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1972/04/25 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第19号
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1972/04/25 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第19号

#1
第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第19号
昭和四十八年四月二十五日(水曜日)
    午前十時十九分開議
 出席委員
   委員長 佐野 憲治君
   理事 菅波  茂君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 森  喜朗君
   理事 島本 虎三君 理事 中島 武敏君
      小澤 太郎君    田中  覚君
      阿部未喜男君    土井たか子君
      村山 富市君    木下 元二君
      坂口  力君    小宮 武喜君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       城戸 謙次君
        環境庁企画調整
        局長      船後 正道君
        環境庁自然保護
        局長      首尾木 一君
        環境庁大気保全
        局長      山形 操六君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
        厚生省公衆衛生
        局長      加倉井駿一君
        水産庁次長   安福 数夫君
        通商産業省企業
        局参事官    三枝 英夫君
        通商産業省公害
        保安局長    青木 慎三君
        通商産業省公益
        事業局長    井上  保君
        建設省河川局長 松村 賢吉君
 委員外の出席者
        経済企業庁長官
        官房参事官   岩田 幸基君
        環境庁企画調整
        局防止計画課長 冨崎 逸夫君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 古村 澄一君
        厚生省環境衛生
        局環境整備課長 折田 貞雄君
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 三浦 大助君
        農林省食品流通
        局消費経済課長 堤  恒雄君
        農林省食品流通
        局食品油脂課長 籾山 重廣君
        林野庁指導部長 松形 祐堯君
        通商産業省公害
        保安局公害防止
        指導課長    松村 克之君
        運輸大臣官房安
        全公害課長   勝目久二郎君
        運輸省港湾局技
        術参事官    大久保善市君
        海上保安庁警備
        救難部長    船谷 近夫君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     村山 富市君
同日
 辞任         補欠選任
  村山 富市君     岩垂寿喜男君
    ―――――――――――――
四月二十四日
 公益防止の抜本的対策に関する請願(小川新一
 郎君紹介)(第三三五六号)
 日光国立公園尾瀬地区の自然保護に関する請願
 (八木一男君紹介)(第三三五七号)
 同(山口鶴男君紹介)(第三三五八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(大気汚染
 及び水質汚濁対策等)
     ――――◇―――――
#2
○佐野委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林義郎君。
#3
○林(義)委員 私は本日は響灘海域の問題につきまして、再度質問いたしたいと思います。
 私はこの問題につきまして、昭和四十八年の二月二十三日、選挙後の初国会の最初の委員会で冒頭にこの問題を取り上げてお尋ねしたわけでございますが、そのときには、いろいろの調査が進んでおる、調査が三月ぐらいにはでき上がるからそのときに再度お話をしようということでありました。
 私そのときのことを申し上げますと、当時私が質問いたしましたのは、響灘海域環境調査計画というのが六つほど調査があります。一つは、総括調整及び関連開発調査で、第七管区海上保安本部、第四港湾建設局、北九州港管理組合からの聞き取りによるところの総括的な埋め立て、しゅんせつ事業の経過というものの把握であります。第二は、響灘の赤潮の調査の第二次の調査でありますが、四十七年の七月から十月にやりまして、調査地点三十六点、山口県側が二十三点、福岡県側が十三点、水温、透明度、汚濁度、SS等について調査をする、汚染の状況、汚濁の拡散状況の実態把握を行なうという調査であります。第三番目――これは第二の調査になると思いますが、海底質、ヘドロの調査でありますが、ヘドロの拡散状況の実態調査を、同じく四十七年度の八月から十月にかけて調査地点十八点について行なうということであります。第三番目の調査が、汚濁源の調査であります。どこから汚濁が発生しているかの調査でありますが、汚濁発生源別の汚濁負荷量の調査によって汚濁寄与度の算定を行なうということを、四十七年度にやるということでありまして、河川、工場排水、都市排水、屎尿投棄というものを、福岡県、北九州市、山口県で共同調査をするというのがあります。第四番目に、潮流等の自然条件の調査でありまして、海水がどういうふうに流れていくか、人工クラゲを流して、一点当たり約三百個、大潮、小潮の二回、漂流物の漂着状況を調査をするという調査があります。それから第五番目に、潮流の拡散の変化に関する調査で、模型実験結果のデータ収集を行なう。模型をつくりまして、それでどういうふうな海流になるか、流れになるかということの調査をするというのでありますし、潮流拡散の変化に関するモデル計算というので、北九州の響灘の埋め立てをした場合には、こういうふうな形での流れをするであろうというのをやるということでございます。
 さらには、潮流の汚濁拡散に関するモデル計算というのをやっていくという話で、これは山口県側でも何かあるようでございます。先ほど五番目に申しましたのは、第四港湾及び福岡県側でやるということになっております。
 そうした六つの調査というものが、私の聞いているところでは、この三月までには大体完成をするという話であります。実は、山口県のほうで、私入手しましたのですが、三月二十日付けのものとして、私の手元に来ましたのは四月二十日付けのものでございます。これは、山口県のほうでこの調査結果というものが出ておりますが、福岡県側での調査とは別にいたしまして、あるいは第四港湾、運輸省関係の調査とは別にして、山口県側でも大体同じような調査をやっておられるのであります。そういった調査を、この響灘海域環境の調査全体につきまして、これからまだやらなければならない調査が、どことどこと残っておって、どれとどれがいつごろできるかということにつきまして、環境庁でも運輸省でも、またそのほかの役所でもけっこうでございますから、調査がいつごろできるかというのをお答えいただきたいと思います。
#4
○岡安政府委員 いま先生の御質問の響灘海域の環境調査につきましては、大体先生のあげられました項目等につきまして、両県が協力いたしまして、関係のところのまた協力を得まして、調査をやったのでございますが、いまお話のとおり、その調査結果を最近取りまとめまして四月二十日に公表したというふうに聞いております。私どもまだ詳しい内容は入手いたしておりませんので、その結果等をさらに私どもも検討いたしたいと思っておりますが、今後の計画といたしましては、両県でこの調査結果に基づきまして判断をするわけでございます。もちろんその判断をする場合におきまして、従来の調査だけで不十分な点があればさらに補足の調査をするということになろうと思いますが、それらはやはり今回の調査結果の解析等の結果によらなければ、どういうことになるか必ずしも明らかではないというのが現状でございます。
#5
○林(義)委員 私は、調査というものは、やはり一つの目的をもってやられなければならない、単に調査のための調査であっては私はならないと思うのであります。これはもう調査と言われる以上は当然のことであります。それで、先ほど私がくどくどこまかく申し上げたのは、この響灘海域が一体どういうふうな潮流の流れになっているか、また汚濁物質がどういうふうな形で流れていってどういうふうに拡散をするかという調査であります。この調査につきましてはいままで、この前も私申しましたけれども、昨年の十二月二十三日には「汚染・潮流に問題なし」という響灘開発中間報告というのが日本経済新聞に地元のほうで出ておったのでございます。今度は山口県のほうで、元凶はやはり響灘であるというふうなことで大きな見出しで出るというわけで、私はこの前も御指摘申し上げたのですが、その中間報告とかなんとかいうものをぽかぽか出されるのはあまり好ましいことではない。非常にむずかしい問題であります。いろいろな問題がこうあって、それを解析をやらなければならない。その上で、正確な科学的な判断を下すことが私は至当だろうと思うのです。そういった意味で、あまり中間報告的なものを出されるのはどうだろうか。むしろまとめて、最終的に両県で相談し、あるいは学者を入れて検討した上でやったほうがいいんじゃないかと思うのでありますけれども、山口県のほうでは発表されたということであります。まあこれは、相当な影響があるというふうなデータが出ております。ここで発表されますと、今度はおそらく連休明けに予想されるところの両県の話し合いもまたなかなかかえって感情的な問題とかなんとかでむずかしくなるのじゃないかというような気がするのですけれども、私は考えますのに、いまの響灘の海域の環境調査というのは、一般的に考えまして、先ほど申し上げました調査でもって項目としては大体できている。新しい項目をつけ加える必要はないんではないか、こう思いますけれども、調査の方法としてこの項目だけでいいのか、またこういった点を何か調べていかなければならないというものがあるのか。私は一応これだけの調査をすれば大体あの辺の海域がどうなって、汚濁がどういうふうに流れるかわかると思うのですけれども、いかがでございます。
#6
○岡安政府委員 やはり調査結果の解析をまたなければよくわかりませんけれども、私どもといたしましては、先般の調査で大体目的とするところはわかるのではないかというふうに考えております。
#7
○林(義)委員 私は、その響灘がどういうふうな水の流れになるかという問題と、もう一つの問題は、この汚染によって発生したところの赤潮の発生機序の問題をやはり追及していかなければならない。この赤潮の発生機序の問題につきましては、瀬戸内海の徳山湾で四十六年ぐらいから始まった調査があります。その後、瀬戸内海、伊勢湾その他の地域でたいへん赤潮が発生して、いまや全国的な問題になっております。この赤潮の発生機序につきましては、環境庁のほうでも、PとNが大体発生の原因になっているというようなことを、文書の中で発表しておられるものがありますが、このほうの調査は四十六年からですから、もうすでに三年たっております。この辺の調査は、大体いつごろでき上がるのか、現在の調査経過等についてお話をいただきたいと思います。
#8
○岡安政府委員 赤潮の調査につきましては、四十二年から四十四年まで科学技術庁がやりまして、中間報告は出ておりますけれども、なお明らかでない点がございますので、四十六年から三カ年計画で、関係各省と協力いたしまして現在調査を続行中でございます。四十八年度に私どもは従来疑問としておりますところを明らかにするということでやっておりますので、今年度経過をすれば、ある程度予防その他に必要な程度のメカニズムが明らかになるものと期待をしておるわけでございます。
 ただ、ちょっと付言いたしますと、響灘の関係の赤潮の発生につきましては、現在その海域におきます窒素、燐の状態等から見まして、ほかの発生水域と多少違っておりますので、多少問題はあるかとも思いますけれども、できるだけ今年度の調査を進めましてメカニズムを明らかにし、できれば予防等の有効な対策を樹立したい、かように考えております。
#9
○林(義)委員 いま響灘の話が出ましたが、赤潮の問題は、窒素と燐とが一緒になって汚濁をしておる、しかも、その汚濁の程度が相当な状況になっておるところに一般的には発生するだろうということは言えるのでしょうけれども、必ずしもそうでもない。響灘の北のほうになりますと、わりとその量は減っておるということは、数字的に出ておりますし、また兵庫県の家島ですか、その辺ではあまり出ていないのではないか、こう思うのです。ですから、何かほかの要因もあるのかということの調査も当然しなければなりませんけれども、いま赤潮の問題の調査が、どういった項目を中心にして、どの辺の解明をしていくということでやっておられるのか、もう少し具体的なお話をいただきたいと思います。
#10
○岡安政府委員 現在、四十六年度から四十八年度にかけましての調査のおもな項目を申し上げますと、まず第一は、赤潮発生予察技術に関する研究でございまして、その内容といたしましては、汚染環境と赤潮発生の相関に関する研究というのが一つと、それから赤潮生物の増殖要因に関する実験的研究というのをやっております。これは水産庁が中心になりましてやっていただいているわけでございます。
 二番目の項目といたしましては、赤潮による水産被害の防除抑制技術に関する研究でございまして、内容といたしましては、赤潮による水産物の斃死機構に関する研究と、二番目は水産被害の防除抑制技術に関する研究でございます。これも大体水産庁を中心にお願いしております。
 三番目が赤潮発生水域等の汚染環境に関する研究でございます。その内容は、一つは赤潮発生水域の動態に関する研究、二番目は赤潮発生水域の動態と汚染環境との相関に関する研究でございまして、これは運輸省の海上保安庁を中心にお願いいたしておるということで、それぞれ年次がございまして、四十八年度は一応これで完成をするという予定で現在進めておるわけでございます。
#11
○林(義)委員 岡安局長のいまの御説明で、大体、赤潮の発生原因、メカニズムはこういうことになるということが四十八年にはいえるというお話だと私は了解いたしますが、よろしゅうございますか。
#12
○岡安政府委員 そのように努力をしているということでございまして、なかなかむずかしい点もあろうかと思います。
#13
○林(義)委員 わかりました。赤潮の問題は、この北九州特に響灘沿岸におきましては、なかなかむずかしい問題があります。海の流れが非常に複雑な形を示している。それがまた北のほうに上がってきまして影響を及ぼすわけですから、しかも赤潮の発生機序もわかっていない、その点からなかなかむずかしい調査でありますが、やはりこの辺をきれいにしていかなければならない。漁業資源としての宝庫でありますから、これはほんとうに保存していかなければならない環境保全の一番の大きな問題でありますから、こういった点で、私は、できるだけりっぱな研究を、また調査を進められることを心から期待してやまないのであります。
 そこでお尋ねしますが、北九州のほうの港湾管理組合で埋め立て計画があるということは、計画としてはありますが、まだ運輸省には出ておりませんか。こういったような調査が出ておる。その調査の出ておる段階で、まだ話し合いもつかないというような段階で、まさか運輸省のほうで認可されることはないと思いますが、その辺運輸省の当局のほうはどういうふうにお考えでありますか、お答えしていただきたいと思います。
#14
○大久保説明員 お答えいたします。
 先ほど岡安局長が御説明申し上げましたように、あの海域の調査につきまして実はけさ山口県のほうのレポートを入手いたしたわけでございまして、それから第四港湾建設局及び北九州港管理組合の調査結果の要約も昨日私承った状況でございます。
 それで、先ほど先生の御指摘のように、その調査報告をただ無批判に出しますと非常に混乱を来たすというふうに考えられます。それで今後の進め方につきましては、連休明けに関係者集まってこれを検討するように聞いております。したがいまして、私どもといたしましても、これだけ非常に問題のあるところでございますので、その検討結果の上、両者の技術的な観点からして、科学的な観点からして、こういうように修正すれば対策が立てられるとか、何かそういう意見のまとまりが出るまでは、北九洲港の管理者としても具体的に計画をつくれないと思います。そういう状況からしまして、現在まだ港湾審議会に計画をかけるというような予定の期日もきまっていない状況でございます。やはり十分慎重に取り扱いたい、そういうように考えております。
#15
○林(義)委員 十分慎重に取り扱いたいというのは、話が大体つかなければなかなか持っていけない、こういうふうに私は了解しますが、よろしゅうございますか。
#16
○大久保説明員 お答えいたします。
 先般の委員会で私お答え申し上げましたとおり、現在港湾区域内における公有水面埋め立ての行政につきましては、港湾管理者が立てた港湾計画、重要港湾では運輸大臣の承認を得た計画というもの、その計画に沿ったものでなければ埋め立てを認めないというようなぐあいにしております。そういう点で現在きまっております計画を逸脱するような埋め立て計画は、これは認可できないわけでございます。そうすると、港湾管理者の計画というのはどういうことになるかと申しますと、まず北九州港につきましては北九州港の管理組合、要するに港湾管理者が案をつくる、それでその案が提出されて初めて運輸大臣がそれを審査するということになりますので、話し合いがつかないものはまず北九州港のほうから出してこれないと思いますし、またかりに出してきましても、これは港湾審議会の場でもって十分検討されることになろうと思います。
#17
○林(義)委員 今国会に公有水面埋立法を改正する法律案が出ております。その中でも、関係府県とはよく相談をする、意見を聞くことにするというふうに書いてあります。案としては書いてあります。それから環境の保全に十分配慮せられることということが認可基準の中に入っております。そういった趣旨からいたしますと、公有水面埋立法の埋め立ての免許でありますから、当然そういった基準というものは公有水面埋立法の運用にあたりましても適用されるべきであろう。そういうことになれば、これは法律の改正されるを待たずしても私は――法律の施行はいつでしたか、たしか公布の日から六カ月か何かくらいじゃなかったかと思いますが、その前におきましてもやはりこの現在の情勢から考えたならば、私は当然いまの運輸省の当局のほうからお答えがあったようなことで、環境の保全というものを十分に考えた免許というものをとらなければならないだろう、こう思っているのであります。
 そこで、もう一つ前の段階になりますけれども、具体的にお尋ねしたいのですが、いま、連休明けに山口県側と北九州側あるいは福岡県側といろいろと話し合いをする、山口県のほうではいまこんな厚い資料を出しておる、それから福岡県のほうでも北九州港管理組合なり、福岡県でもやっておるし、それから第四港湾、地元の運輸省の出先でありますけれども、そこはどちらかというと中立的な機関という形でいろいろな調査をやっておられるというふうに聞いております。しかしそういった調査を全部集めてやらなければならない。一つだけやって、これでどうだこうだというのではないと私は思うのです。やはり全体の調査を集めてやらなければなりません。その辺の話し合いは、やはり単に行政当局者だけでなくて、その道の専門家を入れて話し合いをしたほうがよろしいだろう。なかなか非常にむずかしい問題もありまして、新しい学問の領域もありますから、そういうふうなことをやったほうがいいのじゃないかと思いますけれども、その辺はどういうふうになっておりますか。どこがその辺の話し合いの指導をしておられるのか。どこがやっておられるのか。また両県だけで適当にやっているということなんですか。この辺についてお答えいただきたいと思います。
#18
○大久保説明員 お答えいたします。
 正式には県際間の協議会ができておりますので、まず第一次的にはその協議会の場で検討されることになると思いますが、その協議会といたしまして、先生の御指摘のようにやはり非常に立場の違う者同士の会議ではなかなかむずかしい問題も出てくる。それからまた技術的に非常に高度の問題、非常に特殊な知識を必要とする問題、そういうものもございますので、その判断のためにはやはり専門の分野の方の御協力を得なければならないということになると思います。しかしその進め方につきましては、やはりまず両県のその協議会におきまして、これからの合意点を見出すための方法というのを御相談いただくという以外にないのではないかというふうに判断いたしておるわけでございます。私ども聞き及んでいる範囲でも、まず県際協議会のほうでやるというふうに聞き及んでおります。
#19
○林(義)委員 県際協議会で円満な話し合いがつけば私はもちろん非常にいいことだと思いますが、なかなかこの問題むずかしい問題もありますから、両県の事務当局、執行部だけではなかなか話がつかないだろうと私は思います。そういったときにはやはり環境保全の問題でありますから、環境庁なり国のほうにおきまして積極的に乗り出してやはり両県に対して指導をしていかれることが私は必要だろうと思うのです。
 大臣にお答えいただきたいのでございますが、やはりいろいろ話がつかない、いつまでたっても学問のための学問、技術のための技術という形でいたずらな議論を繰り返しておくのは私は当を得たことではない、こう思います。そういった意味でこの問題につきましてはできるだけすみやかな解決が望まれるところでありますから、両県からの申し出があれば環境庁のほうとしてはいろいろと学者をさがしたり学者に頼んだりというようなことについてやっていただけるのかどうか、環境庁長官からお答えいただきたいと思います。
#20
○三木国務大臣 海域の環境汚染の問題はなかなか複雑な問題を含んでおりますから、総合的に分析をしたりあるいは判断をするのには、林委員の御指摘のような専門的な学者の意見も聞く必要がある。だからそれを委員会をつくるとかなんとかいうような形は別としまして、山口県、福岡県の両県の当局者が調査の結果が出ますればそういうような意見も徴しながら、環境庁としてはできるだけこの問題の解決に協力をいたしていくつもりでございます。
#21
○林(義)委員 海で両県の間の一番近いところは七百五十メートルであります。社会的にも非常に密接に関係をしておる。隣の町に行くよりははるかに近いところに両県の間はあるわけであります。いろいろと人の交流もあります。それがこういった問題で非常に対立をしてお互いにいがみ合っているという姿勢はあまりよろしくない。やはり関門海峡といいますように、両県が一緒になって発展していかなければならない、こう思います。そういった意味で環境庁も積極的にいま乗り出して話をやるということでございますから、そういった態度を心から期待いたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
#22
○佐野委員長 村山富市君。
#23
○村山(富)委員 私は、先般社会党の公害調査団が大分県の新産都市一期計画の公害並びにそれに関連をして二期計画の問題等につきまして調査に参りましたので、その調査に基づいて御質問を申し上げたいと思うのです。
 特に先月の二十七、二十八の二日間環境庁が現地の調査に行っております。この調査は、これまでの調査がややもすると受け入れが行政が主体で行政ペースで行なわれた。そのために住民のほんとうの声が反映されない。調査をしたことが逆に住民の期待を裏切り、同時に不信感を強めておる。こういう調査が多かったのですけれども、今回の調査は、そういう意味から申し上げますと、地域の住民が三木長官に直訴した。その直訴した結果を受け入れて、そうした住民の声を反映するという意味で調査が行なわれた。そういう意味では環境庁に対する信頼もたいへん高い。それだけに、今回の調査に対する関係地域住民の期待も大きいわけでありますが、その調査の結果、環境庁としてはどういうふうに現状を把握されて亙るか、そういうことについてまず冒頭にお尋ねしたいと思うのです。
#24
○船後政府委員 お答え申し上げます。
