くにさくロゴ
1972/09/25 第71回国会 参議院 参議院会議録情報 第071回国会 本会議 第39号
姉妹サイト
 
1972/09/25 第71回国会 参議院

参議院会議録情報 第071回国会 本会議 第39号

#1
第071回国会 本会議 第39号
昭和四十八年九月二十五日(火曜日)
   午前十時三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四十三号
  昭和四十八年九月二十五日
   午前十時開議
 第一 国立学校設置法等の一部を改正する法律
    案(内閣提出、衆議院送付)(前会の
    続)
 第二 特定市街化区域農地の固定資産税の課税
    の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案
    (内閣提出、衆議院送付)
 第三 公害健康被害補償法案(内閣提出、衆議
    院送付)
 第四 瀬戸内海環境保全臨時措置法案(衆議院
    提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、内閣総理大臣田中角榮君問責決議案(加瀬
  完君外三名発議)(委員会審査省略要求事
  件)を日程に追加して議題とすることの動議
  (山崎昇君外三名提出)
 一、北方領土の返還に関する決議案(星野重次
  君外七名発議)(委員会審査省略要求事件)
     ―――――・―――――
#3
○議長(河野謙三君) これより会議を開きます。
 日程第一 国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(前会の続)を議題といたします。
 内閣総理大臣から、昨日留保されました安永英雄君に対する答弁があります。田中内閣総理大臣。
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(田中角榮君) 本件事件につきましては、東京のある私立探偵社が、本年の七月中旬ごろ、ある人に頼まれて金大中氏の所在確認につとめたが、所在がわからないまま七月末に契約を解除をされました。その後、金大中事件発生後、警察にこの事実を通報し、協力したという話を聞いております。その私立探偵社を経営している人が元自衛隊員であり、また、すでに六月下旬に辞表を提出し、やめる前の休暇期間中の自衛隊員が手伝いをしたという話でありますが、この人は八月一日に自衛隊から退職が発令されております。
 なお、残余の問題等につきましては、御質問にお答えをいたしたいと存じます。(拍手)
#5
○議長(河野謙三君) 安永英雄君。
   〔安永英雄君登壇、拍手〕
#6
○安永英雄君 ただいま総理から非常に簡単な答弁がありましたが、金大中事件は全世界の注視を浴び、日本政府の出方を見守る中で、いま、金大中事件の発生前に、警視庁特捜本部が実行グループの容疑者として割り出した韓国大使館の金東雲一等書記官が使っていた金大中氏監視グループの中に、現職の自衛隊員がいたという事態が明らかになりました。ただ、答弁はそのことだけであります。しかし、この国会において、このことが正式に明らかになったわけであります。
 そこで、数点について質問をいたします。
 まず第一番に、金大中氏事件は、これまで韓国側からの日本に対する明らかな主権侵犯という立場で追及されてまいったのであります。捜査も、外交ルートの折衝も、すべてそうであります。今日、正規の自衛隊員が金大中事件に加担したことが明らかになったのであります。主権侵害する活動に参加をしたということになります。主権侵害の立論も、違った角度から見直さなければならなくなったと思うのであります。すなわち、両国政府の故意または故意によらざる共同正犯か、少なくとも、日本は加担していた疑いが当然出てくるのであります。この点を明確にしなければなりません。総理はどのように考えられますか、疑いはどう解明されますか、お伺いいたしたいと思うのであります。
 さらに、政府は金東雲書記官の出頭要求に踏み切ったにもかかわらず、田中総理はじめ政府首脳は、朴政権に出頭を拒否され、さらに、金書記官は犯人でないと一方的に回答されると、にわかに弱腰になり、日本の主権が侵されたかどうかという重大な問題について、きわめてあいまいな態度に終始いたしておるのであります。この自衛隊員の金大中事件加担の事実で、政府の現状の態度が裏づけされたのではないかと思うのであります。政府は、この事実を早くから知っておったのではないか。どうですか。また、自衛隊事件が表に出た今日、金東雲一等書記官に対する容疑は明白に立証されたのでありますが、同氏の出頭を拒否されている段階で、韓国に対する出頭要求の政府の態度はどうなるのか。変わるのか、変わらないのか、総理の見解をお伺いいたしたいと思うのであります。
 次に、差し迫った国連総会では、当然朝鮮問題が大きな焦点になるでありましょう。政府は、朝鮮民族が一致して強く望んでいる平和統一の妨げになる南北朝鮮の同時加盟の動きに、絶対に加担してはならないのであります。九月十日、本院において、わが党の田議員の質問に答え、総理は「政府としましては、朝鮮半島における平和と安全が確保され、平和的統一が一日も早く実現されることを願っております」「右実現に至る過程における措置として、南北両朝鮮が国連に加盟するのであれば、国連の普遍性を高める見地からもけっこう」である旨の答弁があっております。伝え聞くところによりますと、積極的に同時加盟の促進に当たり、国連における根回り役として動いているやに聞いております。この自衛隊事件は、政府が南北朝鮮同時加盟に加担する意思表示をする資格は全くなくなったと判断するのでありますが、南北朝鮮の国連加盟に対する態度を変える考えはないか、総理の答弁を求めるものでありすす。
 さらに、二十三日、大平外務大臣は国連へ出発しましたが、彼は自衛隊事件を知っておるのかどうか。知っているとすれば、同時加盟問題に関する指示をどう与えたのか。現地では南北朝鮮同時加盟促進の動きをやっていることは事実でありまして、二十四日には金韓国外相と会談をしておりますが、その内容はどうか。明らかに金大中事件の事件後収拾の見通しをつける、国連同時加盟の問題についても話し合う、こういう報道があるわけでありますが、この内容についてお知らせを願いたいと思うわけであります。
 次に、防衛庁長官にお伺いいたします。
 まず、自衛隊員が本来の任務を逸脱して、金書中官に頼まれた興信所所長の命令で、七月二十六日から二十九日まで、金大中氏のいる原田マンション張り込み監視、そして先月一日付で退職をしておる。こういうことでありますが、かかる行為をしたことは、自衛隊法に照らし、職務専念の義務を怠って、これは重大であります。しかも、日本の主権が侵害されたという、日本外交史上ゆゆしい問題であり、国際的にも国内的にも重大な関心事である。場合によっては、外交、経済の断交の危機まではらんでいるこの事態に、現職の自衛隊員が加担していたことは、さらに重大であります。防衛庁長官の責任は免れないものであります。この事態をどのように認識され、いかなる考えか、承りたいと思うのであります。なおまた、本件の自衛隊員の処置はどのようになるのか、お伺いいたしたいと思います。
 さらに、この隊員は、陸上自衛隊東部方面総監部調査隊の二等陸曹でありますが、この防衛庁調査隊の任務は、隊員の素行や思想を調査することや、対共産圏の治安情報の収集に当たっているということを聞きますが、この実態を明らかにしてもらいたい。正確な任務、指揮命令系統、正確な人数、配属の状況を特に示されたい。さらに、調査学校はどこにあるのか。そうしてここで何を訓練し、教育をしておるのか。また、この防衛庁調査隊と、韓国CIA、米国CIAとの関係が非常に深いというがどうか。この点について詳細にお伺いしたいと思うわけであります。
 本件の調査を依頼されたという飯田橋の興信所の所長も、同調査隊に勤務した元二等陸佐で、事件の隊員もこの所員である。金東雲書記官が依頼したかかわりにも、KCIAとのかかわりを感じるが、この点、国家公安委員長にお尋ねしたい。
 さらに、金東雲書記官の監視依頼を受けた興信所所長並びに所員二名は、警視庁の金大中氏事件特捜本部の取り調べを二人で一回、所長はそのほか二回取り調べを受けたと言っているが、金大中氏誘拐の容疑者、またはこれに準ずる者として取り調べをしておるのか、金東雲書記官並びにそのグループ捜査の単なる参考人として取り調べているのか、また、取り調べはいつ終了するのか、この点を明らかにされたい。
 さらに、金大中氏事件全般について、捜査の進行について現況を明らかにされたい。韓国政府は、金東雲書記官は事件にかかわりなく、アリバイもあると言っているが、この点はどうか。また金大中氏事件にからむ自衛隊員の加担事件について、新聞報道によると、先月八月八日、金大中氏事件が発生してから事態の重大さを知った所長が特捜本部に届け出た。そこで韓国人グループの写真を見せたら、この依頼主は金東雲書記官に間違いないとされているが、この点についての確認はどうか。捜査本部は、金大中氏が拉致された現場のホテル・グランドパレスに残された指紋、エレベーター内の目撃者の証言と今度の確認によって、犯行に関与したことは確実に立証されたのであると思うが、どうか。
 次に、KCIAのリストの問題であります。このリストの提出要求は、わが党が衆参両院においてたびたび行なっているものでありますが、これに対し、政府は、わからないということであります。しかし、調べるということも言っております。日本人として、国民感情として、これらの人々が日本の国内に外交官として入国し、人命を危うくするような事件を現に起こしている。さらに日本人も引き込まれ、さらに自衛隊員がこれに関与をしておる。この種の事件は他に多いのではないか。これらの人々は全部国外に立ち去ってもらいたい、そう願うのはあたりまえであります。これは政府の責任だと思う。リストの調査、作成はできたのかどうか、お伺いいたします。
 最後に、総理に伺いたい。
 KCIAの活動をチェックできないとすれば、政府の怠慢であります。日本人でさえ、さらに自衛隊員さえ加担させようとするということであれば、日本人はもちろん、特に日本に在住する韓国、朝鮮の人々は大きな不安におちいっております。その国に在住する外国人の安全を保障することは、その国の政府の責任であります、まして、日本にいる七十万の朝鮮、韓国人は、日本がかつて侵略戦争を進めるために強制的に連行した人たちとその子孫であります。政府は大きな責任があります。いま、その人たちを不安におとしいれているKCIAを摘発しなければなりません。ましてや、その先頭に、手先に日本人が、自衛隊員がとなれば、もはや何をか言わんやであります。KCIAを摘発し、その全員を国外退去、このことを朴政権に強く要求すべきと思いますが、政府の決意をお伺いしたいと思います。
 先ほど防衛庁長官にも申し上げましたが、一自衛隊員の処分で済まされる今次の事件ではありません。また、防衛庁長官の引責にとどまらず、田中内閣の責任は重大であると思うのでありますが、総理の見解を伺いたい。
 以上をもって質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(田中角榮君) 安永英雄君にお答えをいたします。
 まず第一は、現職の自衛官がかかる事件を起こしたことについて、どのように責任を感じ、また、どう措置するつもりかという趣旨の御発言でございますが、本自衛官は、六月の二十六日、すでに退職願いを提出済みであり、事務手続の都合上、退職辞令は八月の一日となったものであります。本件は、辞表提出より発令までの間に起こった事案であるとはいえ、本人がいまだ自衛隊に籍が置いてあった当時のことであり、はなはだ遺憾のことと考えます。しかし、現在はすでに退職した後でありますので、本人の行為について責任をただすということはできません。今後、調査隊のみならず、自衛隊全体の問題として、紀律の振粛に当たってまいる所存であります。
 第二は、当該自衛官の行為は、自衛隊法第六十条違反ではないか、これについてどう措置するつもりかという趣旨の御発言でございますが、自衛隊では、常々退職直前の隊員に対し、年次休暇日を利用して、ある程度の再就職の準備をすることは認めております。例規通達によりまして、就職の準備は、業務に支障を及ぼすことなく、自己の保有する年次休暇の範囲内で行なうことにしております。今回の事案も、この年次休暇中に行なわれたものであります。しかしながら、自衛隊法第六十条の趣旨に照らし、今回のようなやり方は好ましくありません。今後ともさらに指導を強化する所存であります。
 また、金書記官の問題につきましては、日韓両国の外交ルートで十分努力をしてまいりたいと考えます。
 国連における韓国、北朝鮮の加盟問題等につきましては、各国とも連携の上、最良の方途を求めたいと考えております。
 なお、大平外務大臣は、海外出張前に本件については全く承知していないものと考えられます。
 次は、本件事件の捜査経過を明らかにせよ、なぜ発表しなかったのかという趣旨の御発言でございますが、詳細は公安委員長から御答弁を申し上げます。東京のある私立探偵社が、本年の七月中旬ごろ、ある人に頼まれて金大中氏の所在確認につとめたが、所在がわからなかったまま七月末に契約を解除された。その後、金大中事件発生後、警察にこの事実を通報し、協力したという話を聞いております。この私立探偵社を経営している人が元自衛隊員であり、また、すでに六月下旬に辞表を出し、やめる前の休暇期間中の自衛隊員が手伝いをしたという話であるが、この人は、八月一日に自衛隊から退職が発令されておるのであります。金大中事件は八月八日でありますので、事件そのものには直接関係はありませんが、警察では、この人たちを事件の前段階における証人的存在だとして、捜査の秘密保持上及び証人保護の立場上、名前をはじめ捜査の詳細については公表できないと言っておりますので、御了承願いたいと存じます。
 なお、最後に、KCIAの問題でございますが、わが国の法律に違反したり、また暴力行為等が行なわれ、法律の趣旨により指定が行なわれるような場合を除いては、調査の対象にはできないわけであります。(拍手)
   〔国務大臣江崎真澄君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(江崎真澄君) 金大中事件のその後の捜査全般について概要を説明しろと、こういうお話でございます。現場の遺留品捜査、それから目撃者の捜査から、韓国大使館金東雲一等書記官の割り出しに成功をした。韓国側に任意出頭の要求をしておりまするが、なお他の犯人の割り出し、それは金大中氏が押し込まれた二二一〇号室、この宿泊客、畑中金次郎の捜査、その他、連行した車両、自動車、船舶の捜査、これらを鋭意進めておるところでございます。しかし、まだ残念ながら確証を得るに至っておりません。韓国側は、国際慣例をたてに金東雲一等書記官の出頭要求を拒絶しておりまするが、警察としては、外交ルートを通じまして、金大中氏ら三氏の再来日を含め、さらにねばり強く要求していくとともに、現場を中心とするじみちな独自の捜査を続行して、ホテルでの犯行状況、ホテルから日本出国までの足取りを重点に、真相の究明につとめておるところであります。
 さて、後段の、九月二十四日東京新聞夕刊に報ぜられました以来の問題でありまするが、この情報は、警察としては捜査の段階ですでに情報提供を得ておったのであります。これは証人の保護、それから捜査の秘密保持のため、今日まで公表を避けてまいりました。これは、特に韓国側が金東雲氏は関係がないと言っておるときに、捜査を進めていく上に、あれもこれもということより、やはり捜査の秘密上それを持っておるということは、警察側として当然のことであるというふうに考えるものであります。
 それから社名及び関係者の氏名は、証人保護のためと同時に、本人からもこれは強い希望があります。御承知のように、エレベーターの中で民間人が見たという、その証人についても明らかにいたしておりません。これはやはり本人たちからの強い希望に基づくものであります。七月中旬ごろ、佐藤と名乗る人物から、その探偵社は金大中氏の所在を確認してくれるよう調査の依頼であったのでこれを引き受けた。七月末まで、依頼主が示した立ち回りの予想先である原田マンションについて、個人タクシーを雇って数回張り込みを行なったが、ついに金大中氏を発見することができないで、契約は打ち切りになったというわけであります。この事実につきましては、私立探偵社として業務上の秘密であります。これは探偵社としては表に本来出せない、だれにも言えないことでありまするが、新聞、テレビ等で金大中事件が報道されたということで、この事件の発生を知って警察に通報をするということでありまして、少なくともそのことについては何ら疑う余地はない。自衛隊が関係しておるとか、自衛隊員が共犯者であるなんていうようなことはとんでもないことでありまして、これはすでに総理大臣から御説明が詳しくあったとおりであります。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(山中貞則君) まず初めに、一応退官いたしておる者でありますが、しかしながら、その退官の辞令の決定は八月の一日でありますので、このような、ただいま国家公安委員長より報告をされましたような行為の期間が、その以前である事実は間違いのない事実でありますので、そのようなことについてはきわめて遺憾なことである、かように考えます。したがって、お尋ねの、今後それはどう措置するかという問題でありますが、これは一般の公務員の問題も同じでありますけれども、これを、すでに退職いたしておる者について、その他の処置をとるということについては、人事院のほうとしてもそのようなことはできない、そういうような一応の人事院としての決定がございます。したがって、やめた者についてはいかんともいたしがたいのでありますが、このようなことが、かかわったことがいかに重大なことであったかについて思いをいたしますときに、陸上幕僚長通達等によって、退職を希望して、それから願いが聞き届けられるまでの間において、就職予定先の企業等の講習を受けたり、あるいはそれらの工場を見学したりする行為等は認めるという通達、そしてまた同時に、やってはならないという意味の、机、腰かけ等をあてがわれたり、あるいは名刺等にその予定の会社の印刷をして、実際上の営業行動に加わったり、そういうことはしてはいけないという通達もありますし、これらの問題の徹底を今後はかっていきたいと考えております。
 次に、調査学校というものは一体どこにあるのかということでありますが、小平市でございます。そしてその実態はどうかということでありますけれども、「防衛及び警備のため必要な情報に関する業務等に必要な知識及び技能を修得させるための教育訓練を行うとともに、情報関係部隊の運用等に関する調査研究」を行なっております。したがって、大別して情報教育と語学教育とに分かれております。調査学校の任務はただいま読みましたとおりのもので、自衛隊法施行令三十三条の二で定めているものでありますが、その卒業した総数は八千五百名でございます。その過半数は語学教育を受けた者でありまして、主として留学予定者、あるいはまた、通訳等渉外事務に携わっている者であります。調査学校の課程終了後は、主として幕及び部隊等の情報要員、それから渉外要員、ただいま申しました通訳その他でありますが、及び留学要員というものとして配置をされております。
 また、調査隊はどのような任務を持っているかでありますけれども、内部の隊員の外部からのいろいろな働きかけその他についての、警務隊が調査を開始するまでの間の調査をいたすものでありまして、外国の調査あるいは外国情報、そのようなものはやっておりません。
 それからKCIAと関係があるのではないかということでありますが、そういうことはありませんし、そういう必要もございません。やっておりません。
 それから事実関係は、先ほど総理が一部触れていただきましたけれども、六月二十六日に辞表を提出し、八月一日に退職をしておる者でございます。
 以上です。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(河野謙三君) 萩原幽香子君。
   〔萩原幽香子君登壇、拍手〕
#11
○萩原幽香子君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております国立学校設置法等の一部を改正する法律案につき、若干の質問をいたします。
 ただいまから行なおうといたします質疑は、当然委員会においてなされるべきものであり、本会議質問という異常な形をとらざるを得なかったことに対し、遺憾の意を表するものでございます。
 七月十七日、強行採決が行なわれました翌日、たまたま来日されていたアメリカの各級議員からなる日米青年政治指導者交流プログラムの人々が、議会制民主主義をとる日本の国会で強行採決がなぜ行なわれるのかと不審がられ、わが党の議員が何べん説明をいたしましても理解を示さず、日本には二つの国があるのかと、皮肉まじりに言われて、その会議に出席されたわが党の議員は、まことに恥ずかしい思いをしたということでございました。まことに、過去におきまして、強行採決や質疑打ち切りの動議のため、一言の発言も許されず、私は、みずからの発言権を私にゆだねた国民の心情を思い、悲憤の涙をのんだことに思いをいたさざるわけにはまいりません。しかしながら、参院の正常化のため終始御努力を続けられた河野議長の、今日のこのお計らいに対しては、確かに一歩前進であり、心から敬意を表したいと存じます。
 そこで、まず、総理並びに文部大臣にお伺いをいたします。
 通年国会にもひとしい日時を費やしながら、会期の終末において、この異常な状態を迎えたことに対して、政府としての責任をどのようにお考えになりますか、承りたいと存じます。
 これからの数十分の質疑では、もちろん十分審議を尽くすことはできませんので、重点的に七、八点にしぼってお尋ねをしてまいります。再質問はできるだけ避けたいと存じますので、御答弁は漏れなく、明確にちょうだいいたしますよう、初めにお願いを申し上げておきます。
 まず、最初にお伺いをいたしますのは、筑波法案の立法上の問題でございます。
 わが国の教育法の体系は、学校教育の基本的事項を定めた学校教育法があり、およそ、学校を設立して教育を行なうのには、国公私立を問わず、すべて学校教育法にのっとって行なうべきものとされております。大学については、学部を置き、学長、教授及び教授会の任務等、その組織運営に関する規定が設けられております。国立大学は国立学校設置法によって設立されますが、その組織運営は、すべて学校教育法の定めるところに従って行なわれております。ところが、本法案において新設しようとする筑波大学は、学部制にかえて学群、学系制とし、参与会、評議会及び人事委員会を設置するなど、学校教育法に定められていない組織及び運営が予定されており、このような制度は、他の一般の国立大学とは無関係のものであり、筑波大学特有のものでございます。
