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1972/08/28 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第43号
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1972/08/28 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第43号

#1
第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第43号
昭和四十八年八月二十八日(火曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 佐野 憲治君
   理事 菅波  茂君 理事 登坂重次郎君
   理事 林  義郎君 理事 森  喜朗君
   理事 渡部 恒三君 理事 小林 信一君
   理事 島本 虎三君 理事 中島 武敏君
      田中  覚君    羽田野忠文君
      荒木  宏君    岡本 富夫君
      坂口  力君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
 出席政府委員
        警察庁長官官房
        長       丸山  昂君
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局長      城戸 謙次君
        環境庁自然保護
        局長      江間 時彦君
        環境庁大気保全
        局長      春日  斉君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
        厚生省環境衛生
        局長      石丸 隆治君
        食糧庁次長   森  重弘君
        水産庁次長   安福 数夫君
        通商産業省立地
        公害局長    林 信太郎君
        運輸政務次官  佐藤 文生君
 委員外の出席者
        通商産業省立地
        公害局公害防止
        指導課長    松村 克之君
        通商産業省基礎
        産業局基礎化学
        品課長     高橋  清君
        運輸省航空局飛
        行場部長    隅  健三君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十八日
 辞任         補欠選任
  木下 元二君     荒木  宏君
同日
 辞任         補欠選任
  荒木  宏君     木下 元二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(大気汚染
 及び水質汚濁対策等)
     ――――◇―――――
#2
○佐野委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#3
○島本委員 だいぶ間がたっております。したがって、公害対策その他について、七月二十四日以前のいろいろな政府の対策、それが現在どうなっておるのか、これは私どもの気にするところであります。したがって、第三水俣病が発生して、六月十五日に三木環境庁長官を柱にして、それぞれ十一項目にわたる対策が発表されました。一、魚介類の安全基準の設定、二、有害物質関係工場の点検、三、水銀の排出規制、四、各種調査の実施、五、ヘドロの対策、六、漁民対策、七、関連企業対策、八、原因者の追求、九、水俣病等治療対策、十、監視体制の強化、十一、職場環境汚染対策等々であります。これらについては、それぞれ当初の決定のとおりに対策は進んでいるものだと、こう思っているのでありますが、大臣、この点はよろしゅうございますか。
#4
○三木国務大臣 御承知のように、二回にわたって水銀等汚染対策推進会議を開きまして、そこできめられた各条項については着々と実行に移しておる次第でございます。
#5
○島本委員 副総理でありますから、そのことばを聞いて心強く思っております。
 では、この有害物質関係工場の点検、水銀関係は、六月中に点検、七月の末に結論をまとめる。PCB関係では、危険八水域の周辺工場を実施、次いで全国的な点検を行なう。水銀、PCB等については、各四半期ごとに定期的に有害物質の収支を報告させる、この件があるわけであります。この点検はそのとおり行なっておりますか。
#6
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 実態調査の一環といたしまして、かねてから御報告申し上げましたとおり、水銀法電解工場三十六社、四十九工場ございますが、これに対しまして、通産省といたしましては、六月、七月中に担当官を派遣いたしまして、各工場の水銀含有排水のいわば排水処理設備の実態でございますとか、あるいは塩水マッドの処理、保管状況、まずこういったような実態の現地調査をいたしました。と同時に、あわせまして、これら四十九工場の操業以来の水銀の消費量等につきましてもチェックする作業をいたしました。これに対しましては、まず、いま御説明申し上げましたとおり、排水処理施設でございますとか、あるいは塩水マッドの保管状況等につきましては、これは各担当官が現地に参りまして、そのまま処分あるいは処理状況あるいは設備の実情等を、事情を見ればはっきりわかる状態でございまして、これはそれなりに一応実情を把握いたしまして、現在、最終のいわば取りまとめに入っておりますが、結論的に申し上げますと、排水処理施設につきましては、一応満足すべき状態でございます。と同時に、塩水マッド等の水銀含有廃棄物の処理、保管状況につきましても、現在の関係法規に従ってそれぞれ適切に処理はしてはおりますが、なお十分にこの点につきましては、通産省といたしましては、この保管状況につきまして一そう徹底を期するようにさらに行政指導してまいりたいと思っております。
 なお、各工場の水銀の消費の実態等でございますが、これは先生御案内のように、たとえば、四十九工場ございますが、こういったものにつきましては、戦前からと申しますか、あるいはこういった実は関係につきましては、統計がございますが、統計が初めてできましたのが二十五年でございますが、そういった観点から、統計がございませんでした二十四年以前に操業を開始した工場が十五工場にも達しておりまして、こういったような工場は、過去において統計が結局ございませんでしたので、そういったような関係から、各工場もいろいろデータを持ってなくて、こういった面につきましては、推定にたよらざるを得なかったとか、こういった点もございますが、そのほか、いろいろ各工場工場におきまして、何ぶんにも戦前からの話でございますので、推定にたよるわけでございますが、推定の方法が各社まちまちでございますとか、いろいろそういった事情がございましたが、結局結論的には、各工場が消費しました水銀が環境に排出された場合、それがどの程度環境に排出されたか、こういうことにつきましては、むしろ環境庁が実施しております環境調査の一環といたしまして、水質、底質の調査をいま進めてはおります。したがいまして、私どもといたしましては、さらに六月、七月からずっと現在まで作業を続けてまいりました作業のデータの信頼性を一そう高める、こういう点から、環境庁の環境調査、これにつきましては、通産省ももちろん作業に参画してはございますが、このいわば底質、水質等のデータをさらにたとえば突き合わせ等をする、こうしまして、さらに一そうデータの信憑性、信頼性を高めた段階で逐時御披露申し上げたいと思っている次第でございます。
#7
○岡安政府委員 環境調査についてお答え申し上げます。
 環境調査につきましては、六月三十日に各県に指示をいたしまして、直ちに調査に着手いたしております。問題がございます九水域につきましては、九月一ぱいをめどに現在資料収集等をいたしております。ただ、一部水域につきましては、すでに調査も完了しておるようでございますので、その報告をまちまして、今月中にもある程度の結論は出るというふうな段階でございます。
#8
○島本委員 では、通産省では、この有害物質関係工場の点検、その報告の中で、水銀、PCB、これらの「各四半期ごとに定期的な有害物質の収支の報告をさせる。」PCB、この全部の各工場ごとの保有、これを現在はっきりつかんでおりますか。
#9
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど御指摘のございました有害重金属、特に水銀につきましての定期的な報告聴取でございますが、先般の御決定に従いまして、私どものほうでは、企業のリスト、それから調査方法を検討を進めてまいっております。特に問題のございます水銀につきましては、企業のリスト及び調査様式の検討がほぼ終わっておりますので、近く四十八年度の第一・四半期分から水銀の購入、使用、それから消費などにつきまして調査を開始する手はずをいま進めております。四十八年度中は行政指導ベースによりまして四半期ごとに定期的な報告をとってまいりたいと考えております。四十九年度以降につきましては、問題の重要性にかんがみまして、こういった行政指導ベースでやるか、法的な裏づけを持った形でやるかというふうな総合的な問題もあわせて検討いたしております。その際には現在、衆議院で審議をしていただいております化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案あるいは毒物劇物取締法、現在水銀はこの対象物質になっておりますので、こういったものを活用するようなこともあわせ考えて、問題の把握の徹底を期したいというふうに考えております。
#10
○島本委員 PCB。
#11
○林(信太郎)政府委員 PCBにつきましても、水銀と同様な段取りで機械情報産業局のほうで進めております。
#12
○島本委員 進めているかどうかということを聞いたわけではないのです。現在の調査によるところの各工場別のPCBの量をはっきり把握しているかということを聞いたのです。自来、六月十五日からこれまで二カ月以上になっております。それまでの間に、これははっきり副総理のほうから言われているはずですから、皆さんのほうで決して怠っているわけはないと思います。各工場別の使用量をそれぞれ把握しているかどうか。しているとするならば大ざっぱにそれを発表願いたい。
#13
○林(信太郎)政府委員 目下作業中の点もございましてはなはだ恐縮でございますが、担当の松村公害防止課長から答弁申し上げたいと思います。
#14
○松村説明員 お答えいたします。
 PCBにつきましては、水産庁の発表がありました汚染の八水域につきましてのPCB使用工場、これは三百三十八工場あるわけでございますが、これにつきまして通産局が関係の府県と共同いたしましてPCBの購入量、使用量及び今後の転換計画といったようなものを調査いたしたわけでございます。それと同時に、これらの八水域以外のPCB取り扱い工場、これは約八百社あるわけでございますが、これにつきましても同様の調査を実施いたしたわけであります。ただ、これらPCBの工場につきましては、御承知のように非常に大工場もございますが、特に関西地方におきまして中小企業もあるわけでございます。したがいまして、大部分の調査は終了したといいますか、報告書が出ているわけでございますが、これらのうちで一部まだ取りまとめ中のものがあるわけでございます。
 私どもの予定といたしましては、これも近いうちに調査報告書の取りまとめが終わるというふうに考えております。したがいまして、はっきりいつまでと言うわけにもまいりませんが、来月中には私どもとしてはこれを取りまとめたいというふうに思っております。それで取りまとめました場合には、これは当然のことでございますが別に秘密にしていくというようなことでもございませんので、その結果については明らかにしていくということで処理したいというふうに思っております。
#15
○島本委員 PCBの場合には、購入量、使用量、転換計画、中小も入れて約八百社あるということであります。しかし、大きいところでは鐘化または三菱モンサント、これに類するような系統数工場しかないのじゃないか、こう思うわけであります。しかしそれにいたしましても、購入量、使用量、転換計画というようなものはまだはっきり把握しておらないのですか、把握しているんですか、これからなんですか。どうもその点ははっきりしないのであります。これが問題になった本年当初においても依然同じような状態、六月十五日に三木長官が中心になってこれらに対しての対策を講じた際にも同じような状態、そして七月二十四日に終わり、国会が再延長になった現在も同じような状態、これでは当局はこれに対して真剣に取っ組んでいるのかどうか、ちょっと疑わざるを得ないじゃありませんか。この購入量、使用量というようなものに対して具体的に把握した分があるならば、その量をお知らせ願いたい。
#16
○松村説明員 いま申し上げましたように、一部の企業を除きまして報告書はわれわれの手元にきているわけでございます。それで現在それらの報告書について、これは企業から提出されたものでございますが、都道府県等と協力いたしまして都道府県別にこれらの調査票の確認と申しますか、たとえばメーカーのほうに何トン回収して返却したといったような数字について、それぞれのメーカーに当たってこれを確認するという作業が今後必要なわけであります。それらの確認が終わりました場合には、都道府県にも当然これを連絡いたしまして、それぞれのPCB取り扱い工場についてどの程度の量が購入され、どの程度の量が消耗されたかという点を明らかにしていきたい、こういうふうに考えております。
#17
○島本委員 もう三月、四月の段階で製造も販売も使用も、開放性の場合は一切禁止、回収、それから開放性でないもの、特定のものに関しては、たとえば新幹線で使っているようなものに対しては限定してこれを使用させる、こういうようなことであったはずなんです。したがって、その間に回収だけはしていなければならないはずじゃないか。そうでしょう。それが依然としてまだ購入したり使用したり転換計画をしたりという段階だということは、これは少しおかしいじゃありませんか。いままで国会で答弁していたこととの関係がどうも矛盾しているじゃありませんか。使用も販売も中止している、このことは違うのですか。
#18
