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1972/04/12 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 石炭対策特別委員会 第8号
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1972/04/12 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 石炭対策特別委員会 第8号

#1
第071回国会 石炭対策特別委員会 第8号
昭和四十八年四月十二日(木曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 田代 文久君
   理事 金子 岩三君 理事 田中 六助君
   理事 地崎宇三郎君 理事 山崎平八郎君
   理事 山下 徳夫君 理事 多賀谷真稔君
   理事 渡辺 惣蔵君 理事 多田 光雄君
      荒木萬壽夫君    加藤 紘一君
      倉成  正君    三枝 三郎君
      篠田 弘作君    戸井田三郎君
      三池  信君    宮崎 茂一君
      渡辺 紘三君    岡田 春夫君
      塚田 庄平君    細谷 治嘉君
      瀬野栄次郎君    松尾 信人君
      稲富 稜人君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
 出席政府委員
        通商産業省公害
        保安局長    青木 慎三君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    外山  弘君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部長 佐伯 博蔵君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 桑原 敬一君
 委員外の出席者
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部産
        炭地域振興課長 保阪 勘次君
        通商産業省公益
        事業局技術長  和田 文夫君
        労働省労働基準
        局監督課長   吉本  実君
        自治省財政局財
        政課長     土屋 佳照君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十二日
 辞任         補欠選任
  愛野興一郎君     宮崎 茂一君
同日
 辞任         補欠選任
  宮崎 茂一君     愛野興一郎君
    ―――――――――――――
四月十日
 福岡県金田町の残存鉱害早期復旧に関する請願
 (楢橋渡君紹介)(第二五九二号)
 同(愛野興一郎君紹介)(第二七〇一号)
 同(田中昭二君紹介)(第二七〇二号)
 同(田中六助君紹介)(第二七〇三号)
 同(多賀谷真稔君紹介)(第二七〇四号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第二七〇五号)
 同(渡辺紘三君紹介)(第二七〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する
 法律案(内閣提出第六三号)
     ――――◇―――――
#2
○田代委員長 これより会議を開きます。
 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。多田光雄君。
#3
○多田委員 通産大臣に伺いたいと思いますが、大臣はせんだっての四月六日のこの委員会で、多賀谷委員の質問に対して、その質問の内容というのは石炭の国有化、鉱区の統合、こういうような内容の質問だったと覚えておりますが、これに対して大臣がこういう表現を使っておられたのです。いままでの政策の破綻は事実である、かぶとを脱ぐ、こういう意味のことを言っております。意味というよりは、これはかなり正確なことばなのです。そういう回答をしておられたのですが、政策の破綻というのは一体どういう意味なのか。それからその内容、原因、これについてまず伺いたいと思います。
#4
○中曽根国務大臣 私は政策の破綻とか、かぶとを脱ぐという表現を直接言ったようなことはないと思いますが、速記録を調べてみて正確に御答弁したいと思います。(多田委員「速記録を調べてください」と呼ぶ)ただ、時代の流れとともに、いろいろいままでやってきた施策が、流れのほうが早いために追いつけない、あるいは新しい変化が起こった、それに対応するために非常に努力してきた、そういう意味のことは言ったことがあります。しかし、破綻したとか、かぶとを脱ぐとか、そういう表現はしてない、そういうふうに思います。
#5
○多田委員 私がノートにメモしておりますので、私は間違いない。こういう表現だと思うのです。(中曽根国務大臣「私は間違いないと思います」と呼ぶ)そしてあのときの大臣の発言は、そのあとに渡辺委員が言ったように、かなり困惑したようなそういう表現が随所に出ていたわけですね。したがって、いま私の申したのは、あとで速記録を見て、かぶとを脱ぐということばも入っていたし、それからまた政策の破綻、ここに私はアンダーラインを引いてあるのです。そういうことばを使ったのは事実なんです。ともかくそれはあとで事実によって確かめることにして、なおそれでは伺いたいと思うのですが、時代の流れ、いろいろ言われておるのですが、それをもう少し詳しく言ってくれませんか、どういう内容なのか。
#6
○中曽根国務大臣 重ねて申し上げますが、政策が破綻したとか、政策が失敗してかぶとを脱いだとか、そういうようなことは言った覚えはありません。これはどうぞ速記録を正確にお調べの上で、速記録に基づいてぜひ私に教えていただきたいと思うのです。言っている本人がそういうことを言った覚えがないというのですから、私は本人のほうが正しいと思います。前半の発言の統合、これもぜひお調べ願いたいと思います。
 それからもう一つは何でございますか……。(多田委員「いや、もう少し具体的にそれを述べていただきたいと思います」と呼ぶ)
 たとえば石油という安いエネルギーが出始めたわけでございますけれども、それが非常に大量に消費されるという形になってきております。そういうような面だけでも石炭がかなりの不況に追い込まれている、それが年をとるにしたがって増大してくる、こういうことも一つの現象だろうと思います。
#7
○多田委員 それでは伺いますが、日本のエネルギー問題の特徴といいますか問題点というか、それをひとつ述べてください。
#8
○中曽根国務大臣 国産エネルギーがこの経済力に比べて非常に少なくて、海外に依存する部分が非常に多いということ、それから日本の産業構造が戦後再建されたために海岸に立地している、そして流体エネルギーに負うところが非常に多いという産業構造になってきておる。そういういろいろな面から、急速成長のために公害問題が続出してきたというようなことが特徴かと思います。
#9
○多田委員 それから、これに関係してですが、いま通産省を含めてエネルギー対策の問題は非常に大きく論議され、そしてまた、国際的にはカッコづきではあるが、エネルギー危機というようなことばが非常に大きく使われているわけなんです。この中で、いろいろエネルギー対策を行なっているはずでありますが、これについて、いま大臣が述べた日本のエネルギーがいまぶつかっている問題、つまり供給、需要、これらを含めて説明していただきたいと思います。
#10
○中曽根国務大臣 エネルギーというか産業というか、一つは公害問題、もう一つは供給問題、この二つがあるだろうと思います。
#11
○多田委員 私はもう少し詳しくということを述べているのですがね。それじゃあとにしましょう。
 これは石油関係の方に伺いたいのですが、日本のエネルギーの供給、これの構成、それからエネルギー需要の伸び、部門別エネルギーの消費の割合、これらについてどなたかからひとつ……。
#12
○外山政府委員 一番新しい数字といたしまして、昭和四十六年度におきまするエネルギー種別の構成比という点で御説明申し上げます。
 これは御承知のように、エネルギー種別と申しましても、一次エネルギーと申しますか、電力に換算したもので逆算して一次エネルギー化したものでございますが、石油が七三・五%、それから石炭が一七・五%、それから天然ガスが〇・九%、それから原子力が〇・六%、それから水力、これは電気のような一次エネルギーでございますが、水力が六・七%、これが四十六年度の構成でございます。これが今後五十二年ぐらいまでにどうなるかというふうな計算は一応行なわれておりますが、たとえば水力は若干下がる。それから石炭につきましても一七・五が一四・六ぐらいに下がるだろう。石油は大体この比率が横ばいになってくるのではないだろうか。それから天然ガスは若干下がりますが、LNG、液化天然ガスのほう、これが大幅にふえるというふうなことになるのではないか、こんなような見通しを持っております。
 なお、いま石炭と申しましたのは、国内炭と輸入炭とを合わせて構成比を申し上げたわけでございます。
#13
○多田委員 需要の伸び……。
#14
○外山政府委員 いま五十二年度の構成比を申し上げましたが、これはそれぞれ需要の伸びを反映いたしまして、こういったエネルギー種別の構成比を計算したわけでございます。したがいまして、この構成比の中に、当然のことながら需要の伸びを前提に置いた計算というふうなことで御理解願いたいと思います。
#15
○多田委員 私は石油関係の人に出てもらうように言っておいたのですが、出てませんか。
#16
○外山政府委員 鉱山石炭局は石油も担当しておりますので、私、局長として承知しておるわけでございます。担当課長にたしか連絡をしておるわけでありますが、どうぞ私に御質問いただきたいと思います。
#17
○多田委員 その需要の伸びの中で、昭和四十年から四十六年までの需要の推移とそれから主要国の部門別エネルギー消費、これをひとつ述べてください。
#18
○外山政府委員 いま手元にございます資料で申しますと、一九六〇年代十年間のエネルギー需要の年平均伸び率を国別に申し上げますと、わが国が一一・七%、アメリカが四・一%、イギリスが二・三%、フランスが五・三%、西ドイツが四・五%、イタリアが、これがかなり高くて九・〇%、こんな数字の比較になっております。
#19
○多田委員 私の通産省から入った資料によれば、いまあなたが言われたような伸び方なんです。それで、あなたはいま私の質問にまだ答えてませんけれども、この中で、この部門別エネルギーの消費を見ると、こうなんですね。日本の場合は工業がエネルギーの中で五九・二%占めているのです。それがアメリカでは三一・六%、イギリスが三七・七%、それからフランスでは四五・八%、西ドイツにおいても四二・〇%、つまりこの十年近くの間で、日本のエネルギーの伸びは他国に比べて、他国というのは特にアメリカ、イギリス、フランス、西ドイツ、イタリア、これに比べて急速な、比較にならない大きな伸びをしておるということ、そしてまた、その伸びている内容を見ると、いま言ったように工業面における伸びが他国に比べて圧倒的に高いということ、それから同時に、その主要国の部門別エネルギー消費を見ると、民生関係を見ると日本が最低で二一・一%、アメリカが三五・三%、イギリスが三八・四%、フランスが三一・六%、西ドイツが三六・一%、こういう状況ですね。つまりこのことは、日本の過去十年、その前後の急速なエネルギーの伸び、その中で工業における伸びが比較にならない大きな伸び方をしているということ、これが一つ特徴と言えるのではないかというふうに思うのですが、これはどうですか。
#20
○外山政府委員 御指摘のとおりでございまして、いわゆる日本の産業構造がエネルギー多消費型の産業構造である。それで、単位当たりの成長の中で、エネルギー消費の伸び方がどういうふうなバランスがとれているかということの国際比較をした数字がたしかあるはずでございますが、それを見ましても、かなり多消費型の伸び方をいままではしてきたという点が指摘できると思います。
#21
○多田委員 もう一つ聞きたいのですが、それではこれからの一次エネルギーとそれから石油の伸び、これはあなたのほうからもらった資料によりますと、四十五年七月の総合エネルギー調査会の需給部会、ここで見ても、この一次エネルギーのこれからの伸び方、そしてまた石油の伸び方というのは相当の大きな伸び方になっていますね。これは他国に比してどうですか。
#22
○外山政府委員 いままでの伸び方が他国に比しまして非常に高いという点は、先ほどの御指摘のとおりでございますし、それから、いま先生が御指摘になりましたそれは、四十五年にエネルギー調査会が従来の伸び方をある程度延長するようなかっこうではじいた消費見通しでございます。それによりますと、やはりまだかなり高い割合で伸びるかっこうになっております。ただ、最近におきましては、たとえばことしあたりは、消費の伸び方はかなり停滞しております。そして先般、石油供給計画ということで、これは石油業法で毎年一回五年先までの分についての予定を立てるわけでございますが、その数字におきましての石油での需要見通しは、従来から見るとかなり鈍化する。それで少なくとも四割くらいの鈍化のかっこうで今後の需要は伸びるのではないだろうか、こういうふうな推定をここ五年くらいの間はしているわけでございます。
 なお、先ほど御指摘の数字にかわる作業といたしましては、現在、エネルギー調査会にもいろいろ担当の官房のほうから諮問をしているわけでございまして、今年じゅうには需給見通しについての、いま御指摘のものをある程度修正した内容が答申されるのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#23
○多田委員 過去の高度経済成長の中で日本のエネルギーが異常な伸びを示した。そしてその中で持つ石油の比重、これはもう当然御承知のとおりだと思います。ですから、この高度経済成長をささえたものが、一つはこのエネルギーの多大な消費。ここに一つ大きなささえの柱があったというふうに思うわけです。
 最近産業構造の転換、特に産業計画懇談会なんかも、公害の問題だとかあるいは今後のエネルギーの需給の関係からいって、いろいろ手直ししたような提言なんかもされておりますが、この石油が過去の高度経済成長をささえる大きな柱であった。これは大臣どうでしょうか。
#24
○中曽根国務大臣 そのように思います。
#25
○多田委員 次に、主要国の全エネルギー及び石油の輸入に対する依存度、これはどうですか。それからいま一つは、石油輸入の主たる産地、これはどこですか。
#26
○外山政府委員 主要国におきまする石油の輸入依存度がまず第一の御質問であったと思います。一九七〇年におきまして、アメリカが二三・二%、イギリスが九九・九%、フランスが九七・八%、西ドイツが九三・〇%、イタリアが九六・九%、日本は御承知のように九九・六ないし七というような大きな依存度を示しているわけでございます。
 それから、その次に石油の地域別の分布状況という御質問であったと思います。世界の地域別、国別に、どのような地域から輸入量が多いかということでございますが、これは中東地域、いわゆるサウジアラビア等を中心といたしました中東地域からの輸入が八六%というふうに、非常に大きな割合を現在までのところは示しているわけでございます。したがいまして、その地域が大部分ということになるわけでございまして、そのほか南方地域、たとえばブルネイ、カリマンタン、スマトラ、オーストラリア、そういったところを中心にいたしまして、これが約一一・八%、そんなような数字が出ております。
#27
○多田委員 いま説明があったように、石油の輸入依存度、これは数字からいえばイギリスの次、もちろんフランス、西ドイツもこれは輸入は非常に高いですね。それから全エネルギーの海外依存度、これも一九七一年で日本はイタリアに次いで八四・五%、こういう高い依存度を日本は持っている。そして同時に、その輸入先がいま局長が言ったように中東八六・三%ですね。同時にそれはいわゆる中東に絶大な権限を持っているOPECに対する依存、これが九四・三%、間違いないですね。そういう非常に高い依存率を、日本の産業の根幹をなすエネルギーがあるいは石油が持っているということ。これは、ひとつ大前提として、われわれは押えておかなければならない問題だろうというふうに考えるわけです。
 そこで、大臣にひとつ聞きますが、今日のいわゆるエネルギー危機ですね。エネルギー危機ということば、これについてはわれわれは、先ほどいったようにカッコづきで申し上げているわけなのですが、このエネルギー危機といわれる事態の本質、その震源地は、どこの国が主要な要因といいますか、あるいは震源地ということばがいいでしょうが、なっているのか、それをひとつ説明していただきたいと思います。
#28
○中曽根国務大臣 これは、やはりアメリカ、日本、EC諸国における石油の需要量の増大ということにあるかと思います。
#29
○多田委員 たいへん木で鼻をくくったような説明なんですが、この間政府側から来てもらって説明を受けたときには、この震源地は第一にアメリカである。需要の伸び、供給の伸び、これは当然考えられることであり、そしてまた、石油もこれは有限な資源であるから、石炭やその他と同じように、これはやがてはなくなるというものであることは事実なんです。しかしながら、いま社会主義国その他では、いわゆる石油が年々増大していってはいるけれども、エネルギー危機というようなことばは使われていない。この危機がどこから始まったのか、どこからそのことが大きく世界に広がっていったのか、それをもう一度伺いたいと思う。供給需要の関係では、水は高いところから低いところに流れるという説明と同じだと思う。
#30
○中曽根国務大臣 やはり先進国であるアメリカ、日本、EC、そのような国々で、中国やソ連は自給あるいは余っている、そういう状態で、それだけまだ十分工業化されていない。いまの文明のパターンがそういう文明になっておるから、そういうことになっておるのではないかと思います。大体が六十年における予想を見ましても、いまアメリカは七億トンくらい使っているようですけれども、それが十三億トン要ると称せられております。日本はいま二・三億トンばかりですけれども、これが七億トンくらい要ると称されておる。この数字がどの程度正確であるかどうか疑問ですけれども、一斑を察するに足る現状であるだろうと思います。
#31
○多田委員 新聞その他政府側からの説明を伺っても、今日のいわゆるエネルギー危機の根本的な震源地というか、それはやはりアメリカだ、このように報道され、私もまた、政府側からそういう説明をこの間レクチャーで伺ったわけです。
 つまり、アメリカは、いま大臣が言われたように、これから膨大な伸びをしなければならないけれども、いままでアメリカの対外依存率というのは二三・二%である。これは主としてベネゼラそれからカナダであったわけです。しかしペネゼラは大体三分の二くらい使ってしまった。それからカナダはアメリカに対する輸出規制を始めてきている。しかもアメリカ国内の生産、これも壁にぶつかってきたでしょう。これは、アメリカ国内の原油価格は高いのだけれども、公害その他アメリカ国民の非常に大きな抵抗を受けて、発電所、原子力あるいはその他のパイプラインを引くことまでがなかなか困難になってきている。これはアメリカの要人がそう言っている。しかも膨大な需要、この中で、やがて八〇年代にはその半分を外国に依存しなければならない。ところがそこで壁にぶつかった。
 そこで私はひとつ伺いたいのだが、アメリカはもし輸入するとすれば、いま一般にいわれておるどこから輸入しなければならないと思いますか。
#32
○中曽根国務大臣 埋蔵量及び可採量の予想からすると、やはり、サウジアラビアあるいはイランあるいはアブダビ、クエートのような、中近東の諸国の量がふえないとむずかしいようであります。
#33
○多田委員 大臣が言われたように、これからアメリカが膨大な需要にこたえていくためには、やはり中近東に大きな輸入の先を求めていかざるを得ない。ところが、いますでにアメリカにとって重大な問題にぶつかってきている。たとえば防衛の問題からいっても、この中近東からの輸入に対していえば、国防総省あたりからいろいろな批判がある。いままで軍関係は、高いけれども、国内産を使っている。それから御承知のように、アメリカは二十万トンタンカーが入るところがほとんどない。それから、あれだけの膨大な、二万キロメートルという遠距離を運ぶということもこれはたいへんだ。何よりも中近東の政治情勢、これはいまいろいろな屈折した形で民族運動が起きておる。しかしながら、これはおそらくとまらないでしょう。ですから、言われているように、今後八〇年ごろには五千億ドルからの外貨の保有を中近東が持つだろう。そこからくる国際的な通貨の問題、こういう重大な障害にアメリカがぶつかってきている。ここに、いまアメリカがエネルギー問題で最も頭を痛めている原因がある。このアメリカが、いまいわゆる自由主義諸国といわれる中で、エネルギー危機のいわれている根源というか、震源地がそこであったと思うのですが、大臣、どう思いますか。
#34
○中曽根国務大臣 まだ現実化していることではありませんが、いろいろな推定から見て、当たらずといえどもそう遠からず、おおむねそういうことであると思います。
#35
○多田委員 そこで大臣に伺いたいのですが、先般アメリカから特使のピーターソンが来られて大臣とお会いになった。どういうことをここではお話しになりましたか。特にエネルギー問題を中心にして……。
#36
○中曽根国務大臣 いまの石油あるいは原子力あるいは石炭、世界のエネルギー情勢が非常に不足になって、各国とも競争が激しくなる可能性もある。やはり国際協調でこういう問題を解決しなければいかぬ。アメリカの場合は、やはり石油の不足ということが相当予想される。だから、輸入に転じていくという可能性が大である、そういうような話をして、世男じゅうの国々が協調してこういう問題に対処しようというような話でした。
#37
○多田委員 先ほど言ったように、アメリカが、近い将来輸入の比重を次第に大きくしていかざるを得ない。こういう中でぶつかるのは、石油を最も大量に消費している日本、それから大臣も指摘している西欧だろうと私は思うのです。ここの調整をどうするか。これはエネルギー問題でアメリカがやはり考えている一つだろうと思うし、またそれが戦略課題だろうと思います。
 そこで、新聞報道によると、こういうことが多くの新聞に出ております。つまり、このピーターソンの来日について、世界的なエネルギー危機打開のために日米両国を軸とする国際協調の必要性が確認された、これは、あなたがお会いになったことですから、新聞の記事ですから……。
 それから、こういうことも書かれていますな。エネルギー安全保障外交の基礎を固めた。さらに同特使は、日米両国の協調で、日米、西欧それから中東、産油国を含めた国際会議によって、エネルギーの安定供給を目ざすエネルギー安保の必要性を指針した――エネルギー安保ということばは新聞社が使ったのかもわかりませんが、こういうことが報道され、すぐその直後、中曽根通産大臣は、国際石油会議開催の検討を始めたといわれているのですが、この辺の経過はいかがですか。
#38
○中曽根国務大臣 ピーターソン氏が来ましたことに関するいろいろな新聞記事は、いまお聞きした範囲では、憶測が多くて、必ずしもそういうものではないという点が多々ございます。私は、しかし日米間でエネルギー問題で衝突が起こることはまずいから、シベリア開発とかあるいは中国との油の関係とか、東南アジアとの関係とかいろいろな問題もあるから、日米問でエキスパートによる研究会議というようなものをひとつつくったらどうだろうかというような話をいたしました。
#39
○多田委員 大臣、この問題についてのアメリカの対策というか方針、これが一体どういうものなのか、これが一つ。
 それからもう一つは、中近東の石油を半ば独占しているといわれている国際石油資本、メージャー、これの方針はどうなのか。政府の代表としてどういうふうにこれを分析されているのか、それを伺いたいと思います。
#40
○中曽根国務大臣 近くアメリカ大統領のエネルギー白書と申しますか、そういう関係の意見が出るようでありますから、それが一番的確に最近の考え方をあらわしていると思います。
 現在、アメリカがどういう姿勢にあるかといいますと、いまおっしゃいましたように、輸入に転じてくる。そうして相当量が輸入であろう。したがって、国際協調でこの問題を解決しなければいかぬ、そういう方向にアメリカの姿勢転換が行なわれ始めている、そういうふうに想像しております。
#41
○多田委員 私がおそれていますのは、通産大臣もかつて防衛庁長官をやられたわけですが、アメリカの風下に立つということなのです、一番おそれていることは。たとえばメージャーが、昨年十二月、日本の系列精製会社に対して、本年第一・四半期の期限つきの安定供給の制限を通告してきた。これはショックを与えた、これは価格の問題もありますから。
 それから、最近大きく報道されたことですが、ジャパンラインの、アブダビ政府からの原油の直接買い付け契約調印、これに対して通産当局が金融面の援助をあまりなさらなかった、一部のマスコミがこれに触れていたけれども。やはり日本の石油供給の大宗を占めるOPEC、つまり七大会社あるいは八大会社ともいわれ、しかもその大半はアメリカの石油資本です。言うならば国際的な石油の独占資本、その圧力に屈するのではないか。それから、日米安保条約が示しているように、いわゆるエネルギー安保ということばが使われているように、このエネルギー問題でも、国際協調という名のもとで、日米協調という名のもとで、そういう風下に立たされるのではないかということを私は一部の新聞でも見たのですが、私もそのことを憂える一人なのです。
 そこで大臣に伺いたいのですが、政府の石油問題の基本計画として、一つは石油供給の分散化、つまり中近東に依存せざるを得ないけれども、なるべくリスクを広げるために、チュメニ油田も開発する、あるいはインドネシアその他、できるだけその産地を広げていくという問題、国際協調、これはいまアメリカや、大臣が言われたようにOPECとけんかしてはたいへんだ、さらにまた、日本の石油の大半を輸出している中近東、ここのいろいろな民族的な運動、こういうものも考えて、いわゆる国際協調、それから大臣がよく言われる自主開発、この三本柱のように見えますが、そう理解してよろしいですか。