 このような観点から、筑波大学は全く特別の新しい制度であり、また、政府自身、他大学に波及することは考えていないと説明をされているのですから、国立学校設置法を改正して同法に規定を設けることは、まことに不適当と言わざるを得ません。つまり、学校教育法の面から見ましても、また国立学校設置法のたてまえから考えましても、いずれも特例的な内容のものであり、通常の立法形式では、このような場合、特例法または特別法として単独の法律で定められるのが常識となっております。にもかかわりませず、あえて国立学校設置法の中に規定を設け、医大、医学部等の新設と抱き合わせて提案をされた真意について納得のいく御答弁をちょうだいいたしたいと存じます。一この常識を越えた抱き合わせ提案のため、いま医大及び医学部等に受験しようとしている若人たちは、どのような心境で毎日を過ごしておりますか、大臣にはおわかりいただけるでございましょうか。ここで私は、この悲しみと憤りの訴えを二編御紹介をいたしたいと存じます。
 まず十八歳の男性の受験生の投書で「筑波大法案をなぜ切離せぬ」というものでございます。
 「国会はようやく落着きを取戻したようだが、通称「筑波大学法案」は、いまだに国会通過のメドが立たず、このため、この法案の中で筑波大学と抱合わせになっている旭川、山形、愛媛の国立医大および医学部の開校も延び延びになっている。医大、医学部新増設については、与野党の意見はすでに一致している。とすれば「筑波大学法案」を二つに切離せば、明日にでも開校できるのに、同じ国立大学の問題だからと言訳をして、切離さないという政府の石頭には全くあきれてしまう。このことが一体どのくらいの不安と動揺を受験生に与えているか、奥野文相はご存じか。法案が国会を通過してから授業を始めるまで最低二カ月かかるというのに、あせっているのは受験生だけで、政府・与党は至ってのんきなようだが、国民の身近な問題について、もっと真剣に検討して頂きたいものだ。」
 次は、十九歳の女性からのもので「「筑波法案」のとばっちり」と、怒りをぶっつけております。
 「青少年に希望と夢を。これは、国会議員が好んでいう言葉です。実際は、政党のご都合主義で希望と夢の芽をむしばんでいるのが、国会議員のあなた方なのです。私は、四月から開校予定の医療技術短大の合格者です。「国立学校設置法令の一部改正」が、国会で成立しないため、いまだに入学できません。友人は、大学の新設医学部に受験できず、途方にくれています。理由を調べると、前記法令に筑波大学が含まれて、そのとばっちりで、成立の見通しが立っていないことがわかりました。これは選挙権のない弱い立場のものを、切捨てごめんにする政治です。こうしたいらだちから政治家に大きな不満、反発をつのらせております。ここで筑波大学について論ずる余裕はありませんが、支障のない開校には、同法案から分離して成立させてはいかがでしょう。それが政治判断かと考えます。希望をかなえてくださるようお願いします。」
 こうした投書や手紙は数限りもございません。私は、これら若い人々の嘆きと怒りに触れるたびに身の縮む思いがいたします。もちろんこの悩みは、ひとり学生だけではなく、父兄はもちろん、四月一日に開校を言い渡されて準備に専念し続けた地元の人々の、物心両面にわたる損害もまた甚大なものがございます。何のかんばせあってか国民にまみえん。これでは国民不在の文部行政と言われても答弁の道がないではございませんか。
 大臣、あなたはいかがお考えでございましょう。現在のような状況がくることを大臣は予測されなかったのでございましょうか。もし予測されなかったとすれば、著しい認識不足であり、予測しながらもあえてこの御提案をなさったとすれば、よほどこの法案の成立に自信をお持ちになれなかったと拝察し、それをあえて強行されようとしていることはまことに悲しむべきことで、大学改革に大きな汚点を残すと言わざるを得ません。とにかく、大臣は、事志と違った現状に対して率直に直視し、耳を傾けていただきたいと存じます。
 学校教育法や教育公務員特例法などの一般法の改正までなさるというのなら、当然、他大学への波及もお考えの上のことであり、それなら、広く各大学や学術会議、国大協、大学問題研究会など広く多くの人々に諮問して、国民合意の得られる大学をつくり上げるべきだったのではございませんでしょうか。去る六月二十九日、私は、本議場におきましての質問の際、多くの異なる意見に耳を傾け、その長所を取り入れられることを強く要望いたしました。そのとき大臣は、その趣旨に沿って努力する旨の御答弁がございました。しかし現実は、必ずしもそうではないようでございますが、この点について大臣の明確な御答弁をちょうだいいたしたいと存じます。
 質問の第二点は、大学紛争を契機に全国の各大学では、あらためて大学とは何か、大学はどうあるべきかといった問題についていろいろ研究、検討がなされ、発表されたと承っております。当然、文部省としては、そうした改革案を収集されて御検討があったはずと存じますが、それらの資料に基づき、各大学の改革案並びにそれらの問題点についてお伺いをいたしたいと存じます。あえてこの質問をいたしますのは、私はさきに申しましたように、教育問題は国政の基本にかかわることでございますので、その法案立案にあたっては、広範な意見聴取は不可欠の問題だと考えるからでございます。
 民社党は、法案発表とともに新構想の内容についての研究に取り組んでまいりました。単に反対するだけでは、公党として無責任のそしりを免れません。議会制民主主義のルールにのっとり、本新構想の重要事項に関する修正案を提案し、尽くせるだけの努力を院の内外において払ったわけでございますが、政府・与党からついに誠意ある態度をお示しいただけなかったことは、まことに残念でございます。大臣は、わが党の修正項目につきましてどのように御検討いただいたのでございましょうか、承りたいと存じます。
 民社党の修正項目のうち、特に学生の位置づけ及び参加のさせ方についての御見解を承りたいと存じます。学生は大学における重要な構成要員でありますが、過去数年間、そして今日もなお激しく続いております大学紛争と学生問題の根底には、学生の人格的存在が無視され、その意思の反映がない大学に対しての学生の反抗に端を発していると見るべきだと存じます。教育はお互いの信頼と愛情の上にこそ成り立つものであり、人間関係において、信にこたえるということばは、まことに意義深いものと存じます。筑波大学新構想では、特にその点でどのような配慮がなされましたのか、具体的にお伺いをいたしたいと存じます。
 質問の第三点は、非常に細部にわたって規定されております管理運営についてでございます。
 前々の質問者から、筑波大学につきましての管理運営の問題点は詳しく指摘がございましたので、私は少し角度を変えて、欧米諸外国の大学、特に最近大学改革で成果をあげつつあります大学と、筑波大学で考えられております管理運営について比較しながら承ってまいりたいと存じます。もちろん、各国はそれぞれ政治制度も違い、教育行政の体系もさまざまとは考えますが、文部大臣が筑波大学を世界の進運に沿うものにしたいとのお考えを承りましたので、やはり先進諸国との比較もまた当然なされたものと存じ、お尋ねをするわけでございます。従来、特に戦前のわが国の国立大学は、基本的にドイツ流の考え方に立っていたと思われますので、まず、ドイツの国立大学の現状と現行規定についてお聞かせをいただきたいと存じます。私がこの質問をいたします上で参考資料といたしましたのは、四十八年三月、国立教育研究所から出されました第八十三集別冊「大学の管理運営に関する比較研究」でございますことを申し添えて具体的なお尋ねに入ります。
 ドイツには重要な国立大学が数多くございますが、その中で、ビーレフェルト大学について、その規定をお伺いいたします。私が特にビ大学を取り上げました理由は、第一に、当大学は一九六七年に創設され、一九六九年十一月に一部授業を開始された、きわめて新しい大学であり、ドイツ一般の伝統を踏まえながら、しかも、これに拘束されることなく、自由な構想が期待されるからでございます。第二は、この大学の定款は、その属するノルトライン・ヴエスト・ファーレン邦政府により承認されたばかりでなく、翌七〇年四月制定されました同邦大学法のモデルになったもので、つまり、一大学の特例にとどまるものではないということなのでございます。第三に、この定款は、同大学設立委員会が、同邦学長会議の「大学自治の組織について」という報告を基礎として審議を進めた結果であるという点でございます。以上の設置過程につき、文部大臣はどのようにお考えになりますか承りたいと存じます。
 私がビ大学に一番敬服をいたしましたのは、同大学は、全大学の意思を基礎として設立されたことであり、だからこそ、政府もこれをモデルとして堂々と大学法の制定に進み、すでに実施に移していると考えられるからでございます。つまり、全国民の祝福を受けての発足であるという点でございます。文部省が、ビ大学におけるような手続によって事を進めておられたら、筑波大学は、よりよい内容で、もっと順調に、国民的合意のもとに発足できたのではなかろうかと考えますが、いかがでございましょう。
 大臣は、十年越しの問題であるから、この辺で決着をつけてほしいという御発言でございましたが、それは、きわめて安易なおことばではございませんでしょうか。長期間かかったということは、それだけ問題が多かったとも言えますし、また、十年越しと言っても、国民の前に広くこの問題が提起されてからは一、二年、真に問題となったのは半年にすぎないところでございます。しかも、この間の政府の御説明は、私どもの提起した問題を解明されないままにいまの状態になっております。わが党では、過ぐる四十四年五月、大学改革の一助ともなればと考え、大学基本法案を提案いたしましたが、それにつきましても一顧だにされなかったのはまことに残念でございます。多数決によるきめ方はまことにけっこうでございますけれども、それには少数の者の意見に耳を傾けるという前提がございます。唯我独尊の姿勢で、このあたりで決着をつけよと言われますのは、少々押しつけにすぎないでございましょうか、それとも私の思い過ごしでございましょうか、大臣、いかがでございましょう。
 次いで、ビ大学の管理運営について、次の諸点をお伺いいたします。
 学部制とその内部組織の自主性について、学長、副学長、事務総長の選出方法とその任務について、学外者の参加のしかたについて、大学構成員、大学所属員の参加のしかたについて、筑波大学との似て非なる点を承りたいと存じます。一例を申しますと、評議会で中央集権、執行部の独裁をチェックできるように規定されているという点では、外見上、筑波大学と全く同じように感じられます。しかし、ビ大学では評議員の中に助手、学生代表十名を含んでおりますが、筑波大学におきましては、助手、学生は含んでおらず、しかも五十三名のうち十七名は、学長を含めて、学長の選考によるものであり、しかもこれに加えて、学長指名の教員若干名を加えれば、実に学長選考によるものが確実に三分の一をこえることになり、学長、副学長に対する三分の二多数決による罷免は全く空文になることは明らかでございます。いま例示いたしましたように、先ほどの私が提案しました四項目について具体的にお示しを願いたいと存じます。
 なお私は、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連、スウェーデン等の大学についてもお伺いを申し上げたいわけでございますが、時間の関係もございますので割愛し、他の機会に譲りたいと存じます。しかし、わが党が学生参加の規定を設けるべきことについて提案をいたしておりますので、その関係上、フランスにおける高等教育基本法の中で学生参加を規定しております点について、内容をつまびらかにお伺い申し上げたいと存じます。あわせて、これに対しての大臣の御見解をいただきたいと存じます。
 また、副学長の問題では、副学長は学長を補佐すれば足り、特に研究、教育に関しての専門的分担は、当然の帰結として研究内容、教育実務への介入となり、許されるべきではないとの理由で、わが党はこの縦割り構想に反対の立場をとっておりますが、ビ大学はこの点どのようになっておりますか、承りたいと存じます。
 ここで私は、将来の問題として一つ新たに提案し、大臣の御所見を承りたいと存じます。大臣が言われますように、筑波大学が世界の進運に沿うものというお考えなら、当然外国からの学生も受け入れることが予想されます。といたしますならば、わが党提案三名の副学長の中に、外国学生担当副学長をお考えになってはいかがでございましょう。すでにソ連のモスクワ大学、キエフ大学ではその制度がとられております。
 質問の第四点は、筑波大学の教育の内容について具体的にお伺いをいたしたいと存じます。
 筑波法案は、管理運営の強化についてはまことに細部にわたって規定されておりますが、最も肝心な教育に対する配慮が薄いという点で、これは残念でございます。そこで、まず、教育の基本ともなります教育課程についてお伺いをいたします。
 いま、私の手元にいただいております筑波大学の教育課程は、政府の御説明では、他の大学で実行されておりますカリキュラムとは違い、総合的でユニークなものというおことばでございましたが、どの点が特に他大学と違い総合的でユニークなのか、具体的に承りたいと存じます。また、いまお示しのものは、カリキュラムとは言えないと存じます。カリキュラムは、いまさら私が申し上げるまでもなく、講義題目の全体メニューと担当教官名を含まねばなりません。担当教官名は、少なくとも初年度分があってしかるべきではございませんか。この点が示されないのはいかがな理由でございましょう。本法案と抱き合わせされた山形大学医学部におきましては、すでに昨年十月末に職員組織に関する書類が大学設置審議会に提出され、十一月には審査を通過したと聞いております。これが通例の手順ではございませんか。その点について、できなかった理由を承りたいと存じます。筑波大学の場合も、すでにそのような担当教員予定表が作成されておりますのでございましょうか。作成されているはずでございます。それと見合った全体のカリキュラムが作成されていなければならないと存じます。その御提出がいただけないようでは、はたして来年から新大学は発足できるのでございましょうか。どうなさるおつもりか、承りたいと存じます。
 また、内容の点におきまして、語学教育がきわめて技術的に考えられているように思われます。従来の外国語教育の持っていた幅広い教養教育が切り捨てられ、専門的技術人の養成を目ざしていると考えられます。このことは、第一次まとめ改訂案中、教育研究組織の編成方針にある「広い視野を養い、豊かな人間形成に資する」といううたい文句に抵触はいたしませんか。いかがでございましょう。また、単位も不十分なように思われますが、これで十分だとお考えでしょうか、お伺いをいたしたいと存じます。
 次いで疑問に感じましたのは、「社会学の履修例」でございますが、カリキュラムは授業を持つ予定の人がつくったとの御答弁でございましたが、私の聞き及びますところでは、東京教育大学の社会学は、全員筑波大学反対派と承っております。とすれば、この履修例は一体どなたがおつくりになりましたのか、承りたいと存じます。
 次いでお尋ねいたしたい第六点は、筑波新大学創設準備会のまとめについてでございます。
 まず第一に、研究科の開設年度の一部繰り上げというのは、具体的にどういうことでございますか。
 第二に、教職員定数の増加の内訳と総定員法との関係、また予定されております医学部(九県)が増設された場合、定員はどうなるのでございましょうか。総定員法は撤廃なさるおつもりですか、あるいは実情に即して改善をされる用意がございますのか、承りたいと存じます。
 第三は、四十九年度概算要求についての概要について伺います。要旨のところで、四十九年度に一部の第一年次学生を受け入れるとありますが、それでは、入試の日時はいつ、入試問題作成委員の委嘱はだれに、いつ、されるおつもりですか、承りたい。また入試の場所はどこになりますか、第一年次生の筑波への受け入れば可能でございますか、などにつきまして承りたいと存じます。
 次いで、東京教育大学各学部の現状についてお伺いをいたします。初め東京教育大学の移転について賛成をしていた人が、筑波大学の内容が明らかになるにつれて批判的になり、反対に変わった先生方が多いと聞きますが、賛成、反対の比率は現在どのように変わっておりますか、承りたいと存じます。私が聞き及びましたところでは、反対四、賛成六ということでございますが、これは事実でございましょうか。そのように賛成派が少なくなった理由はどこにございますか、承りたいと存じます。
 最後にお尋ねしたいのは、いままでの衆参両院の審議で明らかになりましたように、東京教育大学の内部はたいへん深刻な意見の対立があるわけでございます。このような状況の中で東京教育大学を強引に筑波に移転しても、はたして国民の期待に沿うような望ましい大学として発足できましょうか。残念ながら、私は、前途まことに不安でございます。そこで、学術会議の渡辺先生の御意見にもございましたが、この際、本法案の中から東京教育大学を廃学にする規定を削除して、東京教育大学をこのまま存続させ、筑波大学は、新構想に賛成の人々を全国から集めて、真に実験大学として発足されてはいかがでございましょう。また、文部省のお話では、昭和六十年には、現在の二八%の大学の就学率が四〇%に伸び、七十七万人の増加を見るということでございますが、その点を考えましても、由緒ある東京教育大学の存続は当然の措置と考えます。少なくとも、学部のほとんどが移転反対を表明されている文学部については、単科大学としてでも残すべきではないでしょうか。それこそが素朴な国民感情にこたえることであり、国民に開かれた政治の姿勢だと存じます。総理並びに文部大臣の御決意はいかがでございましょう。
 大蔵省にお聞きをいたしますが、仄聞するところによりますと、七、八年前からすでに教育大学の廃学を目ざして、敷地、校舎を筑波大学の財源に充てるよう文部省と話し合われているということですが、それは事実でございましょうか。また、最近では、両省の話し合いで教育大学の予算がなしくずしに縮減されているともいわれますが、文部、大蔵両大臣から、その真偽のほどを承りたいと存じます。念のため、昭和四十四年以降の教育大学の予算についてお示しを願いとう存じます。
 教育は国政の基本といわれながら、全国の各大学の実態は、人と金の不足に悩まされております。研究費一つをとってみましても、先進諸国にははるかに及ばない低さといわれます。これは文部省の責任はもちろんですが、総理並びに大蔵省の教育をいかに考えるかの問題にかかっていると存じます。未来を創造する若人のために、惜しみなく、お金を出してくださるお気持ちはございませんか。総理並びに大蔵大臣の御所信を承りたいと存じます。
 先ほどからるる述べてまいりましたように、この法案には幾多の問題点を含み、それが各大学や国民に不安の念を抱かせていることは、総理も、文部大臣も、十分御理解をいただけたと信じます。筑波大学の移転を急ぐあまり、大学改革に汚点をつくり、悔いを千載に残すことのないよう、重ねて重ねて要望して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(田中角榮君) 萩原幽香子君にお答えをいたします。
 第一点は、国会審議のあり方についてどう考えるかという趣旨の御発言でございますが、国会審議のあり方につきましては、政府としてとやかく発言する立場にはございません。しかし、本特別国会が、会期すでに二百八十日になんなんとしておるということも御理解いただきたいと思うのでございます。政府といたしましては、本法案が医科大学等の設置とともに、新しい構想に基づく筑波大学の創設や大学制度の改善など、大学改革の推進をはかる上できわめて重要な内容を定めたものでありますので、すみやかに御賛同をいただくよう強く期待しておるわけでございます。
 次は、現在の教育大学は存置をし、これとは別個の実験大学として筑波大学を設立してはどうかという趣旨の御発言でございますが、筑波大学は東京教育大学が筑波研究学園都市へ移転をするということを契機にいたしまして、すぐれた伝統と特色を受け継ぎながら、これまでの制度に必ずしもとらわれない新しい構想に基づく大学をつくろうとするものでございます。しかも、この構想は、東京教育大学の多数の教職員の支持のもとに、同大学の自主的改革案として構想されたものでございます。したがいまして、筑波大学の創設と東京教育大学の閉学を切り離すことはできないわけでございます。
 なお、大学や大学施設に対して予算を十分に計上すべきであるという考え方については、私もそのとおり考えております。現在、新学園都市構想を実現するために、審議会、調査会をつくっていただいておりますのもそのためでございますし、きのうも申しましたように、六十年までに大学進学率を四〇%と計算をしますと、新しく七十七万人も大学生がふえるという計算になりますので、これらの問題に対しては、明治の初年われわれの先輩たちが、あの乏しい国民総生産、国民所得の中に教育投資を行なったより以上の情熱を持って、これに対応したいということを考えておるわけでございます。
 残余の問題に対しては、関係閣僚から答弁をいたします。(拍手)
   〔国務大臣奥野誠亮君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(奥野誠亮君) 異常国会との関係につきましては総理からお話がございましたので、私から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
 まず第一点として、立法上の問題につきましていろいろなお話がございました。
 学校の組織運営に関することについては学校教育法の改正によるべきであって、国立学校設置法の改正によることは適当でないという御指摘でございます。そうではございませんで、国立学校設置法の第十三条には、こう書いてあるわけでございます。「この法律又は他の法律に別段の定めのあるものを除くほか、国立学校の組織及び運営の細目については、文部省令で定める。」、ということは、組織運営に関することを国立学校設置法で定めるのだということでございまして、これを受けまして、評議会の規定も文部省令で定めているわけでございます。
