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1972/06/06 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 交通安全対策特別委員会 第11号
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1972/06/06 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 交通安全対策特別委員会 第11号

#1
第071回国会 交通安全対策特別委員会 第11号
昭和四十八年六月六日(水曜日)
    午後一時三十三分開議
 出席委員
   委員長 久保 三郎君
   理事 大竹 太郎君 理事 唐沢俊二郎君
   理事 中村 弘海君 理事 野中 英二君
   理事 井上  泉君 理事 太田 一夫君
   理事 紺野与次郎君
      足立 篤郎君    阿部 喜元君
      片岡 清一君    斉藤滋与史君
      野田  毅君    野坂 浩賢君
      平田 藤吉君    沖本 泰幸君
      渡辺 武三君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      秋山  進君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 味村  治君
        厚生省医務局次
        長       信澤  清君
        運輸政務次官  佐藤 文生君
        運輸省自動車局
        長       小林 正興君
        消防庁次長   山田  滋君
 委員外の出席者
        警察庁交通局参
        事官      寺尾  繁君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   伊豫田敏雄君
        大蔵省銀行局保
        険部長     安井  誠君
        厚生省社会局保
        護課長     中野 徹雄君
        建設省道路局次
        長       中村  清君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 自動車事故対策センター法案(内閣提出第七〇
 号)
     ――――◇―――――
#2
○久保委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、自動車事故対策センター法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中英二君。
#3
○野中委員 前回の質問に引き続きまして質問させていただきますが、きょうの私の持ち時間は三十分でありますから、急いで質問いたします。
 前回の質問によって、自動車事故対策センター法案提出の背景が明確になってまいりました。つまり、一つは交通事故の激増、二に交通事故被害者の増加、さらに自賠責保険の黒字等によってこれが提案されてまいりました。自動車事故対策センター法案の基本となるものは道路運送法でありますが、交通安全を総括的に網羅したものは道路交通法であります。道路交通法第百八条の二に規定されている安全運転管理者に対する講習あるいは免許証の更新を受けようとする者に対する講習等、公安委員会が総理府令で定めるところのものを実施いたしておりますが、自動車事故対策センター法による事業内容、特に講習でありますが、これは公安委員会で実施するものと大差がないのでございます。したがって、何ゆえにあらためて自動車事故対策センター法をつくらなければならないのか、こういう疑問が当然生まれてまいるわけでございます。このことについて、せっかく佐藤政務次官がおいでになられましたので、御質問申し上げたいと思います。
#4
○佐藤(文)政府委員 ただいま先生の御質問の、何ゆえに事故対策センターを特別に設置したのか、それを述べろ、こういうことでございます。
 御承知のとおりに、運輸省は、自動車損害賠償保障法を所管しまして、自賠責保険の再保険事業や保障事業を行なうことによりまして、被害者保護の観点から直接事案の処理に当たっております。特にまた、被害者、加害者、保険会社等、一般からの事故相談だけでなく、警察あるいは検察庁、地方公共団体等、環境庁からの事故照会にも応じて、自賠関係の法令の有権的な解釈、運用に当たっているわけでございます。さらに運輸省としては、日弁連の交通事故相談センターや地方公共団体に対しまして、自賠特会からの補助金を交付することによって、事故相談業務の援助を行なっているほかに、横の連絡としては、総理府とタイアップして、相談員に対する研修会を毎年開催している。このようにして、現在事故相談については、運輸省、総理府等、関係機関がそれぞれ専門的な立場から相談業務を行なっているが、これを運輸省としては、ローカルの交通事故を中心にすみやかにその対策ができるように、各県ごとに対策センターを設けて、そうして激増する事故対策について、未然の防止あるいはその被害者保護の立場から、的確なる手が打てるように、こう考えまして、対策センターを設けるようにしたわけでございます。
#5
○野中委員 質問の第二は、道路交通法に基づいて各県に設置されました安全運転学校において実施されている内容の一例といたしまして、宮城県の安全運転学校の場合は、運転適性検査として、一、処置判断検査、二、速度見越反応検査、三、重複作業反応検査、四、視機能検査、五、動態視力検査、六、眩惑回復検査、七、脳波検査、こういう七つのことをやっておられるのでございます。ところが、過日、自動車局長の答弁の中にございましたが、今度つくられます自動車事故対策センターにおいて実施されるものは、私が述べました特に一、二、三だけを実施するという話でございます。そのことについて、小林自動車局長から答弁をいただきたいと思います。
#6
○小林(正)政府委員 警察庁所管の安全運転学校において適性診断と同じような仕事をやっておるということにつきましては、私どもも聞いております。ただ、ただいま先生述べられました今度このセンターにおいて考えております診断の内容は、それよりかうんと少ないのではないかというような御疑問かと思いますが、これは決してそうではございませんで、現在自動車運行管理指導センターで行なっている適性診断の各種のコースがございまして、この中に一般診断と精密診断、特別診断という三つの診断の種類があるわけでございます。
 一般診断と申しますのは、ペーパーテストによる心理検査診断、それから速度見越反応測定器による診断、重複作業反応測定器による診断、それから処置判断測定器による診断、集団検診用脳波解析装置による診断という診断の具体的な方法が分かれておるわけでございます。
 それから、精密診断というものにつきましては、さらにそういったもののほか、深径覚測定器による診断、それから視野計、動態視力測定器、眩惑回復測定器というようないろいろな測定器がございまして、これによる精密診断を行なうことにしておるわけでございます。
 それから、特別診断は、先ほど申し上げました一般診断の集団検診用脳波以上に精密な脳波計による診断を、特別診断を要する場合にはいたすことにいたしておるわけでございまして、現在開発され、ほぼ完成された、こういった適性診断の技術的な方法についてあらゆる種類の機器をそろえまして診断に当たっておる次第でございます。
#7
○野中委員 いま小林局長からのお話がございましたが、大体、宮城県の安全運転学校で実施いたしておりますものと同様でございます。ただ、ペーパーテストがつけ加えられておるわけでございますが、検査料金をいま検討してみますと、宮城県の安全運転学校におきましては、ペーパーテストは二時間で三百円。いま、処置判断検査から始まりまして脳波検査までの七つ、いわゆる機器テスト、これが手数料二百円でございます。したがって、自動車事故対策センターにおいて実施されるものがわずかに五百円でできるということになります。しかも、さらに安全運転学校でつけ加えてあります模擬運転テスト、さらに簡易ペーパーテスト、これを全部含めまして千円にすぎないのであります。しかるに、自動車事故対策センター法による適性検査では、最低千円、最高三千円必要とされています。このような多額な料金を必要とするもので、実際に運転者が検査を受けるものであるかどうか。しかも、道路交通法によって義務づけられている講習であるならばいざ知らず、任意の本センターが実施する検査を受講する人が何人いるであろうか。こういう疑問がわいてくるわけでございます。小林局長からの答弁を願います。
#8
○小林(正)政府委員 現在警察でやっております安全運転学校等におきまして、免許取り消し等の行政処分を受けた者が講習を受ける、そういう際の一環といたしまして適性診断をやっておるように聞いておりますが、たしか時間制で手数料が定まっておるようでございます。したがって、警察でやっております適性診断を含む講習というようなものは、行政処分別に非常に違反の度のひどい者に対してはきめこまかい講習をいたすわけでございまして、したがって、所要の時間数が非常に多くなるというようなことで、手数料につきましては、たとえば十二時間というような講習を要する場合には三千円ということになっておるわけでございまして、もともとのその適性診断をいたします理由というようなものにつきまして、運輸省所管でやっております適性診断とは若干質的に異なっておるわけでございます。また、ペーパーテストだけで一時間幾らというような診断方法を用いておりませんので、単純にどちらの手数料が高いあるいは安いということは比較できないかと思うわけでございます。
 それから二番目の点で、こういった手数料は若干高いのではないか、したがって受験者が少ないというようなことについての御疑問でございますが、確かに適性診断が事故防止に非常にいいことであり、またそれは、ひいてはドライバー個人に対しましても事故にあわないということになるわけでして、ですけれども、なかなか事柄の性質上、進んで受けないという性格のものかと思います。そういった点から考えまして、手数料については現在比較的安い手数料でやっておるわけでございまして、こういった点につきましても、これが業務を普及させるというような点からは相当の補助が必要になってくるというように考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、適性診断の効果が非常にあるというデータも出ておるわけでございますので、こういったものをできるだけ指導行政によって進めていきたいというのが運輸省の考え方でございます。
#9
○野中委員 時間の関係で質問をスピーディーに行ないます。
 本センターにおきます事業の第二として、貸し付け業務がございますが、交通遺児貸し付けの問題について質問をいたしたいと思います。
 昭和四十六年五月二十日現在、交通遺児の数は六万三百六十六人でございます。これは保育所、幼稚園、小中学校、高校などに在籍している者でございます。このうち高校在籍を除きますならば、四万五千三百九十五人に相なるわけでございます。これらの交通遺児の保護者は八八・五%が母親でございます。したがって、大部分が母子世帯であるということが言い得るわけでございます。それだけに、生活能力が父親に比して非常に乏しい、こういうことが言えるのじゃないか。その場合に、貸し付け金が月額五千円、こういうふうに一律になっておるわけでございますけれども、家庭の状況等を勘案いたしまして、これを弾力的にあるいは八十万なり百万なり貸すという、そういう弾力性を持たすことができないかどうか、御答弁を、これは政務次官にお願いいたしたいと思います。
#10
○佐藤(文)政府委員 御承知のとおりに、交通遺児の貸し付けの対象者は交通事故にあわれた方の遺児でありますけれども、遺児の不利益にならぬように措置するということが一番大切な点でありまして、遺児本人に対する奨学資金的な貸し付けのための――無利子にはしておりますけれども、親権者、後見人を連帯保証人として遺児に不利益にならないように、貸し付け的な措置をいたしております。
 そこでお尋ねの、貸し付け金額のワクに余裕を持たせるかどうかという問題でありますけれども、いろいろと検討した結果、別にワクにフレキシブルな幅を持たせるというようなことについては、これはいまのところは考えておりませんが、今後、実施の段階において考えていきたいということにいたしております。
#11
○野中委員 わかりました。
 次に、義務教育の終了時までということになっておるのでございます。そこで問題は、中学三年の三学期の二月にけがをしたということになると、この遺児は五千円、五千円と、大体一万円しかもらえないということになるのじゃないか。こうした子供がさらにみじめなことには、もしこの子供が交通事故にあって後遺症があった場合、保険金がくるまでの間わずか五十万円しか借りられないということに相なる。したがって、こういう子供があまりにもかわいそうなのじゃないか、こういうことを考えますと、運営にあたっては、紋切り型に運営するのじゃなくて、非常に弾力に富んだ運営をしていただかなければ、国民の理解というものができないのじゃないか、愛される法案にならないのじゃないか、こういう気がするわけでございます。政務次官の御答弁をお願いいたします。
#12
○佐藤(文)政府委員 この貸し付けの方法については、いろいろな御意見がありまして、交通遺児の貸し付けを渡しきり方式にすることの是非の問題も先般は出たようでございます。この貸し付け方式の渡しきりにしたらどうかという問題につきましては、他の被害者との均衡もあり、また、資金の有効活用により貸し付け対象者も非常にそれによって拡大するというような点もございまして、渡しきり方式というものはこれはいましばらくとらない方針でいこうということを考えております。
 それから、交通遺児貸し付けの据え置き期間一年経過後直ちに返還はひどいではないか、こういうような方法論についての御意見もありました。これは結論から申し上げますと、現段階においては一年据え置きというのが精一ぱいであるということですが、一般の他の育英資金制度と同様に一年据え置きということで一応処置していきたい、二十年の長期返済期間と無利子という原則によってやっていきたい。さらに、返還が不可能になった場合にどうするんだというような危惧の念もございましたが、そういう場合においては、その時期における状況をよく判断をして、返還免除の措置も講じられるように考えております。あるいは返還の困難な場合においては返還を猶予するというようなことも考えているわけであります。大体そういうようなことで、せっかくこういう制度ができたのですから、余裕のある、状況変化に応じて感謝される貸し付けの内容に運用を持っていきたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
#13
○野中委員 次に、自動車事故対策センターの収支予算書を拝見いたしました。これを見ますというと、政府出資金が二億四千万円、補助金が一億一千万円、政府借入金が一億円、民間出資金が五千万円、事業収入が四千万円、したがって収入合計が五億四千万円ということになります。貸付金のほうが一億円、人件費その他一億五千万円、創業施設費二億九千万円、したがって支出が五億四千万円、これが初年度の予算でございます。
 そこで、利子収入というようなものを、これは回収できるわけではございませんけれども、単純計算いたしますと、利子収入のほうが、初年度は十二月実施と見まして四カ月でございます。したがって百万円しか利子収入というものは考えられません。事業収入四千万円のうち百万円でございますから、あとの三千九百万円というものは利子以外の適性検査から得られるものであるというふうに考えるわけでございます。
 ここで、仮定でございますけれども、かりに一人千円の受講料ということにいたしますと、三十九万人必要だということに相なるわけでございます。そこで、昭和四十七年の三月の営業用の台数を数えてみますと、七十四万二千九百一台であるということでございます。したがって、運転者が一台の車に二人いるとしても、百四十八万程度の運転者がいわゆる受講対象ということになるであろうと思うのであります。そのうち三十九万人が初年度において受講できるかどうか。しかも、九カ所の自動車運行管理センターにおいてこなすことができるであろうかどうか。しかも、これを細分化してまいりますと、一カ所がこの四カ月に約五万人の人を消化しなければならない。そうしますと、一カ月に約一万二千人の人を消化する。しかも二十五日とするならば、一日当たり四百八十人の人である。しかも、一日八時間労働とするならば、一時間に六十人程度の人をこなさなければならないということになる。現実問題として一時間にそれだけの人間が適性検査が受けられるかどうか、非常な疑問をこの事業収入について抱かざるを得ない。これについて、非常にこまかいことでございますので、局長のほうから御答弁願いたい。
#14
