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1972/04/19 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1972/04/19 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第071回国会 災害対策特別委員会 第4号
昭和四十八年四月十九日(木曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 大原  亨君
   理事 宇田 國榮君 理事 高鳥  修君
   理事 渡部 恒三君 理事 金丸 徳重君
   理事 村山 喜一君 理事 諫山  博君
      天野 光晴君    越智 伊平君
      大西 正男君    志賀  節君
      竹中 修一君    中尾  宏君
      旗野 進一君    細田 吉藏君
      宮崎 茂一君    村岡 兼造君
      森  美秀君    綿貫 民輔君
      神門至馬夫君    辻原 弘市君
      福岡 義登君    柴田 睦夫君
      高橋  繁君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官      小宮山重四郎君
        気象庁長官   高橋浩一郎君
        建設省河川局長 松村 賢吉君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    杉岡  浩君
        経済企画庁総合
        開発局山村豪雪
        地帯振興課長  岩渕 道生君
        環境庁自然保護
        局企画調整課長 新谷 鐵郎君
        文部省大学学術
        局審議官    笠木 三郎君
        厚生省公衆衛生
        局保健所課長  山中  和君
        農林大臣官房総
        務課長     二瓶  博君
        通商産業省公益
        事業局水力課長 吉田 方明君
        運輸省港湾局計
        画課長     鮫島 泰佑君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十九日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     宮崎 茂一君
同日
 辞任         補欠選任
  宮崎 茂一君     江藤 隆美君
    ―――――――――――――
三月三十日
 農作物災害対策に係る融資条件の緩和に関する
 請願(井出一太郎君紹介)(第一九四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月三十日
 佐賀市兵庫町内巨勢川の豪雨による災害復旧対
 策に関する陳情書(佐賀市兵庫町排水対策委員
 会代表柴田正清外一名)(第二一四号)
 災害復旧工事用セメントの確保に関する陳情書
 (山口県阿武郡阿東町議会議長江山義仁)(第
 二五三号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 火山噴火等による災害対策及びダム災害防止対
 策
 派遣委員からの報告聴取
 特別豪雪地帯指定基準の改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大原委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 まず、火山噴火等による災害対策及びダム災害防止対策の実情調査のため、去る九日から二日間、鹿児島県に委員派遣を行ないましたので、現地に派遣されました委員から報告を聴取いたしたいと存じます。高鳥修君。
#3
○高鳥委員 火山噴火等による災害対策及びダム災害防止対策の実情調査のため、去る九日から二日間、鹿児島県に派遣されました委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、大原委員長をはじめとして、自由民主党の渡部恒三君、私高鳥修、日本社会党の金丸徳重君、日本共産党・革新共同の諫山博君、公明党の高橋繁君及び民社党の折小野良一君の七名で、ほかに地元選出の宇田小委員長、村山理事、中尾委員、宮崎議員の御参加を得、現地の実情をつぶさに調査してまいりました。
 まず、火山噴火等による災害対策について報告いたします。
 桜島南岳は、昨年秋以来活動が活発化し、十月二日には最近まれな大爆発を起こし、多量の噴石が三合目以上の山腹をおおい、各所に山火事を発生せしめ、幸い人的被害はなかったものの、その後連続的に発生する爆発や噴煙活動による降灰等により、地元桜島をはじめ近隣市町村に多大な被害をもたらし、今後、大爆発が発生すればもちろんのこと、噴煙が長期化するだけでも農作物等が致命的な影響を受け、桜島の農業経営は危機に瀕し、住民の生命、健康にも危害が及ぶものと、きわめて憂慮されております。
 気象庁及び京都大学等の観測によれば、最近の桜島火山の活動は、地震瀕度がきわめて高いこと、新火口の出現、褐色火山灰、巨大噴石、捕獲片石の噴出及び桜島付近の地殻変動等から、従来とは異質の現象が見られ、十分な警戒が必要であるとのことで、地域住民は大正三年の大爆発を想起して、不安な毎日を過ごしております。
 県当局はじめ関係地方自治体では、万一に備え避難訓練の実施、避難輸送体制の整備、火山噴火長期化に伴う長期防災体制の強化、住民の健康管理、農家に対する営農指導、助成、融資措置等の対策を講じてはいるものの、火山噴火というきわめて予測困難で特殊なものが相手だけに、地方公共団体だけでは対応できない数々の問題をかかえております。
 以下、視察を通じ、具体的な要望等の中から、特に必要と思われる事項について触れてみたいと思います。
 第一は、防災体制にとって最も基本的な観測体制の整備についてであります。
 京大桜島火山観測所は、桜島のみならず、わが国の火山観測等にとってきわめて重要な役割りを果たしているところでありますが、現在七名で、南九州一円に設置している五十七台の地震計及び地殻変動器等を常時稼動し、保守、解析に当たっており、きわめて過度な勤務を余儀なくされ、ここ三年間で三名の病死者の出ている現実で、あと四名の人員増がなければ現状の観測規模を縮小せざるを得ないという深刻な実情であります。また、予算につきましても、四十七年度の例をとれば、経常費が約八百万円で、非常勤職員の費用に約二百万円、施設の維持に約二百万円を要し、設備を若干更新すれば、研究費の捻出はほとんどできないとのことであります。
 今後、観測体制を強化し、防災対策に寄与するためには、少なくとも、十分な人員増と経常費の増額とともに、自動地震記録装置、中城火山観測データ自動収録装置の設置並びに火山災害研究部門の増設等がぜひとも必要であるとの要請を受けてまいりました。
 第二は、避難、輸送体制の整備についてであります。
 大爆発時における住民の島外脱出等のため緊急に講じておかなければならない問題があります。
 まず、避難港についてでありますが、湯之持木港、古里港、高免港、塩屋ケ元港については、四十八年度から緊急整備を行なえることとなったとのことでありますが、その他の地区の港湾、避難施設等の整備も早急に実施するよう要請がありました。港湾整備の問題は、地元負担がきわめて多額であることであります。関係者の話によれば、国、県、市村で三分の一ずつ負担することになっており、これが財源の確保に自治体当局はきわめて苦慮しており、その軽減化を配慮しなければならないと思います。
 次に、避難道路の整備についてでありますが、避難集結地へ通ずる県。市・村道の拡幅、整備の促進及び補助率の引き上げ等についての要望がありましたが、具体的な問題として、西桜島村の国道二百二十四号線の桜島港−赤水間の短縮化について自然公園法に基づく申請を、環境庁において審理中とのことでありますが、一刻を争う避難の特殊性からも、早急に許可されんことを望みます。また、垂水市から牛根麓と海潟飛岡間の避難道路の新設等について要望がありましたが、特別な配慮が必要と思います。
 そのほか、避難集結地の整備、緊急避難用ヘリポートの設置、通学路における避難壕の設置、予防避難の実施等に要する経費について国庫からの助成を配慮されたいとの要望を聴取してまいりました。
 第三は、農作物被害対策についてであります。
 桜島では、果樹、野菜等がおもな農作物であります。降灰等によって落葉、落果、樹体の衰弱等の被害が発生し、西桜島村ではミカン等を中心に約四億七千万円、鹿児島市東桜島地区でミカン、ビワ等を中心に約九千万円、垂水市でキヌサヤエンドウ、ミカン等を中心に約三億円の被害が発生したとのことであります。
 これらの被害の特色は、降灰が局地的でかつ継続的であること、また霧雨とまじった場合、希硫酸水となり、農作物、人畜に及ぼす被害がきわめて深刻であります。
 昨年は、農業振興資金等の融資を特別に配慮する等の方法で対策が講じられたとのことでありますが、県、市、村当局からは、天災融資法及び激甚法の適用について特別な措置を講じること、さらに、降灰の長期化に対し、今後営農を続けるに必要な散水施設、ハウス栽培施設、樹種転換対策、産地施設の整備促進、酸度矯正対策等の防災営農用施設整備事業の実施のため高率な国庫助成を配慮するよう要望を受けてまいりました。
 このほかに、荒廃砂防事業の補助率の引き上げ、堰堤堆積土砂排除事業の実施、治山施設及び農地保全事業の補助率引き上げ等治山治水対策の促進、水産被害対策、世帯更生資金、母子福祉資金等に対する特別な配慮、垂水市における総合病院の建設等民生対策に対する配慮、また、緊急の場合避難所としての機能を果たす学校建物等の改築及び公立公民館の設置についての要望がありましたが、これらについても特別の配慮を講ずべきであります。
 県当局の試算によれば、これら噴火対策に要する経費は約五十億円にのぼるとのことであります。県、市、村当局及び県議会等から、桜島噴火対策の具体的事項について、国庫補助率のかさ上げ等をおもな内容とする特別立法の制定について強い要請がありました。また、特別立法が制定されるまでは、現行制度上可能な限りの措置で対処されたいとの要望を受けてまいった次第であります。
 調査団は、県庁における総合的な説明を受けた後、桜島に渡り、京大火山観測所、西桜島村武地区、鹿児島市の黒神、有村、東桜島地区、垂水市等で被災の実情を視察し、自治体関係者及び住民から、なまなましい被害の実態について説明を聴取してまいりました。視察の途中で、かなりの規模の噴火に遭遇、降灰が黒い霧雨となって降りかかる被害を身をもって経験してきましたが、火山噴火の特殊性、被害の実態から見ても、現行の災害対策の諸制度では対処しきれない問題があります。
