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1972/06/15 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 本会議 第20号
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1972/06/15 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 本会議 第20号

#1
第071回国会 本会議 第20号
昭和四十八年六月十五日(金曜日)
   午前十時八分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第二十二号
  昭和四十八年六月十五日
   午前十時開議
 第一 地方交付税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第二 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 道路整備緊急措置法等の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 刑事補償法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第五 農林省設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正す
  る法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。山中国務大臣。
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(山中貞則君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
 第一は、自衛官の定数を陸上自衛隊千人、海上自衛隊三千六十五人、航空自衛隊二千九百十八人及び統合幕僚会議五人、合計六千九百八十八人増加するための改正であります。これらの増員は、沖繩地域における防衛及び災害派遣等の民生協力の任に当たる陸・海・空自衛隊の所要の部隊を沖繩に配備することに伴うもののほか、海上自衛隊の艦船の就役、航空機の就役等に伴うもの、航空自衛隊の航空機の就役、ナイキ部隊等の編成等に伴うもの及び統合幕僚会議の情報機能強化に伴うものであります。
 第二は、自衛隊の部隊等で重要な役割りをになう医官をみずから養成し、自衛隊における医官の不足を抜本的に解消するため、防衛庁本庁の附属機関として防衛医科大学校を設置することであります。防衛医科大学校の修業年限は六年とし、入学資格、設備、医学教育の内容、教員の資格等については、学校教育法に基づき医学教育を行なう大学の例にならうこととし、この大学校の卒業生には、医師国家試験の受験資格を与えることとしております。さらに、防衛医科大学校においては、同校卒業生等に対し、医学に関する高度の理論及び応用についての知識等を修得させるための教育訓練等を行なうこととして、自衛隊医官に研さんの場を与え、その資質の向上をはかることとしております。
 第三は、防衛庁本庁の附属機関として、自衛隊離職者就職審査会を設けることであり、これは、学識経験者を含めた五人の委員をもって構成し、自衛隊員の離職後の営利企業の役員等への就職について審査する機関とするものであります。
 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
 第一は、沖繩地域における防空任務を完全に実施するために、沖繩に配備する航空自衛隊の航空機部隊、航空警戒管制部隊、ナイキ部隊及び基地隊等の有機的な運用をはかり、一元的に統括し得る指揮機能を現地に置く必要があるので、航空総隊の編成に、司令部及び航空隊その他の直轄部隊からなる航空混成団を加えることとし、新たに司令部の所在地を那覇市とする南西航空混成団を設けることであります。
 第二は、防衛医科大学校卒業生は、卒業後九年間は自衛隊員として勤続するようにつとめるべきものとし、九年以上勤続した場合を除き、離職者からは原則として所定の金額を国に償還させることとしております。これは、自衛隊医官をみずから養成し、自衛隊において医官を確保しようとする防衛医科大学校の設置の趣旨から見て、必要な措置であると考えます。
 第三は、現在、離職した自衛隊員が営利企業の役員等へ就職しようとする場合には、防衛庁長官の承認を要することになっておりますが、この承認を、前述の自衛隊離職者就職審査会の議決に基づいてすることとしようとするものであります。これは、自衛隊員の営利企業への就職の際の承認について、部外者を含む特別の機関の審査にかからせることによって、その公正さを担保しようとするものであります。
 第四は、自衛隊の予備勢力の確保のため、陸上自衛隊の予備自衛官三千人、海上自衛隊の予備自衛官三百人、合計三千三百人を増員するための改正であります。
 これらの改正のほか、防衛医科大学校及び自衛隊離職者就職審査会の設置、南西航空混成団の新編等に伴い、防衛庁設置法、自衛隊法等について、若干の規定の整備を行なうこととしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
#6
○議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。上田哲君。
   〔上田哲君登壇、拍手〕
#7
○上田哲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました防衛二法案につき、総理大臣及び関係大臣の所信をただしたいと思います。
 私は、これまで多くの機会を通じて、わが国の自衛隊がいまや近代戦遂行能力を具備するに至っている、つまり憲法九条に禁止する戦力を保有するに至っていることを明らかにしてまいりました。
 ここでは、政府のいわゆる防衛政策が、一つには対米関係において無理押しの肩がわりを進め、もう一つ国内的には、いまや全く時代錯誤の軍事優先体制を深めようとしていることを明らかにしつつ、この両側面から政府の姿勢を問いたいと存じます。
 まず、対米関係において総理にお伺いを申し上げたい。
 総理は、きょうこの日正午が、ベトナム完全和平の成った記念すべき日であることを御存じでありましょう。SALT交渉の米ソ両国における大きな前進、全ヨーロッパ安全保障会議は、来月三日、ヘルシンキに東西ヨーロッパ三十二カ国、アメリカ、カナダを加えて開会される予定であります。
 このようなとき、膨大な四次防を策定し、その政府のとる安全保障政策方針は、従来の脅威論から、力の均衡による抑止力論をとる方向に転じております。この考え方は、戦後アメリカが一貫してとってきた力の論理であり、世界的な緊張緩和に目をつぶり、冷戦型の思考にしがみつく姿勢であります。
 いま、ペンタゴンのとるトータル・フォース・コンセプト、全体戦力構想は、従来どおりのアメリカのヘゲモニーを、アメリカだけの力ではなく、同盟国の戦力強化、防衛負担の増大によって果たそうとするものでありますから、アメリカの軍事的敗退の今日、この構想の一翼をになおうとするわが国の立場は、軍事的にアメリカのリスクを負担しようとすることにほかなりません。これは世界の潮流とは全く逆行するものであります。世界の軍事支出に見ると、その総額は、一九六九年の二千百十億ドルをピークに、大きく減少の方向を示しております。世界の英知は、精力的にいま軍縮に向けられているのであります。世界はいま大きく変わろうとするのであります。われわれは、いま、力による解決のしかたが力にならないという時代に入ろうとしています。世界とわが国の平和維持のあり方について語るとき、われわれは、いまや力による均衡抑止論から脱却すべき歴史的な分水嶺に立っていると言えるでありましょう。総理は、この基礎認識について私と共通の理解に立たれるかどうか、そのことをまず第一にしっかりと承っておきたいのであります。
 次に、そこでわが国が黒白を迫られる立場が出てまいります。アメリカ側からの執拗な防衛力増強要求は、いまや決定的になっております。一月八日、アメリカ下院軍事委員会でのレアード前国防長官の証言、リチャードソン国防長官が国防報告で明らかにした方針、さらに五月三日のニクソン外交教書は、大胆に、日米間の安全保障問題に大きなスペースをさいて、防衛負担の増大を要求してきております。これに対する態度を、日本政府ももはやはっきりさせなければならないところにきております。総理は、この抜き差しならないアメリカの防衛力増強要求について、はっきりノーと言えるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。これが二つ目の質問であります。
 さらに、もう一歩具体的に踏み込んでお伺いするならば、アメリカの要求は、今後岩国、三沢におけるような米軍駐留費の負担、自衛隊の大幅な肩がわり、ドル防衛政策への協力というような形であらわれてくるでありましょう。
 ここで注目すべきこととして、先月末の事務レベル安保協議をはじめとして、来月末の、あなたとニクソン大統領との会談に至るまで、両国間にきわめて重要な会議が連続をいたします。ことしの日米財界人会議は、この二十一日から三日間、ワシントンで両国トップが参加して開催をされます。今回の日米財界人会議は、きわめて政治色の強いものが予想され、この主要議題に、アメリカの安保のかさ代として、日本側の経済的負担の問題が持ち出されることは決定的であります。
 田中総理は、昨年九月のニクソン大統領とのハワイ会談において、十億ドル以上の対米購入を約束させられております。最近のアメリカ側の強い態度からして、七月末の会談では、さらに強い要求がアメリカ側から出ることは必定でありますが、懸案のAEW、PXL等の航空機やミサイル等、大量の兵器の輸入を約束されるのではないかという危惧を持たれています。総理はこれに対してどういう立場で話し合われるのか、兵器の大量輸入要請に対して、はっきりノーと言われるのかどうか。イエスかノーかの問題として、ひとつ、今日防衛二法の審議が始まるやさき、しかもニクソン大統領との会談に時日がございません。あいまいな表現でなく、ノーと言われるのかどうかについて、はっきり御答弁をいただきたいと思います。これが第三。
