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1972/06/21 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第14号
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1972/06/21 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第14号

#1
第071回国会 内閣委員会 第14号
昭和四十八年六月二十一日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高田 浩運君
    理 事
                内藤誉三郎君
                山本茂一郎君
                片岡 勝治君
    委 員
                源田  実君
                世耕 政隆君
                長屋  茂君
                星野 重次君
                町村 金五君
                柳田桃太郎君
                上田  哲君
                鈴木  力君
                鶴園 哲夫君
                前川  旦君
                宮崎 正義君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       坪川 信三君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       小坂善太郎君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房総務審議官   宮崎 隆夫君
       人事院事務総局
       管理局長     茨木  広君
       人事院事務総局
       任用局長     渡辺 哲利君
       総理府人事局長  皆川 迪夫君
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       行政管理庁行政
       管理局長     平井 廸郎君
       経済企画政務次
       官        橋口  隆君
       経済企画庁長官
       官房長      高橋 英明君
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     小島 英敏君
       経済企画庁総合
       計画局長     宮崎  仁君
       経済企画庁総合
       開発局長     下河辺 淳君
       経済企画庁調査
       局長       宮崎  勇君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       経済企画庁長官
       官房秘書課長   内野 達郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       藤岡眞佐夫君
       大蔵省銀行局総
       務課長      徳田 博美君
       通商産業大臣官
       房審議官     牧野 隆守君
       通商産業省重工
       業局鉄鋼業務課
       長        勝谷  保君
       通商産業省公益
       事業局業務課長  田中誠一郎君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部業
       務課長      服部 経治君
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部監
       理課長      宇都宮 寛君
       自治省行政局選
       挙部管理課長   山本  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坪川総理府総務長官。
#3
○国務大臣(坪川信三君) ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本年三月一日、人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、最近における通勤による災害の発生状況及び通勤と公務との間の密接な関連性等にかんがみ、職員が通勤による災害を受けた場合には、公務上の災害を受けた場合に準じた補償を行なう等の必要がある旨の意見の申し出がありました。政府といたしましては、その内容を検討した結果、この意見の申し出のとおり国家公務員災害補償法の一部を改正する必要を認め、この法律案を提出した次第であります。
 次に、その内容について概要を御説明申し上げます。
 まず第一は、従来の公務上の災害に加えて、通勤による災害についても補償等を行なうことができるように、この法律の目的を改正することとしております。
 第二は、補償等の対象とする通勤の範囲についてであります。すなわち、この法律案において通勤とは、職員が勤務のため、その者の住居と勤務場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいうものとしておりますが、職員がその往復の経路を逸脱したり、往復を中断した場合には、その逸脱または中断の間及びその後の往復は、この法律案にいう通勤とはしないこととしております。ただし、その逸脱または中断が、日用品の購入など日常生活上必要な行為をやむを得ない事由により行なうための最小限度のものである場合には、その逸脱または中断の間を除き、その後の往復は、通勤として認めることとしております。
 第三は、通勤による災害にかかわる補償等の種類、支給事由及び内容についてでありますが、これらについては、公務上の災害にかかわるものに準ずることとしております。
 第四は、費用の負担についてでありますが、通勤による災害にかかわる療養補償を受ける職員は、初回の療養に際し、二百円の範囲内で人事院規則で定める金額を国に納付することとしております。
 第五は、他の法令による給付との調整についてでありますが、通勤による災害に対し、療養補償、休業補償または葬祭補償が行なわれる場合には、国家公務員共済組合法、健康保険法等によるこれらに相当する給付は行なわないこととし、年金たる補償が行なわれる場合において、国家公務員共済組合法による給付が行なわれるときは、当該給付との調整を行なう等他の公的給付との間における必要な調整を行なうこととしております。
 第六は、葬祭補償について、その額を通常葬祭に要する費用を考慮して、人事院規則で定めることとするほか、所要の規定の整備を行なうこととしております。
 以上のほか、特別職の職員等についても同様に通勤による災害にかかわる補償等を行なうため、附則において、特別職の職員の給与に関する法律等を改正することとしております。
 なお、施行期日等については、通勤による災害に関する規定は、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律の施行の日から施行し、同日以後に発生した事故に起因するものについて適用することとし、その他の規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。
 以上、この法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上。
#4
○委員長(高田浩運君) 以上で説明は終わりました。本案の審査は後日に譲りたいと存じます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高田浩運君) 次に、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩間正男君 それでは一昨日に引き続いて質問したいと思います。
 この前の質問の冒頭で、私は、田中内閣の支持率が急速に最近低下した、その原因は何だと思うか、その原因についてただしたわけであります。これについてあまりはっきりした答弁はありませんでしたが、その原因はいろいろあるだろうけれども、最大の問題はやはり国民の生活問題、とりわけ物価の上昇問題、インフレの高進、特に大企業が米、大豆、繊維、木材などをはじめとする生活必需品の買い占め売り惜しみをやった、こういうところにあるんじゃないか。それに政府が非常にからんでおる。そういう事態が国民の支持を急速に低下さしている。したがって、この問題を、当然これは民主政治の立場に立つならば、国民の要望に従って物価問題に全力をあげて、この国民の物価を安定してほしい、値上がりを防いでほしい、こういう問題にこたえなければならぬ。こういうことを申し上げたわけでありますが、もう事態は非常にますます急迫しております。そういう中で、どのようにこういう情勢の中で対応されようとしておるのか。いろいろな事務的な報告は受けましたが、もう少し政治的な、そうして経企庁長官として責任のある答弁をあらためてお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価の問題が重要であることは論をまちませんわけでございまするが、政府といたしましては、物価の安定ということを政策の第一の重要な議題と考えるということに決定をいたしまして、去る四月の十三日に物価対策閣僚協議会を開きまして、「当面の物価安定対策について」というものを決定いたしました。これは財政金融政策の弾力的な運用、輸入の積極的拡大、変動為替相場制移行に伴う物価安定効果の確保、価格高騰物資に対する対策の推進、消費者に対する情報提供、物価対策のフォローアップ、物価行政の責任体制の確立という七項目を決定いたした次第でございますが、これに従いまして大いに努力をいたしておるわけでございます。
 なお、物価に関する専門の局を設けたいということで、ただいま御審議をいただいておりまする物価局を新設したいというふうに考えておりまして、これについては従来経済企画庁というのはわりあい早くできた役所でございますので、この物価に対する調整権限もこれというものはございませんので、ぜひこれに対しての総合調整権を得たい。具体的に言いますと意見具申権、総理大臣を経ての意見具申権というものを持って、物価問題を他省に対してトレースしていく権限を得たい、こう思っておりますようなわけでございます。
 なお、買い占め売り惜しみに対しましても、これを規制する法律をつくりましていま参議院において御審議をいただいておるわけでございます。なお、土地問題に対しましては、これを国土総合開発法というのに入れまして、これは目下衆議院の段階で御審議をいただいておるわけでございますが、まあいろいろ努力をいたしておる次第でございます。いずれにいたしましても、国会の御審議の過程でいろいろ御注意をいただいておりますので、われわれはその御意見というものを十分頭に入れまして、強力に物価問題に体当たりをしてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
#8
○岩間正男君 まあ、体当たりというお話でありましたが、それから政策の第一に物価安定を掲げておると。しかし、やっていることはそうなっていないんですね。実際、ここ数カ月の動きを見ますというと、やったことは小選挙区制でしょう。国民が一番やってくれというのは、これは物価の安定、それから公害の問題、切実な問題ですよ。これはたな上げにして、そうして実際は小選挙区制にうつつを抜かしたというのが現実じゃないですか。国民の総反撃を食ってよたよたしたわけですけれども、これはもう周知の事実ですよ。
 それから七項目をあげられた。政策の第一に掲げているという七項目をあげられた。しかし、これは四月にやられて、この効果、あがっていると思いますか。もうすでに六月、あれから二カ月。とてもそんなまどろっこしいことを国民は許していないと思いますね。朝目をさますというと物価はもう上がっておる。ことにもう主婦の立場に立つと、夕方マーケットに行ったら毎日おこっていなくちゃならない、連続ですよ。そして前途の不安。自分の生活の土台がくずれていく。そういう不安で、その怒りが結集して、日に日に田中自民党内閣の支持率というのは下がっておる、一五%まできた。佐藤内閣がやめる前よりももっと落ちたんです。こういう反省というものは、これはあるのかないのか。そこで、ほんとうに、先ほどのとにかく体当たりということでありますが、その体当たりの効果はこれはあがっておるとお考えになりますか、いかがでございますか。
#9
○国務大臣(小坂善太郎君) 四月の十三日に七項目を決定いたしましてから、これがフォローアップを毎月やっておるわけでございます。五月の二十五日に、当面の物価対策の実施状況についてという、その実施の状況を報告いたしまして閣僚協議会の了承を得たわけでございますが、これは御説明申し上げますとたいへん長くなりますので、これはもし御必要があれば……。
#10
○岩間正男君 いや、もういいです。資料もいただきましたし。
#11
○国務大臣(小坂善太郎君) それじゃ、そういうことにさしていただきますが……。
#12
○岩間正男君 ただ、概して、大きく言って、あがっているかどうか。実効があがらなきゃしょうがない。もう二カ月たっている。
#13
○国務大臣(小坂善太郎君) 結果は逐次あがっておると考えまするが、なにせ、前年同月との対比ということになってまいりますると、昨年の四月、五月、六月ごろは、卸売り物価の場合は下がっておるような状況でございます。それに対比いたしますると、これ、まことに大きな、二けたの上昇率が出ております。これはいま岩間委員の御指摘を待つまでもなく、だれよりもおそらく日本じゅうで私が一番身を切られるようなつらい思いをしておるのだと私自身思っております。まことに朝新聞を見るのがこわいような感じでございまして、これはもう御想像以上のものがございます。しかし、私は、やはりこの際はどうしてもねばり強く、非常にオーソドックスな考え方でございますが、財政金融、その他多様な政策手段をプロパーにミックスいたしまして、この物価問題に立ち向かってまいりたいということを考えておる次第でございます。
 ただ、一言申し上げておきたいと存じまするのは、いま日本の経済というものをいわゆる産業優先の成長経済から福祉型に切りかえているわけであります。福祉型経済に切りかえるということは、国民の消費をふやすということなんです。消費をふやすということは、他に供給が一定であれば、これは物価が上がるということでございまするので、このいま過渡期にあるというふうに考えるわけでございます。ぜひ、非常に苦しいけれども、むずかしいこの状況を懸命に処理いたしまして、われわれの目的とする活力ある福祉社会をつくるということに邁進したいと考えておる次第でございます。
#14
○岩間正男君 これは効果が徐々にあがっているというふうな概観した御答弁がありましたが、そうなっていますか。毎朝新聞を見るとこわいと、こういうふうに言われたわけですが、私もけさの新聞を見ました。たとえば卸売り物価はどうですか。これは先月は一二%の上昇だと思いますね、前年比で。ところが、日銀が二十日に発表した六月上旬の卸売り物価指数を見ますと、これは一三・二%、前年比。こういうふうになっておるのですから、前月から比べますとまた一%の大幅上昇でしょう。けさの朝日新聞がこれを伝えておるわけですけれども、これをごらんになってどういうふうにお考えになりましたか。実効があがっている、徐々にあがっている、その結果がこういうふうに、これは物価も、卸売り物価も上がっている。これじゃやっぱり、何よりもこれが証拠じゃないかというふうに思うのですが、どうでしょう。
#15
○国務大臣(小坂善太郎君) たいへんに残念なことでございまして、昨年の五月は〇・六%前年同月比では卸売り物価は下がっておるわけです。それに比べましてことしの五月は一二・三%、さらにこの上昇傾向は六月に至っても、いま御指摘のような状況でございまして、非常に心苦しい次第でございますが、これを見てみますと、やはり一番大きいのが非鉄金属ですね、これが三・二%上がっておりますが、これはやはり銅でございますね。産銅の状況が非常に需給の関係で需要が強いと。一方、産銅国の状況等もございまして、海外における銅地金が非常に高くなっておる。また伸銅品もしたがって高いというような事情で、それが一番大きいわけでございます。それから次にやはり繊維製品でございますが、羊毛、毛糸が生産地の豪州で非常に上がっておる。また衣類原料も工賃が上がってきておるというような関係で上がっておる。わずかに木材と木製品、これが〇・七%下がっておりまして、これだけがやや愁眉を開くような状況でございますが、いま申し上げました非鉄金属、それから繊維製品、これはみんな一%以上上がっておる、こういう状況でございまして、はなはだどうも心苦しい次第であるわけでございます。
#16
○岩間正男君 七項目の中に輸入の積極的拡大ということですが、まあ海外市場の状況もありますけれども、そういうことも影響している。それだけじゃしかしないわけですね。全体のウエートからいえば、それは食料品とかそれから農林産、木材とか羊毛、そういうものが大きいわけですから、これは全体の指数をとってみなければわかりませんけれども、とにかく総体的にさらに一%は値上がりをしている。七項目というやつは、こればほとんど、じくじく効果をあげているなどと言っておりますけれども、なかなかそうなっていない。少なくとも二カ月たっている。その二カ月の間に実効が見えていない。そうすると、全くくつを隔ててかゆさをかくような対策になっているのじゃないか。確かに一番中心の課題というものが、この七項目の中にこれははずれているのではないか、そういうふうに考えられるわけです。ですから、物価値上がりというたいへんな国民生活の根底からゆるがせているような、もう大きなこのいわば病気なんですね。この病気をなおすには病気の大もとをはっきりつかまなければいけない。病源を明確につかむかどうかということが最大の課題なんです。そうすると、大体、最も重大な物価値上がりのこの根本要因というものをどう、いうふうにこれは見ておられるのか。ここのところが非常に重大だと思いますので、まあこの点をお聞きしたいと思います。
#17
○国務大臣(小坂善太郎君) やはり物価というものは需給の関係で決定されるものでございまして、物価というものは突然に出てくるわけでございませんで、やはり経済活動全体のしりがそこへくるわけだと思います。そういう点で申しますと、昨年あたり非常に過剰流動性があった、そして景気も非常に強い、こういう好況から全体の需要が大きい、賃金、俸給も高くなっておると、消費も全体に大きいと、それからまた企業の設備投資等もまだまだ盛んであると。そういう点で、要するに需要が非常に強いということが一番の問題であると存じますので、私どもは財政金融の面からこれを締めにかかっておるわけでございます。ただ、金融で公定歩合を上げたり預金の準備率を上げたりいたしましても、これがきいてくるにはなかなか即効薬的なきき方がないんでございまして、あるいは半年くらいはどうしてもかかってくるということでございます。ただ、きくという点では、むしろ心理的にきくといいますか、心理効果があるわけでございますね。いよいよ政府は引き締めにがかったということの心理的な効果はあるわけでございますが、残念ながら、その際に海外のインフレというものが世界的な規模をもって同時にきておる。ことに食料品がますます不足するであろうというふうな、そういう非常に私どもとしてお互いに困った状況があるわけでございます。そういう状況のもとに、七項目は効果をあげてないじゃないかとおっしゃいますけれども、われわれが期待している安い――円が高くなっているのに、フロートによって円為替が高くなっているのだから、他の条件にしてひとしければ輸入品は価格が下がるわけなんです。それがむしろ上がっている、この状況のもとに非常に困難な問題があると、こういうふうに思っておるわけでございます。
#18
○岩間正男君 もういま当面の問題をあげられましたが、そのほかに政府は、物価上昇の原因として賃金の上昇の問題とか、流通機構が非常によくいってないとか、さらに農業、中小企業の生産性が非常に低いと、そういう問題をこう出していままできておりますね。そういう上に立ってこれは七項目というのは策定されていることだと思う。しかし、どうですか、それだけですか。物価上昇のいわば病気の一番大もと、病源だね、こういうものをどういうふうにつかんでおられるかという、ここのところをもう少しはっきりさせないと、この物価問題に対する適当な対策というものも出ない。対症療法みたいなことで、実際は病態は進んで、もうガンというそういう症状を呈しているのに、実際はそれに対してもう湿布をやっておるとか、薬をつけているくらいの、そういうことの対策じゃないか、そういうふうに思うんですがね。その点いかがですか、何か抜けているものがありますか。
#19
○国務大臣(小坂善太郎君) 繰り返して申し上げまするようでございまするが、根本は世界的なインフレ。昨年あたりまでは各国が成長ということを非常に力を入れておったわけですが、ことしはもう全部インフレに悩みだしているという状況がございますが、なかんずく、わが国においては、昭和四十六年の八月にニクソン大統領があの声明をした、そこでドルが交換性を停止したということでドル相場が非常に下落した、日本はこのドルを買いささえた、そのために非常な外為の散布超過がきたわけでございます。しかし、一方において不況感が強いということで公定歩合を下げ、しかも補正予算を組んだということから、非常に全体の需要が強くなったわけでございます。その結果がここに景気変動の波としてきているんだと、こういうふうに私は理解をいたしておるわけでございます。でございますから、その対処方法としては、いま申し上げましたような財政金融その他の多様な政策、輸入政策等を含めまして、多様な政策を適当にミックスして当たると、そのことがわれわれのなし得る王道である、ローヤルロードであるというふうに存じておりまする次第でございます。
#20
○岩間正男君 そう言いながら、物価が上がっているんですからね。これはやぶ医者の対症療法ということになるわけでしょう。何か見失っているものはないか。そういう中で、やはり私は非常に重大なのは、この大企業の独占物価を政府が実際は十分に規制できない、いわば野放しみたいな状況にこれはしておる。こういう問題は一つも七つの対策には入っていないわけですね、全然。つまり一番重要なところ。さらにまた公共料金の問題ですが、これに対する政府の対決姿勢というのは、全く物価安定、それを第一の政策にしているなどと言う立場にはいないわけです。むしろ政府主導のそういう形で公共料金はどんどん上げられていく。第三には、これはインフレ政策。このようないわばわれわれとしては三点ですね。この点をもっと明確にして、いまのこの経済体制の中ではっきりこれに対する対策というものを、これは有効に打ち込まなきゃならぬものじゃないか。そうしない限り、実際のこのインフレ傾向をとめて、さらに物価を安定させると、そういうことは困難なんじゃないか。むろんその背景には政府の超高度成長政策、こういうものを放棄しない、それを優先さしていって、口では福祉優先などと言っておりますけれども、それが実際は具体的な政策の中では行なわれていない。そういう全般の構造的な問題があるわけですね。その点はどうお考えになりますか、この点についてお聞きしたい。
#21
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府としては、寡占産業における価格に対して、独禁法の厳正な運用によって、その動向をきびしく監視いたしまして、独占価格等の不当な価格形成が行なわれることがないように、競争条件の整備を考えておるわけでございます。また、いま御論議をいただいておりまする、御審議をいただいておりまする新設予定の物価局におきましても、寡占産業における価格形成の実態把握と、これに対する対策の検討をさらに進めたいと、こう思っておるわけでございます。
 なお、公共料金の問題でございますが、これは何回もこの委員会でも申し上げておることでございますけれども、われわれは国鉄の問題について、これをゆるがせにできない、国民の足としての国鉄を確保する観点から、何としても再建を考えなければならないということで料金改定を国会でお願いしておる次第でございまして、これはどうしてもやっていただかなければならぬと思っております。その際に、それとまぎらわしいような政策を掲げることは差し控えるべきである、こう思っておるわけでございます。ただ、今日までの物価高は、特に申し沿えておきたいのは、そうした公共料金の引き上げがない現状で行なわれておるのでございます。公共料金を上げたからこうなったじゃないかという御指摘は、これはこの段階の理由としては当たらないというふうに私は思っております。
#22
○岩間正男君 これは三点をお認めになるのかどうかというんです。私のあれではね。どうなんでしょう。基本的なこれは対策として、この七項目を検討するときに、いまあげた独占物価の問題、公共料金の問題、インフレ政策、こういうものを検討する基本的な態度として必要なんですよ。ところが、これについて明確な答弁はないわけですね。いろいろ言っておられるけれども、ずばりと、どうなんだと、この問題についてのはっきりした御見解を承りたいと、こう言っているんですが、それについてのまっ正面のそれに向き合った答弁がないんです。どうなんですか。
#23
○政府委員(小島英敏君) 今回取りまとめました七項目は、いわばその当面対策でございまして、短期対策でございます。そのほかに、先生、先ほどおっしゃいました長期的な問題として、低生産性部門の生産性向上とか流通対策とかいうものがあるわけでございまして、私どもの見解では、先生のおっしゃいますような寡占の問題というものは、やっぱり長期的な物価対策として今後次第にやはり重要性を増してくるんじゃないかというふうに考えております。そういう意味で、この問題は当面の物価対策からははずれているわけでございます。
 それから公共料金につきましては、ただいま大臣から御答弁ございましたように、国鉄との関係もございまして、明文の上には出ておりませんけれども、これは従来からの方針どおり、公共料金については真にやむを得ないものを除いて厳にこれを抑制するという方針でございまして、いささかも変更はございません。
 それから第三の政府のインフレ政策でございますけれども、私どもいままで政府がインフレ政策をやってきたというふうには理解しておらないわけでございまして、ただ、大臣の御答弁にもございましたように、一昨年のニクソンショック以来、レートの調整による不況を防止しなければいけないという一つの政策目的が非常に強く意識され、それから同時に、昨年あたりになりましてからは、再度のレート調整を何としても防がなければいけないという目的がまた加わりまして、そのために財政金融両面から景気の振興策がはかられるということが結果的に一つのインフレにつながってきているという点は、政府としても反省いたしているわけでございまして、その意味で今回の七項目の中でも、大臣も言われましたように、総需要管理、財政金融両面からの総需要管理というものが最大のポイントになっているということでございます。
