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1947/08/29 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第8号
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1947/08/29 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第8号

#1
第001回国会 水産委員会 第8号
  付託事件
○魚の自由販賣に關する陳情(第百三
 十二號)
○魚價引上げに關する陳情(第百三十
 六號)
○漁業法竝びに漁業協同組合法の制定
 に關する陳情(第百六十七號)
○漁業用資材の確保に關する陳情(第
 百六十八號)
○資金融通準則の一部改正竝びに水産
 金庫設置に關する陳情(第百六十九
 號)
○沿岸漁業者用加配米に關する陳情
 (第百七十一號)
○機船底曳網漁業取締に關する陳情
 (第百七十二號)
○海中沈没物速時引揚に關する陳情
 (第百七十三號)
○魚價引上げ竝びに高級魚の自由販賣
 に關する陳情(第百七十四號)
○漁業用綱索原料マニラ麻の輸入懇請
 に關する陳情(第百七十九號)
○かつを、まぐろ竝びに、さめの價格
 引上げに關する陳情(第百八十一
 號)
○漁業權の漁業組合共有に關する陳情
 (第二百四號)
○大衆向き魚類價格の引上げその他魚
 類の自由販賣に關する陳情(第二百
 五號)
○漁業用燃油の配給に關する陳情(第
 二百六號)
○魚價引上げに關する陳情(第二百八
 號)
○魚價引上げに關する陳情(第二百十
 二號)
○熊本縣牛深漁港修築に關する請願
 (第百三十三號)
○熊本縣牛深漁港修築に關する請願
 (第百四十五號)
○魚の自由販賣に關する陳情(第二百
 四十三號)
○魚の自由販賣に關する陳情(第二百
 五十四號)
○水産廰設置に關する問題調査
○小委員長報告
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十九日(金曜日)
   午後二時四十五分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○水産廰設置に關する小委員長の報告
○水産廰設置に關する問題調査
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員會を開會いたします。本日は主として水産廰問題を議題に供したいと思いますが、尚水産の協同組合の問題あたりも御質問なり御意見の御開陳があれば御發表を願いたいと思います。最初に水産廰設置の小委員長から、最近水産省が水産廰に變更したという小委員會の決議について改めて御發表を願います。
#3
○丹羽五郎君 一應水産廰設置の小委員會の經過を申上げたいとかように考えております。水産廰設置の小委員會を設立いたしましたのは七月の三十日でありまして、その間今日まで約四囘會議を開いております。八月二十日には特に流會といたしまして、參衆議院の合同打合會をいたしたのであります。都合全部五囘委員會は開いておりまして、去る二十七日の小委員會におきまして諸般の情勢を考えまして、參議院側といたしましてはこの場合に水産省設置ということは我々の最大の理想であつて、念願でありますが、諸般の情勢上この場合に水産廰を設置することに、實は小畑君の動議によりまして廰にその目的を變えまして、改めて今後小委員會は水産廰の設置に關する調査をいたしたいとかように考えております。何故にさように我々は今日まで努力して來た問題を八月二十七日に變えなければならんかと言いますれば、ちよつとその間速記を止めて……
#4
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#5
○千田正君 水産廰設置の問題につきましては、本年の七月五日の總理大臣に對する質問演説の中に、私も漁民の漁業權の解放問題につきまして、當該大臣であるところの平野農林大臣に御質問申上げましたところが、非常にその時の御答辯としましては、我々は滿足したのでありますが、その御答辯の中に、長年の間桎梏に苦しみつつあるところの漁民の解放の時は來たのである、漁業權の開放、漁業權の確立の問題を中心とする水産廰を設置する案を政府は持つておるというお答えがありましたので、我々漁民解放に苦心しておる者に取りましては、誠に朗報として受取つて、同時に又この劃期的な敗戰後におけるところの水産業確立のためには絶好のチヤンスであるということを考えると同時に、これは當然水産廰というものが設置されるものである。一方農民はすでに解放の段階に入つておるに拘わらず、漁民は未だに桎梏の状態におるということは誠に不平等である。その點からいつても根本的な問題としてこの問題は取上げられるべき問題だと思つておりましたところ、昨日衆議院の方の委員會の方から餘り芳しからざるところのお話を承りましたので、この點におきまして所管大臣であるところの農林大臣の御所信を將來或いはこれを新たなる面において展開して、水産廰設置に對して邁進する方法が政府として打てる手があるかどうか。又我々においてその問題について十分研究して、政府と共々に長年の懸案であるところの水産省設置問題に對して邁進すべきところの方向を決めて行きたい、こういうのが委員會の一同の希望なのでありますので、大臣から特にこの點について御所信を伺いたいと思います。
#6
○國務大臣(平野力三君) 水産廰設置を根強くやろうという意思は初めから、皆さんの御質問に御答えした通り、今も何ら變りはないのであります。どういう形式を以てこれを實現するかということについての大體の考え方が、參議院、衆議院の水産委員會において御決定を願つて、いわば私といたしましては、これは國會の輿論である、國會の決議であるということを背景として閣議に持出して行くということが、一番可能性があるというような考え方を持ちながら、參衆兩院の委員會の模樣について多大の期待をしつつ、且つ又水産廰の方においては司令部關係その他を檢討しながら今日參つたのが、實情であります。
 然るところ、意外にこの問題は、前から心配をいたしておりましたように、運輸省と商工省との間における所管の問題について、相當に微妙なものがありますので、これは前より心配をいたしておつたところ、最近において特に運輸省關係において相當に困難なる問題にぶつかつた、かように言わざるを得ないのではないかと思います。そこでこの問題は、今の私の考え方としては、皆さんの御同意、又は皆さんの御意見がそれで御賛成を願えるならば、一應農林大臣として運輸大臣に露骨に一つぶつかつて農林大臣の意のあるところと、現在の食糧問題から見て、水産及び現下の我が日本における水産業の重要なる地位というようなものを、堂々と農林大臣として運輸大臣に當つて見ようかというような氣分でおるのであります。併しこれらもただ私がそういうことをやることによつて實際上實現するかどうかという問題の内部檢討も相當いたさなければなりませんので、今それをやるということをここに斷言するのではありませんが、私の今の考え方から言えば、今度は多少方向を變えて大臣同士の折衝で話を進めて見るのも一案ではなかろうか。固より本問題は基本的に司令部の了解、司令部の意向を相當我々は重大視しなければなりませんので、この點については特に別個の考慮を拂う、かように考えております。
#7
○江熊哲翁君 この水産廳の設置問題は、戰時中は御承知のようにこういう機構いじりというようなことは如何かというような點もありまして、餘り問題にはされなかつたのであります。併しもう戰爭以前十數年前から全國漁民のこれは非常な熱望の仕事であつた、そうして終戰後食糧問題の上から見ましても、今日の漁獲高の八割以上を生産する、この沿岸漁村のためにはどうしても水産廳という問題の官廳機構でずつと強い充實した存在を以てやらなくては、到底この問題を完遂することはできないというような、新らしい意味も加わりまして、我々は特に希望しておるのであります。一部の人の中には最近漁民の聲はない。聞かないじやないかということを申しますが、十數年來、二十年來我々は叫び續けて聲が涸れておるのであります。今日はそういうことを言わなくても常識以下の問題になつておるから、我々は漁民の方から聲は出ないのである。當然水産廳は設置されるものと思つております。併し尚全國的に見れば、全國の漁民大會においてもすでにこういうことは先日も決議せられておる。
 それから各府縣の漁民大會においても漁民の聲は、皆水産廳設置ということをいの一番に叫んでおります。この事實を一つ農林大臣は篤と肚の中に入れて頂いて、本問題の實現方に萬全の御努力が特にお願いしたい、このことを、分り切つておることでありますが、もう一遍お願いして置きたいと思ひます。
#8
○國務大臣(平野力三君) 水産廳そのものが必要であるというこの點については、私も十分肚の中から分つており、その點の心構えもできておるのであります。ただ問題は、どうするかという技術と方法の問題について現在暗礁にぶつかつた、この暗礁をどう切拔けるかということであります。併し大體從來も私はまあこういう大臣、官吏としては經驗はないのでありますが、併し凡そ兩省に跨つておる所管事項、極端に言えば肥料行政の商工省、農林省に跨つておるのは代表的な問題でありますが、こういう問題を片付けるということは至極簡單でないということは初めから覺悟しなければならんので、一囘、二囘の障碍にぶつかつて、しかし私は、なんと言いますか、そのことによつてそれ程驚かないで根強く一つやろう、かように思つておる次第であります。
#9
○千田正君 今の農林大臣の仰しやる通り、この一面において方法を相當愼重に考えなければならんと思うのは、農民運動の場合は、一つの農民の運動というものは相當熾烈になつて來た。あらゆる分野に向つて農民側の聲というものが開かれて來た。漁民の問題については只今江熊議員からお話なされておりましたが、一面その聲が餘り響いておらない點も相當あつたということは、漁民の今までの生活の根柢において農民とやや違つた生活方式があるという點を我々は常に考えるのでありますが、この面において相當希望しながら本當に叫びたくても叫び得ないところの漁民、海上の正にわずか六疊か四疊に充たないところの船底において、喘ぎながら魚を獲つていて勉強する暇もない。叫びたいけれども叫び得ないところの苦痛を我々が斟酌した場合には、農民の場合よりももつと大きな面において聲を大にして、一つ國民運動として展開すると同時に、例えば今の連合國側なら連合國側に對して十分に日本の漁民の聲として了解させることも一つの大きな問題ぢやないかと思う。水産廳設置問題の根柢的な問題の一つとしてその方法をとりたいと私は考えるのであります。大臣はどうお考えでありますか。漁民問題について根本的に……。
#10
○國務大臣(平野力三君) それは御尤なことでありますので、あなた方の立場からさような運動は一つ十分力を入れてやつて頂きたいとかように思います。
#11
○千田正君 政府はこれに對して彈壓とか制壓とかを加えることは毛頭ないと思いますが、その點はどうでありますか。
#12
○國務大臣(平野力三君) それは民主主義だから、政府ではなんらそういうことについて掣肘することはありません。
#13
○丹羽五郎君 私は今日久し振りで大臣がおいでになつたので、決して大臣に向つて責任を問うたりすることは思つておりません。今日はこの問題を如何にして解決すべきことがいいかということで、お互いに考えてみたい、かように考えておりますが、實は速記録を見ますのに、「私はこの國會におけるところの水産委員會の各位の決議を前提といたしまして、閣議において水産廳設置を近く提議いたしたいと考えております。」という大臣の述べられたことを實は私は想い起しまして、過日八月二十七日の委員會で、私共が水産廳設置をすることに對しまして、方向を水産廳設置ということに持つて行きましたのも、これが一つの大きな私共の方途を變える最大の原因になつておるのであります。さすれば衆議院におきましても、水産廳設置ということで一本で参りました。参議院におきましても八日二十七日以後におきましては、水産廳設置ということにおいて、同じ目的のここに歸著いたしたのであります。かくなる上におきましては、國務大臣が、而もこの大臣の中でも相當推進力を持つ、押しの利く平野大臣を我我は持つておることは、非常に力強く考えますが、衆参ともその方途が同一になつた以上は、今後大臣は如何にしてこの問題を解決するかという、一つ御案があれば、私共参考に承りたい、かように考えております。
#14
○國務大臣(平野力三君) 先刻申上げた通りに、接術の問題について、私は參議院、衆議院の決議、こういう決議の上に閣議に自分が主張したい。こういう考え方を持ちながら皆様の方の御運動と、かたがた水産局長の指令とに對する諸般の折衝を見ながら來た。ところが現在において、先程申上げたように、一つの行詰りが來た。それで私としては一つ大臣同士の話合いで、一應農林大臣として運輸大臣に正面から一つ表向きに交渉も開始して見ようかというような考え方を持つている。併もこのことは、皆さんと相談した上、そういうことはしない方がいい。運動の上にこういう手があるという御意見ならば、それも承りたい。又自分の責任上、又状況上考えていることは、私は表玄關から大臣折衝で行こうと、こう考えていると申上げました。
#15
○千田正君 今の平野大臣の仰しやる運輸省と折衝する。そう仰しやることは結構であります。その前半皆さんからのことは、連合國の方からは、資材の面を相當考慮した問題としてお話があつたそうでございます。というと只今資材の關係から言いますと、商工省關係が必然的にそこに出て來ますので、商工大臣の方面に對しても同様の手をお打ちになられますかどうか、伺つて置きたい。資材の問題が相當一つ重大な支障の因になつておるようにも思いますので、この方面も御研究を願いたい。
#16
○國務大臣(平野力三君) 勿論これは商工大臣との折衝にも、しかし簡單に参らんと思つておる點もあるのでありますが、併し今までの經過からいいますと、何といつても漁船を繞つての運輸省との問題が重大であつて、このことは司令部との關係等においても、やはり非常に重要であると思われるので、一應運輸大臣との話をしよう。若しも運輸大臣との話がついたとするならば、商工省の方の問題は漁船問題よりも遥かに問題の解決は易いとかように見ております。
#17
○丹羽五郎君 漁船問題で運輸省と表玄關から話をするかという大臣のお話がございましたが、假りに漁船問題が解決しなければ、この水産廳設置ということに對しては、匙をお投げになる考ですか。その點を。
#18
○國務大臣(平野力三君) 凡そこうう問題を進行する心構えとしては、こういう場合は匙を投げるというようなことは考えたくないのです。飽くまでやる。どこまでもやるということで、一本調子で行きたいと考えております。
#19
○門田定藏君 只今各委員の大臣に對する質問に對して、大臣の御答辯を承りました。私はこの水産廳設置について、農林大臣の決意はよく分つたのであります。どの省に交渉するということは、我々が論ずるよりか、一切を大臣に一任して、今日はこれを以てこの問題を打ち切りたいと思います。如何でしよう。
#20
○委員長(木下辰雄君) 大概水産廳問題についての御質疑は終つたと思います。農林大臣に對する別の御質問はありませんか。
#21
○江熊哲翁君 水産廳設置の問題も誠に重要でありますが、今日水産問題の中で極めて重要な問題の一つは私の漁業権制度の確立だと思うのであります。この問題は御承知のように農業協同組合法が早急に實施される見込みが立つておるのに、殆ど同一環境にある、というよりもむしろ環境的には早急に採り上げなければならんところの漁業が、まだ協同組合の問題がとり上げられない。その根本をなすところの漁業法改正の問題の如きも、今のところ今度の國會に提案されるかどうかということが見透しさえつかない實情にあるのであります。併し漁村の今日の實情からすれば、この問題はなんとしても私は本國會に出すべきものだと思うのであります。私共は國會が延長されないということを豫想して、到底本國會には提案ができないだろうというような氣持を持つておつたのでありますが、いろいろな事情で、御承知のように相當長期間延長が決定されるようでありますので、私はこの際是非共漁業法の改正を早急にやり、漁業協同組合法を引き續いて實施するようにいたしたい。こういう希望を持つておるのでありますが、これに對し、農林大臣はどういうお考えを持つておるか、そのことを承りたいと思うのであります。
#22
○國務大臣(平野力三君) これは相當程度に進行いたしまして、手續上或る部分についての折衝關係が殘つておるのであります。幸い議會の會期は非常に延長せられましたので、これだけ長期の延長がありますれば、何とかしてこの議會中に提案できるように極力いたしたい。かように考えております。餘程話は進行いたしておるのであります。
#23
○委員長(木下辰雄君) 大臣に對する質問、御意見についてはこれを以て打切ります。何か局長に對する質問がありましたら……。ありませんければ委員會はこれを以て閉會いたします。
   午後三時十三分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
          尾形六郎兵衞君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           丹羽 五郎君
           松下松治郎君
           加藤常太郎君
           寺尾  豊君
           岩男 仁藏君
           江熊 哲翁君
           小川 久義君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  國務大臣
   農 林 大 臣 平野 力三君
  政府委員
   農林事務官
   (水産局長)  藤田  巖君
ソース: 国立国会図書館
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