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1972/04/19 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
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1972/04/19 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号

#1
第071回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
昭和四十八年四月十九日(木曜日)
   午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 山中 吾郎君
   理事 稲村 利幸君 理事 木部 佳昭君
   理事 小坂徳三郎君 理事 井岡 大治君
   理事 松浦 利尚君 理事 小林 政子君
      石井  一君    上田 茂行君
      大村 襄治君    粕谷  茂君
      近藤 鉄雄君    高橋 千寿君
      三塚  博君    山崎  拓君
      中村  茂君    渡辺 三郎君
      野間 友一君    有島 重武君
      石田幸四郎君    和田 耕作君
 出席政府委員
        公正取引委員会
       事務局経済部長 三代川敏三郎君
        経済企画政務次
        官       橋口  隆君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (全国家具工業
        連合会副会長) 辻  豊治君
        参  考  人
        (日本綿スフ織
        物工業連合会会
        長)      寺田 忠次君
        参  考  人
        (全日本紳士服
        工業組合連合会
        理事長)    三橋 邦夫君
        参  考  人
        (全国消費者団
        体連絡会代表幹
        事)      福田  繁君
    ―――――――――――――
四月十六日
 公共料金値上げ反対に関する請願(梅田勝君紹
 介)(第二八四三号)
 同(津金佑近君紹介)(第二九三九号)
 公共料金の値上げ反対に関する請願(金子満広
 君紹介)(第二八八六号)
 木材、建設資材の異常価格の引下げに関する請
 願(阿部助哉君紹介)(第二九四〇号)
 同(有島重武君紹介)(第二九四一号)
 同(木島喜兵衞君紹介)(第二九四二号)
 同(北側義一君紹介)(第二九四三号)
 同(久保三郎君紹介)(第二九四四号)
 同(山田耻目君紹介)(第二九四五号)
 生活関連物資の価格安定に関する請願(赤城宗
 徳君紹介)(第二九四六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊
 急措置に関する法律案(内閣提出第八六号)
 生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規
 制措置等に関する法律案(松浦利尚君外三名提
 出、衆法第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○山中委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案及び松浦利尚君外三名提出、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両法律案審査のため、参考人として、全国家具工業連合会副会長辻豊治君、日本綿スフ織物工業連合会会長寺田忠次君、全日本紳士服工業組合連合会理事長三橋邦夫君、全国消費者団体連絡会代表幹事福田繁君に、御出席をいただいております。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人各位には、お忙しいところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 両法律案につきましては、すでに大手六商社の代表者から買占め及び売惜しみ等の実態について調査を行なう等、鋭意審査を進めております。本日は、特に生活関連物資の実需及び消費等に関係の深い各位から、それぞれの立場において忌憚のない御意見を承り、もって、両法律案審査の参考にいたしたいと存ずる次第でございます。
 なお、議事の進め方といたしましては、最初に、辻参考人、寺田参考人、三橋参考人、福田参考人の順序で、おのおの一人十五分程度要約して御意見を承り、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 それでは、辻参考人。
#3
○辻参考人 本日は、われわれ業界のためにいろいろ諸先生方の御高配をわずらわしまして、ありがとうございました。お礼を申し上げます。
 しばしば諸先生方にお願い申し上げましたとおり、われわれの家具の製造業界、これが、思いがけない合板並びに木材の高騰ということで、たいへん窮境に追い込まれております。
 概略、われわれ家具製造業界の現況を申し上げますが、総従業員は約十五万でございます。月平均の生産額が三十万、仕入れ費が約六〇%でございまして、加工高が四〇%でございます。その人件費分配というのは六十数%というような平均になっておりまして、非常に収益の低い業界でございます。
 その力のない業界に――ふだんわれわれ、資材その他の蓄積ができないというようなかっこうで営業を続けておるわけでございますが……
#4
○山中委員長 辻参考人、もう少し大きい声でお願いします。
#5
○辻参考人 はい。そういう力のない、蓄積のないわれわれの業界が、資材の手当てその他その日暮らしというようなかっこうで経営を継続しているわけでございます。そこへ昨年の夏以来、思いがけない合板及び木材の高騰というものでございます。諸先生方にかねがね、いろいろお願いに上がっておりますが、これは政府の関係官庁にもそうでございますが、現在までに木材が約倍強、合板が約二倍半ないし三倍というような非常な急騰を告げたわけでございます。これは先生方よくおわかりのことと存じますが、原価を組織しておりますうちの六〇%の仕入れ費のうちの約四〇%というものが、概略、木材及び合板の費用ということになっておるわけでございます。その四〇%が、平均いたしまして二倍ないし二倍半上がってしまったというわけでございまして、これはわれわれメーカーにしますと、仕入れ価格自体が、すなわちその生産の販売額というものに直接響かざるを得ないというような状態でございます。値上がり分だけを考えましても、家具の製造価格が約四〇%近く上がるということでございます。
 ところが、家具の中で一番主要な需要と申しますのは、婚礼用の家具というのが総体の約四〇%を占めておるわけでございます。この四〇%を占めております婚礼用家具というものは、どういうふうにお客さまがお買いになるかと申しますと、当然一年、二年前から計画をお立てになりまして、それぞれ貯金の手当てをいたしまして、それをもって家具を買い入れるわけでございます。でございますので、われわれメーカー自体が出します価格がかりに一〇%、一五%というふうに上がりますと、これはすぐ店頭におきまして、お客さまたちの非常な御不満の声というものではね返ってくるわけでございます。そういうような消費者の非常にお困りになるという御意見によりまして、われわれ家具のメーカーというものが、資材の値上がり分だけを販売価格にはね返すというわけにいきませんで、現在までに、全部の平均いたしまして四〇%高い仕入れ買のうちの約半分が、実際販売価格というものによって値上げがされたというかっこうになっております。これは大体、家具の生産額自体が月に約四百五十億くらいでございますが、その約二〇%、九十億というのがわれわれの業界自体のしょい込みになっているということでございます。
 これは一体どういうことかと申しますと、はっきり申しますと、どうも政府の需要の予測の誤りということになるんじゃないかと思うのでございます。
 そもそも、木材自体が値上がりをいたしました一番の原因となりましたのは、住宅用の木材でございます。これはおもに針葉樹でございますが、住宅用の木材が、住宅需要自体が多くなったために急騰したということでございます。それで、その住宅木材の急騰分を、われわれ一般の家具のメーカーが使っております、合板用材にも使っておりますが、ラワン材にいま切りかえよう、それから板類はできる限り合板類に切りかえようじゃないかというような御意見が、建設省から出されたかけでございます。昨年の秋に林野庁の林産課に私お伺いいたしまして、そういう建設省の御意見自体によって家具用材及びその家具用の合板、これを急遽建設用に切りかえるということになりますと、家具用材自体が非常に逼迫するおそれがあるんだ、急遽増産体制をとっていただきたいということを申し上げたのでございますが、事実はなかなか、その需要に増産が満たなかったという状態でございまして、昨年の夏過ぎから月々約十円ないし二十円刻みに上がっておりましたもめか、暮れ間近になりまして毎月五十円、六十円というような幅で急騰したわけでございます。
 それに対しまして、政府自体としましては、急遽輸入に振りかえるんだということをおっしゃっておいでになりましたが、この輸入先と申しますものはフィリピン及び韓国、台湾でございます。非常に日本の近くでございますし、現在、情報の伝達が非常に早いのでございます。日本の市価の値上がり自体が産地にすぐ響いてしまったということでございます。
 二月に、私どもの会社の人間が台湾へ行っていろいろ事情を調べてまいりましたが、台湾あたりのメーカーが、一枚に対して百五十円ずつもうかるんだということでございます。約十万枚ばかりつくっておりますメーカー、これは日本のメーカーに比べて非常に小さいメーカーでございますが、手つかずに、ただすわっているだけで、日本の商社の方々が約四十社ほど買い付けに来ているんだ、夢中になって買いあさっていると。従来、台湾、韓国は、日本向けの合板というのは非常に量が少なかったわけでございます。ほとんど大部分がアメリカ向けでございまして、当然、アメリカ向けの輸出自体は長期のLC契約になっておるわけでございますから、生産能力はほとんどアメリカ向けの輸出でもってカバーされたということでございます。それを無理をいいまして、日本向けの輸出を皆さんが買いあさったということでございます。そのために輸入先自体の市価も非常に急騰を告げたというわけでございます。
 しかも、そういうようなことがあって合板類が逼迫いたしましたもので、これは一面には合板が、昨年の三月末まで不況カルテルを結成しておりまして、非常に苦境に迫い込まれたということなのでございますが、約三年ほど通じまして百億近い赤字を出したということを合板業界の方々はおっしゃっておいでになりますが、それをこの値上げでもって埋め合わせをするのだということでございます。
 合板と申しますのは、大体原木は商社が輸入いたしまして、つくりましたうちの約七〇%近い製品を商社がまた買い上げる、それでまた市場へ出すというかっこうになっておるわけでございますが、合板に関しましては、そういう住宅需要というもの自体から生産が間に合わないで価格がはね上がった。しかも合板業界の方々の気持ちの中には、前の赤字をこれで埋めるのだというお考えがあったようでございますが、現在、われわれがちょっと推定いたしますと、一カ月間で約五十億くらいずつの過剰利益を得ているように感じるわけでございます。それが昨年から今日までまだ続いているということでございます。
 それに加えまして、輸入先の韓国及び台湾のメーカーたちも非常に喜んでおるわけでございます。ただすわっておればもうかるのだ、日本の商社の方が高値をつけて買っていってくれるのだということで、非常に喜んでおります。ただし、その輸出先の方々も、これは長続きはしないであろう、日本の商社の方はすぐ手のひらを返すような行ないをするのだ、需要を満たせば一ぺんに契約は打ち切りになって、アメリカのような長期契約という買い付け方はしないのだ、その場限りの買い付けであるので、これは当然長続きはしない。韓国ないし台湾のLCが大体六月ごろでほとんど切れるわけでありますけれども、彼らは、商売の本質としましてはアメリカ向けの輸出というものを考えているようでございます。
 そういうように合板が急騰いたしまして、合板業界が非常に収益をあげておるということを見まして、昨年の十一月ごろからでございますが、商社の方々が輸入原木自体の価格を引き上げてまいりました。
 御存じでございましょうけれども、この輸入原木と申しますのは、われわれ家具の用材ではほとんど南洋材でございます。この南洋材は、大商社におきましては当然年間契約をしているわけでございまして、輸入価格、原地の出荷価格というものは、ほとんど変化していないはずでございます。中には昨年末になりましてフィリピンだけは、原木の出荷調整をやっておりますので、合板用のラワン材は、契約時の改定に対しまして一五%ほど値上げをしたという事実はあるようでございます。
 そういうようなことなんでございますが、よく日本の商社の方がおやりになることなんでございますが、五年ほど前にニューギニアは、それまで原木の輸出を禁止しておりましたのを、いろいろ経済事情その他から原木の輸出禁止の解除をしたということがございまして、その解除をいたしますときに、ニューギニアの原地の造材業者――原木を切り倒して海まで運び出す業者でございます。これは非常に古めかしい機械を使って造材をしておりまして、能力が非常に低いのでございますが、ニューギニア全部に約二十四の業者がございます。この方々が、日本の商社が買い付けに来るんだ、おれたちはあまり安く売らないようにしようじゃないか。一石と申しますのは一尺角の長さ十尺のものでございますが、これ当たりで八百円以下に売らないようにしようじゃないかという造材業者の申し合わせがございました。そこに日本の商社の方が十八社買い付けに行かれたわけでございます。しかも、現地の事情をお調べにならずに、いきなり配船の手配をしてしまったということでございます。現地の造材能力以上の船を持っていってしまった。そのために買いあさりをやったわけでございます。ウナギ登りにのぼりまして、約四カ月ぐらいのうちに、向こうが八百円以下で売らないようにしようじゃないかという申し合わせをしたにかかわらず、最高千八百円までの買い付けをしております。それがいわゆる日本の市場自体の価格にはね返ってくるということでございます。
 今回の木材の合板の値上がりに伴いました合板用材の値上がり、それからそれに付帯いたします家具用材の値上がりということ自体は、大商社の方々に言わせますと、よく現地の価格自体が高いからということをおっしゃっておいでになりますが、さほどの値上がりということは、われわれは承知しておりません。木材の担当者に言わせますと、前はもうからない、もうからないといって上司におこられていたけれども、いまは船さえ出せば六割、七割、ただすわっていてもうかるのだということでございます。
 商社の方は、いわゆる買いだめ――買いだめということは当たり得るかどうか存じませんが、船を右から左へ一次問屋に流してしまいます。しかも、その一次問屋のうちの値よく買い付けてくれるところへ船をつけてしまうということがございます。われわれのほうにも一応話がございましたのです。昨年の夏過ぎ、九月ごろでございますが、一石当たり約三千円ほどで買っておりました原木でございます。それが秋になりまして、暮れ間近でございますが、船が参りました。五千円で買わんか、こういう話がまいりまして、そんな高い値じゃ買えないという話をいたしましたら、それでは名古屋か大阪へ持っていってしまう、こういう言い方でございます。その需要自体の逼迫を見越しまして、しかも、われわれ自体のストックがないということを見越しまして、値のいいところへ船を回してしまって売り込んでしまう、こういうやり方でございます。