○松村説明員 私のお答えがたいへん要領を得ませんで申しわけございませんでした。いま申し上げました各企業の購入量あるいは使用量というのは、これは過去についてのものでございまして、現在のPCB関係で申しますと、ただいま先生から御指摘がありましたように、新幹線用のトランス等を除きまして、あとは工場として使用しておりますのは熱媒体でございますが、熱媒体につきましては、これも先生のお話しのように本年の十二月末をもって熱媒体の使用を中止するように、十二月までにこれをPCB以外のものに転換するようにという指導をいたしておりまして、現在まだ数字としてはっきり取りまとめがなされておりませんが、八割以上はすでに転換しているというふうに私は考えております。正確な数字はまだ取りまとめてございませんのでごかんべんいただきたいと思いますが、大体そういうふうに考えております。
#19
○島本委員 特に重要ですから、そのままちょっと聞きます。
 回収したものに対してはどういう処置をしておりますか、それをはっきり確かめていますか。それと、感圧紙の場合の回収したものに対してはどういう処置をしておりますか。
#20
○松村説明員 PCB、特に熱媒体用に使いましたPCBにつきましては、これを抜き取りましてほかのものとかえるわけでございます。その際出てきましたPCBについては、私どもはPCBのメーカーにこれを引き渡すように、こういう指導をいたしております。それで、PCBのメーカーは、現在、先生御承知のように、専用の焼却炉をつくりましてこれを焼却するという体制を整えているわけでございます。それで、その体制を整えているわけでございますけれども、なおPCBを焼却した場合にこれが完全に焼却されるかどうかという点について疑問があるということから、都道府県のほうからも御指摘がありまして、その点について環境庁の御協力も得まして、これについての暫定的な基準を環境庁につくっていただいたわけでございます。その後、その基準に基づいて、しかるべき第三者の先生方のお立ち会いのもとで、都道府県も一緒になりまして分析をいたしたわけでございますが、その結果は環境庁の暫定基準を十分満たすような性能を持っているということは確認されたわけでございます。ただしかし、地元といたしましては、地元住民の意向といったようなものもございまして、現在ではまだこれらの専用の焼却炉は稼動していないという状況でございます。したがいまして、回収されましたPCBが鐘化等の工場内に非常に集積されるという結果になっておりまして、そのために企業を指導いたしまして、PCB専用の大きなタンクをつくる――ドラムかん等で野積みにするようなことがありますと、二次公害のこともございますので、専用のタンクをつくってこれに入れるようにという指導をいたしておるところでございます。
 次に、先生からお話のございました感圧紙でございます。感圧紙につきましては、官庁関係が持っております感圧紙につきましては、これも各省に御連絡をいたしまして、現在のところそれを厳重に保管するようにという指導といいますか、お願いをいたしておるところでございます。また民間の事業所にあります感圧紙については、これを集めまして、感圧紙メーカーのところに戻すように、引き渡すようにという指導をいたしております。
 それで、こうやって集まりました感圧紙を一体どうやって処分するかという問題でございますが、感圧紙の焼却につきましては、これは液体のPCBよりさらに困難な問題があるわけでございます。したがいまして、その点については委員会をつくりまして、昨年度からこれについてどういった焼却方法でいったほうがよろしいのかという検討を続けているという段階でございます。
#21
○島本委員 これは大臣、もう少し馬力をかけてやらないと、いまだにしてこういうような状態だということは困ります。困るのはこれから先が困るんです。じゃ専用焼却炉はいま何ぼあるんですか。そして回収される見込みのものを処理するのに何年かかるんですか。それで二つです。三つ目。暫定基準を環境庁がつくった、そしてそれは満たすに足るような結果を招来したということなんですが、どういう基準でどういうふうに満たしたんですか。これは環境庁、この三つは重要です。
#22
○松村説明員 お答えいたします。
 専用焼却炉の能力でございますけれども……(島本委員「数」と呼ぶ)数でございますが、鐘淵化学にございます焼却炉は……。
#23
○島本委員 あれ専用じゃないでしょう。
#24
○松村説明員 鐘淵化学にございますのは……(島本委員「残物整理のはずだよ」と呼ぶ)以前に毎年六百トンの炉がございまして、その後増設を要請いたしまして、その新しい増設といたしましては千八百トンの増設をいたしたわけでございます。
 それから三菱モンサントにつきましては、二百トンの焼却能力を持っているということでございます。
#25
○島本委員 何年かかる、焼却に。これ年に六百トン、二百トンでしょう。
#26
○松村説明員 さようでございます。
#27
○島本委員 これで何年かかるんです。四十九年か。
#28
○松村説明員 いえ……。
#29
○島本委員 もう一回計算して、あとから……。
#30
○松村説明員 ちょっとあとで御答弁させていただきます。
#31
○春日政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、PCBを分解消滅させる方法として、柴外線の分解とか微生物分解、埋没等がございますが、何と申しましても現在の技術的段階におきましては、焼却熱分解による方法が最も効果的かつ安全であるわけでございます。しかし不用意に焼却を行なうことによりまして、場合によっては大気汚染を来たす可能性もあるために、私どもはPCB等を焼却処分する場合におきます排ガス中のPCBの暫定排出許容限界を四十七年十二月二十二日付で定めまして、その大気汚染の防止を期しているわけでございます。
 その中で、私どもは、PCBの排出許容限界というものを、まず排ガスの中に含まれるPCBというものはいかなる場合でも〇・二五ミリグラム、パー立米でございますが、液状の場合は〇・一五ミリグラム、いま申しましたのはいかなる場合でもと申したのでございますが、平均した場合は〇・一五ミリグラムをこえないこと、液状のPCBの場合は〇・一〇ミリグラム、こういうふうにきめたわけでございます。ただし、この排出許容限界と申しますのは、環境大気中のPCBの濃度が最悪の場合でも〇・〇〇〇五ミリグラム、〇・五マイクログラム、こういうことになるわけでございまして、最悪の場合でも〇・〇〇〇五ミリグラムをこえないものとして設定いたしてきたわけでございます。したがいまして、現在開発されております焼却炉におきましては、このPCBの排出許容限界というものを満たしておりますので、この専用焼却炉によってPCBの消滅をはかっていきたい、かように指導いたしておる次第でございます。
#32
○島本委員 残念ながら十分わかり切れなかった。感圧紙の場合には、官庁の場合保管しておる。民間の場合は、それを回収してメーカーのほうへ戻すように指導しておる。この感圧紙に対しては、どういうふうにしてこれを分解するように指導なすっておるんですか。その場合の基準や、それが暫定であろうと何でもあったならば、これを発表してもらいたい。これは通産省では、この数をどれほど官庁、民間合わせて読んでおりますか。集積されたデータがありましたら発表しても一らいたい。
#33
○松村説明員 お答えいたします。
 先ほど私、先生の御質問のございました焼却炉の能力についてちょっと御説明が足りませんでしたので最初に補足して申し上げます。
 鐘淵化学が持っております専用の焼却炉は現在毎年六百トンの専用炉一基でございます。三菱モンサントが二百トン一基を持っております。それから鐘淵化学については当省といたしましてこれでは能力が不足であるという点から毎年千八百トンの能力を有する施設の増設を要請いたしておりますけれども、本件につきましてはまだ現在の現有炉の稼働自体について地元市町村の御承認が得られていない段階でございまして、これの増設についてもいまだ着工に至っていないわけでございます。それから確かに先生お話がございましたように、この炉は専用焼却炉と申し上げましたけれども、以前にはこれは別の目的の焼却炉であったわけでございますが、その後先ほど申し上げましたようにPCBを焼却する場合にこれが完全な焼却がなされるように環境庁のほうでお示しのあった基準に合うように大幅な手直しをいたしまして、現在ではこれはPCB専用の焼却炉ということになっておるわけでございます。
 それで、一体これだけの現有の能力ではたして何年かかるだろうかということでございますが、前から御説明いたしておりますように熱媒体用に使用されましたPCBの量を大体六千トンというふうに考えております。したがいまして現有の鐘淵化学の六百トン、それからモンサントの二百トンだけで考えますと合計年間八百トンでございますから、稼働率等も考えますと約十年ということになるわけでございます。
 以上が先ほどの御質問に対して補足的に説明さしていただいたわけでございます。
 次に感圧紙でございますけれども、感圧紙を焼却いたす場合には、やはりPCBの液体そのものは液体でございますので非常に操作が楽にできるわけでございますが、感圧紙の場合にはそれが非常に紙にくっついているわけでありますので、これを完全に焼却するということについて現在試験所等の協力を得まして検討をいたしておるところでございます。
 それから感圧紙の回収量でございますけれども、これは前に御説明いたしたと思いますが、民間から回収されている感圧紙の量は紙量にして約千数百トンというところでございます。
#34
○島本委員 民間はわかったけれども、官庁で保管しているものの数をなぜ言わないのです。一つ一つ忘れたらだめです。
#35
○松村説明員 どうも私も答弁になれないものでございますから、たいへん申しわけございません。
 官庁で保管しておりますPCBの量でございますが、これはたいへん恐縮でございますが、私も担当でございますがまだ正確に聞いておりませんけれども、私が聞いている限りでは紙量にして四、五千トンというふうに聞いております。
#36
○島本委員 今度は環境庁。そうすると、この感圧紙の場合は百度の熱でも二百度の熱でも燃えるのです。一千百度以上でないと分解しないということを伺っておるのですが、燃やしてしまえば燃えるのです。だけどそのまままたもとへ戻るのです。何にもならないのです。これをはっきり検査して、はっきり分解さしてこれを指導する暫定基準というのですか、指導方針というのですか、こういうようなものはきちんとしているのですか。
#37
○春日政府委員 先生の御指摘のように液状PCBの焼却の場合と感圧紙の焼却の場合とでは、その性状から申しましても、私が先ほどお答え申し上げましたPCBの暫定排出許容限界に適合するためには非常な差があるわけでございます。と申しますのは、感圧紙の場合は九九・九九九%の分解がされませんと先ほどお答え申し上げました大気中の許容限界というものが守れなくなるわけでございまして、はるかに技術的にむずかしいわけでございますけれども、現在通産省の公害資源研究所におきましてこのような感圧紙の焼却処理に関する開発がかなり行なわれていると聞いておりますので、この感圧紙の焼却につきましては明るい見通しがあるわけでございます。
 それから先生御指摘のように感圧紙を不用意に燃すことによって起こるであろう大気汚染につきましては、これは私どもは排ガス中の暫定許容限界を十分に守らせることによって指導する以外にはないと考えております。したがいまして感圧紙をむやみに燃さないという指導を徹底させる。これは悪意でなくても不用意に燃すこともあり得ることでございますので、その辺は十分に指導を徹底いたしたいと考えております。
#38
○島本委員 通産省でこの対策ははっきりできているのですか。
#39
○松村説明員 いま環境庁のほうから御説明いただきましたように、感圧紙の焼却については通産省の試験所、特に公害資源研究所と東京工業試験所の両試験所でもって四十七年度から研究を進めております。私どもが聞いておりますところによりますと、本年度中にはこの点について大体の研究開発のめどがつくというふうに聞いているところでございます。
#40
○島本委員 研究中であって、まだこれ、ことしじゅうにめどが立つであろうというんじゃありませんか。環境庁のほうもやはりこの提携もまだ不十分、これじゃやはり倉庫へ眠らしておくよりしようがない。これに触れた場合にはまたこれ人体に被害が起きる、こういうようなことでありますから、こういうような点は今後といえども十分に手をゆるめないで監視とその指導の万全を期さないとだめです。どうもこういうようにしてメーカーがあとから処理もできないようなものをかってにつくらせるという通産省の指導方針を今後変えないとだめなんです。一たんこれが人畜に被害があるものだとして指摘されても、回収してもその処理ができない、こういうようなことじゃほんとうに業者はただもうけるだけです。機械が人間を使うことになります。こういうようなことはもう今後モラルとしては許されない。十分これは今後注意すべきじゃないか、こう思うのですが、長官少し疲れているようですけれども、このくらいにして次のほうへ移ります。ほんとうはまだまだなんですが、ようやくこれで一つの問題なんで、皆さんのしゃべるテンポおそいですよ。もう少し早くやってください。
 それから第三番目の水銀排出規制、いままでPCB、今度は水銀の排出規制、これはもう長官が自信をもって四十九年九月の末までにはクローズドシステム化を完了する、ソーダ工場は五十年九月を目途に極力隔膜法に切りかえる。あなたは六月の十五日にメモを持ちながら、たどたどしい状態でしたが、自信をもってこれを言った。しかしながら、この問題についてはどうなっているのか。これはやはり私としては重大な関心を持たなければならないと思うのです。皆さん自身も知っておられるように、この場所へ参考人として呼んだ東大の白木教授がはっきりこの問題に対しては、われわれを目の前に注意を喚起をしていったわけです。その内容等についてはいまさら言うまでもないんでありますけれども、ほとんど魚を食べていない都民の毛髪から六・九九PPM、多食する人からは一九PPMの水銀が出ている。世界の標準が二PPMだ。こういうことを考えると、水銀たれ流しの根源を断つことを考えるのが先決だ。小手先だけで済まそうとする姿勢がこういう結果になったと考えられる、こういうようなことを具体的に指摘をしていったのです。この指摘にこたえる道は水銀排出の規制なんであります。長官もこの点については、クローズドシステムにするのは四十九年九月まで、それからソーダ工場は五十年九月を目途に極力隔膜法に切りかえる、これをあなたおっしゃった。このとおりあなたは実現させつつありますか。途中で転換いたしましたか。