#42
○中曽根国務大臣 大体そういう考え方です。
#43
○多田委員 そこで、これは大臣でなくてよろしいのですが、自主開発をやっているところ、これは通産省の資料によれば二十八カ所ありますが、間違いありませんか。
#44
○外山政府委員 大体そのようでございます。
#45
○多田委員 その中で、日本が単独でやっている事業、それから何らかの形で外資が入っているところ、それは幾つありますか。
#46
○外山政府委員 日本が単独でやっておる会社といたしましては五つございます。そのほかのものは、全部どこかの外資と提携して開発しているものでございます。
#47
○多田委員 四十八年一月末現在のこの通産省の資料によりますと、いま言ったように、二十八のいわゆる自主開発のリストが載っております。その中で日本の単独開発するのはわずか六カ所です。そして他は全部外資の入っているもの、しかもその中で十六がアメリカ系です。やはりこの多くはメージャーズといわれる、つまり国際的な石油の大企業、これが中心で、五〇%、二五%、あるいはもっと高い比率の資本が、これは入っているわけです。
 そこで、私は大臣に伺いたいのですが、自主開発の実態です。チュメニ油田も御承知のとおりアメリカとの共同であります。それから、時間がどんどん迫ってくるから私ついでに申し上げておきますと、たとえば日本の主要な外資系企業、石油精製、石油化学など、これを見ますと、このほとんどが二〇%、大半が五〇%、これまたメージャーズをはじめとする外資系が入ってきている。つまり、このことは、自主開発というたとえばイニシアチブはいずれがとったのか私は存じませんが、この自主開発の内容を見ると、こういう巨大資本がここに入ってきている。資本が二割、三割入ればその企業をとれるとさえいわれているぐらいです。一体これがほんとうに自主開発と言えるものなのかどうなのか、私は大臣に伺いたいと思います。
#48
○中曽根国務大臣 ある程度外国とも協力してやるということは国際協調のあらわれでありまし・て、それはまた、他面において企業リスクの分担という面もありますし、また、日本が単独でゴーイングマイウェーをやるといろいろな誤解も生まれてまいりますし、情報の入るのもむずかしくなる、やはりわれわれのほうは偏狭なナショナリズムをとってはならぬ、こう思いますから、日本が自分で自主的に選択して、お互いに何%ずつ持ち合ってやろうというのは、あくまでこれは独立の意思によってやるので、ちょうどわれわれが安保条約を独立の意思によってアメリカと提携してやっているのと同じであって、一向これは隷属でもなければ何でもない、みずから決定してやっている、そういう態度であります。
#49
○多田委員 共同石油が昨年アメリカのガルフと提携して、沖繩に原油中継基地をつくることになりましたね。これで石油元売り会社十三社のうち純民族系といわれるのがなくなった。いま、独立国は自主的にやるのはあたりまえだというふうに言われた。ことばとしてはごもっともな意見です。しかし、産業の根幹で最も重大な動脈となるエネルギー、これが先ほど大臣もお認めのように、その大半を海外に依存する、これからも若干の変動はあってもそれは変わらない、しかも海外でどこの風下に立って――風下ということばが悪ければ、どういう資本のもとにあるかといえば、メージャーズにしてもその他にしても、これは大半がアメリカ系です。イギリス、フランス系も若干ありますけれども、日本の経済の根幹を侵されてほんとうに日本の独立というものはかちとれるのかどうか。独立の概念についてはすでにいろいろ論議されているところですが、重要な経済の根幹を奪われているところに独立はないということばがあるように、そのことを私は第一に指摘しておきたい、こういうふうに思うのです。
 この間、某大新聞が「エネルギー危機」と題する連続記事の中でこういうことを述べております。ある学者が「OPECが台頭してきてもメジャーへの依存体質が抜け切れず、時代の先取り、転換が遅れた」――これは日本がですよ。という研究者のことばを引用して、その記事ではこう書いてある。「この日本の政府、業界の姿勢は、ニクソン・ショックまでアメリカの力を信じていた対米追随外交のそれと実によく似ている。“患者の楽園”とでもいうべきか。」すぐそのあとに「事態の展望への楽観的な見通しはつい最近まで続いている。田中首相の「日本列島改造論」もそのひとつといえる。」こう述べておるわけです。
 大臣はこの間の委員会で、政策の失敗、破綻、これを否定しておられましたが、同じその委員会であなたは、なくなった自民党の長老である松村謙三さんのことばを引用して、米の問題から、食管制度を維持しなければならないという、そういうことをあなたは教訓として後輩が学んでいるということを言われた。日本の食糧はどうでしょうか。肝心な米が減らされて、大豆、飼料、油、小麦、ほとんどが海外依存になってしまったじゃありませんか。そうして今般の投機です。つまり産業の動脈であるエネルギーが外国待ち、そしてまた人間のエネルギーの根幹である食糧、その勘どころがまた外国に押えられてきている。
 私はきょう申し上げたいことは、石油の異常な伸び、エネルギーの異常な伸び、その中で占める工業の異常な成長、そしてその根幹になるエネルギーの対外依存、しかもそれは主としてアメリカ、そして国際協調という名で実際に自主開発をやっていても、そこに外資が入ってくる、膨大な金がかかり、また高度の技術を要するわけですから、入れるという理由はわかります。ここに私は、これから述べる日本の石炭の問題にしても、それを含めた日本のエネルギー問題、日本の産業、経済、ひいては日本の運命を考える場合に、私は重大なことだと思いますが、大臣この点についてどうお考えでしょうか。
#50
○中曽根国務大臣 この委員会でも申し上げましたように、昭和六十年にはいわゆる国産原油と申しますか、日本の持ち分による石油の採掘というものを三〇%にふやそう、そう思って努力していると申し上げておるのです。現在の状態を見ますと、まだ十分ではございませんけれども、いわゆる民族資本といわれるものの比率はかなり挽回してきているわけです。精製率にして外資系が四九・一%、民族系が五〇・九%、販売にして外資系が五五・二%、民族系四四・八%。昭和二十何年でしたか、占領下、マッカーサー元帥の指令によって、太平洋岸の石油精製施設を再開するということを言われたときには、ほとんど外国資本が入ってきていたわけです。それをここまでともかく挽回して、そうして民族系をふやし、石油業法をつくり、国のセキュリティーの中心にあるエネルギー問題について、通産省は努力してきているという事実もぜひ御研究願いたいと思うのです。
#51
○多田委員 ちょっと御質問を変えたいと思うのです。大臣や通産省がいま考えているというふうに報じられている産業構造の転換、これはどういうふうにお考えなんですか。
#52
○中曽根国務大臣 従来の重化学工業型から知識集約型、成長優先主義から福祉型へ転換しようとしておるところです。
#53
○多田委員 経済社会基本計画、この中身での鉱工業の発展の指標といいますか、それはどうなっているでしょうか。
 たとえば私が指摘したいのは、最近産業計画懇談会の提言がありました。これは正式なものじゃなくて、財界の一部が発表して、またそれなりの話題を呼んでいる問題でありますが、これの中心は、通貨の問題、アメリカの日本に対する輸入自由化の強い要求、深刻な資源問題、公害その他に見られる国民のさまざまな抵抗、それに伴う企業の膨大な出費増、これらの問題からいま産業構造の転換を主張して、そしていま考え方を変えなくちゃならない、こういっておる。これもことばとしてはけっこうのように見えるけれども、一体その中身はどうなのか。そういいながら、実際にこの人たちの提言の中でも石油の輸入量は、四十五年、四十六年の一億七千万トンから――列島改造では七億トンでありますが、提言ですらも六十年には四億トンであります。現在よりも三倍近くになるわけです。そこで、経済社会基本計画の指標をちょっと述べてください。
#54
○外山政府委員 今回の経済社会基本計画は、本文におきましては数字はほとんど載っておりませんが、参考表といたしましてかなりの数字がいろいろ出ているわけでございます。その中から、いま御指摘の数字を参考表の中の数字として申し上げますと、鉱工業につきましては四十七年から五十二年の間の平均伸び率を一〇・〇としております。これは三十六年から四十六年の十年間の伸び率の平均一二・七よりはやはり下がっております。また、四十一年から四十六年の五年間の平均である一四・九、これに比較しても下がった数字が載っております。
 なお、これに基く石油の消費量の見通しは、たしかことしの二・六億キロリットルが三億三千キロリットルぐらいになるのではないかという参考表がどこかに載っていたと思いますが、見当たりませんので正確に申し上げられませんけれども、たしかそういうふうな程度の上がり方が予想されるのではないかということが参考数字として載っております。
#55
○多田委員 大臣、いまお聞きのとおりです。これこそが、あなた方に言わせれば、過去の多くのひずみを生んだといわれる高度経済成長政策、これの若干の量的な調整ですよ。規制というようなものじゃないです。つまり、公害その他の国民の手きびしい批判、そういう中で、しかも従来の太平洋沿岸臨海工業地帯、ここでは土地問題、人口問題、公害の問題、さまざまな矛盾にぶつかる。これを手直しする、その本質を踏んで、しかも高度経済成長を踏みながら展開しようとするのが日本列島改造だと私は思う。従来のこの高度経済成長、これは本質的に変わってない。これは量的な調整にすぎないのではないか、私はこう考える。一体これでほんとうに国民の命と暮らしを――なぜなら産業歓それ自体が自己目的ではなくして、国民の暮らし、社会の発展、それに奉仕しなければならないこの経済の目的からいってみても、実際には、こういう高度経済成長を本質的に引き継いでいこうとしている、私はそう思うのですが、一体これで大臣は真の転換が可能だと思いますか。
#56
○中曽根国務大臣 これは、政策当局、特に内閣あるいは国会等の決意にかかっておるのでありまして、そういう方向にいまや政治が動き出しておるわけでありますから、時間はかかるでしょうけれども、可能であると思います。
#57
○多田委員 当局の決意にかかるというお話でしたが、一番いい例は水俣裁判です。この二十年間どれほどチッソの被害を受けてあの地域住民が苦しんだか。この間、チッソをはじめとして一体政府当局はどういう態度をとったのか。あの歴史的な裁判の判決をかちとった力は何か。政府の力でしょうか。そうじゃないです。これは私の住んでいる北海道でもそうです。どこでもそうだけれども、絶えず政府当局、これがそういうものにむしろ水をかける方向に動いてきた。歴史を変えるものは政府ではなくて、ほんとうの国民の自覚と戦いだ、それにすなおに政府が耳を傾けるかどうか、これが、その政府がほんとうに歴史の発展に沿った政府かどうかを判断する重要な要素だというように私は考えるわけです。
 大臣にもう一度申し上げておきたいのですが、大臣も自民党の幹部である以上、そしてまた通産大臣として、当然列島改造に反対はしていないと思います。過去の工業生産、この高度経済成長がどういうひずみを生んできたのか、単なるひずみではないです。工業生産第一主義、あなたのいういわゆる経済合理主義、これは結局利潤が第一なんです。その結果はどういうふうになったでしょうか。工業と農村のアンバランス、農村のこのような大きな変化はヨーロッパでは五十年、一世紀かかったものが、わずか十年か十五年で、まるでローラーを引くようにやられてきている。大企業と中小企業のアンバランス、富の偏在、石油によって唯一の民族資源である石炭がこういうみじめな状況に置かれている。人間よりも消費、消費者は王さまだというが、消費が王さまなんです。祖国よりアメリカ、公害、物価、かけがえのない自然の破壊、こういう物心両面にわたる重大な事態が国際的にも最も深刻な形で、いまGNP第二位を誇りながら進行してきている。一体大臣が言っているような発想で転換ができるでしょうか。もう一度私はこれを大臣にお伺いしたいと思う。
#58
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、これは時間のかかることです。私は「日本列島改造論」という本を読みましたときに、これは五代の内閣で三十年を要する。一代六年やるとして五、六、三十年、一世代かかる、こういう仕事だ。じっくり腰を据えて構造改革をやらぬと、そう短期的に成功させようと思ったってできるものではない、そういうことを言って、方向は正しいのであるから、じっくり腰を据えて一つ一つ丹念に解決していく、ちょうど指のつめを洗うように一本一本丹念に洗っていく、そういう形でいかなければいかぬということを通産省の当局にも言ったことがありますけれども、これだけの大きな工業力を持っておる、そして歴史と伝統のある国家の方向を変えていくのでありますから、そう急に自転車を左折、右折させるようにUターンはできない。やはり時間をかけて、じっくりじっくりいろいろな調整を行ないながら進めていく、そういう方向がもうはっきりきまっているわけですから、努力を継続していけばできる、こう確信しています。
#59
○多田委員 おっしゃるように時間はかかるかもしれません。私が聞いているのは時間の問題ではない、つまり転換の根本的な立場の問題なんです。わずか十数年で、短期間でこれだけ日本の生産がGNP世界第二を誇るだけに成長してきた。先ほど言いましたけれども、これほど農村で人口が急激に減り、土地を奪われ、こういうのはヨーロッパではおそらく百年はかかっているでしょう。つまり時間の問題ではなくて、いま発想の転換が問題なんだ。その発想の転換というのは、たとえばエネルギー問題に見られるように、そして大臣もそういうことであろうと言われた。つまり、膨大な工業中心に対するエネルギーの需要の伸び、しかも民生が国際的にも一番低い、その中で工業中心であるということ。そしてそれが海外依存、ないものは買わなければなりませんから、私は海外から買うことを一般的に否定しているのではないのです。石油は最も貴重なエネルギー資源です。しかしその場合、ほんとうに自主的な立場でやるのかどうなのか。実際に資本主義社会で一番大事な、命よりも大事な金、資本、これの流れを見れば、この海外依存が決して大臣が言うように安心した内容ではないということを私は前提にして言っているんです。
 私どもが言っていますのは、産業計画懇談会や経済社会基本計画が意図しているような、いわば従来行なってきた高度経済成長、この中身は率直に言って大企業の生産第一、利益第一、大臣の好んで言われる経済合理主義、こういうものの調整ではないと思う。いま発想の転換で一番大事なことは、日本の経済において横暴なことを繰り返している大企業、私の言う大企業というのは一千万や二千万の企業を言っているんじゃないのです。少なくとも今日、日本の経済、政治すらも動かしているごくごく一握りの巨大企業です。これをほんとうに民主的に統制することができるかどうか。投機の問題を見てもそうです。物価の問題を見てもそうです。政治献金の問題を見てもそうです。これをほんとうに国民の立場で統制できるかどうか。これが私は発想の転換の一つだと思いますが、大臣はどうでしょうか。
#60
○中曽根国務大臣 公害基準を見ましても、日本がいろいろやっておる排出基準、環境基準というようなものは、諸外国に比べてまされこそ劣るものではない。あるいはけさの新聞に、アメリカはマスキー法を一年延期する、こう出ておりましたが、日本の環境庁は七五年から日本は実行する、こういっております。こういうことを見れば、方向ははっきりきまっておるのであって、決心はできておるわけです。これを努力して持続していけばわれわれの目的は達する、こう私は思っておるのであります。
#61
○多田委員 世界に比べて日本の公害法がすぐれているかどうかは別として、世界で最も公害のきびしい日本、国民の目から見ればざる法と見られる公害法です。今回、共産党は党として公害法を提起いたしますけれども、私はこの問題について最後に、ほんとうの発想の転換をするためには次の四点を私は強調しておきたいと思います。
 第一点は、先ほど言いましたように、こういう経済上のわがまま、横暴を行なっている大企業に対して民主的な統制をできるかどうか。
 第二番目は、ことしの予算を見ても多くの野党からも批判をされ、野党の共同で出した予算の案についても見られるように、インフレを進め、そして現実に進行している物価騰貴、これも昨日のあの参考人を呼んでみての内容をごらんなさい、いかに逃げるか、それに終始しているではありませんか。こういうものに対する財政金融上の援助、あとで石炭産業にも触れますが、これを財政金融の徹底的な民主化、つまり、あくまでも国の主権者である国民の利益、命と暮らし、かけがえのない自然、これを守ることに第一の力点を置くかどうか。
 第三番目は、この不均衡な経済の発展をつり合いのとれた発展、私の言うつり合いというのは、こっちの工場をこっちに持ってくるというだけではないのです。石炭産業に見られるように、もうけるときには石油をばかばか入れる。それは新聞社が指摘しているように、まことに患者の楽園であるといわれるほどに安直に入れて、そして今日自然を破壊してきている。日本の経済の動脈を海外、主としてアメリカに依存させる、こういう不均衡ではなくして、地場産業や石炭産業がそれなりに前進し、そこで働く人たちの暮らしが守られていく、そういうつり合いのとれた経済政策、そして最後に、日本経済の自主的な平和的な発展、私はこの四点が、何といってもいま日本の産業の転換の大きな柱になっているというように思います。
 そこで次に石炭問題に入りたいのですが、これも大臣また言わないと言われればそれきりなんですが、大臣は同じ四月六日の本委員会の答弁で、石炭の五次計画についてこういうことを言っておられます。世界のエネルギー危機をひしひしと感ずる、五次計画から打って出るという気持ちだ、これが最後の線だ。これも私はちゃんとメモしてあるのです。日本の石炭がこうなったと言わないようにしたいということを述べられた。いままでの答弁では、私はほんとうに日本の石炭産業がそれこそつり合いのとれた発展、民族の自主的な発展を保証できるようなそういう発展をできるかどうか、なお二、三の問題についてお伺いいたします。
 そこで大臣にですが、大臣は先般二千万トンは努力目標である、これは多くの委員から質問されたときです。努力目標というのは割ることもあるということなんです。私は、二千万トンというのにあまりこだわりたくないのです。ほんとうに二千万トンをあなた方の言うように守り、維持できる確信が一体あるのかどうなのか、それを伺いたいと思います。
#62
○中曽根国務大臣 一生懸命努力して守らなければならない最低のラインである、こう考えています。
#63
○多田委員 そのことばの中にも、いかにこの問題について確信がないか、一応そういう目標は持たれていることは了承できますけれども、はっきりしていると思います。
 そこで問題は、二千万トンがかりに千八百万トン、千九百万トンに減るということは、これは山の閉山ということであります。それが最大の原因でしょう。一体この閉山を最終的に決定するのは通産省ですか、それとも各企業の自主的な決定ですか。
#64
○外山政府委員 各企業でございます。
#65
○多田委員 では伺いたいのですが、企業が自主的に決定することだ、だから政府としては金は出して援助はするが、とめようがないということなんですか。それとも、その事前に十分これは相談に乗ってやってきていることですか。どうですか、金は出しているのですよ。
#66
○外山政府委員 当然のことながら企業ごと、山ごとに十分具体的な事情をつかんで、そして閉山のようなことにならないような指導、これがまず一義的に私どもとしては必要だと思います。問題に応じてよく実情を理解し、そのつど適切な指導をしていくということの一環として、先ほど先生がおっしゃいましたような、企業がやるんだからということで、こちらは一切ノータッチというような考え方でやっているのではなくて、やはり適切な指導の中で、できるだけ閉山というような事態が起こらないような指導を私どもとしてはしたいと思っております。
#67
○多田委員 適切な指導をし、十分な相談に乗っておるということですね。
 そこで、この前ここに参考人を呼んだときも、炭労組合の委員長がこの閉山の問題について、事前に十分知らせてもらって一緒に立て直すような方法を考えてくれ、これを訴えておりました。当然なことです。閉山によっていま答弁に立った局長の腹は痛みません。閉山によって最も苦しむのは、炭鉱労働者とその家族とその地域の住民です。この人たちがあすから路頭に迷う。職場をかえられるというこの重大な問題に対して、早くから知り、そしてときによっては企業と努力をしてその山を残す、この熱意はおそらく企業よりも強いものだと思います、なぜなら生活がかかっていますから。そうすれば、局長、早くからあなた方がその実情を知り、適切に指導し相談に乗っている以上、同様に、これは労働組合や労働者にも知らせて、石炭産業発展のために一緒に努力してもらうということが必要なんです。そのために、あなたは、それをあなたのほうが知らせるか、企業が知らせるかは別にして、いち早くそういう事態を労働組合に知らせますか。
#68
○外山政府委員 私どもがかりにそういった事情について企業側から話を伺った場合には、その理由なり事情なりを十分伺うことがまず先でございます。しかし同時に、それについて企業の判断がやむを得ないというふうなことになった時点において、企業が直ちに組合とも十分意見の交換をし、納得のいく決定なり処置なりをするように指導するということも、これも大事なことだと思っています。
#69
○多田委員 問題はそこなんです。企業がやむを得なくなったと判断してから労働組合に、労働者に知らせて一体何になるのですか。確かに企業のことですから、企業が自主的に判断することでしょう。しかし、何千億という金を出しておるのです、国民の名のもとで、その石炭産業を守るために。労働者も出している。その閉山しなければならない云々ということがいま通産省の中で問題になり、あなた方が適切な指導をする段階で知らせるべきじゃないですか。閉山がきまってから出して、労働者が一体どうして真剣にこの問題に立ち向かえると思いますか。
#70
○外山政府委員 閉山がきまってから企業が労働者と相談するのではなくて、労働者とも十分話し合いをしてからでなければ最終決定に至らないというふうなことで従来からもきているわけでございます。したがいまして、決定前には一切話をしないというのではなくて、決定に至る前にも話し合いにかかっている、こういうことでございます。
#71
○多田委員 その山があぶないということは、ぽかっと企業のほうから出るんですか。それともあなた方が見ていて、これはあぶないということで、いろいろサゼスチョンをするなりあるいは相談をするんですか。どっちなんですか。
#72
○外山政府委員 私もまだいろいろな場面に遭遇しておりませんが、山ごと、企業ごとにいろいろな場合があると思います。しかし、少なくとも相当早い段階で私どもが承知するというふうなことはあまりございません。それからまた、どうにもならなくなってからでなければ私どもにもこないということでもございません。私どもとしても、できるだけよく事情を踏まえながら適切な指導をしていきたい。その一環として、閉山の問題についても、これをできるだけ避けるようなかっこうの指導をしていきたい、こう考えている次第でございます。
#73
○多田委員 外山局長に伺うのですが、北炭の清水沢、平和両鉱の閉山は知っていますか。これは昭和四十八年度上期、下期に閉山ということがいわれていますが、知っておりますか。
#74
○外山政府委員 私はまだ全く承知しておりませんが、石炭部長から答弁させていただきます。
#75
○佐伯政府委員 北炭の場合は、先生御承知と思いますが、北炭新鉱を開発いたしております。その過程で……(多田委員「いや、知っているかどうかということです。」と呼ぶ)現在やっております炭鉱のうちの一部のところは、完了したものと思いますので、それをある時期には閉山をいたしまして、そして北炭新鉱に移る計画というふうに聞いております。
#76
○多田委員 ある時期というのはいつですか。
#77
○佐伯政府委員 これはまだ北炭新鉱の開発の状況と、それから現在のところが掘れるだけなるべく多く掘ろうというような考えだと思います。正確にいつだということは、きまっておらないというふうに考えます。
#78
○多田委員 これはもう去年新聞に、四十八年の上期と下期、どっちが上期だったか、ちょっと私、資料を忘れてきてしまったのですが、新聞に発表になっているのです。それすらも知らないのですか。
#79
○佐伯政府委員 当時の北炭の社長さんが新聞にそのようなことを発表されたのは聞いておりますが、現実にどの鉱をいつということははっきりきまっておらないというふうに私は聞いております。
#80
○多田委員 非常に無責任だと思うな。先ほど、適切な指導をすると言ったが、しかもこの両山を合わせれば二千名近い労働者ですよ。それが新聞に、企業の責任において記事が発表されている。この記事は、先ほどあなたが言った、北炭の沼ノ沢の新鉱との関係で発表している。そういう問題について詳しく知らないというわけはないと思うのです。もしそれを知らないとすれば、よほどあなた方はずさんであるか、そういうずさんなところに、あとで申し上げるが、何十億という金をぶち込んでいる。一体、それで国民に対して申し開きが立つでしょうか、大臣、どう思いますか。こんなわかり切ったことが……。
#81
○中曽根国務大臣 私は、具体的なことは、おそらく経営協議会あたりでも、内々労働組合と話し合っているのではないかと思います。そういうものが表に出てくるときには、別の形で出てくるのではないかと思います。もちろん通産省としても、会社の経営や計画についてはよく監視をし、また相談にも乗り、労働者のためを思っていろいろな手当てをしていくつもりでおります。
#82
○多田委員 時間がないから……。それと関連して、三菱大夕張炭鉱が本年度の生産計画を出しておりますか。これはいま三菱から、一応名前はとっておりますが、大夕張炭鉱……。