 第四に指摘したいことは、このような状況の中で、自衛隊はかなり無理押しの対米肩がわりを進めているという実態であります。沖繩がその端的な例でありましょう。いま沖繩を訪れる人はだれでも、この基地の島に、すっかり自衛隊の配備が完了していることに驚くのであります。表玄関の那覇空港にはいまもアメリカのP3がどんと居すわり、これと並んで自衛隊のF104Jが二十一機も並んでおります。航空機だけではありません。陸海空ともすでに目標の配備をほとんど完了しております。本院に声を大にして訴えなければなりませんが、実はこの配備は、ただいま提案されております本改正案の成立によって初めて可能となるべきものであります。特に、主力となる航空自衛隊の配備については、明白な自衛隊法違反行為であります。政府は、おそらく間引き配備などという説明をされるでありましょうが、そのことは法律上通用をいたしません。すなわち、自衛隊法上、陸の師団、海の地方隊、空の航空団以上の設置については明確に法律事項とされております。ところが、本改正案の成立によって南西航空混成団として沖繩に配置さるべき航空自衛隊は、目下、臨時第八十三航空隊、臨時沖繩警戒管制隊、臨時那覇基地隊、臨時那覇救難隊などと、すべて臨時の冠詞を付して居すわっております。南西航空混成団は、定員二千九百四十人、その設置は、法律事項である航空団以上の規模である上、機能としても、戦闘機隊、ナイキ隊を含み、一段上の航空方面隊の性格を持つものであります。しかるに、法律成立以前の今日、その審議が本日本院で始まったばかりの今日、すでに法律定員二千九百四十名中二千六百人が移駐を終わり、F104J二十五機のうち二十一機が配備され、本年一月からはすでに米空軍から防空警戒体制アラートの任務の完全に肩がわりを行ない、さらにレーダーサイト、ナイキ部隊の引き継ぎも完了をしているのであります。本改正案が通過しなければ存在しないはずの大航空団が、臨時という看板を掲げてそのまま沖繩に存在しているということは、法律違反であることはもとより、重大な国会軽視と言わなければなりません。(拍手)
 政府が、このようにして無理を強行するのは、久保・カーチス協定により、自衛隊が沖繩米軍戦略部隊の防衛任務を果たさなければならないためでありまして、まさに対米軍事従属姿勢のあらわれであります。これでは久保・カーチス協定が国会の上に位置することになります。政府は、直ちに非を認め、この体制を撤収すべきでありまして、そのことが、本改正案審議の本院における前提でなければならないと思います。もし、万一、政府が率直にこの処置をとられないなら、対米軍事従属合同体制は、たとえ国会の権威を無視するとしても、もはや日本政府にとっては、抜き差しならないものになっていることを、政府みずから認めるものと断ぜざるを得ませんが、総理いかがでありましょうか。
 これについては、山中長官からも詳しく御答弁をいただきたいと思いますが、山中新長官は、沖繩交渉の責任者であります。目玉のP3がいまも那覇空港に居すわっていることに責任を感じられているはずであります。すみやかに、いつ、どこに移転するのか、この席で明らかにしていただきたいと思います。
 第五に、核のかさについてわれわれの立場から提言をしておきたいと思います。
 政府の認識とは別に、最近の世界の情勢は、いわゆる核大国不戦の状態になっていると申せます。つまり、核による抑止作用は大国間だけに存在するだけでありまして、わが国のような非核保有国の安全保障にはつながらないと言ってよいのであります。現にカナダでは、アメリカとの北米防空協定をめぐって、この協定によるアメリカの核のかさから脱退しようとの国内世論が高まっておりまして、この世論を受けて議会の論議が盛り上がり、先月末の期限切れを過ぎてなお現在も調印に至っていない事実があります。アメリカに土地を接するカナダにおいてもしかり。政府が非核保有の原則を今後も守ろうとされるならば、この際、アメリカの核のかさへの依存という旧世界意識を脱却し、核第一使用禁止の国際的取りきめの提示、北東アジア地域における非核化地帯の設置等を積極的に各国に働きかける立場をとるべき時期が来ていると考えます。見識ある御意見を承りたいと思います。
 あわせて外務大臣に、新大西洋憲章構想についての外交方針も伺っておきたいと思います。
 さて、このような一連の対米姿勢にかかわる諸問題とともに、国内的にはいまや時代錯誤と言うべき軍事優先体制の進行が目立っております。この面からさらに数点の質問を行ないたいと思います。
 まずその第一は防衛産業の強気であります。いまからわずかに十日前の六月六日の夜、東京経団連会館で開かれた経団連防衛生産委員会のパーティで、河野文彦委員長は、政府防衛庁に対し、兵器国産化を促進してほしい、防衛予算の拡充に努力してほしい、防衛生産安定のため四次防と五次防のつなぎ措置を認めてほしい、と要望をいたしました。防衛産業界がこのように公然と安定化要請を行なったのは初めてのことでありますけれども、このとき山中長官代理として箕輪次官が出席をしており、よく検討したい、と述べたと伝えられております。防衛産業界は、ローリングシステムの導入を要望していますが、山中長官は、この段階で五次防をやめ、単年度主義の採用を事務当局に指示したとも伝えられております。一体何をどのように検討しようというのか、新防衛庁長官にしっかりお伺いをいたしたいと思います。
 このようなとき、一週間前、防衛学会なるものが発足をいたしました。おりから、三菱重工古賀会長を団長とする防衛懇談会の軍事視察団がアメリカを訪問中でもあります。にわかに、産軍学の一連の動きが活発になってきたと感じられます。私はここで、装備費からする四次防の見直しと、わが国産業構造の今後に防衛産業の占める比重のあり方について、十分注意を喚起する必要があると信じます。
 政府は、四次防は三次防の単なる継続であるとして、装備についても三次防までに装備されたものの減耗分の近代化更新であるとしてまいりましたけれども、実際には、装備費の調達総額は三次防五千億円の二倍に達する一兆一千億円にものぼっております。さらに原材料、人件費の値上げによって上積みが予想されております。政府はしばしば防衛産業を皮革産業、皮・ベルト産業にたとえて、産軍複合の危険がないと強弁してまいりました。しかし品目別に見ますと、少なくとも航空機は六七・二%、しかも四次防装備費中五五・四五%にのぼっておりまして、さきに指摘いたしましたように、防衛産業界の要望が主として航空機生産に向けられているのを見れば、産軍複合の危険が質的に高まっていることは、十分に指摘されなければなりません。
 そもそも装備の国産化については、四十五年七月、防衛庁は装備の生産及び開発に関する基本方針と、これに付随する防衛産業装備方針並びに研究開発振興方針というものを決定いたしました。積極的に防衛産業の育成をはかろうとしてきております。この方針の中では、適正な競争原理の導入と特定企業に集中することのないよう適正な防衛生産基盤の確立に留意する旨が述べられているのでありますが、この方針も実際には、三菱重工業、石川島播磨重工業、川崎重工の三社が発注の大部分を占めることによって骨抜きとなっております。装備発注全額のうち、三社が上位十社中に占める割合が四十四年度七六・一%、四十五年度六五・八%、四十六年度七〇・五%というのを見れば、まさに典型的な産軍複合体そのものではありませんか。これを好ましいとお考えになるでありましょうか。このような中で、今後とも政府は、三社集中の四十五年の基本方針を取り続けられるのかどうかについて明確に御見解を承りたいと思います。
 このように、産軍複合、防衛予算増、新装備品の値上げなどを公然と主張することを許す風潮は、増原発言に見られるような憲法感覚の摩滅を異としない閣僚の登場ともなり、旧軍意識の復活に道をあける事例を少なからず生み出しております。一つの例として、海上自衛隊の四十九年度業務計画案の中に、防衛庁の国防省への昇格、自衛隊の名称、階級名の呼称の改正等の要求があったと伝えられております。二佐を中佐にせよというような種類の希望自体、その根底に、本来憲法になじまない危険な発想がひそんでいるものとして軽視することはできません。少なくとも、海幕段階ではあれ、このような要求がまとめられた事実があるとするならば、われわれはその時代錯誤の軍事優先感覚にがく然といたします。そのような旧軍思想が二十年を経て、なおどうして防衛庁内で育ち得るのか、きびしい反省が求められなければなりません。その事実と措置について明らかにしていただくよう要求をいたします。
 また、軍事優先感覚の露呈した例は、成田空港に向けて百里基地の訓練空域が立体交差して設定されたことであります。雫石町の事故以来わずかに二年足らず、新国際空港に時代錯誤の首都防衛論がおおいかぶさり、民間航空路の危険が顧みられないことは重大であります。新長官の即時善処を求めたいと思います。
 最後に、本改正案によって設けられようとしている防衛医科大学について指摘しなければなりません。
 自衛隊が、学校教育法上の医科大学でない施設で、特別な目的のために医師を養成することは、医学教育の秩序を乱すものであることは疑いをいれません。これは、質の低下を招くおそれがある上に、この点について責任の所在も求められないだけでなく、特に、一般国民への利益給付は何も期待できないのであります。
 また、現在、自衛隊の医官は不足とは言いながらも、二百七十一人は確保されているのでありまして、これは自衛官八百五十八人に一人の割合となり、国民一般が九百二十人に一人の医師の割合の中にあるのに比べるならば、決して低い水準ではありません。また、自衛官が年間医師にかかる回数は、一般の五・八一回に対しまして、二・七回と、半分にも満たないという実態もあるのであります。ここに百九十億円の国費を投ずることは、国民全般の医師不足の実態から見て、医療行政上均衡を失する優先処置と考えなければなりませんが、厚生大臣の見解を承りたいと思います。
 以上、今日の防衛政策上の問題点をおおむね対米、対内的に分けて指摘してまいりましたが、ひっきょうするところ、防衛二法案は、外にあっては、全世界が、かけがえのない地球に人類の英知をかけて新しい協調の秩序をつくり出そうと努力を傾けているとき、その潮流に逆行して、進んで古い秩序の同盟軍となり、内にあっては、公害と物価の波にあえぐ庶民の心からいまやはるかに遠い自衛隊を黒い防衛産業の守備隊となり終わらせるための、名目だけの増員計画にすぎません。二十年の防衛政策のくずるる日であります。
 政府は、この防衛二法案をすみやかに撤回し、新しい平和政策の出発点とすることが、ベトナム完全和平合意の日の歴史的な決断であることを強調して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(田中角榮君) 上田哲君にお答えをいたします。
 まず第一は、均衡抑止論はもはや適用しないという趣旨の御発言でございます。