○小林(正)政府委員 この事故対策センターができた場合に、その収支の見通しがどうなるかという問題でございまして、実は、まず冒頭にお断わりいたしたいのは、このセンターの予算というのは、法律が通りまして、当然センターが設立されて、そしてその時点において、非常にこまかく積算をいたしまして予算を作成するわけでございます。私どもの国の特別会計から四億五千万円の出資その他の助成をするというようなものが国の予算でございまして、これは今国会でお認め願っておるわけでございます。その予算を編成いたします際の一つのめどといたしまして、当該センターの収支計画というようなものを予算算定の参考材料といたしまして、いろいろ試算したものがあるわけでございます。ただいま先生、そのうちの事業収入の四千万は実態から見て過大ではないかという御指摘かと思いますが、この点については、当然手数料というものが正式に定まった段階で、四千万というようなラウンドナンバーでなくてこまかく算定さるべき性質のものでありますので、若干の狂いは出るかと思います。
 それから第二点は、事業収入につきまして、いままでの九カ所の実績と申しますのは、前にも御説明申しましたが、東京、大阪といままで順次始めてきたわけでございまして、全体の傾向としては着々とふえてきつつあるわけでございます。こういった点から、現在の締め切った時点での実績というようなものをもとにして、それだけの受検者だというようなこともいかがかと思いまして、やはり今後広げるべきである、伸ばすべきであるというような前提から、あるいは御指摘のように、これだけの収入を得ることは少し無理ではないかというような御意見が出るかと思いますが、私どもとしてはそういったことで、まだ手数料の正式な算定もきまっておりませんけれども、こういったものについて受検者についてはできるだけふやしていくというような考え方を基本的には持っておるわけでございます。
 もう一つの要素といたしましては、現在ございますのは九カ所でございまして、これを、法律をお認め願えますれば、年度内に十四カ所を増設いたすという予定にいたしておるわけでございまして、こういった点を積算いたしまして、目一ぱいの見積もりを当時予算査定の参考資料として立てておるということでございまして、御指摘のような点を含めまして、正式に発足後センターとしての予算を編成することに相なるかと思います。
#15
○野中委員 いま局長から答弁を賜わったわけでございますが、いま私は、単純に一人千円というふうに仮定をいたしまして論議を進めてまいったわけでございますが、運輸省のほうから提出されました参考資料によりますと、東京を筆頭として高松までの九カ所の自動車運行管理センターにおいて実施されました実績表がございます。これを見ますと、四十七年度の一日当たりの受講者というものは二百十人でございます。しかも手数料収入は十七万一千百九十九円でございます。それで、十二月から三月まで約四カ月、日曜日がございますから二十五日とすれば百日、百日ということになると、この基盤の上に立っていうならば、実績の上に立って検討するならば、一千七百十一万円しか事業収入があがらぬ、こういうことに相なるわけでございまして、どうして四千万円という事業収入が得られるのか、まことに解理に苦しむものでございます。
 しかしながら、もう私の質問の時間が迫ってまいりましたので急いで結論を申し上げたいと思います。
 最後に、私は二日間にわたって自動車事故対策センター法案に対する検討を加えてまいりました。その中で、本センターの業務である講習、適性検査、貸し付け金について考えてみますと、あえて道路交通法に抵触するようなこのような屋上屋を重ねるような本法案を提案されたことについて、またその内容について、理解に苦しむ点が非常に多いのでございます。
 そこで私は、自賠責も黒字になった、加えて任意保険のほうも黒字になってまいりました。それだけの背景であるならば、この交通事情に最もマッチした方法をとるのがしかるべきではなかろうかと考えたのであります。すなわち、保険料率を引き下げること、補償制限を緩和すること、あるいは最高限度額を大幅にアップすること、これが最も有効ではなかろうか、かように考えるわけであります。
 しかもその第二点として、各県で遺児対策をそれぞれ行なっておるわけでございます。私の資料では、十四県程度しか実施されていない県はございません、大部分の県が実施いたしておるのでございます。してみれば、その地方公共団体に、いわゆる都道府県に補助するのが至当ではないか。したがって、事務費が節約できる、その分だけ補助金が増額できるんじゃないかということを考えるわけでございます。
 以上つけ加えまして、私の質問を終わりたいと思います。これは答弁は必要ございません。
#16
○井上(泉)委員 資料要求をお願いしたいのですけれども、資料は、全共連で取り扱っておる自動車共済の総数とその内訳、中身としては、組合員の加入数、非組合員の加入数、それでそのことは必然的に組合員と非組合員との比率が出てくると思いますのでその比率。それから都市的農協、特に東京、大阪周辺の単位農協の自動車共済の組合員と非組合員とに分けた加入数とその比率。都市的農村というのは東京、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、京都、こういう地域ですからよろしくお願いします。
#17
○久保委員長 次に、野坂浩賢君。
#18
○野坂委員 この自動車事故対策センターの目的は、自動車事故の発生の防止と事故によります被害者の保護、これを増進することを大きな命題としておるわけであります。
  〔委員長退席、井上(泉)委員長代理着席〕
 そこで、国民の多くは期待をして、この事故対策センターができることによって事故の絶滅を期することができるだろう、そういう感じをもって読んだと思います。しかし、その多くの期待は私は裏切られておると思っております。
 で、この交通事故というものは、事故前のことと事故後のことと、この二とおりになると思うのです。言うなれば、事故前の対策というのは自動車側あるいは道路側、運転者側、こういうことになろうかと思うのです。自動車側というと運輸、通産、あるいは道路というと建設省、さらに運転ということになりますと運輸省をはじめ労働省、警察庁、こういう関係が出てまいります。事故後ということになりますと、事故の相談所もあります。総理府あるいは運輸省、警察、さらに文部省なり厚生省もこれに加わってくる、こういうことになろうかと思います。
 そこで、真の意味の、自賠責の運用益ということではなしに、それを一部として、こういう認可法人ではなしに公社、公団というような、いま言った事故前、事故後のそういうものを総攬をしていくような、そのような方式をあなた方はお考えにならなかったか。これをつくるにあたって、総理府とも相談をされ、あるいは厚生省のなわ張りについての判断もされ、そして建設省にももちろん警察庁にも御相談になったのでしょうが、そういう中で、いま私が言ったような構想のもののほうが一元化をするし、はるかに効率と国民に対する期待感にこたえることができる、私はこう思うのですが、それに対するお考えを運輸政務次官、どなたでもけっこうですが、お伺いをしたいと思います。
#19
○佐藤(文)政府委員 自動車の事故対策は、先生がいま言われましたように、事故が起きる前の措置というのは、自動車の構造自身の問題もありましょうし、あるいは道路の問題がありましょうし、あるいは交通法の問題もありまして、いろいろそういう問題があると思います。この問題につきましては、御承知のとおりに、総理府で横の連絡をとりながら、自動車事故の未然の防止へいろいろな協議を通じてやっていっているわけであります。さらに自動車の構造自身については、通産省がその生産過程において指導しておるでしょうし、また運輸省といたしましても、安全基準を設けて逐次年次ごとにその安全の強化についての行政指導をやっていっている、こういうようなことで、未然の防止については、自動車の構造あるいは運行そのものについての指導は、それぞれの所管においてやっていることは御承知のとおりであります。
 そこで、今度のセンターの目的というのは、その分野の中における自動車事故の未然の防止と事故後の被害者の救済という大きく二点に分かれます。そして自動車事故の未然の防止ということになりますと、運行管理指導の強化と適性診断の必要性、これをより追求していく。それから事故後の被害者の救済については、自賠法と相まって被害者をさらに保護していくということについて、貸し付け制度の実施、こういうことになっております。
 そこで、自賠責審議会の答申を得まして、自賠責保険の運用益を交通事故対策に活用すべしというのが四十四年の十月七日に答申として出ておりますので、もちろんそれを受けてのことであります。そうして、累積赤字が解消する見通しが四十八年度中にできますので、ここら付近でその答申に基づいて自動車事故対策の積極化に乗り出していく。しかし、自賠法の制度の改善を並行して考えて、保険限度額の引き上げとか保険料率の改善、そういうものは当然並行してやっていくが、それだけでは救済されない方がおる、それに向かって早期救済の必要があるということで、その救済されない方々をさらに積極的に救済していこうという意味のセンターの設立ということが必要であるということが、この法案を提出した理由になっておるわけでございます。
#20
○野坂委員 いまお話を聞いておりますと、自動車損害賠償責任保険審議会の答申を受けてやった。いまお話しの事故前の適性検査とか、あるいは運行管理者の教育とかその他、事故後は貸し付け、こういうように非常に部分的になっておりますね、非常に狭い範囲。それならば、警察庁はおいでになっていると思うのですが、たとえば運転者管理センターというのがありますね。それから今度はいま吸収をしようとしております運行管理センターですか、そういうのが運輸省の所管にある。一つ一つそういうことやってまいりますと、この自賠責で運用益が、収支の計算からしても、ことしから黒字に出る。将来とも黒字に出るだろうし、また赤字が出ても、二千五百億なり三千億のころびの中で、百億以上は下ることはないだろう、こういう判断でやったとかしか思えないわけですが、運行管理センターなり、あるいは運転者の指導、適性で警察庁はやっておるわけですが、警察庁だけでは不十分だ、こういうふうに警察庁はお考えになっておるのですか。
#21
○寺尾説明員 お答えいたします。
 警察庁は運転者全体の管理をやっておるわけでございますけれども、何しろ三千万という膨大な数でございます。したがって、一般的に必要とされるような水準の安全管理を行なうことについてはやっておりますけれども、それで十分であるかということになりますと、特に運輸省のように職業的な運転者の安全管理について、運行管理者についての私どもの一般的な管理のほかに、補完的により充実した講習をやられるということについては、私どもとしてもけっこうなことだというふうに考えたわけでございます。ただ、私どもといたしましても、たとえば一般自家用の安全運転管理者といったようなものの講習等のために、府県に安全運転学校などを持っております。そうしてその範囲では、今度のセンターと同じぐらいのいろいろな施設その他も充実していくようにやっているわけでございますけれども、そういたしましても、すべての運転者ということではなしに、安全運転管理者といったようなものを通じて、その傘下の運転者の教育にも及ぼすといったようなことをやっておるのでございまして、このたびの職業運転者の個々についてレベルアップのためのことをなさるということについては、私どもとしても望ましいことだという考えに立っております。
#22
○野坂委員 これから交通事故対策センターで、そういう適性診断の範囲内ですよ、講習その他というよりも、適性診断をやるのですよ。右足なら右足のアクセルを踏むやり方が悪いとか、あるいはブレーキをかけるのが非常に右足のほうは感覚がたるいとか、そういう程度なんですからね。きちんとしたものはないです。そういうことになれば、あなたのほうが組織を拡大してもっと人員を配置すれば、そのほうで十分やれるのじゃないですか。あっちへ行ったりこっちへ行ったり、たくさんあって、運転者はどこに行っていいかわからなくなってくる、こういうふうなきらいもあると思うのですが、それだけあなたのほうの能力が不十分なら、そちらのほうに全部お願いしたらどうですか。
#23
○寺尾説明員 お答えいたします。
 私ただいま申し上げましたように、とにかく三千万という運転者全員について十分な教育をするということは、運輸省の現在の機構をもってしてもとうていできないだろう。私どもも、フルにやりましたならばいまの三倍、五倍のことは十分できると思いますけれども、そうした方向で、安全運転管理者のほか、現在の安全運転学校では、希望に応じましてすでに適性診断なども十万人近く全国で行なっております。そうした方向も同時に拡大してまいりますように、今後ともつとめたいと思っております。
#24
○野坂委員 時間がたちますからもう一点だけで……。
 一種、二種合わせて三千万の運転者がありますね。それから第二種の免許証をとっておるというのは、男の場合は約二百万ですね。男女合わせると合計七・七%が第二種免許証で、第一種は九三%にまで及んでおる、こういう実態ですね。だから、第二種の免許証を持っておる、あるいは免許証は持っておるけれども営業車に乗っていないという人たちも相当ありますね。そうすると、第二種の方は全部事故対策センターのほうでこれからやる、こういうふうに区分けするわけですか、あなたのお考えは。三千万もいるのですから。
#25
○寺尾説明員 先ほどお答えいたしましたように、安全運転学校では、安全運転管理者であるとか、特定の講習はやっておりますけれども、その他についても門戸を開いてございます。そうした形で適性診断などを行なっているのが現在十万人近くございますが、その段階では、二種運転、一種運転の区別はしてございません。しかし、今度の対策センターでは、二種運転者を中心にやられることになろうと思いますので、そちらのほうで十分やられるのではないかというふうに考えます。私どものところに参りましても、同時に行なうことはいたします。
#26
○野坂委員 それはそれとして、いま政務次官からお話があったように、黒字が出てまいりました。黒字が出てくるということになると、事故も横ばいになってくるという可能性と、一方、自動車が増加するのを抑制するような段階ですから、増加をするという可能性――そうすると、いわゆる保険者ですね、保険料を払っておる私ども、これについてはころびもあるということははっきりわかったのですが、ころびというのはいわゆる運用益ですね。そういうものについては、ぜひわれわれのほうに還元をしてもらいたいという意見は、当然出てくると思いますね。この出てくるものにあたって、保険料率を下げろという意見と保険金額を上げろという二通りの意見があろうと思うのですね。保険金額を上げろという場合に、私はあなたのほうからこういうものをもらいました。限度額で打ち切りとなった件数ですね。死亡は五百六十六件で三・二二%、大体九七%程度は五百万円で十分まかなった。傷害の場合は十二万四百三十六で一七・二八%。こういうふうに、五百万で十分だということでありますが、あなた方はそういうふうに思っておられますか。自動車局長でも大蔵省のほうの関係でも、どなたでもけっこうですが、運輸省の自動車局から……。
#27
○小林(正)政府委員 保険収支が黒字化してまいりますれば、当然先生おっしゃるように、保険料をお支払いになっておる自動車使用者の方々としては、保険料の引き下げがあってもしかるべきではないかという声が出ることも当然だと思います。また、滞留資金の運用利子をこういったものに活用すべきだ、答申にも、保険料の低減に充てるほか、事故対策に充てるべきだ、こういうふうになっておるわけでして、御指摘のとおり、保険料の問題について検討すべきは当然だと思います。ただ一方、黒字化していると申しますが、限度額を引き上げるべきである、特に最近の物価の値上がり等の問題もございます、また、死亡者については、判決による損害賠償額も非常にふえておるというようなことから、限度額を五百万でなくて引き上げるべきだという声も非常に強く出ておるわけであります。そこで、保険料をどうするかということと同時に、限度額を引き上げるという現在各方面からの要請もございますので、これらを総合して今後検討していきたいという段階になっております。
#28
○野坂委員 これから相談するということでありますが、あなた方からいただいた四十七年度「交通事故の状況および交通安全施策の現況」二二七ページ、いままでの「判決事件における総損害認定額別件数」、この中で、五百万円までは大体二〇%。百万円までは一、二百万円までは二・四、三百万円までは二・九、四百万円までが五・七、五百万円までが九・七、合わせて二〇。七百万円というのが二六・五%、一千万円が二七・七%、一千五百万円が一八・五%と、こういうふうになっているのですね。だから八〇対二〇ですよ。これが人間の命というものの一つの基準です。裁判というものは。だから、自賠責の保険金額というものは、このような状況から見て非常にいまの場合は低過ぎる、こういうことが判例であらわされておる。それから、いわゆる傷害事故の五十万円の限度というのは、これもわずかに二七%ですね。いいですか、百万円が一九、約二〇、二百万円が二四、約二五、大体この辺だということが裁判所で明らかになっておる。これを基準にしてやはり考えていかなければならぬ。ところが大蔵省のほうは、この間の答弁を聞いておりますと、まだ白紙であります。新聞で七百五十万ですか、七百万とかという話があったということから、こういう実績を踏まえてやはり上げていく必要があると私はそう思いますよ。何のためにこういうのが出たかわかりませんけれども、そういう点についてはどのようにお考えになっておるか、自動車局長と大蔵省の保険部長さんですか、お尋ねをしたいと思います。
