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1972/09/12 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会 第2号
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1972/09/12 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会 第2号

#1
第071回国会 商工委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会 第2号
昭和四十八年九月十二日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
  商工委員会
   委員長 浦野 幸男君
  理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君
   理事 羽田野忠文君 理事 板川 正吾君
   理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    稲村 利幸君
      内田 常雄君    小川 平二君
      越智 伊平君    木部 佳昭君
      小山 省二君    近藤 鉄雄君
      笹山茂太郎君    塩崎  潤君
      田中 榮一君    西村 直己君
      八田 貞義君    松永  光君
      保岡 興治君    岡田 哲児君
      上坂  昇君    佐野  進君
      竹村 幸雄君    藤田 高敏君
      野間 友一君    近江巳記夫君
      松尾 信人君    玉置 一徳君
      宮田 早苗君
 公害対策並びに環境保全特別委員会
   委員長 佐野 憲治君
   理事 林  義郎君 理事 渡部 恒三君
   理事 小林 信一君 理事 島本 虎三君
      戸井田三郎君    羽田野忠文君
      土井たか子君    木下 元二君
      岡本 富夫君    小宮 武喜君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        審議官     橋本 道夫君
        環境庁大気保全
        局長      春日  斉君
        環境庁水質保全
        局長      岡安  誠君
        厚生省環境衛生
        局長      石丸 隆治君
        厚生省薬務局長 松下 廉蔵君
        食糧庁次長   森  重弘君
        通商産業省立地
        公害局長    林 信太郎君
        通商産業省基礎
        産業局長    飯塚 史郎君
 委員外の出席者
        厚生省環境衛生
        局環境整備課長 折田 貞雄君
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 三浦 大助君
        通商産業省立地
        公害局公害防止
        指導課長    松村 克之君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      赤羽 信久君
        通商産業省生活
        産業局紙業課長 村岡 茂生君
        日本国有鉄道工
        作局長     石沢 應彦君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
 案(内閣提出第一〇八号)(参議院送付)
     ――――◇―――――
  〔浦野商工委員長、委員長席に着く〕
#2
○浦野委員長 これより商工委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。
 参議院から送付されました内閣提出、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案を議題とし、審査を行ないます。
#3
○浦野委員長 本案の趣旨につきましては、お手元に配付いたしております資料によって御承知願います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
#4
○島本委員 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案も、現在の激増する公害対策の一つとして立案されていたその経過等については、私どもも存じております。
 それで、この際ですから大臣にひとつ所見をまずもって伺いたいと思うのです。何ら罪も責任もない漁民は休業しているし、加害企業はフル操業を続けている。この姿が異様に映らないほどに政治の良心は麻痺しているのか。汚染魚として工場が買い上げる食べられない魚をとるのは、もはや漁業ではない。造花に水をやるようなもので、こんなばかがいるか。第三番目には、漁民対策を融資だけでお茶を濁してはならない。貧しい漁民に借金をしいることは、政治でも行政でもない。これは第三水俣病が発生した当時私どもが調査に行ったときの漁民の率直な声であります。私は、やはりこれらの声の一つ一つは、現在の政治、行政の欠陥をそのままえぐっており、そしてここ十数年の間、高度経済成長を続けてきたこの姿に対する一つの反省であり、批判であるというように受け取っておるわけであります。その対策等も現在進んでおると思いますが、これらの点について、大臣は化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案の提案者としていまここに臨んでおるわけでありますが、対策としては今後どのように考え、今後この法律案等を通じてどのように対処する決意ですか。
#5
○中曽根国務大臣 いま島本委員が御指摘になりましたいろいろの点はまことに傾聴に値する叫びである、私もつつしんで承った次第でございます。現在は過渡期ともいうべき時代でございまして、いままでの公害を放置していた蓄積の結果、あるいは公害に対する規制が必ずしも十分でなかったという結果が、いま一挙に押し寄せているというところもございます。それから、現在いろいろな規制をやっておりますけれども、科学技術やその他の関係で必ずしもまだ十全でないというところもあると思います。しかし、それらの原因につきましては一つ一つ的確にその実態を突き詰めて、それに対する対策を立てて、じりじりじりじりと時間をかけて根源を克服していく、そういう考えに立って政府は施策を進めていかなければならぬと思います。また、被害を受けられました皆さま方に対しては、できるだけ援助の手を差し伸べて、それらの方々が生活をするのに困らないように、また、生業を営むのに支障のないように私たちは努力を続けていきたいと思う次第でございます。
#6
○島本委員 時間をかけてという答弁が一つありました。私は、この点だけはひとつ修正願って、できるだけ時間を縮めて、そして対策の実現を期してもらいたい、こういうように思う次第です。
 この六月の十四日に、これらに対する緊急の対策が十一項目にわたって策定されました。その中で、十一項目ですからこれは一つ一つ御存じのとおりなんでありますが、通産省そのものに関係した要綱、事項もたくさんあるわけです。いわばほとんどであります。その一、魚介類の安全基準の設定、二、有害物質関係工場の点検、三、水銀排出の規制、四、調査の実施、五、ヘドロ対策、そのほかずっとあるのであります。第八には原因者の追及、こういうような点もそれぞれ閣議にかかり、そして環境庁長官を中心にしてこの対策に鋭意当たっておる、こういうように存じております。この水銀、PCB、これらの有害物質関係工場の点検と水銀の排出関係の規制、そして原因者の追及、こういうような点等については通産省としては十分この実をあげておられますか。
#7
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。
 水銀等対策推進会議できまりましたうちのまず二番目の有害物質の関係工場に対します点検でございますが、水銀関係工場につきましては、予定で六月中に点検を行ない、七月末までに調査結果をまとめる。PCBに関しましては、まず危険八水域周辺の工場につきまして実施いたしまして、次いで全国的に点検を行なう。それからもう一点、中身といたしまして、水銀、PCBその他有害物質を扱っております企業につきまして各四半期ごとに定期的な収支の報告を徴収する、こういう点検予定になっております。
 調査の現在の進捗状況でございますが、水銀につきましては三つの種類の調査をやっております。まず、問題の三業種につきます六十一工場に対する調査でございます。第二番目は、水銀を使用しております無機薬品、染料、電子機品等の工場に対するヒヤリングの書面調査でございます。第三は、有明、八代海周辺に立地しております企業に対します周到な立ち入りヒヤリング等の調査でございます。この辺はそれぞれいろいろ障害もございますが、鋭意進めております。特に先ほど島本先生御指摘になられました魚介類の安全との関係につきましては、環境庁を中心にいたしまして、関係省庁と緊密な連絡をとっておりまして、そういった全体の調査の一環として十分機能を果たすように調査表の点検を実施いたしております。特に先ほど御指摘になられました終わりのほうに、八番目の原因者の追及という項目がございます。きわめて重要な項目でございます。環境庁を中心に、私どもの工場関係の調査を十分正確を期しましてこういう方向に寄与できるような形で鋭意現在進めておる段階でございます。
 それからPCBにつきましては、水産庁発表の汚染八水域につきまして、ここに立地しております工場、当初のリストでは三百三十八工場でございましたが、その後追加をいたしまして四百三十二工場に対して立ち入り、ヒヤリング及び書面、三様の調査を進めております。個表は大体回収されてございます。
 その他のPCBを使っております工場、当初約八百工場という予定でやっておりましたが、具体的に使ってない工場等も明らかになりまして、七百四十八工場を対象に通産局、県が協力いたしまして、主として書面、ヒヤリング調査を実施いたしております。これらの個表がほぼ私どものほうに集まってまいっております。具体的にその個表を点検いたしましたところ、次のような五点の問題がございました。
 一つは、調査表に記載されております内容が不備ということでございます。リッターとキログラムを間違えて記載したりしておりますので、この辺の訂正をせざるを得ないという点でございます。
 第二番目は、記載されております数値につきまして信頼性のチェックをせざるを得ないということでございます。ある個所では排出してないという形で記載されておりまして、別の項目のところでは明らかにPCBが環境に排出されておるというふうな形の記載がございます。どちらが正しいのかチェックをせざるを得ない。
 それから三番目でございますが、返却をしたということになっておりますが、はたしてメーカー側でその返却を確実に受けたかどうかをクロスチェックせざるを得ませんので、これをやっております。
 さらに、同一会社の中で他の工場に渡したというふうな記載がございます。はたしてそのとおりかどうかというふうな点の確認がございます。それを追跡調査せざるを得ないような状況でございます。
 さらに問題は五番目でございますが、焼却処分したという記述がございます。問題は、島本先生御案内のように、非常にむずかしい物質でございますので、単に個々の企業が焼却したということでおさまる問題でございませんので、その焼却方法あるいは場所等の確認をするというふうな作業にいま追われておる段階でございます。
 いずれにいたしましても、この結果に基づきまして、PCBの環境汚染防止のために必要な対策を環境庁その他関係省庁とも連携をとりながら講じてまいりたいというふうに考えております。
#8
○島本委員 しかし、その中で第三番目の水銀排出の規制、この項の中で、クローズドシステムに完了する時期を四十九年九月として、ソーダ工場は五十年九月を目途に極力隔膜法に切りかえる、このような一項があるわけであります。「極力」とつけたことは、これはもう五十年九月までにやれないのじゃないか、このことについてば論議のあったところです。これに対しては、いまどういうような進捗の状態でありますか。
#9
○飯塚政府委員 ソーダ工業の隔膜法への転換につきましては、推進対策会議の結論といたしましては五十年九月までに極力転換をはかるということになっておりますが、その後通産省は、関係業界をできるだけ早く転換を促進するということでいろいろ指導いたしてまいりまして、現在業界におきましては五十年九月にほぼ三分の二が隔膜法へ転換できるという見通しがついた段階でございます。
#10
○島本委員 一〇〇%転換するのは何年何月ですか。
#11
○飯塚政府委員 残りの三分の一の分が全面的に転換できるという時期はおおむね五十二年度末というふうに私どもは考えております。
#12
○島本委員 こういうふうにして対策が次々と出され、そして化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案、こういうのもいま出されており、着々とその整備、充実のために努力されておられるようであります。しかし、その行政の実態はこれに伴っておりますか。たとえば、八日、九日、十日の三日間にわたって瀬戸内海環境保全臨時措置法の立法の参考として、響灘を含めて瀬戸内海の各地の調査に参りました。通産省からもそれぞれの局長も随行されました。その中で、現在われわれが調査しに行っているのに、各府県の規制がまちまちである、ことに山口県と広島の両方にまたがっておる、また山口県側に存在しておる山陽国策バルブ、この廃液は活性汚泥方式を採用しているといいながらも、コーヒーの色よりもっと濃い排水をそのまま瀬戸内海に流しておる。行った人たちはこれを直認しておるはずだ。幾ら法律をつくっても、行政面でこのような怠慢な態度を認めていては、結局はどうなるのですか。隣の広島ではきつくこれを規制しておるという。隣の山口県ではたれ流しです。こういうような実態は、まさに法律をつくっても実態が伴わない。こういうような法律なら幾らつくってもだめなんだ、こう言わざるを得ないのであります。説明によると、活性汚泥方式を採用して、きちっと最大の努力をしておると言っているのですが、排出口へ行ってみたら、コーヒーよりもっと濃い色です。ここでは表現できない。この壁の色よりも濃いのです。こういうような廃液をこのまま瀬戸内海にたれ流しているのです。それが九日現在あったのです。見てきている人もあると思う。この規制は十全ですか。こういうような態度でいいんですか。その後の調査の結果を発表願いたい。
#13
○村岡説明員 御説明申し上げます。
 山陽国策パルプの岩国工場におきましては、現在諸種の排出規制を国及び県等から受けておるわけでございます。現在岩国工場の、たとえばCODについて申し上げますと、現実の排水の水質は五五〇PPMという段階にございます。御参考までにこのCODに対します国の規制を申し上げますと、現在八〇〇、県及び市との協定が上のせされてございまして、それが現在六〇〇ということに相なっておるわけでございます。なお、五十一年度におきましては、このCODの排水規制は全国一律一二〇ということになるわけでございまして、山陽国策といたしましては、鋭意そのための努力を今後とも払う予定になっております。
 なお、先生御指摘の排水の色の問題でございますが、現在この色を薄める技術というのが、国際的に共通でございますが、非常にむずかしいということで規制は加えられていない現状にございますが、私どももつぶさに現場を見ますと、先生おっしゃるように、ビーカーにとってもビールの色みたいな色を流しておるわけでございまして、地域住民にとってもかなり問題のある状況かと存じます。そこで、現在各種の技術開発を続行しておるわけでございますが、特にBSPの問題についてはなかなかむずかしいというのが国際的な状況でございまして、今後とも努力を続けてまいりたいとは存じますが、現在はっきりめどは立っていない、こういう段階でございます。
#14
○島本委員 そうすると、山陽国策パルプの状況は国、県の指導によってあれは万全である、こういうように考えているということですか。その点、はっきりさせてもらいます。
#15
○村岡説明員 この色の問題につきましては、先生御指摘のように、私ども万全であるとは考えておりません。早急に技術開発等のめどを立てたいということで、業界あげて対策に取り組んでおります。特に紙の問題のうちでBSP、溶解パルプでございますが、これにつきましては非常に濃い色が出るわけでございます。そのほかの……
#16