 原木の、商社の通関経費と輸入手数料というものがございますが、これがごく安い材料でもって一石当たり大体五百円。一般材のうちのごく高い材料と申しますと、たとえばラワン合板の表面材に使うラワンの良質のものでございます。これあたりで約千円近い手数料を取ったわけでございますが、ことしの春あたりからは、安いもので二千円、高いもので三千円ほどの取り扱い経費をいきなり上げてきたということでございます。それで、高いではないかということを言いますと、現地が高いからと、こういうお話なんでございますが、この現地の高いというのは、一部には、いわゆる中小の商社の方々が現地に出かけていって、無理に造材能力以上のものをかき集めてくる、そのために高い値が出てしまうということでございます。先ほどのラワンと同じような状態でございます。そういう高値が出ますと、大商社の方々はその相場を理由にいたしまして、現地相場が高いからと、こうおっしゃるわけでございます。
 われわれとしましては、冒頭に申し上げましたとおり非常に零細な業者の集まりでございまして、資金のストックがないわけでございます。みすみす高くなるということがわかっていながら、買い置くということができませんで、やむを得ず、その日その日高いものを言うままに渡されておるというわけでございます。当然、原木のままわれわれが使うわけではございませんで、それには中間の問屋さん、たとえば家具用材なら家具用材向きに分類された木材を扱う問屋さん、あるいは家具用材向きに製材する製材屋さんがございますのですが、こういう方々も、原木の価格が高いから高く売らざるを得ないのだということでございます。そういう方々は非常にしあわせなんでございますが、われわれのように比較的、直接消費者の方々に近い業種といたしましては、お客さまの声がじかに響いてくるわけでございます。仕入れ費が高いからといって、すぐそのまま高い販売価格では売れないということで非常に悩みがあるわけでございます。
 ちなみに、これは先生方もよく御存じだろうと思うのでございますが、たとえば商社の方々の先ほどのニューギニアの例、これはよく各地で起こる例でございますが、アメリカあるいはヨーロッパあたりの原木を扱っておる業者はどういうことをいたすかといいますと、たとえば一つの島なら島というものを開発いたすと、この島に対してたとえば十年なら十年の開発予定というものを立てまして、それに伴う機材を投入するわけでございます。それで林道の準備からそれに匹敵する港の準備まで全部いたしまして、伐採を始める。で、コンスタントに木材が入り、木材価格自体を移動しないというかっこうになっておるわけでございます。
 ところが、日本の商社の方々は、そういう長期的なお考えを持たずに、その場その場でもって勝負するということでございます。そのために、先ほどのニューギニアの例のように、必要以上に、合板もそうでございますが、国外から高いものを買い付けなければならない。それをわれわれの業界を通じましてお客様にその高いものを押しつけるという結果になるのじゃなかろうかと思いまして、どうも計画性がないというふうに感じます。
 まず、われわれ家具をつくっていますのは、外材ばかりじゃありませんで、国内材もございます。約四割強の国内材も使っております。これに対しまして林産課のほうにお願いいたしまして、非常にそういうような状況が見えますもので、昨年のうちに造材計画ということをお願いしたわけなんでございますが、それはなかなかできないということでございます。これはいわゆる環境保全の関係もあり、木材の伐採量は年々減るばかりである。しかも家具に使いますのは広葉樹でございますので、広葉樹自体が生長速度が非常におそいものでございまして、二百年、三百年という年数をかけませんと国内材は使えません。南洋材は五十年ないし六十年でりっぱに使えますが、国内材は二百年、三百年という年数がかかるわけでございます。でございますので、植林ができないということで、年々山が深くなる、ために供給力は落ちるということでございます。なるたけ払い下げ価格を上げないようにするけれどもと、こういうことをおっしゃるのでございますが、現実には払い下げ量が減るために、その国内材を製材しあるいは流通して生活されている方々は、取り扱い数量が減れば当然その減ったものに対しまして、常時必要とする経費というものをかけていかざるを得ないので、割り高になるわけでございます。それに加えまして、いわゆる建築材関係が非常に暴騰しているんだから、おれたちも少しもうけようじゃないか。ある県などは、県ぐるみそろいまして製材業者、問屋さんたちが集まりまして、幾ら以下には売らないようにしょうや、そういうような価格調整をした、申し合せをやったという例も聞いております。しかもその際に、ある程度やはり出庫の調整をやるようでございます。そのために、われわれの業界の中ではあわてまして買い付けにかけずり回っているというような状態でございまして、製材業者あるいは木材問屋さんが、国内のでございますね――
#6
○山中委員長 辻さん、時間が過ぎていますから、一応まとめていただいて、あと質疑でまた補充してください。
#7
○辻参考人 きめた価格以上の値段でもって買い付けておるような状態でございます。
 こういうような状態を、ひとつ先生方のいろいろなお知恵をおかりしまして、窮状を打開できるような道が開ければと、こう考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
#8
○山中委員長 次に、寺田参考人。
#9
○寺田参考人 御紹介いただきました私は、日本綿スフ織物工業連合会の会長寺田忠次でございます。
 綿スフ織布業の振興に関しましては、平素格別な御高配を賜わっておりまして、まことにありがとうございます。
 さて、きょうは、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規制措置に関する法律案について意見を述べよ、かように申されたことでございますので、まず、綿スフ工連の傘下の中小零細織布業者の経営の実態を御説明申し上げて、これらの中小零細業者の立場から意見を申し上げたい、かように存じます。
 綿スフの織物業は一全国に約一万七千軒の業者が散在しております。従業員数は十一万五千人、織機の台数は三十四万五千余台でございまして、年間約五十億平方メートルの綿織物あるいはスフ織物、合成繊維織物を生産しているわけであります。これを一企業当たりの平均規模で申し上げますと、従業員は六・八人、織機台数は二十台になります。このうちには家族労働が平均二人くらい含まれておりますので、こういったたいへん小さい、零細な企業でございます。
 そうして、その商売のやり方は、私どもよりはるかに、大企業であります紡績会社あるいは化繊会社、商社、問屋等からの注文によりましての下請生産方式が大部分でございます。しかしながら、その下請取引の方法には、大きく分けまして二通りございます。その一つは、原材料を支給される下請方式でありまして、大体六割でございます。もう一つの方法は、仮りの売買方式によりまして原材料を仮りの価額で仕切りまして、製品はこれに加工賃を加えた価額で仕切る方法でありまして、約三割七、八分はこの方法でやっております。そのいずれもが危険の負担はしておりません。残りのごく一部に、完全に自主的に原料を買い、あるいは製品を売るものもあります。
 ただいま申し上げましたような取引の機構になっておりますが、私どもが生産した大部分の製品は、直ちに委託先あるいは契約先に納入されますので、私どもの業界の段階で製品が滞留するということは、まずほとんどありません。また、零細企業が大部分でありますので、売惜しみをしたり、あるいはそういったようなことはいたしませんで、しかも経済能力もないというのが実情でございます。
 したがって、私ども織布業者がこの法律によって規制の対象となるというようなことは、ほとんど考えられません。しかしながら、織布業の原料である綿糸あるいはスフ糸、合繊糸等につきまして、買占めや売惜しみ等が行なわれますと、私どもは重大な被害を受けることになります。
 さきにも申し上げましたように、そういった取引あるいは機構であります関係上、私どもの関心事は賃織りの工賃でありまして、製品代と糸代の差額、すなわち付加価値のみでございます。賃織り工賃は糸値と製品価格とによって決定されるものでありまして、糸の買占めあるいは売惜しみが行なわれますと、糸高あるいは製品安というような結果を生じまして、賃織り工賃を大幅に下落させざるを得ないようなことになっております。
 また、このようにして暴騰した相場は必ず暴落を招くことになりまして、投機家には、上がっても下がってももうかるというようなことがありましょうが、私どもの中小企業者は、相場の急激な友化による悪いほうの影響はすぐに受けまして、工賃や売り値の引き下げを要求されるばかりでなく、万一これによって取引先の経営が破綻するようなことがあった場合にはたいへんなことになります。そのような意味合いから、今年の六月あるいは七、八月ごろにはあるいはこの危機が来るのではないかと、いまから心配をしているわけであります。
 何といたしましても、私ども中小織布業者が常に望むことは糸値、製品値の合理的な安定でございますので、投機筋の介入を排除して、安心して事業ができ得るようにしていただきたい、かように考えるわけであります。
 さて、問題の法案につきまして考えを申し上げます。
 わが国は自由主義経済でありますので、このような法律をつくらずに、経済の自律調整作用によって諸物資の価格がほとんど変動のないように、また変動するにしても小幅な変動にとどまるようにすることが好ましいと考えます。しかしながら現在は全く気違いじみた大変動であります。したがって、このような法律を制定して、行き過ぎた経済活動を規制することはやむを得ない、かように考えるわけであります。
 しかしながら、本法の効果にはおのずから限度があると考えます。今回の綿糸相場の高騰につきましても、本年一月以降急速に上昇を始めまして、二月、三月と見る見るうちに八〇%近くも上昇したのでありますが、すでに最近では大暴落をしまして、一ポンド三百九十円近くまで上昇しましたものが百円も下落しまして、私は機屋を始めましてから五十年以上になりますが、こんなばかげた相場は全く経験したことがございません。
 このように短期間に大幅に変動する相場の波に法律の規制でもって対処することで間に合うかどうかということが問題だと思います。それは、この法律に基づいてお役所で調査し、勧告し、売渡命令を出したりしている間に情勢が一変してしまうといったことも考えられるからであります。したがって、このような問題に対しては、常に財政、金融政策によって事前に的確に対処しまして、このような事態の発生を未然に防止するというようなことが何より大切であります。不幸にして、もし、今回のような事態が発生するような気配が感ぜられましたならば、それこそ間髪を入れずに行政当局は、勇気をもって取引所の規制、適切な処置等を、簡単にして、しかも的確に効果をあげ得るような対策をとっていただくべきではないだろうか、かように考えるわけであります。
 以上、簡単でございますが、中小織布業者を代表いたしまして、意見を申し上げました。
 本日は、このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
#10
○山中委員長 次に、三橋参考人。
#11
○三橋参考人 私は、紳士服の全国連合会の理事長をしております三橋でございます。
 私どもの業界の概略を申し上げますと、東京、大阪、岐阜、名古屋、京都、石川、新潟、岡山に、全部で五百三十社ございます。その営業規模は、十億以上の企業は大体全体の五%くらいです。一番大多数を占めるものは二億から三億というようなところが多うございます。
 なお、紳士服の生産の工程でございますが、ことしの冬物を例にとりますと、機屋さんが、大体去年の八月、九月ごろから糸手当てをいたします。そして柄出しをしまして、私どもの業界が、商社あるいは元売り、卸売業者を通じて十月の末から大体十二月に、あるいは一月に一部入りますが、色柄の契約あるいは反数の契約をいたしまして、私どもがそれを、大体三月から五月ないし一部六月、七月になるのもございますが、大体この間に引取りまして生産に入るわけであります。
 なお、最近、羊毛が非常に高騰しておりますので、各週刊誌とかあるいは新聞社等のなにを見ますと、羊毛が上がって毛糸が上がったからこうだと簡単に申されておりますが、現在の紳士服、せびろを例にとりますと、生地が製品価格に占める割合は約三分の一でございます。その他、工賃と付属でございます。ただ単に紳士服と申しましても、付属の中には十七、八種類のものが必要でございます。その中で、特に最近、糸の値上がりからくるおもな表地の原料よりも、むしろ付属に使う綿のスレキとか、あるいはこまかいものではボタン等が非常に値上がりして、綿のスレキなんか、八十円から九十円ぐらいしているものが二百何十円になり、ボタン一個が二円ぐらいのものが八円ぐらいになりというようなことで、特にこういうふうな環境になりますと、縫い糸のようなものは付加価値が非常に低いものですから、紡績さんにしても、また専業者にしても、なるべく付加価値の高いものにということで、糸が六十円ぐらいのものが倍以上になってしまって、いまマスコミで騒がれている私どもの現状は、毛糸の高騰による表地の値上がりよりもむしろ付属の値上がり、同時に工賃の値上がりのほうが、大きく頭を痛めておるわけでございます。
 御参考までに、最近十年くらいの原毛あるいは毛糸の価格の状況を申し上げますと、大体朝鮮動乱当時の二十五年には、一時七百三十一セントという異常な高値を示しておりましたのですが、停戦とともに、昭和二十六年から三十二年には、大体三百セント台を維持しておりました。三十三年から四十三年には二百セント台で推移し、しかも四十四年から百セント台に突入して、四十六年十月には、百二十九セントという未曾有の安値を出したわけでございます。この間、毛糸は、二十七年から二十九年に、一時三千五百五十六円といった超高値もございましたのですが、三十年から三十二年は下がって、二千六百円から二千八百円、そして三十三年には暴落して、四十一年まで大体千五百円から千九百円台を往来しておりまして、四十六年十月には八百三十円という超安値になったわけでございますが、昨年の後半、八、九月ごろから徐々にこれが上がりまして、千六百円ぐらいから千九百円、そしてことしの春になりまして、一時毛糸の取引所の停止とかいろいろございましたのですが、たしか三千百七十円で定期市場が閉鎖されたわけでございます。その間、一時取引所がないために、まあ市中では、一種の自由取引が三千五、六百円までいったというふうに記憶しております。
 現在取引所が再開されまして、きのうは二千二百円ですか、しかし、原毛がこういうふうに乱調子になった原因は、やはり原毛の主要国である豪州の放牧業者が、非常に引き合わないので他の食肉に転向するとか、また昨年は特に干ばつ等で非常に羊毛のできが、とれが悪いといいますか、そういうことも手伝ってこういうような結果になったのだと思いますが、私ども紳士服の業界としては、やはり相場か安定するということか――先ほど申し上げましたように、非常に早く発注をして長い期間生産備蓄にかかるものですから、昨今のような相場の上下がありますと非常に混乱、迷惑を来たすわけでございます。
 なお、羊毛あるいは毛糸が非常な高値を示しておりますので、非常に洋服が上がるとかあるいは便乗値上げだとかいうような声を聞くのですが、私自身考えますと、繊維の中でいま、前売り筋、小売りの段階で、消費者の段階で一番値上がりをしてないのが私は洋服じゃないか、こう思うわけでございます。ということは、先ほど申し上げましたように、非常にファッション性が強いために、原料を買いだめするとかあるいはまた売惜しみするということができない商品でございますし、同時に、先ほど申し上げましたように非常に零細、小規模の業者が多いために、資金的にもそういうことは不可能な状態でございます。
