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1972/09/20 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第32号
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1972/09/20 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 逓信委員会 第32号

#1
第071回国会 逓信委員会 第32号
昭和四十八年九月二十日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 久保田円次君
   理事 宇田 國榮君 理事 小澤 太郎君
   理事 梶山 静六君 理事 金子 岩三君
   理事 羽田  孜君 理事 阿部未喜男君
   理事 古川 喜一君 理事 土橋 一吉君
      志賀  節君    高橋 千寿君
      楢橋  渡君    長谷川四郎君
      本名  武君    宮崎 茂一君
      大柴 滋夫君    金丸 徳重君
      久保  等君    平田 藤吉君
      田中 昭二君    小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 神山 文男君
        郵政省郵務局長 石井多加三君
        郵政省貯金局長 船津  茂君
        郵政省簡易保険
        局長      野田誠二郎君
        郵政省電波監理
        局長      齋藤 義郎君
        郵政省経理局長 廣瀬  弘君
 委員外の出席者
        逓信委員会調査
        室長      佐々木久雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月二十日
 辞任         補欠選任
  内海 英男君     高橋 千寿君
  中村 寅太君     宮崎 茂一君
同日
 辞任         補欠選任
  高橋 千寿君     内海 英男君
  宮崎 茂一君     中村 寅太君
    ―――――――――――――
九月十九日
 身体障害者のテレビ受信料免除に関する請願
 (前田正男君紹介)(第一〇六八二号)は本委
 員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 逓信行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○久保田委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中昭二君。
#3
○田中(昭)委員 私はきょう最初に、昨日も問題になりました簡易保険の団体払い込み問題につきましては、いままでも当委員会におきましていろいろその問題点が議論になり、われわれ日ごろ心配もしておったわけでございます。たまたまきのう委員会でたいへんな問題が論議されまして、それを聞いておりまして、この問題はただ委員だけで論議していく、また当局側の御答弁を聞いておりましても、ほんとうにこの問題について改善すべきものは改善するというような強い決意が薄いのではなかろうか、こういう感じがしてなりませんものですから、この問題につきまして最初にもう少しお尋ねしてみたいと思います。
 事件の内容についてはきのうも論議がありましたからすでに皆さんも御承知のことだと思いますが、この問題につきまして、郵政省は九月五日にこの事件の概要につきまして簡略な報告をしてあるようでございますが、この報告にのっとりながら論議を進めていきたいと思います。
 ここに報告があっておりますのは「株式会社都信用の簡易保険料の流用について」、最初に、保険料取りまとめを委託した経緯ということが書いてあります。一応そのまま読んでみたいと思います。昭和四十三年六月に、東京都内の旅行を目的とした一部の簡易保険保険料払い込み団体が、郵便局のあっせんにより、都観光社(株式会社都信用の前身)の木村勲、この方は五年前に郵便局を退職された幹部の方であるそうでございます、その幹部に団体構成員からの保険料取りまとめを委託したことが端緒となり、以後、同種の団体が相次いで委託していったものである。こういう一般的な状況と都信用に対する問題と両方書いてあると思います。
 そこで私は最初に、郵政省の報告の中で、保険料払い込み団体が、郵政省の幹部の退職者に、郵便局のあっせんによってこういうことをさせたという、このことについてはどのようなことでございますか。
#4
○野田政府委員 郵便局のあっせんという簡単な表現を使っておりますけれども、この内容は各郵便局によりまして非常に実態が個々別々だろう、このように思っております。現在、この事件が起こりましてから、これは四十三年の六月からこの都信用、その前身は都観光という会社がございますが、これにどういう形で集金の委託を各団体代表者が行ったか、それについて各郵便局がどういう形であっせんをしたのか、あるいは関与をしたのかという実態につきまして、実態の調査を実は進めておるわけでございます。非常に契約件数も多うございますし、また先ほど申し上げました四十三年六月以降ということで長期間にわたっております。そういう関係でまだ事態の全貌をつかんでおるわけではございません。観念的な言い方になるかもしれませんが、一応そういう旅行団体の集金の委託について、それをことばどおりあっせんをした、お世話をした、こういう程度に御理解をいただきたいと思います。
#5
○田中(昭)委員 余分なことはやめて、時間がありませんから簡単に……。私が問題にしたのは、この同趣同好の払い込み団体の問題につきまして、あなたのほうは四十五年に郵保業第百十九号で通達を出しておる。その中には、郵便局員がこういうことをやってはいけない、またこの同趣同好団体の募集をやる場合には区域なんかもきめてしてあるというような状態の通達もここにあるわけです。もちろんこの木村さんという方は郵便局を退職したその直後でございますから、郵便局職員じゃないかもしれませんけれども、問題は郵便局がそれをあっせんした、それはことばの書き方がまずかったというような御表現でありますが、そういう問題では済まされない。すなおにこれを読んでいけば、いまになってその実態を調査しているとおっしゃるけれども、こういう通達が出ておれば当然事前にそういうものは調べられて、ましてその集金をする会社は営利会社じゃないですか。株式会社都信用、金融業、質屋さんのおやじさんが社長じゃないですか。そういうものに公金のくぐり抜けとしましても、設立当初からいいましても二億円近い金を――この問題についてはまたあとで入りますけれども、私はいまの答弁ではたいへん不満であります。これは明らかにそういうことを郵便局の幹部が、退職後といえどもそういういわゆる団体の特別割引というものを法の範囲内において、そして質屋さんですからそういうものに金を流しておったというようなことが、これは常識的に、そういうことを指導したのは元郵政省の幹部であるというようなことは当然推察できるのです。そういうことが私は問題の根底にあるということを指摘しておきます。
 次に移ります。具体的にはっきりさせたいために、この株式会社都信用、資本金百万円、従業員は設立当時何人であったか、そしてその設立当時に区域、いわゆる募集しておった郵便局の数、それから団体数、加入数、そういうものについて明らかにしてください。
#6
○野田政府委員 この都信用株式会社としての設立の登記は四十六年の四月一日になっております。したがって、この四月におきます委託の状況と、本年の八月におきます委託の状況を申し上げます。四十六年の四月、局数が二十四局でございまして、団体数二百十、契約件数が約五万三千件、月額保険料は約三億二千万円、こういうことでございます。
#7
○田中(昭)委員 それはいつですか。
#8
○野田政府委員 これは四十六年の四月で、ございます。
 次に、四十八年八月、ことしの八月に委託契約を解除いたしましたときの状況であります。局数は十五、団体数は二百三十一、契約件数五万一千件、月額保険料約二億九千千円、こういうことになっております。
#9
○田中(昭)委員 そうしますと、ここに書いてあるのはこれはうそですね。まずうそだということを一つ、小さい問題だけれども指摘しておきます。
 次に、取りまとめた保険料がどういうふうに不正流用されておったかという調査もなされておると思います。全額としては一億七千万というものを幹部並びに集金人等がいろいろ流用した、こういうように報道されておりますが、ほんとうは全部明らかにしてもらわなければなりませんけれども、この場では一番大きい使い込みの金額、それは何に使っておったのか、だれか。一番小さいのは、私はおそらく従業員、集金人が何かの遊興費に使ったとか、新聞報道によりますとギャンブルに使った、こういうようなことが書いてありますが、その一、二の例を、名前は明らかでなくてもいいです、AさんならAさんでけっこうですから言ってください。
#10
○野田政府委員 先ほど御答弁申し上げました中で、四十八年八月の委託契約解除時における団体数が、われわれが発表いたしましたように団体数三十四という数字は、いま申し上げました二百三十一と非常に食い違っておりますが、発表いたしましたときの団体数、これは連合会の数でございますので、数字が合わなかった。うそだと言うのですが、そういうことではないのです。
 次は、不正流用の一億七千万円につきましておもな貸し付け先を申し上げます。まず貸し付けの名義、これは全部都信用の会社名義で貸し付けております。一番大きいのはゴルフ場の会社、これは八千万円であります。次は木村という会長、これが三千四百万円。次は福島という社長、これが一千三百万円。その他細分いたしまして十三件、取りまとめまして四千万円、合計一億七千万円、こういう数字でございます。
