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1949/01/28 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第2号
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1949/01/28 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第007回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十五年一月二十八日(土曜日)
    午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 中島 守利君
   理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君
   理事 川本 末治君 理事 野村專太郎君
   理事 藤田 義光君 理事 立花 敏男君
   理事 田中  豊君 理事 大石ヨシエ君
      河原伊三郎君    淵上房太郎君
      吉田吉太郎君    龍野喜一郎君
      門司  亮君    床次 徳二君
      池田 峯雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 樋貝 詮三君
        国 務 大 臣 本多 市郎君
 出席政府委員
        地方自治政務次
        官       小野  哲君
        地方自治庁次長 荻田  保君
        (地方自治庁連
        絡行政部長)
        総理府事務官  高辻 正己君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
昭和二十四年十二月二十日
 委員菅家喜六君辞任につき、その補欠として福
 田喜東君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
 委員福田喜東君及び床次徳二君辞任につき、そ
 の補欠として菅家喜六君及び小川半次君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員小川半次君辞任につき、その補欠として床
 次徳二君が議長の指名で委員に選任された。
昭和二十五年一月二十六日
 委員菅家喜六君辞任につき、その補欠として廣
 川弘禪君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
昭和二十四年十二月二十四日
 鉱産税を市町村に移壤の請願(北村徳太郎君紹
 介)(第二六号)
 遊興飲食税の税率引下げ並びに免税額設定に関
 する請願(岡村利右衞門君紹介)(第九一号)
 同(千賀康治君紹介)(第九二号)
 同(内藤隆君紹介)(第九三号)
 同(志田義信君紹介)(第九四号)
 同(塩田賀四郎君紹介)(第九五号)
 同(阿左美廣治君紹介)(第九六号)
 町村吏員恩給費の負担等に関する法律制定の請
 願外五件(降旗徳弥君紹介)(第一一〇号)
昭和二十五年一月十八日
 長期入院患者の投票に関する請願(土橋一吉君
 外二名紹介)(第一六七号)
 同(中原健次君外二名紹介)(第一六八号)
 町村吏員の恩給増額に関する請願(降旗徳弥君
 紹介)(第二〇三号)
同月二十一日
 地方議会事務局の法制化等に関する請願(畠山
 鶴吉君紹介)(第二三六号)
 遊興飲食税の税率引下げ並びに免税額設定に関
 する請願(浦口鉄男君紹介)(第二七五号)
 入場税の軽減に関する請願外三十三件(大野伴
 睦君紹介)(第二八四号)
 太田市警察吏員の定員増加に関する請願(松井
 豊吉君紹介)(第三〇六号)
同月二十四日
 高槻市警察吏員の定員増加に関する請願(井上
 良二君紹介)(第三七八号)
 長期入院患者の投票に関する請願(中原健次君
 外五名紹介)(第三八七号)
 の審査を本委員会に付託された。
昭和二十四年十二月二十四日
 国家委任事務吏員に要する経費の全額国庫負担
 の陳情書(東京都港区芝西久保巴町三十五番地
 全国町村会長伊藤幟)(第三八号)
 自治体警察制度改善に関する陳情書(東京都港
 区芝西久保巴町三十五番地全国町村会長伊藤
 幟)(第三九号)
 地方税法の一部改正に関する陳情書(長崎市長
 崎県議会議長岡本直行)(第七五号)
 町村財政確立に関する陳情書(鹿兒島県町村会
 長高附栄次郎)(第八三号)
 地方配付税制度に関する陳情書(靜岡県榛原郡
 吉田村長武田千春外十四名)(第八四号)
 町村警察制度改善に関する陳情書(神戸市兵庫
 県庁内兵庫県自治体警察町村連合会長山路久治
 郎)(第八八号)
 狩猟者税を鳥じゆう保護はん殖並びに狩猟取締
 費に充当の陳情書外三件(鳥取県猟友会長小林
 茂外四名)(第九三号)
 自治体警察費の全額国庫負担に関する陳情書
 (岐阜市長東前豊)(第九六号)
 高松市に四国四県を一管区とする国家地方警察
 管区本部設置等の陳情書(徳島県公安委員会連
 絡協議会長大西勝平外三名)(第九九号)
 助産婦に対する特別所得税減免の陳情書(鳥取
 県米子市糀町二丁目四十六番地日本助、看、保
 協会鳥取県支部長田中たつ)(第一〇二号)
 直接請求に関する法令一部改正の陳情書(明石
 市議会議長伊藤英一外二名)(第一一三号)
 地方議会に対し政府刊行物配付の陳情書(吹田
 市議会議長木村熊次郎)(第一三一号)
 地方自治法一部改正の陳情書(東京都港区芝西
 久保巴町三十五番地全国町村会長伊藤幟)(第
 一三三号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長選任に関する件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三号)
 警察に関する件
    ―――――――――――――
#2
○中島委員長 これより会議を開きます。
 小委員及び小委員長選任の件を議題といたします。本件につきましては前会において、消防に関する小委員会、競犬法案小委員会及び特別市制に関する小委員会を設置することに決定いたしました。この小委員及び小委員長の選任は、委員長より公報をもつて御指名申し上げることになつておりましたが、都合により本日ここに指名いたします。
 消防に関する小委員として
      川西  清君    河原伊三郎君
      川本 末治君    中島 守利君
      野村專太郎君    淵上房太郎君
      龍野喜一郎君    大矢 省三君
      久保田鶴松君    門司  亮君
      藤田 義光君    床次 徳二君
                池田 峯雄君委員長 として川本末治君を選定いたします。
 次に競犬法案起草小委員としましては
      河原伊三郎君    川本 末治君
      清水 逸平君    中島 守利君
      野村專太郎君    大矢 省三君
                藤田 義光君小委員長として野村專太郎君を指名いたします。