#83
○佐伯政府委員 全部の炭鉱につきまして、各社につきまして、四十八年度以降の生産計画、特に四十八年度については詳しい生産計画を聴取すべく現在やっておりまして、この四月初めからヒヤリングを開始いたしまして、現在まで三社のヒヤリングをいたしております。そのヒヤリングのときに、生産計画を持ってきて説明していただくということになっておりまして、三菱、いまの場合は大夕張炭鉱でございますが、まだ聞いておりません。したがいまして、ほかの、たとえば三井鉱山等もまだヒヤリング等が終わっておりませんので、それらのところも同じように生産計画をまだもらっておりません。
#84
○多田委員 この間、炭労が各社に申し入れて、山元に生産計画を出させたけれども、この大夕張だけが生産計画を出していないということです。
 それから最近大夕張炭鉱では、いままで四払いだったのを三払いにした。これが地元では五月中旬までしか続かないといわれております。また現存、人員が千六百名では操業を六月、七月までは延ばせないだろうといううわさもある。
 ところで、私は、この間札幌で聞いたことなんですが、企業は三月下旬に閉山の腹を固めたけれども、それをいま発表しないのは、いま審議しているこの法案が国会で無事通過するために、その支障にならないように発表をおくらせるという話を聞いておるけれども、そういう事実を耳にしていませんか。
#85
○佐伯政府委員 そういうことは聞いておりません。
#86
○多田委員 それじゃ、この法案が通っても大夕張炭鉱の閉山はじかには出ませんね。
#87
○佐伯政府委員 先ほど申しましたように、四十八年度の実施計画、これは先生御承知のように、炭鉱はいろいろな助成措置で成り立っております。たとえば、第三次肩がわりをするかしないかということと関連いたすわけでございますが、法律なり予算なりを通していただいて、それを前提として、どういう計画になるかということを聞くのが本来かと思いますが、時間的なこともございましたので、一応それらを前提にいたしまして実施計画を出していただく。それを一応三月末までにつくっていただいて、四月中にヒヤリングをするという形でやっております。三菱鉱業につきましては、現在まだヒヤリングをいたしておりませんので、その辺のところはまだわからないという状況でございます。
#88
○多田委員 どうもあいまいだ。大夕張、これは三菱系だが、あなた方の資料によると、四十七年度で年産が七十七万三千トン、労働者が千六百人、出炭は原料炭、こういう山の現場の状況その他から見て、あなた方が十分に事情をつかんでいないかのような発言です。これから聞きます。
 大臣に私は述べたいのですが、これは実情ではないと思う。こんなことを知らないような日本の官僚ではないと思う。知っていて発表しないのです。だから先ほど、私は石油問題でもくどく言っておるのはそこなんです。だから通産省は、閉山の片棒をかついでいる、こうさえみんなからいわれておる。この法案が通ったら、相当の閉山が出るだろうといわれておる、金をやっているのだから。外山局長、この閉山問題について、先ほど私が言ったように、いち早く調べて、労働組合に適切に知らせて、しかるべき手を打つかどうか、それを伺いたい。
#89
○外山政府委員 所管企業の実情については、常に、できるだけ的確に把握しておくことは、行政の大事なことでございます。私どもといたしましても、いまの実情がどうなっているかということについて、特に問題があると私は聞いておりませんけれども、いまの御指摘のような立場に立ちまして、実情の的確な把握ということにつきましては、今後とも努力をしてまいりたいと思います。
#90
○多田委員 局長、私は国会という場でもって数字まであげて述べている。責任をもってそのことをやりますか。
#91
○外山政府委員 実情の把握につきましては、責任をもってやってまいりたいと思います。
#92
○多田委員 実情の把握だけではなくて、そういうものをつかんだときにいち早く労働組合その他に連絡して、ほんとうに山の再建のために努力するような措置をとるかどうかということです。
#93
○中曽根国務大臣 実情を把握して、その実情によって、これは会社に注意して、会社からやるべき問題で、通産省から労働組合に直接やるというものではないと思います。
#94
○多田委員 大臣の発言がありましたので、それじゃ、会社から労働組合にいち早くそのことを連絡する。労働組合はすぐそれを全山に知らせる、こういう状況だがどうするか、こういうことを言っている。それは通産省がすぐ連絡しなくてもよろしいでしょう。
#95
○中曽根国務大臣 実情によって、そういうふうに会社に措置をとります。
#96
○多田委員 次に移ります。
 この間大臣は、渡辺委員の発言に対して、北海道に火力専焼の発電所をつくるために努力するというふうな、北海道の人にとっては非常に喜ばしいような発言をされたわけです。この問題について少し伺いたいと思います。
 電気関係の方おりますか。――一体、その発電所は今回の五次計画の中でつくるのか、あるいはいつ、どこに、どの程度の規模のものをつくるのか、つまり三十五万キロワットなのか十七万五千キロワットなのか、これをひとつ伺いたい。
 いま一つ、これは調査費がついているという話ですが、幾らですか。
#97
○和田説明員 産炭地火力の具体的な計画につきましては、われわれのほうから非公式に、地元の電力会社等にも計画案の検討を依頼いたしまして、ただいまその検討のたたき台になる案が出てきた段階でございます。いろいろな検討項目を詰めている段階でございます。その案としては、一応三十五万キロという試算で検討の案ができております。
#98
○多田委員 三十五万キロワット一基ということですか。
#99
○和田説明員 検討過程においてまだいろんな問題が出てくると思いますが、いまの検討の主題になっておるのはさようでございます。
#100
○多田委員 大臣、この経過をよく聞いておいてください。この間の発言は、産炭地にぜひつくってもらいたい。これは住民の要求です。北海道全体が産炭地といえばそうだろうけれども、北海道は広い。産炭地といえば、空知あるいは釧路の近辺、その辺でしょう。つまり内陸地帯です。今日の段階で三十五万キロワットの設備を内陸地帯に設けることができますか、道路交通法その他で。
#101
○和田説明員 まだ検討が十分煮詰まっておりませんが、常識的に考えまして、三十五万キロワットですと、おそらく臨海地帯になるのではなかろうか、こういうふうに考えます。
#102
○多田委員 北海道電力の四十八年度の事業計画を見ると、D発電所、これは三十五万キロワット一基つくるということで、いま北海道議会でもこれが問題になっている。これと、いまあなたの言われた臨海地帯につくるというのと同じものですか。
#103
○和田説明員 北海道電力の希望による着工地点で、先生いまおっしゃるD発電所というのは、五十年度の着手希望予定でございます。おっしゃるように、三十五万キロの火力ということで計上はいたしておりますが、何ぶんにも先の話でございますので、どこにどういうものをつくるか、おそらくまだ具体的にはきめてないのじゃないか、こういうふうに考えております。
#104
○多田委員 そうすると、三十五万キロワット一基というのは、いま言われたように臨海地帯だろうというお話なんですね。それは内陸地帯でない。北海道で臨海地帯といえばもうはっきりしているのです。釧路か苫小牧かこのいずれかなんです。通産省から聞いたときでも、いわゆる産炭地といわれる内陸地帯には――一番日本で大きいので内陸地帯につくっているのは十七万五千キロワットです。ということはどういうことになるのでしょうか。いわゆる産炭地に発電所が一体できるということなんですか、できないということなんでしょうか。できるとすれば十七万キロワットを二基づくるということですか、あるいは一基ですか、その辺ちょっと伺いたいのであります。
#105
○和田説明員 われわれのほうでいわゆる産炭地火力として考えておりますのは、北海道の場合、北海道で出る炭を利用した火力ということで、山の近くという限定をつけて考えておりません。ですから、先生のおっしゃったような内陸になるのか臨海になるのか、そのときまでにもう少し検討いたしまして、将来のことも考えて、もし石炭火力をつくるのならつくっていきたい。現在はきまっておらない段階でございます。
#106
○多田委員 だから、この間大臣が発電所をつくるような熱意を示されたと思ったが、内容を調べてみると住民が望む産炭地でなくして、臨海地帯であるかもしらない、こういうことになってくる。
 それからもう一つ伺います。一体この臨海地帯につくる三十五万キロワットは石炭と石油とどっちをたくのですか、両方併用ですか、どうですか。
#107
○和田説明員 まだ具体的な計画ができておりませんので何とも言えませんが、常識的に考えますと、おそらく臨海地帯なら併用になろうかと思います。
#108
○多田委員 これで化けの皮がはがれたようなものです。今日火力発電所が石炭と重油の併用、これはもう常識になっている、しかも臨海地帯、そうすればときには石炭をたくだろうけれども、あの臨海地帯はこれから膨大な石油基地になる。石油のほうが安いのです。いつでも転換できる。転換できる装置をつくるのです。それがいま道議会で問題になっているのです。たとえば二十五万キロワットの場合に、高品位炭を使う設備をすれば、これは私の調べた資料では百三十五億かというのです。重油をたくと百十六億で済むそうです。ところが、いま北海道電力は、両方たける設備をするために約二十億から三十億の国と道の助成を求めてきておる。つまり、石炭をたきますと言いながら、実際には重油を主とするような火力発電所をいま臨海地帯につくろうとしているのです。こういう実態なんです。どこに一体産炭地の発展があるのでしょうか。大臣、どうですか。
#109
○中曽根国務大臣 石炭政策を考えて、石炭火力、あるいは石炭火力と一言に私たち言っておりますが、石炭を中心に考えてこれはやろう、そういうことで私は渡辺委員にもお答えしたのであります。それは混焼するということもあり得るでしょう、設備を合理化していく、そういう意味においては。しかし、趣旨はそういうことで私たちはつくっていこうと思うので、その際には、いろいろまた通産省としてもこれを監督したり、会社に対してこういうふうにやってほしいと言うてわれわれの希望を達するようにやろうと思っております。
#110
○多田委員 大臣の回答がありましたので関連して。それをほんとうに産炭地、内陸地帯にできるだけつくるということですか、しかも石炭を中心にするということですか。
#111
○中曽根国務大臣 内陸地帯につくるかあるいは臨海地帯につくるか、まだ場所はきまっていない。やはり公害問題というものは非常に大きな問題ですから、その地点をきめるということは非常に大事なファクターになっておるので、どこにつくるということはまだきめておりませんが、ともかく北海道を優先して、先ほど申し上げた第五次答申の中にもそういうものは触れてあるのだから実行しよう、そういう考えでおるわけであります。
#112
○多田委員 それではもう一度念を押して聞きます。五十二年度からですか、北電の計画しているいわゆるD火力発電所、これは油と炭と併用のものです。これと違う、石炭専焼というか石炭中心のものをつくるということですか。
#113
○和田説明員 もしかりに石炭火力をつくるといたしますと、そういうことが決定いたしますと、これは着手してから三、四年で供給力として出てきますので、当然D火力の代替になるのか、あるいは一部代替になるのか、あるいは計画変更、現在出して・いる計画を一部変更することになるのか、あるいは三十五万キロそのものならこれにかわるものになろうかと思いますが、時期その他につきましてまだきまっておりませんので、具体的なことはお答えできません。
#114
○多田委員 次に移ります。
 この間参考人に来てもらって話したときにも、石炭産業労働者の賃金が決して高くないということは協会の貝島会長も言っておりました。高くないという御議論ですが、五社答申の中身を見ますと、他産業に比してもっとこれを優遇しなければならない、ことばは違いますけれども、こういうことを述べておるわけです。
 そこで、きょう労働省基準局来ていますね。現在炭鉱では、本来特別な労働でなければならない超過労働、これが炭鉱特有の生産システムの中に組み込まれている。だから九時間労働、十時間労働が日常のこととしてやられているのです。もちろん超過労働をやるかどうかは個人の意思にかかわる問題です。ところが、この超過労働が炭鉱のあの生産システムの中に組み込まれているために、労働者は自分の意思にかかわりなく、超過労働をやらざるを得なくなっているのです。たまに超過労働をやらないで早く出ようと思っても、出ればその負担が仲間にかかってくる。これは事実上の強制労働といっていいでしょう。これは基準法違反が行なわれているわけだけれども、こういう実態を労働基準局知っておりますか。
#115
○吉本説明員 石炭産業におきます労働時間の問題でございますが、全国の、労働省で調査しました四十七年の調査によりますと、所定内の労働時間は月間で百五十八・九時間、所定外の労働時間は三十二・三時間、こういうようになっておりまして、製造業の男子の生産労働者と比較いたしますと、所定内の労働時間につきましては八・一時間短くなっておりますが、所定外の労働時間、ただいまおっしゃっているような問題につきましては九・六時間長くなっておるというのが、四十七年の調査結果の数字でございます。
#116
○多田委員 この数字も私はほんとうの実態に即したものではないと思う。あの地下労働の場合に、所定内の時間が少ないことはあたりまえのことである。そのあたりまえの中に、所定外の時間が多いというこの政府側の数字だけでも、炭鉱の労働条件が他産業に比べてどんなに過酷なものかということがはっきりしている。私は実態をもっと調べてもらいたいと思う。そこで、炭鉱労働者の賃金の低いことは、十年間のアップ率を見てもはっきりしている。政府側の数字を見てもはっきりしているわけですが、その低い賃金が今日なお改善されていない。むしろその差が大きくなっていっている。
 ここで私は石炭当局に伺いたいのですが、石炭経営者に対して大幅の賃上げを勧告する意思がありますかどうか、伺いたいと思います。
#117
○外山政府委員 賃金は労使が協議してきめるべき性質のものでございますし、私どものほうから特にそういう勧告というかっこうで積極的な介入をするということは当面考えておりません。
#118
○多田委員 それでは、政府が勧告する意思はないということになれば、五次答申の中に、他産業労働者の均衡において改善する、こういうことが書かれているのだけれども、これは単なる文章にすぎないのですか。政府はこの答申に従ったわけでしょう。どういう意思表示をされるのですか。
#119
○外山政府委員 実際上、賃金につきまして、その答申の趣旨が実現できるよういろいろな助成策の強化をはかっていく、こういうことでその趣旨にこたえたい、こう思っておるわけでございます。
#120
○多田委員 実にもったいないくらいの助成措置をいままで炭鉱経営者にやってきていますよ。一番生産をささえる、生産力の最大の力である労働者の条件が一向によくならない。しかも一年間の石炭の売り上げが一千二百億といわれ、それに匹敵する金をことしはまたばらまこうとしておる。そういう中で、これは当然労使の中で根本的に決着する問題ではあるけれども、ほんとうに石炭産業を守っていこう、そのささえん棒になる労働者の生活を改善するために、そういう勧告をしたってよろしいのじゃないですか。あるいは勧告がまずいならば、もっと積極的な意思表示をされるのがあたりまえじゃないでしょうか。国民はそれを納得すると思うのですよ。
#121
○外山政府委員 一般的に、賃金の問題につきまして、答申がうたっているようなことが実現されていくよう私どもも期待するわけでございますが、しかし、個々の企業に対してどうすべきであるという意味の勧告ということでございましたら、やはりこれは労使の決定にゆだねるというのがたてまえだろうと思います。
#122
○多田委員 政府と経営者とヒヤリングをやっているはずですが、そのヒヤリングの中でそういう話は出ませんか。
#123
○佐伯政府委員 先ほど申しましたように、ヒヤリングを始めたばかりでございまして、現在いろいろな状況を各会社から聞いておる状況でございまして、特にその問題について触れてはおりません。
#124
○多田委員 それでは、基本的に労使が決着をする問題だというのであれば、ことしの春闘で炭鉱の労働者、労働組合は、大幅の賃上げを要求してこれからの戦いにいま立ち上がっている。当然なことです、いまの物価高その他の中において。その場合、炭鉱経営者がものわかりが悪い、争議が長期化するという事態になっても、政府は勧告しませんね。
#125
○外山政府委員 どういう時点でどういう内容の指導をするのがそういった場合によろしいかということは、具体的な事情によるだろうと思います。
#126
○多田委員 たとえば、炭鉱労働者の賃金が他産業並みに、あるいはそれ以上に決定しても、そのことを理由にして閉山、縮小を促進するようなことは絶対ない、こういうことは言い切れますか。
#127
○外山政府委員 賃金の支払いは、やはりその企業が存立をはかっていくときの重要な要素だろうと思います。その賃金について、どういう実情であるかということの相対的な比較における判断、これも一つの問題点だろうと思いますが、やはり企業の存立が第一であるという立場に立ちますと、むげに賃金の問題について一義的な勧告をするというふうなことはなかなかむずかしいのではないだろうか、こう考える次第でございます。
#128
○多田委員 ぼくはたいへん矛盾していると思う。賃金はそれ自体が労使の力関係できまることである。それを大前提にしておりながら、労働者に賃上げを勧告する程度のことすらはばかるあなた方が、労働者がいま低賃金の中で立ち上がって、せめて他産業並みの賃金を取った場合に、取るということ自体にあなた方は態度があいまいだ。ここなんですよ、根本の問題は。石炭産業を守るということは、経営者だけでやっているのじゃないのです。ここに、通産省が経営者の肩持ちであるといわれ、閉山の問題でも、わかっておりながらこれを発表しない、企業の都合のいいときに閉山の発表をさせる、労働者はあわてる、この繰り返しじゃありませんか。そこに今日の政府の石炭政策のもう一つのあらわれがある。ほんとうに働く労働者、これは国民ですよ、この立場を優先させたり尊重するのじゃなくて、いつも企業サイド、企業サイドだ、これが高度経済成長をささえたのでしょう。これで今日大きな問題を起こしているじゃありませんか。どうなんですか。中立というのであれば、たとえ多額の金を取ったとしても、喜びこそすれ、それに介入するようなことをしてはいけない。あたりまえのことじゃありませんか。どうですか。
#129
○外山政府委員 企業が、従業員の立場も考えていろいろな配慮をするということ自体、望ましいことでございますし、私どももそのこと自体は大いに期待をするわけでございます。しかし、具体的にどうこうすべきであるというふうな勧告、指示といったようなことは、いまの賃金の問題に関する限り、やはり労使の決定にゆだねるべきものである。具体的な指示をするというふうなことは、私どもとしてはいま考えていないということでございます。
#130
○多田委員 具体的な問題が起きたときにいろいろ考える、いまは指示しないということですが、具体的な問題というのは、たとえばどういうことですか。
#131
○外山政府委員 その企業の賃金が非常に低い、低いこと自体は非常に遺憾であるけれども、同時に、企業の立場を無視して、一方的に賃金はここまでにすべきであるというようなことを具体的に指示することは、もっといろいろな事情を総合した上での企業の判断なり、企業の経営の態度なりがあると思います。したがいまして、その部分だけをとらえた指示というふうなことは具体的にはできない、こういうふうに申し上げたわけでございます。
#132
○多田委員 炭鉱の労働者や労働組合の幹部は、いろいろなことを考えてやっているのですよ。企業のことは、ときによってはわれわれもよく知っている、むやみやたらに自分の生活をよくするということを言って非常識なことをやったことがありますか。むしろ、炭鉱労働者はいつも低い賃金に押えられているのでしょう。私は、そういう常識を日本の炭鉱労働者や労働組合の幹部はりっぱに持っていると思う。だから、あなたの言っていることは少しも私は納得できないし、理屈にならない。本質的にはやはり企業サイドだ。そこがあなたのようなそういう発言をさせておる。
 もう一度確認しますよ。賃金はもともと資本家と労働者の間で独自に決定する、これは炭鉱労働者にも当てはまりますね。それをひとつ最後に聞いておきたいのです。
#133
○外山政府委員 そのとおりだと思います。
#134
○多田委員 次に、いまはつぶれましたけれども北炭の赤間、空知鉱、これの連絡坑道をつくった目的、規模、完成年月日、国からの補助、廃止の年月日、これを言ってください。
#135
○佐伯政府委員 お答えいたします。
 空知炭鉱と赤間炭鉱とを連絡いたしまして、石炭の運搬の合理化をはかるためにつくりましたものでありまして、長さは二千三百メートルございます。それから、運びましたものを選炭機に持ってまいりまして、全体を集約しようというふうなことでやったわけでございます。
 着工は、四十年の十一月に着工いたしまして、四十七年の一月に完成をいたしたわけでございます。しかし、完成をいたしましたのですが、その後すぐあとに、四十七年の七月に赤間鉱のほうにおきまして、残念ながら自然発火が発生しましたので、これを消火いたしますために密閉をするというようなことになったわけでございます。そういたしますと、主要採炭区域が失われてしまうことになって、残存のところはもう炭量がないというふうなことからいろいろ検討し、また労使のほうでずいぶん御検討されたように聞いておりますけれども、赤間炭鉱部分を閉山せざるを得ないというふうな事態になったわけでございます。したがいまして、空知と赤間と両方つないで合理化しようと言っておりましたのが、赤間炭鉱のほうが閉山をいたすということになってしまいましたものですから、これは当然廃止をするというふうなことになったわけでございます。
 経費でございますが、総工事費は一億三千七百万円でございまして、そのうちで国からの補助金が四千三百万円、それから近代化資金の融資四千百万円、自己資金五千三百万円でございます。これは、現在各炭鉱にやっています制度をそのまま適用してやった工事でございます。
#136
○多田委員 そうすると、この坑道は一度も使用されていませんね。
#137
○佐伯政府委員 運搬の、そのつくりました目的としての使用はいたしておりません。使用する段階の前に、先ほど申しましたように、自然発火で密閉して放棄せざるを得ないというふうな事態になったわけでございます。
#138
○多田委員 関連して北炭の夕張の新鉱開発、これを伺いたいのですが、沼ノ沢の新鉱開発はほぼ一年くらいおくれている、こういうふうにいわれておりますね。そこで隣の三菱の南大夕張新鉱、これは現在マイナス二百レベルで採炭している。そうしてマイナス六百レベルで終掘するという方針のようだ。ところがこの新鉱は、マイナス六百レベルから採炭に入る方針だということを聞いていますが、事実ですか。
#139
○佐伯政府委員 そのとおりでございます。
#140
○多田委員 このマイナス六百レベル以降の採掘が技術的にも非常にむずかしさがある。そして私どもの調査によるというと、実際に現場で苦労している石炭の技術者の中では、北炭の新鉱の見通しについて確たる答えを私は聞いたことがないのです。むしろ自分が経営者であったらあまりやりたくない。つまりこの採掘に伴う水、ガス、地圧、地熱、この四重苦の技術的な問題の解決があるわけなんです。政府はそういう点で、この新鉱に対して確とした確信を持っておりますか。それからついでに、いままで幾ら金をぶち込みましたか。
#141
○佐伯政府委員 その北炭新鉱のところは、日本に残されておりますきわめてまとまった有望な炭田でございます。可採埋蔵炭量も八千万トン以上あるというふうに、相当なボーリングで結果を確認をいたしております。しかも、その炭質はりっぱな原料炭でございまして、われわれはこれが日の目を見ることをとても期待をしておる次第でございます。通産省といたしましてもこれを開発指定地域に指定いたしまして、開発の促進をはかっておるわけでございます。ただ御承知のように、炭層が六百メートルないし八百メートルぐらいのところにございます。一般に深くなりますと、ガス、地圧等が大きくなりましてむずかしいわけでありますけれども、それはそれなりの技術を駆使して、日本に残された唯一とは申しませんけれども、きわめて有望な炭田でございますので、われわれはこれの完成にとても大きな期待を持っておる次第でございます。
 それから、ただいままでに投資をいたしました内容でございますが、現在まで、四十七年度末までに、工事、これは主として立て坑二本をいま掘っております。それから斜坑を二本掘っております。それから通洞坑を掘っています。そういうことがいままでのおもな工事でございまして、そのほかに選炭機、住宅等の一連の施設も若干工事中でございまして、四十七年度までに八十四億円の工事がなされたわけでございます。
#142
○多田委員 そのうち国から幾らですか。
#143
○佐伯政府委員 そのうちで、いわゆる合理化事業団からの開発資金という形で四十一億円でございます。それから開発銀行から八億円、その他財政資金から五億円ということでございまして、その合計をいたしますと五十四億円が国ないしは事業団、開発銀行からの融資でございます。
#144
○多田委員 最終的にはどのくらいになりそうですか。
#145
○佐伯政府委員 これは、当初百六十億円で完成をいたそうというふうに計画をいたしたわけでございますが、掘進の途中で水が出まして、それの防水工事に相当の経費がかかり、かつまた時間が長くかかってしまったということで、先ほど先生おっしゃいましたように、工事が若干おくれております。それから、そのおくれの後のいろんな物価の上昇等がございまして、百六十億円では完成をしないんではなかろうかというふうに思っております。なお、現在幾らぐらい最終的にかかるかということを検討しておる最中でございますが、二百二十億円くらいかかるのじゃなかろうかというふうに、現在、非公式でございますが考えております。