#11
○田中(昭)委員 大臣御存じのとおり、その最高の八千万という金額は会社名義でゴルフ場の設備投資にした。二番目には、この会長さん――元郵政省の退職者ですよ、三千四百万。会社で会長とか社長が使い込みをやったら一体どうなるんですか。そうしてその人は、会長さんは郵便局の退職直後でしょう。だから私最初に申し上げたように――まだこの次の問題があります。ここまで言って、もう少ししたいと思います。
 その次に、郵政省がとった措置ということはこういうことなんです。「昭和四十七年一月から二月にかけ、株式会社都信用が不渡り小切手を出したので、団体代表者の委任をうけて、以後十数回にわたって東京郵政局が委託契約の解除について折衝した結果、」どうもこの点が、きのうの委員会でもあやふやになっておったのですけれども、これはこのとおり解釈しましょう。問題はそのあとなんです。「同年十月に至り、」――同年十月ということは、これは四十七年だろうと思います。「十月に至り、昭和四十九年八月をもって委託契約はすべて効力を失うこととし、」こういうふうになっておる。ですから四十七年十月に都信用に対して監察の結果、おまえのほうは二年後にはもう商売させないぞ、こういうことを言ったわけですね。逆をとれば、この意味はそういうことでしょう。でも、この期間においては会長、社長不正流用を起こさなかったからまだ明らかでありませんけれども、この一年の流れを考えてみますと、この金融会社でなくとも、ほかの商売でも、いままで官庁に仕事をさせてもらっておって、二年後にはあなたのほうはもう仕事はやらぬぞ、こういった場合、どうなるでしょうかね。善意に解釈すれば、もう二年後にはその従業員三十数名はめしの食いあげになるのですからね、そのままであれば。どういう気持ちになるだろうか。そうして幹部は不正をしておる。おそらく私は、集金人がまじめに集金しておるならば、幹部が不正をしておるということに気づくと思うのです。そういう中で、その次に書いてあることがおもしろいのですね。「それまでの間は、間違いのないように保険料のとりまとめをすることで一応の解決を見た。」こんな子供だましのことが通りますか。おまえのところは二年後に仕事をやめさせるぞといっておりまして、その二年間のうちは保険料をちゃんと納めなさい、それで解決した。私は、ほんとうにそんなことで郵政省は仕事をやっているとするならば、どうかしているんじゃないかと思うのですが、私の考えが常識はずれをしておるとは私は思いません。違っておれば説明してください。どうですか。
#12
○野田政府委員 御指摘の点でございますけれども、われわれといたしましては、ここにございますように、とにかく不渡りの小切手を出した、それから基本方針といたしまして、営利会社に対しましては保険料の集金取りまとめの委託をしない、こういう二つの方針から、できるだけこの委託契約を解除する方向で動いたわけであります。契約の当事者であるこの都信用の主張といたしましては、設備投資の回収及び累積の延滞保険料立てかえ分の回収のために三年間は必要であるという主張でございまして、なかなかまとまらなかったわけがありますが、先ほど先生も御指摘のように、四十九年の八月末をもって契約を打ち切る、しかし、従業員のその後の身の振り方、それから経営者であります木村それから福島等々の身の振り方につきましては、その後の契約の履行の状況に応じて、いずれにいたしましても、四十九年に委託契約解除後の集金事務その他があるわけでございまして、そっちのほうに引き取る、一応そういうふうな形での約束が成立しておったわけでございます。いずれにいたしましても、団体保険料を同月分を郵便局に払い込む、こういうことを誓約いたしまして、それの前提の上で、いろいろ当事者といいますか、この都信用の関係の役員、職員の身の振り方等につきましても一応の話し合いがついておる、こういうことでございます。
#13
○田中(昭)委員 そういうことだから、私は、その裏に隠されておるいろいろな問題をまたお聞きしなければいけないようになるのですよ。いま局長さんのお話の、そういう集金の仕事なんかは営利会社でさせないということは四十五年のこの通達にもありますし、かりに十月にこういうことに至ったとするならば、この四十七年の七月の百五十号によりまして、あなたのほうはそういうことをきちっと通達で出してある。この通達は、これを受け取ってから郵便局は、一カ月内にちゃんと報告をしなさい。この時点においても、都信用は営利会社で集金の事務をやっておるのですから、こういうものについては特別な強い監査の要求をつけて報告させるのが私はあなた方のお仕事だと思うのです。実際はそういうふうにしてあるかもしれぬ。かりに、してないとするならば、これは大きな手落ちです。そうでしょう、大臣。営利会社にそういう集金の事務をさせないということは、もう前からそういう方針で行っておりながら、それは前からの関係で――四十六年に設立した会社は営利会社です、金貸し屋です、金融業です。設立のとき資本金百万円、二、三十人のサービス業。四十六年にこの会社をつくったら、常識からいっても、これはあたりまえの会社じゃないと思われるのです。銀行局なんかへ行って私も聞いてみましたけれども、こんな会社はないですよ。そして、年間四十億近くの金を扱うんじゃないですか。百万円でいまどんな会社ができますか。まあそれは、皆さんの認識もあると思いますが、問題は、この四十七年のあなたのほうの通達どおりまじめに仕事をするのならば、そういう都信用に対しては、この通達のとおりの報告がなされておるはずですね。なされておるのならば、これはもうほんとうに細に入り微に入り報告するようになっていますよ。団体の件数とか、それから組成当時の状況とか、それから募集に当たる当務者はどういうふうなものであるとか、団体代表者の選定、活動状況はどういうふうになっておるか、こういうこまかい調査ができてある。集金の状況はどうか、集金人はだれがやって、一日の集金は、こういうふうに時間帯まできめて、こういうふうにやっているかどうかを報告しなさいということになっておる。この報告は、そのほかにまだずっとこまかいものがありますよ。団体割引料の保管、使用はどうなっておるか、二%と五%に分けてどういうふうに保管してあるか。こういう通達が出て、私がさっきから言っておりますように、調査がなされておることをあなたたちはどうされていますか。四十七年十月にそういう委託契約の解除をするというときは、もう不正流用の事実はわかっていたのじゃないですか。わかっていなければおかしいですよ。こういう通達が――都信用だけについては、こういうふうな報告はせぬでよろしいとあなたのほうは指示したのですか。調査したものがあるか。それだけ答えてください。通達なんか出すだけで、このとおり仕事をやっていないということはたいへんですよ。まかされないのです、どんないい法律を使っても。――じゃ、時間がありませんから、大臣、聞いておってください。そうしてその次に書いてあることは、こういうふうに書いてある。「しかしながら、以後、取りまとめ保険料の郵便局への払い込み遅延、不渡り小切手の続発等」――このあとですよ。四十七年十月にきちっと話し合いがついて一応解決した。そのあと払い込みの遅延、不渡り小切手の続発等、たくさんあったらしいのだ。この前の不渡り小切手を出したときは、その年、四十七年の一月ごろなんです。ですから、こういう払い込みの遅延とか不渡り小切手の続発ということは、その前の四十七年十月の当時にきちっと手を打っておけば、その間に起こっておったかもしれないし、その後に起こるようなことをして解決したとしておるならば、何の仕事をやっているかということになるじゃないですか。そしてここに書いてあることからいけば、「改善について多くの折衝を行なったが、とりまとめ保険料の一部を流用していることが判明したため、」――こういう報告をほんとうに加入者なり団体の役員、代表者等の方はどういうふうに思われるのだろうかと思うのですよ。きのうは、流用金額については、本年末までに返済計画を立てて、出ておるからだいじょうぶという御答弁がありましたけれども、そんな会長や社長が悪いことをするような会社が提出した返還計画をうのみにして、そして加入者に対して損害――もしも損害賠償の請求があれば、その場合にできますか。そんなことできるわけがないと私は思うのです。あとまたずっと、このとおりやってもたいへん加入者の方が損害を受ける問題でございますから、これは一番大事な問題だと思いますよ。この辺で、大臣のこの問題に対するいまの御心境をひとつお聞きしておきたいと思うのです。
#14
○久野国務大臣 先般来、本件に関しましては、委員の各位から実態等につきましていろいろ御質疑がございました。また、当省といたしましても、できる限り努力をいたしておるわけでございますが、この件に関しても報告は申し上げたわけでございます。その質疑応答を通じまして、私の所感を率直に申し上げますならば、団体の組成、業務の委託等のあり方に私は問題があるように思うのでございます。でございますから、在来の経緯にとらわれず、この際やはりこれらの諸点について何らかの処置が講ぜられるよう検討すべきときに至ったのではないか、かように感ずるような次第でございまして、郵政省といたしましては、できる限り広範な皆さんの御意見をも拝聴しつつ、改善のための検討を行ないたい、かように存ずるような次第でございます。
#15
○田中(昭)委員 いま大臣のお考えをお聞きしましたけれども、そこで当局も自分たちに手落ちがあったことははっきりと認めてもらわなければ――私は通達を全部読んでみましたが、そのたびに通達に沿うようないろいろな改善方法が打たれておる。ところが問題は、これがこの範囲内においても実行されてない、実行しておっても自分たちに都合の悪いのは黙ってそれを見のがしていったというところに問題があるのではないですか。その辺はどうですか。営利会社に集金をまかされないという基本的な考え方がありながら、何とかしていままでの委託業務を、それは二年後にきちっと整理したいという考えはあったかもしれませんけれども、私は当局から、やってきたことに対する反省を聞かなければ、どうもその辺が納得いかないのですが、いかがですか。