#41
○三木国務大臣 いまはそれよりももう少し時期を促進させたい。クローズドシステムを、この間も化学工業会の幹部を呼んで、来年の九月末を十二月末までにこれを繰り上げて実施できないか。そうしたところが、工業会の代表者は極力御趣旨に沿うようにいたしますということで、いまお話のありました、きめたことよりももっとそのきめた時期を促進させたいということで努力をいたしておる次第でございます。
#42
○島本委員 大いにけっこうであります。じゃソーダ工場を五十年九月を目途に極力隔膜法に切りかえる、これも時期が早まりましたか。
#43
○三木国務大臣 これは、まあいまのところでは三分の二ぐらいの工場がこれに切りかえようという計画を立てておるようでありますが、極力ということばがついておる、この極力というものをもう少し、そういう三分の二をもっとふやしていくように努力をいたしておる次第でございます。
#44
○島本委員 通産省、いまのことばよくお聞きのとおりなんです。五十年末に三分の二以上ふやす計画で進めておりますか。
#45
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 苛性ソーダの水銀対策の抜本策といたしましては、御指摘のように隔膜法の推進でございますが、これにつきましては長官から御披露ございましたように、先般の水銀対策会議できまりました五十年九月を目途に私どもは鋭意努力をしてまいりまして、当初はこれまでの委員会でもいろいろ御説明申し上げましたとおり、関係資材の入手等とかあるいは関係技術の開発等、いろいろ問題もございましたが、その後鋭意私どもは努力いたしまして、そういった問題点を一つ一つ全部つぶしまして、その結果ただいま長官の御答弁にございましたように、現在のところは五十年九月の時点におきまして必要といたします能力の三分の二、これを隔膜法に切りかえるという計画を立てております。
 なお、ソーダ工場四十九工場ございますが、そのうちの約二十工場は四十九年九月までに全面転換をいたす計画でございます。しかしながらこれにつきましては、やはり関係資材の調達のほかに敷地の確保でございますとか、その他いろいろむずかしい問題もございますが、さらに私どもといたしましてはこの努力を続けるべきだと思いますし、また関係業界もその社会的責任を痛感しておりまして、その後も、言いかえますと五十年九月以降も、さらに努力を続けまして、できれば五十二年度末を目途に全面転換を実現するという原則を、この際打ち立てまして、五十年九月以降もさらに努力を続けるように業界も考えておりますし、通産省もその実現に一そう強力に行政指導をしてまいりたいと思います。
#46
○島本委員 それならば立法化をしてこれを促進することについて、通産省考えておりますか。
#47
○高橋説明員 これにつきましては、ただいま御説明申し上げましたように、一応の計画もできた次第でございますし、またこれにつきましては、隔膜転換は当然企業がいわゆるPPPの原則につきまして自主的にこれは実現すべきものでございます。言いかえますと、企業が社会的責任を痛感して、これはいわば自己の責任においてこれを実現するというのが原則でございますし、またそのような方向に向かっておりますので、現段階におきましては、私どもはこういった点につきまして立法化をする必要は一応ないのじゃなかろうかと思っております。
 なお、これの促進方につきましては、別途金融面あるいは税制面等でこの計画がスムーズに行なわれるよう現在いろいろ考えておりまして、これらの面につきましては、別途来年度の予算要求等において実現したいと思っております。
#48
○島本委員 今度は長官、やはりあなたが三分の二と言っていま三分の二に努力することになり、せめてこれが五十二年度の終わりには全面的にやりたいのだというところまでいったのです。昭和四十八年八月現在で隔膜法に切りかえは、通産省基礎産業局基礎化学品課では五十年九月には五〇%程度の転換しか行なわれないといっている。これははっきり文書による答弁なんです。それから金属電極法等必要な資材の製造に関しては海外技術に依存する面が大きく、これらの調整にかなり時日を必要とする。現在アメリカ及びイタリアに金属電極工場があるが、日本に輸出余力はない。また日本における金属電極製造工場も四十九年五月までには完成しない。したがってソーダは、排煙脱硫用吸収剤、中和処理剤として公害防止に用いられ、また副産物である塩素は、水道殺菌に用いられており、ソーダ工業における減産は国民生活に大きい影響を与える。以上のようなことから、立法措置によって水銀によるソーダを禁止することは適当でないものと考えるのだ、こういうふうに設論しているのです。これは五十年九月には五〇%程度、それをいま長官の一言で三分の二まで上がったのです。やはり、長官、あなたがしっかりしないとだめなんです。黙って国会ばかり延長していたら五〇%になってしまったのです。この点はひとつ、きょうの長官のヒットです。これも五十二年度末には全面的にこれを切りかえさせるということになると、いま言ったことはこれは全部解消しますから、これだけは長官、はっきりこの場で議事録にも確認されております。長官も聞いておるはずです。その点だけは、はっきりもう一回長官のことばを通して確認しておきたいと思います。あまりにもこの文書で来た回答と違うから、長官の御高見を承ります。
#49
○三木国務大臣 できれば五十年の九月までに全部隔膜法に切りかえられないか、これが推進会議における私の強い考え方であったわけであります。しかしいろいろな事情があってなかなかそこまではいかないということで、極力ということばを入れたわけでありますが、その後通産省の強力な行政指導、業界の協力もあって、その半分までというのを三分の二までやるということになったわけでありますから、一段と今後その三分の二をできるだけその率をふやして、水銀の汚染による禍根を断つことに今後強力にわれわれも努力をしていきたいと考えております。
#50
○島本委員 通産省の基礎産業局長おりますか。でなければ、どなたですか、そっちのほうの人ですが、いま長官言ったその言、もっと早めたいというのです。あなたはいま五十二年度末というのですが、五十二年度末なら五十年の九月からはまあ二年数カ月おそいことになります。これをやはり繰り上げてもっと促進すべきではないかと思うのですが、長官の意に沿うて努力をすべきだろうと思うのですが、この点はいかがですか。今度はあなたの御高見を拝聴します。
#51
○高橋説明員 お答え申し上げます。
 先生十分御案内のように、この電解につきましては、当初は極力努力をするということでいろいろ努力をしたのでございますが、どうしてもこれは半分ぐらいしかいかないというような当時は見通しでございました。実はそういったような時点での文書での御回答かと思いますが、その後、長官からも御披露ございましたように、私どもといたしましても鋭意これは促進すべきであると強く考え、また業界のほうも社会的責任を痛感いたしまして、このいわば五〇%が約三分の二の六五%ぐらいに実は率として上がってきたわけでございます。これにつきましても、いま先生御指摘のように、必要資材の調達の面でございますとか、技術の開発の面、実は私どもたいへんこの面につきましても業界と一緒になりましていろいろ努力をいたしまして、それぞれ解決のめどもつきまして、その結果この五〇%が約六五%まで上がってきたわけでございます。加えまして、先ほどお答え申し上げましたように、さらにこの努力は続けるべきだと思いますので、その後五十年九月以降につきましても引き続き努力をするというさらに決意を固めておる次第でございます。
#52
○島本委員 もっと早くならないかというのです。
#53
○高橋説明員 これにつきましては、私どもといたしましては、やはり業界と申しますか、ソーダ業界あげてのいわば根本の設備の入れかえでございますので、やはりそれぞれ時間もかかりますし、加えまして、公害問題につきまして資金の話もどうかと思いますが、約二千億円以上の資金も必要といたしますし、そのほか実はある工場等につきましては転換いたしたくても工場の敷地が制約がございまして一挙に全部つぶしてしまいますわけにはいきません。そういった場合にはとりあえずたとえば半分をつぶしまして、その半分の水銀法をつぶしてそこに隔膜法を建てている。そしてその工事が終わったら次にまた残った工場の水銀設備の半分をまたつぷしていくという、そういった工場もございますけれども、もちろん広い敷地がある工場は、先ほど御披露いたしましたとおり、約二十工場等につきましては、これは幸いにして敷地もございましたので、あいているところにこの際隔膜法をつくって、そして水銀法はつぶしていく、そういったように、たまたま敷地がある工場はそういったこともできますが、それぞれやはり、四十九工場ございますといろいろ事情もございますので、多少の早いところ、おそいところがあるのもやむを得ないかとも思いますが、要は、基本的には先ほど申し上げましたとおり五十二年度末を目途といたしまして、全面転換を原則といたしまして、私どもといたしましては今後さらに一そうの努力を続けていきたいと思っている次第でございます。
#54
○島本委員 次に、この第八番目にあげた原因者の追求、環境調査にあわせて原因者の追求を行なう、このことも長官は胸を張っておっしゃったはずでありますが、いまだに――私はそのままをノートしていますから、ここにあなたの感情も、こもっているんです。この原因者の追求は、十分やっておられますか。
#55
○岡安政府委員 汚染の地域におきましての原因者の追求につきましては、現在実施いたしております環境調査の一環としまして必要な調査を実施いたしております。私どもは、問題の九水域等につきましては九月末を目途に、その水域におきます魚の安全性のほかに、原因者を明らかにするというようなつもりで現在作業を進めている次第でございます。
#56
○島本委員 その他、まだあるのでありますが、それはまた次回に譲ります。これはまだまだたくさんある。
 それで、いま原因の追求はそれぞれ行なっているということであります。まず公害の原因を追求するということは、原因を発見して公害を起こさない、そういうような対策を講じさせ、その上に立って、今度は公害は一切予防する、こういうことでなければならない、こう思います。それで、公害予防のために、いま、基礎立法はございませんが、日照権の問題、環境権の問題、すなわち憲法十三条、二十五条、これらに準拠して、それぞれ、あるいは豊前、あるいは北海道、こういうようなところで行なわれているようであります。それに対して警察庁長官のほうから通達が出された、こういうように伺っておるのでありますが、警察庁長官は、この公害ということに対してどのような認識を持ってこの通達を出したのか、そのポイントを承りたい。公害というものは、あなたは初めてここへいらしたと思いますが、いままで数多いような、一つの日本の事件の象徴なんです。いわば焦点なんです。被害者と加害者しかないというような特殊性もあるんです。その中において今度通達を出されたこのポイントは、これはもう間違えたならばとんでもないことになるということを私は危惧するんです。今度出された通達のポイントはどういうところですか。
#57
○丸山政府委員 お答え申し上げます。
 長官所用のため、警察庁官房長でございますが、かわりまして御説明申し上げたいと思います。
 この八月一日に、長官通達をもちまして公害事案の取り締まりに対する基本的な警察庁の姿勢について第一線の府県警察に対しまして指示を与えたわけでございます。ここにおきます、ただいま先生御質問の、公害というものに対して警察はどういう考え方を持っておるのかということでございますが、この通達の最初のところに、公害の根本的な解決には主管行政庁を中心とする公害防止のための諸施策にまつべきものがある。これは在来から私ども継続して続けておる考え方でございますが、警察といたしましても、現在の公害情勢の現状にかんがみまして、公害の防止に寄与するという立場から関係行政庁と緊密な連絡を保ちながら、事案に即して警告、検挙等の措置を積極的に講じていけ、こういうことでございます。
 特に重点を注いでおりますのは、人の健康を害し、または日常生活に直接被害を与える事犯、たとえばカドミウム、シアンの化合物、水銀、こういったものが定められている基準を著しくオーバーして排出されるものというようなものでございますが、こういうものに重点を注ぐ。それからまた、いままでの検挙事犯でもたびたび多く出ておりますけれども、行政機関のたび重なる指導、命令にもかかわらず、それを無視してあえてシアンのたれ流しなどを敢行するというきわめて悪質な毛のがあるわけでございますが、こういったものに重点を注いでまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、こういった諸事犯にこういう重点を注ぐということによりまして、私どもの公害に対する基本的な考え方を御理解いただけるのではないかというふうに考える次第でございます。
#58
○島本委員 公害に対しては加害者と被害者、これよりない現状である。それに対して警察がはっきりと公害防止に寄与するための通達である、このことがわかりました。では、伊達火力のあの紛争の際に、六月十四日、七月十七日、そして八月の三日、数度にわたって機動隊を出さしてそして被害者側に当たる人を排除して、加害者側に有利にこれを指導したのは、公害の予防にどういうふうに寄与することになるのですか。解明願います。
#59
○丸山政府委員 公害に対する基本的な考え方、ただいま申し上げたとおりでございますが、こういった問題に関連をいたしまして各種の紛争事案が発生するわけでございますけれども、このそれぞれの過程におきまして暴行であるとかその他の不法事案が発生をいたしますことは、公害という問題が冠されるがゆえにこれを許容されるということではないと存ずるわけでございます。それぞれの違法行為というものは、やはりそれ自体決して起こってはならないというふうに私ども考えておるわけでございまして、先ほどお話のございました機動隊を出したのはどうか。これは一連の事件を先生、ずっと継続しておあげになりましたけれども、これはそれぞれの事案で、事こまかに申し上げますと、それぞれニュアンスが違うわけでございますが、私どもとしてはできるだけこういう事案の発生を未然に防止いたしますために、関係者に警告を発して、できるだけ話し合いによる解決の方法を選んでいただくようにお願いをしておるわけでございますけれども、不幸にして関係者が力と力で対決をするというようなところになります場合におきましては当然違法行為の発生が予想されるわけで、そのための機動隊の配置ということでございまして、基本的な考え方は、私どもとしてはいままでと全然変わっておらないというふうに御理解いただきたいと思います。
