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1972/04/25 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第14号
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1972/04/25 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第14号

#1
第071回国会 逓信委員会 第14号
昭和四十八年四月二十五日(水曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 久保田円次君
   理事 宇田 國榮君 理事 小澤 太郎君
   理事 梶山 静六君 理事 金子 岩三君
   理事 羽田  孜君 理事 阿部未喜男君
   理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君
      内海 英男君    渡海元三郎君
      楢橋  渡君    長谷川四郎君
      本名  武君    金丸 徳重君
      久保  等君    森井 忠良君
      米田 東吾君    平田 藤吉君
      田中 昭二君    小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 廣瀬  弘君
        郵政省簡易保険
        局長      野田誠二郎君
        郵政省人事局長 北 雄一郎君
 委員外の出席者
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
四月十九日
 身体障害者のテレビ受信料免除に関する請願
 (羽田孜君紹介)(第二九九五号)
 同(廣瀬正雄君紹介)(第二九九六号)
 同(伊能繁次郎君紹介)(第三〇八七号)
 同(笠岡喬君紹介)(第三〇八八号)
同月二十四日
 身体障害者のテレビ受信料免除に関する請願外
 一件(宇田國榮君紹介)(第三四一二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第三三号)
     ――――◇―――――
#2
○久保田委員長 これより会議を開きます。
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平田藤吉君。
#3
○平田委員 私は、最近問題になっております簡易保険の勧誘をめぐる問題についてお尋ねしたいのですけれども、その前に、幾つか聞かせておいていただきたいことがありますので、ひとつ簡潔にどなたか担当者の方にお答え願いたいと思います。
 まず最初に、日本の生命保険の中で簡易保険の市場占有率、これは四十六年度末でどれぐらいであるか。
#4
○野田政府委員 正確には申し上げられませんが、大体全保険契約のうちの二、二%程度か、このように思います。
#5
○平田委員 民間と農協の生命保険共済ですか、この比率はどれくらいになるでしょうか。
#6
○野田政府委員 失礼いたしました。先ほどの答弁を訂正させていただきます。市場占有率につきまして、四十六年度末、無審査契約だけについて申し上げますと、件数と金額と分かれますけれども、簡易保険の市場占有率三四・一%、金額にいたしますと二二・九%、こういうことになっております。これは民間がおもに売り出しております有審査保険も含んでおります。
 お尋ねの民間生命保険及び農協の生命共済について申し上げますと、市場のシェアが民保が件数で五九・三、金額で六六・八でございます。農協について申し上げますと、件数が六・六、金額が一〇・三、こういう数字になっております。
#7
○平田委員 数字が少し違うようですけれども、生命保険全体の占有率の問題ですから、そこのところはひとつ、もしいま数字が出なければあとで出していただいてけっこうです。
#8
○野田政府委員 先ほど申し上げましたのは無審査保険だけでございますけれども、四十六年度におきます保有契約のシェアを申し上げますと、先ほど申し上げたとそう変わっていないようでありますが、簡易保険が一〇・九でございます。民間生命保険が八一・九、農協の生命共済が七・二、こういう数字になっております。
#9
○平田委員 発達した資本主義国、特にアメリカではいろいろな保険があると聞いておりますけれども、どんなものがあるか。特に日本ではまだ売り出していないもの、とりわけ生命保険でおもなものについてお聞かせをいただきたい。
#10
○野田政府委員 詳しく調べた資料がございませんけれども、一応現在日本でまだ発売が認められておりません特異な保険の種類といたしましては無配当保険、これがアメリカでは相当売られておるようであります。さらに特徴的なものといたしましては、いわゆる保険の一つの種類としましての年金保険のうちで、エクイティーといいますか、ある程度物価にスライドするシステム、これは一時払いの保険方式ではなくて、年金システムがアメリカでは非常に売れておるようでありますが、変額年金保険。いま申し上げましたこの二つの種類が現在わが国では発売されていない種類か、このように考えております。
#11
○平田委員 個別定期保険や疾病保険というのは日本ではずっと前から出ておるのですか。
#12
○野田政府委員 民間の生命保険におきましては、疾病につきましては大体の生命保険会社が特約として発売をいたしております。小口の定期保険につきましてはそういう営業をしておりますけれども、実際上ほとんど販売が伸びていない。定期保険につきましては主力は団体定期及び集団定期保険、こういう種類でございまして、個別定期保険のばら売りというのはほとんど伸びていない。ただし商品としては用意してある、こういう現状であります。
#13
○平田委員 対米従属のもとにある日本経済は、アメリカの経済動向に絶えず左右されております。アメリカの要求に従う政府は資本の自由化に踏み切ってきました。この資本の自由化が日本の経済に非常に大きな影響を与えていますけれども、いま日本に米国系の生保会社は幾つぐらい支店などを置いているか。これは資本の自由化とのかかわり合いで特に注目しなければならないものだと思いますが、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#14
○野田政府委員 現在のところ、わが国の保険市場におきます外国資本の生命保険会社の進出に二つの形態があるというのは御承知のとおりと思います。
 第一は、昭和四十四年の三月に生保事業の資本自由化が、これは五〇%の自由化でございますが、実施されたことに伴いまして、四十七年の八月に外国の保険会社と国内の生命保険会社とが資本五〇%ずつをもって設立しました平和オクシデンタルという会社がございます。
 第二の形といたしましては、外国保険事業者法に基づきまして、在日外国人を対象として営業しました外国の生保会社に対しまして日本人向けの営業を認可したものでございまして……(平田委員「とりあえず幾つあるかだけ言ってください」と呼ぶ)日本人向けの営業を開始しました。外国生命保険会社が十八社ございます。日本人向けの営業を開始しましたのはアメリカン・ライフ社一社。しかし日本に駐留する米国軍人軍属、その家族または在日外国人を対象とした生命保険を営んでおります会社は、いま申し上げましたアメリカン・ライフ社のほかに十七社ございます。
#15
○平田委員 これらのアメリカの保険会社と日本の生命保険会社との業務提携などはどのくらい行なわれているか、またその準備状況はどうか。
#16
○野田政府委員 アメリカと資本を持ち寄りました合弁会社は、五〇%ずつの平和生命とアメリカのオクシデンタル社が設立をしました平和オクシデンタルという会社が一つございます。これは生命保険事業を営む会社ではございませんで、平和生命保険会社の商品を販売いたしますいわゆる生命保険の販売会社でございますが、その活動は目下活発ではございません。国内の生命保険事業に対する影響はさしたるものはない、そのように判断をいたしております。
#17
○平田委員 アメリカ系のいま言われた保険会社が、日本人向けの商品の販売を準備しているというふうに聞きますけれども、事実ですか。
#18
○野田政府委員 先生がおっしゃいました会社は、ただいま申し上げました平和オクシデンタル社ではございませんで、アメリカン・ライフ社という会社が、先ほど申し上げましたように、ことしの二月一日から、全額アメリカ資本でございますが、日本人向けの生命保険の販売の営業を始めております。先ほど申し上げましたような無配当の定期保険なり養老保険なりというものを売り出すということで、営業開始をいたしたばかりでございまして、これまた先ほど申し上げた平和オクシデンタルと同じように、まだ始めたばかりでございます。当面さほどの影響はない、このように判断いたしております。
#19
○平田委員 これらのアメリカの生命保険会社の進出は、いま聞くと、当面さしたることはないというようにおっしゃっていますけれども、しかし生命保険業界ではこれはたいへんセンセーショナルなできごとになっておりまして、大問題になっているはずであります。あなたは、たいしたことはないというふうにおっしゃいますけれども、簡易生命保険にはたいしたことがないとおっしゃるのか、業界全体から見て、その及ぼしつつある影響、どんな影響を与えているか、それは今後の展望との関係で影響を与えていくわけなんですから、その点についてどう見ているか、お答え願います。
#20
○野田政府委員 アメリカ系資本の生命保険会社の日本に対します進出につきまして、現在のところそれ自体の影響としてたいしたことはないということを申し上げたのでございまして、取り扱う保険商品の内容が、保険料の高額割引あるいは無配当の定期保険、無配当の養老保険等、わが国では初めての特色あるものを扱おうとしております。そのほか災害保障とか災害死亡給付などいろいろな特約をつけまして、自由にそれを組み合わせて売るいわゆるオーダーメードというような商品を発売しようとしております。そういう意味で、現在のところは影響はありませんし、これ自体の会社の営業といいますのは、少数の外務員と代理店、東京を中心に営業を開始したばかりであるということから、さほどの影響はないと私は申し上げたのでございます。しかしながら、わが国では売っておりませんいろいろな商品、あるいは保険料が相当程度安いというようなところから、わが国の国内の生命保険会社も一応、監督官庁の保護行政といいますか、そういうものから離れまして、最近は競争原理の導入というようなことで各社非常に競争が激しくなっておりますが、いま申し上げましたアメリカ系の会社で売っておりますいろいろな商品の種類の特色を取り入れ、新しい保険種類の開発なり、あるいは募集技術の向上というようなことで、国内の保険会社相互の競争なり営業の態度等には相当の影響を与えるだろう、このように考えております。したがいまして、簡易保険といたしましてもそういう影響というのは当然受けるわけでございまして、これに対応する対策としては、やはりいま申し上げました国民の保険需要にマッチした新しい保険種類を創設していく、あるいは制度内容の改善をはかっていく、こういうことに真剣に取り組んでいかなければならない、このように考えております。
#21
○平田委員 大まかに言って、日本の生命保険業界はそれにどのように対応しようとしておるか、お答え願います。
#22
○野田政府委員 当面の問題としましては、やはり商品開発の競争が相当激化するだろうと思います。そのことによって対応していこう、このような方向が打ち出されていくのではないか、このように考えております。たとえば、配当と保険料、この関係をどうするか、あるいは保障の内容をどうしていくか。いずれにいたしましても、二十社の民間保険会社がございますが、いま申し上げたような方向で相当競争が激化するだろう、このように予想されます。
