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1972/04/03 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 決算委員会 第6号
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1972/04/03 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 決算委員会 第6号

#1
第071回国会 決算委員会 第6号
昭和四十八年四月三日(火曜日)
    午前十時二十四分開議
 出席委員
   委員長 宇都宮徳馬君
   理事 木野 晴夫君 理事 松岡 松平君
   理事 森下 元晴君 理事 綿貫 民輔君
   理事 久保田鶴松君 理事 庄司 幸助君
      吉永 治市君    高田 富之君
      原   茂君    松浦 利尚君
      田代 文久君    坂井 弘一君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 廣瀬  弘君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  舘野  繁君
        郵政省郵務局長 溝呂木 繁君
        郵政省簡易保険
        局長      野田誠二郎君
        郵政省人事局長 北 雄一郎君
        郵政省経理局長 浅見 喜作君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第五局長  中村 祐三君
        日本電信電話公
        社総裁     米澤  滋君
        日本電信電話公
        社総務理事   遠藤 正介君
        日本電信電話公
        社職員局長   中林 正夫君
        日本電信電話公
        社営業局長   玉野 義雄君
        日本電信電話公
        社計画局長   清水 通隆君
        (参 考 人)
        簡易保険郵便年
        金福祉事業団理
        事長      武田  功君
        決算委員会調査
        室長      東   哲君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月三十日
 辞任         補欠選任
  中村 弘海君     福田  一君
  稲葉 誠一君     安宅 常彦君
  田代 文久君     中島 武敏君
  坂井 弘一君     矢野 絢也君
同日
 辞任         補欠選任
  福田  一君     中村 弘海君
  安宅 常彦君     稲葉 誠一君
  中島 武敏君     田代 文久君
  矢野 絢也君     坂井 弘一君
四月三日
 辞任         補欠選任
  八木  昇君     松浦 利尚君
  池田 禎治君     和田 耕作君
同日
 辞任         補欠選任
  松浦 利尚君     八木  昇君
  和田 耕作君     池田 禎治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十五年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十五年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十五年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十五年度政府関係機関決算書
 昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (郵政省所管、日本電信電話公社)
     ――――◇―――――
#2
○宇都宮委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十五年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、郵政省所管及び日本電信電話公社について審査を行ないます。
 この際、おはかりいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として簡易保険郵便年金福祉事業団理事長武田功君の御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○宇都宮委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、参考人からの意見の聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。
    ―――――――――――――
#4
○宇都宮委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。森下元晴君。
#5
○森下委員 初めに久野郵政大臣にお尋ねしたいのですが、持ち時間が非常に短いものですから、御答弁は簡潔にお願いしたいと思っております。
 郵政事業につきましては、他の行政に比べまして一見非常に控え目で、じみな感じがいたしますけれども、詳細に郵政事業の歴史を振り返ってみました場合に、実に大きな功績、業績をあげているように思います。明治百年の大計は実にヨーロッパまた米国の先進国に追いつき追い越せ、こういうような非常に民族的な悲願のもとに出発したわけでございますけれども、この中で国民の払った大きな努力、犠牲は多大のものがございました。その計画の中でいわゆる全国ネットワークを確立した。この一つが鉄道敷設法に基づく全国の鉄道網の推進、それから郵便法に基づく通信網の確立、ちょうど人間のからだにたとえれば、鉄道網の完成というものはいわゆる血管網に匹敵するし、郵政、通信の制度はまことに神経をつかさどる重要な役目と認識しております。最近、非常に経済成長いたしまして、われわれの先輩が打ち立てました先進国に追いつき追い越せ、この目的は達しまして、いよいよ新しい段階が始まっておりますけれども、この中でも鉄道のほうは、いわゆる新幹線網の完成に向かって進んでおりますし、郵政関係でも、電話網の完成によって即時通話が全国どこでもできるようになった。それからテレビ、ラジオ等の電波網の完成、これによりまして非常に全国的に情報網が確立した。こういうように、日本経済また日本の発展の大きな原動力になっておるわけでございます。
 そこで大臣にお尋ねしたいのは、この郵政事業の中で、郵便とか電話、また電波関係は別にいたしまして、これもまたじみな存在でございますけれども、非常に大きな成果をあげております簡易生命保険事業、それから郵便年金事業について、その事業の目的とか成果、そして将来の展望、この御所見をお伺いしたいと思います。
#6
○久野国務大臣 ただいま森下委員よりまことに理解のある、含蓄のある郵政事業全般にわたっての御発言がございました。この深い御理解に対しましてまず敬意を表したいと存じます。
 簡保事業につきましては、国民に簡単に利用できる生命保険を確実な経営によりなるべく安い保険料で提供し、国民経済の安定をはかり、福祉を増進するということを目的にいたしておるわけでございます。
 現在の保有契約は四千七百万件に達しております。それから国民に十六兆円に及ぶ保証をいたしておるわけでございます。しかしながら、社会情勢の変化に伴いまして、だんだんと保険事業も高度化、多様化しておりますので、わが国の生命保険の普及はいまだ十分とは申せないと思います。国営保険として国民の生活に密着しております簡易保険といたしましては、今後ともこのような簡易保険事業を取り巻く環境の変化に対応して、より良質の保険サービスを国民に提供するようつとめる所存でございます。
 それから郵便年金についていま御質問がございますが、ただいま郵便年金については停止をいたしております。停止をいたしておりますので、まだ運用資金は残っておりますが、この運用につきましては十分今後留意をいたしたい、かように考えます。
 それから簡保資金の運用状況につきましての詳細につきましては、政府委員より答弁をいたさせたいと存じます。
#7
○森下委員 次に、保険局長にお尋ねしたいと思います。
 簡易生命保険法の第一条、第二条、または郵便年金法の第一条、第二条、これを読んでみますと、この趣旨は、なるべく安い保険料や掛け金で生命保険や年金保証を提供する、そして国民の経済生活の安定をはかる、また福祉を増進することを目的として、営利を目的としない、こう書いてございますけれども、最近非常に民間の生命保険事業が活発になってまいりました。これに対して特徴と申しますか特質、これについてまず御説明を願いたいと思います。
#8
○野田政府委員 お答えを申し上げます。ただいま御指摘のように、簡易保険は非営利を原則といたしておりますので、民間保険がいずれかといいますと営利あるいは採算ということを企業活動の基本としておりますものと、いろいろな面で違ってきておるのであります。
 第一点といたしましては、簡易保険は全国津々浦々に存在します郵便局を通じまして、非採算的な地域に対してまでサービス網を完備をいたしておるのでございまして、民間保険はその点企業採算に合った地域というものが中心になっておろうか、このように考えております。このことは、直接簡易保険が郵便局という組織網を通じて、国の信用をバックにして事業活動を行なっておる、このように言えようかと思います。
 第二点といたしましては、加入者について簡易保険の場合には職業による制限をしていないのでございます。これは直接は第一に申し上げました非営利ということからくるのでありますが、国民全般を対象にいたしております。民間保険におきましては危険職業者、警察官、消防官あるいは炭鉱従事者、そのほかいろいろな職種がございますが、こういう危険職業者に対しましては、加入制限なりあるいは保険料の割り増しという制度によってこれの加入を認めておる、こういう状況であります。簡易保険は職業のいかんを問わず国民全般を対象にしておる、これが一つの特徴であろうかと思います。
 第三点は積み立て金、これは将来保険金なりあるいは分配金等々に支払われます積み立て金の運用でございます。簡易保険におきましては、公共の利益の増進をはかるために重点的に地方公共団体、政府関係機関等に対して運用が行なわれております。要は社会資本の充実という方面に主としてこの資金が活用せられておるのであります。一方、民間生命保険におきましては、御承知のとおり主として企業に対する財務貸付け、どちらかといいますと高利回り一本やりでいっておる、こういう点が違おうかと思います。
 第四点といたしまして、簡易保険は、簡易保険の福祉事業団を通じまして保養センター、それから簡易保険の加入者保護及びレクリエーションセンター等、加入者のための福祉施設を全国的規模にわたり設けておりまして、民間保険におきましてはこの種の施設はほとんどと言っていいほど設けられていない、こういう実情であります。
 最後に、簡易保険は国営としての立場から各種の加入者保護の規定が整備せられておるのでありまして、一、二申し上げますと、加入者の提出する書類につきましてはすべて印紙税が免除されております。保険金、還付金の受け取りにつきましては、譲渡及び差し押え禁止の規定が設けられております。そのほか、国と加入者の間に契約上の権利義務に関する争訟が起こりました場合には、簡便でしかも無料で迅速かつ公正な解決をはかるための簡易生命保険郵便年金審査会という制度が設けられておりまして、正式な司法手続にかかります前に訴願前置主義というようなかっこうでこの審査会の裁決を得る、こういうことになっておるのであります。
 以上が、簡易保険の特質といいますと言えようかと思います。
#9
○森下委員 民間の生命保険に比べまして、簡易保険は郵便局の窓口を通じまして生活に非常に密着して、非常に長い歴史の間にそのようないい慣習、またいい結果が出たことだろうと思います。
 古来、日本人には非常に勤倹貯蓄の美風がございます。最近ややもすれば消費が美徳だという風潮もございますけれども、やはり老後の安定のために、また不時の支出に対しまして美風が残っておるわけでございますし、また考え方によれば三十年後、四十年後、五十年後の将来の日本というものを心から信頼しておる、こういう気持ちが国の発展をささえてきた精神的な要素であると思います。いま、少し問題に触れられましたけれども、この集まった積み金は国土開発のために、また社会開発、経済成長のために使われております。現在の日本の経済成長の陰にはこのような国民の累積した大きな資金というものが再投資の形で投下されておる、こういう気持ちに対してやはりお報いしなければいけない。特に加入者にもサービスしなければいけない。
 そこでお尋ねしたいのは、従来もそうでございましたけれども、どうも長い視野から見ますとインフレ傾向にあり、最近は特に物価値上がり、いわゆる貨幣価値が下落いたしまして、昔の一万円もいまの一万円である、こういうようなインフレに弱い要素があると思います。そういうことで、過去にあったから将来どうかということはまだ憶測の範囲を脱し得ないかもわかりませんけれども、長期の投資として、加入されている方々にインフレによる貨幣価値の下落、これにお報いする将来の保証をどういうふうにまずお考えになっておるか。
 第二点は、簡易保険の利回りが民間の利回りより低くなっておる。それで加入者の利益擁護のためにどういうふうなお考えを持っておるか。ただいま説明で少し触れられましたが、いろいろな社会福祉施設を通じて加入者の便宜をはかっておるということもございましたけれども、この二点について保険局長に御答弁をお願いしたいと思っております。
#10
○野田政府委員 お答えを申し上げます。第一点でございますが、最近のように、一応傾向としまして非常に物価騰貴というようなときにおきましての生命保険の加入者に対してどういうふうに報いていくべきか、こういう御質問であったと思うのでありますが、御説のように、生命保険が非常に長期にわたる契約でありますために、インフレの影響を非常に大きく受けるということは一応いなめないところだろうかと思います。これに対応する対策としまして、ヨーロッパ、アメリカ等におきましては、積み立て金を株式中心に投資して、その実績に応じて保険金を変額させていくという、いわゆるエクイティー保険というものが現実に発売をせられておるのでありまして、わが国におきましても、ただいま御指摘のようなインフレ対策なりあるいは国際化の進展、簡易保険及び民間生命保険を通じての生命保険事業における国際化の進展ということを背景といたしまして、このエクィティー保険の検討というものが非常に進んでおりまして、これの開発の機運が熟しつつあるのでありますが、まだ実現には至っていないのであります。簡易保険といたしましては、御承知のように、資金の運用面につきましても、これが民間保険と異なりまして、公共の利益のために使われるという面が非常に強いわけでありまして、そういう意味からの制約が非常に大きいのであります。したがいまして、民間保険に比べましてなおエクィティー保険等々の開発には相当の困難性が伴うことば当然になってくるのでありますが、今後とも十分ひとつ研究をしていきたい、このように考えておるのであります。
 現実にこのような情勢下で、しからば具体的にはどうするかというお話になろうかと思うのでありますが、現在の実情といたしましては、できるだけ現在の積み立て金を有利に高利回りに回りますように運用をいたしまして、それによって得ました利益、それを契約者の契約が満期の際あるいは死亡の際等に還元をしていきたい、このように考え、かつ今後努力を続けていきたい、このように考えておるのであります。さらに基本的には、これらの生命保険が比較的インフレに弱いという点を考えまして、保険期間が比較的短いもの、あるいは、これは現在の国会に提出をいたしまして御審議をお願いしようということで、法律の改正案を出しておるのでありますが、貯蓄的な要素を全くなくしました掛け捨ての保険、定期保険という種類でありますが、できますれば今度の国会を通じましてこの法案の成立を見ました場合には、国民の皆さん方に大いに活用をしていただきたい、このように考えておりますし、そのほか検討しておりますのは、配当によりまして保険金を増額させる保険というような新種を今後積極的に開発を進めていきたい、このように考えております。