 大分の新産都市の状況につきましては、過日当局の冨崎防止計画課長が主になりまして現地の実情を調査に参ったのでございますが、同地区におきましては、企業立地の急速な進展を機といたしまして環境汚染が進行しておる、これにつきましては一部住民に不安感が高まっておる、こういう実情にあるわけでございますが、なお詳しくは調査に参りました担当の課長から説明させたい、かように考えております。
#25
○冨崎説明員 過日環境庁から現地の調査に参りまして、その調査のメンバーの一人といたしまして現地で住民の方々から訴えられた事項、それから現在進行中の新産都市の建設状況あるいはこれに伴います企業の公害防除対策あるいは県、公共団体の苦情処理体制、こういうものを中心に現地を視察してまいりました。
 その結果につきましては調査復命の形で長官以下上司のほうに報告をいたしております。調査の概要といたしまして、環境の保持全体については、これは他のコンビナートとの相対的なあれでございますが、おおむね現状の汚染は進行をしておらないという状況は見受けられたものの、局所的に環境汚染の点がある。特に第一期の立地企業を中心として既存の企業からの水質の汚濁、そうしたものが目立ったということがいえるわけでございます。しかし海域につきましては瀬戸内海の玄関口でもございますので、豊後水道の海流というものが流れております関係で、自然環境の面でたいへん良好のように一見見受けられました。もとよりこの点は時期的には水質悪化の状態がある、ないしは別府湾自体は水質汚濁の状況が見られるということでございます。
 それから企業の公害防除の対策として、現地の企業の一部につきまして視察を行ないましたが、企業の公害防除の対策としては相当な投資を行なっておるわけでございます。そういうふうに見受けられましたが、今後まだ増設が行なわれるというふうな点からいたしますと、公害防除の効果の点は今後の問題であろうというふうに感じられたわけでございます。なお工場の配置の問題とか、あるいは住民から強く訴えられました悪臭あるいは有害ガスが出ておるのじゃないかというふうな問題点があったように思われます。
 なお、公共団体の公害対策といたしましては、特に県といたしましては公害防止協定を締結しておるわけでございますが、目立ちましたのは背後地対策の立ちおくれ、特に公共事業の面でそういう点が立ちおくれているように見受けられたわけでございます。なお、住民の環境汚染に対する不安からいたしまして、いろいろ深刻な苦情が訴えられたわけでありますが、これに対する公共団体側の苦情処理体制は必ずしも満足すべきものでないというふうに受け取られたわけでございます。
 さらに健康被害の問題につきましては、現在県並びに市が医師会に委託をして健康調査を実施しておる三佐、家島地区、これを中心にさらに佐賀関の神崎地区等で直接住民からの訴えを聴取いたしましたけれども、これらについてはやはり相当問題があるのじゃないか。ただし健康調査につきましては、現在調査報告が必ずしもまだまとまっておる段階でございませんので、これらについては調査報告がまとまり次第、環境庁のほうに連絡をしてもらいたいということでございます。
 最後に、二期計画の進行につきまして、特に一期計画がいろいろ問題を残しておる段階で二期計画の推進を開発サイドで一方的に行なわれることについて問題だという強い住民からの苦情、訴えがあったわけでございます。この問題につきましては、現地では特に埋め立て免許をめぐりまして漁協あるいは背後地の住民というものの中に相当大きな不満がございます。特に漁協につきましては激しい紛争を惹起しておるわけでございまして、私どもといたしましても、こうした住民の不安感の背景というものについて、環境汚染が特に第一期計画からの環境汚染が影響しておるというふうに受け取れる面があったわけでございます。
 大体調査の概要といたしましては以上申し上げたとおりでございます。
#26
○村山(富)委員 時間があまりないものですから詳しくは申し上げませんけれども、いま環境庁の調査の結果を聞きましてもおおむね現状を維持しておる、あるいは海峡を中心として自然環境は良好である、こういうような判断に立っておるわけですね。県の場合も県の公害関係の職員は一生懸命努力しておると思います。しかし県が環境保全のよりどころにしておる基準というものはやはり環境庁が示しておる基準によっておるわけですけれども、たとえば環境汚染から見ますと、〇・五PPMまではだいじょうぶだから、現状はその半分程度だからまだ環境は汚染されていない、こういう判断に立っておるわけですね。したがって現状認識がたいへん違うわけです。私どもが調査に参りましていろいろ実際に見たり聞かしてもらったりしたことがたくさんあるわけでございますけれども、たとえば地元の医師会が健康調査をいたしておりますが、国民健康保険の医師による請求書から毎年の新患者を抜き出して、その中で大気汚染と関係のあるような呼吸器系あるいは耳鼻咽喉系とか眼科系等の疾患の発生を三十七年からずっと調べているわけです。その結果によりますと、昭和四十年の新産都市の操業が開始された年から患者が急増しておるわけです。四十五年に本格的な操業が始まってから一段とその患者の発生が高まっておる。医師会としては、これは明らかに企業立地によって起こっている現象であるというふうに結論づけているわけです。さらにまたその臨港地帯の背後地にある、その谷間といわれておるたとえば三佐、家島、小中島、徳島、こういう地域の住民が住民みずから健康調査をやっているわけです。その調査の結果によりますと、たとえば三佐の青年団が六歳未満の乳幼児の家庭を対象に昨年六月に調査をいたしておりますが、その調査の結果によりますと、六〇%がこの一年間に気管支炎かぜんそくあるいは鼻カタルあるいはへんとう腺炎などの病気にかかっているということが明らかになっているわけです。さらにまたいままで全然調査の対象にならなかった徳島の地区、これは住友化学の背後にある住宅地区ですけれども、その徳島地域の人たちの調査結果によりますと、調査した人数は四百四十五人ですけれども、その中でかぜを引きやすくなったというのが二百五十人あります。せきがよく出る、百五十七名。のどが詰まるような感じがする、九十四名。のどが痛む、九十四名。目が痛む、四十五名。鼻が詰まる、五十二。詳しくは申し上げませんけれども、こういうふうに相当の疾患がそれぞれあらわれているわけです。この地域は特に企業に関係をする職員の住宅が多いのです。したがって、がまんにがまんをしたあげく、もうがまんがしきれなくなってこういう結果が発表されているわけですね。そういう事情も十分ひとつ把握した上で御認識を願いたいと思うのです。特にこの地域の人たちが訴えておるのは、悪臭がひどいというのです。たとえばテレビのアンテナなんかは三年もすると腐って折れるというのです。屋根にふいてあるトタンなんかは二年もするともう腐って穴があく。子供が二階で勉強するのに目が痛くなったり悪臭で勉強できない。そこで実際に見ましたけれども、窓ガラスなんか見ると、全部目張りをしてあるのですよ。それで、しかも庭の木なんかもどんどん枯れていく、こういう実情が訴えられているわけです。こうした実情を見ましても、私は、いま報告にありましたような環境庁の現状認識はたいへん甘いのではないか。こういう現状認識でこのまま推移すれば、これはたいへんなことになるというふうに思うのです。さらにまた佐賀関ですね。これは一期計画と関係ありませんけれども、その先にある佐賀関製錬所付近の調査を京都大学の先生が中心になってやっております。それが大体四十六年の七月と四十七年の四月に二回にわたって調査をしておりますが、その調査の結果によりますと、こういうことが出ているわけです。第一回の調査では主として海のどろあるいは山の土、海水中の重金属等を中心に調査をいたしております。その調査の結果によれば、海の中のどろの分析の結果は、砒素の場合、これは環境基準は〇・〇五PPMですが、たとえば排水口から十メートル付近あるいは排水口から三メートル付近、さらにまた海岸から二十メートル、三十メートル、こういう地点を設定してそれぞれ調査をしているわけですけれども、そこであらわれている砒素の量は環境基準の〇・〇五PPMに対して八六一という数値が出ているわけです。あるいは一一六五というばく大な数値が出ているわけです。さらにまたカドミウムを見ますと一二・五、一六・五、二・五といったように、環境基準をはるかにオーバーした数値が検出をされているわけです。さらにまた水銀なんかを見ましても一・五〇六、一・三八三、〇・三二七、一・九二六といったようなものが検出をされているわけです。いま申し上げたのは海水のどろですけれども、土壌の中の濃度を見ますと、大体表面から五センチぐらいの土をとってそれを分析しているわけですけれども、砒素の場合に一〇七五、あるいはカドミウムの場合には六・〇、鉛が二五二〇、水銀が四・二五八、こういう数値があらわれているわけです。さらに海水中の濃度を見ますと、カドミウムが〇・〇三八あるいは〇・〇四〇、こういったような数値があらわれております。こういう現状を見ましても、もうたいへん汚濁をしておる。しかも非常に危険な物質がその中に含まれておるということが検出をされておるわけです。
 第二回目の調査は、主としてといの中にたまっているほこり、粉じんを分析しているわけです。それから住民の髪の中に含まれておる砒素の検出をしておるわけですね。それを見ますと、家のといの中における粉じんの中に含まれておる砒素の量は一五〇〇PPMというふうに検出されているわけです。それから住民の髪の毛の分析をしたところが、大体一般の日本人に含まれておる量は〇・二から〇・五、外国人の場合には〇・三から一・〇PPMというふうにいわれているそうでありますけれども、この調査の結果によりますと、最高が二・八PPM、二十八倍の高濃度が出ているわけです。こういう現状を見た場合に、このまま放置して、しかも一期計画がどんどん拡張され、二期計画がどんどん進められていくということになればたいへんなことになるのではないか。したがって、先ほど来申し上げておりますように環境庁や県が現状認識をしておる認識と、実際の現地の実情というものはたいへんな違いがあるというふうに思うのですが、こういう現地の実情に対してどのような把握をされておるか、もう一ぺんお尋ねしたいと思うのです。
#27
○山形(操)政府委員 私のほうから大気の問題と悪臭問題についてお答えいたします。
 大気に関しましては先生御指摘のとおり現行の環境基準に対しましては一応〇・〇二という数字が各測定局から出ておりまして、四十七年の四月から十月の七カ月問における一番新しい平均値でも大体同じ濃度でございます。その点は現行の環境基準と比較すれば半分くらいということになりますが、現在私どものほうでさらに環境基準の見直しをいまやっている最中でございますので、それをもとにしますとこの点はもっと規制を強化しなければならぬという問題が入ります。またさらに完全操業に入りましたら排出量も増加することになりますので、きびしい対策が必要であります。排出規制の強化は今後もさらに強めていく所存でございます。
 それから悪臭に関しましては、現在三佐、家島地区にはクラフトパルプと石油化学、石油精製等の悪臭発生事業場がまわりを取り囲んでおる状態でございまして、苦情がたくさん出されておること、十分認識しております。私ども悪臭防止法の関係は昨年五月に規制地域の指定と規制規準の設定を急ぐように大分県を指導しておりますが、現在大分県のほうでは市と相談して規制地域の指定の準備に入っておりまして、これがいまの計画では十月ごろになることでございますので、県のほうでとりあえず条例でもってやっていこうと考えております。実際問題として、これは測定の技術等の整備の問題もあり研修の問題等もありまして、現在全国で規制地域の指定と規制基準の設定をしたところがまだ十六都県六市しかございませんが、私どものほうは十分県を指導して早く規制地域の指定と規制規準の設定を急ぐように指導していく所存でございます。
#28
○岡安政府委員 別府湾の水質につきましては、これは季節によりまして相当変化をするという特質がございますが、一般的にやはり類型からいきますと、BないしCというように相当汚濁が進んでおるような類型に相当するような水質でございます。
 そこで私どもは現在、昨年の十二月に公害防止計画ができております。その防止計画におきましては、大部分の水域につきましてはA類型に相当するというようなことを目標にいたしておりますので、現在汚濁負荷量について相当ウエートを占めております工場排水等につきましては、さらに排水規制を強化いたしまして、現状よりもさらにいい水質を保ち得るように規制を強化してまいりたい、かように考えております。
#29
○船後政府委員 大分市の鶴崎地区を中心といたしました住民の健康状況でございますが、先生御指摘のとおり県の医師会が昭和三十七年以降の国保のレセプトによる受診率調査をいたしておるわけでございまして、この場合に取り上げられております疾病は慢性の呼吸器疾患のほかに急性の気管支炎等も取り上げておるわけでございますが、この医師会のレポートによりますれば、確かに御指摘のとおり三十九年あるいは四十年ころを境といたしまして、患者の発生率が増加しておるという状況にあるわけでございます。これにつきましては通常の大気汚染物質であるSO2等のほかに、やはり住民が悪臭あるいは刺激等の感覚的な公害を訴えているところから判断いたしますれば、その他の物質の漏れということも非常に懸念されるわけでございます。でございますので、私どもといたしましては、そういった企業の操業に伴う有害物質の排出というものは厳に抑制するように、県のほうへは指導いたしておりますと同時に、先生の初め御指摘にございましたような当該地区の環境条件につきましては、先般策定されました公害防止計画では、一応たとえばSO2につきましては現行の環境基準年平均値が〇・〇五PPMでございますが、これを目標に掲げてはおりますものの、具体的には現状程度以上には進行させないということで、さらにきびしい数値を確保すると同時に、先ほど大気保全局長が御説明申し上げましたように、現在、環境庁では人の健康を守るきびしい環境基準の見直し作業を急いでおりますので、このように環境基準が改定されますと、それにあわせて公害防止計画も見直し、そして当該地区におきましては、このような人の健康を維持する環境基準というものをひとつどこまでも維持するという方針で臨みたい、かように考えております。
#30
○村山(富)委員 ことばだけ聞いていますと、なかなかりっぱな答弁をされるわけですけれども、最初から申し上げておりますように、やはり現状認識がたいへん甘いと思うのですね。重ねてお尋ねしますが、いま答弁がありましたように、環境基準をもっときびしくする必要がある。大気汚染も海水汚濁もする必要がある。こういうような御説明がありましたけれども、〇・〇五PPMというものはやはり甘かった。〇・〇五PPMの基準というのはどういう科学的根拠においてつくられたのか。これはもし甘くてきびしくする必要があるとするならば、どの程度にきびしくする必要があるのかということについて、重ねてお尋ねしたいと思います。
#31
○山形(操)政府委員 お答えいたします。
 現在の硫黄酸化物の環境基準ができましたのは、昭和四十四年の二月に閣議決定できまったものでございます。当時、厚生省時代に審議会で専門委員会をつくって、学識経験者による基礎的な調査、検討が行なわれた結果、一応出てまいりました数値は一日平均値が〇・〇五PPM以下、一時間値が〇・一PPM以下、これが根拠でございました。それをもとに環境基準つくりが行なわれたのでございますが御承知のとおり、当時は低硫黄による燃料が非常に見込みがなかったことと、それから川崎、尼崎等の非常に過密した地域における現状が、その専門委員会の出しました数値にはとても満足できないということから、非常に汚染された地区と、それから現在進行しつつあるところと、そうでないところの三段階に分けて、これらについて達成の期限、達成の方途を検討されたわけであります。そして、一番よごれた地区については、十年間を目途とした場合に、どの程度の環境基準に設定したらよいかということに関しまして、これはやはり年間値でもって数値をあらわそうということになりまして、そのかわりいろいろな局所的な、ある局面的に濃厚な濃度にならないような条件をいろいろつくりまして、そして年平均値〇・〇五PPMというような値が出たわけであります。当時は実際きれいなところとそうでないところとで、慢性気管支炎あるいはぜんそくを中心にする病人の発生がどの程度あって比較すべきものかという場合に、いわゆるきれいな場所というところの疫学データが非常に少のうございまして、慢性気管支炎の発生率、有症率を何%くらいに見たらよいかという点が、まだ十分なデータがなかった点、それからよごれておる地区の発生率、有症率が非常に高い、何倍くらいあるべきかという点についての基礎データが十分でなかったためもございまして、一応年間平均値〇・〇五という値が出たのでありますが、過般いろいろな政策が行なわれて、硫黄酸化物の濃度がだんだんと現行の環境基準以下になっておる地区においても、なお有病率あるいは有症率がだんだんふえているというデータが出まして、それの結果が四日市判決にもあらわれてまいりましたので、私どもはやはり現行の環境基準は当時としては達成方途、期限については十分配慮した環境基準でありますが、現在は健康被害という点において、健康を保護し、生活環境を維持するという点においては、さらにそれをもう一回見直しする必要があるということで、昨今データを集めまして、その後の新しいデータが重なってまいりましたので、それらをもとに現行の環境基準の約三分の一程度に見直しの数値が出てまいりまして、目下それを新しい環境基準にすべく中公審において検討していただいている最中でございます。
#32
○村山(富)委員 先ほどお話のありました赤潮問題ですが、瀬戸内海の水産協議会という、これは正式の団体と思いますけれども、ここが発表しております瀬戸内海全域の赤潮の発生状況の調査をしたデータがあります。それによりますと、二十五年には四件しか発生しなかった。三十年に五件、三十五年に十八件、四十年に四十四件、四十二年には四十八件、四十三年に六十一件、四十四年に六十七件、四十五年には七十九件というふうに、年を経るに従ってどんどん、どんどん赤潮の発生がふえておるわけですね。ちょうど大分市の新産都の計画が三十九年から操業を始めておるのでありますが、この資料から見ますと四十年ごろから赤潮の発生もふえておりますし、同時に別府湾の赤潮発生率もふえておるわけです。したがってこの調査に符合いたしますと、ちょうど新産都の操業が始まってから赤潮はふえておる、こういうふうに結びつけられると思うのですけれども、企業の立地と赤潮の発生と全然関係はないというふうに断定できるか、あるいは関係があるというふうに思われますか、その点についての見解を伺いたいと思います。
#33
○岡安政府委員 赤潮の発生につきましては、そのメカニズムが必ずしも明らかでないので、断定的なことは申し上げられませんけれども、やはり赤潮の発生するためには窒素と燐が相当高濃度で海水中に存在することが前提条件であるというふうにいわれております。窒素と燐につきまして、工場排水の関係はどうかということでございますけれども、私どもの調査によりますと、確かに窒素は生活排水よりも産業排水のほうがはるかに多く排出しているということがいわれます。ただ燐につきましてはこれは逆でございまして、生活排水のほうがはるかに多く排出いたしまして、産業排水のほうが少ないというようなことになっております。
 しかし、先生おっしゃるとおり、一般的にいいまして、赤潮の発生が、瀬戸内海沿岸の産業が相当高度に進んだというような時期を境にいたしまして、従前よりも飛躍的に増大をしているということを考えれば、産業の発展によります瀬戸内海の汚染、それから汚染を媒体としましての赤潮の発生ということは、やはりある程度関連をつけて考えざるを得ないというふうに考えております。
#34
○村山(富)委員 そこで三木長官にお尋ねしたいのですけれども、長官は、先月の十四日ですか、瀬戸内海で、関係各県の知事やあるいは政令都市の市長をお集めになりました席上で、十項目にわたる提案をいたしております。その提案の中の一項目に、新規の埋め立ては当分やめる、あるいは事業が進行中のものも再検討する、こういう意味の提案をされております。この提案は、いままでいろいろ質疑応答の中でございましたように、別府湾を中心に瀬戸内海全体の汚染が進んでおる、これはこのまま放置できない、こういう現状認識に立って発言をされたと思うのです。
 この発言はたいへん高く評価すべきものである、関係住民も三木長官のこの発言にたいへん期待を寄せていると私は思うのですが、この見解はいまも変わりがないかどうか。
 同時に、具体的にいま私が申し上げましたように、大分県の新産都の一期計画をやっている現状でこういったいろいろな問題が起こっている。これに加えて二期計画が進行するとすればたいへんなことになる。しかし残念ながら、六、七号地は埋め立ての認可がおりている、八号地はまだ認可はおりておりませんけれども。したがって、長官が言われた、新規はやめる、あるいは進行中のものでも再検討する、この発言と大分県の二期計画との関連をわれわれどういうふうに判断したらいいのか、その点についての見解をお聞きしたいと思うのです。
#35
○三木国務大臣 瀬戸内海はもう一ぺんきれいな瀬戸内海にしなければならぬと私は思っております。いまからでも、おそ過ぎた感もあるわけですけれども、ここでわれわれがその気になればまだ可能性は残されている。そうなってくれば、新規の埋め立てなどに対しては絶対にいかぬというわけにもいかぬかもしらぬ、あるいはまた公害防止のためのいろいろな施設もあるかもしれませんが、しかし、必要最小限度に埋め立てというものは抑制をしなければならぬと私は思っております。また産業の立地についても、いろいろな公害に関連をする産業などの立地については、あまり既成の計画にとらわれないで再検討する必要があるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 そういうことで、大分の問題も、いま佐賀関の第八期の埋め立てについてお触れになったわけですが、第一期の工事でもやはり相当急速に工業の立地が進んでいるわけですから、したがって、個々の企業の排出量というばかりでなしに、全体としての環境に対する影響というものも検討されなければなりませんから、いま局長からお答えになったように、全体の環境基準、それに基づく排出基準というものは一そう強化をしていきたいということで、いま環境基準などについても見直しをしておるわけでございます。そういう意味から、大分の全体の環境保全という見地、さらに瀬戸内海全体との関連、こういうことで、今後の埋め立てに対しては、大分においても県として慎重に検討をする必要がある、こう考えておるわけでございます。
#36
○村山(富)委員 いま述べられた三木長官のおことばを踏まえて、さらに質問を進めていきたいと思うのですが、いままで申し上げましたように、一期計画の現状で相当環境破壊が進んでおります。いま一期計画の埋め立て地に立地している企業の生産規模なりあるいは一日に使う重油の量、これは時間がありませんから具体的に申し上げませんけれども、総体として使われておる重油量が五千五百キロリットル、これは四日市の現在の使用量六千六百キロリットルに比較すれば、大体その域に達しつつあるわけです。ところが、この計画はまだ第一期の計画であって、これから二期、三期という生産規模の拡張計画があるわけです。その生産規模の拡張計画についてもしおわかりであれば、できれば年次別に明らかにしてもらいたいというように思うのです。
#37
○三枝政府委員 お答え申し上げます。
 第一期計画の現在時点の能力に対しまして、企業が最終の目標として現在考えておりますのは、九州石油は十七万バーレル・パー・デーということでございまして、これはこれ以上の増強ということは考えられておりません。九州火力の五十万キロワットの火力につきましても、これ以上の増強は考えられておりません。それから昭電の石油化学コンビナート、現在エチレン十五万トンでございますが、これにつきましては、増設計画があるように聞いておりますけれども、六号地のほうの立地問題等との関係におきまして、現在その目標は最終的にはきまっておりません。それから新日鉄につきましては、現在粗鋼で年間三百五十万トンの生産能力になっておりますが、最終的には二号炉、三号炉の増設によりまして千二百万トンまで持っていきたいという計画がございます。
 第二期計画につきましては、六号地及び七号地、これはすでに進出に関する協定は県、市との間に結ばれておるわけでございますが、まだいろいろ多分に不確定な要素がございます。ただ九州石油につきましては、現在二十万バーレル程度の規模にまでやりたいという希望は持ち、かつ県にもそういうことで申し入れているようでございますが、時期的には、当初の申し出の計画によりますと五十二年以降というようなことになっております。それからまた、昭和電工グループにつきましては、現在のところ先ほど申し上げましたような事情がございまして、まだ目標が立っておりません。それから三菱グールプあるいは三井グループ、この辺は機械関係、特に造船を中心といたしました大型船舶のドックあるいは修理ということでございまして、この計画自体、最近の経済情勢の変化あるいは円切り上げ問題等も関連いたしまして流動的でございまして、まだ未定になっております。それから八号地に立地いたすということで、まだこれはきまっておりませんが、昭和石油及び帝人が候補にあがってきてございますけれども、この辺につきましても、まだ最終目標ということで具体的な数値は決定しておらないというふうに聞いてございます。
 それからまた、それぞれの第二期計画につきましての時期につきましては、九州石油及び昭電グループにつきましては五十二年以降という話でございますが、三菱グループや三井グループは五十年ぐらい、昭和石油、帝人あたりにつきましてはまだ目鼻がついてないという現状でございます。ただし、この辺につきましてもただいまのようないろいろな環境上の問題その他ございますので、県の態度といたしましても、予定どおりというよりは、企業側の意向等も受けまして、やるとしましてもむしろかなりおくれるということになっておるようでございます。
#38
○村山(富)委員 通産省が出している資料を見ましても、五十年度計画あるいは最終設備規模といったような拡大計画があるわけですね。これは計画ですから、実際にやるかどうかは別にして、こういう計画を持っていることは間違いないと思うのです。そこで、一つは、現状の生産規模でさえこれだけの環境破壊が進んでおり、しかも一期計画の立地規模で拡大されただけでも環境破壊は相当進むのじゃないか。それに加えて二期計画がやられるとたいへんなことになるというふうにわれわれは判断をするわけです。
 そのことをまず申し上げておきまして、次には経済企画庁にお尋ねしたいのですが、新産都建設促進法によって地元の県知事が建設基本計画を立てますね。その建設基本計画を総理大臣が承認をする、こういう形になっておりますが、その建設基本計画の中身を見ますと、たとえば開発すべき工業の業種及びその規模等に関する工業開発の目標とか人口の規模等、いろいろあげてありますけれども、この中に環境保全という項目が一つもないのです。この新産都建設計画が承認をされる段階で総理大臣から承認をもらえば、この計画に基づいて地元の県ではどんどん推進をしていくわけです。そういう観点から考えてまいりますと、この新産都建設促進法の事業計画の中に環境保全という問題を入れる必要があるのではないか。同時に、当時は環境庁はなかったわけですから入っておりませんけれども、その第十条に関係各大臣と協議をするという項目がありますが、この中にもちろん環境庁長官は入っておりません。したがって、環境庁長官も入れる必要があるんではないかというように思いますが、その点について長官の見解を聞きたいと思うのです。
#39
○岩田説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、新産都市の基本計画の策定にあたりましては、事前に地方開発審議会の議を経まして、建設基本方針というものを県に示すことになっておるわけでございます。大分地区の基本方針は三十九年の一月に指示されたわけでございますけれども、この中では環境保全につきまして二つの点を方針として示しているわけでございます。それは一つは、土地利用に関しまして工業用地とかあるいは住宅用地とか公園緑地などを合理的に配置をして、住宅と工場との混在であるとか、あるいはそれに伴う工場公害の発生を防止するようにしてほしいということ、それからなおその他の地区についても、農地とかあるいは自然保全の地区とかの保全にできるだけつとめるということを指示しております。それからそのほかに特掲事項といたしまして、工場公害の発生が、居住環境あるいは農林漁業の生産であるとか、さらには観光などに阻害にならないように十分配慮すべきであるということを指示いたしました。
 現在の建設基本計画ではこの方針を受けまして、具体的には臨海産業道路あるいは海浜の松林などを緩衝地帯として整備するとか、あるいは公園緑地の整備をするとか下水道の整備をするとかということが具体的な事業計画として定められているわけでございます。したがって、当時としては可能な限りの公害防止のための施策をしようという意図はあったわけでございますし、また現実問題としてそうした計画も定められたわけでございますが、今日の事態から考えますと十分でないことは申すまでもないわけでございます。私どもとしては、この基本計画に書かれましたグリーンベルトの整備とかあるいは下水道の整備ということは当然でございますけれども、そのほかに四十七年の十二月に環境庁で定められました公害防止計画にのっとっていろんな公害対策事業を同時に実施をしていくべきであるということを、県に対しましても指示をしております。したがって、実質的には環境庁の公害防止計画に今日ではのっとった形で実際の建設を進めてまいりたいというように考えておるわけでございます。
#40
○村山(富)委員 いや、私が実際に質問しているのは、少なくともこの条文を見る限りは、環境保全に重点を置いたというところは一つもないわけです。しかも先ほども申し上げましたように、環境庁長官というものができたにもかかわらず環境庁長官がこの協議にあずからないという条文になっているわけですね。こういうことについて、長官はどういう見解を持っているかということを聞いているわけです。
#41
○三木国務大臣 新産業都市は、政府は新たなる指定はやらぬことになっておるわけです。だから、今後は開発法のいろんな規定によって開発が行なわれるわけでありますから、そういう場合には環境庁長官としてはいろいろ事前の協議にあずかるということで、実際問題としては不都合はないと思っております。
#42
○村山(富)委員 それでは次に運輸省にお尋ねしますが、運輸省は、四十五年の八月ごろ六、七、八号地までを含めた港湾計画がつくられ、四十六年十一月に運輸審議会が港湾区域の改定の告示をしておりますね。そしてさらに四十七年十二月に六号、七号地の埋め立ての認可をしているわけです。いままで申し上げましたように、一期計画を中心とした公害問題、環境破壊問題が相当深刻化しておるという現状を踏まえて二期計画の六号、七号地の認可をされたのか、環境保全、公害防止の観点から特にどういう考慮が払われ、どういう判断で認可されたのか、その点をお尋ねします。
#43
○大久保説明員 お答えいたします。
 六号地、七号地の埋め立てにつきましては、大分港の港湾計画に従いましてその範囲のものでございますので、埋め立ての免許をしたわけでございますが、その際にいわゆる公害問題につきまして十分な配慮がなされているかどうかということを認可にあたりましても十分検討いたしまして、その点の説明を徴した上、これは正式に文書をもって公害防止に対する県の考え方というのを提出してもらいまして、それで埋め立ての命令書の中におきまして――これは免許権者でありますところの港湾管理者の長が出すものでございますが、その中におきまして、工場の用地の譲渡にあたっては進出企業との間に締結する譲渡契約書に公害防除の条項並びに解除権留保条項を規定しなければならないということをうたい込んでございます。
#44
○村山(富)委員 その認可にあたって、先ほど環境庁長官はいろいろ協議をされるというお話があったけれども、環境庁にどのような相談があって環境庁はどのような見解を述べられたか、お尋ねします。
#45
○船後政府委員 大分新産都市にかかわるこの港湾計画でございますが、ただいま運輸省のほうから御説明がございましたとおり、当初計画が策定されました時期は環境庁発足前でございます。
#46
○村山(富)委員 いや、六、七号地の認可にあたって、環境庁に相談があったのかどうか。
#47
○船後政府委員 これにつきましては、運輸大臣が主務大臣として認可するわけでございますが、そのときには環境庁には協議がございません。
#48
○村山(富)委員 これは私は詳しく知っているわけですけれども、この六、七号地の埋め立て計画については、大分の市議会は警官を導入して、たいへんな混乱のうちに昨年の十二月議会で諮問が通ったのです。そうして十二月の諮問が通ったら、直ちに県は運輸省に申請したわけです。それと引きかえにすぐ認可になったのですね。だから私は、慎重に検討を加え、考慮する時間的な余裕もなかったのではないかというように判断をしているわけです。いま聞きますと、環境庁にも相談はなかったということでやられているわけですね。これは運輸省の港湾計画を見ましても明らかですよ。運輸省は既定方針としてこういっているわけです。この大分港の場合には「地域開発の基盤となる港湾の整備」というところに当てはまるわけですけれども「地域の開発に資するため、すでに企業立地が進みつつある新産業都市等の港湾において、引続き施設の整備につとめるほか、国土の有効利用と昭和五十年代の経済発展に備えて、大規模な工業基地の基盤となる港湾の整備に着工する。」こういう既定方針に基づいてやられているわけですから、したがって環境保全の問題なんかは全然と言っては言い過ぎかもしれませんけれども、ほとんど考慮に値しないというふうな形で、どんどん進められているのではないか。この点は私は、きびしく今後の扱いについて要請をしておきたいと思うのですが、これは時間もございませんから次に移ります。
 そこで水産庁にお尋ねしたいのですが、いままで申し上げましたように、たいへん海がよごれているわけです。赤潮が発生しているわけです。そして現実にどんどん埋め立てが進行して、漁場は奪われているわけです。特にこの佐賀関の場合なんか、大分県でも有数なすぐれた漁場なんですよ。それだけに漁場を守るという漁民の反対運動も根強いわけですね。こういう漁場がどんどん奪われていく。その現状に対して水産業の振興のためにある水産庁は一体どういう漁場の確保や水産資源の保全等について見解を持ち、こうした問題についてはどういう行政指導をされておるのか、その点についてお尋ねします。
#49
○安福政府委員 お答えいたします。
 現在わが国の水産業の漁獲の伸び方は非常に著しいものがあるわけでございますけれども、片方需要の角度からいきますと、需要がまた非常に強含みに推移しております。そういう関係で、水産業全体といたしましては、動物たん白質の確保のために生産確保というか、生産に対する強い手を打っていかざるを得ない、こういう基本的な姿勢でおるわけでございます。したがいまして、そういう需給の動向から考えますと、やはり漁業自体を国内はもちろんのこと海外を含めまして生産の確保の手を打っていかざるを得ない、こういう基本的な立場を持っているわけでございます。ことに最近国内問題といたしましては公害の問題が漁場を非常に荒廃に導きつつあるということはわれわれ十分認識しているわけでございまして、そういった面で水産業は水産業の立場からいろいろな法律をバックにいたしまして、漁場の確保、さらに荒廃した漁場についてはそれを回復してまいる、こういう消極積極両面の措置をとっているわけでございます。
 ただ現実の問題といたしまして、産業との関係におきまして漁場が現実に埋め立てられる、こういう事態があるわけでございます。これに対しましては、私、個人的な見解になろうかと思いますけれども、やはり水産業の立場といたしましては、漁場に対する一つの撹乱的なことがあるということは非常に好ましくない、こういう基本的な考えはございます。ただこれも、それに対する公害防止的な施策が他の分野におきまして十分行なわれるということであれば、大きな国民経済、これは福祉を含めての問題でございましょうが、そういった観点から漁場が一部埋め立てられるということは、これは避けがたい経済の一つの動向であろう、こう思います。ただ水産の立場から、先ほど申しましたように漁業の生産の確保という見地、国民の動物たん白資源の確保、こういう見地からいたしまして、やはりそういう漁場をできるだけ確保し、漁業の発展、生産の向上、こういう面で今後とも一そう努力したい、これが水産庁といたしましての基本的な考えであります。
#50
○村山(富)委員 いまのような説明ではこれはもう漁場はどんどん失われてまいりますよ。漁獲は上がっているといいましたけれども、失われた漁場の中で、残された漁場に精一ぱい努力をしながら漁獲を上げなければ生活できませんから上げているのですけれども、現実に漁場がどんどんなくなっていっているでしょう。こういう漁場がどんどんなくなっていって沿岸漁業、近海漁業が衰微をしておる。こういう現状に対して水産庁は一体どういう対策を立てておるのか。同時にまた特に私が申し上げました八号地なんかの佐賀関の沖合いは優秀な漁場なんですよ。ブリやらハマチやらタチウオやらたくさん生鮮な漁獲があるわけです。それほど優秀な漁場なんですよ。ですからこれは失っちゃならぬというので、それだけに執拗に反対運動も強いわけですよ。こういう漁場が失われつつあるという現状に対して、しかも漁業組合は漁業権放棄の問題をめぐって三べんも総会を開いて三べんとも流会しているのです。いまや血の雨が降らんという現状にあるわけです。こういった現状に対して水産庁は一体どういうふうな見解をもってどういう行政指導をしているのかということを具体的に聞いているわけです。
#51
○安福政府委員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたのが基本的な水産庁としての考え方、姿勢であろう、こういうふうに御理解願いたいと思いますが、現実の佐賀関の問題に関連いたしまして、われわれといたしましてはやはりこういう埋め立てなりあるいは工業立地がされる、これが必然的に漁業に対していろいろな角度で影響が及ぶということはわれわれ自身十分承知しているわけでございます。そういった面で、あるいは海洋水産資源の保護法、そういった観点から国内の沿岸について開発区域、こういうものをわれわれの立場から、漁業の立場から指定してまいる。そこには重点的に構造改善事業なりあるいは増殖なり漁場の造成なり、そういった積極的な施策を進めよう、こういう法律の中でわれわれ努力しているわけでございますけれども、現実のこういった場合に、そういった面で港湾当局なりあるいは通産当局との間にいろいろな問題が出てまいります。これにつきましてはやはり水産の立場といたしましては、立地されたその結果が水産業に対して悪い影響を与えない、こういうことについて十分打ち合わせもしております。
 ただ、そういう事業がやむなく実施される、こういう場合に、地元の漁民とのコンセンサスというものが非常に大事でございます。あるいは促進派もございましょうし、反対する立場もございましょう。それが結局漁民の一つのコンセンサスを非常に分裂さす。その結果があるいは協同組合を分裂さす、こういう動きにもますますなるわけでございまして、そういったことは漁業の生産確保、その地域の漁村生活、こういったものから踏んまえましても非常に遺憾なことであろう、こういうふうに思います。そういう意味合いにおきまして、漁民のコンセンサスを、企業の立場あるいはそういう港湾の埋め立ての立場、そういった立場からも十分事前に御努力願いたい、こういうふうにわれわれは考えております。
#52
○村山(富)委員 御努力願いたいとか、何か第三者がものを言うような判断に立っているからこういう現状になるのですよ。もっと率直に申し上げますと、もう一期計画がなされた段階で五号地、六号地の沖合い、七号地の沖合い、同時に八号地の沖合いはだんだん漁場が失われてなくなっているのですよ。ですから佐賀関の現地の漁師は八号地だけに反対するのではなくて、もう六号地、七号地が埋められたら、あの辺一体の漁場がなくなってしまう、こういう見解に立っているのですよ。だからあなたがそういう第三者みたいなものの言い方をしている問に、どんどん進行しているのです。漁場は失われているのです。そういう見解に立っている以上は、私は水産庁はもっと水産行政の振興というものを真剣に考えて、その立場に立つべきであると思うのです。これは水産庁はこうした問題に対する協議事項には全然あずからぬわけですか、どうですか。
#53
○安福政府委員 そういった問題につきましては、あるいは関係各省の間で覚書なりあるいは事務的な協議なり、そういったものはそのケースケースに応じましていろいろな協議の形があると思いますけれども、十分承知いたしております。
#54
○村山(富)委員 たとえば海岸の干潟ですね、干潟がいまどういう役割りを果たしているか、いわゆる干潟の効用というものをいろいろ専門家に聞いてみますと、これは単に干潟があるというだけじゃなくて、この干潟というのは、言うならば魚類の産卵場所である。みなここで魚類の生命が生まれていく。同時にCO2をここで吸収して、そして酸素を吐き出して空気中に送る、こういう役割りを果たしておる。さらにまた陸上から流れてくるいろいろな有機物を分解して、ここで浄化作用をする。こういう意味で、この干潟の持つ効用というのは、全体の環境保全の問題から見ますと、たいへん大きな役割りを果たしていると思うのです。いま別府湾全体の海岸線をずっとながめてみますと、残っておるのは大在−坂ノ市の干潟だけです。この干潟が埋められてしまいますと、そういう役割りを果たす干潟がほとんどなくなってしまうのです。そのことが全体の環境保全の立場から相当の影響を及ぼすのではないかということを考えてまいりますと、単に漁業権さえ買収すればもう埋め立てができるんだ、こういう判断に立って埋め立てがなされることについてはたいへん問題がある。やはり関係地域住民の意見なりそうした全体の環境汚染なり、そういうものを十分考えて干潟の埋め立てはやっていく必要があるのではないか、こういうように思うのですけれども、こうした問題に対する運輸省、水産庁並びに環境庁の見解を聞きたいと思うのです。
#55
○大久保説明員 お答え申し上げます。
 干潟の効用、砂浜の効用問題につきましては、私どももいろいろそういう機能があることを伺っております。具体的に数量的にどうというところについては私どもわかりませんが、そういう機能もあろうということは考えられるわけでございます。そういう観点からいたしまして、私どもといたしましてもやはり海岸線の使い方というのは大事に使わなければいかぬというふうに考えております。
 ただ、地域の福祉を含めたいろいろな活動のためにどうしても土地をつくらなければならないという場合、公有水面の埋め立てということが起こってくるわけでございます。その際にむだな空間利用をしないようにという意味合いで、ことに港湾の周辺ではそういうことが多いわけでございますので、港湾区域につきましては長期的な視点に立っての港湾計画を港湾管理者が――これは港湾管理者というのは地方自治体でございますが、港湾管理者が計画を立てる。それでその計画に沿ったものをやる、そういうふうにしているわけでございます。(村山(富)委員「経過はわかっているんだ。干潟の問題について運輸省はどういう考慮を払うかということだ」と呼ぶ)それで、私どもといたしましても、いわゆる海浜の造成、失われるものを補うということも考えなければならないということで、実は四十八年度から、ことにそういう事項につきましても前向きに対処するように予算措置をしておるわけでございます。
#56
○安福政府委員 干潟がいわゆる環境と申しますかいろいろな浄化作用能力を持っているということは、われわれも十分認識しております。ただ、その態様なりそういった循環機能というものが必ずしも十分詰められておりませんので、そういう角度でわれわれ自身も現在基礎的な研究にも取り組んでいるような次第でございます。
 ただ、埋め立ての場合に干潟が一番やりいいという形で、そういったところがどんどん埋め立てられるということが結局漁場に大きな影響を与えるということはわれわれとして十分認識しているわけでございまして、そういった場合に、新しい漁場をつくると申しますか、それが沖合いに出る場合もありましょうし、あるいはその近くでいろいろな施設をするということもありましょうが、先ほど御指摘がございましたように、単に補償金、金を払えばいいんだという角度じゃなくて、それに見合う漁場を積極的につくってまいる、こういうことが水産業の立場、わが国の国民生産の立場からも必要であろう、このようにわれわれは考えておるわけであります。
#57
○村山(富)委員 以上いろいろな質疑の中で、三木長官もある意味では認識を新たにされた点があるのではないかと思うのです。特に私が申し上げたいのは、環境庁が積極的に環境保全をやりたい、こういう気持ちがあっても、いまの官庁の縦割りの仕組みから判断をしまして、たとえば先ほどの六、七号地の認可については全然環境庁に相談がなかった、こういうことから考えてまいりましても、いろいろいまの行政のあり方にも問題があるのではないか。特に三木長官は副総理でもありますから、その三木長官の見解というものは国全体の行政の指針でなければならぬというように私は思うのです。そういう立場に立って考えた場合に、私はもう一ぺん長官に確認をいたしたいと思うのですけれども、五号地、六号地、七号地――八号地はもちろん、大分県新産都二期計画全体を含めて再検討する必要があるのではないか。言うなれば、別府湾は瀬戸内海の玄関口ですから、ここが汚染されることは瀬戸内海全体の汚染がさらに進められるという判断から再検討する必要があるのではないか。このままどんどん埋め立てがされるということはある意味では無謀ではないかというようにさえ考えられるのですけれども、長官の見解を承っておきたいと思うのです。
#58
○三木国務大臣 大分地域においても全体の環境保全の目標あるいは公害防止計画、そういう点を立てて、ただある一定の地域だけでなしに全体としての環境というものの影響を事前に十分調査をする必要がありますので、そういう上に立って大分県当局としても慎重な検討を必要とすると思います。
#59
○村山(富)委員 もう時間がありませんから、最後にこのことだけ一点聞きたいと思うのですが、大気濁染防止法の第六条に「(ばい煙発生施設の設置の届出)」第八条には「(ばい煙発生施設の構造等の変更の届出)」というのがありますけれども、この届け出に違反をした場合には、三十四条で「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」こういう規定があるわけです。これはこの法律を所管する環境庁に聞きたいのですけれども、これは形式犯で、虚偽の届け出があったあるいは届け出をしなかった、こういう事実だけでこの三十四条が適用されるのかどうかということについてその見解を聞きたいと思うのです。
#60
○山形(操)政府委員 お答えいたします。
 御指摘のとおりであります。虚偽のあれがありましたら、これは形式犯ですから、そのとおりになります。
#61
○村山(富)委員 いままでいろいろ申し上げてまいりましたが、私は冒頭申し上げましたように、大分県の公害の現状に対する認識が甘いのではないか、このままそういう認識のもとに進められていくと、たいへん環境破壊が進んでいくというように思いますから、十分ひとつ慎重に再検討しながらその作業を進めていただくということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#62
○佐野委員長 島本虎三君。
#63
○島本委員 いろいろ聞きたいことがたくさんあるのであります。ただその中で、ただいまいろいろ御高見を私も拝聴することができたわけであります。大分の現況、私も見てまいりました。おそらく長官も御存じだろうと思うのです。私が予想していた以上にたいへんな状態でございまして、このままではおそらくは第二の四日市のような状態になり、再びまた違った観点から裁判を起こされる可能性さえ私は見出してきたわけであります。長官のほうには何か直訴状が来ていたそうですね。こういうものでしょう。これも全部やりましたが、しかし、もうこれだけかと思っていましたらそうでもないですね。以前の大石長官のころにも同じ趣旨の陳情書が届いているそうですね、四十六年十月ごろ。こういうようにして、第一期工事がうまくいっていないさなかの直訴状であり、そういうようなさなかの陳情なんです。うまくいっていないという現状の把握が、中央官庁が全部これは不完全じゃないですか。こういう直訴状が出てきている。第一期工事が不完全である。まだその三割程度より操業しておらない。それなのにもう目に余る公害無法地帯になっておる。こういうのに対しておそらく目をつぶりながら、ただ単なる机上プランによる行政指導をしておる、こういうような状態でありまして、私はまことに遺憾だと思ってまいりました。