 わが国は、世界有数の火山国であり、火山によってもたらされる恩恵もありましょうが、同時に、大きな被害を伴う危険性にさらされていることを忘れてはなりません。阿蘇、浅間などの諸火山における無謀な観光開発等は、目に余るものがあります。関係者の反省を求めると同時に、火山噴火のおそろしさに対して認識を高めなければならないと思います。
 桜島に限らず、浅間山、岩木山等、昨年秋から、日本の諸火山の活動は活発になっております。学識経験者による火山噴火についての総合診断とともに、防災対策を中心とした抜本的な火山噴火対策を早急に樹立する必要を痛感してまいった次第であります。
 次に、ダム災害防止対策について御報告いたします。
 昨年の七月豪雨により、川内川水系では、異常降雨により鶴田ダムが洪水調節機能を失い、宮之城町湯田地区で百二十二戸が流失する等激甚な被害が発生したのであります。この災害に対しては、当委員会では、委員派遣をはじめとして、重点的に取り組んできたところでありますが、今回は、桜島噴火対策の実情調査にあわせ、鶴田ダムの洪水調節及び川内川改修にかかる諸問題、被災地の復旧状況等について調査を行なってまいりました。
 まず、被災地の復旧状況等についてでありますが、川内川の改修計画が未決定であったため、湯田地区は被災時と変わらない状況でありましたが、三月三十一日改修計画が決定され、やっと復興の見通しがついたものの、改修に伴う市街構成の崩壊等新たな問題が発生、改修方法について住民から反対の意見が出されておりました。被災者対策では、県当局が被害の特殊性にかんがみ、国の協力を得、被災者の生活安定等のため総額一億七百四十万円の見舞い金を配布、また被災中小企業者に対して総額一億六千二百万円の災害融資を準備、温泉街の復興計画の立案に当たっているとのことであります。
 川内川の抜本改修につきましては、関係自治体、学識経験者、住民代表、政府関係者の参加で川内川改修協議会を設置し、たび重なる水害に対処しようとしております。九州地方建設局の説明によれば、最近の異常降雨、出水にかんがみ、去る三月三十一日、川内川水系工事実施基本計画を決定、川内地点の計画高水流量を毎秒七千立方メートルとし、宮之城町、東郷町及び川内市等の主要地区を洪水から防御するため、既設の鶴田ダム及び中流ダム群による洪水調節の強化とともに、堤防の新設、拡築、しゅんせつ、護岸の施工等の事業を実施するとのことであります。
 鶴田ダムは、川内川の洪水調節と最大出力十二万キロワットの発電を行なう多目的ダムとして、昭和四十一年に竣工したダムであります。関係者の説明によれば、昨年は六月から出水が続き、六月二十七日からは操作規程による制限水位の百四十六・五メートルに水位を下げていたものの、七月五日及び六日のダム上流の雨量は計画雨量三百三十六ミリをこえ、四百十ミリに達する異常な降雨となり、最大ピーク時で一秒間に約二千二百トンの流入量と同じ量を放流する結果となったとのことであります。その後、七月十日の大雨注意報以降は、通産省等関係者と折衝の上、予備放流体制をとり、本年の洪水期からは、ダムの治水容量を七千七百五十万トンとし、水位を百三十一・四メートルと下げるようダム操作規程を変更することを検討しており、また、ダム上流の雨量観測所を増設する等ダムの洪水調節機能を強化していくとのことであります。
 宮之城町当局からは、被災地の早期復興をはじめとして、河川改修に伴って温泉街の大半が河川敷となるため、堤防の背後地を造成して新しい町づくりを行ないたいとのことで、この事業に要する経費を国において特別に助成されたいこと、川内川改修に際して屋地虎居地区の市街地の改修を拡幅だけでなく、下流屈曲部突端の開さく等流速の増大をはかる措置等により、市街地構成がくずれない方法を検討すること、鶴田ダムについて、六月から八月までの雨季三カ月は防災ダム専用とし、早急にダム操作規則を改正するよう等の要望がありました。
 なお、被災住民代表から、河川改修に際しては地元住民の意見をよく検討し、住民の納得のいく方法で実施すること及び被災者への補償問題等について要望がありましたが、住民の意見の中に、川内川洪水の原因として同水系の国有林等の乱伐が指摘され、幾ら河川改修を行ない、ダム操作規則を改正しても、治水対策との関係をよく配慮した上で総合的な治水対策を計画しなければ被害はなくならないとの主張がありましたが、傾聴すべき意見だと思います。
 鶴田ダムについては、四十六年八月の洪水の際、神わざに近いダム操作で奇蹟的に危険を切り抜けた例があり、そのとき、当委員会において、制限水位を百三十メートル程度に下げ、ダムの洪水調節機能を強化するよう政府に対し要請したことがあります。昨年の被害を契機に、ようやく改善されることになりましたが、対策が後手となったことはまことに残念なことであります。
 発電あるいは多目的ダムを完全に治水目的に機能させることについては、種々の問題もあろうかと思います。しかし、優先すべきは住民の生命であり財産であります。住民の安全の確保があってこそ、初めてそれぞれのダムの目的が本当の意味で生かされるものであります。最近の異常気象は、毎年、降雨量の記録を伸ばしており、かつ、国土の人為的改造に助長され予測のつかない被害が発生、従来の計画雨量や計算が現実にそぐわないケースが各地で発生しております。この際、各種のダムを総点検し、操作規則の改善及びダム周辺地域の防災対策等を再検討すべきであります。
 以上で火山噴火対策及びダム災害防止対策についての報告を終わりますが、両件につきましては、今後、災害対策の基本問題に関する小委員会等で具体的な対策が検討されることになろうかと思います。この機会に特に政府当局に申し上げておきたいことは、この両件はそれぞれ特殊な問題をかかえ、既成の災害対策の考え方では解決できない性質を持っております。福祉時代にふさわしい、新しい発想で、積極的に問題の解決、対策の樹立に取り組まれんことを要請しておきます。
 最後に、今回の調査に御協力いただいた皆さまに敬意を表し、簡単ではございますが、報告といたします。(拍手)
#4
○大原委員長 これにて派遣委員の報告は終わりました。
 派遣委員各位には、まことに御苦労さまでございました。
    ―――――――――――――
#5
○大原委員長 次に、特別豪雪地帯等に関する件について政府当局から発言を求められておりますので、これを許します。経済企画庁山村豪雪地帯振興課長岩渕道生君。
#6
○岩渕説明員 従来、豪雪地帯対策特別措置法によりまして特別豪雪地帯を百六十七市町村指定してございましたが、今回その指定基準を改正いたしまして、お配りしてございますような二十六市町村を追加指定いたしましたので、指定基準の内容並びに経緯等について御報告申し上げます。
 特別豪雪地帯の指定基準は、法律にございますように、豪雪地帯の一部であって、積雪の度が特に高く、かつ交通途絶等の事情によりまして住民の生活に支障があることという三つの要件になっております。特に積雪の度合いにつきましては、衆参両院の災害特別委員会の附帯決議といたしまして、一万五千センチメートル日以上の累年平均積雪積算値を持つことということでございます。そういう基準等によりまして百六十七市町村を指定したのでございますが、すでに指定してございます周辺の市町村長等より、積雪の度合い等から見て実情に合わないのではないか、あるいは公平を欠くのではないかという議論がございましたので、その点検討をいたしてまいった次第でございます。その結果、お配りしてございます基準の一部改正ということで原案をつくりまして、豪雪地帯対策審議会を経まして今回指定基準を改正したわけでございます。
 この考え方を申し上げますと、先ほど申し上げましたように当委員会の附帯決議がございますので、その一万五千センチメートル日ということの基準を緩和はできないわけでございますので、それと同等の雪の降り方をしております市町村につきましては、一万五千センチメートル日の累年平均積雪積算値を持つのと同じ雪の降り方であるという認定をいたしまして、それで指定をするというふうに考えておるわけでございます。すでに指定してございます百六十七市町村の雪の降り方を見てみますと、非常に雪の深いところで二万センチメートル日というところが大かたの町村でございますし、さらに比較的雪の少ないところでも五千センチメートル日という数値でございます。さらに、百六十七町村のすべてが一万センチメートル日以上の平均を持っておりましたので、それと同等の雪の降り方ということで、そこに配付いたしました資料のような基準をつくったわけでございます。
 読み上げますと、「昭和二十五年から昭和四十四年までの二十年間における累年平均積雪積算値が、最高の地域にあっては二万センチメートル日以上、最低の地域にあっては五千センチメートル日以上でかつ単位面積当りの累年平均積雪積算値が一万センチメートル日以上の市町村であること。」ということを追加したわけでございます。
 指定基準の新旧対照につきましては、次のページに載せてございます。
 そういうことで、この基準によりますれば、別にお配りしてございますような二十六市町村が該当いたしまして、この市町村を四月十四日付で告示いたしましたわけでございます。
 以上、特別豪雪地帯の指定につきまして御報告申し上げました。
#7
○大原委員長 以上で政府当局からの説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○大原委員長 次に、火山噴火等による災害対策及びダム災害防止対策について、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山喜一君。
#9
○村山(喜)委員 先般、災害対策特別委員会のほうから現地の調査をいただきまして、つぶさに現状を見ていただきましたことを、地元の一人といたしまして感謝を申し上げたいと思います。
 同時に、きょうは観桜会でございますが、小宮山剛長官をはじめ、万障繰り合わせて御出席をいただいておりますことを、敬意を表したいと思います。
 そこで、ただいま報告がございました災害派遣の報告の内容に従いまして、問題点を明らかにしてまいりたいと思います。
 まず第一点は、桜島の災害関係の問題でございます。
 京都大学の防災研究所の現状説明書を拝見をいたしてまいりますと、この中で、最近の桜島火山の活動の状況は、四十七年の回数が百八回に及んでいるという報告がございますし、その中から、この最近の活動の姿というのが大正噴火前後の動きにきわめて似てきているという報告が出てきているわけであります。