#146
○多田委員 赤間の問題を見ても、私は大臣にも聞いてもらいたいと思うのだけれども、この新鉱の問題を見ても、世間ではこういっていますね。つくって使わずに閉じてしまう。北炭新鉱にしてもいろんな劣悪な条件、こういうことが一体予見できなかったんだろうか、北炭の萩原社長というのはよほど政治力があるんだね。もっとも、北炭はこういうきたないことを一番よくやっているところです。こういうふうな問題について、私は非常にきびしくやってもらわなければいかぬと思うのです。技術的にも、多くの現場で働いている技術者の人が疑問を投げかけているのです。
 そこで、この問題で私一つ申し上げておきたいことは、言われたように、北炭新鉱が一年くらいおくれていますね。そして、先ほど言ったように、夕張の清水沢、平和鉱、ここに二千名近い労働者がいる。これをことしそっちに持っていくという予定だけれども、この山自体が炭がなくなったといって会社は閉じようとしている。労働者はどうなりますか。ここで数百名の首切りをせざるを得ない。しかも、移すべき新鉱が延びている。会社に言わせれば、こっちのほうは炭がなくなってきている。どうやって食いつなぎをするのですか。また交付金でもやるのですか、補助金でも出すのですか、伺いたい。
#147
○佐伯政府委員 いまの計画では、工事は一年ぐらいおくれておりますが、採炭開始は半年ぐらいに縮まるのではなかろうかと思っております。それとあわせまして、先ほどの現存の炭鉱でございますが、それとのタイミングをうまく合わせるような計画をいたしておるはずでございます。また、私たちも、ごく最近のことは聞いておりませんが、当然それにつながるような形でやらなきやならないわけでございまして、そういう方向で会社も当然考えておると思いますが、私たちもそういう方向で検討をいたします。
 それから、特にそのための補助金とか交付金というふうな制度がございませんので、そういうことは考えられません。
#148
○多田委員 私の持ち時間過ぎてしまいましたが、あとちょっとお願いします。
 昨年の暮れ、三井の社長は石炭部門を分離するという計画を発表しました。これは新聞にも出ましたけれども、これは当然通産省は聞いていると思いますが、会社としてのその目的、そのねらい、これは何なのか。それからこの分離に対して、国は幾らかどういう形で金を出すのか伺いたい。
#149
○佐伯政府委員 三井鉱山の石炭部門分離につきましては、正式には再建整備計画の変更――それは大臣の認可事項ということになるわけでございますが、その変更の認可申請が現在出ておるわけではございません。ただ、実際には先生おっしゃられますように、分離をしたいということで非公式な話がまいっております。したがいまして、私たちは、分離が炭鉱部門に少なくとも不利にならないようなということで、資料を要求したりして検討をいたしております。
 と申しますのは、過去におきまして、三菱とか太平洋炭砿、常磐炭砿等を分離いたしました。それらの例をあわせまして、非公式には検討をいたしております。それから過去にもそうでございましたが、今後もこの分離のためにお金を出すというふうなことは考えておりません。
#150
○多田委員 その山はどこどこの山ですか。それから、非公式に検討していて、その分離というのが予想されるのはいつですか。
#151
○佐伯政府委員 非公式の内容でございますが、三井鉱山は現在三池炭鉱、それから北海道に三井芦別炭鉱と三井砂川炭鉱、この三山を持っておるわけでございまして、その三山を一体にした分離という案でございます。分離の時期は夏過ぎというふうに聞いております。そういう観点で、いま一生懸命検討をいたしておる最中でございます。
#152
○多田委員 あとは大臣に伺いたいと思うのです。
 話を聞いていて、大臣おわかりになったところもあると思うのですが、私の調べでは、第一次から第四次まで国からいろいろ金が出ていますが、この助成金は幾らか。これは通産省のほうでもなかなか出してくれません。私の調べによれば、昭和四十二年から四十七年ぐらいの間でもって大手に対して出された金は幾らかというと、これは肩がわり、安定補給金、それから坑道補助だけですが、この三つをとってみても、三井の約四百億前後、三菱の二百億前後、住友の二百億前後、その他合計で約千三百億という金がわずかここ六、七年で出ているのです。あげているのは大手だけです。そのほかにもいろいろな名目で出ている。その中での後退です。
 そこで私は大臣に伺いたいのですが、炭鉱資本にこれだけの金を投じたことが日本の石炭産業を守ることにプラスになったのかどうなのか、どうお考えになりますか。
#153
○中曽根国務大臣 プラスになっていると思います。
#154
○多田委員 私は石炭産業にプラスになったのではなくして、経営者にプラスになったのだろうと思います。つまり、ここに金を投ずるということは、日本の経済の全体、その中でやはり判断する以外にない。高度経済成長をささえたのは先ほど言った石油です。そして、その裏でもって石炭産業はつぶれていっている。つまり、石炭産業の後退がまさにこの高度経済成長をささえる力にもなったというように私は考えております。
 時間がないので、ほかの人からも意見が出ておりますから、私は最後に一つだけ、これは大臣に伺いたいのですが、第五次以降、大臣は新たな石炭経営を考えているかどうか。過日の石炭特別委員会で貝島会長は、管理会社というものは業界の総意である、そしていまはそこまでいかないので、その線に沿って努力したい、こういうように述べております。大臣はその答弁の中で、この五次計画をぎりぎりにして前進したいというようなことを言っておられますが、そういう経営の方法を考えておられるのかどうか、今度の管理委員会、需給調整委員会、それらを含めて、それをひとつ伺いたいと思います。
#155
○中曽根国務大臣 五次以降についてはまだ白紙であります。ともかく五次に全力を尽くして、目的を達するということをやっていきたいと思います。
#156
○多田委員 そういうことも含めて考えるということですか。
#157
○中曽根国務大臣 白紙という意味は、全く自由な立場で、そのときの時点において大事なことをやっていこうということであります。
#158
○多田委員 時間がありませんので、これで私終わります。
 いずれにしても、大きなエネルギー問題、それから石炭の運命というのは、石油とあわせて、ある意味では、日本の産業の運命を見きわめるものというように言ってもいいと思います。いまいろいろ質問いたしましたけれども、肝心の金の問題、そして企業のサイドの問題、こういうところにくるというとしごく回答があいまいになってくる。今度のこの法案にしてみても、私どもとして非常に大きな異論を持っております。ほんとうに石炭産業を発展させるためには、先ほど私が申し上げましたように、こういう片ちんばな日本の経済、非常に不均衡な経済、外国に、特にアメリカに片寄った経済、これが国民本意の立場に立たない限り、石炭産業のほんとうの発展が保障できないということを最後に述べて、私の質問を終わりたいと思います。
#159
○田代委員長 次に岡田春夫君。
#160
○岡田(春)委員 時間がだいぶ超過しているし、社会党の割り当ての時間はたいへん少ないですから、ひとつ政府委員のほうからも簡単明瞭にお答えをお願いいたしたいと思います。
 いまちょっと御質問があって、通産大臣から、今後の問題についてはいま考えておらない、第五次の政策に全力をあげる、こういう御答弁がありました。しかし、第五次の答申を見ますと、今後の長期展望について考える必要があるという趣旨のことが出ているわけです。この点のこの部分だけ読んでみますが、答申の中では「かかる事態を直視すれば、石炭対策も、石炭をめぐる困難な諸問題を一時に根本的に解決することは不可能といわなければならず、この際必要なことは、問題の長期的な本質にかんがみ、石炭対策もある程度長期にわたってこれを推進するという政策態度であろう。」しかも「当審議会は、上記の考慮に基づき、今次対策が終了することとなる昭和五十二年度以降についても、対策の具体的あり方そのものはその時点において十分慎重に検討する必要があるが」云々、こうなっているのです。したがって、昭和五十二年度以降、すなわち五次の政策が終了したあとについても、今後の方針というものをいまから準備をしていかなければ石炭政策の解決は困難である、こういう意味での答申があったわけですから、あなたのいまの御答弁では、現在、今後の問題は考えておらないというお話ですが、この点については答申と若干食い違っておる感じがするのですが、大臣はどういう点をお考えか、まずこの点から伺いたいと思います。
#161
○中曽根国務大臣 この答申の中にありますように、その時点において大事だと思う政策を考究していくということでありまして、一般的に石炭を大事にしていく、そして炭鉱労働者の身分あるいは生活というものを考えていくということは大前提であります。ただそのときに、さっき御質問がありましたように、管理会社とかなんとかという企業形態等の問題についてはまだ白紙で、その時点で研究する、こういう意味でございます。
#162
○岡田(春)委員 では、そういう点は白紙としても、第六次のそういう政策を考えるという意味に理解してよろしいわけですか。
#163
○中曽根国務大臣 日本のエネルギー政策の中で石炭政策というものがどういう位置を占めるべきか、また炭鉱労働者の身分や生活のためにどういう施策をわれわれはやるべきか、このことは、われわれは現時点といえども考究していかなければならないと考えております。
#164
○岡田(春)委員 私の伺っているのは、第五次は五十一年で終わるわけですが、五十二年以降は、かりに言って第六次の計画とか、そういう計画的なものをお考えになるという意味ですかと伺ったのです。
 それからもう一つは、先ほどからもだいぶ長い間御質問があったのですが、エネルギーの国際的な関係からいっても、やはり五十二年度以降の問題というのは、日本のエネルギー問題として非常に重大だと思う。そういう点から考えましても、第六次以降は、石炭政策並びに石炭産業の今後の問題全体について根本的な計画を立てる必要があると思うのだが、そういう点を含めて、五十二年以降については、何らかのそういう政策策定を考えるお考えがあるのかということです。
#165
○中曽根国務大臣 第五次以降につきましても、もちろん大事なエネルギー政策の一環でありますから、長期的な計画を策定するということは当然であるだろうと思います。
#166
○岡田(春)委員 時間があまりないので進んでまいりますが、この五次の計画の場合に、大体昭和五十年または五十一年――計画策定期間としては五十一年ですか、その場合に二千万トン以上ということになるのですが、エネルギー構成の中で、国内炭は大体どのくらいになりますか。
#167
○外山政府委員 四十六年度の国内炭の構成比は六・三%でございます。それが五十二年度、いろいろな想定が前提でございますが、いまのところ二千万トンという計算といたしますと二・五%、こういうことでございます。
#168
○岡田(春)委員 二・五%ですね。
 それから、先ほど大臣の答弁の中で、いわゆる民族産業というようなものが石油に関係しているあれは量として三〇%くらいだ、こういう答弁があった。その三〇%くらいの中で、国内で採掘をする石油の量というのは何%ぐらいですか。
#169
○中曽根国務大臣 三〇%というのは、石油消費量、入手量の中の三〇%ということで、石油内部の話でありまして、その中の日本国内で産出するというものは非常に微々たるもので、数量からいったら九十万トン程度じゃないか、たしかその程度であろうと思います。
#170
○外山政府委員 国産の石油は、現在が九十万キロリットル、五十二年が私どもの想定では百五十万で、〇・三%くらいの予想でございます。
#171
○岡田(春)委員 そうすると、国内の石炭と国内の石油両方合わせて、エネルギー構成の中ではわずかに三%そこそこということになるわけですね。残り九七%は外国に依存する。こういうことがこの第五次計画の展望の中で出てくる数字でございますが、日本の国内で三%で、九七%を外国に依存するというのは、私は日本の自立上重大な問題だと思うのです。こういう点について、大臣はどういう御見解ですか。
#172
○中曽根国務大臣 水力その他もありますので、その時点においては国産エネルギーというものは一二%程度になる由です。いずれにせよ日本の資源分布がこういう貧弱な状態であり、それに加えて、エネルギーの需要量というものが非常に大きくふくれ上がっていくものですから、比率としては下がっていくと思います。
#173
○岡田(春)委員 資源の分布の少ないこともわかっていますが、しかしながら、国内炭の問題についていままでとってまいりました政策というのは、これはあとで伺ってまいりますけれども、主として価格政策を中心として進めてきている。価格上採算が合わないからつぶすものはつぶしていく。もちろん価格の問題も完全に無視していいわけじゃない。しかし、日本の国の自立、存立の問題から考えた場合、一体こういう政策でいいのだろうか。あなたが先ほどお話しになった一二%ということにしても、八八%は外国に依存するということになる。これでは日本の存立というものは、私は将来たいへん心配であると思うのですが、今後こういうことについて、中曽根さんは将来の問題どういうようにお考えになっているのか、そういう点では、石炭産業の政策の問題として、もう一度そういう観点から位置づけてみる必要があると思うのだが、そういう点はどうですか。
#174
○中曽根国務大臣 その点は同感の点もございまして、私がここで前にも申し上げましたように、自分で支配できるエネルギー源というものをできるだけふやしていきたい。そういう意味で、石油について三〇%を目標にしてやりたいというのもその一つであります。しかし、日本自体が支配し得るというようなものは、水力とかあるいは石炭とかあるいは天然ガスとかそういうものになりますが、その中でも水力や石炭というものは大事なエネルギーである。だから、石炭に関する依存度というものをある以下には下げない、できるだけそういう方向で努力していきたい、そういう念願を持っているわけです。
#175
○岡田(春)委員 できるだけ下げないということは、そうすると将来展望としては、第五次の答申の二千万トン以上、これ以下には下げないんだ、こういうお考えと受け取ってよろしいですか。
#176
○中曽根国務大臣 第五次の期間においては二千万トンというペースラインを設定いたしました。将来において、その後どういうふうなベースラインをつくるか、これはまたその時点において経済情勢を見きわめ、きめなければならぬと思いますが、できるだけ国産エネルギーを大事にする、そういう一般原則をもって進みたいと私は思います。
#177
○岡田(春)委員 これはまだ詰めたい問題なんですけれども、時間が非常にないので急いでやってまいりますが、この答申を見ていると二千万トン以上というのは昭和五十年を基準時点として、こういっている。ところが対策期間で見ると昭和四十八年から昭和五十一年とこういっている。そうすると、五十年は二千万トンであろうと思うが、五十一年は二千万トンなんですかどうなんですか、これはいままであまり答弁していないようだから……。
#178
○佐伯政府委員 答申をいただきましたのは、先生御指摘のように五十年度二千万トンでございますが、いまお願いしております法案も、基本計画は五十一年度に策定したいというふうに思っております。そして、そのために現在ヒヤリング等をいたしまして検討をいたしておるわけでございます。この法律が通りましたら、早い機会に五十一年度の基本計画を策定いたしたい。その大体の方向は二千万トンというふうに考えておりますが、もう少し検討いたしましてから石炭鉱業審議会におはかりいたしたいと思います。
#179
○岡田(春)委員 ちょっと両方とも簡単に答弁してくださいよ。大臣のほうはいろいろ政治的含みもあるだろうけれども……。
 そうすると、二千万トンというのは五十年であって、五十一年ではないという意味ですか。五十一年の場合には二千万トン・マイナスアルファになる可能性はあるわけですか。
#180
○佐伯政府委員 われわれとしては二千万トンを考えておりますが、なおいまのヒヤリングの内容を十分検討いたしまして、石炭鉱業審議会に御検討願うということにしたいと思います。
#181
○岡田(春)委員 五十二年はどうです。
#182
○佐伯政府委員 五十二年ですが、若干私個人の感じでございますが、ずっと二千万トンを維持できるような方向にしたいと考えておりますが、正式には五十一年度の審議会におはかりいたしますが、そのときにあわせてその辺も御議論いただければ幸いだと思います。
#183
○岡田(春)委員 その審議会はいつおやりになるのですか。
#184
○佐伯政府委員 法律を通していただきましたら、それに基づきまして、四十八年度の実施計画、五十一年度の基本計画をきめなければなりませんので、まだ正確な日はあれでございますが、おそくない機会に、大体一カ月くらいの後に開きたいというふうに思っておりますが、正確な時日はちょっとごかんべんいただきたいと思います。
#185
○岡田(春)委員 それからもう一つ伺っておきたいのですが、これも基礎的問題だが、対策期間中の財源確保といって四千七百ないし五千という数字が出ていますね。これはもちろん四十八年から五十一年という意味でしょうね。四十七年は入っていないでしょうね。これも念を押しておきます。
#186
○佐伯政府委員 先生おっしゃるとおりでございます。
#187
○岡田(春)委員 それからちょっと角度をかえて伺いますが、いままで五回答申をやっているわけですね。五回目の今日はともあれ、いままでの四回を顧みると、どれを見ても目標どおりにいったことはない。目標以下になっている。そして生産能率などは目標以上になっている。こういう点で先ほどもいろいろ御質問があったわけですが、結局今日の事態というのは労働強化という結果に終わっている。それから、閉山による予定以上の労働者の失業というものも出ている。いままでの政策というものはすべて労働者の犠牲の上において、非常に予定された以上の犠牲の結果を招いているのだということになるのだと思うが、この点はいかがですか。
#188
○佐伯政府委員 一次から四次までに対しますいろいろな批判があるわけでありますが、私が感じましたのは、需要量がはっきりしてなかったというのが一番の問題点じゃなかろうかというふうに思います。その点、第五次では二千万トンということで、需要の確保に力点を置かれておりますので、いままでと違ってその点は一番いい点じゃなかろうかというふうに思います。
 それから、能率は先生おっしゃいますように向上いたしておるわけでございますが、これは先生おっしゃるようなことも見方によればあるかもしれませんが、機械化その他によりましての能率向上だというふうに存じております。
#189
○岡田(春)委員 いままで四次までの答申を見ると、これは大臣に伺いたいのだけれども、どれも大体目標どおりいってないのですね。大体生産の点では全部マイナスアルファ。五次の場合だけ、いままでの審議会の仕事というのは体制問題に触れている。相当画期的な問題をやるのだろうと見ておったところが、結果において、この前私が御質問したときに中曽根通産大臣は、ここにもはっきり速記録に残っているが、管理委員会というのは妥協の産物であるというようなことで、体制上の問題というのはきわめてあいまいな結果に終わった。そうするとどうなんですか、いままでの石炭政策を顧みて、なぜいままで、少なくとも四次までこのように思うようにいかなかったか。それについてはどういうところに原因があるとお考えになりますか。
#190
○中曽根国務大臣 日本のエネルギー使用に関する企業側の態度というものが、かなりスピードを早めて流体燃料の方向に移動してきている。そういう点がやはり中心にあるのではないかと思います。
#191
○岡田(春)委員 しかし、そこら辺はあらかじめわかっている問題ですね。しかも計画は、いままで実行は二年ほどで切っているわけです。それが五年くらいの見通しの中で、五年後における見通しがきかなかったというならば、またある程度責められない点もあるかもしれないが、二年くらいの見通しがつかないようで審議会を長々とやったというのでは、私は率直に申し上げますが、この石炭鉱業審議会というものの根本問題に関係してくる。一つはこの審議会のとってまいりました発想というところに問題があるのじゃないか。やはりここで審議会のやり方を抜本的に考えてみる必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、この点はいかがですか。
#192
○中曽根国務大臣 やはり一つはコストの問題と、もう一つは公害問題が大きく出てきているのだろうと思うのです。公害問題というのは今後も大きなファクターとして登場してくる可能性があるのではないかと思います。
 審議会のあり方につきましては、これは審議会自体がおきめくださることで、審議会に対して政府が介入したり制肘するようなことは避けることが私は賢明だろうと思います。
#193
○岡田(春)委員 しかし、ことばじりをとる意味ではないが、審議会の委員などというのは法律上きまっておりまして、通産省の中で委員を指名するわけですから。審議会の構成の具体的な問題のこまかい点までどうこうというのではなくて、従来の審議会のやり方それ自体にはもう少し石炭政策の根本問題を、やはり通産大臣としてはこういう点で考えてみてはどうかというような、一つの基本点を考えた上でやるべきではないかと思うのですが、どうでしょう。
#194
○中曽根国務大臣 その点は審議会自体という問題よりも、審議会に諮問する通産省の態度というほうに重点が置かるべきものだろうと私は思うのです。通産省の従来の態度は、やはり自民党政府のもとの通産省ですから、企業の創造能力とか自由とか、そういうようなものを基本にしてバイタリティーを維持していく。これを国家的管理や国家的統制力を強くすると、結局官僚主義が横行して能率もよくなくなるし、それはひいては労働者のためにもならぬ。やはりそういう自民党の基本的な姿勢が通産省の諮問の上にも出てきている。これは、党と党との考え方の相違じゃないかと思います。
#195
○岡田(春)委員 大臣、部分的にはたいへんいいことをおっしゃったんだが、これは官僚主義を助長するような傾向がたいへんあると私は思う。というのは、審議会の委員、特に中立委員なんか見ていますと、大体ほとんど十一年やっているんですよ。しかもこの十一年の中立委員、学識経験者なんといっても、私が見ている限り、実際には大手の石炭産業べったりと言ったら言い過ぎかもしれないが、まあそちらの方向で動いている人が中立委員である。しかも通産省の役人のお好みのメンバーである。この際ここで、第五次答申が終わったあとの段階では、通産大臣、ひとつ思い切って従来の審議会のメンバーを取りかえて、発想を転換したような形で今後の石炭政策をやるというように、あなたもまだお若いんだから、日本の石炭産業を守るならば、そういう政策をばりっとやりましょうという約束をされたらいかがでしょう。
#196
○中曽根国務大臣 たしか任期があるはずですから、任期が来たら、人選については慎重に、その時代に合う人選にかえていきたい、そう思います。
#197
○岡田(春)委員 そういうことを言うから、下のほうが官僚的になるんですよ。
 それで、もう一つ伺っておきたいのは体制問題ですが、従来の価格政策中心ではもうやれなくなってきているわけですね。そのあらわれが第五次の審議会の体制問題になってきている。この点は何も社会党だからというのじゃありません。その証拠に、この間参考人を呼んだときに、田中六助君は、参考人に対して、国営国管についてはその事態に沿うような情勢になってきておるが、どう思われるか、こういうことを率直に聞かれているわけですね。同じ自民党の中にもそういう進歩的というか積極的な人もいるのですが、中曽根さんもきっと率直な、進歩的な積極的な人だろうと思うんだが、そこら辺は積極的な御意見を伺いたいと思います。
#198
○中曽根国務大臣 自由民主党の中にはなかなか人材が多うございまして、いろいろな御意見をお持ちの百家争鳴という感があるのでありますが、昔、石炭国管を昭和二十二年に国会でやりましたときに、私は賛成しました。あのときは傾斜生産をやるという意味において推進派の一人であったわけです。そういう理解は十分あります。しかし、この第五次のあとにどういう形態が好ましいかということは、この第五次の推移を見て慎重に検討してみたいと思います。
#199
○岡田(春)委員 これは私ぜひ申し上げておきたいのですが、今日のような政策が続いていくならば、日本の石炭産業は壊滅状態になってしまう。それこそわれわれから言うと、自民党は私企業を中心にするというイデオロギーをあくまでも守る、そういうイデオロギーにこだわって石炭産業それ自体がなくなってしまう、元も子もなくなってしまうという危険性がある。だから今日資本主義の国においても、イギリスだって、フランスだって、あるいは西ドイツだって、そういう資本主義国家であっても、企業形態というのはこの際思い切って変えなければならぬということになっているのだが、どうですか。イデオロギーにあまり固執しないで、思い切ってそういう国際的な情勢に対応して、日本の石炭産業を守るという方向でやられるという決意はおありなんでしょうか、どうでしょうか。
#200
○中曽根国務大臣 石炭産業を大事にしていくという考え方は一致しておりますけれども、それを具体的にどう展開するかということは、その時点において最も適切なことをやりたい、こう思いまして、いまからちょっと予言することはむずかしいと思います。
#201
○岡田(春)委員 どうも社会党はよくイデオロギーにこだわるというけれども、自民党のほうがイデオロギーにこだわっていますね。
 それでは続けますが、今度の法律の改正で非常に重要なのは管理委員会の制度です。しかし、管理委員会の制度は、中曽根大臣が答弁したように妥協の産物である。なるほど妥協の産物だということはよくわかりました。ここに第五次の答申があるんだが、第五次の答申に書かれている管理委員会の性格と、法律上あらわれた改正案の内容とは若干の差がある。その差も一歩後退している。きわめて妥協の産物だ。そういう点で例をあげていいますと、この答申のほうを見ますと、需給関係、自主活動を行なう生産に対し、高い立場から全体的な総合調整を行なうために管理委員会を設けるというのが大体の趣旨だ。ところがこの法律上の改正から言うと、管理委員会というのは需給調整についても一定の助言や指導を行なうような権限を与えられているのですか、どうなんですか。