 しかし、私ども業界といたしましては、物が上がったんだら高く売ればいいんだというようなことは毛頭思っておりません。今度の毛糸相場の投機からくる価格のアップにつきましても、全国の紳士服の小売業界の幹部の方々と数回会合を重ねまして、三月五日に、とかく乱れがちな私どもの取引の正常化あるいは合理化をはかって、極力これが価格アップを合理化、省略化によって吸収していくことが一番好ましいのじゃないかということで、小売りの幹部の方々とも話し合いを何べんも重ねまして、全国の専門店に対して取引の合理化あるいは正常化を文書をもって要請して、極力最終消費者価格へのはね返りを押えていくような考えで、前売りの業界とも懇談を重ねておるわけでございます。
 なお、その他資料もございますが、後ほど御質問のおりにお答えさせていただきたいと思います。
#12
○山中委員長 次に、福田参考人。
#13
○福田参考人 私は、全国消費者団体連絡会代表幹事の福田繁でございます。
 婦人団体、生活協同組合など全国の二十団体が加盟しております全国消費者団体連絡会を代表して、今回の生活関連物資の買占め及び売惜しみ等に関連した法案について、消費者の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。
 ここのところ、消費者は、一体世の中はどうなっているのだろうというように実感として感じております。消団連加盟団体であります日本生活協同組合連合会の婦人部が全国的に集計いたしております家計簿の資料によりますと、この一月で、毎日一人の家族が食べている食費はわずかに二百三十七円になっております。これは一年前の同じ月、一月とほとんど同額でございます。
 この調査は、主人の年齢が四十歳前後、子供が二人、したがって一人は高校生など一定の教育費も要るという条件を設定いたして、こういう家計調査を行なっております。収入総額は十五万八千何がしで、その中で食費に支出できる金額はわずかに三万円余りでございます。それを一人一日で割ってまいりますと、先ほど申し上げましたような二百三十七円という数字になるのでございます。
 もっとも、日本の生活の中で、お正月ということで、十二月には多少お正月用品を買っているということから、一月の食費は、毎年の統計でも一人当たりで十五円、二十円程度安く統計上は出ているということはございます。ただ、私がここで申し上げたいことは、収入が名目的にはふえているにもかかわらず、食費に支出できる金額が全くふえていないということでございます。このことは、食費には回せないんだ、家計の足らないところを食べ惜しみというか、食べることを詰めて家計のやりくりをせざるを得ないんだという実態をこの数字は示しているということでございます。
 同じ傘下にございます横浜生活協同組合の二百人の家計簿統計でまいりますと、一月で、前の年に比べまして食費の高騰は、ほとんど生活協同組合を利用している者で八・九%高くなっております。そのうちで魚介類は一五・一%、肉類は一四・三%、野菜は実に三二%というふうに、物価は高くなっております。さらに二月でいきましても、ほぼ同様に、魚介類で一三・二%、肉類で四・五%、野菜類では三二・四%と、こういうように高くなっております。
 そういう消費物資の高騰にもかかわらず、実際に支出できる金額は、食費ではほとんど同じだということは、栄養水準が、実は一年前と比べてみて下がらざるを得ない実態になっているんだ。主人の収入が十万円をこえておれば、そこそこで何とか生活できているのではないかと先生方はお考えになるかもわかりませんけれども、毎日毎日家計をやりくりしている者の実態は、このように非常に深刻な、現代的なゆがめられた状況になっているということを、まず冒頭に申し上げたいのでございます。
 そういう毎日のやりくりの中において、これだけ何から何まで生活物資が上がってきたのでは一体どうなるんだということが、消費者の偽らない実感なのでございます。買占め、投機商品によって日常の消費物資で上がっているもののうち一部調査したものを、消費者が購入する価格の問題で一、二御報告をさせていただきます。
 ごく最近ですと、繊維品で申し上げますと、さらし、ガーゼ、白綿布、ブロード、クレープはだ着、メリヤスパジャマなどは品不足ということで、生活協同組合が問屋さんなどに仕入れに行きましても売ってもらえません。そういう状況がございました。価格暴騰で、たとえばさらしでは、ことしの春三百八十円であったものが現在では六百八十円、さらには千円という話も出てきているという現状でございます。主婦が台所で毎日使っておりますかっぽう着は、ことしの春同じく三百八十円であったものが六百円。メリヤスはだ着のキャロンで平均約四〇%の値上げになっております。また、アクリルの毛布で小売り段階で千五百円、二千五百円のもございますが、そういったものが小売りで千円値上がりしておる、卸で五百円値上がりになっている、こういうような状況でございます。特に、最近ほしい品物が仕入れられない、流れてこないというのが、消費者として一番困っております。
 品物がないということで出てくる次の問題は、価格の暴騰でございます。東京にございます下馬の生活協同組合の中で、さらに三月――先ほどは一月の家計簿を申し上げましたが、三月の個別品目の調査で少し申し上げてみますと、繊維関係で、絹糸が、七十円であったものが百二十円に、呉服白羽二重が、四千円であったものが六千六百円に、長じゅばんの仕立て代は三千五百円から四千三百円に、食品関係では、牛肉のひき肉百グラム百十円が百三十円、あるいはプレスハム、八十五円が百十五円、数え上げていきますと――時間の関係上一々御報告できませんが、とにかく、いま申し上げますように、その他サケでもアズキでも砂糖でも、あるいは雑貨関係ではヘアトニックであるとか固型石けんであるとか、こういうものも大体二十円、三十円と値上がりをしてきております。二十円、三十円はたいしたことはないと思われるかもわかりませんが、率からいえばまことに高率で、毎日買って消費しておる主婦のふところ勘定からいけば、たいへんに響いてくるものでございます。
 最近、この委員会に大商社の社長の方もいらっしゃったというように新聞で伺っておりますけれども、お米につきましてもたいへん上がってきております。特にモチ米につきましては、納入価格、昨年の十一月六日に三百八十円であったものが、十一月の中旬には四百三十円になり、二月一日では四百六十円、二月二十四日では五百四十円というふうになっております。また、消費者に供給される――私どもは供給と言っておりますが、いわば小売価格でございます。それは、四百四十円のものが二月末現在では六百円にというふうに上げざるを得ない。そういう意味では、元値が上がってくるから小売価格も上げざるを得ない。しかし、それほど高く上げられないから利幅は小さくなる。つまり生協の経営は苦しくなって、消費者は、三百八十円から六百円になる、昨年の十一月が三百八十円、ことしの二月では小売価格は六百円、こういうふうに高くなっているのでございます。
 話が前後しますが、繊維関係で参りましても、仕入れが全部高くなっておりますが、特に、たとえばグンゼのはだ着は三割程度高くなっておるというようなことでございまして、ここで少し触れておきますと、グンゼは一〇%程度の全国的なシェアだと承っておりますが、零細業者が多い中においてそういうところの持つ比重が全国の価格に与える影響は非常に大きいものだというふうに、私どもは感じております。そしてまた事実、もしも安売りをいたしますと直ちに荷どめがあるというようなことで、やみ再販が現実に行なわれているというような状況で、このはだ着価格がずっとその価格で押し上げられていくというような効果を持っているのじゃないかというふうに思っているのでございます。
 そういうふうに、生活を取り巻く小売りの問題で非常に上がってきているということで、私どもはほんとうに困って、いろいろと調べもしたり、またお話も承ってまいりました。その中で特に幾つかの点を取り上げて、私どもが非常に不審に思う点について、さらに申し上げてみたいと思います。
 まず、大豆でございます。これは先生方のほうがむしろ十分御承知おきいただいておることかと思いますが、生活協同組合等消費者団体では、大豆といえばおとうふ、みそ、しょうゆ、食用油、日常の食生活の基礎物資をなすものが、大豆に関連して価格は全部影響してまいります。
 なぜ大豆がこういうふうに上がるのかということを、つまりみそも高くなる、しょうゆも高くなる、たまらないということで、資料など調べてみますと、昨年、四十七年四月で、中国の大豆の仲間相場が一トン当たり五万二千円であった。これが十一月、十二月段階で約七万円になった。ところが、ことしに入りましてウナギ登りにのぼってまいりまして、一月十六日では九万一千円、一月末では実に二十五万五百円、昨年の四月に比べますと五倍の価格になっております。このあたりから、新聞でもテレビでも消費者の間でも、なぜ大豆が暴騰をしているんだという声が高くなってまいります。そういった状況の中で三月以降徐々に値段が下がってまいりまして、三月では十三万円、十一万円、四月に入りまして、四月三日では底値で七万八千百五十六円という値段に下がっております。ところが、さらに四月中旬以降現在では八万四千円前後ということで、昨年四月に比べますと大体六〇%高というような状況になっていると思います。
 中国大豆は二十五万トンだということでございますが、アメリカの大豆につきましてもやはり同様なことが言えるわけでございまして、通関実績等を見てまいりましても、日本国内で消費している大豆の需要量を十分まかなうに足るだけの大豆は実績上は出ている。その大豆がないというような状態が出てきて価格が暴騰する。アメリカの大豆におきましても、昨年の一−三月で三万九千九百円から四万二千五百六十円、四月−六月で四万五千二百二十円から四万七千八百八十円ということで、後半価格が多少つり上がっているわけですが、こういった大豆等はほとんど大手の商社が輸入している。そして、こういう点でいえば、商社みずからが外国で買いあさって高値をつくり出してきているということも、私どもとしては感ぜざるを得ないというような状況でございます。
 そういう意味で、大豆をとってみましても、なぜ上がったのかということについては私ども消費者としてはわからない、いままでの実績からいってみてもわからないというふうに感じております。
 先ほども木材関係の参考人の方の御意見がございましたが、木材につきましても、調べてまいりますと、これまた、わからないというような実感でございます。時間がございませんので、こまかくは省かしていただきたいと思いますが、木材の原木丸太の一立米当たりの昨年一月の価格一万五千円程度のものが、ことし一月になってまいりますと二万円、二万一千円というふうに上がってきております。確かに上がってはおりますが、それに比べますと国内卸売価格の上がり方は、十月、十一月、十二月ととってまいりますと、十月で一・三九倍に上がっており、十一月では一・四倍に上がって五万五千円。こういうふうに輸入価格と国内での価格というものが異常な形で違ってきている。こういう点、私どもとしてはなぜそうなるのかと思わざるを得ないような状況でございます。
 さらに、最近特に問題になっております繊維の関係で綿糸、羊毛等をちょっと申し上げてみたいのでございますが、羊毛につきましても、輸入価格を調べてまいりますと、昨年の一月現在で、一キログラム当たりオーストラリアの一ドル五十一セント、こういう価格が、昨年の十月では三ドル五十二セント、一月と比べますと二・三三倍、さらにはことしに入ってまいりますと、ことしの三月では四ドル九十セント、三月十五日では五ドル八十五セント、実に三・八七倍というような価格になっております。
 こういった原毛等につきましても、商社が買い占め、在庫をふやしている一方で、原毛、羊毛不足を宣伝して価格をつり上げている、こういうことを私どもはこういう数字からも考えるわけでございます。輸入は四十七年度におきまして、通常の年と比べまして二一・七%多く輸入されており、消費は七%しか伸びていない。で、商社では在庫は三倍にも多くなっているというふうに資料ではうかがっているわけでございます。そういう点を考えてみますと、最近言われているように、繊維につきましても在庫がなくなって上がっているのではないかということについては、通産省で御発表の資料等からしても、決して羊毛、綿糸はないのではないというふうに私どもは考えているのでございます。
 申し上げたいことはたくさんございますが、飛ばしまして、あと灯油とお魚のことについてちょっと申し上げておきたいと思います。
 灯油につきましては、実は三月になりまして北海道、東北、関東地区で、灯油不足が非常に深刻になりました。雪が三月にも降った中で、特に東北地区では、一升びんで灯油を分け合って自分のところの燃料に使うというような深刻な状況が続きました。そういった中で東北、北海道、関東各地区の消費者が集まりまして、緊急の灯油獲得の決起集会を持つというようなことも起こりました。
 その中で、山形の鶴岡地区の人々の代表が集まって、そこはたまたま出光の灯油を使っていたわけですけれども、本社で交渉を持ちました。それで、取締役の方がそれに会われていろいろ事情を聞かれ、すぐ仙台の支店長あるいはそういうところに連絡をとられました。そしてその場で、出光の塩釜にあるタンクからタンクローリーで鶴岡に油を運ぶということを、その役員の方は決定されたわけです。そのタンクローリーは、塩釜を午後二時に出発する。そうしましたら、鶴岡地区で十日間以上配給されなかった灯油が、三時前には現地で渡されている。つまり鶴岡地区には灯油はあったのだというようなことも、この三月の時点で実際に起こっているわけです。
 そういうような点から、出光の重役の方が、迷惑をかけないように、これに積極的に対応するということで御措置願った点は感謝をしているわけでございますが、しかし、同時にまた、これは一体どうなっているんだというような気持ちを消費者としては強く持たざるを得なかったということでございます。
 また、ニシン、カズノコ等におきましても、これは日本の場合においては全く輸入にたよっているわけですけれども、最近、海外で商社の買いあさりが続いていて、特にカズノコに至りましては、現地での価格が昨年の比べて二倍くらいに上がってきている。
 こういう点では、金を持ち、買い占める力を持ち、また売るコントロールのできる力を持っているところがこういう問題について人為的に操作をしているんだということを、私どもは幾つかの事例から、具体的な数字、具体的なあたった実感から、消費者としては申し上げざるを得ないということを強く感ずるものでございます。そういうふうに人為的に、意図的に、特定の企業の利益のために国民生活を顧みられないような政策がもし続くとするならば、私どもはもはやじっとはしておれない。黙ってはおれない。何としても立ち上がって、そのことを大きく世論にして解決を求めていかなければならないということが、全国消費者の切実な共通の声になっているということを、特に先生方に申し上げたいのでございます。
 そういう点を考えてまいりますと、やはりそういう力があるところに特定な、過大な資金融資がされる、貸し付けがなされるといったような問題。単純に、品物があるとかないとかいうことだけでは、この商品投機の問題については済まされないのではないか。そういうところを買い占めるだけの金をだれが融資したのか、またなぜ融資するのか、そういう点についても私どもとしては感ぜざるを得ない。住む家がない。家賃は高い。少し借りることができるならば自分の持ち家にすることができる。しかし貸してくれる人がない。だから高い私営のアパートに入って住まわざるを得ないというのが、多くの一般の消費者の実情でございます。そういう中で特定な企業が土地を買い占められるということの中で、今度発表された政府の公示価格でも、実に一年前に比べて三〇%にものぼるような暴騰になっている。こういう点を考えてみますと、どうしても私ども消費者としては、こういう国の経済政策、国の財政政策というものと深くからみ合わせながらこの問題に御解決を願うように、特に先生方にお願いを申さなくてはならないというふうに考えているものでございます。
