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1972/03/29 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第3号
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1972/03/29 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第3号

#1
第071回国会 災害対策特別委員会 第3号
昭和四十八年二月二十八日(水曜日)委員長の指
名で、次の通り小委員及び小委員長を選任した。
災害対策の基本問題に関する小委員
      天野 光晴君    宇田 國榮君
      小沢 一郎君    高鳥  修君
      三ツ林弥太郎君   渡部 恒三君
      金丸 徳重君    村山 喜一君
      諫山  博君    広沢 直樹君
 災害対策の基本問題に関する小委員長
                宇田 國榮君
―――――――――――――――――――――
昭和四十八年三月二十九日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 大原  亨君
   理事 宇田 國榮君 理事 小沢 一郎君
  理事 高鳥  修君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 金丸 徳重君 理事 村山 喜一君
   理事 諫山  博君
      天野 光晴君    越智 伊平君
      瓦   力君    志賀  節君
      島田 安夫君    竹中 修一君
      中尾  宏君    旗野 進一君
      村岡 兼造君    森  美秀君
      吉永 治市君    神門至馬夫君
      辻原 弘市君    福岡 義登君
      米田 東吾君    柴田 睦夫君
      高橋  繁君    宮田 早苗君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官      小宮山重四郎君
        農林大臣官房審
        議官      澤邊  守君
        気象庁長官   高橋浩一郎君
        建設政務次官  松野 幸泰君
        建設省河川局長 松村 賢吉君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    杉岡  浩君
        厚生省環境衛生
        局水道課長   国川 建二君
        林野庁指導部長 松形 祐尭君
        建設省河川局河
        川総務課長   関口  洋君
        建設省河川局治
        水課長     栂野 康行君
        建設省河川局防
        災課長     黒坂 正則君
        建設省河川局砂
        防部砂防課長  谷   勲君
        自治大臣官房参
        事官      中野  晟君
        自治省財政局公
        営企業第二課長 加賀  裕君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十五日
 辞任         補欠選任
  木島喜兵衞君     米田 東吾君
    ―――――――――――――
三月二十三日
 災害見舞金法案(上林繁次郎君外一名提出、参
 法第一号)(予)
二月二十六日
 農作物災害対策に係る融資条件の緩和に関する
 請願(羽田孜君紹介)(第四八六号)
 同(小川平二君紹介)(第五六七号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第五六八号)
 同(吉川久衛君紹介)(第五六九号)
三月一日
 農作物災害対策に係る融資条件の緩和に関する
 請願(唐沢俊二郎君紹介)(第八七八号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第八七九号)
同月七日
 農作物災害対策に係る融資条件の緩和に関する
 請願(下平正一君紹介)(第一〇一九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 災害対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大原委員長 これより会議を開きます。
 まず、おはかりいたします。
 先ほどの理事会におきまして、火山噴火等による災害対策及びダム災害防止対策の実情調査のため、鹿児島県に委員を派遣することに協議がととのったのでありますが、理事会の協議のとおり、委員派遣の承認申請を行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 つきましては、派遣の期間、期日、派遣委員の員数及びその人選並びに議長に対する承認手続等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○大原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#5
○大原委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。
#6
○金丸(徳)委員 はなはだ迂遠なことから政府のほうにお尋ねいたすのでありますが、田中内閣成立以来、特に国土に関する問題がクローズアップされまして、政治の重要課題となってまいりました。災害対策委員会としましては、従来といえども、災害の予防あるいは災害が起きたあとの救済策などにつきまして、特にその万全を期すべくいろいろと論議を重ねてまいったのでありますが、言うなれば国土の新時代を迎えたという意味において、今日まで生産第一主義、産業第一主義、経済成長第一主義という政策の中で、とかくもどかしいと感ずるまでにおくれがちであった災害対策についてあらためて見直し、これを特にいままでのおくれた分まで取り戻す努力が必要ではないか、こう考えるのでありますが、政府のほうとしましては、これについてどういうふうな基本的な考え方でおられまするか、それから承りたいと存じます。
#7
○小宮山政府委員 お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、従来は産業第一主義、経済成長第一主義、企業優先というような考え方が、長いこと日本の経済の中で、また政策の中でとられたことは否定しないところでございますけれども、二年ほど前の公害十四法ができた時点、政府といたしましてもいろいろなことを見返して、住みよい生活環境をつくろうということでの考え方が出てまいりました。特に災害に関しては、昨年の七月豪雨を契機といたしまして、新しい制度あるいは予算的措置もとっていかなければいけないという考え方で、委員各位の御指導をいただいて、昨年、災害対策には集団移転の法律をつくっていただき、あるいは弔慰金等々というようなものをつくりました。
 今回、田中内閣が国会に御審議いただいております国土総合開発庁というものは、いままでのようなてんでんばらばらなものではいけない、まとめて国上保全というもの、よりよい、住みよい環境をつくるという考え方から、総合施策ができる国土総合開発庁というものを発足せしめることで、御審議願っておるわけでございます。
 これができますと、災害に対してもこの国土総合開発の中で処理していきたいと思っておりまするけれども、予算面では、四十八年度予算においても、国土保全、防災施設の整備、災害事前防止、住宅移転等災害予防予算については、約七千億ほど計上いたしております。これは昨年度と比べますと約二九%の増でありまして、一般会計の伸びが二四・六%でございますので、相当上回る数字をなすように感じます。
 私たちも、年々応急処置だけで処理するのではなくて、国土総合開発庁の目的であります住みよい環境をつくるという意味での施策として、今後とも先生方の御指導を得て、国土総合開発庁の目的であります、、先ほど申しました住みよい環境づくりに、今後とも専念していきたいという所存であります。
#8
○金丸(徳)委員 国土総合開発という政策が強く打ち出されており、これに関する施策実行の機関まで政府のほうとしては提案されております。それにまた、新聞の伝えるところによりますというと、国土総合開発法というのも政府のほうでは提案の準備を進められておるようでありまするが、国土新時代、新国土時代とでも申しますか、経済第一のいままでの政策が、あらためて原点に返って国土から見直そうという意味において政府がそこに重点を置かれることについては、私は賛意を表したいのであります。ただ、伝えられるところの国土総合開発法というものの内容をちょっとべっ見させてもらいますと、依然として開発重点主義、開発優先主義のように受け取れます。しかし、わが国のような国土の状況の中において、そしてまた、今日までとかくおくれがちだった災害対策というものに思いをいたしますと、開発の前に国土の保全といいますか、あるいは国土の安定ということがきわめて重点的に取り上げられて、そして開発はそのあとからついていくような考え方でないと、またぞろ、今日まで終戦後二十何年間か、苦労に苦労を重ねたけれども土台がなかったというような国の発展状況のうらみを残すことになるのではないかと思うのであります。
 そこで、新国土時代というものは、開発も大切であり利用も大切であるけれども、あらためてひとつ、それを大事にするがゆえにこそ、まず国土の安定を考えてかからなければいけない。国土の保全ということを大きく取り出して、それをまず進め、それに基づいて総合開発計画が進められなければならないと思うのでありますが、この点についてはどういうお考えで進められておりましょうか。
#9
○小宮山政府委員 先生のおっしゃる意味も十分わかります。新国総法というものを今国会に提出いたしておりますけれども、この新国総法自身、国土の総合的かつ計画的な利用ということと、もう一つの目的は保全を大きな柱といたしております。この目的は、先ほど申し上げました、豊かで住みよい地域社会の形成ということが一つの大きな目的でございまして、もちろん災害というものをなくす作業もしなければいけない。開発が主体ではございませんで、都市計画法あるいは森林法、重要法の法律改正をいたしまして、新国総法を中心として、都道府県等との計画をあわせて、われわれの住みよい社会をつくるということでございますので、先生のおっしゃる開発ということだけではなく、住みよい社会をつくるということが新国総法あるいは国土総合開発庁設置の大きな目的だと私は感じております。
#10
○金丸(徳)委員 国土保全ということを先進せしめる、優先せしめるという形といたしますと、当然の結果として、治山治水というものを具体的に重点的に取り上げてこなければなりません。したがって、そういう意味において、いまおっしゃられたところの河川法の根本的見直しでありますとか、あるいはとかく問題を起こしておるところのダムの総点検、具体的に一々対策をさらに練り直すというようなこともまずやられていなければなりませんでしょうし、特に山国日本、国土の三分の二を占めておるところの山地帯の保全策、治山というようなことについては、特に重点的な施策として具体的に取り上げてきませんと、いつか知らぬ間に保全のほうはかけ声だけに終わって、開発がぐんぐん進んでいってしまうということになりはしないかと、いまおそれるわけであります。したがって、新しい時代の出発においてはそこを、私はくど過ぎるかもしれませんけれども、念には念を入れて、政策の将来について誤りのないようにしてほしいと思うのであります。
 いかがですか。具体的には、たとえば河川法の改正あるいは森林法の改正その他関係の多くの法案の改正といいましても、それがもしかつけ焼き刃であった、あるいはこう薬ばりであっては、いままでのことと何ら変わりがない。予算が一般的には二十何%だけれども、それよりも二%よけいだからということで安心するわけにはいかないのでありまして、ほかのものが二十何%であっても、今度こそ治山治水なり、ほんとうに国土の保全のために、従来の倍も三倍もの予算を加え、政治の重点をそこに持っていく。それが何年間か続けられたあとで、安定した国土の上で総合開発が進められる、こういう手順が望ましいのでありますが、お心がまえはどうでありましょう。
#11
○小宮山政府委員 先生のおっしゃるとおりだろうと思います。今回の改正新国総法の問題は、基本計画の中にも治山治水、防災に関する基本事項をきめ、かつ都道府県においても土地利用の基本計画をきめていただく。そういうことで、上と下、下と上というようなことで、住民の意思を無視しないで、安心して住める、住みよい社会をつくるということが大前提でございます。
  〔委員長退席、村山(喜)委員長代理着席〕
私、そういう意味でも、田中総理の考え方は、相当先生のおっしゃるような意味の考え方を織り込んでおるのだろうと信じております。
#12
○金丸(徳)委員 考え方を織り込んでくださることはありがたいのでありますが、具体的に実際に見せていただきませんと、どうも心配でならないのであります。
 そこで、時間の関係もありまするから、河川局長に来ていただいておりますからお伺いいたすのでありますが、先般河川局のほうで、私のは新聞知識ですけれども、国内の十二本の河川でございますか、新しい施策を打ち出しておると聞きました。具体的にはどういうことでありますか、ごく要点でいいですからお聞かせをいただきたい。
#13
○松村政府委員 実は最近、十二河川の工事実施基本計画というものをつくろうということでございます。それで、このうち一河川については新規の工事実施基本計画でございまして、残りの十一河川につきましては工事実施基本計画の改定ということになるわけでございます。これにつきましては、現在河川審議会の議を経て公示の手続中でございます。近くこれが改定されるということになります。
 それで、この十一河川の変更の内容でございますけれども、これらの中の米代川それから江川及び川内川、この三つにつきましては、実は昨年、四十七年の七月の豪雨によって、みな相当大規模な被害を受けたわけです。それを契機といたしまして計画を改定するものでございます。
