くにさくロゴ
1972/07/05 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第18号
姉妹サイト
 
1972/07/05 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 内閣委員会 第18号

#1
第071回国会 内閣委員会 第18号
昭和四十八年七月五日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月五日
    辞任         補欠選任
     田中 茂穂君     西村 尚治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高田 浩運君
    理 事
                内藤誉三郎君
                中山 太郎君
                山本茂一郎君
                片岡 勝治君
    委 員
                源田  実君
                世耕 政隆君
                長屋  茂君
                西村 尚治君
                星野 重次君
                町村 金五君
                柳田桃太郎君
                鶴園 哲夫君
                宮崎 正義君
                中村 利次君
                岩間 正男君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  愛知 揆一君
       運 輸 大 臣  新谷寅三郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       坪川 信三君
   政府委員
       総理府人事局長  皆川 迪夫君
       総理府恩給局長  平川 幸藏君
       大蔵政務次官   山本敬三郎君
       大蔵大臣官房会
       計課長      片山  充君
       大蔵省主計局次
       長        辻  敬一君
       厚生省社会局長  加藤 威二君
       運輸政務次官   佐藤 文生君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  住田 正二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       厚生省年金局企
       画課長      大和田 潔君
       厚生省援護局援
       護課長      入江  慧君
       消防庁予防課長  永瀬  章君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○片岡勝治君 それでは恩給並びに共済組合の年金関係について若干質問をしたいと思います。
 すでにわが党の鶴園さんから基本的な角度から相当の質問が行なわれましたので、私は、それに基づいてやや具体的な問題について質問していきたいと思います。
 第一番に、恩給の問題で、今回七十歳以上の者について一律に四号俸是正を行なうということにするわけでありますけれども、その理由についてはすでに説明がありまして、相当の格差が出てきた、したがって、その格差是正のために四号俸を加えて恩給の是正をはかりたい、こういうことでありまして、そのことについては私も理解をいたします。一歩前進であるということについて評価をするわけでありますが、つまり、二十年以上、そういう一つの条件がある。つまり、二十年たった者に四号俸の格差が出てきた、こういうことでありますから、そういうことからすると、しからば十九年の場合にはどうなのか、十八年の場合にはどうなのか。当然、私ども常識的に考えると、二十年になってとたんに四号俸の格差ができるのではなくて、一定の段階を踏みながらその格差がだんだん拡大をしてきたということになれば、十九年の者も十八年の者も当然格差があるだろう、こういうふうに考えるわけであります。その点について、実態と、二十年に近い経過年数の者に対する救済措置というものはなぜとり得ないのか、この点について当局の見解を承りたいと思います。
#4
○政府委員(平川幸藏君) このたび、文官恩給のいわゆる長期在職者、すなわち実際の在職年において最短恩給年限以上勤務した者ないしはその妻子につきましては四号俸をすべて上げるということになっております。
 この根拠は実は二つございまして、一つは、いわばマクロ的な見方をした理論的な問題であります。もう一つは、福祉的な考えもまあ併入して入れたということでございます。
 第一の理論的なマクロ的な考え方と申し上げますのは、恩給受給者を統計的にながめてみますと、マクロ的に、すべての恩給受給者がべースアップあるいは同一のべースにのっているにもかかわらず退職の時期が違うことによりまして恩給額にかなりの差があるということは前々から実は指摘されておりまして、われわれとしても理論的にそれを解明するために数年来努力してまいったわけであります。統計的に見ますと、いわゆるその原因としては二つございまして、まず第一は、これは職務の内容とか、あるいは職務の評価につきまして、その評価が変わってきたという場合であります。この前も例に引きましたように、たとえば恩給局の筆頭課である総務課の筆頭課長補佐が、十年前には三等級であったがいまは二等級である。これは職務の内容が非常に重要になったということでありまして、そのために三等級から二等級に格上げしたということでございますが、この是正は恩給の分野ではない。しかし、べースアップ以外に、たとえば特別昇給の問題でございますとか、それから昇給の短縮の問題、それから頭打ちの解消の問題がございます。たとえば特別昇給でございますと、以前は特別昇給したことによって受ける利益は六カ月でございましたが、いまは一年の短縮を受ける、それからワクも、前は一〇%のワクでございましたが、いまは一五%のワクに拡大されておる。それから、通し号俸制のときにおきましては、ある等級、十五級制の場合におきましては、ある級の頂上にいきますと、次に移れない、あるいは昇給が完全にストップされるというような悪条件がありましたが、これは逐次解除されてきました。こういう状況をマクロ的にいろいろ集計的に見ますと、約――約でございますが、二十年経過いたしますと大体四号俸の差ができるということでございます。
 こういった問題は、ベースアップそのものではございませんが、ベースアップにいわば準じた、ほとんど一般的にすべての人が受けるであろう利益と考えて差しつかえないんじゃないか、そういうことで是正したわけでございまして、その結果を見ますと、いま先生が言われましたように、たとえば五年たつと一号俸上がり、十年たつと二号俸上がる、あるいは十五年たつと三号俸上がるというような非常に整然とした階乗的なものの形を必ずしもとっているものではないわけです。そういうことで、実は七十歳というのは、恩給受給者の平均の退職年齢が統計的に大体五十から五十一歳でございますから、二十年くらいたつと四号俸の格差が生ずる。しかも、実は恩給法といたしましては、七十歳以上というものが一つの福祉の対象になっておる。したがいまして、実は、余談でございますが、文官にこの措置を講ずると同時に、軍人に対しましても、実は七十歳以上に対しまして加算年――たとえば、戦地に行きますと一年が四年になるわけでありますが、これを金額の計算に算入するという優遇措置をとっておるわけでございます。その間、恩給の一つの特色といたしまして、妻子につきましては七十歳でなくても、たとえば六十歳でも直ちに四号上げる、あるいは軍人におきましては加算年を金額計算に入れるというように、恩給的な福祉の考えをあわせて導入した結果、こういう政策を打ち出したわけでございます。
#5
○片岡勝治君 つまり、二十年経過いたしますとそのくらいの格差が出てくるということについては私もわかるのですよ。これが一号上げるとか、まあ二号上げるというようなことであれば、さらに一号を半分にしてそれでは十九年のときに是正をするということはなかなか事務的に困難だろう、ベースアップする号俸が四号ということですからね。一号が約三・五%ということだそうでありますから、俸給年額の一四%アップ、こういうことになるということですね。ですから、つまり四号上げるということであれば、それじゃ経過年数二十年に満たない、たとえば十八年とかあるいは十五年とかというときに二号上げるとか、そして二十年たったらさらに二号俸をプラスするというようなことでなければ、非常にここに大きな段差がつくだろうと思う。四号俸上げることについては私も大いに賛成なんですけれども、途中にもう一段階ぐらいなぜできないのか。そう言っちゃなんですけれども、最近は年齢が非常に延びておりますから、七十歳以上の受給者がたくさんおられると思うわけでありますけれども、七十歳にならなければ四号是正ができないということではちょっとおかしいのではないか、もう少し温情ある改善というものがなぜできないのかということを、もう一度お願いしたいと思います。
#6
○政府委員(平川幸藏君) 先生の御趣旨は私よく了解したわけでございますが、ただ、先ほども申し上げましたように、一つのマクロ的な考えでございまして、階乗的に、段階的に、傾斜線を非常に確実なカーブをもって、五年たてば一号俸の差がある、十年たてば二号俸の差がある、十五年たてば三号俸の差があるというような、必ずしも階乗的に非常に秩序だったばらつきが出てきておるわけではないわけでございます。そういう一つの理論的な問題もございますし、七十歳以上の人と妻子を全部合わせますと実は八〇%以上の処遇になるわけなんでございます。そういうこともございまして――逆に言いますと、残りの人はほとんど六十五歳以上七十歳に近い人である。そういうことで、実はわれわれといたしましても、理論的な、マクロ的な理論の上に立つと同時に、いわばこれは恩給的な福祉の年齢の切り方と申しますか、これが一つの制度的なものとなっておりまして七十歳という線が出ておりますので、それと妻子とを一つのグループといたしまして、われわれとしてはできるだけの処遇をしたつもりでございますが、先生の意図もよくわれわれとしては理解はいたしておりますが、ただ、こういう方法でやるのかどうかという問題につきましては、われわれといたしましては、老齢者処遇といたしましては、いろいろ方法も今後ないわけではないというように考えておりますし、恩給制度本来の考え方からもいろいろな老齢者処遇の方法は積極的に考えていきたい、このように考えておるわけでございます。
#7
○片岡勝治君 たいへんマクロ的に考えるということもわからないわけじゃありませんけれども、非常にわれわれからすると大ざっぱじゃないか。つまり、七十歳で四号の差が出てくるということになれば、六十九歳あるいは経過年数二十年と十九年の格差というものは非常に大きくなるわけですね、その段差というものは。ですから、そういう点についてマクロ的に考えたって、もうその途中に二号俸というようなことを考えられる経過年数あるいは年齢というものがあってしかるべきだろうと思うのです。これはひとつ、そういう点、さらに検討していただいて、いきなりここで二十年あるいは七十歳で四号という非常に大幅な改定をする前に配慮すべき点があろうと、こう思いますので、ひとつ十分検討して善処する機会があれば、そういう点、是正していただきたいということを要望しておきたいと思うわけであります。
 さらにもう一つ、恩給で具体的なことをお尋ねをして、これもぜひ是正をしてもらいたいと思うわけでありますが、教育職員にかかる勤続加給条件の緩和の問題であります。今回も一部これが是正をされておるわけでありますが、具体的な例としては、戦争中、学制が改正をされまして、師範学校の付属小学校に勤務されておった教職員、これがいわゆる小学校の百五十分の一の加給というものの計算の対象になっていない、こういうことでありまして、私も教職という経験を持っておりまして、その辺の実態というものはつぶさに承知しておりますけれども、付属小学校の先生は、全く今日でいう市町村立の小学校と実態的には何ら変わりがない。しかし、この百五十分の一の加給というものが、付属小学校の先生なるがゆえに認められない。他の小学校におればこれが認められるということで、これはたいへん大きな矛盾だろうと思います。いろいろ法律的なことは私も承知しておりますけれども、実態からして非常に大きなこうした矛盾是正されるべきだろうと思うんですが、この点について見解を承りたいと思います。
#8
○政府委員(平川幸藏君) ただいま先生の言われました例、実は私も前からその問題については検討しておるわけであります。そもそも、これは先生にこういうことを申し上げるのは釈迦に説法でございますが、いわゆる教職員に対しまして勤続加給という制度がどういう精神で設けられたかと申しますと、同一の学校、たとえば小学校だったら小学校、これは義務教育でございますが、それから旧制中学、これは義務教育でございませんで、自分の意思あるいは親の意思によりまして、ある特定の人が自己の選択によって選ぶ学校でございますが、全く違った種類の学校であったわけであります。実は、おそらく加給が設けられました精神は、同一の学校に長く勤務していただいて優秀な先生として生徒をできるだけ訓育していっていただきたい、そういう方に対しては勤続加給を、本来の恩給の率のほかに、小学校におきましては百五十分の一、中等学校に対しましては三百分の一という加給をさらに加えたというようにわれわれとしては理解しておりますが、ただいま先生が言われましたように、小学校から師範学校付属小学校の訓導になり、さらに小学校の先生になったというような場合におきまするその中間の師範学校の訓導は、訓導であるから全くやっておる仕事の内容は同じではないかという、こういう御意見でございますが、この点、私も十分理解はいたします。しかし、先ほど申し上げましたように、異種の加給がそういう趣旨でつけられたものでございますから、違った種類の学校に行くことをできるだけ、まあ管理者としては、ひとつ遠慮をしてもらいたいという陰のそういう意思があったわけでございまして、そういうことからそういうふうになっておるわけでございますが、先生の御指摘の点は、むしろそういう形式的なことではなくて、職務の実態に着目して、百五十分の一の加給をつければどうかという、こういう御意見でございます。まあ、われわれといたしましては、この点につきましてはできるだけ検討をいたしますが、実は検討しておる点でございますが、問題点といたしましては、師範学校の先生は、実は昭和十八年に学制改革がございまして、昭和十八年以降は文官になったということでございます、先生御承知のように。そうしますと、非文官でありましても、仕事の内容は小学校の先生でございますから、もし十八年以前の師範学校の訓導に加給をつけるならば文官になりましたあとでも仕事の内容は同一であるから、やはり加給がつかなければならないということになりますと、実は文官に加給をつけるということになりますと、制度的に非常に実は問題があるということになるのではないかというような検討もしておるわけであります。しかし、いろいろ戦後恩給制度を、ただいま御指摘がありましたように、加給のみならず、いろいろな面におきまして実態に即した改正をやっておることは事実でございます。この場合、どういうぐあいに処理していくか、処遇していくかということを、まあ時代的な感覚等も十分入れまして今後は検討してまいりたい、このように考えております。
#9
○片岡勝治君 師範学校の付属小学校の場合に、いまお答えによりますと、なるべく同種の、つまりこの場合には小学校の教員として長くつとめてもらいたい、そういう管理者の意思に基づく一つの加算ということになるということでありますけれども、特に戦争中この時期には教職員の個人の意思というものは通じなかったわけですよね。もうあしたから君はあの学校に行きなさい、まさに辞令一本で転勤をさせられた。したがって、この付属小学校に転勤をさせられる場合にも、本人の意思ということは全く通じないわけです。もしそれに、いやそんなところは行きたくないということになれば、それこそたいへんな問題になる。これは当時のそういった実情を考えれば、もう無条件に、そういったつまり転勤の辞令についての個人の自由というものはあり得なかった。そして、Aという小学校から師範学校の付属の小学校に行った。しかし、ほとんどもう絶対的な命令で行った。しかし、付属に行っている間はいわゆる小学校の加算というものが計算されないということは、これは大きな矛盾だろうと思います。それが一つと、それから、この点についてはあなたも認められておりますとおり、実態としては全く同じなんですよね。なるほど義務教育と当時の中学校――今日でも義務教育と高等学校の場合には性格がやや異なりますけれども、当時の付属の小学校といえば、生徒はやはり義務教育対象の児童生徒であるわけです。そういう意味では、師範学校の付属小学校ということも教育の内容は義務教育であるわけですね、これは。そういうことと、この教職員の実態、教育生活というものは全く通常の小学校の場合と何ら変わりがないということでありますから、その部分だけ除くということについては、これは私はどうしても納得できないわけです。これは至急に是正してもらいたい。この恩給の計算についてずいぶん救済規定があるわけです。今回も出てますね。たとえば準公務員にかかる在職期間の完全通算、今回これが出ておりますけれども、あるいは外国特殊機関職員の在職期間の通算、これは公務員ではないけれども、旧満州拓植公社の在職期間を計算に入れるとか、そういうことで、もういま私が申し上げましたこの付属教育学校の例とは全くはるかにかけ離れた要素をも救済しているわけですよ、多分に。ですから、こういう問題については緊急に是正をされるように私は強く希望をしておきます。もし行政的な措置でこれができるとするならば、これはもう緊急にやっていただきたいということを、ひとつこれは強く希望しておきたいと思います。
 それから次に、共済組合関係についてお伺いしたいと思うわけであります。その前に、特に最近は年金問題が国民の大きな関心事となりまして、特にこうした物価高の世の中になりますと老後の生活保障というものが国民にとって何よりも心配だ、こういうことから年金問題に関心が高まるのは当然だろうと思われます。そこで、政府に基本的な考え――これは前にも質問があったわけでありますけれども、ここでもう一度確認をする意味でお伺いをしたいと思うわけでありますが、つまり、年金関係については各種の年金がございます。厚生年金、あるいは恩給も広い意味の年金ということを考えれば、それも一つの制度であります。あるいは国家公務員共済組合の長期給付、あるいは公共企業体の共済組合の長期給付と、これら各種の制度がございまして、その内容についても相当格差があるわけです。政府は、これらの恩給あるいは共済組合、厚生年金も含めて、一体この年金というものについての位置づけをどう考えておるのか、将来どういう方向に持っていきたいとお考えになるか、この点を最初に、関係大臣がどなたになりますか、総括的にひとつお伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(坪川信三君) 片岡委員の御指摘になりました、あらゆる年金を含めての今後の一つの大きい目標と申しますか、あるいは一つのめどと申しますか、取り組み方に対する基本方針についての御質問でございます。非常に各種年金とも重要な問題でございますので、これらに対しましては、それぞれのグループに分かれましての討議が続けられておるような状態でもございますので、こうした立場の各結論として出されつつある方向を十分注視いたしながら、それぞれ適切なる年金制度の確立に前向きの姿勢で取り組み、また御期待に沿うよう最善の配慮を政府といたしましてはとってまいりたい、こういうふうな気持ちでおることを表明申し上げておきたい、こう思います。
#11
○片岡勝治君 この場合に、特に国の責任といいますか、こういう制度を確立していく上の政府の態度として、具体的には、こういった制度に対して国がどれだけ、端的に申し上げるならば、財政的な援助を行なっていくか、そういうところにかかっていると思う。したがって、いまいろいろな制度がありますけれども、それに対する国のいわゆる財政的な負担というものが非常に大きく格差があるわけでございます。そういう点については、もちろん、いまお話しのとおり、いろいろと過去、現在、さらに将来にわたって検討されておる課題だろうと思いますけれども、この財政負担について国が一体どういう基本的な考え方を持っておるのか。
#12
○政府委員(辻敬一君) 社会保険に対します国庫負担のあり方につきましては、いろいろと御議論、御意見のあるところでございます。三十七年の八月に社会保障制度審議会から答申がございまして、その中に、社会保険に対する国庫負担のあり方についての方針が示されているわけでございますが、私どもといたしましても、基本的にその方向に沿っているわけでございます。その内容はすでに御承知のとおりでございますが、社会保険と申しますのは、一般の所得階層に対する施策でございますので、国庫負担を投入いたします優先度からいたしますならば、公的扶助でございますとか社会福祉でございますとか、あるいは公衆衛生でございますとか、そういう施策に対して優先度が低いということがいわれているわけでございます。原則といたしましては、保険料で財源をまかなうことがたてまえであろうかと思うわけでございます。しかしながら、保険料だけでは適当な給付水準を確保することができない場合でございますとか、あるいはまた被保険者の範囲が低所得層に及ぶ場合でございますとか、そういう場合には国庫負担、国庫補助を行なっているわけでございます。国庫負担の緊要度に応じ、また社会保険全般の均衡を考慮しながら、財政力とも勘案いたしまして国庫補助を行なっているわけでございまして、年金に対します国庫負担といたしましては、すでに御承知いただいておりますように、厚生年金につきましては二〇%、国民年金に対しましては、原則といたしまして三分の一、共済年金に対しましては原則として一五%というような国庫負担を行なっているところでございます。
#13
○片岡勝治君 特に、国民年金等についての国庫負担が額としては大きいわけでありますけれども、厚生年金あるいは国家公務員、三公社職員の共済組合等の国庫負担等について相当の開きがあるわけですね。その理由は一体どういうふうに政府としては考えているのか、伺いたい。
#14
○政府委員(辻敬一君) 国民年金に対しまして高率な負担を行なっておりますのは申すまでもございませんが、国民年金の性質上、事業主負担がないという点に着目をいたしているわけでございます。そこで、被用者の年金のグループにつきましては、先ほどお答え申しましたように、厚生年金につきまして二〇%、共済グループにつきましては原則といたしまして一五%を国庫あるいは公経済の主体が負担をしているわけでございます。
 なぜ二〇%と一五%、差があるかと申しますと、給付水準の差を考慮いたしたわけでございまして、厚生年金と共済年金とを比べてみますと、給付額算定の基礎の俸給のとり方が違う点がございますし、それから年金の支給を受けます年齢が違っております。共済年金の場合でございますと五十五歳でございますが、厚生年金の場合でございますと六十歳から支給を受ける。したがって、そこに五年間の差があるわけでございます。年金額そのものについても共済年金のほうが高うございますし、もらう期間も五年間長いということでございますので、それらを総合いたしました給付の水準を考えてみますと、共済年金を一〇〇といたしますと、厚生年金の水準は、今回大幅な改正をお願いしたあとにおきましても、六割ないし七割程度というふうに考えられるわけでございます。したがいまして、国庫の負担率を同じにいたしますことはかえって均衡を失する結果に相なりますので、二〇%と一五%というように差を設けている次第でございます。
#15
○片岡勝治君 この問題については個々の制度の問題のときにさらに追及をしていきたいと思うわけでありますけれども、次に、年金のスライドの問題、これについては一昨日鶴園委員からも相当こまかく質問をされましたので、ひとつ総括的に再確認する意味で、私からも一、二お伺いをしておきたいと思うわけであります。
 国家公務員の年金あるいは公共企業体の年金のスライドについて、今回の提案理由を読みましても、恩給がかくかくスライドしたので公務員もあるいは公共企業体もこのように改正をするのだ――これは同じような文章が公務員の場合、そして公共企業体の場合にも提案理由の説明になっておるわけであります。どうも私としては、この間鶴園委員の質問でもそう感じたわけでありますけれども、なぜ、国家公務員の共済組合の長期給付自体として、あるいは公企体の年金の改善という立場からして、もっと、何といいますか、主体的な立場で改善ということができないのか。これは恩給のほうの側の足をも引っぱるという結果になるんです、結果的に。というのは、恩給を改善すれば公務員にも公企体にも影響するんだからというような理由で、恩給改善というものがなかなか踏み切れない。これはいままでもそういう事例があったわけであります。そういう波及効果が非常に大きいから、恩給のほうも要求が大きいけれども、なかなかその要求にこたえられない。恩給改善そのものの足をも引っぱるというような働きをしてきたことは否定できないと思うのです。そういう意味で、私は、この点について再度政府のほうの見解を承っておきたいと思うわけです。
#16
○政府委員(辻敬一君) 共済年金につきまして実質価値の維持をはかるということは重要な点であるわけでございますので、私どもも従来から、国家公務員共済組合法第一条の二の調整規定の趣旨にのっとりまして、恩給の改定にならって毎年改定をいたしてきたところでございます。そこで、四十八年度におきましては、厚生年金など他の公的年金制度が大幅な給付改善を行なうというような事情も考慮いたしまして、恩給にならった従来の改定方式を改めまして、四十六年度及び四十七年度におきますところの公務員給与の改善率を基準といたしまして二三・四%の引き上げをお願い申し上げているわけでございます。ただ、前回の御審議のときにも申し上げたわけでございますが、いわゆる賃金の自動スライド制をとったというふうには考えていないわけでございます。賃金の自動スライド制につきましてはいろいろと御議論のあるところでございますし、また、社会保険の根幹でございます厚生年金につきまして、御承知のように、物価スライドということを導入しておることとの均衡もございます。それから共済年金の場合には財源負担の問題もあるわけでございます。そこで、自動スライド制の問題につきましては、引き続き、私どもの制度の審議会でございます国家公務員共済組合審議会あるいはまた公的年金制度調整連絡会議等におきまして、そういうところにもはかりまして、さらに慎重に検討してまいりたい、かような考え方でいるわけでございます。
#17
○片岡勝治君 物価スライドという、厚生年金ではそういう要素を考えておるということとの均衡だと、こうおっしゃるわけでありますけれども、つまり、いまの公務員賃金は、これは内容的に、あるいはそのきめ方についていろいろ意見があります、われわれとしては。まあそれはさておきまして、いまの公務員賃金のいわゆる決定の手続、内容からすれば、この物価という要素あるいは生活水準の要素、そういうものをむしろ大部分の要素として公務員賃金というものはきまっているわけでしょう。そうすれば、公務員賃金にスライドするということについては、いわゆる厚生年金の物価スライドとの均衡、それとの関係というものの配慮、そういうものは当然公務員賃金の中に含まれておるわけですからね、おかしいんじゃないですか、そういう理論は。つまり、公務員賃金の中には、賃金スライドという要素あるいは国民生活の水準というような要素、そういうものが大部分含まれて公務員の賃金ベースというものが決定されておるんだから、それにスライドするということは、厚生年金の均衡との関係において何ら矛盾がないじゃないか、こういうふうに思えるんですが、どうですか。
#18
