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1972/09/14 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第49号
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1972/09/14 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第49号

#1
第071回国会 公害対策並びに環境保全特別委員会 第49号
昭和四十八年九月十四日(金曜日)
    午後零時二十六分開議
 出席委員
   委員長 佐野 憲治君
   理事 登坂重次郎君 理事 林  義郎君
   理事 森  喜朗君 理事 渡部 恒三君
   理事 小林 信一君 理事 島本 虎三君
   理事 中島 武敏君
      小澤 太郎君    梶山 静六君
      染谷  誠君    羽田  孜君
      羽田野忠文君    松本 十郎君
      大原  亨君    土井たか子君
      山口 鶴男君    木下 元二君
      岡本 富夫君    坂口  力君
      玉置 一徳君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       信澤  清君
        環境庁企画調整
        局長      城戸 謙次君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
 委員外の出席者
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月十四日
 辞任         補欠選任
  大石 千八君     梶山 静六君
  田中  覚君     羽田  孜君
  阿部未喜男君     山口 鶴男君
  岩垂寿喜男君     大原  亨君
  小宮 武喜君     玉置 一徳君
同日
 辞任         補欠選任
  梶山 静六君     大石 千八君
  羽田  孜君     田中  覚君
  大原  亨君     岩垂寿喜男君
  山口 鶴男君     阿部未喜男君
  玉置 一徳君     小宮 武喜君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 瀬戸内海環境保全臨時措置法案起草の件
     ――――◇―――――
#2
○佐野委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 この際、瀬戸内海環境保全臨時措置法案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては理事会等において協議が行なわれておりましたが、その結果に基づき、林義郎君、土井たか子君、木下元二君、岡本富夫君、玉置一徳君より、お手元に配付いたしておりますとおり、瀬戸内海環境保全臨時措置法案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。
#3
○佐野委員長 この際、その趣旨の説明を求めます。林義郎君。
#4
○林(義)委員 お手元にお配りしてあります案文につきましては、九月八日から十日まで三日間、瀬戸内海地区に委員派遣を行ない、現地の調査をし、また九月十一日には参考人として学者、関係者等七名の方々に御出席を願い、意見を聴取してまいりました。
 さらに数回にわたり理事会及び理事懇談会を開き協議をしてまいりましたところ、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党の間におきまして、それぞれ検討を続けておりましたところ、このほど意見の一致を見るに至りましたので、便宜私からその立案の趣旨及び内容の概要を御説明いたします。
 古来、瀬戸内海は澄みきった水、変化に富んだ海岸線等、比類のない美しさを世界に誇る景勝地として、また銀鱗おどる漁業資源の一大宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受してきたところであります。
 しかるに、近年瀬戸内海沿岸地域における工業生産が推進され、水は濁り、海岸は埋め立てられ、このまま放置すれば美しい瀬戸内海は永久に失われてしまうといっても決して過言ではありません。