 その他の河川につきましては、現行計画ができてから――これは実は昭和四十年に河川法か改正されまして、その後この計画ができておるのでございますけれども、実はそのとき、その計画内容につきましては、従前から工事をやっておりましたので、そのときの計画をそのまま採用しておるものである。それがその後、降雨状況それから洪水の実態、それからまた流域が非常に発展している、そういうようなことで、洪水流失が実は集中している状態でございます。またさらに流域内の人口もふえている、それから資産も集積している、そういうことから安全度を高めなければならぬという観点から、こういう改定をやっていく予定でございます。
#14
○金丸(徳)委員 最近の気象異変あるいは降雨量の変化というようなもの、あるいは河川の沿岸の治水といいますか、そういうような状況の変化からいたしまして、従来の河川の計画を見直さなければならないということは、この十二本の河川ばかりでなくて、国内の相当の河川がその必要性を認められる時期が来ておるのではないかと思うのであります。これはさしむき急を要するからということで進められておると理解してよろしいのですか。
 といいますのは、これに引き続いて、全国的に河川の雨量の計算なり堤防の工法の検討なりを進められて、新しい国土時代に即するところの河川計画を立て直すというねらいに出ておると、私は希望的観測をしてあの報道を見たのでありますが、いかがでございましょう。
#15
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど十二河川と申しましたが、この十二河川のうち一河川は新規につくりましたので、十一河川が見直した結果なのでございますが、実は国内で重要水系、一級水系と申しますのは、現在全部で百八水系指定されているわけでございます。四十八年の今度の改定でそのうち十一水系改定するわけですけれども、実はそれ以前にすでに十二水系の改定は済んでおります。残りの水系につきましても、改定を要するものは、実を申しますと相当数ございます。それで、残りについても現在鋭意検討しているわけでございまして、来年度以降も引き続きましてこれの改定を順次やっていくという形でおります。来年度もおそらくことしと同じ本数あるいはそれ以上の改定をやらざるを得ないと思います。早急に全部の改定をやりまして、完全を期したいと考えております。
#16
○金丸(徳)委員 私は、いまのような計画が進められなければならないと思いまして、それについては相当の予算的裏づけ、むしろ政治の重点の政策遂行上のそういう裏づけがなければいけないと思ったので、実は総務副長官のほうにお伺いをいたしたのであります。
 そこで、もう十何年か前になるのでありますが、例の伊勢湾台風、続いては狩野川台風といった、振り返りますと、日本に災害が一挙に押し寄せたような時期がありまして、それを契機として災害対策基本法が制定されてきた、またそれに対する救済策も大いに進められたということでありますが、そのころ私は、全国の国土を、安心して住める、喜んで働ける境地を得るためには、治山、特に治水においてどれくらいの金がかかるだろうか、概算でよろしいからといってお尋ねをいたしたのであります。そのとき、十二兆円くらいはかかるだろう、そんな表現もございました。やがてそれはさらに計算されて、二十二兆何千億というような数字も聞かされました。当時の金であります。こういうことを正確な数字で知るということはたいへんむずかしいことだと私も思ったのでありますが、しかし、一応考え方のめどにはなりました。
 国土が、二十二兆円なりあるいは三十兆円なり、まあそれは十年かかるか二十年かかるか知らぬけれども、そういう金をつぎ込むことによって一応安心できるということであるならば、私は、それこそ政治のねらいでなければならないし、それを土台として産業の発展なり経済の伸長が進められるべきである、こう思っております。
 しかし、その後、実際に治山治水五カ年計画あるいは十カ年計画と改定され強化されたのでありますが、依然としてつぎ込まれる金というものは少なく、したがって、それによって実施されるところの国土の安全度の増加というものは遅々として進まなかった。おそらくこの十何年間におきましても何兆円にも当たらぬくらいの金ではなかろうかと承知いたしております。これでは、このテンポのほどをもってしますならば、いつになったら一体理想の、安心感を持てるような国民的生活が実現できるのか、心配でならないのであります。
 したがって、今度、新時代を迎えた国土の総合開発に重点的に政治の力が入るというときになりますと、私は、その二十二兆円と計算された当時の状況からさらに一歩を進めて、あらためて、それこそ具体的に年次計画も立てられ、治水は一番金がかかるのでありましょうが、各河川についての工法のやり直しというようなことが進められなければならないと思うのでありますが、いま河川局長のほうとしては、そういうねらいもあらわれるし、これから具体的に進められるように聞きました。総務副長官、どうでございましょうか、今度の国土総合開発法、あるいは法ができるかどうかは別といたしまして、そういう政策の推進上、いまのような治水、治山についての画期的なる出発をあらためてなさるというお考えが政府におありでありましょうか。これは政治的なることでありますから、総務副長官のほうからお答えをいただきたい。
#17
○小宮山政府委員 伊勢湾台風等々のことで何兆円かかるということについては、私存じ上げないのでございますけれども、四十三年度から四十七年度までの第三次治山治水五カ年計画を四十七年度に改定しまして、四十七年度を初年度として第四次五カ年計画を策定いたし、治山治水については四兆五百億円ばかり計上いたしております。旧五カ年計画でございますと二兆五百億円で、約二倍の充実を見ておるのでございますけれども、国土総合開発庁が設置され、あるいは新国総法を国会で承認していただくならば、新国土総合開発庁では、全国の総合開発計画並びに都道府県の総合開発計画の一環としまして、治山治水、防災に関する基本事項を定めて、それにのっとって今後とも画期的な仕事をやっていきたいと考えておるのでございます。
#18
○金丸(徳)委員 結局抽象的なお答えになってしまわざるを得ないのでありますが、河川局長、いまの考えで検討してどれくらいと計算されておられますか。かつて河川の総点検をなさっておられたように聞いたのであるが、それに基づいて――それからその後、国土の上には、いろいろな産業、経済政策の進展に伴っていろいろ好ましいからざる開発状況も進められておるように思われるのであります。それらを勘案いたしまして、それを押しとめるとかあるいはそれに対応するところの国土の総合開発をするとするなら、河川的にいいまして、これは純事務的でよろしいですから、一体どういうような計画と、それについてはどれくらいの金を必要とするであろうか等を、ひとつここでお漏らし願いたいのであります。
#19
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどお話ございました第四次治水事業五カ年計画、これは四十七年度を初年度といたしまして現在第二年度でございますが、これの総額は、先ほどお話ありましたように四兆五百億となっておるわけでございます。実は、これの背景になりました長期構想がございます。その長期構想といたしますと、治水の主要な施設、これをおおむね完了する目途として昭和六十年を想定しております。それで昭和六十年に約三十六兆円を目途にして、これは四十六年価格でございますが、この第四次治水事業五カ年計画ができております。
 現在、第四次治水事業五カ年計画の第一年度が終わりまして、四十八年度は第二年度になるわけでございますが、この四十七年度、第一年度におきましても、先ほどお話し申し上げましたような大きな災害が起きておる。こういうようなことを考えまして、実は四十八年度も当初計画よりもだいぶ繰り上げ施行と申しますか、五カ年計画の繰り上げをやってこれに対処するというような方向でおりますので、さらにこれの全体の計画の変更が必要であるかどうか、これらについても現在いろいろと検討しております。いずれにいたしましても、治水の万全を期するために、われわれとしてはこの五カ年計画そのものも繰り上げてやっていく必要があろうということで進めておるわけでございます。
#20
○金丸(徳)委員 三十六兆円は、私も、大体そういうような数字があるいは出てきはせぬかと思っておりました。
 そこで、いままでのような何年かかかって四兆何千億円というようなことでありますと、一体いつごろになったら安心できるかと言わざるを得ないような状況であります。国民総生産の伸びからいたしますと、近く百兆円にも二百兆円にもなるということが列島改造論にもうたわれておるようであります。それからしますと、かつて伊勢湾台風のときに、災害こそおそるべきことだ、何をやめても災害防止のためにはやらなければならないという、あの国民的決意のときを振り返ってみますれば、現在の国民総生産、これからなお期待されるところの国民総生産の伸びからいって、ここ十年間くらいに三十六兆円を使うというようなことは、それほど不可能とも思えません。無理なこととも思えないのであります。これはもっぱら政府のほうの決断いかんにあるのではないかと思うのでありますが、しかし、このことを長くしておりますと時間が来てしまいますから、私は、そういうようなことで、いまこそ思い切った政策の転換をされる具体的なるときだ、こう思うものですから、念を入れて発言をいたしておるところであります。
 そこで、林野庁にもおいでいただいておるのでありますが、一体、山のほうはどうでありましょう。私は、先般の予算の分科会で長官に詳しくお伺いしたがったのでありますが、時間がなかったものですから、詳しくお伺いすることができなかった。今日ももうすでに時間が残り少なくなりましたが、山の番人として、くどいようですけれども、山国日本としては、国土といえば実は山なんです、三分の二もかかえている、その山が、山の番人としてごらんになって、いま安心していけるような状況になっておるのかどうか。今日までいろいろとあちこち荒らされておる。最近また別の角度から荒らされかかっておると、私はしろうと考えで心配するのでありますが、いかがでありましょうか。山はこのままの政治の行き方で安心してよろしいのかどうか、お伺いをいたします。
#21
○松形説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のございましたように、日本の国土の約三分の二でございますが、七〇%程度が森林でございます。したがいまして、この森林をいかに適正に管理、経営、維持するかということが私どもの念願でございまして、御承知のとおり森林資源といたしましては、木材生産という経済的機能と、国土保全あるいいは水質源の涵養、あるいはレクリエーションの場、生活環境の整備という公益的な機能と、両面持ってております。したがいまして、この両面を同時に活用する意味におきましては、やはり活力のある森林というものを常に維持していくということが一番大事だろうというふうに私ども考えておりまして、森林法で定められております計画、制度等を通じまして、森林が適正に管理されるよう心がけているわけでございます。この二千五百万ヘクタールのうちの約六百八十八万でございますけれども、約三割程度が保安林になっておりまして、この保安林は、国土保全とか環境維持のための保安林であるとか、それぞれ種類がございまして、十分にこれが管理されるように私ども進めておるところでございます。
 なお、先ほど河川局長からもお話ございましたけれども、同様に第四次治山五カ年計画五千八百億円というものを準備いたしておりまして、鋭意それを実行いたしておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、開発が進み、生活環境が悪くなっているということは事実でございますので、それらを中心といたしまして、復旧なりあるいは予防治山、地すべり対策というようなものを重点といたしまして、森林施業と、そういう必要があれば治山工事というものを補完いたしまして、十分国土の保全に心がけてまいるつもりでございます。
#22
○金丸(徳)委員 山が木材資源のもとであると同時に国民の生活の場にもならなければということで、国土保全の責任も負っておるのだということのようで、私もそうでなければならないと思います。
 ただ、今日までの森林行政を見ていますると、これも貧乏国日本としてはやむを得なかったかもしれぬけれども、山の収益性のほうをあまりに重点に見ておって、収益があるから山に金をかけようとか、あの山は木がとれるからということで林道も先に引っぱってきたというようなことにやってこられた。しかし、山に収益性があるからとかなんとかという以前の問題として、山はやっぱり大事な日本の国土なんです。同時に、その山が荒れるということは、下流における国民への大きな脅威になる。したがって、木材資源があるから、その他の収益があがるから山が大切であるのではなくて、その前に、山は山なるがゆえによけいに大切にされなければならない。そうして、山の安全度が即国民全体の安心度でもあり、即それは経済の基盤を安定させることになっておるのだということに、あらためて考えを及ぼして政策が打ち出されなければならないと思うのです。いままでの森林法というものは、とかくどうも収益面のほうにばかりやられておる。で、林野庁ももう御苦労なさっておるのでありますが、どうも赤字になるからということで手を抜かれる、予算が減らされるということであってはならないと思うのであります。
 それで、山は山なるがゆえにたっとし、大事にされなければならない、治められなければならないという意味において、政策があらためて考え直されなければならない。ところが、いまそういう政策を実行しようとしても、山は過疎に苦しんでおる。山に住む人は減ってくる。のみならず、今度は山の使いやすいところのほうが、開発という名において荒廃されつつあるのではないでしょうか。山の番人としては、開発だとはいうけれども、山の安全度はそういう意味において減らされつつあるように思うのであります。これについて、林野庁としてはいかなる根本策をお持ちになっておられましょうか。山の開発が荒廃になってはならないという意味におけるあらためての新しい政策を具体的に急がないと、たいへんなことになると思うのです。くどくなっていけませんけれども、それだけをお伺いしたいと思います。
#23
○松形説明員 お答え申し上げます。