○政府委員(辻敬一君) 厚生年金について物価スライドを今回導入いたしておりますが、その趣旨も、物価だけ見ればそれでよいということではもちろんないわけでございまして、厚生年金の再計算の時期におきましては、生活水準その他の諸事情を勘案いたしまして、また見直しを行なうわけでございます。物価スライドと再計算時期の見直しと両方合わせまして年金の実質価値の維持保全をはかると、こういうたてまえに相なっておるわけでございます。共済年金につきましても、御承知のように、社会保険制度、公的年金制度の一環でございますから、その中核でございます厚生年金制度が物価スライドである、こちらのほうは給与スライドであるというのは、やはり均衡の問題からいって問題があるんではないか、したがいまして、そういう問題を含めまして、さらに今後審議会、調整連絡会議等にもはかって検討してまいりたいという態度でいるわけでございます。
#19
○片岡勝治君 つまり、私が申し上げているのは、公務員賃金の決定というものは、物価とかあるいは生活水準を十分考慮した上でそういうものを主体にして公務員賃金の水準というものがきめられているじゃないか、もっと言うならば、もちろん物価のいろんな影響が一般民間賃金を形成しているわけでありまして、その民間賃金というものが公務員給与に大きな影響をもたらしていることは事実でありますけれども、いずれにしても、公務員給与というものは民間企業の賃金、広い意味でそれも物価といういろんな要素を考えれば、そういう要素を一切含めて公務員賃金というものが決定されているではないか、だから、それにスライドするということについては何ら矛盾を来たさないというふうに私たちは考えるわけであります。かりに厚生年金が物価問題、物価スライドということを考えるにしても、いわゆるいま今日人事院がやっているような非常にたくさんの資料に基づいて賃金のあり方を決定しているわけであります。そういうことからすれば、厚生年金を決定する過程の中でのいろんな資料、そういうものと、それから人事院が公務員給与を決定する場合のたくさんの資料、そういうものとが私は大きな開きがあるとは思えない。これは意見の違いということに結果的になるかもしれませんけれども、どうも公務員の、あるいは公共企業体の年金のスライドというものについてたいへん不明確である。そのことが即、公務員や公共企業体職員の老後の生活保障というものについてたいへん不安を与えておるということは否定できないと思います。これについてはひとつ政府の決断をぜひ期待をしておきたいと思うわけでございます。
 それから次に、今回の恩給の増額について、公務員給与という一つの媒体を持っているとはいえ、公務員給与にスライドというような一応形をとっているわけでありますけれども、二カ年分二三・四%アップ、こういうことになっております。一応の前進であるということについては私たちも評価したいと思うわけであります。ただし、昭和四十六年四月一日から四十七年三月三十一日までに退職した人は一〇・五%の増額になるわけです。ところが、四十六年度の人事院勧告は五月一日に実施したということでありますので、四十六年四月に退職した人はこの人事院勧告の適用は受けないで退職をした。したがって、今回の年金の改定も一〇・五%ということになるわけです。しかし、四十六年三月までに退職した人は、いま申し上げましたように二三・四%アップということになるわけでありますが、ここに、四月に退職をした方々には、一つの谷間といいますか、断層というものができるということは、これは数字的に当然出てくるわけなんであります。まあ額としてはそうばく大な額とは思えませんけれども、しかし、公平の原則といいますか、そういうものからすると、やはりたまたまこの期間に退職した人たちにとってはなかなか理解がいかない問題だろうと思うわけです。これについてどう考えておりますか。
#20
○政府委員(辻敬一君) 共済年金の額の引き上げの方法につきましては、昨年の場合も退職年度別に引き上げたという経緯がございますし、また改定の対象者の中にはいわゆる五現業職員も当然あるわけでございます。そういう職員につきましては四十六年の四月から給与改善をいたしておる。すでに四月分から給与改善が織り込まれているという方々もあるわけでございますので、今回の措置といたしましては、年度区分に応じて増額するということにいたした次第でございます。
#21
○片岡勝治君 いや、ですから、政府側がそうい措置をとっておるから、当然いま言ったような矛盾が出てきている。矛盾といいますか、谷間が出てしまっている。それについて何か別途考えるべきではないか、私はそう言っているんです。そういう谷間ができるということはお認めになりますか、この四月に退職をされた方々が。
#22
○政府委員(辻敬一君) その点は御指摘のような事実があろうかと思うのでございますが、実は昨年の改正の際に、それまでの改定方法についていろいろと御批判があったわけでございます。非常に複雑でわかりにくいという御批判がございました。それより前の改定の方法でございますと、若干技術的にわたって恐縮でございますが、三十五年三月末当時の給与法令にさかのぼりまして、それからずっと改善率を乗じていくというような複雑な計算をいたしておりまして、その点につきまして非常に御批判があったことにかんがみまして、退職年度で切って年度別の改善率で計算をするという方法に置きかえた経緯もございますので、今回としてはそういう方法をとったわけでございますが、ただいま御指摘の問題につきましては、関係各省とも調整をいたしまして、今後の課題として検討さしていただきたいと思っております。
#23
○片岡勝治君 ひとつ検討して、もし何らかの措置がとり得ればとっていただきたいと思うわけであります。
 次に、今回のベース改定二三・四%でありますけれども、これも技術的にはたいへん複雑になって、なかなか実現困難とあるいはおっしゃるかもしれませんが、いわゆる一〇・五%は公務員の全職種のいわば平均的な引き上げ率を用いているわけであります。ところが、昭和四十六年度の人事院勧告は一一・七%、四十七年度の勧告は一〇・六八%でありますから、たとえば四十七年度の人事院勧告で、行政職給料表の(一)表、通称行(一)と言っていますが、行(一)を見ても、一等級では八・三%、二等級では八・八%、その他職種あるいは等級によってそれぞれ人事院勧告のアップ率が異なっているわけであります。したがって、一律ここで一〇・五%にいたしますと、これまた、その職種によって若干の、何といいますか、開きといいますか、差が出てくるということは否定できない事実だろうと思うわけであります。あるいは、ある職種のある部分においては現職者よりも退職者のほうのアップ率が高いという点、そういう部分もあるわけですね、一律制をとっておりますと。これの是正についてはたいへん技術的に困難であるということを私も認めますけれども、これは政府としてどういう御見解をとっておりますか。
#24
○政府委員(辻敬一君) 共済年金の年金額の改定につきましては、従来から恩給の措置にならって実施をいたしておるわけでございます。恩給におきまして年金額の一律アップということを行なっております関係上、共済年金につきましても、これにならいまして一律アップということでお願いをいたしているわけでございます。一律アップは方式も簡単でございますし、年金受給者にわかりやすい改定方式であるわけでございます。また、国家公務員共済組合制度におきましては、給付の算定の基礎になります俸給の最高限度を定めておるわけでございます。いわゆる頭打ちの規定がございます。したがいまして、一律アップによる問題点は少ないのではないかというふうにも考えているわけでございます。こういう一律アップがよいか、またその俸給表別、等級別にこまかくアップ率を分けるのがよいかというのは、これはいろいろ御議論があることだと思いますが、あまりまたこまかく分けてまいりますと、かえって退職者相互の均衡上いかがだろうかというような問題も生じてくると思います。今後、恩給との関連等も考慮いたしまして、今後の課題として検討してまいりたいと思います。
#25
○片岡勝治君 先ほど触れた問題で落としてしまったんですが、七十歳以上の者に対する四号俸アップ、これは恩給の場合ですね、これははっきりと法文に四号上げるというようなことが書かれておりますけれども、国家公務員の共済組合、あるいは公企体の共済組合については、この部分について省令で定めるということになっているわけであります。この理由はどういうことでしょうか。恩給法ははっきりと四号というのを表に出しておりますけれども、公務員関係、公企体の場合には省令にまかせておるわけでありますけれども、その理由。
#26
○政府委員(辻敬一君) ただいまの問題につきましては、恩給受給者に対して行なわれる措置を参酌いたしまして、政令におきまして四号俸を限度とする引き上げ措置を行なうということにいたしておるわけでございます。この是正措置の趣旨につきましては、先ほど恩給局長から御説明申し上げたとおりでございまして、一般のベースアップ以外に、特別昇給でございますとか、そういう給与制度の改善がございます。したがって、同一在職年、同一官職で退職した者につきましても、退職後長年月を経過いたしました者と新しい退職者とを比べてみますと、過去に退職した者のほうが相対的に不利になっておる。したがって、その格差を是正するという趣旨でお願いをしておるわけでございます。
 そこで、そういう趣旨からいたしまして、ごく最近に退職をした者にまで、直ちにこの措置、つまり四号俸アップを全面的に適用することは適当でないわけでございます。そこで、退職の年次区分によりまして、四号俸を限度といたしまして俸給を引き上げることにいたしたいと考えているわけでございます。その細部につきましては、実態についても検討する必要がございますし、関係の各省とも十分調整をする必要がございますので、そういう検討の時間を必要とするという点と、技術的な問題も多いわけでございますので、政令に譲ることにさしていただいたわけでございます。
#27
○片岡勝治君 次に、同じ、広い意味で公務員関係、つまり公務員と公共企業体の共済組合の長期給付について、その内容にはまあいろいろ違いがあるわけでありまして、その点について、ひとつ具体的にお伺いをしていきたいと思います。
 これも鶴園委員からすでに触れられてはおりますけれども、どうもわれわれとしてなかなか理解ができにくいという問題でありますので、あらためて確認をしていきたいと思うわけであります。つまり、最低保障額の問題でございます。これについては、国家公務員の場合には最低保障額がある、しかし、公共企業体の職員には最低保障額がないということで、いろいろな経過、あるいはそのほかの理由があろうかと思いますけれども、この点について、もう一度ひとつ説明をしていただきたい。
 同じように、同じような性格として、頭打ちが公務員の場合にはあるわけですね。公共企業体の場合には頭打ちがない。どうしてそういうことになっているのか、その理由。
#28
○政府委員(住田正二君) 公企体につきましては、ただいま御指摘がありましたように、最低保障の制度は設けられていないわけでございます。その理由といたしましては、これまで公企体につきましては、国家公務員の最低保障、これは十五万円でございますが、それを下回る年金者がほとんどいなかったということが一つあるわけでございます。今回の引き上げによりまして、今回の三十万円の最低保障額を下回る人はかなりふえてきておりますが、これまではあまりいなかった。特に電電、専売では皆無という状態であったわけでございます。
 そういうことが一つと、これも先ほど御指摘がございましたように、国共の場合と公企体の場合の年金につきまして、かなり差があるわけでございます。有利な面もございますし、また不利な面もあるということでございまして、たとえば公企体の場合には最終俸給を基礎としてやっているのに対しまして、国共の場合には三年の平均でやっている、あるいは最高制限が公企体の場合にはないというような点が異なっているわけでございまして、こういう点につきましては、これまで公的年金制度調整連絡会議でいろいろと検討をいたしておったわけでございますが、現在のところ、まだ結論が出ていないわけでございます。しかし、今回、厚生年金あるいは国共につきまして最低保障額が大幅に上がっておりますので、公企体の年金者について現状のまま放置していいというような認識はいたしていないわけでございまして、今後前向きに検討いたしたい、このように考えております。
#29
○片岡勝治君 まあ制度が社会保障制度の一環として、もっと端的に言うならば老後の保障というような、そういう性格が非常に強くなってきている今日、やはり最低保障というものは私は必要だろうと思います。なかんずく、廃疾年金のような場合にも今日では最低保障がないわけですね。あるいは私傷病でなくなられた遺族年金といいますか、そういう点についても最低保障がないということになりますと、これはやはり相当重大な問題になると思うわけでありまして、今日、日本は一億総危険地帯に住んでおると、こういうふうに言われておるわけでありまして、そういう意味では最低保障額というのは当然取り入れられてしかるべきだと思うわけであります。
 それから最高額の頭打ちの問題でありますけれども、この辺も、いわゆる社会保障制度というものが全体として底上げをどんどんやっていって、全体のレベルアップをやっていくということを考えるならば、ある程度頭打ちはあってしかるべきじゃないかというふうに考えるわけであります。公共企業体の場合には、全く、何といいますか、そういう点については何らの制限がないということになれば、これは最低保障がなくて最高は無制限ということになりますと非常に大きな格差がある。公共企業体だけがそういう形の年金制度をどうして、なぜとらなければならないかという点については、やはりこれは大きな問題だろうと思う。まあ、いま検討するということでありますから、ひとつこれは真剣に検討していただきたいと思うわけです。
 それからもう一つ、いま答弁の中でも触れられましたとおり、年金支給の基礎となる賃金、給与の算定でありますけれども、公務員の場合には過去三年間の平均賃金を基準にする、三公社の場合には退職したときの賃金をそのまま基準にするということでありますが、これも非常に大きな差があるわけでありまして、一体同じ、広い意味の国の機関であり、そういう職員でありながら、どうしてこのように大きな差をつけなければならないのか。最近のように毎年毎年ベースアップの額が比較的大きい――ことしあたり、春闘でも一万四、五千円ということでありますから、おそらくことしの人事院勧告もそれに近い線が出るということは想像できるわけです。かりに一万円としても、過去三年間の平均をとられますから、退職したときの給料よりも相当下回ってくるということは出てくるわけですね。あるいはまた、定期昇給もその間にあるわけであります。どうして公務員と公共企業体の職員とこういう差をつけて年金制度というものをつくらなければならないのか。この点はひとつ、大臣、どういうふうにお考えになりますか、お聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(辻敬一君) ただいま御指摘のように、国家公務員共済組合と公共企業体共済組合の間にはいろいろと制度上の差異があるわけでございます。そこで、年金額算定の基礎となる俸給についての問題でございますが、確かに御指摘のように、国家公務員共済におきましては退職前三年間の平均、公企体共済におきましては最終俸給ということに相なっているわけでございます。しかし、これを最終号俸にすることにつきましては、やはりいろいろな観点からの検討が必要であると考えているわけでございます。
 第一に、御承知のように、社会保険の中心でございます厚生年金保険におきましては、年金額策定の基礎を、全期間の平均標準報酬、会社に入りましてから老齢退職になりますまでの全体の平均で計算をするたてまえでございます。それとの均衡の問題が一つございます。それから社会保険でございますから、私保険とは違うわけでございますけれども、しかし、ある程度やはり拠出と給付との対応関係も必要であろうかと思うのでございます。掛け金の払い込みのほうは、これは公務員になりましてから、やめますまでの全期間にわたって払い込み拠出をしていくわけでございますが、もらうほうの給付について、はたして最終の俸給だけを基準にしてよろしいかどうかという点につきましては、保険の公平性の観点等からの検討も必要だろうと思うのでございます。
 それから、これも御承知のように、この基礎俸給の差異は実は退職手当のほうで調整をいたしているわけでございまして、公企体共済のほうが退職時の俸給ということで国共済より有利になっているという点を勘案いたしまして、退職手当につきましては公社職員の場合には国家公務員並みの計算額に対する九七%ということにいたしておりまして、三%いわば減額をいたして調整をとっているという問題もあるわけでございます。
 そのほかいろいろな面の問題もございますけれども、私どもといたしましても、同じ共済制度の中で年金額を算定する基礎が違うということにつきましては、必ずしも好ましいとは考えておりません。したがいまして、この問題につきましては、ただいま申し上げました他の年金制度との均衡でございますとか、社会保険のたてまえでございますとか、退職手当制度の関連でございますとか、あるいはまた運用上の問題点、さらには財源の配慮等を勘案いたしまして、先ほど来御指摘の最低保障の問題、俸給の頭打ちの問題等々あわせまして、公的年金制度調整連絡会議あるいはまた関係の審議会にもはかりまして、今後とも慎重に検討いたしたいと考えておるわけでございます。
#31
○片岡勝治君 この問題については、いままで私の指摘した問題については、ずいぶん前からこの委員会でも、衆参両院を通じて取り上げられてきたようであります。私も過去の議事録を読ませていただいて、相当前からこの問題についてすでに論議をされておるわけでありますから、ずいぶん政府はスローモーだなということを私は感ずるんです。特に、最近この年金ということが非常に大きくクローズアップされてきましたし、まあ率直に言って、政府のほうもやややる気が出てきたというふうに、厚生年金の取り組みの姿勢から見ても、やる気が出てきたというふうに私も理解いたしますが、これはこの際ひとつ精力的に検討して、是正すべきものは是正する。退職金が三%多いから少ないからというようなことでは、なかなかわれわれとしては理解できない。退職金は退職金としてちゃんと整理したらいいじゃないか。そういうものと相殺をしてやるから、かえって非常に複雑になって、一体政府は何をやっているか――単純に考えれば、われわれは過去三年間の平均賃金でやられてしまう、公社のほうは退職したときの給与でやってくれるということになれば、そういった不満が出てくるのは当然だろうと思う。そういうことで、政府の取り組みの姿勢というものはたいへんスローモーであるということを私は指摘せざるを得ないのです。ひとつ至急にこの問題について検討して、是正をすべきだろう、このように考えるわけです。
 それから次に、公務員の場合の最高限度額の問題について若干触れておきたいと思うわけでありますけれども、今回、国家公務員の場合の最高限度額を、十八万五千円を二十二万円に引き上げたわけであります。この二十二万円の根拠といいますか、そういうものについて御説明をいただきたいと思うわけであります。
#32
○政府委員(辻敬一君) ただいま、掛け金及び給付の算定の基礎となります俸給の最高限度額は十八万五千円ということになっておるわけでございますが、この額は、当時の国家公務員の行政職俸給表(一)の最高号俸、一等級の十五号俸でございますが、その俸給額が十八万四千二百円でございまして、それをもととしてきめたものでございます。四十六年の十月から適用いたしておるわけでございます。その後、御承知のように、毎年給与改定があるわけでございまして、現在、行政職俸給表(一)の一等級の最高号俸、十五号俸の俸給額は二十一万五千六百円ということになっております。また、厚生年金保険につきましても、今回標準報酬の最高限度額を十三万四千円から二十万円ということに引き上げを予定しておりますので、そういう点にかんがみまして、今回最高限度額を二十二万円に引き上げることで御提案を申し上げておるわけでございます。
#33
○片岡勝治君 そういたしますと、行(一)の場合、平均俸給年額を見ますと、百十三万円になっているわけでありますが、現在の最高額、十八万五千円の十二倍で、年額二百二十二万円、今回の改正で二十二万円の十二倍ですと、二百六十四万円となるわけであります。私は、最高限度額を引き上げるということについては、もちろん、それだけ給与が改善をされてくる、したがって、いままでの頭打ちになっている人たちが非常に人数もふえてくる、そして、年金の額がふえることについて別に悪いことではないと思うわけであります。むしろ、こういう最高限度額の引き上げということによって改善をするということよりも、年金全体をさらに充実強化をするというような姿勢であるならば、この年金の支給率を改善をしていく、まあいろんな、基礎月給、基礎的な賃金掛ける何%というもので年金の額を決定するわけでありますけれども、その賃金に対する割合、そういうものを一%なり二%引き上げるということによって全体を改善をしていくという方向をとるべきじゃないかと私は考えるわけです。そのことによって、給与の高い人たちも当然何がしかの改善、そういう利益を得るわけでありますから、そういう方向に持っていくべきではないのか、この段階においては。これについて政府のほうの見解を承りたいと思います。
#34
○政府委員(辻敬一君) 最高限度額を今回十八万五千円から二十二万円に引き上げることを予定いたしておりますのは、ただいま御説明申し上げましたように、公務員給与の上昇でございますとか、あるいはまた厚生年金の標準報酬の引き上げでございますとかの均衡を考慮した、いわば手直し的な措置でございます。別途いろいろと――この点につきましては御批判もございますが、最低保障額につきましても現在の十五万円から倍額以上の三十万以上の引き上げを予定をいたしているわけでございます。
 それから全体としての給付水準の問題につきましては、いろいろと御議論もございますし、検討も必要とするわけでございまして、たまたま来年度が国家公務員共済組合の財政再計算の時期に当たっている点でもございますので、ただいま国家公務員共済組合審議会にもおはかりをいたしまして検討をいたしている段階でございます。まあ、給付水準をどのようにするかということ、さらに先ほどの基礎俸給の問題等々、いろいろ問題があるわけでございますので、全体として今後検討してまいりたいと考えている次第でございます。
#35
○片岡勝治君 時間がなくなりましたので、ひとつ端的に、国鉄の共済組合の問題についてお伺いしたいと思うわけであります。
 先ほど私が申し上げましたように、いわゆる年金制度は一つの社会保障制度の一環として、端的に言うならば老後の保障という性格が非常に強くなってきた。そういうことで、国の責任、そういうものが非常に大きくなってきたわけでありますけれども、それは具体的に国がどれだけの資金を投入しているか、こういうことになるわけであります。そういう意味からするならば、公共企業体に関しても当然私は国が何がしかの負担をすべきだろうと思うわけであります。厚生年金においては二〇%、船員保険については国は二五%、国家公務員においては一五%というふうに、国の負担というものが当然あるわけでありますけれども、三公社の場合にはそういうものがない。これについて、ちょっとおかしいんじゃないですか、こう言いたいところなんですが、どうですか。
#36
○政府委員(佐藤文生君) 国鉄における場合を申し上げますと、今度の再建計画の案の中の人件費の中に含んでおりまして、その中で長期的な見通しで措置をいたしておりますが、国鉄自身がやはり公経済の主体として国に準ずる性格を持っておるということで、国鉄自身がその負担をしておると、こういう考え方を持っておるわけであります。
#37
○片岡勝治君 財政再建計画とは全くこれは性格を異にする問題でしょう、年金というのは。ですから、そういう点について政府のほうが言うのは私は筋が通らないと思う。あくまでも国鉄の労働者に対する老後の生活保障、それに対して国は責任の一端を負担をするという形をとるならば、国鉄再建計画とは全く別な話だろう。そういうものを一緒に入れるところがどうも理解ができない。
 それから国鉄が公云々というお話がありましたけれども、国家公務員についても当然国が負担をしているわけでありますから。それから同じように国鉄の一つの問題点として、いわゆる恩給部分も――まあ公務員の場合には恩給該当者については全く別の恩給法というものを適用しております。共済組合の年金とは別個になっているわけであります。国鉄の場合には、そういった戦後処理の代行というような部分も受け持っているわけですね。これらについては当然私は国の責任であろうと思うのですが、これについてはどうなんですか。これは国鉄の方に答弁をさせるのはちょっと気の毒だと思うので、政府のほうの見解をお聞きしたいと思います。
#38
○政府委員(住田正二君) ただいま御指摘がございました戦後処理関係の経費につきまして現在国鉄が負担をいたしているわけでございます。この戦後処理の部分がどういう性格を持ち、どういう意味で国鉄が負担しているかについては、あるいは明瞭でない点もあるわけでございますが、かりに公経済の主体として国鉄が持っているということでございますと、先ほど政務次官から御答弁がありましたように、そういう公経済の主体としての地位において国鉄が負担をする、あるいは事業者として当然そういうものは負担をする必要があるのだということになりますと、これは本来国鉄が負担すべきものであって国庫負担にはならないわけでございます。いずれにいたしましても、現在国鉄の負担になっているわけでございますが、公経済の主体として国鉄が持つことがいいか悪いか、これは当然国庫から負担すべきではないかという先ほどの御指摘について申し上げたいと思いますが、現在国鉄の財政再建をやっておりまして、国鉄の財政再建のやり方といたしましては、個々の問題、たとえば通勤定期の割引をやっていくとか、あるいは地方閑散線について大きな赤字を国鉄が負担している、あるいは貨物につきまして政策等級の割引をやっている、あるいは身体障害者についての割引を国鉄が負担している、そういう個々の公共負担について国が国鉄に対して財政援助をするという考え方もあるわけでございますが、今回の財政再建におきましては、国鉄の財政全体を見まして、昭和五十七年度に再建ができるということで非常に手厚い援助をいたしているわけでございます。したがいまして、現在公経済の主体として国鉄が負担している年金関係の経費につきましても、その一環として見ていく。そういうものを含めて昭和五十七年に国鉄の財政再建ができるということで総括的な財政援助をいたしているわけでございますので、このような前提に立つ限り、公経済の主体としての国鉄が負担している経費について、それを取り上げて財政援助をするという必要はないと思います。そのように考えているわけであります。
#39
○片岡勝治君 共済組合は、これは全く国鉄とは別個のものですよ。そうでしょう。国鉄の組合員、つまり共済組合の組合員の一つの団体でありまして、国鉄の経営の下にあるとか、その中にあるという性格のものではない。これは国家公務員の共済組合だって同じものです。全く別の人格を持った団体でありますから、国鉄の再建計画云々と、いまのような答弁で国鉄の職員の共済組合を考えるということは、これは問題ですよ。全く別の団体である。したがって、国の責任というのは、国鉄の再建計画とは別に、国鉄の共済組合に対してその責任を果たすべきだ。国だって国家公務員に対して国の責任分として一五%払っているのですよ。そのほかに、使用者負担、使用者である国として四二%払っておるということなんですよ、国家公務員に対して。その例からすれば、当然一五%は国が払う、使用者として国鉄の公社が四二%払う、こうあってしかるべきだろうと思う。国鉄側はたいへん財政再建で国の援助を求めているから、なかなか発言力が弱いと思うわけでありますけれども、事共済組合問題については、これは明確に分離をしなければ、国鉄の労働者の生活向上というものは期せられない。これは頭の切りかえをぜひ政府にしてもらいたいと思います。