 こういうふうにした金をもってふんだんに買い気をあおり、品物をストックし、売惜しみし、そしてまた買い占める。こういうことが土地にいき、木材にいき、あるいは有価証券、株式にいき、さらに大豆にいき、綿にいき、生糸にいき、こういうように次々と関連消費物資にその資金が移ったたびごとに、値段は暴騰してきているのではないだろうか。その証拠には、あれだけ暴騰した大豆が、新聞テレビ等で問題にされ、世論がわき起こってくると、とたんに二十五万円という相場が、現実的にはそれはずっと下がってきているではないか。大豆の在庫については変わっていないはずだ、通関実績から調べてみると。そういう点から見ると、やはりどうしても国民が目をしっかりと見開いて、消費者がほんとうにそういう当然な自衛の声を大きくしていくことがいかに重要であるかということを、強く感ずるものでございます。
 そういう点で、大豆を放出するとかあるいは肉を放出するとかいったような措置が政府で一部なされているわけでございますが、消団連に加盟しております生活協同組合では、消費者団体として、こういった諸物資について適正な価格で消費者にそれを分配して、不当な価格にならないような形で力になりたいということを望んで、特に政府に対しまして、牛肉等につきまして割り当てを、消費者団体である生活共同組合にもぜひしてほしいということを、いままでも繰り返しお願いをしてきているのでございますけれども、こういったことはいまだに、実績であるとかいったようなそれぞれのルールが――私どもよく存じませんが、ルールがあるようでございまして、そういうことがかなわない。いまだに実現でき得ていないという点を非常に残念に思い、また、ぜひこういった問題についても、具体的な問題として御考慮願いたいと思っているのでございます。
 何といっても三菱、三井、丸紅、伊藤忠、住友、日商岩井、こういったような大手商社というものが、いま問題になっているような羊毛であるとか、大豆であるとか、木材であるとか、そういったものの輸入についてはほとんど過半数のシェアを占めている。そういう実態についても、やはりいまのような買占め、売惜しみ、そしてまたつり上げというような一連の事態が起こる問題について、はたしてこのままでいいのかということを、消費者として、生活の実感を通して強く感ぜざるを得ないのでございます。
 そういう時期に、今回、生活関連物資の買占め及び売惜しみに関連して、政府から、また先生方のほうから、法案が出されたことにつきまして、私どもは非常な期待をいたしております。ぜひこういう措置が積極的になされて、消費者の生活の切実な願いに少しでもこたえるように実績をあげていただきたいということを強くお願いをするものでございます。
 しかし、考えてみますと、消費者保護基本法が先生方のお骨折りで制定されまして、この五月三十日でちょうど満五年を迎えるかと思います。消費者保護基本法が制定されてどういう実績があったんだろうかということを振り返ってみますときに、ほんとうに条文的には、私どもがお願いしたいことがそこで規定されておりますけれども、実際的には、こういう生活関連物資の暴騰ばかりが続いているのではないか。こういう点でほんとうに有効な、法案だけ、紙の上だけではなくて、私どもの生きた生活の中で効果のある措置が、裏づけのあるものにぜひしていただきたいというふうに、心からお願いをする次第でございます。そういう意味ではやはりいつでも実態について、緊急というだけでないと私ども思います。実態的にはいつもそういうことは続いているのだ。そういう実態について実情が調査できる権限が、やはり国会を含めてしかるべき場所に必要なのではないか。いつでもそういう措置ができるといったようなこと、あるいは売渡命令であるとか、具体的に物価を下げていくための効果のある措置になるような法案に、ぜひそういう点は消費者の立場から、先生方の英知を尽くしてそういう点をしていただきたい。
 さらに、こういった審議、運営等につきまして、しろうとの集団ではございますけれども、毎日生活している者の実感なり消費者の切実ななまの声が、ほんとうにそういう運営なり、実際の行政の中にも反映でき得るように、消費者代表というものが、少なくとも実質的な真の消費者代表がそこに加わって発言ができ、運営に参加ができるというような措置を、法案の中においてもぜひ実現をしていただきたいということをお願い申し上げまして、消費者代表としての意見を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#14
○山中委員長 これにて参考人からの御意見の開陳は終わりました
    ―――――――――――――
#15
○山中委員長 質疑申し出がありますので、順次これを許します。近藤鉄雄君。
#16
○近藤委員 ただいま、各参考人からもいろいろお話があったわけでありますけれども、最近の物価高騰が国民生活に対して非常な影響を与えておりますし、また、御説明の中にもございましたように、実際生産に関係をしていらっしゃる皆さんに非常な御迷惑をおかけした、こういうことでございます。私たち、微力ではございますが、日本の政治政策の一部に参画をしている者といたしまして、このような異常事態を招来したことに対しまして心から残念に思い、また私たちの力の足りなかったことをおわびしなければならない、かように思っているわけであります。そういう考え方から、何としてもこの物価高というものに対してメスを加えて、今後もこういったようなことがないように、できるだけ、の措置を講じたいというのが、このたび、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案を内閣が提出した理由でございますし、一日も早くこの法案の成立に私たち努力をいたしたい、かように考えているわけでございます。
 そのような考え方から本日皆さんの御意見を承りまして、非常に私たち勉強したわけでございますが、しかし、同時にまた、いろいろ複雑な物価問題に対してわからない点が若干ございますので、ひとつこの機会に参考人の方々から、さらに突っ込んだ御説明を承ってまいりたい、かように考える次第であります。そこで、先日もこの委員会で、大手商社の代表の方々に来ていただきまして、いろいろ御質問をしたわけでございますが、私たちが、いわゆる今回の物価高騰の非常に大きな理由が大手商社の買占めであったと、かように考えますような質問をいたしました。本日、参考人の皆さんの御意見の中にもそういう趣旨の話があったわけでありますけれども、大手商社の代表の方の御説明では、自分たちは、例外はあるかもしれませんが、原則としては買占めはしていないのである。自分たちは商人だから、右から左にただ物を運んでいくだけなんだ。確かに運んでくればそれだけマージンをもらいます。しかもその運んでくる量がふえれば、当然マージンも全体としてふえてくるわけです。ですから、そういう形で利益を得たことは否定されない。しかし、利益を得たのは決して買占めから来た利益ではない、こういうことをおっしゃっておるわけであります。
 私は、これは大手の方々の代表の御説明でありますから、そうですかということで、全部が全部納得できるわけではございませんが、しかし、あえて私はこの際、皆さんに承っておきたいわけでありますが、買占めということが行なわれたのは大手商社であったかもしれませんが、しかし、その大手だけじゃなしに、いわゆる中小段階、たとえば羊毛を持ってまいってそれを糸にする紡績会社なり、今度は糸をさらに末端の織物業者に配給をしてまいりますところの中間段階の糸の卸屋さんなり問屋さんなり、そして最後には、実際その糸を使って綿布なりまたメリヤスなり絹織物なりを生産しているそういう生産者、生産工場から末端に参りまして非常に無数、しかも必ずしも大きな工場じゃない、むしろ零細中小で非常に苦労していらっしゃる方々が多いわけでありますが、そういう方々のところにも、ある程度買占めといいますか、私は決してこれは悪意で買占めをしたんじゃないと思うのですが、一般に原料の糸が高くなってまいるというようなうわさから、いま買っておかないと将来お客さんの注文があっても応じられないぞ、そういう、言ってみれば非常に善意で、自己防衛的に、できるだけ早い機会に必要な原料の糸を手当てしなければならないじゃないか、そういった気持ちで、流通関係から生産の関係の段階でそれぞれ相当、買占めというとことばがきついのですが、在庫投資の増大が見られたんではないか。それが集まって、国民経済全体として考えますと、あえて買占めと言ってもいいと思いますが、いわゆる買占めになり、しかも、いわゆる在庫投資の増大になったのではないか。これも、福田参考人のお話もあったわけですが、気がついてみたら相当に入っておった。それは、日ごろ、そういう流通から生産段階の各段階においてちょっとずつふくれ上がっていきますと、それが国民経済全体として相当大きな量に結果としてなったのではないかと思える節もありますので、たとえば家具工業界の場合に、また綿スフ織物工業界の場合に、また紳士服工業界の場合に――まあ、紳士服の場合には、これは流行のものだからそんな買占めはしなかったのですというお話もございますが、わずかの買占めでも集まれば相当な量になると私は思いますので、その点について、各参考人から実情を承ってまいりたいと思います。
#17
○辻参考人 お答え申し上げます。
 各流通段階自体にストックがふえたんであろうという先生の御質問でございますが、それはまさにそのとおりでございます。
 私が冒頭に申し上げましたように、これは需要予測の失敗であるということを申し上げましたが、一昨年暮れから昨年の春にかけまして、木材を扱っております業界自体は、いわゆる急激な木材需要の上昇ということを予想しておりませんで、手持ち在庫自体を極力減らしておりました。日ごろの商売に差しつかえないという程度まで在庫を減らしておりました。これは原木問屋、製材屋さん、それからメーカーももちろんそうでございますが、仕事に差しつかえないという程度まで在庫を減らしたことは事実でございます。
 それが、需要が急上昇したということでございまして、それにこたえるためにやはりある程度の手持ちを持たなければならぬ。それに加えまして、価格自体がどんどん暴騰を始めたということでございまして、かりにわれわれメーカーで申しますと、合板類を一つ例にとってみますと、大体一週間分ぐらいの在庫を持つのが通常でございました。それが、メーカー段階で約一カ月近い在庫、これは無理な金融をつけておりますが、在庫を持っているということ自体も事実でございます。それから、製材屋さんあるいは原木問屋さんの段階におきましても、それぞれその在庫を持っておりまして、東京あたりの原木問屋さんでございますと、いわゆる港の貯木場に入り切れないということがございまして、御存じのとおり、東京港でございますと、河川内のその木材の係留は禁止されております。これが現実は、全部川の中まで引き込まれておりまして、しかも、普通いかだ類と申しますのは、一かわ浮かしておくのが常識でございますが、ひどい場所になると三重ぐらいに重なっているというようなことでございます。その原木問屋さんに言わせますと、そのくらいの手当てをしておきませんと、需要自体が増しておるのだから、流通自体に差しさわりが起きるということでございます。
 そういうように、各段階にそれぞれ、膨大なということは申し上げませんが、ある程度以上の在庫ができたということは事実でございます。また、これが先生の御指摘のとおり、価格の上昇に拍車をかけたということも事実だと思います。
#18
○寺田参考人 ただいま御指摘いただいたわけでございますが、機屋におきましても、いま材木屋さんもおっしゃいましたように、自然に若干はふえているということはいえると思います。ということは、いまの織機なりそういったものの機構上、いままで仕掛けが非常に少なくて済んでおったものが、大きなパッケージになってきたということもいえますので、自然に若干ずつはふえているということになりますが、先ほど申し上げましたように、私どもは、故意にふやそうというようなものはございません。
 ただ、産元とかあるいは商社におきまして、これを急いて――とにかく機屋かだいぶ詰まってきているから、先物だけれども、ひとつ糸を渡しておかなければ織れないじゃないかというようなことを言われまして、なるべく早く織ってもらうために先渡しをしたというのもございます。
 それから、私ども聞いておりますと、これはたいへん笑うべきことなんですが、一般の人たちが、いまのムードに押されまして、ワイシャツを二枚とか三枚よけい買おうじゃないか、あるいは敷布もない、これも買っておく必要があるじゃないかというようなことで、たとえば普通のしろうとさんの奥さんたちが、そういうことはないと言っても、二、三枚ずつ買うというようなケースも起こっていたんではないか、こうも考えます。
 そういうことでございますが、私は数年前から役所へもいろいろお願いしているわけでございますが、何と申しましても、いまの取引所のあり方、これがもう非常に問題があるというふうに申しておりました。これを、先ほど申し上げましたように、何らかの制約を設けていただきたい。ただ、ほんとうにいまのあれが目的どおり、危険のヘッジのために使われるということでしたらようございますが、それによって、仕手によって何らかもうけるというようなことだけでやるということは、一番大きな問題でございまして、今度もそういったようなことが非常に大きな影響をしている、こう考えます。
#19
○三橋参考人 私どもの業界でも、若干在庫はふえておると思います。しかし、先ほど申し上げましたように、ファッション性の強い商品でございますから、そう変なものを買っても売れるものでもございませんし、若干一部、無地のようなものにそういう傾向があると思いますが、しかし、メーカーという立場から、やはり工場あるいは下請工場を持って若干の予備といいますか――先ほど申し上げましたように、昨年の十月から十一月に契約をして、三、四、五に荷物があがって、必ずしもスムーズに、昨今のような相場では入ってこないものもございます。売りしょんべんといいますか、契約はしてあったのですけれども、向こうからしょんべんされたというような、契約を破棄されたというようなこともなきにしもございませんので、若干ふえております。
 しかし、毛糸の織り糸は、糸に引きますと、大体保証ができるのは六カ月です。六カ月以上たちますと、織る場合に糸切れとか、あるいはまた虫が食っておって糸切れするとか、あるいはまた節ができるとか、いろいろありまして、八、九カ月あるいは十カ月たったら、糸は、織り糸の場合には全然使えないという、そういう関係で糸の段階でも、そう現物を思惑的に抱くというのもなかなか不可能じゃないかと思いますが、先ほど寺田さんからも申し上げたように、毛糸の場合に、やはり場違い筋の投機が大きな混乱の原因でなかったかとも思います。
 週刊誌等で御存じでしょうけれども、全然しろうとの人が何十億もうけたなんというのが出ておりましたですけれども、やはりお互いが危険のヘッジに正当に使う以外に、投機筋の介入ができないような状態にすることが好ましいんじゃないかと思うわけでございます。
#20
○近藤委員 そこで、いまのお話の中にもあったわけでありますが、私は、今度の買占めというものは、大商社もやったかもしれませんが、あらゆる段階で少しずつ買占めを、買占めということばがきついのですが、やはり自己防衛的にちょこちょこ集めておったのが集まっての品薄現象というのがあったという感じがするわけでございますが、しかし、そういったことに拍車をかけて、いまお話がありましたように、また先行して取引所における商品の投機があった、これがさらにそういった品薄現象、投機現象をあおってしまう、こういうことであります。
 そこで、実際皆さん、関係していらっしゃる方にお聞きしたいのですが、いわゆる商品取引における投機という問題について大手商社はどの程度の働きをしたか、どの程度の実際の投機をしたというふうに皆さんお考えになるかどうか。それとも、先ほどちょっと話があった、個人で何十億もうけたという話が新聞に出ておりますけれども、いわゆる仕手筋というのは、そういう個人で商売をやっている人たちなのか、それとも大手商社がそういう商品取引所において投機操作をしておるのかどうか、どなたか、御存じの方があったらお話をしていただきたいと思います。
#21
○辻参考人 事、家具に関係いたします木材というようなことに関しましては、取引所というものはございません。輸入木材というものの価格は、一切商社自身の意思に左右されるということでございます。非常に需要情報の掌握が商社は早うございまして、そういう、先ほどの需要自体の上昇というものを先取りいたしまして、一方的に価格自体をつけてくるということでございます。われわれといたしましては、先ほどお話ししたとおり、手持ち在庫が非常に薄いために、経営を継続するために言われたままの価格でもってものを買わざるを得ないという状態でございます。これが家具の業界の現在の事態の価格の動きの実態でございます。