 ただいま森林の価値につきましていろいろ御指摘ございましたが、私ども全く同意見でございます。そういう意味におきまして、先ほど私お答え申し上げましたように、緑の価値観が、公益的な面におきまして非常に重要性を増してきているということを背景にいたしまして、今国会に森林法の改正を上程、お願いする予定にいたしております。
 その内容といたしましては、先ほどお答え申し上げましたように、森林の計画的な施業ということを重点といたしまして、計画、制度というものを時代に合うように改正いたしますと同時に、流域的な、これは国有林、民有林を通じてでございますけれども、流域管理という観点をそれに入れていく。同時に土地開発の規制につきましても、私ども現在想定いたしておりますのは、約一ヘクタール以上の森林等の土地転用等につきましては知事の許可にまつ、許可制を知事に与えるというようなことを重点といたしまして森林法を改正いたしまして、緑の価値の変化に対応いたすつもりでございます。
#24
○金丸(徳)委員 私のちょうだいした時間がきてしまいましたからあれですけれども、私は山のほうに住んでおりまして、日夜、山の状況、動きが気になってしようがないい。あらためて山はだの保全というものの大切さを痛感いたしました。そしてそれゆえに、山腹砂防であるとか渓流に対する対策というものを怠られてしまいますと、取り返しのつかない山の荒れを生ずる。そしていまや、おことばにもありましたように、緑の保全こそが、育成こそが大切だといわれてきますと、それこそ、さっきは国土新時代と言ったが、あらためて森林時代のように思われるのですよ。一本の木というものも大切なんだというときを迎えた。そういう意味において、林野庁としてはあらためてその指導性を発揮され、企画性を発揮される。そして民有林といえども安心してというか、希望を持って山の保護に当たられるというような力強い政策を打ち出してもらいたいと思います。私は、そういう意味において森林法の改正を要望いたします。しかし、その森林法の改正が、もし責任をなすり合うための法律であるようなことであってはたいへんなことだと思う。そうではなくて、これこそが森林行政の基本である、責任の基盤だという意味において力強い裏づけを持っての出発でないと、またぞろ、公害でもってこれだけ騒がなければならぬような、そしてどうにもならないようなどろ沼に入ってしまう。まだ海のほうであればいいかもしらぬけれども、山がそんな状況になったら、日本の国土はたいへんなことですよ。という意味において、私は林野庁に、これは農林大臣にお願いすべきことなんですけれども、あなたのところで力強い政策の打ち出し方をしてもらいたいと思います。
 実はお答えをいただきたいのでありますが、私は時間をなにしては悪いですから、もしかしたら、あとで総括的に総務副長官からでもお答えをいただくことにいたしまして、気象庁においでいただいておりましたが、私の時間が過ぎてしまいましたから申しわけないことですけれども、いずれまた次の機会にお願いすることといたしまして、ただ、長官、私はいまのように、災害というものについてよけいなぐらいに心配をするのであります。という意味からいいまして、最近伝えられるところの気象異変、あるいは最近頻発するところの地震、その他地すべりであるとか地盤沈下であるとか、いろいろなことからいいまして、気象庁としては、どうしたらこの際、そういう国民の心配に対してこたえられる境地といいますか、こたえられる政策が打ち出されるか、気象庁として理想としてどんな政策をお持ちになっておられるかお聞かせいただいて、私の質問の締めくくりをさせていただきたいのであります。お願いいたします。
#25
○高橋(浩)政府委員 ただいまの件、私ははっきり理解いたしませんものでありますから、的はずれのお答えになるかもしれませんが、気象庁としては、やはり自然現象をしっかり観測いたしまして、それに伴いまして、災害が起こるというようなことを国民にお知らせすることが一番の任務であろうかと思うわけであります。それには観測体制をしっかりすることと、それからもう一つは将来の予報をしっかり出すということであろうかと思うわけでございます。
 その場合に、予報というのは非常にむずがしい問題でありまして、従前から比べますと非常によくなってまいりましたけれども、まだまだむずかしい面がございます。特に地震の予知とかあるいは火山の爆発という問題になってまいりますと、残念ながら学問的にもまだ十分とはいえないわけでございます。この問題に関連いたしましては、もちろん気象庁にも気象研究所がございまして、そういうことを研究しておるところもございますけれども、そういう問題になりますと、大学あるいは国土地理院であるとか、そういうところにもいろいろ研究所がございますので、そういうようなところと連携をとりまして効率的にそういった研究を進めていくということが一番よろしいのではないか、こう考えております。
 地震の問題につきましては、先生も御承知と思いますけれども、地震予知連絡会というのがございまして、そこで国土地理院、気象庁、大学、そういうところが集まりまして共同の研究を進めているわけでございますが、そういった方向でそういう問題を解決していくのが、いまのところでは一番いい方法ではないか、そういうふうに考えております。
#26
○小宮山政府委員 お答え申し上げます。
 国民が安心して住めるにはどうしたらいいかというような問題でございますけれども、先ほど申し上げました五カ年計画の中で四兆五百億というような予算を計上しただけで、私たち、いいものだとは思っておりません。昨年の災害対策で、全国を総点検いたしております。この五カ年計画をどのように消化していくかという問題も一つの大きな問題であるし、この七月、できればということでございますけれども、国土総合開発庁ができたときにもう一度基本計画を策定し直す、前の五カ年計画を早く消化する。たとえば三年あるいはできれば二年というような問題で緊急かつ重要なところの治山治水をやっていくという必要性もあろうかと思っております。
 それから、災害についてはいろいろな問題がございますけれども、災害の中で山くずれあるいは地すべり等々の問題については、昨年、先生方に御指導いただいた要綱をもっと拡大していく方向で、あぶなくないような、また安心して住めるような問題にしていかなければいけないということも考えております。
 地震等については、先ほど気象庁長官からのお話がございましたように、学問的にもまだ煮詰まっておりません。ただ、私たち、震災対策としては、火災を起こさない、避難をどうするかというような問題も十分にやっていかなければいけませんし、現在、東京のようにこういう過密ではなかなかいけない。もっともっと人口を減らす工業再配置というような問題もやっていかなければいけない。そういうようなことで、やはり国土総合開発の中に災害対策を一本化して、今後とも国民が安心して住めるようなよりよい環境づくりに専念したいと考えております。
#27
○金丸(徳)委員 では、質問を終わります。
#28
○村山(喜)委員長代理 神門至馬夫君。
#29
○神門委員 ただいま、国土の保全についての総論的なものの話がなされました。私は、ただいまの質問に対する回答の中でも、河川局長のほうからお話しになりました、昨年の七月災害に関係する具体的な問題についてお尋ねをしてみたいと思うのであります。
 御承知のようにたいへんな災害でありまして、その中でも特に島根県におきましては、七百億という膨大な被害を受けております。県の年間予算が一千百億程度でありますから、その六七割にも及ぶという膨大なものであります。こういう災害の直後に前建設大臣木村さんが現地においでになりまして、びっくりされまして、そして激甚災害法の適用もしよう、天災融資法の適用もしよう、そして江川の建設省直轄を直ちに拡大していきたい、河川の根本的な改修をしよう、原形復旧ではこれはいけない、家も橋も道路も全部つくってやろう、そして再び洪水の起こらないように直ちに取り組もう、こういうことをおっしゃっておるわけであります。先日も建設省のほうに参りまして、ある局長にいろいろな問題を相談しますと、実は大臣はそのときに非常にりっぱな約束をされておるもので、責任の重大さを感じておる、こういう私的な話も起きております。こういうようなお話は、災害が起きました一週間後においでになった木村前建設大臣のお話でありますから、被災県民が神さまのように拝む中を、ヘリコプターで天高く舞い上がってお帰りになった、こういう事実があるわけであります。
 この大臣は、たまたま放言をされる癖があるというようなことをよく承りますが、このような悲惨な現状あるいは悲惨な現地の中に、りりしく服装を整えておいでになり、被災者の前で約束されました前建設大臣のことば、これは新聞等に報道されておりますし、その悲惨な現状、現況、程度、すべてすでに報告を聞いておいでになると思うのでありますが、これは引き続いて金丸建設大臣のお答えをいただくのが至当かとも思いますが、政府次官がおいでになっておりますから、この木村前建設大臣のことばは、引き続いて心に体してひとつ実行していく考え方であるのか、あるいはその場限りのことばであったのか、この点、時間が短うございますから、簡単にお答え願いたいと思います。
#30
○松野政府委員 前大臣が被災地を視察されました際に、復旧工事の早期完成、抜本的な治水対策の検討等、前向きに発言されたことについては、現在すでにその旨に沿って進めているところでありますが、今後とも意向を体して、災害防止のため治水対策を強化してまいる所存でございます。
 そこで、私の承っております要点だけ簡単に申し上げますと、「江川に対して抜本的な治水対策を検討する必要がある。」この問題に対しましては、建設省としまして、工事実施基本計画の改定を今月予定の河川審議会で審議することになっております。
 第二は、「下流部の被害を防止するために上流において洪水調節ダムを検討する必要がある。」この件につきましては、現存予備調査中でございます。
 第三点は、「復旧工事は改良復旧をする必要がある。」このことに対しましては、現在実施中でございます。
 第四点、「工事を促進するために直轄区間の延長を検討する必要がある。」これに対しましては、四十八年度において、川本町まで延長予定八・一キロをする予定でございます。
 第五点の「中国電力の浜原ダムの放流を事前通報することを検討する。」これにつきましては、地建と県と町と中電との間で協議を終わりまして、四十八年出水期までに警報装置を設置する予定でございます。
 第六点としましては、「江川下流市町村に対し激甚災の適用を検討する。」この問題に対しましては、適用となっております。
 第七点は、「治水対策と治山対策とを統一的に進める必要がある。」総合的に配慮して現在進めております。
 以上、要点だけ答弁させていただきます。
#31
○神門委員 ただいまは、前建設大臣のことばの裏づけをこのように実行し、将来全体治水のためにビジョンを持って審議会等にかける、こういうお約束をいただきまして、ありがたいと思います。
 現地におきましても、私らは現地へ視察にまいりまして、何しろ災害が激甚でございましたから、積極的に現地局長、所長等がこの対策に当っておられることば一応認めておりますから、さらに、そのような観点に立ちまして具体的に質問してみたいと思います。
 もう一度抽象的な質問になりますが、この江川水系、高津川水系あるいは斐伊川水系にかかわる宍道湖のはんらん、この三つが主たる被災流域でありますが、特に激甚でありました江川水系のことについてでありますが、常襲水害地帯でありまして、明治六年でありますから百年前、それから水量は違いますが、このような大洪水といわれるものが十回起きておる。その十回が、最近は四十年からすでに三度であります。二年に一回の割合で、大洪水が江川流域を襲っている。非常に間隔が狭まっておるのであります。先ほども、総合国土保全あるいはこれに対する全般の拡張の質問、答弁がありましたけれども、端的に言って、このような大洪水がだんだんピッチが早くなり、間隔が狭まってくるという原因はどこにあるとお考えになりますか。この点、局長でも次官でもよろしゅうございますがお答え願いたいと思います。
#32
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの、最近非常に洪水の頻度が高くなった、これにつきましては、やはり最近の雨の量が局地的に集中するという傾向もございますけれども、一番の原因といたしましては、やはり国土の開発と申しますか、そういうことに伴う流出の変化、これが著しい原因かと私ども考えまして、河川の計画につきましても、こういうものを加味しまして流量改定その他進めているところでございます。
#33
○神門委員 その辺等につきましても、もう少し具体的に質問を続けたいのでありますが、限られた時間でありますから前に進みます。
 さらに具体的な問題として、いま治水ダム等によるところのダムサイドの治水対策、これが必要であるので、審議会等で議論してみようというようなお考えが出されておりますが、今日なされております方法としては、堤防サイドによるところの洪水対策、これが主要な観点になって進めておられます。これに限っていま質問をしてみたいと思うのでありますが、特に防災堤防の場合、この江川を川下からいきますと、江津、桜江、川本、そして川本地区の久座仁、こういう四カ所に限られて、まさに万里の長城のような堤防がつくられつつあります。そこの場合に、簡単に――さっき、この工事実施基本計画を審議会ではかるということでありますが、この堤防の計画洪水量ですね、いわゆる計画水量そのものは幾らであるのか、あるいは河川敷からの堤防の高さ、それと一般に買収されました土地からの堤防の高さ、その堤防の高さと、そこに走っております三江線というのがございますが、この三江線とこの堤防がクロスするところがありますが、そのところの鉄道と堤防の高さの差はどのくらいあるのか、この点をお答え願いたいと思います。
#34
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 まず流量の関係でございますが、これにつきましては、現在、流量の上流の基準点を尾関山、三次でございますが、ここで一つ設けておりますが、これは現在の基本高水、これは上流にダム等をつくらない場合に出てくる計画の高水でございますが、これが七千六百ということで計画されておりましたのが、これを一万二百立方メートル、毎秒でございます。それを対象をふやしまして、上流、中流のダム群、具体的には約三つ、四つのダムを考えておりますが、これによりまして、現計画洪水流量が五千八百でありますのを七千六百にふやす。ですから、一万二百の計画の高水がありますのを、ダムによりまして減らしまして七千六百にしようという計画でございます。これが最下流の江津地点に行きますと、この七千六百が一万七百になります。そういう計画洪水量で計画を立てているわけでございます。