#202
○外山政府委員 広い意味で、需給調整という機能について管理委員会は権限を持っておると思います。
#203
○岡田(春)委員 それでは、広い意味とおっしゃったが、石炭産業の中に企業体の需給調整委員会ができますね。これに対して指揮権はあるのですか。
#204
○外山政府委員 指揮権はございません。
#205
○岡田(春)委員 どういう権限があるのですか。
#206
○外山政府委員 そのときの石炭産業の動向、あるいはその企業の動向についての需給調整上からの適切な指導と助言を行なうということを管理委員会がやることになるだろうと思います。
#207
○岡田(春)委員 そうすると、ここの勧告案では「全体の見地から必要に応じ調整が図られるための管理体制面の仕組みを設けることが適当であろう。」「上記の業界内需給調整委員会および炭鉱の自主的な活動に対する適切な助言指導を行なう機構として、」管理委員会を設ける。「適切な助言指導」は権限なしでどういう形でやるのですか、御相談でやるのですか。
#208
○外山政府委員 組織論あるいは法律論から申しまして、管理委員会は事業団の内部機構になります。事業団そのものが法的な助言指導の規定を本来持っております。したがいまして、法律技術的には管理委員会がそういうことができるということを書かなくても、そういうことの機能を果たすことが可能なわけでございます。
#209
○岡田(春)委員 わかりました。じゃ、事業団がそのような権限を行使するということになるわけですね。
 そこで、管理委員会には独自な事務機構ができるのですか。
#210
○外山政府委員 事業団の中にではございますが、管理委員会の事務機構はできると思います。
#211
○岡田(春)委員 管理委員会は、事業団の業務の範囲というのは二十五条にありますが、この範囲の全般を管轄しますか。
#212
○外山政府委員 法的には事業団の行なうこれこれの業務について管理委員会が承認するとか、そういう意味の権限をはっきりと規定しております。ただ事業団の内部機構でございます。したがいまして、事業団に今回いろいろな助成業務を一括して与えて権限を強化したわけでございますが、それが大きくなったこと、重大になったこと、これを含めまして、管理委員会が中で事業団のそうした行為に対して、これを適切に運用できるように働くわけでございまして、形式的には事業団自身の仕事でございますが、実質的には、管理委員会みずからがいろいろと適切な助言指導を行なうということが可能でございますし、またそういうふうな運用を行なわれることを私どもは期待しておるわけでございます。
#213
○岡田(春)委員 二十五条には業務の範囲というのが条文上明確になっておりますね。これを全部を管轄するわけですね、いまの御答弁では。
#214
○外山政府委員 いま先生が御指摘になったのは、本来の事業団の業務を規定しております二十五条でございます。今回の法改正で十三条の三というのに管理委員会の権限を規定しているわけでございまして、「次の事項は、委員会の議決を経なければならない。」ということで明定しているわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、それらの管理委員会は事業団の内部機構でございますから、これは委員会の議決を経なければならないという機構で、この三点は法的に明確に規定されておりますけれども、そのほかのことでも自主的に、事業団の内部機構でございますから、事業団の中のやり方次第では管理委員会に相談したほうがいいと思うことがあれば相談することもあろうかと思います。
#215
○岡田(春)委員 それではあなた、伺いますが、事業団の役員と管理委員会との違いは、権限上どう違うのですか。同じことをやるなら二つもつくる必要はないじゃないか。
#216
○外山政府委員 たてまえとしては、同じことをやるわけではございませんで、いま申したように、十三条の三の権限の範囲で管理委員会は機能するわけでございますし、適切な助言と指導を行なうわけでございます。
#217
○岡田(春)委員 その中に置いていること自体問題なんですよ。この三つの、十三条の二くらいの権限を与えて、実際上は何でもやれるというようなことで、そして何かいかにも抜本的なこととか画期的なことをやったような形で、ここで中曽根さん、いわゆる官僚好みが出てくるのです。管理委員会というのはへそ的存在にしようということです。政務次官といったら悪いかもしれないけれども、名前を与えて敬して遠ざける、その性格がこの改正の趣旨ですよ。したがって、これは五次答申の性格とは非常に反しているものだ、こういう点をはっきりしておかなければいかぬ。大体、もし五次答申の性格でいくならば、事業団の外へ置かなくてはならない。そして外へ置くことによって初めて、自主的活動であるところの生産活動、需給調整の問題について総合的な調整というものが行ない得るのだと思うのです。中に入れてしまったというところに問題があるのだということを御認識いただけますか、どうですか。
#218
○中曽根国務大臣 この五次答申の一番最後の部面に「適切な助言指導を行なう機構として、」「管理委員会を同事業団に設置することが適当である。」事業団内部に置くというふうに答申自体はできておるわけでございます。
#219
○岡田(春)委員 答申についてもいろいろあれしますが、もうあとあまりなくなってきましたので、またほかの方が続いてやられますから、詰めていただきたいと思います。
 管理委員の人選の問題ですね。これはこの前私質問していますが、法律上の規定でも、すぐれたる識見を持つ人、しかもあなたの答弁では中立委員を何とかして選びたい。しかし中立性というのは一体どういうことなのですか。中立なんということはあるのでしょうか、どうなんですか。どういうことを中立とおっしゃるのですか。
#220
○中曽根国務大臣 やはり非武装中立というのがあるのですから、中立というのはあり得る。やはり中立という厳正公平にものを見て適切な判断をする、そういうことはあり得るのじゃないですか。一方に偏しない……。
#221
○岡田(春)委員 あなたは挑発的にそういうことをおっしゃるなら私もやりますが。私もいささか外交防衛ではあなたに対抗できますから、非武装中立なんておっしゃるのなら。あれは外交上の問題ですよ。石炭産業の生産上に中立なんという問題はどういうところにどうやって出せるのですか。
#222
○中曽根国務大臣 やはり独立性と、それから一方に偏しない客観的な判断をする、そういう意味ではないかと思います。
#223
○岡田(春)委員 それじゃ少なくともここに委員というのは、石炭産業の経営者の言うなりになるというものでもないし、また政府の官僚の言うなりになるものでもない、これははっきり約束できますか。
#224
○中曽根国務大臣 そう思います。
#225
○岡田(春)委員 しかし同時に、中立の場合というのは全体の視野が持たれるものでなければならないわけですね。その場合に一方的な立場に立って、結果においてはそのようなことになってしまう。これは石炭鉱業審議会の中立委員の例を見ると非常にわかる。私は中立委員である、学識経験者であると言いながら、実際は大手の経営者に客観的には協力するような結果になっている。通産省の方針に客観的にはお好みの答申が出されるような委員さんが選ばれる。こういう委員を選んでもらっては困るのですが、そういう場合において中立性を保持するためには、その委員を選任する場合、石炭関係の関係者に事前に話し合いをして、こういう人ではどうか、これがほんとうに中立委員であるかどうかということを、ひとつあなたは大臣として御相談の上で中立委員をおきめいただきたいと思うのです。何もこれは公式ばかりじゃありません、非公式でもけっこうです。そういうお約束ができますか。
#226
○中曽根国務大臣 相談すること自体が中立性を害するのじゃないかという気もいたします。
#227
○岡田(春)委員 じゃ御相談にならないですね、だれとも。
#228
○中曽根国務大臣 いやまだそう言っているわけじゃない。そういう中正な人間であるかどうかということを検認、確かしめる、そういう意味においては検討してみたいと思います。
#229
○岡田(春)委員 四人の管理委員を選ぶのですから、あなたはいま相談しないとはおっしゃらなかった。事実上相談しなければきめられないでしょう、非公式であっても。その場合労働組合関係にも接触をされた上で、こういう人がいいんだがどうかということを大臣として努力される気はおありになりますか、どうですか。
#230
○中曽根国務大臣 検討してみます。
#231
○岡田(春)委員 もっとはっきり答弁されたほうがいいですよ。どうですか。先ほどから答申の問題を非常にあなたは重視していらっしゃいますが、それでは答申の問題に関連して伺いますが、今度の答申の中で答申が生かされていない面がありますね。これは大臣御存じなくても、局長でもけっこうですが、安定補給金の単価の引き上げというのははっきりと答申の中に出ていますね。これはどうなったんですか。ちょっと私読んでみますが、一三ページの(ハ)「安定補給金の単価の引上げにつき考慮する。」改善事項の第三項目にこれがあるのだが、これは全然やられてないじゃありませんか。どうなんです。
#232
○佐伯政府委員 先生御指摘のように、安定補給金の単価の引き上げについて考慮する、なお、二千万トンの水準に落ちついた時点ですね、問題としては。炭鉱の条件により補給金の単価の差等を設けられることについても検討するということでございますので、四十八年度は安定補給金の単価は引き上げなかったわけでございますが、期間中にはこのようなことは是正しなければならないことだと私は思っております。
#233
○岡田(春)委員 とおっしゃることは、四十八年には単価の引き上げをやらなかったんだが、それの予算措置も要求を出さなかったわけですか。
#234
○佐伯政府委員 四十八年度は出しておりません。
#235
○岡田(春)委員 四十九年度はお出しになりますか。
#236
○佐伯政府委員 全体の推移を見ましてどうするかということを検討いたしたいと思いますが、私個人の考えでは、四十九年度かあるいは五十年度にはぜひそのような方向に行かなければならない問題じゃなかろうか、このように思います。
#237
○岡田(春)委員 どうしてこれほど重要な問題が四十九年かあるいは五十年とおっしゃるのですか。来年度の四十九年からやりたいとあなた個人の見解をつけられたのだから、それくらいの勇気を持ってもいいんじゃないですか。
#238
○佐伯政府委員 いろいろな来年度、四十九年度以降に実施しなければならない事項が相当ございますので、それらと一緒に考えさせていただきたいと思います。
#239
○岡田(春)委員 ちょっと話が飛びますが、二千万トン以上というワクが、これは大臣にも伺っておきたいのだが、もう新聞その他で憶測では、今年度中に二千万トンのワクを割るかもしれないといっている。二千万トンというこの四カ年計画が初年度に割るというようなことになったら重大なんだが、その場合にだれが一体責任をとるのですか。
#240
○中曽根国務大臣 ともかく第五次答申という答申を与えられ、政府としてはその線を堅持して努力するということでありますから、懸命な努力をして、そういう不幸な結果を出さないように私たちは一生懸命やるつもりでおります。
#241
○岡田(春)委員 それはさっきから何度も伺っております。しかし、もしだめだったら責任はどうするんだと伺っているんです。
#242
○中曽根国務大臣 出さないように全力をふるってやるということでございます。
#243
○岡田(春)委員 それはたいへん危険があるからそう言っているのです。
 それからもう一つは、今度の答申に基づいて整理促進交付金の算定方式が改められたわけです。労務債、鉱害関係を基礎に算定することになったんだが、問題は労働者の賃金あるいは社内預金、離職金、この場合に、一つの山が閉山をしたという場合に全額戻されるようになっておりますかどうですか、これは局長に伺っておきます。
#244
○佐伯政府委員 御質問の中身でございますが、閉山交付金の算定の方法でございますが、算定は先生おっしゃられますように労務債、一般債とそれから鉱害債というようなことに分けまして、一般債についてはトン当たり幾らという形にしたいと思います。それから鉱害債につきましては、地区によって違いますので、個々の炭鉱では問題はございますので、どの地区ではトン当たり幾ら、どの地区ではトン当たり幾らというふうな算定のしかたにいたしたいと思います。それから労務債につきましては、主として退職金を基準にいたします。あまり大きなときは問題でございますので、頭打ちは検討いたしたいと思っております。
#245
○岡田(春)委員 ちょっとはっきりしないのですがね。どうも少し残念だけれども、下請労働者の場合の賃金、これはこの間多賀谷君も質問されております。これははっきりひとつもう一度御答弁いただきたい。下請の労働者というのは今日現実にあるわけですからね。山が閉山した場合に賃金その他が思うようにもらえない、こういう事態が起こったときは、やはりその炭鉱の鉱員と同じ扱いをするのが私は当然だと思うのだが、これはどうですか。
#246
○佐伯政府委員 閉山交付金の制度でございますけれども、もともと炭鉱が閉山をいたしました場合に、その炭鉱の経営者が負っておられますところの負債等を基準にして、先ほど申しましたような交付金を出したいというふうに思っておるわけでございますが、先生おっしゃられました組夫の労務者につきましては、そのいわゆる廃止事業者との直接の雇用関係がございませんものですから、直接に閉山によってその廃止事業者が支払い義務が発生するというものではございませんので、この制度の中に入れることは適当でないというふうに思っております。ただ、請負会社におきまして工事代金が未払いになっておるというふうなために、そのまた請負会社が組夫の方のいろいろな労務債の処理に困難を来たされるということがあると思いますので、そういうことがないように、交付金額の一般債の充当分の中から極力円滑な支払いができるように、今後とも指導してまいりたいと思っております。
#247
○岡田(春)委員 もっと承りたいのですけれども、これは行政指導で万々の措置をとっていただきたいと思います。
 ちょっと私、質問をしているうちに一枚落としてしまって、管理委員会の問題が残っちゃっているので、管理委員会の問題に戻りますけれども、管理委員会は、各事業場の自主的活動ということに対しても指導助言をする、そういうことになっているならば、当然そうでしょうね、局長。各事業場に指導助言が行ない得るためには、現場に密着しなければだめだと思う。そうすると、各地に、管理委員会の指示が行なわれるような場所に、適当な管理委員会の出先といいますか、そういうものが必要になってくるのだと思うが、どうですか。
#248
○外山政府委員 確かに実情を知ることが大事でございますが、これは事業団が支所を持っておるわけでございます。それを通じて把握するということになると思います。
#249
○岡田(春)委員 そうすると、管理委員会の支所というようなものはつくらないわけですか。
#250
○外山政府委員 いまのところ考えておりません。
#251
○岡田(春)委員 全くこれはへそ的存在というのは、ますますはっきりしてきましたね。私は、やはり少なくとも北海道とか九州とかそういう地区には、管理委員会の出先というものが設けられなければならないと思うのです。そうでなければ実質的の指導、現地の実情に応じて指導助言というものが十分に浸透できないと思う。大臣、いかがですか。こういう点についての御感想を伺いたいと思います。
#252
○中曽根国務大臣 やはり管理委員会は事業団内部の機構でございますから、事業団の中において、つまり支所の中においていろいろ情報をとる……。
#253
○岡田(春)委員 そういうセクションができる……。
#254
○中曽根国務大臣 情報をとり、あるいは指導助言をする、そういう機能を事実上果たしていくようになるだろうと思います。
#255
○岡田(春)委員 それから自主的指導ということになりますと、坑内の保安問題、労働問題、そういう問題についても経営者に対して一定の指導助言を行なうことができますか、どうですか。
#256
○外山政府委員 本来、管理委員会が期待されている業務の一環として考えます場合、広い意味で、いま御指摘のようなことは管理委員会がやはり所掌して、適切さの内容を充実していくということが必要だろうと思います。
#257
○岡田(春)委員 もう時間が一分しかなくなったから、管理委員会というものはいろいろな具体的な例で伺ってまいりますと、これはますますへそ的存在で、役人がこれは煙たくて、形だけつくってなるべく有名無実にしてしまうというものになりそうだという感想を私は述べて、次の問題に入りますが、産炭地の振興の問題で、北海道の産炭地の振興というのはこれから非常に重要だと思うのです。ところが、たとえばこの前も私、質問しておりますが、前の通産大臣田中角榮さんは、美唄炭鉱の閉山の場合に、再配置第一号で必ず工場を持ってくる、あんな約束したんだけれども、一年以上たってもいまだに実行されておらない。大臣、一体どうなされるのですか。いつまでも待つわけにはいきませんよ。通産大臣、責任を持って答弁してもらわないと困るのです。いつまでもいずれは、いずれはなんて言っていたら、これはたいへんなことですよ。やはり約束したことは責任を持って実行してもらわなければならないが、具体的な構想なり何なりがおありでしたらぜひ伺っておきたいと思います。
#258
○中曽根国務大臣 美唄市には、昭和三十七年から四十七年度末までに、工業再配置・産炭地域振興公団の融資十六億五千万円によって三十三社が企業進出して、炭鉱離職者八百八十一人を含む千七百九十五人を雇用しておる由です。
 また、工業再配置・産炭地域振興公団による工業団地の造成も、四十年五月に完成した東明団地に引き続き、四十五年九月には第二東明団地第一工区が、さらに四十七年十一月には第二工区が完成しておる。これらの団地への企業進出もすでに七社が進出している。
 三菱美唄炭鉱の閉山に伴う美唄地区の振興については、当省としては、企業誘致、産業基盤の整備、地方財政援助――美唄市に対し産炭地域振興臨時交付金を四十四年度二千三百万円、四十五年度四千四百万円、四十六年度三千四百万円、四十七年度七千五百万円を交付する等、諸般の施策を積極的に講じておる、こういう由であります。
 なお、さらに現在八社の進出が予定されておるということであります。
#259
○岡田(春)委員 いま、だれかが書いたのをお読みになったんだけれども、それは、結局再配置第一号に該当するような企業については書いてないじゃないですか。私は美唄ですから詳しく知っているのですが、いままで来たのを何ぼ並べてもだめですよ、これは労働者五十人とかという工場ですから、それは何も通産省が特にこれをやるといってやったものではないのです。再配置第一号の工場をどうするんだということを伺いたいのです。それが第一点です。
  〔委員長退席、渡辺(惣)委員長代理着席〕
 第二点は、赤平の赤間炭鉱の閉山によって、転職をして技術を学びたいというわけで、職業訓練学校に行こうとしてだいぶ希望があった。ところが、隣の滝川という市に職業訓練学校があるのだけれども、収容人数が足りないために約三十人以上の人が入れないのです。こういう問題についてはどういうようにされますか。
 いま大臣は、うしろのほうで答弁しろと言っておられるが、私は、再配置第一号の問題は大臣の答弁を聞きたいのです。この問題については責任を持ってやるということをほんとうにはっきり答弁してもらわなければ約束違反ですから、局長クラスで答弁されても私は納得できない。第二点の問題は局長でいいです。
#260
○中曽根国務大臣 誠心誠意努力いたします。
#261
○佐伯政府委員 いまの滝川の訓練所の件につきましては存じませんので、至急調べまして、労働省のほうとも十分連絡をとって善処いたしたいと思います。
#262
○渡辺(惣)委員長代理 塚田庄平君。
#263
○塚田委員 時間もございませんので、管理委員会の問題がまだホットなところなんで、前の質問者に引き続きまして御質問したいと思います。
 管理委員会の規定によりますと、結局各種計画を議決する機関、あとは、皆さん方の答弁を聞きますと実質的に、実質的にと言っておるのですけれども、この議決機関と執行機関との関係からいいますと、どちらかというと実質的にというのはとかくその場だけの答弁で、実際は行なわれないというのがこの種の機構の特徴だと思うのですよ。
 そこで、これは法律改正になりますけれども、各種計画を議決するということではなくて、先ほどから言ったとおり、妥協の産物なら産物でいいけれども、その妥協というのはやはり管理会社というか、国営国管に近づくという意味での私企業との妥協だと思うので、そういう面からいうと、この管理委員会の権限というものは、単につくった計画を議決するだけではなくて、さらにそれを実際効率的に実行しているかどうかということを、各鉱業所あるいは企業について指導助言するという権限を与えるのが――私はそれでも、その本来の権限がだんだん侵されてくるという懸念があるのですが、その辺まで踏み切るのが当然だと思うのですが、これは大臣どうでしょうか。
#264
○中曽根国務大臣 答申の線、並びにいま答申を受けて法律をつくったわけでございますが、その線を生かして管理委員会を設置した趣旨に沿うように、これを具体的に運用していくということにいたしたいと思います。
#265
○塚田委員 それでは、私はここでたった一つそれに近づく具体的な道として言うのですが、大臣から答弁をいただきたいのです。
 それは、法律の改正じゃないのです。これは四人の委員によって構成され、事業団の理事長が一名加わることになっている。つまり議決と、それから執行する人が一人加わるわけですよ。この理事長を委員会に加えるということを排除する。つまり委員会の独自性というか、議決機関としての立場を確立させる。これは大臣でできることですから、どうでしょうか。
#266
○外山政府委員 管理委員会の互選で委員長がきまるわけでございますが、事業団の理事長が委員長になるということも、これは制度論としてはあり得るわけでございます。しかし、いまおっしゃいました趣旨、つまり大臣もお答えになりましたような趣旨に沿って、管理委員会が事業団の機能の中の新たなる補完機関として、独自の適切な指導助言機関として、事業団の中身を充実するために機能するという立場に立ちますと、これができるだけ活発な動きをするように期待しなければいけない。そういう意味でどういうような組織上の配慮をしたらいいかということは、私もここで断定的なことは申し上げられませんが、管理委員会の機能が期待に沿えるような運用ができるように、私どもできるだけ気をつけていきたいと思います。
#267
○塚田委員 管理委員会の委員長になる、ならないはいいのですよ。それは互選ですからいいのですが、その前にストップをかける、つまり委員会に入れないという態度をここでとるのが、やはり委員会の独自性というか、あるいはこの委員会設置のいろんな議論の経過からいって、そうあるべきが当然だと思うのですよ。その点入れるか入れないか。これは入れないということでひとつ意思統一をしていただきたいと思うのです。
  〔渡辺(惣)委員長代理退席、委員長着席〕
#268
○外山政府委員 これは、いまおはかりしております条文にも、十三条の四の第一項で「委員会は、委員四名及び事業団の理事長をもって組織する。」というように規定してございます。委員会ができるだけ活発な動きができますように、私ども適切な配慮をしてまいりたいと思います。
#269
○塚田委員 これは私のそういう希望と同時に、やはり委員会には事務局を設ける、つまり、執行体制にあるところが実際委員会の事務局を担当するということになれば、先ほどのことばではないけれども、全くへそ的な存在になると思うのです。ある程度独立した事務局を設けて、独自の活動をやれる範囲を広める、こういう方向でひとつ運営してもらいたいと思うのです。
 時間もございませんから、先に戻りますが、先ほどたしか局長の答弁でしたが、岡田委員の質問に対して、一次エネルギーの石炭の構成比といいますか、それが五十年で二・五%と言ったのじゃないですか。それはどういうことですか。
#270
○外山政府委員 五十二年で国内炭が二・五%というふうに申し上げました。五十二年でございます。(「五十二年の数字が出てくるのはおかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)
#271
○塚田委員 いまうしろでそういう話がありましたが、おそらく通産省では、五十二年はおろか、六十年を見通した一応の計画が立っているんじゃないかと私は思うのですよ。ここに問題があると思うのです。いま五十二年で二・五%、私のところの資料では。六十年になりますと二・二%ですよ。(「ゼロだな」と呼ぶ者あり)ゼロとは出ていないのだが、二・二%ないし二%と、こうなっています。おそらく五十年は四・八%だと思うのですよ。そうでしょう。見通しは五十二年じゃなくて五十年四・八%、そうしますと一体六十年は何トンになるのですか。半分以下もいいところでしょう。一千万トンに達しないんじゃないですか。これで石炭産業どうするんだ、いや育成するんだといっても、実際上の数字はそれを示していないと思うのですよ。この辺ひとつ御答弁願いたいと思うのです。
#272
○外山政府委員 いま先生が御指摘になりましたのは、昭和四十五年に総合エネルギー調査会がわが国の一次エネルギー供給見通しということで出しました数字だと思います。これは、実は昭和四十五年にその当時の前提でいろいろ将来の見通しを立てたわけでございますが、その後、実は消費見通しよりも消費のテンポは若干鈍化している点もございます。
