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1947/10/16 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第12号
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1947/10/16 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第12号

#1
第001回国会 水産委員会 第12号
  付託事件
○魚の自由販賣に関する陳情(第百三
 十二号)
○魚價引上げに関する陳情(第百三十
 六号)
○漁業法並びに漁業協同組合法の制定
 に関する陳情(第百六十七号)
○漁業用資材の確保に関する陳情(第
 百六十八号)
○資金融通準則の一部改正並びに水産
 金庫設置に関する陳情(第百六十九
 号)
○沿岸漁業者用加配米に関する陳情
 (第百七十一号)
○機船底曳網漁業取締に関する陳情
 (第百七十二号)
○海中沈沒物即時引揚に関する陳情
 (第百七十三号)
○漁價引上げ並びに高級魚の自由販賣
 に関する陳情(第百七十四号)
○漁業用網索原料マニラ麻の輸入懇請
 に関する陳情(第百七十九号)
○かつを、まぐろ並びにさめの價格引
 上げに関する陳情(第百八十一号)
○漁業権の漁業組合共有に関する陳情
 (第二百四号)
○大衆向き魚類價格の引上げその他魚
 類の自由販賣に関する陳情(第二百
 五号)
○漁業用燃油の配給に関する陳情(第
 二百六号)
○魚價引上げに関する陳情(第二百八
 号)
○魚價引上げに関する陳情(第二百十
 二号)
○熊本縣牛深漁港修築に関する請願
 (第百三十三号)
○熊本縣牛深漁港修築に関する請願
 (第百四十五号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 四十三号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 五十四号)
○清水港修築に関する請願(第百五十
 八号)
○生鮮魚介の配給促進に関する陳情
 (第二百六十一号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 九十一号)
○八木漁港修築に関する請願(第二百
 十九号)
○江名漁港改修工事費國庫補助に関す
 る請願(第二百二十五号)
○中之作漁港改修工事費國庫補助に関
 する請願(第二百二十六号)
○燒津漁港構築に関する請願(第二百
 五十五号)
○伊東漁港改修に関する請願(第二百
 七十三号)
○魚價引上げ並びに高級魚の自由販賣
 に関する陳情(第三百二十九号)
○式見漁港浚渫に関する陳情(第三百
 四十号)
○かつを節等の公定價格撤廃に関する
 陳情(第三百六十一号)
○水産廳の設置に関する陳情(第三百
 六十二号)
○兵庫縣柴山漁港改修工事に関する請
 願(第二百四十七号)
○舞阪漁港修築費國庫補助に関する請
 願(第三百二十五号)
○臨時資金調整法による漁船建造資金
 借入に関する陳情(第四百五号)
○生鮮食料品並びに水産加工品統制撤
 廃に関する陳情(第四百三十五号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十六日(木曜日)
   午前十時零分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産物集出荷配給に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。本委員会といたしましては、水産物の集出荷並びに配給に関しましては、小委員会を結成いたしまして、新規則によります集荷配給の実情調査その他新機構の運営に関しまして、いろいろ調査をいたして参つたのであります。過般小委員会を二班に分けまして、一班は北海道、三陸方面の集出荷状況を調査いたしました。他の一班は、関西、下関、北九州方面に出張いたしまして、親しく集出荷の状況を調査いたしたのでございます。更に委員会の決定によりまして本日は荷受機関の代表、生産者の代表消費者の代表、約十五名の方に、一名欠席ですが、御参集を求めまして、親しく集出荷配給に関する実情をお聽きしたいと思いまして、皆さんの御参集を願つた次第であります。政府におきましては、組閣直後におきまして、経済緊急対策を発表されました。鮮魚並びに水産製品の生産並びに配給に対しまして、將來主食の代用にするという見地からいろいろ案を立てまして、そうして今囘の新機構になりまして、現在発足しておる状態であります。そういう見地から水産委員会におきましても、この問題をとり上げまして、この運行が極く円滑に行われるように我々も協力したいという見地から、折角今日まで努力して参つたのであります。本日の会議は皆さんの御参集をお願いいたしまして、証人として皆さんの該博なる御所見、実際の状況を忌憚なくお述べ願いたいと、かように存じます。時間の都合がありますので、大体一名十五分間ぐらいにお願いいたしたいと思います。その順序等は委員長の方において決定いたして御指名いたすつもりでありますから、さよう御了承願いたいと思います。開会の初頭に当りまして、参議院の規則によりまして、証人の宣誓をお願いいたすことに相成つております。どうかお願いいたします。代表者として、井出正孝君から御宣誓をお願いいたします。皆さんお起立を願います。
#3
○証人(井出正孝君) それでは、只今ここに参集いたしました証人一同を代表いたしまして、宣誓書を朗読いたします。
 良心に誓い眞実を述べることを誓います。
        証人  幸田伴治郎
        証人  塩澤 達三
        証人  寺田 省一
        証人  佐野 寅雄
        証人  木原 仙松
        証人  鳥海 源一
        証人 橋本善左衞門
        証人  井出 正孝
        証人  木下 保雄
        証人  村上ヒデ子
        証人  赤坂 繁太
#4
○委員長(木下辰雄君) それでは、証人の御発言をお願いいたします。中水魚市場株式会社社長、佐野寅雄君。
#5
○証人(佐野寅雄君) 東京都の荷受機関の立場から申上げまするならば、戰時中より終戰後今日まで、價格がマル公は一つである筈のものが、例外價格或いは黙認價格が扱われる。從つてその價格を先に打つた所に荷物は流れる。然らばこれは一本を要望するのではありますが、いつの政府も、いつの役人がやられても、どうしても一本のものができ上らない。併しどうしてもそうさせて頂かなければ、結局生産者が成り立たない。そういう形に過去現在まで置かれておる。これが如何に統制してもうまく行かないということであると私は信じます。東京都の場合は、複数制ということになれば、複数制も結構であるが、二十四ということにした。この結果非常に荷受けに無理がある。尤も荷受機関の口銭は全國を通じて三分、戰前、省で認められたものは一割、だがこれを打明けますならば、うち経営費用が四分に、外の荷受けするため費用が四分、利益が二分ということになつておつたということでありますが、それを三分で扱えということは到底無理なことです。さりとて生産者の今の実情から言つて、若しこれを殖やそうとするならば、あとは消費者に持つて頂かたければ生産者がやり切れない。現在の口銭で、而も荷受けした物は目切れにしても、目痛みにしても、何処にもこれは尻を持つて行けない。従つて荷受機関はそれを背負はなければならぬ三分でさえ惨めたところに、さような事情があるから、恐らく荷受機関全体を通じて、この値段では困難であるということが言えると思います。殊に東京都の場合は、六大都市或いは海なし縣から見たとき、或いは生産地から見たとき、農林省は東京都に送れという声がある。いま十分東京都に入つておるのに、送らなければ農林省にお小言を食うという氣持の荷物が相当あります。六大都市或いは海なし縣から、東京都ばかりいいというような声を聞いていても、その実が上ついていないとうのは、どこに原因があるか。二十四の荷受機関は責任数量を押付けられて、どこまでも責任を果さんがために、荷受人は無理をするが、又東京都はお姑さんが多過ぎる。一應地方ならば、農林大臣の通牒が來たときに、地方長官の命令監督の下にある荷受機関に、直接の声がかかる。ところが東京都で見た場合には、農林省、物價局、安定本部或いは東京都本部支場長、まだ外にもあるように聞いておりますが、そんな何ヶ所ものお姑様の御機嫌をとらなければならぬ。却てそれが鮮度を落してしまう。如何に農林省が特に力を入れても、全國の荷受機関から東京ばかりいいと見られても、その実の挙らない結果はここにあるということを、私は深く考えさせられるのであります。
 それから第一に二十四もの團体がありますので、二十日も二十五日も漁師が沖に出て一千貫の漁をして來た。九百五十貫は正常ルートに流した。五十貫は漁師にお菜用としてやる。この漁師は二十日も二十五日も海におつたので、果物の一つも食べようと思つても食べられない。せめては魚くらいは特殊配給所というか、自由販賣所というか、そういう所で扱つてやるというような形のものがなければならぬ。それをやると直ぐに挙げられる。横流しだといつてやられる。これでは船も入つて來ません。從つて東京への入荷も少くなる。或いは特殊事情のために係官に特殊の事情の了解を得てやつても一つの告げ口があれば、これは人間だから止むを得ないとはいうものの、二十四團体の中に差別の氣持を以て、こちらは何をしても構わない。よそのやつたことは咎めるというようなこともある。かようなことで、そうでなくてもお姑が多いところへ持つて來て、それでは到底東京へ荷が入るのは、全國で一番無理だ。私の会社は私が社長でありましても、私は靜岡縣の水産業会長であります。我々の共同販賣所の職員に一致結束してやらしております。勿論無理をするな、生産者の我々が持つている株である。うまく行かんときには、配当ができないときは、私社長の俸給も要らん。一つしつかりやつてくれということを言つておりますが、株主には配当しなければならん。社長も報酬を取らなければならんというような純営利会社の立場であるならば、実にこの形では東京都の荷受は困難だ。又先頃或委員として呼ばれたときに沢山の声がありましたが、苟くも東京都が公認とした以上は、若し沢山やらして生産者の荷物の如くに仕切金不拂いのときには、東京都までが仕切りの責任を負うかということを質問しました。それは資本金において操作するということでありましたが、今日二百五十万円ばかりの資本では、万一の場合は責任が果せまいと心配するものでございます。現在は新聞を見ますと幾つも整理するということを言つております。この方々が自己犠牲で拂つてくれればいいが、生産者に万一犠牲が出たら氣の毒だということを考えておるものであります。そこは随分苦心をしたでせう。それを無理にやるということは乱暴ではないかと思つております。
 いずれにしても私は、この統制の問題は生産者の面から行きましても、どなたがやつても、どういう内閣になつても、どの役人樣が座つても次官通牒を出しても、短時日では効果は挙がらない。直ぐに元に戻つてしまう。命令を直接聞いてするのが、集荷機関とか出荷機関とかいうものであつて、外へはものが徹底しません。新聞或いはラジオにおいて徹底さしても怖がらないじやないか。列車に魚を背負い込んで乘つているところを見ると、万一捉まつたところが、言い逃がれがうまく行かんならば、銭を拂えばいいのだという不貞腐れ根性を持つてやつておるので如何に新聞紙上で、或いはラジオでやられても、なんの効果もないという現在の形ではないかと思う。從つて過去の魚は肉に代る蛋白の給源だということはもう外の問題である。現在はそれまで行かなくても、魚は十分國民に行き渡つていると思う。從つて高いけれども、いつでも魚はあるという形に置くことが、魚が安くなつて安定する因であると私は信じます。從つてこれを改善する方法は、今まで申上げた通りどんな内閣ができても、如何に役人が送つても、法律を如何に改正しても、完全に行くことは到底できない。然らばこの先はもう浮世の人間の力では解決ができないのだ。ここまで來たらば統制を外すことが國民の生活を安定する。魚も安くなるということだと我々は深く信じておるのであります。終り。
#6
○委員長(木下辰雄君) 次に横浜水産物荷受株式会社社長鳥海源一君にお願いいたします。
#7
○証人(鳥海源一君) 私は只今御指名を受けました横浜水産物荷受株式会社社長鳥海であります。只今東京の佐野さんから最後に統制の撤廃ということをお述べになつたのでありますが、私も結論といたしましては統制の絶対撤廃ということを熱望しているわけであります。さりとて現下の諸情勢から考えまして到底それは早急には望み得べくもないということでありますので、私この統制が当分布かれているということを前提として、いろいろ考えておることを述べたいと存じます。只今の統制は統制するのか、それとも外すのか分らないような、非常に手緩いような感じのする統制であります。從つてあつちこつちに闇とか横流れとか、そういうものが出る現状であります。そういうようなことから考えますと、統制を布くならば取締りをして貰いたい。取締りの徹底ということを私共申上げたいのであります。これはいろいろルートの統制もありましようし價格の統制もありましようが、いずれにしましても統制を強化するということをお願いしたいのであります。例えば價格の面にいたしましても、一應マル公がありながら地方々々によつて例外價格が認められるという、その例外價格の制度を善用するよりも悪用されるというような現状であります。從つて例外價格等は先程も佐野さんからも仰しやいましたが統制取締りの面で絶対に價格の取締りを嚴にして頂きたいということであります。そうして聞くところによると取締りに当つている者が見張りをして横流しをしているというようなことを私はこれを見たわけではありませんが聞くところによりますと、そういうようなこともあるように聞いているのであります。從つてそういう点も嚴重に取締つて頂く。
 それから第三には第三國人の取締りを強化して頂きたいことであります。これが時流に乘つていると申しますか勢力に頼つていると申しますが、勿論水産物ばかりではないと存じますが、特に私は水産物を扱つている関係から見ましても、この第三國人の統制違反ということは、忽せにできない問題ではないかと存じます。これを一つ強化して頂きたい。こういうふうに考えます。それから取締りの点でも價格の点を申上げたのでありますが、價格の点も相当強化して頂きたいというふうに考えるわけであります。それは勿論例外價格その他も大いに許す場合、檢討を要する問題でありますが、更に加工品の價格と鮮魚の價格の比較対照であります。現状から申しますと、非常に製品の價格がいいというような例がありますので、これは鮮魚に当然出荷さるべきものが製品へ製品へと流れて行くというような傾向にあります。例えば一例を「かつを」に見ましても、「かつを」の鮮魚は一つも出なくして簡單に塩を付けて塩「かつを」として、しかもそれは例外價格をとつて、そうして塩藏「かつを」として流される。從つてこれが、鮮魚の價格の倍にも、それ以上にも捌かれておるというような実情があるのであります。從つて「かつを」の刺身などは、一遍塩に付けたものでなければ刺身で食べられないというような馬鹿々々しい話も聞いておるのであります。この点も「かつを」の「なまり」であります。「なまり」は鮮度が悪いから、これは生ではどうだろうというような場合にのみ「なまり」にしたように聞いておりますが、現在ではもうぴんぴんしておるような鮮度の高いものであつても、加工品の價格がいいというので、どんどん産地で「なまり」にされたり、今申しました塩藏にされたりするという実情であります。從つて鮮度と加工品の價格の差、これを大いに檢討して頂く必要があるのではないか、かように考えておるのであります。それから農作物、主として主食の点に比べて私こういう感じがするのでありますが、年がら年中一律の價格でなしに、時には機動性を持たせて操作して頂くことにして頂いたら、或場合は集荷の成績も上るのではないかというふうに考えておる面もあるのであります。これは例えばお正月に東京都の方、或いは大都市の方々に魚を食べさして上げたいという心遣りがある場合は、その場合は期間を定め、或いは品種を定めてでも價格を上げてやるなり、或いは價格をその儘で補給金の制度をとつて集荷をするとかというような方法もあろうかと存じます。或いは又その地方々々によつて、お祭だのに一つも魚が集まらない。この場合、或いは町村なり地方長官が補給金制度、或いは補助金の制度、或いは運賃とか、手数料は市町村でもらつてやる。或いは縣廳で出してやるというような操作によつて集荷をするというような場合もあつてもいいのではないかというふうに考えるのであります。
 それから價格の設定に当つて、非常に不明朗な点があるということであります。例えば新マル公が、今囘出ましたが、その價格の詳細が発表される前に私共新聞紙上で、「えび」、「かに」はいわゆる特殊もの、高級もので價格が外されるというようなことを見たのでありますが、そのマル公の発表されるところを見ると、確かに「えび」とか「かに」というものはないのでありますけれども、その他海産動植物と言つた高級品もざつぱなものも、いわゆる糞も味噌も一緒にして、而も最も安いところの價格で決めておる。こういうような点で、その点が不明朗でありますから、價格の設定を置くなら置くように、外すなら外すように、そう言つた勝手な解釈をして自己の有利にするということのないような價格の決め方をして頂きたい。こういうふうに考えます。
 それから今度統制のことでありますが、統制は先ず私共最初申上げました通り、撤廃ということが望ましいのでありますが、さりとて一遍に撤廃していいかどうかというようなことを考えまして、徐々に、いつか新聞紙上で見ましたが、高級品とか或いはそう配給の対象にならないというようなものを徐々に外して行つて頂いたらどうか、そうして統制の対象となるものは、一般大衆の方々に配給される「いわし」とか、或いは「にしん」、「ほつけ」、「たら」、「さんま」、「あじ」、「ぶり」、「かつを」といつたような大衆物のみを何して、これに重点的に統制を布いて、そうして配給するなり、或いは集荷というような面に協力する。從つてこれに対しては報奬の物資も重点的に生産者に與えるというような方法がとられたらどうか。こういうふうに考えます。從つてこれは生産者に対しては、割合に大規模に経営しておる方々に統制が行かして、零細な一本捕り漁業者等には或いは緩和されるようなふうにもなるかも知れませんが、それが望ましいのであります。
 それから統制規則をもう少し業者に分るようにして頂きたいのであります。簡單なようであつて、さて仕事をして行くということになると、非常にむずかしいふうに解釈されたり、或いは統制が嚴しいかと思うと、又その他に考え方、或いは手の打ち方、官聽の話によつては抜け道もあるといつたような非常に統制規則が、何と申しますか、いわゆる明朗を欠いておるというふうにも考えられる節がないではないのであります。どうぞ統制をやるならやるようにはつきり統制規則を簡單でしかもはつきりしておるというようなふうにお考が願いたいのであります。勿論これは理窟を申しましても、なかなかすでにむずかしい水産物を統制するものでありますから、規則やなんかでそうはつきりするということは技術的に相当困難もあるし、非常にお骨の折れることではあろうと存じますが、そういうような氣持がいたします。
 それから取締りは消費地だけでなしに一律に、消費地でやる場合には産地もやる。とにかく断片的にやる取締りは割合に効果がないのじやないかと思います。或いは又期間を限つてやるとかいうようなこと、先程も佐野さんから話が出ましたが、汽車に乗つて銅壷部隊と申しますか、がんがら部隊と申しますか、それらにしましても、もうすでに今日は手入れがあるというようなことを予知して、その日は休んでおるとか、或いは列車を換えるとかいうような、我々汽車で通勤しておるのでありますが、そういうことをよく汽車の中で話合つておることを聞くのであります。これは徹底的にやればやれるのでありまして、例えば同じ制服の官がおりながら、鉄道の改札口を通るときに堂々と背負つて魚を持つておるというのが分つておりながらそれを見逃がして警察官憲にのみ取締りを任かしておる。こういうような不徹底な取締りでは到底圏の撲滅ということはただ懸声だけでその実が挙らない。これは是非一つやるならやるで、徹底的に政府機関である鉄道の職員も、或いは又官憲も、或いはその他の人々も協力して取締るということによつて闇の撲滅或いは横流し等の撲滅を期して頂きたい。かように考えておるわけであります。
 それから最初申し落しましたが、私の会社も生産者の荷受機関であるという性格から考えまして、生産者には相当協力をしなければならん團体でありますが、さりとて生産者の違法は、これはやはりみずから是正するという氣持でおる関係で申上げるわけでありますが、生産者の出荷量を月々決めるわけでありますが、その責任量を勿論一ヶ月一ヶ月を縣として成績が良い惡いというようなことは、却て無理があろうと思いますが、いずれにいたしても、少くとも四半期毎ぐらいに計画を立てて、その計画が善意の計画よりも少い出荷であるならばいいのでありますが、故意にいろいろ横流ししたりするために、計画量の責任を果さないというような場合には、これに対して何等かの制裁方法が加えられることによつて、却て眞面目に出している人達の奬励になるのじやないかというような面も考えられるわけであります。それに対しては加配米の中止というようなこともありましようし、極く酷にすれば、漁業権の取消しとか或いは停止、或いは漁具の強制取上げというような問題もありましようが、とにかくそういうような手も打たれていいのじやないかというふうに考えるわけであります。それから今、出荷計画の問題を申上げたのですが、これは、飽くまで机上プランに終らないように、実情とよく勘案して、計画を立てた以上は、これを実行に移すというふうにして頂きたいのであります。それから、よく六大都市の集出荷に対しては、農林当局でも、この出荷量の何がありますが、その割当をされる前に、十分関係府縣と事前によく打合して頂いて、そうしてその数量をお決め願つて、決めた以上は、それが実行に移されるというようなふうに、もつと強度の割当ということをして頂きたいものであります。
 それから課税が、集出荷に非常に支障を來すという例があるのであります。これは昨年あたりから非常に水産物に対して課税が重くなつて來たというのでありますが、これは、その課税は結構でありますが、却て眞面目に、漁業会の共同販賣所なり或いは集荷機関に眞面目に出した人が、その数量をそのまま課税されたので苦しんでいる。横流ししたり闇で賣つたりして、正当なるルートを逃げておつた者が、販賣所や集荷機関に数字が挙つていないから、非常に課税の点で、むしろ樂どころじやない、全然課税を逃れた。而も收入は闇、横流しの結果膨れているというような、逆な現象があつて、非常に私共神奈川縣下では、相当税務署等とお話合をしたのでありますけれどもなかなかそれが、一遍課税が記帳によつて通知されてしまうと直せないというような実情で、その点は今度眞面目に出しつこなしというような結果を招いた例が随所にあつたのであります。こういうような点も相当お考を頂きたいと、かように考えるのであります。それから又、報奬物資ということで、非常に集出荷を釣つているように考えられているのでありますが、それがなかなか効果がないということは、主として燃油とか綿魚網、或いは網類といつたような横流しの物があるから、なに僅かばかりならば報奬物資を当てにしないでも、闇で賣つて闇の物を買つた方が採算がとれるというような面が、まだ沢山残つておるように考えられますので、この点も一つ漁業用の闇物資の横行というようなことを、これも取締つて頂きたいと、かように考えております。
 それから輸送の問題であります。これは非常に方針としては生鮮食料品に対しては、優先的に貨車も配車するというような方針であるように承つておりまするが、さて出荷するとか或いは荷引きするとかいうようなことで、いつも引つかかるのは配車の関係であります。その配車等に対してもいろいろ手があつて、何かいろいろ工作すると、直ぐにでも貰えるような話を聞くのであります。そういう点も一つ、輸送の強化をはかつて頂くと同時に、そうした裏面の弊害というものを、一つ御留意願いたいと、かように考えます。
 それから先程やはり佐野さんからお話があつたようでありますが、荷受機関の手数料の問題であります。現在三分でありますが、これは到底現在の人件費、諸経費或いは金利等から言つても、到底三分ではこれはやつて行けないというような現状であります。これは内口銭にするか外口銭にするかという問題になろうと思いますが、とにかくこれは生産者からこれ以上取れないという実情にありますので、何らかの方法を以て手数料の引上をして頂きたい最低、今は六分くらいにして頂かなければ経営が成り立たないのじやないかというふうに考えております。
 それから資金の問題でありますが、相当現在では荷引きに資金が要するのであります。主としていろいろ地方の金融も詰つておりますので、前渡金とか或いは現品と引換えというような実情にありますので、この資金の問題を相当間考えていただきたい。價格が上つておりますので、この点も非常に各金融機関は荷受の者に対しては、相当優先的に融通をして頂いているのでありますけれども、その額についても枠の決め方が少いように考えているのであります。これは魚價も上ると同時に、この金融の方も相当上げて頂かなければ運営にうまく行かんというような問題があるのであります。それからこれは小さなことかも知れませんが、官廳に対する報告と言いますか、非常にこれが大きな負担になつているのであります。例えば私共の方で例をとりましても、日報として出すものが七種類、旬報として出すものが十種類、月報として出すものが驚くなかれ二十種類あるのであります。これに対する職員の問題とか、或いは経費の問題とか、相当荷受機関の負担になるのであります。こういう問題もできる限り檢討していただいて負担の軽くなるようにお考えを願いたい。かように考えております。
 以上大雑把でありますが申上げました。私は最初も申上げました通り、決して今直ちに撤廃ということを考えたものではありませんが、いずれにしましても、國家の再建、或いは民生の安定というような事を挙げます意味において、現在の統制ということを前提として、以上業者の立場から是正、強化等をお願いしたい点を簡單に申上げたのであります。
#8
○委員長(木下辰雄君) 京都魚類統制株式会社社長橋本善左衞門君。
#9
○証人(橋本善左衞門君) 只今紹介を受けました京都魚類統制株式会社の橋本善左衞門であります。集荷と配給に対して現在よりよくなる方法が考え得られるものならば非常に私らとしても一應責任の軽くなる氣持がしますが日日業務を見、産地の事情を聽き、消費地の事情を見るときは、集荷と配給はますます混乱の一路を迫るということに帰着するのではないかと思うのでございます。ここに農林当局は私らから見れば指導と監督を受ける親である。親の前でかくの如きことを申さなければならんという現状は、恐らく現在消費と生産のバランスがとれておらん。機構を如何に改正しようとも、如何なる強化の取締りを実施しようとも國民の全部が食糧ということが、最後の一線である以上は、法の力においては私は非常に困難であろう。本年の七・一〇食糧危機対策の節も、本省から水産局として御計画なさつたことが指定消費地全面に恐らく数字と期待は実際と懸け離れておつて、無論水産物は無計画生産であるから、生産の計画を立てにくいことはよく分りますが、七・一〇危機突破のときの水産物は、大部分が加工品で配給されることと信じておりましたが、期待と反すること遥かに遠い。少くもできんことを事前に新聞に発表され、消費者の期待を裏切る如き荷受機関の性格に追い込まれることは、我々当業者として非常に心外と苦痛である。現在如何なる方法をしても物資の不足から配給の統制は絶対必要であるが、價格の統制がある故に正常ルートに乗るものが殆んどなく、或いは今囘の水産物指定十種目以外の魚價というようなものが災いされて、鮮魚としての出荷は今後益々、私は盛漁期に入つて來まして、指定消費地の集荷は少くなる。少くなることは必す配給を混乱に陷れる。そこに見るに忍びない闇行爲、闇買出しというものが必然的に起る。この定全機関があつて、初めて指定消費地区の消費者は助かつておる。これが全面的に、只今横浜の社長の言われた如く統制が強化され、生産から消費まで一貫した取締りが確実にできることは、生産者の生産過程がこの現在の價格において成り立つかどうかということの先決が第一條件である。消費地は恐らく政府の指図によつて如何なる統制にも、取締りにも甘んじて協力のできる態勢であるが、生産者は自分が生産することにおいて自己の経済の成り立たんことは、生産を減退する第一條件である。新産を増強するには経済の確立が必要だ。その経済を確立するについて、現在の魚價は最も適正であるかどうかということを再檢討して頂いて、私らが産地へ行つて出荷を懇請する場合、現在燃料は大体において不足は聽きません。その他の魚獲必要資材が全部闇である。闇であるものによつて魚獲したものが、全面的に指図通り正常ルートに乗せた場合には、魚業者は挙げて死の日を待つより途がないのではないかと思う程、悲痛な叫びを聽かされるのです。
 これはそれならばどこまで價格を、こうしてもああしてもきりがないじやないかという氣持も考えられますが、そこに生産と消費のバランスのとれぬ点において、公定價格をいつまでも堅持されることが、私は根本的に問題であると思う。恐らく價格を自由にされたら、或一時は上るとしても、必ず安定する時期を生産の増強によつて私は考え得られる。一例でございますが、本年京都の特産の松茸が九月の下旬に百匁二百円からを唱えられておりました。マル公がない関係から、全体最盛期の十月の松茸はどのくらいな價格に納まるかどういうことを私は考えておりましたが、現在京都では松茸の小賣價格が百匁、中のもので四十円、上等のもので五十円、下のもので三十円から三十五円という價格になつております。これは過去の平和自由経済時分に、京都で百匁の松茸が三十銭から六十銭の範囲であつた。現在の物價の動きから見た價格として、恐らくこの松茸に公定價格ありとすれば、三十円、五十円の松茸は絶対得られない。マル公がある故に最惡のものがマル公に接近して、マル公以上のものは全部横へ流れる。人間にしても大臣から小使まで同じ給料であるということは、これは考えられない。にも拘らず一級品の魚種は十一円で釘付けされておる。十一円で成る程「たい」は來る筈であるが、二百円で賣れる「たい」を十一円で持つて來るわけはない、というところに消費地の集荷に非常に困難がある。
 今日即時公定價格を撤廃することはあらゆる面に支障があろうとは重々考えられまするが、公定價格がある関係から、指定消費地の入荷は非常に困難であると同時に、聞くも忌まわしい闇價格、闇行爲、横流しというものがある。これは如何なる取締りをやろうとも、國民全部をほうり込むような家を拵えたらいざ知らず、恐らく現在闇によつて何%かの壽命を保有するということは間違のない事実であることが、間違つた公定價格制の結果である。どうか本日御参集の政治機関、或いは行政機関の面におかれまして、私ら如き者では到底大局は分らない。ただ自分の職責から、自分の考えておる苦痛を訴えるに過ぎんのですから、全面的に考察されまして、少くも農林御当局が計画されたものが、生産地からそれ以上に出るということは、挙げて生産者が生産増強に熱中することによる外ない。取締りを如何に嚴重にしようと、漁獲面に如何に号令をかけようと、個個の業者が衷心から國民の食糧を確保することに、最善の努力を拂わなければ効果は上らない。これは個人経済、價格面に多分に影響することでありますから、どうかこの点において十分の御檢討をお願いいたしたいと思います。以上簡單でありますが…。
#10
○委員長(木下辰雄君) 兵庫魚類統制株式会社社長木原仙松君。
#11
○証人(木原仙松君) 兵庫魚類統制株式会社の木原仙松であります。集荷配給の改善を要する点に対して、私の考を述べて見たいと思います。單数がよいか、複数がよいかというような問題は、今から二十年も前に中央市場におきまして、六大都市にはそれぞれ議論のあつたことでありまして、結局六大都市には一つの会社で荷受機関を拵えて、そうして仲買をその下に付け、小賣屋を末端面として家庭の販賣に当らせる。こういうふうな制度ができて、それが戰時中も続きまして、現在ここ数ヶ月前までは、殆んど大都市におきましては、單一の荷受機関であつたのであります。今度初めて複数制が、政府の指示によりましてできたのでありまするが、これが無制限に許されている。誰でも責任上一定の荷受をいたします。そうしてそれぞれ指示された方針に從えば、それから先の問題はその人の力によるのだから誰でもよい。資格さえ備えればそれで差支えない。信用の如何とか、老舗の如何とか、荷引きが現在できるかできないか、そういうようなことも何ら考慮の中になく、ただ資本金が幾ら、それから責任数量は幾ら、それによつて荷受機関の責任を與えられて、さようなものが各都市に制限なくできて行くというようなことは、私は生産者にも消費者にも、非常な御迷惑を、結果においてかけるのではないか。こういうふうなことが一應考えられる。それは最近における例でありますが、神戸におきましても、指定消費地域におきまして今現在業務を開始されておる荷受機関は約八つの國体があります。今も尚申請中のものがあるということを聞いております。而してこれらの方々が生産地に参りまして、甚だしいのは今の價格の八割乃至は十割までも、協力するから品物をこの荷受機関に送つてくれ、こういうふうなことを公言して廻る荷受機関があるということを生産者の方から私達は聞くのであります。生産者の方はいろいろな資材が高くなつたために経営難に陥つているときに、荷受機関の方からそういうふうな呼び水をかけられると、割当のものをこういう方面に多少やる。こういうふうなことが考えられる現状であります。
 そうして実際問題としてそういうふうな方面にも実際廻つておる。しかし消費者の方に行きますると、それが非常に高い値になりまして、実際小賣業者としてはそれだけ協力したものですから、どうしても消費者に轉嫁せざるを得ない。それで今までの生活よりも一層生鮮食料品については、價格が実際昂騰したために、生活が一層困難であつて、政府のお考になつているものとは、全然反対の現象を來しておるというのが、現在この複数が、無数にできつつあるというようなのが現状でございます。で、これは私の一つの改善として考えねばならぬ問題は、大府縣につきまして大きな都市を抱えておる。六人都市を抱えておる府縣とか、そういうふうな方面については、無制限に拵えるのではなくて、複数に私は反対ではありません。相当数の複数はいいでしようが、人口幾らに対して、凡そこのくらいの荷受機関を拵えれば適当であるというようなことで、一應それぞれ関係御当局におかれては、相当私は考えて行かねば、この儘で、自由である。営業は誰でもやつていいのだから自由だ。こういうふうなことでは、私は消費者は將來困つてしまうということが痛切に考えられますので、相当数の、人口に比例したような複数制をお考にならないというといかないのではないか。こういうふうな考を持つております。
 それで消費都市の大都市におきましては、小さな小都市とか、又は海なし縣というような方面も、或了解値というようなものがありまして、大都市の方には鮮度の良い物は廻らんのが現在の実情でありまして、やはり鮮度の少し良い物とか、魚種の良い物は、さつき申しました海なし縣とか、中都市の方に、それぞれ了解のある方面に廻る。そうして大都市には鮮度が比較的低下しておるようなものが入つておる。この夏の八、九月におきましては神戸地区といたしましては、入りました物の約五十%は家庭には向かなかつたというのが実際であります。そうして、その中の甚だしいのは肥料に廻さねばならんというような物があつたわけなんであります。これは無論貨車の輸送にひまが要るとか、又は氷がないとか、それぞれいろいろな事情はありましようが、大体大都市の方には、比較的鮮度が低下した物が荷数が多いというような現状でございます。こういうふうな点につきましては、相当考えねば、無制限に荷受機関のあることも、やはりここがサービスの度を超えまして、やはり何でも責任量を果たすためには、数量を受けなければならん。それがためには如何なる物でも結構でございますから送つて下さい。こういうようなことで、或一定の責無量の貫数を果たすというような羽目になつて、甚だしいのはそういうふうな、食料にもならないような物が一部入つていることも、夏分にはありましたというような現状であります。で、これはやはり無制限に複数をやられると、その会社なり又組合が、自己の手数料で経営をやつて行く会社、組合といたしましては、実際持てない。三分や四分で、最近の運営なり経営は成り立たないというような現状であります。人件費はこれだけ昂騰いたしましたから、どうしてもやつて行けないというのだが、併し一旦やり掛つた以上は、いろいろな面子もありますし、どうしてもそれはやり遂げねばならんというようなことで、いろいろな面で、もう現に新聞紙上にも出ておつたのですが、神戸の一会社では、開業して二ヶ月も経たないのに資本金の三分の一は殆ど食い込んだ。それでどうしても今後の営業を継続するについては、自分ら自身少し闇のようなことをやらざるを得ないというようなことを、私は新聞に出ておるのを拝見いたしましたが、延いては指定荷受機関として、正規なルートに乘せて立派な公的使命を受けた機関として私は立ちます。こういうふうな荷受機関として誓約をしながら、自己の活きる道のために、惡い方に向いて行かざるを得ない。こういうふうなことが以後私は一層濃厚になつて來るのではないか。斯様なことが考えられるので、繰返しますが、無制限の複数制は私は十分考えて行かねばならない。これが私は改善の一つだと思つております。
 それから報奬物資というのがありますが、例えば神戸地区にこの九月頃に報奬物資として割当を受けたものは底曳の網の中で鮮度の良いものに対しては、六千貫に対して油を一トン渡す。こういうふうな報奬のことがありました。これは私達の常識から行きますと当然食膳に上つて家庭が喜ぶようなものが当り前のものであつて、当り前のものに報奬物資を出さなければならないようなことになつておる悲しい今の現状でありまするが、これは鮮度を保持して行く一つの奬励としては非常に結構だと思います。それで唯油だけでなく、こういうふうな報奬物資を出されるについては、農村におけるところの肥料とかあらゆるものに、いろいろな報奬物資を府縣あたりでは、それぞれやつておるようであります。こういうふうなものに対しまして、丁度生産者に対しても、闇の資材ではなく相当な高く、魚價と合つたような考になるような、例えばロープとか綿糸とか漁師の食糧の足らないのを補なう加配米の主食であるとかいうようなものをできるだけ生産者の方に多く廻して貰う。唯單なる油だけでなく、そうしてそういうふうな立派な良い品物を鮮度を保持し來るものには、できるだけそういうふうな褒美がある。そういうふうにして頂きますと、大分私は良い品物が都市にも入るし、そうして生産意欲も増す。生産が増しますれば、從いまして消費都市にも多くの食糧の緩和ができる。生産者の方にこういうふうな裏付けは是非して頂きたい。かように考えております。
 現行の價格について申上げますが、價格はまあ遠洋漁業とか又は底曳漁業とかいう方々は、十分了解されて、この價格では引合わないけれども、いたし方がないというような考えもありましようが、あまり御無理をなさらないで、それぞれの割当数量は大都市にも送つて頂いておりますが、小さな近海漁業の漁師の方々の鮮度のよいものは一品も私達の荷受機関の方には入つていない。瀬戸内海の「さわら」とか、「たい」とか、最近獲れる「はまち」とか、「車えび」とかいうようなものは一品も入らない。瀬戸内海の魚は、殆ど荷受機関には入らない。そうして獲れないかというと、やはり相当獲れておる。それがなぜ私は入らないか。こういうことを考えますと、やはり價価の関係であるとか、そうして尚又その小さな漁師の方面では、何ら自分らの対象になるところの資材とか、油とか、そういうふうなものを我々は貰つていない。それで闇を当然やるんだというので、漁業組合自身が共同販賣所を拵えておつて、自分もその一員であるにも拘らず、その方面に自分の施設のところへさえ持つて行かない。そうして消費者の方面なんかに直接に流すというのが現状であります。それでこういうふうな「たい」とか、「さわら」とか、「車えび」とか、「伊勢えび」とか「肢赤えび」とか、高級な魚で近海物に対しては、一應魚價を外してしまうのがいいのじやないか。そうして外して集荷の價格は自由だ。こういうふうになりますと、今の荷受機関がそれぞれ縁故を持つておりますから、一品も入つていない。闇の方面のみに流れておるというのが、正規の荷受機関にこれは幾分でも入つて來る。そうして價格決定については糶をやるとか、こういうふうな方法でやれば、生産者の考も隠れて闇をやりたいという考はないのだから、ですから、そういうものを正規荷受機関に持つて來る。持つて來ますと、それをやはり末端配給機関に配給しますから、そういうようなものが消費者の手に幾らかは入る。そうして價格も自然にできる。これを基準といたしまして、「たい」なら「たい」というようなものが、全部價格をなしにする。季節的に「すずき」なら「すずき」というようなものをなくする。そうして遠海とか近海とか、……近海を考えたことですが、併し遠海物におきましても、そういうふうな魚種だけは全部價格を外してしまうということにいたしますると、自然にそこに價格というものは、業者の一つの勘と言いますか、そういうものによつて決定ができる。かように考えております。これはそうしなければ、唯鮮度だけを考えまして、價格を、近海物の「たい」はこれこれだというような價格をお決めになつたとすれば、他の遠洋の漁業あたりの中で、多少鮮度の良いものもこうした少い時ですから、小賣屋の方々が大分不正な人があつたとするならば、それは直ちに高い値の魚になつてしまうというようなことがありますので、やはり配給の統制はやる。配給の統制はやるが、價格については統制しない。こういうふうなことでやられるとすれば、今少し私は近海の魚も正規の荷受機関に入る。かような考を持つております。そうすれば消費者が好まれるところの新しい魚も幾分正規のルーとに乘つて、家庭配給にも廻るのではないかと、かように考えております。それから生産地の價格と消費地の價格とには、鉄道運賃を基準として大体の價格差がついておるのでありまするが現今の貨車事情によりますと、そう大量に運ぶことはできないというのが実情でありまして、折角政府の方で割当を願いましたものが、貨車でうまく取れない。例えば四國とか九州とか、対島とか、北海道とか、こういうふうな所から船によつて來なければ困るというような場合では、今のような制度では運賃の出場がない。折角割当を貰いながらも、魚を前にして困つておる。この間にまあ闇屋と言いまするか、指定荷受機関以外のその他のものが非常に跳梁跋扈して、正規ルートを紊すというようなのがあるので、近く船積みの魚に対しては、價格が加算を認められる。こういうふうなことを聞いておりまするので、何とか早急に当局におかれましては、一日も速かに船積みに対する價格の加算を御決定を願いたいと思います。併し最早実施してあるとすれば、尚私は結構でありますが、前に私が少し考えておつたことですからかようなことを附加えておきます。
 次に一番むずかしい問題としては末端方面の問題で、正規の正しい小賣屋さんが今の手数料で生活をなさるということは、実際問題として私はできないのぢやないか。それは私が経驗しました八月と九月の神戸の消費地区の例でありますが、これは一年の中で鮮魚の一番少い、その他のものも少い時でありましたが、幸に鯨肉とか、冷凍とか又は塩乾魚とかそういうふうなものが相当入荷いたしまして、一年中の月平均の約七割ぐらいのものが、指定地区の神戸に入つたのであります。ところが鮮魚介と加工品を合計して家庭配給に廻つた量は、九月で申上げると一人前に対して百五十四匁七という数字が出たのであります。これを小賣屋さんの正規な價格で行きますと、小賣金額が百五十四匁七のもので二十円九十八銭とこういうふうなことが出て來るのであります。これは一割七分の小賣屋さんの平均現在の手数料であります。そうするとこれが一人前に対して三円四銭の利益である。そうしますと一店舗で二百の小賣登録を持つておる場合でありまして、一家族五人とするとその收入は一店舗に対して三千四十円、こういうふうな数字が出て参ります。その時にそれに対して税金は営業税と所得課税とで以て九分ばかり私はかかると思つておりますが、氷代とか運送とか、そういうような諸掛りを差引きますと、正規に当り前の営業を正しくやろうと思うような人は殆ど干乾しになるというようなのが小賣屋さんの実情であります。それでこういうふうな方々を今少し私は減らさないというと、どうしても今の制度のやり方であつては、小賣屋さんに正しくあ前らは生きろ。こういうふうなことを幾ら政府や府縣が仰しやつても、実際問題として生きられんのだから、やはり消費者にいろいろな價格の協力を求めるということをせざるを得ない。こう思うのです。併しながら人を減らすということは、現今の社会制度の問題から、こういうふうなものの行き場を相当考えてやらずに、目茶苦茶に減らすようなことは、私はあまり感心したことぢやないと、かように考えております。それにつきましては、やはり小賣屋さんが正規に働けば働いて食えるだけのような小賣マージンをお上げになる必要があるのではないか、今の一割七分では私は小賣屋は立つて行かない。税金が九分からもかかつて生計が立つて行かない。こういうふうな問題を十分採上げて御檢討にならないと、幾らその集荷配給というようなものに力をお入れ下さつても、私は消費者はあまり喜ばない。結果から見て制度になつて行く。消費者だけが非常に困ることになつて、いろいろな現在の荷受機関の制度、小賣屋の登録制度、これは一面私は全部に競争をさせるので、自由であるために非常に一般の聞えはいいように思うが、実際問題としては、私はあまり感心しない制度である。こういうふうに思つております。
 それで生鮮食料品につきましては、できるだけ早い時期に、全部の價格統制もその他統制と名の附くようなことは廃止願いたい。できるだけ自由に、これは業者によつて價格決定も何も、その他配給の方面もやらして頂けば、今少しは改善されるのじやないか。今のままで、このままどつちにもつかん行き方を続けられると、國民は困つてしもう現状であるということを申上げて、私の意見といたしまして終ります。
#12
○委員長(木下辰雄君) 東京都水産荷受機関連合会理事長寺田省一君。
○証人(寺田省一君)寺田であります。この度水産物集荷配給に関して改善を要する件につきまして、意見をお求め頂きましたことは、誠に感銘に堪えないところでございます。ただ時間の制限もあります関係から、一通り要点のみにつきまして、私見を述べさせて頂きまして、詳細の点は更に適当の機会を與えられることがございまするならば、その時に述べたいと存じます。
 第一は統制の問題でありますが、統制をやめるかどうか、これはいろいろの問題を包藏しておることと存じます。少くも現在の情勢を見ますると、水産物集荷配給制度につきましては改正せられましてから鮮魚介についてはまだ半年も経つておりません。特に加工水産物については一ヶ月ちよつとしか経つておりません。從いまして、その実施上細目の点につきましては、手続さえ完備していない部分もあろうと思いますし、疑義の明白にされていない面もあると感じております。今日の実情からいたしますと、制度の改廃が隅々まで浸透しまするには、特に漁村に関する場合におきましては、恐らくは半年の日数を以てしても十分であると言えるかどうか、懸念されるのであります。從いまして制度の必要止むを得ない修正は別といたしましても、根本的な改正が頻繁に行われるということになりますと、混乱を招くのみならず、制度というものに対する威信を失墜するというようなことが憂慮せられないだろうか。かように感ずるのであります。從いましてこの点については、くれぐれも愼重に御檢討を願いまして、適切な御処置が望ましいと存ずるのであります。ただ現行制度の運営につきましては、今日適切な改善を要する点もあろうかと存じております。現に私の感じております点も少くないのでありまするが、細部に亘りまするので、便宜省略させて頂きたいと思います。
 それから第二は現行制度の運用につきまして、只今神戸の木原社長からもお話がありましたし、最前、佐野さんからもお話があつたのでありますが、この現行制度の運用につきましては、明朗な運営をやつて頂きたい。そうして明朗な運営を願いますためには、責任の所在とその遂行を明確にすることが根本であろうかと考えるのであります。少くも現在の状態において統制をして続けて行こうと言われる場合には責任を明確にするということが根本ではないかと考えるものでございます。然るにここに一例を挙げて申しますと消費地の荷受機関についてであります。この荷受機関につきましては、根本の指導方策がはつきりしておるのであろうかどうか、これは疑いなきを得ないのであります。即ち東京都における荷受機関につきましては、現在濫立であると認められておられるかどうか若し濫立であると認められておられるならば、どの程度は濫立でないのか、その基準はどこがお決めになるのかこれらの点が少くもはつきりしておらんと思うのであります。そうして徒らに濫立であると、政府なり或いは御当局が考えておられるという臆測が風評となつて流布されますると、出荷業者或いは生産者又は金融業者という方面では無用の警戒をいたしまして、荷受機関としましても不安を感じます。その結果営利追求に急となつたり、或いはまじめな熱意を持つて仕事を運んで行くということについて、好ましからざる影響を及ぼす傾向が強いのであります。かくては如何に責任を説きましても、或いは遵法を強調いたしましても、それで徹底するものであろうとは私感じられないのであります。ここで法令の明示せられるところを申述べるまでもないと存じますが、臨時物資調整法及び鮮魚介配給統制規則及びこれに基く告示通牒並びに流通秩序港立要綱などから見まするというと、その基準を示す責任の所在は明瞭であろうと思うのであります。然るにその基準というものが明瞭にされていないということは、何によつて如何に考えたらよろしいのかわからないのでありましてこの点は極めて遺憾と存ずるのであります。先ず業者に責任を果せというと同時に、責任の所在をはつきりいたしまして、政府においても、御当局においてもなすべきことをはつきりして頂きたい。かように感ずるものでございます。根本の大道がはつきりいたしませんければ、統制の運用ということについても効果が如何であるかと存ぜられるのであります。東京都においての鮮魚介配給というものが、それ自体大事であるばかりでなく、他に及ぼす影響から見て重要な事柄であるということをお考になりますならば、一つの考えといたしまして、東京都における中央市場の場長に大臣級の方を当てて頂いて、この制度の運用に関する一切を場長に一任して、そうしてその場長を中心として関係官廳及び民間も一体となつて協力をして行くというようなことになりますならば、或いは現状におきましては、改善の実を挙げる上におきまして、一つの最も有効の措置ではないかとも存ぜられるのでありますし私も感ずる次第であります。
 それから第三といたしまして、生産者及び末端配給業者の業務につきましては、誰でもが一應論議し得ることであろうと思います。併しながら事実は生産の仕事にいたしましても、末端配給の仕事にいたしましても、非常に困難な問題であります。技術的な点から見ましても、或いはその業務の実情に通曉するという点から行きましても、なかなか眞相はわかりにくい問題だと思うのであります。從いましてややもすれば満足し得る結論に達しない場合が多いように感ぜられる次第であります。でこの問題について論議せられる場合におきましては、とかく割り切れていない状態のままに結論を急がれますというと、結局は警察取締りに依存する外はない。ところが警察取締りを結論として出して見ましても、どういうふうに取締るのか、その取締りについてもはつきりしないということになりますと、或いは又警察取締りの徹底の可能性ということから考えて見ましても、それでは結局結論にならないのではないかと思うのであります。この点につきましては荷受機関の場合においても同様の傾向があろうかと感ぜられるのであります。これは取締りということも大事でありますが、取締りをなす根本というものがはつきり掴まれていないというと、効果は期待できないのじやないだろうか。かように感ぜられるのであります。同時に一口に申せば、惡いことはしてはいけないというだけでなくて、どうすればいいのだ、或いはいいという方法を伸ばすのにはどうすればよろしいのか、こういうような考え方から、そうして先程來お話もありますように、どういうふうにすれば生きて行けて、そうして而も現在の制度の御趣旨に副い得るか。こういうような観点から考えて見る必要があろうかと考えるのであります。
 御参考までに最近の一二の体験について申上げて見まするならば、街で買物をしておる普通の買手の人を見ますると、これは梨を例に取るのでありますが、一山二十円の梨と百匁二十円の梨とどつちを選ぶでありましようか。私の実験した実例から申しますと、百匁二十円の方が実質的にはよかつたのであります。勿論これで以て全体を推し測るということはできないと存じます。併し少くも消費者としてこういう点を現実に比較研究する人が何人あるであろうかということを考えますと、一つの消費者の心理、或いは消費者の傾向というものを判断できるのではないかというような氣もする次第であります。それからこれは或小賣商人の実際の話を聞いたのでありますが、一山十円と札をつけて置いたところが賣れなかつた。一山二十円と札を変えて置き場所を変更したところがよく賣れました。おかしなことがあるものだという述懐を聞いたのであります。かような例は消費者の弱点を示すものではあるまいかと私は考えるのであります。消費者のもう少しこういう配給面における関心を、科学的な方面の考え方を深めて行くということも必要ではないかと考えるのであります。尤もその半面におきましては、最近では栄養と味というような点から見まして、劣等品につきましては荷受機関におきましても或いは小賣におきましても、引取り拒絶に会う例が殖える傾向にある。こういうふうに聞いております。これは恐らくは購買力の関係から從來のように、ただ安い物或いは分量の多い物ということばかりを狙わずに、実質的に値段と釣合つたいいものがよく賣れる。こういう傾向が見えて來たとも考えられるのではないかとも思います。從いまして消費者の注意力をもう少し喚起することに努めまして、自然に淘汰されてよくなる傾向に進むことを考えることが、一つの有効な方向ではないか、勿論これにつきましては單に配給面だけでなく、根幹となる経済面の諸施策と睨み合せてお考え頂くことが大事だろうと思います。例えば資金関係の面、或いは價格関係の面、それよりも一般の経済方面の動向、こういうものと睨み合せて考えて頂くことが必要ではないかと思うのであります。
 時間の関係から最も肝要と思われます点二、三をここに拾い上げまして申上げたのでありますが、今日こうして業務の方面に携つておる者の意見を聽いて頂く機会を得ましたことは、重ねて感謝に堪えない次第でございます。今後とも関係業者の経験を活かして、そうしてそれを取り入れて頂くという意味から、我々の希望なり意見なりを徴して、改善の実を挙げて頂く。而も実質的に適切な効果を挙げられるように御努力を頂くことにつきましては、我々といたしましても衷心からお願いを申上げて止まないところでありますし、我々としてできるだけの御協力は今後ともお盡しいたしたいと存ずるのであります。簡單でございますが……。
#13
○矢野酉雄君 議事進行について………。横浜の代表である鳥海さん、或いは東京中央水産の佐野さん等の御意見を聽いておりますというと、統制そのものの撤廃という根本的問題についての剴切なる御意見と思つておりますが、そういうような意見を述べておる現状から察して、これは單なる水産行政の技術的問題ではないのであつて、我が國の水産行政をどうするかという根本的の問題であつて、これは主食と共に重大なる國策の問題である。これこそ正に重大なる國家の政治問題である。こういう問題を眞劍に檢討せられる際に、その責任者であるところの農林大臣乃至は政治的に重要なる役割を持つておる政務次官が列席しないのは実に遺憾千万である。まだ午後もこの会は続行する筈であるから、委員長におかせられても、若し大臣、早急の場合で出席ができなければ、政務次官でも代つて必ず出席するというような緊急の処置を取つて頂くように要望して止まないものであります。
#14
○委員長(木下辰雄君) 承知しました。次に東京魚商業協同組合理事長塩澤達三君。
#15
○証人(塩澤達三君) 魚の配給をどうすればうまく行くかという問題でありますが、私から申上げるまでもなく魚本來の性質から、これを統制配給するというようなことは非常にむずかしいことでありまして、恐らく現行制度を如何に強化いたしましても、そのままでは私はその目的を達成することはできないと思うのであります。併しながらそれではこれを直ちに自由にしていいかと申しますと、今のいわゆる経済事情におきまして、全く消費者の立場から考えましても、直ちに統制を撤廃するということはこれ又できないのであると思つております。そこで今の現行制度におきまして、少しく改善をして頂かなければならん点がある。その一、二を申上げますれば、例えば價格の形成でありますが、一本の公定價格で行くという今の制度は、いわゆる魚のような鮮度によつて價値の違うもの名前だけで一本で行くというようなことが誤りである。ですからそういうものに対しましては、或一つの基準を示すことは必要でありますが、そのいわゆる公定價格そのものを形成する方法を変える。例えば東京都におきましては東京都が中心になりまして、その他の専門家が集つて、そのものそのものにつきまして價格を作る。勿論それには一定の基準を置きまして、例えば公定價格の線におきましてこの「たい」は、この程度のものが公定價格として取扱つて、これ以上のものはもつと上げて行かなければならん。これ以下のものは下げなければならんというように或基準は必要であると思いますがそういうような公の機関で作るものが公定價格なりというように公定價格の面を改正することができれば、今の制度におきましても相当緩和されるのではないか。
 それからもう一つは、集出荷の計画性の強化であります。これは現在、一体どの程度に行われておるかと申しますと、六月は確かに100%計画通りの出荷がありましたので、各方面から魚の問題につきましては何らの苦情も出ないような状況でありました。現在におきまして、私は正確な数字を持つておりませんが、恐らく計画の半分しか事実上東京都に入荷がない。こういうように思うのでございます。この点を飽くまでも計画通り遂行ができるようにして頂く。それから尚荷受機関の複数制の問題でありますが、それは無論質のいいものが望ましいのでありますが、私はあまりこの問題の数にはこだわる必要がないのじやないか。こう思いますことは、どういうふうな荷を引つ張つて参りましても、今度東京都におきましては、指図機関というものがあり、その指図機関がすべての指図をして適当に配給するのであります。ただこの指図機関が現行の、ただ來たものを指図するというのでは、これは今の危險負担が全部消費面に轉嫁される虞れがある。この指図機関をもつと強化いたしまして、單なる指図機関でなく、いわゆる分荷までもやる。それに対する目減りであるとか、鮮度の低下であるとか、そういうようなあらゆる危險負担を都がみずから負つて、そうしてこれを小賣面に轉嫁させない。こういうようなふうにいたして買いますれば、如何に集荷が、どういう人にどういうふうに引つ張られましても、それは消費面に轉嫁されないことになりますので、いわゆる指図機関、分荷機関の整理をして、累が消費面に轉嫁されないようにして頂く。こういうことによりまして、いわゆる生産と消費とのいろいろな点がはつきり清算されるようなふうにして頂くということが私は必要と思うのであります。そうしますれば、今まで目減りがあつたり、いろいろななにがありましたものを、都が全部負担をして頂くことになりますと、生産者方面にもさしたる迷惑をかけない。又消費面にも迷惑をかけないことになる。これをただ取締り一本でやかましく言えば、現在の状態におきましては、東京都に入る魚は恐らく他の方面に逃げて行つてしまいまして東京都に必要な魚類を確保するということは困難と思うのであります。ですから、徒らにただ取締規則によりまして目的を達成しようとしても、その目的は達せられない。かように考えるのであります。それから大体そういうような点が改正せられるということでありますれば、私は末端配給の関係から末端配給のことにつきまして、更に申上げたいと思うのであります。