○島本委員 答弁は要らない。一緒に同行した係官が三人いるはずです。活性汚泥をやっておるというが、他のほうはそれほどの汚泥は出ておらない。まして当初は一三〇〇PPM、それが努力して減らしているようですが六〇〇PPM、これだけだという。隣の広島は幾ら出しているのですか。ほとんど規制されてもうすでに一〇〇程度になっているんです。ところが、六〇〇にしておいてそれが最大の努力だという。各県にわたってこういうようなまちまちなことを指導しているんでは困るじゃありませんか。瀬戸内海の環境保全臨時措置法、これは政府ができないのです。環境庁長官は副総理であっても、これは現在の行政の中ではできないと言うのです。したがって、これはわれわれが調査の上で議員立法として近々提案されるのです。実態はこうじゃありませんか。むしろこういうような一つの法律案を出しても、指導行政自身がいまのようなまちまちな状態、それが県によって全部違うような指導の状態、これでは何にもならないと思うのです。一緒に同行された人はわかっているとおりです。一体活性汚泥方式をきちっとやっているのですか。やっているとすれば、これをやって廃液を全部瀬戸内海に流しているんですか。その実態をはっきりここに報告願いたい。知らない人がそればかり見ての答弁は要りません。いまの答弁は間違っているんです。何ですか、あなたの答弁は。
#17
○松村説明員 お答えいたします。
 先生お話しのように、私も今回衆議院の調査団のお供をいたしまして現地を見てきたところでございますが、おっしゃいますように、山陽国策パルプの場合に、現在五五〇PPM程度のCODを出している。ところが、そのあと伊予三島のほうに参りまして大王製紙を見たわけでございますが、そこのCODははるかにそれより低いわけでございます。その点につきましては、山陽国策パルプ自体の問題もございますが、いま紙業課長からも説明がございましたように、BSPというものを山陽国策ではつくっているわけでございます。これはクラフトパルプに比べまして非常に高純度といいますが、つまりリグニンであるとか糖分というものを最大限に取り除くことが必要で、ございますので、そのために技術としてある程度むずかしいという点はございますが、今後特に瀬戸内海に立地しているような場合にはさらに規制をきびしくする、あるいは自発的にこれをさらに押えていくということが必要であろうかと思います。
 それから活性汚泥でございますけれども、山陽国策では活性汚泥方式を採用しているということは、私も帰りまして紙業課のほうに問い合わせたわけでございますが、あそこで活性汚泥方式を採用していることは間違いないということでございます。ただ、活性汚泥によってCODを落とすといたしましても、それによって先生からお話のありましたパルプの廃液の色というものはそれほど取り除かれないということがございます。廃液の色を落とすには、先ほど紙業課長からも説明がありましたように、あるいは電気分解をするとか、いろんな技術を今後開発していく必要があろうかと思います。
#18
○島本委員 大臣もせっかくおられるわけでありますが、そういうようにまちまちなんであります。それでも現地に行くと、最大の努力だといってわれわれに誇示するのであります。しかし、実際は最大の努力はしておらない、こういうのがいまの実態であったわけでございます。私はこの点遺憾だと思います。
 それと同時に、もう方法がないということでありますが、ソ連のバイカル湖にあるバイカル・パルプ工場では、第二期工事分として産業廃棄物の再利用工場をつくって排水処理を行ない、木材パルプは九三%から九五%までを利用し、残りの五%から七%を処理施設にかけて有機排水の中和と生化学処理を行ない、その後沈でん池で脱色をする。そして砂ろ過器などのろ過装置を通して清澄ろ過を行ない、そのあとバイカル湖に注がせている。こういうような報告が私のほうにあるのです。全世界ともにその方法がないといま局長はおっしゃったが、いま私が言ったのはソ連からの報告なんです。日本ではやってないじゃありませんか。これでいいのですか。やはりこの点は、今後行政指導の面でも十分考えておかなければならないと思うのであります。いま新しい法律をせっかくここで審議している最中ですから、こういうような行政の点等においても、ひとつもっと勉強しておいていただきたいというように思うのです。これについて御意見があったら伺っておきたい。
#19
○中曽根国務大臣 いまお話を承りますと、広島と山口県の場合にいろいろ差異があるようであります。いろいろ操業の内容について違うようでありますから原因はあると思いますけれども、しかしいずれにせよ、お示しになったような色の汚水が瀬戸内海に注いでいるということはよくないと思います。この点については、いかに科学的にこれを克服していくか、環境庁や科学技術庁とも相談をいたしまして、できるだけ早期にこの問題を解決するように努力させたいと思います。
#20
○島本委員 それと同時に、私は大臣にこの点をひとつ伺いたいわけであります。以前、連合審査で私もこの場所に参りまして同じく公害の問題で意見を拝聴した際に、PCBの処理の点に触れました。そしてその際に、この問題はあとで別に項を設けて行ないたいと思っている問題でありますが、これは大臣に関係あることですから一bだけ抜いて大臣の意見を伺いたいのですが、開放性のものも閉鎖性のものもともに十分管理している、そしていま国鉄では閉鎖性のものを使っているし管理も十分である、したがってその辺に対しては心配はないものである、こういうように大臣は答弁なさっておるのです。ところが北陸本線の「雷鳥五号」のトランス事故によって、PCBを含む油をたれ流ししながら走ったという事故があったようであります。この実態は大臣の答弁と違うのじゃないか、やはり閉鎖性のものでもこれを十分管理するのでなければ、こういうような事故が再々起こることにおいて大臣の答弁の権威もなくなってしまうのじゃないか、こう思うわけであります。したがって、大臣は、十分管理しているからだいじょうぶだ、こういうようにおっしゃったのでありますが、こういう事故については一体どういうようになっているのですか。国鉄当局も来ているようですから、この際伺いたいのです。これはもう通産大臣は、こういうような種の事故は万々あり得ない、ましてこういうようなものに対しては不燃性のものであるから火災でも燃えない、したがって安全だ、こういうようなことだったのです。ところが、今度の場合はそれを散布して走っているようであります。一体これはどういう事故でしょう。何台分もの、これは貨車なんですか、そしてその管理はどうなっているのですか、これについて答弁願いたい。
#21
○石沢説明員 ただいま御指摘の北陸線の「雷鳥五号」の事故概要から先に御説明申し上げます。
 八月の十二日に「雷鳥五号」、これは編成が十一両編成でございますが、その中でトランスのついた車が三両ございます。その中の一個のトランスが、われわれもこういうことはほとんどあり得ないと思っていたことでございますが、走行中に内部の電線とトランスとの接続のところの、ふぐあいということはあとになってわかりましたが、それによって中で破裂が起こりまして、芦原温泉と丸岡駅間約六キロの間でトランスの中の油、全量ではございませんが、二百リッターをばらまいたという事件が起こりました。これが起こったわけでございます。
 それで、それの対策は、さっそく現地金沢の管理局で調査員を派遣し、また、保線等そこへ立ち入る職員に対する注意を与えまして、本社のほうへそれの対策の指示を求めてまいりました。実はわれわれのほうもこういうことが起こるとはほとんど思っておりませんでしたので、また昔ですと、このPCBというものがそんなに危険なものだということを知らない時代ですと、PCBの中へ手を突っ込んで引っかき回すというような時代があったのですが、最近のようにこれが非常にたい
 へんなものであるということがわかって初めての事件でありまして、実は本社のほうでも少しおたおたした点はございます。しかしながら、まずそれがどういう影響を与えるであろうかということ、この二百リッターというものが六キロにわたってばらまかれたということでどういう影響があるだろうかということをまず部外の学識経験者の方にもお伺いしまして、そのことに対しては、現在きめております基準等から見てそれほど危険はないだろうという御意見はいただきましたが、それにしましてもたいへんなことでありますのでほっておくわけにはいかないということでございまして、さっそくその散布したものをともかく取り除こうではないかということになりまして、先ほど先生御指摘がありましたように貨車で、道床のバラスト、砂利でございますが、これに油が散布しましたので色がついております。色のついているところを全部貨車で排出しまして、また、まくら木等は洗剤でふきましてそのぼろを回収するというようなことをいたしまして、ほとんど全量これを回収いたしました。
 その後、これが初めてのことでまたこれをどういうふうに始末していいかわからないというようなことでございまして、いろいろ検討しまして、私どもの松任工場の中にコンクリ詰めにして始末するのが原子力なんかと同じように一番間違いないであろうということでその対策を立てまして、実はそれが本日完了ということで始末しております。
 それから、こういう起こってはいけないことが起こりましたので、さらに今後こういうことが起こってばらまくことがないようにということで、トランスに電線をつなぐところ、ここのところに入っておるPCBはごくわずかですが、今度破裂しましたので本体の油が出てしまったわけです。まずそのつなぐところの部屋、爆発したときにそこだけで被害が及ばないように、そこへ放圧膜というものを取りつけることをまずきめまして、いま設計を至急やっております。
 それからさらに、小量でも出たらいけないということで、それがもしも破裂しましてもさらに道床のほうにばらまけないようにそれを受けてしまう受けもつけようということで、これも現在設計中でございますが、トランスは、この「雷鳥」だけではございませんで、トランスの種類が在来線で六種類ございます。それから取りつける車両もいろいろございますということで、一日、二日で設計が全部終わるというわけにいきませんので、まだ完了しておりませんが、これは設計を終わりましてなるべく早く、もしも何か起こっても下にばらまかないようにという措置を講ずることになっております。
 それから、全体のPCBの国鉄の管理でございますが、これは運輸省から御指示をいただきまして、特に地上のトランスではもうPCBを使ってはならないという項目、また、車両のPCB、トランスのPCBですが、これは代替品がありません、新しいものを開発せよということ、それからさらに、以後PCBの取り扱いを厳重にしろという三項を指摘いただきまして、それに合わせましてPCBを取り扱ったときの責任者、また、機器の整理台帳その他すべて現在のところ取り扱いを完備しておりますし、それから地上のほうは、すでに御指摘のとおり、昨年度からもうPCBは新しいものには使っておりません。それから車両のほうも新しく開発せよということで急遽開発を進めまして、シリコン油というものを使いまして新しいトランスを開発しまして、そしてこの二月から試験を始めまして、大体半年で使いものになりそうだ、使ってすぐ問題になるというようなことはないというところまで使いまして、この下期から新しいものはPCB油を使わないもの、このトランスにかえることになっております。
 それから、そのほか現在保管しておりますPCBをふいたぼろとか、これはすべて工場等で、屋根のあるところで水なんか入らないように保管し、これは通産省のほうの御指導で、これの焼却の設備ができ上がるまで厳重に保管するということで現在進めておる、こういう次第でございます。
#22
○島本委員 さっそくですけれども、その転換の計画はどうなっているのか。その事故について、雨が降ったりなんかしても、当然これは流れ出ることによるいろいろな災害は予想できないかどうか。今後の措置についてもまだはっきりした回答がないようですが、これをはっきりしてもらいたい。
#23
○石沢説明員 御指摘の雨、われわれも一番初めその報告を受けましたときに一番心配いたしました。それで天気予報と首っ引きでその対策、雨でも降ってまいったら上に何かかけるとか、砂利の搬出までしなければいけませんので、首っ引きでやったような次第でございまして、雨の降っているときにこれが落ちますとやはり流れるというような現象が起こるわけでございます。そういうことで、今回の場合にはたまたま雨も降りませんで、ほとんど一〇〇%処理できましたが、心配はございます。
 そういうことで、今後、先ほど申しましたように、いま使っておりますもの、ともかく今回のようにはかられないようなことが起こりましても外に出ないような対策のほう、これはいつまでにというような御指摘かと思いますが、現在のところ、このおおいをつけたりなんかしますのが、車体からいろいろ受けを出してつけなければいけない、工場でなければできないということ、両数がたくさんございますということで、何とかこの二年間以内くらいにそういうものを完了させたいということで、先ほどの設計とあわせてがんばっておるというような次第でございます。
#24
○島本委員 代替品についてはどういうものを使うのですか。
#25
○石沢説明員 先ほどのあのシリコン油でございますか、これに関しましては、シリコン油というもので、ただし、これはPCBよりも、いわゆる危険という意味では――別の火災対策その他に対しましてはシリコン油のほうがPCB油よりも性能は少し落ちます。ただ、昔からトランスに使っております鉱物油なんかよりはもちろんよろしいというようなことで、すべてPCB油よりもそのシリコン油の性能のほうがよろしいというわけにはまいりません。絶縁性なんかも少し落ちます。そういうことでございますが、PCBの危険にはかえられないということでシリコン油を使うということにいたしております。
#26
○島本委員 通産大臣、こういうようにして、大臣が閉鎖性のものでこれだけ十分管理しているからだいじょうぶだ――こういう国鉄のトランスの事故がこういうようにあったわけであります。だいじょうぶだ、こういうふうに思われていても、そのしりからこういうような事故が発生するということは、これはだいじょうぶだということに対しての一番大きい問題点になるわけです。ただ、それに対してふだんから十分気をつけて対処しておかなければならないんだ、こういうようなことでありますけれども、いまのような事故は、私は遺憾に思います。
 それで、せっかく化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律案が出されたわけです。したがって、これは今後環境等を通じて人間のからだに悪影響をもたらしてはならないんだ、こういうようなことでありますが、直接に人間のからだに入る食品工業について当然こういうようなものは使用してはならないことになろうかと思います。食品と工業用品、これは厳然と区別されるものだとは思います。しかし、この区別がともすればあいまいになる接点もあろうかと思うのです。直接食品添加物、こういうようなものに使う場合は当然食品衛生法、この範囲になるんじゃないかと思います。しかし、この食品の規制は厚生省、つくるほうは農林省の規制を受ける、安全の規制は厚生省だ、工業関係のほうだけは通産省だ、こういうふうにしてやると、食品関係のものについては、かまぼこ、乾物、とうふなどが農林省、こういうふうになってまいりますと、普通、通産省のほうでいま化学物質の点で規制を厳重にやろうとしても、結局他の官庁の所管になる分が全部逃げてしまう、こういうようなことがあっては真に環境の保全と公害対策にはならないんじゃないかということを心配するわけです。したがって、普通の工業に使うためのチェックは当然通産省ではおやりになるのでしょうけれども、行政の面の縦割り行政の弊、これは運用面で困難であろうが十分カバーしなければならないと思うのであります。これは閣僚の一員といたしまして通産大臣もこの点は十分留意されていることだと思いますが、この法律は縦割り行政の中で行なう。しかし、通産省のほうはよくても、同じような問題を食品の面や他の部門は全部違ったそれぞれの省で管理している、こういうふうになると運用の面も相当重要になってくるわけであります。この点等に対しての配慮は十分でございますか。
#27
○中曽根国務大臣 それぞれの法規に基づきまして食品関係そのほかは監督を受け、規制をしておるわけでございます。問題はその最低基準、これ以上やってはならぬという基準をどういうふうにして共通に守らせるかという問題であるだろうと思います。通産省といたしましては、今回の新しい立法によりましてかなり厳格な規制を加えようとしておるところでございますが、とれと同じような水準の規制を横断的に各省にもぜひやってもらうように、これは官庁の協力を通じて実行していきたい、そういうように思います。
#28
○島本委員 したがって、化学物質の審査及び製造の規制も通産省関係だけでやる。直接食物やその他の媒体物を通じて人間のからだに入るような、こういうふうな規制は、別の法律で、別々の省が行なっている。この間の連絡だけは十分つけておいて、真に環境の保全と公害対策の実をあげてもらいたい、これが私の要請でありますから、この点は特に要請しておきたいと思うのです。