 そうして、これはもう防止計画も大分市や佐賀関、これを含めた五年計画になっているようでありますけれども、第一期工事に焦点を合わせて、そしてそれが五十一年を区切って公害に対する対策が不完全なままに第二期工事に移ろうとするような強硬手段に訴えたということ、これは私はとんでもないことだと思います。これで環境に対する政府の姿勢がぴしっとわかるのです。私は、そういうような点から、ただいま村山氏の質問を、まことにこれは答弁側としては遺憾である、こう思いながら、現状認識がまことに甘い、このことに対して怒りさえ私は覚えたわけであります。私としては、もう公害防除なしの開発はあり得ないのです。現在やっているものは公害たれ流しで二期、三期のこういう計画も進めなくちゃならぬというのが基本的な考え方です。長官、いま言ったのは基本的な私の考え方なんです。現に行政は、それに反抗して強硬にやられているのです。姿勢が悪いのです。私はこれに対してはっきりと、経済性の追求に主眼を置いてあと追い行政になっている典型が今回の大分だ、こういうように見てまいりました。環境庁の長官が無視されているようなやり方です。あなたのところにこういうように直訴状が来ている。長官のひとつ御所見を承っておきたいのです。
#64
○三木国務大臣 島本委員から産業優先で、そういう見地から開発が進められているというお話でありましたけれども、今日では地方の自治体でも、国民の生命とか健康というものを第一義的に、大切にしようというのでないと県政は行なわれないですよ。それはあとで問題が起こったときに、事後にそれを収拾するといったら、もうたいへんな苦労をしなければならぬわけでありますから、各地方自治体としても、島本委員のおっしゃるように、産業がすべて優先するのだとは私は思わない。みなの意識というものは非常に大きな変化を遂げつつある。したがって、今後私どもとしては、環境の基準をだんだんと強化していく。その環境の基準の強化に基づいていろいろ排出の基準も強化されるわけでありますから、その基準というものを守れないということであれば、これはもう産業の立地というものは成り立たぬわけでありますから、そういう点で今後環境の保全というものに万全を期していきたい、こういうふうに考えております。
#65
○島本委員 本を読んだり知らないでまた言う場合にはいろいろなことは言い得るでしょう。現に住民と話をして、現にこの目でその現状を確かめ、現にいわゆる不法なる行為と思われるようなこの現状を見てきて、そうして長官のようなそんな説法はまさにこれは当たらないのです。あなたの場合も早く現状も見ておいたほうが一番いいのであります。あえて言うと、大分の公害行政はあと追い行政の典型だ。これは知事さえもそれを認めざるを得なくなっているのです。そうして経済性の追求に主眼点を置いて、表面的には地域開発だとか所得の増大、しかしながら住民福祉は全然増進になっておらないし、逆に無視されている、こういうような結果があらわれているんです。その表現は行政不信になってあらわれている。どういう場合でも絶対に住民の健康をそこなわないようにきびしい環境レベルを確保する、これは絶対条件でしょう。これが悪臭や健康が阻害されちゃって、いま村山さんが質問した点からはっきりしているんです。何ら対策をやってないです。健康に対する救済やってないですよ。それでそういうようなことばかり言っていてもだめだ。もっときびしい態度で臨まなければならない、このことだけははっきりまず言っておいて、もう一つ概念的に持っておかなければならないのは、やはり今後の地域開発は、環境保全と両立するという長官の考えなんですが、私どもは環境が主体だ、優先だ、こういうように言いますけれども、長官は両立すると言うのだが、優先するなら、最高最新の防止技術をもって防除できないような開発はすべきじゃない。それはそうでしょう。それから生産工程、生産規模、こういうような場合にはそれを変更して、場合によっては開発そのものの中止が必要なんだ。これももう長官の考えでしょう。そうなんです。ところが、中央公害対策審議会で防止計画部会が昭和四十七年十二月十八日の総会で決定したときのこれは基本的な考えなんです。そうして流したわけですね。それを長官は知っている。ところが、いま村山先生に聞いてみたところが、第二期の計画を昭和四十七年の十二月の二十何日かに市議会で警官を導入して強行してきめてしまったのを、急に今度運輸省では十二月二十二日にこれを認可した。そうして今度知事のほうでは、これはまたえたりかしこしと昭和四十七年十二月二十三日、翌日にこれをまた認可した。これはおかしいじゃありませんか。そうしてちょうどそのときにもうすでに国会のほうで論議されているのは、公有水面埋立法で免許基準の中に公害防除とそれから環境保全、これがはっきり入っているんです。今度長官の意見を求めなければならなくなっているのです。この法律が審議されている間にこういうようなことをやってのけて、これが長官、産業優先でないということを言ってみてください。長官のことばを聞きます。
#66
○三木国務大臣 私は大体力で押し切るというようなことはいけないという私自身が一つの意見を持っておる一人でありますから、そういう点で、できるだけ地域の開発については、もう少し地方の知事にしても、市長にしても、地域住民というものを説得せなければいかぬ。その努力を怠ってはいけない。知事にしても、市長にしても、地域全体のレベルを上げようというその善意は、これは疑う余地はないのでありますから、したがってそういう賛否両論が起きたときには、地域住民に対して十分説得する労を惜しんではいけない。そういう点で、何かせっかく地域全体をよくしようという地域開発が、地域でいろいろな摩擦を起こしておる現代のいろいろな風潮を非常に私は遺憾に思っておるわけでございます。そういう点で、そういうことが起こるということは、説得の努力も足らないとは思っておりますが、しかし、そのことが地域住民の健康や生命というものを犠牲にして、産業の発展を考えておる一つのものの考え方から出発したというふうには思ってない、住民に対する説得というのですか、理解、それを求めるという点に対して遺憾の点があったというふうに思うわけでございます。
#67
○島本委員 きのうからきょうにかけて、長官少しいままでの態度が変わったような答弁に聞こえてくるのです。これは、知事が努力をしていないどころか、逆に住民との間を疎外するような行政を強行しておるところに起きた結果なのです。どうもあなたの答弁は、きょうは少し寝不足のような答弁です。まず第一に、あなたのほうからせっかく出した、中央公害対策審議会の防止計画部会で出した、総会できめたことを、工業地と住居地を完全分離するようにやりなさい、あそこはできてないですよ。四日市と同じように、工業地帯がその中へ入り込んで、それでトラブルを起こしているのです。住居とこん然一体になっている。こんな指導をだれがやったのですか。緩衝地帯を確保せいといっている。緩衝地帯を確保して、松の木がある。そのそばへまた工場をつくっているのです、住宅との間に。こういうやり方は一体どうなんですか。幾ら説得しても、これでは説得にならないです。長官はきょうは少しおかしい。それから、中小関連企業を集団化せいとあなたはいっているけれども、あれはみんなぼちぼちなのです。無法地帯みたいにして許可されているのです。複合汚染防止のための工場配置を検討せい、第一期計画においてもこれがなされていないのに第二期計画をやって、第一期計画は全部でき上がって操業し、第二期計画がもしやられるとしたならば、ここはとんでもないことになってしまうのです。そういうようなデータを住民が持っていて、知事が持っていないのです。こんな主客転倒したやり方がありますか。いかにコンセンサスをやるといったって、これでは住民は行政不信におちいるよりしようがないです。工場、事業場の環境基準、こういうのがはっきりあるのですか。こういうのは指導したのですか。どういうふうにしてこれは行政指導しましたか。いま言った四つの点に当てはめて全然なっておりませんから、これはだれが指導したのか、言ってみてください。通産省、それでなければ環境庁、それでなければ経済企画庁、いずれですか。
#68
○船後政府委員 大分新産都市の現状につきまして、先生の御指摘はまことにごもっともでございまして、私どもも現状につきましてはきびしい認識を持っておるつもりでございます。ただいま御指摘になりました、昨年十二月の中公審防止計画部会の中間報告も、やはり過去における新産、工特都市の開発が、しばしば環境保全を無視して行なわれ、その結果が現在環境汚染を引き起こし、地域住民に不安感を巻き起こしておるという反省に立ちまして、今後のある.へき開発というものについての警鐘を鳴らしたものでございます。私どもも、やはりこのような中間報告の考え方というものを、今後の開発プランの作成には当然反映すると同時に、これを厳重に守っていくという方途が確保されねばならない、かように考えております。
 まず、大分につきましては、御指摘のとおりこの第一期計画によりまして、立地いたしております既存の企業につきまして、環境保全を徹底させるというのが先決問題でございます。御指摘のように、現在の大分の状況は操業程度もまだ計画半ばでございますが、それでもなおかつ汚染を引き起こしておる、これをやはり厳重にとめる、そして先ほど来申しておりますように、きびしい環境基準というものをすみやかに達成する方途を考える。そしてあわせて今後の第二期計画につきましては、環境保全の観点というものを十分反映させまして、環境が保全し得る範囲内でこれを練り直していくということが肝要であろうと考え、私どもは大分県当局に対しましては、そういうことにつきまして種々御相談に乗っておるという現状でございます。
#69
○島本委員 相談に乗るということは、相談を求められたから答弁してやる、これではおそいのです。向こうはもうすでに企業側に立って要請どおりにやっているのですから、相談なんかできる感じがしません。いまあらわれた一つの例によってもはっきりしているじゃありませんか。四十七年十二月十八日の総会で中間報告が、中公審の防止計画部会からの決定としてなされたでしょう。ところが、それと同じころに、もう市議会で強行採決を警官も入れてやって、そして直ちに、十二月二十二日に運輸大臣の認可をもってきてやって、二十三日に折り返し今度は知事の認可を与えているのです。ずっとやっているのです。こういうようなやり方が、住民とのコンセンサスというけれども、長官、これはどっち向いてのコンセンサスですか。企業のために強行することに対して、いかにコンセンサスをやれといったって、行政不信を招くだけなんです。ですから、他の方面では長官の英知はすばらしい。しかし大分に関してはまさに寝ぼけている、こういわざるを得ないのです。こういう状態の中でだれとコンセンサスをするのですか。そうでしょう。いま言った知事の場合には、知事は免許しているのです。知事の免許を二十三日にさっそくとっている。こんなやり方はありますか。それだけではございません。大分の環境破壊七年後の状態ということで、環境庁でもうちゃんと出しているでしょう。亜硫酸ガスとすす、粉じんと生物化学的酸素要求量、BODです。それと産業廃棄物、この四点で見るならば、大分は東京、大阪、神奈川並みになる計算だ、疾風型汚染であるということをいわれているのに対して、そういうふうな夢物語りみたいなことをやっているのでは、これは行政不信を招くのは当然です。第一期計画の公害絶滅を期して、そして第二期計画をなお十分見直して、これでやってよろしいというとき以外にはこれは着工すべきじゃないのです。第一期はまだ三割です。七割も残っているのです。それなのに第二期計画をやってしまう、強行採決までしてやる、こういうようなことになったら、七年後にはもうすでに疾風型の汚染で第一番になるのですよ。そういうような状態なんです。行政の姿勢が悪いのです。したがって、これはもっと考えて、第一期計画の公害の絶滅を期するのが第一番。二期計画以上は、もしそれがそういうふうにして免許になっておっても、着工に対してはストップ、全部十全を期してから、住民の健康と生命の安全を期してからやるのが長官の意にかなうことなんです。そうなんですよ、長官。ひとつこの辺で、だいぶ話を聞いたでしょうから、長官、もう一回前向きの答弁をしてみてください。
#70
○三木国務大臣 私が地域住民の理解と納得を求めようということは、そういう心がけでやればいろいろな計画自体に対しても環境保全というものに対して非常な心を配らなければ地域住民の理解、納得を得られませんから、ただこう数で押し切るという――まあ最後は、民主主義ですからそういう場面もあるでしょうけれども、しかし初めから数でいこうという考えでなしに、やはり計画の当初から全体の住民の理解を得られるような計画を立てるということが必要である。そういう意味で理解と納得というものが地域開発にはどうしても必要だ。それを得ようとすれば計画自体が非常に周到な計画たらざるを得ないということが地域開発には必要だということを申し上げたわけでございます。そして大分の場合は、島本委員の言われるように一期計画にもいろいろ問題があるわけでありますから、二期計画の場合にはよほど全体の環境保全、あるいは第一期計画全体の見直しというもの、こういうものをやらなければいかぬわけでありますから、今後この問題については県当局も非常に慎重な検討を加える必要があるし、われわれとしてもそういう見地から大分県に対しては強力な指導を行なっていきたいと思っております。
#71
○島本委員 現に行なわれている第一期計画の中で、九州電力の油は硫黄分の含有率が一・一%のものをいままでたいておったのです。今度煙突を二百メートルにしたのです。そうしたならば一・七%のものをたいてもよろしいと、こういうふうにして指導したのはどこですか。通産省、指導したのですか、しないのですか。
#72
○井上政府委員 九電の大分火力のS分の問題でございますが、これは当初、煙突の建てかえ前の暫定期間といたしまして特に少量のものを入手しておったのが一・一%のあれでございまして、その後煙突を建てかえましてから一・六%をたいておるわけでございますけれども、(島本委員「一・七だ」と呼ぶ)私の資料では一・六ということでございますが、またチェックいたしてみます。そういうことでございまして、鋭意低サルファの燃料の確保には努力をいたしておりまして、今後もだんだん努力いたしていくようにいたしておりますけれども、現在のところなかなか一・一%というものの入手が困難でございますので、いまのところは一・六%ということでやっておりましたのですが、今後、四十八年度の計画といたしましては、重油を一・二%程度のものを確保したい。将来はさらにそれを引き下げていきたいというようなことで、(島本委員「何%だ」と呼ぶ)一・二%程度を四十八年度は確保していきたい。K値にいたしますと、現在規制K値が九・三四でございますが、大体五・〇五くらいになる。それからばいじん規制につきましては〇・一グラムが〇・〇二グラムくらいに現在なっておるわけでございまして、ばいじん、K値ともに非常に下がっておるということでございますけれども、御指摘のとおり、今後もまたよりサルファの低いものを確保していきたいということで、本年度は一・二%ぐらいを手に入れたいということでやっております。将来はさらに下げたいというように鋭意努力いたしております。
#73
○島本委員 まだ姿勢が悪いのですよ。いままで百五十メートルの煙突の際に一・一%のものを使っていて、二百メートルの煙突にしたならば一・〇ぐらいのやつを使わせるというなら前向きなんです。それは高煙突、広拡散の原理によって一・七%のものを使ってもよろしいという指導をしている。それが逆に全部あの辺の後背地の松を枯らしているのですよ。そしてまた佐賀関のあの製錬所からの煙と合わせて、あの辺の後背地は全部見るもむざんじゃありませんか。こういうような指導は前向きじゃないのです。せっかくやっても、今度は指導して一・二%、前に一・一%のやつを使っているのになぜそれ以下のやつを使わせないのですか。それよりも安いやつを使わせてやろうとする、こういうような考え方は企業べったりであって、住民本位じゃないのです。環境庁長官として、これはもっと指導すべきです。だめです。幾ら言ったって、現実にこういうことがあるのです。
 それから乙津川という川があるのです。これは建設省の河川局長いらっしゃいますか。――乙津川という川の中に住友の総合排出溝があって、そしてその川はせきとめられて死に川になっている。一つの川を、一つの企業が総合排出溝にそれを変更することは、企業の場合許されているのですか。環境庁はわざわざ調査に行ったはずですが、この件について調査してきたのですか、してこないのですか、この点をはっきり伺います。
#74
○冨崎説明員 御指摘の乙津川につきましては公害防止計画の策定の時点から問題の水域でございまして、私ども調査の際には特に指定をいたしまして調査をいたしてまいりました。
#75
○島本委員 どういうふうに調査したのですか。指定をして、どういうふうな調査をしたのですか。
#76
○冨崎説明員 その後企業は公害防止の投資をいたしまして、水質の管理上相当な改善効果が出たということでございますので、その状態を見てまいりました。いま御質問ございました河川につきましては上流部に、これは河川のほうの担当でございましょうが、上流のほうに導流壁をつくったために事実上河川の水がほとんどないという現状、それで河川敷の中に確かに排水施設がございまして、そこから排出されておった。ただし水質のほうは見た目に相当改善されておったという状況でございました。
#77
○島本委員 見た目に改善されたってだめだよ。見た目なんてわからぬ。
#78
○佐野委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#79
○佐野委員長 速記を始めて。
#80
○松村政府委員 乙津川の計画でございますが、これにつきましては、これは実は分派するところにせきを設けております。そしてこのせきによりまして普通の低水の水は乙津川には計画的にはいかぬ、洪水のときの水を吐くというのみの計画でございまして、この河川についての洪水上の影響と申しますか、これはただいまのお話の分はほとんどないのじゃないかというふうに考えます。(島本委員「何がないの」と呼ぶ)洪水に対する洪水を吐ける流下能力に対する影響その他、これについては心配ないと思います。
#81
○島本委員 どうも私の聞き方がたぶん悪かったのでしょう。乙津川という川があるのですよ。これはもう、一企業である住友が総合排出溝にこれを使っておって、これは死に川であって流れていないのですよ。そうしたら、一つの河川をはっきり使用目的を変えて排出溝にしてしまって使っている。こういうようなことに対して、これを調査してきた環境庁のほうでもそれをまともとして見てきたのかということなんです。一方はいいと言うのですが、私は両方ともどうもこのやり方は悪いと思っているのですよ。ですけれども、河川局長のほうでは、これは適法にして妥当な方法なんですか。なお環境庁、調査してきたけれども、その中に千三百PPMの銅、亜鉛、カドミウムそれから水銀、こういうようなものが沈でんしていると言っておりますが、そういうのは調査しているのですか。
#82
○冨崎説明員 乙津川につきましては現地調査の結果を先ほど申し上げたわけでございますが、もとより水質につきましてあの区域におきます一番汚染の進行している水域でございまして、維持流量につきましてはほとんどゼロであるという状況でございます。確かに私どもが当時見ました水質は改善されておった状況でございますが、たまたま引き潮でございまして、その周辺のヘドロ等は相当汚濁をしておるという現状でございます。なお、その底質土の調査については県のほうで実際やっておるというふうに承知いたしております。
#83
○島本委員 だめなんです。県のほうでやっておって、まかしておいて、こういうようなことをやっておるのですから。そのためにあなたは調査に行ったのでしょう。行ったならば、もう少し具体的にそれを指摘して、あなたの目の前でそれを直させるようにしてこないとだめなんです。底をなぜ調べないのです。汚染されているのですよ。それだけじゃないです。その問題に対して河川局長もあとからもう一回――この問題はキープしておきますから、保留しておきますから。河川をなぜそういうふうにして変えてしまったのか、正式な許可がされているのか、適法にして妥当な方法なのか、あとからよく聞きます。
 また産業公害総合事前調査、これは十分行なったのかどうか、この点についてひとつお伺いしたい。特に気象の状態の研究は十分にしたのかどうか、これをひとつ発表してもらいたい。言うならば逆転層が非常に下がっておって、われわれが行っておっても、あの煙突の上の部分が晴天の日にもう見えなくなっているのです。真に産業公害総合事前調査、こういうようなことをしてあれは許可してやったのか。もしそういうことならば、気象の研究についてどういうふうなデータを出したのか、この際はっきり答弁してください、
#84
○松村説明員 お答えいたします。
 大分につきましての産業公害総合事前調査でございますけれども、これは四十七年、昨年の十二月に通産省と大分県、大分市が共同いたしまして大気汚染防止の対策の調査をいたしております。ただこの場合は、まだ第二期計画というものについては具体的な計画もございませんので、現在ある企業の今後の増設計画を含めた調査をいたしたわけでございます。この調査におきましては、まだ環境基準が現在の環境基準を訂正といいますか改正の数字が出ておりませんので、現状の環境基準を用いて十分それを達成し得るような行政指導をいたしたわけでございます。ただ、報告書の内容にもその点について触れてございますけれども、近い将来に環境基準の見直しが行なわれるということでございますので、その際にはさらに行政指導を強化していきたい、こういうふうに考えております。
#85
○島本委員 では結局気象の研究も全然していない。産業公害総合事前調査については、将来の見通しの中に変えることもあり得るということで、ああいうような計画をそのまま許可している。そうして一・一%たかしておった石油を二百メートルにしたからといって一・七%の悪い石油を進んでたかせるように指導している。こういうようなうしろ向きの指導がありますか。これは困るのは住民だけでしょう。喜ぶのは企業だけでしょう。こういうようなのが開発の真意なんですか。やればやるほど悪くなるじゃありませんか。それだけじゃありません。裏川という川がございます。あの流路変更はちゃんとなすったのですか。あの川はどちらのほうに所属する川でございますか。新日鉄の構内に流れ入っているようでございますけれども、いま大きい川を下水のように小さくして、工事を盛んに施行中のように見受けられたのですが、ああいうような大きい川は、裏川というのは、流路変更はきちっとした手続によってなすったのですか。もしなすったとすると、新日鉄の構内に流れていって、現在はりっぱな川でありますけれども、あれを普通のようなコンクリートのやつにしてしまって、おそらく幅も十メートルぐらいにしてしまうということになると、鉄砲水に対するおそれはないように配慮してございますか。埋め立ては建設省が許可していると思いますが、この点についての手続も十全なんですか。私はこの点どうも理解できませんので、お伺いしたいと思うところです。
#86
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 裏川につきましては、これは大分川の支川でございまして、従前大分川と連続しておりまして、この大分川の洪水量の一部が裏川から流れておったという実情でございます。ただしこの裏川につきましての河川改修の工事はまだ進んでおらなかった状態でございました。しかしその後この大分川の河川改修に伴いまして裏川をどうするかという問題がいろいろ論議されたわけでございますけれども、これは治水上の観点から申しますと、でき得れば大分川の流量を増加いたしまして、裏川に分派する量をなくし、裏川は洪水に対しては大分川と分離させたい。このほうが治水上の計画としては妥当であろうという考え方を実は治水方面では持っていたわけです。ところがまた一方、ただいまの新日鉄の計画等もいろいろございまして、また裏川のこれを公園敷地その他に利用したらどうかというような意見もございまして、これらを加味いたしまして実は河川計画の変更をいたしております。それで裏川を大分川と分離いたしまして、現在は裏川には洪水は行かないようにいたしております。
 法的の手続の問題でございますけれども、この裏川の埋め立て工事、これは公園にする工事でございます。これの手続は昭和四十六年の十二月に、公有水面埋立法、これは河川の埋め立てでございますが、埋め立ての認可をいたしまして、続いて同月、大分県の知事の免許をしております。
 それから、これに伴いましてやはり河川法上の工作物をいろいろ護岸とかそういうものの手続をする必要がございます。これは河川法上の許可を同じく昭和四十六年の十二月に河川管理者であります九州地方建設局から許可しております。
 それから下流部の、これは実は新川を開さくして左側に曲がっているように現在なっておりますが、先ほど先生申されました工事中というこれの分につきましては、四十七年の七月に河川管理者が許可をしております。
 以上でございます。
#87
○島本委員 その広い川を埋め立てて、そしてそれをコンクリートのいわば十メートルくらいのものにして、そのあと地は全部新日鉄の原料置き場になるようです。それが県の段階でいろいろもめている最中に、急に建設省が許可している。どうもこれは企業べったりのやり方で、大新日鉄から言われたならば、電話一本でぽんぽんと許可できるような仕組みになっているのですか、これは環境庁の長官さん。これはやはり、私としてはどうもこの点はおかしい。県会で問題になっていた最中にきまってしまった。こういうふうなやつだったら、どうも理解できないです。
 それから重大な問題はまだまだあるのですよ。それだけじゃないのです。いまのやつ、少しおかしいですよ。ですからその手続をもう一回はっきり示してください。前の私が質問した乙津川に住友の共同排水溝を使って、そのいわゆる使用目標を転換した、こういうような手続であるとか、その海底に重金属をはじめとして不当なるいろいろな毒物が沈でんしている。これもまだ調べていないようです。あるいは流れておらない川、かってにこれを使わせるのがいいのか悪いのか。この点に対して不明確でありますから、はっきりした文書によって回答してもらいたい。
 それだけじゃないのであります。第二期計画をこのままやると、風向きやその他調査してございません。ある筋によって、春夏秋冬全部これは風向きによって調査したら、今度別府そのものが、世界の観光地が汚染地帯になるのですよ。そういうようなことを御存じですか。第二期計画をフルに動かし、第二期計画が完了した場合には、その風向きによって別府まで汚染地帯に入ってしまうのですよ。こういうような基礎調査を全然しないで急いで認可するという行為は、まさにこれは危険きわまるものじゃありませんか。大臣、よほどしっかりしないといけませんぞ、副総理なんだから。あなた自身もほんとうに大事なときに就任されているのですが、片やこういうようなことが行なわれているのです。ほんとうに大事なんです。あなた自身行って、直接見てください。
 先ほど村山君に答弁があったその中で、水産庁もおるようであります。それから関係者もおるようでありますが、大分の海域をAの基準にするのだ、これは言ったのは岡安さんですか。そうなるとこの四の濃度PHは七・八から以上八・三くらいでしょうか。CODが二PPM程度でしょうか。それからDOが七・五PPM以上でしょう。大腸菌その他の規制がある。こうなってしまうと、あの海域、第一期のいまの工事、これをやっているだけで佐賀関、その辺までも水の色が変わっているのです。水産庁次長、そうしてあそこでとれるいろいろな水産物がぐっと減退しているのです。一本釣りをする場所が移動しているのです。こういうようなことであってA海域ならば、まさにとんでもないAですよ。この場所を調査した皆さん御存じの東大都市工学部の助手である宇井純さんが、第一期のあの場所の排水処理は五〇%しかできない、これで公害なんかなくせる理由はない、こうさえ言っているのに、県では公害はなくします。排水処理さえ不完全である、この状態でAの水域にいつの日にできるのですか、環境庁。もうよごれているのですよ。第二期の工事着工前にもう漁民がそのために戦々恐々としているのですよ。あげくの果てに佐賀関のあの排水口、あれも佐賀関の港に注いでいるのです。あの中には砒素であるとかカドミウムであるとか銅、鉛を含んだこういうような汚染物質が堆積していたのです。それに対してどういう措置をとりましたか。とんでもないです。A水域にするというならばいまの私が言った根拠によってこれはできない。第一期の工事、これあたりを完全にして第二期工事以下をストップさせなければできない。それができるというならば、岡安名局長の答弁を承りたい。
 それから水産庁を含めてあの方面の水域は汚染されてきております。漁民は戦々恐々としています。埋め立てにもちろん反対しております。佐賀関のあの廃棄物です、産業廃棄物。港の中にうず高く積まれておったやつをどういう処理をしましたか。これは通産省ですか、両方から名答弁を賜わりたいと思います。
#88
○岡安政府委員 先ほども私お答えしたかと思いますが、別府湾は現在非常に汚染されておりまして、大部分が現在の環境基準に照らしますとBないしCだというようによごれているわけでございます。ただ別府湾の水質を少ししさいに検討いたしますと、夏季と冬季といいますか、季節によりまして非常に変化をいたしております。それらの原因もさらに明らかにしなければならないというふうに考えておりますけれども、私どもが先ほどA海域を目標にということを申し上げましたのは、現在設定を見ております公害防止計画におきまして、その水質の目標を大分港港域、守江港の港域、別府港の港域等はある程度BないしCの類型にやむを得ないと思いますけれども、その他の海域におきましてはA基準ということにいたしたいということで、現在公害防止計画の実行といいますか実施の確保をねらっているのでございまして、私どもはこの防止計画によりまして、現在の排水基準を相当程度きびしくしなければ、いま申し上げた目標の達成は非常に困難であると考えております。
 その規制の強化の度合いもまだこれから算定をする段階でございますけれども、ざっと考えましても、紙パルプ業とか化学工業等につきましては汚濁負荷量を現在の規制値の半分以下にするというようなことでなければこの達成は不可能と考えておりまして、私どもはそのような方向に向かいまして環境基準の設定並びに上乗せ排水基準の設定を県に対して指導してまいりたい、かように考えております。
#89
○青木政府委員 佐賀関製錬所の鉱滓の処理についてお答え申し上げます。
 現在佐賀関製錬所では銅、鉛及びニッケルの製錬工程から見て約五万三千トン程度の鉱滓が出ておるわけでございます。この鉱滓のうち、ニッケル転炉から出ますからみ約千トンにつきましては上浦の堆積場に堆積を行なっておりますが、あとの大部分の五万二千トンにつきましては子会社である日鉱商事を通じまして外販しているようでございます。堆積場には約二百九十万トンのからみが堆積されております。この堆積場の能力は九百五十万トンありますので、十分今後堆積ができる余力があるようになっております。なお、この堆積揚からは外と遮断してありますので、直接公害が外へ出ることはないように処置をしているというように聞いております。
#90
○島本委員 それはもう少し公害保安局を通じて十分に監視しないといけないのです。あれは県当局じゃなく皆さん自身が直接やっているのです。あの佐賀関の港の中に産業廃棄物、こういうようなものがたまって、それが重金属を含んでいる、砒素まであるということを住民に指摘されて、それを全部かきあげてそして豊後水道に投げてきているのです。蓄積してあるのじゃないのです、海の中へ場所の移動をしたのです。公海へ捨ててきたのです。そういうようなことをかってにするような指導をしていいのですか。あの辺も大事な漁場なんですよ水産庁次長、一本づりをするような大事な漁場です。そこへこの鉱滓を持っていって投げてきているのです。一回や二回じゃないのですよ。こういうような指導をしちゃいけません。この行政は全部うしろ向きじゃありませんか、三木長官。先ほど三木長官そうじゃないと言っていましたけれども、重油の使用量から見ても一期計画が四十七年度で五千五百キロリットル・パーデーですか、二期計画が実施される場合は一万五百キロリットル・パーデーですか、四日市の場合は六千九百キロリットル・パーデーですから、四日市を今度しのいでしまうのです。こういうふうになるから、したがって風向きによって春夏秋冬全部変わりますから、おっしゃるとおり変わるのですから、別府までその濁染地帯に入ってしまう。こういうようなことを漫然と、計画もしないで、風向きの調査もしないでやる事態がおかしいのです。ちょうど四日市の塩浜や磯津、これが工場の中にはさまってその中で公害被害者が出ているように、大分では三佐や家島が同じような状態になっているのです。そうして悪臭までものすごい。これはもうこういうふうな指導をしちゃだめなんです。立ちおくれもはなはだしい。ましてやそばの佐賀関製錬所、これはまさに殿様企業のような行き方、全部指揮下におさめて、そういうふうな指摘をされるとどこへでも持っていって投げている、このことを知ってないでしょう。豊後水道へ投げている事実を知っていますか。だめなんです、そんなことをしても。
 三回も聞きましたので、もうこれ以上やったってしょうがないが、だけれども、この中で一つだけ聞いておかないといけませんが、三佐小学校、これはへんとう腺肥大症が六〇%になっておりますね。それから沖という部落、ここでは朝吐きけがして、通学している途中で一、二回吐きけを催す児童が出てきている。零歳児が立て続けに二人ばかり死んでいますね、五カ月くらいで死んでいますよ。こういうような調査は十分しないといけません。大分に関する限り一期工事、この公害除去を完全にするまでの間は、現在がこうなんですから、二期工事がいかに免許になっていましても、これはやはり長官のほうから調整権を発動して、一期工事、これをはっきり見通しつけるまでの間はみだりに着工できない。こんなものはやめてしまわないとだめなんですから。そういうふうな、世界的に置かれている立場の日本、またその日本の中で大分、こういうふうに見る場合には、長官、副総理としてあなたは重大な決意をしなければならないのであります。いま言ったようにもうすでに死者さえも出ている。これから十分やるという段階ではなくもう現実の問題なんです、沖という部落は。これは第一期の公害防除を完全にしてから第二期の計画そのものを進めさせるようにしなければならない、このことだけは私は痛感してまいりましたが、もう一回三木長官の御高見を拝聴いたします。
#91
○三木国務大臣 島本委員が現地を十分に御視察になって、その現地の調査をされた結果に基づいていろいろな御質問がなされたわけであります。確かにたくさんの問題を含んでおるという御指摘は私もよく理解ができます。したがって、今後は大分県とも十分な連絡をとって環境保全という見地から強力な指導をいたす考えでございます。
#92
○島本委員 終わります。
#93
○佐野委員長 木下元二君。
#94
○木下委員 兵庫県の北部の但馬には、県下の最高峯である氷ノ山をはじめ鉢伏山、日名倉山、こういった自然に恵まれた美しい山々があります。この山々には自然をそのまま残した原生林であるとか豊富な鳥類だとか動植物に恵まれております。しかも日本全国でも数少ないイヌワシの生息地としても知られております。兵庫県当局はこの地に山頂を含む主稜線、俗にいう尾根付近に但馬山岳スカイラインという観光自動車道路をおもな目的とした大幹線林道一号というのを住民の意向を聞かずに建設しようとされたわけでありますが、地元の科学者、登山家、動物作家など広い層の市民の人たちで組織されました氷ノ山の自然を守る会などの陳情などがありまして、環境庁の県に対する指導あるいは林野庁の指導がなされました。その結果当初の計画よりも山のふもとに変更されたわけであります。このことにつきましては環境保全あるいは自然保護の立場から前進面があったのじゃなかろうかと思いますけれども、地元住民の声を聞きますと、どうも環境庁などの指導に対しまして県のほうが十分に理解されていない面があるのではなかろうか、こう思われる節がございます。そこで私は氷ノ山の自然を守るという立場から、環境庁の明快なお答えをいただきたいのでございます。
 まず鳥獣保護に関してでございますが、この山には全国でも数少ないイヌワシ、これは特別天然記念物に指定もされ保護されておるのでありますけれども、ことしの三月別の生息地であります翁倉山、これは宮城県であります、この翁倉山で林道建設によりましてイヌワシが絶滅をしたという話が伝えられております。こうした教訓をどう生かされているのか。兵庫県の大幹線林道との関係ではどうなのか。これによってその生息があやぶまれるようなおそれはないのか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#95
○首尾木政府委員 先生御指摘の大幹線林道でございますが、これは氷ノ山後山那岐山国定公園が昭和四十四年に指定をされました当時、すでに計画をされていた道路でございまして、この問題が、現在御指摘のように、林道をそのまま通しますと、イヌワシの繁殖地に近いということから、これに悪影響を及ぼすおそれがございますので、環境庁といたしましては、林野庁及び県にイヌワシの保護について十分な配慮をしなければならない点を申し入れておりまして、現在林野庁と兵庫県との間で当初計画の変更を協議中でございまして、雪解け後に調査をしまして考えていきたいというようなことでございます。当然でございますが、イヌワシは絶滅のおそれのある鳥類ということでございますので、私どもはその保護に万全を期するべく、県あるいは林野庁に対しまして、十分その点についての協議をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#96
○木下委員 文化庁は来ておられますね。――文化庁に参考までに伺いたいのですが、全国にイヌワシは何つがいいると確認されておりますか。
#97
○古村説明員 お答えいたします。
 イヌワシは本州の山岳地帯、東北地方の沿岸部などで繁殖しているわけでございますが、確かな数字は把握しておりませんが、大体の想像といたしまして、全国で百羽から二百羽の範囲内だというふうに推定されております。
#98
○木下委員 このイヌワシは貴重な天然記念物だと思うのですが、これを大事に保護していくべきだと思いますけれども、その点について文化庁としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#99
○古村説明員 イヌワシは学術上の価値の問題から天然記念物に指定し、保護しているという状況でございます。ちなみに、昭和四十年五月十二日にイヌワシ自体を主として指定をいたしまして、その絶滅をなくするようにしていきたいということで、十分遺憾のないように処理をしていきたいというふうに考えております。
#100
○木下委員 こういった全国でも数少ないイヌワシなどの鳥類であるとか、あるいははニホンカモシカとかいった獣類、こういうものはただ単にその地域だけではなくて、全国民の財産として保護されていかねばならないと思います。環境庁並びに林野庁は、氷ノ山の自然を守る会の方々の陳情を受けておられると思います。この陳情というのは、自然保護と地元住民の生活基盤擁護の見地から、その建設計画の抜本的再検討を兵庫県当局に求めてもらいたいという内容のものでありますが、この陳情を環境庁が受けられまして、兵庫県に対してどのような指導をされたかということを伺いたい。
#101
○首尾木政府委員 先ほども申し上げましたが、イヌワシの保護の問題につきまして、具体的に兵庫県に対しまして、路線変更の検討をすべきことを指導をいたしたわけでございます。
#102
○木下委員 その指導ですが、私が聞いておるところによりますと、それによりましてルートが変更されたということですが、その内容ですね。再検討せよということなのか、より具体性を持った指導をされて、その結果今度のルート変更になったのかということを伺っているのです。
#103
○首尾木政府委員 私どもは、その陳情を受けまして、県に対してルートについての抜本的な検討をすべき旨を指示いたしまして、その結果について環境庁のほうに意見を兵庫県から提出してほしいという旨を指導をいたしておるわけでございます。その結果につきましては、兵庫県から私どものほうへ、結果についての報告はまだ受けておらない点でございます。ただ、先ほども申し上げましたように、イヌワシの問題につきましては、少なくともイヌワシの問題に関して影響を及ぼさないような方向で考えておる旨の中間的な連絡を受けておるというのが現在の実情でございます。
#104
○木下委員 そうしますと、抜本的な再検討を加えよという趣旨の指導をされて、その結果、県のほうでいろいろと検討を加えて、このたびのルート変更をした。したがって、今度変更されたルートそのものは、環境庁のほうで具体的にそこまでの指示をしたということではないというふうに伺っていいのですね。
#105
○首尾木政府委員 そのとおりでございます。
#106
○木下委員 今度のルートというのは、初めにきめられたルートよりもふもとのほうに寄っておるのですが、山頂よりもずっとふもとのほうに下げよという指導はなさったのですか。そこまでの指示もなくて、ただ根本的に再検討せよ、こういうことで指導されたのですか。
#107
○首尾木政府委員 陳情の趣旨から考えますと、これは稜線部分を通るということ、それから、イヌワシの生息地に近いところを通るということ、そういうことでございますので、そういう点に十分注意すべきことを付しまして、これを県に対して再検討をしてほしいという旨を申し入れてあるわけでございます。
 なお、ただいま、今度決定をされたというふうな表現を申されたわけでございますけれども、この点につきましては、私どもまだ決定をしたというふうには受け取っておりませんで、雪解け後にその路線について現地の調査をして決定をするというふうに私どもとしては兵庫県から聞いておるわけでございます。
#108
○木下委員 その決定の点についてはあとから伺いますが、いまの指導の内容についてもう少しお尋ねしておきたいのですけれども、たとえば、現地には沢があるのですが、住民のほうではその沢が埋め立てられるのではないかということをたいへん心配しております。そういう埋め立てを行なうのではなくて、橋をかけろとかそういった具体的な点にわたったような指導などはないわけですか。あるいはそこまでも事こまかに指導をされておるのかどうか、そこまでお尋ねしておきたいと思います。
#109
○首尾木政府委員 私どもの文書による指導といたしましては、一般的な再検討の旨を文書として兵庫県に対して申し入れておるわけでございます。ただ、担当官がこの問題について県当局に対して指導いたしました際に、いろいろの具体的な問題についても、意見といいますか、そういうものは述べておると存じますが、その詳細につきましては、技術的な問題でございまして、どういうふうな形でそのときに指示をいたしたかということを私現在つまびらかに把握をいたしておりません。文書といたしましては、私ども、一般的な指導という形でこの道の再検討ということを申し入れておるわけでございます。
#110
○木下委員 環境庁ではすでに御承知だと思いますが、この氷ノ山、千五百十メートルの高さの山でありますが、この山の周辺は、ブナの原生林をはじめとしまして、数多くの貴重な動植物を残す兵庫県下最後の区域であります。すでに六甲山は山はだがずたずたに荒らされまして多くの問題が起こっております。また全国的に見ましても、闘士、大台ケ原、石鎚山、こうした多くのところで警告の声が満ちておるのであります。この氷ノ山自体ももうすでに周辺がこの林道の第一期工事によりまして山はだが荒れるという事態も起こっております。自然は一度破壊されますと、もう取り返しのつかないことになるわけでありますが、私は、このような大規模な林道の建設につきましては、地元民あるいは科学者の意見、さらには県民の意見も十分に聞き、計画の段階で自然保護に細心の注意を払い、長期的、総合的な、そしてさらには科学的な調査研究が必要だと思うのですけれども、この点は環境庁としてどのようにお考えでしょうか。
#111
○首尾木政府委員 先生の仰せのとおり、やはり一度破壊されるとこれはもとに戻りませんので、十分に事前の調査検討というものが必要と考えております。
#112
○木下委員 けっこうです。
 ところで、私のほうの調べたところによりますと、兵庫県のほうは環境庁、林野庁の指摘を受けまして、三月の六日に計画ルートの変更を行なったというふうに聞いております。この変更につきましては、先ほども環境庁のほうから言われましたように、県当局は一応こういうふうにルート変更をしたけれども、さらに雪解けを待って十分な科学的調査を時間をかけて行なう、そしてあるいは専門家等の意見も聞いて工事にかかる、こういうふうに聞いておったのであります。ところが四月に人事異動があって、そういうふうに住民の人たちあるいは自然を守る会の人たちに対して約束をしていた人が配置転換をされて、新しい担当者がついたのであります。そうすると、問もなく急に態度が変わりまして、四月じゅうに調査を終えて五月から工事にかかるといってきたのであります。こういった事実は御存じでしょうか。
#113
○首尾木政府委員 承知をいたしておりません。
#114
○木下委員 動植物の実態調査というのは雪が積もっておる時期には十分行なうことができません。この地域というのは、例年ですと大体五月十日ごろまで雪が残っておるわけです。だからこのころまでは実態調査を行なうことができないわけですね。現にそうした調査は行なわれておりません。調査も行なわないままに工事にとりかかろうというこの県の態度に対しまして、地元住民をはじめ自然を守る会の人たちがたいへんに不信感を抱いておる、こういう現状であります。先ほどのお話によると、雪解け後調査をやるということは聞いておるけれども、その後事態が変わったことについては御存じないということなんですけれども、一体県のほうからどういうふうにこの報告を聞いておられるのか、よくわからないのですが、最後に報告を受けられたのはいつでしょうか。
#115
○首尾木政府委員 私自体が直接にその報告を受けたわけでございませんので、その日にちにつきましてはいま照会をしなければ正確にわかりませんが、これは先生のおっしゃいましたことから考えまして、三月二十六日に県においてクラブにそういうような発表をしたということは聞いておりますので、それについては先生のおっしゃいましたように私どもそういう報告を受けましたが、しかしそれは雪解け後にさらに再調査をするということの前提のもとに一応そういうふうなことを検討しておる、一応そういうふうなことにしたいという県の意向が――県でそのようなことを……。(木下委員「「そのようなこと」というのはどういうことですか」と呼ぶ)林道をふもとのほうに下げるということですね。ふもとのほうに下げるということについての一応の結論といいますか結果を出して、そういう考え方のもとに雪解け後再調査をするというふうに聞いておるわけでございますから、したがいまして、それはごく最近といいますか三月二十六日以降において私どものほうに県からそのような形の連絡があったというふうに考えておるわけでございます。
#116
○木下委員 環境庁のほうとしても先ほど言われましたようにこうした問題については自然破壊が起こらないように十分に調査をする、科学的な調査を行なって環境破壊のないようにやるべきことはお認めになられたわけでございます。ところが、いま言いますように、県のほうは急にこの人事異動などがあって態度が変わって、もう四月中に調査を済まして五月から工事をやる。これはさっきも申しますように雪解けがないと実態調査などはできないわけですね。五月以降にならないとできない。それを四月中に調査をやる。どういう調査をやるのかわかりませんけれども、あるいは机上の調査かもわかりません。形だけ調査をやって、もう五月から工事をやる、こういうふうに態度が変わってきておる。これは御存じないということなんですけれども、もしそういったことが事実かどうかお確かめになって、事実であるとすれば、そういうふうな県の態度に対してはどういう態度をおとりになるのか伺っておきたいと思います。
#117
○三木国務大臣 木下委員の御指摘の地域はイヌワシの繁殖地にも近い地域でありまして、鳥獣の保護という見地からも重要な地点でありますので、兵庫県にも至急に連絡をとりまして、何も一日を争うことでないのですから、必要な調査はした後においてそれを施行するような注意を与えることにいたします。
#118
○木下委員 必要な調査というふうに簡単に言われたのですけれども、これは、私のほうがさっきから言っておりますように、まず第一に住民の人たちの意向も十分くんでいただきたいということが一つ、それから科学者の意見、非常にこの問題について兵庫県下の科学者の人たちも関心を持って事態を見ておるわけであります。こうした科学者の見解等も十分に聞いて、そして遺憾のないような調査を進めて、その上でルートをきめていただきたい、工事を進めてもらいたい、こういうことですけれども、大体そうした趣旨を御了解いただけるわけですか。
#119
○三木国務大臣 調査の中にはそういう専門家の意見も当然にやはり聞くべきだと思います。そういう意味で、調査を十分にやって、そしてこれを施行するということが県当局のやり方としてはそのほうが妥当だと私思います。
#120
○木下委員 そうしますと、環境庁長官がいま言われました、そういった趣旨で県当局を行政指導される、こう伺っていいわけですね。
#121
○三木国務大臣 さようでございます。
#122
○木下委員 けっこうです。
 それから林野庁に伺いますが、この幹線道路というのは、環境庁のほうからいまいわれましたような趣旨で行政指導があるということで私どももそれを強く期待するわけでありますけれども、さっき私が申しましたように、とにかく工事を早急にやるんだというかまえをとっております。このように、住民の声などを無視してまでなぜこの工事を急がなければならないのか、この理由が私にはよくわからないのですが、特にこの工事を急がねばならないものかどうか、また、この幹線林道のおもな目的は一体何なのか伺いたいと思います。
#123
○松形説明員 お答え申し上げます。
 先ほど来環境庁のほうからお答えがございましたように、また先生の御指摘もございましたように、五月の初めごろまでは御承知のとおり雪がございます。したがいまして、私ども、いま設計と申しておりますのは図面上においての設計でございまして、具体的に入るのは雪解け後というようなことでございますので、その設計が終わりまして、その設計を林野庁におきまして審査いたしまして、それから着工するということになりますので、私ども急いでおるわけではございません。
 なお、大幹線林道の主目的といたしましては、地域の交通の整備あるいは主としては林産物の搬出というのが大きな目的でございます。
#124
○木下委員 特に急いでいないし、急ぐ理由はない、こういうふうに伺っていいと思うのですが、あとからいわれました地域の交通の整備ということになりますと、どういうことなんでしょうか、私は、林道というものは、これは林業と結びついたものだというふうに理解しているのですが、地域の交通の整備ということになってきますと範囲が広がってきますので、ちょっと確かめておきたいのですが、もう少し正確に言っていただきたいと思います。
#125
○松形説明員 お答え申し上げます。
 先ほど最初に、地域のそういう交通的な性格を申し上げましたが、おっしゃるとおりに林産物の搬出というのを主目的といたしております。しかし、かような山間地帯におきましては、地方道としての部落と部落を結ぶというような場合がなかなかできないというのが実態でございますので、できるならばそういう部落間の連絡をすることによって、林業の振興と同時に、地方のそういう交通の便をはかりたい、こういう主と従の関係でございます。
#126
○木下委員 この幹線林道というのは、森林の機能を引き出すと申しますか、林業の発展を促すためのものだというふうに私は思うのですけれども、これは林業を営んでおる人たちの生活向上にもなるわけでありますので、理解ができるわけでありますが、またそのごく周辺の部落の人たちの交通、これにも利便を供するという意味で理解ができるわけであります。ところが、兵庫県のほうが考えておりますのは、この林道を但馬スカイラインにする、こういう構想をいまだに持っておるのであります。この山間地の林業の振興であるとか、あるいは過疎対策といったことは、地元の人たちの意見を尊重しながら行なわれるべきだと私は思いますが、この幹線林道がスカイライン、いわゆる観光道路とならないという保証はないように思います。この点で、県の持っている構想と林野庁のお考えとの間にはギャップがあるのではなかろうか、こういう懸念を抱かざるを得ないのです。その点はどうでしょうか。
#127
○松形説明員 お答え申し上げます。
 最初四十二年以来この大幹線林道がスタートいたしております。そのころ計画いたしました路線といたしましては、先生御指摘のとおりに、非常に山の峰に近い路線を選定いたしております。しかし、先ほど来申し上げておりますように、路線を大幅に下のほうにあるいはふもとのほうに下げました関係から、そういうスカイラインというような面には当たらないのじゃなかろうか、私どもはかように考えております。
#128
○木下委員 いや、その林野庁のお考えは理解しているのです。観光道路とかあるいは兵庫県の北部と南部を結ぶところの通過道路、そういうものではなくて林道である、そういうことで進めようということはわかります。私が心配しているのは、林野庁はそうであっても一県がいま申しますように但馬スカイラインというようなことを打ち出しまして構想を練っておるということで、そこで伺っておるのですが、林野庁のお考えと県のほうとの間にギャップがあるのではないか、その点はどうでしょう。
#129
○松形説明員 お答え申し上げます。
 森林の持っておる機能と申しますか、これを申し上げますと、御承知のとおりに、木材を生産するという経済的機能と、近ごろ非常に強く要求されております公益的な、すなわち国土保全とか水資源の涵養とかあるいはレクリエーションの場としての森林の機能ということが公益的にあるわけでございます。したがいまして、この氷ノ山一帯の森林というものはそういう面ではやはり自然保護をしながらまたレクリエーションの場所としての活用というものもある程度考えるというのが当然じゃないかと思います。しかし、御指摘のとおり、主たる目的がそういう観光道路であるということではないというふうに私ども思っておりますし、またそういうことは指導いたしたいというふうにも考えております。
#130
○木下委員 そうしますと、どうもよく私の質問に答えてもらえないのですけれども、県のほうのお考えはよくわかりにくいけれども、あなたのほう、林野庁として、観光道路ではなくて林道としてこれを建設をするように、県のほうに対して指導を強める、こういうふうに聞いていいわけですか。
#131
○松形説明員 そのとおりでございます。
#132
○木下委員 地元の住民の人たち、あるいは自然を守る会の人たちは、林道を建設すること自体には決して反対していないのであります。むしろ林業を発展させ、地元住民のプラスになるのであれば必要だとも言っております。ただ、この幹線林道が建設されることによりまして生じる自然の破壊を一番心配しておるのであります。現在の計画で一番高いところの道路は千二百八十メートルのところを走る予定になっております。これは初めの計画よりも低くなっておりますが、そんなに大幅な違いはないようにも思うのです。これをもっと低くして、少なくとも九百メートルラインにまで下げることは不可能ではないのではないか。これによりまして、その森林の鳥類や動物類の保護の面積がずっと広げられると思うのです。あるいはまた、地元の大屋町というところがありますが、大屋町の住民にとりましても、これは八百五十メートル程度の地点でありますので、九百メートルラインにできますと、たいへんプラスになるという効果もあります。その点はいかがでしょう。
#133
○松形説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、わずかな部分で千二百メートルというところに到着する部分がございますが、大体八百メートルラインというふうに私どもは思っております。なお、既設の林道がすでに三十キロ両側からできております関係から、起点、終点を実は固定しているような関係がございますので、ただいまの御質問の御趣旨等を十分参酌しながら、技術的な面がございますので、取り入れていきたい、かように思っておるわけでございます。
#134
○木下委員 この林道の建設にはいろいろな問題点が残されておりますが、上水道水源の汚染問題あるいは植物の生態調査あるいはまた神戸大学のヒュッテのところにはクマがいるといわれておりますが、これらの実態調査もする必要があると思います。自然は一度破壊されますと取り返しがつきません。環境庁では困難な鳥獣の保護という非常に大事な仕事を行なっているわけでありますから、地方自治体のこういった調査の不十分な建設計画に対しましては、きびしく指導すべきだと思います。自然保護という大切な仕事は、一つの省庁の力ではできないわけであります。関係各省庁あるいは地方自治体、学識経験者、地元民の十分な理解と協力が必要なわけでありますから、今回のような事態につきましては、地元住民、学識経験者が、調査結果につきまして十分納得がいくまで着工を見合わせるべきだ、このように思うわけでありますが、この点を最後に環境庁長官のほうからお答えをいただきたいと思います。
#135
○三木国務大臣 先ほど私が申しましたように、雪解けを待って十分に地域の人たちの声も聞くし、また専門家の意見も徴してこの問題の処理をすべきだと思います。ことに地域の人たちが林道の建設には原則的に賛成だというわけですから、そのものに反対しておるという例がよその地域には間々あるものですけれども、これは原則的に賛成だというのですから、みなの合意が取りつけられないものではないわけです。その点は十分兵庫県庁とも連絡をとりまして、できるだけ多数の人々の意見が生かされるように努力をいたします。
#136
○木下委員 そうしますと、そのように県に対して、連絡というよりも行政指導を強めて、そういう方向で進めていく、こういうふうに伺っていいわけですね。
#137
○三木国務大臣 そのとおりです。
#138
○木下委員 けっこうでございます。
#139
○佐野委員長 坂口力君。
#140
○坂口委員 去る二十一日に海上保安庁から昭和四十七年におきます海洋の汚染発生状況が発表になりました。監視体制の充実強化ということもあろうかと思いますが、汚染現象の増加ということもなおかつ続いていることは事実のようでございます。きれいな海を取り戻しますことは、国民全体の願いでもございますし、依然として汚染が続いているということはまことに残念な限りでございます。
 そこで、海上保安庁の発表を拝見いたしますと、油の排出の発見件数というものが圧倒的に多くなっておりまして、千九百八十三件ということになっております。全体の八六・九%を占めております。特にひどいのが東京湾、伊勢湾あるいは瀬戸内海で、これは集中的に発生をいたしております。この防止対策につきまして関係官庁の御見解を賜わりたいのですが、大臣たいへんお急ぎのようでございますので、話は多少前後いたしますけれども、その関係官庁の見解を賜わりますのはあとにいたしまして、まず海上保安庁にお聞きしたいわけでありますが、この港湾内の廃棄物の取り締まり、これはどの法律によっておやりになるのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#141
○船谷説明員 お答えいたします。
 海洋における公害関係法令としましては、海洋汚染防止法、それから廃棄物の処理及び清掃に関する法律、それから水質汚濁防止法、港則法、それから各都道府県の漁業調整規則等でございます。
#142
○坂口委員 港則法その他が適用されているようでございますが、この廃棄物処理法の十六条につきましても、やはり港湾内での取り締まりというものには適用されておりますかどうか。
#143
○折田説明員 不法投棄の分で海洋投棄の分は、物によって投棄してならないものがありますので、それは適用されることになると思います。
#144
○坂口委員 もう少し詳しく、これは何海里まで入っておりますか。
#145
○折田説明員 一応三海里以内では捨ててならないことになっております。
#146
○坂口委員 そういたしますと、厚生省の御見解としましては、この廃棄物処理法の十六条で定められておりますのは、一応海面においては三マイルまでという意味でございますね。――海里でございますか。
#147
○折田説明員 すみません、地先海面においては三海里でございます。
#148
○坂口委員 実はこの問題で、朝日ジャーナルの中に田尻さんが書いておみえになります文章がございまして、それをお見せいただきましたら、各省によってかなり見解が違うようなことが書かれております。
 と申しますのは、厚生省のほうは、一応この文章では三マイルという書き方になっておりますが、そういうことで統一指導を行なっておる、ところが他の省においては、一応二百メートルまでというふうにおっしゃっておるところがある、こういう文章が出ておりますが、これは環境庁のほうはいかがでございましょう。
#149
○岡安政府委員 実は、この法律は厚生省の所管の法律でございまして、いま先生のお話の三海里というのは、先ほど厚生省の課長がお答え申し上げましたとおり、私の記憶では、この法律の施行に関しまして厚生省から通達が出ておりまして、そのような指導がなされているというふうに伺っているわけでございます。
 ほかのほうでどういう解釈であるか、私ちょっと伺っておりませんけれども、私どもは、ほかの条文によりまして、いろいろ海へ捨ててはならない規定その他を基準にやっておりますが、その際にも、厚生省のそのような通達を頭に入れましてやったつもりでございます。
#150
○坂口委員 そういたしますと、一応この法律は三海里というものを明記しておるというふうに私のほうも理解させていただいてよろしゅうございますか。
#151
○岡安政府委員 もう一度申し上げますけれども、明記しているのではございませんで、法律では「地先海面」というふうになっております。「地先」の解釈といたしまして、厚生省で現在三海里というような指導をなされておるというふうに私どもは理解しております。
#152
○坂口委員 明記ということばがたいへん悪うございましたが、一応三海里という点で皆さん方の御意見が一致しているというふうに理解させていただいてよろしゅうございましょうか。これはたいへん大事な問題でございますので、大臣から承っておきたいわけでございます。
 この雑誌に出ております内容を見せていただきますと、廃棄物処理法の十六条が二百メートルないし一万メートル以内というような範囲にとられて、港湾内においていろいろのものが廃棄された場合にそれがなかなか現場では取り調べられないというような記事であります。これは現在もそうなのかどうか、この文章だけからはちょっとわかりかねますけれども、こういうことがありましては、せっかくこの法律ができましても、こういうふうに曲がってすべて解釈されましてはもうどうにもならないわけでございます。ひとつ大臣の御所見を賜わっておきたいと思います。
#153
○三木国務大臣 いま御答弁申し上げたように、法律の中で三海里というのを廃棄物の処理に関しては明記はしておりませんが、厚生省の通達の中に三海里という解釈を通達しておりますので、われわれも三海里ということで考え方を統一してまいりたいと思います。
#154
○坂口委員 これは本来ならば最後に伺うべき問題でございますけれども、大臣にもう一点だけ、話が初めでありますが、まとめのような形でひとつ御意見を賜わっておきたいわけでございます。
 水質汚濁の場合は、大気汚染のように直接人体の疾病といったものには結びつかないことが多うございます。しかし、重金属等を含むものを含めまして、廃液が最後には結局人体をむしばむようになることは事実でございます。四日市の公害裁判におきましても、注意義務違反といたしまして、立地上の過失あるいは操業上の過失を認めておりますし、また新潟の水俣病判決は安全管理義務を提起いたしております。特定の病気に結びつかないからというような理由、あるいはまた漁業に関係がないからというような理由で海を奪う者は、私は断じて許されないと思うわけでございます。われわれはどうしても海をきれいに守っていかなければならないと思うわけでございますが、現在残念ながら海が非常に荒らされております。私は、そういう海を荒らす者があれば、これはたとえば船の場合もありましょう、あるいは企業の場合もありましょう、これは操業停止を含めた強力な処置をとるべきである、こう思うわけでございますが、長官の御所見を賜わっておきたいと思います。
#155
○三木国務大臣 最近、海の汚染というものは非常にひどくなっていっておる。油による汚染が最もひどいようでございますし、また廃棄物もありましょうが、これに対しては、油については排出基準もあるわけですから、そういうことで取り締まりの法規はあるし、罰則もあるわけでありますが、しかしこの問題は海上保安庁が管轄をしておるわけでありますので、今後われわれとしては海の汚染を防止する見地からも、海上保安庁の監視体制というか、あるいはまた海上の汚染をいろいろな点で防止するための海上保安庁としての役目もあろうかと思いますが、取り締まりと防止ということに対して一段と海上保安庁の機能を強化していったらいいと私は思うのですよ。いま相当強化されておりますけれども、もっと強化する必要があるのじゃないか。監視体制あるいはまた海上の清掃体制というのですか、きれいにするための体制、そういうことに対しても海上保安庁はもう少し強力に機能が発揮できるようにしていくことが、一番実際的だと思うのです。ほかの省といっても船を持ってないですから、海上保安庁というものの機能を強化することが一番必要である、そういう点で今後われわれとしても海上保安庁の機能を強化することによって海上の汚染の防止をはかるように、日本の海上汚染防止の方向をそういうふうに向けていきたいと考えておるわけでございます。
#156
○坂口委員 長官、どうもありがとうございました。
 では、初めに戻らせていただきます。先ほど申しましたとおり、特に東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、こういったところが集中的によごされているわけでございますが、その防止対策につきまして、関係官庁の見解を賜わりたいと思います。
 海上保安庁に対しましては、先ほど一番最初に出ました問題、廃棄物処理法の第十六条が、これによる取り締まりで問題になったことはなかったのかどうか、これで取り締まりができているのかどうかということについて、あわせてひとつお聞きをしたいと思います。
#157
○船谷説明員 海上保安庁ではその任務として海上における法令の励行ということ全般をやっております。したがって、海上に適用される法律、法令は全部その違反については摘発するということにしておるわけでございます。
#158
○坂口委員 先ほど申しましたように、廃棄物処理法、これによって取り締まりができ得なかったということはなかったわけですか。
#159
○船谷説明員 いままでにそのようなことはございませんでした。
#160
○坂口委員 他の省の見解を賜わりたいわけですが、通産省のほうもこの廃棄物処理法につきましての先ほどの三海里、これには御異議ございませんね。
#161
○青木政府委員 異議ございません。
#162
○坂口委員 そのほかの厚生省のほう、先ほど申しました防止対策というものについてどういうふうな御計画があるか、その点をお伺いしたいと思います。
#163
○折田説明員 産業廃棄物の処理の基本的な体制につきましては、御承知のように、事業者みずからが処理することになっておるわけでございます。さもなくんば産業廃棄物の処理を専門にしている許可業者にやらせるか、あるいは広域的に処理をする場合には地方公共団体で処理するということになっております。したがいまして、そのようないろいろな不法投棄その他がないようにわれわれといたしましては指導しておるわけでございますが、実は本年の三月二十三日、関係各都道府県に対しまして、重ねて私ども厚生省のほうといたしまして、課長通知をもちまして、そのようないわゆる生活環境の汚染といういろいろな問題が起こっておるので、廃棄物の処理をやる場合にはそういうようなことのないように指導通達を出して行政指導を強化しておるのが現状でございます。
#164
○坂口委員 取り締まり体制の問題でございますけれども、先ほど三木長官からもお話がございましたが、たとえば伊勢湾について保安庁にお聞きをしてみますと、明野の航空自衛隊の隣にヘリコプターが二機いる、一日に二回、一回二時間程度飛行をして監視をしているということでございました。しかし、夜間に汚染するケースが多いようでございますけれども、その点について、特に将来計画あるいは現状がどうなっているかということについてお聞きしたいと思います。
#165
○船谷説明員 昼間はおっしゃるとおり比較的取り締まりやすいのですが、夜間はたいへんにむずかしい、いろいろ検討いたしまして、現在前年度の予算で羽田におりますビーチクラフト機に夜間監視装置、これは赤外線を使うものですが、それを取りつけていま訓練中でございます。それから四十八年度に広島のビーチ機にもう一台取りつけまして、そしてそれを全国的に特に重要な海域にはひんぱんに飛ばして監視しようとしております。
#166
○坂口委員 全体的に一機ないし二機の飛行機で夜間の監視をしようということも、なかなかこれは無理なことであろうと思うわけであります。地元の漁業組合等もたいへん心配いたしておりますのは、夜間の廃棄物の問題でございます。昼に検査をしていただきますと、最近は非常にきれいになっている、ところが夜間いろいろのものの廃棄が非常に多いために、夜間にたいへんいためられることが多い、夜間の強化ということを非常に要望しておるわけであります。その点いまお聞きいたしますと、一機のが二機になり三機になっていくようでございますけれども、それにいたしましても、まだ非常に手薄な感じがございますけれども、これは海上保安庁のほうの監視体制ばかりを強調しても済む問題ではないと思いますが、しかし、夜間の監視ということについても十分おやりをいただかなければならぬと思います。運輸省のほう、先ほど聞き落としましたけれども、港湾内の防止対策についてひとつ御意見を承っておきたいと思います。
 それから運輸省のほうからも廃棄物処理法十六条の例の問題、先ほどの皆さん方の統一見解で異議はないかどうか、それも承っておきたいと思います。
#167
○勝目説明員 最初に先生お尋ねの二番目の点からお答え申し上げたいと思います。
 先ほど厚生省、環境庁から示されました見解につきまして、特に異議はございません。
 それから最初の問題に戻りまして、海洋汚染防止対策そのものについて、運輸省としてどのように考えておるかという点をお答えいたしたいと思います。
 海洋汚染防止対策といたしましては、まず規制の強化ということがあろうかと思います。これは現在の海洋汚染防止法には世界的な海水の汚濁の防止の国際条約というものがございます。これは一九五四年にできたわけでございます。さらに一九六九年に改正されまして、規制内容が強化されているわけでございます。わが国の海洋汚染防止法はこれらの条約の規定を忠実に取り入れておるわけでございまして、これらの規制の強化を今後どういうふうに考えていくかということが一つの問題であろうかと思います。ちなみにこの秋に新しい海洋汚染防止条約についての会議が、ロンドンにおいて開催されるということになっておりますので、わが国も国際的な協力の場において大いに海洋汚染防止のために国際協調をはかっていきたいというふうに考えております。
 それから海洋汚染防止のための規制の強化ということとマッチいたしまして、規制を強化するだけでは万全でないのでありまして、たとえば船舶から生ずる廃油あるいはバラスト水の処理というものを受け入れるための陸上での施設の整備というものが重要になってくるわけでございます。そういう陸上におきます廃油処理施設の整備というものもやっていく、また必要があればそのための助成等をも強力に推進をしていくということが必要であろうかと思います。
 それからさらに港湾というような局地的な場面に限りますと、船舶からの油濁だけではございませんで、それ以外のいろいろな汚染もございます。たとえば廃船等が廃棄をされておるというような問題もございますので、そういう港湾におきます廃棄物の処理施設の整備をはかっていくということも重要でございますので、それらも四十八年度から重点的に取り上げてやっていくということにいたしております。
 そのほか、海洋汚染防止のための技術の調査研究、開発というようなこと、さらに被害者の救済、防止のための措置を講じていくというようなことも、全般的な問題として関係各省とも十分協議の上進めていきたいというように考えております。
#168
○坂口委員 通産省のほうにお聞きをしたいと思いますけれども、漁業協同組合等の意見を聞いてみますと、先ほども申しましたとおり、どうしても夜間の海の汚染というものが非常に問題になる、どうしても夜間によごされがちになるということを申しております。企業に対して廃棄物あるいは廃液についてどういう指導をなさっているのか、あるいはまた現状をどう踏まえてお見えになるのか、その点をひとつお聞きをしたいと思います。
#169
○青木政府委員 通産省としましては直接取り締まりの任に当たっているわけではございませんので、こういう取り締まり法規に違反しないように極力産業に対して行政指導をいたしておることはもとよりでございます。ただ、そういう行政指導と相並びまして、産業廃棄物をできるだけ少なくするようにいろいろの手段を講じていくということがあわせて必要ではないかというふうに考えております。