#29
○小林(正)政府委員 ただいま御指摘の判決事件における損害認定額の件数調べにつきまして、御指摘のとおりでございます。ただ、死亡事故が起きますと、当然、限度額五百万までにつきましては自賠責の強制保険で出るわけでございますが、それ以外に任意保険もございまして、こういった際の損害賠償の支払いがなされておるわけでございますが、そういったことが不幸にしてできませんで判決事件に持ち込まれるというような場合には、この資料にありますとおり、五百万をこすような場合の比率が率としては多くなることは当然だと思います。したがって、この率から、直ちに五百万までというのは極端に低いのだというようなことにはならぬかと思います。しかしながら、一般的にいいまして、先ほど申し上げましたように、負傷事故に伴う場合の物価との関係の問題もございますし、あるいは死亡事故につきましても、人の命の問題でございますので、この五百万では限度額として非常に少ないのではないかという各方面からの御意見というものは強くあるわけでございまして、この点、先生の御指摘のとおりでございますので、そういった限度額の引き上げの問題を、できるだけ前向きにと申しますか、積極的にこの問題に取り組んでいきたいと考えております。
#30
○安井説明員 ただいま運輸省の小林局長からお答えになりましたのと同じ意見でございまして、昨年九月の自賠責審議会を開きましたときにも、委員の中から限度額を引き上げる意見あるいは保険料を引き下げろという御意見もございました。いずれにいたしましても、自賠責の収支見込みがだんだん固まってまいりますので、それを見た上で限度の引き上げにむしろウエートを置いて考えてまいりたい。私、この間御答弁申し上げましたのは、金額を幾らにするかということがまだきまっていないということを申し上げたわけでございます。引き上げることを消極的に考えておるということではございません。
#31
○野坂委員 引き上げることは積極的に考えておる、そういう御答弁だったと思いますが、大体、めどとしては七百万円ぐらいというふうに巷間伝えられておりますし、また、負傷の事故についても五十万円を引き上げる、こういうふうに理解をしてもいいか。死亡の点と負傷と両方聞かなければならないですが、いまの場合は死亡だったと思います。負傷についてもそのように考えていいかということと、もう一つは、大蔵省に聞きたいのですが、損保会社というのの資料を私もらっておったんですが、ちょっと見えぬですが、たとえば日産火災なんかは、自動車保険と自賠責だけで七〇%ですね。保険の収入の火災、海上とを合わせて、そのうち七〇。その他大体五、六〇%この自動車保険と自賠責で占めておるというのが実態です。この金額を引き上げることに、損保の会社の諸君たちは、自動車保険、いわゆる任意保険がなくなってくる、かけなくても自賠責でいいじゃないかというような意見のために反対をするというような話が巷間流布されております。そういうことはないし、大蔵省は決然としてそういうものを押えていく、必ず上げる、こういう約束ができますか。
#32
○安井説明員 第一点のほうでございますが、金額の限度引き上げをどれだけにするかという点につきましては、自賠責保険の収支見込みがどの程度になるか、つまり保険料の引き上げをせずにできる限度がどのくらいであるか、あるいは保険料の引き上げをしてまでやらなければならない限度がどれくらいあるかという見込みが立ちませんと、金額自身がきまらないというふうに御理解いただければ幸いでございます。
 第二点の、損害保険会社のほうが自賠責の限度額の引き上げに消極的ではないかという御意見でございますが、御承知のように、損害保険会社のほうは自賠責の保険のほかに自動車の任意保険というものをやっておるわけでございます。つまり五百万円の限度の上に自動車の任意保険を保険会社がやっておるわけでございますが、自賠責の限度額が引き上がりますと任意の自動車保険のほうの加入率等が下がってくることは事実でございます。これは、四十四年の引き上げの際にも、ほかの自動車重量税等の問題もございましたけれども、あることは事実でございます。そのためにやや消極的な意向が保険会社の中にあることも事実でございますが、大蔵省としては、そのために自賠責の保険の引き上げを消極的に考えるという意向は全く持っておりません。
 ただ、問題点といたしましては、現在自賠責と任意保険の二本立てになっているわけでございますが、外国の制度を見ましても、むしろ民間の保険会社に全部まかせて、強制加入の限度だけを押えていくというようなやり方もいたしておりますので、現在のような二重構造がはたして自動車保険のあり方としていいかどうかという点については、約契者の立場を十分考えて検討してまいりたい、かように考えているわけでございます。
#33
○野坂委員 交通事故を起こしますと、それぞれから査定官が来て査定をしますね。査定をして、大体この程度だ。これは被害者のほうは不満がありますし、加害者のほうはできるだけ少なくという考え方ですから、第三者の機関で査定をやる。ところがその計算をされるのに、政府の自動車損害賠償保障事業損害査定基準というのがありますね。これでやるわけですね。これを見ますと、昭和四十五年十月一日に改正されております。三十九年から一年おきにずっとやっておりますが、昭和四十五年は二回やっております。これはその後改正をされておりませんね。改正をされていなくて、たとえば十八歳の月収が三万円、十九歳が三万六千六百円、こうなっております。大体これはいまごろの賃金と合わぬじゃないかと思うのですよ。これで計算をされますから、比較的安く査定されたものならやむを得ない、こういうことになりますし、任意保険をかけておっても、たとえば自賠責の範囲内で終わってしまう。だからせっかく任意保険をかけておっても、査定基準以外は出てきませんから、加害者は自分でまたよけいに払っていかなければならぬ、こういうことになるわけですね。これではホフマン方式というものをやっても現状に非常に矛盾がある。なぜいままで改正しなかったのか、その理由と、いつ改正をするのか、これをお聞きしたい。
#34
○小林(正)政府委員 現行の損害査定基準は、昭和四十四年十一月の保険金の限度額の引き上げの際に手直しをしたものでございまして、この基準に基づいて今日まで運用されておるわけでございます。この間におきます物価水準の上昇あるいは所得水準の向上というようなものによりまして、算定上の基礎数字というものが現状に合わないのじゃないかということで、まことにごもっともな御指摘かと思います。いろいろな他の社会保障制度におきます給付水準というようなものもございますので、こういったものとの関連、斉合性といいますか、こういったものを配慮しつつ、最近の資料に基づいて現在検討をいたしております。特に御指摘のような、給与の単価に見合う休業補償というようなものについては、単価改定をしなければならぬじゃないかということで、現在検討中でございます。
#35
○野坂委員 それで終わればいいのですがね。なぜかよくわからぬのですが、昭和四十五年からもう四十八年ですね、四年間も投げっぱなしにしておって、だから五百万の限度でいいというのはこういうところから問題が出ておるのですよ。こういうことで査定しますから、三百万とか四百万とかいうことで五百万の限度以上出てこない。だから裁判が最近多くなってくるんです。これはいつやるんですか。検討中だということですが、四年間も検討されておるんですか。現状に合わないということを御認識になって、いつごろこれらのものの改定をやられるかお聞きしたい。
#36
○小林(正)政府委員 現在検討しておりますので、早急に結論を得るようにいたしたいと思います。
#37
○野坂委員 いま政務次官からお話がありましたが、保険審議会の中でいろいろ議論がありました。いろいろ議論があって、その中で今回生きてきたのは、いわゆる滞留資金の使い方だけですよ。そのほかに一番力を入れた問題、たとえば交通救急医療体制の整備充実とか、メリット・デメリット制度の導入とか、加害者負担制度の拡大とかいろいろありますね。全部で九項目にわたって答申されておりますが、これについてどのように措置をされたのか、またされようとしておるのか、その経緯について責任者から聞きたいと思います。
#38
○小林(正)政府委員 今回御提案申し上げましたこの自動車事故対策センター法案は、御指摘のとおり、昭和四十四年十月の自賠責審議会の答申のうちの一つの項目についての一部具体化でございます。御指摘のとおり、それ以外にもいろいろな答申がなされておるわけでございます。
 このうちおもな点について申し上げますと、一つは治療費支払いの適正化かと思います。これにつきましては、自賠責保険の経理の健全化の上からも当然必要なことでございまして、今日までいろいろ具体的な対策を講じてきておるわけでございます。たとえば、必要な場合に保険社会の指定医の診断書の提出を求めるということとか、あるいは診療報酬明細書の提出の義務づけを行なうということ、それから自動車保険料率算定会に医療費の調査室を設けまして、医療費の分析調査、過剰診療病院に対する問い合わせ等を行なう、それから公的医療機関の救急患者受け入れ態勢を整備するために救急病院の指定の推進を行なうというような事柄につきまして、ある程度前進をしてきたわけでございますが、医療費の適正化の問題は基本的には医療行政全般に関係いたします問題でございますので、今後ともこの問題については、保険と最も関係の深い問題といたしまして、関係方面と十分連絡をとりながら改善策を講じていきたいと思っております。
 それから、次に大きな問題といたしまして、メリット・デメリット制度の導入の問題でございます。これにつきましては、先ほど来限度額の引き上げの問題と関連して保険料の合理化の問題があったわけでございますが、単に保険料を下げるというようなことでなくて、無事故の車については保険料の割引をいたすというようなメリット制度、あるいは事故車については保険料を割り増しするというようなデメリット制度を導入するというような問題について現在いろいろ検討をいたしておりますが、現在の段階で一番問題となりますのは、前提となります車ごとの事故歴をどのようにして正確に把握するかというような、いわば技術的な問題があるわけでございますので、現在まだ結論を得るに至ってはおりませんが、このメリット・デメリット制の導入につきましては、各方面から強い要望もございますので、できるだけ早く結論を得られるように現在努力中でございます。
 それから、免許証保険と申しまして、ドライバー保険の答申もございますが、この点については、政府内部におきまして、また部外の学識経験者等の御意見も伺いつついろいろ研究を進めてきておるわけでございますが、損害賠償責任者に直接ドライバーを引き出すということにつきましては、法律の責任論の考え方につきまして学説的に非常に問題もございますし、また、労使間の責任関係のあり方にも触れる問題でございまして、このドライバー保険というような方向は、非常にむずかしい問題であるというふうに中間的な結論が出ております。むしろメリット・デメリット制度を導入するというような二番目に申し上げました問題で、この問題も含めて解決したらいいんではないかという考え方でございます。
 それから、滞留資金の運用益について、私はその一部と申し上げましたが、この運用益について答申にもございますとおり、救急医療施設の整備費その他ということになっておりますが、こういった問題について、従来民間でいたすことが適当なものについては民間の団体に補助金を出すというようなことと同様に、指定医療機関に対しまして、ベッド等の増設の補助金といたしまして運用益を活用してきておるわけでございまして、こういった滞留資金の運用益の活用につきましては、今回それの一環として自動車事故対策センターの新設を考えたわけでございます。
 以上、答申のうちおもな問題点につきまして、今日までとってきた具体的な対策について御報告いたした次第でございます。
#39
○野坂委員 長々とやっていただきましたので、時間が来て、非常に先を急ぎますが、もう一つだけ聞いておきましょう。
 せっかく大蔵省の税制第一課長がおいででございます。いまの私どもの所得税を支払う場合に、たとえば生命保険料の限度額は五万円以上は三万七千五百円とか、一つ一つ社会保険料も控除になる、こういうのがありますが、非常に普及をした今日の自動車の実態からして、この所得税の控除額の中にこれは入れてませんね。これを入れるというような方向について当然じゃないか、ほかの点も比べて。このようなことが検討されておるかどうか、またどのようなふうにお考えになっておるかお伺いしたいと思います。
#40
○伊豫田説明員 お答えいたします。
 自賠責保険料の所得控除の問題につきましては、さきに当委員会においてもすでに御質問あるいは御意見を承っておりまして、その際非常にむずかしい問題であるということをお答えしておりまして、現在もなおその考え方は変わっておりませんのでございますが、実は昭和四十八年度の税制改正につきましては、御承知のとおり、政府の税制調査会等におきまして、各種の要望につきましてそれぞれ検討をいたしました。その際におきましても、その一環としてこの自賠責保険料の所得控除の問題につきましては検討をいたしておりまして、その結果におきましても、なお現段階においてこれを認めることは適当でないということから、採用されていないようなことになっております。
 その基本的な考え方と申しますのは、先ほど先生からお話がございましたように、住宅問題を考慮して損害保険料の控除について所得控除を認める、あるいは社会保険料にかわるもの、あるいは生命にかかわるものとして特に生命保険料についての控除を認めているという趣旨から考えますと、やはり経費に認められます場合には、当然法人等につきましては経費の落ち、個人の場合におきましても、自動車の経費と考えられるような個人企業につきましては、これもまた当然損金並みに扱われております。先生のおっしゃいます自賠責の問題といたしましては、まさに家事関連のための自動車につきましての経費というものを所得控除しろというお話だと思うのでございますが、そういう趣旨からまいりますと……
#41
○野坂委員 個人の場合ですね。
#42
○伊豫田説明員 個人の場合でございます。これはやはり家事関連費として、特にこれについて所得控除を認めることはむずかしいという結論にならざるを得ないと考えております。御了承お願いしたいのでございます。
#43
○野坂委員 会社では経費で落ちますしね。それから、普通の企業ではそういうものが損益計算書の中では経費として落ちておる。個人の場合は何もできないわけですね。だから、社会保険料なり、生命保険料なり、その他損保保険料はそれぞれ入っておるのに、この自動車だけが入ってこない。いわゆる会社は落ちるのに個人は落ちてこないという点の矛盾があるというふうに一般の諸君たちは思っておるわけですね。その点については検討していただいて、税金の面をできるだけ下げるというほうが、個人の場合勤労者が非常に多く自動車を月賦で買っておるわけですから、それらについてあなたも含めて考えてもらわなければならぬ、こういうふうに思うのですが、どうでしょうね。
#44
○伊豫田説明員 御意見として承り、検討いたしたいと思いますが、従来何回か税制調査会等でも検討されております事項でございまして、なかなかむずかしい問題でございますということを申し上げさせていただきたいと思います。
#45
○野坂委員 時間がありませんから、次に進みます。
 この自動車事故対策センターをつくる問題についてお尋ねしたいのですが、第十条に、発起人というところに「学識経験を有する者七人以上が発起人となることを必要とする。」と書いてあります。これは認可法人ですから、だれがこの七人というものをきめて、だれがつくっていくという呼びかけをするのですか、運輸大臣ですか。
#46
○小林(正)政府委員 このセンターの法的な性格といたしまして、政府出資があるというような点につきまして、いわゆる特殊法人、したがって、政府出資の法人でございますので、いろいろ予算とか、事業計画を運輸大臣が認可をするということ、あるいは役職員について、刑法等の適用につきまして、公務員とみなすというような監督規定があるわけでございます。こういった点は、非常に公益的な仕事をいたすセンターでございますので、強い監督規定があるわけでございます。
 ただ、このセンターの設立にあたって、一般の特殊法人と違いますのは、設立を法律で強制をいたしておるわけではございません。いわゆる認可法人といわれますのは、発起人の自主的な判断によって設立につきましての認可申請がなされるということで、これについて運輸省といたしましては認可をいたすわけでございまして、そこに発起人の方々のいわゆる自発的な総意というようなものがまず第一段階としてあるというのがこういったセンターの性格でございます。
#47
○野坂委員 私が聞いておるのは、だれが発起人かということですよ。だれがきめるのですか。
#48
○小林(正)政府委員 当然このセンターの趣旨にもちろん賛同し、あるいはこういったセンターの業務を行なうのにふさわしい学識経験者の方々が寄りまして発起人会というものを設立することになろうかと思います。
#49
○野坂委員 だれが呼び寄せるのですか、その発起人と目されるような人を。何となく自然発生的に集まるのですか。
#50