 そういうような状態の中で、大正三年のこの当時の大噴火の状況を振り返ってみますと、きわめて憂慮すべき問題が生まれるであろうということを予定をして、現在、その災害に至るまでの間の状態をできるだけ押えながら万全の措置を講じなければならないという状況にあるのではなかろうかと思うのであります。同時に、大正三年の大噴火の経験に学びながら措置をしていかなければならない問題がきわめて多いようでございます。そこで、当時の状況を振りかえってみますと、死者が三十五名、負傷者が百二十一名、そして行くえ不明が二十三名、住家が全焼したもの二千百四十八戸、全壊が百二十戸というふうに出ているわけでございます。
 まず、初めにお尋ねをいたしてまいりたいのは、予知対策の問題でございます。
 地震が発生をして、そして大噴火が起こったときには、非常警備につく者を除いて、ほかの者はその島から退避をするという原則が確立されなければならないかと思うのであります。そういうようなことを考えてまいりますと、いつ大爆発があるのかという予知対策の問題を、いまの日本の火山観測の体制や、あるいはその他のいろいろな自然観測等もあわせながら万全の対策をとる必要がまず第一にあろうかと思うのであります。
 そこで、総理府のほうにお尋ねをいたしますが、現在気象庁があり、あるいは現地には京都大学やあるいはその他の大学も観測施設等を持っているわけでありますが、そういう大学が受け持つ分野、それに国土地理院が受け持つ分野と、大体行政組織の中でこの地震の予知対策については分野が分かれているやに聞くのであります。とするならば、気象庁は一体どういうようなものを受け持ち、大学側はどのようなものを受け持って、そしてまた国土地理院はどういう分野について責任を持っておるのかということについて、まず承りたいのであります。
#10
○高橋(浩)政府委員 ただいまの点につきましてお答えいたします。
 火山予知の問題につきましては、非常にむずかしい問題でありまして、現在のところ一〇〇%当たるというような水準にまでは達しておりません。したがって、そういう意味では火山予知の研究というようなことも非常に重要なことであろうかと思うわけでございます。こういった研究の問題につきましては、主として大学が担当しておりまして、したがって大学は、火山予知というよりは火山全般でございますが、そういったものを十分研究して、できればそういった予知問題までも触れたい、これが大学の任務でございます。
 それに対しまして気象庁におきましては、どちらかと申しますと行政的な面が強うございまして、火山の活動状況を十分監視いたします。そして、その状況をある程度解析いたしまして、火山の噴火のおそれがありそうな場合におきましては一般に発表いたしまして、防災対策に寄与する、これが気象庁の任務でございます。
 国土地理院のほうは、私もよく存じませんけれども、火山につきましてはやはり地殻観測とか何とかという問題がございますので、そういった面で観測をいたしまして、そういった資料を提供するという、こういった任務であろうかと思うわけでございます。
 そういった間の行政的な連絡というものは特別にございませんけれども、実際問題といたしましては、たとえば関係の研究者がおりますが、そういったようなものは火山学会や何かで連絡をいたしますし、また、気象庁でいろいろ発表いたします場合にも、やはり現地におきまして大学関係のほうの方々ともいろいろ情報を交換いたしまして、そういったような資料も参考にしていろいろな情報を出す、こういうような状況になっているわけでございます。
#11
○村山(喜)委員 杉岡参事官にお尋ねしますが、いま気象庁長官から概要についてお聞きをいたしました。私たちが聞いているのでは、気象庁としては、震度三以上の強震を中心にして研究をする、あるいは行政的な責任をもってやっていくのだ。大学の場合には、微小地震を主として研究をしていく。そして地理院の場合には、測地等についての分野を受け持ってやっていく。そして連絡協議会というものをつくってやっているのだというふうに聞いておるのです。
 この連絡協議会はどこにございますか。そして、その連絡協議会を主管をするところは総理府ですか。
#12
○杉岡説明員 ただいまの先生の御質問にお答えいたします。
 現在、地震をいかに予知するかは非常にむずかしい問題でありますけれども、文部省の測地学審議会、これの建議がございまして、関係省庁が集まりまして地震予知連絡会というのを置いておるわけでございます。
 その内容につきましては、ただいま気象庁長官が御説明されたようでございますが、気象庁の分野あるいは建設省の国土地理院、これは、ただいま御説明がありましたように、国土地理院は水準測量だとか、そういった測量をいたしておりますが、どこの地域がどういうふうに地殻が動いておる、上昇している、あるいは沈下しているというのが水準測量等を通じてわかるわけでありまして、それによって地殻の活動というものがわかってくるわけであります。そのほかに気象庁あるいは大学、さらに海上保安庁水路部、これは海底の地図をつくる省庁でございますけれども、そういった省庁が地震予知連絡会をつくりまして、これは事務局を国土地理院に置きまして、前の東大の地震研究所の教授でございます萩原先生を中心といたしまして、地震についてどのように予知できるかを現在研究しておるわけでございます。これは文部省の測地学審議会を通じまして、文部省と建設省の国土地理院等でその会議等をやっております。
 それから、具体的な火山の問題でございますが、火山もその地震予知の分野でございますが、特に桜島等につきましては、私もお供いたしましていろいろとお聞きしましたわけでございますけれども、異常な現象等がある場合には、気象台あるいは京都大学あるいは鹿児島大学、こういった観測所が急遽集まりまして、お互いにデータを持ち寄って、この現象についてどういうように判断するかというような協議を重ねておるわけでございます。
 したがいまして、地震予知連絡会というものは一般的に地震の予知を研究するということでございまして、具体的な現地の火山の連絡会といいますか、これにつきましては、桜島あるいは浅間というような特殊なものは、その火山の特殊性がございますので、これはそれぞれ地元におきまして、関係の気象庁、大学等におきまして十分協議を重ねておるわけでございます。
#13
○村山(喜)委員 その中でやはり京都大学が、一番スタッフを持ち、予算的にもある程度の措置がなされて、現地で活躍をしているわけでありますが、この委員会報告の中にもありましたように、現在の定員が七名、そのうち主任教授が欠になって六名しかいない。現地の山腹の観測所に行ってみて、そこで、三年間にそこの職員が三名も病のために倒れているという状態を聞きました。そして、現在の予算の配分は報告のとおりになっているわけであります。
 そこで、この火山観測所のほうから、四十八年度の予算について、現在の人員、スタッフでは、計器の保守に追われて研究が十分に行なわれない、一人当たり二十万円程度の研究費しかないということも報告が出ているようであります。そこで、観測所の整備のために人員が十一名、そのほかに特別事業として四名、十五名の定員が必要になる。そして物件費として現在七百九十九万七千円、そのほかに旅費が七十万二千円という状態であるけれども、これを今後大幅にふやしてもらって、事業費が三千百万円、それから自動地震記録装置に二千三百万円、データの自動収録装置に第一次分として五千三百万円、合計いたしますと一億七百万円程度のそういうものが必要になってくるということが訴えられているわけであります。
 これに対しまして、文部省は、四十八年度においてどういうような予算措置をなされているのか。いまの現状から見ますと、委員会報告の中にありますように、きわめて貧弱な体制といいますか――そういう地震、四十七年の十月二日に起こった程度の地震は、必ず起こる可能性が十分にあるということも指摘されているわけであります。そして、大正噴火前後の動きに似てきているということも報告がきているわけであります。そういうような状態の中にあって、桜島のふもとに住んでいる住民というのは、これは東西を合わせますと一万二千名余りの人間が住んでいるわけです。まず何よりも的確に知らなければならないのは、そういう火山活動の動き、地震の予知であろうと思うのです。そのような意味から、どのような体制が四十八年度に行なわれているのかということについて説明を願いたい。
#14
○笠木説明員 お答えを申し上げます。
 火山に関しましての研究体制につきましては、いまお話がございましたように、桜島に関しましては、特に京都大学防災研究所の附属施設といたしましての桜島火山観測所が中心になって、その研究をしておるわけでございます。
 この桜島火山観測所につきましては、三十五年に施設として設置をいたしましてから逐次増強いたしまして、現在の姿は、お話にございますように、関係の職員としては七名の専属の職員を置きまして、観測に現在従事をしているという状態でございます。四十八年度につきましては、この観測所自体としての定員増等の予算案は特に計上しておりません。
 あと、研究費等につきましては、四十七年度の状況といたしましては、約一千万円程度の経常的な研究費及び特別事業費的な研究費が、この観測所のために予定されておったわけでございますし、そのほかに、これは国立学校の予算とは別個に、科学研究費補助金のほうから、この防災研における火山に関する研究に対して若干の経費が配当されているわけでございます。
 現在、火山関係の観測施設につきましては、他に東京大学地震研究所の観測所等があるわけでございますが、それらは、大体定員といたしましては二名から四名程度の配置でございまして、この京都大学の桜島火山観測所につきまして七名というのは、その状況から申せばかなり整備をはかったつもりでございますが、私どもといたしましても、これで十分だとは決して考えておりません。
 あと、四十八年度につきましては、いま申し上げましたように、特に定員増等の計画がございませんで、防災研究所全体といたしましては、地震予知関係といたしまして、微小地震の研究部門の増強、さらに防災関係の資料センター等の設置を四十六、四十七年度にかけてしてきたわけでございまして、全体としての火山を含む地震予知計画の推進という問題につきましては、京都大学を含めまして、毎年整備をはかっているわけでございます。
 さらに、今後、この防災研究所を通しまして、桜島火山観測所からの将来のいろいろ整備計画というものが出てまいりました場合には、十分検討いたしまして、要望にございますようなもので具体化できるものにつきましては、逐次整備をしてまいりたいと思っております。特に、御指摘のございました観測計等がかなり広範囲に分かれているわけでございますが、これのいわゆる無人化と申しますか、自動記録化という問題については、かねがね、各種の観測所について検討の要を感じている問題の一つでございますので、この点については特に十分な検討を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。
#15