 第二点につきましては、簡保の積み立て金の利回りの向上策ということであろうか、このように理解をいたすのであります。簡易保険は、戦前には完全な形で当時の簡易保険の経営主体に運用権がございましたけれども、戦争中、戦後、この簡易保険の積み立て金の運用権が簡易保険当局にございませんで、そういうふうな過程を通じまして、民間生命保険の運用利回りに比べまして、非常に低い利回りに置かれておったのでありまして、これは創業以来ずっと続いておりますが、四十六年の決算におきましても、民間の生命保険と比べまして資金の運用利回りが一・四一%低いことになっております。われわれ関係の者の悲願といたしましては、できるだけこの運用利回りを上げまして、できるだけ民間保険の運用利回りに近づけまして、これを契約者といいますか加入者の方々に還元をいたしていきたい、このように考えて、努力を続けておりまして、しかもその努力が逐次実ってきつつあるのであります。さらに今後におきましても、先ほど御指摘ございましたインフレ対応策との関連もあるわけでございますが、まず余裕金の運用制度を変えていきたいということを考えております。現在、決算が済みますまでの簡易保険の保険料の収入等々は、簡易保険の積み立て金としまして郵政大臣が管理運用するということでなく、他の特別会計、全部の特別会計でありますが、これらのいわゆる余裕金と一緒に大蔵省が運用いたしております。これを分離をいたしまして、郵政省で運用できるようにしたいということが第一点であります。
 第二点といたしましては、簡易保険の積み立て金の運用をできるだけ民間と近づけるように高利回りに運用をしていく、しかもこれがなお公共の利益のために役立つような方向で、しかも高利回りに運用をはかっていきたいということで、現在積み立て金の融資対象が法律に具体的に列挙されて規定をされておりますが、この法律の改正等の手段によりまして運用範囲をできるだけ拡大をいたしまして、われわれ考えておりますのは、公益事業社債等への進出、あるいはさらに進みましては、いろいろな非常に公益性の強い株式会社等々の株式の保有というような点までもできるだけ努力を進めてまいりたい、それによって契約者への利益の還元をはかる、こういうことによりまして、いま御指摘のございましたインフレ対策等の一助にもいたしたい、このように考えておる次第でございます。
#11
○森下委員 ただいまの御答弁をお聞きいたしまして、加入者からお預かりした積み立て金、これが非常に社会開発のためにも、また国の政治にも大きなプラスになっておるというようなお話もございましたし、また加入者にサービスするために、社会福祉施設を通じて着々と実績をあげつつある、こういうお話もあったように思います。
 そこで、加入者の福祉のためにいろいろな事業が行われておりますけれども、その点、これを担当しております事業団の武田理事長さんにお尋ねしたいわけなんです。最近行政管理庁のほうから、簡易保険郵便年金福祉事業団についていろいろ勧告が出ております。その勧告に基づいて次にお尋ねいたしたいと思います。
 初めに、この事業団の事業目的、それから事業の概要、これを簡単に御説明願いたいと思います。
#12
○武田参考人 武田でございます。お答え申し上げます。
 当保険事業団の事業目的でございますが、基本的には、簡易保険法の定めますところの福祉事業の設置運営を委託せられておるところでございまして、現在のところ、老人ホーム、いわゆる加入者ホーム十三カ所、保養センター五十カ所、青少年レクセンター一カ所、診療所二十九カ所、これらの施設を運営いたしておるわけでございます。
#13
○森下委員 事業団の目的が加入者に福祉施設等を通じてサービスする、こういうふうに御説明ございました。ただ保養センター等を見てみますと、非常に景勝地にりっぱな施設をつくりまして、多くの方が利用しておりますけれども、いろいろそういうような長所もございますけれども、短所もあるように聞いております。
 その一つは、やはりそういうところを利用する方々は週末を選ぶとか、また時期的にも春とか秋ですね、こういう時期に集中するわけなんです。そこで、はたしてこの保険加入者が十分利用できておるかどうか。一般の方もかなり利用しておりますけれども、やはりこの施設をつくった目的は加入者にサービスすることにあるわけですが、ここらの利用の状況がどうなっておるか。最近は国民宿舎なんかたくさんできまして、一般の方は国民宿舎は安く便利に利用しておりますけれども、この保養センターが国民宿舎的な性格にならないかどうか、この心配が多少あるように思っております。それから全国五十カ所の利用状況を見てみますと、八〇%以上がほとんどでございまして、これは成功しておりますけれども、内容的にははたして事業団の目的と完全に一致しておるかどうか、この点。
 それから診療施設でございますけれども、これも最近国民健康保険等が非常に完備いたしまして、したがって医療制度とか保険制度が一般化してきた。そこに事業団の行なうこの診療施設が時代に合っておるかどうか。また加入者に従来のような便宜を与えておるかどうか。いままでは非常に時代の先端をいって、社会福祉を通じて加入者、にサービスをしてまいりましたけれども、一般の福祉行政が進んでまいりますと多少色あせるような感じがいたしまして、その点何か新しいアイデアと申しますか運営の方法を考えておられるかどうか、これもお答え願いたい。
 それからもう一つ、加入者ホームの問題でございますけれども、全国十三カ所ございまして、非常にりっぱな施設がございますけれども、これとてもはたして利用される方が限定されておるのと違うか、こういうような問題もございます。表面的に見ました場合には、加入者に保養センターとか簡易保険診療所または加入ホーム等を通じてサービスをしておるのだというような非常にりっぱな面もございますけれども、数的な制約もございますし、また利用状況を見ても、多少羊頭狗肉的な感じがあって、私は困ると思うのです。せっかく貴重なお金を掛け金とか保険金でお預かりして財投等を通じて利用しながら、直接事業団がやっております内容について、その目的に合うように運営をしていただきたい。管理庁の指摘事項の中でもそういうことがかなり含まれておりますけれども、この点について事業団の理事長としてどのようにお考えになっておるか、これも簡明にお答え願いたいと思います。
#14
○武田参考人 お答えいたします。第一点のセンターでございますけれども、センターの全体の利用者が四十七年度、この二月までの統計でございますが、二百三十五万四千七百七十二人の延べ利用がございまして、前年度がちょうど二百十七万八千八百二十三人でございましたので、十七万五千九百四十九人の増加と、施設の増加もございますが、実際利用される方がふえておると申し上げていいかと思います。この加入者と加入者じゃない方という差でございますけれども、明確な統計をとっておりませんが、利用の申し込みを六カ月前からお受けすることにしておりまして、その際は郵便局を通じてお申し込みいただくということになっております。それで同時にその申し込み書に保険の加入者の有無を書いていただくというような方法をとっております。間々直接センターにお申し込みもございますけれども、その際もその申し込み書を使っておりますので、大体そういう意味で加入者と加入者外の方とのチェックができるかと思いますが、たまたま手元にございます、昨年、四十六年で古うございますけれども、九月中にとりました統計を見ますと、申し込みの六七%が加入者、約七〇%近くが加入者、それからお書きにならないものがございますし、全然非加入と書かれたのが二%ということでございます。ただ問題は、団体あたりで見えますときに、全員の方の加入、非加入がはっきりしないことがございますので、間々加入者じゃない人が多過ぎはせぬかという御指摘を受けることもございますけれども、全体から申しまして、そういうような申し込み方法をとっておりますので、加入者の方が大半で、加入者のサービスと考えておる次第でございます。
 それから老人ホームのほうは、長期と短期とございまして、長期はほぼ満員でございまして、いまわずか数名の欠があるという程度でございますが、短期のほうは、短期と申しまして一カ月以下の利用でございます。これはセンターと同じような性格でございまして、この短期の利用が四十七年度で、本年二月末の現在で三十万四千二百五十九人、前年同期が二十七万七千八百五十一人でございまして、二万六千四百八人の増加、センターのほうと合計いたしますと約二百七十万人くらいの方に利用していただいておる。大体こういうことから見ますと、数だけの上でございますけれども、加入者サービスのための福祉施設ということの目的を果たしておるのじゃなかろうかと私どもは自負しておる次第でございます。
 それから診療所の点の御指摘もございましたが、これは行管の勧告もございまして、御指摘のように最近の国内の医療施設、医療行政等が非常に進んでまいりました関係で、私どものほうの加入者本位の診療所の運営がいろいろと問題になっております。ただ、保険事業の運営という点からは、やはり健康増進ということが第一でございまして、簡易保険の診療所は、非常に歴史的に早い創立を見て、使命を持って発足いたしました。ただ、たまたま戦争中様子が変わりまして、戦後ただいまの二十九カ所で一応計画を打ち切っております関係で、ちょっと中途はんぱな診療所数ということが問題になるかと思いますが、私のほうは各診療所とも診療車を持っておりまして、特にそれを最近は胃検診もできるマーゲン車に取りかえております。所内で健康診断あるいは治療をいたしますのみならず、所外に出まして巡回診療を行なっております。これもたいへん好評をいただいておるところでございまして、四十八年二月現在で巡回診療も九万八千七百八十七人、実施個所が一千八百二十七カ所、一日一カ所の診療人員が五十二人というふうになっておりまして、勧告をいただきます時点よりも、現在まで数年たちました今日、いろいろと努力をしておりまして、各診療所とも実績をあげ、一日平均五十四、五人というところまでやっておりますので、おおむね公的診療所の実績と変わらないのじゃないかと思います。そういう次第で、私どもは、これから保険の福祉事業としての診療という医療機関の一番の使命は予防にあるのではなかろうか、こういうことを考えまして、主として成人病検診を中心にいたしまして健康診断、そういう予防的な方面にこれから重点を持っていこう、こういうふうに考えておる次第でございます。
#15
○森下委員 最後に要望しておきますが、事業団も発足してもうすでに十年以上になります。まことにりっぱな目的を持った事業団でございまして、ひとつ自信を持ってやっていただくと同時に、やはり時代の変遷によって多少変更せなければならぬ問題もあろうし、またいろいろ新しいアイデアのもとに、この貴重な出資金並びに交付金を有効に使っていただきたい。なおまた四十六年度の決算、将来ございますが、そのおりにもう少し詳しくいろいろ質問もしてみたいということを申し上げまして、私の質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。
#16
○久野国務大臣 御指摘の点につきましては今後十分留意をして措置をいたしたい、かように感ずるような次第でございます。一言申し上げます。
#17
○宇都宮委員長 松浦利尚君。
#18
○松浦(利)委員 私は、主として電電公社のほうに質問したいと思うのでありますが、その前に郵政当局にお尋ねをしておきたいことがあります。
 非常に簡単なことでありますが、最近非常にまた郵政省に対する苦情が国民の間に広がっておるわけであります。それは、昨年も実は私はここで質問をしたわけでありますが、料金の値上げをしたあと、どうも郵政省のサービスは落ちておる。どういうふうにサービスが低下しておるかといいますと、従来ですと、居住者のために投函されたはがきあるいは封書というのができるだけ相手側に渡せるように郵政は努力をしてきたのであります。ところが最近になりますと、投函をしたはがきなり封書が返ってくることが非常に多い。それにはいとも簡単に赤い刻印が押してあるわけであります。一つ二つの例を申し上げますと、一つは、尋ねあて所に本人が見当たりませんという簡単なもの、もう一つは、同じ番地に最近非常に団地等ができたわけでありますが、そういった意味で同じ番地に非常に居住者が多いために、何棟何号という記載がないのでこの郵便物は配達できません、こういって返ってくるわけであります。このことに対する国民の苦情というのは非常に多いわけですね。それを解決する一助として、実はママさん配達が採用された。ところが、これも労働条件その他で最近あちらこちらでママさん配達を辞退をするというケースが出てきておりますね。そういった意味でこうした国民の苦情を抜本的に解決しないと、私は、郵政省に対する不信感というのはそういったはがき一枚から波及的に広がっていくと思うのです。昔は、料金値上げ前はちゃんと調べて、そして三つも四つも判こが押されて本人に返ってきた。ところが最近はいとも簡単に本人に返させるのですね。そういう経験を持つ国民は非常に多いと思うのです。簡単なことでありますが非常にむずかしいことです。この意味において、ほんとうに郵政省が国民の立場に立ってサービスするというなら、こういった問題についてどのように郵政省では解決する方策を持っておられるのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
#19
○溝呂木政府委員 お答え申し上げます。去年先生からそういうお話があったことを私承知しております。前は、郵便の遅配という問題が郵便の一番大きな欠陥でございまして、この方面は、おかげさまで労使関係の安定その他によりまして、最近は私どもの試験通信によりましても、おおむね私どもの目的が達せられつつあると思います。ところが、最近起こってまいります苦情は、先生のおっしゃいましたように、事故郵便物に対する郵便局の処理のしかたということでございまして、私どもいま郵便局及び郵便局の指導は、もっぱら事故郵便物の処理という点に重点を置いておるつもりでございます。したがいまして、当務者がわからない場合でも、必ずそれはもう一つ上にあげて、主事、主任がもう一回それをながめて、そうして少しでも過去の資料等を引っぱり出して、普通見てわかるものはもう一回再調査しなさいということで指導しておるつもりでございますが、もし先生のおっしゃるようなことがいまなおあとを断たないとするならば、私どもの指導よろしきを得なかったという点で反省しておるわけでございまして、私どもといたしましては、先生のいまおっしゃったようなところに重点を置いて、そういった苦情のないよう努力しておるつもりでございます。
#20
○松浦(利)委員 事故郵便物じゃないのですよ。記載不十分ということになりますね。ちゃんと何番地というふうに書いてある。あて所が書いてあるのです。ところが、そこにはたくさんの居住者がおるので、何棟何号と書いてもらわなければ配達できませんと返ってくるのです。そこに人がほんとうにちゃんとおるのです。おるけれども、何棟何号と書いてないから配達できませんとぱっと返ってくるのです。これは事故郵便物の処理のしかたに問題があるのではないですか。
#21
○溝呂木政府委員 ただいま私、事故郵便物と総括して申しましたが、要するに当務者が配達できないで戻ってきた郵便物、これを一応私どもは事故郵便物という考え方で処理しております。このためにいまちょっと誤解を招いたかもしれませんが、そういう意味でございまして、いま先生のおっしゃいましたように、私ども配達し得ない郵便物を大体三種類に分けております。あて所に尋ね当たりませんが一つ、転居先不明で配達できません、それから三番目があて名不完全で配達できません。そのうち問題は、あて名不完全で配達できませんというのが間々トラブルの原因になっておるわけであります。私ども最近の団地等の配達の事情を見ますと、非常に大きな団地になりますと、単なる番地だけではちょっと配達が不可能になってまいります。したがいまして、どうしても団地等につきましては棟番号、そしてその同じ棟の中でも部屋番号まで書いていただかないと、その棟に数十戸という形になりますし、それと最近団地等の居住者の方の移転が非常にはなはだしいといったようなことで、私どもといたしましてはあらゆる機会に団地等につきましては必ず棟番号と部屋番号を書いていただくよう指導しておるわけでございますが、なかなかそういう方面が十分にいかなかったために、棟番号及び部屋番号なしで郵便物が間々到着する。一応当務者は持って出ますが、当務者も、最近特に大都市等におきましては青少年、しかもその土地に不案内な者が遠くから来ておりまして、それが十分さがし当たらないということで問題が起きておるわけでございまして、それにつきましては、持ち戻ったあと、主事とか主任とか、かつてその方面に精通しておった者がもう一回見直して調査をするように、こういうふうに指導しておるわけでございます。
#22
○松浦(利)委員 大臣に。同じことを何べんも国会でやるわけですね。同じ苦情がやはり国民から出るのです。しかも郵便料金の値上げが行なわれておるのです。書くほうに義務づけるのは簡単です。国民のほうに番号を書け、局番を書け、もっと明確に住所を書け、ちゃんと書いておらぬから配達できません。これはきわめて義務的、きわめて官僚的にやろうと思えば、そういうことはできますね。しかし番地が書いてあって、たまたま何棟何号と書いておらなかった場合は、調べて配達するなり、そういう行為が昔はあったわけですよ。ところが最近はいとも簡単に返ってくるのです。私はおそらく来年もまた同じことの質問だろうと思うのです。いまの局長の答弁を聞いていると、何か言外に書かぬほうが悪いのだという印象がありますね。こういった点はもっと積極的に配達するのだということ、配達することが目的ですから、そういう意味ではできるだけ投函した国民の意思に従って相手に渡されるということをよくやるべきだと私は思うのです。いま第一線の郵便配達をする人たちが非常にきつい、一生懸命に御苦労なさっていることも事実です。そうして人口がふえればふえただけ職員をもっと増員するとか、あるいは専門エリアをきめて積極的にそこの居住者を把握をするとか、こういった措置をすべきであって、これをコストが安くなるからといって、ただママさん郵便ですか、そういったものにすりかえてしまって、そして結果的にはサービスが落ちるというようなことじゃなくて、もっと抜本的に配達するという業務について郵政省のほうで検討を加えていただきたいと私は思うのです。そうしないと、毎年私は同じことの質問をしているのです。ここでこの際、局長の答弁じゃなくて、来年に向かって、これからこういったことが来年二度と起こらないようにひとつどうされるのか、大臣から明確にお答えいただきたいと思うのです。