 御指摘のとおり、今日の国際情勢は、緊張緩和の方向にあると私も考えております。しかし、その緊張緩和という状態は、大国間の軍事力の均衡の上に成り立っておると思うのでございます。ベトナム停戦は、力の均衡の上に立った諸大国間の話し合いが背景にあり、全欧安保会議開催、SALT協定の成立などは、それぞれNATOやワルソー体制間、米ソの均衡抑止を背景にして生まれておりまして、これらの現実を無視することはできない、こう思うわけでございます。
 第二問は、米国の防衛分担要請にどう対処するかという趣旨でございますが、わが国といたしましては、日米安保条約を維持しつつ、憲法で許容されておる必要最小限度の自衛力を整備をしていくとの方針をとっておることは、御承知のとおりでございます。このようなわが国の立場については、米国も十分の理解を示しておりまして、わが国に対して、いわゆる防衛分担を求めるといった考えは示しておらないということでございます。
 次は、訪米でPXLやAEWの輸入を約束するのではないかというような趣旨の御発言でございますが、御承知のとおり、昨年の十月、四次防主要項目決定の際に、国防会議議員懇談会の了解事項といたしまして、次期対潜機、早期警戒機等の国産化問題を白紙といたし、今後、輸入を含めこの種の高度の技術的判断を要する問題につきましては、国防会議事務局に専門家の会議を設ける等によって慎重に検討するという申し合わせが行なわれておるわけでございます。その意味で、専門家会議の検討結果等を待って処理をいたしたい、慎重にやってまいりたいと考えます。
 それから、核のかさから脱却して、非核地帯の設置を提案したらどうかという意味の御発言がございましたが、核のかさからの脱却ということは、すべての核兵器国が核兵器を撤廃することによりましてはじめて達成されるものだと、こう考えております。現状は、力の均衡の上に国際社会のワク組みが構成されておりますので、核のかさからの脱却、非核地帯の設置を提案するというようなことは現に考えておりません。
 次は、自衛隊の沖繩配備についての御発言がございましたが、これは防衛庁長官に認められております権限で、沖繩が祖国に復帰をしたということに伴いまして配備をされたものでございますが、詳細につきましては、防衛庁長官より答弁をいたします。
 最後に、防衛産業の問題でございますが、わが国の工業生産に占める防衛生産の比率は、間々申し上げておりますとおり〇・四%ということでございまして、諸外国に比べてきわめて小さいのでございます。この数字から考えてみても、産軍複合体制と言われるような事態はない、このような見解でございます。
 残余の問題に対しては、関係大臣から答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(山中貞則君) 沖繩に対する陸・海・空自衛隊の配備が、現時点において初めて国会の審議に付されておる、いわゆる防衛二法といわれる法律の審議成立を終わっていないのに、すでに配備していることは、国会軽視であり、あるいは法律違反ではないかというお話であります。
 私どもとしては、したがって国会のほうには、南西航空混成団等の部隊の新たな編成、必要な定員等について法律でお願いをいたしておりますから、それが通りませんと、その名称も、その定員も、実人員としての確保はできないわけであります。したがって、上田議員はこういう答弁を予想して、そう言うだろうとおっしゃったのですけれども、やはりそう言わざるを得ませんが、現在の充足されております実人員の中で、やりくりをして現地に派遣をいたしております。もちろんこれは、防衛庁長官に与えられた権限の中の行使でありますけれども、沖繩の復帰に伴う特殊な措置でありますから、したがって、国防会議、国防会議議員懇談会等の議を経て、それを展開していったものでありまして、私どもとしては、法律違反ではないと思いますし、最終的にシビリアンコントロールの権限は国会であると考えまするから、法律の制定通過を願って、いま審議をお願いしておるわけであります。したがって、それまでの段階においてとりましたやりくりによる配備というものは、その指揮系統においても、ただいま航空方面隊の実力と同じだとおっしゃいましたけれども、そういうものではありませんが、方面隊の指揮下にありまして沖繩現地の指揮官がそれぞれ指揮しているものではないわけでありますので、それらの実態においても、姿においても、私どもとしては、国会で最終的に御承認願わない前になし得る限度においてやっておるのだということを申し上げたいと思います。
 次に、P3は、おまえもかつて責任のある立場にあったことがあるから、責任を感じているだろうとおっしゃいました。そのとおりであります。ことに、復帰の日においてP3が沖繩の那覇空港からいなくなっているということは、これは日米間の了解であったわけでありますが、それが今日まで居すわっているということについては、私自身もきわめて遺憾に思います。したがって、就任いたしまして直ちに、このP3の嘉手納基地への移駐について、それぞれの駐機場、格納庫等の建設もありますが、あるいはまた、一方において海洋博が迫っておりますし、沖繩の地域に対して五百万ぐらいの人たちが世界から来る。そのときに、やはり那覇空港のターミナルビルというものを、現地の人たちも新しく適正な場所につくりたいと言っておりますし、そうなれば、どうしてももっとすみやかに、いま、一応二年ぐらいの期間を置いて、海洋博までにはP3が撤去するというような申し合わせもあるようでありますが、もっとテンポを早めて、そうして海洋博までには、ターミナルビルそのものもP3が撤去したことにおいて完成するわけでありますから、海洋博に間に合わせるようにという新たなる方針を定めまして、いま運輸省、外務省等関係各省と相談をいたしておるところであります。
 次に、防衛産業界の問題でありますが、総理から一応御答弁がありました。私どもは確かに、昭和四十五年七月、当時の中曾根防衛庁長官――いまここにおられますが――のもとで、装備の生産及び開発に関する基本方針というものをつくったことはあります。この方針は、なるべく安定した長期的な購買というものが保証される立場からいえば、兵器というものは国産が望ましい。しかし、反面、国民の税金で装備するのでありますから、それらの国際的な比較、装備の優秀性、値段の問題、そういう点はやはり自由に私たちとしては判断をしていくべきだ、こういうふうに思うのであります。
 それに関して、防衛産業の会合でありますか、そこで、会長でありますかが発言をされた内容について、一、二気に食わない点があります。意見を言うのはけっこうでありますが、その中でも、現在の四次防進行中に、さらに五次防を何かつないで考えていけというような発言等は、まさに政府の、しかもまた国会の最高の意思を反映してきめられるべきわが国の防衛体制に、産業界がものを申すという立場になるのでありまして、私どもは、日本の兵器産業というものは、平和国家として憲法のたてまえから、兵器輸出産業の措置はとらないという制約のもとに置かれている産業でありますから、売る相手はほとんど国しかないという産業である特異性を考えるならば、そのような立場からもっと謙虚であってほしいし、私どもは、防衛産業界がどんなことを言いましても、私どもの当初設定した四次防のあるべき姿を変えるべきものでなく、また、関連しておまえのちょっと意見を聞きたいと言われました五次防をどうするかという問題については、私としては、予算の形態その他から考えまして、たとえば陸上自衛隊を今回十八万人という定員を認めてもらいまするならば、一応は、一次防以来唱えてまいりました十八万人体制は、地域が、沖繩県が加わったとしても、定数上は何とかめり込ませて充足できるということを考えておりますので、陸上自衛隊の定員増に関する五次防計画というものはもう存在しない、要らないという現実もあります。したがって、長期的な展望の要るもの、そうでない単年度でいけるもの、そういうものを区別して考えていく方法もあるのではなかろうかという予算編成のあり方、あるいはまた、四次防の終わったあとの設定のしかた等について検討を私がしておるということでございます。
 それから階級制復活というような要望が、制服の一部であったではないかということでありますが、これはございません。私は聞いておりませんし、また、いまの、たいへん私もわかりにくいとは思いますが、まあしかし、興味を持つ人は大体知っているというぐあいになっておる階級制度だと思います。したがって、これを、あらためて大佐、中佐、少佐とかというような呼称に変えるべきであるとも思いませんし、事実そのような意見は存在しておりませんし、私の手元にももちろん上がってきておりません。そのようなことは今後も考えません。
 成田空港が開設されたことを予定しての空路の設定にあたって、自衛隊の百里基地との間に交錯するおそれがあるのではないかという話でありますが、これはきわめて重大なことでありますし、私も、雫石事件の当時に、総務長官として、防衛、運輸両省いずれにもあずけないで、審議会を総理府に置いて、新しく航空管制空域の設定、自衛隊機は原則として洋上に出る、そして、出る場合の回廊を設けるというようなことの作業を承知いたしておりますので、少なくとも、百里基地の存在と成田空港の存在とがきわめて危険な状態において設定される、そういうことは絶対にあり得ませんし、事務当局でその問題をいま検討中でありますから、御心配を万々及ぼすことのないようにしたいと考えます。
 防衛医科大学については、御主張のような考え方もあるいはあろうと思いますが、しかし、私どもとしては、やはり防衛庁の隊の性格から見て、防衛医官というものはどうしても、遺憾ながら必要であるというふうに考えます。したがって、私どもとしてはそれに対して、国家試験というようなものも、やはり国家試験を受ける資格も与えるようにしておりますし、そうやたらと、ずさんなお医者さんらしいものを生産するというつもりはありませんで、したがって、国家試験を受けて、きちんとして勤務していった者は、将来地方に出て開業医にもなれるわけでありますし、また、この大学を設置いたしますと、付属病院等もつくるわけでありますが、これらは一般の医科大学の付属病院と同様に、地域民間の方々にもお使いいただくような研究病院としたい、そのように考えておるわけであります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(大平正芳君) キッシンジャー補佐官が提唱した、いわゆる新大西洋憲章についてのお尋ねでございます。
 この構想のねらいは、今後五年ないし十年間にわたって、日米欧三者間の盟邦関係についての指針というようなものを打ち出したものと考えられます。