#24
○岩間正男君 やっぱり基本的な政策面について聞いているんですね。ところが、いまのいろいろな弁解がましい御答弁があったわけですが、当面の政策だから、たとえば七項目の中に私が指摘しました三点というようなものはこれは入っていないんだ、こういうことですが、これはもうやぶ医者だ、もう全く。基本的な病気の病源をはっきりつかまないで、どんな対策ができますか。だから、この対策そのものの中に、やはり基本的にどのようにこれはその体質を変えていくかという、そういうものが含まれなければ、これは実効をあげ得ないのがあたりまえなんです。そこのところが非常に私は大きい問題だと思います。ですが、まあほかのこの三点についてもやらないんじゃないんだというようなことを言っていますが、これはまあ実際どうなのかということは、具体的に事実をあげてみればわかると思いますね。
 第一の問題ですけれども、大企業の独占価格、この問題ですね。これは鉄鋼、セメント、それから鋼材、建築材、それから自動車、さらにカラーテレビとかその他たくさんありますけれども、こういうものをあげてみれば、どういうふうになっておるか。私はまあ鉄鋼の例でこれはお伺いしたい。鉄鋼の場合どうなっておるか。ある産業における大企業の独占と市場支配が進むと、生産性が上がっても価格を下げようとしなくなるのではないか、こういうことがはっきりこれは具体的にあらわれているんじゃないか。たとえば鉄鋼です。鉄鋼では、昭和三十五年を一〇〇として、四十七年の労働生産性は四一九にこれは上がっているわけでしょう。で、賃金は三六一、この間、原料炭や鉄鉱石、くず鉄の原材料価格には大きな変動はないにもかかわらず、鉄鋼の価格は値下げできる余裕があるのに下がっていない。これはどういうわけなんですか、これをお聞きしたい。
#25
○説明員(勝谷保君) いま先生御指摘の数字でございますが、私ども四十年から四十七年の数字を手元に持っておりますが、四十年から四十七年は生産性上昇が二・五、それから三十五年から四十七年が四・一倍になっておることは御指摘のとおりでございますが、その間に大体賃金も四十年から四十七年が二・四倍、それから三十五年から四十七年が三・五倍、ほぼ生産性の上昇とひとしい伸びを示しております。それに加えまして、ここ数年は公害防止投資が四十年から四十七年は約十八倍になっておりまして、その他もろもろの物価上昇要因を加えますならば、生産性の上昇で価格の上昇を吸収しているということでございまして、ちなみに鉄鋼業の八〇%近くを占めておりますひもつき価格につきましては、ほぼ十年間大体二%前後の上昇になっておるということでございまして、末端の特約店価格のみが変動をしておる状況でございます。
#26
○岩間正男君 この資料はあとで出してもらいたい。
#27
○説明員(勝谷保君) はい、提出いたします。
#28
○岩間正男君 それでお聞きしたいのですが、だから価格は引き下げられないのだ、こういうような一つのあなたは例に出しているわけですけれども、どうなんですか、そういう中で、しかもばく大なこれは利潤をあげているのじゃないですか、どうなんですか。その点で、たとえば新日鉄の今年度のあげている利潤はどうなっていますか。
#29
○説明員(勝谷保君) 先生御指摘のとおり、今期の売り上げは非常な伸びでございまして、新日鉄は前期に比べまして二四・一%ということになっております。これはかかって販売価格の先ほど申しました八〇%分は不況カルテル期間中に千円から二千円上げましたけれども、それ以外は上げておりません。しかしながら、操業度が非常に高まりましたために、装置産業としてのコストが大幅に下がりました。一方、不況カルテル期間に定率償却から定額償却等にいたしておりますので、減価償却分のアップ等によりまして、その面で大幅な利益が出ております。御指摘のとおり利益が大幅に出ております。
#30
○岩間正男君 そうしたら、そこは非常に大きな矛盾じゃないですか。あなたのさっきの説明とはこれは全く合わないじゃないですか。生産性はこれは上がっている、それから操業は非常に拡大されている、しかし、それだけじゃないと思うんです。そこにはやはりはっきりした独占に対する政府の政策があると思うのですね。そうじゃないですか。だから、たとえば好況だ、好況といえば好況のときもこれはどんどん物価上昇と結びついて価格は上昇する。しかし、不況がくるというと、これはやはり保護の立場から不況カルテルを実施していく、そういう形で絶えず独占に対する保護政策というものはもうかゆいところに手が届くように行なわれている。そういう体制の中で大きな膨大なこれは利潤をあげている。これはどうなんですか、これは争えない現実でしょう。
#31
○説明員(勝谷保君) 御指摘の点もございまするが、不況カルテル結成のときは非常に操業度が落ちておりましたので、コストを割っていたことも事実でございます。そのために配当も落とし、さらには償却等も定率から定額にいたしたわけでございます。ところが、最近におきましては供給量を上回る大幅な需要が出てまいりまして、諸外国からの輸出に対する要請が強うございまして、国内価格より非常に高い値段で輸出がされておる。したがいまして、国内の価格は現時点で押えていることで政策としては精一ぱいでございまして、引き下げるということはとうてい不可能ではないかという気がいたすわけでございます。かかって需給関係にあるのではないかという気がいたします。
#32
○岩間正男君 これはこういう好況の中で、不況カルテルを四十六年六月ですね、そのときに期限切れになったのをさらにこれを延長したのはどういうわけなんですか。
#33
○政府委員(吉田文剛君) 不況カルテルは、高炉メーカー製品につきましては昨年の七月一日から十二月一ぱいまで延期をいたしました。また、平電炉メーカー製品につきましては四十七年の十月十四日から同年の十二月の終わりまで延長をしたわけでございますが、この延長する直前の時点におきましては、高炉メーカー製品につきましては大幅な需給のギャップがあった。四十七年の六月では稼働率が七二・八%、しかも大部分の企業は採算割れをしている。たとえば四十七年四月から六月までの赤字幅がトン当たり二千二百二円、この時点におきまして需給の早急な回復は期待薄であったということでございます。また、平電炉メーカー製品につきましては四十七年の八月におきまして稼働率が六二・八%、また採算割れの点につきましては、四十七年の八月におきまして赤字幅がトン当たり七百二十四円というような状態でありまして、法律の要件に合致したということで認可をしたわけでございます。
#34
○岩間正男君 そういう説明でありますけれども、あらためてお聞きしますけれども、どうですか、新日鉄の経常利益、今年三月の決算期で額としてどのくらいあがっていますか。
#35
○説明員(勝谷保君) 新日鉄の経常利益は、四十七年上期が百十億円、四十七年下期が四伊九十一億円でございます。
#36
○岩間正男君 そうすると、上期は前年九月期に対してこれは何倍ぐらいになっていますか。
#37
○説明員(勝谷保君) 四・五倍になっております。
#38
○岩間正男君 これは合併以来、最大の利益ですね。そういうものをあげている。そういう中で、いまの不況カルテルをこれは延長するというようなことが行なわれているわけですから、こういうことは一体、ほんとうにいまの物価問題を検討するときに、一番やはり基本的な独占の物価の問題、そういう問題の中でこういう事態が起こっていることに対して、これは国民は一体納得すると思いますか、どうですか。
#39
○説明員(勝谷保君) 先生御指摘の点、いたく私どもも感じておりますので、先ほどから申し上げておりますように、大手高炉メーカーの出し値は不況カルテル期間に上げました以外は原則として上げない、一部輸出その他の是正以外は上げないということで指導をいたし、鉄鋼業界も大手においてはそれを守っているのが実情でございます。さらに配当等につきましても、大臣からの基本的な姿勢についての一般的な御発表がありまして、自主的な判断のもとに、配当についても大幅な配当をいたさないで、不況カルテル下の冷却した体制の改善のために充当しているのが実情でございます。
#40
○岩間正男君 好況のときはどんどんこれは独占価格が一方的に決定され、それはそのまま問題にならないで、不況がくると政府はそれに対して不況カルテルでこれを保護する、そういう形で実質的には膨大なこれは利潤をあげている。ことに、今度の決算を見ますというと、もう前年に比べて四・五倍、こういう事態ですね。これは合併以来、最大の利益だと思いますが、大幅な経常利益を出している。産業の米といわれるほど重要な鉄鋼、その価格が独占的にきめられて、政府の保護のもとにしかも温存せられている。それで、この不況カルテルについて先ほどのような措置をとったと言われておりますけれども、しかし、この利潤は利潤としてこれは保証される、そういうたてまえにこれは立っているんです。こういう問題はもっともっとこれはメスを入れて、物価問題の中で国民の前に明らかにしなきゃなりません。これは鉄鋼の例で、私は非常に時間の関係から詳細をやらなかったわけでありますけれども、国民的な感情からいって、こういう点を明確にこれはすると、これに対する政府の政治姿勢というものが明らかに問われているんですよね。非常にこれはルーズだ。保護政策というのは、もう一言にしてそういうものが出ているんですね。これはもう鉄鋼だけの問題じゃなくて、先ほどあげたもろもろの独占物価の場合にそういう方法がとられている。この理由は何かということは、これはまああとで私はもっと追及したいと思います。
 次に、時間の関係から公共料金の引き上げの問題、これをお伺いしたい。この最もいま代表的なのは、国会にかけられて参議院にも送ってきました国鉄運賃値上げ法案だと思います。これもまあいろいろ詳細やれば時間が非常に足りないわけであります。二、三の問題を私は指摘します。しかも国鉄運賃のこの法案はいよいよ本格的な審議に入るわけでありますが、その中で二、三の問題を、当面する問題について私はお聞きしたいと思うんであります。
 参議院の本会議で、十八日に経企庁長官は、国鉄運賃の引き上げによる消費者物価に対するそのはね返り、この影響、これに対しまして旅客運賃は〇・三四%、貨物運賃は〇・〇九%というふうに答えられました。そこで、私はお聞きしたいんですが、その計算の根拠はどういうことなんですか。
#41
○政府委員(小島英敏君) CPIの、消費者物価指数の上におきましてウエートというものがきまっておりまして、笹通旅客運賃が一万分の百三十、つまり一・三%でございます。それから通勤の定期が一万分の二十一、通学定期が一万分の三でございまして、これらにつきまして今度の改定率をそれぞれ掛けまして合計いたしますと、旅客運賃の場合のCPIに対する影響は〇・三三八となるわけでございまして、これが御答弁にございました〇・三四%という数字でございます。それから貨物運賃につきましては、これは直接はこのCPI、消費者物価指数の上には影響しないわけでございまして、ただその貨物運賃が上がりますと当然物資のコストが上がります。で、なかなかそのコストの上がったのがどれだけ実際に物資の価格に影響するかというのは、その物資のそのときの需給状況によって変わりますから一がいに申せないわけでございますけれども、かりに運賃のコストアップというものがそのまま価格上昇に反映するという仮定を置きまして、産業連関表というものを使いましてはね返り計算をいたしますと〇・〇九二、いわゆる四捨五入しまして〇・〇九%ということになるわけでございます。
#42
○岩間正男君 これは長官にお伺いしますが、こういう説明でこの国会をまかり通るつもりですか。こんな子供だましの説明で国民は了承すると思いますか。
#43
○国務大臣(小坂善太郎君) 経済企画庁といたしましては、物理的に計算をいたしまして、それぞれの商品の物価への寄与率というようなものをCPI、WPIそれぞれについて出しておるわけでございます。そのような御説明を申し上げておるわけでございます。
#44
○岩間正男君 こんな単純計算はこれは小学校の生徒がやる計算じゃないですか。国鉄運賃を上げるということは日本の全経済に波及する、その影響、その深さと振幅というものは非常にこれは大きいものですよね。それをもう大体国鉄運賃が全体の消費者物価の中で占めるそのウエートは一・三%だというふうに想定して、それに対して今度の上昇率をかけて、その結果が〇・三四%だという説明をされておるんです。こんなことでこれは実態をつかんだということにはなりませんよ。一応のこれは国会用説明のいわば遁辞にすぎないと私は思うんですね。考えてもみればわかると思うんです。国鉄運賃が上がればすぐにこれに対して連鎖反応を持つでしょう。まず私鉄運賃の値上げというものが問題になってくる、タクシー料金の値上げというものが問題になってくる、さらにまた膨大なこれは資金を要しての国鉄の設備投資、これが非常に増強をされるわけでありますから、ですから、当然これに伴う地価の高騰も起こってくるだろう、建設資材の値上がりもこれに伴うわけです。そうでしょう。さらにまたこれは民間でどうかといったら、もう物価の便乗値上げがこれに伴って起こりますよ。聞いてみてごらんなさい。たいてい、国鉄運賃が上がったものだからやむを得ないんです――これが便乗値上げのどこでも使う口実ですよ。こういうものを、少なくとも私はこれはちゃんと計算できるんだと思う。これは社会面に波及する現象ですから、いままでのこれは調査ではむずかしいかもしれない、しかし、これは一つの法則があるわけですから、そういうものをはっきりつかんで、その大筋をつかめばこの波及する影響というものはつかむことができると思うんです。しかし、これはしない。これはしないで、いまの単純計算の小学校式計算で国民を納得させようと言ったってこれは納得しませんよ。生活体験を通じてみな知っているわけです。これをどう一体御説明なさるおつもりですか。
#45
○政府委員(小島英敏君) なかなかこの便乗値上げといいますものは――確かにないとは申しませんけれども、これを計算するということは実際上不可能でございます。実際問題といたしましても、一般の商店とか貨物というものが、商品が値上がりする場合に、国鉄の運賃が上がりますと、理由として、国鉄運賃が上がりましたから値上げしますということを言う場合がございますけれども、それじゃ国鉄が上がらなかったならばそのものが上がらなかったかどうかという点ははなはだ不分明でございまして、その場合には諸経費の上昇により値上げいたしますという理由をおそらくつけるであろうと思いますけれども、そういう場合に国鉄がたまたま上がっておりますと、運賃が上がりましたからという理由をつけるというケースもかなりあるわけでございまして、なかなか実際に国鉄が上がったことに伴う便乗値上げがどれだけかということは、おそらく何人も計算し得ないんではないかというふうに思います。
#46
○岩間正男君 それは、だから非常に単純な計算ではこれは出てこないものだ。しかし、いままではそういう数学やっていないからね。これは一つの法則はありますよ。これは今後の問題にするにしても、とにかくガソリンがもう蒸発していて、そこへ火をつけるような形で国鉄運賃が値上げされるんです。そうでしょう。それでそれが一つの口実になる。便乗値上げの場合をあなたはだいぶ説明されたんですけれども、タクシーをはじめとして私鉄運賃の値上げ、こういうものに連鎖反応をこれは起こすことはいつでも起こっている現象ですね。こういうものについて、少なくとも私はいろいろな指標をとって、コンピューター時代でしょう、これ、つかめないということはないわけですよ。この努力をしかししょうとしていないんだ、したらぐあいが悪い。国鉄運賃の値上げは微々たるものでございます。ほとんどもう一%の三分の一、これが消費者物価にはね返るだけでございます。だからどうぞ受益者負担の立場からこれを了承してほしい、こういう線でやっておるわけですが、こんなことでだれが一体、国民が了承すると思いますか。生活体験で知っているんですよ。長官、そう思いませんか。少なくともこんな説明でまかり通ることはできない。私は、この点についての答弁をしていないんだという、そうして、いわばほんとうに何とか国鉄を通すために、このようないわば官僚作文みたいな、小学校式の単純計算でこの問題をまかり通ろうとするところにいまの国鉄運賃の性格がはっきり出ているんだということを私は指摘したいと思う。長官どうですか。これは長官にお聞きしたい。
#47
○国務大臣(小坂善太郎君) この委員会でお願いしておるのは、物価局をぜひお願いしたいということでございまして、国鉄運賃の問題は他にまた御論議をいただく機会が十分あると思いますが、ただ、局長からいろいろ申し上げたとおりでございますけれども、過去の例でひとつ、これは私も本会議でも申し上げたことなんでございますが、過去の例でひとつ申し上げさしていただきますと、従来、国鉄運賃を何回か上げておりますわけでございますが、昭和四十一年に旅客運賃を三二・三%、貨物運賃を一二・三%、これはいずれも名目改定率でございますが、上げているのが一番最近の大きな実例でございます。そこで、総理府統計局の消費者物価指数年報によりますと、昭和四十一年には総合上昇率が五・一%――いや、その前に四十年を申し上げますと、前年の四十年は六・六%上がっております。上げた四十一年は五・一%。上げました翌年の四十二年は四・〇%、むしろこれは下がっておるのでございまして、いまおっしゃいましたように、便乗値上げが必ずあるというふうに、まあそれは便乗値上げをしたいであろうと私も思いますけれども、そういうことは、やはり国民がみんな物価を上げては困るんだ、国民は消費者であるわけでございますから、生産者といえども、あるいは流通業者といえども最終的に、家へ帰ればみんな消費者なんでございますから、みんな上げては困るんだという意識に徹すれば、私は、必要なものは上げても物価というものは押え得るんだ、国民みんながその気になれば、もう物価が上がるから何にもできないということではなくて、これは広範な国民みんなの努力によって克服し得るものじゃないかというふうに思います。過去の例はこういうふうになっておるということを御参考までに申し上げます。
 繰り返して申し上げますが、ここではその騰貴が主ではございませんので、私は物価局というものをつくっていただいて、さらに物価問題を掘り下げるというふうにさしていただきたいということをお願いしておるわけでございます。
#48
○岩間正男君 物価問題を論ずるのに、いま焦点になっているのは国鉄問題ですよ。これは物価値上げの大宗ですからね。いわば、ほんとうに、ガソリンが蒸発しているのに火をつけるかどうかというふうな、そういうところにこの問題は立たされているんです。だから国民がこれだけ騒いでいるんじゃないですか。どうですか。小選挙区制の問題と、それからこの国鉄運賃値上げ法案反対、そうしてまた健保反対、こういう点ではどうですか、これに対する野党のあくまでこれは廃案にするという、そういうかたい決意のもとに戦われている、また、院外のこれに対する一体大衆の動きというものをこれはどうつかんでおられるのですか。だからいまのような答弁をされる。いまの資料だってこれは出してください。もっと具体的なものを出さないと、この数字のそこのところだけで、実際国鉄の問題をどれだけ分析して、そして値上げの影響が出たのかということはわかりません。それだけ見ているというと、全く結論的なものだけでありますから、とてもそれは説明にはなりませんよ。私はお聞きしますけれども、どうなんですか、昨年これは当院でこの国鉄運賃値上げというのは廃案になった、そうでしょう、これはやはり国民の意向ですよ。この国民の意向が参議院では野党の大きな結集になったんだ。そして院外のそういう要求のもとにあれは廃案になったと考えなきゃならぬのです。ところが、それと同じものが今日出されてきている、ほとんど同じものが議案として出されてきている。そうしたらどういうことになるんですか。この点について、私は、物価の安定ということを最大の課題としているはずの経企庁長官が、やはり明確に対処をするということが迫られているんじゃないか。そうでないと、物価問題を論じたって話になりませんよ。それで、この法案は物価局の問題、機構改革の問題なんですよ。しかし、その物価局もどういうふうにこれは運用されるのかというと、深い関係があるんですよ、この問題と切り離して論ずることはできない。どうなんです。昨年のそういうことに対する反省、それから、それらから教訓というものをこれは受けていないのかどうか。そして今年あくまでこれをごり押ししょうと考えておられるのかどうか、そこをお聞きしたい。
#49
○国務大臣(小坂善太郎君) 昨年、残念ながら本院を通らなかったということは、おっしゃるとおりでございます。そこで、国鉄というものは国民の足でございまして、現実にもう償却前の赤字があのような状態であって、普通のものであればとうてい立ちゆかぬ状態であるのを、国の関係で、公社であるという関係で経理しておるわけでございます。やはりこれをあまりほうっておくと結局国民に対するサービスが低下するということで、本年もまたこの御審議をお願いしているわけでございますけれども、同じものを出してきたとおっしゃいますが、実は昨年一年足踏みをしたものでございますから、本来ならばもっと値上げを大きくして、そしてこの一年分のものを取り返すべきであるという主張は非常に有力に存在したわけでございます。そこをわれわれ努力いたしましてこの程度に押えたのでございまして、同じものを出してきたとおっしゃるのは、せっかくのおことばを返すようでございますが、これはそういうことではございません。また財政負担も非常に大きくいたしております。
#50
○岩間正男君 私もすわってやりますから、大臣もすわってください。
 あなた、そういうふうに言うけれども、必ず国鉄法案は通らなければならないんだという、そこに立っているからそういうことを言えるんで、われわれの立場からいえば、こんなばかげたことはないということになるんですよ。だれだって、国民の感覚として、国鉄運賃が上がれば物価が上がる。そしてまた事実そのとおりだ。何回もそれは繰り返された。それに対する反省がない。しかも先ほど申しましたように、田中内閣の支持率というのは急速に下落をしている。一五%まできている。この反省からいえば、当然このような支持率の低下の原因である、最大の原因というのはこれは物価の問題なんです。その物価の値上げの大宗をなすところのこの国鉄運賃なんだ、そういう課題で国民はこれと対決しているんですよ。この辺に対する反省が全くないというのがいまの自民党のやり方じゃないか。だから私は、政治論議になりますけれども、このところが非常に重要だというふうに考えるのですね。どうなんですか、もう一度お聞きしたい。
#51
○国務大臣(小坂善太郎君) 失礼ですが、おことばですからすわってやらしていただきますが、私は、岩間委員の御意見は御意見として承りますけれども、私が岩間委員の御意見のとおりに賛成しなければいかぬとおっしゃるのは、これは……
#52
○岩間正男君 いや、そうは言っていない。そんんなこと言ってない。
#53
○国務大臣(小坂善太郎君) これは所属する党が違うごとく、根本認識が違い、考えが違うわけでございます。私の考えは、先ほど申し上げているようなことで、やはり公共機関といえども、何でもかんでも全部負担は政府でやればいいんだという考えには私ども立たないので、これはどうも審議の場所が違うように思いますけれども、国鉄関係の運輸委員会でやるほうが至当だと思いますけれども、私どもは、とにかく政府も財政負担をする、これはいままでにない大きな負担をこれからしょうというわけです。それから国鉄自身も再建について相当の縮減をする。しかも国民も、利用者も――私は長野県の出のものでございますが、私は鹿児島の山の中の鉄道にはほとんど一生を通じて乗らぬわけでございます。北海道の方は、長野県の山の鉄道にはお乗りにならぬ方が多いと思うんですね。やはりその利用する限りにおいて利用者が負担をする、税金でも負担するし、利用者がそれぞれ負担をする。まあ三者それぞれに負担をする。三方一両損ということばもございますが、そういうことで負担するというのは私どもはいいと考えてこの法律を、国鉄再建に関する法律を出しておるわけなんでございます。それをいまここで悪いと言えとおっしゃられても、私ども悪いとは言えないわけなんです。私ども、いいと思うからこれ出しておるということを申し上げる以外にありません。
#54
○岩間正男君 まあ、これは国民が審判する問題ですね。最近の大阪の補選の何を見てもはっきりこれは国民の審判がおりているわけですからね、そうでしょう。それで、あなたたちはがんばるならがんばって差しつかえない。しかし、これに対してわれわれの立場は明確にしておく必要がある。
 そこで、国鉄、いや運輸省は来てますな。一体、今度の値上げの大きな、大ざっぱに言って何を目的としてこれは値上げを、これ、出してきているんですか、案を、大きく言って。長く要らぬからね、大きいこの項目をあげて。
#55
○説明員(服部経治君) お答えいたします。
 私どもは、国民といいますか、諸先生方の、野党の諸先生方の昨年の国会審議以来の御批判の中で、再度また国鉄運賃の改定をお願いしているその理由でございますけれども、私どもは物価の問題もさることながら、国民の足、国民経済の大動脈としての国鉄というものの機能を麻痺させない、その正常な業務運営を確保して国民の生活の向上に資すると、そういうためにぜひとも必要だということでこの運賃法案の改定をお願いしておるわけでございます。
#56
○岩間正男君 これは二点あるんじゃないですか。輸送量の拡大、これをまあ現状線に合わせるんだと。もう一つは国鉄経営の合理化でしょう。この二点が大きく出ていると思うんですよ。そうじないですか。大ざっぱに言ってそういうことになるんじゃないですか。
#57
○説明員(服部経治君) ちょっと先生のお尋ねの意味がよくわかりませんが、運賃法の改定をなぜ出すかという御趣旨であれば、私がいま申し上げたようなことでございます。
 それからいま国鉄が考えております国鉄財政の再建の考え方の内容でございますれば、先生がいまおっしゃられましたような人員の合理化とか業務の合理化とか、輸送活動のいよいよこれを活発化させるというようなことはもちろん内容としては入っております。
#58
○岩間正男君 これは私も国鉄の、いや、運輸委員を過去まあ九カ年ほどやったことがあるんですから、何回もこれは運賃値上げと戦ってきたわけですね。いつでも足の確保とか安全性の確保、こういうことを口実にしているわけです。ところが、全然これは改まらぬじゃないですか。通勤輸送一つとってみたって少しもだめです。安全だってどうです。実際はそうじゃないでしょう。実際は非常にやはりこれはこの独占の輸送、そういうようなもののところにもう強力な何が置かれています。そのための国鉄経営の合理化というやつが非常に大きな課題になってくる。国民の前にこれが明らかになっていない。うたう宣伝の文句では盛んにやりますよ。必ず、安全性だとか、足の確保だとか。やってますか、やってないじゃないですか。いまの通勤電車一つ見たってわかるんだ。そのときばちょっとやるようなかっこうするけれども、一年たってごらんなさい。もうすぐに営業係数はどうなる、ものすごいことになるじゃないですか。