#23
○平田委員 こうした状況のもとで郵政省は簡易生命保険をどのように対処しようと考えておられるか。
#24
○野田政府委員 私ども考えております基本的な路線といたしましては、やはり簡易保険は国営の保険でございまして、全国各地にあります郵便局を窓口にいたしまして国民にあまねく浸透をしていく、あるいは保険の従業員は国家公務員でありますので、そういう信用というものを背負いまして、また日進月歩の社会経済生活のこういう条件を踏まえまして、国民の保険に対する需要、ニーズというものは非常に激しく動いていこうと思いますから、こういうものを十分見きわめまして、言うならば簡易保険の使命というのはやはり国民全般でございますので、国民全般を対象にした、また需要があります保険を発売していきたい、基本的な態度としてはこういう方向でいきたいと思っております。
#25
○平田委員 そのことについて幾つか主要な柱を立てておられると思うのですけれども、三つあるか四つあるか知りませんけれども、あげてください。
#26
○野田政府委員 簡易生命保険が使命としております確実な経営によるなるべく安い保険料、しかも簡易な手続で国民に生命保険を提供するということが簡易保険の生命でございます。ところが、昭和二十一年に簡易生命保険の独占が廃止されまして、一応いまの立場といたしましては、先ほどから話が出ております民間生命保険なり農協の生命共済と自由な立場で、自由競争という立場に立たされておるわけでございまして、そういうところから、たとえば資金の運用面等々につきましても相当の制約があるわけでございます。さらには商品内容を決定的に制約をいたします被保険者一人当たりの保険金の最高制限額の法定というような事実もございます。そういういろいろな制約の中でありますが、簡易保険が使命とします確実な経営、できるだけ事業費を切り詰めて、その切り詰めた事業費を契約者に還元をしていく、そういうことによって、できるだけ契約をうんととって保険料を安くしていく、さらに資金の運用等につきましても、できるだけ運用範囲を広げて、できるだけ運用によります収入を大きくしていくというようなことで、要するに加入者各位、これはほとんど国民全般に近い数字でございまして、そういう方々の経済生活の安定なり、福祉の向上に資していきたい、こういうのが基本になっておろうかと思います。
#27
○平田委員 では次に、簡易保険の掛け金はおもにどこへ使われていますか。
#28
○野田政府委員 御承知のとおり簡易生命保険の積み立て金、これは将来契約者に対する保険金なり還付金、配当金に回さるべき金が積み立てせられておるわけでございますが、この運用につきましては、積立金運用法という法律によりまして運用先が法定をせられております。現在のところ、簡易保険自体として運用しております金額は、契約者に対する貸し付け、これがあるだけでございまして、その他は全部ただいま申し上げました法律に基づいて運用をせられております。約三分の一が地方公共団体に対する貸し付け、約三分の一が債権の購入、これは国債、公債等債券の購入、その他三分の一が三公社五現業等々に対する貸し付け、こういうことになっております。
#29
○平田委員 法律に定められたことに従って貸し付けておりますということですが、その貸し付けは現在田中内閣が進めている施策に合致しているというふうにお考えですか。田中内閣の施策のうちで、いま田中内閣自身が特に力を入れている点に合致しているかどうか。
#30
○野田政府委員 四十八年度からの資金運用部資金、それからわれわれの簡易生命保険の積み立て金の運用につきましては、御承知のとおり新しい法律ができまして、五年以上の長期にわたります資金の運用につきましては国会の御審議を仰ぐことになりまして、またそのようにして本年度の財投計画というのは決定をせられたわけでございます。いわゆる政府の方針といいますか、その重点とするところに大体向いておる、われわれこのように判断をいたしております。
#31
○平田委員 それは田中内閣の日本列島改造、いわゆる超高度成長政策にも見合っておるのかということについてお答え願います。
#32
○野田政府委員 財投の、これは資金運用部資金も含めましてでございますけれども、最近の国の方針が経済成長ということから国民福祉の向上ということに重点が指向せられておるようにわれわれ考えておるものでございます。簡易保険の資金も四十八年度あたりの決定のされ方を見ますと、国民福祉の向上といいますか、より国民の生活に近い部面に非常に多くのウエートがかけられて財投の計画が組まれている。特に簡易保険の性格といたしましては、やはり本来的にはこの資金というのは加入者のために使われるべき金でございます。大蔵省の資金運用部資金の運用先よりもなお簡易保険の資金としては国民の福祉というほうに回っておる、これは数字が示しておる、われわれはこのように判断しております。
#33
○平田委員 福祉のほうへどれくらい回っていますか。いままで、つまり前年度と比べて比率がどんなように変わりましたか。
#34
○野田政府委員 この財投使途別分類のうちで、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業、これがわれわれ考えております国民の福祉といいますか、生活関連ということで、四十八年度の数字が一応出ておりますが、現在四十七年度等の数字は手持ちございませんので、後ほど調べまして御回答申し上げたいと思います。
#35
○平田委員 では次に、なぜ簡易生命保険法の一部改正が必要となったかということについてお答え願います。
#36
○野田政府委員 先ほど御指摘の簡易保険の積み立て金運用計画の財投計上分使途別分類、先ほどちょっと回答を保留いたしましたけれども、資料がございました。四十七年度二千九百二十六億円でございまして……(平田委員「比率でちょっと言ってみてください」と呼ぶ)四七・一%が四十七年度でございます。四十八年度におきましては、これが五一・九という数字になっております。
#37
○平田委員 さっきあなたが言ったことですね。
#38
○野田政府委員 そうでございます。六つの項目でございます。
 それから簡易生命保険法を改正いたします理由につきましては、内容が三つございますけれども、これを三つひっくるめまして申し上げますと、最近の国民の保険に対します需要といいますか要望が、安い保険料で大きな保障、こういう方向に動いております。御承知のとおり生命保険につきまして、保障機能と貯蓄機能、この二つの機能があろうかと思います。従来わが国におきまして、特に簡易保険が対象とします階層におきましては、この貯蓄に対する要望が相当大きなウエートを占めております。貯蓄でございますので当然に保険料は高くなります。しかし、生きているうちにそれが返ってくる貯蓄に対する要望が強かったわけでございます。最近は安い保険料で大きな保障、死亡の場合の保険金が非常に多いということについての要望が強い、こういうことにかんがみまして、簡易保険としましては、たとえば定期保険、それから家族保険等も同じでございまして、安い保険料で大きな保障を得られる保険種類を創設をいたしたい。
 それから疾病傷害特約につきましては、御承知のとおり三年前に傷害特約を発売いたしましてから非常に好調でありまして、新しい契約のほとんど全部に傷害特約がついております。ところが、これは傷害特約でございますので、むしろ傷害よりもチャンスの多い――チャンスが多いというとおかしいのですが、疾病の場合に対する簡易保険の保障というものはございませんし、これはわれわれの市場調査、あるいは需要動向調査等によりまして相当国民の間の要望がございます。そういう要望にこたえる意味で、疾病による入院についてこれを保障するという意味で疾病特約を設ける。以上申し上げたのが今回の法改正の理由でございます。
#39
○平田委員 ずっとお尋ねしていきましたけれども、結果として全体を見てみますと、今度の一部改正案なるものは、一部はやはり国民の要求にこたえたものといえる。あなたがおっしゃったように、そうだと思うのです。しかし大局的にいまずっと明らかにしてきましたように、改正の大きな要因となったのは、資本の自由化に伴ってアメリカ資本が日本に進出し、生命保険業界にもその手が伸びてきたことにある。それは日本の生命保険業界に重大な影響を与え始めており、業界の激しい競争を巻き起こしているわけです。昭和四十四年三月、先ほどあなたがおっしゃったように五〇%の資本自由化に指定されてから、いままでよりも一そう激しさを加えているわけです。資本自由化一〇〇%になることを目ざして動きが顕著になってきたわけです。簡易生命保険とてもその激烈な戦いの外にいることは許されないのは当然だと思います。一方、佐藤内閣の高度成長政策の要請にこたえ、さらには田中内閣の日本列島改造という超高度成長政策に応じて急速に資金運用部資金を拡大しなければならない。これが至上命令となっていると思うのです。大きくは二つの問題がある。国民が保険に入りたくて、簡易保険がどこにあるかというふうにさがしているわけじゃないのです。したがって金を集めるためにはどうしても国民の要求の一部を反映したものに手直ししなければならないのは当然です。そして勧誘しやすい状態をつくらなければならないという使命に立たされているのだと思うのです。ここのところが私は大事な問題だと思うのですけれども、最近不正、違法な勧誘が頻発しているのもここに原因があるというふうに考えるわけです。目標を定めて職員のしりをたたく、一方では低賃金にしておいて歩合を高くする。さらに勧誘高の高い者、口数の多い者については、優績者ということで表彰する。こんな状況ですから、いわゆる優績者は鼻が高くて、郵便局の中でも局長でも頭が上がらない。その人がいやな顔をすると、成績があがらなければ局長の目標達成に影響を及ぼすということで頭が上がらないという状態が出てきている。このむちとあめが労働者の中に矛盾を生み、対立をつくり出しつつ、不正、違法な勧誘の道に労働者を追い込んでいくのだというふうに考えるわけです。このことが国民にたいへんな迷惑をかけているわけです。全く被保険者じゃなくて被害者だという人たちもけっこうたくさんいるわけです。具体的に幾つかの例をあげてみたいと思うのです。
 勧誘問題についてひとつお伺いしてみたいと思うのですけれども、簡易保険というのは外国人も加入することができるのですか。
#40
○野田政府委員 原則として、できないことになっております。
#41
○平田委員 原則としてできないということは、できることもあるということですか。
#42
○野田政府委員 ただいま原則としてと申し上げたのでありますが、たとえば、日本名を名のっておる外国籍の方が誤って保険契約を締結されました場合に、やはり契約者の権利を保護するというふうな形から例外的に、便宜的にその保険契約を有効であるというふうに認めておる例がございます。
#43
○平田委員 そうすると、日本人だと思って入れたものはまあしようがないからいいやということになっているということですか。
#44
○野田政府委員 申し上げましたように、これはあくまで契約者保護の観点からそういう措置をとっておるわけでございまして、契約者御本人から解約の申し出がありましたときには当然そういう処理をいたしておりますし、件数も非常に少ない、こういうことでございます。
#45
○平田委員 ここにその例があるのです。これはあなたのほうで知っているのだろうというふうに思うのですけれども、全逓の中野北支部の調査で明らかになっていることです。これは中国人です。中国人に対して勧誘して入れているわけですね。中国人の子供で、いま日本にはいなくてアメリカにいる子供まで簡易保険に入れているのですね。こういうのも誤ってですか。