 それから、この法律の中で分解性の高いもの、こういうふうなものでも有害なものも多いわけです。枝は分解し切れてしまっても分解しないものが残るおそれはないのか、ここに分解性の問題と蓄積性の問題と慢性毒性の問題、この三つの柱の上に立ってこの法律が運用されるわけでありまするけれども、いわゆる化学記号のカメの甲、こういうものは分解しないわけです。枝のほうが分解しやすい。これでも分解性があるということの認定はできるわけであります。ベンゼン核、これは分解しにくい、したがってこれは有害であるということ、これは塩素がつくと有害なものになるわけです。こういうふうなことだと思うのです。したがって、かりに分解されたにしても、分解の途中で有害な形で段階的に残るおそれがあるものはどうなるのですか。一つの分子の一部が分解しても分解したということになるわけです。ただ、残るものをそのままにしてこれは分解するからいいのだという決定がなされるとするとはなはだ危険であります。この点等に対する対処はどのようになさいますか。
#29
○飯塚政府委員 ただいま御質問の点につきましては、本法の第二条の第二項でございますが、一号と二号と両方ございますけれども、この二号のほうにおきまして「当該化学物質が自然的作用による化学的変化を生じやすいものである場合には、自然的作用による化学的変化により生成する化学物質が前号イ及び口に該当するものであること。」ということで書いてございまして、分解が完全に行なわれないで、分解生成物が蓄積性あるいは慢性毒性等を有する場合には、やはりこの法律によって取り締まりの対象になる、かような仕組みになっております。
#30
○島本委員 これは分解が早ければよろしい、こういうふうな考えであるとするならば、これは相当有害なものでも分解しやすいものはないのか。そのものに対する対処は十分か。これは例にとってはなはだ妥当ではないかもわからないけれども、医薬品、毒物劇物に指定されておる青酸カリは一番分解されやすいのであります。まさにこれは有害であります。しかし、分解されやすいという点からいうと、一番分解されやすいということ
 になります。しかし、これは急性毒性のものであります。
  〔浦野委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕
 これは分解性だけを問題にされるということにおいて今後危険性はないのか、この点についていかがでしょう。
#31
○飯塚政府委員 分解性がきわめて高いもの、極端に申しますと、一〇〇%の分解性があるものでございますと、これは炭素とか、きわめて分解性のいいものにつきましては水、炭酸ガス等になりますので、その物質は有害性、蓄積性等が全然なくなるというふうに考えていいのではないかと思うわけであります。
#32
○島本委員 したがって、いま一番危険だと思われておる毒性の強い、それも急性毒性の青酸カリでさえも分解されやすいのだ。しかし、これは一番毒性の強いものである、したがって、こういうように分解されやすいからいいのだ、そういうような決定そのものの中には危険性は存在しないのか、ほんとうにだいじょうぶなんですか、こういうふうなことなんです。それは蓄積性の点がないからいいのだ、こういうことのようでありますが、もしそうだとすると、なおさら問題になるのは慢性毒性の問題これは相当時間がかかるわけです。そういうようなものに対しては十分対処できておりますか。これは厚生省ですか。
#33
○松下政府委員 この法律の適用を行ないます場合の新規化学物質に対します検査、試験、これは先生御指摘のように蓄積性、分解性及び慢性毒性、これはものによりましては催奇形性等も含めました広い意味の慢性毒性を検査しなければならないと存じます。検査にあたりましては、まずその物質が蓄積性あるいは分解性等において問題があるかどうかという点を検査いたしまして、分解がしにくく、蓄積するおそれがあるというような結論が出ましたものにつきまして、さらに慢性毒性の検査を厚生省の責任において行なうというたてまえをとっております。
 慢性毒性の検査につきましては、これはもちろん当省で所管いたします国立衛生試験所等が中心になりまして、実験動物を使用いたしまして、その全生涯に及びますそういった物質の投与を行ないまして、どのような影響があるかということを検査するわけでございまして、御指摘のように相当の長期を要するものでございますが、こういったことは、その結論によりましてこの法律の運用の死命が制せられるという性格のものでございますので、厳格かつ慎重なる検査をいたしたい、かように考えて準備を進めております。
#34
○島本委員 先ほどもPCBの一つの事故の問題でいろいろ皆さんの御意見を聞くことができたわけでありますけれども、PCBにかわってすぐ代替品が出された。アルキルナフタリンが主成分であるKSKオイルそれからネオオイル、KSMオイル、こういうようなものがすぐ許可されて出されるわけであります。しかも、六カ月間の簡単な試験だけで、これが安全性があるということで出されてくる。しかし、肝心な二年以上要するところの発ガン性の試験であるとか、催奇形性試験、こういうようなものは、いままで何もなされないままで通産省が安全性の問題が完備しているということで出されているわけです。これはそういうような安全性の中に発ガン性の試験や催奇形性試験が入らなくてもいいのかどうか。これは問題だと思うのです。六カ月間で出されるのは、これはほんとうにもう簡単な試験だけでありますから分解性の問題だけであります。そうすると、この中で蓄積性と慢性毒性の問題も今後やるわけでありますけれども、二年以上要するといわれる発ガン性の試験、催奇形性の試験、こういうようなものは、いままでなされないままで通産省はこれを指導してきておる。これは危険じゃないかと思うのです。特にアルキルナフタリンのような物質には発ガン作用、催奇性の作用が強いものが多いのだ。こういうように聞いておるのです。疑わしいものは使用させない、販売させないという原則は国民のために必要じゃないかと思っております。やはりこういうような点も十分考えた上で今後安全なもののみ許可してもらいたい。これは国民の念願だと思うのです。発ガン作用、催奇性の作用、これは問題になるのかならないのか、これに対して御答弁を伺います。
#35
○松下政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、慢性毒性と申します中には、人体に作用いたします際に、急性の中毒症状等を除きましたいろいろな有害な作用をすべて包含すると私ども理解いたしております。期間につきましても、先ほどお答え申し上げましたように、通常マウス、ラット等を使うわけでございますが、その全生涯にわたる投与ということになりますと、平均的に約二年を要します。さらに催奇形性試験等を行なうことになりますと、その間におきます各世代の継続ということも必要でございまして、これは専門的な立場から、ものによりまして期間の長短いろいろございますが、今後この法律が成立いたしました際には、そういった検査を行ないますための衛生試験所の整備というようなことにつきましても、先日も御答弁申し上げましたとおり、来年度の予算においても相当の拡充を要求いたしておりますし、また、各地方の衛生研究所あるいは民間のしっかりしたそういった検査機関等とも緊密なネットワークをしきまして万全を期する体制をとりたい、さように考えておる次第でございます。
#36
○島本委員 いろいろな問題はあるのですが、ここに省略いたしまして、われわれ人間のからだの中にはPCBであるとか有機水銀であるとか、いろいろ蓄積があるわけであります。BHC、DDTもあろうと思います。そういうような場合に、一つの物質だけじゃなくて、われわれのからだの中にあるこういうような物質との相乗作用がどういうような結果を生むか、単独物質だけでこれを判定するのは危険じゃなかろうか。相乗作用ということに対してはどのように考えておられるか。たとえば、二つのものがからだに入ったらどういうふうにからだが変化するか、おそらく単独物質だけを見てはわからぬはずであります。ましていままでわれわれ日本人のからだの中には相当のものが蓄積されていると思います。PCB、有機水銀、DDT、BHC、こういうようなものがあるわけです。その相乗作用についての規制は、また考え方はいかがなものでありますか。
#37
○松下政府委員 私が御答弁申し上げるのが適当かどうかとも存じますけれども、ただいまの御質問につきましては、いま御審議いただいております法律案の内容は、これは明記されておりますように、個々の化学物質につきましての、特に環境循還による人体への慢性毒性を規制するということが法律の目的でございます。
 ただいまの先生の御質問の趣旨は、その慢性毒性を試験いたします際に、他の環境汚染物質あるいは食品等に伴って人体に摂取されておる、すでに人体内に入っておる物質との相乗的な慢性毒性も考えるべきではないかという御趣旨かと存じます。率直に申し上げまして、そういった各物質問の相乗的な慢性毒性ということにつきましては、相当今後の検討を要する部分が多かろうと存じます。ただ、私どもの所管しております医薬品につきましては、相当そういった各成分間におきます相乗作用あるいは配分禁忌等に関する知識も持っておるわけでございまして、国立衛生試験所におきましてこういった検査に携わっております専門家は、同時に医薬品等につきましての検査も平常担当しておる者が中心になっておりますので、そのようないままでの知識経験を生かしまして、慢性毒性の検査を行ないます際に、そういった面もできるだけ考慮に入れて研究するような検討は今後進めてまいりたい、さように考えております。
#38
○島本委員 いろいろ聞きたいことはたくさんあるのですが、化学物質の中で既存物質は何種類くらいありますか。
  〔稻村(左)委員長代理退席、佐野委員長着席〕
#39
○飯塚政府委員 既存の化学物質は約七千と考えておりますが、国内で生産されましたものが五千、輸入いたしましたものが二千、合わせて七千というふうに考えております。
#40
○島本委員 安全であるものを除くとどれほどになりますか。
#41
○飯塚政府委員 そのうち絶対安全なものが幾つあるかというのはなかなかむずかしい問題でございますが、私どもは、この法律が施行になりますれば既存の化学物質の審査を直ちに開始する予定でございますが、その際に、審査の優先順位と申しますか、審査を先に手がける物質の判定の基準といたしましては、生産量の多いもの、それから化学構造等から見て蓄積性、分解性、慢性毒性等に問題があると考えられるものから先に手がけていきたいと思っておりますが、その数は大体四百種類ぐらいあるんではないかと考えております。
#42
○島本委員 それらの名簿をつくることになっているようでありますが、審査を法定しないのはどういう理由ですか。
#43
○飯塚政府委員 既存の化学物質につきましては、その試験につきまして国がこれを行なうことにいたしておるわけでございまして、試験の結果、その判定は化学品審議会におきます安全性の判定のための分科会においていろいろ検討していただきまして、問題があるものは、この検討に基づきまして特定化学物質ということに指定される段取りになるわけでございます。その関係の法律条文といたしましては、附則第二条に既存化学物質の名簿に関する規定がございますが、あと問題がある場合には本法の二十二条におきまして特定化学物質として指定をし、その回収あるいはその他の処理の方法につきまして命令をすることになっておりますし、かつ特定化学物質と判定できない際におきましても、疑うに足りる理由がある場合には二十三条におきまして勧告をいたしまして、用途の制限等についてきびしい勧告を行なうということに法律上なっておるわけでございます。
#44
○島本委員 時間が過ぎてしまいましたから、あと一、二点で次の人に受け継がしてもらいたいのですが、一番心配しているのはやはりPCBです。PCBの場合には開放性のもの、感圧紙等、これは約千二百トンだと承っております。閉鎖性のもの、熱媒体に使うもの約四千トンあると承っております。そうすると、この在庫の管理は十分しているのかどうか、そしてこれらのものの処理は現在責任を持ってだれが行なっておるのか、通産省はどういうふうに指導していらっしゃいますか。全部これを処理するのに何年かかるのか、この点をはっきりさせてもらいたい。
#45
○林(信太郎)政府委員 お答え申し上げます。
 PCBは大問題でございます。一昨年来、通産省といたしましていろいろな形で手は打ってきておりますが、その現状を申し上げたいと思います。
 まずトランス、コンデンサー等に入っておりますPCBでございますが、件数で十万件をはるかにこえるというふうな状態になっております。この一つの事例が先ほど問題になりました鉄道に使われておる、あの事故のようなケースがございます。閉鎖性のもので一般的には安全でございますけれども、なおかつ放置できないような問題でございますので、この八月に電気PCB処理協会というものをつくりまして、ここで外国の文献あるいは国内のエキスパートをすぐりまして、保管状況あるいはこの回収方法、回収した後におきます処理の方法あるいは技術的な検討も含めましてやることにいたしております。
 それから家庭用電気器具に内蔵されておりますPCBでございますが、これは一般のしろうとの方が扱いますとかえって問題でございますので、現在のごみ処理の収集体系の中で、一定の市町村の指定します場所に集められてまいりまして、それをメーカーがあらかじめ市町村に年次別、型式別、器具別の膨大なリストを送付してございまして、それに従いまして市町村がメーカーに通知をして、メーカーが責任を持ってそれを抽出保管する、回収後の処理は、ただいまの電気PCB処理協会の技術処理の結果を待つということになっております。
 熱媒体の点は島本先生御案内のとおりでございますが、メーカーにおいて回収するということになっております。メーカーのほうで鋭意回収しておりますが、焼却炉等の問題あるいは環境基準をめぐりまして、地元の住民の方々との間でなお問題が残っておりまして、メーカーの手元で保管をされたままで焼却処理という段階に至っておりません。
 なお、液状PCBの処理につきましては、技術的に現在環境基準できめられているよりは、現有の設備でも十分合格する形にはなっておりますけれども、通産省といたしましては、より万全を期するという見地から、通産省の公害資源研究所におきましてもっと十全の万全に近い処理ができるかどうか鋭意検討中でございます。それから感圧紙の点でございますが、これは官庁関係で約一千百トン保管されております。使用しないようにという通達で協力を願っておりますが、同時に民間サイドのものにつきまして、メーカー四社からそれぞれ連絡をし、メーカーのもとにいま鋭意集荷中でございまして、七月末現在で千二百五十トンになっているかと思います。これが処理につきましても実は紙と一緒になっておりますので、液状PCBの処理よりははるかにむずかしい問題をかかえております。この辺のところも先ほど申し上げました通産省の公害資源研究所の研究に待ちたいという段階でございます。
 以上でございます。
#46
○島本委員 何年かかるかということの答弁はないのでありまして残念であります。
 もう時間でありますからこれでやめますが、最後に通産大臣、この化学物質の問題等については、発ガン性や催奇形性試験、こういうものを十分やってから既成のものでも安全なものから順に再許可するようにこれは今後行政措置としてやってもらいたい。でないと、いままでのものはそのまま許可されておるということになってしまいますので、安全性を中心にして十分この点は留意する、このように心から希望して、私の質問を終わることにいたします。
#47
○佐野委員長 土井たか子君。
#48
○土井委員 今回のいわゆる化学物質規制法案の中心になっている問題は、やはり安全性をはっきりさせようという問題だと思うのです。安全性の確認という点から申しますと、今回この法案の中心になっております新規化学物質も既存の化学物質も同様でありまして、既存の化学物質だから軽く考えてよい、新規の化学物質だからきびしく考えなければならないということはないと私は思うのです。そういう点からいたしまして、今回この法案を作成されるにあたって、既存の化学物質についてリストがあるかどうか、安全性の確認があるものとないものとについても区分けがまず第一に必要でありますし、それがどういう部分にどういう状態で使用されているかということも確認されていなければなりません。そういうリストがお手元にすでにはっきりあるかどうかをまず伺いたい。後日私がこういう部分のこういう問題を提示していただきたいということを申し上げた際に、いまここでリストがございますとお答えになりましても、その部分のリストがなければ、ないということが歴然といたしてまいりますので、ひとつその点はまず責任をもってはっきりお答えいただきたいと思います。そういうことなくして、この法案については新規の物質の取り扱いをこのようにいたします、既存のものについてはこういう取り扱いですと言うわけにはいかないと私は思うのです。いかがですか。
#49
○飯塚政府委員 既存化学物質は現在約七千あると考えておりますが、これらの化学物質の中で、有害性のあるもの、中間的なもの、ないものと、そういう分類は現在までのところいたしておらないわけでございます。ただ、一御指摘のように、本法施行後は新規化学物質のみならず、既存の化学物質についても同じような安全性の観点からの規制をするべきではないかというのはそのとおりでございまして、本法施行後直ちに、既存化学物質につきまして、蓄積性、分解性、慢性毒性等の試験を行ないまして、その結果、疑いのあるもの、あるいは明らかに特定化学物質として指定するに値するものにつきましては、本法の二十三条及び二十二条におきまして措置することにいたしておるわけでございます。