#59
○説明員(服部経治君) 幾つかの点にわたって御指摘があったと思いますが、まず安全の面でございますけれども、これはもちろん国鉄というものが輸送というものをその業務としております以上は、安全の確保ということなしにその業務の遂行ということは考えられません。したがいまして、結果におきましてはいろいろと御指摘のような点もございましょうけれども、国鉄といたしましては、安全の確保ということにつきましては、常に全力をあげまして万全を期しておるというふうに私ども確信いたしております。
 それから通勤輸送の改善のおくれということがただいま御指摘になりました。確かに通勤輸送の混雑というものは今日現在でもなお相当ひどいものがございまして、その点私どもはたいへん遺憾に存じておりますが、これはこの通勤輸送の混雑という問題につきましては、国鉄も過去から現在に至るまで、できる範囲内で可能な限り投資を行ないまして、その改善につとめてきております。ここ十年ぐらいの間の混雑率の緩和というものを数字で御説明いたしますれば、若干は御理解いただけるのではないかと思いますが、線区によりましては相当改善の実をあげてきておる、実情でございます。
 それからもう一言申し上げたいんでございますが、今後の大都市の通勤輸送というものについてどうあるべきかという問題でございますが、これはただひとり国鉄だけが通勤輸送の改善ということに努力いたしましても、とうてい満足のいくような解決が見出されるわけではないというふうに思っておるところでございまして、大都市の通勤輸送の改善ということに関しましては、私鉄、地下鉄、バスといったようなものが国鉄と一緒になりまして十分な解決をしていかなければならないと、かように考えております。
#60
○岩間正男君 それは、あなたたちの立場からいえばそういう答弁するわけでしょうけれども、実態はどうかと言っているんです。この問題は何回もこれはいままで論議されてきた問題だし、今後も法案の審議の中で別の委員会でやられる問題だと思うからあまり時間をかけたくないわけですけれども、実際は何ですか。今度この日本列島改造論ね、こういうものに即応する態勢でもって、そうして膨大な資金をこれは集める。そうして新幹線をはじめとするこういう輸送量の拡大、そういうものにこれはこたえていく。そのためのまた一方では赤字を解消して国鉄の合理化というようなことをこれはうたっているわけだ。しかし、実際はこれは非常にこういうようなうたい文句というやつは、実際できない。そういう全体のここで資金の面からの論議をすれば明らかになりますけれどもね。さらにこの問題になるのは公社であるという、公社のこの公共性の問題をやるわけですね。それで、必要があると公共性を非常に議論する。それから公社の独立採算、独算制の必要がある場合には、これは独算制の問題を問題にするわけですね。二面性なんです。国鉄は。都合のいいときは公共性を力説する。都合のいいときは独算性を力説する。これは政府の態度じゃないですか。ところが、この国鉄の経営のしかたというのは非常にふしぎなんだ。そうでしょう。第一、旅客の運賃の値上げ、そういう負担によって、それによって設備投資をどんどん増強するというんですから、こういうやり方というのは、これは全く国鉄だけに限られたやり方だと思うのですね。そこで、運賃値上げの問題が大きく出てきているわけなんですが、これはどうなんですか。この二面性についてはどういうふうに長官にお考えになりますか。
#61
○国務大臣(小坂善太郎君) 国鉄がいま輸送上国民の満足を得ていないというところは大いにあると思いますが、それだからこそ再建を考えるということで、いまお願いしている法案になっておるということでございまして、これは議論はいろいろあるところでございましょうけれども、私どもは今度出している再建法と値上げ法とそれによって十カ年の目標を立てて、そして大都市における通勤・通学のあの混雑も解消するし、いろいろな面で国民のサービスを満足させたいと、こう思っておるわけなんでございます。それから何でしたか。
#62
○岩間正男君 公社と公共性の問題、二重に使っている。
#63
○国務大臣(小坂善太郎君) 公社の公共性の問題でございますが、国鉄はそういう意味で非常に公共的な役割りを果たすということで、総合交通体系で申しまするように、大都市における通勤・通学の利便をはかるとか、あるいは地方都市間の連絡をはかるとか、あるいは大量の貨物輸送をやるとか、そういうようなことでその機能を期待されておるわけですね。そういう意味で、公共性があるすなわち公社の経営によっておるということでございます。そこで、いまその旅客運賃と貨物運賃のお話が出ましたけれども、これは両方ともに赤字であるわけです。新幹線が非常に有効に機能しておりまするので、新幹線の面でプールいたしますと旅客運賃のほうはそれほど赤も出ないというふうなことがございますけれども、しかし、この新幹線という特殊なものを除きまして、これから考えている国鉄の体系で見ますると両方とも非常に赤字を――もう二兆円にものぼるような問題をかかえておるんで、これを何とかせにやならぬということは、この公共性の点から見ましても、何とかせねばならぬ問題は常にあることであると思っておるわけです。
#64
○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
#66
○岩間正男君 いま旅客運賃も赤字だと言ったが、それは違うじゃないですか。三百七十二億の黒字であるという点は、これは衆議院の審議ではっきり出ているんです。いまのそれは、あなたの、旅客も赤字だ、そういうような言い方ってのはこれは事実と違いますから訂正願います。それが大きな問題になっているでしょう。黒字なのになぜ一体旅客運賃を上げるのか。そうして貨物運賃の膨大な赤字を旅客運賃の値上げによってまかなうと、こういうことは正しくないということが非常にこれは論議の一つの大きな焦点になっているわけでしょう。いまの長官の発言、ちょっと事実に反しますよ。
#67
○国務大臣(小坂善太郎君) 国鉄からお答えしたほうがいいと思いますが、私の理解して申し上げたのは、要するに新幹線が非常に黒字が出ておるので、それでこの旅客運賃の一般の赤字がこれでカバーされておると、こういうことを申し上げたわけであります。詳しくは国鉄のほうから……。
#68
○岩間正男君 いや、もう時間ないからね、いいよ。これはもう事実明らかなことだ、ちゃんと明確にされたことだ、要りません。
 それじゃ、これとも関連してお聞きしますが、私鉄運賃ですね、これは国鉄の運賃値上げを待っている、そういう点が出てきてると思うんですよ。名鉄、西鉄、それから残りの大手十二社、こういうところで申請が出されて一これはまだいないんですね、準備をしているわけですね。これはわかっておりますか。これもなるたけ、委員長から時間言われているから、わかるところだけやってください。
#69
○説明員(宇都宮寛君) 申請が去年出ております。
#70
○岩間正男君 それ、言ってください、西鉄、名鉄、それから……。パーセンテージだけでいいです。
#71
○説明員(宇都宮寛君) 個々の会社の申請の内容でございましょうか。
#72
○岩間正男君 うん、時間がこれかかるかなあ。
#73
○説明員(宇都宮寛君) はい。資料で差し上げてもよろしゅうございます。
#74
○岩間正男君 資料でそれじゃ出してもらいましょう。
 われわれの聞いているところでは、名鉄は平均二八・五%、西鉄は普通が二七・三%、定期は通勤・通学とも割引率の引き上げ、残りの大手十二社ば平均で、普通運賃が二七・一%、通勤定期が四四・四%、通学定期が三〇・四%、こういう申請が出ておると聞いておりますが、いいですか、どうなんですか。
#75
○説明員(宇都宮寛君) 名鉄、西鉄につきましては先生の御指摘のとおりでございます。それで十四社全体で申し上げますと、普通運賃で二六・五%、それから通勤で四四・四%、通学で二九・四%の値上げ率でございます。
#76
○岩間正男君 そうすると、私はこれ、これもしばしば国鉄運賃値上げのときに大きな問題になってきたんですが、大体私鉄独占というものは鉄道だけやっているわけじゃないわけでしょう。土地の買い占め、宅地の造成、建て売り住宅、さらに最近はいろいろな遊園だとかそういうものをやって、いわば私鉄の名において実際は傍系会社をつくるとか、そういうかっこうで非常に企業を拡大している。そうして、しかも鉄道の相当な犠牲においていまの土地会社とか、そういう点ですね、兼業面というのは太っている。こういうことになりますから、どうしても全体的に総合的にこれを調べなければならぬと思うのですね。鉄道だけを単純に向こうの報告と、そういうようなことで申請に即応するというやり方では十分にこれはこたえることができないのじゃないか。しかも企業内容そのものというものは、これはどの程度調べるのですか、どうなっているのですか。いまのような総合的な経営の内容を調べること一つ、それからほんとうにこの鉄道の企業内容についてもこれは調べているのか。いままで私たちは、この企業内容について概略でいいから報告してもらいたい、しばしばそういう要求を出したんだけれども一度もこれは報告されたことがない。監督局としてはどうなんですか。運輸省としてはどういう監督をしている。
#77
○説明員(宇都宮寛君) 先生の御指摘は、一言にして申し上げますれば、会社全体としての経営から見るべきであるという御指摘かと思いますけれども、私どもの考え方としては、残念ながら、鉄軌道の収支自体でもって判断すべきであるというふうに伝統的に考えている次第であります。
 それで、その理由といたしましては、まず大きなもの三つばかりあると思いますが、第一点は、兼業部門の収支状況いかんによって鉄軌道の運賃水準が左右されるということは不合理である、これが第一点でございます。それから第二点としては、兼業部門の収支を考えまして、それで鉄軌道への内部的な補助を考えるということになりますと、その兼業部門の市場面における競争力を不利にする、不利な条件を課することになるという点が第二点でございます。それから第三点でございますけれども、兼業部門の利益を考慮して運賃を設定するといたしますと、設備投資が非常に必要なわけでございますけれども、鉄軌道の設備投資が非常に不利な条件になりますと、設備資金が有利な兼業部門のほうに流れて必要な投資ができなくなる。したがって、公共交通機関としての使命が達成できなくなるおそれが非常に強いというのでございます。以上のような理由から、鉄軌道だけの収支でもって鉄軌道の運賃は決定されるべきであるというふうに考えております。
#78
○岩間正男君 企業内容について報告はできますか、大筋の。どうなんですか、国会に提案できますか。簡単にやってください。
#79
○説明員(宇都宮寛君) 事業内容と言うと鉄軌道全体でございましょうか。
#80
○岩間正男君 営業内容ですね、それ、どうですか。大きな経営の内容というやつは、これは報告、あなたたちつかんでいるでしょう。これは出せる、どうなんですか。
#81
○説明員(宇都宮寛君) 考課状によりまして四十七年度の実績を申し上げますと、大手十四社……
#82
○岩間正男君 できるか、できないか、これ、やってもらえばいいです。問題は、そこのところが問題なんです。いま詳細やっている時間なくなっているから。
#83
○説明員(宇都宮寛君) 大手十四社では三百九十億程度の経常利益をあげておる、こういうことでございます。
#84
○岩間正男君 そうすると、そういう中で私鉄の申請に対してこれをどうするのですか。国鉄運賃の値上げ、これと関連してくるわけでありますけれども、どういう方針をとっておられますか。
#85
○説明員(宇都宮寛君) いま申し上げましたように、経営の合理化の状況等慎重に検討中でございます。
#86
○岩間正男君 これは今度の物価局との関連も出てくるわけですが、こういうところに深く立ち入って一体調査できるのですか、できないのですか。報告を求めるというようなことになっても、あるいは勧告をするというようなことになっても、これは十分できますか。これについてはどうです。今度の機構ではどうなっている。
#87
○政府委員(小島英敏君) 現在の段階でもそうでございますし、物価局になりますれば資料の各省に対する資料請求権もできますので、一そうそういう面で強化されるということでございます。
#88
○岩間正男君 ある程度の精神はあるんだが、ほんとうにこれはできますか。こういう要求を私鉄独占に突きつけて、それでそういう調査ができるかどうか。ここが非常に重要なところで、実はこういう運賃の問題ね、そうして当然これは私鉄の運賃値上げというのは予想されてくるんだが、これに対して国民的な基盤から判断しなければならない問題ですよ。そうでないとどんどん連鎖反応を起こしてくる。そういう例として、この私鉄の問題、これは非常にやっぱり今後大きな問題ですからね、これは物価全体の中でやはり大きな問題になってくるわけですから、お聞きしているわけです。この点に対する、これは物価局というのはできても、その機能を十全にこういうところにフルに発動させる考えがあるんですか、どうなんですか。
#89
○政府委員(小島英敏君) 直接会社に対する監督は運輸省でございますので、運輸省を通じて、実態把握が何といってもおっしゃるように一番の基本でございますから、全力をあげて実態把握につとめるつもりでございます。
#90
○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#91
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
#92
○岩間正男君 それじゃ、次にお聞きしますけれども、四国電力の値上げがこの十九日申請された。そこへ持ってきて、またこれは関電の申請が行なわれておるのですね。で、これ、簡単にお聞きしたいんですが、これは消費者物価へのはね返りというのは、これを認めるとすればどれぐらいになるのですか。
#93
○政府委員(小島英敏君) 四国電力の、これは申請が出た段階でございますので、どれだけ実際に値上げになるかというのは今後の問題でございますけれども、かりに申請どおりの値上げが行なわれたといたしますと、電灯に対する、電灯分の値上げ率が一二・五七%でございまして、これをCPIのウエートで計算いたしますと、全国のCPIに対しまして〇・〇〇八%の値上げになるわけでございます。それから同じような計算を関西電力についていたしますと、〇・〇五八%と相なるわけでございます。
#94
○岩間正男君 このはね上がり率はやっぱり単純計算ですか。さっきのやり方ですか。
#95
○政府委員(小島英敏君) これは産業に対する分をまたIO表を使いまして計算をいたすわけでございまして、これは現在通産省と企画庁と両方でIO表を使って計算中でございます。
#96
○岩間正男君 値上げの理由はどういうことですか。申請の理由は。
#97
○説明員(田中誠一郎君) 先生御指摘のとおり、十九日に四国電力から平均で二一五四%、関西電力より平均二八・一三%の料金値上げの申請が出てまいったわけでございますが、その改定の理由はほぼ同様でございまして、彼来の合理化努力にもかかわらず、最近原価が非常に高騰しておるということでございます。
 原価高騰の要因といたしましては、公害対策費の急増、OPECを中心といたしますところの燃料価格の大幅な上昇、供給力の確保ないし輸送力の確保という観点での資本費の高騰といった要因があげられておるわけでございます。他方、合理化も、従来行なっておりました熱効率の向上なり、送電ロス率の低下といったような合理化要因も非常に技術的に限界にきているというのがその要因でございまして、収支面でも非常に感化しておりますので、公益事業としての電気事業の使命達成のために料金改定が必要であるという、大体そういう趣旨でございます。
#98
○岩間正男君 今後まあこれは検討されると思うのですが、これに対してやっぱり十分にこれは資料を要求する、立ち入りの検査もこれは必要ならやらなきやならぬと思うのですね。しかも、どうなんですか、電力は。配当は一割はあくまで確保する、これは絶対さわらせない、聖域としてこれを守っていく、こういう態度は変えないのでしょう。これはどうなっている。
#99
○説明員(田中誠一郎君) 電力産業は御存じのようにたいへんな設備産業でございまして、逐年大規模な設備投資をするという現状でございます。で、設備資金調達の方法といたしまして、借り入れ金のほかにほぼ同額の社債で調達するという方法をとっておるわけでございます。社債調達につきましては現在商法上ワクがございますが、電気事業にはその性格の特殊性にかんがみまして、おおむね資本金の倍の社債発行ワクが認められておるわけでございます。したがいまして、電気事業といたしましては、増大します設備資金調達という観点で増資を行なっていく必要があるということでございます。増資につきまして、これは産業界、証券界、金融界の再主基準の中でも、ガスと並びまして電力につきましては一割配当の維持というのが条件になっておるというふうに了解しております。
#100
○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#101
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
#102
○岩間正男君 長官にお聞きしますが、これは十九日の閣議後の記者会見で、通産省からの連絡を待って慎重に判断する、特に実施時期、値上げ幅については十分検討したい、こういうふうに語ったと新聞は伝えておりますが、しかし、結局上げる方向でこれは検討するということですか。
#103
○国務大臣(小坂善太郎君) 私が申しましたのは、通産省からの連絡を待って慎重に検討したいと、それだけでございます。あとのことは言っていません。
#104
○岩間正男君 どういう考えです。どうお考えですか。判断――検討するだけですか。
#105
○国務大臣(小坂善太郎君) 私は通産省とよく話し合ってみると、その結果によって私の意見をきめますと、そのこと以外申し上げません。
#106
○岩間正男君 物価安定の立場からどう考えている……。
#107
○国務大臣(小坂善太郎君) いま申し上げたとおりでございます。
#108
○岩間正男君 イエスもノーもないというわけですね。判断なしと、こういうことですか。イエスも、これに対して、電力の値上げの問題については見解を示されないと……。
#109
○国務大臣(小坂善太郎君) いずれ申し上げる時期があると思いますが……。
#110
○岩間正男君 いや、いまですよ。
#111
○国務大臣(小坂善太郎君) いまは、何回も申し上げているように、通産省にこの申請が出ているわけでございます。通産省はこれを受けつけられていろいろ研究をされておるわけでございますから、研究されておる段階において私の意見は申し上げることを差し控えたほうがよろしかろう、こう思っておるわけでございます。
#112
○岩間正男君 まあ、長官の立場もあるでしょうが、体当たりでこれは物価安定に対処すると言われた長官の言としては、そういうものはいただけないですね。
 まあ、あと二、三点聞くのですが、こういう点で私はどうしても政治献金の問題を明らかにしなければならぬと思うのですが、どうですか。鉄鋼、電力それから自動車それから私鉄、石油化学、銀行協会ですか、電気、こういうところの前年度の自民党に対する政治献金というのをここでお伺いしたい。選挙課長だ。
#113
○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#114
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
#115
○説明員(山本武君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 御承知のように、政治資金規正法は、政党、協会その他の政治団体を主体として報告をとっておりますので、鉄鋼であるとか、あるいは電力会社であるとか、そういう政治寄付をする側を主体として報告を求めておりません。したがって、官報で御報告申し上げていますように、そういう業者別の資料は集計しておりませんので、この席上でお答えすることはできかねると、そう御了承いただきたいと思います。
#116
○岩間正男君 そういうような、あなたたちの立場はいつでもそういうことを言っておるんですが、これは新聞にも公表されたんですね。たとえば、電気事業連合会、東京銀行協会、日本鉄鋼連盟、これは各三億円、日本自動車工業会二億二千万円、全国地方銀行協会有志一億二千万円、石油連盟九千万円、東証正会員協会四千八百万円、その他まだいろいろ出ているわけであります。これは四十六年の上期。四十五年上期でも、鉄鋼連盟あるいは電気事業連合会では各二億円、このように政治献金を多額に受けておって、はたして、一体このようないろいろな審査ができ、そうしてほんとうにこれは物価の安定を国民の立場から戦いとることができるかどうか。これは重大な問題ですよ。この問題は、やはり物価安定の背後にまつわっている非常に重大な課題ですからね。この問題について、国務大臣としての立場から一言お聞かせを願いたいんです。どうですか。
#117
○国務大臣(小坂善太郎君) 政治献金というものは正式に法律で認められておるものでありまして、それによって非難を特に受けるものではないと考えております。
 物価安定の立場から、そういう問題と関係なく政策を遂行するというのが私どもの考えでございます。
#118
○岩間正男君 政治姿勢の問題として問題になるんで、これがあなたたいへん大きな問題なんですよ。いまのような、それは法的に合法的だからどうでもいいというようなことになったら、いま物価安定で非常に大きな問題になっている。どんどんどんどん、とにかく先ほどあげたように上昇している。そういう態勢の中で、どういうふうに国民生活を守るかという関連でこの問題が私は提起されていると思うのです。これに対する御答弁としては、非常にこれは不満足であり、国民は納得しないと思う。
 最後に一つ。もらいました資料、この資料の中で、物価安定政策会議、この中に、たとえば申請をやっている関西電力の会長が入っているですね。この名簿を見ると、これはトップになっているですわ。こういう構成なんだね。そうすると、物価安定政策会議、それをやっているわけですけれども、その中に申請をやっている会社の会長が出ている、業界の会長が出ている。こういうことになったら、実際どうでしょうか。この運営というものを、ほんとうにこれは国民の立場で物価安定のために努力することができるか。そういう人も入っていったら、むしろ物価を、申請を推進する、物価安定の会議どころか物価値上げの会議の方向に運用されるんじゃないか。ここが非常に私は重大だと思うんですがね、こういう構成でこれはかまいませんか。
#119
○政府委員(小島英敏君) 物価安定政策会議は、財界の方も御参加いただいておりますし、労働組合の方も御参加お願いいたしておりますし、学者の方も参加いただいておるわけでございまして、もっぱらこの会議は個々の問題につきまして御審議いただくということは考えておらないわけでございまして、特別部会というのは個々の問題について御審議しただいておりますけれども、こういうところにはもちろんいまの関係の方はメンバーになっておりませんで、第一、第二、第三、第四調査部会はいずれも一般的な問題について御審議いただいておりますので、個々の問題について、財界の方が入っておられましても、それによって影響されるということは一切ございません。
#120
○委員長(高田浩運君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#121
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#122
○中村利次君 物価問題が重大な政治課題になっておるときであります。国民にとっては、やはりこれはもう何ともやり切れない気持ちでありますし、政府たると与野党たるとを問わず、とにかく物価に対してどう取り組み、これを安定をして、国民の期待にどうこたえるのかということが重大な課題でありますので、この際、経企庁の中に物価局を設置されて、権限、機能、陣容を整えて物価対策に取り組もうという点については、これは私はまことに当を得たことであろうと思うんです。しかしながら、これはたいへんにむずかしいことでもございましょうし、実際問題としてきわめて多様多岐にわたる物価押し上げの要因に加えて、やはり最近盛んに問題になっておりますような商社を中心とする企業活動そのものが、たいへんに批判の対象になり、株、土地のみでなくて、商品全般にわたる投機傾向すら見えておる。その結果が、やはり国民、庶民にとっては夢である土地も買えない、あるいは家もつくれないという状態を現出しているわけでありますけれども、残念ながら、こういうものに対する国民が納得できるような効果的な手というものが、現在のところやはりし尽くされていないということが言えると思います。その中で、インフレが暴走しておる。ですから、物価局をおつくりになって、権限、機能を強化されて、国民が期待する物価問題に対する対処がなされる限りは、いろいろ定員法の関係もありましょうけれども、人がふえようと、あるいはまた新しい局をおつくりになろうと、国民の立場から言えば、これは大歓迎ということになると思います。しかし、実際問題としてなかなかどうも実効をあげてないという実績があるわけでありますので、そういう点について、この物価局の設置にあたって、ひとつまず最初に私は長官の御決意を伺っておきたいと思います。
#123
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価局を新設いたすことにつきまして、中村委員からたいへん御理解と励ましのおことばをいただきまして厚く感謝をいたします。
 ただいまの御所論にもございましたように、その事柄についてはけっこうだと思うけれども、なかなか容易なものではなかろうという話がございましたけれども、私どももさように考えておる次第でございます。従来の日本の役所の所管の形は、大体原局がそれぞれの業界をかかえておるという形でございます。業界のみならず、農林省においては、生産者農民の保護ということもあるわけでございます。これを横の物価という面から調整してまいりますのは、なかなかその事柄だけでも困難な問題があるわけでございます。物価局をつくりましたから、すぐに物価問題が非常に前進すると、そう簡単にいかぬ面はたくさんございますわけでございますが、私は、この与えられまする企画庁長官の勧告権、あるいは意見具申権、こういうものを大いに活用いたしまして、強力なる施策を推進して物価の安定に全力を傾けたい、かように思っておる次第でございます。
#124
○中村利次君 物価はたいへんに現実に急騰を続けておるわけでありますけれども、四月、五月の前年同月比の卸売りあるいは消費者物価、この値上がりは数字的にどういうことになっておりましょうか。