#60
○島本委員 すなわち六月の段階ではそういうような事態になることをあらかじめ予知されましたし、動きがわかりましたので、環境庁長官からも直接話し合いを行ないなさい、こういうようなことがそれぞれの機関を通して当事者にいっているわけです。話し合いをせよということなんです。環境庁長官だけではない。通産大臣からも通産局長を通してそういうような趣旨のことが流されている。それにもかかわらず、話し合いをしようとするのに話し合いをしないでそのまま強行しようとする態度があるとするならば、これはどちらが違法なんですか。どちらが行政的に――ちょっと、この「待った」をかけられなければならないところなんですが、被害者は被害者になることをおそれて、話し合いを詰めて、そしてその中でやりましょう、これをいっているのです。それを、もう時期がきたからやるんだ、話し合いは並行してやったらいいじゃないか。通産大臣も環境庁長官も並行してやれとは一言も言っていない。一方的にこれを会社側が、北海道電力側が押し付けている。これに対してすわり込んだ者を排除したのが機動隊です。北海道本部長の命令だというのです。本部長に聞いたら、長官からそういうようなことをいわれている。それならば、あなたのほうでありますが、これは一体どっちのほうが排除されなければならないのですか。公害では加害者と被害者しかないのです。警察は結局は加害者の味方をしたということになるじゃありませんか。これが厳正な態度ですか。公害予防に寄与する態度ですか。今後こういうようなものを依然として継続するというお考えなんですか。
#61
○丸山政府委員 ただいまの伊達火力発電所の問題でございますけれども、これは北海道の道警の本部長が長官からの指示によって動いたというふうに御説明を受けておられるかもしれませんが、私が知っている限りにおいてはそのような事実はないと思います。これは北海道警が独自に判断して行なったことでございます。ただ、結果的に見まして、それでは警察庁は違った考え方を持つのかという御質問があれば、それは北海道警がとった措置は全く適正であったというふうに私ども考えております。(島本委員「おります、ですか、おりません、ですか」と呼ぶ)考えております。適正であったと思っております。私どもも、どういう措置をとるかというふうに御指摘がございますれば、やはり北海道警と同じ措置をとったであろうというふうに考えるわけでございます。その理由といたしますのは、先ほども申し上げましたように、あらゆる段階において違法行為というものは決してあり得てはならないという基本的な考え方によるところでございます。
#62
○島本委員 では、公害をめぐる紛争処理については今後どういう姿勢をもって警察は臨むのですか。
#63
○丸山政府委員 これもこの長官通達の中に明記してございますが、「公害をめぐる紛争事案の処理については、事案が違法行為に発展するおそれのある場合は、紛争の原因、当事者の動向、行政機関の対策等を早期かつ的確には握し、必要に応じて、関係機関、当事者に対し、警告、申入れ等の措置を行ない、その未然防止に努める。」ことということになっております。今後もやはりこういった方針を貫いてまいりたいというふうに考えております。
#64
○島本委員 そういうようなことであるとするならば、もっともっと慎重な態度がなければならない。と申しますのは、まず阻止運動なり反対運動が起きると警察権が機動隊をもって介入してくる。そのあとには公害企業が進出する。そしてその反対する運動がそこで終息する、衰退する。その結果が企業活動を展開することによって、いまばらまかれている公害が日本列島を公害化してしまっているのです。それが過去の事実なんです。これに対しても同じようにやっていくとするあなたのその考え方、これは認められません。なぜならば強行着工して機動隊が出動する。これに対して全部が了解しているという態度ならいいんです。一方的だという強い批判の中でこれを行なっている。まして大臣や長官が話し合えということに対して話し合わないで、言語道断、北電側の指示に基づいてこれは行動している、これがまたあたりまえだとあなたはおっしゃる、とんでもないことです。そしてその理由は、公害防止に寄与する、国民生活を守る、こういうようなことだとする。まさにこれは一方的な解釈になる。こういうようなことになるじゃありませんか。その際にも、どうしてそこにいる人まで全部二回、三回にわたって逮捕したのですか。その逮捕したその理由をはっきりさしてください。
#65
○丸山政府委員 これは一つ一つ事案が違いますので、総括して申し上げますとあるいは誤解のおそれがあるかと思いますが、一般的には、私どものこの職務執行の基本は、それぞれ違法行為が行なわれておるということにより、その現行犯逮捕をするということで身柄の拘束を行なうということでございますが、同時に警職法の五条によりまして現に犯罪が行なわれておる場合には、あるいはそのおそれがある場合には制止ができるということでございまして、その違法状態の継続を中断をするために身柄を押える、こういうことがあり得るわけでございます。全部の事案につきまして全部身柄を拘束しておるのではございませんで、それぞれ現場におきまして違法行為が継続するおそれのある場合を除きましては、任意の取り調べを行ないまして、それぞれ事件を書類で送致をしておるということでございます。
#66
○島本委員 七月の十七日にこれは北海道の伊達市の有珠という場所の生活館、ここで北海道電力と漁民との間でいろいろ話し合いが行なわれたわけです。午後四時ごろです。そして千石正志という、これは漁民側の代表の人です。この人は機動隊のために六月十四日段階でそのたてに押されて、頭をぶつけられたりして脳震盪を起こして一時人事不省にもなった人なのであります。救急車で入院をした、六月十四日。こういうような人なんですが、その後七月十七日に再び交渉を始めて、その際北海道電力の末廣という火力課長がその場所で口頭であやまっているわけです。行き過ぎであった、自分らが至らなかった。なぜあやまるのですか。なぜ行き過ぎだったとあやまるのですか。なぜ至らなかったといってあやまるのですか。そしてあやまっている最中に、これはただあやまるのでは困るから文書でこれを書きなさいといって、今度は文書に書いて署名、捺印までしたのです。そしてそのときに若干こづいた、こづかれない、こういうような事件があった、それに対して北海道電力側では告訴もしないし、告発も申告も何もしない。ふろに入ってみたらやはり手が重かった。若干の傷があると思った。それで医者に行ってみたら何日かの傷だという診断書を書いてくれた。そのことをもとにして今度はもう三人の人を検挙しているのです。こういうようなことはどういう意味なんですか。事件はその点ですでに加害者側と思われる人たちもその場所にはっきりいて逃げも隠れもしていないでしょう。そしてあやまっている事実は万人が認めておるでしょう。そのわび状に署名捺印している、そのことも現存しているでしょう。そして会社側がそれの告訴もしない、申告もしない、何にもしないのに警察が出ていって、そしてそれに対して検挙しておる。一体これは公害防止に寄与することになるのですか。激発に対して油を注ぐことになるのですか、いずれなんですか。こういうことで警察権を導入して公害の防止、紛争の防止になりますか。これは何たることですか。こういうようなことをしていて、そしてこれが公害の防止に寄与することになるとするならばとんでもない思い上がりです。こういうようなことは許されないことです。被害者と加害者しかない公害事犯において、いまの機動隊を導入したりして全面的に加害者の有利のためにこれを導入しているじゃありませんか。これが警察の今度の通達の本意ですか。これは通達が出て以後なんです。こうだとするならばとんでもないことだといわざるを得ません。警察は今後紛争処理に対して、行政にまで関与してこれはもう紛争処理に当たるつもりなのですか。これはそれのための通達なのですか。
#67
○丸山政府委員 行政に関与するということは、私どもは直接行政上の権限は持っておりません。問題は先ほどから申し上げておりますように違法行為が発生することが明らかに予想されるという場合に、それぞれの関係者、当該行政庁あるいは企業なり、あるいはそれの反対運動をなさっておる方々、こういったところで、その違法状態の発生を回避する最善の努力をしていただくように、私どもの知り得ておる情報に基づいてお願いをするということでございまして、私どもが直接行政上の権限を行使するということではございません。
 それから先ほど事例をあげられました北海道電力の火力部長でございますか、七月の幾日かにございました事案でございますが、これはけがをされた御本人から告訴が北海道の警察に提出をされまして、それに基づいて私ども捜査をいたしておる事態でございます。
#68
○島本委員 十七日の四時現在、それももうそういうようなことがない。その後伊達警察のほうから行って告訴しなさい、こういうようなことを言って、そのあとからやっているのです。何のために警察は告発せよとか告訴せよとか言わなければならないのですか、意思もないのに。こういう事態なんです。一つ一つ、言っていることと前後の関係なんか全然まるきり逆じゃありませんか。それだけじゃないのです。ほんとにいま官房長が言うようにして違法行為があると予想される場合、こうするならば、当然そういうような場合には双方に引かして、そして、そういうような危険な状態になることを避けさせる交渉の場を警察がつくってやる、こういうようなことこそ企業と住民の激突に対して警察が処置する一つの方法じゃございませんか。一方の要請にこたえて、そして一方的にこれを強行させること、これに寄与することは、何らこれは予防に寄与することにもならない。
 東大の藤木英雄という教授も、この点に対して明確に言っているじゃありませんか。警察がもし民事不介入の線に沿ってその範囲で行動するとするならば、そういうような激発されるような際には、双方引かせる、そうして交渉の場をつくるというのが正しいやり方ではないかと言っているのです。まして、環境庁長官、通産大臣双方から、それぞれに機関を通して、十分話し合いをしなさいというようなことが言われているのです。言われていたらなおさらのこと、こういうようにしてやるのが、現地の警官としての当然のやり方じゃありませんか。双方引かせる、そうして交渉の場をつくって、自分らもそこにいてもよろしい、話し合いをしなさい、一方が暴力的でどうしてもだめだというならそのときこそやる、こういう努力をしましたか。しないで、初めから会社側の要請にこたえているのです。
 同時に住民側から、会社側の要請にこたえるのはいままでの公害行政としてもわれわれは納得できない、われわれの立場を救ってもらいたいというような一つの要請が出されたはずです。なぜこの要請にこたえないのですか。そうして加害企業と思われるほうにばかり機動隊を出して援助させるのですか。それがこの通達の趣旨なんですか。藤木教授もはっきりこの問題に対して言っているのですが、この考えに対してあなたどう思いますか。
#69
○丸山政府委員 ただいま御引用になりました東大の藤木教授の意見は、新聞で私ども拝見をいたしておりますけれども、この民事不介入ということは、私どもの取り扱います犯罪捜査ということに直接関係のない問題については私どもの立場としてそれに介入をしないということが、民事不介入の原則という言われ方をしておるものでございます。この公害に伴っていろいろ出てまいります紛争事案というのは、その紛争事案といわれるものそれ自体がすぐ違法行為につながるというふうに断定はできませんけれども、これも個々の事案によって十分検討すべきことでございますが、一般的な方針といたしましては、公害事案に発展するおそれがある、きわめてその可能性が強いという問題については、私どものほうから関係者に、その事態を回避するようにそれぞれの立場で検討していただくという申し入れを行なう、あるいは警告をするということは、ただいまの藤木教授の言っておることと私どもの基本的な考え方とは大体同じことではないかというふうに考えるわけでございます。
#70
○島本委員 第三回目になりますか、四十八年八月三日、このけがをして人事不省にまでおちいった千石正志という人ほか二名の人たちを逮捕した。これは逮捕する理由は何なんですか。またその必要があったことなんですか。これはまさに、われわれが見ても、最も妥当でもなければ、こんなことを認められないようなやり方です。
 けがをした人、それによってもうはっきり被害を受けている人をなぜ逮捕するのですか。そうした警察の行き方は、どういうようなことを目的にしてやったことなんですか。公害の予防に寄与するためですか。これは私はもう了解できない。
#71
○丸山政府委員 八月三日の事案でございますが、これは午前八時半に、エントモ港湾建設現場で、コンクリートミキサー車などを取り囲んで漁民と学生ら三十八人が約四時間半にわたって作業を妨害した、こういう事案でございます。これにつきましては、北海道警察の判断は威力業務妨害になるということで、警告を発したわけでございますが、これに従わなかったので、この反対派の活動を指揮しておりました、ただいまの有珠漁協青年部員でございますか、この人を威力業務妨害罪で現行犯逮捕をいたした、こういう事案でございます。
#72
○島本委員 海面を埋め立ててその水質を汚濁しておった、くい打ちによってその騒音が周囲を圧して、これももうとんでもないごう音を発しておった。なぜこういうようなものを取り締まらないで、そうしてそういうようなことを摘発する人を取り締まるのですか。この場合、騒音防止法にひっかかりませんか、水質汚濁防止法にひっかかりませんか。これを調査しましたか。その要請になぜ警察はこたえないのですか。
#73
○丸山政府委員 ただいまの水質汚濁防止法違反、騒音防止法違反でございますが、これについては、その面についての関係者からの御指摘はございませんでした。
#74
○島本委員 御指摘はございませんでしたというのは、あなた、何を根拠にしてそう答弁なさいました。
#75
○丸山政府委員 北海道の道警から、そういった報告が参っておりません。
#76
○島本委員 やった本人から、やったというようなことをどうして言ってきますか。道警からの報告によるからそういう答弁になるのです。
 まさに行った人たちは、すでに火力現場で、海面埋め立てによる水質汚濁、くい打ちによる騒音公害、これが出ているから取り締まってくれと要請しています。なぜその要請を受けないのですか。この事実について十分調べてもらいたい。
 まして、それだけの問題じゃないわけであります。逮捕することによって漁民の生活が、いわばホタテの稚貝採取、それから当時コンブ漁がございました、こういうようなものに対して重大な影響を与えているのです。海で自分の生計を立てている人が、そういうふうにして荒らされる。それを黙ってその場で実力の行使もしないで見ている。また、それを阻止すると暴力だと言われる。
 一体暴力というのはどういうことなんですか。自分の生活を奪われるために、身をもってそれをやめてくれと言うことが暴力なんですか。被害者と加害者しかない公害行政の中で、いつでも加害者の味方をするのが警察のつとめなんですか。もう皆さんには発想の転換が必要です。こういうようなことはちょっと許されないのです。
 海面埋め立てによる水質汚濁の問題をあわせて、当時この騒音がどういう状態であったのか、もう少し詳細に調べて、これは資料として私は要求したい。
 それと、千石正志さんとその後有珠の人が二名ですが、それらの人を逮捕した、この逮捕した理由は何かということを、もう一回はっきりさせてもらいたい。
#77
○丸山政府委員 八月三日は事案が二つございまして、ただいまの千石さんでございますか、これは先ほど申し上げたとおりでございます。第二回目は、漁民と学生ら八十人が漁船十八隻に分乗いたしまして海上からエントモの港湾建設現場に押しかけまして、そこで潜水船、引き船などに乗り移って、その潜水船のアンカーを切断をして妨害をしたということでございます。漁船のほうはいまの作業船の進路に立ちどまって進行を妨害する。実はこれは潜水夫が作業中でございまして、海の中で仕事をしておったときでございます。潜水船がアンカーを切られましてこれが漂流いたしますので、きわめて人命に危険があるという状態でございまして、このときに学生風の男三人を威力業務妨害で緊急逮捕した、こういう事案でございます。
#78
○島本委員 それは北海道本部長からきたものですから、自分に都合のいいことしか書いてない。なぜあなたのほうで進んでこの住民の意見も聞いてみないのですか。違法行為があるから逮捕は当然だ、あなたはそうおっしゃっている。この人たちは逃げも隠れもする人じゃないんです。そこに住居をかまえている人なんです。この容疑は破廉恥ではないのです。出頭要求の必要があるならば、積極的にそれをやったらいいじゃないですか。すぐそれを逮捕するという警察の行為は北海道民との間に相当鋭いギャップをつくっておるということ、これを官房長にはっきり申し上げておく。
 それと同時に、いま反対しておる人たちは生活をかけておる。権力も金もない人なんです。自分だけの力で解決するということにもなかなか容易じゃない人たちなんです。それで行政機関に協力を求める、こういうような人たちなんです。したがって公平でなければならない。その皆さんの態度は、全部企業寄りではありませんか。以前には、さっき言ったように、七月十七日についに末廣という火力部長が皆さんの前に謝罪した。そしてそのあとで、口頭であやまってもだめだからということで、文書で署名捺印までさせられた。そのことに対して、謝罪文の無効を裏づけするために警察がこういうような強制捜査をしたのじゃないかとさえ言われているんです。新聞の社説でさえもこれを言っているんです。もっと考えないといけません。いま日本国じゅうの公害を防除するためにも、環境破壊を防止するためにも、重大なその焦点に立っているじゃありませんか。一方的に破壊者、加害者のほうに味方する、これが警察の行き方であってはならないのです。
 私はこの際、委員長に要請いたします。いま北海道木部長は警察庁長官の指示ではない、そして行動したとあなたはおっしゃった。そうするならば、いままで私どもは警察は全部一本になって警察庁長官の命令によってやっていたと聞いている。でもこれは違いがあります。まして千石正志さんが逮捕されたというようなことになりますと、これは被害者です。被害者を逮捕するということは、私は公害行政の中では何としても理解できない。まして、何のために通産大臣や環境庁長官――環境庁長官は副総理です。その人たちの要請を無視して強行に踏み切ったか、岩本北電社長の真意がわからない。まさに行政が独走しているようなものじゃありませんか。ましてこれを支持しているというような態度は許されないでしょう。この三人を証人として喚問することを委員長に要請いたします。
#79
○佐野委員長 ただいまの島本委員の要請につきましては、後ほど理事会において検討したいと思います。
#80
○島本委員 いろいろあるのであります。いろいろあるのでありますが、時間もだいぶ来てしまったので、まだ苫小牧東部巨大開発に対して政府が行なった環境アセスメント、これがいま環境庁が言ったとおりに実施されようとしているのかされないのか。当時は鉄鋼が来ないという条件であったが、いま来る準備がもうなされておるのであるが、これは一体どうなのか。それから環境を守るために、大雪の縦貫道路が調査を経ないままに林野庁が林道をつけたといううわさがあるがどうなのか。この北海道には依然としてこういうような行政先行というか、長官の裏をかくような行き方が横行している。こういうようなことは許されません。
 時間が来てしまいましたから、これは他日に譲りまして、私はきょうはこれで質問を終わらせていただきたいと思います。
#81
○佐野委員長 荒木宏君。
#82
○荒木委員 いま環境庁が関西で光化学スモッグの大気汚染調査をやっておられる。それと並行して、しかしそれとは別途に運輸省が空港設置を前提にした調査をやっていらっしゃる。現状は光化学スモッグがたいへんふえてまいりまして、国民の皆さんは一日も早くこういった不安を解消してほしいと強い要望があり、運動が起こっております。そして、それを受けて地方自治体は、それぞれ関係住民と協力をしてたいへんな努力を続けておるわけであります。ところが、調査にあたって地元の住民の皆さんと紛争が起こっている例があります。先ほども御指摘がありましたが、調査においてすらそういった事例が見られる。
 そこで長官にお伺いをしたいわけでありますが、この公害調査にあたって、地方自治体とどういうふうにひとつやっていくか、この原則といいますか、基本方針について初めにお尋ねをしたいと思います。
#83
○三木国務大臣 公害防止については、私の基本的な考え方は、政府も自治体もともに協力し合わなければ、公害防止ということを効果的に進めていけない。それは何かといえば、現地の事情を一番知っておるのは地方自治体ですから、ところがまた政府とすれば全国的なもう少し広い視野もありますし、あるいは財政力もございますし、そういう意味で政府は政府としての特徴を持っておるけれども、だといって現地の実情を詳細に知ってないものがいろいろな計画を立てることは机上のプランに終わりがちな場合もありますので、いままでもそうでありますが、今後も政府と自治体というものが一体になって公害防止を進めていきたいというのが私の基本的考えでございます。
#84
○荒木委員 そこで、今回の環境庁が関西でやっておられる大気汚染調査について局長に伺いたいと思いますが、これは関係自治体とどのように協力体制を組まれたか、この点をかいつまんでお伺いをしたいと思うのです。とりわけ公共施設利用の場合の手順、手続と申しますか、そういったやり方についても御説明をいただきたいと思います。
#85
○春日政府委員 お答え申し上げます。
 手続全般につきましてかいつまんで申し上げて、あとでこまかいことを申し上げたいと思いますが、昭和四十八年度のこの光化学反応による大気汚染調査の手続でございますが、まず私どもは四十八年の四月二十五日付で光化学反応による大気汚染調査委員会の委員をまず委嘱いたしました。もちろん同時にその分科会として大気調査分科会の委員も委嘱してまいったわけでございます。かくいたしまして、私どもは調査委員会及び大気調査分科会によって、具体的な大阪湾を中心といたします光化学反応に基づく大気汚染の調査の大綱をきめてまいったわけでございます。そこで、調査個所をどういうところにするかという決定の問題、先生のお尋ねの一つであろうと思いますが、これは環境庁から委託いたしました各府県が調査個所をみずから決定いたしたわけでございます。使用許可の申請は各府県から関係する市町村に文書で出していただいた、こういうふうに聞いておるのでございます。
 それから一つ、多少のごたごたがあったというお話は、おそらく泉佐野第一中学校から岸和田の第八中学校に調査地点を……(荒木委員「それはけっこうです」と呼ぶ)よろしゅうございますか。そういうことでございまして、たとえば大阪府が委託いたしました日本気象協会が中学校を使うような場合には、使用許可願いというものを出しております。それによって行なっております。まあ使用届けそれから取りやめるようなときは口頭の報告もいたしておりますし、具体的ないろいろな問題がございますが、大ざっぱなところ、そういった次第でございます。
#86
○荒木委員 確認をさせていただきます。調査委員会に関係自治体の担当者が入っている、こういうことですね。それから使用許可願いに調査目的を明示をする、こういうことだと思いますが、いかがでしょう。
#87
○春日政府委員 第一のお尋ねの、調査委員の中に地元の人間が入っておるかというお尋ねでございましょうか。(荒木委員「そうです」と呼ぶ)これにつきましては、たとえば光化学反応による大気汚染調査委員会の委員の中には、大阪大学の名誉教授の梶原先生とか、あるいは大阪府公害監視センター所長の大塩さん、それから京都大学防災研究所の教授の中島先生、それから兵庫県の公害研究所の渡辺先生等がもちろん入っております。
 それから分科会のほうでございますと、ただいま私が申し上げました先生方のほかに、多くの大学あるいは地方自治体の担当者が委員として入ってございます。
 それからおそれ入ります、第二の……(荒木委員「目的の明示」と呼ぶ)目的の明記は、もちろん大阪湾地域におきます光化学反応の解明ということは明記いたしております。
#88
○荒木委員 いまのようなやり方で、調査はいま円滑に進んでおりますでしょうか。環境庁がおやりになっておる調査の実施状況でございますが、特に支障は出ておりませんか。
#89
○春日政府委員 特に支障は出ておりません。若干の手違い等はございましたが、それはほぼ解決ついております。
#90
○荒木委員 環境庁の調査はわかりましたが、今度は運輸省のほうにお尋ねをしたいと思いますが、この空港建設を前提にした調査につきましては、御案内のように各自治体から陳情、要請が次々と出されておりまして、設置そのものに対する要請もあり、また調査についての陳情もあります。運輸省からいただいた資料によりますと、昭和四十五年の八月十八日、大阪府南部の三市五町の市長、町長から、「国際空港設置については、住民の不安なり焦燥を来たす調査、測量等についても絶対に行なわないように、ここに関係首長連署の上陳情いたします。」こういうのが出されておりますが、これは一例でありますけれども、こういった調査についての陳情の趣旨をどのように理解していらっしゃるか、これを政務次官から伺いたいと思います。
#91
○佐藤(文)政府委員 新関西空港の問題については、いま先生が言われたような陳情とかその他、伊丹空港と関係しまして、伊丹空港と新関西空港との関連性においてのいろいろな陳情書がたくさん来ております。したがって、その地域住民なり地方自治体のそういった陳情の要旨を十分行政の上で生かしながら問題を処理していくようにということを厳重に守らせるように指示をいたしております。
#92
○荒木委員 飛行場部長に伺いますが、本件の調査、つまり関西空港の設置を前提にした、いま運輸省がやっておられる環境庁とは別途の調査、これについては、株式会社気象公害研究所が当たっておると聞いておりますが、この実施契約が成立したのはいつですか。
#93
○隅説明員 お答えいたします。
 本件の契約につきましては、八月の二十日をもって契約が行なわれております。
#94
○荒木委員 そうしますと、八月二十二日実施でありますから、契約成立後、中一日おいて実施をした、こういうことになりますね。地方公共団体の施設である中学校の校舎、校庭が使われておるようですが、この使用にあたって調査目的を地方公共団体の責任者に明示をしたかどうか、これを伺いたいと思います。
#95
○隅説明員 本件につきましては、地方公共団体に使用許可を申請いたしますとき、大気汚染の調査ということでこれを明記いたしまして、使用の許可を申請いたしました。
#96
○荒木委員 問題を少ししぼってお尋ねをいたします。
 使用許可申請書に使用目的は記載をいたしましたか。泉佐野教育委員会あてに出された使用許可願いがありますが、使用目的はどのように記載をしておるか、その点について答弁をいただきたいと思います。
#97
○隅説明員 先生のお話しのように、運動場の使用許可書あるいは学校施設使用許可願いのところで、使用目的を明白に書かないで使用日時だけを書きまして泉佐野教育委員会に出したことは事実でございます。
#98
○荒木委員 調査が始まって一週間になるかならないかですけれども、今回の運輸省のやられた空港設置を前提にしたこの調査、これは支障が起こっておりませんか、起こっておりますか。
#99
○隅説明員 本件は、八月の二十二日から泉佐野で調査を開始いたしました。それで二十二日に泉佐野の市長から責任者が呼ばれまして、市会議員の方からこの問題についていろいろの御質問を受けました。その翌日、市立第一中学校の校庭の使用をやめまして、別のところにヘリコプターを移しまして、二十二、二十三の調査は一応完了いたしました。また神戸におきましても、ヘリポートの使用につきまして若干の問題がございましたけれども、このヘリポートを移転することによりまして神戸地区の調査は無事終了いたしております。
#100
○荒木委員 住民の方との間ではどうだったでしょうか。たとえばヘリコプターから噴霧するトレーサーガスの収集箱の設置、その管理についての紛争はどのような状態でしたか。
#101
○隅説明員 お答えいたします。
 大体、泉南市を中心にいたしまして四十カ所の、この六弗化水素でございますか、このガスの収集をする器具を設置いたしましたが、その中で二カ所――一カ所は完全にスパナか何かでこわされておったようでございます。一つは投げた形跡がございました。また一カ所におきましては、この調査の目的について地元の方から抗議を受けたように報告を受けております。
#102
○荒木委員 長官にお尋ねをいたしますが、先ほど公害調査の政府としての基本方針を示されました。そしてまた環境庁が同時にやられておる調査については、その方針に沿うような形でやられておる旨の説明も受けました。ところが運輸省がいまやっておるこの調査について実情を聞きますと、地方公共団体に提示をした許可申請書に使用目的を書いていない。そして市長からは、その場所は移ってくれと言われた。また住民からは、これについては困るという抗議が出る。果てはこの収集箱の破壊といったような事態が起こってくる。そこで、私は、このような摩擦を生ずるような調査、これはよろしくない、かように思うのでありますが、長官の御見解はいかがでありましょうか。
#103
○三木国務大臣 まあ個々のケースについてはいろいろな事情もあるんでしょうけれども、原則的には、いろいろ調査をするときには、自治体はもちろん、地元民の協力を得られるような条件のもとで調査を進めることが原則としては好ましいと思います。しかし、具体的な例の場合にはいろいろ特殊な事情もあると思いますが、原則としては、やはり自治体と地方住民との間に調査をすることに対して話し合いが円満について、協力体制をとることが調査の効果をあげるゆえんだと考えております。
#104
○荒木委員 そこで運輸省の政務次官にお尋ねをいたしますが、いま長官が言われたこの原則、それと照らしてみて今回の運輸省調査、これは私はこの原則に沿っていないというふうに考えざるを得ないと思うのです。したがって、今後はこのような摩擦を生ずるような調査はするべきではない、地方自治体の市長、町長がそろってそういう要望も強くしており、それは尊重すると先ほど言われたんでありますから、今後の問題として、かような調査はやるべきではない、かように思いますが、いかがでしょうか。
#105
○佐藤(文)政府委員 この問題が起こりましてからある新聞を私、見まして、おかしいなと思いまして、大阪の飛行場に行きまして飛行場長に会いまして、その実態を私、二回調査をいたしましたが、なぜ市長さんがそこの場所を変えろと言ったのか、こんないいことをするのになぜだろうかなという疑問を率直に持ったわけです。それから帰りまして航空局の担当官に、この実施をする前に私がその書面を見まして、環境庁と一緒にやるということだからよろしいという許可を与えたもんですから、責任上、その過程を聞きましたら、なるほど大阪府を通じ、そしてその過程ではそれを担当する業者を通じてそういう書類を出しておるということで、これはちょっとわれわれの趣旨と違うんじゃないか、直接市長に、あるいは教育委員長に、あるいは教育委員会にそういう趣旨をしっかり説明しながら書類を出していく、こういうアクションがなければ――成田でこんなに苦労しているのに一体なぜそういうことをしないのかということを、私は、自分の立場上、また自分の考え方がそういうことですから、言いました。したがって、率直に言って、その点、理解を求める努力が足らなかったと思いますので、今後こういうようなことのないように指導していきたい、私はこう思っております。
#106
○荒木委員 いまの次官の御答弁で一言申し上げておきますが、環境庁と一緒にやる調査とおっしゃいましたが、これは事実と反します。これは環境庁自身が今回の運輸省の調査と時期は同じくして行なわれるけれども、内容は別途のものである。あとの処理の段階での関連はあるいはあるかもしれませんけれども、予算措置も別なら実施期間も別なんですよ。いまおっしゃったように、一緒にやられるというふうなお考えで、しかも地元の自治体関係者にはそういったような誤解が生じたその機会に、使用目的すら書かないで、ルールに反した形でやられる、これじゃもう紛争が起こるのはあたりまえです。したがって、今後はこのような摩擦が起きるような調査はもう二度とやらぬように、しっかりと指導を強めていただきたい。再度お伺いいたします。
#107
○佐藤(文)政府委員 行政レベルでこれでいいんだなと思っても、こういう大気汚染の調査をしたり、新空港に関係のあるような非常に重要な問題については、これは政務次官を盲腸にしたらとんでもないことだぞ、こういうぐあいに私、言ったわけです。
 そして、そういう相談があって、政務次官はひとつ泉佐野市長に電話でもって、こういうことをやるんだから、こういう目的だから御理解頼みますとか、あるいはその地域の各政党、やはりそれぞれの立場の方がおるので、こういう目的でこういうことをやりますから御協力願いますといったようなことをやらなければ、成田をやっている経験から見て、空港建設はできないです。私、それをすっぱく関係者に申し上げました。したがって、いま先生が言われるような盲点が確かにありましたので、今後そういう考え方で地域住民に理解を求め、その理解を求められないときには、調査の時期を若干先にずらしても理解を求めつつやることが近道である、私はこういうぐあいに考えております。
#108
○荒木委員 この点については、政務次官御自身も実施主体が環境庁と一緒だというふうに思っていらっしゃった。ですから、言うなれば、航空局の部内においてこういう次官に対しての連絡すらしっかりされていない。いわんや地元の自治体には通りようもない。しかも、私が直接この教育委員会の担当者から聞きましたところによりますと、環境庁がやる調査だという説明も受けた。こういう不安を起こすような調査をやるなという要望が非常に強いということは御存じのとおりであります。考えようによっては、使用目的を書かないで――出せばなかなかやれないから、書かないでやったというふうな、そういう卑劣なやり方をしたというようにもとられかねない経過でありますから、この点については、当該の部局に特段の指示を願うとともに、今後運輸省としてはいま言われた趣旨は厳格にやっていただきたい。
 なお、この問題については、関係の自治体の責任者に運輸省からしかるべく謝意を表される必要がある。今後のためにも、これはやはり悪いことは悪い、至らざるは至らざると、はっきりすべきだど思いますが、この点いかがですか。
#109
○佐藤(文)政府委員 これは私の責任で、泉佐野市長、それから御迷惑をかけたところには、私の立場で電話なり連絡をとりまして、その趣旨の誤差のあったことだけは了解を求めたい、こう思います。
#110
○荒木委員 次に、今回のこの調査の内容についてお尋ねしたいと思います。
 長官にお尋ねをいたしますが、光化学スモッグの発生原因を究明し、適切な防止策をすみやかにとる、そのために研究を進めるということは非常に重要なことであり、緊急に求められておると思うのでありますが、この点についての環境庁の御方針を承りたいと思います。
#111
○春日政府委員 お答え申し上げます。
 第一次汚染物質が光化学反応によって第二次の光化学オキシダント等を発生いたしまして、いわゆる光化学スモッグが発生するわけでございますが、さらに第一次汚染物質等との共同作用によりましても、いろいろな人体影響あるいは植物に対する影響も起こしてくるわけでございますが、第一次汚染物質で最も重要なものは、何と申しましても窒素酸化物、いわゆるNOxと称するもの、それから炭化水素でございます。したがいまして、その両物質の大気中におきます寄与率の問題あるいは各固定した発生設備、それから移動発生装置、そういったものの発生いたしますいわゆる排出係数等の調査、こういったものをまず基本的に行なっていかなければならないと考えております。
 さらに、光化学スモッグと申しますのは、決して一都道府県にとどまりませんで、二、三県あるいは五、六県というような広範囲にわたってまいりますので、広範囲な調査というものが必要になってまいります。そこで四十七年は、いわゆる東京湾周辺の東京、神奈川、千葉、埼玉の一部を含めた調査を行なってまいり、ことしはさらに大阪湾、大阪、奈良、和歌山等の広範囲な調査を行なっておる次第でございます。しかも大気中の化学物質の測定でございますので、いわゆる平面的なものではございませんで、立体的な調査と、それから地上調査というものが組み合わさっていかなければならないと考えております。
 それから光化学反応の被害につきましては、従来とも人体影響のみが強調され過ぎた憂いもございますが、植物等に対する影響も今後の研究の重大なるテーマであろう、かように考えておる次第でございます。
#112
○荒木委員 ここで光化学スモッグの発生状況と被害についてお尋ねをしておきたいと思いますが、四十七年、四十八年の、たとえば大阪府、兵庫県での注意報の発生状況、それから被害届けの人員数、これについて報告をいただきたいと思います。
#113
○春日政府委員 八月十一日現在でお答え申し上げます。
 大阪の光化学スモッグは、予報が三十六回、全国は三百六十一回でございます。注意報が二十二回、全国は二百七十一回。(荒木委員「四十七年と比べて四十八年はどう増加しているか」と呼ぶ)それはあとで申し上げます。警報はゼロ、これは全国もゼロでございます。被害者数が三千九十三人、全国は二万八千六百五十一人、こういうことになっております。
 四十七年と四十八年の大阪地域の予報、注意報等につきまして月別に申し上げます。四十七年の五月は二百四十九人の大阪府におきます被害がございましたが、予報は大阪を中心として三回、これが四十七年五月でございます。それから堺及びその周辺が四回、泉南地域も四回、こういうことになりまして、全府の回数は四件ということでございます。これが四十七年五月。四十八年五月はやはり予報は四件でございまして、泉南地域はございません。被害者は二百三十九人ということになっております。
 それから六月は大阪府全体の被害者が七百四十二名でございまして、大阪の予報が二回、それから注意報が一回でございます。それから堺及びその周辺が予報が五回、注意報が三回、泉南地域が四回と三回。したがいまして、全府の回数は予報が五回、注意報が四回。本年の六月は大阪市で予報が六回、注意報が五回、堺及びその周辺が七回の四回、泉南地域は四回の二回。被害者は八百七十名と考えられております。
 七月は昨年が大阪が予報が二回の注意報が二回、それから堺及びその周辺が三回の二回、泉南地域は四回の三回。被害者が百十六名。本年の七月が予報が大阪市は七回、注意報が三回、堺及びその周辺が九回の四回、泉南が四回のゼロ回。それから被害者につきましては現在集計中ということでございます。
#114
○荒木委員 資料をいただいておりましたので、私のほうでまとめた数字を申し上げますので確認をしていただきたいのですが、大阪が被害届け人員が年度別に見て四十五年ゼロ、四十六年千六百人、四十七年千五百六十五人で、本年が八月十一日までで三千九十三人、よろしゅうございますか。兵庫が四十五年ゼロ、四十六年三人、四十七年四百三十人、四十八年八月十一日までが九百八十五人、ずっと四十五年、六年、七年、八年とふえています。本年は八月十一日までで昨年に比べて著増している。
 注意報の発令回数は大阪が四十七年十八回、これは四月から十一月までですが、本年は八月までですでに二十二回、兵庫が昨年十九回で、本年は同じく八月十一日までで二十回。
 ですから、発令回数も被害もふえてきている。先ほどの数字とこの傾向はいかがでしょうか。
#115
○春日政府委員 おっしゃるとおりだと思います。
#116
○荒木委員 そこで、この光化学スモッグの発出原因なりあるいは防止策の解明、研究がきわめて喫緊なことだと思うのでありますが、時間の関係がありますので項目を申し上げますから、それについての研究がどの程度であるか、これをひとつ御答弁いただきたいのです。
 光化学スモッグの発生原因、これの解明ですね。それから原因物質は移動発生源、固定発生源。移動の場合も工場群とか飛行機とかありますが、その主要汚染源の寄与率ですね。
 それから航空機から排出されるNOxあるいはTHC、これの総量計算ですね、これは推計になると思うのですけれども。あるいはたとえばアメリカの自動車におけるマスキー法のような、ああいったのが航空機のこの汚染物質の排出について規制措置がとられているか。そしてエンジン改良についていま指摘があるようですけれども、たとえば煙突について見られる二段燃焼法とか脱硝装置とか、そういったものが航空機から排出される汚染問題について改善の見通しがあるのか。
 それから諸外国の例としては、たとえば一九七〇年にニューヨーク州の司法長官が、アメリカの主要航空会社十八社と日本航空を含む外国航空会社十一社に対して、この規制措置をとるようにニューヨーク州の最高裁判所に倍発をいたしましたが、この点についての研究などが、たとえば外国のそういった諸事例についての研究が進んでいるのか。
 このあげました幾つかの項目についての現在の研究の到達度、十分な段階にいっているか、それとも未解明な点が多々あり今後ますます研究をやらなければならないか、この点についてお伺いしたいと思います。
#117
○春日政府委員 お答え申し上げます。
 発生原因の研究につきましては、幾つかに分類いたしまして私ども研究委託をいたしております。この問題につきましては早急の解明を急いでおるわけでございます。(荒木委員「いま十分いっているのか、まだ足らぬのか、その点です」と呼ぶ)まだ不十分だと思います。
 それから各汚染発生源別の寄与率でございます。これは私も先ほど申し上げましたように、たとえば自動車の種類別の排出係数、それからボイラーでございますとかそれぞれの燃焼炉におきますようなNOxの排出係数、それからやはりSOの排出係数、こういったものはいろいろ検討中でございます。先般発表されました東京都の仕事もその一環であろうと思います。
 それから私どもが自動車の排出計数を定めるときに使っておりましたフォアモードという走行をことしからテンモードに変えておる。これはやはりそういった先生のおっしゃっているような発生源別の寄与率を得んがための一つの行政的な措置であり、その背後には幾多の研究がある、こういうことを申し上げておきます。
 それから飛行機、航空機の排ガスが光化学スモッグ発生の原因となっているというような一部の学者の御発言もございました。これは最近横浜国立大の北川先生なんかの御意見でございます。こういったものにつきましても確かに排ガス中の窒素酸化物や炭化水素が光化学スモッグの発生にある程度寄与しているかどうかということはわからないわけでございますので、これは私ども今後研究を進めてまいりたいと思っております。
 それから航空機のいわゆるNOxの総量計算、突き詰めて申せば、航空機の排出係数の研究というのは確かに非常にむずかしいわけでございまして、現在アメリカの係数を私どもも使ったことは事実でございます。東京都の先般の御報告でも、アメリカの排出係数をそのまま航空機についてはお使いになっておるようでございます。非常にむずかしい問題でございますが、これは航空当局ともよく相談しながら今後進めてまいりたいと思います。したがいまして、航空機のエンジン、いわゆるマスキー法的なものを今後考えていく必要があるかどうか、それからまた二段燃焼法的な改善の見込みがあるかどうか、こういったことも十分に検討させていただくつもりでございます。
 この点につきましては、大気汚染、ことに光化学スモッグの機構解明がおくれていることはいなめない事実でございます。これは早急に私ども努力を重ねて、先生のおっしゃるように研究をやってまいりたい、かように考えております。
#118
○荒木委員 先ほど長官が十分ほど他出されるというお話がありましたので、質問の順序の都合がありますのでひとつ御連絡をお願いしたいと思います。
 そこで、局長にもう一言お尋ねしますが、現在は先ほどお伺いした幾つかの項目についてまだまだ研究が不十分である、こういうことですね。いつごろ満足のいく成果が出る見通しですか、その時期をひとつ明示をしていただきたい。
#119
○春日政府委員 一つはただいま大阪湾で行なっております立体的な光化学スモッグの解明に関する調査、これも非常に大きな解明のかぎになるであろうと思っております。しかし、先ほども申し上げましたように、なおかつ基本的な原因に関する問題、あるいは航空機の問題、まだまだ未解決な点がございますので、期日を明示いたしまして光化学スモッグのすべての機構が解明できるのはいつだ、こういうふうに申し上げるわけにはまいらないと思います。努力だけはいたしており、いたすつもりでございます。
#120
○荒木委員 ここで長官にお尋ねをしたいのでございますが、お帰り早々何でございますが、いま御不在の間にお尋ねしておったのは、光化学スモッグの発生原因その他防止策についての研究ですね。発生原因の解明あるいは原因物質の寄与率、また航空機の汚染物質排出総量の推計、それからたとえばマスキー法のようなこういった排出規制、またエンジン改良の改良率の見通し、あるいは一九七〇年のニューヨーク州の司法長官がやりましたような告発措置、こういったことについてはいずれもまだ研究が不十分である。今後鋭意努力をしていきたい、しかし、その成果がいつ出るかはっきりめどは言えない、こういう答弁を局長からいただいたわけでございます。
 そこで、私はそういう段階でいろいろな施策を進めていく上でこういったようないま申し上げたような研究は、たとえば国際空港の位置を決定するという場合の条件として非常に重要だ、また地方自治体でも、たとえば大阪府で環境管理計画案というものをつくっておりまして、これはお手元に提出されておると思いますが、こういったようなものも十分参考にし、とるべきものはとるべきだ。ですから、ここでお尋ねしたいのは、一つはこういった自治体で出された独自の研究、環境管理計画について、国としても尊重し、援助なさるべきであると思うがいかがでありましょうか。これが一つであります。
 それから研究が未解明な段階で、こういった幾つかのいま申し上げた光化学スモッグについての研究は、位置決定の場合の条件として非常に重要だ、こう思うのでありますが、この二点について御見解を伺いたいと思います。
#121
○三木国務大臣 最初にお答えいたしましたように、やはり公害防止には地方自治体との間の緊密な協力関係というものがどうしても必要である、地方自治体は住民の生活とも密着をしておるわけですから、各地方自治体とも最近は公害防止に対しては非常な熱意を見せておるわけです。そういうわけでありますから、地方自治体で独自の研究を進められて、その結果として生まれてまいりましたいろいろな成果といいますか、こういうものは当然に尊重をすべきものだと思います。また今後の新国際空港などの設置の場合においても、いろいろな従来の研究の成果というものを踏まえて、そして空港決定のときには慎重な決定をしなければならぬものであるというように考えております。
#122
○荒木委員 長官から、自治体の計画は尊重すべきであり、その成果も十分踏まえなければならぬという御答弁があったのですが、政務次官御退席ですか。――そうしますと、その間に飛行場部長に伺っておきたいのですけれども、国際空港の候補地決定の作業、つまりどこがいいかという採点作業が進められるような予定もある、こう聞いておるのですけれども、この点の経過はいかがでしょうか。
#123
○隅説明員 ただいま航空審議会の関西空港部会におきましては、二十五回の部会を終わりまして、各候補地についての各論の比較の作業に入っております。その作業の項目といたしましては、利用の便利さであるとか、自然条件であるとかあるいは管制運航安全性の問題、環境条件、建設工法、既存の権益との調整、地域計画との斉合性、開発効果というような点につきまして、ただいままで調査をいたしましたデータをまとめまして、一つ一つの記録といたしまして各委員に送りましてこれを全部読んでいただきまして、それぞれについて各候補四候補地についてお考えを出していただくようにしております。ただ、この記録が非常に多岐にわたりますために、全部がまだ完了いたしておりません。あと数カ所を残しておりまして、現在のところこの各項目別についての調査記録を鋭意作成いたしておる段階でございます。
#124
○荒木委員 政務次官にお尋ねをいたしますが、この光化学スモッグの問題についてはまだまだ調査をしなければならぬ、研究を進めなければならぬ。一方、飛行場部長に聞きますと、すでにいままでの分をとりまとめて整理をして候補地決定の採点作業をやろうかという、こういうお話のようであります。そこで私は、環境庁を中心に関係自治体などのいろいろな意見も聞いて鋭意進められておるこの光化学スモッグの研究、この研究を踏まえてでなければ、その地域がいいとかあの地域がいいとか、そういう論議は時期尚早である、この研究はまだまだこれからずっと先があり、めどがはっきりついていない、こういうお話でありますから、次官に特にお伺いしたいのは、この候補地決定というようなことは研究成果を踏まえてからやるというのでなければならぬと思うのでありますが、これはいかがでありましょう。
#125
○佐藤(文)政府委員 私は飛行場の位置の決定、そういう問題については航空審議会で御承知のとおりいま審議をしておるのですが、だんだんと詰めに入って、実は八月の終わりに一つの結論が出るやに聞いておりましたが、ただいま先生の言ったような要旨のいろいろな問題点が出てまいりましたので、若干延びると思います。年末ぐらいになるんじゃなかろうかと私は思っておりますが、その延びた理由をいろいろ考えてみますと、まず安全度の問題、どのようにすれば一番安全に離着陸ができるかという問題、それから第二がやはり公害の問題であります。これが成田の建設当時と根本的に違った大きな要素が出てきたのがそれでありまして、騒音と大気汚染というこの二つの問題をできる限り究明しつつ位置決定の要素にしていく、一番大切なポイントにしていく、それから三番目が、私は何といいますか、時間短縮度と申しますかアクセスの問題で、乗るお客さんが飛行場まで行くのに一時間、飛行機に乗ってから目的地へ着くのに国内であれば一時間、着いた飛行場から目的地まで行くのに自動車に乗っても一時間、そうすると三時間かかる、そうすると時速九百キロの飛行機が一時間で行けるところが、三時間で割るのですから実際の飛行時間というものは、その一時間で九百キロ走ったのが実は三百キロで走ったことにしかならない。こういうことになるわけですから、そういったような問題点について、十分にそういう問題を考えながら飛行場の決定ということになると思います。特に光化学スモッグについては、先般東京にアメリカのダグラス社の極東支配人が着いたということを聞きましたので、わざわざ私は運輸省に招致しまして、日本の航空行政について光化学スモッグと騒音対策との積極的な技術の解明とエンジンの改良なくしては将来これはおたくの飛行機なんかと協力してやることはできませんよというところまで強く私は言ったのがちょうど十日前であります。そういうときの返答が、とにかく全エネルギーをあげて騒音対策と光化学スモッグ、特にNOx、それから炭化水素、それから一酸化炭素、こういったような地上の自動車の排気ガス、この三種類のガスにプラスすることの飛行機のNOxと炭化水素ですから、そういう問題についてエンジンの改良にどの程度までやっているか私に資料を出してくれ、こう言って、近いうちに届く予定であります。そういうことを追及しながらやはり飛行場の位置の決定ということも私は当然航空審議会では考えておりますので、この点は御了解をお願い申し上げたい、こう思っております。
#126
○荒木委員 私がお尋ねしましたポイントは、いま寄与率のことをおっしゃったのですが、いろいろなことがあるわけですよ。調査がまだ十分できてないと、こう言っている、環境庁は。候補地をきめるのに、こういった研究調査が出てからやるべきじゃないか、それを言っているわけです。これはいかがですか。
#127
○佐藤(文)政府委員 私はエンジンの改良でそういったような大気汚染に影響があるかもしれないというNOxの追及とかあるいは炭化水素の追及は、いまの段階でこれがすべて完全であるということを待つとしたならば私は相当時間がかかると思います。したがって、それと飛行場建設とはやはり並行して考えていくべきであると考えておりますので、地域住民と一定の距離を離すところに飛行場はつくっていく、それが騒音対策と大気汚染の私は基本原則である、こう考えておりますので、技術の改良と地域住民との飛行場との一定の距離を離すところに飛行場は設けるべきであるというのが基本的に考えられて飛行場建設計画は考えるべきである、こう考えております。
#128
○荒木委員 これは政務次官、どの程度の被害が起きるか、発生原因がどうであるかということが主管の環境庁がまだよくわからぬと、こう言っているのですよ。あなたが、こう申し上げちゃまことに御無礼だけれども、技術的に専門の御所管でもないのに、一定の距離だけ置いてそれでいいというようなことは、これはいやしくも行政の責任のあるお立場のことばとしてはまことにこれは国民無視だと思うのです。いま健康を守らなければならぬ、そのためには全力をあげて解明、究明をせなければならぬ、環境庁はそう言って、研究するとおっしゃっているのです。完全無欠な一〇〇%のことは私は言ってやしません。しかし大方の了解が得られるようなそういったことは、やはり科学的にも到達段階として見られて、そうしてこの地域はどうであろうか。それがことの道理であり、国民の健康を何よりも尊重する行政のゆえんではないですか。ですから軽々に、一定の距離さえあればいいというようなのは、これは私は取り消されるべきだと思います。そしていま環境庁でやっておられるこの研究の成果を十分に尊重し、そしてそれについて一定のめどが出るまでは工事決定はすべきではない、こう思いますが、いかがですか。
#129
○佐藤(文)政府委員 誤解があったようでございますので重ねて申し上げますが、航空機の大気汚染の発生源というのは、私はエンジンだと思います。それから騒音の発生のもとというのはやはりエンジンだと思います。したがって、この発生源と住民と距離がどのくらいあるかないかということはこれは技術的な問題になりますから、私は何キロがいいとかどうということは言えません。しかし航空設置者の責任者として言えることは、できるだけ住民と離していくということ、これだけは御了解していただきたいと思うのです。その距離の幾らであるということは、私はここで専門家でないから言えませんけれども、その距離を離すという努力は、新しい飛行場をつくる場合においては考えていくことである。それから二番目にエンジンの改良その他の問題については、これは環境庁も十分に環境保全のために御研究なさっていると思いますけれども、運輸省としてもやはり航空行政の責任者としてできるだけそのエンジンメーカーその他に鋭い示唆を与えてやっていくということは私は必要だと思ったので言ったわけでございます。そういう点で誤解がありましたら、御了解いただきます。
#130
○荒木委員 いまの御答弁のその趣旨はこれは伺いました。私が申し上げたのは、たとえば環境庁でこれでオーケーや、光化学スモッグの研究についてオーケーが出るまで候補地をきめるべきじゃない、こう言っているのです。離すようにするとかそういった努力とか決意表明を伺っているのじゃないのです。私が言っているのは、少なくとも専門家なり何なりのほうではっきり出るまでは、候補地なんか軽々にきめるべきじゃない。いわんや距離が何メートルとかそんな問題じゃない、そう言っているのです。その仕組み、これははっきりひとつお答えいただきたい。
#131
○佐藤(文)政府委員 これは非常にむずかしい御質問でございます。しかし原則は、私は環境庁と十分連絡をとりながら、騒音にいたしましても、環境庁の指示する騒音の限界というものがございますから、そういうものを勘案し、それから大気汚染度の問題についても、環境庁のそのデータを出すために今度大阪付近で始めたのですから、現況はこういうことである。だから航空機が何機どういう機種が一日飛べばどのくらい現在の状態から変化があるというその格差を調べるための初動作戦が今度の調査ですから、そういうもののデータをつくりながら私はそれと十分連絡をとりながら飛行場の位置の決定というものはやっていかなくちゃならぬ。そこで環境庁がそれでよろしいのだ、だからひとつやろうじゃないかということをやることは理想だと思います。私はその理想に向かっては進んでいきたいと思っております。
#132
○荒木委員 現実に四十九年度の概算要求が締め切りの時期があります。そこで空港関係の調査費、それからそのほかに公団の設置費、こういったものを概算要求に組まれる見通しがあるのかどうか。聞くところによれば、近々省議決定があるという話ですけれども、これはとるべきじゃないと思いますが、公団の設置費などはこんな現状ですべきじゃないと思いますが、その点一言見通しを言ってください。
#133
○佐藤(文)政府委員 これは飛行場部長にさせます。
#134
○隅説明員 四十九年度の新関西空港公団の設置につきまして、一応四十八年度、本年度と同じ額で、政府出資五億、財投融資二十億、計二十五億の要求は出してはございますけれども、これは大蔵省、財政当局とのお話もございまして、われわれといたしましては答申が出た後に関係地方公共団体と十分協議をして了承を得た上位置の決定をいたします。
  〔委員長退着、菅波委員長代理着席〕
位置の決定がなければ空港公団の設置はしないというお約束がございますので、一応四十九年度の要求につきましては、空港公団は四十八年度の要求と同じように提出する予定にいたしております。
 なお、調査費につきましては、これも四十八年度と同じく四億円の調査費の要求をする予定でございます。
#135
○荒木委員 いまのような運輸省の姿勢は私は非常に問題だと思うのですよ。だって健康にそんなに関係のあるのに、まだまだ解明しなければならぬと言っておる状態で手順だけどんどん進めて一応提出はする、しかし位置がきまらなければ公団の設置は認められぬという歯どめがあるという話ですけれども、そんなものじゃないですよ。これは行政の姿勢の問題です。この点は十分に次官も初めにおっしゃったように自治体の意向の尊重、それから健康重視ですね、この点で再検討されるように要求をしておきます。
 時間がありますのでもう一問だけお許しをいただきたいのですが、いままで伺ったのは移動発生源の問題であります。今度は固定発生源の問題で、たとえて申しますと、大阪湾岸にはコンビナートがあります。この大都市周辺のコンビナート地域に石油精製施設が増設をされる、これは資源エネルギー庁からもお見えになっておりますが、時間がありませんので私のほうから申し上げますけれども、一例を申し上げますと、大阪府下で興亜石油、関西石油といういわゆる石油二社が増設の申請をいたしまして、石油審議会では地元自治体の了解を得ることを条件に増設はオーケーだ、こういうことになっているようであります。
 そこで私は長官に最後にお尋ねをいたしたいのですが、第一点は大都市周辺のコンビナート、光化学スモッグがどんどんどんどんふえていると先ほど局長から数字の報告がありました。そういうときに、しかも光化学スモッグの原因がまだ環境としての数字が究明されていない。こういう状態のときには、その研究成果を踏まえてから国として処置をきめるべきである。軽々にオーケーだとかかってなことをすべきではない、こう思いますが、長官の御意見はいかがですか。これが第一点であります。
 もう一つは、こういうふうなことになりますのも、法規制を見てみますと、石油業法の目的のところ、第一条には公害防止ということが一言もないのであります。ところが、同じような事業法であります電気事業法とガス事業法、これは第一条の目的のところに事業の目的とあわせて「公害の防止を図ることを目的とする。」これは電気事業法、ガス事業法、いずれもそのことを明記しておるわけであります。したがって、このような光化学スモッグが問題になっておりますときに、石油業法にも目的のところに公害防止ということをはっきり明示するような、そういった法改正を政府としても考えられるべきではないか、この二点について長官の御意見を伺いたいと思います。
#136
○三木国務大臣 第一点は大都市におけるコンビナート、それに対する設備の増設については全体の環境容量という問題もありますから、われわれは総量規制をやりたいということでいま鋭意努力をしておるわけでありますから、そういう全体の環境容量等をにらみ合わせて、その決定というものはきわめて慎重な決定をしなければならぬということでございます。
 第二の点は御指摘のようなことになっておりますが、これはいろいろ経緯も違うわけでございましょうが、将来の研究の課題にいたしたいと思います。
#137
○荒木委員 長官と次官からそれぞれ御答弁をいただきました。申し上げた問題については、私どもは国民の皆さんとともに健康が守られ、公害を一日も早くなくすという立場で厳重に今後も監視を続けてまいりたい。ことに運輸省の航空局の今回の調査のやり方、そういった問題もあり、今後の処置をきょうの御答弁の趣旨を生かして誠実に進められるように強く要望いたしまして、質問を終わります。
#138
○菅波委員長代理 岡本富夫君。
#139
○岡本委員 本会議がありますので、非常に時間が切迫しましたので、委員長に明日もう一度開いていただいて、そしてひとつこの詰めをやりたい、こういうように思っております。いかがですか、委員長。
#140
○菅波委員長代理 理事会であとでその件について協議をいたします。
#141
○岡本委員 私もまず公害の問題の中で最近非常に光化学スモッグが多くなってきた、このままでいきますと、ある日突然にその地域の人がみんな窒息した、こういうようなことにもなりかねない、こういうことで、非常に関心を持ちまして、これは一昨年においても光化学スモッグの原因、こういうものについては環境庁にやかましく要求してあったわけですが、この東京都の発表を見ますと、光化学スモッグの主犯といいますか、これはやはり自動車が主犯だ、こういうような裏づけ調査が出ておりますけれども、その中で原因物質として窒素酸化物、これが六九%を占めておるというようなことであります。
  〔菅波委員長代理退席、委員長着席〕
 そこでまず、この窒素酸化物は有害物質なのかそれとも有害物質でないのか。これは有害物質にきまっております。大気汚染防止法の中の第四条で、都道府県知事はこの有害物質については上のせ基準を行なうことができるようになっております。ところが環境庁から各都道府県に対してどういう通達を出したのか、聞くところによりますと、この窒素酸化物の排出基準を環境庁で打ち出した、それ以上きびしくしてはいけないというような通達を出した、こういうふうに承っておるのですが、その点についてひとつお聞きしたい。
#142
○春日政府委員 お答え申し上げます。
 八月の九日に出しました通達の中で、先生のお尋ねの点は、今後の規制の拡大に関する事項というところで、今回設定いたしました窒素酸化物の排出基準というものは、現時点の防止技術の限界を一応考慮いたしますと、非常にきびしいレベルに設定されておるわけでございます。したがいまして、これを上回る排出基準というものを設定するというのは、いまの技術段階ではなかなか困難ではなかろうか、こういったことを言っておるわけでございます。要するに上のせ基準というものを絶対にこれをいけないと申しているような趣旨ではございません。現在の到達している技術水準からすれば、この排出基準を上回ることは非常にむずかしい、こういうことを申しておるだけでございます。
#143
○岡本委員 ほかのたとえば硫黄酸化物あるいは水質汚濁であればカドミとかそういうものに対しても、やはりあなたのおっしゃったような現在の技術ではむずかしいとかあるいはまだまだだいじょうぶだとかそういう条件をおつけになったことはありますか。
#144
○春日政府委員 ございません。ただ、窒素酸化物の減少に関する技術というものは、歴史の浅いせいもございますが、非常にむずかしい。SOのたぐいでございますと、一番簡単な方法ならば、硫黄分の少ない重油をたくことによっても到達することはできるわけでございますが、NOxの排出に関しましては燃焼に伴って必然的に排出されるという問題でございますので、それを減少させることはかなり技術的にむずかしいわけでございます。したがいまして、そういった注をつけたわけでございます。
#145
○岡本委員 SO2の場合は硫黄分の少ないものをたけばだいじょうぶだ。いま年間二億キロリットル余り日本に石油が来ておりますけれども、この中でほんとうに硫黄分の少ないそういった原料がどのくらいありますか。――これは話ししましょう。こういうものはほんとうに少ないのです。どこへ行ってもあっちへ行ってもこっちへ行っても、調査に行くと、そういった少ないものをたきますとこんなことを言っておるけれども、事実はないのです。これのほうがもっとむずかしいのですよ。だからはっきり言うと、あなたのいまの答弁は当たらない。こういった通達を出すということは、もうこれが最低基準でこれ以上上のせしてはいけないとこれは暗に示唆しているのですよ。それでは大気汚染防止法に反しているじゃありませんか。あなたは局長でなかったかもわかりませんけれども、やはりあとあなたが引き継がなければならない。ですから、そういったこれ以上は技術的にはむずかしいとかそういうことの判断は地方自治体がやるべきです。そのために一昨年の公害国会では、こういうものについては地方自治体に権限をゆだねなければならないとやかましく言って、私どもは一週間ほど夜も寝ないでやった。そしてここにありますように、第三条の一号の硫黄酸化物に対してはこれをあまりきびしくすると電力がとまってしまう、こういうわけで、これに対しては変更するときには環境庁長官にもう一ぺん報告するとか、そういうきびしい歯どめを地方自治体に対してつけている。それ以外に対しては、これは地方自治体は上のせ基準をすることができるということがはっきりしているわけです。ですからいま通達されたことは、ことばの上では少し逃げていますけれども、大気汚染防止法違反じゃないですか。私はそう言いたい。こんなことでほんとうの――先ほどから光化学スモッグの原因を調査していますとか、いや何だかんだ言いながら、こんなたくさんの被害が出てくるときに、環境庁としてはたとえ少しでも前向きに、そして地方自治体で少しでも押えるならばそれを応援していく、そうして技術を開発さしていく、これが普通じゃないかと私は思うのですが、その点に対して反論があれば、局長もう一度文句があったら言ってください。
#146
○春日政府委員 ただいまお答えいたしましたように、現時点におきましては今回定めました排出基準を上回ることは技術的に非常にむずかしいであろう、こういったことを言っておるだけでございまして、上のせ基準というものを全くやっては困るんだというサゼスチョンではございません。したがいまして、私ども大気汚染防止法の違反というおしかりはちょっと過ぎるのではないかと思います。
#147
○岡本委員 それはことばの上で逃げているだけなんですよ。ではほかにそういうことをやったことがありますかと聞きますと、ないと言うのです。条件は同じような状態である。したがってこの上のせ基準をその通達によって押えている。これはことばの上では絶対してはいけないとは書いてないんです。いままでそういう通達を出したことがないじゃないですか。そうするとそれを見たところの地方自治体では、これは地方自治体に対する権力の侵害になる、こう解釈しても間違いないと私は思うのですね。そういうややこしいことであれば、長官ひとつこれは地方自治体においても、やはり現在の技術ではどうだとかあるいはまた窒素酸化物、これは五十一年ですか、マスキー法を適用すればいまのまた十分の一に落とすというような考え方を持っていらっしゃる。これはこの前に私当委員会で長官の御意見を承ったわけでありますが、また一方において先ほどから話がありましたように総量規制もやっていこう、こういう大気汚染防止法の改正案も出そう、こういうようなあなた方のほうの環境庁の考え方も報道されておる。そのときにあたって、今度はそういった窒素酸化物をこれ以上はできないんだというような、要するにもうきめつけたようなこういう通達では私は納得できないと思うのです。いかがですか長官、このことについて。
#148
○三木国務大臣 窒素酸化物の排出基準というものは、世界的に見てもなかなかむずかしい問題でございますから、地方自治体自身としてもその間の事情というものは十分に承知をしておるはずでありますから、この通達は少し親切心が過ぎたと思います。
#149
○岡本委員 親切心が過ぎたんじゃなくして、私は国民の健康の問題から見たときは、これを所管するのは環境庁です。ぼくは、いまの技術だったらできませんというのは、もしも通産省とかあるいは運輸省、こういうところから話があるのなら――これはあなたのほうは通産省あるいは企業側に親切だったのです。だから環境庁は、いいですか、住民の健康の側に立たなければいかぬのです、厚生省から引き継いだわけですから。企業側に非常に親切であったことは間違いないと思うのですが、いかがですか。
#150
○三木国務大臣 環境庁は、企業側という立場では常にないのです。国民の生命、健康、この基盤を失ったら環境庁という役所はもう要らぬわけであります。そういう点はございません。
#151
○岡本委員 ここでどっちに親切過ぎたか、これは国民が判断することでありますけれども、したがってそんな親切は必要ないと思うのです。局長、それ、通達一ぺん全部取り消しなさいよ。いかがですか。これは地方自治体の判断にまかすという……。
#152
○春日政府委員 お答えいたします。
 ただいま定めております排出基準を守るためには、ボイラーについては低ノックスバーナーの採用とか、あるいは低酸素運転とか、二段燃焼、排ガス再循環というような非常に技術的にむずかしい方法を厳密にこれは行なわないと達成できかねるわけでございます。したがいまして現時点では、ボイラーそれから硝酸製造装置、金属加熱炉、石油加燃炉というような大規模の施設に限定せざるを得なかったわけでございまして、その他のものにつきましては、第二段としてこれはノックスの排出規制をしていかなければならない段階でございます。したがいまして私どもは、この窒素酸化物の排出基準というものは決してなまやさしいものではないんだということをこの通達の中に記載したわけでございまして、この点は各地方自治団体でもむずかしいということを明記していただきたい、かように考えておるわけでございます。
#153
○岡本委員 各地方自治体でもこの点はむずかしいということを明記をしなさい、それは条例ですか。地方自治体は要するに環境庁から出てきたところの基準に従っていろいろとアドバイスをして、そして工場の改善命令をしたり、どんどんよくしていこうとするところでしょう。そのときに、あなたのところは、むずかしいんですよ、それは、むずかしいのは言わなくてもわかっているわけでしょう、やるほうが。しかしそのむずかしいことをしなければ、そういった姿勢が今日のこの光化学スモッグ、あるいはまた公害の大きな日本列島、公害列島といわれる原因になったのと違いますか。ですから私は、ほんとうは取り消してもらいたいけれども、ここのところは環境庁が上のせ基準をしてはいけないといっているんではない、その点を明確にひとつ各地方自治体に再度通達はできますか、いかがですか。
#154
○春日政府委員 窒素酸化物の排出基準に伴いまして、私ども都道府県担当者を近く集めて会議を行なうことになっておりますが、その席上その趣旨を徹底いたしたいと思っております。
#155
○岡本委員 委員長、このまま続けますと、二時になってしまいますね。ですからここで一ぺん打ち切りまして、明後日いたしましょうか、いかがですか。一つの問題をやりますと、途中でとめるわけにいきませんので……。
#156
○佐野委員長 了承いたしました。
#157
○岡本委員 じゃ、きょうはこれで一応中止いたします。
#158
○佐野委員長 次回は、来たる八月三十日木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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