 特別市制に関する小委員といたしましては
      川西  清君    川本 末治君
      中島 守利君    野村專太郎君
      大矢 省三君    久保田鶴松君
      門司  亮君    床次 徳二君
      立花 敏男君    大石ヨシエ君小委員長には中島守利を指名いたします。
    ―――――――――――――
#3
○中島委員長 地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑がございますればこれを許します。この際通告順によつて発言を許すことにいたします。床次徳二君。
#4
○床次委員 この機会に御質問申し上げたいと思うのですが、過般の総理大臣の施政方針の中に、税制の全面的改革にあわせまして、行財政の簡素化あるいは財政の緊縮、税の軽減というふうにすこぶる抱負が述べてあります。また地方の問題に関しましても地方制度を改革し、健全なる地方自治の発達と地方財政の確立をはかるということを目途とせられまして、なお特につけ加えられてありますのは、地方府県民の諸君は政府の趣旨のあるところを了解せられて、地方制度の簡素化支出の節約、府県民の負担の軽減を、自主的に実行せられることを要望するということが述べてあるのであります。この地方行政の問題に関しましては、地方自治法なるものが根幹をなすものであると信ずるのであります。過般地方自治法の改正案が、当委員会に提出せられておるのでありますが、その後政府におきまして、ただいまのような御発言がありますので何か地方費消法の改正に関しまして従来以上に積極的な地方の機関の簡素化その他に関して、お考えになつておることがあるかどうか、まずそれから承りたいと存じます。幸いにして大臣は、かねがね地方行政制度の問題につきましては、蘊蓄の深い方であります。特に自治庁関係の仕事を担当せられておりますので、私ども大いにこの仕事が先途できますことを期待しておる次第であります。特に大臣から御答弁をいただきたいと思います。
 政府の答弁に先だちまして、御紹介申し上げようと思います。当委員会に深き関係をもちます地方自治庁長官は、過般内閣総理大臣より本多国務大臣を指名せられました。
 それから地方自治庁の財政部長でありました荻田保君が次長に任命せられました。この際お二人を御紹介申し上げます。
#5
○本多國務大臣 ただいま委員長から御紹介をいただきました通り、今回私が地方自治庁長官を受持つことになつたのでございます。この関係から、当地方行政委員会の皆様方には、特別の御厄介になることになつたのでございまして、まことに微力でありますので、今日の地方行政の重要さを考えますときに、責任の重いことを痛感しておる次第でございます。ことに今回の議会には地方税制の根本的な改革、平衡交付金制度の確立、さらに懸案になつております地方自治法の改正等、皆様方に非常な御盡力をいただかなければならぬ問題が山積いたしております。地方の自治制にとつて、今日の場合はまことに画期的のことでありまして、長い間の中央棄権主義からほんとうの地方分権による平和国家としての態勢に移行する場合であると考えております。こうした点から、今回皆様に御審議をいただきますただいま申し上げましたような法案が、自治確立のために、根本的なものであることはもちろんでございますが、さらにシヤウプ氏の勧告によります地方行政調査委員会議の調査の結論等に相まつて、初めて平和国家としての地方自治の確立が、実現されるものと期待いたしておる次第でございます。私は今日まで行政管理庁の長官として、微力ながら行政機構の問題に携わつて参つたのでございますが、この三つの役所の仕事には関連性もありますので、ぜひ皆様方の御協力、御支援をいただきまして、今日の画期的な自治制の確立の天事業に、微力を盡したい考えでございます。どうか智様方におかれましては不敏なものでありまして、まことに不行届きと思いますけれども、でき得る限りの努力を捧げる考えでございますので、特別の御同情をお願いいたしておく次第でございます。(拍手)
 床次委員から御質問のありました、自治確立について、いかなる方針を持つておるかというお話でございますが、これも根本的には自治法の改正によつてこの改正はシヤウプ勧告に基く国の分担事務の範囲、府県の分担事務の範囲市町村の分担事務の範囲というようなものが明確化されまして、それに伴つて財源の再配分というようなものが、さらに画期的に考慮されることと考えております。それに伴いますところの地方自治法の改正は、ただいま申し上げました地方行政調査委員会議の結論等によつて、さらに行われることと存ずるのでありまして、ただいま提案されております地方自治法の改正は、そこまでには行かないものでありますが、当面ぜひ改正を要すると認める点において、改正案をお願いいたしている次第でございます。
 この自治制の確立につきまして、今日までの自治制の実情を考えますときに、何としても財政的の確立ということか、自治確立の根本であると思うのであります。この財政の確立のためには、ただいま立案中でありますところの税法は、その趣旨に沿うものであると考えております。国の税をなるべく少くし、また中間府県の税も、これをなるべく膨脹上ないようにし、すなわち今回の改正税法によりますと、国においては、大蔵大臣が申しました通りに国税としては九百億ぐらいの減税になり、府県におきましても、大体今までの府県の徴税高と同じ程度のものを府県で確保する。増税になる部分はことごとく市町村税でありまして、この市町村税は、市町村自体が徴收をして市町村自体がその運営のためし用いるのでありましてもちろん地方税法は画一的な税率を強制するのでなく、標準税率を設けまして、伸縮も認められるような方法になつております。固定的な税率もありますけれども、とにもかくにも今日まで自治体か非常に財政的に自立権がなかつたという点を、強く考慮されておるのでありましてその増税分は、市町村自体かとつて自治体のために、これを使用するというような建前に、今回の地方税法がなつておりますので、自治の確立は、この財政的な自主的運営にありという観点から考えますと、地方行政調査委員会議の結論によつては、さらに自治の確立ということが、行政事務財政事務ともに、さらに一歩を進めることとは存じますけれども、今回提案いたそうとしております税制の根本的改革は、大いに自治の財政的自主権というものを、高め得ることを考えておりますのでこれに伴つて地方自治体というものは、相当発達か促進されるものであると考えているような次第でございます。
#6
○荻田政府委員 財政部長在任中は、当委員会の皆様方の特別な御懇情をかたじけなくしたのでありますが、今回次長の重責を拝したのでありますけれども、従前通り何とぞ御支援いただくようお願いいたします。(拍手)
#7
○中島委員長 次に連絡行政部長でありました鈴木俊一君か財政部長にかわりまして、連絡行政部長には新たに高辻正已君か任命されましたから、この際御紹介申し上げます。
#8
○高辻政府委員 私今回地方自治庁の連絡行政部長に任命されました高辻でございます。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
#9