 このような事態に対して政府においても大規模な水質汚濁総合調査を実施する等、瀬戸内海の環境保全に意を尽くしたところでありますが、美しい瀬戸内海をわが国のかけがえのない宝として後世の人々に残すためには、一刻も早く抜本的な対策を講ずる必要があり、このため政府に瀬戸内海の環境保全のための総合的な計画をすみやかに樹立させるとともに、その計画が樹立されるまでの間における暫定的措置として政府並びに関係の府県、市町村の一致協力のもとに、排水規制の強化等でき得る限りの最大限の環境保全のための措置を講じさせることが政治家として国民から課せられた責務にこたえる道であるとの確信のもとに本法案を提出した次第であります。
 もちろん単に法律を制定するだけで瀬戸内海の環境保全が達成されるものではありません。瀬戸内海の環境保全のためには政府並びに関係地方公共団体が本法案の精神に深く思いをいたし、打って一丸となって瀬戸内海の環境保全に邁進する必要があることをこの際特に強調いたしたいと存じます。
 以下、この法律案の内容を御説明申し上げます。
 第一に、瀬戸内海の環境の保全に関する基本となるべき計画でありますが、ただいま申し上げました瀬戸内海の環境保全の重要性にかんがみ、政府は、すみやかに、瀬戸内海の水質の保全、自然景観の保全等を内容とする瀬戸内海の環境の保全に関する基本となるべき計画を策定しなければならないこととしております。
 第二に、排出水の排出規制の強化でありますが、環境庁長官は、瀬戸内海並びにこれに接続する河川等に排出される産業排水にかかる汚濁負荷量を昭和四十七年当時の二分の一程度に減少させることを目途として、関係府県ごとの汚濁負荷量の限度を定めなければならないものとし、関係府県はこの法律の施行の日から三年以内に汚濁負荷量を当該限度まで段階的に減少させることを旨として水質汚濁防止法に基づく上のせ排水基準を定めなければならないこととしております。
 第三に、工場立地の規制でありますが、関係府県の区域において特定施設を設置し、またはその構造、排出水の量等を変更しようとするときは、府県知事の許可を受けなければならないこととし、許可にあたっては、事前に環境に対する影響調査を実施させるとともにその結果を縦覧に供し、広く利害関係人の意見を求めるなど工場の立地を強く規制することとしております。
 第四に、埋め立て等についてでありますが、関係府県知事は公有水面埋立法に基づく免許または承認については、先ほど申し上げました瀬戸内海の特殊性に十分配慮し、瀬戸内海の環境保全の万全を期することとしております。
 第五に、瀬戸内海の環境保全のためには排水規制の強化等と相まって下水道等の公害防除施設の整備、浄化事業の推進等がきわめて重要な課題となっております。
 このため、まず国並びに地方公共団体は、下水道並びに廃棄物の処理施設の整備、汚泥のしゅんせつ、水質監視測定施設の整備等の事業の促進につとめるとともに、国はこれら事業に対し必要な財政上の援助等につとめなければならないこととしております。
 次に、政府は赤潮発生防除技術の開発等の瀬戸内海の環境保全のための技術開発につとめなければならないこととし、さらに瀬戸内海浄化のための大規模プロジェクトを設定するため必要な技術開発、財政上の措置等を行なうこととしております。
 第六に、政府は、排出水の規制に関し、量規制の導入について必要な措置を講ずることとしております。
 第七に、政府は、瀬戸内海において赤潮、油等による漁業被害が多発している現状にかんがみ、当該漁業被害を受けた漁業者の救済について必要な措置を講ずることとしております。
 第八に、瀬戸内海の環境保全に関する重要事項を調査審議させるため、環境庁に瀬戸内海環境保全審議会を置くこととしております。
 最後に、この法律は、施行の日から起算して三年をこえない範囲内において別に法律で定める日にその効力を失なうこととしているほか、罰則、経過措置等所要の規定を設けることとしております。
 以上が本案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。
 以上、私は五党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。
 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されることを望みます。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
 なお、補足して経過の御報告を申し上げます。
 法案の作成の審議の過程におきましていろいろと御意見が出ました。