 時間がまいりましたので、最後に、総務長官がお出かけですから、山本大蔵政務次官からひとつ政府を代表してお答え願いたいのですけれども、ことしの春闘で、年金春闘といわれるように、たいへん年金の問題が大きく取り上げられた。しかし、いままで申しましたように、年金制度そのものがもう非常にいろいろな制度になっておりまして、そういうことももちろんあってのことでありますけれども、厚生年金、いま言った国家公務員の長期給付、公企体の長期給付を含めて、年金問題として国民あるいは労働者の要求が高まって、運動が今後さらに大きくなる、どこか政府として一本の窓口をぜひつくっていただきたいという要求があるわけです。大蔵省なら大蔵省、あるいは総務長官なら総務長官、事年金問題についてなら、そこに行けば政府全体の窓口としての役割りを果たしてくれるであろう――そういたしませんと、ああ、その問題はそこですよ、その問題はこっちだというようなことでは、なかなか要求する側もたいへん迷惑であります。また、政府自体として、どこか一つの窓口をつくっておいて年金問題全体をもちろん調整する作業、そうして国民のそういう要求を受け入れていく、そういう機能も果たしていく、こういう点について強い希望があるわけなんです。これはいますぐ、ここですよと言うことはなかなかむずかしいと思うんですが、そういう点について、何か政府の受け入れ態勢、そういうものをぜひ考えていただきたいと思うわけなんですが、最後に答弁をしていただいて終わりたいと思います。
#40
○政府委員(山本敬三郎君) その前に、先ほどの問題でありますが、たとえば国鉄を考えました場合に、公共企業体は、従来は国が行なっていた事業を企業体という観点に着目して、能率的に経営することによって公共の福祉を増進しようということで国が行なっていた事業をそのままやっていく、こういうために設置された法人でありますから、その事業は公権力を背景として行なわれる独占的事業であって、その事業に関する限りにおいては公経済の主体の地位にある、こういうふうに考えられるわけでありまして、したがって、その所属職員に対する関係においても公経済の主体としての責めを負ってしかるべきである、こういうことでありますから、国鉄は公経済の主体としての負担及び使用主としての負担、これをあわせて国鉄が負担している、こういう考え方で私たちは一貫しているわけでありまして、御理解をいただきたいと思うわけであります。
 それから年金等について、どこか一つでまとめてやらなければいけないではないかという御意見は、確かにそういう点はあろうかと思いますが、事実問題といたしますと、国民年金、厚生年金、各種のものがありますので、非常にむずかしい問題だろうと思います。現実には、他国の例がどうであるかということも、年金時代を迎えますから、当然考えなければなりませんし、また、連絡会議等でいまいろいろ議論をしていることでありますが、御趣旨のほどは非常によくわかりますけれども、今後検討させていただきたいと思います。
#41
○委員長(高田浩運君) 三案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十五分開会
#42
○委員長(高田浩運君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田中茂穂君が委員を辞任され、その補欠として西村尚治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#43
○委員長(高田浩運君) 休憩前に引き続き、三案を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#44
○宮崎正義君 私は、なるべくならば先ほど、午前中まで続けられました質問と重複しないようにやるつもりでありますが、重要な点につきましては、重複を若干するようになると思いますので、御了承を得たいと思います。
 まず、恩給法等の一部を改正する法律案、国家公務員共済組合法、公共企業体職員等共済組合法、この三法律案、これをずっと見ていきまして、所要の改善措置がある程度は講じられたということは、一面喜んでよろしいのじゃないかと思いますが、しかし、今日の経済事情の変動とか、あるいは社会事情の変動等に対応していくのには、とうてい全幅的に改正されたとは言いがたいと私は思います。
 考えてみましても、卸売り物価にいたしましても前年同月比の一三・五%も上昇しておりますし、消費者物価も同じく前年同期で一一・五%と急昇してとどまるところを知りません。国民生活をますます混迷の渦中におとしいれているというのが実情じゃないかと思います。それに加えて公害問題、PCBに汚染された魚介類のたん白質欠乏、あるいは米国の大豆輸出規制、輸入物資の高騰、商社買い占め、商品投機等々国民は何一つとして安心できるものが私はないんじゃないかと思います。こんな不安な社会環境にあって、特に老齢者に与える著しい悪化に、老いの身を私はささえきれないでいるんじゃなかろうか、このように思うわけでありますが、こういう社会情勢、経済情勢の変動下におけるこの法案を勘案して、これからの抜本的な改正が続けられてなされなければならぬ。特にまた、本案についての審議の上から、最終的にはどのように改革していかなきゃいけないんじゃないかというような点について、まず総務長官の御所信のほどを伺っておきたいと思います。
#45
○国務大臣(坪川信三君) 宮崎委員御指摘のとおりに、最近のわが国の高度な経済成長、それにタイアップいたしましての公務員の退職された方々に対するところの老後の経済安定というような高度な立場から、今後の恩給問題に対する基本的な取り組み方も、おのずから時代に即応した考えでこれに取り組むべきであるという御意見はまことに同感でもあり、当然な道だと私は考えておるのでございます。しかし、国家財政全般からかんがみまして、そうした問題点も十分踏まえながら取り組まなければならないきびしさも御理解はいただけるんではなかろうかと思うのでございます。しかし、国に奉ぜられたかつての公務員の方々の老後生活を国家が守る、保障するということは、当然の義務でもあろうかと考えておるのであります。そうした観点から、私、皆さんの非常な御指導をいただきまして、今般の恩給是正に取り組んだ気持ちもここにあるような次第でございますので、今後の方向といたしましては、やはりいま申しましたような立場に立って、これらの方々のしあわせな老後生活に国家がやはり十分配意いたしていくという基本的な方向と、また、取り組み方は御同感である旨を申し上げておきたい、それによって御理解を賜りたいと、こう思っております。
#46
○宮崎正義君 しあわせな老後の生活を十分にさせてあげたいという長官のお気持ち、これは国民ひとしくそのように、また、私どもを含めた考え方、一つだと思うのであります。
 そこで、具体的に少しずつ入っていきたいと思いますが、普通恩給の最低保障額は今回改正されていないんじゃないかと思うんですが、六十五歳以上十三万四千四百円ですか、これ、月にいたしますと一万一千二百円、六十五歳未満の人が十一万四百円、月にいたしますと九千二百円、今回改正されていかなかったという理由をひとつ御説明願いたいということと、最小保障額の受給者は何人ぐらいいるかということをお答え願いたいと思います。
#47
○政府委員(平川幸藏君) 順序が逆でございますが、まず、最低保障受給者は約二千四百人でございます。今回最低保障額の改定を行なわなかったという理由でございますが、実は、恩給と最低保障制度の問題が基本的な問題としてあるわけでございます。御承知のように、恩給の計算方法といたしましては、在職年と俸給額、恩給では仮定俸給と申しますが、それをかけて恩給額を算出するということになっております。したがいまして、上限も限度がございませんし、一番下位につきましては、その短い在職年で低い仮定俸給額で計算された額でもって算出するというのが恩給制度の根幹になっておったわけであります。これは戦前から続いてきたわけでございますが、戦後の社会的な、経済的な諸条件を考えますと、やはりこういうことではまずいと、恩給制度は社会保障ではなくて、国家保障ではございますが、部分的には社会政策的な面も中に取り入れても差しつかえないんではないか。少なくともその本質を変えない限りにおいては、これは取り入れていいんではないかということで、昭和四十年に厚生年金保険の定額部分が六万円になりましたときに、一年間の検討期間を置きまして、昭和四十一年に初めて恩給制度として採用したわけでございます。その後、二回改定しております。最近の改定は、昭和四十六年にいま先生が言われました改定がありましたので、恩給といたしましては昭和四十七年に、一年おきまして、六十五歳以上につきましては十三万四千四百円、それ以下につきましては十一万四百円という最低保障額をきめたわけでございます。
 今回、御承知のように、厚生年金の定額部分が相当上がっておるということをわれわれ了承しておるわけでありますが、実は恩給の内容を分析しまして、厚生年金あるいは他の共済年金等と比べまして、基本的に非常に異なった点が数多くあるわけでありますが、その中で最大の点は、実は在職年の問題でございます。御承知のように、軍人恩給受給者、二百五十四万人おるわけでございますが、そのうち九六%はいわゆる短期在職者でございます。短期在職者というのは、実在職年に満たないで、加算でもって恩給をもらっている方を言うわけでございますが、こういう方との実はバランス上どうしても本年度そのままの形では最低保障を上げることができなかったということであります。具体的に申し上げますと、たとえば厚生年金保険の定額部分を申し上げますと、二十二万八百円、あるいは最低の比例報酬部分を加えますと、二十六万八千八百円というようになっておったかと思いますが、たとえばそれを採用いたしましたとしますと、軍人の場合、最低保障は軍人も適用になりますから、軍人で兵の場合に十二年間実際に勤務した人は、もしこの最低保障を採用いたしますと、二十六万八千八百円という最低保障が給付されますが、いわゆる短期在職者でありまする十一年の人をとってみますと、この方の恩給額が十一万六千円しかもらえない。したがいまして、差額が約十五万円生ずるということになります。在職年一年の差で年額におきまして十五万円の差が生ずるということは、恩給制度としてはとうてい受け入れられない。
 そこで、われわれといたしましては、はたしていままでのような厚生年金部分、定額部分に応じた、見合ったものでいいのか、あるいは御承知のように、厚生年金は二十年の勤務年限がございますし、軍人恩給でとりますと十二年になるというようなことになっておりますから、そういう比率も考えた長期在職者の最低保障というものを考えてしかるべきかどうかということも検討しなければなりませんし、最大の問題は、いま申し上げましたように、長期在職者だけの最低保障をとりましただけでは恩給制度としてはとても受け入れられない。少なくとも短期在職者もそれにバランスのとれたような形でやらなければならないということで、例年のように一年のひとつ検討期間をおいて前向きに検討してまいりたい、こういう理由で実は見合わさしていただいたわけでございます。
#48
○宮崎正義君 一応の筋としてはわかるわけですけれども、実際問題としてはますます短期在職者というものがふえていくんじゃないかとも思うわけです。と申し上げるのは、あとで私質問をいたしますけれども、三年以上七年未満という一時恩給等の場合もあとで質問はいたしますけれども、いずれにしましても、バランスの上で最低保障を考えるということは一応はわかりますけれども、この最低限度額でそれじゃその人が生活できるかという問題、これは残された問題になってくる、これをひとつ頭の中に入れておいていただきたいと思います。
 それから次に申し上げたいのは、大蔵省のほうの関係になるでありましょうが、国家公務員の共済組合の最低保障額、これは衆議院で修正されまして三十二万一千六百円、これを月で割ってみますと二万六千八百円、こういうふうになっております。それの算出根拠はどうなのかということ、それはまた該当者は何人いるのかということを御説明願いたい。
#49
○政府委員(辻敬一君) 共済年金制度は厚生年金に対しますいわば特別な制度でございますので、共済年金の最低保障額は従来から厚生年金の最低額と合わせているわけでございます。今回衆議院のほうで御修正をいただきまして、退職年金の最低額、現行十五万円が三十二万一千六百円ということになったわけでございますが、この計算の根拠は厚生年金の定額分、これが千円の二百四十倍ということに相なります。それから報酬比例部分といたしまして、標準報酬の最低額が厚生年金のほうは今度二万円になりますので、これの千分の十をかけまして、それの二百四十倍ということになるわけでございます。それに配偶者加給といたしまして二万八千八百円を加えまして、一人目の子の加算といたしまして九千六百円の二分の一を足す、そういうことにいたしますと、三十二万一千六百円ということになるわけでございます。
 なお、最低保障の適用を受ける人員でございますが、退職年金につきましては約一万五千名、比率にいたしまして約一四%というふうに見込んでおります。
#50
○宮崎正義君 これはあとでまたこの論議をいたしたいと思います。
 答弁にありました、衆議院のほうで千円にきめて、そしてその算出方法も二百四十日かけて、その最低――厚生年金の最低報酬額二万円という、この点にも問題がございます。この二万円が今日の報酬としてはどの地位にあるものか、行(二)のどこにあるのか、あるいは行(一)のどこに、公務員の報酬としてどこの位置に位しているのか、この二万円の据え置き方というもの、据えておいたというこの算定基準、こういうものにも大きな疑義があるわけです。いま行政職の俸給表の(二)の最低額、五等級でこれは三万二千二百円になっております。それから行(一)のほうは三万六千三百円。こういう基準を仕立てて私は計算してみましたけれども、これに計算を合わせてこの共済組合法の算出方法をやってみましても、もう一カ月の費用がどれぐらいになるかといいますと、三万二千二百円の二十年勤務したとこのまますなおに計算しましても、これは四十八万八千円になります。それから行(一)のほうの三万六千三百円、これを二十年間で計算していきますと三十三万六千円というふうになって、計算をしてみましたんですが、要するに定額給付と、それから報酬比例部分と、これが基礎年金額というふうな算定になって、いまお説明がありましたように扶養加給、そういうふうなものを勘案して今回は三十二万一千六百円ということになりました。それを先ほど申し上げましたように十二で割っていきますと二万六千八百円、この人たちが実に一万五千人もいると、先ほどは恩給のほうでは二千四百人からいると。じゃあこの二万六千八百円で、これだけで生活していこうということになると、どういうことになるのかということは、私が申し上げることもなく、これはたいへんなことだと。
 そこで、その問題はそのままにして、今度は運輸省のほうの、三公社の共済組合には最低保障額制度がないように思います。国家公務員の共済制度と同様にこれは考えた場合、これの該当者は何人いるか、この点ひとつ御回答願いたい。
#51
○政府委員(住田正二君) 三公社につきましては、最低保障額の制度はないわけでございますが、国共の最低保障額が適用されるといたしました場合の人数を申し上げますと、再売公社で七十人、それから国鉄で二千八百人、電電公社で三百五十人でございます。
#52
○宮崎正義君 全部合計して、総数幾らですか。
#53
○政府委員(住田正二君) 総数は三千二百二十名でございます。
#54
○宮崎正義君 そこで、大臣にお伺いいたしますが、この最低保障という性格でございますね。この性格は生活を保障するための最低保障なのか、恩給をきめるための、年金等をきめるための、その基準にするための最低保障額なのか。ここに私は最低保障というものに対する意義づけといいますか、性格といいますか、そういうものをはっきり伺っておきたいと思います。
#55
○政府委員(平川幸藏君) 実は恩給制度といたしましては、先ほど率直に申し上げましたように、本来恩給制度と最低保障制度とはなじまない制度であるということを申し上げました。戦前におきましても最低保障制度というものはなかったわけであります。ごく最近、昭和四十一年に設けられたということでございまして、その関係で最低保障そのものについての考え方というのは、私のほうはむしろ厚生年金のそういう動向を横に見ながらやっておるわけでございますから、むしろそのあたりがどういう考え方に立つかということで左右されるわけでありますが、少なくともわれわれが社会通念的に考えまして、恩給としては、長期在職者につきましては、厚生年金の定額部分程度にとれば一応――一応ですね、これはいろいろ御意見はございましょうが、国家が恩給として保障しておるということも言えるんではないかという、そういう考え方でとった制度でございますが、基本的には、まずこの制度ができておりまする厚生年金あるいは他の共済年金等の考え方が先行すると、このように考えます。
#56
○宮崎正義君 厚生省のほうに方向を向けられたのですが、厚生省の加藤社会局長さんですか、いまの平川恩給局長の答弁ですね、どうお考えになります。
#57
○政府委員(加藤威二君) 私のほうは一応年金関係ではございませんので、老人全体の対策ということでございますから、年金局から別に課長が参っておりますので、そちらのほうから。
#58
○宮崎正義君 どなたですか。
#59
○説明員(大和田潔君) 私どもの厚生年金におきましては、老齢年金につきまして特に最低保障という考え方はございませんが、一応標準報酬の最も低いところ、これが二万円でございますが、これをずっとたどってきたものという場合にどれぐらいの年金額になるかというのを計算をいたしてみますと、大体二万六千円程度になるというふうな計算が出るわけでございます。したがって、私どもは、初め申しましたように、老齢年金につきましては最低保障という考え方はない。障害とか遺族につきましては最低保障の考え方があるわけでございますが、老齢についてはないということだけとりあえずお答え申し上げます。
#60
○宮崎正義君 大臣、この最低保障ということは生活に結びつけて考えられるんじゃないでしょうか、どうなんでしょう。
#61
○国務大臣(坪川信三君) 最低保障という立場から考えますときに、当然やはり国民生活の最低生活を営む権利を有する基本的人権から考えてみましても最低保障をいたすべきであるという方向、また、取り組み方は当然だと私は考えております。
#62
○宮崎正義君 私はそれは大臣のおっしゃるとおりだと思う。そういう面からやはり考えていって、恩給制度、年金制度というものに真剣に取り組んでもちろんきたと思うのです。だからその形にあらわれたものが今日の社会情勢の変動の激しい中にはとうてい及びもつかないというのが現状なんです。したがって、一番最初に私が申し上げたように、もうこのまま、いまの時点だけでも長い間人生を苦労し抜いて、言うならば私どもの日本を築き上げてくださったお年寄りの方々がみじめな生活をしているということ、この一点をとらえてみても、この最低保障というものの考え方というものを明確にしていかなきゃいけないと思うわけです。私は、ある人の人生縮図を恩給の上から見出すことができたので、御参考に皆さんに申し上げてみたいと思います。
 この人は、昭和十五年に郵政省のほうに入省された。年は十六歳で入ったわけです。昭和二十年の四月に現役として軍隊に、陸軍のほうに入隊をいたしました。これはすぐに終戦になりました。終戦になりまして、同時にソ連へ二十年の明けに捕虜として送還をされたと、そして帰還をしたのが、昭和二十四年の十月に帰還をしている。これは無事に帰還できたからよろしいわけでありますが、この間家庭の人たちはたいへんな心配を毎日夜続けられておったと思うんであります。その二十四年十月に郵政省に復職をしているわけであります。そしてこの人は二十六年に郵政省をやめまして村役場に入られたわけであります。郵政省におるときにはやはり事務官でございますが、それから昭和四十一年九月三十日にこの村役場を退職をされた。そのときの年が四十二歳、しかもこの勤務中に、昭和二十九年に結核をわずらいまして、三十年の退院までに右肺を切除しているわけであります。退職されたときが俸給が五万円でございます。で、その方は今日どれだけをその共済組合のほうからもらっているかといえば二十九万円でございます。こういうふうな、この人自身の、ある人のこの人生を、少年期から青年期、壮年期を、言うならば一面は国家公務員として、一面は地方公務員としての人生を、ほとんど大事な人生を終えられているわけで、この間にはいろんな問題がございましたでありましょう。事実は小説よりも奇なりということばがありますけれども、この方のこの一つの小説を書けばりっぱな小説もでき上がるんじゃないかと思われるような、長い間の歴史を持った苦労の人生を過ごしてきておられます。この人がいま二十九万円もらっている。で、二十九万円もらっているということを、これを十二で割りますとどういう計算になるのかということなんです。これは計算をしていただきゃわかると思うんです。
 こういうふうに、当初はその郵政省、その次は軍隊、抑留生活、捕虜生活をして、そうして今度は郵政省にまた入って、今度は地方公務員になってそこでやめた。その間に右肺を切除しなければならないという人生をたどってきている。そういう苦労をした人が、一年間二十九万円の恩給で暮らさなければならないという、この事実の面から見ていきまして、これが生きた法律なのか、生きた制度なのかということをまずもって考えていかなければならないと私は思うのです。大臣、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(坪川信三君) いまある何がしかの方の、からき人生の風雪に耐えてこられた方の国家に奉ぜられた、国家が報いる点、そうした点を解明されながら老人対策といいますか、恩給、年金諸問題に対する基本的な考えはどうかと言われること、御承知のとおりに田中内閣といたしましては、国の大きな国民的課題であるところの老人対策の重要性をそんたくいたしまして、過般、田中総理が老人対策本部長になられ、厚生大臣と私が副本部長となりまして、老人対策本部を総理府に設置いたしまして、また、老人対策に対する深い見識と理解を持っておられる方々によって、老人対策懇談会を設置いたしまして、ただいままでに総会を二度開催いたし、ただいま分科会に入りまして、各般にわたるところの問題について討議、解明をいたし、審議を続けられておるような次第でございますので、そうした貴重な懇談会の答申といいますか、方向を私たちは深く期待いたしておるような次第でございますので、政府といたしましては、これらの点を十分そんたくいたしまして、真剣にわれらの民族の宝とも言うべき老人に対して、いこいとやすらぎのある老後生活を報いたいと、こういうような方向で取り組んでおりますので、ひとつ御期待も賜わり、また、宮崎委員御指摘になりましたような問題に対してもさらに積極的に取り組んでいく覚悟であることを表明申し上げて、御理解をいただきたいと思います。
#64
○宮崎正義君 非常に御決意を伺いまして、私も意を強くするわけですが、いまお話がございました、総理府に老人対策室というのを設けられた、このお話がございました。長官は副本部長です。この対策室の副本部長としておやりになるということでありますが、この実情の――私も官報の一面をきょう持ってまいりました。幸いにいま長官のほうから老人対策室という話が出ましたので、幸いにしてこれを持ってきたことがよかったわけです。この中を見まして、いま長官がおっしゃったように、老人対策本部は、当面老人の生活の安定と保健医療の充実とか、老人のための住みよい環境づくり、老人に対する地域社会のあたたかい援助の推進、生きがいのある老後をつくること、老人問題に対する国民の理解を広めること、老人の国際交流を進めること等々ずっとございます。これにすでに二度も会合を持たれ、今度は分科会に入るという、いま御答弁がございました。
 そこで、お伺いしますが、東京消防庁で出しております非常に貴重な資料を私は求めたわけでありますが、寝たきり老人等の実態調査結果、これは焼死者防止対策本部というのがどこからも金が出ていないような様子でございます。その中でこの問題に真剣に取り組まれたということは、長官がおっしゃったように、老人の保護ということを如実に示した一つの私はこれは貴重な資料だと思うのです。これ、御存じでございますか、寝たきり老人等の実態というのを。少なくとも老人対策室というものができたんですから、当然もうこういうすばらしい苦心の結集の結実をされたこの資料というものは、副本部長であられる長官もごらんになっておられなきゃならないと思うのですがね、どうでしょうか。
#65
○国務大臣(坪川信三君) いま御指摘になりました資料は、不幸にしてまだ私拝見いたしておりませんが、しかし、先ほども申しましたごとく、老人問題に対する愛情豊かな対策を講じたい。その悲願のもとにおいて対策本部を設置いたしまして、学識経験豊かな、しかも理解のある、また見識を持っておられる各懇談会の委員の各位の結論を大きく期待をいたし、その結論に基づきまして、各省庁と十分連絡調整をはかりながらその対策に万全を期したい。ことに寝たきり老人に対する問題等につきましては、私も就任と同時に浴風園等にも出向きまして、現地の声をこの耳で聞き、また、現地のこうした施設におられる方々のムードもはだ身で感じてまいったような次第でございますので、そうした面、客観的にも主観的にもひとつ総括いたしながら万全を期したいと、こう考えておるような次第であります。
#66
○宮崎正義君 永瀬予防課長、消防庁の、この実態をひとつ御説明願いたいと思います。
#67
○説明員(永瀬章君) いま先生が御披露になりました寝たきり老人等の実態調査につきましては、東京消防庁が約三カ月の期間を費やしまして調査いたしたものでございます。
 この中の概要といたしましては、六十歳以上のお年寄りにつきまして調査をいたしておりますが、その中で全く一人暮らしでいらっしゃる方、それから家族がときどきたずねられるがお一人でお暮らしになっている方、この方の合計が六十歳以上の方で千六百名、調査いたした結果わかったわけでございます。この方たちのお住まいになっていらっしゃる環境、あるいはからだの状況等がある程度内容としてあがっておりますが、非常に歩行が困難な方あるいは不能な方、この方がかなり大きな数字を示しておりまして、特に一人暮らしの方に対して家族がときどきたずねられる方の中で、非常に歩行が困難な方が一八%ぐらい全体の中でいらっしゃるわけでございます。それから環境といたしましても、中に火災が発生したならばかなり危険があるような環境にお住まいの方が約二〇%くらいいらっしゃる。いろいろございますが、そのほか老人の方のお住まいになっております周囲にお使いになっております火気使用器具と申しますか、火器類ではガスコンロだとか石油ストーブだとか、あるいは中には火ばちというようなものをお使いで、環境的にもあまりよくない環境にお住まいのような結果が出ております。それからさらに、事が起きましたときに、近隣の方等に知らせる設備でございますが、これは私どもの消防の立場から申しますと、自動火災報知設備などと申しまして、火事が出ますとすぐにジーンと鳴るような設備、これらはほとんど設けられていない。四%ぐらいしかございませんし、また音響によって押しボタンで知らせる設備をお持ちのものも一割程度しか対象としてないというような状況でございます。
 簡単でございますが……。
#68
○宮崎正義君 日本一の都市の東京都でさえこのような実情でございます。時間の関係がございますので、私は省略をしてまいりますけれども、これは地方都市のほうへ行きますと、どれだけの人が火災なんかが起きた場合にはどんなふうな状態になっていくのか、どういう設備がなされてあるのか。東京都だけの話を聞いて、一番文化が発展しているというところでさえ押しボタンをするような施設がその一割程度しかできてないというような、はだ寒い現状報告をされているわけであります。したがって、火事といえばお年寄りが不幸な目にあっているんじゃなかろうかというようなことが、私あの火事の半鐘が鳴ればそのように思う。もう一つは、幼児の死亡率もやはり多いというような面から考えていきましても、特に最近は一人住まいのお年寄りがなくなっているということを考えあわせてみて、長官が言われたように、ほんとうに老人の方々を守っていくんだということを、実情の中をよく見詰められて処置をしていかなければならないと思います。
 さらに、私ども公明党が調べましたものがございます。これは過日の新聞等で発表になっていたようでございますが、時間の関係がございますので、おもだった点だけを、調査した概要といいますか、それを御参考に申し上げてみたいと思う。この中にも年金、恩給生活者がわずかの調べた人数の中にも大きな位置を占めているということ、その人たちがまことにみじめな生活をしているということ、先ほど私ある人のということを取り上げていきましたけれども、これを全部あげますと何時間あってもこの委員会終わりません。一人一人のことを全部言えばきょうじゅうにこの法案も上がりませんし、そういうことは慎みたいと思います。これは三公社の場合もあります。それから共済組合のほうにもございます。恩給法のほうももちろんです。実例一ぱいある。