 そのためにはいろいろなことをやっておりますが、まず第一にクローズドシステム化を推進するということであります。クローズドシステム化と申しますのは、産業廃棄物をなるべく出さずに回収しまして、もう一ぺん戻して使うというような工程を推進することによりまして、産業廃棄物を極力少なくするということでございます。また、産業廃棄物につきましても極力有効利用するという技術開発を促進いたしておりまして、これによっても廃棄物をなるべく出さないというふうに一般的な指導をしているわけでございます。また当面の問題といたしましては、現在問題になっております石油精製、石油化学等の廃酸、廃アルカリがございますが、これを中和処理剤で海洋投棄をしないように行政指導をしておるわけでございます。それからもう一つでございますが、クローム鉱の鉱滓の投棄がございまして、こういうことも極力防止する必要がございますので、これを焙焼いたしまして海洋投棄を行なわずに陸上で処理をするというような個々の指導をあわせて行なっている次第でございます。これに必要な研究の助成とか、あるいはそういう設備に対する金融上、税制上の助成措置というようなものを使いまして、こういう産業廃棄物に対する違反事件を極力少なくするようにつとめているところでございます。
#170
○坂口委員 クローズドシステムもけっこうでございますし、いろいろ行政指導をなさっているお話はよくわかるのですが、その結果が一体どうなっているというふうに評価をされているのか。この指導が非常に行き渡ってずいぶんよくなってきているというふうにお考えなのか、それとも行政指導はしておるけれどもやはりいろいろ問題があるというふうに理解してお見えになるのか、その点をお聞きをしたいと思うのです。
#171
○青木政府委員 ただいま申し上げましたようなことをやっておりますけれども、非常に長期の問題としまして、クローズドシステムとかあるいは廃棄物の有効利用というようなのは、技術開発を伴いますのでなかなか時間がかかるという面もございますが、こういう面では今後だんだん効果をあげていくように考えております。それから、先ほど具体例で申し上げました廃酸とか廃アルカリとかクローム鉱の焙焼を行って埋め立てをするというような具体的なことにつきましては、現在ある程度問題が解決して若干の効果はあがっているというふうに考えております。ただ、非常に広範な廃棄物の問題でございますので、私ども行政指導をしておりますけれども、必ずしも万全の効果をあげているとは考えられませんので、その面はある意味では取り締まり官庁のほうに十分協力していただいて、私どもはそれをよく守るように企業を今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
#172
○坂口委員 特に夜間の廃液について、これはたいへんむずかしい問題でございますけれども、特に夜間の問題についてどういうふうにお考えになっているのか、もう一度だけお伺いしたいと思います。
#173
○青木政府委員 私どもとしては、そういう話を直接具体的にあまりよく聞いておりませんので、実態をよくつかんでおらない次第でございますが、もしそういう事実がありました場合には、企業に対して厳重に警告をしてまいりたいというふうに考えております。
#174
○坂口委員 夜間の場合には、それこそだれも見ておりませんのでどこが出したかわからないという現状からいきますと、そういうことにならざるを得ない。ところが夜間にそういう廃液等が多いということは、その地域の人たちには十分にわかっておるわけなんです。特に農林漁業などをやっておる人にとりましては、それがはっきりとわかるわけなんです。ところがそれが、特定のどこどこの企業でいつ何時というようなことについては、これはもうわからない。またわからないからこそ、それが繰り返されるということもあろうと思います。私は、夜わからないからやるというようなことは全く許せないことだと思うのです。これにつきましてはやはり通産省が、夜間といえども同じなんですから、そういうような廃液等についてはきびしく指導してもらわなければならないと思います。
 その点につきまして、海上保安庁のほういかがでございますか。そういうふうなたれ流しと申しますか、廃棄物、油その他の問題が特に夜間に多く起こっているというふうな情報はおつかみでございませんか。
#175
○船谷説明員 海上保安庁としましては、巡視船艇、航空機をできるだけ昼夜間を問わず運用するように考えております。それで油につきましても、さっき申し上げましたように、浮流物につきましては飛行機で上から見るということが一番大切でして、したがってあのように装置をするように進めておるわけですが、また巡視船艇につきましてもできるだけ港内外のパトロールをひんぱんにして、そして夜間の排出につきましても厳重な取り締まりをするという態度で臨んでおります。
#176
○坂口委員 夜間に多くのものが捨てられているというようなケースはないかどうか、それをお聞きしているわけです。遠慮なく言ってください。
#177
○船谷説明員 傾向としてどうかということにつきましては、はっきりしたデータはございません。しかし、一般的にはそういったことが大いに考えられるわけでして、そういう意味の配慮をしておるわけでございます。
#178
○坂口委員 何となく奥歯に物のはさまったような発言でございますけれども、私どもが皆さん方の現場のほうに電話をかけて聞いてみますと、みんなそういうふうにおっしゃってお見えになりますので、間違いない事実であると私どもは考えております。ひとつその点厳重な体制をお願いしたいと思います。
 それから、時間がなくなりましたので、もう一点だけお聞きしておきたいと思いますが、大量の油がもしも流れ出ましたような場合、その処理につきましては、どういう方法をとられるわけですか。その緊急体制につきまして、もしも御見解がございましたら承っておきたいと思います。
#179
○船谷説明員 特に油が問題でございまして、それが何らかの事由によって流出しました場合には、非常に大きい――新潟沖のジュリアナ号事件のような大きい事件が起こった場合、そういう起こる可能性のある地区につきましては、油の防除関係の役所、民間団体等を統合しました防除体制協議会を組織してございます。それをうちの海上保安庁の職員が指導して、官民一体となった防除体制をつくり上げることになります。
 具体的には、オイルフェンスという油の拡散を防止する用具を使い、そして油の回収船、回収装置をできるだけ動員する。この点につきましてはまだ十分な機材がそろっておりません。また開発中でもございます。これは世界的な関心事として開発が進められております。非常にいいものができましたら、できるだけ許す範囲内で官民ともに備えつけたいと考えております。
 それからまた、許されるところでは、ということは、漁業関係、魚に対する影響なんかが考えられないところでは、油の除去剤を散布いたします。そしてまた、魚に影響のない除去剤を開発するように指導しておりますし、だんだんとそういった製品ができつつあります。まあそういったやり方をいたしております。
#180
○坂口委員 この油の処理剤でございますけれども、その毒性がかなり言われております。私は、油の処理剤の使用については、十分な配慮をしていただきたいと思うわけでございます。
 それから、この回収船、回収技術の開発ですね、これらの問題につきましては、これはもう長官はお帰りになりましたし、残念ですが、これは海上保安庁としても、あるいはまた他の関係省としても、そういったものの体制を十分に整えていただきたいと思うわけでございます。
 時間が参りましたので、この辺にしておきます。ありがとうございました。
#181
○佐野委員長 土井たか子君。
#182
○土井委員 きょうはビフェニールによります食品汚染の問題について、公害対策の観点から質問をさせていただきたいと存じます。
  〔委員長退席、中島(武)委員長代理着席〕
 まず最初に、現に熱媒体として使用されておりますビフェニール、これはビフェニールを含む熱媒体ということのほうが正確だと思うのですが、商品名はダウサムAということになっております。この物質に対して、これは当初、御承知のとおりに、例のカネミ・ライスオイル事件以後PCBについての使用禁止ということになった、この代替品として使われ始めたわけでありますね。
 ところで、あのカネミのライスオイルのカネミ油症の原因究明に当たりました九大の油症治療研究班が、すでにもう三年も前に、このビフェニールについての毒性を解明いたしておりまして、学会などを通じて、代替品としての使用をぜひやめるような警告を出していたという事実を、農林省としては御承知でいらっしゃるかどうかを、まず伺いたいと思うのです。
#183
○籾山説明員 お答えいたします。
 九大の先生のお話というのは、最近新聞にちょっと載りましたのを拝見いたしましたのですが、詳細については私ども存じ上げておらない次第でございます。どういう御主張で、どういうふうな御意見がありましたかについても、調べをいたしたいと思っておりますが、ただいま現在では詳細について承知いたしておらない次第でございます。
#184
○土井委員 当時のいきさつからしますと、新聞にもその点はすでに掲載されておりますが、四十五年の四月にございました福岡での日本農芸化学会総会で大体中身は発表されておりまして、そしてしかもその中身をもって、農林省や油脂業界の関係者に使用取りやめの警告を当時なさっているという事実があるようであります。したがいまして、事情について御存じないと言われれば、それをさらに追い打ちをかけるようなことをお尋ねするのは不向きかもしれませんが、それならば、この節ビフェニールということに対してはだいじょうぶだというふうにお考えになっていらっしゃるかどうか、このビフェニールの安全性という点、有害である有毒であるということは全くないという前提でビフェニールの取り扱いをお考えになっていらっしゃるかどうか、その辺をひとつお伺いしましょう。
#185
○三浦説明員 ジフェニール問題につきましては、アメリカ、西ドイツあるいはオランダ等におきまして慢性毒性試験等がかなり行なわれておるわけでございまして、またWHOにおきましてもその安全性を評価しておるわけでございます。現にアメリカ、イギリス、西独など世界各国でレモン類に対する使用が認められておるわけでございます。特にFAO、WHOが協力して行なっております国際食品規格計画におきまして、かんきつ類に対しては百十PPMまでよろしい、こういう案も認められておるわけでございますが、わが国におきましては、食品衛生調査会におきましてこれらのデータを検討いたしまして、安全の必要性を確認して、食品添加物としても使っておるということでございます。レモンそれからグレープフルーツ、オレンジ等につきまして七十PPMを限度としてその使用を認めるわけでございますが、ただ、先生御質問の毒性という問題になりますと、大量ですとそういうものは有害物になってまいりますが、害のない範囲内で食品添加物としても使っておるというのが現状でございます。
#186
○土井委員 いま御答弁の中に添加物として使用しているということをおっしゃいましたが、中身はかんきつ類に対する防ばい剤でしょう。端的に言うと防腐剤でしょう。そのものを私たちが食する物品の中に混入されて使用するということじゃありませんね。だからその辺はひとつ、添加物、添加物とおっしゃるけれども、やっぱり厳密に考えておいていただかないと困るとまず思うのであります。そしてしかも何PPMぐらいまではだいじょうぶだろうというその数値を出す必要性はどこにあるかというと、基本的にはまだ安全性の確認がされていない、有害、有毒であるという可能性があるというところから出発しているんじゃないでしょうか。
 いまこれから問題にいたしますのは、その防ばい剤として、防腐剤として使用されるビフェニールについての適否の問題じゃございません。過日、三月十五日の日に発見をされました例の千葉の千葉ニッコーに起こりました、油の中にビフェニールの熱媒体に使われた中身が混入されたというあの事件を通じてであります。あの問題は一応油の中にビフェニールを含む熱媒体というのが混入したという前提に立っていま調査やいろいろな追跡が行なわれているわけでありますが、過日の新聞紙上で見ますと、国立衛生試験所が結果発表を、これは中間発表だと私は理解しておりますが、されたところによりますと、五十七検体のうち三十二検体はいずれも検出されずという、結論としては白という結果が出ているやであります。そのことが事実であるかどうかということがまず一つ。
 それから、たとえ三十二検体について白といわれてもなおかつ消費者の側からすれば疑問と不安は残ります。なぜ疑問と不安が残るかというと、この中身は言うまでもありませんが、熱媒体漏れの事故があった三月十五日から事件が明るみに出た四月十一日までに出荷されたいろいろな油について御検討なすっている中で、わけても、この千葉ニッコーのほうが本社の日本興油の水島工場に運んで、そして事故直後の十六日の油について自主検査したデータがすでにあるわけですね。その中身によって考えていきますと、自主検査の結果、油は九PPMの濃度のビフェニールが混入されていたということになっているわけであります。同じ検体を今度は国立衛生試験所が検査された結果、検出されずという発表になっているわけでありますから、千葉ニッコーの側の自主検査と国立衛生試験所の側の検査の結果では食い違いがそのように出てくるわけなんです。なぜかという原因究明がなされない限りはやはり疑問と不安が残ります。これについてはすでにだいじょうぶだと考えられるような結果発表をなすっています。特に二次製品については危険なしというふうな発表もされているようであります。しかしこの疑問と不安が残る限りは、やはり追跡調査をやりながら、いますでに発表されてしまっている危険なしというこの発表も相当慎重にやっていただかなきやならないという率直な意見が消費者の側から起こってくるのは私は当然だと思います。
 二つ目には、いまこの検体についていろいろ国立衛生試験所で検査をおやりになりながら、しかし追跡調査については今後どういうふうになさろうというのであるか、この点について、ひとつはっきり御答弁をお願いいたします。
#187
○三浦説明員 一つは中間発表の件でございますけれども、千葉ニッコー株式会社で製造されました熱媒体の混入の疑いのありました食用油を、これを収去いたしまして分析検査を国立衛生試験所で実施してきたわけでございますが、事故のあった三月十五日の近くの製品を重点的に、四月二十三日までに判明した三十一検体――先生三十二検体とおっしゃいましたけれども、一検体は警察の収去分でございますので、三十一検体につきまし不結果が得られたので、中間発表という形で発表いたしました。この結果につきましては、現在までのところ熱媒体は検出されておりません。残りの検体につきましても現在検査中でございますので、現在は結論を出す段階ではないというふうに私どもも考えておるわけでございます。したがって、すべての検査の終了を待って適切な結論を出したいというのがいまの私どもの態度でございます。
 一方、千葉県の衛生部の調査によりますと、千葉ニッコー株式会社が事故発生後の三月十六日に油を十六号タンクから採取いたしまして、これを自主的に日本興油の水島工場の検査室で熱媒体の検査をしておったわけですが、この検査の結果九PPMを検出したといわれておるわけでございます。そこでこれと同じ三月十六日に同じタンクから出荷した油の所在が判明いたしましたので、この油について検査した結果も四月二十三日の発表の中に入っておったのですが、これにつきましても白でございました。したがって、国立衛生試験所の検査結果とそれから日本興油株式会社の検査結果とが違いますので、国立衛生試験所の担当官をきょう岡山県の水島工場のほうにやって、どんな機械で、どんな方法でやったのか、検査結果に間違いがなかったのか、その点を現在究明中でございます。
 それから追跡調査の結果でございますが、熱媒体は現在のところ検出されておりません。この四月二十三日までのところ検出されておりませんけれども、約四十五キロと推定されます熱媒体が漏れたということは、これは事実のようでございます。したがってかりに白になりましても、一ぺん有害物が油を通過しておる、それがあるいはどういうかっこうで逃げたのかその辺の原因究明はこれからいたしますが、一度通過したということは、やはり私ども食品衛生上これは大きな問題だと思っております。したがって、まだ中間発表の段階で、現在までのところ白ですとは言ってございますが、回収処分その他につきましてはまだ解除しておりません。全部の結果を待ってからやりたいというふうに考えております。
#188
○土井委員 そうしますと、新聞発表等々で私たちが知り得る限りでは、厚生省は、販売された食用油はほぼ安全、二次製品は危険なしと発表したというふうに記載されている点は不適確というふうに考えなければいけないわけでありますか。まず正確じゃないというふうに考えてよいわけでありますか。
#189
○三浦説明員 あの新聞発表の件につきましては、新聞によってだいぶニュアンスが違っておるわけでございますが、私どもが現在まで調べた製造年月日のものは白であった。したがって、それからつくられた二次製品につきましても、多分安全なんじゃないでしょうかということを申し上げたわけで、まだ完全な安全宣言をしたわけではございません。
 しかし、なぜああいう発言をしたかと申しますと、私どもの課にも直接かなりほうぼうにこういう電話がかかってくるわけでございます。特に妊娠したおかあさん方が、カネミオイルの例がございますので、黒い赤ちゃんが生まれるのじゃないか、これを一体おろしたほうがいいのか、おろさぬほうがいいのかという深刻な電話までかかってきております。したがって、そういう不安の解消も、私どもとして白なら早く解消してやらなければならぬわけでございます。そういう意味で、ともかく本来なら全部検査結果が終わってから発表すべきかもしれませんが、そういう不安の問い合わせの電話がかなりございます。
 消費者の側の立場に立って考えても、やはりある程度出た段階から、その日のロットの、その日の製品が安全なら、これは安全ですよという親切心と申しますか、そういう意味で検査の結果が出たものから発表していった、こういうわけでございます。
#190
○土井委員 どうもそのカネミ油症の二の舞いだけは私たちごめんだと思っておりますが、ああいう極端な場合が二度と繰り返されてはならないということはだれしも考えるところなんですけれども、今回の場合はそもそも出発点がビフェニールでありまして、PCBと違うという問題がまずあるわけですね。しかし、いまこの中間発表にしろ、大体食用油はほぼ安全、二次製品については危険なしという発表は、私はやはり意味は大きいと思うのですよ。これは言うまでもありませんけれども、食品衛生法の四条の二号に昨年改正がございまして、この四条二号の中にいっております「有毒な、又は有害な物資が含まれ、又は附着しているもの。」というものに、御承知のとおり、この「疑いがあるもの。」というのが追加されたわけであります、昨年の改正によりまして。で、今回のこの問題に当てはめて考えてみますと、まだ全部の検査が、全部が全部終わっていない、したがって先ほど言うように、疑問や不安の点はまだまだ残る。そういう段階で「疑いがあるもの。」ということをわざわざ昨年法改正をしてここに追加したという点から考えれば、もっともっと慎重であってほしいというふうに考えるのは、私は常識だと思うのですね。ですから、確かに妊娠中の御婦人からすれば、カネミ油症の問題は頭にこびりついているお互い国民的たいへん憂慮をされた事件でありますから、そういう点からすると、確かに心配は先に立つわけでありますけれども、今回のこの厚生省の検査、国立衛生試験所を通じての検査そのものですね。この結果に対してはやはりもうちょっと慎重に発表なり、あるいはこれに対する追跡対策なりをやっていただかなければ困るというふうな気持ちが私はたいへんするわけであります。その点はどういうふうにお考えになりますか。
#191
○三浦説明員 収去された検体が次々に衛生試験所のほうに持ち込まれてまいっておるわけですが、確かに先生おっしゃるように、発表は慎重でなければならぬと私も思います。ただ先ほど申し上げましたような不安がかなりあったこと、また私ここでは国立衛生試験所の結果だけ申し上げておりますけれども、二、三の都道府県からも報告がございます。
 特に、今回の事件で一番問題になりましたのは、会社が事故を隠しておったために非常に処置がおくれたということでございますが、この会社は一日生産量わずか三十トン程度のものでございます。ところが二月の二十一日から四月十日までの二千四百四十五トンの油を回収しなければならなくなった。なぜかと申しますと、事件を知ったのがおそかったために、核心の油だけほんとうは押えればよかったのですけれども、会社の伝票その他の仕訳が非常に不備でございました。この二千四百四十五トンの油の中には、水島工場から油を持ってまいりまして千葉ニッコーでびん詰めなりカン詰めなりに仕訳しただけ。したがって、その脱臭塔を通っていない油もかなりございます。これらの仕訳ができればもっとよかったのですけれども、非常にずさんな伝票でございまして、なかなか仕訳ができません。
 そこで私ども消費者の安全対策という意味から、疑いのあるというところでともかく全部を押えた。そうなりますと、また不安も一そう大きくなってまいります。白い油が大半のはずでございます。したがってやはり白いものは白でありませんと、もう社会の不安、特に先ほどの妊婦の不安というのはたいへんなものでございますので、そういう意味で今回白の順から出したということで、決してこれは完全な安全宣言ではありません。なお私ども追跡調査もいたしております。今後二次製品につきましても、ともかく一次製品を先にやってみて、二次製品につきましても、国立衛生試験所でこれから全部検査をするつもりです。追跡調査も十分して、大体ほぼ安全だという段階で安全宣言はいたしますけれども、そういう不安が大きかったものですから、とにかくロットごと、製造日ごとの検出されないものについてはそういう発表をしていったということでございます。
#192
○土井委員 検体については白という結果が出る。そうして販売された食用油や二次製品については、それに従って大体危険がないということも発表なさる。しかしすでにビフェニールが油の中にまざったという事実は、事実としていつまでも残るわけであります。
 そこで、その点から考えていくと、食品衛生法違反という事実は消え去るわけにはいかない。この点は今後いかがになりますか。
#193
○三浦説明員 先生おっしゃいますように、ビフェニールがまざったということは事実です。それから検出されずといいましても、検出限界が〇・二PPMでございます。したがってあるいはそれ以下は含まれておるかもしれません。ただ今回の事件を見ますと、かなり回収されておりますので、そう長期にこの油を使用するということはまずないだろうというのは、私どもこの事件の見通しとして持っておるわけでございますが、そういう意味で、検出されないものについてはほぼ安全じゃないか。特に健康に被害があるようなことはないのじゃないか。こういう趣旨のことを申し上げておったわけでございます。
 ただ私ども今後の問題ですけれども、じゃ白になった油を全部また再び食べさせていいのかどうか、こういう問題が残るわけですが、これは先ほど申し上げましたように、とにかく一度有害物が通過した油でございます。その辺のところは慎重に私ども今後これを取り扱っていきたいと思っておりますが、幸いにまだ解除も何もしてございません。まだ回収の命令をかけておりますので、最終的なことはその時点で考えたいと思っております。
 違反の事実ですけれども、これは明らかに四条二項の違反ということで、この処分の問題につきましても、もう少し事件の進展ぐあいを見て考えてまいりたいと思っております。
#194
○土井委員 いまの白というふうに考えられるところから、大体出回る食用油についても、二次製品についても解除していくということらしゅうございますが、すでに回収されているのは全体の約三八%くらいといわれております。あと六二%についてはどういう取り扱いをなさるかということも今後の検討課題としていま考え中だというふうな御発言でございました。片や、それならば回収済みの三八%についての中身はどういうふうな処分をお考えになるわけでありますか。すでに回収されている分について今後どういうふうに処分をなさるおつもりですか。
#195
○三浦説明員 約四割のものが回収されたわけですが、これは一次製品でございます。それから二次製品もかなり会社側が自主的にも回収いたしました。かなりな量にのぼっておるわけでございますが、この回収したものの処分でございますが、これはいま盛んに伝票を振り分けております。事件が起こったと申しますのは三月十五日、これは会社の自供でございますから、私どもこれを信用するわけにはまいりません。あるいはもっと前から穴があいておったのではないか。そういう意味で一月の油から全部調べております。これを調べ終わりますと、もし黒に出てくれば、いつ漏れ出したかということがわかるわけでございますが、それでもし漏れたということがわかれば、私ども食用油として――かりに白と出ても使うわけにはまいりません。まだきまっておりませんけれども、たとえば廃棄するとかあるいは工業用に回すとか、そういうことが考えられますけれども、これはいま伝票の仕分け中でございます。先ほど申し上げましたように、全く脱臭塔を通ってない油もかなりあるわけですから、そういうことも十分考慮しながら対処してまいりたいと思っております。
#196
○土井委員 そうすると、いまのところ処分について具体的にはまだはっきりはお考えになっていらっしゃらないというわけですね。おいおい考えていこうということでありますね。それはいろいろな事実に対しての検査の進展に伴ってお考えになるということであって、いま、さあ、これから一カ月以内にとか一週間以内にと、そういう日時を切るわけにはいかないということでありますか。どうです。
#197
○三浦説明員 なるべく処分はきびしく早くやりたいと思っておりますが、ただその仕分けの作業がいま進行中でございますので、その結果を見てというふうに、そんなに先にいくはずのものじゃございません。
#198
○土井委員 それもやはり時間的制約なしに検討、検討ということをお続けになる限りは、やはり不安だとか、それに対してのいろいろな疑問というものは解消しないで残っていくわけでありますし、先ほどの御答弁の中にもありましたが、妊婦からすれば、どうにもこうにもいたたまれない気持ちになるということがそれだけ長引くわけでありますから、その辺も十分考慮して、一つは検討、早く、そして処分もいまおっしゃったとおりきびしくとっていただくということが必要かと思われます。
 ところが、先ほどから御答弁を承っておりますと、会社側が事実を隠した。したがって、具体的な検査についても、その検体自身に対する信憑性がまずは問題にされなきやならないような事情もあるというふうな御答弁が出てまいりましたが、ならば、これについてひとつぜひとも聞かなきゃならないことが出てくるわけであります。食品衛生法によりますと、年六回の定期検査を受けることになっておりますね。ところが、当のこの千葉ニッコーの場合は検査を受けているのは、昨年を調べてみればわずか二回、ことしに入りまして事件発生までに一度も受けていないという事実が出ているわけであります。これについて厚生省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのですか。年に六回の定期検査というものがもし行なわれているならば、しかも中身も適正に行なわれているならば、あるいはこういう事件についても未然に防止し得たかもしれない。また、事件が発生した後においても、可及的すみやかに対策がとれたであろうと思われるわけであります。したがって、食品衛生法違反の問題について、先ほど四条二号の個所を問題にされているわけでありますが、この定期検査という点からしても、今回のこの問題は問題視されていいのじゃありませんか。いかがでございます。
#199
○三浦説明員 食品衛生法では、おっしゃるとおり、年六回、食用油脂製造業に対しては監視、指導を行ないなさい、こういうことになっておるわけでございますが、これは私どもの反省にもなりますけれども、やはり三百万の監視対象施設が全国にございます。これに対して五千九百名の監視員で監視をしておる。業種ごとに毎月一回いかなければならぬもの、あるいは半年に一回でいいもの、それぞれきめてございますが、これはやはり今後監視員をもっと増員をして徹底的な監視をしなければならぬということに通ずるわけですが、私どもこういうことに対しましては、県の段階でともかく危険な作業を伴うものについては重点的に監視をしてくださいということを申し上げてあるわけでございます。特に食品の製造業――小売り店などはともかくとして、製造業が約二十万ございますが、この中でもこういう熱媒体を使うというものはこの食用油脂製造業の四百くらいのものでございます。あと、冷媒体を使う工場もございますが、こういうところをやはり重点対象にしなさいということをいっておるわけですが、それがなかなか手が回らなかった。これは私ども反省して今後監視員の増員もしなければならぬと思っておりますが、そういう意味で年に二回しかできなかったということは私どもとしましても非常に残念なことと思っております。
#200
○土井委員 今回の例を一つのいわばこれから考え直してみなければならない機会として、私たちも十分に対策を講ずる必要があるように思うのです。いまおっしゃるとおり人員を増加するということも一つは大事でありましょうが、それと同時にいまのような監視機構、監視体制のままでよいかどうかということも一つは問題があろうと思うのですよ。そういうことについてはいまの食品衛生法そのものがきめておるとおりでいいかどうかということと同時に、これはまた最初に質問したところに戻る意味もございますが、それだけ不十分な人員で十分に監督、監視も行き届かないままに、有害だ、有毒だといわれるような物質を熱媒体に使用してよいかどうかという基本的な問題もあるようであります。したがいまして、一つの問題は食品衛生法に対していまは人員をふやすというだけの御答弁でありましたけれども、監視体制、監視機構というふうな点から手直しが必要であるとお考えになっているかどうかということが第一点。
 第二点は、監視機構あるいは監視体制というものがいまのままであるならば私は今回の事件がはしなくもそういう例を披瀝しているわけでありますが、本来有害だ、有毒だというふうに考えられております物質を熱媒体として使用するということが適当であるかどうかという問題もあろうと思います。私は、これは使わないほうがよい。それは安全なものが一日も早くつくられるにこしたことはありませんけれども、しかし現に安全性が確認されていないものは使わないほうがよい、むしろ使ってはならないと考えている一人であります。したがいまして、そういう点からいまのビフェニールについても熱媒体として使うことを今後再検討の必要ありとお考えになっているかどうか。この二点、ひとつお答えいただきます。
#201
○三浦説明員 あとの御質問のほうからお答えさせていただきますが、やはりこういうものに危険な熱媒体というものは私ども使うべきではないと思っております。また構造も、タンクの中をコイルパイプを通すような非常に危険な状態の構造というものはやはり改善しなければならぬ、こういうふうに私ども思っておりますが、ただ、いままでの食品衛生法のたてまえとしてこの十九条の十八にもございますように「有毒な又は有害な物質が当該食品又は添加物に混入することを防止するための措置」ということで、これを使ってはいかぬというふうには読めないわけでございますので、やはりこういう点、今後食品衛生法の手直しは必要なのではないか。ただ、これにつきましては農林省あるいは通産省のほうとも今後これをきっかけにいたしまして検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#202
○土井委員 いまのはあとのほうの問題だったわけですが、先に私が質問したことについてはいかがですか。
#203
○三浦説明員 失礼いたしました。
 監視機構の問題でございますけれども、四十三年にカネミの事件が起きまして、あのときに、県の監視員が行って一日張りつくというわけにはなかなかまいりません。そういうこともございまして、工場の中で管理者を設けるということにして、その管理者がきちんと管理していただいて、そういう人たちの記録と相まって、食品監視の回数もふやそうということで、二回を六回にふやしたという経緯もございます。これでもまだ、私ども、いまのこれだけ発達した食品工業というものの十分な監視ができるかと申しますと、これはなかなかむずかしかろうと思っておりますが、そういう意味で、監視体制につきましても今後検討はしてまいりたいと思っております。
  〔中島委員長代理退席、島本委員長代理着席〕
#204
○土井委員 それは、食品衛生法の改正という意味での検討ということでございますね。
#205
○三浦説明員 あるいはそういう時点になるかもしれませんし、また、いまの食品衛生監視員というものが、細菌とか化学にはわりあい強いのですけれども、こういう工学的な要素になるとまだ非常に弱い面がございます。そういう意味で、研修というような問題も加わってまいりますし、これは法律とはまた特に関係なく、指導でもできることでございます。それとまた、監視の機動化ということも加わってまいりますので、すべて含めて考えてまいりたいと思っております。
#206
○土井委員 そうしますと、いまお答えの作業というのはもうすでに開始されていると考えていいわけでありますか。これはできる限り中身についても行き届いた法の改正でなきゃなりませんけれども、しかし、そのためには、それなりにやはり十分に検討しなければなりません。したがって、もうすでにその検討については着手なすっていると考えていいわけですか、いかがです。
#207
○三浦説明員 すでに検討は私ども始めております。
 それから、つい二、三日前にも全国の課長会議を招集しまして、今後こういう食用油脂製造業というものに対する監視をどうやったらいいか、私どものやりたいことも書いて、全部意見を聞いております。ただ問題になりますのは、予算措置との関係が出てまいりますので、いま、指導で済むことはやりますし、予算を伴うことはまた来年度、こういうことになろうかと思います。
#208
○土井委員 いま食品衛生法という法についての改正を種々検討中でいらっしゃるという御答弁をいたしました。それに関連をする問題でありますが、少し観点を変えまして、農林省のほうにひとつお伺いしたいのであります。
 昭和二十五年発足いたしましたJAS規格というのがございますね。先ほどからお伺いをしております例の千葉ニッコー社の場合も、JASの指定工場となっておりますね。JASの指定工場にどういうわけでなるのかというあたりからひとつ聞かせていただきたいと思うのです。
#209
○堤説明員 JASは、いま先生お話しのように、農林物資規格法という法律に基づいて、農林水産物、農林物資一般、こういうものについて品質の向上をはかるとか、あるいは取引の単純公正化をはかるとか、さらに、最近のように加工食品等が非常に多くなってきておりますので、表示の適正化等をはかって消費者の選択に資するというふうなことをねらいとして制度を運営しているわけでございます。
 それで、JASマークを付するというふうなことにつきましては、この法律に基づきまして仕組みがございまして、まず農林大臣が一定の物資につきまして、このJASの調査会、農林物資規格調査会の意見を聞きまして一定の品質基準をつくるということになります。その次に、こういう対象工場からその物資の製造単位ごとにサンプリングをやりまして、これの品質検査を行ないまして、合格した場合、その合格のマークを張るというかっこうで、JAS品が生まれるということになるわけでございます。
 この仕事は、検査格づけ機関というふうなもので農林大臣に登録した機関がございまして、格づけのサンプリング、それから分析検査、それから合格のしるしとしてのJASマークの貼付、この三つの仕事を格づけ機関がやる、こういうたてまえになっておるわけでございます。
 これを前提といたしまして、ただ最近のように、油が一つの例でございますけれども、大量生産になってまいりまして、他方、品質の安定化というふうなことも可能になってまいりまして、サンプリングの抽出なりあるいは印刷かん等について、事前のJASマークの貼付というふうな面について、格づけ機関の業務を、この一定の規格基準を持っているその工場にまかせるというふうなかっこうで運用しているというふうなことになってきているわけでございます。
 それで、このニッコーの工場につきましても、認定工場というふうなことで格づけ機関の業務の一部を自主的にやり得るというふうな基準に合致し得るというふうなことでJASマークの貼付が許されていた、こういうふうなことになっているわけでございます。
#210
○土井委員 いまの御説明でもわかりますように、JASマークというのは品質保証ということですね。したがって、品質基準に適合しているということが確認された上でのJASマークということでなければならないはずなんですね。今回の千葉ニッコーの、問題の油についても、JASマークがついておりましたね。やはり、この品質保証ということをそういう意味でおやりになるわけでありますか、あの千葉ニッコーの問題の油について。
#211
○堤説明員 先ほど申し上げましたようなことで、農林物資のJASマークについては、なかんずくこういう食品については、食品の安全衛生の確認ということについて食品衛生法にゆだねるというたてまえで、これを前提として食品としての品質であるいわば食味とかあるいは色沢、こういうふうなものについてJAS規格で定めるというたてまえをとっておるわけでございます。したがいまして、JAS規格では、その安全性の問題については当然問題がないというふうなたてまえのもとに品質の検査法をやってきているというふうなことでございます。
#212
○土井委員 JASの表示がついておりますと、品質保証ですから、消費者の側からすれば、この品物はだいじょうぶだということで買います。JASというのはやはり信用の商標だというふうにみな考えているわけですね。そうしますと、今回のような場合についていうと、安全性の確認というのは万事食品衛生法にゆだねられているからそれは厚生省の分野であって、私たちはあずかり知る問題じゃない、私たちはそれよりあとの問題として、品質が基準に合っているかどうかだけを問題にすればいいんだというふうに、先ほどからの御答弁を聞いていればなるわけであります。
 本来、消費者の立場に立って考えますと、品質の保証の中には当然安全性の確認というものが含まれていると考えるのが、あたりまえだと私は思うのです。今回の例だってそうだと私は思う。あらためてJASの中身を知って、みなびっくりしているようなありさまであります。こんなことで何の品質保証かということになるわけであります。
 こういうことについて、農林省とされましては、今後JAS制度そのものについて、またJASの中身について、今回のこういう例を通じて再吟味すべき点はないかどうか、お考えがあれば聞かしていただきたいと思うのであります。
#213
○堤説明員 JASマークの張った商品について、消費者のサイドからすれば、先生いま御指摘のようなことが当然であろうかと思います。そういうことで、私どもといたしましても、今回のニッコー油事件の経験にかんがみまして、せっかく先ほど御説明申し上げましたように、一定の製造単位ごとに必ずサンプルをとって、これを品質検査をやるというような仕組みが現在あるわけでございます。そういうことが常に反復継続して製品検査が行なわれているという仕組みがあるわけでございます。したがいまして、安全性について、こういう油のような問題が起こり得る可能性のあるような品目につきましては、こういう製品検査のチャンスを利用しまして、従来のJAS規格で定まっている項目のほかに、たとえばビフェニールの混入の問題についても自主的に検査させる、そういうふうなことで、先ほど御説明いたしました格付け機関について指導いたしまして、早急にこれを始めさせるというふうなことで進んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それからさらに、せっかくJASマークについて、先ほど先生おっしゃるように、消費者サイドから見れば、優良食品というふうなことで受け取られる段階にきておりますので、安全性あるいは衛生の問題について、厚生省がお定めになった基準、こういうふうなものが当然あるはずでございますから、こういうふうなものも、規格と申しますか、そういうチェック項目の中に取り入れて、こういう落ちのないような、そういう方向で厚生省とも御相談しながら早急に煮詰めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#214
○土井委員 JASマークというものの表示をなさる以前には、いままでだって、製品検査をなした上でのJASマークだったわけでしょう。したがいまして、今回の事件を通じて、やはりJASマークについての再吟味ということになってくると、いままでどおりの製品検査でなしに、検査の中身を変えるというふうなことの検討がありやなしやという私の質問の趣旨になりますね。だから、そういう点からしますと、いまの御答弁をお伺いしていて思うのは、厚生省の管轄にわたる食品衛生法によるところのチェックですね、それに追い打ちをかけて、農林省のほうも、一つはその中に入ってやろうというふうな御趣旨なんですか、それとも、それとは全く別ワクにチェックを、いわゆるJASマークというふうなことに従って製品検査のその機会にやってみたいというようなことなんでありますか、いずれでございます。
#215
○堤説明員 JASの規格基準というのは、法律の中で定まっておるわけでございまして、これはチェックすることは当然でございます。しかし、食品については、当然、食品衛生法の基準というものを満たさなければいかぬというふうなことでございますので、あわせてチェックをする、そういうふうな仕組みを考えていきたい。したがいまして、JAS商品は当然、食品衛生法にも合致しているというふうなことが保証されるような仕組みについて、厚生省とも御相談して至急煮詰めてみたい。
 それから、JASのマークを貼付できる何と申しますか、先ほど申し上げましたサンプリングなりJASマークを張れるというふうな工場については、一定の施設基準なり品質管理基準なりというふうなものが一農林大臣が定めた基準に合致して初めて、認定の工場になるというふうなことなんでございますが、こういうふうな工場について、技術的な指導等につきましても、格付け機関を通じ、さらには私どものほうで、JASの指導、監視のために農林規格検査所というふうなものを全国十カ所に設置してございますので、こういう機能を活用いたしまして、事前のいろいろな指導、こういうものも進めてまいりたいというふうに考えております。
#216
○土井委員 御答弁がなかなか抽象的であるわけですが、いままでのところ、端的に言いますと、施設だとか製造所についてまでの段階は、むしろ食品衛生法という範疇で考えていく。品物については、製品検査等々に従って、JAS規格に適合するかどうかというような分野は農林省というふうな分野があったように私たちは考えてきたわけです。しかも、その品物についての製品検査、これは登録格付け機関ということになると思いますが、そこでなされるところの製品検査の中身に安全性の確認というのが積極的になかったというところが問題だったわけですね。したがって、それを入れようとすると、これは製品のみについての安全性の確認というのにとどまらず、それ以前の製造所あるいは施設にわたるところの確認から始めないと、安全性の確認になりはしないということが、これはだれの目にもあざやかに浮かび出てくるところの問題であります。したがって、それからしますと、やはり現行食品衛生法といまの農林省が問題になすっておりますJAS規格ですね、そのこととのかね合いがどうなるのかという問題になってくるわけです。場合によったらこれが二重行政というふうなていさいにならないとも限らない、単純素朴に考えますと。だから、そこのところを交通整理というものが一体どのようになされるか。本来、こういうふうな行政については一元化ということが最も安全性の確認という点からすると望ましいというのが、いままで言われ続け、論じ尽くされた感さえあるような問題であります。したがって、こういうことについてはどういうふうに交通整理をして、いまおっしゃっているような趣旨を生かそうとなすっているわけですか。
#217
○堤説明員 食品製造の施設については、食品衛生法に基づきまして営業許可というふうなことが必要でございまして、その場合、安全衛生のサイドから必要な基準に合致しているかどうかということがチェックされるはずでございます。それで、私どものJASの問題は、すべての食品製造企業を対象にするわけでありませんで、先ほど三浦課長から二十万というふうなお話がございましたけれども、その中でJAS規格が設定されている品目を製造している工場について、一定の品質以上のものをつくり得る工場あるいは一定の安定した品質のものがつくり得る工場、こういうふうなものを特定いたしまして、優良マークとしてのJASのラベルを張らせることを許すというふうなことであるわけでございます。したがいまして、基本的にそのねらっているところが違うわけでございまして、ただ、たまたま油なら油の品目についていえば、その優良ということは当然、安全も満たしていなければおかしいではないかというふうな観点から、そこは整理してまいりたいということでございます。
 それで、ちなみに油について申しますと、先ほど三浦課長さんからお話がございましたように、四百余りの油の製造工場があるわけでございますが、JASの認定工場として農林大臣の認定を受けている工場は、五十六というふうなことでございまして、その工場について品質の問題にあわせて安全の製品チェックという仕組みをやはり考えてまいりたい、そういうふうな関係になろうかと思うわけでございます。
#218
○土井委員 そうすると、具体的に言うと、それは食品衛生法について、やはりJAS規格で問題にできるところの安全性の確認というのを問題にしていかなければならないということにもなってきますか、いかがです。
#219
○堤説明員 私が先ほどから申し上げておりますのは、食品の安全の問題については当然、食品衛生法でチェックされるというたてまえにあるわけでございますけれども、たまたま他方、JASについては製品検査が反復継続して行なわれるという仕組みがある。したがいまして、従前が、先生さっき御指摘のように、JASできめられた安全基準というふうなことだけをチェックしていくということで足れりというふうなかっこうでやっていたわけでございますけれども、それに加えて、その当該製品について、食品衛生法で定められた基準が合致しているかどうか、そういうことを上乗せしてチェックするという仕組みを考えたい、こういうことでございます。
#220
○土井委員 それは、現行食品衛生法からしますと矛盾しませんか、いかがですか。
#221
○三浦説明員 食品衛生法におきましては、すべての食べものが安全である、これがたてまえだと思うのです。その上に立って、よりよい品質をということで、JASの制度が上乗せというかっこうになっておるのだろうと私どもは理解しております。したがって、二重行政ではなくて、むしろ私ども、安全の徹底を期するということでこの問題に対処してまいりたいと思っておりますが、ただ、食品衛生法できめられました基準にいたしましても、これが守られないという企業の体質があれば、これは問題かと思います。こういうことは、ひとつ生産御当局で、基本的な姿勢の問題として御指導願いたいと思っております。
#222
○土井委員 もう時間が来てしまいましたので、さらに詰めをこれからやらなければならないときに、どうも不十分なことで、次回にこれはまたゆだねなければならなくなってしまいましたが、要するに、食品衛生法できめられている安全基準をさらに上乗せして、行政指導というふうな形で、JAS規格の中では、さらに製品についての安全性の確認をおやりになるということが、現在考えられつつある中身だというふうに理解しておいていいわけですか。
#223
○堤説明員 そのとおりでございます。
#224
○土井委員 そうしますと、最後に一つだけお聞きしておいて終わりにしたいと思いますが、そういう観点からも、これは食用油、油脂関係に限らず、いろいろな食品、またJASの対象になるような品物について、本来、有害、有毒と考えられるような物質を熱媒体その他添加物として使用していくということについても、農林省としては、やはりこれは好ましくないという立場に立って、そういう行政指導はお進めになるということでありましようね。
#225
○堤説明員 食品の原則から申しますと、安全性というものは何ものにもまして優先する話でございますので、まさに先生おっしゃるとおりの方向でいくべきものであるというふうに考えておるわけであります。
#226
○土井委員 基本的な姿勢をきょうは確認しておきました。基本的な姿勢がこうであったということを、きょうの御答弁でひとつ確認したということで、これからこういう関連問題を私としてはそのつどいろいろ質問を続けたいと思っております。ありがとうございました。
#227
○島本委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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