#125
○政府委員(小島英敏君) まず、消費者物価でございますが、全国のCPIの四月の数字でございますが、前月比が一・九%増、それから前年同月比が九・四%のアップでございます。五月の数字は、まだ全国が出ておりませんが、東京の数字で申し上げますと、前月比が二・一%アップ、それから前年同月比が一一・六%アップでございます。
 次に、卸売り物価でございますが、日銀調べの卸売り物価指数が、四月の前月比が〇・五%アップ、前年同月比が一一・四%アップ、五月の前月比が〇・九%アップ、前年同月比が一二・三%アップでございまして、それから昨日発表になりました六月上旬の卸売り物価でございますが、前旬比、五月の下旬に対しましてプラス〇・五%、前年同旬、同月と申しますか、去年の六月上旬に対しましては一三・二%アップでございます。
#126
○中村利次君 いまお答えをいただきましたように、これはたいへんなやはり急騰ぶりですね。そして四月、五月、六月、傾向としてはこれはやはり高騰の度合いがとどまるどころか、ますますどうも加速しておるような傾向にあるわけです。たいへんに物価対策そのものは、先ほど大臣もお答えいただきましたように、なかなかそう単純なものでもございませんし、たいへんにむずかしい課題ではありますけれども、しかし、現実にこういうぐあいにやはり急騰、高騰を続けておる物価に対する対策というものは、国民が、すべてがこれはたいへんな期待を持っていますし、こういう状態が続いていく限りは、政府に対しても政治に対しても、私は国民はやはり不信をますます強めていくのではないかと思います。ですから、ある意味では、私は、責任のある政府の立場からしますと、計画を立てる、あるいは見通しを立てる、そういうものを何としても、即効性はないにしても続けていくということも、私はあながち否定はいたしません。しかしながら、現実に全く即しなくなっている、実態を無視してやはり計画なり見通しというものをそのままお続けになるということは、これは国民に対して決して親切ともいえませんし、あるいは不信を解消することにもつながらないと思うんです。たとえば、政府は本年度の消費者物価の上昇率を、これは先般も前川委員からも御指摘がございましたけれども、五・五%と経済見通しの上で予想をしておるわけですね、ところが実際問題として、いわゆるそのげたの部分がすでにもう政府の見通しの分をオーバーしつつあるわけでありまして、こうなりますと一これはもうあと物価上昇がゼロであっても、政府の予想見通しというものはもうすでに狂ってしまう。ですから、計画なり見通しなりあるいは意欲というものは、これはそれなりに評価されていいと思いますが、国民の立場からしますと、現実にすでにもう狂っておる。そういう見通しを続けられる限りは、これは、私は何らの信頼性もないし、むしろ政治的な不信感がつのるだけだと思いますけれども、こういう点を、やはり、困難なものは困難なもの、あるいは計画なり努力目標は努力目標として、国民の前に実情を明らかにして、そうして改めるべきものはタイミングを逸しないで改める、そういう姿勢がたいへんに大事ではないかと思うんですけれども、こういう本年度の消費者物価の上昇率の狂いについて、これを修正をして、そして国民の前に実情を明らかにする御意思がおありかどうか、お伺いをしたいと思います。
#127
○政府委員(小島英敏君) 先生おっしゃいますように、現在げたがすでにかなり高くなってしまいまして、実際問題といたしまして、五・五%を守りますことは非常に困難な情勢になってきていることは御指摘のとおりでございます。私どもは、この消費者物価の上昇の原因が、あとでお話が出るかと思いますけれども、昨年末以来の卸売り物価の急騰というところに原因がございますので、何としてもまず卸売り物価の安定をはかりますことが今後の消費者物価の上昇率を低くしてまいります基本的な前提であると思いまして、各種の政策を通じて、現在、卸売り物価の火の手を消すということに全力をあげておるわけでございます。で、どうもそちらの火元がもうちょっとはっきりいたしませんことには、消費者物価の本年度の見通しをどの程度にするかということが、技術的にも非常にどうも計算がむずかしゅうございますので、現在の段階は、そういう政策努力を全うして、まず卸売り物価の安定をはかり、その段階で消費者物価の見通し等につきましても――見通しと申しましても、これは努力目標を含めた見通しでございますけれども――作業に取りかかりたいというふうに思っておるわけでございます。
#128
○中村利次君 それは、卸売り物価を安定させるための努力というのは、これはもう当然私は否定もしませんし、そうでなければならないと思うんです。ところが、その努力にもかかわらず、やはり四月、五月、六月ですね、卸売り物価そのものがやはり上がってきておりまして、先ほど御答弁をいただいた限りでも、六月の上旬に一三%をこえる、これはもう数カ月たちますと消費者物価の値上がりに直結をするわけでありますから、したがってその努力を私は否定するものでもありませんが、やはり国民が求めておるのは、技術論ではなくて、政治であり、政策だと思うんですよ。ですから、そういう意味では、明らかに、これはもうすでにげたの部分をオーバーしているわけですから、だから見通しが狂ったということは、これはもう何といっても間違いない。幾ら技術的に努力をしようと、これは動かないところです。ですから、それを、いまおっしゃるようなことを国民向けに言っても通用しないと思うんです。私がここで問題にしておるのは、やはり政治に対する国民の信頼性をどう取り戻すのか。それには、やはり、すでにもう狂いあるいは空文化しておるものを改めて、姿勢を正して、そして今日以降に対して対処をする、そういう姿勢でありませんと、これは責任を持って立てたものが狂ったから、それはやはりどうも何か固執をしていかなければかえってその政治責任がとれないような、そういう姿勢こそが私はやはりいま不信を呼んでいるんではないかと、そういう立場から質問しているわけでありますから、したがって、これは、私は、やはり経済見通しを改めて、国民の前に実情を明確にして、今後の対策というものを、あるいは今後の見通じ、今後の計画というものをお立てになったほうが当然政治姿勢としては正しいんではないか、そういう立場からの質問でありますから、そういう意味でのお答えをいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(小坂善太郎君) 中村委員の仰せになることはよく私も理解できまするし、非常にとらわれざる気持ちで申し上げますと、いつの日かこれはやはり申し上げなければならぬことだと思うのでございますが、現状において、いま政府見通しを直ちにどうこうといいますにはどうもあまりに情勢がよくない。のみならず、非常に変化、変動する要素がたくさんあるというふうに思われまするのでございまして、いまの卸売り物価が消費者物価にまた転嫁してくるという情勢は、これはもう必至のことなんでございまするから、どうしたら卸売り物価の燃え盛るような上昇を食いとめることができるか、まずこれに全力を尽くすべきではないか。そうしてこれが落ちつくきざしが見えたときに全体の見通しはこうであるというふうに申し上げたほうが、かえって全般を通観してよろしいのではないかというふうに思いまするわけでございまして、実は非常に不安を与えるような結果が出ますことすらおそれる、まあそう出ると申しませんですが、出るということすらあってはならないというふうな気がするわけでございます。実は、断片的には、たとえば本年度の見通しで設備投資が一四%になっておる。ところが、瞬間風速でいうと四十数%、一−三月ですでにそういう形になっておる。だから、何とかひとつ設備投資を、もう少し騰勢をゆるめなければいかぬとか、いろんな断片的なことはその対処策を申しておるわけでございますが、これは全般を通観して、そのうちに何らかのことをしなきゃならぬじゃないかというふうに考えております。
#130
○中村利次君 これは、まさにいま長官がおっしゃったとおりでございまして、消費者物価指数の問題だけでなくて、経済社会基本計画の計画期間内において年率四%台にとどめるという目標も、いまおっしゃったように、設備投資の見通し等についてもたいへんなこれは、錯誤といいますか、誤差がやはり現実に起きておるわけでありますから、これも経済社会基本計画そのものがすでにもう、何といいますか、全く狂ってしまっておるということになる。こういうことが実際に――私は、専門家の場における技術論では、いまの大臣及び局長の御答弁が理解されると思う。ところが国民の立場からしますと、これは理解できないことでありますし、また、政治論、政策論からすれば、国民の前に実情を明らかにして、そしてやはりこういう問題は国民の合意を求めて、協力を求むべきところは積極的にやはり国民にも御協力を求める、それから警鐘を鳴らすべきところはこれはやはり警鐘を鳴らすという、そういう姿勢こそが私は必要であって、そういう意味では、残念ながらいままでの御答弁の限りでは、これはお気の毒ですけれども、政府には物価対策に対して打つべき手がない、打つべき手を持っていないと、こういうぐあいに断定されても私は言いわけできないような気がするんです。そういう意味で、これ以上深追いはしませんけれども、もう一回、総括をして、政府の姿勢についてお伺いをしたいと思います。
#131
○国務大臣(小坂善太郎君) 政府の姿勢と申しますか、物価問題を非常に重視し、物価安定を第一義的な政策の重要課題とするということは、先ほども申し上げたようなことでございますし、四月十三日に七項目の対策を発表し、またこれがフォローアップを毎月やっていこうということをやっておることも申し上げましたわけでございます。そこで、この効果があらわれていないじゃないかとおっしゃられると、まさに現時点では物価がこれだけ上がっているんですから、そうおっしゃられることは私はやむを得ないと思います。しかし、政策の結果というものは、いまあらわれているのは実は昨年の結果がここへ来ているのだと思うのでございまするが、私ども一月から非常に一生懸命いろいろな金融施策等において引き締めをやってきた、あるいは財政の吟味、調整をやったというような結果が今後あらわれてくるというふうに思っておるわけでございます。現に、どうも政府はちっとも国民に知らせないというお話がございましたが、これはわれわれの知らせ方がもっとくふうを要するのかもしれませんけれども、毎月経済企画庁は非常に警鐘を乱打しておるわけでございます。たとえば有効求人倍率が一・六七という非常に超完全雇用の状態になったとか、あるいは日銀券の発行残高が二七%ふえておるとか、あるいは百貨店の売り上げ高が三割前年度に比して上がったとか、これはいままで史上最高の売り上げ高であるとか、要するに消費が非常に旺盛である、あるいは生産活動が非常に旺盛である、そういうことを何とかしないと、これは物価のほうがなかなかたいへんですよということは申しておるつもりなのでございますが、これは私どもの努力がまだ足りぬのでいろいろな御叱正をいただくのだと思いますので、一生懸命努力してまいりたいと思います。ただ私ども、非常に困っておりますというか、予期に反しておると考えておりますのは、実は、円がフロートしまして、このデフレ効果というものを私は多少期待しておったわけでございますが、あいにくと、穀物の世界的な不況とか、あるいは世界的なインフレとか、そういうような影響をまともに受けておるようでございまして、その点からする効果があまりないという点はどうも困ったものだと思っておるわけでございます。
#132
○中村利次君 やはり、対策といいますか、打つ手というものは、そう直ちに、忍術あるいは奇術を使うように即効性がないということはおっしゃるとおりです。だからこそタイミングを逸しないところの対処というものが必要になってくるんですけれども、やはり、たとえばいまのこういう事態にいたしましても、もう去年から大体予見をされていたのに対して、政府の打つ手がやはり当を得なかったという、そういう見方が――まあ見方があるというよりも、現実にそうだったからこそ、対策を誤ったからこそ今日のこの事態があるんだと思いますから、ですから、どうもやはり、こういう国民感情からすればかみ合わないものが私はあると思うんですね、現在も。そこで、現在の物価上昇は、これは、これは何も単純な原因によるんじゃなくて、種々の要因がからんで、複合インフレの様相を呈していると思うんですけれども、まずこの原因をどういうぐあいに分析されておるのか、お伺いをしたいと思う。
#133
○政府委員(小島英敏君) 現在の消費者物価上昇のよってきたる原因が卸売り物価上昇にあるということは先ほど申したとおりでございまして、卸売り物価が基本になって、そのほかにごく最近では野菜の、キャベツ等の暴騰が加わっているというふうに理解しております。
 それでは、この卸売り物価のほうは何かということでございますけれども、これはやはり、一つは、一昨年半ばのニクソンショック後の経験が、これはもう初めてのことでございましたので、一部の学者を除いてはみんなが、やっぱりこれは相当な不況になるだろうというのが一般的な見通しでございまして、これをやはり不況を克服しなければいけないということから、ひとつ大きな政策目標として掲げられ、さらに昨年の後半以来になりますと、再度の円の切り上げに追い込まれることは何としても避けなければいけないという政策目標が加わって、財政、金融両面から景気の振興がはかられたわけでございまして、ところが案外、大臣も言われましたように、レート調整のデフレ効果というものが大したことがなかったということもあり、景気がやはり過熱状態になってきているということが一つの大きな原因であると思います。
 それに加えて、第二に、海外インフレと申しますか、日本のみならず先進国を中心に各国がいずれもインフレ傾向で、景気が過熱状態でございまして、そのために一般的な海外物価の騰貴がありましたほかに、さらに最近では穀物が、天候の不良等の原因から穀物不足という深刻な事態が出てまいりまして、それにさらに羊毛等の繊維原料についても非常に不作が重なるというようなこともあり、さらにエネルギーを中心とした資源の不足という、これはかなり長期的な問題でございますけれども、そういう問題も加わって、非常にやはり海外からの輸入価格が高騰し、しかも将来とも高騰するであろうという思惑を生じたわけでございます。
 そこにさらに第三の要因といたしまして、一昨年のレート調整のときの外貨の買いささえをもとにいたしまして、その後の景気振興策に基づく信用膨張等が加わってかなりの過剰流動性を発しまして、これが先ほどの海外価格の上昇見込みと加わって思惑を生じたわけでございまして、これがやはり昨年後半から最近に至る仮需要、商社もそうでございますし、国内に入りましてからの流通過程、問屋あるいは小売り店、さらにことしの三月、四月ごろには消費者もその波に巻き込まれましたが、非常にこの仮需要が増大して、このための需給ギャップが幾つかの商品について非常に顕著に出てきたということがあるかと思います。これらの要因が加わって、さらに最近では、やはりコスト面からの賃金上昇を通ずるコストアップ要因も次第に加わってきているというような点も無視できないわけでございまして、それからもう一つ、言い忘れましたが、過剰流動性からまいりました一種のストックインフレと申しますか、土地や株式に対する投機的な需要というものも加わって、非常にそういうストック価格が急暴騰したということもあるわけでございまして、これらの要因が加わった非常に複合インフレと言われておりますような事態に現在あるのではないかというふうに思っております。
#134
○中村利次君 おっしゃるとおりだと思いますね。おっしゃるもののほか、たとえばデマンドシフトの問題もございましょうし、あるいは複合カルテルの問題もこれはやはり物価問題には相当の影響を持っておるようですね。そういうことになりますと、やはり所管省庁の需給見通しの狂いなどが明らかにこれは市価の高騰に拍車をかけているということも言えるんですね。いま御答弁の中で御指摘になりましたけれども、たとえば木材等についても、建築着工が、前年度の二〇%の伸びに対して、生産は前年並み、仮需要の増大等も来たして、たいへんなこれは高騰どころか暴騰を来たしておる。こういう需給予測の狂いが思惑を呼んで暴騰の要因をつくっておる。あるいは不況カルテルの面では、鉄鋼、セメントなんかが、市況の回復を正確に見通せなかったから、不況カルテルをそのまま続けて生産調整をした結果が、たいへんな物価高騰を現出をしているわけですね。そして鉄鋼の決算なんかは、これはどうも新聞種になるぐらいたいへんな好決算をしておる。ところが、物価は高騰をして、国民にとってはまことにもってがまんのならないようなそういうことになっておる。セメントのごときは、何か正式のルートじゃなくて、顔をきかして買いつけに行かなければ、もう建築資材そのものが、建築会社も仕事ができなくなってしまうというような、そういう異常なまでの状況が所管省庁の需給見通しの狂いによって生じておるわけですね。結果としてそれが全部国民に犠牲がしわ寄せをされておるわけでありまして、そういう面がある一方では、公共事業投資を中心として大型予算が組まれて、そしてますますこういう状況に拍車をかけておるという、そういう現実があるわけですけれども、これを要約いたしますと、政府の姿勢はまさにこれは一貫性を欠いて、国民に不安と不信の念を与えているということに尽きると思うんですね。そういう意味では、新設の物価局が、価格の調整と同時に物の需給見通し等に対してどの程度の権能を有し、どの程度の影響力を持たれるのか、これはひとつそういう意味で、現実に即してお答えをいただきたい。
#135
○政府委員(小島英敏君) おっしゃいますように、先ほど私申しました物価高騰の原因の中に政府の需給見通しの狂いがあったのではないかとおっしゃる点は確かにそのとおりでございまして、鉄鋼のカルテルの問題あるいは木材の問題等が典型的な例であると思いますけれども、特に、最近の一般的な建設資材の高騰というものも、やはり予算の規模というものと個別の物の供給能力というものとの見合いがどうも不十分であったという点も確かに反省しなければいけない点であろうかと思います。したがいまして、今後やはり企画庁のみならず物資所管の省庁が一丸となりまして、各物資の需給見通しというものの正確性を期そうということで、先般来非常にそういう強い決意で立ち向かっているところでございまして、木材等につきましても、従来ですと林野庁が大体翌年度の需給見通しを立てていたわけでございますけれども、最近では、この間の経験にかんがみまして、企画庁といたしましても、あまりいままでは個別の物の需給見通しには関与しておりませんでしたけれども、最近では、特に木材のような重要なものにつきましては、一緒に研究会を開いて検討しておるわけでございます。これは、まあ物価局ができますれば、さらに現在よりも人員も拡充されますし、なかなか一〇〇%手が及ぶというところまで人員が十分であるとは申せませんけれども、現状に比べますとかなり陣容も強化されますので、十分これは、直接の所管は物資所管庁でございますけれども、私どもも重要な物資につきましては十分一緒にこういう問題について検討してまいりたい、こういうふうに思っております。
#136
○中村利次君 これはある意味ではまさに自由経済の危機だと思いますね。木材等については、価格操作をやろうと思えば商社でできるような、そういう状態です。ですから、業界で、あれは委員会というんですか、何かとにかくそういうものをつくって、来年度の需給の見通しを立てる、その上に基づいて輸入計画を立てるということになっておるようですが、これには建設省もオブザーバーみたいな形でやはり出ていらっしゃるのですね。ところが、去年のまさにこれは暴騰というようなああいう状態に対して、私は業界商社が、何というんですか、木材価格が冷え切った場合には輸入を押えて、とにかくある程度の操作をするという、そういうことをやるのは、これは常識的にそういうことはあり得ると思うのだが、やはりその所管省からそういうものにお入りになっていて、なおかつああいう暴騰を招いたという点については、これは私は政府の責任というものは重大だと思うのです。だから、そういう点について、やはり権限や影響力、権能、まあ各省庁に対して、関係省庁だけでも、物価関係を持っているところだけでも十省庁ある、その他関係省庁に対してやはり勧告権がある、あるいは正式に、口頭じゃなくて文書でいろんな資料を求める権能を今度はお持ちになる、総理に対して総合対策として意見具申の権能をお持ちになる、そういうものを駆使して、いま私が、たった一つの例にすぎませんけれども、そういう問題に対して介入をして、国民の納得できるような権能、影響力というものを行使され得るのかどうか、そういう点いかがですか。
#137
○国務大臣(小坂善太郎君) 物価局ができますことと直接の関係はございませんけれども、別に審議をいただいておりまする例の売り惜しみ買いだめ規制法、あれに関連いたしまして物価調査官というものができるわけでございます。これは通産、農林がおもになると思いますが、経企庁でももちろん出るわけであります。これは物価局長がおそらく中心になりまして、物価の問題の現実の把握をしながら適時適切なる施策をとるということになると思いますが、そういう場合には、いまの御指摘のような点が、従来全然手の入らなかった点に触れてきて効果があるのではないかと私は期待しておるわけでございます。
#138
○中村利次君 これは大いに期待をしたいと思います。そうでなければ、私はやはり経済政策そのものが、これはどえらいことになるという危機感を非常に強く持っておるわけであります。
 そこで、物価をこれほど深刻な問題として対策を困難にしているのは、いろいろな要因があるにしましても、しょせんは、まことに失礼ながら、これは政府の経済政策が成功しなかった、失敗であったということを率直に認識しなければならないと思うのです。こういう認識に立たなければ、私は次の正しい対策というものは生まれてこないと思うのです。
 そういう意味からしますと、これは経企庁にも関係ございますけれども――大蔵省お見えになっていますね。大蔵省にお伺いをしますけれども、超金融緩和政策がとられました、おととし――去年からですね、先ほど大臣からも御答弁ございましたけれども、これは、私は超金融緩和政策をおとりになった時点においてはそれなりの理由があったと思う。ところが、これが結果としてどうなったのか、もう一回大蔵省の立場から、超金融緩和政策をなぜおとりになったか、あるいはその結果がどうなったのか、お伺いをしたいと思います。
#139
○説明員(徳田博美君) お答えいたします。
 先生の御指摘のように、昨年まで二カ年間にわたり金融緩和政策がとられたわけでございまして、この間かなりの量のいわゆる流動性が供給されたわけでございます。この額はいろいろなもので推しはかられるわけでございますが、一つの指標といたしまして、現、預金の増加額、いわゆるM2の増加額で見ますと、四十四年度が年度間七兆一千億の増加、四十五年度が八兆三千億の増加に対しまして、四十六年度が十三兆二千億、四十七年度が十七兆一千億と、大幅な増加が行なわれたわけでございます。
 ただ、しかしながら、このような金融緩和政策のもとに流動性が供給された背景といたしましては、先ほど企画庁からの御説明にもございましたように、四十五年末以来非常に経済が不況におちいりまして、その後ニクソンショックあるいはドルショック等ございまして、そういう意味で、景気の回復と、それから円平価の維持、あるいは黒字基調の改善、これが最大の政策目標になっていたわけでございまして、こういう最大の政策目標を達するために大幅な金融緩和政策がとられまして、四十五年十月から六回にわたりまして、公定歩合は二%も引き下げたわけでございます。また、ちょうど去年のいまごろに当たりますが、預金金利の引き下げを行ないまして、もっぱら景気刺激を目途としてこのような政策が行なわれ、このような流動性が供給されたわけでございます。その結果といたしまして、経済は順調に回復いたしてまいったわけでございまして、やはり景気の回復過程におきましては、このような流動性が一つの牽引車となりまして、景気活動は上にひっぱられるわけでございまして、十分に景気回復等のためにプラスの作用があったわけでございます。
 ただ、しかしながら、先生御指摘のように、昨年の後半に至りまして、景気の急激な上昇に伴いまして、卸売り物価、その他経済のひずみがいろいろ出てまいりましたわけでございまして、こういう経済のひずみが出てまいりました時点において、これらのいわゆる経済的にプラスの作用をしていた流動性が、いわゆる過剰流動性という形でむしろマイナスの要素になる、こういうような状態になったわけでございます。したがいまして、本年度に入りましてから各般の金融政策がとられまして、これに対する適切な引き締め政策が次々と打ち出されてきたわけでございます。このような経過をたどったわけでございまして、金融政策としては、そのときそのときに一応適切な措置をしたつもりでございますが、ただ、先生御存じのとおり、金融、経済は生きものでございますので、結果としては、いろいろ御批判もあろうかと、このように存じ上げます。われわれといたしましては、先生のお話をいろいろ承りまして今後のいろいろな参考にしたいと、このように考えております。
#140
○中村利次君 これは、いまおっしゃったように、過剰流動性ですね、過剰流動性がどういう結果を生んだのか。それから、なぜ――流動性が景気回復の牽引の役割りを果たしているということはいまおっしゃったとおりでしょう。なぜ過剰になるという見通しが立たなかったのか。経済、金融というものは生きものであることは御指摘のとおりですよ。しかし、生きものだからこそタイミングをはずさない対策、手というものがこれは必要だし、それを求めているんですからね、みんなは。だから、そういうものがなぜ、タイミングをはずさない対策になぜなり得なかったのか。もう一つは、これは繰り返しますけれども、過剰流動性というものがどれほどやはり国民生活に大きな犠牲と負担をしいる結果になったのか。私は、こういう認識がやはり正しくありませんと、そしてその反省がありませんと、これからのたとえば対策を講じよう、手を打とうといっても、これはやはり歴史は繰り返すで、また同じことじゃないか。
 それから、もう一つは、やはり何といっても、これは国民の理解と国民の協力を得られなければならないんですよ。これもおとといですか、この前の質問で、前川委員の質問に対して長官からも答弁がございました。いわゆる消費は美徳なりという、そういう消費哲学そのものをやはり国民の中から改めていかなければいかぬ。そういうことをやっていくということになりますと、これは国民の理解と国民の合意の上にインフレ退治をやっていかなければならないということになるんですが、それには納得のできるようなやはり姿勢が前提になるわけでありますから、失敗は失敗とし、あるいは現実に起こった事態に対する反省は反省として、私はやはり正しく国民の前にそれが示されなければならない、それがまず前提である、こういう立場から質問をしておりますので、そういう意味でお答えをいただきたいと思います。
#141