 そこで、問題に入りますと、この調査の目的は、「老人問題は単に現在の老人のみの問題ではない。働く世代のあすの重要問題である。この調査は、東京に在住する老人の生活意識、生活状況等を調査することにより、政府の老人対策を検討するとともに福祉社会建設のための老人対策の資料とするものである。」という観点の上に立っておる。調査しました事項としては、第一は、職業、家族構成、生活状況、年齢。二つ目には子供の有無、配偶者の有無。三つ目は独居老人、寝たきり老人。四番目は同居と別居の希望。五番目は受診状況と医療費。六番目は一カ月の必要最低経費と収入。七番目は老人ホーム。八番目は娯楽。九番目は生きがいと現在の心境ということで調べました。これは東京二十三区及び多摩地区に居住する六十歳以上の老人を対象にいたしました。そして、これらの老人の人口をもとにして都内の区部、市部、郡部からの確率比例により二百五十地点を無作為抽出をし、この集落に居住する六十歳以上の老人全員を対象に調査しました。抽出単位としては、集落は、一集落当たり六十歳以上の老人が六人前後となるような規模で集落を選定し、二百五十集落千五百十六人の老人を調査対象としました。この場合、老夫婦が同一家族にいる場合には一人を対象にしました。そして、その有効回収数は男性が三百九十九、女性が七百七、合計千百六名、七三%の回収数でございます。この回収数の方々からいろんな問題を、私ども先ほど言いました中の一項目ずつを調査していったわけであります。
 年を取っても働かなければ食えない。健康で働くことはけっこうなんですが、やむを得ず老いの身をむちうちながら働かなければ食えないというその実情もございます。千百六人のうち六六・八%は職業を持っていない。しかし、残りの三三・二%が職業を持っていることは注目すべき点である。特に七十歳から七十九歳、これが、二一・六%もおる。八十歳以上の人が一二%もいる。特に七十歳から七十九歳三・六%、八十歳以上が一%、こういうふうな働いている実情。それからさらに家族と同居がしたいんだというような希望者の方も出ております。これも省略します。そして、次に大事なことは、ほとんど来ない家庭奉仕員。独居、寝たきり老人が百八十七人のうち、よく来る五・四%、ときどき来る八%、ほとんど来ない、全然来ない、一回も来ないと答えた者が六八%。特に寝たきり老人は十六人中八人が全然来ない、一回も来ないと答えていることは大きなこれは問題である。
 それから、その次に大事なことは病気になると医者代に困る。ときどき受けている者を含めて受診状況は六〇・二%。女性は六三・三%、男性は五四・九%、単身者のほうが六四・九%と、家族と同居している者五九・二%より多いというのは、それだけ健康に気を使っていることであろう。年齢から見ると、七十歳から七十九歳が六八・四%で一番多く、次いで八十歳以上が六一・七%。特別の医療費は五千円以下が八五・八%、四百九十一人で圧倒的に多い。そのうち千円未満が四一・五%、二百七十六人と多くなっております。一カ月の収入と医療費の関係を見ると、収入が三千円未満で三千円以上の医療費を必要としている者が二一・三%、三千円から五千円の収入で五千円以上の医療費を必要としている人が七・六%ということは、これは大きな問題だろう。医療費の支払い者は本人が二八・七%、百九十一人、家族でやっているのが二五・二%、百六十八人。これらを年齢別に見ると、六十歳から六十四歳が四四・二%、六十五歳から六十九歳が三九・九%が本人の負担となっておる。また、収入が少なければ家族の負担が多く、月収三千円未満で四八・六%を占めている。老人が一番希望しているのは健康であり、この調査から六十歳以上の老人の医療の無料化が重要な課題であるということは、これは火を見るより明らかでございます。
 これをこういうふうにしていきますと時間がもったいないので省略をしたいんですが、省略をすると大事なことを抜かすことになりますから、もう少し大事な点だけピックアップして申し上げておきたいと思いますが、一カ月に六万円ほしい、これが切実な声なんです。一カ月の必要最低生活費は、家族構成、年齢によって大きな差が見られる。五万円以上必要と答えている者は六十歳から六十四歳が二八・五%と多く、八十五歳以上では三%にすぎない。一人暮らしの老人では三万から五万を必要とする者が三五・七%で一番多い。次いで二万から三万が二六・三%である。老夫婦のみの世帯では三万から五万、二七・八%、五万から七万が二七・八%二万円以下は一一・五%にすぎない。老夫婦のみの世帯に三万円以上の月収のある者は六五・八%である。しかし、老夫婦のみの生活の収入源は、自分で働いた収入四三・二%、家族の援助一九・九%が多く、年金、恩給はわずか二八%にすぎない。しかも年金額が低い現実を考えると、三万円以上の収入源は、自分で働いた収入と家族の援助が大半を占めていること、ここに問題があるわけであります。で、私はこの点をしっかり見てていただかなければならないと思うんです。
 そこで一番最初に申し上げましたように、この普通恩給の最低保障額が今回は改正されていない。しかも従前どおりであって月一万一千二百円、これが最低保障額、六十五歳以上で。六十五歳未満が十一万四百円で九千二百円、国家公務員共済組合の最低保障額、これは衆議院で修正されて三十二万一千六百円で、先ほど御説明がありました月二万六千八百円。そして三公社のほうでは最低保障がない。これはまたあとで三公社の分につきましては質問をいたしますけれども、これらの方々が大体普通恩給の場合が二千四百人。それから国家公務員の共済組合の最低保障の該当する人、これが一万五千人もいる。専売公社あるいは国鉄等で三千二百二十名。こういうふうな、現実に年金、恩給をもらっている人たちがどういう生活をしているかということをもう少し深く身にしみて私は事実を見詰めていかなければならない。そうしなければ、ほんとうの生きた政治というものはこれはできないというふうな面から、当初申し上げましたように、この最低保障とは何か、最低保障とは何をさしているのかということが、これらの事実を通していきながら、どういう考え方であるかということを御答弁を確認の意味で願いたいと思うんです。それは長官、それから政務次官もおいでになっておられますし、それから運輸省の方もおいでになりますし、それぞれの立場で御答弁をはっきりと確約の意味で、このようにしていくんだということを回答をしていただきたいということを申し上げたいと思うんです。
#69
○国務大臣(坪川信三君) 老後の実態というものに対する科学的な基礎の上に立っての調査をされ、その調査の貴重な資料をもとにされての御意見を交えての御質問でございます。私も全く感をともにいたす次第でございますが、恩給をお預かりさせていただいている担当大臣としての総務長官の立場、また、老人対策副本部長という立場からの結論を申し上げますならば、私は老人対策に対する問題はやはり物心両面にわたらなければならぬと、こう考えるのであります。
 物心の心のほうでございますが、何といってもこの年を召されてきた方々、ことにお一人あるいは寝たきり老人というような、こうした特殊の不幸な老人の生活実態を思うときに、やはり精神面から考えなければならぬ問題は、世の中との隔絶感、孤独感というものに非常に一つの大きな悩みをお持ちになる。それが最近の老人の自殺率の非常に累進をいたしておる実態というものを考えてみましたときに、この隔絶感、孤独感というものをどうわれわれが見てあげなければならぬか。そういうようなことから考えますと、先ほども御指摘になりましたようないわゆるベッドにおけるところのベルとか、また相なるべくならば私はやはりこうした特殊的な不幸の方々に対する老人電話の問題というような、こうした問題、また施設の面においてはやはりこの住宅あるいは生活環境。私が四年前建設大臣をいたしておりますときに都営、公営住宅その他を視察いたしまして、住宅公団の林総裁にも強く今後の住宅問題の設計として考えてもらわなければならぬことは、腰を曲げられた年寄りの方々がエレベーターのボタンも押すこともできない、そして、ぜんそくで悩みながら、ひいひいと階段を上がっておられる実態などを現実に見るときに、やはりベルのつけ方も、低いところですぐ押せるというような、きめこまかな配慮をいたすべきであるという指示をいたした覚えもございますが、過般、浴風園に参りましての実態を見ますと、そうしたこと、あるいは家族から来る手紙、あるいは訪問客の少ないというような状態を見ると、やはり私はそうした老人に対する精神面というものも優先して措置を講じなければならぬ。
 まあ失礼な話ではございますけれども、イギリスのあの社会保障制度、ゆりかごから墓場へという老人対策を講ぜられた一つの原因はどこにあったかといいますと、私は、あのときのアトリーさん、あるいはチャーチルさんは、党派を越えてりっぱな大政治家であったなという感慨を深くいたしますのは、ハイドパークで毎日さみしい生活を送っておる一老人が、ベンチに腰かけながら、きょうもだれも話しかけてくれなかったというさみしさから、自分のアパートに戻りまして、日記帳の最後のページに、きょうもだれも話してくれなかったというのを人世の最後の日記帳に記しながら自殺していったのが翌日のロンドン・タイムズに報ぜられて、イギリスの宝である老人をかかる姿で置くことこそわれわれは申しわけないということで、表の内閣と陰の内閣が協力されてああした社会保障制度を確立された。ああした姿は、私は日本にとっても党派を越えてやるべき問題だと考えるのであります。
 そういう精神的な面とともにやはり物的な問題、いわゆる生活が安心していけるという保障を与えることが恩給の場合、あるいは年金の場合、あるいはその他の施設の場等を通じて安らぎといこいを十分に与えていかなければならぬ。そしてまた私は、やはり大きな希望をまだ余生を送っておられる各位に与えるべきであるというような観点から、老人問題懇談会の結論なども踏まえながら、私は一つの大きい夢、アイデアといたしまて、老人の船などもひとつ建造していくことが正しい私はこれからの老人に対する大きな希望、生きがいを与える問題ではないかと思いまして、来年度の予算の組み方にこうした配慮も私は積極的にひとつ配意いたしたいと、こういうような気持ちでおりますので、宮崎委員御指摘のごとく、これらの方々に対する、最低生活を営む権利を憲法で保障されている以上、物心両面にわたるところの老後対策の万全を田中内閣はあげて打ち立てたい、こういう気持ちであることを表明申し上げて、御理解をいただきたいと思います。
#70
○政府委員(山本敬三郎君) 共済年金の最低保障額は、共済年金制度が厚生年金に対する特別な制度であることを考えて、厚生年金の最低額と共済年金の最低保障額とを一致させていく、こういうたてまえをとっているわけであります。その最低保障額をさらに上回った、額にすべきではないかと、こういうことにつきましてはいろいろな議論が十分あり得るわけでありますけれども、現在のシステムをとっております限り、財源率への影響あるいは他の公的年金とのバランスなどを考えてやっていかなければならぬと思うわけであります。しかし、いずれにいたしましても、共済年金の最低額というものは、老後生活をそのまま全部を満たすということではなしに、現状においては老後生活のささえになれるような、そういう年金という考え方を持っているわけであります。しかし、ただいま総理府総務長官からお話のありましたように、時代の要請に応じて抜本的な考え方が出てまいりました場合には、それに応じて前向きに善処していくべきもの、かように考えておる次第であります。
#71
○政府委員(住田正二君) 三公社の点につきまして、これまで最低保障額制度がなかったわけでございますが、その理由といたしましては、これまで三公社の退職年金は、他の公的年金の額と比べまして比較的高い額が支払われていたわけでございます。先ほど新法といいますか、今回の国共に合わせますと三千二百二十名ほど適用者が出てくると申し上げておるわけでございますが、従来の十五万円のときでございますと専売公社、電電公社では該当者がいないと。国鉄の場合に百四十四名ということで、全体の〇・一%程度の者が最低保障額に満たない。そういう状況であったわけでございまして、その理由といたしましては、三公社の場合には最終俸給額が、年金の基礎となります俸給額が最終俸給額ということで、国共の場合よりも高くなっているということも一つの理由だと思うわけでございますが、しかし、今回厚生年金あるいは国共のほうで最低保障額が大幅に引き上げられたために、先ほど申し上げましたような相当の人数の人が最低保障額の適用を受けられないということになりますので、この点は非常に問題であると考えております。したがいまして、今後この問題につきましては前向きに処理いたしたいと、そのように考えております。
#72
○宮崎正義君 三公社のほうは高給者を対象じゃなくて、下級のお金をとっている人を対象に算定をしていかなきゃならぬ、それらを中心にしなけりゃならぬ。あとでまた三公社については質問をいたします。
 長官がおっしゃられた建設大臣当時の、私も建設委員にそのときおりました。住宅問題等その他も大臣といろいろ話し合いもし、論議もいたしました。その当時のことはわかります。いまお話がございました今後の考え方として、非常に期待を私はいたしております。ある方が、老年五則をつくって敬老されている人がこういうことを言っています。一つは、何事も八分目、ただし睡眠だけは十分に。二つ、歩け、老年になって最も早く弱るのは足腰だ。三つは、頭を使え、気をもむな、一怒一老ともいわれる。四つは、老年よ大志を抱け、いつも希望を持ち、目標を立てて打ち込んでいく、ここに緊張感と張りが生まれ、生きがいとなる。こういうことを言っています。非常にお年寄りの方を尊敬しておられる方のことばをかりていま言ったわけでありますが、
 そこで、厚生省のほうの方にお伺いしますが、先ほど消防庁のほうからも、この寝たきり老人の方々が不幸にも焼け死んで、焼死体となっていく。または、先ほど私どもが調べました、そのホームヘルパーの件なんかは、日本全体でどうなっているのかということをこの際御説明を伺っておきたいと思います。
#73
○政府委員(加藤威二君) 老人の方々が火事等の場合に非常に災害にあわれるということは、まあ老人あるいは子供が特に被害が多い。私ども記憶しておりますのでも、年間の焼死者のうちの約四割近くが老人であるというような数字もあるようでございます。そういうことで、私どもも都道府県に対しては、そういう災害の場合の老人の安全確保ということで、この一月にも通達を出しております。民生委員とかいうのが全国におりますが、そういう方々の協力を得て、できるだけ老人のそういった火災等における災害を少なくするように努力をしているところでございます。
 それからホームヘルパーの問題でございますが、これは先生の御指摘もありましたが、あるいは公明党の御調査でもありましたように、非常にまだまだ数が少ないというのが実態でございます。四十八年度、全国で七千六十名でございます。これは四十七年度が六千四百六十名でございましたので、六百名の増員ということになっております。で、まあ給与等につきましても、相当大幅に引き上げられておりまして、四万五千円ということで、これは四十六年度が二万三千九百円でございますから、二年間に二倍近くの金額にしたわけでございます。そういうことで待遇も改善し、数もふやしていくということで、この老人のホームヘルパー、これを私どもはやはり在宅老人対策の第一の柱というぐあいに考えて、今後もますます拡充してまいりたいと思います。ただ、まあ外国の例、その他に比べますと、まだまだ数が少ない。したがって、東京都の公明党の御調査でも、非常にホームヘルパーがたずねている件数が少ないようでございます。そういうのが実態でございますので、さらにその拡充につとめてまいりたいというぐあいに考えております。
#74
○宮崎正義君 先ほど申し上げましたように、たずねてこないという人が半分以上いるわけです。これはもう大問題です。まだ一回も来ていない。で、詳細説明がありませんですが、外国との比率というのはどの程度になっておりますか。たとえばスウェーデンだとか、イギリス、ノルウェー等とわが国との比較対照、どういうような案分になっていますか。
#75
○政府委員(加藤威二君) これは数字で申し上げますけれども、数の上では非常に少ないわけでございますが、まあこれは家族制度の違いその他で必ずしも西欧諸国と同じ数まで持っていく必要はないと思いますけれども、一応数を申し上げますと、これは人口十万単位の比率でございますが、イギリスでは人口十万対百三十八人、ホームヘルパー百三十八人でございます。それからスウェーデンが非常に多くて十万対八百二十五人、それから西ドイツが十万対十九人、フランスが十四人、日本が九人、オーストリアが五人、アメリカが十五人、まあおもな国でございますが、こういうことでございまして、非常に諸外国に比べて数が少ないということでございますが、そのまま比較はできませんけれども、しかし、相当これは数をふやしていかなきゃならないというぐあいに考えております。
#76
○宮崎正義君 これは確かに家族制度等、日本と外国の環境というものが違うということはわかりますけれども、全く少ないし、どれだけそれじゃ来年度、また五年後はどのような形態でお考えになっているのか。
#77
○政府委員(加藤威二君) 一応私どもといたしましては、この数を、現在の七千六十人、これを一万二千八百人ぐらいにとりあえずふやそう。これは大体あと二年計画ぐらいでふやしてまいりたいというぐあいに考えております。しかし、それがすべてということではなくて、とりあえず緊急に必要な数字といたしまして、約一万二千五百という数字を目標に拡充をはかってまいりたいというぐあいに考えております。
#78
○宮崎正義君 これは二年後でどれぐらいの率になるのですか、寝たきり老人に対する率、パーセント。
#79
○政府委員(加藤威二君) 人口十万単位にいたしますと十三名ということでございます。
#80
○宮崎正義君 現在、日本の寝たきり老人に対する比較は。
#81
○政府委員(加藤威二君) 現在の寝たきり老人というのは三十五万人でございますが、しかし、この三十五万人全体に対しまして――もちろんこれはその三十五万人全体に家庭奉仕員が行く必要はないわけでございまして、それに対しまして、特に介護者のない者、それから……
#82
○宮崎正義君 それは何名。
#83
○政府委員(加藤威二君) これは三十五万のうち、介護者のない者でありますと二十一万人でございます。二十一万三千六百。それから特別養護老人ホームにもうすでに入っているという人をこれは差し引くと――これは一応五十年目標ということでやっておりますので、五十年には特別養護老人ホームに五万二千三百人が入る。その二十一万からそれを引きまして、そうすると約十六万一千三百ぐらいになります。それに所得税非課税ということで、低所得者の方ということで、それが大体九万六千七百、約九万七千人でございます。その九万七千人をとりあえず目標にいたしまして、それに大体ホームヘルパーが一人でまあ七・五世帯という一つ基準がございます。それで割りますと、大体一万二千六百ぐらい、それをとりあえず目標にやろう、こういうことでございます。
#84
○宮崎正義君 これはもうすみやかに進めていかなければなりませんし、また金額の面も、倍にして四万五千円だからということでは済まないと思うのです。これはたいへんなことです。私もある方と一緒に、お供してその現場に、お年寄りのところへ行ってみました。これはたいへんなことです。赤ちゃんなら下のことも簡単にできるわけですけれども、もう一人で動かすことも容易でない。それを苦労してその始末をしなければならない。この率どおりの一人が七・五単位でやっていくったって、これは一カ月にそれじゃ何名ぐらい行けるか、一人の人が一カ月のうち幾日実動できるかというようなことから考えていきながら、このめんどうを見ていく作業といいますか、やっている内容というものを一度一緒にお歩きになって、ごらんになったらわかると思うのです。そうしますと、切実にああこれじゃだめだということがお感じになると思うのです。やはり総務長官も現場にどんどん行かれて実態をよく――建設大臣当時にはもうすぐ行かれました。それらの実態を見て適切な措置をされたことも私は記憶しております。そのようにやはり一番政府の中心になって動かしていく人、その人たちが現実の実態というものを見られておれば、これじゃだめだということがおわかりになると私は思うのです。こういう点について厚生大臣に私はじっくり話し合いをしてもらいたいと思います。また、長官にお願いしたいことは、閣議がございますので、その席上で政務次官等含めてこの問題を、きょうの委員会、このこと等を参考にしていただいて処置をしていただきたい。厚生大臣おいでになりませんので、この点よろしくお願いをいたしたいと思います。それは私の要望でございます。
 そういうことで、またこの厚生年金にしましても二万円が四十八年の十一月から五万円になる。国民年金が十年加入で、五千円が四十九年の一月から一万二千五百円ですか、老齢福祉年金が三千三百円が十月から五千円になる。そのことは私はいい悪いというのじゃありませんけれども、この実情から見ていきまして、これではどうもならないということをお考えいただいて、物心両面だという長官の御答弁がありましたようなことを実際の面であらわしていただきたい。ともかくも年金、恩給を受けている人が私どもの調査でさえ約三〇%もおるわけなんです。その人たちが、先ほど政務次官の答弁がありましたけれども、厚生省のほうでやった厚生省の行き方によってうちのほうも動いてくるんだ、共済組合もそういうふうなお考えですけれども、そうじゃなくて、大蔵省がもう少しこういう福祉問題に重点を置くというならば、思い切って大蔵省は予算化していかなければならない。もう多過ぎるくらい予算化していくのがほんとうに人間を中心にした、われわれ同胞を中心にした考え方になるんだろうと思うのですがね、大蔵省は。大蔵大臣がいないのがまことに私残念だと思うのです。大蔵大臣が私のこの一つ一つの話を受けとめていただければ、また、総務長官の真実の声を聞いていただけば、大蔵大臣はこれではだめだというふうにお考えになると私は思うのですがね。まあひとつ大蔵大臣のかわりの御答弁をお願いいたしたいと思います。
#85
○政府委員(山本敬三郎君) ただいま宮崎委員の調査の結果を聞きまして、非常に深刻に考えているわけでありますが、実は私は大蔵省の主計局の社会福祉関係に担当する人たちに、東京都だけでありますけれども、民間の社会福祉施設を近く現場で見ていただこうと、これは厚生省と一緒に私自身も参りますけれども、その考え方は、先ごろ社会福祉施設に働く人たちとのシンポジウムをやりましたときに、大蔵省に陳情に行っても非常に冷たい感じを受けるという切実な声がありましたので、従来のお役所のやり方から見ると異例かもしれませんけれども、やっぱり大蔵省の主計が最高裁のようであってはいけない、はだに触れて学ぶべきである。まあ、見てくると負けだと言う人もありますけれども、負けてけっこうじゃないかというつもりで、近く私が先頭に立ってあちらこちら見て歩くつもりであります。また、先生の資料もひとつあとでお願いいたしますので、公明党の資料もいただかしていただきたいと考えております。
#86
○宮崎正義君 まことにその決意をしていただきまして、負けるが勝ちということもございます。負けることが即勝つことだと、実態を見ていけば予算がこれだけなければならないのだということを身をもってお感じになられると思うのです。お行きになりましたところ等は特別の養護老人ホーム、あるいは特別でない養護老人ホーム、軽費老人ホーム、施設の種類等はこのように分かれているようであります。そのうちのどれをごらんになったかはわかりませんけれども、常時介護人を要するところ、これが特別養護老人ホームというようになっておりますし、いずれにしましても、これは厚生省のほうの関係でございますので、この施設をごらんになっていけば、予算を出さなければならないのだというふうなことはもう切実におわかりだと思うので、そのことばを私は信じて、あたたかく実行に移されることを切に要望をいたしたいと思います。
 それから次に、三公社の一人当たりの年金額はどうなっておるのか、できれば職種別、行政職あるいは税務職ですか、公安職、教育職等に分けてこれを答えていただきたい。
#87
○政府委員(住田正二君) 職種別にどうなっているかというのはわかりませんが、専売、国鉄、電電、各公共企業体につきまして退職年金の一人当たりの平均額はわかっております。専売で申し上げますと、昭和四十七年の新法適用者の平均が五十七万三千七百九十八円でございます。それから旧法、旧令の適用者が二十二万六千六百九十三円。それから国鉄の同じく四十七年の新法適用者の平均が五十四万九千八百九十九円でございます。それから旧令、旧法の適用者が二十万五千三百七十九円。それから電電公社が、新法適用者が六十八万六千四百三十円、それから旧令、旧法適用者が二十二万一千三百三十円でございます。
#88
○宮崎正義君 これはあとで資料として私出していただきたいのです。それからまた、いまのような最低ベースのこと等を論議しようと思ったのですが、できませんので、あとでけっこうです。時間があまりありませんので、それから続きましてずっとやっていこうと思ったのです。できないので、この次に機会があったらやります。
 それでは恩給法のことについて、ちょっと基本的なことを伺っておきたいのですが、時間がありませんのでそのまますっすっと進んでいきますが、恩給法の附則の九十三条、九十四条、九十五条、これの該当者は何人ぐらいいますか、受給額はどのくらいになっているのか。それから百二条、「明治二十四年八月十六日以降明治四十三年三月三十一日迄ニ退官退職シ又ハ死亡シタル文官、看守、陸軍監獄看守、海軍監獄看守、陸軍警査、海軍警査、貴族院守衛若ハ衆議院守衛又ハ其ノ遺族ニシテ明治四十三年四月改正前ノ俸給令ニ依ル俸給ヲ基礎トシ恩給又ハ扶助料ヲ受ケ本法施行ノ際迄其ノ権利ヲ有スル者ニハ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ恩給又ハ扶助料ヲ本法施行ノ日ヨリ増額給与ス」 「前項ノ規定ハ明治四十四年三月三十一日以前ニ退職シタル小学校、実業補習学校、幼稚園及盲唖学校共ノ他ノ小学校ニ類スル各種学校ノ教育職員若ハ巡査又ハ其ノ遺族ニシテ本法施行ノ際迄其ノ権利ヲ有スルモノニ付之ヲ準用ス」というふうにございます。この法律も実効恩給規程、このかたかなの恩給法がわからなくて困る困るということで、実効恩給規程の中にも出ております。百二条もあります。これのひとつ御説明を願いたい。
 それから先ほど申し上げました、何人いて、どれぐらいの受給をしているかということを御説明願いたいと思います。
#89
○政府委員(平川幸藏君) ただいま先生が御引用になりました恩給法附則九十三条以下の条文は、御承知のように、この恩給法は大正十二年にできたわけでありますが、その以前に制度はすでに明治七年にできております。それ以後文官恩給法、あるいは軍人恩給法というように、単行法でそれぞれの恩給ができておったわけでありますが、大正十二年に現在の恩給法に集大成したわけであります。そのときに附則といたしまして、権利保護の意味におきまして、従来からこういう職についておった者につきましては、権利を保護する、既得権を保護するという規定でございます。
 で、われわれのほうで、現在二百七十三万人の受給者がおりますが、そのカードを見ますと、最終の職名しか書いてない。たとえば巡査であれば巡査としか書いてございませんから、実は九十三条に該当する者は何人か、あるいは九十四条に該当するのは何人かということはわかりません、率直に申しまして。ところが、私どものほうの統計といたしまして、現在軍人恩給が九十五歳以上の受給者が百八十八人おられます。で、この当時、たとえば百二条で先生が引用されましたように、この条文は、実は明治四十三年の八月にベースアップがあった規定なんです。ベースアップをこの人たちにも、前に退職した人たちにも及ぼすという規定でございますが、要するに、その当時四十歳ぐらいで退職いたしまして、大体これぐらいのあれになるんじゃないかということで、実はこの九十三条、九十四条あるいは百二条に該当する人はある程度――ある程度と申しますか、何人になるかわかりませんが、先ほど九十五歳以上の百八十八人と申しましたが、そのうち百歳以上が三十五人おられます。そういうことを考えますと、やはりこの規定そのものは、いまだに生きておるということでございます。