#50
○土井委員 この法案の施行後ということをいまおっしゃいますが、なるほどこの法案がつくられまして、それが法律として制定されて、あと施行されてから、状態はずいぶん以前と違うということにおそらくはなってあたりまえであります。けれども、法案を作成される段階で、すでにPCBをはじめとして、有害、有毒の物質が現にいろいろな観点から好ましくない状態にあるということを認識なすっているからこういう法案の作成を急がれたのではありませんか。また、こういう法律をつくるということが必要だというお考えがあったんじゃありませんか。そうしますと、この法案が今国会を通過するかいなか、法律として制定されるかどうか、この問題はこちらに置いておいて、既存化学物質についてのリストくらいはおつくりになるのがあたりまえじゃないかと思うのであります。PCBの問題を追っかけているさなかでも、私たちは、通産省のほうで具体的にどれだけの状況把握をなすっているのか、実態を具体的に把握なすったデータをお持ちであるかということを再三再四伺って、実にその中身が後手後手であるということにいつもふんまんやる方ない思いをいたしてまいりました。こういう法案を作成なさる前夜においては、その作業が現になければならないと私は思うのですけれども、これは間違っておりますでしょうか。いまお答えの限りでは、施行後というお話でありますが、この法律が施行されるかいなかにかかわらず、やはりこういう作業というものは進めていただかなければ困ります。やっていただけますか。私は、施行後という御答弁であることを聞いて再度質問しているわけですから、この法律がつくられるかいなかにかかわらず、施行されるかいなかにかかわらず、その作業についてはやる気がおありになるかどうかのあたりをひとつ御答弁願います。
#51
○飯塚政府委員 既存の化学物質につきまして、その有害性に関するリストがないのは非常に遺憾であるという御指摘でございますが、まさに御指摘のとおり、私どももこの点につきましてはいろいろ問題があると思います。ただ、本法が施行されまして直ちに試験をいたす必要があると考えますものは、塩素、臭素、弗素等が付着いたしておりますハロゲン系の化合物並びに重金属化合物あるいはPCBが非常に問題になっておりますが、これの代替品として使用されております物質、こういったものにつきましては優先的にその試験並びに審査を行なっていく必要があるかと考えておるわけでございます。
 本法施行後そういう試験をやる、その前にやるつもりはないかという御質問でございますが、本法は、もし国会で御承認を得まして成立いたしますと直ちに分布になるわけでございますが、公布後直ちに私どもはその準備にかかりたい、かように考えておるわけでございます。
#52
○土井委員 時間の関係からいいますと、私は繰り返して質問するのは不本意なんですが、いまの御答弁は、この法律が施行されるに従っての運用上の措置でしょう。端的に言いますと、この法律を運用するにあたっての便宜的措置です。そういうことを私言ってるのじゃないのです。現にPCBの取り扱いについても、行政通達をはじめとして、行政措置の上でいろいろ配慮が加えられてきているんじゃありませんか。それぞれの行政通達をはじめとした行政措置の中身というのは、PCBに対する取り扱いがいままでのままであってはよろしくないというお考えがあっての上のことであります。したがいまして、そういう認識をお持ちになる以上は、やはりPCBをはじめとして既存の化学物質に対して総点検をやって、これに関してのリストぐらいは整えていくという作業があってしかるべきだと思うのであります。
 いまこの法律について、実施されてからあとの問題手順をお伺いしているわけじゃありません。初めにどこに手をつけて、どういうふうな順番でリストアップしていきたいというお考えはわかりました。しかしそれは、その前提にあるお考えが、いまこの法律が施行されてからあとの手順としてということである限り、私はどうもよって立つところが間違ってやせぬかと思うのです。私の言っている意味がわかるでしょうか。いかがです。
#53
○中曽根国務大臣 御趣旨はよくわかりましたし、また御指摘ももっともなことであると思います。ただ、行政管理庁が取り扱うということになりますと、やはり特定化学物質というものの定義をまずして、そして、それに当たるもの、あるいはこれに類するものという識別、群分けをしていくということです。その中に新規のものと既定のものがあるわけであります。既定のものはいま七千有余あるという御答弁をいたしました。そういうわけで、整理して識別していくための基準をつくるという意味で、この法案をつくったということは非常に意味があるんだろうと私は思います。だから、急ぐという御趣旨はよくわかります。法律の成立の有無にかかわらず、やるべきことはやらなければならぬのじゃないかという御趣旨だろうと思いますが、ただ、官庁というところは、何が特定化学物質であるかということをきめて、それが告示になったり何かして出ていくものですから、そういう順序を経てやらしていただくことが私たちの仕事はスムーズにいく、そういうことなのであります。便宜といえば確かに便宜であります。
#54
○土井委員 その仕事の手順であるとか、どこに線引きをするかという基準の問題、これは確かに大臣のおっしゃるとおりですが、私はそういうことを言っているのじゃないのです。抽象的な表現になりますけれども、これは行政の姿勢として、事国民の健康にかかわる直接的な問題であります、から、取り扱いについては、この法律をつくって、それからの措置をこういうふうにやっていきたいという、その便宜の問題では済みませんよということを申し上げたいわけであります。この法律ができるできないにかかわらず、どういう姿勢で臨まれるかということをまずお伺いしておかないと、実はこの法律ができてからあとの作業の上でも、万全を期して国民の健康を守るという立場でこの特定化学物質というものの取り扱いが進められるかどうかということについても、はっきりした確証を私たちは持つことはできません。したがいまして、そういう意味も含めての質問であったわけでありますから、その点はひとつ理解をお願いしたいと思うのであります。おわかりになるでしょうか。――それでは、リストアップを急いでいただくということ、これはお願いできますね。
#55
○飯塚政府委員 リストアップにつきましては、できる限りすみやかにやる所存でございます。
#56
○土井委員 わかりました。それでは、後日また私は、特定のある物質について、こういう資料がほしいということを申し上げる節もあると思いますから、その節はよろしくお願いをしたいと思います。
 さて、こういう法律ができ上がりますと、関係現行法の上で矛盾する点、あるいは現行法のほうがこの法律に比較するとおくれている点というのは、当然のことながら手直しを必要といたします。これは当然のことでございます。
 そういう点から一つひっかかってくる問題としてお伺いしたいことがあるのですが、実はことしの四月二十五日、公害対策並びに環境保全特別委員会の質問をさせていただいた中身にかかわる問題であります。取り上げましたのは、例の千葉ニッコー事件、あの千葉ニッコーで引き起こされました問題から端を発しまして、食品あるいは食品に関係のある物品を生産している生産過程においていろいろこういう化学物質が使われるということが好ましくないのではないかということを私は念頭に置きながら実は質問をいたしました。その節、お答えをいただいたのは、厚生省の環境衛生局の食品衛生課長さん、三浦課長でありますが、御答弁の趣旨、いろいろありまして、結論だけ、私は間違わないようにこれは会議録を持ってまいりました。その結論の部分だけをここで申し上げて、その問題がいまどういうふうになっているかということを実はお尋ねしたいわけであります。
 この問題は、食品衛生法の第四条の二号という個所にかかわってくる問題であります。食品衛生法の四条の二号の中身には「有毒な、又は有害な物質が含まれ、又は附着しているもの。」というのが昨年政正されまして、御承知のとおりに「疑いがあるもの。」というのがその中身としては追加をされました。したがいまして、具体的に有毒、有害というものが立証される以前に、疑いのあるものも含めて考えなければならない。食品衛生法の四条の二号の中身です。
 そこで、あの千葉ニッコーのような、食用油の中にビフェニール剤が混入されてしまったというふうな例を取り上げていった場合、特に農林省があの油に対してはJASマークを付していられる。したがいまして、それからすると、食品衛生法に対してこのJASということがどういう意味を持つかということになってくるわけであります。私たちは、あの事件が起こる以前、国民の一人とし、消費者の一人として、実はJASマークの中身については安全性の確認があってJASマークがつけられているのであろうと考えてまいりました。ところが、実はあの事件でJASの規格基準というものを見てまいりますと、その中には安全性の確認というのがないわけであります。もうすでに食品衛生法の基準を満たしているか、満たしていないか、食品衛生法の基準を満だしているからだいじょうぶだということで自動的にJASのマークが付されていくという実態が明るみに出たわけでありますから、どうもこれではJASのマークを信用していろいろな物品、特に食料品を買う場合に、たいへん以後問題になるということが起こらないとは限らない。これを機会にJASについてひとつ考え直しをしていただいて、そうして安全性の確認ということがその中で行なわれていなければならないということをはっきりさせていただきたい、そういう意味で食品衛生法についてひとつ手直しをお考えいただくわけにはいかないかという問題について質問したわけであります。
 それに対しまして、三浦説明員と書いてある議事録の個所を読ましていただきますと、こういう御答弁だったわけです。「食品衛生法におきましては、すべての食べものが安全である、これがたてまえだと思うのです。その上に立って、よりよい品質をということで、JASの制度が上のせというかっこうになっておるのだろうと私どもは理解しております。したがって、二重行政ではなくて、むしろ私ども、安全の徹底を期するということでこの問題に対処してまいりたいと思っておりますが、ただ、食品衛生法できめられました基準にいたしましても、これが守られないという企業の体質があれば、これは問題かと思います。こういうことは、ひとつ生産御当局で、基本的な姿勢の問題として御指導願いたいと思っております。」ということなんです。
 そこで再度質問をいたしまして、「要するに、食品衛生法できめられている安全基準をさらに上のせして、行政指導というふうな形で、JAS規格の中では、さらに製品についての安全性の確認をおやりになるということが、現在考えられつつある中身だというふうに理解しておいていいわけですか。」と聞けば、「そのとおりでございます。」となったんです。そこで、このJASの対象になるような品物について、本来、有害、有毒だ、またそのおそれがあると考えられるような物質を熱媒体その他添加物として使用していくということについても、農林省としては、やはりこれは好ましくないという立場に立ってそういう行政指導は進められましょうねとお伺いしたところが、食品の原則からいえば、安全性というものは何にも増して優先するような問題であるから、おっしゃるとおりの方向でいくべきものと考えているという御答弁でもあったわけです。
 この点についてひとつ厚生省の方、それから農林省の方から、いま申し上げました食品衛生法について、あと厚生省、農林省の間でお話し合いが進められているはずでありますから、その後の経過について、一つは御説明を賜わりたいことと、それから現にこの食品衛生法について手直しが必要であるという個所がこういうふうに考えられているという点があれば、それをはっきりこの場で御指摘を願いたいということと、さらに、一番最後に申し上げました、食品の原則からいうと安全性は何ものにも増して優先する問題であるから、できる限り有害、有毒のおそれのある物質は熱媒体というふうな場合にも使うことば好ましくないという点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるかという、以上三点についてひとつ御答弁を願いたいと思います。
#57
○三浦説明員 千葉ニッコー事件以来、熱媒体があのときに問題になりまして、その後の状況がどうなっておるか、こういう御質問でございますけれども、私ども、食品衛生法の十九条に管理基準というものがあるわけでございますが、現在熱媒体は、ああいう危険なものを使うことはあり得るということを是認して管理基準をつくるようなたてまえになっておるわけでございますが、本来ならやはりああいう危険なものは今後使わないという姿勢でこれからいくべきだろうということで私ども検討しておるわけでございますが、その後、全国に四百カ所ございます食用油の製造工場の一斉点検をいたして、いろいろな製造工程がわかってきたわけでございますが、PCBは全然使っておりません。ほとんどその代替品としていろいろな物質を使っておることがわかってきたわけでございますが、これらの毒性が必ずしもまだ十分にわかっておらぬ物質もあるわけでございます。
 これが禁止できるかどうかということは、現在もし禁止をいたしたすと、食用油の製造工程を全部とめなければならぬという事態にもなってまいるわけでございますが、あるいはそれにかわる、たとえば水蒸気なんかで熱を加えることができないかどうかという問題につきましても、いろいろ農林省、それから油脂工業会等に技術委員会がございまして、現在そこで鋭意検討が進められておるわけでございますが、手順としては、こういう危険なものは使わない方向でいこうじゃないか、また、あるいは水蒸気なんかで危険でないものを使って熱媒体としてやろうじゃないか、その場合どうなるか。それからもう一つは、かりに、そういうものを直すまで、早急にやはり維持管理基準というものを一そう強化しなければならぬ。この三点につきましていま検討しておる段階でございまして、この管理基準はもうしばらくたってできるはずでございます。いま検討のまっ最中でございます。
 それからもう一つは、食品衛生法の手直しの問題がございますが、昨年かなり大がかりな食品衛生法の改正をいたしました。その後、千葉ニッコー事件のようなものが起こったわけでございますが、もちろんこれからいまの食品衛生法でいきますと、食品に直接触れる部分の規制はいろいろやっておりますが、ああいう熱媒体のようなものの製造工程で使われるようなものまでの規制というものは中に入っておりません。こういうものをこれからどうするか、これはやはりこれから手直しの問題として検討しなければならぬ問題だというふうに考えておるわけでございます。
#58
○土井委員 御答弁の趣旨はわかりました。しかし、いつも私は質問するたびごとに、これからということを相も変わらずお聞かせいただくわけでありまして、一体いつになったらこれに対してはっきりしためどが立つのかという思いにいつもかられるわけであります。今回、この法案の中では、化学物質について使用個所ということを考えていかなきゃならないという側面がございますね。どういう場合に、どういうふうな方法で、どれだけの分量、どういう管理体制で使用するかというそういう節、このPCBは使用されなくなって、それの代替品として化学物質が、いま問題にしている食料品を製造している製造過程で使用されるという分野については、今回のこの法律ではどうなりますか。いまのは食品衛生法についての御答弁だったのです。この法律ではどういうふうな取り扱いに今後なってまいりますか。
#59
○飯塚政府委員 本法におきましては、第十四条におきまして「使用の制限」というのがございますが、特定化学物質につきましては、ほかのものによる代替が困難であるということが第一点で、この代替が困難であるというのは、経済性の問題をいっているわけではございませんで、技術的に考えてその機能あるいは性能等がどうしてもほかのものでは代替し得るものはないというきわめて限定された意味で考えておるわけでございます。
 それから第二点としては、その用途が一般消費者の生活の用に供される製品の製造に使われるものではないということ、それから環境汚染が生ずるおそれがないという点でございます。
 この二つの要件をしぼりまして、使用の制限についてはきわめて厳格な規制をいたしておりますが、そもそも本法を制定するに至りました経緯は、すでに御承知のようにPCB問題を契機にいたしまして、ああいう有害物質が出回ることについて事前に届け出を行なわせ、審査をして、その製造、輸入等にきびしい規制をしていくというのが趣旨でございますが、私ども本法の運用にあたりましては、そういう特定有害物質として指定されるような物質につきましては、原則として製造も輸入も使用もさせないという方針で運用をしていくように考えているわけでございます。
 御指摘の食品関係に使います、たとえば熱媒体等に従来化学物質がよけい使われておる例があるわけでございますけれども、こういうものにつきましても、いま申し上げましたこの十四条の精神に照らしまして、用途についてはきわめて厳格に縛っていくというふうに考えておるわけでございます。当然でございますが、本法以外には食品衛生法その他の別の法律もございますし、こっちのほうでもやはりわれわれの考えております本法の運用と同じような精神で運用していかれることと考えておるわけでございます。