 筑波大学については単独法とすべきではなかったかという御指摘でございます。旭川医科大学等はもとより四十八年度から開学していくわけでございますが、筑波大学も本年の十月開学でございます。新しい学生を入れますのは来年度でございますけれども、いろいろな準備を進めていかなければなりませんので、この十月に開学でございます。四十八年度から発足していくという点におきましては、旭川医科大学等とこの筑波大学との間には何ら違いはないわけでございます。同時に、国立学校設置法にすべての国立学校を網羅規定いたしているわけでございますし、筑波大学もまた国立大学として設置するわけでございますので、当然、国立学校設置法に規定していかなければならないということでございます。もとより、この法案の成立がおくれましたために、旭川医科大学等に入学を予定しておられた学生、待ちあぐんでおられ、たいへん御迷惑をかけておりますこと、私もほんとうに申しわけない感じを持っているわけでございますが、法案が成立いたしますと、直ちに入学試験を実施いたしまして、十一月上旬からは授業を開始できる、かように考えているわけでございます。地元の方々にもたいへんな御協力をいただいているわけでございまして、ぜひ地元の方々の御期待にこたえるような大学に発展させていきたいものだ、かように存じます。
 また、このようになる状況を予測しなかったかというお尋ねでございました。東京教育大学の移転をめぐりまして、東京教育大学の中に内紛が続いております。まことに残念なことでございます。内紛が続いておることではございますけれども、十年来のことでございますし、同時にまた、大学の自治を尊重すべきだということにつきましては、私はどの党にも異論はないと思うのでございます。そういうたてまえから考えますと、東京教育大学が筑波に移転するんだ、ビジョンを掲げて新構想の大学をつくるんだ、この新構想の大学がつくれるように立法措置をとるわけでございますので、私は賛成を得られるものだと、こう期待しておったわけでございます。このような姿になるということについては考えも及んでいなかった。不明と言われれば不明でございましょうけれども、それほど私は、大学の自治は尊重されるべきだと、こういう期待を強く抱いてまいりましたことを、この機会に明らかにさせていただきたいと思うものでございます。
 他の大学への波及のことがございました。私たちは、筑波方式をそのとおり各大学にとらせたいというような考え方は、毛頭持っておりません。毛頭持っておりませんが、明治以来、大学といいますと、学部の組織以外は一切認めないのだといういまの仕組み、これはもっといろいろな方式を各大学がおとりになっていいじゃないか、少なくとも弾力化をしていかなければならない、とろうと思えばとれる仕組みに変えなければならない、また、そういうことを通じて国民の期待にこたえる大学改革をやっていただかなければならないのじゃないだろうか、こういう考え方を持っておるものでございます。
 今度の筑波大学について各大学のいろいろな意見をいれる問題、基本的には筑波大学の新構想をつくりました東京教育大学、この東京教育大学がお立てになった案でございますが、さらに各方面の大学の識見のある方々にも加わっていただきまして推敲を重ねてまいったわけでございますから、各大学のよい知恵もそれに加わって、そして今日の案になってきた、かように考えているわけでございます。同時にまた、法律に規定しておりますのはごく骨格的なことだけでございます。今後は、筑波大学発足後は、筑波大学の学則や慣例の積み上げを通じまして筑波大学の内容ができ上がってくる。こう考えているわけでございますので、国会の御論議も筑波大学が設置後は十分関係の皆さん方にもかみしめていただこう、こう考えているわけでございます。
 民社党の修正案についてのお話がございました。学生協議会を設けて、評議会で学長を選考する場合には、学生協議会の代表を評議員に加えろという御提案でございます。学生が積極的に学校のいろいろな問題につきまして参加していくこと、これは私はけっこうなことだと考えているわけであります。問題は、人事に参加をしていくということにつきましては、いまの日本の各大学の姿から見まして、私はちゅうちょせざるを得ないのでございます。やはり大学の自治といいますものは、大学の自治に最も責任を持っております教員、この教員の手にゆだねるべきだ、こういう考え方を深く持っておるものでございます。
 現に、西ドイツの話が先ほど出ておりました。西ドイツにおきまして、学生をそういう人事などをきめる評議員に相当数加えている。学校によりましては、教授、助教授、助手、学生、それぞれが同数のようなところもございます。こういうことについて問題が出まして、ドイツの連邦裁判所で、大学の自治については教授が責任を負っているのだ、教授が責任を負えないような構成をとることは違憲だと、違憲の判決が一、二カ月前に出たところでございます。たいへん重要な問題でございまして、私は日本の場合は、それより、より以上に各大学の実態がまちまちだと思うのであります。各大学の実態がまちまちでありますから、学生協議会を法定するよりも、どのような仕組み、どのような運用をとるかということは、各大学の実態に応じたくふうに待ちたい、各大学の自治運営にゆだねたい、こういう気持ちを持っておりまして、いま直ちに立法することについての勇気が私には出てこないわけでございます。そういう事情でございます。
 他の点につきましては、参与に地域住民の意見が反映されるようにしろ、あるいは副学長を三人にしろというようなことにつきましては、特段の反対的な意見は持っていないわけでございます。参与は、当然地域の代表者を入れるべきだと考えております。同時にまた、副学長は、筑波大学に責任を持たれる方々の意見に従いたい。その意見が三名になれば、それでよろしいわけでございます。任命をします場合には、もう一ぺん東京教育大学の学長の意見を確かめて、その意見に従って任命をしたいと、かように考えておるところでございます。人数を法定することについては、私は異論を持っておるわけでございまして、各大学の自治にゆだねるべきだと、このような考え方を持っておるわけでございます。
 第三に、管理運営に関しましてお尋ねがございました。その一つとして、ドイツのビーレフェルト大学のことについてのお尋ねがございました。ビーレフェルト大学は、一九六九年に発足いたしました。副学長も置いておりまして、その数は四人でございます。いろいろな機関を置きまして、そして自主性を確保していきたいという配慮が十分加えられているようでございます。いろいろな委員会や会議につきましても学生の代表も加えているようでございます。
 お尋ねの個々の点について申し上げてまいりますと、学長は、教員の中から大学協議会によって選出されるということでございます。その任務は、大学を代表し、学長部の業務を統括し、評議会の議長となることなどでございます。副学長は、学長の提議に基づき、大学評議会によって選出されます。副学長は、その担当分野の業務につき、学長を補佐いたします。事務総長は、学長の提案に基づき、州政府によって任命され、大学の管理事務を統轄いたします。
 学外者を直接大学または学部の諸機関の会議に参加させ得ることが規定されております。大学のすべての正教授及びその他の教員は、大学協議会の構成員となり、学長、副学長の被選挙権を持っております。その他、大学評議会や各種委員会にその代表を送ります。学生は、大学評議会、大学協議会並びに各種委員会にその代表を送るということにいたしておるわけでございます。
 筑波大学と似て非なる点は何かということでございました。大学評議会のほかに大学協議会があるということが一つでございます。大学評議会、大学協議会並びに各種委員会に学生の代表及び必要に応じて学外者が加えられる、これも違う点だと思います。副学長は大学教員から選出される、こういたしておることでございます。
 次に、学長の権限が非常に強い、学長選任が三分の一をこえるのじゃないかという御懸念がございました。筑波大学発足後、その学則によりまして設けようとしています財務委員会等をお考えになっているのじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。それらの学則は筑波大学の発足後、筑波大学の評議会で審議されるわけでございます。審議されます場合には、いまの御懸念のようなこともよく理解した上で審議されるように、私は連絡はしておきたい、かように考えるものでございます。
 フランスのことについてお尋ねがございました。フランスの高等教育基本法におきまして、先年、学生代表を参加させるという仕組みをとったわけであります。評議会参加の精神に基づきまして、議決権を有する評議員として、教員代表と同数の学生代表で構成するのだということが規定されたわけでございます。しかしながら、定期的に選挙人登録学生数の六〇%以上の投票により、学生代表評議員を選出することが規定されておりまして、投票率が下回わります場合には、議席数はそれに応じて減らす、制限される、こうなっておるわけでございます。全国の投票率の平均を見ますと、わずかに二七%にすぎません。私は、日本の場合に非常に心配しておりますのは、ひたすら勉強していきたい学生もございますれば、社会体制を変えていきたい、暴力でいまの体制をぶち破りたい、非常に政治的に関心を強く持っておられる学生もいろいろあるわけでございます。そういういまの日本の姿につきまして、もう少し落ちついた社会になってきませんと、いまのままですぐ一律に学生問題を大学の中に規定してしまうということについては、非常な懸念を感ずる。だから、学生の問題につきましては、大学の自治にゆだねていきたいのだ、こういう気持ちであるということでございます。
 外国からの学生を受ける担当副学長問題の御意見がございました。副学長制度がとられるわけでございますので、いまの御意見も、そのとおり筑波大学当局者に伝えてまいりたいと思います。
 教育内容についてのお尋ねでございます。筑波大学では、学群のカリキュラムを一般教育と専門教育に形式的に二分することをやめまして、有機的に総合した形で四年間を通じて編成することとし、授業科目の区分のしかたにつきましても、従来の大学のそれとは異なった方法をとっていきたいと考えておるわけでございまして、専攻科目、基礎科目、関連科目、共通科目というようなことで打ち立てることが考えられておるわけでございます。また、授業を担当する教員の組織につきましても、従来の大学のように専門教育のための学部と、一般教育のための教養部という形に二分することなく、学群、学系という統一した形で組織しておりまして、総合的なカリキュラム編成が容易になる仕組みをとろうとしておるわけでございます。新大学における授業担当者は、新大学が発足いたしましてから後、新大学において自主的な判断のもとに決定することが最も適当でございまして、そのような意味合いにおいて、今日では最終の決定という段階にはなっていないわけでございます。しかし、現在すでに東京教育大学に置かれております筑波新大学創設準備室を中心に、着々と準備が進められており、明年四月の授業開始には何ら支障はないものと確信をしておるところでございます。
 カリキュラムの内容につきまして、語学を中心に御意見がございました。筑波大学におきましては、国際間の交流の重要性にかんがみまして、外国語を実際に使える能力を身につけさせることに重点を置くこととし、外国語センターを設け、教育工学的手法を積極的に導入するとともに、能力検定制度を取り入れ、外国語教育を強化することとしております。また、外国語科目は、基準の八単位をこえて、最低十二単位履修させる計画でございます。筑波大学におきましては、新しい教育組織の利点を生かし、共通的な総合科目や広く他の分野にわたる関連科目などを開設し、総合的な教育課程としておりますが、全体の単位数は現行設置基準に定めるとおり、百二十四単位を最低とし、文教委員会でお示ししました履修例に見られますとおり、これを若干上回る単位数をもって、カリキュラムが作成されるものと考えております。
 社会学の履修例のことについてお尋ねがございましたが、筑波大学の教育課程につきましては、正式には同大学の開学後、授業開始前の間に、同大学において作成することになるわけでございますが、さきに文部省の筑波新大学創設準備会において審議了承されました基本方針をもとに、現在すでに東京教育大学に置かれている筑波新大学創設準備室において、準備のための具体的作業が進められているのでございます。さきに文教委員会に提出いたしました履修例は、この作業により取りまとめられた試案でございます。
 また、研究科等のことについての言及がございましたが、大学院修士課程の応用理学研究科及び総合工学研究科について当初五十六年度開設と予定されていましたが、他大学の卒業生や社会人も積極的に受け入れる本大学の修士課程の性格にもかんがみ、なるべく早期に開設することが適当だとする観点から、昭和五十三年度開設に改めることについて検討されております。筑波大学は、全体の教職員定員として約三千七百六十人が計画されておりますが、このうち、現在の東京教育大学の定員をもって充当する分は約千百八十人でございます。これを差し引いた純増分約二千六百人を学群等の開設整備の年次計画、約八年間でございますが、これに従い整備することといたしております。なお、筑波大学は国立大学として設置される大学であり、これに要する定員も当然、総定員法第一条第一項に規定する職員として措置することになるわけでございます。
 次に、入試のことでございます。筑波大学の昭和四十九年度入学者選抜は、国立大学の第一期校として、他の一期校と同一の期日に実施することとしたいと考えております。また、入学者選抜の実施方法等については、現在準備室を中心として鋭意検討が進められておりますが、筑波大学発足後は、その検討の成果を引き継いで、入試問題の作成等、入試準備一切を同大学において行なうこととなっております。
 賛成者が反対に回ったりしているじゃないか、いう意味のお話もございました。筑波大学の構想は、東京教育大学において長期にわたって検討されており、その間に、賛否いずれにせよ、当初と異なる見解を持つに至った教職員がありますことは当然予想されるところでございますけれども、その詳細のことについては承知しておりません。しかし、現段階におきましても、この構想を推進する東京教育大学の正規の意思決定は不変でございます。したがって、同大学の大多数の教職員の支持を得ているものと確信をいたしております。賛否の割合についての御意見もございました。そういう見方もできましょうし、また七、三ぐらいだろうという見方もできるのじゃなかろうかと、こういうふうに存じておるわけでございます。
 筑波大学は、昭和四十九年度に、第一学群四百人、医学専門学群百人、体育専門学群二百四十人、計七百四十人の学生を受け入れることとしておりますが、開学準備については、かねてから東京教育大学に置かれている筑波新大学創設準備室を中心に、多数の教職員が参加して、入学試験、授業計画、教育研究準備等の諸般にわたって具体的な作業を進めているところでございます。
 東京教育大学に反対があるのだからそれを残したらという御意見もございました。これについては総理からお話がございましたので、私もそのとおりに考えているわけでございます。
 筑波につくります大学は、人文、社会、自然各領域にわたって均衡のとれたりっぱな総合大学をつくり上げたいと考えておるわけでございますので、ぜひ現在の東京教育大学の各学部が一致協力して筑波大学に移っていただき、そこでいま申し上げますような総合大学を発展的に建設してまいりたいものだと、かように強く希望いたしているものでございます。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(小坂善太郎君) 萩原議員にお答えを申し上げます。
 筑波大学と東京教育大学との関連でございますが、これについてはすでに総理からお話がございましたように、筑波大学の創設は東京教育大学の閉学と切り離せないものと承知をいたしております。また、東京教育大学につきましては、筑波大学が計画的に順次整備されることに対応いたしまして、最終的に閉学されるまでの問は、当然その運営に必要な経費が措置されるものと承知をいたしております。
 なお、今後大学進学希望者が非常にふえていく、したがって、今日教育大学を東京に存置するということも必要ではないかという御趣旨の御質問がございましたのでございますが、御承知のように、東京のような巨大都市に今後の教育環境が必ずしも適切なものと思われませんのでありまして、この後にさらに東京に大学を置いておくということは、今日のような過密の状況にかんがみまして、考えねばならないことかと考えておる次第でございます。
 なお、教育費につきまして、この管理運営の費用を充実するということは、高等教育の基礎的な重要問題でございまするので、御意見のとおり、この点は十分効率的に予算づけをしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(河野謙三君) 加藤進君。
   〔加藤進君登壇、拍手〕
#16
○加藤進君 私は、日本共産党を代表して、国立学校設置法等の一部を改正する法律案の撤回を強く要求する立場から、総理並びに関係大臣に質問します。
   〔議長退席、副議長着席〕
 私は、文教委員会において、本法案について一言の質疑も許されませんでした。本日、ここに初めて質問の機会を与えられたものであります。文教委員会における審議は、きわめて不十分であり、数々の疑問と問題点をなお多く残していることは、皆さんの御承知のとおりであります。これらの問題を、この制約された本会議の審議だけで解明することは、とうていできるものではございません。にもかかわらず、田中内閣と自民党が、議会の多数にものをいわせて、事実上問答無用の形で、わが国大学の基本にかかわる重要内容を持つ本法案を強行成立させようとしていることに、私は、怒りを込めて抗議するものであります。
 さて、ただいま議題となっている筑波大学法案は、わが党が一貫して追及してきたように、教育の国家統制を強め、軍国主義化を進めるものであります。私は、本論に入るに先立ち、教育の軍国主義化と重大な関係のある、自衛隊員が金大中事件に介在していた問題について、まず政府の見解をただしたいと思います。
 第一に、総理に伺いたい。今回の事件は、韓国の朴反共独裁政権によるわが国の主権に対する侵害行為に、国家公務員である現職の自衛隊員が関与をしていたという、きわめて重大な問題であります。これは、自衛隊員がたまたま依頼を受けたとか、事前に犯行計画を知らなかったなどといって済ませる問題ではなく、直接、自衛隊の指揮監督の任に当たる最高責任者である総理の責任にかかわる問題であります。その責任をどう感じ、どのように処置をおとりになるのか、はっきり御答弁を願いたいのであります。
 さらに、警視庁特別捜査本部が、早くからこの事実をつかみ、自衛隊員から事情聴取をしているというが、なぜ今日までこの事実発表が押えられていたのか。もし押えられていたのが事実ならば、これは、きわめて重大な言論、報道の自由を侵害するものと言わなければなりません。国家公安委員長の明確な答弁を求めます。
 第二に、この事件でいま国民が重大な疑惑を持っているのは、わずか一カ月余り前に開設されたばかりの、たった二人の名も知れない小さな興信所に、韓国大使館一等書記官であり、KCIAの有力メンバーといわれる金東雲が、金大中氏らを拉致するという国際的陰謀事件に関連する調査を依頼したかということであります。これはだれが考えても、金東雲が、KCIAグループとこの興信所とが、特別なつながりや信頼関係があったとしか考えられないことであります。それでも政府は、この興信所が金東雲らの犯行と直接関係がないといって済まされると思われるのかどうか、はっきりしていただきたい。さらに、重大なことは、この興信所のメンバーは、二人とも防衛庁の特務スパイ機関である陸上自衛隊東部方面総監部調査隊の出身であり、所長は去る六月退職したばかりの三等陸佐坪山晃三、所員はその部下であり、現職の二等陸曹江村菊男であったという事実であります。このことは、この興信所が単なる民間の機関ではなく、擬装された自衛隊の特務謀略機関の一部であると言っても過言ではないじゃありませんか。
 そこで、防衛庁長官、このような調査隊出身の自衛隊員が興信所を開設していたということを、事前に報告を受けておられたかどうか。また、このような例が他にあるのかどうかをお伺いしたい。
 さらに、今回明らかになった事実で、自衛隊調査隊と韓国CIAとが、きわめて密接な結びつきを持っていた疑いが濃厚であります。このことは、すでに防衛庁の発表でも明らかなように、自衛隊幹部と韓国軍幹部が情報収集、視察などの名目でひんぱんな交流を行ない、緊密な提携を行なっている事実にもうかがわれています。先ほどの答弁では、韓国CIAと自衛隊とは結びつきがないと言うが、これでもその事実を否定されることができるかどうか、明確な御答弁を求めるものであります。
 第三に、今回の事件は、金大中事件に韓国政府機関でありKCIAの有力メンバーである金東雲一等書記官が犯行に加わっていた事実は、ますます明白になり、わが国に対する主権侵害行為であることは、もはや疑う余地もありません。政府は、直ちに断固たる外交処置をとることを強く要求するものであります。もし、政府が、これだけの事実が明らかになりながら、金大中事件をこれ以上あいまいにし続けるならば、日本政府みずからが主権侵害事件に手をかし、韓国の朴反共独裁政権と共謀しているとの疑いを晴らすことができないのであります。はっきり御答弁をいただきたい。
 さて、筑波大学法案に対する質疑に入ります。
 この法案の第一条部分は、御承知のように、医科大学、養護学校、難治疾患研究所などの新設を規定したものであり、その早急な開設は強く国民から求められているものであります。だが、しかし、第二条以下は、大学の民主的な慣行、自治を破壊するために、学校教育法、教育公務員特例法などの改悪をはかり、筑波大学の新設をはじめ、いわゆる筑波方式の一般大学への波及を企図したものであって、第一条部分とは全く性質を異にするものであります。それだけに、第一条部分のみを別個の法案として成立させよというわが党を含めた野党の要求は、当然過ぎるほど当然であります。しかるに、政府はこのような正当な要求に耳をかすこともなく、筑波大学法案の本質を隠蔽せんとする政治的意図から、二つの全く異質的な部分を同一法案に抱き合わせたのであります。現在、第一条部分の成立がおくれ、国民の切なる願いははばまれています。それだけではありません。そのために、昭和五十年度には新たに開設を予定された医学部、医科大学の新設さえ流されてしまうのであります。国民の医療を確保するために、今日、大量の医師養成を必要とし、国民の医療水準の向上が強く叫ばれ、そのために医師養成計画の確立が急務とされているときに、政府みずから、かかる重大な事態を引き起こしていることをどのように考えておられ、その責任を感じておられるのか、このことをまず明確にしていただきたいと思います。
 さらに、この医師養成計画などは、その結果大幅に修正せざるを得ない状態になっていると思いますけれども、あくまでこの状態を放置しておかれるのかどうか、まずお聞きしたいと思います。また、医学部、医科大学の発足が六カ月もおくれている、この期間の学生の学業をどのように取り返されるつもりなのか。とりわけ、医療技術短大の場合、修業年限は短い三年であります。これを取り返すような具体的な教育プランがあるかどうか、文部大臣、はっきりお答え願いたいと思います。
 さらに問題なのは、政府が本年十月開設、来年四月開学を主張して、その開設を急いでいる筑波大学問題そのものであります。来年早々学生募集を行なうというのに、筑波大学にはグラウンドと宿泊施設のほか、大学の教育と研究に必要な施設は、この十月になろうとする現段階においてさえ何一つありません。それだけではなく、筑波大学でどのような教育を行なうのか、どんな教員が何を教えるのか、教育と研究の内容さえもいまだに決定されておらないのであります。私の要求によって、政府が提案したいわゆるカリキュラムなどの実例は、全学群、学類の半分にも満ちません。しかもそれは、他の大学で現在行なっておるようなお粗末なものであります。政府が宣伝したように、はたして一体ユニークな、総合的な教育がここでできるなどという具体的な証拠があるかどうか、説明を願いたいと思います。さらに、このカリキュラムなら、何もそのために学部を解体しなければならない必要はないと思います。このカリキュラムのためになぜ学部解体が必要なのか、その明確な説明をお願いしたいと思います。
 このように、いま筑波大学にあるものは、ただ研究、教育の主体たる教員から人事権などの管理権を奪い、学長、副学長の専制体制をつくり、もって政府・自民党と財界の思うままにするための反動的な管理機関のみであります。いわば筑波大学なるものは反動的な管理のみあって、教育プランのない大学であります。筑波大学がかかる実体であればこそ、大学の自治を守り、民主主義を愛するすべての大学関係者と国民は、この法案に反対しておるのであり、反対運動が日ごとに拡大し、高揚をしてくるのは当然のことであります。にもかかわらず、総理及び文部大臣、あなた方はこれらの国民の声を全く無視して、このような大学構想と抱き合わせに、国民の切実なる医療要求の実現さえはばんできたのであります。その責任はきわめて重大と言わなければなりません。その結果が、いま直接国民にどれだけの被害を与えているのか。総理、あなたは、寸刻も惜しんで血の出るような受験勉強で心を紙のようにすり減らしてきた一万数千人もの受験者と、その家族のいることを御存じでありましょうか。また、養護学校ができないために、義務教育さえ受けられずにいる障害児と、その家族の悲しみがわかるのでしょうか。これらの深刻な被害と犠牲を与えたものは、まさに政府そのものであると思うが、どうでしょうか。的確なる御答弁をお願いいたします。
 さらに、私は総理並びに文部大臣に聞きたい。あなた方は、何がゆえにこれらの人々を犠牲にしてまで、憲法、教育基本法の理念に違反した大学の設置を急がれるのか、何がゆえに、筑波大学の新設を国民の合意を得るまで延ばせないのか、まず、その理由と根拠を明確にしていただきたい。また、総理並びに文部大臣、あなたたちは、まず第一条部分を切り離して、筑波大学の創設を明記した第二条以下を国民の合意が得られるまで待つべきだとの、国立大学協会や日本学術会議など大学関係者や国民の声をどう思われるのか。これは単なる一部の声だなどと言って、無視される気なのかどうか、明確なる御答弁をお願いいたします。
 次に、大学自治の問題についてお尋ねいたします。
 周知のように、大学自治は、憲法第十九条の思想の自由、第二十一条の表現の自由、第二十三条の学問の自由、第二十六条の国民の教育権など国民の基本的権利に直接根ざし、わが国では、慣習法をも含めて法制度として確立しているものであります。しかも、大学自治の内容、すなわち大学の自主性、学問・教育の自由に対する政治的経済的その他のあらゆる権力的な介入の禁止は、わが国において、過去百年にわたっての大学人の労苦と、とうとい犠牲であがなわれたものであり、これこそ、戦後わが国の憲法、教育基本法の理念となっているものであります。ところが、筑波大学は、この憲法、教育基本法の理念に基づいた大学自治の原則に全く反した大学であります。そこで、私は、筑波大学法案に関連して、この大学自治の原則について、以下、総理並びに文部大臣に質問をいたします。
 大学自治のまず第一の柱は、大学に対して、政府はいかなる介入をもしてはならないということであります。ところが、文部省の筑波大学構想は、東京教育大学の基本計画とは、全く多くの点で異なっているのであります。これは一体どういうことでしょうか。この点について、すでに参考人の意見聴取によっても明らかにされたように、政府が東京教育大学の計画に明らかに介入したことを示すものでありますけれども、政府は一体これをどう思われるのか、納得のいく説明をお願いいたします。さらに、わが党の栗田議員の質問に答えて、文部省は、政府が責任を持って国会で説明できないような改革は認められないと、はっきり答弁されました。これでは、文部省の判断のよしあしによって大学の改革が左右されるということではありませんか。例をあげましょう。徳島大学は、教養部改革のために、昭和四十八年度、四十九年度、両年度にわたって概算要求を文部省に出しておるわけであります。ところが、文部省はこれをきっぱりと拒否したのであります。そこで私は聞きますが、徳島大学教養部改革案の一体どこに、政府が国会に責任を持って説明できない部分があるのか、具体的にこの点の解説をお願いしたいと思います。
 大学自治の第二の重要な柱は、大学においては大学構成員による自治が保障されなければならないということであります。このうち、教員の自治とは、教育、研究、人事についての決定権を教員集団が直接に持つことであります。ところが、この原則に照らしてみた場合、筑波大学法案では、いままで教授会が行なってきた人事権は、学部にかわる基本組織となる学群、学系の教員会議にはなく、少数の人事委員会に握られており、その中には五名の副学長など管理者集団が入っているのであります。これは明らかに教員の自主決定権の剥奪、教員自治の否定ではないでしょうか。教員がみずからの人事を決定できないようで、どうして学問の自由、教育の自主性が確保できるのか。文部大臣、はっきりお答え願いたいと思います。人事委員会というのは教員集団であるのか、あるいは管理者集団であるのか、そのどちらなんでしょうか。このこともあわせて明確にされたいと思います。これでも筑波大学が、大学自治のこの原則に違反していないと大臣は考えておられるのかどうか、このことも明確に御答弁を願いたいと思います。
 大学自治の第三の柱は、すべて大学管理者としての学長、部局長や評議員等について、いずれも大学構成員が直接に選挙によって選ぶということであります。筑波大学ではこの原則は全く否定され、学長任命の管理者がきわめて多く、たとえば評議会の構成を見れば、教員会議から互選される者が全体の三分の二以下、三分の一以上は学長による任命になっておるのであります。そのため評議員の三分の二以上を必要とする学長リコール権の行使は、ほとんど不可能であります。しかも、副学長や部局長たる学群長の選挙権さえ教員集団にはないのであります。これでは、結局、筑波大学方式とは、学長、副学長などの管理者集団の独裁体制ではないのかと疑わざるを得ないのであります。文部大臣、あなたは、これでも大学の自治が保障されると思われるのかどうか。もし保障されるとしたら、どのような根拠をもってそう言われるのかを明確に示していただきたい。
 大学自治の第四の柱は、大学の管理責任は、教育、研究に直接責任を持つ者がになうということであります。これは大学の管理が企業や官庁の管理とは全く違い、教育と研究とが一体となって密着しているからであり、それゆえに、管理責任と教育・研究責任とがまさに同一であればこそ、教育と研究の自律性が確保されるのであります。ところが、筑波大学では、機能の効率化という名目をもってこの二つは全く分離され、その面からも学長専断体制がつくられるものになっているのであります。そこで聞くが、文部大臣は、筑波大学で管理責任と教育・研究責任とを分離された根拠は一体何なのかということを、明確に御答弁をいただきたいと思います。
 大学自治の第五の柱は、大学の管理が教育、研究の現場から、すなわち下から上へと積み重ねるシステムをとらなければならないということであります。大学は、企業や官庁のように上からの中央集権的な管理ではなく、部局自治を基底にして、部局ごとの教育、研究、人事、予算はその部局に決定権を与え、全学にかかわる問題のみ評議会に決定権を与えるべきであります。ところが、この原則を筑波大学では全く逆転させておるのであります。これで真に創造的、自発的な教育、研究ができるかどうか。文部大臣、どのようにこれを考えておられるのか、重ねて御答弁をお願いいたします。
 大学自治の第六の柱は、大学における教育、研究、管理は、その構成員が直接に国民全体に対して責任を負わなくてはならないということであります。教育についていえば、教育基本法第十条により直接的教育責任の原則がすでに明示され、教育、研究、管理について学外者のいかなる介入をも排除しておるのであります。ところが、筑波大学は、この原則をまっこうから否定し、参与会なる学外者の介入を公認しておるのであります。大学の社会的責任は、国民全体に対する責任であって、参与会にたまたまに選ばれた一部の人たちやグループに対する責任では断じてあり得ないのであります。政府は、参与会から助言、勧告を受け、参与会に報告を提出することによって、大学がその社会的責任を果たすなどと言っておりますけれども、このようなことを政府がまじめに考えておられるのか、率直な答弁を求めます。
 大学自治の第七の柱は、大学の自治は当然に学生の自治を含まなければならないということであります。学生の正当な自治活動を保障することと教職員の自治とをあわせて、初めて大学の自治は完全になるものであり、学生の自治を含まないような大学の自治は、とうてい自治の名に値しないものであります。筑波大学では、この学生の自治活動を全面的に保障されるのかどうか、文部大臣、明確に御答弁をお願いいたします。
 大学自治の第八の柱は、大学の自治が国民の教育権保障のために不可欠であるということであります。憲法第二十六条は、国民の教育を受ける権利を保障し、大学においても、その一環として学生の教育を受ける権利を保障しなければなりません。この国民の権利を基礎とすることによってのみ、公教育機関としての大学の自治はその本来の機能を発揮するものであります。したがって、私は学生の教育を受ける権利の確認こそ、あらゆる大学改革の出発点でなければならないと考えています。筑波大学にはこの原則の確認が全く見られず、むしろ学生の教育を受ける権利は否定されています。そこで大臣に聞きますけれども、筑波大学では、学生の自治組織が教育と研究についての要求を提出する場合、これを反映させるような制度的な保障がどこにあるのか、具体的に御説明を願いたいと思います。
 大学自治の第九の柱は、構成員の学問、思想、言論、集会の自由等について、完全にこれが保障されなければならないということであります。研究、教育の場である大学において、自由の雰囲気はその生命であり、自由の保障は一般市民社会以上に必要であることは、言うを待ちません。そしてその自由は、一方において国家権力により、あるいは他方に左右の暴力集団によって今日侵害を受けておるという事実があります。私は、これらの大学における自由の侵害を排除しなくして大学の自治は成り立ち得ないと思うが、政府はこの点についてどのように考えておられるのでしょうか。
 大学自治の第十は、大学の自治とは、大学の構成員が、機能上の差異こそあれ、身分的には平等でなければならないということであります。ところが、現在の大学では、教員と職員との差別、教員内部の教授、助教授、助手の差別などがあり、これが大学の民主的改革の一つの障害にもなっています。そこで、政府は、大学でこのような身分による差別をなくする意思がおありかどうか。そのための具体的な措置をどのようにおとりになる気があるかを明確にお聞きしたいと思います。
 本法案の国会提出を契機として、東京教育大学の内部において、混乱と不信、対立は一そう大きくなり、筑波大学への移行の準備は進まず、ついに学長不信任の動議にまで発展しております。正規の評議会も、とだえがちの事態が現に起こっておるわけであります。このことは、東京教育大学を母体にしてとか、東京教育大学で練り上げられた案を基礎としてとかいわれる政府の説明を、事実をもって反駁するものであります。もし文部大臣が、東京教育大学自体の民主的な運営、筑波大学への円滑な移行を望まれるならば、東京教育大学内で真に民主的な十分な討議により、大学全体の意思が決定されるまで、東京教育大学は存続し、筑波大学の創設を延期すべきではないのか。大臣、この点どう思われるのでありましょうか。
 また、文部大臣は、大学管理法が成立していないので、筑波大学の設置と管理運営を国立学校設置法でやらせていただくとか、また、筑波大学以外に、現行の大学と異なる組織管理を行なう大学があれば、国立学校設置法第三項の三、第三項の四を設ける旨を答弁しておられます。これは、学校教育法と教育公務員特例法の改正とあわせて、戦後四半世紀にわたって国民と国会の同意を得ることさえできなかった大学管理法を、そのままの形で出すのではなく、筑波大学の設置をモデルとして、行政的、財政的、ときには政治的誘導によって各大学に波及させようとするものではないでしょうか。事はまさに重大であります。政府は、国立学校設置法を変形して、大学管理法に変質させることを真剣に考えておられるのかどうか、明確な御答弁をお願いしたい。
 さらに、私は、ここで問題にせなければならないことがあります。文部大臣は、一貫して、大学の改革にとって障害になっているのは、大学の学部制であることを強調しておられます。一体、これほど大学の現状を知らず、欺瞞的な言辞はないと考えるのですが、どうでしょうか。文部大臣は、一体、現在の大学改革にとって、学部制のどこがどのように障害になっておるのか、その理由と根拠を示していただきたいと思います。
 現在、大学が自主的な改革のために必要としておるのは、学部制の廃止ではありません。教育、研究に必要な予算と定員の確保であり、講座制、学科目制による大学間の格差の是正であり、そして文部省がかねてより指摘しておる、大学の機能を硬直させておる講座制の廃止なのであります。これは何も法改正する必要は毛頭ございません。政府が、大学予算を増額する気ならば、このことは現行法のワクの中でも可能であり、政府の姿勢の変更だけで、これらのことは直ちに実現されるのであります。問題は、こうした本来文部行政がやらなければならない責務を怠りながら、大学を劣悪な条件のもとに放置しているところにあります。政府は、大学の切実な要望にこたえて、この大学の貧困さを抜本的に改善することの用意と決意があられるかどうか、総理並びに文部大臣の明確な答弁を求めます。また、大学教職員の一割をこえる非常勤職員を全面的に解消するとともに、大学に、過酷な首切りや、欠員を補充しないまま放置している第二次削減計画を、直ちに取りやめられる用意があるかどうか。
 私は、この質問を終わるにあたり、最後に一言申し述べなければならないことがあります。
 それは、本来、筑波大学が名実ともにわが国の誇るべき新しい大学として出発させなければならないというのなら、すべての大学人の批判と反対の中で、しかも、三たびにわたる議会制民主主義の破壊という自民党の暴挙によって、傷だらけで創設されるということは、これほど筑波大学自身にとってのみならず、国民にとっても不幸なことはございません。この責任は、すべて田中内閣と自民党の負わなければならないものであります。戦後教育史を顧みてみるなら、教育の基本にかかわる重要法案が、すべて自民党の暴挙によって、議会を土足で踏みにじるような行為によって成立させられているということを、私たちは絶対に忘れてはならぬと思います。教育基本法は、第十条で「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」としておりますけれども、まさに、たび重なる自民党の暴挙の歴史は、この教育の理念を根底から踏みにじり、多数の力をもって教育に政治的に介入し、一党一派による不当な教育支配を続けてきたのであります。総理、あなたはこうした事実をどのように受けとめておられるのか、はっきり御答弁をお願いいたします。あなたの党のたび重なる暴挙こそ、今日の教育の荒廃と混乱を招いた最大の原因であるということを忘れてならぬと思います。
 総理大臣、あなたは今日の教育の荒廃に重大な責任を負わなければなりませんことをきびしく指摘しながら、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(田中角榮君) 加藤進君にお答えをいたします。
 まず第一番目に、自衛官の問題でお答えをいたしますが、自衛官は去る六月の二十六日に退職願いを提出しており、事務手続の都合で八月一日に退職辞令が交付をされておるのであります。自衛隊は、退職者については、その直前、年次休暇を利用して再就職の準備を認めております。本事案も右の事情下のものであります。自衛官は、金大中事件が起こる以前の八月一日には職を離れておるわけであります。いずれにいたしましても、自衛隊法第六十条の趣旨に照らしましても望ましいことではないと思われますので、例規通達による再就職のための準備事項につきましても、十分注意をしてまいりたいと考えております。
 医科大学等の設置をおくらせた責任、それから筑波大学の設立については準備も不十分だという趣旨の御発言に対して申し上げます。政府としては、無医大県を解消いたしますために、計画的に医科大学、医学部の設置をはかりたいと考えております。旭川医科大学等、今回設置する医科大学、医学部等の創設がおくれましたことは遺憾でありますが、法案の成立次第すみやかに学生募集を行ない、授業が開始できるようにしたいと考えております。
 また、筑波大学の構想は、東京教育大学において長年にわたり練り上げられてきた構想を基礎とし、さらに多数の学識経験者の参加を求めて取りまとめられたものであり、その具体的な準備作業も、多数の教職員の積極的な支持のもとに順調に進められておると承知をいたしております。このようにすぐれた構想に基づく大学をすみやかに実現し、関係者の大学改革の意欲にこたえることが、大学に対する多くの国民の期待にこたえるゆえんでもあり、筑波大学の設置を延期するようなことは全く考えておりません。
 大学運営に対する介入の意図があるのかという御発言でございますが、前に述べましたように、筑波大学の構想は、すべて東京教育大学の自主的な大学改革の構想に沿うものであります。このような自主的な大学改革への努力を妨げたり、あるいはこれに不当に介入するようなことは全く考えておりません。
 教員の人事権等について、教員、職員、学生の自治を保障せよという趣旨の御発言でございますが、現在、国公立大学の学長、学部長や教員の人事につきましては、教員の意思を基礎として進められるよう法律上の措置が講じられております。この点については、筑波大学におきましても基本的に変わりはありません。ただし、教員以外の職員や学生については、教員人事等の問題に介入することは適当ではなく、そこにはおのずからなる限界があると考えておるのであります。
 大学において管理責任と教育責任を分離する理由。大学における教育、研究の円滑な推進のためには、これを直接担当する教員の総意を的確に反映することが望ましいことは言うまでもありません。しかし、すべての教員が直接に管理の責任を負うことは、過重な負担を教員に負わせるばかりではなく、適切な管理運営も期しがたいので、教員の意向を基礎として、管理に当たる者の権限と責任を明確にすることが必要であります。筑波大学では、このような観点から、教員の総意を基礎としつつ、機能的な運営を確保することをねらいとした新しい管理運営の方式をとることとしておるものであります。
 参与会について申し上げます。大学が社会公共の機関として広く国民の要請を適切に受けとめ、これを大学の運営に反映していく必要のあることは言うまでもありません。このような意味で、筑波大学においては、学長の諮問機関として参与会を設け、学外の良識ある意見を大学運営に反映させ、国民のために開かれた大学を目ざしておるのであります。
 学生の自治組織を保障するかということでございますが、学生の自治活動の正常な運営のためには、学生が自己の責任において規律のある行動をとることが必要なのであります。学内で暴力行為が発生するような状態が学生の健全な自治活動とは言いがたいのでありまして、大学としては、しっかりとした指導体制を確立すべきであります。筑波大学においては、学生の規律ある自治活動が行なわれるものと期待をいたしております。
 学生の自治組織の要求を大学の管理運営に反映させよという趣旨の発言でありますが、憲法第二十六条に規定されておるように、国民は能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有するものでありますが、このことは、教育を受ける立場にある学生が、大学の運営に関与する権利を持つことを意味するものではありません。
 筑波大学等においては、学問、思想、集会の自由を保障するかということでありますが、およそ学術の中心である大学において、学問、思想の自由が尊重さるべきことは言うまでもありません。また、集会の自由も、大学の使命に反しない限り尊重さるべきものであります。もとより、大学の構成員は、立場に応じてそれぞれの義務と責任を有するものであり、自由の名のもとにこれらの義務を怠り、あるいは大学の正常な運営を妨げることがあってはならないのであります。
 本法案を大学管理法にする意図があるか、ないか。今回の法案は、新構想に基づく筑波大学の創設をはかるとともに、大学制度を弾力化し、大学改革の推進をはかろうとするものであります。筑波大学は大学改革を実現しようとする一つの方式であり、これを一律に他の大学に及ぼそうとするものではありません。したがって、今回の法案は、大学の管理運営を一般的に規定する大学管理法とは、性格を異にするものでございます。
 残余は文部大臣から答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣奥野誠亮君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(奥野誠亮君) 総理から詳しいお答えがございましたので、重複は避けさせていただきたいと思います。
 文部省と筑波大学との関係は、文部省と他の国立大学との関係と全く同じでございますので、筑波大学が大学の自治破壊ということにつながることは、全然ございません。
 医師養成の問題につきましては、無医大県解消をすみやかに達成するように努力を続けていきたい、かように考えております。