 確かに恩給法は非常に積み上げの法律でございますから、むずかしいといいますか、わかりにくいと申しますか、先生のおっしゃるとおりでございまして、われわれといたしましても、できるだけ努力はしておるわけでございますが、問題は、やはり一般の人でこういう法律をすぐわかる人はほとんどいないんで、できるだけわれわれとしてはPRしたいという、そういうことで、いま先生が言われましたように実効恩給規程というものをつくったわけであります。実はこれは法律的に申し上げますと、こういう法律をつくることは法制的には不可能でございます。というのは、過去にあったこういった措置を、そのまま同じ現在の法規の中に並べていくということは法制技術上不可能でございますが、そういうことも承知の上で、実はこれはもちろん法律でございませんから、一般の便覧として、これを見れば過去のこともわかり得るような、そういう意味で実効恩給規程というものをつくりまして、できるだけ皆さん方の御理解の便利に供したいというつもりでつくったわけでありまして、その点は十分われわれの意図を御了承願いたいと思います。
#90
○宮崎正義君 答弁漏れだ、受給額、その人たちが受けているお金、どれくらいもらっていますか。
#91
○政府委員(平川幸藏君) 先ほど申し上げましたように、人員がわかりませんから、受給額そのものはわかりません。しかし、軍人恩給の平均額は幾らかということは申し上げられます。
#92
○宮崎正義君 その軍人恩給の平均額じゃなくて、この方々が、先ほど私一人の方の例をとって聞きましたね、二十六年間働いて二十九万円。こういう九十五歳以上の人が百八十八人、それから百歳以上の人が三十五人、これらの方々がどの程度のものをいただいておるのか、これを知りたいわけなんです、率直に。
#93
○政府委員(平川幸藏君) ただいま申しました百数十人の方の実は平均額がわからないのでございますが、七十歳以上の一応この方々は文官でございますから、文官の平均額を申し上げますと四十万八千円くらいでございます。
#94
○宮崎正義君 このかたかなと、それから実効恩給規程、それはわかりやすくお出しになったこと、これはもう並べていくのは法制的には不可能だということを御承知でこれをおやりになっておるんですか。いまあげました確かにこれは固有名詞であり、また事実それだけのこれに適用される人が、年齢から割り出してあるんじゃないかという推定なんですが、これはその人にとってみれば、これは推定で話しておりますけれども、たとえば私が九十五歳になり百歳になって、自分の過去のことも歴史的につづられていったときに、どういうふうな気持ちでいまの答弁を聞いていたかと思うんですね。こういうふうな点から考えていきましても、一応は整理していかなければいけないんじゃないですか。毎年のように繰り返し繰り返し変わって、状態も少しでもよく改善されてきております。そのたびにこの人方のことは問われてなかったわけです。いきなり七十歳以上というだけで片づけられてきておるということ、これなんかはもう少し血の通ったといいますか、処遇というものをもう少し真剣に分析して、功労をたたえるべきではないでしょうか。それがやはり人間としての本来の道じゃなかろうかと私は思うんですがね。と同時に、この法そのものの明治から大正から昭和に至るまでのいきさつはよく私も知っております。しかし、整理されるものは整理されてきているようなものの本則の、本心というものが、これは見詰められていかなければならないんじゃなかろうかと思うんですがね、この点どうですか。
#95
○政府委員(平川幸藏君) ただいま先生が言われましたように、この恩給法の規定の中で全く適用者がなくなったものがあり得るではないかと。そういうものにつきましては当然、先生御指摘のとおり、これは削除していいと思うわけでありますが、先ほど申し上げましたように表示のしかたがそういう表示になっておりますので、九十三条の該当であるか、あるいは他の何条かの該当であるかということはそれはわかりません。したがいまして、年齢をある程度年齢区分別に抽出いたしまして細分していきますと、この条文には該当者がいないということはおそらく可能かと思います。かなりのこれは努力が必要と思いますが、要するに、基本的な精神といたしましては、不要になりました条文はできるだけ落としていくということにつきましては、もちろんわれわれは賛成でございますが、ただ恩給法は、もし一人でもこれの該当者がおりますと、その以後の、たとえばベースアップなり、在職年通算というものが出てきますと、根っこの条文を落としますと、その人の権利がなくなるということになりますので、われわれとしてはなかなか危惧の念を持ってやらなければなりませんので、非常な慎重な注意を持ってやらなければならないと思います。というのは、現在持っておる人の恩給権というものを奪うという結果になりますので、これは非常に安易な方法ではございますが、一応おるものと、おられるものと仮定して、推定と申しますか、それで置いておるわけでございますが、ただ、先生言われましたように不要な、全く不要な条文につきましてこれを置いておく必要は毛頭ございません。基本的な考え方については全く賛成でございますので、そういう努力は今後とも続けてまいりたいと、このように考えております。
#96
○宮崎正義君 一人でもおいでになる場合、これを落とされちゃたいへんです。私はそういうことを言っているんじゃない。人間の立場の上、また百歳以上もこの人生を歩まれてきた人たち、その人たちに何で私たちはその人たちの恩に報いるか。これを言っているわけなんですから、ですからこれを削除しようとは言っていない。実態をどう把握しているのか、それに対してその恩給が適切であるかどうかということが問題点で私は取り上げて言っているわけなんです。
 それで、さらに今度は、その次には、いま答弁にありましたように要らないものは消していく、これはあたりまえのことなんです。これは総理府の本府の臨時特例によって軍人恩給というものが復活した際に、軍人恩給の面を取り上げてみましても、この特例という形そのままで現在きているわけなんでしょう。そうすると、軍人恩給というものについてでも恩給法の本則のほうに――これは附則の、百五十五号ですか、何かそうですね。この本則のほうに当然、いつまでもいつまでも附則のような形でいるんじゃなくて、本則そのものも時代に即応した行き方というもの、考え方というものをしなければならないでしょう。
 それから何といいますか、組織の面におきましても、機構の面におきましてもどんなふうになっているのか、御参考に伺っておきたいんですがね。この恩給局の機構を見てみましても、一課から五課、じゃ何が何をやっているのか、だれがどこの課なのか、この名称が明確でないように思うわけです。そういったような面を、やはりいつまでも昔からきたままで、そのまま時代がどう変わろうと、どんなふうにその間に附則として変わってきていようとも、同じ形態でいいということはあり得ないと思うわけですが、どうなんですか。
#97
○政府委員(平川幸藏君) 確かに先生が言われました点は、われわれも了とするわけでございますが、御承知のように軍人恩給は、昭和二十一年二月一日連合国軍最高司令官の命令によりまして軍人恩給が停止になったわけです。で、復活が、昭和二十八年に復活したわけであります。そういう意味におきましては、昭和二十年十一月三十日で陸、海軍省が廃止になりまして復員省になりました。組織的にはそれ以後軍人を所管する官庁がなくなりました。したがいまして、当然恩給法として規定しておる公務員には、たとえば軍人はもちろん、一般文官、教職員、警察監獄職員、こういった公務員の種類が列記されておりましたが、当然これで軍人の項、公務員としての軍人の項を削除しなければならないという運命にあったわけです。それで、いま申し上げましたように、昭和二十一年二月一日に連合国軍最高司令官の命によりまして軍人恩給が停止されると同時に、二十一年の十一月に法律を改正いたしまして本法から落としたわけでございます。しかし、その間一部の恩給、御承知のように第六項症――六項症というのはかなり重症でございますが、六項症以上の重症者のみ連合国軍は恩給を給することを許しまして、あとの軍人恩給は全部廃止したわけです。それが二十八年に復活したわけでありまして、その経過を見ますと、やはり現在の本法におきましては、ただいま申し上げましたように、内閣の組織も変わっておりますし、本法において、軍人の身分があるそういう恩給法そのものをつくっていくということは不可能でございますから、先生が言われましたように、昭和二十八年の法律第百五十五号の附則におきまして、軍人恩給ということを復活さしたわけであります。そのときの語句は、実は旧軍人という語句を使っております。
 そういうことで、法制的にはそうなるわけでありますが、先生が言われましたように、組織的にはあくまでもこれは特例でございまして、特例として設けられておるということは事実でございます。しかし、いまや軍人受給者は、総受給者のうちで、二百七十三万人のうち二百五十四万という非常に大きな数でございますから、実体的の内容といたしましては軍人に関する事務がほとんどでございます。そういう意味におきまする事務の重要性というものは、われわれとしては十分痛感しておるので、ただ一般的な傾向といたしましては、復活いたしました当時におきましては公務扶助料、公務で戦死いたしました扶助料ですね、こういった方の率が非常に高かったわけです。大体百五十万人ぐらいがそういう方でございまして、普通恩給受給者が比較的少なかった。ところが、最近はその数がだんだん逆転いたしまして、公務扶助料の数が百万を割りまして大体九十二万ぐらい、今度は一般の普通恩給、いわゆる生存者恩給の受給者が圧倒的にふえてきたというような状況でございますから、先生が御指摘になりましたように、われわれの事務の体制もそういう大勢に応じて変えつつあります、内容的に。これはまあ人の配置の問題でありますとか、事務の系統の問題でありますとか、そういった面につきましても十分受給者の皆さま方に御迷惑をかけないような努力はしておるつもりでございます。今後ともそういう趣旨に沿いまして事務に支障を来たさないように、特に問題になっております傷病恩給等につきましては、できるだけ的確な正確な裁定ができますような体制を整備して、局内にも委員会というような制度をつくりまして、その委員会でむずかしい難件を処理していくというような体制も最近つくり上げまして、まあいろいろなあれやこれやの手でやっておりますので、今後ともひとつ十分御了承を得たいと思っております。
#98
○宮崎正義君 いまの私のこの法の、本法のほうの問題から、それから実効恩給規程等のこと等について、組織の関係等も質問をしたわけですが、申し上げたように、百二条なんかの場合でも、それから百三条の場合でも、これ、北海道は開道百年祭というのが終わったんですが、北海道の屯田兵の問題につきましても、これなんかもどんなふうな該当者があるのか。何人ぐらい人がいて、どのように受給率が変わっているのか。受給率は、さっき七十歳以上は全部同じであると、百三条とか百二条とかこうずっとあるんですから、あるとすれば、分類といいますか、仕分けといいますか、それらがなされなけりゃならないと思うんですね。そしてその上からおのおのの功績というものを明確にしなきゃならないと思うんですがね。こういうことはおやりになれませんか、古くて。
#99
○政府委員(平川幸藏君) 御承知のように、公務員の種類は大まかに言いますと、一般文官、それと軍人に分かれます。一般文官は純粋といいますか、純文官とそれから教育職員、それから警察監獄職員、それから待遇職員、これに分かれます。それから軍人は一本でございます。そういう分け方をしておりまして、いわゆる第何条適用者というような実は分類はしておりません。というのは、御承知のように、軍人は十二年で恩給がつきますが、文官は十七年ということで、在職年はそういうことになりますし、仮定俸給は軍人と文官はそれぞれ別々でございますから、在職年と仮定俸給さえわかりますと、その者の恩給額が出る。したがって、毎年のベースアップにおきましてはその仮定俸給と在職年、これは在職年は動く場合もありますが、そういうものを基礎とすればおのずから改定はし得るということで、能率をあげる面におきましてはそういうグループに分かれておりますので、先生がいま言われましたような第何条適用者というようなものの分類のしかたは現在しておりませんが、実は恩給局の地下に明治の初まって以来の御本人の履歴書はあります、現在まで。それを徹底的に調査いたしましたならば、あるいは可能かと思いますけれども、これがまた相当な労力を要しますし、いずれにいたしましても、先生の御趣旨は二、三点あると思いますが、われわれといたしましては、一つには恩給法をわかりやすくするためには、逆に不要になったと確実に判断される条文につきましては、できるだけ整理していくというようなことにつきましてもできるだけの努力はいたしたい、このように考えます。
#100
○宮崎正義君 総務長官いかがですか、いまやりとりしましたその点で、お考え。
#101
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから一つの具体的な、また法的根拠からいろいろと指摘もされ、論議をされておるのを聞いておりますと、なかなか至難な問題点が伏在していることも御承知いただいておることでもございますが、しかし、いま局長も申しましたような立場から、十分これからも検討すべきもの、また解決すべき方向に向かって努力すべきものについては今後十分配慮申し上げてまいりたいと、こう考えております。
#102
○宮崎正義君 時間がありませんので、私、恩給法の軍人恩給のことでずっとやりたかったんです。ですから、これだけにしぼって質問を続けてこれからいくとすると相当時間がかかるんで、大体二時間ぐらいが私の受け持ちの時間ということになっているので、それを尊重いたしましてやめていくんですが、残念なんですが、軍人恩給のことについてこまかくずっと聞きたいことが一ぱいあるんです。
 それは別として、最初に私は一つのある人の例をとりました。これは、二十年の四月に応召され、現役で入隊して、大東亜戦争に参加して、敗戦になって、すぐにソ連に捕虜にされてしまった。そして二十四年の十月に帰還をした。そうしますと、これは四年ちょっとあるわけですね。この方は兵なんですね。終戦上等兵と言うんですか、上等兵、兵でございます。こういう兵の人に対してどんなふうなお考えなのか。これは特殊なケースの人だと思うのです。こういうケースの人は北海道にはずいぶんあると思うのです。私の例を引いておかしいんですが、私も現役で海軍に行っておりました。私は三年です。三年で下士官になっておれば、三年以上ということになれば、一時恩給が出るわけなんです。残念ながら下士官じゃございませんので出ません。この人もソ連に捕虜にされて、四年間苦しい生活を続けてきているということなんです。こういう人たちがもうかなり数多くあるわけです。私の場合なんか、現役のときからすぐに海軍航空技術廠というところにそのまま入りまして、終戦を迎え、翌年残務整理をしてやめたわけであります。何にもないんですよ、私の場合。何にもないんです。恩給も何にもない。そういうふうなことを考えてみますと、まことにさみしい限りなんですね。まだいいんですよ、元気でこうやって生きておりますから。その間にソ連に行っている途中で、捕虜生活をしている間になくなった方の家族の人、こういう人たちの取り扱いというものは相当漏れている人があると私は思うのですがね。そういういろんな面から考えていきまして、その応召された人たち、この人は、いま私の申し上げたのは現役ですが、年をとって応召されて、三年間非常な苦労をして、今日老後生活の苦しい中に追い込まれているという、そういうふうな点から考えていきましても、この兵に対する一時恩給というものに対する考え方、これはもう前回にもこういう問題が出されたのです。また、附帯決議にもあったというふうにも記憶しておりますが、こういう点のお考え、どんなふうにお考えになっておりますか。
#103
○政府委員(平川幸藏君) ただいまの事例、確かにまあ一時恩給を給するとすれば一時恩給の条件には該当するわけでございますが、その前に、この間におきまして、たとえば二十年に現役で入隊しまして、そのままソ連に抑留され、ソ連において死亡したというような場合につきましては、現在恩給法では公務扶助料を給しております。したがって、その点は問題は解決済みでございますが、幸いにして生きて帰ってこられた方につきましては、現行法上、兵について一時恩給を給しておりません。その理由は、先生御承知のように、一時恩給制度自体からくるわけでございまして、一時恩給は、御承知のように掛け金をかける、その掛け金をかけた人が普通恩給年限に達せずして退職し、しかもその年限が三年以上ある場合において給する場合の一時金でございます。ところが、御承知のように国民皆兵、あるいはそういった思想のもとにおける旧制度におきましては、兵に対しては掛け金はございません。したがいまして、一時恩給は掛け金を返す制度でございますから、旧制度におきましては一時恩給の制度は兵に対してはないということになりますが、この問題につきましては、本委員会におきましても数回にわたりまして附帯決議がついております。それからいろいろな御要望もございますが、なおこの点につきましては、われわれとしては慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#104
○宮崎正義君 長官のお考えを伺っておきたいと思います。
#105
○国務大臣(坪川信三君) ただいま局長が申し上げましたとおりでございます。
#106
○宮崎正義君 ずいぶん長官の答弁としてはさびしいですね。
 いずれにいたしましても、その人にとってみればこれはたいへんなことなんです。こういう人が、どれほど今日社会のすみにほうり込まれて泣いている方がいるかわかりません。しかもこの人なんか二十六年間で一カ月一万八千円そこそこで、生活保護を受けている人が東京都では二十七万ぐらいいると聞いております。こういう面から考えてみましても、非常に問題点が一ぱい残っていると思うわけです。時間がありませんので、軍人恩給法に入りますと、これはとうてい、もう二、三時間いただかなければとてもできません。一つの問題点だけやっても二時間きてしまいました。こういうふうに考えていきますと、この恩給法改正に伴って共済組合法あるいは三公社の共済組合等の最低保障の考え方、そこに全部が帰着して、老後の生活をどうするかという問題に当然帰着するわけです。先ほど事実の事例をあげながら大蔵省の考え方というものをただしていきました。政務次官が答弁をしていただきましたその答弁のとおりに、大蔵大臣があとよくお聞きになり、また、総務長官と二時間にわたっての私のやりとりをしました内容等よく伺って、思い切った財政処置をしていかなければならないという腹を大蔵大臣に私は要請をいたしたいと思います。
 以上で私の質問はきょうは終わりますけれども、その最低保障という考え方をどこに置いていくかということを再確認をしながら、質問を終わりたいと思います。
#107
○中村利次君 四十三年の恩給審議会の答申に基づいて、四十四年以降三年間で政府はこの答申による措置をされて、四十七年、四十八年と引き続いてまた政府の政策に基づくといいますか、政府自体の判断での改善が行なわれてきたわけですけれども、特にたいへんに大きな課題で、これは過去に恩給審議会の答申に基づいて、何ですか、ややこしい計算方式を政府が肉づけをされてだいぶ改善をされてきたのを、ことしはいわゆる実質的に――政府はどうもスライドをしたんだということをあまりお好きではないようですけれども、実質的にスライド、公務員の給与改善率にスライドをされたという、たいへんにこれは懸案の解決に努力されたあとが見えると思うんです。また、これもやはり長い間問題になっていました改定時期についても短縮をされた。老齢者の優遇もされた。そのほかに制度内のバランスをやはり相互勘案してこれも改善された点が幾つかあるわけでして、そういう点ではいいことはいい、悪いことは悪いわけでありますが、私は率直にこれは評価すべきものがあるというぐあいに考えます。
 そこで、恩給審議会の答申に基づいて過去三年間この措置をされてきて、引き続き四十七年、四十八年、政府の判断といいますか措置によって一段の改善をされた。非常にけっこうであります。これは一応この改善をされた理由を所管大臣の総務長官及び、やはり所管の大臣であり、なおかつ国のさいふをお預かりになっておる大蔵大臣から、まずお伺いをしておきたいと思います。
#108
○国務大臣(坪川信三君) 中村委員が御指摘になりましたごとく、恩給制度審議会の答申において改善をなすべき事項につきましては二十六項目にわたって指摘をされてまいったわけでございます。一応最終年度であるところの四十六年度においてその改善も完了をいたしておるのでございますが、いま御指摘になりましたような点につきましては、やはりその後の経済情勢、その後の、制度の審議会において論議された問題点等もまた実在していることも十分承知いたしておるような次第でございますので、これらの点を踏まえながら、これからも改善に最善の努力をしてまいりたいと、こう考えておりますとともに、今般の恩給の格差是正に対しましてのいわゆる根本的なる二三・四%の改善をなしたということは、一応政府の英断といいますか、政府の意のあるところは各界各層において評価されておるような次第でございます。
 思い出しますが、昨年の第二次田中内閣が成立いたしまして予算編成に当たりました最後の場において、ただいまおいでになっておる愛知蔵相も、非常な高度な立場でこの問題に対するわれわれの要望の処断を、同じ気持ちを踏まえながら裁断をいただいたあの当時が私にとっては感慨深く思い出されますが、こうした理解ある愛知大臣とともに、これから後も問題点を十分把握、また実態をとらえながら、いまだ未解決の点などのある点も十分知悉いたしておりますので、こうした点、当委員会において要望されました点、あるいは附帯決議等で要望された点等も含めながら、これからやはり前向きの姿勢で検討をさらに進めてまいりたいと、こう考えております。
#109
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま総務長官から御答弁ございましたが、そのとおりでございまして、四十八年度の予算編成に際しまして、総理府のお考えを十分体しまして、相当の私どもとしても決意をいたしたわけでございますが、同時に、相当のところまではいったように思いますが、ただいま総務長官のお話のとおりで、その後におきましても国会の御審議の過程においていろいろの御論議もいただいておりますし、また、他の関連する年金制度等との関係等においては、審議会等の御審議の経過、いろいろの御意見でまだ煮詰まっていないところもございますから、これらを総合いたしまして、さらに前向きに改善措置に当たってまいりたいと思います。これは恩給のみでなく、これに関連する公的年金等にわたりましても、同様に権衡を考えながら前向きに改善措置をとってまいりたいと、かように考えております。
#110
○中村利次君 まことにりっぱな御答弁をいただいたわけでございまして、これは私の質問はもう必要がないんじゃないかと思われるくらい相当前向きです。衆議院においても大体問題点はもう指摘し尽くされておりますし、本委員会でもさきに質問をされた各委員から、大体もう同様の重点的な御質問、御指摘はあっているわけでありますから、そういう限りではこれは三番せんじ、五番せんじの感じのあることですけれども、まず最初に厚生省お見えになっていますね。これは一つだけですから、ひとつあまり時間的に御迷惑をかけないように一番最初に質問しますけれども、農林福祉年金もささやかではあっても五千円に値上げをしようとされております。それから五十年には一万円にするんだという政府の公約もあるのですね。この公的年金との併給制限がどういうぐあいになっておるのかお伺いしたいと思います。
#111
○説明員(大和田潔君) 結論から申しますと、四十八年度の今回の改正におきまして、福祉年金と公的年金の併給につきましては、その限度額が六万円から十万円に引き上げられたと、こういうことでございます。この福祉年金との併給問題につきましては、本来この福祉年金というものは、御承知のように、どこからの制度からも年金を受けられない、こういったような方々に対しまして支給をするという制度でございますので、他の公的年金と併給をするということが、理屈上は問題があるわけでございますけれども、現実には非常に低い他の公的年金を受け取られる方もあるわけでございますので、そういった方々に対しまして併給という制度ができまして、先ほど申しましたように今回の改正では十万円までと、こういうふうになったわけでございます。これは拠出制国民年金の五年年金の額程度の額でございますが、そういったようなことで、今回ただいま御提出申し上げております年金法案が成立いたしますれば、十万という額まで引き上げられるということになるわけでございます。
#112
○中村利次君 どうもこの福祉年金の性格論まで入ったようでありますけれども、まことに私はしゃくし定木だと思うんですね。今度のこの恩給法の改正でも、恩給外所得による普通恩給の停止基準を引き上げておりますね。大体社会情勢といいますか、社会環境というか、政府の政策自体がこういうやはり恩給法の改正によって停止基準も引き上げていこうという趨勢にある。ですから老齢福祉年金、福祉年金というのは、これはどこからも何の収入もない人たちに対して差し上げるものだと、こういうぐあいに規定をして、そしてやはり十万円の併給制限の限度額なんというのは、これは全くどうも時代離れがしていると思うのですけれどもね。六万円を十万円に引き上げられたわけでありますから、これは六六%の引き上げになるんですか、相当の英断かもしれませんけれどもね。まずはいまの社会常識からいったら何ともお粗末であると言わざるを得ないと思うんですが、これはもう少し、私はもういまのことを言ったってしようがないんですがね、やはり社会全般が、あるいは政府の政策自体もとにかく総体的に改善される方向にある。そういうものに対して、この公的年金との併給制限の額をやはり思い切って引き上げるという――これは恩給法の改正だって相当なものですよ、これは。そういう検討の意思はありませんか。
#113
○説明員(大和田潔君) 先ほども申し上げましたように、筋論からいたしますと、私どもは他の公的年金制度が充実をされることによりまして、併給というよりもむしろ他の公的年金によりましての充実を期待をしておるわけでございますが、ただいま先生の御指摘になりましたような実は問題もございます。私ども当面の策といたしましては、この併給制限をどう持っていくかということについて、なお検討はいたしたいというふうに考えておるわけでございますが、筋論といたしましては、先ほど申しましたように、他の公的年金の引き上げによって充実をはかっていただきたい、かような考え方を持っておるわけでございます。
#114
○中村利次君 そうしますと、そういう筋論からいきますと、他の公的年金が引き上げられていけば福祉年金はもう廃止をするというようなものにつながるわけですか、その筋論からいけば。
#115
○説明員(大和田潔君) 老齢福祉年金につきましては、これは御承知のように拠出制の年金が実施されましたときに、一定年齢以上のそういう方に対しまして老齢福祉年金が支給されるという仕組みになっておりますので、この老齢福祉年金の対象になる方々の数は逐次減ってまいります。で、昭和八十年以降でございます、昭和八十年ごろでございますけれども、ほとんど老齢福祉年金の対象者はいなくなる、こういうような推移になっていくわけでございます。
#116
○中村利次君 これは私はやはり何か時代逆行的な感じを受けるのですよ。たとえば恩給法でも老齢者に対する優遇措置が今度やはりとられておる、そういう方向にあるわけですよね。政治はそういう方向にある。社会はそるいう方向にある。老齢福祉年金だけが何かいま谷間の人たちの救済であって、何だかよけいなものだというような感じを筋論からいけば受けるのですけれども、そのとおりですか。
#117
○説明員(大和田潔君) 決してそういうような意味で申し上げておるわけではございません。ただいま申し上げましたのは、国民年金法が施行されましたのが昭和三十四年四月からでございます。そのときに年齢五十歳までの者につきましては、国民年金の拠出制年金に強制加入という形で国民年金の適用対象になった、そのときに五十歳をこえております方々につきましては、その方々が保険料を納付されましても所定の年限、つまり十年という期間の保険料納付には、納付をいたしますためにはかなりの高齢になるまで納付をしてもらわにゃならぬということで、その方々は適用から除外いたしました。ただし、そのときに五十歳以上五十五歳までの方は任意加入という道を開きまして、それが十年年金に結びついたわけでございます。それ以後の方々につきましては、これは七十歳になりましてから無拠出の老齢年金を支給するというような仕組みにいたしまして、これを老齢福祉年金という名称にいたしまして、現在も支給をいたしております。これが先生おっしゃるように、年金の額が、この人たちに対して保障さるべき年金の額が低いではないかということが議論されまして、当然のことでございますけれども、この老齢福祉年金の額の引き上げということがかなり強く推進されております。で、三千三百円から今回の法律が成立いたしますれば五千円、来年度はさらに七千五百円、さらに五十年度では一万円という、そういう計画に沿いましてこの充実をはかっていこうということになったわけでございます。さらに、ただいま申し上げました制度発足のときに五十五歳をこえておるという方々につきましては、任意加入の道もございませんで、いわゆる谷間問題ということで昨今議論が出てまいりました。これにつきましては、先般衆議院におきまする修正によりまして、この方々に対しまして三千五百円の特別給付金の支給という修正が行なわれたところでございます。
#118
○中村利次君 私は性格論議をもうこれ以上続けようとは思いませんけれども、とにかくやはり福祉年金が額の上でも引き上げられようとしている傾向にあることは間違いない。それから全般的に老人対策というものがやはり大きな課題になっていることも間違いない。その方向に従っていろいろなものがやはり手当てをされているわけですね、措置をされている。ところが、厚生省所管の併給制限というのが何とも珍妙な感じがする、十万というのが。これは政府の公約がかりに実現をされるとしますと、再来年になったら十二万になるのですから、十五万だか二十万だかにまたこれは引き上げられるわけでしょう。性格論議からすれば、併給制限がなければ、こういうものがないんなら、まだ性格論議としては筋目が通ると思うんですよ、賛成反対は別にして。しかし、こういうわずか四万円の、幅は違ってもあることは間違いない。そうなりますと、その必要性を認める人だったら、やはりこれは社会全般、あるいは政策としていま向かっている方向はもう定まっているわけですから、大幅に引き上げるのは必然という、そういうことになるんです。ですから、こういうことはなかなか課長はお答えしにくいかもしれませんけれども、私はこれは要望をしておきたいと思いますよ。厚生省でぜひひとつ、こういう点についてはつじつまが合うような前向きの御検討をしていただきたいと思います。
 さっき申し上げましたけれども、国家公務員の給与改善率にスライドする方向について、総務長官及び大蔵大臣から、先ほど全般的な四十八年度の改善についての考え方というものが御答弁の中でお示しになったわけでありますけれども、これはもう皆さんからくどいくらいに言われたことでありますけれども、やはり国家公務員の給与改善率に対してスライドするということを必要と認めるんでしたら、当然これは法制化をするという、これが筋目の上でもびしっとこう筋が通るわけでありますが、これは先ほどの答弁で、やはりスライド化の方向を、スライド化を今後も踏襲をしていかれることは間違いないんでしょうから、したがって、これは当然法制化をして、きちっとけじめをつけるというぐあいに期待をしてよろしいわけですね。そういうぐあいに期待をしてよろしいですね。
#119
○国務大臣(坪川信三君) 御案内のように、恩給法の第二条ノ二の規定によって、この法によって準拠されながら、一応裏づけされておるということは御理解いただける、こう思うのでございます。そうしたことを考えますときに、これを法制、制度化すべきであるといういろいろの論が衆議院においても行なわれ、また、当委員会においてもいろいろと各委員から御指摘になっておられ、また御要望にもなっておられるのでございまして、そうした基本的な姿勢を踏襲いたしてまいります以上、いまのところいわゆる二条ノ二によって準拠していくということで差しつかえもないと思いますけれども、それにおいてまだ不安感があるから、制度化すべきであるという議論も私は当然な御議論であろうと思いますので、それらについてそれぞれの附帯決議等も受けておりますので、私といたしましては、大蔵大臣と十分協議、連絡調整をはかりながら、こうした問題に前向きの姿勢で取り組んでまいりたい、こういうことで御理解いただきたいと思います。
#120
○中村利次君 これは皆さんがずいぶん問題提起をして、大臣以下の答弁をいただいたわけでして、ここでそれと違った答弁をされるのもお困りでしょうけれども、しかし、これは私は当然制度化されるというぐあいに受け取って、解釈をして、次に進んでいきたいと思います。これは当然の常識になったことでありますから。
 次に、老齢者の優遇、これもけっこうな話です。これもしかし皆さんから、与党の内藤委員からも、たいへんに政府の決断を多とされながら、やはりこういう問題点があるぞという御指摘もあったわけですけれども、これはやはりまた皆さんも取り上げられたように、だれが考えても確かに、これほどよくしたのに、まだ文句あるかということじゃないです。そうじゃなくて、いいことはいいとして評価しますよ。しかし、やはりよくなればなったで、いろんな谷間もできれば、ひずみもできるわけでありますから、いまこれはぜひ修正をしておやりなさいという意味じゃなくて、やはりこれも今日以降来年はやるとか、そういうことだとわれわれは解釈をするわけなんです。ですから、七十歳以上の老人の方は四号俸引き上げが大体一五%程度になるそうですから、したがって、二三・四%の改善を加えますと四〇%近い、たいへんけっこうなこれは改善になったわけです。ところが、これはもうどこに線を引くかで、何でも同じですが、六十九歳、六十八歳、六十七歳あたりの人は全くこれはやり切れない気持ちになるのは当然ですね。ですから、このことも来年以降当然これは具体的には三号俸あるいは二号俸、一号俸引き上げ、こういうことになるのかどうだか知りませんけれども、そういうことを当然おやりになると解釈をしてよろしいですね。
#121
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから各委員から御指摘になりました老人に対する恩給あるいは年金その他各種問題について十分御要望もされましたので、そのつど私は田中第二次内閣としてのとるべき方向、しかも老人問題は最も重要なる国民的課題になっておる問題でございますので、その解決に努力をいたしたい。いろいろなひずみ、いろいろな問題点等、何といいますか、常識的に言いますならば、もつれた糸をほどくような気持ちで、一つ一つ老人のしあわせに通ずるものを中心点におきまして、鋭意最善の努力を払ってまいりたい、こういう決意であることを御了解願いたいと思います。
#122
○中村利次君 これはもう少し具体的に伺いたいんですが、大体老齢福祉年金が七十歳以上ということでこういう措置をやられたと思うのですが、ほかに六十五歳だとか六十歳だとか、いろいろな年齢の制限がありますが、大体今後この谷間を是正する方向として、年齢をどういうところに置いて検討されるのか伺いたい。
#123
○政府委員(平川幸藏君) 実は七十歳以上の老齢者に対する処遇でございますが、これは御本人が受けておる場合においては七十歳でございますが、妻が受けておる場合につきましては、その妻が五十歳でありましても四号俸上がるわけであります。これは実は恩給特有の制度でございまして、何と申しますか、遺族、傷病者、老齢者というものを軍人恩給復活以来重点的に処遇してまいったという一つの経過の中で、そういう特異な処遇方法がなされておるということでございます。したがいまして夫が、六十の受給者がなくなったという場合に、とたんにその妻が五十であっても四号俸上がるということになるわけです。
 問題は、年齢の区切りでございますが、実は老齢者処遇といたしまして、文官に対してはこういう処遇をしたわけでありますが、一方、軍人に対しまして、七十歳以上のやはり老齢者及び妻子に対しましてはいままで加算年、加算年と申しますか、いわゆる戦地へ行きますと一年が四年になるわけですが、その四年をいままでは資格としてしか認めていなかったものを金額の計算に入れるようにしたわけであります。いわゆる加算年を金額計算に算入、入れたといういわゆる老齢者処遇をしております。これは主として軍人、まあ文官にはレアケースとしてあることはありますが、めったにない。ほとんど九九%が軍人でございまして、こういう処遇のしかたを七十歳以上については、特に恩給法としては一つの重点的な処遇、その七十歳以上の人に見合うものとしまして、妻子、傷病者も同じようなグループに入れていくというような考え方が基本になっているのであります。
 そのほかに、御承知のように恩給制度の中には文官、それから軍人、警察監獄職員、それから待遇職員と、それぞれ内容が、非常に仕組みが複雑で多岐にわたっております。したがいまして、ある一つの年齢を直ちに他の年齢の処遇にぴったりと合わしていくということが、いいかどうかなかなか問題があるわけであります。たとえば、一例を申し上げますと、軍人の場合はいま一例を申し上げましたが、七十歳以上の者に対しましては加算年を全面的に金額計算に入れるという方法をとっております。
 それから、ちょっと複雑になって恐縮なんですが、七十歳から六十五歳の者につきましてはいわゆる加算減算率を撤廃するという方法をとっております。それから六十五歳から六十歳までの者に対しましては加算減算率を文官並みに百五十分の二・五にするという方法をとっております。それからその次の五歳刻みにつきましては百五十分の三・五にするというような刻みの引き方をしております。それから次は五十五歳から五十歳まではその七割を支給する、それから五十歳から四十五歳までは五割を支給するというように、実は七段階にわたって軍人恩給を処遇しておりますが、これは歴史的な経過もございまして、いろいろ谷間の年齢層を処遇する方法は、各職種によっていろいろ手を使わなければやはり均衡論としてはむずかしい問題があるのでございまして、われわれといたしましては各職種の特色を生かしつついろいろと努力してまいりたい、このように考えます。
#124
○中村利次君 私の質問はきわめて単純でございまして、七十歳以上の老齢者、これはいま御答弁ございましたように、配偶者の場合はこれは幾つであっても、これは当然ほかの年金もみんなそうですからね、そうですけれども。七十歳以上の老齢者の優遇措置として四号俸の引き上げという改善が行なわれたのですね。そうしますと、六十九歳というのはこれは二三・四%で、非常にがくんとくるわけですね。ですから、どこに線を引いて、たとえば六十五歳以上はずっとそれを引き直して、七十歳四号俸というのを引き直して、何歳は三号俸、何歳は二号俸というそういう検討をやられるのかどうかと、そういうことを質問しているわけです。
#125
○政府委員(平川幸藏君) その点につきまして私説明を落としましたが、実は今回の処遇は根拠が二つございます。一つは理論的な根拠でございます。一つは先ほどから申し上げましたように、老齢者処遇の問題でございます。
 老齢者処遇の考え方につきましては省略いたしまして、どうしてこういう四号というものを積み上げたかということを申し上げますと、恩給受給者の等級を見ますと、恩給受給者がすべて同一の恩給ベースに乗っておるわけでございまして、退職年次別に見ますと、やはり古い方のほうが年金額が少ないということが統計的に大体出てまいったわけであります。その原因をこの二、三年来探求しておったわけでございますが、実はベースアップのほかに、たとえば特別昇給でありますとか、あるいは昇給時期を短縮するとか、それから頭打ちが昔はありましたが、だんだんなくなってきたというように、いわゆる給与制度本来からいうベースアップではございませんが、それに準ずるような一般的な、だれでもおそらくは二十年もつとめれば特別昇給何回かきますから、そういうものを積み上げていきますと、マクロで見ますと二十年たつと四号俸になるということでありますが、これはあくまでもマクロ的な理論でありまして、いま先生が言われましたように、たとえば五十から五十五歳になると一号俸上がり、差があり、それからその次の五年たつと二号俸の差があり、それからその次が三号俸だというような、階乗的ないわゆる整然とした形でばらついているわけではないわけでございます、率直に申し上げまして。したがいまして、階層的にたとえばこうなれば、何歳になれば何号上げるというような理論ではなくして、集計的なマクロ理論として、一応四号俸を老齢者処遇とを兼ねてわれわれとしてはこういう処遇をしたわけでございます。そういう点は非常に率直に申し上げたわけでございますが、そういう処遇でございますので、直ちにそれでは七十歳未満の者はどうするのだというような結論はなかなか出てこないと思いますが、ただ、処遇方法といたしまして、こういう処遇方法が唯一の処遇ではございませんから、先ほど申し上げましたように、恩給種別によって毎年これは私のほうから出しております処遇の方法はそれぞれ変わっておるはずであります。そういう方法があるのかないのか、われわれといたしましては、恩給本来の制度をゆがめない範囲においてできるものはできるだけ処遇していってはどうか、私はこのように考えております。
#126
○中村利次君 これはその趣旨はわかりましたが、私はこれにたいへん固執をするんですよ。これはやはり七十歳を、老齢者福祉を含めて四号俸引き上げたということに対しては根拠があるんでしょう、あるんでしょう。どういう根拠ですか。
#127
○政府委員(平川幸藏君) 根拠というのは、結局われわれが集めました資料ですね、たとえば長期のもの、十七年あるいは二十年、二十五年のもの、こういうものを集計していきますとカーブができます。そういうカーブを最小二乗法と申しますか、一つの数学でもってやると、二十年ぐらいで四号俸になると、これはマクロでございますから、正確に言いますと三点幾らぐらいになるかと思いますけれども、号俸をそういうあれでやるわけにいきませんから、四号俸ということでやったわけでございますが、理論はもちろんあるわけでございます。しかし、その理論が直ちに各階層別に、たとえば退職してあとの年次が少なければ号俸を一号上げるんだとか、あるいは十年たてば二号俸上げるんだという理論には直ちに結びつくような理論ではないと私は思うわけであります。したがいまして、われわれといたしましては、長期在職者の処遇方法としてはわれわれいろいろ検討はいたしております。まだ申し上げられませんが、そういう方法もあるのではないかというようなことも実は考えておるわけでありまして、そういうこともからみ合わせまして、ひとつ老齢者処遇につきましてはさらに積極的に努力してまいりたい、このように考えております。
#128
○中村利次君 これはやはり局長ね、七十歳以上の老齢者に対して四号俸の引き上げをやったのは、やはりマクロ的であっても、いろいろ調査をした結果、とにかくやはりそれなりの根拠があってやったんだ、そこまではわかるんですよ。しかしながら、六十九歳あるいは六十七歳、六十五歳は、恩給法の適用でそういうことができるかどうかはこれはやはり別次元の問題だというのがわからなくなっちゃうんです。確かにそれは老齢者を優遇をしようということが一つありますから、ですから、これがすべてだと言われればそれまでだろうけれども、それじゃ六十九歳や六十七歳は違うのかということになりますと、やはりこれは非常に古い方たち、どこでも指摘をされておりますけれども、あまりにもお気の毒ではないかというものも含んでいると私は解釈をいたしますから、そうなりますと最低保障額の問題もあり――これは後ほど質問しますけれども、やはり七十歳以上は四号俸引き上げるということをおやりになったんだったら、ミクロであろうとマクロであろうと、同じやはりそういう理由づけをしたことが私はできるはずだと思う。できないというのは、これは理解できないところでありまして、ですから私が先ほど大臣に質問をして御答弁をいただいたのは、そういうものを含んで、やはり確かにこれはだれの目で見たって、しろうとが見たってわかるような問題は改善をされるものだと、こういうぐあいに受け取っておるんですよ。ですから、それは違うんだと言われますと、私はちょっとここで議論をしなければならない、そういうぐあいなやはり受け取り方をしていいんでしょう。
#129
○国務大臣(坪川信三君) 老齢者に対するところの恩給措置の問題で、いわゆる七十歳以上の方、または六十九歳以下の方、それぞれに対しての改善の御要望については十分理解もいたしておるのでございますが、事務当局といたしましてこれを一つ一つ解決するのにはかなりの問題点と、また、事務上においての困難性も出てまいっておることは御理解いただけると思いますけれども、しかし老人一般に対する、しかも国家に奉ぜられた公務員の方々の当然の国家的保障の立場から考えてみますときに、そうした具体的な点につきましては、やはり前向きの姿勢で取り組んでいくことは当然でございますので、私もそうした観点から前向きの姿勢で取り組んでまいりたい、こう考えております。
#130
○中村利次君 これは大臣のそういう御答弁がありましたから私は重ねて質問としては申し上げませんが、事務当局としてはだいぶ御苦労もあるようでありますから、しかし、私はここで要望しておきたいと思いますが、大臣答弁がございましたからもう蛇足になるかもしれませんけれども、七十歳に対してやはり老齢者に対する優遇措置も含めるけれども、しかし、やはり不均衡を認められて四号俸という相当思い切った引き上げの改善をされたわけでありますから、これはやはり非常にけっこうでございましたという評価をしているわけですからね。そういうことをおやりになった根拠があるならば、そいつをやはり私は三号俸、二号俸という計算ができないはずがない、必ずそれができると確信をするのです。ですから、これはひとつぜひそういう方向での御検討をお願いをしておきたいと思うのです。
 それから先ほどちょっと触れました最低保障額の引き上げの問題ですけれども、これも皆さんがやはり指摘されたとおり、あまり目立ち過ぎるものですからね。たとえば現行の国家公務員共済組合法の改正では、退職年金を十五万円をこれは衆議院修正によれば三十二万一千六百円ですか、政府原案でも倍以上の引き上げですね、ずうっとそれにならっています。ところが、恩給法の普通恩給、普通扶助料、旧令によるもの等はこれは据え置き、やはり同じようにどうしてもつじつまが合わないということになるわけでありますから、これももう皆さんがずいぶん指摘されて何番せんじかの焼き直しですけれども、やはりこういうことが非常に目立ちますから、ぜひこれもひとつそういう方向で改善方をやられるものだと解釈をしたいと思いますけれども、御答弁をお願いいたしたいと思います。
#131
○政府委員(平川幸藏君) 最低保障の問題につきましては、先生ただいま御指摘になりましたとおり、方向としては全くそのとおりでございます。われわれといたしましてもそういう方向で検討してまいりました、率直に申し上げまして。ただ恩給制度が先ほどから申し上げておりますように、他の制度と非常に違う点は、短期在職者が九六%もあります。そういう事実を踏まえまして、今回最低保障額を長期在職者のみについて上げるとなりますと、恩給制度としてはまことにアンバランスと申しますか、制度自体が非常に、何といいますか、格差が生ずるということでございます。
 一例を申し上げますと、十二年の軍人で、長期在職者でありますから十二年でありますと、これがたとえば例で申しますと、厚生年金のいわゆる比例報酬部分と最低の比例報酬部分と定額部分を合わせました二十六万八千八百円というものをとりますと、十一年の短期在職者が十一万六千円でございますから、十五万円くらいの格差が一挙に生じるということになりまして、これはとても恩給制度としてはバランスがとれない。そうしますと、恩給制度は御承知のように、在職年が警察監獄職員あるいは軍人が十二年、それから文官は十七年、こういうふうな制度になっております。それからそのほかに短期在職者がいま言ったように九六%もあります。こういうものを総合的に勘案しないと、長期在職者だけは上げて短期在職者を全く放置するということはできませんし、当然これは何らかの措置をしなければならない。しかもその間にバランスがとれたものでなければならないわけでございます。それを額の多い少ないは別といたしまして、そういう方向で実は毎年これは検討するのに相当長期の時間が要るわけでございまして、この前の改正は、実は厚生年金が四十六年に改正になったわけでありますが、恩給の最低保障を現在の十三万四千四百円に上げましたのは、やはり次の年の四十七年に改正をいたしました。何も言いわけをするわけじゃございませんけれども、それほど恩給制度に最低保障を入れるということになりますと、いろいろな検討を必要とします。しかも厚生年金の定額部分をそのまま持ってきておるわけではなくて、年齢に分けて、六十五歳以上は十三万四千四百円、それ以下は十一万四百円というようにいろいろな手を使いながらやっておるというわけでございまして、方向としましては、全く先生の言われたとおりの方向でわれわれとしては取り組みたい、このように考えておるわけでございます。
#132
○中村利次君 これは確かに恩給法は専門家でもなかなかむずかしいそうですから、われわれのやはり知らないいろんな苦労があると思いますし、加えて戦争の落とし子の処理というものがこれにもう何だかたいへんにからみ合って、だからこそ、いろんな制度内部でも、バランスなんかでも非常にむずかしくしているという特殊事情があると思いますから、これはやはり容易じゃないということはよく理解します。しかしながら、私がこんなに単純に繰り返し、繰り返し言っておりますのは、何といっても生活保護基準も二十七万ばかりですか、それから税法改正によってでも老人の基礎控除、特別控除を含めると相当な金額、百万円ぐらいのものになっているわけですね。大体そういう方向でいっておるのに、六十五歳以下は十一万円、六十五歳以上は十三万四千円というような、非常にどうも、何というんですか、話にならない感じが非常に強いわけです。
 それから先ほど七十歳以上に対して四号俸の積み上げということで私は質問をしましたけれども、ここでは六十五歳以上が十三万四千四百円と、こう言っているわけですね。ですから、いろんなところにやはり単純な目で見ると非常に納得のできないようなものがあるわけですから、これは恩給法上たいへんであるということはよく理解しますし、百も承知の上で、ぜひそういう方向での一段の努力と改善方をお願いをしておきたいと思います。
 最低保障問題は時間もだんだんなくなりましたから、次に進みたいと思いますけれども、今度は制度内部のバランス上いろいろ改善をされた中の一つに、いわゆる外国の特殊機関の通算条件の緩和がありますね。これもまた一ぱい残っているはずでして、改善をするとまたバランス上次の改善と、こういうことになると思うんですが、恩給法上、日・満・日、満・日というのはすべて通算をされておりますね、現在は。これは大体まず日・満・日から通算をされて満・日へと移行したその経過について、まことに恐縮ですが、簡単に教えていただきたい。
#133
○政府委員(平川幸藏君) ただいま先生から御指摘になりましたが、満・日の場合でも特殊機関だけ今回初めて通算されたわけであります。まずそれをお答えしておきます。
 一番最初、実は戦前におきまして日・満・日で出発したわけです。この場合には満州というのは外国政府でございますから、満州国でございます。これは昭和十八年にできた。それから昭和三十六年だと思いますが、日・満の場合におきまして、日・満・日じゃなくても日・満でもよろしいということであります。それから昭和三十七年だと思いましたが、三公社も満州国と同じように通算の措置がとられた。それからそれ以後三十九年だと思いますが、いわゆる特殊機関が通算されたわけでございますが、これは日・満の場合にのみ通算になりまして、今回の提案で満・日の場合にもやはり三公社と同じように通算すべきであるというので、今回改正をお願いをしております。
#134
○中村利次君 いまお答えをいただいたような経過を経て逐次改善をされつつあるわけですね。
 そこで、関連をしますから、私は公務員の退職手当法のところでだいぶしつこく質問をしたのですが、退職手当はどういうことになっておりますか、念のために。
#135
○政府委員(皆川迪夫君) 退職手当は、現在の法律の附則の第四項と第九項に基づきまして、一部政令には委任されておりますが、いわゆる満・日ケースだけを認める、こういうことになっているわけでございます。
#136
○中村利次君 この前、人事局長にはだいぶしつこく質問をしたのですけれども、これはいまの御答弁をいただいて、全く同一の政府のもとでそういうまことに珍妙なことが行なわれているのですね。恩給法上の通算でいきますと、まず日・満・日から始まって満・日まで適用をして、特殊機関までだんだんバランス上そういう方向の改善をされておる。退職公務員の退職手当の上では満・日は通算するけれども、日・満・日はしない、これはどう解釈しても、何とも解釈のしょうがないくらいきわめて不自然であり、不均衡であり、私は説明のしようがない。法的な根拠を出されても、その法的根拠そのものがまことにむなしいということになるのです、これは。ですから、私は、現行の法律を否定するものでもなければ、それに基づいて退職手当が支給されておるということも否定するわけにはいきません。しかし、私が申し上げたいのは、それほどだれが聞いても、だれが見ても不自然なものは、やはりそういう不都合な法律を改めて、改正をしてつじつまの合うような改善をされる必要があるのではないか。
  〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕
 ですから、そういう意味の検討というものはぜひされてしかるべきだと思うのですけれども、いかがですか。
#137
○政府委員(皆川迪夫君) これは前に恩給法で、いま御指摘のありましたいわゆる満・日系統を最後に退職手当についてもやるべきじゃないかという御議論が当委員会でもたいへんあったようでございます。その当時も退職手当の性格としては、何回か現実には退職をしているのだけれども、その前後を通算する、こういう性格のものであるから、恩給のようにある特定の期間を見るか見ないかというのとは性格が違うんじゃないかということを主たる理由にして、なかなか同一には論じがたいということを御答弁申し上げておったわけでありますが、さらに実質的には、恩給はやめられた後もさかのぼってずっと受給資格があるわけでございますから、今日において改正をいたしましても、過去の人も将来に向かっては救われるという事態になるわけでございます。しかし、退職手当の場合は、おやめになるときだけの問題でございますから、終戦後二十何年かたちまして、当時のそういうケースに該当される方が大かたおやめになる、もちろんまだ相当の数は残っておられると思いますが、そういう事態においてこれを取り上げることがいいのかどうか、その当時よりも今日においてこれを取り上げねばならないとする非常に強い理由があるのかどうかということが、論をするとなかなかむずかしい問題があるわけでございまして、私たちも、現実に在職しておられる方がおやめになる際にそういう制度があればたいへんこれは救われるということは、まことによくわかるのでありますけれども、どうも今日の事態になって、どうもこれを取り上げるには相当の理屈がないとなかなか――将来に向かってどんどん起こる制度であれば、新しい制度として考えたらいいと思いますが、過去の制度の救済であるためになかなか理屈がむずかしい、ふん切りがつかない、こういうところが率直に申し上げて実情でございます。
#138
○中村利次君 これはやはり現行法というものの上に立って、そういう御答弁にならざるを得ないと私は思うのですよ。しかし、これは非常に失礼ですけれども、やはり非常に硬直した議論としか解釈できないわけでありまして、恩給というものは確かに継続はしています。退職手当というものは退職したときに切れるものです。しかし、恩給であれ、退職手当であれ、過去のやはり十二年、あるいは十七年、退職手当はそういうあれはありませんけれども、そういうものに対する代価として支払われるものでありまして、それから恩給法上だって、先ほどたいへんに御苦心の、非常にむずかしいのだという答弁がありました。しかし、そういうものを乗り越えて、やはりそこで退職をして切れた、日から満に行く、あるいは満から日に来る、退職をして切れて、恩給の受給資格があったから続いてそれも通算をして、そういう人たちの分までやはり改善の対象になっているわけですからね。退職手当は切れたんだからもう過去のことであって、それは関係ないという議論が正しいとするならば、これは恩給もやはりそこでもう退職をして切れたのだから通算は――かりに百歩を譲って通算はするとしても、それ以前のものについての改善なんということは関係ないんだと、こういう議論になりませんと首尾一貫をしないわけですからね。ですから、これは私は現行法の上に立ってものを考え、あるいは議論をすれば、当然お答えのとおりにならざるを得ないと思うのですけれども、
  〔理事内藤誉三郎君退席、理事中山太郎君着席〕
私がやはり質問をし、提唱をしておりますのは、そうではなくて、やはり恩給法の上でも、こういうぐあいにたいへんむずかしい中を切り抜けて、やはり時代とともにあるいは政策自体も変わってきて、こういうぐあいな改善が行なわれ、あるいは先ほどからの答弁でも、今日以降まだ一そうのやはり努力をした改善をやっていこうという方向にあるわけでありますから、これはひとつ大臣、退職手当は、お聞きになったように、ほんとうにこれは矛盾です。私は、これは矛盾でないという人はいないと思うのですよ。ですから、これはぜひ、私はくどく言うようですけれども、いまの法律の上でやりようはないかもしれません。しかし、そうなれば、やはりつじつまが合うような改正をしてでも、首尾一貫をした、そういうものにするという、そういう前向きの検討は、これはもう当然あってしかるべきだと思うのですよ。いかがでしょう。
#139
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどからのいわゆる退職の問題でございます。御意見は御意見として十分承ってもおり、決しておことばを返す意味じゃございませんけれども、この問題に真剣に取り組んでいただいておる中村先生としても、いわゆる勤務の継続的な一体化が認められないものについてという問題点は御理解いただけるのじゃないかということからきて、なかなかむずかしい問題でもございます。したがいまして、政府といたしましては、そういうような事情も十分とらえ、また、御意見のあるところも十分拝察いたしまして、今後まあ慎重に考慮いたしてまいりたいと、たいへん御納得のいく答弁は差し上げられませんけれども、そうしたあなたのおっしゃる筋論、また、政府が考えておる一つの通った筋論もひとつ御賢察いただいて、十分拝察はいたしながら取り組むということでひとつ御理解願いたいと、こう思います。
#140
○中村利次君 これは理解も何も、そういうことでありますから、それ以上のことがおっしゃれないとすれば、これはもうしようがないのですけれども、私はやはり退職をしてそこで切れたのだというのは、これは通用しないと思うのですよ。通用しないと思うのではなくて、しません。というのは、当時の国策でやはり日本から満州に行き、満州からまた日本に帰ってきた、これは続いているのですよ。ただ形を、勧奨退職だとかいろいろな形で退職という形をとった。それはそうでしょう、当時の敗戦前の状態では、日本国政府の職員が退職しないで現職のまま向こうへ行くという形は、特殊な例はあったにしても、これはやはり退職をして行くという形が全部とられたわけですから。ですから、そこをやはり非常に観念的、硬直的にとらえますと、切れたのだと。ところが恩給法上では、やはりそういう国策に沿って行って、そうしてまた引き続いて日本政府の職員になったのだから通算だと。あるいは満州国の政府に就職をして、あるいは満鉄特殊法人だとか、特殊機関に就職をして、引き続いて終戦によって日本国政府の職員になった者は通算だと。これはみんな退職の形をとっているのです、途中では、切れ目切れ目では。そういうのが全部通算されている。退職手当も、これはもう当然国策に沿ってやって――それはそうなりますと、いまの田中内閣というのは、戦時中の国策はそれは人のやったことであって、現政府は責任を負えないのだというような、へんちくりんなことになっちゃう。そうでなくて、やはり国の政策としてとったものはすべて受け継がれておるわけでありますから、したがって、私はこれ以上の答弁を求めませんけれども、ぜひひとつこれは前向きの検討をしていただきませんと、私はもうおりあるごとに、こんなことがやはり私はそのまま放置されたのでは、気の毒だとかなんとかいうものではなくて、筋目が通らない。もうやはり政治というものはえりを正して、国民の皆さんが納得をしていただけるような姿勢でありませんと、私は困ると思いますので、強くこれは要望しておきたいと思います。
#141
○国務大臣(坪川信三君) ただ、誤解をしていただきますとまた困るのでございまして、田中内閣といたしましては、またわれわれの、担当責任者の私どもといたしまして、決して過去の歴史上において残された問題において、もう過去の国策の線に沿ったものであるからそういうようなものに対してはいささかも考慮をせないんだというような、いわゆる冷たい、民族的な何のない考えはみじんもないということはひとつ御理解願いながら、そして十分不幸な方々に対する、国策に殉じられた方々に対する一つのきめこまやかな措置は今後も持ち続けていくんだと、また万全も期さなければならぬという基本方針は御理解願いながら、十分御意見として承りましたので、今後御意見、御心情を拝察しながら取り組んでまいりたいと、こう思っております。
#142
○中村利次君 それじゃ最後に……。
 以上、まあいろいろ、この四十七、四十八の二年間は、四十三年の恩給審議会の答申を二十六項目にわたって措置をされた上で、なおかつ先ほど両大臣の御答弁ございましたような理由で改善を続けていっておられる。やはりこの改善の努力を私どもは率直に評価をいたします。しかし、その上でなおかついろんなやはり問題点があるわけですね。
  〔理事中山太郎君退席、委員長着席〕
 ですから、この際、私はやはり恩給審議会を設けられて、そして全般にわたっての見直しといいますか、洗い直しといいますか、そういうものを得て、何といいますかね、りっぱな改善に取り組んでいただくのが最も妥当ではないかと思うんですけれども、この恩給審等の設置についてのお考えはいかがでしょうか。
#143
○国務大臣(坪川信三君) 恩給審議会が創設されまして以来、恩給制度のあり方について、問題点について十分な御討議を賜わりました大きな成果に対しまして私は深く敬意を申し上げておるのでございます。したがいまして、二十六項目にわたるところの指摘された問題についても政府といたしましては真摯にこれにこたえて措置を講じてまいっておるのでございますが、今後この恩給審議会というものを再度設けるべきであるかという御質問、また御意見等については、われわれといたしましては、一応審議会の成果は終わって、われわれはこの指摘されました、また審議のさなかで論議されました問題等について、政府はこれから責任を持ってこれに取り組む態勢で行なうという積極的な自主的な方針で進みたい、こう考えておりますので、再びこれを復活するという考えは、いまの時点ではございませんので、御了解おき願いたいと、こう思います。
#144
○中村利次君 いいです。
#145
○岩間正男君 初めに、私は、恩給に対するわが党の基本的態度について触れておきたいと思います。
 わが党は、恩給の基本的考えとしては公的年金制度の一環として、老後の生活の保障、本人の障害、遺族の生活に対し、正常な生活水準が維持されるようにしなければならないと考えており、こういう点での一定の改正には賛成できる理由があります。しかし、旧軍人恩給については、政府が軍国主義復活の露払いとして利用する、そういうおそれがあること、旧将校など職業軍人を優遇していること等の改正には必要性を認めないものです。以上の理由により、わが党は、この恩給法案に対しましては、今回の改正案については棄権の態度をとることを表明いたしておきます。
 で、これとの関連で私がお聞きしたいのは、実は非常に日の当たらない戦傷病者戦没者遺族等援護法、こういうものとの関連において、いわば谷間の日の当たらないところにある問題について触れておきたいと思います。
 第一にお聞きしたいのは、恩給法上の保障のない軍属、準軍属に対する保障の問題でありますが、一体これはどのようになっておりますか。
#146
○説明員(入江慧君) 恩給法の保障のない軍人、軍属、準軍属につきましては、厚生省で所管しております戦傷病者戦没者遺族等援護法、これによりまして年金等の支給を行なっております。
#147
○岩間正男君 これは戦地へ行った人と、それから戦地でない地域、こういうところで勤務した人と違っておるようですけれども、どういうふうにこれは区分けをしておりますか。
#148
○説明員(入江慧君) これは、旧陸海軍部内の軍属につきましては、戦時中共済組合というのがございまして、それが、内地の軍属につきましてはいろいろな援護を行なっていたわけでございます。したがいまして、当初、援護法ができまして後、その共済組合等で援護の行なわれておりませんでした戦地勤務軍属と申しますか、の陸海軍部内の公務員につきまして、軍属として処遇したわけでございます。その後、内地の軍属等につきましても、準軍属として援護法で処遇しております国家総動員法等に基づきます徴用工等とのバランスもありまして、準軍属として内地勤務の陸海軍部内の公務員も援護法の対象に取り入れるという沿革的な理由があるわけでございます。
#149
○岩間正男君 じゃ、そのうち、軍属の中で障害者に対する年金、それから一時金の支給、こういうものはどうなっていますか。
#150
○説明員(入江慧君) 障害者につきましては、障害年金と障害の程度の軽い者につきましては障害一時金というのがございまして、これにつきましては障害年金と一時金との選択ができるようになっております。
#151
○岩間正男君 この軍属の中の死亡者の遺族ですね。そういう場合にはどういうような給与状況ですか。
#152
○説明員(入江慧君) 遺族につきましては、先ほど申し上げました援護法上の分類によります軍属につきましては遺族年金、援護法上の分類に基づきます準軍属に属します軍属につきましても、名称は違いますが、遺族給与金という、やはり年金を支給しております。このほかに、戦没者に対する弔慰をあらわす意味で、その遺族全体につきまして弔慰金と一時金を支給しております。
#153
○岩間正男君 それじゃ、準軍属の場合の障害者については、これはどういう適用ですか。
#154
○説明員(入江慧君) これは、先ほどまとめてお答えして失礼いたしましたが、準軍属につきましても、障害者につきましては障害年金と障害一時金が出ます。
#155
○岩間正男君 これは軍属と準軍属をどういうふうに区別するのですか。この給与の内容が違っているようですけれども、どういうことですか。
#156
○説明員(入江慧君) 軍属と準軍属の区別につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、おっしゃるとおり、準軍属は、昭和三十四年に援護の対象になりましたときは、軍人、軍属と準軍属というものの勤務の態様等を考慮しまして、年金額に差等はあったわけでございます。これは、具体的に申しますと、軍属に対しまして準軍属は十分の五という年金に格差があったわけでございますが、その後、国会の附帯決議等でも指摘されまして、身分上のあれによって年金等に差等を設けるのはおかしいじゃないかということがございまして、その後準軍属年金につきまして逐次改善を行ないまして、今国会に提案しております援護法の改正が成立いたしますと、軍人、軍属と準軍属との年金額は全部ひとしくなるということになっております。
#157
○岩間正男君 それじゃ、次にお聞きしますが、太平洋戦争時における軍属、準軍属の総数、これはどのぐらいに押えておりますか。
#158
○説明員(入江慧君) ただいま先生のおっしゃいました援護法上の軍属、準軍属、正確にその軍属、準軍属の総数というのは把握しておりませんが、それに、何といいますか、現在恩給法の対象になっております文官、高等文官と判任官でございますが、それを含めた軍属についての数字は持っております。それによりますと、終戦時に約百五十八万八千三百名ということになっております。このうち恩給法の対象になる高等文官、判任官が若干含まれておりますが、一応終戦時の旧軍属の数、私どもが把握しておりますのは百五十八万八千三百名ということになっております。
#159
○岩間正男君 これは調査漏れというのは相当あるんじゃないかね。いかがですか。その後やっぱり追跡をやっておるのですか、現在も。もう打ち切っておるのですか。どうなんですか。
#160
○説明員(入江慧君) 一応、現在の段階では、私どもが把握しております終戦の時点におきます旧軍属は、先ほど申し上げました数字でございます。
#161
○岩間正男君 この辺非常に、何といいますか、暗箱に入ったような面があって、いろいろあとで問題が個別的に出てきておると思うんですね。
 それじゃ、そのうち、戦傷病者や死亡者、これはどうなっておりますか。この数は、さっきあなたの発表した数字、そのうちでどうなってますか。
#162
○説明員(入江慧君) そのうち、太平洋戦争間に死亡した人間の数は十六万九百人ということで数字を把握しておりますが、戦傷病者については明らかな数字を把握しておりません。
#163
○岩間正男君 そうすると、戦傷病者については、もうほとんど打ち切りですか、この調査は。把握してないというのだが、そこのところは非常にあいまいな、戦争の、何といいますか、一つの暗黒の部分なんだ。それが現在ずっといろいろの形で社会に尾を引いているわけなんだが、そういう努力は、これは援護局では、やる、そういう組織があるのですか、ないのですか。
#164
○説明員(入江慧君) 私が先ほど申し上げましたのは、太平洋戦争間に戦争によって戦傷病――傷ついたり病気をした人間の数を把握してないと申し上げたわけでございまして、そのうち、援護法の障害年金なり障害一時金の対象になる人間の数は、私どもとしてはわかるわけでございますが、そのほかの表にあらわれない戦傷病者というものについては把握するすべがなかった、かような意味でございます。
#165
○岩間正男君 いままでのやり方で把握するすべがなかったというのですが、しかし、いろいろこれは起こっているわけですね。そういうものに対して、これは努力する、それを追跡する、そういう、何といいますか、機能はないわけですか、援護局の中に。だから、いままでの、何といいますか、認定したその数の範囲内でこれは言っているわけですね。そこが非常に私は問題なところだと思うんですが、戦争の影というのは、やはりまだずっと深く尾を引いておる。二十数年たっておるけれども、そういうところが現在までいろいろ顔を出してくるわけですね。だから、そういうところに対してどのように、これは援護の全体的な一つの政策として力を及ぼしていくのかという点が、これは政治的に問題になるところなんですよ。そこなんです、私が特に問題にしているのは。
#166
○説明員(入江慧君) ただいま御指摘の点につきましては、援護法制定以来数次にわたりまして、恩給法との関連等も考慮しながら、障害者に対します援護の範囲は拡大してきております。ただ、現在の制度が申請主義というたてまえをとっております関係上、私どものほうの手元に出てこない限り私どもとしては把握できないというのが現状でございます。
#167
○岩間正男君 これは厚生大臣の出席を求めないと、ちょっと無理な質問になると思いますから、これはあとでいいですけれども、この点が政策としてはやっぱり問題になるところです。いままできめられたそこのところだけやっていくということじゃなくて、実際はどうかというと、そういうものが相当影を引いておるわけです。そこのところをどうするかというのが、社会政策、当然の一つの政策としてやっぱり考えていくべきですね。
 それじゃ、そのうち援護法の適用及び処遇ですね、それを受けている人、いままで、たとえば請求件数、何件がこれは出されて、可決、否決された、そういうものの統計はございますか。
#168
○説明員(入江慧君) 実は、私どもその統計をとる上におきましては、援護法に基づきます軍人、軍属、準軍属という分類に従いましては、いま先生のおっしゃいました請求件数、可決件数、否決件数という数字を持っておりますですが、私ども、軍属の中で先生が言っておられます旧陸海軍部隊の公務員というものは軍属の一部になりますものですから、その一部のものにつきましては可決件数というのはわかりますが、それの前後の請求件数と否決件数というのは、ちょっと現在手元に数字がございません。
#169
○岩間正男君 これは統計の対象に載せなかったんですか。
#170
○説明員(入江慧君) 載せないということではございませんで、私どもとしては、先ほど申しましたように、援護法上の分類に基づきましては詳細な統計をとっているわけでございますけれども、そのうちの一部分のものについて、何といいますか、現在のところ、数字を持ち合わせていないという意味でございます。
#171
○岩間正男君 やっぱり、そういうところが意識的な政策として追求されていなかったという形が、そのまま残っておるんじゃないかと思います。これはやっぱり問題のあるところですが、この点もこれはあとにします。
 そこで、私お聞きしたいんですが、いままで伺ってみますと、援護法というのがありながら、これを知らないで申請していない人、そういう人も相当いるんじゃないかと思いますね。それについて、政府のほうでは、これは請求指導というものをどういうふうに行なっているんですか。
#172
○説明員(入江慧君) 私どものほうとしましては、援護法が、最近で申しますと、毎年のように、恩給法の改正との関連がありまして、改正があるわけでございますが、その改正のたびに、都道府県におきます改正法の説明会を行ないますと同時に、都道府県の職員が定期的にかわるというようなことも考慮しまして、一年に一ぺん担当職員の研修会というのを開いております。それを受けまして、今度は、県のほうでは、市町村に対します研修会あるいは説明会というのも行なっておりますし、私どものほうでは、遺族の、何といいますか、指導を行なうために、遺族相談員というものを置いておりますが、その遺族相談員の研修会というものも都道府県段階で行なっております。また、都道府県によりましては、都道府県内部を数ブロックに分けまして巡回相談というのを行なっておりまして、この巡回相談が法律改正の内容の周知徹底に非常に貢献しておるというふうに理解しております。
#173
○岩間正男君 そういう巡回相談なんかで、どれだけ申請指導が具体的にできたのか、そういう数、わかるんですか。
#174
○説明員(入江慧君) 巡回相談、巡回指導を行ないました都道府県のうち、一部、半数ぐらいの都道府県から巡回指導の報告がまいっておりますが、その報告の内容はまちまちでございまして、いま先生の御質問にありましたように、どの県でどのくらいの集団巡回指導をやって、その結果、何といいますか、埋もれた遺族が何名出てきたというような数字は、私どもは把握しておりません。
#175
○岩間正男君 これは、結局、戦争の傷あとなんですが、これに対する社会政策としての追求が、どうもその辺が科学的になっていないんですね。そういうような機関を設けても、どれだけの一体救済がされたのか、そういう件数とか、そういうものがもっと報告される必要があると思うんですね。この点も、さっきからお聞きしますというと、一応はやっているけれども、ちょっとその点のやり方が、ほんとうにやはりそういう暗黒部に日を当てていく、日陰に日を当てていく、そういうことにはなってないように感ずるわけです。
 それじゃ具体的にお聞きしますが、未処遇者が今度申し立てると、それに対してどういうふうな措置をやりますか、そういう申請があった場合ですね。
#176
○説明員(入江慧君) 申請が都道府県を通じて厚生省のほうに提出されるわけでございますが、通常の場合は、それにつきまして厚生省の援護局で書類審査をして可否を決定するということになっておりますが、法律上、厚生大臣の諮問機関であります援護審査会の判断を条件としている部分がございます。この部分につきましては援護審査会の議決を経て採否を決定するという手続になっております。
#177
○岩間正男君 この申請者が、もうずっと二十数年前あるいは三十年近くでありますから、そういう中で、たとえば自分の子供が死んだと、そうして、しかもその人は老齢化していると、もう八十歳以上の高齢になんかなっている例があるわけですね。字も十分に書けない、いろいろなそういう申請をやるに、自分ではそういう気持ちを持っているけれども、なかなかそれが具体化できない、身寄りも少ないと、こういうような場合があるんですね。そういう手続が非常に困難な、そういう場合ですね。これはどういう指導が行なわれているわけですか。
#178
○説明員(入江慧君) まず、遺族の場合、結局、市町村の職員というのが、まあ何と言いますか、一番末端の地域社会で遺族の方々と日常から接触があるというような関係もありまして、字も書けないような遺族さんの場合は、市町村の職員が代行して申請書類をつくるというような事例が非常に多いというふうに私どもは聞いております。
#179
○岩間正男君 必ずしも手が届いていない、そういう例に私たちもしばしば触れるわけなんでね、そのことをもう少しやっぱり組織化する必要があるんじゃないかというふうに思いますね。遺族相談員というのは、これはあるわけですね。これは厚生省で委託しているわけですか。全国でどれぐらいいるんですか。
#180
○説明員(入江慧君) 遺族相談員は昭和四十五年の十月に設置しまして、厚生大臣が遺族に対する相談業務を委嘱するという形をとっております。それで、現在の時点では全国で九百四十名おりますが、本年の十月からその五割をふやしまして千四百十名にするということになっております。
#181
○岩間正男君 何か、こういう人には謝礼のようなものが出されているんですか。
#182
○説明員(入江慧君) 一月五百円の謝金が出ております。
#183
○岩間正男君 五百円ですか。五百円、これ、どう使う。ちょっとあんまり申しわけ的だね。いま五百円の一月の謝礼といって、実際これ、業務をやれますかな。これはまあ出さないよりは出したほうがいい。形、出したと、政府で出したんだと、そういうかっこうをとるために出しているんですか。実際こういうところをほんとに周知徹底して、そして援護の手が及ぶ、そういう姿勢じゃないように思うんですがね、どうでしょうかな。
#184
○説明員(入江慧君) まあ、私どもの委嘱しております遺族相談員と申しますのは、地方の篤志家でございまして、現実には遺族の方々の相談に応じているということで、遺族が相互扶助といいますか、要するにお互いがお互いを助けるというような関係でございまして、まあ謝金の多寡にかかわらず仕事をしていただける方でございますが、若干やはり、一月五百円という数字は、御指摘のように、現在の段階では問題があるかと思います。
#185
○岩間正男君 そうすると、篤志家の精神的な活動に依存しているとこういうことになるわけですね。組織化された、一つの政策面として、ほんとうに援護の手をそういう日陰のところに及ぼすという体制にはこれはなっていない。やっぱり申しわけ的な、そういう形になっていると思うんですがね。今度この法案が少し改正されて幾ぶん変わってくると、そういう点で適用外にあった人たちがそれらの改正によって適用されると、そういう例も生じてくると思うんですが、そういう点についてPRはどういうふうにしておるんです。
#186
○説明員(入江慧君) それは、先ほども申し上げましたが、私どもとしましては、県に対する研修会あるいは説明会を行ないまして、県のレベルでは、今度市町村に対しまして研修会、説明会、また、その相談員等に対する内容の徹底、さらには、先ほど申し上げました巡回指導をする、こういうような手続を通じて改正内容の周知徹底につとめております。
#187
○岩間正男君 これは大蔵大臣にお聞きしますが、以上、厚生省の援護局の活動、そういう中での一部分としての軍属、準軍属、しかもその中で非常にもう日陰になっておる、そういう人たちに対するどういう手がおありになるかという面でお聞きしたんですが、こういう面で、これはどうなんでしょうか、援護局に対する……。ここに厚生大臣が見えられないので、ことにそういう点で国務大臣としてお聞きしておきたいんですが、こういう問題、もう少しやっぱり積極的に取り上げておく必要があるんじゃないか。埋もれている、そういうところに対して、どういうふうな手を伸ばすかという一問題だと思うが、どうでしょう。
#188
○国務大臣(愛知揆一君) それでは、まず数字的な点について辻次長からお答えいたします。
#189
○政府委員(辻敬一君) 援護関係の改善につきましては、恩給に準じまして年金額を四十八年十月分以降二三・四%引き上げる等の措置を講じているわけでございまして、そのほか、援護関係独自の改善措置もあるわけでございます。改善額の総額といたしましては、四十八年度は二十五億二百万円、平年度にいたしますと九十六億二千六百万円というような改善措置をとっているわけでございます。
#190
○国務大臣(愛知揆一君) 現状は、数字的にいま申し上げたとおりでございますが、今後の問題については、厚生省等となおよく御相談をいたしまして、善処してまいりたいと思います。
#191
○岩間正男君 では、次にお聞きします。これは、いまの問題と問題をかえますが、国家公務員の共済組合の問題です。
 私は、四十五年の当内閣委員会で、国家公務員共済組合連合会の不正不当な経理問題に関連して、管理運営の民主化の問題を取り上げて質問しました。そういう中で、これはある一定の民主的な改革が行なわれたと思うのでありますが、今回は、共済組合連合会の単位組合ですね、これはずっと幾つかあるわけでありますが、そういう中の具体的な一つとして、大蔵省の共済組合における運営審議会の機構と運営の民主化についてお聞きしたいと思います。
 まず、運営審議会の委員ですね、これはどういうふうに大蔵省では構成されておりますか。
#192
○政府委員(片山充君) 大蔵省の共済組合の運営審議会につきましては、御案内のように、大蔵省の共済組合といたしましては、造幣局あるいは印刷局が別の共済組合を組織することになっております関係もございまして、大きな職域のグループといたしまして、大蔵本省、財務局、税関、国税庁といった四つの職域があるわけでございます。それぞれにつきまして共済組合の事務を主管しております者と共済組合員を代表いたします者をそれぞれ一名ずつ選ぶ、それに本部長の職にある者を加えまして、合計九名で構成することにいたしております。
#193
○岩間正男君 運営審議会というのは、組合員が天引きされている掛け金の一年間の使用方法を決定する場であると思うのです。組合員の意思が十分反映される運営がこれは必要であると、こう考えるのですが、その点はどうでしょうか。
#194
○政府委員(片山充君) 共済組合法の第九条にもそういった趣旨のことが書いてございます。御指摘のとおりの趣旨で運営いたしております。
#195
○岩間正男君 在来、共済組合というのは、これは組合員のものだというふうに考えていいですか。
#196
○政府委員(片山充君) 共済組合の目的につきましては、先生御案内のとおりに、共済組合法の一条でございますか、にもございますように、病気でありますとか、その他のいろいろな職員の災害の相互救済を目的とする組織であるというふうに理解いたしております。
#197
○岩間正男君 大づかみに、これはどこに置いたらいいかということですね、組合員のものなんですか、それとも、あるいはこれは大蔵機構のそういう管理の中にある、それでしかも一方においては、この掛け金を通じて資金運用部資金、そういうところにも相当金が、これは三分の一でしたかね、出されている、こういうことなんですが、この機構そのものの考え方ですね、どこに腹を置くかということが問題になると思いますが、この性格をわれわれは検討する上に、どういうふうに考えたらいいですか。
#198
○政府委員(辻敬一君) 共済組合制度の運営にあたりまして、できるだけ組合員の意思が反映され、自主的に行なわれることが望ましいことは御指摘のとおりでございます。しかし、ただいま片山政府委員からもお答え申し上げましたように、共済組合制度の目的は「国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的とする。」というように法律にもうたわれているわけでございまして、そのほか、第八条のところに共済組合の管理につきまして規定がございますが、各省各庁の長がこれを管理するということになっているわけでございます。公務の能率的運営に資することを目的とする制度でございますので、共済組合制度運営の責任ということにつきましては、これは当然国が負うべきものと、かように考えているわけでございます。
#199
○岩間正男君 その共済組合法ですね、それが非常に問題なところだと思うのですが、どこに主体を置くかということは非常に私は重要だと思うのです、その共済組合そのものでも。公務を行なう、それに必要なそういう条件をつくっていくという点が掲げられているのですが、やはり組合員としての生活や権利ですね、そういうものを守るというところが実は主体じゃないんでしょうかね。その辺の考え方というのは、どうも大蔵省――ほかの官庁もそういうことは残っていると思いますが、その辺が基本的にやはり相当論議のあるところじゃないかというふうに思うわけです。と申しますのは、これはどうですか、たとえば昭和四十八年度の事業計画案について組合員から意見を求めた、そういう事実がありますか。
#200
○政府委員(片山充君) 四十八年度の事業計画その他につきましては、二月末に運営審議会を開催をいたしまして御審議いただいたわけでございますが、その前から、各職域を代表いたします委員あるいは共済組合の事務を主管いたします委員を通じまして、職員の共済組合員の意見も十分聴取いたしますし、われわれのほうの計画につきましても数次にわたって説明をするという手続を経て決定をいたしております。
#201
○岩間正男君 これは一応運営審議会というのがつくられておる、そこに代表を出している、だから形は一応の構成をとっているようでありますけれども、それなら、これを構成する組合員の一人一人のそういう、いわばそれを知る権利あるいは意見を出す権利、そういうものが民主的に確立されていなくちゃならないと思うのですが、そういう問題について組合員から意見を聴取するというようなやり方は大蔵省ではあまりとっていられないんじゃないですか。
#202
○政府委員(片山充君) 先ほどもお答え申しましたとおり、職域を代表いたします委員がいろいろなパイプを通じまして意見を集めておるわけでございます。われわれといたしましても、そういったいろいろなルートを通じます意見を十分尊重して、計画なり予算なりを作成いたしておるわけでございます。
#203
○岩間正男君 いろいろ、ニュースを発行するとか、運営審議会の日時とか議題とか、そういうものを組合員に周知徹底させる、そういう方法をとられておりましょうか。
#204
○政府委員(片山充君) 御案内のように、共済組合には、本部のほかに、大蔵省共済について申し上げますと、三十三の支部がございまして、本部支部それぞれ違いますけれども、それぞれに御指摘のような情報伝達のためのニュースその他の手段を持っております。そういうものを通じまして、随時計画なり実績なりをPRするということにいたしております。
#205
○岩間正男君 必ずしもそうなっていないんじゃないですか。ここに具体的な例があるんですが、「関税局報」というのがありますが、これについてはほんとうに短いですね。「短期給付の据置きなどきまる」という一ページだ。昭和四十七年度大蔵共済事業計画というもので一ページの報告があります。ところが、審議会の委員には膨大な、こういうものが配られているわけです。これは私たち借りてきたわけですがね。これがほんとうに組合員におりているかというと、ほとんどここにつづられているだけで、徹底していないというのが現実じゃないですか。ここに証拠がある。こういうことだと、私は、この運営そのものが――この前も三年前に私たちが問題にしたのは、これは連合会の問題でありますが、同時に、それを構成する単組合の場合、やはりそれは徹底しないと、全体の連合会そのものも民主化されない。これは一つの共済組合の民主化の問題になるわけです。だから、私は、最初にどこに一体これは主体を置くのか、これを構成する組合員のその権利と生活を守るということに主体を置いて、そしてそれを中心に運営するというのか、あるいは官庁の機構の一環として公務を遂行するに都合のいい、そういうような方法で運営するのか、ここのところがやはり問題があるところだと思うのですね。私たちはいろいろやっぱり聞くわけです。国家公務員の組合のそういう人たちからいろいろな実態を聞くわけです。いろいろ要望があるわけですね。そういうものを聞いておられますか。
#206
○政府委員(片山充君) 先ほど御指摘のございました「関税局報」と申しますのは、いわば、事務当局、これはその関税の事務という意味でございますが、関税の事務をやります当局のほうが、部内の職員に対する、何と申しますか、広報のためにやっております一つのメディアでございまして、私が先ほど申し上げましたが、共済組合の事業のためのPRのメディアといたしましては、そのほかにいろんなニュースとか情報というものがあるわけでございます。具体的に私、四十八年度の事業計画あるいは予算につきまして、それらのニュース、情報のたぐいを通じましてどういうPRが何回なされたかについては、実は確認をいたしておりませんけれども、本部、支部を通じまして、そういうものも何回か出されておるわけでございます。そのほかに、冒頭に私申し上げましたように、特に職域の共済組合員を代表いたします委員から意見を聞きましたり、あるいはこちらが説明をいたしましたり、そのほか、そういった手段を通じてのPRというのもやっておるわけでございます。なお、しかし、各共済組合員に対しますPRにつきましてはできるだけ十分にやらなければならないことはおっしゃるとおりでございます。われわれといたしましても、そういった趣旨で、そういった方向で今後とも努力いたしたいというふうに考えております。
#207
○岩間正男君 ちょっと、わかったようなわかんないような御答弁なんですが、周知徹底させなきゃならぬ、そういうことだが、まあやっておるはずだと。しかし実際は確めたものじゃないと。ところが事実はそういうふうになっていないですね。運営審議会できまった内容を周知徹底させると、そういう点でほんとうに意を用いて審議会委員がやっておるかというと、そういうふうになっていない。先ほど申しましたように、これは全く申しわけ的なものですよ、一ページぐらいの。こういうものがちょっと載る。これで見なきゃわからないというようなことで、実際は自分たちは自分の俸給の一部を天引きされているんですから。そういうふうにして運営されているその組合の実態というものがほんとうに具体的に明らかにされていない、こういうところに、やはり問題があると思うんですね。したがって、これは運営の民主化ということで非常に問題になっているんじゃないですか。たとえば、全税関の労働組合から大蔵省の共済組合の本部長あてに、運営の民主化についての要望が出されていますね。昭和四十八年三月十四日付、これはどういうことですか。
#208
○政府委員(片山充君) 御指摘の三月十四日付の本部長に対します要求というのは、ここに私も持参してまいっております。大きく分けて、運営についての問題、あるいは具体的な短期給付の中身の問題、短期給付の中身といたしましては幾つかの具体的な要求が書かれてあるわけでございます。
#209
○岩間正男君 その運営の部分でどういう要求が出ていますか。
#210
○政府委員(片山充君) まず第一といたしまして、審議会の委員に全税関労組の代表を加えること、二番目といたしまして、審議会が開かれる際には、組合員の要求と意見が十分に反映できるようにするため、事前に相当の期間を設けて、議題とその内容、日程を組合員に周知徹底させること、三番目といたしまして、審議会の議事録をそのつど公開することということになっております。
#211
○岩間正男君 これはどういうふうに処理されましたか。
#212
○政府委員(片山充君) 審議会の委員のことでございますけれども、これは冒頭にも私御説明いたしましたように、大蔵省共済組合といたしましては、その職域が大きく分けて四つあるわけでございます。その四つの職域についてそれぞれ共済組合員の代表と共済組合の事務を主管いたしております者を一名ずつ任命をいたしております。で、御案内かと思いますけれども、共済組合法に審議会の委員は十名以内ということになっております。で、そういった現実からいたしますと、全税関労組の代表を加えるということは、数字、ワクの関係からもいささか無理ではないかというふうに思っております。
 それから二番目の、十分に反映できるように事前に説明なり何なりをしろという問題でございますが、これは、先ほど来私繰り返しておりますように、審議会の委員を通じまして、あるいは本部あるいは各支部のいろんな情報伝達のためのニュースとか情報のたぐいがあるわけでございますが、そういうものを通じましてやっておるわけでございます。
 それから三番目の審議会の議事録の問題でございますけれども、この点につきましては、運営審議会――従来のやり方は正式に速記者を入れて完全な形での議事録を作成するということをいたしておりません。したがって、そのつどこれを公開するということになりますと、まずそういった完全な形での議事録を作成いたさなければなりませんし、また、審議会の委員の御意見その他につきましても十分承った上で結論を出さなければならない問題ではなかろうかというふうに存じております。
 それからなお一言つけ加えておきますけれども、こういった御要望もございまして、先ほど私も申し上げましたけれども、従来以上に共済組合員に対しますPRについては努力をいたしますとともに、六月に実は四十七年度の決算のための運営審議会があったわけでございますが、
  〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕
この際には、事前に、事実上いろんな組合の御要請がありました組合の代表の方とは詳しい資料も提供した上で御説明をし、意見の交換をするというようなこともいたしております。
#213
○岩間正男君 要望があるということは、やはりそれはいろいろ不十分なことがあるから出ているわけですね。だから、一応いままでのような御答弁がありますけれども、この点についてのやはり努力が十分でないんじゃないかということのこれは反証として言えると思うのですね。
 そこで、運営審議会委員の決定というのは、これは法第九条三項ですか、大臣の一方的な任命できまる、こういうことになるわけですね。十人以内というのですが、十人にはできるわけなんでしょう。もとはどうなんですか。たとえば全税関という組合ですね、全税関の委員長というのは、これは審議委員になっていたんじゃないですか。これはなぜ現在はできなくなったんですか。
#214
○政府委員(片山充君) 税関関係の職員組合につきましては、かつては全税関と称されておりますものが一つであったわけでございますが、たしか三十九年であったと承知いたしておりますけれども、そのときに別の組合ができたわけでございます。で、そういう事態が起こります前は全税関の関係の方も運営審議会の委員に入っておったことがあるのではないかというふうに承知いたしております。
#215
○岩間正男君 これは第二組合がつくられた、これはずいぶん意識的につくられた、相当な工作も行なわれた、こういうことは当時問題にもなったわけでありますが、現在とにかく第一、第二という組合があるわけですね。第二組合は、これは代表して出ているわけですね。第一組合のほうはない。人数からいえばこれは少ないようでありますけれども、しかし、こういう形にできた場合には、第一組合――いままで従来やって、それで民主的な運営をやって、とにかくいろいろな問題について、いわば戦ってきた、そういう組合員というのはどうしても冷やめしを食わされる、それからそういう代表権というのはとられる、こういう実態が起こっているんですが、こういう点はどうなんでしょうか。こういうものの運営というものは、官僚機構じゃないわけですね。官僚機構じゃないんだから、別なやはり角度で考えないと、何といったってこれは組合員のものなんですね。それがこういうかっこうで官僚機構のような形でずっと押しつけられてくる、そして実際は第一組合というのはそういう形で実はどんどんと破壊されていくというような、権利が非常に削減され、そういうことが実際具体的に起こっているんじゃないですか。こういうような差別待遇というようなものは、非常にこれは労働法との関連において問題のあるところでもあるし、それから実際この共済組合そのものの運営として非常にやはり問題があるんじゃないか、こういうふうに私は思うんです。むろん、これは大蔵省だけじゃありません。いろいろそういう第二組合が発生したところがあるわけですけれども、そういうところで、
  〔理事内藤誉三郎君退席、委員長着席〕
全般的に行なっている問題だと思いますが、大臣は、この点で、差別的な取り扱いというものをこのような共済組合にまでずうっと及ぼしている、こういう現実というものは、これは正しいとお考えになっていられますか。いかがです。
#216
○国務大臣(愛知揆一君) 大蔵省の共済組合の現状については詳細に政府委員から御説明申し上げたとおりであります。そして、審議会の構成は現在九名でありますけれども、組合員側の代表は、大蔵省職員組合執行委員長、全国財務職員組合中央執行委員長、税関労働組合全国連絡協議会議長、国税労働組合全国会議議長、こういう四名、それから、官側と通常言われますが、それが四名で、会長は事務次官が当たっているわけです。それから、共済組合の性格は法律でも定められているとおりであって、公務の執行、運営を円滑にするということも一つの目的になっている。いまあなたは一人ふやせとおっしゃっておりますけれども、御案内のように、四つの系統があるわけで、それぞれの組合を代表しているわけですから、税関だけこれに一名ふやすというようなことは、全体の人員の数ですね、たとえば国税庁の職員数万名と税関の職員の数とを比べてごらんになりましても、税関の組合だけに二人の代表者を出すということはむしろ私はおかしいと思います。一方に偏した扱いをするとかしないとかいうことは、お話があるまでもなく、そういうことがあってはならないようにいたしたいと思います。しかし、制度の問題としてここに一人全税関から加えろと言われても、これは無理な御要求でありますから、これはお断わり申し上げます。
 なお、付言いたしますが、私自身も正確な日付はここにメモを持っておりませんけれども、大蔵省の職員全体に対する希望あるいは要請等は直接にも聞きたいと思いまして、私もできるだけ時間をさいて直接会見をいたしております、公式並びに非公式に。そういうことで、私としてもできるだけの努力はしているつもりでございます。
#217
○岩間正男君 私は十名にしろというふうに言ったわけじゃないんで、これは先回りして言われたわけですけれども、人数の代表というので、人数からということもありましょうが、いま言ったような不利益処分のようなことが実際共済組合なんかの運営の中で起こってはならぬと、これについて、はっきりやはりそこのところを民主的な運営ができるように考えるべきじゃないか。ほかの建設省の例なんか見ますと、大蔵省とこれは違っているんですね。これはほかの省でどうですか、こういう審議会委員ですね、運営審議会の委員の選び方というのは、みな研究されておりますか。比較検討されましたか、大蔵省の場合。
#218
○政府委員(片山充君) ほかのいろいろな共済組合のものにつきましても、それぞれ代表すべき職域の数、その他御事情の差があろうかと思いますが、若干の差はございますけれども、大筋においてはわれわれの運営審議会と大体同じであるというふうに承知いたしております。
#219
○岩間正男君 まあ、だいぶそこのところの構成のしかた、これ、違っている例がわかりますよね。だから、そういう点は十分検討してほしいと思いますね。全体、これは共済組合の単位組合として具体的にそういうところは検討してみる必要があります。とにかく、何というか、一番中心になっている大蔵省の中でしばしばそういう問題がいままで起こっており、具体的に聞いておりますから、税関とか、あるいはそれから納税のほうですね、全国税。そういうようなところでずいぶんいままで問題が発生したあとだけに、この共済組合の運営そのものでいろいろな不利益処分のようなかっこうが出てくるとまずい。そういう点はなるべく民主的な態度を貫くというようなことでないというとまずいと思いますから、そういう点を要望しておきたいと思います。
 それから、いまのような申し入れについては、これは具体的に話しておられるのですか。申し入れがよくありますね。それについて懇談を十分にやる、そしてそういう要求を取り上げると、こういうような形になっておりますか。
#220
○政府委員(片山充君) 私、実は着任いたしましてから一週間ばかりでございますので、前課長時代でございますけれども、三月にそれぞれの組合の代表の方と十分に意見を承り、こちらの意見も申し上げたというふうに承っております。
#221
○岩間正男君 共済組合法の第九条四項では「委員を命ずる場合には、組合の業務その他組合全員の福祉に関する事項について広い知識を有する者のうちから命ずるものとし、一部の者の利益に偏することのないように、相当の注意を払わなければならない。」、こういうふうにあるわけですけれども、これが徹底しておりましょうか。
#222
○政府委員(辻敬一君) 運営審議会の委員の任命につきましては、ただいま御指摘のございました条文のとおりでございまして、私どもはそのとおり運用されているというふうに承知をいたしております。
#223
○岩間正男君 これは、承知をいたしておりますで、ここのところ、まあまかり通るわけなんですけれども、もっとこれは調べてみる必要はありませんか。もっとそういう要請が起こっても、必ずしも実態は、いま言ったように、こういうふうに聞いておりますとか、承知しておりますとかということでは、やっぱりこの問題は具体的に進展しないわけですからね。そういう点について、どうですか。
#224
○政府委員(辻敬一君) 先ほど来御指摘のございました大蔵省の共済組合の運営につきましては、先ほどから担当の片山政府委員からお答え申し上げたとおりでございます。
#225
○岩間正男君 そこのところは、これは実態をあげて私はお伺いしておるのですが、具体的に言いますと、決定されても、それを要旨の要約でしか知らされていないというところに、これは不満があるわけですね。それから、決定される前の事業計画の執行状況と結果及び予算決算、それから計画案等の資料が知らされることなく、知る機会もないので意見を言うこともできない状態に置かれてこれはもう運営されておったと、こういうことになるわけですから、そうなりますと、やっぱり民主的運営ということにはならぬと思うんですが、こういう点について今後具体的に運営の上でどういうふうな注意を払われるのか、そのことをお聞きしたいと思います。
#226
○政府委員(片山充君) 先ほど来申し上げておりますように、共済組合のそれぞれ本部、支部を通じまして、それぞれ所属の共済組合員に対しますPRのメディアはいろいろ持っておるわけでございます。そのほかに、運営審議会の委員に任命されております共済組合員の代表者も、従来これはもうすでに四半世紀に及びまして大体こういう形で運営をされておるわけでございますが、従来いろいろなパイプを通じまして説明をしたり、意見の吸い上げをやったりいたしておるわけでございます。したがって、われわれといたしましては、御指摘のような、共済組合員の意見が反映されない、あるいはわれわれのほうの説明が徹底を欠くといったような事態はないというふうに確信をいたしておりますけれども、しかし、先ほども私申し上げましたように、こういったPRというのはできるだけ十分にするのが制度の趣旨であろうと思いますので、今後ともそういった方向で努力をいたしたいと思っております。
#227
○岩間正男君 時間もないから、具体的な問題……。いまあげられたような、いかにもそれは民主的に運営されているような御答弁でありますけれども、なかなかそういっていない面が実際起こっておりますから、そういう問題について十分にこれは留意される必要があると思うんですね。私は大蔵省の場合を具体的な例としてあげたんですが、ほかの単組でもこういう事態が全体として相当起こっているんじゃないか、そういうことがまた連合会における、あのような、三年前問題になったような問題を発生させる原因にもなっていると思うんですが、そういう点について十分に今後民主的な運営について努力をする必要があるんじゃないか。問題の指摘だけになりましたが、そういうことをあげて、私の質問はこれで終わります。
#228
○委員長(高田浩運君) 速記をとめて。
  〔午後五時二十二分速記中止〕
  〔午後五時五十二分速記開始〕
#229
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
 ほかに御発言もないようですから、三案に対する質疑は終了したものと認めます。
 これより三案を一括して討論に入ります。――別に御発言もないようですから、三案に対する討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 まず、恩給法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#230
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#231
○内藤誉三郎君 私は、ただいま可決されました恩給法等の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社の四党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。
 まず、附帯決議案を朗読いたします。
   恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について速やかに善処するよう要望する。
 一 恩給法第二条ノ二について、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与にスライドするようその制度化を図るとともに、退職年次及び公務員別による恩給格差の是正措置を講ずること。
 一 恩給の最低保障額については、他の公的年金の最低保障額との均衡を考慮して短期在職者への措置を含みその抜本的改善を図ること。
 一 旧軍人に対する一時恩給に関しては、引き続く実在職年が三年以上七年未満の兵に対しても支給の途を講ずること。
 右決議する。
 附帯決議案の趣旨は、案文及び審議の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
#232
○委員長(高田浩運君) ただいま内藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#233
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、内藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、及び、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、両案全部を問題に供します。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#234
○委員長(高田浩運君) 速記を起こして。
 両案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#235
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#236
○片岡勝治君 私は、ただいま可決されました共済関係二法案に対し、自民、社会、公明、民社の四党共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。
 まず、附帯決議案を朗読いたします。
   「昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案」及び「昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案)
  政府は、共済組合制度の充実を図るため、次の諸点につき速やかに検討の上善処すべきである。
 一、国家公務員共済組合等及び公共企業体職員等共済組合からの年金については、国家公務員及び公共企業体職員の給与にスライドするようその制度化を図ること。
 一、共済組合の給付に要する費用の負担及びその給付内容の改善については、他の公的年金制度との均衡等を考慮しつつ、適切な措置を講ずること。
 一、長期給付の財政方式については、賦課方式の問題も含めて検討すること。
 一、旧令及び旧法による年金額の改善に努めること。
 一、国家公務員共済組合及び公共企業体職員等共済組合両制度間の年金算定の基礎俸給、最低保障額等の差異について、是正すること。
 一、家族療養費の給付については、他の医療保険制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。
 一、長期に勤続した組合員が退職した場合においても、療養の給付が受けられるよう配慮すること。
 一、労働組合の非在籍専従役員が共済組合員としての資格を継続することについて検討すること。
 一、共済組合の運営が一層自主的、民主的に行なわれるため、運営審議会等において組合員の意向がさらに反映されるよう努めること。
  右決議する。
 附帯決議案の趣旨は、案文及び審議の過程で明らかでありますので、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
#237
○委員長(高田浩運君) ただいま片岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#238
○委員長(高田浩運君) 全会一致と認めます。よって、片岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、政府からの発言を求められております。順次これを許します。坪川総理府総務長官。
#239
○国務大臣(坪川信三君) 一言御礼を申し上げながら、ごあいさつを申し上げたいと思うのでございます。
 恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、当委員会に御審議をお願い申し上げましたところ、長時間にわたりまして真摯な御審議を賜わり、その間貴重な御意見、また御高見等も交えての御要望等十分拝聴いたしたわけでございます。このたび皆さまにおかれましては、委員長はじめ委員諸先生の格別な御配意のもとにおいて、全会一致をもって議決を賜わりましたことに深く感銘申し上げておるような次第であります。その間に賜わりました御高見等につきましては、今後法の運用に万全を期したいと考えておりますとともに、また、各党一致の御決議の三点につきましても十分拝承もいたしておりますし、まことに貴重な適切なる御要望、決議であろうと私は考えますので、今後これらの御要望につきましては十分御期待に沿うよう万全の配慮と、また御期待に沿うべく前向きの姿勢をもって検討申し上げることをお約束申し上げまして、皆さまに対する感謝のごあいさつを終えたいと思います。どうもありがとうございました。
#240
○委員長(高田浩運君) 愛知大蔵大臣。
#241
○国務大臣(愛知揆一君) 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして十分の御審議をいただきまして、全会一致をもって御議決いただきましたことを感謝申し上げます。そして、ただいま御決議のありました本件に関する事項につきましては、政府といたしましては困難な問題もございますが、御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。
#242
○委員長(高田浩運君) 新谷運輸大臣。
#243
○国務大臣(新谷寅三郎君) 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、御審議の結果、御議決をいただきまして、まことにありがとうございます。
 また、ただいまこれに関する附帯決議を付せられたのでございますが、これらの事項につきましては、政府といたしましては困難な問題もございますけれども、御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。まことにありがとうございました。
#244
○委員長(高田浩運君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#245
○委員長(高田浩運君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト