぬからいいようなものの――知らんでしょう、おそらく政府は、そういうことは。抜本的に改正する必要があると思うのです。総裁、ひとつ承ります。
#50
○政府委員(尾崎朝夷君) いま御指摘の、課長以下のところにつきましてのお話でございますけれども、公務員の場合には、本省の課長につきましては一等級、二等級、それでブロック機関の場合には三等級、さらに県単位機関になりますと四等級という形で、同じ課長という名前でもだんだん格づけが変わっておるわけでございますけれども、民間の場合をいろいろ検討してみますと、課長という名称につきましては、同じ会社の中では原則として同じ格づけといったような関係、係長というのは同じ格づけという関係になっているようでございます。その点が公務員と違うわけでございますけれども、そういう意味で、係長につきましては、本省の係長は従来五等級。で、ブロック機関の場合には六等級、出先機関の場合には七等級という格づけをしておったわけでございますけれども、これがやはりその実態、評価を変えてまいりまして、係長という関係につきましては、出先機関におきましても、ブロック機関におきましても、原則として五等級という格づけにいたしてまいっております。そういう点で、まあ出先機関の場合には、同じように、さっきお話しになりましたように、かなり格づけが二段階も上がってきておるという点が言えるわけでございます。そうして、なお本省の係長につきましては四等級格づけ、あるいはブロック機関につきましても四等級格づけという関係を現在いろいろ検討しておる、一部について検討しておるというのが現在の実情でございます。
 なお、御指摘のように、二等級につきましては、課長補佐級が主として三等級格づけになってまいっておりますので――一部、四等級ございますけれども、三等級格づけになってきておりますので、確かに二等級の格づけの人員がちょっとくびれてきておるという点がございます。そういう点につきまして、民間との関係をさっき申し上げましたけれども、大体民間の課長というのは、大会社でも十人ぐらいの組織の規模が標準的になっておりますので、そういう関係を考えますと、まあ課長に準ずる関係職という関係が問題になってくるわけでございまして、そういう関係は現在定数の関係の上でいろいろ検討しており、まあ御指摘のような関係に、定数の改正にあたりましては、本年度予算の改正におきましてもこういう関係を考慮いたしまして、十分考慮してやっておるという状況でございます。
#51
○鶴園哲夫君 時間の関係がございまして、これで終わらなければならないわけですが、いま私が申し上げましたように、この五等から四等の問題、それから二等の問題、これはもう決定的に私は問題だと思うんです。ですから、抜本的というお話がございましたですけれども、ここはぜひ抜本的にお考えをいただきたいというように思います。
 それから退職金の問題と関連して、一言だけ伺いたいんですが、これは指定職俸給表の中にわれもわれもともぐり込むような形になったのは、これは退職金と年金の関係なんですね。そういうふうに私は承知しているんですよ。それは給与が若干よくなる点もありますけれども、指定職俸給表になりますというと、俗称管理職手当というものも本俸の中に入ってしまう。それから扶養手当というようなものも入ってしまう。ですから、それが退職金の基礎になっておるんじゃないですか、あるいは年金の基礎になる。非常な差があるんです、それは。その点が私は先を争って指定職俸給表の中に繰り入れざるを得ない最も大きな原因になるというように思っておりますけれども、今回この退職年金法を十四年ぶりに検討なさるにあたって、こういう問題について論議をなさったのかどうかという点をひとつ伺いたいと思うんですよ。
 なお、退職金の問題については、これは一つしかお伺いできないで、あとたくさんございますけれども、あとあとまたお願いをしたいと思いますけれども、その一点だけお願いをしまして、終わりたいと思います。
#52
○政府委員(皆川迪夫君) いまのお話の点、年金につきましては、御承知のように頭打ちがございますので、本俸に繰り入れられましても、どんどんと年金の上で非常に差がつくということはないようになっておるわけでございます。退職金につきましては、従来から本俸を基礎といたしておりますので、お話のような差が出てまいるわけでございます。その点、私のほうも全然無関心でおったわけではないのでありますが、民間のいわゆる役員クラスの人と比較をいたしますと、どちらかというと、まだ決して指定職クラスのほうが高いということにはなっておらない。むしろ、民間の場合には、一ぺん普通の職員を退職されたあとでまた役員としての退職金を普通支給されておるわけでありますが、そういうものを比較してみましても、特にはなはだしく高くなることはないだろうというような判断で、従来のやり方を踏襲いたしまして、俸給月額を基礎とするということにいたしたわけでございます。ただ、お話のように、だんだんと差が出てくるということになりますと、将来どういうふうに考えていったらいいのか、これはいろいろ議論も出ようかと思いますが、現在の段階で官民比較をした結果では、そう不合理はなかろう、かような判断で提案をいたした次第でございます。
#53
○宮崎正義君 今回の改正の柱といいますか、それは先ほど長官のほうからおっしゃられたことで、趣旨説明がございましたんですが、提案の説明がございましたが、突き詰めてみれば、一つは、職員が公務外死亡により退職した場合の退職手当のこれを改善するということ。それからもう一つには、公庫等に出向した職員の勤続期間を退職手当に計算上の期間として算入していく。それから勧奨退職者等に対する退職手当に特例を設けたこと。あと、その他の所要改正ということが提案理由の説明としておもなる点だと私も思っております。そこで、この基準になる、たとえば退職手当法の今回のやつの四条、五条という問題が、問題の点がついているわけでありますが、この第三条の「(普通退職の場合の退職手当)」これが基準になって算定をされていくんじゃなかろうかと思うわけですがね。その点どうなんですか。
#54
○政府委員(皆川迪夫君) お話のように、三条が基礎になりまして、四条ではそれの割り増し、五条ではさらに割り増しをつけるということになっております。
#55
○宮崎正義君 そこで、お伺いをいたしますと、先ほど皆川局長の御答弁がございました中で、四十六年度は一年から五年までは一万二千三百三十二人。それから六年から十年が五千六百二十一人ですか。――これは十年まででしたね、おっしゃられたのは、先ほど。
#56
○政府委員(皆川迪夫君) そうです。
#57
○宮崎正義君 十一年から二十年までの間がどうなっているのか。この点が一つと、それからもう一つは、私は、総理府の人事局でお出しになりました四十五年三月の資料がございますが、「国家公務員退職手当実態調査結果報告書」というのをいま見ておりますが、この中で、勤続年数別の人員というのが一ページに出ております。これを、先ほどの一年から五年までという面を計算いたしますと、八千六百二十二人というふうになりますし、それから十年から二十年を合計いたしますと、五千百六十六人ということになるわけです。そうしますと、四十六年のときも一万二千三百三十二人というのが一年から五年の退職をした人だと、それから四十五年の三月のこの結果報告書によって見ましても、八千六百二十二人。この間に非常に退職をしているというその問題点。それからさらに多いのは十年から二十年までの間に退職をしているという数になると思うのですが、まず、その十一年から二十年までの退職者の数を教えてください。
#58
○政府委員(皆川迪夫君) 十一年から二十年まで在職して退職される方の数は、その十年間をとりまして五千三百人ぐらいでございます。それから二十年から二十五年は先ほど申し上げましたとおり六千三百人でございます。
#59
○宮崎正義君 それはいいです。
#60
○政府委員(皆川迪夫君) それからもう一つ、去年私のほうで出しました四十五年三月の調査との食い違いでございますが、これはここの注書きにございますように、いわゆる給与特例法の適用を受ける職員、これを除外してあるわけでございます。私が先ほど申し上げましたのは、一般職以外のそういった職員も全部含んだ数字でございます。したがって、少し数字は多くなっております。
#61
○宮崎正義君 それでは除外した数は幾らですか。一万二千三百三十二人ですか。除外したものは幾らですか。わかりますか。
#62
○政府委員(皆川迪夫君) ちょっとそのようにまとめた数字がないので、あとで調べて……。
#63
○宮崎正義君 あとで調べていただいてけっこうです。時間がございませんから、数字を追っかけていくわけにもまいりませんけれども、私のお伺いしたいのは、この一年から五年の間、それから六年から十年、十年から二十年未満、この人たちが非常に退職をしているという。しかも入省してから五年の間、さらに、仕事が身について、これからだというところにそういう人たちが退職をしていく。これの個々の年齢層別の実態というものを、どんな理由で退職しているかということをお調べになったことがございますか。
#64
○政府委員(皆川迪夫君) 現在、ある程度の調査をいたしまして調べておりますが、過去に出たものはございません。
#65
○宮崎正義君 私はそういうことがいけないんじゃないかと思うんです。ですから、四十五年の三月に調査をなさって、何がために四十五年の三月に徹底的な調査のような形で――徹底的とは申し上げられないでしょうけれども、かなり綿密な行き方をなさって調査したはずでございますね。そして今日の四十八年にもうすでになって、それから年数を考えましても、もう十五年の歳月がたっておりますが、その間、その一番中堅になろうとする人たちがこの退職をしている理由というものは、当然この何と何と何とが影響していくのだというようなことは、いつもデータを示しながら、どう対処していかなきゃならないかということは当然ぼくはやるべき筋合いだと思うのですが、この点どうですか。長官、どうお考えでしょうか。
#66
○国務大臣(坪川信三君) 宮崎委員の御指摘、心情的には十分理解を申し上げているような次第であります。先ほどからの御論議も共感を持って聞いておるのでございます。ただ、御承知のとおり、この退職していくときの理由というものが那辺にあるか、なかなか具体的に、真相といいますか、実際の実情というものの把握が困難な場合もあるというようなこともひとつ御理解願っておきたいと、こういうようなことの事由のあることもひとつ御承知、御了承願いたいと、こう思います。
#67
○宮崎正義君 私は、それはわかります。ただ、単なる家事の都合とかいうようなことを退職の理由にする場合も、いろんな意味の含まれたものがその中にあると思います。それは了解できます。先ほど給与の問題等で、この指定職の問題も出ておりました。それから等級の変化をしてないという問題等も、あるいは給料が安いという点の大きな問題も理由の一つの中に入ってくるのじゃなかろうか、これも一つの理由だと思いますし、まだそのほかにも理由というものは一ぱい出てくると思うのです。組織の関係の中から生ずるもの、また人的に生ずるもの、またその昇給に関するそういったような問題等、いろいろあると思うのです。こういう人間的な触れ合いの中からそれをくみ取っていくようなことが、総務長官なり、人事院総裁としての私はあるべき姿勢だということ、私がいまさら申し上げるまでもないことでございますが、そういうことが主体じゃなかろうかと思うのですが、この点どうなんでしょう。
#68
○国務大臣(坪川信三君) 先ほど人事院総裁からもお話のありましたごとく、やっぱり私もこうした国家に奉仕してくれている公務員の給与というものについては、よりよき姿でこれをひとつ決定してまいりたい、こういうような気持ちもいたしておりますので、絶えずやっぱり公務員の諸君も、他に比較するということが転職の一つの動機になりやしないか、また、なりつつあるというようなことも考えますときに、やはり民間の給与というような問題も、人事院においてはそれぞれの科学的な調査をされて、その上においてそれぞれの勧告をいただいておる。この姿が一番公務員の諸君も納得してくれるのじゃないか、こういうような気持ちで、絶えずやはり、追従ではありませんが、正確なる一つの判断と調査が必要である、こういうような姿で、人事院の方々が絶えず努力を続けておられることに大きな期待をいたしておるような次第であります。
#69
○政府委員(佐藤達夫君) いま私どものほうにもちょっとお触れになりましたから、私どもの立場から申し上げさしていただきますが、いみじくも、いま御指摘がありましたように、私どもは、ことに若いというか、在職年限の短い人が出ていくということは非常に気になるわけなので、われわれの担任しております給与その他の待遇がこれは悪いために逃げたのじゃないかというようなことから、いま御指摘のような点は、まあ不十分ではありますけれども、できるだけ精密に調べております。きょうここに資料がありませんから、詳しいことはお答え申し上げませんけれども、しかし、これもなかなかいろいろな要素がありまして、たとえば中途採用で三十歳以上で入ってこられた方、これは四、五年でお逃げになっても、たいしたことはないということで、やっぱり初めから若くて入られた人々がわれわれの一番関心の的になりますが、これもたとえば役所に籍を置いて、夜学その他自分で勉強されて、そして次の職場に転出する足がかりに使われるという方もないではございませんし、そういう点までもわれわれは気にしながらやっているということだけを申し上げさしていただきます。
 ただ、全体として、公務員の離職率と民間企業の離職率とをつかんでみますと、公務員のほうは幸いにして非常に少ないのでございます。大体四%ぐらいでございます。民間のほうは、小さい規模のものまで入れると一九%、それからもう少し大きいところを入れて、五百人以上で一六%ぐらいの離職率になっておりますから、それを比べていただきますと、まだまだこっちのほうが定着率はいいという安心感はございますけれども、そういうことに甘んじて、われわれとしては仕事をしておるわけではございません。常に気にしながらやっておるということだけを申し上げさしていただきます。
#70
○宮崎正義君 そのデータも、私の調べたデータとは少し率が変わってきておるということを、いま率の面からお話が出ましたので、ちょっと申し添えておきます。
 その傾向が、非常に若年の退職者というものがふえてきておるということ、これは御研究願いたい。いま人事院総裁がおっしゃったように、いろいろの理由はあると思う。ですから、これを分析することが人間関係を深めていき、そして国家的な仕事というものをどんなふうにして考えて自分がやっているのかという、仕事に対する意識感、その責任感というものが勢い継続さしていくことになるということは、もう申すまでもないことなんですから、その点はひとつデータをつくりあげながら、人間関係の線を深めていっていただきたいということを私は要望しておきます。
 それからさらに、先ほど皆川局長の答弁の中で、若年に対する対策ということをどうするかという、この問題についてお答えがなかったように思うのですが、先ほどの答弁の中に。その点を私あらためてお伺いをしておきたいと思います。
#71
○政府委員(皆川迪夫君) 若年者の退職問題を、いまのように離職という角度で考えるか、まあ退職手当と、やめていかれる後の問題を中心に考えるか、いろいろあろうと思うのであります。私たたちは職員が定着するのが一般的に安定した関係になるとは思いますけれども、将来日本の労働情勢というものは、かなり適材適所を求めて動くような事態も予想されるだろう、そういう世の中の変化に対応して、民間の企業がどういう退職手当の取り扱いをしていくのか、そういう推移も見ながら、公務員の退職手当についても考えていきたい。ただ、現在非常に年限の短いうちに退職される方については、支給率を下げてあるわけでございますけれども、これをいまの時点で直ちに改正するほどの必要は感じてなかったのでございますが、将来注目をして研究をしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#72
○宮崎正義君 先ほど十六年から二十年までは特例を考えておるというような答弁があったように思うのですが、たとえば端的な例をとってみますと、十八年つとめたとか、十九年つとめたとかいたしますね。いま退職のお話も出てまいりましたのでお伺いをするのですが、十九年で退職をする人と、二十年を過ぎて退職する者との、その二〇%のいわゆる率というものがぐっと開きが出てくるのですね。言うならば、十一・六カ月ぐらいですか、そのぐらいの差が出てくるのじゃなかろうかと思うのですが、こういう方々に対する今度の法の改正というのは考えていられないようだし、また、先ほど答弁がありました、十六年から二十年の間の特例というものを考えているという、それとあわせて御答弁願いたいと思います。
#73
○政府委員(皆川迪夫君) 二十年というところで一つの区切りをつけて、そこでかなりの退職金の差をつけるということは、従来から行なわれてきたわけでありまして、それがそんなきびしい差があっていいものかどうか、基本的にはいろんな議論があるだろうと思います。ただ、今回そこに手をつけませんでしたのは、一つには、昭和三十二年の改正法の附則によりまして、当時在職された方が五十歳以上でおやめになる場合には、暫定的に五条の適用をするという規定が入っておるわけでございます。したがいまして、現在、ちょうどことしおやめになれば十六年でおやめになる。来年ならば十七年でおやめになるということになるわけでございまして、したがって、五十歳以上の方が現在十六年でおやめになるという方は、全部、勧奨退職を受けておやめになるという場合には、三十二年法の附則の適用があるものでございますから、五条の適用を受ける。したがって、二十年と同じ扱いになるわけでございます。これが、将来ですね、この方がなくなった場合に、二十年と十八、九年でえらい差がつくじゃないかということは、確かにお話のとおりでありますけれども、これはまた、それまでの間に十分、基本的な問題もありますし、今回の措置は、二〇%引き上げというようなところは暫定措置でもございますので、なお検討してまいりたい。現在、ここ二、三年の間、数年の間は、あまりはなはだしい差はないと、こういうことになっているわけでございます。
#74
○宮崎正義君 いまおっしゃったように、三十二年の改正の附則なんです。三十二年なんです。いま四十八年なんですね。
 それからもう一つは、先ほど御答弁がありました第三条ですね。普通退職の場合の退職手当というのがこれは基準になってるという御答弁ございましたね。この俸給の日額の人の二十五日分に相当する額という、「俸給月額(俸給が日額で定められている者については、俸給の日額の二十五日分に相当する額。以下同じ)」というふうに三条はなっておりますですね。このくだりは私、前のことを勉強しておりませんのでわかりませんが、いつ、この「二十五日分に相当する額」というものをおきめになったんですか。
#75
○政府委員(皆川迪夫君) これが、この退職手当法ができました二十八年の当時からでございます。
#76
○宮崎正義君 二十八年――いま四十八年、二十年です。そうしますと、附則が三十二年の四月であり、そしてこの法律ができた、設定されたときの二十八年のときに、この二十五日というものをおきめになったわけですが、いまそれからどんなふうに社会情勢というものが違ってきているかということ、暫定法、暫定法といって法律が変えられてきているということは、その時代に即応して今回の改正もあったと私は思うわけですよ。そうであるならば、この二十五日というものを三十日ぐらいに変えていかなきゃならない時代に、いまきているのじゃないか。一カ月分ぐらいの基準にして考えて、その「俸給の日額の二十五日分に相当する額」というものを、三十日分に相当する額というふうに考え合わしていくことをすべきじゃないかと思うんですがね。先ほどの御答弁の中にありましたけど、退職手当は民間とでは、いいようなお話をちらっとお話しなさったようですけれども、これはまた詳細なデータをもって調べませんと、じゃ、民間と官とはどっちがいいかという論争になってきますけれども、この点についての、いま二つの点について御答弁を願いたいと思います。
#77
○政府委員(皆川迪夫君) お話のように、逐次事態の進展に応じまして検討していくというたてまえで私たちも進んでいきたいと思っております。いまお話しのありました日給職員につきましては、二十五日という計算をしておりますが、これの考え方は、月のうち平均にして働く日が二十五日だということからこういう定めがされてありまして、これは退職手当だけでなくて、いろいろな年金とか、そのほかの各方面の規定にとられておる考え方でございます。したがって、それを改めるかどうか、なかなか重大な問題――重大と言うとなんでございますけれども、十分検討を要する問題だと思いますので、まあ今回これを具体的に取り上げるということはいたさなかったわけでございます。
#78
○宮崎正義君 それはよくわかるのです。ほとんど二十五日で通例のように、世上でもそのように考えている向きがたいへん多いわけです。しかし、考え方というものは、いままでどおりでいい、昔どおりでいいというものじゃないと思う。ですから、そういう面から実行しなければならないときにきているのじゃないか。附則の問題についても、三十二年に改正した。確かに、五十歳以上の退職者に対してはこうであるというふうな暫定措置で、非常に上向きのほうになってきておりますが、いずれにしましても、私の申し上げたいのは、この時代がこう移り変わっていくというその中に踏まえながら、この法律をつくった時点と今日の時点というものの法の精神というものをどう解釈しながらいかなければいけないのかということが、あらわれてこなければならないんだと思うのですがね。そういう意味で、私は申し上げておるわけですが、長官のお考えはどうでございましょうか。
#79
○国務大臣(坪川信三君) いま御意見を交えての御指摘の点でございますが、絶えずやはり、そうした問題の考え方としては、そうした点を踏まえていくべきであるということは当然だと思います。
#80
○宮崎正義君 先ほどの二十年未満のことについては、どんなふうに今後お考えになっていこうとされておるのか、改正されようとするのか。
#81
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほども申し上げましたように、現在の官民比較をいたしました結果、まあ大体適当であるという数字になっておるわけでございますが、将来これがどう動いていきますか、定年の延長というようなことで、さらに長くなっていくものか、あるいは職員の流動性が激しくなって、もっと短くなるのが常態になっていくものか、その辺の状況も見ながら検討してまいりたいと思います。
#82
○宮崎正義君 長官のお考え、どうでしょうか。
#83
○国務大臣(坪川信三君) いま皆川政府委員が申し上げましたとおりでございます。
#84
○宮崎正義君 改正されていく今度はもう一つの点は、公庫等に出向した職員の勤続期間を退職手当の計算上の期間として算入するという、そういう問題について、公庫役員の退職手当の支給に関する基準はどんなふうになっていますか。
#85
○政府委員(皆川迪夫君) 公庫等の役員の退職手当をどういうふうに定めるかということは、それぞれの主管省に公庫等が協議をいたしまして決定をすると、こういうことになっております。
#86
○宮崎正義君 この改正をされる精神はどこにあるのでしょうか。
#87
○政府委員(皆川迪夫君) 私がいま申し上げましたのは役員のことでございまして、この退職手当法では役員については全然触れないわけでございます。公庫等に職員として出向をして再び国の職員に戻ってくる。こういう方々については、国の要請に応じて、まあ国の仕事に準ずるような特殊な機関に行って働くわけでございますから、その間は国の仕事をしておったと同じように考えていいじゃないか。逆に言えば、公庫等の職員が国の要請に応じて出向してきて、また公庫に戻るという場合でも、同じようにそれを、公庫の仕事を続けておったというように考えていいじゃないかということから、これを通算することにしたわけでございます。
#88
○宮崎正義君 技術的な面だけだと、いま答弁ではそう感ずるのですが、なぜ、そうしなければならなかったのか。
#89
○政府委員(皆川迪夫君) 御案内のように、公庫等はある意味において、法律に基づきまして、国の政策の実施をするという意味で設けられておるものが多いわけでありますが、したがって、その業務の執行については、必要に応じて国も援助をする、こういうことになっておるわけでございます。ことに設立の当初等におきましては、どうしてもなれた公務員が出向しないと、なかなか円滑にいかないというような事情もございまして、公庫職員が将来だんだんと養成されれば、また別かもしれませんけれども、少なくとも現在そういうことが必要な状況にございます。したがって、そういう公庫あるいは国の立場から要請されて出向した職員が、退職金の上において途中で中断されるということでは、かえって本人に気の毒じゃないかということで、こういう措置をとることにいたしたわけでございます。
#90
○宮崎正義君 公庫が初めてできるという、そのなれないところに行くという、またこれから新しい事業をやっていこうという、そういう面から考えてみても、いままでいたところを、そのまま継続しておればいいけれども、そこに出向するということになると、気持ちの上というか、自分の身分の上というか、そういうことを好ましくないというふうに従来は考えられてきていたんじゃなかろうかなと私は思うんですが、そういうふうなことが一つの問題点にもなっているんじゃなかろうかと思うんですが、こういうことはどうなんでしょうか。
#91
○政府委員(皆川迪夫君) 従来は、退職という事実に着目をして、まっ正直に、そういう事実がある以上は、そこで一回中断されるのだと、こういう理屈で割り切っておったものだと思っております。
#92
○宮崎正義君 これはいろいろ推測みたいなことでわかりませんから、それぐらいにしておきますけれども、公庫の方は、先ほど私は聞きましたけれども、退職手当の基準というものはどんなふうになっておりますか。
#93
○政府委員(皆川迪夫君) 公庫の職員の退職手当の基準は、おおむね国家公務員に準じましてつくるようになっております。具体的にはその当該公庫等が所管の監督行政庁との間で協議をして、さらに必要があれば大蔵省の協力を受けるという形で制定をされておるわけでございます。
#94
○宮崎正義君 大体の基準はないんですか。たとえば一カ月、一カ月の退職手当を月別できめていくのか、あるいは先ほどの公務員並みの行き方で考えて基準をそのまま持っていこうというのか、それに準拠しているようなお話ですけれども、やり方は違っているんじゃないかと思うんですがね。
#95
○政府委員(皆川迪夫君) おおむね国に準じまして、五年以下は百分の百、十年までは百分の……、国の場合ですと百二十になっておりますが、若干その辺は違うところもあるようですけれども、大体国の刻みに応じまして、同じような考え方でつくるようになっております。
#96
○宮崎正義君 私は、はたしてこれが合っているかどうかわかりませんけれども、一カ月に満たない場合も一カ月としての計算をするというようなことも聞いておりますし、またその一カ月分を単位にして、そしてその百分の四十五だとかいうふうにも聞いているわけですが、そういう点はどうなんでしょうかね。
#97
○政府委員(皆川迪夫君) 公庫等の退職金をどういうふうにきめるかは、私のほうの実は所管でありませんので、非常にこまかいそういう点につきましては、実は十分承知してないので恐縮でございますが、考え方としては、おおむねそういう点については国の例に準じておるということになっておるようでございます。
#98
○宮崎正義君 額の面からいくと、非常に高いものが出てきておるということなんですが、給料も多いわけですから。それでもって、一応公庫のほうの、退職する場合には退職手当というものを多く出すからというふうな、カバーしたような考え方で行なわれているというふうにも聞いているわけなんですがね。どうなんでしょう。
#99
○政府委員(皆川迪夫君) 公庫の職員の給与は若干、まあものによっては公務員よりも高い手当とか、ものによって高いところもあるようでございます。したがって、その高いことによって退職手当も高いという事例もあるようでございますが、大体は国に準ずるという考え方でできておるわけでございます。
#100
○宮崎正義君 私、データ持っているんです。時間がございませんからやめますけれども、もらった額から、どこがどのように大体出ているかというものを調べてございます。意地が悪い質問をして申しわけありませんけれどもね。今度の改正法律を制定されますと、国家公務員としても十年勤務していた、公庫に五年勤務していた、それからまた、さらに国家公務員として十年勤務した、都合二十五年ということ、その公庫でやっている時代は相当な高額になっている。これが引き続いてずっと通算されていくということになりますと、心配なのは、この天下り式に行く人事のその姿が強くなっていくんじゃないか。いまでさえ、そういうきらいがあるというふうに私は思うわけですが、今度はさらにそれが通算されていくようになってくると、よけいともそういう傾向が出てくる。いままでは逆に行きたがらなかった。今度は行きたがって行くんじゃないか。そういう表現のしかたはうまくないかもわかりませんけれども、そんなふうは私は思うわけですがね。そういう点を私は心配しているのですが、局長の答弁と、それから私は総裁の答弁も、それから長官の答弁も、この点についてお聞きをしておきたいと思う。
#101
○国務大臣(坪川信三君) たいへん大事な問題でございます。したがいまして、これらの措置につきましては、それぞれ各省の人事担当の係官その他責任者の総合調整を総理府といたしましても十分はかりまして、そうした点の弊害のほうのものが出てこないように万全の対策といいますか、調整をはかってまいりたいと、総理府はこう考えております。
#102
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほどおことばにもちょっとございましたように、とにかくこの対象になる人たちは役員として行くわけでもなし、普通の職員として行くわけで、しかも、一応公務員としての身分を失って行くわけでございますからして、その立場からいえば非常にこれはショッキングな立場に立たされるというわけで、何も自分で好んで行くわけじゃございませんので、何とか行ってくれということで行かせられるということでございますものですから、従来この関係の退職手当上の措置のないことは非常に残酷な制度だということをいわれてきておったわけで、この際、これが法案の形になりますれば、その点の不利益は払拭されるというふうに私どもは喜んでおるわけでございます。しかし、実際上の運用の問題といたしましては、これは私どもが申し上げるのもあるいは出過ぎておるかもしれませんけれども、だんだん公庫、公団も人が育ってまいりますと、やっぱり役所側から新しく人を派遣されて、よこされて、自分の昇進のポストがふさがれるということは非常に好ましくないというような気持ちもございますし、いろんな批判はそれはございますから、もちろんこれは各省庁側の運用の面としては当然御考慮をいただいていいことだと思いますけれども、私ども、先ほど申しましたように、そこに行かされる者の身になったら、これは何とかしてやらなきゃならない、そこに尽きるわけでございます。
#103
○宮崎正義君 総裁はなかなかうまいことをおっしゃるんで……、まあ考え方というのはいろいろあると思いますよ。この私の御注意申し上げた点は、十分に、将来ともいろんな問題が起きてくるようにも思えますし、これが民間会社等でありますと、いま盛んに大手の商社の方々を呼んで買い占め問題等、その大手の商社の中にもこの役所にいた人たちが入っているというような問題等も、民間会社の中に入って行かれた人の問題というものが出されておるようなこともありますし、今度はその公庫が、通算計算の中に対象とされるということになって、高額の面から考えていき、将来の天下り式なことがこうである、ああであると言われるようなことのないことが何よりも好ましいことで、私は希望なりを申し上げて言っているわけであります。この点はひとつ十分に御留意を願いたい。
 で、時間もだいぶん参りましたので、だいぶんいろんなことをお伺いしようと思って、こんなに用意してきたんですけれども、時間がございませんので、最後に一つだけお伺いをいたしたいと思うんですが、今回の改正にも、職員が公務外死亡により退職した場合の公務外というものと、それから公務災害というものの考え方でございますね、公務と公務外との認定の基準はどのようになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
#104
○政府委員(佐藤達夫君) その点は、おそらく後日御審議をいただくでありましょう公務災害補償法の改正問題にも関連する――改正問題と申しますよりも、その法律に関連することでございますので、私どもとしては、公務上であるか公務外であるかということにつきましては、非常に神経質に考えてきているわけでございます。その辺を判断する一つの基準としては、内部の基準を設けております。一口に申しますというと、その死亡が公務に直接よるものであるか、あるいは公務と相当因果関係を持って起こったことであるか、ということであるわけでございます。
#105
○宮崎正義君 総裁がおっしゃられたように、この次に法案が回ってくるでありましょう。それを主体として、私は時間の許せる限りお伺いをする予定でございますが、本案の公務外死亡という、こういうことについての考え方はどこに基準を置かれたのか、この点を伺っておきたいと思います。
#106
○政府委員(佐藤達夫君) これは私が申し上げるのは少し出しゃばっているかもしれませんけれども、従来、現在の制度の大きな欠陥といわれておりましたのは、自分が病気でいよいよ息を引き取ろうというところに、まくら元に役所から来てですね、勧奨退職を受けるかどうか、受けると言わないと勧奨退職の特権は与えられない――そんなことがあるものかということを、まあ方々から承っておりましたし、非常に不合理であるというように考えてきておったわけでございますが、今度こういう御改正をいただければ、そういうおかしさは払拭されるであろうという気持ちを持っておるわけであります。
#107
○宮崎正義君 非常にいいことだと思いますが、そこで、この次の法案で当然お聞きしなければならない問題なんですが、ちょっとさきに総裁がおっしゃられた、いま公務に基因しという、また公務と因果関係ということに触れましたですね。このことについて、この次の法律でしっかり練りたいと思うのですが、非常に問題が多いわけです。ですから、あらかじめ申し上げておきまして、そうして、いろいろな問題があると思うのです。たとえば、いま、こうして一生懸命職員の方方がノートをしておられます。その方々が急に気持ちが悪くなって、失礼な言い方かもわからぬけれども、筆をとりながら気持ちが悪くなって、うつぶせになった。それが公務中であったから公務と認定されなければならないのが、いつの間にか、そのときには公務だと認定されたような形が、公務外であったというような事例だとか、いろいろあると思うのです。
 人事院のほうでお出しになっております「国家公務員災害補償法の取扱について」という、ここにございます。昭和二十六年七月一日にやっておりまして、いろいろずっと改正されてきておりますが、この「国家公務員災害補償法の取扱について」という、この一つ一つの法の解釈といいますか、字句の解釈といいますか、こういうことも私はいろいろな点からお伺いしたいと思うのです。この中にも「(警察官の柔道練習)中に事故が発生した場合」とか、カッコして書いてございますし、また、負傷の場合、「負傷については、その負傷の原因である事故が公務上であるかどうかによって認定する。次に掲げるような場合は、原則として公務上とする。」とか、一つ、「自己の職務遂行中に事故が発生した場合」、その事故とはどういう事故をいうのか。あるいは、今度は「通勤途上の事故は、次に掲げる場合」の「職員にのみ利用されている交通機関によって通勤する場合において、所属官署の責に帰すべき事由によりその往復途上において事故が発生した場合」とかというような個々の問題がございます。そういう点だとか、あるいは判例がどういうようになっているか、損害賠償の訴訟を起こして、どういうふうになって判決が出たか、まだ訴訟中のものがどれだけあるかというような問題等もあらかじめお調べをしておいていただきたいということ、それに、資料をいただくようになると思いますが、それに基づきましていろいろな点をお伺いいたしたいと思っておりますので、よろしく資料等をおそろえくださるようにお願いをいたします。
 今回の改正は、一歩前進したという形でよろしいと思いますが、まだまだ三十二年の附則だとか、二十八年に制定されたものの本体が、骨がそのとおりであるとかいうことは、やはり全体を通して考え直していかなければならないのじゃないか、こういうように私は思うわけです。そういう点を最後に重ねて申し上げまして、お考えを聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#108
○国務大臣(坪川信三君) 公務員の退職に対する措置、長年の御要望でございましたが、幸いにいたしまして、御審議をいただく段階に相なりましたことを深く感謝もし、喜んでおる次第でございます。今後も、これらの問題については、政府といたしましても前向きの姿勢で万全の策を講ずるよう最善の努力を申し上げたいということを表明申して、御理解願いたいと思います。
#109
○中村利次君 各省庁にあるようでありますけれども、勤務態様あるいは数からいって、国有林業に働く人たちの場合は非常に特殊性があると思うんです。ですから、私は最初にお伺いをしたいのは、いわゆる定員外非常勤と称される人ですね、国有林業で働いている非常勤と称される人たちですね、この人たちの勤務実態についてお伺いしたい、まず。
#110
○政府委員(福田省一君) 国有林の職員のうち、定員外の作業員の実態についての御質問でございますが、職員の定員外の作業員につきましては、三種類ございまして、常用作業員と申しますのは、年間雇用されている者でございます。それからもう一つは定期作業員でございまして、六カ月以上雇用されている者でございます。もう一つは、それ以外の臨時の作業員と、こういう三つの作業員の種類がございまして、その数は、常用作業員につきましては、四十七年七月現在におきましては一万六千八百七十名、それから定期作業員は一万七千九百七十名、臨時作業員が二万七千八百九十名、合計いたしますというと六万二千七百三十名、かようになっております。
#111
○中村利次君 勤務の実態はどうなっていますか。
#112
○政府委員(福田省一君) 勤務の実態と申しますと、たとえば年数……。
#113
○中村利次君 いや、たとえば定員内の人たちと勤務実態が違うのかどうか、勤務態様が、その点について。
#114
○政府委員(福田省一君) 定員内の職員は、主として事務を扱っている者が大部分でございます。それから定員外の職員は、現場におきまして、たとえば伐採事業なりあるいは造林事業なり、そういったような現場の仕事、つまり肉体的な作業に従事している者が大部分でございます。
#115
○中村利次君 大部分でしょうけれども、全く同じ仕事をやっている面もありますね。
#116
○政府委員(福田省一君) そういう面もございます。
#117
○中村利次君 それでは、給与及び退職手当についてどういう差異があるのか、その実態をお伺いしたい。
#118
○政府委員(福田省一君) 給与につきましては、定員内職員は月給制となっておりますし、定員外の作業員は日給制となっておりまして、その中でまた功程払いの支払い形態をとっておるものもございます。で、退職手当につきましては、その実態は、国家公務員等退職手当法の適用を受ける者は資格要件がございまして、つまり常用作業員につきましては、法律第三条については全面適用されております。それから法第四条につきましては二十五年以上勤務した者にかかる部分、それから法律第五条につきましては、公務上の負傷または死亡による退職にかかる部分の規定が適用されるというふうに制限があるわけでございます。それから定期の作業員につきましては、法の第三条が全面適用されておるんでございますけれども、法の第四条、それから法の第五条のうち、公務上の傷病または死亡による退職にかかる部分を除いては、これを適用されていないのでございます。法律の第十条の失業者の退職手当を支給しておるところでございます。かように、一つの条件で縛られておるものでございます
#119
○中村利次君 これはまあ総務長官がお見えにならなければ質問できなくなったんですが、この月給、日給ですね、これは全く同じ仕事をやっている人たちに対して、定員外・定員内、常勤・非常勤の差だけで月給、日給制の差があるんですか。それとも何かほかに理由がありますか。
#120
○政府委員(福田省一君) 月給制職員につきましては、大部分は先ほど申しました事務職でございますが、一部、技能職、つまり機械の運転をしておるような人とかいう人、これの月給制もございます。また定員外の職員につきましても、やはり現場の、先ほど申しました主として肉体労働に従事するものでございますけれども、その中の機械の運転等をしております者が、やはり定員内職員と同じような仕事をしておりますけれども、原則としまして、日々雇用される者につきましては、いま申し上げましたように日給制というふうになっておる者でございます。
#121
○中村利次君 まあ大別しますと、これは何というんですか、同じ作業員であっても定員内、定員外によって日給、月給の差をつけておるということですね。
#122
○政府委員(福田省一君) さようでございます。
#123
○中村利次君 そうしますと、定期作業員の場合、どうなっていますか。
#124
○政府委員(福田省一君) 常用作業員の場合におきましても、あるいはまた定期作業員におきましても、やはり仕事の内容につきましては、いま申し上げた機械の運転手等につきましては、いま正確な統計を持っておりませんですけれども、定員内とそれから常用作業員と定期作業員、それぞれ同じ仕事をしておる者であるものでございます。ただ、正確な数字はただいま持ち合わせておりません。
#125
○中村利次君 そうしますと、この林野庁、あれは特別会計ですね、特に常用作業員というのは、これはお伺いするところによっても全く定員内と同じ仕事をやっておるということになると思うんですけれども、その場合、林野庁で月給にするということが可能ですか、不可能ですか。
#126
○政府委員(福田省一君) 林野庁限りで月給制の問題を解決するということは、これは困難でございます。ただ、御指摘のたとえばそういう運転の仕事をしております者の中で、常用作業員――これは一年間雇用される者でありますけれども、同じ仕事につきまして毎年繰り返してやっておりまして十年以上勤務しているという者が、全体の常用作業員の中で三五%くらいでございます。それから定期作業員の中でも、やはり十年以上継続して勤務をしておるという者は五七%になっておるわけでございます。したがいまして、定員内であると、あるいは定員外であるというだけの違いによって、一方は月給制、一方は日給制という問題がございますので、それに基づきましていろいろと退職手当その他の差異があるわけでございます。したがいまして、組合等からもいろいろそういった面についての処遇改善の要望がございまして、長い間関係官庁ともいろいろ折衝をし、これをお願いしているわけでございますけれども、たまたま国有林の仕事に従事する職員の処遇につきましては、いま先生が御指摘の点、基本的な問題でございまして、ただ、すべての者につきまして、そういったような月給制職員と同じにするということは、やはり問題があるというふうな御批判もいただいております。つまり、定員内職員というのは同じように、一つの採用されるときの条件であるとか、あるいは仕事の量に応じた雇用量というものをちゃんときめて、その中で処遇改善をすべきじゃなかろうかという御意見をいただいておるわけでございます。そういったようないろいろの問題を総合いたしまして、私たちはできる限り定員内職員に定員外の職員も処遇を近づけてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#127
○中村利次君 これは定員法の問題もありますし、非常勤の常勤化防止の閣議決定もありますから、したがって、非常勤を常勤化するということについては、林野庁の権能をもってしてはどうにもならないということはよくわかります。しかし、これは総務長官にも後ほど聞いてみたいと思うんですが、やはり全く同じ仕事をして、全く同じ勤務態様である。ただ定員法と、いま申し上げましたような常勤化の防止の閣議決定があるから、常勤化はできないけれども、林野庁としては。林野庁として、全く同じなんだから、月給にするということは何か可能のような気がするのですが、それを拘束するような、あるいは否定するような法律もなければ、あるいは政府の統一見解、あるいは閣議決定等々も、私がさがしたところではないようですけれども、これは総務長官にも聞いてみたいと思うんですが、やるやらないは別ですよ。やるやらないは別であって、可能であるか、可能でないか、どうでしょう。
#128
○政府委員(福田省一君) ただいま御指摘の問題につきましては、いろいろと数年前から問題になっておるとおりでございまして、林野庁といたしましても、いま申し上げておりますように、この作業員はまさに基幹的な作業員でございまして、中心をなしておるものでございます。関係各省とも協議いたしましたところ、いま申し上げるような見解についての御報告をいただいているわけでございます。
 「国有林野事業の基幹的な作業員は、その雇用および勤務の態様からすれば、長期の継続勤務となっていること等、常勤の職員に類似している面があるものと思料される。しかしながら、これらの基幹的な作業員を制度的に常勤の職員とすることについては、国家公務員の体系にかかわる仲々困難な問題でもあるので慎重に検討して参りたい。」、こういうふうに四十六年の四月十三日に各省庁の統一見解が示されておりますので、この問題につきましては、一応林野庁としては、各省庁の見解に基づきまして、できるだけ私たちの要望がかなえられるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#129
○中村利次君 これは、林野庁長官を私はここで困らせようという意思は毛頭ないわけですから、ただ、ただいまおっしゃった各省庁の統一見解は、確かに、昭和四十六年に衆参両院の農林水産委員会で林業の振興に関する決議をやっておりますね。そういう労働条件の問題を含めて、林野行政の重大性にかんがみて決議をやっておるのです、衆参両院の農水で。それを受けて統一見解を出された。その中でも、衆参両院の農水の決議にも、いまの統一見解にも、やはり非常勤の労働条件というものは、その内容というものが常勤と全く同じである、非常に類似をしておるということを出されている。ですから、それから先の常勤化するかどうかということは、先ほど申し上げたように、これは林野庁レベルではどうにもならぬ。しかし、そのことと、やはりその実態を認識をして、そうして特別会計の中で日給を月給にするということは、いまおっしゃった関係省庁の統一見解にも何ら抵触しないと思うんですよ。ですから、やるやらないは別ですよ、あくまでも。やるやらないは別ですけれども、林野庁レベルで月給にすることが可能かどうか、これはたとえば農林大臣やあるいは総務長官が、可能であってもいやそれはだめだ、こう言えば、林野庁でそれはできないということになりましょうけれども、それは総理府の人事局長いらっしゃるからお伺いしますが、可能でしょう。
#130
○政府委員(皆川迪夫君) 私も十分にここを詰めておりませんので、いま的確にお答えできないので恐縮でございます。
#131
○政府委員(福田省一君) ただ、いま御指摘の点につきましては、こういうことがございます。機械類に従事します作業員を定員内職員に繰り入れるということはいたしております。約二千数一名でございますけれども、これにつきましては、定員内職員は御承知のように定員がございます。したがいまして、その中に余裕ができました場合に、常用の作業員を定員内職員に繰り入れたということはございます。ただ、現在おります常用作業員のすべてに月給制を適用するということは、なかなかいま申し上げたような段階で、困難な問題であるというふうに考えております。
#132
○中村利次君 部分的には可能な面もあるというようなお答えだったと思います。
 これは人事局長にお尋ねしたいんですが、私は、これはくどいぐらい申し上げますが、やるかやらないか、可能であっても、かくかくしかじかの理由によってそれはいたしませんということもあるでしょう。しかし、少なくとも私が調べたところでは、法律上もあるいは閣議決定の上からも、林野庁の特別会計の中で、たとえば常用作業員を月給にするということが違法であるとか、あるいは閣議決定違反であるとか、そういうものはどこを調べても見当たりませんので、これはもうやるやらないは別として、可能であるという解釈をせざるを得ない。そこで、お尋ねしますけれども、もし可能でないという、そういう法的な根拠がどっかにあるとか、あるいは閣議決定があったという事実があるなら、私はそういう事実をお示し願いたいと思いますが、どうでしょう。
#133
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど申し上げましたように、直接の所管でもないものですから十分検討しておりませんので、私もそういうものがあるということは確認しておるわけじゃございませんが、ないということも十分検討しておりませんので、ちょっとここではお答えいたしかねます。
#134
○中村利次君 困りましたな。それじゃ総務長官がいらっしゃるのを待ちますか。それともほかの何をやりますか。これはいずれともはっきりしていただかないことには進まないわけですよ。長官も何ですかね、二時から用があるそうですから、私はできるだけその線に沿った御協力を申し上げるつもりなんですけれどもね。
#135
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#136
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
#137
○政府委員(佐藤達夫君) なぜ、さっきから黙っておるかと申しますというと、御承知のとおりに、林野庁は現業でございまして、いわゆる団交職に属するものですから、私どもの直接の給与関係の面はないものですから黙っておったわけなんです。一般の非常勤、それ以外の、いわゆる現業でない方々の非常勤については、これは給与問題はわれわれのほうの所管になりますけれども、そういう月給制がいけないとかいうようなこまかい禁止的な規定はいまのところございません。
#138
○中村利次君 それでは、月給制にすることは、これはするしないは別として、可能であると、こういうことですね。
#139
○政府委員(佐藤達夫君) いわゆる団交グループといわれる現業職員の方々を除きましては、それらについてのこまかい規則はございません。
#140
○中村利次君 そうなりますと、これは総務長官もちょうどお帰りになりましたから、林業の振興に関して、昭和四十六年に衆参両院の農林水産委員会で決議をやっています。これはもうわが国林業の重要性からして、いろんな、ずいぶんこれは長いですから、ここで読み上げますと短い時間で時間をとってしまいますから省きますけれども、そしてそれを受けて、四十六年四月十三日に関係省庁の統一見解が出されておるんです。で、これは衆参両院の農水の決議及び関係省庁の統一見解ともに、「国有林野事業の基幹的な作業員は、その雇用および勤務の態様からすれば、長期の継続勤務となっていること等、常勤の職員に類似している面があるものと思料される。」、そうなりますと、これはいろんな問題か起きてくるんです。たとえば、いま申し上げましたような常用作業員の場合には、同じ仕事をしていて、何らそれを月給化してはいけないという法的根拠がなければ、労使の団交でこれは月給化しても一向差しつかえないということになるわけでありますから、したがって、そういう点について総務長官にお伺いをいたしますけれども、かりに林野庁の労使で、月給が妥当である、こういう政府の統一見解も出、それから農水の両院の決議もある、その上に立って月給が妥当であるということになれば、これは総務長官としては、それはいいとか悪いとかということをおっしゃらないですか、お伺いします。
#141
○国務大臣(坪川信三君) 国有林野事業の作業員の問題については、先ほど、また過般四十六年に政府の統一見解を表明いたしたことで御了解はいただいており、また、基幹的な作業員を制度的に常勤の職員とすることについても、なかなか大事なことではありますけれども、国家公務員の体系にかかわる問題でもございますので、慎重に検討いたしておるような次第でございますが、いま御指摘になりました具体的な点については、やはり農林省あるいは大蔵省、労働省、その他関係省庁、人事院、いろいろと関連性の多い、またデリケートな問題でもございますので、いま私が直ちに、よろしい、あるいはノーというようなことを申し上げることは差し控えたいと、こう考えておる次第であります。
#142
○中村利次君 これは人事院総裁にもお伺いしたのですけれども、いわゆるそれを禁止しているものはない、そこまでははっきりしているんですよ。月給化を禁止していなければ、月給化が妥当でないものはともかく、だれが考えても妥当であると思われる部分について、労使の交渉で――これはそこに労使の交渉というものがあるわけですから、五現業の場合は。したがって、そこできめられた場合は、これはいいとか悪いとかおっしゃる筋合いはないと思うんですけれども、どうでしょう
#143
○政府委員(皆川迪夫君) 一つ一つ切り離して考えるか、これを全体のいわゆる常勤化の防止という閣議決定の線で考えるか、いまお話しのございましたように月給制にする、そうすれば次にまたどういう問題が起こるか、これは実質上常勤化されたと同じことになるんじゃないかというような議論も出てまいると思います。基本的にはやっぱりその考え方がはっきりしませんと、形だけ常勤化でなくて、実体はそれと同じになるということになりますと、この閣議決定の趣旨がどういうことになるのか、その辺は総理府だけでは判断できかねますので、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、非常に限定されましてもなかなかおお答えしにくい事柄のように思うのでございます。
#144
○中村利次君 これは、まことに私は重大なことを聞いたんですよ。月給化することによって常勤だか非常勤だかの区別がなくなるから、これはどうもにわかに結論が出せない――ほかに差別もあるんですよ。身分上の差別が、まずこれは決定的でしょう。常勤であるか非常勤であるか、定員内であるか外であるか、それは処遇ですよ、月給であるか日給であるかということは。これは、それでいいですか、そういう御答弁で。これは私は問題にしますよ。
#145
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほども申し上げましたように、いまは部分的な問題をお尋ねになりましたので、それだけに答えることも、そういう御要求であったかと思いますが、それに関連してどういうふうにお考えになるのかよくわかりませんので、全体的に広げてお答えをしたわけでございます。確かに、日給で払うか月給で払うかということだけを考えれば、お話のように、給料の支払いの関係だけだと思いますから、全体の閣議決定に触れないということになるのかもしれません。ただ、それに関連して次々にいろいろなことが起こってくるというようなことになりますと、またこの問題に触れてくるんじゃないだろうかということでございまして、どうも私のほうで一存にお答えをするのは、どうであろうかというふうに考えるのでございます。
#146
○中村利次君 私は、閣議決定というのは非常勤を常勤化することを防止するという決定ですね。非常勤を常勤に直しなさいと言っているんじゃないですよ。これは、身分は非常勤、常勤とあるんです、厳然と。それから処遇上の差異も、これは非常勤、常勤、幾らかあるようです。しかし、全く同じであって、月給化することが妥当であるというものについては、これは労使の交渉でやっていいんではないか。それが、月給制にすればどうも閣議決定に何か違反しそうだ――そんなことはありません。だから、そのことをお認め願わないと、閣議決定あるいは法に違反することはないということだけはお認め願わないと、これは私は次に進められません。それはいいですね。
#147
○政府委員(皆川迪夫君) この点は、先ほど人事院総裁からお話がございました、私たちもそのように理解をいたしております。
#148
○中村利次君 これは、何ですか、いままでの御答弁によれば、否定も肯定もない、とにかく検討をしてみたいという、こういうことだと私は解しますから、きょうはまだほかにも伺わなければならないこともありますから、私はこれは重大な関心を持って、衆参両院の農水の決議、それから関係省庁の統一見解、これは二年たってまだ具体的に答えが出ておらないようでありますけれども、こういう、どれを見ても、やはり私が申し上げているような方向でいって何らおかしくないし、むしろ好ましいという、そういう方向にあると思いますから、私はこれには近大な関心を持ちますので、ぜひ、これはひとつ、長官、前向きの御検討をいただいて、可能な限り早く結論をお出しになるようお願いをしておきたいと思うんです。
 次に、退職手当ですが、やはり常勤作業員あるいは定期作業員等について、林野庁長官の先ほどの御答弁では、四条、五条の適用が、常用作業員の場合、たとえば五条適用は公務上傷病・死亡のみということになっておるというお答えでございました。それから四条適用も一部であると、こういうお答えでございましたけれども、しかし、これは、たとえば五条には――五条は整理等ですか、どういう表現になっていましたか、とにかく、当局の都合によって、政府の都合によってやめてもらう、そういう場合には五条の適用で優遇措置をするというのがあるんですが、それが常用作業員の場合は公務上の傷病・死亡のみ、やめてくれと言ってもそれには適用されない。これはちょっとやはり、比較して、先ほど人事院総裁も、公庫、公団等に行かれる人たちはほんとうにこれはもうお気の毒である、本人の意思に反してでも、お気の毒だ、今度の退職手当法の改正でこれが救われるんだという、まことにりっぱな答弁があったんですが、その趣旨、精神からいきましても、これはやはり五条の適用を――本人の自由、かって気ままにやめるという場合はともかく、やはり整理、勧奨等によってやめる場合には、この適用をするのが妥当ではないかと思うんですが、いかがでしょう。
#149
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど林野庁長官からお答え申し上げましたように、四条、五条関係では、実際上一番適用されないのは、いわゆる勧奨退職の場合の規定が適用にならないということであろうかと思います。この点が非常に実態に合わないんじゃないかということは、私たちも、職員の方からもたびたびお話を伺って、実態から見ると、そういうことを言われるのもよくわかるわけでございます。ただ、法律のたてまえとしては、やはり期限を切った任用だものでございますから、これに勧奨をするというのが、なかなか法律の仕組みとして――期限がずっと将来まである人なら勧奨退職ということもあるわけでございますけれども、毎年更新をしておるということになりますと、退職手当の関係から、いまの任用制度をそのままにしてほかのものと合わせていくことには、非常に限界を感ずるわけでございます。
#150
○中村利次君 何とかしたいというお気持ちはあると私は伺いますから……。しかし、そういういろいろな制約があると。確かに、三月三十一日解雇、四月一日採用と、同一人間がそういうことでずっと勤続通算されて、退職金も勤続通算で払われておる。それから公務上の傷病・死亡の場合もやはり同じですよ。それから、実際は一年一年更改になってもこれは全く同じだからこそ勤続通算をやられておる。五条の適用も公務上死亡の場合にはできる。そうなりますと、そういう解釈がそこまであるわけですから、これは事実上一年きりでありますからと言ったって、事実上ずっと勤続年数に通算をされていることは、これはもう現実ですから、したがって、むしろ、うしろ向きの考え方を捨てて、当然、常識的に考えて、公務上死亡の場合と、それから、何と言うんですか、退職手当法上病気で死ぬ場合の差別はあってもともかくとして、しかし、五条には整理、勧奨というのがあるんですから、そんなのが、一年更新の場合にはないんだよと言うんだったら、公務上の傷病・死の場合もこれはおかしいということになるんですね、あるのは。ですから、これは同じ、何と言うんですか、やはりつじつまの合う取り扱いをやるためには、いま一歩これは前向きに踏み切ってもらう必要がある。いかがでしょう。
#151
○政府委員(皆川迪夫君) お話のように、この勤務の継続性の実態に着目をして三条を適用する。したがって、形式的には一年ごとの任用であっても、これが十年続けば十年として三条の取り扱いをする、そういう前提をとっておるわけでございます。そして、その方が公務上の死・傷病にかかられるという場合にはその規定を適用するということにいたしておるわけでございまして、この点は、いまお話がございましたように、勤務される方々の立場に立って、かなり前進した法律の扱いにしていると私たちは存じておるわけでありますが、一歩進んで、それに勧奨という積極的な行為まで加えたものを適用するかどうか。これになりますと、理論的に非常に困難が一つあるだろうと思うのです。なぜ、任期のくるのに勧奨というものが働くのかという理屈の問題が一つございます。もう一つは、これはおしかりを受けるかもしれませんけれども、実際上は退職手当の面では常勤化と同じじゃないかと、こういうお話も出ようかと思います。そうなりますと、閣議決定の問題もあるわけでございまして、私たちだけの一存ではなかなか判断がし切れない。これはやはり国有林野の事業をどう持っていくのか、あるいは定数化の問題をどう考えるのかというような他の省庁のお考えの上に立って措置をしないと、どうも退職手当のほうだけでやるには限界があるんじゃないかという感じを持っておるわけでございます。
#152
○中村利次君 期間がくるのに勧奨はどうもおかしいと。これはそういうことはないんですよ。これはたとえば借家と同じでして、あるいは借地と同じでしてね、やはり、継続賃貸借をするというのが前提なんですよ。継続雇用するというのが前提だからこそ通算をして、やはり退職金を三条によってお支払いになっておるわけですから、したがって、そういう議論ですと非常にまた新しい問題になってまいりますから。しかし、私は、これだけにかかわっているわけにはいかない。これだけで一時間ばかりやればいいんですが……。これは前向きな検討をすると、つじつまの合うように努力をするというお答えがあれば、この問題はこれでやめます。なお、これには加えて四条適用、これもやはり御検討を願わなければいかぬと思います。いかがですか。
#153
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから重ね重ねの御意見を交えての御質問でございます。政府といたしましては、先ほど申し上げましたとおりの統一見解に基づきまして御趣旨に沿うよう十分努力いたしてまいりたいと、こう考えております。
#154
○中村利次君 それでは、また次の機会にこれは御努力の結果をお伺いをしながら問題提起をしてまいりたいと思います。ぜひひとつ前向きの御検討をお願いしたいと思います。
 次は、まあ戦争被害といいますか、これは恩給法の一部改正なんかありますと、必ずやはり人事局のほうでもたいへんに苦労のあるところでありますけれども、少なくとも恩給、年金等については、やはり一歩一歩前進をされて――前進をすると、また均衡上問題が生ずるという面もあるようでありますけれども、しかし、努力のあとが、これは毎年見られておると私は思うんです。そこで、退職手当上、平ったく言いますと、日本国政府の職員であった者が、それをやめて満州国の職員になる、それをやめてまた日本国の職員になる、こういう者を退職手当上どういう取り扱いをやっていらっしゃるのか、また、満州国で職員として就職した人が、それをやめて日本に帰ってきてまた日本政府の職員になった場合の退職手当上の取り扱い、それを、簡単でけっこうですから……。
#155
○政府委員(皆川迪夫君) これは、退職手当法が施行されました際に国家公務員であった方々に対する特例といたしまして、その方が元日本の政府の職員であった、あるいは地方公務員であったが、その後に満州国政府なり満州鉄道その他特殊な機関におつとめになって、そして戦後引き揚げてこられて、また再び国家公務員になったという方につきましては、この期間を通算をする、ただし、退職手当を満鉄でもらわれたというような場合はまた特例がございますけれども、一般的には、満鉄におられた期間は三分の二に通算をする、こういう扱いになっておるわけでございます。それから、もともと満州国政府なりあるいは満鉄に最初からお入りになった方で、その後、戦後に引き揚げてこられて国家公務員になられた方については、この規定は適用はされないということになっております。
#156
○中村利次君 それは、理由はどういう理由でしょう。
#157
○政府委員(皆川迪夫君) これは、もともと国家公務員等がその途中で、当時満州国政府なり満鉄その他特殊な機関に対して出向をする――大体当時、国の要請に基づいて行かれた場合が多いようでございます。そういう状況でございますので、その期間について、ある程度の期間算入をするということにいたしてあるわけでございます。
#158
○中村利次君 これは通称、日・満・日と満・日ですね、どうもこれはやはり別な取り扱いをされるという点については、まことにどうも納得しがたいものがあるのですね。
 そこで、もう一回伺いますけれども、日・満・日と満・日は、なぜ違うのか。私は、時間が非常に少ないですから、自分の考え方というか、主張も交えて申し上げますが、当時は戦争中ですから、徴兵もあれば、あるいは赤紙召集もあった、志願もあった。ところが、赤紙召集だから国策に基づいて応召して戦争に従事したのだからこれはいいのだ、志願は本人の意思にかかるものだからいけないんだ、はたして戦争中の一億火の玉時代に、そういうものが通用したかどうか。これは、国策としてやはり満州で満鉄なりあるいは満州国に就職された、もう国じゅうがそういう国策としてのムードだったと思うのです。日・満・日と満・日というのは、全くこれはどこで区別するのか。兵役に服する志願とそれから下士志願というのもあったのですよ。ほめられた。志願と徴兵、召集、応召、そういうものとは何ら区別がなかったのと同じように、これは区別するのがそもそも無理である、こういうぐあいに思うのですが、いかがですか。
#159
○政府委員(皆川迪夫君) いろいろなお考えがあると思いますが、現在の法律の附則の九項に、わざわざ昭和二十年の八月十五日現在で外地におった者の中から国家公務員、つまり職員または地方公務員として在職した後引き続いてそういう外地の身分を持った者でないものを除くと、そういう問題で限定するというふうにこの条文の中に入れてありますのは、やはり国家公務員の退職の問題でございますから、一たん国家公務員になられたあとの事情で他の機関に入った場合と、最初から自分の意思で民間の、あるいは外国政府におつとめになった方と区別をしてあるということであろうと思います。
#160
○中村利次君 その区別は、つけられっこないと思うのです。国策に従って日本政府の職員であった人が、これは本人の意思であっても、満州に行って満州につとめた、また、終戦によって日本に帰ってきて日本政府につとめた、これは三分の二退職手当で処遇される。全く同じく、当時国策に従って満州国でつとめた、それが終戦によって――同じですね。この差別を、特にいまこうなっておるのだとおっしゃったけれども、私は、そのこと自体が非常にやはり気の毒な人たちをつくっておる。
 それからもう一つ伺いますけれども、これは関連しますが、この二つのケースの方たちの共済年金はどうなっていますか。
#161
○政府委員(皆川迪夫君) これは、恩給の際に同じように通算をするという取り扱いになっております。
#162
○中村利次君 これは、共済年金が同じ取り扱いをされておるということは、条件的に言っても全く同じであるからということで同一の取り扱いをされておると思うのですね。通算をすると、日・満・日も満・日も。そうすると、共済年金では日・満・日も満・日も同等である、片方の退職手当ではこれは違うんだ――これでは、ちょっとやはり、理解したくっても非常に理解しにくいわけですから、したがって、これはぜひとも――私は、現状はそうだからといって責任を追及しようというつもりはありません。これはやはり、いいほうに改善をされればいいわけでありますから、そのおつもりがあるかどうかをお伺いします。
#163
○政府委員(皆川迪夫君) いまの御指摘の点、私たちもかねがねから問題点として認識をしておる点でございますが、恩給とか共済年金の場合ですと、いまから適用しましても、現在おやめになった方が大ぜいおられると思うのですが、そういう方々もこの改正の恩典を受けられるわけです。さかのぼって受けられます。ところが、退職手当の場合は、すでにおやめになった方には、とてもこの性質上さかのぼって適用しようがない。そうすると、いま残っておられる方が一つの対象になると思うのですが、どうもそういうことを考えてみますと、戦後、この法律ができまして二十年、二十何年かたちましたあとでそういう措置を講ずるということには非常に問題がないだろうか。制度でございますから、これから先々どんどん起こってくる事態であれば、常にその時代に合わせた改善をしていかなきゃならぬと思いますが、過去の臨時特例的な措置をあとになって措置するということについて、実は私たちは非常に問題があるんじゃないかという認識を持っておるのでありまして、私も、いわゆる満・日の方々が現在どの程度在職され、あるいはどの程度退職をされたか、その事情もよく存じておりませんけれども、満州時代に向こうにおられたということになりますと、すでに五十、相当年配であろうと思いますから、むしろ、おやめになった方がかなり多いんじゃないかというふうに考えるんでありまして、そういう段階に、これから先の方だけに、いままで長いこと続けてきましたこの原則を変えるということについて、なかなか問題がありはせぬかという気持ちを持っております。
#164
○中村利次君 年金の場合には、いままでおやめになった人たちも適用される。退職手当の場合には、もしそういう取り扱いをすればそれ以降の人であって、前の人が気の毒だ――これは心情的には私は理解される面があると思いますけれども、現実的にはまことに説得力はないですね。たとえば、ここに提案をされた退職手当の改正法案ですね、これが実現しますと、それじゃ、これはさかのぼりますか。やはり今日以降でしょう。よく公務員の給与あるいは諸手当の民間比較というのをおやりになりますけれども、民間だって、退職金規定の改善をやっても過去にはさかのぼらない。これはちっともおかしくないんです。その時点その時点での判断、社会情勢、あるいはいろいろな面の比較ですね。ですから、悪いことをして、悪くしようというんなら、これはえらい問題ですけれども、どなたがお聞きになっても当然の改善をいたしましたということになれば、さかのぼる人たちがないから、あるからという議論は、これはまことに説得力に欠けるというよりも、まさに説得力がないことでありまして、そんなことを言ったらこれはできませんよ。それじゃ退職手当の改善なんかはなぜやるんだということになるわけでありますから。これは前にさかのぼっておやりになるんですか、総務長官、いま提案されておるのは。
#165
○政府委員(皆川迪夫君) 衆議院の修正によりまして、昨年の十二月一日から適用するということに相なっております。
#166
○中村利次君 過去にはさかのぼらぬでしょう。
#167
○政府委員(皆川迪夫君) ずっと昔にさかのぼることになっておりません。
 いまお話しのございました点は、私ももちろんそう説得力のある議論だと考えておるわけでもございません。ただ、制度の改正は、これから先々いろいろ起こってくる事態を予想して、それに対応した措置をとるというのが一般的な改正であろうと思います。この満・日の場合は、かつて起こりました一つの問題で、将来起こる事柄じゃないわけでございます。したがって、それを直すということについては、現状が非常にはなはだしく不合理である、まあ改善したほうがベターだというよりも、放置できないほど不合理であるというような要素が強くないと。将来どんどん起こることであれば、常にこれは直していったほうがいいと思うんですが、どうもその辺――私は別にそう、かたく信念を持っておるわけじゃございませんけれども、かつて一時の人だけの措置でありますから、その当時これが妥当だということできめられた制度を変えるには相当な理由がなけりゃならぬのじゃないかという気持ちがしておるということを申し上げたわけでございます。
#168
○中村利次君 民主主義国家では、かりにそれが少数であろうと、一人であろうと、当然のことはやはり当然のことをやって、これは当然であるという条件ができた時点で改めるべきで、少ないから、あるいはさかのぼれないからというのは、きわめてこれはやはり納得のできないことであります。時間がありませんから……。特にこういう退職手当法上の勤続年数というのが、公務員の昇任、昇格、表彰等にも影響しているでしょう。そうなりますと、これは、人事院総裁のさっきの御答弁、公庫、公団等に行かれる人にこういうものができてほんとうによかった、こういう精神をお持ちなさいよ。こういうところまで、昇任、昇格、表彰にまで影響している。それがなぜかというと、いわれなきですよ、これは当事者にして見れば、まさにいわれなきことで差別をされているということになると思いますから、私はぜひこれはひとつ――ましていわんや、年金は同等の取り扱いをされているということになりますと、いやだという理由は全くないと思いますから、最後に、総務長官、これはぜひそういう意味で、ひとつやってくださいよ。よろしいですか。
#169
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどからの御意見でございますが、政府といたしましては、御意見は御意見として十分拝承いたしておりますが、やはり重要な問題でもございますが、十分ひとつ慎重に考慮いたしてまいりたいと、こう考えております。
#170
○中村利次君 どうも困ったものですけれどもね。まことにはっきりしているんですよ。
 労政局長に先ほどからだいぶ御迷惑をかけておりますので、お忙しいようですから最初にお伺いしますが、公務員法の百八条の二から七までですね、職員団体等に関する規定がありますね。これは、労働三法にしても、あるいは公共企業体等の関係法にしても、憲法二十八条を受けてこういうものをおつくりになっていると、こういうぐあいに私は解釈しているんですが、そういう解釈でよろしいでしょうか。
#171
○政府委員(石黒拓爾君) 御指摘のごとく、憲法二十八条のいわゆる労働基本権を保障するのは――民間、公企体、官公労等いろいろございます。民間については労働三法があるわけでございますが、国家公務員については、憲法十二条、十三条の「公共の福祉」とか十五条の公務員の特殊性とか、いろいろ制限ございますが、その制限のもとにやはり職員の団結権を保障したものである。国家公務員もまた最高裁の判例によりまして憲法二十八条の「勤労者」の中に含まれると解されておりますので、この職員団体に関する規定もまた、制約はあるけれども憲法二十八条を受けたものと考えております。
#172
○中村利次君 まだ一、二お伺いしたいことがありますけれども、たいへんお忙しいようですから、ここで……。もしお願いできたら、またあれしますがね。
 総務長官にお伺いをしますけれども、公務員法の七十九条で「本人の意に反する休職の場合」、これはその一として「心身の故障のため、長期の休養を要する場合」、それから二として「刑事事件に関し起訴された場合」、こういう規定がありまして、退職手当法上の取り扱いは一緒なんですね。この「心身の故障」――病気でもして、本人は、いや出勤したいんだと、休みたくないと言っても、これは本人の意に反して長期の休養が必要であるということになると、これは長期の休養を命ずることがあり得る――非常にわかります。しかし、刑事事件に関するといいますと、中身はいろいろあるでしょうけれども、公務員の刑事事件の中には、やはりどうも国民からいけば非難攻撃をされるようなこともあり得るわけでありますね。これがやはり休職にされるわけです。退職手当法上はこれは同じなんですね、二分の一。これは、社会通念として、国民感情として、ごもっともとお考えになりますか、どうですか。
#173
○政府委員(皆川迪夫君) お話のように同じ取り扱いになっておりますが、その考え方は、刑事事件に関連をして起訴をされたという場合であっても、まだ有罪になるのかどうかはっきりしないという段階で休職取り扱いにするわけでございます。その期間はもちろん公務員の身分を持っておりますから、活動においてもいろいろな制限を受けるということになっておりまして、もしその結果、禁錮以上の刑に処せられた場合には退職金は払えないということになります。したがって、その辺で措置をとっておるわけであります。
#174
○中村利次君 まあ、判決が出るまでは、刑がきまるまでは公務員の身分を保有しておるのだと、判決がきまるまではどうなるかわからない、まあそれはごもっともだと思いますが、しからば、この八十二条の「懲戒の場合」、これはいろいろあれしてありますけれども、とにかくこれは明らかに非行によって懲戒処分にされて停職になった場合、これは期限は一年以内、その場合も同じ取り扱いですね。これはどうですか。これはきまってているのですよ、もう。非行をしたから懲戒処分に付した、そして停職である、これも同じ扱いというのは、やはり同じ考えですか。
#175
○政府委員(皆川迪夫君) これも、停職の場合にどの程度の取り扱いにすべきか、いろいろ議論があろうかと思います。まあ処分の中で最もきつい懲戒免職の場合には退職金を支給しない。しかし、停職の場合には一年という期間でありますけれども、二分の一算定をする。これはやはり公務員としての身分を保持させていろんな活動上の制約を与えておるものですから、そういう取り扱いにしておるものと考えております。
#176
○中村利次君 しからば、同百八条の、職員団体の専従役員がゼロであるというのは、どういうわけですか。
#177
○政府委員(皆川迪夫君) いま休職中に二分の一通算するというのは、いずれも病気であるとか停職とかいうことで、他に職業を持っていないわけです。他に職業を持っていないということが一つ違う点があろうかと思います。で、専従の場合には、職業というと語弊がありますけれども、他で働いて給与をもらっているわけですから、その差が一つあるのと、もう一つは、いわゆる労使不介入という原則で、職員団体の仕事に専念をするわけでございますから、そこでそういう差をつけておるものと考えております。
#178
○中村利次君 他で給与を受けているから、片方の懲戒処分者は給与を受けていないから、これで退職手当の勤続通算を違えるのだというのは、まさにこれは説得力がないというよりも、私は暴論にひとしいと思うのです。私に言わせますと、この組合の専従者、もっぱら組合業務に携わっておるのは、専従者は、懲戒停職者、非行をやって懲戒を受けた人よりももっと過酷な取り扱いをしなきゃいかぬのか。過酷というよりも、これはむしろ、何と言うのですかね……。そして、まして民間の労働団体の場合には労働協約で、組合専従役員というのはきまったら会社に通告をするという協定を持っているところすらあります。大体が、まあ合意ですね。で、公務員法によりますと、百八条の六で、これは許可制になっておるのですよ。所轄庁の長の許可を受けて組合役員として専従をするのです、これは。ということは、やはり政府が認めたということですね。そういうものに対して勤続通算はやらない、退職手当等の。それから、不法行為をやって、非行をやって懲戒によって停職を受けている者はやる。これは、筋目からいっても、あるいは社会通念からいっても、はたしてそういうことが許されることかどうか、いかがですか。
#179
○政府委員(皆川迪夫君) まあ、この規定は、この法律ができます際にいろいろ御議論があったところだろうと思いますが、私が先ほど申しましたのは一部の理由でございまして、主たる理由は、やはり労使の不介入というのが根底にあるのだろうと思います。したがいまして、これは別に退職手当法上過酷なことをしているとかいうことではなくて、そういうたてまえでやっていただくということじゃないかと思うのでありまして、ちょっと、ほかのものと比較をするのも、比較しにくいケースではないかというふうに思うのであります。
#180
○中村利次君 これは比較できないことはないのです。労使不介入とおっしゃいますけれども、労働大臣なり労政局長がいらっしゃれば私は聞きたいと思う。不当労働行為のことをあるいはおっしゃっているのかもしれない。不当労働行為というのは全然違うのです。
 それから人事院総裁に。これがもしそういう的はずれでしたらやむを得ませんけれども、民間で組合役員として専従する期間、退職手当の通算がされておるかどうか。私の承知するところでは、通算がされないというのはほとんど聞いたことがない。もし調査をされたことがございましたらお知らせを願いたいと思います。
#181
○政府委員(尾崎朝夷君) 人事院として調査したことはございませんけれども、中労委で調査したものがあるようでございまして、それによりますと、約八割ぐらいが通算になっているというようなことのようでございます。
#182
○中村利次君 人事院の給与その他、民間を調査した結果、やはりそれに合わせるような努力を、いままですべてやってこられたでしょう。それが八〇%は通算をしておる、これはもうたいへんなことですよ、いまの政府がやっておる組合の専従役員に対する処置というものは。とてもとてもやはり日本人として納得できないようなことをおやりになっている。ましていわんや、やはり百八条の七には「不利益取扱いの禁止」というのがあるはずです。不利益な取り扱いとは何だということになりますと、こういうことはすべて不利益な取り扱いですよ。これも私は労働大臣なり労政局長に聞きたいところだったんですがね。そういう点をひとつ、ぜひお含みになって、どこへいっても通用しないようなことはぜひ取りやめていただきたい。いかがでしょう。
#183
○政府委員(皆川迪夫君) この法律を制定する際にもたいへんいろいろ議論があった問題であると思いますが、私たちは、いまのところ、たてまえ上通算するにはまあ困難があるのじゃないかというふうに考えておりますが、なおよく検討してみたいと思います。
#184
○中村利次君 困難はありません。これは政府の姿勢です。もう一般の公務員の給与等については、民間も調査をして、民間の体制を取り入れた、公務員が非常に不当にならないような、そういうことをおやりになっておる。これは、それが当然かどうかは別にして、私は、むしろ今日以降は人事院が大いに踏み切っていただいて、公務員給与先導型をおとりになることを希望するものですけれども、少なくともいままでは民間の実態に合わしたようなやり方をおやりになっておる。これはどこから見ても――これはきょうは総務長官もいらっしゃいませんから、人事局長にあまりこういうことをあれするのはかえってお気の毒だと思いますけれども、しかし、法律によるいろいろなものをあわせ考えても、あるいは不利益取り扱いの禁止条項等、あるいは民間の実態等、どれから判断しても、まことに不当なことを政府はおやりになっておるということが結論にならざるを得ませんが、これは、お答えいただいても総務長官もいらっしゃいませんから、関係各省庁と十分にお打ち合わせをしていただきまして、一日も早くこういう、少なくとも自由にして民主国家である日本国から、こういうばかげたことは解消していただくように要望して、私の質問を終わります。
#185
○委員長(高田浩運君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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