 今日のように末端配給が混乱をいたしましたということは、皆樣御承知の通り、昭和二十年の十一月に統制を撤廃をした。それからどうもその結果魚が高くなるということで、あわを食つて二十一年三月に再統制を実施した。こういうことをいたしましたが、これが非常に不徹底でありましたこと、それから第三には東京都の水産物の販賣許可制、これは二十一年の八月に行われたのでありますが、これらが非常に不徹底でありました関係上、その間約一年半ばかりの間無秩序状態にあつたというわけであります。そうして更に御承知のように現在統制は撤廃されるのだという声が非常に多くなつておりますので、一面配給を強化して行くということには、非常に困難な状態があるのであります。それではどういうふうにしたら末端の配給を明朗化することができるかと申しますと、今言つたようなことを前提といたしまして、指図機関の拡充であるとか、計画出荷の強化ということは無論やつて行かなければならんのでありますが、尚東京都における小賣店の経営規模であります。先程神戸の木原さんから言われましたが、小賣商の現在における経営規模であります。これは御承知のように燒けたところには非常に消費者が少いのに拘わず業者が多い。それから燒けないところにおきましては業者が少くて消費者が非常に多いといつたようなことで、土地によつて小賣業の数が違いますのであります。從つてこれらに対してどういうふうに販賣するかということも、これは非常にむずかしい問題であります。現在のままにおきましては、やはり食うためにいろいろなことも行う。それも入荷が非常に多くありまして生活が保障されるという現状であるならば、これは又考え樣がありますが、現在の入荷におきましては、さようなことはできないと思う。これは水害等の関係もありますが、九月の下旬の如きは、実際に一日百九十四トン東京都に入つて來ますが、その中実際に配給いたしましたものが七十七トン半でありまして、約入つたものの四〇%しか配給しておらん。こういうような状態でありまして、これは水害等による入荷の減ではありますが、かようなふうに入荷したところの四〇%しか配給されん。こういうことでは小賣商の生活は安全に維持することは到底できない。そういう意味で、ただいわゆるマージンだけ二割なんぼやるからそれでやれと言つても、入荷が少くてはとても小賣商は成り立たんということで、或程度の計画配給のできるような入荷数量を確保することと、いわゆる小賣商の数の問題、そういうものに対してこれを如何にするかということが今残されている問題であります。これらを改善しない限り、配給の明朗化ということはむずかしいと思います。
 次に登録制の問題であります。これもいわゆる政府においては惡徳業者を駆逐するために登録制を実施して、そうして順次業者を淘汰して行くという考で、登録制度を実施せられているのだと思う。現在におきましては全くそれが逆の現象を呈している。というのは、闇の品物を持つて來て消費者にサービスすることによつて、むしろ登録者が集る。眞面目に今言つた配給する者は、段々登録が減る。今消費者の一面におきましては、結局品物を間に合わしてくれる者のところに登録して置いた方が便利だ。配給もあるし、闇の物も買える。眞面目な者も順次惡いことをしなければ自分の生活が保てんという、こういうような実情にあるのでありまして、この登録制を如何に取締るといたしましても、このままの登録制を実施したら、私は逆の現象になると思います。殊に三ケ月毎に登録を変える。こういうことで一体安心して業者が業務が営めるかと申しますと、どうしても業務を継続して行くためには惡いこともしなければ登録は取れんということで、いつも不安な状態にある。殊に登録制を実施するに当りまして、業者でなく誰でもよい。登録を取つた者に対しては許すというようなことになりますと、今後衞生施設の完備等を考えます時に、業者は進んで営業設備の改善ということは、成るべく避けるだけ避けるというようなことで、今後の食生活の上に及ぼす影響も非常に大きいと思うのであります。こういう点で登録制の実施に対しまして、ただ取締りによつてできると、こう御信じになつておられるようでありますがそういう点は恐らくできない。むしろ登録制によつて惡い結果を生じているということを惧れているのであります。この登録について再檢討をして頂かなければならんのじやないかと、こう思うのであります。
 それから先程も言いましたように、入つて來た物をすべて東京都において指図機関において責任を以てやるということであるならばいいのでありますが、併しながらそうでなく、今のような制度で参りますれば、結局持つて行つたものを消費者が拒んだ場合、損失を誰が負うか、小賣商が全部負担しなければならない。結局我々に特権がなくて、消費者の方に特権がある。縣下の小賣業者が負担しなければならんということではやはりいけないのであります。それらについては、先程も呉れ呉れ申上げたように、指図機関の改革をやつて頂かなければならない。無論不正業者に対しては、これを決して保護するという考はないのでありましてこれらの取締りも十分やつて行かなければならんことは申すまでもないのであります。それで一般の方針として取締りのみによつて行くということよりは、むしろ小賣業の生活から申しますれば、優良なものは表彰するというようなことを盛んにやつた方がいいのだが、実際には小賣商は惡いから、こういうものを圧迫する、こういうことをやつて小賣業者を抑えるということでやることはむしろ逆の効果を生むと思うのであります。こういう点につきまして十分に御考慮を願いたいと思うのであります。尚いろいろ申上げたいこともありますが、時間の関係で甚だ雜駁でありましたが、以上を以て終ります。
#16
○委員長(木下辰雄君) 日本協同組合同盟、常任中央委員木下保雄君。
#17
○証人(木下保雄君) 木下でございます。大体において三つの点で意見を述べて見たいと思います。そうして最後に具体的の問題について述べて見たいと思います。
 今まで御意見がありましたので重複を避けますが、第一点では購買力の集中化をしない限り物價は安定せんということを言いたいのであります。一体物がこういうふうに少くなつて來ますと、需要者と供給者の立場において、その立場自体において、強いところと弱いところができる。或いは優位性が現われて來るということがはつきりしていると思います。それは生産者と消費者という関係であるばかりでなく、例えば卸賣の段階においても、小賣の段階においても、物を賣る者と物を買う者との立場の強さ弱さというものは物が少くなつて來れば余計出て來るのであります。そういう意味において、消費者というものは非常に弱い立場にあるのであります。それがつい買い漁り、或いは物を無理をして求めなければならん形になる関係上、いろいろな問題が起つて來る。購買力を集約化するか、或いは組織化しない限り、闇はなくならんと私共は言いたいのであります。今まで物價引下運動がありましたり、或いは闇の撲滅運動が起つておりますが、これは決して本格的なものに乘つかつておらんということを主張するのであります。
 第二点であります。今までの統制方式は前に仰しやられた方もございましたように、取締るということが強力でなければならんという裏付の、いわばそういう仮定において、仮設においてやられておつたのだと思います。この実例は、最近東京都の配給機構の改革委員会等において論ぜられました時でも、取締りをしつかりやつて呉れと、この案では、業界の方殆ど全部が不賛成であつて、自信を持つておいでになりませんが、取締りをしつかりやつて呉れんかということが何度も繰返されたにも拘らず、これがいつもうまく行かない。これは取締りを強化することによつて、始めて成立するような方式で、そういう統制方式は最早試驗済であるから、そういう方式ではいかんということが言いたいのであります。私共は一部少数の人の取締りによつてやるのではなく、國民全体が相互にこれを監督したり、或いは寄り集まつてうまくやつて行くという方法を講じて行かないと、何度取締られても成功しない、そういう意味において、この統制方式は変えなければならない。以上が第二点であります。
 それから第三点、これは今までの統制方式が官吏或いは國において、こういう規則を以て、こういう法律に基いてやるということは、いろいろ指図をし、或いはその間においていろいろな公聽会等で民間の意見も出たのであります。そういうものに対して、いろいろ聽きおくという態度はとられたけれども、こういう方向でやろうという出される時には、明かに政府の意向で一方的に出される。こういうものは私は政府が出される限りにおいては、少くともそれは民間においてできる限りの機関ができていることが前提となつてなされるべき筈と私は考えておりますけれども、実際上は今も多くの御発言があつたように、これは荷受機関もうまくできていないし、小賣機関もできていないというこれまでの状態であります。この点において、政府のお出しになるときには、予めその実際の取扱いを一つ考えて頂きたい。例えば公團法案というものが今できておりますが、この公團法案についても、私共が考えるところによると、生産から消費までの一連のつながりが完全についておつて、政府が一遍お出しになつたら政府自体でもやれるという立場でお決めを願いたい。從つて民業と官業が併立したらいいと思いますが、或いは民業に委せられないとか、まだ信用し切れないと思われるなら、それは官業でやつたらいいと思います。どちらがいいかを比べて、民業でやれるならば、官業の方は手を引いたらいい。こういう形において、いろいろな規則或いは統制規則をお決めになる場合においては、少くとも決める当局者が実行できるようになさらなければならん。こういう意味で、第三点で言いたいことは官民業者が併立して行くという形式をとつて頂きたいということであります。
 主にこの三点を言つたのでありますが、以上を具体的な問題について申上げますと、購買力の集中化という点では、集約化という点では、私共の立場から言うと、協同組合化して貰いたい。併しこれだけで行けると私共は毛頭心得ておらんし、又非常に力が弱いから、少くとも何らかの形で消費者が購買力を集約する。或いは組織化するという方向へ指導的な措置がとられなければならんということが言えると思います。ところが今もお話のありましたように、荷受機関を複数化して頂きたいと思います。これは私共が複数化して頂きたいということは、それは質的な複数化を私共は要求しておつたのでありますけれども、今なされているのは、ただ数的な、量的な複数化がなされているだけであります。その際において、いずれかというと、私共の荷受機関として、協同組合の連合会が、東京でも或いは大阪でも荷受機関に指定されている例がある。ところがこれはこの協同組合の力がどうであるか。或いは組合側の消費者がどうであるかということも十分見ないで、いつ頃何貫目の魚を持つて來いと、こういう枠が決められるだけでは、協同組合がやつても、良心的な荷受ができない。東京でやつているのでは、荷受をすればする程、消費者の負担が重くなる。現在は荷受をすればする程赤字を拵えなければならない。これは協力関係の方が非常に強いということも言えるし、或いは今の物價関係では、到底うまく行かないということもあるが、これは消費者側から言えば、そんな荷受は止めて貰いたいと言わなければならない。それは荷受機関を通つていながらそれがただ量的な複数制がとられているというだけであると思います。細かい説明を略します。
 第二点では、取締りの強化だけでは結局において、やたらに追つ拂われるというようなことになる。又府縣毎にいろいろな制度ができて、魚がなにかよそへ行つたり、海なし縣が非常に都合が好かつたりすることが現われておるから、これも勿論直して頂かなければならんし、而もそれでは思い付きということにもなるし、或いは荷受機関が強いか、小賣機関が強いかという問題もあるし、特にどうするかと、ばつと統制をしてしまつたり、どうかするとゆるくなつたりするというような傾向がある。これはやはり私共が消費者に確実に荷を持つて行ける組織を作つておかなければならんと思います。
 最後に、官業と民業とが併立されたいということにつきましては、例えば今の横流れ、闇價格を防ぐ道はないかという場合においても、これを言わざるを得ない形に置かれていると思います。その証拠が、例えば卸の問題でも言われるが、小賣の問題でも、例えばマージンを二割にさせようといつても運賃が非常にかかるし、或いは人件費が頗る要る時に、この價格でやれるかどうか。ただこういうような機構によつて、直ちに臨機な措置がとられるならば、頻々と新しい措置がなされて行くと思いますが。最近の東京の如き、今度の「さんま」をどういう價格で賣るかということについては、荷受機関その他の方々において、大体これくらいはマージンにせんといかんということが出ているが、それは價格の問題でなく、目方で以てマージンにして出さなければならんという措置が講ぜられることになる。これはそうしなければどんどんうまく行かない。そうでないならば、役所でやつて見たら如何かと思います。現在は東京都は指図をする形をとつて、みずから販賣するのではないが、その命令について責任のあるところをはつきりして頂きたいと思います。こういう意味において、私は役所に一遍やつて貰う。例えば東京都が一方において荷受をやるならやつたらいい。一方において又小賣をおやりになつたらいい。どういう結果が出るか私共は、今の條件においては、價格において誠に良心的に堪えない負担を消費者にかける。こういうことは実際におやりになつたらいい。そういうように考えて行くと、例えば公團等についても、別な観点から考えて行かなければならんと思います。大体私はこんな氣持を持つております。
#18
○委員長(木下辰雄君) これで休憩いたします。午後一時から再開いたします。委員諸君、証人諸君には、簡單な晝食の用意がしてありますから、議員食堂の方においでを願います。委員諸君も一緒に御会食を願いたいと思います。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#19
○委員長(木下辰雄君) 午前に引続き再開いたします。証人の御発言を求めます。村上ヒデ子君。
#20
○証人(村上ヒデ子君) 先程から業界の方のお言葉の中にも、今日程魚の配給の乱れておる時はないというお言葉があつたのでございますが、誠にその通りでございまして、特に昨今は殆ど配給皆無というような状態になつております。尤も私は芝の住人でございますから、大体これから申上げますことは芝を中心としてのことでございますが、五月から六月にかけましては、相当の配給がございまして、まあこれならばと私共迄も喜んでおりましたところが次第に七月から下向きまして、八月まではまだそれでも新しいと申しますよりは鮮魚が参りましたけれども、九月になりますと鮮魚は一囘も参りません。六月は八囘の配給がございましてその目方が百七十九匁、ところが都の指図機関の発表では四百五十五匁となつておりまして、実配は四割弱しか來ていない。七月になりますと、五囘の配給がございました。その総量が百十七匁で都の指図機關の発表では三百七十八匁、三割ほか参つておりません。結局配給量が減りますと、この割合もぐつと減つて來るという傾向でございまして、この八月は四囘ございましたが鮮魚は一囘だけで、あとの三囘は冷凍品の、半分腐りかけたというような品物でございます。九月になりますと、一囘も鮮魚は参りませんで、「さば」と「さめ」の塩物が参り、「くじら」の皮肉が一囘、つまり三囘、十月になりましてからは冷凍の「くじら」の生肉が一囘参つただけでございます。こういうような状態でございますから、家庭の主婦は本当に困り抜いております。併しそれならばお魚がないかと申しますと、御承知の通り決してそうではない。配給店で大つぴらでこの頃は闇を賣つておるというのが実情でございます。私は昨年から物價監視員などいたしておりまして、そんな関係で時々面倒なことを申すものですから、顔を覚えられまして、私の家の配給は特に注意をしておるらしいのでございますがそれで以てその状態でございます。そうしてこのお魚屋さんなんかに途中で会いますと、村上先生すみませんがどうしても食つて行けませんから、仕方がないから背負込み物を扱いますというようなことで断られるというような状態でありまして、何と答えていいのやら、誠に何とも途方にくれておるという状態でございます。消費者は消費者でこの頃の配給は迚も高い。こんな配給をして貫うくらいならばいつそのこと統制を外して貫つた方がいいじやないかというようなことをよく聞くのであります。一体消費者は無関心でマル公を知らないというようなことがよく申されるのでございますが、実際消費者には配給であるか、配給外の闇物であるかという見分けがつかないのでございます。配給でございますと言つて、果して行つて見ると決してそれは配給ではないのですが、一般の人は配給だと思つて、買わないと又お魚屋さんの御機嫌が悪いというようなことから、少少高くても、困ると思つても無理に買う。又欲しくない品でも買つて置かなければ御機嫌が悪いから、無理に買うというような状態になつております。でございますから、魚に限らないのでございますけれども、この頃もう配給店は泣く子と地頭で、どうにもかなわない。民主主義と凡そ縁遠い筈の言葉が使われておる状態でございます。実際の状態を見ますと、配給店は一種の特権を與えられたというに過ぎないのじやないかと私共から考えますと、そういうように考えられるのでございます。先程からも、荷受機関が非常に困難で赤字だらけというようなお言葉が度々ございましたが、やはり小賣業と同じように荷受機関に指定されるということは、取りも直さずこれは特権を得られたということになるのではなかろうか。ここに現在の統制の欠陥があるのではなかろうかというようなことを考えさせられるのでございます。
 それから私そういうことを申しますと、そういう悪い店があつたら営業を停止をするから、どしどし教えてくれというようなことをよく当局から仰しやられるのでございますけれども、私は営業を停止をして貫うことを決して望まないのでございます。と申しますのは、店舗が多過ぎるというようなお話が先程から出ておりましたけれどもこれは成る程多いところもあるかも知れませんけれども、私共の目から見ますと、むしろこれは少な過ぎるのでございます。それで戦爭前にあつた店舗がずつと整理されまして、又それがこの戦災に遭いまして今日は半分ぐらいしか復興していないというようなことでございます。そのために魚屋さんたちが一軒の店舗に集まつて、共同で営業いたしております、三人、四人、威勢のいい人たちが集まつておりますと結局消費者は威嚇されるというような形になりまして、もうおつかなくて何も言えないということになつてしまうわけでございます。ですからできるだけこれは私はもつと分散して欲しい。登録制度につきましての誤算もそこに相当あるのじやないかと思うのでございます。登録制度は自由登録制だからいけない店舗はどんどんやめて、いい店舗に登録したらいいじやないかということを言われるのでございますが、実は店舗が少いために、片つ方の店舗を断りますれば、ずつと遠いところへ行かなければならない。又最近にもこんな実例がございました。どうも自分の方の店舗はよくないというので、近所の人たちが申し合せまして、外の新しい店舗に申込みました。ところがその店舗は残念なことには数が満たなくて落選いたしました。從つて外に登録するところがなかつたために、又元の店に帰らなければならなかつた。それで元以上に悪くなつたというような例もございまして、決して机上でプランを立てられた通りに運んでいないのでございます。ボイコツトをしろというようなことをいつでも一口に言われるのでございますけれども、そんなことは結局店舗が非常に多いとき、非常に競爭が盛だというようなときにのみ実行されることでございまして、実際の問題としましては、なかなかそれを実行することはできないという状態にあるということを一つお考え願いたいというふうに考えるのでございます。
 それからお魚の取扱いの問題でございますが、やはり自由販賣の時代にはすべてお魚というのは入念に取扱われていたと思うのでございます。私も多少料理のことなんかをいたしまして、いつでも申しますことは、刺身にするのは上身を刺身にして、下身は肉に使うように、下身は弱つているからというようなことを言うのでございますがそれくらい微妙な関係を持つところの鮮度であるのに拘わらず、昨今は魚を運だのに、山のようにのつけて、その上に一杯入つたものを上からぎゆうぎゆう押しつけるというような粗雑な取扱いが行われておる。ですから配給のお魚の身はくしやくしやになつて、半分腐つておるような状態でございます。ですが、それを取りかえに行くと、いやな顔をされる。從つて仕方がないから泣き寝入りをして、そのまま受取つてしまわなければならないというような状態でございまして、これもやはりマル公が一定されておるというところに、大きな欠陥があるのじやなかろうかというようなことを考えさせられるのでございます。