 それから先般来大臣も御答弁しておられますように、エネルギー源についてもう一度いろいろ詳細にわたって考えてみなければいけないという問題もございます。いま御指摘の総合エネルギー調査会の数字も、そういう意味で申しまして若干古くなっているわけでございまして、ただこれしかございませんものですから、すぐこの数字が出るわけでございますが、いま、総合エネルギー調査会に、もう一度最近の事情をとらえて、ことしじゅうには五十年、六十年の新しい供給見通しを立てるように、こういうふうな勉強をお願いしているところでございまして、いま御指摘の数字はこれは四十五年度の数字でございます。それによりますと、いまおっしゃったとおりでございまして、いまの国内炭の数字も六十年度二・二ないし二・〇、その場合には三千七百万トンという数字が実数として出ております。それから五十年度の四・八%の場合の実数は三千八百万トンでございます。構成比は、もちろん全体のエネルギー需要の中で構成比が出てまいるわけでございます。エネルギー需要自体も全体として見直されるわけでございますから、実数がどうなるかということと構成比がどうなるかということは、もう一度エネルギー調査会の答申の中で私どもとしては考えてまいりたい、こう考えている次第でございます。
#273
○塚田委員 資料のいろいろなズレについて、いま時間がございませんから詳しく指摘しませんが、おっしゃるとおり四十五年の実績は三千八百三十二万トン、これは間違いない、実績ですから。四十五年度の実績を踏んまえて、調査会は五十年度には三千六百万トンという見通しを立てたにもかかわらず、答申を踏んまえて二千万トンを下らざる、こういうことになったのですよ。しかも調査会に見直してもらうということは、いまのこういう推移からいくと決していい結論は出てこない。政策的に低い線を押えているのですから。調査会はわざわざカッコして二千万トン、この数字は石炭鉱業審議会においてきめたものである。つまり、見通しと実際石炭鉱業審議会できめている線とはずいぶんズレがあるわけですよ。それは上回ったズレならいいですけれども、はるかに下回ったズレをもって石炭対策を進めるのだということには、私はどうも聞こえないような気がするのですよ。これはひとつ大臣どうですか。
#274
○外山政府委員 先ほども申し上げましたように、四十五年度の供給見通しでございますから、当時まだ五次答申は出てないわけで、石炭の需要と石炭の消費の見通しというものがそれまでの四次答申で出ていたわけでございます。それがそのままとられているということだと思います。
 ただし、先ほど来お話がありましたように、石炭につきましてもその後の情勢の変化の中で、私どもあらためて第五次答申をいただくというような結果になったわけでございます。ただ、そういうふうに絶対額が減ってまいりますけれども、しかし、今後これがどういうふうな展開をするかということが一つの新しい問題だと思います。また、エネルギー需要全体が、先ほど申しましたように、またどういうふうな伸び率を持つかという問題もございます。それとの関係におきまして構成比もきまってくるわけでございますので、いまの数字が、そのまままた別の拡大されたかっこうで出てくるだろうということは、必ずしもいえないのではないだろうか、こう考えます。
#275
○塚田委員 今後どういう拡大された形で出てくるか、これは私どももやはり石炭が拡大されるという形で政策を進めないと、エネルギー需要がどうなるか、こう一般的に言っても、おそらくこれからはいまの情勢の中では、原子力なりあるいは天然ガスなりあるいはまた石油なり、そういう方向に指向する傾向をさらに進めてくると思うのですよ。そういう面で、やはり相当の決意を持たなければ、石炭の構成比というのは下がるということになるので、この点はひとつ石炭を守るという姿勢を強める、こういう立場でこれから政策を進めてもらいたいと思う。
 それとあわせて、これは大臣に聞きたいのですが、国内のエネルギー資源というのは石炭だ。石油は〇・三%、ほとんどない。これからいろいろ開発されるのですが、おそらく構成比としても飛躍的なものは望まれないのじゃないか。そこへ持ってきて国際的にエネルギー危機といいますか、この危機の本体というものも、何かと聞かれてもいろいろあると思うのです。あると思いますけれども、しかしいずれの面からとっても、やはり日本にとっては、むしろアメリカよりも大きな危機に直面するということは明らかです。そういうことからいって、自主開発その他でどんどん海外に出ておる。あるいはまた、プロジェクトを組んで、海外資源の開発に日本が協力するという体制等もとりつつあることは事実です。
 そこで私は、これだけはやってほしくないということで聞きたいのですが、日本の石油燃料の競合燃料といいますか石炭、これを国民の税金を使って外国の石炭を掘って日本に入れる、こういうことは絶対やめてもらいたいのですよ。そういう体制にあるのじゃないかという懸念もありますので、これはひとつ大臣に聞きたいと思います。
#276
○中曽根国務大臣 日本の炭種と競合しないというもの、しかも外国からいま輸入しているものについて、日本の資源の獲得地域を多元化するあるいは貿易構造を転換していく、そういうような要請から、必要なものば私はやってもやむを得ないのじゃないか。たとえばヤクートの炭田の問題でありますが、強粘結炭は日本にはそうございません。それはアメリカあるいは豪州から入荷しているわけですけれども、それをシベリアに一部求めていく。そういう意味で、輸入しているものについて、強粘結炭をそちらのほうへ代替するということは、資源政策としても適当ではないか、こう思います。
#277
○塚田委員 強粘結炭が不足だということは、これはいわれもない事実で、輸入に依存していることはわかっておりますが、しかしプロジェクトを組んで日本の技術が、しかも日本の国民の税金でヤクートで炭田開発をやるということは、いまの国内の石炭のこういう状況から見て、これは明らかに国内石炭を見捨てた、むしろやるなら海外でという印象が実態じゃないかと思うので、それでは、これからの国内の石炭に対する対策というのはへっびり腰といいますか、進まぬのは当然だと思うのですよ。まずその考えをやはりきちっと定めないと、日本のエネルギー対策というのは進まぬと思うのですが、この点どうでしょうか。
#278
○中曽根国務大臣 輸入し、開発する炭種が違うのでございますから、その点は理解いただけるものだろうと思います。
#279
○塚田委員 ヤクートはどの辺まで進んでいるのですか。これは企業ベースですか、それとも皆さん方が進めておるのですか。
#280
○中曽根国務大臣 これは民間ベースでやっておりまして、いま基本契約をつくろうとする予備交渉を始めておる、そういう段階でございます。
#281
○塚田委員 今度の第五次の計画ですが、去年答申が出たわけです。その答申が出た去年の六月から今日までの間の日本の経済情勢の変化というのは、目まぐるしいものがあったと思うのです。特に外貨の問題、それから円の実質的な切り上げの問題。六月の時点では、確かにその前に円の問題はありましたけれども、一応それで安定するという見通しの中で今度の諸計画が立てられたと思うのです。
 そこで、現在のこの時点において外国から石炭を輸入する、あるいは燃料を輸入するということになりますれば、円の切り上げで相対的に安くなるのですから、こういう需給関係の推移と見合って、いまの諸政策、炭価をはじめとして妥当だと思うかどうか、この点ひとつ御答弁願いたいと思います。
#282
○外山政府委員 御指摘のように、答申の時点ではまだ今回の為替変動は予想されていなかったわけでございます。それと同時に、答申の中で、海外原料炭との比較において国内炭の炭価を取引しようというふうなことも指摘されておるわけでございます。したがいまして、御質問のような点が出てくるわけでございます。確かに今回の措置で、国内原料炭が外炭に比して、価格の面では相対的に不利になるということは御指摘のとおりだと思いますが、もともと原料炭につきましては、現在でも外炭と国内炭の間にかなりの格差がございます。その格差について、私どもとしては、鉄鋼業界等に対し、できるだけこれに協力して引き取ってもらうように従来からもやってまいりましたし、現在もやっているわけでございます。
 今回の第五次対策におきましてもああいったルールができましたが、ともかく一番大事なことは、やはり需要の確保ということでございまして、需要業界がその線に沿って引き取ってくれなければ、これはどうにもならない。私どもとしては、若干そういうような問題点はあるかと思いますが、今回の円の変動相場制移行によって悪影響が生じないように、従来と変わらず、引き続き需要業界に対してもできるだけ指導をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
#283
○塚田委員 そういう点から、岡田委員から質問のあった安定補給金あるいは経営資金の補助、援助、こういう問題がおそらく急がれるんじゃないかと思うのです。これをきめたときには、おそらく皆さん方は第三次の肩がわりがあるから、それで総括的に安定するんじゃないか、当時はそのくらいに考えた。安定補給金を据え置くよりも、むしろ第三次があれば中小まで全部いくのですから。しかし、それにもかかわらず、これを見送ったという面で、日本の経済状況についての見通しに若干ズレがあったわけです。そういう点で、安定補給金についての手当てというものを早くやらなければ、またぞろ閉山、経営悪化というような事態がやってくる。こういう問題は早いうちにやらないと、火がついてからやったんではどうにもなりませんから、この点、強く希望しておきます。どうでしょう。
#284
○外山政府委員 先ほど石炭部長のほうからもお答えいたしましたが、今回はいろいろな助成の強化ということが各方面にわたって行なわれました関係で、総ワクの中でも実現の取り運びがなかなかむずかしかった事情もございます。御指摘の点も十分頭に入れて、今後とも、新しい環境の中で石炭鉱業の業態というものをにらみながら、来年度予算要求についても勉強してまいりたいと思っております。
#285
○塚田委員 石炭がこういう事態になったという理由、いろいろありますけれども、先ほどからも指摘されておりますとおり、石炭にまつわる公害問題、石炭燃焼に伴って出てくるNOの問題がこれから大きな問題として指摘されなければならぬし、当然、この答申の線からいいましても、これから公害防除の施設等について十分の配慮をしなければならぬ。そこで、私ども、いま石炭をクリーンエネルギーとして使う場合に、まず考えられるのはやはり液化、ガス化問題だと思うのですが、この間参考人を呼んだときに、あれは研究所の所長でしたか、私はびっくりしたのですけれども、研究費の三分の二は企業におんぶして、三分の一をどうやら国が出しておる。しかもごくわずかな、四億ないし五億くらいの金でしょう。これではこういう大きな問題に真剣に取り組むという体制ではないわけですよ。しかもとのガスは、日本では現実に輸入しているのですね。東京ガスあるいは東電がそうでしょう。このガス化体制について、特に研究所の強化ということについて一体どう考えておるか、御答弁願いたいと思います。
#286
○佐伯政府委員 石炭のガス化につきましては、基礎的研究の面では、国の試験所でございますところの現在の公害資源研究所、当時の資源技術試験所でだいぶいたしたわけでございます。その後、日本の国内炭が相当高いというようなこともございまして、いわゆる開発研究は中座しておるような状況でございます。
 それから、先生御指摘のように、アメリカではいわゆる石炭のガス化、そのガス化も従来のようなルルギ方式等ではございませんで、御承知と思いますけれども、石炭をメタンガス化する方向の研究が盛んに行なわれておるわけでございます。主として水素添加による方法が行なわれておるわけでございます。これは、私たちが承知しております範囲では四ドル、約千円の石炭を使いまして、百万BTU当たり五十セントくらいのメタンガスをつくろうという研究でございます。百万BTU当たり五十セント、一立米に直しますと五円ないし六円くらいにつくと思います。したがいまして、約千円の石炭を使いまして立米当たり五円ないし六円くらいのメタンガスをつくろう、それも大量につくろうという研究をいたしているわけでございます。私たちが承知しております範囲では、石炭の原価に比例してガスの値段がきまってくるというふうにアメリカではいっておりますので、日本の場合、産炭地でございましても四倍あるいは五倍くらいの石炭の値段になっております。その辺の問題がございますので研究が進まなかったのだというふうに思いますけれども、クリーンエネルギーの確保という面もございますので、これから内部で十分検討させていただきたいと思います。
#287
○塚田委員 そういう高いものですけれどもね。しかし、実際、日本では輸入しているんでしょう。いまこの時点で輸入していますか。
#288
○外山政府委員 LNG、つまり液化天然ガスというかっこうで輸入しています。
#289
○塚田委員 いまこの時点でとわざわざ言ったのは――いまはだめでしょう、局長。ストップされているんじゃないですか。つまり相手国は輸出しないんですよ。どうですか。
#290
○外山政府委員 まだそれほど大きな量にはなっておりませんが、現在契約ができて輸入しつつあったものは全部そのまま輸入されております。アラスカあるいはインドネシア等からの輸入は現在続いております。
#291
○塚田委員 私の調べたところでは、アラスカ輸入がいまたいへん大きな壁にぶつかっておる。これは、アラスカも含めてアメリカの燃料政策が変わってきたわけですよ。できるだけそういうものは海外に出さないということで制限してきておる。おそらく東京ガス、東電はそういう点で苦慮しているんじゃないかと思うのです。ほかのエネルギーにかえていく、ほかのものをたくということになる。こういうように日本のエネルギーというものは、外国に依存しているという形態が、こういう時期になってくるとあっちこっちでいろいろな障害が出てくる。そういう面からいって、先ほどからいろいろ話がありましたとおり、やはり石炭専焼火力というものは焦眉の問題だと思うのです。今回は残念ながら調査費もついてない。これは答申の中では、検討を進めなければならぬ。せめて第五次の第一年度、調査費ぐらいつけて、とにかくどういうところでどうやったらいいのかということをやっぱり通産省は独自でやるべきだと思うのですけれども、この点は一体どうでしょうか。
#292
○佐伯政府委員 大臣の御指示もございまして、私のほうと公益事業局で現在は詰めて検討いたしておる段階でございますので、その問題点がもう少し解明いたしました段階で、もっと広い学識経験者の方の御意見も聞いて、いわゆる調査をいたしたいと思います。このときには、産炭地振興委託費というのがございますので、その中の費用を使って、必要な場合に調査をいたしたいというふうに思います。
#293
○塚田委員 時間もございませんが、私どもはかねがね、この間の参考人を呼んでの話もありましたが、とにかくいまの炭鉱というのはもう私企業の域を出ておるということで、この際思い切って国管体制をとるべきじゃないかという観点からいろいろと質問をいたしました。
 さて、これは大臣に聞きたいのですが、いまの炭鉱経営で、私企業としてのさいはいのふるえる分野というのは一体どれだけ残っているのですか。何が一体私企業の分野ですか。先ほどから労使関係、これは賃金をきめるのは労使関係で、侵すべからざる聖域だ。私はそれは認めましょう、いまの段階で賃金をきめるということ。そのほかに何が残っていますか。
#294
○中曽根国務大臣 やっぱり経営計画を立て、出炭計画を立て、あるいは賃金交渉をし、あるいは消費者に対して引き取り交渉をし、引き取り価格の交渉をし、経営全体を管理していく、そういうところを経営主体としてやっていっておると思います。
#295
○塚田委員 いま言われた経営計画を立て、それから需給関係についてのいろいろな交渉をやる、これはみんな通産省のほうでやっておる業務じゃないですか。通産省がやらなければ、いま石炭企業独自でやれと言ったってやれる筋合いのものではないでしょう。そこにまた石炭対策の大きな使命があるのでしょう。私は、私企業としてのさいはいをふるえる分野というのはほとんどないと思うのですよ。だから、もうここまで来たら、国が責任をもってやるべきだ、こう言っているのですよ。
#296
○中曽根国務大臣 やはり企業には企業の伝統もあり、労使の慣習もあり、経営の独自性というものもありますから、それを経営主体がやっておるのを通産省はお手伝いして助けてやっている、そういう形で、やはり主は経営者であります。
#297
○塚田委員 さてその経営者は、これはいろいろあると思うのですよ。あると思いますけれども、この間、くしくも管理会社と管理委員会を間違った経営者がいるのです。しかも協会の一番えらい人がです。つまり、管理委員会なんというよりも管理会社ということがこびりついているのです、頭の中に。つまり、自分の企業は中曽根通産大臣の助けをかりなければできないんだということを思わず知らず言っているのですよ。おそらく経営者の中ではいろいろな案は出てきていますけれども、とにもかくにも、もう私企業としての段階から移らなければならぬということ、経営者自体がそうだと思うのです。
 さて、労働者はどうでしょうか。労働者は御存じのとおり、長い間われわれの命をあるいは生活を、いまのこういう危険な状態の中で、あるいは先行き不安な中で経営者に預けるわけにはいかないのだ、これが労働者の一致した声でしょう。産炭地域の一般住民はどうでしょうか。これだって同じですよ。だれが一体、いまのような企業の状態がこのままずるずるといく、しかも二千万トンはおろか、だんだん下がるような見通しの中でこういう形態を望んでいるか。だれも望んでいないですよ。だから、いまやることは国が責任をもってやる、こういう体制を打ち出してこそ、国民あるいは労働者、炭鉱従業員、そして大多数の経営者にもこたえる道じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
#298
○中曽根国務大臣 やはり経営者には経営能力もあり、その炭鉱固有の伝統とか環境とか事情があるわけでございますから、こういう力を生かして、創意くふうを施してやっていってもらうということが適当であると思います。
#299
○塚田委員 これは繰り返してもなんですが、もう炭鉱の経営者には、とにかくおれは命を張って、あるいは企業家としての生命をかけて、この炭鉱を守っていくなどというけなげな人はほとんどいないのじゃないかと思う。これは大臣が一番よく知っているのではないかと思う。だから、もっと高度な立場で、つまり国内資源をどう守るかという立場でしか私は炭鉱を守っていく道がないと思う。そういう点でひとつ十分考えていただきたいと思うのです。
 最後に閉山問題、私どもいろいろと聞いております。先ほどから答弁を聞いておりますと、まだそういう具体的なあれは聞いておらぬということですが、局長、一つの山が閉山するという場合に、どのくらい前にどういう手順で通産省のほうへ話が持ってこられるのですか。
#300
○外山政府委員 私もまだ着任して日が浅いものですから、あまりいろいろなケースに直面しておりません。事情によって、山の状態、その原因等によっていろいろ違うだろうと思います。しかし、少なくとも経営者としては、自分らとしての重大なる措置でございますから、なるべく決心を――決心といいますか、そういう方向について踏み切ろうというふうな考え方に立った時点で直ちに相談に来るだろうと思います。同時に、まだまだ最終決定をするのではなくて、こういう事情でこうなっておるという段階からいろいろ相談には来るのだろうと思います。
#301
○塚田委員 じゃ、こういう抽象的なことを言ってもなんですから、石狩炭鉱のときはどうだったか、三美のときはどうだったか、あるいは、北海道のことばかりを言うので申しわけないのですが、赤間の分離のときにはどうだったか、具体的にあのときにはこれくらい前にこういう時点で来ましたと答弁してください。
#302
○佐伯政府委員 石狩炭鉱の場合は、御承知のように事故がございまして、それの再建をするのだったらそれに対する資金等を出すからというふうなことをずっと話しておったわけでございますが、とてももうだめだということで、私の記憶では、組合のほうに、もう閉山をせざるを得ないということを言いましたからということを言ってこられたように記憶いたしております。
 それから赤間炭鉱の場合は、昨年の七月に自然発火をいたしまして主要部分がなくなりました。なくなった時点では、私はその当時担当ではございませんでしたが、その後も掘るところがあまりございませんので、どうやってあとをつないでいくのだろうかというふうに、われわれとしては心配をしておったわけでございます。これも私の記憶が間違っていなければ、このように閉山を提案をしましたから、ということを話しにお見えになったように記憶いたしております。
 それから福岡の山野炭鉱の場合も同じように、その地区に行ってみたら断層がとても多いというようなことで、通産局のほうからもそういう状態を聞いておりましたが、これも、やむを得ず閉山を組合のほうに提示をしたからというふうなお話があったというふうに思っております。
 三美炭鉱も終局では同じようなことだったというふうに思っております。
 ただ、いずれも事前に相当に、赤間炭鉱の場合は自然発火ということでございますが、それから石狩炭鉱の場合は災害ということでございますが、三美とそれから山野炭鉱の場合は、自然条件がだんだん悪くなってきたということで、事前に知っておったのは事実でございますが、閉山をいつするかというふうな御相談は、少なくとも私のほうへは御相談にはお見えにならなかったというように思っております。
#303
○塚田委員 しかし、御相談に来なくても、閉山すれば閉山交付金をやったりいろいろあと始末をしてやらなければならぬのでしょう。それともう一つは、とにかく企業が決意したら、あなた方はそれはいけません、閉山すべきじゃない、こういう声があるじゃないか、技術的に資金の面でいろいろな条件があるじゃないか、一ぺんそういう勧告なり相談なりして阻止したことがありますか。
#304
○佐伯政府委員 現実には、いま申しました炭鉱はいずれも第二会社でございますので、直接には通産局を通じてでございますが、私たちのほうではその親会社と申しますかに対して、生かせる方法はないのか、これを生かせる場合には国の制度の範囲内で応援をするからということをいろいろ相談もし、強力に話をしたつもりでございますが、もともと、いま申しましたようなところの炭鉱の場合もっと続けたい。けれども、もうやむを得ず閉山をしなければならないというふうな状況にございましたので、制度の範囲内でいろんなことをやっても、とても立っていかないというふうな状態でやむなく閉山に至った。したがいまして、閉山に至りましたらいろんな労働者の方もおられますし、それから一般の債務がございますので、閉山の交付金を制度に従って出したりあるいは現在その作業をしておるような状況でございます。
#305
○塚田委員 もう時間がございませんのでやめたいのですが、そういうことでとにかくこちらに相談に来る。どうにかして生かしたい、こういうような意思を、こちらに来る前に、労働組合に対してもうやめますからという通告と同時に、あるいは通告後にこちらに来るというケースがいま言ったんでは全部なんですよ。こんなことで、はたしてその石炭産業を守るとかあるいはこれから拡大するとかというようなことができるのかどうか、私は絶対にできないと思うのですよ。そのくらいの権限を持つためには、さしあたり管理委員会を強化するなり、そういう手だてが絶対に私は必要だと思うのですよ。
 そこで、個別炭鉱に対して、それはいかぬぞ、石炭は守っていかなければならぬ、拡大しなければならぬということを技術的に資金的にやはり相談する体制あるいは勧告する体制、これがなければならぬと思うのです。いまのようなやり方で、大臣は先ほどの岡田委員の質問に対して、何とかそうならないように二千万トン確保するようにやっていきますと言ったって、現実にどんどんつぶれていっているのですから、二千万トン確保できないのは当然でしょう。子供の計算と同じでしょう、これは。石炭を掘る山がなくなっていくのですから二千万トンは確保できない、こうなるのじゃないですか。だれでもわかっていることをその場だけの答弁でやるというような、そういうゆうちょうな事態では石炭はないと思うのですよ。これは、ひとつ最後に大臣の答弁をいただきたいと思います。
#306
○中曽根国務大臣 確かに御指摘のように、いまのエネルギー事情の変化とか、あるいは需要者側の動向を見ますというと、二千万トンを維持していくということは困難があると認めざるを得ません。しかし、日本の基幹産業の一つであり、固有の大事なエネルギーである石炭を守っていくということはわれわれの国策でもございますから、需要者側についても通産省が積極的に指導して、二千万トンを割らざるベースラインとしてあくまで維持していくように努力していきたい。まことに客観情勢は必ずしも楽じゃないとよく認識しております。しかし、通産省としては、非常な決意をもって守り抜いていく、こういう考えであります。
#307
○塚田委員 客観情勢はひとつつくっていってください。客観情勢にまかせるという事態になれば、これは計画というものはないのですよ。客観情勢はみずからの力でつくる、形成する、こういう決意でひとつ立ち向かっていただきたいと思います。
 終わります。
#308
○田代委員長 午後三時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時四十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時開議
#309
○田代委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。
#310
○瀬野委員 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について政府に質問いたします。
 政府は、新たに石炭合理化事業団の業務として、経営改善資金、いわゆる運転資金の貸し付けを行なうこととしておりますが、その運用について、貸し付け事由が非常に限られており、さらに貸し付け期間も三ないし六カ月ということで、現状は、石炭の取引減、特に電力用炭の急速な減少による異常貯炭増加、あるいは貯炭引き当て借り入れ金の返済が企業の資金を圧迫しているような現状でございます。
 そこで、先日来審議が続けられてきたところでありますけれども、さらに私は若干の質問を政府にいたすわけでありますが、委員会が連日競合しておりまして、石炭審議のこの委員会を中座することがたびたびございましたので、質問が若干重複するかとも思いますけれども、あえて私はこの機会に、重要な問題について若干はしょって質問をいたすものでございます。