○説明員(徳田博美君) お答えいたします。
 幾つかの御質問のうち、まず第一に、いわゆる流動性はどのような機能を果たしたか、作用をしたかということでございますが、御承知のどおり、日本の流動性というのは、いままでは、どちらかというと過小の状態と言われていたわけでございまして、むしろ外国のほうが流動性は豊かであるということが言われていたわけでございます。しかしながら、必ずしも、豊かな流動性を持っている外国において、日本のような卸売り物価の上昇あるいは土地の投機の動きというものはなかったわけでございまして、日本におきまして、やはり流動性というものが一つの経済的作用をいたしましたのは、要するに企業なり個人が手元にある資金を、それを直ちに使うことによって、より有利な投資物件、あるいはより先行き収益のあがる、そういうような投資目的があったということが前提だったと思います。昨年におきまして、そのようないろいろ経済の実体面で上向いてまいりましたときに、そのときに手元に容易に右から左に調達し得る資金がなければ、経済活動はそこで行なわれないわけでございますけれども、そこにこのような流動性がたまたまあったということで、その流動性がそういう経済の実体面とマッチしたところに、そこにいろいろな問題点が出てきたと、このように考えております。
 それから、過剰流動性を、流動性がこのように過剰になることを見通せなかったのかと、こういう御質問でございますが、流動性を何によってはかるかということはいろいろ問題がございますけれども、確かに、たとえば企業の手元流動性だけの数字を見ましても、四十四年ごろは一カ月の売り上げ高に対しまして企業の持っております現金、預金は〇・九七一以下でございましたのが、四十七年になりますと一・三ぐらいに上がっているわけでございまして、確かに手先の流動性は豊かになってきているわけでございますが、ただ、先ほども申し上げましたように、経済の活動がどんどん伸びておりますとき、あるいは伸ばすことが必要であった時点には、その流動性は過剰とは言えない、むしろ経済の活動に必要な、あるいは経済の回復を促進するのに必要な状態にあったわけでございまして、そこで、経済の活動の実体が行き過ぎて、卸売り物価の上昇、異常な上昇というような問題ができて、初めてそこで過剰と言われるマイナスの要素を持ったものに転化するわけでございます。
 その転化した時点がいつかということをとらえましていその時点を判断いたしまして金融政策をやるというのが、これが適時適切に打たれた金融政策と、こういうことになると思うのでございますが、その点につきましては、確かに去年の夏ごろからそろそろ経済活動が行き過ぎの若干徴候が見られるということもございましたので、すでに日銀におきまして去年の七月から窓日指導を開始したわけでございます。秋口に入りまして、確かに卸売り物価が上昇したわけでございますが、その原因につきましては、先ほど先生のお話にもございましたように、木材その他輸入されたインフレという面もございまして、必ずしもデマンドプルだけではない。また、そのころの需要の諸要因を考えましても、必ずしも企業の投資だけというより、むしろそれ以外の要素がかなりあったというようなこともございまして、金融政策の発動はまだ適当ではないというふうに考えられたわけでございます。本年に入りましてから、そのような要因が非常に形が変わってまいりましたので、機を逸せず準備率の引き上げ、それから続いて公定歩合の引き上げ等を実施してまいったわけでございまして、そういう意味で、時期的にそういう変化をとらえながら適時にやってまいったということだと思います。
#142
○中村利次君 確かに金融政策はこれはそう単純なものじゃございませんし、むずかしいんですよね。これは金融引き締めが特に中小企業等に対してどういう影響をもたらすのか、まあなかなか画一的な政策では、これはまたかえってひずみを大きくするという面もあって、むずかしいとは思いますけれども、しかし、少なくとも実態からたいへんにかけ離れた経済金融政策であったということは、これはもう断じて間違いのないところですね。
 去年の早い時期にですよ、これはたった一例にすぎませんけれども、融資を受けて、そして期限が来て銀行の窓口に返しに行ったところが、それは返さぬでくれ――いや、これはもう必要なくなったから返すんだ――じゃあ、株か土地でもお買いになったらどうですかと、こういう状態が、もうそれは銀行の窓口では続いていたんですよ。それが結果としてどうなったかといいますとね、いまそれは公に発表された、たとえば土地価格が三十何%の上昇なんていったって、東京のたとえばマンションなんか見てごらんなさい。これは私は土地価格の高騰だけが原因とは言いませんよ、やはり日照権の問題だとか、えらい、特に東京はたいへんにうるそうございますから、高層の建物が建たない、建てさせない。そうなりますともう既設のマンションなんか、ひどいところは三倍から四倍に、いままだそれ続いてますよ。それは私は何も大蔵省の金融政策だけが原因である、責任であるとは言いませんけどね、そういう状態が続いて、まさに国民、庶民にとってはもう泣きですよ。しかしながら、どういう理由があるにしても、国民がやはり目を向けるのは、これは政治ですよ。政府の政策が誤ったからこういうことになったんだと、政治不信につながっておると、こういう実態を、私がいまたった一つの例にすぎませんけれども、そういう実態を御存じにならなかったとすれば、まさに私はこれは大蔵省というのは国民からたいへんに遊離したお役所で、遊離した政策をきわめて専門的にお考えになり、あるいはいじくっていらっしゃるというぐあいに考えざるを得ないんですけれども、いかがですか、こういう点は。
#143
○説明員(徳田博美君) お答えいたします。
 金融政策につきましては、まさに先生の御指摘のとおり、中小企業金融あるいはそのいろいろな国民消費に与える影響その他も勘案しなくてはなりませんし、特に昨年度におきましては、先ほど申し上げましたように円平価の維持あるいは黒字の縮小と、こういうことが非常な至上の命題になっておりましたので、その点でいろいろな問題があったことはまさに御指摘のとおりだと思います。したがいまして、いま振り返りまして、先生の御指摘になったようないろいろな問題点があったということは、これはもうまさに否定することのできないところでございまして、その点はわれわれも十分にこの点を研究いたしまして今後に生かしていきたい、このように考えます。
#144
○中村利次君 だんだん時間がなくなってきますので、大蔵省に対する質問を一括して質問をしたいと思うんですが、国際通貨、それから日本の収支ですね、これは私は相当の危機感を持っているわけです。国際通貨の中期、長期の見通し等については相当な危機感を持っていますし、また、わが国の国際収支――いまは黒字対策、黒字をどう減らすかということを言ってさえいれば大体の国会議論は通りがいいようでありますけれども、これは将来見通し、中期、長期の見通しからいきますと、私は必ずしもそんな単純な問題ではないという、相当の危機感をいまから持っていますけれども、こういう点についての現状と、それから中期、長期の見通し、それから加えて、いまは変動相場制にあるわけでありますけれども、フロートはやはりそれなりの私はある意味での期待と効能というものがあると思いますが、しかし、これをいつまで――見通しですね、お続けになり、あるいはその変動相場制と固定相場制の功罪等について、あるいは見通し等について、これはまだ時間があればじっくりお伺いをしたいところですけれども、ひとつ一括してお答えをいただきたいと思います。
#145
○説明員(藤岡眞佐夫君) 国際収支の問題と国際通貨制度の問題とそれからフロートの問題、その三つについて簡単に御説明申し上げます。
 まず国際収支でございますが、最近の実情は、これは先生よく御存じのことと思いますけれど、三月ごろから様子が変わってまいりまして、まあ従来黒字対策を一生懸命努力してまいったわけでございますが、二回の実質的な切り上げと、それから国内の景気の振興と相まちまして、貿易収支が変わってまいりまして、で、一−五月の数字で申し上げますと、貿易収支が十五億六千八百万ドルの黒字ということになっております。前年の同期が二十九億ドルの黒字ということでございますから、黒字幅は非常に減ってきた。なお、私ども、国際収支を、国際比較をいたします場合に、よく経常収支の項目で見ておるわけでございますが、それはことしの一月から五月までで四億ドルの黒字、昨年同期は十六億ドルの黒字であったわけでございますから、たいへんまあ減ってきたわけでございます。ただこれは、減りましたからそれでは今度はたいへんかという御懸念かと思いますが、まあ黒字が非常に多くて、何とかしてこの黒字を減らして、日本自身のためにも、また国際的な協調のためにも尽くしたいということで努力してまいった、その効果がようやく出てきたわけでございまして、ここで急に、黒字はこの程度減ったから従来の政策を変えなくちゃいけないということにはすぐにはならないんじゃないかという気持ちでございます。
 それから第二番目に、国際通貨制度の問題でございますが、これは昨年のIMFの総会以降Cトゥエンティというコミティーをつくりまして、そこで通貨制度の改革の論議を進めておるわけでございます。五月の下旬に――最近でございますが、五月の下旬にCトゥエンティの代理会議をいたしまして、従来通貨制度改革の主要項目について一通り当たってまいったわけでございます。で、それまでの論議の結果を踏まえまして、いま事務局のほうで通貨改革の案、原案みたいなものを作成しつつあると聞いております。それを見ましても、もし大臣会議をする必要がございますれば大臣会議を開くというふうな段取りを考えておりまして、一応いまのところはそのナイロビのIMF総会までに何らかのまとめをしたいという気持ちでおりますが、まあ七月かに行なわれます大臣会議の結果を見ませんと、どこまでりっぱな案がまとまるかということについてはいままだ予測は困難だという現状でございます。
 それから三番目に、フロートの問題でございますが、まあ日本の場合には二月の十四日にドルの切り下げ、それから欧州主要通貨の現状維持と相まって、国際収支不均衡を是正する一つの手段としてフロートに移行したわけでございますが、その後三月十九日からマルクの三%切り上げとともに、ECの幾つかの国がいわゆる共同フロートに移ったわけでございます。二月の通貨調整は確かに従来のような基礎的不均衡を為替相場によって面していくというタイプであったわけでございますが、三月の通貨危機は、ドルに対する不安といいますか、スペキュレーションに基づいた危機でございまして、その収拾の一つの形として、多くの国がフロートに移ったということでございまして、日本はたまたまその前からフロートをしておりましたので、同じようなフロートを続けたわけでございますが、通貨制度の面から見ますと、このフロートの意味は若干異なってきたんではなかろうかと思います。通貨制度のたてまえから言いますと、私どもはどちらかと言えば、安定した、調整可能な固定相場制をとるほうがいいんではないかというふうに感じておりますが、とにかくヨーロッパのほうがいわゆる共同フロートいたしまして、ヨーロッパのほうから言えば、自分たちは相互の通貨は固定化しているのだ、フロートしているのはアメリカのほうだという感じを持っておりますし、あるいはアメリカのほうは、逆にドルのほうは従来どおりで、ヨーロッパのほうがフロートを始めたのだと、こう言っているのかもしれません。したがいまして、円は非常に微妙な立場にあるわけでございまして、固定相場に――いま申し上げましたように、長期的な問題としては固定相場がいいのかもしれませんが、いますぐ戻ろうとしても、じゃ何にひっつくのかというふうな問題もありまして、いまたまたま全面フロートで、二、三カ月間小康状態があったわけでございまして、通貨改革への意欲も若干衰えたのかもしれませんが、現状としてすぐに固定相場に戻るというのはむずかしいんではないかと思っております。
#146
○中村利次君 これはたいへんに重大な問題でありましてね、国際通貨のあるいはわが国の国際収支の現状に対する認識と中期、長期の見通し、残念ながら私は大蔵省の認識なり見通しに必ずしも同調できないような点がありまして、大いにこれはひとつまだ質問を続けたいと思いますし、また大臣にもこれは関連して御質問をしたいと思うんですけれども、委員会の秩序を守るために、私はあと十分くらいで質問を終わりたいと思いますので、したがってこれはまたいずれかの機会に譲ることといたします。
 次に、価格協定による協調値上げなどに対して基本的な態度をどういうぐあいにお考えになっておるのか。これは管理価格がきわめて明確な場合はやりようがあると思うんですね。公取お見えになっておりますね。ところが、やはりだんだん寡占化しつつある産業の実態で、立証困難な、たとえば共同行動等によって価格協定にひとしいような効果をもって消費者不在の価格形成が行なわれる可能性というものがこれはあるわけですね。たとえば一例をとりますと、ビールなんかでは、シェアはこれはキリンが圧倒的なシェアを持っておる。そこで、たとえばアサヒならアサヒが価格値上げをする。これは何も管理価格でもなければ別に話し合いをした結果でもないでしょうけれども、しかし全然値上げの必要のないようなキリンもこれには同調する、結果としてこれはやはり共同行動でビールの値上げが行なわれるという結果になるわけですね。ですから、公取に対して私どもはやはり厳正な独禁法の運用を求めるのは当然であります。こういうような、なかなかどうも公正取引委員会としても荷ともやりようのないむずかしいような問題に対してどういうぐあいにお考えになるのか、あるいはこれに対する何か対策をお持ちか、お持ちでなかったら何か立法措置等必要とお考えなのかどうかですね、そういう点についてお伺いをいたしたい。
#147
○政府委員(吉田文剛君) 管理価格、いわゆる価格カルテルを伴っております管理価格――管理価格の定義はなかなかこれはむずかしゅうございまして、きまったものはございませんけれども、価格カルテルが背後にある管理価格でございますれば、そのカルテルをつかまえて、これは不当な取引制限ということで、やれるわけでございます。過去におきましても、これはガラス、板ガラスの業界に対しまして、昭和四十六年に価格協定で勧告審決をしております。ただ、しかしかりにカルテルを伴っておるにいたしましても、その立証が非常に困難な場合がございます。まあ特に寡占業界におけるカルテルにつきましては、証拠の収集、いつどこでだれが集まってどういう一体内容の話し合いをしたのかというような証拠の収集が困難ということは考えられるわけでございまして、この点は非常に苦労しておるわけでございますが、これに対処するためには、立ち入り検査先をより広くする、あるいはメーカーのカルテルの場合に、流通段階にまで審査の手を広げるというような方法をとっておりますし、さらに直接証拠だけではなくて、間接的な状況証拠というものの活用もはかってきているわけでございます。しかしながら、そういう価格カルテルを伴わない、いわゆるプライスリーダーのような管理価格、それによって生ずる管理価格、たとえばビールの場合はどうでございますか、これは実態を見ないとわかりませんけれども、価格カルテルもない、あるとすればプライスリーダーではなかろうかというような場合に、これを独禁法でいかに規制するかというのは、いわゆる管理価格――私はビール業界というのは寡占業界で、そこで発生する価格は管理価格ではないかと思っておりますけれども、そういうものに対して、いま現在独禁法ではこれといったきめ手がないわけでございます。
 ただ管理価格問題につきましては、以前から精密調査あるいは監視調査等によって実態の把握は行なってきております。現行の独禁法でできるものはこれは規制をしてきておるわけであります。たとえば不当な競争制限行為とか、あるいは競争阻害行為がある場合には、それに対して独禁法違反として措置した例はございます。先ほど申し上げましたガラスであるとかあるいは食用かん詰め、こういうものに対しては現に規制をしているわけでございます。ただ非常に、そうは申しましても規制の面でむずかしいという面がございまして、全部が全部これを現在の独禁法で規制できるわけではございません。しかし、いま直ちに独禁法を改正すべきかどうかということは現在のところ考えておりませんが、しかし、先日の独占禁止懇話会におきまして、昔の独禁法にございました第八条、つまり不当な事業能力の較差、事業者間に事業能力の不当な較差がある場合、営業の一部の譲渡であるとかいうようなことで企業分割できるという規定が昭和二十八年まではあったわけでございますが、それがどうも管理価格対策としては最後の、きめ手としては最終的なものではなかろうかというような意見の一致がありまして、私どもいますぐにそれに乗っかっていくということは考えておりませんが、この点につきましては真剣に、旧第八条の復活については真剣に検討していくように努力をいたしたいというふうに考えておるわけであります。
#148
○中村利次君 これは時間もかけてもっと質問を続けてみたいところですけれども、最後に、いまの問題も含めてこれは大臣、お答えをいただきたいのです。全部まとめて申し上げます。いまの問題に加えて企業の行動基準、モラル等の問題がいまかしましくなっていますね。特に商社活動というのは、これは木材、大豆あるいは各種商品のみにとどまらず、水産、漁業に対してまでたいへんんなやはりアニマルぶりというのが指摘をされています。そこで、私はこの間の前川委員の質問とそれに対する長官のお答えに関連をして、法人税の累進課税の問題ですね、もうたいへんに、これは私は国民的に言いますと期待の多い課題だと思うのですね。ですから、これはいろいろなものが私は関連をしておると思いますよ。不当な利益に対して、とにかく個人のたとえば勤労所得なんかは累進課税、あらゆる所得は累進課税であるのに、法人というのはそういう制度をとっておらない。少なくとも私は、やはりたいへんに不当と思われる――不当というよりも過剰ですね、過剰な利益に対して累進課税を課するというのは、私は、これは税の公平の原則からいっても当然のことだと思うんです。これが税法のたてまえから非常にむずかしいとか、課徴金制度を導入すれば可能なのかどうかという議論なんというものは、私は、まさにこれは国民感情を無視したものでありまして、たとえば株式の配当にしても、私は、これはどの程度が正当であるかということはおくといたしましても、片方では一割、あるいは一割二分、片方では五割ですね、はなはだしきに至っては、一〇〇%、十割の株式配当というものも、これ、ゼロではないですね。三割、五割なんというのは一ぱいある。だから、こういうのが、私は、はたして企業にとっても、あるいは産業にとっても、何もこの国民、庶民の立場から見てそのことがいい悪いじゃなくて、いま、その企業のモラルについては、これは産業界、財界からもたいへんにやはり問題になっておるところですね。だから、そういう問題を含めて、私は、この配当の問題にしても、あるいは法人税の累進課税の問題にしても、もっとやはり野党的立場とか、国民的、庶民的立場ということだけではなくて、政府の立場、あるいは産業の立場、企業の立場からいっても、私は、企業を正当に、正常に守るという立場からいっても、こういうのは当然ではないか。不当はもちろん、過剰な利益に対して、どうも自由主義経済では、そういうのは野放しであるという考え方自体が、はたして企業の今日以降の存立にプラスになるのかどうか等を考えますと、何らかのやはりこれは対処というものは当然必要であって、まあ小坂経企庁長官は、自民党の中でも国民がたいへんに期待しているお方だろうと思うんですけれども、まあ、せめてこういうものぐらいはばっちりひとつおやり願いたいという期待を含めた質問をいたしますとともに、これは最後ですからもう一つ。
 流通機構の問題は、これはいつもやはり物価問題にはついて回るたいへんな重大な問題です。いろんな複雑な流通機構で、たとえば先ほどちょっと大蔵省の答弁の中にもありましたが、キャベツが片方では腐っていても、消費地では安く買えない、いろんな問題があります。ところが、量産店、スーパーマーケットなんかでは、流通機構の一部を、何というんですか、素通りすることによって、やはり庶民にとっては魅力のあるような商売をやっておる。ですから、こういうものを含めて、流通機構にやはり抜本的なメスを入れるべきであるというのは、これはいまや相当有力な主張になっておると思いますけれどもこういう問題を含めて御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
#149
○国務大臣(小坂善太郎君) 三つの問題でお答えを申し上げます。
 まず最初の寡占的産業における価格形成の問題でございますが、ただいま公取のほうからお話がございましたように、独禁法の適用を非常に厳格にいたしまして、その動向を監視するほか、やはり消費者に対して寡占に対する正確かつ豊富な情報をこちらとして提供いたします。消費者の見る目というもので監視をしていただくということを考えておるわけでございます。寡占的な産業におきまする協調値上げは、これはどうも、公取のほうのお答えがございましたように、非常に現状をつかみにくいという点がございますのですが、やはり従来、企画庁といたしましては、物価安定政策会議の特別部会というのがございまして、これで業界ごとに、そういう問題がございますと、その関係者に出てきてもらいまして、どういう理由で値上げをすると考えておるのですか、あるいはその必要性をどう考えるかというようなことを論議をいたしておるわけでございます。どうもこれは強制力はないのでございますけれども、やはり世論の圧力と申しますか、そういう点で、従来、成功した例もございます。まあ、なかなか、そううまくいかなかった例もございますわけですが、そういうようなことをやっておるわけでございます。
 それから第二の異常な利潤に対する課税の問題でございますが、これは、私は、あの際は個人として発言しているものでございますけれども、しかし、これはやはり経企庁長官の立場で今日言っているわけでございますから、経済企画庁の事務当局に至急専門家の意見を聞いて考えをまとめるように指示をいたしまして、できるだけ早くそれをまとめるように申しております。一方、税制調査会長のほうにもそのことを申し入れまして、これは政府の税制調査会の中におきまして、やはり討議の項目として取り上げられておるというふうに聞いております。私どもの属しまする自由民主党に関しましても、税制調査会長あてに申しましたと同様なことを翌日申し入れてあるような実情でございます。
 第三番目の流通機構の問題でございますが、これは実にむずかしい、まあある意味で聖域のようなものがございまして、事柄は、やはり日本の人口が非常に多いという点からも来ておるようなことがございまして、何かこの人口問題を流通機構の複雑さの中に配慮をしていくというような考え方が一部にございましたわけでございます。そうそのままにこれを認めておるのでは、いつまでたっても流通機構の近代化ができないわけでございますので、政府といたしましてもこの近代化のためにいろいろのメスを入れるべく、予算的な措置もいたしております。あるいは産地の直通――産直方式により、あるいはその貯蔵設備をつくって、そして余分なルートを経なくてもいいようにする問題とか、それから市場そのものをいろいろ、たくさんつくったり、その機構を簡素化したりする、まあいろんな問題をやっておるわけでございます。ここで一昨日も御議論ございました転送などという問題も、全くその一つの典型的な形とも思えるわけでございまして、私どもとしては、この問題にできるだけの近代化のメスを入れていくように考えておる次第でございますので、中村委員におかせられましても、今度はいろいろとまた、何かと御注意、御指示をいただきたいとお願いを申し上げる次第であります。
#150
○上田哲君 私は、いわゆる大企業から各官庁に出向をされている数多くの社員並びに部員の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 これについては、かねてから何回かの論議が行なわれておりますけれども、政府の御答弁がはなはだ不十分でありますので、私もその点をひとつ踏まえながら御意見を伺っていきたいと思います。これまでの討議の中で明らかになっておることを簡単に押えておきたいのは、まず、こうした社員、部員たちは公務員ではない、しかし、一定の実務には携わっていると、こういうことのように理解をしておりますが、それでよろしいんですか。
#151
○国務大臣(小坂善太郎君) ただいま御設問の問題につきまして、ごくあらましを、事実を申し上げますと、今日、民間企業から、五十一社の企業から……。
#152
○上田哲君 いやいや、もうそれはわかっていますから、私の質問に答えてください。
#153
○国務大臣(小坂善太郎君) じゃその問題をやめまして……。
 従来、他の委員会でお答えいたしておるのでございますが、これは非常勤の国家公務員と見ておるわけでございます。
 これの扱い方については、どうも二十五年の経緯がございまして、経済安定本部時代からずっとやってきている問題でございますので、いろいろな見方がございましょうけれども、一種の味わいのある制度であるということも言えると思うのでございます。長所を考えれば味わいがある。しかし、いろいろ御指摘を受けると、どうも何か問題になり得る問題をかかえておるようにも思う。そこで、私の気持ちを申し上げますと、やはり総理府の人事局と人事院と行政管理庁とよくひとつ考えてもらって、何かやはりこの問題について問題になるようなところを避けて、そしてこういう形ならどうだという案をつくっていただくのが一番よろしいんではないか、こういうふうに考えて、実は政府部内のことでありますが、さようにお願いをしておるということであります。
#154
○上田哲君 これまで私どもが承っていた理解では、これは研修要員であるということのようでありました。非常勤の国家公務員というお話ですね。しかし、これは身分は全くいかなる公務員法から出てくるものでもない。分限もない。そして給与はそれぞれの親元の会社から出ている。こういう非常勤の国家公務員というのはあるんですか。
#155
○政府委員(高橋英明君) 私ども、長官が持っております公務員の任命権を次官に委任いたします場合に、その委任するのを、公務員法の五十五条に基づきまして、人事院に書面をもって提示しております。その次官の任命行為の中に非常勤の部員の任命というのを書いて提出しておりますので、私どものほうは一応認知されているものと考えてきております。
#156
○上田哲君 これはたいへん進んだというのか、深まったというのか、新しい見解ですね。つまり公務員法における根拠法規をお示しになったんだけれども、じゃ、分限、責任、管理体系、ひとつ御説明をいただきたい。
#157
○政府委員(高橋英明君) 国家公務員法が適用になるというふうに考えております。ただ、非常勤職員の場合、条文によっては適用を受けない条文もあると聞いておりますが、守秘義務とかそういったものは適用になるというふうに考えております。
#158
○上田哲君 一番わかりやすいところは、非常勤国家公務員、これは給与を払わなければなりませんね。
#159
○政府委員(高橋英明君) 給与を払わない非常勤国家公務員があるというふうに聞いております。
#160
○上田哲君 人事院、ほかにそういう例はありますか。
#161
○政府委員(茨木広君) 給与法の二十二条の一項に、委員、参与、顧問その他人事院の指定する者について、人事院の承認を得た範囲内で給与を払うことができると、こういう表現をとっておりますので、その逆解釈といたしまして、給与を支給しない場合もあり得ると、こういうような見解をとっておるわけでございます。
#162
○上田哲君 四月の二十四日衆議院内閣委員会において、長官は、これは公務員ではない、研修要員であるということを御答弁になっておられるわけです。今日の御答弁は明らかに違うわけです。解釈は変わったのですね。
#163
○国務大臣(小坂善太郎君) 研修的な仕事をしておるというふうに申し上げたように記憶いたします。身分について公務員でないとは申し上げないと思っております。
#164
○上田哲君 ことばじりのところはそのとおりひとつ追いかけていくことにしますが、そうすると、これは非常勤であるけれども国家公務員なんですな。国家公務員であれば、先ほどの官房長の御答弁のように、すべての権限、責任、これは国家公務員法の中でぴったり一致するわけですね。そうですね。そうするとはなはだ常識的におかしいことは、いわゆる大手の大企業、全部名前をあげてもよろしいけれども、重複するからよしましよう、そういう大手の大企業、何とか生命であるとか何とか電力であるとか、何とか重工であるとか、そういうところから給料をもらって出てきている明らかな――その社のほうは出向社員と呼んでいます。向こうのほうは出向社員と呼んでいるものが、非常勤の国家公務員であって、それが国家公務員法に規定する分限をちゃんと背中に背負った仕事をするということは一体正しいことでありますか。
#165
○政府委員(高橋英明君) 長いこと続いておる制度でございまして、そうして、かつて安定本部時代には非常勤の国家公務員制度であるというふうに認定されておりまして、それからずっと続いてきておる制度でございますので、いままでそういうものとして了解しておりました。
#166
○上田哲君 そういうものとしてついつい二十数年間了解してきたつもりだが、今日においてはこれははなはだおかしいではないか。たとえば、国家公務員法に規定する機密保護の問題――一年前あなた方非常に問題にされた機密保持なんということがそういうことでできますか。籍は明らかに親元の企業の中にある人、その人を公務員と呼びならわして二十何年の慣習であるからいいですということの中で、たとえば機密保持は考えられますか。責任が持てますか。
#167
○政府委員(高橋英明君) 機密は保持され……まあ機密というものは企画庁にございますかどうか問題でございますけれども、機密は保持されているものと信じております。
#168
○上田哲君 ふざけちゃいけない、あなた。そんなばかな答弁ありますか。官房長たるものが企画庁にはマル秘の判を押したものがあるかないか知らぬのか。まじめに答えなさい。あるかないかがわからぬのか、官房長たるものが。あるかないかはわからぬが保持されているものと信じておりますなどという、そんなばかばかしい答弁で答弁になると思いますか。長官からお答えなさい。官房長ごときは答弁能力ない。
#169
○国務大臣(小坂善太郎君) このいま問題になっている諸君は、年齢は平均して二十八歳ぐらいで、二年ぐらいたつと帰っていく。したがって、やらしておる仕事は大体調査、たとえば翻訳をやってもらうとか、あるいはいろんな資料の数字を集めてもらうとか、そういうようなことがおもなように承知しております。したがって、こういう諸君にいわば決裁をするような仕事をやらせるつもりは全くございませんし、現にやらしておりません。
 そういうのでございますし、まあ企画庁の仕事というものは、私は今後もつくるまいと思っておりますが、いわゆるマル秘というのはないんです。全体にこう非常に公開する性質のものでございまして、資料は国内、国外の資料を集めて分析して出すわけです。これは事実多いんです。したがってそういうものもないし、しかも、扱わせている仕事はいま申し上げたように非常に調査というようなことが主でございますので、その面のいわゆる機密漏洩というような意味の心配は私はしておりません。現にないものと思っています。
#170
○上田哲君 経済企画庁にABMの機密に関するようなものがあるとは思っておりませんよ。しかし明らかに、たとえばデータあるいはプログラム、経済企画庁としてはその段階で外に出すことができないマル秘の文書やデータがあるじゃないですか。ないとおっしゃるんですか。
#171
○国務大臣(小坂善太郎君) 結果が出て発表するまでは部内で承知しておるというものは、これはございます。しかし、その段階で外へ出ては非常に困るかというと、そういうものはないということでございます。
#172
○上田哲君 それじゃ経済企画庁長官、はっきりお約束をしましよう。経済企画庁では今後一切のマル秘文書というものはおつくりになりませんね。
#173
○国務大臣(小坂善太郎君) 私が在任している限り、つくりません。
#174
○上田哲君 もう一つ。今日まで全くありませんね。
#175
○説明員(内野達郎君) 昨年、機密文書の取り扱いが問題になった時期に、庁内に機密文書がどういう形であるかということを実地に調査したことがございます。そのときの段階では、企画庁各局ともいわゆる機密文書はないという、そういうふうな結論でございました。あと、いま大臣がお話しになりましたように、発表前の取り扱いをどう注意するか、どういうふうにデリケートに扱っていくか、そういうふうな問題はございます。それからもう一つは、例の統計法関係で、各会社の個個の調査については取り扱いを注意しなきゃならない、そういったものはございます。ただ、これもいわゆる国家機密とか、そういったことのたぐいで取り上げる問題とちょっと性格が違います。あとは人事関係の資料でございますけれども、これもまあ取り扱い注意の資料という、そういう形で指定しておりまして、したがって、現在段階における経済企画庁の資料は、取り扱い注意の資料はございますけれども、いわゆる秘密文書というものはございません。
#176
○上田哲君 傍聴席は少しうるさいから、委員長、静かにしてもらいたい。
 いいですか。防衛庁で必要とするようなマル秘文書があるなどとは思っておりませんよ、同じ庁でも。経済企画庁に、いまお話しになったように、一定の結論が出るまではみだりに外に触れては混乱を招くであろうというような取り扱い注意文書等々のものがあるではありませんか。そういうものが全くないなどという常識的でない話は通りませんよ。いいですか。たとえば、一体公害の規制基準をどこでどういうふうに出そうとか――規制基準ではない、ありましょう、ランキングをどうしようとか。それをあなた一月前にわかったら、投機にも役立つじゃありませんか。そういう問題というのはみだりに――たとえば一つの白書をつくるのだって、草案段階で公にされては困るということがあるじゃないですか。ことばで何とかごまかそうと、マル秘文書があるとかないとか、マル秘とは何かという議論になれば、九万点あったんですから、一年前に私どもそのことでもう一生懸命になって、目玉を三角にしてやったんですから、その議論を経済企画庁を舞台にしてやろうというのは話は別です。
 時間を省略するからそれは先へ行きますけれども、具体的に伺っておきたいのは、そういう中で、そのクエッションマークの非常勤の国家公務員に一体どういう実務をさせているのか。そしてどういう実務までならばいいとお考えなのか、あるいは無制限なのか。
#177
○説明員(内野達郎君) 現在、民間企業から来ておる部員の――われわれ部員と呼んでおりますが、人たちがやっております仕事は、各局の調査ないしは研究、分析に関連する基礎的な部門をやらせておるわけでございます。それがまた実際上、実務研修的な役割りをも、あるいはそういう機能も持つということで、この前の御答弁では、研修的な職員であると、そういうふうに御答弁いたしたわけでございます。それから、先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、一般行政に直接つながる部門、たとえば許認可事務であるとか、あるいは決裁文書とか、そういったものについては一切タッチさせておりません。
#178
○上田哲君 長官はこう御答弁なさっているんですが、部員は翻訳や資料集め等に使っているだけであって、計画の起案等に加わらせてはいないと。またそうであってはならないと。これは長官が言われておるところですね。いまの内野さんのお話はそういうことと理解していいんですか、長官。
#179
○国務大臣(小坂善太郎君) さようでございます。先ほども申し上げましたように、まだ二十七、八歳の者でございますから、そうした管理者的な立場には遠いわけでございます。したがって、翻訳をやるとか、あるいは研究の分析をやるとか、そういういわゆる手足がなきゃ困るような仕事を頼んでおる、こういうことでございます。
#180
○上田哲君 つまり、それを越えるもの、政策の計画、立案段階に足を踏み入れるような仕事をさせてはぐあいが悪いということですね。
#181
○説明員(内野達郎君) 計画についてでございますけれども、計画につきましても、たとえば、いろいろ、研究委員会報告というのがございます。計画とほかに。たとえば、国際経済あるいは資本移動に関する研究会報告と、こういうようないろいろないわゆる研究グループをつくりまして、その中に、会社から来た人もワーキンググループの一員として、あるいはいま大臣のお話しになりました、場合によっては翻訳とか、あるいは若干分析的なことも、いろいろ、そういう研究グループの中でも手足になるようなこともやっているわけでございます。それに対しまして、計画というのは、片方のほうで研究グループが研究したものとまた別に、そういう成果は生かしてまいりますけれども、いわゆる計画というのは一般の行政の職員が中心になって全体として取りまとめているわけでございます。その計画をつくる場合の意思決定には直接参画していないわけでございます。
#182
○上田哲君 それは非常に重要じゃないですか。長官、ひとつ明確にお答えをいただきたい、よろしいですか。
 調査、計画、立案の段階、プランニングの途中段階まで、商社からあるいは金融機関から出向している社員をあえて非常勤国家公務員という名前をつけて参画せしめるということは正しいのですか、はっきりしてください。
#183
○国務大臣(小坂善太郎君) 調査研究の、何といいますかね、基礎的な部分、これがないと、結局最後の分析にいかないわけですから、そこのところを頼むと、こういうことですが、これは、発生的に申しますと、経済安定本部以来二十数年前からこういう制度がございまして、いろいろな方がお見えになっております。統計学の森田優三さんなんかも一時いた時代がございます。それから都留重人さんなどもそうでございますし、それから会社からもたくさん来ておる。そういうことで、何となくこういう制度があるわけでございます。実は、私も入って半年ぐらいしかならぬわけでございますが、聞いてみたら、いつごろからこういう、現在これは無給ですが、どうしてこういうふうになっているんだと言うと、二十四年までは謝金というのをやっていたと言うんですね。いまは全く無給です。しかし、たいへん仲よく、融和して効率的に動いておるということでございます。経済企画庁は、経済安定本部時代は実は五千八百人ぐらいおったんですね。今日五百五十三人。その少ない人数でとにかく非常に重要なことをやらしていただいておるわけですが、いまお話し申し上げたように機密みたいなことは扱っておりませんが、経済の全体の分析というのは非常に重要だと思いますが、そこでこの六十一名の諸君はなかなかよくやってくれて、その関係ではうまく機能しておると、こう言うんです。私も、さっき味のあると申し上げたのは、はなはだどうも言い方は当を得てなかったかもしれませんけれども、その意味では、少ない予算で少ない人数でやらしていただいている中では、一つの味の、それこそうまく長所を生かしていけばいい制度になると、私はそういうふうに思っております。さように考えておる次第でございます。
#184
○上田哲君 二十何年前から続いているんだとしきりにおっしゃるのは、それはそれといたしまして、二十何年前から続いているかどうかの問題はまた見方をしっかり突き詰めるとして、私が伺っているのは、すっきりお答えをいただきたいのは、そういう金融機関や電力会社等々の大企業から向こうの給料で出向している社員を国家公務員非常勤部員だと呼んで、経済企画庁の諸政策の計画立案の段階に参画させることが妥当とお考えになっているのですね。イエスかノーかで……。
#185
○国務大臣(小坂善太郎君) そういうふうに問い詰められると、これは非常に問題が多いと私も思うんですよ。思うんだけれども、この連中はなかなかやっぱり一流会社に入るだけあって優秀である――国家公務員ももちろん優秀でありますが、そこで、別か別でないかは別といたしまして、とにかくこれはうまく機能してくれれば、しかも国家の機密とかそういうことを外部に流すとか、あるいは会社の利益を代弁するとか、そういうことから一切遮断しておけば、これも一つの考えである、こう思っておるわけです。いかぬ、いい、ということになると、これは価値判断の問題で、委員会でこうしてお取り上げ願うのはきわめて適切な問題だと思います。
 で、私は、さっき申し上げたように、政府部内としてもこれ実は主務省がなかったわけです。いままで。どこがやるのだ、人事院は国家公務員じゃないからおれは知らぬ、そこで結局非常勤の国家公務員だというところまでいま持ってきたわけですよ。そこでどうするかということで、業界と総理府と人事院と三者で少し知恵をしぼってくださいと、こう申しているわけでございます。で、企画庁として、この六十一名がごそっといなくなったら、これはすぐお手あげです。労働強化になります。そこでこれをどういうふうないい方法があるか、これはなかなかむずかしい問題でございますけれども、さような意味で、ひとついい方法を考えていこうじゃないかということで内部的には話しておる次第でございます。
#186
○上田哲君 はっきりしてきました。まさに長官のお話のように、どうも一番初めに言っていたような考え方では話のつじつまが合わない、そこでまあ非常勤国家公務員というところまで持ってきたのだと、こういうことですな。いままでの答弁じゃ違うのです。だからまあそれはそれで、ここまで持ってきたのだと言うなら、それは倫理的に合うのか合わないのかは問題があるけれども、とにかく答弁としてはそれが一つ。いままでのような研修実務要員だということじゃ説明がつかないものだから、そこで非常勤国家公務員だというところへ持ってきたのだと。ところが、もう一つは抜きがたいウエートを持って実務がからんでいるから簡単にどけるわけにいかないというところがあると。そして第三に、これは企業の代弁者になるというようなことをチェックしておけば何とか現状はなろうじゃないか。これがいままでの答弁の三点で、そしてそれらを引っくるめて、どうもぐあいが悪いから何とか知恵が働けないだろうかというので、苦しい声の下から出てきた答弁だと私は思うんです。こういうことでいいですね。
 小坂長官というのは現閣僚の中で一番インテリジェンスのある人ですから、ここまではいずってきたのなら、やっぱりこれはぐあいが悪い。ぐあいが悪いということをはっきりお認めになるのがいまの、私はどう整理してもその三点にならざるを得ない、そういうふうに思うんですが、はっきりおっしゃって、いかがですか。
#187
○国務大臣(小坂善太郎君) 私も無学であまりむずかしいことはわからないのですけれども、ただそういうふうに問い詰められると、どうもしっくりしないところが確かにある。しかし、あるからといってそれじゃこれを全廃してしまうのか、いいところを残してはっきりしないところをけじめをつけるのかという問題のようにも思います。どうも私のこの問題に対しての何は、従来私はこのポストに来るまで実はそういうことがあることも知らなかった、率直に言って勉強不足というところだと思いますが、問題の所在は私にもわかりますし、さらに今後研究さしていただきたいというように思います。
#188
○上田哲君 いまのお話はまだてんで徹底しないのでありましてね、「よく検討」じゃ私は今回は納得をいたしません。
 ひとつ具体的にもう少し明らかにしてまいりましょう。
 その明らかにしていく中で、まず第一に明らかにしなければならないのは、最近のある新聞に内野経済企画庁秘書課長の談話が載っておりました。「民間会社からの研修員受入れは、」――このときは「研修員」でありました、公務員とはいわなかった。「民間会社からの研修員受入れは、社会党内閣の経済安定本部時代から行われている制度で、民間の意見を広く取入れて民主的に行政をすすめようというのがその趣旨だったと聞いている。」「いまさらとやかくいわれるのは納得できない。」云々と出ております。先ほどからしきりに、御答弁の中に、これは二十何年前、つまりおまえたちが政権を持っていたときにきめたことなんだから、おれたちはその下請をしているだけだというような、どう考えてもそういうふうにしか聞こえないような未練たらしい御答弁があったように私は聞いております。先般の当委員会で企画庁長官は「新聞記事には責任は持てない」という重大な発言をされたのを私は耳に残しておりますが、そのこと自体も問題でありましょうが、一体この談話というのは真意を伝えているのか、さもなくんばいかなる真意に立つものか、まず明確にお伺いしておきます。
#189
○説明員(内野達郎君) いまの談話でございますけれども、夜中にある新聞から電話がかかってまいりまして、べ平連関係の資料ではこういうふうなことを言われているが知っておるか、そういうふうなことでございまして、夜中の電話でございまして、私いろんなことをしゃべったわけでございますけれども、その中で、やはり沿革的、歴史的な性格のものがかなりございます。それで、やはり当時の安定本部時代にこういう制度、――はっきりとこれは経済安定本部令で明文化して、非常勤の部員を置くというふうな形で発足したわけでございます。そのときの趣旨というのは、やはりこれは経済民主化の一翼の中で、まあ役人だけではなく、広く民間の知恵あるいは学界の知恵も集めながら行政をやっていこう、そういうふうなことで発生してきて、それで当時はGHQもおりまして、一体どういう人を経済安定本部でそういうことをやるのかということにつきましては、当時は人事院の承認を一々とりながらやってきたわけでございます。その沿革的なあとを受け継ぎまして、経済審議庁、あるいは経済企画庁になりましても、そういう制度が残ってきているわけでございます。ただ、その問の沿革でございますけれども、これはやはり安定本部時代は直接的な行政にもかなり参画していたわけでございまして、それで、会社から来ておられる方も、有給の部員もおられましたし無給の部員もいたわけでございますけれども、やはり経済審議庁以降になってまいりますと、先ほどもお答えしている点でございますけれども、やはり直接的に許認可するとかそういうふうな利害に結びついたところに配置するのはよくない、やはり調査研究、そういうふうなところでいろいろ知恵を集めて一緒に仕事をしていく、あるいは国民的な視野に立っていろんなものごとを考えていくという、そういった場をつくっていくというふうな、ある程度性格も安定本部時代の直接行政的なものから変わりながら今日に及んでいるわけでございまして、私が申し上げましたのはそういう沿革に立った上のものであるということを言ったわけでございます。「とやかく言われる筋はない」というふうなことを私夜中に言ったかどうか、そこのところだけが新聞に載っているわけでございますけれども、だいぶ濃縮されて載っているわけでございます。私は沿革的なものだけ申し上げた、いまのようなことをずっと長くお話ししたわけでございます。
#190
○上田哲君 濃縮されていてあなたの真意を伝えているのか伝えていないのか、伝えていないならどこがいけないのか。長々言われないで、時間がないのですからきちっと答えてください。どこが違うのか。
#191
○説明員(内野達郎君) でございますから、その新聞が私に聞きましたのは、一体どうお考えですかということを電話で聞いたわけでございます。私は、これは歴史的、沿革的な上に乗っかったものであると、そういうふうにお答えしたわけであります。
#192
○上田哲君 それじゃこれでいいんじゃないですか。
 私は、社会党を代表して、経済企画庁に申し上げたい。はなはだしいこれは公党侮辱であります。
 先ほど長官は都留重人さんの例を引かれた。都留さんは全然、今回の二十七、八歳の係長クラスの人間を今日六十一人も、しかも大手の企業から選んで出向せしめて証明書を発行さしているなどというのとはまるで次元が違う。明らかに経済安定本部時代に、短い期間とは言いながら社会党が政権をとったときに試みようとしたものは、いみじくもいま秘書課長の答弁の中に隻言片句出たように、経済民主化、経済計画というものをシビルレベルで考えていこうという精神の発露がここにあったんだ、そのことは私どもは今日も正しいと思っています。今日とその時代の施策が違うのは、これは少なくとも今日のようなやり方の非常勤の、十日前には研修員と呼び、つじつま合わせに、十日たったら今度は非常勤の国家公務員であるなどというふうに逃げ回らなければならないような不明確な、白昼顔を上げられないようなメンバーではなくて――首をひねっている人があるなら、あとから答弁を求める。そうではないですか。大臣の答弁が一週間ごとにくるくる変わらなけりゃならない、そんなことではなくて、今日でも隠れのない経済学者である、たとえばお名前が出ました都留重人さん、これはどっかの企業から給料をもらって出向しているような、デパートの出向店員とは違いますよ。その時代のわれわれの施策に基づく民間からの登用人材と、今日のこういう形の補助要員、キャラクターが十分に説明できないような者とを――あなたが言わなかったにもかかわらず記事がこうなったと言うんなら話は別だ。あえて真意を問うてみれば、濃縮されているかどうかは知らないけれども、このとおりではありませんか。「いまさらとやかくいわれるのは納得できない」などということばじりはとらえない。
 問題としているのは、これは社会党内閣の経済安定本部時代から行なわれている慣習である――違う。社会党内閣の経済安定本部時代からとった方向というものはこういうものではなかった。あなた方が都合のいいようにわい曲をして今日に至っている。その上に調子よくあぐらをかいているという制度以外の何ものでもない。こういう形をここに談話を発表して、今日に至るまで旬日以上を経て、もしあなたが違っていたと言うのならば、この新聞、A新聞です。抗議を申し入れたらいかがか。そうでないと言うなら、公党であるわが党に対して何らかの発言があってしかるべきではないか。社会党を代表して、私はいま党議に基づいてお話をしておる。この発言に対して明確な御答弁をいただきたいが、御答弁の内容によっては、われわれはそのレベルで問題を考えていきます。
#193
○国務大臣(小坂善太郎君) 内野課長の談話が問題になっておりますが、私、企画庁の責任者としてお答えをいたしますが、この中にあったようなことがそのまま言われておるとすれば、これは不穏当でございます。ただ、内野秘書課長がいま御答弁申し上げておるように、その制度そのものが二十五年前からあったと、こういうことを話したのが真意でございまして、いまお話のような公党侮辱云々という気持ちはこれは毛頭ございません。さような誤解に対しては、誤解があるようなことを生んだことに対しては私がかわっておわびを申し上げたいと思います。
 それからもう一つ、都留教授の例でございますが、これはもう非常に、いまのようなお話をいただくと、私のことばが足りなかったと思いますけれども、都留さんはたくさん民間人がいたその中のトップとして、あのとき総合調整委員会副委員長というお立場であったと思いますが、その下にはたくさん民間人が実は会社からも来ておったというふうに、私も実は多少そのころに関係を持ったことがございますので、私の記憶ではそんなふうに記憶しているわけでございます。たくさんおりましたので、何となくその後に続いておりますと、こう御説明をしたかったので、言ったわけでございますが、ことばの足りなかった点はひとつおわびして、補正をいたします。
#194
○上田哲君 全く納得いたしません。私どもがここで明らかにしておきたいことは、経済民主化、経済政策に民間知識を大いに、人材としても知識としても導入しようではないかという発想は今日も正しいし、私たちはそのことを推進したいと思います。したがって、民間のあらゆる人材をこうした中に登用するということをおやりになるのならば、そのことは二十年前のわれわれの考え方として今日も生き続けていいことであります。現にそのようになされてまいりました。それは、そのときそのときによって名称が変わるような、非常勤国家公務員である、給料はやらないというような、そんな肩身の狭い存在ではなかったのであります。今日のまるでデパートの出向店員のようなこういう形、長官自身が、問い詰められては困るけれども、ぐあいの悪いもので、このままではいかぬではないかと言うような、そのようなものとは似て非なるものであります。つまり、端的に申し上げるならば、二十年前に発想した制度というものと、今日のこの制度とは、全く内容が質的に違うのです。この違うことを明確に御回答になるのかどうか。このことが違わないで、二十年前の慣習を今日も受け継いでいるから、われわれはその慣習の中で、このことを意図しなかったのだと、こういうふうにお考えになるのだとするならば、振り返って二十年前の私どもの発想に対する公党侮辱であるということを申し上げているのであって、その公党侮辱という意味がおわかりにならないというのでは、単にわれわれに対する侮辱などという次元ではない。今日、経済政策の根幹をなす経済企画庁の責任者として、皆さん方の経済政策立案に対しての基本的な姿勢の欠落を感ぜざるを得ない。その点を明確にお答えになるのでなければ、これは私どもは、社会党の立場などという小さなことではありませんよ。経済政策が何によって立たなければならないのか、何を指向しなければならないのかという観点において、とうてい答弁能力を得る相手とは考えない。今後の質疑についての態度を検討しなければなりません。
#195
○国務大臣(小坂善太郎君) 社会党時代から続いてきたものというふうに私実は申し上げた記憶、気持ちはないのです。それは、社会党時代はそれは確かに安定本部は統制機能を発揮していたわけでありまして、私どもは経済の直接統制をその後やっておりませんから、安定本部と企画庁はその点おっしゃるように本質的に違っております。ただ、民間の人が出向しているという形ですね、それのなごりが、当時非常に大きな規模であったものが小さくなり、相当な人材が、何といいますか、管理職的なポストにあった者が、いま申し上げるように非常にサブ的な、補助的な仕事についておるとか、そういうふうな変化は確かにございますが、ただ、民間の人が役所に入るという、そういう形が発生的にそうであったというふうに申し上げたわけでございます。
#196
○鶴園哲夫君 関連しまして、補充的な質問になるんですけれども、これはたいへん多いですね、五百五十三名の中で六十一名という……。
