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1972/03/01 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 予算委員会 第19号
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1972/03/01 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 予算委員会 第19号

#1
第071回国会 予算委員会 第19号
昭和四十八年三月一日(木曜日)委員長の指名
で、次の通り分科員及び主査を選任した。
 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査
 院、内閣、総理府(経済企画庁を除く)及び法
 務省所管並びに他の分科会の所管以外の事項)
   主査 臼井 莊一君
      伊能繁次郎君    塩谷 一夫君
      田澤 吉郎君    福田  一君
      湊  徹郎君    北山 愛郎君
      楢崎弥之助君    谷口善太郎君
      山田 太郎君
 第二分科会(外務省、大蔵省及び文部省所管)
   主査 黒金 泰美君
      荒木萬壽夫君    木野 晴夫君
      北澤 直吉君    田中 龍夫君
      灘尾 弘吉君    田中 武夫君
      中澤 茂一君    安井 吉典君
      山原健二郎君    安里積千代君
 第三分科会(厚生省、労働省及び自治省所管)
   主査 倉成  正君
      大野 市郎君    小平 久雄君
      野田 卯一君   三ツ林弥太郎君
      森山 欽司君    大原  亨君
      細谷 治嘉君    浦井  洋君
 第四分科会(経済企画庁、農林省及び通商産業
 省所管)
   主査 細田 吉藏君
      仮谷 忠男君    正示啓次郎君
      野原 正勝君    山崎平八郎君
      安宅 常彦君    小林  進君
      阪上安太郎君    津川 武一君
      坂井 弘一君    小平  忠君
 第五分科会(運輸省、郵政省及び建設省所管)
   主査 前田 正男君
      足立 篤郎君    小澤 太郎君
      瀬戸山三男君    根本龍太郎君
      藤波 孝生君    阿部 昭吾君
      辻原 弘市君    岡本 富夫君
―――――――――――――――――――――
昭和四十八年三月一日(木曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 根本龍太郎君
   理事 足立 篤郎君 理事 小澤 太郎君
   理事 仮谷 忠男君 理事 田澤 吉郎君
   理事 湊  徹郎君 理事 阪上安太郎君
   理事 辻原 弘市君 理事 谷口善太郎君
   理事 山田 太郎君
      赤澤 正道君    荒木萬壽夫君
      伊能繁次郎君    臼井 莊一君
      大野 市郎君    北澤 直吉君
      倉成  正君    黒金 泰美君
      小平 久雄君    正示啓次郎君
      瀬戸山三男君    田中 龍夫君
      塚原 俊郎君    野田 卯一君
      野原 正勝君    福田  一君
      保利  茂君    細田 吉藏君
      前田 正男君    森  美秀君
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      北山 愛郎君    田中 武夫君
      中澤 茂一君    楢崎弥之助君
      松浦 利尚君    安井 吉典君
      柴田 睦夫君    中島 武敏君
      岡本 富夫君    安里積千代君
      折小野良一君    小平  忠君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 三木 武夫君
        法 務 大 臣 田中伊三次君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        農 林 大 臣 櫻内 義雄君
        通商産業大臣  中曽根康弘君
        運 輸 大 臣 新谷寅三郎君
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
        建 設 大 臣 金丸  信君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       江崎 真澄君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      坪川 信三君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      福田 赳夫君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      小坂善太郎君
 出席政府委員
        内閣審議官   粟屋 敏信君
        公正取引委員会
        委員長     高橋 俊英君
        公正取引委員会
       事務局経済部長 三代川敏三郎君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 熊田淳一郎君
        行政管理庁行政
        監察局長    大田 宗利君
        防衛施設庁総務
        部長      河路  康君
        経済企画庁国民
        生活局長    小島 英敏君
        経済企画庁総合
        開発局長    下河辺 淳君
        環境庁企画調整
        局長      船後 正道君
        環境庁大気保全
        局長      山形 操六君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
        法務省民事局長 川島 一郎君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        外務省アジア局
        長       吉田 健三君
        外務省条約局長 高島 益郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      大倉 眞隆君
        大蔵省主計局長 相澤 英之君
        大蔵省主税局長 高木 文雄君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        農林大臣官房長 三善 信二君
        農林大臣官房予
        算課長     渡邉 文雄君
        農林省農林経済
        局長      内村 良英君
        農林省構造改善
        局長      小沼  勇君
        農林省農蚕園芸
        局長      伊藤 俊三君
       農林省畜産局長 大河原太一郎君
        農林省食品流通
        局長      池田 正範君
        食糧庁長官   中野 和仁君
        林野庁長官   福田 省一君
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        運輸省鉄道監督
        局長      秋富 公正君
        運輸省航空局長 内村 信行君
        郵政省電波監理
        局長      齋藤 義郎君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省計画局長 高橋 弘篤君
        建設省住宅局長 沢田 光英君
        自治大臣官房審
        議官      近藤 隆之君
        自治省財政局長 鎌田 要人君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      野路 武敏君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月一日
 辞任         補欠選任
  赤澤 正道君     塩谷 一夫君
  塚原 俊郎君     藤波 孝生君
  保利  茂君     山崎平八郎君
  松浦周太郎君     森  美秀君
  松野 頼三君    三ツ林弥太郎君
  大原  亨君     松浦 利尚君
  津金 佑近君     浦井  洋君
  中島 武敏君     津川 武一君
  不破 哲三君     柴田 睦夫君
  矢野 絢也君     坂井 弘一君
  安里積千代君     折小野良一君
同日
 辞任         補欠選任
  森  美秀君     木野 晴夫君
  松浦 利尚君     大原  亨君
  柴田 睦夫君     山原健二郎君
  折小野良一君     安里積千代君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 分科会における参考人出頭要求に関する件
 昭和四十八年度一般会計予算
 昭和四十八年度特別会計予算
 昭和四十八年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○根本委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十八年度一般会計予算、昭和四十八年度特別会計予算及び昭和四十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行ないます。岡本富夫君。
#3
○岡本委員 最初に、農政問題についてお聞きいたしますが、どうも私、わが国の農政というものが行き当たりばったりである、きちっとした一つの見通しを立てて農業の方針を立てているのではないということをつくづく感ずるわけであります。
 たとえばミカンを一つ例にとってみましても、ミカンの増産を盛んに普及しまして、本年は三百三十万トン、それから五十六年には四百二十万トンのミカンつくろうというような計画のように思われるわけでありますが、ミカンができ過ぎてもうすでに暴落して、そのために首をつった。こういうようなことでは農家が不安でしかたがない。またお米をつくれ、お米をつくれと、米の増産をやったかと思うと、今度は減反。減反して反三万円ですかもらったけれども、それによってしかたがないので大根をつくった。大根を今度市場に売りに行ったところが、千二百円にしかならなかったというようなことで、いまの農家は非常に先行き不安である。ここにいらっしゃる行管の長官である福田さんは、私はだれよりも農民を愛すということをおっしゃったことがあるように記憶しておるのですが、どうもそうではなかったのではないか。
 そこで、櫻内農林大臣の間に、そういった十年なら十年、二十年なら二十年計画をきちっと立てて、そうして総合農政をしてやっていかなければならないのではないか、こういうふうに私は思うのですが、まず農林大臣の所信を承りたい。
#4
○櫻内国務大臣 言うまでもなく、ただいまお話しのとおりに、農家が安心のできるような農政の指導をしなければならないと思います。ただ、せっかく計画がございましても実態が伴ってまいらない。それには天候のかげんなども加わる、いろんな要素が加わってまいりまするが、御指摘の農林省自体が持っておる計画からは、私は、農家の皆さん方のいろんな御考慮を願う上にそう間違った計画は出しておらないと思うのであります。
 いまミカンのお話も出ましたが、顧みて検討してみますると、植栽面積などが計画どおりにいっておらなかったということも一つの原因に入ってきておる。そういう点は昨年の行政機構の改革で、農林省の機構を非常に大きく改善させていただきまして、統計情報事務所などの設置もいたしましたので、できるだけ正確な情報を収集し、これを農家に提供いたしまして、計画が大きくそごをしないようにつとめ、安心していけるようにいたしたいと、こう思います。
#5
○岡本委員 たとえば農林大臣の任期を見ましても、佐藤第一次内閣のときが赤城さん、それから一年して坂田さんにかわって、また一年して松野さんにかわって、また一年して倉石さんにかわる。大臣がこうくるくるくるくるかわる。約一年ぐらいです。中には、田中内閣になってからでも五カ月でかわっていますね。そこへもってきて農地局長、これも大体一年か二年。したがって、ほんとうに日本の農業というものを考えた総合農政の基本がきちっと出てない。天候に左右されると言いますけれども、天候だってそんなに毎年毎年変わるわけではありませんよ。日本の農政というものはもうほんとうに行き当たりばったり。そしてこの予算を見ましても、つかみ金みたいな、複雑怪奇なんですね。複雑というよりも、積算根拠がないような予算を組んでおる、私はこういうように農林省の予算を見ましてつくづく感ずるわけであります。
 そこで、もっと現状を把握して、そうして農家の方が安心して農業を営んでいけるようにしなければ、私は日本の農業は全部なくなってしまうと思う。しかも、基本的に慶応時代や明治時代の農業と同じようなことを考えておったのでは話にならぬと思うのです。たとえば大根一本、安いものです。しかし、これをつけものにすれば、食堂に行ってごらんなさい、もう一つつけものをくれと言ってもいい顔をしない。一切れ二円ぐらいするのですから、あのつけものは。ところが大根をそのまま売れば、運賃も出てこない、こういう状態でしょう。ですから、やはり将来の農政の行き方としては加工まで持っていく。ミカンだって、こんなにとれたときにはミカンのかん詰めにする。こういうかん詰め工場を、ミカンの栽培と同じだけのかん詰め工場をつくる。その金はどこにあるかといえば、農協に四兆、五兆という金が遊んでいるわけですから、これがきちっといくまではこれは利子補給をしてあげる、そういったきちっとしたものをつくらなければ、私はほんとうの今後の農政については、いけないのじゃないか、こう思うのです。あとでまたこれに対してお答えをいただきます。
 そこで、私、時間があまり与えられておりませんので、あなたのほうの農業の振興の一つの方針として、国営パイロット、国営農地開発事業というものをやっておるわけでありますが、このずさんさといえば、調べれば調べるほど国民の税金をむだづかいをしておることが明らかになってくるわけであります。三十六年から始めまして、いままで大体二千七百億余り、本年の予算が五百八十八億九千九百万ですか。この中で、今度の四十八年度の予算を編成するにあたって、いままで約二千七百億の金を使って適切なところの国営パイロット事業ができておるのかどうか、これをまず調査をして、そして適切な予算をつけなきやならないと私は思うのです。
 そこで、まず一つの引き合いとしまして、青森県の岩木山ろく国営パイロット事業、弘前市、岩木町あるいはまた鰺ケ沢町ですか、七年計画、三十七年から四十三年に完了しておりますところの面積二千百五十四ヘクタール、総事業費が二十一億六千万、これはすでに終わっておるわけでありますが、この二千百五十四ヘクタールのうち千六百ヘクタールは、どういうようになっているかと申しますと、この中に、石油会社やゴルフ会社がすでに買い占めておるわけです。しかも、事業決定して、計画してずっとやっている間に、たとえば北日本産業、森本興業、岩木商事開発、三和石油、鋼管工業、青森飼料販売商事、こういうところが仮登記をし、現在では本登記になっておる。これは農地ですよ。こういう事例をあなたのほうでは把握をいたしておるのでありますか。
 しかも、残ったところを調べますと、岩木山ろくのところは、地質が火山灰が堆積しておりまして、この事業の目的は水田あるいは果実、野菜、飼料耕作だったのでありますが、地元の人たちが、こんなところは開墾しても何もできないのだという、こういうようなところに、何と二十一億六千万もつぎ込んで、そしていいところは全部ゴルフ場やらいろいろな土地会社に買い占められてしまっておる。こういう事実を御存じですか。
#6
○櫻内国務大臣 御指摘の一部につきましては、私も報告を受けております。たとえばゴルフ場造成工事に着手しておるとか、あるいはそれについては中止を命じたとかというようなことは聞いておるのでございますが、いま幾つか例をあげられましたが、その全部については承知をいたしておりません。これは場合によりましては担当の局長からお答えさせます。
 なお、二千百五十四ヘクタールのうち実際上活用されておるのが千六百三十ヘクタール。いまお示しいただきましたが、そのことも承知をしておりまして、あとの部分につきましては、せっかくの巨額の国費を投じながらも、十分成果をあげておらないということは、まことに遺憾に思っておるのでございまして、こういうふうに造成されました後には、県が中心で諸施策を講ずることになっておりますので、従来の酪農やトウモロコシ、なたねは十分成果があがっておらないという実情のようでございますので、今後は果樹、白菜、レタスなど、県がいろいろ考えておりますことについて、本省のほうとしてもでき得る限りの指導なり助成を考えたい、こう思っておる次第でございます。
#7
○岡本委員 農林大臣、あなたはこの予算書が出てきて、今度四十八年度の五百八十八億九千九百万、これはめくら判を押したのじゃ話にならぬですよ。たとえばこの千六百ヘクタールの中で、三十度もあるような傾斜地で全然使用できないところ、いまそのうちのせっかく開墾した千ヘクタールを、もう一度もとへ戻して植林しようというのが地元の計画なんです。
 まだあるのですよ。この中に、開墾をして田畑にしようということでやった。ところが、一般住居から三十三キロも離れたところをやっているのです。だから農家の方が朝出まして、そして開墾地へ行く、そしてすぐ帰ってこないと夕方までに帰ってこれない。大体東京から大宮まで毎日通うような、こんなことができますか。しかもまた、牧草をつくった。その牧草があるところは酪農の経験者が一人もいない。あまりにもずさんではありませんか。九十カ所ほどあるのですよ。これ一つ一つ調べておったら、税金払うのいやになりますよ。ですから大蔵大臣、この予算をもう一ぺん検討して組みかえさにゃだめです、農林省のやつは。それは大蔵大臣からもう一度聞きますけれども。
 行管庁の長官、だれよりも農民を愛する方、行政管理庁はこういったものを、あなたのほうでやってもらわなければね、一つ一つどうなっておるかということを。やってますか、どうですか。行管庁長官、ひとつ答えてもらいたい。
#8
○福田国務大臣 行政管理庁といたしましては、各省の行政運営の監察をいたすわけでありまするが、ところが、これはもう各省多岐にわたる行政全部を一つ一つするわけにはまいりません。そこで、抜き取り式の監察をいたすわけでありまするが、いま御指摘の事例、国営パイロット事業、これにつきましては去年の春ごろ、北淡路の国営開拓パイロット事業、これにつきましてとかくのうわさがありますので、現地の兵庫監察局また大阪の管区監察局で調査をいたしましたところ、その対象地域の相当部分が対象地域に住んでおる農民以外の人によって買い占められておるという事実がわかったのです。そこで、そういう通知がありましたので、去年の暮れになりますか、農林省に注意を申し上げた、こういう事実があります。農林省は善処する、こう申しております。
#9
○岡本委員 いま福田長官からお話がありました淡路島の国営開拓パイロット事業、これはなるほど行管から注意が入っております。また福井県のほうも入っております。それからもう一カ所どこか。こういうように、国営パイロット事業がこんなにずさんであるということがあなたのほうでわかった。事例が二つわかった。そうすると、ほかのはどうなっておるだろうということをあなたの権限でやはり調査しなければならぬのと違いますか。一つだけ調べて注意して終わりですか。それだったら行管要らぬじゃないですか。そう言いたいのです。ちょっと無責任過ぎると思うのです。だから、あなたに申し上げたいことは、いままでのこの九十カ所、二千七百億も金を使われた、これを一つ一つ一ぺん調査いたしますかどうですか。総点検やりますか。これは農民を守ることになるのですよ。農民を愛することになるのですよ。
#10
○福田国務大臣 先ほども申し上げましたが、行政は非常に多岐にわたりますので、それを一々全部行政のあとをフォローする、こういうわけにもまいりません。しかし、気のついた事項につきましては抜き取り式にこれを個別監察をする、個別調査をする、そういうふうにいたしますが、とにかく北淡路でそういう事例が発見されたわけでありまするから、これにつきましては農林省に対しまして注意を喚起する。農林省では善処します、こう言っておりますので、その様子なんかを見まして、もしこれは全面的な監察を必要とするというような事態でありますれば、そういうふうなこともいたしてみたい。
 ただ、これを全部監査するということになりますと、これは行政管理庁の他の仕事なんかほとんど放てきいたしまして、全面的にこれだけにかからなければならぬというようなことにもなりますので、全面的な監察をしますかどうか、これは事態の成り行きをよく見てきめなければならぬと思いますが、何はさておきましても、一つの事例が発見されておりまするから、それを重要な資料といたしまして、農林省において総体的に善処しなければならぬ問題である。その善処のしかたを見守っていくというふうにしたらいかがであろうか、かように存じます。
#11
○岡本委員 福田管理庁長官に言いますが、一つの事例を、もう淡路島のやつばあなたのほうは調査しているのです。勧告もしているのです。これはまたあとで話しますけれども、ほかのはまたケースが全部違うのです。それぞれみんな違うのです。ですから、あなたのほうの能力もございましょうが、この能力のある限り全部調査をして、そうしてきちんとしなければ、毎年毎年農用地開発事業が、どんどん事業費がふえていくわけですよ、国費が。大事な国民の税金ですよ。どこでだれがチェックするかなんです。われわれが持ち出さなかったらいつまでたっても解決しない。どういう人たちがこれにかんでいるのか知らないですけれども、非常に疑われることがたくさんある。
 大蔵大臣に一つお聞きしますけれども、いままでの予算の使われた姿を見て、今度の四十八年度の予算五百八十八億九千九百万、これをどういうふうに考えますか。いかがですか。
#12
○愛知国務大臣 国営パイロット事業は農政の問題としても非常な重要な政策でございますから、農林省の計画について、これが成果があがるようにということで予算の編成に当たっているわけでございますが、同時に、ただいまも御指摘のような問題も起こりかねない問題でございますから、予算の執行上におきましても、十分注意をいたしてまいりたいと思います。
#13
○岡本委員 そうすると、いままでは全然注意していなかったということですね。それではお話にならないのです。今度また五百八十八億、こんな金、見たことがないくらいの大きなお金です。これがまたこんなずさんなことになってしまったのではどうなるのですか。ここらあたりで姿勢を変えて、チェックをして、少なくともほんとうに農業振興になるような、将来大事な食糧でありますから、そういうような適切な予算の執行でなければならないと私は思うのですよ。お金を出したのは私のほうで、あとは農林省のほうで適当にやってくれるのだというようなことでは、そして今後成り行きを見てとおっしゃるが、成り行きを見ていたら――これ一つ一つほんとうに私、調べてみた。途中でもういやになってしまったのですよ。だから、相当私、調べましたけれども、ほとんど全部まともにいっていないのです。
 そこでこれについて、いま淡路島の問題が出ましたが、これは御承知のように三十九年から四十三年までの北淡路の開発の事業でありますが、五百三十ヘクタールを開墾してミカン畑にした。その総事業費が三十七億一千五百万円。ところが、この北淡路の改良組合員七百六十名のうち三三%が淡路島に住んでいない人です。しかも、そのうち農業経営している者は七十七名。七百六十名のうち一割です。その中で、今度はもっとこまかくなってきますと、最後には十二名しか残っていない。
 私のところに投書が来ているのですよ。どういう投書が来ているかといいますと、「この事業は完全な失敗であり、国のずさんな姿であります。国や県が実情の認識を誤った典型的なものであります。すなわち、土地の所有者は初めからミカン栽培などする考えはなかった。係官が来て、ほとんど無償で開拓する、そして道もつけ、水道もつくるから賛成してほしい。それはうまい話だ、そうしてもらってから売れば高く売れるからというようなことでやったわけであります。」要するに農民の皆さんから盛り上がった開拓ではなかった。しかもどんどん島外者、要するに阪神間のお金を持っている人から買い占められた。そうして一坪三千円から五千円で取引された。いまでは一万二、三千円が相場だそうであります。このような、私たちの税金をむだ使いをしないでいただきたい。こんなばかな事業をこれから起こさないように監視してくださいというような手紙が来ておるわけです。
 この一つの例をとりましても、ここは大蔵大臣、もう少し丁寧に現状を行管の長官とも相談して、そうして今後お金を出すにはどうするかということを、もう少しきびしい態度で見てもらわなければ、これはたいへんなことになるんじゃないかと思うのです。これは政治不信がおびただしいです。これはいかがですか、もう一ぺんお答え願いたい。
#14
○愛知国務大臣 まことにごもっともな御指摘でございます。従来からこのパイロット事業につきましては、御承知のように、制度としても、現実の支出行為については承認制度の対象になっておりますから、先ほど申しましたように、執行上十分注意しておったつもりでございますが、なお具体的な御指摘もございますから、今後、実際の支出承認につきましては、大蔵省としても、財務局、財務部等を動員いたしまして、大蔵省としての立場からも十分審査をいたして、御指摘のような事実が今後起こらないようにいたしたいと思います。
#15
○岡本委員 これは現地の写真です。ミカンなんてほんのちょこちょこと少し植えてあるだけです。中にはほとんど植えてないのもある。農林省として県に対して指導方針が北淡路のことについて出ておるわけですが、合理化法人、これをつくって、そうして調整しなさいというように、県に対してあなたのほうから指導しているわけですが、島外者、要するに不在地主というものがずいぶんいるわけです。これについてあなたのほうでは、どういうように考えておるのか。県のほうでもどうしようもないのです。これをどうするつもりでおりますか。
#16
○櫻内国務大臣 北淡路開拓パイロット事業の事業費あるいは計画内容はお示しのとおりでございます。そこで、五百三十ヘクタールの計画に対しまして、いま写真をお見せいただきましたが、三六%の進捗率で七十四ヘクタールがすでに事業ができた、こういうことでございますが、ちょっと先生のお示しと数字が違っておりましたのは、昨年八月一日現在で私どものほうの掌握しているのは、農業者の戸数は五百二十二戸、非農業者は二百三十八戸、その非農業者のうち島外者は百七十六戸、こういうことでございまして、これからの計画を遂行する上におきましては、当初の五百ヘクタール見当の開拓パイロットにするために、でき得る限りこの計画に参画をいたし、みなが一致してその判こをついて、こういう事業をやりたい、これは二回も確認しておるのでありますから、当初の予定どおりにいたしたい。しかし、非農業者でもうこういう事業には参加しないという者がありますれば、これはこの開拓パイロット事業からはずす。しかし、われわれのほうとしては、県に対しまして、計画どおりに、でき得る限りみんなが当初の同意したとおりに参加してもらいたい、そのためには農業生産法人をつくってやるのがよかろうというようにいま指導しておるところでございます。
 しかし、先生の御指摘のように、また会計検査院、行政管理庁からの現状に対してのきびしい御指摘を受けておるのでございまして、こういうことを念頭に置きまして、幸い計画の途中でこういう事態が発見され、また注意を受けておる際でございまするから、われわれも、県当局に対して細心の注意を払っての指導をし、所期の計画どおりに成果をあげたい、こういうふうに考えております。
#17
○岡本委員 あまりこればかりやりたくないんですが、農林大臣、いま私のほう数字が間違っておる、こういうお話ですが、これは行政管理庁から出てきた資料ですよ。
#18
○櫻内国務大臣 私、それを慎重に申し上げておるんです。私、間違っておるとは言ってないんです。私のほうの資料は八月一日の時点の数字でございますと、こういうことを申し上げておるので、私も、先生のお示しになった数字を、ここですぐ検討する時間的余裕もございませんから、時点が違うんではないかとか、いろいろ考えさせられるところがございまするから、それは後日またよく精査させていただきたいと思います。
#19
○岡本委員 もう少しこれは詰めなければならない問題でありますが、こればかりやっていると時間がありませんが、いずれにしてもこの問題は、今度の予算の中で五百八十八億、約五百九十億、いままで使った金が二千七百億ぐらいであります。これをきちっと一つ一つやはり調査をして、適切な金が運用されたかどうか、これがはっきりしなければ、今度の予算案というものも、またこんなあいまいなことで通ってしまうと思うのです。
 委員長、いままで九十カ所ほどやっておりますが、ひとつ確実にほんとうに予算がうまく使われておるのか、要するに、農業者に名をかりてどんどんゴルフ場をつくったり、民間の石油会社をあっちこっちで潤しておる。こういうことではならないと私は思うのです。ですから、ひとつ理事会にはかっていただいて、一ぺんどうなったかということをはっきりひとつ確かめていただきたい。それだけを一つ、私、保留しておきたいと思うのですが、委員長のほうでひとつお取り計らいをお願いいたします。
#20
○根本委員長 岡本君の申し出については、後日理事会にはかりまして善処したいと思います。
#21
○岡本委員 次に、環境問題についてお聞きいたしますが、今度は公共用飛行場です。
 空港騒音についての対策のために、運輸省のほうでいろいろと法案の改正を用意しておるという話でありますが、一つの例をとりますと、大阪の伊丹空港の騒音では、もう地元の人たちはしんぼうができない。かつて佐々木運輸大臣あるいは小山環境庁長官にも視察をしていただきまして、これは欠陥空港であるというわけで、こんな内陸の中にこういう空港があるというのは、これはまずいのではないかというような住民の皆さんからのお話もあって、そうだというように答えているわけでありますが、まず環境庁長官に、この騒音防止法をつくったときに、環境基準から空港騒音を抜いておるわけですが、この環境基準というものを、大体もう構想ができておるはずですから、三月には出すということだったんですから、どういう構想か、簡単にひとつ。
#22
○三木国務大臣 航空機の騒音ということが社会的な大問題になっておりまして、そういう点で環境基準を三月中にはきめたい。まだ、最終的な検討を加えておるわけでございますので、この段階でその内容に触れるわけにはまいりませんけれども、期限の点においては、三月末にはぜひ環境基準を出したいと考えております。
#23
○岡本委員 これはひとつ環境庁長官、生活環境に見合った環境基準を出してくださいよ。要するに加害者に有利な環境基準ではならない。これは環境庁長官もおわかりだと思います。
 そこで、今後の大阪国際空港のあり方について住民が望んでおるのは、一日も早く廃止してもらいたい、もう十何年もしんぼうしてきた、しかもこんな内陸の中、二百万人もおる中に空港があるという、こんなことは世界でもないのじゃないかというわけでありますが、兵庫県知事も二月二十二日に視察をしまして、こんなにひどかったのかということで、廃止を表明しております。したがって、第三コンターといいますか、整備機構をつくろうとする今度の法案において、十億のうち七億五千万を国から出して、大阪府と県で二億五千万ということでありますが、知事が反対しておれば、これはできないと思うのです。そこで、大阪空港の将来のあり方をひとつはっきりしなきゃならぬ。これについて運輸大臣の明確な答弁をひとついただきたい。
#24
○新谷国務大臣 大阪国際空港の問題についてまず申し上げますが、大阪国際空港につきましては、御案内のように、航空審議会におきまして、いまいろいろ調査をし、研究をしていただいておるのでありまして、運輸大臣からは、大阪国際空港の位置と規模というようなものにつきまして諮問をしておりまして、どういう場所にどのくらいの規模の空港をつくるのがいいかということについての答申を待っております。(岡本委員「現在の空港の」と呼ぶ)それで、関連するものですから、もうちょっとお聞き願いたいと思いますが、私たちは、国際空港である現在の伊丹の空港が、お話のように、騒音被害が非常に多いということはよく承知しておりますので、いろいろ環境庁長官からの勧告もございまして、また独自にわれわれも調査を進めまして、その後の騒音被害を最小限度にするための努力は続けておりまして、いまお話しのような第三セクターのような構想もそこから来ておるわけなんですが、先ほど申し上げました国際空港は、どういう程度の規模でどこにつくられるかというようなことが、まだ実は決定しておりません。したがって、決定いたしますれば、その段階で現在の伊丹空港をどうするかという問題も、それに関連してこれはきめられるべき問題であると思いますが、いま大阪の伊丹空港を全然なくしてしまうということは、これは国際的に考えましても非常に問題でございますから、とにかく新空港ができますまでの間は、何とかして関西方面にも国際空港として利用できるようなもの、ある意味においてはそれが地方の御要望にも沿うかと思いまして、これは維持しなければならぬ。ですから、 これは年限ははっきりしませんが、かりに十年くらいかかるということを予定いたしますと、その間、やはり伊丹の周辺においては、騒音関係で悩む住民がいまのままではお困りになるということでございますから、今度の第三セクターというのは、そういう暫定的に、新空港の位置及びその規模がきまって、そうしてそれが本格的に進みますまでの間はどうしても維持しなければならぬというような考え方で、第三セクターというものを考えまして、その間の住民の騒音被害というものを最小限度にしようという構想からきておるのであります。
 将来それならどうするかという最後のお尋ねでございましたから申し上げますと、この点は、私たちは、地元の方々の要望を無視してこれを無理やりに持っていくということはできないかと思いますけれども、その間考えられますことは、たとえば航空機そのものもエンジンの改良その他によりまして、騒音がもっともっと少ないような新しい機種ができることもございましょうと思いますし、いろいろのそういった技術的な面も考えまして、その時点におきまして地元の方々との意見の調整をいたしまして、新空港がどういう形でどういう規模でできるかということも考え合わせながら、将来の問題をきめていく以外にはない。いまのところは、そういうふうに考えておるのでございまして、いまの第三セクターをつくりますために、この伊丹の空港を固定化するとか、あるいはそういう意図をもって伊丹空港の規模を拡張するとか、そういうことは全然考えておりません。
#25
○岡本委員 こっちは縮小してなくしてもらいたいと言うているのに、拡張することを考えていませんという、そんな変な答弁では困る。
 そこで、要するに国際空港は、成田ができれば必要なくなると思うのです。成田で十分いけると思うんですよ。そこで、もうとにかく一日も早く騒音をなくしてもらいたいということです。
 今度は簡単に答えてくださいよ。一つは音源対策。音源対策というと、すぐにエンジンの音を小さくすることばかり考えておるわけですが、これはすぐにはできない。どうしたら音源対策になるかといえば、住民の皆さんが言っておるのは減便なんです。四十二年ごろは二百便だったんです。多くて二百五十便。調べてみたらいまは四百六十便。それがまたジェット化されていますから、もうしんぼうできない。この音源対策、要するに減便ですよ。これが一つ。
 それからもう一つは、今度あなたのほうの案を見ますと、五十嵐コンターというのですか、あれをつくっておるのですよ。八十五ホンですか。現地調査ではもっとひどいのです。ですから、この指定地域ですか、一種、二種、三種について、現地の実情に応じた地域に指定するか、この二点だけお聞きしておきたい。
#26
○新谷国務大臣 あとのほうの騒音コンターの問題からお答えいたしますが、お話しのように、昭和四十五年に東大の五十嵐教授がつくられたものを、現在の使用状況に合わせて修正したものが現在のコンターでございますが、御指摘のとおりに、十分実情に沿わなければならないと思いますので、実はことしの三月から、この空港周辺におきましてさらにあらためて騒音測定をいたしまして、騒音コンターを作成することにいま準備をいたしております。
 それから減便の問題でございますけれども、これは御承知のように、なるべく大阪空港の……(岡本委員「すると言えばいいです」と呼ぶ)簡単にはできませんので、ちょっとお聞き願いたいと思います。いままでにも御要望がございますので、できるだけ減便措置をとってきたことは御承知のとおりでございます。相当減便しておると思いますが、ただ、大阪空港を国際空港として使っております以上は、これ以上非常にひどく減便するという措置は、なかなかこれから先はむずかしい点があると思いますけれども、これは十分考えます。
 それから、いまお話にも出ておりましたが、東京と大阪との間のごときは、新幹線の利用もふえてきておりますし、それから、先のことでございますけれども、成田空港ができました場合は、いまは九州とか四国へ行っております航空便を大阪で一応とめておりますけれども、そういったのが直航便になりますと、非常にこれは減便になるかと思います。
 それから、もう一つお聞き願いたいと思いますことは、最近、御承知のように、エアバスのごとき、非常に騒音の被害の少ない航空機ができております。これを大阪空港に入れるかどうかにつきましては、やはり地元との折衝が要ると思いますから、地元の方々の御了解を得られれば、もっと騒音の少ないそういう航空機を入れることについても検討をしております。で、御承知のように、われわれとしましては、現在許された条件の範囲内で、大阪の騒音被害を最少限度にするために、あらゆる努力をしておるという事情だけは御承知願いたいと思います。
#27
○岡本委員 あまりあらゆる努力をしてませんよ。年末年始でもかってに増便してしまったりして、こちらが見つけて、そしてやかましく言って減らしたわけです。
 次に、今後もおそらく、こうして第三セクターをつくって、一種、二種にして、これは一つの追い出しですよ。しかし、どうしようもないところはやっぱり移転をしなければならぬということで、いままでも移転補償費を私たちやかましく言って、四十五年から四十六年、四十七年と、これだけの予算を移転補償につけてもらったわけですが、それが全部で三十三億九千四百万。ところが、この実施された金額というものは約十億、あと二十三億余っておるわけです。なぜこれが移転できないかと申しますと、これは大蔵大臣にひとつ詰めておきたいのですが、一つは、あなたのほうで、運輸省航空局がその土地を買って移転をしてもらうについて、騒音のためにその土地が安いのです。騒音のない所へ移転しようとすると、約十二、三万円のところが二十万円以上取る。ですからこれはひとつ、こまかいことは言うておられませんが、やはり実態に即したところのお金を出してあげないといけない。運輸省のほうは航空局がよく調べて、これは気の毒だと言うのですが、大蔵省の査定で、現在の土地だからこれは現在の地価だ、こういうことで、出ていこうとすれば借金ができるというわけでしんぼうをしている。
 それからもう一つは、強制収用に近いわけでありますから、これの譲渡所得の課税ですね。これも三十三条によると、今度は二千万になるらしいのですが、ほんとうは全額免税をしてやらなければいかぬということなんです。
 それからもう一つは、前払い金がなかったら移れない。こういう場合は、防衛施設庁か何かのやつは、閣議了解で前払いができるというようなことになっておるわけですが、もう一つは借家人の問題がこれはあるわけであります。とにかく全部移転してしまわなければ金が出ない。こういう隘路を、これは運輸省航空局のほうからもだいぶ大蔵にやかましく言っておるはずでありますが、そう言うと、大蔵省のほうでは、そんな騒音の激しいところへ行ってどんどん家が建っていくじゃないか、こう言うのだということですが、これは農地のままでありますから、農地を転用するわけですから、この農地の規制もやはりしなければだめなんですね。建具屋さんがばっとやって、それを昼間のあまり飛行機が通らぬときに客を連れてきて、それで売っているわけですからね。
 ですから、そういった全部を含めて、伊丹大阪空港の場合は特別の処置といいますか、大体この法律に合うわけですが、そういうことをあなたのほうで検討できるかどうか。まあ時間がありませんから、ひとつそれだけを明確な答弁をしてください。
#28
○愛知国務大臣 まず税の問題でございますけれども、これは租税特別措置法三十三条のことをいまお話しでございましたが、これは収用権ということを前提にしております。それから公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律では、御案内のように、収用権は前提としておりませんで、権利の制限を受けたことに対する買い取りである、こういう法律になっておりますために、千二百万円の控除ではなくて六百万円の控除ということになっておるわけでございます、この種の特別措置については、たとえば古都保存法とこれは似ている法律の立て方でございますから、これを特別措置法による千二百万円とすることは、これは法制のたてまえからいって無理だと思います。そこで、いろいろ考えまして、今回御審議を願っております税制改正の上では、いまの六百万円を千万円に引き上げるということにいたしておりますから、御趣旨の点については、相当の程度前進するのではないかと思います。
 それから、移転料等の前金払いの問題でございますが、これは予決令に基づきまして前金払いはできることになっておりますから、どういうふうにやりますかということにつきましては、運輸省とさらに協議をいたしまして検討いたしたい、こう考えております。
 それから、一般的に移転がしやすくなるようにというようなことについては、その他にも考えるべき問題があろうと思いますが、前向きに検討させていただきたいと思っております。
#29
○岡本委員 じゃ、これは前向きに検討するということですから、時間がありませんので、また大蔵委員会でももう一ぺん詰めたいと思います。
 郵政大臣、あなたに来てもらっておるのだが、基地周辺、そこではテレビの減免措置があるわけですが、これはカラーテレビまでちゃんとできるようになっておるんですよ。ところが公共用飛行場、この付近はテレビの減免、半額免除しました。ところが白黒だけですよ。こういうごまかしになっている。どこか調べてみると、日本放送協会の放送受信料免除基準、この中に入っていない。ここに原因があることが私わかったわけですが、ここへひとつ――なぜかといいますと、これは加害者が航空会社だ、そうしたら私企業じゃないか、こう言うと、公共用に利用されていますと、こう言うのですね。公共用ということになれば、私は自衛隊、防衛庁とあまり変わらない、こう思うのですね。この点について一ぺん。
#30
○久野国務大臣 御指摘のとおり、基地周辺の受信者に対する受信料の免除規定と、それから公共用飛行場の周辺の受信者の受信料の免除規定、こういうものが違うのでございます。御承知のとおり、基地周辺につきましては長年の経過があるわけでございます。それは三十九年以来NHKの免除基準によりましてこれは一部放送料が減額をされておるわけでございます。ところが、その後四十五年から防衛施設庁が一部負担することになっております。これを四十八年から全額防衛施設庁が負担するようになっておるやに聞いております。これは免除の額の部分だけでございます。
 ところが公共用の飛行場、すなわち大阪だとか、それから東京、福岡につきましては、航空公害防止協会という財団法人ができまして、ここがただいま御指摘のように、白黒のテレビについて月額百五十円負担をいたしておるようになっておるわけでございます。昭和四十八年からは受信料の半額を交付するようになっておると聞き及んでおるのでございます。
 このように、基地周辺と公共飛行場との受信料の一部免除につきましては多岐にわたっておるわけでございますから、今後各省庁間で十分連携をとりまして、これを統一したものにすべきではないかと私は考えておるような次第でございまして、そのような努力をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
#31
○岡本委員 じゃ、あなたのほうで基地周辺と同じようにしていくということですから、了解しておきまして、運輸大臣に、この間伊丹市の北部対策協議会の二千五百六十六名の皆さんが、あまりにも、いままで十年間しんぼうして運輸行政に対してどうにもならないというわけで、いよいよ公害等調整委員会に調停を申し入れたわけです。これは決してお金を取ろうとか、あるいはどうしてくれというのではなくして、ほんとうに毎日の航空機の騒音に対して何とかしなければならぬという、いままで何べんも国にも陳情してきた。われわれも委員会でずいぶんやかましく言いました。一向に改まらない。そういうわけでああいった挙に出たわけでありますが、これに対するあなたのほうの感想をひとつ。受けて立つとか何とかいう……。
#32
○新谷国務大臣 伊丹空港の騒音問題につきましては、十分に認識しておるつもりでございます。先ほども申し上げましたように、この伊丹空港を国際空港として今日われわれ持っておるわけでございますが、これをすぐになくすということは、国益の点からいってどうかということもございまして、何とかしてこれは維持するという前提のもとに、あらゆる方法を講じまして、騒音対策を講じなければならぬということで、今度出しました第三セクターの問題のごときもその一つのあらわれでございますが、そのほかに、先ほど御指摘になりましたような減便の問題でございますとか、あるいは税制面において特別の考慮をして、民家の移転が順調にいき、代替地も獲得できるというような方法、そういったことにつきまして考えられるだけのことは考えておりまして、これを進行します上において、これは地元の方々の御協力を得なければならぬと思いますので、お見えになりますと、私たちじかに会いまして、われわれの趣旨をできるだけ徹底して御了解を願うように努力をいたしておりますが、なおこの上ともに地元の方々との接触を深めまして、そういった点についての御了解を得ながら、われわれとしては最大限騒音対策に努力するという決意でございますから、その点御了承いただきまして、御協力をお願いしたいと思います。
#33
○岡本委員 協力願うのはこっちのほうですから、住民の皆さんが言っているのですから、ひとつあなたのほうでそういった大阪空港の将来性というものをはっきりしなければ、私は第三セクターあるいは第三コンターのこのようなものが出てきましても、できないということをはっきり明言しておきますから、ですから、今度の法律も相当もめまして通りませんよ。予算もパーです。
 まあ、それはそれとして、時間がありませんので、今度は環境庁長官にイタイイタイ病の問題についてお聞きいたしますけれども、これはそのうちの一つの事例でありますが、兵庫県の生野町のカドミ中毒患者について、これは何べんも公害特別委員会あるいはあらゆるところで取り上げられた問題でありますが、約千二百年前からこの生野銀山というのがありまして、そうして鉱毒を流し続ける。そうしてこの鉱毒を飲むと骨がぐらぐらになるという言い伝えがある。白口地区というところのAさん一家は、しゅうとさんもお嫁さんも同じように痛い痛いといって骨折でなくなっていった。あるいはまた、そこの区長さんである波多野さんという方は、戦時中からこの水を飲んだらイタイイタイという病気になるから飲まないようにしなさいというようなことで、いままで何人かそういった患者が出ておるわけでありますが、そこで私どももこの問題を取り上げまして、県の鑑別班、それから国の鑑別診断班、いままでいろいろとやっておりましたが、最後にこの国の鑑別診断班がさじを投げて、そうしてもう最終はどうもならなくなったというような、その間に、一月二十六日にはそのうちの杉田さんという方は痛いと言いながらなくなっていった。おばあちゃんですがね。そこでこういった悲惨な姿がある。私はこれをやっぱり解決しなければ、企業の姿勢というものが改まってこない。神通川の問題で実はイタイイタイ病に認定していただき、あれから十五年間係争しておったところの水俣あるいは阿賀野川の公害病も認定されて、それから企業の姿勢というものがころっと変わって今日に至ったと思うのです。
 そこで、ちょっと時間がありませんから、具体的な例をあげますと、四十八年一月二十五日に県に差し戻しているわけです。県から持ってきたものを最後に、三回目に。このときの状況について環境庁の見解を議事要旨が出ておるわけですが、ここが一つは焦点になっておる。この中に、「(1)骨折の一例については今回もなお、骨軟化症とする意見もあったので、可能なかぎり骨生検を実施し、検討することとした。」「(2)七例については兵庫県で追跡調査を行ない、異常があれば、本研究班に報告することとした。」三例については必要なし、こういうようになっておるわけでありますが、このとおりでございますか。
#34
○三木国務大臣 そのとおりです。
#35
○岡本委員 ところが環境庁長官、このときの鑑別診断班の人たちのいろいろな議事、意見の交換があって、このあとで土屋教授が記者会見しておる。そこで、一例については、これは骨軟化症の疑いがあるから第三者の判定を受けよ。もう二人、二例があった。これも何とかそういうことだから第三者の判定を受けよ。こういうようになっておる、意見対立しましてね。ところが、その二例が抜けてしまっておる。それで二と五と足して七例になっておる。どういうわけでこうなったかを申しましょうか。これは兵庫県が、イタイイタイ病は起こっていない、骨軟化症もないということを実は三月三日に発表した。このメンツがあるからというので、環境庁に――いま来ておったでしょう、ほんとうに患者側に立たぬ人です、あの人。兵庫県の意見によってこれは変わってしまっておるじゃないですか、最初にあなたのほうで予定したのと。議事録を最初つくったのと変わってしまっておるのですよ。こういう姿勢が環境庁にあってはならないと私は思うのですがね。だから長官いかがですか、この点。
#36
○三木国務大臣 いきさつにつきましては、事務当局からお答えしたほうがいいと思いますが、環境庁の立場は、イタイイタイ病あるいはカドミウムの鉱害の被害、これを何とかやはり救済をしたいというのがわれわれの基本的な立場でありますから、国の鑑別診断を求められたときには、こういう環境庁の基本的な態度の上に立って認定を行なうというのがわれわれの態度でございます。
#37
○岡本委員 どうも何言ったのかさっぱりわからぬ。大物になると、何言うたかさっぱり私が言ったことに答えていない。副総理だから、副総理の言うことはどうも……。三木総理になったらもっと悪くなるのじゃないですか。
 そこで長官、要するに私の言っているのは、ここで私がさいぜん読み上げたこれは、そのとおりでありますということではないと言うのです。環境庁が最初予定したものは、兵庫県にやいやい言われて、そしてこうなってしまった。この二例というのが非常に重大なことになってくるのですよ。それについて局長さん。
#38
○船後政府委員 兵庫県生野鉱山周辺の住民の健康検診結果でございますが、先ほど岡本先生の御指摘のございましたのは、一月二十五日に鑑別診断班で発表いたしました要旨でございます。このときは骨折の一例は今後も検討、それから七例は兵庫県で追跡調査、それから三例は追跡の必要なし、こういう分類になっておりますが、この七名のうちさらに二名につきましては、その後兵庫県から骨の湾曲の程度に若干問題があるという意見が一部にありますので、この骨折の一例と合わせて今後レントゲン写真その他で検討しよう、こういうことになっておるものでございます。
#39
○岡本委員 ごまかしちゃだめですよ。長官、兵庫県から出てきたというんです。これは一月二十五日の、要するに骨の問題というのはイタイイタイ病に認定されるかされないか、骨軟化症というのは非常に寿命――あとのは全部そろっておるわけですがね。ここに焦点が置かれておるのが、この人たちをイタイイタイ病に認定して救済するかしないか、ここに問題があるのです。だからこの一月二十五日の鑑別診断班の人たちの会議のときに、すでに一例は骨軟化症らしい、だからここでまとまらぬから第三者の意見を聞こう、二例についてもそうしよう、こうなったのです。二例というのは二人分です。ところがその日に発表されたのは、その二例を削ってしまって、 あとの五人とこの二人を足して七例と、ぱんとやっておるのですよ。それでこういう発表をしておる。これは兵庫県からやかましく言われたからなんです。
 なぜかといいますと、その直後にここの土屋教授というのが記者会見でみなに発表しておるわけですよ、実はこうなったんだということを。ところが、環境庁の出したこれは違うということは、兵庫県からやかましく言われてこうなっておるのです。こんな態度では、県からお願いします、国の鑑別診断班でやってもらいたい。それを兵庫県の圧力によって変わるというような、こんな情けないことでは話にならぬと私は思うんですがね。船後さんもう一ぺん。あなたは知らぬのか。
#40
○船後政府委員 七例につきましては、今後とも兵庫県で追跡調査をする、こういう結論でございまして、そのうちの二名につきましては、骨の湾曲の程度に問題があるということがわかっておりましたので、それで骨折について骨軟化症の疑いがあるという一名の方と合わせて、この二名についてもレントゲン写真その他でもって検査をしよう、こういう話に内容はなっておる。しかし発表の際には、それは一名と七名と三名、こういうふうに分けて鑑別診断班では発表した、私はかように了承いたしております。
#41
○岡本委員 長官、船後局長はそこに立ち会っていないのですよ。おそらくあなたのほうの山本課長じゃないかと思うんですがね。はっきりしたやはりその当時の議事録を出して初めてみなが納得すると思うのですよ。ここらが一つ。
 それから、次が、この鑑別診断班の班の構成に非常に問題がある。いみじくも環境庁長官は、さすがに副総理だと思ったのは、もしも審議会やあるいは調査会で、その人選において国民からいやしくも疑惑を招くような人はこれは入れるべきではないということを、二十三日の公害特別委員会であなたは説明された。一歩進んだ、りっぱなものだと思うのです。そこで、この鑑別診断班の人選の中で、常にカドミはイタイイタイ病の原因ではないのだという説を立てておる学者が三、四人と入っているわけです。その中で、名ざしして悪いのですが、丁教授、富山県のイタイイタイ病の裁判の場所で裁判長から、正直にやりなさい、あなたの発言には何の根拠もないじゃないかというようなきびしいおしかりを受けているのです。またこのT教授については、これは共産党の米原さんが大石長官のところに行ったときに、イタイイタイ病の原因はカドミウムであるというのが、環境庁が厚生省から引き継いだ見解であるのに、イ病は栄養失調が原因だと言っている。これに対して大石長官は、武内問題は、これは考慮して解決しなければならぬ。こういうような学者だ。それから慶応大学のA教授は、こんなパンフレットをまいてたいへんな問題を起こした。この中にどういうことが書いてあるかといいますと、「大事なことは、いまわれわれはイタイイタイ病を発見しようとして検診をやるということは、むしろ危険である。」鑑別診断班がこんな、いろいろイタイイタイ病の患者を検診をするということは危険なんだ、こういう思想の持ち主です。
 しかも、もう一つ申し上げますと、実は金沢大学の石崎教授あるいは萩野医師は、イタイイタイ病の権威者です。あるいは重松教授、こういう人たちはほんとうにイタイイタイ病を手がけた権威者ですが、この萩野先生が、日本の学者ではどうもならぬというわけで、ストックホルムの国連人間環境会議のときに、スウェーデンの国立環境医学研究所のフリーベルグ教授、このところへ写真を持っていきましたら、これはりっぱな骨軟化症だ。これは実は現地の特派員からこちらえ向けて打電されたわけです。それが日本で大きな反響を呼んだわけですが、その直後、この診断班の第三回の会合がある前、すなわち四十七年の七月三日にそういう見解が出たので、さっそく兵庫県の衛生研究所の地下の電気室の隣の職員の会議室、こんなところへ入って、実は二人の教授と、それから富山県の衛生研究所の副所長です、これも栄養失調説をとる人ですが、県の衛生部の幹部と集まって、第三回の環境庁主催の鑑別診断班の会議にはどうするかという会議を持った。そこでたまたま富山県の方がばったり会っているのです。これはすでに新聞に報道されている。そして今度の鑑別診断班の骨軟化症、要するにイタイイタイ病になるということになってきたらこれはたいへんだというわけで、兵庫県と話をして密談をこらした。そうしてどうしたかといいますと、この人たちの調査は環境庁で、国でやってもらおう、再調査を。環境庁のほうでは手がないものですから、これは兵庫県でやってもらおう、こう戻ってくるから県で押えることができる、こういうことになっております。
 しかもこの教授は、スウェーデンのフリーベルグ教授に対して、内政干渉しないでください。世界的の学者であるこの人に。こういう人が鑑別診断班の中にいて、はたしてほんとうに救済できるんであろうか。だから、あなたがおっしゃったように、鑑別診断班の人選についても考慮しなければならぬ、こういう話でしたが、この点についていかがお考えでしょうか。
#42
○三木国務大臣 最初に、この前に私がここで御答弁したことは、環境庁はできるだけ公害病で苦しんでいられる人を救済したいという立場ですから、したがって科学的な、疫学的な一つの診断の結果、そういう症状のある人をことさら除外しようという考え方は、これは毛頭持っていない。そういうことから、この研究班の人々の人選というものは非常に大事ですが、しかし、その研究班は多数決主義ではないのですよ。いろいろな意見の人がおるということは、これはやはり公害病というものに対しては、これは長い歴史を通じて医学的に解明されていない面も多いですからね。いろいろな意見の人があるけれども、しかし、それを多数決によってやるという態度はとっていないわけですから、そういう、まあ岡本委員からすればあんまり好ましからぬというような方がおっても、あなたの立場からすればそういう人がおるにしても、その人で研究班の結論が出るというわけではない。あらゆる角度の人がおって、みなの意見が一致することが前提でありますから、この研究班の結論が結果的に見て、実際にイタイイタイ病などの患者を、いろいろなほかの意図でもって除外するというようなことは起こり得ない。しかし、この人選というものは国民の信頼を得なければいかぬですから、これはたしか任期は一年かな、そういう任期もありますから、常にその研究班は国民の信頼を得るような人選をすることに心がけなければならぬと考えております。任期もあることですから。
#43
○岡本委員 そうしますと、いま一つは、あなたは人選をもう一度考えなければならぬ、こうとってよろしゅうございますね。
 それからもう一つは、厚生省が四十三年に神通川流域に起こったイタイイタイ病について、カドミ中毒であるということをきちっと発表しているわけです。それを否定しますね。この二つ。
#44
○三木国務大臣 人選についての原則的なことを申し上げておるのですが、こういういろいろな認定をする一つの研究班というものは、やはり国民から見ても信頼のできるということが前提ですから、常にこの人選に対してはそういう角度からも検討を加え、今回の場合だけでありません、いつでも検討を加えて、その研究班が国民の信頼にたえるような人選であることが必要である。私の原則的立場を申し上げたわけでございます。
 それから富山県における、あれは四十三年であったですか、その記録を私も読んでおります。その原則は賛成、尊重をしよう、この厚生省の言ったことは、そのように私も理解をしておる。あれはそのとおりだと思っております。
#45
○岡本委員 ここのところ、大事なところなんですが、厚生大臣、あなたの所管のときじゃないんだけれども、あなたの前任者、要するにイタイイタイ病はカドミウムの中毒によるんだということを四十三年に発表されておりますが、あなたはそれを堅持されますね。いかがですか。
#46
○齋藤国務大臣 四十三年に、時の厚生大臣、園田さんが見解を発表されました。環境庁ができまして、四十六年環境庁に引き継がれておるわけでございまして、私もそのとおり尊重いたしたいと考えております。
#47
○岡本委員 尊重だけじゃ話にならぬ。どうもはっきりしないのですね。
 そこで、鑑別診断班に対して実は四十七年は約四百万、あなたのほうから研究費を出しているわけです。実はこの鑑別診断班の人選についても、かつてあなたの前任者にもそういった企業の中から一人出ているというようなことで、私、言ったことがあります、そういう人選はいけないということで。ところが、これはまだそのままになっているのですね。これについて、さっそく鑑別診断班の構成については、任期一年ということでありますから、検討を加えて、そして被害者を救済できるようにしてもらいたい、こう思うのです。また大石長官は、ただ一人でも疫学的に判断して公害病と認定されれば救済すべきだ、こう言っているのです。ところが、この二十五日の鑑別診断班の会議に、同じこれは兵庫県の生野、市川流域なんですが、それから三十キロ下がったこれは同じ流域ですけれども、ここに香寺町というのがあるんです。ここに青田こたけさんというお年寄りのおばあちゃんがおりまして、やはり骨に疑いがある、イタイイタイ病と同じ症状をしておるというわけで、実は石崎教授というのがおりまして、その資料を出せ、こう言ったところが、兵庫県は資料を出さない。観察地域と違うからと言うんです。上流はそうだけれども、下は要観察地域と違うから、こう言って逃げている。それに対してあなたのほうの山本公害保健課長は、要観察地域でないところは今回入れないというような意味の発言をしておる。大石長官の言うのと違うのです。あなたはこの点どうお考えになり、どうされるおつもりか、ちょっとお聞きしたい。
#48
○三木国務大臣 非特異的な疾患は別として、特異的な疾患、これは一人といえども救済をしたいというのが私の考え方であります。
#49
○岡本委員 ではそれをそういうように了解いたしまして、そして最後に時間が参りますから、ちょっと厚生大臣、せっかくおいでになったんで、法務大臣にも質問しなければいかぬのだけれども、これはしようがないことになってしまった。
 それで、森永砒素中毒の問題ですが、この問題について、私、調査しました。もう非常に悲惨なものであります。この問題は参議院の小平先生が大体詰めましたけれども、この問題についてよく調べますと、岡山のあの一角にいた人が非常に当時の森永の牛乳を飲んで、そして病気になっておるわけですが、三十年の六月の中旬から八月の中旬まで、これを食用に供した乳児の方がそうなっているわけでありますから、その後三十二年に、当時の人たちが保健所で発見されたわけですから、保健所にかかっていたわけですが、保健所で三十二年に打ち切られておるのですね。こういうことを見ますと、明らかにやはりその後ほうっておいたというのは厚生省の責任だと私は思うのです。ですから、厚生省としてもっと力を入れて救済に当たってやらなければならない。一つはやはり公害病の認定をしてやらなければならない。きのうもあなたのところに現地から来ておったと思うのです。会社も一生懸命やっておりますけれども、なかなか一人一人には行き渡らぬわけです。やはり何と申しましても保健所が一番手が届くわけであります。これが一点。
 それからもう一つは、その後森永ミルクの問題で、ミルクについてはあなたのほうは相当関心があろうと思うのです。この乳児に飲ますミルクについては、相当あなたのほうも検査したりいろいろしていると思うのですが、このミルクかん、これは本年の一月四日に買ったのです。そしてあけて飲まそうとすると、何と何が入っているかというと、こういうものが出てきているのです。赤ちゃんに飲ましたが心配ないだろうかと言って私のところにかけてきたのです。こういう少なくとも乳幼児に飲ませるようなミルク、こういったものはもっともっとあなたのほうで取り締まりをしなければ、また森永ミルクのような状態になってくるのではないか。この二点についてお聞きしておきたい。
#50
○齋藤国務大臣 森永ミルクの砒素中毒の問題は、ほんとうにお気の毒な問題でございます。しかも十何年もたっておりまして、まだ解決していないというようなことで、私も非常に残念に思っております。そういう患者の方々の検診、治療等につきましては、森永さんのほうでその経費を負担するということで負担をいたしておるわけでございますが、何としてでもこの問題は早く解決しなくてはならない、こういうふうに私は考えておるわけでございます。中毒の子供を守る会、それと森永さんとの間には、多少いままでいろいろお話し合いもあったようでございますが、話し合いが最近また渋滞しております。そういうふうなことで、私としましては一日も早くその患者さんを救済するという観点に立って、できまするならば、その仲介にも当たる必要があるのではないか。そういうふうなことで、目下その可能性なりというふうな問題について検討いたしておるような次第でございます。
 ただいまお示しの異物が入っておったということにつきましては存じておりませんが、やはり食品でございまして、しかも赤ちゃんのことでございますから、食品につきましては一そう厳重にも厳重に監視をいたしまして、さようなことのないように、国としても努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#51
○岡本委員 では、これで時間が参りましたから終わります。
#52
○根本委員長 これにて岡本君の質疑は終了いたしました。
 次に、谷口善太郎君。
#53
○谷口委員 質問に入る前に委員長に申しますが、私の持ち時間がもうすでに十分間削られております。これはあとにまたこの時間を留保さしていただくことを確認しておいていただきたいと思うのです。いいですね。――私の持ち時間がすてに十分削られている。ですから、この時間はあとにまた留保さしていただくということを確認しておいていただきたいと思うのです。
 それで質問に入りますが、住宅問題であります。まず住宅問題についての政府の基本姿勢と申しましょうか、根本的なお考えを伺いたいと思うのです。
 国民の住宅問題特に都市の勤労者の住宅問題は、やはり社会福祉の問題として位置づけるべきであって、営利の対象にすべき問題でないというように私どもは考えている。ところが、政府はどうも民間自力の導入などということを言って、民間の資本による住宅建設に力を入れる方向をとっていられるように思われます。私どもの考えによりますと、これは間違った道ではないか、このほうが正しくないのじゃないかというように思うのですが、最初に建設大臣のお考えを伺います。
#54
○金丸国務大臣 福祉国家を建設するということにつきましては、私も先生と考えは同じでありますが、住宅五カ年計画というものがありまして、九百五十万戸のうちその四割、三百八十万戸を公的立場からこれをつくる。それが、民間に依存する率が多いじゃないか、こういうお考えのようだと思うわけでございます。
 私は、国家のこの五カ年計画というもので一番考えなければならないのは、いわゆる低所得層というものを考えなければならぬ。そうして廉価な家賃で入れるということを考えなければならない。こういう意味で、この住宅問題については、できるだけ先生のおっしゃられるような方向へ進めてまいることは当然だと思います。しかし、現状におきましてこの五カ年計画をまず第一にやり遂げる。しかし今日、住宅問題が非常に大きな問題となっております。五カ年計画をこのままでいいのか、こういうことにつきましてはいま一回ひとつ五カ年計画を洗い直してみたい、こういうように考えているわけであります。
#55
○谷口委員 五カ年計画を洗い直してみたいというお考え、私も賛成です。特に、いまあなたもちょっと触れられましたが、低所得者層、家を持てないような層、こういう層に対して、五カ年計画の中では非常に行き届かない内容があるとわれわれは見ているわけなんです。御案内のとおり五カ年計画は、九百五十万戸を昭和五十年までにということでありますが、その中で年間所得百九十三万円以下の数につきましては六百七十七万戸。ところが、政府がこれに対して手当てをしようとしていられるのが三百八十万戸であります。百九十三万円以上の、まあ高額所得者と申しましょうか、これは別としまして、政府が対象とするということを言っていながら、実際ははずしている数が非常にたくさんあるわけなんです。これは一体どうなさるつもりか、これをまず伺いたいと思います。
#56
○金丸国務大臣 私は、低所得者層というものは百五十万円以下という考え方を持っておるわけでございますが、そういう意味でこれは洗い直して、いわゆる住宅問題に対処してまいりたい、こういう考え方でございます。
#57
○谷口委員 これは皆さんの資料ですね。百九十三万円、これは低所得者とは言えないかもしれない。借家対象で低所得者といわれている人はまた別に三百四十四万ですか、しかし、全体として一こで六百七十七万を、政府が公的資金によって手当てをしなければならない対象者としてやっている。そう言っている。ところが、実際にやっているのは三百八十万戸だということなんです。これをどうするかということです。なぜこういう人をはずしているのか。私の言っているのは、年所得が百九十三万円ある、これ以上の人は一応外に置いています。政府も外に置いていると思うのです。しかし政府が、政府として公的資金で手当てをしなければならぬというその数を六百七十七万戸とはじき出しているのです。しかし、実際にやっているのは三百八十万戸。残りをどうするのだということです。
#58
○沢田政府委員 お答えいたします。
 確かに先生のおっしゃいますように、年収にいたしまして百九十三万円以下、これが六百七十七万世帯ございます。かような世帯を対象にして五カ年計画を立てておる次第でございますけれども、その中を、たとえば借家対象、持ち家対象、こういうふうに分けておりまして、特に借家対象百九十三万戸の中を二つに分けまして、ただいま大臣から言いましたように、一つの段階は百二十六万以下、これは低所得者、非常に収入の低い方、あるいはそれから上の段階と、こう二つに分けております。そういたしますと、百二十六万以下はお手元の資料にございますように百五十五万世帯ございます。そして、それから上の世帯は百八十九万ございます。これを対象といたしまして政府の施策を展開するわけでございますけれども、この中に、たとえば百五十五万の百二十六万円以下の世帯の中に、いろいろと私どもが手を差し伸べなくてもいい、あるいは多少ほかのほうで救われるというものがございます。したがいまして、結局はその八〇%を政府、公共でやればよろしい、かようなこまかい算出を行なっております。
 この二〇%は何かと申しますと、たとえば公共住宅のストックが現在相当ございます。こういうものから年々あき家が出てまいりますから、これは新たに建てる必要がございません。これが供給になってございます。それからさらには単身者世帯、いなかから出てきて単身で住んでおる、こういう方々は、非常に多家族で困っておられる方々を優先する、こういう意味で一応はこういう方々をあと回しにさせていただいております。そのほか持ち家等におきましても、たとえば贈与で親からこれを受け継いでおる者とか、そのほか新たな建設を必要としない者、こういう者がございまして、結局その援助率からいいますと、トータルで六百七十七万の五五%、持ち家、借家を含めまして五五%、借家につきましては内訳として六五%でございます。持ち家につきましては四五%でございます。さようなことで援助対象のぎりぎりのものがさような数字になる。これをもとに五カ年計画を算出した次第でございます。
#59
○谷口委員 まあそういうお答えをなさるということはさきに聞いておったんです。しかし、その答えは答えになっていないんです。大臣、あき家があるからと、これはもう初めから計算の外でしょうが。それから単身の者、まあこれはあと回しにする、あと回しにするのでしょう。単身でやってきて世帯を持った人をあと回しにするというのです。これは対策にならぬじゃないですか。結局はこれは政府施策の外に置かれることになる。結局は資本の、いわゆるデベロッパーあたりの非常なひどい木賃アパートとか、どこかそういうところで住まわなければならぬ。そこにほったらかしている。でなければ、無理をして高いところに入らなければならぬということにほったらかしていることになっておる。社会福祉の対象であるということを大臣は認めた。そういうことを言えますか。私は、大臣おっしゃったように、これは根本的に洗い直して、考え直す必要があると思うのです。その点どうです。
#60
○金丸国務大臣 住宅に入りたい希望者が非常に多いわけでありまして、その緊急度ということを考えてみますと、新婚、ひとり者という立場からいろいろ考えれば、まず新婚を入れるというようなことを考えなければなりません。しかし、どちらに考えてみましても、現状の住宅五カ年計画というものは、私、先ほど申し上げましたように、もう一回洗い直してひとつ検討してみたい、こういう考えで、先生のお説も十分承りたいと私は思います。
#61
○谷口委員 根本的に洗い直していただくということはけっこうでありますが、さて、その方向ですよ。いまの政府の考えでは、公的資金で借家を建てたりあるいは分譲住宅をつくったり、あるいは自分の家を建てようという人に対して融資をすることによって援助するという、そういうやり方をやって、一応手当てをしている。ところが、その対象者はこれだけあるといいながら、実際は二百万以上もほったらかしておくという内容になっている。ここに問題があるのでありまして、結局はこの人々は、いま申しましたように民間資本による借家、これは高いところが多いですな。安いところといっても高くて、しかも非常に悪い。そういうところでえじきになっているという状態。これを全体として救い上げていくという計画を立てる必要があると思うのです。そういう意味で、五カ年計画を洗い直していただくことは、私どもも賛成であります。当然そうすべきだと思うのであります。
 私は、ここで強調しておきたいのは、大臣はことばの上で、住宅問題は社会福祉の問題だということを認められましたけれども、実際は自民党・政府の住宅政策はそうなっていないということ。しかし、この点は非常に大事なところであります。御承知ですけれども、例のILOの百十五号勧告、これでも、勤労者に対しては政府あるいは自治体あるいは公的機関がこれをめんどうを見て、きちんと適正な、快適な住宅を与えるという方向を勧告している。わが国の公住法にしましても公団法にしましても、ちゃんと目的にそう書いてある。公的資金で適正な住宅を与えて、勤労者の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とすると書いてある。ところが、そうなっていないのです。民間資本にまかしておけば、彼らは、住宅政策といいましても、決して仏さまじゃないのだから、もうけ仕事としてやるんだから、これはもう徹底的に高い家賃でひどいところに入れる。つまり勤労者を食いものにするというやり方をやる。そこへ勤労者はやはりほうり込まれてしまうということになる。これをなくするというのが、社会福祉の対象、社会福祉の増進のために寄与するということでしょう。そういう立場から、五カ年計画は洗い直しますか。
#62
○金丸国務大臣 ソ連のような国で、一ぺんにそういうような計画でそういうようにやろう、こういうようなわけにはいきませんが、私は、国民全体の中で、いわゆる中堅層の中にも、あるいは低所得者層の中にも、いろいろの困る事情があるわけでございますから、その事情、事情を十分にわきまえながら、もちろん政治というものは、私は、底辺を見ながら政治をとるべきだ。その上で、一番厚くすべきは低所得者層である。そういう意味で、賃貸住宅に十分重きを置くべきである、こういう考え方でございます。
#63
○谷口委員 しかし、あなたはそうおっしゃっても、実際に自民党・政府はそれをやるかどうかについては、私どもは非常な危惧を抱いている。現に、いま申しましたような状況であります。そうして民間の高いところへ、しかもきたないところで苦しんでいる。この状態を大臣、御存じですか。ちょっと言いますと、こういうことですよ。
 これは私、調べたのですが、たとえば畳一畳当たりの家賃でいいますと、公営住宅、これは四十六年のあれになりますが、五百四十円。ところが、これが民間借家になると千四百円です。これでもまだ安いのじゃないかと思う。共同便所のあるようなそういう木賃アパートでも千三百十七円。しかもこういうものがどんどん建っている、政府がほったらかしているから。こういうことでありますから、それを政府はやはりそこにたよっておって、口ではいいことを言っても実際にやらない態度で来たのが今日までなんだから、よほどの決意がないとこれは転換することはできないと思う。金丸さんはそれをおやりになるという勇気を持っていられると思うが、しかし、これはひとつここではっきり聞いておきたい。私はあとに、どうやるべきかについては申しますが、まず政府の考え方、どうやっていくかということを、もう少し具体的に話してください。
#64
○金丸国務大臣 ただいまお話しのいろいろな点を承りましたわけでございますが、私は、先ほど来から申し上げましたように、この住宅五カ年計画というものは洗い直す。その上でやらなければならぬ。そのときは勇気をもってやります。
#65
○谷口委員 一つ一つ具体的に聞きます。
 これはもう本委員会でも問題になったところのようでありますが、四十六年の十二月に、政府が一方的に地代家賃統制令をまさに事実上撤廃するような告示を出している。これは建設省がお出しになった。この結果、あの告示によりまして、統制下にあって低い家賃であった古い家に住んだ最も低所得者層、これが一挙に地代家賃が二・七倍あるいは二・八倍に上がった。こういう彼らの生活を脅かすことで大問題になって闘争が起こっております。
 しかし、ここでねらいが政府にあったと私は思う。これを実際上統制を撤廃するような状況に置いて、そして家賃地代を上げていく、これにつれて統制外の家までどんどん上げられていったという事実がある。結局、政府は統制下の地代家賃と、統制外の地代家賃との差額の是正というようなことでやりましたけれども、実際は全部をどんどん上げる道を開くことによって、民間資本が、住宅産業というのはもうかるのだということで、そこへ導入される道を切り開いたものだとわれわれは見ている。この点どうです。
#66
○金丸国務大臣 これは家の問題ではないのですが、実は私もいなかに少し土地がありまして、近所の人たちに、戦前土地を貸して残ったものがあるわけですが、その土地が今日、いわゆる小作料と申しますか、入ってくるのは、一反歩私のところに十五円という金が入ってくる。私はそれは要らない。私は上げるつもりもありませんし、いただきもしないわけでございますが、結局向こうも弱っておりますが、まあ私のような立場はそれでいいと思うのですが、いわゆるそれで食べていかなくちゃならぬという人のことを考えてみますと、当時の家賃の一般と比べてみると十分の一以下だった。それを三分の一というところまで上げるという。もちろん、それに便乗したのもあると思います。しかし、そういう泣いておるのも考えてやらなければ政治にならぬ、このように私は考えます。
#67
○谷口委員 建設大臣、その点は私どももそう思う。借家を十軒か二十軒持って老後を送っているというような人たちがあって、これが統制下にあって家賃がなかなか上がらぬ、物価は上がっていって困る、これはなんとかしなくちゃならぬということはわれわれも考えます。しかしこれは、ああいう一片の告示によって一挙に二・何倍上げる、しかも、毎年三割以上ずつ上げていってもいいというやり方をやりますから、ここ数年のうちにわっと上がってしまって、おそらく十倍にも二十倍にもなるという計算が出ている。それだけじゃなくて、その周辺の統制外の、いままで高い家賃を取っていたものも、それによって上げられたという事実が出ている。つまり、いまおっしゃったように、あなたはなかなかいい地主さんらしいが、あなたのようなことではなくて、政府の政策としては、つまり政治の問題としては、こういう地代家賃統制令を事実上撤廃するような状態に置くことによって、住宅産業がもうかるのだという道を切り開いたというところに問題があるのじゃないかということを私は聞いているのです。この点はどうなんです。あなたはそれには答えていないのです。
#68
○金丸国務大臣 その便乗値上げということに対しては、これにどういう方法をとるか。行政指導をするということが考えられるわけでございますが、行政指導のようなことだけでやれるのかということになりますと、なかなか問題点はいろいろあると思いますし、そんなことばなかなか聞く人もないということも考えなければならぬ。そういう意味で、私も、確かに便乗して値上げになっておるということも認めざるを得ない場面も聞いております。しかし、泣いておる人もいるということも私も承知いたしておるわけでございますが、その点も、善良な国民もいるということもあるわけでございますから、いわゆるそういう悪質なものをどうするか、十分検討してみたいと思います。
#69
○谷口委員 それなら、あなは告示を撤廃しますか。撤廃する勇気がありますか。去年の国会でわが党の浦井議員が質問したときに、これについて、建設省の沢田調査官が、いま局長さんか何かになっていらっしゃるんじゃないですか。きょう見えていますね。その沢田さんは、こういう答弁をしているのです。どんどん上がっていくだろう、統制されておった地代家賃を乗り越えて、普通のものよりうんと上がっていくだろう、両方で競争して上がるだろうということになって昭和五十年ごろにはいまの十倍、二十倍になるだろうと、こう言ったら、沢田さんはこういうふうに答えているのです。「理屈はそういうことだと思います。ただ、統制額が市場よりも上がった場合には、むしろ自由契約で市場相場になるのだろうと思います。」と言っている。上がったところでそれが相場になるだろう、地代家賃が自由相場になる。これはどんなことですか。いまの高物価、住宅不足、非常に困った状況の中では、どんどん家賃が上がりほうだい。したがってまた、住宅資本もそこへどんどん流れ込むでしょう。そのかわり国民生活は破壊されるということなのです。だから、これをまず撤廃することによって、一定の水準で押えるという、それをまず具体的にやれますか。
#70
○沢田政府委員 私の答弁が例に出ましたので、私がお答えいたします。
 いまの統制額の算出の方法からいきますと、先ほどの答弁の中にありますように、固定資産税評価額なり、あるいは標準額なり、地代のもとになるものが上がれば、それに従って統制額も上がっていく、かような仕組みでございます。したがいまして、その上がりぐあいによりましては、いまの市場の価格よりも上がる場合も理論的にはあり得る。しかし実際には、統制の目的といいますのは、市場を越えた価格が統制額になるというようなことはあり得ませんので、私どもは、この統制令の目的というものは、適正な市場価格までで押えるというところにあろうかと思いますので、そういうことは現実には起こらないわけでございます。そういうことで、今度は税制によりまして、住宅地におきます固定資産税評価額、これの行き着くところは、標準額をだんだん上げていきまして、大体二分の一というところに頭を押えていただく案になっております。そういうことも勘案いたしまして、低く押えられるという情勢が、去年と違った情勢として出てきております。それが一つでございます。
 それからまた、地代家賃統制令の撤廃の話でございますけれども、これにつきましては、撤廃をいたしますと、諸物価に大いに影響するという心理的影響もございます。そこで、これにつきましては慎重に検討しなければいけないという答弁で私どもはいままでもまいっております。現在の私の考えといたしましては、さように考えておる次第でございます。
#71
○谷口委員 沢田さん、あなたに伺ったのではないので、大臣に伺ったのですけれども、あなたは私の聞いたことを言わない。私は、地代家賃統制令を撤廃せいなんて言ったことはないのです。撤廃と同じようなあの通達を撤廃せいと言っているのです。撤廃すると同じような、そういう効力を持って、現に経済的に社会の中で作用している。そのために住民が苦しんでいる。との通達を撤廃する気があるかということを、政治の問題として建設大臣に聞いている。建設大臣、どうですか。
#72
○金丸国務大臣 通達を撤廃するというわけにはいかぬと思いますが、統制の額については、厳にこれを戒めてまいりたい、こう考えております。
#73
○谷口委員 撤廃する気はないということですね。行政指導すると言っている。あれは行政指導でしょう。住民が苦しまぬように行政指導するという、あの告示を撤廃しないという。どうなんです。何も誠意がないじゃないですか。行政指導をやるのだったら、新しい告示を出しなさいな。これを聞いているのです。
#74
○金丸国務大臣 この通達の問題につきまして、いま一回もとへ振り戻せという御質問でございますが、この問題につきましては、あえて先生にさからうようでございますが、やるわけにはいかぬと思います。ただし、行政指導という問題につきましては、今後通達等によりましてひとつ指導してまいりたい、こう考えております。
#75
○谷口委員 大臣、私がこの話を出しましたのは、もちろんこの告示を撤廃してもらう、そして、いま住民が苦しんでいることに対して、政府としては行政的にこの苦しみを解消するというふうな方向を打ち出すことを要求したのですが、しかし、この問題を出しましたのはほかにあるわけだ。さっき言いましたとおりです。こういうやり方で、住宅を持っていればどんどんもうかるのだという道を切り開いて、民間依存の政策を強化する。政府や自治体、つまり公的資金によって勤労者の住宅に十分な手当てをすることの方向ではなくて、民間資本に国民の多数をまかしてしまって、彼らのえじきにするという方向を自民党・政府はとっているということについての、一つの例としてあげたわけです。問題は、もとに返って、やはり政府として五カ年計画を洗い直すなら、一体どうするかということが問題になるわけです。
 では、聞きましょう。五カ年計画では、先ほど申しましたとおりに、百九十三万円以下の人を対象にしておるけれども、実際はこれは六百七十七万世帯あるにもかかわらず、政府が公的資金で対象としているのは三百八十万戸だ。その差額は、これはもうたいへんなことで、どこでもほったらかしだということが明らかになりましたが、この三百八十万戸を、政府資金によっていろいろなやり方をやっているわけなんですが、国民として、特に低所得者等にとって一番喜ばれているのは公営住宅。あまり内容はよくないと私ども思うけれども、しかし、あまりひどい住宅事情だから、ひどい住宅で高い家賃でも喜ばれているのはまあ公営住宅でしょう。この公営住宅が、国民全体で九百五十万戸五十年までに必要だという中で、たった六十七万戸の建設予定になっていますね。これをふやしますか。
#76
○金丸国務大臣 先ほど来申し上げましたように、これを洗い直すということで三十八万戸という調整戸数があるわけですが、それを踏まえてもなおかつ足らないという状況が出る。こういうことであるならば、当然その点も考えなければならぬと私は思います。
#77
○谷口委員 どれくらいにふやすんですか。
#78
○金丸国務大臣 いま、どのくらいと申されても御返答はできませんが、ただ、いわゆる低所得層を優先的に考えてみたい、こう考えております。
#79
○谷口委員 大臣、それはだめですよ。来年度は第二次五カ年計画の三年目ですね。ここで洗い直すということをあなたは言い出した。特に、低所得者層に対する家賃の安い、そういう公営住宅をふやすということを言ったんだから、ここで六十七万戸じゃ足りぬからということが前提になっているんでしょう。幾らふやすということを具体的に言わなければだめですよ。全体で九百五十万戸要るんだ。百九十三万円以下の所得者でも、さっき言いましたとおりに六百七十七万世帯ある。この公営住宅を、六十七万戸から、この第二次五カ年計画に手直しするときに幾らにするんですか。具体的に言ってください。
#80
○金丸国務大臣 公営住宅の問題につきましては、所得によって、いわゆる入る人のワクというものがきまっておるわけでございます。そういうことですから、それには限界があると思いますが、私たちは、できるだけひとつ先生の御趣旨をくみましてやってみたい。ただ、ここで、幾らふやすんだと言われてみてもちょっと……。洗い直すということでございますから、よろしくひとつ御了察を願いたいと思います。
#81
○谷口委員 金丸さん、もう少し実のある話をしましょうや。公営住宅だけでなくても、公団住宅でもいいです。これは少し家賃が高くて、かなりの所得がないと入れないような状況になっているけれども、しかし、これも政府施策としてはあるんだから、それを両方で考えてもいいですよ。公庫の問題で、金を貸すという問題も考えてよろしい。とにかく政府は、九百五十万戸五十年度までに要ると言っているんでしょう。そして、年収百九十三万円以下の人は六百七十七万おると言っている。これは何とかしなければならぬのでしょう。そのために政府が、特に快適で安い家賃の賃貸住宅を建てるということは、私どもは好ましいと思うが、いずれにしましても、これをどうするかということについては、もう少し具体的にやらなければならぬだろう。自治省は、来年度の予定では、おそらくわずか十二万戸ぐらいじゃないですか、この六十七万戸の公営住宅建設計画は。十二万戸ぐらいだと思うが、いずれにしましても、これすら実際は着々と進んでいないという実情があって、何か、きのうかおとといの本委員会でも問題になったようですな。そういう実情なんです。これをどうするかという問題なんです。ここに私ども問題があると思うのです。資本の利潤のためにえじきになっているこういう人たちを、政府としては、社会福祉の立場から救っていかなければならぬ。そういう問題なんです。救うということばは私は気に入りませんが、国民の権利として快適なホームを与える。これは有名なことばになっておりますが、ハウスをほしいのじゃない、ホームをほしいとみな言っている。そういうものを与えていくということをやらなければならぬということなんです。だから、具体的でないとだめですよ。どうです。
#82
○沢田政府委員 内訳の話でございますので、もう一回御説明申し上げたいと思います。
 六百七十七万戸から五十数%に落ちている、これは六百七十七万戸というのは、所得階層別でそういう所得の者がそれだけおる、かようなことでございます。したがいまして、住宅は、すぐれてそういう所得に関連をいたしまして、低所得者ほど住宅難が多いということは事実でございますが、しかし、六百七十七万全部政府が住宅を見る、かようなかっこうにはなりません。その間には各人の各種の事情がございまして、たとえば前から土地を持っているとか、あるいは親譲りのものがあるとか、あるいは社宅があるとか、そういうふうな状況を差し引きますとそのようなことになる。かようなことがまずあるわけでございます。
 それから、第二点の公営住宅の話でございますが、政府の援助の一番根源でございます公営住宅は特にそうでございますが、一応国民といたしまして適正な水準を維持する、これが住宅政策の根本でございます。これに対しまして応分の負担はする。しかし、応分の負担ではその水準が維持できないという方には、公営住宅なり何なり、国の援助でギャップを埋めましてそれを確保しよう、かようなことでございます。この原理は、大体土地費を含めました建設費と、それから本人の収入ということできまってまいります。これが私どものほうで、地方、地方で全部積算されております。その結果、公営住宅の数といたしましては、先ほど先生のおっしゃった数になる。かようなことで五カ年計画がきめられております。したがいまして、その辺の事情の大きな変化がございますれば別でございますが、さようでない限りは、この計画に基づいていくということになろうかと思います。
#83
○谷口委員 私は、大臣と政治の話をしているのです。局長が出てきてああいうことを言いますと、話はそれてしまう。そうじゃないのですよ。そんなことを言っているんじゃないのです。私が先ほど申しましたとおりに、六百七十七万戸と三百八十万戸との間のこれをどうするんだということを聞いたら、あなた方はこういう資料を出すんだと私は聞いた。ちゃんとあなた方資料を用意しているんだ。それを聞いているんじゃないのです。この資料はだめだと言うんです。そういう考えはだめだと言うんです。それはあなたがさつき言ったとおり、いなかから出てきた、初めて世帯を持つ、これをあとに回すと言うんでしょう。おやじが退職手当をもらうだろう、この何年の間にこれは家建てられるだろう、そういう世帯がこうだ、そんなことをあなた方数を集めてやってきている。国民に対する住宅の政策でありますから、もちろんそういう事情があって、住宅の必要のない人もあるでしょう。自分でりっぱに住宅をつくれる人もあるでしょう。その人たちがりっぱな住宅を建てられるごと、そこで民間資本が活動すること、それは私どもも何もおせっかいを言うつもりはない。問題は、勤労者に対して、特に都市勤労者に対して国として住むところを与える、その見地に立てば、五カ年計画というのは、こういうずさんなものではだめだと言うのです。特に、この間、円問題でここで集中論議をやりました。いままでやってきました自民党・政府の、アメリカに従属して、大資本本位の、輸出第一主義でやってきたやり方の結果こういうことになったんだから、社会福祉を優先させる国民生活本位のそういう経済政策に転換せいということをみんなやかましく言った。政府もある程度これを認めざるを得ないというところに来ている。住宅問題は、円問題が起こる、起こらぬにかかわらず、国民の福祉の問題として、政府はこれに対して十分な対処をすべきだというのがわれわれの主張であり、法律にもそう書いてある。ちゃんと書いてある。憲法の用語を引用して書いてある。そんなら、そういう態度に転換していくのに、いまは絶好の機会だとわれわれは考えているわけだ。
 そういう立場で第二次五カ年計画を洗い直して、ほんとうに政府が責任を持つような態度をとるかとらぬかということですよ。これは局長がいろんな答弁を用意してきてこういう数字を言ったり何かすることと話が違うんだ。政治の問題なんだ。
#84
○金丸国務大臣 その問題につきましてお答えをいたしますが、まあ政府として、福祉国家ということですから、低所得層に対する施策は当然考えるべきであります。ただ、民間依存という問題につきましては、自分でつくりたいという人に、ぜひこちらに入ってくださいと言う必要もない。そういう人も住宅問題の解消の中には相当あるわけでございますから、その問題の中に考えをいたすわけでございます。
 ただ私は、洗い直すという問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、福祉国家建設という中で、住居というものは人間の生活の一番の根源であります。そういう意味で、ことに、いろいろの社会問題が起きていることを耳にいたしましても、私はこの問題は、真剣に命がけで取り組むべきだ、こういう考え方をもって洗い直したい、こう考えておるわけです。
#85
○谷口委員 持ち家の問題は、大臣、私どもも、家を持ちたいという人は、それはけっこうだと思う。しかし、あなたはこの間のこの予算委員会での答弁の中で、国民の八割までが家を持ちたいという希望を持っているというような言い方をしておられる。家を持ちたいのは国民の八割じゃないですよ。十割です、自分の家をほしいのは。ただ持てぬだけなんです。持てる条件がないだけなんです。こんなことを言っていてはだめなんで、持ちたい人に持たす、特に勤労者に家を持たすなら、たとえば公庫の制度をもっと民主化し、もっとたくさんの金を貸すようなやり方をやらなければならぬですね。つまり、そういうことを含めて五カ年計画を洗い直す必要があるということを私は言っているのです。公団住宅だって、いまの状況では私はいいとは思いません。家賃が高い。しかもあれは、住宅には違いないけれども、私、いつか大阪の千里ニュータウンへ行ってみました。九階、十階の大きな高層建築がだあっと並んでいる。外観はなかなか壮大です。朝になりますと、あの各部屋からみんな勤労者が弁当を持って出ていって、バスでぶうっと行く。まるでミツバチの巣ですな。ミツバチと違うのは、ミツバチの場合は男のハチだけ行くけれども、人間の場合は女もみんな行く。そういう状況なんですな。しかし家のない人には非常に助かる。しかもあれは家賃が非常に高いのです。これは統計に出ておりますが、公団住宅に入れる人は、平均大体十二万八千円ぐらいの所得がないと入れない、そういう状況になっている。公庫から金を借りるのにしましても、ほんとうは八〇%――今度は木造で二百五十万円、耐火的な建物で三百万円に上げました。上げたことはいいと思うのですよ。悪くない、下げるよりは。だけれども、これは焼け石に水なんです。建てる住宅の単価を計算しちゃって、その基準単価というものがあるんでしょう。これは一体幾らになっていると思うのです。あなた知っているでしょう。ほんとうに必要な建築費、建設費の半分以下なんです。それが単価で、その八〇%で、いろいろな条件があって、頭金が要る。一種なんか、これは甲というんですか、乙ですか、一種ですか、高いほう、これなんかも、用地代を出さなければだめだということになっているというような、そういう条件なんですな。これをもっと借りやすくするという方向をやる必要がある。つまり、全体を通じて、国民がまさに快適な住居、ほんとうにさっき申しましたホームですよ、ハウスじゃなくて、それを持てるようにしてやるような方向でこの計画を洗い直してやり直す。あなたがやり直すということであれば、私は信頼しますが、いつまでにこれを洗い直しますか。いつまでにこれを改定しますか。
#86
○金丸国務大臣 先ほど来のお話で、いわゆる融資の問題等につきましても焼け石に水だ。ことしはその金額はふえたわけでございますが、それとても焼け石に水である。しかし、確かにプラスであることは間違いないが、私も、この点につきましては、これで足ると考えておりません。できるだけ負担を少なくして住宅を持たせるというためには、融資を多くしてやるような方法を考えてやるべきだと、今後も鋭意努力いたしたいと思うわけでございますが、この五カ年計画洗い直しの問題につきましては、四十九年度をめどに私は洗い直してみたい、こう考えております。
#87
○谷口委員 それじゃ先へ進みます。
 公団住宅がおもだと思いますが、公団住宅も含まれるかもしれませんが、予定どおり工事が進捗しないという状況があって、本委員会でも問題になっている。これはどんな原因ですか。
#88
○金丸国務大臣 公団の予定がいささかおくれておるということは、東京をはじめとして東京周辺、埼玉、千葉、神奈川、こういう県で人口の抑制をしなければ、いわゆるりっぱな、健全な町づくりが破壊されるというような考え方、あるいは住宅を持ってこられると、公共施設は全部自治体がこの負担をしなければならない、こういうようなことが最大の原因で、あるいは水の問題もあるわけだし、下水等の問題もあるわけですが、それらのいろいろな問題が含まれまして、この問題がいささかおくれておるというのは事実であります。
#89
○谷口委員 大体そこらだろうと私ども思うのですが、つまり、用地がなかなか確保できないという問題、それから地方自治体、まあ公営住宅の場合はそうなりますが、地方自治体の負担が多くなるということですね。土地の問題は、あとでちょっと時間のある限り触れます。
 自治大臣来ていらっしゃいますね。――超過負担の問題は、この間本会議でもだいぶ論議になった。政府は解消すると盛んに言われる。あなたも言った。しかし超過負担の問題は、ただ家の問題だけじゃないと思うのですが、大体家屋、公営住宅ですな、その他関連する住宅関係ですね、どれくらい地方自治体の超過負担がありますか。
#90
○江崎国務大臣 この超過負担の問題は、国及び地方の財政秩序を乱すことにもなりまするし、地方団体のいわゆる行政水準を極度に低下させるという作用をなしまするので、この負担の解消につとめてまいったことは、いま御指摘のように、本会議あるいはこの委員会でも詳しく申し上げましたので、繰り返しません。
 そこで、いまお尋ねの、公営住宅建設事業についての実態調査を本年度いたしたわけでありまするが、その結果は、建設工事費について補助単価が一平米当たり約八%、ちょっとこれはきびしい数字で、議論の存するところだと思いまするが、一応八%の超過負担がある、こういうことが判明したわけであります。したがいまして、この負担分については、四十八、四十九年の両年度においで解消をする。そこで、また補助基準の面積につきましても、規模の増をはかりまして、地方公共団体の負担を軽減する措置に出たいというふうに進めております。なお、今後とも関係省庁と連絡を密にしまして、この超過負担解消の問題には進んでいきたいというふうに考えております。
#91
○谷口委員 あなたもきれいごとを言いますな。八%で済みますか。公営住宅の工事費については、建設大臣が基準をきめることになっている。これは御存じのとおり。調べてみたらだれでもわかることですが、たとえば木造平屋建て、まあ簡易耐火ですね、これが一戸当たりの工事費になっていますから、私、割り出してみたのですけれども、特別地域で一平米二万八千円、坪にして九万二千円、一般では二万六千七百円、坪にして八万八千円。これは一種です。では高層建築、九階から十一階、これは一平米四万四千八百円、坪にして十四万八千円、十五万円弱。これは高いところです。こんなもので建ちますかということになりますが、これはどうです。
#92
○江崎国務大臣 いま私が申し上げましたのは、補助単価の措置、これに詰めて申し上げたわけでありまするが、要するに四十六年度の予算額は九百八億円。で、実際の支出は、これは公営住宅の分ですよ、千六十九億、こういうことになるわけです。したがいまして、全体でいいまするというと、一八%そこに差があるわけです。そこで、いま申し上げましたように、補助単価の措置を要する分として八%、それから補助基準を引き上げなければならない分が九%程度、こういうことになります。で、まあ単独分が一%、合わせて一八%、こういう内訳になっております。
#93
○谷口委員 詳しいことを言っている時間がないので、残念ですが、しかし大臣、いま申しましたように、実際に高層建築、十一階以上というような高層建築、これは、便所はもちろんタイルは張りませんし、廊下もへたをしたらきずだらけになるようなでこぼこだというようなものを建てましても、十四万円とか十五万円では建たぬでしょう。おそらくこれでは建たぬ。それで国の補助は一種で二分の一、二種で三分の二なんですね。これは、大蔵大臣が見えておりますが、差額を地方自治体がみんな負担しなければならぬでしょう。その上に用地代でしょう。関連公共施設でしょう。みな地方自治体でしょう。これをまあ超過負担の中に入れられておけば何か知りませんが、しかし建物だけのことを考えても、だれが考えたって、地方自治体の負担は非常なものになるということは明らかです。八%とか一〇%とかいうものじゃないと私どもは思うのですよ。これはやはり解消しなければならぬし、ここらきちんと詰めれば、だれも文句の言いようのない問題なんですな、これは。だから解消するとすればするようにきちんと、あなたは自治相だから地方自治体のほうの大将じゃないか。大蔵大臣とけんかしなければならぬほうじゃないか。いわばこれをきちんとするのが必要じゃないんですか。こういうことなんかは、つまりおっしゃるとおり工事がおくれる、着工が計画よりもはるかに低いということになってくる原因なんですね。
 私は、これは資料を実は持ってきております。大阪の分も東京の分も大体持ってきています。どれぐらいひどいことになっているか、持ってきています。持ってきているけれども、時間がないから言いません。これをやはり解消しませんと、地方自治体の財政を圧迫するだけでなくて、わずかしか建ちませんけれども、それすら実際に一〇〇%完成できないということになる。私はこの数はもっとふやせると言っているわけでありまして、少ないことは、それは言っているのですから、これすらできないという状況になるわけです。これ、やはりあなたのほうもきちんとやって、どうやって、解消するかですけれども、具体的な計画を政府でつくるべきだと思うのです。これはどうです。
#94
○江崎国務大臣 御指摘の点はまさにそのとおりでありまして、私ども長いことこういう立場におりますると、政治家として実際これはちょっと無理だなというような場面に突き当たっております。よくわかります。したがいまして、これはさっきも申し上げましたように、関係省庁の間で密接に連絡をしまして、実情に合うように措置をするとともに、今後とも超過負担という形で地方財政を脅かすような問題については、極力解消をはかるということで措置をするつもりでございます。
#95
○谷口委員 私は、ここで共産党の住宅問題について提案をしたいと思います。
 政府は、その五カ年計画を手直しされると言っておられますから、ここのところできちんとわれわれの考えを聞いておいていただくほうがいい。大蔵大臣も来ていらっしゃるので、聞いておいていただきたいと思います。
 地方自治体が主になってやる公営住宅、これは一種と二種とありますけれども、これを全部一種にする必要があるだろう。一種に統一してしまって、もっと内容をよくする必要がある。多様化する必要がある。そして国庫補助率は、用地費関連公共施設を含めて、その建設費の三分の二を国庫補助する。基準単価は、いま自治大臣もおっしゃったが、いまあまりにひど過ぎる。実情に合うてない。これはきちんとやはり実情に合うた単価にしていく必要があるだろう。そういうふうに改善する。さらに、これだけではできませんから、国は年利三%、償還期限四十年くらいの低利長期の融資を自治体に与える。
 公団の場合は、これは自治体と並んで勤労者に快適な賃貸住宅を提供する事業体に変える。前進させる。したがって、いまやっているような高い家賃を取るようなことじゃだめなんで、やはり同じく住宅建設費に対する国庫補助制度、これを導入して、補助率、その対象の範囲、及び長期低利の融資制度も公営住宅と同じようにしていく。
 住宅金融公庫ですが、これはもう勤労者対象の持ち家に対してある程度援助されることになっている。だから、これをもっと、あの法にちゃんと書いてありますので、大資本の社宅や寮や分譲住宅の建設に金を貸すようなことはやめて、勤労者に家を持たせるという、これを中心として、これを主眼とする融資制度にする。勤労者の持ち家建設には、用地代も含めて融資の単価及び総額をもっと大幅にふやしていく。住宅の修繕や改築にも融資する制度をつくる。それから生活協同組合のような民主的な団体が会員の住宅を建設する場合にも、これを融資対象にする。もちろん地方団体の住宅公社、これなんかはもっと援助を強化する必要があるだろうというふうに思うのです。
 そこで、金は非常に要ると思うのです、こういうことをやれば。そこで、私どもはこの場合にも財源の問題について、これは一つの提案で、構想でありますが、申し上げたい。これは工場追い出しの場合、工場追い出し税というやつを田中総理が考えられたことがありました。これはどうなりましたか、今度の国会でまだ出てきませんが、とにかくああいう構想を持たれましたが、私どもあれと違って、勤労者の住宅、これに対して、やはり都市集中や都市の過密状態を引き起こしておる大企業、これは責任がありますから、これに対して住宅負担金とでもいうべき特別な税制度をつくって賦課する必要があるんじゃないか。やっていいんじゃないか。これは大企業の床面積、あるいは資本金、あるいは従業員数などに比例するか、どういうことでやりますか研究の余地はありますが、とにかく人口の都市集中の責任はやっぱり都会、東京なら東京の中心を占めてここでやっている大企業に責任があるのだから、これに負担させるという考え方でこれに賦課するという制度を考える必要があるのではなかろうか。これは実は私どもが考えたのではありません。政府自身逆な意味であんなふうな工場追い出し税とかなんとか考えられましたが、同時にこれはフランスの共産党、社会党の統一戦線で連合政権を目ざす組織ができている、あの両党の共同綱領の中にこの構想を出しております。イギリスの場合でも、これは土地問題等を含めましていろいろな制度があるようでありますが、そういうことでこういうやり方を一ぺん考えてみてはどうだろう。それから長期低利の融資を、これは非常にたくさん要りますので、これは郵便貯金を利用してはどうだろう、こう思います。郵政大臣はきょうおいでいただかなかったのですが、これは大体十兆五千億あるようです。あの利子をもっと上げる、あれは利子は安いですから。庶民の貯金の利子を安くしている。これをもっと上げて借り入れる。つまり預金する人にはたくさん出して、これを三%で住宅資金として融資する。利子の差額はこれは国が補てんする、補助するという、そういうやり方をやっていって、こうしますと、大体私どもの計算によりますと、現状での平均労働者の賃金の大体一〇%ぐらいの家賃でおさまるだろうし、年間快適な住宅を百万戸ぐらい建てて、これを五カ年計画で年次計画をやっていけば、住宅問題解消必ずできるというふうに考えております。
 こういう構想を持っておりますが、これは建設大臣、どうです。これは自治大臣のお考えを聞いてもいいと思います。両方のお考えを聞いておきます。
#96
○金丸国務大臣 非常に貴重な御意見だと思います。参考にいたしたいと思います。
#97
○谷口委員 御意見は御意見として伺っておくというのは政府の答弁の常套でありますが、これは、われわれ申しましたのは、さっきもちょっと触れましたけれども、いま福祉社会あるいは福祉優先主義に転換する絶好の機会だと思う、国民的合意を得る上においては。また、日本の経済状態をいまのような混乱から実際に秩序ある方向へ持っていくためにもこれは絶好の機会だ。住宅問題だけじゃありませんで、その他のいろいろな社会保障の問題がございます。しかし、住宅の問題をやはり重視して、そういう方向をとるべきだということでこういう意見を出しているわけなんですが、ただ参考にするだけじゃなくて、現実に五カ年計画の手直しをなさるならば、少なくともこういう見地に立って考えてもらいたいというのがわれわれの、したがってまた国民の切なる願いだと思うのです。だから、そう簡単に木で鼻をくくったようなことを言わないで、やはりこれ私ども文献がございますから、研究してもらいたいと思うのです。
 ついでに聞きますが、あなた方政府の方々、共産党の文献を研究なさいますか。これちょっと自治大臣にも大蔵大臣にも、大蔵大臣はきょうは私お呼びしておりませんから御答弁いただかなくてもいいが、建設大臣、お聞きしたいと思う。われわれは政府のお出しになる一つ一つの法案なり政策なり、あるいは自民党のお考えになるすべてのものを徹底的に研究している。共産党が出しておるもの、宣伝文書じゃないのです。国の政治をどうするかという問題で責任をもって出している。政府にしろ与党にしろ、これ研究する責任がある。特に政府はあると思う。それで初めて議会制民主主義がほんとうにそこから成り立つことになる。研究し、参考にし、いいものは取り入れる、賛成できるものはやるという立場でなかったらだめだ。研究しますか、どうです。読まぬでしょう。読まぬなら赤旗の読者になりなさい。
#98
○江崎国務大臣 共産党の政策については、もとより拝見いたしております。特に私、防衛庁長官のときには、よく共産党の防衛政策、基地の共産党としての出版物等々はくまなく目を通したことがございます。ただ、無理だなと思ったりしたことも正直なところございます。
#99
○愛知国務大臣 私からも……。私どもも共産党はもとより野党の、いろいろ御研究のこともできるだけ勉強しております。それから昨日も私、経験いたしましたけれども、政府案につきましても非常によく御勉強いただいておりまして、感謝申し上げております。
#100
○谷口委員 愛知さんにほめてもらう気はありませんけどね。これは私は冗談を言っているんじゃないんです。しかし、いま大臣諸君がいろいろ御研究いただいていることのあらわれてくるあらわれ方は、逆にあらわれるのですね。これはきょう御出席じゃないから名前は言いませんけれども、結局、非常に反共的な共産党に対するデマ、宣伝というようなことにむしろ重点を置く。あなたなんかもその点では一番じゃないかな。防衛庁長官をやっているときに一番悪いことを言ったんじゃないかというような気がするのですが、そういうやり方でなくて、実際私どもも日本をどうするかという立場に立ってやっている。議会制民主主義を確立するために私どもは五十年命をかけたのです。天皇制時代に天皇専制じゃなくて、国会を基本にする議会制度をつくれと言ったのはわれわれです。そのためにわれわれは刑務所へ行ったのです。その国会へわれわれは意見を出しておる。ここで言う、じょうずであろうとへたであろうと、ここで発言をするのは全部その立場に立ってやっている。今日の国民主権を憲法の中に入れたのはわれわれです。わが党の野坂議長です。野坂議員があのときにあれを、GHQの弾圧があったけれども、あくまでも突っぱねてあの前文に入れた。だから、ただ出しているんじゃないんです。それは共産党が気に入らぬだろうから、何か片言隻句をとらえて反共の種にするというようなやり方をやられることは大いにある、またやってきていられますけれども、そこに問題があってはだめだという、もうそういう時代に来ているということを私はここで言いたい。この住宅問題につきましても、そういう点、われわれはまじめに提案したから、やはりこれはまじめに政府で検討してもらいたい。
 そこで、時間がもう非常に切迫しておりますが、委員長、さっきのあれを取り消します、一時十分に開会になったそうだから。時間が切迫しましたから最後に土地問題に若干触れます。
 土地問題につきまして、これはもちろん住宅に関連あることでありますから、私ここで触れるのでありますが、この土地問題についても、建設大臣、かなり政府の考え方を変えていただく必要があるんじゃないか。いま現在における土地問題の基本問題は、大資本によって全国の土地が買い占められた。投機の対象とし、利益追求のために買い占めた。そういう行為によって、この間のこの委員会では、あの公聴会の公述人のある人は、土地問題はもう決着したというようなことを言っている。決着したということについて、どんなことだということでいろいろ足立さんなんかも質問されて明らかにしてもらったところによると、つまり、大資本によって買い入れられるところは全部買い占められてしまった、だからそういう意味で決着がついた、こう言っている。だから問題は、この大資本によって買い占められた土地を国民の側に取り返して生活用地として、国民がこれを国民の立場に立って利用することを切り開くか、大資本が占有しているこれをそのまま、税制だとかなんとかいうようなつまらぬことだけ言って、事実上見のがしていくかという二つの道の一つの選択だと思う。それが土地問題だと私ども思っている。
 つまり、国民が本来生活用地として持っている国土を、大資本は自分の利益のために投機の対象として、だぶついた金でこれを買い占めた、これを取り返すかどうかという問題が土地問題だと思うのです。つまり、そういう意味からいって、まさに住宅用地としてこれを確保する上で、この状況の中でどうするかということが具体的な問題になってくると思うのです。政府はいろいろ対策を考えていられるようでありますけれども、こういう見地に立って土地を確保するということになりますと、相当のことをやらなければならぬと思いまするが、それについての建設大臣の御意見を伺いたい。
#101
○金丸国務大臣 御指摘のとおり、今日の住宅問題は土地問題にあると思います。そういうことですから、この土地問題を解決せなければ公共事業の推進も、住宅問題の解決もできないわけでありますし、また、自分でうちをつくりたいという人もこの土地の問題、宅地の問題を解決してやらなければ、青年にも希望を失墜せしめるようなことになってしまうということを、私は政治家として非常におそれるわけであります。また、いま建設省という立場におりますと、われわれは、先生がおっしゃられるようなことで土地が放出されるようなことが唯々としてできるならば、こんな願ったことはないわけでございますが、それにはいろいろの問題点もあるようでありますし、経済閣僚懇談会等で土地対策要綱等もつくりまして、ことに税制の改正をやりまして、この問題等をひとつあぶり出しをかけるという考え方だと私は思います。
 そういう意味で、土地の放出を一日も早く私はしていただくことが国民のためだ、土地は商品ではない、土地は国民の共有する領土だ、こういう考え方を私は持っているわけでございます。
#102
○谷口委員 なかなかその点ではあなたもいいことをおっしゃる。いいことをおっしゃるけれども、ばく大な土地を買い占めて、それを投機の対象として、あっちに売りこっちに売りしてもうけている連中に、がばっと税金をかけることはわれわれ賛成ですよ。だけれども、ここでもだいぶん論議されましたが、政府の対策、保有税の問題にしろ譲渡税の問題にしろ、実際にどういう土地所有者に税金をかけるかをさがすほうがむずかしい。税制を考えているけれども、政府の考えではみんな抜けていってしまって対象にならないようになって、そういうざる法になっている。かけるのはどこだろうということをさがすほうがなかなかむずかしいというような論議になっている。だめですよ、そんなもの。
 農林大臣、来ていらっしゃいますね。――せっかく来ていただきまして、ちょっと伺いますが、東京中心に関東全体で、この一年間に大企業が買い占めた土地の面積はわかっていますか。
#103
○櫻内国務大臣 各農政局の民間資本の土地取得状況につきまして、予算委員会のお求めに応じて資料は提供してございますので、ごらんいただいておると思うのでございます。
 そこで、御質問に適切にお答えできるかどうかは別といたしまして、関東農政局管内における取得の状況は三万三千四百ヘクタール。そしてその内訳は、山林が二万五千三百十七ヘクタール、農地六千三百十三ヘクタール、その他が千七百七十ヘクタール。これは四十六年七月一日から四十七年六月三十日までの間に売買契約が成立したものでありまして、あるいは四十七年七月一日現在買収の話し合いが進められているものの調査でございます。
 そこで、お尋ねの大資本はどうか、こう言われますが、その辺ははっきりしておらないということを正直に申し上げておきます。
#104
○谷口委員 実は資料をいただいておるのです。意地の悪いことをしまして恐縮でした。大臣からお答えいただいたほうがはっきりすると思ったのでやったのですが、資料をいただいております。おっしゃるとおりに、一都八県になりますか、それの一年間で企業の買ったのが三万三千四百三十三ヘクタール。これはもちろん大資本だけじゃないと思います。と同時に、これは五ヘクタール以上の土地の問題でありまして、それ以下のものは入っていないということです。だから、そういう点では非常に不完全なものだと思いますが、いずれにしましても企業の持っている土地はこれだということですね。
 私が調査したところによりますと、これだけではなくていろいろあります。同じように、この場合特に東京を中心にして住宅ということを考えた場合には、神奈川、埼玉、千葉というようなことですが、ここだけを考えてみますと、一万八千ヘクタールあります。この資料から計算すればこれは出るわけです。ところが、同時に私の調査によりますと、通勤可能な東京六十キロ圏以内、これは民間企業によって買い占められた土地は大体二万ヘクタールというふうな数字が出ております。これは私自身でなくて、私どもと一緒に学者の調査した結果であります。これが全国的になりますと、これも建設省の調査ですが、東京証券取引所上場会社中の約七百社だけで買い占めた土地面積は、実に三十三万ヘクタールで、全国土面積の一%になっている。私が申しました、また国会でも問題になりました、土地の問題は決着がついているという状況がこういう状況なんです。これもたいして正確なあれじゃない。しかし、これよりもっと多くても少ないことはないということだけは推定できる。農林大臣は大企業だけであるかどうかというふうに、いやに余韻のあるお答えをなさいました。小さい企業も持っているし、個人も持っているだろうというようなことをおっしゃりたかったのだろうと思う。問題は、そういう事実はあると思うけれども、しかし、この中心になっているのは大企業で、投機買いだということです。利益のためにやっているということです。国土がそういうふうにして荒されている。この事実はだれも否定できない。これをどうするかという問題が土地問題だ。税金を取ることもよろしい。しかし、この連中に税金を少しくらいかけたって何にもならぬ。またこの連中のほんとうの大どころには、税金がかからないようなちゃんと仕組みになっているでしょう。これはここで論議されている。これをどうするかという問題が、建設大臣、私は住宅の用地の問題も含めて、土地問題の基本がここにあるというふうに考えているわけなんです。
 これは国会内外でいま問題になっているのですが、いわゆる市街化区域の農地の宅地並み課税、これはもうすでに法律ができて、一応延期になっているというような形になっているが、これも大きな問題になっている。政府はどういう態度をとられるのか。自民党案は、どろをかぶりたくないので、野党の諸君と一緒になってやるというようなことになっている話も新聞に出ている。私どもこれは絶対反対なんです。というのは、農地こそ人間の生活用地として、たとえば住宅を建てるその周囲に、現在の言い方でいえば公共的な施設、学校だとか、上下水道だとか、道路とか、あるいは保育所とか、緑地とか、公園とか、こういうものがある中で住宅というものはあるべきであって、それで初めて住宅なんで、どこかに、どぶの横に板張りの小屋を建てたって、これは住宅じゃないのです。そういう意味で、生活用地として土地を確保するという見地に立つ、これは基本的な見地でなければならぬと思うが、そういう見地から日本の農業を見た場合に、特に都市における農地の問題はそういう意味でも非常に重視しなければならぬ。また農業政策としてもこれは残して、そして農民は農民として働けるように、都市農業としてむしろ積極的に、これは農林大臣に聞いてもらいたいのですが、都市の中にあるのですから、近郊にあるのですから、都市住民に対する非常に生鮮な野菜その他を供給する、そういう農業としてむしろ積極的に発展させるべきだという意見を持っておる。また人間の生活環境の上からいっても、これは残すべきだという考えを持っている。だから、これにわれわれは賛成できないわけであります。
 これと関連して申し上げたいのは、これを取り上げるよりも、そのことに全力を尽くすよりも、宅地並みの課税というのは税金をかけることに目的があるかもしれぬけれども、それよりも農地を吐き出させるということに目的があるのでしょう。マスコミなんかみんなそういっている。もっとたくさん税金を取って農地を取り上げろと、こういっている。そうマスコミはいっています。われわれはこれは反対なんです。反対ですが、いずれにしましても、この農地を取り上げるより、先ほど申しました独占が、大資本が買い占めている、これを取り返すということが先決問題じゃないか。これは建設大臣どうです。
#105
○金丸国務大臣 先生のお話も一つの理だと思うのですが、銀座のまん中に一町歩の畑がある、これを農業をやらせろということはまことに不合理きわまる話であって、当然この土地は放出させるようなことを考えるべきだ。そういう意味で、市街化区域のまず農地を対象に考えることは当然だ。何のために線引きをやったか、こういうような考え方をいたしておるわけでございます。
#106
○江崎国務大臣 これは共産党の主張で、せっかく谷口さんの御主張ですが、私、建設大臣と同感なんです。土地が投機対象になったことは、これはいかにも残念。そこで実質七〇%の重税を課して、これを投機対象からはずしていく、これはもうおそまきではありまするが、やはりどんどんやらなければならない政策です。
 この農地の問題については、自民党は何も野党に責任を分担してもらおうというわけではないと思います。私どもは昨年来の経緯にかんがみまして、学識経験者による農地の宅地並み課税の研究会をつくって、一案、二案、もう時間がありませんからくどい話は差し控えまするが、この案を持ったわけであります。しかし、昨年の経緯もあるから、国会の検討にゆだねておるというのが現況でありますが、これが三月一ぱいのうちに話し合いがつかない場合には、前に議決した法案がおのずと生きてくるわけでありまして、これが適用されることもまたいたし方なかろうというふうに思います。
 勤労者が五十坪の土地に家を持っておって、家賃はなるほどただかもしれませんが、この住宅を売るわけにはまいりません。そのときに坪五万円以上する、あるいはその町の平均価格よりもはるかに高い十万、二十万といったような土地を、千坪も二千坪も持っておるというのであるならば、これは世上いうところの資産家であります。その資産家が七〇%の重税とかなんとかというようなものならとにかく、固定資産税の評価額は地価表示価格よりは低いものであります。それに、しかも暫定的にある程度の緩和措置をとりながら課税をしていこうというこの農地の宅地並み課税というものは、必ずしも不当なものとは私ども思いません。これは共産党の御主張でありまするが、私どもとしてはまっ向からどうも反対である。せっかくの御主張ですが、これは受け入れるわけにはまいりません。
#107
○谷口委員 この問題で論議すれば大いにありますが、しかし、いま建設大臣がおっしゃった、銀座のどまん中に畑があるというような話、大臣そういう話はだめなんですよ。大臣の話じゃないです、それは。あるかもしれません。それはビルの上でも畑があります。そうじゃなくて、この大都市の中に、つまり市街の中にたくさん農地がある。この農地を取り上げて住宅地にするというよりも、大資本の持っている、投機の対象になって買い占めた、これを取ることが先じゃないか。農地は農地としてやっていけというのがわれわれの主張なんですが、それについて、銀座にこんなものがあるからというようなことで例を言うておったら、それは話にならぬです。これは江崎さんのほうが、反対の立場をとりましたけれども、まともですよ。そうなんだ。おまえらそう言うけれどもわしは反対だと言うんだ。あなたの理屈も、私はあなたの理論を反撃する用意はある。あるけれども、時間がないからやめますが、あなたはそう言っている。しかし、私どもがいまここに農地問題について出しましたのは、農地を取るよりも先にやらなければならぬことがあるじゃないかと言っている。農業をやっている農民の土地を無理やりに取り上げるというような政策じゃなくて、いずれにしても自分が土地を利用する気じゃなくて、何かでもうけようということで持っている連中から取ってしまえということ、この方向が必要じゃないかということをわれわれは主張しているわけです。時間が一時十分といいますので、もうありませんから、私どものこれについてのまとまった考え方を申します。
 私どもは、これは皆さん、私どもの資料を読んでくださったそうですから御承知だと思いますが、当面、住宅難の最もひどい東京五十キロ圏、大阪四十キロ圏、名古屋三十キロ圏の三地域を指定して、この地域内の大企業、大土地所有者の土地を適正な価格で、地方自治体など公的機関が収用することを提案したい。このため、まずこの三指定地域を現状のまま、これこそ線引きですが、凍結して土地を動かさぬ。その上で市町村及び都府県ごとに住民参加の審議会、土地利用、土地をどうするか、またその地域をどう開発するかということを審議する、そういう機関をつくって、必要な土地を、この土地は学校にしよう、この土地は住宅にしよう、ここでこういう緑地をつくろう、これはもう要りませんからお返ししますという利用計画を下から立ててやる。政府のいまやろうとしておるのは、何でも政府は上からやって、ワクをきめて地方自治体に押しつけるというやり方です。逆に下からそういうふうに利用計画を立てて、そして必要な土地を強制収用する。お金交付公債を出すというやり方でやっていってはどうだ。もちろんこの下からの土地利用計画は、自然、文化財の保全、あるいは零細小土地所出有者の生活と権利を保障する、大企業、大土地所有者へのきびしい規制、住民の利益にかなった開発計画を基本的内容としてやっていく。こうやって初めて農業は農業で発展させ、大資本が不当に利益のために買った土地を吐き出させて、生活用地として、単に住宅用地じゃなくて、公共施設も関連施設も全部含めた、環境も整備したそういう生活用地としてどう利用するかを住民がきめて、それに基づいて土地利用を計画するというやり方をやるべきであるというのがわれわれの主張です。あなた方賛成するかしないかわからぬけれども、共産党の主張を言って、私の質問を終わります。
#108
○根本委員長 これにて谷口君の質疑は終了いたしました。
 午後は、本会議散会後直ちに再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後一時十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時八分開議
#109
○根本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。折小野良一君。
#110
○折小野委員 よろしくお願いいたします。
 まず最初に、国際政治の中におけるわが国の地位、このような面につきまして、二、三の御質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、多くの人々が多年にわたりまして念願をしてまいりましたベトナムに和平が訪れ、すでに停戦が実現をいたしました。その和平を国際的に保障するために、現在パリにおきまして国際会議が開催されておりますことは、まことに慶賀すべきことでございます。この会議の成果を通じまして、アジアに真の平和と復興の訪れることを心から念願をいたすものでございます。
 こういうような情勢の中にありまして、同じアジアに位置しておりますわが国といたしまして、国民の素朴な、そして率直な感情といたしまして、日本がこの国際会議にどうして呼ばれなかったのであろうか、こういうような何かしら釈然としないような感情がございます。
 総理は施政方針の演説の中におきまして、「わが国はいまや国際社会に大きな影響を及ぼす国に成長したのであります。」こういうふうに大みえを切っておられます。また同じ施政方針の中で、「わが国が直面している緊急課題は、ベトナムに実現しつつある平和を確固たるものにするための貢献であります。」こうもおっしゃっております。また当面の外務大臣御自身は、「いまや国際社会の平和と繁栄をささえる主要な柱の一つとして、応分の役割りと責任を果たす立場になりました。」こういうふうにおっしゃっておるのでございます。しかし現実には、アジアの平和に寄与しようとするわが国の役割りというものは、まだまだ国際的にはそれほど認められていないということでありましょうか。あるいは、国際社会の中におきますわが国の地位、特に国際間の平和を推進しよう、こういう面からするわが国の地位なり役割り、こういうものはまだまだそれほど高いものでなかったのではないか、そういう感じがいたすわけでございます。このような点についての外務大臣の率直な御所見をお伺いいたしたいと思います。
#111
○大平国務大臣 今回のベトナム和平に伴う国際会議に日本が招請を受けなかったことにつきまして、日本国民が何かしら割り切れない感情を持たれているに違いないというお話でございまして、私も御発言の趣旨はよく理解できるわけでございます。けれども、この国際会議の構成をごらんいただきますと、まず当事国四国が入っております。これは当然のこととして、それに加えて国連における常任安保理事国が入っておりますが、そのうち米国が当事国の側に入っておりますから、米国を除いて四国、それから和平取りきめの停戦監視委員会のメンバー国が四国、それに国連の事務総長を加えて十三名の構成になっておるわけでございます。この構成からいいますと、日本はどのカテゴリーにも入らないわけでございますから、これに日本が招請を受けなかったということについては、一応理解はできると思うのでございます。
 しかしながら、この会議が、機能的に申しまして、今後のインドシナ半島の復興開発というような大きな問題についての仕上げをするというようなことになるのでございますならば、日本がこれに参加しないなんということは、日本国民が理解できないことであると私は思うのであります。けれども、これまた御承知のように、この会議の任務は和平取りきめを保障するということでございまして、今後の復興開発計画というようなものを討議する機能は持っていないようでございますので、私どもといたしましては、これに参加しなかったことについて、大いに異議を差しはさまなければならぬものとはいまのところ考えていないのであります。
 しかしながら、日本の国際的地位の評価につきまして、日本人が考えておるように世界が見てくれておるかどうかということにつきまして、これは見方によっていろいろあろうかと思うのでありますけれども、私どもといたしましては、他国の評価はともかくといたしまして、私どもが国際的な責任、役割りというものを、国力にふさわしく、これからやってまいる道程を通じまして、国際的地位を高め、信用を高めてまいるように努力してまいることがわれわれの任務であろうと考えております。
#112
○折小野委員 もちろん、みずから平和国家を唱えるとか、あるいは声を大にして世界の平和を主張する、こういうだけで、わが国が世界の平和のために貢献し得る役割りを果たすことができる国である、こういうふうに認められるということにはなりますまい。要は、わが国自身の政治あるいは外交の基本姿勢、こういうものがどうあるか、それを世界がどういうふうに評価するか、こういうことにかかっておろうかと思います。このような点から、これまでのわが国の国際政治あるいは外交、こういう面につきまして、反省すべき面がいろいろとあるのではなかろうかと思っております。
 ただいま外務大臣のお話の中にもちょっとそれに触れておられましたが、たとえば、これまでの日本の外交が、ひたすらアメリカの鼻息をうかがうというような、いわゆる依存外交、あるいは追随外交、こういうことに終始をしてきた。そして日本の外交そのものの自主性というものが今日までほとんど認められなかった。そのことのために、日本の外交の姿勢というものが、外部から見てもそう高く評価もされない、またもちろん尊敬もされない、こういうようなことになってきておるのではなかろうか。
 また一つには、経済外交の面におきまして、いわゆるエコノミックアニマル的な面がいろいろとございまして、それが国際社会の反感を買うとか、あるいはひんしゅくを買うとか、こういうようなことになりまして、目先の利益をあまりにも追い過ぎる結果、大きな立場からの国益を阻害をしてきておる。それが必然的に日本の国際的な地位の低下を招いておるのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。
 こういうような点につきましては、すでにいろいろと論議もなされておるところではございますが、当面の外交責任者としての大臣のはっきりした御見解をお伺いをいたしたいと思います。
#113
○大平国務大臣 日本のこれまでの外交が、ともすればアメリカ追随に堕した姿であったんじゃないかという御指摘でございます。それは私は、アメリカと戦い、アメリカに敗れ、アメリカに占領されて、そしてアメリカの手引きによって国際社会に復帰したという歴史的な経過を考えてみますと、日米関係というのは、好むと好まざるにかかわらず、非常に濃密な政治、経済の関係にあったと思います。同時に、太平洋をはさみまして、わが国とアメリカとの関係は、昔から非常に異例な濃密な関係にありましたことも、また御案内のとおりでありまして、日米関係の相互依存性、濃密の度合いということは、隠れもない事実だろうと思うのでございます。
 戦後、日本は、そういう中にありまして、当面わが国自体の経済の自立を達成せなければならない、衣食住を充足させなければならないという当面緊急な仕事に追われまして、国際政治のけわしい局面からことさらに身を避けておったということは、私は、御指摘されても、そうでないとは抗弁するものではありません。しかし、ようやくわが国の経済も幸いに自立を達成してまいりましたし、日米関係におきましても昔日の姿でなくなってまいりましたので、わが国の国力の充実を踏まえながら、わが国の外交に自主性を盛り込んでいかなければならぬということは、あなたのおっしゃるとおりでございまして、私どもも、そういう方向にわが国の外交を運営してまいらなければならぬと考えております。
 第二点のエコノミックアニマルについての世界の日本に対する評価の問題についてでございます。私は、本来日本人というのはあまりエコノミックアニマルでないと思います。どちらかといえば、情緒的な、花鳥風月をめでる国民だと思うのです。けれども、戦後、経済の自立を達成する上におきまして、なりふりかまわずに輸出第一主義に徹しなければならぬというようなことから申しまして、第三者から見ておりますと、日本の姿はいかにもエコノミックアニマル的ではないかというように映ったことは、私、いなめないと思うのであります。しかし、政府もたびたび申し上げておりますように、われわれはやはり世界の中にあって繁栄を世界とともに享受しなければならない、また貿易あるいは経済協力政策の実行にあたりましても、受益国の立場本位に考えなければならないということを道標といたしまして、鋭意いま政策と実践の組み直しをやっておる最中でございまして、世界からそうした非難を受けないような十分のマナーとエチケットを心得ながら、世界にやはり日本があっていいのだ、また、なければならぬのだというような国を目ざして経済外交を進めなければならぬと考えております。
#114
○折小野委員 そのような具体的な事例はいろいろとあるのでございますが、たとえばこの前の国際通貨の危機収拾、あの場面におきまして、当面する目標は日本であった、日本の円であった、敵は本能寺にあったのだ、こういうことがいわれております。そういう情勢の中におきまして、もちろん舞台はヨーロッパであったとはいえ、あの事態収拾の会議の席に日本は呼ばれなかった。そして結果的には、まことにそっけない仕打ちで、しかも日本は袋だたきにあう、まあこういうような印象をぬぐい切れないような形というものが出ておるわけでございます。こういうような面も、やはりわが国の外交といたしまして、今後いろいろと反省をしてまいらなければならない問題であろうかと考えます。
 このようないろいろな事態を冷静に考えてまいりました場合、ベトナム和平後の東南アジアの復興、これについて私ども当然考えていかなければならないことでございますし、外相御自身その外交演説の中でも、それについて触れておられる。「わが国は、アジアの諸国はもとより、関係各国とともに、同地域の復興開発計画を含む諸般の方途を探求し、進んでその実現に向かって努力してまいる所存であります。」また、アジア太平洋諸国との「協力関係を拡充強化して、相携えてアジア太平洋地域の平和と繁栄に寄与したいと考えております。」こういうふうに申し述べられておるのでございます。先ほど来のわが国の立場、地位、わが国に対する諸外国の評価、こういう面からいたしまして、外務大臣がこのように述べられておるとおりにはたしてうまくいくのであろうか。また、そのような努力をするとか、あるいはそのような提案を日本がしていくということになりましても、はたしてまわりの国々がまともにそれを受け入れていくものであろうかどうか。こういうような点に一まつの懸念なりあるいは疑念なりを抱かざるを得ないのでございます。今後の問題でございますが、外務大臣のそれに対する御所見あるいは見通し、こういうものをぜひお聞かせをいただきたいと思っております。
#115
○大平国務大臣 ベトナム和平成立後のわが国の対処の方針でございますけれども、まず戦火がやみまして、現地の戦火に長くさいなまれた国々がわが国にどういう要請をしてまいりますか、さだかにわからないのでありますけれども、さしあたって国際的ないろいろな話し合いの前に、緊急に、住宅を直したり、あるいは橋をかけかえたり、学校の屋根を補修したりするような仕事はあり得ると思うわけでございます。したがって、人道的な緊急援助につきましては、財政当局の御理解を得まして四十八年度予算に一定の金額を計上いたして、現地の要請が参りますならば、それに対応するだけの用意をいたしておるわけでございます。
 そういう当面緊急なものはそれといたしまして、長く戦火に痛めつけられましたインドシナ半島の復興、開発というようなことを考えることは、これは相当大規模の仕事になるわけでございまして、私どもといたしましては、これはまず当事国がどういうような考えを持っておられるか、おそらく相当大規模のものになるであろうし、できたらそれは国際的な協力によらざるを得ないのではないかというように判断しておったのでございますが、その後の経過を見ておりますと、すんなりと国際的な仕組みが直ちにできるような雰囲気ではないようでございます。したがって、当事国側から日本に対しまして、二国間で協力の要請がございましたならば、これまた、われわれは進んで御要請の内容を吟味いたしまして、応分の協力をしていかなければならぬと考えております。しかし同時に、国連その他が国際的な仕組みが考えられるというような場合におきましては、そういう仕組みに対しましても応分の協力をする姿勢をとっておるわけでございますが、いまの段階におきまして、どういう方式で行なわれるのかという展望がまだはっきり立たない段階でございますけれども、どういう場合におきましても、私の演説にも申し上げましたとおり、関係各国と十分意思の疎通をはかりながら、アジアにおける日本、先進国としての日本の立場にふさわしい役割りは果たさなければならぬと思っております。ただこれも、援助を押し売りするのでなくて、先方からの御要請があった場合そのように考えていきたいという態度に終始いたしておるわけでございます。
 それから、全体としてアジア太平洋全体の地域協力というような問題これまた非常に大きな問題でございまして、すでにいろいろな地域協力機構がございますが、いずれも帯に短したすきに長しというような性質のものでございまして、こういう事態に処して、この仕組みこそ一番実効的なアジアにおける地域協力機構だというようなものは、まだ不幸にしてないわけでございます。そういうものをどのように考えていくべきか、これはわれわれにとりましても探求すべき問題であろうと思います。総理大臣がおっしゃるように、そういう可能性もまた終始追求していかなければならぬと考えておる次第でございます。
#116
○折小野委員 大臣のいろいろなお気持ち、御配慮わかりますが、いずれにいたしましても東南アジアとの外交関係というのは、今後特にわが国にとりましては非常に重要な問題であるというふうに考えております。また一面、タイにおきまして日貨排斥運動が起こる、こういうような面等もございまして、わが国としましてはこれらの地域に対して、いろいろな形で外交上の手を打っていくということは非常に必要なことになってまいっております。で、そういうような状態でございますので、外務大臣はひとつ東南アジアの実態というものをいろいろとはだで感じてくる、そしてそれをもとにしてこれらの地域に対するほんとうの意味の外交というものを推進する、こういうことが必要だというふうに考えるわけでございますが、近く東南アジア地方を歴訪する、こういうような御予定あるいはお考えはございませんか、お聞きします。
#117
○大平国務大臣 ただいまのところそういう予定は持っていないわけでございますけれども、仰せのようにはだでもって問題の所在、その深さ、絶えず感じ取っておかなければならない。そういう努力は今後惜しまないつもりでございまして、機会が与えられるならば喜んで歴訪するにやぶさかではございません。
#118
○折小野委員 ひとつできますだけからだを動かしていただきまして、ほんとうの問題の所在といいますか、そういうものをはだで感じて、その上で適切な外交の手を打っていただくことが必要じゃなかろうかと思います。
 それに関連してでございますが、今度のベトナムの和平に関連をいたしまして、アメリカのキッシンジャー大統領補佐官のあの動き、それからこの前の国際通貨の危機を収拾するためのアメリカのボルカー財務次官のあの動き、これらの動きは、その事のよしあしは別といたしまして、まことに目ざましいものだというふうに私どもの目に映っております。で、こういうような積極的な、あるいは機動的な外交のあり方、こういう面を、私ども今後のわが国の外交の面におきましても、必要な面においては取り入れていいんじゃなかろうかというふうに考えるわけでございますが、そういうような面を外務大臣の立場からごらんになりまして、今後のわが国の外交をいかにすべきか、そういう大臣のお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#119
○大平国務大臣 最近のアメリカ外交の動き、政治、経済、通貨等の領域を通じましての機動的な外交の展開に対しましては、あなたと同じように私も高く評価いたしております。こういう速度の速い変革を見ておる時代でございますので、よろしく外交はもっともっと機動的でなければならぬと思います。とりわけ、その外交の展開が人を中心に行なわれるということ、首脳を軸に行なわれるということ、これは最近隠れもない傾向でございまして、総理大臣、外務大臣等の任務、その他の国務大臣も含めまして、非常に重大だと考えておるのでありまして、地球の裏側にあるわけでございますので、なお一そう機動性を発揮する必要を痛感いたしております。
#120
○折小野委員 平和国家としてのわが国の行くべき道、その中における外交というものは非常に大切なものだと考えております。しかしながら、わが国におきましては外交というのが何かしら軽視されておる、こういうような感じがしないでもないわけでございますが、ひとつ大臣の御奮起をお願いをいたしまして、大臣に対する質問を終わらせていただきます。
 次は、国土総合開発につきまして二、三の御質問を申し上げます。
 今回、政府は、新たに国土総合開発庁というものを新設し、そしてまたその実施機関といたしまして国土総合開発公団というものを発足させようというふうにいたしております。これはいわゆる田中総理の日本列島改造論に基づく改造計画をこれらの機関を中心として実施していこう、こういうふうにされておるものであるというふうに考えるのでございます。国破れて山河あり、こういうふうに申しますが、その山河も、いまやまさに荒れなんとしておるというのがわが国の現状でございましょう。池田内閣のときにとられました所得倍増計画、それ以来のわが国の経済の高度成長政策によりまして、産業は集中の利益、集積の利益を求めて都会に集まりました。これに伴いまして人口もまた、民族の大移動とまでいわれるような未曽有の流動を引き起こしたのでございます。このために、大都市は深刻な過密の現象を呈し、また農山村におきましては憂慮すべき過疎の現象を露呈する、こういうようなことになっておりますことにつきましてはいまさら申し上げるまでもございません。しかも、今日その人口の流動は続いておるのでございまして、過疎、過密、これらの問題は今日非常に大きな問題となってまいっております。
 これに対しまして総理は、この前の国会における施政方針演説の中におきまして、「現在、わが国の総人口の三二%に当たる三千三百万人の人々が、国土面積のわずか一%にすぎない地域に集中しております。」「こうした過密地域においては、公害、物価、土地不足などの問題が生じ、深刻になるのは必然であります。」こういうふうにおっしゃっております。過密過疎の現実については十分な御認識があると考えるのでございますが、こういうような状態を来たすのはこれは当然でありますということは、聞く人によりましてはまことに人ごとのような発言と聞けるわけでございます。むしろこのような事態を引き起こした原因はどこにあるのか、この点を私どもは痛切に考えてみる必要があろうと考えております。先ほども申し上げましたように、これは歴代自民党内閣がとってまいりました経済の高度成長政策、これに一番大きな原因がある、私どもはそのように考えるわけでございます。したがって、今日の過密過疎につきましては、やはり政府は責任を痛感をしなければならない、総理も責任を痛感してしかるべきだと考えます。
 そういうような立場に立って新しい国土総合開発というものが行なわれなければ、結局、いままでのような失敗をまたまた繰り返していく、いままでのような国民に迷惑をかける、そういうようなことをまたまた繰り返していく、こういうことになるのではなかろうかというふうに私どもは考え、これを憂慮いたします。こういうような点についての経済企画庁長官の御意見をお伺いをいたします。
#121
○小坂国務大臣 折小野委員の御指摘でございますが、私どもやはり過去におきまするいろいろな計画、たとえば所得倍増計画、あるいは中期経済計画、あるいは経済社会発展計画、あるいは新経済社会発展計画等、いろいろな計画をやってまいりました。これも実は当初の予定よりもその成長が非常に早くて、五年計画の中期ごろになると次の計画を立てねばならないというようなことでございまして、この点については、国民のエネルギーの大きさもさることながら、その基本理念において、やはり環境の有限性と申しますか、人間の生活に与える発展との相関関係についての考察が十分でなかったという点は、やはり率直に反省しなければならないと考えておる次第でございます。
 新しい国土総合開発は、国土が現在及び将来におきまする国民のための限られた資源であって、かつ、生活、生産を通ずるもろもろの活動の共通の基盤であるということにかんがみまして、公共の福祉を優先せしめ、しかも自然環境の保全をはかりながら、地域の自然的、社会的、経済的並びに文化的な条件を配意して、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展をはからねばならないということを基本理念としてまいりたい、かように考えておりまする次第でございます。
#122
○折小野委員 今日まで十年以上にわたりまして、人口は農山村から大都市へ集まってまいりました。そしてその都市化の傾向はいまなおやんでいないわけでございますが、ここで今後の当面する問題として、私どもが注意していかなければならない一つの問題があろうかと思いますが、それについてまず御質問を申し上げます。
 それは、これまで大都会に集中してまいりました人々は、ほとんど働き盛りの人たちでございます。若い層の人たちでございます。そして、結局は中高年齢層の年とった方々が過疎地に残りまして、過疎地域におけるいわゆる高齢化というようなことになったわけでございますが、その若い人たちが、今後内部からこの大都市というものをさらに爆発させていく、そういう力になってくるのではなかろうか。すなわち、これまでは、ただ単に大都市はいわゆる社会的な理由によって人口がふえてまいりました。今後は、それにさらに内部からのいわゆる必然的な理由、自然増加という形において人口が爆発をしてくるんじゃなかろうか。これはもう、すぐ近い将来に予想されるんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけでございますが、こういう点について、経済企画庁長官、どういうふうにお見通ししておられますか、お聞かせをいただきたいと思います。
#123
○小坂国務大臣 私もさように考えますわけでございまして、やはり大都市の地域では若年層の比重が高いわけでございますので、今後の自然増による人口の増加が当然に予想されるわけでございます。したがいまして、大都市地域における再開発を今後とも強力に推進していく必要があると存じまして、特にこの自然人口増に対して、住宅の整備が必要でございますし、また基本的には、大都市への集中を抑制しながら、地方への分散を積極的にはかる必要があると存じておる次第でございます。交通・通信ネットワークを整備する、あるいは工業の再配置、地方都市の育成等の地方分散策を、これは財政の力を相当にかりながら積極的に進めねばならぬと思いますし、また工業の分散にとどまらず、中枢管理機能の分散もはからねばならぬと存じます。また良好な環境に恵まれていることなど、地方都市の持つ魅力を十分に生かしながら、その地方都市のよさを再評価していくということが必要であると思いますが、それらの施策を実施していく必要があると存じておるのでございまして、そうした見地から、御承知のように新全総という、新全国総合開発計画というのが昭和四十四年にできておるわけでございますが、これを見直しておりまして、この昭和五十年から新しい新全総をつくろうと、新全総の再点検をやっておるわけでございますが、その一環といたしまして、巨大都市問題についての検討をさらに進めておるという段階でございます。
#124
○折小野委員 ただいまの人口増加の傾向、特に大都市における人口増加の傾向と同じ問題についてでございますが、当面、大都市問題に直面しておられる自治大臣は、このような今後の人口の傾向に対しまして、自治大臣というお立場においてどういうふうに認識をし、またどういうふうに対処しようとお考えになっておられるか、お聞きしたいと思います。
#125
○江崎国務大臣 ただいま小坂経企庁長官からお答えがあったとおり、一つの経済社会の大発展のひずみというような形で過密過疎の問題が顕著になってまいったわけでありまするが、自治省としましては、今後地方中核都市を充実整備する、若い人にも魅力のある地方都市づくり、口では簡単でありまするが、そういう目標のもとに十分諸設備を整えてまいりたいと思います。そして、過密過疎のこの顕著な状況を少しでも緩和するために、それぞれいま対策を立てて、過疎債であるとか、あるいは過密地域の工場再配置の問題であるとか、いろいろ対策をしておることは御存じのとおりであります。とりあえず、そういう過密過疎に対する機宜の措置をすることによってこの場面を切り抜けると同時に、一方では、冒頭申し上げましたような政策を推し進めたい、かように考えております。
#126
○折小野委員 もちろん、今日まで政府もいろいろとこれに対する対策はとってこられた。しかしながらいま両大臣がおっしゃったように、それぞれの政策がそれぞれの効果を今日まで少なくもあげてきていないわけでございます。過疎地域に対していろいろと手を講ずる、そして魅力ある地方ですか、それをつくる、こういうこともいろいろやられた。しかし、それでもなおかつ人は大都市へ大都市へと集まってきた、こういうことでございます。
 昨年実施されました工業の再配置促進法によりまして、まあ東京の中の工場は幾ぶんか外に出ていくということになった。しかしその大部分は、政府が予定しておられるような過疎地域に移っていこうとしているんではなしに、大都市の周辺に移る。東京の場合はせめて関東地方にほとんど移っていこう、こういうような状態でしかないわけでございます。といたしますと、結局、この東京を中心にいたしましたいまの都市圏全体が、いわゆる過密の超大都市ということになっていくだけのことでございまして、結局、過密過疎の解消には役立たない、こういうことでございます。今日、その他いろいろな施策が講ぜられてまいりましたが、それらの施策の多くは、ただいま申し上げましたように、根本的な問題に対しましては、それほど多くの効果をあげなかった。まあしかし、現象的ないろいろな問題につきましては、いわゆる対症療法としてのいろいろな手だては行なわれてきた、こういうのが現状ではなかろうかというふうに考えております。すでに人口の流動が始まりましてからもう相当長い年月を経過し、そしてまたその中に政府の行なってまいりました施策もたくさんございます。特に、その中で根本的な問題の解決に取り組もう、こういう積極的な姿勢を示した施策の一つといたしまして、新産業都市の建設というのがございました。その他工業整備特別地域の整備というようなものも大体同じようなものでございますが、いまここでは新産業都市だけについて申し上げてみたいと思います。
 三十七年、史上空前の陳情合戦というようなことが言われまして、結局十五の新産都市が指定をされ、そしてまた過密過疎を解消する大きな期待のもとにその建設が進められてまいったわけでございます。その建設が進められましてからちょうど十年を経過いたすわけでございますが、われわれはこの反省の上に今後の施策というものを考えてまいらなければならないというふうに考えております。そういうような立場から、これまで十年間の新産都市建設、その計画に対する実績、すなわちその成果というものにつきまして、まず経済企画庁長官の御意見をお伺いいたしたい。
#127
○小坂国務大臣 仰せのごとく、新産都市計画あるいは工特法といっておりますが、工業整備特別地域整備促進法、この計画ができましてから十年の間に、すなわち三十五年から四十五年までの間に人口では九・五%、新産都市の場合増加をいたしました。また工特の地域では一五・四%の伸びを示しているわけであります。また出荷額で見ますと、工業製品の出荷額は、この十年の間に新産都市地区の合計で四・六倍、それから工特地域が四・八倍へと増加しておりまして、全体といたしまして全国平均の成長率を上回る伸びを示しておるわけでございます。
 しかしながら、地区別の開発状況には相当な開きがあるわけでございまして、たとえば岡山県の南部、富山県の高岡地区などの工業出荷額は計画目標を上回っておるわけでございます。また一方において常磐の郡山、あるいは徳島、九州の不知火、有明、大牟田地区などは計画の目標に達しておらないのでございます。そうしたいろいろな差別は地域的にございますが、やはり地方開発の拠点の形成を通じて地方分散の促進をはかるということを目的として指定されたものでございますので、そうした目的から見ますと、一応の成果があるというふうにも考えられるのでございます。
 しかし、一方にその成長過程におきまして、環境の問題やあるいは生活環境整備の立ちおくれがございますし、また一面地方財政への圧迫、また地価の上昇など、そうした問題点がございまして、対応策必ずしも十分であったとは言えないと思うのでございます。このため、私どもといたしましては、今後そうした生活環境の整備のためにさらに一そう財政措置を検討しなければなりませんと考えますし、また環境問題に対しましては、現在国土総合開発事業調査費によりまして、岡山県の南部、大分県地区等においては実態調査をやっておるわけでございまして、そうした結果を踏まえまして、もっと均斉のとれた新産都市や工特都市の整備を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#128
○折小野委員 新産都市の十年間の成果につきましては、ただいま長官からいろいろお話がございました。もちろん地域によりまして、いわゆる優等生と呼ばれる地域もあれば、あるいは劣等生というような地域もございます。十年間の情勢の変化というようなものもございます。しかし、一般的には新産都市、すなわち拠点開発方式をもって構想されたこの新産都市構想というものは、結局失敗ではなかったのか、こういうことがいわれておるわけでございます。ただいま長官のお話の中にも、公害であるとか、環境の問題であるとか、地価の問題とか、いろいろな問題が出てきておるということでございますが、これらの問題を含めまして、全体的にはたして成果があがったのか。もちろん個々の出荷額等については非常な増加を示した、あるいは人口の増加におきましても、ある地域におきましては十分計画どおり、あるいは場合によっては計画を越えたというところもあるようでございますが、しかしこの新産都市計画というもの、構想というものを通じてわが国の国土の総合開発をはかってきた、それによって過密過疎の問題こういう問題の解決をしていこう、こういうことでやってきた、こういう立場における評価と申しますか、そういう点を、ひとつ大臣のほうから率直におっしゃっていただきたいと思います。もちろん成功した面、そうでなかった面、いろいろあろうと思うのでございますが、そういうような面の反省の上に立ってほんとうの今後の開発というものがはかられるんじゃなかろうかというふうに考えますので、この点についてはひとつ率直に御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#129
○小坂国務大臣 よく実情を御観察の上、長所と短所というものも比較勘案されながらの御質問でございますので、私はあえてこの席から長所をあげつらうというようなことでなくて、むしろ反省の上に立って今後の開発をどう考えていくかということを申し上げたいと存じます。
 それは先ほども申し上げましたように、一九七〇年代になりまして、どうしてもわれわれは環境と資源の有限性というものを強く考えていかなければならぬと私は思うのでございます。水と太陽と空気というような、そうしたものも限りのあるものである。これを清潔に保っていくということは、やはりわれわれが努力しなければならないことだということを強く反省してまいりたいと考えております。その意味で、やはり今後の国土総合開発の重点というものは、住民の福祉を第一に考える、そして自然環境の保全ということをそれと同様に大切に考える、この二つが中心であると存じておる次第でございまして、そういう意味で、やはり地域住民の意向というものを十分に聞きながら地域開発の推進をしていくという考えでございまして、やはり地方公共団体というものが地域開発の主体になるということが、原則だというふうに思っておるわけでございます。
 先ほど、新産都市の問題で未曽有の陳情合戦があったというお話でございます。そのとおりでございます。しかし、これはやはり中央集権的に、中央に頼んで開発をしてもらおうというような気持ちのあらわれだったのではないかと思うのでございまして、今度は、やはり地方の自治体が主体となって、住民のしあわせというものを中心にその地区を開発していくということでなければならぬ、かように思っておるのでございます。
#130
○折小野委員 おことばたいへんりっぱなんです。そういうふうにできれば非常にけっこうだというふうに考えるわけなんです。しかし、今後国土総合開発という立場から手をつけていこう。当面されておりますのには、たとえばむつ小川原あるいは九州の志布志湾、こういうところがございましょう。こういうところの実態を見ますと、いま長官がおっしゃったような気持ちでこれらの地域の開発をはかろうとしておるのであろうか、そういう点については多くの疑問を持たざるを得ません。ことばはたいへんりっぱでございますが、そのことばどおりに行なわれるということ、これが非常に大切なことじゃないかというふうに考えるのですが、むつ小川原とか志布志とか、私はその程度しか存じませんが、今後具体的な問題について、それならただいまのお考えをどういうふうに実現していこうとされておるのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。
#131
○小坂国務大臣 私どもは、やはり土地の利用計画というものについて、土地利用基本計画を持ちたいということを考えておりまして、新しい国土総合開発計画が作成されるまでの間においてもこれをつくりたいというふうに考えておる次第でございまして、それにはやはりいま申し上げましたような理念に基づきまして、土地の取引の届け出の勧告制や、あるいは特定地域、いま仰せのむつ小川原とか志布志というものもそういうものに該当するかと思われますが、そういう場所においても、そういう場所を開発することによって、住民の各位が利益を得られるような、また国もしたがって利益になるような、そういう開発を行なってまいりたい。それにはやはり地域の住民諸君の意向を十分に聞きながらやってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#132
○折小野委員 私は、実はむつ小川原の実態は存じません。しかし、志布志は郷里に近いという関係もあっていろいろ聞いておるのでございますが、鹿児島県が開発の計画をした。ところが、地域住民から、特に公害、環境の問題について非常に強い反対がありまして、その計画を現在は鹿児島県は引っ込めておるというのが実態でございます。今日までのそういうような実情から考えますと、この志布志湾の開発につきまして、ただいま大臣がおっしゃるような、ほんとうに住民の福祉のためにと、こういうことで開発がなされようとしておるのではない、また住民もそのための開発だというふうには受けとっていない、こういうふうに感ずるわけでございます。したがって、今後いままでのような、そういうような住民の意向が続くということでありますならば、今後志布志湾の開発というものは行なわれないのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#133
○小坂国務大臣 具体的に住民の意向がどうであるか、やはりこれはその地方自治体の長の意見というものも大きく反映するわけでございまして、私ども、一人一人の住民の方の意見というものもさることながら、やはりその代表者の意見というものを地域住民の意向として考えるわけでございまして、そうした御意見をよく拝聴してまいりたいと考えております。
 具体的には、私もちょっとその辺よく存じませんから、場合によりましては、局長が来ておりますから、局長から御答弁申し上げます。
#134
○下河辺政府委員 志布志湾についての御質問にお答えいたします。
 志布志湾につきましては、昭和四十四年に閣議決定いたしました新全国総合開発計画の中で、重化学工業を中心とする工業基地として適地性が認められるので、その候補地として決定しております。その後、国といたしましては基礎調査を繰り返しておりまして、現在まだ基礎調査を継続中でございます。
 一方、地域の方々の御意向も伺うということが重要であり、かつ、県として計画の内容を細部にわたってきめる必要がございますので、知事が一つの原案をつくりまして、その原案をもって地域の方々とお話し合いを進めるということがございましたが、地域の方々からかなり強い反対がありまして、現在、第一回目につくられた県の原案はそのまま置き去りになっておりまして、近くまた県としての態度をきめた上で御連絡をいただけるということで、知事と地域の方々との調整を待った上で国の方針をきめたいというふうに考えております。
#135
○折小野委員 どうぞこれらの問題につきましては、先ほど来からの大臣のお話のとおりに、ひとつ調和のとれた国土の発展を期するための開発というものを進めていただくようにお願いをいたします。
 そのような非常に高い次元に立った国土総合開発でございます。そしてまた、それを今度は具体的に実施するにあたりましては、国土総合開発公団というのができるように承っております。しかし、この開発公団の仕事の内容を見てますと、工業再配置促進法に基づいて工場が移転をする、その仕事、これもこの公団の中でやっていく、産炭地振興の仕事もこの公団の中に引き継いでいく、それから筑波研究学園都市もこの公団の中でやっていくのだ、あるいは従来企画庁で行なわれておりました離島振興とか、豪雪地帯対策とか、あるいは振興山村開発とか、こういうようなものも入ってくるのではないか。そしてさらに災害対策までこの公団の中に入ってくる、こういうふうに考えるわけでございます。
 といたしますと、いろいろなものを一つのかごの中にほうり込んでしまったというような、まことに無秩序な状態で発足をするということになるように考えられるわけでございまして、そういうような機関が、はたして先ほど大臣からおっしゃったような、国土の均衡ある発展をはかり、調和のとれた国土開発をやっていこうというその実施機関にふさわしいものかどうか、あるいはそういうような立場でいろいろな仕事を実施する、その機能をはたして十分果たし得るものになるのかどうか、こういうような疑問を持たざるを得ないのでございます。これらの組織が発足するまでの準備期間、総務長官のほうでいろいろと御尽力なさっておるというふうに考えますが、総務長官のお考えをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#136
○坪川国務大臣 お答えいたします。
 このたびの国土総合開発というこの課題は、現下のわが国の国土建設、開発の上において、最も重要な役割りを果たさなければならない業務であると私は考えておるのでございますが、その国土開発の受けざらとも申すべき大切なこの国土総合開発公団というものの業務の問題について、いま御心配の御指摘がございました。いろいろと御意見は、まことに貴重な御意見でございます。
 ただ御案内のごとく、このたびの公団は、従来から行なっています工業再配置の業務の問題、それから産炭地振興の業務の問題、それに新しく加わるところの都市開発の業務の問題、また筑波都市の開発の業務の問題、ちょっと御理解をいただく意味において申し上げておきますが、離島あるいは豪雪は、この公団のほうではないのでございますので、御理解を賜わりたいと思いますが、これらいずれも地方の開発に関連する最も重要な業務でございまして、この重要なおのおの総体的に関連性も持っており、また総合的に、計画的にその企画を推進するという受けざらの公団でもございますので、同じ公団の中にあって、これを総合的に連絡調整をはかりながらいたすということが、最も効率的ではなかろうかと考えるのであります。また、人材あるいは技術等の活用においても、これを有効に行なうということにおいて最も効果があげ得るのではなかろうか。こういう目標をもって公団法もいずれあらためて御審議を賜わらなければなりませんのですが、政府の意図いたしております、また私が意図いたしております点はここにあることを御理解いただきたいと思います。
#137
○折小野委員 いずれにいたしましても、最も機能的そして効果的な運営が行なわれるようなりっぱな組織をつくって、そして先ほどから大臣のおっしゃるような、ひとつりっぱな国土総合開発を効果的にやっていただきたいと思います。
 ところで、そのような国土開発を進めてまいるにあたりまして、今日的な課題といたしまして重要な問題は、一つは公害の問題でございます。そして一つは地価の問題でございます。私、今日公害の問題には触れません。地価の問題の基本的な二、三の問題について御質問を申し上げます。
 その一つは、現在政府が行なっております土地の評価というものに三つございます。一つは自治省の関係でございますが、固定資産税の課税の対象としての土地の評価でございます。二つは大蔵省の関係でございますが、相続税の課税のための土地の評価というものでございます。そして三つ目は建設省が行なっておられる地価公示法に基づく標準地の評価というものでございます。これら三つの評価というものはそれぞれ目的をもって、その目的を達成するために行なわれておるわけでございますが、いずれにいたしましても同じ土地の上に三つの公の機関の評価というものが行なわれておる。しかもそれは全然ばらばらである。こういうのが実態でございます。
 こういうような実態から出てまいりますことは、たとえば地価公示法に基づく地価の公示がたとえあったにいたしましても、現実にはその公示された地価というものが全然問題にされていない。公示法によりますと、「一般の土地の取引価格に対して指標を与え、」そして「適正な地価の形成に寄与することを目的とする。」こういうようなことがはっきり法律には書かれてあるのでございます。しかし、現実にはそのような効果というものをあげておりません。申し上げるまでもなくNHK本館あと地のような、公示価格の三倍も四倍もの高値がついて実際の取引が行なわれているというのが現在の実態でございます。といたしますと、せっかくのこの制度の趣旨というものも全く無視されておるということになりますでしょう。
 この公示価格というものをそれならもっと人が大切にするような、それに沿って実際の取引が行なわれるような、一般の地価の基準になるようなものにするためにはどうすればいいか。現在国が担当いたしておりますこの三つの評価をかみ合わせたらどうだろうか。その評価が、反面、課税の対象にも使われるということになりますならば、一般国民もその価格に無関心でおるわけにはまいりません。あるいはその価格を無視するということができなくなってまいります。といたしますと、その公示価格というものも法律できめられたような十分な成果をあげるというようなことが期待できるんじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。
 そして、半面固定資産税の基礎になっております評価というものは、これまた実勢とは全くかけ離れた評価額でございます。したがって、そういうような評価額があるにかかわらず、一般の住民が土地の取引等をいたします場合に、それを基準にするとかなんとかいうようなことは全くございません。しかし、これがさきの公示価格と一致する、あるいは少なくも実勢に近い価格で評価されておるということでありますならば、やはり実際の取引にあたりましても、これによってどれだけの不動産取得税がかかるか、あるいはこの土地を持つことによって今後どれだけの固定資産税がかかってくるか、それを考慮しないで取引をするということはできないはずでございます。
 こういうような面からいたしまして、私は、現在政府が行なっております土地に対するこの三つの評価、これを一本化することが、現在行なわれておりますそれぞれの行政の効果をあげるためにも、そして当面問題となっておりますこの土地問題を解決するためにも、最も必要なそして基本的な施策ではないか、こういうふうに考えるのでございますが、この点につきまして、まず固定資産関係の仕事を担当しておいでの自治大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#138
○江崎国務大臣 三つの評価がありましてそれぞれまちまちである、まさにそのとおりだと思います。ただ、ここで問題なのは、周辺都市を中心とする地価の表示価格、これは御承知のように需要があってそこに供給がなされる、売買を対象にした価格、それもNHKの場合は守られなかったというわけですが、一つの地価の標準価格というものを出したのがいわゆる地価表示の制度でございます。
 それから固定資産税のほうは、これは課税対象としての土地、売買を対象にしておりません。本来売買対象であろうと、工場、建物、特に住居といったような建物であろうと、評価は同じであるべきじゃないか、理屈はそうだと思います。しかし、取引を対象にする一つの標準価格と、必ずしも右から左へ売ることを考えていない大部分の住居、建物を中心とする固定資産税とでは、そこに評価に対する考え方の根本が違っておるからといって、これは必ずしも矛盾とは言えないと思うのです。全部の宅地、建物にかけるものである以上、多少の手かげんをしたものが固定資産税の評価額になっていく。それからまた売買ということになりますと、隣地は目をつむっても買えとかいろいろな標語があるようでありますが、そういう売買を背景に標準価格を出したものとの間に、むしろ食い違いがあることのほうが現実的には妥当ではないかという考え方も私、立とうかと思います。
 それから御承知のように、四十七年度の大都市を中心とする周辺都市の市街化区域において、この表示価格二千八百地点でお調べになっておられます。私ども自治省におきましては、宅地の標準地だけでも二十六万カ所、それから田畑及び山林を含めますと約七十七万カ所で評価をいたしておるわけでありまして、いま直ちに地価表示と固定資産税の評価額とを一緒にするということは非常に困難性があります。また理論上からいきましても、先ほど申し上げたような問題もあります。しかし、折小野議員の指摘される意味はよくわかりまするので、今後そういうことも含めながら検討題として、均衡を失しないように十分検討をしてまいりたいというふうに考えます。
 それから、もう一点の相続税と固定資産税の評価を統一したらどうか。これは私は、売買を対象としての標準価格の場合とは違いまするから、これは同じ形になっていくことのほうが望ましいと思います。これは昭和四十六年七月の税制調査会の答申におきましても、「固定資産税の評価については、納税者の不信感を招くことのないように、相続税の評価額とできる限り統一するよう努力」したらいいという答えもあります。これは私、そのとおりだと思います。昭和四十八年度におきましては、この評価がえにあたりまして基準値について、この御趣旨に沿うような形にはまだなっておりませんが、担当の大蔵省側と十分話し合いをいたしまして、統一がはかられるような方向で今後とも努力をしたいというふうに考えます。
#139
○折小野委員 自治大臣のほうから相続税についてもお触れになりましたが、大蔵省の立場としては固定資産税の評価じゃ困るということで、別個の、独自の評価を持っておられる。そういう立場で大蔵大臣の御意見をお聞かせ願います。
#140
○愛知国務大臣 いま自治大臣からも御答弁がありましたように、本来相続税と固定資産税との評価は一体であるべきであるということで、いまお話のありましたとおり、そういう方向で努力をいたしておるわけでございます。
 それから一方、地価公示制度の問題でございますが、相続税としてもこれが基準になって評価ができるようにすべきものであると、本則はあくまでそうであるべきであると思いますけれども、これについては率直に申しまして、公示制度のほうでもいろいろとくふうをしていただくということで、歩み寄りといいますか、それができるのではなかろうかと思います。
#141
○折小野委員 それでは地価公示制度を運用される立場から、建設大臣の御意見をお伺いいたします。
#142
○金丸国務大臣 NHKの問題につきましても触れたわけでございますが、NHKの問題はまことにこれは論外でありまして、ただし、これはいわゆる普通の正常な取引でなくて、いわゆる入札だというところにも問題があると思います。そこで、このただいまの御指摘の問題につきましては、大蔵大臣あるいは自治大臣からもお話がありましたが、建設省といたしましては一本にしていただきたい。しかし、いますぐこれを一本にするということは、ただいま大蔵大臣からも申し上げましたとおりであろうと私も思いますし、われわれもそういうくふうをしなければならぬが、土地対策要綱の中に、この税を一本にすべきだと書いてあります。そういう点からいいましても、私たちは一本にして、国民もこの地価公示制度というものが安心して使えるような方向に持っていくことが当然じゃないか。国民の目安になりあるいは公共事業の土地取得に対してのいわゆる基準にもなるという意味で、十分必要だと私は考えております。
#143
○折小野委員 それぞれの大臣のお立場からの御意見をお聞きいたしましたが、現段階においてはいろいろな問題があるといたしましても、政府が土地に対する一本の公的な評価を行なうということは、今後の土地政策の面からもきわめて大切なことじゃないかと私は考えます。そうすることによって、どういう有利な点と申しますか、効果があがるかと申しますと、私はこう考えます。一つは、政府の土地の評価に対する公的な権威を保持することができる。いままでの評価については、先ほども申し上げたように全然権威がございません。それから二つには、土地関連の税の公平が期せられる。相続税と固定資産税とはおのずから異なりましよう。しかしながら、いろいろな面について税関係の公平が期せられる、評価が一本であるならば。これは当然言えると思います。それから三つには、公共用地取得の適正化がはかられる。今日こういうような政府の公的な評価の制度があるにかかわりませず、国の用地買収というのはこれとは全然関係なく一般の取引で行なわれております。こういうような面にもいろいろと問題もあろうかと思いますが、少なくも公共用地取得の一つの適正化をはかるめどができるということは言えると思います。それから次は、一般の地価の準拠としての公信性が増してくる。現在のような守られない公示価格というのでなくて、これはやはり一つの基準にしなきゃいけないんだというふうに一般国民が考えるような、そういう公信性を増すことができる。そしてまた三つのものを一つに統合していくことによって、事務の簡素化、合理化、国費の節減も当然はかられていくでございましょう。
 こういうような面につきましては、総理府のほうにおきましていろいろと検討をなされておるようにお聞きいたすわけでございますが、最後に、ひとつ総務長官の御意見をお伺いをいたします。
#144
○坪川国務大臣 ただいま折小野委員御指摘になりました御意見、今後の土地問題、地価問題に資する点において非常に共感を感じます。いまお話のありましたように、国土総合開発を進める場合の最も優先すべき問題は、何と申しましても土地問題、土地問題すなわち地価問題、これだと思います。したがいまして、これを強力に推し進めるということが重要な課題であります。ちょうどいまから四年前でございますが、建設省の責任を負わせていただいたときにいまの地価公示制度を国会の与野党一致して議決をいただきましたことを考えますときに、この地価公示制度の拡充強化をはかるということも、さらに私は推し進めてまいりたいと、こう考えておるのでありますが、いま企画庁長官あるいは建設大臣、大蔵大臣もお述べになり、自治大臣の御意見もありましたごとく、もってその関連する地価評価を適正化し、いかに統一化していくかということについても、やはりわれわれは十分それに対処する対応策を前向きの姿勢で講じてまいるということが一番必要ではなかろうかと、こういうような考えで、これに政府といたしましては取り組むことを表明申し上げておきたいと思います。
#145
○折小野委員 土地対策につきましては、いろいろな面からの施策が考えられておるわけでございます。その一つには税制による対策、税制によって土地供給を促進をするとか、あるいは土地の投機的な需要を抑制するとか、こういうような方法もとられておるわけでございます。しかしながら、税制だけの土地対策では決してほんとうの問題解決の効果はあがらないんじゃなかろうかというふうに考えます。こういうような面からいたしますと、やはり基本的に、土地利用の基本計画、こういうものが、早くしっかりしたものが立てられるということが非常に大切なことだというふうに考えるわけでございます。すでに経済企画庁長官のこの前の経済演説の中におきましてもこの面に触れておっしゃっておりますが、「政府は、全国的な土地利用計画の策定、土地取引の届け出制、開発行為の規制を行なうことにより」云々ということで、いろいろな施策がここに並べられております。また、総理府におきましていろいろと検討をしておられます土地対策についての考え方の中におきましても、公共優先の見地から環境の保全に留意し、地域住民の意向をくみつつ土地利用計画を策定して、そして適正な土地利用をはかり、それとともにいろいろな施策を講じていく、こういうようなことが述べられております。いずれの考え方にいたしましても、これらのことばから言えますことは、まず土地利用計画があって、そしてそれに伴っていろいろな税制その他の施策が行なわれる、こういうふうに書かれておる。そういうふうにおっしゃっております。
 ところが、現実にはどうかと申しますと、むしろそれは逆なのでございまして、当面投機的な土地の騰貴というものがいろいろと問題になってまいっております。したがって、これを押えるために税制でどうしようと、こういうような方策はある程度出てまいっております。しかし、土地利用計画そのものはまだできておりませんし、それができる時期というのはだいぶ先の時期になるのじゃなかろうかというふうに考えます。といたしますと、土地利用計画をつくって、そしてそれに基づいて国土の均衡のとれた土地政策をやっていこうというふうな考えであるにかかわらず、その基本になる土地利用計画というものがなかなか出てこないということになりますと、当面土地対策をいろいろやったにしましても、はたしてりっぱな土地対策ができるかどうか、こういう点に非常に大きな懸念を持たざるを得ないわけでございます。したがって、こういう点について、土地利用基本計画というものはどういうふうにしていつごろ立つのであるか、現在考えておられる予測についてお伺いをいたしたいと思います。
#146
○小坂国務大臣 仰せのとおりでございまして、どうも土地問題のほうが基本計画より先に出ておりまして、実は苦悩をいたしておるわけでございます。私どもは、新しい国土総合開発計画が昭和五十年からできるということを考えておりますが、その前にでも、ひとつ土地利用基本計画というものをつくろうと思ってやっておるわけでございます。しかし、それに先立ちまして、国土総合開発法をつくりまして、この国会において御審議をいただくわけでございますが、その中にひとついまのいろいろな土地問題を盛り込んでいこう、こう考えておるわけでございます。
 これは大体三つの段階を考えておりまして、一つは、一般的に市町村が一番事情を知っておるわけでございますから、市町村が土地利用に関する審議会というふうなものを通じて県のほうに意見を出すと、県知事がその一般的な計画をつくって、そして届け出等の規制を行なっていく。それから、特定地域というものを設けまして、その特定地域については、一般的な地域で、たとえば大都市が二千平米で、地方都市が五千平米で、その他が一万平米というような規制があるが、もっと小さな地域でも特定地域では指定していこう。また、特別規制地域というものを設けて、そこには相当に強い規制を設けていこう。この三段階でいま考えておりますわけでございますが、いずれ法案をつくりまして御審議をわずらわしたい、こう存じておる次第でございます。
#147
○折小野委員 いずれにいたしましても、土地利用基本計画というのは、最も土地対策の基本になるものでなければならないというふうに考えます。いまおっしゃるような予定からいたしますと、それができ上がるのはだいぶ先のことになるのじゃないか。したがって、現在行なわれておりますいろいろな対策が、結局基本のない行き当たりばったりの対策になるということを私ども最もおそれております。こういう点からいたしまして、ぜひひとつ政府も馬力をかけていただいて、できるだけ早い機会に土地利用基本計画というものを立てて、そして今後の土地対策の基本を明示する、こういうことにつとめていただくようにお願いをいたしたいと思います。
 ところで、ただいまの長官のお話の中にも出てまいりました地価の急騰や投機的な買い占めが急増する、あるいはそうするおそれがある、こうした場合に、特別規制地域というようなものを指定して、土地の取引の公正化をはかっていこう、こういうようなことを現在考慮されておるわけでございますが、この運用につきまして、その区域はできるだけ狭く縛ろう、そして、規制をする期間は三年以下で、二年延長ができるということですから、まあ、最終的には五年でございますが、できるだけ短くしよう、こういうふうなお考えがあるようにうかがわれるわけでございます。しかしながら、実際の地価の動向、その実際から見てまいりますと、はたしてそういうようなことでほんとうの効果があがる制度になるのかどうかということを、私ども疑問とせざるを得ないのでございます。
 たとえば、ここにインターチェンジができる。そうしますと、それを中心にして一定の区域を指定をする。そのインターチェンジの用地につきましては適正価格で買収をする。この区域内は一応土地の取引は押えられる。しかし、その区域の外は将来を見越してだんだん値上がりをしてまいるでございましょう。そして、何年かしてその制限を撤廃したときには、そのとき一ぺんにそれらの地域の土地は高騰をしてまいるでございましょう。そういう点を考えますと、やはり影響度を考えて、できるだけ広い区域を指定して、そして、できるだけ将来にわたって長い期間を指定をする、こういうようなことでなければ、ほんとうの効果はあがらないのじゃないかというふうに考えております。
 私どもはむしろ、ずっと前の国会にわが党が提案をいたしました地価の抑制に関する法律案、その中に掲げられております構想のように、ある時期に、とにかく全国的に地価を凍結してしまう、そうしておいてあらゆる施策を講じて、公正な土地の取引が行なわれるような条件をつくっておいてそして元に戻す、こういうような施策が最も必要なことじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。まだできない前からいろいろ文句をつけることには少し気が引けますが、まあ、そういうような点もひとつ十分お考えになって、効果的な施策についてさらに一そう御検討になっていただきたいというふうに考えますが、この点に対する大臣のお考えをお伺いいたします。
#148
○小坂国務大臣 特別規制地域に関しましては、その地域の広がりあるいは規制する期間等については、できるだけその実態に合って効果的なものにするように十分検討いたしたいと存じまするが、しかし、いずれにいたしましても、私権の制限につながることでございますので、よく御意見も伺いながら検討してまいりたいと存ずる次第でございます。
#149
○折小野委員 十分にひとつ取り組んでいただきたいと思います。
 これをもって質問を終わります。ありがとうございました。
#150
○根本委員長 これにて折小野君の質疑は終了いたしました。
 次に、松浦利尚君。
#151
○松浦(利)委員 予算委員会の一般質問も私が最後でございますから、格調の高い質問をするよりも、どろくさい質問をずばりずばり簡単にしますから、大臣各位も、簡潔にひとつお答をいただきたいと思うのです。
 まず、農林大臣その他まだお見えになっておりませんから、経済企画庁長官にお尋ねをします。
 いま国民の中で具体的な疑問とされている、四十八年度の物価上昇が五・五%という、その数字がどうも理解できない。現に、卸売り物価がもう八%近く上昇しておる。公共料金の値上げがある。卸売り物価がさらに高騰しておるし、投機がどんどんと進んで、生活必需物資が上がっておる。五・五%のワクの中に入るんだろうか、これが国民の率直な疑問だと思うのです。長官、四十八年度は絶対に五・五%に物価を押える自信があるかどうかをまず承っておきたいと思うのです。
#152
○小坂国務大臣 政府の経済見通しというものは、これはやはり政策を内包しておりまして、その点で、一般の町の経済学者の出す経済見通しとは異なるわけでございます。御承知のように、経済成長を一〇・七と考えまして、卸売り物価は二・〇、消費者物価を五・五と、こう考えておるわけでございますが、私は、松浦委員のお気持ちはよくわかります。どうもなかなか風速が強いんじゃないか、こんなことで実際これが達成できるかというお気持ちも私は理解できますわけでございますが、また、実際問題として、四十六年から七年にかけて、経済の不況の立ち直りがかなり良好でございまして、ことに、昨年の後半期から非常に立ち直り方が強くなってまいりました。
  〔委員長退席、湊委員長代理着席〕
実際問題として、成長を一〇・七というのはなかなかたいへんだという気持ちが実のところでございますわけですが、しかし、一方、この二月になりましてから、国際的なドル不安という問題が起きまして、ドルが切り下げられましたわけで、日本はいま為替変動相場制をとっておるわけでございますが、これは、いずれにしても相当デフレ的な効果を持つわけでございます。現に、この一月から二月にかけての輸出は非常に減りまして輸入がふえております。これをひとつ十分に生かしていこう、デフレ効果を生かして、輸入される品物を安く消費者の手に渡すように極力努力して、五・五という、いま問題にされておる目標を何とかひとつ達したい、こう考えておりますわけでございます。これは、前年同月との比ではございませんで、期間平均でございますが、ずっと上がりましても、後半こう下がっていけば、平均が五・五になるわけであります。まあ何とかそれを達したい、こう思っておるわけでございます。
#153
○松浦(利)委員 それはよくわかるのです。本会議でもいろいろお聞きしておりますし、問題は、その五・五%に入れる自信があるかないかということを国民は聞きたいわけなんです。言いわけじゃない。いままで私たちは、政府が出す見通しによっていつもごまかされてきた。その期待をずっと裏切ってきた。だから今度は、四十八年度は、ドル切り下げの効果あるいはこれからあるであろう円の固定、切り上げ等によって効果が出るだろうではなくて、現実にそういうものを背景にして五・五%に入れる、こういう自信を持っておられるかどうかです。だから、簡単に言っていただければいいのです。
#154
○小坂国務大臣 簡単に一言でお答えしますと、何とかこれを達したい、こう思っております。そしてまたこう言うのは、私も大臣として申し上げるわけでございますから、それだけの努力をいたしますと、こういうことでございます。
#155
○松浦(利)委員 いま言われたことを、結果として裏切られた場合の国民の要求を私は申し上げたいと思うのです。
 大蔵大臣に私はお尋ねをしますが、所得税を三千百五十五億、四十八年度で減税をした、減税だ減税だと、こう言っておられます。実際に、百三十万の所得のある人が、四十七年度から四十八年度にかけて幾ら三千百五十五億の恩典に浴するのですか。その点を明確にお答えいただきたいと思うのです。
#156
○愛知国務大臣 年収百三十万円で、そして夫婦子供二人、給与所得の場合におきましては、現在の負担が二万一千五百二円、改正案の初年分が一万三千八百七十円になりますから、差し引き軽減額が七千六百三十二円、軽減の割合が三五・五%、こういうことになります。
#157
○松浦(利)委員 いま数字を出された七千六百三十二円が百三十万の所得者の減税に浴する数字なんです。
 数字が簡単に計算しやすいようにお尋ねをするのですが、百三十万円のうち百万円を生活費に使った場合、私はもっと生活費は高いと思うのですが、計算しやすいように、百三十万の所得の百万を全部生活費に使った場合、物価が五・五%上がったら、この人は幾ら物価上昇によって負担をさせられるということになりますか。どうですか、大臣。
#158
○愛知国務大臣 生活費が百万円かかるとして、そして五・五%物価が上がるとすると、五万五千円負担がふえるわけですね。
#159
○松浦(利)委員 それで、経済企画庁長官と大臣に私はお願いをしたいて思うのです。
 政府が、見通しだからといって、国民に期待可能性に終わらせた場合、これは物価がどんどん上がったということです、五・五%以上上がったという場合ですが、いま大蔵大臣がお話しにもなりましたように、百万円生活費に回した場合には、この人は五・五%の物価上昇で五万五千円持っていかれるわけですね。七千六百三十二円の減税では何の役にも立っておらないのです。一年の定期の五・二五%の預金金利に対して、五・五%というそういう物価上昇を見込むこと自体に問題があることは、もうこの予算委員会でも再三指摘されたところですけれども、物価が政府の見通し以上にどんどん上がるときには、どうしても物価が上がるときには、国民に対しては大幅減税でこたえる以外に私は物価対策はないと思う。その意味で、かりに五・五%以上の物価上昇に終わった場合、今度の所得税の三千百五十五億、これをさらに補正予算において大幅に減税をする用意があるのかどうか、この点について、大蔵大臣並びに経済企画庁長官からお答えいただきたいと思います。
#160
○愛知国務大臣 まず、五・五%ということは、いま企画庁長官も言われたように、なんとかしてこれで押えるという目標でやっておりますから、現在これをこえるということを予想して考えたくはございません。
 それからもう一つは、税の場合に、いま百万円生活費がかかった場合というお尋ねでございましたが、これはやはり所得全体に対しての税の負担で税の計算はやるのが妥当であると思いますし、もし、いわゆる物価調整減税説というものをとるとするならば、その観点からもいろいろ計算したものもございますけれども、やはり課税の最低限と物価の上昇は比較すべきものであって、こういう減税の幅でありますならば、税の負担からいえば、物価上昇率よりもはるかに減税の度合いのほうが強くなる、こういう見解を持つべきではないかと思います。
#161
○松浦(利)委員 大蔵大臣、そういう数字的なことじゃないんですよ。国民の生活実感として、物価が上がった。しかも五・五%以上に上がったじゃないか。減税の恩典は数字にあらわしたらこれだけではないか。五・五%も、先ほど経済企画庁長官が言ったように、努力をするという目標なんです。国民も、それはそのとおり努力してくれと、かりに一歩譲って要求しておるわけだから、それが残念ながら期待にこたえられなかった場合の約束、物価が上がった場合にはさらに減税しますということがなぜ言えないのですか。国民に対して、物価が上がったのは、また、経済見通しの誤りでございまして、結果的にやむを得ませんでした、こう言ってお茶を濁してしまうわけですか。それじゃ国民は納得しないと私は思うのです。その点をはっきりひとつ答えてください。
#162
○愛知国務大臣 これはいま申しましたように、五・五%で上昇をとどめるということで考えておりますから、また、そういうふうに必ずやるように努力をいたします。
 それから、いま仮定されるように、非常にこれがまた激変をするというようなことであれば、それはまたそのときのことである、かように存じますが、そういう仮定のことはいま考えておりません。
#163
○松浦(利)委員 私が言っておるのは、仮定のことを言っておるんじゃないのですよ。実際の問題としてあなた方に要求しておるのです。いいですか、五・五%は努力目標であることは国民もわかっておる。だから、そのように努力してください、こう言っておるのです。しかし、いままでごまかされてきたから、もう一つ今度は国民の側に約束手形をください、それは、五・五%の見通しを上回った場合はさらに減税をやってくださいという国民の要求があると、こう言うのですよ。それに対して答える意思ありやなしや、こう聞いているのだから、何もそんなにこだわる必要はないじゃないですか。やるならやる、だめならだめと、こう言えばいいのですよ。
#164
○愛知国務大臣 だから、いまは私どもとしてはそういうことは考えていないので、努力を一生懸命やりますが、しかし、それができなくて非常な激変が起こるようなことがかりにあれば、そのときの状況に応じて適切な措置をとりますと、こういうわけでございます。
#165
○松浦(利)委員 要求した大臣が来ないので、いまお二人に議論をしておるわけですけれども、これは大切なことですからね、極端な言い方をすると、いまの政府に物価安定を期待することは無理だというのがいまの国民の感情ですよ。ですから私たちは、五・五%の中に入れるという政府の言っておられることを一歩譲って認めた上でものを言っておるのですよ。かりにそういう状態が出たときには減税をやってくれますか。いままでもごまかされてきたわけですからね。田中総理は一兆円減税を言われたけれども、いつの間にか消えたでしょう。国民が期待したものは裏切られたわけでしょう。常に裏切られるのだから、たまには国民のほうから約束手形を出していいじゃないですか。その約束手形に答えてくださいという国民に、大蔵大臣、もっと明確に答えたらどうですか。かりにだめだったときには減税するのかせぬのかということですよ。
#166
○愛知国務大臣 かりにだめであったようなときには、いま申しましたように、適切な措置を講じますし、それから、前々から申し上げておりますように、将来の税制としては、個人の所得税というようなものは今後とも軽減する努力をいたします、将来の税制としては、ということもお答えしておるとおりでございます。
#167
○松浦(利)委員 措置をしますという二とは、減税をしますということも含まれておると理解をしていいですか。ずばり聞きます。簡単に答えてください。回りくどく言うとわからぬです。
#168
○愛知国務大臣 ですから、これで十分ではございますまいか。その仮定のことは考えておりませんけれども、そういうふうなことになりますならば適当な措置をするということは、減税も含めて適切な措置をいたします、こう申し上げております。
#169
○松浦(利)委員 五・五%以上になった場合には減税をするというふうに理解をしていいですね。――もういいですよ。
#170
○小坂国務大臣 私、さっきの御質問、答えていないんですよ。その意味で申し上げますが……。
#171
○松浦(利)委員 もう結果が出たからいいですよ。それでは、いまの問題で了解をいたします。
 それで、いま農林大臣が来られましたので、農林大臣、きょうの本会議で、例の輸入物資その他の問題で緊急質問が行なわれて、いろいろと答弁をなさったようでありますが、昭和四十七年の九月一日に、鶴見・インガソル会談についてのコメントが日米間で発表されておるわけであります。この内容というのは、実は円対策の一翼として、緊急輸入その他を含めてのコメントになっておるわけであります。その二項の(a)に、農林水産物の対米購入という問題があるわけです。総額二十二億一千八百万ドルを昭和四十七年度会計において米国から購入するというのがその内容になっておるわけです。
 そこでお尋ねをしますが、この中の「約五千万ドルの特別穀物購入が、妥当な価格を前提として見込まれている。」というコメントでありますが、この五千万ドルの内訳と、「妥当な価格を前提」の「妥当な価格」というのは、幾らの価格で日米間で話し合いがあったのか、その点をひとつ明確にお答えをいただきたいと思うのです。
#172
○櫻内国務大臣 当時話されました五千万ドルの内訳につきましては、小麦がランニングストック増五百万ドル、七万五千トン、飼料穀物備蓄用二千百万ドル、三十五万トン、飼料穀物一般用二千四百万ドル、四十万トン、計五千万ドルとなる次第でございます。したがいまして、これはもう計算でおわかりのように、たとえば飼料穀物一般用については、六十ドルの計算で予定をいたした、こういうことでございます。
#173
○松浦(利)委員 予定をされた中で、政府が備蓄用に購入予定のトウモロコシ、マイロ等の三十五万トン、これは備蓄されましたか。
#174
○櫻内国務大臣 きわめて遺憾なことでございまするが、その後のアメリカの穀物生産状況、これは決して悪いのではございませんが、きょうも本会議で御答弁申し上げましたように、天候のぐあい、出荷時の降雪等などで輸送がおくれております。それからまた、ソ連の御承知の大量買い付けがございまして、そのほうに重点が置かれておる。こういうようなことから、これが思うようにいっておりませんので、飼料問題が起きましたときに、長い取引の日本に対してもう一つ考えてもらいたい、安定的な供給をしてもらいたい、こういう当方の要望をアメリカ側にいたしまして、三十五万トン中十万トン程度を何とか確保いたしたいということで、大体これは手配中というふうに申し上げてよろしいかと思います。
#175
○松浦(利)委員 農林大臣、あなた、もっと正確にものを言ってもらわなければ困ると思うのです。これは四十七年の九月一日のコメントですよ。ソビエトが小麦を大量に買い付けたのはいつですか。いつ買い付けましたか。その点をそれじゃお聞きしましょう。あなたのお答えじゃわかりませんから。ソビエトがアメリカに大量小麦を買い付けたのは四十七年のいつですか。
#176
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。
 ソ連がアメリカと米ソ穀物協定の調印をいたしましたのは七月八日でございます。
#177
○松浦(利)委員 大臣、答弁が違うじゃないですか。どこに関係がありますか。米ソ間でやったのは七月ですよ、このコメントは九月一日のコメントですよ。二カ月のズレがあるじゃないですか。すでに妥当な価格ということが入っておるのですよ。そういうことをあなたが言うから、いま飼料の輸入問題で農家が困っておるのですよ。おかしいじゃないですか。審議できますか。これは時間に入れないでください。
#178
○櫻内国務大臣 たいへん痛いような御質問をいただいたのですが、実はこれは箱根会談が七月でございまして、それでソ連側の買い付けが七月でございます。この会談後に、それから具体的なことになってまいったのでありまするから、私はやはりソ連の影響はちゃんと起きてきておると思うのですね。ただ、その辺は……。
#179
○松浦(利)委員 ソビエトが大量買い付けを始めたのは四月ないし五月なんですよ。正式に調印をやったのは七月なんですよ。すでにそのときにはアメリカの市況ではソビエトの買い付けということが行なわれておる。具体的になったのが七月一日なんですよ。そういうことを見込んでこのコメントが出されたと考えるのが常識じゃないですか。しかも、この中には政府が備蓄する三十五万トンがあるわけですよ。この三十五万トンがほんとうにこのコメントどおり備蓄されておったら、いまの高い飼料で農家の人たちは困らなくて済むのですよ。三十五万トンだけでも救われるのですよ。しかも政府の備蓄ができなかったから、民需の四十万トンをさらに六十万トンにふやしたからこれでいいですと、こういう見解まで事前に事務当局から私には話があった。なるほど数量はふえたかもしれないけれども、高いものを買わされておる。一方ソビエトのほうは、社会主義という機構の関係もあるでしょう、国の体制の関係もあるでしょうが、ソビエトの場合は明らかに単価を明示して数量の購入をしておるのです。ですから、ソビエトのほうには間違いなくいったのです。同一単価のものがいったわけです。日本政府はそういう単価はないでしょう。しかも、あなた方は世界のどうだこうだ、あるいはソビエトの買い付けばどうだ、中国の出荷がどうだ、こう言っておられるけれども、実際はそんなことは何も考えずに、ただコメントをしただけじゃないですか。
 大蔵大臣、いまの日本政府のやっておるのは、たまり過ぎたドルをどうやって減らそう、要するに円対策じゃなくて黒字対策なんだ。数量なんかどうでもいいんだ。備蓄する数量とかなんとかではない、要するに金額だ、ドルが減りさえすればいいんだという感覚でこのコメントがなされておるのですよ。
 通産大臣、私は日銀の統計をもらったんです。政府の統計がないからしかたがないので、電話で日銀の統計を出してもらった。昭和四十五年を一〇〇として卸売り物価はどんどん上がっておるが、輸出物資はどんどん下がっておるのです。たとえば、鉄鋼が四十五年一〇〇だったのが四十七年には九五・五に落ち込んでおる。あるいは繊維を例にとりますと、四十五年を一〇〇として四十七年は卸売り物価が一〇二・五に上がっておるのに輸出は九一・三と価格が落ちておる。
  〔湊委員長代理退席、委員長着席〕
化学製品も、輸出価格は八四・一と下がっておる。機械器具でも同じ、電気器具でも同じ、円対策がどうだこうだと言ってきたけれども、実際の輸出価格というのはだんだん下がっておるんだ。ところが、一方ではたまり過ぎたドルを減らせばいいという感覚です。当然国民の犠牲によってためられた二のドルというのは、国民に還元されなければならない。そういう問題においてすら、こういう簡単なコメントで内容までは吟味しておらない。一体国民はどこに行けばいい。高いものを買わされ、安いものは外国に出ていく、しかもたまったドルは一向に国民のために使われずに、ただ黒字対策でドルを減らせばいいという感覚でものをやられる。これでは幾ら円対策、円対策と言ったって、これは円対策じゃなくて黒字対策ですよ。これが問題になって円がフロートして、やがてまた円が切り上がる。いつもツケが回ってくるのは国民じゃないですか。こういう問題について大蔵大臣、あなたはほんとうにこういったコメントが国民のためになるというあれがありますか。
#180
○愛知国務大臣 いま、黒字対策か円対策かどちらかというお話ですが、とにかく国際収支で黒字が累積することは減らしていかなければならない。それが同時に円対策でございますから、できるだけ輸入を促進する。それから輸出についての輸出価格の話もございましたが、こういう点が今後大いに改善されなければならないところである。これも円対策であり黒字対策でもある、こういうふうに考えるべきであると思います。
#181
○松浦(利)委員 いままで一体ほんとうに何をしてきたかと思うのですね。
 農林大臣、このコメントについて三十五万トンの備蓄が現にできなかった。そのために飼料の値段が上がっておる。飼料の値段が上がるということは、すべてのたん白源である牛肉、牛乳あるいはブロイラー、鶏卵、こういった値上げに結びつくのだ、非常に大切な問題だ、この備蓄という問題は。あなた、こういう問題について国民に対してどのように考えておられますか。あたりまえだったと思われますか。
#182
○櫻内国務大臣 先生の御指摘どおりのことを私も感じておるのでございまして、そこで先ほども申し上げたとおりに、長い取引関係にある古い友人の日本を見捨ててくれるなと、安定的な供給をしてくれと、こういうことで、そのことがまたある程度の反映はいたしておるのでございます。先生が御指摘になったように、これは円対策じゃないと。箱根で行なわれた当時の会談の状況を私なりに察しまするに、これは円対策のほうに重点があったと思うんですね。しかし日本側の、ことに農林省の私どもの立場としては、備蓄用としてこういうものが入れば好ましい、しからばこの程度のものは買ってもいい、こういうふうに発展をしてまいったと思うのでございます。そこで、いまおしかりを受けましたが、そのことはまた同時に私も、米国側に、困るじゃないか、こう申しておるところでございます。
#183
○松浦(利)委員 米国側に困るじゃないかじゃ、これは問題解決しないんですよ。やはりこういうコメントを日米が同意しておるわけですから、これに従って日本政府が手を打てばいい。これに従って手を打たなかったことが今日のこういう状態を招いておるのでしょう。金は使ったけれども品物がないという現実ですよ。政府が備蓄するというものまでもこういう状態だから、野放しになったものが全部どうなっておるかわからないでしょう。政府がコメントしたことでも政府がわからないのだから、どうなっておるかわからない。
 大豆に例をとりますと、これは大蔵省の通関統計で出した数字でありますが、政府の見通しの昭和四十七年度の大豆使用量に対して二十二万トンよけいに四十七年度入っております。しかもそれは十二月に集中的に二十二万トン入っておる。しかもこれは安い値段で入っておる。確かにシカゴの相場はいま暴騰しておりますが、大体十二月に入ってくる大豆の買い付けば七月ないし八月なんです。そんなに暴騰しておらないときに買い付けておる大豆なんです。安く入ってきたものが高く売られておるという現実なんですね。この二十二万トンが一体どこに隠されておるのですか。調べましたか。通産大臣でもいいし農林大臣でもいいです。どこに隠されておったか、あなた方は国民の期待にこたえて捜査しましたか。答えてください。
#184
○櫻内国務大臣 たいへん恐縮ですが、一応事務当局から資料で説明させます。
#185
○池田政府委員 私からお答え申し上げます。
 ただいまの大豆の問題は、御指摘のとおり十二月に四十二万トン、アメリカから入っておりますので、対前年で二十二万トンよけい入っておるのは御指摘のとおりでございます。
 それから価格の問題でございますが、これは通常約三カ月ぐらいタイムラグがございます。したがって、大体国内の相場というのはシカゴの相場を目途にいたしておりますので、したがって最近の数字というのは、価格としては国内相場は大体シカゴの大豆相場を中心にする、しかし実際に輸入商社が入れてまいりました品物そのものは、ほぼ三月前に買い付けたものでございます。したがいまして、たとえばここで二月現在の大豆の相場をとりますと、二月二十六日現在でトン当たり二百四十六ドルいたしております、シカゴの定期相場が。これは国内換算をいたしますと、フレートその他を入れまして約十万円見当に相なります。そういたしますと、これは大体食品用大豆が、現在国内の相場で十三万五千円から十四万円ぐらいいたしております。そこで食品用大豆とそれから油をしぼります大豆との品質格差をそれで差し引きますと、十万から十二万ぐらいの間に入ります。したがって、現在シカゴの定期相場で売られておりますのを大体めどにして国内の相場は動いておる。しかし、実際にそれが売り渡されました三月前はどうかと申しますと、大体百四十ドルないし百四十五ドルくらいになっております。したがいまして、それを換算いたしますと四万円ちょっということになりますので、確かに先生が御指摘のように、そのものをずっと追いかけてまいりますと、確かに三月前に入れましたものは、いまの十万円よりははるかに安いということは言えるわけでございます。
#186
○松浦(利)委員 大臣、いま事務当局がお答えになったとおりです。安かった。安かったものが海外のそういったもろもろの条件を利用して値上がりしてきたんです。二十二万トンがどこにありましたか調べましたか。二十二万トンどこにあったか調べましたか。調べようと思ったら調べられるのです。調べましたか。
#187
○櫻内国務大臣 これは私の常識で申し上げますが、詳しくは当局からもお答えさせます。搾油用のものでございまするから、製油会社に入荷したものと私は想像しております。
#188
○池田政府委員 搾油用の大豆は大体年間約二百五十万トン消費いたしております。月にいたしますと大体二十万トンでございます。ところで、二十万トン程度の一カ月程度のものは、大体搾油の会社では通常ランニングストックとして持っております。なお二月ないし三月分ぐらい先から買い入れまして、売り渡すほうもまた三月ぐらい先まで売り渡しております。したがって、搾油用の大豆は、御承知のように約二割、八割に分かれて、物量としては約八割程度は大豆かすになるわけでございます。その大豆かすは、農業協同組合を中心とする飼料会社のほうに、大体三月ぐらい先まで売り渡しております。したがって、これは入れましたときに、たまたま価格の差額が大きいのでもうかるからといって、油をしぼらずにこれをためておくとか、横へ流すとかいった小回りはなかなかききにくいものであるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#189
○松浦(利)委員 私が、この二十二万トンがよけい入っておるという数字を調べたのは、大蔵省の通関で調べたのです。それでその大蔵省の通関で調べたその日報を、どこの商社に幾らという数量を出してくれと、こう言ったのです。そうしたら、それは先生たいへん膨大な資料を毎日日計を計算していかなければなりませんからたいへんですと、こう言われたのです。たいへんな作業ならそれはやむを得ない、こう言ったんだけれども、ほんとうに政府が二十二万トンどこに滞留しておるかというのを調べようと思ったら、大蔵省の通関日報をざっと調べていけば、どこの商社が幾ら買い占めてどうしたという数量がぴしっと出るのです。それをなぜやらぬ。わかりません、わかりませんじゃない。やろうとしないんじゃないですか。そこに政府の今度の投機に対する姿勢が出ていると思うのです。なぜ調べなかったのです。調べようとしなかったんじゃないですか。その点を明確にしてください。調べたんですか、調べなかったんですか。推定じゃないのです、具体的に。
#190
○櫻内国務大臣 これは、正直に言って調べておりません。ただし、こういう製油用に相当量入っておるという事実にかんがみまして、緊急に、多少食品加工用には不適当かとも存じましたが、また未選別でもけっこうである、こういうことで、御承知の五万トンの放出という要請にこたえさせることができたということは、一言つけ加えさせていただきたいと思います。
#191
○松浦(利)委員 農林大臣、あなたはつじつまを合わすことばかりをここで言ったらだめですよ。私は農林省の資料を事前にもらっておるのですよ。四十八年二月七日、畜産局が「配合飼料原料の当面の需給状況について」というのを出しておられる。この一番最後に何と書いてあるか。「わが国での原料大豆の需給がひっ迫しているのに加え、大豆油消費の伸び悩みにより搾油量が頭打ちで粕の供給量が不足気味で高値となっている。」こういうのですよ。二十二万トン入ったやつは搾油しておらぬのですよ。あなたは製油メーカー、製油メーカーと言うけども、これは畜産局の資料にそう書いてある。油の市況が悪いから搾油メーカーがかすをしぼって出してくれませんと、こうあなたのほうの資料で書いてあるのです。どうなっているんですか、一体。搾油メーカーが油をしぼったんですか。畜産局ではそうでないと書いてある。しかもそのことが原因で飼料が上がっておると書いてある。
#192
○櫻内国務大臣 これは、いま局長のほうから、二十二万トンについてはある程度のランニングストック用の必要のあることもお話を申し上げたわけでございます。それから、いま省内から出ておる資料にそういうことが書かれておるということは、私も承知しております。また五万トンを、これを食品加工用に出すときに、はたしてこのことが大豆かすに影響があるかないかということも検討いたしました。しかし、五万トンの放出そのことについては、別段ランニングストックの中から出すのでありますから、それは支障がない。しかしながら、現状はどうかということに対しましては、現在製油関係は不況であって、大豆かすは少しダウンしておるということは聞いた次第であります。
#193
○松浦(利)委員 ランニングストックしておるというのは、毎月ランニングストックしておるのですよ、ずっと。ずらしておるのですよ。その数量よりも二十二万トンよけいに十二月に集中的に入ってきておるのですよ。しかも、それがあなたが言われるように搾油メーカーのところに行っておる、そのことも事実です。しかもそのメーカーは搾油しておらない。それをこの前五万トン放出したのですね。大豆問題一つとってみましても、あなた方はやろうとしないのですよ。やれば、どこにストックされておるかということは調べようと思えば調べられる。それをしようとしない。しかも、そういった行政が、大豆でとうふを高くしたばかりでなくて、今度は逆に生産者に対しては、農家の方の飼料代の値上げをしておる。それがまた逆にはね返って消費者に対して影響を与えておるわけでしょう。そういう意味では、輸入物資に対して、しかも自給率のない大豆などについては、この際農林省が提起して、こういったものに対して投機あるいは値上がり待ち、こういったことで不当な利益を得ておるものに対して処罰をする、規制を加える、こういった法案を政府はつくるべきだと私は思う。自民党に要請すべきじゃない。政府は指導する、指導すると、きょうの本会議でも田中総理が言っておられる。しようと思えばできることを今日までサボってきた。サボってきたものに対しては、もうあなた方サボってやらないのだから、法律をつくってやりなさい、これが国民の要望です。特に自給率の低下しておる農畜産物にしてしかりです。あなたは勇気を持って、田中内閣の閣僚ですから、政府が、こういった売り惜しみ、投機、こういったものに対する規制法律をきびしくつくる、その考えありやなしやということを、締めくくりとしてあなたにお聞きしたいと思います。
#194
○櫻内国務大臣 御指摘のとおりに、この種のことが今後も繰り返されるということは、国民に対する影響が大きいのでありまするから、規制措置をどういう形でやるかということは別にいたしまして、私どもとしてはぜひ必要であると考えております。
#195
○松浦(利)委員 農林大臣ばかりで恐縮ですが、木材の値上がり、これもやはり同じこと。しかも、大豆と違って木材は、日本商社同士がお互いに争って価格をつり上げる。そのためにアメリカに必要な材まで値上がりした。もうこの際日本のほうには輸出しまいという、そういった議論すら今日起こってきていますね。そこまで来てしまったのです。
 そこで、建設大臣にお尋ねをいたしますが、新住宅五カ年計画の中で建設省が計画しておる木造住宅のパーセントは幾らでありますか。――それじゃ私から申し上げましょう。私は建設委員ですからよくわかります。七五%です。わかりましたですか、七五%です。
 それで農林大臣にお尋ねをいたしますが、これからの木材の需給見通し、これからのわが国における国産の自給率、これは幾らになると思っておられますか。昭和五十九年で幾らになると林野庁から報告が来ておりますか。外材の依存度が幾らになるか。わからなければ教えてあげましようか。
#196
○櫻内国務大臣 先般閣議で決定をいたしました
 「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」の中で、五十六年度におきましては四千九百万立米、これは国内供給量でございます。そして輸入量は八千五百万立方メートル、合計いたしまして供給が一億三千四百万立方メートル、こういうことになっております。
#197
○松浦(利)委員 何%ですか、外材依存度は。
#198
○櫻内国務大臣 輸入量の比率は、五十六年度におきましては六三・二%、こういうふうに予想をいたしております。
#199
○松浦(利)委員 それでは担当である建設大臣と農林大臣にお尋ねいたしますが、これからの新住宅五カ年計画における木造家屋は七五%。しかも、これからの外材依存度は、いまお話がありましたように、昭和五十六年度で六三・二%、さらにそれが五十九年度には八〇%という外材依存度になるのです。全部外材なんです。こういう問題について農林省と建設省と、こういった外材輸入の問題について協議なさったことがありますか。この木材価格の暴騰に対して話し合われたことがありますか。
#200
○金丸国務大臣 昨年の木材の急騰、これは御案内のとおりでございますが、それにつきましては、住宅関係の必要な大部分を占めておるこの木材につきまして、建設省としては林野庁に協議をいたしまして、林野庁の持っておられる木材の放出、あるい民有林の持っておる木材の放出、あるいは外材の輸入というようなことで、ただいま小康状態を呈しておるというような状況でございます。
#201
○松浦(利)委員 現在は対症療法的に、そういった建設大臣が言われた方策で、しかし、従来の値上がりした時点にはまだ戻っておりませんけれども、ある程度鎮静したことは事実です。しかし、アメリカがもう日本には売らぬ、こう言っておる、外材の確保がむずかしくなるかもしれぬ、こういう状態です。そういう将来の見通し、問題点について話し合われたことがありますか。対症療法ではなくて、そういった基本的な問題について。担当である農林大臣でけっこうです。話されましたか。
#202
○櫻内国務大臣 これは緊密な連絡の上で計画を立てております。
#203
○松浦(利)委員 それじゃお尋ねをいたしますが、いまの国有林野法で国内材の売買は時価によるということになっておる。市況によって売るのですよ。だから、外材の値段が上がれば、その値段に従って放出することになる、売ることになっておるのです。鎮静する役割りを果たしておらないのですよ。ですから、そういうように外国材が上がったときには、国内の材を放出することによって鎮静するということになれば、当然国有林野法を改正しなければいかぬ。、ところが、今日の法律では時価放出になっておる。独立採算制ですからね。こういったことまで手を入れなければ、実際に見通しとしては外材の依存度はこれだけだ、しかも新住宅五カ年計画では七五%が木造だ、こういう計画は出たけれども、それに対するプランがないでしょう。どのようにして材を確保し、どのようにして安く国民のための住宅を供給するか、そういった長期の見通しがないでしょう。ただ数字を羅列しただけです。まさに物価の上昇率五・五%というやつ、全くあなた方が出す数字というのは裏づけがないのだ。それに国民は一喜一憂して振り回されておるというのが現実ですよ。
 具体的に私が提案をいたします。この国有林野法の時価放出という制度を改めて、暴騰したときこれを鎮静させる手段にする、そういった意味で国有林野法を改正してもらいたいということが第一点。第二点は、六三・二%も商社、大手の商社十社ですね。大体三井、三菱あるいは丸紅、こういった十社に余る商社がやっておられる。全部商社がこれは輸入するんです。こういった国民の生活に直接関係のある外材輸入については、少なくとも大手商社にまかすのではなくて、政府がコントロールする、そういうことについて農林大臣の見解を承っておきたいと思う。
 三番目にお答えをいただきたいのは、実は大工さんが自殺をしたという新聞記事がたくさん出ておるのです。それは、安いときに消費者と契約をしたところが、木材の値上がりでもうもたなくなった。法人組織なら、これは別。木造家屋というのは大体大工さんに依存する度合が強いのです。その大工さんが現実にいま困っておられる。これは大蔵大臣にお願いでありますが、こうした大工さんですね、現実にもう契約を履行しなければならない、履行するためには資金がない、赤字になる、こういった者に対して、中小企業並みに低利で融資をするという制度を政府が保障してやる気持ちがあるかないか。
 以上の三点について簡単にお答えをいただきたい。するかしないかでありますから、きわめて簡単な答えになります。
#204
○櫻内国務大臣 時価放出の問題でございますが、これは会計法の定むるところでございますので、いまの御意見は御意見といたしまして、もし御意見どおりにいたしますときは、会計法を考えなければならないと思います。
 それから、外材の輸入が先ほど申した六三・二%からになっておるのですが、実は私、これは率直に申し上げて、アメリカの現在の状況、丸太ではもう出さない、そしてしかもきびしい規制をするというようなことを頭に置いてまいりますると、なかなかこの輸入量の確保というものはむずかしいということを一言申し述べさしていただきたいのであります。で、このためには他の面のあらゆる努力が必要ではないか、こう思います。
 それから、いま、大工さんが契約時よりも実際にやるときには高いものを買わなければならない、そういうことで非常に困っておられるということにつきましては、そのことについては十分理解ができるところでございまするが、その救済措置についての御意見がございましたが、実態を十分把握のできておらないこの段階におきまして、どのような考慮を払うべきかということについては、お答えをひとつ保留さしていただきたいと思います。
#205
○松浦(利)委員 大蔵大臣、どうですか。
#206
○愛知国務大臣 農林省と緊密に連絡をいたしまして、実態上必要なことであれば、中小金融対策等の一環として考えなければならぬかと思います。
#207
○松浦(利)委員 こういう外材の依存による政策をとっておる以上、対症療法的なことじゃなくて、長期にわたって木材の確保、住宅の低廉な供給をどうすべきかということを、ただ数字の羅列じゃなくて具体的に政策をもって実現をすべきだ。いまの政府の無策に国民は憤りを感じておると思うのですから、そういう意味で私は、ぜひ、木材あるいは大豆、小麦、もちろん小麦は一応食管でありますけれども、そういった問題について政府の反省と再考をお願いをしておきたいと思うのです。
 そこで農林大臣に、最後になりましたが、牛乳の問題であります。経済企画庁長官が、実は所用があってどうしてもということで退席をされたわけでありますが、この牛乳の問題についてお尋ねをしておきたいのです。
 これは御承知のように四円の値上げをきめました。その理由は、生産農家の原乳の値上げに伴う値上げであります。ところが、この四円の配分でありますけれども、一応、新聞の報ずるところでありますが、生産者に対しては一円五十六銭、メーカー側は一円九銭、小売り店側は一円三十五銭という配分になっておるという報道でありますが、間違いありませんか。
#208
○櫻内国務大臣 そのとおりでございます。
#209
○松浦(利)委員 昭和四十六年の三円値上げのときの配分、この比率を調べてまいりますと、生産者が四一・六六%、メーカー側が二五%、小売り店側が三三・三四%という配分になるのです。いま確認をされた四円の配分を見ますと、生産者が三九%、メーカー側が二七・二五%、小売り店が三三・七五%なんです。昭和四十六年度の三円値上げのときよりも、生産者側も小売り店側も配分比率は下がっておる。ふえておるのはメーカー側だけなんです。なぜこういう配分をされたのですか。メーカーは一割二分の配当をしておる優良なメーカーであります。このメーカー側の配分を前回よりも多くした理由、なぜこうなさったのか、その点を明確にお答えいただきたいと思うのです。
#210
○櫻内国務大臣 差し上げておる資料がもし間違っておりましたら恐縮でございますが、現在の三十二円の配分は、生産者が十三円九十八銭の四三・七%、それから乳業者が六円七銭の一九・〇%、小売り店が十一円九十五銭の三七・三%でございます。
 そこで、お示しの四十六年五月当時に比較したしまして、確かに生産者が配分率がよくなっておるのでございまするが、この……(松浦(利)委員「生産者側ですか、メーカー側でしょう」と呼ぶ)メーカー側です。生産者即メーカーですね。この配分について、これは先生よく御承知でございましょうが、農林省は、生産者、乳業者、小売り店のいろいろな動きについてある程度の行政指導的なことはいたしまするが、結局のところが、生産者・乳業者乳業者・小売店という関係で、また、地域地域で取りきめられておりまするので、確かに事実は四三・七%になっておる次第でございまするが、その間の評しい事情については、遺憾ながら私いまお答えをしかねるわけでございます。
 なお、この四円の値上げについて先ほど確認いたしましたが、東京の一部では五円というようなことで、こういう点につきましては、われわれとしては、他の地域が大体四円であるのにどういうものかという批判を、いまいたしておるような次第でございます。
#211
○松浦(利)委員 この関係は、一ぺん独禁法で規制をされたことがあります。今度の場合も、いま大臣の発言は、きわめて慎重に、独禁法に触れないという範囲の答弁をしておられることはよくわかります。しかし、発表された数字はもうあくまでもそういう状況になっております。現実にここに表をもらっておる。この表にもちゃんと四円の値上げが書いてある。一体、政府はこの四円の値上げについてどういう手当てをなさったのですか。メーカー側に対して一体どういう話し合いをなさったか。あるいは経済企画庁の牛乳値上げの問題についての特別部会の意見があります。こういった経済企画庁の特別部会に対して、牛乳の値上げ等について農林省は関与をしておるのかどうか。こういった問題について、農林大臣からお答えをいただきたいと思うのです。
#212
○櫻内国務大臣 ある範囲の行政指導を行なったことは事実でございます。また物価安定政策会議の要請を受けまして、値上げ時期の延引とか、値上げ幅の縮小とか、大型容器による牛乳の割引等について、できる限りの行政指導をいたし、ただいまのような数字が自主的に最後にきまったと思います。
#213
○松浦(利)委員 農林大臣、メーカーが加工乳についても四円の値上げをしておるのです。加工乳についても現実に四円の値上げをしておるのですが、加工乳の中に含まれる原乳の量というのは七〇%です。一〇〇%じゃないのですよ。七〇%しかないのです。七〇%しかないのに、あたりまえに四円の値上げをしておる。あたりまえに一円九銭もらっておる。これは明らかに便乗値上げじゃないですか。一〇〇%原乳が入っておれば、一歩譲って、四円の値上げ、これはやむを得ないかもしれぬけれども、加工乳の四円値上げというのは、これは、七〇%しか原乳がないのだから、酪農農家の原乳値上げ要求に従って値上げをしたというのはおかしくなるでしょう。三十三銭という便乗値上げ分がここで出てくるのですよ。こういった問題について行政指導をなさったのですか。これは数字を調べただけですぐわかるのだ。そういったことをメーカーに対してなさいましたか。値上げしてくれるなと頭を下げただけですか。具体的にこういった問題について話し合ったかどうか、お尋ねしたいと思う。
#214
○櫻内国務大臣 たいへん恐縮ですが、事情の明るい局長のほうから詳しくは申し述べさせたいと思いまするが、現在、原乳七〇%といういまのお話でございましたが、もう少し原乳の割合は最近では高いと思うのであります。そのほかバターなどの関係もございまして、お示しのような値上げになったと思いますが、局長から説明させます。
#215
○松浦(利)委員 もう時間がなくなってきましたから、局長の答弁はけっこうです。
 ただ問題は、この前の昭和四十六年度の三円値上げのときも、相当値上げについての問題があったのです。国民からも相当ないろいろな議論があったのです。なぜかというと、この牛乳というのは、今日では米に次ぐ国民のたいへん重要な栄養源なのです。それを安易にこう簡単に上げられては困るという四十六年度の批判だと思うのです。だからこそ、経済企画庁の牛乳値上げに関する特別部会のほうで、四十六年五月十日の日に、指摘しておったようなことが行なわれなかったことはきわめて遺憾だ、こういう意見が取りまとめられておるのです。さっきからくどいように言っておるが、いつも値上げをしたときにはいろいろと国民に言うのですよ。今度は値上げをしないようにこうしましょうという、非常にきれいなことを並べられる。ところが、今度四円値上げをしたら、またこの前と同じ意見を特別部会からもらう。これでは一体、いまの政府に、物価に対して真剣に取り組む意思がありやなしやということになると思う。国民がそう思うのは私は当然だと思う。
 そこで、これは一つの提言でありますが、これほど重要な国民の栄養源である牛乳であります。現にアメリカあるいはイギリス、ニュージーランド、オーストラリア、こういったところでは、政府が介入して第三者機関によって牛乳の値上げというものをきめるのです。そこには生産者の意見も入るし、消費者の意見も入るし、メーカーなりいろいろな人の意見が入って、政府が介入してきめる方式になっておるのです。この際、飼料の値上げその他でまた牛乳の値上げ問題が議論されつつあるわけです。飼料対策も無策ですから、おそらく国民はまた泣かされるでしょう。だとするなら、すべてのこういったもろもろの不満というもの、しかも重要な栄養源であるということになれば、先進国と同じように、第三者機関が決定をする、そういう方式を採用すべき段階に来ておるのではないか、私はこのように思うのですが、農林大臣、いかがでしょう。
#216
○櫻内国務大臣 こういう国民生活に関係の深い物資につきまして、よりよき方法においてきめられることは好ましいことだと思います。ただいま第三者機関による方法の御提言でございますが、よく検討させていただきたいと思います。
#217
○松浦(利)委員 これはもうぜひお願いをしたいと思うのです。値上げをするたびに同じことの繰り返しでありますから、この際、抜本的に改革をして、第三者機関による価格の決定というものをぜひ進めていただきたいというふうに思います。
 それでは、それぞれ大臣お忙しいという与党の理事からの御連絡がございましたから、どうぞ農林大臣、それから大蔵大臣お帰りいただいてけっこうであります。大蔵大臣、質問もないのにお待たせして申しわけありません。すみませんでした。
 それでは、通産大臣が忙しいので、おれの質問を先にせよ、こういうことですから、長い間お待たせして申しわけありませんでしたが、通産大臣に御質問をいたします。
 実は、公取の委員長も来ておられると思うのでありますが、御承知のように、田中総理は、あるいはいままでの佐藤総理時代も常に言っておったことでありますが、寡占価格という問題であります。管理価格という問題であります。これは私からいろいろと申し上げる必要もないほど、経済企画庁のそれぞれの機関でたいへん議論になった問題であります。そこで、通産大臣にお尋ねをいたしますが、下方硬直の物価に対して、現在の独禁法という法体系の中で介入することができるかどうか、そのことをお尋ねしたいと思う。
#218
○中曽根国務大臣 これは法解釈上非常に微妙なむずかしい問題がありまして、公取の専門家にお聞きいただいたほうが正確であると思いますが、現在、組合等でいろいろ統一的な価格等をやっておるところもございますが、これらは独禁法上認められたものでやっておる、そういうふうに解釈しております。
#219
○松浦(利)委員 それでは公取の委員長にお尋ねをいたしますが、今回の物価安定政策会議第二調査部会の専門委員会が答申をいたしました寡占的消費財の価格形成の中間報告、これは業者の協力を得てということになっておりますが、ビール、自動車、大衆薬品の三種類について調査をした中間結果が出されております。その中間報告によりますと、現在の独禁法の運用、特に第四十条の一般調査権の活用によって、こうした寡占問題についてはメスを入れることが可能である、こういうふうな見解も出されておりますが、一方同時に、独禁政策を越えた問題についても国が適切な方法をとれ、こういう二面性のある答申になっておるわけでありますが、現実に現在の独禁法のワクの中で寡占価格、管理価格というものがチェックできるか。あるいは指摘するように、別の法律をつくる必要があるのかどうか。その点の公取委員長の見解をお聞きしたいと思うのです。
#220
○高橋(俊)政府委員 寡占価格という問題は非常にむずかしいことでございます。これは物価問題としてとらえて言うのかというと、そうではなくて、いわゆる話し合いに基づいた管理価格である。しかし、管理価格ということばは、一般には証拠のないカルテル価格であるというふうに認識されておりまして、でありますと、現行法で私どもが行なっております、寡占と思われるような業種を選びまして、その価格形成のメカニズムをできるだけ深く追及していくというそのやり方というものは、現在四十条をここに使っておりますが、しかしそれだからといって、常にその証拠が出てくるわけじゃありません。ありませんが、実際過去においては、たとえば板ガラスのごときは、調査中にそれがカルテルであるということが発覚いたしまして、それ相当の措置をとっております。それからなお、アメリカなどの例を見ましても、もちろんこれは、管理価格とみなされた段階では何の措置も打たれませんが、たとえば最近におきましては、GEなどの大会社に対して、通常、管理価格と思われていたものが実際にはカルテルであったということが判明いたしまして、それ相当の措置がとられております。ですからその点は、現行法でもたんねんにやっていけば事実はわかることがあるということでありますが、常にわかるとは思っておりません。
 それから新しい法律につきましても、証拠を全くつかめないために――まあ情況証拠ということばがございますが、この情況証拠というものは、実は相当証拠力のある情況証拠の場合に限られるわけでございまして、新しく立法措置を考える場合も、その点を配慮いたしませんと、どこを手がかりにこれを攻めていいかわからないということになりますので、私どもとしてもほうってはおけませんけれども、その点を慎重に検討しておきたいと思います。
#221
○松浦(利)委員 いまの公取委員長のお話は、独禁政策を担当する者としての御見解だと思うのです。それでは私は一つ提言をしたいと思うのです。
 昭和四十六年に円の切り上げをやったわけです。ところが、円の切り上げの効果は残念ながら出なかったのです。これは話が少しよそ道に入りますが、現実に、燃料炭あるいは鉄鉱石、こういった輸入価格は引き下がりました。ところが御承知のように、昭和四十六年十二月に公取は、きょうの本会議でも質問がありましたが、不況カルテルというものを認めた。大体、中間製品に対して不況カルテルを認めるというのは、四十六年の施行が初めてなのでありますが、実はこの不況カルテルが、今日振り返ってみれば、卸売り物価引き上げの元凶だという批判すら出てきておるのです。なぜかというと、この独禁法二十四条の三の共同行為等については、これは消極的なカルテルであって、当然、値段を引き下げないという意味の消極的なカルテル行為、不況カルテルだ、こう私は思うのです。ところが、結果は逆に値段が押し上がった。不況カルテルを結ぶことによって逆に鉄の値段が上がった。不況カルテルを結ぶことによって逆に値上げをするという積極的なカルテル行為ということに結果的になったのです。しかも今日、それが卸売り物価引き上げの元凶だといわれるようになってきた。一歩引き下がって、起こった結果についてここで反省の意味も含めて、あの四十六年の円切り上げ当時の不況カルテルを認めたという行為は、公取として評価できるものであったかどうか、これが一つであります。
 それからもう一つは、昨年の八月、もうすでに、株価、あるいはその他の不況企業に比べて収益も非常にいい、当然カルテルというものは昨年の八月打ち切られるべきであったにかかわらず、それをさらに延長を認めた。こういった行為、これが実は今日の独禁政策の混乱をもたらした一つの大きな原因だと思うのですが、いまでも公取は、そういったことは正しかったのだ、こういうふうに思っていられるかどうか。委員長はかわりましたけれどもひとつ新しい感覚で答弁してください。
#222
○高橋(俊)政府委員 総括して結論的に申します。
 六月に延長を認めたことは、当時としては正しかった。しかし、十二月までの過程において好ましくない事態を生じたという点につきましては、そのカルテルの運用にも一半の責任がありましたし、当時私はすでに公取委員長になっておりましたので、一半の責任を感じます。
 と申しますのは、御承知のとおり、六月の段階においては、今日でいうと何かおかしなくらいですけれども、一般に円対策がまだ非常に不十分であって、景気をもっと強く刺激しなければならぬ、浮揚させなければならぬという要請が強かったわけでございます。すでに御承知と思いますが、六月の二十四日に一番最後の公定歩合の引き下げが行なわれております。そういうことを申しましても、当時の景況がいかなる状態であったか。その他、鉄鋼自体につきましても稼働率は七三%を切っております。そういうことで値段の上においてはある程度下がっております。しかし、これは早く言えば、暴落したといってもいいくらいの非常に低い状態からある程度回復したということでありまして、非常に高い価格になってしまったという状態ではございません。最後になりまして、思惑等も入りまして市中の相場が急激に騰貴いたしましたが、これに対する手の打ち方としては、カルテルのもとにおいては、むしろそのカルテルの状態において公取が積極的に増産を指示するというふうな、まあおかしな話でありますけれども、そうでなければ向こうは、たとえばカルテルを打ち切ったといたしましても、直ちに大幅な増産に踏み切らない、私はそう思いました。そういう意味で、これは十二月まででございますから、そこまでいけばいやおうなしに切れてしまう。それまではできるだけ私どもの手で増産をさして、市中の思惑的な相場を冷やすというほうがいいのではないかと判断して行動したわけであります。
#223
○松浦(利)委員 この不況カルテルは、結果的に卸売り物価を引き上げただけで何の意味も持たなかったのです。
 そこで、きょう本会議でも田中総理以下閣僚が盛んに答弁をしておられる中に、自由主義経済だから本来自由でなければならぬ、自由競争の原理に立たなければならぬと、こう言っておられる。にもかかわらず大企業に対しては不況カルテルをあっさりと認めて、まあ、先ほど八月ごろに云々という反省の弁もあったわけでありますが、今日の独禁法の運用が寡占企業に対しては非常に有利に作用する。ところが一方、先ほど牛乳の問題でも追及をいたしましたが、メーカーと小売り店が話し合いをしたらもう独禁法違反だといってあげる、一方では不況カルテルを結ぶことによって温存される。こういう独禁政策では、私は国民のものになっておらないと思うのです。私は、円切り上げいかんによっては、これからもいろいろな問題がまた産業界に出てくると思う。こういった中間製品等も含めて、不況カルテルというものを軽々しく大きな企業に認めるべきではない、そのことを私は意見として持っております。だから、そういう意味で公取委員長は、独禁法の運用については明確にやっていただきたいと思います。
 と同時に、この前の円の切り上げが実質的に私たちの生活に影響がなかった原因は、寡占企業というものが支配をしてしまっておる。下方硬直性というものがわれわれの消費生活を支配をしておる。だから極端に言うと、寡占価格といわれるものが下がる、生産性が上がったら下方硬直でなくて、その上がった分だけは消費者に還元をされる、そういう寡占価格が下がる上にさらに円の切り上げの効果というものが出てきたときに、初めて物価の引き下げという効果が生まれてくると思うのです。ただ、円の切り上げだけに物価の安定というものを求めても、私はむずかしいと思うのです。それに対応する国内の法律の整備というものが、あるいは独禁法の運用というものが私は必要だと思うのです。そういう意味で、円切りに伴う独禁政策、寡占価格に対して、今日の四十条によって、一般調査権発動によってそういったことは可能である。このことについて可能かどうか、可能であるというふうに公取委員長は断言できるかどうか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
 同時に、通産大臣もお忙しいそうですから、こういった円切り効果を伴うために、かりに、いまの独禁法四十条によって、一般調査権で介入できないとすれば、現実に政府が経済企画庁に設けております独占禁止懇話会、これが四十五年七月二十八日、中間報告をしております。同時に物価安定政策会議第二調査部会が四つの提言として中間報告をしております。そういった意味で、寡占企業に対して、通産省が前向きに消費者の立場に立った法の整備をすることによって、ある意味では寡占企業をチェックするということについても考慮する、あるいはそういう法制化についても検討を加える、こういう意思が通産大臣にあるかないかということを、お二人からお聞かせいただきたいと思います。
#224
○中曽根国務大臣 最近の各国の国民経済を見ますと、円切りをやるとか、通貨の切り上げをやるということが、必ずしも物価引き下げに直接響いてこない現象はかなり見えてきております。ドイツのマルクの場合も同様でございまして、いわゆるスタグフレーションという現象は、戦後新しく出てきたようであります。日本も、そういうことを日本経済の将来の中において非常に心配しなければならぬ事態であって、このスタグフレーションというものの解明がまだ十分できておらぬところであるだろうと思います。御指摘の独占価格あるいは寡占価格という問題も、そういう中で究明すべき一つの問題点ではあると思います。特に不況カルテルの運用という面については、非常に機動的、弾力的にこれを行なう必要があると私も認めます。
 ただ、いままで例を見ますと、ややもするとカルテルをしくということは非常に重苦しくてなかなかやらない、一たんやるとなかなかとれない、こういうやり方は必ずしも適当ではないのであって、客観情勢あるいは国民経済の実態に即して、やるときはすばやくやる、やめるときはすばやくやめる、そういう機動性を持たせることが運用上必要である、そう思います。
#225
○高橋(俊)政府委員 初めにカルテルにつきまして一言だけ言わせていただきますが、大企業だけに非常に甘いというのは、そうではないのでございまして、中小企業で組織する協同組合等の場合は、初めから適用除外になっておりまして、実は私のほうとしてはちょっと歯がゆい感じがいたします。行為が行なわれても、全然認可を必要としないで、自由かってにカルテル行為ができるというふうになっているのは、ある面から見ると少し行き過ぎじゃないか、物価の下方硬直性をつくっている一つの原因ではないかとさえ思っておるわけでございます。
 なお、それは別といたしまして、価格問題について、私のほうは価格そのものをどうこうするということは職務でございませんが、共同行為を行なって、そして物価を不当につり上げ、あるいは下がるものでも下げないというふうなものを厳格に取り締まるということが目的でございまして、たいへん困難な問題はありますけれども、できるだけのことはやりたい。ただし、管理価格と申しましても、その実態は、一つだけ申し上げますが、非常に企業間格差が大きい。トップの企業と二番目、三番目の企業との業績が違い過ぎる、いわば一番目だけが黒字で、二番目と三番目は赤字であるというふうな業界すらあるわけでございます。そういたしますと、これを押し下げるということはなかなか単純にはまいらない。しかも、私どもの考えとしては、それらの下位の弱い業者が倒れてしまうことは防がなければならない。そうするとほんとうの独占になりますから、独占になることを防ぐ。それから合併の問題につきましても、寡占の状態をつくらないこと、そういうことがまず第一に必要ではないか。しかし、それはそれといたしまして、寡占価格といわれる管理価格等につきましても、できるだけの方策を講じて、これをきびしく追及していくような姿勢をとってまいりたいと思います。
#226
○松浦(利)委員 もう時間がなくなってきたわけですが、この問題については非常に重要な問題ですから、わが党では寡占価格規制に関する法律を準備中であります。これを提示することによって、公取並びに通産関係の御意見を承り、そしてわが党の主張をしていきたいと思います。
 それで、もう時間がなくなってしまって、いままでおいでいただいた大臣にはたいへん申しわけないのですが、厚生大臣に消費者保護の立場からお尋ねをしておきたいのですが、実は牛乳に異種脂肪が入っておったのであります。ところが、この異種脂肪問題について調査をいたしましたが、どこでこの異種脂肪が入ったかということについては、調査してみたけれども全くわからなかったというのが現実であります。ところが、一方では昨年八月、コカコーラに水銀が入っておったという事件が福島県の郡山の工場で起こっているわけであります。御承知のとおりであります。これは現在福島県警によって捜査中でありますが、依然としてどこで水銀が混入したかということは全くわからない。水銀というのは人命にたいへんな影響のある重要な問題であります。これがコカコーラの製造工程から消費段階に移るまでの間に、どこで入ったかということが全くわからないという状態であります。牛乳に異種脂肪が入ったときにも犯人はわからずじまいであります。犯人がわかりさえすれば、その犯人が責任者でありますから、責任をとってもらえばいい。ところが、犯人がわからぬのでありますから、生産者もメーカーも小売り店もみなが犠牲を受けて、牛乳の消費量かダウンした。犯人が見つからぬからであります。このコカコーラの事件もまた、異種脂肪と同じ経過をたどろうとしておるのであります。私は、大量に飲まれる、あるいは大量に消費される国民の飲料に、こういったものがどこで混入したかということがわからないという状態では、国民の生命の安全は保たれないと思うのです。この際もっと詳しくお聞きをしようと思ったのでありますが、まだ中間的な経過しか県警のほうからもらっておりませんので、こういった問題に対して、消費者保護の立場で、食品その他の問題についてどのように対処しようとするのか、大臣の決意のほどを承って、後刻の質問に譲りたいと思います。
#227
○齋藤国務大臣 お答え申し上げます。
 コカコーラにつきましては、お話のとおり、昨年八月、郡山で水銀が検出されたということで、県においてはすぐ営業停止をし、さらにまた厚生省も指示をいたしまして、全製造工程の機械あるいは異物混入を防止するための検びん方法等について指示しておるわけでございまして、お述べになりましたように、県警本部では現在もまだ捜査中だということでございますが、現時点ではまだ原因がわからない、こういうふうな、お話のとおりでございます。
 さらに、牛乳の異種脂肪の問題につきましても、昭和四十六年の公取の抜き打ち検査から始まりまして、その結果、中堅メーカー四社にそういうものが検出されたといったふうなことになっておるわけでございまして、私、その当時の事情は詳細にわかりませんが、どうもはっきりしない。そこで、こういうことではほんとうに私ども国民に申しわけない次第でございます。食品衛生監視ということは、ほんとうに厳重にして、消費者が安心して飲んでいただけるようにしなければならぬ、私は当然なことだと思いまして、牛乳等につきましては、この問題が起こりまして以来、たびたび厳重に注意をし、監視を厳重にするようにということをいたしてございます。それにはやはり増員することも大事なことでございますから、来年度におきましても増員の措置を講じまして、この方面の完ぺきを期するようにいたしたいと思いますが、これだけではたして十分かどうかわかりませんが、厳重に督励をいたしまして、消費者の方々が安心して飲んでいただけるように、今後とも一そう努力いたす覚悟でございます。
#228
○松浦(利)委員 いまの厚生大臣の御答弁は非常に抽象的ですけれども、ぜひこの問題については後刻の討論にしたいと思いますから、こういった問題についてどう対処するかという厚生省の明確な方針を、その際に出していただきたいと思うのです。ぜひいまから検討してお願いしたいと思います。
 最後に建設大臣に。たいへん申しわけありませんが、建設大臣にたくさん聞こうと思ったのですが、時間がありませんからまたの機会にいたしまして、一つだけ、実は非常にふかしぎなことがありますから、お尋ねをしておきたいと思うのです。それは宅建業法の問題であります。
 御承知のように、宅建業法というのは先般改正をいたしまして、業者にきびしく対処するように、認可基準その他についても明確にするように法改正を行なったところであります。ところが、公正取引委員会の調査を調べてまいりますと、公取で排除命令を出すというのがどういうわけか業者に漏れておりまして、公正取引委員会が排除命令を出す前に廃止の届けを出すわけです。そして、排除命令が出たあと、今度は新たな会社を同じ人物がつくって、また認可申請して認可をもらう。公正取引委員会が排除命令をしたもので現実に二件報告が来ております。各都道府県段階ではたくさんのこういう事件があるだろうと思うのです。こういう業者に対する規制、少なくとも排除命令をするような業者が生き返ってくる、よみがえってくるというやり方は、私は間違いだと思います。この点について建設大臣の御見解を承りたいというのが一つであります。
 それからもう一つです。実は宅建業法の三十三条に、広告開始時期の制限についての規定がございます。これは、業者が広告をするときにはこのような手続を踏まなければできないというきびしい規定であります。消費者保護の立場から法の中に加えられた問題であります。これを受けまして、業者団体であります建設業界で、公正競争規約というものを公取の指導を受けましてつくっておられるわけであります。これは、法第三十三条よりもさらにきびしい公正競争規約というものを、首都圏宅地建物公正取引協議会という形でつくっておるのです。これは消費者にとって当然のことだと思います。
 ところが、どういうわけか、昭和四十七年七月二十二日に、建設省計画局宅地部不動産業室長の通知という形できびしく規制をしたはずであり、しかも公正取引委員会がわざわざ介入をして、りっぱな消費者の立場に立った公正取引協議会による公正競争規約というのができ上がっておるにもかかわらず、今度はそれに穴を抜くような、「三十三条の適用については、下記により指導することとしたので、参考まで通知する」というたいへんな通知、弱める通知を出したのです。ところが、今度はこの弱める通知を受けて、この公正取引協議会ではわざわざ、建設省のほうから三十三条の運用についてこういう通知が出ましたので、それはこのように解釈をしてくださいといって、法律と公正競争規約、その中間的なものを出したのです。こういうことでは、建設を所管される大臣として、消費者保護の立場に立った適確な行政ができると思わない。なぜこういう通知を出されたのか、その点の理解に苦しむのですが、大臣の見解を求めたいと思います。
#229
○金丸国務大臣 宅建業者が不正または不当な行為をいたしまして、これを処分、あるいはいろいろ注意をするというようなこと、そういう考えのもとに聴聞会を開くということにしますと、一応こういう人たちがやめてしまう、廃業してしまう、ただいまのお話のとおりでございます。これは私も建設委員長をやっている当時、この辺が非常に議論の存するところであったわけでございますが、私は、こういう問題につきましては、厳重に、営業免許の取り消しあるいは営業停止、こういうことで臨んでいきたい、こう考えておりますし、いままでもそのように臨んでおるようでありますが、その中に、法人の、中には重役に入るとか、あるいはまた別の土地へ行って自分で開業する、こういうものにつきましては厳重な監督をいたしたいと考えております。
 なお、広告の問題につきましては、通達を出した局長がおりますので、詳細を報告を受けたいと思います。
#230
○高橋(弘)政府委員 第一点の御指摘の点、先生の御心配ごもっともでございまして、不正不当な行為をいたしまして、監督処分をしようとして私どもが聴聞をしようとして呼び出しますと、その前に廃業届けを出すという例がございます。ところが、先生もすでに御承知のように、新しく名前を変えて新しい会社を申請してまいりましても、その役員、またおもな使用人、また黒幕、黒幕というのは、実際その会社を支配するような、そういう黒幕も含めた、そういうものがそこの役員なり主要なる使用人ということでありますときには、これは宅建業法の第五条で欠格事項になりますから、免許をしてはいけないことになっております。実際に、東京都におきましてそういう事例がありまして、免許拒否をした事例も最近ございます。今後とも、そういう点については相互にみな通報し合いまして、そういうことのないようにいたしたいと思います。
 それから第二点でございます。これも三十三条の問題につきましては、四十六年に改正いたしまして、宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前における広告は、これは、開発許可だとか、建築確認だとか、そういうような法律上の処分がある前にすることを禁止いたしております。この趣旨は、御承知のとおりに開発許可等の前に、無制限に広告をさせますと、その目的物の完成の可能性がまだ不確実な段階でございますから、その建物とか土地が広告どおりのものとならぬということがございます。そういう場合には、購入者の期待を裏切ることになりまして、紛争のもとになります。したがいまして、そういう弊害をなくすためにこの規定を設けたものでございます。したがって、そういう立法趣旨でございますので、開発許可とか建築確認というようなものを受けていないということをはっきり明示をするということ、そしてまた、具体的な形状、構造というものを示さないもの、同時に、これは販売予約に直接つながるものでない、予定であるというようなものを明記した、そういうものでございますならば、これは三十三条でいう広告ではないということでございまして、購入者の期待を裏切るということもございません。同時にまた、事例によりますと、実際に販売をいたしますその隣地に、今後の第二期の工事計画というようなものを点線で簡単に示すというものもございます。そういうものにつきましては、購入者にとりましても、いろいろな実際にでき上がったものを購入する場合の便宜上からいっても、たとえば日照権の問題その他そういう便宜上からいっても、非常に有利であるというようなことから、そういうものは立法の趣旨からいたしましても、ここでいう広告には入らないということで、実は宅建業法の解釈のときにも私ども申し上げているわけでございますので、それを私の局の室長が、明確にするために通知を出したというふうに理解しているわけでございます。
#231
○根本委員長 松浦君に申し上げますが、すでにあなたの持ち時間は経過しておりますので、すみやかに結論に入ってください。
#232
○松浦(利)委員 政府がまともな答弁をしてくれればやめるのですよ。いいですか、あとでまた時間をもらって、建設委員会等に行ってさせていただきたいと思いますが、事実問題として、いま言われたような内容じゃないんですよ。公正競争規約を読んでください。もっときびしくしてあるのです。あなたの通達はそれをゆるめてある。そしてさらに、中間的なものを公正競争規約でつくらざるを得なかった、業者のほうで。言っておられることと内容が違うのです。ですから、言われておる局長の答弁は、私は了解できません。
 この問題については、時間も来たようでありますから、委員長にたいへん申しわけなかったのですが、後刻、建設問題きょう質問する予定のものを含めてさらに詰めさせていただきますから、私の質問はきょうはこれで終わらせていただきます。
#233
○根本委員長 これにて松浦君の質疑は終了いたしました。
 これにて一般質疑は全部終了いたしました。
     ――――◇―――――
#234
○根本委員長 この際、御報告申し上げます。
 去る二十六日、分科員の配置及び主査の選任につきましては、委員長に御一任を願っておりましたが、分科員の配置につきましては、公報をもって御通知いたします。
 なお、各分科会の主査を次のとおり指名いたしました。
       第一分科会主査 臼井 莊一君
       第二分科会主査 黒金 泰美君
       第三分科会主査 倉成  正君
       第四分科会主査 細田 吉藏君
       第五分科会主査 前田 正男君
以上、御報告いたします。
 次に、おはかりいたします。
 無所属議員の瀬長亀次郎君から、第一分科会の防衛庁所管及び第四分科会の農林省所管審査の際、発言したいとの申し出があります。この申し出を許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#235
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、その取り扱いにつきましては、委員長及び主査に御一任願うことにいたします。
 次に、おはかりいたします。
 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席発言の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#236
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 次に、参考人に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、分科会において、財政投融資計画の審査のため、公団、事業団等から参考人として意見を聴取する必要が生じました場合の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#237
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 明二日より昭和四十八年度総予算について分科会の審査に入ることにいたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後七時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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