 私どもといたしましては、安全保障につきましてわが国のとっておる立場を踏まえた上で、政治、貿易、通貨、エネルギー、開発途上国援助等の分野におきまして、日本とアメリカとヨーロッパとの新たな協力関係というものにつきましては、十分検討を進めてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(中曽根康弘君) 兵器の国産化と産軍複合体の御質問であったと思いますが、兵器の国産化につきましては、長所としては防衛基盤の整備、補給の確実性及び技術開発という面がございます。しかし短所としては、単価が割り高になるということや、いわゆる産軍複合体の危険性ということが指摘されております。われわれといたしましては、兵器の性能はどの程度できるかという評価の問題それから費用と効果の比較等を考えまして、国産化すべきか、あるいは外国から輸入すべきか、決定していきたいと思っております。最近は、国際収支の点も考慮に入れたらいいのではないかということも、一面考えております。過般、国防会議におきまして、PXLやAEWにつきましては、一応これを白紙に還元いたしまして、専門家の会議にゆだねて決定するということにいたしましたのも、このような考えに基づいて白紙に還元したものでございます。
 なお、上田議員御存じのように、武器の輸出につきましては三原則を厳重に守っておりまして、この点は今後も励行いたします。
 信念の強い山中長官が誕生いたしましたから、相ともに協力いたしまして、産軍複合体のようなものが発生しないように努力をいたします。(拍手)
   〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(齋藤邦吉君) 防衛医科大学校は、自衛隊における医官の定員が充足されませんで、自衛隊としての医療需要を満たし得ないという現状を打開するために設置し、その内容も、医科大学の教科内容と同じにしようという趣旨に了解をいたしておるわけでございます。しかもまた、防衛医科大学の付属病院などは、広く一般国民が利用し得るということになっておりますし、さらにまた、防衛医科大学の卒業生も、自衛隊における義務年限経過後は、一般の医師として国民医療に貢献できるものと考えておるのでございまして、医療行政上特に支障はないものと考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(河野謙三君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#14
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨説明のありました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、総理並びに関係大臣に質問を行なうものであります。
 防衛二法案に触れる前に、わが国の防衛に関する基本的な問題についてお尋ねいたします。
 米中接近、日中国交正常化、ベトナム和平の実現等を転機として、アジアにおける国際緊張は急速に緩和の方向に向かっています。このような国際情勢の中にあって、国民が望んでいたことは、田中内閣が日中国交正常化を契機として、アジアの平和と繁栄を築くための積極的なアジア平和外交を展開することでありました。ところが、国民の期待はみごとに打ち砕かれ、田中内閣は、訪中後直ちに、アジア諸国がひとしく脅威を持っていた五兆一千億円にのぼる四次防を決定したのであります。以後、田中内閣は、相模原補給厰からの戦闘車両輸送問題にからみ車両制限令を改悪、沖繩へのB52大量飛来の黙認、横須賀の米空母基地化、立川基地への自衛隊強行移駐、四次防予算の先取りとして問題になった三機種の発注、横田基地の強化拡充を目的とした基地の集約化等、日米安保優先、軍事力増強政策を強行してきました。そして、今国会に、わが国の軍国化を目ざした防衛二法案を提案したのであります。
 田中内閣がいかに強弁しようとも、昨年七月の組閣以来、田中内閣がとってきた政策は、安保優先、軍事力増強政策と言わざるを得ないと考えますが、総理は、今日までのこのような一連の施策についてどのように認識しているのか、お伺いしたいのであります。
 次に、日米安保体制下における日米間の防衛分担についてお尋ねします。
 米国は、同盟諸国にそれぞれ責任分担を負わせる総合戦力構想を発表しております。リチャードソン米国防長官の国防報告によると、「私は、同盟国との協議、対話を期待し、総合戦力概念を自由世界同盟からできるだけ強力な防衛寄与を得られるような形で実施したい」とあり、五月三日のニクソン米大統領の外交報告の中では、「同盟国の安全保障に対する公正な責任分担」ということばを使っております。特に結論の部分では、「われわれは責任を約束するのではなく、分担することを考えている。われわれは古い友人との間にもっと均衡のとれた関係を探求しており、これが最も差し迫った関心事である。」と述べています。このような米国の総合戦力構想に基づき、従来の日米安保体制は大幅にその質的転換がはかられつつあります。総理は、米国の総合戦力構想をどのように評価しているのかお伺いしたいのであります。また、米国は、総合戦力構想に基づき、日米安保体制下におけるわが国の防衛分担を従来以上、明確に要求しております。防衛庁が明らかにしたところによりますと、米海軍当局は、有事の際の海上自衛隊の海上防衛海域を明示することを要請してきているのであります。
 今回の要請は、正式な外交ルートで行なわれたものではないとはいえ、今後問題となることは明らかであります。総理は、米国のこのような要請に対してどのように考えているのか。また、米国の要請を実現するためには、憲法のワクを踏みはずし、さらに、軍事力増強をはからなければならないとしたら、どのように対処する考えか、あわせてお伺いしたいのであります。
 さらに、来春の第三次国連海洋法会議では、領海の幅を十二海里にする国際合意がなされる可能性が強いといわれています。現在、わが国は、領海三海里説に基づき防衛区域を定めていますが、十二海里となると大幅に変更されることになります。総理は、領海十二海里に対して、防衛面からの対応策についてどのように考えているか、お伺いしたいのであります。その際、四次防計画との関係はどうなるのかもあわせてお伺いします。
 次に、日米安保条約について政府の態度をお尋ねします。
 田中内閣は、昨年九月の日米首脳会談で日米安保の堅持を米側に表明いたしました。その結果、わが国の防衛責任は増大する一方で、アジアにおける米軍の肩がわりまで行なおうとしています。米国の総合戦力構想に組み込まれつつある日米安保体制は、アジア諸国に脅威を与えるとともに、平和日本を軍国日本に逆戻りさせる危険きわまりないものであります。政府は、時代錯誤もはなはだしい軍事力増強政策を改めるとともに、アジアの緊張緩和に逆行する日米安保体制はすみやかに解消すべきであると考えますが、総理の御見解をお伺いしたいのであります。
 総理は、今国会の施政方針演説の中で、ベトナムの和平を「新しい平和の幕あけ」、「人類の英知の勝利」と位置づけ、日本はこの際、「平和の享受者たるにとどまることなく、新しい平和の創造に進んで参画し、その責務を果たすべきであります。この際、平和を一そう確実なものとするため、核をはじめとする全般的な国際軍縮に貢献してまいりたい」と述べております。
 総理は、この所信の中で述べられたことと、ただいま議題となっております自衛隊増強法案とをどう関係づけられるのか。総理は、自衛隊は軍隊ではないから軍縮とは関係なしとでも言われるのか、お伺いしたいのであります。
 さらに、「過去十年間の日本の軍事費の伸び率は二一三%で、先進国中最高であった」とは、米国の軍縮局の報告書に指摘されているとおりであります。自衛隊を増強することにより、アジア諸国に現実に脅威を感ぜしめているのであります。総理が幾ら国際軍縮に貢献するといっても、それを信じる者はいないと思うのであります。昨年三月のジュネーブ軍縮委員会でわが国の代表は、「まずアジアの軍縮に資したい」旨、明らかにしております。総理は、この具体策を国民の前に示してもらいたいのであります。
 次に、今国会の予算委員会での答弁で、総理及び防衛庁長官は、「わが国の安全が脅かされるような脅威は現実にはほとんど存在しない」旨、明らかにしておられますが、これはすなわち、昨年、四次防決定後の新事態、ベトナム戦争終結、米中国交正常化の前進という、アジア情勢の変化の中での総理の情勢判断であろうと思います。
 かかる発言は、安保体制発足以来、初めてのものであり、この情勢判断は、四次防決定の根拠を根底からゆるがすものであり、昨年の四次防計画の決定自体、全く誤った政治判断であり、この際、四次防を直ちに取りやめるべきだと思うが、総理の所信を伺いたいのであります。
 次に、基地問題についてお尋ねいたします。
 沖繩の本土復帰が実現して、すでに一年になります。復帰にあたって、政府は、米軍基地撤去を公約しましたが、一向にその公約は守られていません。沖繩特別国会では、基地縮小決議案が採択されています。政府は、沖繩基地撤去についてどのように考えているのか、お伺いしたいのであります。特に、日米安保運用協議会では、沖繩基地問題についての話し合いが行なわれましたが、その内容についても明らかにしていただきたい。
 また、米側は沖繩基地返還に関して、消極的であるといわれております。総理及び外務大臣は、沖繩基地を維持していこうとする米側の態度について、どのような認識を持っているのか、また、米側の意向として、返還が望み薄な場合、どのような対応策を持っているのか、明らかにしていただきたいのであります。
 一月二十三日の日米安保協議委員会で関東計画が合意され、その後、米側の発表により、基地返還が早められ、返還後のあと地利用計画等については、今後検討されることになりますが、地元の意見が十分に反映されなければならないと考えます。特に、一部には自衛隊、機動隊等の基地として利用したいという働きかけがあると聞いておりますが、このような自衛隊等の基地の肩がわりは認めるべきではないと考えますが、総理の見解をお伺いしたいのであります。
 また、返還される基地の中には運動場等、市民が利用できる施設を備えた基地も多い点を考慮して、利用計画が策定するまでの間、日曜日、休日等は一般市民に開放すべきであると考えますが、総理の考えを伺いたいのであります。
 次に、米軍の駐留に伴う日本の経費負担の増大と肩がわりについてお伺いしたい。
 日米安保協議委員会で、在日米軍基地十カ所の返還が合意されたのでありますが、その条件として、基地の再編に伴う施設移転費や、老朽化した基地施設の建てかえなどを中心に、数百億円にのぼる財政負担を押しつけられているのであります。
 アメリカの意図するところは、施設移転費の、日本側負担にとどまらず、やがて、西ドイツ並みの米軍駐留費の分担金の負担、自衛隊の大幅増強による肩がわり、さらに、アメリカ兵器の大量買い入れによるドル防衛政策への協力などといった要求にエスカレートする懸念が十分に考えられますが、総理は、これらの点について、どう対処される所存か、お伺いしたいのであります。