 筑波大学の学生の学業は、二年で新入生の問題は解決しなければならない、こう考えておるわけでございます。
 東北大学に設けられます医療技術短期大学部は、現在あります各種学校、これを短期大学部に昇格させるものでございますし、学生はすでに養成所に入っているわけでございます。これが、短期大学部ができますと、それにかわっていくだけでございますので、これらの方々の学業には支障は生じないわけでございます。
 筑波大学のカリキュラム、また、ユニークで総合的なカリキュラムということについてのお尋ねがございましたが、先ほど萩原議員にお答えさせていただきましたことで御了解を賜わりたいと思います。
 学部解体の必要があるのかというお話がございました。学校教育法にお示ししておりますように、学部をやはり今後も原則にしておるわけでございます。しかし、これとは違った教育、研究の基本的な組織も、とろうと思えばとれるんですよと、こう書かせていただきました。学部でうまくいかない場合のことで申し上げますと、学術面、これはだんだんだんだん深く入っていく、それをそのまま教育に持っていきますと、教育は幅広い人間、変化に対応できる人間を育てていかなければならないわけでございますから、学生がかなり不満を示してくると思うのでございます。同様に、また学術は、学部をこえまして、学部の領域をこえまして非常に関係が広まってきているわけでございます。環境問題や公害問題を考えていただきますと、学部の壁を破って力を合わせていかなければならない、そういう問題が非常に多いわけでございまして、そういういろいろなことを考えてまいりますと、違った組織、これも大切だということを御理解いただけるのではないかと、かように考えるわけでございます。
 また、筑波大学につきまして、憲法や教育基本法に違反する大学であり、国民の期待に反するとのお話がございましたが、私たちは、国民の大多数は大学の改革に非常な熱望を寄せているものだと、かように考えておるわけでございます。また、国立大学協議会や日本学術会議のことの引例がございました。私は、これらの意見につきましても、筑波大学を創設する、新しい試みをすることについては特段の異論はないけれども、それを他の大学に一律に押しつけていくということについては疑念を感ずる、というような仕組みの意見であったというように解釈をしておるわけでありまして、理解がお互いにかなり違うなというように思わせていただいたわけでございます。
 徳島大学についてのお尋ねがございました。大学におきまして自主的な大学改革構想を正式に取りまとめ、その実現を要望する場合には、その構想について十分検討を行ない、実現のために必要な措置を講じてまいりたいと考えております。徳島大学におきましては、かねてから、教養部を改組し、これを教養学部とする構想が教養部を中心に検討されております。この構想は、基本的には広島大学の総合科学部構想とほぼ同じ観点に立つもので、全学の一般教育の体制を改善するとともに、学際領域の教育、研究を進めようとするものでございます。ただ、同大学からは、他に重点を置いている要求もございまして、また、構想の具体的内容について全学的検討が十分尽くされていないと思われる点も見受けられますので、概算要求に取り上げるには至っていないわけでございますが、今後の大学の検討を待ちたいと考えております。なお、このような構想の具体化を進めている大学は他にもございますために、これらを含めた一般的な大学改革調査に要する経費を、昭和四十九年度予算案に概算要求しているところでございます。
 人事委員会に人事が握られるために、先生方の意向が反映しないのじゃないかというお話がございました。人事委員会の委員も全部学校の先生方でございます。副学長といえども同様だと考えるわけでございます。これは、連絡調整的な役割りに私は重点があるのじゃないか。基本になりますものは、やはり学校の先生方が専門委員会をつくって、そこでおぜん立てされる。おぜん立てできまったものが人事委員会で確認される。こういうような運用になっていくものだと、こう存じておるわけでございます。大学の自治の内容は、筑波大学に職を奉ぜられる皆さん方において、今後、学則、慣例の積み上げを通じてつくり上げていただけるものだと、かように存じておるものでございます。
 直接選挙で選ぶ問題がございました。この点につきましても、総理からお答えございましたので、私からは省略させていただきます。
 また、企業管理との違いについてお尋ねがございました。大学では、教育と研究の円滑な実施を第一義とする管理運営の方式がとられるべきであることは言うまでもございません。この意味で、利益の追求を目的とする企業管理とはおのずから差異があることは当然でございます。大学の教育、研究を円滑に推進するために、大学の運営は、直接教育、研究に当たる教員の意向を基礎として行なわれる必要がございます。ただし、すべての教員が直接管理運営に当たることは、教育、研究の職務のほかに教員に多くの負担を課するばかりでなく、全体として適切な管理運営も期待しがたいので、教員の総意を受けて管理に当たる者の権限と責任を明確にすることが望ましいと考えておるものでございます。
 また、参与会について御意見がございました。筑波大学は、発足にあたりまして、象牙の塔にこもった大学じゃなしに、社会に開かれた大学としてみずからを律していきたい、こういうことで参与会の構想も出されておるわけでございます。これが干渉にわたるか、わたらないかは、参与会の権限が学長の諮問機関にとどめられておるわけでございますので、それだけ、信念を持って教育、研究に当たっていただく先生方でありまする限り、干渉というようなことはあり得ない、かように考えておるものでございます。
 学生の自治についてのお話がございました。憲法二十六条についての考え方にかなりな違いがあるなと私は伺わせていただいたわけでございます。憲法が国民に対しまして教育を受ける権利を保障いたしました趣旨は、すべての国民が教育を受けることができるように国政を処理することが国の責務である旨を宣言した点にあると思っております。かような国の責務の具体化につき、国民の持つ受益の地位が教育を受ける権利にほかならないものだと、かように考えておるわけでございます。どの大学でも自由に入れるのだというようなことを保障したわけでないことは、言うまでもないと思います。国民の持つこの受益の地位は、教育をその能力に応じてひとしく受けることができるという地位、ここに問題の主たる点があると、かように考えておるものでございます。
 大学の使命であります教育、研究の円滑な推進のためには、これを直接担当する教員の総意を基礎とした運営が行なわれる必要がございます。このような意味で、筑波大学におきましては、学群、学類、学系など教育、研究の基本となる組織に置かれます教員会議を基礎とし、これと緊密な関連のもとに評議会、人事委員会など全学的な管理運営組織を整備し、学長を中心として教員の総意に基づく、全体として調和のとれた機能的な運営をはかることとしているわけでございます。
 大学の助手のことについてのお話がございました。大学の教員につきましては、現在、教授、助教授、講師、助手の職制がとられておりますが、学部講座制等の教育、研究の組織のあり方とあわせて、今後慎重に検討する必要があると考えております。特に助手の位置づけについてはあいまいな点が多いわけでございまして、研究者の第一歩という性格を持っておりますし、また補助者という性格も持っているわけでございます。大学関係者等からも再検討が求められているところでございます。
 最後に、大学の予算や定員の確保に努力をしろというお話がございまして、まことにごもっともなことでございますので、最善の努力を払っていきたい、かように考えております。(拍手)
   〔国務大臣江崎真澄君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(江崎真澄君) お答え申し上げます。
 私立の探偵社から警察に申告があったのはいつか、これは金大中事件が発生をいたしました数日あとのことであります。私に報告のありましたのも、その直後であります。報告の内容は、先ほどから申し上げておるとおりであります。
 国家公務員の自衛隊員が関係していたのに、なぜ発表しなかったのかというお尋ねでありまするが、これは自衛隊そのもの、あるいは自衛隊員が業務として何ら関係していたものではありません。退職者及びすでに辞表を出しておる者が、私企業である探偵社のいわゆる営業として、業務として、事件前、所在調査をやったものでありまして、警察としましては、本人からの申し立てもあり、証人の保護、捜査の秘密保持上公表をしなかったわけであります。これは先ほども申し上げましたが、エレベーターでの目撃者のその証人、これについても身元等については明らかにしないで今日に至っております。特に金東雲書記官について、韓国側が本事件には無関係である、こう言っておるときに、現在わがほうの捜査した手の内を全部あからさまにするなどということは、捜査の常識から申しましてもできないことであります。
 それからこの探偵社と佐藤と名のる男と特殊関係があったのではないかという御質問でありまするが、男は、自分の身分や連絡先は明らかにしないで依頼をしてきた、連絡先もわからなかった、いわゆる一方通行で調査を依頼された、こういうふうに探偵社は申しておるのであります。もし特殊な、疑われるような特殊な関係や秘密がありとするならば、これは探偵社という性格上、黙ってほおかぶりをしておられても、これはどうもいたし方がないことであります。しかし、金大中事件が新聞に掲載されましてより、実はと言って捜査当局に申し入れがあったということは、やはり何ら関係がないことを証明する一つであるということが申し上げられる。したがって、この探偵社は、もとより事件そのものには直接の関係はありません。むしろ証人的な存在の人たちである、こういう認識で捜査を継続しておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(山中貞則君) 先ほど安永さんに答弁をいたしました後、わかりました事実がございますので、御報告とおわびを申し上げます。
 すなわち、八月の一日に決裁が出たと申しましたが、事実は、七月の十三日に東部方面総監より本人に対して、退職決裁をする、すなわち八月一日には退職できるという旨の内示をいたしておりまして、本人もその退職の決裁を承知しておりました。十三日付でございます。以上、つつしんで訂正をさせていただきます。
 さらに、先ほどお話しのスパイ機関、特務謀略機関ではないかというお話でありますが、これは先ほども御答弁しましたように、調査隊は外部からの働きかけその他に対して部隊を防護するための必要な情報、資料の収集、整理及び調査ということをやっておりまして、内部的な業務に専念しているものでございます。したがって、外国の情報、調査等はやっておりません。
 さらに、今回の事件で興信所を開設したことを事前に報告を受けていたかということでありますが、そのようなことは報告を受けておりませんし、ほかにもあるかということも含めて、退官後どのような職業を選んでいるかについては、退官した者については調査その他はいたしておりませんし、できないわけであります。
 なお、韓国との交流がある、したがって、これは日韓の間のそのような特殊な結びつきを意味しているのではないかというお話でありますが、交流はございますし、資料等もすでに提出してございますが、これは表敬訪問とか、部隊、施設その他の視察というもので、通常の他の国のものと何ら変わりはございません。(拍手)
   〔国務大臣齋藤邦吉君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(齋藤邦吉君) 私に対するお尋ねは、医師の養成の問題でございますが、当面の目標といたしまして、昭和六十年までに人口十万対医師百五十人、こういう目標を立てて計画的に進めておるわけでございまして、この法律案も、その計画の一環として提案されたものでございまして、医師の養成には相当期間がかかることでございますから、どうか一日も早く、一括して成立させていただきたいと考えておる次第でございます。(拍手)
 なお、難病対策につきましても、基礎医学の研究にまつべき課題がたくさんございますので、難治疾患研究所のすみやかな設置につきましても、同じように早くお願いを申し上げたいと、かように考えておるわけでございます。(拍手)
#22
○副議長(森八三一君) 加藤進君。
   〔加藤進君登壇、拍手〕
#23
○加藤進君 答弁に不満足でございますから、若干の時間をかけて再質問をしたいと思います。数々疑問や問題点が出てきておりますし、これに対する政府側の答弁は全く不誠意きわまるものであることをまず指摘して、きょうはここで、限られた時間でございますから、こまかい説明は必要ございません。イエスかノーかをはっきりしていただけばいいような質問をさせていただきますから、御答弁を願いたいと思います。
 大学自治の問題、私は十項目について質問いたしました。ほとんどそれに対する明確なお答えはありませんから、重ねて確認をいたします。
 第一は、大学の自主改革や大学内の人事、予算編成などについて、政府はこれに介入しないとはっきり言い切れるかどうか。この点のイエスかノーかをお聞きしたい。
 第二は、教員人事の教員集団による決定など、教員の自治を保障するかどうか。この点もはっきりしてもらいたい。
 第三、筑波大学は管理集団の独裁体制ではございませんとおっしゃいますけれども、それでは、学長、部局長、さらに評議員に対する教員集団の選挙権を認めているのかどうか。これもイエスかノーかでお答え願いたい。
 第四は、大学の管理責任を教員集団がになうという、いままでの大学慣習法を尊重されるのかどうか。これもイエスかノーかでけっこうでございます。
 第五は、筑波大学では、中央集権的管理方式をとられるのか、とられないのか。とられないとするなら、その保障はどこにあるのか。これも明確にしてもらいたい。
 第六、一握りの参与会をつくることによって、大学の社会的責任がほんとうに果たせるのかどうか、その根拠を明確にしてもらいたい。
 第七番目、学生の正当な自治活動を保障されるのかどうか、これも答弁漏れでございますから、明確にしてもらいたい。
 第八は、学生の教育権を認めて、これを保障されるのかどうか、この点も明らかにしてもらいたい。
 第九、大学の構成員の学問、思想、言論、集会の自由を保障するのか、しないのか、はっきりしておりませんから、これもはっきりしてもらいたい。
 第十、大学の構成員には身分上の差別が今日もあります。一体、文部大臣はこの身分上の差別をなくされるのかどうか、この点もイエスかノーかでけっこうでございますから、御答弁を願いたい。
 最後に、文部大臣は、筑波大学法案は変形した大学管理法ではないと、こう言っておられます。それでは聞きますけれども、新たに大学管理法を出すこともあり得ると言われるのかどうか。来年八月には、大学臨時措置法が切れるのでありますけれども、その場合はどうされるのか、この点をお尋ねいたします。
 終わります。(拍手)
   〔国務大臣奥野誠亮君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(奥野誠亮君) 第一の、大学の自主改革は、あとう限りこれを尊重してまいります。しかし、予算等につきましては制約もございますので、一切大学の言いなりだというわけにはまいらないと思います。
 第二番目、教員の人事につきましては大学におまかせいたします。基本的にはおまかせします。法令に反しない限り、おまかせをいたします。
 三番目は、選挙権のお話がございましたが、これはどのようにやるかは、法令にきめました以上のことは評議員会が学則等できめていくことでございまして、これも大学みずからがきめていくことでございます。
 四番目、ちょっと私わかりにくかったのですが、慣習法をどうのこうのということでございましたが、特段に、いままで大学が慣例としてまいりましたようなことを、この際、特にこれらをやめさせるというような特別な意図は持っておりません。
 第五に、中央集権的管理方式をとるかとらぬかということがございましたが、先ほど来申し上げておりますように、人事委員会等、主として企画、連絡調整、どなたかの委員が御発言になったようなことで運営されることが中心になるのじゃなかろうかと、こう思っております。
 第六の参与会は、私は重要な役割りを果たしてくれるものと、かように考えております。
 七番目の学生の自治活動、これも、どの範囲まで自治にゆだねるかは大学当局がきめていくべきものだ、限界はあると思います。
 八番目の学生の教育権につきましても、先ほど憲法の解釈について違いがあるということを御指摘申し上げたとおりでございます。
 九番目の言論、集会の自由につきましても、これも、総理から詳しいお話がございましたとおりでございます。
 十番目の身分上の差別につきましても、助手のことについてお話ししたとおりでございまして、研究課題になっているところでございます。
 変形した大学管理法、大学管理法をつくっていくつもりがあるかどうかというお話がございましたが、現在は全然考えておりません。(拍手)
#25
○副議長(森八三一君) これにて質疑は終局いたしました。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時五分開議
#26
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。安永英雄君。
   〔安永英雄君登壇、拍手〕
#27
○安永英雄君 私は、日本社会党を代表し、国立学校設置法等の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党松永忠二君提出の国立学校設置法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を行なうものであります。
 まず、私は、本法案の本会議審議が、去る七月十七日午後三時三十分、文教委員会において松永委員の質問の途中突如として行なわれた強行採決に基づく委員会審議報告によって進められていることについて、はなはだしい不満と憤りを表明しつつ、本法律案に対する反対の理由を明らかにしたいと存じます。
 まず第一は、本法律案の提出のしかたであります。すなわち、旭川医科大学の設置、山形、愛媛両大学の医学部の増設や久里浜養護学校の新設など、当面している緊急な政策課題にこたえるもので直ちに国民的合意が成立するものと、筑波大学の創設と今後の大学管理政策を方向づけようとするもので、学問の自由、大学の自治の侵害のおそれがあり、大学関係者、国民の間に多くの異論のある問題を抱き合わせて提出されている点についてであります。
 わが党は、再三この不当性を突き、分離を主張したのでありますが、政府・与党はかたくなに拒否し、国民の期待を裏切ってきたのであります。
 政府・与党の意図は、一つには戦後数次にわたる大学管理法制定の挫折にかんがみ、技術的な法改正の外観をとることによってこの法案の重大性をおおい隠し、国会運営を容易ならしめようとするものであります。その二つには、医科大学、医学部の設置など受験生や地元の強い要望にささえられた世論を背景に、反対運動を分断しようとするものといえましょう。国民、国会の前に問題の本質を明らかにし、その審判を仰ぐことこそ政府・与党の態度といわなければなりません。まさに、国民を欺瞞するもので、きわめて不当なやり方というべきであります。これに対してわが党松永忠二君提出の国立学校設置法等の一部を改正する法律案は、まさにこの趣旨に基づいた内容であるわけであります。
 第二は、筑波大学構想が、あたかもその母体である東京教育大学の自主的な意思決定に基づくもののごとく装いをこらしながら、政府主導の中教審型の構想であるということであります。
 東京教育大学は、筑波移転に端を発して、予想を越える混乱、混迷の中にあります。新構想は評議会決定といわれておりますけれども、文学部、教育学部、体育学部は最終決定をしておらず、また、全学教官の約四割の反対の中できめられたものであります。さらに、東京教育大学の参考人の証言でも明らかなように、東京教育大学が決定したものといわれる基本計画案は、大学の自主的決定にはほど遠いものがあり、文部省の強い指導に基づくものといえるのであります。
 そればかりか、筑波大学の構想は、筑波におけるビジョンと移転を踏み絵として、学長とそのブレーンによる専決体制のもとで筑波構想が具現されていったと言っても過言ではないのであります。東京教育大学の学問の自由、大学の自治と民主主義は、死滅の危機に瀕しておるものと言わなければなりません。筑波大学の中核となるにない手は、東京教育大学の教官であり、特にその執行部が推進者であります。東京教育大学の現執行部が筑波構想推進の中で示した非民主的体質や行動様式を考え、また、教官間の筑波移転をめぐる対立や不信感の根強い存在を考慮すると、筑波大学がどんな大学になるか想像を絶するものがあります。制度や組織は、そのにない手である人間によってその内容が左右されるのであります。その上、筑波大学の性格が集権的であることを考えると、筑波大学の大学自治、学問の自由は危険きわまりないものと断定せざるを得ないのであります。
 第三は、筑波大学における研究と教育の分離の思想と組織についてであります。
 今日の大学問題の最大の課題は、大学の大衆化と同時に、教育水準の維持向上をはかるという二律背反の両立をどうはかるかということであります。したがって、現在必要なことは、政府が大学への財政投資を惜しみ、大学の質の低下を招き、教育を崩壊せしめたことを深く反省し、大学の人的、物的な条件整備にこそつとむべきであります。
 しかるに、研究と教育を分離する構想は、学問の精髄を教育するのでなく、就職の手段として企業の要請にこたえる程度のものと、科学技術の進歩から求められる高い水準の研究者の養成とを分離し、現在の教育水準の低下した大学を肯定し、低水準に大学を置こうとするものと言わなければなりません。この構想は、中教審の答申と軌を一にするものでありますが、学問研究を基礎としない大学は、もはや大学ではあり得ないのであります。文部省は、教育組織と研究組織の分離をはかるもので、教育と研究の分離をはかるものではないと強弁しておりますが、研究と教育の組織的分化は必然的に研究と教育の分離をもたらすことは明らかであります。
 さらに、法案は、大学に学部以外の研究教育組織を置くことができるといたしております。これは研究、教育を一体としてとらえた伝統的な大学観とは異なる、新しい文部省の大学観に立ち、今後の大学政策を根底から変えていく政策意図を持っているものと判断しなければなりません。大学改革はあくまでも自主的改革でなければならず、政府主導の改革は断じて許されないところであります。
 第四は、筑波大学の管理運営の方式であります。