○小林(正)政府委員 当然、こういった法律を提案いたしました運輸省といたしましては、この法案の公益的な性格にかんがみまして、こういったものについて事実上の、何と申しますか、呼びかけと申しますか、説明と申しますか、こういったことは当然いたすことになるわけでございます。
#51
○野坂委員 運輸省が発起人を選定をする、こういうことですか。
#52
○小林(正)政府委員 非常に正確な表現での御質問でございますが、発起人は、先ほど申し上げましたように、自発的に発起人がまとまりまして、発起人代表の設立認可申請という運びになるわけでございますが、当然、法律でございますので、この法案が通りますれば、この法律の説明というようなことは、運輸省の所管としてあるわけでございますので、関係方面に対しまして、その法律の説明をし、この趣旨に賛同いたすようにある程度の呼びかけはいたすわけでございますが、先生御指摘のような、発起人を限定するとかあるいは選定するとかというようなことではございません。
#53
○野坂委員 段取りですが、法律が通る、そうすると発起人が七人以上集まる、そして自主的に民主的にやっていく。民主的になりませんね、どっちにしても、運輸大臣が任命するのですから。理事長も監事もみんなきめて、評議員も何もかにも運輸大臣の認可がない限り動かぬというのですから。
 そうすると、結局のところ、あなたはいろいろ説明されておるのですが、七人かあるいは七人以上となっておりますから、どこで、だれがその方々に御説明になって、どのようにして七人ぐらいが発起人となるか、こういうことはあなたが段取りされるのじゃないですか。段取りはだれなんですか。はっきり言ってもらえばいいですよ。さっぱりわかりません、教えてもらわなければ。
#54
○小林(正)政府委員 当然、運輸省提案の法律でございますし、主管の担当といたしましては、私から関係方面に御説明等を申し上げることになります。
#55
○野坂委員 そうすると、あなたが段取りするということになりましたね、運輸大臣と相談をして。予算書も出ておるのです。自主的、自発的というよりも、大体このとおりになるのですから、あなたがおぜん立てされたとおりになると思うのですが、この七人の発起人の皆さんは、大体七人以上というふうにお考えになっておるのですか。大体七人というふうに、あなたは段取りする人としてお考えになっておるか。それはどこのところから出てくるのか、聞きたい。
#56
○小林(正)政府委員 七人以上でございますので、当然最低限七人を必要といたすわけでございますが、この発起人がどういった分野からの方々がふさわしいかという点につきましては、法律でも明らかなように、自動車事故の発生の防止の問題とそれから被害者保護の両方の観点からの、いわゆる学識経験者ということに相なるわけでございます。さらに、具体的に申し上げますと、このセンターをお認め願いますれば、このセンターにおいて行ないます業務というものについては法律上明確になっておるわけでございますので、こういった業務についての学識経験者ということに相なるかと思います。
#57
○野坂委員 その辺ですね。たとえば自動車事故に対する学識経験者、これは一般的に運転者も学識経験者でしょうし、損保に関係をするそういう作業をやっている方も学識経験者でしょうし、一般的にいう大学の教授だというような考え方と範囲が違うと思うのですが、ここの場合でいう学識経験者とはどういう範囲ですか。
#58
○小林(正)政府委員 先ほど申し上げましたように、このセンターが行ないます業務というようなものが、たとえば運行管理指導をいたすあるいは適性診断をいたすということになっておりますので、その方面の関係の方々ということになるかと思います。また、自賠責制度の補完といたしまして被害者の保護に当たるわけでございますので、当然被害者保護につきまして、たとえば自賠責保険制度につきましていわゆる学識経験者の方々、あるいは被害者保護につきまして現在そういった関係の業務を中立的なお立場でおやりになっている方々等、こういった方々がここでいう学識経験者になるかと思います。
#59
○野坂委員 抽象的でよくわかりません。この国会ではそれで通ると思うのですが、この議場を通じて、自動車事故対策センターに期待しておる人と関心を持っておる人たちによくわかるように、学識経験者とは具体的に、自動車に従事するメーカーあるいは運転者そして保険会社、こういうふうに個有の名称をあげて、これこれこれ、こういうふうに説明をしてほしいと思うのですが、小学校の一年生にわかるように教えてください。
#60
○小林(正)政府委員 これはたとえば例示でございますが、先ほど申し上げました自賠責制度につきましての学識経験者といたしましては、自賠責審議会の委員を現にやっておる先生方、それから運行管理指導の面につきましては、適性診断業務につきましての心理学あるいは医学的な研究をなさっておる方々、あるいはこういった方面につきまして学問的に研究をされております大学教授の方々等が考えられます。
#61
○野坂委員 ありがとうございました。よくわかりました。
 そうすると、今度の発起人になろうとする人たちは、まず、運行管理センターに従事しておる審議会におる人、交通関係に非常に関心を持っておる学者、それからいわゆる適性診断をするような人、こういうことに限られたというふうに考えていいわけですね。
#62
○小林(正)政府委員 私ども現在考えておりますのは、そういった範囲でございます。
#63
○野坂委員 評議員も学識経験者ですが、そういう中で、役員は、今度十二月から発足をすると、理事長と、理事が四名、監事が一名、六人で大体千三百万ばかりの予算がありますね。一人平均四十万ないし五十万ですね。だから相当権威のある人だ、こういうふうにも思っておるわけです。そういう中で、私たちがいま聞いておると、そういうところだということですが、言うなればこれは、滞留資金を使って、できるだけそういう運行管理センターを入れてそういうものをつくるということから、その役員については天下りをやるのじゃないか、いわゆる運輸官僚あるいはそれぞれ省庁のお役人のくたびれたのが行くのじゃないか、こういうような話が盛んにありますが、この範囲内では、そういうところに役につく天下り官僚の受け皿はない、こういうふうに考えてよろしいか。
#64
○小林(正)政府委員 このセンターの業務の性格から、いわゆるこのセンター業務の執行にあたります役員あるいは職員というようなものにつきましては、当然、この道の専門的な知識を有する方々が望ましいかと思っております。
 なお、役員につきましても、当然のことでございますけれども、営利を目的とする団体の役員あるいはみずから営利事業を行なうというようなことの兼職の禁止もございますし、あるいは公的な性格からいたしまして、秘密保持の義務もございますし、あるいは公務員たる性格を付与されるという問題もございまして、こういった点について厳正に業務を執行できる人を役員あるいは職員につきましても選ばなければならぬと思っております。
#65
○野坂委員 普通の会社でいうと、発起人が即役員になっていきますね。これは全然違うのですか。
 それから、よく権威を持っておるということになると、いろいろありますね。それは全部ですよ、いま言われた範囲内は。損保の会社でも、一般の学識経験者でも、運輸省のお役人さんでも、総理府のお役人さんでも、みんな権威がありますからね。また、権威ということになりますと非常に拡大するわけですよ。わしも権威がある、私でもそう思うのですよ。私も権威がある、あなたは権威がないと思っても権威があるわけですから。それらについての範疇にお役人は入りますか、入りませんか。役員になりますか、なりませんか。なるなら何人くらいになりますか。
#66
○小林(正)政府委員 権威という問題でございませんで、私が申し上げましたのは、専門的な知識を有する方々を、役員でありましてもあるいは職員でありましても、望ましいというふうに申し上げたわけでございます。
 それから、ただいま最初の御質問で、通常、発起人が法人設立後は役員になるという一般の例があるようでございますが、これは民間の会社等におきましてはそういった例が当然多いかと思いますが、私ども考えておりますのは、発起人につきまして、先ほど申し上げましたようないわゆる中立的なといいますか、第三者的な学識経験者の方々に発起人になっていただきまして、そうして業務を執行する。センターの役職員につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、専門的な知識を持つ者、またはこの業務が厳正に行なわれる方々をもって充てたい、こう思っておるわけでございます。
#67
○野坂委員 時間がありませんから多くを申し上げません。厳正にやらなければなりませんが、貸し付けのことですね。貸し付けについては、生活の困窮の程度が運輸省令で定める基準ということですが、予算書を見ても、これだけでは足らぬなあ、こういうふうに思うのです。たった七百人程度しか考えていない。これではなかなかできぬと思いますが、厚生省等が定めております生活保護基準と、運輸省が特に定めて、これに準ずるということではなしに運輸省令で定める基準というのは、具体的にどういうことなんですか。
#68
○小林(正)政府委員 生活の困窮の程度の基準を運輸省令で定めるということが、何か運輸行政上唐突な感じを受けるかと思うわけでございますが、これは決してそういうことでございませんで、具体的には、厚生省所管の生活保護法に定められております要保護世帯あるいはこれに準ずる程度に生活に困窮している者というようなものを、運輸省令で具体的に書き分けたいという趣旨でございます。その他、たとえば所得税の免税世帯というようなものをこの生活の困窮の程度の基準に入れまして、運輸省令で具体的に明らかにしたい。こういう趣旨でございます。
#69
○野坂委員 時間も来ましたのでやめなければならぬわけでありますが、いま私たちが一番痛感しておりますのは、滞留資金、こういうものの使い方だけをいち早くあげられた。そのために一部面だけをとらえた交通事故対策センターというものが生まれた。これから運輸省が外郭団体を指導して具体的に範囲を拡大をするという域はあろうかと思っておりますが、保険審議会の中で答申をされたものについて、いま聞くと、検討ばかりであります。
 一番重要なのは、事故対策よりも事故防止、そして事故を起こしたときには一番初めは救急病院、そういうものが何よりも大切だということは、あとで私たちの仲間の皆さんから質問もあろうと思いますが、その次は相談なんですね。その次がいわゆる貸し付け業務、一番問題はそういうところなんです。どうするかという点の相談、そういう点についても、日弁連その他、あるいは総理府が各県庁でやられておるというような問題も含めてもっと検討する用意があろう。
 特に交通遺児育英会に三千万予算としてこの中から出されておりますね。このほかにまた出す。それはたとえば子供たちが就学前で、まだいたいけな子供たちですから、それが卒業して相当たってから返すということになると、自分は知らぬうちに借りておるわけですからね。これはほとんどその人には責任がないわけですから、なかなかたいへんだと思うのですよ。それからまた、その集金もたいへんだと思うのです。そういう意味では、私は、交通遺児育英会のほうに全部委託して、より以上の補助金を出すことによってスムーズになる、そのほうが一元化し合理化し近代化する、こういうふうに思っておるわけです。
 時間がありませんから、それらについても十分御検討いただきますようにお願いをして、私の質問を終わります。
#70
○井上(泉)委員長代理 引き続いて、沖本泰幸君に質疑をお願いいたします。
#71
○沖本委員 まず、沖繩の交通事故関係について、一番最初御質問をしておきたいと思います。
 ついこの間、沖繩は復帰一年を迎えたわけですけれども、それを中心にして、復帰して一年たった沖繩のいろいろな問題が浮き彫りにされてきました。そういう中にありまして、いわゆる医療救急施設あるいはその他の医療関係が重要な問題としてクローズアップされてきておるわけです。この点については政府の皆さん方もよく御存じのはずだと思います。
 自動車事故による救急問題は、ただ単に沖繩だけにとどまらず、本土でも救急センターなり医療救急機関あるいは脳外科のお医者さんの数の問題、いろいろな問題が山積みされてきておることになるわけで、沖繩に限ったこととはいえませんけれども、しかしそういう面は、わが国においては、非常な過密とあわせながら、人命の重大な問題として起きてきておるわけで、施設なり設備なりあるいは当事者対策というものがおくれるために、あたら救わるべき生命を断っていく、こういうことは放置できない重大な問題だと考えるわけです。命は地球よりも重い、宇宙よりも重いというふうにいろいろな方が発言されておるわけでもありますし、そういう観点からこういう問題をとらえていくと、何をおいてもこの医療救急問題あるいは医療施設というものが完備されていかなければならないわけであります。
 そこで、たとえていいますと、夜早目に沖繩の那覇市で交通事故が起きて、救急車に乗せて病院に連れていったけれども、どこもかしこもみんな詰まっておって、とうとう遠く六十キロも七十キロも離れた地点に、二時間も三時間もかかって連れていった、そのあげくは、またその病院で放置されながら命を落としてしまった、こういうふうな例がたくさん沖繩で出てきている。これはもう重大な問題だと考えるわけでございます。そしてそういう問題が、結局復帰したあと一年たった現在、ますますその度合いを増してくると、そこに、本土と沖繩とは明らかな差別があるのだ、見放されているんだ、あるいは後手回しになっているんだ、こういうふうな考え方から、ますます政府のやり方あるいは政治の欠陥として沖繩の方々が非常な不信を持ってくるようなことになって、社会情勢にまでいろいろな悪影響を及ぼしてくるということは十分考えられるわけであります。
 そこで、復帰後一年たった沖繩における医療機関の欠陥なりあるいは救急医療問題、交通事故に対する問題を軸にして、沖繩の現状について御説明願いたいと思います。まず、厚生省から伺います。
#72
○信澤政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたような事情がございますことは、私ども十分承知をいたしておるところでございます。特に医療の観点から申しました場合に、一番基本的に問題になりますのは、ただいまのお話にございましたように、医療機関の数が少ない、それからまた医療を担当する医師の数が少ない、こういう点でございます。たとえば病院をとりましても、全体で二十七ございますが、そのうち一般病院は十五でございます。同じような人口規模を持っております、たとえば鳥取県なり香川県なりと比べますと、病院数で申しまして四分の一あるいは三分の一、こういう状態でございます。また医師の数から申しましても、人口対比で申しまして、いま申し上げたような類似の人口規模の県に比べまして約半分、こういう状態でございます。したがって、私どもとしては、いまの救急のお話もございましたが、まずもって医療を確保するための場所である医療機関の整備、同時にまたそこで働く医師の確保、同時に、医師に伴いまして看護婦その他の職種も必要になってくるわけでございますが、そういう点について、沖繩県御当局と御相談をしながら整備をいたしておるわけでございます。
 なお、直接的にお話がございました救急の問題につきましては、県立中部病院を救急医療センターという形で昨年度整備をいたしておりますが、なおこれでは不十分であるという実情にございますことは、御指摘のとおりでございます。
#73
○沖本委員 そこで、医療機関の状態なり施設なり、そういうものが本土の県と比べて四分の一であり、三分の一であり、お医者さんは半数しかいないという現況であるといういまの御説明でありますけれども、ただ、政府の限られた予算の中で、一般の関連する予算と同じような考え方でこういうものにものさしを当てはめていったのでは、これはとうてい追いつく問題ではないということになるわけですから、そこで、結局開発庁なりいろいろな機関をきめて、特殊に問題を取り上げながら沖繩問題を検討していっているということになるわけですけれども、では、その後の、これが本土の各都道府県にまあまあ合うとか、あるいは沖繩県の特殊な事情もあると思いますけれども、そういう現状をとらえながら、県民の皆さん方が十分安心して医療にたよれる、こういうところまで持ってくるにはどの程度のものが要るのか、あるいは政府で予定されておるものは、いつごろそれが満たされるようになるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  〔井上(泉)委員長代理退席、太田委員長代理着席〕
#74
○信澤政府委員 先ほど申し上げたような状態を一歩でも二歩でも前進させなければならないというのが私どもの考え方でございます。これにつきましては、本土でいろいろやっております施策と沖繩でこれをやります場合とは、おのずから条件その他が違うわけでございます。たとえば病院をつくります場合でも、私ども、救急医療の問題を含めまして、ガンその他いろいろな病院の整備を本土でいたしておりますが、その場合の補助率は三分の一でございます。沖繩につきましてはその補助率をさらに高額にいたしまして四分の三にするとか、そういうこともいたしておるわけであります。しかし、そういったようなことをいたしましても、なおやはり、それ以外のいろいろなネックがあろうかと思います。一番問題なのは、先ほどもちょっと申しました医師の絶対数が不足をしておる、こういうことでございまして、ただいまのところ、たとえば僻地に対しては本土から医師の応援をする。これに対しては人件費を全部国が持つ。あるいは保健所でございますとか病院に対しても、いわゆる医療協力という形で本土から医者を派遣しているわけでございます。昨年の実績で約五十人程度行っております。しかし、とてもこれでは、いま先生のおっしゃったように、医療について不安がないという状態になかなかならぬわけでございますが、しかし、こういうようなことをじみちに積み上げていくということが、医療の場合にはやはり必要であろう、多少時間はかかりますが。そういう意味では、もう少しうまいきめ手でもございますればもっとピッチを上げてまいりたいという気持ちは十分あるわけでございますが、いま申し上げたような事情でございますので、なおよく県御当局と相談をしながら効果のある方法を考えていきたい、できるだけのことをいたしたい、こういう気持ちでございます。
#75
○沖本委員 ただいまのお話ですと、県と相談しながらできるだけ効果的なことをやっていきたい。これは、そういうお考えなり展望なりであって、では、たちまちに現在行き詰まっている問題を解決するにはいまどういうふうな対策をお立てになっていらっしゃるか、その対策でどの程度解消されるか、その点はどうなのですか。
#76
○信澤政府委員 冒頭に仰せになりましたいわゆる救急医療の問題、特に交通事故以外の急病を含めまして、本土復帰後いろいろ問題がさらにあらわに出ておりますことは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、先般来まずこの問題をどう解決するかということで県と御相談をいたしたわけでございます。私ども、復帰前の状態と比べまして、あそこに国立の療養所を持ったわけでございますが、直轄の病院を実は持たなかったわけでございます。したがって、やはり沖繩県に少なくとも一カ所、国立の医療施設を整備をする必要があるのではないだろうか。これについては、まだ具体的な計画をいたしておりませんが、少し土地その他の選定についても県の御当局と相談をし始めてございますので、いずれそういうことをまずやりたいと思っております。
 それから、応急の問題といたしまして、当番制で地元の医師会の方に急病患者等を扱っていただきましたが、なかなかそれがうまくいかない。先ほど仰せのような問題もございます。そこで先般、県と御相談いたしまして、新那覇病院というものが文部省所管の琉球大学の付属病院に移管されたわけでございますが、その前のいわゆる旧那覇病院、この施設を活用いたしまして、そこを医師会にお願いをして、そこで何人かのお医者が交代で休日なりあるいは夜間なり詰めていただく。そして第一次の救急業務はまずそこでやる。そして交通事故等の重篤な患者については、中部病院のほうまで、先ほど申し上げたような救急医療センターに運ぶ、こういう体制を実は六月一日から発足させたわけでございます。
 問題は、建物はそれで間に合っておりますが、当然採算のとれない医療の部分でございますので、これについてどう援助するかということが残っているわけでございますが、私どもとしては、何かの形でこの運営についても援助をいたしたいということを検討いたしておるわけでございます。
#77
○沖本委員 これはいまさらながら、ということになるのですが、沖繩復帰という問題に関しては、期間を置きながら政府のほうで各省別に現地調査をみなおやりになったはずなんです。そして、現在持っている問題がこういうことであり、復帰すればそれがどういう形になっていく、そして結局、本土の各都道府県と同じようなレベルに持っていくにはどの程度の格差があり、それはどういうふうにしなければならない、こういう問題は、皆さんのほうの専門的なお立場で十分お調べになって、そして復帰を迎えたはずなんです。ですから、復帰して一年たって、事新しくこのことがどうでこうでというのは、沖繩の人の立場に立ってみれば、いまさらということになるのではないか。そういう問題が、非常な差別を受けておるという感情にまで変わってくるということになってくるわけです。こういうお話をしてみたってしようがないわけですけれども、その点については、各省も怠慢であるとか、十分調査なさったはずなのにそれができてないということで、最初の話と返ってきてからの話とは全然話が違っておる、全く沖繩の人をだましたといってもいいくらいなことになるわけです。その点を十分考えていただきませんと、これはどんな理屈を並べたって、少なくとも沖繩が復帰して、日本の領土の中の日本国民としていくときには、日本の本土の各都道府県と同じスタートラインに立った時点でやっていかなければならない、レベルの落ちているところをそこまで上げなければならないということになるはずなのです。
  〔太田委員長代理退席、委員長着席〕
それは重々注意もされ、答えもし、やってきたことなのですから、その点はちょっと、いまさら聞こえません、こう言われることになるのではないか。そういう点を十分お考えになった対策なり何なりを早急にやっていかなければならない。そのためには予算を十分、ほかのところを削ってでもそこへ充てていく、そこへ盛っていかなければならないということになるわけです。長い間異民族の支配下の中で、日本の終戦のあとの問題を全部沖繩がひっかかえてここまでやってきたという状況を踏まえて考えるときには、あまりにもひど過ぎるということになるわけです。
 そこで、たとえば交通救急医療問題にいたしましても、これは運輸省のほうにもお伺いしなければならない問題でもありますし、建設省のほうにもお伺いしなければならない問題でもあるわけですけれども、大量輸送機関というものが、鉄道なりいわゆる軌道の上を走るものが現在はほとんどない。自動車道路を使用する輸送機関によって沖繩の輸送が保たれておるということになっており、それで、今度海洋博というものを目前にしながら、いろいろな思惑を持った人、いろいろな形で沖繩がクローズアップされながら、たいへんな事態が起きておるわけです。ですから、先ほどおっしゃった国立病院の建設にしても、ほかの、新しく病院を建てるにしても、施設をかまえるにしても、あるいは人的な資源を得ようとしても、そこに大きな問題が出ているわけです。いわゆるパートタイムで働く人でも、一日五千円から七千円の日当を取る、ホテルへ泊まったら九千円並みというのがあたりまえだというような、急激な高騰を起こしているわけです。そういう中で、これから本腰を入れて病院をさがし、施設をつくり、看護婦さんもちゃんとしなければならない、お医者さんもということになると、向こうへ行ったお医者さんの生活費も本土以上のような事情になってくる。こういう言わずもがなのことを申し上げているわけですけれども、そういうことになってくると、予算から何から全部違ってくるわけです。そういう点を十分お考えになって、すでに復帰一年ですから、十分な対策ができてなければならないし、それを踏まえて、四十八年度の予算の中に十分なものが盛り込まれてなければならないはずなのですが、そういういま申し上げたような角度から、これから沖繩の人たちが、本土の都道府県並みのところまでいくにはどれくらいかかるのですか。
#78
○信澤政府委員 ただいま、いまさらながらというおことばがございましたが、たいへん私ども率直に、おそらく県民の方は、私どもの先ほどの答弁をかりにお聞きになったら、そういう感じでお受け取りになるだろうと私も思います。さような意味では反省する点があるだろうと思います。
 そこで、一体いつになったら本土並みになるかという問題でございますが、医療の問題について、医師の養成一つとってみましても、学校の教育だけで六年かかります。臨床などを入れますと八年というようなことで、なかなかそう、思ったペースでは進みません。進みませんので、何年ということを区切って申し上げるのはたいへん困難な問題でございますが、やはりできるだけ早く本土と少なくとも同じ条件に整えたいというのが私どもの気持ちでございます。
#79
○沖本委員 ただ、ことばの上でできるだけ早くということなので、具体的なものをお持ちじゃないのでそうおっしゃっているのだろうと思うのですが、これは資料要求的にお願いいたしますけれども、早急に具体策と予算とをお立てになって、ちょうだいしたいと思います。この点委員長に、ちょっと違ったニュアンスになります、交通安全とは違いますけれども、救急医療問題を含めての問題でございますから、特に委員長におはからいいただきたいことをお願いしたいわけです。厚生省のほうもそういうふうにおつくりいただきたい。資料をちょうだいしたい、こうお願いいたします。
 それから運輸省のほうになりますけれども、いま申し上げたとおり、道路事情というのは非常な状態になってきておって、左側通行、右側通行もたいへんな問題なんです。これがどういう形で返ってくるかということ、それから海洋博あたりになってくると、最近運輸省でも問題になったフェリー、この間もやりましたけれども、フェリーあたりで多量にマイカーで沖繩海洋博にお出かけになったりするような事態が起これば、交通方式が沖繩は違うわけです。そこで事故が起きるということも考えられますし、それから大量輸送機関は自動車にたよる以外にないという事情のもとで、本土以上の交通難、交通渋滞、停滞が起こってきておるというような交通事情はよく御存じだと思うのです。そういう中にあって、事故を防止するための沖繩の輸送関係というものを、どういうふうにお立てになっていらっしゃるのか、それをお伺いしたいと思います。
#80
○小林(正)政府委員 運輸省で所管しております事故防止関連のきわめて強い業務といたしまして、御承知のとおり車両検査の業務がございます。昨年沖繩が本土復帰いたしました際に、本土並みの車両検査制度を当然しくことになったのでございますが、復帰前の状態を当時承りますと、本土のような車両検査制度が完備していない、また、検査施設等もないというようなことで、非常に旧態依然たる検査制度であったようでございます。この点については、国みずからが車両検査の整備拡充ということで、現在検査施設の整備拡充にあたっておりますので、これは早急にそういった面からの事故防止対策は私はできると思っております。
 次に問題なのは、沖繩におきます車齢が非常に古いということでございます。この点についても、復帰後詳細に調べて実に驚いたわけでございますけれども、これを何とか早く新車に更新しなければならないということで、ただいま御指摘のような右側、左側の通行区分の問題がございますので、これのときまでに車両を取りかえていくというような措置をぜひはかりたいと思っておるわけでございます。
 もう一つの点は、沖繩における特殊性といたしまして、大量輸送機関がないということで、これにつきましては、将来計画は別といたしまして、将来としては、いろいろモノレールとか、あるいは一部鉄道のようなものも考えられておるようでございますけれども、やはりそれまでの周はバスが大量輸送機関になろうかと思います。このバス自体がやはり本土と比べまして車齢も非常に古く、その運行体制というものは十分利用者の期待に沿うことができない状態でございますので、このバス輸送網を整備していく、こういうことによって道路交通全体の円滑化といいますか、こういったことをはかって、事故防止に資したい。
 以上、おおむね三点についてお答えいたした次第でございます。
#81
○沖本委員 いまのお答えの中で、車の古いというのはちょっと議論があるところなんです。イギリスのように車を大事にするところでは、古い車も大切に使ってけっこうもたしているというお国柄もあるわけです。アメリカ方式で、どんどん板金を薄くして鋳造していく場合には、車齢も、年数が来ればすぐポンコツになってくるということが考えられるので、その辺のところでは議論がありますが、これは別の機会に譲るといたしまして、この右側、左側の区分通行ですね。これはたいへんなことだと思うのですね。ヨーロッパで一挙に国自体が通行区分を変えたという国が幾つかあるわけです。これはたいへんな期間を置いて、たいへんな金をかけてやったことになるわけで、沖繩県一つとってそれをやろうとしても、重大な問題になってくると思うのですね。これはいつごろおやりになり、どういうふうなお考えを持っていらっしゃるか、それをお伺いしたいと思います。
#82
○秋山政府委員 地元県当局の意向を十分伺いまして、その上で実施したいと思っておりますが、その準備につきましては、関係各省庁と寄り寄り協議をいたしまして、それだけの態勢を整えていきたいと考えております。
#83
○沖本委員 時期はわからないわけですね。まだそういう考えでおるだけですか。本土並みにしたほうがいいとお考えなんでしょうか。
#84
○秋山政府委員 現在、時期はまだはっきり確定いたしておりません。
#85
○沖本委員 ちょっと質問が全部そちらのほうへ流れてしまったことになるわけですけれども、もう一つは、自動車局長にお伺いしたいし、これは警察庁のほうにもお伺いしたいわけです。
 これは私の秘書を沖繩に行かして調べてきたことになるんで、わりとつかんできたつもりではおりますけれども、いわゆるタクシーに乗らないで、ライトバンなり何なりの白ナンバーの車に乗り合いで乗って済ましている。そのほうが料金が安くつく。ともすれば、タクシーの運転者の中には暴力団まがいの人たちが大ぜいおるので敬遠する。交通停滞が激しいので、タクシーがたまりにたまってしまって動きがつかない。こういうふうなことがあって、それがよりネックになって、白ナンバーに乗っておって公然としておる。それの取り締まりを強化すると、沖繩の県民の皆さんの足を奪ってしまうような事態がある。これは法の上からいくと全くけしからぬということになるわけですけれども、地元の住民の皆さんの感情なり生活の経済性、いろいろな点から考えるとそのほうが、ということになるわけです。こういうふうになってくると、今度交通事故なり何なりを起こしたときにたいへんな問題が起きてくるということにもなっていくわけですが、その辺はどういうふうにおとらえになって、どういう解決策をお考えなのか、その点をお伺いしたいと思います。
#86
○小林(正)政府委員 事故との関連も確かにあるかと思いますが、その前に、沖繩におけるタクシーについて、いわゆる白タクといいますか、免許をされてないでタクシーの営業行為をやっているという問題が現在あるようでございます。この問題につきましては、本土復帰前に、琉球政府時代に、本土法と同じような法規制のもとにあったわけでございますが、タクシー免許制の運用におきまして、やはり何か需要にマッチした輸送力の設定といいますか、そういう免許行政がとられておらなかったんではないか、こういうようなことから、復帰後一挙にライトバンでやるようなタクシーがたくさん出たというような実態かと思うわけでございます。
 現在、沖繩の総合開発事務局の運輸部におきまして、この問題について積極的に取り組んでおりまして、ただいま先生御指摘のとおり法律上違法でございます。しかし、こういった問題を利用者の利便と合うようにどういうように需給調整をするかというような点について、たとえば本土におきますような個人タクシー制度をもう少し普及していくというようなことで、この問題の処理に現在もうすでに取りかかっておりまして、輸送秩序をはっきりときれいに確立したい、こう思っております。
#87
○沖本委員 いままで私が質問し、それぞれ担当の方々がお答えになったわけですけれども、思っている、考えているというお答えだけなんです。こうしますとか、こういうことになってきているとかいうものは何一つ引き出せないということになりますから、復帰して一年たってもまた二年たっても同じことが言えることになるのではないか。ただ本省にいらっしゃって、日本の一番南端にあるから、出張でも何でも金がかかるし、日にちも要するということで、ただ問題点だけ拾ってお考えであるということではなくて、先ほど申し上げたとおり、たいへんな経過を経て本土へ復帰された、日本の戦後の苦しみを、本土もいろいろ苦しみはありましたけれども、長い間一手に背負ってこられた沖繩の人たちのために、すみやかに、復帰ですから、活字で書いても「復帰」なんですから、本土と同じレベルにまで早急に戻っていただかなければならない。それには先立つものはということになるわけです。早く早く手を打っていけばそう問題化しなくても済む問題が、後手回しになってきておるということになってまいりますから、このままこういう問題をほっておけば、しまいには大きな、いまでさえ大きい問題ですけれども、ますます大きい問題になってくるということになりますし、今度海洋博というものを沖繩でやった場合に、その海洋博からくるイメージ、内容、そういうものと沖繩の現況とを地元の皆さんが比べたときに、たいへんな感情をお持ちになり、そのあとにくるものが何が残ったかということなんかを考えていくと、物価の高騰だけで何にも残らなかった、いろいろなごみを捨てて帰ってくれたということになったりしたんでは、これはもう重大な問題だと思いますので、いまお答えになった各御担当のほうで、早急にそれぞれの問題を御検討していただいて対策を早急に立てていただきたいし、予算化される方向で真剣に練っていただきたい。運輸省に関する問題は、佐藤次官もお越しでございますから十分お耳に入ったと思いますので、御検討いただきたいと思います。
 まだいろいろありますけれども、だいぶ本題から向こうへ問題がそれていきますので、沖繩問題はまたあとでいろいろお伺いすることにして、この程度にしておきたいと思います。
 それから今度は、国内問題に――国内といえばみんな国内ですけれども、本土の高速道路に関してお伺いしたいと思います。