○村山(喜)委員 小宮山副長官、いまお聞きのとおりでございます。ことばはあるけれども実体はないという姿が、この地震予知の、特に桜島火山対策についての状態であります。私も現地に参りまして、雨が当日降っておりましたが、雨とともに硫酸がまじって、亜硫酸ガスが発生をするような形でおりてくる。そして、噴火した土砂がさらさらと音をたてて落ちてきている。環境上も、そういうガスが発生をした場合、噴火があった場合は、人間の生活許容量というものから考えましても、どんな大都市の公害地に比べても、その噴火したあとは二十倍から三十倍程度の亜硫酸ガス等の濃度があるようであります。そういうところで勤務しているためであろうと思うのですが、三年の間に三人も死亡をしているという実例を聞いたわけです。
 そして地震の観測体制については、日本の総予算の中で、予知対策のほうについては九億円程度しかないということも、新聞等で知っております。いま聞きますと、定員の増もなされておらないようでありますし、金額的にも、一千万円程度というものが動いていないようであります。ということは、政府自体がこの桜島の問題を、事前にそれを知ることによって災害を少しでも減らそう、そういう意欲的な取り組みがまだされていないということが四十八年度予算の中に出ているのじゃないか、そういうように受け取らざるを得ないわけでありますが、総理府の副長官として、防災については一番あなたが権威を持ち、責任を持っていただいておる立場からいいまして、この問題についての御所見をひとつお伺いすると同時に、今後どのように対策を立てていくのかということを、ひとつ決意のほどを承りたいわけです。やはり地震は、近いうちに大爆発があるであろうという予測をしているわけです。そういうのを的確に知ることがまず、人命を尊重をする政治につながってくると思いますので、その点についてのお答えをいただきたいのです。
#16
○小宮山政府委員 地元住民の方々がたいへん不安におびえているということも、私たち存じ上げておりますし、先ほど高鳥委員の御報告、また先生の御質問の中にも、その様子はわかっております。
 地震研究というのは、学問的にもまだ十分ではございません。政府といたしましても、ニカラグアの地震にも研究調査団を派遣し、また数年前の松代地震のときに、東大地震研究所等が、旧参謀本部の地下壕の中で長いこと研究してまいりまして、そのときにも、大きな地震が起きるだろうという見方もございましたけれども、たいへん流動的な動き方をいたしまして、いまだに結論というものが出ていない。
 私も、桜島噴火については大正三年の噴火に近いというような御報告をいまいただいて、まず第一に防災会議の事務局としては何をすべきかということが、私たちにとっての一番重要な事項であろうということで、避難体制というものを一番最初にやらなければいけない、それからその地方の整備というもの、それから被害に対してどういうふうな形で農民の方々を支援できるであろうかというような問題を、鋭意検討をいたしているところでございます。つい最近も、避難道路等について、県、町村に、早く案を固めて出してもらえるように要望いたしておるところでございますけれども、地震問題については、そういう条件の悪いところで働いていらっしゃる人間のローテーションの問題をひとつ考えざるを得ないのではないかと思いますので、この点も文部省と話し合って、そういう形でできるような方向に進めたい。
 特に事務局といたしましては、防災体制に全力をあげて今後ともつとめていこうという考え方でございます。
#17
○村山(喜)委員 防災体制ということになりますと、避難関係を中心にしてお考えになるだろうと思うのですが、いま文部省のほうでもそういうような実情にあります。なるほど、七名を配置願いましてやるということは、他の研究所等に比べたら、これは比較的に見たら、二名ないし四名に対して七名ですから、多いことは事実であります。しかし、多いからといってそれで十分であるかといえば、いま話が出ているような状態ですから、やはり文部省あたりも、もっとこういうような面にお金をつけてもらうような交渉を、大蔵省との間に進めていただきたいと思うのですよ。その点については、私たちも協力をするのにやぶさかでないわけですから、やはりもっと人命尊重――学問の研究の水準から見ましても、日本の火山の予知学というのは世界ではすぐれているのだけれども、予算が少ないためにアメリカに先を越されているというようなこともいわれているわけですから、そういうような点については、特に、今後問題が出ないうちに早く措置をしておくべきであるという意味から、もっと強い態度で臨まれるように要請をしておきたいと思います。
 そこで、次に避難問題でございます。
 避難計画を見てみますと、鹿児島の市内の場合には、東桜島地区ですが、ここは四千九十四名、それに観光客を入れまして五千六百十一名の避難計画をつくっているようであります。西桜島のほうは七千百八十一名の避難計画を立てておるわけであります。
 この避難計画の中で、まず避難港の問題であります。避難港といたしまして、現在、鹿児島の東桜島地区に港が十あります。接岸施設のないのが一つありますが、あっても、二十トンの船しか着けないような程度のものもございます。西桜島のほうは十三港、そのうち施設のないのが三港というような形で、東桜島地区のほうは、二十トンの船しか着けないようなところが九カ所もあるわけであります。
 そこで、先ほどの報告書を拝見いたしますと、湯之持木港、古里港、塩屋ケ元港、高免港、野尻港、こういうようなところが計画されているようであります。中には現在災害復旧でやっておるところもございますが、これはいずれも鹿児島市地区に入ります東桜島地区の港であります。ところが、西桜島村の四カ所の避難港は、整備の必要があるのだということがいわれながら、白浜、西道、武、赤生原というところにヘリポート的の避難所ほどの避難港をつくるのだという計画だけは出ておりますが、具体的に、それが予算の上においてもまだ実現を見ていないようであります。
 そこで、運輸省にお尋ねをいたしたいのですが、派遣報告の中にあります計画の中に入っておりますものは、現在、四十八年度でどれだけの予算措置を講じていらっしゃるのか、その点についてまず伺いたい。緊急整備を行なうようになったというふうに書かれておりますが、それはどれだけの規模で、いつでき上がるのか、その点についてお尋ねをしておきたいと思います。
 なお、いま私が読み上げましたそのほかの地区についての港の整備は、どういうふうにこれからやろうとしているのか、その点についてもお尋ねをしておきたいと思います。
#18
○鮫島説明員 まず、四十八年度に予算措置をしております港湾について申し上げますが、塩屋ケ元港、六百万円で着工したいということでございます。これは四十九年度に完了ということになるかと思います。高免港、二千四百万円、これは四十八年度に完了いたします。湯之持木港、三千三百万円、これは四十八年度で完了する予定でございます。古里港、三千百五十万円、これも昭和四十八年度で完了する予定になっております。
 次に、それ以外の港でございますけれども、実は私ども、先日、先生方のお供をいたしましたときに、初めてほかの港の要望というものを伺ったわけでございます。これらの港につきましては、実は現在、運輸省の港湾でございません。したがいまして、まず港湾管理者を設立し、港湾区域を定めるということが、予算をつけます出発点になるわけでございます。それと、測量等につきましてもまだ十分に行なわれていないというようにも伺っておりまして、したがって、そのような港湾管理者の設立、港湾区域の設定及び技術的調査に基づきます具体的な整備の計画というものがはっきりいたしました段階で、私どもそれを伺いまして措置を考えていきたいと思います。この点に関しましては、特に村と県との間でまず十分に計画を詰めていただくということが先決であるというふうに、私ども感じたわけでございます。
#19
○村山(喜)委員 大体わかりました。やはり港湾管理者をきめ、区域の設定をやり、整備計画をつくる。あるいは県知事が指定をする場合もありましょうし、そして実施計画等をつくり上げていかなければならないわけでありますが、そういうような地元の体制がまだ十分にできていないようににも承るわけであります。そういうような点については、ただ、こういうところに港をつくるからよろしく頼みますということでなしに、もっと的確に、ここを港湾として指定して、避難計画ではここから何名の者を乗せるんだ、だからそれにふさわしいところの港の整備計画はこういうようなものなんだということを、やはり県の指導あたりで的確につくり上げて、それを運輸省のほうで促進をしていただく、こういう体制をつくっておいていただきたいと思います。そうでなければ、まず港がないと、大正三年の噴火のときにも、現地で聞いた話でありますけれども、軽石が一メートル五十ぐらい積もって、その軽石の上を渡りながら、沖のほうに待っている船にたどり着こうと思ったら、その間に落ちて死んだ者が、あるいは行くえ不明になった者が相当おるということも聞いております。したがいまして、二十トンクラスの船しか着けないような港があるし、それが九カ所もあります。そういうような状態の中では、幾ら配船計画をつくってみましてもどうにもならないわけでございますから、特に緊急を要する問題でありますので、運輸省におきましては、万全の対策を地元のほうと打ち合わせをしながら進めていただきたいと思いますが、今後の問題についての取り組みの姿勢はいかがでございますか。
#20
○鮫島説明員 先生いま御指摘のとおりだと思います。ただ、御承知のとおり、港湾の整備につきましては、あくまでも、港湾管理者が第一義的に発想いたしまして、国はそれを助成するという立場でございますから、県、村が中心になってよい計画が生まれますように、私ども当面は指導していきたいというふうに考えます。
#21
○村山(喜)委員 これらの建設に必要な資金の問題は、いま地元が三分の一、県が三分の一、国が三分の一という費用分担になっているようであります。そういうような状態であればあるほど、これについての財源的な措置を、また小委員会等におきまして、いろいろ関係者の意見等も聞きながら今後の問題として詰めていかなければならないということを、意見として申し上げておきたいと思います。
 そこで、次は道路の問題であります。
 桜島港から赤水間の道路新設をやってくれという陳情書も来ております。これについては、特に環境庁の自然保護地域として特別地域指定をされているようでありまして、そういうところの溶岩を一つでも動かすことが法律に反するということになれば、道路をつくろうにもつくれないわけであります。必要性があると私たちも思うのでありますが、そういうようなものに対する環境庁の取り組みの姿勢についてお伺いをしておきたいと思います。
 同時に、私も初めて島内を一周いたしてみましたが、国道のほうは、わりかた道路幅はあるようであります。しかし、県道並びに市道、村道、これの道路はきわめて狭いわけであります。県道などにいたしましても、大型のバスは、ようやくすれ違いができるという程度であります。溶岩が流れてくる、そして大混乱が起こる、そういうようなところで火災が発生する、道路は寸断されるというような事態が予想されるわけであります。となれば、それに対して道路を拡幅をし、あるいは舗装をして、災害の場合に渋滞が起こらないようにしておかなければならないと思うのです。そういうような道路整備の計画の問題、拡幅やそういうもの等の計画はでき上がっておりますかどうですか。
#22
○新谷説明員 御指摘のございました道路の問題については、大正溶岩が流出いたしましたところが固まって、わが国でも非常に特異な地形を呈しているところでございまして、自然保護上の要請もたいへん強い場所でございますけれども、今回の問題は、言うまでもなく事人命に関する重大な問題でございますので、その道路が、桜島全体の防災計画の一環といたしましてその必要性を十分位置づけられたものであれば、当然のことでございますけれども、単に自然保護上重要だということでなくて、そういう観点も十分考慮いたしまして結論を出したいというふうに考えております。
#23
○松村政府委員 お答えをいたします。
 避難道路の関係でございますが、道路につきましては、現在、県道関係については改修工事を進めておりますので、さらにこれを継続し増強していきたいと思っております。それから市町村道関係につきましては、これに必要な資料等を県と現在打ち合わせ中でございますが、このうち緊急を要するものについては、本年度一部着工する予定になっております。
#24
○村山(喜)委員 道路に拡幅をされ、舗装もされたりして、スムーズに通れるようになった。そして、港までの間は距離があるわけですが、そこは市道なりあるいは村道で結ばれている。着のみ着のままで逃げ出すわけですが、方々で火災が発生することは間違いない。そうした場合、その避難道路が渋滞をしておったら、船のところへたどり着くまでの間に焼け死んだり、あるいは災害のために負傷をしたりする。そういうような緊急の事態を予測をしておかなければたいへんですから、緊急不可欠のものについては、県のほうを通じまして相談があるだろうと思います。きょうは河川局長しかおいでになっておりませんが、これは道路局に関する問題であろうと思いますから、建設省のほうで万全の措置を講じていただくように要請を申し上げておきたいと思います。
 それから、次に避難の集会所の問題であります。これはどこになるのかわかりませんが……。
 コンクリートの壁をつくりまして火山弾が落ちてきてもつぶれないようなものを、あっちこっちにつくっておかぬと――この前、古里のところに行きましたら、ホテルとホテルの間に、三トンくらいの大きな岩石がすとっと落ちている。あれがホテルにまっぽし落ちたらたいへんなことになっただろうと思っているわけであります。いま子供たちは、ヘルメットをかぶって行きかいをしているわけであります。そうして、いざというときには、学校の鉄筋の建物に結集をする方法もありましょう。しかし、そういうような建物がないところは、部落ごとに避難のための待避の施設を、避難集会所をつくらなければならないだろうと思うのであります。こういうようなものについてはどこが責任をもってお考えをいただくのでありましょうか。その点についてお尋ねをいたしたい。
#25
○小宮山政府委員 新しい問題でございます。総理府のほうで担当をきめるように考えておきます。
#26
○村山(喜)委員 万全の措置をとりまして、もうこれはむだではないかと思われるような万全の措置を講じた上で天命を待つという体制をとらなければならないのが、火山対策であろうと思うのであります。いままで日本の災害対策というのは、風水害の災害の復旧対策が中心でありました。そして、こういうような火山活動等に伴う災害対策、未然の防止措置というものについては、委員長もお触れになっておりますが、きわめて立ちおくれているというのが実情であろうと思うのであります。そういうような意味から、今後再び大正三年の大噴火の災害を繰り返してはならないと私たち考えますので、小宮山副長官を中心とされまして、桜島対策の問題については万全の措置をこれからもとっていただきたいということを要請を申し上げておきたいと思います。
 農林省関係もお見えになっていただいておりますが、農作物の被害の状態はきわめてひどいものでありまして、ミカンからビワからそれにエンドウ類から、大根にいたしましても、桜島の特産というものはほとんど全滅状態で、幾ら土地改良をやりまして、酸性土壌を中和してみたりいたしましても、地球が存続する限り、いまのところ桜島の火山活動は続くということを市長も言っておりましたが、噴煙は絶えず下のほうにおりてくるわけであります。それは亜硫酸ガスを含んでいる。そして希硫酸水となって水が注がれてくる。そして噴霧のような状態になりますから、ビワのはだのところに毛のようなものがついておりますが、そこに滞留するというようなことで、ミカンをビワに切りかえてみてもだめなんです。
 そういうようなことを考えますと、一体、桜島地区における農産物は何をつくればいいのかという的確な指導が必要な段階に来ているのではないかと思うのです。それに対してどういうような御指導の方向をお持ちになっているのか。
 そして、いま、災害を防ぐためにビニールハウスなんかをつくりましたりあるいは水を注ぐようなスプリンクラーのようなものを敷設をしたりして、最大の努力をしているのが住民の姿でありまして、雨の中にぬれながら被害を受けた農作物を持ってくるその姿を見ましたときに、これは天災だからしかたがないという姿で受けとめられたのではたいへんだと思うのです。それをいかにして災害を最小限にとどめるかということについての方針をどういうふうにお持ちになっているのか、その基本的な考え方をお伺いをしておきたいと思います。
#27
○二瓶説明員 お答えいたします。
 桜島の爆発に伴う被害、ただいま先生から御指摘のございましたように、桜島の主作物でございます温州ミカンなりあるいはわせミカン、それからビワ、サヤエンドウ等、農作物に相当大きな被害が出ておるようでございます。今後とも、こういう噴火の危険性というのはあるわけでございます。したがいまして、今後この桜島の営農をどう持っていくか、また基幹の作物をどう持っていくかという問題は、非常に重要な問題であろうかと思います。
 ただ問題は、従来ともこの桜島におきましては、ただいま申し上げましたような農作物が、それぞれ基幹の作物として、この土地に非常に適した作物ということで営農が進められてきておるという実態もございますので、今後こういう降灰の状況等を十分考えながら、さらにまた地元の意向というものも十分取りまぜて、国をはじめとして県等とも十分打ち合わせの上、今後の営農のあり方というものを十分詰めてまいりたい、かように考えるわけでございます。
#28
○村山(喜)委員 まだこの面からも、具的体な対策というものはさほど講じられていないように受けとめられるわけであります。天災融資法は、三十億円以上の被害がなければいかぬとか、二県以上にまたがる災害でなければだめだとか、激甚災の対象のワクからもはずれるというようなことで、被害総額が五億円程度でございますからそう大きな被害でないということで、現行の法体系の中では救済ができない、そういう姿になっております。
 ところが、台風なりその他の災害、風水害の場合には、一年に一回なんです。あくる年も続いて来ることもありますけれども……。しかしながら、この場合には、これから、桜島の火山噴火がやむまでの間は、毎年それが続くということになります。風水害の場合とは格段の違いがそこにあるわけです。そういう点から、特殊性という問題をもう少し法体系の中で救済する方法を考えることはできないかということについては、立法府にある私たちのほうでも、あるいは行政府の皆さんのほうでも考えていただきたいと思うわけだし、また、被害を最小限に食いとめるためにどういう措置を講じたら農作物ができるようになるのかということについても、農林省はもっと的確に指導をしていただき、財源的な賦与も含めて検討しておいてもらわなければ、いまのままの姿ではどうにもならない、そういうふうな感じに私はなります。その点について、小宮山副長官はどのようにお考えでございましょうか。
#29
○小宮山政府委員 桜島の噴火に対しての立法措置については、再三再四当委員会の中でも問題になっておるのを承知しております。私たちとしましても、関係各省といろいろ意見の交換もやっております。
 確かに先生のおっしゃいますように、たいへん長期にわたる問題でもあるし、しかし現行法では、天災融資法、激甚法は適用できないという難点もございます。そういう観点から考えていきますと、何らかの措置を考えなければいけないようにも感じますし、かつ、先ほどの農業を営む方々の農作物の問題も、酸性土壌の上でそういうような形で農業ができ得るのかというようなことも、先ほどの高鳥委員の御報告のように、できれば水平思考的なものの考え方で新しい構想を打ち出す必要もあるのではないかというふうに私は考えております。
#30
○村山(喜)委員 桜島の問題につきましては、また後ほど高橋委員のほうからもお触れになるだろうと思いますので、この程度にとどめたいと思います。
 時間の関係もございますので次に移らしていただきますが、ダム対策の問題を簡単にお尋ねしておきたいと思います。
 現地に参りましたときに、住民の人たちがプラカードを持ってまいりました。そのプラカードを見てみますと、ダムには四千五百万円でございますかの補償をしながらわれわれには補償しないじゃないか、けしからぬじゃないかということが書いてあるのもありました。
 そこで、通産省にお尋ねいたしますが、この前、水位を百三十一・七メートルでございますか、暫定的に、災害が発生しましてから降雨期の間下げてまいりました。その場合に、建設省のほうでいろいろ計算をされて、通産省の水力課のほうにおいて積算をされたようでありますが、電源開発会社に対しまして支払った金額は幾らになったのか。また今後、降雨期の間においては、そういうような治水能力をふやす意味において、水位を下げるということで操作規則の改正をやるという作業がどの程度に進んでいるのか。これについて、建設省並びに通産省のほうからお答えをいただきたいのであります。
#31
○吉田説明員 お答えいたします。
 昨年七月半ばに建設省のほうから、緊急な措置としてダムの水位を下げて治水に協力するようにという要請がございました。通産省といたしましては、その趣旨を尊重いたしまして、直ちに建設省との間に覚え書きを交換いたしまして、水位を低下して治水に協力するという措置を講ずることといたしました。その結果、鶴田ダムにございます川内川第一発電所、電源開発会社の所有する十二万キロワットの発電所でございますが、水位を下げて治水に協力したためにおよそ一千百万キロワットアワーの減少があったということでございます。その件につきまして電源開発株式会社が建設省のほうに、この減電分につきまして何らかの措置をとれということで申し入れて、建設省のほうと電源開発会社のほうとで合意が成立して、それに対して金が支払われたということを聞いております。通産省としては、直接この問題についてタッチして金額等を決定している立場ではございません。
 なお、ございましたダム操作規程の変更につきましては、建設省のほうから、恒久的な措置として、ダムの操作規程を変更して治水に協力するような方向で考えたいという申し入れがございまして、建設省の治水の協力要請に応じまして、今後恒久的な措置として、従来電源開発会社が持っていたダム使用権を変更するということについて、現在ほぼ合意に達しております。
#32
○松村政府委員 昨年の七月から八月末までの間、水位を下げました。これにつきましての経緯等につきましては、ただいま通産省のほうから話したとおりでございまして、これに対する金額四千五百万円につきましては、建設省と電源開発株式会社との間の話し合いによってきめたわけでございます。
 多目的ダムにおきましては、御承知のように、ダムの使用権というものを発電についても与えております。したがいまして発電関係は、このダムを使うことにつきましての一定の権利を持っているわけでございますので、この内容を変更いたしまして、低触して水位を下げるというようなことになりますと、これは当事者間の同意が必要となってくるわけでございます。それで、その同意の内容といたしまして、やはりそれに対する損失と申しますか、これの補償が必要になってくるということから、私どものほうはこの措置をとったわけでございます。
 なお、今後の対策についてでございますが、この鶴田ダムの操作規則を改正いたしまして、水位を約百三十一・五メートルですかに下げるわけでございますが、これにつきましても話し合いをつけまして、現在、これはほぼ同意に達しておるということでございます。したがいまして、ダム使用権の内容の変更を今後いたすことになると思います。これに対しまして、使用権の一部を実はこちらに買い上げると申しますか、あるいはこれを補償すると申すのがよろしいか、どちらかちょっとはっきりわかりませんが、いずれにしましても、これの対価を建設省のほうから支払うことになると思います。ただし、これを分割払いにするかあるいは一時金にするか、この辺のところにつきましては、今後の話し合いによってきめることになるかと思います。
#33
○村山(喜)委員 そういうようなことで、四千五百万円が電源開発株式会社に支払いがされた。それはダム使用権という一つの物権に対する補償である、あるいは借り上げ料というのですか、そういうような意味のものであって、ダム建設をした場合のそういう出資金等の費用分担の関係から出てくる一つの権利に伴う補償措置であろうと思うのです。そのことを、私たちは否定をしようとは思っておりません。
 そこで私は、そういうようなダムをつくりますときの基本計画、この基本計画の中でそういうような権利取得の問題が当然出てくるわけでありますから、多目的ダムを今後考えていく場合においては、そういう出水期においては住民の命や財産をまず守るという立場から基本計画を考えて、それからあとの利水計画というものを立てるべきではないか。いままでの多目的ダム建設の基本計画というのは、費用分担に伴う物件の権利をいかにして満たしてやるかというような立場からつくられていたように、私たち見受けるのであります。そういうような意味において、今後、ダム建設の方向については、洪水期においては住民の生命財産を第一義的に考えるのだという考え方を基本として立てなければならない段階に来ているのではないか、鶴田ダムの大災害は、そのことをわれわれに教えているのではなかろうかと思うのでありますが、それについての河川局長の所見を承りたい。
#34
○松村政府委員 私も、先生の御意見に同意でございます。ただ、私どものほうといたしまして、従来の多目的ダム、特に治水を含みます多目的ダムにつきまして計画を立てる際には、治水をないがしろにするというか、ほかの利水のみを重点に置いたというわけではございません。ただし、これは、ダムを含めましての河川計画全体の問題でございますが、最近、河川の流出量、こういうものが非常にふえておることも事実でございます。そういうようなことから、全国の河川計画、洪水量、これの見直しをやっておりまして、徐々に改定をしておるわけでございますので、今後の多目的ダム計画につきましての治水分につきましては、さらに十分治水上の要請が満たされるよう、安全率を高めたものにやっていきたいというふうに考えております。
#35
○村山(喜)委員 これで私、終わりますが、金丸委員のほうから関連質問があるそうでございますので……。
#36
○大原委員長 関連して、金丸君。
#37
○金丸(徳)委員 ただいまの村山先生の御質問に関連いたしまして、一、二点お尋ねさせていただきます。
 実は私も、今回の視察団に加わりまして、現地をつぶさに知ることができました。鹿児島県の皆さんが、言うなれば火攻め水攻めにあっておる実情を、まのあたりに見せてもらいました。あらためて、防災計画のいかに緊切であるかを痛感いたしたものでございます。わけても桜島につきましては、学校へ通学する子供たちが鉄かぶとですか、かぶっているのです。それほど戦々恐々として暮らしておる。これはたいへん重大なことでありまして、一刻を争う対策が必要であろうと思います。いままでの村山先生の御質問の中でそれは尽くされておるのでありますが、私もまた、それをお願いせざるを得ない心境でございます。
 私は、時間がきわめて短いものですから、鶴田ダムについてお尋ねさしていただくのでありますが、これについては、昨年、災害発生後、本委員会におきましても、またその他の場におきましても、いろいろな角度から検討されております。あらためてお伺いいたしたりすることがかえっておかしいやの感さえいたすのでありますが、私は、今度一行に加わりまして現地に入りましたときに、あの川内川の災害事件というのが、ただいまの御質問にもありましたように、ダム操作上のミスが多いんだということを、ほとんど現地の被災者は信じ切っておるようであります。それにもかかわらず、その被害対策が十分に現地の人々の要望に沿いかねるような状況の中で今日に及んでおるにかかわらず、一方におきましては、電源開発についてはすでに補償の額がきまり、あるいは支払われておるじゃないかということであります。片や、その日の暮らし、これからの命にも関するような緊切な問題が未解決のままであるのにかかわらず、片は、得べかりし、あるいは得べかるところの利益が得られないからといって、すでにその補償が話し合いがつき、実行されておる。これは理屈上からそういうことであろうと思うのですけれども、被災者の感情からいたしますとまことに解せない、不公平きわまる、あるいは不人情きわまることのように思われるのではなかろうか。
 私は、そこに政治の大事な問題があるのではないかと思います。理屈上からは支払わなければならない補償額であると仮定いたしましても、あの、まことに目をおおうような災害を受けて、しかもそれに対する補償が十分でない、しかも、またことし、目の前に来ているところの災害期を控えて、さぞ、あの人たちは、政治というものに対して、政府の措置というものに対して、不満足の念を持っているだろうと思われますが、この点、いかがでありましょうか、この機会を通じて、現地の人々にひとつお呼びかけをいただければありがたいと思います。小宮山副長官の御所見を承ります。
#38
○小宮山政府委員 鶴田ダムの問題の電源開発と建設省の問題については、河川局長に説明をしていただきますけれども、私も昨年、災害を受けた当初すぐ参りまして、つぶさにその状況を見てまいりました。たいへんな災害でございます。川内川については、上流、中流、下流と、いろいろな利害関係もございます。また、これを河川改修するということもたいへんな仕事でございますので、われわれとしては、応急の措置ということでいろいろな手当てをしてまいりました。
 現段階においては、今度は河川改修をすべきだという――どういうふうにするか、なかなか意見がまとまらない。また、湯田の地域の温泉街の問題についてどうすべきかということも、地元の意見を尊重して今後ともやらしていただきたいと考えております。
#39
○金丸(徳)委員 この問題について押し問答しておったり、しつこくお尋ねしておりますと時間がありませんので次に進めるのでありますが、私は率直に、現地でもって状況を見ておりまして感じ取りましたことは、あの思いがけないほどの雨量が川内川上流、中流に降ったのであります。その降った雨量について、したがって水量について計測がはたして十分になされておったのかどうか。そこには雨量計があり、あるいは河川には流量計があるに違いないのであります。しかし、その雨量というものが正確に十分に時々刻々通報せられて、それが集計されて、そして上流におけるダムの操作に効果あらしめたのかどうか。多目的ダム、特に洪水調節上の配慮がなされるだけの資料が集積されて、それが利用されておったのかどうか。河川局長のほうで、その時々刻々の雨量集計、そしてそれがダム操作上影響しておったということは、数字に明らかになっておると思うのでありますが、総括的にいかがでありますか、要点だけでよろしいからお聞かせをいただきたい。
#40
○松村政府委員 ダムの上流には必要な地点に雨量計を設置しておりまして、それはダム管理所に自動的にその雨量が入るように、テレメーターと申しますか、伝わるようになっております。また、水位関係につきましても、必要なところに水位計が設けてございまして、これも自動装置によりまして記録されておるわけでございます。また、ダムの放流その他によりますゲートの開度、これらもすべて自動的に記録されるようになっておりまして、これらをあわせましてダムの操作を行なっております。
#41
○金丸(徳)委員 確かにそういう仕組みにはなっているだろうと私も想像いたします。ただ、当日の朝、下流のほうでは、特に災害を受けた湯田地区においては、ダムの開扉が広がって放流が多くなる前に、すでにかなりの水量に達してきておった、危険水位にまで達してきておったということが、現地の人々から言われておりました。だから、一ぱいのところへ上からさらに上に雨が降ったからということで多く放流されてきたのだ、これでは、われわれがこういうふうな災害を受けるのは当然じゃないか、どうしてくれるんだということであります。この点についてはどうでありましょうか。雨量の測定が、上流においてもあるいは中流においても不完全であった、それが一つ。同時に、その通報関係というものが不十分であったのではないか。あそこの管理所長は、下流の状況がどうであったかは通報を受けておりませんということを、現地の人々に答えておるようであります。この点はいかがでありますか。
#42
○松村政府委員 ダムの上流関係のデータは自動的に十分入っておりまして、これによりましてダムの放流を決定するわけでございますが、また、下流のデータももちろん入れているわけではございます。しかし、これは上流ほど十分ではなかった点があるかと思います。ただし、この鶴田ダムの場合は、この朝に相当の雨雲が一時的にふえていることは事実でございます。しかし、ダムから下流に達する時間等もございまして、これが局地的にふえているものでございますから、これに到達するのに操作等が少しズレがございます。その辺のところ、こまかい調節になりますと、これは多分に問題と申しますか、予測が多少ずれる点はございます。しかし、全体といたしましては、ダムの放流は、下流、上流なべまして放流いたしまして、下流の水量が危険になる際にダムの放流をよけいにするということはございません。ただし、その際に、ダムの流入量はものすごくふえてきます。したがいまして調節はよけいになりますけれども、放流量自体は、これはダムの機能上どうしてもよけいにならざるを得ない。もしそれが、その際にもさらにしぼって流しますというと、ダムが早く満水になってしまいまして、大量な放水をしなきゃならぬ事態が起こることがございます。今回はまさにそれでございまして、計画洪水量をはるかに上回った水が来ましたので、ダムが実は満ぱいになってしまいまして、入った水をそのまま流すという事態が、わずかな間続いたわけです。
#43
○金丸(徳)委員 私は、実は気象のことなんかについては全くのしろうとであります。ただ、あそこへ行って直観されましたことは、中流、湯田地区以下にもかなりの雨が降って、そしてそれが、雨量として雨量計に計算された以上のものが降っておるのである、その流域全体として見ますれば。そんな感じがいたしました。同時に、あのダムから上流におきましては、もっとそういう現象があったのではないかと思うのであります。現地へ行って管理所長に聞きましたときに、雨量計は幾つ、どの方面にあるのか。何か五カ所あったんだそうであります。広い個所に五カ所で、そうして、いまのように非常に局地的、集中的に大雨が降るというような場合においては、たまたま雨量計のあるところに、全体を予測せしめるようにうまいぐあいに降ってくれればいいんですけれども、雨量計のところには比較的少なかった。雨量計のないところによけいに降ってしまって、雨量計が示す以上の水がダムにも流れ込んできた。それから、中流の川にもそういう現象が起きた。それが今度のような思わざる水となり、思わざる災害を来たした原因の一つではなかろうかとも思ったのでありますが、そういう点はどうでありましょうか。五カ所の雨量計を基礎として推計された流域の雨量全体と、実際にあのダムに流れ込んできたところの水量との比較はどうでありますか。うまく合っておりましたか。あるいはその差はどれくらいあったのでありますか。あなたのほうでは時々刻々においてそれをつかんでおったはずです、大事なダムですから。それをつかまなければ操作の正確は期し得ない、そう思うのですが、いかがでありますか。
#44
○松村政府委員 確かに雨量計の設置の密度と申しますか、これによりまして、局部的な降雨、特に雨の多いところに雨量計がなかったというような事態はございます。これにつきましては、私どものほうといたしましても、さらに雨量計その他の増設と申しますか拡充についていま検討しておりまして、いま上流五カ所というのを約倍くらいにする予定で、さらにこれの正確を期したいというふうに考えております。また、下流につきましても、これは河川事業といたしましてさらに雨量計等の増設、これをまた考えております。
 今回の雨量から算出した数量と実測したダムの地点における降水量との差、これにつきましては、いま私どもの手元にデータがございませんので、御必要でしたら、また後ほど先生のほうにでもお届けしたいと思います。
#45
○金丸(徳)委員 私は、これから非常に問題になるところの多目的ダムの利用関係、したがってそれは洪水調節のためのダムの操作上大事なキーポイントになろうと思うものですから、そういう意味におきましても、雨量の正確さは、これこそ十分に緊密に、時々刻々あらわれるようにしていかなければなりませんでしょうし、これは何もダムの上流ばかりでなくて、中流、下流においても、そういうことの正確を期さなければならない。そこに何かミスがあったとしまするならば、それは、私は、国として、管理者として大きな責任を感ぜざるを得ないのではないかと思います。あとでいいですから、これはぜひそういう観点からしまして、昨年のあの災害というものの原因をていねいに、これは率直に世間に発表すべきではなかろうか、今後における対策の基礎にしていかなければならないと思うのであります。
 同じような観点からもう一つ。あそこには、上のほうのあの地質からいきまして、雨量計に示された以上の何かが相当数流れ込んできておるのではないか。いうところの土石流というようなものはどの程度計算しておりましょうか。雨量計の集計は百であったのだ。しかし、それにプラスするところのいろいろな流れ、あの大水ですからたいへんなものがあって、その集計以上の水が、水といいますか、流れ込むものがあった。だから水位はたちまちにして上がってきた、こうしろうとには思われるのであります。
 同時にまた、そういうこまかいといいますか、そういうことから見ますと、あのときのダムにおける水圧というものは、普通の水圧ではないと思われてならない。まるで土を含み、土砂を含んだ重いやつが流れ込んでくるわけですから、同じ百立米でも、そのゲートに及ぼす圧力はなみなみならぬものがあろうかと思う。そういうものを計算して、下流に及ぼすところの流量というものを判定されておるのかどうか。依然として同じような、静かなる水の圧力としてゲートの流出量というものを計算されたのかどうか。あそこは、水位が十メートルなり二十メートルに上がりますと、水面が広いものですから、全体の圧力というものはたいへんだと思うのですね。その圧力が、静水の場合の圧力で計算されたのと、土砂を含んだたいへんに重い水で計算された圧力とでは、ずいぶん違う。したがって、同じ広さのダムでも、流れ出す水というものは容易ならぬものがあろうと思うのですね。それがたまたま、中流における思わざる水と一緒になってああいう思わぬ水の量となったのではなかろうかなどと、しろうとには思いつかれたのでありますが、この点はいかがでありますか。
 私は、あとの質問者に差しつかえてはなりませんから、そういう点だけを承りまして、後日また、この点についてはもう少し掘り下げてお尊ねいたしたいと思うのでありますが、大体のところだけを伺いたいと思います。
#46
○松村政府委員 ただいまの、土石流その他によって流量が特にふえるということは、ダム地点のように相当面積がございますところでふえるということは、まず考えられないと思います。
 それから、ダムの貯水池は相当広い範囲がございます。これに対しまして土砂の堆積というものはもちろんございますけれども、ダムから放流される水はもちろん相当濁っております。おりますが、ゲートの開度を同じにいたしまして、静水の場合と、流量についてこれによって大きく違うことはあり得ないと私ども考えております。
#47
○金丸(徳)委員 その点について議論しておるといけませんから、きょうは、私はこれで一応終わらしていただきます。といいますのは、あそこの現場におきまして私は深刻なる印象を受けて帰ったものですから、その印象をそのままにお尋ねさしていただきました。
 後日あらためて質問さしていただくことにして、きょうはこれで終わります。
#48
○大原委員長 次は、高橋繁君。
#49
○高橋(繁)委員 後日、小委員会等でさらに審議を具体的にされると思いますから、その小委員会の審議に先立って、お聞きしたいことだけ簡単に聞いて終わりたいと思います。
 農作物の被害がかなり出ております。先ほどの報告にもありましたが、天災融資法及び激甚法の適用については、なかなか適用されない。現行制度上可能な限りの措置を講ずるということになると、いま桜島に起きております農作物の被害については一体どの辺まで救済できるのか、その辺について農林省の見解を聞きたいと思います。
#50
○二瓶説明員 お答えいたします。
 今度の災害に対する対策のうち、まず最初に金融対策でございます。
 金融対策といたしましては、一つは、制度的には天災融資法がございます。いわゆる経営資金に対する融資という制度の道があるわけでございますけれども、ただ、この天災融資法につきましては、先生も御案内のとおり、今回の災害については、被害地域が局地的である、あるいは被害金額が少額であるというようなことから、天災融資法の発動は困難でございます。したがいまして、県のほうにおきまして、県単独事業といたしまして、農業振興資金制度というものを活用いたしまして経営資金の融資を行なっておるわけでございます。
 それから、金融対策の第二番目といたしまして、自作農維持資金という制度がございます。これは、災害等によりまして、農地等を売り渡すというようなことがなければ資金調達できないというような、農業経営に非常に著しい支障を及ぼすような場合に融資する制度でございますけれども、今回、この面につきましても県等にも照会をいたしたわけでございますが、資金需要はございませんでした。
 それから、第三番目の融資措置といたしまして、降灰等によります被害の防止にも資するというようなことで、果樹等につきましてビニール被覆をやりたい、これに対する資金について融資なり補助なりという要請があったわけでございますが、これにつきましては、いわゆる農業改良資金という無利子で貸し付けます制度がございまして、これの特認事業ということで融資をいたしておるわけでございます。
 以上が金融関係でございます。
 それから第二番目に、降灰除去のための散水施設の設置、これにつきまして要請等があるわけでございますけれども、この目的に照らしますと、実は相当の雨量が――雨量と申しますか、水量が必要なわけでございます。問題は、それほどの水が得られるかどうか、これが先決でございます。現在も、多目的スプリンクラーの設置事業とかいろいろな補助事業がございますけれども、何といいましても水が得られるかどうかが先決でございますので、現在、県のほうで水源探査をやっておるそうでございますが、この調査結果を待って対処をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
 それから、三番目に樹種転換の苗木助成措置であります。いわゆるミカンからビワに転換をしたい、このための苗木を助成してほしいという御要望を承っておるわけでございます。これにつきましては、品種等更新共同育苗事業という補助事業がございます。したがいまして、共同育苗で苗木を養成しようということでございますれば、具体的に計画が上がってまいりますれば、前向きに検討いたしたい、かように考えております。