○床次委員 ただいまの大臣のお言葉によりますと、税制の問題につきましては、税制の改正の法律案の実施にまつし、それから行政の面に関しましては、地方行政調査委員会議の結論によつて、行うというふうに結論が見えるのでありますが、今日まで本多国務大臣、いろいろ政府におきましてすでに経験されましたところによりますと、いわゆる地方出先機関の廃止のごときものは、決してそういう調査委員会議の調査の結論をまたなくても、優に今日において相当の段階まで、これを進め得る状況にあるのではないかと、私ども考えておるのであります。今回の地方自治法の関係におきまして、わずか触れている点があるのでありますが、もつとこれは積極的にやるべきではないか、少くとも総理が施政方針において述べられたところは、この程度のものではないのじやないか、私どもの期待いたしますところは、もつと根本的なものを、しかも調査委員会議の結論をまたなくても、今日においてでき得るのではないか、政府におきまして原案かなければ、むしろわれわれの手において積極的に提案いたしたいと考えておるのでありますが、大体調査委員会議の結論をいつごろ、いかような形においてお出しになるお見通しでもつて、今日首相はかかる演説をなさつておるのか、この点についてお聞きしたいと思います。
#10
○本多国務大臣 お話の通りでございまして、地方行政調査委員会議の結論をまちませんでも、出先機関等の整理は、極力これを実現したいと考えまして、努力いたしておるところでございます。今度の国会にも、まだ閣議の決定は経ておりませんけれども、ぜひ二、三実現したいと思いまして、ただまい折衝研究中でございます。ぜひこの点につきましては、皆様の御支援をお願いして実現いたしたい、こう思つております。この地方行政調査委員会議というような権威あるものの勧告は、閣議においても全面的に尊重するというようなことをきめておるのでありまして、今まで懸案になつていてどうしても解決のできないというような問題も、この権威ある方法によりましたならば、一挙に解決ができるであろうというところに、期待をかけておるのでございますが、それに至らない前におきましても、ただいまお話のようなことにつきましては、極力努力をして行く考えでございます。
 この地方行政調査委員会議の結論の出るのは、どれくらいの期間であるかという御質問でありますが、一年ぐらいのうちには大体結論をまとめていただきたいということを期待しております。最長一年半ぐらい存続するものであろうと推測いたしておりますが、この地方行政調査委員会議は、まつたく独立の行政機関でありまして、政府かこれを指導するとか、干渉するとかいうことのできない性質のものではありますけれども、でき得る限り干渉にわたらない、さしつかえのない程度において推進して、ただいま申し上げましたような期間内には、結末をつけていただきたいと、期待しておるような次第であります。
#11
○床次委員 地方行政調査委員会議の結論をおまちになつて、整理をなさることはごもつともだと存じますが、今日の日本の地方の状況におきましては、でき得る限りすみやかに、その負担の軽減をはかり、かつ組織を簡素化するということを迫られておるのでありまして、ある程度まで見通しをつけましたならば、その結論をまたないでも、政府の責任において、あるいは国会の責任においてこれを行うべきものではないか、私もそれを促進いたしたいという希望を持つておることをあらためてこの機会に申し上げておきたいのでございます。
 なお続いて御質問申し上げたいのでありますが、先ほど総理の演説の後段に入つておりましたところの、地方府県民に対していろいろ要望しておられるところがあるのでありますが、いわゆる地方自治体においていかようなる制度の簡素化を行わすことを、政府において今日予定しておられるか、あるいはどういうことを希望しておられるかということについて腹案がおありになれば、この機会に承りたいと思います。
#12
○本多國務大臣 私もまだ勉強が足りませんので、地方、ことに市町村に対する機構の簡素化について、いかなる方法で推進しつつあるか、その具体策については、政府委員から答弁していただきたいと存じますが、中央の機構簡素化に準じて、地方においても機構の簡素化、人員の縮減ということをやつてもらいたいということは、政府が地方に対して、これを勧奨いたしたのでございます。さらに進んで人員整理等について、政府が特に権力的な措置を講ずるということは、自治権にあまりに干渉し過ぎると考えられますので、さような方法はとつておらないのでございます。しかし今後自治体の財政確立のためには、非常に自治体の財政というものはきゆうくつ困難でありますので、自治体の仕事としてやつていただきたいということを、お勧めをいたしておるのでありまして、政府の根本方針としてきまつておりますのは、勧奨であります。但し機構の問題について自治法に規定されている範囲内における機構は、法律をもつて決定し得るのでございますが、それも現在御審議を願つておりまする法案の程度に、落ちつくほかはなかろうというのが、ただいまの政府の考え方でございます。
#13
○小野(哲)政府委員 ただいま床次さんから御質問がございまして、大臣から答弁いたしましたことの補足的なことを、私から申し上げてみたいと思います。
 床次さんの御質問はおそらく今後における道府県あるいは市町村の行政組織等の問題ではなかろうかと思うのであります。御承知のごとく、市町村の組織につきましては、條例等によりまして、これをきめることに相なつているのでございますが、都道府県等におきましては、公共事務を取扱う局につきましては、これを法律に明記いたしておりますが、今回御審議を願つておりまする地方自治法の一部改正法律案にもございまするように、その他の公企業等につきましては、行政機構の点について新しい考え方を入れたい、こういう考えを持つているまうな次第でございます。それについて大臣から答弁がございましたように、各都道府県及び市町村の相互間の事務の再配分を、地方行政調査委員会議で検討に相なることになつておりますので、この事務の再配分の進め方いかんによりまして、さらにまた地方財政の改善等とも考え合せまして、将来これら行政機構についていかなる方法により、法制的な措置をとるべきであるかということは、なお研究いたすべき必要があろうかと存ずるのでございますが、さしあたりといたしましては、今回提案をいたしておりまする程度の行政機構の問題を、取上げて参りたいという考えを持つている次第でございます。
#14
○床次委員 私先ほども申し上げましたように、総理が麗々しく並べておられろ事柄とただいまの御答弁とを比較してみますと、まことにその内容が貧弱のような気がする。私は実はもつと大きな期待をいたしておつたのであります。例といたしまして、たとえば府県にございます地方事務所の改廃のごときが、すでに大部分の府県におきましては、相当この廃止を行つているところもあるし、むしろ改廃が大勢を占めているのではないかと思いますが、こういうものは地方自治にまかしてはありますが、むしろこういう機会に整理された方がいいじやないか、整理すべきものであると、私は考えているのでありますが、この地方事務所の現在の状況並びにこれに対する政府のお考えを承つておきたいと存じます。
#15