 次に、防衛二法の内容に関する問題についてお尋ねをしたい。
 自衛官の定数を約七千人近く増員することにしているが、常時三万人近くの欠員をかかえているにもかかわらず、今回、再び大幅増員を行なわんとする防衛庁の意図は、全く理解に苦しむものであります。現在でも、武器のだぶつきによる国税のむだづかいが問題になっているが、さらにこれに拍車をかけることとなり、全く遺憾千万と言わざるを得ないのであります。
 一方、増原前長官は、現定員ですら充足困難と見て、自衛隊の簡素化、省力化を中心とした十項目の基本方針を骨子とする四十九年度業務計画を指示しているが、このような点からも、定員増を撤回すべきであると、強く主張するものであります。
 一体政府は、本法案の増員がほんとうにできるものとして国会に提出したのか、国民の納得できる責任ある答弁をお願いしたい。
 次に、南西航空混成団の設置についてであります。
 この部分が、自衛隊の沖繩派遣を正当づける根拠となるわけでありますが、すでに本年四月までに、四千人以上の自衛隊員が地元民の猛反対を押し切って沖繩に派遣されているのであります。これはもはや臨時措置というようなものではなく、部隊編成の変更といってよいのであります。部隊編成の変更は、当然、自衛隊法の改正を待たなければ、通常はできないはずであります。
 国会の意思とは関係なく、一防衛庁長官の訓令等によって、臨時という名のもとに、先取り的に実戦部隊が配備されるということは、シビリアンコントロールの見地からも、また国会軽視という見地からも、きわめて重大な問題であり、この先取り的暴挙は断じて許せないのであります。総理及び防衛庁長官の見解を承っておきたいのであります。
 しかも、防衛庁筋は、たとえ七月一日までに防衛二法案が成立しなくても、当初の目標であった五千五百人の自衛隊員を七月一日までに沖繩に派遣を完了する態度を固めたといわれております。これは、四十六年六月二十九日に調印された沖繩の直接防衛責任の日本国による引き受けに関する協定、いわゆる久保・カーチス協定を根拠にしていると思うが、どうか。
 また、政策が防衛二法未成立の段階で五千人を上回る隊員を沖繩に派遣することは、国内法を無視する暴挙であり、断じて認められないのであります。総理は、この際、久保・カーチス協定と防衛二法等の国内法とどちらを優先させるつもりか、お伺いしたいのであります。
 わが党は、基地のない平和な沖繩県づくりに逆行する政府の一切の軍事力増強政策に断固反対するものであります。よって、四次防及びその一環であるこの法案は、直ちに撤回されることを強く要求して、私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(田中角榮君) 峯山昭範君にお答えをいたします。
 まず第一には、国際緊張緩和にもかかわらず安保優先、軍事力増強政策等をとっておるのはなぜかという問題と、白米安全保障体制を解消する必要があるのじゃないかという問題でございますが、アジア地域におきましては、米ソ中三大国の利害が依然として複雑にからみ合い、全体として安定した緊張緩和の状態に至っておらず、また、国連の平和維持機能の現状にかんがみ、わが国といたしましては、平和を享受するために、自衛上最小限度必要な防衛力を整備いたしますとともに、米国との安全保障体制を維持する必要があるということは間々申し上げておるとおりでございます。
 次は、米国が同盟国に防衛分担をさせようという総合戦力構想に対する評価いかんという問題でございますが、いわゆる総合戦力構想は、同盟諸国を援助、支援することによりまして、世界の平和の維持に寄与するとの考え方であると理解をいたしておるのであります。なお、米国は、わが国に対しまして、いわゆる防衛分担を求めるという考えを示しておらないということは、先刻の御質問にお答えしたとおりでございます。
 第三は、国連海洋法会議で領海十二海里説が合意された場合における防衛面からの対策等に対しての御発言がございましたから、お答えをいたします。
 領海の幅員が国際的な合意によって十二海里になるとしても、わが国は専守防衛の立場をとっておりますので、防衛上新たな対策を講ずる必要はないと考えておるのであります。
 次は、施政方針演説における国際軍縮の問題と防衛二法との関係、また、わが国代表の軍縮委員会での発言の問題等に対して言及がございましたが、わが国の防衛力は、自衛のため必要最小限度のものを漸進的に整備をしてきているものでございまして、今回の防衛二法改正案もこの努力の一環であり、わが国の軍縮への努力と矛盾するものではありません。
 アジア地域の軍縮につきましては、御指摘がございましたように、ジュネーブにおいて関係国と慎重に検討をいたしておるのでございます。
 次は、安全が脅かされる危険はほとんどないという国際情勢下において、四次防計画をつくるのはなぜか、撤回したらどうかという趣旨の御発言でございますが、本件についても、たびたび申し上げておりますとおり、わが国に対する差し迫った侵略の脅威があるとは考えておりませんが、緊張緩和の傾向はいまだ定着したものとは考えられないのであります。したがいまして、わが国が自衛のため必要最小限の防衛力を整備することは、独立国として当然の責務であり、四次防を撤回する考えはないということを申し上げておきます。
 次に、沖繩の基地の撤去についての政府の考え方をただされましたが、沖繩における米軍施設・区域に関しましては、安保条約及び地位協定の目的に沿いつつ、その整理統合を進めることにつき、日米両国政府の意見が一致をいたしておるのであります。これまで相当の実績をあげてきておりますが、政府としましては、引き続き米側との協議を通じまして、沖繩における施設・区域の整理統合に努力をしてまいる所存でございます。具体的な問題等に対しては、関係閣僚から補足説明をいたします。
 次は、返還をされる基地のあと地利用の問題についての御発言がございましたが、関東平野地区における米空軍施設の整理統合によりまして、返還されることになりました国有地の返還後の利用等につきましては、原則として公用、公共用に優先的に当てる方針のもとに、慎重に検討する必要があります。現在、国有財産中央審議会に返還財産処理小委員会を設けまして、その審議をお願いをいたしているところでございまして、まだ具体的利用計画を決定する段階に至っておりません。また、返還された国有地の利用計画が決定される間の一般市民による臨時的な利用等についての御発言もございましたが、個々の国有地の状況に応じまして検討してまいりたいと考えております。
 米軍駐留に伴う経費負担の増大の問題についての御発言がございましたが、日米安保条約の目的達成のため必要な施設・区域を確保し、その安定的使用をはかることは政府の方針でございます。また、他方、施設・区域の整理統合を積極的に推進することも必要でございまして、かかる施策を実施するための経費が増加をすることはやむを得ないことだと考えられるのでございます。
 最後に、沖繩配備は実質的部隊編成である、法律に先取りをするというような意味の御発言がございました。また、二法案成立前の配備の強行は国内法を無視したものではないかという趣旨の御発言でございますが、沖繩配置の自衛隊の部隊は、自衛隊法及び同法施行令の規定に基づきまして、防衛庁長官の権限に委任された範囲内で配置ざれたものでございまして、人員につきましては、既存部隊の定員から臨時の措置として要員を捻出したものでございまして、法律に背反するものではないわけでございます。
 なお、本件の詳細につきましては、先ほど山中防衛庁長官からお答えをしたとおりでございます。
 なお、落ちがあれば関係国務大臣から答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(山中貞則君) 総理がだいぶお答えくださいまして、私の残りました点だけについて申し上げます。
 現在三万人近い欠員をかかえていながら、なぜ今回定員を増加する法律を出したのか、要求を出したのかということであります。海、空においては、ほぼ一〇〇%近い充足を定員に対していたしておりますが、したがって、今回の定員増においても、当然その傾向でいくと考えます。ただ、陸上においてきわめて顕著な傾向でありますが、充足率八六%と申しますと、一四%が逆に欠員だということになりまして、大体二万五千人程度の欠員がございます。これは私も、なぜ欠員があるのかという問題について、いま詳しく調べ、そしてその理由、そして充足できるのかできないのか、あるいはそれらに対してどのような対処すべき方法があるのか、これは隊員の質、募集の問題等もからみ、処遇の問題等もからみますが、検討を命じております。
 しかし、今回の陸上の千名増は、本来一次防から十八万名を目ざしておりました現定員の十七万九千人体制というものに対して、沖繩配備のためと、正確に言うならば十八万名プラス千八百名というものでなければならないはずでありますが、われわれとしては、十八万名というものが大体長い間言われてきておりますので、八百名は高射群のやりくり、近代化をいたしまして捻出し、一千名は十八万名定員の中にめり込ませて今回お願いをしておるというのがその実情でございまして、これは隊の編成の問題でございまして、充足率の問題と別でありますので、御指摘のような充足率は、国会のお許しになったことに対する充足がなされていないということについて反省をしつつ、努力を自衛隊みずからいたしてまいりたいと存じます。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(大平正芳君) 沖繩基地の整理縮小についてのお尋ねでございます。
 本件につきましては、ことしの一月二十三日の安保協議会におきまして、関東平野と並びまして、那覇市並びにその周辺の施設・区域の整理につきまして合意に達して、それを実行に移しつつあるわけでございますが、その後、安保運用協議会を中心に日米双方におきまして、沖繩全土にわたりまして基地の再検討を始めておるわけでございまして、その中で早急に返還をすべきものを確認いたしますならば、安保協議会を待つまでもなく実行に移す趣旨で進めてきておりまして、きのうの日米合同委員会におきまして、八カ所の沖繩基地の一部または全部の返還に合意いたしまして、今朝の閣議で御報告を申し上げたところでございます。
 私どもといたしましては、本土に比べてなお圧倒的に多い基地をかかえて、非常に不正常な状態にありまする沖繩につきまして、その開発計画との関連におきまして、今後精力的に基地の整理を進めてまいりたいと考えております。もとより、これをやってまいるにつきましては、相当巨額の財政需要、財政支出を覚悟せなければならぬと思いますけれども、しかし、地位協定にのっとりまして、私どもといたしましては厳正にやってまいるつもりでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(河野謙三君) 藤井恒男君。