 まず最初に、従来設備資金というと、御承知のように機械、坑道、それから整備資金だと退職金等が貸し付け対象の骨格をなしてきたわけでありますけれども、法二十六条十一の二に「前条第一項第十一号の二に規定する資金の貸付けをすることができる場合」とあるわけでありますが、この法律によりまして具体的にどういう場合に貸し付けできるのか、この点からまず説明をいただきたいと思います。
#311
○佐伯政府委員 お答え申し上げます。
 経営改善資金、俗にいう運転資金でございますが、法律では、御承知のように「事業の経営を改善するために特に必要」な場合というふうに書いてございますが、その具体的内容は業務方法書で定めることにいたしておりますが、私たちが現在考えておりますのは、先年ございました海員スト等のような場合に石炭の引き取りが一時停滞するというふうなことがあった場合、あるいはまた、こういうことがあっては困りますけれども、大きな災害があった場合、あるいはまた通常の場合でございましても、賞与の支払い時期であるとかというふうな、季節的な特別な理由等で運転資金が特に必要があるというふうな場合にお貸しするということにいたしたいというふうに思っております。
 それから利率でございますけれども、私たちは現在六・五%の利率にいたしたらというふうに思っております。それから償還期間もいろいろ意見があったわけでございますけれども、あまり一つところに停滞しますと、運転資金の意味がございませんので、原則として六カ月というふうにいたしたいというふうに思っておりますが、詳細につきましては法律成立後に十分検討し、業務方法書で定めていきたいというふうに思っております。
#312
○瀬野委員 詳細については法律制定後、業務方法書によって定めるということでありますけれども、だからこの際審議をして、業務方法書にきちっと誓いてもらわなければいかぬ、こう思うわけです。いまの説明だと、災害の場合、減産の場合、貯炭増のものに対する貸し付け、こういったことも金融の対象になるのか、その点、簡潔でいいからひとつ御答弁いただきたい。
#313
○佐伯政府委員 全体として先生のおっしゃられるとおりだと思いますが、たとえば貯炭でございますと、貯炭がただ多いから、その貯炭量に比例してお貸しするというようなことではございませんが、全般的には先生のおっしゃられたようなことだと思います。
#314
○瀬野委員 この機会に聞いておきますが、現在の貯炭量は大体どの程度になっておりますか。
#315
○佐伯政府委員 全国で約四百二十万トンぐらいだと思います。
#316
○瀬野委員 大臣にお伺いしますが、いまの問題について、災害または減産に対する融資、これは当然です。全般的には貯炭増についても運転資金と考えるというようなことでございましたが、業務方法書を定める場合にこういうことが明確になると思うのですけれども、ぜひこの貯炭増に対して――現在四百二十万トンもあるということでございますが、今後こういったことがたいへん心配になってまいりますし、ぜひともひとつ貯炭増に貸してもらいたい、かように思うわけです。
 と同時に、先ほど貸し付け期間については三カ月ないし六カ月となっておりますけれども、言うまでもなく需要期は冬、また夏場ば不需要期になっておりますので、こういったことを見ましたときに三カ月ないし六カ月では貸し付けの期間が短い。やはり石炭の貯炭をいろいろなことから見ましたときに、この貸し付け期間を明確に一年、こうすべきではないか、かように思うわけですが、この点二つあわせて大臣から、ぜひこの業務方法書に、法制定後ははっきりとこういうことが対象になるというふうにやっていただきたいと思うのですが、大臣の見解を承りたいと思います。
#317
○中曽根国務大臣 貯炭融資は、需要者の一時的な引き取り減少等による、一時的な貯炭の増加によって資金繰りが悪化した場合にのみ貸し付けられるものでありまして、単に貯炭であれば、貯炭量に見合って貸し付けを受けるという意味の貯炭融資ではないのであります。すなわち、緊急の必要があったときに融資をする、こういう精神でございますので、そういう面から見ますと、半年くらいの期間を見ておけば、貯炭の減少ということからまた処理ができてくるだろうと思うので、六カ月でいいのではないかと思います。
#318
○瀬野委員 これは大臣に聞かぬほうがよかった。これ、後退しちゃったですね。石炭部長のほうの言ったのと大臣のとだいぶ違うのだが、先ほどあなたが、貯炭増についても全般的なそういう考えでということだったけれども、大臣のお話では、緊急の必要があった場合、だから一時的な悪化等であるから半年くらいで間に合うのだ、こういうことであるけれども、そうでなくて、やはり需要期というのが冬場であり、掘った炭はやはり一年間という期間がなくては、どうしても半年では短過ぎる。政府にいわせれば、いろいろたくさんのところに資金を貸してあげたい、幅広く貸してやりたいから、短い期間にしたいという気持ちもあろうかとわれわれも推定できないでもないですけれども、こういう石炭のたいへんな時期にあたって、ぜひ一年間貸していただく、こういうことが望ましい。しかも貯炭増に対しても、緊急な場合、一時的な悪化に伴うだけでなくて配慮をいただきたい、こういうぐあいに思うのですが、部長、その点いかがですか。
#319
○佐伯政府委員 先ほど申し上げましたのと、大臣と、全く同じであると私は思いますが、先ほど申しましたような形で、たとえば海員ストとか一時的な需要の減退というふうなときに、貯炭がふえて資金が困るというふうなときが条件になるわけでございます。
 それから、現在はいわゆる電力用炭といわゆる鉄鋼コークス用の原料炭の需要が大部分でございますので、現在では比較的季節の変動というのは少ないのではなかろうかというふうに思います。同じことを言うようで申しわけございませんが、期間は六カ月ぐらいが適当だというふうに思っております。
#320
○瀬野委員 このことばかり論議していてもあれですが、そういう要望の強いことを十分知っていただいて、ひとつ業務方法書決定の場合に十分配慮をいただきますように強く要望しておきます。
 さらに、資金の用途についてお伺いしますけれども、第三十六条の二十二に「当該採掘権者又は租鉱権者が支払うべき賃金、資材費その他の通商産業省令で定める費用の支払に必要な資金」云云、こういうようにあるのですが、現に市中銀行から借り入れておりますその借り入れ金の返済の用途にぜひひとつ加えていただきたい、こういう要望が強いわけであります。「事業の経営を改善する」とありますけれども、その間接的原因も加えるべきである、こういうふうにお願いしたいわけでありますが、この点についてはどういうようにお考えであるか。すなわち、経営改善なので、返済金は入れない、こういうように政府のほうではお考えのようでありますけれども、貯蔵炭等もあるわけでございますので、ぜひひとつそのようにしていただきたいと思うのですけれども、この点についても明らかにしていただきたいと思うのです。
#321
○佐伯政府委員 経営改善資金でございますので、法律に示されております賃金、資材費のほかに、たとえば請負工事費とか電力費というようなものも、この使途の中に含めて考えたいというふうに思っております。
#322
○瀬野委員 あえて言いますと、合理化法案の立法精神というのが、石炭業界の資金繰りを援助するということにあるわけでございますので、貯蔵炭、こういったものに対するいわゆる市中銀行からの借り入れ、その返済期、こういったものについても十分配慮して、今後業界が順調にまいりますようにお願いをしたい、かように思うわけです。
 さらに、第十三条の二に、石炭鉱業合理化事業団の規定がなされております。そして管理委員会を置くことになっておりますが、これは、今回新たに委員会を設置するということになるわけでありますけれども、現在石炭対策の推進機関としては、通産省にあります鉱山石炭局ですか、これが通産省資源エネルギー庁、石炭合理化事業団、それから管理委員会と、それぞれ機構改革され、実施機関、諮問機関、こういうふうになって、そのほかに石炭鉱業審議会、こういったことが今回の合理化法によってあるわけですけれども、これらの関係が一そうの推進をはかるために、多元化になるのはやむを得ないという意見もありますけれども、業務権限の交通整理が明確になっていない向きもあるという批判があるわけですが、またたらい回し等によって責任転嫁が行なわれるのではないか、こういう心配がなされておるわけであります。こういったことについては、当局はどういうふうに整理をなさるのか、いわゆる機関が多元的になって、交通整理ができないようなことになってはたいへん困るわけですけれども、それに対する政府の見解を承っておきたいのであります。
#323
○外山政府委員 今回、答申の趣旨に沿いまして管理委員会という組織が新たにできるわけでございますが、これは合理化事業団の中の組織でございます。ただ、それにいろいろ業務上の期待をしているわけでございますが、今回管理委員会の設けられた趣旨と申しますのは、合理化事業団自体が、今回の措置によりまして各種助成について非常に国から権限を委任されまして、対象とする助成措置自体が多くなったということ、さらに大きくなれば当然重要性がふえてくるわけでございますが、重要性を増してきたということ、こういったこと対処いたしまして、事業団の業務運営の基本的な重要事項を慎重かつ公正に、また各種助成の統一運営、こういう観点から決定し得る体制を整備しようということで、それに資するために、中に管理委員会を設置したということでございます。したがいまして、事業団の中の強化組織ということでございますので、いま先生の御指摘にございましたように、従来の組織との関係で申しますと、石炭政策そのものの企画立案及びそれらに基づく施策の実施の基本ということはで政府が石炭鉱業審議会の意見を聞いて行なうことになるわけでございますが、それらを具体的に実施する段階において合理化事業団が機能する。その機能する際に、石炭鉱業の実情に最も合致した形で助成の運営が行なわれるようにしたい。そこで、管理委員会に重要な役割りを与えて事業団の組織の強化をはかった、こういうことでございます。
#324
○瀬野委員 ただいま答弁をいただきましたが、いずれにしても、このように機関が多元化してまいったわけでありますので、十分業務権限、こういったことについては交通整理をして、いろいろな責任の所在がたらい回しになっていくようなことのないように、十分当局の指導をお願いする次第であります。
 次に、石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する関係で若干お尋ねしますが、昭和四十二年に第一次肩がわり元利補給金一千億円、昭和四十四年に第二次肩がわり再建交付金八百五十億円というようになっておりますが、ことしは第三次肩がわり六百八十億円、システムは第二次と同様であるというように説明を聞いておるわけであります。
 そこで、この資金について、石炭政策の基本の発想の転換をすべきではないかということを申し上げたいのであります。肩がわりもぜひしてもらいたいが、企業は、市中銀行からの金融の道をぜひ広げてもらいたい、こういうような要望が強いわけでありますけれども、こういう点についてはいかなる見解をお持ちか、ひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
#325
○佐伯政府委員 先生おっしゃいますように、第一次、第二次の肩がわりをいたしまして、第三次の肩がわりをお願いしておるわけでございますが、第二次に肩がわりをいたしておりますものも、先生おっしゃるように、銀行のものにつきましては担保に入っておりまして、その担保を抜かなければ新しい資金の調達がむずかしいという面もございますので、第三次肩がわりの中に含めまして、第二次肩がわりの分の期間短縮をいたしまして、極力担保を抜いてもらって、新しい市中銀行の借り入れができる方途を講じたいというふうに思って、法の改正をお願いする次第でございます。
#326
○瀬野委員 そこで、日本の石炭産業はどうあるべきかということで、長期石炭対策について四十七年六月二十九日、石炭鉱業審議会の答申がなされておりまして、昭和五十年度には、過般も大臣にいろいろ質問したわけでありますが、二千万トンのキープをうたっておるわけです。おそらくたびたび審議されたと思うのですが、政府の肩がわり施策というのがうしろ向き的ではないか、こういうことがいわれておりまして、現在金融、企業、政府、この三つ、すなわち、金融は金利を下げたり期間を長くしたり、こういうことでいろいろ検討していただくし、政府は資金を出資する、企業はもともと借り入れ金が相当あるということで、普通いわれる三方泣きといったような状態になっておるわけですけれども、四十二年からこの三つで少しずつ負担をしてまいった、立て直しをしてきたということでございますが、二千万トンもキープしたいのであれば、金融機関の泣きをなくしていったらいいじゃないか、そうして第三次の肩がわり等も十分検討すべきではないか、こういう意見もあるわけですけれども、この点についてもう少し詳しく見解を承っておきたいのであります。
#327
○佐伯政府委員 第三次肩がわりは、大体第二次肩がわりと同様な方法でお願いしたいと思っております。
 金融機関につきましても現在ございます償還期間を十五年延長してもらいまして、それから、金利ももう少し高いわけでございますけれども、それを三%にしていただくということで、銀行面につきましても犠牲を払っていただく。政府のほうも交付金を出すということで、石炭企業の再建、先ほどおっしゃいました二千万トンの確保につとめてまいりたいというふうに思っております。
#328
○瀬野委員 石炭部長からさっきお話がありました担保ですね。この担保についても四十二年は一千億、四十四年は八百五十億、四十八年が六百八十億、こういうふうに肩がわりがされているわけですけれども、企業の借り入れ金は相当返済が進んでいるわけでございます。十分御承知のとおりでございます。担保としては土地、有価証券だとか設備、鉱業権というようなものがあるわけで、返済だけ見ましても、新しく貸さないので結局担保は余っていくという状況になっております。
 担保解除によって金融力を増していくのは当然じゃないかということがいわれておるわけでありますけれども、この点については、もちろん業界に対するいろいろな歯どめも必要でありますけれども、政府が金融機関に対して、強力な行政指導で実効あらしめるというようなことについては、当局はどういうようにお考えでありますか。担保の解除、こういった問題について見解をひとつ述べていただきたいと思います。
#329
○佐伯政府委員 先生おっしゃられるとおりでございまして、担保を抜くことによりまして、また炭鉱が金融できるようにすることが必要でございます。四十七年の四月二十四日に、鉱山石炭局長名をもちまして、関係金融機関に対しまして、それらのことの協力を要請してまいったわけでありますが、今後とも金融機関に対しお願いして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
#330
○瀬野委員 大臣、業界では担保解除によって金融力をぜひ増していきたい、こう言っているけれども、企業みずからが担保解除ということをあまり言えない立場もあろうと思うのですが、こういった石炭鉱業界はたいへんな問題をかかえておるのですけれども、せっかく政府も過保護といわれるような援助をしていただいたわけでございまして、常にこういった担保の問題についても政府が指導するようになっておりますが、現在あまり効果があがっていない、こういうようにいわれていろいろ批判の的になっているわけですが、相当効果があがっていると思われるのか。また今後こういったことを強力に指導して効果をあげるべく、大臣は強い姿勢で臨んでいかれるのか、その点、ひとつ大臣の御見解を承りたいと思います。
#331
○中曽根国務大臣 炭鉱を救うというためには、これは政府全体及び日本の経済界一致協力してやってもらわなければできない問題でございまして、いまの担保の問題等についても、当省より大蔵省に要請して、大蔵省から民間銀行等をいろいろ指導してもらいまして、そういうラインを通じて、いろいろ担保物件の処理等について適切な処理をしてもらうようにしたいと思っております。
#332
○瀬野委員 石炭部長、いまの件について若干もう一ぺんお聞きしますが、第一次、第二次、第三次肩がわり制度は、石炭を堀っている限りという条件つきで、それをやめた場合、借金返済の残額に対し、担保の処分をもってまず資金回収をやり、残りの残額の半分を政府が肩がわり、あとの半分は金融機関の損失となるわけであります。このシステムがある限り担保解除は無理だ、こういうふうにいろいろ私聞いておるわけであります。そこで、金融機関が損をする分についても政府が全額肩がわりをする、このようにしてもらったらどうか、あつかましい言い方かもしれませんがそういう意見があるのですけれども、これについてはどういうふうに政府はお考えを持っておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#333
○佐伯政府委員 返済を肩がわりをしまして逐次返済をしてまいるわけでございますが、この返済に見合った担保をどんどん抜いていく、そして金融力をつけていくということでございまして、今回も再建交付金のうちの期間短縮をいたしまして、早く返済をいたしまして担保を抜いていくというふうにいたしたいと思います。その方法が、これは従来と同じ方法でございますけれども、一番むしろ適しておる方法だというふうに思っております。
#334
○瀬野委員 そこでもう一点このことに関連してですけれども、企業についても担保を抜いた場合に、かってに担保を処分したりいろいろ使ったりしてはまたどうかと思うのですが、せっかく抜いた担保がそういうふうに処分されるようなことがないように、十分歯どめをしていかなければならぬと思うのですけれども、この使用規制についてはどういうように考えておられますか。
#335
○佐伯政府委員 いわゆる肩がわりをしておる会社でございますが、そういうところにつきましては、毎年再建整備計画の実施状況を聴取いたしております。特に簿価一千万円をこえる資産の処分については、事前に通産大臣に届け出ていただくというふうなことを義務づけておりまして、厳重な事前チェックをいたしまして、かりに処分をいたす場合でも、石炭鉱業の全体に益することにいたすということで、そのような方向でいたしておる次第でございます。
#336
○瀬野委員 次にお尋ねしますけれども、統一賠償機関による鉱害の処理についてでございますけれども、百年に及ぶいわゆる石炭採掘によって、水の流れが変わったために濁水が流れるようになってみたり、あるいは家屋、たんぼなどの地盤沈下による傾き等が起きたりしております。九州でも至るところこういうのがありまして、いまたいへん鉱害問題の対策に悩んでおるところでありますが、臨時石炭鉱害復旧法によって、国土の保全、健全な発展ということをはかることになりまして、御承知のように八〇%の復旧を国が費用負担し、二〇%を原因者負担ということでいろいろ対策を立てておりますけれども、いろいろ調べてみますと、無資力鉱害の場合は一〇〇%国が補助をしますけれども、有資力の鉱害の場合は二〇%原因者負担、こういうことになっておりまして、現在この大部別、すなわち七〇%が無資力の鉱害で残り三〇%が有資力鉱害ということで、斜陽化した今日、なかなか負担がたいへんであるということになっておるわけです。鉱害復旧事業団が順番に積極的にやっておりまするが、どうしても有資力鉱害のほうがおくれるのは自然の成り行きでございまして、何とか計画的統一的に復旧をしたいのですけれども、それが不可能であるというのが、九州でも北九州から筑豊を含め、いつもこれは問題にされてくるところでありますけれども、こういったことから、復旧は統一して有資力無資力ともにやるべきである、こういうように私は思うのですけれども、この点からまず当局の御見解を承りたいのであります。
#337
○佐伯政府委員 鉱害につきましては、昨年臨鉱法の十年間延長をいたしていただきまして、十年間で鉱害復旧を完全にしたいということで鋭意努力いたしておるわけでございます。先生御指摘の鉱害の統一賠償機関というようなものにつきましては、法律上も運用上も多くの問題がございますので、その実現につきましては慎重な態度で臨みたいというふうに思います。
 なお、有資力の賠償義務者の基本計画につきまして、いわれのない不同意に対しましては、必要に応じまして鉱害事業団が施行して、納付金の徴収の手続を発動することによって、被害者保護に欠陥がないようにつとめてまいりたい、こういうふうに思います。
#338
○瀬野委員 時間が来たそうですので、大臣に最後に一問、いまのに関連して見解を承って質問を終わりにいたしますが、ただいま申しましたように、有資力の鉱害と無資力鉱害、これが七〇%と三〇%で、なかなか統一的にできない。そこで、鉱害復旧の一元化、スピード化をはかるために、有資力、無資力一緒にやって、あとで二〇%の負担金を有資力鉱害の関係として取ったらどうかというようにも考えられるわけですけれども、こういったことについては大臣はどういうようにお考えであるか。
 いずれにしても、こういった災害復旧については、閉山に次ぐ閉山、そしていまちょうど田植えを前に、各地とも鉱害によって地盤沈下等で悩まされておりまして、炭鉱地においては早くこういった復旧をせなければならぬということは切実な問題になっておりますので、何とか促進をはかっていく、スピード化をはかるという意味でも、ぜひ政府のお力添えをいただきたい、こう思うのですが、大臣に最後にそういったことについての御見解を承りたい、かように思います。
#339
○中曽根国務大臣 鉱害復旧は非常に大事な仕事でございます。緊急を要するというようなときには、おっしゃるように、先に仕事をして、あとから徴収するということも検討していいと思いますけれども、一般的には、やはり資力のあるものは先に出してもらってやる、時間的に余裕がある場合にはそういうことでやっていきたいと思います。
#340
○瀬野委員 時間がまいりましたので、以上で終わります。
#341
○田代委員長 細谷治嘉君。
#342
○細谷委員 十分時間がないようでありますから、簡単に御質問いたしたいと思います。
 最初にお尋ねいたしたい点は、昨年のこの委員会におきまして、当時の通産大臣の、いまの総理の委員会の要望に対するお答えもありますし、また、現通産大臣もその線を確認しておるところでありますが、産炭地振興対策について、法第十一条の算式を根本的に改める、こういうお約束がございます。その際、もし法律の改正を行なわない場合には、法律の改正を行なったと同様な内容の予算をつける、こういうことでありました。結果は、法律の改正を行なわないで、予算措置に逃げ込んでおるようであります。どうしてそうしたのか、まずお尋ねいたします。
#343
○外山政府委員 産炭地域振興臨時措置法第十一条に基づきます市町村の公共事業に対する補助率の引き上げ措置、これにつきましては、いま御指摘のように、私どもに対しては、石炭鉱業審議会の答申あるいは産炭地域振興審議会の建議におきましてその改善の指摘がございました。私どもその線に沿っていろいろ考えたのでございますが、四十八年度におきましては、予算措置をもって補助率引き上げ措置の改善を行なう、そうして交付金のうちに、特定公共事業に対する調整額を新設するということで予算上の配慮をしたわけでございます。法律を改正するほうが抜本的でございますが、今回は、上記のように予算措置により、実質的な措置を講じたわけでございますが、今後四十九年度以降、さらにいま御指摘のように、予算措置で行なうか法律措置で行なうかにつきましては、各省ともさらに協議をして検討してまいりたい。少なくとも、実質的にこのような措置を継続することは、私ども絶対に推進してまいりたいと思いますが、その方法論につきましては、来年度も引き続き関係各省とも御相談をしてみたい、こう考えておる次第でございます。
#344
○細谷委員 来年度はまた違った法律でいきたいと、こういうことでありますが、それでは今度四億五千万程度の十一条に関連する予算が講じられておりますが、それは一体どういうふうにしてかさ上げで補助するのですか。どういう算式ですか。
#345
○佐伯政府委員 お答えいたします。
 実質的には産炭地域振興交付金という形で、そのかさ上げ部分につきまして市町村に交付したいというふうに思います。
#346
○細谷委員 私がお伺いしたいのは、法第十一条に標準算式と特別算式と二つあるわけですよ。そのいずれか多いほうで補助額なり負担額をきめる、こういうふうになっておるわけですね。そうしますと、法律の改正をしないわけでありますから、一体どの算式で計算するのですか、あるいは全く別な方式で計算するのですか、はっきりしていただきたい。
#347
○佐伯政府委員 産炭地域振興臨時措置法第十一条に規定してございます特別算式がございますが、その特別算式で算出いたしました補助引き上げ額から、現行算式によります補助引き上げ額を差し引いた額を交付金として出したいというふうに思っております。
#348
○細谷委員 もう一ぺん答えて。
#349
○佐伯政府委員 式でございますので、まことに申しわけございませんでしたが、特別算式の中に「特定事業に係る当該市町村の負担額のうち、当該市町村の標準負担額をこえ、」云々と書いてございますところを除きまして、式でございますと、一プラス〇・一五かけるカッコ〇・七五足す〇・二五かける財政力指数カッコ閉ず、こういうふうな算式で出しました特別加算額と、それから現行方式による補助率引き上げ額を差し引いた額を交付金という形で出したいというふうに思っております。
#350
○細谷委員 あなたはよくわからぬのだ。特別算式で〇・一五というのは、いま特別算式ですよ。四億五千万というのを委員会の決議に基づいて今度予算が計上された。法律は改めていないわけですから、どういうふうに配るのか。〇・一五、標準算式の差額というんなら同じじゃないですか。四億五千万どういうふうに配るのですか。
#351