 先ほどの御質問に対して、自動車局長から、医療救急施設について、公的機関の救急指定についても十分はかっていくような御答弁なり何なりが先ほど出ておったわけですけれども、同じように、一昨年なり高速道路ができましてから、新たに高速道路上で起きる交通問題に関していろいろな問題が現在まで提起されてもきましたし、指摘もされてまいりました。たとえば、目立つものであれば、高速道路に合うようなパトカーができて走りだした。ちらちらとお見受けするようになってまいりました。それまでは交通の取り締まりにしても、他府県にまたがるといういろいろな問題点なり何なりがありました。そういうところから、建設省なり運輸省なりあるいは厚生省なり、それぞれの担当の各省において、高速道路上の交通事故対策なり何なりについてのいろいろな問題点があったわけですが、その点について、どういう点が高速道路上の一番問題点であったか、それをどういうふうに御検討なさって、それに対する対策をいかにお立てになりましたか。あと残り時間あまりありませんので、運輸省、警察庁あるいは総理府、建設省それぞれ、どちらでもけっこうでございますが、順々に端的にお答え願いたいと思います。
#88
○小林(正)政府委員 高速道路におきます事故は非常に重大な問題であるという御指摘でございますが、警察庁の調査によりますと、私ども運輸省が直接所管しております車両の整備不良ということに基づく事故というようなものは全体の一・八%ということで、比較的少ないわけでございます。しかしながら、ブレーキ操作の不適当であるとか、あるいはハンドル操作の不適当というような事故が非常に多いわけでございます。これは単にドライバー自体の不注意ということだけに必ずしもよらないのではないか。私ども、全般的に車両の安全対策といたしまして、御承知かと思いますが、保安基準というようなものを制定いたしまして、これによって安全規制をいたしておるわけでございますが、この保安基準の強化を毎年やってきておるわけでございます。一般道路のような交通渋滞個所でございませんで、事故の起こり得る要因も多いかと思います。また、事故の結果も非常に大きくなるわけでございますので、保安基準の改正にあたりましては、高速道路の自動車事故ということを当然基本的な前提、念頭に置きまして、今日までハンドルあるいはブレーキそれからタイヤ等についての規制強化を行なってきたわけでございます。また今後も、運輸技術審議会からの長期にわたります安全規制の計画ができておるわけでございまして、これに基づきまして保安基準の強化をいたしたいというのが第一点でございます。
 それからもう一つは、やはり車の整備というようなことまで――検査で発見するような車の整備ということではございませんが、日常の保守管理といいますか、こういったものにつきまして、点検整備というようなものを強化すべきだ。これも当然高速道路だけに限った問題ではございませんが、特に高速走行時についての問題が一番重要でございますので、高速走行におきます点検要領というようなものを定めて、そしてこれによって指導を強化いたしておるわけでございます。
 そのほか、高速道路というようなものが全国的に広がってまいりますので、抜本的な対策として、通産省と共同で実験安全車の開発というようなこともいたしておりますし、また、事故時における原因の調査、解析というようなことも強化すべきであるという考え方で、非常に事務的な問題からさらに研究開発の分野まで幅広くこの問題に対処してまいりたいと思っております。
#89
○寺尾説明員 お答えいたします。
 まず第一点は、道路交通法上安全対策を講じておりますのは、高速自動車国道を通行する運転者あるいは乗客につきまして、シートベルトをつけなさい。罰則はございませんけれども、非常に高速で走るという特性にかんがみて、シートベルトの義務化を行なっております。
 それから、昨年度から警察官動員をやっておるわけでございますけれども、おおむね新しくできる道路につきまして、一キロに一人の警察官を高速道路に張りつけることを目標にしまして、その見当で現在張りつけておりますが、これをさらに組織化いたしまして、各都道府県ごとに高速道路警察隊というものを設けるようにいたしまして、昨年の五月から国家公安委員会規則をもって運用しております。
 さらに、各府県下に非常に関係がございますので、管区警察局に高速道路管理官というものを置きまして、大きな事故が起こったような場合、あるいは各府県間の取り締まり計画の調整あるいは交通情報を流すといったいろいろな面につきまして、国家的な見地から各府県間の調整を行なっておるところでございます。
 高速道路といたしましては、一般的には事故率は一般の道路の八分の一ということでございますけれども、一旦起こりましたならば非常にでかい事故になる。しかも、事故が起こりましたならば、それらの追突事故、第二次、第三次の被害が起こるということでございますので、私ども、先ほど高速道路警察隊あるいはそれにたとえば誘導標識車といったような、事故が起こりました場合には自動車のうしろに七面鳥の羽のような、事故を標示するような車を特別につけまして、そしてできるだけ早急に慎重に事故処理をして、できるだけ早く車を通すといったようなことについて配慮しているところでございます。
#90
○中村説明員 ただいまお話がございましたように、高速道路は現在供用延長九百七十四キロでございます。高速道路におきます事故率を考えてみますと、ほかの一般道路の事故率に比べまして約数分の一という程度でございます。これは諸外国におきます高速道路事故率に比べましてもずいぶん低い数字になっておると思うのであります。
 私どもは、高速道路をつくるに際しましては、道路構造をどういうふうにつくるかということにつきまして、道路法で、政令で具体的にこういう基準でつくりなさいという仕掛けになっておりまして、それに基づきまして道路構造令という政令がございます。実際、東名なり名神なりの高速道路を考えてみますと、その政令で定まっております基準以上にさらにいい基準で道路をつくっておるということであります。
 それからさらに、いま警察庁のほうからお話がございましたけれども、高速道路で一たん事故が起こりますと、事故率は少のうございますけれども、被害はずいぶん大きいというふうなことがございますので、中央分離帯を整備するとかあるいはガードレールを整備するとかいったことについても十分配慮をいたします。供用開始後におきましても、自動車の通行によりましてずいぶん道路がいたんでまいりますので、いたみましたつどオーバーレイを遅滞なくするということをいたしております。
 なお、高速道路を通行なさいますとおわかりだと思いますけれども、道路交通の情報板とかあるいは車間距離の確認板というものも随所につくっております。
 それから、これは一番大きい問題でございますけれども、車両制限令に違反するような車も中には通っておりますので、そういうものに対する取り締まりを強行するといったことによりまして交通事故の絶滅に努力をいたします。
 なお、事故がございました際に、二次的な事故が起こらないように、自走式の標識車というものをつくりまして、二次的な事故の防止につとめておるような次第でございます。
#91
○山田(滋)政府委員 高速道路の救急問題につきましては、国会におきましてたいへん諸先生に御心配をわずらわしておりますが、御存じのように特殊な構造でございますので、通常の市町村の救急体制だけでは処理し切れないという面がございます。
 そこで、これは一昨年の交通安全基本計画におきまして、政府部内におきましては、高速自動車国道における救急業務については、日本道路公団が道路交通管理業務を一元的に自主救急として処理するとともに、救急業務実施市町村と同公団との連携を強化するものとする、こういう方針を立てまして、その線に沿いまして私ども市町村の指導に当たってまいっておるわけでございます。現状は、建設省のほうの御努力もありますけれども、なお道路公団の自主救急体制がまだ十分とはいえませんので、現在も機会を見て道路局と私どものほうとの協議を続行中でございます。基本的な考え方はたいへん接近いたしておりますが、ただ、財政問題がございますので一挙にできないという点もあるわけでございます。
 現在の考え方といたしましては、自主救急基地をできるだけふやしてまいりまして、同時に、市町村も当該市町村の区域内における救急業務を行なうというたてまえでございますので、自主的な救急需要が起こりました場合には、まず両方が協力するわけでございますが、やはり道路管理業務の一環として自主救急体制をとっております公団の救急隊が飛び出す、また市町村の救急隊も飛び出していくというかっこうで協力をし合っていきたい、かように思っておるわけでございます。そこの点が、問題といたしましては、まだ私どものほうといたしましては自主救急体制が十分ではないのではないか。したがって、いろいろその自主救急のやり方の問題もございますし、隊の増設の問題もございます。
 それから、でき得れば市町村関係からは、従来は、東名高速等におきましてはわりあいに富裕な団体が沿線におりまして、いわゆる応援協定の関係で処理いたしておりましたけれども、最近は、東北とか北陸とかに延びてまいりまして、非常に貧弱な財政規模の団体が多うございます。したがって、救急業務を高速道路で行なう場合における財源措置につきましての要望がございました。これらにつきましては、建設大臣も国会で答弁されておりますが、極力国なり公団で措置をするという方向で努力したい、こう言っておられますので、そんなようなことにつきまして、現在協議中でございまして、とにかく前向きに努力を続けたい、かように思っております。
#92
○秋山政府委員 総理府といたしましては、東名高速道路の全線開通の時期において、各省それぞれの主管についての施策を協議いたしまして、それによって高速自動車国道における交通安全対策の強化について交通対策本部の決定をいたしております。これに基づきまして、各省それぞれ総合的に、高速道路における交通の対策、つまり交通環境の整備あるいは安全運転の確保あるいは違反車両に対する指導及び取り締まりの強化あるいは救急体制及び救急医療体制の整備、これらの施策をそれぞれの所管において推進されているところでございます。
 なお、先ほど消防庁のほうからお話がありました交通安全基本計画においても、特に救急業務についていろいろ問題点はございますので、これについて取り上げまして計画を進めていくよう推進しているところでございます。
#93
○沖本委員 もうあと時間がないので、それぞれ簡単に答えていただいたようなことで、問題点はまだ出てきていないわけです。私の申し上げた問題というのは、いままで高速道路上のいろいろな事故に対する欠陥が浮き彫りされて、その浮き彫りされた欠陥に対してどういうふうな処置なり対策なりをお立てになっていらっしゃるかということなんですけれども、皆さんおっしゃっているのは、簡単な予算説明のようなことで、ばく然とこうおっしゃっているにとどまっておるわけなんです。
 それで、一例を申し上げますと、たとえば先ほどもお話がありましたが、高速道路上の事故というのは、人命の保障はもう全然できない。車もめちゃめちゃになれば命もめちゃめちゃになっているという事態がほとんどなんですね。そうすると、これも問題になりましたけれども、事故原因の追及なら追及という点について、はたして建設省の道路設計に原因があったものなのか、あるいはドライバーの不注意に原因があったものなのか、あるいは車両の欠陥が原因になっているのか。これはあとあと尾を引く問題なんですね。そういうところにも重点を置いていただかなければならないはずなんです。
 この間は、警察庁のほうで車両の欠陥を見つけ出したということで、あわてて自動車メーカーが車を回収して欠陥を改めるという例もあったわけですけれども、実際は指摘されるまでの車両というものは高速道路上を走っているわけです。欠陥一ぱいで走っているわけなんですね。
 それから外国に比べて事故率というものは日本の場合非常に少ないのだという御説明が建設省からもありましたけれども、これはたまたま事故が少ないということだけであって事故原因は十分あるわけです。たとえて言うならば、先ほどいわゆる重量制限オーバーをしているやつの違反については厳重に取り締まるということをおっしゃっていますけれども、これは当委員会において――トラックなり何なりは重量制限をオーバーしている車両がほとんどである、これは運転者の責任ではなくてむしろ経営者側に責任があるのだというようなことで、これは高速道路上ではなくても一般道路の上でもそういう問題が一ぱいあるわけです。たとえば十トンのトラックに二十トンのものを積んでおるというのはもうしょっちゅうあることでもあるし、私の友人の関係の中でも、そういうことをしなければ、いまの運賃のたてまえからいくと、とうてい対抗していけないのだ、無理やりにでも積んでどんどん走らないと商売が成り立たないというような問題があるわけです。そういうことは高速道路上では許されない問題なんですね。これは前にも申しましたけれども、東名高速で警察がつかまえて調べてみたところ、七トン車に十四トン積んでおったということなんです。たまたまではなくそれが常時だというのです。こんな車、ブレーキがほとんどきくわけがない。だから、急ブレーキなんかかけた場合には、いわゆる二重三重のいろいろな事故が起きるわけで、たまたままだ事故が起きていないということになり、何かのことで事故がどんどん起きたようなことが起きれば、これは重大なことになっていく。そういう問題を一ぱいはらんでおるということになるわけです。ですから、これは救急センター以前の問題になるわけですけれども、やはり先ほどからの御質問にもありましたとおり、それ以前の問題として解決していかなければならない重大問題だと思うのです。
 けさの新聞を見ますと、阪神高速で、きのうですか、大阪のほうで、鉄材が上から落っこってきたということですね。これはスピードの出し過ぎで、大阪の守口のほうですか、高速道路上から落ちているわけです。たまたま落ちた下に何もなかったから、けが人やいろいろな事故は起きなかったというわけなんですが、その前は、この冬ですか、ついそこの赤坂で肉が降ってきたわけですね。それもやはりスピードの出し過ぎでカーブが曲がれないでいる。ですから、車のスピードと道路のカーブとがマッチしておるものかどうかという点、スピードを出し過ぎると、カーブとの関係の力学というのがどういうことになっていき、どの程度になると、現在日本で走っているいろいろな形の車は転覆してしまうとか、オーバーランを起こしてしまうというようなことが十分ドライバーに認識されなければ、これ以上越えたことをやればおれは命がないんだという点が十分わかっていなければならないと思うわけですけれども、どうもそういう点が、政府のほうあるいはその御担当の役所のほうでも、それに対する十分のものがないんじゃないか。あるいはドライバーのほうの認識も十分でないというふうに考えられるわけです。
 さらに、たとえば羽田に通じる高速道路は片側が二車線ですね。二車線で、そこで一台何か事故を起こすと全部ストップしてしまう。ところが、よく通ってみますと、たいていパンクを起こしてそれで渋滞を起こしているということになるわけです。ですから、高速道路上を重量物を積んで走るトラックのタイヤの圧力というものは、中にどれくらいのものを入れておかなければならない、あるいは高速道路へ入ろうとする乗用車並びに貨物車は、自分の車のそういうふうな安全点検というものを完全にして走らなければならない。そして、もしそういう道路上で事故を起こした場合、他に対する迷惑というのはたいへんなものなんですね。時間的な問題、労力的な問題、いろいろな問題で、お金に換算すればたいへんな迷惑をかけることになるわけですから、そういう点考えると、不注意によって起こした事故というのは厳罰に処して、罰金でもうんと取るというような内容があれば、十分注意して車を運転するようになるわけです。
 これはいわゆる私個人の考えでございますけれども、日本のドライバーのマナーというものが非常に低いんではないかというふうに私は受け取りがちなんですけれども、ますます紋次郎型の方々がだんだん出てきて、よりそういうものに拍車をかけていっている、そういうことがこれからもより多く考えられるんじゃないかということが考えられるわけです。
 ですから、そういう点について、いま通り一ぺんの御説明があっただけで、ほんとうは時間をかけて一つ一つお伺いしてみたい気持ちが一ぱいなんですが、時間に限度がありますからできません。
 それで一、二点お伺いしたいのは、差し迫った問題として、消防署のほうで救急医療体制をおとりでございますが、市内あるいは都市部においても、救急医療病院というのは非常に問題になっているわけです。それで、高速道路上の交通事故に関して、事故者を――高速道路上の事故ですから、いっときも早い処置が必要であるということになるわけですけれども、救急車によって他府県にまたがることになるわけです、県境なり何なりで起きた場合には。そういうふうなことの処置というものですね、早急に病院へ収容できる現状なのでしょうか、そういう点に大きなネックがあるのでしょうか。
 先ほどのお答えを聞いておりますと、まだまだその自主体制というものが十分でないんだということをおっしゃっておられます。たとえて言うなら、高速道路上で起きて、いっときも早い救急が必要だから、その高速道路上の事故に関しては、ヘリコプターならヘリコプターを使って、それに関係のある病院へすぐ持っていけるとかなんとかという方法も考えられないことはないわけです、お金さえ惜しみなく使っていけば、ということになるわけですけれども、そういう点について、現状と対策はいかがですか。