#22
○近藤委員 取引所の投機について事実御存じの方があれば御説明していただきたいのでございますが、実はこれも私たち、この物価問題の委員会で、大手商社の方々をお招きをしてお話をお聞きしたのでございますが、投機はしておりません、こういう話であります。私は、現実にそういう大手商社によるところの商品の投機があったという事実があれば、重大なことでございますから、具体的な事実を皆さんお知りの方があれば承っておきたいと思うのでございまするので、あとでそういうことがございましたらお話をしていただきたいわけでありますが、次にいわゆる過剰流動性という問題であります。
 過剰流動性がだいぶ大手商社に回って、土地を買った、株を買った、これは事実なんでございますが、先ほどここで問題になっております、いわゆる商品を買い占めたかどうかです。私は、これについても、どうもはっきりした回答をまだ得ていない。むしろ私は、確かに過剰流動性が大手商社にいろいろな活動を許しましたけれども、しかし各流通段階で、また生産段階でそれぞれ、これも繰り返し申しますが、自己防衛上若干のそういう在庫を持たれた。私は山形の人間でございますが、山形で米沢の機屋さん、また山形山辺、あの地帯にメリヤスの工場がございますが、最近も、帰りまして、お話をしてまいったのですが、率直に言って、相当程度の糸を持っておられまして、結局、そういうことを可能にしたいわゆる金融も、これは大手商社だけに限り過剰流動性があっただけでなしに、ある程度各段階において過剰流動性というものがあったのじゃないか。そういう各段階における在庫投資というものを可能にした一般的な金融の緩慢という条件が、状態があったのではないかというふうに私は考えるわけでございますが、これについても御意見を承っておきたいと思います。
#23
○寺田参考人 どうも、商社がそういった買占めをしている事実は知りませんです。
 ただ、金融を緩慢にしたことによって、あるいは全く、何といいますか、あんまりなれておらぬような、ほんとうに名前も知れておらぬような者が、私ども聞いているのは床屋さんが買ったとかというようなことも聞いておりますけれども、綿布というのをわからぬで買った。綿布のわからぬような人が買っているようなことも聞いております。それから、綿糸も何俵も買ったというようなことも聞いておりますが、それも、事実はわかりません。いまの、やはり金融緩慢ということに起因しているということが一番多いのじゃないか、こう考えております。
#24
○福田参考人 消費者でございますけれども、消費者としても、今度ははだ着の値段が上がる、あるいはもうワイシャツがないぞというように言われますと、いまはいいと思っても、もう秋には要るからということで二枚、三枚と買うということは、ささやかな消費者でも、これは当然自衛の問題として起ります。
 しかし、問題は、これをどうしてだれが起こしているのかというところに私はあると思います。
 で、私ども生活協同組合の場なんかですと、一部そういう商品を扱っております。しかし、現にこういう綿にいたしましても、こういった関係のものはすでに昨年の――いま出てきている商品というのは、いま準備されたのではなくて、昨年の秋口から準備されております。そういうときに原反で準備したいということをしますときに、すでに従来の価格ではないぞということが、昨年から起きています。その時点でないぞと言われても、実際取引するものがなければしかたがない。幾らになりますぞということによって、価格が上げられた形で契約せざるを得ない。そのことについて投機をしたという、そういう事実は、どこに事実があるかと言われること、それ自体の現象をつかむことは非常にむずかしいかとも思いますけれども、具体的には通関実績なり、その後政府から発表されておられまする在庫数量というものから見ていけば、あのときなかったのではなくて、あったのだ、あった状況の中において、大手なり、地元ごと一番根元のところで、ないぞ、いまの値段ではないぞというふうに出され、今度は値段がないから上がるぞというようなムード、うわさはどこから出るのか、そういう点が一番問題じゃないか。そういうことにかこつけてというか関連して、それぞれ中小の業者の方はみずからの問題を守るために、またお得意さん、消費者に商品を保証する意味で、できる限りは手当てをしたいということは、おのずから起こってくる問題だと消費者は考えます。そういう点で、中小の問題よりも、問題は、そういうことをだれが、一番根元でさせているかというところに、消費者としては、目を向けなければならぬじゃないかということを思っております。
#25
○近藤委員 まさに、いま福田参考人のお話のあったとおりだと思うのですね。品不足だとか値上がりだとかいうことをあおって、それで相当利益を得た人たちがいるわけでございますが、特に私は、先日も商社の方々に来ていただいたときにも強く要望したわけでありますが、まさに日本の大手商社というのは、国際的な情報網を完備して、国内的に末端までの流通組織を持っているわけでありますから、この人たちがそういうことを話し始めたら、これはもう一発でみんなをはっと巻き込んでしまうわけであります。まさに投機というのも、結果としてはそういう形で言ってみれば一億総投機家みたいにみんな晴れ晴れ買って歩くことが、今度の品不足、値上げの現象を惹起した大きな原因であるというふうに、私は考えております。
 そこで、今度の法案に関しましても、単に買占め、売惜しみということだけをねらっても、買占め、売惜しみしなくても、じゃんじゃん売ってやって、上がるぞ、足りなくなるぞという言い方だけで、その中に立っておる人が相当利益を得るようなことが可能でございますので、それに関して、もっと国としても積極的な、現実に物資の需給状況について、テレビ、マスコミを通じてPRする必要がある。同時に、それだけ大きな社会的責任を持っている大手商社のまさにそういう段階における良識、もうかれば何をやってもいいのじゃないのだ、それはあくまでも合法的な中にしても、利益を得るために何をやってもいいのだということではいけないじゃないかということを、私は強く要望してまいったわけでございます。
 そこで、最後に、時間がございませんので一言承っておきたいのですが、そういうことで、気がついてみたらいろいろなものを持ち過ぎておったということでありますが、われわれとしても、過剰流動性を何とかしてなくそうじゃないか、これが元凶であるということで、いろいろ政府が過剰流動性を吸収する対策をするように強く要望したわけでございます。先ほど申しましたように、それは単に大手商社だけの過剰流動性じゃなしに、もう日本経済のすみずみにわたっている過剰流動性でありますから、これを圧縮するということが、逆に、自己防衛上無理をしてある程度原料を抱いていらっしゃる方々に御迷惑をおかけするようなことになるのではないかという心配が一つ
 それから現実に山形の織物関係の方々が心配しておられるわけでありますけれども、締まってきて、通産省が、もう不買運動をやる、また消費者団体の方々が、物を買うなというようなことが進みますと、今度はもう原料高の製品安で、金融も締まってくるし、物が売れなくなってくる、非常な恐慌を来たすというような心配が出ているわけであります。
 この点に関して、寺田参考人からひとつ御意見を承っておきたいと思います。
#26
○寺田参考人 ごもっともでございますが、私が先ほど申し上げましたことは、この六月から八月へかけまして、この間の高値の裏が出る、そして金融が引き締められる、金融の引き締めの影響をこうむるのは中小企業であるというような立場から、これを一番心配しております。六月から八月にかけて手形は回ってくる、期日は来る、金融はできないというようなことになって、ことに売買をしております者は、非常に大きな問題ですから、こう考えます。ごもっともだと思います。
#27
○近藤委員 辻参考人のほうの家具はどうでしょう。
#28
○辻参考人 そのとおりだと思います。いま寺田参考人のおっしゃったのと同じようなことが、われわれの業界でも起きております。
 まあ、御存じではございましょうけれども、デパートあるいは大型小売店自体が消費者に対しまして、婚礼用家具は値が上がりますよということで、まあ事実、先ほど申しましたとおり、われわれの業界としては、四〇%ほど上がらざるを得ないものを二〇%くらいの値上げでとめております。これは、一つは物品税の問題もございます。物品税で免税点の引き上げ、今回の皆さんの御討議によって、少し引き上げていただきました。この物品税自体によりまして、価格自体の上限は押えられたということもあります。それがはずれた場合、上がることは事実でございます。そういうこと自体でもって、婚礼道具を中心といたしまして非常に需要が多いということでございます。それが、先ほど寺田さんのおっしゃったとおり、六月あるいは八月あたりに相当大きな落ち込みになりはしないか。
 それから、いわゆる資材の高騰というもの自体の無理を、手形自体のサイドの引き延ばしあるいは手形払いというものの増大ということでいま切り抜けておりますが、販売自体がちょうど落ち込もうというおそれのある時期に手形の期日が来る、それで金融を引き締められるということになると、われわれの業界では相当大きな倒産騒ぎが起きるのではないかということを憂慮しております。
#29
○近藤委員 異常な物価高騰で、たいへん皆さんに御迷惑をおかけしました。今度は引き締めで、逆にまた皆さんに御迷惑をおかけする。いわば往復ぴんたのようなことのないように、私たちも政府に十分に注意を喚起しますことをお約束いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#30
○山中委員長 次に、井岡大治君。
#31
○井岡委員 各参考人には、たいへんお忙しいのにおいでをいただきまして、厚くお礼を申し上げたいと思います。
 そこで、いま同僚の議員からいろいろお聞きされておりましたけれども、私は、先般も商社の方々に来ていただいて、わからないことが一つありました。と申しますのは、いまもお話がございましたが、政府は仮需要ということばを使っておるわけですが、仮需要というのは、一つは、私たちは買占めだ、こういうように考えているわけですが、政府はなかなかその買占めということばを使わないで、仮需要だ、それが増大をしたために値上がりをしているんだ、こういう言い方をしているわけです。
 そこで、いまお話がございましたが、各流通の段階で、いわゆる仮需要といわれているものがあるかどうか。この点については、実は先般、私たちで木材の市場を見学したときに、そこの市場の会長さんがおっしゃっておいでになりましたが、あんな高い材木を買ってこれからどうするんだろう、こう言っておいでになりました。私のほうは、相場で値を上げていくんですから、それはいいわけですが、あんな高いものを買ってどうするんだろう こういうことを言っておりました。ということは、いま大豆の話をされておりましたが、私たち社会党で、大豆のなにを調べました。全部調べてみますと、どの輸入も、昨年より大体一〇%から二〇%たくさん入っているのですね。それが品不足だ、こう言うのです。そこに問題があるわけです。
 したがって、これらの問題でどうしたら解決ができるか。これらについて法律をつくったからと、こういうことだけでは解決しないと思うのですね。モラルの問題だろうと思うのです。
 この点について、どなたか、解決をするためにどうしたらいいか、何かありましたらお知らせをいただきたいと思うのです。
#32
○福田参考人 消費者としては、一番しろうとで、きめ手ということは一番わからないほうですけれども、一つ考えますことは、消費者が事実を知れば、消費者自身としてはやはり的確な判断をする。物が足らない、ない、根元の数字がわからなくて、ないと言われれば、ないかと、それでは買っておかなければたいへんだということで、ずっとそういうムードというものが社会的にあおられていく。しかし事実は、輸入実績はこうだ、需要予測はこうだ、従来の実績からいって。そうすれば、十分在庫もこうなっているという情報が、必要な形で適当に全国民、全消費者の前に的確に提示されていく、公表されていくということがあれば、ないぞとかあるいは上がるぞということだけで踊らされないで、正確な反応を示すことができるのではないか。大豆があれだけ暴騰して、そして現在まだ、上がる前から見れば六割上がっているわけですけれども、一応のところへ下がってきたということは、消費者がそのことを知ってきた、新聞、テレビ等で事実が知らされ始めた、先生方の御活躍もあって事実が明らかになってきたということが、消費者が正確な判断、反応を示すことになったのではないか。そういう意味では、消費者、国民が、常に正確な反応、判断ができるような情報活動ということも、基礎としては非常に重要なことではないかというふうに思います。
#33
○三橋参考人 私、他の商品のことは不勉強でよくわかりませんが、国際商品であって、原産地では非常に安いけれど日本では非常に高い、こういうものは、何らかの段階で投機が行なわれたのではないかと判断できるわけですけれど、羊毛なんかの例をとりますと、非常に安値で、もうとても合わぬので、大体、羊の頭数にして一割五分くらい減った。それからまた、干ばつでなお生産が少し減った。国際商品として、国際価格に近いものあるいは同等のものと、あるいは外国では非常に安いのだけれども日本では非常に高いのだというようなものを、もう少しやはり区分して、国際価格と日本価格との比較とか、いろいろなものをもう少しきめこまかく出していただくことがいいのじゃないかと思うのです。
#34
○井岡委員 私は、商社の方にも言ったわけですが、これは商社がみずから国際価格を上げていると思うのです。羊毛の話が出ましたけれども、実は私は、オーストラリアに二回行きました。ですから、オーストラリアの事情はわかっているわけです。しかも情報が非常に速いわけですから、日本で上がったといえば向こうは上げます。しかも商社は、何社というたくさんな商社が行って、価格競争をやるわけですから、だから向こうだって、売り手市場ですから、高いほうに売りますよ。あたりまえの話だ。そこに私は、商社の大きななにがあると思うのです。
 同時に、一番元凶は、私はやはり商社だと思うのです。品不足だ品不足だといって、だれが流すのです。買い手市場である商社が流す以外に方法がないでしょう。ここに問題があると思うのですが、このことは、私ここで論議しようと思いません。
 そこで問題は、私たち、いろいろなところに行って、いろいろなことを調べてまいりましたが、消費者として、いま言われたように、輸入量というものを早く知りたい、こういうことだろうと思うのです。そこで、通産省来ていますか。
#35
○山中委員長 通産はいないです。
#36
○井岡委員 おらない。では、これは委員長に、次の審議のときにぜひお願いしておきたいと思います。
 ここに問題があると思う。したがって、消費者の方々が御意見がありましたが、たとえば、われわれが言える場というものをもっとつくってもらいたい、こういうことだったと思うのです。法律をつくってくれたって、われわれの言える場がなければどうにもならぬじゃないか、こういう意見だったわけですが、この点について、たとえば、われわれだけでなしに、いま加工をやっておいでになる皆さん、辻さん、寺田さん、三橋さん、こういう方々の意見というものを聞く必要があるかどうか、消費者の方、御意見をひとつお願いします。
#37
○福田参考人 あると思います。ぜひしかるべき場所がやはり保証されて、関連したところの事実が正確に全体として反映するように、消費者としても措置をお願いしたいと思います。
#38
○井岡委員 もう一つ、これは辻参考人でも、寺田参考人でも、三橋参考人でも――三橋参考人が一番いいかもわかりませんが、商社が、子会社、孫会社、それからひ孫会社、これをずうっとつくっているわけですね。ここに問題があると思います。これらの問題について御存じかどうか、この点、お伺しておきたいと思います。