 それで具体的に、先ほど申し上げました桜江地区でちょっと申し上げますと、桜江地区の鉄道は計画高水位よりかは一・八メートル、それから堤防の高さから三・六メートルくらい低いところになります。堤防の高さそのものは場所によって違いますが、大体鉄道の高さからはそのくらいの高さ、三・六メートルくらい高いところに堤防の天端がくるということになるわけでございます。
#35
○神門委員 私らの質問の焦点は二つあるわけですが、その堤防によって守られる集落あるいは都市、これは堤防をつくられることによって新たな心配がふえている。もう一つは、堤防をつくられることによって遊水面積の縮小が及ぼす対岸あるいは下流への影響、これらがたいへんな問題になってくる。この心配、この二つに区切られます。洪水頻度の増大というものは、私は実は、上流が護岸がしっかりされる、速度が早くなって鉄砲水になる、これらの問題がいろいろあると思いますが、その辺はきょうは触れないのでありますが、これらの心配があります。
 それで、いま堤防について説明がございましたが、せっかく万里の長城のような堤防を――計画水量を下流の一万七百トン、あるいは上流でこのダムサイドを勘案した場合には七千六百トンですね、そのような堤防がつくられても、その下を鉄道が走るわけですね。いわゆる三・六メートル下に鉄道があって、そこはそのまま切り取りになっておる。そこをどういうふうに処置されるのか。いわゆる堤防による洪水対策、四カ所の中で川戸と川本がその対象になるわけですね。どっちもしり抜けになっている。河川法を見ますと、その十七条、「兼用工作物の工事等の協議」というわけで、当然それは十七条に基づいて、運輸省なりあるいは国有鉄道と相談をされなくてはならない。何かこの工作物に対し、堤防の任務を果たそうとするならば、あるいは天端とちょうどつり合った工作物をやられるとするならば、これに対する対策が直ちになされないと、堤防そのものが無用の長物になり、むしろ被害を大きくするわけです。この辺の対策はいかになされているか。
#36
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどから申し上げておりますように、鉄道が堤防の天端よりだいぶ低いということ、それでこれはクロスするところがあるわけでございます。これをあけっぱなしにしておけば当然洪水が入ってしまいまして、これは堤防としての効果がなくなる。これは当然のことでございますので、私どものほうはこれにつきましては、暫定的には、その洪水がくる際にそこに土のう等による締め切りを行なうことを考えておりますけれども、この具体的な今後の対策といたしましてはゲート方式、そこにゲートをつけまして、洪水が来るときにはゲートを締める。それで、その間は鉄道は遮断されることになりますけれども、これは一時的でございますので、ゲートを締めて守ろうということで、この点につきましては、いま現在、非公式ではございますが、鉄道側といろいろ交渉した結果では、鉄道側もそういうことを要望しております。そういうような線で話し合いを進めて計画をきめていきたいというふうに考えております。
#37
○神門委員 その点を早く――この前、私的と申しますか事務的な話の中では、いまのような運輸省なり鉄道側との折衝というものがまだなされていなかった。いま局長のほうでは、非公式ではあるがというお話ですが、これは具体的にさらに進めてもらって、また次の機会に質問いたしますから、その具体的な構想、ゲートの大きさ等につきましてもお答え願えるように、あなたのほうの計画をお知らせ願いたい。
 そこで、そのような計画が今日なされてないとするならば、ことしの長期天気予報によりますと、関西はまた大洪水の可能性があるような長期予報がなされておる。そうしますと、そのような緊急措置は、まず原始的な、いまのような土のうを積んで、全員総出動でやってもらおう、こういうお考えのようですが、そういう対策は、この河川法第二十二条の「洪水時等における緊急措置」によって河川管理者が行なうことになるわけなのです。ところが、こういう一番弱いところ、上は隧道がそのままあいております。下は鉄橋なのです。川戸の場合です。川本の場合も同じような状況がある。それらの対策が、管理者であるところの建設大臣のいわゆる直接指揮によってなされなければならないことになるわけなのですが、それにかかわるところの損害の補償が、第六十七条に原因者負担主義によるところの条文がございますね。これはちょっと意味合いが違いますけれども、しかし、そこが被害の可能性、被害というよりか、むしろそこが原因になって堤防の効用を果たさないことによる大災害が起こる可能性がある。このようなあらかじめ予想されるようなことについて、緊急には土のうを積む等の措置はされるといたしましても、もしそこから、住民が心配しているような、私が心配しているような災害が起きたとするならば、このときの原因者というのは当然建設省がなるべきだというふうに私は考えますが、いかがでございますか。
#38
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 これの当面の第一の責任者としては、当然河川管理者すなわら建設省でございます。ただし、これのあとのいろいろの問題等につきましては、鉄道との問題があると思いますが、前面の第一の責任者としては、当然河川管理者と考えております。
#39
○神門委員 その点が明確になりましたので、これは非常に重要な問題になりますから、そのような事故が起きないように、早くゲート等の恒久的な堅牢なものをつくってもらわないと、必ずそのような問題が、あの四十七年七月災害における三次の災害を見ましても、これは可能性がございます。この点は私、ここできびしく申し上げておきますから、責任者は河川管理者である建設省である、こういう御明言をいただきましたので、そのような事故が起きないようにやっていただきたい。
 そこで問題になりますのは、全く堤防で包まれてしまって、そこに堤防から内水を排除する穴としてはヒューム管が、一メートルのものが二本と六十センチのものが二本、合計四本しかないのです。それで、そのような不十分なまま堤防がなされますと、大洪水でどこかを越えて入ってきました水が、いままでは一日、二日で潮が引くように引いていたものが、今度は何カ月も水にどっぷりつかったままになってしまうという可能性がある。それだけの小さいものでありますならば、何かの流木その他ですぐ詰まってしまいます。
 これがあちこちで問題になっているわけなんです。堤防をつくることはいいけれども、内水排除の対策がない。川本等におきましては、中を川が走っておりますから、それに対して場水ポンプ三基等が計画されておるようでありますが、その他の、純粋なる川でなしに、たまり水の内水排除、たとえば、いま申し上げましたような、堤防を越えて浸水した、この場合における非常事態の内水排除の対策がない。これはいま直ちに計画を変えられて――一メートルあるいは六十センチのものを三つ四つつくるということではたいへんなことになるということを、私は直感として思いました。それに対する責任が河川管理者にあるのだ、こういうことばをいまいただいたのですが、それではおさまらない大きな問題が予測されます。
 私は、いまここでそういうような場合も勘案して、ただそういうまるい筒を四本埋めるというような小細工ではなしに、この際ひとつ大きな水門をつくって、そこにもきちっとしたゲートをつける、ゲート操作によるところの調節を行なうというふうに計画を変更されるべきだと思いますが、いかがでございますか。
#40
○松村政府委員 内水排除の問題でございますが、この内水の排除につきましては、私どものほうで現在、先ほど申されました径六十センチのもの二カ所、それから一メートル程度のもの二カ所計画しているわけでございます。
 内水については、これで排水が可能と私ども考えておるわけでございますけれども、ただいま先生の申されましたのは、洪水によって、単に内水ということではなく、溢水あるいは破堤、こういうような事態のときの処置かと私ども考えるわけでございますが、この事態におきましては、その災害のいわゆる事後処理みたいな形になりますので、ポンプを動員するとか、あるいは場合によっては堤防の一部を切り割って排水するとか、いろいろ措置はあると思いますけれども、しかし、この内水問題につきましても、このいまの計画だけで十分かどうか、確かに疑問が残るところでございますので、この点につきましては、ポンプ排水の必要性についていま検討しているところでございます。それによりまして、必要があるということになれば、これはポンプ場の設置ということも計画したいと思っております。
#41
○神門委員 自然にたまりました内水、いまのような非常事態における溢水による緊急時の場合の内水と申しますか、その対策、この両面からこの場合考えておかれる必要が私はあるということを、ここで強く申し上げておきます。そして、そのつくられるヒューム管、これには――たとえばそれだけの水かさになってくるわけですから、逆流して集落のほうに入っていきますね。そこには水門等はすべてつけられることになっておりますか。
#42
○松村政府委員 ゲートをつけて、締められるような装置にいたします。
#43
○神門委員 それから、もう一点お伺いしておきますが、そういう説明でしたが、いまのところそうヒューム管に――私か現地に行きましたときには、まだゲートをつけるというようなことにはなっておりませんでした。それがつけられるようになっていくということになれば非常に幸いだと思いますので、その点と非常時の場合どう対策をとるのか。これを予測し得ないものが災害なんですから、この点もぜひとも、あの地形からお考え願っておきたい。
 それから、先ほど申しました堤防サイドの集落、それはそれなりに心配の一つは、いまいろいろとお尋ねをいたしました。ところが、その対岸の集落というものは、今度は、行くところのなくなった水がそのほうへどっと押し寄せるわけです。向こうには万里の長城ができて守られるけれども、こっちは今度はその分を全部、倍引き受けなければならぬというたいへんな心配が起きております。このへんは実は非常に狭隘なところでありますから、すべて堤防でやってしまいますと、里も畑もなくなってしまって、何のための堤防かということになる。しかも、相当大きな集落があちらこちらに点在をしておるのでありますが、それらの対策はいかにお考えになっておるか。たとえば、あの地区で申しますと、谷住郷部落、川戸の対岸ですね、あるいは川本の対岸の三島、そして川戸からずっと上流に行きますと、川越、鹿賀という、いまの直轄河川がございますね、直轄河川の境であります鹿賀地区あたりまでの場合、あるいは堤防がつくられるその対岸、それらは原形復旧、ちょっと改良する程度のことでしかたがないというふうな方針で現在はあるのかどうか、お答え願いたいと思います。
#44
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの各地区に対します具体的な計画そのものにつきましては、実は細部にわたりますので、私ここで、資料がございませんので詳しく申し上げかねますが、一般論といたしますと、非常に狭隘なところで大きな堤防をつくるようなことをいたしますと、集落そのものへ全部かかってしまって、これは守るべきものが堤防の下になってしまうというような事態のところも間々あります。こういうようなところの対策といたしましては、われわれといたしましては、堤防の規模をある程度縮小し、あるいは護岸等を強化いたしまして、普通の洪水においては十分守れるようにする、大洪水に対しての被害を軽減するというような措置をとる場合もありますし、また必要によっては家屋の移転をお願いいたしまして、補償的な解決をするという場合もございます。ケース・バイ・ケースでございまして、その地点の実情ということになると思います。
 なお、いま先生おっしゃいました個々の点につきましては、御必要でしたら、後ほどまた御連絡いたしたいと思います。
#45
○神門委員 それでは時間がございませんから……。たいへんな問題があっちこっちにあるわけですね。災害が大きいゆえにまたあと始末もたいへんであり、建設省のほうでも御苦労なさっておると思いますが、しかし、もうひしがれたようなあの大災害の被災者ですから、ぜひともそれらの期待に、心配にこたえてもらいたい。一続いて、この特別委員会でいろいろの問題についての質問を継続して行なって、全般的な問題に対する具体的な当面の災害改修対策と申しますか、災害に対する改修対策についてお尋ねをしたいと思いますが、きょうはこれで終わります。
#46
○村山(喜)委員長代理 米田東吾君。
#47
○米田委員 私は、きょう地すべりの対策、あと処理等につきまして御質問をいたしたいと思うわけであります。
 昭和三十七年の十一月でありますが、新潟県の松之山地域を襲いました地すべりでございます。約八百五十ヘクタールに及びます被害、そして地域住民に対しましては約七百人の被災者を出し、損害が二十億四千万円。地すべりとしては、新潟県は全国最多発地帯でございますけれども、その中でも最もひどい地すべり災害が、いまから十年前でありますけれども、昭和三十七年の十一月、この松之山地域を襲ったわけであります。
 この地すべりにつきましては、当時から建設省、農林省、その他自治省、厚生省各省が協力をしていただきまして、この復旧あるいは地すべりの災害防止等につきまして非常な努力をされたことについて、私も承知をいたしておるところでございますが、この地すべりは、御承知のとおり地殻の流動であり、慢性的にあるいは突発的に農地あるいは宅地、山林等が流動する、こういうものでございまして、災害の中でも、これは最も対策が困難なものじゃないかと実は思うわけでございますが、この松之山の地すべりについては、現在どのような状態にこれが対策が進められておるのか。建設省として相当長期にわたって防止対策が続けられたように承知をいたしておるわけでありますけれども、それらを含めまして、まず現状をお聞かせをいただきたいと思うわけでございます。これは建設省の係のほうからひとつ御説明をいただきたいと思います。
#48
○谷説明員 お答えいたします。
 松之山地すべりにつきましては、昭和三十七年、約八百五十ヘクタールの大規模な地域に発生したものでございまして、地質的に見ますと、非常に断層の発達した松之山凝灰岩層の地域でございまして、県道の高田、松之山、六日町線沿いの人家集落地区を中心とした一帯に著しい被害を生じたわけでございます。
 特に被害の大きかったのは松之山地区でございまして、当時は移動量が最大日量――一日の移動量でございますが、十二センチメートル、累計いたしまして二十メートルにも及んだわけでございます。したがいまして、直ちに新潟県におきましては、昭和三十八年度より、移動の著しい松之山地区を重点的に建設省所管の地すべり対策事業として実施しまして、本年度までに事業費の総額が五億五千万円でございまして、主としまして集水井戸でございますが、これを二十八基、鋼管ぐい八百二十五本、水路工二千四百メートル等を実施いたしまして、さらに災害復旧事業といたしまして約五億四千万円の地すべり防止工事を実施してきたところでございます。その結果、昭和三十八年には月に四十五センチメートルの移動量でございましたものが、四十二年におきましては月に二センチメートルと非常に減少いたしまして、これ以後はほとんど移動が見られないという状況でございまして、当地すべりはほぼ安定した状況でございまして、われわれといたしましても、概成したものと解しております。
 なお、昭和四十八年度以降におきましては、まだその下部に一部未着手の地区がございますが、それは越道川沿いのところでございまして、非常に局地的な地すべりでございますが、これの地区は松口地区といっておりますが、これの対策事業を実施する予定でございます。
#49
○米田委員 ちょっとあなたの説明、私、耳が遠いのか十分聞き取れなかったのですけれども、もう一回確認をさしていただきますが、この松之山町集落を中心にした三十七年の地すべりというものは、おおよそとまったということで理解してよろしゅうございますか。
 それから、なお観測は行なわれておるのじゃないかと思うのでございますが、この周辺を含めまして、松之山地域における地すべりの観測の実際の状況というものは、どんなことが予想されるのか。心配があるのかないのかも含めて、もう一回ひとつ教えてくれませんか。
#50
○谷説明員 現在実施しております観測では、もうほとんど移動してございませんし、工事も相当量、先ほど申し上げましたように実施しておりますので、現在の段階では、われわれとしましては、もう概成したという考えに立っております。
 なお、今後におきます観測でございますが、これは引き続きやっていきたいと考えております。
#51
○米田委員 そこで厚生省にお伺いしたいのでありますが、この三十七年の地すべりにおきましては、特に地すべりという特殊な被害でございますだけに、飲料水、立て掘りの井戸はほとんど壊滅状態になる、そこを通っております渓流あるいは小河川というものは全部ジグザグに埋没をする、飲料水が当時とれないという事情がありまして、そこで厚生省のほうで緊急の対策をとられたようでありますけれども、この住民の飲料水あるいは伝染病予防、そうした面にどういう対策をとられておったか、このことをひとつ説明をしていただきたいと思うのであります。
#52
○国川説明員 お答えいたします。
 三十七年の十一月に地すべりが大きく影響が出てきたわけでございますが、当時、その影響地域の集落の戸数は約二百三十戸でございます。そのうち約四割の八十戸くらいが――飲料水は、従来から浅井戸を使用しておったわけでございますが、八十戸が何らかの影響を受けた、約その半分が地すべりその他によりまして井戸が枯渇した、水がかれた、残りの半分が水位が低下した、そういうような状況になったわけでございます。
 したがいまして、直ちに、水がかれた住宅も含めまして松之山地域一帯にわたりまして、三十八年の六月二十日付でもちまして、簡易水道の布設の計画を樹立し、新潟県知事の認可を得まして、三十八年度の事業といたしまして直ちに緊急に工事をやりまして、同年九月完成いたしました。松之山部落周辺を含めまして給水人口約千百人という計画をもちまして簡易水道を新設いたしまして、飲料水並びに生活用水の確保につとめてまいったわけでございます。
#53
○米田委員 いま御答弁いただきました約八十戸の、さしむき飲料水を必要としたという数の発表がありましたけれども、おそらくこの中には――この松之山地域は町の中心部で、役場、小学校、中学校、診療所あるいは公共機関の出先、そういうものが全部ここに集中しているわけでありまして、そういう公共的な施設の飲料水確保、こういうようなものについても相当な問題が当時あったはずでありますが、これらを含めて、一般住家八十戸程度が緊急に飲料水の対策を必要としたというふうに理解してよろしゅうございますか。
#54
○国川説明員 当時の報告書では、一般部落の方々の飲料水の枯渇の状況の数は、先ほど申し上げたとおりでございます。しかしながら、水道の計画といたしましては、当然、その方々だけを対象としたものではなくて、松之山地域全体にわたりまして、衛生状態の改善その他も含めまして水道計画を策定いたしたものでございます。
#55
○米田委員 そこで再度お伺いいたしますが、いまの御答弁によりますと、この簡易水道は、災害対策の一環として緊急にこれが施設をされたというふうに理解してよろしいかと思うのでありますが、その点をひとつ確認したいと思いますし、それから、この水道はどういう方式を採用されて施設をされたのか。私が承知しておるところによりますと、地すべり地帯の上に緊急に飲料水確保という要求にこたえての施設でありますだけに、当時はあまりまだよそで使ったことのない地上配管、地上施設を採用して、臨時的しかも緊急対策としてこの簡易水道の施設が行なわれたというふうに理解をしておるわけでありますが、そういうことでよろしゅうございましょうか。
#56
○国川説明員 お答えいたします。
 緊急工事という表現で事業を緊急に採択いたしたのは事実でございます。災害がなくとも、生活用水の確保というようなことから水道の計画が生じたかと思いますけれども、この災害を契機といたしまして、緊急に三十八年度の事業として町も計画し、私どもも事業として採択してまいりました。そのような意味では緊急工事でございます。
 しかしながら、水道施設といたしましては、用いました資材その他、一般の水道と何ら変わるところはない、施設基準に合致したものを設置いたしたものでございます。ただ異なりますのは、ただいまも御指摘ございましたように、パイプあるいは構造物等を地下に埋設することができない。地すべりがなお継続していた状況でございますので、そういう意味の災害を防ぐために地上に配管したという、通例の水道施設ではあまり行なわないような工法をとったものでございますが、これは一般の場合でも、たとえば、非常に岩盤の露出している地域では配水管を地上に露出して配管をするとか、そのような似たようなケースがございます。確かにございますけれども、松之山地区の簡易水道につきましては、そういう懸念がございましたので、あえて地上に布設した、そういうような工法をとってまいりました。
#57
○米田委員 そこで課長、もうこれは、さっき説明を聞きましたように、大体今日まで十年間経過しているわけでありますけれども、新潟県のほう並びに町当局からいただいておる要請書その他資料によりますと、相当これは損傷し、耐用年数等についても、もうそろそろその時期に来ておる。したがって、いま説明がありましたように、もともと暫定的かつ緊急に設備をされたということも含めまして、これは簡易水道を本水道に、本来の工事に切りかえて、そして住民の飲料水や健康を保障する、そういう措置をこの際とるべき時期に来ておるというふうに言っておるわけでありますけれども、あなたのほうではそういう判断をされておりますか、どうでしょうか。
#58
○国川説明員 実は松之山町から、四十八年度の一事業といたしまして、この松之山地区に隣接した三つの部落を主体とした地域に新たに拡張工事をいたしたいという計画が、昨年来持たれております。その際、松之山地区に布設いたしました十年前の施設につきましても、これを改良いたしたいという要望が、私どものほうにも県を通じて出てまいっております。
 私どもといたしましては、緊急工事とは申しましても、施設そのものはすべて規格と申しますか、パイプ等につきましてもJIS規格等に合致しました適正な資材が使われておる、しかしながら、地上に配管しているというような事情その他から、あるいは一部にこの際改良したほうがいいというような部分があるかもしれないとは思っております。したがいまして、それらの点につきましては、現在県が町当局といろいろ話を進めておりまして、必要だと思う部分につきましては、当然この際拡張工事の一環の立場で改良工事が行なわれるということもあるいは必要かと思いますし、そのような部分も出るかと思います。ただ、私どもといたしましては、そのような観点から、拡張工事を計画内容との関連で十分検討していきたい、このように考えております。
#59
○米田委員 検討していただくのはけっこうでございますし、ぜひそうしていただかなければならぬと思いますが、私のところに参っております要望によりますと、厚生省のほうとしては、いま御答弁いただきましたようなことじゃなしに、耐用年数ももちろんまだあるというようなこと、それから、いますでにあなたの御答弁にもありましたように、そう簡単に、十年くらいで役に立たぬような、そういう――規格に合った施設でやったのだから、そういうものではない。もともと補助事業としてこれはやったものであるから、したがって重ねての補助対象にすることはできないとか、いろいろそういうような事情がおありのようであります。地元としては、災害対策の緊急、しかも暫定工事としてやっていただいたものであるから、当然これはバラックが本屋に、本工事に戻るように、いずれの時期かには本工事をしていただいて、そうしてこの住民の飲料水を確保してもらう、そういうことが当然可能であろう。しかも、それは災害復旧の関連の事業として十分国の補助事業の対象にしていただいて、またしていただけるものというふうに、地元のほうでは判断しておったようでありますし、そのことは、県のほうでもそういうことについて肯定をされておられたように、地元のほうからの要望では言っておるわけであります。
 そういうような事情が一つあるものでありますから、私は御質問をしているわけでありますけれども、そういう心配がないように、いまあなたのほうに陳情が出ているその他の地域とあわせて、ここも含めて改良のりっぱな簡易水道が完成するように、そういう措置がとられるとすればもう十分なんでありますけれども、その点はいかがでございましょうか。
 あわせて、この三十八年の際に、あなたのほうから一体どのくらいの補助金額――地元から来ておる資料によりますと、国からいただいた補助はわずかに百九十八万円、あとは起債によってまかなった、こういうふうに言っているわけでありまして、起債は町当局の借金であります。したがって、あなたのほうは、当時の金でありますけれども、それにしても百九十八万円程度が正しいとすれば、こんな金を云々して再補助ができないとか、そういうふうなことによってこの災害対策の重要な課題から逃げるということは、私はどうかという実は気がするわけでありますので、したがって、そこらあたりも含めましてはっきりとしたお答えをいただいておきたいと思うわけであります。
#60
○国川説明員 三十八年度に施行しました補助対象事業が七百八十万円でありまして、御指摘のように国庫補助は百九十五万円でございます。残りは起債で充当いたしておる。まあ起債並びに一般会計で負担した事業となっております。
 そこで、ただいまもいろいろ御指摘ございましたけれども、十年前に布設しました水道施設がどのような部分が不都合があるかというようなことも、十分精査いたしたいと思っておるわけでございます。で、水道施設は、先生も御承知のように、やはり水道の補修管理と申しますか、そういう点もかなりのウエートを占める事業でございますので、私どもといたしましては、地元の方の御要望は、全面的に新設し直したいという御希望もあるやにいま伺っておるわけでございまして、その辺はもちろんその必要に応じまして、水道施設としまして安全な水を供給するというのは、これはもう最も重要なことでございますので、技術的な観点から十分県と町と相談していただきたい。技術的な立場から私どもも十分関心を持っていきたいと思っております。
 また、その必要な拡張事業と、それからそのほかに必要な改良事業がございましたならば、当然、これらにつきましても必要な財政措置と申しますか、地元の方の負担と申しますかそういうことが過大にならないように、この点につきましては関係省とも十分協議いたしながら努力いたしたい、このように考えております。
#61
○米田委員 基本的にあなたのほうで今度の簡易水道の工事を、要するに災害直後の緊急工事から本工事にかえてやる、要するに改良の本工事にかえてやる、そうして同時に、町当局が計画している他の地域との簡易水道とあわせて補助対象にしてやるということがはっきりすれば、実は私はそう問題はないかと思うわけであります。ただ、はっきりしないのは、この緊急簡易水道の施設というものが、災害対策の事業として、あるいは緊急復旧の事業として行なわれておらないように、実は私は聞いておるわけでありますけれども、それは私ははなはだ遺憾じゃないかと実は思うのでありますが、この当時はどうだったんでありますか。これは災害対策の一環として、緊急の飲料水あるいは伝染病予防の対策として厚生省が県を通してやらした、こういう工事のたてまえだということではっきりしているわけだと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。
#62
○国川説明員 私も、当時の事情、正確に知っているわけではございませんけれども、県から聞いておるところによりますと、もちろん、この地すべり災害に伴いまして緊急に計画が立てられ、飯料水確保のために事業が施行された、そういう意味では災害対策の一連の事業ということで行なわれたと思います。ただ、いわゆる災害復旧事業としては採択しないで、一般の新設事業という形で地域全般にわたりまして水道を布設いたしたというように承知しております。
#63
○米田委員 私がいただいておる陳情書を見ますと、こういうふうにいっているのですよ。「施設後十年間を経過するが、この間、毎年配水管の切断は相つぎ、また取水個所における土砂の推積は、ひんぱんに起り、年間十数回、取り除き作業が行なわれていること。また鋼鉄製の配水タンクも内側が腐蝕し、くりかえし手入れが行なわれていること、これらの事情のため随時、突発的に、数時間の断水や濁水があり、被災住民の生活は極度におびやかされて来たこと。」こういうような地元からの要請も、説明書きで来ておるわけでありますが、これらを総体的に判断いたしまして、しかも、さっき答弁がありましたように、ろ過池及び配水池、減圧槽など、いずれもコンクリートでなくて鋼鉄製として、しかも配水管等は全施設が地上に露出しておる。したがって、あそこは新潟県でも特別な豪雪地帯でありまして、繰り返し繰り返しブルドーザーで除雪をしなければならない、そういう事情等いろいろございまして、この配水管はビニールだそうでありますけれども、損傷等も非常にひどい。それで、この面について、人件費を含めて年間二百万近い支出を余儀なくされておる。非常に負担だということですね。そういうような事情から考えまして、この機会に、地下埋没への改良を内容とする本工事に切りかえていきたいというのが、住民の非常に強い要望であり、町当局の願望であり、また県のほうもそういうことについて十分考慮されておる。私のところに来ている陳情書では、こういうふうに説明しているわけであります。
 地すべりというものは非常に特殊な災害でありますだけに、水害や地震等のように、災害が過ぎてしまえば根本的に対策ができるというようなものと違うわけであります。さっき建設省からも説明がありましたように、ここは建設省指定の地すべり危険地帯で、絶えず観測も続けられており、住民は戦々恐々としておる、加えて、飯料水等がそういう不完全な状態に置かれておる。これはもうどうしても、災害対策に携わるわれわれとしては、その事業の一環として、あなたのほうの特別な配慮をいただいて、こういうものに対して万全の措置をとってもらわなければ困る、こういうふうに思っておるわけでありますけれども、あなたのほうでそういうふうに取り組んでいただけるかどうか、再度お答えをいただきたいと思います。
#64
○国川説明員 地すべり対策といたしまして施行した施設でありますために、配水管等を地上に露出配管してまいったわけでございます。しかしながら、地すべり後、地盤が安定したと判断されますならば、当然地下に埋没して布設されることが、水道施設の保全のためにも望ましいのでございます。したがいまして、そういう判断が得られますならば、一般の水道のように、パイプ等は埋設いたしたい、埋設したほうが好ましいということは当然でございますので、そのような前提が整いますれば、私どもといたしましても、そういうような改良ということにつきましては、必要な財源措置その他拡張工事と関連いたしまして十分努力していきたい、このように考えております。
#65
○米田委員 これで終わりますが、自治省からおいでをいただいておりますので、最後に一つ一お伺いをしたいと思います。
 いまの松之山の水道の関係でありますけれども、これはいずれ厚生省等に御配慮をいただいて、地元のほうで今後詰めていくと思うのでありますが、ただ、私が考えるに、補助対象以外はどうしても起債とか過疎債とか、そういうものによってまかなわなければならぬ部分があるだろう、実はこう思うわけであります。ことに一般の補助ということになりますと三分の一、そうすると、三分の二はほとんど、町当局が自治省の理解を得で起債を認めてもらうとか、あるいは過疎債を割り当ててもらうとか、そういうことになってくると私は思う。災害のあと処理の特殊なケースでありますから、そういうものについては自治省のほうも十分協力をしてワクを与えていただくように、私、お願いしなければならぬと思うのでありますが、この点について御回答いただきたいと思うのであります。
#66
○加賀説明員 お答えいたします。
 現在におきましても、簡易水道の建設、改良にあたりましては、国庫補助事業あるいは単独事業につきまして、地元負担額のおおむね七五%の起債を充当しているわけでございます。さらに、松之山町につきましては、過疎地域の市町村でございますので、過疎地域振興計画に基づいて行なう事業であれば、原則として残りの二五%につきましては過疎債が認められるという形に相なっておるわけでございます。
 いずれにしましても、この起債の配分にあたりましては、都道府県の申請に基づきまして内容を審査しまして、ワクとして都道府県に配分し、個々の市町村に充当するというたてまえをとっているわけでございまして、本件につきましては、まだ申請も自治省には参っておらない段階でございますので、申請が参りました段階でなお十分検討してまいりたいというように考えております。
#67
○米田委員 終わります。
#68
○村山(喜)委員長代理 柴田睦夫君。
#69
○柴田(睦)委員 防災対策について質問するわけですが、ちょっと振り返ってみますと、第二次大戦後の災害によってとうとい人命がたくさん奪われておりますし、また財産上の損害もきわめてばく大なものになっているわけです。これは戦前の災害による損害と比べてみますと、まことに、一年平均でも数倍にのぼるようなとうとい人命の被害、財産上の損害になっておるわけです。
  〔村山(喜)委員長代理退席、金丸(徳)委員長代理着席〕
そして、この傾向から見てみますと、災害は激化する傾向を示しておりますから、災害に対して有効な本格的な対策を早く立てなければ手おくれになってしまうということが十分に考えられるわけです。自分たちの身のまわりを見てみましても、都会に住んでいても、あるいは農村に住んでいても、災害の危険が感じられることが多々ありますし、それも、あらゆる災害の危険が至るところにあるということを感じるわけです。全国至るところに存在しております災害の危険から国民を守るためには防災の対策が立てられなければならないということは、これは言うまでもないことでありまして、災害の危険のある場所を点検調査して、これをちゃんと認識しておくということが、この防災対策を立てる上においての大前提になると考えられますし、これまた当然でありますけれども、日本じゅうの災害危険区域の調査点検といったものは、実際上どのように進んでいるかということ、まずこのあたりから建設省のほうに伺っておきたいと思います。
#70
○松村政府委員 ただいま御質問ございました全国の危険個所の総点検、これはちょっと私思いますのに、急傾斜地の危険個所の総点検のことでございましょうか。
#71
○柴田(睦)委員 いろんな種類の災害があるわけですけれども、その災害危険区域などについての調査検討をしているかということです。
#72
○松村政府委員 ただいまのお話の河川、砂防、あらゆる全域についての危険個所につきまして、私どものほうといたしまして、これについての調査検討は常時ずっとやっておるわけでございます。ただし、これについて、いま何カ所、どこにあるかという取りまとめは現在まだできておりませんので、これを検討しておるということを申し上げるにとどめたいと思います。
#73
○柴田(睦)委員 検討しているということで、抽象的でありますけれども、防災対策を全面的に立てるためには、それらの危険な区域を点検し調査する、全国的にやる必要があると思うのですが、それはどうなんでしょうか。
#74
○松村政府委員 先に、先ほどのお答えをちょっとふえんさせていただきますが、現在水防計画書というものを全国の重要河川全部つくっておりますが、この中で、毎年出水期前にこれの堤防の危険な個所その他についてはすべて調査をやっておりまして、特に危険な個所あるいはそれに準ずるような個所、こういうものは全部、調べは一応毎年やっているわけでございます。
 ただし、先ほど申し上げましたのは、それの資料がいまここにございませんので、何カ所ということをちょっと申し上げられないということを申し上げたわけでございます。
#75
○柴田(睦)委員 では、水防の関係でいいのですけれども、水防の危険個所を調査する場合に、これは全国的な河川についてなされているのかどうか、そして建設省が過去の経験だとか地図を見て考えるのか、あるいは地方自治体などについて意見を聞くのか、あるいは地域住民の意見を聞くのか、そういうやり方の問題ですが、そのことについてお尋ねします。
#76
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま申し上げました危険個所の調査につきましては、水防計画をつくるわけでございますが、都道府県と市町村の両方についてつくっております。具体的に申しますと、都道府県計画の中におきましては、やはり国の直轄でやっている河川もございます。こういう河川につきましては、河川管理者である地方建設局長、これが担当員でございますけれども、現実に現地も見ますし、またその地元の御意見等ももちろん参照いたしまして、危険個所というのはきめているわけでございます。市町村についてもこれに準ずる方法をとっております。
#77
○柴田(睦)委員 私が住んでおります千葉県ですが、ここは昔は風水害などについても、あまり心配しなくてもいい、少なくともそのようにいわれていたところなんですけれども、この十年間ぐらいになりますか、最近のこの期間の間には大きな風水害がしばしば発生しております。この委員会においても取り上げられ、調査をしていただきました昭和四十五年七月一日のあの大多喜、市原の水害、すなわち関東地方南部の大雨、これが最も典型だったと思うのですが、これをはじめ、しばしば風水害に見舞われるように最近はなっております。
 この四十五年の集中豪雨、これは房総南部の山岳地帯を局地的に襲ったきわめて激しいもので、これによって養老川、夷隅川、こういった河川がはんらんし、それが大被害を生じさせる根本的な動因になったわけです。そして、再び集中豪雨があるかもしれないということを考えた場合に、そうした風水害から住民の生命、財産を守るための対策が、一度そういった被害を経験しているわけですから、こういった大多喜町や市原市について何か立てられているかどうか、その点を伺いたいと思います。
#78
○松村政府委員 お答え申し上げます。
 四十五年六月三十日から七月一日にかけての大豪雨、集中豪雨でございますが、これに伴う被害は非常に大きかったわけでございます。それで、これに伴いまして、建設省所管の公共土木施設については百十二カ所、十一億千七百三十九万円、こういうような被害額が発生いたしまして、これの被害の復旧は四十七年度、今年度中ですべて完了する予定でもって復旧工事を進めております。もうほとんどできているはずでございます。なお、これに関連いたしましての災害関連事業等も進めております。
#79
○柴田(睦)委員 復旧事業のことについてのお話でしたけれども、こういった水害から人の命を守るとか、要するに今後の水害に備えて、水害を防ぐ方法、対策を立てているかという点についてはどうですか。
#80
○松村政府委員 ただいま災害復旧について申し上げましたが、その他この千葉県内の河川につきましても、中小河川その他河川のあるいは局部改良、こういうようなことで河川の改良事業、これも並行いたしまして進めております。そのほか、県におきましても災害予防についての対策、これにつきましてはいろいろと立てていることでございます。
#81
○柴田(睦)委員 その点、養老川について河川改修などの対策を立てているかどうか、それはわかりますか。わからなければいいですけれども。
#82
○松村政府委員 養老川につきましても、現在中小河川といたしまして、これの改修計画を続けているわけでございます。
#83
○柴田(睦)委員 養老川の改修計画といいますけれども、千葉県のほうを調べてみましたところ、これは一番下流の人口集中地域のほうの、もう海に出るところですね、そこのところの周辺の改修であって、そのための用地買収費を予算に組むということで、防災のための改修という意味においては、私の見た範囲ではなされていないと考えるのですが、どうでしょうか。
#84
○松村政府委員 建設省が補助費をつけましての河川の改修事業と申しますと、確かに養老川の下流地域の河川改修事業でございます。ただし、県独自の局部的な県単と申しますか、改修事業は一部やっておることと存じます。
#85
○柴田(睦)委員 次に進みますが、ここに千葉県の地図がありますけれども、この赤ワク、これが市原市になるわけです。そして黒い線が養老川、そしてここの黒点、ここが四十五年の水害で陸の孤島になった市原市の高滝に当たります。
 問題は、この養老川の上流の地域、養老渓谷といわれるその周辺の地域において、ゴルフ場の建設計画がたくさん立てられている。市原市だけで二十三カ所のゴルフ場の新設の申請が出ているわけです。そして大体この赤マルの地域あたりで、養老川の上流付近に集中しておりまして、これを全部合わせますと二千百三十九ヘクタールになります。これは市原市の山間部に集中しておりまして、市原市全体が三万三千六百ヘクタールですから、このゴルフ場の新設を計画されている面積は、市原市全体の十二分の一ぐらいになるわけです。また、その山間部という面から見ますと五分の一か六分の一くらいに該当する、こういう大規模な計画になっているわけです。
 山林を切り開いてゴルフ場を開発した場合に、山林の保水力その他の面から考えてみた場合に、豪雨の場合の河川のはんらんが心配になる、こう思うのです。防災という観点から見て養老川上流の開発、これはきわめて危険な状態をつくり出すのではないか、こう考えますけれども、その点についての見解はいかがですか。
#86
○松村政府委員 お説のように、河川の上流におきましてのゴルフ場の開発行為、これが下流に重大な影響を及ぼすということは考えられるわけです。そして、この開発行為というものは適正に行なわれる必要があることは当然でございます。ただ、この開発行為の規制については、個々のいろいろな事情がございまして、個別的に規制し得ることもありますけれども、全面的の規制という一定の法則、これがまだできておらない現状でございます。
 それで、これにつきましては、千葉県においては、包括的な指導要綱というものをつくって行政指導に当たっております。具体的に申しますと、ことしの一月二十二日に、ゴルフ場等の開発事業に関する指導要綱というものを制定いたしまして、洪水調整のための調整池あるいは土砂流出の防止のための防災ダム、これの設置等を内容とした行政指導を行なっているわけでございます。河川管理者といたしましては、当然今後とも防災上の見地に立ちまして、こういう開発行為に対しては適正な指導をしていきたいと思っております。