○保阪説明員 先生御指摘のように、現行の算定方式は、対象市町村が標準財政規模の六%以上の公共事業を実施しない場合には適用がなかったわけでございますけれども、今度配るやり方としましては、六%するかしないかということのいかんにかかわらず、多少でも公共事業を実施するといたしますれば、従来の特別算式では、六%以上の場合だけ適用されるということでございますが、今度の四億五千万の配り方は、多少でも公共事業を実施すれば、それに対して財政力係数をかけたものに対しまして、従来の算式との差額をこの四億五千万の対象として配付をする、こういうことになっております。
#352
○細谷委員 ことばをかえていいますと、六%と一五%との頭打ち、こういうことがあったわけですね。その六%を六条指定の市町村に対しては取っ払ったから、一%でも二%でも補助のかさ上げが起こる、こういうことでしょう。そうしますと、この法律からいきますと、標準方式で算定した数値をAといたしますね。さっき話がありましたこの法律の特別算式によって算出した補助額負担額をBといたしますね。いまあなたの答えたもので計算いたしますと、Cといたしますね。Cが一番大きくなるのですよ、そうでしょう。そうしますと、CとBとの差が今度は四億五千万として配られる、こういうことですね。
 もっと具体的に言います。この標準算式において、一プラス〇・二五かける当該市町村の標準負担額、それから当該年度における云々という法律、この部分がなくなる。そしてその次の大きなカッコの〇・七五プラス〇・二五かける、分母としては〇・七二マイナスの上のほうに〇・七二マイナス当該市町村の財政力指数、こういうことになるので、最初のカッコの部分はなくなるということですね。そういうふうに確認していいでしょう。
#353
○保阪説明員 先生御指摘のとおりでございますが、一点問題がございまして、六条地域に適用する特別算式のほうが先生おっしゃるような形になるということでございまして、〇・二五かける云々は標準算式でございますので、こっちはそのままでございます。特別算式の〇・一五かける当該市町村の標準負担額分の云々というやつが一になる。したがって、この部分が取っ払われる、こういう形になります。
#354
○細谷委員 六条だけに適用になるということはわかっているわけだ。ですから、標準算式は生きておる。それで特別算式というのは、いま法律に書いてあるのが消えてなくなって、法律上書けば、一プラス次の大きなカッコの〇・一五云々というカッコは消えて、かける次のカッコの〇・七五プラスと、これだけ生きる、こういうことですね。
#355
○保阪説明員 御指摘のとおりでございます。
#356
○細谷委員 自治省見えていますか。――あなたのほうで編集しておる「地方財政」という雑誌があるんですよ。あなた知っているでしょう。
#357
○土屋説明員 知っております。
#358
○細谷委員 その七三ページに算式があげられております。この算式は間違っていますね。雑誌ですから私はきびしく言いませんよ。間違っていますね。
#359
○土屋説明員 担当が書いたもので、私はよく目を通しておりませんでしたが、よく調べましたところ、算式の数が抜けたところがございまして、間違っております。
#360
○細谷委員 自治省の財政局の編集ということで課長名で、そして事務官が、これはあなたのところの芳山という人が書いたんですよ。しかしこんな間違って、そうしてこれだけ問題になって、同六条指定に対して干天の慈雨的なものでもという形で数年来この特別委員会が努力してきた。あなたのほうの書いたこの算式だと、これは少なくなっちゃうのだ。〇・七五プラス〇・二五かけるといかなければいかぬのを、法律どおりですよ。それを省略しちゃっているから少なくしちゃう。こういうミスプリントだろうと思うけれども、これはミスプリントらしいものではない。権威あるあなたのほうの雑誌だから、ひとつ気をつけていただきたい。
 そこでお尋ねいたしますが、今度の予算措置四億五千万のやり方について、あなたのほうは、こう指摘しているのです。「従前までの性格の交付金については交付基準が引き上げられたにもかかわらず総額が減少していること、」これは産炭地の交付金のほうです。これと別ですが、「新たに追加された公共事業の国庫補助負担の特例については現行方式と同じく市町村の財政力如何によって特例率の割落しがなされること、および算式の改善にあたり十条市町村のうち六条市町村のみをその対象とすること等、真に産炭地域振興の実効ある地方財政措置としては検討を要する余地もあり、今後の課題となるものと考えられる。」これは一事務官の意見じゃないでしょう。あなたのほうの意見でしょう。どういうふうなところが問題であって、どのように直すべきであるか、ずばり簡単に言ってください。
#361
○土屋説明員 先ほどからお話がございましたように、現行方式では一応財政力とか、あるいは事業量にリンクをいたしまして、最高二割五分のかさ上げということができておるわけでございますが、私どもは、これに対しましては、かねてから産炭地域の市町村の財政力の問題、あるいは産炭地域振興事業の性格にかんがみまして、市町村の財政力のいかんにかかわらず、大幅な国庫補助かさ上げ方式をとっていただきたいというような要請を市町村からも聞いておりますし、私どもも要請をしておったところでございます。
 そういった形でまいっておりましたが、今回の措置としては、先ほどお話がございましたように、四億五千万の臨時交付金という形のものがとられておる。これは先ほど算式等についてお話がございましたが、事業量を考慮しない場合についての、新しい算式との比較でその穴を埋めるという形で交付されるというふうに伺っておるわけでございますけれども、私どもとしては、先ほど申しましたように、従来から要請いたしましたとおり、基本的にはこの振興臨時特例法におきます国庫補助負担金特例措置の抜本的な見直しをやっていただきまして、財政力等にかかわらず、大幅な方向で検討していただきたい、こういうことを申し入れておるわけでございます。
 そういったことと、それから今回四億五千万の措置はとっていただいておるわけでございますけれども、これが十条市町村だけでなく、全体でなくて、六条市町村に限られておるという形で算定されると聞いておりますので、その点についても全般としてお考えいただきたい、こういった気持ちを持っておるわけでございます。
#362
○細谷委員 通産省、いま自治省はこの種のあり方については不十分である、しかも財政力指数というものを持ち出して区別をすることについて問題がある、こういう指摘をしたわけです。
 私がお尋ねしたいことは、規行法十一条の特別第式というものをそのまま載せておいて、法律上は生かしておいて、そしていま確認したように、ぴしゃっとした算式が確定しておるにかかわらず、それを特別算式として載せない理由は一体どこにあるのか。特別算式は生きておるのです、この法律では。これを抹消しないで、四億五千万の配り方について法律にも書かぬで、ただつかみでやった。しかも、その四億五千万というのは、産炭地域振興臨時交付金という従来と性格の違ったもので、別途予算に計上されておった中に込みで計上しておる。これは一体どういうことなのか。
 第三番目は、いま局長は、今度は、法律ではいま問題点があるのですけれども、来年はひとつ場合によっては法律改正、こういうことでいくのだ、こういう意思表示がありました。来年は一体どうするのですか。こんな法律は生かしておいて、そうして、全く式の確立したものを法律も改めないで、そして従来の性格と違ったものの中に、市町村補助率の引き上げ四億五千万という形で突っ込んで、そして別途かさ上げの補助はあるわけですね、三十一億ばかり。三十一億、同じものなんですよ。十一条の問題ですから。それを二つに分けてこっちで組んだ。これはわからぬ。来年度やるというならどういうようにするのですか、明らかにしていただきたい。
#363
○外山政府委員 私自身も、十一条の問題につきましては、制度的な改善をするほうが恒久的でございますし、予算措置で毎年毎年折衝して実現をはかるよりは、私どもとしてもずっと安心ができることになりますし、制度面のほうが貴重だと思います。ただ、当時の経過から見ますと、この際法律の改正ができない場合には、実質的に予算上の措置でやるようにという意味の御建議もいただいておりましたこともございました。関係当局の同意も得られませんでしたものですから、したがって、予算上の配慮で済ましたわけでございます。しかし、冒頭申し上げましたような趣旨から見まして、やはり十一条の改正という制度的な改善のほうが、実はベターであるということは変わりないつもりでおります。したがいまして、関係者と協議を経まして、できるだけ早い機会に実現を得たい、こういう気持ちを先ほど申し上げたわけでございます。
#364
○細谷委員 時間がありませんから、大臣にお尋ねいたします。
 お聞きのとおりです。もう数式、はっきりしちゃっているわけですね、四億五千万、特別算式は変わるというわけですから。その数式を明らかにした現行法の十一条の特別算式は、もう死ぬわけですよ。事実上死ぬわけです。ですから、新しい特別算式を書き入れればいいわけです。それを書き入れない。そして、従来は別項目として出ておった交付金の中に突っ込んで、四億五千万計上しておる。こういうことからいきますと、私はこのかさ上げというのは自治省が言うように、きわめて不十分でありますけれども、ことしから一年か二年かでほっぽり出しちゃう。石炭対策特別委会でもなくなったら、もうこの予算というのはふっ飛んじゃう、こういうことだと思うのです。それでは疲弊した六条市町村を若干でも潤すことはできない、こう思うのであります。ですから、いま局長が答えたように、私は、もっと内容も含めた前向きで法律の中でうたうべきだ、改正すべきだ、こう思います。もしそれをやらないならば、この法律が存在する限りはいま確認した算式でやります、こういう最低限の約束はしてもらわなければ、いままでの経緯からいってこれは引き下がれないですよ。大臣、いかがですか。
#365
○中曽根国務大臣 法律改正を正規にやるまでは、いまのような算式で当分継続してはっきりやってみたいと思いますが、いろいろいま問答を聞いておりまして、やはり法律を改正して安定した形をつくっておくほうが筋であると私は思いますので、早い機会にそのことを検討してみたいと思います。
#366
○細谷委員 ぜひひとつ法律でやっていただくように、問題ははっきりしておるわけでありますから、それを要望いたしたいと思います。
 次にお尋ねしたい点は、基本的な件でありますけれども、今度通産省設置法の中で総合エネルギー庁、こういうものができる予定になります。この総合エネルギーというのは原子力も含むでありましょうが、一体全体、その総合エネルギー庁の中で石炭エネルギーというのはどう位置づけられるのか。巷間、総合エネルギー庁ができると、新聞に伝えられているように通産省の石油を中心としたエネルギーの問題、そして通産省は原子力エネルギーをも自分のほうにとりたい、科学技術庁へやらぬとこういうようなことも踏まえて、新聞によりますといろいろ問題があるようであります。一方、発電所周辺の整備の問題等もからんで問題が出てきておるようであります。
 そういう中において、石炭がエネルギーの中に占める位置というのはいよいよじり貧になってしまうのではないか、こういうことが憂慮されております。この委員会においても、エネルギーの中において石炭を位置づけなさい、こういうことが強く叫ばれておるわけでありますが、この総合エネルギー庁の中において、たとえば機構的にあるいは人的に、あるいはその具体的な数字としての位置づけ、そういうものはどうなさるのか、大臣からお答えいただきたいと思います。
#367
○中曽根国務大臣 いま御審議願っておる名前は資源エネルギー庁で、総合というのではなく、資源という名前がついております。この資源エネルギー庁の中に、長官官房のほかに電気関係、それから石油関係、石炭関係、そういうようなエネルギーの大宗の部局を設けまして、その間の総合調整、それから将来的展望、開発推進に関する方策、海外における方策、そういうものを統合させながら強力に推進する、そういう意図で一元化したわけでございます。
 石炭は現在日本のエネルギーの中で約一七%のパリティを占めていると思いますが、先ほど来申し上げましたように、日本の国産資源として非常に重要な位置を今後とも私は占めると思うし、また占めさせなければならない、そういう見地に立ちまして、石炭エネルギーを大事に維持していく、そして情勢の変化によってはこれをさらに育てていく、そういう方向に進めていきたいと念願しております。
#368
○細谷委員 いまお答えがありましたように、日本の一次エネルギー供給の中において、昭和六十年度に石炭は一七%であるということですね。
#369
○中曽根国務大臣 いま、大体一七%、四十六年の統計であります。
#370
○細谷委員 私の調べた資料によりますと、大体エネルギー構造としては四十五年が二一、五十年が一八じゃないですか。
#371
○外山政府委員 四十五年につくりました総合エネルギー調査会の答申がいま先生のおっしゃった数字でございます。大臣のいまおっしゃいましたのは昭和四十六年でございまして、このエネルギー調査会の数字とは一年ずれておりますが、四十六年現在で石炭は一七%ちょっとでございます。
#372
○細谷委員 だから、調査会でつくったり通産省でつくったり、遺憾ながら、いまも一七%、これによると一八、知らぬうちにどんどん位置づけが後退してきておるわけですね。でありますから、世間が心配するのも無理からぬです。昭和六十年に一七といっておるのだけれども、いま一七なら昭和六十年になったらどうなるか、これは心配するのも無理ないと思うのです。そういう点で通産大臣、いま資源問題、特にエネルギー問題、ニクソン大統領もずいぶん大きな関心を寄せているわけでありますから、日本の唯一の資源、しかも理論的な可採炭量は二百年もあるという唯一の資源でありますから、これをやはり重要な資源として今後も活用していくということは国策上も必要ではないか。そういう点で、石炭の位置づけをそういう資源庁なりあるいは総合エネルギーという中においてぴしゃっとしていただきたい。そして、いま指摘しましたような世間の心配が現実にならないようにお願いしたいと思うのでありますが、いかがですか。
#373
○中曽根国務大臣 同感でありまして、そういう考えをもちましてエネルギー白書というものをつくるようにいま指示しております。でき得べくんば、ことしの上半期ぐらいにエネルギー白書のようなものを出しまして、われわれの政策並びに現状というものを国民の皆さま方に認識していただきたいと思っております。
#374
○細谷委員 時間がありませんから、それはその程度にしまして、もう一点。
 今度、昨年ずいぶん問題になりましたが、工業再配置・産炭地域振興公団というものが、産炭地域振興事業団の改組によりましてできました。そうして一年たって今度は、その工業再配置・産炭地域振興公団が、国土総合開発公団ということで看板が変わります。内容はむろん変わってくるわけでありますが、法律案によりますと、公団法八条の役員で、理事が五名もふえて監事が一名ふえる。そして、業務の経理区分も、現行では工業再配置業務とその他の業務、こうなっておるわけでありますが、改正法案によりますと、工業再配置業務、産炭地域振興業務、地方都市開発整備等業務と、三つに分かれるようであります。そして、国土総合開発法案というものを見てみますと、これはいわゆる日本列島改造を、その法律を中心として関連法律で進めていこう、こういうことでありまして、たとえば国総法二十四条を見ますと、新都市の開発あるいは産業立地基盤の開発、交通結節拠点の開発、こういうことが推進されることになっております。これを見まして、私は前回も、産炭地域振興事業団というものを公団に発展的解消する、いつの間にか小さな魚は大きな魚に食われてなくなってしまうのではないか、こういうことを指摘いたしました。その際、当時の通産大臣そうしていまの中曽根通産大臣も、いや産炭地域振興というものは工業再配置の最優先的なものとしてやるのだ、審議会の意見もそういう方向であるから、そういうことでやるのだ、こういうお答えをいただきました。
 今度の二月八日に産炭地域振興審議会の第二十六回総合部会が開かれた際に、総合部会も率直に言っております。いわゆる工業再配置、そういうものと産炭地域振興というものが、性格は違うのだ、目的は違うのだ、産炭地振興というのはうしろ向きのようなものもある。荒廃した産炭地域の社会をどうしていくのか、その地域をどうしていくのか、そうして鉱工業等の振興を今後どうしていくのか、こういう二つの目的を持っておるのだから、なかなか国土総合開発という形の線には乗りにくいということを指摘しております。そうなってまいりますと、産炭地域振興事業団というものは、ひさしを貸して母屋を取られ、そうして今度の国土総合開発法では、まさしく母屋を取られて追い出されてしまう、自分のもとのうちから追い出されてしまう、こういう結果に終わるのではないか、こういうふうに思います。この点いかがですか。
#375
○中曽根国務大臣 今度国土総合開発公団をつくるに際して一番心配した点はまたその点でございまして、その点については、行政当局間におきましても深くけじめをつけた話をしております。国土総合開発の一環として産炭地域というものを重視する、そういう意味でお金がどの程度使われたかということを毎年毎年対比できるように経理も壁をつくっておく、そういうような考慮をしたわけでございます。いろいろ予算やあるいは人員の合理的使用という面から、幾つも公団をつくることは差し控えよう、そういう考えもありまして、国土総合開発にまとめたわけでございますけれども、産炭地というものを重要視しているということは、そういう構成の上にも明確にしておりまして、その点については、われわれも責任をもって引き受けてやっていくつもりでおります。
#376
○細谷委員 通産大臣はそうおっしゃるわけですけれども、現実に産炭地の人たちというのはたいへんに心配しているわけです。今度の公団法第三十三条の二、主務大臣、こういうものを見てみますと、産炭地業務の財務というものは通産大臣の専管じゃないですね。総理と通産大臣の共管ですね。地方都市開発整備等業務というのは建設大臣の専管、工業再配置と産炭地域振興の部分は通産大臣の専管、しかし、産炭地業務の財務というのは総理と通産大臣の共管ですよ。こういうことを見ていきましても、それは中曽根さんは大物でありますから主張は通るでありましょうけれども、もしかわったら、これはまたどうなるかわからぬ。しかし現実にたいへんな窮迫状態にあるのが産炭地、こういうことでありますから、私はずばり言いますと、産炭地なんて性格の違ったものを工業再配置・産炭地公団にした、そうして一年後にはまだ軌道にも乗らないうちに国土総合開発公団という中に持っていくということは、どうも産炭地振興については投げやりだ、こういうふうに思うしかないわけです。でありますから専門の産炭地域振興審議会も、そういう違いからいって、この「産炭地域への優先的な企業進出の促進に努めることとし、とくに、波及効果の大きい中核的企業の導入に努める必要がある。」こういっております。いままで、中核的企業の導入につとめます、つとめてくれ、こういうことでありましたが、一向実現していない。そしてこういう段階でありますから、私は産炭地の人が憂慮しているのは当然であろうと思う。私もまた、この発足のあれからいきますと、この段階では列島改造という大きな問題で国土総合開発というものが全く新しく書きかえられてできてくるわけでありますから、その公団はもっと高い次元においてやるわけであって、しかも性格の違ったものを持っている産炭地については、やはり通産大臣専管の前の事業団、あるいは産炭地域振興公団、そういうものを戻して、そして通産大臣が全体としての調整をいまのような方向でやっていく、こういうことがよろしいと思うのでありますが、いかがですか。
#377
○中曽根国務大臣 その御心配はごもっともでございます。われわれもそういう御心配が起こるであろうということも憂慮いたしまして、法案をつくるときに特にいろいろ配慮したわけでございます。やはり産炭地振興もまた、あらためて考えてみますと国土総合開発の一環でございまして、国土総合開発関係と緊密な連絡をもって、発言権を内部で確保してやったほうが産炭地振興に役立つという面もまた逆にございます。
 それで、総理と共管であるということは、そういう意味においては財務関係においてほかのものよりもやや、特に声を大にして聞いてもらえるという要素もあるとも思うのです。そういういろんな配慮をいたしまして、条文をつくるにつきましては非常に苦心したところでございまして、まあ通産省が引き受けております産炭地振興につきましては、われわれは責任をもって推進してまいるつもりでございます。
#378
○細谷委員 まあ時間がありませんから、通産大臣のいまの答弁、この基本を踏みはずさないでひとつ守り抜いていただきたい。きょうはもうこれだけ申し上げて私の質問を終わっておきたいと思います。
#379
○田代委員長 ほかに質疑の申し出もありませんので、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#380
○田代委員長 本案に対し、田中六助君より修正案が提出されております。
    ―――――――――――――
#381
○田代委員長 この際、提出者より趣旨説明を求めます。田中六助君。
#382
○田中(六)委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案の修正案について御説明を申し上げます。
 案文につきましては、すでにお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。
 修正案の趣旨は、本法律案の附則第一項第一号の、石炭及び石油対策特別会計法の一部改正規定の施行期日が「昭和四十八年四月一日」とされているのを、すでに期日が経過しておりますので、「公布の日」に改めようとするものであります。
 何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
#383
○田代委員長 以上で趣旨説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#384
○田代委員長 本修正案に対し、別に発言もないようでありますので、原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、田中六助君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#385
○田代委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#386
○田代委員長 起立多数。よって、修正部分を除く原案は可決し、本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#387
○田代委員長 この際、田中六助君外三名より、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党四派共同提案にかかる付帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。田中六助君。
#388
○田中(六)委員 石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、エネルギー資源の世界的不足が予想されている現状にかんがみ、改めて国内石炭の見直しを行なうよう早急に検討するとともに、本法施行にあたり、次の諸点について実効を期するよう特段の配慮を払うべきである。
 一 昭和五十年度二、〇〇〇万トン以上の出炭規模を維持し、そのため産炭地火力発電所の建設等需要の確保に努めること。
 二 経営改善資金貸付制度を有効に活用するため、資金の使途、貸付条件等を弾力的に運用するとともに、安定補給金の単価の引上げ並びに価格差配分を速やかに実施すること。
 三 管理委員会は、その設置の趣旨にかんがみ、個々の炭鉱に対し適切な指導・助言を行なうよう運営すること。
 四 保安の確保に努めるとともに、他産業とのバランスを考慮し適正な労働条件並びに労働環境の改善を図ること。
 五、離職金、賃金等の労務債の支払いについては、下請労働者に対しても本従業員に準じた取扱いをすること。
 六、石炭のガス化、脱硫等石炭技術の研究開発を促進するため、研究機関の拡充を図るとともに、必要な財政措置を講ずること。
 七、閉山地域における中小商工業者に対する助成措置を強化するとともに、鉱害復旧の促進、産炭地域の振興等の諸対策を強力に推進すること。
  右決議する。
 本決議案の各項目の詳細につきましては、当委員会における質疑の過程を通じ、十分御理解願えるものと存じますので、省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#389
○田代委員長 以上で趣旨説明は終わりました。
 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。
 田中六助君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#390
○田代委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議について、政府の所信を求めます。中曽根通商産業大臣。
#391
○中曽根国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、石炭政策に万全を期します。(拍手)
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#392
○田代委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#393
○田代委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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  〔報告書は附録に掲載〕
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#394
○田代委員長 次回は、来たる十八日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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