○本多國務大臣 ただいま御指摘の地方事務所のような機構につきましては、その土地の実情に応じて、ぜひ地方事務所を置いた方が便利であるというところには地方事務所を置き、また県民自体が不必要であると思うところには置かないというふうに、自治的に処理してもらう方が、地方自治の精神にも沿うものではないかと考えておつたのでございますがただいまのような画一的に法律をもつて、とりやめさした方がいいじやないかという御意見につきましては、さらに研究をいたしてみたいと存じます。
#16
○床次委員 地方事務所のごとき、法律をもつて何も廃止を要求する必要はないのですが、すでに大体の方針がきまりますれば、地方にこれを勧奨してこれを行つてもろう、またこれを理解してもろうということは、私可能だと思うのであります。すこぶる地方自治を尊重せられておりまするが、やはり地方の行政の簡素化をいたしまする場合におきましては、ある程度までその進むべき方針を、政府の考えを示すことによつて、地方の協力を得る、了解を得ることが可能だと思うのです。その点に関しましては、とくとひとつすみやかに御研究をいただきたい。なおこれに関する資料等につき推しては、適当な機会に委員会に御発表いただきたいと思うのであります。
 それから次に伺いたいと思いますことは、今回の政府の予算等におきまして、予算の拘衡化、健全化ということを非常に強く主張しておられまして、日本の経済の再建、また国民生活の安定に対しまして、非常に楽観的な意見を伺つておるのでありますが、国の財政につきましては、大体これは予算の提出を見ておりますので、私ども了解いたしたのでありますが、地方自治におきますところの財政状況が、はたしていかようになつておるかということに対しましては、実は具体的な資料を持つておらないのであります。ただシヤウプ勧告案その他によりまして、相当軽減を受けるということを、御発表になつておるにすぎないのであります。今日におきまして、大体地方自治省においてどれくらい経費を要求しておるか、またこれに対して財源がどの程度まであるかということの大要につきまして、お考えがありますればこの機会に御発表いただきたいと思うのであります。将来税則の改革その他の法案を審議いたすことになるのでありまするが、はたして地方が今度の制度の改革によりまして、ほんとうの国民生活の安定が期待し得られるかどうかということについて、私ども非常」疑問を持つておる次第でありまして、昨年の予算の場合におきましても、いわゆる健全予算を標榜してつくられましたが、中央政府においてはともかくといたしまして、都道府県市町村のごときは、非常な困難に遭遇いたしましたことは、よく皆様方もおわかりだと思う。今年新しい年度におきまして、再びかかることを繰返すようなことがありましては、まことに私ども遺憾だと思うのでありまして、この点に対しまして、政府のお考えをひとつ承りたいと思います。
#17
○本多国務大臣 今日の国家財政並びに国民経済の状況でございますから、地方財政が相当余裕を持つように、楽に運営されるようになるということは、まだ申し上げられないと存じますけれども、お話の通りに今日までの末端の市町村の財政かあまりにもきゆうくつであつたということに重点をおいて、国税、地方税を通じての改正か今回行われるのでありまして、国の税はでき得るだけこれを少くする。そうして市町村自体かとつて、自治体か消費し得る財源と財政の権限を附與せしむるというところにあるのでございます。これを今回の地方税法の改正案につきまして、今まで大体準備されるところについて説明をいたしますと、さいぜん申し上げました通りに、国は九百億くらいの減税、府県は従来の七八百億と考えられますが、大体それだけの税金で今まで通りの税を確保する。増税になる部分は、これは市町村自体が自分が徴收してそれ自体のために使用下る。その財政的な運営の範囲が広くなるというところをねらつておるのでございます。しかし市町村自体にいたしましても、そう担税力のあるものではないのでございますから、税をとる権限のみを拡張してやつたからと申しましても、それで楽になるとは申されないのでありますけれども、今日までの弊害は税というものを、中央でよけいに取りすぎている。そのために地方税を増徴しようと思つても、権限も與えられなければ、またそれを徴税する、負担するだけの市町村民の力も、国税の重圧のために失つていたというところにあると思われるのでありまして、その点から中央の国税をでき得るだけ軽減をいたしまして、そうして市町村自体に徴税、財政運営の権限を、わくをひろげてやるというところにあるのでございます。決して今日の日本といたしましてそれで楽になるというわけではありませんが、そうした建前に進むことが、自治制を発達させる方法である、こういう方向をとつている次第でございます。
#18
○床次委員 税制の建前から申しまして、今後地方自治団体が相当財減を確保し得るだろうということにつきましては、私も異存はないのであります。はたして来年度におきまして地方の都道府県民、町村民の税の負担が国税の負担と合せまして、政府の予期しておられるような減税になるかどうか。そういうことについて私ども大いに疑問が残るのでありまして今日地方自治団体といたしましては、新らしい制度の実施に伴いまして、やはりかなりの費用の増加も見込まれるのではないかと思うのであります。そういうことに対してどれくらい政府は考えておられるか。たとえば、税金の問題にいたしましても、徴税技術はよほど今までよりも愼重を期さなければならないし、またその分量も非常に多額になつて来ると思うのであります。このために多数の税務係官を置かなければならぬ。一例でありますが、かような問題も出て参りますので、案外に地方といたしましては負担がかかるのではないかと思う。今日地方自治団体がいかようなる支出を要望しているか。それに対して当然負担というものは伴つて参るのでありますが、その負担の状況がはたして政府の言つておられるごとく、国税を通じまして、全体として軽減せられるものであるかどうか、この見通しを私ども伺いたいのであります。地方の財政その他につきまして、具体的な数字の見積りができますならば、この方を早くお示しを願いたいと思います。
#19
○本多國務大臣 地方税は現在従来の地方税をもつて徴収するといたしますと、二十五年度千七百五十億円くらいの地方税が推算されるのでございます。これが今度提案しようといたしております改正税法によりますと、千九百五十億万円くらいに推算されます。従つて、地方税としては府県税市町村民税を通じまして、二百億くらいの実質的な負担の増加になると、ただいまのところでは推算されております。一方、国税において九百億が減税されるのでありまして、地方税全体において二百億の実質的な増徴がありましても、国民負担は軽減されるということになるのでございます。さらに、この地方税の増徴は、府県はただいままで申し上げました通りに、従来の徴税高の程度を確保することにして、その増徴の分は主として末端の市町村の財源として予定いたしておりますので、市町村の方におきましては、今の地方税法で徴収するよりも、二百億の増徴になりますが、四百五十億だけは昨年度に比較いたしまして、財政的な余裕と言つては語弊があると思いますが、二十四年度に比べますと、四百五十億だけの財源をよけいに持ち得るということになるのでございます。