#197
○国務大臣(小坂善太郎君) いえ、別に。そのほかに。
#198
○鶴園哲夫君 しかし、これは何ですか。国家公務員はどういう分類になるんですか、人事院は。
#199
○政府委員(渡辺哲利君) 具体の、現在、経済企画庁に民間からおいでになっている方々がどういう分類に属するかと、こういう御質問でございますが、その点については、現在、行政管理庁、それから人事局、私のほうと三者で、資料を徴して吟味をしておる最中でございます。
#200
○鶴園哲夫君 吟味をしている最中というのはどういう意味ですか。長年続いているものを、いま吟味している最中だと、どういうふうに分類するのかということを聞いている。
#201
○政府委員(渡辺哲利君) 常勤の定員を使って任命されておりますれば、これは一般の常勤職員になるわけでございますが、そうでなければ、いま話題に出ておりますような非常勤職員というグループと、それから当初答弁されておったような意味の研修員の形の者と、こう、大きく分けますとどうもこの三種類あるんではなかろうか。非常勤の職員の中でも、先ほど給与法の二十二条のことを触れましたが、一項職員と二項職員とございますので、その辺のものがいろいろ、やはりあるんではなかろうかという推測をいたしておるわけでございます。
#202
○鶴園哲夫君 妙な話だな、それは。そんなおかしなのがあっていいのかな。そういうおかしな話はないんじゃないですか。長年続いているものを、いま何か人事院と行管と相談をして何かしていると言うが、そんなおかしな話ってありますか。いまに始まったことじゃないでしょう。どういうふうな解釈ですか。もう聞かぬでもいいようなものを、いまごろ相談していると言うんだから。――そんなもの、おかしいじゃないですか。
 それと、もう一つ、経済企画庁長官は、何か基礎資料をつくったり、基礎的な調査をさしたりするというお話ですが、そこが一番大切なんじゃないですか、役所の中では。これはむろん役所におる者はすぐわかりますよ。そこのところが大切ですよ。あと、企画とか何とかというんじゃなくて、そこの基礎資料をつくるところ、どういう基礎資料を集めたかということが経済企画庁においては一番大切じゃないですか、それが抜けちゃうのですよ。いかんね、これは。
#203
○国務大臣(小坂善太郎君) 私のことばが足りなかったためにそういうお話が出たのだと思いますけれども、私が申し上げるのは、たとえば外国の例を(「ケリをつけるまでだめだよ」と呼ぶ者あり)ちょっと申し上げておる、そこで聞いてください。外国の例をとります場合に、やはり外国の文書を持ってきて飜訳をするというような、飜訳をやったり、それからいろいろ各方面の刊行物の中から資料を集めてそれを整理してという段階と、それを分析してこうだという結論を出す段階とあるわけですね。その前者のほうを主としてやってもらっておると、こういうことです。
#204
○鶴園哲夫君 これはだめだ、こんなものをこのままでは……。
#205
○鈴木力君 ちょっと関連。
 問題はずいぶんたくさんあると思いますが、私はさっきから長官とそれから秘書課長さんですか、答弁を伺っておって、これはやっぱり上田委員が、社会党を代表してという発言ではっきりと発言をいたしましたけれども、御答弁がはっきりしないのです。確かに経済安定本部時代の社会党が政府を持っておったころのそれから続いておる、そこのところにどうしてもこだわっておる。中身は違ってきたけれども、制度は残っておったとか、ことばが足りたとか余ったとかということは聞いておるけれども、その辺がはっきりしない。これはひとつ長官、いまさっきの課長さんの談話の筋も含めて、この問題についての社会党に対する、社会党の名前を使ったそのことに対する見解は、ことばじゃだめですから、あちらこちら行ったり来たりして。文書ではっきりしたものを出してください。それから党の態度をきめて、われわれもものを言いたいと思うのです。それを要求します。
#206
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめてください。
  〔午後三時二十二分速記中止〕
  〔午後三時三十四分速記開始〕
#207
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後三時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時四十四分開会
#208
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 この際、小坂経済企画庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。小坂長官。
#209
○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほど二つの問題で……。
#210
○委員長(高田浩運君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#211
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
#212
○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどの話の中で、うちの秘書課長の談話でございまするが、経済安定本部時代と現在とは、その内容と性格において相違があったことについての認識が足りなかったために誤解を与えたことでありまして、率直におわびをいたします。
#213
○上田哲君 一時間半に及ぶ休憩の中で政府側の見解が定まりましたので、そのことを了承しまして、質疑を続行いたします。
 なお、本日のテーマの中身そのものについては、ひとつこれから政府側のほぼ骨子となる見解も確定されたと伺っておりますから、私も時間の関係もあり、用意した内容を大幅に省いて進めていくことにいたしますので、ひとつ政府側も効率的な御答弁をいただきたいと思います。
 そこで、先ほど来経企庁長官の御答弁は、このいわゆる部員制度というものを三つの問題に分けてお話しになったように思います。今日の説明の第一は、いままでの説明、位置づけのしかたを改めて、非常勤の国家公務員であるという立場に立たれて、もう一つは、大きく政策決定に至らない範囲までの実務を担当させるところに押えておるのだ、三つ目は、これが企業の代弁者とならないようにしておるんだと、こういうふう御説明でありました。
 私は、なおそこのところについては納得をいたしません。その三点から概略ひとつ御見解をただしたいと思うのは、まず第一に、これはどうしても公務員ではない。いま御答弁がありましたように、安本時代のものとは制度、内容ともに違うのでありまして、これは非常に便宜的な出向社員制度以外の何ものでもないと思います。それにもかかわらず、これは一つふしぎなものは、経済企画庁から出ている身分証明書がここにある。この身分証明書には、上品の者は経済企画庁部員であることを証明するという判が押してある証明書があるのであります。また、経済企画庁事務次官の任命権者と肩書きのついている名前入りで、経済企画庁部員を命ずる、何々局何々課勤務を命ずると、こういうのが出ているのであります。これはどういう法規に基づき、あるいはどういう責任、分限を与えて出ているのか、目下のところどういう解釈であるか、伺っておきたいと思います。
#214
○説明員(内野達郎君) お答えいたします。
 国家公務員法第五十五条の規定に従った任命行為として発令しておりますので、したがいまして、まあ経済企画庁の部員であることを証明すると、そういうふうな身分証明書を出しております。
#215
○上田哲君 部員というのは一体どこに見つかる、たとえば経済企画庁の管理規程の中のどこに見つかる名前でありますか。また、この身分証明書はだれに対する身分をどのように証明するものですか。
#216
○説明員(内野達郎君) 部員という名称はこれは歴史的なものでございまして、特に法律上そういうふうな規定をされている法規はございません。それから身分証明書でございますけれども、ときどき庁舎管理なんかに、入門規制なんかいたしまして、そういうときに、やはり身分を証明したものが、経済企画庁の広い意味の職員であるという、そういう身分を証明したものがなければ出入りができないときがございます。そういうふうなために身分証明書が発行されているわけでございます。
#217
○上田哲君 全く法規上、規定上存在しないものに対してこういうものを発行する――これは人事院ですか、私は所管がわからぬけれども、人事院から聞くんですか、総理府から聞くんですか。
#218
○説明員(内野達郎君) 身分証明書が……。
#219
○上田哲君 あなたに聞いているんじゃないんです。
 でありますから、どちらかから答えてください。こういうことはできるんですか。
#220
○政府委員(茨木広君) 人事院の所管ではございません。
#221
○上田哲君 どこの所管――つまりやみですな、これは。法規に基づかない。いいですか。全くやみなものが、質問されても秘書課長が答えられないような、該当法規がないようなところに依拠している部員というものが五百人をこえるものと一緒に六十二名もいると。これはやっぱり、実情からいっても法規上からいってもたいへんおかしい脱法行為だと言わなきゃならないと思います。人事院、総理府どちらでもいいんですが、有権解釈をしっかりしていただきたい。秘書課長じゃないですよ。人事院でも総理府でもいいです。
#222
○政府委員(渡辺哲利君) ただいま管理局長から人事院の所管でございませんと申し上げましたのは、身分証明書に関する件でございますけれども、人事異動通知書におきましてそういう辞令を出すということにつきましては、先ほど企画庁から御説明がございましたように、事務次官に対しまして、非常勤の身分並びに……。
#223
○上田哲君 そんなことを聞いているんじゃないですよ。時間がもったいない。そんなことを聞いているんじゃないです。法規に基づかず――いいですか、どこにも部員という名前がないのに対して身分証明書を出すということが適当なことではないではないか。どういうふうにこじつけたら理屈がつくかということを私は聞いているんじゃない。いいですか。太政官布告に戻るわけじゃないけれども、政令なきときは一番高い常識によるんですよ。この常識が受けつけない法解釈のらち外に、脱法存在としてこういうものが存在しているということが問題だということを私は申し上げているんです。もっとわかりやすく申し上げましょう。外から入るのにぐあいが悪いというのであれば、官房長に伺うが、外から入ってきて経企庁で五百何十人の人とこの六十二人と、見たところで区別がつきますか。
#224
○政府委員(高橋英明君) 見たところというのはどういう区別でございますか。
#225
○上田哲君 まじめに答えてもらいたい。
 経済企画庁にはこういう人たちがちゃんと机を与えられ、すわっているわけでしょう。この部員がいて、課員がいて、外から見ていこの人は国家公務員として国家公務員法に基づいて給与を受け仕事をしている、いわゆるあなた方のことばで言えばプロパーと、こちらはそういう大資本、大企業から来ている出向者であるということが、見ただけで、こんにちはと言ったときに区別がつくような識別が何かあるかと言っておるんです。
#226
○政府委員(高橋英明君) ございません。
#227
○上田哲君 こういう形というのは単に法規に基づかない脱法存在であるということだけではなくて、実態的にも、公共機関としての国の行政官庁の姿勢としてはなはだ好ましくないことだということが言えると思います。これは私は議論の余地はないと思うんです。いいですな、官房長。その見解はいいですね。常識で答えてもらいたいんだよ、ぼくは。
#228
○政府委員(高橋英明君) 私ども、部員は非常勤職員だと思っております。したがいまして、そういう職員がおってもいいというふうに思っております。
#229
○上田哲君 はなはだしい認識不足でね、そういう人がいていい――いないほうがいいじゃないですか。何を言っているんですか。私はそういう議論をしたくないですよ。これだけ長いことかかってあなた方の基本的な見解をまとめられたという立場に立って私は議論をしているんですから、ここはやっぱり私すなおな議論をしなきゃいかぬと思うんです。先へ進めましょう。
 形式上、実態的にまた問題はありますけれども、私が特に問題としたいのは、実務的には政策決定の判断のレベルにはいないんだということをおっしゃっているけれども、その判断の基礎にある政策立案段階、もっと具体的に言えば草案作成段階の中に非常に重要な資料提出者としてこういう人々が入っているという実態があるということは問題だろうと思うんです。たとえばS化学の出向者が企業班で仕事をしている、K電力の人がサービスエコノミーの中にいる、S日鉄の人が貿易班の中にいる、U興産の人が消費者物価、生活問題の中にいる、三菱重工の人が企業班の中で防衛問題をやっている。もっと端的な例は、東北電力の人が東北開発室にいる、こういう形というのがどう考えても常識的に私は妥当ではないと思うんです。いかがですか。
#230
○国務大臣(小坂善太郎君) おっしゃるとおり妥当でないという点があります。ただ、これは先ほどから申し上げているように、そういう重要な政策決定には加わっていないという前提において現在やっておるわけでございまして、そういう誤解を生ずるような点がないというふうには言えないと思います。
#231
○上田哲君 重要な政策決定の重要な要素をなしているところに存在をしているんです。これは。もっと具体的にお話をしてもいい。どれぐらいこういう人々が中に入っているかというと、たとえばここに経遊会名簿というのがある。この名簿の中に、同窓会ができていて、いまいる六十二人だけじゃなくって、このほかにはいま二十九人を数える政府関係の他の機関から来ている人たちも入っていますけれども、一年ないし長きは三年余りもいるような人々も――これは四十八年三月十六日にできたんだが、四十五年以降ですか、ずっと名簿がここにあります。この人たちの行き先を見ると、いま私はほんの一例をあげたけれども、この人たちを抜いては政策立案ができそうもないと、さっきから議論になっているんですけれども、一ぺんにこの人たちの首を切ったらどうにも仕事がならぬじゃないかという泣きが入っているように、まさにこの人たちを抜いては結論が出てこようがないという作業体系の中にぴっちりはまっている数があるんです。ひとつこの際資料として、まず安本以来今日までどういう人々が出入りをしたのかということをきちっと出していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#232
○政府委員(橋口隆君) ただいまの資料は後刻提出いたします。
#233
○上田哲君 それを見ていただけるとすぐわかると思います。
 そこで、二番目の問題に入るんですが、政策立案あるいは政策決定というところには、なるべくそのレベルには行かないのだとおっしゃるんだけれども、先ほどプログラムをどうするとか資料をどうするとかいう具体例を秘書課長がお示しになったときには、明らかに中に踏み込んだ部分がありましたね。これに対して先般人事院の任用局等々で業務の分限ということを答弁をされて、あくまで正規の一般職員と同じ仕事をさせることはできぬという見解が出ております。そこのところをひとつ調整してください。
#234
○政府委員(渡辺哲利君) 実はこの問題につきましては、ついせんだってまで私どもは研修員という制度であるという理解でございまして、そういう研修員という名目であるならば、職員と全く同じ仕事につくことはそれは不可能でございます。というような見解を持っていたわけでございます。
#235
○上田哲君 これは研修員ですか公務員ですか。
#236
○政府委員(渡辺哲利君) 私どもは従来から、ずっと研修員というふうに理解をしていたわけでございますけれども、これが公務員であるか研修員であるかということにつきましては、これは詳細に検討いたしませんと、私どもとしては軽々に判断はいたしかねる問題であろうかというふうに考えている次第でございます。
#237
○上田哲君 答弁には全然ならないけれども、追及するのはいかにも無理じいをするようですから、わかった答えでしょうから、いいですよ。
 それぐらい解釈にこじつけがあるし、どうしてもこれはもう抜き去りがたく中に入ってしまっているということになるんです。
 少し具体的に例をあげていかなければならぬと思うんですがね、たくさんあるのですがね、たとえば、企業から来ているいわゆる部員が研究論文を出します。そしてその研究論文が外部にも発表されます。そういうものは一体公的なものですか、公的でないものですか。
#238
○説明員(内野達郎君) 研究論文は個人的なものでございます。
#239
○上田哲君 毎朝経企庁に来て、経企庁に机をもらって、経企庁の会議にも出て、なかんずく経企庁にあるデータ、プログラムを使って、その上で書いた論文というものも個人的なものですか。
#240
○説明員(内野達郎君) たとえば私どもの経済研究所で年に何冊か研究シリーズというのをまとめておりまして、経済研究所の資料として出たものは、これはもう役所の仕事としての論文でございます。大体個人論文というのは、個人の名前でほかの雑誌に出たものでございまして、しかしそれは単独で出る前に、研究者の人たちには、研究シリーズとかそういうことでまとめるということ、それで、その成果をいろいろな形で学会とかそういうふうなことでより広く問うような場合に、個人論文として出すということでございます。
#241
○上田哲君 その出向部員が経企庁の中にいて――わかりやすく言えば、たとえば研究所にいて、そこでなければ目に触れないデータを使って書いた、逆に言えば、そこにいなければできなかった論文についても、これは全く私的なものですか。
#242
○説明員(内野達郎君) これは、たとえば研究所の運営ということでございますけれども、必ずその研究成果は経済研究所の研究シリーズあるいは経済研究所の成果として一度まとめる、その上で、個人的な研究活動の一環として必要があるものは発表してもいい。研究的なもので、まあたとえば学会とかあるいは国際的なもので、やはりそういうふうなことを普及していくこと自身が全体のためになるというものについてそれは自由であるというたてまえをとっておるわけでございます。でございますから、いまお尋ねの、たとえばコンピューターを使ってやったものがそのままダイレクトに個人論文として出るということでございませんで、一たん研究所の研究シリーズとかそういう成果になってまとまって、それがまたどういうふうな形で一般に普及していくかという過程で、個人論文というものが出る、そういうことでございます。
#243
○上田哲君 個人論文のことをもっとやってもいいのですが、時間の問題と、それから個人名が出てきてしまいますから、飛ばします。ただ、飛ばそうと思ったのを、あなたがいまコンピューターということを口に出されたから、そこへ一気にいきます。
 そういうことになりますと、たとえば具体的に言いましょう。七一年の八月です。これはH氏であります。S会社のH氏であります。具体的な名前を出せと言えば出しますが、七一年八月に、円の切り上げの率で、産業界はたいへん思惑をめぐらせておりました。このときに、出向している本社から連絡を受けて、そこで、シミュレーション分析を行なうことになりました。そこで、経済企画庁が中期経済計画策定に使われて以降のデータでありましょうか、中期マクロモデルを持っていたようですね。この中期マクロモデルを使って直ちに切り上げ率をはじき出した。これを直ちに本社に報告をした。もっと実は論文のことを言いたいのですが、論文のことを省いてそっちへ飛んだのですが、こういう例が具体的にあります。具体的に会社名や名前、個人名をあげてもかまいませんし、こういう例は幾らでもありますけれども、こういうことは、そのS会社が、ほかの機関ではできませんよ。こういう形で平気で入っていって、この身分証明書があるからかどうか知りませんが、重要な国民の財産というべきではありませんか。マル秘であるといったらいろんな議論の分類が出てくるかもしれないけれども、これは経済企画庁が特定の何びとかに優先して使用さしてしかるべきものではないでしょう。そういうものが使われているということは私は問題だと思うのだが、またまとめて聞くと答弁らしい答弁にならないから、具体的に伺いましょう。この中期マクロモデルというのは、だれでもこういうふうにかってに使っていいものでしょうか。
#244
○政府委員(宮崎仁君) 中期マクロモデルは中期経済計画の際に開発したものでございまして、今回の経済社会基本計画にあたりまして改定をいたしました非常に大きなモデルでございます。それを使用いたしまして今度の計画におけるシミュレーション等やっておりますが、これをどういうケースについてやっていくかということは、計量班というのがございますが、この計量班の計画官のところで企画をいたしまして、そうしてやっていく、その重要な結果についてはもちろん局長――私でございますが、のところに報告がある。また別途これは計量委員会というのが経済審議会の中に持っておりまして、そちらは学者の方でございますが、そちらにおいても御検討願う、こういう形でやっておりまして、一人でかってに動かすというような性質のものではございません。
#245
○上田哲君 これを使っているわけですよ。これを使って、その数字を急いで自分の本社のほうに連絡をする、こういうことは本来の国民財産の剽窃ではありませんか。何をマル秘というか、何を秘密というか知りませんけれども、経済企画庁はこういう先取りデータを特定な者に与えるために存在しているということにはならぬはずであります。こういうものはプロパーしかさわらないものにしておかなければならぬと私は思う。管理の問題として、私は専門家に聞きたくはないので、官房長に伺っておこう。そういうものじゃありませんか。
#246
○政府委員(高橋英明君) そのとおりだと思います。
#247
○上田哲君 幾らでも例があります。たとえばS金融機関のS氏、この中に出ている人ですが、何回出たといって回数言ってもいいですけれども、これは研修員として来ているつもりもあるんでしょうから、開発途上国の経済セミナーというものに何べんも出席をしています。出席をするのは研修の範囲に入るかもしれぬ。ところが、やっぱりエコノミックアニマルの代表でありますから活躍が違う。この出席している何回かの機会に、親元企業が、研修員の母国の経済進出のためのコネというものをすっかりつくり上げて、たいへん有利な状態になっています。
 あるいは、たくさんあるが、四十七年度の国民生活白書、この国民生活白書自身のプリンシプルをいまここで議論するのではありませんけれども、この内容についてさえ、先ほど申し上げた研究論文というようなものを作成したいろんな人々の考え方というものが、いろんな曲折をしてこの中に投影していると私たちは見なければならない根拠を有します。経済白書と国民生活白書のニュアンスが、たとえば高度成長の波及効果というような問題についてのニュアンスがどうも違っている。そこらあたりにはなるほど最終的な判断についてはもう少し上のプロパーのレベルがあったでしょうけれども、そうしたデータの投入という限りにおいては、かなりいろんな討議、中級段階までの討議というものが結論に向かって効果を全く持たない、影響を持たないということはないでありましょうから、そういうことを考えなければならない事例がたくさんあります。
 実は数が非常に限定されているものだから、いまここでこれ以上具体的な名前をあげないでものを言うというのは非常にむずかしいんです。むずかしいのですが、明らかにそういうことをたくさん列挙することができます。抽象的に申し上げるけれども、きわめて抽象的に申し上げるけれども、接待マージャン、原稿、講演依頼、汽車の切符の手配、出張の場合の旅館あっせん、こういうことがこの六十二名によってたいへん効率的に精力的に行なわれています。いいかげんなことを言っているというのだったら、たとえば五月十七日、五月二十日、二十七日、どういうマージャン会が開かれたかということを申し上げてもいい。マージャンをやっちゃいけないということを私は言うのじゃないけれども、明らかにこういう連中が設定をする。明らかに、たとえばそのあとわれわれの役目は、やがて次官クラスまで至る人的コネを確立するために派遣されているんだなんということがうそぶかれるような、そういうパーティーが開かれるということが、李下に冠を正さずということで言うならば、問題にされなければ綱紀の粛正がどこにあるかということになるはずであります。
 抽象的に言わなければならない事情はたくさんあるのだけれども、国民に先んじて開発予定地を知ったり、公害の地域別な規制値をあらかじめ知る、あるいは物価上昇についての大企業への告発や糾弾の度合いというものは、鋭敏にあの部屋の中に毎日生活していればわかるでありましょう。道路投資のこれから五カ年計画の増加額を一般の民間人よりも何分でも何日でも早く知ったら、明らかにこれは経済効果を持つはずであります。そのためにこそエキスパートを、民間会社同士なら産業スパイを使うところでありましょう。国の経済政策の決定が行なわれようというそのセンターに、身分証明書までもらってこうした若いエリートがほうり込まれているということになれば、これは明らかに特殊な部分に対して特殊な利益情報を与えているということにならざるを得ない、私はこういう状況というのを今日まで放置したことは、慣習であるとか人手不足であるとかということでは説明し得ないことだと思います。あえて抽象的な表現に終始しましたけれども、このような抽象的な表現の裏にある流れについてどのようにお考えになっているか、まず伺っておきたいと思います。
#248
○国務大臣(小坂善太郎君) いまお述べになりました点については私も実はあまりよく存じませんけれども、そういうことを言われると、言われるようなことを持っているということそのことは大いに反省せねばならぬというふうに思います。
#249
○上田哲君 言われるような実態が実はあるわけです。政府としての十分な見解統一がなされているとの前提の話でありますから、私はこれ以上こまかい具体的な例についてあげることをあえて控えたいとも思いますが、こうした問題の一つ裏に、経企庁が調整官としてより高度の政策立案のために努力をする、そのことはそれで安本の精神以来あっていいセクションだと思いますが、そのためにどうしても人手が要る、この人手の問題を、許されることではないが便宜的にこういう慣習の中に持ってきたということがあるとすれば、一筋だけ掬してしかるべき理由とも思う。結論は後に伺うけれども、その問題をどう解決しなければならないのかということについて、長官どのようにお考えですか。
#250