 まず第一に瀬戸内海環境保全審議会のメンバーの構成でございます。学識経験者の意見が十分に反映され得るようなメンバーの構成としなければならないということは当然のことでありまして、本法案の中にも「学識経験のある者」というものが入れてございます。具体的な運用におきましては「関係行政機関の職員」、「関係府県知事」、また「関係市町村の長を代表する者」と一緒になってこの審議会は構成されているわけでありますが、具体的な問題、赤潮発生防除技術の開発あるいは各県ごとの汚濁負荷量の制定等につきましては相当に専門的な知識が要るわけでございますから、第二十三条第六項に、「審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。」としてございます。これは基づきまして専門部会等を適時設けまして、専門家の意見を十分に聞いてこれを行なうこととし、意義ある瀬戸内海環境保全審議会の成果をもたらしていただきたい、こういうふうにわれわれとしても考えております。
 第二の問題としては、四十七年九月の環境庁の調査結果に基づくところのCOD汚濁負荷量の二分の一であることを確認しなければならないという問題がございました。この規定は、この法律案第四条の規定にございますところの問題に関するものでございます。四十七年に環境庁におきまして調査をいたしましたところの数字によりますと、全体の数字では、汚濁負荷量は千七百トン、そのうち家庭用排水のものが三百五十トン程度ということでございますから、ここに書いてございます「産業排水に係る化学的酸素要求量で表示した汚濁負荷量」というものは大体千三百五十トン程度になるだろうと思います。ただし、この問題につきましては、海域をどこまでにするかという問題がございます。この法律で規定してございますところの海域というものは必ずしもいま申し上げました数字と合致しておりませんので、さらにその辺の具体的な内容、細目につきましては瀬戸内海環境保全審議会におきまして関係府県知事、また関係の各省庁の専門的な検討を持って、さらに精密なものにしていただくことが望ましい、こう考えております。もちろん、それによりまして私は千七百トンあるいは千三百五十トンというものが大きく変更になるということはないであろうというふうに考えておるのであります。
 第三点は、この法律第五条第六項の規定に関してであります。第五条第六項には特定施設の設置の許可に際しましては、府県知事は概要を告示するとともに環境に関する事前評価に関する事項を記載した書面を三週間公衆の縦覧に供してそれについての意見を提出することができるという規定が第六項にございますが、この規定につきまして知事はどうするのかということでございます。単に意見書を提出するということでございましたならば、わざわざ法律に書く必要はございません。わざわざ法律に書いたということは、当然に法律に書いたことによりましてその反射的な効果といたしまして、府県知事はその意見を十分に尊重してこれを行なわなければならないということでございます。同時に、府県知事は、意見があったならば、その意見は十分に尊重して配慮するとともに、府県知事が許可を行なうのは直ちに行なうということではございませんので、府県知事はその点につきまして第六条の第一項または第二項あるいは第二項の規定に基づきますところの許可の基準に従いまして十分な配慮をした上で許可をしなければならないということは法律上当然のことだというふうに考えております。
 第六条第一項の第二号には「特定施設からの汚水等の排出が瀬戸内海の環境を保全する上において著しい支障を生じさせるおそれがないものであること。」という規定がございます。その規定はどういう趣旨かという点につきまして問題はございました。この問題は、いわば自由裁量の問題をこういった法規裁量的な形のものにしたものでございますけれども、これは決して規制をゆるやかにやってよろしいという趣旨でないことは、法文をお読みになっていただければ当然わかることでございますし、その辺につきましては十分に規制をやっていく、環境の保全に対しましていろいろな角度から考えて規制を加えられなければならないということに解していただきたい、こういうふうに考えております。
 なお、この問題に関連をいたしまして意見が出てまいりましたのは、新増設の排出基準について二分の一カットというものが第四条にございます。この第四条を確実に行なうために年次計画を立ててはどうか、またそれが支障なく実施できるように新増設設置の排出汚濁負荷量をきびしく規制すべきであると思うという御意見があったわけでありますが、この問題につきましても、二分の一カットというものにつきましては段階的にこれを実施していく、段階的にどういうふうに実施していくかというのにつきまして各県ごとにある程度まで考えていただくということであります。ただし、段階的にやる場合におきまして、半年ごとにやるとかあるいは一年ごとにやるということを義務づけますと、かえって実際の面にそぐわない。要は、瀬戸内海の汚濁負荷量を二分の一にカットするところにねらいがあるわけでありますから、その目的に従って各県におきましていろいろな計画を立てていただく、段階的にやっていただくということも一つの方向でありますし、また年次別にやっていただくということも一つの方向であろうと思いますが、その辺は各県各県の御事情によってやっていただくということでこの法案はまとめてあるのであります。もちろんこういった基準の運用にあたりましては、新増設の問題につきましてはきびしくしなければならないということは私は当然のことだ、これは当然のことであるからわざわざ法律の中に書いてならない、こういう形で意見の一致を見たところであります。
 次に、第十三条の問題であります。
 第十二条第二項におきましては、瀬戸内海環境保全審議会におきまして、第一項にありますところの「瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならない。」という規定の運用につきまして、その基本的方針を調査審議するという形になっております。具体的なこの内容につきましては、審議の過程におきまして、公共性の高いものであるとか、あるいは港湾であるとか漁港であるとか公園であるとか、そういったようないろいろな具体的な話が出てまいりました。そういったものも十分に念頭に置いて、この瀬戸内海環境保全審議会におきまして調査審議されるものであろう、こういうふうに考えております。この基本的な方針につきましては、瀬戸内海の特殊性につき十分配慮するというものを、単に抽象的にやったのではやはり困る、相当具体的な基本的な方針が定められるものであろうというふうに私どものほうでは考えております。
 第十四条に関しまして、ヘドロのしゅんせつ等について、計画的にしゅんせつ船等を配備するような予算上の措置を講じることを考えるべきではないかという御議論がありました。全くそのとおりでございまして、そういった趣旨で第十四条は書いてございます。汚泥のしゅんせつにつきまして、必要な事業の促進につとめなければならないことを、国及び地方公共団体に義務づけるとともに、十五条におきまして、財政上の援助等につきましての規定を置いてございます。
 第十七条にあります赤潮防除技術開発については、いわゆる下水道の第三次処理を含めてのものであるかどうかという点でございます。第三次処理技術というものにつきましては、まだ技術開発の途上にございますけれども、当然にこういったものも入るというふうにわれわれのほうでは考えておるのであります。
 次に、第十六条には「大規模な事業に関する計画を設定するよう努めるものとし、」こういうふうな規定がございますが、この中にはいろいろなものが考えられる。たとえば浅瀬におきまして人工藻場をつくっていくというような問題を含んだものである。瀬戸内海は、最初から御説明申し上げておりますように、一大漁業資源の宝庫でありますから、そういったものが再び回復するようないろいろな技術の開発というものをこの中に考えているのであります。
 それから、さらに議論は重複いたしますが、第十三条につきまして、埋め立てにつきまして、免許または承認につきましての問題があるが、埋め立ての実施及び利用につきまして、瀬戸内海の環境の特殊性について十分配慮しなければならないではないか、そういった点をどうするのだという御議論がございました。こういった点につきましても十分にこれから配慮していかなければならない、これはこの法律の持つところの一つの大きな目的でありますし、具体的には瀬戸内海環境保全審議会におきまして、これは瀬戸内海の環境保全に関するたいへん重要な事項であります、同法第二十三条に基づく重要事項でありますから、こういった点につきましても、瀬戸内海各階層の意見の調和をまって、これの実施をはかっていけばいいのではないかというふうに考えております。
 なお、三年以内にということでございまして、この三年以内の問題というのは、三年たったならば法律がなくなってしまう、なくなってしまったら、あとはほっぽらかしではないかということでございますが、これは立法府として当然政府に対して十分な監督をしなければならないし、また、政府が何もしないということであるならば、やはりわれわれのほうとしては、新しい立法をそのときにまた考えていかなければならないだろう、こういうふうに考えておるのであります。
 それから、瀬戸内海におきましては、タンカーが非常にたくさん航行しておる。タンカーから出るところのバラスト水であるとかの処理の問題、あるいはビルジオイルの問題等々の問題につきまして、タンカーの油の処理の問題につきまして規制をしていったらどうか、さらにはタンカーの航行規制をやったらどうか、特に夜間航行の規制をやったらどうかというような御議論もございましたが、海上交通安全法との関係もございますし、さらにこの辺につきましても締めていただく、こういったものも含めまして環境保全審議会におきまして御議論をいただくという形にしております。