#20
○床次委員 ただいまの御答弁を伺いまして、当然、政府の方におきまして、地方に財源をあんばいなさる手かげんから申しますと、御承知の通り政府は全体を通じて楽になるというふうな、お見込みをなされるのでありまするが、いわゆる地方自治団体の必要な経費、ぜひ負担しなけれげならないという経費の問題については、一向に御考慮になつておらないで、政府はこれだけの財源を與えるのだ、だからこれだけの税金はとるのだと見ておられますか。支出の面において、はたしてどれだけの支出が地方において今後増して行くのか、あるいは支出が減ずるのかということについての御検討を承つておらないのであります。私が承りたいのは、むしろその地方自治団体の緊急なる支出というものが、いかなる程度であるか、これがはたして来年度において政府の予定しておられる財源で、まかない得るかどうかという点に、大きな疑問があるのでありまして、この点に関して承りたいと思つておるのであります。これはただいま数字をお持ちにならなければ、後刻でもよろしゆうございます。
#21
○本多国務大臣 なお地方税法御審議の場合に、それぞれの專門的な政府委員から詳しく説明申し上げますが、地方の財政需要に、はたして応じられるか応じられないかという御質問でありますが、これは標準財政需要というものを算定いたして、これを元にして平衡交付金というもので、一応の調整が行われます。そのあと與えられました地方税法によつて、県民、市町村民の意思によつて増徴することもできる、こういう建前になつておるのでありまして、もし需要が非常に大きく、しかもぜひともそれを実行しなければならぬという場合には、その自治体目体がよけいに税金を出して、自分のためにまかなつて行くというふうに、して行くはかなかろうと思つております。災害等につきましては、全額国庫負担の用意をいたしておりますが、それ以外の一般的なものにつきましては、自治体自体の負担においてやつてもろうように、その範囲を広げたということに、とどまるのでありまして、今日まで要求されておりましたあらゆる需要に合うだけのことが、政府に用意があるかと申しますと、政府よりはむしろあらゆる需要と負担力とを勘案しながら、自治体自体がぐあいよいよ運営していただきたいというところに、ねらいがあるものと考えております。従つて平衡交付金、さらにこの改正地方税法と相まつて、地方自治体の運営は、従来よりも自主的にやれるようになることと思います。
#22
○床次委員 ただいまの御答弁は、ちよつと私の質問と違つたところがあるのですが、地方自治体がどうしても必要だと思つて、計上したという地方民の負担これと政府の予想しておられるところの負担、そういうものを合せまして、国、都道府県、市町村全体を通じまして、国民の負担がはたして政府の予想しておられるような程度に、おちつくものであるかどうか。政府は比較的軽減するというつもりでおつても、都道府県がやむを得ないと言つて、自己の立場において自主的に増徴した、こういうことになると、あるいはこれは政府の責任でないとおつしやるかもしれませんが、全体を見通して、はたして来年度はわれわれ国民生活の立場から見て、軽減せられておるかどうかこれを私は承りたいのであります。
#23
○小野(哲)政府委員 ただいま床次さんから地方の財政需要と、これに対する財源の問題等についての、資料に基いた説明の御要求であると、私拝察するのでありますが、これにつきましては、ただいま大臣からお答えいたしましたように、一般財源による、すなわち税によつてまかない得る部分と、それから国の交付金によつてまかなわなければならない部分と、いろいろあるであろうと存じます。ただその際これは歳入の面になるわけでありますが、歳出の面において、一体地方団体において必要な経費は、何であるかということの捕捉が必要になつて来るのではないか、かように考えるのであります。これらの点につきましては、今回新たに創設されまする地方財政平衡交付金の運用に関しましては、中央においても相当強力な行政機関を設置いたすべきはずになつておりますし、並びに一般地方財政平衡交付金を交付するにあたりまして、その総額並びに当該地方団体に交付すべき額を決定いたす場合においての標準的財政需要と、標準的な地方の税収額、財政收入額との関連において、中央においてもある程度の基準によつて、側定をいたすことが必要と相なるであろう、かように思つておりますので、これらの点につきましては、当該地方公共団体の行政項目に応じた、ある穂の側定標準をきめることによりまして、一応全体的な当該地方団体における経費の状況を把握しつつ、交付金を交付し得るような道を講じて行くということによりまして、ある程度当該地方公共団体の財政の状況を観察し、これに即応する方法を講じ得るのではなかろうかと思うのであります。しかしこれはきわめて大ざつぱなことを申しておりますので、いずれ床次委員からの御質問につきましては、さらに資料等によりまして、御答弁申し上げることが適当であろうと存じますので、この程度の答弁によつて、本日は御了承を願つておきたいと存じます。
#24
○河原委員 地方自活の健全なる発達、地方自治行政の円滑なる運営は、地方議会の活発なる活動を必要條件といたしますことは、論をまたないところであります。ところが今回御提案になりました地方自治法の一部を改正する法律案によりますと、従来定例会が六回であつたものを四回ということに減少されております。もちろん必要な場合は何回でも開けることになつておりますが、單に必要な場合に何回でも開けるから、きまつた回数は減らしてもよいというのでありますれば、四回という数字を用いずに、随時開会するというふうにすればよいわけでありまして、六回というものを四回に減らすということにつきましては、それ相当の根拠がなければならないと思うのであります。ところが現在の地方議会の開会状況を見ますと、六回の定例会では事足らすして、臨時会も相当に開いている状況であります。かような観点より考えますれば、少くともこの六回を四回に減らしたということについては、政府が議会活動を萎縮せしめる、制約してもよいという意図を持つているかのごどき感を、国民に與えると思うのであります。去る臨時国会のこの地方行政委員会におきまして、地方議会の事務局を法文化する点につきまして、政府当局の御答弁としましては、すでにでき上つている事務局を法文化することについては異議はないが、しかしこれを政府から提案する場合には、行政整理緊縮財政をとなえている折柄、地方議会の膨脹、拡充を與えるおそれがあるといつたふうな御答弁であつたのでありますが、その筆法をもつて行きますれば、この六回を四回に減らすということは、地方議会の活動を、制約して行くという方向にあるという感を與えるものと思うのでありますが、これらの点に関する政府の御見解を承りたいのであります。
 次に承りたいのは、今回大がかりな地方財政改革が行われまするにあたりまして、政府におきましても相当な日子、手数を要しておられるようでありますが、議会に出ましても、その審議にまた相当な日数を要すると思うのであります。そうしてこれがきまりまして、それによつて地方議会が開かれ、徴税をやるというふうになりますれば、相当これを急ぎましても、その間の繋ぎとしまして、地方財政の運営り面において、非常な困難に遭遇することは火を見るよりも明らかであります。つきまして、第一はこの、過渡期における、繋ぎ目に対する対策について、政府はいかようなることを考えておられるかということが第一点、いま一つは議会に提案されるまでには至つていないようでありまするけれども、大体における草案綱領はでき上つている模様でありまするので、提案された曉における審議を促進する意味において、ほぼ明らかになつておる点は、なるべく早くこれを議会に示されまして、提案の曉、早く議会を通過するような道を講ぜられたい、かように存ずるのでありまするが、これらに対する政府の御用意いかんを承りたいのであります。
#25
○小野(哲)政府委員 私からお答えをいたします。まず第一点の御質問でございますが、地方議会の開会の度数を、年六回というのを四回以上に改めることが、ただいま提案御審議を願つておりまする地方自治法の一部を改正する法律案の中にはあるのでございます。この点につきましては、地方自治委員会におきましても、いろいろと愼重な御審議を煩わしました結果でございまして、もちろんあるいは年二回がよいとか、あるいはまた年六回以上が適当だあるとか、いろいろな御意見もあつたのでございます。この点につきましては、政府におきましては、地方議会の運営に対して制約を加える、こういうような意図は毛頭持つておりません。ただ年何回開くことが最も適当であるかということは、地方議会の運営の実費の問題に相なろうかと存ずるのでございまして、地方自治委員会議等の御意見をも十分に拝聴いたしました上、四回以上程度が妥当であろう、こういう結論に相なりましたので、今回提案をいたしたような次第でございます。
 なおまた第二点として、御質問に相なりました、今回政府の提案いたそうと準備をいたしておりまする地方税制の改正に関しましては御説のようまことに画期的な改正と相なりまするので、これを実施いたしますにつきましては、種々の準備をいたさなければなりませんことは、御指摘の通りでございます。私どもといたしましては、地方自治庁においても、シヤウプ勧告書に基きまして、長期にわたる研究並びに諸般の準備を進めて参つたのでございまして、御説のように国会の御審議を煩わします場合におきまして、その点も御便宜となりますように、また審議が促進されますように、大体の概要をお話申し上げるということは、決してやぶさかではないと存じますので、さような機会をお設けくださいます場合におきましては、概要等につきまして御証明を申し上げたいと考えておるような次第でございます。なおこみ法律案が国会に提案され、実施されるにつきましては、徴税その他の点につきましても、いろいろと当該税務職員等の訓練講習等もいたさなければならないような、実際的な問題がございますので、これらの点につきましても、目下それぞれ準備を進めておるような次第でございます。以上簡單でございますけれども、御答弁申し、上げます。
#26
○河原委員 あとのお尋ねでありますが、単に職員の訓練とかいうふうなことではなく、現実に支拂うべき金がない。税の徴収に至らないために、金がないという事態が起ると思うのでありますが、それらの事態に対する御用意を承りたいのであります。
#27
○小野(哲)政府委員 お答えをいたします。ただいま御指摘になりました問題等につきましては、あるいはそういう事態が予想されないとも限らぬとは存じますけれども、これらの点につきましては単に税制の関係ばかりでなしに、先ほど大臣からも答弁になりましたように、国の交付金の問題等もございますので、すなわち新たに設けられようとする地方財政平衡交付金の運用の問題等とも、関連して起つて来るのではないか、かように思うのでございます。それにつきましては地方団体が予算の編成等にあたりまして、支障を来さないように考慮いたしたい。この点について地方財政平衡交付金に関する法制を整えまして、この中にこれらの運用についてはできるだけ支障のない制度を設けるように、考慮いたしたいと考えております。
#28
○門司委員 すでに床次委員から、大体私の聞かんとするところはほとんど盡されておりますので、きわめて私は漠然としたことをお聞きしておきたいと思います。
 第一に、本多国務相にお聞きしておきたいと思いますことは、本多国務相は今年一月に、九州の対馬に視察においでになりました。そのときのお話の中に、佐賀県と長崎県との合併の問題に触れられておつたのであります。これは今の日本の情勢から都道府県を道州制に改めるという意見は、相当有力であると思うのであります。従つて政府がこの意見に基いて、どういう構想がどの程度まで進んでおるかということを、一応お聞きしておきたいと思うのであります。府県の廃合はもとよりわれわれも考えておりますし、また日本の将来の真の民主化を考えて参りますならば、中央行政から何らの干渉を受けないということが、真の自治体の民主化のためにぜひ必要だと思いますが、府県の廃合をいたしますには、非常に歴史的過程を持つておりますので、私がつき進んでお聞きしたいと思いますことは、その廃合をいたしまする政府のお考えの基礎であります。御承知のように、今までも府県というものは非常に多くの廃合が行われておりまして、大臣がおいでになりました佐賀、長崎県の事態を見ましても、従来鍋島侯が長崎県を支配いたしておりました。しかしその関係から明治四年の廃藩置県のときは二つにわかれておりまして、伊万里県と長崎県にわかれておつたことは御存じの通りであります。それが明治五年に再びこの伊万里県が今の佐賀県になつて、そうしてこれがもう一度解体いたしまして、同九年には長崎県にこの一部が編入されて、殊りの分が三猪県というような形になつておる。今日の佐賀県はその三猪県だけであります。これを要するに府県の廃合というものは、単に佐賀、長崎の状態を見ましても、幾たびか過去において廃合が行われておる。また隣における宮崎県と鹿児島県のごときは、一時併合されておりましたが、宮崎県側が非常に勢力の関係からまま子扱いをされるということから、六箇年にわたつて血を流した抗争が、あすこで続けられて、また元の宮崎県、鹿児島県という形にもどつておるのであります。こういう過程は単に当時の一部の少数の人たちの権力争いさらに従来の藩は廃止いたしましても、やはりそうした藩勢力というようなものの情勢が、非常に強く影響いたしておりまして、そういう過程を私は見たものと思いますが、今度政府がお考えになつておりますものは、一体いかなる構想に基いて、この府県の統合を行おうとなさつておるのか、その辺を一応御発表できれば、お聞かせ願いたいと思うのであります。
 それからその次に聞いておきたいと思いますことは、地方の財政の問題でありますが、税制改革が大幅に行われまして、いろいろなものが考えられております。これについては後ほどの委員会において、案が具体的に示されましたときに、一応お聞きすることにいたしまして、この中で最もわれわれが憂慮いたしておりますのは、平衡交付金の制度であります。従来の配付税の形のかわつたものというように、一応は解釈できるのでありますが、しかしその根本のこれの算定の基礎というものが、配付税のときとかわつておるように見えるのであります。そこで現在の平衡交付金の算定の基礎となるべきものが、一体どこにあるかということを仄聞いたすところによりますと、これは徴税できるものと、あるいは財政需要の関係というようなものの見合せからするというような、お考えのように聞いておりますが、こうなつて参りますとこの平衡交付金というものの算定の基礎は、政府の独断で行われる危険性が私は多分にあると思う。従来の配付税におきまして、たとえば御承知のように所得税あるいは法人税の三三・一四を地方に配付するという厳然たる法律があつてすら、これが行われない実情であります。ところが今度はそういう法律が全然なくなつて、ただ単に地方の自治体から調査して、ある、は申告して参りましたものを政応が勘案して大体このくらいのものが地方の財政との開きであろうというようなことで、政府の一方的の算定によつて、この平衡交付金が決定されると、うようなことになつて参りますと、非常に私は地方の自治体の財政に大きな影響と、自治制の上にきわめて危険性を生ずることになるかと思いますので、この平衡交付金の算定の基礎について、私どもが仄聞し、心配いたしておりますようなことがあるかないかということを、一応お聞かせ願いたいと思います。
#29
○本多國務大臣 行政区画度合の問題につきましては、実は今日までも旧来の行政区画が地理的経済的ブロツクと必ずしも符合しない。そのためにいろいろな不便があり、また自治体としてあまりに小地域であるために弱体であるというようなことも、一般に指摘せられて今日まで来ておるのでございますが、今回シヤウプ氏の勧告にも、ちようとこれと同じような意、見のもとに、政府はでき得る限り、そうした行政区画を適正規模に度合を推進すべきではないかという示唆を受けておるのでございます。これにつきましてはやはり行政区画の統合というようなことはお話の通り非常な沿革のあることでございまして、なかなか断行できないものでございますので、地方行政調査委員会に、これも合せて研究をしていただいて結論を得たいと、今日考えているような次第でございます。その目標はどこに置くかといいますと、結局弊害として指摘されております地理的経済的区域というようなものが、これが符合するように是正されること、さらに自治体を維持して行く上において、これが強化されるというような方向へ進むべきだと考えておりますが、私が旅行中にこの問題について記者諸君の質問に答えたのが、非常に誇大に伝えられたようでありますが、これは私の視察に参りましたのが対島でありましたために対島の福岡県帰属の問題はどうなるかということから、だんだん話に花が咲きまして、佐賀、長崎県の問題はどうだというような、いろいろな問題が質問されまして、その際に私はただいまも申し上げましたように、シヤウプ氏が今回勧告をせられておるので、地行方政調査委員会の研究題目となることと思う。多年甲論乙駁で解決できなかつた問題も、この権威ある委員会の結果、あるいは解決せられるのではないかと期待しておるということを言うただけでございまして、政府内部におきましても、そうした理想を持つて考究はいたしておりますが、まだどの区域とどの区域というような具体的な問題には、政府として触れておらない次第でございますから、この点は御了承願いたいと存じます。さらに平衡交付金のその配付の基準は、いかにして定めるかというお話でありますが、今回お諮りいたしたいと思つております平衡交付金制度におきましては、標準の徴税額と標準の財政需要額というものを算定いたしまして、これを土台にいたしまして、政府の予算にあります千五十億円をもつて徴税を行う。こういうことになつておるのでありまして、標準額というものが人口、あるいは具体的な税を基礎として定められますので、決して政府自体が独断的に算定できるものではないのでございます。しかしこの需要額や徴税額も、やはり内部の詳細なる点に至りますと、多少意見をもつて決定しなければならぬ面も出ては来るのでありますけれども、原則としてはただいま申し上げましたような方法で、おのずから定まるというふうな建前になつております。
 さらにこの平衡交付金の問題については、次長からいま少しく詳しく説明されたいと存じます。
#30
○荻田政府委員 平衡交付金の総額並びにこれが配分につきましての詳細は、後日提出して御審議を受けます地方財政平衡交付金法に、詳細に規定するわけでございます。その際に詳しく申し上げることにいたしたいと思いますが、大体現在の考えでは、前の配付税と違いまして、平衡交付金の総額は、国税の一定割合というように、まず親金が先にきまるというようなものではありませんので、ただいま大臣からお話のありましたように、個々の団体につきまして、精密な標準財政費を計算いたしまして、それを積み重ねて全国の総額をもつて、一応来年の地方財政の標準額財政費とみなして、これから標準率をもつて賦課し得る地方税の額を差引きましたもの、この額が必らず当該年度の平衡交付金の総額として、国庫予算に計上せられる。こういう方法になるわけでございます。そこに門司さんのお述べになりましたように、初めから総額を確保するという具体的の措置はございませんけれども、今申しましたことを合理的に政府において行います限り、一応地方財政に対しましての十分なる交付金が、来年度確保されるものだと考えております。
#31
○門司委員 ただいまの問題でありますが、平衡交付金の算定の基礎については、いろいろ私は議論があると思いますので、これ以上申し述べませんが、ただ標準税額、あるいは標準需要額というようなことになつて参りますと比較的に財政に今まで恵まれております土地と、それから施設は相当してやらなければならない。国家的にいろいろな問題のある地方があると思います。一例を上げますならば、東北の寒冷地のごときは、国の施設あるいは国全体から申し上げまする文北の程度というものは、きわめて低い状態に置けれております。一体これらのものをどういうふうな形で、標準税額と標準需要額の見積りをなさるかということが、私は政治的に非常に大きな問題になつて来ると思うのであります。こういう政治的に大きな問題になつて来るであろうというものが、最初から含まれておるこの平衡交付金の問題については、なお案が提案されましたときに、よく私どもの意見を申し上げたいと思いますので、一応私の意見だけを申し上げておきたいと思います。
 それから次に聞いておきたいと思いますことは、今地方自治体の予算の編成期に入つておると思います。地方自治法に規定されておりますように、一箇月前にこれを提示いたしますと、おそらく来月一ぱいに各都道府県並びに市町村は一応予算を組まなければならない。ところが税制改革の関係から、一体どの税金がどちらに確保されるのか、いまだにきまつておらないと思いますが、こうなつて参りますと一地方の予算というものは非常に組みにくい形になつて来る。一例を申し上げますと、今問題になつておりまする電気、ガス税の問題でも、どつちに行くか一向にわからないようなことになつて参りますと、これらの問題をもし市町村が組んだ場合、これが都道府県に行つた場合には、その市町村で決議されたものが一体どういう形になつて来るかということ、これはどういう形になるかといつても、事実が事実であるからということになると思いますが、こういうふうな問題が介在いたしておりますので、今回の地方自治体の予算の編成には、かなり大きな変動を来すと私は思う。骨格予算だけを組めばよいじやないかというような意見もありますが、たとい骨格予算を組むだけにいたしましても、そういうものの見通しがあらかじめついておらないと、なかなか骨格予算すらも組みにくい状態にあるのではないか、税率の問題は別といたしましても、科目だけくらいは、はつきりきまつておらないと、非常に困難を来すのじやないか、これについて自治庁は、一応どういうふうに都道府県並びに市町村に指示されておるか、また指示をなさろうというお考えであるかということを、この機会に承つておきたいと思います。
#32
○荻田政府委員 二十五年度の地方予算の編成に関しましては、すでに昨年こちらから指示をしたのでありますが、その際は、もちろん地方税制の大改革を前に控えておるけれども、いまだその法案が成立しておるわけではないから、さしあたり二十五年度の地方予算は、現在の税額をもつてそのまま二十五年に適用されるものとして、予算を編成しておいてもらいたい、こういう指示を出してありますので、おそらく地方もそれによつておると思います。従いまして国会において地方税制等の改正法案が成立いたしますならば、その際もう一度予算の編成をし直さなければならないというめんどうはございますけれども、何分にもはつきり成立していないものをあてに、架室の予算を組むわけにも参りませんので、そのような指示をいたしておる次第であります。
#33
○中島委員長 この際委員長から、委員諸君の大体の御意思を忖度いたしまして政府にお願いしたいと思います。今回本委員会に提出される法案は、まず地方公務員法、地方税法、平衡交付金法、こういう非常に重要な法案であります。ことに地方税法のごときは非常に大部な法案であります。これには経済財政関係がありますから、これに対しては非常に材料を要求するわけであります。政府の方ではまだ成案はできておらないということを拝承いたしております。しかし大体の骨格は新聞や何かに発表されております。そういうわけでありますからして、先ほど河原委員からのお話にもあつたかと思いますが、便宜上本委員会にその草案を御提出になつたらいかがですか。税法の非常に画期的の変更でありまして、委員諸君が頭に入れるのにも容易でない付加価値税のような新しいものもあります。そういうものに対する法案の草案並びにこれに対する補足のすべての計算、こういうものを一つ便宜本委員会に御提出願いたいと思います。そうしてこの次は来月四日に本委員会を開くつもりでありますから、四日までになるべく出していただきたいと思います。そうしてその草案に対して研究いたし、質疑をいたしましたら、たいへん政府の方でも便利でありますし、また委員の方でも空漠とした議論でなくて実態にはまるようでありますから、これをお願いする次第であります。
#34
○本多國務大臣 承知しました。
#35
○藤田委員 議事進行に関して……。先ほど来各委員かちも御質問がありました通り、目下自治庁において立案中の諸法案は、現在死活の関頭に立つております自治警察等の財政的裏づけその他にも、重大な関連がありますので、樋貝国務相その他国家警察関係諸政府委員において、つとめて次会の御出席をお願いしたいと思います。
#36
○立花委員 本日警視総監からわれわれあてに、地方自治体警察の起債計画の陳情書と申しますか、こういうものが参つておりますが、これはどういうものでございましようか。
#37
○樋貝國務大臣 内容は警視総監からこの間参りましたのと、多分同じだろうと思いますが……。
#38
○立花委員 これは各警察署長が警視総監を代表して持つて来ておるのでございますが、御承知のように、自治体警察は各地方の公安委員会の監督下にあり、しかも全体としては地方自治団体の一部であり、警察署長と申しますものは、一行政官にすぎないと思うのですが、これがこういうような形で、国会に起債の請願をして参るということにつきまして、私どもはこれは明らかに越権行為じやないかと思います。この点について大臣の御答弁をお伺いいたしたい。
#39
○樋貝國務大臣 ちよつと拝見しませんと、可じものかどうかわかりませんが、この起債を願つておるというような請願は、私はまだ弄見しません。従つてその内容を存じません。この間受けたのは、自治体警察の長とした、警視総監から受けたもので、しかもそれは起債のことは一つも入つておりません。だから起債というのは別の請願かもしれません。なおそれを拝見して、そし上で申し上げます。
#40
○立花委員 もしこれが署長の提出の資料であるといたしまして、正式に地方団体からこういう請願が出て参りました場合に、現在のところでは、大体他の起債は非常な厳密なわくを設けるか、あるいはさしとめているのが大部分でありますが、警察に限つて起債をお認めになる方が、いいとお考えになつておるかどうか、大臣の御答弁を承りたい。
#41
○樋貝國務大臣 それは大蔵大臣の所管でありますけれども、多分自由に起債を許す必要はないと思います。ほかの方の起債の関係と同じことに入ると思いますから、従つて警察だからといつて、特別な取扱いはしないだろうと思います。
#42
○藤田委員 ただいまの立花委員の発言は、非常に誤解を起しやすいと思いますので、私から一言申し上げたいと思います。実はわれわれとしては、こういう資料をどしどし帝望しておるのですが、これが警視総監の越権行為というような発言がありましたから、取消しておいていただきたいと思います。こういう資料は絶対必要でございますから、今後どしどし出していただくように、委員長からひとつ御注意願いたいと思います。
#43
○立花委員 これは形式を見ますと、資料じやないように見受けられるのです。明らかに警視総監の名前で、地方行政委員会にお願いいたしますという形で出してありますので、これは資料じやないと思うのですが、資料か資料でないかは、委員会でおきめ願つて、資料であるというならば、私どもはけつこうでありますが、私どもの見たところでは、起債の容認せられる様事情御賢察の上特別の御高配を賜りたく重ねて右御願いいたします。」となつておりますので、これは單なる資料でないと、私どもは形式の上から考えております。
#44
○中島委員長 委員長から申し上げます。それは警視総監からの陳情であります。しかしその陳情の要旨は、警察の施設を要する部分に対しては、どうか国で起債を許すようにしてもらいたいという簡單な要求であります。これは私ども現在においては適当だと思つております。政府はこれに対して調査の上、相当に警察の整備のために暴力するのが当然でないかと思います。いずれこういう問題は、追つてまた御審議を願うことにいたしたいと思います。
#45
○池田(峯)委員 この次の委員会に、私どもきよう質問できなかつた者に、特に優先的に質問さしてもらう。それからそのとき本多大臣も樋貝大臣も必ず出席してもらうということを、ひとつお願い申し上げます。
#46
○中島委員長 樋貝国務大臣、本多国務大臣に、この次、来月の四日月曜でありますが、御出席を願いたいと思います。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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