   〔藤井恒男君登壇、拍手〕
#19
○藤井恒男君 私は、民社党を代表して、防衛二法案に関し、政府の防衛問題の基本的考え方について、田中総理並びに関係閣僚の所信をただしたいと思います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 今日、わが国の防衛問題について、国民の大多数は、わが国が憲法の許す範囲で、最小限の自衛措置を持つことについては了解しつつも、四次防に基づく自衛力の急激なる増強を中心とする自衛力の独走に対しては、重大なる不信と不安とを抱いているというのがその率直なる声であると考えます。そしてその声が、一部においては自衛力の保持そのものに対する不信と疑問とにまで増幅されつつあります。つまり、一国の防衛について最も肝要と言われる防衛についての国民的合意、国民的サポートが、いまやわが国においてはますます困難になってきていると考えざるを得ません。そこで、いま一番必要なことは、自衛力のいたずらな増強ではなく、防衛問題の根本に立ち返って、防衛に対する国民的合意をいかにしてつくり上げるか、これであります。そして、この国民的合意、サポートをつくり上げる道は、いたずらに危機感をあおったり、また、それとは反対に、愛国心を無理じいすることではなく、わが国の防衛に対する基本的ポイントや、わが国の平和構想を政府がはっきりと国民に一つ一つ明示していくことであると確信いたします。
 以下、私はこのような基本的見地に立って、わが国の防衛の基本について、政府の見解をただしたいと思います。
 まず第一点は、わが国の平和構想についてであります。
 本年は、いわば首脳外交の年といわれますように、米ソを中心に、世界の主要国の首脳が相次いで各国を訪問し合っております。そしてわが国の田中総理も、御承知のとおり、来月の訪米をはじめとする各国訪問を年内に予定されております。これらの首脳外交は、それぞれの国同士の当面する諸問題の解決という具体的課題を持ちつつも、その底に流れるものは、戦後の冷戦構造から、新たなる多極的均衡の時代へ進む国際秩序づくりとも言うべきものであることは明らかであります。数年前から提起されているソ連のアジア集団安保構想は、ソ連の新たなるアジア秩序づくりの構想でありますし、また、本年に入ってアメリカが提起してきた新大西洋憲章構想も、まさしく新たな世界秩序づくりに対するアメリカの方針でありましょう。このように、各国はそれぞれの構想、戦略をもって、新たなる世界情勢に対応し、それをリードせんとしております。わが国は、もとより米ソに対抗し得る大国ではありません。しかし、GNP世界第三位といわれるように、その経済的バイタリティーは、アジア諸国をはじめ世界各国に、よくもあしくも大きな影響力を及ぼしております。
 こうした意味からしても、また、田中総理の各国歴訪というスケジュールから考えてみても、いまわが国にとって必要なことは、わが国独自の平和構想を政府が確立し、内外に明示することであります。ベトナム停戦が実現したとき、政府はベトナムを含めたアジア平和会議の開催を提唱したいと述べたことがあります。この構想はその後いつの間にか立ち消えとなりましたが、その経緯をも含め、これに対する政府の見解を伺いたい。また同時に、総理の各国歴訪前に、政府としてわが国の平和構想、平和戦略を内外に明示する意思ありやいなや、総理にお伺いいたします。
 質問の第二点は、現在、わが国防衛の基軸となっている日米安保と在日米軍基地についてであります。
 われわれは、今日の国際情勢の推移からして、冷戦時代の産物である日米安保の再検討はますます不可欠であり、その方向は、基地と駐留のない安保への転換であると確信いたします。
 そこで、問題の焦点である在日米軍基地問題についてお伺いいたします。
 政府は、わが国の防衛にとって、在日米軍基地の存在は絶対不可欠と考えているのかどうか。もし、そのように認識しているとすれば、米軍基地が具体的にどういう形で不可欠なのか、明らかにしていただきたいのであります。また、もし、そうだとするならば、今後、特に、四次防の計画期間において、政府は米軍基地の整理縮小のぐあいをどのように見通しているのか。また、四次防計画はこの基地整理とどのように関連づけられているのか。さらに伺いたいのは、密度の高い沖繩米軍基地問題についてであります。
 山中防衛庁長官は、この問題について、あの広大な米軍基地の存在が、沖繩の経済発展と住民の日常生活を妨げているのは厳然たる事実と述べ、勇断をもって、その整理縮小に取り組むことを表明されておりますが、来月の日米会談では、政府として具体的にどのような方針で臨むのか、私は沖繩・本土全体を通じ、日米間で早急に基地整理計画を確立すべきだと考えますが、総理並びに防衛庁長官の御所見を承ります。
 質問の第三点は、いわゆる産軍癒着問題であります。
 最近、伝えられますところによりますと、わが国の防衛産業界は、政府に対し、兵器の国産化推進をあらためて強力に訴えようとしております。また、他方においてアメリカ側は、さきの安全保障に関する日米事務レベル会議で、米国製兵器の購入をわが国に働きかけてまいりましたが、さらに日米首脳会談でもこの問題があらためて米国側から持ち出されることは必至と言わなければなりません。このような情勢から見て、兵器購入をめぐって、今後一段と強力な圧力が防衛庁並びに政府にかけられ、それがいわゆる産軍癒着問題として発展する危険性は十分あると見なければなりません。
 私は、こうした各種の圧力を断ち切り、産軍の癒着を排除する道は、わが国政府、防衛庁が、兵器購入についての明確なる基準と方針を明示することであると考えます。つまり、何を国産化し、何を輸入するのか、あるいは、何を共同開発するのか、こうした点を明白にすることであります。政府として、こうした明確なる基準を明示する用意があるのかどうか、お伺いいたします。
 質問の第四点は、今後の自衛官の確保対策についてであります。
 今日、二万六千人もの欠員がありながら、定員ワクだけをいたずらに拡大すればよいという政府の考え方は、とうてい国民を納得させることはできません。
 問題は、まず現在の欠員を解消する手だてがあるのかということであります。それは、結局、国民にとって、魅力ある自衛隊づくりを政府がどう進めるかであります。この点について、政府は具体的にどのようなプランを持っているのか、それを明らかにしていただきたい。そして、このことが、ただいま上程されております防衛二法案のキーポイントにほかなりません。
 以上、私は防衛二法案の根底をなすわが国の防衛構想について、政府の明確なる答弁を要求し、私の質問を終わるものであります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(田中角榮君) 藤井恒男君にお答えをいたします。
 まず、わが国独自の平和構想を、各国訪問前に明示をしたらどうかという趣旨の御発言でございますが、いまさら明示するまでもなく、わが国は戦後一貫して平和を外交の基本としてまいりましたことは、各国とも十分承知をしておるところでございます。米国との友好信頼関係の基盤の上に、アジアの平和と安定をもたらし、近隣諸国をはじめあらゆる国との善隣友好関係の増進をはかり、自主的判断に基づく多角的外交を進めてまいっておるわけでございます。日中国交正常化に見られますとおり、社会体制の異なる国との友好関係の緊密化も、わが国外交の重要な課題であると考えておるわけでございます。
 次は、アジア平和会議開催の見通し等についてでございますが、インドネシアの和平は緒についたばかりであり、情勢は複雑、依然流動的でございます。このような地においていきなり国際会議を開いても、問題は解決するものではなく、多くの段階を経過する必要があると考えておるのであります。しかし、せっかく定着しつつある平和を確固なものとするために、二国間での努力をはじめ、国際会議の開催その他いろんな方策を探求するのがわれわれの責務であり、息の長い長期的課題には、今後とも根気よく取り組んでまいる所存でございます。
 次は、わが国の防衛のための在日米軍基地の存在は絶対不可欠なのかどうかというような御趣旨の御発言でございますが、わが国の安全確保のため必要な日米安全保障条約の抑止力は、わが国が必要な施設・区域を、米軍の使用に供し、米軍の駐留のある状態を維持することにより、その有効性を発揮し得るものであると考えておるのであります。この有効性を発揮するために必要な限度の基地機能を維持することは、わが国の防衛にとっても不可欠であると考えておるのであります。
 次は、四次防の計画期間中、米軍基地の整理縮小の見通し等についての御発言でございますが、四次防計画と基地の整理統合とは直接の関連はございませんが、日米安保条約の目的達成のため必要な施設・区域を確保するかたわら、不必要となった施設の整理統合というような問題とは、当然取り組んでいかなければならない問題でございます。必要がなくなったという施設・区域を整理統合するのは当然でございますが、合理的に整理統合することによって、基地が有効に国民の間に返還され使用されるということも目標として統合を急いでおるわけでございます。
 次は、沖繩・本土の基地整理計画を確立すべきであるとの趣旨でございますが、政府としましては、首都圏及び那覇周辺に所在する施設の整理統合計画の実施を進めており、特に多数の米軍施設が存在しております沖繩につきまして、鋭意、協議検討を進めております。
 先ほど大平外務大臣からお答えがございましたとおり、昨日の日米合同委員会におきまして、八施設の一部または全部分について返還の合意を見たわけでございます。
 最後は、産軍癒着の問題、産軍複合の問題でございますが、先ほどもお答えをしましたが、わが国の工業生産に占める防衛生産の比率は〇・四%という低率でございまして、各国にその例を見ないようなものでございます。
 また、兵器は輸入か国産かという問題でございますが、先ほど防衛庁長官からも御答弁を申し上げましたが、質の問題もございます、それから国民負担の軽減という問題がございますので、これらの問題に対しては慎重に考慮をする必要があると考えます。でございますから、国防会議の中に専門家の委員会を設けまして、専門家の立場から十分検討してまいるということでございます。