#39
○三橋参考人 他の業界の場合にはあまりよくわかりませんが、私どもの五百数十社ある中でも、商社の系列に入っているところもございます。しかし、これはまことに恥ずかしいのですが、その商社の系列に入ったということは、私どもの業界は、ここのところ十数年、非常に不況といいますか、過剰生産、過当競争から、またお願いする側のデパートとかスーパーの力関係で、ややともすると回転に振り回されておるような状態で、十社くらいございますけれども、これは大体企業がピンチに立って、やむを得ず商社にすがりついたというケースだけでございます。それから、中にはその後立ち直って、商社の力を借りてよくいっているのもありますけれども、既製紳士服の業界では、商社が初めから、丸紅さんがハートシャフナー・アンド・マークス社と国内企業とを結びつけてどうというのが一時ございましたけれども、それも取りやめになりまして、現在のところ商社の系列はございますけれども、系列に入った事情が、いい段階で将来を遠く、高く展望してでなくて、やむを得ないで商社にすがりついて系列に入ったというケースだけでございます。
#40
○井岡委員 私たち想像しておったとおりでございまして、そこに問題があると思うのです。しかし、私の時間は五十八分までですからこれで終わりますけれども、どうか、皆さんのほうからもっと声を大きくしていただきたい、ただ単に物が足らぬ、足らぬだけでなくて。われわれずっと調べていきますと、いま申し上げますように、全部入関は多いわけです。と同時に私がお願いしたいのは、商社の方々だけでなしに、皆さんが現地に行かれて、原価というものがどのぐらいなんだということをもっと調べていただきたいと思うのです。商社だけの情報で、高くなる、高くなると言われて、それて買いあさり――買いあさりという表現は適当であるかどうかは別として、政府の言う仮需要というかっこうで、ちょっと取っておかぬと、こういうことでは私はいかぬのではないか、こういうように思いますので、ぜひひとつお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#41
○山中委員長 松浦君。
#42
○松浦(利)委員 それでは、関連して、若干参考人の皆さんにお聞かせいただきたいと思います。
 私の意見は申し上げません。たいへん貴重な御意見をいただきまして、これからの法案審議促進について、十分参考人の皆さんの御意見を反映していきたいと思っております。ただ、その場合に、一、二どうしても聞いておかなければならぬ点がありますからお聞かせいただきたいのですが、実は先ほど辻参考人が、商社が船を一船ですね、持ち込んできて、石当たり三千円くらいですか、それを五千円で買えといって売り込みに来た、おまえのところで買わなければこれを名古屋に持っていくぞというふうに言われた、こういう御発言があったわけでありますが、それは商社が行なっておるのか、あるいは商社の次に位する一次問屋というか、そういったところが行なっておるのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#43
○辻参考人 これは商社じかでございませんで、一次問屋でございます。
#44
○松浦(利)委員 そうすると、その一次問屋というのは、私たちが調べた範囲内では、大体合板関係というのは商社の系列化が進んでおる、特に南洋材についてはもう完全に輸入商社によって系列化が進んでおる、こういう調査結果が出ておるのですが、いま来たこの一次問屋も、商社に系列化されておる問屋でございますか。
#45
○辻参考人 これは、系列化と申しますのは、実は合板に関しましては、商社自体が原木の供給をしておりまして、特定の商社から合板工場が原木の購入をする。できました合板の相当部分を、これは一説には約七〇%と申しておりますが、やはり一時の金融逼迫のときでございますね、数年前の金融逼迫のときに商社に買い上げてもらったその習慣がいまだに続いているというかっこうで、現在に至っても、約七〇%近いものは商社へ売り渡されておるということはございます。
 それから、先ほど申しましたのは、原木の問屋、これは御存じのとおり、南洋材というのは非常に材質がまざってまいります。一船のうちにいろいろな材質がまざってまいります。それを、港へ船が着きましておろしまして、いかだに組んで、それを仕分けいたしまして、たとえばこれは家具用材の分だ、これは製材屋さんの分だ、これは合板屋さんへ行くのだ、これは建築屋さんへ行くのだといって仕分ける人たちがおります。これは一次問屋でございますが、これが特定商社の下請的な系統になっておりまして、資本関係の関係はないようでございます、ただ営業上特定の商社と強力に結んでおるということでございます。
#46
○松浦(利)委員 それじゃ辻参考人にもう一つお聞かせ願いたいのですが、そういった、たとえば合板なら合板を不況時代に商社に買い上げてもらった、ですから原木を一次製品にしてまた商社に戻すという、こういう流通のあり方が、従来の皆さん方の業界に、価格の面でも、あるいは量の問題についても、変化が起こってきておるのじゃないかというふうに思うのですが、その点は、変化が起こってきておるとお考えになりますか。
#47
○辻参考人 事、合板に関しましては、商社は扇動をしておりませんでした。これは合板工場でございました。合板工場自体が、先ほど申し上げたとおり、これは林産課長よく御存じでございますが、過去におきます約百億近い赤字自体を埋めるということによって、需要自体の急上昇に便乗して価格を引き上げたということでございます。それを見て商社が、供給する原木価格をあとで引き上げたというかっこうになっております。
#48
○松浦(利)委員 ありがとうございました。
 それで、辻参考人にさらにお尋ねをするのですが、こういった従来の商慣行にないあり方ですね、そして逆に言うと、商社が根っこをこう締めてしまっておる、そういった問題に対して、もっときびしくこういったものを取り締まってもらいたい。逆に言うと、原木なら原木を買いだめておるというような状態があったら、きびしくそれに対して政府が放出命令してもらいたい。こういった点についてはどのようにお考えになりますか。
#49
○辻参考人 これは、ただ商社ばかりではございませんで、たとえば合板でも、各地に問屋さんがございます。問屋さんに例をあげて申しますと、過去におきまして、大体特定の合板で、これは大体二・五ミリの三尺の六尺という一番使用量の多い合板でございますが、これの一枚当たりの合板の問屋さんの手数料は十円あればよろしかったのでございます。それが、この価格自体の合板工場の引き上げに便乗いたしまして、一枚当たり五十円ないし、はなはだしいのは八十円ほどの手数料を取ったということでございます。それに伴いまして小売、小売屋さん自体の扱い手数料も引き上がってしまったというのが実情でございます。
 合板工場と申しましても、これはなかなか、家具向けの需要が全部でございません、家具向けの需要は約四分の一ということになっておりますが、その他建築関係の需要が非常に多いのでございますが、一例をあげますと、建築のコンクリートの打ち込みに使います厚い合板がございます。これが、木材価格が上昇したためにやはり非常に引き上がりまして、一枚当たり千円ぐらいのやつが千五百円ないし六百円まで最高上がった。それが近々、約二週間ほど前から下がり出しまして、一週間ほど前には千円を割った線がございます。
 こういうような、他に大きな事情がございますけれども、われわれの業界としましては、その中間の組織というものは、これは必要でございます。物を動かす上において、種々雑多な種類を広い地区に交流させなければいけないので、流通機構は必要だと思いますが、この流通機構のあり方を、合板メーカーを含めまして、われわれ需要者が一緒に討議して、妥当な経費と経費率をとるというような方向に進めたいと思って、合板メーカー団体といま相談を進めつつございます。
 そういう状態でございます。
#50
○松浦(利)委員 それから、福田さんにちょっとお尋ねをするのですが、実は私の情報によりますと、従来、生協でたとえば灯油を買う場合には、市価よりも安くで販売をしておった。そのことが、今度の物価高騰という問題にからませて突然ストップされてきた。それで結果的に、油をもらう段階になると、従来の安く売っておった価格を市価に戻せという圧力がかかってきておる。こういう情報を私たちは聞いておるわけですが、そういった安くで売ろうとする行為に対して、きびしく価格を維持せよという要請が生協に来ておるのかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#51
○福田参考人 具体的な事例として幾つかございます。いま、たとえば長野県の飯田の飯田生活協同組合というところで公取のほうに提訴しておりますけれども、数回繰り返されまして、実際的には、安くするから云々という理由ではなくて、表面的な理由としては在庫がないからとか条件が合わないからとかいうような形で、実質的に二度目になる。あるいはそこに取引しないように業界に連絡が行くということはございます。そういう点で、特にいま飯田で、長野県で問題にしてきているところでございます。長野だけではなくて、そういう事例は、生活協同組合の場合には、灯油の場合についても多く経験をいたしております。
 特に今回の場合に、この値段も非常に切実でございますけれども、御承知のように現在では、この灯油というのは非常に重要な生活物資になっておりまして、おふろも灯油でわかす。そうすると、灯油がないとおふろにも入れない。特に東北地区では、したがって三月には銭湯が非常にはやったということです、油がなくてふろがわかせなくてということで。
 そこまでなってまいりますと、何よりも油がほしいということがまた、消費者の一義的な気特ちになります。そういうことにかこつけて、もう今度の値段はここにはありませんよということで次のステップのときにはさらに高い値段へということの上限がつくられてくるのではないかというふうに私どもとしては勘ぐらざるを得ないというような事例は、灯油の場合にも、ほかの生協の場合でもたくさん起きております。
#52
○松浦(利)委員 これは一部ですから、いまお話ししたことについてさらに情報があればぜひお聞かせいただきたいと思うのですが、どうも従来安くで売っておったものに対して、これを機会に非常にきびしい規制を加えてきておる。逆に言うと、どうもやみカルテルが縦横無尽にこの期間にあばれ回ったんではないかという気がするのです。そのあふりを量販店の安売りとかあるいは生協あたりがもろに受けまして、結果的に、高くても、要するに品物を買わざるを得ないのだから買う。そうすると、従来の安かったという現象は消えますので、今度は結果的に、価格は高いところで消費者に流れるという、そういったケースがあるんではないかと思うのです。ですから、そういった点については、もう時間がありませんから、ぜひ消団連のほうから、もしありましたら私たちのほうにお知らせをいただきたいと思うのです。
 それから、最後にお二人の、寺田さんと三橋さんにお尋ねをしておきたいのですが、皆さん方の末端価格を決定する場合に、あなた方の自主的な判断で末端価格が決定されるのかどうか。極端に言うと、末端価格に対して最近垂直的な統合が、先ほども井岡委員からの話がありましたが、もう産元まで、織機を持った小さな織物屋までも、極端に言うと系列化されてしまっておる。だから、原毛の輸入から供給から製品の販売についてまで価格についてコントロールされるという、そういった条件がわれわれの調査では出てきておるのですが、寺田さん、三橋さん、そういったことが現実に行なわれておるのかどうか、または行なわれようとする可能性はないのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
#53
○寺田参考人 原料が末端まで参りますのに価格を制定されるという意味なんでございますか。……
#54
○松浦(利)委員 質問がわかりにくかったかもしれませんが、要するにあなた方が販売する段階で、一番末端の消費者に向かって販売をする段階の価格ですね、これは自主的に業界できめることができておるのかということです。
#55
○寺田参考人 先ほど申し上げましたように、私どもはほんとうに零細な工場でございますので、ほとんど全部が賃織りでございます。でございますので、賃織りの工賃を決定いたしますのは、産元なり問屋なりと相対ずくで決定するわけでございますが、販売の価格というものにつきましては、私どもは関知いたしておりません。
 なお、先ほど申し上げた、ごく少数の者が糸を買い、あるいは布を売るというようなことをやっておりますが、この者は、糸代プラス加工賃というもので、得意先と相対ずくで相談してきめております。そういったことです。
#56
○三橋参考人 私どもの業界につきましては、ごく一部のものに業界指定の商品があると思うのです。その業界指定の商品は、むしろ高価格のものよりも低価格のものに一部ございますけれども、しかし、九九%までは相手方の意思によって値段がきめられる。先ほど申し上げましたように、零細な専門店は、若干こちらの思うようなことが言えるのですけれども、大量に扱うデパートとかあるいは量販店とかあるいは専門店の大手なんかは、ある程度向こうさんの言いなりになっているのが現状でございます。
#57
○松浦(利)委員 たいへんありがとうございました。
 なお、この合板の皆さん方から出されておる「木材合板対策についてお願い」、たいへんきびしくわれわれに対して、具体的な事実をあげながら指摘しておられるわけでありますが、こうしたことが再び起こらないように、できるだけ法案審議を通じて御期待におこたえすることをお約束申し上げまして、私の関連質問を終わります。ありがとうございました。
#58
○山中委員長 次に、野間友一君。
#59
○野間委員 本日は、皆さん、御苦労さまでございます。
 いろいろと参考になる意見を聞かしていただきました。特に福田参考人からは消費者の切実な血の叫びと申しますか、そういうような御意見をお聞かせいただきまして、私たちは、できるだけいいものを早急につくりたいというふうに、決意を新たにしたわけでございます。
 最初に辻さんにお聞きしたいと思いますけれども、「全国家具工業連合会 木材合板対策についてお願い」と題する書面をきょういただきましたけれども、これについて非常に教えられたわけですが、七ページに木材・合板値上り阻止全国家具工業代表者会議、この決議文がございますね。この代表者会議というのは、家具工業連合会とはどういう関係にあるのかということを教えていただきたいのが一点。
 それから、そのあとに「自民党の諸先生に告ぐ」と題する文書がつけられております。これは、批判とも激ともあるいは激励とも、いろいろ内容を含んだ非常に貴重な御意見が書かれておりますけれども、これは家具工業連合会でつくられた文書なのか、あるいは代表者会議でつくられた文書なのか、このあたりをひとつ教えていただきたいと思います。
#60
○辻参考人 お答え申し上げます。
 われわれ全国家具工業連合会と申しますのは、これは全国に組織を持っておりまして、各府県の団体が下部会員になっております。その関係上、各府県の代表者をもって理事会その他を組織しておるわけでございます。そうしますと非常に人数が少ないわけでございまして、末端の意見をなまのまま反映するというわけにいきませんもので、この代表者会議は、各府県から、これに対しまして非常に関心を持ち、あるいはお困りになっている方々にお集まりをいただいたというわけでございます。これはもちろん人数に制限がございまして、各府県に平均いたしまして大体十名前後くらいに限る。まあ場所の都合もございましたので制限をいたしまして、大体各府県の役員連中が集まりまして組織いたしております。それによりまして、この決議文及びこの文書をつくったわけでございます。
 全国家具工業連合会といたしましては、この代表者会議でもって決定いたされました文書を先生方にお配りして実情を訴えるということについて理事会にはかりまして、これを通しまして、家具工業連合会の名前をもって御発送申し上げたいというわけでございます。
#61
○野間委員 この「自民党の諸先生に告ぐ」という文書ですけれども、これによりますと、家具の組合の業者の方々は、材料の急騰で二次加工、三次加工の中小業者が非常に困っておる。倒産か休業かのところまできておる。語をついで「現在は商社というものが投機価格のつり上げで一夜にして数百億を儲け、」という文章もございますね。こういう文章からいたしますと、要するに商社の価格の操作、つり上げ、これによって家具の業者の皆さん、とりわけ二次加工、三次加工、これですべてだと思いますけれども、こういう方々が非常に深刻な事態におちいっておるということの率直な意見の表明だと思いますけれども、そういうふうに受け取っていいわけですね。
#62
○辻参考人 これは先ほどから繰り返して申し上げておりますとおり、輸入原木に対しましては、輸入元であります商社の価格決定というもので操作されておりまして、われわれ需要者としてはこれに対して発言ができないということでございます。
 それから、その製品自体の販売価格に木材あるいは資材の値上がり分を反映でき得ない。これは最終需要者自体の反対にあいまして引き上げができないというわけでもって、こういう困った状況に現在も追い込まれております。
#63
○野間委員 この文書に関連してもう一点お聞きしておきますけれども、その次に「「田中内閣の支持率は三カ月で二〇%も減る」「思いきった政策の実行をして「国民の信頼の回復」を願う」こういう文書もくっついておりますけれども、これはどういういきさつでおつけになったのか、ちょっとそのあたりのいきさつをお聞かせ願いたいと思います。
#64
○辻参考人 これは一部極端な意見が入っておるわけでございますが、実は各府県でもって、これに対しまして政府の動き方自体非常に緩慢であるということでございます。これは東京あたりでもその例が出ておりますが、これでは、現在の政府自体を信頼して、安心してわれわれが生きていくわけにいかないということでございます。そのためにいわゆる野党の先生方に、今後選挙のときにひとつできるだけ多く出ていただかなければならないというような発言がございまして、東京におきましては都議選、あるいは次に来ます参議院選でございますが、これに対しまして、全国の零細業者が自民党の先生方から革新の先生方に投票率が移る、われわれもはっきり移しますよということを発言しております。それがここに出ておる、こういうわけでございます。
#65
○野間委員 わかりました。
 そういう前提で「「信頼の回復」が大切か、財閥が大切か」、「選挙資金が先か、大衆の大多数の票が大切か」こういうスローガンになってあらわれたものであろうというふうに私たち考えておるのですけれども、具体的に少しお教えを願いたいと思います。
 家具の場合には南洋材が多いというふうにお聞きしたわけですけれども、この合板価格、これは卸あるいは小売価格ともですけれども、昨年の九月ごろから急激に値上がりをしておる。これは林野庁の統計資料でも私たちは理解しておるのですけれども、特に昨年の九月あるいは十月ごろから急騰したということの理由と申しますか、原因について、合板メーカーあるいは商社の筋からどのようにお聞きになっておったか。これは参考人のほうで実態把握されたこととは別に、商社やメーカーがどのような宣伝をしておったかというようなことを教えていただきたいと思います。
#66
○辻参考人 これは、先ほど申しました、約半数以上の需要を占めます建築需要が急速に伸びたということでございます。
 建築に使います合板は、比較的厚さが厚いのでございます。合板というのは、御存じのとおり幾つかの層になってでき上がっておりますが、表面材というのは、非常に薄いものでございますが、上質の材料を使わなければいけません。薄い合板でありましても、厚い合板でございましても、上質の材料を使うのは同じでございます。中身はいわゆる二流品、三流材というものが使えるわけでございますが、同じ一枚を使いましても、価格構成の面からいきますと、厚さの比例からいきますと、薄いものをつくるより厚いものをつくったほうが原価的に利益があるということでございまして、その厚い合板が、建築自体の需要によりまして急騰を始めたということでございます。
 これは、昨年の三月末まで不況カルテルが結成されておりまして、その間生産調整が行なわれておりまして、かりに薄物と厚物と二ラインを持っております工場があるとしますと、そのうちの一ラインは休止しておりました。それを急速に再開するために人手が集まらないというようなかっこうで、工場のライン自体の動きが非常におくれたということにより、需給の逼迫により、建築用の合板が非常に価格が高くはね上がったということでございます。
 これに関しまして、実は三年ほど前に不況カルテルを結成する前に、薄い、われわれが使っております、現在ここに問題になっておりますもの、この一行目に書いてあります合板でございます。これは二・七ミリの厚さの合板でございます。これに対しまして、合板業界と価格の打ち合わせをしたことがございました。このカルテルの結成にふりまして価格が急上昇することは困るという話をしましたら、いろいろ原価計算その他参考書類を見せていただきまして、一枚当たり二百四十円以上にはしないのだというお話でございました。それがこういうような価格に、十二月以降でありますが、急上昇して、約束の相場を離れてしまった、上回ってしまったということに対して、われわれとしましては、合板の工業会へ十一月の末に強い抗議をいたしまして、林産課にもお願いしたわけでございます。林産課としましては、輸入の量の増大もあるから決してそう高い価格上昇はないだろう、こういう御説明がございまして、それより需要者のほうであまり買いだめをしないようにしてもらいたい、値上がりに惑わされて買いだめをしないでもらいたい、こういう内容のおことばがございましたので、われわれ業界としましては、理事会で決定いたしまして、全業種に、買いだめをするなということを流したわけであります。ところが、需要をとめましても合板価格は相変わらず急騰してしまったということで、組合としましては、組合員から非常な突き上げがあって、困ったわけでございます。
 それが、一月に入りまして、二百四十円という約束した価格を中心にしまして、メーカー同士の直取引をしようじゃないか、そういう業者の組織ができないかという相談をしておりましたが、一月の初めになりましてその会議が持たれる予定になっておりましたところが、十二月の末になりまして、合板工業会でもって役員の方を集めまして、三百円以上で売らないようにしようじゃないかという申し合わせがあったそうでございます。これは一部記録にもとってございます。ということは、逆に言いますと、われわれに二百四十円以上に上げないのだという約束をしたものを、十二月の暮れになりまして、一月のわれわれとの合同会議の前に三百円までしてしまったのではないか、そういう会議があったというふうにわれわれは、勘ぐりかもしれませんが、考えておるわけでございます。
 そんなようなことでございまして、その後一方的に、合板業界の価格設定に振り回されてしまった。それに今度は、暮れ近くになりまして、その合板の原木を供給しております商社から、合板価格が上がったのだから原木価格を直してもらいたいという申し出があったそうでございまして、それから今度は木材の高騰という問題に発展していったということでございます。
#67
○野間委員 流通経路についてちょっとお聞きしたいと思いますけれども、南洋材の場合、輸入業者が、まあ商社が多いわけですけれども、輸入しますね。それが合板メーカーに行く。合板メーカーが合板にして、それからあと卸、小売り、需要者と――幾つか短絡する場合もありますけれども、お聞きしたいのは、合板メーカーと卸、小売りの間に、再び商社が介在して、一つのクッションを置くというようなことがあるように聞いておりますけれども、それがもしあるとすれば、その割合はどのくらいのものなのか、もし御存じであればお聞かせ願いたいと思います。
#68
○辻参考人 商社ができ上がりました製品を買い上げられる量が七〇%ということが、一応われわれの業界に流されておりました情報でございましたが、先般、その量を連合会の方々に確かめたわけでございますが、七〇%までいっていない、せいぜい半分ぐらいのものじゃなかろうかというようなことを言っておりましたが、大体そんなような実態でございます。
#69
○野間委員 そうしますと、輸入してきて、それからメーカーがつくって、しかもつくったあとも、パーセントは五〇か七〇かは別にして、それをさらに買い受けて、それを流していく。不必要な商社がそこに介在する、こういう、私たちは理解に苦しむ一つの経路の中の商社の役割りというものを重視するわけですけれども、業界では、この業者のいわゆるクッションですね、これはやっぱりぜひはずしてほしいというような要求でもあるのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。これが合板メーカーと共謀して、ぐるになってつり上げをはかるということが当然予想されますし、私たちはそのように情勢をつかんでいるのですけれども、その点いかがでしょう。
#70
○辻参考人 それは、われわれはその場に居合わせるわけにまいりませんですから、はっきりとした証拠はありませんが、ただ、要するに、合板価格が上がってしまった、それに伴ってまた原木価格も上がった、それを合板業界は抵抗せずに受け入れてしまった、それでしかも合板の販売価格にはね返ってしまったということでございます。そこらあたりに、深いつながりというものがありましょう、こういうふうに推測するわけでございますが、これは、先ほど言いましたとおり、不況期に金繰り上商社に製品を買い上げてもらいたい、そうしないと原木代も払えないのだという時期があったように聞いております。そこらあたりからできたつながりだと思います。
 なお、そういうむだな――むだなと申しますか、実は合板と申しますのは、各メーカーが特定のものをつくっておりまして、需要は相当多様な種類にわたるわけでございます。でありますから、日本国じゅうの家具業者が利用いたします合板の種類というものは、合板メーカーから出ましてから交錯するわけでございます。ですから、プールしましてから再配分するという流通機構は、もちろん必要でございます。それに商社が必要であるかどうかということは、私はちょっと疑問に考えておるのでございますが、ただ、一部、市価を冷やさなければいかぬということで、われわれの連合会と合板連合会の間でもって相談ができまして、各ブロック別にメーカーからわれわれのほうの団体へ品物を流していただくようにお願いしたわけでございます。これはやはり取引業界の流通段階の反対に会いまして、われわれが期待いたしました量の約一〇%ぐらいの量が現実に流されたというわけでございますが、その流れました量の合板に関しましても、メーカー価格プラス、もちろん運賃、配分費というものがかかるのは当然でございますが、それプラス、あと流通段階の方々にバックしなければならない費用でございますね、それの相当部分を加算されてしまったということが事実でございます。
 ただし、正常な流通からいきますと、先ほど言いましたように、多数のメーカーからつくられます多種類のものをうまく配分していただかなければならない関係上、流通段階ももちろん必要でございますが、流通段階の経費を、また合板工場自体の工場価格というものを、われわれの納得できるような――最終ページにございますか、われわれの推定いたします、あるいはある程度の資料をもとにいたしました合板価格というものがございます。これがあまりにも市価とはかけ離れ過ぎているということでございます。出ます純益が一枚当たり百五、六十円もあるというようなかっこうでございます。非常に常識外の収益をあげているということ、こういうようなことをまずなくしてもらう。それから流通段階におきましても妥当な利益に押えていただいて、こういう短期間に暴騰、暴落するというようなことの繰り返しだったわけでございますけれども、こういうことはわれわれメーカーとしましては非常に困るわけでございまして、一々最終的なお客さまにこれをはね返すわけにいきませんものですから、そのつど被害を受けるために、安定した価格で、しかも国際価格ににらみ合わせました安定した価格でもってわれわれ自体が手に入れられるような系統をつくりたい、こういうふうに考えております。
#71
○野間委員 ありがとうございました。
 最後に、福田さんに若干御意見をお聞きしたいと思うのですけれども、今度の法案に関しまして、政府案とそれからわれわれ野党四党の共同提案とございますけれども、この中で売渡命令、これが私たちの一つのいわば目玉になっておるわけですけれども、こういう売渡命令について、消費者の立場からどのような御意見をお持ちなのか、その点を最後にお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
#72
○福田参考人 消費者は、売渡命令が必要であるというふうに考えます。
 それで、具体的に効果のある措置をそこでしていただきませんと、事実だけわかっても、あれよあれよという間にどうしようもないということでは、私どもとしては非常に残念だという意味で、売渡命令はぜひしていただく必要があるのではないか。そのほか、さらに考えられます情報の問題であるとかいうような点もあわせて、みんなに事実を知らせる、そしてそれに対して即座に規制ができる、あるいは効果的な措置として、この在庫の状況にしても、実際の輸入量あるいは価格の経緯にしても、事実関係がすべて公表される、あるいはわかるようなことと関連して、そういう措置がぜひ必要であるというふうに考えております。
#73
○野間委員 どうもありがとうございました。
 終わります。
#74
○山中委員長 小林政子君。
#75
○小林(政)委員 本日は、たいへん貴重な御意見を聞かせていただきまして、いろいろありがとうございました。時間がございませんので、ただいま、私どものほうの野間議員からいろいろと御質問がございましたので、各参考人の皆さんに一問だけお伺いをいたしたいと思います。
 特に福田参考人には、家計簿のお話などから、最近の物価高の中で消費者がどんなにいま苦しんでいるかという実情等も、つぶさに私どもお伺いをすることができましたし、非常に参考になったと思います。また、それぞれ業界の参考人の方々からも具体的なお話出ておりますので、私は、現在のこのような状態の中で皆さんが当面している問題、そしてその問題をほんどうに政治の中で、この問題はこうしてほしいというお考えを皆さまがお持ちでございましたら、一言ずつお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
#76
○辻参考人 御審議くださいます法案の中でも、われわれ実際その業に携わっておる者自体が希望する、あるいは期待するいわゆる流通方法、あるいは流通価格というものを的確に早く反映していただいて、必要な時期に必要な価格でもって入手をでき得るように、そういう機会をわれわれの業界のほうにもぜひ与えて、それに対して一緒に御助言申し上げる機会を与えていただければそれにこしたしあわせはない、こういうふうに考えております。
#77
○寺田参考人 取引所の制度の改革、これをひとつお願いします。
#78
○三橋参考人 私どもの業界は、先ほど申し上げましたように、小売りの段階と話し合いをいたしまして、われわれのいまの業界の流通のあらゆる悪い面を改善して、少なくともコストアップを合理化によって吸収しようという努力をしておるわけですが、最近、新聞等で不買運動というふうなことが伝えられ、実際若干、前売り筋を聞いてみますと、現に相当な売れ行きの低減をしております。実際問題として、中にはそれは極端なものがあるかもしれませんが、私、責任をもって申し上げられることは、紳士服の業界で現在市中で販売されている価格は、何らいままでと変わりございません。また同時に、ことしの秋冬ものにつきましても、業界あげて、いかにすべきかというのでいま真剣に考えているわけですが、そういう点から考えますと、何かここへきて、零細な小売りあるいはまたわれわれメーカー段階に弱い者いじめになっているんじゃないか、こう思うわけですが、こういう点につきましてもしかるべき方法を講じていただきたい、こう思います。
#79
○福田参考人 三点だけお願い申し上げたいと思います。
 第一は、牛肉、タラコ、コンブなど輸入物資についての需要者割り当てというのがございますが、その中に、消費者組織であります生活協同組合などに対しての消費者割り当てをぜひ実現をしていただきたいと思います。
 二番目には、こういった法案が制定されました中においても、消費者の代表が発言し、そしてまた、意思決定に何らかの形で、しかるべき形で加わる、参加できるといったような点を保障していただきたいというふうに考えております。
 最後に、先ほどの松浦先生の御質問にも関連するのですけれども、やみ再販と申しますか、そういうものがたくさんございます。実際的には、品物がないからとかあるいは取引条件に合わないからとかいうことで、より安く消費者に商品を確保したいという生活協同組合などの行為がシャットアウトされるというような意味でのやみ再販、そういうこと、それに関連してのやみ再販を、ぜひこの中においても重要に位置づけていただいて、何らかの形でしかるべき規制なり、この適切な措置がなされるように希望申し上げたいと思います。
#80
○小林(政)委員 たいへんごもっともな、しかも貴重な御意見でございますので一私ども、この法案審議を通じまして、皆さまの要望、期待に、これを十分生かして、こたえていけるように努力をいたしたいと思います。
 これをもって私の質問を終わります。
#81
○山中委員長 次に、石田幸四郎君。
#82
○石田(幸)委員 参考人各位には、お忙しい貴重な時間をたいへんありがとうございます。
 時間がございませんので、私から一つ二つお伺いをするわけでございますが、今日のこのインフレ状況、戦後最悪の状況に立ち至っているといわれております。
 その理由といたしましては、一つには過剰流動性の問題、二つにはこういったインフレ傾向に対する政府の無策、また三番目としては情報の不足、四番目には消費者の動揺というような問題が取り上げられておるわけでございますが、こういった商品投機によりますところの価格上昇、さらにまた、慢性化したインフレの状況の中におきまして、一般の国民は生活を守っていかなければならないわけであります。
 これはいろんな角度から、過剰流動性も退治しなければなりませんし、商品投機の問題も取り締らなければならないわけであります。さらにはまた、会社法の改正それ自体も必要であろうと思います。土地の問題もあり、いろいろな角度からインフレを押えていかなければならないわけでありますが、とりあえずできる問題としては、やはり再びこういうような商品投機が起きないように情報を活発化することが必要であるわけであります。
 これについても田中総理は、三月三十日の閣議で、NHKなどの報道機関を通じて国民に知らせる方法を検討したいというような意向は述べておりますけれども、これが単に政府の一方的な報道に終わってしまっては何にもならないわけでありまして、そういった意味におきまして、どういったニュースを、情報をどのような形で皆さんは欲しておられるか、こういったことを各参考人全部にお伺いをしておきたいわけであります。いまの状況でございますと、政府は民放に三本ぐらい買ってときどきやってはおるんでございますが、非常にわずかな時間で十分な量でもないし、的確なそういう情報でもないわけですね。そういった意味におきまして、これからの商品流通の段階におきまして適正な価格で消費者が取得でき得るようなそういう立場に立って、どういう情報をどのような形で皆さんはお望みになるか、ひとつ御意見を承りたいわけであります。
#83
○辻参考人 実は昨年の秋、私は南米を一回りして参りまして、いわゆる日本の円が、日本のお金は日本の国内でもって非常に価値がないといわれておりますが、外国へ行きますと非常に価値がある、少しおかしいのじゃないかということを考えたことがございます。ただ、日本の国内におきまして卸物価の上昇率が非常に低かったということで、幾らか救われたような形になったわけなんでございますが、これはやはり、いわゆる流通形態の変化というものによる流通部面自体の人手の上昇による価格上昇ということであろうというふうに理解したわけでございます。
 ところが昨年、帰りましてからでございますが、先生方のうちのごく先輩、大先輩の方にお会いしましたときに、来年度予算はインフレ予算だということを言われた。そのインフレ予算という事態がわれわれ末端の連中にどういう影響が起きるか、全然わかりませんでした。そういうようなことを、いわゆる情報という機構を通じまして、もっとわかりやすいような姿で流していただくことですね。それがどういう影響が起きるのか、これをいわゆるデータとしまして流していただけるような方法がございましたら非常に助かる、こう思います。
#84
○寺田参考人 私どもは、その日のことをその日のうちに情報をキャッチしてやるということではおそうございます。ことに国際商品でありますので、そういったことを十分に察知しなければなりませんので、まあ、もちろん信用のできる新聞紙、これを重要視することだと存じます。
 それから、先ほど来からたびたび申し上げておりますいまの綿糸相場とかいうようなものは、先物六カ月までできておりますので、そういったことによって、どういったことでこの先物は高いだろうか安いだろうか、何月はどうだろうかというようなことを察知するのが標準でございます。私ども、綿糸あるいはスフ、合繊等に携わる者といたしましては、それをキャッチすることが一番重要でございますので、そういったことによって現在までは生きてきております。そういうことでございます。
#85
○三橋参考人 私、今度の羊毛の値上がりでマスコミに非常に追い回されたわけですが、それを通じて、私、業界の立場として真実を期待をしているわけですが、何といいますか、上がるといえばもうとてつもなく上がるような書き方をする。またちょっとなにすると、またものすごくなにする。また、われわれ業界を通じて考えてきましても、もう少し統計業務なんかも、総理府統計局が来る、通産省のなにが来る、東京都の経済局が来る、まじめに出していますと年じゅう統計資料を書いてなくちゃならぬというようなことになる。こういうところをもっと省略、合理化させていただいて、確実に統計が出るように、そして確実な資料をつかんでいただくようなふうにしていただいて、必ず真実のものが伝わるような方法を考えていただきたい、こう思うわけです。
 と同時に、先ほど申し上げましたように、そういうものを一方的になにしないで、やはり業界団体の実情、将来に対する予測等も、現在でも通産省にはひんぱんに資料を出したりあるいは取りに来られたりいろいろしておりますけれども、一番私がしみじみ思いますのは、やはり複雑な統計資料をもっと簡素化、合理化して、一年に一ぺんそういうふうな統計部なら統計部へ出せば、あらゆる都道府県の分野ではそれが間に合うのだというようなことにしていただければ、もっと確実な統計が出るのじゃないか、こう思うわけです。
#86
○福田参考人 重要な生活物資、基礎物資、そういった商品、素材についての生産量、輸入量、それに関連した価格構成、流通経路、そういった情報を望みます。そういったものが的確でなければならないという意味で――とかく一般的なメーカー、商社等の情報で消費者は踊らされるということに、従来はなりがちでございました。そういう意味で、的確であるかどうかということを国会が何らかの形でやはり保証していただくというような点も必要かと考えます。そういう措置の中で、消費者団体にもぜひそういう的確な資料がじかにいただけるように、消費者側としては考えます。
#87
○石田(幸)委員 まだ三分ばかりありますから伺いますが、福田参考人にお伺いしますが、そういった情報手段の問題についてはどうお考えになりますか。たとえば資料を提供するというのも一つの手段でございます。それからテレビを使うとかラジオを使うとか、そういうことも手段でございますけれども、やはり一番大事なのは、一般の消費者にそういう情報を提供するということが拡大をされていかないと、消費者が動揺してしまうと、これからは特にマスコミの時代でございますので、変な情報に非常に左右されやすいわけですね、いまの消費者というのは。そういった意味におきまして、一般の消費者に伝えるいわゆる情報手段としてはどういうものが適切かというようなことも、ちょっとお伺いしたいわけなんですが……。
#88
○福田参考人 いまの時代としては、テレビの持つ比重は非常に大きいと思います。そういう意味で、的確な情報がテレビを使って報告されれば、非常に早く、スピーディーに、また全消費者にかなりの範囲で広がるであろうということを考えます。同時に、テレビは見て消えますから、新聞あるいは活字にした形での情報がまた別な意味において非常に求められるというふうに考えます。そういう点では、特に新聞、雑誌、そういうものについての運用ということも、現実的には非常に重要な方法ではないかと思います。
#89
○石田(幸)委員 どうもありがとうございました。
 なおまた、皆さんの御意見を参考にいたしまして、いろいろな角度からこの物価騰貴の問題と取り組んでまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 終わります。
#90
○山中委員長 次に、和田耕作君。
#91
○和田(耕)委員 もう時間がありませんから、端的にひとつ御質問をしたいと思います。
 家具の会長さんにお伺いしたいのですが、このいただいた資料の二枚目のところに、ベニヤ業界で全国八ブロックに分かれておるからいろいろな価格の話し合いがしやすいのだということを書いておりますけれども、この前に、ここに木材の輸入協会の会長さんをお招きしましていろいろ御質問をしたときに、各委員の質問に対して、私のほうは買占めとか、そして値段をつり上げたりということはないのだ、末端価格が上がってきたからしようがなしに上がったんだという主張をずっと繰り返しておられましたけれども、その後次第に、ベニヤ業界の実情、きょうお話しになったことから、そういう単純なものじゃないのだということがよくわかったわけです。けれども、ここでベニヤ業界が、ここにありますように、十二月から二月までの、つまり五十円刻みの異常な暴騰、この背景にはベニヤ組合の中の話し合いがあるように思われる、こう書いておりますけれども、事実の度合いですがね、これはどういうぐあいにお考えになっておりますか。
#92
○辻参考人 ベニヤ組合の業界の中におきます話し合いの内容は、その話し合いの時期自体の記録はございません。ただ、それに参加した人の意見、まあ話としまして、実は正規に記録したものがございまして、これをもとにしまして、価格の話し合いがあったんじゃなかろうかということで、われわれの業界としましては、いま公取のほうへ審査を御請求申し上げております。
#93
○和田(耕)委員 それと関連しまして、ちょうど同じ時期に、十二月から二月の末端価格がずっと上がってくるこの時期に、ちょうどベニヤ組合の理事さんがこういう話をしておりました。いままでの取引先は、つくったものを大部分は問屋へ回したけれども、最近では七〇%ないし五〇%というように、大部分を商社の手に渡した。きょうもそういう話がありましたが、それで大体実情がわかってきたような感じもするのです。このベニヤ組合の話し合いの中に、やりやすくなったという背景には商社の系列化という問題がありはしないかというふうに私は思うのですけれども、御感想だけでけっこうですから……。
#94
○辻参考人 これは私個人のあれでございますが、ここに記載しておりますように、ベニヤ業界が不況カルテルを結成するために組織自体の強化をはかったというわけでございます。その組織が今日まで続いております。その組織の中でもって発案されたのかもしれませんが、価格の点ももちろん相談になったと私は思うのです。会長さんがおっしゃったように、三百円以上にしないようにしようじゃないかという例が一つ、そうでございます。二百四十円といったのを三百円以上にしないようにしようじゃないかという発言があった、そういうことでございます。そういう発言自体が、いわゆるブロック制のために業界自体に簡単に浸透してしまうということでございます。先ほどからお話ししている原木の取引の状況から各商社と特別な関係を生じている、商取引上特別な関係を生じておるということのために、ベニヤ業界で決定いたしました価格を比較的たやすく取り扱い商社のほうへお願いすることができるというような状態にあるように考えております。
#95
○和田(耕)委員 これからの問題ですけれども、こうしてずっと暴騰してきた。このときからもっと時点が下がるときに、各部面でそういう価格の実際上の話し合いをする可能性がかなり多いと思うのです。こういう問題についてはどういうふうにお考えになりますか。
#96
○辻参考人 これは実は商社の中で、ベニヤの合板のメーカーから買い上げる者と輸入合板を扱っておる者が、どうも担当者が違うように感じられます。そのために輸入合板が、昨年の夏前でございますと、日本の生産量の……まあ生産量も低うございますから、二ラインございますうちの一ラインが休止しているような状態のときの生産量の二%前後の輸入量しか、枚数にいたしましてございません。それが現在は、生産量も相当増大しておりますにもかかわらず、現在の生産量の約二〇%強というものが輸入されて、これがストックされております。しかも、これがいわゆる大商社ばかりではございませんで、台湾を一つ例にとりますと、約四十社ほどの大中小の商社が行っておりまして、また、商売違いの、たとえば魚やなんかを扱っている商社の方もお見えになっております。そういう方々がおのおの輸入を行なっております。合板と申しますのはつゆどきになりますとかびますもので、どうしてもつゆ前に手放さなきゃならぬという事情がございまして、おそらく輸入合板から値くずれが起きるんではなかろうか。そうした場合に、輸入量が多いために、国内のメーカー自体それをとめようとしましてもおそらくとまらずに、一緒にその値くずれが続くおそれがあるのではなかろうかというふうに考えております。
#97
○和田(耕)委員 もう一つ、スフ連合会の会長の寺田さんに一言お伺いしたいのは、先ほどのお話で非常にごもっともだと思いましたのは、いまの法案に出ておりますように実地調査の権能を持つ、そしてわかったら公表するというのが政府案の中心なんですが、そんなことでは間に合わぬじゃないかというお話ですね、これは非常に貴重な御意見だと思うんです。まあ、私どものほうは、そういう事実があればすぐ売渡命令を出せという主張をしておるのですが、実際おやりになっている立場から、何か効果的ないい方法がありましたらお教えいただきたいと思うのです。
#98
○寺田参考人 たいへんむずかしい問題でございますが、先ほど福田参考人から申し上げましたように、一応そういったことについての……まあ、そういった機運ができてきましたおりにすぐそれを発動するというようなことになりませんと、これはせっかくいい考え方でも時期おくれになることがございますので、どういうことにしてくれたらいいんですか、その辺のことはまだあまりよく考えてはございませんが、とにかくあらかじめ、それがなりそうになったときに即座に実行できるというようにしていただくことが非常に大事だ、こう考えます。
#99
○和田(耕)委員 非常に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 終わります。
#100
○山中委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 本日は、参考人各位には、お忙しいところ長時間にわたり御出席をいただきまして、また貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうございました。ここに、委員会を代表して厚く御礼申し上げます。
 次回は明後二十一日土曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会をいたします。
    午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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