 筑波大学では、管理と研究教育との機能を分離するという考え方に立ち、研究教育を新しい管理制度のもとに支配し、大学の自治、学問の自由を侵害するおそれがあるということであります。学外者を含め得る副学長制や参与会、さらには人事委員会その他多数の審議会等の設置は、大学の管理運営の集権化をはかり、効率化をねらう、いわば大学の合理化政策であります。
 このような制度のもとでは、教育と研究をサポートすべき大学の管理運営が、逆に上から研究と教育を管理し、研究と教育の自由を窒息させることになることは必至と言わなければなりません。筑波大学が自由のない大学の道を歩み、大学紛争の激化をもたらすことは火を見るよりも明らかであります。先年続発した大学紛争の真の原因を究明し、反省することなく、みずからの都合のよいように認識するという政府・文部省のきわめて一方に偏した態度が、ここにも明確に読み取れるのであります。このことは、学生、職員等の明確な位置づけを欠いている点にも明瞭にあらわれております。また、学外者を管理の中枢に入れる道を開き、教官の人事権を学部教授会から人事委員会に移したことは、憲法の示す自由を軽視するものと断ぜざるを得ないのであります。
 以上申し述べましたように、本法案は今後の大学のあり方の根本にかかわる問題であると同時に、憲法、教育基本法の精神、大学の自治、学問、思想、信条の自由の基本にかかわる重大な問題であります。一片の技術的な法改正では済まされない問題であります。政府提案による国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対しては、あらためて強く反対の意見を表明し、松永君提案にかかる国立学校設置法等の一部改正案に賛成し、討論を終わるものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○議長(河野謙三君) 楠正俊君。
   〔楠正俊君登壇、拍手〕
#29
○楠正俊君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対し賛成の討論を行なうものであります。
 数年前の激しかった大学紛争は、単に大学だけでなく大きな社会問題として、いまだわれわれの記憶に新たなものがあるのであります。大学制度は曲がりかどにきている、再検討期に達したと言い叫ばれてから久しいものがありますが、しかしながら、真に大学が発展する社会の情勢に即応して、新時代にふさわしい本質的な改革が行なわれたか、遺憾ながらきわめて疑問であります。いまもなお、古い時代の治外法権的な大学自治の理念が、象牙の塔的感覚の教育、研究の理念が、閉鎖的な人事管理の体質が、多くの大学に依然として固定化し、温存しているのであります。
 このようなときに、東京教育大学が自主的に練り上げた構想を基礎として、他の大学などの学識経験者の協力を得て、そのすぐれた伝統と特色を受け継ぎ、しかも、これまでの制度やしきたりに縛られない、全く新しい試みの筑波新大学の創設を迎えんとしておりますことは、わが国大学制度の独創的革新の先鞭をになうものでありまして、東京教育大学等関係者の長い苦節とその勇断に対し、深甚なる謝意とあわせて満腔の賛意を表するものであります。
 筑波大学は、東京における悪化をたどる教育環境を離れて、北に筑波山、東に水郷霞ケ浦を控えた、美しい松林と野の花に囲まれたすばらしい自然環境の中で、新構想による新しい時代の要求にマッチした最高水準の教育と研究を行なうものであります。法案の骨子は、従来の学部制度を廃止し、学群、学系を採用して、教育、研究の効果を高める。参与会を設け、学外の良識ある声を反映させ、開かれた大学とする。副学長を設け、大学の適正な運営管理を行なう。教授会のかわりに人事委員会を設けて、人事を閉鎖的にしないなどを内容とするものでありまして、本改正案をめぐる問題点につきましては、さきの私の代表質問に対する政府答弁などにより、すでに明確にただされておりますので、以下の点について所見を述べたいと存じます。
 私は、国立大学が国民の血税すなわち国の予算によってまかなわれているからには、その教育、研究の効果は当然国民に還元すべきものであるし、また、国民の求めに応じて、大学はこれにこたえなければならぬ責務を持っていると思うのであります。ここに一つの例として、最近、大きな社会問題となっている巨大都市問題を取り上げ、現在の大学の研究体制がこれにどう対処し得るかという点について触れてみたいと思うのであります。
 大都会に青空がない、水がない、住宅難、通勤・通学難、物価高など、一体大都会の将来はどうなるか。経済企画庁は、「このまま産業と人口の集中が続けば、東京、大阪などの巨大都市圏は、昭和六十年には国土資源の限界をこえる深刻な事態になる。」と、憂うべき警告を発しております。東京圏、つまり一都三県の現在人口二千四百万人が、昭和六十年には三千三百万人以上になるだろうと予想されております。そうなれば、大都会は水や電力の不足が慢性化し、住宅難や交通難はひどく、ごみ処理施設はその処理能力を失って、環境水準や社会生活の水準は一そう悪化が懸念されるのであります。この深刻な巨大都市をめぐる諸問題は、いまや全国民が衆知を集め総力をあげて取り組まねばならぬ猶予できぬ課題であります。国家的な、国民的なこの難問の解決には、政府、与野党たるを問わずこれに当たることはもちろんでありますが、同時に、大学も学問的成果としてのビジョンを確立し、それを提言することも大学の国民に対する使命であろうかと考えるのであります。
 たとえば、わが国大学八百九十九の中で代表的な東京大学は、国立大学予算の一割を占め、教職員の数は九千三百人を擁し、世界的水準の学者も数多くおるのであります。この東大において、今日この巨大都市をめぐる幅広い課題に対して、どのような研究に取り組み、学問的に精密なプランを打ち出したか、われわれ国民の関心と期待の存する問題でありますが、残念ながら、大学全体の英知を結集した答えは返ってこなかったのであります。それはなぜか。いかに個々に優秀な学者、研究者がそろっている東京大学におきましても、研究者が共同してこれが研究に取り組み得ない学内体制のいびつがあるからであります。すなわち、明治以来の学部、学科、講座という古い型のからが、他大学との、他学部との横の共同研究を拒み、学部内だけのセクショナリズムに終始せざるを得ない、連帯性のない内部組織となっているのであって、学術の進歩と流動する社会に応じて、機敏に、機動的に対処し得ない大学体制の古さがここにあったのであります。いまこそ、われわれはここに鋭いメスを入れないといけないと思うのであります。ここに新しい筑波大学が、従来の閉鎖的な学部のからを破って、学群、学系という新しい構想を打ち立てて、社会の進歩発展の新分野に総合的にまた柔軟に対処できる教育組織、研究組織が誕生されようとしておりますことは、国民期待の大学改革の一つの光明として喜びにたえぬところであります。
 以上、学部制度の今日的欠陥を例示して指摘してまいりましたが、今日、幾つかの大学において、さきの学園紛争の苦い体験を考慮して、各大学で自主的改革プランが検討されておりますが、私は、この筑波大学が、今後どのように大学改革に取り組むべきかを模索している大学にとって、どんなにかその指針になり、勇気と自信を与えるか、はかり知れぬ大きな意義と役割りを持っていると思うのであります。このような、すぐれた独創と思い切った革新的な新構想の大学に対し、これに反対する諸君は、従来のかたくなな態度に終始し、進展する社会の、国民の要請に目をおおい、ただいたずらに、その運営の最悪の状態のみを故意に想定し、執拗に観念的に反対する心理は、われわれのとうてい理解のできないところであります。
 終わりに、学制発布以来百年、いまや世界に誇る高い教育水準と、学問的金字塔を打ち立てているわが国教育が、この筑波大学の創設という大学改革が契機となって、スケールの大きな、しかも知・情・意のバランスのとれた人間育成という教育本来の理想像への第一歩となることを期待して、本案に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(河野謙三君) 田代富士男君。
   〔田代富士男君登壇、拍手〕
#31
○田代富士男君 私は、公明党を代表いたしまして、政府提出の国立大学設置法等の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行なうものであります。
 初めに、去る十月十七日、参議院文教委員会で本法案の審議に入った直後、突然、政府・自民党による強行採決が行なわれたのであります。この暴挙のために、国民の政治不信はいよいよ高まり、政府・自民党に対する強い不信の声が国民をおおい、国会史上ぬぐい去ることのできない汚点をまた一つ残してしまったのであります。しかも、その議題は、日本の教育の将来を左右する筑波法案であり、断じて許しがたい暴挙と言わざるを得ないのであります。私は、かかる政府・自民党の体質を根本的に改めない限り、国民の田中内閣に対する支持率の低下は、ますます加速度を増すことになると思うのであります。私は、全国民を代表して政府・自民党の猛省を促して、本論に入りたいと思うものであります。
 さて、反対理由の第一は、本法案は、大学改革の基本たる自主改革の精神を踏みにじっているということであります。
 政府は、事あるごとに、いわゆる筑波大学構想は、東京教育大学の自主的改革であると主張し続けているのであります。ところが、東京教育大学には、学内自治の民主的な原則として、大学の決議は全学部の一致のみに限るとする、いわゆる朝永原則といわれるものが存在しているのであります。しかるに、筑波大学構想なるものが打ち出されてからの同大学の内部は、賛否両論に分かれてしまったために、とても朝永原則による自主改革は望めない状態におちいってしまったのであります。政府が、学内自主改革だと幾ら強弁を繰り返しても、当の東京教育大学の内部がこのような状態では、政府のいう自主改革論は全くの詭弁にすぎず、まことにその責任は重大であると言わざるを得ないのであります。しかも、皮肉なことに、東京教育大学の内部でつくられた改革案と、文部省内の創設準備会の案とは大きくかけ離れた内容であり、政府は、改正法案の一体どこをさして自主改革というのか、まことに理解しがたいものであります。
 第二は、改正法案は、いわゆる学問の自由をじゅうりんする、まことに危険この上ない内容を含んでいるということであります。
 すなわち、今日まで伝統的に築かれてきた学問の自由は、大学とその学部の自治によってささえられてきたのであります。ところが、改正案によれば、学群、学系という新しい体制のもと、教育と研究を分離するのみならず、学内人事や財政に関する権限を、一切、文部大臣の直轄たる副学長に掌握させることになっているのであります。これでは、一体どこで真の学問の自由が保障されるのでありましょうか。学問の自由とは、単にその内容のみの自由をさすだけにとどまらず、むしろ、そのためにも人事や財政の十分な保障があって初めて保障し得るものであることは、言うまでもないことであります。
 第三に、筑波大学の管理運営方式は、文部大臣の腹心となる学外者を強制的な権力を持つ参与会に参画させることによって、大学を政府の意図する方向にコントロールすることが可能となっており、まことに憂うべきことと言わなければなりません。
 むしろ、大学は、教職員と学生の自治を最大限に認め、学内学部の自主性を尊重してこそ、その社会的責任も果たし得るものであり、学長の権力集中という筑波方式は、きびしく批判されなければなりません。教育学者として著名なイギリスのエリック・アシュビィ氏は、大学管理の目的は、教授や学生の自主性の発揮にあると、みごとに喝破しているのであります。私は、政府の時代逆行の大学自治の侵害を、断じて許すことができないのであります。
 第四に、この筑波方式といわれるものは、他の国立大学にも波及し得るということであり、その一般化による新しい混乱が予想されるということであります。
 政府は、筑波方式を筑波大学の新設に限るとしながら、同時に関係法律の改正をもあわせて提案するなど、その弾力的運用を意図した二枚舌ぶりは、驚くべきことと言わなければなりません。これはまさしく、政府・自民党が悲願とした大学管理法の代案であることは明白であります。すなわち、今後、新設、移転されるすべての大学について筑波方式の適用が考えられ、もし従わない大学があるならば、財政的措置で圧力をかけるなど強制的に筑波方式を誘導することができるのであります。その非民主的な権力的発想は、断じて認めることができないのであります。
 第五は、東京教育大学の廃校に関しては、きわめて憂慮すべき疑惑があるのであります。
 すなわち、大学の新設と廃校をセットにした今回の方式が許されるならば、政府は、筑波方式の確立とともに、きわめて安易に大学の運命を掌中にし得るということであります。気に入らない大学をやめさせて新しい大学をつくり、みずからの思惑どおりに事を運ぶことができるとするならば、もはや日本の教育はどろ沼と言わなければなりません。しかも、東京教育大学は、教育界をはじめとする各界に多数の有為な人材を輩出し、その社会的貢献度は高く評価され、その伝統は輝かしいばかりに照りはえているのであります。そうしてその東京教育大学の卒業生の二千名以上の方々は、母校の廃校に強く反対を叫んでおられるのであります。
 第六に、本法案の内容が、本格的な審議を展開するには、政策的にもあまりにも未成熟であるということであります。
 たとえば、カリキュラムが開校半年前のこの段階でいまだ決定されておらず、確立したものとして資料提出ができなかったり、学群、学系における教員の資格に関する基準については全く手がつけられていないなどの不備があるのであります。しかも、驚くべきことは、この未熟で不合理な筑波方式を踏襲する六つの新設大学の創設準備費が、すでに四十九年度概算要求に含まれているということであります。先陣の筑波方式がこのようなありさまのときに、もう弟分について予算を計上するとは、文部省とはいかなる神経の持ち主かと疑わざるを得ないのであります。
 そもそも教育改革とは、一国の英知を集め、国家と世界の展望を見きわめながら、学問の本道に照らして遂行すべきものであると考えるものであります。そうしてその目ざすところは常に人類の平和と繁栄であり、生命を基底とした理想の追求と言えるでありましょう。教育の重要性をかんがみるならば、むしろ当然と言えるのであります。わが党は、こうした観点から教育政策を一つ一つ推進し、実現させてきたのであります。新筑波大学方式による大学自治への介入から、再び戦前の暗黒教育を繰り返さないことを強く要求し、本法案に対する反対討論とするものであります。
 続きまして、わが党の内田善利君提出の修正案に賛成の意を表明するものであります。
 すなわち、筑波新大学構想という数多くの問題点をはらんだ大学と、国民にとって緊急かつ絶対に必要とされる旭川医大をはじめとする各大学の設置とは、決して同一の次元に置くべきではないと考えるものであります。ゆえに、筑波大学と旭川医大等の設置を分離して、国民の要望にこたえることこそ最も望ましいことであると思うものであります。かかる理由により、内田善利君提案の修正案に賛成の意を表明し、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(河野謙三君) 萩原幽香子君。
   〔萩原幽香子君登壇、拍手〕
#33
○萩原幽香子君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提案にかかる国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対し反対の意を表し、わが党松下議員の修正案に賛成する立場から討論を行なうものでございます。
 すでに新聞等で御承知のように、去る十五日、神奈川大学に起きました革マル、反革マル衝突による学生二人の惨殺事件、十六日の三越屋上での事件、十七日のラッシュ時における国鉄鶯谷駅での過激派学生の乱闘事件等々に見られるように、昭和四十年代初期に発生した大学紛争は、いまやその形は陰湿化し、非人間的な行為が平然と行なわれるようになりました。教育は本来、未来の創造をになう人間形成の使命を持つものであり、その場においていかなる理由があろうとも、暴力という最も卑劣な破壊行為は断じて許されるべきものではございません。
 わが党は、こうした大学の現状を深く憂慮し、この危機を打開すべく積極的に大学問題に取り組んでまいりました。昭和四十四年五月には、学園の民主化を目ざし、学問、研究の自由と教育の自主性を伸長しつつ、真に国民に開かれた大学改革の一助ともすべく大学基本法案を国会に提出しましたことは、しばしば申し述べてきたところでございます。今回、政府が御提案になりましたいわゆる筑波法案は、一見大学に対する社会的要請にこたえたかのような装いを見せておりますが、内容をつぶさに検討いたしますとき、角をためて牛を殺すのたぐいで、とうてい賛成するわけにはまいりません。
 以下、三点について反対の理由を申し述べます。
 まず第一点は、午前中、私は筑波大学法案についていろいろと質問をしてまいりました。その際、立法上に問題があるのではないかと指摘いたしましたのに対して、大臣は、その心配はない旨の御答弁でございました。私は、もちろん筑波法案に間違いがあると申したのではございません。しかし、普通の常識から考えると不適当と申し上げたのでございます。それは、他の大学に波及しないつもりなら、なぜ学校教育法や教育公務員特例法などの一般法まで改正する必要があるのでしょうか。これは衆議院文教委員会で法制局部長の御答弁の中にもありますように、やはり与野党一致の医科大学や医学部等と抱き合わせた真意が、私はこうした立法措置をとらせたものと考えるわけなのでございます。大臣がどう御答弁になりましょうとも、問題の多い筑波法案を成立させるための政治的配慮が強く感じられて、どうしても納得するわけにはまいりません。
 受験生を持つ親なら、この国会の状況を見守りながら、どんなに悲しみ、どんなに憤りを感じておられることでしょう。私も母親の一人として、その心が痛いほどに感じられるのでございます。それだけにこの法案には、木村重成の心境さながらに、心の中の矛盾に苦しめられる、言いようのない憤りを私は感じるものでございます。どうしてもこの若人の気持ちにこたえようとすれば、その二つの法案が切り離せない限り上げなければならないという気持ちにもなり、しかし、この法案が大学教育の全般にかかわるものであることを思えば、どうしても早急に上げることはできないという、この矛盾に私は幾たびか胸をかきむしられる思いをしたわけでございます。この点を憂慮して、野党四党は分離案を提案いたしましたが、与党は多数の力によってこれを一蹴し、現在の状況を迎えたことは、とても許されるべきことではございません。
 反対の第二点は、大学の生命ともいうべき学問、研究の自由と教育の自主性が、大学の管理体制の行き過ぎた強化によってそこなわれるおそれがきわめて顕著であるということでございます。
 わが党は、大学の一般的管理運営強化を認めないというのではなく、また、副学長制度に全面的に反対するものではございませんが、法案に予定されている副学長は、法で定数を定めることを避け、構想では五名も設けることになっており、しかも、実務的、官僚的性格を持ち、学外からも任命され得る副学長が研究部面、教育部面を担当することは、当然の結果として、研究内容、教育実務への介入が行なわれる道が開かれることになり、大学の自治がそこなわれる危険をはらんでいるわけでございます。先ほどの私の質問に対して、大臣は、ある程度の幅のある御答弁をなさいましたが、その運営いかんにかかっていること々思い、現在の筑波大学全体の管理運営の構想の中における副学長のあり方は、とても認めるわけにはまいりません。
 反対理由の第三点は、大学における重要な構成員であります学生の地位が無視されている点でございます。
 過去数年間、そしていまもなお激しく続き、展開されております大学紛争と学生の問題の根底にありますものは、一体何でございましょう。大学社会における学生の人格的存在が無視されているということにあります。それに端を発した反抗と見るべきでございましょう。これに対して大学の制度と大学人の対処が適切を欠いたため、あるいは暴力に走り、あるいは政治的イデオロギーを持ち込んでの闘争の場になっているのが現状の姿ではございませんか。このようなとき、政治も行政も、冷静な判断のもとに、民主主義の根本原則である相手を尊重する態度により、学生を信頼し、学生の地位を法的に確立することが最も必要だと存じます。かつて、フランスにおいて組織的に、しかも過激的な学生運動がありました際、学生の地位を法的に明確化し、学生参加の道を開きました。これによって大学は、本来の研究と教育の平穏な学園再建に進みつつありますことや、他の先進諸外国にはこれに類する方式が適用されて、いまや学生の大学における地位の確立は世界の趨勢となってまいりました。
 わが党は、このような見地から、全学生が大学の管理運営、カリキュラムの編成、その他福祉施設の運営など大学の重要な事項にその意思を反映させるようにし、また、学長の選出にあたっても、学生協議会で正当に選ばれた学生代表に参加させる修正を提案したのでございますが、衆議院においてこれを受け入れられなかったことは、まことに遺憾でございます。もちろん私は、現在の暴力学生に対しての措置は、十分考慮しなければならないことは申し上げるまでもないと存じます。しかし、こうした学生をどう救うかについての具体策が示されていないことは、まことに不満でございます。
 以上、三点より反対の理由を申し述べてまいりましたが、本法案が大学教育の基本にかかわる重大な内容を持ち、その影響もまた少なからぬものがございますから、十分な審議を希求する声の高いのも、当然のことと言わざるを得ません。しかも、長い伝統と由緒ある東京教育大学を廃学にするに至っては、情においても忍びないものがあることは論をまたないところでございます。民社党は、議会制民主主義のルールにのっとり、重要事項について修正案を提案し、尽くせる限りの努力を重ねてまいりましたが、政府・与党は、ついにわが党に誠意ある態度を示されず、やむなく本法案に反対せざるを得なくなりましたことは、心ある国民のひとしく遺憾とするところと存じます。
 申し上げるまでもなく、教育に関する問題は、党利党略の具にすることを厳に慎み、国民的合意を得るための努力を最後までなすべきでございます。大臣、ただいまからでも決しておそくはございません。あやまちを改むるにはばかることなかれ、国民の期待にこたえ得る大学改革の道を求めて、今後の精進を私は切望するわけでございます。
 政府提案に反対をし、松下議員の修正案に賛成して、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#34