#23
○久野国務大臣 御指摘の件につきましては、私自身にもそういう経験が間々あるのでございます。私自身、政治活動の一環として、政策パンフレットであるとかいろいろの書状を皆さんに差し上げる場合がございます。そういう際に私の手元へ返ってまいりますものは膨大な量に及ぶときが間々あるのでございます。そういう際にただいま松浦委員御指摘のとおりの不信を持ったときもございました。しかし、このたび郵政大臣に就任をいたしまして以来、この問題について事務当局に対して私は厳重に通達をいたしておりますことは、もっと親切に団地の配達等については何らかのくふうを考えてみてはどうか、こういうことを私は厳重に事務当局に対して命じておるような次第でございまして、私の経験からいたしましても、現在の団地等に配達されます郵便物の扱いについては私はいろいろ問題点があろうかと思うのでございます。でありまして、今後これらの諸点につきましては、もっと住民の皆さんに親切にサービスしていただきますように関係者の皆さんによく指導をいたして、そうしてこれが実現いたしますように努力をいたしたい、かように感ずるような次第でございます。
#24
○松浦(利)委員 それで一つの提案ですが、一ぺん戻ってきたものは相手がわかっておってもそのはがきは出せないのですよ、大きなインクがぽんと押してありますから。何棟何号と書かなければ配達できませんと戻ってきたら、また自分で何棟何号か調べて、新しい十円のはがきを買ってきて出すわけです。これを書かない国民のほうが悪いのだという規定をするなら、それは国民のほうが十円損するということはやむを得ないと思うのです。書かないほうが悪いのか。書かないほうが悪いとはいまの状態では断言できませんね。だとするなら、そのはがきはやはり再投函できて出せるくらいのサービスということをこの際考えておかないと、国民の苦情というのは私はなくならないと思うのです。大臣が言われたように、積極的になくすように努力してもらいたいということはそのとおりです。しかもそれでもなお改めない場合は、返ってきたはがきがまた使える、書かないほうがけしからぬのだと言ってしまえばそれまでですけれども、そういった制度でも一ぺん検討していただけないかどうか、そういう点、大臣どうでしょう。
#25
○久野国務大臣 御指摘の点はまことにごもっともであると私は存じます。しかし、やはり現在の法令のもとにおいてはそのような扱いが行なわれておるわけでございますから、将来の検討事項として私たちは考えてみたい、早急に結論が得られますように事務当局を督励いたしまして検討いたしたい、かように感ずるような次第でございます。
#26
○松浦(利)委員 私もいまの法制のもとですぐできるとは思っておりませんので、大臣が言われたように早急に、国民サービスという問題を前提にしていま大臣から前向きに御答弁いただいたのですが、ぜひそういった点を御考慮いただきたい。この際要望として申し上げておきたいと思います。
 郵政関係はたった簡単なその一つです。あとは電電公社関係に質問させていただきます。
 実は私の手元に「電信電話経営月報」第二百七十七号という冊子があるわけでありますが、この中で経理局の会計課長さんが経営分析を中心とした一つの論文的なものを発表しておられるわけであります。その中に非常に重大なことがいわれておるわけであります。これは私たちも前々から逓信委員会その他で議論をしてきたわけでありますが、いま四十五年の決算の審議中でありますけれども、いずれにいたしましても、四十六年度は公社発足以来初めての四十三億の赤字になる、こういうことになっておるわけであります。これは非常に重要な意味を持っておるのでありまして、膨大な電電公社の予算からすれば、四十三億というのは計数整理その他でたいしたことないのだという考え方もあるだろうと思うのですが、それに対してこの会計課長が一つの警鐘を乱打しておると思うのです。この人はこういうふうにいっておるわけです。「事業の拡大成長のスピード化は、建設投資財源の負債依存度をしだいに高め現在すでに五〇%以上に押し上げている。さらに今後五年間に五兆円以上の新規負債を予定している。このことは必然的に金融費用の増加→事業支出の増高→利益金の減少→投資財源の不足→負債の増といった悪循環を招来する。ひるがえって、事業環境、経営条件の相違があるとはいえ、再三の運賃値上げにもかかわらず、八千億円の累積赤字を抱える国鉄の財務状況は他山の石とするに足りよう。前車の轍を踏まないためにはいかにすればよいか。赤字という事態に直面した今日経営体質に対する認識を転換すると同時にコストの節減と事業収入の増加に向かって経営戦略を駆使した積極的な取組みが強く要請される。」こういうことがいわれておるわけでありますが、これは課長の論文でありますけれども、こうしたことを考えた場合に、これから行われようとする第五次五カ年計画の膨大な投資に対して、公社としては赤字対策を今後どのようにお考えになっておるのか。こういった前車の轍を踏まないようにいかに配慮しようとしておられるのか。その点を総裁のほうから、簡単でけっこうでありますからお答えいただきたいと思うのです。
#27
○米澤説明員 ただいま御質問ございましたが、電電公社といたしましては、ちょうどこの四月一日から始まります第五次五カ年計画を立てまして、この中で加入電話の申し込み積滞を全国的規模において五カ年計画の末において一掃する、これが最大の課題でございます。
 いま御指摘がありましたように、昭和四十六年度の決算におきまして四十数億円の赤字になりました。これは詳しく申し上げますと、営業収支というよりもむしろ事業外収支のほうの赤字が影響しておるのでありますが、いずれにいたしましても、四十六年度は、景気の後退の影響で約百十億円程度の収入予測以下になったのであります。第五次五カ年計画においては、この五カ年間に収入並びに支出の見込みをつくっておりまして、これは見込みでございますから、いわゆる投資規模と違って、今後の経済情勢とか、あるいはその他ベースアップの問題とか、まだ未知の要素がたくさんございます。しかしそれにいたしましても、第五次五カ年計画では、収入といたしまして約十兆八千十億円、それから支出が十兆八千六十億円、ちょっと赤字になりますが、ほとんど収支とんとんということで考えておるわけでございます。しかしいずれにいたしましても、これからつけます加入電話というものは、約千五百三十万この第五次五カ年計画でつけるわけでございますが、その中の千二百万以上は一般の住宅電話につける。ですから、これがいままでの第四次以前の計画と非常に違っている点でございます。住宅電話のパーライン当たり、すなわち回線当たりの収入は、いわゆるビジネス電話の三分の一から四分の一である。しかし国民の御要望に沿ってこれはぜひ達成しなければならないのでありまして、それらを含めて収支の見通しを立てますと、大体収支とんとんでいけるという見込みを持っているわけであります。したがって、これからはさらに収入の増加をはかる積極的な施策をやると同時に、また支出の低減、節約等をはかるということをやってこれを達成したい、現在の時点ではこのように考えております。
#28
○松浦(利)委員 大臣にちょっとお聞きをしておきたいのですが、実はこれから国会で大問題になっていく国鉄は、三方一両損という落語的な表現で、国も金を出すが国民も出せ、国鉄もやれ、こういうことでやっておるわけですが、もっと早くから国鉄に対して政府が積極的な財政援助をしておけば、今日の国鉄というのはある意味で防げたと思うのです。そういう状態が、その芽がいままさに電電公社に出てこようとしておるのです。
 そこで、当初電電公社が四十七年八月、政府に対する予算の概算要求をしたときの数字を見ますと、四十八年度の資金調達計画の中で政府に対する財政資金、政府保証債の要求が一千二百四十九億だったわけです。ところが実際に今年度の予算を見ますと、これが大幅に削減をされまして、四百二十億ということで押えられておるのです。私は何も電電公社の資金計画要求をここでしり押しするというような気持ちはありませんけれども、しかしいずれにしても、こうした膨大な資金を調達して国民に対してサービスをする、しかも先ほど総裁からもちょっと言われましたが、収入源の少ない個人住宅に向かっての投資が進むということになってまいりますと、ある意味で財政投融資資金なり政府保証債の量というものがふえていかないと、私は将来また国鉄のような二の舞いを踏むのじゃないかと思うのです。だからそういった意味では、将来のそういった危機を回避する意味でも、もっと政府引き受け債なりあるいは政府保証債あるいは財政投融資資金というものを電電公社に支出していいのではないか。そうしないと、いま総裁は収支とんとんになるということで報告なさいましたけれども、結果的に政府があわてて出資をしてみても間に合わないという事態になるのではないか。結局一般の国民に料金値上げというしわ寄せをやらざるを得ない、こういう結果にならざるを得ないかもしれぬと思うのです。そういう意味で、この際はもうきまっておることで、いま予算を審議中で、すでに議論されたところでありますから、ここでこの予算をどうこう言うつもりはありませんけれども、将来の展望として、そういったものをふやすというお考えが大臣におありになるのかどうか、その点をいまあらためてお聞きしておきたいと思います。
#29
○久野国務大臣 現在の電電公社の運営は、私はきわめて順調に五カ年計画に従って進められておる、さように認識を持っておるわけでございます。しかし、ただいま御指摘の点につきましては、今後十分運用につきましては検討をいたしてまいりたい、かように存ずるような次第でございます。
#30
○松浦(利)委員 総裁もそういう点でもっと積極的に政府資金の導入というものについて要求されたらいいのではないかと思うのです。そうしないと、つけが必ず国民のほうに回っていく。国鉄でもそうです。すべてつけが国民のほうに回らないように事前に処置するという意味で、いま大臣にも前向きに御答弁いただいたわけでありますから、総裁もぜひ大臣の御答弁を受けて、つけを国民のほうに回さないように積極的に働きかけていただきたいというふうに思います。
#31
○米澤説明員 お答えいたします。ただいまのは、もっと端的に言いますと、利子の安い金を借りて建設をやったほうがいいということだと思いますが、その方向につきましては今後とも努力いたしたいと思います。
#32
○松浦(利)委員 先ほど総裁は、これからは事業用電話ではなくて加入電話を優先的にやっていきたい、こういうお話だったのですが、実際にわれわれが予算案を審議したときには、昭和四十七年度には申し込めばすぐ電話はつくのだ、こういうふうにわれわれも国会でお聞きしましたし、電電公社も郵政省当局も国民にPRなさった。ところが結果的には、申し込めばすぐつく電話ではなくて、四十七年度末で、「電信電話経営月報」によりますと、二百十七万の積滞が出てきておるわけですね。現実に、これは諸外国と比較する必要もないと思いますが、アメリカではもうすでに七二%、あるいはイギリスでは五〇%、カナダでは七一%、イタリアですら六〇%、スウェーデンは七一%の住宅用電話が普及しておるにかかわらず、日本ではわずかに三五%にすぎなかった、こういう状態ですね。一体これはどこに原因があったのか。昭和四十七年までには必ず申し込めばすぐ電話はつきますといって宣伝をしたのに、なぜこういったものがつかなかったのか。電電公社当局は、何が原因だったのか、その点を国民にひとつはっきり言っていただきたいと思うのです。
#33
○米澤説明員 お答えいたします。昭和三十四年に第二次五カ年計画を改定いたしましたときに、ちょうどことしになりますが、昭和四十八年の三月三十一日までに電話の積滞をなくなすということを、ちょうど拡充法を国会に提出していただいたときに、公社としてそういう意見を申し上げました。ところが、そのときの予測では、電話がちょうど今日の時点で千百万になるというふうに予測いたしたのでありますが、昨年拡充法の延長を御審議願い、また議決をいただいたときにお答えしたことがございますが、予測が間違って、結局二千万に電話がもう現在でもなっております。したがって、昭和三十四年、いまから十四年前に予測いたしました数字というものが非常に小さ過ぎた。なぜ小さかったかといいますと、一つは、経済の成長が予想より伸びたということ、それからもう一つは、いわゆる核家族化によりまして電話の要望がふえてきた、生活必需品に化した、そういう二つの点だと思います。いずれにいたしましても、当時千百万程度でいくものと思ったものが、現在でもすでに二千万になったということでございます。したがって公社といたしましては、昨年の国会で拡充法の十年の延長の法案を政府にお願いいたしまして、これが通って、今度の五カ年計画の中でこれは有力な資金源というふうになっております。
 それからもう一つは、電話というものがやはり非常に国民の皆さまに利用していただくということでありまして、この第五次五カ年計画の末におきましては大体四世帯に三つつくというところまでいくわけでありますし、また先ほど申し上げましたように、電話も、五カ年計画で千五百万つくる予定に対しまして、千二百万までは一般のいわゆる住宅電話になる、こういうことであります。それから積滞に対しましては、これは昭和四十五年が最大の積滞を持っておりました。その後、今後の見通しでは大体毎年五十万くらいずつ積滞を減らしていきたい、したがって昭和五十年度末くらいには大体全国の県庁所在地の都市化しているようなところは申し込んだらすぐつくようにいたしたい、このように考えております。
#34
○松浦(利)委員 今度の計画が進行して、それで、これでいけば間違いなく申し込めばすぐつく電話に五十二年末までにはなる、そういうふうにいまここで総裁は明言できますか。そのことは明言しておられるというふうに理解していいのですか。
#35
○米澤説明員 そのように考えております。
#36
○松浦(利)委員 結局また政府の経済見通しあるいは経済成長、こういったものに関連をして、申し込んですぐつく電話だという目標だったけれども、結果的にはまた積滞が残ったというようなことば絶対にないというふうにいま総裁が言われたわけでありますから、そのことをいまここで水かけ論をするつもりはありませんけれども、いずれにしても、そういう形でこれから解消していくということにいたしますと、一つ問題が残るのです。それはどういう問題かといいますと、いま県庁所在地は五十二年までにはなくなるのだ、東京、大阪、名古屋、横浜というところは四十八年度末で積滞をなくす、それから東京大阪周辺都市では四十九年度、県庁所在地級の都市では五十年度、その他の自動局地域は五十一年度というふうに地域の格差をつけておるわけですね。電電公社というのは国民全体のサービス業務でありますから、こういうところに何らランクづけをする必要はないのではないか。それは、この電信電話の経営月報を見ますと、できない理由がいろいろここに書いてありますけれども、国民にとって電話が必要なのは地域の格差に無関係だと思うのです。むしろへんぴなところにおればおるほど電話の必要性というものは逆にあるだろうと思うのですね。だからそういった意味では平等に、目標年度というのは大都会とかそういうことに限定せずに、国民全体に対して平等に積滞を解消していくということの考えに立つわけにいかないのか。やはりいま言われたように五十年度を目標に県庁所在地級の都市からは積滞をなくしていくのだ、それ以外のところはそれからあとだ、こういうふうなお考えを修正する気はないのかどうか。その点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#37
○米澤説明員 お答えいたします。確かに考え方といたしましては、全国一様にするという方向を特にここ二、三年来とってきておりますが、これまでの投資の状態と、それからもう一つは、いわゆる自動改式をどうしてもしなければならぬような場所が全国的にありまして、その自動改式をやる場合に、やはり全体の通信網の、その局の置かれている位置とか、あるいはまた局舎の行き詰まり状態とか、それからまた自動改式によって起こる人の配職転問題とか、いろいろなことがありますので、全部一ぺんにやるというわけにはいかないのでありまして、やはりそこにある順序というものがやむを得ず起こってくる。したがってそういう格差が過去においてできておるのを現在むしろ修正しておるということでありまして、考え方といたしましては、確かに辺地における電話の架設というものも重要でありますので、そういう点につきましては、特にここ十年前あたりから、多少不便ではありましたが、農村集団自動電話というようなものも制度として開くとか、あるいは農村公衆をやるとか、あるいは特にこの五カ年計画では加入地域を拡大いたしまして、特区、特別加入区域をこの五年の中で全部加入区域の中に入れていく、そういうようなことをやるようにしていきたい、こういうように考えております。
#38
○松浦(利)委員 これは総裁でなくてもけっこうですけれども、実は、新しい電話であるプッシュホンを三百六十五万個、あるいはホームテレホン六十万セット、あるいは通信中着信サービス四十万加入、あるいは伝言電話サービス二十万個、こういうふうに新しいサービス業務というものが非常にばく大な設備投資を行なって開発されていくわけですね。こういったものを少しあと回しにして、もっとそういった辺地なり何なりのほうの積滞をなくすという、ほんとうに申し込めばすぐ電話がつくような方向に資金計画を変更する、私は極端な言い方をすると、これをやめなさいということになるのですけれども、しかし新しい日進月歩の通信施設ですから、そういうことは申し上げませんが、いずれにしても、こういったサービスを行なう資金量があるなら、そういったものを全国的に均一的に積滞が解消できるということに回したらどうだろうか、私は、それが国民の偽らざる気持ちだと思うのです。その点について電電公社当局はどのようにお考えになっておるのかということが、一つ私のお尋ねしたい内容であります。
 それからもう一つは、どうも加入者の中で苦情が出るのは、申し込み順序に電話がつくのはいいのですけれども、優先設置基準というのがありまして、もうかるやつは先にする、極端に言うと、事務用電話はあとから申し込んでも先につけましょう、そういった内容の優先設置基準があるわけですね。こういった優先設置基準というのは、広域時分制も採用する段階でありますから、この際廃止するというお気持ちはないのか。この二つについてお尋ねをしたいと思うのです。
#39
○遠藤説明員 お答えをいたします。まず第一点の問題につきましては、先生の最初の御質問にも若干関連があると思うのでございますが、投資の金額としてはそうたいした金額ではございません。ただ私どもといたしましては、こういった情報化社会になりますと、いろいろな形で電話を使いたいという御要望も、これは都会、農村を通じまして無視もできませんので、やはり時代の要求に即応したものもまたやっていかなくてはいけないのじゃないか、また先ほど総裁が答えました点も、確かにいままでのような激しい都会と農村の格差ではなくて、できればみな全国同時にすぐつく電話、こういう状態になるのが望ましい姿でございますが、そこにいろいろ労務の問題でございますとか自動改式等の問題もございますので、そういう点を加味いたしまして、理想的には、進み過ぎているところは若干足踏みをさせるようなことも考えつつ五十二年を迎えたい、こういうぐあいに思っておるわけでございます。
 それから第二点の問題は、これは現在郵政大臣の御認可をいただきまして優先設置基準というものをつくっておりますが、確かに先生御指摘のように、現在の段階におきましても相当詳細に過ぎまして、また繁雑に過ぎておる点もございますし、またこれからのことを考えますと、こういう事務用、住宅用等の区別なども現在の時点でも見直しの状況にあることば御指摘のとおりでございます。そこで事務当局といたしましては、これも全国画一ではなかなかむずかしい点もございますし、またこの点につきましては、事務用、住宅用という電話そのものの区別にも関係がございますので、目下郵政省の方ともよく御相談をいたしまして、地域に合ったような簡略なものにまず第一段階としてはいたしまして、数年後にこれを全廃するように二段がまえでやっていってはどうかということで実務的に検討いたしております。
#40
○松浦(利)委員 それでは、実務的に検討中だそうでありますから、いま言われた総務理事の御答弁で一応きょうの質問は保留させていただいて、今後にまた問題を残しておきたいと思います。
 これは大臣にお尋ねをしたいのですが、いま大型コンピューターの自由化問題が通産当局とアメリカとの間で盛んに議論されておるのですが、いま御承知のように、コンピューター関係についてはアメリカとの間に十五年の格差があるわけでありますが、それを三年間に縮めろということで、政府から相当それぞれの関係各省庁にハッパがかかっておるわけであります。この問題をめぐりまして、実はこの前新聞で読んだのですが、アメリカのユニバックの社長がユニバックで日本の市場を占領してやるんだ、こういうことが新聞に報道されておりましたし、現に日本アイ・ビー・エム等ではレンタルの値下げを行なおうとしておるわけであります。こうした事実を見ますときに、十五年間のおくれのある情報通信業界において、いま世界の先進であるというIBMなりユニバックが上陸をしてくる、しかも現実に日本の法人組織である日本アイ・ビー・エムというようなものもでき上がっておる、そういう段階で、やはり郵政当局としてもあるいは電電公社としても一つの基本政策というものがなければならぬと思うのです。具体的に言うなら、いま通産省あるいは郵政当局、電電公社あるいは科学技術庁、それぞればらばらなところで大型プロジェクトについての開発が行なわれておるのですが、こういったものを統括しまして、むしろナショナルプロジェクトというか、国あるいは国と自治体、そういったものを一体とした機関でやるべきではないか、こういうふうな気がするのです。それをしなければ、ヨーロッパのように、フランス、西ドイツなどのように、ドイツIBMあるいはフランスIBMということにはなっておりますが、実質的にはパテントはすべてアメリカが持っておるという形で、情報機能というものに対してはすべてIBMなりユニバックに握られてしまう、そういう危険性が多分に出てきておると私は思うのです。こういう問題について、ほんとうに情報というものを国民生活の向上に役立てるというなら、郵政当局としては何らかの形で一本のものにしたお考えがあってしかるべきだと私は思うのです。その点について大臣の御答弁をいただきたいというふうに思います。
#41
○久野国務大臣 御指摘の点は、私は一つの問題点であろうと存じます。今後私といたしましては、国民福祉重視の観点に立ちまして、医療であるとか、教育であるとか、あるいは公害防止などを指向するナショナルプロジェクトの分野の開発を積極的に推進するように指導をしてまいりたいと思います。
#42
○松浦(利)委員 それで大臣、このナショナルプロジェクトの問題が郵政当局、電電公社、通産省、科学技術庁ということでばらばらに開発が行なわれておるわけです。これをやはり一つのところにまとめる必要があると思うのです。情報処理基本法という法律を国会で議論しましたときに、実はこれはなわ張り争いではありませんが、これは郵政の管轄か通産省管轄かということで相当国会でも議論がありましたし、政府内部でも議論があって、結果的に通産省が管轄することになっておるわけです。しかし、こういった問題を郵政大臣なら郵政大臣のところで全部包括する、そうして電電公社なら電電公社でそういった開発計画を進める、こういった関係の頭脳技術者、こういった者を一カ所に集中して、そうしてIBMなりユニバックに対抗するという機構をつくり上げる、そのためには民間資金ではなくて政府資金を導入していく、アメリカのように、NASAの宇宙計画に従ってアメリカのコンピューター業界は伸びていったわけですけれども、ああいうばく大なことをせよというわけではありませんが、いずれにしてもそういった国が一本にした形で大型プロジェクトの開発に当たる、ナショナルプロジェクトの開発に当たる、こういったシステムを早く確立しておく必要があると思うのです。これは郵政大臣としては、各省にまたがる問題ですから、言いにくい点もあると思いますけれども、国務大臣として……。私はいまのような状態ではフランスやあるいは西ドイツと全く同じ状態になると思うのです。現実に十五年もおくれておるわけです。かけ声だけで、IBMなりとの十五年の格差を三年にしなさいといったって、私は無理だと思うのです。そういう機構をつくり上げて、そして追いつくなら追いつく、追い越すなら追い越すという政策に変えなければ、私はとうてい無理だと思うのです。その点、郵政大臣として言いにくければ、国務大臣として御答弁いただきたいというふうに思います。
#43
○久野国務大臣 御指摘のとおり、他の省庁の所管にかかわるものが非常に多いと思うのでございます。そこで、日本の法令、制度のもとにおきましてはいろいろ問題点もたくさんあることでございますから、関係省庁とも十分連絡をとりながら検討を進めていかなければならぬと思っております。そこで、省内におきましては、学識経験者、関係団体の専門家等からなる総合情報流通調査会を設けまして検討を進めておるような次第でございます。
#44
○松浦(利)委員 大臣にお願いをしておきたいのですが、郵政省にもそれがある、通産省にもあるのです。あちらこちらにそういう機構ができておる。統括するところがない。そうしてばらばらにやっておるわけです。ですから、そういった問題と関連させて一つのものにする、そのために郵政大臣所管で一つのものにまとめるという努力をしていただきたい。各省庁にまたがって非常にやりにくい面があるとすれば、閣議で意思統一いたしまして、そして早く対策を立てていただきたい。そうしないと、IBMなりユニバックが来れば、率直に申し上げて一たまりもないのです。しかももうアメリカから自由化が迫られてきておるわけですから、この問題はのんびりしておる問題じゃないと思うのです。ぜひひとつ大臣、そういった意味で積極的に閣議で発言をして、自由化されたあとの情報産業、情報処理をどうするのかということを明確にしていただきたいということを要望として申し上げておきます。これが一つです。
 もう一つは、そうは言ってみても、現実にもうすでに高度な多角的な技術を持ったIBMなりユニバックが上陸してきたら、やはり日本で開発されたものは、ずばり言って、おそらく太刀打ちできないでしょう。だとすると、これもやはりヨーロッパでたいへんに問題になりました、情報をアメリカに持っていかれる、LBMなりユニバックが日本のすべての情報を握ることになるわけです。こういった問題を防止する、そういった意味で、前の逓信委員会なりでもあるいは商工委員会でもしょっちゅう議論されております情報基本法、こういった情報基本法というものを早くつくる必要があるのじゃないか。国民の福祉という問題と関連し、また国家利益という問題とも関連して、私は情報基本法というものを早急に制定する必要があるのじゃないかというふうに思うのです。ところが、これがなかなかはかどらない。口では言うが、なかなか実行は伴なわないという状態がいまの姿だと思うのです。ですから、その情報基本法という問題も含めて、くどいようですが、再度大臣の御答弁をいただいて、この問題についての質問を終わりたいと思うのです。
#45
○久野国務大臣 非常に適切な御発言がございましたが、私は、今回の四十八年度の予算編成の際にも、実は御指摘のような問題点に突き当たったのでございます。そこで、たいへん他の省庁との間の調整に苦労をいたしました。私はそういう体験をいたした次第でございまして、御指摘の点につきましては、十分私自身理解のできるところでございます。これをただいまお話のありました基本法というような形で法制化するのが適切であるのか、あるいは他に何らかの制度を設けてこれを調整するのが必要であるのか、そうした点等につきましては、今後できるだけ早い機会に結論が得られますように検討を進めてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#46
○松浦(利)委員 もう時間がなくなりましたから、あと取り急いで二、三の質問をさしていただきます。
 その一つは、電電公社が採用いたしました料金関係の広域時分制の結果でありますが、十一月十二日から実施されたわけですけれども、この収支といいますか、そういったものが実施後どうなっておるのか、増収になっておるのかどうか、あるいはとんとんなのか、そういった点について、わかっておりましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#47
○玉野説明員 お答え申し上げます。十一月十二日に、七十五の単位料金区域につきまして広域時分制を実施したわけでございますが、これにつきましては、十一月分は十一月十二日からでございますので、広域時分制になりましたのは期間として約七割程度ということもございますし、それから、先月と当月との加入数が違うとか、そういういろいろな点がございますが、結果を平均的に見ますと、一加入当たり若干減収になっておるという状況でございますが、いずれにしましてもまだ期間が短うございますので、これが将来的に続くかどうか、まだもう少し期間をみないとわからない状況でございます。
#48
○松浦(利)委員 総裁にお尋ねしておきますが、この前の料金改定の段階では、収支とんとんになるのだ、だから加入者の料金値上げにはならぬのだ、こういうお話でしたけれども、やはり非常に苦情が多いですね。苦情というのは、いままでは市内通話が長い間話しておってずっと七円じゃなかったか、ところが三分で七円というふうになっていけば、非常に負担がふえてくるではないかという苦情が国民の間に非常に多いと思うのです。だとするなら、私は、広域時分制による料金というものから、もっと全国的な均一料金といいますか、ブロック別に分けた均一料金といったような、ほんとうに国民の立場に立った料金改定というものも考えられてしかるべきではないかというふうに思うのです。ですから、そういう意味で、実施したあと具体的なデータがまだ出ておらないそうですけれども、そういった料金改定ということについて、国民へのサービスというものを考え、しかも全国的な均一料金という、そういった国民の要望におこたえになるお考えがいまあるのかどうか、その点を一つお聞きしておきます。
#49
○米澤説明員 お答え申し上げます。広域時分制というものは、従来ありました市内、市外という区別をなくなしまして、そういう意味でイギリスの料金制度に非常に似ておりますが、非常に近代的な制度であるということで、一昨年の国会で法律をきめていただいたわけでございます。
 ところで、いまお話がございました全国全部均一にしたらどうかということでございますが、そうなりますと、全体としていろいろ関連している問題を総合的に考えなければならないのでありまして、たとえば、電話をよけいに使った人と使わない人との間をどうするか、あるいはまた市内、市外、遠距離にかける場合と近距離にかける場合とどうなるか、いろいろ考えなければならぬことがたくさんございます。したがって、私がいま考えておりますのは、いわゆる過疎対策、そういうことに対して、あるいは国土の総合開発とかいうことから考えて、基本的に広域時分制を変える考えはございませんが、たとえば遠距離を下げていくとか、遠距離の市外を下げる問題しかし赤字にするわけにはいきませんから、料金の調整が必要になってまいります。そういう問題はこの五カ年計画の中にも検討事項として入っておるというふうに考えております。したがって、いまのところ、全国を均一料金にするという考えは、これは学問的にはいろいろな案があると思いますけれども、公社としてはいま考えておりません。
#50
○松浦(利)委員 事務当局にお尋ねしておきますが、この広域時分制を採用してから、料金に関して苦情が多いという話を聞いておるのですが、その苦情はありませんか。もしあるとすれば、どれくらいの苦情があったかお知らせいただきたいと思うのです。
#51
○玉野説明員 広域時分制を実施しましていろいろなお話が出ております。簡易時分計とはどういうものだとか、それから、おっしゃいますように三分では短過ぎるとかいうようなお話は出ておりますが、パーセンテージにいたしますと、これは集計はしてございませんが、私も新聞等ないしは苦情等で伺っておりますが、いままで実施しておりますのがいなかのほうが多うございまして、むしろ加入区域が広がっておる部分が多いものでございますから、そんなには出ておりません。これが大都市になってきますと、また様相が変わるかもしれませんですが、現在のところはあまり出ておりません。
#52
○松浦(利)委員 その苦情の問題については、現在までの料金に関する苦情についてぜひ整理をしていただきまして、あとで教えていただきたい。公社に来ておる苦情の内訳ですね、それをお示しいただきたいというふうに思います。あとでけっこうです。
 料金の問題に関連いたしまして、これは大臣にお聞きしておきたいのですが、これは私も逓信委員会で何べんか申し上げたのですけれども、最近法定料金を認可料金にしてしまって、いろいろな認可料金があるのです。認可料金というのは、一方的に大臣の認可を得てどんどんやっていくということで、国会の審議の対象にならないわけですね。一つ二つの例を申し上げますと、たとえば一〇〇番を経由してかける電話、ダイヤルで一〇〇番を呼び出して通話をする電話がありますね。一〇〇番申し込み電話ですね。こういった通話料あるいはそういった一〇〇番を通さない夜間市外通話料、こういったものも実際に認可料金になっておるわけですが、こういうのはやはり国民的なものだと私は思うのです。こういったものは法定料金にすべきだ、国会の議論の対象にすべきではないかというふうに思います。また、プッシュホンですが、プッシュホンで電話計算ができる地域というのは非常に少ないのです。にもかかわらず、プッシュホンをつけたら基本料金は、電話計算ができようとできまいと千三百円いただきますぞ、こうなっておるのです。国会で議論になったときには、プッシュホンがついた場合は、いわゆる電話計算のサービスが開始された場合は基本料は千三百円ですよということで議論ができるわけですよ。国会でやれば、サービスを開始するときまでは基本料金を上げるのは待ちなさいということで議論ができるにかかわらず、これが認可料金であるがゆえに、一律に電話計算のサービスをしておるところもしておらぬところも、プッシュホンをつけたら千三百円に基本料金が上がるという矛盾がある。これなんかも私は国民の立場に立ったらちょっと不公平ではないか、不合理ではないかというふうに思います。また、専用回線ですが、特にデータとかその他については、これはデータ通信関係とかいったものはほとんど全部認可料金なんですね。ところが、この認可料金がはたして妥当な料金であるかどうかということは国会の議論になっておらない。認可されたあと、どうだこうだという議論になるわけですね。私は全部が全部、試行のものまでも法定料金にせよというようなことを言うつもりはありません。しかし、少なくとも国民生活に重要な関係のある一〇〇番申し込みの電話とかあるいはプッシュホンの基本料金といったようなものについては、認可料金ではなくて、法定料金だ、やはり国会で議論するのだという原則を立てておかないと、これからいろいろな新しい通信施設ができ上がっていくと思うのですね、それが全部認可料金で一方的にきめていかれたら、国会というのは何を議論するのかということにもなりかねませんので、電電公社は国会で議論されると非常に困るというのじゃないでしょうけれども、認可料金のほうが都合がいいという面もあるだろうと思うのです。しかしいずれにしても、国民の生活に直接的な関係のある電話料金、あるいは郵便料金もそうなんですよ、法定料金にするのだ、そうしておかないと、一体電電公社の電話料金、郵便の料金は公共料金の範疇に入るのだろうかどうだろうか、基本料金とは一体何だろうか、こういった疑問すら国民の中に与えるようなことになってしまいますので、この点は大臣のほうから、あまり多過ぎる認可料金について洗い直して、法定料金にすべきものは法定料金に組み込んでいくというお考えがあるのかどうか。その点をひとつ大臣から最後にお聞かせいただきたいと思うのです。
#53
○久野国務大臣 現在といたしましては、そのような制度の改善をするという考えは持っておりませんが、しかし、御指摘の点はきわめて重要な示唆に富む御意見であろうと思います。でありますから、将来私たちはこれは検討をいたしてまいりたい、かように存じます。
#54
○松浦(利)委員 電電公社の事務当局の方にちょっと意見としてお聞かせいただきたいのですが、プッシュホンで電話計算のできるところは基本料が千三百円、全然できないところも千三百円というのは、常識から考えてちょっとおかしいのじゃないでしょうか。プッシュホンをつければいいじゃないかといえばそれまでですけれども、やはり新しいものをつけたがる国民的な心理もあるのですから、そういった点はおかしいと思うのですけれども、その点はどうでしょう、おかしくありませんか。
#55
○玉野説明員 プッシュホンにつきましては、千三百円は短縮ダイヤル等についてきめておりまして、電話計算のほうは含めておらないわけでございます。電話計算につきましては、そのかわり料金を別途きめておりまして、二十一秒で七円ということで、一般の電話の通話よりも高くいただくということで、そちらのほうで料金をいただくというふうに考えておるわけでございます。
#56
○松浦(利)委員 大臣いまお聞きになったとおりなんです。ことばのニュアンスによってとり方が変わるわけですね。実際にプッシュホンを使って電話計算をしたときは、二十一秒七円いただくから、そっちのほうでいただくのです。それなら、プッシュホンは何のためにつけておるのかということになるわけですよ。やはり電話計算ができるからプッシュホンがあるわけでしょう。あるいは普通のダイヤルと変わらないわけですから、電話計算ができなければ、ただダイヤルがプッシュになっただけですから、それをプッシュをつけたから千三百円基本料が高くなるのはいただけない。しかし、プッシュホンの宣伝をして、みんなプッシュホンをつけろ、こういって電電公社がPRしておるわけでしょう。そういった矛盾はやはり国会で議論しないと、一方的にきめられるのですよ、認可料金というのは。もちろん大臣が認可されるわけですけれども、そういう点をこの際大臣は洗い直す、こういうお話でしたから、ここでこれ以上質問はいたしませんけれども、御検討あってしかるべきじゃないか。早急に私たちはしていただきたいと思うのです。もう一ぺん洗い直して、ぜひ御検討いただきたいという希望を申し上げておきたいのですが、事務当局で何か文句があるのですか。
#57
○遠藤説明員 たいへん恐縮ですが、文句があるわけじゃございませんが、ちょっと誤解をされておるといけませんので申し上げます。
 プッシュホンで千三百円いただきますのは、プッシュホンというのは、将来新しいサービスももちろんあれでできますが、現在の段階で一番大きなサービスは短縮ダイヤル、三数字で何けたもの番号が回せるということでございます。これに対しては電話局の中に設備を必要とするわけでございます。それからまた、いまのぐるぐる手で回すやっと違いますのも、これの設備が要るわけであります。したがって、普通の電話機よりそういう設備がかかっておりますので、そういうコストを見まして千三百円の付加料金を郵政省にお認めを願っておるわけでございます。それで電話計算のほうは、実際あのプッシュホンをお持ちになっておられる方が現在全国に三十万ほどおいでになりますが、ほとんどその大半の方は、電話計算をできるところでもやっておいでになりません。ですから、おやりになりますれば、先ほど営業局長が申しましたように、二十一秒七円の別体系の料金でいただいておりますが、あれは電話計算をやめるためというぐあいに、先生誤解をされておりましたら、ちょっと御訂正をさしていただきたいと思っておるわけでございます。
#58
○松浦(利)委員 将来、プッシュホンというものは相当普及をしていくわけでしょう、現在の電話にかわって。ですから、そのプッシュホンにかわったとしても、通話料金はちゃんと払うわけです。確かに三数字の短絡で早くかかるということは事実です。しかし、行為としては、相手に通じるということで三分七円いただくわけですから、そういったことを考えていくと、通信という設備の中で占める役割り、これはあくまでも通話ですから、そういった意味で私はやはり問題があるのじゃないかという気がするわけであります。これは議論ですから、公社のいわれることは決してわからぬというわけじゃないのです。しかし、そのことが正しいのか、私たちの言っているのが正しいのかということは、これは法定料金として国会のこの場で議論しなければいかぬじゃないですか。だから、こういったものは法定料金に入れるべきだ、こういうふうに私は申し上げているつもりなんです。大臣が先ほど検討を加えるということでありましたから、私はその問題について強く触れようとは思いません。いずれにいたしましても、十二時までという私の約束の時間ですから、私の質問はこれで終わらしていただきます。
#59
○宇都宮委員長 庄司幸助君。
#60
○庄司委員 私はまず電信電話公社の総裁に農集電話の問題で簡単に伺っておきたいのです。
 都市部の加入の不便もさることながら、農村部での電話の加入は非常に困難な状況がありまして、やむを得ず農集電話を団体で利用されるというケースが非常にあるわけですが、農集電話自体も非常に不便な点があるわけですよ。というのは、たとえば朝の八時ごろだとか、あるいは夕方の六時ごろ、この辺になりますと、もう各戸がどんどん電話をかけて、ほとんどつながらない。それから外部から電話する場合、市街地から農村部へ電話をする場合も、そういう時間帯はほとんどつながらないという状況があるのですよ。農村部の方はこういう状況で非常に不便を来たしているわけです。そのほか農村部では、別の社会的な要因で、過疎の問題であるとか、医療の問題であるとか、しわ寄せが相当きているわけです。こういった農村部の方に、やはり電話ぐらいはすぐつながるようにしてあげないと、いまの過疎過密の問題で農村部の方がうんと困っているわけですから、その辺考慮すべき必要があるのじゃないか。そこで、先ほどの質問のやりとりを聞いておりまして、ちょっと伺いたいのですが、昭和五十二年までにはとにかく申し込んだ人は全部電話がつけられるということなんですが、その際、農集電話の位置づけ、農集電話も含めて全戸加入なのか、それとも農集電話は撤廃していって普通加入という形で全戸加入なのか、その辺総裁から聞かせてもらいたいと思うのです。
#61
○米澤説明員 お答えいたします。農村集団自動電話は、始めたのはたしか十年ぐらい前だと思います。その一つの用途といたしましては、たとえば親局が共電式、マグネット磁石式な局でいわゆる自動になっていない、そういうところでもなお自動の多数共同を実現したという意味において、過去においては確かに効果があったと思います。しかし、ただいま御指摘がございましたように、一つの回線に平均して電話が七つぐらいかかっておりますから、ある時期に非常に集中すると確かにお話し中になるし、また市外で外からかかってきたときにやはりお話し中が多いということで、私たちといたしましては、これはいろいろ地域の実情があると思います。中には、農村集団自動電話が料金が安いものですから、なおそのままにしてほしいという地域もあるようでございます。しかし、二共同にしてほしいとかあるいは単独に引いてほしいという方がございましたならば、昭和五十二年度末までにそれらの要望に合わしていきたいというふうに考えます。ただ、加入区域というのはございますので、いま加入区域はむしろ過疎地帯では広げたいと思っておりますが、特別加入区域というものをこの五カ年計画の中で逐次一般加入区域に広げていくということで処理をいたしたい、こういうふうに考えております。
#62
○庄司委員 もう一つ伺っておきますが、現在農業電話をずっとやっていくにしても、過渡的な状況の中で、農集電話のこみぐあいを解消するためにどのような御方策があるのか。あのこみぐあいはどうしても解消してもらいと思うのですが、その点についての方策が何かおありだったら聞かしてもらいたいと思います。
#63
○清水説明員 少しこまかいお話を申し上げたほうがおわかりいいかと思いますので、御説明いたします。
 ただいま先生御指摘の問題は、主として話し中でかからないという問題でございますが、これは、ただいま総裁も申し上げましたように、一つの回線に七個も八個もぶら下がっておりまして、それも同時に使われる機会が多うございますと、どうしてもお話し中ということになるわけでございます。したがいまして、これを根本的に解決をするためには、一つの回線にぶら下がっております共同の組み合わせの数を少なくするということしかないわけでございます。それが最終的に一つになりますと、単独の、われわれが現在一般にお売りしております電話と同じ状態、あるいは住宅用などで使われております二共同というようなものに最終的にはならざるを得ないというふうに考えるわけでございます。しかしながら、特にいままで農村集団電話として設置してまいりました地域の大部分は非常な過疎地帯でもございますし、比較的通話をされる頻度も少のうございまして、それはそれなりにかなりの役割りを果ましてきたというふうに私ども考えておるわけでございますが、確かにいろいろな問題もございますものですから、この五次五カ年計画の中で、もし普通の電話に切りかえたいというお客さまがございましたら、もちろんこれに応ずると同時に、私どももみずから少し組み合わせ数を減らしていかなければいけないだろうというふうに考えております。具体的にいろいろ作業をいま始めておるわけでございますが、大体五加入ぐらいの組み合わせまでには何とか減らしていきたいということで、これも逐次実施していくようなつもりでおるわけでございます。
#64
○庄司委員 それでは電電公社関係はこれで終わります。
 次に本題として、これは郵政当局にお伺いしたいと思いますが、一つは簡易生命保険の支払いの問題、特に当局の用語によりますといわゆる告知義務違反の問題ですね。最近トラブルの件数が非常に多い、こういうふうに伺っています。これが解除になるのが大体年間二万七千件ぐらいあるというふうに聞いておりますが、これはやはり中には保険契約者のほうが悪い場合もあるだろうとは思いますが、私の聞いている範囲では、郵政当局が相当のノルマをきめて、これで外務員のしりたたきをやる、こういう結果からこのトラブルが出てくるというケースが相当あるように聞いているわけであります。
 そこで、第一番目に具体的な問題から入りますから、これは大臣でなくてもけっこうですが、あとから大臣のこの点についての責任ある御答弁をお願いしますが、こういうケースなんです。これは京都市北区上賀茂中大路町二十四番地、被保険者が伊藤勝さん、この方は昭和四十六年三月二日に死亡した。この方が保険契約三口入っていたわけです。そこで妻の八重子さんが四十六年四月十七日に保険金の支払い請求をやった。ところが、これに対して七月十七日に保険契約の解除通知が来ているわけです。この解除通知の中身でありますが、これは七月十三日付で京都地方簡易保険局長名で出されております。その理由というのは、いわゆる告知義務の違反だ、昭和四十三年八月十五日から病気にかかっておったようだ、それがもとで四十六年三月二日に死亡したのだ、ですからそういう点で保険契約者と被保険者が契約申し込みの際に簡易生命保険法二十一条一項に規定する告知義務に違反しているのだ、こういう通知が来ているわけです。これに対して妻の八重子さんが何回もいわゆる不服の申し立てをしているわけです。この不服の申し立ての理由はこういうふうに述べております。二十一条一項というのはどういうことなのか全然知らされていない、それからもう
 一つは質問票、ここにありますが、質問票の問題では、質問票というのは見たこともないし、また質問も受けていない。そういう点で非常に不満を持たれて何べんも請求なさった。ところが、これに対して京都の簡易保険局からは言いわけばかりきているんですね。お待たせして申しわけありません、暫時御猶予ください暫時御猶予くださいで、
 一年以上も暫時御猶予を繰り返されてきた。ところが四十七年、翌年の九月十四日になって、約一年二カ月たって突然保険金の支払い通知か今度はきた。二十一条一項違反だ、こうきめつけておいて、妻の八重子さんから何べんも納得がいかない、そういうあれを突きつけられて、やっと何の前ぶれもなく一年二カ月後に保険金の支払い通知がきている。御本人は、非常にふしぎだ、私が何か法律違反をやったようなことをきめつけておいて、今度は何の理由もなく保険金がどさっと入ってくる、一体国がやっている仕事でこういうことがあっていいのかどうか、これを憤慨なさっているわけですね。そこで私、事務当局にまず伺っておきますが、当該案件で京都地方簡易保険局が二十一条と二十二条に該当するので解除しましたと通知しているのですが、一体どういう調査をやって、どういう調査に基づいてこういう通知を出したのか、これをまず伺いたいと思います。
#65
○野田政府委員 この事案に関します事実関係につきましては、ただいま先生が御説明といいますか言われましたことは、大体そのとおりというふうにわれわれも承知をいたしております。被保険者が死亡いたしました場合に、その契約にかかる保険金を支払うかどうかということにつきまして調査をいたしまして、支払う権限は地方簡易保険局長が持っておるわけでございますが、死亡後、郵便局を通じまして保険金請求の各種の書類があがってまいります。当然添付資料といいますか、そういうものとして死亡診断書等があがってくるわけでございますが、これを受理しました後におきまして、地方簡易保険局におきましては、その契約の死亡保険金を支払うべきかどうかということにつきまして各種の要件があるわけでございますが、本件の場合におきましては、契約締結前にすでに肝硬変という病気に被保険者がかかっておられたということが死亡診断書等によって確認できましたので、当然調査のあり方としましては、法律の二十一条にございます契約の申し込みの際に、被保険者あるいは契約者が法律あるいは約款あるいは申し込み書の裏面等の質問表に定められておる事項を故意に告知しなかったかどうかというような点につきまして調べをいたしました。主として郵便局の、その契約を取り扱いました外務員の受理者につきまして調査をいたすわけであります。その際の調査としましては、当然保険金受け取り人といいますか保険金の請求をされました方について照会をすると同時に、それを取り扱いました当該郵便局の職員につきましても、面接をしたかどうか、それから病気にかかっておるかどうかという質問をしたかどうか、あるいは質問をした後におきまして申し込み書の裏面に書いております質問事項、これらを読み聞かして保険契約者なりあるいは被保険者の承認なり同意を得たかどうかということにつきまして地方保険局では調査をする、こういうことになっております。
#66
○庄司委員 そうしますと、その外務員を調査して、その結果どういうあれがあったのですか。たとえば面接したのかどうか、あるいは告知義務があるんですよと本人に告げたかどうか、こういう点は明らかになったのですか。
#67