#16
○野田政府委員 御指摘のように、適正化通達というのを数次にわたって出しております。各地方郵政局も、それぞれの管内の郵便局に対して指導の徹底をはかっておりますし、現実に相当数の改善が見られておるように私ども考えておるわけであります。しかしながら、一部徹底を欠くところもございますことは御指摘のとおりでございます。先ほど大臣も申し上げましたように、さらに引き続いて、あるいは角度を変えてといいますか観点を変えまして、末端にまで徹底するような強力な指導を行ないたい、このように考えております。
#17
○田中(昭)委員 指導なさることはいいのですけれども、問題はその仕事をする中において、いままでのいろいろな疑惑なり不信感を持たれていることについては、やはり責任をとってもらわなければいけませんね。あなたはそうやってただ指導するということで済むかもしれませんけれども、実際この問題につきましても、五万一千人、団体で二百何十の払い込み団体、これに及ぼす被害は必ず出ると思う、一億七千万ですね。わずか二%くらいの手数料で運営しておるわけですから、会社設立以来、全部手数料がまるまる入ったとしても、一億にならないのです。
 そこで、これは氷山のほんの一角であって、まだ全国的にこういう類似のものが相当ある。これはおたくの通達によってもはっきりしていますね。今度出した通達によりますと、そういうものを全部調べなさいという調査の内容が行っておりますけれども、保険料の延滞払い込みの状況とかずっと出ておることは、全国的にはまだたくさんあるということを心配して、そういう調査内容になっておると思います。私はそういうことまで考えますと、これは本気になって取り組まなければ、郵政事業全般がこういう行き方でいっておるならば、そういう段階で国民に郵政事業の赤字を負担させる、こういうことでは国民として納得できるだろうか、納得できないのじゃなかろうか、また納得することはできない、そういうことにまで関連してくる。国の保険事業という、信用を第一にする事業でございますから、私がくどく申し上げるまでもなく十分おわかりだと思いますけれども、この際、いま大臣がおっしゃったように、ほんとうにこの問題について取り組んでもらいたい、こう要望しておきます。
 次に、郵政省の四十九年度の予算概算要求ができたように聞いておりますが、その問題についてお話をお聞きしたいと思います。
 まず、今月の初めでございますか、概算要求の御説明をなさったそうでございますが、そのときの新聞報道によりますと、四十九年度収支で赤字が出るというふうな報道がいろいろ取りざたされております。その赤字が出ることは、結局は国民の負担によらざるを得ないではないか、こういう当局の考えに対して、大臣は、いろいろな諸情勢もあり、値上げは避けたいという方向であるという記事が報道されております。そこで私は、四十九年度の予算が赤字になるという、そういうところを中心に、当委員会においてもひとつポイントの説明をお聞きしておきたいと思います。
#18
○廣瀬政府委員 四十九年度の概算要求を現時点での数字について御説明申し上げます。
 郵便事業収入につきましては、四十九年度概計の段階では四千十億の収入が見込まれるわけでございますが、一方、支出の面で見ますと、四千九百二十三億ということに相なりまして、差し引き収支の差額が九百十三億程度出るという形になっておるわけであります。
 これの赤字の出ます原因でございますけれども、これは支出面でながめてまいりますと、約一千億ばかりの赤字が出るわけでございまして、その一番大きな原因は人件費の増加でございます。人件費で七百二十三億の増加が見込まれておるわけでございますが、この主たる内容は、四十八年度におきます仲裁裁定が一五・〇一%出ておるわけであります。これが四十九年度そのまま年間の負担になってまいります。そのほか定期昇給二・五%を見込んでおりますが、これがまたふえてまいります。それから退職手当もベースアップに伴って増加します。その他手当あるいはもとになっております給与改善のための原資の増加分、こういうものも今後含んで考えておかなければならないわけでございます。また共済組合の整理資源の増加分、こういうものもございまして、トータルして七百二十三億という人件費だけの赤が見込まれるわけでございます。
 そのほか、物件費におきましても二百六十九億の増加がただいま見込まれておるわけでございます。この物件費の中でおもなものは、アルバイトの非常勤賃金の増加部分、それから郵便物の集配運送費の増加部分、こういうものが含まれております。そのほか、一般に事業用品等の値上がり、そういったものもございまして、物件費総体では二百六十九億円ばかりの赤が見込まれるわけでございます。その他含めまして、支出の増加は一千億ということに相なるわけでございます。
 一方、収入のほうでながめてまいりますと、これはただいまのところ約五%程度の物増が見込まれますので、二百三十三億円の収入増というものを見込んでいいかと思いますが、それを差し引きますと、四十九年度単年度におきましては七百八十億円ばかりの赤を生ずるというような結果になるわけであります。ところが四十八年度におきましては、すでに四十八年度予算におきまして百三十三億円の収支差額が出ております。これがそのまま四十九年度には持ち越されますので、合計して約九百十三億ばかりの赤字が出る、こういう形になっております。
 これを要しまするに、主として郵政事業全体の中の郵便事業だけとってみますと、七割が人件費ということになっております。これは科目上の人件費でございますけれども、そのほか物件費の中でも人件費的な要素がきわめて高い事業でございまして、人件費的なものの総体を考えますと、約九割程度がこれに該当するのではないかと思うのでありまして、そういったものが非常に増加してまいりますと、事業としてはたいへん大きな負担になってまいるわけであります。したがいまして、いわば人件費のアップというものに伴って大幅な支出の増加を来たす。したがいまして収入確保その他をいたしましても、なおかつ九百億程度の赤字というものが現在の段階で見込まれるということでございます。
#19
○田中(昭)委員 私もこの四十九年度郵政事業特別会計歳入歳出概算要求額を見せてもらったわけでございますけれども、いまの説明、ちょっと私納得のいかない点があるのです。人件費が七百億くらいふえるというお話がありましたけれども、この数字からいきますと、そういうふうにならないのじゃないですか。かりに人件費的なものまで入れてみてもどうだろうか、こう思うのです。その辺確認しておきます。
#20
○廣瀬政府委員 もう少し詳しく申し上げますと、先ほど申しました一五・〇一%の給与改善分に伴うものが三百五十九億でございまして、そのほか定期昇給の原資、それから退職手当の増加等を申し上げましたが、人件費的なものというふうにしいて申し上げれば共済組合の整理資源などが含まれると思いますが、私どもが人件費と称しておる分は七百二十三億の赤字ということでございます。
#21
○田中(昭)委員 いやいや、これは数字だから……。ここにあがっておる人件費は前年よりも千四百億ふえておるんじゃないですか。あなたさっき収入は二百三十億とおっしゃったけれども、これでいけば二百億じゃないですか、端数を切り捨てて。正確に言えば、人件費で千四百十八億円。どういうことですか。
#22
○廣瀬政府委員 収入の場合は郵便収入のほかに雑収入というものがございまして、これが端数で三十二億。郵便業務収入の増加だけを見ますと、二百一億でございます。
#23
○田中(昭)委員 人件費は。
#24
○廣瀬政府委員 人件費はただいま申し上げましたとおりでございます。
#25
○田中(昭)委員 それは増加は千四百十八億じゃないか。
#26
○廣瀬政府委員 いま先生のお示しくださいましたのは郵政事業特別会計全体でございまして、これは繰り入れ経費を含んでおります。それは郵便貯金あるいは簡易保険事業に関する部分が総額として入ってきております。しかしこれはもともと通り抜けでございますので、必要経費がそのまま繰り入れられましてそのまま必要経費として支出される部分でございます。ただいま私が申し上げましたのは郵便に関する部分だけを取り出して御説明申し上げた次第でございます。
#27
○田中(昭)委員 そうしますと、いまの九百億という――四十九年度単年度の赤字九百十三億について私もまだたいへん疑問を持っておるのですけれども、それはそれにしまして、そういう赤字ということが前提になって郵便料金の値上げというような問題が起こったのですか。これは報道によりますと、あなたがおっしゃったようにここに書いてあるのですけれども、「郵便職員十三万人のうち、七万五千人が外勤職員であることからもわかるように、集配作業に人手がかかる。事業費の」――さっき九割とおっしゃったが、「九割二分までは人件費」だ、こういうふうによそではっきりおっしゃっておるわけだ。「これは職員の首を切らない限り減らない。残り八分の物件費のうち、どんなに企業努力をしてみたところで、とても九百億円の赤字解消には追いつかない」、これもわからぬではないですけれども、これは職員の首を切らない限り減らないなんて、そんなものの考え方では――どうもここが気に食わないのですけれども、あなた、ほんとうにそういうことを考えておって言ったのですか。どうですか。
#28
○廣瀬政府委員 私、そのように申したことはございません。
#29