 それから價格の問題につきまして、主婦が價格の知識がないということをよく申されるのでございますが、私は特にこの問題につきましては、末端の仕事をいたしておりますから、他の主婦さんたちに比べて余程留意しておるつもりでございますけれども、それでさえ分らないのです。昨年私が魚の横流しを少し問題にしました時なども、公定價格との間にあまりに開きがあり過ぎるので、問題にしたのでありますけれども、実際に調べて見ると、これは黙認價格で、勿論闇値に違いなかつたのでありますけれども、私の思つた程の差はなかつたわけなんでございます。そんなわけで公定だの黙認だのいろいろな價格があるために、始終まごまでいたしております。最近の例に見ますと、身欠き鰊を私は九円九十銭と承知しておりましたものが、いつの間にか十一円六十銭になつている。家庭に配給されたものは二十円四十銭の値で配給された。これは不都合だと思つて、私が早速調べて見たところが、それは何か特認價格だつたというようなことでございましたが、私のように特に留意していても、尚且そういうふうでございます。從つて一般家庭の主婦たちがいちいちそういうことを呑み込める道理がないと思うのでございます。ですからこういう点も主婦たちがもつとはつきり呑み込むように一つ教えて頂くというようなことが必要ではなかろうかというふうに考えるのでございます。冷凍魚の問題も、やはり同じでございます。昨今「まだい」、「れんこだい」とか、そうしたものが六割七分も値上りになつておるということでございますが、そういうことも今日ここへ参るので、調べて初めて知つたというわけで、こういうことに私のように心懸けていても、そういうふうなのですから、一般の家庭の主婦たちがこういうことに注意していられるとは考えていないのでございます。先程どなたかのお話の時に、價格の統制を止めて、配給だけを商人に任したらよかろうというお話もあつたのでございますが、現在のやうに生活の困つている時に、頭構わずのせりが行われましてそうしてそれが配給でございますと言つて持込まれたならば、どうなつて來るだろうかということを考えますと、私共本当に主婦の立場としては、肌寒い感じがするのでございます。昨今は主婦が主食の持込みなぞという話を聞いて、金策に逃げ出すという話があつちにもこつちにもありますけれども、家庭はそのように実に行き詰つております。そうして商人の方たちには危い橋を渡ることも知つている方もあるし偶に水を破るくらいのことは当り前だというような氣持を持つておる人もあるのでありますけれども、生活の手段のためには何をしても構わないという空氣があるに引き替えまして、主婦たちはその日、その日の生活をどうして行くか、今月の赤字をどうして行くか何しろ並大抵ではないと思いますけれども、とにかく当てがわれた一つの枠の中で生活して行かなければならない主婦たちにとりましては、本当にこれは大変な問題だと考えるのでございます。主婦たちの間にはこんな氣持の惡い思いをするのならば、いつそのこと統制を外して貰いたいというような声も往々あるのでございますけれども、全体の統制が外せないということでございましたならば、今のように、あの魚もこの魚もというように統制をしないで、一部の大衆魚、沢山獲れる魚というようなものにだけ限つて、それだけは正確に配給をして貰うというような方法でも採つて頂いたらどうであろうか。これは私たちの消費者たちの團体で得た結論なのでございます。その外に私共のグループといたしましても思想的な人たちの間からは、今の官僚統制がよくないのだから、これを民主統制にしたらよかろうというような声が往々ございますけれども、それならば具体策を一つ出して貰いたい。我々の仲間で審議しましようということになりますと、傾聽すべき具体策は今日までついぞ一囘も得たことがないのでございます。
 とにかく家庭の主婦といたしましては、本当に魚の問題には悩み抜いております。そうしてどこまでも配給業者は特権階級であり、泣く子と地頭には勝てないという氣持が消費者たちを支配しておるということを申上げまして主婦の苦労を本当に御了承して頂きたいと存じます。私の申上げますことはこれで終ります。
#21
○委員長(木下辰雄君) 赤坂繁太君。
#22
○証人(赤坂繁太君) 私も只今御意見を述べられたる村上さんと同じ純消費者の立場の者でありまして、その立場から皆さん方にお願いなり、又自分の希望なりを率直に申さして頂きたいと思います。併し私は、私個人の意見でなくて、我々と同じ苦しい生活をしている消費者たちが、日ごろどう訴えているか。今日ここに消費者として二、三を呼んでいるようでありますが、多くの消費者が集まつたらどう訴えるだろうかという氣持を私、心の中に念じ続けて、そうして正直に言えと初めに宣誓をさせられ、宣誓しましたので、言葉にも努めて衣を被せず、多少当り障りがあるかも知れないけれどもお役人の方々にも御了解願い、又参議院の政治家の方々にもお許しを願つて、一つ申さして頂こうと考えるのであります。私もこうしたお言いつけを受けましたので、少しでも勉強してお伺いしなければいけないと思つて参りました。
 私の家族は、実は今十一人おります。郷里におります二人を加えると、私は十三人の主人でありますが、そうした自分の立場なり、或いは私消費組合を共同して作りまして、今責任者の立場におりませんが、隣りの友人がやつておつてくれますので、その責任者の人にも相談をし、分らんながら市場にも参り、最近の配給状態について友人の方も調査しまして、実はお伺いしたのです。
 先ず第一にお伺い申上げたいことは今も村上さんも仰しやいましたが、今日の消費者というものは、実に弱い立場であるということをはつきりと皆様に御了解を願いたい。昔は消費者はお客様でありました。お客様氣分であることは惡いかも知れないが、魚屋さんの方から、或いは問屋さんの方から言えば、買つて頂く有難いお客様でありましたが、今日は配給して頂く、何と言いましようか、なんだか消費者という言葉が細民階級と響くような感じです。どんな物でも持つて來て頂く。いわゆる配給して頂く物を黙つてそのまま頂載しなくちやならない実情であります。
 元來私は配給という言葉が、これは私の主観かも知れませんが、あまりぴつたり來ないので、配給というなら、只呉れれば配給らしいけれども、取るだけの金は取り、品物は腐つておろうとどうであろうと構わないものを天降りに、いわゆる今日は強いて言えば天降り配給と言つて貰いたい。そうして今仰しやるように、魚屋に文句を言つて行けば、配給所に文句を言つて行けば、叱られるくらいが落ちです。その先どこへどう言つていいか、私は話は外れますが、今日労資問題で、資本家に対抗して労働組合というものができて、大分労働者の組合の方がいろいろやつておりますが、消費者の横断的な結束でもなければ、なんとも仕方がない実情にあるのであります。だから結論から言いますと、統制でもいい、自由販賣でもいい、どうでもいい。好い物を少しでも沢山消費者に届けて貰いたい。ところが統制をすると安い物が沢山配られるという方針でしようが、私は今の魚はちつとも安くないと思う。安いということは、品の好い物を沢山或一定の値段で買えたときが安いので肥料に近い物を或一定の値段で買わされる。私はこれは安いとは言えないと思う。今日の配給の魚を私は一構安くないと思う。鮮度から言つても、質から言つても、油断がならない。闇の魚の方が安いかも知れない。だからない中からでも闇をして買おうと思うのでありまして、私は人間は嘘も言うけれども、物を買うというときには、やはりない蟇口でも相談をして、腐つておるけれども値段が安い。片方は高いけれどもいいものだといつたら、闇に手が出たら、実質的な値段はそつちが安かつたのじやないかと私は考える。私実は市場に行つて驚いたのでありますが、某荷受機関の中に、これは商用があつて行つたので、私はそこに自分の親友もおりますから、そこの荷受機関を非難するのでも何でもない。又名前を発表することは遠慮しますが、腐敗魚送り届け先表というのがある。腐つた魚を送り届ける農業会、村、そうしたものが堂々と表になつて現われておるのが、東京中央水産市場と申しますが、私はこれは中央水産肥料市場というふうに変つた方が妥当じやないかと思つております。鮮魚市場でなくて市場から直接肥料に行くから、これは私は肥料市場であると思う。この十三日の新聞記事をいろいろ見た中で、私の見たのは「毎日」でしたか、見ておると安本が発表されたというわけではなく、安本の調査を新聞社が発表されたのでありましようが、その記事にははつきりと半分は腐つた魚だ。これは認められておられるのであります。これには私は驚いたのであります。間違つて腐つたのを肥料として、捨てるのは勿体ないから、農業会に送られるのであろうと私は考えておつたところが集荷される魚の半分は腐つておるのだという。これは私は何とも申上げようのないことだと思う。それには荷受機関の方にも、或いは指図機関の方にもいろいろ原因も理由もあると私は思います。ある証拠には、その翌日の東京新聞の夕刊でありますが、荷受機関の立場からの弁明がしてあるし、配給所の弁明がしてある。これは一應の弁明は立つでしよう、阿呆でない、馬鹿でないから、強いて好んで腐らせる理窟はないけれども、腐つておることは事実である。これは実に勿体ないことであるし、残念なことだと思いますが、そういうお前の近所はどういうふうな配給状態かと仰しやるでありましようから、これは御参考に私の属しておりまする配給所、これは消費組合の配給所ですが、その実際をあまり沢山調べて來ても、却て申上げると皆様御迷惑と思いましたから、八月、九月、十月を調べて來ました。八月五日に「たら」が二十九貫、電化燒が三十一本、六日に「しじみ貝」が九貫、八日に「くじら」と「たい」と合せて三十三貫、九日に「たら」が五十七貫、十三日に「にしん」と「かれい」と「しじみ貝」合せて七十六貫、二十二日に「塩いわし」「塩さば」が二十七貫、二十五日「かれい」「にしん」「いか」合わせて六十貫これだけが八月の配給であります。これを大体受配者の頭数に割つてみますと、一日平均四・五匁くらいに当ります。九月に入りますと、一日に「めじまぐろ」「かつを」「はまぐり」四十六貫、四日に「かつを」「塩かつを」「はまぐり」「しじみ」合せて三十三貫、八日に「くじら」「小だら」「塩いか」合せて三十六貫、九日に「かれい」が五十六貫、十三日に「しじみ」が十五貫十五日に「かれい」と「しじみ」「ちくわ」合せて四十貫、十六日に「まぐろ」「たら」合せて二十八貫、十七日に「冷凍かつを」十貫、十九日に「たら」二十四貫、二十日に「塩あかぜ」二十二貫、二十七日に「塩いわし」「塩さば」「はまぐり」「しじみ」「たい」合せて五十四貫、二十九日に「さば」と「あじ」で十六貫、三十日に「かじき」が十一貫、これが一日平均七・六匁くらいになつております。十月に入りまして二日の日に「小だら」が三十三貫、八日に「塩かつを」「赤がれい」「さつまあげ」「しじみ」合せて三十八貫、十一日「冷凍くじら」二十貫、十四日「塩ざめ」「塩いか」二十一貫、十五日に「しじみ」と「さつまあげ」二十二貫これが十五日までの状況で、それまでの平均は約五匁、鮮度で申しますと、八月は甲が一囘であります。八月八日にいわゆる「くじら」と「たい」の三十三貫が甲でありまして、他は乙又は丙であります。九月に入りまして、甲が三囘になつております。後は乙又は丙であります。八月は随分鮮度が落ちたときもありまして、而もこれは私の家庭でも中毒をしたこともありました。近所に中毒を起したこともあります。十月は全部甲は一囘もありません。丙が三囘、乙が二囘、これは私の属しておる配給所の主任をやつておる人は、非常な親交の人でありまして、実は自分は協同組合の常務理事をしておりますが、月額五百円で働いておりまして、もうこの組合のことに本当に一生懸命です。これは私は昨日、二三日前から合つて話したのでありますがこれが市場から配給される、それを正直に頂いて來たものだと申します、配給すると仰しやつたのを、入れませんとも申しませんし、余計なものを買いませんし、闇にも流しませんし、配給されたものをおれが正直に配給したのだ、ですから正直な配給所であれば、大体この程度の配給は行われている筈なのであります。若しそれよりも多ければ闇のものを配給したのでありましようし、これより少なければ横流しというようにも考えられる。或いは捨てたかも知れません。で私の他の区域を調べてみると、実に少い。中には月に二囘くらいしかないのがある。私はその問題は、一体これはどういうわけであろうと聽いたら、家の配給は比較的いいのだが、よそはなぜこうなのだろうと言つたところが、それはあまり穿つたような言い方をして惡いが、やはり何と言いますか、配給しても儲からないものは、配給するよりも他の配給所に配給権利を譲つて、そうしてじつと坐つて、幾らかの歩銭を貰つた方が骨を折らないで樂なのである。だからそういうふうにやつておるところもあるらしい。これは消費者こそ迷惑な話である、配給所の方では配給しないで他に譲つて歩銭を貰つておれば、こんな樂なことはない。事実こんなことがあるらしい。從つて消費組合の附近の魚屋は非常に勤勉で、消費組合に負けちやならん。組合に負けちやならんというので、惡い方法だけれども、闇のものでも買い込んで囘数を殖やすとか中には一日の配給量をわざと二日に配給して、配給の日数を殖やしてみるとか、頻りに考慮を用いてお客さんを呼ぼうとする。結局本当に正直な配給というものは、今日の業者の配給店では困難である。その点には又同情に値いする点もありまして、これだけの魚を一ケ月配給いたしまして、幾らの純益がこの消費組合にあつたか。八月にどれだけ、九月にどれだけ配給してあつたかというと、約三千六百円であります。卸マル公で頂いて、マル公で配給して大体三千六百円ぐらいの收益にしかなつていない。これは消費組合だからそれでいいのでありますけれども、これはいわゆる業者の配給所であつたならば、事実これは立ち行かないであろう。そこでいろいろなそこに技術が行われるのも仕方あるまいということを、この担当者は話しておりました。まあ聽いてみれば、私は業者の配給を受持つておられる方にも同情せずにおれないところもありまして、結局その配給所というものは、やつぱりなんと言いますか、やはり弱い。配給者に次ぐ弱い立場にあるのじやないかと思います。結局この統制というようなことは一つの力の現われでありまして、すべて力というものは何処に圧力が來るかと言えば必ず弱い所に及んで來るものであります。統制は大変結構なことであるがそれは余程愛憐に燃えた深切な本当に自分を殺してでも、自分の身を粉にしてでもやるというような統制をやればとも角、普通の統制というならば、普通の人が統制いたしますれば、どうしても力であります。力はどうしても弱者に重荷が掛かつて來るのは不思議なことではないと考えております。
 これは尚配給を受ける者の実情をちよつと申上げますが、安いと言われる魚の配給を受けられない。いわゆるマル公の魚の配給が受けられない経済状態に立至つておりますことも御承知置きを願いたい。配給をお断りする家庭は、必ずしもそれは鮮度が惡いからばかりでなく、買えないから断つております。中には今日主食の配給を受け兼ねる家庭がすでにできつつあることも申上げまして、私は現在のような状態で行つて、日本の経済状態が進みまするならば、マル公で配給さえしておれば國民生活は安定するという考え方は大きな間違いでありまして、マル公が買えない状態にすでになつております。私の友人が繊維会社をやつておりますが、今度もなんでも小学校の学童服がマル公で千七百円になると言つておりましたが、千七百円の学童服を着せてやれる親は極く少い方になりはせんかと思います。いわゆる消費者階級の、今日の生活というものは、この鮮度の落ちたその筋でお安いと言つておられる魚も買えない。主食の配給も受け兼ねる。そういう所にまで落ち込んで來ておることは私は御当局の方によく御了解を願つて置きたいと思います。
 然らば統制問題についてどういう結論をするか、統制を若しなさるならば本当に深切な温かい統制を徹底して貰いたい。若しそれができないなら、綺麗さつぱりと廃止して貰いたい。みんな廃止して貰いたい。けれどもみんな廃止するということは、いわゆる客観情勢がこれを許さん。いわゆる敗戰國の立場におりまする日本といたしましては、大きな声では言えませんが、その筋の了解だけの統制をしておる。これはできることならば大乘的な統制をいわゆる日本的な統制を私は賢明なる政治家諸公にお考え願いたいと思うのであります。
 具体的な專門の問題につきましてはここには皆專門家の方ばかりいらつしやいますので、私はああしたらよかろう、こうしたらよかろうということを自分でも考えてみましたけれども、そうした細々した自分の考は申上げないことにいたします。どうか消費者がそういう状態にあるということを先ず御了解願つて、尚私一、二この際御当局の方なり政治家の方に自分の卑見なり希望を申述べさして頂きたいと思います。幸い安定本部の方もおいでになつておるのでありますが、今の日本の政治の國民生活というものを一生懸命結びつけようと努力しておられるかも知れませんけれども、実に遊離しておる。政治は政治、生活は生活というような実際の状態にあることを身を以て体驗せざるを得ない現状であります。凡そ政治は経済に先行せねばならんというようなことを我々言うても見たり聽いても見たりしますけれども、今日は実に急速なるインフレの昂進のために、止むを得ませんけれども、國民の困窮生活と政治が隔たること十里、百里の感を深くするのであります。そうして配給の一面から見ましても、民主政治の名において今日政治が行われておりながら、具体的な実状は実に官僚的なものである。率直に言えば、配給所の魚屋さんがお役人のように、配給を受ける者には感ぜられる。人民のための政治ということと、実際の政治の実情とはあまりに距離が遠過ぎるように思います。いつの間に魚屋さんが、いわゆる昔型のお役人になつたんだろうと思うような感じがいたします。而もどこに責任があるか分らない。人民消費者の立場から言つたら、配給というものを、この魚の配給ということだけしましても、どこに訴えて行つたならば、どこに持つて行つたならば我々の惱みを解いて貰えるか。その見当がつかない。最近のいわゆる腐敗度の問題、或いは鮮度の問題等を新聞紙上において、こう見ただけでも、安定本部は安定本部の立場から物を仰しやつておるようだし、農林省は農林省の立場から物を仰しやつておるようだし、集荷機関は集荷機関の立場からそれぞれ一應御尤もなことを仰しやつておるに違いありませんけれども、消費者國民といたしましては、ちつとも何を伺つても腹に温かく響いて來ないような感じがいたします。ここにおいて私は幸い本日は参議院のこの室において、國民から大なる期待を持たれ、又乃公出でずんばと自ら任じて出馬された参議院水産委員長初め委員の方々に、私は率直にお願い申上げたいことは、今こそ御出馬になりました時のあの情熱を傾けて、命に換えて今日の日本の政治を建直すということに、今日までも御努力願つたに違いありませんけれども私は今一段の御努力がお願いしたいのであります。社会党が天下を取つたならば、物の面において、物質の面においてはとも角、社会の氣持だけでも、もつと何か知らん温かさが増すか知らんと思つておつたが、やはり社会党が天下を取つても実際の感じがそう來ないのは、私実に残念だと思つております。ここには社会党の議員の方々もおいでのようでありますが、私は公平な立場からと思つておりますが、そうでないかも知れない。自分の主観に堕するかも知れませんけれども、もう少し國民に納得のできる、言い換えたならば「いろは」で読める政治が願いたい。先般発表されました経済白書なるものにつきましても我々無学な者にはむずかし過ぎます。どうか私共は貧乏で、無学で、分らずやで、いわゆる民主政治のまだ「いろは」の「い」の字も勉強していない私たちが中にあるということを御了解の上に、國民に分り易い一つ政治を強くお願いしたいと思います。その意味から、本日のこの公聽会と、これは申すのでありましようか、私共証人ということでお召しにあずかつたのでありますが、これは憲法に基いてなされたように思うのでありますが、どうか國民の権兵衞、太郎兵衞の意見でも、どんな低いと見られる私共のような者の意見でも、いつでも参議院に行くと聽いて頂ける。この白堊の殿堂がなんだか知らんすばらしい堂々たるもので、近寄り難い殿堂でなくして、あそこへ行つて相談して來よう。俺は國のことが心配でならん。あそこへ行つて相談して來よう。俺の生活は何とも困るが、泣言を言うんじやないが、生活問題も御相談いたして來ようといつたようなことに、私はこの白堊の殿堂が七千万の國民から、実に親しまれる、温かい氣持でここが親しまれる殿堂になるように、参議院、衆議院諸先生の私は御努力がお願いしたい。遥かに眺めて、あれが國会か、傍聽券を頂かなくちや行かれないというようなことでなくて……。そこに私は初めて民主政治がこの白堊の殿堂から生れて來ると思う。失礼ながら現在この殿堂は、それ程國民に親しまれていないと思いますが、それに過去の政治の残滓がここにあるかも知れませんがどうか新しい國会を作つておられる皆樣のお力によつて從つて、この公聽的な制度がですね。或いは文書によつてもよし、言葉によつてもよし、而もいつでも聽いて頂ける。いつでも相談に乘つて頂けるということが、何らかの方法でできまするように、私はお願いしたいのであります。いわゆるここには耳の大きい方、視野の廣い方、そうして近視眼でない実に遠くまで見透せるすばらしい目とすばらしい耳とを持つて、そうしてすばらしい強い手と足とを持たれた方の私は殿堂になるように念じて止みません。殊に参議院の方々は幸いにしてと申しますか。三年乃至六年、とにかく解散という問題からはここに隔たつた、ここに私は参議院の独自性があると思いますので、どうか遠慮なく堂々と、一つ強力政治を実踐に、民衆にために御奮闘願いたい。然らざれば私は参議院も亦解散の制度を採つて設けて、これは民意に問うべきだと思います。
 最後に私は水産委員長初め水産委員会の方にお願いしたいことは、どうかこの敗戰のために領土を狹められました日本の國におきまして、この経済困窮の日本の國におきまして、偉大な水産対策を御樹立願いたい。土地は狹くはなりましたけれども、海も多少狹くはなりましたけれども、幸いにしてまだ海は土地に比較してそう狹められていないと思います。又許されて廣い海に乘り出せることもあると思いまするので、どうか本当に水産國策の樹立をここにお願いしたい。不幸にして日本には水産大学なく、近く生れもしましようが、今日まではそうでありません。そうしてその水産に携わるいわゆる漁師と言い、漁師の子と言つたようなことでありましたが、私は國家の力によりましてですね、いわゆる漁師と言いましようか、いわゆる水産士、技師とも言いましようか、そういう人が養成されますように、親譲り、兄譲りの漁でなくて、本当に新しい、日本水産國家建設をして頂く新しいここに一つの養成機関が持たれるように……。そうしてどなたかもさつき仰しやつておられましたが、強いてやらせるならば民間にやらせるばかりでなく、官にやらせたらどうかというお話で、私は結構だと思います。民間の方にもあらゆるいろいろな魚を獲るなり、昆布を採るなり、塩を採るなり、いろいろな民業を盛にして頂くと共に、國家の力でも私は願いたい。幸いにして海軍が要らなくなつたと申しましようか、持てなくなつたと申しましようか、とにかくなくてよい日本になりました。今日まで海軍に出て行つたような若者たちを私は集めて、船は小さくともいわゆる、軍國主義化するようなことの心配のないような、多少小さい船でありましても、優秀な船に打ち乘つて、廣く海洋をかけ巡つて國の富を海に求める。言葉が妥当でないかも知れませんが、氣持から言えば水産戰士というようなものが私ここに養成されることを願つて止みません。そのためには私は仮に名附ければ水産廳、水産省……。水産廳というような問題でできるのかも知れませんが、或いはもつと大きく水産省というようなものがここに考えられねばならんのでないかと思います。今日は農林省のお方がお世話下さつておるようでありますが、これは誠に御苦労さんでありまして、農林省の方に水産のことをお願いするのは、山に蛤を求め畠に魚を採るような感じがするのでありまして、やはり農林省は農と林とのことにしたならば、私はそれで精一杯で、今日面倒臭い問題ばかりありますので、ここに水産省というような大きな機構の下に、日本の水産國家建設のために御考慮願いたいと思うのであります。
 そうしてどうか私共細民が十何人の家族を持ち、十円の魚を買うのに苦心せねばならんような國民が実に多いことをお考え下さいまして、方法は本当にお委せします。統制がよいなら統制でもよし、自由がよいならそれでもよいのでありまするが、良い魚ができるだけ沢山頂けますように、御盡力願うようにお願いいたしまして、甚だ率直なことばかり申上げまして、而も言葉がわきに外れまして、失礼でありましたが、お許し頂いて、これで御免蒙らして頂きます。
#23
○委員長(木下辰雄君) 日本遠洋底曳網水産組合組合長井出正孝君。
#24
○証人(井出正孝君) 御指名に預かりました井出でございます。私の立場はどつちかと申しますと、生産者の立場が相当強いと思うのであります。又同時に東京都の最近の魚の入荷状況等に鑑みまして、極く僅少な部分でありますが、東京都にこのいわゆる遠洋底曳網漁業の魚獲物を特に余計に持つて來たいという生産者團体の念願から、引受機関を東京でいたしております関係から、同時に配給の部門も多少受持つておるような立場でありますので、それらの点から通じました見方、並びに多少從來から水産に関係しておりました者としての観察を加えまして、本日主題になつておりまする水産物、殊に鮮魚介の集荷配給の機構につきまして、意見或いは見ておりまする実情を申述べたいわけであります。現在の鮮魚介の集荷配給機構が樹立せられまして、まだ間もないのでありまするが、戰後一時自由になりまして、更にそれが戰後の生産の未だ囘復をしない当時の事情、実は順次急速度で生産部門が囘復しつつありましたのでありますが、その時に当つて、從來の戰時中の統制を外しました関係から、非常に一時魚の價格が騰貴するというような現象を呈しましたのであります。ただ半面において、相当に大消費地方面には入荷が当時あつたわけでありまするが、とにかく一般の勤労大衆としましては、当時の物價の事情、賃金の事情から見れば、なかなかあの價格で魚はこれを購入し難いというような事情等から、もう一遍更に統制の枠を順次入れて参りまして、本年更に現在のような強化された集荷配給の機構ができて、それが実施せられるということになつて、今日に及んでおるのだろうと思うのでありますが、私共当時からこの強化される機構ができまする際に、これはもう少し考えて行くべき点があるのではなかろうか。この点集荷配給の統制機構は、これは價格も同様の問題でありまするが、必ずこれは失敗に帰する。恐らくこれを希望される大きな原因は、消費者の部面にあつたものであろうと思うのであります。又現に本日この証人でここにおいでになりましたお方々の、その方面等のお話を承つても、そういう点に十分な期待を持つておられたように思うのであります。併しながら私共の見るところによりますれば、鮮魚介と申しますような品物、それは非常な貯藏力のない特殊な物であり、又生産の大部分というものが、非常に多数の地方にばら撒かれて生産せられ時期も非常にまちまちである。又その漁業の相当部分も、農業その他の如くに天候に支配されるが故に、収獲量の増減が、必ずしも直ちに前から予想されるわけに行かないというような生産部門が相当に占めておるというようなもの、かようなものを果して全國の重要な場所に指定の陸揚げ地を設け、そこでそこに出荷させて、それを一定の方策の下に正直に、大体消費者の多い地方に、その消費者の分量に應じて計画的に、それを指図して配給させて参る。出荷させて参る。そうすると出荷した物は、更に消費地において幾つかの荷受機関がそれを引いて参つて、更に一纏めにして地域配給の、末端配給へやつて参るというような、これはなかなかその作文上においては結構な、大層立派にできておる。それがその通りに実行されるならば、誠に消費者はこれに結構なものであるという期待を持つのでありますが、これは一面において生産事情にマツチしない即應しない、誠に生産者にとつては、生産が今後伸びて行くということを相当抑えることになるという傾向になる一面においては枠であり、又消費地にこれを持つて参る中間の各種の配給業者に取りましては、これ又價格その他の統制から、誠に仕事がしにくいというような事柄からも、正直にその通りにやつて参ることが、必ずしもできないというような実情があり、又末端配給においても同様なことであるというふうなこと、及び先程來いろいろお話のありましたように、魚の非常に腐敗の甚だしいというふうな特質から見ますれば、これの鮮度を保持して、できるだけ新鮮な物を限られた輸送力によつて、消費者へこれを到達せしめるという操作をしまするに当りましては、現在の如き公定価格並びに配給の枠の範囲においていたしまする場合においては、勢い正常の配給の過程に乘ります魚は、なんと申しても最も悪い物、言い換えれば非常に取れて、その地方地方においてあまつた魚を、どうしても大部分そのルートへ乘せて参るということにこれはどうも個々の産業が一面において自由にやるべき立場にある以上、これは無意識な間にそういうことになるわけであります。從いまして魚の鮮度保持というが如きことをいたします見地から見れば、逆なことに遺憾ながらならざるを得ないのであります。生産者方面におきましても、この魚がこれだけの手を掛けて、良心的に処理をいたして参るならば、その結果はこういうことになるということが、直ちに報いられるが如きそれぞれの仕組になつておりまするならば、從業者或いは漁業者相共に鮮度保持ということは勿論これは良心的にやるわけであります。殊にそれが消費者方面から、或いは中間の取扱業者方面からの刺戟、制裁が自由な時代においては、十分にありまするが故に、結局そうすることが最も生産者にとつて利益であるということになりますが故に、鮮度保持を十分にやるわけであります。ところが現在の如き制度におきましては、どこへやるということも指図せられ、而もその先も、同じ目方の物であれば、新しい物であつても古い物であつても同じである。よく水洗いをして送つた物、或いは増し氷をして送つた物であつても、それが比較的そうでなくて送つた物でも、十貫目はやはり十貫目に仕切られるということになりますれば、それだけの操作をこれに加えるということは余程特殊な良心的にやる、極く僅かな生産者以外に望むということはできないわけであります。さような点から考えて見まして、現在の鮮魚介の配給の機構の下におきまして、消費者に対して先程來もいろいろお話し、又御期待もありますが如き、優良な魚をできるだけ低廉な價格において供給をするというような趣旨に基くこの制度が、この本旨通りに行い得ない。むしろ逆な効果を來すということは、どうもこれはこの制度の運命的な止むを得ない点ではなかろうかと思うのであります。でそれをしまして、いろいろな方法で是正して参れば、できるではないかというふうな議論から又この制度が是認せられ、今日も十分に各方面から努力されて、支持をされておるのかとも思うのでありますが、その一つは、恐らく監督を嚴重に十分やつて置くということであろうかと思います。先程來もさようなこの種の仕事をやる以上は、全部監督取締りを徹底的にやつて貰わなければならんという話があります。考え方としては、そうなのかも知れませんが、恐らく生産の、非常な廣汎に互る、又取捌き方の一刻、一瞬を要しまする如き、かような何と申しますか、貨物の取引、取扱いに対して、日本全國の津々浦々から中央に至るまでの官憲を同じ心で果して抜け目なく監督ができるか。又これを政府の機関と相俟つていろいろ世話をする立場にあるそれぞれの機関も一体になつて、これに協力するというふうなことが果してできるかどうか。その点は非常に私は率直に申せば、その事柄自体が人間の大体情状に反する要求であろうと思うのでありまして、到底これを國民全体から支持を受けて、さような嚴格な監督を実現するということは、遺憾ながら私はできないのじやないか。これが実際に問題じやないか。そういたしますれば、一体この問題は、もい少し元へ立ち帰つて考えて見なければならないのじやないか。唯一の期待でありまする消費者の方に対して、この制度をどう運用して見ましても、消費者の希望に叶う。殊に大消費地、人口の多い場所におきまする勤労大衆の少い收入の中から購買力を出しまして、買取る大衆の重要な食糧として、今のような從來期待されておる如き結果は、これによつて到底望まれない。しますればこれをもう一遍根本から考え直して、要はさような消費者大衆に、生産せられた、日本全國で生産せられる相当分量の水産物が供給せられればよいということに、これは消費者側としてはなるものだと思います。私共都会の勤労者の一人として、消費者としてもそう思うのであります。としますれば、この問題は、全体をもう一遍振り返つて考え直して見て参る必要がある点が多いのではなかろうか。こう考えるのであります。それは一面において、生産方面をもう一遍能く振り返つて見る必要があるのではなかろうかと思うのであります。戰後一時水産の生産というものは非常に減退しおりましたが、最近はそれが囘復をして、生産力は非常に増大はしております。固より戰前の非常に水産物の供給の多かつた時代に比較すれば、まだ足りないことと思うのでありますが、先ず國内の消費地に充て得る分量としますれば可なり殖えておる部分があるのではなかろうかと思います。又現在の統制の桎梏の下にあるが故に、伸ぶべき生産が伸びずにおるというふうな方面が、この生産のかような制度の是正ということによつて更に一段と生産も上るというような勘定をも入れつつ計画を立つて参るということになりまするならば、一面において、生産を飽くまで増加して参るということと、それから要は消費者方面に十分に配給して参るという方法を講ずるということになるのではなかろうかと思うのであります。或程度生産が上つて参つており、又今後殖えつつあるという点から見ますれば、これらのものは、大体原則として早く、成るべく早い時期に價格並びに集荷、配給の機構をむしろ思い切つて撤廃するということが、結果においてよろしいのではなかろうかと私は思うのであります。大体水産物の如きものは、やはり各人のそれぞれの生産者から配給に至るまでのそれぞれの立場のものが、それぞれの力を持つて最も購買力の多い方面へ、自然にこれは供給せられて参るということになるのでありまして、その自然の原理を飽くまで建前のして参つて、この勤労大衆の購買力の、比較的他よりも弱い部面がありますればその点についての何等かの調節を加えて、その方面には、特にこれを十分に流して参るというような操作をその部面だけについてやつて参るというような考え方をいたして参つたならば如何かと思うのであります。
 大体そういうことを……、更に具体的に考えますれば、勤労大衆の購買力の比較的詰つておるところへ、とにかく重要なる蛋白食糧としての魚を或相当な條件の下に配給して参るという操作をいたしまするのでありまするから大体放つて置きましても、人口の多いところというものは、大雑把に言えばやはり需要の多いところであります。從いまして相当に生産が上つておりまする現状でありまするならば、各種の配給に当るもの或いは生産者が、配給をやるものというものは、大体そういうところへ向つて総ての魚の供給のサービスをやるものと見ていいのではなかろうか。そういう点から見ますれば大体論としてはそうなるのじやなかろうかと思うのでありますが、特にこの経過的な考え方としましては、漁業の中でも、先程全般的に相当部門の漁業は生産的に見ますというと、非常にこれを計画的に進めて行くことはむずかしい種類の漁業が大部分であると申したのでありますが、しかし一面において、又極めてこれに資材、その他を重点的に政府において見てやりまするならば、その部面の漁業というものは、要するにそれだけの働く資材というものを綜合的に國家が世話して参るならば、兎に角漁業をやつて相当の漁獲を上げて参る、引上げて参る、漁獲物というものは、非常に一遍に多量のものをそれぞれ一定の漁業の根拠地を持つて参り、その持つて参つた漁獲物は結局これは生産者の側としましても、必ずそれをいずれかに賣らなければならん。現在の如き制度の下におきましても、それらの漁業というものは、恐らく殆ど百%或いは百%に近い漁獲物の全量をよかれ、あしかれ現在の公定價格で現在の指定せられた配給機関に渡しておるのであります。これらの種類の漁業というものは、大体これは営業性の漁業であります。これらの漁業というものに対しまして、現在油とかいうようなものの面等リンク制で見ておりまするが、あんな程度でなしに、各種の不足資材があるわけでありますからそれらをいずれ闇で可なり調達しておりまする経営状態ですから、大体必要な分量を大体公定價格というような合理的な價格によつて、特に重点的にその方面に配給して参るというようなことをいたしまして、それによつて生産された魚は殆どこれを全部一定の價格水準の下に、一定のルートを通して大消費地に持つて参る計画に持つて行くということにして、それを勤労大衆に配給せられる魚の一つの中心にして放出して参るということにいたしますれば、その他の魚、沿岸性の非常に多数の分量に上りまする魚は又おのずからそれについて、それぞれの市場へ相当集まつて参りますれば、おのずからかようなものは特殊な財力のある者が買溜めをするということによつて、需給関係の自然な状態を狂わせるようなことは殆んどないのでありますが故に、おのずからそれに合せて、それとの間に適当なる魚の自然の効用價値において價格が決まり、又それが消費部面に配給せられて参るというふうなことに相成るのではなかろうかと思うのであります。そういうふうに魚の需給関係をおのずからの経済操作によつて一つの落ちつくところに落ちつくように、この体制を建て直して参るということが一番いいのではなかろうかと思うのであります。そこに至りますまでの間一時或いは現在のマル公よりも特殊な魚につきましては、價格が上りますことが出るかも知れませんが、又同時に現在の最近決められましたマル公によつて指定せられた如き價格では、自由な配給になりますれば、或時期を経ますれば、あの價格では到底消費者がこれを相手にしない。仮に相手にするにしましても、もつと効用價値のよい、鮮度のいいものでなければ相手にされないというようなことに大体なつて参り、おのずから全体の物價水準に合せたいいところに魚として参り得るのではなかろうか。固より全体の物價体制が非常に不安定で、不幸にしてインフレの如きことになりますれば、その全体に應じて魚の場合でも價格の水準は上らざるを得ないのでありますけれども、さような点が今後どうなりまするか、仮に一つの常に落ちつきを見せ得るものであるといたしますならば、その範囲において魚の占むべき地位というものが生産事情並びに大衆消費者の購買力というものから、おのずからそこに一つのバランスがとり得る。尚それに多少購買力の弱い点は今申した如き、特殊なものは國家が世話をして計画生産をし、計画に供出せしめ得る相当数量の漁獲物を大量的にさような消費地に持つて参つて、これを放出して参るというような考え方を合せて補正的にとつて参るならば、先ず現在の殆ど無意味と申しに近い配給統制機構を撤廃いたしましても、その副作用たる非常に物が高くなるというような面、或いは金のある者だけに魚が参つて、勤労大衆には手がつかんというような、曾て一度試みた際の如き危險は先ず起らずにその操作を割合に樂にやつて参り得る点があるのではなかろうかと思うのです。ただここに幾つか問題になりますのは、今申しましたような重要な、相当計画生産をなさしめ得る如き漁業に対しまして、その漁獲を全能力を発揮せしめるに足るだけの、各種の資材を政府においてこれを後見をし得るかどうかという点が非常に懸念であります。併し一面業者はなんとかして現在でも不足ながら、それらの資材を諸方から掻き集めて仕事をしておる実情から見まして、政府といたしましてここに御決心がつき得るならば、相当な資材を重点的にそういう方面に廻し得る操作も必ずしも不可能でない。私共から見ますれば、やればできることではなかろうか。それができまするならばこれらの漁業は相当な計画生産を上げその上げられた漁獲物はこれを挙げて一定の計画配給へ廻し得るのじやなかろうかと思うのであります。
 これを要しまするに、大体これらの統制の枠を外して、今申した如き本当に重点的に資材の世話を徹底的になし得て、漁業生産を計画的に上げしめ、それを全部挙げて一定の配給ルートに流さしむる如き漁業にのみ或種の統制をやつて参る。報奬的にやつて参るというようなことを残して、その魚を以て、操作的な魚として市場を一時調整して参つたならば如何かと、かように思うのであります。それと同時に消費部面におきましても、消費者はなんとしてでもよいから自分の方に魚が來ればよいのだ。これが実情であり、又心情でありますが、ただそれだけのことでなしに、さような体制を受けて、古くから申されておることでありますが、できるだけ生産者から消費者に直結するという消費者としての集團的な受入れ態勢を一つの生活協同の意識の下にやつて参る。それにこういう特殊な魚の如きものを取扱う技術というものを十分にみずから利用して参る心構え、態勢をとつて参るということにいたして参つたならば、この中間におきまする各種の思わない方へ反れるという問題、或いは生産者と消費者との間の價格の非常な距離のある問題等がそこに非常にきり縮まつて参り得る可能性があるということ、並びにそういうことをすることによつて、同時に商業的に魚の配給のサービスをいたしまする諸機関のサービスを十分に改善せしめ、刺戟して参り得るということに役立つわけでありますので、その点を同時に消費者方面としてはもつと具体的に考えて見る必要があるのじやなかろうかと思うのであります。これは私の方の水産組合が本年の一月、二月以來長崎とか下関、福岡方面のいわゆる大型底曳網の魚をできるだけ東京に持つて参りたいということで計画いたしました際に、これらの魚をできるだけ消費者に直結したいという念願で、いろいろ生活協同組合、或いは消費組合というものともう少しこれが結び付き得ないかということを具体的にも御相談をしたのでありますが、東京都の消費組合、生活協同組合においても可なり御苦心になつておりますが、遺憾ながら魚の取扱については、極めて幼稚と思われるのであります。私共のように生産者から荷をお預りして東京へ持つて來て賣捌くという見地から見て、果してああいう方々にこれをお任せしてどういうことになるか。一方において命をかけて荒海から取つて來た魚の配給賣捌きを委託されておる者としてああいうどうも、私共も素人でありますが、私共よりももつと素人つぽいお方々が大部分である方々に、これをお願いしてよろしいかどうかという点に率直に申せば非常に危惧の念を抱いたというような感もあつたのであります。その後それ等は非常に日進月歩で御訂正になつた点もあろうかと思いますが、当時はそんな実情があつたのであります。さような点を、これは東京都あたりにおきまする消費大衆としては、もう少しこれは地に即して、本当に鮮魚を扱つておつた、何と申しますか、技術方面の充実というふうなこともやりつつ、消費者としての要求を余程御期待なさらなければいけない点があるのじやなかろうかというふうに私共実は考えておる点もあります。これを要しまするに、私といたしましてはどうも現在の價格を含めました、全面的の鮮魚介の配給統制機構というものに対しては、非常な疑義を持つております。これが到底満足に所期の目的を達し得るものだとは思わないのであります。更にこれを強めて申しますれば生産方面においては、伸ぶべき生産をこれによつて可なり阻害されておる部面があるのじやなかろうかと私は思つております。
 固より生産が現在阻害されておる原因は、價格は勿論でありますが、資材の不足等もありまするが、公定價格並びに配給統制という制度に非常に阻害されておる点があるのじやなかろうかと思います。正直にこの配給機関に出しますものは非常な生産上の赤字になり、不正直に出しますものは、これは闇で行いまする関係で、大規模の再生産を考えて参るということなどは及びもつかないものであろうと思うのであります。これはその日暮しの漁業生産がこの制度によつて継続されて、むしろルートに乘らない魚の生産者方面は恐らく一種の縮小再生産の過程の入りつつあるのじやなかろうかと私は遺憾ながら思うておるのであります。かような状態に一方生産をして置きながら消費者に対する不満足な配給しかできないという面を考えますと、又消費者に対しては、殊に鮮度の落ちた肥料にも近い、結局生産地方面において、食い残り、使い残つたものが相当参るというような誠に情ない結果になつておるということは、今後その弊害の方面のみが助長して参つて、期待されたよき面というものが果して期待し得るかどうか、私としましては率直に申せば非常に疑問に思うのであります。簡単でありますが、私の意見はこれで終ります。
#25
○委員長(木下辰雄君) 中央水産業会理事幸田伴治郎君。
#26
○証人(幸田伴治郎君) 只今御指名を頂きました中水の幸田であります。先程生産者を代表せられまして井出さんからお話がありましたが、私は沿岸漁業者の立場から見ました現在の集荷配給機構のことについて私見を申述べるのであります。先程來御発言の方々の大体御意向は、現在の配給集荷機構は適当でないというような結論に達しておるようであります。率直に申しますれば、私も全面的にこれは賛成でありまして、実情に副わない、而も徹底してできない統制、これは勿論公定價格も含んでおりますが、而も又人間性を非常に軽んじたこの統制の様式は、決して永続きするものでもなし、これが完全に履行せらるべきものではないと思うのであります。そういうようにただ惡いということは知りますが、然らばどうしてこれを是正して行くかという問題でありますが、結論を言いますれば、この実情に副わない、又人間性を軽んじた公定價格の設定並びに配給機構は、今が撤廃するのが一番よい時期ではないかと考えるのであります。但し先程どなたか御発言もありましたように、日本の國情としては、今直ちにこの全面的の撤廃ができないといたしますれば、或枠内においてどういうようにこれを是正して行くかという問題が残されるのであります。只今井出さんからもお話がありましたように、私も或特定の魚種を限つてのみ統制をすべきであつて、全面的にこれを統制することは、却て混乱を呼び起す一つの動機になると思うのであります。いつか参議院或いは衆議院の方でも、價格の問題について御討議がありました際にも、こういう御意見が出たと私は拜聽したのでありますが、確かに大衆を目標として配給し得る確信のある魚のみを対象として公定價格を作り、配給機構の乘せて行く。その他はもつとフリーにすることがむしろ人心を安定し、もつと明るい國民生活ができるのではないかと思うのであります。その意味におきまして私は、今申しましたように或枠内でこれを是正しなければならんとするならば、一部分のものだけで後は撤廃して頂きたい。こう考えるのであります。
 この枠内で、それではどういうようにして現在の機構を改めるということが國民を安定せしむるか。又消費者にも生産者にも納得の行く機構であるかということを私見でありますが述べたいと思うのであります。結論として先ず申しますと、現在の荷受機関は最近複数に相成りましたが、私は今の情勢では無意味な複数制度であると考えるのであります。甚だ統制を嫌つておりながら、むしろ統制強化のように私は申すようでありますが、一つの枠を嵌められておりますので、その範囲内で言う議論でありますが、無意味な複数制をするよりも、単数にした方がよくはないかということを申上げたいと思うのであります。その理由は、只今政府におきましては、生産地においては一定の出荷計画をお立てになりまして嚴重な監督の下に、それぞれの枠を各都市方面、消費地の方面にあてがつておられます。從つてあてがわれたる各府縣又は六大都市は、いろいろの手を以てその荷引きをやることは当然でありますが、今のように一地域に、多いのは二十幾つもあるような荷受機関がそれぞれ産地に出かけまして、いろいろな甘言を用い、誘惑の手を差し伸ベました場合において生産者は非常に迷惑をいたすのであります。勿論現在の如き資材の裏づけのない公定價格におきましては、漁業生産は成り立たないために、或程度の横流しをするというようなことも行われるのでありますが、その原因は相当荷受機関の誘いによつて惹起されておるのであります。これは沢山あればあるほど、そういう魔の手が海岸へ伸びるのでありまして知らず知らずの裡に、漁業者は大きな罪を犯して法の裁きを受けなければならないような事態が各所に頻発しておるのであります。從つて私はそういうような一定の粋を嵌められた品物をお互の都市が取り合うならば、まだ監督もし易いのですが、一地域の荷受機関が幾つもそういうように魔の手を伸ばすようなことをするよりも、むしろもつと監督の行届くような一つのものによつて荷受をした方がよくはないかと思います。今の荷受はただ荷物を持つて來て指図機関による配給を掌つておるだけでありまして、何ら自己の意思を加えることのできない荷受機関であります。こういうのでは、ただ魚を扱うつまり操作場に過ぎないのでありますので、これは幾つあつても決して得にはならなくて害の方が多いと思います。その意味において恐らく單一制度の方がもつと生産者も安心して出荷もでき、且又無用の競爭を避け、手数料をどうしなければならんとか或いは経営が立つとか立たんとかいうようなことを言わなくて済むのではないかということを考えるのであります。末端配給の問題でありますが、これは先程消費者の方からいろいろ御説明がありましたように、どう考えて見ましても、決して明るいとは申せないのであります。度々われわれが集荷配給の機構を作る時に、都から呼ばれました時に申上げたのでありますが、もつと思い切つて、小賣業者を擁護するような方法ばかりを考えずに、公設市場なり或いは消費者の協同体を利用することを徹底的にしないかということを強く申上げたのでありますが、どういう原因かなかなか踏み切れず、今のような形が段々小賣業者が強化せられるような処置に出ておられるのは甚だ解せないところであります。その結果が結局我々消費者は泣いておるのであります。もつと明るい取引のできるような公設市場或いは協同体の販賣をさすような方向に向けられてもよくはないかと思うのでありまして、極端に申しますれば現在の小賣業者は全部公設市場に包攝してしまい、その他は消費者の協同体でやつて行く、二つの途を以ておやりになつた方がどうかと思います。生産者の方から見ますれば、今の小賣業者が、自分の出した魚の数倍かによつて消費者に渡つておる有様を見た時に、決して出荷意欲を削減こそすれ、増さないのでありまして、我々が苦労して獲つて來た魚が安く強制供出せられ、而もこれが消費者に高い迷惑な價格で賣られておるということは、決して生産者としましては喜ばしい結果でないのであります。その結果が供出を鈍らせ生産を減退せしめる結果になつておると思います。何と言いましても、一升の米をどう分けましてもやはり一升であります。現在の機構を根本的に是正する根本原因はやはり生産増強でありますので、生産意欲を増すように集荷配給機構を改善して貰わなければ、恐らく机の上のプランでありまして、実際に即しない結果を來すじやないかと思う。簡單でありますが私の意見を申上げます。
#27
○委員長(木下辰雄君) これにて証人の発言は一通り終了いたしました。証人に対して、委員の方から御質問なり御意見なりありましたら、御発言願います。
#28
○江熊哲翁君 生産者の方で、消費都市における荷受機関を経営しておる向が相当あるように見受けられるのでありますが、從來の業者を以て組織しておるところの荷受機関と、これらの生産者による荷受機関の間には、勿論相違点があるに相違ないのでありますが、実際において消費者側から見、或いは又荷受機関側から見て、どういう点が著しい相違であるかということを私共平素から注意いたしたのでありますがこのところを私は鳥海さん、赤坂さんの御言葉の中に二、三私共の氣を引くような御意見があつたので、生産者が荷受機関をされておるということによつて、何か他の從來の業者の荷受機関よりかこういうところが非常に良いと思うということを教えて頂きたいと、こう思うのであります。
#29
○証人(鳥海源一君) 只今江熊委員さんからお尋ねでありますが、私共横浜で荷受機関を作つておるのであります從來独占という関係がありましたものか、非常に荷引きに対して、ややともすると今までの單一の会社でありますと、荷が引けないと、自分の独善的な欠点は棚に上げて、直ぐに取締り官廳に行つて生産地の闇をつつくとか、或いはその出荷の担当をしております官廳の力を借りて、そうして生産者に小言を言わせるとかというような、精神的な面でも非常に何と言いますか、生産者に惡感情を與えておる向が多々あるのであります。それから例えば荷を持つて來た場合でも、勿論いろいろの面で物質的の協力を欲するのでありますが、そればかりでなく、折角骨を折つて持つて來てやつても、荷の操作について熱意がない。一時間かそこらで船から荷揚げが終るであろうと生産者は考えておるのに、二時間も三時間もだらだらやつて、それを早くやつて貰うように言えば、もう官僚的な態度で解決するような面があるといつたような、これは非常に皆さんからお考になれば馬鹿々々しいような問題でありますが、非常に單純な生産者は、そういうような点で非常に氣分を害するというようなことであります。そうして更に今度複数制になつたならば、昨日と今日とは全く打つて変つていわゆる掌を返したような態度で媚を賣り、或いは産地に酒を持つて出掛けて行き、或いはお遺い物を持つて行く。或いは船頭を料理屋に呼んで御馳走政策をするというようなことをやつておるというようなわけで、これに対して非常に人を馬鹿にしておるという感じを持ち、今までの機関にして却てそういうものが感じを害して、集荷の面に及ぼしておる面もある。こういうような問題が沢山あるのでありまして、勿論私共もそういう点は生産者の荷受を始めたらその問題が全部解決するとは考えておりません。不馴れの点で非常に生産者の方で迷惑をかけておる点もないではないのでありますけれども、そういう誠心誠意の生産者の氣持、それから又命懸けで獲つて來た魚を大事にする。先程お隣りの村上さんからお話が出ましたが、折角鮮度を良くして持つて來ても、それが足をかけられたり、或いは粗末に扱われるというような点が非常に生産者は精神的に苦痛なのであります。他の生産者と比べましたときに自分のが多少の鮮度は落ちておつてもやはり自分の方をよく見たり或はよいといわれることが非常に氣分的にいいのでありまして、そういう点で言うに言われない小さな面が、生産者とぴつたり行くというような点に私は特徴があるのじやないか。又それを特徴として今後もやつて参りたい、かように考えております。
#30
○江熊哲翁君 消費者の横断的結合体としての生活協同組合の問題については、消費者側として殆ど同意見のように拜聽いたしましたし、更に井出正孝氏においても、生産者代表という意味においても亦この問題に触れたのでありますが、この問題は今日の社会情勢としては、極めて重大な問題であると思うのであります。今日まで協同組合の仕事が思つたより活發に活動していないというふうに私共は見ておるのです。といつて私個人としましては、協同組合の仕事には重大な関心を長い間持つて來ておる一人でありますが、現在において、これだけ窮迫した実情においても、尚且生活協同組合の仕事が活溌化しない。消費者によつて強硬に取上げられて行かないということについては、如何なることが理由でありましようか、そのことについて今少しく具体的にお話を願いたいと思います。それは赤坂さんにそのことについて御意見を伺いたいと思います。
#31
○証人(赤坂繁太君) 感じております点だけ率直に申上げたいと思います。第一にこの協同組合なるものが、組織そのものは大体いいと思いますが、結局は運営する人にあるかのように私は考えます。私の属しております協同組合は、非常に小さい組合でありますが幸いに人を得ておりますので、少いとは申しましても、市場から配給を受けたものだけは少しも間違いなく運ばれて來るのでありまして、而も非常な薄給で満足しながら、さつきのお話のように魚の取扱いに消費者は全く慣れていないのでありますが、その慣れない仕事を最近実際は三人で事務を担当しておりますが、夜遅くまで、この間は夜十二時頃私の隣に事務所があるものですから、ちよつと通り掛つたところが、三人井戸端で何かしているので、どうしたんですかと聽いたら鰯が十七貫五百市場から入荷したということで非常に喜んで、まるで自分の子供等にでも食べさせる鰯が到着したように手入れをして、今晩の中にこれが配給できると、この鮮度が落ちないからいいのだけれども、明日になると少し落ちるがといつたような調子で、塩水に漬けて見たりなんかして努力しております。私はその献身振りに非常に感激を覚えたのであります。こういうわけで組合の仕事を担当する上の方の理事長とかそういう人よりも、組合の実務を担当する人に、こういう献身的な人が是非必要であるということと、次にはその人達を取巻いておる組合員が本当にその人達を信頼して仕事をお願いし又感謝の氣持で仕事をお願いして行く。又その三人の人達にできないときには、お互に力を出し合つて物の配給を援助するというふうに、協同組合というものは、結局組合の方式は誰が考えましても、どこでやつても大した差はないと思いますが、本当に協同の精神、親愛の精神で組合が結ばれておるかどうかということと、それに携わる人がどういう人であるかということにあると思います。同じ組合でありましても、うまく行つてない組合もあるのであります。それはやはり人の問題でありまして、悪いことはあまりいわない方がいいと思いますから、遠慮いたしますが、折角組合を作つても、あまり効果を挙げていない。物を取扱つても相当高いので、あまり良くないものが高い値段で取扱われるというようなことは事実あるのでありまして、乏しい体験でありますから、御満足の行くお答にならんと思いますが、これだけ申上げます。
#32
○委員長(木下辰雄君) 江熊委員の質問に対して、木下保雄君なにか御発言ありませんか。
#33
○木下保雄君 只今一旦御答弁でありましたけれども、更に私から附け加えさして頂きますならば、今までのところ、生活協同組合に対しては、纒まつた法的基礎がありませんでした。産業組合法によつて律せられておりましたけれども、古い産業組合の方は一應消費者が纏まつていろいろな計画をいたしました。それからむしろ物を配給したいと思つても、今の統制の中ではそれができない。そうして辛うじて魚と野菜などの配給機構が整備された。或いは規則が変りまして緒に就いたのでありますけれども、過去の日本における協同組合の歴史から見ますならば、魚や野菜から協同組合が手を着けて行くということは極めて冒險的なことである。從つて保存食料品から入るべきですけれども、今の保存食料品の統制規則では、産業組合法によつて認可は取れるけれども、事業権が與えられないところの協同組合を認可しておりますから、協同組合は動き出せない。そこに問題があろうと思います。
 もう一つの問題は、どこまでも零細な資金で動かしますからして、結局非常に資金が足りない。これに対して資金の援助をしておるような機関がございません。農林中央金庫が産業組合中央金庫の時代には可なりな援助がございましたけれども、それ自体が農林中央金庫という性格に変りつつあるので資金が足りないのです。
 それから最後的には、日本人自体私共がやはり協同組織体というものについては非常に遅れておるので、それ自体が勉強して行かなければならない、こういうふうに考えます。
#34
○江熊哲翁君 只今お話の出ております協同組合に対して、荷受機関として農林省で指定したのが全國に例をあるのでありますが、規則の上から行けば先ず大体ないのであろうと思いますがなにか強力な連合体でも作つて、特別な事情によつて認可したという事例があるのでございますか。尚又この問題は今日非常に大きい問題となつて、社会的に取上げられて議論されておりますが、この問題について將來農林省はどういうお考であるのか、私共の中小の消費都市におきましては、この問題が非常に強く議論せられ、一部の消費者達は、この際非合理的にも一應この段階を突破しようとするような心構えを以て準備している向もあるのであります。私共はこの問題はあまりに重要であるので、今日としては統制をやるということが止むを得ない段階とするならば、私共はこれによる以外に、生産者も消費者も活きる途はないというふうに、深く突き進んだ考え方を私個人としては持つておるのであります。併し政府はこのことに対して如何たるお考を持つておるか。このことについてお尋いたします。
#35
○政府委員(藤田巖君) 協同組合の問題でございますが、私はこの消費者の末端の配給ということを正しく行わす一つの手段としまして、協同組合というものを守り立つて行くということの政策は非常に良いことであると考えております。で、これはそれぞれの形態に、やはり一長一短があるのでありまして、殊に魚のようなものであります場合は、消費組合で扱いますことが、必ずしもうまく行くとも私は限らないと思いますので、やはりそこに消費組合あり、又小賣の商業者ありということで、お互にその特徴を発揮し合つて行くということは非常にいいことである。從つて我々としてはできるだけそういうふうな方向にこれを育てて行くことが必要であろうと思うのであります。ただ消費者の消費組合を作る方々或いは消費組合の方に私としてお願いいたしますのは、やはり消費組合自体がその本來の目的をよく考えて、そうしてその趣旨から仕事を運営して行く。そうして端的に申しますれば、これを理論の上でなしに実際の仕事の上において商業者よりも現実にうまく行くということを実際の上において現して行くということでなければ消費組合運動というものはなかなか発達して來ない。そういうような方面に一層の努力を拂つて行かなければならんのぢやないか、かように思つております。
#36
○尾形六郎兵衞君 私は山形縣の出身の者でありまするが、六大都市におきましては、格別のこの魚類の荷受けにつきまして優遇を受けております。例えば價格面におきましても報奬物資の面におきましても、金融の面におきましても非常に優遇に受けます。我々の縣は僅かに二十四里の浜を持つたために、今ぢや荷受けする金も借りることができない。六大都市は金を借りる順位が第一の乙とか、何とかいうことで我々のは第三位で丙種になつております。今銀行で金を借りたくても、借ることができない。実は私山形の郷里に帰る度に生産者、荷受者、消費者の声を聽いております。この間或荷受者と銀行から、尾形さん、君は何をまごまごしているのだというので、何を君は文句を言うのだ。こう言いましたらいや実はこうぢやないか、と言います。それで実は田舎の者はむしろ政府並びに東京を、露骨に言えば怨んでいる。やさしく言えば羨んでいる。こういう状態なんであります。然るにそういう優遇を受けております六大都市の荷受業者が多数ここに集りましての話を聽きましても、やはり統制に関してはあまり満足をしておりません。それから生産者を代表しまして井出氏も幸田氏もおられますが、この御両人のお話を聽いても、やはり統制に満足しておりません。特に幸田氏の如きは荷受けしますのに魔手が伸びるとか、或いは罪を犯すとか、法の裁きを受けるとか、こういう言葉を使わなければならん。この生産業者というものは、海に向う時は骨を折るということに努力を惜しむものではないが、魚を獲るということについて直ちに罪を犯すとか、法の裁きを受けるとかいうようなことでは、とても生産意欲というものは上るものじやない。それで消費者の御意見をお聽きしましたが、私は、非常に先程赤坂繁太氏よりも御叱正になりましたように、選挙しますときも私は水産行政の強化を図るために、できれば水産省の設置に努力したい。或いはお魚を増産して食糧問題の解決に当りたいということを私言つてありますので非常に責任を感じまして、いろいろ自分も微力を盡しておりまするが、どうもこの消費者に対して、それにつきまして報告しなければならん。この間詰らないものでありますけれども、自分でパンフレツトを作りまして、山形縣民に二千五百部配付しました。それにはこういうことを書いてあるからこれに対する意見を述べて貰いたい。これには去る七月二十四日におきまする水産常任委員会におきまして、魚價の問題、それから今の統制問題につきまして、私は相当詳しく平野農相に質問しました。それについての平野農相の答弁の速記を載せまして配つた。それに対する返事はむしろ私が消費者から攻撃を受けたのです。統制とか何とか言うけれども、大体魚の配給はないじやないか。こういうことであります。それで私どう考えましても、今の皆さまのお話をお聽きしましても、この魚價の問題でも水産物統制問題でも成功しておらないと思いますが、大分この問題は論議されておりますので、この辺で私共はお互に解決をしなければならん。政府当局からも解決をして頂かなければならん。その終末が近付いておると思いますので、今日は平野農相はお見えになりませんけれども、政務次官がお見えになつていたが、ちよつと席におられないのですが、何とかこの辺で打開するような妙手を官廳と我々も共に考えたいと思いますが、政務次官は見えられませんか、ここに……。
#37
○委員長(木下辰雄君) ちよつと衆議院の方に用事がありますので、お見えにならんと思います。
#38
○尾形六郎兵衞君 それじや水産局長に対しまして、皆さまお出でですから一應一つお話をして頂きたいと思います。
#39
○政府委員(藤田巖君) 魚の配給の問題につきまして、本日は生産者側、それから荷受機関の関係、小賣業者、消費者、それぞれの立場の方々から、いずれも実際の仕事なり、生活を通じての御批判を頂きました。お話の出ました点は一々私共といたしましては、御尤もと考え拜聽いたしておるわけであります。お話もございますように、魚の統制と申しますことは、本來が非常にむずかしい問題でありまして、それをやつておるのでありますが、技術的に非常に困難であります結果、いろいろ又欠陷が出て参りまして、私共の考えております通り参つておりませんことは、甚だ相済まんことであると考えておるのであります。率直に申上げますと、これは水産局長としての立場を離れまして、個人としての率直の意見を申上げますと、いろいろ我々のやつておりますことが、結局は生産者の方、或いは商業者の方にも満足は得られておらないし、消費者の方自身に対してすら、要らざる統制であるというふうにお考になつておられるのであります。個人の意見として率直に申せば、皆さんの氣に入らんことを何も好き好んでやるということは、これはもう本当に無駄なことであります。いろいろとそういうふうな意見が出れば、一そ外して見たらどうか。外してしまつた結果お互に又その時の事情でそれが良かつたか。惡かつたか反省したらどうかというふうな氣持も湧くのであります。
 併しながらこの問題は、私はこれは單に水産関係の者の立場からこの問題を取り上げて論じてはならないのであります。水産業というものが、日本の現在の経済再建の一翼を担つておる重大な任務を持つておる。すベての部門のものが決して満足をして、現在生業を営んで生活をしておるわけではございません。恐らくすべてのものが不満足ながらやつておるのでありまして、この際に水産業界の者だけが自由な立場で行動できるということは、ちよつとこれは困難だろうかと私共は考えるのであります。やはり我々は、現在のこの苦しい経済事情の下におります限りは、すべての者と同じようにやはり一つの條件の下に、或一つの大きな前提の下に、物を判断し、又拘束されて我々の生活の秩序を立てて行かなければならない。又産業経済の方向を決めい行かなければならんのでありまして外の人の立場を全然考えず、それ自体のものだけでやつて行くということもこれは非常に困難であろうというふうに考えるのであります。魚の値段の問題にいたしましても、我々はやはりこれは全体の物價体系の一つの問題であるということを、常に頭に置いて考えなければなりませんし、又統制後の魚の問題については、千八百円のベースの問題とも関聯をしておるということを頭に置いて考えませんと、そのやりました結果は、單に魚の問題だけに止まらずに、全体の経済なり、政治にも影響を來して來るという問題だろうかと思います。そこに私共がなかなか思うてできないいろいろ実行上むずかしい問題があるのであると思うのであります。先程來のいろいろ御意見としては、いろいろの立場からの御意見は、私共も了承するのでありますが、我々の立場から申しますと、決して我々は何も好き好んで統制をしておるのではありません。併しながらやはりこういうふうにやることが現在の経済事情から考えまして、日本の特殊情勢下における水産業のあり方として、どうしてもやはりこういうふうなやり方をやつて行かなければならん問題でなかろうかと考えますのと、もう一つは、やはりそういうふうなことによつて水産業というものが、この日本経済再建の一翼として大きな役割を達成するのだということを外の方々にも認めて貰える。それによつて初めて國家資金を要求することができ、それによつて初めて國家資材を要求することができる。自由勝手に振舞つて行くような形になりましては、そこに資金、資材その外のいろいろの需要を満しまする上に、要求します上に、又それに対して水産業の地位を主張します上に、非常に支障になるようなことがありましては、それは結局水産業関係者の安定を図り將來の発展を図る所以ではないというふうにも考えるのであります。
 私の感じておりますのは、水産の立場から見た意見については、いろいろ御尤もかと考えますけれども、日本の経済全体から考え、而も日本の特殊な情勢下における水産業の立場から考えて、役所としては行動し、判断をして行かなければならんのじやないか、かように思うわけであります。現在私共の考えておりますのは、やつております統制について、決してこれが完全なものとは考えません。いろいろ御指摘のございましたような不備な点が沢山あろうかと思います。こういうふうな点については、これを十分いろいろの方面からの御意見を伺い、そうしてこれを実際に即するように、うまい工合にやつて行くような方向を考えて行く。改善を加えて行くというふうな方向に、これを進めて参るということが先ず差当つて考えらるべき問題ではないかというふうに思つております。
#40
○千田正君 私は中座して、十分皆さんの御意見を伺う時間のなかつたことを遺憾に思います。只今の水産局長のお話を承ると、如何にも苦しそうなお答なので御同情申上げます。併し日本一般の全面的な経済からという問題になると、私から言わしめれば、現在の農林行政の一面を受持つところの水産局並びに日本の経済の、特に食料問題の一面を受持つところのこの水産物の統制機構の面におきまして、水結局の受持つておるところの責任の非常に重過ぎはしないか、ということを私は考えるのであります。と云うことは主要食糧の一面を、補充するという面から殆ど水産物という名の付いた物を、魚類の大半どころではない、九〇%近いものを統制の枠の中に入れておるというところに、大体矛盾があるのじやないか。これは皆さんが既に仰しやつておられると思いますが、先般も私は実地調査をして到る処でその声を聞いておる。私はこういう問題については、少くとも大衆魚の二、三の統制をして、他は外してもいいじやないかと思う。全体の経済から見て、その方がバランスが取れて行くと同時に、國民の負担を軽減し、生産と消費の面において十分なる経済の融通が図れる。こういう観点から見ましたときにおいては、私は全部を統制の枠の入れておるのを、二、三の大衆魚において統制をして、後は殆ど枠を外してもいいじやないか。この方がバランスの上から云えば日本経済の食糧対策においても、むしろマイナスでなくプラスの面に行くということを私は考えるのであります。
 詳しい問題については、私も後日この調査の報告を兼ねて十分に意見を申上げたいと思いますけれども、この点においてあまりに水産局方面が、農林省の行政の一面を担ぎ過きておる。同時に食糧対策という面から見ても担ぎ過ぎておる。むしろ却て枠を沢山持つておるために、マイナスの点が多いのじやないかという点を我々は再考したいと思います。この点につきまして、農林省御当局の御所信を伺えれば有難いと思います。
#41
○政府委員(藤田巖君) 加工水産物につきましては、丁度御指摘にございましたような考え方で、実は私共措置しておるのでありまして、從來加工水産物の殆ど全面的に亘つて統制をしておりましたものを、この度は九品種でございますか、十品種でございますか、その程度にいたしまして、それ以外のものについては、一應これを配給の統制を撤廃をする。こういうふうなやり方で考えておるのであります。それから又鮮魚につきましても、いろいろと御意見がございましたが、私共といたしましては一應「えび」「かに」「あわび」というふうな、こういうふうな特殊のものにつきましては、一應中央の價格というものはこれを作らないで、必要に應じて地方的に價格を以て措置して参るということにいたしておるのであります。我々といたしましても統制の限界ということは、これは十分考えて行かなければならん。あまり大きくやります結果、結局何にもならないということであつてはならないのでありまして、むしろ眞に統制を必要とするものを確実に抑えるというふうな統制方式を考えて参ることがやはり適当かと考えます。併しながら実際問題として、いろいろ技術的に研究いたしますと、眞に適当とするものを確実に抑えるためには、やり方といたしましてそれ以外のものを離してしまう場合には、折角抑えようとしたものまで抑えられないというようなことが起つて來るのであります。更にそこに統制技術の問題が起つて來るのであります。我我はそういう点について、尚今後一つ十分に研究をいたしまして、いわゆる統制のための統制の弊に陷らないように注意をいたして参りたい。かように考えております。
#42
○青山正一君 本日は水産業界における各先輩においで願いまして、私共いろいろな有益なお話を承りまして、誠に有難く厚く御礼申上げる次第であります。殊に先代なり先先代の水産局長であらせられた井出さんなり或いは寺田さんから、局長という官僚的に立場を去られた個人的な御意見を伺い、この席上においで願つておる官聽の係官も、やがてはその立場をとられると、必ずやこの御両人の意見と同様のお氣持を抱くものと想像いたしまして感慨無量、誠にその立場の苦しき点、御察し申上げる次第であります。併しながら現在における官僚統制は、先程からの皆さんの御説明にあつた如く、いずれの角度から眺めましても、失敗に帰しておることは事実で、これは必ずしも現在の大臣とか次官或いは局長、課長にその罪を帰するというわけには参りません。勿論今の大臣とか次官は水産方面にはその素養というものは零に等しく、立法府との受け答えもいわゆるメモによつてやつておるわけでありますから、私共水産関係業者にとつてそう有難たい存在だとは思つていないのであります。その点、局長には誠にお氣の毒だと考えております。又直接水産統制に関係ある水産課長も、あまりこの水産課長としての年限が長いだけに、その方式は一点のみに固執いたしまして、幾らか中毒症状を起しているのじやないかという欠点があるのみで、概して現在の行政面には統制の失敗という責任を帰するわけには行かないと思うのであります。むしろ前の農林大臣であらせられた千石氏、或いは木村氏がその罪万死に値いするもので両氏以來培養されました黴菌が今日では氾濫を極め收拾できないような結果だと考えておるのであります。その意味におきましてその線につながる井出さんも、或いは寺田さんなども、多少の責任を担わなければならん立場にあるのじやないかと思うのであります。とにかく水産界にとつて、今日程混乱しておる時はございません。生産者も出荷業者も、或いは卸賣の面も、小賣の面も、消費者の方も、あらゆる段階において、全く行詰りの状態で、ちよつとやそつとで解決はできません。誠に慨かわしい状態であります。日本國中、この魚の統制に絡むいろいろな問題で混乱を極め收拾はできません。これは断言できると信ずるのであります。ちよつと速記を止めて頂きます。
#43
○委員長(木下辰雄君) 速記を止めて。
#44
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#45
○青山正一君 かくのごとく混乱を極め、往年の米騒動と同じような魚騒動不祥事を起しやせんか、いやこのままに放つて置けば、必ずそういつたことになると信じます。これも無理ではない。政府委員として僅かに水産局長一人が孤軍奮闘しGHQなどの折衝も、局長ただ一人きり、これでは安本から農林大臣以下、局長、課長、首が三つありましても四つあつても足らん。匕首を突きつけられる結果となるのでありまして、大臣はいいが、氣の毒な局課長、そのままに、知らん顔の半兵衞で放つておいてよいものか。立法府の水産委員も一半の責任なきにしもあらず、私共水産委員も、天下の笑いものになろう。私共は笑いものになりたくない、場違いの安本あたりから摘発を受けたくはない。そこで私は、本日の会合を機会にこう言つたことを提言いたしたいと思うのであります。私共立法府といたしまして、最後の手を打ちたい。それは今後水産局長ただ一人の責任のみに委ねず、私共も行政府同様の責任を持つことである。又業者も責任を持つて頂きたい。業者の中には勿論消費者層も含まれるわけでありますが、つまり立法府、行政府、業者三者一体となりまして委員会のような形のものを作り、その委員会でこの統制規則を改善しよう。又GHQに当るべき事柄も、全部一應はこの三者一体となりました委員会において責任を取ることであります。勿論至極簡單ではありますが、つまり結論は、至極簡單であります。是非ともさようお取計らい願いたい。これは是非私の方から提言いたしたいと思いますが、委員長のお考なり局長のお考を承わりたいと思います。
 それから今一つ委員長にお願いいたしたいことは、本日ここにお集まり願つておりまする方々の、非常の貴重な御意見を伺つたのでありますが、これは私らばかりではなく、國民の声である。この貴重な意見を纏めまして、参議院の決議といたしまして議会に出して頂いて、そうして農林省あたりが十分に仕事をやりやすいように拍車をかけて頂きたい。これは水産委員全部の御意向であろうと思うのであります。是非そういうふうにお願いいたしたいと思うのであります。
#46
○委員長(木下辰雄君) 第一段の青山委員の御発言中、官界と水産常任委員と業者との間で委員会を作りたいという御発言でありますが、それは水産常任委員会として参加するのであるか。或いは常任委員の中からメンバーを選定して、そういうものに入ることになるのか。どちらかお聽きいたしたい。
#47
○青山正一君 やはり議員としますと非常に狹められます。狹められるじやなし、いろいろ法律によつて掣肘を受けることになりますから、水産委員会とかいうようなふうの意味じやなしにいわゆる立法府の方のそういつた適当の方々があれば、そういうお方、或いは業者、或いは一般業者の中から適当の方を選んで委員会というものを結成しまして、そうして局長のやりやすいように、つまり行政府がやりやすいように、この水産廳の問題、或いは價格の問題、或いは統制改善の問題、そういつた問題を一つ研究してやつて頂きたいと思います。
#48
○委員長(木下辰雄君) 第二の問題は本会議に決議案として出したいという御意向のようでありますが、それは小委員会がまだこの問題について決を採りませんから、今日のこの公聽会的の催しも、実は小委員の催しであるべきであつたのですが、地方の実地調査に行かれた結論と、今日の結論とを小委員会において纒つて貰つて、その結果として小委員会で十分練つて頂いて、本委会員に報告して貰つて、その上で何分の処理をしたいと存じます。
 外に御発言ありませんか。
#49
○大畠農夫雄君 先程來の証人の方々の御証言によりまして、大体においては了承はしたのでありますが、一点ちよつと腑に落ちないところがあるのでこれは中央水産業会の幸田さんにお聽きしたいと思います。
 生産業者から見た場合に、消費者に渡るその價格は心許ないほど高い。こういう御意見があつたのでありまするが、先程外の証人の御証言によりますると、荷受機関は三分手数料があつてこれでは安い。又外の証人の方の御証言によりますと、小賣人は一割七分の利益率があつて、それでも尚且やりきれない。こういうふうなお話があつたのであります。その際にこの三分という手数料と一割七分というこの利益率を合せて、消費者面に與えるところの價格が、生産業者の見た場合に甚だ心許ないほどの價格なのか。これをちよつとお聽きしたい。
#50
○証人(幸田伴治郎君) 私の申上げましたのは、公定價格で入るものは、今までの規定の手数料によりますから、そう高くなつていない筈であります。但し何と申しますか、闇的の行爲で消費者に渡されるものが相当あるのであります。これは我々消費者が毎日直面しておる問題で、その率が何倍になるかということは、場所によつて違うが私共らが買つておるものから見ると、相当高くなつておる。
#51
○大畠農夫雄君 はつきりお聽きします。闇行爲による價格によれば高過ぎるというわけですね。
#52
○証人(幸田伴治郎君) さようでございます。
#53
○大畠農夫雄君 分りました。
#54
○委員長(木下辰雄君) 外に御発言ございませんか。
 それでは本日の委員会はこれで閉会いたします。
   午後三時三十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           遠山 丙市君
          尾形六郎兵衞君
   委員
           大畠農夫雄君
           松下松治郎君
           加藤常太郎君
           青山 正一君
           岩男 仁藏君
           江熊 哲翁君
           三好  始君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
   経済安定本部副
   長官
   (第四副長官) 田中己代治君
   農林事務官
   (水産局長)  藤田  巖君
  証人
  東京都港区芝海岸通一ノ二〇
   中央水産会理事 幸田伴治郎君
  東京都港区芝海岸通一ノ二〇
   東京魚商業協同
   組合理事長   塩澤 達三君
  東京都港区芝海岸通一ノ二〇
   東京都水産物荷
   受機関連合会理
   事長      寺田 省一君
  東京都港区芝海岸通一ノ二〇
   中水魚市場株式
   会社社長    佐野 寅雄君
  神戸市中央市場内
   兵庫魚類統制株
   式会社社長   木原 仙松君
  横浜市中央市場内
   横浜水産物荷受
   株式会社    鳥海 源一君
  京都市中央市場内
   京都魚類統制株
   式会社社長  橋本善左衞門君
  東京都千代田区丸ビル四階
   日本遠洋底曳網
   水産組合組長  井出 正孝君
  東京都豊島区高田南町三ノ八〇三
   日本協同組合同
   盟理事     木下 保雄君
  東京都港区芝公園二五号安蓮莊
   新生活協会常務
   理事      村上ヒデ子君
  東京都杉並区上高井戸三ノ五三六
           赤坂 繁太君
ソース: 国立国会図書館
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