 さらに申しますならば、瀬戸内海にはたくさんの島々がございます。海岸がございます。そういったところで土砂、岩石等の採取等が行なわれております。これについて何らかの規制をすべきではないかという御議論もございましたけれども、これらのものにつきましては、おおむね小さな業者がたくさんやっておるわけでございまして、これの生業補償等の問題もございます。そういったものも含めまして、さらには瀬戸内海の緑化、また環境保全という観点から、さらに調査審議をしていただく、そういった意味におきまして、新しい瀬戸内海の環境保全基本計画におきましては、りっぱなものをつくっていただきたい、こういったものがわれわれ立案者のねらいでございます。
 それから、順序不同になりますが、審議会のメンバーの中には瀬戸内海の環境保全ということでございますから、当然に海の問題がございます。海の問題ということになれば、当然に漁業者の問題になりますから、漁業者の代表をぜひ入れてくれ、こういうことであります。これを明記しませんでしたのは、漁業者の代表も学識経験者の中に当然含まれるという解釈のもとにこの代表を入れる、漁業組合の代表であるとか、あるいは海区調整委員会の代表という方々が大体考えられるのではないかと考えられますが、この辺につきましては、この法律では内閣総理大臣というふうな形に任命権者がなっておりますから、その辺におまかせすることといたします。ただ、政府当局におきましても、この法律をつくるにあたりまして、当委員会におきましていろいろと議論をいたしました。最初に申し上げましたように、数回にわたりまして理事会及び理事懇談会を開いて議論をしたわけでございます。そういった審議の過程を十分に尊重せられまして、審議会のメンバーの選任、審議会の運用その他、この法律の運用については万全を期せられることを心から望む次第でございます。以上で補足説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○佐野委員長 この際発言の申し出がありますので、これを許します。島本虎三君。
#6
○島本委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、日本共産党・革新共同、公明党及び民社党を代表いたしまして、確認のため、簡単に五点にわたり発言いたしたいと存じます。
 まず、政令、総理府令、規定見込み事項についてでありますが、本法第二条第一項の瀬戸内海の海域に含める政令で定める海面というのは、どのようなところを予定しているものであるか、これを伺いたいと思います。
#7
○林(義)議員 第二条第一項の瀬戸内海の海域に含める政令で定める海面といたしましては、響灘や豊後水道等の問題水域等、瀬戸内海と一体的に水質の保全をはかる必要がある海域を、瀬戸内海環境保全審議会にかけて、必要に応じて定めていくことを予定しております。
#8
○島本委員 第二に、本法第二条第二項の関係府県に含める政令で定める府県としては、これはどのようなところを予定しているのであるか、これは京都、滋賀県、これらのものも含まれるものであるかどうか、その見解を問いただしたいと思います。
#9
○林(義)議員 御指摘の京都、滋賀等の関連が、現に立案の過程におきまして議論になりました。結論といたしまして、この法律の「関係府県」には、法律に規定されている十一府県に加え、瀬戸内海の環境保全の目的を達成するために必要な府県を、瀬戸内海環境保全審議会にはかったうえで必要に応じて指定していくことを考えております。
#10
○島本委員 第三点です。第五条第一項の政令で定める区域、すなわち関係府県の区域のうち特定施設の設置について府県知事の許可を受けることを要しない区域としてどのような区域を予定しているのですか。
#11
○林(義)議員 お答え申し上げます。
 関係府県の区域のうち特定施設の設置について府県知事の許可を受けることを要しない区域としては、この法律の趣旨からして、兵庫県の日本海側とか福岡県の佐賀県よりの部分等瀬戸内海の水質汚濁に関係のない地域が関係府県区域に含まれているので、そのような区域を政令で指定することを予定しております。
#12
○島本委員 第四点です。第五条第一項のその設置につき府県知事の許可を要しない特定施設として、政令ではどのようなものを指定することを予定しているのでありますか。この点も明確にしておいていただきたいと思います。
#13
○林(義)委員 たとえば、下水道の終末処理施設、し尿の処理施設等につきましては、これらの整備を進めることが瀬戸内海の水質保全に役立つものでありますから、このような施設につきましては、府県知事の許可を受けなくても設置できるように、第五条第一項の政令で指定することを考えております。
#14
○島本委員 最後に、同じく第五条第七項では、事前評価、すなわち環境アセスメントに関して必要な事項は総理府令で定めることになっております。これは重大なことでありますが、どのようなことを予定しているのでありますか、この際これも明確にしておいていただきたいと思います。
#15
○林(義)委員 特定施設の設置の許可申請につきましては、事業者が事前に環境アセスメントをすることになっておりますけれども、この総理府令では、たとえば水質に及ぼす影響の度合い、その範囲等、アセスメントをすべき事項について定めることを予定しております。
#16
○島本委員 各党了解の上で大体五点にわたって確認する予定でございました。しかし、よく考えてみたら六点であります。二十二条のすなわち政令都市という点、これはいかなるものを含んでおりますか。この点もひとつ解明しておいて、今後の運営に全きを期しておいてもらいたい、こう思うわけであります。
#17
○林(義)委員 二十二条には、「政令で定めるところにより、政令で定める市の長に委任することができる。」ということでございます。御質問は、政令で定める市はどこかということでございますが、政令の定めるところにより、政令で定める市の長に委任するということでございます。この法律に基づきますところの事務は府県を大体中心にして運営するというようなたてまえになっております。したがいまして、その府県の仕事というものが大体中心になって行なわれるだろうというのが私は原則だろう、こう思います。ただし、現実の問題としては神戸であるとか大阪であるとか北九州であるとかというような形で、実際にいろいろな環境保全の仕事をやっているところがございます。その他そういったところの市において委任したほうが適当であろうという場合におきましては、この府県知事の権限に属する事務を市町村に行なわせるという規定を置いたわけでございます。
#18
○島本委員 以上によって、了解の上の確認は終わったわけであります。
 提案者各位、各党代表の皆さんの労苦をたたえ、今後この法律が実を結ぶように、規定どおりにこれが実施されるように心からこれを祈って私の発言を終わる次第であります。(拍手)
#19
○佐野委員長 この際、本案は予算を伴う法律案でありますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきたいと存じます。三木環境庁長官。
#20
○三木国務大臣 環境問題は党派を越え、イデオロギーを越えた課題である、こういう見地から、各党が長期間にわたって御努力の結果、瀬戸内海環境保全に関する臨時措置法が可決をいたしますことに対して、これはまさしく国民の瀬戸内海を美しい瀬戸内海に取り戻してもらいたいという国民の要望にこたえたものであって、御努力に対して敬意を表する次第でございます。政府としては異論のあるどころか、この法律に盛られてある趣旨を体して、三年以内という規定をできるだけ時期を早めて、瀬戸内海の環境保全に対する基本計画を樹立いたす考えでございます。
 また産業排水の汚濁負荷量三年以内に二分の一に減少するということは、これは励行をいたすようにいたしたいと思います。
 また、沿岸工場の新増設の許可制に対しては、これは非常にきびしい態度でこの許可制というものに当たりたい。
 また埋め立てについては公有水面埋立法の規制に加えて瀬戸内海の特殊事情というものを勘案して十分な配慮を埋め立てに対しても加える所存でございます。
 また審議会の構成については、いろいろと重要な問題を審議会にかけるわけでありますから、その構成についてはこの委員会の審議等も体して十分な配慮を加える次第でございます。
 その他、立法の趣旨を体して、この画期的法案、しかも超党派で成立した画期的この法案の趣旨を体して、瀬戸内海の環境保全に万全を期する決意を申し述べておきたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○佐野委員長 本動議につき採決いたします。
 林義郎君外四名提出の動議のごとく、お手元に配付した草案を成案とし、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#22
○佐野委員長 起立総員。よって、さように決しました。
 なお、法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○佐野委員長 御異議なしと認め、よって、さように決定いたしました。
 次回は、来たる十八日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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