 なお、ちょっと先ほど申しおくれましたが、養老川の上流では高滝ダムといいます、これは多目的ダムで洪水調整を含みますが、こういうものの調査を現在やっております。
#87
○柴田(睦)委員 ゴルフ場について個別的な指導による規制しかできないということですけれども、そういうことでゴルフ場がつくられる場合に、防災、中小河川のはんらんという面から、たとえば千葉県のゴルフ場指導要綱などによる行政指導の徹底で間に合うだろうかどうだろうか、そういう点についてはいかがですか。
#88
○松村政府委員 これにつきましては、実はゴルフ場に限らず、ほかのいろいろな遊園地等もございますし、いろいろな開発行為あるいは住宅団地等の問題もあるわけでありますけれども、これを包括的に規制する方策、こういうものにつきましての成案といいますか、考えがまだ全面的にまとまっているわけではございません。それで、われわれとしましては、当面の間は個々に指導を進めて遺憾のないようにしたいということでございます。
#89
○柴田(睦)委員 現在の段階においては個々に指導するということですけれども、防災という観点から見た場合に、災害を防ぐための規制、災害を防ぐ上においてはこの地域においては開発してはならないとか、そういう全面的な規制ということも検討はされているわけですか。
#90
○松村政府委員 まあ、われわれのほうといたしましては、現行法規の上でまずどういう規制ができるかということを考えているわけでございますが、この砂防指定地、こういう地域の中におきましては、砂防法でその構造とかその他のことについての規制ができるわけでございます。それで、必要に応じては砂防指定地域の活用等も考えておりますし、その独立的な一つのそういう規制的な覇束をするかどうか、これにつきましての検討はまだまとまっておりません。
#91
○柴田(睦)委員 結論的に聞きますと、現行法上の規制で、防災という面から十分の規制ができるかどうかということなんです。
#92
○松村政府委員 いまの現行法で十分かどうかというお話でございますが、これにつきましての具体的、詳細な話でございますが、河川総務課長のほうからちょっと説明させていただきます。
#93
○関口説明員 ただいま先生から御指摘の問題は、実は大きくは土地利用計画全般の問題に通じますので、それについてのいろいろな動きは、御承知のことと思いますから、省かせていただきます。
 それで、従来危険な区域について、たとえば宅地開発を抑制するという場合には、現行法としては宅地造成等規制法がございます。これも先生御案内のとおりだろうと思います。
 そのほか、一般的に水害その他の危険区域で建築物の規制をしなければならないという要請に対応するためには、建築基準法で災害危険区域の指定ができるようになっております。これも御承知のことと思います。
 なお、そのほか、現在の法律としましては、ただいま河川局長が御答弁いたしましたように、当方の所管法律としては、砂防法なり、あるいは場合によっては河川区域についての占用の規制というようなことでコントロールしていることも、これも御案内のとおりでございます。
 ただ、まあゴルフ場の問題に限って申しますと、従来の各種法律で十分対応できるかということになれば、なかなか対応できないという場合が生じることも、ただいま河川局長が答弁しましたとおりでございまして、そういう意味で、千葉県のほうは単独でもって指導要綱というものをおつくりになられたものと、かように承っております。
  〔金丸(徳)委員長代理退席、村山(喜)委員長代理着席〕
 そこで、それをしからば今後法律上の問題としてどういうふうに処理していくのかということになりますと、これは都市局の御所管になりますが、現在都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を国会のほうで御審議をわずらわすことになっておりますが、その一部改正法律の中で、都市計画法の――実は現在、俗にいいます線引きされた都市計画区域内の中の市街化区域、市街化調整区域、これの区分をされたところについて開発許可という制度があることも、先生御承知だと思いますが、従来は、その開発許可のコントロールは、建築物の建築を目的とする土地の区画、形質の変更ということにとどまっておったのでございますが、だんだん土地利用の形態の変更に伴って、ただいま御審議をお願いしております都市計画法の一部改正におきましては、そのほかにいわゆる特定工作物という概念をつくりまして、「コンクリートプラント」あるいは「その他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの」、さらにはいま問題になっております「ゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの」につきましては、これを開発行為の範疇に包摂いたしまして、都市計画法二十九条の開発許可の対象にするというふうに一応改正さしていただければ非常にありがたいということで、お願いしておるような次第でございます。
 なお、この改正案がまとまりました場合には、たとえばゴルフ場について申しますと、排水問題排水との関連あるいは地盤との関連、さらには樹木保存と申しますか、それとの関連、さらには主として道路になると思いますが、輸送との関係、また一般的に開発許可の場合に必要とされますところの施行能力あるいは土地所有者との関係、そういうものにつきまして、開発行為の許可ということで規制ができるようになろうかと思います。ただ、これは今後の問題でございますので、その点御注意をお願いしたいと思います。
#94
○柴田(睦)委員 現実には、ゴルフ場が開設されるようなところは大体山間部のほうに移ってきている。町場のほうではもうつくれないし、どんどん山間部あるいは農村部のほうに移っていく、そういったところでも規制ができますか。
#95
○関口説明員 実は、申しわけないのでございますが、私、所管しておりませんので、詳しくは、断定的にはお答えできかけるのでございますが、今度の改正法の附則におきましては、「市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画が定められていない都市計画区域については、当該都市計画が定められるまでの間、」すなわち、俗にいいます線引きがされるまでの間、「その区域内において政令で定める規模以上の開発行為をしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。」というふうに附則ではなっております。先生のお話の、山の中まで包摂されるのかという点になりますと、この附則でもってあります範囲は、ただいま申し上げましたように都市計画区域内という限定になりますから、先生のお考えになっておられます場所との相関関係になりまするけれども、具体の場所が都市計画区域の中に含まれるかどうか、さらには、この都市計画法の改正が成立して、政令でその辺がどういうふうに取り扱われていくのか、これはそういうことで今後検討課題だろう、かように現在の段階では考えておりますので、御了承のほどお願い申し上げます。
#96
○柴田(睦)委員 先ほど河川局長が養老川の改修ということをちょっと言われましたが、たとえばこの養老川の上流は堤防のない原始河川であって、昭和三十五年の台風十四号のときも、一時間六十ミリという程度の雨量ではんらんしているような河川です。この河川は地形、地質の関係できわめて蛇行している。そしてその蛇行した、湾曲したところが特に洪水を起こす条件がある、こういわれております。こうした河川を災害の不安のないように改修するについては、これはもうばく大な予算が必要になってくる。一地方自治体ではとてもかなえられるものではない。また、こうした原始河川の改修ということについては、災害防止の点から見ても、科学的にもいろいろ検討しなければならない問題が非常にたくさんあるわけで、そういう意味では、地方自治体にまかせるというわけにはいかない問題ではないか。万全を期すためには、やはり国が、そういった河川の改修についての研究もし、予算の面においても援助するということが必要になってくると思うのですが、その点についての見解を伺いたいと思います。
#97
○松村政府委員 最近の河川の災害といたしまして、中小の規模の河川の災害というものが比較的多いわけでございます。それで、建設省といたしましても、こういう中小河川につきまして重点的に整備していこうという方針で、これの補助費等につきましても重点的につけていくという方向で進めております。それとともに、またダム等につきましても、治水ダムというものを最近非常にたくさんやっておりまして、小規模の堰堤によりましての防災の効果をあげていきたいということで、特に中小の河川については重点的に対策を進めておる次第でございます。
#98
○柴田(睦)委員 ちょっとそのダムのことについて、たとえば養老川に計画されております高滝ダムですね、このダムは多目的ダムとして計画されているわけですけれども、多目的ダムと治水ダムという意味において、防災の点で現実的に違いがあるんじゃないか。あると言う人もおりますし、ですから治水のためのダムをつくるべきではないかと言っている人がいるのですけれども、この高滝ダムについて、治水面から見た場合に多目的ダムで間に合うかどうか、この点についてお尋ねします。
#99
○松村政府委員 この高滝ダムにつきましては昭和四十五年から調査しているわけでございますけれども、目的といたしましては洪水調節、農業用水、それから水道と、実は三日的を持ってやっておるわけでございます。
 これが治水オンリーのダムとどう違うかということになりますと、治水目的に対する機能としては、多目的ダムでも同じようにやるわけでございます。ただし、これをさらに他の目的に併用しようということでございますので、その点におきましては、これにほかの目的が加わることによって多少規模が大きくなるというようなことはございます。しかし、この千葉県の養老川の場合を考えますと、水道用水の問題等も重要でございまして、残されたダム地点というものは非常に数が少ないものですから、これはできるだけ多方面に活用し、治水目的についても十分目的が達せられるように考えていきたいということでございます。
#100
○柴田(睦)委員 養老川を中心に話を進めましたけれども、問題は、ただでさえ災害の危険がある場所がたくさんありますので、そういう場所を点検調査して災害の防止対策を立てなければならないというときに、実際は災害の危険をますますひどくするような、保水機能を破壊する無計画な宅地造成や乱開発が、大企業によって、それも利益追求という目的からどんどん進められていることは非常に危険だと思うわけです。災害の危険を生じるようなところでの開発を災害防止という面から根本的に規制し、いまでも存在する災害の危険に対して絶えず防御の体制をとらなければなりませんし、地域の防災計画を完全なものにするために、これから十分調査研究し、どんどん対策を立てなければならないということを最後に申し上げまして、時間が参りましたので終わります。
#101
○村山(喜)委員長代理 高橋繁君。
#102
○高橋(繁)委員 二、三の問題について質問いたしますので、どうか簡明にお答えを願いたいと思います。
 まず最初に、自然災害における市町村の弔慰金の問題でございますが、市町村災害弔慰金補助制度要綱によりますと、自然災害による災害救助法の適用された地域である、このように一応示されております。ところが、総理府から出されましてこの間配られましたものを見ますと、「大規模な自然災害を受けた市町村が、当該災害による死者及び行方不明者に支給する災害弔慰金」こうなっておりますが、災害救助法が適用された災害でなくなった方だけに適用されるのか、それに準じた大きな災害についても適用されるのか、その辺についてお答えを願いたい。
#103
○杉岡説明員 お答えいたします。
 大規模な災害ということでございますが、その大規模の判定につきましていろいろとその基準があるわけでございますけれども、個人災害の弔慰金の問題につきましては、従来、死者が出た場合に、その市町村あるいは県等におきまして、お見舞い金を知事さんあるいは市町村長がお出しになるわけでございます。これにつきまして相当経費がかかるということで、それに対して国が半分の補助をするということでございます。この補助をする場合に、やはり大規模な災害を受けた市町村におきましては、本来の災害救助あるいは復旧等にも相当いろんな経費がかかるということで、その大規模な災害の基準を災害救助法を適用される区域、これは相当大きな災害になるわけでございますが、これを一つの基準といたしまして個人災害弔慰金の対象区域にしておるわけでございます。
#104
○高橋(繁)委員 そうしますと、各市町村からそういうような申請があった場合に適用されるということになりますか。
#105
○杉岡説明員 この個人災害弔慰金の現在の運用につきましては厚生省のほうで取り扱っておりまして、四十七年におきましては厚生省の予算に予備費として計上する、四十八年度からは過去十年間程度の平均で二百人程度の予算を計上しておりますが、厚生省のほうにそういった補助金の申請があった場合に、それを調査いたしまして支給するというかっこうになっております。
#106
○高橋(繁)委員 それで、本年度の予算では一応二百人分を計上されております。これはちょっと私の調査が間違いかもしれませんが、過去七年間、死亡、行方不明合わせますと三万百七十九人、平均すると四百五十人が犠牲になっておる。こう考えると、二百人ではあまりに少ないではないか、このように判断いたしますが、その辺の予算の計上について……。
#107
○杉岡説明員 予算要求につきましては厚生省がやっておりまして、私が御答弁申し上げるのが妥当かどうかわかりませんけれども、過去十年間の平均の死者はいま先生がおっしゃった数字が出ておると思いますが、やはりその中で災害救助法の適用された数字を積算いたしまして、その平均値をとったものと考えております。
 ただ、昭和四十七年の場合、災害救助法の関係で死者あるいは行方不明があった数字でございますが、これは三百八十三人というふうに記憶しております。やはり二百人よりもこえるわけでございます。これはもちろん、そういった予算が計上されておりますけれども、もしそれをオーバーするような不幸な大災害があった場合は、必要な経費は予備費等でやるというのは、災害復旧の考え方あるいは災害救助法の運用のしかたも、やはりある一定の金額を計上しておきまして、足らない分は必要に応じて予備費で行なうということに相なろうかと思います。
#108
○高橋(繁)委員 次に黒坂防災課長にお尋ねをいたしますが、あなたが「月刊政策」という中でお書きになっております中に、昨年の七月豪雨において急傾斜地の崩壊土石流による被害が顕著であった。そこで激甚な被害が発生したことにかんがみて、急傾斜地等の崩壊等による災害危険個所の総点検を実施しておる。いまその対策を含め集計、検討中である。さらに、この結果に基づいて云々、こうありますが、その総点検の結果の集計はまとまりましたか。その点について……。
#109
○松村政府委員 この総点検につきましては、昭和四十七年七月十一日付の事務次官通達によって、急傾斜地の崩壊による災害危険個所の総点検を実施してきたところでございます。
 それで、この結果といたしましては、おおよそ危険な個所といたしまして、急傾斜地帯といたしまして約八万一千地帯全国で一応見ております。また土石流の発生危険渓流といたしまして約三万八千渓流、それから地すべりの危険個所として約五千個所、総点検の結果こういうところがあるということが出たわけでございます。
 これに対しまして現在どういう措置をとっているかといいますと、この危険個所を地域住民に周知徹底をはかる、そして地域の防災計画に組み入れまして防災措置の万全を期するよう都道府県を指導しているわけでございます。それから対策工事、住宅移転が必要な危険個所、このうちで緊要なものから、順次計画的に事業を実施しております。そして四十八年度にも大幅に、ことしよりも事業費を約二倍くらいになりますが拡大いたしまして、対策事業の推進をはかっていこうというふうに計画しているわけであります。
#110
○高橋(繁)委員 そうすると、区域指定の促進あるいは管理の強化、予防体制の措置というものについて都道府県を指導されており、したがって緊急時における警戒避難体制あるいは人身事故防止、そうした対策が現在講ぜられつつある、このように理解してよろしいですか。
#111
○松村政府委員 市町村地域の防災計画に組み入れて警戒避難体制に万全を期する、それからまた、必要な個所については地すべり防止地域に指定するとか、急傾斜地崩壊危険区域に対しては緊急を要するものから順次指定していくという方向で、全部を一ぺんに指定するということではありませんが、そういうことで対策の徹底を期していきたいというふうに考えております。
#112
○高橋(繁)委員 それはそのくらいにしまして、災害復旧について、過日の質問では、順調に進んでおる、こういうことでありますが、実際はセメントの不足で災害復旧がだいぶおくれておる地域がある、このように理解をいたすわけでありますが、その辺の状況については心配ないですか。
#113
○松村政府委員 最近、セメントの不足、これに伴いますセメントの値上がり、これにつきましては、確かに御指摘のように非常に重要な問題でございまして、二月以降におきまして、通産省それからセメント業界と協議いたしまして緊急対策の促進等につとめまして、さらに三月二十二日には、通産省に設置された中央需給調整協議会というのがありまして、ここに建設省も参画いたしまして、当面の緊急増産体制、こういうものをぜひやってほしいということを要望する。災害復旧、治山治水等、公共工事への優先出荷の徹底、それからその使用の監視、それから輸入の促進、それから輸出の内需への振りかえ等の対策をこの協議会できめて、実行に移しておるわけでございます。
 そして一方、このセメントの不足が、災害復旧工事に影響がどうなっておるかということにつきましては、もちろん地域によっては相当著しい影響がございます。それで、都道府県ごとに、出水期までにどのくらいのセメントが必要かということを、現在大至急調べておるわけでございます。地域的な問題につきましては、この調査結果等を待ちまして、具体的に関係方面と折衝してセメントの供給を円滑にするようにはかりまして、少なくとも次の出水期までには災害復旧に支障のないようにしたいということで、鋭意努力しておる次第でございます。
#114
○高橋(繁)委員 そのようにぜひしてもらいたいと思うのですが、一つ広島県下の例をとりますと、四十七年度の工事分の約五、六十%しか現在できていない。ところが、山陽新幹線あるいは高速道路の事業は、予定どおり順調に進んでおるということなんです。いわゆふ建設省、道路公団等によるそうしたところにはセメントが不足なく、予定よりさらに順調に進んでおる。ところが地方自治体、あるいはそういう小さなところでやっておる業者等についてはなかなかセメントが行かない。こういうようなことで、ほんとうに人命を第一にしなければならない、また出水期までに何とかしなければならないということは、いまおっしゃったとおりでありまして、どうかひとつ、災害復旧についてのセメントの需給については格段の努力をお願いをいたしたい、このように思うわけであります。
 次に進みますが、災害の予防という問題で先ほどもちょっと質問が出たようでありますが、この被害を最小に食いとめるために予測というものが適切でなくちゃならない。それの体制として、気象庁長官に御質問をいたしたいのでありますが、本年度、集中豪雨監視体制で、二十八名増員をされるような体制が組まれております。まあ観測点の整備であるとかレーダーの更新であるとか、あるいは気象官署以外の個所から通報を受けるための受け入れ体制というものが組まれておりますが、これで一体万全な監視体制、正しい予報というものができるのかどうか、お答えを願いたい。
#115
○高橋(浩)政府委員 いま先生おっしゃいました問題は、おもに集中豪雨関係の問題であろうかと思います。
 災害にもいろいろございまして、戦後は台風に関する災害が非常に多かったのでございますけれども、そのほうにつきましてはかなり整備が届きまして、かなりまでいくようになっております。
 集中豪雨に関しましては、非常にいろいろな問題がございまして、なかなか困難な点がございます。まあそれは、集中豪雨の現象が非常に小規模でございまして、それをつかまえるということは非常に困難である、そういうところから生じております。したがって、それを予報する場合にも、長い先の予報というのは非常に困難でございまして、現在の技術では、正確な予報としてはおそらく数時間程度の予報が限界ではないか、こんなふうに考えております。
 そういう観点で、それを監視するためにはやはりレーダーの活用と、もう一つは各地の区内観測と申しましょうか、委託いたしまして、大雨が降りました場合に集めるようなことをやっておりますが、そういうような方式でございますと、それを集めるために時間がかかったり何かするというようなことがございますので、抜本的なことを考えまして、電話線を使って集めるというような計画を進めているわけでございます。こういった面につきましては、今年度はその第一段階でございまして、来年度――再来年度と申しましょうか、四十九年のつゆのころからそういう方法を使い始めたい、こう考えているわけでございます。そういう方面でわれわれといたしましてはできるだけの手を打っておりまして、災害の防止に、特に豪雨と申しましょうか、集中豪雨の予報というようなことを正確に出したい、こう考えております。
 しかしながら、それで一〇〇%いくかと申しますと、現象の規模とかそういう面から考えまして、残念ながら、必ずしも十分な自信を持っているわけではございませんけれども、従来よりははるかによくいくのではないか、こう思っている次第でございます。
#116
○高橋(繁)委員 まあ十分ではないというお説でありますが、ここのところ三年間ぐらい、三年も四、五年もそうですが、そうした国民の要望、災害の防止という点から見て、気象庁の定員がほとんどふえてない。四十七年は確かに、これは沖繩が復帰されたのでその定員だけ増加になっておりますが、一体これだけの定員で足りるかどうかということと、さらに気象庁として、六千余人の職員と何カ所かの気象台とか出張所を持っている。そのほかに二千二百の部外委託の気象観測所が設けられている。いわゆる二千二百の部外委託ということからいっても、私はもう少し気象庁というものを充実して、もっと気象観測の正しさ、予報の正しさというものをすべきであると思いますが、この二千二百の部外委託の気象観測と定員の問題、気象庁の組織の充実という点で、もう一度お考えを願いたいと思います。
#117
○高橋(浩)政府委員 日本の気象事業というものを諸外国と比較いたしますとAクラスでございまして、そういう点ではひけをとらないと思っております。しかしながら、災害という面から考えてみますと、現在の状況で必ずしも十分であるということはいえないかと思います。ただ、やはりこの災害防止あるいは気象予報にいたしましてもそうでございますが、こういった面は多面的に考える必要がございまして、人が多いからといいまして仕事がうまくいくということは必ずしもいえないように思うのでございます。船頭多くして船山へのぼるというようなたとえもございますけれども、やはり気象事業に従事する人はある程度訓練された人を持ってまいりませんと、なかなかうまくいかない点もございます。そういったような意味もいろいろ考えて、全般的にいろいろな方面から検討いたしまして、人の数もさることながら、その仕事のやり方と申しましょうか、そういった面をさらに十分検討いたしまして、全般的に効率があがっていくようにやっていかなければいけないのではないか、こう考えている次第でございます。
#118
○高橋(繁)委員 まあ遠慮しているようなことですけれども、たとえば職員の問題にしましても、富士山の頂上の観測所、あれは昼夜兼行で、たいへんに危険をおかしてやっているわけですね。ところが、一日の勤務手当はたった千二百円です。三食の食事代でこと足りないような状況でもありますし、そうしたことを考えると、私は、気象の予報の正しさによってもしかなりの災害を防ぐことができたらたいしたものでないか、もう少し充実をしてやるべきである、このように思うわけであります。
 そこで、ことしの予算で気象観測船が一隻ございますが、この建造した年限が昭和二十九年というのですね。二十年間もその船を使って今日まで気象観測をしてきた。大体漁船でも何でも、船の耐用年数というのは十年以内と私は聞いておる。最も大事な仕事をしておるこの気象観測について、しかも気象観測船が二十年も現在使ってきたということを考えると、いかにも、気象庁のこうした気象観測に対する考え方が消極的じゃないか。現在まだ六隻ですか、ありますが、ほかの船の状況は、一体いつ建造された船なんですか。私の言っていることについて長官はどうお考えでありますか。
#119
○高橋(浩)政府委員 私は、実は船のことをよく存じませんけれども、船の種類によりまして、やはり寿命というものは違うかと思います。普通の商船や何かでございますと、ときどき改装は必要といたしますけれども、大体二十年見当というふうにいわれているように思います。観測や何かもいろいろ変わってまいりますから、新しい船をつくっていくことが必要でございますけれども、まあ今年度、まだ国会は通っておりませんけれども、認められたということは、まあまあの状態ではないか、こんなふうに考えております。
 なお、気象庁には現在六ぱいほどございまして、現在の春風丸は百五十トンで一番小さいのでございます。今度は大体それが三百五十トン級の要求になっておりますので、そういった点では非常によくなっていくのではないかと考えております。
 また、海上の観測につきましては、夏の定点につきましては、気象庁の船ではなくて海上保安庁の船を使ってやっておるようなことでもございますので、そういったような意味ではほかの船を活用するというようなことも考えられるんじゃないか、こう考えております。
#120
○高橋(繁)委員 まだいろいろ質問したいのですけれども、そういう点で、気象庁の充実という問題で万全な体制をつくっていただきたいと私は思います。
 次に、災害の予防のための研究体制というものについて総理府に質問をいたしたいのでありますが、行政官庁がいまやっております。もう一つは大学側がこの基礎研究をやっております。国立の防災科学技術センターであるとか、あるいはそのほか土木研究所とか建築研究所とか農業試験場、林野庁あるいは気象研究所、港湾技術研究所、そういったところで、行政官庁ではやっていると思うのです。大学側は、東大、京大、北大、九大等でやっておるようであります。その研究体制について、そういうような土木研究所とか建築研究所とか農業試験場とかやっておりますけれども、事防災という面でほんとうにりっぱな研究体制ができているのかどうかということについて質問いたしたいと思います。
#121
○小宮山政府委員 防災については、基礎的な研究は科学技術庁でやっておりますし、また土木研究、農林は林野庁等々、各省で基礎研究、あるいは大学でやっておる状況でございます。
 中央防災会議のほうといたしましてはそういうものも掌握いたしておりますし、つい最近は、関係各省あるいは地方自治体の担当者を集めまして、震災対策ということで各界の学者を呼びまして、講義またディスカッション等々をやってまいりました。
 防災の中で、やはり私も基礎的な学問の詰め、たとえばローム層ならローム層の地質、性格、それから分布、それに対しての防災はどうすべきかというような問題を基礎的に詰めることが最も重要であろうと思っておりますので、今後もその方向で努力する所存でございます。
#122
○高橋(繁)委員 どうかひとつ、そういう意味で研究機関がもっと連絡協調をはかるような体制――あるいは防災についても、各それぞれの省庁がいろいろ別個な形でやっておりまして、中央防災会議でそれをまとめているようには思いますけれども、日本の災害についてもう少し研究体制もしっかりはかり、あるいはそれを全部掌握できるような組織、体制、そうしたものを緊急になさるべきじゃないか、私はこう思います。災害についてどこに一体まとまったものがあるのか、私も初めてでありますのでいろいろ聞いてみましたけれども、どこで聞いてもなかなかわからないというのが現状です。そういう意味において、どうかひとつ体制をしっかりつくっていただきたいと要望して、質問を終わります。
#123
○村山(喜)委員長代理 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。
   午後一時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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