#60
○土井委員 いまの御答弁では、きわめてきびしくこの運用を進めるという御答弁でございました。しかも、経済的効率の問題ではないとおっしゃっておる。しかし、機能、性能の点から考えて配慮をなさるとおっしゃる。そこで機能、性能ということをお考えになる場合、何に立脚して機能を問題になさるか、性能を問題になさるかが問題になってくると実は思うのであります。あくまで人の健康を害するようなものであってはならないというところにその機能や性能という問題の基準を置くということになってまいりますと、何も私は千葉ニッコー事件にばかりこだわるわけではありませんが、あの場合の以前PCBを使っていた個所を今度はPCBの代替品としてビフェニールに切りかえた。この物品の使われている場所というのは御存じのとおり脱臭塔でありまして、においをとるための熱媒体として使用されていたわけですね。ほかにこれにかわる脱臭の方法があるか。あるのであります。ただし、経済的効率という点からいうとこれは好ましくないという考えが出てくるかもしれない。しかし、あくまで人間の健康を害するものであってはならないという機能性や性能性という問題を追及する限りにおいては、化学物質を使わなくて済む分野の問題であります。そういうことに対してはひとつ厳密に御検討願って、たとえば脱臭塔に使用しているような場合は他の方法で脱臭が十分できるわけでありますから、こういう部分については以後化学物質の使用を認めないという方向に、今回この法案審議の過程を契機にひとつ乗り出していただくというお考えがありやなしや、これをお伺いしたいわけであります。
 現にいま、ほかの法律でも問題になる分野があるということをおっしゃって、食品衛生法等々によって考える分野もあろうかと思われるという御答弁でございますが、食品衛生法は、先ほど私はちょっと申しましたが、四条の二号ではそのおそれのあるというものまでも含めて考えるようになっているわけでありますから、有害有毒であるということが立証されてはいないけれども、そのおそれのあるものまで含めるという精神に立脚して考えれば、有害であって、有毒であって、そのことが立証されて初めてこの使用を禁止するでなしに、いま即刻できるものはできるところからやっていこうじゃないかというお考えであってしかるべきだと思われます。いかがですか。こういうことについてお考えのほどをお聞かせいただきたいと思います。
#61
○飯塚政府委員 本法におきましても、第二十三条におきまして、特に既存化学物質につきまして、分解性、蓄積性、慢性毒性等につきまして特定化学物質として疑うに足りる理由がある場合には、勧告等を行ないまして用途の制限等行なえることになっているわけでございますが、この点からも、いま御指摘のような配慮は十分本法においてしておると考えておるわけでございます。
 それから、問題の食品につきましては食品衛生法という法律もございますし、厚生省、農林省等がこの法律の所管官庁でございますが、私どもは本法の運用につきまして、特に食品関係の問題については農林省、厚生省とも十分な連携をとって、いやしくも人の健康に直接影響のあるような用途についての使用についてはきわめて慎重に扱っていく必要がある、かように考えておるわけでございます。
#62
○土井委員 いつもここでの御答弁を伺っておりますとたいへんもっともらしい御答弁でありまして、これならばまあそれは行政の運用にゆだねていってだいじょうぶだろうというふうな気がしてしまうのであります。そこが実は困るところであります。そこが実は困る。いつもここの御答弁どおりに事がいっておれば事実いろいろな事件なんて起こり得ない。起こってしまってからあと、再度聞くと、いやそれに対してはこういうふうに手直しをいたしたいと言う。それではおそいのです。日本という国は幸いにして法治国家でありますから、したがって、行政の運用についても法律の根拠というのが常に問われる。そこで、法律の条文の上でそのことが明記されているかどうかという問題が非常に大事な問題になってくるわけであります。いま先ほどから御答弁の中にありました十四条「使用の制限」、なるほどこれは行政上の運用にゆだねておればうまくいくようなごもっともな御答弁を先ほどから私はお聞かせいただいているわけですが、しかし、それでもなおかつ直接私たちの口に入る食料品について、こういう化学物質が熱媒体として、あるいはほかの製造過程においても使われるというふうなこと、いままでどおりであっていいかどうかということについては、いろいろな例をカネミの問題にしろ千葉ニッコーの問題にしろ思い起こせば、どうも不安が先立つのであります。
 そこで、この十四条の条文の中に、特に私たちの人体に直接かかわり合いを持つ食品等々に対しての取り扱いを特記するという必要はございませんでしょうか、使用の制限についてですね。いかがですか。
#63
○飯塚政府委員 法律の運用につきます態度は、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、ただ、食品衛生法その他食品関係につきましては、他の法律によりましてきわめて厳格な規制がし得ることになっておりますので、直接的な規制につきましては食品衛生法等の当該法律によるというのは、法律上の構成からいって妥当な考え方ではないかと思うわけでございます。
#64
○土井委員 事化学物質を審査する、製造する、使用することに対しての規制の法律ですね、今回は。それがどの場所でいかように使われようと、全部化学物質である限りはやはりこれにひっかかってくると思うのが素朴な国民感情であります。
 お尋ねすると、食品の問題は食品衛生法で管轄は厚生省だとまずおっしゃる。また製造過程について、それならば厚生省さんと追っかけていくと、いやいやその部分については通産省である、こうくるわけであります。必ずたらい回しが始まる。これだけ大事な、国民の健康をこれから保持していくことに対して化学物質をいかに取り扱っていくかという問題についてくらいは、国民の健康に直接関係のある問題だから、使用についても、食品衛生法の手直しも進めると同時に、この中で考えをはっきりさせようじゃないかというお考えがあっていいと私は思うのですが、この点いかがですか。
#65
○飯塚政府委員 御質問の御趣旨は非常によくわかるわけでございますが、ただ、法律をつくるということになりますと、法律の構成というものはおのずからあるわけでございます。すでに既存の法律によりまして厳格な規制をやっておりますものにつきまして、それにダブってまた新規の法律で規制をするということは、従来の立法例からいいまして、極力そういうことは避けるというのがいままでの方針でございますので、今回の法律の制定につきましてもそういう方針にのっとってやったわけでございます。
 しかしながら、法律の構成は別といたしまして、実際の運用面におきましては、この法律は、通産大臣のみならず厚生大臣も主管大臣でございますし、それから製品を特定化学物質を使用して製造する事業等につきましては、それぞれの主管省、たとえば食品でございますと、食品工業を主管しております農林大臣もこの主管になるわけでございますし、さらに、環境行政を総合的につかさどる立場から、環境庁もこの法律にいろいろな点で関係をいたしておるわけでございますので、関係省の間の連携をいかに緊密にし、責任体制を明確にしながらこの法律を運用するかという運用の問題によって解決できる問題だと考えますので、御指摘のような点につきましては、関係省の間で十分有機的な連携を保ってやっていくことにいたしたいと考えております。
#66
○土井委員 連携はけっこうであります。ただ、それじゃ責任官庁の一つとしてお尋ねをいたしましょう。いまの食品関係についての生産過程で、PCBにかわる代替品、これを熱媒体として使用している部分が非常に多い、先ほどの御答弁のとおりであります。その問題については、今後、本来好ましくないという態度でひとつ取り扱いをお進めになる、そのことがここで約束できるかどうかをはっきり御答弁願いたい。いかがですか。
#67
○飯塚政府委員 本法の運用につきまして、特定化学物質の指定その他の非常に技術的な事項につきましては、化学品審議会にはかりまして、化学品審議会の中に安全性を検討するための専門の分科会がございますから、これは専門の学者先生だけで構成するわけでございますが、そういう意見を聞いてきめるという段取りになるかと思います。
 いずれにいたしましても、食品関係につきましては、厚生省、農林省とも十分打ち合わせをした上でPCB代替品の取り扱いについても早急に検討を進める必要があると考えておるわけでございます。
#68
○土井委員 なかなかきっぱりしない御答弁なので、まだまだこれについては追及しなければならないわけでありますが、時間のほうがそれを許してくれないのは非常に残念なんです。
 ただ、これについて、これだけはきっぱり申し上げておきたいのは、どんなことがあってもあくまで経済的効率のもとにこの問題をお考えいただきたくないということであります。先ほどおっしゃった機能の問題性能の問題、これはあくまで今回この法案が出されました立法趣旨に従って、事人体の健康を害するものについてはこれを一切排除していくという基本的態度で臨んでいただきたい、このことをひとつはっきり確認をしておいていただきたいと思います。あとまだ別の機会が私にはあると思いますから、またこの問題については具体的に追及をいたしますので、ひとつその節の御用意のほどをお願いしたいと思います。
 さて次は、この法案をずっと見てまいりますと、たいへん問題点の多いのはだれの目から見ても同様であると思いますが、第四条の個所でございます。この第四条の中の特に四項を見てみますと、「判定を行なうために必要な試験の項目その他の技術的な事項は、総理府令、厚生省令、通商産業省令で定める。」というふうになっております。
 そこで問題は、省令の中身がたいへん注目されるわけであります。たいていの法律がこういうぐあいになるのですが、万事大事な中身になってくると、政令だ、省令だと委任されてしまって、それはいつ、どういう形でつくられて、どういうふうに実施されているのかということが、ここで法律案を審議したわれわれの目にはあざやかに映らないという部面が非常にある。実は今回の立法の趣旨からすれば、この問題についても本来省令にゆだねてしまうということ自身がどうであろうかと思われる部面があるのであります。最も大事な部面が省令にぬだねられることによって法律の中身が骨抜きになるということをいままでわれわれ再三再四経験の上から知っておるわけであります、そういうところからいえば、この四項の中身になっておるところの省令はぜひ制定される前夜においてやはりわれわれに報告をしていただきたい。その中身についてわれわれが問題にできる機会というものを十分につくっていただかなければなりません。このことをまずここの席ではっきり確認をしたいと思いますが、御答弁のほどをお願いします。
#69
○飯塚政府委員 第四条におきます省令は、総理府令、厚生省令、通産省令、三省の共同省令になっておるわけでございますが、総理府令というのは環境庁が主管するわけでございます。少なくとも通産省の関係におきましては、ただいま先生御指摘のように、この省令を公布する前に事前に御説明をいたすつもりでおります。おそらく他の省につきましても、これは私がお答えするわけにまいりませんのでそれぞれの省からお答えを願うことになるかと思いますけれども、通産省の態度と違わないのではないか、かように考えるわけでございます。
#70
○橋本(道)政府委員 いま御質問のあった件につきましては、通産省と同様私どももそういうぐあいにいたしたいと思っております。
 現在私どもの担当のほうは環境の問題のほうにかかってまいりまして、この法律の関係からいきますと、環境における生物体内に蓄積をするということが一番問題になろうかと思いますが、そういう点につきましては四十七年度以来調査研究を進めておりますので、この法律の制定以降直ちに具体的な作業に取りかかりたい、そういうぐあいに考えております。
 ただ、環境問題の点におきましては、まだほかの分野よりも非常に学問的に未熟な部分がございますので、順次これを完全なものにしていきたいということでございますので、ほかのものに比べましたらまだ不十分なものかもしれませんが、きまったものからそれを制定していくということで前もってお知らせをしたいと思います。
#71
○松下政府委員 厚生省におきましても、いま御答弁のありました両省庁と同じ考え方でございまして、この法律に基づきます省令は、その各時点におきます最新の化学の知識を取り入れる必要性がありますために省令に委任されておるものというふうに了解いたしております。したがって、先ほどもお答え申し上げましたような試験機関の整備等と相まちまして、私どもの主として専門といたします毒性の検査の方法につきまして十分な審議を尽くし、また御検討いただきたいというふうに考えております。
#72
○土井委員 ここで、わかりましたから、三省に対して特に二つの問題を確認をいただきたいと思います。
 一つは、試験方法が一方法に限られないことです。これはいろいろな例をあげることができると思いますが、たとえば適切な例になるかどうか、これは私にもよくわかりませんけれども、水銀の測定方法を例にあげてみると、現に水銀の測定方法についてとられているJIS規格、これによる測定方法以外に測定の方法は御承知のとおりございます。そうしてJIS規格以外の方法をとることによって、さらに非常に微量な水銀を測定するということも現にできるわけであります。なぜJIS規格のほうがそれに比べると効率が悪いか。それは経済的効率がよいということにおそらく私は理由として突き詰めたらなるだろうと思うわけでありますが、この試験方法についても、経済的効率の上から考えてこの方法によるということでなくて、いろいろな方法を考えて、試験について実行をしていただきたい。したがって、一方法にこだわらず、試験の方法を変えてまた試験をやる、さらにまた変えて試験をやるという方法で、ひとつ試験を実施していただきたい。そういうことを一つは申し上げたいわけであります。
 もう一つは、資料に対しての公開性の原則はぜひ守っていただきたい。私たちがいままで経験したところによりますと、特に企業からいろいろな新規の特定化学物質の製造という問題が出てまいりまして、それに対しての中身に安全性が確認されるかどうかという、経済的な側面からすると、企業側に立って考えた場合、あとに引けない問題は、私たち資料をいただきたいといった場合、たいていいただきにくいのです。
 一つの例をあげると、例の飼料として問題になった石油たんぱく、これは厚生省の食品衛生調査会でこれに対しての討議がずっとなされ、検討が積まれて、その結果、食品衛生調査会のほうからは白という判定を出されたわけでありますが、経過についての資料がいただきたいと再三再四申し上げても、ついに私は入手することができなかった。これは単に国会の審議の場所が国民の討議の場所であるというだけの問題じゃありません。やはり事こういう化学物質について、国民の健康を守るのだということを責任を持ってお考えになるのならば、どんな資料についても公開性の原則という立場に立って一つは作業を進めていただかなければならないと思うのであります。この公開性の原則を二つ目に確認していただきたい。
 以上、二つの点いかがですか。
#73
○飯塚政府委員 通産省のみならず、ほかの省にも関係することであると思いますが、通産省の考え方を申し上げますと、試験方法につきまして、一つだけではなくてほかに補完的な試験方法をとらないと万全を期せられないという場合に、ぜひそういう方法を考えろという点でございますが、御趣旨については全く同感でございまして、試験の方法その他技術的な事項につきましては、化学品審議会の安全性専門分科会において検討をしてもらって、その上で省令によりましてきめるわけでございますが、専門の先生方の意見も十分聞きまして、安全性の万全を期するという観点から必要な試験を行なうということで措置していきたいと思うわけでございます。
 それから第二点の資料の公開の問題でございますが、資料はかなり専門的なものにわたると思いますが、この検討した資料につきまして、専門家等の御要求がございますれば、私どもはこれをお見せするというつもりでおるわけでございます。
#74
○土井委員 専門的な分野において資料要求がある場合にはお見せをするという御答弁でありましたが、国会議員がこれを要求した場合いかがですか。
#75
○飯塚政府委員 お見せするつもりでおります。
#76
○土井委員 まあつもりとおっしゃっておりますけれども、そういうつもりじゃなかったということも世の中にあるわけでありまして、ひとつその点をはっきり確認をしておいていただかなければならないと思うのです。専門的な知識のあるなしにかかわらず、国民を代表してそういうことに対して確認するという責任がわれわれにございますから、そういう点に対しては、はっきりとそれは確認をしていただきたいと思います。