 一律に基準をつくったらどうかという御提言でございますが、これは前からもございますが、これはなかなか一律につくるわけにはまいらないわけでございます。防衛産業というものが発展をしていく過程において、他の車両工業とか、船舶工業とか、宇宙工学とか、いろんな平和産業に対しても相当大きな影響があるわけでございますので、防衛産業というような面だけでなかなかはかれないという面もございます。でございますので、一律的に、安いものだからこれだけは全部輸入したほうが得だということにもならないわけです。各国の例を見てもおわかりになるとおり、一般の民間の科学技術の水準が高くなるというのは、ほとんどその前提には、防衛産業、俗にいう軍需産業というものの研究開発というものが大きく資しておるという面もございます。そういう意味で、一律に基準をつくるということはむずかしいことでございまして、質の問題と、国民負担を軽減をするという効率、合理的な面も十分加味しながら、国民の理解が得られるような状態で結論を出すということでお答えをする以外にはないと、こう考えます。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(山中貞則君) 沖繩の施設の基地の整理については、ただいま総理からも御答弁をいただきましたが、先ほどの外務大臣の答弁で八カ所ということであります。これの総面積は二百六十四万一千平米に及びまして、復帰後初めてこのような、代替施設等の建設を要求しない、全く沖繩県民、地主に返るという形態でまとまって発表されることに合意が昨日なされ、本日の閣議で報告のあった事実がございます。今後私どもは、さらに先ほどのP3のお話も含めて、積極的に、二十七年間の放置された状態のままであった沖繩の基地に対する基本的な認識を急速に沖繩において私どもが具体的に示すのは、この基地の縮小整理ということが第一義である、すべての問題に優先すべきであると考えておりますので、日米のそれぞれの正規のルートを通じながら、本来ならば閣僚レベルの安保協議会において合意すべきものも、今後具体的に運用協議会等において詰まったものは、どんどんこれを発表していけるように進めていきたいと考えておるわけであります。
 自衛官の確保の問題については、先ほどその実情を私からお話をいたしましたが、やっぱりいろいろ考えてみますと、理由はいろいろあるようであります。募集難という問題からいきますと、民間産業の失業率はきわめて完全雇用に近い状態にもありますし、賃金も高いというようなことから、なかなか人を得にくい。あるいはまた、高校進学率や大学進学率等が逐年高まっておりますために、なかなか自衛隊のほうに、進学をあきらめて来てくれるというありがたい青年諸君が少なくなりつつある。ここらの問題もあるようであります。一方においては、入りました者が離隊していく率、あるいはまた、長期つとめましても、曹の待遇あるいは停年等の問題もあって、そこらの一番中核をなす中堅幹部の諸君の待遇等もやはり問題があるようでありますが、ここらの問題をひっくるめて、自衛隊がはたしていまの若者諸君に魅力のあるところであるかという問題は、これは私たちが一生懸命姿勢として努力をし、国民に向かって理解をしてもらう、合意を得る努力をすべきであると思います。そしてまた、それらの募集等にあたっても、若い諸君が自衛隊に、自分たちがわが国の自由を守るために、自分たちの家族の生命財産を守るために、その職務のために挺身する立場に立とうという決意を持ってもらうような、私たちの積極的な周知への努力、理解への努力というものも必要であろうと考えるわけであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○副議長(森八三一君) 星野力君。
   〔星野力君登壇、拍手〕
#23
○星野力君 私は日本共産党を代表して、防衛二法改正法案について、総理並びに防衛庁長官に質問いたします。
 第一は、二法案によって増強がもくろまれている陸・海・空自衛隊と日本国憲法との関係についてであります。
 日本国憲法はその第九条で、戦争、武力行使を放棄し、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」と厳粛に明記しております。
 ところが歴代自民党政府は、アメリカの要求と援助により、警察予備隊、保安隊、そして自衛隊へと、軍隊を設置し、その強化を進めてきました。今日では、日本の防衛力は世界の非核国の中で第一級の軍事力に達しているといわれるまでになっております。
 政府は、一九五二年当時は、憲法第九条は、自衛の目的であっても戦力の保持を禁止しているとの見解をとっていたにもかかわらず、今日では、自衛のためであれば戦力は持てるとの憲法解釈を出し、自衛隊の存在を合憲であるとするに至ったのであります。
 このような憲法解釈の拡大で、第四次防衛力整備計画に至るまで自衛隊を増強し、いまでは政府みずから、自衛隊は陸・海・空軍といってもよい、戦力ともいえると開き直って国民に挑戦しているのであります。
 これまでの政府の憲法解釈の拡大の経過と自衛隊の実態から見て、自衛隊は憲法で禁止する戦力にほかならないではないか。そうでないというならば、なぜか。国民に納得のいく説明を要求するものであります。
 第二は、自衛隊の対米従属性についてであります。
 周知のように、自衛隊は、朝鮮戦争勃発直後、アメリカ占領軍総司令官マッカーサーの指図によって、警察予備隊として創設されたアメリカ占領軍の補助部隊であります。これまでの二十三年の自衛隊の歴史は、アメリカの指導と援助のもとに、アメリカの極東戦略の一翼を分担するものとして増強されてきた歴史であります。増原元防衛庁長官は、一九七一年、レアード米国防長官の訪日直後の国会で、アメリカの総合戦力計画について、「核の抑止力、戦略的攻撃力はアメリカに期待し、自衛隊は自衛に徹する。そういう意味の総合戦略構想であり、そういう意味の自衛隊である。」「いままでアメリカに期待していた海上輸送の安全を確保する任務が、いまより大きく達成できる、そういう意味の肩がわりというものが、これから増強されれば出てくる」という趣旨の答弁をしましたが、まさに自衛隊は、ニクソン・ドクトリンのもとでアメリカの総合戦力計画の一環として位置づけられ、西太平洋地域の防衛責任を分担し、それにふさわしい増強をアメリカから迫られているのであります。
 いま強引に進められておる第四次防衛力整備計画が、日米沖繩交渉を通じて立案され、アメリカの要求に基づいて計画、決定されてきたことは、中曾根元防衛庁長官の訪米、レアード元国防長官の来日をはじめとする一連の軍事協議の経過を見れば明らかであります。日本の防衛力増強計画をはじめ、自衛隊の任務分担、配置に関し、一体どういう理由でアメリカとそのような密接な協議をしなければならないのか。また、自衛隊は、アメリカの総合戦力計画の一体いかなる部分を分担することになるのか、それについて明確な答弁を求めます。
 第三は、自衛隊の沖繩配備についてであります。
 日米沖繩交渉の中で取りきめられた久保・カーチス取りきめは、今年六月末までに所要の自衛隊を沖繩に配備することを約束し、これに基づいて、今回の防衛二法改正案において、自衛官増員と南西航空混成団編成その他が提案されているのであります。ところが政府は、この法案が衆議院さえ通過していないにもかかわらず、久保・カーチス取りきめに基づいて、五千人に近い自衛隊の沖繩派遣を強行しておるのであります。沖繩に派遣された自衛隊は、すでに陸上防衛、海上哨戒、捜索、救難の任務を米軍から引き継いでいるばかりでなく、レーダーサイト、ナイキ、ホーク基地の引き継ぎを完了し、F104戦闘機による緊急発進まで肩がわりし、米軍基地防衛のため実働しておるのであります。それだけではありません。六月四日、沖繩を訪れた防衛庁の石川航空幕僚長は記者会見で、かりに防衛二法が通らなくとも、今後も配備計画に変化はない、こう言い切っております。これは、自衛隊派遣に反対する沖繩県民の意思を踏みにじり、また、国権の最高機関である国会の審議など全く意に介しておらぬ、そうして久保・カーチス取りきめに基づく対米約束を優先する態度であります。政府は、防衛二法の成立いかんにかかわらず自衛隊の沖繩派遣を強行する緊急性というものが、一体どこに存在しておるのだと考えておられるのか。また、沖繩県民の意思、国会の意思に従う考えはあるのか、ないのか。明確な答弁を求める次第であります。
 最後に、自衛隊幹部の天皇拝謁問題についてお、尋ねいたします。
 第二次世界大戦は、統帥権を持つ絶対主義的天皇制のもとで、アジア侵略を強行した軍国主義、帝国主義が、多くの日本国民の生命を奪い、アジア諸国民に多大の被害を与えました。
 ところが政府は、この日本国民苦難の歴史から正しい教訓を引き出さないだけではありません。朝雲新聞によれば、一九六五年以来、自衛隊幹部の天皇拝謁ということが行なわれ、そうして今年一月十七日には、衣笠統幕議長は、天皇に拝謁して、「国のため勤務に精励することを望む」ということばを受け、「決意を新たにして、わが国の平和と独立を守るため全力を尽くし、もって聖旨に沿い奉る覚悟でございます」と答えております。
 政府は、さきの国会答弁で、拝謁は慣行であり、天皇の公的行為であると合理化しましたが、自衛隊の幹部がこのような拝謁を行なうことは、憲法に違反することは明白であります。しかも、天皇に対して、「聖旨に沿い奉る」と答えたことは、天皇を軍国主義復活の道具として利用することにほかなりません。天皇拝謁の法的根拠がどこにあるのか、また、天皇拝謁は中止すべきものであると考えるが、それらの点について総理の明確な答弁を求めます。
 わが党は、憲法違反、対米従属、国民抑圧の軍隊である自衛隊を解散し、隊員の平和産業への転職を保障すべきであることを主張するものであります。
 防衛二法案の撤回を要求して質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(田中角榮君) 星野力君にお答えをいたします。
 第一は、自衛隊は憲法のどの条文によって合法かという趣旨の御発言でございますが、憲法第九条は、自衛権を否定しておらず、この自衛権の行使を裏づける手段、すなわち、自衛隊のように自衛のため必要最小限度の防衛力の存在は、憲法が許容するものであります。
 第二は、自衛隊が戦力でないという理由を説明せよということでございますが、憲法第九条は、自衛権を否定するものではなく、自衛のための必要最小限度の防衛力が、同条第二項において保持を禁止されている戦力でないことについて、政府の見解は一貫をしておるのであります。自衛隊は憲法の趣旨に従い、他国に攻撃的脅威を与えるような兵器は一切装備しておらず、その規模も自衛のため必要最小限の範囲内のものであって、憲法の禁止しておる戦力に該当いたしません。
 次は、自衛隊はアメリカの補助部隊であるとの断定でございますが、自衛隊は、わが国の防衛のため必要最小限のものとして設置され、存在をしておるものでありまして、アメリカの補助部隊であると考える国民は、一人もおらないと私は考えております。(拍手)