○田中(昭)委員 私もそれは承知の上で言っている。言うたことはなかったけれども、そういう考え方があったということぐらい答弁してもいいと思うのですよ。それは郵政事業がたいへん手が要ることでたいへんだということは、私もことしの春過ぎのいろいろな闘争状況、またこの委員会からも山ネコ闘争とかいうものも見に行きました。ああいう状況を見ておりますと、私はその根本原因は、やはりはっきり言って職員の給料が安いのじゃないか。あれは職場じゃないですよ。その辺の根本的なことを解決しなければ、ただ職員の首を切る以外にないなんて、そういうものの考え方の発想はどうも納得がいかない。いま民間のいろいろな給与を調べてみましても、十八歳から二十歳くらいまでで、自動車産業なんか八万、九万――九万はちょっとそのまま受け入れられませんけれども、そういう給料でしょう。先ほどの簡易保険の募集する人は、ちょっと前の話では何か募集手当の袋が立つというような、一人で何十万、何百万くらい――それをひとつ聞いておかなければいけませんね。簡易保険局長、募集手当を最高幾らぐらいことしあたりもらっているのですか。個人でも法人でもいいでしょう、法人にもそういうことをさせているのだから。
#30
○野田政府委員 四十六年四月から四十七年三月までの期間におきます保険募集の募集手当の受領額は、最高が一千百五十万円でございます。
#31
○田中(昭)委員 大体月百万ですね。これは一年前ですから、募集手当は私もことしの予算でもお尋ねしたように相当ふえておりますから、二割ふえたとしても月に百二十万。同じ郵便局に十年つとめて十万円くらいの月給をもらう人と――かりに十万円として、こっちの簡易保険の集金人さんは百万、百二十万という金をもらう。そういうことは、やはり同じ職場に働く人間――人間もやはり感情の動物ですからね、あるのじゃないでしょうか。そういうところに気づかなくて――それはやはり公務員としての一つのワクがありますからそれはわかりますけれども、私は、いまいろいろ私たちが知る以外のこともあるかと思いますけれども、そういう問題を一つ一つ解決しなければ、この人件費の赤字、その負担を国民に負わすということはまた非難を受ける根拠になる。そうして現在でも何百万という国民の信書がたまっておる、配達がおくれておる。そういう現況も、毎年時期的に解決できないというようなこと、私はこれは国民の立場に立てばたいへん残念なことである、こういうわざるを得ないわけですが、ここでしろうとがいろいろ申し上げるよりも、当局の方、また大臣も職員の点についてはたいへんお考えいただいておられるようでございますけれども、やはりそれをいろいろな面で実行する面において、そういう同じ職場で片方は百万くらい収入がある人、七、八方の給料しかない人、そういうものの真の解決をはからなければ、実行してもらわなければ、先ほどのような一片の通達で――通達どおりさえもやっていないというようなことが思われるような仕事では、私は仕事ではないと思うのです。その点についてひとつ大臣のはっきりした御見解を聞いておきたいと思います。
#32
○久野国務大臣 最初に郵便事業のあり方についてるる御質疑がございました。当初、来年度の概算要求を出します際に、来年度は膨大な赤字が見込まれるという報告を私は事務当局から受けました。しかし、ただ単に人件費による赤字が出たからこれをそのまま郵便料金の値上げによってまかなうということは、あまりにも芸がなさ過ぎるのではなかろうかという感じが私はいたしました。これは私の率直な感じでございます。それからもう一つは、郵便料金というのは公共料金でございますから、これは国の全体の政策の重大な問題として取り上げるべき事柄であろうと思うのであります。この二点から、私は事務当局に対しまして企業努力あるいは経営の合理化、こうした点についてひとつ検討してほしいということを指示をいたしたのでございます。
 私はしろうとでございますが、十年一日のごとく、百年前も今日もそのままの姿で残されておるという郵便事業の実態の一部がございます。これは全部ではございませんが、そういう面も残っておる。それから、職場環境その他についても考えるべき点が多々あろうかと思うのであります。郵便事業に携わっておられます職員の皆さまがその業務の本質をよく理解をして、そうして国民の皆さんにサービスを徹底し、国民の皆さんによく理解をしていただくような、職場環境においてふるい立たせるような、こういうような業務を行なうことが国営事業として一番大切なことではないか、そういうような意味から、私はやはり考えるべき点が多々あろうかと思うので、これらの諸点について事務当局で検討してほしいということを指示をいたしました。そうして、できる限り来年度の予算においては値上げをすることは避けたいというのが私の信条であるということも申し伝えました。そこで、この内容について、具体的な数字その他についていま報告を求めておるのでございます。まだ最終的な報告は私は受けておりません。この郵政事業あるいは特にこの郵便事業の問題につきましては、いずれ近いうちに郵政審議会で御検討いただく時期が来るであろうと考えている次第でございますが、以上のような考え方に立って私は郵便事業なり郵政事業のあり方について検討をいたしてみたい、かように考えているような次第でございます。
 ただいま一つの職場の中における職員の給与差について具体的な事例をあげて御質問がございました。全く私といたしましても、その点につきましてはそのようなあり方が妥当かどうかたいへん疑念に思う一人でございます。しかし、現行の制度のもとにおいてはやむを得ないことであろうかと思いますが、しかし、そのような諸点等につきましても検討すべき大きな事柄を含んでおるのではないか、かように存じますので、でき得る限りただいま御指摘の点等につきましては善処でき得るよう検討いたしてみたい、かように存ずる次第でございます。
#33
○田中(昭)委員 もう一つ当局にお聞きしておかなければなりませんが、この報道によりますと、いまの赤字の問題をめぐって郵便事業というのは受益者負担と独立採算制というのがたてまえであるというようなことを当局はお考えになっておるようでございますが、これは間違いございませんか。
#34
○石井政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘になりました受益者負担と独立採算ということにつきましては、郵便法の先般の四十六年度における改正の際に、第三条に新しい条文がつけられまして、従来第一条の「この法律は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」ということで「なるべく安い料金」というものが料金決定原則の唯一といいますか至上命令であったわけでございますけれども、第三条に「郵便に関する料金」という条項が新しく挿入されまして、「郵便に関する料金は、郵便事業の能率的な経営の下における適正な費用を償い、その健全な運営を図ることができるに足りる収入を確保するものでなければならない。」こういった条文が明記されまして、いまおっしゃったような体制になったというふうに理解しておるわけでございます。
#35
○田中(昭)委員 私はよくわからぬから聞いておるのであって、そういう独立採算制というようなことについては、そんな簡単な法令の説明だけでは解決できない問題だと思うのですよ。事務当局から見れば、ここに書いてあります第三条の「適正な費用」というようなこともやっぱり国民に対するサービスが完全に行なわれるということがその裏になければならないじゃないですか。「適正」ということも、いま郵便の数から見ましても、百三十億通というようなことも聞いておりますが、それが同一の料金でほんとうに公平を保てるものなのか。当局の中にもこれは不公平だというような考え方があるということも聞いておる。そうしますと、郵政省の側からの「適正な費用を償い、」というものは、国民に対してどういうふうにはね返ってくるかということを考えて独立採算制ということを認めなければいけないと私は思うのです。私の簡単な説明では不十分でございますが、役所側が適正な費用でかりに償ったとしても、国民に与える影響が不公平であったりサービスが欠如しておったり、そういうことでいいのですか。
#36
○久野国務大臣 ただいま御質問のあったような点も私が指示いたしました内容の中に含まれておるのでございます。御存じのように、距離によって、その郵便物の料金が一体同一価格であることが妥当であるかどうか。あるいは利用される方たち、これが相当数企業側が郵便物を出しておられますが、この企業が出しております郵便物について、一般国民の皆さんの個人的な郵便物と同一の価格にしておることが妥当か、そういう点等についても、やはり今後郵便事業の本質について検討を加えるべきではないか。こうした点についてはたして現行の法律のワク内において解決でき得るかどうか、でき得ないとするならば法律の改正が必要なのかどうか、こういうような諸点等につきましても、私は全くのしろうとではございますけれども、検討をしてひとつ具体的な成案をまとめてもらいたい、こういうことを要請をいたしておるのでございまして、この指示に基づいて、近くある程度の報告がなされるものと私は期待をいたしておる次第でございます。こういう諸点等を中心にいたしまして郵政省の内部において十分討議をいたしまして、最終的には郵政審議会にもこれを諮問をいたしまして、検討の上、来年度の問題については最終的な結論を得たい、かように存じておるような次第でございます。
#37
○田中(昭)委員 そういう大臣の意向を受けて、当局としましてはどういうような成案が出るのか、いまお話しいただけませんか。
#38
○石井政府委員 お答えいたします。
 ただいま大臣からお話がございましたように、現在の郵便事業の財政状況が非常に窮迫しておるというふうな事態から、もちろん料金問題もございますけれども、ただいまお話にありましたような料金の裏にある郵便サービスのあり方、現在のようなサービスを今後とも続けるべきであろうかどうかといったようなことも含めまして、しかも一時的な問題としてじゃなくて、今後の郵便事業の長期的な展望のもとに、安定した事業経営ができるような方策を部外の専門家である郵政審議会の皆さん方に諮問して、いろいろの意見を求めたいということでございまして、現在郵政省側として一つの具体的な案を持って諮問するという形のことを考えておるわけではございません。審議会のいろいろの意見を総合して答申をいただいて、そのいただいた答申のもとにまた政府としてとるべき方策を別途考えなければならない、そういうふうに考えているわけでございます。