○議長(河野謙三君) 加藤進君。
   〔加藤進君登壇、拍手〕
#35
○加藤進君 私は、日本共産党を代表して、国立学校設置法等の一部を改正する法律案に反対する決意を表明します。
 本来、教育と学問の問題は、国家百年の大計であって、国民の英知を結集し、大多数の国民の合意を得て後、推進さるべきものであります。とりわけ筑波大学法案は、学問の自由と大学の自治及び教育の自主性のあり方に深くかかわりを持つものであって、いやしくも一党一派の利益や意思によって、その道が左右されてはならないのであります。しかるに本法案は、多くの疑義が解明されていないまま、自民党による強行採決と、憲法、国会法の精神を踏みにじる大幅会期延長によって、あくまでその成立をはかろうとしてきたものであります。私は、議会制民主主義をじゅうりんしてまでこの法案の成立をはからんとする田中内閣と自民党に、激しい憤りをもって抗議するものであります。
 反対の第二の理由は、本法案が筑波大学とはおよそ関係のない、しかも、国民がひとしくそのすみやかな実施を待ち望んでいる医学部、医科大学、養護学校、大学院、研究所などの設置を定める第一条部分を抱き合わせにして、その成立をはかろうとしていることであります。
 このため、すでに医学部、養護学校などは六カ月の長きにわたって足どめにされ、地元関係者や、万をこえる受験生とその家族、障害児とその父母に与えている苦悩と犠牲は、はかりしれないものがあります。その上、昭和五十年度設置予定の医学部、医科大学の新設さえ見送られるという重大な事態さえ引き起こされさよとしています。ここには、筑波大学法案を通すために、国民の切実な医療要求や障害児の就学難、大学の教育と研究などはどうなっても省みない自民党・田中内閣の冷酷きわまる態度が遺憾なく示されているものであります。わが党は、国民の犠牲を省みず、筑波大学の開学を急ぐ政府・自民党の態度を断じて許すことはできないのであります。
 反対の第三の理由は、この法案の持つ危険な内容であります。
 そもそも筑波大学では、教育と研究の専門家である教員及び教員組織が、教育と学問研究、教員人事をみずから決定できなくされているのであります。これは学問の自由と教育の自主性の基本原理に反すると言わなくてはなりません。その上、学長と教育・研究の非専門家である副学長などの管理者が、教育と研究を含む大学の管理運営についての権限を、専断的にみずからの手に集中しているものであります。そして文部大臣が任命する財界の代表、地元有力者などによる参与会と結びついて、政府と財界が大学に介入し、統制する仕組みをつくり上げているものであります。筑波大学がどんなに自治を失った大学であるかは、初代学長、副学長の任命と参与会の任命が、すべて文部大臣の裁量にまかされていることによって明らかであります。筑波大学がいかに管理のみを重視し、教育、研究を軽視している大学であるかは、開学を前にした今日に至ってもなお、教育のためのカリキュラムとその担当教員さえ明らかにされていない一事をとってみても明らかではありませんか。さらに、大学の重要な構成員である学生については、その教育を受ける権利を認めようとせず、学生の自治組織すら否認しているのであります。こうした筑波大学は、まさに憲法に保障された学問の自由を奪い、その上、教育基本法に定められた国民全体に直接責任を負う大学ではないというべきであります。この法案の国会提出と相前後して、東京教育大学内部の混乱と不信は抜き差しならない状態におちいり、ついに学長不信任の動議が提出されるに至りました。この一事をもってしても、この法案が、政府の筑波大学は東京教育大学の自主的改革であるという宣伝にもかかわらず、東京教育大学の意思さえ踏みにじっていることを事実をもって暴露したものであります。百年の長きにわたる輝かしい歴史と伝統を持つ東京教育大学のこの事態を、ここに至らしめている政府の責任はまさに重大であります。
 さらに重大なことは、本法案が、学校教育法、教育公務員特例法の改悪と行政的、財政的誘導によって、各大学の自主的、民主的な改革を抑圧し、この筑波大学方式を全国の大学に波及させることを政府みずから公言したことであります。わが国に大学が誕生して百年、学問の自由と大学の自治は、戦前戦後の苦難な戦いを通じて、大学人と国民がとうとい犠牲をもってあがなった貴重な民主主義的権利であります。戦前、政府と軍部によって大学の自治が圧殺された後、軍国主義と悲惨な戦争という暗黒時代を迎えるに至った歴史を顧みるとき、私は、この筑波大学法案の成立による学問の自由と大学自治の抑圧が、わが国を再びあの暗黒とファシズムの道に引きずり込もうとする危険な策動の一環となるであろうことを、強く指摘せざるを得ないのであります。そもそも、大学の進むべき道は、今日まで築き上げてきた学問の自由と大学自治の原則をさらに発展させ、真に国民の期待にこたえる大学の自主的改革を強く推進することであります。大学の自治は、政府と財界の大学への介入をやめさせ、き然として暴力を学園から一掃することによって守られるものであります。そして大学の民主的改革とは、大学の教職員、学生をはじめ、すべての構成員の固有の権利を保障し、大学に民主主義を徹底させることであります。これはまた、大学における教育を重視し、教育を学問研究の成果を生かして改善することであります。このため、全国の大学間の格差を是正し、教育条件を大幅に改善充実することが不可欠の要件であって、政府は、このため必要なあらゆる行財政上の措置をとる責任があるのであります。筑波大学法案は、こうした大学の自主的、民主的改革を押え、筑波大学をモデルにして、大学を政府の意図する反動的方向に導こうとするものであって、断じて容認することはできません。
 社会党及び公明党提出の修正案については、野党共同提案の国立学校設置法の一部を改正する法律案と内容的に一致するものであって、わが党は賛成いたします。
 民社党提案の修正案については、筑波大学方式を前提としているものであって、わが党はこれに反対せざるを得ません。
 わが党は、日本の教育と研究の民主的発展のため、大学の民主的改革の道を切り開くために、筑波大学法案の撤回を要求し、引き続き国民とともに奮闘する決意を表明して、反対討論を終わります。(拍手)
#36
○議長(河野謙三君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決をいたします。
 まず、内田善利君外一名提出の修正案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#37
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#38
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#39
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十九票
  白色票           三十五票
  青色票          百九十四票
 よって、本修正案は否決されました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      三十五名
      塩出 啓典君    喜屋武眞榮君
      野末 和彦君    山田  勇君
      内田 善利君    藤原 房雄君
      青島 幸男君    原田  立君
      沢田  実君    上林繁次郎君
      矢追 秀彦君    三木 忠雄君
      阿部 憲一君    峯山 昭範君
      田代富士男君    柏原 ヤス君
      黒柳  明君    中尾 辰義君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      宮崎 正義君    山田 徹一君
      多田 省吾君    白木義一郎君
      小平 芳平君    沓脱タケ子君
      加藤  進君    塚田 大願君
      星野  力君    渡辺  武君
      須藤 五郎君    河田 賢治君
      岩間 正男君    野坂 參三君
      春日 正一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百九十四名
      栗林 卓司君    藤井 恒男君
      中村 利次君    高田 浩運君
      木島 則夫君    萩原幽香子君
      玉置 猛夫君    今  春聴君
      松下 正寿君    中沢伊登子君
      熊谷太三郎君    田渕 哲也君
      高山 恒雄君    温水 三郎君
      濱田 幸雄君    向井 長年君
      村尾 重雄君    森 八三一君
      小山邦太郎君    中村 登美君
      松岡 克由君    斎藤 十朗君
      中西 一郎君    君  健男君
      細川 護煕君    原 文兵衛君
      橋本 繁蔵君    中村 禎二君
      棚辺 四郎君    竹内 藤男君
      中山 太郎君    永野 鎮雄君
      山崎 五郎君    長屋  茂君
      若林 正武君    桧垣徳太郎君
      小林 国司君    久次米健太郎君
      亀井 善彰君    長田 裕二君
      石本  茂君    佐藤  隆君
      林田悠紀夫君    安田 隆明君
      源田  実君    二木 謙吾君
      丸茂 重貞君    河口 陽一君
      玉置 和郎君    山内 一郎君
      宮崎 正雄君    木島 義夫君
      小笠 公韶君    堀本 宜実君
      大森 久司君    白井  勇君
      植木 光教君    青木 一男君
      植竹 春彦君    木内 四郎君
      杉原 荒太君    上原 正吉君
      松平 勇雄君    剱木 亨弘君
      古池 信三君    塚田十一郎君
      重宗 雄三君    鬼丸 勝之君
      鈴木 省吾君    大松 博文君
      増田  盛君    矢野  登君
      志村 愛子君    高橋 邦雄君
      柴立 芳文君    古賀雷四郎君
      黒住 忠行君    河本嘉久蔵君
      初村滝一郎君    渡辺一太郎君
      山崎 竜男君    世耕 政隆君
      斎藤 寿夫君    星野 重次君
      上田  稔君    高橋雄之助君
      菅野 儀作君    佐田 一郎君
      佐藤 一郎君    中津井 真君
      寺本 廣作君    久保田藤麿君
      木村 睦男君    柳田桃太郎君
      船田  譲君    町村 金五君
      橘直  治君    高橋文五郎君
      岡本  悟君    徳永 正利君
      鹿島 俊雄君    米田 正文君
      柴田  栄君    大谷藤之助君
      大竹平八郎君    江藤  智君
      伊藤 五郎君    平井 太郎君
      安井  謙君    西田 信一君
      後藤 義隆君    郡  祐一君
      迫水 久常君    吉武 恵市君
      塩見 俊二君    鍋島 直紹君
      山本敬三郎君    稲嶺 一郎君
      寺下 岩蔵君    田  英夫君
      川野 辺静君    金井 元彦君
      片山 正英君    梶木 又三君
      上田  哲君    工藤 良平君
      嶋崎  均君    今泉 正二君
      戸田 菊雄君    前川  旦君
      杉原 一雄君    園田 清充君
      山本茂一郎君    藤田 正明君
      平泉  渉君    沢田 政治君
      野々山一三君    大橋 和孝君
      杉山善太郎君    楠  正俊君
      土屋 義彦君    内藤誉三郎君
      西村 尚治君    松永 忠二君
      森中 守義君    西村 関一君
      林  虎雄君    平島 敏夫君
      山本 利壽君    山下 春江君
      中村 英男君    阿具根 登君
      森 元治郎君    山崎  昇君
      新谷寅三郎君    前田佳都男君
      増原 恵吉君    田口長治郎君
      八木 一郎君    羽生 三七君
      藤原 道子君    鶴園 哲夫君
      鈴木  強君    片岡 勝治君
      辻  一彦君    佐々木静子君
      須原 昭二君    小谷  守君
      神沢  浄君    鈴木美枝子君
      宮之原貞光君    竹田 四郎君
      安永 英雄君    田中寿美子君
      川村 清一君    中村 波男君
      鈴木  力君    森  勝治君
      村田 秀三君    松本 賢一君
      小林  武君    瀬谷 英行君
      矢山 有作君    茜ケ久保重光君
      横川 正市君    戸叶  武君
      小柳  勇君    加瀬  完君
      吉田忠三郎君    小野  明君
      田中  一君    成瀬幡 治君
      藤田  進君    秋山 長造君
     ―――――・―――――○議長(河野謙三君) 次に、松永忠二君提出の修正案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#40
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#41
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#42
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十九票
  白色票           八十八票
  青色票          百四十一票
 よって、本修正案は否決されました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      八十八名
      塩出 啓典君    喜屋武眞榮君
      野末 和彦君    山田  勇君
      内田 善利君    藤原 房雄君
      青島 幸男君    原田  立君
      沢田  実君    上林繁次郎君
      矢追 秀彦君    三木 忠雄君
      阿部 憲一君    峯山 昭範君
      田代富士男君    柏原 ヤス君
      黒柳  明君    中尾 辰義君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      宮崎 正義君    山田 徹一君
      多田 省吾君    白木義一郎君
      小平 芳平君    田  英夫君
      上田  哲君    工藤 良平君
      戸田 菊雄君    前川  旦君
      杉原 一雄君    沢田 政治君
      野々山一三君    大橋 和孝君
      杉山善太郎君    松永 忠二君
      森中 守義君    西村 関一君
      林  虎雄君    中村 英男君
      阿具根 登君    森 元治郎君
      山崎  昇君    羽生 三七君
      藤原 道子君    鶴園 哲夫君
      鈴木  強君    片岡 勝治君
      辻  一彦君    佐々木静子君
      須原 昭二君    沓脱タケ子君
      小谷  守君    神沢  浄君
      鈴木美枝子君    宮之原貞光君
      加藤  進君    竹田 四郎君
      安永 英雄君    田中寿美子君
      川村 清一君    中村 波男君
      鈴木  力君    森  勝治君
      村田 秀三君    塚田 大願君
      星野  力君    松本 賢一君
      小林  武君    瀬谷 英行君
      矢山 有作君    茜ケ久保重光君
      渡辺  武君    須藤 五郎君
      横川 正市君    戸叶  武君
      小柳  勇君    河田 賢治君
      岩間 正男君    加瀬  完君
      吉田忠三郎君    小野  明君
      田中  一君    成瀬幡 治君
      藤田  進君    秋山 長造君
      野坂 參三君    春日 正一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百四十一名
      栗林 卓司君    藤井 恒男君
      中村 利次君    高田 浩運君
      木島 則夫君    萩原幽香子君
      玉置 猛夫君    今  春聴君
      松下 正寿君    中沢伊登子君
      熊谷太三郎君    田渕 哲也君
      高山 恒雄君    温水 三郎君
      濱田 幸雄君    向井 長年君
      村尾 重雄君    森 八三一君
      小山邦太郎君    中村 登美君
      松岡 克由君    斎藤 十朗君
      中西 一郎君    君  健男君
      細川 護煕君    原 文兵衛君
      橋本 繁蔵君    中村 禎二君
      棚辺 四郎君    竹内 藤男君
      中山 太郎君    永野 鎮雄君
      山崎 五郎君    長屋  茂君
      若林 正武君    桧垣徳太郎君
      小林 国司君    久次米健太郎君
      亀井 善彰君    長田 裕二君
      石本  茂君    佐藤  隆君
      林田悠紀夫君    安田 隆明君
      源田  実君    二木 謙吾君
      丸茂 重貞君    河口 陽一君
      玉置 和郎君    山内 一郎君
      宮崎 正雄君    木島 義夫君
      小笠 公韶君    堀本 宜実君
      大森 久司君    白井  勇君
      植木 光教君    青木 一男君
      植竹 春彦君    木内 四郎君
      杉原 荒太君    上原 正吉君
      松平 勇雄君    剱木 亨弘君
      古池 信三君    塚田十一郎君
      重宗 雄三君    鬼丸 勝之君
      鈴木 省吾君    大松 博文君
      増田  盛君    矢野  登君
      志村 愛子君    高橋 邦雄君
      柴立 芳文君    古賀雷四郎君
      黒住 忠行君    河本嘉久蔵君
      初村滝一郎君    渡辺一太郎君
      山崎 竜男君    世耕 政隆君
      斎藤 寿夫君    星野 重次君
      上田  稔君    高橋雄之助君
      菅野 儀作君    佐田 一郎君
      佐藤 一郎君    中津井 真君
      寺本 廣作君    久保田藤麿君
      木村 睦男君    柳田桃太郎君
      船田  譲君    町村 金五君
      橘直  治君    高橋文五郎君
      岡本  悟君    徳永 正利君
      鹿島 俊雄君    米田 正文君
      柴田  栄君    大谷藤之助君
      大竹平八郎君    江藤  智君
      伊藤 五郎君    平井 太郎君
      安井  謙君    西田 信一君
      後藤 義隆君    郡  祐一君
      迫水 久常君    吉武 恵市君
      塩見 俊二君    鍋島 直紹君
      山本敬三郎君    稲嶺 一郎君
      寺下 岩蔵君    川野 辺静君
      金井 元彦君    片山 正英君
      梶木 又三君    嶋崎  均君
      今泉 正二君    園田 清充君
      山本茂一郎君    藤田 正明君
      平泉  渉君    楠  正俊君
      土屋 義彦君    内藤誉三郎君
      西村 尚治君    平島 敏夫君
      山本 利壽君    山下 春江君
      新谷寅三郎君    前田佳都男君
      増原 恵吉君    田口長治郎君
      八木 一郎君
     ―――――・―――――○議長(河野謙三君) 次に、松下正寿君提出の修正案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#43
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#44
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#45
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十九票
  白色票            十四票
  青色票          二百十五票
 よって、本修正案は否決されました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      十四名
      喜屋武眞榮君    野末 和彦君
      山田  勇君    栗林 卓司君
      藤井 恒男君    中村 利次君
      木島 則夫君    萩原幽香子君
      松下 正寿君    中沢伊登子君
      田渕 哲也君    高山 恒雄君
      向井 長年君    村尾 重雄君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      二百十五名
      塩出 啓典君    内田 善利君
      藤原 房雄君    青島 幸男君
      原田  立君    沢田  実君
      高田 浩運君    上林繁次郎君
      矢追 秀彦君    三木 忠雄君
      阿部 憲一君    玉置 猛夫君
      今  春聴君    峯山 昭範君
      田代富士男君    柏原 ヤス君
      黒柳  明君    熊谷太三郎君
      中尾 辰義君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    宮崎 正義君
      温水 三郎君    濱田 幸雄君