 最後は、自衛隊の天皇拝謁の問題でございますが、自衛隊の主要部隊の幹部が、年一回の全国会同のため参集した際、天皇陛下に拝謁をしておりますが、これは、それらのものの希望により、わが国の象徴としての天皇陛下に拝謁する目的で行なわれておるものであります。地方裁判所の所長等の例と全く同様であって、政治的な意味はなく、中止をする考えはありません。
 以上。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(山中貞則君) アメリカの総合戦力計画等によって、日本が海上防衛等について分担するのではないかという御指摘でありますが、日本の自衛隊の場合は専守防衛であって、憲法、自衛隊法の制限がきちっとしておりますから、そのような国際的な分担などは、とてもできるものではありませんので、海上輸送といえども、そういうことは考えられません。
 さらに、沖繩配備の問題については、先ほど来答弁いたしておりますが、県民の立場からはどうかというおことばもありましたので、あらためて別な角度から触れてみますが、私どもが、同じ日本人として、アメリカ兵が向こうに基地を持っておりますが、そのアメリカとしては、極東戦略上の立場からの基地があることは明白でありますし、しかし、復帰後といえども、日本と事前協議のワクがかぶって弾力性を失うことも向こうも認めておりますが、依然としてその基地の必要性はなお認めておりますし、私どももその点については合意しております。そうすると、アメリカは、局地防衛というものを裸にして、その任務だけを残しておくとは考えられません。やっぱり私どもが肩がわりでき得るものは、日本人の手によって肩がわりしていって、アメリカは帰ってもらう、したがって、物騒なものであれば、もちろん核装着可能な弾頭等は全部取りはずして、日本製の国産のものを向こうに持っていって配備いたしておりますし、もっぱら局地防衛、国土防衛の立場から沖繩に行って、そのかわり、アメリカの諸君は帰ってもらう。でありますから、防衛二法が成立しても五千五百人。しかし、アメリカはすでにその肩がわりによって一万名というものが――これは軍属を入れておりませんが、撤収をしておることでも、半面の意義はあろうかと考えるわけであります。(拍手)
#26
○副議長(森八三一君) これにて質疑は終了いたしました。
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#27
○副議長(森八三一君) 日程第一 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事寺本広作君。
   〔寺本広作君登壇、拍手〕
#28
○寺本広作君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案は、地方団体の公共施設の計画的な整備及び社会福祉水準の向上並びに過疎・過密対策、公害対策、交通安全対策及び消防救急対策等に要する経費の充実をはかるため、普通交付税の額の算定に用いる単位費用の改定等を行なうとともに、地方財政の状況にかんがみ、昭和四十八年度分の地方交付税の総額について、現行の法定額に、交付税及び譲与税配付金特別会計において借り入れる九百五十億円を加算する特例措置を講じようとするものであります。
 また、この借り入れ金は、全額を普通交付税として交付することとし、昭和四十九年度において全額償還することとしております。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終わり、討論を行ない、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、地方交付税率の引き上げを含む一般財源の強化と、道路目的財源の強化、生活関連施設に対する国庫補助制度の拡充強化、超過負担の解消、地方債に対する政府資金の拡充等について政府の善処を求める附帯決議を付しております。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#29
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#30
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#31
○副議長(森八三一君) 日程第二 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事土屋義彦君。
   〔土屋義彦君登壇、拍手〕
#32
○土屋義彦君 ただいま議題となりました法律案について申し上げます。
 本法律案は、開発途上国との経済協力推進のため、今国会においてすでに承認されましたアフリカ開発基金を設立する協定に基づき、同基金への参加に伴う措置として、千五百万計算単位、すなわち邦貨換算四十六億二千万円を限度とする国債による出資、当該国債の発行条件、償還等所要の規定を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、開発途上国に対するわが国経済協力の基本方針、アフリカへの援助の現状、本基金へのアメリカの参加の問題、アジア開発銀行特別基金との比較等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#33
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#35
○副議長(森八三一君) 日程第三 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長沢田政治君。
   〔沢田政治君登壇、拍手〕
#36
○沢田政治君 ただいま議題となりました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、新たに昭和四十八年度を初年度とする第七次道路整備五ヵ年計画を定める等、道路の整備に関し必要な措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、計画の内容、道路財源の確保、生活道路の整備等について熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録に譲ることといたします。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して西村委員、公明党を代表して二宮委員、日本共産党を代表して春日委員より、それぞれ反対する旨の発言があり、採決の結果、多数をもって原案どおり、可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、松本委員より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、及び第二院クラブの各派共同提案にかかる附帯決議が提出されました。そのおもな内容は、財源措置の検討、環境保全に重点を置く道路整備、市町村道の整備促進、歩行者専用道路等の整備と事故防止施設の整備並びに道路管理体制を強化することであります。
 採決の結果、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#37
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○副議長(森八三一君) 日程第四 刑事補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長原田立君。
   〔原田立君登壇、拍手〕
#40
○原田立君 ただいま議題となりました刑事補償法の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議の経過と結果を報告いたします。
 本法案は、最近における経済事情にかんがみ、刑事補償法の規定による補償金の額の算定基準となる日額等を引き上げようとするものであります。
 委員会におきましては、五月八日、提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、十日には、審査のため監獄及び警察署付属の留置場の視察を行ない、六月五日には参考人から意見を聴取するかなど、慎重に審議いたしました。
 質疑のおもな内容は、最近における刑事補償法の運用状況、補償基準の引き上げ額の当否、補償金の基準日額の下限据え置きの理由、補償範囲の拡張、補償金請求方式の合理化等でありますが、詳細は会議録に譲ります。
 六月十四日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表し佐々木委員より、公明党を代表し白木委員より、それぞれ反対の意見が述べられ、採決の結果、本法案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上報告いたします。(拍手)
#41
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#43
○副議長(森八三一君) 日程第五 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長高田浩運君。
   〔高田浩運君登壇、拍手〕
#44
○高田浩運君 ただいま議題となりました農林省設置法の一部を改正する法律案は、最近におけるわが国水産業をめぐる諸情勢の推移に対処するため、水産庁の機構について、生産部及び調査研究部を再編整備して、海洋漁業部及び研究開発部を設置しようとするものであります。
 なお、衆議院において、施行期日について修正が行なわれております。
 委員会におきましては、参考人を招いて意見を聞くなど、慎重な審査が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、本法案に対し、沿岸漁業の振興並びに水産加工排水処理技術の研究開発促進を内容とする五党共同提案による附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#45
○副議長(森八三一君) これより採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#46
○副議長(森八三一君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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