#94
○山田(滋)政府委員 高速道路に限って申し上げますと、先ほど申し上げましたように、なお全体のシステムそのものが十分でございませんので、残念ながら万全であるとは申し上げられません。しかしながら、いまさっき申し上げたような方向で建設省ともども努力をいたしておりますので、その場合は当然ただいま御指摘ございましたように、医療問題がネックであるということは当然でございます。別途私どもとしては、消防庁と厚生省との間でこの病院の問題につきましてやはり協議いたしておりまして、医療体制そのものを抜本的に、この救急に即応した強化策を講じなければならないということで寄り寄り協議をいたしておりますので、そういうものの中におきまして当然その高速道路の問題を取り上げてまいりたいと思います。
 お話しのような高速道路に限らず、県の境界等におきまして救急事故が起こりました場合、これはまあ現在までそれほど大きな問題があったとは聞いておりませんけれども、当然問題が起こり得るということで、これらにつきましては県を越えましていわゆる応援協定を結ぶ、あるいはまた委託をしておるという例もございまして、現実に一一九で通報がありまして、受けた機関が行くよりは、むしろ県を越えてでも、それに隣接した他の県の、より近い救急隊が出動したほうがいいという場合がございます。そういう場合にも即応できるように、きめのこまかい応援協定の指導をしてまいりたい、かように存じております。
 高速道路につきましては、あまり御答弁になりませんけれども、先生のおっしゃいました趣旨に沿いまして、関係各省の力を合わせて努力をいたすつもりでございます。
#95
○沖本委員 あと時間がないわけなんですが、厚生省、同じ問題についてお答えいただきたいわけです。
 私も医者から伺ったのですが、救急医療問題に対しまして、これは別に交通事故だけにとどまらないわけですけれども、いわゆる救急自動車で運ばれてくる場合、医者の立場から、この人を手術室に入れて、そして手術準備をやって、準備するのに十分ないし二十分、三十分かかるというわけです。そして、その人を手術をしてなおかつまだ命を取りとめられるかどうかということを、担架の上で判断するというのですよ。そして、これはその以内にとうてい助からないということになると、患者の身内のいろいろな考えを考えていくと、よその病院へ振ったほうがいい。自分のところで死なれたら困るというわけです。あの医者が殺したというふうに受け取られやすいので断わる。だから、まして、その交通事故に関するような人たちは、そういうものを判断しなければならない。ただ、それが救急医療センターなり指定病院である場合は、これはもうおそらく何でもかんでも入れますから、この問題点はないわけですけれども、普通の病院へかつぎ込まれた場合は、医者の立場から考えると、まずそれを判断するという問題があるんですね。そういう問題は、厚生省では、どういうふうにとらえて救急医療というものに対して対策をお立てになっているか、あるいは指導なり何なりをお考えになっているか。そういうものはもう目をつぶって、絶対に、担架で運び込まれたら一〇〇%受け入れなさいということになっておるものか、医者の判断にまかせることになっているものか。断わる口実は幾つでもあるわけです。そういうことになるわけですね。
 またもう一つは、町の、手術室を持っておる医者である場合ですね。夜間なんかの場合は、十分にその手術に立ち会える看護婦なんかが足りないという場合は、自分一人では不安定なときがあるわけです。そうすると、ほかの病院から医者なり熟練した看護婦の援助を求めならればならない、応援に来てもらうということをしなければならないわけです。そうなった場合、手術を終えて病室に患者を収容した後に、今度はその病院から応援に来てもらった医者なり看護婦にお礼をしなければならない。それは患者に負担をかけるわけにはいかないということになると、医者は、医療費以外にそういう負担がかかってくるということになると、これまた自費負担になってくるからやっかいになってくるというような、そういうこまかいネックがあるのですが、これはお医者さんの立場から聞いたわけですけれども、そういう問題を十分御存じなのですか。それを踏まえてお答えいただきたいと思います。
#96
○信澤政府委員 最初に、消防庁のほうにもお尋ねがございました点について、私どもの考え方を申し上げたいと思います。
 御承知のように、昭和四十二年から救急医療センターというものを、人口百万当たり一カ所という計画で設置をしてまいりました。その後、その後の交通事情等の変化を考えまして、ただいま百五十三カ所の整備を終わっております。
 なお、先ほど来お話がございましたような高速道路における事故、その他交通事故多発地帯等を考えまして、本年から約九十四カ所を五カ年計画くらいで整備をするということで、約二十カ所の予算が本年度予算として入っております。したがって、基本的にはこういった高度の医療機能を持っている救急医療センターというものの整備を中心に施策を進めていきたい、このように考えております。
 しかし、これだけでは十分でないことは御指摘のとおりでございます。これも現在、制度としてございます救急告示病院というものが、病院、診療所、合わせて約四千七百ほどありますが、こういうものに御協力をいただきながら、万全を期していく、こういうことでございます。
 いまも消防庁のほうからお話しございましたように、私どもと消防庁のほうで研究会をつくっておりまして、いろいろいま申し上げたような医療機関の整備あるいは救急隊員の教育の問題あるいは救急医療のシステム化の問題、こういったようなことについてお打ち合わせをいたしておりますので、逐次御指摘のような方向に改善していくように努力してまいりたいと思うわけでございます。
 ただいま仰せになりました医師の態度と申しますか、医師のあれとして、お話のようなことがありますことは、全く知らないわけではございません。法律的に申しますれば、医師は、診療の求めがございました場合には、特別の理由がない限りは断われないというたてまえではございますが、実際問題としてはそういうことがあろうかと思います。その一つのネックは、すでに御指摘になっておりますように、急な患者の場合に、それに見合うだけの体制ができてない、したがって、ほかの医師なり看護婦の応援を頼むというようなお話も一つの理由かと思います。しかし同時に、これまた御指摘がございましたように、いまの医療費では、そういう患者を見た場合にペイしない、こういう問題もあるわけでございます。特に救急告示病院等の場合には、常時ベッドをあけて待っているわけでございますので、そういった面についての医療費というものが、現在の制度の中で十分見られてない、こういう問題もあるわけでございまして、問題は御指摘のとおりでございますが、やはりそこを乗り切っていかないと、この種の問題は解決しないと思いますので、したがって、将来、救急告示病院なりあるいは救急医療センターについては、そういった医療費のと申しますか、運営に要する経費についても、国としての応分の援助をする必要があるのではなかろうか、こういうふうな方向で問題を検討している段階でございます。
#97
○沖本委員 もう時間をオーバーいたしましたので、これで終わりますが、一応いま御質問したことは、前のほうと少し変わっただけで、質問したことになっていると私は思っていないわけです。ですから、この問題が十分に解決の方向を見出すまでは、今後とも質問を続けていきたいと思いますので、きょうはこれぐらいでおいておきたいと思います。たいへんありがとうございました。
#98
○久保委員長 次に、野田毅君。
#99
○野田(毅)委員 最初に予定しておりましたよりもちょっと順序を変えていただきたいのですが、法務省の部長さんが法制審議会があるというようなことですので、ちょっと順序を変えます。役所の方々もそのつもりでお願いします。
 最近交通事故の紛争処理について、いわゆる弁護士でない人たちが相当活動しておるようであります。特に、被害者はたいてい入院をしておる、加害者のほうはなかなか連絡がつかないというようなことで、俗にいう示談屋でしょうか、こういう人たちが非常な働きをしております。こういう場合に、弁護士法上の何らかの問題というのは出てこないのかどうか、お答えを願いたいと思います。
#100
○味村説明員 弁護士法七十二条というものがございまして、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件に関しまして鑑定、和解その他の法律事務を行ないますということは、そういうことを業といたしますことは禁止されているわけでございます。そして、この禁止に違反いたしました場合には、二年以下の懲役または五万円以下の罰金に処せられるということがあるわけでございます。御質問の場合は、確かにいろいろなケースがあると思うのでございますが、いわゆる事件屋と称します者、あるいは示談屋といわれる者が、加害者あるいは被害者の代理人となりまして、こういった法律的な紛争に関与いたしまして、法律相談をするとか、あるいは示談をするというようなことになりますと、この条文に該当するということになろうかと存じます。
#101
○野田(毅)委員 いまのところそれほど大きな問題が出ておらないからいいと思うのでありますが、結局、いまこういうような人たちが実際に現実に活動しておるというのは、何か現在の紛争処理のシステムが十分機能していないからではないかというふうに感ずるわけであります。そこで、いろいろな方面から、たとえば事故処理士だとか自動車保険士だとかいうようなものを認知してくれというような話もあるようでございますが、これを認知をしたほうがいいのか、あるいはしないで、現状のままでもっと改善をしていって、そういう人たちにおんぶをしなくてもやっていけるのだというようなことにしていったらいいのか、この辺どちらがいいのかよくわかりませんが、この辺はどちらの方向に考えておられるのか。これは何省になりますか、警察庁になるでしょうか。
#102
○秋山政府委員 自動車保険士とか、かりにそういう名前でございましょうが、こういう自動車保険を取り扱う者あるいは事故を取り扱う者の資格制度を設けますことにつきましては、先ほど法務省のほうからお話がございましたように、弁護士法との関係など、非常に問題が多いわけでございまして、私どもは、現下の必要性と、こうしたいろいろな問題というものを関係省庁と協議して、慎重に検討してまいりたいと思っております。
 しかしながら、現状においてはやはり交通事故相談活動という、いわば公的無料奉仕機関の拡充強化ということで、被害者並びに加害者の救済援助を強めていきたい、こういうふうに考えております。
#103
○野田(毅)委員 法務省の方、けっこうです。
 この問題はまたあとで質問をすることにしまして、ところで自賠責特会の収支でありますが、これは契約年度ベースで大体どういう状況になっておりましょうか。また今後のその収支の見通しというものはどうなるでしょうか。お聞かせを願いたい。
#104
○小林(正)政府委員 契約年度ベースの収支の残は、昭和四十四年度におきましては八百六十一億円の赤字でございましたが、四十五年度におきまして黒字となりまして、当該年度三百五十三億、以下四十六年度五百四十四億、四十七年度六百九十二億円の程度と見込まれております。これらの単年度の黒字の結果、四十七年度までに累計では赤字が七百四十二億円程度でございます。なお、今後の見通しにつきましては、先ほど申し上げました四十五年度以降の単年度の黒字という傾向がそのまま持続いたしますれば、おそらく四十八年度中には累積赤字がすべて償却できるのではないかと見通されます。
#105
○野田(毅)委員 これを現金ベースで見ると収支状況はどうなるでしょうか。
#106
○小林(正)政府委員 現金ベースの収支残は、昭和四十四年度契約年度では赤字でございましたが、この年度にも現金ベースでは百七億円の黒字でございますし、四十五年度は九百十八億円、四十六年度千六十三億円となっております。
#107
○野田(毅)委員 いまの応酬でおわかりになったと思いますが、現金ベースで見ると、かなりの黒字があるわけでございます。確かに収支を、こういう現金ベースあるいは契約年度ベース、どちらかで見るということは必ずしも一がいには言えないと思います。また、契約年度ベースで見ること自体にも十分なそれなりの理屈はあるだろうとは思いますが、ちょうど年金のほうで、賦課方式がいいのか、あるいは積み立て方式がいいのかというようなととが議論されておると同じように、この自賠責特会の収支の見方、健全なる収支というものを考える場合に、何かそういうもっといまよりも合理的な、中間的な見方といいますか、そういうものが検討されてもしかるべきではないかと思いますが、この辺はいかがでございましょう。
#108
○安井説明員 いま御指摘ございましたように、契約年度ベースでございますと、契約年度、つまり四十六年度を取り上げますと、四十六年度に自賠責保険の契約をいたしました者に対して幾ら保険金を支払ったか、今度はその支払った年度は問わないわけでございます。したがいまして、事故も四十六年度発生事故と四十七年度発生事故が含まれるわけです。と申しますのは、四十六年の四月一日から四十七年三月三十一日までに契約されたものでございますから、四十七年三月三十一日に契約されたものの契約が及ぶ時期は次の一年がまたがるわけでございますので、この契約年度ベースの損害率が確定いたしますのは次の年度の損害率がきまらないと出てこない、こういう意味でおくれるわけでございます。これは御指摘のとおり問題点の一つだと思います。
 もう一つ、この事故率の算定の方法にございますのは、発生ベースというのがございまして、四十六年度中に保険契約が有効であるもの、その四十六年度中に支払われた保険金が幾らであったか、支払われるべき保険金が幾らであったかというやり方があるわけでございます。その場合になりますと、四十六年度に有効な保険契約となりますと、四十五年度に契約されたものも入るわけでございますが、四十七年度に起こります事故ははずれるわけでございますから、四十六年度中にその収支が出てくるということもあるわけでございます。
 したがいまして、その契約年度ベースに比べますと、あるいは発生ベースのほうが少し事故率がこの保険収支上の事故率をきめていくのに早いかなあという感じもいたすわけでございますが、理屈から言いますと、やはり契約年度ベースのほうがその年の契約に対してどれだけ支払うかということのためにはすぐれているという問題がございまして、一がいには申せないわけでございます。
 ただ、御指摘ございました現金ベースになりますと、その年度に入りました保険料収入に対してその年度で幾ら支払ったかということだけになりますので、ただいまのように自動車の契約台数等もふえてまいりますと、保険料収入のほうはふえてまいりますが、支払い保険金のほうは前の年度の契約の少なかった時期の損害が出てくるものでございますので、非常に損害率が低く出まして、逆に将来の、たとえば次年度あるいは三年度あとの場合に、事故率が逆にふえてまいりまして、えらい負担の不公正を招くので、現金ベースの損害率の計算というのは非常にむずかしいのではないか、かように考えております。
 いずれにいたしましても十分検討してもらいたいと考えております。
#109
○野田(毅)委員 収支が、先ほどのお話でだいぶ好転してきておるわけでありますが、これはたとえば保険料率の引き上げ、もろもろの要因があると思いますが、これが黒字に転じてきたそういう主たる要因というものはどういうものですか。
#110
○小林(正)政府委員 自賠責収支の黒字につきましては、ただいま御指摘がございましたが、収入面におきましては、昭和四十四年の保険料の大幅引き上げとその後の契約車両数の増大ということと相まちまして、保険料収入が大幅に増加いたしたことが一つの原因かと思います。支出、すなわち保険金の支払いの面におきましては、安全対策の推進の結果、事故率が減少してきておるわけでございまして、これらの収入面の増大と支出面の減少ということが相まちまして黒字になってきていると考えられます。
#111
○野田(毅)委員 いま三つ、四つお話があったのですが、私はこの要因の中に、たとえば保険金の限度額が据え置きであったということも一つの要因であろうかと思うわけであります。
 そこで、この法律の目的からいって、被害者の救済、そういうことをまず第一に念頭に置かなければいかぬわけでありますが、また同時に、これが保険料率の引き上げということによってある程度黒字になったことも事実であります。そういう点で、これだけ大幅な黒字になったということでもあるし、ここいらで保険金の限度額の引き上げなり、あるいは保険料率の引き下げあるいはメリット制度の採用、こういうような問題で改善の余地が十分あるのではないかと思うのであります。現在これらの点について御検討中と聞いておりますが、その検討の内容あるいはその進行状況というものをお聞かせいただきたいと思います。
#112
○小林(正)政府委員 保険収支の黒字化というような状況に対応いたしまして、御指摘の限度額の引き上げの問題と同時に、並行いたしまして保険料の制度の改善というようなことを検討し始めておるわけでございます。