 それから時間のほうがもうそろそろでありますから、まだほかにこの条文にわたってお尋ねしたいことがあとに残りましたが、ひとつ最後にどうしてもこれだけはお伺いをしておかないといけない、いま急を要する問題だということを取り上げたいと思うのです。
 それはPCBの事後措置ですね。つまり製造を中止する、さらに使用に対してはクローズドシステムで使用する以外についてはこれを禁止するという対策を講じられて、あとこれに対する回収が現に問題になってきているわけです。
 通産省のほうからことしの二月の十九日に通達が出ております。「PCBの回収等について」という通達でありますが、これを兵庫県の高砂にある鐘淵化学のほうにも出していらっしゃる。この回収方を「輸送、中継時等の取扱について充分注意を喚起し、更に回収されたPCBについてはつめかえ、保管等の管理に万全を期するよう要請します。」というふうに書かれていて、このあとが一体具体的にどういうふうになっているかという点、具体的な事実をどこまで掌握なすっているか、ひとつお尋ねしたいと思うのです。
#77
○松村説明員 お答えいたします。
 PCBの回収状況についての御質問かと思いますが、御案内のように、PCBとして過去に五万九千トンほどのものが生産されまして、これについて熱媒体用あるいは感圧紙あるいは開放系の用途等に使用されているわけでございますが、その回収については、熱媒体については大体九千トンほどが生産され、そのうち、現在では約四千五百トンほどが回収されているわけであります。それで、回収されましたPCBは、先生御承知のように、現在鐘淵化学と三菱モンサントにおいて保管されているわけでございますが、保管の状況としては、原則として専用のタンクをつくりましてこれに保管する。ただ、一時的にその中間的な段階としてドラムかんに入ったものも一部工場内に保管されている、こういうことになっているわけでございます。
#78
○土井委員 いまそれでは兵庫県の高砂にある鐘淵化学に問題を限定しましょう。鐘淵化学では現にどれだけの量が回収されていて、それを保管するタンクがどういう状況にあるかということをひとつ御答弁願います。
#79
○赤羽説明員 鐘淵化学の工場に保管されておりますPCBは、七月末現在の数字でありますが、約三千七百トンであります。それで、その大部分は五百立米のタンク一基、二千百立米のタンク二基、それに入れてございまして、一部がドラムかんにございます。これは逐次タンクに移しつつあります。なお、将来これでも一ぱいになりますので、さらに大型のタンクを増設中でございます。
#80
○土井委員 九月十日現在、これは九月の十日に現地視察をいたしまして、会社の責任担当者の方々にも会い、社長からのじかの発言の中にありました量からいいますと、九月十日現在で四千百五十トンということになっております。だから、七月現在でいま御答弁になったことからすると、だいぶ量がふえているわけですね。そこで、タンクでありますが、いま立米という表現でおっしゃいましたが、それをトンに直しますとどういうことになりますか。回収量はトンで言われておりますから、トンに直すとこれはどういうタンクの許容量になりますか。
#81
○赤羽説明員 PCBの比重が約一・四前後のものが多うございます。したがいまして、この立米に一・四をかけたものが許容量としてのトン数になると思います。
#82
○土井委員 お尋ねしますが、タンクとドラムかんとでは、貯蔵するのにはどちらが好ましい状態・でありますか。
#83
○赤羽説明員 ドラムかんでも、その保管場所を厳重にしてございますとそれなりのメリットもございますけれども、非常にしっかりした永久性のあるものということになりますと、大型のほうがつくりやすいということで、この場合は特に耐震性に気をつけたタンクを使用していると思われます。
#84
○土井委員 これはさらにタンクを増設していかなければならないという事情が現地にあるわけですね。回収の量がふえればふえるほどタンクも、いま三基ありますが、やがて四基できかないというときがやってくるでしょう。これは回収をしてからのそれからのあと処理についてどういうふうにやっていくべきかという対策がまだ十分にはっきりしないからであります。回収後の措置については、いま通産省としてどういうお考えをお持ちでありますか。現に専焼炉についてはいろいろ研究をなすっているようでありますが、どういうふうな事後措置を考えていらっしゃるか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#85
○松村説明員 お答えいたします。
 PCBの今後の処分でございますけれども、これはPCBの態様によりましていろいろな方法があろうかと思います。高砂の場合でございますと、これはPCBそのものと申しますか、油状のPCBでございます。これについては専用の焼却炉を現在会社側で設置いたしておりまして、専用と申しましてもこれは一部改造でございますけれども、改造して専用に供しているわけでございます。
 それで、PCBの焼却炉でこれを燃やしまして、PCBを分解、酸化させるわけでございますが、御案内のように、やはり完全に一〇〇%これを分解するということは技術的に不可能な面がございます。したがいまして、どこまでPCBを焼却したらよろしいかということになるわけでございますが、これにつきましては環境庁等とも御相談をいたしまして、環境庁のほうでPCBの分解についての一つの基準というものをつくっていただいたわけでございます。
 それで、現在の鐘淵化学の焼却炉でございますが、これはその基準をはるかに下回るということになっておりまして、この点については通産省、環境庁あるいは大学の先生方のお立ち合いのもとに行なったテストで、そういう結果が出ているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、そういう技術でもってこれを早く焼却していきたい。四千トンも五千トンものPCBが保管されているということは、いかに安全性に対して考慮が払われているといっても、やはり不自然な状態であろうかと思います。したがいまして、早くこれを焼却処分することが必要であろうかと思うわけでございますが、やはり地元の御意向といたしましては、さらにその完全な、完全なといいますか、より完全な焼却といったような方法がないだろうかということを検討、要望しておられるようでございます。その点につきましては、通産省といたしましても、現在傘下の試験所におきまして、PCBの焼却方法の実験をいたしているわけでございます。その結果が得られましたならば、さらに効率のいい焼却方法が開発されるのではないかとわれわれ期待いたしているわけでございますが、その場合には、当然のことでございますが、そういった焼却炉をつくるということが必要になってこようかと思うわけでございます。
#86
○土井委員 どうもはっきり、今後の見通しについてこれでいくということはまだまだのようでございます。そうこうするうちに、全国に出回っておりますPCBというものは、鐘淵化学と三菱モンサントに貯蔵されていく一方だというかっこうになるわけですね。はたしていまのままでいいかという声がそろそろ出始めているわけでございますが、いまのような回収方法で当分の間回収し、貯蔵する一方でいくというお考えであるのかどうか、このことについてひとつ通産省に伺いたい。
 それからあと、いま焼却ということが当面考えられる、それでも完全とは言えないけれども、まあ一番の善後策だという御答弁でありますが、出回ってしまっている、たとえば海に流されてしまったPCBあるいはPCBを含むところの有毒有害物質、これは海底の底土になったりあるいはヘドロ状になったりしているわけですが、それの処理についてはもはや通産省さんではない、これは環境庁ということに管轄はなってくるわけであります。したがいまして、いまこの問題についてはひとつ通産省並びに環境庁にお尋ねをしたいのですが、今後このPCBについての対策ですね、見通し、どういうふうに考えていらっしゃるか。相も変わらず鐘淵化学と三菱モンサントによっての回収を進める一方でいかざるを得ないというお考えか。それとも、回収方法についても少しここらあたりで抜本的に考え方をひとつ改めないと、いろいろそれはPCBを回収して輸送するという段階でも問題が起こっておりますし、また一カ所に集めて、幾ら耐震性ということに対して確認をいたしておりますとおっしゃっても、やはりその付近にあるところのコンビナート等々によって引き起こされた災害を受けて、さらに思わぬ事故を引き起こすというふうな例もないとは言えない。だから、そういうふうな状況から推して考えていきますと、やはりこの回収の問題について今後のあり方、いままでどおりでよいとは言い切れない部面もあることであります。そういうことについてひとつお考えをいま聞かしていただきたいのと、時間ですから最後に一言。
 いまのような問題からいたしましても、今回のこの法案の中で、環境庁長官は必要があると認めるときは、厚生大臣や通産大臣に、新規の化学物質については特定化学物質の要件に該当するかどうかの判定を行なう際に必要な説明を求め、意見を述べることができるにとどまっています。事が起こってからまた有害である、有毒であるということがいろんな事件を引き起こして、確認されてからあとの事後処理について、いま申し上げたとおりここからここまでは厚生省、ここからここまでは通産省、ここからここまでは環境庁というふうに分轄があるわけでありますが、しかし、事人体の健康を保持していくとか、環境を保全するとか、公害を未然に防止するという問題になってくると、環境庁の役割りというのは非常に重視されてしかるべきだと思うのです。いまこの法案の中では、そういう点からいうと通産と厚生が責任担当の所管の省でありますが、環境庁についていまのままでいいかどうか。私はむしろ環境庁というものを一枚これに入れなければいけない。もう一つ言うと、環境庁というものが中心になって、これからの化学物質の審査、製造、規制については責任を持たなければならないと考えておるわけでありますが、この点いかがであるか。この点についての御答弁をひとつ聞かせていただいて質問を終わりにしたいと思います。
#87
○松村説明員 先生御質問の最初の部分、つまりPCBの保管あるいは回収、焼却といったような体制が現在のままでいいのかどうかという御質問でございましたが、その点について、私どもも、現在二社で持っております焼却炉、これが相当高水準の炉でございますが、したがいまして、これを使用さしていただきたい、それによって御指摘のような数千トンにのぼるPCBの保管というものをなるべく早く解消していきたいというふうに考えておるわけでございますが、何ぶん先ほど申し上げましたような地元の御意向もございまして、まあ私どもといたしましては、なるべく早くそういう使用を認めていただきたいのと同時に、やはりもう一段さらにより完全な焼却方法というものの開発も同時に進めていきたいわけでございます。
 それから輸送について御質問がございましたが、現在PCBにつきましては消防法等の危険物取り扱いということでやっているわけでございますけれども、この点については、通産省としてもこれまで業界を指導してはまいりましたが、今回の国鉄の事故といったようなことを考えますと、やはりこの面についてはさらにわれわれとして配慮を払っていく必要があろう、こういうふうに考えております。
 ただ、具体的にそれではどういう対策をとるのだという点につきましては、私といたしましても、昨日国鉄の事故を新聞で読みまして、これはやはりさらに非常に深刻に考えるべき問題だということを感じたところでございまして、具体的などういう方法をという点については早急に私どもとして詰めたいということでお許しいただきたいと思います。
#88
○橋本(道)政府委員 いま先生から御質問のございました環境庁の役割りでございますが、この法律案につきまして環境庁の役割りとしては二つございます。一つは、この法律の中で規定された役割りということと、もう一つは、この法律とは関係なしに、環境庁の設置法に基づいて調整権能というのがある、その二つがございます。
 本法におきましては、御承知のように、難分解性と生体内蓄積、人体の健康への影響ということでございまして、この難分解性、生体内蓄積という点になりますと、これはその物質の性状テストをするということの問題になってまいります。この点につきまして現在通産省所管の試験研究体制というものは環境庁とは比べものにならないくらい大きなものを持っているわけでございまして、そういうものがこれに対して対応するということはきわめて自然なことであろうというように考えます。また、人の健康をそこなうという点につきましては、これは慢性毒性問題となっておりますので、当然に厚生省がかんでくるということであるというふうに私どもは考えております。
 ただ、環境庁といたしましては、この点につきまして非常に深い関心を持っておりまして、法律の制定の際にいろいろ議論いたしまして、ここにございますように、まず第三条の届け出がありますと、その写しはすべて環境庁長官のほうに送付されてまいります。私どもはこれについての審査という問題につきまして非常に厳重な姿勢で臨もうということでございまして、この審査のところでは、一、二、三というものがございますが、やはり非常に厳密な議論をしなければ、これは十分環境の保全と人の健康が保たれないというような決意でこれの法律に対応しているわけでございます。そういうことで、この第四条の審査の中の、先ほど御説明申し上げましたような総理府令というところでこれにかんでおりますが、これらも非常に弱いではないかという御指摘があるかと思いますが、将来この法律が人の健康のみならず、環境の保全、環境の生物そのものも問題にするというような新たな法域に入った場合には環境庁は当然かむべきものと思いますが、現在は人の健康ということに限られておりまして、この点につきましては、環境庁が試験項目と判断基準に参与をするということをもって対応しようということと、四条の五項にございますように、必要があると認めるときは厚生大臣、通産大臣に対して説明を求め、意見を述べるということでございまして、これは非常にうるさくこういうことをやっていこうというような考え方を持っておるわけでございます。また、この点につきまして、環境庁といたしましては、特定物質の指定につきましては当然に閣議できまるわけでございまして、この点におきましては決して両省の意見が食い違いのままにいくことはないというぐあいに考えておりますし、用途制限にいたしましても、これは閣議の問題になります。そういうことで、環境庁としてはこの問題に対して十分な関与をなし得るということでございます。
 また、この二十七条の要請というところでございまして、この要請の発動をするということによって、二十二条、二十三条というような措置命令あるいは勧告ということに対して対応し得る、特に既存物質ということに対しての問題がございますが、これは二十三条のところで行なわれることであろうと考えておりますが、私どもも非常に厳重にこれに対応していきたいというぐあいに考えております。
 いま申し上げましたような体系で本法律には対応し得るというぐあいに私どもは考えておりますが、ただ、現在の環境庁の体制というのは必ずしも十分なものではございません。そういう点で来年の考え方としましては、このような協議、審査、企画、調整というところに徹底的にこれに対応するということで、環境保全の体制ということで、人間の健康に環境からどういう影響を及ぼすかということにつきましては、総合的にこれに対応していきたいというような考えでございます。
#89
○土井委員 まあそれは御説明を聞いておりますと、もっともな御説明であります。その御説明の
 一つ一つが十分に担保されるような法案であってほしい、またそういう法律を制定していきたいとわれわれは考えているわけでありますから、したがいまして、その点からすると、まだまだこれは条文について各分野でもの言いをしなければならないような気が私はしますけれども、時間のほうが来てしまいました。したがいまして、あと公害特別委員会のほうに持っていきまして、その場に臨んで私はさらにこの質問を続行するということにしたいと存じます。ありがとうございました。
 (拍手)
#90
○佐野委員長 午後二時三十分から連合審査会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時三十六分開議
  〔浦野商工委員長、委員長席に着く〕
#91
○浦野委員長 休憩前に引き続き、連合審査会を再開いたします。
 質疑を続行いたします。木下元二君。
#92
○木下委員 この法案につきましては、もうすでに多くの論議がされておることと思いますので、なるべく重複を避けて質問いたしたいと思います。
 まず、特定の方法の問題でありますが、第三条によりますと、新規化学物質を製造し、または輸入しようとする者は、あらかじめ、厚生省令、通商産業省令で定めるところにより、その新規化学物質の名称その他の事項を厚生大臣及び通産大臣に届け出なければならないとあるわけでありますが、この厚生省令、通産省令というのはどのようなことを定めるものでありましょうか、お尋ねいたします。
#93
○飯塚政府委員 第三条におきまして、厚生省令、通産省令で定めるところにより、新規化学物質の名称その他厚生省令、通産省令で定める事項、二つ省令がございますが、前のほうの省令は手続的なことでございます。あとのほうの省令は、たとえば化学構造式あるいは検査方法、用途、生産数量、こういったことを規定するつもりでおります。
#94
○木下委員 この新規あるいは既存ともに、特定化学物質に指定をする際に、検定方法、分析方法につきましては明らかになっていなければならないと思うのでありますが、この点はどうでしょうか。
#95
○飯塚政府委員 試験検査の方法につきましては、やはり省令で定めることになっておりますが、その省令で定める前に化学品審議会に諮問いたしまして、化学品審議会の中に専門の学者のみをもって構成する物質の安全確保のための分科会が設けられる予定になっておりますが、その分科会で十分審議をしていただいたところをもとにいたしまして省令で定めるということになっております。
#96
○木下委員 ピュアーな状態のもとでの検出方法が明確になっておるというだけでなくて、大気や水質などの環境、人体、生物等についても検出方法が明確になっておるということが重要であります。幾らピュアーな状態のもとでの検出方法がわかっておりましても、自然界での検出方法がわからなければ、汚染状況が実際にどうなっているか、どういう対策を立てるかということもかいもくわからないわけでありますので、この点についてどうなっておるか、どういうお考えであるのかということを伺いたいと思います。
#97
○赤羽説明員 この法律の趣旨でございます環境を経由して、環境を汚染したものが人体に再び入る、その危険性を調べますには、分解性、蓄積性、それから人体に対する慢性毒性というのが審査の対象になるわけでございます。御指摘の分析方法につきましては、特に蓄積性を調べる場合、たとえば魚を買って、魚にどれだけたまったかということを調べる場合か一番重要かと思われます。御指摘のとおり、魚の中に入った、特に無機物の場合は比較的容易でございますが、有機物の場合は、魚からその注目いたします物質をより分けるということは、その化学物質の性質に応じて個別に検討していかなければならないことでありまして、ここが一番重要なポイントと思われます。
#98
○木下委員 私が伺っておりますのは、特定化学物質に指定をする際に、そのような検定方法なり分析方法というものを明らかにして指定をするのかどうかということを伺っておるのですが、それは肯定的に解していいわけですか。
#99
○赤羽説明員 特定化学物質に指定いたします際には、その前に、ただいま申し上げました三つの試験を厳重にやってきまるわけでございます。その試験をやるにつきましては、分析方法が確立しておりませんとその試験ができないわけでございますから、一番先に必要なのがまず試験、分析方法ということになりますので、特定化学物質に指定されました段階では十分明らかになっているわけでございます。
#100
○木下委員 この法案の目的において、第一条で、PCBなどの特定化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行なうことを目的とする、こう定められております。禁止ではなくて「必要な規制」となっておるのであります。すなわち、必要な規制内においての製造、輸入、使用等は許可されるわけであります。製造、輸入、使用等が許可される以上は、幾らきびしく規制をいたしましても、いつ環境に出るかわからないわけであります。カネミ油症あるいは千葉ニッコー事件がそのことを端的に示しておると思います。そのときになって人体からの検出方法がわからぬ、自然界からの検出方法がわからぬということではおそ過ぎます。特定化学物質に指定するときには、自然界からの検出方法もはっきりしておるということでなければならないと思うのでありますが、この点いかがでございましょう。
#101
○赤羽説明員 御指摘のとおり、その自然界のまざっている相手のものによりまして分析方法はそれぞれ異なってくる、そういう点ではいろいろめんどうな問題はあるかと思われますが、先ほど申しましたように、特定化学物質に指定する前の試験の段階で、魚を対象にするとか、あるいは土中にある微生物による分解の度合いを調べるとかいう過程を経まして、分析方法はかなり実用的に使える段階に相なっているわけでございます。
#102
○木下委員 現在カドミウムであるとかシアン、鉛などにつきましては、大気汚染防止法やあるいは水質汚濁防止法によりまして指定された有害物質の検定方法が法で定められております。この法案に基づく特定化学物質につきましても、その指定と同時に、検定方法というものを法で定めるべきだと思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
#103
○飯塚政府委員 本法におきましては、第四条の第四項におきまして「第一項及び第二項の判定を行なうために必要な試験の項目その他の技術的な事項は、総理府令、厚生省令、通商産業省令で定める。」ということになっておりますが、「試験の項目その他の技術的な事項」、たとえば試験方法等も含まれるわけでございますが、こういったことにつきましては省令であらかじめ定めて、その定めたところに従いまして試験を行なうわけでございます。なお、省令をつくる前に化学品審議会に諮問をして定めるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
#104
○木下委員 そうしますと、この四条の四項に「総理府令、厚生省令、通商産業省令」と三つ並べて書いてございますが、どれによって検定方法をお定めになるのですか。
#105
○飯塚政府委員 環境庁並びに厚生省、通産省の共同省令によるわけでございます。
#106
○木下委員 この化学物質の中には、いまだに検定方法がはっきりしていないものがたくさんあるようであります。たとえば臭化フォルムについて申しますと、その検定方法はガスクロマトグラフィーで可能であろうということでございまして、まだきちんとした検定方法がきまっておりません。このような化学物質を特定化学物質に指定をするときは、検定方法を法できちんときめるのだということは確認してよいわけでありますね。確認いたしておきます。
#107
○飯塚政府委員 ただいま申し上げました共同省令の中で試験方法等を定めるわけでございますが、個別の物質ごとの試験方法を定めるというわけではございませんで、一般的に試験の方法等を定めるわけでございますが、ただ可能な限り個別具体的なきめ方をしていくということになるかと思います。いずれにいたしましても、この点につきましてはできる限り詳細なきめ方をする必要があると思いますけれども、化学品審議会の専門の学者の御意見を聞きながら定めていくことになると思います。
#108
○木下委員 次の問題に移ります。
 物質収支の問題でありますが、第十九条によりますと、許可製造業者、届出使用者は帳簿を備え、特定化学物質の製造、使用について省令で定める事項を記載することを義務づけておりますが、記載事項は具体的にどういうものか、述べていただきたいと思います。
#109
○飯塚政府委員 製造量、販売量、販売先、使用数量といった数量が明確にわかるような事項を帳簿に記載させる予定でございますので、御指摘の物質のバランスというものは帳簿によって明確にわかるように措置をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
#110
○木下委員 この十九条の省令によって、特定化学物質がどれだけ製造され、どれだけ販売されたか、そしてどれだけ使用されたかという物質収支についても記載事項として定めるというお答えですね。――けっこうです。
 そこで、特定化学物質を製造するのに使用された原材料がどれだけであったか、また、製造された特定化学物質がどれだけであるかということは帳簿に記載をするということでありますが、この製造に伴う副産物や残滓がどれだけであるか、こういうことについても記載事項としてお考えでしょうか。いかがでしょう。
#111
○飯塚政府委員 副産物の記載も必要だと考えますので、この帳簿にはそれも明確に書かしめる予定にいたしております。
#112
○木下委員 けっこうです。
 次の問題に移ります。昭和四十八年八月四日付で厚生省環境衛生局環境整備課長名で「PCB使用部品を含む廃棄家電製品の処理について」という通達が都道府県廃棄物処理主管部(局)長あてに出されております。この通達の処理要領の三というのがありますが、これによりますと「PCB使用部品を含む対象製品については、処分に際してあらかじめメーカーによりPCB使用部品の取り外しを行なうものとする。」とあります。費用負担については触れておりませんけれども、取りはずしにかかる費用は当然メーカーが負担すべきものと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#113
○石丸政府委員 先生の御指摘のとおりに、これはメーカー側の負担において取りはずしを行なうことにしております。
#114
○木下委員 そうしますと、通達には書かれておりませんけれども、取りはずしにかかる費用はメーカーに負担させるということで業界を指導していく、こういうふうに伺ってよいわけですね。
#115
○石丸政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、すでに八月四日環境衛生局長と通産省機械情報産業局長との連名によりまして業界のほうに通知を出してございます。
#116
○木下委員 よくわかりました。その点をお伺いしましたのはなぜかと申しますと、PCB使用部品の含まれる廃棄家電製品処理の具体的方法について県、市町村、メーカーの間で協議の場を設ける。その協議の対象の一つに、特に「PCB使用部品の取り外しのために著しい処理費用の増加があった場合の費用分担のあり方」、こういう問題をいま私が指摘をしました通達であげておるわけであります。だから伺ったのでありますが、これは一体具体的にはどういうことなんでございましょうか。この八月四日の都道府県廃棄物処理主管部(局)長あての文書の中に、いま私が指摘をしました項目がありますね。これはどういう内容のものでしょうか。
#117
○折田説明員 いま先生の御指摘になりました費用の分担の件でございますが、これは各市町村によって違いますので、その方法によりまして、こういうPCBをはずすために特別な費用がかかるような場合には、その費用の分担について三者協議の上メーカー側の分担等について話し合いを明確にしていくように指導してもらいたいという意味でここに書いておるわけでございます。
#118
○木下委員 ちょっと意味がわからぬのですが、特に費用がたくさんかかる場合についてはメーカーに負担をさせるという意味でしょうか。
#119
○石丸政府委員 これは市町村が、収集をいたしましてメーカーのほうが取りはずすまでに保管等を行なっておりまして、その保管の時間的な関係等が各市町村によってみんな違いますものですから、そういった保管の場所の費用とか、そういったものについて具体的に協議をしてきめろ、こういう趣旨でございます。
#120
○木下委員 保管の費用についてだれが負担するかということをきめるという趣旨なんですか。そうですが。
#121
○石丸政府委員 保管等取りはずしに至りますまでの諸費用を考慮いたしております。
#122
○木下委員 この通達には、私がいま読みましたように、特に「使用部品の取り外しのために著しい処理費用の増加があった場合の費用分担のあり方」、こう書いてあるのですね。保管と取りはずしとはまた違うことでしょう。取りはずしというふうに限定して書いてあるのですよ。特に使用部品の取りばずしのために費用がたくさんかかった場合ということなんですが、その場合に三者で費用分担について取りきめるという、これは一体どういう趣旨なのかということを聞いている。
#123
○折田説明員 取りはずしの場合に、原則として市町村の職員が取りはずすことができないものですから、メーカー側の人が来て取りはずす。そのために人件費等が非常にかかりますので、そういう費用についてはメーカー側のほうで分担するということがおもな例でございます。
#124
○木下委員 さっき初めに言われたのは、取りはずしについての費用というのは当然メーカーが負担するのだ、こういうことを言われたのですね。その前提があるのですよ。この通達には書かれていないけれども、いまあなた方が言われたのは、取りはずしについてはメーカーが負担するのだ、こういうことでしょう。そういう前提があるのに、特に費用がたくさんかかった場合については取りはずしについて三者で協議をする、そういうことがここに書かれておるのですね。だからそれは一体どういう意味なのか、特に費用がかかった場合には自治体が負担をするということなのか。特に費用がかかった場合にメーカーが負担するということは、それはおかしいわけでしょう。もともと費用はメーカーが負担する、こういう前提があるわけですから、だから特に費用がたくさんかかった場合に三者協議をするという意味合いは、メーカー以外のものに幾らか分担させるという意味以外には考えにくいのですよ。だからそういう意味なのかどうかということを伺っているのです。
#125
○石丸政府委員 通牒のことばが必ずしも適当ではなかったと思いますが、取りはずしの費用は、これはメーカー側の負担である、しかしその取りはずしに要する費用等が必ずしも各市町村均一でないであろうから、それと、先ほど御説明申し上げましたように、取りはずすことを前提といたしまして収集をし、また、それを一定の数量が集まるまで保管するとか、そういった取りはずしのための付帯的なもの等について、これは各市町村で実態が違うからよく協議しろ、こういう趣旨でございます。
#126
○木下委員 取りはずしのための保管の費用、これについてはメーカーの負担ということではなくて、三者が話し合ってきめるべきだ、こういうことですね。
 それから、その取りはずしを含めて保管の費用というのは各地域地域によってまちまちであるから三者で話し合え、この意味がよくわからぬのですがね。
#127
○石丸政府委員 一つの例として申し上げますと、PCBを使用いたしました部品等を取りはずした後、また、それを処理するまでの間、これを市町村のほうで保管をするか、あるいは業者のほうで保管をする場合もあろうかと思いますが、そういった際に、市町村が保管した場合の保管費用等も、市町村が持つかあるいはメーカーが持つか、そういったところもよく相談しろ、こういう趣旨でございます。
#128
○木下委員 わかりました。少し不明確な点もあるわけですが、結局保管等の費用についてはともかくとして、取りはずしそのものの費用は一切メーカーに負担させる、それは費用が多いか少ないかにかかわらずメーカー負担である、これは間違いないというふうに確認していいでしょうか。
#129
○石丸政府委員 御指摘のとおりでございます。
#130
○木下委員 次の問題に移りますが、化学品審議会というのがあります。ある化学物質が特定化学物質であるかどうかの判定を行なうわけですね。白か黒かを判定する審議会であります。非常に重要な役割りを果たす審議会でありますが、この審議会の構成はどのようになっておるのでしょうか。
#131
○飯塚政府委員 化学品審議会の所掌事務といたしましては、本法に規定がございます試験の方法、判定の基準その他化学物質の使用の規制等々でございますが、審議会の構成といたしまして現在考えておりますのは、医学、化学等の専門の方々、それから学識経験者、言論界の方、需要者の代表、消費者の代表並びに業界の代表等を構成メンバーとして考えております。これは本法の施行に関するもろもろの問題等を審議していただくわけでございますが、この中で特に物質の審査に当たります関係につきましては、安全性の判定の分科会を設けます。この分科会の構成メンバーは、専門の学者だけをもって構成する分科会を考えておる次第でございます。
#132
○浦野委員長 語尾がはっきりしないので、はっきりしてください。聞き取りにくいですよ。速記も困るから。
#133
○木下委員 いま最後に言われました業界代表が入るということでありますが、これは少しおかしいのではないでしょうか。この法案というのは、業界を監視して規制していくという法案であります。特定化学物質がちゃんと管理されておるかどうか、環境に出るようなことがないように業界を規制していく、違反すれば取り締まっていくという法案でありますのに、当の業界代表を入れるというのはちょっと理解に苦しむのであります。この法案の精神に反しておるのではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
#134
○飯塚政府委員 審議会に業界代表を入れますのは、決して業界の利害関係人という意味で入れるわけではないわけでございます。業界は化学製品に関して現実にいろいろな知識を持っているわけでございまして、こういう知識を審議会の場で発言していただきまして審議の参考にするというつもりでございます。業界も自己の生産する製品につきましては十分安全性を確保する必要があるわけでございまして、業界が今日までとってまいりました安全性確保のための具体的な手段等についても、この審議会で意見を述べてもらって、それらを参考にし、さらにそれで不十分なものについては新たなる安全性確保の手段を検討していく、こういう意味で業界の代表を入れておるわけでございます。
#135