      山田 徹一君    多田 省吾君
      白木義一郎君    小平 芳平君
      森 八三一君    小山邦太郎君
      中村 登美君    松岡 克由君
      斎藤 十朗君    中西 一郎君
      君  健男君    細川 護煕君
      原 文兵衛君    橋本 繁蔵君
      中村 禎二君    棚辺 四郎君
      竹内 藤男君    中山 太郎君
      永野 鎮雄君    山崎 五郎君
      長屋  茂君    若林 正武君
      桧垣徳太郎君    小林 国司君
      久次米健太郎君    亀井 善彰君
      長田 裕二君    石本  茂君
      佐藤  隆君    林田悠紀夫君
      安田 隆明君    源田  実君
      二木 謙吾君    丸茂 重貞君
      河口 陽一君    玉置 和郎君
      山内 一郎君    宮崎 正雄君
      木島 義夫君    小笠 公韶君
      堀本 宜実君    大森 久司君
      白井  勇君    植木 光教君
      青木 一男君    植竹 春彦君
      木内 四郎君    杉原 荒太君
      上原 正吉君    松平 勇雄君
      剱木 亨弘君    古池 信三君
      塚田十一郎君    重宗 雄三君
      鬼丸 勝之君    鈴木 省吾君
      大松 博文君    増田  盛君
      矢野  登君    志村 愛子君
      高橋 邦雄君    柴立 芳文君
      古賀雷四郎君    黒住 忠行君
      河本嘉久蔵君    初村滝一郎君
      渡辺一太郎君    山崎 竜男君
      世耕 政隆君    斎藤 寿夫君
      星野 重次君    上田  稔君
      高橋雄之助君    菅野 儀作君
      佐田 一郎君    佐藤 一郎君
      中津井 真君    寺本 廣作君
      久保田藤麿君    木村 睦男君
      柳田桃太郎君    船田  譲君
      町村 金五君    橘直  治君
      高橋文五郎君    岡本  悟君
      徳永 正利君    鹿島 俊雄君
      米田 正文君    柴田  栄君
      大谷藤之助君    大竹平八郎君
      江藤  智君    伊藤 五郎君
      平井 太郎君    安井  謙君
      西田 信一君    後藤 義隆君
      郡  祐一君    迫水 久常君
      吉武 恵市君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    山本敬三郎君
      稲嶺 一郎君    寺下 岩蔵君
      田  英夫君    川野 辺静君
      金井 元彦君    片山 正英君
      梶木 又三君    上田  哲君
      工藤 良平君    嶋崎  均君
      今泉 正二君    戸田 菊雄君
      前川  旦君    杉原 一雄君
      園田 清充君    山本茂一郎君
      藤田 正明君    平泉  渉君
      沢田 政治君    野々山一三君
      大橋 和孝君    杉山善太郎君
      楠  正俊君    土屋 義彦君
      内藤誉三郎君    西村 尚治君
      松永 忠二君    森中 守義君
      西村 関一君    林  虎雄君
      平島 敏夫君    山本 利壽君
      山下 春江君    中村 英男君
      阿具根 登君    森 元治郎君
      山崎  昇君    新谷寅三郎君
      前田佳都男君    増原 恵吉君
      田口長治郎君    八木 一郎君
      羽生 三七君    藤原 道子君
      鶴園 哲夫君    鈴木  強君
      片岡 勝治君    辻  一彦君
      佐々木静子君    須原 昭二君
      沓脱タケ子君    小谷  守君
      神沢  浄君    鈴木美枝子君
      宮之原貞光君    加藤  進君
      竹田 四郎君    安永 英雄君
      田中寿美子君    川村 清一君
      中村 波男君    鈴木  力君
      森  勝治君    村田 秀三君
      塚田 大願君    星野  力君
      松本 賢一君    小林  武君
      瀬谷 英行君    矢山 有作君
      茜ケ久保重光君    渡辺  武君
      須藤 五郎君    横川 正市君
      戸叶  武君    小柳  勇君
      河田 賢治君    岩間 正男君
      加瀬  完君    吉田忠三郎君
      小野  明君    田中  一君
      成瀬幡 治君    藤田  進君
      秋山 長造君    野坂 參三君
      春日 正一君
     ―――――・―――――○議長(河野謙三君) 次に、原案の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#46
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#47
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じすす。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#48
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十九票
  白色票           百三十票
  青色票           九十九票
 よって、国立学校設置法等の一部を改正する法律案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百三十名
      高田 浩運君    玉置 猛夫君
      今  春聴君    熊谷太三郎君
      温水 三郎君    濱田 幸雄君
      森 八三一君    小山邦太郎君
      中村 登美君    松岡 克由君
      斎藤 十朗君    中西 一郎君
      君  健男君    細川 護煕君
      原 文兵衛君    橋本 繁蔵君
      中村 禎二君    棚辺 四郎君
      竹内 藤男君    中山 太郎君
      永野 鎮雄君    山崎 五郎君
      長屋  茂君    若林 正武君
      桧垣徳太郎君    小林 国司君
      久次米健太郎君    亀井 善彰君
      長田 裕二君    石本  茂君
      佐藤  隆君    林田悠紀夫君
      安田 隆明君    源田  実君
      二木 謙吾君    丸茂 重貞君
      河口 陽一君    玉置 和郎君
      山内 一郎君    宮崎 正雄君
      木島 義夫君    小笠 公韶君
      堀本 宜実君    大森 久司君
      白井  勇君    植木 光教君
      青木 一男君    植竹 春彦君
      木内 四郎君    杉原 荒太君
      上原 正吉君    松平 勇雄君
      剱木 亨弘君    古池 信三君
      塚田十一郎君    重宗 雄三君
      鬼丸 勝之君    鈴木 省吾君
      大松 博文君    増田  盛君
      矢野  登君    志村 愛子君
      高橋 邦雄君    柴立 芳文君
      古賀雷四郎君    黒住 忠行君
      河本嘉久蔵君    初村滝一郎君
      渡辺一太郎君    山崎 竜男君
      世耕 政隆君    斎藤 寿夫君
      星野 重次君    上田  稔君
      高橋雄之助君    菅野 儀作君
      佐田 一郎君    佐藤 一郎君
      中津井 真君    寺本 廣作君
      久保田藤麿君    木村 睦男君
      柳田桃太郎君    船田  譲君
      町村 金五君    橘直  治君
      高橋文五郎君    岡本  悟君
      徳永 正利君    鹿島 俊雄君
      米田 正文君    柴田  栄君
      大谷藤之助君    大竹平八郎君
      江藤  智君    伊藤 五郎君
      平井 太郎君    安井  謙君
      西田 信一君    後藤 義隆君
      郡  祐一君    迫水 久常君
      吉武 恵市君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    山本敬三郎君
      稲嶺 一郎君    寺下 岩蔵君
      川野 辺静君    金井 元彦君
      片山 正英君    梶木 又三君
      嶋崎  均君    今泉 正二君
      園田 清充君    山本茂一郎君
      藤田 正明君    平泉  渉君
      楠  正俊君    土屋 義彦君
      内藤誉三郎君    西村 尚治君
      平島 敏夫君    山本 利壽君
      山下 春江君    新谷寅三郎君
      前田佳都男君    増原 恵吉君
      田口長治郎君    八木 一郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      九十九名
      塩出 啓典君    喜屋武眞榮君
      野末 和彦君    山田  勇君
      内田 善利君    藤原 房雄君
      栗林 卓司君    藤井 恒男君
      青島 幸男君    原田  立君
      沢田  実君    中村 利次君
      上林繁次郎君    矢追 秀彦君
      三木 忠雄君    阿部 憲一君
      木島 則夫君    萩原幽香子君
      峯山 昭範君    田代富士男君
      柏原 ヤス君    黒柳  明君
      松下 正寿君    中沢伊登子君
      中尾 辰義君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    宮崎 正義君
      田渕 哲也君    高山 恒雄君
      山田 徹一君    多田 省吾君
      白木義一郎君    小平 芳平君
      向井 長年君    村尾 重雄君
      田  英夫君    上田  哲君
      工藤 良平君    戸田 菊雄君
      前川  旦君    杉原 一雄君
      沢田 政治君    野々山一三君
      大橋 和孝君    杉山善太郎君
      松永 忠二君    森中 守義君
      西村 関一君    林  虎雄君
      中村 英男君    阿具根 登君
      森 元治郎君    山崎  昇君
      羽生 三七君    藤原 道子君
      鶴園 哲夫君    鈴木  強君
      片岡 勝治君    辻  一彦君
      佐々木静子君    須原 昭二君
      沓脱タケ子君    小谷  守君
      神沢  浄君    鈴木美枝子君
      宮之原貞光君    加藤  進君
      竹田 四郎君    安永 英雄君
      田中寿美子君    川村 清一君
      中村 波男君    鈴木  力君
      森  勝治君    村田 秀三君
      塚田 大願君    星野  力君
      松本 賢一君    小林  武君
      瀬谷 英行君    矢山 有作君
      茜ケ久保重光君    渡辺  武君
      須藤 五郎君    横川 正市君
      戸叶  武君    小柳  勇君
      河田 賢治君    岩間 正男君
      加瀬  完君    吉田忠三郎君
      小野  明君    田中  一君
      成瀬幡 治君    藤田  進君
      秋山 長造君    野坂 參三君
      春日 正一君
     ―――――・―――――○議長(河野謙三君) 山崎昇君外三名から、賛成者を得て、
 内閣総理大臣田中角榮君問責決議案(加瀬完君外三名発議)(委員会審査省略要求事件)を日程に追加して議題とすることの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#49
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#50
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#51
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十八票
  白色票           九十八票
  青色票           百三十票
 よって、本動議は否決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      九十八名
      塩出 啓典君    喜屋武眞榮君
      野末 和彦君    山田  勇君
      内田 善利君    藤原 房雄君
      栗林 卓司君    藤井 恒男君
      青島 幸男君    原田  立君
      沢田  実君    中村 利次君
      上林繁次郎君    矢追 秀彦君
      三木 忠雄君    阿部 憲一君
      木島 則夫君    萩原幽香子君
      峯山 昭範君    田代富士男君
      柏原 ヤス君    黒柳  明君
      松下 正寿君    中沢伊登子君
      中尾 辰義君    渋谷 邦彦君
      鈴木 一弘君    宮崎 正義君
      田渕 哲也君    高山 恒雄君
      山田 徹一君    多田 省吾君
      白木義一郎君    小平 芳平君
      向井 長年君    村尾 重雄君
      田  英夫君    上田  哲君
      工藤 良平君    戸田 菊雄君
      前川  旦君    杉原 一雄君
      沢田 政治君    野々山一三君
      大橋 和孝君    杉山善太郎君
      松永 忠二君    森中 守義君
      西村 関一君    林  虎雄君
      中村 英男君    森 元治郎君
      山崎  昇君    羽生 三七君
      藤原 道子君    鶴園 哲夫君
      鈴木  強君    片岡 勝治君
      辻  一彦君    佐々木静子君
      須原 昭二君    沓脱タケ子君
      小谷  守君    神沢  浄君
      鈴木美枝子君    宮之原貞光君
      加藤  進君    竹田 四郎君
      安永 英雄君    田中寿美子君
      川村 清一君    中村 波男君
      鈴木  力君    森  勝治君
      村田 秀三君    塚田 大願君
      星野  力君    松本 賢一君
      小林  武君    瀬谷 英行君
      矢山 有作君    茜ケ久保重光君
      渡辺  武君    須藤 五郎君
      横川 正市君    戸叶  武君
      小柳  勇君    河田 賢治君
      岩間 正男君    加瀬  完君
      吉田忠三郎君    小野  明君
      田中  一君    成瀬幡 治君
      藤田  進君    秋山 長造君
      野坂 參三君    春日 正一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百三十名
      高田 浩運君    玉置 猛夫君
      今  春聴君    熊谷太三郎君
      温水 三郎君    濱田 幸雄君
      森 八三一君    小山邦太郎君
      中村 登美君    松岡 克由君
      斎藤 十朗君    中西 一郎君
      君  健男君    細川 護煕君
      原 文兵衛君    橋本 繁蔵君
      中村 禎二君    棚辺 四郎君
      竹内 藤男君    中山 太郎君
      永野 鎮雄君    山崎 五郎君
      長屋  茂君    若林 正武君
      桧垣徳太郎君    小林 国司君
      久次米健太郎君    亀井 善彰君
      長田 裕二君    石本  茂君
      佐藤  隆君    林田悠紀夫君
      安田 隆明君    源田  実君
      二木 謙吾君    丸茂 重貞君
      河口 陽一君    玉置 和郎君
      山内 一郎君    宮崎 正雄君
      木島 義夫君    小笠 公韶君
      堀本 宜実君    大森 久司君
      白井  勇君    植木 光教君
      青木 一男君    植竹 春彦君
      木内 四郎君    杉原 荒太君
      上原 正吉君    松平 勇雄君
      剱木 亨弘君    古池 信三君
      塚田十一郎君    重宗 雄三君
      鬼丸 勝之君    鈴木 省吾君
      大松 博文君    増田  盛君
      矢野  登君    志村 愛子君
      高橋 邦雄君    柴立 芳文君
      古賀雷四郎君    黒住 忠行君
      河本嘉久蔵君    初村滝一郎君
      渡辺一太郎君    山崎 竜男君
      世耕 政隆君    斎藤 寿夫君
      星野 重次君    上田  稔君
      高橋雄之助君    菅野 儀作君
      佐田 一郎君    佐藤 一郎君
      中津井 真君    寺本 廣作君
      久保田藤麿君    木村 睦男君
      柳田桃太郎君    船田  譲君
      町村 金五君    橘直  治君
      高橋文五郎君    岡本  悟君
      徳永 正利君    鹿島 俊雄君
      米田 正文君    柴田  栄君
      大谷藤之助君    大竹平八郎君
      江藤  智君    伊藤 五郎君
      平井 太郎君    安井  謙君
      西田 信一君    後藤 義隆君
      郡  祐一君    迫水 久常君
      吉武 恵市君    塩見 俊二君
      鍋島 直紹君    山本敬三郎君
      稲嶺 一郎君    寺下 岩蔵君
      川野 辺静君    金井 元彦君
      片山 正英君    梶木 又三君
      嶋崎  均君    今泉 正二君
      園田 清充君    山本茂一郎君
      藤田 正明君    平泉  渉君
      楠  正俊君    土屋 義彦君
      内藤誉三郎君    西村 尚治君
      平島 敏夫君    山本 利壽君
      山下 春江君    新谷寅三郎君
      前田佳都男君    増原 恵吉君
      田口長治郎君    八木 一郎君
     ―――――・―――――○議長(河野謙三君) この際、おはかりいたします。
 星野重次君外七名発議にかかる北方領土の返還に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。星野重次君。
   〔星野重次君登壇、拍手〕
#53
○星野重次君 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党、第二院クラブ各会派共同提案にかかる北方領土の返還に関する決議案につきまして、発議者を代表して提案の趣旨を御説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    北方領土の返還に関する決議案
  わが国固有の領土である歯舞、色丹及び国後、択捉等の北方領土の返還は、戦後四半世紀余にわたる日本国民の総意であり、悲願である。
  よつて政府は、北方領土問題の早期解決をはかるとともに、日ソ間の恒久平和の基礎を確立するよう努力すべきである。
  右決議する。
 北方領土問題は、戦後四半世紀余にわたり、いまなお、わが国外交の大きな懸案となっておりますが、国民の悲願にこたえてその早期解決をはかり、日ソ間の恒久平和の基礎を確立すべきであるとの見地から、この際、政府に一そうの努力を要請する旨の決議を行なうことで各会派の間に意見の一致を見たのであります。
 北方領土返還の方途につきましては、各会派の主張に若干の相違がありましたが、各会派は、ただいまお読み申し上げました案文の中にそれぞれの主張を織り込むことができたと判断し、本決議案の可決成立を期するものであります。
 何とぞ御賛同賜わらんことをお願い申し上げまして、趣旨の説明を終わります。(拍手)
#54
○議長(河野謙三君) これより本案の採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#55
○議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 ただいまの決議に対し、二階堂国務大臣から発言を求められました。二階堂国務大臣。
   〔国務大臣二階堂進君登壇、拍手〕
#56
○国務大臣(二階堂進君) ただいまの御決議に対して、所信を申し述べます。
 政府は、これまでソ連政府に対し、日ソ関係を真に安定した基礎の上に発展させるため、両国間の最大の懸案である北方領土問題を解決して、日ソ平和条約を締結すべきである旨を一貫して説いてまいりました。
 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、これを検討し、来たる十月初旬の総理訪ソに際し、ソ連側最高首脳との話し合いにおいて最大限の努力を払う所存であります。(拍手)
#57
○議長(河野謙三君) 本日はこれにて延会いたします。
   午後四時八分延会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト