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1972/05/11 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 本会議 第16号
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1972/05/11 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 本会議 第16号

#1
第071回国会 本会議 第16号
昭和四十八年五月十一日(金曜日)
   午前十時二分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第十六号
  昭和四十八年五月十一日
   午前十時開議
 第一 消費生活用製品安全法案(内閣提出、衆
  議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、労働者災害補償保険法の一部を改正する法
  律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 田中茂穂君、松下正寿君から、いずれも病気のため十日間請暇の申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(河野謙三君) この際、日程に追加して、
 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。加藤労働大臣。
   〔国務大臣加藤常太郎君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(加藤常太郎君) 労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 近年、わが国における交通事情等の変化に伴い、労働者が通勤の途上においてこうむる災害もまた多くなってきております。こうした情勢を背景に、通勤災害についても、より手厚い保護を行なうべきであるとの声が関係者の間で強くなってまいりました。
 このような状況にかんがみ、労働省は、昭和四十五年二月、通勤途上災害調査会を設置し、通勤災害にかかわる諸問題について検討をお願いしたのであります。同調査会は、二年有余にわたる審議の結果、昨年八月、通勤災害については業務災害に準じて保護する必要があるという趣旨の報告を労使公益各側委員一致によって決定し、提出されたのであります。
 政府といたしましては、この報告の趣旨を全面的に尊重し、鋭意検討を進めてまいりましたが、その成案を得ましたので、これを労働者災害補償保険審議会及び社会保障制度審議会に諮問し、それぞれ了承する旨の答申をいただきました。この結果に基づいて、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を作成し、ここに提案いたした次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 まず第一は、従来の業務災害に加えて、通勤災害についても保険給付及び保険施設を行なうことができるように、労働者災害補償保険の目的を改正することであります。
 第二は、労働者災害補償保険において保護の対象とする通勤の範囲であります。
 この法律案では、通勤とは、労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいうこととしております。
 第三は、通勤災害に関する保険給付についてであります。
 通勤災害に関する保険給付の種類、支給事由及び内容は、業務災害に関する保険給付の場合に準ずることとしております。
 第四は、通勤災害に関する保険給付等に要する費用の負担についてであります。
 通勤災害に関する保険給付等に要する費用に充てるための保険料は、事業主が負担することとしており、その保険料は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定による労働保険料として徴収することとしております。
 なお、療養給付を受ける労働者は、二百円以内の一定額の一部負担を行なうこととしております。
 第五は、通勤災害に関する保険給付の特例についてであります。
 保険関係が成立していない事業場の労働者であって、この法律の施行後に通勤災害をこうむった者に対しても、保険関係成立後の被災者と同様の保護を行なうため、業務災害に関する保険給付の特例に準じた措置を講ずることとしております。
 以上のほか、この法律案においては、その附則において、関係法律について所要の整理を行なうとともに、必要な経過措置を定めております。
 なお、施行期日につきましては、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することとし、この法律案による改正規定は、施行の日以後に発生した事故について適用することといたしております。
 以上が労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
#8
○議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。須原昭二君。
   〔須原昭二君登壇、拍手〕
#9
○須原昭二君 私は、日本社会党を代表いたし、ただいま趣旨説明のありました労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、田中総理並びに加藤労働大臣に質問をいたすものであります。
 田中総理、あなたのおことばをかりて言うならば、田中内閣の政治理念は、人間尊重、福祉優先ということでありました。少なくとも、人間尊重と言う場合、その原点は、人命のとうとさはどんなものよりもまさるということでなくてはならないのであります。
 しかるに、わが国の現状を見るときに、はたして人命が尊重されているかどうかということが問題であります。たとえば、公害の問題一つをあげてまいりましても、かの四日市、はたまた水俣で起きた数々の悲惨な実態をどのように理解をされているのか。産業や経済の発展が人間の命と健康に優先してきた所産であったことは、今日だれしも異論のないところであります。
 公害のみならず、交通事故、労働災害などによる人命の損傷は、自然災害と異なって、社会や産業が生み出す人工的な災害であって、その原因は、社会の仕組み、経済の仕組み、すなわち政治そのものの姿勢にあると言って断じて過言ではございません。中でも労働災害は、社会をささえる生産活動が、生産に従事する労働者の命と健康を破壊するという意味で、明らかに社会的災害の原型と言わなければならないのであります。
 もともと労働災害の防止につきましては、歴代自民党政府もたびたびその絶無を約束されてきたところでありまするが、年々歳々六千名以上にのぼるところの労働者が労働災害でなくなっているという事実は、ここ十数年全く変わっていないのであります。一体全体、この痛ましい現実を総理はどのようにとらえ、どのように政治責任を感じておられるかどうか、まず冒頭にお尋ねいたすとともに、この痛ましい現実を前に、今日なお人間尊重を口にされておる田中総理は、今後何をどのように改革をされていくのか、決意のほどをまず最初に承っておきたいと存ずるものであります。
 今日、わが国の労働災害が、技術革新による新たな生産方式あるいは機械の導入などによってきわめて大型化し、また、鉄鋼、造船、建設などの産業においては、下請労働者の死亡率が最も高いという雇用構造に根を持っておることは、いまや広く専門識者の指摘をしているところであります。労働災害を生産方式、雇用構造にさかのぼって防止につとめるということは、ただ口だけで言うほど簡単なものではございません。田中総理は、みずからの政治理念をどこまで真剣に追求されるかがこのバロメーターとなるのでございます。
 現に、労働災害は量的にも減少のきざしすら見えず、同時にその質においても新たな状況を呈してまいりました。
 最近、神奈川県のタクシー運転手の労働組合が鉛公害の調査をしたところ、調査対象になった全員の血液の中から二十ガンマ以上の鉛が検出されました。御承知のとおり、国の基準では十五ガンマ以上は人体に害があると指摘されておるところであります。また、事務関係の労働者においては、事務労働の機械化によって頸肩腕症候群あるいはまた腰痛症などの職業病が広がり、コンピューター管理の自動車工場や電機メーカーの工場では神経障害にまで広がっておるのであります。そして例の通勤途上における災害は、政府が出しておるところの労働省の労働白書によっても、昭和四十一年労働者一千名当たり月平均三・九六名の事故発生に対し、四十五年には四・二四名と、増加の一途をたどっておるのであります。
 このように、労働災害の新たな状況に対して今日の労働災害補償制度を見ると、基本的に改善をすべき多くの問題点が残されていることであります。すなわち、労働基準法施行規則第三十五条は、本法の第七十五条二項を受けて、労災法による補償対象とすべき疾病の種別を規定いたしておるのでありまするが、たとえば公害と職業病との関係についての対応が全く欠けているなど、新たに発生している労災や職業病を包括する体制になっていないことであります。このために労働者は、現に健康をむしばまれ、労働の能力を失い、あるいは低下させ、賃金や労働条件の低下を来たしておるにもかかわらず、何らの補償もされないまま放置されているのであります。