#46
○野田政府委員 ただいま御指摘の事実、われわれ実は承知いたしておりません。
#47
○平田委員 承知していませんか。
#48
○野田政府委員 はい。
#49
○平田委員 氏名はこれはクチヨというのですか、中野区沼袋三−十八−二十一です。しかも驚くべきことなんですけれども、これは畑田という日本橋局の指導官が行って入れているのですね。これには練馬局ですか草野という人と遠藤という人、この人たちと一緒に行って、こういうふうに保険というものは入れるものだと現場教育をやっています。あなたのほうでつかんでないというのならこれは調べてみてください。
 しかもこれはたいへんですよ。一ぺんにこんなに入れて、ずっと並んでいる。読み上げると時間がかかりますからよしますけれども、たいへんな数を入れているのですね。そしてこれはすべて日本国籍を有しておりません。一人の人が何本人っていますか。何本入れていますかね。デンメイという人で四本。三百万、三百万、三百万、百万、こういうふうに入れていますよ。ゲンセイという人に三百万、三百万。セイという人に三百万。デンショウという人に百万。ヨシサダという人に三百万、三百万。受け取り証の写しがあるのですけれども、かたかなでデンメイ様、デンセイ様、ヒデサダ様、トシサダ様、こう書いてある。これは外国人であることがわからなかったらしい。かたかなで受け取り証に書いてある。しかもこれは一枚の受け取り証に何人分のものを書いてある。一人の何本のものも受け取り証に書いてある。これはあなた、三月二十日にこういうことをしてはいけませんよと自分で言っておいて、自分だけはこっそり行って二十四日にやっておる。職員に対してはやってはいかぬと言っておいて、自分じゃこういうやり方をしている。こういうことが問題になるわけですよ。これは全部一軒の家ですよ。一ぺんに一つの局に何本も入ってきたのじゃぐあいが悪いものですから、京橋とあっちとこっちへ分けっこして入れたことにしている、こういう指導をしています。あなた方いままで、こういう指導を保険局として局長先頭に立ってやってきたのじゃないですか。これはここだけじゃないのですよ。一ぱいあるのですよ。時間がなくなってきましたから私よしますけれども、一ぱいある。こういう例はあげれば切りがない。しかも、うそのつき方をちゃんと指導していますね。この人のところへ行った場合でもずいぶんひどいものですよ。掛け金が安くなるからお入りなさい、税金がかからないからお入りなさい、これは税金がかからないのは郵政省だからかからないのですよ、早く入らないとこの制度がなくなりますから、いまのうちに入っておきなさい、三百万以上いけないといっているけれども、これは郵便局だからできるのだ、身体検査は郵便局だからしなくていいのです。やはり本人と会わなければまずいのじゃないですかという質問に対して、被保険者と会わなくてもいいのです、あなたと会って、こうして郵便局から来て話しているのですから、一年たてば下げようと思えば下げられるのです。こういうことを言っておるのですよ。これは計算するとばく大な金額になるのでまだ計算してないのですけれども、こういう状況ですよ。これはあなた方のほうで一体こういう指導をしておるのかどうか。私のほうに優績者名簿もありますよ。私のほうから言うまでもないでしょう。こうやって名簿がちゃんとできておるのです。この人は何百万勧誘したというので表彰されているのですよ。こういうことが平然とやられているが、局長、あなたのほうでこれは指導しているのじゃないですか。これらはみんな正しいやり方なのか。
#50
○野田政府委員 ただいま先生おっしゃいました事実関係につきましては、現在私ども、先ほど申し上げましたようにそのことを知っておりませんので、十分調査いたしたいと思います。
 御指摘の点は、私どもの理解では、超過契約の問題と契約に導くまでの話法の問題の二つかと思います。
 超過契約の防止につきましては、われわれいろいろな手段を講じてやっております。決して、先生御指摘のようにこれを奨励しておるというようなことはございません。これは明らかに法律によって一口三百万、こういうことになっておりますので、厳重にこれを守るようにということでやっております。年間四百三、四十万の新規契約がございますけれども、先生御指摘のような超過契約はそう多いというふうにはわれわれは判断しておりません。今後とも厳重にこれの規制をやりていきたいと思います。
 なお話法につきまして、実際御指摘のような点も間々あろうかと思いますが、四百三十万件に及びます新規契約につきましては、こういう話法が不適正である、インチキであるということを理由としての申告等の件数はほんとうにわずかでございまして、先ほど指導官といわれましたけれども、そういう指導官がおりましたら、われわれは厳重にこれを指導していきたい、このように考えております。話法は正しい話法を使うようにということを今後とも厳重に指導していきたいと思っておりますし、少なくともいままでも、そういう契約者に誤解を与える、あるいは錯覚におちいらしめるような話法を奨励しておる事実は絶対にございません。
#51
○平田委員 ところが、これはおととい付の赤旗で報道されたのですけれども、これは御承知だと思うのですが、「だまされた。主人にいったら、バカだな、いまどき無税ということがあるかとしかられた」東京、中野ですね。それから二月九日に外務員が石井さんという家へたずねてきた。それで財産貯蓄としきりに言って、保険とは言わない。貯蓄ということでいつでもおろせるという印象を与えて、そして「この年にして初めてひっかかった」というふうにこの人、石井亀三郎さん、中野区の野方です。この人がおこっていました。「明治四十一年五月十日生まれは二月九日が加入できる最後です、と選択の余地もあたえず勧誘」した。ところが、あとで考えてみたら十一月までだいじょうぶだったのだというふうに本人は言っていましたけれども、とにかくいろいろなことを言ってひっかけているということなんですね。これは御存じなのだろうと思うのですけれども、それに対して「四十八年二月九日お申込みの保険契約につきましては、お申込み当時契約者および被保険者である石井亀三郎様の同意を得ないで契約をお申込みになり、その後も追認が得られないことがわかりましたので、契約を無効といたしましたから、あしからずご了承ください。つきましては、すでにお払込みの保険料はお返しいたしますから、同封の保険還付金支払通知書およびお手もとの保険証書受領証と印鑑をご持参のうえ、中野北郵便局で現金をお受け取りください。」という通知が来ておるわけですよ。本人の同意を得ないでこういうことがやられる。ずいぶんあります。
 こういうふうにやられているのは中野だけではないのですよ。勧誘の問題でいえば石神井郵便局、これも悪いのですね。ひどいんですよ。これは組合から、団体交渉をやって資料が全部出ているのです。同じことをやっているんですよ。偶然の一致じゃないですね。ですからあなた方のほうでそういう指導はしていないというけれどもあっちでもこっちでも同じようなことが起こっているという事態については、私はやはりそんなことしておりませんというのじゃなくて、そうなる原因があるんだ。下級職制にものを押しつけるだけでは事は済まない。局自身に問題があるというように考え直してみるべきじゃないか。批判が集中しているのはいい機会だと思うのですよ。いまにして、まだ下の一部のやつがやったので、私は知りませんというようなことを言っていたのではだめだ。国民の間で完全に信頼を失いますよ。
 しかもあげくのはてに、この間決算委員会でわが党の庄司委員が質問しておりましたけれども、この質問にも出ている京都の伊東さん、これなんか長年にわたってこれだけの書類ですよ。とにかく郵便局長に文書でお願いした。だめだ。大阪の郵政監察局長まで問題を出して何べんも何べんもして、一年有余かかってやっとケリがつく、こういう状態なんですね。これは伊東さんが、だんなさんがなくなって支払いを要求したところ、前から病気があったんだ、告知義務に違反しているんだということで解除してきたんですね。それに対して異議申し立てをしたのです。そうしたら一年もかかった。ですから、いま言ったような勧誘をしていて、病気をやったことがあるかどうかということを聞きもしないでやっている。そして勧誘しておいて、あげくのはてに、事故が起こったりなくなられたりすると、これは告知義務に違反しておるということで、異議申し立てをすると一年かかるという仕組みになっておるんですよ。
 しかも告知義務違反解険については、件数で見ますと四十六年が二千四百六十件もあるわけですね。これは解険しただけのものです。実際にいま言った伊東さんのようにしんぼう強く、粘り強く食い下がったからこれが明らかになったけれども、あれはそういうことだったかな、弱っちゃったなという人は結局は泣き寝入りなんですよ。これは四十七年度もおそらくこういう事態があったであろう、一そう激しくなっておると私は思うわけですけれども、この二千四百六十件にのぼる告知義務違反という名目で解険したものについて再点検してみる必要がある、再調査してみる必要がある、私はそう考える。しかも、解除する際には、こういう理由でこういうことなんで解除されるので、もしそうでなかったら、こういう手続でこういうふうにしてくださいということを言っておるかというとそうじゃない。不親切に解除と言っておるだけなんです。そういう意味で、解除した人に対して、こういうことがあったけれどもおたくの場合はなかったでしょうか、そういう場合はこういう手はずをとれば問題が解決するんですよという話ができるはずだ、そういう宣伝をすべきだと私は思うのです。こんなりっぱなパンフレットをつくって一生懸命勧誘のためには努力しておられるのですから、お気の毒な人たちに対しては、やはりこれくらいの大きな字で、そして一目でわかるような、こういうふうにすればいい、それはどこへ行けばいいというような宣伝をちゃんとやっておいて契約を結んだり、問題が起こったときはそういうことをちゃんとやってあげるというようにしなければいけないと思うのです。ですから、そういうやり方で私は再検討すべきじゃないかと思う。
 時間も来ましたから、まだいろいろ聞きたいことがあるのですが、またの機会にいたしまして、最初に申し上げましたように、勧誘で不正常なものが生まれる原因は、これをなくさなければならない。そのためには、いま春闘で労働者が大幅賃上げを要求しておりますが、やはり大幅な賃上げをしなければいけないと思います。そのことについてどう考えておられるか。それから歩合制度を適正に改める必要があるということです。また勧誘員の民間委託などということが、どうもうわさに聞くと考えられているようだけれども、これまでやられたら一そう縁故関係のひどいものが出てくるであろうというふうに考えざるを得ない。こういうことはやはり避けるべきだろう。また目標を定めてしりをたたく指導を完全にやめる必要があるだろう。優績者表彰についても再検討する必要があるだろう。勧誘にあたっては正しく読みやすい、わかりやすい契約条項をつくってお知らせすることが大事だろう。小さい、私なんか読むのにほんとうに骨の折れる、虫めがねでも持ってこないと読めないような字で大事なことが書いてある。だから、大きな字でわかりやすく、ポイント、ポイントは書いておく必要がある。こういうふうにして国民によく知らせる必要があるというように思います。いま申し上げたこれらの点についてひとつ局長、お答え願いたいと思います。
#52
○野田政府委員 基本給の問題につきましては、私からちょっと申し上げるのを遠慮いたしまして、その次の募集手当、歩合の関係から申し上げたいと思いますが、保険募集ということが、窓口に契約を持ってきてくださるお客さんもほとんどいなくて、全部保険の外務員の……(平田委員「時間がなくなりましたから、こまかい説明はいいですから」と呼ぶ)わかりました。それでは簡単に申し上げます。
 現在、民間生命保険と比べまして、必ずしも本俸対能率給――、募集手当は能率給でございますが、比率が簡易保険が高いということはございませんで、相当低くなっております。現在の募集の実態からいたしまして、これは大体適正であろう、このように考えます。また、現実の支給の問題につきましては、これは組合との話し合いによって、これは給与でございますので当然話し合いによってきめました率ということで支給をいたしております。
 御指摘の、集金あるいは募集等を部外の団体に委託する考えではないか、こういうお話でございますが、そういうことは絶対ございません。
 優績者の制度につきましては、日進月歩の国民経済社会生活あるいは保険業界の動向に照らしまして、毎年いろいろ手直しをいたしております。
 契約条項の保険契約者に対する申し込み時の明示ということ、これはなおわかりやすくするようにということはまさに御指摘のとおりでございまして、後日の紛争を避ける意味におきましても、こういう点をわれわれ十分検討さしていただきたい、このように思います。(平田委員「しりたたきはどうですか」と呼ぶ)
 考えますに、保険契約の新規の獲得等々につきましては、私はやはり保険外務員の自律的な活動というのが一番大事なもので、それにまつ以外のものではないと思うのでありまして、決して督励とかあるいはしりたたきになじむ、そういう性格の仕事ではない、このように考えます。しりをたたいたから成績があがる、上から圧力を加えたからあがる、こういうことではなくて、やはり十分な理解に基づいて仕事をやる、こういうのが結果としては一番効率的であろうか、このように考えます。したがって、御指摘のようなしりたたきというようなものがもしあるといたしますと、そういう手段によらないで、十分理解をしてもらって協力を仰ぐ、こういう方法でいくべきである、このように指導いたしております。いやしくも外部からしりたたき、強制とかいうことのないように今後とも努力をいたしてまいりたいと考えます。
#53
○平田委員 それでは最後に大臣もひとつお答え願いたいわけですけれども、保険は、掛け金を安くして被保険者に有利にするということがやはり何といっても大事だろうというように考えます。
 それから、保険金の運用は被保険者が利用できる道を開くことが大事だと思うのです。これを見ますと、非常に少ないですね。これは利用方法などをよく知らせてやらないと、どうやったらいいか非常にややこしくてめんどうだということになると利用度は少なくなるので、やはり利用方法をよく知らせ、使いにくい場合は利用方法について手続などを簡略にするなどのことも検討すべきだと思うのです。それから、被保険者のためになる方法で利用すべきだというように思います。これが先ほどのお話ですと、四七・一が五一・九になりましたと言っておりますけれども、実際にこの中身をよく検討すると、国民の福祉のために五一・何ぼを使っているのじゃなくて、当然政府が他の面で持たなければならないものを簡易保険で持っているということで、そっちのほうに資金をつぎ込んでいるということであって、私は、あなたが分析されたようには考えていないわけです。そういう意味で被保険者のためになる方法で利用することが必要である。
 それから、社会福祉関係への利用を大幅にふやす必要があるだろう。そう言いますと、公共企業体などでやった場合は利息が云々で、大きい企業のほうに回すと利息がということになるかもしれませんが、それはやはり政府の中で、当然引き合うような利息を、簡易保険のやっていけるような利息を払わしていくというような方法をとればいいわけですから、そういう意味で社会福祉関係への利用を大幅にふやす必要があるというふうに思うわけです。
 それから、大企業に奉仕する日本列島改造への直接間接の利用はやめるべきだというふうに思います。たとえば鉄建公団にしても、あれは大輸送網の建設のために全力をあげているわけです。日本列島改造の背骨だと田中総理は言っているわけです。この背骨づくりにばく大な金が使われるわけです。これらの問題もやはりやめるべきだというふうに考えるわけです。こうしてひとつ被保険者のために、国民のために利用できるように道を開いていただきたいと思うのですが、大臣のお考えをひとつ聞かしていただきたい。
#54
○久野国務大臣 いろいろ具体的な事例につきまして詳細にわたっての御質問がございましたが、これらの諸点につきましては事実をよく調査をいたしまして、いやしくも被保険者の方たちに御迷惑の及ばないように努力をいたしたい、さような指導をいたしたいと考えておる次第でございます。先ほど来お話がございましたように、簡易生命保険の特色は、何といたしましても確実な運営、安い料金、それからもう一つは手続の簡素、こういうような面から国が行なう事業であるだけに、やはり十分窓口事務に当たっております郵便局員を指導いたしまして、そうしていやしくもお客との間にトラブルの起きないようにいたしたい、かように考えておるような次第でございまして、御指摘の点につきましては今後とも調査の上配慮いたしたい、かように存ずる次第でございます。
#55
○平田委員 いろいろ御意見を聞きましたので最後に申し上げておきますけれども、最初にも触れましたが、対米従属のもとにあるところから資本の自由化の問題が押し寄せてきており、それからそれに道が開かれており、さらに日本列島改造論、この二つの点で目標額が引き上げられ、しりたたきが結果的に起こってくるような仕組みになっている。したがってやはり大事な点は、対米従属のもとになっているところの日米安保条約を廃棄し、日本経済の自主的、平和的な発展をはかることが何よりも急務だというふうに考えるわけです。
 同時に、先ほど来強調しておりますように、つまり額面でいったって、直接間接に大体五〇%は大企業を利益する仕事のために使われているというのが実情ですから、大企業を利するために国民の貴重な掛け金を使うのではなくて、国民のために、とりわけ被保険者のために使うように努力することが何よりも大事だというように考えるわけです。その方向で御返事をいただきたかったわけですけれども、なかなか明快な御答弁はいただくことができませんでした。しかし私どももまだ具体的な事例で掘り下げてみなければならない問題もいろいろございますので、次の機会に質問することにいたしまして、私の質問は以上で終わりたいと思います。
#56
○久保田委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。土橋一吉君。
#57
○土橋委員 いまお話のありました簡易生命保険の一部改正に関する法律案の審議中に、あなたのほうで郵政審議会に答申をされまして、「特色ある簡易保険とするための方策に関する答申」というので、二ページに、これはこの前も私は委員会で申し上げたのですが、「簡易生命保険の枠にとらわれることなく、郵便局を利用することによって、簡易にしてあまねく国民に普及されることが望ましい保険種類と加入者サービスは何か、」こういう議題を出しておられるわけであります。簡易生命保険のワクをはずすというのはどういうことをいっておるのか。何をもくろんでこういう答申をしておるのか。簡易生命保険は簡易生命保険法第一条の規定によって、安く、簡易に、しかも無診査で、要するに安い保険料金で多額の保険金が支払われる、こういうのがこの保険の基本的な内容であるし、国が経営しておるのだ、しかも任意契約によるのだ、こういうことになっているわけです。こういう答申をなぜやったのか、ちょっと私は疑問がある。時間がないから詳しく聞く必要はありません。
 こういう答申をして、そして六つの新しい保険契約のものを提案をしておる。今回国会に上程してまいりました内容は、最初の傷害保険と中間に書いておる疾病保険と二つあわせて、このいわゆるかけ捨ての定額保険というものを上程してきておるわけです。
 私はこの前もお話をしましたように、つまり田中政府や佐藤政府のような、こういう自由民主党の政権のもとでは非常にインフレを促進する、したがってその保険金が常にインフレに勝ち得るようなそういう保険を考えなければ、簡易保険局のいわゆる将来の使命というものはない。とりわけ、ここにも簡災保険の問題を提起しております。あるいは私が提案しておったような簡易保険の増額保険、つまり剰余金などをやる、こういう問題が緊急の課題であるわけであります。でありますので、こういう問題について簡単でいいですから、考慮していただけるかどうかを答えていただけばよろしいのです。
 もう一つは、募集の話法がどうだこうだという問題を起こしておりますが、これは多くの方々からひんしゅくを買うだけじゃありません。簡易生命保険の、要するに国家事業としての信用を失墜するものであります。この資料にも、四十七年度の後半においてこれで簡易生命保険の募集が非常に困難になったということをちゃんと端的にあなたのほうは披瀝しておるわけです。それは経営者労働者災害保険だというようなインチキな宣伝をして、静岡県ではたいへんな騒ぎをして、それでこの内容がきわめてインチキだったということを簡易保険局は自認をして、そして千何件の件数が一挙に解約をした。いまのお話のように、これは中野北郵便局だけじゃありません、石神井だけじゃございません。もう全国的にそういうことをやって、要するにいま郵便局に行ってすぐわかることは、簡易生命保険の募集の金額とその募集の件数を上げることについて、局長室へ行っても簡易保険局の窓口に行ってもみな書いているわけですね。しりたたきをしておる。こういうことで非常に独占資本に奉仕するような金を生み出すために狂奔しておるということは、私この前も再三しつこく申し上げたつもりなんですが、この表によってきわめて明瞭なんです。これはやはり保険契約者あるいは地方公共団体にきわめて安い利子で貸せる方法をとるべきだということを私はさらに提案したいのですが、これに対する簡単な答え。
 それから、いま問題になっておるのは賃金が非常に低いということです。これはこの間資料を請求したのですが、十五年つとめて内勤で六万五千円、十年つとめて五万四千円前後でございます。これは公務員のまあ中間的なものであると思うが、十年たてば大体妻、子供一人というふうになっておる。十五年たてば大体子供が二人と妻、それにおそらくおじいちゃん、おばあちゃんのどちらかをめんどうを見るという事態が大体多いと思うのです。そうすると五人の家族で、十五年つとめて六万余の金で、そして共済費を引かれ、組合費を引かれて、ちょっとした交際のものなんか買いましてやれば、手取りはおそらく五万円を欠けるかもわからない。五万円ちょっとしか持って帰れない。こんな給料で一体暮らせるのかどうか。これで労働者がストライキをやらないというならば私はそれこそ問題である。どろぼうして生活することはできないわけですからして、だれもが人間に値をする生活をするためには、どうしても賃金を上げるという問題が根幹であります。この問題について、十五年もつとめていまもってこういう低い賃金で、そして子供が二人あって、奥さんがいて、おじいちゃんかおばあちゃん、そういう人がいるというところで、高い家賃を一万円も一万五千円も払って、東京周辺や大阪周辺で一体暮らせると思っているのかどうか。暮らせるとしたら、これはふしぎです。いままでの公の資料によっても――大体きのうも国鉄の酒井書記長が言っておりました。十五年つとめて、うちへ持って帰る金は大体五万円そこそこだと言っていました。これで一体食っていけるのかどうか。これは国鉄労働者の場合も全逓労働者の場合も全電通もそう変わりはないと思うのです。したがって、たとえばここに書いてある扶養手当あるいは調整手当とか、そういうものはもうそれほどたいした足しにならないのですね。基本給を上げるということが基本でなければならないわけです。それがこんなに低いのですから、これはもうお話にならない。そういうお話にならない賃金を押しつけているのがいまの田中政府であります。
 でありますから、公務員が、御承知のように今度二十六日から公務員共闘、また公労協及び官公労の皆さん、それから民間のそれぞれの団体が一斉に大幅賃上げを中心として、さらに年金の拡充強化の問題とか、あるいはスト権の奪還であるとか、あるいは処分の撤回――特に全逓の場合ですと一昨年は八千五百名を処分しておる。ことしの四月十四日にやはり六千四、五百名の処分をしておるわけですね。合計大体一万四千人以上の処分を出しておるわけです。そしてこれは正当だ正当だと言っておるわけです。ところが御承知の憲法第二十八条の規定によれば、もう明らかにこの権利は国民、労働者の基本的な労働三権であります。団結権、団体交渉権、ストライキ権は、もう世界じゅうほぼ共通の自由であるわけです。御承知のように、これが保障されておるその憲法第九十八条の規定から見るならば、この憲法の条章に違反をするいかなる法律であろうとあるいは政令であろうと何であろうと、その全部あるいは一部が無効であるということを明言しておるわけですね。ところが田中内閣の、ことにきのう、おとといの新聞を見ると、郵政大臣も加わって、そして賃金だけはまあ出そうというので昨年並みの回答を出しておる。この昨年並みの回答というしろものがこれまたまことに低いものであるわけです。大体国鉄にして一万一百円前後です。それから全逓の場合ですと八千九百円前後であったと思っております。九千円に足らないわけですね。これには定期昇給が入っているわけです。定期昇給は大体平均で千六、七百円から二千円前後だ。いま要求しておるのは二万五千円を要求しておるわけですね。そうすると、要するに大体三分の一に満たない内容であるわけですね。郵政大臣もひとつこれをよう見てください。これは資料に出ておりますが、これを見ますと、初任給が大体四万二千円前後ですね。それから十年たって五万四千円、大体十年かかって一万円しか上がらないのです。その次は五年かかってやっと一万円しか上がっていないわけですね。二十年で、これで見ると大体八万円ということになっておるけれども、いまお話をするように、二十年で手取り家に持って帰る金が大体七万四、五千円でしょう、いろいろなものがくっついていますからね。そうなってくると、二十年もつとめて大体七万四、五千円前後の手取りを持って帰って、子供を学校にあげるとか大学にあげるとかということはできっこない話です。ですから、あなた方がそういう回答を出されて、一応国鉄などではそれを評価いたしまして戦術ダウンをしたということを承っております。しかしきょうは私は立川から来ましたが三時間かかっておる。バスに乗ったり電車に乗ったりあるいはタクシーに乗って、三時間かかってやっと国会に着く始末です。こういう事態について政府が責任を負うべきでしょう。労働者の賃金を安くしておいて、そして何かあれば処分だ処分だとおどかしておいて、現に処分をしておいて、しかも今日のこのいわゆるゼネストといわれるのは労働組合が持っておる基本的な人権であります。それをダグラス・マッカーサーなどがつくったああいう方法でスト権を奪っておいて、そして何かというと処分だ処分だで、給料見たら食っていけないような賃金を与えておいて、一体何事ですか、これは。私は今度のこのゼネスト、そういうものを好むものじゃありません。まことに遺憾な現象です。しかし少なくともこのストライキが、きょうは二十五日でございますが、二十四日の問題でもきょうのような事態に――この会場に見えられた公務員の皆さんはたいへん苦労して来ておられる。これがもし二十六日からこのような事態が起こるならば、この責任はあげてやはり田中内閣の問題であると私は思うのです。ですから郵政大臣は確たる態度をもってこのスト権を認めるということ、これはあたりまえなんですよ。そしてきょう、二十五日は鉄鋼労連の一発回答があるはずです。また私鉄総連の中央労働委員会の調停案の一定の目安もきょうは出てくるはずです。ですからそれに先んじて全電通と全逓は――この資料にもいろいろ書いてあります。いろいろ説明しておりますが、私は時間がございませんので、この問題について――やはりスト権を認めるということ、これはあたりまえなんですよ。何も国家公務員だからといって特別賃金が高いというわけでも何でもない。こういうようなことはやはり政府が責任を持って、国民にほんとうに交通の安全を保障するとかあるいは国民生活を保障するとか、あたりまえのことですよ。それをやらないということは、明らかに政府が労働者をしてかような、まことに遺憾な現象を自発的に行なわせる、そういうことをやっていると言っても過言ではございません。
 もう一つは円・ドル問題であります。これは日本の社会福祉が非常に低いということ、低賃金政策であるということ、これが常にわが国の円を切り上げ切り上げに持ってくる原因であります。社会保障についても、皆さんよく御承知のように、ヨーロッパの先進国といわれ、工業生産力が日本よりもはるかに少ない国であっても、その給付内容は大体一五%以上であります。これはスウェーデンにしても西ドイツにしてもイタリアにしてもそうですよ。日本は四・九%ですよ。全生産費に占めるところの社会保障の給付費率はそんなに低いのですよ。おまけに賃金が低いのですよ。ですから、こういうでたらめな国の政治をやめる必要がある。大資本やアメリカに奉仕するようなこういう政治をやめて、やはりこの高福祉高賃金を与えるならば、私は円・ドル問題についてだってそんなに――いま世界的にもいわれておる問題ですが、解決できる道ではありませんか。それをやらないでおいて、しりたたきをして、低い賃金で、そして片方で、ストをやれば処分をするぞ処分をするぞ。七〇年代においてこんな国の政治体制というものは、これは全国民から見て、すみやかに葬るべきであります。
 私は、そういう点から郵政大臣の、前の二つの問題は簡単でいいですが、あとの問題はこれは国全体の進運にかかわる問題であると同時に、皆さん方や私たちがこうして暮らしておるのは、何といっても労働者、農民、それらの諸君が生産にいそしんでくれるために、苦しい戦いをしながらやってくれるために、われわれは生き延びることができるのであります。この者をこんな状態に置いて、いわば踏んだりけったりするようなことは、私は良心ある人ならば許せないことであります。当然賃金格差もある程度縮めなければいけません。つまり上は非常に取っておる、下はもう低いところでこんなになっておるわけですね。ですからかりにこれが二万円出ましても、日本のこの賃金体系からいうと二万円の大幅賃金の均てんに浴するという人はごくわずかの人なんです。大多数の人は、下のほうでたかだか千八百円上がったとか千五百円上がったという程度であります。こんなことで暮らせるはずはないわけです。ですから郵政大臣がいま申されたように、賃金は回答したからいいというようなことでは済まされない。二万五千円びた一文欠けてもならない。これは直ちに政府が責任をもって出すということ、そうしてこういうスト権のいわゆる取り上げ、これを直ちにやめるべきである、また処分は全部撤回すべきであります。そして最低賃金制度を確立するなりあるいは社会保障や年金制度を拡充して、ほんとうに日本のいわゆる体系といいましょうか、物価体系といいましょうか、こういうものを変えることが必要だというふうに私は思いますが、久野郵政大臣はどう考えておられるのか、簡単に答えていただきたい。
#58
○久野国務大臣 るる広範な問題について御指摘がございました。しかし私は多少意見を異にするものでございます。私たちのとっておりまする政策の基調は、あくまでも自由主義、民主主義の立場に立ちまして高福祉社会、高賃金、一般国民がそういう生活を享受でき得るような社会をつくり上げたい、こういう政策をもって臨んでおるような次第でございまして、御意見の点につきましては残念ながら同調できません。
 それから今回の賃金の回答でございますが、この賃金の回答につきましては四月二十三日に回答を出しました。これは定期昇給分を含めまして九千六百十一円でございます。この金額が低過ぎるからもっと高くせよという御意見でございますが、私たちといたしましては、この回答をいたしましたので皆さんの御理解をいただきたい、かように存ずるような次第でございます。
 それから労働基本権の問題についてるる御意見がございましたが、いわゆる労働者の基本的な三つの権利につきましては、いわゆる団結権、団体交渉権、スト権、こういうものを民間労働組合と同様に認めよ、こういうような御意見のようでございますが、やはり公務員並びに公共企業体の職員というのは国民に奉仕する立場にある職場でございますから、このスト権の問題につきましては、御存じのとおり公制審におきまして目下検討中でございまして、できるだけすみやかにこの検討の結果の出ることを私たちは期待をいたしておるような次第でございます。
#59
○土橋委員 いま大臣は高福祉、高賃金を望んでおる、私の言うことと同じじゃありませんか。私は高福祉、低賃金と言ってないですよ。高福祉、高賃金を要求しなければならない。そのことが日本の経済体系や物価体系に非常な影響を持つ。しかも御承知のようにエコノミックアニマルであるとか、あるいは日本の品物がどんどんアメリカに入るために規制を受けるとか、あるいは輸入課徴金をかけられるとか、こういうことになっておる基本は、やはりこの低福祉であるということ、低賃金体系をとっておるということ、低米価主義をとっておるということに基本があるわけです。だから私とあなたと意見が一致しておるわけですよ。所見が違うわけでも何でもありませんよ。私の言っておることと同じです。あなたは違うのだとおっしゃるけれども、高福祉で高賃金にしましょうということは何も違っておりませんよ。私たちは資本主義体系下における問題をいま論じておるのであって、私は共産党だから共産主義のことを言って論じていないのですよ。もっと高福祉、高賃金にしようじゃないか、スト権についてもこれをちゃんと与えようじゃないか、また処分なんということについては、ILOでこの前勧告しておるように、弾力性を持った方法であまりお互いの激突も避けるような方法をすべきではないかと言っておる。それをこれ見よがしに処分してくる。そんなことやめたらいいじゃないですか。今度もこういう処分をするぞ処分をするぞという威喝を講じて、そうしてこういう体系のままでのみ込ませよう、そういうことをやってはならないということを私は言っておる。決して私は無理なことを一つも言っておりませんよ。憲法の規定に書いてあるのだ。九十八条にも、この条章に違反をするところの法令やあるいは政令とか省令はすべて無効であるとか一部無効であるといっておるわけですよ。私はでたらめなことを言ってあなたをいじめておるわけではないですよ。ちゃんとわが国の憲法の条章に従って私は立論を進めておるのですよ。どこにも無理なことを言ってない。ソビエトの憲法を何も出しておるのではない。中国の憲法を出しておるわけではない。わが国の憲法二十八条の規定をどうするのだ、これを言っておる。九十八条の規定はちゃんと法令は無効だといっているのですよ。この体系を認めた上で、私は言っているのですよ。そういうおかしげな答弁はしてはいけませんよ、郵政大臣。私はわが国のこの憲法からちゃんと説明している。九十八条の規定から説明しているのです。所見を異にするという問題じゃないですよ。そういう勘違いをしないでください。私たちはいま申し上げたような点から言っているのですよ。この前もお話ししたように、ダグラス・マッカーサーが朝鮮侵略戦争をやるために、御承知のように公務員のストライキ権を二十三年の七月三十日に奪ったわけですよ。それで人事院制度を設けて、物価が五%上がれば、政府は勧告に従って物価に即応するように体制をとるということにしたけれども、われわれは反対した。その反対したとおりに、この二十数年間というものは政府は勧告どおりに賃金を出していなかった。その政府も自民党の政府ですよ。民主連合政府でも何でもない。あなた方の先輩がそういうことをやってきたわけでしょう。今度初めて国鉄労働者に対して有額回答を出してきた。もっとまじめに答えてください、久野さん。
#60
○久野国務大臣 ことばが足りなかった点があれば、それを訂正をさせていただきます。
 ただいまの二点につきましては、私たちの目標といたしておるものでございます。高い福祉社会をつくりたい、高い賃金によって国民生活を豊かにしてあげたい。しかし、それを実現するための政策の方法が違うという意味で、意見を異にしておると私は申し上げたのでございます。どうかことばが足りなかった点があれば、この点は御理解をいただきたいと思うのでございます。
 それから、違法スト云々ということばがございましたが、日本の国は法治国家でございますから、法律を守る義務が国民にはあると私は思います。(土橋委員「憲法を守る義務はよけいございましょう」と呼ぶ)さような意味から、やはり法律に違反する行為があったものに対しましては、違法ストとしてこれを処分するということで、先般四月の十四日に六千三百人に及ぶ皆さんの処分を発表いたしたような次第でございます。そのことは私にとりまして、たいへんつらい思いでもございましたし、遺憾に存ずる次第でございますが、しかし法治国家としてのたてまえ上、この処分は適法である、かように考えておるような次第でございます。
#61
○久保田委員長 小沢貞孝君。
#62
○小沢(貞)委員 私の質問を具体的にお聞きいただいて、あとで大臣から政策的なことの御答弁をいただきたいと思います。
 契約年度別統計表、これによりと、年掛け契約及び昭和二十一年度以前の月掛け契約が出ているわけであります。昭和四十六年度の年度当初に二百六十三万五千件余、保険金額が八億四千万余、こういうぐあいに出ておるわけです。それが四十六年度の年度末にいくと、これが二百五十三万五千件余で、保険料が三百五十六万七千円で、保険金額が七億八千五百四十二万四千円、こういうように出ておるわけです。それおわかりでしょうか。――ということになると、昭和二十一年度以前の一件平均当たりの掛け金は一体幾らだ。一件平均当たりの保険料は幾らだ。それをちょっと計算をして教えてもらいたい。
#63
○野田政府委員 昭和二十一年度以前の契約につきましては、ちょっと先生のおっしゃいました数字とあるいは違っておるかもしれませんが、私どもは四十七年三月末日現在で二百五十三万五千件でございます。これは一件平均いたしますと、保険料が一円四十銭、一件平均の保険金額が三百十円、こういう金額になっております。
#64
○小沢(貞)委員 それは月額か、年額か。
#65
○野田政府委員 簡易保険でございますので、これは月額の保険料が一円四十銭でございます。
#66
○小沢(貞)委員 大臣、昭和二十一年度以前の保険がまだあって、掛け金が月額一円四十銭。その人が死んだか、満期になってもらうときの保険金が三百十円であります。そういうものがまだ厳然として倉庫の中に台帳があって残っているわけです。
 次にお尋ねしたいが、昭和二十二年度は、同様にお幾らでしょう。二十二年度、四年度、五年度まで、だんだんにわかりやすく説明していただきたい。
#67
○野田政府委員 ただいまお尋ねの昭和二十二年度の契約につきましては、先ほどと同じ時点の四十七年三月末日現在残っております件数が六万七千件でございます。二十二年度契約について申し上げますと、一件平均の保険料額が十二円、一件平均の保険金額は二千五百八円。次に昭和二十三年度について申し上げますと、件数は八万件残っております。一件平均の保険料額が八十円、一件平均の保険金額は一万五千七百十四円。現在手持ちが二十三年度まででございますので、二十四年度、二十五年度につきましては、後ほど調べまして御報告いたします。
#68
○小沢(貞)委員 事務当局、二十四年、二十五年、いまの数字と変わりがないか、これで計算をしてあとで答弁をしていただきたいと思います。
 大臣、これ、どうでしょうかね。いま出してもらったばかりの内勤、外勤の平均賃金、ことしもベースアップがあって、このほかに経営者負担費や保険料その他あると思います。そうすると、保険業務に携わっている人の賃金は大体平均十五万くらいになりはしないか、こう思うのであります。これで十年から十五年勤続くらいじゃなかろうかと思うのですが、外勤十五年で十三万、十年だと十一万。このほかに一万四千四百円の通勤手当、住宅手当等がある。このほかにまだ経営者負担があるわけでしょう。保険だとか共済その他があるから、おそらく一般でいえば三、四割増しを普通に考えればいいと思いますが、低目に見て十五万円平均の賃金の人が、これは勤務は大体二十日です。このごろ日曜、祝祭日その他年休等もあるから、十五万を二十日で割ると一日七千五百円で、実働七時間とすると、一時間千七十円。一時間千七十円とすると、六十分で割ると一分間十八円。この徴収に行く人は、一分間十八円でございます。二十一年度は掛け金は月額一円四十銭であります。二十二年度のときは月額十二円でございます。二十三年のときは月額八十円でございます。
 一体、一件当たりの労働費はどのくらいかかるだろうか。この何百倍か何千倍かの金をかけてこれを取りに行かなければならないのかどうか。一件当たりの保険料徴収といいますか、それは一体労働費にして幾らになるでしょうか。――なかなか御回答がむずかしいようですが、とにかく一円四十銭のものを一分間十八円の者が現実に取りに行くわけです、大臣。だからこれをやめちゃどうか、簡単に言ったらこういうことです。二十四年、二十五年まで、さらにそこで計算をして出していただきたいと思いますが、これはお互いに損です。これはかける人も損なら、死んだときだとか満期のときにいまどき三百十円いただきます、二千五百八円いただきます、こんなのはもらう人も損であります。取りに行く人も、この何百倍かのコストをかけて行かなければならない。こういう保険をいまでも二百五十万件、あるいは昭和二十五、六年までやると三百万件近くのものを後生大事に、これをまた台帳をつくって保存しておかなければならないというその全体のコストを計算をするならば、これは膨大な額になるのではなかろうか、こういうように考えるわけです。だからそういう意味においては、ひとつ昭和二十四、五年のやつを出していただいて、その辺でけじめをつけて打ち切って――かつて三、四年前だと思いましたが、年金でもう価値もなくなったものを、郵政省で一件当たり二千円だか三千円だか覚えがありませんが、つけて、これで打ち切らせてください、こういう法律をつくってやったことがあるわけです。それと同様のことを、もう過去完了になったような契約についてやるべきではなかろうか、こういうように考えるわけです。方針はあとから大臣に聞かしていただいて、二十四年、五年を先ほどと同様にちょっと数字を出していただきたいと思います。
#69
○野田政府委員 二十四年度、二十五年度、一応ここで計算しまして出ましたので、御報告します。
 二十四年度、現在残っております契約は十七万件でございます。一件平均保険料百六十四円、一件平均の保険金が二万八千円でございます。二十五年度について申し上げます。三十六万二千件が残っておりまして、一件平均保険料百九十二円、それから保険金につきましては三万五千円。大体見当といたしましてはこの程度でございます。
 それからこれらの集金方法につきましては、先生御承知のとおり昭和二十一年九月三十日以前に締結せられました保険契約につきましては、保険料を一年分以上前納する、あるいは団体払い込みとするというものを除きまして、二十七年七月以降保険料の集金を停止しております。これらの保険料は保険金支払いの際に控除する、こういう制度を法律をもって設けておるわけでございますが、二十二年以降の契約につきましては特段にそういう制度を設けておりませんけれども、現実の指導なり取り扱いといたしましては、いま申し上げました前納、団体払い込み、こういう方法で行なわれておる、このように考えております。
#70
○小沢(貞)委員 二十一年九月三十日以降のものは、昭和二十七年の法律に基づいて、二十七年五月二十日の郵政省の告示でもって一年分を前納させる。一円四十銭の一年分といえば、十二倍かけたって十五円ばかりだ。これも一分間十八円の者が行けば、これまた何百倍かのコストになると思うのです。いま二十五年まで出してもらったけれども、二十五年においても三十六万件残っておる。いまの答弁でいえば、月に百九十二円の掛け金で、保障をする額が三万五千円。これは保険としての価値がないのじゃないか、こういうように考えるわけです。
 そこで、大臣の答弁のために私はさらに質問を続けたいのだけれども、この二十四、五年ころに新しい保険か何かをやられた時期がありますか。三、四、五年ころにあったら、その時期を契機にすれば私はいいと思う。たとえば二十五年に新種保険をつくりました、こういうことになればそのときを契機にすればいいと思うが、いずれにしても二十四年か五年を契機にして、それ以前のものはもう全部打ち切ります、前払いでやります、そのかわり、インフレでこれだけ国民に迷惑をかけちゃって申しわけないからプラス一万円ずつつけてやりますというような――この前、三、四年前に年金のときにそうやったのです。あのときはちょっと額は少なかったのだが、二、三千円ずつつけてやって、年金をやめさせてくれないか、月に十円か二十円の年金をやめさせてくれないか、こういう法律をつくってやったわけです。事務当局、どうですか、二十四、五年ごろに何か新種保険をつくった時期がありますか。
#71
○野田政府委員 お答えいたします。
 当時の経済情勢に合わせまして非常に短期の貯蓄性の強い保険を二十三年の九月に売り出しております。五年払い込み十五年満期養老保険及び五年払い込み二十年満期養老保険、なお二十五年には十年払い込みの普通終身保険を発売いたしておりまして、御指摘の新しい保険というのは大体この三種かと思います。
#72
○小沢(貞)委員 そこで大臣にお尋ねしますが、たとえば二十五年に十年払い込みで新しい制度をつくった、だから二十五年なら二十五年、二十四年なら二十四年あたりを限度として、これはまた事務当局と研究してもらって、それ以前のものはひとつ何らかの方法で打ち切る――打ち切るということばはおかしいが、いま一気にお払いをいたします、プラスアルファをつけてやります、こういう法律をひとつつくって次期国会に提出すべきだと私は考えるわけです。大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#73
○久野国務大臣 具体的な提案でございますので、内容を十分研究いたしまして検討させていただきたい、かように存じます。
#74
○小沢(貞)委員 大臣の答弁はいつも検討で、その検討は一年もかかっちゃうのだから……。これはやろうと思えばじきにできるが、ほんとうに実施するつもりでやります、こういうように御答弁いただきたいわけです。
#75
○久野国務大臣 大きな経済情勢の変革と貨幣価値の下落に伴ってそのような事態が生じたのでございますから、この点については十分留意をいたしまして検討をいたしたいと思います。
#76
○小沢(貞)委員 それじゃひとつ大臣から、ぜひ早い時期にこの種問題について事務当局に整理をさせて、できたならば次の国会中に提案をしていただくように、こういう要望をつけ加えてこの過去完了になった保険契約の整理問題については終わりといたしたいと思います。
 それから私が前の逓信委員時代だと思いましたが、地方郵政局にコンピューターを入れて機械化を始めたのはたしか昭和四十二年ごろのような気がするわけであります。昭和四十二年四月、京都地方簡易保険局でコンピューターを入れて、それ以来だんだん各地方保険局に電子計算機を入れて能率を上げよう、こういうことでやってきておるように聞いておるわけであります。したがって、その後どういう年次計画でどういうようにやってきたか、それに対する投資額は幾らか、こういうことについてまずお尋ねをしたいわけです。
#77
○野田政府委員 ただいま先生御指摘のように、地方簡易保険局のEDPSによる機械化につきましては、新規契約につきましては四十二年四月から地域別に順次実施をいたしております。四十六年四月、東京地方簡易保険局のEDPS化を最後にいたしまして、全部の地方局が機械化せられました。昭和五十年度の年度末をもってなお既成契約の機械化契約への切りかえというものが完了いたします。したがいまして、全機械化は五十年度末をもって完了する、こういうスケジュールになっております。
 投資額につきましては、四十一年度以降昭和四十八年度までの累計百十七億二千六百万円でございます。
#78
○小沢(貞)委員 これだけの投資をして七地方保険局に大体コンピューターが導入されて、能率よく保険業務ができるようになったんじゃないか、こう思います。これを概括的に、これは事務当局でいいですが、どういう効果があって、どう生産性が上がったかということについて、ひとつ御答弁をいただきたい。
 答弁の前に、保険関係に従事する者の資本の装備率、これは四十二年、あるいは四十年代、三十年代と比べて装備率はどういうように変化してきたか、大体のところでいいわけです。だんだん機械化が進んできて、一人当たりの資本装備率というものは高くなっているはずです。それはどういうように上がってきているか、これも続いて事務当局。
 続いて、こういうことによって保険に従事する人の一人当たりの保険契約件数はどういうふうに上昇したか。一人当たりの保険金というものは一体幾らになったか。いま十三兆、十四兆あるというが、保険金というのは昔は一人当たり何億持っていたか、いまはこれが何億になってきたかということ。それから一人当たりの保険料、こういうものはどういう趨勢にあるか。
 今度は、保険金百万円あるいは一千万円当たりの労働費はどういうふうに変わってきたか。要するに労働の生産性というものは、こういう機械化によって、装備率を高めることによってどういうように変化をしたか、こういうことを、こまかい数字は事務当局であとで計算しておいていただいて、局長から概括的なお話を聞きたいわけです。
#79
○野田政府委員 先生の第一番目の御質問につきまして、まずお答えを申し上げたいと思います。
 具体的な計数的なつかまえ方ですが、一般的な問題から申し上げますと、機械化によりまして事務が正確迅速に処理され、事務総量の増加に対して効率的に対処できる、一般的に申し上げますとこういうメリットがあろうかと思います。将来にわたっては、経費の節約による保険料率の引き下げなどでこれらの機械化が実際に動いていくだろう、このように考えております。
 なお具体的な計数の問題としまして、これは一、二の例でございますけれども、機械化に踏み切ります前におきましては、個々の契約について、従来三カ月に一度だけ地方簡易保険局で保険料の払い込みがあったかどうかという保険料徴収の監査をいたしております。これを機械化の実施によりまして毎月監査をすることができるようになったわけであります。質的にそれだけ事務処理内容が向上したわけであります。したがって、機械化によりますメリット、機械化前との節減額をここで算術的に比較をするということはいささか無理がございますので経費の関係から申し上げますと、まず人件費の関係でございます。昭和四十八年度における保険年金事業従業員の一人当たりの人件費が約百九十万円でございます。機械化実施によりまして、地方保険局の減員は昭和四十八年度末の累計で千二十二人となっております。これをいまの金額でかけ合わせてみますと、人件費の節減額は一応十九億四千二百万円という数字が出てまいります。次に、昭和四十八年度におきます機械の借料は約十三億九千三百万円でございます。したがって、その差額の約五億四千九百万円が一応、これは非常に算術的なラフな考え方でございますが、この機械によります節減額、これは人件費だけでございますが、そういうことになろうかと思います。
 なお、第二、第三の質問点につきまして計数をはじいておりますので、後ほど……。
#80
○小沢(貞)委員 時間の関係で、私はこういう資料をひとつ委員長から要求していただきたいと思います。
 一人当たり保険契約件数はどういうように上昇してきたか、さっき質問したもの。一人当たりの保険金ですが、機械化前の昭和四十年代は何億か何千万持っていたが、四十八年にはどういうように変わってきたか。それから保険金一千万でも百万でもいい、百万当たりの労働費というものはどういうように節減されてきたか。それから一人当たりの保険料――保険料というのは要するに全徴収料であり、保険料というものは一人当たりどういうように上昇してきたか、こういうことを資料によって御提示いただきたい。
 それと、四十年代における資本装備率と四十八年度における資本装備率の比較であります。一人当たりどれだけ機械化されたものを持っているか、こういうことであります。あの当時は自転車か何かで飛んで歩いたりそろばんでやっていたから、五十万か百万くらいが資本装備だったと思います。ところが、これだけのコンピューターを据え、今度は機械を窓口にもつけ、こういうことをやってまいりましたから、こういう装備率ははるかに高くなっておると思いますから、昭和四十年代と四十八年度では資本装備率はどういうように変わってきたか、こういう資料を出していただきたいと思います。
 それに基づいて、これは京都地方保険局に限定して、機械化がされた四十二年以降五、六年たったあとでいいと思います。昭和四十五、六年の一人当たりの生産性、それから機械を導入しなかった以前の四十年代の一人当たりの生産性、これは顕著に結果が出ておるのではなかろうかと私は思いますので、いままであなた方がやってこられたことを誇示する意味でいいですから、しっかり比較を出していただきたいと思います。
 それから最後に、これはたいへんむずかしい問題だと思いますが、民間の、先ほども質問がありました農協でやっている共済保険とかそういう保険、それから純粋の民間でやっている、一般の保険会社でやっているものと、郵政省でやっている簡易生命保険、この三つの種類についての比較を出していただきたいと思います。これはたいへんな作業だと思いますし、そういうことはいろいろの新種保険をやるとか、いままでの保険というものを反省してみる中で当然十分検討がなされていると思うけれども、まず第一に私は労働の生産性を問いたいわけであります。それは資本装備率と深い関係にあると思います。だから労働の生産性はどういうようになっておるか。先ほどの幾種類かの生産性の項目について、民間との比較表を出していただきたいと思います。著しく生産性が悪いようならば、国家がやる必要がはたしてあるだろうか、こういう疑念も投げかけられるわけであり、これだけの機械化も進め、十分能率をあげるということをやってきた限りにおいては、民間に劣らず十分な生産性を上げておるに違いないと思います。また、生産性を上げてないならば、保険者に対して十分還元されておったとは断定できないわけであります。だから、この比較表については十分りっぱなものを出していただきたいと考えるわけであります。よろしいですか。
#81
○野田政府委員 ただいま御要望のありました資料につきまして、できるだけ早く整理して提出いたしたいと思います。
#82
○小沢(貞)委員 いまの一般の民間でやっておるものと郵政省でやっておるのとどういうような違いがあるか、概括的な抽象的なことでいいです。
#83
○野田政府委員 時点を地方局の機械化を始めました四十二年ということを起点にいたしまして、それ以降との比較、数字が非常にめんどうになって、私ここで責任ある数字を申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
#84
○小沢(貞)委員 私の言うのは違うのです。民間と、いま政府でやっているのとの生産性の比較ですね。ごく概括的でいいのです。
#85
○野田政府委員 端的に申し上げまして、いろいろ要件が違うというふうに私も考えます。民間保険で販売をいたしております保険のうち、無審査保険だけを取り上げていたしますか、あるいはそれこそ非常に高額の有審査保険及び資本系列に従って経営しております団体保険というようなものをどういうように組み合わせるか、それから、たとえば募集の外野組織にいたしましても、これは端的に申し上げまして民間は年間九割くらいの消耗率、脱落でございます。簡易生命保険におきましては二万七千余の外務員というのは国家公務員で定着いたしております。そういう関係から申し上げまして、一がいに数字だけの比較を申し上げても意味がないのじゃないかというふうに感じます。しかし先生が言われましたような趣旨での資料というものはわれわれ常時持っていなければいかぬと思います。できるだけ真実の姿に近いものを、ひとつ私どもも勉強いたしまして提出をさせていただきたい、このように考えます。
#86
○小沢(貞)委員 うんと概括的に、同じような比較のものでいいと思うのだけれども、一人当たりの保険契約金、あるいは何でその比較をしたらいいか、端的に比較できるもの、ものさしがあると思うのです。そういうものについて日ごろ検討を加えないということは、この経営というものは安易に流れていはしないか、私はこういうようにしょっちゅう疑うわけであります。これはインフレの中で、昔かけたのが価値がなくなってしまっているし、インフレの中でたくさん契約をしてくるものだから、年度の収支というものはなかなかうまくそろっているのだけれども、この生産性というものをきちっと比較をしておかないと保険者に対して十分還元しているとは言い切れないわけです。そういう目的に沿う資料というものをぜひ出していただきたい、こういうようにお願いします。
#87
○野田政府委員 具体的に生産性の問題が一番端的に出てきますのは事業費率で出てくる、私どもそのように感じます。農協につきましては地域関連から非常に事業費が安くなっております。簡易保険と民間生命保険につきましては大体われわれの予想、先生方も予想されておられるとおりかと思いますが、四十六年におきまして簡易生命保険の事業費率は二八・八でございます。
#88
○小沢(貞)委員 これはどういうものですか。
#89
○野田政府委員 保険料百円中に占めます事業費でございます。民間生命保険におきましては四十六年が二六・四%ということであります。これは各年度ごとにずっと数字が出ておりますが、簡易保険は四十一年が二一・六%の事業費率でございますが、これが四十六年度には、いま申し上げましたように一六・八%に非常に低下して、それだけ経営内容が健全になっている、こういうように言えると思います。民間の生命保険におきましては昭和四十一年に二九・九%、これが四十六年に二六・四%と、やはり民間生命保険におきましても各種努力によってこの事業費率は下がってきております。
#90
○小沢(貞)委員 農協は。
#91
○野田政府委員 農協につきましては現在数字を把握しておりませんけれども、相当低いはずでございます。簡易保険よりは相当低い、このように考えております。
#92
○小沢(貞)委員 ひとつそれはわれわれも把握できるような資料を出していただきたいと思います。
 私、偶然見たのですが、郵政経営統計のことしの三月号をちょっと拝見をすると、保険勘定で、昭和四十六年度においては歳入が七千三百八十七億九百万円、歳出が三千三百五億二千百万円、歳入、歳出の差額が四千八十一億円、こういうぐあいに出ております。そこでこの歳入の中は保険料の収入が大部分であることはもとよりであります。歳出の中においては、還付金、分配金、それから保険金、それから郵政事業特別会計への繰り入れ、ここらあたりが大きな数字ではなかろうか、私はこう思います。郵政事業特別会計へ一千五十九億繰り入れておるわけであります。ところが保険金はその額と同じくらい、千五百六十四億円であります。あとはわずかな額であります。私は概括的に申し上げるだけでありますが、こういうように考えてみると、この年に保険料は六千二百五十一億、歳入の大部分はこの年の保険料一そうしておいて過去の保険金を返したものは千五百億ばかりだ。約四倍、五倍に当たる新しい契約の保険料を入れて、十年保険だか二十年保険だか知らないが、過去の保険をこの年に保険者の皆さん方に返したのが千五百億ということになると、こういうことがだんだん続いていくと、来年になればまた八千億も保険料は入ってきます、過去のものには千五百億か二千億しか出しません、こういうことになると、インフレの中で保険の契約を額を多くして雪だるま式に太らしていって、過去の人のは契約の価値がなくなっていって四分の一か五分の一、その年度年度に返していけばいいという会計にいまなっているわけです。保険というのはおそらくこういう制度のものじゃなかろうかと私も思いますけれども、一体これで保険というものがほんとうに国民に対して奉仕しているだろうか、この数字だけで私は疑問を抱かざるを得ないような気がするわけであります。要するに先ほどの質問のように、インフレの中で過去の少額なものをいまごろになってわずかずつ保険を返していく、いまはインフレの中で契約額がふえてどんどん入れていく、こういう形であります。毎年そういう形であります。これではたして国民に奉仕しているのだろうかというように私は疑わざるを得ないわけであります。保険というのはこういうものだろうか、一体これでいいのだろうか、こういう疑問を抱くわけですが、どうでしょう。実は教えてもらいたいわけだ。
#93
○野田政府委員 先生がおっしゃいました問題、どこに基準を置くかで私非常に重要な問題だと思いますが、少なくともいまの法律制度のもとにおきます生命保険事業の経営というものは大体こんなもの、これは民間保険におきましても同じだ、このように考えております。
#94
○小沢(貞)委員 そうすると、私は国民の立場に立って、郵便局で保険をすすめに来られても、いやでございます、こんなもの価値のなくなった時分にもらって、そして保険特別会計のほうを見てみれば、新しい保険をどんどん入れては昔の四分の一か何かの保険だけ払っている。こういうことになると、一体国民のためにこんなことをやらなければいけないかなという疑問さえわかざるを得ないような気もするわけです。これをもう少し保険者に還元する方法なり何なり、こういうものは何か制度の上で考えられないものかどうか、こういうことであります。
#95
○野田政府委員 制度といたしましては、先ほど申し上げましたようにこういう仕組みになっておるわけでありますが、今度個々の保険の契約について申し上げますと、これはやはり収支相償う、こういう形になっております。払い込んだ保険料は積み立てられて、これが死亡の時期あるいは満期の時期に保険金として返ってくる、出た剰余金の分配等に返ってくるということでありまして、四分の三の価格の減少がありますと、その四分の三がどこかに消えてなくなったということでなくて、個々の契約についてやはり収支相応といいますか、そういう形に計算できておるわけでございます。問題はインフレにどうするかということでございますが、われわれいまの時点で変額保険は検討はいたしておりますけれども、やはり相当むずかしい問題を含んでおるわけでございます。できるだけ高利回りに運用すること、それから事業費率を節減することによりまして出ました剰余を加入者の方々に還元をして、結果的には保険料が非常に低かったというような結果を招来するように努力をいたしたいということであります。先ほど申し上げました事業費率が年々低下をしておるということは、実質的にはやはり保険料の引き下げと同じことになると思います。そういう方向の努力を重ねていきたい。ただ、インフレに対します生命保険の抜本的な解決につきまして、これは変額保険なりあるいは保険金増額保険、いろいろございますけれども、民間保険でもなかなか実現困難な実情がございます。さらに運用の面において非常に制約を受けておる簡易保険、さらには最高制限額が法律で低く押えられておるという簡易保険につきましては、非常な難関が、民間保険に比べましてもなお厚い壁があるということでございます。われわれそういう点を踏まえまして、なお経営内容の改善ということに努力して加入者に利益を還元していきたい、このように考えます。
#96
○小沢(貞)委員 これは一朝一夕の問題でないから、大臣に要望しておきますが、省内で扱っておる保険についても、先ほどからのお話にあるように、インフレに対してどういうように耐えていくかという問題を検討しなければならぬのじゃないか、こう思いますし、また一般民間の保険を監督しているのは大蔵省だと思いますが、大蔵省もやはりそれと同じことを検討しなければいけない。郵政省のものだけというわけにはまいらぬと思います。ひとつ大蔵省とも協議して、この問題についてはぜひ考えていただかないと、冒頭に私申し上げたように一円四十銭月額かけておる、こういう実態から見るならば、あるいは四十六年度の収支の様子から見るならば、これは保険をかければかけるほど国民は損をしていってしまう。一般の貯金もそうなんだけれども、そのもとの悪いのはインフレなんだけれども、そういうものに耐えるような何らかの制度というものを開いていかなければならないのじゃないか、こう思います。これは郵政大臣、高い政治的な問題だと思いますので、大蔵大臣とも協議の上、ひとつ十分な対策を立てていただきたい、こう思います。
#97
○久野国務大臣 御指摘の点はまことにごもっともな示唆に富んだ御意見であると私は思います。やはりインフレの進行過程にふさわしい変額制度を保険にも取り入れるということは一つの考え方だと思います。しかしそれを実現させるためにはいろいろの制約がありますので、これは十分研究さしていただきたい、さように存じます。
#98
○小沢(貞)委員 時間もだんだん迫りましたので、最後に一つだけお尋ねしたいわけですが、先ほども質問がありましたように、ことしの四月十四日だか十七日にストの処分が出たと思います。これは局長、保険関係に従事しておる役付の中にも処分者が出たのかどうか、これが一つ。
 それから、これは人事局長には、課長代理ですか主事、主任という役付の中にもその処分者があるかどうか、そのあたりをひとつお知らせいただきたい、こう思います。
#99
○野田政府委員 第一点の保険関係の職員の数でございますが、私どもその数字をつかまえておりませんので、調べましてお答えいたします。
#100
○北政府委員 調査すればわかりますが、ただいまその数字を持っておりません。
#101
○小沢(貞)委員 大臣、先ほど来質疑のあったことと私は見解を異にするわけですが、私が調べたわずかなところにおいても、主事とか主任とかストに参加して処分を受けている者がたくさんいるわけであります。ただ、そういうことさえ保険局長は、自分の部下の役付の中にそういう者がいるかいないか知らないというのが先ほどの御答弁のようであります。一体役付というのは何のためにいるのだろう。主事というのはどういうことをするのか、主任というのはどういうことをするのか、ごく簡単な、規程に書いてあることでいいですから、だれからでもいいから説明してくれませんか。――御答弁がないようだから私のほうで言います。「主事は、上司を助け、従業員を指揮する。」「主任は、上司の指揮を受け、従業員を指導する。」こういうようにあるわけであります。その指揮をする主事や主任の人が、法律で禁止されているストに参加する、あるいは課長補佐だとか課長代理だとか、副課長だか知らないが、そういう人も参加している。だから、自分の保険局なら保険局の配下にそういう者がいるかいないかさえ掌握できないという管理者の教育訓練をやっているのかどうか、こういうことを私は保険局長にも尋ねたいわけであります。人事局長にも尋ねたいわけであります。人の先に立って指揮をする人が法律を犯してストライキに参加している、こういうことはいけないことだ、こういうことを自分の保険局の中に教育できないのか。あるいは郵務局だったら、自分の郵務局の中に教育ができないのか。何をまじめにやろうとも、法律を犯してやるというような人が主事だとか課長補佐だとか副課長だとか、そういうことになって、率先してストに、違法をやっている。こういうことが一体許されるかどうか、それを私は尋ねたいわけであります。その掌握さえしていないということは、いかに管理が行き届いていないかということになりはしないか、私こう思います。大臣どうでしょう。
#102
○久野国務大臣 御指摘の点はまことに遺憾なことだと私は思います。そういう管理体制が厳格に維持されてこそ初めて法治国家としての体制を保つことができるのでございます。特に公務員あるいは公共企業体の立場にある者につきましては、その点は十分留意すべきことであろうと私は感ずるような次第でございまして、今後そのような違法者が出ないように厳重に指導してまいりたい、かように考えます。
#103
○小沢(貞)委員 私も、公務員にもスト権を、労働基本権を与えなければいけない、こう思います。ただそれは、与える方法としてやはり合法的に、またそれを獲得する手段も合法的に――私は民主国家においては秩序ある中で前進する、秩序ある中で進歩する、これが民主国家だと思います。どんなことがあってもそういうことは譲れない原則だと思います。したがって、私はそういうことについては、労働基本権を与えてもらいたいと思うけれども、これはやはりできるような法律をつくってからにしなければならない、こう思います。
 私はまだ時間があれば教育訓練その他についても質問をいたしたいわけですが、郵政省ではちゃんと教育訓練の場をとってある、予算も取ってあるわけであります。保険の事務はこういうようにやれよ、郵便の事務はこういうようにやれよときちっと教えるだけではなくて、やはり国民に奉仕する者は法を犯してはいけない、こういうことを、従業員、自分のところの役付になるような職員に徹底的な訓練をすることはあたりまえなことだ。それをおろそかにしている結果がこういうようになったのではないか、こう思います。私はきょうのストを見て特にそう思うのですが、日本は無法状態じゃないか、あしたからまた全逓はストをやるという。だから、役付が、主事、主任というものがそういうことまでやっているかやってないかわからないということは、郵政省の中で管理体制ができているかできてないか、そういうことを証明すると思います。大臣はこの問題については、やはり法を守るという意味において郵政省の職員に対して厳重に今後の管理もやり警告も発する、こうでなければならないと思います。大臣、どうでしょう。それだけお尋ねして質問を終わります。
#104
○久野国務大臣 御意見は全く同感でございます。やはり法秩序の確保ということが民主主義社会における一番重要な課題の一つであろうと私は存じます。さような意味から、現在のような違法ストが行なわれるということはまことに遺憾なことであると私は存じます。
 さらに管理体制の問題につきましては、御指摘のとおり十分に配慮いたしまして、遺憾のないように指導いたしていきたい、このように存じます。
#105
○久保田委員長 次回は明二十六日木曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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