#39
○田中(昭)委員 もう時間も来たようでございますが、最後に私、この問題でいまのような大臣の指示によって当局が一生懸命成案をつくって、審議会等にかけて、かりにある線が出たとした場合に、その審議会の答申がほんとうに国民の納得するものでない場合は、私は料金の値上げは絶対認められない。公共料金の値上げが云々されて、いま国民の中では物価上昇ということが一番問題になっておる。こういう時期に来年にかけてこういう公共料金の値上げが行なわれるということについては、もう政府一体となってその責任をとってもらわなければならない。そのりっぱな成案ができるまでは公共料金の値上げは絶対できない、してならないというような考えを持ってひとつ進めてもらいたい、こういうように思います。
 最後に、時間がなくなりましたからまとめてお答え願いたいと思いますが、四十九年度の予算要求につきましては、私らとしましてもいろいろな要望も提出しております。概算要求の中ではばく然としたものも一ございまして、たいへん不満足な、不十分な点もあるわけでございますけれども、その中におきまして私たちの要望しました問題もいろいろ盛り込んであるようでございますから、これが実現についてはひとつ強力に進めてもらいたい、こう思います。この重要施策を見てみまして、施策の中から一、二私のほうから要望しました問題を、取りまとめてでもけっこうでございますから、簡単な説明と今後の決意をお聞きしておきたいと思います。
#40
○廣瀬政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の諸点につきましては貯金、保険、電波、郵便、すべてにわたっておりまして、非常に項目が多いわけでございます。(田中(昭)委員「特別会計だけでもいい」と呼ぶ)それでは特別会計だけ申し上げます。
 私どもで重要事項として取りあげております点はたくさんございますが、御指摘の、郵便貯金の貸し付け限度額十万円を五十万円に引き上げるというような点がございました。これにつきましては要求をいたしておりますし、また限度額百五十万円を三百万円に引き上げるという点につきましても、概計の中に盛り込んでございます。それから簡易生命保険資金運用の改善でございますが、この点につきましても要求をいたしております。それから最高制限につきましても、三百万円を五百万円に引き上げるということで考えております。あと郵便関係は、先生ただいまいろいろと御指摘がございました点でございます。
 以上、特別会計につきましては、御指摘の諸点につきましては十分勘案をいたしまして概計をいたしたつもりでございます。
#41
○田中(昭)委員 終わります。
#42
○久保田委員長 次に、平田藤吉君。
#43
○平田委員 私は初めに、テレビ電波のVからUへの移行をめぐる問題についてお伺いしたいと思います。
 去る七月四日の私の質問に対して、斎藤局長はこう答えているのです。「昭和四十三年度に方針を決定したという事柄は、十年間のうちにすべて切りかえを完了するという意味ではございませんで、ほぼ十年の間に、どういうやり方をとって、移行の方法はどうするかというような、移行のやり方その他についての方針を決定するのがほぼ十年だ。それから方針が決定した後において、」云云、こういうふうに言っておられます。私が重ねて質問したのに対して斎藤局長は、「方針を決定する期間でございます。」というふうに明確に答えております。この答弁は重大であります。それはこれまで政府が答えてきたのと基本的に違うからです。これまでの政府の答弁は、一貫して十年を目途に全面的に移行せしめると言っているからであります。電波年鑑、四十四年版二四二ページは、四十三年九月六日の当時の小林大臣の談話を収録しております。こう言っているのです。「移行については、送信側、受信側双方の事情も十分考慮しなければならないし、その具体的方法等今後引き続き検討すべき問題もあるが、郵政省としては当面その全面的移行を今後十年を目途することが適当であると考える。」こういうふうに言っているわけです。また、四十四年二月二十七日付、この委員会の議事録でも明確にされております。当時の河本大臣は、「当初転換に十年というお話がございましたが、いろいろな観点から、これはできるだけ短縮していきたい、」こういうふうに言っているわけであります。四十六年十二月一日の議事録でも、当時の廣瀬大臣は「計画としましては十カ年くらいで切りかえたいという方針を持っておりますが、御指摘のようにまだはっきりした方針は立っておりませんけれども、そういう方針で向かってまいりたいという、そのことは従来と変えないつもりでございます。」と言っております。また、四十五年十一月十一日の議事録によりますと、土橋議員の質問に対して福守説明員はこう答えております。「それから、具体的にいろいろ問題につきましていま申し上げましたけれども、これはあくまで四十三年に明らかにしましたVIU移行の変更を具体的に実施するための措置でございまして、やるかやらないかについて検討しているということではございませんので、その点申し上げておきます。」こういうふうに言っているわけです。
 そこで齋藤局長にお伺いしたいのですけれども、事実経過は以上のとおりなんです。あなたの言う、方針を決定する期間が十年なのだというようにいつ、だれが変更したのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいというように考えます。
#44
○齋藤(義)政府委員 いまお話にありましたように、VからUへの移行の問題、これは昭和四十三年の九月郵政大臣の談話として発表されたものでございますけれども、その中身は、いま御指摘がありましたように、「今後引き続き検討すべき問題点もあるが、当面その全面的移行を今後十年を目途とする」ということで、必ずしも十年間にすべて完了するということではないと実は受け取っておるわけでございます。ただ、十年間でできれば全面移行ということもあり得ますけれども、できなければいろいろ検討すべき問題もあるので、十年間をめどにしてひとつ考えていきたい、こういう談話あるいは方針でございます。その後いろいろ具体的方法等について検討しました結果、最近、私が前回御答弁申し上げました時点におきましては、十年間にすべて移行するというような考え方ではなしに、関係の向きの大方の御意見が一致する時点でひとつこれを考えていきたい。したがって、いま現在どういう気持ちでおるかといわれますならば、大体十年を目途に一つの検討時期にしたい、これでできるならば十年の間にひとつ基本的な方針をきめたい、こういうことを考えております。多少ことばが不足で恐縮でございましたけれども、そういうような考え方でございます。
#45
○平田委員 齋藤局長はいまそういうふうに言われますけれども、せんだっての私が質問したのに対して、あなたは、大体前からそうなんだ、十年間で方針をきめる方針だったのだということをあなたは言っているのですよ。ところが、私はそんなことはないとずっと調べてみたら、いま申し上げたように十年間を目途に移行させるのだと言っているのですよ。あなたのは、十年間で方針を煮詰めていくのだ、こう言っている。基本的な違いですよ。あの重大な問題、全国のテレビをUへ移していくことによって起こってくる重大な問題を、いとも簡単に、あなたが一人でいろいろ考えてみたら、どうも調子が悪いからもう少し時期をかけてみようと思うなんて、あなた一人できめるのですか。いつ、どこでだれがきめたのですか。大臣がきちっと言って、政府が責任をもって発言したことを、あなたは変える権限はないはずだから、どこできまったのか、はっきりさせてください。
#46
○齋藤(義)政府委員 国会で御質問がありました時点におきまして、郵政省としては、もちろん大臣も含めてでございますけれども、関係者の大方の御意見がそういう方向に落ちつくという時点においてひとつ考えなければならぬ重要問題であるから、必ずしも十年間にとらわれる必要はないということを決定したわけでございます。
#47
○平田委員 まず一つは、あなたはうそをついている。私が新人だと思ってうそをついている。前からのずっといきさつを調べてみると、ちゃんと昔からきまっているのですよ、十年間を目途に移行させるというのは。それをあなたは、前から方針をきめる期間だったのだということを強調している。繰り返し質問したのに対して、またあなたはそう言っているのです。そういうことを、次の国会が来るたびにくるくる変わられたのではたまったもんじゃないですよ。まずこの問題が一つでしょう。重大問題です。私はそれは一年生かもしれない。しかし国会はずっと続いているのですから、政府は続いているのですから。
 それでいまの話だと、まだはっきりしたような、しないようなもやもやしている。あなたが言ったことは違うのだということを、まず訂正しなさいよ。それをやらないで、ずるずるずるっと答弁した時点から変わった。そうじゃないのだ。私が言っているのは、前からそういう方針できたのではないかと言っているのに対して、そうじゃないのだ、十年間で方針をきめる方針なんだ。これはいままで組んできた予算その他に全部かかわり合いを持っている問題で、広範な国民にかかわり合いを持っている問題だから私は言うのですよ。前言取り消して、言い直すなら言い直しなさいよ。
#48
