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1972/06/19 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第13号
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1972/06/19 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第13号

#1
第071回国会 内閣委員会 第13号
昭和四十八年六月十九日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     峯山 昭範君     黒柳  明君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     鶴園 哲夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高田 浩運君
    理 事
                内藤誉三郎君
                山本茂一郎君
                片岡 勝治君
    委 員
                源田  実君
                長屋  茂君
                星野 重次君
                町村 金五君
                上田  哲君
                鈴木  力君
                鶴園 哲夫君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   国務大臣
        国 務 大 臣
       (経済企画庁長
        官)      小坂善太郎君
   政府委員
       経済企画政務次
       官        橋口  隆君
       経済企画庁長官
       官房長      高橋 英明君
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     小島 英敏君
       経済企画庁総合
       計画局長     宮崎  仁君
       経済企画庁総合
       開発局長     下河辺 淳君
       経済企画庁調査
       局長       宮崎  勇君
       農林省食品流通
       局長       池田 正範君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       農林省畜産局審
       議官       下浦 静平君
       通商産業大臣官
       房審議官     牧野 隆守君
       通商産業省企業
       局商務第二課長  荒尾 保一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、峰山昭範君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君が選任されました。
 また、昨日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高田浩運君) 次に、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○前川旦君 最初に、物価局の新設が法案の内容でありますが、巷間よくいわれているところによりますと、例の国土総合開発庁との見合いでこの物価局の新設になったということをいわれておりますが、実際はどうなんですか。これは、いつごろからこういう構想がありましたか。
#5
○国務大臣(小坂善太郎君) 私どもこの物価局を新設したいというふうに考えておりますのは、最近、完全雇用の実施あるいは国民福祉の向上、そういうことが非常に大きな政策目標として出てまいりまする半面、物価問題というのが、もうその基礎になるような重要性を持った問題でございまするので、物価の安定こそ国民の要望する非常な大きな問題であって、政府としては、ことに経済企画庁が物価に関する調整機能を持ちたいというふうに考えておるわけでございまするので、何としても専門の局が必要である、こう強く考えておりまするわけでございます。たまたま国土総合開発庁というものができる構想も別個にあるわけでございますが、この物価局が必要であると考えている私どもの気持ちと、総合開発を別に庁を設けてやろうという構想とは、これはたまたまこの国会に法案が出ておるというだけでございまして、その間の代謝関係といいますか、これがなくなったからこれをというような、そういう気持ちは全くないわけでございます。
#6
○前川旦君 それでは、この案によりますと、従来の物価政策課の二十人ですか、これが物価局の三課三十三人になると聞いておりますが、二十人が三十三人になって、課が局になる、このことで、実際に考えてどれくらいの効果といいますか、実績があがるのか、その辺の見通しはどう考えていらっしゃいますか。
#7
○国務大臣(小坂善太郎君) 御指摘のように、物価局は、これを認めていただきますと、物価政策課、物価調整課及び物価調査課という三つの課にいたしまして、総定員三十三名を予定しているわけでございます。で、今日、国民的活局の中に物価政策課がございまして二十名の職員がおりますわけでございますが、この頭で十三名ふえるのでございますから、当該部局の人員は相当大幅に拡充されるということになるわけでございます。御指摘のように、一部には、わずか三十三名でこのむずかしい物価問題を、というお考えがあることは当然理解できるわけでございますけれども、私どもといたしましては、今日の国家行政組織法の中でこういう新しい局をつくってもらい、しかも人員をふやすということは非常にむずかしい問題でございますので、この与えられたる人員内におきまして最善を尽くしまして物価問題に取り組んでまいりたい、こう考えている次第でございます。
#8
○前川旦君 これほど大きな問題になっている物価問題ですから、二十人が三十三人になって局になる、一番国民の生活に密着している問題でありますから、こういうところにはどんどんやはり人を配置するのがほんとうだと思いますね、本筋としては。しかし、それはそれとしていろいろな制約があると思いますが、今度の法案の中でいろいろ新しい権限ができます。たとえば資料の提出とかを求める、あるいは勧告をするとか、あるいは報告を求めるとか、あるいは総理への意見具申とか、いろいろ新しい権限ができるようになっておりますが、従来でも資料を求めようと思えば、従来の法律のままでもできる。それから、そのつもりであれば、勧告なり報告を求めることもできるし、それから、長官は閣議の一員でありますから、総理大臣に自由に意見を具申することも、これは従来からできるわけです。それを、この法律を変えて、今度新しくこういうふうに取り入れられたのは、従来との関係でどういう効果をねらっておいでになるのか、どういう実効を考えていらっしゃるのか、従来ではどういう不備があったのか。私は、そのつもりであれば、従来のままでもずいぶんやれたと思うんですけれども、その辺が少し疑問に思いますので、お答えいただきたいと思います。
#9
○政府委員(小島英敏君) おっしゃいますように、従来でも、法律の明文にございませんでも、資料提出の要求とかいうととは、もちろんやっているわけでございます。ただ、口頭でいろいろお願いいたしましても、もちろん全面的に協力していただくところもございますし、ケースによっては、なかなかそれは出せないというようなことを言われることもございまして、われわれが望めば政府の内部であっても、いつでも必要なデータが入手できるという状況では必ずしもないわけでございます。今度法律改正によりまして、大臣に勧告権ができ、あるいは資料請求権等が生じますと、これはやはり、もちろん第一段階は口頭でいろいろ要求などするわけでございますけれども、それに対して思わしい答えが得られません場合には、文書によって要求し、それから、こういう政策が必要であるというようなことも、もちろん、いままででも口頭ではいろいろ言っておるわけでございますけれども、今回法律が認められますと、法律に基づく大臣の勧告権ということになりますと、これはやはり文書によってそういう勧告をされるわけでございますから、役人の世界では、口頭で言われる場合に比べまして、法律に基づいて文書によって言われます場合の重みというものは非常に違うわけでございます。昔から、文書による勧告というようなものは法律に認められていても、そうやたらに行使いたさなかったのでございますけれども、最近は、なかなか状況もやや変わってまいりまして、たとえば環境庁が新幹線の騒音に関して運輸省に文書による勧告をするというような例もございまして、やはり法律に基づく勧告が行なわれます場合は、従来の口頭による意見というようなものとは質的に非常に違った重みを持って影響を及ぼし得るものというふうに思うわけでございます。
#10
○前川旦君 私は皆さん方の世界はよくわかりませんから、そう言われると、そういうこともあるのかなあという気がいたしますが、やっぱりそれは姿勢の問題がずいぶん大きなことだと思いますね。いかに権限が与えられても、へっぴり腰ではやっぱりだめでしょうし、権限がなくても、ほんとうに本気で強くかまえていけば、かなり効果もあがるし、ですから、私はこういう権限を持つということは反対じゃないですよ、賛成ですけれども。できることであれば、強い態度というか、実効のあがる運営の姿勢を持っていただきたい、こう思います。
 そこで、この企画庁の設置法の改正を見ますと、「物価に関する基本的な政策の企画立案及び推進」ということばが、あっちへいったり、こっちへいったり、いろいろ出てまいります。ところが、私はどうもふしぎなのは、「物価に関する基本的な政策の企画立案」とありますが、法律のどこを読んでも、物価の安定ということばが出てきませんね、安定ということばが。これはどうして入れないのか。物価の安定を目的としているのではないのか。物価政策というと、物価をつり上げることも政策の一つに入りますけれども。どうもその辺がふに落ちませんけれども、これは何か技術上の問題があるのですか、法文上の。これはどういうわけなんでしょう。
#11
○政府委員(小島英敏君) 物価安定ということばは私どももよく使っておるわけでございますけれども、やはり厳密に申しますと、安定というからには一%も上げない、つまり、卸売り物価も消費者物価も全然横ばいで将来とも持っていかなければ正しい意味の物価安定とは言えないと思います。そういう意味では、いままでの日本の物価を見ましても、卸売り物価は、確かに、長期的に見ますと、波を描きながらも、かなり安定的に推移しておりますけれども、消費者物価のほうは、よほど成績のいい年で四%台、成績の悪い年では七%、八%ということもあるわけでございまして、どうも正直申し上げて、将来とも消費者物価というものは、基調的に――サービス関係の人件費の上昇を中心として、基調的にやはりゆるやかながら上昇せざるを得ない趨勢にあるというふうに思います。その意味では、俗語的には物価安定と言っておりましても、法律的に物価安定という表現を使うことにはやはり問題があるというふうに思うわけでございまして、物価政策といいます場合に、もちろん、これは極力下げることを旨とした政策であることは言うまでもないわけでございます。下げると申しますか、上がり方を少なくするという意味でございます。
#12
○前川旦君 私は、ただいまの答弁はたいへん重大だと思うんです。それで、小坂企画庁長官にお尋ねしたいんですけれども、一体企画庁の物価安定策というのは何を目的にしているのか、何を目標にしているのか。たとえば、いま西欧ではインフレです。東欧では安定しています。それから最近の「北京周報」を読んでみると、毎週のように、生活物価は下がりましたというようなことが載っています。ここでは徐々に下がっている。一体いまの政府の物価策というものは、物価をとにかく横ばいにすることを目的にしているのか、徐々に下げることを目的にしているのか、それとも、上がるのはもう当然だ――いまも答弁がありました、やむを得ぬことだ、これが前提になっているのか。たいへんそのことを私は大事なことだと思うのです。たとえば昭和三十五年に国民所得倍増計画というのが出ました。そのときの前文、物価に関するところでは、「計画期間中総合物価の変動は想定せず、長期的には物価水準が安定的に維持されるものと考えている。」、すっぱりと明確に、物価が上がることをぱっと否定しているのです、昭和三十五年には。それが、昭和四十年の中期経済計画では、消費者物価はものによって上昇するものも低落するものもあろうが、全体としてはその上昇率は最低限にとどまり、かつ、卸売り物価はやや弱含みながら安定的に推移する、これは上がっても、ほんとうにわずかだ、とるに足らぬようなところなんだ、というのが前提ですね。それが、いま皆さんがおつくりになった四十八年度の経済社会基本計画では、消費者物価の上昇率は平均四%台にとどめ、また、卸売り物価についても、加速的な上昇を示さず、おおむね安定的に推移するよう格段の政策努力を行なう、ぼうんと上がることを覚悟して、それを前提にして、少しでも下げて、せめて四%で押えたいという努力目標ということに変わってしまっている。これ、一体どうなるんですか。これから先の問題として、国民が望んでいるのは、物価の安定を望んでいるのです、安定を。それを、物価の上がるのはやむを得ないのだ、少しでもそれを下げるのだ――この姿勢の違いですね。この物価に対する姿勢の違いが、私は、わずかなことばのやりとりのようですけれども、非常に基本的な考えとして出てくると思いますが、その点、いかがですか。
#13
○国務大臣(小坂善太郎君) 前川委員の仰せられることは、私もよく理解できるのでありますが、ただ、この所得倍増計画あるいは中期経済計画あるいはその後に新経済社会発展計画の中にあらわれておりまする文言は別といたしまして、やはり全体に、日本の経済を拡大していく、そういう思想があったことは、もういなめないことでございまして、その理論的な基礎は、やはり雇用を増大する、雇用を増大するためにはやはり産業も振興させなければならない、産業を振興させるためには物価のある程度の上昇というものは是認していかなければならぬという思想があったわけでございまして、当初の計画でも、文言は別として、実際のねらいでは、物価が数%上がる、消費者物価が上がるということを是認していたわけでございます。成長も、したがって七、八%から九%。ところが、実際は二けたの成長に――名目的な成長でございますが、二けた以上になってきたことも、これ、事実であるわけでございます。
 そこで、私どもも、思想といたしましては、物価を安定するということを考えておりますわけでございますが、実際問題の扱い方といたしますと、まあ何らかの経済の成長、これを基礎にしながら経済社会基本計画をつくろうということになりまして、成長の面ではいま二けたの成長をしておりますので、これを急カーブに平均五年間で数%というところまで落としますと、相当に経済成長をダウンさせる。そこで、いまの趨勢を少しずつゆるめながらいくということになると、平均値で九%台の成長がいいんじゃないか、そうすると、その中においての物価を考えてみると、やっぱり四%以上になると、これ、非常に物価上昇の感じになるから、四%にとどめていこうじゃないかということが、経済社会基本計画の中に出ている思想でございますわけで、これをただ今日において、こういうふうな物価の上昇を前にして、われわれまた経済社会基本計画のフォローアップをするについて考えていく問題点の一つとして、従来のような、雇用を増大する、それがもう至上目標であって物価の面は従であるという考え方から、今度は物価というものを最大の目標としようじゃないか、経済政策の最大のプライオリティは物価に置くんだということと、したがって、雇用の面の状況を考えるというようなところで違いがあると思うのでございますが、そういうふうな点をフォローアップの際に反省しながら見直してはどうかというふうに考えておる次第でございます。
 御指摘の点はよく私ども理解できるところでございますが、何せ日本経済の趨勢というのは実態的に非常なスピードで上がっている。これにある程度のブレーキをかけていくには、あまり急速にかけるといろんな他の面で問題が出るというところから、経済社会基本計画の中には、ただいま御指摘いただきましたように四%台の物価上昇ということを見込んだということであるわけでございます。
#14
○前川旦君 私のほうはよくわかりませんが、この基本計画は、できた時点での御説明であればまあ一つの論理として通ると思いますけれども、それが、立案された時点と、いまのたいへんな物価高の急迫したときとは、だいぶ違うと思います。最近、これは余談になりますけれども、自民党さんの本部の前を通りましたら、「物価上昇の撲滅」という大きなスローガンがかかっていますね。撲滅というのは、ぼくはちょっと辞書を引いてみました。「撲」は「くだく」で、「滅」は「なくなる」でしょう。「物価上昇の撲滅」というスローガン、これは、ある程度上がるのを前提にして、その上げ幅を押えるというような意味じゃありませんね。これは余談になりますけれども。
 そこで、いま長官の言われましたように、完全雇用を重点に考える、これはケインズ流の考え方だと思いますけれども、物価の問題はおそらくケインズの中にあまり出てこないのじゃないかと思いますけれどもね。ですから、いままでの皆さんがおとりになってきた経済理論からいうと、たいへんな物価上昇、インフレ、これに対応する策というものが、私は、はたしてちゃんと理論的な指導的なものがあるのかどうか、ちょっと疑問だと思いますが、いずれにせよ、いままでは、完全雇用を果たすためにという名目で経済の成長をはかる、経済の成長をはかるためには絶えず有効需要をつくり出さなければいけない、そのためにある程度のインフレ政策、ある程度の物価上昇はやむを得ない、こういう削り切り方をしていたように思います。しかし、私は、これがいまたいへんな破滅といいますか、たいへん危機的な状況に来ていると思います。そういう点で、一つの政策転換というか、基本的な姿勢の転換――失業者が出たりなんかすると困りますけれども、そのぎりぎりのところまで、オーバーキルをおそれないで突き進んでいくという、危機感といいますか、そういう姿勢を持たなきゃいけない時期だと思いますけれども、その点についてのお考えはどうなんですか。
#15
○国務大臣(小坂善太郎君) 御承知のように、今日の求人倍率は一・六七くらいでございまして、これを一・〇まで持っていくということは、これは理論的にはこれでいいと思うわけでございます。ただ、今日財政金融の引き締めをやっておりますわけですが、特にいまお話のようなオーバーキルの問題が出てくるわけでございます。あるいはスタグフレーションという問題が出てくるわけでございますが、私は、これをおそれてはいけないという点は、前川委員の仰せのとおりだと思います。ただ、そのスタグフレーションが非常に長期化するということにならないようには考えなきゃいかぬと思いますが、一時的な問題をおそれては、この問題の解決はできないというふうに存じておる次第でございます。
#16
○前川旦君 そうしますと、従来のいきさつにこだわらないで、かなり蛮勇をふるわなきゃいけないようにお考えになっていらっしゃるように受け取りましたが、それでは、私、もう一つ、ふに落ちないことは、国会でのいろいろな論議を拾ってみますと、いまの状態がインフレであるのかないのか、これは新聞でも学者の論文でも、もう現にいまはインフレだということで、常套語として、インフレときめつけています。ただ、政府だけがインフレと言いませんね。いまはインフレですと、ですからこれに対応して策を立てなければいけません。とかいうふうな――いまの状況に対する判断が私はたいへん問題があると思うのです。というのはいまの状態はインフレではないというのであれば、その政策を打ち出す面にも私は弱さがあると思いますよ。それから、インフレであるというふうになれば、しりから火がついたような危機感が出てくると思いますね。いまの蛮勇をふるうという姿勢にならざるを得なくなる。その辺のところが、どうしても私は、ふに落ちませんけれども、一体どうお考えなんでしょうか。
#17
○政府委員(宮崎勇君) インフレーションの定義につきましては、いろいろの学者がいろいろのことを言っておりまして、伝統的な経済理論では、御承知のように、物の供給に対して通貨の量が出過ぎている状態をインフレーションと言うわけでございますが、最近の物価上昇と申しますのは、単に通貨と品物の数量の数だけでは説明ができませんで、いろいろな要因がからまっているわけでございます。したがって、インフレーションの定義自体についていろいろのことが言われておりまして、最近は、一般的に継続的に物価上昇が行なわれる状態をインフレーションだというふうに定義をしておりますし、また、耐えがたい程度に物価上昇が続くというふうにも表現しているわけでございます。したがって、何%以上であるとインフレーションであり、それ以下だとインフレーションじゃないというような定義はございません。したがって、現在の状況が、物価が継続的に上昇している。ある程度昨今続いているわけですから、解釈のしようによっては私はインフレーション的な状況であると言うこともできるかと思います。しかし、現在の対前年比の物価上昇率が一〇%をこすという状況が二年も三年も続くかどうかということについてはなお問題があろうかと思われますので、これは全く定義によることだというふうに考えます。
#18
○前川旦君 私は、この問題を長くやっても不毛の論争みたいになりますから、これはもう言いませんけれども、ただ、やはり私の言おうとしていることはわかると思うのですけれども、蛮勇をふるうとなると、その姿勢というのは、いまの状態はもうインフレなんだと言って走るのと、振り上げるのとですよ、これはまだまだインフレじゃないのだというのと、うんと違うんですよね、その心がまえが。ですから、私はその心がまえのことで関連して言っているのであって、インフレの定義がどうのこうのと言い出したら、これはみな人によって違いますから、水かけ論になりますから、これでおさめておきますが、どうか私の言っている趣旨を御理解いただきたいと思います。
 そこで、よく言われるのですけれども、例の五・五%の問題ですね。これはどうなんですか。五・五%の問題は、とてもじゃないけれども、五・五%に消費者物価がおさまる、二%に卸売り物価もおさまる――だれもそんなこと本気で考えておりませんけれども、この見通しについて、どうお考えでしょうか。
#19
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府の経済見通しというのは、御承知と存じまするが、大体前年の七−九の状況が基礎になって出てくるわけでございまして、その後十−十二において、さらに一−三において、非常に諸情勢が強含みになっているわけでございます。ただ、われわれの目標は、これはあくまでほっといたらこういうようになるという客観的な指標ではなくて、政府はこういう努力をして、これでおさめたいとう、相当意欲的といいますか、政府の意思を持った目標でございますわけでございます。その点は何回も予算委員会等で申し上げて、あるいは御批判をいただいたような次第でございますが、今日の状況が、私もたいへん正面に予算委員会で、えらいことになったということを申しまして、あとでだいぶとっちめられて、訂正したような羽目もあるわけでございます。非常に当時と変わっておることは、これは事実でございます。ただ、政府として、前川委員のねらいが、新しくそういうものをつくれという御趣旨であるのかどうか存じませんけれども、私の考えを申し上げますと、この際見通しをいろいろ修正するなどという作業をやることよりも、この際一番大切なことは、燃え盛る物価上昇の火の手をどうしてこの際遮断するかということにあるのではないかと思いまして、まず、それの最善の努力をいたしまして、まずその点に挑戦して、これを克服する、しこうして、その結果によって、この見通し等についてもさらに検討さしていただくというふうに申し上げておる次第でございます。
#20
○前川旦君 私は、皆さんのおきめになった長期の四%という計画を立案された方が、もうとてもじゃないけれども単年度の五・五%は不可能だというようなことは、なかなかこれは口に出して言えないと思います。ですから、よくわかりますよ。しかし、それなら私は、五・五%どうだこうだというのはずいぶん論議していますけれども、たいへん不毛な論争だと思います。全くむなしさを感じるのですよ、人がこの論戦をやっていることについて。私もいまの長官の御答弁を聞いて、やっぱりことばだけのむなしさというものをどこかに感じるのですよ。ですから、五・五%あるいは四%ですね、この計画の四%、ことし五・五%に押えるというのであれば、その努力を最大にするというのであれば、これこれこういうふうにしてやります、これをやったらこれぐらい下がります、これもやります、これをやったらどれぐらい効果があがります――こういうような具体的な計画と見通しを持った、具体的なものを打ち出していかないと、たいへんこれはむなしい論議になってしまうというふうに思いますが、その辺はどうなんでしょうか。
#21
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、その点はそうだと思いますね。やはりそういう努力がなければいかぬ。だから一生懸命やろうと、こう申し上げておるわけでありますが、やはり一番根本は、財政金融のプロパーミックスであると思うのでございますが、財政上の、特に公共事業投資、これを削減するということで、前半期の施工率を前年度に比べまして相当強く押えましたわけでございます。これは、まあしかし、実際建設あるいは農林のそういう工事を持っている省からいたしますと、かなりきついというふうに申しておるわけでございますが、私は、さらにこれを詰めたい、先般詰めましたものより、さらに詰めるようにいたしたいと考えておるわけでございます。
 それから、金融の政策でございますが、これはもう言うまでもなく、日銀の公定歩合の引き上げであるとか、あるいは預金準備率の引き上げであるとかということが内容になるわけでございますけれども、金融政策というものは雨がしみ込んでいくように徐々にきいていくものでございまして、先般来のものは大体半年ぐらいたってきくのじゃないかというふうに一般的にいわれておるわけです。それだけに、実はかぜをひく前にかぜ薬を飲むことが非常に有効であって、かぜをひいて熱が出てから、かぜ薬を飲んでもなかなかきかないということがよくいわれまするように、若干私どもタイミングがずれたというふうに反省をいたしておるわけでございます。しかし、今後も日銀総裁はさらに公定歩合の引き上げ等をお考えになっているように新聞等に出ておるわけでございます。私、実はこんなこと言うのはたいへん口幅ったいことなんで、恐縮なんでございますが、物価局をつくらしていただきまして、物価に対する権限がもう少し局長にあれば、たとえば先般きめていただきました物価対策七項目の中にある金融等についての勧告権、こういうふうなものが、かりにあれば、私はもっと強力に言えると思うのでございますけれども、いまのところ、やはり金融の中立性からいって、私どもそれを侵すわけにはいかない。閣議できめて一度やったことございますけれども、あと、たいへん非難を受けました。そういう形でないように早くしていただきたいと思っておるわけであります。
 それから、財政金融政策の金融はそういうことで、実は一月の初めごろに、銀行貸し出しで、いわゆる含み貸し出しと申しまして、支店だけで貸し出して本店に通報のないものが八千億円もあった時代があるんです。ああいうときに早く手を打とうということをずいぶん言ったのでございますが、なかなかそこまでいきませんでした。しかし、これもだんだんきいてくると思います。
 それから、例の売り惜しみ買いだめの法律案、これも国会で、もうじき通していただけると思いますが、ああいうことによって、過当な経済力を悪用している手合いを膺懲することもできるようになると思いまするし、あるいはまた、競争原理に基づく寡占防止の措置等ももっといたしましたり、まあいろいろなことがございます。幸いに、最近、消費者の皆さんの団体が、非常に企画庁のやろうとしている消費者情報の提供については協力をしていただいておりますので、全般的な国民運動といたしまして、このいま燃え盛ってきているような物価上昇の火の手を押えることができるんじゃないか、ぜひそういうふうにいたしたい、こう思っている次第でございます。