 昨年の自賠責審議会におきましても、関係の委員の方々からこういった問題につきましての御要望、御意見というものが出ておったようでございまして、その後私どもも事務的に、限度額の引き上げあるいは保険料率の改定という問題につきまして事務的な検討を始めた段階でございまして、ただ、時期の問題といたしましては、今後開かるべき自賠責審議会にはこの問題は当然議題となるわけでございますので、それまでに鋭意事務的な検討を進めてまいりたいと思っております。
#113
○野田(毅)委員 やはり役所としてはなかなかそうはっきりとは答弁できないと思いますが、その次に、金で命が戻るわけではありませんが、何か先ほど言いましたように、現在の保険金の限度額五百万円というのがいかにも低過ぎるのじゃないかというような声が非常に強いわけであります。また、任意保険の加入割合が大体四〇%程度であるというようなことから考えても、やはりこの際、あるいは保険料率をさらに引き上げてでも保険金の限度額をもっと思い切って引き上げることが必要ではないかと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#114
○小林(正)政府委員 限度額につきましては、死亡の場合あるいは障害の場合、いずれにつきましても現在の限度額を定めた時点がかなり古いわけでございまして、その後の物価あるいは所得水準の向上ということと関連いたしまして、御指摘のとおり引き上げる方向で検討をいたしておるわけでございます。
#115
○野田(毅)委員 次に、センターのおもな業務の一つでありますところの遺児貸し付けでありますが、これはその趣旨なりあるいはその構想の概要というものをもう一ぺん明確にお願いいたしたいと思います。
#116
○小林(正)政府委員 交通遺児に対します保護の強化というようなことは、非常に各方面からも要望されておるところでございまして、この問題につきまして、センター法律案の当初から一つの大きな項目として検討を進めてきたわけでございます。
 御承知のとおり、交通遺児につきまして、現在、奨学資金という育英資金、こういった観点から、日本育英会の一般的な奨学資金のほかに交通遺児育英会という財団法人がございまして、これに対しましては、自賠責の特別会計からも補助金を出しまして、そして民間の金と合わせまして高校生以上の奨学資金について貸し付けを行なっておるわけでございます。
 中学までのいわゆる義務教育終了未満の交通遺児に対しましては、義務教育ということから特別な奨学というような制度の対象にはなっておらないようでございますが、ただ交通遺児に限らず災害等によって遺児になったというような場合も含めまして、全国かなりの多くの都道府県におきまして、交通遺児等についての特別な給付制度があるようでございます。
 こういった現状、全体的な状況にかんがみまして、義務教育終了前の交通遺児につきましても、ベースになります各都道府県でやっております給付というような問題に、交通遺児につきましてはこの自賠責の資金から貸し付け制度をプラスしよう、こういうように考えたわけでございます。
 貸し付けの内容といたしましては、法案成立後、当該センターの業務方法書として正確につくられまして、主務大臣の認可も受けて正式にきまるわけでございますが、現在私どもで考えております貸し付けの内容といたしましては、最初一時金として六万円、その後毎月五千円を貸し付けまして、義務教育終了後一年据え置きの二十年間の償還、なお、無利子といたすことにしております。
 なお、これらはあくまで現在考えております貸し付けの方法でございまして、既存の育英制度の貸し付け額あるいは交通遺児の困窮世帯の状況等を勘案いたしまして、もちろんできるだけこういった内容を充実させたいというのが基本的な考え方でございます。
#117
○野田(毅)委員 いまのお話で、その交通遺児の育英会のほうとの関係なんですが、あるいはまた、その償還期限の問題、据え置き期間の問題、いろいろ改善する余地はあると思います。たとえば義務教育、いまの時代で義務教育だけで就職をするというようなことはまず考えられないし、当然高校、大学へも行くわけであります。そういう場合に、はたしていまお話しのとおりの据え置き期間でいいのか、あるいはまた中学校を卒業したあと高校へ入るときに、そういう引き継ぎですね。これはあくまで義務教育期間中を対象にされておられるということでありますから、それが高校へ入る、そのときのいわば貸し付けの引き継ぎといいますか、そういう事柄も当然考えられてしかるべきではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
#118
○小林(正)政府委員 具体的な運用にあたりまして、この据え置き期間が一年と非常に短いのではないかというような問題につきましては、私ども現在考えておりますのは、その後高校に進学されて収入がないというようなときは当然返還義務を猶予する、こういうふうに考えたらいかがかと思っております。
 なお、高校に入りましてからは、現在の制度におきましては、交通遺児育英会あるいは日本育英会等々もあるわけでございまして、そちらに当然円滑に引き継がれるというふうにいたしたいと思います。
#119
○野田(毅)委員 それからもう一つは、ちょっとこの前耳にしたのですが、遺児貸し付けを受ける場合、生活保護世帯では保護が打ち切られる場合が出てくるのじゃないかということを心配しておられるところがあるようであります。こういうことはまずないでしょうね、ということを厚生省のほうに念押しをしておきたいのであります。この辺はどうですか。
#120
○中野説明員 お答え申し上げます。
 今回の法案の提出に先がけまして、運輸省当局から厚生省のほうにその点について御相談を受けたわけでございます。
 生活保護法の立場といたしますと、保護を受給しておられる方々の間の処遇の公平という要請がございまして、これを全く無視することは困難なわけでございますが、いわば国の政策といたしまして、事故遺児につきまして、その自立と申しますか、一かどの社会人になられることに御協力を申し上げるということにつきましては、生活保護法の立場におきましてもできる限りのことをするにやぶさかでないわけでございまして、その点につきましては、この事業の細目がきまりました際に、運輸省のほうともよく御相談をいたしまして、できる限りのことをいたしてまいりたい。その趣旨といたしましては、先生御心配のようなことのないような方向で十分努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#121
○野田(毅)委員 この貸し付け業務でありますが、何か当初全国で九カ所ですか十四カ所ですか、センターの支店みたいなものが設置されるというようなことで、どうも地域的にかなり片寄りが出てくるのではないか。そこで、あくまでも全国どの地域でもそういう被害者が利用できるように、当然いろいろな方策をお考えになっておると思います。貸し付け業務をどこかに委託するとか、民間金融機関に委託するとか、そういうことは当然なされると思いますが、その辺はいかがですか。
#122
○小林(正)政府委員 センターの支所を全国的に整備いたしますまでの間、ただいま御指摘のとおり、広く公平な貸し付け業務ができますように、現在考えております方法といたしまして二、三申し上げますと、たとえば貸し付けの申し込みにあたりましては、現在各都道府県の交通事故相談所あるいは市町村にそういった関係の窓口もあるようでございますので、貸し付け申し込み書あるいは説明書等を備えておくというような方法、また−被害者からはそのセンターに一々出向かないで、郵送によって申し込みの受付を行なうというようなことを考えております。
 それから、金融機関の利用でございますが、貸し付け金が決定いたしまして支払いがされるというような際には、当然金融機関の支店網を活用するということによりまして、広く被害者の利便に資するようにいたしたいと考えております。
#123
○野田(毅)委員 それから、センターの業務の一つとして、事故防止のための指導等があるわけですが、これは事業用に限られておるわけであります。これはなぜ事業用に限られたのか、もう一度説明をお願いしたいと思います。
#124
○小林(正)政府委員 センターの業務におきまして、特に事業用とメンションいたしましたのは、適性診断、あるいは事故防止の指導の問題でございますが、これは事故防止上きわめて有効なものでございますので、このセンターの主要業務の一つとして規定いたしたわけでございますから、御指摘のように、本来、自家用車を含めたすべての運転者を対象とすることがあるいは望ましいかと思うわけでございます。しかしながら、一つには、二千数百万にのぼりますドライバー全部を全く公平無差別に受け入れるというようなことにつきましては、施設とのかね合いもございます。また、本質的な問題といたしましては、運行の安全確保におきまして、自家用自動車のドライバーよりもより強い義務規定下に置かるべき事業用自動車関係につきまして、第一義的に本センターの業務のおもな対象に選んだわけでございます。
 このことは、自家用自動車の運転者に対しましての適性診断を排除するといいますか、行なわないということではございませんで、当然余力もある程度あると思いますし、また、自家用等についてその要請も、今日までいろいろ試験的にやってきました段階でもあるようでございますので、そういった自家用方面の要請に応じて適性診断を行なう、これについては法文上書き分けたまででございまして、目的達成業務として、自家用についても適性診断をいたすことができるようにしてあるわけでございます。
#125
○野田(毅)委員 適性診断というところでとどまるわけで、そこから先の、たとえばそういう指導を、仕事を取り上げられるというような面も出てくるから適性診断でとどめたんだというようなことを聞いておりますが、しかし、もっと広く考えると、だからといってそういうような不適格な人がずっと営業用に従事しているということは、やはり国民として、それこそ安心して歩けないわけであります。もっと何か、不適格な人は事業用の自動車を運転できないというようなそういう方策を考えてしかるべきではないかというのが一つ。
 それから同時に、これに関連しまして、安全運転学校、よくスピード違反や何かでつかまった人がそこへほうり込まれて再教育を受けるようでありますが、そういうような人についても同じような適性診断をして、そして免許の再交付の際にはもっときびしく臨んでもいいのではないかというふうに考えるわけであります。
 まず運輸省のほうから、それからあとで警察庁のほうからお答えをお願いしたいと思います。
#126
○小林(正)政府委員 センターで適性診断をいたしました結果、一般的には、適性診断の結果をドライバーの方々が参考とし、あるいは事業所におります運行管理者の方々が参考としていろいろな注意を与えるということでございますが、たまたま道路交通法に規定されております免許の欠格事由に明らかに該当するというような極端な場合があらわれました場合には、これは御指摘のとおり、当然事故防止の観点から、各都道府県の公安委員会に連絡をいたしまして、ただいま御指摘のような免許の再交付というような問題について、公安委員会が現行法で適切な措置をとれるように、運輸省と警察庁との間では事務連絡を密にするということで了解がついております。
#127
○寺尾説明員 お答えいたします。
 警察のやっております安全運転学校につきましては、いろいろなコースがございます。
 一つは、事故を起こした者で一定の点数以上の者について、短期、中期、長期の講習を行なうことになっております。この中で、中期と長期の講習の対象者には必ず適性診断を行ないまして、指導をいたしておるところでございます。
 さらに、更新時講習でございますけれども、これは三年ごとに回ってまいりまして――なお、先ほどの処分者講習というのは、全国で一年間に百万人近くございます。三年ごとの更新時講習は約七百五十万ございますけれども、これは年々ふえていく性質のものでございまして、数年を待たず一千万近くになっていくと思います。この更新時講習に適性診断をどうかという先生のお話でございますけれども、七、八百万人ということになりますと非常に膨大な数でございます。そこで、私ども一応やっておりますのは、交通規則に基づきまして、視力であるとか、あるいは手足の運動であるとかいったような検査をやっておりますほか、そのときちょっとおかしいということに気がつきましたならば、当然臨時の適性検査を行なうことになるわけでございます。そういう適性検査のほかに、そうした三年ごとの更新者に対しましては、おおむね二時間の講習を行なっております。これは、その県のいろいろな交通事故の実例とか、それに対して運転者の今後注意すべきこと、あるいは三年間にいろいろ法令も変わってまいりますので、そうした法令の変わりをいろいろお教えするとか、あるいは自動車の運転に必要な知識ということになっておりますが、できるだけ映画、スライドを用いまして、目で見ただけで納得できるように持っていくということでやっております。しかし、何しろ大量の数でございますので、心理的な適性診断を十分にやるというところまではいっておりません。
 さらに私ども考えておりますことは安全運転管理者講習でございますが、これも全国で約十二万ございます。これに対しても年間四時間ないし六時間の講習を行なうことになっております。これは御存じのように、自家用自動車を五台以上持っておる事業所において管理者を指名しておりますが、この人たちに対して講習を行なうわけでございます。そうして、この人たちに適性診断を行なう仕法を教えることをやっております。多いところは、千人、二千人という従業員、運転者をかかえているところもございますが、そうした事業所に帰りまして、講習を受けた管理者が適性診断を行なっておる。これも全国で七、八万人、すでに昨年度が行なっております。私どもは、更新時講習は十分できませんが、サラリーマンになりましょうけれども、そうした事業所の中核になる安全運転管理者を十分教育し、その人を通じてその配下の運転者に及ぼしていくことによって充実をはかりたいと思います。
 そのほかに、私どもは適性相談を安全運転学校において受けております。これも昨年度八万人近くやっておりますけれども、これはこういうコースに離れた人たちで、希望のある向きについて行なっておるということでございまして、場合によっては安全運転管理者のほうから、自分の部下の職員をやってくれということもございますし、そうしたことで、これは八万人でございますが、将来はこうした人たちがもっとどんどんふえていくように拡大してまいるだけの用意はしてございます。これがいま安全運転学校でやっておる現状でございまして、将来ともこれを充実しまして、いろいろな資材その他につきましては、おおむね運輸省のセンターと同じ程度に充実してございますけれども、何ぶん三千万近い運転者に、一年間に全部やるというところまではとても規模としても及ばないということでございます。
#128
○野田(毅)委員 私がいま質問しましたよりも、相当たくさんの、予期した以上の答えがあったのですが、一つは、免許の再交付ということについて、何か日本は世界でも非常にむずかしいほうであるというような話も聞きますが、しかし、これはもっともっときびしくしていいんじゃないかというようなことはしょっちゅう耳にいたします。これはぜひそういう方向でお考えをお願いしたいということであります。
 それから最後に、このセンターの設置につきまして、いわゆる事故防止と、それから被害者救済と、この二つがいわば大きな柱であろうかと思います。この点はまことにけっこうであります。しかし、内容を見ますと、必ずしも事故防止についても、ずっと審議を見て明らかなように、適性診断をやっただけで、はたしてどれだけの効果があるのか。やはり非常に優秀なお役人さんがたくさんおるわけでありますから、もっと本腰を入れられるような業務、そういうことにぜひとも知恵をしぼっていただきたい。
 それからもう一つ、被害者救済という面につきましては、これはどうも、最近のいろいろな予算の折衝なり、そういうことを見ましても、いわゆる社会福祉ということをいう場合でも、すべて金で片をつけるというような傾向が非常に多いわけであります。今回のこの中身にしましても、いわゆる貸し付け業務を行なう、したがって被害者救済に役立っておるんだ、これは確かにそうではあります。しかし、実際に事故にあって、あるいは足を切り腕を切る、そういういわばかたわになったような人たち、しかも若いそういうような人たちが一番何を真剣に望んでおるか、何をしてほしいかといえば、やはりそれは金が借りられるということはいいかもしれない、しかしそれよりもやはり、結婚問題が非常に重要なんだというようなことを言っておるわけであります。この前、身障者の福祉促進協議会というところにも行ってまいりましたけれども、そういうようなところで、運輸省としても、そういうものはみんな厚生省の仕事だということで全部向こうへやってしまうのではなくて、むしろこういう事故防止センターというようなところでもっと本腰を入れて、厚生省と連絡を密にとって、そういうような問題、ほんとうのアフターケアという問題、そういう問題にもぜひとも知恵をしぼっていただきたいということを最後にお願いを申し上げて、質問を終わります。
#129
○久保委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後四時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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