 もとより、労災補償が業務に基因する疾病を対象とするものである以上、その因果関係の究明は、医学の進歩とか、あるいは医師の良心にまつところが大であることは申すに及びません。しかし、急速な産業技術の変化が先行し、現に、多数の労働者が労働災害や職業病で苦しんでいる以上、労働者を保護する制度としての大原則をうたった労災法は、これら被災者を完全救済し得るものでなくてはならないのであります。特に、さきのイタイイタイ病、水俣病、四日市等の公害裁判の判決に示された推定規定、すなわち、ことばをかえて申し上げるならば、疑わしき者も適用するという原則を採用する考え方はないかどうか、これが重要な問題点でございますが、労働大臣の所見を承っておきたいと思うのであります。
 労災法のいま一つの問題点は、補償の給付水準がすでに時代おくれになっている点であります。このことは、政府みずからがすでに実証をいたしておる事実であります。すなわち、労働省は、昭和四十六年、労災保険の障害者年金受給者のうち、一級から三級までの者を対象とした労働災害家族の生活実態調査を実施いたしておりますが、一級から三級までの被災者というものは、労働能力をほとんど失った者でありまして、その家庭では、妻が家計維持の中心、柱となっているのが現状でございます。しかるに、労災保険年金を含む公的年金、家族の労働収入、あるいは生活保護並びに親族からの援助などを加えても、一カ月の平均総収入がわずか七万七千円程度、特に、そのうち障害年金は全収入の五〇%、約半分にすぎないと政府自身が報告を出しておるのであります。他方、総理府統計局の家計調査によると、都市の勤労世帯の実収入は平均十万五千円、消費支出は九万六千円余りとなっているのであります。一カ月の生計費が十万円近く必要であるにもかかわらず、労災保険はその三分の一に満たない額しか補償しておらないということは、いかに災害に見舞われた家庭が苦しい生活を余儀なくされているか、政府みずからが立証しておるではございませんか。
 それだけではございません。死亡災害の場合は、もっともっと残酷物語そのものであると言わなければならないのであります。民事訴訟による補償額は一千万円をこえ、一連の公害裁判では二千万円に近づいておるとき、労災補償は賃金の千日分、わずか二百万円程度であります。二百万円でどれだけの間家族の生計が補えるでありましょうか。田中総理の現在の生活の実態からいえば、およそ想像もできないことではないでしょうか。まさしく制度の不備が善良な国民に不公平をしいていると言わざるを得ないのであります。給付の改善、それはもはや一刻の猶予も許されるものではございません。田中総理、そして加藤労働大臣、どうでしょう。この点をお尋ねをいたしておきたいと思います。
 第三の問題点は、被災労働者のリハビリテーションについてであります。
 被災者は、働く力が減殺される一方、被災者自体が家族の重荷になっているという事実であります。さきの労働省の調査でも、全体の七六・九%が、被災した夫の世話に困っていると、こう答えておるのでありまするが、不幸にして、重度の障害を受けた労働者は、一生回復することは不可能であり、一生を通じて労働の能力は減殺され、雇用においても賃金においても不利益をこうむり、その家族にとっては、経済的にも精神的にも想像に絶する苦難の道を歩まざるを得ない状態にあるのであります。したがって、労災補償のあり方は、ただ単に一時的な療養や経済的な給付でこと足りるのではなく、いわゆるリハビリや雇用の安定措置を含めた体系的かつ永続的なものでなくてはならないのであります。その点、加藤労働大臣、どのようにお考えになり、今後いかに対処されるのか、御所見を承っておきたいのであります。
 次に第四点は、災害補償の重要な一環である通勤途上の災害についてであります。
 通勤途上の災害を労災補償の対象とすべきことはILO百二十一号条約並びに関連勧告にも明示され、すでに西欧諸国等で広く採用されているところ、しかも、わが党も多年主張してまいったことはすでに御案内のとおりであります。今回、政府が労災補償に準じて保険給付の対象としたことは、私は一定の評価を惜しむものではございません。しかし、政府の今回の法案は重大な問題点がひそんでいることを見のがすわけにはまいらないのであります。すなわち、通勤途上の災害は業務上の災害にあらずとしている点であります。したがって、療養については労働者の一部負担がたとえ二百円であろうとも、たとえそれが十円であろうとも重要な問題点であります。労働基準上の解雇制限規定が適用から除外されていることであります。言うまでもなく、通勤とは、業務の場所とか時間があらかじめ使用者から指示されている結果、事実上、使用者の強制するところでありまして、その途上における災害は当然業務に基因すると見るのが至当であります。このことは、また世界の趨勢でもあることは皆さんも御承知のとおりです。加藤労働大臣、この点は実に再考の必要があると思うが、いかがでありましょう。
 以上、私は、労災法について要約して四つの基本的な視点に立って早急に改善すべきだと考えるものでありまするが、幸いにして、加藤労働大臣は去る四月三日の衆議院本会議においてわが党の村山富市君に答え、労災保険審議会に災害保険の全般について再検討をお願いしている、全般的に再検討を依頼しているという答弁をされておるのであります。少なくとも、次の通常国会までに全面改正案を提出されるかいなか、この際、明確にお答えを願いたいと思うのであります。
 最後に、田中総理に一言。総理、この労災問題だけを取り上げてみても、基本的な大きな問題点が置き去りにされています。総理、ほんとうにあなたが心の底から人間尊重を政治の中心課題として真剣に考えていると言われるならば、最近特に顕著なただ単なる形式的な答弁ではなく、問題解決への決意と具体的な方針への決断を明らかにすべきであります。なお、それをもつまびらかにせず、引き続き人間尊重、福祉優先のことばを乱用されることは、一国の宰相としての責任とそしてその資格をみずから放てきするものと断ぜざるを得ません。この際、まず労災問題の根本的解決、この一つだけでも、たとえ一つだけでも国民の前に明らかにすることによっていま国民から疑念を持たれているあなたの人間尊重へのあかしを立てるときではないでしょうか。ここに総理の決断を促しながら私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(田中角榮君) 須原昭二君にお答えをいたします。
 第一は、水俣等における公害被害の実態等についてでございますが、わが国は、欧米先進国の経済水準に達することを第一の目標にいたしまして、急速な経済成長を行なってまいりました。その成長の過程におきまして、公害など各種のひずみが生じてまいりましたことは否定できないところでございます。政府は、この事実を率直に直視をいたしまして、人間尊重、福祉優先の立場に立って公害の未然防止、公害による被害者の救済、生活環境の整備など、国民福祉の充実に全力を傾けておるのでございます。
 第二は、労働災害の実態をどう認識し、その責任をどう感じておるか、また、対策はどうかという趣旨の御発言でございますが、労働災害につきましては、種々の防止対策を講じているため、最近は減少傾向にあります。しかし、反面、技術革新の進展に伴いまして、新しい災害や職業病などの問題も発生しておることもまた事実でございます。このような事態を十分把握いたしまして、今後とも安全衛生対策を積極的に講じ、労働災害の減少に一そうの努力をいたしてまいりたいと考えるわけでございます。
 第三は、労災補償制度について補償給付を改善せよとの趣旨の御発言でございますが、労災保険制度は、制度発足以来、数次の法律改正によりその改善につとめました結果、現在では、給付水準はほぼILO条約が定めておる水準に達しておるのであります。しかしながら、給付水準をはじめとして多くの要望が存在しておることは承知をいたしております。今後とも、制度が経済社会の進展に即応できますように改善を検討してまいりたい、こう考えるわけでございます。
 最後は、労働災害の絶滅と被災労働者の救済についての御発言でございますが、働く人々の安全と健康を守ることは、人間尊重の理念に照らしても最も基本的な課題と考えておるのであります。今後とも労働災害の絶滅をはかり、働く人々に安全で快適な職場を確保するための施策を積極的に進めてまいります。また、不幸にして被災いたしました労働者の保護につきましては、万全を期してまいりたいと考えます。(拍手)
   〔国務大臣加藤常太郎君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(加藤常太郎君) 須原議員にお答えいたします。
 労働災害の防止の問題についてまずお答えいたしますが、労働者の福祉の向上を任務とする労働行政の最重点課題として従来も取り組んできたのでありますが、このような見地より、御承知のように、昨年は労働安全衛生法を制定いたしまして、この三月には、同法に基づき労働災害防止計画を作成いたしました。今後は、これらの上に立って総合的な労働災害防止対策を積極的に展開し、労働災害を大幅に減少するように一そう努力いたす所存であります。
 第二は、労働災害の抜本的対策の問題はどうか、こういう問題でありますが、昨年制定されました労働安全衛生法におきまして、事業者の各種の災害防止義務を明確化するようにいたしまして、発注者などの責務を的確に定め、下請け関係を含めた安全衛生管理体制の確立をはかる等、幅広い災害防止対策を講ずる考えであります。今後は、同法の完全な運用をはかり、労働条件の向上、雇用制度の近代化、その他労働行政全般の推進と相まって、労働災害の防止につとめていく所存であります。
 第三は、業務との関係の因果関係でありますが、労災保険は、業務との間に因果関係が認められる疾病を業務上の疾病として補償の対象にいたしておることは、御承知のとおりであります。しかし、その場合、業務との因果関係の認定の困難な疾病、これがなかなか問題でありますが、これにつきましては、認定基準を整備し、労災医員の委嘱等の措置と相まって、労働者の保護に欠けることのないよう配慮していく所存であります。
 第四でありますが、労災保険の給付水準の問題でありますが、これはただいま総理からもお答えになりましたように、数次の法律改正により、労災保険の給付水準は、ほぼILO百二十一号条約の水準に達しておりますことは御存じのとおりであります。しかしながら、まだ多くの要望もございますので、先般、労災保険審議会に労災保険全般について再検討をしていただくことにいたしましたので、今後労働省としては、この結論を待って、さらに改善につとめてまいる所存であります。
 第五は、リハビリテーションの問題でありますが、この問題は、労災保険はなおったあとにおいても各種のアフターケアを実施いたしておりますが、これに対しまして社会復帰資金の融資、かような問題を加えまして、体系的に行なっていく所存であります。これらの措置の充実をはかって、そして御趣旨のような線に沿ってまいりたいと思います。
 第六の問題は、今回の通勤途上災害の調査会の問題でありますが、調査会は、御承知のように、公労使全員一致のもとに到達された結論は、通勤災害は、使用者の支配下において発生したものではないのでありまして、業務災害としてとらえることは、現行法上はなかなか困難な点があります。しかし、性格、実態等から、労災保険の仕組みを利用して、被災労働者に業務災害の場合に準じた保護をする必要があるということで、政府といたしましては、この考え方が適切であると考え、同調査会の結論を基礎に法制化し、関係審議会の御了承を得た上で今回の改正案を提出いたしました次第であります。
 第七でありますが、今回の労災保険制度の検討の問題でありますが、次の国会に出すか出さぬかという問題でありますが、労災保険制度の検討につきましては、労働者災害補償保険審議会に労災保険基本問題懇談会を設けて、労災保険全般について再検討をいたしております。労働省といたしましては、その審議会の結論が出された場合には、できるだけ御趣旨に近い線に沿って、次の国会にも出すように必要な措置をとりますことを、この席で皆さまに申し上げます。(拍手)
#12
○議長(河野謙三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#13
○議長(河野謙三君) 日程第一 消費生活用製品安全法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長佐田一郎君。
    ―――――――――――――
   〔佐田一郎君登壇、拍手〕
#14
○佐田一郎君 ただいま議題となりました消費生活用製品安全法案について、商工委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法案のおもな内容は、製品による一般消費者の生命または身体に対する危害の発生を防止するため、特定製品についての検定、製造事業者の登録等を行なって、その製造及び販売を規制するとともに、検定等の実施を目的とする製品安全協会を設立するための措置などを講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人の意見を聴取するとともに、危害防止対策の現状、製品安全協会の業務などについて質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、消費者保護に万全を期するため、危害防止命令、緊急命令を弾力的に発動する等の趣旨の附帯決議が付されました。
 以上、御報告を終わります。(拍手)
#15
○議長(河野謙三君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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