#22
○前川旦君 いろいろ具体的ないまお答えがありましたので、一つ一つ私は詰めていきたいと思いますが、しかし時間が許せばです。
 その前に、もう一つお尋ねしておきたいのですけれども、いまの消費ブームですね。ずいぶん燃えていますね。この消費ブームがインフレの原因であるという見方をする人がおります。たとえば、私、これは田中総理のテレビを見ましたけれども、やっぱりそういうニュアンスが強い。それから、新聞等を見ましても、小坂長官も何かそういうことを言われたことがありましたね。何新聞でしたか、見ました。いまの消費ブームが物価をつり上げている大きな原因だと。私はこれには反対なんです。異説なんです。異論があります。というのは、これは鶏と卵ではありませんけれども、これは単なる結果であって、原因ではないというように思いますが、そこで、まず、最近の貯蓄性向、これは裏返せば消費性向ですが、この動向は、一番新しい資料で、どうなっておりますか、昨年に比べて。
#23
○政府委員(小島英敏君) ちょっと私の手元に平均消費性向の数字がございますので、これを一から引いたものが勤労者世帯における貯蓄性向ということに相なるわけでございますけれども、四十七年の一−三月、これが九一・三%でございます、全国勤労者世帯の平均消費性向でございすす。それが、四−六月が七八・九、七−九月が八一・〇、十−十二月が六八・九、この辺までは非常に下がってまいりまして、むしろ貯蓄性向が上がっていたということでございますけれども、ことしになりましてからかなり上がってまいりまして、四十八年の一月が八七・七、二月が八九・九、三月が九四・四ということで、ことしになりましてから、かなり上がっているわけでございます。
#24
○前川旦君 消費ブームは、つまり、みんながものすごく物を買うからインフレになっているんだという考え方は、私はどうしても解せない。いまの数字を聞いてみましても、貯蓄性向というのが下がっていますね。三月の段階でどんどん下がっている。それから一月、ことしになってから、いまおっしゃった数字、一からこれを引いたらいいんで、一〇〇からこれを引いたらいいんですから、だんだん下がっていってるわけでしょう、結局は。物価が上がっていってるから貯金をするゆとりがないのです、はっきり言うと。これが一つですね。それからもう一つは、貯金をしたいと思っても魅力がないでしょう。いま銀行に、「ボーナスは定期預金へ」と、大きくたれ幕がかかってますけどね。全く白々しい感じしませんか。私はほんとうに白々しい感じしますよ。一割も物価が上がっているのに五分かそこらの貯金をしてくれなんて、何言ってるんだという感じがします。全く白々しい。魅力ありません。貯金の魅力ありません。
 それからもう一つは、そうなると、国民が自分を守るためには、金を持っていたら目減りするばっかりですから、やっぱり換物を考えますね、これは当然。自然の成り行きですよ、これは。で、家はもうできない、土地がこれだけ値上がりすると家はできない。そうすると、家を建てるためにせっせと貯金していたやつが、ほっときゃだんだん目減りがしているのですから、減っているのですから、いつまでたったって家はできっこないじゃないか、もうあきらめよう、手近な自動車とかあるいは株とか、あるいは衣料とか買わざるを得ない。ですから、これは何も、これが原因じゃなくて、たいへんな物価上昇が国民をこういうところに追い込んだということだと私は思うのですよ。ですから、消費ブームがインフレの非常に大きな原因だというような発想法がもしあるとしたら、私は清算をしていただきたいというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。特に外国と比べてみると、国民総支出の中で個人消費の占める割合は非常に低いわけですからね。そうでしょう。数字的に低いわけでしょう。ですから、私はそういう意味で、やはり清算をしていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。
#25
○国務大臣(小坂善太郎君) いまの御指摘があるだろうと思いまして、実は銀行と郵便局の貯金の伸び率を調べたのですが、いま手に入ったのでございますが、これは四十年、四十一年からずっとこう来ておりまして、最近実は非常に貯蓄が伸びておるのでございます。具体的に申し上げますと、大体貯蓄の伸びは、低いところで一六%から、多いところで二四%くらい伸びておるのでございますが、初め、四十二年の貯蓄の伸び率が一六・七%。そのうも、銀行の伸び率が一三・七%、郵便貯金が二四・二%。それが、昨年の下期、十−十二月で預金の伸び率が二一・四%。うち、銀行預金が二〇・三%、郵便貯金が二一・八%。それが、一−三月になりまして貯金の伸び率が、全体二四・四%伸びておりまして、そのうち、銀行預金が二三・一%、それから郵便貯金が二六・六%。これはいままでの最高の伸びを示しておるわけでございます。で、私は、前川委員のおっしゃる、こんなに物価が上がって貯金なんかしてもということ、貯蓄奨励なんて白々しいというのは、どうも私も感情的にはそういうふうに思えるのでございますけれども、しかし、実際に出てくるのは、いま申し上げたような数字で見ますと預金がふえておるということでございます。
 それから物価の上昇の原因でございますが、これは、主として景気の上昇が加速化しておる、それは世界的な農産物の不足、まあ端緒はソ連の農産物不足からアメリカの小麦等が大量にソ連に行き、船賃が上がったというようなところから来ておるわけでございますが、それで海外のインフレが高進し、一方、日本の国内に過剰流動性が存在し、一部商品に対する投機的な需要が出てきて、それが引き金になって、ずっとこう物価が上がってきていると、こういうふうに私は思うのでございます。これは動かすべからざる原因であると思います。しかし、一面考えて、私は今度の物価の問題について、こういうふうに思っているのでございますが、いかがでございましょう、御批判をいただきたいと思っておりますのは、いままで日本の経済を向上させて国民生活を上げるには、従来輸出にばっかりたよっておったのは間違いである、国内消費をふやさなければいけないということを池田内閣当時から言い出したわけでございます。その国民消費をふやすためには、大量消費はいいことなんだ、そしてある意味では消費は美徳なんだということまで出たわけでございます。それはある意味で成功して、経済が非常に伸び、国民生活も大きくなって、自由世界第二位のGNPだなんていうことになってきたわけであります。しかし、ここへ来て、そういう消費態度というものがある限界に来た。で、生産のほうがそれほど急速に伸びてこない。また労働力、あるいは土地、そういうものからの規制がある。そういうことになると、消費態度が一定であって生産供給の面がいままでと変わりなければ、これは物価が上がるということになるのではないか。そういう意味で、私は本会議の施政演説でも申し上げたのでございますが、いままでの経済の指針を改めて、使い捨ての経済をやめて、物を大切にする消費生活態度を持ちたい、経済についても環境を汚さない経済というものを考えなければいけない、こういうことを申し上げたのでございますが、何かやはり消費態度が悪いとかなんとかと言うとこれは問題になりますけれども、私は必ずしもそう言っているのじゃないので、全体の物価との関連で、やはり消費は美徳だというふうな考え方で消費すればこれは物価が上がります、こういうことではないかと思っている次第でございます。
#26
○前川旦君 消費は美徳だという考え方はたいへん間違った考え方だと思って私ども批判しておりました。ですが、ついこの間まで財界が先頭に立って消費は美徳だと言ってあおってきて、今度は手のひらを返したように、二宮尊徳などを持ち出して、けちの精神に返れ――全く私は何を言っているのかという感じがするんですよ。たとえば、それじゃ二宮尊徳論なんて言うから、私は笑い話だろうと思うけれども、もし二宮尊徳がいまいたら何をやっているだろうか。おそらく土地の買い占めを一番先にやっただろう、それで金をもうけただろうと思う。何しろ彼は河川敷の荒地の開墾地を手に入れて、そこからスタートしたんですから、そうだろうと思いますよ。ですから、私は財界がそういうことを言うのはたいへんナンセンスだと思うのです、財界の人がそういうことを言い出しているのは。もしそういうふうに、けちが美徳だ、もう転換するのだ、節約だということであれば、それは私は財界の人に言いたいのです、自分のところから直していらっしゃいと。あの膨大な交際費、浪費の最たるもの、そこから直して、それから国民にそういうことを言うべきじゃないかというような思いがありますが、それはそれとして……。
 いまの預金性向がごく最近上がったというのは、これは定着すればいいと思いますが、おそらく一時的なものだと思います。それともう一つは、換物してみても、それはいざ金が要るときには、それを売ったら半値になるわけですから、貯蓄にならぬわけです。私どもの感覚から言うと、やっぱり貯金を持っていないと不安なんですよね。不安でしょう。どんなことが起こるかわからない。昔からよく言われているように、財産の三分割という方法がありますね。一つは土地にして持っておる、一つは株にして持っておる、もう一つは預金にして持っておる。最近は四分割といって、たとえばコインだとか、美術品だとか、古美術だとか、骨とう品だとか、そういうふうに分けて持っているのが財産を保全する意味でいえばいいのだということで、よくことわざみたいに言います。しかし、考えてみると、一体それのできるものはいないわけなんですよ。インフレ・ヘッジというものは無縁なようなものです。それじゃ資産として土地を持つかといったって持てっこない。それじゃ株を持つかといったって、これだけ株が上がっていれば資産として持っているという意味がない、それにリスクを伴います。それから預金すれば毎年実質減っていく。なけなしの金をはたいて人に教えられて絵を買ったら暴落をする。コインを買ったら、また下がる。持っていき場がない。ですから、やむを得ず、減るのをわかっていながら、やっぱり少しずつでも貯金をしないと不安でしかたがないというのが、ほんとうの心理だというふうに思います。私がこう長々言っているのは、国民のいまの消費ブーム、これは被害者のやむを得ざる姿なんであって、これが原因だからといってそこへ目をつけるというのは、私は問題の本質をそらすということを、しきりに言いたいわけなんですから、その点を御理解をいただきたい、こう思います。
 そこで次に、最近、新聞等で見ますと、日本にも所得政策を導入する時期が来たとか、あるいは経企庁のエコノミストたちが検討を始めたとか、あるいは来年あたりから現実化してこようとか、これは観測記事ですが、たいへんいろいろ書いています。それに対して経企庁長官は、時期尚早だと、こういうことを言っておられる。あるいはOECDでもそういうことを言われたはずなんです。それから大蔵大臣も、日本では考えられないと言う。総理大臣も、日本ではやらないと言っていますが、しかし、新聞の論調等で見ますと、いかにも所得政策を近々に導入するんだというふうなムードがずいぶんあります。ですから、このあたりはどうなんでしょう。日本では所得政策はやらないんだと、はっきりこれはもう終止符を打っていいんじゃないかと思いますけれども、その点、いかがですか。
#27
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、かりに日本で所得政策をやろうと今日考えましても、成功する見込みがないと思います。成功する見込みのないものをやる考えはございません。
#28
○前川旦君 それでは、金融政策について少しばかりお伺いしますが、いま、かなりきつい引き締めが行なわれていますが、今年度下半期の景気の動向はどういうふうに想定されますか。
#29
○政府委員(新田庚一君) 御指摘のように、現在の経済実勢は非常に強いスピードで走っているわけでございまして、先般出ました四十七年度のGNPを見ましても、四十七年度の下半期としてならしたいわゆる前期比年率、いわゆる風速といっておりますが、およそ一六%台の成長で走っているわけでございます。で、その勢いは、残念ながら、五月、六月現在でもまだ衰えた気配はございません。しかしながら、先般来、財政面あるいは金融面の総需要対策をかなり強く講じておりますので、それが今年度の下期には、フロートの影響を含めまして出てくるのではないかと、こう思っておるわけでございます。ただ、先ほど来御議論になっておりますような、やはり総需要としましては、たとえば消費とか、あるいは住宅投資といった個人部門の需要はかなり底がたい動きを示しておりますので、したがいまして、この引き締め効果がありましても、いわゆるオーバーキルというふうな状態にはならないのではないか、また、そのような経済運営はすべきではないというふうに考えております。したがいまして、下期以降、なだらかなスピード、速度の鈍化ということで安定成長ラインに乗っかるということを期待しているわけでございます。
#30
○前川旦君 これは長官にお伺いしますが、日銀の中立性ということをさっきも言われましたけれども、実際には、実際の運営は政府から全然離れて独立独歩で歩いているわけではありませんね。ましてや、政策委員会には経企庁の代表がたしか出ていたと思います。そういう立場から、長官の意見が、やはり影響というか、強い影響を及ぼすのは当然だと思います。前の預金準備率の引き上げのときにも、長官が何かひざ詰め談判で話したというようなことが、申し入れしたというようなことが新聞に出ておりましたが、そういうことで伺いますが、公定歩合の再引き上げ、これはあるようなことも出ておりますが、観測記事として出ていますけれども、長官としての御意見はいかがですか。もう一ぺん公定歩合の再引き上げはやはりやったほうがいいと、こういう見通しですか。
#31
○国務大臣(小坂善太郎君) 今日の設備投資が非常な勢いでふえておりまして、さっき瞬間風速という話もございましたけれども、一−三月の瞬間風速はおそらく四〇数%ではないかといわれております。これは、年度の見通しでは御承知のように一四%ということになっておりますので、著しく瞬間風速にいたしましても高い。こういう点に、どういうふうにして歯どめをかけたらいいかということになりますと、一つは、やはり金融の問題、公定歩合引き上げによる規制方法があると思います。これは最終的には日銀政策委員会で決定さるべきことであるので、私はそういう考え方については一つの方法であると考えているわけでありますが、もう一つは、やはり全体にそういう設備投資をして、あとでどうなるかということを考えていかなければならぬので、それにはやはりそういう産業界自身の自主調整的な話し合いも必要なのではないかというふうに思っているわけでございまして、そういう点についてもいろいろ進めてみたいというふうに思っておる次第でございます。
#32
○前川旦君 この金融引き締めの影響は大手の企業にはほとんどないといわれておりますね。これは手元流動性の問題ですか、金に困っておりません。金融を引き締めをして一番先にこたえてくるのは、もう零細企業、中小企業であることは間違いありません。現に、手形の決済にしても、四カ月手形が最近六カ月手形になって、もう二百十日の台風手形になるのも間近だというような、これは中小企業の部門ですよ、話も耳に入っておりますが、新聞等に出ておりますが、引き締めは限界企業からきいてくるというのはよく言われることなんです。そういうことになるとたいへんな面が出てきます。特に中小企業の問題は、これは物価の問題とからんで、皆さん方にたいへん関係の深いところなんです。これはどういう手当てをなさる方針ですか。
#33
○国務大臣(小坂善太郎君) 金融引き締め政策の推進によりまして健全な中小企業に不当なしわ寄せが及んでならないということは、私もさように思っているわけでございまして、その意味でいろいろな配慮を加えておるわけでございますが、たとえて申しますと、預金準備率の引き上げにつきましては、下位の地方銀行や相互銀行、信用金庫などの中小企業金融機関に対しましてはこれを全面的に免除をいたします。これは第二次の預金準備率の引き上げのときにはこれを全面的に免除をいたします。それから、あるいは当座預金についてのみ最小単位の引き上げを行なうというようなことにとどめておりまして、窓口指導につきましても、地方銀行や相互銀行に対しましては、都市銀行等に対する規制と比べて格段にゆるやかな規制を行なうにとどめておる次第でございます。その他、公定歩合引き上げその他、あらゆる機会をとらえまして、金融機関に対して中小企業向けの貸し出しについてはできる限り配慮をするようにということを要請している次第でございまして、これまでの経過で見ますと、この政府の要請を各金融機関ともよく守ってくれまして、融資規制の重点を大企業向け貸し出しに置くとともに、貸し出しワクを中小企業向けに優先的に振り向けるということをやっておりまして、全国銀行の中小企業向け貸し出し比率は引き締め開始後も高水準で推移いたしております。具体的に申し上げますと、四十八年一月に全国銀行貸し出し残高中、中小企業向けの比率は三四・三%でございましたのですが、この四月には三四・九%、むしろ貸し出しが増加しているということになっているわけでございます。また、相互銀行、信用金庫等の中小金融機関は、きびしい窓口指導を受けておる都市銀行とは対照的に高水準の貸し出しをやっておるということでございまして、こういう点は私ども非常に気をつけておるわけでございますが、また、ある一面の論者から言うと、それが金融引き締めのしり抜けになっておるのではないかというようなことを言う者もあるわけでございますが、冒頭に申し上げたように、私ども健全な中小企業を困らせてはならないという考え方に強く徹しておるというふうに考えておる次第でございます。
#34
○前川旦君 強く徹しておるということでありますが、ほんとうに強く徹していただきたいと思います。ただ、これはすぐ出てきますからね、結果が。倒産数ということで出てきますから。いま言われたことがほんとに徹すれば効果があがると思いますけれども、結果がすぐ出ることでありますので、もうしばらく私ども見さしていただきたいというふうに思いますが、もっときめこまかく考えてみると、これは企業の規模にかかわらず、たとえば週休二日制をするための省力化、このための投資だとか、あるいは公害防止のための施設をつくるものだとか、あるいは流通機構の改善投資だとか、個人住宅の建設とか、こういったようなものが金融引き締めの網にかかってしまって、手元に金のたくさんあるところはのがれている、跛行的なことになるとたいへんだと思いますので、その点、窓口規制でも、選別といいますか、中身までたんねんな指導というものはやるべきだと思いますが、これ、やっていらっしゃると思いますけれども、どういうぐあいですか、いまのところ。
#35
○国務大臣(小坂善太郎君) 詳しくは事務当局からまた申し上げますが、先ほど申し上げた設備投資が非常に強いという中には、公害防除投資であるとか、あるいはいまの低生産性部門の能率化のための投資であるとか、こういうものもあるわけでございまするが、われわれはなるたけそういう点はきめこまかく金融当局に考えてもらうように言っておる次第でございます。
#36
○政府委員(新田庚一君) ただいま大臣から御答弁ありましたように、市中銀行からの融資について十分配慮しておりますほかに、この三月、中小企業三機関からも二千二百億の融資ワクの追加をしております。したがいまして、その中に公害関係の融資とか、あるいは省力化の投資とか、そういったものについての資金を重点的に見るようにしておりまして、これの実現のために中小企業の構造改善あるいは近代化がおくれないように十全の配慮をしておるつもりでございます。
#37
○前川旦君 これも、もうしばらくたつと結果がはっきり出ることであります。もうしばらく見ていかなければいけないと思いますが、公定歩合の引き上げの裏が――うらはらといいますか、裏が預金金利の問題であると思います。ずいぶんこれは郵政省だ、やれ銀行だ、証券会社だ、やれ国債だ、ずいぶん何といいますか、もちもちになっているといいますか、もめていますね。これはどうお考えですか。先ほど私申し上げましたように、国民にとってインフレヘッジなんていうのは縁遠い話なんです。どうしてもやっぱり貯金をしなければやむを得ないわけですね。そうなると、かなり思い切って預金金利の高い貯金というものをつくらないと、いまの国民の暮らしは守れないと思います。で、アメリカでは、一年以上は七・二五%を上限として自由に預金金利を変動さしているという話を聞いていますし、ヨーロッパの預金金利はずいぶん高利回りだというふうに聞いています。それから西ドイツでは補助金まで出しているという話も聞いていますが、少なくとも時期を切って八分以上ぐらいの預金をつくらないと不安でしかたがない。現に、そういうことを検討せよという意見が日経新聞の論説なんかでも出ています。その点についてのお考えはどうですか。
#38
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ、最近郵政省もいろいろ案を出しておりますが、御指摘のように、郵便貯金は郵政審議会できめるということで、斉合的に大蔵省が金利の問題を考えたいという点でいろいろと議論が重ねられておるわけでございます。中期預金の問題については一応話ができたやに聞いておるわけでございます。そういう点で、ひとつ今後も預金金利を弾力的に動かしていこうという考え方を私どもも持っておりますわけでございまして、この中期預金を預金者の利便のために設けようといいましても、これが今度はまた一般の信託銀行と預金金利との間にいろいろ確執があると思うんですね。いろいろな点があるわけでございますが、やはりわれわれは、一般の市民が預金をすれば安全だと、そういうふうに思ってもらうにはどうすればいいかということを中心にこの問題を解決してまいりたいと思っておるわけでございます。貸し出しの金利が上がりまする場合にも、中小企業の三機関の貸し出し金利は別に考えるとか、あるいは住宅ローンは引き上げないとか、そういうことを特に配慮してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#39
○前川旦君 そうしますと、いまのお話から伺いますと、預金金利については柔軟に考えるということでありますから、公定歩合の引き上げに、これは連動といいますか、スライドといいますか、に応じて預金金利も上げていく、こういう考えを強く主張なさると、こういうことなんでしょうか。やがて間もなく再び公定歩合の引き上げというものをやらなければいかぬだろうということも新聞に出ておりますけれども、間もなく近いと思いますね、この次も。その場合には、それとスライド――スライドというとことばは悪いけれども、連動といいますか、預金金利を上げていく、原則として今後公定歩合の上がり下がりに従って預金金利を変えていくというやり方をおとりになるのですか。どうなんでしょう。
#40
○政府委員(新田庚一君) 預金金利を非常に弾力的に扱うというのが金融政策の一番基本的な考え方になっておるわけでございます。その場合の連動の意味でございますけれども、公定歩合を上げれば、貸し出し金利が上がればすぐというふうな狭い意味の連動もございますけれども、現在の金融の金利体系から見ますと、お互いに、先ほど御指摘ありましたように、非常に密接にからんでいる。また、中小企業金融機関の資金コストの問題もいろいろあるというふうな問題がございまして、一つの方向として、貸し出し金利が上がっていく方向の場合に、ある程度の期間を見てそういう方向に動かしていくというふうな考え方が現段階の考え方ではないかと思います。たとえば、四十五年から昨年の春までに金利が二%下がった、公定歩合が二%下がったわけでございますが、預金金利はその間に据え置いておきまして、昨年の五月に〇・五%を下げた。それからことしの四月、五月と一・二五%の公定歩合の引き上げがあったんですが、その間に〇・五の引き上げがあったというふうに、つまり、そのつどというわけじゃなく、一つの方向に即して弾力化していくというのが現在の考え方ではないかと思います。
#41
○前川旦君 具体的に伺いますが、この次に公定歩合の引き上げがあった場合には、預金金利を上げますか。上げるように働きかけられますか。
#42
○政府委員(新田庚一君) 公定歩合を次に引き上げるかどうか、今後引き上げるかどうか、あるいはその引き上げる時期というものについては、私どもとしましては現在予断しておりませんので、その場合の預金の扱い方についても、考え方をきめておらないわけでございます。
#43
○前川旦君 それは、上げるか上げないかわからないから答えられないということです。
 これは、長官、どうなんですか。再引き上げせざるを得ないというのが、もう常識的に言われていますね。そうすると、いままでの経緯からいって、今度上がったら預金金利はもう上げるつもりだと、そういう話をする、努力をするということなんでしょうか。これはもう、政治的な判断でお答えいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(小坂善太郎君) 公定歩合につきまして、われわれいままでは非常にかたく考えておったわけですが、たとえば、昨年からいままでの間に、イギリスなどで見ますと、十二回この二年間に十二回公定歩合を動かしておるわけです。それから、アメリカは、昨年はやりませんでしたが、ことしになってから六回動かしておるわけでございます。日本は、この二年間に三回動かしておる。まあこの次は、上げることは、もう大体そういう方向だろうと思いますけれども、その場合に、その上げる幅でございますね、幅が非常に大きければ、やはり預金金利も動かしたほうがいいというふうになると思います。
 ただ、公定歩合というものは、私は、これは持論なんでございまして、ほかの方はどう考えるか、一応留保してお聞き取り願いたいと思いますけれども、もう非常に、景気によって相当に弾力的に上げたり、場合によって下げたりしたらいいと思うんでございますが、預金金利の場合、一回上げますと、これ、下げるということはなかなかむずかしい点がたくさんございまして、たとえば、一般の市中金融機関の金利とか、相互銀行の金利とか、あるいは、あのいわゆる庶民金融機関の金利とか、いろんな点がございまして、下げるのになかなかやっかいだという点があれば、あんまり小刻みに上げたり下げたりは預金のほうはできませんので――公定歩合のほうはかなり上げたり下げたりやっていいと思いますが、その上げ幅によっても、きめるのがいいんじゃないかというふうに考えております。
#45
○前川旦君 先ほど、下半期の景気もオーバーキルになる見通しはないと。そうすると、ここしばらくは公定歩合の引き上げというのは続くんじゃないかと思いますね。そんなにもう、秋口になったらまた公定歩合を下げるとか、そんなことはちょっとあり得ないと思いますよ。それから、新聞等では、また〇・五%上げるという推測記事が出ています。それは、外国に比べてはずいぶん低いんですから、かなり大幅な引き上げになるんじゃないかというふうにわれわれ想像しますけれども、そういう意味では、絶えず公定歩合が上がり下がりして、それにスライドするかっこうで預金の利息が上がり下がりするということを心配する必要はないんじゃないかというふうに思いますね。ですから、この際、やはり今度の引き上げと同時に預金金利を上げて、それからまた、景気の変動の大きな波が来たとき、金融緩和されるときには、またそのとき考えるという、大きな波で考えていいんじゃないかというふうに思いますが、その点、いかがですか。
#46
○国務大臣(小坂善太郎君) やはり、全般の金利体系が大きく変動するときには、預金の金利も考えるのがいいと私も思います。ただ、さっきもちょっと触れたんでございますが、わが国の金利体系が、大蔵省の手に持っているものと郵政省の手に持っているものと、いろいろ譲らぬ点がございまして、こういうのが、動かすたびに非常にむずかしい問題をはらんでおりますので、それを何とかもう少し一致させることができれば、この点は非常にスムーズにいくんじゃないかというふうに、これは私見でございますが、そういうふうに思っております。
#47
○前川旦君 そのためにこの法案が出されたんじゃないでしょうか。勧告権とか、強い総理大臣に対する、何ですか、意見を具申するとか。ですから、強い指導性というものを持たないと――これはあとからも私繰り返し言おうと思うんですけれども、いけないと思いますので、なかなかいまの具体的なお返事をいただけませんけれども、十分な配慮をいただきたいと思います。
 金融政策の最後ですけれども、変動相場制は、これは物価の立場から見て、企画庁のサイドから見て、今後長期に続けるべきだとお考えですか。それとも、次第に固定相場制へ指向すべきだというふうにお考えですか。その点のお考え、どうですか。
#48
○国務大臣(小坂善太郎君) 今日、ドルが金との交換性を遮断しておりまするので、それに対しての相場というものはもう変動せざるを得ないというふうなことになっておるわけでございます。本来なら、ドルがもっと安定いたしまして、そして固定相場制になるということがこれは理想だと思いますけれども、現状ではなかなかこれは困難である、変動相場制のいい――いいと言うとおかしいのですが、長所みたいなものは、実勢にフォローして相場が動いてまいりますものですから、その点で、実は今度のOECDの会議でも、今日の各国の為替相場というのは現実を反映していると、そういうふうな見方が各国の代表からございましたようなわけで、ナイロビの総会ではこの通貨問題に対する一つの統一的な見解が出ると思いますけれども、ここで固定相場にすぐ返れという主張をいたしましても、それじゃどう返るんだということになりますと、なかなか具体案がないというのが実態であろうかと思います。
#49
○前川旦君 それは、物価上からの批判というか、こうあるべきだというんじゃなくて、実態的にそうだろうというお返事であって、私の質問に対するお答えにはなっていないと思いますけれどもね。しかし、実態がそうであるというのであれば、おそらくまあそうだと思います。それなら、もうそれ以上のことを言っても、これは不毛の論争になりますから、そういう見通しであれば、それはもうそれ以上論議は進まない。
 それじゃ、次に、金融政策を終わって、商社を中心として、大企業のもうけぶり、たいへんですね。三月の決算でもたいへんです。
 そこで、長官は、五月の十一日の参議院の物価対策特別委員会で、わが党の竹田委員に対して、たいへん重大な答弁をせられております。法人税に累進税率を導入したいと、こういう答弁を、重大な決意で言っておるんですということで述べられておりますが、これはその後どうなっていますか。
#50
○国務大臣(小坂善太郎君) 最近の社会情勢に顧みまして、大法人が度の過ぎた利潤をあげるとか、あるいは付加価値を生まない投機的な行為に基づいた超過利潤をあげているという情勢に対しては、何とかならぬもんかと、個人に累進所得税があるごとく、法人に対してもそういうことは考えられぬのかと、こういうふうに思うので、そうした趣旨を何とか実現してみたい、こういうことを申しました。その後関係者ともいろいろ話し、税制調査会のほうにも話しまして、これはあくまで、企画庁長官の企画庁を代表する意見ではなくて、小坂個人の意見であるということで、検討を依頼いたしておりますわけでございます。
 結論的に言いますと、私は、実は、もうけ過ぎたものはごっそりいただくよと、ただしこれは、この暮れから正月にかけてのものにもさかのぼってちょうだいいたしますよと、こういうことにならぬかというふうに思ったんですね。そうしますと、いまの換物の、売り惜しみ、買いだめ行為というものはよほど変わってくる、こう思って考えて言ったわけでございますけれども、税ということになると、どうも遡及というのはどうしてもむずかしい。それから、累進税ということになると、法人の態様がいろいろあるもんですから、なかなか、法人に累進税というのは、従来もいろいろな意見が出ているけれどもむずかしくはないかというようなことでございまして、まあ、しいて言えば、課徴金というような考え方があるかもしれぬということでございますので、私もいろいろ専門家にそういう検討を依頼しているというのが現状でございます。税制調査会のほうにも私見を申し送ってございますが、いろいろ御検討をいただいておると存じます。
#51
○前川旦君 ここに当時の、五月十一日の会議録がありますが、「たいへんな決意で言っているわけであります」ということばがありますね。ですから、それは企画庁を代表する長官がたいへんな決意で、しかも国会の場で述べられたわけですから。法人の性格についてはいろいろ論議がありますね。法人擬制説とか、何ですか、実在説とか、いろいろあるんですね。そんなのはもう割り切っていいときじゃないか。学者の間でいろいろ意見がありましょうけれども、ひとつ割り切って……。法人累進課税というのは私としては賛成ですよ。ですから、これは何か、いまのお話を伺うと、この前の物価対策特別委員会の御答弁のときから後退したようなニュアンスを感じざるを得ませんが、これは税制調査会にお願いしてあるんだと。しかし、これ、重大な決意で言われたことでありますから、とにかくどんな万難を排してでもやるんだということでなければいけないと思うんですが、その点、どうですか。
#52
○国務大臣(小坂善太郎君) 私としての決意は変わっておりませんけれども、理論的に税理論の上から不可能であると言われれば、これはまたそれに左袒せざるを得ないわけでございまして、ただ、私の目的とするところが、形はどういう形にしろ実現されればいいということで考えて、専門家の方々にその見地から検討をお願いしておるというわけでございます。
#53
○前川旦君 どういう形ででもというのは、いまの課徴金という形でしょうか、先ほどちょっと言われた。それはどうなんです。
#54
○国務大臣(小坂善太郎君) まあ、そういう形ででも実を結べばけっこうであると私は思っておりますけれども、これは私だけが主張しても、そうきまるものでもございませんので、私の考え方は依然としてそういう主張であるわけですけれども、結果は専門家の検討にお願いするということにしておるわけでございます。
#55
○前川旦君 何か、せっかくこれ、いいことを言っておられるんですからね。しかも国会の場で強い姿勢で言われたんですから、どうもあとで聞いてみると技術的に困難だからというのは、ちょっと何か、うなずけないように思いますね。ですけれども、これは課徴金かなにかでも実質的にそういうことができればいいというような御答弁だったと思います。そこで、これはどうなんです。いま小坂長官個人の意見で、賛成者がいないというふうに、いまのところ個人の意見で、全体としての意見じゃないんだというような御意見でありましたけれども、国会で御相談になりましたら、賛成してあと押しする野党がたくさんおりますよ。ですから、これは強引にお進めになるべきだと思いますね。いかがでしょう、これは。
#56
○国務大臣(小坂善太郎君) どうも、わざわざたいへん御激励をいただきまして感謝をいたしますが、ただ、私の気持ちは、実はあのときに個人の考えと申し上げたようなつもりでおったんですけれども、それは申し上げておりましたかどうですか。いま私は企画庁長官の立場で答弁したんで、それが企画庁の意見というふうにとられますと、実は私のそれ、手落ちなんでございますが、これは役所の中でそういう相談をしたことでもなし、私の平素からの思っていることも申し上げたわけでございます。要は、社会的な連帯性といいますか、公平感をそこなうような、そういうべらぼうな、しかも額に汗をしないで何となくある日突然にたいへんなもうけが天から降ってくるような、そういうことはあまり許しておいたんじゃいかぬのじゃないか。そういうものは、やはり近代的な国家としては、そういう利潤を吸い上げて、それでそれを他の目的に使うという調整機能を持つのがいいんじゃないか、こう私は思っておるものですから、そういうことを申し上げたわけでございます。ただ、私は、東畑会長に申し入れたときも、これは小坂個人の考え方だと、企画庁を代表する意見ではございませんということは断わってございますので、そういう扱いになっておると思います。私の気持ちはそうなんでございます。経緯を申し上げると、役所の中で相談をしたことでなはいということでございます。
#57
○前川旦君 どうも、何とも聞いているほうでも割り切れない思いがいたしますが、ほんとうにもどかしい感じがいたします。しかし、かみ合いませんから、もうこれ以上幾ら言っても同じ答弁しかないように思いますね。これはかみ合わぬようです。
 五月二十二日に小坂長官は大阪で記者会見をされて、これまたたいへん重大なことを言っておられます。新聞に載った記事をちょっと読んでみますと、「異常な企業利益を国が吸収し物価安定に使う措置をとりたいと考えている。すでに関係各省庁の事務当局とも話合っており、近く税制調査会にはかる方針だ。具体案は審議会を設け、煮詰めてもらいたいと思っているが、出来れば延長国会に法案を提出し、最近問題になっている四十七年度のもうけすぎにも適用したい。法律は時限立法でもよい」、と書いてありますね。これは、「一部の企業がやっているように付加価値を生まぬ仕事で、異常な利益をあげている場合」というふうに前提がついていますが、これについてその後どうなっていますか。だいぶこれは具体的な話ですね。すでに――すでにです。過去の話です。関係各省庁の事務当局とも話し合っているんだということが出ておりますし、今国会に法案を提出すると、そして四十七年度のもうけ過ぎにも適用したいと、時限立法でもいいと、ここまでは新聞に出ておりますね。これは新聞の記事ですから、直接あなたから聞いたんでもなし、速記録を読んだわけでもありませんけれども、しかし、間違っている、そんなに事実と違っている記事を新聞が出すはずはないと思いますが、いかがでしょうか。どうなっています。
#58
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は、新聞の記事には責任を持ちかねる点もあるわけでございますが、その中の幾つかは確かに私の言ったことばであり、幾つかは若干私の言わないことも書いてあるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、この国会に出すということは言ってないと思います。ただ、関係者とよく練っておるんで、やはり付価価値を生まないで、ある日突然膨大な利益が来たようなものは国家でこれを収納して他の目的に使うということを自分は考えておるんだし、それについては専門家のいろいろな話も聞いておると、こういうことを言ったと私は思っておるわけなんです。この国会に出すとかなんとかということは、どうもちょっと私としては、まああの時点で考えられぬことでございますし、重大法案がたくさんある際に、そんなことは言わないと思っております。
#59
○前川旦君 さっきから、何かせっかくぽんと出たやつが、だんだんだんだん後へ後へ下がっていっているような感じがいたします。これも小坂さん個人のお考えで発表されたんでしょうか。しかし、関西経済連合会の定時総会に出席なさったのは小坂さん個人じゃないと思います。経企庁長官として出席されている。長官としての記者会見ですから、これは個人の発言じゃないんですね。これはどうなんでしょうか。
#60
○国務大臣(小坂善太郎君) それは、私は経企庁長官として会見をいたしましたから経企庁長官としての意見ですが、それはさっき申したように、何かそういう手段を講じて、そしてものにしたいんだと、そうすればそれが遡及して、このところのもうけ過ぎの問題にも適用されるから、これは何もこの延長国会とかなんとか言わなくたって、その法律ができればこれは適用されるのがその時期に適用されるのだから、これはいずれ立法行為になるだろうからということは私言ったと思います。私はそうしてもらいたいと思っております。ということは、例の買い占め売り惜しみ法案ですね、これとのうらはらのようなものになるんじゃないかというふうに実は私は考えておるのでありまして、これは私の言うとおりになるかならぬかは、これは私は努力いたしますけれども、これは今後の成り行きの問題にもなろうかというふうに思います。私がそれを申し上げるのは、実は企業者というものがやはり社会的責任があると、こうよく言うわけですし、また、そうでなければならぬと思いますけれども、それが社会的な秩序の混乱をみずからつくるようなことをしている。いわゆる暴利をむさぼるというようなことになれば、企業それ自身が社会的に存在し得なくなると私は思っているわけなんです。そういう意味から、もう徹底的にその点自粛してもらおう、こう思っているわけです。ただ、企業が悪いというふうに、盛んに、みそもくそも一緒にするような議論がございますけれども、今日の日本の経済成長をささえているものは、これは確かにまじめな企業の努力だということが言えると思います。技術革新を取り入れて、そして非常に苦労して、天然資源の乏しい日本をここまで持ってきた日本企業の力というもの、これをそこなってはいけないというふうに思います。その意味で、企業からうんと、ただ税を取って、そして減税しろという議論は、私は少し大ざっぱに過ぎるんじゃないかと思います。非常に不当な利益を得ている企業からうんと取ることは私はいいと思いますが、しかし、もうかりもせぬものをもうかるだろうときめて、やたらに重税を課したら、これは日本の繁栄の根をもいでしまうというふうに私は考えておるわけであります。
#61
○前川旦君 まあ、もうけ過ぎと世間が非難するときには、いまのような企業が対象になる、常識的に。自分が一生懸命合理化とかあるいは努力とかで利潤をあげたものまでももうけ過ぎだと言っちゃ、これは常識的に非難をしなければいけないでしょう。ですから、当然そういうのが対象になると思いますが、しかし、いずれにしても急がなくちゃならぬわけですね、これは。まして、小坂長官は、四十七年度のもうけ過ぎにも適用したいという気持ちを、さっきから何回も言われているんですから。ですから、この発表後、具体策、具体的にどこまでいま進んでおりますか、この法案は。
#62
○国務大臣(小坂善太郎君) 専門家にいろいろ検討をお願いしているという段階でございます。
#63
○前川旦君 検討をお願いしているということでありますが、いつまでに結果を出してくれと、こういうことで、ほんとうにおやりになる気であれば、そこまでやっぱり、何というか、足かせをかけて、少なくとも六月中までに結論を出してくれよとか、何かそういうことで、見通しというか、スケジュールを立てていらっしゃるのかどうか、いかがですか。
#64
○国務大臣(小坂善太郎君) それは、そうおっしゃられればそのとおりだと思いますけれども、これは私もうかつだと思いますが、できるだけ早くやってくれよという程度で言っております。
#65
○前川旦君 長官としては、それじゃいつごろまでにこの問題の、何というか、案をつくって法律案にするというふうに、いつごろまでには間に合わしたいという考えを持っていらっしゃいますか。
#66
○国務大臣(小坂善太郎君) ちょっとそこまで明確にお答えしにくいのであります。
#67
○前川旦君 先ほどのことといい、何か、いいアイデアで、私どももこれは賛成だ、いいことを言っているなあと思うものが、いま話を聞くと、何か少しずつうしろへ下がっていっているような思いで、たいへんもどかしい思いがいたします。これは私どももたいへんいいアイデアだと思いますので、どういう結果になりますか、じっくり私どもも応援をしながら、しばらく推移を見させていただきたいと思います。
 ちょうど切りがいいですから、休憩にしていただきたい。
#68
○委員長(高田浩運君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
#69
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#70
○前川旦君 午前中に引き続きまして質問をいたします。
 午前中申し上げましたように、新たに四つの強い権限が得られる。それから、総合調整ということばがずいぶん法案の中に出てきますが、きょう、私、通産省も農林省もわざと来てもらっておりません。それは総合調整、しかも強い権限でこれから指導なさるというわけですから、権限がほかの省にまたがる問題でも、物価に関係することでありますから、お答えをいただきたいと思います。
 そこで、まず第一は、たいへん高い利潤をあげるといいますか、卑近なことばで言えばもうけている大企業、この製品の値上げがありますね。たとえばカラーテレビはたしか六月から上がるという話を聞いております。これにどういうふうになさいますか。
 たとえば、たいへんふしぎなのは、三菱電機、東芝、これはそろって前期に比べて四二%増の税引き利益をあげています。日立も二四%増です。非常にいい決算をしている。それから四月の末に掃除機、洗たく機、ミキサーなど十数種類の家庭電気の物品税が二〇%から一五%に引き下げられています。しかも、カラーテレビは昨年は六百四十万台も売れたという話を聞いております。数ある家庭製品の中でも一番よく売れるナンバーワンだということですね。しかも、このメーカーは一月ごろから少しずついろんな値上げを始めていった。たとえば消費者にあまり目のつかない照明器具に焦点をしぼって、シャンデリア、白熱灯、螢光灯、街路灯などをさみだれのように次々と値上げした。値上げ幅は商品によっては三〇%をこす大幅なものであった。これが一段落ついてから、いよいよカラーテレビが対象に選ばれた、こういうことになりますと、これが引き金になって家庭電機製品全般に値上げが広がっていくと思いますが、しかもたいへんなもうけをしておるわけです。これは通産省だとおっしゃるかもしれませんが、これは物価という問題から言うと、たいへんな問題であると思います。これはどういうふうにお取り組みになりましたか。またこれからどういうふうにこのカラーテレビの値上げと取り組んでいかれるのか。家庭電機製品の値上げをお答えいただきたいと思います。
#71
○政府委員(小島英敏君) カラーテレビにつきましては、さみだれ的に値上げの動きがあるということを新聞等で聞きましたし、通産省のほうに調査をお願いしておるわけでございますけれども、基本的にカラーテレビの、電機製品のようなものの価格について、直接通産省といえども、何と申しますか、法律的には自由価格のたてまえのものにつきまして、どうもやはり有効な規制策というものがございませんのが実情でございまして、おっしゃるように、確かに数量的に販売額がどんどんふえておりますから、決して私は電機製品のメーカーというものが、値上げをしなければならないような経理状況であるとは思わないわけでございます。そういう点は通産省も同様なんでございますけれども、どうも政策的に手を打ち得ることといえば、やはり行政指導で極力そういうことを勧奨する、あるいはまあ輸入の拡大等によって競争条件を整備するということができるわけでございますけれども、確かに電機製品等につきましては、レートの調整等もあり、あるいは関税の引き下げ等もありまして、大型なものについては、電気冷蔵庫をはじめ輸入が著しくふえております。そういう意味では、国内のメーカーだけがかってに、需要が強いからといって、やたらに値上げができるような客観情勢にはないと思いますけれども、小型なものについておっしゃるような動きがあることも事実でございますので、通産省とも連絡をして、大いに監視をしてまいるつもりでございますけれども、きめ手に乏しいというところが非常に遺憾なところでございます。
#72
○前川旦君 これは大事なところですね、きめ手に困る……。
 それじゃ車はどうですか。たとえばこれは五月の一日ですか、日産がサニーのモデルチェンジを契機に、新型車を二万から四万五千円値上げした、十日にはいすゞがトラック、バスの一万七千円から二十万円の一斉値上げを発表した、本田技研、東洋工業も近く発表するモデルチェンジの機会をとらえ値上げをすると、これに追随する意向を明らかにしている。しかもメーカーの決算は、利益は、トヨタ、日産の大手は税引きで年間五百億円前後の大幅な利益もあがっている。しかもいま売れて売れて困っているんでしょう。注文しても在庫がないし、注文してもだいぶかかる。車の爆発的な売れ行きがたいへん問題になっているときですが、しかも、生産性は十年間に十倍くらいになっているんじゃないかと思いますけれども、これも売れて売れて、もうかってもうかって、しかもたいへんな決算しながら、値上げですね。これは物価の番人である経企庁どういうふうに指導し、どういうふうになさいますか。
#73
○政府委員(小島英敏君) 電機製品と同じように、まさにきめ手に乏しい商品でございまして、通産省通じてやはりそういう行政指導を、極力値上げを避けるような行政指導を強力にしてもらうということ以外には政策的な手がないのでございます。
#74
○前川旦君 長官にお尋ねしますが、私はこれはたいへん大事なことだと思うんですよ。たとえば過剰流動性なり、総需要を押えるということでいろいろおやりになる、あるいは法人税を四〇%ですかに上げるという構想を進めておられる。しかし、税金を上げ、あるいは先ほど小坂長官のいろいろな構想にもありました、それが全部価格に転嫁されて、消費者に転嫁される。それを一方で防ぐところがない、きめ手がない。それでは、一方でなるほどだぶついた資金は吸収するということができても、実際に消費者価格がそれによって上がるという効果になる可能性が非常にある。ですから、そのきめ手をどうお考えになるんですか。それをやらないと全くしり抜けになりますね。これ、長官のお考えを伺いたいと思います。
#75
○国務大臣(小坂善太郎君) 局長から申し上げましたように、われわれ、通産省において行政指導をしておるそれの様子をいま聞いておるということでございまして、経済企画庁というのはどをもまことに情けない話ですが、きめ手に乏しいんでございまして、どうも全体の景気の予測をしたり個々の問題についての意見を全般のマクロ的な見地から述べたりする、そういうようなことで、この物資についてこうすべしというふうな権限は実はないんでございます。そういう点にもかんがみまして、物価局をつくることをお願いし、それで総合調整の見地から、いろいろもっと突っ込んだ話を原局との間にもいたすことができるようにしたいというのでございまして、ただいまのところはまことにきめ手に乏しいという前言を繰り返す以外に方法はございませんわけでございます。
#76
○前川旦君 いままできめ手に乏しかった、マクロ的なものの見方なり数字を出すにとどまっておった。しかし、機構を改革して物価局をつくって新しい権限を持って、これから何をおやりになるんですかということをいま聞いているわけですから、いまのようなしり抜けのことであっては、実際に価格に全部転嫁されてしまう危険性があります。何かこれを押える、せっかくさっき小坂長官いろいろアイデアをお出しになったけれども、それが消費者のほうにメリットとして回ってこない、これでは何にもなりませんから、その辺突っ込んで検討なさるお気持ちがあるかどうか、御計画があるかどうか、大事なことだと思いますから伺いたいと思います。
#77
○政府委員(小島英敏君) 今度の物価局ができまして、権限ができましても、これは各省に対する勧告権限等でございますから、各省がたとえば輸入制限物資等が非常に値上がりをして、それに対して各省がどうもワクの拡大が非常に不十分であるとか、あるいは価格が上がっているのに関税が非常に高くてどうも思わしく輸入が進まないとかいう政策手段が残されているものにつきましては、今度の権限強化によって各省に対して勧告権等を発動して、合理的な政策をとってもらう、とらせるということができるわけでございます。ただ、その各省自身が権限を持たない部分につきましては、どうもやはり法律が通りましても、新しい物価局ができましても、やはりきめ手に乏しいということは基本的には変わらないというふうに思います。ですから、私どもといたしましては、やはり、もし目に余るような行為がございますれば、これは物価安定政策会議に特別部会というようなものもございまして、個々の物資について、これは強制的なものは、力はございませんけれども、業界の人に来てもらっていろいろ実情を聞いたり、消費者代表からも忌憚なく意見なり質問なりを言ってもらって、そういうような一種の圧力をかけるということは現在でもやっておるわけでございまして、そういう手段が一つと、やはりあとは通産省を通じて強力な行政指導をしてもらうということになるかと思います。
#78
○前川旦君 ですから、これは公共料金じゃありませんから強い規制はできませんけれども、しかし実際問題として、物価を考える上においては捨てておくことはできません。したがって、これは行政指導、通産省を媒介しての行政指導でも、やっぱり姿勢の問題で、かなり実質的な規制ができるんではないかと思いますがね。私は真正面からこれは考えてもらいたい、こう思います。
 そこで、次に公共料金の問題に移りますが、電力料金の値上げに対しては、これはどういうふうに対処なさいますか。
#79
○国務大臣(小坂善太郎君) これは、通産省のほうへ申請が出るわけでございまして、通産省としては、よくその実態をきわめまして、しかも一般に及ぼす影響等も勘案いたしまして、企画庁のほうと合議をしてくるわけでございますので、そのときにこちらとしての意見を述べよう、こう考えております。
 で、意見を述べるときの基本的な姿勢は、公共料金については真にやむを得ざるもの以外は厳にこれを抑制するという基本方針にのっとって考えたいと思っておる次第であります。
#80
○前川旦君 それは、ことばとしては何でもかんでも真にやむを得ざるものになってしまいます、これは上げる例から見ると。やれ人件費が上がったの、何が上がったのと言うて、いってしまえば終わり。ですから、間もなくこの申請が出るのは間違いない問題です。これに対して、企画庁としてはどういう態度で通産省に勧告なり意見調整をするのか。認めないというふうになさるのか。それとも、若干は認めても、たとえば家庭用の電気と大口の需要者との格差をどうするのか、どんなやり方で認めるのか、あるいは全然認めないか。その具体的な方針はどういうふうにおとりになりますか。
#81
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は、通産省のほうから言ってくるのを待ってこちらの意見を述べるという考えでおりますので、いまこの問題についての意見を申し上げることはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
#82
○前川旦君 どうしてこの意見が述べられないのか、私、ちょっと理解に苦しみます。何も通産省が来るのを待てないでも、企画庁のほうから手を突っ込んでかき回すというような強いことがないと強力な物価対策はできないと思います。
 そういう点で、それじゃ伺いますが、いまのような家庭用の電力料金と大口需要の電力料金との間に大きな差がある。このことは正しくいくべきとお考えでしょうか。いまのままでもやむを得ないとお考えでしょうか。機会があればこれを正しくいく、こういうふうにお考えでしょうか。
#83
○国務大臣(小坂善太郎君) もともと電力が過剰であった時代もございますし、そういう時代には電力は家庭用のものもございますし、それから動力用のものとして使われるものもございますし、それからものによっては、原料として、たとえば電気製鉄あるいは肥料、そういうようなものの原料として使われるものもございます。で、大口に使用されるものは、たとえば深夜には電力が余っておった時代もございますし、そういう際には、余っておったものを使うのだからということで、非常に不定時な電力料金を安くきめられておったこともあるわけでございます。ところが、そういう情勢が最近変わってきておりますわけで、電力が全体として不足ぎみになっておる。そこで、その余っておったものを安くという考え方はこれから変わるもんだと思いますけれども、それにしても、その原料として使われる電力、あるいは動力として非常に大量に消費される電力、それが上がるということはやはりコストにはね返ってくることだと思いますので、一がいに言えない点がございますおけであります。これについては、そのことを専門にやっている通産省のほうからいろいろ意見が参りますでございましょうから、その意見を私どもはよく聞いて、そうしてとらわれざる立場でよく判断してまいりたい、こう思っておるわけでございますが、何にいたしましても、申請はまだ出ておらぬように承知しておりますし、申請が出てきた段階で通産省がどう言ってくるか、これもわからないという段階で、私どもが意見を申し上げる段階ではない、こう思っておる次第でございます。
#84
○前川旦君 大阪の補選が終わりましたから、もう間もなく出てくるのではないかと思いますけれども、私は、たとえばきょうから米価審議会が開かれております。麦価ですね。で、長官がこの麦価の問題で、小麦の生産者価格は上げても政府売り渡し価格は据え置いてくれという要請を農林大臣にしたという記事を読みました。これは、私はほんとうの姿だと思うんですよ。ですから、通産省の来るのを待って――麦についてはちゃんとおやりになる、しかし、電力やガスの場合は来るのを待って――何かこう差がついているように思えてしょうがないんですね。私は誤解であれば誤解を解いてもらいたいと思いますけれども、非常に消極的な感じがするんです。ですから、それは私はいまの御答弁じゃちょっとふに落ちない。ふに落ちませんが、なぜこの間の――あれは四月十二日ですか、物価対策七項目は、四月でしたかね、あの中に、物価として七項目緊急にやると。なぜその中に公共料金の値上げを押えるというのが入ってないんですか。これはどうしてなんですか。
#85
○国務大臣(小坂善太郎君) まず最初に、麦価の点でございますが、現今の食糧不足を反映いたしまして、非常にアメリカにおいても豪州においても小麦の価格が上がるというふうに承知いたしておるわけでございます。そういう話になりますと、例のニクソン声明もございまして、既契約の分は出すけれども外国へはなかなか売るのがむずかしくなると、こういうような声明もあって、そういうことを反映して、すぐにそれじゃ小麦の値段は上がるんだということで、また値上げにはね返ってくると非常に困ると思いまして、これはもう先手必勝だと思って、私は、もう小麦の価格は上げぬでもらいたい、これは米価審議会が決定することではあるけれども、政府としては、買い上げ価格は上げても払い下げ価格を据え置いて、その間に政府自身の判断で財政負担でこれはできるんだと、その決意をやってもらいたいと、こう言ったわけでございます。幸いにいたしまして、当分はそういうことでいくというふうにきょう閣議でもきまりましたわけでございます。そういう売り渡し価格については、この際、米価審議会に諮問しないということにきめましたので、実態的にはそういうふうになると思っているわけです。いまの電力と違う点は、政府が負担し得るということでございます。
 それから、いまの物価対策七項目の中に公共料金を入れておりませんのは、御承知のように、昨日本院の本会議で御審議をいただいたわけでございますが、国鉄の運賃値上げの問題があるわけでございます。これを一方に出しておりながら、公共料金は上げないというようなことを政府みずからが言うことは、これは二律背反であると、こういうふうに考えまして、この点に触れておらないと、こういうことでございます。
#86
○前川旦君 私はその二律背反を避ける道、しかも一番国民が喜ぶのはやはり国鉄運賃の値上げを凍結するということしかないと思うんですよ。現に一流新聞の論説に凍結すべきであるという意見が出てますよ。ですから、いま国鉄運賃を出しているから、政治的な判断で本質を曲げちゃいけないと思う。ですから公共料金を極力押える。いま政府に直接やれることは公共料金だけじゃありませんか。たとえばいろんな金融政策にしても、それは何といいますかね、ワクをつくるだけですね。直接やるわけじゃないでしょう。そうすると、これほど物価が過熱しているときに、政府がやれることは、直接やれること、一番強力なことは公共料金の問題でしょう。それであれば、単なる政治のメンツの問題ではないと思います。メンツが大事か国民が大事かというと、私は国民のほうがずっと大事だと思う。ですから、国鉄運賃の値上げを凍結をする、公共料金を凍結する、そこまでやはり思い切った姿勢がないと、どうして物価の上昇を押えられるんだろうか。私はひとつ姿勢の問題として取り上げたいと思うんですね。もし物価のためにここでそれじゃ一年間凍結をすると、かりにそう言われたとしても、つまらぬじゃないかと、けしからぬじゃないかとだれが言うでしょうか。だれも言う人はいないと思います。私はそういう勇断がほしいと思いますけれども、私はいまの、国鉄運賃を出しているから、基本的な問題だから物価には入れなかったというのは、あまりにも末梢にとらわれ過ぎているんじゃないかというふうに、率直に言って、思います。いかがでしょうか。
#87
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価が大事だという点については同感で、私もそう思ってやっておるわけでございます。しかし、国鉄運賃法を提出しているということについては、私どもはあれは必要であると思いますし、前川さんのほうではそうでないとおっしゃるんで、この点は意見が分かれているわけでございます。われわれは、やはり国民の足である国鉄を今日このような状態にしておくことは、いわば悔いを千載に残すことになる、今日、いろいろな困難はあっても国鉄の再建のための措置は必要であると、こういうふうに思って法案を出しているわけでございまして、一方に法案を出しながら、しかしこれは必要ないんだということはちょっと私どもとしては言えないわけでございまして、御意見が分かれておるのはその点でございまして、遺憾ながらこの点は分かれたままになるわけでございます。これはやむを得ないことであると思います。
#88
○前川旦君 私は、意見が分かれるのはやむを得ないと思いますけれども、国鉄運賃は去年の臨時国会から問題になりましたね。ですから、その段階で、あるいは今度の定例国会で再提案、提出された段階では、いまのようなものすごい物価高の時期とちょっとずれていたように思います。ですから、客観的な情勢が変われば改むるに逡巡する必要はないと思うんですね。そういう機動性というもの、これは機動性、機動性ということがずいぶん物価には大事だと言われていますけれども、そういう思い切った機動的な発想法、それがほんとうの決断であり、物価に対して蛮勇をふるうことになるんじゃないでしょうか。私は、どうしてもこれは議論が平行線ですけれども、どうしても私はそういうふうに、それが正論だと思うんですよ。どうなんですかね。
#89
○国務大臣(小坂善太郎君) 国鉄というものはこれはどうしても必要なものでございまして、これを健全に持っていくということは、これは国民的な要請だと私ども思っているわけです。昨年のあの事態においてあの法律が通っておれば、これはもう問題ないわけでございますが、どうも残念ながら通らなかった。そこで、さらに財政負担を多くしてことしまたお願いしておる、こういう段階で、私どもはもうどうしてもあの法案は通していただきたいと、こう思っておるわけでございます。
#90
○前川旦君 もう平行線で、これはもう歩み寄りがなくて残念な話です。
 先ほど、小麦の売り渡し価格に先手必勝だということで、なりふりかまわず農林大臣に要請をされた、この姿勢を私は了とします。それじゃ、ことしの米価の問題が近づいてきました。もう当然の問題として早々に考えなきゃいけないときです。生産者米価がどのように推移をしようと、生産者米価が上がっただけでは物価に影響ありません。さして影響ありません。ほとんど影響ないと思いますが、消費者米価が上がると、便乗値上げで、単なる寄与率で〇・何%なんて言っているけれども、便乗値上げを入れるとたいへんなことになると思います。ですから、生産者米価がどうなろうとも、経企庁としては先手必勝で、消費者米価は絶対に上げるべきでないという態度をこの際おとりになる時期が来ていると思いますが、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(小坂善太郎君) 本年の米価の取り扱いにつきましては、まだ政府部内で方針を決定しておりませんが、私といたしましては、政府売り渡し価格の取り扱いは、物価や家計への影響にかんがみまして十分に慎重でなければならないと、こう思っております。
#92
○前川旦君 十分に慎重ということはだれでも言えることなんですね。あたりまえのことなんです。ですから、それは長官が、経企庁としては、経企庁長官としては、生産者米価がどう上がっても消費者米価は上げるべきでない、こう強い申し入れを、先手必勝の、もうおそいかもしれない、しかしまだ間に合う、いまやるべきじゃありませんか。慎重になんて言っている時期じゃないと思う。これは全体としての物価の上昇に大きく寄与すると思いますよ。いかがですか。もう決断すべき時期じゃありませんか。
#93
○国務大臣(小坂善太郎君) 十分慎重にいたしたいと思います。
#94
○前川旦君 十分慎重にというのは答弁をしないのも私は同じだというふうに思います。それじゃ、長官としては消費者米価を上げるべきでないとお考えですか、それとも上がってもやむを得ないとお考えですか。私は上げるべきでないと考えていると思いますけれども、その点いかがですか。御意見を伺わしていただきたい。
#95
○国務大臣(小坂善太郎君) 生産者米価は、大体、御承知のように米審が六月末から七月、おそくも七月中には開かれてきめられるわけです。従来消費者米価はそのときにはきめておりませんわけでございます。これはまあだいぶ先の話になりますので、どうもいま私が十分慎重と申し上げることで御理解いただきたいと考えておるわけでございます。私はどうもそこつ者でございますが、この点に関しては十分慎重にしたい、こう思っております。
#96
○前川旦君 それじゃ、なおもうちょっと御意見を伺いたいんですけれども、生産者米価をかりに一%アップすると、消費者米価をそのまま据え置いたとすれば、一%アップで大体百二十億ぐらい食管赤字がふえるといわれています。そうすると、かりに一〇%上げて、差額が一〇%上げて、消費者を据え置いたとしても千二百億ですね。これぐらいの財政負担はあたりまえだとお思いですか、どうですか。
#97
○国務大臣(小坂善太郎君) これはまあ大蔵大臣の守備範囲でございまして、どうも私ここで公式の立場で意見を申し上げることを実は差し控えたいと思うんですけれども、せっかくの重ねてのお尋ねでございますから私の意見を申し上げますと、これは一種の減税のようなものであるというふうに私は考えておるのであります。あるいは社会保障と申し上げてもよろしいでしょう、負の減税になる分もございましょう、そういうふうにも考えております。
#98
○前川旦君 そうすると、食管赤字が三千億になったといって騒ぎだしたのは昭和四十四年くらいからでしょうかね。いまも三千四百億ぐらいですか、食管会計の赤字は。あまり変わっていませんね。その間に貨幣価値はうんと変わりました。新幹線一本つけるのに幾らぐらいかかりましたかね。あれは三千億ぐらいじゃなかったでしょうか。いまはそれから判断すると、貨幣価値なり財政規模の大きさからいうと、同じ食管会計の赤字が三千億だといったって、三、四年前とはうんと違うと思います。しかも四十八年度で、何といいますか、税金の自然増が二兆円をこえるという試算が出ているという話も聞いていますがね。そうすると、いま言われたように、採算で、たとえば生産者米価を上げたら、赤字を減らすために自動的にスライドみたいに、一種のスライドみたいなかっこうで消費者米価を上げるんだとか、そういうそろばん勘定でこの米の問題を考えちゃいけない、それに入れる金はもう社会保障制度だというふうに考えるべきだ、こういうふうに割り切ったお考えで進まれるんでしょうか。いまの話ではそういうふうに伺いました。そういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
#99
○国務大臣(小坂善太郎君) ですから、これ、申し上げるように、大蔵大臣が守備する範囲でございまして、私はむしろ意見を申し上げたわけで、そういう方針を決定して済むということではございませんが、私は消費者米価というものが安く保たれるということが、こういう物価高の際でございますから減税をしたと同じような効果を持つのではないか、あるいはまた、ものによっては負の所得税、すなわち税金を納めない人に対しても安い食糧が保持されるということは、一種の社会保障的な役割りを持つものであろう、こういうふうに理解しておるということを申し上げておるわけでございます。
#100
○前川旦君 先の話であるということでございました、米審との関連で。しかし、この小麦の価格の据え置き、売り渡し価格の据え置きについてはたいへん勇断をされました。したがって、消費者米価が問題になるときには同じ姿勢で、先手必勝でやる、こういう何というか、たいへん私はりっぱな姿だと思いますよ、それでいかれる決意ですか。もうそれでやめておきます。その決意を伺っておきます。
#101
○国務大臣(小坂善太郎君) 実は小麦は外国から輸入するものが多いので、国内産の麦はだいぶ低麦価のために少なくなっておるわけですね。外国の影響でこちらの消費者がいきなりもろにそれをかぶるのは何としても避けたいということで、ばっとこちらへ行動したわけです。ところが米価の決定の際は、御承知のように消費者米価と生産者米価のかね合いとかいろいろ問題が出てまいりますものですから、生産者米価を決定される前にいきなりこの方針を打ち出すということはいかがなものであろうかという配慮も、実は私個人としてはしているわけなんであります。そういう意味で、先ほどからの御答弁で大体私の考えはおわかりいただいたと思いますが、私は、できるだけ国民の主食を安く保つということは非常に必要なことだ、ことに物価が非常に上がっている際でございますから、これはたいへんに必要なことである、こう思っているわけでございます。いずれにいたしましても、消費者米価というものはこれは秋口になってきまるものでございますので、その近くになって、いずれにしても生産者米価がきまったあとできめないと、やはり一種の両米価同時決定というようなことは従来から盛んに問題になっておりますので、ここへ巻き込まれるのを実は懸念いたしている次第でございます。
#102
○前川旦君 いまので、それじゃこれはもう了解しませんけれども、終わります。
 ただ、私はちょっと気になったこと、私は人のことばじりをつかまえたりするのはきらいなんです。しかし大蔵省の守備範囲ですからというのがちょっとひっかかるのですよ。というのは、私これから少しずつまた聞いていく質問の中には、大蔵省の関係がたくさんあるのです。ほんとうに物価を本気で考えようと思ったら、予算を編成する権限、そこまで手を突っ込む、そこまで経企庁が持たないと私は実効があがらないだろうと思う。予算編成は向こうでやっておいて、それを不可侵みたいなかっこうで、外から意見だけ言っていたのでは実効があがらないだろうと思いますよ。ですから、私はことばじりとらえるのではありませんが、ちょっと気になります。
 それじゃ食糧の問題が出ましたから、物価、特に消費者物価の上昇については、生鮮食料品は一番実感としてこたえるところです。たとえばことしの野菜、昨年に比べて軒並みにたいへんな値上がりです。私は一々数字は、ここにありますけれども、時間がなくなりますから、ホウレンソウだ、白菜だ、ネギだ、大根だとかについて一々申し上げませんが、たいへんな昨年に比べて値上げですね。これに対してどういう提言をなさるおつもりなのか、これは衆議院で四月の十七日ですか、小島政府委員さんの御答弁で、だんだんと野菜がよくなりつつあると言って答弁しておられますけれども、このあとからキャベツ一つ三百円ぐらいになったのではないでしょうか。ですからなかなか、野菜の問題はあまり楽観できないのですよ。そういう意味で、どういう政策をする、提言をするおつもりなのか、伺いたいと思います。政府委員の方、どうぞ。
#103
○政府委員(小島英敏君) 確かに最近の野菜の暴騰が消費者価格の高騰の非常に大きなファクターであることはおっしゃるとおりでございます。ただ長期的に見ますと、数年前に比べましてかなり野菜価格のサイクルといいますか波の幅が小さくなっていることは事実でございまして、数年前までは野菜サイクルという一年おきのカーブというものがございまして、非常に価格が高騰すると、その翌年は作付面積が非常にふえて、今度は供給過剰になって暴落する、そうすると今度は作付面積が非常に減ってしまって、またその翌年は暴騰する、そういう一年おきの野菜サイクルというのがあったわけでございます。ところが、数年前から、これ、企画庁の政策会議の提言にもございましたのですけれども、野菜政策の拡充ということで、指定産地の拡充、それから価格保障ということで、これは特に秋、冬ものが中心でございますけれども、非常に価格が低落してしまった場合にも、過去の趨勢的な所得に対して七割とか八割とかいうものは必ず所得を保障すると、そういう形の価格保障制度が実現されまして、そのために、昨年あたりは天候のかげんが非常によかったということも原因でございますけれども、同時に、そういう生産増強対策及び価格保障対策というものがやはり長期的にはだんだん効果を持ってきておると私ども信じているわけでございますけれども、一昨年、昨年と二年にわたって、非常に野菜価格が暴騰しなかったわけでございます。今回の値上がりはやや異常でございまして、どうもことしの冬から春にかけて、一、二月あたりが暖冬異変ということで、三月、四月ごろに本来ならば出荷されるべきものが非常に早く出荷されてしまって、したがってそのころは値段が下がったんですけれども、三月、四月ごろにかけて非常に品不足を生じて、これが今回の暴騰の原因でございます。ところが、ふだん秋、冬のに比べますとこれは品不足の期間というものが非常に短期でございます。秋、冬ものがもし暴騰いたしますと、それから冬にかけて、年越ししてまで非常に品がすれ期が長く続くわけでございまして、そうすると非常に深刻なんですけれども、今回の場合は比較的短期で、すでに春ものが十分出回ってきておりますから、その意味では、いままでの価格保障対策というものが秋、冬ものの野菜を重点に考えておりましたのが、今回は虚をつかれたということで、春ものについてやっぱり、短期的ではありましたけれども、今回のような問題が起きてくるということは、これは農林省ともども反省しているわけでございまして、今後やはり価格保障等についてさらに拡充していく必要があるというふうに思っております。
#104
○前川旦君 そこで、長官にお尋ねします。
 さっきの問題に返りますけれども、結局、価格保障というのをちゃんとやって暴落を防止するということが乱高下を防ぐ第一歩なんですね。御存じのとおりです。あとは天候はもうしようがありません。天候による豊凶はしかたがありません。これはコントロールできませんから、ですから、価格保障ということになりますと、四十八年度の予算で見ると、これはわずかに五十七億千百三十一万円です。この中には、県が単独でやっております事業の補助金、それは半分補助していますが、これが二億入っています。私、拾い出してみた。大体これ間違いないと思いますよ。わずか五十七億ちょっとなんです。かりに十倍にしても五百七十億ですね、かりに十倍してみても。そうすると、私は、大蔵省の予算を編成するところを神聖不可侵のようにしたのでは物価対策はできぬということを言いたいんですよ。やっぱり経企庁が手を突っ込んで、こういう予算をふやせと言って発言力を持つというところまでいかないと実効があがらないだろうと思う。どうでしょうか、その点は。数字はどうですか、大体この数字は合っていると思いますが。
#105
○政府委員(小島英敏君) 数字はおっしゃるとおりだと思います。現実に私どもは、いま物価関係の予算につきましては事前に手を突っ込んでおるわけでございます。全然、各省から大蔵省に要求をして、それを大蔵省独自の見解で政府案をつくるということでございませんで、年末の実は予算要求をいたします段階で、まず各省からヒヤリングいたしまして、企画庁としても、来年度の物価関係の予算、主としていまおっしゃる生鮮食料品とか流通対策が中心でございますけれども、ヒヤリングをいたしまして、それから当方としてもどういうものが特に重要であるかということをランキングをつけるわけでございます。それで、年末の第一次内示がある前にもいたしますし、内示がありましたあとも、私のほうで二重まるをつけるとか一重まるをつけるとかいうことで、特にこの項目は物価対策上重要であるということをランキングいたしまして大蔵省に意見を申しております。決定権は、当然これは大蔵省でございますけれども、いままでの実績で見ましても、かなり大蔵省が企画庁のそういう意見を重視して予算をつけていることは事実でございます。
#106
○前川旦君 いろいろ努力しておられると思います。全然努力してないなんて言ってない。ただ、私は、ほんとうの物価対策をやろうと思えば、いまの、向こうと意見調整をしてランクをつけてというような、何かこう遠いような感じですよね。ですから、物価の問題は企画庁が予算をつくる、それはストレートに大蔵省は承認するというぐらいの強い権限を持たないと、私はなかなか実効はあがらないと思いますよ。これは意見として申し上げておきます。
 酪農はどうですか。牛が減っていっております。これは小さな酪農農家、どんどんいま廃業しているんです。そして肉が不足していますから、高いですから、つぶしているんですよ。このままでいったら飲用乳まで影響しますね。これは物価の問題ですよ。どういうふうにこれは意見具申されて勧告されますか、どういう方針で。これは政府委員の方、どうでしょう。
#107
○政府要員(小島英敏君) 従来から、先ほど申しました物価安定政策会議の第一部会というところで野菜の提言をし、それから、昨年でございましたか、水産物についての提言をいたしまして、これらがいずれもそういう関係の予算の上に反映されているわけでございますけれども、遺憾ながらいままで肉について企画庁で系統的に勉強をして意見を言ったことがございませんので、今度物価局ができまして、物価安定政策会議も当然新しいメンバーで再開されますので、ここでやはり肉の問題を長期的に、いまおっしゃるように、やはりこれから所得の上昇に伴ってますます肉に対する需要がふえていくと思いますし、魚が御承知のようなことで、全部ではございませんけれども、ものによって、やはり消費者が非常に汚染を心配するような動きもございますので、肉というのがやはり将来需給が一番逼迫しがちな品目であると思いますから、短期対策、長期対策を含めまして、物価安定政策会議で勉強をし、その結果を今後の予算の上に反映してまいりたいというふうに思っております。
#108
○前川旦君 これから検討するということで、何か、こう聞いていて、これから検討するということで、いらいらしてきます。御承知のように、これは食肉――牛肉はたいへんな不足で、これは国連のFAOでも、これからますます需給関係は逼迫するという推測をしています。それから、国内もこれは減っていますね。国内の肉牛の生産も行き詰まり、それから輸入だって、それだけの輸出をするだけの余裕を持った国が一体これからあるんだろうか。アルゼンチンなんかでも一週間おきに肉なしデーをやっているし、それからニュージーランド、オーストラリアだってそれだけの力があるかどうかわかりません。せっかくことしの上半期で七万トン輸入されるといっても、倉庫がなくて腐臭を発しているというようなことも新聞記事に出ていますね。ですから、よっぱどこれけ力を入れなければいけないと思いますね。ですから、できるだけ早く対策と計画を講じて、生産者との間あるいは農林省の間で調整をしていただきたい、こう思います。
 それから、小麦、大豆、こういった輸入ものと、それから飼料等の国際価格はたいへん値上がりしていますね。これの将来の見通しと対策をどう考えていらっしゃるのか。たとえば小麦の国際価格はたいへん上がっているのと、一体アメリカがそれだけ将来供給するだけの生産量をこれから持つのかどうかということも一つ疑問があります。それから大豆、これだって同じだろうと思いますね。それから飼料は、特に畜産に徹底的な影響を与えるものであります。そういう意味で、国際価格の暴騰とこれからの需給関係の逼迫というものを踏まえて、どういう計画をお立てになっていらっしゃるのか、どういうふうに見ていらっしゃるのかをお答えいただきたいと思います。
#109
○政府委員(小島英敏君) 実は、アメリカは中長期的に世界に対する食糧の供給国として農業を考え、産業構造を考えていると私どもも理解しておりましたし、現実にそうだと思うんですけれども、それがどうもこの間のような動きが出てまいりますと、非常に世界に対してそういう一種の国際分業論に対する不信といいますか、不安が生じているということは事実だと思います。確かに日本のいままでの輸入政策というものも、価格差が相当外国と日本の場合にある場合には、やはり安い食糧を輸入をして、それによって価格の安定をはかろうとしてきたことは事実でございまして、そのために自給率、どうも一時に比べればやや下がっているわけでございますけれども、昨年末以来、大豆にしろ、ああいうものの、あるいは飼料等の値上がり、暴騰によって、そういう動きに対して一つの反省期が来ていることは事実でございまして、安いからといって外国からだけ依存して自給率を下げていることは、やっぱり長期的な作戦としては危険である、ある程度重要食糧については自給率を高めることが必要だという説がかなり有力になっていると思います。ただ、何でもかんでもそれじゃ従来の線を逆にして自給率を極力高めるのがいいかというと、これはなかなかそうも言えないというわけでございまして、非常にやはり国内産の価格が国際レベルに比べて高過ぎるものについては、それだけの自給率を高めていこうと思えば、非常に膨大なやはり財源が必要になり、それは結局国民の税金の負担を高めるということになりますから、両方の極端はやはり望ましくないんで、重要物資の重要性その他において、ケース・バイ・ケースにやはり考えていかざるを得ない、両方の中間で考えていかざるを得ないと思うわけでございます。おっしゃるような設問は、ですから新しいこういう事態に対して非常に重要な問題でもございますから、これは農林省自身がいま本格的にやはり長期的な農業政策のあり方を考えつつあるわけでございまして、企画庁がいまの段階で、いまの御質問に対して自信のあるお答えをすることができないわけでございますけれども、当然これは農林省もやることでございますし、企画庁といたしましても、側面的にそういう研究を進めて、新しい農業政策のあり方というものを考えていかなければいけない時期にきているということを痛感しているわけでございます。
#110
○前川旦君 私は、いまの御答弁でたいへん重要なことを感じました。というのは、経企庁は非常に優秀なエコノミストの集団ですね、皆さん方そうだというふうに尊敬しておりますが、従来から農産物については国際分業論をとる方が多いというふうに聞いていたんですよ。いまの御答弁聞いていると、従来の国際分業論というのは、もうこれから成り立たなくなる可能性もあるので、そうじゃなくて、自給率という問題も取り入れて考えていかなければいけない転機だというふうに受け取りましたけれども、そういうふうに考えていいんでしょうか。
#111
○政府委員(小島英敏君) 国際分業論を全然一〇〇%否定するということではございません。先ほど申しましたように、完全な国際分業論も危険であるし、完全な自給率向上論も行き過ぎなので、その間をやはり合理的な線を見つけていくという、非常にむずかしい問題でございますけれども、私の真意はそういうことでございます。
#112
○政府委員(宮崎仁君) やや長期の問題でございますので、私からもちょっとお答えを申し上げておいたほうがいいと思います。
 今度の経済社会基本計画の作業におきましても、御承知のように、食糧の自給率という点では明示した数字は出ておりません。おりませんが、農林省が昭和五十七年度を目ざした長期の見通し、大体現在の自給率横ばい程度でございますが、その線をほぼ是認したかっこうでこの計画はつくられておるということでございます。したがいまして、その内容といたしましては、たとえば米とか牛乳とか肉類のように非常に高い自給率を持つものと、それから麦類のようにほとんど輸入に依存するものというふうに、作目によって明確に分けておるわけでございます。この考え方はいまでも変わってないと思うわけでございますけれども、いま御指摘のように、最近世界の食糧需給の問題について、いろいろの御意見が出ております。学者の間でもたいへん不安な見通しを立てるような方も出てまいりました。そういう状況でございますので、私どもといたしましても、計画のフォローアップというような見地から、一ぺんこの辺についての世界の実情をもう一ぺん調べてみる必要がある、そうしてその上に立って、いまの食糧自給に関する政策の展開というものがこのままでいいのかどうかということを場合によっては見直す必要があるかもしれない、こういう感じを持っております。それで、農林省のほうともお話をいたしておりますが、これからフォローアップ作業の一環としてそういう検討を続けていきたい、秋ごろまでに結論を出していきたいと、こういま思っておる次第でございます。
#113
○前川旦君 食糧の自給率の農林省が出しているあの見通しを大体取り入れたということでありますけれども、あの見通しが甘くなってきた。たとえば畜産なんかの自給率は現在の自給率いっているけれども、それは飼料が全部外国ですからね。それを換算していくと、どすんと落ちてしまう。しかもこの飼料の輸入が、これからいままでと同じように好きなだけいつでも買えるかというと、それはちょっとわからない状態でしょう。もちろんいまの異常気象というのはいつまで続くかわからない。ですから、いまの異常気象を前提にしていろいろ考えるわけにいかないけれども、人口の増というのは、これはもう絶対に動かせない事実、ちゃんと数字の出ることですね。ですから、あと二十七年たった西暦二〇〇〇年には七十億になるだろうというのは、もういまの伸び率からいってもう疑いのない事実だと思う。そうしますと、倍になりますね。そういう中で、これからやはり長期的に見ると、食糧というのは、あと二、三年はまだ過剰ぎみが続くかもしれないけれども、すぐもう不足に移っていくだろう。そういう中で、もう国際分業論というのは成り立たなくなっていくと私は思いますね。これは私の意見ですよ。ですから、極端な国際分業論もいけないが、極端な自給率向上理論もいけないというふうに小島局長は言われたけども、私はそうじゃなくて、非常に大きなカーブを描いて考え直さなきゃいけない時期が早く来るというふうに実は判断をしているんです。ですから、そういう意味で、従来国際分業論をとっておられたからなかなか転換がむずかしいということじゃなくて、君子は豹変するということばもあります。ですから、安全度を十分とってこの食糧問題を考えていただきたいというふうに思います。これはまあ要望をしておきます。
 そこで、だいぶ時間を食ってしまいました。先ほどからこわい顔をしてにらんでおる人もおりますんで、私はまだ設備投資の問題、それから土地問題、それから管理価格、それから消費者保護、準備しておりますけれども、ちょっとこれはもし時間があればということで、あと回しにして、公共事業のですね、これは長官にお伺いしておきましょう。公共事業の執行繰り延べですね、いまやっていらっしゃる。これは年度を越えてやるべきだという御意見でしょうか、どうなんでしょうか。
#114
○国務大臣(小坂善太郎君) 目下内閣できめておりますのは、年度内調整でございまして、前半に五九・六、あとは後半に消化するという考えでございます。
#115
○前川旦君 それで、その方針を変えずにお行きになるのか、もう年度内を越えてやらなきゃいけない時期だというふうに判断をしておられるのか。いまきめているというのはわかりますよ。長官のお考えと判断をお示しいただきたいと思います。
#116
○国務大臣(小坂善太郎君) まだ関係者とよく話しておりませんが、目下のところ時期調整でやっていく考えでおります。
#117
○前川旦君 たとえば四十七年度の予算、これはたいへん大きな補正予算を組みましたね。この四十七年度予算が過去に例がないほど使い残しを出しているという事実をどういうふうにお考えになりますか。実際問題として、数字でいいますと、これは新聞に出た数字でありますが、間違いないと思いますけれども、四十七年度全体の公共事業の施行状況で見ると、一般会計、特別会計、政府関係機関など合わせた公共事業費六兆四十九億円のうち、支出を終わったのは九〇・八%、未支出が九・二%ですね。これは五千五百八億、これが四十八年度に繰り越されている。この繰り越しは率、額とも例年を大きく上回っている。こういうふうに消化し切れないでいるということ、前年度さえ消化し切れないでいるということ、このことをどういうふうに評価なさいますか、御意見を伺わせていただきたいと思います。
#118
○政府委員(新田庚一君) 正確な数字をいま手元に持っておりませんが、大体例年支払いベースで七、八%程度の繰り越しがございました。四十七年度は九・二、三%ですか、九%台のキャリーオーバーで、若干キャリーオーバー率としてはふえておるのは事実でございます。この理由は、やはり昨年度の公共事業費の補正がかなりの大型であったということで、年度内の未消化率が若干上がったということではないかと思います。
#119
○前川旦君 この公共事業費の執行繰り延べを前半でやっても、実際にはいま前年度の工事を実施している例が多いわけですね。ですから、これはどうなんでしょうか、実際問題として資材等の値上がりもありますし、年度を越えての繰り延べということを考えるべきじゃないんでしょうか。私はそういうふうに思いますけれども。それで、現に新聞の論調もそういうふうに言ってますよ。年度を越えた繰り延べをやるべきだと。ですから、これについては企画庁はどういう御意見を持っていらっしゃるのか。先ほどの長官の答弁では、意見ではなくて現在の状態をお答えいただいたわけですけれども、御意見として私は伺いたいんです。年度を越えた繰り延べについての判断、評価、すべきであるという判断をなさるか、その辺のどういうふうに勧告をするか、その態度、姿勢、お考えをあらためて伺いたいと思います。
#120
○国務大臣(小坂善太郎君) 目下一応の年度内調整ということでいっているわけでございますが、その後のセメントの需給の状況であるとかそれから全体の労務関係であるとか、そういうものを見ておりますと、まだもう少し調整を要するように思うわけであります。その点は私もさらに調整強化の考えを実は持っておるんでございますが、これは全体としてまだ話し合ったことはございません。そこで、近くそれをやはり検討しなければならぬと思いますが、結果としてそれが後期にいったものが年度内消化になるかどうかという点については、いまのところ後半期に相当に需要をまた喚起する必要があるかもしれない。いまの財政金融の締め方からいって、もしオーバーキルというような状況で景気に若干のスティミュラスを与えたほうがいいという状況になれば、これは全部消化してしまうことになりましょうし、これはそのときにならぬとわかりませんが、いまもう少し締めたほうがいいというふうに私は、個人の意見でございますが、さような気持ちを持っております。
#121
○前川旦君 オーバーキルになるかどうか、もう少し見てみなければわからないのは、これは将来のことですからね、いま予測してはずれるということもあります。しかし朝方の御意見では、いまの状態でオーバーキルになるなんということはおそらくないだろうという御意見――というまあ判断、これはたとえ狂っても、これは別に責められる問題ではないと思います。将来のことですからわかりませんけれどもね。判断がありました。そこで、私は最近の世論の動向を見てみますと、むしろ減額補正までいくべきである、こういう意見が強くなっていますね。これについては長官の御意見はいかがですか。たとえば具体的にいって、福祉関係に関係のあるもの、これは老人ホームだとか病院だとか学校とかいろいろありますね。こういうのを減額しちゃいけません。それから生活関係、たとえばガードレールをつくったり、歩道をつくったり、住宅をつくったり、まだいろいろあると思います、下水とかね。こういうのもいけませんが、たとえば高速有料道路とか、新幹線とか、それから産業道路とか、産業用港湾工事とか、いろいろあると思うのです。工場誘致のための埋め立てとか、選別をして減額補正を思い切ってやるべきだというふうに思いますが、この点についての御意見はいかがですか。
#122
○国務大臣(小坂善太郎君) 生活保護の関係であるとか、あるいは福祉の関係であるとか、そういうものを除きまして、減額補正を考えるべしという御意見があることはよく承知をいたしております。これは傾聴すべき意見と思っております。ただ、どうすべきかについては、私どもまだ政府部内で相談をいたしておりません。十分御意見のあるところは尊重していく考えでございます。
#123
○前川旦君 政府内で相談をなさって出てきた結論は新聞発表するなりされるのですから、ここで質問する必要はないのですよ。ここで聞いているのは、減額補正をすべきであるという論議が高まってきているけれども、経企庁長官としてはどういう立場をおとりになるか、つまり政府の中でどういうふうに発言されるのか、どういうふうに主張されるのか、どういうふうにこの政府のけつを引っぱっておいきになるおつもりなのかというのを聞くのが、私は委員会のこの場の目的であると思うのですよ。決定したあとでしたら新聞を読めば済むことですから。その点についてのもっと突っ込んだお答えをいただきたいと思うのです。
#124
○国務大臣(小坂善太郎君) どうも味もたいしてない御答弁になると思うのですが、これは今後の推移を見て十分考えたいと申し上げたいと思うのでございます。ただ、一般論として申し上げますと、私は大体心配性のほうでございまして、どうも現状は少し締める必要があるというふうに、一般論として考えております。
#125
○前川旦君 政府の物価政策については、一億の国民が企画庁長官に期待をして、水戸黄門になってほしい。これは水戸黄門になると言われたのは経企庁長官みずからではなかったのでしょうか。そこまでなってほしいという意見を持っているのですから、いまのような問題でも、何も私、午前中に大阪発言を取り上げたからというのじゃなくて、もっと、おそらく個人の意見として、前提をつけていただいていいのですけれども、すぱすぱっと、物価の番人としてもみな期待しているのですからね、期待にこたえる切れのいい発言というものをしてもらうわけにいかぬものでしょうか。先ほどいろいろありましたけれども、どうでしょうか。――そう思いますけれどもね。
 そこで、これはいまの物価上昇、土地問題にしても、インフレの発火点となったのは日本列島改造論であることはもう間違いないのです。どんなに否定をしても否定し切れないと思う。これはおそらくいまの総理のごくわずかな周辺の人がいろいろ説を立てるかもしれませんけれども。ですから、いまの公共事業費の減額補正にしても、私ども同じ立場なんです、結局。この日本列島改造論との訣別ということが、これは清算ということが私はインフレマインドをぴしゃっと押えていく一番私は有効な道だと思います。これはおそらくそうだとは長官おっしゃらないと思いますけれどもね。最後に私はその問題を聞きたいと思うんですよ。だれが見てもこれが発火点でしょう。であれば、これをやっぱり消すことによってインフレマインドを押えていくということしかない。私はかりにそれをやったとしても物価のためですから、何も非難する人はいないと思うんです。ですから非難をおそれず、そういう転換といいますかね、やる時期ではないだろうかと思いますが、長官の御意見はいかがですか。
#126
○国務大臣(小坂善太郎君) 今日のこの状況の発端を考えてみますると、やはり昭和四十六年の八月のニクソン声明、それに、その当時ございました大量のドル売り、日本政府の固定相場制への執着からするドルの買いささえ、これによって非常な外為関係の支払い超過が出てきた、円の散布超が出てきた。そこへさらに不況感を持って、何とかこれを克服したいというので公定歩合をさらに引き下げた――これは六月でございましたか、そうして低金利時代を完全につくりまして、その上に補正予算を組んだ、その結果が今日の状況になってきていると、私思うんでございます。これに対して、その過剰流動性を吸収するためにいろいろな措置をとっておるわけでございますが、これも逐次効果はあらわれてきたというものもございますが、またある意味ではなかなか効果が出ていないということも言えると思うのでございまして、率直に言ってはなはだ私ども苦慮いたしておるわけでございます。ただ、その原因を日本列島改造に求めるという点は、私はそれはどうもいかがなものかと思っているのでございまして、やはり日本列島改造というものはどうしても必要だと思うんです。この三大湾地区の限られたる国土の一%のととろに三割からの人口が密集している、この状況だけはこれは何としても直さなきゃならぬことでございまして、問題はその直さなきゃならぬということと、もうすぐにそれに対する手が打たれるんだということとの錯覚でございますね、そこが一番問題ではないかというふうに私は存じておる次第でございまして、これは賢明なる前川委員におかれましても、内閣の閣僚である私がそういうことを、御質問を肯定するというようなことはできないことは当然お察し願えると思うんでございますが、私の考えを率直に申し上げますと、何といいますか、一つの列島改造というものに対する誤解、日本人の気の早さといいますか、そういうようなものが一番の原因ではないか。またそれを可能にする過剰流動性の存在、これが問題だというふうに思っておる次第でございます。
#127
○前川旦君 過剰流動性の問題については、あるいは景気の過熱を押える、総需要対策、過剰流動性対策、これは金融政策で、たとえば公定歩合の引き上げあるいは預金準備率の引き上げ等々で、あるいは窓口規制等々で対策をとる。しかし、これらは結局そのものずばりの物価対策じゃありませんね。何と言ったらいいかな、ワク組みをつくるといいますか、グラウンドをつくるといいますか、そうですね。あとは個別に一つずつ対策を打っていかなきゃいけない。となると、グラウンドが一応できているのですから、もうあとは、たとえば公共料金を凍結するとか、あるいは減額補正をやるとか、あるいは庶民減税、いわゆる減税を補正予算時期に、もう年度内に実施するとか、大企業に対する税金の問題もこれは裏としてありますけれども、そういった個々の問題を一つ一つ有効適切に打っていかなければいけないときだと思うのです。ですけれども、どうも何か蛮勇をふるってこれでいくんだという、何と言うかな、こたえというか、ムードというか、姿勢というか、何か迫ってくるものは感じません、残念ですけれども。私は、物価の責任者として非常に国民が小坂さんに期待しておるのですから、期待にこたえるように、やはりこの際蛮勇をふるうという姿勢に立ってもらいたい。そうなると、私どもの立場からいうと、いまの田中さんのやっていることは対決しなければいけないというふうに私ども思います。もちろん閣僚である長官がそれにこたえることはできないのはわかり切っておりますけれども、そこまで事態が来ているというふうに私どもは思うのですね。ですからたいへんな事態であると思います。どうかひとつわれわれの考えていることも政策の中に取り入れて、実効のあがる物価対策をやってもらいたいということを最後にお願いというか、意見を申し述べて、長官の決意を伺って、私の質問を終わることにいたします。
#128
○国務大臣(小坂善太郎君) 数々の非常に貴重な御意見をいただきまして、つつしんで拝聴いたしました。のみならず、私といたしましても、いたずらにことあげすることよりも、適切なる時期に果断にこれを実行するということが必要であると存じまして、必要な施策をこのときと思うときにはぜひ決断してまいりたい、こう思っておる次第でございます。いろいろ至らぬ点はございますが、何かとまた御叱声を賜わりまして、党派を越えて、物価の問題というのはたいへん重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
#129
○宮崎正義君 午前と、いままで論議が続けられてまいりまして、結論はなかなか、そのやるかやらないか、どうするかこうするかという結論が出ないまま、時期を待つとか、あるいはそのときがきて判断するというような回答が非常に多かったわけですが、聞いていて私も、なぜ長官なら長官の御意見がそのまま率直に言えないものかな、それが国民に反映していくんじゃないかというふうにも思いながら伺っておりました。
 私は大体、前川委員の質問からなるだけ避けるようにして、むしろ私は生活に密着している現在の消費者物価、そういうことを、どうして下げていくか、また流通機構といえば流通機構をこうしていくんだという具体的なものをひとつ持ち上げながらお伺いを進めていきたいと思うのです。
 申し上げるまでもなく、現在の物価高というものの根底というものは、経済最優先であった高度経済成長、それらの政策が元凶になって今日になっているということはわかると思うのです。先ほどの御答弁にありましたように、所得倍増計画とか新社会経済発展の基礎として雇用の増大をしていったという経路で、そしてまた成長率も二けた以上になってきた、急激に上がってきたことに対して一つのあらわれがあるんだというようなふうに私は伺いました。しかしそうでありながら、商社の投機とか大企業の管理価格をやっておるようなことだとか、流通機構のまことに複雑化してきていることだとか、公共料金の値上げはしないしないと言いながら、公共料金の値上げをやってきて、あるいは消費情報の収集の欠除等、いろんな要因が重なって今日のこの物価高騰というものになってきていると思うんです。したがいまして、小手先だけではだめなんだという考え方の上に立っていかなければならないと思うわけですが、今年度の物価上昇率を何%に押えていくかということは何回も聞いているわけでありまするが、はたして経済企画庁長官が言われているようなその上昇率で今後の見通しがつくのかつかないのか、現時点においてどうなのかということをまず伺っておきたいと思います。
#130
○国務大臣(小坂善太郎君) 最近の物価の情勢というものは、宮崎委員の御指摘のように、どうも私どもがこの一月にきめました四十八年度物価の見通しをだいぶ上回っておる、これはもうそのとおりでございます心私どもはこの情勢に対処いたしまして、先ほどからいろいろ申し上げておりますような施策を中心として、何としても物価の異常なる騰勢を断ち切る決意でございまして、このために、ひとつ物価問題というものは内閣の施策の最優先として取り上げてまいるということを内閣としてきめましたようなわけでございまして、ひとつ全力をあげて物価の安定に邁進して、国民の御期待に沿わなければならないと思っている次第でございます。
#131
○宮崎正義君 上昇率はいいんですか。どれだけに現在予定されているもので、そのものの形態でもてるのかもてないのかということですね。
#132
○国務大臣(小坂善太郎君) その点はたいへんつらいところでございまして、なかなか現状ではむずかしいと言わざるを得ませんが、ただ、どのくらいになるというようなことを申しましても、いわばこの際私のような立場の者がそれを申しますことは百害あって一利なきことでございますので、いまの私の気持ちとしては、全力をあげてこの物価の騰勢を押える、そしてその後において、年度の見通し等についてもまた考えさしていただく、かように思っておる次第でございまして、いまこれでいいとか悪いとか、何%になるとかいうようなことを申し上げることはひとつ御勘弁を願いたいと、こう思っておる次第でございます。
#133
○宮崎正義君 それでは基本が大体きまらないんじゃないかと思うんです。こういうふうに立てて、こういうふうなことに合わせて進んでいくんだというふうに当然計画、企画というものがなされなければならないんじゃないかと思います。そういう面からいきまして、何%で押えていくんだということが明確に言えないというふうにおっしゃるわけですけれども、卸売り物価を考えていきましても、対前年比の面からいきましても一二・三%、また消費者物価にしましても、前年の同月に対しましても一一・六%という現状から見て、思惑どおりにこれはいかないんだということははっきりしているんじゃなかろうかと思うんですがね。ですから、そういうパーセントの上から見ていきましても考えられるんじゃないでしょうか。これぐらいでなけりゃならないということは言えるんじゃないでしょうか。
 それからまた、私が申し上げるまでもなく、卸売り物価の上昇は三カ月ないし半年後に結局また消費者物価に反映してくる、あらわれてくるということはもう論をまたないわけですから、したがいまして、五月の卸売り物価等を見ていきましても、先ほど御答弁にもありましたように、この秋には相当物価上昇ということは避けられないだろうということを、御答弁もあったようですが、こういうふうな点から考えていきましても、私はここでもう少しはっきりした御答弁を聞いて、次に進みたいと思うんです。
#134
○政府委員(小島英敏君) いままでの分析ですと、卸売り物価の上昇というものが相当時間をおいて消費者物価に反映してくる。過去のモデル計算ですと、一年とかいうような数字もあったのでございますけれども、最近の状況は必ずしもそうではございませんので、消費者物価の構成品目の中で、ウエートから申しまして約半分のものが卸売り物価の構成品目とほぼ一致をしておるわけでございます。そういうことで、昨年の夏場以降卸売り物価が急騰いたしまして、しかもそれが初めの段階ではおもに木材の暴騰だったわけでございますけれども、その次の段階で繊維とか食料とか雑品とかというものの卸売り物価が卸売り物価上昇の八割、九割を占めるというようなことで、これが非常に早く消費者物価に波及してまいりまして、昨年十二月以降消費者物価が非常に上がりましたのは、まさに卸売り物価のそういう上昇が予想よりも非常に早く消費者物価に波及しつつある、現在もなおその状況は続いているということであると思います。
 で、問題は、その卸売り物価の上昇率が、ことしになりましてからとられました金融引き締め政策その他によって、思惑的な投機的な動きというものが、三月までがピークで、四月に入りましてからようやく各種の効果がきき始めて、上中旬と〇・一%ずつ下落するということで、私どもの感じでは、どうやらこれで卸売り物価の上昇が終わって横ばいに入るんではないかと期待したわけでございますけれども、その後、どうもこの四月の下旬以降五月にかけて卸売り物価がまた微騰をする。昨年後半のような暴騰ではございませんけれども、相当根強く上がっているわけでございまして、したがって、これではいかぬということで、現在さらにこの金融引き締めあるいは財政面の調整等、総需要の調整が行なわれつつあるわけでございまして、何はともあれこの卸売り物価をまず安定させるということが当面の物価対策の基本でございます。そうすれば、消費者物価に対する影響というものが多少のタイムラグをもってあらわれてまいるというふうに思うわけでございまして、その意味で、この卸売り物価がもしおさまらない場合には、先ほど来申しておりますように、さらに追加的な財政金融政策というものの引き締め強化が行なわれるということが必要であろうと思います。
 そこで、その消費者物価でございますけれども、多少のタイムラグをもって卸売り物価のあとをくっついていくわけでございますから、まあ上がり方といたしましては、ことしの三月、四月というのが、実は流通過程及び消費者まで含めて一種の先高見越しの買い急ぎが行なわれて非常に暴騰したわけでございまして、五月以降は、上がり方としては三月、四月よりも徐々に下がってまいると思います。ところが問題は、去年の五月、六月、七月あたりというところがほとんど安定いたしておりまして、そのためにことしの五、六、七あたりは、前月に対する上昇率はかなりにぶってまいりましても、前年同月に対する上昇率はやはり少しずつ高まっていく必然性がございます。そこで私ども最近言っておりますのは、対前年同期が少しずつ高くなるからといって、物価情勢がますます悪化しているというふうに一般の人に受け取られますと、これはまた早く買い急ぎしなければいかぬというようなムードが出てまいって非常に困ったことになりますので、正しく情報を伝達して、対前年同期は少しずつ高くなっても、前月比で見て上がり方がだんだん鈍っていくに違いないと私ども思っておりますので、この点をよく消費者の人にも納得してもらって、買い急ぎ的なムードが起きないように努力してまいりたいと思います。そういたしますと、これはまあ八月以降、去年の動きも消費者物価がかなり上昇率が高くなって、十二月以降は相当の勢いで上がっておりますので、本年度の後半になりますと、前年に対する上昇率というものがむしろ下がってまいる時期が参るに違いないというふうに見ているわけでございます。
#135
○宮崎正義君 その卸売りの物価がどんどん上がっていくと財政金融政策をとる以外にないと言われるんですけれども、これはどんなふうな考え方でおやりになろうとするんですか、今後。卸売り物価がどんどん上がっております。具体的に私の調べたものを申し上げてもいいわけですが、モチ米が二八%、生糸が六三%、スフ糸が二九%、ゴムが二八%、こうずっとあります。むしろ局長のほうから答弁していただいたほうが、私がこれを各品種ごとに申し上げるまでもなく、御答弁願ったほうがずっと正確だと思うんですがね。まあ言いついでに申し上げますと、セメントが二七%、銅が二五%、ポリエステル糸が一九%、酸化チタン、それから上質の紙――上質の紙なんかはこれは全く上がりっぱなしになっておりますが、これは一六%、亜鉛が一五%、構造用鋼あるいは硫酸とか、それが八%、棒すず、ガソリンあるいは綿糸が七%上昇している。これが二月以降上昇している。これが現在まだこれより上がってきているという形態になっているわけです。したがって、先ほど御答弁がありました財政金融政策というものによって押えていく以外にない、まかなっていく以外にない。じゃ何回これを繰り返していけばいいのかということになるんですけれども、どうですか。
#136
○政府委員(小島英敏君) 金融引き締めの影響というものが即時的に効果を及ぼすものでございませんで、金融引き締めといいますものは、二つの面で国民総支出に影響いたしますけれども、一つは在庫投資に対する影響でございまして、これは比較的早く、金融が詰まってくれば、流通段階等にたまっておりますものが売りに出されて相場を冷やすという効果がございます。
 それからもう一つは、やや長期的に、長期と申しますか、半年とかその他それ以上の期間を置いて設備投資に影響をしてまいるということでございまして、私どもの感じでは、やはり、この間実は発表されました流通過程の在庫の動きというのが、どうも私どもの思っていたほど多くない数字が出ておりますけれども、なかなかこの在庫統計というのは正確な把握がむずかしゅうございまして、いろいろ耳学問で聞きますと、相当やはり流通過程には在庫があって、倉庫なども満員の状況だということもございますので、やはりこの流通過程の在庫というものはまだまだかなり余裕があるに違いないと思います。これは、ですから金融引き締めを再度行なったことによって、その影響が徐々に出てくると思いますし、もし出てこなければ、さらにもう一段の引き締めをするということであろうと思います。
 それからもう一つは、やはり財政需要に関連した物資が、基本的に供給力と需要とのバランスがやや窮屈になってきて、基調的に値上がりをしているというものもございますので、これは、この間の財政支出の調整効果もございましょうし、時期を見て、先ほどの御答弁にございましたように、必要があれば次年度への繰り越しということも当然考えるべきだと思います。そういうことでやはり調整をしてまいるということでございます。
 それからもう一つ、消費財の原料と申しますか、半製品関係の卸売り物価がかなり上がっておりますのは、これはやはり消費需要が相当強いということも事実でございまして、これに対しては、やはり直接財政とか金融とか、まあ金融面は、先ほどの在庫投資の吐き出しということがきいてまいれば卸売り物価が下がるべきでございますけれども、基礎的にやはり供給力をふやすということが非常に重要でございますので、先日の四月の十三再にきまりました閣僚協の総合物価対策の中におきましても、特に繊維品等を中心に特恵関税の天井をはずしまして、極力やはり後進国からの輸入をふやすという措置がとられておりまして、それでなくても、この間からのレート調整等の結果相当最近輸入がふえておりまして、承認統計などでは前年同期の二倍近くふえておりますし、特に製品輸入が非常にふえておりますので、今後これは、この間とられました特恵関税等の措置がむしろ今後にきいてまいりますから、輸入面では相当やはり相場を冷やす効果がこれから出てまいるというふうに思っております。
#137
○宮崎正義君 最初に、私はこの問題に入っていく前に、総合商社といいますか――これは通産省の人、来ておりますか。牧野官房審議官ですか。総合商社十社を説明していただいて、さらに、一九七二年度の売り上げ高はどれだけあって、それが国民総生産の何%に該当しているのか、さきに新聞等で報道されておりますが、七三年の三月期の決算がどんな上昇になっているのか、それからさらに、それに対する、品種別にどういうものが一番多く占められているのか、そういう五つの問題をまず話していただいて、それからいまの小島局長の答弁に対してまた質問を続けていきます。
#138
○説明員(牧野隆守君) 大手十社――三井物産、三菱商事、丸紅、伊藤忠、住商、日商岩井、トーメン、兼松江商、安宅産業、日綿実業の本年三月末決算でございますが、まず売り上げ高が十四兆四千二百九十八億円でございます。前期比一八・七%の増でございます。それからこの内容でございますが、このうち輸出が二兆五千二百六十九億円、輸入が二兆七千八十三億円でございます。それから経常利益でございますが、九百二十四億円、前期比三百三十六億円の増でございます。なお、純利益が三百十八億円、前期比六十六億円の増と相なっております。
 なお、商品別取り扱いでございますが、非常に申しわけございませんが、ただいま手元に商品別の区分のトータルを持ち合わせておりませんので、後刻報告さしていただきたいと思います。
#139
○宮崎正義君 その商品別のを伺っていかなければならないと思っているんですが、残念ですね。その商品別、個々に品物ごとにぶつかってどんなふうな上昇になっているか、どんなふうな変動をしているかということを究明していかなければ、これは論議が進められないわけなんです。正確に言っていけばそういうことになるわけなんですがね。これをおっしゃられないということになれば困ったな。
#140
○説明員(牧野隆守君) 私どものほうで、具体的にたとえば綿糸が幾らだとか、あるいは鋼材の取り扱い量が幾らというような資料は現在のところ持ち合わせておりません。各社の期別の決算報告書は非常に大きな産業分類で行なわれております。たとえば、鉄鋼関係全体、あるいは建設部門、あるいは繊維部門、食糧部門、あるいは木材部門と、こういうように分かれておりまして、個々の商品問題になりますと、現在のところ、各社別の取り扱い数量を把握する手段はございません。
#141
○宮崎正義君 それはわかります。じゃ、その繊維だけはどれだけかということは各社別にわかりますか。
#142
○説明員(牧野隆守君) 繊維全般として各社決算報告書で出しておりますので、御報告できると思っております。
#143
○宮崎正義君 いまお持ちになってないわけですね。
#144
○説明員(牧野隆守君) ただいま持ち合わせておりません。
#145
○宮崎正義君 それじゃ、それはけっこうです。あとで、項目的でもいいです、鉄鋼とか繊維とか、そういうふうな大まかなものでけっこうですから出していただきたいと思います。きょうの質疑にならないということになっただけです。そこで、私は、その商品投機の問題から買い占め問題、そういうことから論を進めていきたいと思ったんですが、その資料の点がありませんので、これはまた違う角度で、また違うときに質問をするということにして、それじゃ別な問題をお伺いいたしましょう。
 長官、六月一日から名古屋、札幌、福岡の市内の電話が広域時分制になりまして、三分ごとに七円ということになってきているんですけれども、東京ではもうすでに二月から始めているわけです。それから、いま言われておりますが、都内のふろ代がおとなが四十八円から五十五円と、これは東京都がなれば全国一律に高くなるという見込みをされております。コーヒーも豆の不作によって値上げが必至とされております。よく新聞なんかの報道でありますように、これはうっかりコーヒーも飲めない、またデートするのにもなかなかお金がかかってくるなんていう、そういうふうなことまでいわれているような状態になってきております。こういうわれわれの放すことのできない、ちょっと疲れたから飲もうというコーヒーも値上がりをしていく。そうかと思いますと、首都圏のバス代が早ければ今月中に値上がりをするんじゃないかともいわれております。こういうふうに取り上げてきますと、もうたいへんなものなんです。お酒もそうだし、先ほど電力の話も前川委員のほうからございましたけれども、四国電力、関西電力の料金値上げ、四国電力のほうは、十九日ですから、もうすでにきょう申請をするといわれております。関西電力では二十日に値上げを申請するといわれております。大体両者で二〇%以上値上げになるだろうということでありますが、関西電力は平均二人%、産業用電力は約三七%で家庭用は一六%という、そういうふうな値上げの申請をするというように報じられておりますし、大阪ではまたガスの料金の値上げをするという。こういうようなことがずうっと波及をしてきてまいります。こういう現実のいまのこの物価態勢、物価値上げの実情というものを、どう手を打ったらば一番早く国民が納得して、経済企画庁に一切をまかしていることがああ安心できたと言えるような対策というものを――ややっこしい理論よりも現実のこの問題をどう解決するんだということを何よりも国民は望んでいるわけなんですが、こういう点についてお考えを一言承っておきたいと思うんですが。
#146
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府といたしましては、物価対策として、何といっても常道を考えまして、財政支出を切り詰めること、それから金融を引き締めること、これが二つの大きな常道であると考えておるわけでございまして、さらに、それに過剰流動性対策としましての手をさらに交互に打つ、あるいは輸入品で安いものがあればこれを輸入して、並行輸入というような制度を活用していく。あるいは特恵関税のワクにこだわらないでさらに輸入をふやしていくというような、いろいろな施策を講じておるわけでございますけれども、全体といたしまして、一言で言うて経済が過熱ぎみのような状態でございます。あるいは政治経済の全体の活動をもう少し冷やしていく必要があろうかと思います。求人求職の関係にいたしましても、求人倍率が一・六七というこの制度始まって以来のたいへんな高率でございます。まあ、せいぜい求人求職が見合う程度、一ぐらいのところまで持っていってもよろしいんじゃないか。あるいはデパートの売り上げが前年に対して三割もふえておる、これも新記録でございますので、これも平年度並みに持っていく。さようないろいろな点で全体の需要を引き締める、そして供給をこれに合わしていくということが常道であろうと考えまして、その施策を講じておりますようなわけでございます。一方、消費者の態度といたしましても、あまりむだな物を買っていただかぬように、あるいは買い急ぎをしてそのために物価がつり上がるというようなことをしないようにしていただく。そのためには、物価に関する情報をいろいろ提供する、あるいは消費者団体あるいはテレフォンサービスというようなものを通じて消費者の皆さん方に賢明な買いものをしていただくようなことを御協力願いたい、こう思っておるわけでございます。
#147
○宮崎正義君 そのお考えのように進めてきてどの程度の成果があったか。テレフォンサービスとか需要を押えていく、消費者には、呼びかけて購買力を落としていくとかいうようなことをどの程度実績をおあげになったか、局長のほうからでもけっこうですが、具体的に一つの品物をあげてみてお話を願いたいと思います。
#148
○政府委員(小島英敏君) 個々の品物について事例を申し上げる材料がございませんけれども、私ども、四月の上中旬に卸売り物価がわずかではございましたけれども反落いたしました原因は、いわゆる思惑的な商品がその時期に相当大幅に反落したということに原因があるわけでございまして、これは全く、本年初めからとられました過剰流動性対策としての金融措置と、それから各省が行ないました行政指導、政府在庫の放出とか緊急輸入の促進とか、それと、現在本院に御審議をお願いしております思惑防止のための法律、これは法律はまだ施行されておりませんけれども、そういう法律が国会に上程されたということが、やはりそういうムードに対して相当水をかけたことは事実であろうと思います。ですから、一連のそういう措置が四月の上旬の卸売り物価の鎮静には相当効果があったというふうに思います。それからもう一つは、テレフォンサービスその他はごく最近始めました農林省の措置でございますので、この効果は、まだ現段階ではこれこれということを申すのは時期が早いわけでございますけれども、一般的に最近行なっております消費者に対する情報伝達というものが、四月以降の消費者段階、小売り段階における買い急ぎ傾向に対してかなりの効果を及ぼしつつあるということは言えると思います。
#149
○宮崎正義君 過剰流動性を取り入れて、そしてその関税なんかもかげんするとか、あるいは輸入の問題では関税関係等も考えるとか、輸入品を入れるからだいぶコストが安くなってきたとか言いますけれども、先ほどもちょっと話が出ましたんですけれども、肉なんかはコンテナヤードの中で腐っているという、二面にはこういうふうな実態がある。肉が高くて買えない買えないと言っている半面に、肉を腐らしている。これなんかえらい問題だと思う。わざわざこれは政府が国内相場を冷やすために、今年度の上半期に、輸入のワクを前年同期より二万三千トンの三倍の七万トンにふやしたわけですね。そしてやったのはよろしいけれども、いま申し上げたような結果になっている。
 農林省の人、来ておりますか。どうなんですか、こういう問題は。農林省では、昨年平均三千トンから六千トンぐらいで押えておったのが、ことし三月末から関税免税の処置がとられて、で、今月末まで延期をしていったということ、そしてその輸入量も相当上げてきたということなんですね。これに対する考え方、コンテナヤードの中で肉がどんどん腐敗していくんじゃないかという心配をされている。それに、肉を入れていく冷凍冷蔵庫等の建設が非常におくれている。予定では九十万立方メートルですか、それぐらいやらなければならないという計画を立てておっても、今年度はまだいまだに二十万立方メートルですか、それぐらいしか事実上倉庫は建っていないということなんですがね。これは、国民がこれ聞いたら、一部もう報道もされておりますし、こういうふうなことが、物価上昇、物価上昇という半面においてなされているということはまことに心外なんです。何と言っていいか、ことばがございません。この点について、農林大臣にこれは厳重に言わなければならないことなんですけれども、これはいま農林省の人が答弁なさいますので、企画庁長官もひとつよくお聞き願いたいと思うんです。
#150
○説明員(下浦静平君) お答え申し上げます。
 牛肉につきましては、昨年秋ごろから非常に強い需要にささえられまして、価格がかなり上昇してまいりました。昨年度の下半期におきましても、三万八千五百トン程度の実は外貨割り当てをやったわけでございますが、ただいま申し上げましたような状況にかんがみまして、本年度の上半期には、お話のございましたように、昨年度の上半期の三倍強の七万トンの外貨下り当てをしたところでございます。その結果、かなり昨今では大衆向けの肉につきましては、若干でございますけれども値下がりを始めてきておるというような状況でございます。
 こういう中にございまして、ただいま御指摘のありました冷蔵庫の問題が実は起こっておるわけでございます。先ほどお答えいたしましたように、昨年の三倍強の輸入割り当てということでございますので、当然月々の輸入量はふえてまいっております。従来は、大体在庫量といたしましては一万トンないし一万五千トン程度の在庫量でございましたけれども、五月末には二方二千トン程度の在庫量ということになっております。私ども輸入量の大幅な増加ということを考えましたときに、冷蔵庫の能力等も当然考えましたわけでございますが、本年上期に完成予定の冷蔵庫が、セメントの不足等の事情によりまして、二カ月あるいは三カ月程度の完成のおくれが出ておるということでございます。したがいまして、これはほかに冷凍食品あるいは水産物等の輸入量も増加をしておるというふうな事実もございますけれども、港湾におきますところの冷蔵庫のスペースが不足をしてまいった。その結果、通関に要する期間がおくれるというような支障が生じておるわけでございます。このため、応急の措置といたしまして、従来はコンテナヤードから保税倉庫に移しまして――これは冷蔵庫でございますが、そこで通関業務が行なわれるというのが原則でございますけれども、関係方面といろいろお話をいたしました結果、コンテナのままで通関をし、あるいは動物検疫をするというようなことを認めるようにいたした次第でございます。これによりまして、かなり荷さばきと申しますか、その面では促進をされるのではないかと存じております。それから荷主に対しまして、現在入っておりますもの、これをできるだけ早く出庫をするように実は行政指導をしたいというぐあいに考えておりまして、関係の商社あるいは加工業者等につきましても、そのような指導をいたすつもりでおります。
 なお、基本的には、先生御指摘のとおり、冷蔵庫の新設の問題があるわけでございますので、日本冷凍事業協会のほうにいろいろ新設の予定等につきまして聞き取りをやったわけでございますけれども、その結果では、六、七月に京浜あるいは阪神、それぞれの地区におきまして合計五方トン程度の能力の倉庫が完成するということでございますので、この面からもかなりの程度改善されるのではないかと存じております。
#151
○宮崎正義君 一万五千トンぐらいの在庫量しか入れられないというのは、これは一月から四月は昨年の九倍ぐらいになるわけですね。これが今度一万五千トンずつが毎月入ってくる、それはどうするのですか。
 それからもう一つは、豚についてどんなふうな状態なんですか。
#152
○説明員(下浦静平君) 先ほど一万五千トンないし二万トンと申し上げましたのは、通常の在庫の数量でございます。失礼いたしました。一万トンないし一万五千トンです。これが通常の在庫量でございます。それが現在では二万二千トン程度に増加しておるということでございます。
 そこで、最近の牛肉の輸入状況でございますけれども……。
#153
○宮崎正義君 豚……。
#154
○説明員(下浦静平君) その前に牛肉でございますが、これは上期七万トンでございますので、それを月々平均に入ってくるというぐあいにいたしますと、一万二千トン程度のものになるわけでございますが、若干到着がおくれておりまして、まあそのズレによりまして、ここのところおおむね六千トンないし七千トン程度の輸入ということになっておりまして、まあ六月におきましてもおおむねその程度のものになるのではなかろうかというぐあいに見込んでおります。
 それから、なお豚肉でございますが、これが先ほども冒頭にお話がございましたとおり、三月の三日からでございますか、関税の減免措置をとったわけでございますが、その関係もございまして、現在これは四月までしか出ておりませんが、一万四千九百八十トン程度の豚肉が四月に到着をいたしております。そういう関係もございまして、現在豚肉の在庫量というのがかなり実はふえておるわけでございまして、豚肉だけで四万五千トン程度の在庫ということになっておりますが、これはおおむね加工用でございますので、加工業者その他につきましても、加工の促進方、すなわち出庫の促進ということになるわけでございますが、そのような指導をいたしたいと、こういうぐあいに考えております。
#155
○宮崎正義君 長官、お聞きのように、九十万立方メートルの建物を建てるのに、二十万立方メートルしかできてないわけです。それは何によるかといいますと、いまお話がありましたように、セメントだとか、鋼材だとか、そういうものの品不足――先ほど私、商社の内容を示してほしいというのは、こういう品種別のこまかいものがどの程度の在庫があるのか。先ほど小島局長のほうも、在庫のことはあんまりつかめていないと、こういう答弁がありました。さらにまた、肉のことについては、先ほどの前川委員の御答弁には、まだ計画を立てていない、勉強してこれから検討するんだということなんでございますが、こうした、うちを建てたいにしても資材難であるとか、商社の中にどれだけの在庫があるとかというようなことを、どのような調査を――通産省がやるんでありましょうけれども、これが結局物価に大きくはね返ってくるというわけになると私は思うんです。こういう点をずうっと申し上げまして、いまの現在輸入をしている牛肉と豚肉のこと、二つのこと――一つのことだけ取り上げましても、この輸入問題というものがうまくいけば安い品物も入ってくるという考え方というものを、一つのものだけ取り上げても、そういう突き当たり、ある一つの壁のものが出てきておるわけです。こういう点等を踏んまえて、どういうふうに通産省との関係性というものをはっきりさせていくか、今後の課題だと思うんですがね、この点はどうなんですか。
#156
○国務大臣(小坂善太郎君) 通産省におかれましても、非常に行政指導をやっていただいておるわけでございますが、そこにやはりおのずから限界がございますわけで、今度本院で御審議をいただいておりまする売り惜しみ買いだめの規制法案、あれを通していただきますると、やはり行政指導でかなわぬ点、すなわち資料を提出させ、聞かなければ、疑わしい場合には立ち入り調査もできるという点がございますので、この点はよほど改善されていくと思うのでございます。
 さらに、この物価局ができますると、物価担当官というのができまして、それで物価局ができると物価に対して専門的にこれをフォローするわけでございますが、さらに買いだめ売り惜しみの法案に関連しまして物価調査官というものができまして、これは通産、農林それぞれから担当官が出てくるわけでございまして、そういう方々の活躍によりまして、よほどいまの隘路というものは修正されていくというふうに期待をいたしておるわけでございまして、この物価局を新設することによりまして、いまの物価調査官等の活動もさらに円滑にいくように心得ておる次第でございます。
 いまの牛肉の輸入の問題に関しましては、六カ月間にいままでの三倍にするということでございますので、そこの点でまあ倉庫の問題等にヒッチがございますので、これは私どものほうといたしましても、極力これが早く完成いたしますように十分注意をいたしたいと考えております。
#157
○宮崎正義君 結局、農林省にしてもですね、計画を立てたものが、非常にいいと思っておやりになったことが、その品物を入れるものを考えていたんでしょうけれども、現実においてはそれがなされなかったという結果になってきているわけですがね。まあいま御答弁がありましたように、今後はそういうふうな各省間の調整というものはやっていくから心配ないと、こう理解してよろしゅうございますね。
#158
○国務大臣(小坂善太郎君) 現状よりよほど改善されてくると考えております。
#159
○宮崎正義君 よほど改善されてくるということですから、全面的じゃないということでありましょうけれども。たとえば今回の政策の中に、主要消費財の流通費用、流通担当企業の金融化の実態とか、消費者購買態度等の調査及び流通統計の整備だとか、あるいは物価対策効果の追跡とか、市価追跡及び輸入品価格の追跡調査というふうに、この総合物価対策追跡調査費というものが設けられておりますね。それから流通問題対策調査費というものも千八百五十九万円ですか、それから総合物価対策追跡調査費というのが二千五百三十六万三千円ですか、それらの計上されておりますこの事業というものをどんなふうにやっていくのか。まず一つには、二つ一ぺんにというわけにまいりませんので、総合物価対策追跡調査費といろこの内容をどんなふうに具体的にやっていかれようとするのか、説明を願いたいと思います。
#160
○政府委員(小島英敏君) これは昨年から継続しておりますけれども、特にレートの調整に伴って輸入価格が下がっておりますにもかかわらず、なかなか末端の消費者価格に反映しないという実情にかんがみまして、輸入品の各段階別に追跡調査をしようというための費用でございまして、これは企画庁でもいたしますし、通産省、農林省でもいたしますが、企画庁としては、たしか二十数品目だと思いますけれども、追跡調査をいたすということでございます。いままでも、昨年の予算に伴って実施してまいりました結果等によりましても、まあレート調整の効果が一つございますし、同時に、非常に大きくききましたのが、昨年十月に行なわれました、総代理店を使って輸入しておりました品目に対して並行輸入を認めるという新しい政策が打ち出されまして、この効果がかみ合い、さらに関税引き下げの効果もございますし、それらの総合的な効果として一番やはり顕著なものは、たとえばウイスキーなどというものが、ジョニ黒が、一時九千円から一万円ぐらいしておりましたのが現在六千円台ぐらいに下がっておりますし、ジョニ赤も、五千円ぐらいいたしておりましたのが現在二千円台に下がっておるとか、やはり輸入ウイスキーなどというのが一番顕著に――これは一番大きな効果は並行輸入の影響だと思いますけれども、一番顕著な例でございます。そのほかにも、高級時計とか、あるいはゴルフクラブとか、あるいは紅茶のバッグとかいうようなものがかなり顕著に下がってきておりまして、これは一部の批判によりますと、結局この輸入品の高級品だけに対しては確かに効果があるけれども、一般の庶民の買いものには影響ないじゃないかという御批判もございますけれども、これはやはり高級輸入品が下がります場合には、それと競争関係にございます国内産の高級品が当然値上げが押えられることになります。高級ウイスキーが下がれば、国産の高級ウイスキーもなかなか従来の価格を維持することがむずかしくなるということがございます。そういたしますと、国内ものについて、やはり高級品と中級品、大衆品というものの価格体系というものがございまして、上のほうが押えられますと、どうしてもやはり中級品以下に対しても影響して、なかなかすぐに値下げというところまでまいりませんでも、値上げしたいのが値上げできないという形で押えられるという効果がだんだん波及してまいるわけでございまして、そういう意味では、やはり輸入品の追跡調査をして、特に一つの問題は、中間でうまみが吸収されてしまって、消費者に波及しないという面がございますので、これを通産省、農林省等の調査と同時に行政指導をやっていただいて、波打ちぎわの価格引き下げができるだけ末端価格に波及するように指導してもらっている段階でございます。
#161
○宮崎正義君 いろいろ問題がやっぱりこれにもあるようでございますね。途中でゴルフ用具なんかはもう一人の人が買い占めて、日本の価格で売ってしまったとかというようなこと等も問題なんかがあるようでございます。いずれにしましても、レートの調整をするということで、乗りかかっているわけでありましょうけれども、これだけの費用で大体何ができるのかなというふうに私は危ぶんでいるわけですが、流通問題対策調査費にしましても、たとえば繊維の原料を輸入したとしても、この繊維の原料を商社が輸入したと、その輸入をしたものがどんなふうな経路をたどって、そして製品化したものがわれわれの手元に入ってくるのかという、通産省の方、このいま私が質問しております、繊維原料が商社に入って、で、その商社から紡績工場に行きます、そのずっとルートがあるわけですがね、この御説明願えますか。
#162
○説明員(荒尾保一君) 繊維原料から製品に至るまでのルートでございますが、ごく概略を申し上げますと、先生御指摘のとおり、海外から原料を輸入しておりますのは、これは大部分商社でございます。従来でございますと、これは紡績からの品質及び値段についての指示を受けた上で商社が輸入をするわけでございます。これを、輸入いたしましたものは糸の紡績メーカーに渡ります。そのあと今度は国内の段階になるわけでございますが、国内におきましては、総合商社がこの糸を第一問屋として扱う場合、それから専門の糸商といわれております方々がこれを扱う場合と、このケースがございます。さらに、これはものによりましては第二問屋というところを経まして、通称機屋さんといわれておりますが、織物を織るメーカーに渡るわけでございます。その後、染色その他加工の段階を経るわけでございますが、この織物がやはり織物問屋さんを通じまして、卸、それから小売りの段階に渡っていく、こういうルートだというふうに承知をいたしております。
#163
○宮崎正義君 もっと複雑ですよ、私の調べたのによりますとね。確かにその面は通っていくわけです。それは縦です。縦のルートからいけばそういうことになります。糸は糸で、また糸段階というのがございます。織物段階というのは別にずっと横にあります。いずれにしましても、商社に全部、輸入したその商社に全部還元されて、そして小売りになっていくという形態になっているわけですね。商社から紡績工場に行って、それからまた商社に戻ってきて、今度は仲介業者に行って、それから織物工場に行って、商社に戻ってきて、捺染工場に行って、商社に戻ってきて、商社から問屋に行く、そして縫製工場に行って、また商社に戻ってきて、小売り市場のほうに出ていくという経路になる。これが縦のそれぞれの段階で運賃なんかは全部換算されてくるわけです。経費――諸経費だとか、事務経費だとか一切が、このいまの歩いているルートの中の歩みの路程の中にそういうものがどんどん含まれて高くなってきているわけです。それから先ほど言いましたように、糸の段階、織物の段階では、今度は商社の本支店間の問題もございますし、それから商社と今度は問屋間の品物の転売の連鎖化運動というものがこれまた行なわれてこなければならないわけです。こうした中で、今度は商社の第二次加工工場の問屋に対する、独占的な、何というのですか、支配が強くなってくるというようなことになるというふうなルートをずっと通っていって、今日のわれわれの衣服が着られているわけですけれども、先ほど小鳥局長は、並行して、こういう行き方というものと、ややこしいルートを通らないでやっていくという形態をとってきたというんですが、いま私が申し上げましたこの件で、結論的にいえば、輸入をする相場、下請、在庫、販売、全部この全過程を支配していくのは、資金能力を持っていれば全部これができるという形態になってくるわけですね。こういうふうな過程を通ってきて、これを今度の組織形態で、通産省と連絡をとりながら経企庁も今度の予算で流通問題対策調査費というのを立てた、あるいはその総合物価対策追跡調査費というものも立てたというんですが、この追跡なんというのは、これは容易なことじゃないと思うんですがね。これ、どうなんですか、どんなふうにお考えになっていますかね、こういう複雑なのを。
#164
○政府委員(小島英敏君) 確かにこの繊維などは一番複雑なケースだろうと思います。で、いまおっしゃるように、商社から紡績へ行って、また商社へ戻って、それからまた機屋へ行って、また戻るというような、おそらく所有権の移転という形ではそうなるケースもあると思うんですけれども、実際の物がそのとおり動いているということではないんではないかというふうに思います。したがいまして、流通費用としてはそのとおりに加重されていくということではないんではないかと思います。
 まあそれはそれといたしまして、おっしゃるように、非常に日本の流通機構というものが複雑で、なかなか生産者段階の売り渡す価格に比べて、消費者が実際に受け取るときの価格というものが、二倍とか、ものによっては三倍にもなっているという状態があるわけでございまして、その意味から、やはり流通過程の合理化というものが日本の長期的な物価対策の中で非常に重要であるということは私どもも十分認識しておる次第でございまして、先ほどお話に出ました、毎年の物価関係対策予算というものを、ごらんいただきましても、流通関係の物的流通の合理化というものに相当大きなお金が最近は出ておりまして、本年度予算あたりでも、三〇数%、四割近い伸びを示しております。まだしかし、絶対額が十分であるとは思いません。いままで非常にこの対策がおくれていた面がございますので、これは今後とも大幅に拡充してまいるというつもりでございます。同時に、やはり不合理な点を見つける前提が各種の調査であると思います。実際にこの対策を進めるのは各省の責任でございますけれども、私どもといたしましては、やはりなかなかおっしゃるようにむずかしい点はございますけれども、詳細な調査をできるだけやはり積み上げていくということがきわめて必要だと思っております。
 いまおっしゃいました流通問題対策調査費でございますけれども、この間も新聞発表いたしましたが、消費財の五品目について流通コスト等の調査をいたしてみますと、新聞にも出ておりましたが、たとえば食用油でございましたか、一般にスーパーというものは大量にメーカーから買うわけでございますから、ボリュームディスカウントといいますか、小売り店が小口で買うよりも、スーパーがまとめて買えば当然安く買えるはずでございます。そこがまたこのスーパー等を通ずる流通の一つの合理性を発揮すべきところなんでございますけれども、昔は確かにスーパーの発祥時においてはそういうことが一般的でございましたのが、どうもこの間の調査なんかによりますと、だんだんやはりそうでなくなってきて、油なんかについては、むしろ普通の小売り店が買うよりも高く買っているというようなケースも出てきております。こういうようなこまかい点をやはり摘出していって問題点を世間に投げかける、直接それに対して行政が関与してどうこうとする権限はございませんけれども、やはりそういう問題点を洗い出していって、合理化のための契機にするということが非常に重要であろうと思います。それからまた、企画庁は直接いたしませんけれども、流通を担当いたします通産省、農林省等が具体的に行政指導をいたします場合に、そういう問題点というものが十分役に立っていくだろうというふうに思っているわけでございます。
#165
○宮崎正義君 いま私の申し上げました一つの繊維の原料等も、今度商社間で協力していくようになってきますと、通常過程が、容易に商品などの滞留といいますか、売り惜しみといいますか、価格の操作の面で、非常に操作過程にも転嫁していくという段階も見受けられるわけです。ですから、こういうふうな過程全体をとらえてずっと見ていくならば、非常にむずかしい問題が出てくると思うのは、これは当然なことであります。いま例を引かれて、小さい部分的な商品を取り上げて、でき上がった製品を追っかけて見られたからよくわかるわけで、これは原料で入ってくるものと、商品で製品化したものと、追跡のしかたも非常に困難なものと安易なものとがあるわけですね。ですから、いまおっしゃられたのは、安易な方法の追跡調査をされたという実績、これは実績は私は多といたしますけれども、こういう商社の、投機的であるかないかは別としても、この今日までの商社のやってきた輸入形態という、原料形態の内容を深く探って追跡をしていかなければならないということを私は強く思うわけです。通産省の人もおりますけれども、その点の通産省の考え方等もひとつはっきり聞かしておいていただきたいと思います。
#166
○説明員(荒尾保一君) 確かに、先ほど私御答弁申し上げましたのは、非常に簡略化して御説明を申し上げたわけでございますが、最近、先生から御指摘のございましたような、いわゆる系列化と申しますか、原料を供給し、かつその製品の販売まで持つというような形での系列化の比率が上がっているということも聞いておるわけでございます。したがいまして、そうしたものが非常に合理的な範囲で行なわれる限りにおいては、価格なりあるいは需給の安定ということに役立つかと思いますが、不必要にそうした段階が重ねられるということになりますと、流通経費あるいはマージンの二重、三重の付加というふうな形になって物価面からいろいろ問題があろうかと思います。そうした面につきましては、御指摘のとおり、十分今後調査をし、さらにそれについて必要な指導を行なう必要があるというふうに存ずる次第でございます。
#167
○宮崎正義君 私は二つ、三つ押えているのがあるのです。あるのですよ。ですが、申し上げません。いろいろこの前も問題があって、係争中のところもあるぐらいですから、あえてこの問題をいま引っぱり出してとやかく申し上げたくありません。ですから申し上げませんけれども、系列的なものが、先ほど申し上げましたように、お互いが協力し、話し合いの上でやっていくということも相当考えられることである。また系列化されないものにもこれはまたそのよさがあるわけです。たとえばストップウォッチならストップウォッチをスイスから直輸入してくる。それで、そのものを日本ではそのメーカーが、その第一代理店、第二代理店、問屋、またその下の問屋、小売りと、こういうふうな形態になって、そのメーカーから出ている第一代理店、第二代理店――第二代理店で品物は押えておいて、第一代理店だけはすうっと通過するだけである。ただ名前だけで、もらうものはもらっているという形になる。それで普通の小売り商は、小売りの人たちが品物を求める場合どこへ行くかといえば、第二代理店のほうへ行けば品物がある。そのお金は幾らかといって、もうこれは管理価格の形態で、再販売価格のような形で押えているというものが、国内では、国内製品としては流れていく。一方では、スイスから輸入したもの、その国内価格で販売が、小売り店で売れるという形態もあるわけです。それらの状態等も私は幾つか知っております。したがいまして、こういうふうなことを申し上げて、通産省のほうでも追跡調査ということはこれは厳重にしていかなければなりませんし、また、今度はせっかく予算措置をして、そうしてその追跡調査をしていくのだと、こう銘打っている以上は、今日までの商社の形態というものも、製品ばかりではなくて、原料関係についても追及をしていかなければいけないのじゃないかという考えで申し上げているわけですから、大臣のお考えをひとつ伺っておきたいと思います。
#168
○国務大臣(小坂善太郎君) 商社というものは、これは総合商社でございまして、こういう形態は日本の独自の形態であると考えております。これは原料の資源に乏しく、これに付加価値をつけたものを輸出する、そのことによって国の営みを立てておるわが国としては、独得の形態ながら、非常にその意味でもって価値のある形態であると考えておるわけでございますが、今回のような、巨大な情報力と資金力にものを言わせまして一種の寡占価格のようなものを形成して、その間に巨利を博するというようなことがよくないことは、世のきびしい指弾にあって明白であるわけでございます。その間の倫理綱領、行動の基準等も自主的にいろいろ考えて決定をしておるわけなんでございまして、通産省とされてもいろいろ行政指導をそうした多角的な面から今後も行なうというふうに伺っておる次第でございますが、ただいまの御指摘のような点もいろいろ問題があるわけでございますが、そういう点は逐次改善をいたすように私どもとしても鋭意努力をしたいと思っておる次第でございます。
#169
○宮崎正義君 商品取引所等のことを考えていきましても、投機利潤の取得の場になっているんじゃないかとも思うわけですがね。と申し上げますのは、価格の標準化だとか、価格の変動などの危険回避だとか、さらに資本の移動という役割りを持っていく、商品の現場取引を全く伴わないで、価格の差の利益のみを追求する投機的な生産資金が大量に今度は流れ込んでくるような形態になっているというようなことになってきますと、価格上昇の場に、この商品取引所が投機利潤の取得の場に転化していくんじゃないかと、こういうふうなことも考えられるわけなんですがね。もう一つには、この商品取引所が、現在の株式市場と同様に、売買が倍に、今日の実態の状態を見ますと、倍にもなっているように思うわけですね。こういうふうな面について、この商品取引所というものに対する考え方といいますか、あり方といいますか、この点を念のために伺っておきたいと思うんですがね。
#170
○説明員(荒尾保一君) 商品取引所における売買でございますが、御指摘のように、商品取引所におきましては現物の売買が行なわれるわけではないわけでございます。先高あるいは先安という見込みをもとにいたしまして、商いと思えば買う、安いと思えば売る、そこでその差金による決済が行なわれる、これが法律上認められております制度でございますので、まあ投機ということばの使い方にもよるかと思いますが、そういう意味では、投機資金がある程度そこに流れ込むということはあり得るわけでございます。ただ、ただいま御指摘もございましたように、そうした外部資金に上る過当な投機が行なわれるということになりますと、価格を異常に上昇させるという弊害がございます。そこで、昨年の後半以来でございますが、商品取引所における価格の異常な上昇を防止するという意味から、臨時増し証拠金を大幅にかける、丸代金相当額を臨時増し証拠金としてかけるとか、あるいは建て玉について制限を行ないますとかいうような措置をとりまして、また毛糸等につきましては、価格の異常な高騰は好ましくないという見地から、立ち会いを一時停止したということでございます。さらに、先ほど来御説明がございますような金融の引き締めその他の措置によりまして、四月以降、価格は転落をいたしたわけでございますが、最近におきまして、国際的な原料の高騰等を背景といたしまして、若干ながら投機が、といいますか、高騰が目立っておる状況にございます。そこで、私どもといたしましては、各取引所に対しまして外部資金が過度に流入することがないかどうかというのを、常に委託者の状況等把握して、これを調査をし、もしそうした事実が認められた場合には、外部資金排除のためのあらゆる措置を機動的にとる必要があるということで注意を促しておるわけでございますが、先ほど来御説明しておりますような本年初頭以降講じましたような強力な措置を、もしそうした事態が生じました場合にはすぐにとるように措置を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
#171
○宮崎正義君 新日本経済で商社の介入は少なくとも五〇%ぐらいになっておるということなんですがね。大体さっき私はお話ししましたけれども、商品取引所の、現在株式市場と同じように、倍、その激増されているような状態のことについては説明がなかった、回答がなかったんですがね。それとあわせて、いま申し上げた商社の介入というものは少なくとも五〇%ということを私は聞いているんですがね。
#172
○説明員(荒尾保一君) 答弁の漏れがございまして、失礼いたしました。
 売買の状況でございますが、これも一例として、たとえば毛糸の例を申し上げますと、昨年末におきましては、一日の売買高が大体七万枚程度、最高のときは七万枚程度あったわけでございます。それが昨日の状況では、九百枚程度ということで、一%程度まで落ちておりまして、先ほど申し上げましたいろいろな諸規制が現在まだ継続中でございますので、いまの状況におきましては、先生御指摘のように、正常時の二倍以上も売買が行なわれておるという状況にはないわけでございます。これは非常に強力な規制措置を講じておりますために、現在のところ、そうした事実はないというように承知をしておるわけでございます。
 それから、その中で商社がどのくらいのウエートを占めておるかという点でございますが、これは昨年末からことしの初めにかけまして、非常に資金が多量に入りました時期におきまして私どもが調査したところでは、先生御指摘ございましたように、五〇%というような非常に大きな額にはなっておりません。もちろん、商社はどうしてもヘッジの場として利用する傾向がございますので相当、量としては多いのでございますけれども、五〇%というような量には達していないわけでございます。
 それからもう一つ、商社ということばの中に、定義づければ定義づけられるわけでございますが、専門の糸商というふうな方、繊維でいえば糸商があるわけでございますが、こうした方々も含めますと、先生御指摘のように五〇%近くになろうかと思いますが、総合商社だけを商社としてとらえますれば、五〇%にははるかに及ばないという状況でございます。
#173
○宮崎正義君 商社は、俗にいう玉締め、つまり現物を持って売り値をつり上げていくともよく聞くのですけれども、生糸の取引員ですね、仲買人。非常にいま強気だと言うのです。そして、いまのお話だとだいぶダウンしているようでありますが、非常に強気だというふうな、買いの強気を示している。その背後には、やはり大手の商社がついているのじゃないか、こういうようにいわれているのですがね。この点どうなんですか。
#174
○政府委員(池田正範君) 生糸でございますから、農林省のほうから御説明いたします。
 生糸につきましては、この春かなり暴騰いたしまして、一時最高価格でキロ当たり一万五千円までまいったわけでございます。これは三月八日でございますが、一万四千九百九十五円というところまでいったわけです。で、全体としてこれがあまり高くなり過ぎますと、これをもとに糸をつむぎますこの値段がまた上がってまいりまして、波及効果がどんどん末端製品に及ぶという形もございましたので、これは一時立ち会いの停止をいたしまして、そうして一定期間冷却期間を置くことによって全体の値段を冷やす、さらにその後も規制強化は、これは大体通産省のほうとほぼ行政指導を連携してやっておりまして、建て玉の規制とか、あるいは値幅制限、あるいは臨時増し証拠金を増徴するとかいったような、いろいろな手段を組み合わせて現在までやってきておるわけでございます。ところが、たまたま中国の生糸、これが日本における需給緩和のための唯一の輸入ソースであることは御承知のとおりでございますが、これがなかなか思ったほどの成約状況が、この春の広州の交易会において見られなかった。その後における北京商談においても思うとおりに進んでいないというような情報が一つございますし、また、従来から入っておりました韓国の生糸につきましても、あまり大きく輸入ソースとして認められない。さらにこの春の繭でございますが、これが例の霜の害によりまして、若干当初の見込みを下回るということで、繭の収繭量の予測も、先般の農林省の統計によりましても、対前年で一%前後しかふえないということでございます。
 ただ、ここで一つ問題になりますのは、これは必需品というところまで必ずしもまいりません製品が、そこで上がり過ぎますと、当然そこで毛糸その他の、あるいは化学繊維といったものとの競合関係が出てまいります。そこでこれを引き取って糸につむぎ、さらに反物を織るという段階までいきますというと、当然その段階での自生地なり何なりの需要というものが繭の糸の需要の価格に影響してくるわけでございますが、これは先般までは比較的需要不振という形で在庫がかなり多かった、そのために繭はわりあいに対前年から比べて、ある。それから白生地が比較的ある。そうしてまん中に入っておる生糸だけが非常に強くはやされたという、非常に異常な形でございましたので、これは明らかにスペキュレーションの対象ということで、私どもといたしましては、現在とれは非常に異常な形でございますけれども、一応一万五千円程度の一俵当たりの値段というものを行政指導の上限価格の中に含みとしておきまして、そして、この生糸が異常に上がってまいりますれば、いつでも立ち会い停止というところまで持っていくことによって異常なスペキュレーションを食い止めるという姿勢を、これは横浜及び神戸の両生糸取引所に対しまして常に指示をいたしておるわけでございます。ただ、最近やや生地に対する需要というものが、従来から見ますというと、強くなってきた。それは、いま申し上げましたような新しい繭の生産状況というものが明らかになってきた。それから海外の状況がどうも思ったほど伸びないといったようなこと、それから全体としての需要というものがなかなか強い、そういうようなことを含みにして、ここ一週間、十日あたり見ますというと、だんだんに伸びてまいりまして、きのうあたりは一万四千七百円で、もう少しで八百円に達する。いわば、私どもが危険ラインと考えておりますラインに刻々近づいてきておりますので、そこで、私どもといたしましては、もしその中にスペキュレーターの価格操作による分が入っておるとすれば、これは非常に問題であるということで、一両日来から検査官を派遣いたしまして、大口で売買をしておるたて糸につきまして、実は至急に調査を現在いたしております。これらの検査結果を待ちまして、もし異常な状態というものが発見できますれば、さらにきびしい態度で臨みたいというふうに考えておるわけでございます。
#175
○宮崎正義君 こういうのも全部物価の問題に関係してくるわけでございますし、いまの生糸の問題もいろいろあるわけです。農林省の人が生糸の春繭の生産なんかの分析はわからないでしょうね。農林省、いまお話ありましたね、一%しか昨年よりふえないとおっしゃいましたね。ちょっと私の調べたのと違うんですがね。相当やられているわけなんですが、霜に。この調査したもの、ございますか。
#176
○政府委員(池田正範君) きょうは、失礼でございますが、生糸の取引所の問題、こちらに出るということを伺っておりませんでしたものですから、これに関連する資料を持ってきておりません。したがって、御入用ならばいつでもまた差し上げたいと思います。
#177
○宮崎正義君 私、言わなかったのだな、じゃ、質問するということをやめましょう、生糸のほうは。
 次にまいります。
 物価問題緊急調査費という、四千万を予算措置として計上をされておりますが、生鮮食料品価格安定総合調査、地方物価安定委託調査等という、この項目がありますが、これについてどんなふうなお考えか、承っておきたいと思います。
#178
○政府委員(小島英敏君) 生鮮食料品価格安定総合調査と申しますのは、いつかも新聞に出ておりましたけれども、消費者の、何といいますか、希望といいますか、意向としては、キュウリが多少曲がっていても安いほうがいいという声がまだ相当あるんです。ところが、流通、売り手のほうからいいますと、ちょっと形の悪いものは産地ではねてしまって、形のいいのをきれいにして高く売るというようなビヘービアがございまして、どうもその辺が、生産流通業者のビヘービアと消費者の意向というものが十分マッチをしていないケースが、このキュウリに限らず、いろいろあるわけでございまして、この辺を、消費者の意向調査等をいたして発表したことがございます。そういうようなことに、この総合調査というものは使っております。
 それから、もう一つの地方物価安定委託調査と申しますのは、いままでこの物価につきましては、中央官庁が中心でいろいろやってきておりますけれども、最近の情勢にかんがみまして、やっぱり地方の段階で流通問題及び流通に限らず各種の物価対策を、地方でできることは大いにやってもらう必要があるということで、この次のページに出てまいります物価対策特別推進費というのもその一環でございますけれども、パイロット事業等、各省、各庁の所管する物価対策の総合効果を確保するための事業の推進、パイロット事業と申しますのは、すでに流通、たとえばルートに乗りましたものは、これは農林省なり通産省なりの補助金等の措置で対策が進められておりますけれども、まだそういうところまで定着しないけれども、地方段階で、たとえば産地直結事業とかあるいは消費地の冷蔵庫を設置する事業とかいうようなことで、いろいろなパイロット的な事業が考えられるわけでございまして、これを企画庁が今回約二億の予算を物価局の創設とともに大蔵省から認められまして、近々この地方の担当課長会議を開いてアイデアを募るということを考えておるわけでございまして、ここでこのモデル事業、パイロット事業的なものを基準に応じて地方を通じて補助する。もしそれが非常にうまくいくという見通しがつけば、これは次年度以降大規模化して、本来各省庁の予算として大幅にふやしていく、そのための試験的な事業をやろうということでございますけれども、そういうことで、そういうところまでいかない各種のやはり調査というものが地方段階で必要であると思いますので、委託調査等を含めて地方段階における物価関係の調査をやってもらおうということでこの四千万円を計上しておるわけでございます。
#179
○宮崎正義君 非常によろしい企画、計画だと思いますが、これで東京都のことをちょっと申し上げてみたいと思いますが、都議会で物価特別委員会というものを設けて、これをやろうじゃないか、物価対策に充てていこうじゃないかということで、わが党の議員が「東京都独自の物価情報体制を確立し、商社情報に踊らされないようにすべきである。さらに東京、大阪などの全国主要都市の共同事業として、情報調査機関をつくるとともに、この機構を母体として全国地方自治体が主体となって生活必需物資の輸入業務を実施してはどうか。」、こういうふうなことを取り上げて言っているわけであります。この消費者保護の立場に立っての上からこういうことを提唱したわけなんですが、そこで、現在のいまのお話のこの形態が同じような形態で結びついていくのかどうか、ちょっと私先に伺ってみたいと思います。
#180
○政府委員(小島英敏君) これは二億のほうは、現在大蔵省との間でどんな基準を考えるかということを検討しておりますので、同時に地方の都道府県にパイロット事業の種を募って、その基準に合ったものは国が県に補助をいたしまして、県が何か事業をするときに同額を補助するという形を考えているわけでございますから、都道府県が独自でおやりになることももちろん大いに歓迎いたしますし、ものによっては、その中で国の補助をプラスして、さらに事業を拡大してやっていただくという、いろんなケースが考えられると思います。
#181
○宮崎正義君 そこで、東京都の消費者物価というものが、どんなふうに消費者の手に渡って、売りさばかれているかということをひとつ少しずつ追ってみたいと思うんですが、農林省の方、どなたですか、食品流通局長さんですか。中央卸市場の機能が麻痺状態に今日なっているんじゃないか。六百万人ぐらいのことしかまかないができないんじゃないか。一千一百万人もとうていそれははけ切れないんじゃないかというふうに、今日の実態がそうであるのかどうなのか、この点についてひとつ御説明願いたいと思います。
#182
○政府委員(池田正範君) 御質問の点は、おそらく築地、神田の両市場が非常に狭隘である、扱い高が非常に多いために十分な市場内取引に難渋を来たしておるのではないかという御指摘であろうというふうに思うわけでございます。
 御指摘いただきましたように、特に築地にいたしましても、また神田にいたしましても、これは昭和十年二月にいずれも設立をされたのが原形でございまして、面積といたしましては、それぞれ最近できました、たとえば東京都内でも十一ほど市場がございますけれども、その中のたとえば世田谷の市場だとか、あるいは大阪でいたしますというと、新しくできた東部市場といったような新しい市場の取り扱い量を比較いたしてみますというと、面積当たりでも大体倍、半分というふうなことで、確かに相当量混雑をいたしておることは、もうまぎれもない事実でございます。
 そこで、問題は、私どもどうしてもいまの市場のあり方をそのままほうっておくことはできないということで、実は新しい法律ができましたのを機に、中央卸売り市場の整備計画を昭和四十六年を初年度にいたしまして五十五年までの間の十カ年間、現在六十七市場ほどございますけれども、これを全国で九十九市場まで広げようじゃないか。また、中央市場だけじゃなくて地方卸売り市場につきましても、これは約七百七十市場ぐらいのちゃんとしたものをひとつ計画的に設置しようではないかというふうなことで、それぞれ整備計画、基本計画等をすでに整備をし終わりまして、現在公共事業に準拠をいたしますような形で、昨年度は約五十六億円、それから本年度につきましては六十億円、それぞれの整備計画の費用を計上いたしまして全国的な配備をいたしておるわけでございます。
 ただ、問題は、中央市場の中で築地と神田という、非常に旧来からの都市の中心部にある、しかも日本一の大都市の中心というふうなことで、これはなかなか場所を広げようにも思うような場所がまわりにないということでございますので、したがって、まず第一に、何よりもこれは現在地で完全な市場の拡充ということを望むことは無理だというふうなことから、これは東京都とも十分話し合いをいたしまして、実は昭和五十年から五十五年までの五カ年間に、すでにもう土地も準備をいたしておりますけれども、都有地でございますが、大井に新しい大市場をつくろうというふうなことで、現在、本年基本計画、来年基本設計というふうな順序を踏みまして、この新市場の建設の計画に着手しつつあるわけでございます。東京都のほうもすでに新市場の整備担当のための主管を昨年の末に置きまして、四十七、四十八年とかなりの額の調査費もすでに都費をもって計上いたしております。したがって、私どもといたしましても、これは今後建設費全体がかなり巨額にわたることもございますし、また商業調整といった非常に複雑な問題、これも出てまいりましょうけれども、いずれにいたしましても、ただいま御指摘のような問題というものを回避いたしますためには、何といたしましても、この新しい大規模な市場というものをつくるということに全力を傾注したいと考えておるわけでございます。しかしながら、これを待つ間ということが当然問題になってまいります。そこで、築地、神田の両市場につきましては、すでにこの築地の市場につきましては通路、駐車場等の上に上屋を設けまして、そうして卸売り場を積極的に増設をするというふうなことをやりますと同時に、駐車場を逆に立体化していくといったようなことで、四十五、四十六、四十七と引き続き卸売り市場の場内の増設ということにできる限りの努力を現在いたしておる次第でございます。また、この神田市場につきましては、南口の卸売り場を増設いたしますと同時に、駐車場を増設するというふうなことで南口全体の構造を平家建てから立体化をいたします。そういうふうなことで二期工事に分けまして、一期工事はすでに完成いたしました。あと残りの一期工事を二期工事といたしまして、すでに着工いたしておるわけでございます。むろんこれだけでも、ただいま御指摘いただきましたように、十分とは申し上げられませんけれども、しかしながら、長い間の伝統の上に立ってのこの集散市場でございますので、急激にどこかへすぐ移すというふうに簡単にはなかなかまいらないというふうなこともございますものですから、現在の施設で利用でき得る限りひとつ施設を拡充するというふうなことで当面切り抜けながら、その新しい大井市場の建設を待って本格的な集散の機能を果たしていくように、行政指導もあわしてやってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#183
○宮崎正義君 私も、この卸売り市場整備基本方針というこれを参考資料としていただいておりますので、大体のことはわかるわけでございますけれども、いまもお話がありましたけれども、いま東京都は九市場、十二分場ですか、どうなんですか。
#184
○政府委員(池田正範君) 現在、都内の中央卸売り市場は、食肉専門の市場一つ食めまして、全部で十一市場でございます。
#185
○宮崎正義君 分場は……。
#186
○政府委員(池田正範君) 分場は七つございます。
#187
○宮崎正義君 これは当然、大井の市場の考え方はけっこうなんですが、二十三区、一区に市場をつくっていくべきだと思うんですが、どうなんですか、これは。
#188
○政府委員(池田正範君) まさに御指摘のとおりでございまして、大井市場を拡充いたしますと同時に、実は私どもとしては、五十五年までに約八市場をさらに東京都の管轄区域内につくっていきたい。そのうちの半分の四市場は二十三区内に設ける。そしてあとの残りの四つを、三多摩地方は先生御案内のようにまだできておりません。したがって、これはぜひひとつ三多摩にも四つほどの市場をつくりたいというふうに考えておるわけでございます。
#189
○宮崎正義君 島もあるわけですね、それから三多摩、十四ありますね。これに対する考え方も、どんどんあちらにドーナツ現象で団地はできておりますし、これからまた問題に入っていくわけですが、転送等の問題もあるわけです。それから戻り荷の問題等もあるわけですが、こういう問題にこれは当然触れていかなくてはならないことになるわけですが、いまお話がありましたように、市場が非常に狭いために、いろいろ転送という問題については、いろいろな理由があるだろうと思いますが、これはかって四十一年か四十年ころでしたか、この問題が取り上げられたことがありますけれども、この転送なんかのことについてどんなふうに考えておられますか。
#190
○政府委員(池田正範君) 転送問題というのは、いろいろ、何といいますか、使い方によってかなり意味が変わってまいりますが、おそらくただいま御指摘の転送というのを制度の上で認められた転送、つまり卸売り業者が出荷者から一度受けました荷物を卸売り業者の手を通じて他の卸売り市場に持って行くというふうに、いわゆるルールの上にのっとった問題として解釈をいたしますというと、これは実は、現在中央卸売り市場というものの機能が単に一都道府県という区域だけにとどまらず、より広域の物資の集散、生鮮食料品の集散機能を働かしめるということを一つの目標にして国の補助金も出すという形になっておりますので、したがって、全体の集荷、出荷の効率化等を含めて考えるというと、東京のような大きい市場に一回全部集めて、それからたとえば関東なり関東の各府県にそれぞれ荷を分荷していくというふうな形というのは、集散の能率の上から見ましてもある程度はやむを得ない、むしろそれは安定した形で行なわれるなら望ましい場合もあり得るというふうに私どもは考えておるわけでございます。ただ、先般来のたとえばキャベツがべらぼうに高くなる、そういうときに、都内のキャベツは非常に二百円も二百五十円もするようなときに、なお都内に入ったキャベツの相当部分が地方へ出ていく、出ていった先で同じようにキャベツは価格形成されるわけでございますけれども、その価格形成は中央卸売り市場の東京の市場に右へならえで価格がきめられていくというふうな形になりますというと、これはシーソーゲームで、東京の値段が上がった分だけ地方へ送られても高く売られるという形になってまいりますものですから、したがって、いつの場合でもいいというわけにはいかないというふうなことから、これは東京都ともあの当時緊急に相談をいたしまして、そして一時転送をやめてもらうということで行政指導をいたした例がございます。