○国務大臣(小坂善太郎君) 一つには、今日の公務員制度の任用のあり方というものもあるのではないかと思います。こういう経済企画庁のような役所、これは非常に経済的なエコノミスト的な見地でものを考える非常に大事なところでございまして、どうもそういう点から言いますと、今日の試験制度、必ずしもそういうものに向く者が必ずパスするというものでもないようだし、ただ、私は非常に希望を持っておりますことは、ことし採用されました若い諸君と初めて会ったのですが、非常にみんな有能な諸君が入ってきておりまして、将来の企画庁のために非常にためになるという感じがいたしました。ただ、現実にもう少し人をたくさん採れますとよろしいのでございますが、いかにも人手が足りない。そこで、いまおっしゃっていただきましたように、一筋の掬すべき点というふうな表現でおっしゃっていただきましたが、現実に仕事がなかなか、いまおる六十一名によってかなりの部分ささえられているという点が否定できないという点、私は上田委員の御所論に非常に同感しつつも、非常に私として現実の処理に悩むものであります。
#251
○上田哲君 まあ人手不足ということもあるでしょうけれども、そうしたところに安易に乗る姿勢が、たとえば庁内にあるESPに、実はここに来ているたくさんの会社から一口二十万円の広告料なんというものが割り当てのようにして行く。実質上の庁内誌ですからね。そういうものがこんな形で運営されているという便宜主義、この便宜主義というようなものがやっぱりある段階でなたをふるうということがない限り、経企庁の体質というのはやっぱり改められないんじゃないか。
#252
○国務大臣(小坂善太郎君) よく検討いたしまして、いろいろな疑惑を招かないように処置したいと思います。
#253
○上田哲君 ちょっと引っかかりますが、このESPについては御存じないですか。
#254
○国務大臣(小坂善太郎君) 私自身寄稿したこともございまして、よく知っております。ただ、どういう組織でどういうふうになっているか、はなはだうかつでございますが、よく存じません。
#255
○上田哲君 どうですか、だれか答えられませんか。
#256
○説明員(内野達郎君) 経済企画協会というのがございまして、経済企画協会の職員が、いまおっしゃったような広告をとったり、あるいは全体の編集をしたりというようなことをやっております。
#257
○上田哲君 いや、そっちの話じゃないんだな。
 もろもろあげたい要素はたくさんあります。たとえば、ただいまのESPなどは実は実質的な庁内誌であって、その編集長はプロパーの課長補佐です。このプロパーの課長補佐を編集長にして定期的に発行されているものに、全くことばは悪いけれども企業癒着としか思えないような編集と、何というんですか、経理方式というのか、財政方式というのか、運営方式というようなものがとられています。経企庁に出向している部員たちは、親元から広告料をツバメのように口につばさんで持ってこなければ大きな顔ができないというような、ある種の競争意識の中でこのようなものが交付されている。しかもこれは一般的に経企庁の刊行物というふうに受け取られながら、市販もされておると、こういう実態がもう根深く、いわゆる部員なるものが経企庁の業務運営の中から切り離すことができないものとしてからみ合っているということを立証しているわけです。
 こういういろんな問題があります。私はこれまで何回かにわたって追及をされたこの問題が、政府側もそのつど十分な御答弁ではありませんでしたけれども、研修員ではもう説明のつかない、不可分な業務要員としての存在を、ここに、多少の先ほど来認識の欠落からの不用意な御説明もありましたけれども、とにかく公務員という形でいま認めなければならないような立場にある、しかもウエートの大きいもの、数からいって。そうして、行政当局が本来業務としなければならない部分を、これも分かちがたくこうした業者の出向社員たちにゆだねざるを得ないというところへきているという問題が、行政当局としての国民に対する責任を薄めているという問題。いかに強弁するとしても、民間の給料をもってその一割に達する出向社員をかかえることによってでなければ、政府の白書が出ていかないというようなこういう業務形態というものに対して、行政の責任が果たされているということは、どんなに苦しかろうとも、言ってはならないはずであります。
 また、しかもそこに出向している部員、いわゆる部員たちは、何と言っても日本の代表的なエコノミックアニマルの若きエリートたちであって、この連中が具体的に周囲のひんしゅくを買うほどに、いわば経企庁の中の出店となっている、出張店となっているという営業活動を繰り返しているということはもはや隠れもない事実であります。しかも、そうした若い業者マンたちが、すでに横の組織を持って一定の活動を開始するというようなところにきているということ。しかも、あってなきがごときかまえの中で、勤務時間も明確でなければ、規制することももちろんない。こういう形は、わが国の行政組織の、しかも先進的な知識集団ともいうべき企画庁の中に、実に前近代的な形態が温存をされているということにほかなりません。
 私は、本日、冒頭からいろいろ質疑を繰り返してまいりましたけれども、この際、先ほどの休憩を含めて、経企庁長官が国務大臣としてこの行政の二十年に及ぶ悪しき慣習を英断をもって整理されて、国民に十分な責任を問い得る、また疑惑を持たせ得ない制度のクリアアップということをひとつしていただきたいと思う。民間からのすぐれた知識を導入するというような言い方は、この際通用しないのであります。もしそういう詭弁が弄せられるのなら、特殊な、たとえばまさに三井、三菱が十四名を含めて一位、二位を占めております。こういう形態、こういうところからしか選ばれない六十二名ということは、たとえば市民団体から選ばれるのか、組合から選ばれるのかという可能性は持たないのでありますから、そういう態度もしっかり断ち切った上で、この際、政府としては、このような悪しき慣習、制度というものを一挙に払拭されるという方向に御決断をいただきたい。私どもも、先ほど来の休憩時間の中で、与野党ともに、ひとつ本委員会の権威にかけて、そのことはわが国の経済政策立案のために不可欠な人員であるならば、大いに本委員会所管の事項として相ともに努力をして、十分な機能を発揮せしめるような努力をせにゃならぬのじゃないかというようなことも話し合っていたわけであります。ひとつ、経企庁長官は、政府の立場からこの問題についての英断を示されることを期待をいたします。
#258
○国務大臣(小坂善太郎君) だんだんのお話で、ごもっともな点が非常にあると存じます。ただ、私として非常に気にかかりますことは、現状を一気に変えまして国務に渋滞を来たすという点でございまして、そのことが、いい悪いにかかわらず、その渋滞があってはならぬと思いますので、その点にいろいろ悩みを持つわけでございます。
 今後の取り扱いにつきましては、当委員会の御要請に従いまして、人事院、総理府人事局、行政管理庁等、関係省庁と協議の上、廃止の方向で検討してまいりたいと存じます。
#259
○上田哲君 経済企画庁長官として、政治責任をかけてこれを廃止の方向でと踏み切られたのでありますから、可及的すみやかにこの結論に至られることを希望をいたしまして、なお、総理府、人事院、行管の各責任者から、この問題に対する前向きの意見と、またこれに対するバックアップの姿勢も明らかにしていただきたいと思います。
#260
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほど来お話を伺っておりまして、ただいま企画庁の長官からお話がございました趣旨に基づいて私たちも努力してまいりたいと考えております。
#261
○政府委員(平井廸郎君) 経済企画庁の御要求を受けまして検討いたしたいと思います。
#262
○上田哲君 だめだよ、そんなのは。大臣があそこまで踏み切ったんだよ、あなた。(「行管やり直し、いまの答弁やり直し、要求受けなければ検討しないなんて」と呼ぶ者あり)みんなで応援しなきゃだめなんだよ。
#263
○政府委員(茨木広君) 御要望のございましたような方向に沿うて、所管をいたしております国家公務員法のそれぞれの規定に合致いたしますような方向で検討をするということで協力を申し上げたいと思っております。
#264
○政府委員(平井廸郎君) 関係各省庁と協力して検討いたしたいと思います。
#265
○上田哲君 そこへ向かってものを言ってもしょうがないと思います。とにかく、それを含めて、私も締めくくって言っておきますが、いろいろ私どももきびしく責め上げたというところはありますけれども、しかし、経企庁長官の英断を私は大いに多とすべきだと思います。むしろ壮とすべきだと思います。閣議にかけて云々というようなお話も漏れ聞いたのでありますけれども、国務大臣としていろいろな立場から、この問題は、行政部内では定員の問題等、壁にぶつかられるでありましょう。これはひとつぜひ、可及的すみやかにというところを、私どもは即刻というふうに思いますけれども、御努力をいただくし、大臣のこの決意を受けて、関係各官庁は、これはひとつ旗を振って、この結果がきれいに出る――国民の前にこれは明らかになるんだ、そのことは大いに称賛されるべきことなんでありますから、しり込みしないで大いにがんばっていただきたいということと、また、こうした問題について、ひとつ経企庁の中でもいろいろすっきりしない雰囲気というものが生まれているように思います。そういう問題をできれば有能なプロパーに振りかえていくための努力を内部部局としても努力をするように大いに要望をいたしまして、質問を終わります。
#266
○宮崎正義君 だいぶ時間が過ぎておりますので、私は、前回資料をいただきました問題について質問をいたします。
 商品投機のために――大手商社の事業内容の中で、国民の消費者価格を最低限にとどめるための事業内容をどうするのか、どうすれば――常に輸入品種別の実情がある程度公表されていけば国民はいろんな疑惑を持つことがないだろうと思うんですがね。
 そこで、資料を提出していただきました。十大商社の部門別の売り上げ高というのが提出をされました。各商社ごとに内訳までていねいに出していただきましたことを非常に感謝いたしますが、この資料を見ておりましても、どうも、いま申し上げましたように、消費者価格にどうしても疑惑を与えないためには、商品投機をしているんだと言われないようにするのには、もっと、輸入品目でしばしば問題になっている羊毛とか、あるいは綿花とか、あるいは生糸とか米、大豆、飼料、魚、肉、木材、これらの第二次製品の各社ごとの売り上げ高、輸入量をこれは示していかなければならないんじゃないか、また、これをある程度示していくようにしなければいけないんじゃないかと思うんですがね、これはどうなんですか。
#267
○説明員(牧野隆守君) 前回、売り惜しみまたは買い占めのうわさがございまして、そういう観点から大手六社の調査を通産省といたしまして行なったわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、確かに、どれだけの量がいつ入ってきたのか、これがどのように売られているかということは十分チェックする必要があるということは、私ども痛感いたしたわけでございます。したがいまして、その調査を終了いたしました以降、特定物資につきまして、需給懇談会を――取り扱い業界、これはユーザーを含めまして、いわゆる需給懇談会を設立いたしまして、その中で私どものほうから、具体的にどの程度の、たとえば綿花につきまして、あるいは羊毛につきましてどれだけの輸入が行なわれているか、こういう数字を常に示しまして、いやしくも仮需が発生するというようなことのないように、現在、物の動きにつきまして具体的に明らかにいたしている次第でございます。
 ただいま御指摘の、どの商社が具体的にいつ、どれくらい輸入したか、これは御承知のことと存じますが、通関統計で輸出、輸入、すでにこまかく詳細に政府側といたしましてはわかっております。しかし、具体的に、たとえば三井物産がどれだけ輸入したかということをはたして発表する必要があるかどうか、まだ、私どもといたしましては、そのトータルの量を関係者に十分わかっていただければ、いわゆる需要供給の実態が明らかになるのではなかろうかと、こういう観点で、現在そのトータルの量だけを把握いたし、それを関係の方々にお知らせいたしているわけでございまして、まだ個別企業が、いつ、どれだけ入れたかというところまでは踏み切っておりません。
#268
○宮崎正義君 事件が起き、問題が起きしたときに初めて国民にもわかり、そして、そんなにも商社が買い占めをやっていたのかというような実態も、そういう事件があって示されてくるんです。じゃ、もっとほかに、示されてないものに対しては、事件が起きてない問題については、どれだけのものが、どれだけ買い占めをやられておったり、また投機されているのか、その疑惑をなくするためには、やはりもう少し分析をしていかなければならないんじゃないかと思います。商社側に言わせれば、国際相場の上昇が物価上昇の原因として、商社資本ではそういうことを言ってみたり、また、安い時期にやはり買い付けたものを国益に合致するなどと言って主張しているようなことも言っておられる面もありますけれども、実際問題は、国際相場の上げ足より国内相場の上げ足のほうが時期的には先行しているという事実、また、国際相場の上げ幅より国内相場の上げ幅のほうが大きいということも、これまた、この事実が物語っているわけです。また、こういうことも言われると思いますが、アメリカの業者は、木材の値上がりは日本の商社の買い占めによるんだというようなことをアメリカでは言っているというんですが、こういうところはどうなんですか。
#269
○説明員(牧野隆守君) 先ほど申しましたように、前回、第一回の商社の実態を調査いたしました。私ども非常に判断に苦しみましたのは、明らかに買い占めあるいは売り惜しみの実態があるかどうかという点でございます。各社それぞれヒヤリングいたしまして、たとえば在庫等の数字につきましてもヒヤリングいたしたわけでございますが、その現実に持っている在庫がすでに売買契約に基づいて売られたものであるかどうか、この点が実ははっきりしなかったわけでございます。現に商社が保有している在庫量は、まあこれが正しい数字であるかどうかは別といたしまして、一応通産省には報告されたわけでございますが、まあこれがはたして全然売らずに持っているものであるかどうか。そこで私どもはたとえば買い予約残あるいは売り渡し残というものの数字をヒヤリングをしたわけでございますが、したがってどの程度買い予約をしどの程度売り渡し予約をしているか、この点から、実は買い予約の数量あるいは売り予約の数量が前期または前々期と比較いたしまして非常に数量が多くなっているものでございますから、そういう点から投機的な疑いが非常に強いと、こういう判断を実は私どもしたわけでございます。しかし現実に明らかに買い占め、売り惜しみをしたかどうかということは、実は私どもは証拠はとることはできなかった。これは商社段階だけの調査でございますので、たとえば売り渡し残につきまして、羊毛についてだけ申しますと、ほんとうに紡績業者が買い予約をすでにしているかどうか、この紡績業者の契約量まで調査しなければいけないというような状況で、そこまではつかめなかったというのが実情でございます。
 この調査は、御承知のとおり、あくまで企業機密は守るという前提で協力を要請いたしまして調査したのが実態でございまして、そういう観点から、現在当院で御審議いただいております買い占め防止法案の成立を私どもは強く期待しているわけでございます。これに基づきまして商品の指定がなされますと、私どもは遠慮なく、どれだけ在庫があるか、あるいはどれだけ売り予約をしているか、そしてその売り予約の相手方はどうであるかと、はっきり商品の流れというものをとらえることができるのではなかろうか。で、木材につきましてもいまお話がございましたが、現実に木材につきましては、総量、前年度の輸入量等と比べますと非常に多く買い占めている、一方的にアメリカで日本が買い占めているというような、量的な面からそのような判断はできなかったというのが実情でございます。
#270
○宮崎正義君 実は私の調べたところによりますと、一つの例をあげて言いますと、杉の柱材、これが三メーターものですね、昨年の十一月、三千百四十五円。これが七月に比べますと二倍半の高騰になってるわけです。しかも米ツガなんかの問題でこれを見てみますと、この期間アメリカでは二〇%程度しか値上がりしてないわけです。ところが国内では二倍以上も上がっているわけですね。そうしますと、この杉と米ツガとは一緒くたにできませんけれども、米ツガものだけを取り上げてみましても、国内では二〇〇%以上に売っているわけですね。この点はどんなふうに見ておられるのですか。
#271
○説明員(牧野隆守君) 通産省といたしましては、貿易の所管官庁といたしまして、輸入段階まで私どもはチェックをいたしておるわけでございます。国内販売につきましては農林省の林野庁所管でございまして、具体的に、国内でなぜそのように上がったか、たとえば住宅需要が非常にふえたとか、あるいは需要見通しを誤ったとか等々の理由を聞いておりますが、私から責任を持って具体的にお答えできませんのが実情でございます。
#272
○宮崎正義君 木材は林野庁だということはそれは私もわかっております。ですから農林省を呼んでいたわけですが、帰ってもらったんですよ。その実情というものは御存じないんじゃないかと思うのですよ。ですから私はあえてこの点を申し上げているわけですがね。で、あなたからいまお話がありました羊毛なんかについては、イギリス、フランスの新聞等に、国際的に値上がりしたのは、日本商社が買い占めたからこうなっているのだというふうにも報道されているんですが、こういうのはどうなんですか。先ほどアメリカの木材の件について、アメリカでは日本商社が買い占めたから上がっておる、アメリカ自体の木材が値上がりしているというふうにも言っておる。その答えはなかったわけですけれども、量的な話だけあっただけですけれども。
#273
○説明員(牧野隆守君) 木材のアメリカにおける価格につきましては、一九七二年四月、千立方メートルで九十四ドル、それから七月に百ドルになりまして、九月に百十三ドル、急激に上がりましたのは昨年の十二月、百四十五ドルに上がっております。さらに今年の三月、これはピークでございますが、百六十四ドル、こういうようになっております。確かに御指摘のとおり、日本側がアメリカ市場におきまして従前以上に賢いオッパを出しておる、こういう実情から、現地におきましてこのような値上がりを招致したということは私ども承知いたしております。それから羊毛につきましても、オーストラリアの実情は常に出先機関から聴取いたしておりまして、オーストラリアにおけるいわゆる政府関係機関も、日本商社の賢い占めによって急激な羊毛の値上がりを招致しているとはっきり声明文を出していることも承知いたしております。
#274
○宮崎正義君 お認めになっているのですから、したがって私が先ほど申し上げました二次製品についても、どの商社がどのような形で現物を握っているかということ、そういうようなことが当然わかってきていいのじゃないかということになるわけです。そうしますと、その需給関係の問題で、前回も申し上げましたように、その原料が工場に行く、問屋に行くという系統を全部私はお話し申し上げましたけれども、それが結局二倍半に値上がりしているとか、三倍近くにもなってきているとかというような実情を、今度は全部それはだれがしょうかというと、消費者がしょっていくという形になるわけです。結論的には。したがってそういう商社の実態というものの品目的にわかっている二次製品の品物のわかれば国民も安心できるのじゃないでしょうかね。疑惑は持たないんじゃないかと、こういうふうに思うから、先ほどから申し上げておるわけなんですがね。
#275
○説明員(牧野隆守君) 御指摘のとおり最終価格に、たとえば買い占め等が行なわれることによって非常に価格騰貴を招来するということはこれは絶対に排除しなければならないわけでございまして、現に通産省といたしましても、問題ある商品につきまして需給懇談会を開きまして、その刻々におけるいわゆる物の需給関係を常に把握しているというのが実情でございます。
#276
○宮崎正義君 まだほかにもこまかい問題はありますけれども、時間がございませんから、きょうはだいぶおそくなりましたので、うちの本委員会のルールからいくと時間外になってしまったわけですが、これはやはりどこに責任があるかといえば経企庁のほうの側にあるんだと思うのです。もう一問ぐらいひとつやっておしまいにしたいと思います。だいぶあるんですよ。
 先日も卸売り物価の問題を取り上げましたけれども、きょうの新聞等の発表によりますと、日銀が、前年同期の六月上旬としての上昇率が一三・二%になっている。一昨日、私が質問をしましたときには、一二・三%であった。これが大幅に上昇したのは、品物が何が上昇しているのかといいますと、銅地金が海外高による国内建て値の引き上げだと、伸銅品の地金高と需給逼迫を反映した非鉄金属が三・二%の上昇をしているというのですけれども、これは私は六月の五日に本委員会で通産大臣に質問したことがありまして、銅としんちゅう等の需給逼迫問題を取り上げました。このときにも私は具体的に足りないんだということを言っておきましたのですが、またきょうの報道されている面からいきますと、銅の不正輸入という、これは関税問題で何か価格をごまかし、脱税したみたいな記事が報道されておりますけれども、こういうことがぼつぼつぼつぼつ事実としてあらわれてくるようですと、よけいとも、私は、先ほど申し上げたように商社ごとの第二次製品というものがはっきりうたわれてこなければならないんじゃないかと思います。
 この点を一言つけ加えて、通産省の、法律が定まらなければ、今度は法律ができればその新法律によって厳重にやるとかいうんじゃなくて、事件が起きてから追っかけていくようじゃしょうがないと思う。したがって、その点もう少し積極的にメスを入れるべきだと思うわけです。これは私の要望です。そのことについて一言言っていただきたい。
#277
○説明員(牧野隆守君) 商社調査の結果の発表と同時に、大手商社の首脳部を通産省に招致いたしまして、いわゆる行動基準の作成を通産省といたしまして強く要望をいたしたわけでございます。最近、貿易界におきまして、商社の行動基準がまだ非常に抽象的でございまして種々非難を各面から受けておるわけでございますが、これに基づきまして、各商社が個別企業ごとにさらにその行動基準の具体的な運用の方法について現在検討中でございます。
 なお、通産省といたしましては、商社懇談会というものを設立することにいたしまして、刻々の問題につきまして、商社と通産省との問で、私どものほうから強く要望することにつきましては具体的に実施するように強く要望するということで、具体的に商社の行動内容につきまして私どものほうから問題点を指摘し、具体的に行政指導をする、こういう形に現在なっております。すでに第一回の商社懇談会をせんだって行ないまして、具体的にさらにその詰めといたしまして、今月末第二回の懇談会を開く、こういうことになっております。御指摘のとおり、私どもといたしましては、単に法律ができるということに限らず、通産行政の使命というものは当然おのずからきまっているわけでございますので、その線に沿うよう、関係業界の行政指導に最大の努力をするということは、大臣から常に私ども指示されております。その線に沿いまして、事務当局も一生懸命やるという体制になっておることを御報告さしていただきます。
#278
○宮崎正義君 大臣、最後にお伺いいたしますが、消費者の被害問題というのがございますが、これは、誇大広告なんかの土地なんかは、駅より十分といって、車だか歩くんだか、歩くほうと、車のほうだけは小さく書いてわからないようにして、誇大広告をして消費者を困らせるとか、あるいは商品では、いろんな欠陥商品といいますか、そういうようなものもございますし、それから、取り上げればどっさり、数ございます。いろんな、消費者が泣いている問題があるわけです。そういう被害を受けている、不当表示の問題等もありますし、いろんな消費者自身が被害を受けている点で、たしか経企庁では、こういう方法をもってやったらいいんだという考え方がさきにあったと思うんですが、アメリカでやっているクラスアクションですか、そういう方法等、何かそんなようなお話があって、そういう方向で日本もやったらどうかと。
 これは、民事のほうの関係もややこしくなってまいりますとは思いますが、現在、だんだんと訴訟も集団訴訟のような形があらわれてきております。こうなってきますと、これは、経企庁ばっかりではないと思うんです。たとえば順法闘争をやって、何百万という国民が被害を受け、駅で、ホームでころんでけがをしたとか、あるいはそれでどれだけの損害をしたとかというような問題で、集団で訴訟を起こしてくるような事件、あるいはスモン病だとか、そういうような患者の人たちが集団で訴訟を起こすとか、あるいは欠陥商品で集団で訴訟を起こしてくるとかというような問題が出てくるんじゃないかということをおそれるわけですが、こういうことに対してどんなふうにお考えになっておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
#279
○国務大臣(小坂善太郎君) 消費者保護基本法をつくっていただいておりますので、この精神にのっとりまして、毎年、消費者保護会議で審議決定した基本方針に沿って、施策を講じているわけでございます。
 まあ三つぐらい重点を置いておりますが、一つは商品サービスの安全性の確保、第二番目はサービス分野における消費者の保護、第三番目に消費者保護体制の整備、こういう点を重点といたしまして、約百八十項目にのぼる具体策を検討いたしておるわけでございます。で、これは、実施しますのは各官庁でございますので、それぞれと連絡をとっておるわけでございます。また、ただいま御指摘になりましたクラスアクションの問題、これは国民生活審議会の消費者保護部会に検討をお願いしておる段階でございまして、やはり消費者が集団で保護を求める、それには必ず、訴え出た者だけが非常に苦労して保護されるというのじゃなくて、特に、黙っておっても保護さるべきものは当然にそこで救済されるという制度は非常にこれから必要なんではないかと私ども思っておるわけでございます。いずれにいたしましても、この検討を開始したという段階でございます。
#280
○宮崎正義君 これは早急にやっていかなければならない問題だと思うのですが、大体めどとしてはどれくらいをめどとしてお考えになっているか伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#281
○国務大臣(小坂善太郎君) めどといたしましては、一年半ないし二年くらいのうちに実現いたしたい、こう考えております。
#282
○委員長(高田浩運君) ほかに御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 経済企画庁設置法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#283
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#284
○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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