○齋藤(義)政府委員 多少ことばが不足でございまして、はなはだ申しわけございませんですけれども、一番最初のきめ方は、十年間ですべて切りかえを完了するという強い方針だというぐあいに実は私どもは初めから受け取っておらぬわけでございまして、できるならば、いろいろな問題点もありますけれども問題点を解決して、できるならば十年ぐらいをめどにして切りかえをしたい。その完了時期が十年間だということで厳格に初めから解釈していなかったわけでございます。その後いろいろな問題点を詰めてまいりましたら、国会の方面からもあるいはその関係者の方面からもいろいろな御意見が出てまいりまして、それもいろいろ勘案いたしました結果、これはあまり期間にとらわれて強行するというほど簡易な問題ではない、きわめて重要な問題であるので、省としてもこれはさらに慎重に取り組まなければいかぬ、こういうことでございまして、いまの段階では十年間で基本的な移行の方法等につきまして基本的な考え方をまとめたい、それが現在の考え方でございます。
#49
○平田委員 じゃ方針が変わったので、私に話したように、前から十年間で方針をきめるという方針だったというのは違うのですね。そこをはっきりさせてください。
#50
○齋藤(義)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、ことばがはなはだ不足でございまして、先生のおっしゃるとおり……(「方針を変えたんだろう」と呼ぶ者あり)いや、移行の基本的な考え方、VからUに移行しようという考え方については変更はございません。ただ十年間を厳格に、それを完了時期にするかどうかという問題につきましては、その後いろいろな御意見もございましたし、したがっていまの段階では十年間ということを政策決定の時期ということに考えていきたい。もし、しかし今後におきましてまたいろいろな問題の解決がはかられますならば、これは十年以内でも移行を行ないたいという希望は持っておるわけでございますけれども、現段階は非常にむずかしいということを申し上げておるわけでございます。
#51
○平田委員 どうもあなたは意地を張って、私に説明したのがまずかったのならまずかったと改めなさいと言うのですよ。前からそういう十年間で方針をきめるのだという方針だったのだとあなたは言っている。そうじゃないだろうと言うのです。この間も念を押しているのに、それを再び方針をきめる期間でございましてというふうに、きちっとあなたは言っているのだから、その説明は間違っていたのです。はっきりさせなさいと言うのですよ。
 そして、もう一つの問題は、それは十年間を目途に移行させていくというのを、途中から検討するようになってきたのだということは、これはこれなんです、わかるでしょう。二つの問題があるのですよ。一つは私に麗々しくうそをついたという問題があるし、国会にうそをついたという問題があるのですよ。前から方針をきめる方針なんだ、ここのところをはっきりさせて、あとの話はいまの話で了解つきますよ。
#52
○齋藤(義)政府委員 先生からいま言われるような理解のされ方をしたとしますれば、私の言い方がはなはだまずかったわけでございまして、おわび申し上げたいと思います。四十三年当時は、繰り返して申し上げますけれども、十年間をめどにしてひとつやりたい、その十年間という事柄が、いろいろ問題を煮詰めてまいりますと、必ずしも十年ですべてが完結するというわけにはまいりませんものですから、各方面の御意向を十分に承って、いまの段階では基本的なUV転換の基本方針は変わりませんけれども、時期の点につきましては多少のゆとりを考えております。その内容は、十年間で一応基本的なUV移行のめどをつけたい、こういうことでございます。
#53
○平田委員 では、この間私に説明したのは違っているのだということはわかりました。そして、この間私が質問した時期に、方針上でも十年を目途にというけれども、もう少し煮詰めてみなければわからぬというふうに方針が変わった、だから目途にというのは大体十年めどなんですから、無制限に延びていく話じゃないでしょう。それがどうももう少し煮詰めてみないと何とも言えぬというところに来ている。慎重にやろう、けっこうです。
 私はやめたほうがいいと思うのですよ。こんなむちゃくちゃなことをやり始めて、全国のテレビをみんな直さなければならぬような仕事はやめたほうがいい。しかも、何もVの波をとらなくたってりっぱにいろいろの問題は解決できる。そういう意味で、いまの論議をお聞きになって、大臣、私はやはり英断をふるって、これはVからUへの移行はやめるべきであるというように考えるわけですけれども、どうお考えになるか、お聞かせいただきたい。
#54
○久野国務大臣 現状では、移行するという必要性につきましては、この方針は発表した当時と変わっていないわけでございます。しかし、御指摘のような問題もいろいろあることでございますから、関係方面とも十分協議をいたしまして検討いたしたいと存じます。
#55
○平田委員 いろいろ問題がありますけれども、時間もなくなりますから次に進みます。
 次は簡易保険払い込み団体をめぐる問題について質問したいと思います。都信用事件をはじめ簡易保険の契約、集金、局への払い込みをめぐる不正事件は、この委員会で繰り返し取り上げられてきたことでも明らかなように、全国で数え切れないほどになっています。それを根絶するためには抜本的な対策が必要だと考えます。本日は特に払い込み団体問題を中心に質問したいと思います。
 まず都信用の不正事件を発見した当局は、都信用との委託契約を財団法人簡易保険加入者協会へ委託がえをしたというふうにいっておりますけれども、この簡易保険加入者協会のおもな役員は何名いるのか。たとえば理事ですね、きっと会長、副会長がいるのでしょう、それを含めて理事が何名いるのか、これが一つ。もう一つは、その役員のうち、郵政省関係の退職者は何名いるのか、明らかにしていただきたい。
#56
○野田政府委員 簡易保険加入者協会の役員につきましては、会長一名、理事長一名、理事が七名、それから監事が二名でございます。郵政省の出身者は、十一名中八名このように記憶をいたしております。
#57
○平田委員 都信用の木村会長、福島社長をはじめ二十七名の――たしか二十七名だろうと思うのですけれども、集金員全員を簡易保険加入者協会がかかえることになったと聞くけれども、事実かどうか。
#58
○野田政府委員 この都信用の職員の簡易保険加入者協会への移行につきまして現在われわれが把握しております限りでは、会長は簡易保険加入者協会には移っておりませんし、内勤の職員のうち二名か三名は移っておりません。あとの集金員の大多数は移っておる、このように聞いております。
#59
○平田委員 木村会長は……。
#60
○野田政府委員 木村会長は加入者協会に行っておりません。
#61
○平田委員 この職員のうちの大部分が相互にギャンブルに八千万円投資し、そのほか三千万円を流用していたというふうにいわれている。役員を含めてギャンブルに流用した金をつぎ込んでいたといわれる。これはたいへんなことだと思うのです。われわれも驚いたわけですけれども、それを何とはなしにかかえ込んでいくということ、このこと自体あなた方は一体どう考えているのですか。
#62
○野田政府委員 現在の時点におきましては、都信用の出しました一億七千万円程度の保険料の未払いの分につきまして回収をする、これを第一義に考えておるわけでございまして、ただいまいろいろ御指摘のありました職員の移行につきましては、一応その債権の確保なり、それからことしの八月以降におきます集金事務の円満な受け渡しといいますか、これを確保するために、現在それらの者を簡易保険加入者協会で雇用をいたしておる、こういうことでございます。
#63
○平田委員 だってあれでしょう、台帳があって、全部帳簿もあって、そして契約者がだれ、加入者がだれであるかということがわかっていて、それでいてギャンブルをやっていた連中でなければその集金ができないのですか、回収ができないのですか。
#64
○野田政府委員 どうも答弁がおくれて申しわけございませんでした。
 御指摘の使い込みをいたしましたといわれておる職員につきましては、加入者協会のほうに移行をいたしておりません。
#65
○平田委員 いままでのお話ですと、職員の大部分が一緒になってギャンブルに投資したり流用したりしていたということなんですね。それは事実と違うのですか。驚くべきことですね、あなたのほうからそれが聞かれるとは。あなたが、一、二を除いてはかかえ込んだ職員についてはそういうことをやってなかった人たちなんだというふうに保証されるなら、よろしい、私のほうももう少し突っ込んで調べてみましょう。引き続いて問題にします。
 次へ進みますけれども、都信用の木村会長なる人物は郵政省出身と聞くけれども、かってどんな地位にいた人なのか。ずいぶんでたらめをやる人ですね。都信用関係者の中にはかに郵政省出身の職員はいなかったのか、いたとしたら何名いたのか、明らかにしていただきたい。
#66
○野田政府委員 都信用の会長をやっておる木村なる者は、昭和三十八年に芝郵便局の保険課の外務主事をもって退職をいたしております。
 次に第二点でございますが、都信用の職員のうち何人が郵政省にかつて籍を置いておった者であるかという点につきましてつまびらかにいたしませんけれども、約半数近くが郵政省の元職員であった、このように記憶をいたしております。――ただいま第二点の答弁は錯覚でございまして、職員につきましては、郵政省に籍を置いておりました者はおりません。
#67
○平田委員 次に、簡易保険加入者協会とはどんな組織なのか、どんな仕事をしている団体なのかをお聞かせいただきたい。
#68
○野田政府委員 簡易保険加入者協会は、郵政大臣の所管によります財団法人でございまして、昭和三十五年の八月に設立を見ております。この協会は、簡易保険加入者の会の代表と学識経験者の中から選ばれた人々によって運営をされておりまして、簡易保険加入者の会の使命遂行に協力して、加入者の共同の利益と福祉の増進をはかるとともに、簡易保険、郵便年金事業の普及、発達に寄与するための事業を行なっております。
 事業といたしましては、簡易保険、郵便年金の普及、発達に寄与するための調査、研究、簡易保険局の行なう普及啓蒙活動に対する協力、集会及び講演会の開催、刊行物の出版及びあっせん、簡易保険加入者の会の事務処理、加入者の相互扶助、その他この会の目的を達成するために必要な事業、以上七つの事業を実施しております。
#69
○平田委員 そういう仕事をやる、それ自身もいろいろ私は疑問があるのです。たとえば、簡易保険局あるいは郵便局でいろいろ相談に乗ることもできるんだし、職員がちゃんと加入者に、災害が起こった場合どうするとか、いろいろ協力していけば加入者もふえるんですし、そういうことはできる。ところがこういう外郭団体がなぜ必要なのか、この点は問題がありますが、それはさておくとしまして、いまのお話を聞きますと、どうも合点がいかないのは、そういう目的で設立された加入者協会が、都信用の委託を今度は加入者協会のほうに移すということが行なわれているんだが、大体この加入者協会の目的に反するんではなかろうかと思うのですが、どうなんですか。
#70
○野田政府委員 現在、すでに簡易保険加入者協会といたしましては簡易保険払い込み団体から委託された事務の処理というものを行なっておるわけでありまして、東京及び関東郵政局管内、それから近畿郵政局管内におきまして、簡易保険の払い込み団体、これは旅行団体でございまして、これらから委託されました集金の取りまとめ及び払い込みというものを行なっておるわけでございます。今回特にこの都信用が行なっておりました業務を突然引き継いだということじゃなく、前からそういう事例もございますので、一応の切りかえとして、特にこういう事態に際しましての一番安全であるというような点から引き継いだ、こういう措置を一応とったわけでございます。
#71
○平田委員 財団法人の認可は、そういう事業をやることを目的としていないはずなんだが、つまり払い込み業務をやることを目的としていないはずなんだが、これはいつから方針を変え、定款を変えてそういう事業をやるようになったのか、お聞かせいただきたい。
#72
○野田政府委員 簡易保険払い込み団体から委託された事務処理ということを寄付行為にはっきり載せましたのは、ことしの五月改正をいたしまして、その条項が設けられたわけでございます。
#73
○平田委員 郵政大臣が認可するにあたって、やってもいいということを認可してあったものなのか。これはたいへんなことだと思いますので、これは今後の簡易保険事業全体にかかわり合いを持つ重大問題をはらんでおると思いますので、そこのところひとつお聞かせいただきたい。
#74
○野田政府委員 加入者協会につきましては、先ほど申し上げましたように、基本的には簡易保険加入者の会の使命遂行に協力するということ、加入者の共同利益と福祉の増進をはかるということ、同時に簡易保険、郵便年金事業の普及発達に寄与するための事業を行なう、こういうことになっておるわけでございます。ことしの五月、保険料払い込み団体から委託をされた業務というものを新設寄付行為の中に新しく設けますまでは、その他この会の目的を達成するために必要な事業、この条項で読んでおったわけでありますけれども、集金の取りまとめ、あるいは払い込みというような委託業務をよりはっきりさせるというような意味におきまして、先ほど申しましたように改正をことしの五月に行なった、こういうことであります。
#75
○平田委員 じゃ、この問題はまた後ほどとくと聞かせていただくことにして、この協会の払い込み扱い件数と月集金額、それからあれはたしか一カ月の集金額の七%をリベートに出していると思うのですけれども、このリベート総額は月幾らになるか。
#76
○野田政府委員 八月三十一日現在で、団体数が二千五百組、契約件数が約四十三万件でありました。この表定月額保険料は三十一億であります。約款には二%の取り扱い手数料を含む、こういう表現になっておりますが、現在簡易保険加入者協会で行なっております集金取りまとめ、払い込みに現実に要しております金は約一・六%だと思います。したがいまして、大体月額五千万円弱程度の手数料というものが簡易保険加入者協会に入っている、こういうことになろうかと思います。
#77
○平田委員 これに都信用の分が今度重なることになるんだろうと思うのです。たいへんな会社だと思うのですけれども、こういうことが実は簡易保険事業をとかく世間から非難される状態におとしいれていっておるんだ。この問題はこれなりにやはり検討しなければならないものを含んでいるというように思います。
 四十七年七月一日付の簡易保険局長通達百五十号は、いろいろの払い込み団体が常備すべき帳簿などをきめております。その中に現金出納帳をつけるよう指導するというふうにしておりますが、東京都内の団体の何%が現金出納帳をつけているのか、ごく最近の調査でいいですからお聞かせいただきたい。
#78
○野田政府委員 御指摘の通達を四十七年の七月に発出をいたしまして、ただいま御指摘の帳簿を含めまして最低五種類の帳簿を設備するように指示をいたしております。報告を求めておりませんので、現在どれだけの団体、どれだけの局においてこれが設備せられておるかということにつきまして、掌握をいたしておりません。
#79
○平田委員 この通達は、団体の決算報告書を全員に配付するよう指導するというふうにしておりますけれども、東京都内の団体の何%がこれを守っているか、お聞かせいただきたい。
#80
○野田政府委員 先ほどお答えしましたように、この決算報告書の写しを団体構成員全員に配付するように、やはり四十七年七月の通達をもって指導いたしておりますけれども、この点につきましても特段に報告を徴しておりませんので、現在のところ掌握をいたしておりませんけれども、なお指導を徹底してまいりたいと考えます。
#81
○平田委員 さらにこの通達では、団体事務を第三者に委託した場合、年数回業務監査を実施するとしてありますけれども、それができているのは何団体、大体東京で全団体の何%くらいになるのか。
#82
○野田政府委員 これも先ほど申し上げましたように、実施状況につきまして報告を徴しておりませんので、明確に把握しておりません。
#83
○平田委員 何にも知らぬのじゃないですか。何にも監督しておらぬのじゃないですか。何にも指導しておらぬのじゃないですか。こんなことで七%ずつみな払い下げて、そして、大事なお客さんの金を集めている団体がどうなっているのかということすら把握していないで、何の指導ができますか。どういうことなんです。私も、あいた口がふさがらないということわざがあるけれども、全くそのとおりですね。それでいて、読むのがめんどうになったのですけれども、これは写しですが、こんな膨大な通達、郵保業第百五十号、それから同じく二百七十三号、今度また新しく九月十七日に百七十八号というものが出ていますが、何のためにこれを出しているのだかわかりませんな。団体がいかにでたらめで、一部の人たちの食いもの、その巣くつになっている。これは被保険者にとってはゆゆしい重大問題だというふうに思うのです。とにかくこういうことをしているから都信用のような問題も起こってくるのですよ。あとで引き続いて幾つかの問題でお伺いしていきますけれども……。
 もう少し詰めて、江戸川簡易保険加入者の会に十七団体があります。この団体の中で、これまで決算報告が会員に配られた団体は幾つあるか。これならわかるでしょう。全体はつかんでいなくても、この程度のことならわかるでしょう。これはどうですか。
#84
○野田政府委員 突然のお尋ねでございます。調査をいたしておりませんので、現在わかっておりません。
#85
○平田委員 江戸川のこの会、十七団体の集金は四人が行なっているんですね。佐藤という人が二つの団体をやっております。それから斉藤という人が五つの団体を受け持っております。それから森住という人が七団体受け持っておるわけです。こういうことはあなた方のほうでは認めておられるのですか。いまの江戸川の団体ですよ。加入者の会ですよ。こういうことを認めておられるのですか。
#86
○野田政府委員 江戸川郵便局の保険料払い込み団体につきましてのお尋ねでございますが、江戸川局の払い込み団体につきまして、われわれ現状を掌握いたしておりません。
#87
○平田委員 いや、こういうことでいいのか悪いのかを聞いておる。いま聞いているのは、こういう四人で団体を受け持っているけれども、これでいいのですかということを聞いているのですよ。
#88
○野田政府委員 ただいまの御質問は、保険料のその委託を受けました個人なりあるいは団体の集金人が、複数の団体の集金人を兼ねることがいいか悪いかという御質問でございます。その集金業務並びに郵便局に対する払い込みが支障なく行なわれるということでございましたら私ども一向差しつかえない、このように考えております。
#89
○平田委員 同一人が複数の団体の集金をやってもよろしいという方針であるというふうに理解していいのですね。
#90
○野田政府委員 私ども指導といたしましては、集金人一人当たりの集金票の受け持ち冊数は、原則として五百から六百冊程度とするように指導はいたしております。これらの程度の受け持ち冊数でございますと、先ほど申し上げました保険料の集金、取りまとめ、払い込みというのが一応スムーズに行なわれる、このように判断いたしております。その範囲内におきます複数の団体の集金人を兼ねるということについては差しつかえない、このように考えております。
#91
○平田委員 いまの江戸川局の場合ですけれども、加入者に決算報告もやられていませんね。そしてその中の松島親和会というのは三年間も総会を開いていないのですよ。こういうことだからいいかげんなことがいろいろ出てくるのです。しかもこれで見ますと、還元金、リベートをやっているのですね。七%のうち二%を事務費に取って、五%を本人に還元しているのです。この還元する際の金を送るのに郵送料というのを別に取っているのですね。これは当然二%の事務費でまかなうべきものなんですよ。これはほんの一例だけあげますけれども、こういうふうなことが平然とやられているのですよ。下へ行ってごらんなさい。それはもう、加入者にとってみれば何が何だかわからないけれども、入れと言われたから入るのだということにしかなっていないのですよ。いつの間にか入れられたのだというふうにしかなっていないのですよ。つまり一部の人が加入者の集金量を多くして、そしてふところへリベートが入り込むような仕事のやり方をしているのですよ。食いものですよ。
 そこで、払い込み団体への加入は、一人の契約者が四件とか五件とか契約している場合、その契約全部ははいれない。私が五件なら五件契約をしていますね。三十万とか四十万とか五十万とかいうふうに五件契約をしている。これはそっくり払い込み団体へ加入するということはできないのですね。そうですね。
 何でそんなことを聞くかといいますと、奇妙な現象が起こっておるのですよ。これはまあ見えないでしょうけれども、たとえば「喜」という人が百五十万、百万、二十五万、二十五万、合計三百万入っている。そのうち団体加入になっているのは百五十万一本だけなんです。これは加入者の側からこんなことをするはずはないのです。三百万なら三百万に対するリベートが来ればそのほうがいいはずですから、全部一括して入ると思うのですよ。これは入れる側の問題だというふうに思う。それから「美」という人は二十五万、十万、百万、五十万入っているのですね。そうしたらこのうち百万だけ団体加入になっておるのですよ。それから「裕士」という人が十万、五十万、五十万、三十万、三十万、五十万、五十万、五十万、五十万と三百七十万入っている。このうち団体加入になっているのは一番大きい五十万だけです。それから「敬」という人が十五万、百五十万、百五十万、二十五万、二十五万、二百万、百五十万、三百万、百万、百五十万、三十万、三十万、七十万というふうに入っている。このうち百五十万、五十万、二百万、百五十万、三百万、この五本だけが団体加入になっていますね。しかも、これはさっきの人のも今度の人のも――今度の人のなんか総計約千二百九十五万ですよ。ここにも問題がありますけれども、五本だけなんです。こんなに数がある中で五本だけ団体加入にしている。これは何かからくりがあるのです。すべて大口だけですよ。数ある中のその人の大口分だけ団体加入にしているのです。あとはしていないのですよ。からくりがある。実はきょうは時間もないから一例しか出しませんけれども、これは詳しくあげれば切りがないのですよ。こういう実態が末端では起こっておるのですよ。あなた方は、調べてありません、それも調べてありませんと言っておるけれども、こんなことが平気でやられて簡易保険が食いものにされておるという事実をわれわれは黙って見ておるわけにはいかぬですよ。この加入者協会だってそうでしょう。そのたぐい、親分にしかすぎませんよ。そういうものをあなた方は奨励してこれからふやしていこう、大きい団体にしていこうというのですよ。この通達の図面なんかを見てみますと、そらおそろしくなりますよ。全関東なら全関東まとめて掌握していくという体制をつくり上げていこうという方針、地区的な規模でまとめて大口にしていこうという方針をとっている。実際に起こっている事態はこういう事態です。いま申し上げたように、この一人の人が、たとえば十本なら十本入っている中で五本だけ団体加入にさせていくというやり方はなぜ起こるのか、どういうふうにお考えですか。
#92
○野田政府委員 ただいまのわれわれの指導方針としましては、同一世帯の契約で団体払い込み契約と単独払い込み契約があって、団体の集金人と郵便局の外務員とがそれぞれ集金を行なうような例が生じておるわけでございますが、ただいま先生が御指摘のような例でございますが、そういう例が生じないように極力つとめる、こういう方針で指導しております。しかし現実の問題としまして、御指摘のように、たとえば保険金五万円の契約あるいは十万円の契約等につきましては、これは旅行の保険という保険には当たらないということが一つ。もう一つ、集金の手数料等の問題がございまして、われわれの指導方針としては、いま申し上げましたような方針で臨んでおるわけでございますが、末端におきましていささか徹底を欠く、こういうきらいがあるわけでございます。基本的にはいま申し上げましたように、団体の集金人が行って、さらに郵便局の外勤の人が行く、こういう事例のないように、今後強力に指導を進めていきたい、このように考えております。
#93
○平田委員 次にお伺いしたいのは、払い込み団体の事務局が郵便局の中にある。これはどういうことなんですかね。これはあなた方はそういうことを認めて指導しておられるのかどうか。浅草、足立、足立西、荒川、葛飾、葛飾新宿、小岩、城東、深川、本所、向島、これはみんな郵便局の中に団体の事務局がある。こうやってみると――これは私もまだ全般の調査までいっておりません、いま調べておりますけれども。団体にリベートを出したあげくの果てに事務局は郵便局の中に置いて、郵便局の職員がその仕事をやっておる。これはどういうことなんですか。こういう事例がたとえば東京だけをとってみても相当数に及んでいるというふうに判断されるわけであります。あなたのほうは掌握していますか。
#94
○野田政府委員 ただいま御指摘の団体の事務局を郵便局舎内に置くこと及び事務局で行なうべき事務を郵便局の職員がかわって行なう、こういうことは厳禁をいたしております。これは基本的な方針であります。しかし既往の経緯その他がございまして、全部が全部そのようにいっておらないことは遺憾に思うわけでありますが、事務室の点について申し上げますと、現在全国的な状況についてはこれは掌握をいたしておりませんけれども、東京郵政局管内では約五〇%、関東郵政局管内では約四五%が郵便局内の一部を団体の事務局として借用しておるというのが現状でございます。東京について申し上げますと、これはことしの二月末現在の調査でございますが、総局数七十三局のうち局内に置いてあります郵便局が三十九局でございます。関東郵政局につきましては、これは昨年の十一月末の調査でございます。百五十九局中郵便局内に事務室を置いております局が七十三局ということになっておりますが、そういう指導方針をとっておりますので、この調査期以後相当数が局外に出ておる、こういうふうに判断をいたしております。
#95
○平田委員 時間も来ましたから終わりにしますけれども、こういうことが公然とやられるのは、さっきの加入者協会の役員の構成を見てもわかるように、また都信用の木村会長の事例でもわかるように、郵政省から退職した連中が巣くって食いものにしているという実態を示しているのですよ。だからあとから来た郵便局長なんかこの人たちに対して、にらまれては困るというので頭が上がりはせぬのですよ。こういうことで郵便局が正常にいくはずはないのですよ。あなた方の方針では簡易保険の担当の係員が指導する団体を幾つかずつ持つことになっている。一般に公然といわれていることは、その団体を受け持たしてもらうために郵便局長に対してたいへんなそでの下を使わなければならぬ。使っても、そうしたほうがふところへがっぽりと金が入るといわれているのですよ。腐敗し切っていますよ。給料袋が机の上に立つというような事態からしてこういうことになってくる。ですから私はこういう制度そのものを根本的に改めなければだめだというように思うのです。ところがあなた方は通達第百十九号で、幹部は、接触を保ち、払い込み団体の健全な育成に留意する、利用されることのないように配慮する、こうなっている。こんな留意だの配慮だのということばを並べたところで、こんなものは解決しないのです。どこに問題があるか。私は、あなた方が合理化、合理化ということで郵便局の職員を削減して、そうして国民の財産を預かる重大な仕事を下請化しているというところに問題があると思う。それなら簡易保険をやめたらいいです。保険会社にまかしたらいいです。私は、むしろ今日の段階でこうした腐敗し切った状態を改めさせていく道は一つしかないと思う。リベートを取ってもうけるための団体制度はやめなさい。そうして職員をふやして、郵便局の制服を着て直接被保険者と接して、大衆と接して親切に対処できる体制をつくり上げることこそが、この腐敗現象を根絶していく唯一の道だ、しかも職員に対して目標を高いものを押しつけてしりをたたくのではなくて、生活できる基本給を保障して働けるようにしていくことが何よりも大事だというように考えるのです。こういう立場以外にこの腐敗現象をなくすことはできないと私は考えている。局長はまずこの点についてどう考えられるか、大臣はどう考えられるかをお聞かせいただきたい。
#96
○野田政府委員 先生の御意見でございますが、私ども簡易生命保険事業を運営していく上におきまして、この保険料払い込みの団体払い込みの制度というものはやはり不可欠である、このように考えております。現在いろいろ問題になっております払い込み団体をめぐります諸種の問題点につきましては、この団体をやめることでなく、団体を存続させるという基本的な立場に立って、なお矯正していく道がいろいろあろうか、かつ努力していきたい、このように考えておりますので、いましばらくごらんをいただきたいと存じます。
#97
○久野国務大臣 団体の組成並びに、先ほどもお答えを申し上げましたが、業務の運営等につきまして国民の皆さんから指弾を受けるようなことは万々あってはならない、かように考えるような次第でございまして、ただいま御指摘のありました具体的な諸問題等につきましても慎重に検討をさせていただきたい、このように存じます。
#98
○平田委員 これからも団体を続けていかれるそうです。リベート団体、もうけるために組織されている団体である限りにおいて、腐敗はつきものです。なくすことはできません。あなたが幾らしゃちほこ立ちしても直すことはできない。それが証拠には、年々こういう事態が広がっているという実態がはっきりと物語っていると思う。もうこの辺で頭を冷やして出直す必要があると思う。私は引き続いてこれらの問題について追及するつもりであります。以上で質問を終わります。
#99
○久保田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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