 ところが、ここにもう一つ問題は、卸売り業者が仲卸業者あるいは一般の買参にこの生鮮食料品を売り渡しますと、仲卸業者なり大型の買参が分荷機能を持って、そして東京都の外の市場、あるいは東京都の他の市場、あるいは市場外といったようなところに分荷をしていく機能が当然出てくるわけでございます。これを転送というふうに性格的に呼べるかどうかは問題がございますけれども、これを含めて考えるというと、なかなかこれは制度の七で律することはむずかしい面もあるように思われます。私どもとしては、なるべくやはり、現在特に野菜につきましては出荷地域に対して指定制度をしいておりまして、一定の指定生産地域から今度は指定を受けました消費地域に入ってまいります野菜についての価格安定制度を同時にしいておるというようなことがございまして、したがって、どうも指定産地からは価格の安定制度に乗れる指定消費市場に出したがるということが当然傾向としては出してまいります。また、それをねらって現在の市場制度を仕組んでいるわけでございます。ところが、その他の部分、たとえば非常に消費の態様というものが、レベルが同じになってまいりました。地方都市においても中央で食べるのと同じようなバラエティーの野菜を常に食べたいんだと、こういう話が当然出てまいります。そうすると、どうしてもその地方都市に向けて東京と同じようにこまかい野菜をすべての時期において完全出荷できるかというと、これは実質的には言ってみても無理でございますので、どうしても東京通過という形をとらざるを得ない。そこで、全体の市場の需給というものをにらみながら分荷をしていくということでございますので、この転送というものを、やはりかなりその時期、時期をとらえながら、十分需給にマッチした形で、過度にわたって転送は行なわれないように指導、監督をしながらやっていくというふうな考え方をとらしていく必要があろうかと考えておるわけでございます。
#191
○委員長(高田浩運君) 答弁は簡明に願います。
#192
○宮崎正義君 いや、いまの答弁をしてもらわなきゃわからない。簡便じゃだめですよ。弁護をしておきます。簡便じゃないですよ。
#193
○委員長(高田浩運君) 簡明と言いましたがね……。
#194
○宮崎正義君 いまのお話、非常によく理解できると思うんです。ですが、まあこれは転売というか、先取り転売というか、こういう問題で価格を相当暴落さしていくという事犯もあったわけです。それからもう一つは、たとえば、私資料を持ってきているわけですが、この「主要都市における野菜の転送先別構成比」というのが出ておる。ここに資料を持っておりますが、これはおわかりでしょうか、「野菜の転送量」という。たとえばバレイショとかタマネギというのは、北海道が産地と言っていいくらいに出荷をしているわけです。これが転送しているところの先が札幌、旭川、岩見沢、函館、室蘭、小樽、帯広、釧路、あと東北関係ずっとありますけれども、相当量が転送されているわけです。これが先ほどの説明がありましたように、指定された価格で転送された場合、これはその価格のその時点によって売りさばかなければならないという問題がある。そうなりますと、業者はもちろんのこと、また、ある場合によれば転送されたものの値上がりを待っていて、そして売買をするという形も出てくるわけです。そういうこともあり得るわけです。そうしますと、転送するということについても、北海道から築地に行って、築地から北海道にやるという形になるわけですよ。この間の経費と運賃というものとを考えていくと、これは非常に物価対策に大きな問題点が生ずるわけです。またもう一面、先ほど申し上げましたように、この買い占めによる転送、このせりの始まる前、車から単へ移していくという形態があって、そしてそういうことがあって暴落したということが指摘されたこともあるわけですが、この点なんかもどうなふうにお考えになっていますか。
#195
○政府委員(池田正範君) 先取りといわばいわれているものだと思います。それからいまの転送を含めまして大体行なわれますのは、荷が集まりまして、朝早く行なわれますので、したがって、先取り転送と一括して申し上げますと、それらの先取り転送は、実は先ほど申し上げましたように、一定の割合につきましては、たとえば魚で二割、二〇%、それから野菜で三〇%は、たとえば東京の卸売り市場の場合ではちゃんと業務規定で認められておるわけでございます。したがって、その範囲でどれだけ行なわれているかと申しますと、実は全体をならしてみますというと、昭和四十七年の四月から六月までの実績によりますと、青果で、これは東京の中央卸売り市場全体で一%弱でございます。それから水産のほうがこれは非常に多くて一六・一一%、これはいずれも数量比で申し上げておりますが、一六・一一%といったような数字になっておりまして、最近非常に冷凍ものの多い魚の場合には、産地との間はほとんど買い取りで決済が行なわれておりますので、したがって、比較的転送が多いんだろうと思います。それから青果につきましては、これはほとんど委託でございます。したがいまして、委託されました価格の中から、この受けた卸売り人が手数料を受け取るというかっこうになります。で、価格自体はすべてその時期におけるその市場のせり値段でほとんどきめられております。特に野菜のごときは八五%以上がせりで処理をされておりますので、したがって、価格自体はその時期の数量の需給上の数字でせり落とされてきまる。むしろ先生おっしゃったような形で非常にロスが加わりますというと、委託をしたほうの生産者が損をするか、あるいはそれを受け取って売りさばいた卸売り業者の中間コストのロスが業者の損になるというふうな形に第一次的にはなってくるわけでございます。まあそういうことがだんだんに指し値を引き上げるというふうな形で連鎖反応でくることは考え得るわけでございますけれども、直接的な物価の構成ということになりますというと、それは卸売り市場が厳正なせりで行なわれている限りは、いまの転送の問題とは直接しない分野である、ただ途中のコストのロスというものは十分考えていかなくちゃならぬと考えております。
#196
○宮崎正義君 先取りと転送とごちゃごちゃにしちゃいけないかもわかりませんけれども、先取り――よく先取り転送と一口にいわれるんですけれども、不正取引をやるのがあるんです。ですから、そういう問題を規制するというものは何ものもないわけですね。生鮮食料品は必ず中央卸売市場を通さねばならないという規定はないわけですね、ありませんね。そんなような関係等で過密都市の市場、周辺都市の市場の需給問題、価格差等の問題が大体先取りというものが行なわれがちになりますね。転送の場合の話は説明でわかりますけれども、先取りというのが横行しているわけです。また、転送した中でもロスで当然値段が変わってくるということも考えられるわけですね。こういう点についてどんな調査機関等を持ち、やっていこうとしているのかということも一つの問題点として伺うわけです。これが前回ですか、これは報道されておるのを見ますと、これを読んでみましょうか、「どれだけの量が先取りされているか。卸し業者の報告をもとに作成される市場年報では、全入荷量の一−二割となっているが、仲卸し業者や、売買参加者(個人)の多くは「ダイコン、キャベツなど主要野菜は三割、品簿ものは七割近くが持ち出されているはず」」ということがいわれているわけです。こういうようなこともありますし、先ほど答弁の中にありましたように、午前二時から四時の間が非常に積みかえをしていく時間のピークになっているということなんですが、こういうことが続けられていくようになると、これは大きな消費者物価に対する影響を与えていくんだという、そういう消費者の立場に立って私は質問をしているわけですから、その点を明確に御答弁を願いたいと思います。
#197
○政府委員(池田正範君) 先取り問題につきましては、いま御指摘のとおり、一時的にはかなり有力な場内の業者がこれを先取りして、場外、遠くの関連市場に流すといったようなことがあったことは事実でございます。先ほど申し上げましたように、先取り転送を含めまして、非常にある地域の需給が逼迫してまいりますというと、そういう形が行なわれることは非常に価格のつり上げにもなってまいります。むろん先取りをいたしましても、転送といたしましても、これはその日の成立いたしました価格の一番高い価格で先取りをした人が引き取るということは東京都の業務規定できめられておりますので、はたしてその日自分が先取りした、転送したものが幾らになるかは、その日正式の需給でせられた価格の結果を見なければわからないという仕組みに実はなっておるはずでございます。
 問題は、市場に入れずに外へ流してしまうやつは、これはなかなかむずかしゅうございます、現実問題として。しかし、市場に一度入れたもりを、たとえば卸が先取りを規定量をこえてかってにやるということになれば、これは当然業務規定の違反になる、あるいは市場の中で仲卸業者なり買参が卸業者以外の者からかってに野菜なり魚を買うという形になれば、これもまた業務規定違反になる。ただ問題は、仲卸なり買参が買いましたものを東京都内の消費者に渡さずに値を高く買ってくれる地方の業者へ売る、地方の実需者に売るというものがはたしていいのか悪いのか。こういう問題になりますと、地方にもたくさんの消費者がおるわけでございまして、必ずしも一義的に悪といってきめつけかねる面もございますけれども、先ほど申し上げましたような東京の価格の主導性というようなことから考えますというと、まさに御指摘のような時期におきましては強い行政指導で、これは東京都ともタイアップしながら必要以上の転送先取りといったようなことが行なわれないように指導していくということが一番望ましい方向ではないかと思うわけでございます。
#198
○宮崎正義君 この先取り問題については、先取り権を与えたその業者というものに対する一部非難もあるわけですね。なぜあの業者だけに与えて、一部の業者に与えて、全部に与えなかったかということもあるでしょう。また、資本力等の問題もあるし、それから売りさばき量のこともあるでありましょう。いろいろな条件のもとにきめられた業者が認定されておりますけれども、それ以外の方たちの声というものをやはり聞いておかなければならないじゃないかと思うのです。ですから、これが一定のワクの中にもういまきめてしまったのだから、あとの業者は考えなくてもいいのだということじゃなく、その情勢判断等に基づいての業者の調整ということは当然していかなければならないと思うのですがね、その点どうなんですか。
#199
○政府委員(池田正範君) その点につきましては、ほぼ私もそのような方向で処理すべきものと考えております。ただいまおっしゃいました中にございましたように、施設その他の問題も経過的にはあるわけでございます。また資本力の問題等も多少ございます。ただ問題は、先取りをする者が、一定の人間だけが常にそれを先取りすることによって利益を得るというような形に固定化するようなことがあってはならぬと思います。したがいまして、これはやはり先取りなり転送なりというものは、正しい形で、望ましい形で運用できる限度でしか認めるべきではない分野のものであろうと考えまして、これは実は先般のキャベツ問題を契機にいたしまして、これはどういうふうに扱っていくか、あまり過当にわたらないようにするためにはどうしたらいいか、これは実は東京都との間で十分検討中でございます。
#200
○宮崎正義君 非常にむずかしい問題だと思います。転送の問題だけはこれは相当物価、消費者物価には影響を与えていくような結果に当然なると思うのです。ですからこの問題も、市場が足りないから勢いそういうふうな形になることがほとんどだと思います。品不足のある地域においては、生産ができないからほしいものは転送する以外にない、それがまたいい面であるというふうな一応の理論も成り立ちますけれども、こういう北海道で生産されたものが東京へきて、また東京へきたものが北海道に回されていく、北海道のものは築地でシャケ買ったほうが安いなんてこんなようなこともあるわけなんです。そういうふうな点等を考えていきますと、この農林省だけが市場関係の中で追跡調査をするというのではなく、当然物価局の、いま先ほど来から私が申し上げておりますように、流通機構に対する追跡調査というものは当然考えなければならぬと思うのです。そういうふうに考えていきまして、大体時間のようでございますので、最後にこまかい実際の問題をお話し申し上げたいと思うのです。
 私、自炊をやっております。大根を、これくらいの大きさの大根ですね、これくらいの長さの大根、これは長官、幾らかおわかりじゃございませんでしょうね。私そういうのを買って歩いているのです。そして自炊しているのですけれども、春菊なんかもしょっちゅう買ってやっているのです。そうしますと春菊の例なんかとってみますと、いま時期じゃございません、はずれておりますけれども、それでもいまてんぷらなんかであげております。なかなかおいしいものですが、これ取り上げていきましても、大体農家の販売価格といいますか、二十束ものが大体農家で二十円くらいで農協から一切の関係、出ていきます。そうしますと、今度は箱代、運賃等含めますと、それらが引かれてくるわけです、十円。で、市場の手数料というのは、先ほど言いましたように、盛んにいまやりとりしておりました市場関係の手数料等が二円、農家の手に入ってくるのが実際は八円ということになるわけです。そうしますと、大体一束四十銭ぐらいの計算になるわけです。それを今度は私どもが逆に八百屋さんから買ってきますと五十円から六十円になっちゃうわけです。どうしてそんなになるのかということは、よく物価問題では追跡した、この流通段階のどこでどれだけの幅がとれているんだということは、もう何回もこういう物価問題では論議されてきているわけです。いずれにしても国民は、台所あずかっている主婦の方々はいま百円の金を持っていって野菜がなかなか買えないんです、百円では。大根の切り売りをしてもらわなければならないという場合もこのごろはもうあたりまえのことになっているんです。キャベツなんかも、このぐらいのキャベツだったら四つぐらいに割って帰ってきます。午前中の話にもありましたけれど、先ほど御答弁の中にもキャベツの話が出ておりましたけれども、国民の台所をあずかっている人たち、また実際上毎日の食生活をやっている者はどんな理論や構想や局を幾らつくろうと、組織形態がどうなろうと現実の生活は物価が安くなればいいわけなんです。ですが、それをどうして安く現実問題するかという、そのことだけお考えを私伺って、一応きょうのところは、まだ問題が残っております、残っておりますけれども、私の質問を終りたいと思います。
#201
○国務大臣(小坂善太郎君) 今日のこの物価の上がっておる。パーセンテージで出しておりますものよりも、ただいまお話のように、生活の実感としてもっと高いんじゃないかというものはあると思います。これはやはり工業製品、ことに家電の製品等はこれは上がっておりませんので、そういうものを平均していいますと生鮮食料品が非常に上がっておる。特に季節商品が非常に上がっておるということでございまして、その意味で非常に今日の物価高が家庭を苦しめているという実感は私も同様に思っておるわけでございます。そこで、これに何とかして立ち向かわなきゃならぬわけでございまして、この点は先ほどからも申しておりますので、繰り返すことを避けますけれども、四月十三日に決定いたしました政府の物価対策七項目を中心としてオーソドックスな考え方をやってまいりますが、さらにこれを強化してまいりますが、その他やはり物価の問題は根本的には需要と供給の関係でございます。特に生鮮食料品の問題はやはり物流関係をよくするということに非常なウエートを置かなきゃならぬと思うのでございます。その点からただいまお話のございました転送の問題、これにも十分メスを入れなきゃなりませんし、先取り問題もさようでございますし、私はやはり農林省におきまして、特に私、農林大臣にお願いしておるのでございますが、こうした食料関係が一番生活に実感を持って響いてくるものであるから、ぜひこの関係について強力な指導をお願いしたい、それにはやはり地方長官との間の密接な連絡も必要でございましょう、それから生産地との関係ですね、産地直送の問題もございますし、そういう問題について、もし金が足りなくてその点の円滑を欠くようなことがあるならば、まあ経済企画庁において今年から予算づけをしてもらっておる緊急物価対策費等についても十分考慮していいんだということを言っておるようなわけでございまして、何といっても生活に直結する品物、毎日必要な品物、これを安くするということがこの際一番大事なことではないか、私はかように考えております。
#202
○岩間正男君 それじゃ、まず最初にお伺いしますが、田中内閣の国民の支持率というのは、最近非常に下がっているわけですね。これは昨年の九月あたりの調査によりますと六一%から六二%、これは戦後最高などといわれたものだと思うのです。それがまあ最近では一九%という、商業新聞の、そういうわけです。それから最近日本リサーチセンターの調査によると、これは五月末になると一五%、これはもう全く往時の最高時点から考えると四分の一以下なんですね。一五%というと七人に一人ということになるわけです。そうして、しかも支持しないは一一%から四六%に、四倍以上にふくれている。こういうことになっているわけですが、この原因を一体経企庁長官はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#203
○国務大臣(小坂善太郎君) 田中内閣が成立しましたときは、一種のブーム的な景観がございまして、特に中国問題が解決したというような前後に、非常にこれが一般の人気の的であったわけでございますけれども、最近、ただいまのお話のような世論調査の結果になっておりまして、私も閣員の一人として非常に責任を痛感しておるようなわけでございます。これは私がその原因を申し上げますよりも、むしろ御指摘をいただいて、大いに戒心をいたしたほうが適当かと考えておる次第でございます。
#204
○岩間正男君 まあ、これは病気みたいなもので、病気の原因というもの、閣僚、まあ内閣の構成員である経企庁長官がおっしゃらないのですが、これは実はおっしゃっていただいたほうがいいと思うのです。その中で一番大きな問題はやっぱり物価の問題じゃないか。ことに大資本の買い占め売り惜しみの問題が具体的に出てきた、国民の目の前に如実にあらわれてきました。そうして、しかもそれが相当政府の政策とも深い関係がある。金融政策なんかでは、これは予算委員会あたりでも指摘された問題ですけれども、この点が癒着の問題が出てきたわけですね。こういうことで、物価はいわば田中内閣の命取りになりかねない。最近の地方選挙とか、参議院補選なんかにも、そういう形で実際は国民の総意として、これは意向としてあらわれておるのじゃないかというふうに考えられるのですね。そうすれば、当然田中内閣としては国民の世論に聞くという立場をとるなら、民主的な態度をとるなら、この物価問題にもっとこれは全精力を投入する、そうしてこの問題を解決するということは、私は民主政治の当然のこれは任務だと思うのですが、この点いかがでしょうか。
#205
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価の値上がりが著しいこと、これはほんとうに困ったことでございまして、物価高に苦しむ国民とされては、政府の施策が悪いのだから物価は高いのだろう、こういうふうにお思いになれば、政府を支持しないということに言われることもそうであろうかと思います。ただ、弁解じみますけれども、高物価というものは一つの大きな流れのようなものでございまして、まあ私ども、これに対しては先ほどから申し上げているようないろいろな施策を講じておるわけでございますが、特に最近は物価問題について、物価の安定をあらゆる政策のうちで最優先の政策にするということを内閣はきめたわけでございますけれども、各方面の手を打ってまいりたいと考えておる次第でございます。
#206
○岩間正男君 まあ、ここ三カ月ばかりの動向を見ますと、そういうことになっていないんじゃないかという感じがするんですよね。このインフレの高進は、これはだれが考えたってはっきりしていることで、少々の春闘なんかによる賃上げがありますけれども、何倍もに物価がこれは上昇している。そして貨幣価値というものは、まあ全くこれはひどいことになってきている。生活の基盤というものがものすごくこれはゆれ動いているんですね。動揺しているんです。くずれているんです。ここのところはね、何といいますかね、これは国民の生活基盤がたいへんなところにきているんですから、ここからきているんだという点を考えるなら、もっと真剣にこの問題と対決をしなきゃならぬと、こう思うんです。ところが、実際は、そのような国民の意向を聞いて、世論に従って、それに即応する体制をとるんじゃなくて、まあ小選区制のような、いわばこれはほんとうに選挙法の改正、これでもって、無血革命といわれていますけれども、四〇%ぐらいで八〇%の議席を獲得する、まあいわば独裁ですね、そういう体制をもうほんとうにこれ永久化するような、いわば国民の総意に対して当然それを受け入れて、すなおに当然国民の公僕としての任務を果たすんじゃなくて、これに挑戦する態度をとってきた。そして、それがたいへんな混乱になって、物価問題そのものもスムーズに論議する時間を失ってきたというのが、これがいまの田中自民党の姿じゃないか、率直に反省して私たちはこう考えるんですね。これは明らかだと思うんです。それで、まあいまこの法案が出されていて、これに対する対策を政府が講じるというので、その一端が法改正というかっこうで機構いじりに出てきているわけですが、こういう対策ではたして国民の要求にこたえることができるというふうにお考えになっていますか。
#207
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価局をつくれば直ちに物価安定ができるというほど簡単なものではないというふうに私も考えておりまするが、ただ、御承知のように、この物価局をつくりたいという考え方は、予算編成と同時に私からお願いして内閣の決定にしてもらったわけでございます。当時はなかなかこれをつくるほうがいいのかどうかというような議論もございましたりしておったんでございますが、その後に、こういう情勢になりまして、この物価局をつくるということは非常に必要なことだという認識はもう統一的なものになったと考えるんです。衆議院のほうにおきましても、これは全会一致で御賛同いただきました。たいへん私も感謝をいたしておりまして、本院におきましても、十分御審議の上すみやかにこれを御可決いただきましたる暁には、全力をふるってこの新機能を最高度に活用さしてまいりたいと思います。人員等の点について、あるいは予算等の点について必ずしも十全のものとは言いがたいのでございますが、この与えられたる能力を十分に発揮して御期待にこたえたい、こう思っておる次第でございます。
 さらに、もう一つお願いを言わしていただきますれば、先般来の買い占めや売り惜しみに対しても、この規制に関する法律を出しておりまして、これも三月十日に衆議院のほうへ提出いたしまして、御審議をわずらわしておるわけでございますが、こうしたことも国民の要望に応じて緊急にひとつ手段を講じたい、そう思っておりますが、その手段を講ずる根拠をひとつ法律の成立によってお与えいただきたいと念願をいたしておる次第でございます。
#208
○岩間正男君 まあ、この法案については、われわれ共産党も衆議院の段階で一応賛成したわけです。むろん、ないよりはあったほうが一日の進歩を認めてそういう点から賛成したので、この物価局そのものがどう運用されるか、今後まあどういう推移をたどるか、はたして、ほんとうにいま最大の焦点になっている国民の物価に対するこの願いというものを実現できるかどうかということは、これは見守らなきゃならないわけですが、この物価局の問題を含めて、全般的にどうなんですか、政府の物価対策というものは、大体全貌でいいですから、これは簡単でいいですが、どういうことを考えておられますか。これもまあ一つの手段ですね、物価局の問題は手段ですよ。しかし、それはまあ機構だけの問題で、全体として物価対策としてはどういうことをお考えになっていらっしゃいますか。
#209
○政府委員(小島英敏君) 私どもは、やはり昨年末以来の最近の物価高の基本原因は卸売り物価の上昇だと考えております。この卸売り物価の上昇というのは、先ほど来長官も申されておりますように、一昨年のレート調整後の過剰流動性の発生というものが根っこにございまして、ここにさらに国際的な物価の値上がりというものがからまって思惑を生じ、さらに過熱的な景気の上昇も加わってこういうことになったわけでございますから、やはりこの総需要管理というものが現在の物価対策の基本に据えられるべきものであるというふうに思います。それと同時に、やはりこの物価対策というものは、物価というものは一種の発熱状態でございますから、オーソドックスの対策がどうしても中心でございまして、需給によって物価はきまりますから、総需要の管理を適正にすると同時に、供給を極力ふやすということがこれも基本でございまして、長期的には低生産部門の生産性向上等を通じて国内の供給増をはかっておりますけれども、当面の緊急対策としては、やはり輸入を極力拡大するということが供給増加の基本線でございまして、そのために輸入の自由化、あるいは自由化されないものについてもワクを極力ふやすということ、それから先ほど申し上げましたような特恵関税のシーリング・ワクを撤廃するということによって、後進国からの繊維、雑貨等の輸入の促進をはかるということが基本でございます。そのほかに、やはり個々のものにつきまして各省を通じて適宜適切に手を打っていくということが個別対策として当然あるわけでございます。同時に、一般的にやはり情報化社会でございまして、何となく物が上がりそうだというムードが出てまいりますと、流通過程及び小売り、さらに消費者を通じて買い急ぎ的な傾向が発してまいりますので、消費者に対して商業的な宣伝に迷わされないように正しい情報を早く提供して、消費者の賢明な選択を促進するという意味で、消費者に対する情報提供に特に力を入れてまいりたいと考えておる次第でございます。
#210
○岩間正男君 時間がないから、一応政府のいま考えている物価対策というのをお聞きしたのですが、実は局長から聞こうとは思わなかったのですね、経企庁長官がやはり国策として述べてもらいたい。いまのは事務的な対策面が非常に多いので、これはこの次やります。本論はね。
 そこで、資料要求をしておきたいと思うのです。一つは、いままで政府のつくっている機構、これ、衆議院段階でもらっておきましたが、たとえば物価安定政策会議、それから物価対策閣僚協議会、それから物価担当官会議、この三つ、ありますか、これについて、おのおのその設立年月日、構成員、これはわかっていますが、いままで何回会議を持ったのか、何を討議したのか。それからこれらの機構はABC、三つありますけれども、こういうものがどういう機構になってつながっているのか、こういう点について、政府がいま持っている機構と物価局の関係もありますから、われわれ検討したいと思いますので、できるだけ早くこの資料を出してほしいということが一つ。もう一つは、昨日の国鉄の本会議におけるこの審議におきまして、経企庁長官が、今度の二三・二%の国鉄運賃の値上げ、これによって物価へのはね返りは、旅客運賃では〇・三四、貨物運賃では〇・〇九と、この影響があるだけだというので、非常に軽々しく言われた、その根拠ですね、これも資料としていただきたい。この問題をお願いしておいて、きょうはこれで打ち切らしていただきたい、この次、本論に入りますから。
#211
○国務大臣(小坂善太郎君) 資料要求はまさに承りました。
#212
○岩間正男君 さっそく出してください。
#213
○議員長(高田浩運君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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