○野田政府委員 本件契約の場合は、被保険者の奥さんが直接申し込みをせられておるのであります。したがいまして、保険金の請求をされた方は生存されておりますので、十分調査ができたのでありますが、両当事者の間に、申し込み書を見せた見せないという点につきまして申し立てが対立をいたしたというのが実態でございます。面接の点につきましては、面接をしていないということがはっきりいたしておるようであります。
#68
○庄司委員 そうしますと、これは二十一条にただし書きがありますが、国に過失があったということになるわけですね。どうですか。その辺。
#69
○野田政府委員 当初、事実関係につきましては、両方の申し立てが相違をいたしまして、真実の追求といいますか発見がなかなか困難だったわけでありますが、最終的には、いま御指摘のように国に過失がある、したがって解除権が行使できない、そのことによって保険金をお支払いをする、こういう結果になったわけであります。
#70
○庄司委員 国の過失ですね。これは間々あるケースで、私もだいぶ耳にしているわけですが、国に過失がありながら一年以上も結論が出なかった。これは私は非常にふしぎだと思うんですよ。支払い請求から解除通知までは三カ月くらいでやっちゃって、あとから本人の不服申し立てがあった場合は一年以上もかかる。これは私はやはり国の調査の怠慢じゃないか、こう思うのですが、その辺どうなんですか。
#71
○野田政府委員 先ほどから申し上げておりますように、両当事者の申し立てが違っておりますので、当初は地方簡易保険局におきまして直接郵便局の職員を調べる、こういう方法をとっておったのでありますが、やはり公正な第三者によくその真実を追求してもらうということのために、本件の場合には、地方郵政監察局に依頼をいたしまして、郵政監察官の調査を求めまして、その調査結果に基づきまして判断を下した、こういうふうな手続をとっております。そのために一年少々の時間がかかったということで、保険金請求者にもおわびをいたしておりますように、その遅延した点に
 つきましては、いま申しましたような手続のために時間を要した、こういうことでございまして、まことに申しわけない、このように思っております。
#72
○庄司委員 そこで、これは京都の北郵便局の指導方針の問題ですが、こういう話を聞いているのです。昨年の十月ごろ、京都北郵便局の保険課長さんが業務研究会の中でこういうことをおっしゃっている。幾ら保険をとってきてもよい、どんどんとれ、あとは郵政局が責任持つ、こういう話をなすっている。これは全逓の地区本部と京都の北支部が局長や課長と団体交渉をして、こういう発言を取り消さしているわけですよ。これは本部と本省間の協定に違反する、発言取り消ししなさいということを言っているわけですね。郵便局
 の保険課長がこういう保険どんどんとれ、あとは郵政局が責任持つというような発言なすっているとすれば、私は、郵政局の指導上の問題で、重大な問題があると思うのですよ。こういう話を聞いていませんか。
#73
○野田政府委員 ただいま先生おっしゃいました事実関係につきましては、承知いたしておりません。
#74
○庄司委員 これはあとでひとつ調べてもらいます。
 そこで、こういったたぐいのやはり指導上の問題が、あとで私申し上げますが、各所で聞かれるわけですね。そういう点で、そういう指導上の中からいわゆる告知義務違反なりあるいは契約解除のトラブルが出てくるんじゃないかと思うのですよ。この間ちょうだいした、おたくの資料で「告知と面接観査の手引き」というパンフレットがありますが、この中でも「現実の問題として、質問表に対する告知事項は、郵便局員が代書する場合が多い。」こう述べていますね。「また、告知義務違反をめぐるトラブルの多くも、郵便局員が質問表の記載を代書した場合に起こっている。」とこれはおたくでも認めておられるわけですね。なぜこういう代書が発生するのかという問題なのですよ。これは簡易保険法の二十一条を見るまでもなく、代書はいけないのだということになるわけでしょう。ところが、おたくでもお認めになっているとおり、代書が非常に多い。これはなぜなのですか。なぜこういうふうに代書が依然としてあとをたたないのかという点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#75
○野田政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、一般的な保険の勧誘の場合におきます告知義務の履行を求める場合には、第一に、最近からだのぐあいどうですか、御健康ですかということ、第二点としましては、質問表の裏面に書いてございますが、最近三カ年間にこういう病気にかかったことがありますかという病気の病名がずっと書いてございます。これらにつきましては非常に病名の数が多うございますし、質問としては、最近三年間にひどい病気にかかられたことがありますかという形で、その申し込み書の裏に書いてございます質問事項に関しまして、申し込み書を契約者になられる方に手渡してお見せをする、こういう形が一般的かと思いますが、それに対しての申し込み者の告知といいますか履行の一般的な形としては、いや、私はごらんのとおりぴんぴんしているということ、それから最近三カ年間にばここに書いてある病気にはかかったことがないということでその申し込み書を返していただく。外務員の人がそれを受け取って、そこで一応それじゃ申し込みをしようかという場合に、契約の申し込み並びに受理というのが行なわれる場所が大体玄関先、あるいは農家等地方でしたら縁先等々でありまして、そう座敷で正式にテーブルに向かい合ってという形がほとんどないかと思うのでございますが、そういう場合におきまして、申し込み者の場合も万年筆とか筆記用具を持っていない、そういう際にはどうしてもやはり勧誘員の受理者のほうで代書をいたしまして、その申し込み書を相手にもう一ぺん確認をしてもらって認めをもらう、こういうのが一般かと思うのでありまして、特段にいま申し上げました代書を云々というふうなことにつきまして、私どもそう重要なあるいは重大なことというふうには考えていないのでございます。
#76
○庄司委員 それじゃもう一つだけ、こまかい問題を伺っていきますが、面接の注意事項、これに書いてありますが、この面接の注意事項の中に、ただ単に胃腸病であるとか肝臓病であるだけでは足りないのだ、急性であるとか慢性であるとか良性、悪性、結核性、梅毒性、外傷性、先天性とかこういった「病気の原因、性状またば経過を示す医学的修飾語の記載も重要である。」こういっていますね。これは専門家の医者でもない外務員さんが、こういった良性、悪性、結核性、梅毒性、外傷性、こういう専門的な修飾語、これは書けますか、その点伺います。
#77
○野田政府委員 ただいま先生がお持ちのその手引きにつきましては、将来契約者との間に無用なといいますか摩擦を回避する意味で、外務員に完全性を求めておるのだと思うのでありますが、ただいま御指摘のように、そこまで非常に詳細な、しかもある意味で専門的な知識なり用語まで駆使しなければならぬということは、われわれ外務員に期待いたしておりません。
#78
○庄司委員 その点はあとで、せっかく手引きを出されて指導なさるのでしょうから、その辺は指導の中でこれは直してもらうというふうにお願いします。
 そこで、私いま申し上げたような事例から出てくる問題は、こういう点にあるんじゃないかと思うのですよ。やはり外務員に対して一定のノルマが与えられるのじゃないか、これは当然推測できるわけですね。簡易保険の特別会計の予算を組まれる際、保険料収入が何ぼであるか、これがなければ予算は組めないわけですから、その保険収入に見合って、それを上げるための一定のノルマといって悪ければ目標なり、こういうものがやはり出されていく。これは本省で目標を予算として出すわけですから、それを地方の郵政局なり何なりへ、ことしはこれだけ相当期待するというような目標が出ていくんじゃないかと思うのですよ。四十七年度と四十六年度の資料の数字の食い違いは若干ありますけれども、現在外務員数が二万七千百八十六人というのが昨年の資料ですね。四十六年の新しい契約保険料が百七十四億四千五百五十八万円余り、そうしますと外務員一人で割ってみますと、大体保険料にすると六十四万六千円になるのですね。それから契約の件数からまいりますと、実績を割ったわけですが、一人当たり百六十件になる。そうしますと、これは一カ月十三件ぐらい一人の外務員が契約を取らなくちゃならない、こういうかっこうになっていくわけですね。それから、保険料にすれば平均で六十四万円。成績の悪い人は二、三十万の人もあるだろうし、いい人は百万の人もあるだろうと思いますが、こういうノルマがやはり粗雑な保険契約を促す要因になるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、どうですか。
#79
○野田政府委員 保険の募集という仕事は、ほかの仕事と違いまして、これは外務員の能力的な自主的な活動にまたざるを得ないわけでありまして、ほとんどの、というよりも全部の契約が、郵便局の窓口にお客さんが持ってきて成立に至るという例はほとんどございません。そういうような意味からいいまして、ノルマというのがたとえあるといたしましても、われわれノルマと言っておりませんが、目標額を御指摘のように本省できめまして、これを郵便局に配っております。各郵便局では管内の各郵便局単位に目標というものを配っておるのでありますが、個々の外務員にはこれを割りつけまして、A、B、Cおのおのの外務員に、それぞれ君には百万だ、君は五十万だというふうな形での目標の配賦といいますか、目標の賦課をいたしていないのでありまして、われわれ郵便局段階までの問題について申し上げますと、あまり高い目標をその郵便局に課しますと、いま申し上げました、要するに保険の募集という仕事が、外務員の自律的な活動に全部が依存しておるというようなことから、外務員の士気を非常に低下させる、年間幾らフルに活動いたしましてもその目標を達成はできない、こういうことで、スタートにおいてすでに意欲を喪失してしまうということを考えまして、全体的な意欲を低下させないというようなことにも重点を置きまして、外務員が無理をしないでも、すべての郵便局が自局の目標が達成できるようにということをまず第一の要件といたしまして、目標額を設定し、かつこれを配っておる、こういう事態になっております。
#80
○庄司委員 無理な目標は立てさせないというお話があったわけですが、これは郵便局段階の実態となると違うようですね。だから局長のほうはあるいは無理な目標を立てさせないと言っているかもしれませんが、私、二、三の事例を拾ってきたのです。たとえば東京の京橋の郵便局、ここでは外務員の定員が三十四人だそうですが、一年間の目標額が保険料で三千八百五十万円、これは一人約百十三万円なんですね。これはさっき申し上げた全国平均一人当たりの六十四万円、あれと比べると約倍ぐらいなわけですね。こういう目標、ノルマというとお気にさわるかもしれませんが、この目標をこなすとすれば、これは相当な過重な目標になるのではないか。そういうことで、全逓の組合は、こういうノルマはひとつやめてもらいたい、こう要求しているわけですね。その点で、こういうノルマがやはり与えられている現実があるわけですから、あるいは先ほど申し上げた京都の北郵便局の保険課長のように、とにかく保険をどんどん取ってこい、あとは郵政局が責任を持つというような発言をなさる方もあるし、あるいはもう一つの事例を申し上げますが、これは局名を申し上げませんけれども、ある都市部の郵便局です。超過契約、これはだいぶあるわけですが、一人で二口も三口も入る、これが公然と黙認されているという事態もあるのですよ。これはやはり郵便局長が成績をあげて、たまに郵政大臣表彰をしてもらいたいから、そういう成績主義があるわけですね。こういう事態があるとすれば、私は告知義務違反なりあるいは契約解除に該当するようなトラブルが発生するのは当然だと思うのですよ。だからこういう目標の割り当て方、これはやはり郵便局の労働者のほんとうの自主的なものでなければならないと思うのですよ。それが現実には郵便局長なりあるいは地方郵便局長の目標達成のための犠牲にされて、こういうトラブルが絶え間ないのだと思うのですが、この辺郵政大臣として、こういうむちゃなやり方をやめさせる、完全に労働者個人の自主的な目標で消化させるという決意おありでしょうか。
#81
○久野国務大臣 先ほど最初に御質問のありました点について、最初にちょっと御答弁申し上げたいと存じますが、契約申し込み者と担当者との間の双方の意見が対立をいたしましたために、第三者機関に調査を依頼をいたしまして、そうして支払いが行なわれたわけでございますが、その支払いが非常に遅延をいたしました事柄につきましては、私といたしましては、まことに遺憾なことでございまして、おわびを申し上げたい、かように存じます。
 第二点の目標額の設定の問題でございます。これを全廃する意思があるかどうかということでございますが、現状では、私は、この目標の設定につきましては、これを取りやめるということは考えておりません。やはり民間の会社企業にいたしましても、国においても、長い間の経営の一つの目標を打ち立てまして、その目標に基づいて経営の改善をはかり、また向上をはかるというようなことは、いかなる企業においても、また国においてもやっておるわけでございまして、そのような意味から、このような目標を定めまして、そうしてこの目標に従って契約が向上いたしますために皆さんの御協力をいただくということは必要であろうと思います。しかし、ややもいたしますと行き過ぎる点が出てこないとも限らないと私は思うのであります。そういう点を特にいま御指摘なさったようでございます。ただいまの質疑応答につきまして聞いておりますと、個人的な目標の指示はしていない、こういうことでございまして、今後私といたしましては、やはり目標は定めますけれども、これを強制するということがあってはならない、かように考えておるような次第でございまして、十分そうした点については留意をしていきたい、かように考えます。
#82
○庄司委員 それで私、大臣に申し上げたいのですが、大臣は、そういう個人的な目標を強制はしない、これは非常にいいと思うのですが、実際現場へ行くと、地方の郵政局長さんなりあるいは郵便局長さんなりが、出世するなら保険と貯金だとかいうような合いことばも郵便局内であるようですが、こういう実績をあげてやはり出世したい、あるいは大臣表彰を受けたいという気持ちはあるだろうと思うのですよ。それがたまたま勤務評定的な要素もかみ合ったりして、こういうノルマの――ノルマと言うとまずいならば目標の強制にえてしてつながる。その点で、これは私は大臣にはっきりしてもらいたいのですが、もしそういう目標の強制をやった場合は郵便局長に対して厳重な処分をするというくらいの御決意はおありですか。
#83
○久野国務大臣 先ほども申し上げましたように、目標については強制をいたしていないのでございますから、そのような事態は生じないと私は存ずる次第でございます。でありますから、処分してはどうか云々というようなおことばにつきまして、反言するようでまことに恐縮でございますが、そのような事態は起きないように慎重に私は指導してまいりたい、かように存じます。
#84
○庄司委員 これは水かけ論になっちゃうとうまくないのですが、大臣は、強制はしていないのだからそういう処分なんかは考えない。しかし、強制というのは、あの警察の拷問のようなかっこうでやる強制ばかりじゃないのですね。どうも出世がおそい、あるいは昇給のあれが少し格差があると思っていたら、やはりこういう事態もからんでいたということもあり得るわけですね、私は事例を聞いているから。だから、これは警察の拷問的な強制ではないにしても、やはり一種の強制と私は見るわけですよ。だから、そういう強制もないように御指導なさるのかどうか、その辺どうです。
#85
○久野国務大臣 いろいろ具体的に御意見がございましたが、御意見は御意見として十分拝聴いたしておきたい、かように存じます。
#86
○庄司委員 もう一点私はこの問題で伺っておきたいのは、外務員が貯蓄奨励手当というのを受け取っているのですね。これは郵政省全体で一人年間平均にしますと約五十九万円だ。月額にしますと約四万九千円になるのですね。そうしますと、こういう手当がないとなかなか生活が楽じゃないという事態が郵政労働者の中にやはり一般的にあるのだろうと私は思うのですよ。そうすると、これは一種の民間の保険の勧誘員のような意識が出てこざるを得ないと思うのですよ。これは公務員としてあまり好ましいあり方じゃないと思うのですが、大臣、その点はどういうふうにお考えになります。
#87
○久野国務大臣 御指摘の点につきましてはいろいろ問題のあるところだと存じますが、しかし現在の制度のもとにおきましては、これは適切な制度である、かように私は理解をいたしておる次第でございます。
#88
○庄司委員 私が申し上げたいのは、こういう保険を勧誘してそれで生活の足しにするというようなことになれば、一方上からはことばではないような強制がある、自分の実態から見れば生活に困る、両々相まってやはり成績を上げようということで、それがトラブルの原因になる。現に一年間に二千七百件もあったのですから、これは膨大な数字ですよ。こういう事態が現実にあるのですから、郵政の労働者を基本給でめしが食えるというふうにしてやらないと、私はこういうトラブルがやはり発生する原因になると思うのですよ。その点で私は、いますぐこの外務員手当をやめろとかなんとか言いませんけれども、徐々に基本給を上げて、外務員手当に依存しなくても生活ができるというふうにしてやれば、衣食足って礼節を知るのですから、超過契約をやってみたり、あるいは面接もしないで契約をやってみたり、中には、お元気ですか、お達者ですかと言っただけで代書のかわりをする人もいる、こういうふうに聞いております。だからこういうトラブルをなくすためには、私はやはり基本的には基本給で生活ができるということを公務員には保障する必要があると思うのですよ。とにかく毎月五万円近くの外務員手当がなければ生活できないのだという状況では私はうまくないと思うのですがね。大臣、その点で、郵政のこういった保険の外務員なり貯金の外務員なり、あるいは集配の労働者なりを基本的に基本給で食えるという方向に近づけてもらいたいと思うのですよ。それをひとつ大臣から御答弁お願いしたいのです。
#89
○久野国務大臣 お答え申し上げます。基本給を上げてはどうかという御意見に対しましては、私は承っておきます。
 外務員の手当云々という事柄につきましては、これは将来十分に検討事項といたしまして、衆知を集めていろいろ勉強いたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。
#90
○庄司委員 それから先ほどの質問の中にもありましたが、この間、これは四月一日の読売新聞だったと思いますが、小金井でママさん配達員が八人集団辞職をしたという事態が起きていますね。この方々の要求というのは、一時間当たりの賃金が二百五十円で非常に安い。その上に信書の秘密の問題で団地の方々から騒がれるのだというんですよ。あの奥さんに配達してもらったら私のところにだれだれさんから毎日のように手紙が来るなんということがわかるわけですね。これは公務員にあらざる人が信書を配っているわけですから、中は見ないにしても、だれから何べん毎週手紙が来るなんという点がわかるわけですよ。これが団地の奥さん方から非常に評判が悪いというんですよ。それからもう一つは、二百五十円の時間給で、大体一人の配達部数が五百通ぐらいだというんですね。そうすると、四時間やそこらの配達時間ではとてもじゃないが配れない。しかも、団地はあのとおり階段がずっとあって、何べんも上がりおりしなくてはならない。これは非常に安いというんです。そのほかに夏冬の手当はないわけですね、臨時雇いですから。だから、こういう労働条件の中にママさん配達員がやめていく理由があると私は思うのですよ。その辺、これはほんとうなら郵便局の集配人、正規の労働者をふやし、配達させるのが私は一番の常道だと思うのですが、このママさん配達員が当面は必要だとして、この方々の賃金を上げるのに手当を出してやるなり、そういう道を考えておられるのかどうか、これをひとつお伺いしたいと思うのです。
#91
○溝呂木政府委員 お答え申し上げます。団地ママさん配達につきましていま先生から御指摘の点、小金井団地に起こった問題でございまして、私ども全国では相当数使っておりますが、たまたま小金井団地におきまして、ママさんから、もっと処遇を改善してほしいという要望がございまして、全国一律に私どものほうとしては非常勤職員をもって採用しておりまして、先ほども先生から御指摘のように、一時間幾ら、そして四時間くらいということで全国やっておりましたので、その御要望に対しておこたえできなかったわけでございます。そのうち、賃金単価につきましては、非常勤職員の一般の単価が四十八年度でも予算で少し上げるよう処置しておりますので、時間当たりの単価は将来上げ得るものと思いますが、雇用関係が時間単位の雇用関係でございますので、どうしても手当というものが出せないわけでございまして、その辺、今後もし継続してこれを使うものであればそういう道が開かれようかと思いますが、特に小金井団地の場合は、継続雇用というよりも、次々とママさんが交代で勤務されるというために、どうしても短時間あるいは時間単位になってしまうために、よそで出し得るものも出せないという問題もございます。その二つの問題でああいう問題が起きたわけでございますが、全般的に団地ママさんの処遇については、先ほども申しました時間単金及び少しでも継続雇用した場合の手当等については、前向きで考えてみたいというふうに思っておるわけでございます。
#92
○庄司委員 そうしますと、もう少し具体的に答えていただきたいんですが、時間給については何ぼに引き上げるのか、それから継続した場合は手当を上げてもいいというわけですから、その継続の期間を何カ月とかあるいは一年とか、それはあるだろうと思うのですが、それを具体的にしてもらいたいのです。
#93
○溝呂木政府委員 いま手元に具体的に数字を持ち合わせておりませんので、四十八年度予算との関係で、単金を幾らにするか、それから、どのくらい継続した場合には手当のうちどういう手当を出せるかということにつきまして、実はいま手元に資料がございませんので、わかり次第お知らせしたいと思います。
#94
○庄司委員 今度は大臣に伺いますが、私は、こういうママさん配達員を頼んだり、学生アルバイトを頼んだりするようでは、やはり本道ではないと思うのですね。先ほどの御質問にもあったわけですが、住所不明とか、調べたがわからないで返ってくるのが非常に多いんですね。これは大臣も選挙をおやりになったからわかるでしょうが、選挙のはがきなんかばんばん返ってきますね。これはやはり専門職がいないから私は返ってくる率が多いし、専門職が少ないから、住所なんかも、昔の郵便配達員なら、私は仙台ですが、仙台市原町で来たんですよ。昔の郵便配達員は全部知っていたんです。ところが、いまはアルバイトか何かで臨時に雇われて、番地まで書いたってなかなかさがしかねるケースが多いと思うのですよ。だからそういう点で私は、専門の郵便配達員、集配人ですね、これをふやすのがこの配達事故の解消の大事な点じゃないかと思うのですが、この点で配達員をもっとふやす必要性をお考えになっているのか、もっとふやすという決意があるのかどうか、ひとつ大臣からお答え願いたいと思います。
#95
○久野国務大臣 第一点の御質問のママさん配達の件につきましていろいろトラブルのありましたことを、ただいま事務当局の説明で伺ったわけでございます。そういう問題が起きてきたことはまことに遺憾なことだと私は存じます。しかし、先ほどこれを廃止してはどうかという御意見がございましたが、しかしそうではなく、このママさん配達は非常に意義のあることでもあるし、これを存続せよという意見もあるのでございます。いろいろの意見もあるのでございますから、やはり各方面の意見をもいろいろそんたくをしてこれは考えなければならぬ一つの問題点であろうと思うのでございます。
 先ほど松浦委員の御指摘のありました点につきましても、私は一つ申し落としたのでございますが、国民の皆さんにも理解をしていただきたいことが一つございます。配達員の方が非常に苦労なさって一軒一軒配達していただいておるのでございます。その労苦というものは私はたいへんなものだと思うのでございます。でありますから、やはりこういう配達員の方がほんとうに遅滞なく、しかも確実に皆さんのお手元に届けることができるように、住所、氏名、団地あるいは棟数、番号、こういうものを正確に記載をしていただくことが私は望ましいと思うのでございまして、国民の皆さんにこの点は御協力をいただきたいと思うような次第でございます。一言つけ加えて申し上げました次第でございます。(庄司委員「専門の配達員をふやせという質問なんですが、ふやすほうはどうなんですか」と呼ぶ)専門の配達員をふやすかどうかということにつきましては、将来の検討事項として、いろいろ皆さんの御意見を拝聴しながら考えていきたい、かように存じます。
#96
○庄司委員 時間もありませんから、もう一つだけ伺って私は終わりたいと思うのですが、簡易保険の資金の運用の問題で、先ほども御質問があって御答弁もあったわけですが、私もやはり、簡易保険というものやあるいは郵便貯金、年金、こういったものはほんとうに働く国民の零細な積み立てや預金によって成り立っているものですから、いわゆる民間の生命保険で何千万とかかっているような人とは違うわけです。これは当然そういう日常苦労して働いている国民に喜ばれるように還元すべきだ。その点で、時間もありませんから一つだけ簡単にしぼりますが、今度の簡易保険郵便年金福祉事業団の事業計画、四十八年度を見ますと、保養センターについては、用地購入が四カ所であるとか、建物の着手が三カ所であるとか、継続が三カ所であるとかあります。ところが、加入者ホームについては、既設の十三カ所について運営計画だけがある。これはほんとうなら厚生省が老人ホームの問題は所管するわけですが、厚生省だけではなかなか手が回りかねる問題があるのですよ。そういう点で加入者ホームが十三カ所でこのまま続けていくのでは、私は積極性がないのじゃないかと思うのですよ。しかもこの加入者ホームというのは、私も若干の知り合いから聞いておりますが、たいへん喜ばれております。この加入者ホームなんかはもっともっとふやすべきじゃないかと私は思うのですよ。
 それからもう一つは、簡易診療所の問題です。これも厚生省の怠慢の問題もあるのですが、実際日本全国に過疎地帯で医者のいない地区が三千カ所こえている。私どもの宮城県なんかでは百五十八カ所もあったわけです。この方々は国民健康保険に入っても、医者がいないため薬も保険の対象にならない。だから越中富山の配置薬へ年間一万何ぼも払う。医者がいない上にさらに薬代も余分に負担しなくてはいけないという実態があるのです。せめて簡易保険その他で積み立てたお金でこういう簡易診療所を無医地区に配置していくというくらいの積極的な計画があってしかるべきだと私は思うのですが、四十八年度の事業計画ではそれはないのです。だから、その辺大臣として、これは四十八年度に間に合うかどうかわかりませんが、あるいは来年度あたりででもこういう計画を積極的に立てられる御決意があるかどうか、これを最後にお伺いしたいと思うのですよ。
#97
○久野国務大臣 簡易保険の積み立て金の運用の問題でございますが、ただいま御指摘のありましたような件につきましては、一つの考え方だと私は存じます。しかし、まだ私たちとしてはそれを具体的に検討いたしておりませんが、十分御意見は御意見として拝聴いたしまして、これまた検討事項として考えてまいりたい、かように存じます。
#98
○宇都宮委員長 和田耕作君。
#99
○和田(耕)委員 私は、きょうは特定郵便局の問題について、郵政大臣と電電公社の責任者の方に御質問したいと思います。
 大臣、特定郵便局ということになると、私は高知県の室戸岬のえらいいなかに生まれたものですけれども、小さいときを思い出しますと、小学校の校長さんに郵便局の局長さん、駐在のおまわりさん、この三人をすぐ思い出すほど非常になつかしい存在であるし、日本の郵政事務にとっては非常に重要な役割りを果たしてきたのが特定局だと思うのです。話に聞きますと、特定局というものを次第に廃止あるいは縮小していくというような計画があると承りますけれども、今後の特定局に対する一般的な政策はどのような政策をお持ちになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
#100
○久野国務大臣 現在の特定郵便局制度というのは、非常に国民の皆さんの生活に密着し、しかも御理解をいただいておる制度でございます。でありますから、将来この制度を改めて縮小するというようなことは、現在においては考えておりません。
#101
○和田(耕)委員 それは非常にけっこうなことだと思いますけれども、特定郵便局はいなかだけでなくて、東京のどまん中にもたくさんあるわけですが、最近特定郵便局といえば、非常に狭い局舎で、労働条件も非常にやりにくい労働条件のもとで働いておるところが非常に多いと思うのです。この局舎改善等について長年関係者は要望しておると聞いておりますけれども、一向にはかばかしく改善がされないということですが、いかがでしょうか。
#102
○久野国務大臣 私が郵政大臣に就任をいたしました際に冒頭に皆さんに申し上げましたことは、労使間の円満な協調をはかりたい、そうしてその円満な協調関係を樹立するためには、まず職場環境の改善をはかるべきである、こういうことを皆さんには率直にお約束申し上げた次第でございます。でありますために、今年度昭和四十八年度の予算編成の際にも、この局舎改善のための経費の増額については、大蔵省当局との事務折衝の際、あるいは政治折衝の際に十分意を用いたつもりでございます。詳細にわたりましては事務当局から数字等は説明をさせますが、私の基本的な考え方はここにあるわけでございますので、和田委員の御理解を賜わりたいと存ずる次第でございます。
#103
○溝呂木政府委員 特定局関係は、現在一万六千三百五十局、これは四十六年度末の数字でございますが、非常に数多くございまして、その改善につきましては私ども相当頭を痛めております。昭和四十六年度以降五カ年計画で大体特定局二千局は改善したいという計画を立てたわけでございます。大きいほうの局舎は国費によって建てかえたりいたしますので、毎年予算で大体百局を予定しまして、順調に進んでおります。それから私費、いわゆる特定局舎には私費でお建てになって、それを私のほうで借料で借り上げている分が多うございますので、この改善につきましては、どうしてもその建物の持ち主がこれの改善に努力していただかなければいかぬということで、いろいろ資金面とか、そういった面において、局長会等が中心になりまして、この対策を講じました。おかげさまで、最近五カ年間で見ますと、大体一年平均六百五十局程度の改善が進みつつあります。しかし、これはいなかも含めてでございまして、ただいま先生御指摘のように、東京都内あるいは大阪市内といったようなところの局舎改善は、実は私ども非常に頭を痛めております。ということは、もうすでに非常に高い土地になっておりますし、しかも高層ビル等にはさまれた局舎をそこだけ改善するということは、いろいろな意味において困難をきわめておりまして、要はそういった大都市における特定局舎の改善ということが今後の大きな課題になっておりますので、私どもといたしましては、まず第一に、その付近にビルができた場合には、そのビルを特定局長さんが借りるか、あるいは私どものほうで借りてその場所を確保するとか、いろいろ手を打っておりまして、少しずつ改善の方向は見えますが、しかし私ども全体からながめますと、まだまだ東京都内及び大阪市内の改善というものは少しテンポがおそいという感じで、今後この方面に努力してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#104
○和田(耕)委員 大臣から特定局の設備その他の労働条件の改善のためには今後一生懸命考えるという趣旨のお話があったのでございますけれども、非常にけっこうなことでございまして、特にあとでお話のありました大都市の特定局というのは、このごろ非常にりっぱなビルができ、りっぱな事務所ができる中で、いかにも見すばらしいですね。しかもあそこでいろいろな切手を売り出すときなどは長い行列をつくって、雨がさをさして待っておるという風景があちらこちらに見られるわけですけれども、これは一般の市民とも密接な関係のあるものですから、ひとつ改善のための格段の御努力をお願いしたいと思います。
 それと関連をした問題で、きょうこの問題が主たる質問点になるわけですけれども、特定局の中で、電信電話公社が電話の交換の事務を郵政省に委託しているという関係のようですが、このような局の数は日本でどれくらいありますか。
#105
○溝呂木政府委員 お答え申し上げます。昭和四十八年二月末現在でございますが、電話交換の取り扱い局が二千八百十六局、それから電報配達の取り扱い局が四千八百七局、ただしこの四千八百七の中には電話の交換も取り扱っているものが含まれております。それが二千七百五十九局でございます。
#106
○和田(耕)委員 これの電話の交換台はどれくらいあって、大体どれくらいの従業員が電話の交換に従っておるのかという問題……。
#107
○溝呂木政府委員 実は交換台数がちょっと手元にございませんが、それに従事しておりますのは三万三千人でございまして、そのうち電信が九千人、それから電話が二万四千人ということになってございます。
#108
○和田(耕)委員 最近電電公社のほうでは、電話業務の合理化のために委託事務をできるだけ改廃していくという御方針のようですけれども、これはいま五カ年計画で進めておるようですが、できるところはいつごろまでにこの合理化を完了しようと考えておりますか。
#109
○清水説明員 お答えいたします。私どもの立てております第五次五カ年計画の終わります期末は昭和五十二年でございますが、五十二年度末までに郵政省に委託しております電話の取り扱いにつきましては大体完了をしたいという計画を立てております。電報につきましてはまた別途でございます。
#110
○和田(耕)委員 五十二年と申しますと、いまから約三年ちょっとの期間に二万四千人の人が全部移るとすれば、郵政省の職員から電電公社の職員に移るということになるわけですね。このような場合、いろいろこれは人の問題、職場の問題ですから、なかなかむずかしい問題があると思うのですけれども、どのようなシステムで転換の問題を処理しておられるのか、その実情を郵政省の方でも電電公社の方でもいいですがお伺いしたい。
#111
○北政府委員 お答え申し上げます。お示しのように、そういった二万四千という人たちが五十二年末までにおおむねその仕事が電電公社のほうへ移るわけでございます。その場合、公社へ転出する人もおりますし、それを機会に退職する人もございますし、またその時期に郵政部内の他の郵便局へ配置がえするケースもございます。いずれにいたしましても、今後電通合理化の対象地域が現在よりさらに山間僻地のほうに移ってまいります。したがいまして、その要員措置は実行上相当な困難性というものが予想されるわけであります。したがいまして、郵政省といたしましては、電電公社に対しましてこういった省の要員事情というものを十分に説明をいたしまして、各年度の計画策定上しんしゃくしてもらうように要望しておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、たとえば同一地域内に、ある時期に実施計画が重なるということになりますと、一時的に多数の過員が狭い地域で発生する、こういったことはなるべく避けてほしいというようなこと、あるいは郵政職員で公社への転出を希望する者は全員希望どおりに受け入れてほしいというようなこと、あるいは要員措置が困難な局につきましては、実施時期あるいは公社の受け入れ計画について特別の考慮を払ってもらいたい、たとえて申し上げますと、現在つとめております郵便局からの通勤区域内に公社局がありませんような場合に、特例的にそういった地域に小規模な公社局をつくって郵政職員の受け入れを可能にしてもらうというような、いろいろなことを要望しておる次第であります。
 いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたような三つの過員解消の方法がございますので、そういったことにつきまして今後とも大いに努力を続けてまいらなければならない、かように考えております。
#112
○和田(耕)委員 これは送り出すほうは郵政省、受け取るほうは電電公社ということになるわけですけれども、主たる責任者といいますか主管者といいますか、これはどちらになりますか。公社が受け取ってお使いになるわけですから公社のほうになりますか。そして郵政省のほうは希望を申すということになりますか。どういうふうな扱いになりますか。
#113
○北政府委員 業務が公社へ移ってしまうといいます場合に、私のほうでその時期まで電話の業務に従事しておった人が余るわけでありまして、そのこと自体は郵政省の問題でございます。先ほど申し上げましたように、そういったことで過員を生ずるという場合に、一部は公社へ転出いたします。この公社転出の場合は、結局当方の職員が希望する、それから公社のほうで受け入れがある、でありまするから、これは相関関係ということに相なろうかと思います。それ以外にもその時期に退職する人があるわけであります。これにつきましては当方の問題でございます。それから、その時期に郵政部内の他の郵便局へかわる人もございます。これも私どものほうの問題でございます。そういうことだと考えております。
#114
○和田(耕)委員 参考までにお伺いしたいのですが、いままでの実例として、そのようなケースに当てはまる人で公社にいった人、あるいはその他の郵政の他の職場に移った人、あるいはおやめになった人、この区別の概数わかりますか。
#115
○北政府委員 ちょっと計算すれば出るのでございますが、実は年度別の計しかございませんので、三十八年度以降毎年公社転出、退職、それから部内での配転という三分類いたしますと、たとえば昭和三十八年度は公社へ七百五名参りました。その機会に退職した者が二百二十五名でございました。それから部内の他の局へ行きました者が二百六十名、それからその局もしくは他の局への過員で上積みをした者が四百十四名、こういう数字であります。ごく最近の数字、四十六年度の数字をとってみますと、公社転出が千三百九十五名、それからその機会にやめました者が九百九十七名、それから欠員、過員を問いませんで、要するに郵政部内に残りました者が八百八名、こういう数字に相なっております。
#116
○和田(耕)委員 いずれにしてもかなり多くの人が公社に移っておるという事実があるわけです。それから、退職者も相当の数にのぼるということですけれども、私、ごく最近非常にけしからぬことだというふうに思われる文書をいただいたのですが、これは一九七二年ですから昨年の四月の二十日付で、全電通の九州地方本部執行委員長の森豊喜という人の署名で、九州地方本部の傘下の各支部の執行委員長の連名で、「郵政職員のみなさんへ」というアピールのビラなんですが、こういう文書が出ておるのです。これは全電通の熊本県支部の執行委員長の名前になっております。そして、そのほか佐賀とか宮崎とかいう、支部の名前は違いますけれども、同じく全電通の九州地方本部の執行委員長の署名をした文書なんですが、公社の五カ年計画の問題を合理化促進の問題としてとらえて、いわゆる過員、いままで委託事務をやっておった、郵便局で電話の交換をしておった人が公社へ引き移ることについてこのようなことを書いてあるのです。郵政省の中で全逓と全郵政という組合があるわけですが、全郵政の問題を特に取り上げておるわけです。簡単ですから、ちょっとそのくだりを読んでみますと、全電通労働の組合として全逓の組合員の人は喜んで引き受けるけれども、全郵政の人は第二組合であって、合理化促進に協力するとか職場の団結を乱すとかということで好ましくないんだということを前段に書いたあと、「このような状態を是正するために、職場全体の討議を経て、今後は、郵政の職場から全逓組合員以外の人の公社転入は受入れないこととし、一方全逓組合員として転入される場合、転入後の身分の格付(職種問題など)賃金、福利厚生等について公社側との接衝の中で最大限条件確保に努めることの方針をとることにしました。このことは、公社側にもきびしく申し入れを行ない、公社側の考え方を求めたところ、組合の方針を了解する立場をとらざるを得ない態度を示しています。」こういう文句ですね。これは私はばなはだ不穏当なことばだと思うのです。これは単に組合だけの問題じゃないのです。いまの最後のくだりのように、このような申し入れを公社にした、公社はこの組合の方針を了解する立場をとらざるを得ない態度を示しています、こう書いてある。大臣こういうふうなことをどういうふうにお考えになりますか、まず最初にお伺いしたい。
#117
○久野国務大臣 詳細にわたっては公社側並びに事務当局から御報告いたさせますが、労働組合運動に介入するような考え方は毛頭ございません。
#118
○和田(耕)委員 これは労働組合運動に介入の問題じゃないのです。郵政の職員がどの労働組合に加盟しておるかによって、当然移っていくところの相手側が、たとえば郵政労組に加盟している者と全逓労組に加盟している者とを区別する問題なんです。これは労働組合自体の問題じゃないですよ。郵政の職員が公社に移るという場合に、どの組合に属しておるかによって採用その他の条件を区別するということです。この問題を大臣はどうお考えになりますか。
#119
○北政府委員 先生お示しいただきましたように、そういった全電通の態度というものを電電公社が了承せざるを得ないというふうに申しておるというふうにそのビラにあるという御指摘でございましたが、そういったことでありますと、電電公社がそういった組合の組織問題に介入するという立場になると思いますので、その点を大臣がいまお答え申し上げたのだというふうに思います。
 そういうことでありますので、私どもはそういう角度から、当時、現地の九州を管轄します郵政局長から、九州を管轄されます九州電気通信局長にそのことの真偽を文書で照会しておるわけであります。
#120
○和田(耕)委員 公社の方にお伺いしたいのですけれども、このような事実を承知しておられますか。
#121
○中林説明員 お答えいたします。昨年の春ごろから郵政職員の公社受け入れにつきまして、ある特定の労働組合に属しておるかいないかということによって受け入れの差別があるといったような印刷物が流れておるということにつきましては、私ども郵政省を通じて存じております。しかし、私どもといたしましては、先ほどの文書の中にはそういったような意味のことが書いてありましたけれども、公社としましては、郵政職員の受け入れに関しましては、幾つかの組合があります場合に、いずれかの組合に加入をしておる、あるいは組合そのものに加入をしているかしていないか、こういったことのいかんによって受け入れに差別をつけるというようなことば毛頭いたしてまいっておりませんし、また今後ともそういった考え方については変わりのないところでございます。
#122
○和田(耕)委員 この文書によりますと、「職場全体の討議を経て、」ということばがあります。そして「公社側にもきびしく申入れを行ない、」ということばがあります。これはうそですか。あなたはいま郵政省を通じてこういうことを知ったという話でしたけれども、おたくのほうの全電通の組合の――組合全体ではないかもしれませんが、この九州地本も職場全体の討議を経て、郵政労働あるいは無所属の組合員は受け入れない、全逓労組の人だけを受け入れる、これを職場全体の討議できめた。このことを公社に申し出た。公社はそれを承知したとは書いておりませんけれども、「組合の方針を了解する立場をとらざるを得ない態度を示しています。」こう書いています。これはうそですか。うそであってほしいのですが……。
#123
○中林説明員 お答えいたします。労働組合が職場討議でそういったことをきめたのだろうか、この点については私ども報告は受けておりませんが、ただその文書の中に、そういったことを公社側に申し出て、公社のほうでもそういったものを何か受け入れざるを得ないような態度を示したかのごときことは、これは全く事実無根でございます。公社としましては、当該の全電通の地方機関に対しまして、こういった文書については善処方を申し入れていますとともに、先ほど北人事局長からもお話ありましたが、当該郵政局からの文書による照会に対しましても、公社のほうの受け入れの態度といったものは従前と全く違っていない、そういった者の差別扱いというものは毛頭考えていないという点について、誤解を解くように、これも文書でもって回答をいたしております。
#124
○和田(耕)委員 これも公社全体の立場としてのお答えですけれども、公社全体が全電通全部がこのような話をしたという資料はいまのところないのです。ここにある九州地本だけです。このような組合の決定をして、九州地本の本部から九州の公社のほうに申し出て、どのような経過で公社側はこれに返答したのか。これについて文書で明確な御答弁をひとつお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
#125
○中林説明員 ただいま先生御要望の、その間の経緯について文書で明確に答弁をすることについては、さようにいたしたいと思います。
#126
○和田(耕)委員 このような問題が起こるのは、火のないところに煙は立たぬということばがありますけれども、私はそれらしい従来の取り扱いの経過があったのではないかという感じがいたします。というのは、十年近く前からこのようなケースが起こってきているわけです。これを処理するのに四者間協定というものがありましたか。あったとすれば、四者というのはどことどこだったのか、それをお答えいただきたい。
#127
○中林説明員 先生のおっしゃいますような四者間協定といったようなものは存在いたしません。
#128
○和田(耕)委員 いままでずっとなかったのですか。
#129
○中林説明員 お答えいたします。私の記憶によりますれば、十年ばかり前だったかと思いますが、全電通からいわゆる四者間協定というような要求といいますか、申し入れというものがあったことは記憶いたしております。ただその場合に、公社といたしましては、そういった四者間という対角線のような協定というものの効用というものにつきましても、もちろん疑問もありますし、またこの郵政職員の受け入れの問題については、公社と公社の対応する組合というものが協約を結び、また郵政省と郵政省の対応する組合というものが協約を結ぶ、いわば並行的な形で協約を結んでいれば足りることではないかということで、この要求を拒否して、そういったものは結んでおりません。
#130
○和田(耕)委員 四者間協定はなかったけれども、いわゆる四者間協定的なものは十年前にあったということですね。
#131
○中林説明員 いわゆる四者間協定という組合からの要求があったということでございまして、公社がこれを受けて結んだということじゃなくて、これを拒否したということでございます。
#132
○和田(耕)委員 それは責任のある人の答弁ですから誤りないと思いますけれども、しかしいわゆる四者間協定というものが事実上動いておったという事実は私確認をしておるのですけれども、これもあとの問題でいいでしょう。
 そこで、この四者というのは、つまり公社と全電労組、そうして郵政省と全逓、この四つの人たちがいまの委託しておる交換手を郵政から公社に引き受ける話し合いあるいは退職した人をどうするかという話し合いをしたという経過があると私は聞いております。この場合に指摘しておきたいということは、特定局の組合の人たちは、もう十数年前から郵政労組の前身の一つである全特定という組合がありますが、この組合に所属しておった労働者が大部分です。つまり特定局の労働者は、郵政の郵政労組の前身になる組合に属しておった人が大部分です。しかも扱いは特定局の職員扱いなんですから、このような場合にはその関係の多い組合の方々と話すというのは当然のことだと私は思う。そういう点でこのようなしきたりがなかったとは言っておりますけれども、こういうふうな状態を考えてみると、これは職場の中でいろいろ違った組合があるということから派生する、単に全逓だけの問題ではありません、国鉄の中にもありますいいろいろゆがんだ関係が出てくるということはわかりますけれども、しかしいろいろな問題はありましても、人間の職業の問題についていささかでもこのような区別をするというような措置は絶対にいけない。特にこれは強く私は指摘しておきたいと思います。
 あなたいまそういうふうな扱いはなかったとおっしゃっておりますけれども、ぼくがあったかもわからないと想像するのはそういう点です。またこういう問題が今後とも起こり得る可能性というものがあると私が思うのは、この特定局の交換手の人たちは地元の人です。したがって、この地元の人がおまえさん、公社に行っても地元じゃ職がないから遠い離れたところで仕事をしなさい、こう言われる。言われると、その人は仕事をしたいと思っても事実上できないようなケースがある。そういう場合に、区別をしなくても、そういうふうな底意があれば、ある交換手に対して、ずっと離れたところの職場へ行ってください。いや、私はそういうところへは行きません。それじゃしかたがないから退職資金あるいは三年間の給与の保障があるから、なんというような話し合いが出てくる余地は十分あります。そういうふうなケースですから、このような、どのような組合に所属しておるかということによって、公社あるいは郵政大臣も監督者として、また監督者だけではなくて、自分の郵政事務の問題とも関係があることですから、もっとこの問題について注意を配っていただきたいと思います。
 要するに、そういうふうな問題がすでにこういう形で出ておるのですから、「郵政職員のみなさんへ」と、おまえさんたちは全逓におれば安心だ、その他の組合におれば不安だぞというふうな趣旨のことを公然と配らすような状態は、責任者として、大臣として避けてくださるように適当な処置をとっていただきたいと思います。適当な処置というのは、このような職場の問題について差別するようなことをしてはいけないという趣旨のあなたの談話を発表するとかいうふうなことを私は申し上げておるのですけれども、そういう処置がとれるのかどうか、大臣にお伺いしたいと思います。
#133
○久野国務大臣 御意見は御意見として拝聴いたしておきますが、いま直ちにその処置をどうするかということについてはなお検討を要する、かように存じます。
#134
○和田(耕)委員 これで質問を終わりますけれども、いろいろ気にさわることを申し上げたかもわかりません。しかし、これは大臣から最初にお話があったように、組合間の問題だから干渉しないということはごもっともです。それは干渉してはいけませんけれども、これは組合運動の問題じゃありません。組合運動とは別の問題です。あなたがおかかえになっておる郵政の職員が働いていくであろう場所で、ある組合に属しておったからよろしい、ある組合に属しておったからいけない、このようなことで力を背景にして地方の担当局に圧力をかけるような行動は絶対にいけない。ぜひともそういうふうなことをお考えになって、効果のあがる措置をとっていただきたい。このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#135
○宇都宮委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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