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1972/06/05 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第23号
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1972/06/05 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第23号

#1
第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第23号
昭和四十八年六月五日(火曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 佐野 憲治君
   理事 菅波  茂君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 森  喜朗君
   理事 島本 虎三君 理事 中島 武敏君
      小澤 太郎君    染谷  誠君
      村田敬次郎君    岩垂寿喜男君
      岡本 富夫君    坂口  力君
      小宮 武喜君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       城戸 謙次君
        環境庁自然保護
        局長      首尾木 一君
        環境庁大気保全
        局長      山形 操六君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
        林野庁長官   福田 省一君
        水産庁次長   安福 数夫君
        建設省都市局参
        事官      大塩洋一郎君
        建設省道路局長 菊池 三男君
 委員外の出席者
        警察庁交通局交
        通規制課長   久本 礼一君
        運輸大臣官房安
        全公害課長   勝目久二郎君
        海上保安庁警備
        救難部長    船谷 近夫君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
六月一日
 環境保全基本法案(島本虎三君外四名提出、衆
 法第四三号)
 公害に係る事業者の無過失損害賠償責任等に関
 する法律案(島本虎三君外四名提出、衆法第四
 四号)
同月四日
 公害防止の抜本的対策に関する請願(山田太郎
 君紹介)(第五九二一号)
 日光国立公園尾瀬地区の自然保護に関する請願
 (渡部一郎君紹介)(第五九二二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一二一号)
 公害対策並びに環境保全に関する件(水質汚濁
 対策及び自然保護対策等)
     ――――◇―――――
#2
○佐野委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 公害対策並びに環境保全に関する件、特に第三水俣病問題調査のため、明六日、参考人の出頭を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。
 なお、参考人の人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○佐野委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。
     ――――◇―――――
#5
○佐野委員長 内閣提出の自然公園法及び自然環境保全法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。登坂重次郎君。
#6
○登坂委員 自然公園法及び自然環境法の一部を改正する法律案がこのたび政府から提出されたわけでございまするが、今日自然を保護する、自然の環境を保全するということは非常に大事なことでありまして、政府はさきに自然環境保全法というものを整備して法案として提出したわけでありますが、その実行にあたって、また今後の自然を保護する上において、どうしても法律改正が必要であるという見地に立って、このたび法案の一部改正を提出されたものと思います。
 さてそこで、私ども自然公園とかあるいは特定公園とかということばを耳にし、また実際必要性は認めておりまするが、現実においてその存在というものはどういうふうに分布されて、どういう指定をもって、また日本の国土においていかなる地方に必要であるか、また日本の総人口からするとどういうふうなあり方が望ましいか、そういうものについて大臣の基本的なお考え方をひとつお尋ね申し上げたいと思います。
#7
○三木国務大臣 最近、乱開発といいますか、そういうことによって、自然の環境が破壊されるような傾向も全国的には起こっておるわけであります。これからの自然環境の保全をはかっていくためには、十分な調査を行なって、そうして日本の自然というのは一体どうなっているか、どういう自然はこれは保全をしなければならぬか、また自然の中における動物とか鳥とかその他地質とか、いろいろな点をもう少し全国的に詳細にこれを調査を行なって、そして今後の自然環境の保全の行政を進めていく上の重要な参考資料にしたいということで、今年一年がかりで専門家や都道府県の協力を得て、環境保全地図といいますか、俗に緑の国勢調査といわれておるこれを一年間にやり遂げよう、そしてもう一ぺん日本の自然を見直してみよう、そういうことの中からもう少し地についた自然環境の保全政策というものを推進していきたいということを考えておる次第でございます。またこの法案などによって、自然公園内における普通地区に対しての規制も強化していきたいということでございます。
#8
○登坂委員 自然の保護、それにあたりまして特定地域、いわゆる国定公園とかあるいは国立公園とかいうもののほかに、これに準ずるものが多々必要であろうかと思うのであります。
 ところで、この国定公園あるいは国立公園その他環境庁でただいま管理、運営しているあるいは監督の傘下にあるものは一体全国でどのくらいあって、面積はどのくらいであるか。
#9
○首尾木政府委員 自然公園法によります国立公園が現在全国で二十六カ所でございます。それから国定公園が四十八カ所、それから都道府県が条例で指定をしております都道府県立自然公園が二百七十九カ所でございます。
 大体の面積でございますが、これが国立公園の場合では約二百万ヘクタールでございます。それから国定公園が約百万ヘクタールでございます。それから都道府県立公園が約二百万ヘクタールということでございまして、総体の面積で申しますと、国土の面積の一三・六%が自然公園法による自然公園地域ということになっておるわけでございます。
#10
○登坂委員 そこで、これらの地区がいまかろうじて保護されておる状態であると思いますが、これを管理、運営する内容と申しますか、国は国の資金でやっておる。地方は地方財政でまかなっておる。そういうわけでありましょうが、一体これを管理する具体的な内容、方法、そしていま聞くところによると、だいぶあちらこちらでゴルフ場がたくさん、いま六百くらいあると聞いている。そしてまた申請中のものが千をこえるということになる。そうしますと、これらの保護地区がその魔手にかかっていないかどうか、そういう方面の調査をしたことがありますか。
#11
○首尾木政府委員 国立公園につきましてはこれは国が管理をするというたてまえになっております。それから国定公園につきましては都道府県が管理をする、都道府県立公園も都道府県が管理をするということでございます。
 国立公園については国が管理をすると申しましたが、それにつきましても権限の委任ということが法律において行なわれておりまして、許認可等の一部のものにつきましては都道府県知事が許認可をするという形になっております。
 国立公園につきましては全体としまして保護計画は国が立てまして、かつそこの利用計画につきましてもこれは国が立てるということになっておりまして、重要なその中の開発行為に対する規制は直接に環境庁長官がこれを許認可をするというたてまえになっておるわけでございます。
 実際の管理でございますが、これに当たっております要員といたしましては、現場の者といたしましては全国で現在六十二人の管理員が派遣をされておるわけでございまして、事務所といたしましては八事務所、八つの公園につきまして国立公園管理事務所がございます。本年度の予算におきましてさらに九名の管理員の増ができました。合計七十一名になるわけでございます。それから事務所につきましてはさらに二カ所本年増設をするということになっておりまして、全部で十カ所ということでございます。先ほども申し上げましたように、国立公園の数は二十六でございますから、全部の公園に事務所がまだ建ってはいないという現状でございますが、そのような公園の管理事務所のないところあるいはまたあるところでありましても、実際非常に広い地域でございますから、必要のあるところには単独の管理員というものを派遣をいたしまして、その土地において自然環境の管理といいますか、自然公園法上の監視それから自然の管理といったような事務を行なっておるわけでございます。
 なお、お尋ねのゴルフ場の問題でございますが、これは従前ゴルフ場も公園事業の一環といたしまして、利用事業の一環としましてこれを認可をしてまいったものがあるわけでございますけれども、今後の方針といたしまして、ゴルフ場が非常に乱増設されているといったような傾向から考えまして、国立公園の中におけるこういったような種類の非常に広い地域にわたって土地の改変を行なうというものにつきましては、方針といたしまして当分これは凍結をする、認めないというような方針で臨んでいくことになっておるわけでございます。現在こういったような土地を造成をすることにつきましては、特別地域において許可を必要とするあるいは認可を必要とする、公園事業としてやりますには認可を必要とするわけでございますが、私どもの方針としましては、そのような許認可につきましてはこれは当分原則として行なわないということで、強い規制の態度をもって臨んでいくということになっておるわけでございます。
#12
○登坂委員 その管理の体制において、やはり地方庁に委任事項としてあるいは地方の審議会にまかせてやるというのが現状である。国定公園とかあるいはその他の国立公園以外のいわゆる公園的な自然の保護地区はそうなっておると思うのでありますが、これは各行政区によって、各県、自治体によって、いろいろの特定な地方事情に応じたそういう保管の体制をとっておると思うのでありまするが、それを統一的に環境庁としては管理体制の統一化、あるいはなるべくある一定の基準のもとに同じような方向で管理運営させるというような、そういう管理規定について地方庁との連絡協議会あるいは実態の運営はどうしておるのであるか。
#13
○首尾木政府委員 国立公園につきましてまず申し上げますと、先ほど申し上げましたように、公園計画において保護の計画が立っておりまして、それに基づいてすべてやっていくという考え方、それによって全国的な指導というものを担保いたしておるということでございます。したがって公園計画に反するようなものにつきましては、これは当然私どものほうで都道府県をチェックをいたすということでございます。
 それから国定公園について申し上げますと、国定公園につきましても、保護についての計画の重要な部面についての計画はこれは国がつくるということになっておりまして、管理はそれに基づいて都道府県が行なうという形になっておるわけでございます。しかし、管理、実際の許認可権限というものは、都道府県知事が持っておりますから、したがいまして都道府県知事に対して、国として指導監督をする。この計画に基づいて保護が十分に行なわれるように指導監督をするという形で行なっておるわけでございます。
 都道府県立公園につきましては、これは都道府県の条例で設定をされておるところでございます。この都道府県立公園についての計画あるいは管理、それは一切都道府県が行なっておるわけでございます。これは法律上そのようになっておるわけでございますが、しかしこれにつきましても、一般的な指導といたしまして、今後さらに都道府県における公園の適正な管理運営というものを推進をしていきたいというふうに考えております。特に都道府県の自然公園につきましては、いまだ保護計画が十分に行なわれておらないというような実態がございまして、たとえば特別地域というものが、まだ設定をされておらないというような公園がかなり多数あるわけでございますので、そういう点につきましては、過日の全国の課長会議におきましても強く指示をいたしましたが、今後ともそういう問題も含めまして、都道府県の条例で行なっておりますそういう都道府県の特別自然公園につきましても、国として指導徹底をしていきたい、かように考えております。
 ただ、この指導をやるということにつきまして、さらに具体的にどういうふうにするかという問題でございますが、これについては、たとえば許認可基準といったようなものにつきまして、いままでこれは必ずしも明確に文章になったものがあるということ、全部にわたってあるという実態でございませんので、そういう許認可基準等につきましてもはっきりいたしまして、全国的に自然公園の管理運営というものが適正に行なわれることを期してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#14
○登坂委員 自然保護という意味において、純粋に自然を保護し、またその自然によってもたらされるところの神秘的なわれわれ人々に対する恩恵というものを、われわれは享受しておるわけでございます。たとえば水流の水源となっておるようなところ、それはもちろんそれなりに自然に保護しなければいけない。
 また反面、この自然を、われわれ日常生活の中に多少なりともそれにひたるような、自然に親しむような環境においてこれをできるだけ利用したいというのも、今日のわれわれの日常生活から潤いのある生活を求めるということにおいて自然とともにその環境の中にひたって、今日の精神的な栄養をとりたい、こういう欲望があり、またこれが現実に行なわれている。たとえば登山にしろあるいは海にしろ、そういう環境の中でどういう調和ある自然の利用法を考えておるか。
 また、あとについては、非常に今日いろいろ交通が便利になりまして、非常に人が集中する。あるいはややもすれば、そこにいろいろの自然を破壊とまではいかなくとも、利用するためにいろいろな施設が行なわれる。あるいはどうしても人が集まると、そこに管理するために非常に管理費が地方自治体ではかかるというようないろいろな矛盾があるのでありますが、いずれにしましても、この自然保護の、最小限度の利用をしたいというそういう欲望があることは事実でありますが、それに対する、まあむずかしいではありましょうが、環境庁としては今後どういうふうなあり方で臨んだほうがよろしいか。それはすなわち昔からの三大公園といわれた、日本の三景あるいはアルプスあるいは富士山、そういうようなものはやはり日本の国民として、最低のレクリエーションの場あるいはその他の自然を観賞する意味においてこれをながめかつ利用したい、こういうものに対する考え方はどういうふうにしていくか。またそのとき地方自治体との連絡協調、あるいは地方自治体に対する助成なりあるいはその他の指導方針はどういうふうにして考えておられるか、ちょっとお聞かせいただきたい。
#15
○首尾木政府委員 御指摘になりました点は、自然公園を野外レクリエーションとしていかに利用していくかという問題でございまして、これはお話のございますように、非常に重要な問題だというふうに考えております。ややもすれば、自然公園がいわゆる過剰利用といいますか、過剰な人の集中によりまして破壊をされるというような事例もないことはないわけでございまして、あまり過剰な施設をつくるということはそこの自然をこわすということになって、本来その利用すべきところを真に利用するものとして残すことができないといったようなジレンマにぶつかることが多いわけでございます。したがいまして、今後の問題としまして私ども最も重要な問題というのは、やはりレクリエーションの質の問題であり、かつそのような自然のそれぞれの地域の特性に応じまして利用の限界といいますか、そういうものを見きわめた上でこのような利用を適正に推進をしていくということが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
 たとえて申しますと、利用の面において車はもう全然使わない地域でありますとか、あるいは簡単なそういうたとえば自転車程度のものによって利用するというような地域でありますとか、あるいはまた特定の地域に限ってそのような好ましい形の宿泊利用施設を設けるとか、そういうようなことによりまして、地域を区分をいたしまして、十分に利用と自然の保護との調整というものをはかっていくことが今後重要だというふうに考えておるわけでございます。
 なお、このような利用に伴いましていろいろな問題が生じるわけでありますけれども、先ほどお話がございましたような管理上の問題がいろいろあるわけでございます。たとえばごみ処理の問題でありますとか、そういうことについてその対策をどうするか、こういう問題があるわけでございます。現在、管理につきましては国においても十分な予算というものが必ずしも確保されておらない現状でございますので、その管理費を十分に増額するということにつとめてまいりたい。また都道府県に対しましては、適当な施設等については、これは現在自然公園の利用事業に対します施設の補助金がございまして、その補助金を交付いたしております。さらにごみ処理施設等につきましても補助金を計上いたしておるところでございます。こういうものにつきましては、さらにこれの増額といいますか充実というものをはかってまいりたいと考えております。
 今後の問題といたしまして、自然公園の管理に対する都道府県への助成というものが一つの大きな問題であるというふうに考えておりまして、その点についてはさらに今後検討いたしまして、充実をはかってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#16
○登坂委員 それでは最後に大臣に一言基本的な問題をお願いして終わりたいと思います。
 今日、日本の狭い国土は経済発展に伴って非常に急速な開発が進められつつある。今後も片や住宅問題とかあるいは工場の分散というような問題がどうしてもなお続くであろう。また日本の経済は今後十年間においてはもっともっと成長するであろう。そういうときに、この狭い国土をいかに有効的に利用するか。その利用という面についてはいろいろな法律が制定されて、工場立地法をはじめ自然保護法というものが併用されておりますけれども、しかし伸びゆく日本の経済力からするとどうしても狭い国土では矛盾があるように思われます。そういうときにあたって、この環境庁という役所は非常につらい立場であるかもしれませんが、しかし一たん破壊された自然というものはなかなか再び取り戻せないものであります。でありますから、少なくとも今後これだけはどうしても保全しなくちゃいけないんだ、こういう姿勢で臨むんだという基本的な姿勢はもちろんあるにはありましょうけれども、もっともっとシビアに現実的に考えて、わが国のこの風光明媚な自然を少なくとも子孫のために残さなければならぬ義務がわれわれにはあると思います。そういう意味合いにおいてひとつ大臣の今後に対する強い姿勢と所見をお伺い申し上げたいと思います。
#17
○三木国務大臣 日本の状態があまりにも極度な都市集中ということになっておりますから、どうしてもやはり国土の再開発ということは必要になってくるわけです。それをすらも否定をするというわけにはいかぬわけでありますが、開発をする場合に、みながやはり環境の保全というものを前提にして開発の方法、開発の場所を考えなければならぬ時期になってきておると思うのです。国民の意識にも大きな変化があって、多少開発はおくれてもよい、自然の環境は守ってもらいたいという意識に国民の意識は変わりつつあるわけでありますから、私ども環境庁としては、先ほど申し上げた環境保全のための一斉調査をやろうというのも、これだけの自然環境というものはどうしても守りたい、やはりちゃんと全国的な調査をして、そういう地区というものが国民の前に明らかにされて、そして開発の場合においてもその自然は守り、また、ある地域においては開発をするにしても、開発というものができるだけその自然の環境に悪い影響を与えないというような開発をしなければならぬ場合もあるし、そういうことによって、今後はいま登坂委員の言われたように、一ぺん無計画な開発をやればあとには戻らぬですから、環境庁は国民もまたそれを願っておる意識の変化というものをうしろだてにして、き然たる態度で自然環境の保護の行政をやることが必要であるということを強く考えておる次第でございます。
#18
○登坂委員 終わります。
     ――――◇―――――
#19
○佐野委員長 次に、公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 坂口力君。
#20
○坂口委員 去る五月三日夜に三重県の神島沖の海上で発生いたしましたタンカーの日聖丸と西ドイツ貨物船のメリアン号の衝突事故につきましてお尋ねをしたいと思うわけでございます。
 四月末のこの委員会におきまして、海上事故によります油汚染の問題を実はやらせていただきました。そのときにはこの事故は起こっていなかったわけでございますが、たまたまその直後にこの事件が起こりました。この事故によりまして、伊勢湾全体から熊野灘にかけまして、たいへん海水が汚染をされまして、魚介類の水産資源に多大の被害をもたらしていることは、まことに残念に思うわけでございます。
 まず最初にお伺いしたいのは、海上交通安全についてでございます。特に外国船の事故が非常に目立っておりますが、いわゆる外国タンカーのダンプ運航ということがいわれております。これは新聞等にも出ております記事で私確かめた問題ではございませんが、中には十分に沿岸の地図を持っていないものもあると聞いております。今回のメリアン号の場合には、船の設備とか整備に問題はなかったのかどうかということ、まずこの点からお伺いをしたいと思います。――それではこの問題ちょっとあとに回しまして、他の問題から先にやらせていただきたいと思います。
 こういうふうな事故によりまして、いろいろと被害が出ているわけでございますが、たとえば現在アサリですとかアオノリあるいは定置網の被害あるいはまたノリ、ワカメさらには真珠の発育等にも非常に影響が出始めているというようなことがいわれております。このほか操業を中止しなければならない漁民の人々の問題が大きな問題になっております。
 そこで長官にひとつお聞きし、お願いをしたいわけでございますが、こういうふうな人をどうしても救わなければならないわけでございますし、この油の流出に対します漁業被害の対策基金制度というものを設立してほしいという要望が非常に出ております。
 この原因者に対しまして求償または訴訟、そういったものを起こさなければならないし、それに対する費用もございます。漁業者の負担の軽減をはかるためにも、こういった制度をどうしても取り上げなければならないと思いますが、これに対する御見解をひとつお伺いしたいと思うわけであります。
#21
○三木国務大臣 いま国会に提出を予定されております損害賠償の保障に関する法律、これはさしあたり健康被害だけに適用するわけですが、私は四十九年度から生業被害についても検討をするということを約束をいたしておるところであります。だから、そういうふうな包括的な制度にそういう漁業の被害等が加わることになれば、そういう問題も、いま御指摘のような問題もカバーできるわけでありますが、あるいはまた、ある地域に限って一つの資金をプールするような制度も考えられるでありましょう。四日市などの、これはまあ漁業被害ではないですけれども、四日市ぜんそく、これに対して何か財団法人で資金をプールして救済する制度というものをつくり上げようということで、いま設立が急がれておるわけでありますから、ある一定の地域などに限っては、そういう資金のプール等も考えられるでありましょうが、私どもとしても、各海域におけるいろいろな漁業被害といわれるものが頻発をいたしますので、実際問題として漁業家に対しての救済ということは、結局原因者が最後には負担をすることになるでしょうが、それが実際に解決するまでの間に相当な期間がかかりますから、そういう期間というものを一体どういうふうに救済すべきかということは確かに大きな問題だと私は思うので、いま言ったようなことをわれわれとしては研究していきたいと考えておるわけでございます。
#22
○坂口委員 そういたしますと、長官の御意見としては、いまお述べになりましたように、原因者がそれを支払うまでの間かなり時間的なものがございますので、その間のことについては真剣に取り組んでいくという御意見でございますね。
 そういたしますと、結局は私が先ほど申しました被害対策の基金制度、これに類似したものを今後考えていくというふうにお考えになっている、こう解釈させていただいてよろしゅうございますか。
#23
○三木国務大臣 原因者がはっきりしておる場合は、これは結局ある時期が来たら解決するのですから、そのつなぎの資金ということになる。これは水産庁も、いろいろと問題が起こっておりますからいろいろと研究をされておると思います。現行のワク内でも、できるだけのことは現在までもおやりになっておるようですが、しかし現行のワク内では、なかなかやはり具体的問題をカバーできないような場合もあるでしょうから、そのつなぎ的な資金については水産庁を中心として検討をしてもらいたい。ただしかし、原因者がはっきりしない場合があるのですね。そういうふうな場合に対しての被害というものは、われわれとしてこれは何らかの制度として救済の制度というものがやはり要るんではないか、それを今後検討していこうというので、つなぎ資金の問題はやはり水産の保護という見地から、これは現行法でやれることはやる、あるいはまたそれだけでカバーできないときにはいろいろ検討をしなければならぬと考えております。
#24
○坂口委員 水産庁のほうお見えでございますか。――ではひとつ水産庁のほうの御意見を伺います。
#25
○安福政府委員 お答えいたします。
 ただいま長官からの御答弁で尽きておると思いますけれども、いま問題になっております公害という問題は、一応やはり人為的な原因がある、こういうふうに考えていいだろう。大体そういう検討をいたしますと、やはり究極的には原因者がいるということでございますので、原因者負担の原則というのは将来とも、どういう制度ができましょうとも貫かれる問題だ、このように考えます。
 ただ、御承知のとおり、原因者がある程度はっきりしておりましても、それが最終的に解決するまでの間相当期間がかかる、二年も三年もかかる、あるいは訴訟になる、こういう問題がございます。その間の、あるいは生業なり、あるいは生活なり、そういった問題に非常に影響がある、こういう問題としまして、水産庁としてはその間のつなぎ的な融資の問題、たとえば過去の借金の問題であれば、金融機関の協力を得まして、あるいは償還期限を延長するとかあるいは金利を下げる、そういうものにつきまして県が補てんしてまいる、補助してまいる、こういう問題もあろうと思います。そういう経営資金なりあるいは生活資金を、つなぎ的にこれを出していく、こういうことは現在の一つの制度でも、ある程度のことは――十分じゃございませんけれども、ある程度こなすだけの一つの制度はあると考えておりますけれども、今後ともこういった問題がますます大きくなりますので、そういった制度の充実と、さらに、非常にこう問題が複雑化してまいりますし、そういった問題が制度として最終的に不特定多数というような形で、原因者が究極的に詰められない、こういう問題も出てくると思います。これは相当長い期間かかってそういった問題を詰める必要があると思いますけれども、ともかくその期間何とか経営あるいは生業、生活に支障のないような措置だけは、少なくとも水産庁としてはやってまいりたい、こういう方向で検討させていただきます。
#26
○坂口委員 そういたしますと、一般論としてはお話もよくわかるのですが、今回のように原因者も非常にはっきりしている、そして何年かあとにはおそらくはっきり解決もつくであろうという目星もある、しかしながら、いまおっしゃるようにつなぎとして非常にその間がどうにもならない、零細な漁民にとってはどうにもならないというような問題がございます。そういうはっきりしたものは、一般論とは少し別に、何らかの処置が考えられないかという気もするわけでございます。
 これはどこにお聞きしていいのか、ちょっとわかりませんが、たとえばそのほかに、特別交付金、特別交付税などの財源措置を講じるというようなことも、これはどうしてもやってもらわなければならないことだというふうに思います。その点はいかがでございましょう。あるいは水産庁のほうにお聞きする問題ではないかもしれませんが、水産庁としてのお考えというものを聞かせていただきたい。
#27
○安福政府委員 こういったケースの、県なり市町村なりが自己の資金を出して、救済の資金を出して措置しているという例がございます。過去におきまして、レアでございますけれども、そういった問題について特別交付金的なものであとでそれを補てんするというケースもあったように聞いております。これは自治省が今後どういうふうにこの問題と取り組むかという問題であろうと思いますけれども、ともかく一義的には県なり市町村が一番近い距離にあるわけですから、そこで何らかの措置をしていただいて、それに対して国としてそれをどう措置してまいるかということになろうかと思います。
#28
○坂口委員 海上保安庁のほうにお聞きします。
 最初にちょっとお聞きをしたわけですが、今回の衝突事故にからみまして、最近外国船の事故が非常に多いというふうにいわれておりますし、事実多いと思います。外国タンカーのダンプ運航がなされているきらいがある、こういう報道がございます。中には沿岸の地図等も十分に持っていないような場合があるということがいわれておりますが、このメリアン号の場合には、船の設備だとか整備、そういった面に問題がなかったかどうか、この点ひとつお伺いしたい。
#29
○船谷説明員 メリアン号と日聖丸の事件に関しまして、海上保安庁としましては捜査を進めております。その観点からはあまり――送致はいたしましたけれども、まだ発表するというところまで――捜査段階としての、捜査上のこととしては申し上げられませんけれども、一般的な海難の防止あるいは海難の原因というようなところから見まして、船の設備そのものには問題がなかったようでございます。
#30
○坂口委員 時間がございませんので、ほんとうはもう少しお聞きしたいわけでございますが、次の問題に移らしていただきたいと思います。
 油処理の問題でございますが、これは、前回も私、この委員会でお聞きいたしましたが、油処理の安全性につきまして、まだ現在研究段階にあるということがいわれておりますし、現在の段階で油処理剤を使用いたしますと、二次公害のおそれもあるということがいわれております。これにつきまして、無毒性の処理剤の開発というものが今後大事になると思いますが、その現状につきましてお伺いをしたいと思います。
#31
○勝目説明員 油処理剤の使用につきましては、一昨年のジュリアナ号事故の際に、先生御指摘のように、二次公害の問題が指摘をされたわけでございます。
 そこで、関係省庁が特別の委員会をつくりまして、協議を重ねてまいりました。この二月に、油処理剤の使用基準というものを定めまして、油処理剤の規格それから使用方法につきましての基準を通達をいたしたわけでございます。毒性等につきましても、十分検討いたしまして、これらの処理剤の基準そのものは、従来のものよりかなり改善されたものというように考えておりますが、完全に無毒というところまでまだ至っておりません。技術的に今後開発すべき点もいろいろあるわけでございます。したがいまして、さらに今後検討し、開発を重ねるということで、政府の予算におきましてもそのような研究開発を予定をし、今後さらに低毒性の処理剤の開発を進めるということにいたしております。
#32
○坂口委員 今回の事故を通じてみましても、こういう問題が起こりましたときに、それを解決する体制の弱体化が非常に目立つわけでございます。そこで、私、考えますのに、油の流出等につきましては、これは企業に対してやはり回収船なるものを一応義務づけるべきではないかということを考えるわけでございますが、その点をひとつ長官にお聞きをしたいと思います。それから海上保安庁のほうにも、この問題につきまして、御意見がございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。
#33
○勝目説明員 大量に油が流出いたしました場合の回収船につきましての整備をすべきであるという先生の御指摘は、まことにごもっともでございます。
 現在どういうふうになっておるかと申しますと、各石油コンビナートの所在地に、これは海上保安庁の指導のもとに、大型タンカー事故対策連絡協議会というものが設置されております。おのおののコンビナート港湾におきます油流出事故に対する対策をその協議会において講ずる。それから、一たんそういう流出があった場合には、その協議会に加盟しておる港湾管理者、企業、もちろん海上保安庁等が即応して、油回収その他の防除措置を行なうという体制をとっておるわけでございます。そういう各コンビナートにおきまして油回収船等もすでに配置されておる基地もかなりございますし、運輸省におきましても、これは四十八年度予算でございますけれども、油回収船の建造予算がついております。現在のところそういう体制がとられておりますので、そのような体制を有機的に活用するということで対処していきたいと考えておりますが、今後の各コンビナート等におきます油処理の体制の整備等をもにらみながら、御指摘の義務化の問題は検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#34
○三木国務大臣 いま廃油の処理なんかは義務づけておりますが、油を流した場合これの回収というのを義務づけてないか。将来こういう事故が頻発すると、この問題をやはりもう少し義務づけるような方向で検討する必要があるのではないかと考えられますので、政府においてもこれは十分検討をいたします。
#35
○坂口委員 ひとつ、こういう問題が起こりますごとにたいへん大きな社会問題にも発展をしていきます。したがいまして、この油の処理等につきましては、保安庁で十分まかなえるだけの処理船というものはなかなかむずかしいと思います。企業への回収船の義務づけということは、ぜひこれはやっていただきたい、こう考えるわけでございます。
 あと聞かしていただきたい問題二、三ございますが、時間がございませんので、これだけにしておきます。
#36
○佐野委員長 岡本宮夫君。
#37
○岡本委員 最初に長官がいらっしゃる間に、長官は十二時までだそうですから、長官に対する質問をいたします。
 昨日ですか、水産庁がPCB汚染の魚介類の精密検査の結果を発表した。これについて考えられますことは、PCB問題については、先国会においても当委員会で、あるいは科学技術特別委員会でも取り上げ、それから国会決議までしている。でありますのに、まだそれにかわるものがないからといって使用しておる、あるいはまたPCBの回収したもの、これを回収してそれを分解するという設備、これは高砂の鐘淵化学ですか。あそこにも行きましたところが、それを回収して燃焼されることによって相当近所にまた被害が出るということでストップしておるということで、いまどうしようもないというようなことになっている。これについて長官もおそらく御存じだと思うのですが、通産当局あるいはまたそういった工場に対してどういう手を打っていらっしゃるのか、環境庁としての基本姿勢を明らかにしていただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
#38
○岡安政府委員 PCBにつきましては御承知のとおり現在使用を中止いたしまして回収につとめておるわけでございますが、先生お話しのとおり、その大部分は鐘化、三菱モンサントの製造にかかるものでございますので、それぞれ製造のところに回収をするということで鐘化につきましても相当の量の回収品がストックされております。私どもは鐘化におきまして二次汚染がないような方法でもって焼却処分をするということで通産省を通じまして指導をいたしております。一時ちょっと問題がございましたので、焼却処理をストップしておるという状況もございますが、聞くところによりますと二次公害のないような焼却方法というものも大体確立されたというふうに聞いております。ただ現在一基しかない。やはり焼却炉の増設その他の問題がございます。通産省を通じまして早急にこれが処理をできるように指導をいたしたいと思っております。
 さらにもう一つ問題は、あそこにストックされておりますPCBの保管状況が十分でなければ流れ出す、その他の汚染があるわけでございまして、その点も指摘されたわけでございますが、これにつきましても二次汚染がないように厳重に保管するように、これは通産省を通じましてお願いをいたしておる次第でございます。
#39
○岡本委員 そこで長官、ノーカーボン紙とかあるいはトランスだとかあるいは照明器具の廃棄物といいますか、こういうものがまだ整理ができない。そしてそれがどの辺に捨てられているかわからない。あるいはごみとなって流れていって処理されているかわからないということで非常に不安な状態である。ですから水産庁のほうでこうして発表をしたからわかったものであって、これを発表しなかったら全然わからなくて、国民の体内にどんどん入っていくということなんです。先国会でたしか通産省がそういったノーカーボン紙だとかあるいは印刷のインクですか、この中に入っておるから、それを処理する費用を国のほうで出してやるというような答弁がたしかあったのです。政務次官の答弁でしたか……。それに対して環境としては、その後の調査あるいはまた実態、そういうことを明らかにしておるのかどうか、非常に私疑問なんですが、この点いかがでございますか。
#40
○岡安政府委員 大口のPCB使用者につきましての回収はわりあい容易でございますけれども、小口なもの、さらに消耗品というようなものにつきましての回収は非常に困難でございます。ただ大口でPCBを使いましたノーカーボン紙を使いましたところにつきましては、現在厳重な保管を命令いたしまして、将来これは回収処分をいたしたいということで、通産省は対策を研究いたしております。問題は、従来からいわれておりますけれども、ノーカーボン紙等の処分の方法につきまして、二次汚染のないような処分の方法というものが現在まだ明らかに開発されていないという点の問題がございます。これは一日も早く開発をいたしまして、方法をはっきりいたしますれば、どういう方法でどこに集めてどこが処分をするかということもはっきりするわけでございます。現在はその方法につきまして実用化を急いでおる段階であるというふうに聞いております。
#41
○岡本委員 そういうようなことは大体わかっているんですよ。私は、長官からもう少しきびしい姿勢でもって、協議権じゃなくて、取り締まり権というのもおかしいですけれども、副総理としてきびしい規制を加えて処理をやらなければ、大体五万トンから七万五千トンぐらい国内にあるのではないかといわれておるわけですが、まだ開放性でない、密封にしたやつがそのままになっているわけです。トランスなんかそのままになっているわけですが、これに対して環境庁からきびしくやらなければ、通産省はどうしてもやらない。長官として、ひとつ副総理としてこの問題をがっちり取り上げて通産省にも指示をしていくというような強い姿勢がなければ、私は問題は解決しないと思うのですが、その点いかがでございますか。
#42
○三木国務大臣 予算委員会でしたか岡本委員がこの問題を取り上げて、鐘淵化学のPCBの回収の保管状態を取り上げられたことがありましたね。私も非常に重大な問題であるということで、通産省に言ったことは、その回収したものが詰められて、それが雨でも降ったら流れるということはたいへんなことだ、だから現地を視察して、それを回収して、ものの保管というものは、それがまた流れ出るようなことのないように、保管に対して通産省から人を派遣して現地を見てもらいたいと私は言ったことがある。それと、この処理に対しては千度以上の非常に高温処理でなければならぬ、そういうので焼却の設備がない。人によったらそんな高温でなくても焼却できるという論者もあるのです。だからこの焼却の方法というものをもう少し通産省が研究をして、人によったらそういうことをいう人もおるわけですから、そういうことで、炉が一つぐらいしかないということになってくると処理能力というものが非常に少ないですから、だからこの研究をして、そして回収したものをできるだけ早く処理できるように、この二つの点、回収したものの保管と、これに対する焼却炉の研究ということを強く通産省に要請したのです、これは大問題ですから。そういうことでまた回収に対しても政府の手の届くところは回収は行なわれたわけですけれども、いま言ったようにかたまって使用をしてないような地域というものはなかなか回収の容易でないところもあって、通産省に対しても強く要請してPCBの問題というものはできるだけ早く国民の不安を除去しなければならぬということでやっておるということは申し上げておきたいと思います。
#43
○岡本委員 この問題について、あとで水産庁からお聞きしますが、長官がもう出られるので、私きょうは交通公害を――公害の総点検をやりましても、騒音というものが一番苦情が多い。また大気汚染の問題の中で光化学スモッグなんかの問題を調べますと、自動車の排気ガス公害、これは非常に大きな主因をなしておるのじゃないかというようなことでありますが、日本版のマスキー法といいますか、マスキーさんが今度来るんですが、一面勘ぐると、マスキーさんを呼んで、アメリカも一年おくれたから日本も一年くらいでおくれてもいいんじゃないかというような発言を、しないと思いますけれども、何かこう長官が呼んだというのは、どうも私何か意図があるんじゃないかと勘ぐることもあったのです。そんなことはないと思いますけれども、そこで私、念を押しておきたいことは、五十年の規制それから五十一年の規制、これは絶対に環境庁長官としては、いままでどおり規制をしていく、こういう考えには後退はいたしません、これをもう一ぺん念を押しておきたいと思います。
#44
○三木国務大臣 岡本委員いろいろ勘ぐられておるようですが、どうかそういう勘ぐりは――マスキー上院議員を呼んだことは、むしろやはり日本の公害問題、環境の問題を前進させたいからだ、十年ぐらい前に彼は公害問題を取り上げて立法化した人間ですから、そういう意味であります。いわゆるマスキー法といわれておる自動車の排気ガスの規制については、これはアメリカが一年延ばしたといっても日本とは相当やはり客観的な条件が違う。第一にアメリカは平地面積における自動車の台数にしても、もういまは日本の十分の一ぐらいじゃないでしょうか。そしてまた汚染の状態も、工場からの排煙による汚染が複合する等の問題もありますし、日本の場合は複雑ですよ。だからアメリカよりもやはり自動車に対する排気ガスの規制は強化を必要とする条件を日本は持っている。しかしそれは不可能なことはしいられないが、本田とか東洋工業というものがすでに開発をして、きょうも環境庁で二台ばかり無公害車を買ったのです。きょうから使用をするということになっておるのです。そういうことで、小型単であってもすでに開発ができておるわけですから、これは延期をする考えはない、予定どおり五十年、五十一年の規制というものは実行していきたいということを申し上げておきたいと思います。
#45
○岡本委員 じゃ、大臣、国際的な行事ですから、ひとつ……。
 水産庁にお聞きしますが、こういう発表がありますと直ちに困るのは漁業者、そこでたしか四カ所ほどは原因の工場がわからない。これは淀川でしたか、それから播磨、兵庫、この付近がたしか四カ所は全然原因の工場がわからないというような発表であったように承っているのですが、この問題について、水産庁としては、こうしてはっきり出したということでありますけれども、原因のわかっている会社に対しては、漁業者も盛んにいろいろな交渉をしていますけれども、原因のわからないところ、これについては今後どうなさるつもりをしておりますか、お聞きしておきたい。
#46
○安福政府委員 一応PCBは人為的につくり出されたものでございますので、追及すれば、詳細な調査をすれば、どこが使っているかということはわかるだろうと思います。われわれ今度の十四地域について、一応問題の地域はそのうちの八地域でありますけれども、それぞれの地域については、どういう工場があるかということも、われわれはそれが何も原因に直接結びついているという趣旨じゃございませんで、そういうところがPCBを使っている、こういう大体の一つの状況判断はしております。その中ではっきりしたところにつきましては、県なり市町村なりあるいは現地なり、そういったものが話し合いに入っているところもございますし、状況判断でものを判断して指導するというのは間違いでございますけれども、関係省庁なんかにもそういった点についてはわれわれのほうから、こういうところに問題があるんじゃないだろうか、こういう連絡は申し上げております。そういったことで、さらに調査を十分詳細にすることによりまして、できるだけやはり原因者を、こういう工場が原因じゃないかということをさらにはっきりさせる、そして現地に迷惑のかからぬよう、救済に万遺憾なきを期したい、このように考えております。
#47
○岡本委員 そうしますと、水産庁として、さらにこの原因不明なところに対しては、あなたのほうからいろいろ指摘をして、そして都道府県あるいは各関係官庁にその要請をする、そして原因者を明らかにしていく、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
#48
○安福政府委員 それで、一つの対応のしかたでございますけれども、現在兵庫県が、かなり小さい工場もそれに関連をしていると申しますか、それを使っているところもありますし、したがって、必ずしもこれが直接結びついているということがきめにくい、こういう問題がございまして、県なり市町村なりそれから関係の企業七十ぐらいでございましたか、そういったものが金を出し合って一つの基金をつくって、それで一つの対応をしている。これはあくまでそういう対応のしかたをしているところも、臨時的と申しますか、応急的な措置でありますけれども、ございますので、そういったところもかなり今後のこれに対する措置の参考になるんじゃないだろうか、このように考えております。
#49
○岡本委員 それから別府湾のウナギだとか新潟関川のウグイだとか、こういうように魚の種類が出ておりますけれども、これ以外の種類の魚は食べてだいじょうぶなんですか。こういうようにはっきりあなたのほうで調査の結果発表できるわけですか。
#50
○安福政府委員 非常にむずかしい質問でございますし、事人間の健康生命に関係する問題でございますから、絶対だいじょうぶということを言い切るわけにはまいらぬと思いますけれども、今回の調査につきましては、過去そういった地域につきましては、かなり問題の地域でございますので、県当局なり、あるいは私どものほうもその後若干関係しておりますけれども、そういった地域につきましては、従来からトレースしていた経過がございます。したがいまして、問題であります魚種につきましては、こういうところに問題があるということの一つの問題の射程距離に入れた魚種がございます。そういったものを今回の調査につきましても、県なりあるいは県の出先の水産試験場なり、私どもも中に入りまして、対象魚種を選定しておりますので、それ以外については、現在の暫定基準と申しますか、一つの基準がございますが、それをオーバーするというおそれはおそらくない、こういうふうにわれわれは判断している次第であります。
#51
○岡本委員 私この報道を読んでいまして、これ以外の分につきましてもやはり再調査をしなければならぬのではないか。ただ判断の基準にしただけであって、まあ魚に一人一人聞いてみるわけにもいかぬので、あなたどういう状態と聞いてみるわけにもいかぬけれども、もう少し綿密な調査をすればまだ出てくるんじゃないか。調査しなければそのままPCBを含んだ、これは許容限度は三PPMですか、これ以上のものがやはり相当出てくるのではないかということを考えますと、魚の近海ものは食べられないというような結論さえ出てくると思うのです。ですから水産庁でもう一度、これで精密調査になっておりますけれども、さらに調査をして、こういう魚はだいじょうぶだ、何百種類あったけれども、だいじょうぶだというような、そして国民の前に、これとこれとこれは食べてよろしいというようなはっきりしたもの、これが私たち一番聞かれるのです。何を食べたらよろしいのですか。と言われたときこれは非常に困る。国民の一番聞きたいのはそこなんだ。これを調査してもらうのは水産庁しかないと私は思うのです。ですから、ここに出した魚についてはこれだけあったという発表だけでなくして、さらに今度は突き進んで消費者の立場、国民の健康の立場からひとつ調査をお願いしたい、こういうように思うのですが、いかがですか。
#52
○安福政府委員 確かに御指摘のとおりだと思います。私どものほうは、現在発表になっている魚種だけを対象にしたのではなくて、その背後にはかなりの魚種を対象にしまして、その中で問題になるところだけが現在新聞に大体報道されているような魚種であるわけであります。ただ私どものほうで、だからこれでだいじょうぶだということでなくて、厚生省との間に、こういったものは人体にどういう影響を与えるかということを今後さらに詳細に検討を加える必要があると思います。ただ、いまの十四区域につきましては、昨年の発表に基づきまして、非常に問題のある地域でございます。したがって、そこだけを私どもトレースすればいいというようには考えておりませんで、やはり今後とも沿岸全域にわたりましてかなり監視の目を光らせながら、そういった問題の海域につきましては、年に少なくとも二度ぐらいは詳細な調査を今後とも継続してやってまいりたい、こういうことでございます。
#53
○岡本委員 これはもとは公害問題から――公害というとおかしいのですけれども、一つの私書といってもいいんだけれども、厚生省と水産庁にだけまかしておくということではなくて、ひとつ調査費でも出して、そして沿岸の魚介類の調査というものを綿密にやって、これとこれとこれとはだいじょうぶだと、先ほど言ったように国民の前に明らかにしていくということが大切であろうと思うのですが、環境庁の考え方をひとつお聞きしたいと思います。
#54
○岡安政府委員 環境庁はぼやぼやしていたわけではございませんで、実は今回の水産庁の調査の結果も、昨年環境庁が各省と相談いたしましてやりましたPCBの一斉点検、その結果、汚染のおそれありというところをしぼりまして、そのしぼったものにつきまして水産庁が精密点検をしたという次第でございます。
 問題は、今後環境庁は、さらに広範な汚染が考えられるPCBにつきまして調査をどうするかという御質問だと思いますけれども、私どもは今後、一般的な有害物質につきましては定例的な検査をいたしておりますが、来年度以降におきましては、PCBもできれば定例検査の項目に入れて検査をいたしまして、もし問題があればさらに精密調査をいたすというような仕組みをつくってまいりたい、かように考えております。
#55
○岡本委員 こればかりやっておりますと時間がたちますから……。
 そこでもとへ戻りまして交通公害について、聞くところによると、いま環境庁が各自動車メーカーとレクチュアしているといいますか、いろいろと検討しているそうでありますが、日産、トヨタ、こういうところはどういうような見解を示しておるのか。五十年あるいは五十一年のマスキー法に合うような車ができるかどうかということは、この間発表されました東洋工業ですか、これは自信があるというようなことを言っておりますけれども、車の量産ということになってきますと、日産、トヨタのほうがシェアが非常に大きいということを考えますと、非常に心配だということを考えるわけですが、この点について明らかにしてもらいたいと思います。いかがですか。
#56
○山形(操)政府委員 先生御指摘のとおり、目下各メーカーを呼んでヒヤリングをしておる最中でございます。日産、トヨタのお話でございますが、一応技術的には五十年規制見込みを立てておるようでございますが、やはり車種が多いという点と、それから量産問題等について難点がございまして、その問題に関してはできるだけ段階的な規制にしてほしいということを先方は申しております。私どものほうの考え方は、一応技術的にオーケーならば、何とかしてそれを全体に及ぼしたいということで、根本的な再検討をすることは確かにございますけれども、何とか五十年規制そのままでやっていきたいという方針を貫く予定でおります。
#57
○岡本委員 そこで、この排気ガスの問題と、次は、一つの事例をあげまして、自動車の騒音の許容量についてお聞きしたいのですが、阪神第二国道、国道四十三号線、ここを調査いたしますと、これは尼崎、西宮、芦屋、この市で共同調査をやったわけでありますけれども、環境庁がきめておりますところの許容基準というか環境規制基準というか、これを各市とも、朝、昼、夕、夜、みな上回っておるわけです。
 この上回っておる原因を調べますと、自動車のもともとの音自体が非常に上回っておりまして、環境基準というか規制基準といいますか、それよりもはるかにオーバーしておる。したがって、音の非常に大きい車を走らせて、それで規制基準の中に入れようとするところに非常に問題があるのではないかということでありますから、自動車の一台、一台に対する音を規制していかなければならないのではないかということを考えるわけですが、これについてどういうように考えておるのか、またどうするのか、ひとつお聞きしたいのです。
#58
○山形(操)政府委員 先生おっしゃいましたとおり、自動車騒音の大きさの許容限度につきましては、現在きまっております。中古車では、これは普通の自動車、小型自動車、軽自動車及び原動機つき自転車となっておりますが、これが八十五ホン、それからそのほかの新車で、これはいろいろな種類がございますけれども、定常走行騒音では八十ホンであるが、加速騒音にすると九十二ホンまでということが一応きまっております。したがって個々的の自動車が出す音についての規制をさらに強くしなければ環境基準がなかなか守られないという御指摘、そのとおりだと思います。
 そこで自動車一台一台の音をどれだけ落とせるかという点につきまして、私ども早くからその作業をすべく準備をしておりましたが、今回、自動車の騒音の許容限度の長期的な設定方策について中央公害対策審議会に四月十日付をもって諮問をいたしました。そして音のマスキー法的なものとして早くこの規制の強化をはかって長期的な設定もやりたい、またできるところからどしどし手をつけていこうとは思っておりますが、やはり問題は大きな自動車と申しますか、トラック等の重量車等については、音の規制はやりたいのでございますが、一台一台からどれだけこれを落とすことができるかという問題が、非常に技術的にむずかしい問題がございますが、せっかくいま先生方と協議をしてこの問題に取り組んでいる最中でございます。
#59
○岡本委員 騒音規制法十七条第一項の規定に基づく指定地域内における自動車騒音の限度を定める命令ということでここに出ているわけですけれども、自動車の音を落とすということはいま研究をしておるらしいのですけれども、それまでなかなか待っておれない。沿線住民はほんとうに毎日毎日これで困っているわけですよ。そこで一つの方法として、こういった高速道路といいますか通過道路については、たとえば国道四十三号線の例をとりますと、いま六車線あるわけですが、このうちの両方二車線ぐらいを、右と左一車線ですか、これに緩衝緑地をどうしても建設しなければ日々の生活にどうしようもないというのが現在の姿なんです。そこでこの緩衝地帯に植樹をしていく。それでなかったら――この三市を見ましたらほとんど住居地域を通っているわけですが、これについて建設省のほうでは、これは一つの事例でありますけれども、今後どういうふうにやっていくのか、建設省の道路局長来ておりましたらお答え願いたい。
#60
○菊池政府委員 ただいまの具体的なお話で国道四十三号線の問題が出ております。ただいまお話しのように国道四十三号線は、大体平面の街路が十車線ございます。それに西宮から西のほうは高速道路の四車線がすでに乗っております。それから大阪と西宮までの間が途中の尼崎地区までは六車線、それから先西宮までの間は四車線ということで現在工事を進めておるところでございます。そこで音の問題と同時にできるだけ環境を破壊しないような方策をとりたいということで、現在考えておりますのは、尼崎地区の高速六車線をこれからつくりますところにつきましては下の道路を、両側五車線ずつ十車線ありますけれども、それを一車線減らしまして、そうしますと三メートルずつ浮いてまいります。それに歩道が六メートルございますので、そのうちの一メートルを出してあわせて四メートルの緑地帯を両側にずっとつくっていって、しかも車道側に二メートルくらいの防音壁を立てたいというようなことを考えております。それから西宮から西のほうはすでに工事が終わっておりますけれども、その間は現在高速道路四車でございますけれども、いまの尼崎地区をこれからやりますので、それの結果を見て、これが非常に効果があるということであれば続けて、あるいはその先のほうも同じような状態でございますので、やるか検討したいというふうに考えております。
#61
○岡本委員 あなたの言う十車線というのは、下が六車線で上にもうバイパスが通っておるからそれで十車線ということですね。
#62
○菊池政府委員 下が十車線でございます。下が五車線ずつ十車線ございまして、その上に高速道路が六車線乗るわけでございます。それを尼崎地区では一車線ずつ減らしまして下を四車線ずつにして、それを緑地帯にするということでございます。
#63
○岡本委員 そこに植樹を相当やらなければ、私はただ緩衝地帯を設けただけでは何にもならないと思うのです。植樹するということは非常に自動車の排気ガスをとめることもできますし、これはデータがありますけれども、たとえば一つの例をとりますと、東京のデータですけれども、大原交差点ですか、一時間一万四百六十八の自動車の交通量があるわけですが、COの濃度が一一・七、鉛が三・三、ところが植樹のないところで東京の姥ケ橋これが一時間の量が四千八百一台ですが、車の量は約半分であるのにCO濃度は九・八、鉛が二・五というように――調査によると植樹、要するに街路樹のたくさんあるところ、ここはCO濃度、鉛の濃度も台数に比して非常に少ないということを考えますと、私はいまあなたがおっしゃった両方二車線、これに対しては相当な植樹をしていただきたいと考えるのですが、その点ひとつ確約していただけますか。
#64
○菊池政府委員 先ほども申し上げましたように、車線をつぶして緑地帯をつくるということでありますので、相当の木を植える予定でございます。また車道側に二メートルのへいを立てますので、これは端的にCOなりあるいは音を防ぎますけれども、コンクリートなりのへいができますとたいへん環境が、見場が悪くなりますので、そういう意味でもやはり歩道側のほうにたくさん木を植えなければならないと思います。現在考えておりますのは、高さが三メートルくらいのものを十メートルの長さにして、二、三本植え、その間に一メートル二十から一メートル五十のものを、樹齢五年くらいたったものを五本ないし八本植える。さらにまたその間を、もっと小さいものでありますけれども、三十本とか五十本というようにまとめて、いわゆる緑樹帯というものをつくりたいというふうに計画しております。
#65
○岡本委員 それは普通の街路樹のようにずっと並べるのじゃなしに、何本か複数になりますね。いっぱいになりますね。じゃ、いいです。それをひとつ全国の交通公害を防ぐための一つのテストケース、こういうことで熱心にやっていただきたい、こういうように思います。
 そこで、いまあなたは尼崎と西宮の間だけだ、それによって今度は西宮からずっと神戸のほうにいくと、こういうことでありますが、とてもそれまで待っておれないというのがいまの現状です。御承知のように、あの付近はもと住居地帯ですね、大阪のベッドタウンになっていたところです。ですから、それも続いてやっていただきたいのですけれども、まずさしあたって私の要請したいことは、いま一日に八万台以上通っているわけですよね、これがもう夜も昼もひっきりなし。ですから、夜間だけでも下を通る大きなトラック、まあ八トントラック、これを上のほうに、先ほどあなたのお話があったように、バイパスのほうに回せば非常に助かるのではないか、こそくな手段でありますけれども。交通規制についてこの点をひとつ警察庁のほうでどういうようにお考えになっているか。
 これはすでに西宮、尼崎それから芦屋、この三市の市長さんが兵庫県に対して要請もしているわけですが、いまだにできないということで住民が不満を起こしているわけですが、これについて警察庁のほうのお考えを伺います。
#66
○久本説明員 先生の御指摘になりましたように、兵庫県警察本部からの報告によりますと、尼崎、西宮、芦屋の三市長さんから兵庫県の公安委員会あてに、国道四十三号線の騒音の抑止についてひとつ対策を講じてほしいという騒音規制法十七条一項に基づく要請が確かに来ております。兵庫県の交通規制担当の報告によりますと、率直に申しまして、この国道四十三号は全国的な幹線国道でございますので、非常に規制が一般的に言えばむずかしい。しかし、何とかこれに対しては良好な環境保全の意味から対策を講じたいということで、規制の方法は現在いろいろ検討中であるというふうに聞いております。
 東京の事例等もございまして、かなりいろいろこのような種類の規制につきましては全国的な事例も部分的にできてまいりましたので、これを参考にして何とか具体的な対策を講じたいということで現在努力しているというふうに報告を聞いております。
#67
○岡本委員 そこで、これは建設省の道路局長さんに要請したいのですが、夜間大きなトラックがどんどんどんどんひっきりなしに通って、そして震動と騒音で非常に困っている。それで寝られないというのが現在の姿です。ですから、夜間大きなトラック、こういうものは上のそのバイパスの、これは阪神高速道路ですか、そこを通っていけるようにするためにはやはり夜間料金、若干夜間料金を設けて、そして誘導しなきゃならぬのではないか。それと警察の規制、この両方でやらなければ私は解決しないと思うのです。その点についてそういう指示ができるのかどうか、またしていけるかどうか、これをひとつお聞きしたい。
#68
○菊池政府委員 ただいまの、夜間、高速道路の料金を安くして下の交通を上に転換できないかという御質問でございますが、私どもでも十分検討してございますが、非常にむずかしい問題だと思います。
 これは一つには、あの地区は大型のトラックが深夜でも二千台くらいあるというふうに聞いております。相当な量でございます。したがって、これが高速道路へ上がればその分の音の問題は非常によくなるということは確かに事実でございます。ただ、その場合に料金をどの程度下げるかということが問題でございます。いまあそこは百五十円取っております。そこをたとえば百円にしても、下の原道が相当余裕を持って深夜は走れますので、やはり百円でも料金抵抗になって上がらない。あるいは五十円ということになりますと、また、五十円なら取らないほうがいいだろうという考え方もあります。また結局警察のほうで交通規制をしますにつきましても、無料ということでないとわりあいむずかしいのじゃないかというふうに思います。それで一つの実例が、これは首都高速ではありませんけれども、静岡の富士川のところに橋がございます。これはバイパスをつくりまして、バイパスが有料の橋なんです。それで有料であるために夜中でも原道を通るのでうるさいからその橋のほうを安くしてくれ、ただにしてくれという話がございまして、現在、夜間料金はそれは無料にしております。ただし、無料にしておりますけれども、その費用はこれは県が負担しております。これはその地域住民のためにということで県が費用を出して、別の料金を払った形でただにしている。通過交通はただですけれども、実際はしたがってただでないのです。それで、原道を公安委員会のほうで大型車の夜中の通行を禁止しているという事例が唯一でございます。いま申し上げましたように、その場合でも、やはり高速道路の料金は何らかの形で取らなければならないというのが一つの有料道路の宿命でございまして、今度の場合でも、もし下げるあるいはただにするということになりますと、やはりその償還をしなければなりませんので、その分が昼間の交通料金にはね返るかあるいは償還年限が延びるか、何らかの形で、夜の交通はいいのですが、昼の交通に肩がわりをする心配があるということが一つございます。
 それからもう一点が、この区間だけただにするあるいは料金を下げるということが、ああいう均一料金でございますのでどうしてもできませんので、やはりただにするとなれば、阪神高速道路全部を夜間料金ただか、あるいは下げてもそういう夜間料金というものを特別につくらなければならないと思います。これは首都高速道路のほうにも当然波及してまいります。それで、その料金問題をどうするかという問題もいままでにも種々論議されておりますけれども、夜間を安くすべきである、そして昼間は逆に高くしてもいいじゃないか、そういう議論もありますし、まあいろいろ考え方ありますけれども、やはり通る車が料金の負担を公平に受けるという形からまいりますと、それは昼間でも夜でも同じような一本料金とすべきであるというような結論が出まして、現在、均一料金を取っておりますので、ここだけということは非常にむずかしいかと思います。
 それからもう一点、技術的に、夜間の料金に切りかえますと、たぶん夜の十一時とか、あるいは深夜ということで十二時になりますか、切りかえますと、そこで切りかえるときに、切りかえまではフリーに通れるけれども、ある時間からは下の道路を通れなくなるということになりますと、そこで時間待ちという問題が出てまいります。都市内の車の時間待ちがどうも一般的な交通に非常に影響を及ぼしますので、なかなかそれもむずかしいということで、いろいろ検討しておりますけれども、ただいまのところはそれは非常にむずかしいんだということでございます。
#69
○岡本委員 私は、その点についてはあなたのほうで抜本的に一ぺん考える必要があると思う。全国的にですね。
 これは一つの例ですけれども、芦屋に芦有道路というのがありますが、これは夜間は無料ですよ。結局夜間に通る車の料金からその料金を取る係の給料を差し引くと何にもならないということで、もう全部開放しているわけです。沿線の人たにはおそらくその道路をつくるときには相当協力をしているわけですね。ですから私は、夜間だけでも、ほんとうは全国的に――償還年限は少し長くなるかもわかりませんけれども、そういうような抜本的な考え方をしなければならぬのじゃないか。いままでは産業優先、そういう考え方ばかりできていますから、どうしても住民の生活についてはもう二の次である。いまもあなたからお話があったように、料金体系とかそういうものは、いままではただ建設とその償還と、そればかりの考え方でしょう。要するにこれだけ車がふえて、夜中にどんどんどんどん車に通られて非常に困っている住民の皆さんを中心にした場合には、もう一度検討しなければならぬ時代に入ったのではないか、こういうふうに考えるのです。ですから、これはひとつ検討して、何らかの手を打っていただきませんと、住民の健康が害されていく――夜、寝られない。神経衰弱になった人がずいぶんいるわけですよ。そこからどこかへ行こうとしても、それを買ってくれる人はない。こういうことで、毎日毎日の生活が非常に不安であるということですから、これは再検討していただきたい。もう一ぺんその点を答弁していただきたい。
#70
○菊池政府委員 先ほどから申し上げておりますように、いままでもこの問題がたくさん出ておりまして、非常にむずかしい問題であると思います。実は私も、二年ほど前に、そういう問題を無料にできないかということで、真剣に検討したこともございます。やはりその結果も、なかなかできないということでございましたので、また最近のような公害問題というようなこともからみ合わせますと、そのときより若干事情は違っていると思いますけれども、非常にむずかしいんじゃないかという気がいたします。
 それからもう一つ、先ほど芦有道路のお話が出ましたけれども、夜の管理費、取る人の人件費のほうが高くなるというような場合には無料にしている。これは有料道路でたくさんございます。料金所にいる人間の費用のほうが高い、交通が少ないということで、そういう場合には、損得の計算からやめております。芦有もその一つでございます。それ以外のところでは、いまの有料道路体系というものはそういうようなことになっておりませんで、非常にむずかしいと思いますけれども、しかし、だからといってそれで終わりということではなくて、やはりこの問題は、検討するという形ではいつまでも残るのではないかと思います。
#71
○岡本委員 最後のほうがどうもわかりにくかったのですが、いつまでもこのままほうっておくわけにいかぬけれども、検討というわけにもいかないということになると、一体どうなるのか。これは言いにくい話でしょうけれども、建設省のほうでやはり全国的に抜本的な体制というものを考え直さなければならぬ。それで将来は、そういった道路は、回収できたら全部一般に無料で通すことになるでしょう。そういうところはたくさんありますね。それは少し延びるかもわからない。そういったことでもう一度検討していただきたいと私は思うのですよ。その点いかがですか。
#72
○菊池政府委員 先ほどたいへんむずかしいという結論を先に出してしまったので、あるいは御理解願えなかったかもわかりませんけれども、やはりこの問題は、有料道路という制度の問題としては非常に重要な問題でございますので、検討はいたします。
#73
○岡本委員 それから、都市局長さん来ていますか。――この高速道路、上を通っているバイパス、ここからよく物が落ちるのですよ。金網が落ちてきたりして、下のほうはあぶなくてしようがない。これは公害ではないけれども、その点、もう一度あなたのほうで各公団に、そういう事故のあったところに対してはどういうふうに手を打つか、ひとつ指示をしていただきたい。この点については聞いておりますか。いかがですか。人が死んでいますよ。
#74
○菊池政府委員 ただいまの物が落ちるということでございますけれども、これはときたまございます。実はそういう落ちやすい場所というのがあるようでございまして、そういうところにはすぐに、フェンスを立てるとか、事後の措置をいたしております。ただいま先生のお話しの場所が具体的にどこであるかということは、ちょっと私存じませんけれども、いままでに物が落ちるということがあれば、さっそくそういう場所にその落ちる物をとめる装置をつけるようにいたします。
#75
○岡本委員 そこで、警察庁の交通規制課長さん、もう一度強く兵庫県のほうに要求して、早急にこれはやっていただきたいのです。そして夜間は車を上へ回す。これは料金はいましばらくしかたないかもわかりませんが、下のほうを少しでも軽減して、沿線の住民が安眠できるような手をひとつ打っていただきたい。これはいかがですか。もう一度答えていただきたい。
#76
○久本説明員 御趣旨はよくわかりました。何ぶんにも都市内の大幹線道路の規制でございますので、いろいろ問題はございますが、これはよく県警を指導いたしまして、現状でできるだけ可能な手は打ったというふうにいわれるようにいたしたいと考えます。
#77
○岡本委員 それを強く要求して、きょうはこれで終わります。
#78
○佐野委員長 この際、暫時休憩いたします。
 本会議散会後直ちに再開いたします。
   午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時二十五分開議
#79
○佐野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。島本虎三君。
#80
○島本委員 環境週間に入ったようでありますが、環境週間に入って行事というか、こういうようなものについてはっきりした何かありますか。
#81
○首尾木政府委員 本日中央におきまして、環境庁長官それからアメリカからマスキーさんがおいでになりまして、そういうことについても、環境問題についての講演会が開かれております。それから国内の各地におきまして、そういう行事が行なわれておるわけでございます。この週間、特に環境問題についてのPRでありますとか、そういうことについて官房を主体にいたしまして行事を遂行するわけでございます。
#82
○島本委員 少なくとも環境週間に入り、環境の保全ということは、もうすでに新聞あたりでは報道されているように、公審が最近は全国的にひどくなってきて、PCBではもう日本は完全に汚染列島になっている、そういうようなことからして、公害の防除と一緒に環境の保全、これは両全のもので、両方とも一緒にやらなければいけない、そういうような際に、ともすれば環境保全も不十分、公害対策も不十分、それがどうも環境庁のようです。最近、公害白書のあのあり方なんか、まさに企業べったりの書き方をしている。それだけではありません。第二の要点として、公害対策のほうではもうすでに第三の水俣、それとPCBではもうすでに瀬戸内海は死の海と化している。有明でも不知火でも水俣でも、湾という湾は全部侵されてしまった。この対策こそが今後はまさに緊急の要務になっているわけです。その最中に林野庁のほうでは環境保全と反対の行動をとっている向きがあるのですが、林野庁は環境保全をしなければならないということを十分お考えですか。環境を破壊することをお考えですか。
#83
○福田政府委員 林野庁といたしましては、御指摘の点につきましては、当然環境を保全していかなければならぬというふうに考えております。そういう意味におきまして、昨年度以来森林に対する施業方針等につきましても、そういうことを重点にした考え方をとっておりますし、なお今回の森林法の改正の中にもそういったような考え方を織り込んでまいりたい、かように考えているところでございます。
#84
○島本委員 長官に念のために伺いますが、シャクナゲは害木ですか、それとも良木ですか。
#85
○福田政府委員 シャクナゲは害木か良木かというむずかしい御質問でございますけれども、シャクナゲというのは高山性の植物でございまして、自然環境の中において非常に貴重な植物だと考えております。ただ造林をした場所において、その造林木が目的である場合には、あるいはこれと競争関係にあるという場合もあるかと思いますけれども、シャクナゲはやはり天然のしかも高山地帯にあるものでございますから、大事なものとして保存していかなければならぬと考えております。
#86
○島本委員 先般五月の二十日から二十一日にかけて、前橋営林局草津営林署管内のあの周辺を調査したわけです。その結果シャクナゲの群生地の五六・六%が枯死しているわけです。当局では一・二ヘクタール程度だ、こういうふうに言っているわけであります。しかしその隣の草津町へ行くとシャクナゲは町花としてシャクナゲ祭りをやっているわけです。同じ草津の中で、町のシンボルとしてのシャクナゲ、これをたたえて、そしてそのためのシャクナゲ祭を実施している。その肝心の草津営林署管内では、このようにして今度はシャクナゲを枯らしておる。しかし、これは二、三年前にヘリコプターで薬剤を散布し、ササの根と葉を枯らした。そのあと三年たって、確かに根も葉も枯れたけれども、シャクナゲも一緒にあえない最期を遂げているわけです。こういうふうにしてみると、当局では害木であるからいいんだ。その害木たるや太いものであって、専門家に見せると二十万円もする価値のあるものもあるというようなものが枯れているわけです。そういうような点から、実際国立公園の指定区域内である場所、同時に水源保安林である場所、そこでシャクナゲは高山植物で、まさに貴重なる保存価値のある植物である。草津管内では天然記念物として指定されている個所、こういうようなところでササの根と葉と一緒に枯死させるようなこと、これがいわゆる環境行政としてりっぱでしょうかどうか。私は疑問なわけであります。そして被害個所はなおブナの天然林であり、なかなか風光明媚な場所なんです。私それを行って見てあぜんとしたのですけれども、林野庁としてはシャクナゲを害木として考えて、ほかの必要な木を植えるためには、シャクナゲを害木としてほうむるべき性質のものなんですかどうか。この考え方を承りたいのです。貴重品じゃないかと思うのです。またと得がたいようなこれは貴重品じゃないかと思うのです。薬剤散布の犠牲になったこの哀れな姿を見てください。それが、林野庁は緑を保全するための林野庁、そして環境保全をするための環境庁、環境庁と林野庁が厳然としていながら、シャクナゲは枯れている。こういうのが実際であります。一体これはどういう始末なのか、伺います。
#87
○福田政府委員 御指摘の地区は国立公園地帯のたしか普通地域かと思います。特にシャクナゲのはえておりますのは、先ほどお答え申し上げましたように高山地帯が多いわけでございまして、その場所におきましては、草津の町木になっておるぐらいに地元の人たちが大切にしておるというふうに聞いたのでございます。シャクナゲは幾つかの種類がございますけれども、アヅマシャクナゲというのは、そういう意味では天然記念物にされているかどうかまでは私存じませんけれども、そういう国立公園地帯にあります、特にそういった貴重な植物、これは当然天然記念物等に指定されている場合が多いわけでございますから、そういうものにつきましては大切に保存していかなければならぬと考えております。
 御指摘の場所は、昭和四十四年にヘリコプターによって薬剤を散布しまして、目的はそこにはえておるササを枯らして、腐らしたあとに針葉樹を植栽しようということで計画し実行したものでございますけれども、この薬剤散布につきましては、昭和四十六年からきびしくこれを規制してまいりまして、たとえば二・四・五TとかあるいはBHCというようなものは禁止しております。ただ、ササを枯らす塩素酸ソーダについては、これは認めておるのでございますけれども、四十六年以降、天然記念物がある場所とかあるいは田畑のある場所とかあるいは部落の近い場所等におきましては、これを規制しております。そういう意味で、過去においてとりましたその場所についての処置は適正でなかったというふうに判断いたされますので、今後はそういったものにつきましては、ただいまきめております規制に従って厳重に指導してまいりたいと、かように思っております。御指摘のように、シャクナゲは世界各国にあるものでございますし、非常に貴重なものでございます。特に草津の場合は地元の人たちが非常に大切にしておるものでありますから、大切に保存してまいりたい、かように考えております。
#88
○島本委員 したがって、問題点と今後の対策ということになるわけですが、やはり四十六年以降、長官がいまおっしゃったように、催奇性が問題になって使用をやめたはずの二・四・五Tですが、最初使ったときは、これは最も安全な枯れ葉剤であった。ところがこれの散布によって全国的に被害が出てきた。造林地が全滅した。川魚が死んだ。大なり小なり被害が発生して無視することができなくなって、現在の状態に相なったわけです。
 したがって、これは安全性の確認できないような除草剤、こういうようなものに対してはもちろん散布はやめるべきでありますし、公害対策の基本は、やはり安全性の確認できない薬剤、機械、こういうふうなものは一切使わない。このことから始めなければならないと思うのです。今後やはり二度あることは三度ある。三度あることは四度ある。だんだんそれが惰性になっていってしまうわけですが、いまの安全性の確認できないような除草剤の散布はやめること。それから安全性の確認できない薬剤、機械は今後使用しない、こういうふうな原則をはっきりさせておかないとだめだと思いますが、林野庁のほうではこの点は十分でございましょうか。
#89
○福田政府委員 特に山林におきますところの仕事は、薬剤はもちろんでございましょうが、機械作業等によりまして、その安全性と労働力の軽減を考えておるわけでございます。目的は先生御指摘のそういう点にあるわけでございますが、特に機械その他の新しい作業の方式を入れてまいりますと、そういった労働力の問題のほかに安全性の問題は非常に重要なことでございますので、そういった点について決して間違いがないような一つの基準というものを設定し、その訓練なりあるいは指導なりに力を入れて間違いのないようにしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#90
○島本委員 そういうふうにしてやらないといけませんが、やはり現実的にはいままでやった結果として、三、四年後ササの葉は枯れ、根は枯れても、一緒にそういうふうな貴重な高山植物が枯死しているというような現状は見るに見かねます。それと同時に、国立公園の指定地域内の大面積にわたって、ヘリコプターによる散布を行なうのは常識的じゃない、こういわざるを得ないわけです。これもまさに国民のための休養の場でしょう。自然はそのまま保全しなければならない重大な地点でしょう。安全性のはっきりしない薬剤を、景観を保持すべき国立公園に散布するということは常識外だ、こういわざるを得ないわけです。私はそういうような点からして、今後散布に対しては重大なる関心を持ってもらいたいし、やめてもらいたい。
 しかもその上に、あの辺は水源涵養保安林でしょう。山に木があったり下草があってこそ、水源の涵養になるわけですね。ところが根こそぎそれらを枯らしてしまうということは、山の緑の保全には当然なりません。環境保全にもなりません。したがって森林全体の調和が保たれません。そういうふうなところからして、これはやはり重大なる関心を持たざるを得ないと思います。森林生態系を破壊し、人類の破壊活動、地球を破壊活動に導くところの一つの大きいやり方だ、こういわざるを得ないのであります。やはり国立公園の指定地域内の大面積伐採はやめるべきだ。ヘリコプターによる散布はやめるべきだ。この基本的な考え方だけは長官、この際に――環境週間に入ったきょうは初日であります。あなたも車に乗らないで歩いて来ただろうと思います。もし車に乗ってきたならば、あなたは環境保全に協力してないことになるわけであります。おそらくそうである場合には、せめていまのこの原則だけははっきり認めてもらいたい、こういうように思うわけでありますが、いかがでありますか。
#91
○福田政府委員 本日は環境週間の初日でございましたので、歩いて電車で参りました。遠いものですから、歩いてだけではたいへんですから。
 それから、ただいま御指摘の国立公園の特別地域のような重要な地帯、あるいは保安林の中の水源涵養保安林、そういった場所におきましては当然大面積の皆伐等についてはこれは禁止いたしております。昨年から施業方針を変えまして、拓伐、禁伐あるいは小面積の分散した皆伐等は、場合によってはとることはございますけれども、国立公園それから保安林等につきましては厳正な施業をしてまいる方針でございますので、御指摘の線に沿ってまいりたいと思っております。
#92
○島本委員 そこで提案があります。シャクナゲの群生地、それはもう山の中である。それと同時に山の中から見ると、おそらくは周辺、目に見える場所は線がきちっと見える。山の中へ一たん入ってしまうと、どこもかしこもみんな皆伐である。そして皆伐になったその中にはこのような貴重な植物も入っている。こういうようなことになったら、みかけはいいけれども内容はまさに悪魔のごときものである。こういうようなやり方は厳重に注意しなければなりません。木曽の山中に行っても水戸の山中に参りましても、静岡に入りましても、往々にして山の中へ入り、人里離れ遠く目に触れないようなところに行くと、まさに谷間はもう埋まってしまっている。こういうような状態が散見されます。これは林野行政の一つの罪悪史であります。そういうようなことがないようにすべきであります。したがって、この企業性の追求、これはやはり経営が皆さんの手元にある以上当然やらなければならないでしょうけれども、みせかけだけの森林環境保全、山林保全、こういうようなことではなく、実質的な森林保全をやってもらいたい。まして、シャクナゲは害木だと現地でいっておりますが、このことばは悪魔のことばだ、林野庁としてこんなことは決して言ってはいけません。言った人に注意しておいてもらいたい、こういうように思いますけれども、この点はひとつ御高見を拝聴さしてください。
#93
○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、シャクナゲに限らず、そういった高山植物というものは大事にしていかなければならぬと考えておりますし、特に高山地帯におきましては大面積の皆伐というのはやはり森林を破壊する要因になるものでございますから、禁伐ないしは択伐と、だんだん下に下がるに従いまして小面積の分散皆伐の方式を取り入れるわけでございますから、そういうシャクナゲ等の貴重な高山植物等は、これは大事に保存してまいるという原則は先生の御指摘のとおりに私も考えておるわけでございます。
#94
○島本委員 まして、これは草津営林署で栽培して売っておるのですね。二十万円も、あるいはそれ以上するんじゃないかと思われる幹の太いやつが、たまたま山の中にササの付近にあるということで、枯殺剤をかけられて皆殺しにされておるのですね。これは残酷です。しかしこれも皆さんの、人手を要しないでヘリコプターで一回にまいてしまえばいいというような安易な省力化の結果だ、こう思うわけであります。現に苗畑で養成してこれを売って収入源にしているのですから、要らないやつだったらこれは売ったらどうですか。国民はほしいし、ただでやったらいい。ただでやるべきです。林野庁では最近、こういうようなことに対して全くもって常識外のことをしている。いろいろな松の幼木ですが、こういうのを、余ったからといって何万本と焼き捨ててしまう。緑をやるために、焼き捨てるものがあったら市民に無料でくれてやるべきです。どこかにそれがはえるのですよ。なぜ、わざわざガソリンをかけ、火をかけて幼木を燃やしてしまうのですか。シャクナゲにおいてしかりです。こういうようなものは、やはりほしい人には頒布してやる。決して油をかけて焼き捨てるような残酷な、地獄絵そのままのようなものを見るようなことはしない、これが林野庁の使命ではありませんか。たかが先行地ならしとかササ枯らしのために、四十四年ですか、五年ですか、散布してその犠牲になっているわけです。こういうようなことはとうてい許されることではありませんが、この薬剤の散布自身の効果が疑問ですね。今後、したがって枯殺剤散布を当然やめること、それからシャクナゲを保存するという方向で施業計画の変更をすること、同時に契約の変更も行なうこと、これは環境週間に入った一日として、環境庁長官見えませんけれども、国民の前に、首尾木局長とあわせて林野庁長官の重大な一つの決意にしてもらいたい。両方とも、この決意を明らかにしていただきたい。
#95
○福田政府委員 御指摘のように、そういう国立公園地帯であるとかあるいは保安林のような場所におきましては、先ほど来申し上げておりましたように、そういうきびしい姿勢でまいりたいと思います。ただ、薬剤を散布いたします場合というのは、労働力が非常に不足している場所とか、あるいはかまとかその他の器具で刈り払いができないような場所とか、しかもそのほかにいろいろ地元関係に迷惑をかけないところとか、しかも公害関係が絶対出ないということが確認できた場合に実施するということにしているわけでございます。そういうことでございますので、薬剤の散布につきましては、先生御指摘の線に沿ってまいりたい、かように思います。それからシャクナゲにつきましては、これは販売してはいかがかということでございますけれども、シックナゲと限りませず、森林地帯にありますところの比較的大きい木で、伐採してもほかの用材等に利用できないようなもので、少し曲がりくねったりなんかしたもので、むしろ庭園木としていいようなものはそのまま販売するということもいたしております。なお、シャクナゲ以外のものにつきましては、そういう意味で、できるだけ希望者には実費で分けてあげるということも考えているわけでございます。それから苗木を焼き捨てたではないかという御指摘でございましたが、私の承知しております限りでは、病気にかかった苗木は焼いておりますけれども、実際に山に持つていける苗木とか、それから一般の人が希望する苗木というものは、これは焼くということはまことにおかしい話であって、もしそれが病気にかかった悪い苗木を焼き捨てて肥料にしてしまうならいいんですけれども、それ以外のことはしないように指導していますが、そういう事実がもしありますれば、厳正に正してまいりたいと思っております。いずれにしてもそういう方向で、環境週間の初日でございますし、御指摘の線に沿ってまいりたいと思います。
#96
○島本委員 これは苗木の焼却はない、病気にかかったものは、それはうつれば困るから焼くんだ、こういうのが原則のようでありますね。予算がないから焼くんだ、人手がないから、もうそれを植えることができないから焼くんだ、こういうようなことはございませんでしたか。それじゃだめだということですよ。焼かないでくださいということですよ。それを有効に使ってくださいということです。一番有効なのは予算をとって全部山に植えることです。どうしてもだめならば、焼いたりしないで、学校なりほしい人にそれをくれてやったらどうですか。その分だけでも緑の保全になるじゃありませんか。あえて、人手がないから病気であるということにこじつけて全部焼いてしまう。これが林野庁のあり方だということになれば、林野破壊庁の役割りを果たすことになる。あなたは破壊長官になるわけです。そういうようなことでは絶対に許されません。いま病気になるから焼いたんだ、こういうようなことですが、過去の例によって、予算がなくて焼いたということがはっきりしています。いままで焼いたのは全部病気の苗ですか。そんなことはないでしょう。少しは勉強していますから、うそ言っちゃだめですよ。
 それから、そういうような場合にはこれは環境庁あたりがもう少し林野庁に協力できないものですか。焼き捨てるなんて、こういうような行為はまさに残酷ですからね。環境庁あたりも全国で――予算がなかったら、副総理を擁しているのですから、どんどん取ってやったらどうですか。環境庁と林野庁は兄弟みたいなものですよ。切り離せないです。あえていうと、環境庁の一部分であるかもしれないですよ。ですから、そういうような意味では大いに予算を取ってやって、決して焼き捨てるようなことがないように、させないように、これはすべきだと思います。
 それと、今後は苗木の焼却と苗木の生産縮小、こういうようなことはもうしないということ。それで国有林で使用する苗木、こういうようなものは自給自足をあくまでも原則としてもうこれをくずさないこと。造林成績を高めるための密植造林を復活さして、それでも余裕ができた場合には自治体や学校や何かに無償でこれを交付というか、やって、緑づくりを一方、前進させる。それでも余るような場合には一般の市民に配付してやる。これはあたりまえの話です。当然これはやるべきであります。ひとつ御高見を拝聴いたします。
#97
○首尾木政府委員 シャクナゲの苗木等につきましては、これがいたずらに焼却されるといったような形のものは、植生を保護していく環境庁といたしましては好ましくないことであるというふうに考えておるわけでございます。これについて具体的に何か知恵はないかということでございますが、今後そういったような点につきまして林野庁ともいろいろお話をし、具体的な方法について検討してみたいと考えます。
#98
○福田政府委員 先ほど、私、病気にかかった苗木、こう申し上げましたけれども、普通は床がえして二年ないし三年で山へ出すわけでございます。その過程におきまして、毛苗と称する――御承知と思いますけれども、そういったものは従来も焼くケースが多かったのでございます。これはもうほとんど役に立たない、赤枯れ病にかかった杉苗、そういうものでございます。なお、床がえの二年生、三年生におきましても、非常に形質の悪いものは焼いてきたのは事実でございます。しかし、病気以外のものにつきましても、そういったものが特に――たとえば一般の人たちが庭木にほしいのだとか、あるいは学校の生徒さんたちが学校の何か植林に使いたいというふうな場合にはこれをあげている場合が多いわけでございます。また一年に一度、日比谷公園等におきまして東京都民の皆さんに配ってあげたり、そういう国有林に使わないものにつきましてもできるだけ皆さんにあげている場合があります。そういうことでできるだけ有効にそういった苗木を使う方向でつとめてまいりたいというふうに考えております。
 なお、民間におきまして苗木を生産している地帯、あるい国有林におきまして苗木を生産している地帯、それはさまざまでございます。現在でもやはり民有林のいわゆる有名林業地帯における苗木の生産をしたものにつきましては、国有林でこれを買い上げて造林している場合もございますし、また国有林で養成しました苗木を民間に払い下げている場合もございます。いずれの場合におきましても、やはりできるだけいい品種を残しましてこれを造林し、後世にこれを伝えていくということは大事でございますので、種苗法等も改正いたしまして品質管理を非常にやかましくやっているわけでございます。そういうふうなことで、できるだけこの苗につきましては官民を通じて国土の緑化にいい資質のものを残していくという基本的な考え方でまいりたいと思っておりますから、先ほどのすべてが病気にかかったものであるという点については、訂正させていただきます。
#99
○島本委員 したがって、これは今後の問題としては、その辺に重点を置いて林野行政を幅広くやってもらいたい。ただ、殺すのだけはやめてもらいたい。その殺すのに薬剤をもってするような方法もやめてもらいたい。このことは強く要請しておきます。
 それからもう一つは、いつでも私どもが山へ行って驚くのは、林野行政の中で林道の造成のためにまことにこれまた安受けというのですか、簡単な方法をとっている。木曽山中においてしかり。静岡の山の中もそのとおり。水戸の山中に行ってもそのとおりであります。どうしてこの林道は安くつくらなければならないのですか。ただ谷間へ落としてある。下にある立木は全部破損される。それだけではないのです。それによって今度はもう洪水並びに自然破壊並びにこの土砂をずっと運んでしまいますから、下流あたりに相当の河底等の変化を起こすわけです。
 昔、御用林といっておったころは帝室林野局がそれをやっていたものです。戦後、林野庁になってから国有林と名前が変わったわけです。国有林になってからはますます洪水が多くなった、こういうふうにさえいわれ、陳情を受けたこともあるのでありますが、そういうような状態からしても、今後はやはり林道の安受け、そして谷間へただ落としっぱなしにするようなつけ方、こういうようなものは森林破壊につながりますから、絶対やめるべきであります。今後の林道に対する方針を伺います。
#100
○福田政府委員 まさに先生御指摘のとおりでございまして、従来の林道――国有林と民有林両方についていえるかと思いますけれども、国有林の例をとりますと、最近の林道開設費というのは一メートル当たり大体一万円程度でございます。これはもっと経費をかけて、のりを切ったあと直ちに石垣その他の加工をする、あるいは盛り土した場所に対してもそういうふうな石垣を組むとか、あるいは緑化工をするとか、丁寧に施工してまいりますならば、あとにいろいろな被害を及ぼすということはないわけでございます。これはもちろん場所によって違いがあると思います。地形あるいは地質によっていろいろ違いはございますけれども、やはり先生御指摘のようないい林道をつくって、集中豪雨等がありましてもあと地に災害を及ぼさぬ程度のいろいろな設備はしていかなければならぬということで、鋭意林道費の単価の要求については努力してまいっておるところではありますけれども、特に四十八年度の予算編成におきましては、単純な作業道というようなもの、つまり伐採なりあるいはあと地の造林等に短期間使うような、そういう簡単な作業道と、それからほとんど永久的に使う恒久的な林道とを区分して、特にいま私が申し上げた点に重点を置いて配慮してまいらなければならぬということに考えておるのでございますけれども、四十八年度予算におきましては従来よりはそういう点については配慮してもらいましたが、それでもまだ十分だとは考えておりません。今後はますますそういう点については努力してまいらなければならぬと思っております。
 民有林の林道につきましても大体同じようなことがいえるのでございますけれども、特にそういう国道なり県道なり町村道なりとつながるそういう幹線的な林道につきましては、先生御指摘のようにそういう配慮はしてまいりたいと思っております。
 作業道につきましても、そういう危険地帯につきましては、単価等におきましても相当配慮しなければならぬことでございますが、林道ということでなしに、そういう場合には、たとえば別の架線方式をとるとかいろいろの配慮をしてまいらなければならない、こう思っております。御指摘の点につきましては、今後とも特に努力してまいりたいと思っております。
#101
○島本委員 この林道、それに伴う木材の搬出路、こういうような造成は、往々にしてブルドーザーによる林地の無差別切り取りから始まる。ちょうど青森営林署管内の青森市門山野国有林百十八林班のヒバ、杉ほか立木二千四百二十四立米、これを七百五十万で四十五年十二月十五日付で随意契約によって売り払った事件があります。この売り払い物件の搬出、これは当然道路をつくりながら、これを行なうことになるわけであります。これは、青森市油川大字羽白字沢田四八〇の二、荒関実という人が請け負ってこれを行ないました。この立木物件の搬出をめぐって、指定した沢沿いの搬出を取りやめて、別に作業道路、これを約千八百メートルつくって、それを搬出しようとした。そのために、これまた四百八十三立米の立木を切り倒さざるを得なくなった、こういうような事件が起こったようであります。当然、これはブルドーザーで林地の無差別破壊が行なわれますから、これは、白土というのですか、やわらかい土壌です、こういうものがすぐ露出してしまいますから、目をおおうような状態であります。おそらくはもう林地としての機能回復はできないんじゃないか、むずかしいんじゃないか、林地としての死刑宣告じゃないか、こういうふうな状態になっているのであります。これもやはり降雨期においては、土砂流出や下流の水田への被害、こういうようなものも心配されておるのであります。昭和四十七年度で二十万円をかけて応急措置を行なってきたが、四十八年度において、約三百万円で土砂どめのさく、堰堤等の治山工事、こういうようなのを行なおうとしているのであります。どうもこういうのを見ると、自然の破壊を促進しながら、あとから国費をかけてこの保全事業を行なっている、これも国費のむだ使いじゃないか、こう思われるのですが、青森営林署管内百十八林班のヒバ、杉ほか立木二千四百二十四立米の随意契約による売り払いによって起こった、こういうような山林破壊の実相を長官はどのようにお考えになりますか、どういうような措置をとりましたか。
#102
○福田政府委員 ただいま御指摘の、青森営林署の林道の問題でございますが、これは詳細に先生からいま御指摘がございましたように、私たち、電話で連絡した情報によったものでございますけれども、確かに、この林道の問題については、私の判断では問題があったように思います。これは、一つは、従来地元の人たちがかせぎ用に買い受けをしておった薪炭材の原料でございますが、それを搬出するのが一つの目的。それからもう一つは、ヒバの造林木でございますが、これを用材として買い受けたものを搬出するのが目的ということでございます。これを、作業道――林道としてはきわめて簡易なものでございますが、作業道ということで、臨時の作業でございますので、開設をしようということで、ブルドーザーによって――これはブルドーザーによるとわりあいに安くできるわけでございますので、この開設をしたのでございますが、この場所が、先生御指摘のように、私たちの調査したところによりますと、火山灰地帯でございまして、きわめて土壌が膨軟なものでございますから、そこでこの作業道をブルでつくりますと、雨が降ったあとはぬかるみになってしまいまして、トラックでの搬出ができないということになりましたために、これを買い受けた人が、この作業道をつくる計画を中止いたしまして、別の沢道を運搬したというように私どもの調査では聞いておるわけでございます。この作業道をつくるために、ここにありますところの杉の造林木を支障木として伐採しております。しかし、いま申し上げましたとおり、きわめて膨軟な土壌でございますので、あと地は、造林をしあるいはまた治山工事等の措置をいたしておるのでございます。いま先生からお話がございましたように、結局、道をつくって山をこわしてあと始末を自分でしているのではないか、結果から見るとそういうことになるわけでございまして、この点は、まことに計画が十分でなかったというように思うわけでございます。今後こういうようなことが絶対にないように指導してまいらなければならぬと考えておるところでございます。
#103
○島本委員 私ども、これを調べたところによると、やはり従来の沢沿いの道路を取りやめて、当初きめた搬出路、それを実施しようとして、その辺の立木を始末をした。それからまた途中変更して第三の搬出路をつくった。第二の場合には、急斜面だとして、伐採計画を変更した。そうして第三の搬出路、これはもう道路の両わき五十メートルほどを全部伐採してしまった。伐採してしまって、それをやめて、また当初の運搬道路にした。こういうようなことだとすると、まさにこれは山林破壊じゃありませんか。私は、そういうようなやり方は、自然保護という考えの全然ない業者にやらしておるということで、遺憾なんです。長官もこれは十分に配慮されたと思いますが、これでは私は納得できません。搬出路をつくるための林地使用願い、こういうようなものも完全に出され、正規に許可を受け、そうして条件はきちっとしているのでなければならないと思うのであります。支障木調査、こういうようなものも十分行なわれたのかどうか。これは私はまさに山荒らしの重大な問題だ、こう思います。当局はまさに業者に癒着そのものである、こう言われても返すことばがないではございませんか。いま言ったように、これはもうすべて手続は整っておったのですか。
#104
○福田政府委員 この御指摘の場所におきましては、確かに、私、先ほど申し上げましたように、搬出路の選定については問題があったのではないかというふうに思うわけでございます。ただ、このあとの相当な幅について伐採したという点については、こちらで調査したところによりますと、なるほど、ヘアピンカーブ等があったために相当幅を広く切るのだということを申しております。確かに、急傾斜でございますと、カーブが幾つも重なれば、伐採幅が広くなり、したがって、そういったような状態になることは当然でございます。そういうふうなことをして搬出しようとしたけれども、先ほど御指摘がありましたように、単価が安い林道ということで、これを仕上げようとすれば、これは林道というよりもむしろ作業道でございますので、なかなか道路として完全なものができないということで、これをやめて、別の搬出路からこれを搬出したという経過でございます。したがいまして、そのあと地は造林し、また治山工事はしたとは申しておりますけれども、計画の点については反省すべき点があったというふうに思うわけでございます。あと地は、この場所につきましては調査したという報告を受けておりますが、百十八林班のそれぞれのかせぎ用材あるいは用材の販売物件、それから支障木、それぞれについて、係官のあと地の検査はいたしておりますが、いま申し上げた計画の点においては、あとから私、話を聞いて判断いたしますれば、粗漏の点があったというふうに思うわけでございまして、この点につきましては厳重に処分してまいりたいと思っております。
#105
○島本委員 しかもそれは優良林分点です。その個所をねらって搬出路をつけたということが、一目りょう然でおわかりになります。搬出路をつくるということでその流域の木を切る、それによって五十メートルほども伐採している。明らかにこれは、優良林目当ての搬出路づくりだ。また、その計画を、切ってしまってからやめてしまった。これに至ってはまさに言語道断というよりしようがないわけでございます。私どもは、こういうようなことについて、この判断の基礎がわからないのです。同時に、それをそのまま許しておくというような態度も許されないです。したがって、これは成規の手続を経たのかどうか、これを聞いているわけであります。使用願いはちゃんと出されているのですか。許可理由と条件はきちっとしているのですか。それから、支障木の調査が事前に完全に行なわれたのですか。私はこれを聞いているのだ。
#106
○福田政府委員 報告を受けたところによりますと、支障木の伐採でございますので、成規の手続を経ておる、かように報告を受けております。
#107
○島本委員 それならば、この支障木の売り払いが五回に分けて売り払われているようになっていますね。搬出路の敷設、これは一貫性がなく、変更されていますね。そうなってみると、一貫性がなく、業者の言いなりになって伐採させているではないか。そうして、そのたびごとに書類をつくって、そしてそれを変更を認めてやってるのじゃないか。普通一回でこれをやってしまうのじゃないですか。私は業者ではないからわかりませんけれども、搬出路をつくってこうやりますというのは、一回ぐらいでちゃんときめてこれは許可するのではないですか。五回にもわたってこれは売り払われているのだ。こういうふうなことになると、結局いい材のあるところ、これをねらって搬出路をつければいいわけですよ。言ってみればもう搬出路という名の伐採になってしまうわけです。そういうようなことは当然常識外です。それも千三百三十本、四百八十三立米の大量の支障木、こういうようなことで、ちょっと常識上考えられない。これほど支障木を出す搬出路のさく切によって、林地破壊が行なわれておる、こういうようなことだったら、どうもわけがわからなくなってしまうわけです。私は、そういうような点からして、売り払いの方法そのものも、いま言ったようなやり方は、会計法に違反するのではないかと思うのです。そういうような点のないようにお願いしないといけません。優良木が八〇%を占めている、これに至ってなおさらであります。どうもこのやり方は、私は、十分にこのあとから摘発されるんじゃなかろうか、こういうふうに思っているのですが、これはまともな方法でございますか。
#108
○福田政府委員 これは書類上の報告に基づいてお答えしているのでございますが、先生御指摘のように、私も伺っておりますと、そういう計画をし、そういう支障木を除去して林道をつくる、ところが結果的にはそういう火山灰土壌であったために、林道としてこれは相当また経費をかけなければできないということでやめたということになると、計画が少し不十分であったというふうに、先ほど来申し上げたように言わざるを得ないわけであります。この点につきましては今後注意しなければならぬと思っておりますけれども、御指摘のような疑いを受ける気味が十分あるわけであります。現在照会しましたところを見ますと、これは、四十六年五月一日、五月三十一日、七月二十六日と、三回に分けてそれぞれ支障木を処分しておりまして、材石にすると三百八十五立米ということになっております。これはやはり造林地でございますので、あと地の――こういう膨軟な土壌のところがどの程度の成績の造林地かは、この書類だけからはちょっと判断しかねますけれども、先生おっしゃるように、今後の指導上の問題がありますから、この場所につきましては、私のほうで監視活動を通じまして、その辺についての追及をいたしてまいりたい、今後こういったような疑念を起こすようなことのないようにしてまいりたい、かように思います。
#109
○島本委員 私もそういうふうにして、今後厳重に林地の保全を望んでおきたいのです。
 それと、特定の業者に対して、これはまた四立米を千六百円で売り払った以外の、四百七十九立米を二百七十万円で特定の人に売り払っておるのですが、これはどういう理由なんでしょうか。特定の業者に国有林の伐採を集中的にやることは禁止されているんじゃないかと思うのです。支障木については、特に支障木がまた支障木を生むというようなことになってしまうおそれのないようにしてやらぬといけないわけですが、こういうような配慮が欠けているのじゃないかと思うのです。ましてや搬出路をつくるためにブルドーザーを入れて、林地の切り取り、それから林地の破壊、こういうようなことをやるに至っては言語道断であります。私は、林野庁としてもいかようにこれに対して処置するのか、やったことに対してはきちっとしておかないと、ここではいいのですが、あとから行政的ないろいろな指摘を受けたり、またいろいろ世上の問題になってからでは困りますので、あらためて愛情をもって御注意申し上げておくわけです。林野庁としてもこの責任をきちっとしておかないといけません。これに対して準備はしておりますか。
#110
○福田政府委員 先ほど申し上げました。三つに分けて支障木を処分しておりますところの根拠でございますが、原則としましては先生御承知のように、立木の販売につきましては会計法に基づいて公売が原則でございます。随意契約ができます場合は、いろいろと法律で規制しているわけでありまして、この場合は予算決算及び会計令の百二条の四の三号に基づきまして、こういう支障木についてはそこの工事をする者に売ってもよろしい、あるいはその支障木についてはその地元の起業者に売ってもよろしいことになっております。それに基づいて処分しておりますので、規定の上からは別に差しつかえないのでございますけれども、ただ、先ほどから申し上げておりますように、ここの場所の伐採したあと地の利用が、林道を利用しなかった問題などにつきましては、やはり今後そういったことができないように厳重な指導をしてまいりたいと思うわけであります。
 なお、この作業等につきましては、特にいま申し上げましたように支障木という場合が相当ございますので、今後こういった事例で疑惑を招くことのないように十分私のほうからも指導を厳重にしてまいりたい、かように考えております。
#111
○島本委員 あともう数点にわたって私も疑義があるわけでありますけれども、これは林野庁自身が業者と長い間の密接なる関係というか、癒着関係というか、くされ縁というか、そういうようなものが存在するのじゃないか。ただしこれは青森営林署だけの問題ではなくて、日本国じゅうの問題です。したがってこういうようなことに対して、環境週間に入ったきょうは第一日目ですから、ここで決意を新たにして特定業者への安売り、こういうようなことがかってに行なわれることのないようにして、そうしてこういうような関係ではいろいろと私どものほうへも陳情が来るわけですし、投書が来るのです。それによってやってみると、結果はあとから、きちっとしておきますとか、今後そういうことはしませんとかいう返事が返ってくる。しかし依然としてこれが行なわれておるわけであります。私はそういうような点等からして、事実関係だけはきちんとしておいて、今後そういうような癒着関係、こう思われるようなことは断ち切るべきだ、こういうように思います。おそらくは山荒らし施業ということにもつながってきますから、これだけはやってはいけません。それと同時に、責任ある環境保全、こういうようなことを十分に指導していかなければだめだ。林道でも作業道でもおそらくは安かろう悪かろうにきまっているのですから、そういうようなことをいままで平気でやってきたわけです。そういうようにして、今後は、林道をつくるにも立木の販売をするにも、おそらくはもう随意契約、指名競争契約、この入札のいかんを問わず、これはやはり十分考えて対処しなければならない問題点だ。この問題は、私は具体的に言いませんが、今後対処する方法いかんによっては重大な問題化しますから、いまのうちにきちんとした方針を立てておいてもらいたい、こう思うわけです。あえて所見を伺っておきます。
#112
○福田政府委員 林道の問題につきましては、従来先生御指摘のように安いほうがいいということが出ました理由は、やはり国有林の経営が特別会計制度であって独立採算であったところに一つの大きな原因があるわけでございます。林道に対しましては、先ほども申しましたように、公共的な林道、単純な作業道的な林道とございます。特にそういう公共性の強い林道につきましては、費用の負担の方式等についてはやはり考慮していかなければならぬと思いますので、四十八年度予算編成に際しましても、そういう会計の負担のあり方としまして一般会計からの負担の考え方を出したのでございますけれども、四十八年度は残念ながら認められなかったいきさつがございます。これにつきましては四十九年度以降も、いい林道をつくっていくためには、そういう木材の売り払い代金だけですべてをまかなうことはやはり無理でございますので、公共的な面を考えまして一般会計からの導入をするような方式を考えていただきたいと思っておるわけであります。
 それから販売の問題につきましては、確かに先生おっしゃるとおり長い間の癒着関係についてのいろいろな指摘も受けるわけでございますし、そういったことにまつわる事件も出たことについては私も非常に残念でございます。したがいまして、この販売の問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、原則としては公売の原則でいこう、そこで随意契約をいたします場合にはきわめて厳正に制限しておるのでございますが、このいまの制度は非常に古い制度でございます。随意契約をいたします場合にもやはり競争の原理が導入できるというふうなことも考えていかなければならぬと考えております。ただ単に競争さえすればいいというものでもなかろうと思います。御承知のように最近木材価格が上がってまいりますと、単純な公売をいたしますと、いろいろと木材の価格を国有林がつり上げているというような指摘を受ける場合もあるわけでございまして、販売の問題はむずかしいのでございますが、従来のようなただなれ合いからと申しますか、従来こうやってきたのだから随意契約でやるのだということでなしに、この考え方をただいまいろいろと整理している段階でございまして、御指摘の点は十分考えまして、だれが見てもなるほどこれはあたりまえな、販売としてはこういう方式しかないのだ、これが一番いい方法なんだというものを早くつくり上げなければならぬ、かように思っておるわけでございまして、公売のあり方、これもやはり限定公売のような方式がいいのか、限定する場合にも地域として限定するのか、業種として限定するのか。また随意契約の場合も、いま申し上げたような単純な随意契約でなくて、これは見積もり合わせの方式でやっていくのか、いろいろとある程度の競争原理を導入した随意契約というふうなことを通しながら、地元の林産業の振興を配慮していくということが国有林の使命であると考えております。販売の問題は非常に重要な問題でありますので、ただいま鋭意検討いたしまして、四十九年度の予算あるいは制度改正に盛り込んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#113
○島本委員 環境庁では、自然環境保全法が実施をされていますが、林野庁とそれ以後連係は十分とっているのですか、とっていないのですか。これはやはり連係をとっていかないとだめなはずですが……。
#114
○首尾木政府委員 十分連係をとっておりますし、今後とも自然環境保全法さらに自然公園法の運営につきましては、林野庁と全面的に話し合って協力をしてやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
#115
○島本委員 今後の問題は問題として十分やらなければいけませんが、現在の問題、特に林野庁はいまの答弁でわかりましたが、この自然環境保全に関する抜本的な対策、こういうようなものはいまやらなければならないのであります。これは具体的にいま明らかにしないといけないのであります。これはもう去年ですか、国会でもいろいろとこの問題について指摘をしたはずでありますが、依然としてこういうようなことが行なわれている、改俊の情が見られない、こういうようなことになるのじゃないかと思います。私はそれで、えりを正す意味においても抜本的な対策を具体的にすべきであると思います。これについていかがでしょう。
#116
○福田政府委員 先ほど来申し上げておりました考え方につきましては、将来の問題という意味でなくて、先生御指摘のように直ちにでもこれは実施してまいりたいし、その考え方は予算なりあるいはその他制度改正に盛り込んでまいりたい、こう思っておるわけでございます。四十八年度からできることは実施するし、四十九年度予算編成に盛り込むことをただいま準備中でございます。さっそく実施してまいりたいと思います。
#117
○島本委員 それで業者との癒着関係、こういうようなものは排除する、けっこうです、やってもらわないといけません。しかし依然としてそれが温存されておる。したがって差別待遇され、しいたげられるような人たちが出てくる、毎年一定期間の失業の繰り返し、こういうようなことも行なわれておるところの国有林における定期作業員のあることを忘れてはならないと思います。したがってこの常用化のために施業拡大、冬山事業、こういうようなものに対してどういうふうな見解と施策を持っておるのか。私は、まず業者との癒着関係、これを払拭するために、あくまでも温存すると思われるようなこういうような形態についても十分配慮しなければならない、こう思うわけであります。ここに働く労働者は十分大事にしてやる計画を立てなければならないわけであります。これは立てていますか。
#118
○福田政府委員 御指摘のは国有林の定期作業員の問題であると存じます。従来、定期作業員と申しますのは、私から申し上げるまでもなく、先生十分御承知のとおり、半年ないし一年未満つとめておる人たちでございまして、これが国有林に働く労働力の大半を占めておるものでございまして、常用作業員とともに、現場におけるそういう生産なりあるいは森林造成に従事する重要な基幹的な作業員であるわけでございますが、いままでのところではこの定期の作業員をできるだけ年間雇用できるように仕事の組み合わせあるいは場所の間の流動関係、いろいろ配慮してまいっておるのでございます。従来ここ数年約一万一千名を常用に任用したのでございます。まだ依然としてこの定期作業員が残っているという状態は非常に遺憾でございます。しかし、いま申し上げたような方法においては相当限度に来ておるような状態でございます。これにつきましてはただいまいろいろと検討し、各関係官庁とも折衝しておるのでございますけれども、たとえば働けない期間、仕事のない期間につきましては休業補償の制度を設けてはどうかというふうな考え方につきましても他官庁との折衝をいたしておるわけでございますが、ただ林業労働という季節労働、これはほかの産業と比べて、農民も当然でございましょうけれども、年間仕事量が均等にいけないという一つのむずかしい条件があるわけでございまして、林業労働のそういうむずかしい条件をひとつ考えた上で、これ以上どうしてもできないところはひとつ休業制度を考えてもらえないかということで現在いろいろと検討していただいておるところでございます。
 なおさらに突き進んで言うならば、私はこの林業労働の通年雇用ということにつきましては林業だけの問題では解決できぬ場合もあるかもしらぬということに立つならば、たとえば農業とかあるいは地元におけるほかの産業との組み合わせを考えて、いつか先生国会で御質問受けましたそういう登録制度というようなことも場合によっては考える。そして林業と農業とその他の仕事との組み合わせでこれが通年雇用できるならば、それに対して一般の社会保障の制度も適用するんだということになるならば、別の道が開かれてくるというふうに思うわけでございます。
 私から申し上げるのはまことに口幅ったいことでございますけれども、ドイツあたりはすでにそういう制度を導入しているわけでございます。私はそういう休業補償の問題をいま申し上げたような二点でどちらがいいのか、できるだけ山村地帯における林業労働力の安定というものについては、特に定期を中心として真剣に考え、早く解決してもらいたい、こう思っている次第でございます。
#119
○島本委員 それを一つの実行すべき課題として要請しておきたいと思います。
 それと同時にきょうやはり環境週間に入ってまっ先に林野の問題が問題になりました。ただこれはそのままにほうっておきますと、やはり大きい問題になる可能性がありますから、今後はこういうようなことを起こさないために行政的な指導は的確にしておくこと。ことにいわゆる業者との癒着問題はすでにもうマスコミにおいては十分点検しております。われわれも調査によってわれわれとしては事実としてあげることはできるのであります。今後の問題をはらむ点はその辺にあるのではないかと思いますから、ひとつ今後の行政、施業上十分注意をしてもらいたいと思います。
 それとあわして環境庁はおざなりに協議するということではなくて、真に緑を保全するために、真に環境庁の使命を果たすためにひとつ十分に連絡してどっちからともなく自然と伐採についての話し合いが持たれたというふうにでもして、これをもうあの官庁、この官庁というようないわばなわ張り争いに一切わたらないようにして、緑の保全に十分配慮してもらいたい、いままでは残念ながら完全であるとは言えない。このことを心から注意して、要請しておきたいと思います。
 以上で私の質問を終わる次第でありますが、よろしく御検討を願います。
#120
○佐野委員長 次回は、明六日水曜日、午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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