 それから、酸性化の矯正対策であります。酸度矯正に必要な資材、石灰のようなものでございますが、こういうものに対する購入費の補助という要望もあるわけでございます。ただ、従来国といたしましては、これがきわめて零細な補助になるあるいは個人補助になるというようなこともございまして、現在は、こういう資材購入に対する補助はやっておらないわけでございます。そういう事情も踏まえましてか、県のほうといたしまして、石灰を現物支給するというような措置をとっておるように聞いております。
 それから、集荷場の建設その他につきましては、実情に応じまして農業近代化資金、こういうようなものの融資というような、既存の制度を十分活用して対処してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#51
○高橋(繁)委員 私が聞きたいのは、いろいろあるでしょうけれども、ああした常時やってくる災害、特に地震が原因しているところの災害については、天災融資法、激甚法ではなかなかできない、いろいろな点でむずかしい点があるわけです。そこで、これらの救済については何らかの別な方法を考える必要がないかと思うのですが、その点について簡単にお答え願います、あるならある、ないならないと。
#52
○二瓶説明員 現在の災害対策は、風水害とかそういうものに対する対策を軸にしていろいろな制度が仕組まれております。したがいまして、今回のこの桜島のような噴火あるいは降灰、しかもこれが相当継続的に続くというようなのは、まさにそういう特性があるわけでございますが、現在の制度がそういうふうなものを軸にして仕組まれておりますので、どうも隔靴掻痒の感が確かにあるのは事実でございます。私たちとしましても、今後、こういう噴火対策といいますか、こういう面での農作物対策、こういうものはどうやっていくべきか、十分検討させていただきたい、かように思います。
#53
○高橋(繁)委員 それから、環境庁にちょっと聞きたいのですが、先ほど質問がありましたが、避難道の建設について、さっきのお答えの中では、防災上必要であるならば検討しようというお話ですけれども、一体、この避難道をつくってほしいというお話は、環境庁はいつごろ聞いたのですか。
#54
○新谷説明員 最初お話がありましたのは、四十五年の三月でございます。
#55
○高橋(繁)委員 四十五年の三月に聞いて――地元の村長は、もう情熱をたぎらせて、何とか早く建設したいと言っているのです。もうすでに三年たとうとしているのに、防災上必要あるならばなんというような答えをいまごろしておって――早く結論が出れば村では自力でつくりたい、こういう要望をしているのですよ。一体、そういう結論がそんなに時間がかかるものですか。
#56
○新谷説明員 先ほどの道路でございますけれども、海岸線には道路が通っているわけでございまして、袴腰と赤水の間を直線的に結ぶ道路が、国立公園の中の第一種特別地域の中を通るという問題でございます。
 通常、避難道路と申しますと、もし災害が起きても、噴火口に近いところに直線道路をつくりますと、確かに時間的には短縮されるわけでございますけれども、噴火口に近いところに直線的に道路を通す必要がいまの段階で、防災計画上、何人の人が、いざというときにその道路を通ってどちらに移り、また、どの避難港を利用して避難をするかということにつきましては、やはり全体の防災計画の中で位置づけられることが必要であるというふうに考えておるわけでございまして、一面、特別地域であることによりましてその地域を守りたいという市民の方の要請も非常に強いわけでございますので、先般来、西桜島当局また県当局とも話をいたしまして、防災計画の中でどういうように位置づけるかということにつきまして、資料を出していただくことになっておりますので、それが出次第、早急に結論を出したいというふうに考えております。
#57
○高橋(繁)委員 早く結論を出していただきたいと思うのです。行けばわかりますように、一本、道路が通っているのですからね。防災上何とかと言っておりますけれども、そのすぐそばに道路をつくるわけですから、そんなにむずかしい問題じゃないだろうと私は思うのです。理論よりも現地の声を聞け、こういうふうに地元の人が言っておりました。どうかひとつ、早急に建設をしてほしいと思うのです。
 それから、降灰による健康被害が出ておりますように、必ずや将来にわたって住民の健康に被害を及ぼすと思うのですが、それに対する調査とか対策はお考えになっておりますか。
#58
○山中説明員 降灰の健康被害につきましては、特に西桜島村と鹿児島市の黒神地区、ここに降灰がございまして、これはそれぞれ、県立の加治木保健所と市立の中央保健所の管轄区域になっております。
 これにつきましては、特に爆発の多かった、九月、十月に大爆発があったわけですが、十一月には特に爆発の回数が多くて、十一月二十二日の時点で、加治木保健所におきまして医師二名を含む十一名の検診班を組織しまして、一般住民からの症状の訴えがあまりありませんので、特に保育園、小学校二つ、これを対象としまして、訴えがある者百二十九名につきまして検診を行ないました。一般検診でございますからかぜや何かも出てくるわけですが、結論としまして、異常のない者三十五名ですが、こまかくは、たとえば結膜炎とか異物の混入とか、それが十二名ばかりございました。現在も、症状の訴えがあれば、いつでも健康診断等の措置ができるような体制をとっております。
 一方、鹿児島市の中央保健所におきましても、百六十六名の、保育所、小学校、中学校全員の検診をいたしまして、異常なし百四十二名ございましたが、結膜炎その他気管支炎というような者十五名ございました。
 一般住民につきましても、鹿児島においては、市立の保健所におきましては、訴えのある者四十一名につきまして検診を行ないました。今後も鹿児島県の衛生部並びに政令市である鹿児島市の衛生部を介しまして、特にこの両保健所を中心としまして地元の医師と連絡をとりながら、健康管理に万全の体制をとっていきたいと思っております。
 同時に、厚生省といたしましても、この情報の収集に遺憾ないようにいたして事後の措置をとっていきたい、こう考えております。
#59
○高橋(繁)委員 万全を期していただきたいと思うのです。
 それから、気象庁長官にお聞きしたいのですが、県の要望書ですかにもありますが、観測体制、これについて、現状ではなお十分でないということで、現地のほうでちょっと聞きましたが、正直言って、現状の体制でほんとうにあの桜島の火山の爆発の予知を、一〇〇%といかなくても、現状で満足に体制がちゃんとして研究、観測ができるのかどうか、そういうことについて正直にひとつお答え願いたいと思うのですが……。
#60
○高橋(浩)政府委員 先ほど申し上げたことでございますけれども、火山爆発の予知につきましては、学問的な面につきましてまだ不十分な点がございますので、その対策も、どうしたらいいかということにつきましても、なかなかむずかしい面があるわけでございます。現状では、地震計によりまして振動を観測いたしまして、マクロの動きなんか見まして、それでやっていくのが一番効果的であろう、そういうことで現在は進んでいるわけでございます。しかし、これでは、先生お考えかとも思いますけれども、必ずしも十分ではございませんので、もう少し何か新しい手を考える必要があるのではないか、こんなふうにわれわれも考えております。とりあえずは、傾斜計か何か置きますと、これがまた新しい一つの火山噴火予知の研究材料にもなりますし、また実際の予知の参考資料にもなるかと思いますので、そういった面なんかも拡充していきたい、こう考えております。
#61
○高橋(繁)委員 時間がありませんから、最後に小宮山副長官、いまお聞きのように、農業被害を救済するということも現行制度上非常に困難な面がある。あるいは避難道路、わずか二千メートルですかの道路一つつくるにも三年もかかる状況です。それから、観測体制についてもなお不十分である。日本の国に、ああした火山の爆発によるところは、現状は桜島と浅間山の二つしかない。その中でまた桜島がああいうような現状であるということを考えますと、国として、もっと連絡協調をはかりながら万全の対策を早急に考える必要があると私は思う。
 そこで、防災会議ができて体制もつくられておると思うのですが、そうしたいろいろなことを考えてみて、こうした特殊な火山の爆発に対する対策というものについて、もっと真剣に研究も万全を尽くさなければならない、対策も立てなければならないということで、これについての小宮山副長官の基本的な考え方についてお聞きをいたしたいと思うのです。
#62
○小宮山政府委員 火山対策にはいろいろな問題がございます。まず気象庁、あるいは桜島でございますと京大、鹿児島大の研究しております地震対策、まずファンダメンタルスタディーの問題というか、基礎的な学問の研究という問題がやはり防災計画の基本になるだろう。それからもう一つは、先ほど農林省から申し出のございましたような、天災融資法あるいは激甚法というようなものが水害を中心としたものである、それに対して法的にどういうふうに処置していくか。それから三番目に、避難体制というものが農村地域と都会とは違ってくる。そういうような問題を幾つかに分類して考えていかなければいけないかと思います。
 そこで、いま先生のおっしゃいましたように、桜島と浅間山の問題でございますが、これは私のほうでも関係各省と煮詰めまして、たとえばの例でございますと、桜島の農作物に対して天災融資法が適用できないならば、これをどういうふうな形で私たち守っていかなければいけないか。それは、やはり新しい法律が必要かもしれません。そういうようなことを関係各省と今後とも協議をしていきたいし、防災体制についても、高鳥委員の御報告のありましたように、ただ単にいままでのものの考え方ではなくて、新しい社会福祉的なものの考え方あるいは水平思考的なものの考え方までいかなければ抜本的な対策ができないのではないかという感じでございます。
#63
○高橋(繁)委員 私たちも、この点については今後いろいろと審議がなされると思いますが、どうか総理府についても、地元の要望がありますし、特別な要望では立法措置するとおっしゃっておりますが、ひとつ早急に樹立をしていただきたいことを要望いたします。
 以上で終わります。
#64
○大原委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零後四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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