○木下委員 審議の参考にするということを言われますが、業界の意見を聞きたければ参考人として呼べば事足りるわけであります。あえて入れる必要はないと思います。たとえば薬事法というのがありますが、薬事法に基づく中央薬事審議会、これには業界の代表は一人も入っておりません。この審議会に業界代表を入れる必要性はどこにあるのか。白か黒かを判定する審議会でしょう。業界のほうを監視する審議会でしょう。それに業界を入れるというのは、これは私は筋合いからいってもおかしいと思うのです。この点、大臣、いかがでしょうか。ほかの審議会の例を見ましても、さっき私が指摘をしましたように、業界代表がいぞい在審議会募るわけでござい手。そういう方向に当然進むべきだというように思いますが、お考えを聞かしていただきたいと思います。
#136
○中曽根国務大臣 審議会にもいろいろ性格がありまして、必ずしも業会代表を入れることが悪いとも言えません。中労委なんかの場合でも、労使、それから公益委員と、三者構成でやっているものがよくあるわけです。必ずしも利益代表的意味ではありませんけれども、その専門的にかかわっている人たちの意見を聞いて、そうして公益委員等が等三者として判定する、そういう混合委員会という性格を持つことは、やはり行政を密着させる上でも有益な場合もあるわけです。しかし、それが著しく利益代表的性格を帯びてくると無用の長物になってきて、これは公益委員だけでやったらいい、そういう議論も出てまいります。ですから、それは審議会の態様によっているのであって、一がいにいけないと否定し去ることはないと思います。
#137
○木下委員 その審議会の構成をどのようにするかということはさっき言われましたけれども、これはもうほぼどの程度固まっておるのでしょうか。これから政令でおきめになるという段階でしょうか。ちょっと聞かしていただきたいと思います。
#138
○飯塚政府委員 本法施行後に定めていくことになるわけでございます。
#139
○木下委員 そういたしますと、私がいま申しましたこともよく参考にして、どういう審議会のメンバーにするかということをひとつお考えいただきたい。いま大臣も言われましたけれども、それは確かに委員会あるいは審議会の性格によりまして、機能によりましてどういう構成にするかということがきまってくると思いますけれども、私ここでもう多くを申しませんが、私は、この化学品審議会は業界代表を入れることはふさわしくないというふうに考えておるわけであります。端的に申しますと、自分が自分を試験する、そういうふうな場合だってあることになるわけでありまして、たとえばさっき労働委員会の例などを言われましたけれども、ああいうふうな委員会の場合などはその手続が非常に明確にきめられておりまして、審議のしかた、進め方、非常に厳格にきめられておるわけであります。こういうふうな化学品審議会でいろいろ判定をしていく場合のそういう手続なり進め方というものは、私はそう厳密にきめにくいものがあると思うのです。そういったこともひとつ含めてお考えになって、この構成をどういうふうにするかということはひとつ慎重に検討願いたい、要請をいたしておきますが、いかがでしょうか。
#140
○飯塚政府委員 白か黒かの判定をいたしますのは、先ほども申しましたように、安全性確保のための分科会において、これは業界その他の関係は入りませんで、全く専門の学者だけで構成するわけでございますが、ここでまず検討していただきまして、それをもとにして審議会で審議をしていただくということになるわけでございますが、ただいま先生御指摘の点もございますので、私どもその点につきましては慎重にさらに検討を続けていくつもりでございます。
#141
○木下委員 この法案は管理を万全にする、環境に出ることがないようにということを前提にしまして、特定化学物質の製造、輸入、使用を必要な規制のもとに認めるわけでありますが、特定化学物質の管理について絶対だいじょうぶだという保証はあるのでしょうか。端的にお伺いいたします。
#142
○飯塚政府委員 本法におきましては、特定化学物質の管理につきましてはきわめて厳格な幾つかの規定があるわけでございまして、具体的に申し上げますと、第十四条におきまして、用途の制限でございますが、これはきわめて限られた用途のみに限定をいたしておるわけでございます。それから第十五条におきまして、使用する者につきましては届け出制をとらしめておるわけでございます。さらに十七条におきまして、使用者に対しましては一定の技術上の基準をきめまして、これを順守する義務を課しておるわけでございます。さらに十八条におきましては、この基準に適合しないというときには改善命令を出すことができるようにしておるわけでございます。それからさらに十九条におきましては、使用状況についての帳簿への記載義務が規定されておりますし、二十五条、二十六条におきましては、報告徴収あるいは立ち入り検査等の規定もございますので、私どもは、この管理についてはきわめて厳格に措置している、かように考えておるわけでございます。
#143
○木下委員 まあごの法案に期待をいたしたいわけでありますが、やはり問題は行政当局の姿勢にあると思うのです。これは先ほども質問の中で指摘をされておったのを少し聞いたのでありますが、あの特急「雷鳥」のPCBのたれ流しの問題ですね。これはもうすでにお答えがありましたので私は詳しくはお尋ねいたしませんけれども、一、二点だけ伺っておきたいと思うのです。
 国鉄に伺いたいのでありますが、この事故が発生しましたときに、付近住民、保線関係の国鉄職員、それから福井県及び関係自治体に事故の起きたことを知らせたでしょうか、どういう措置をおとりになったでしょうか。
#144
○石沢説明員 この事故が起こりました八月十二日の時点で、何ぶんにも初めての経験でありまして、本社に問い合わせが参りまして、その結果それを完全に除去することが可能であるというような判断をいたしました。したがいまして、そこのいわゆるレール上の、そこに触れる保線の職員とか、こういう者に対しましては、ここにこういうものが落ちている、ばらまかれておるので注意するようにという保線職員への注意と、それからもう一つは、その落ちている状況の調査のために旅客関係、運転関係の職員を派遣しましてその調査をさせました。しかしながら、その調査とそれから本社の判断とをあわせまして、まわりに影響を与えないで除去することができると先ほど申しましたような判断をいたしましたために、そのときには地方自治体への連絡はいたしてございません。そういう状況でございます。
#145
○木下委員 知らせていないというのは重大であると思うのです。国民の安全をどうお考えになっておるのか。このような事故が起きましたときに、すみやかに関係自治体、付近住民に知らせ、被害が及ばないようにするということが国鉄の当然の責務であると思います。今後このような事故が起きましたときはきちんと直ちに知らせるようにすべきである、こう思いますが、どうですか。
#146
○石沢説明員 今後先生のおっしゃいますとおり、地方自治体への連絡をすぐすることに先般私どもの内部の打ち合わせでもきめておりますので、今後こういうことがないように最大限の努力はいたすわけでございますが、もしもそういうことが起こりましたならば、連絡はすみやかにいたします。
#147
○木下委員 二度とこういう事故が起こらないようにということでありますが、そのためにも全車両のトランスの点検を行なうべきだと思いますが、この点はどうでしょうか。
#148
○石沢説明員 トランスの点検、これまたPCBを扱うことになりまして非常に専門的でございます。中身を申し上げますと、パンタグラフから電気がおりてまいりまして、トランスのところに線を接続するわけでございます。これはほんとうの専門家よりできないということで、その作業も専門家だけしかできない状況でございますので、その検査というのがまた非常にむずかしいのでございます。
 先般あの事故が起こりまして、それからそれと同じロットのものをあけまして、まず普通でいいますと電気の絶縁測定とか、こういうようなものは簡単にできるので、これは全車両至急に、もうすでにやりつつありますが、進めております。ただし、もう少しよくわかる方法はないかということで、いま一両そのトランスのところをばらばらにしまして、さらに高級な検査方法も発見しようということで、その先の勉強も詰めており、絶縁測定のような全車両のトランスの検査はさっそくやっております。
#149
○木下委員 けっこうです。もう二度とこのような事故が起こらないようにするために最大の努力をする、こういうふうに伺っていいわけですね。確認いたしておきます。
 それからもう一つの問題でありますが、東洋紡の敦賀工場でPCB中毒患者の発生の問題が起こっております。この工場でのPCBをKSK三〇〇オイルに入れかえ作業中に、PCBであることを知らされていなかった下請労働者がPCBに素手で触れた事故でありまして、管理不十分による被害も実際出ておるわけであります。指定された特定化学物質すべてについて製造過程、使用過程における管理が完ぺきに行われるべきだと思うのでありますが、そのための行政指導を一段と強化すべきだと思います。この点はいかがでしょうか。
#150
○松村説明員 PCBに限って申し上げますと、現在、熱媒体を御承知のようにPCBからそれ以外の物品に、取りかえを十二月までに行なうということでやっているわけでございます。その際に、これの取り扱いについて十分な注意を払いまして、それに従事する労働者に対しても十分その点を徹底させるということは当然のことでございます。実際上の所管は、これは労働関係でございますので労働省ということになろうかと思いますが、通産省といたしましても、その点については十分な指導をいたしてまいりたい、そういうふうに思っております。
#151
○木下委員 もう質問を終わりますが、その点はもう労働省の管轄だから通産省は知らぬということでなくて、労働省と十分連絡をとり合って徹底を期してほしいと思うのです。ここではPCBをからだにかぶったり素手で触れたり、そういうことが起こっておるのです。それで、現実に身体的な肉体的な被害というところまではまだ出ておりませんけれども、どういうふうに発展をするかわかりません。こういうことも二度とないように、関係各省と十分連絡をとり合って行政指導を強化していただきたい。この点を強く要望いたしまして質問を終わります。
#152
○浦野委員長 岡本富夫君。
#153
○岡本委員 ただいま審議されておりますところの法案について――そこでこの法案を見まして、今後こういった化学物質についての事故を未然に防ごうという考えであろうと思いますが、すでに起こっておりますところのPCBの問題について少し詰めておきたいと思うのです。
 一つは、おととい私ども公害委員会で兵庫県の高砂にありますところの鐘淵化学を視察しました。そのときに一番心配な問題は、全国から戻ってくるところのPCBを処理することができない。これはすでに話があったかわかりません。鐘淵化学ではこれを焼却する設備をつくっておりますけれども、焼却をするとその煙突から相当なPCBが分散するというわけで、県ではとめておるわけですが、これについての処理技術の開発については通産省としてはどういうように指導しておるのか、これをひとつまずお聞きしたい。
#154
○赤羽説明員 現在鐘淵化学で持っております焼却炉を実験いたしましたところ、大気の中に出てまいります残りのPCBの量が環境庁の定められました基準をはるかに下回るということで、非常に優秀なものということになっております。しかしながら、地元においてなお少なくするようにということで、現在使用が認められていないわけでございますが、通産省としましても、傘下の試験場によりまして、さらに有効な処理ができるような研究を現在進めております。
#155
○岡本委員 あなた、実際に通産省はその現実を知っておるのですか。これを直接担当しておるところの兵庫県では、基準以上に出るからだめだと言っておるのです。これは副知事から私ははっきり答弁をとったわけですがね。そうして通産省のほうにどうしようと相談しても確たる返事がない、こういうわけで困っておるというわけですよ。先ほども話があったかわかりませんが、どんどんたまってくる。鐘淵化学としては、もっとたくさん焼却できるようにという設備もいま計画しておるのだけれども、どうしようもないのだというのが現状です。いまあなたの答弁では、もう非常に優秀なものである。そう優秀であったらそんなに出ないですよ。この点いかがですか。もう一度はっきりしてください。
#156
○松村説明員 私も、先日、衆議院の公害特の瀬戸内海環境調査の随行といたしまして、実際に鐘淵化学を拝見してまいったわけでございますが、あそこにあります焼却設備は、これは前は塩ビの副産物等の焼却に使っていたわけでございますけれども、その後PCB問題が起きましてから、PCB焼却に専用の設備をつけましてPCB焼却のためのいろいろな防止施設等が設置されているわけでございます。
 そこで、PCBの焼却と申しますのは、先生御承知のように、相当な高温でこれを焼却するということでございまして、相当な高温で焼却いたしますと、完全に一〇〇%とはまいりませんけれども、ほとんど一〇〇%近い焼却といいますか、分解が行なわれるわけでございます。ただしかし、やはりある程度の量のPCBを大気中に放散するということは、これは現在の技術をもってしては何ともできないことでございますが、ただ問題はその量であろうかと思うわけでございます。この点につきましては環境庁等とも御相談いたしまして、環境庁のほうから、暫定ではございますが、PCBの焼却の際の大気中のPCB残有量についての一つの基準と申しますか、水準をお示しいただいたわけでございます。それで、その水準に照らしまして、鐘化の工場を実際に試験的に動かしてみましてその性能をチェックしたわけでございますが、これには関係官庁及び大学の先生たちのお立ち会いもいただきまして、公正な調査をいたしたわけでございます。
 その結果を申し上げますと、環境庁のその水準よりもはるかに低い分析値が得られているわけでございます。したがいまして、通産省といたしましては、やはり今後あるいは四千トンであるとか五千トンといったような大量のPCBが工場内に保管されているということになりますと、もちろんその保管については十分耐震構造を持った専用のタンクの設置といったあらゆる手段は講ずるといたしましても、やはりなるべく早くああいうものは処分をしたほうがよろしいということでございますので、地元の県のほうに対しても、そういった専用炉の稼働、操業を早く認めてほしいということをお願いしているわけでございます。ただ、先生いまお話がございましたように、地元といたしましては、若干ではあってもやはりPCBが大気中に放散するということについては、住民感情として、それが健康基準を満たしているとしてもどうも釈然としないというような問題がございまして、現在はまだ操業いたしていない状態でございます。
 そこで、先生お話しのように、それでは一体通産省はどうするつもりだという御質問でございますが、私どもといたしましては、現在の設備そのものでも十分レベルをはるかに下回る状態でございますので、一日も早くこれを焼却処分するということが必要かと思うわけでございますが、なお、私どもといたしましては、通産省傘下の試験所に依頼いたしまして、四十七年度にこれについての専用炉といいますか、小さな設備でございますが、それをつくりまして、現在、別個な焼却方法でございますが、焼却方法を開発研究いたしているわけでございます。その結果によりまして、現在のレベルよりもはるかに――はるかにといいますか、相当高い効率のものが得られましたならば、当然のことでございますが、その方法を採用するという方向で進んでいくべきではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#157
○岡本委員 中曽根通産大臣に要望とそれから対策をお聞きしますが、おととい行きまして、結局、この各販売した先からいまどんどん鐘化へ戻ってくるわけです。いま大体二千三百トンですか――ところが鐘化だけで、聞きますと五万五千トンぐらいつくっているんですね。こういうように社長が言っておりました。それが戻ってきまして、いま処理しようとしましても、県の副知事に、これを早くやらせなければいかぬじゃないか――これはどうにもだめなんです、よく出るのです、基準以上に出るのです、こういうようなことも言っている。特に兵庫県では、これは国家管理にしてもらえないか、県ではとてもこれだけのものはできないというのが兵庫県の偽らざるところの要望であったわけです。ですから、国で何とかこれは処理技術を開発すると同時にこの処理をする、そしてその求償は、そういった費用は鐘化が出すわけですから、そういったはっきりした対策を立てていかなければならないと私は思うのです。これが一つ。
 それからもう一つは、この高砂、要するにあの鐘化の敷地というのはそう大きくはありません。そこへどんどんどんどん、次から次へ入ってきますと、もしも万一のことがあったらたいへんだというのが住民の皆さんの意見であった。県の意見も同じように、いまある処理できないところのPCBを全国に何カ所に分けて、何といいますか、貯蔵する、分散管理ができないだろうか、こうしてもらわなければとても話にならないというのが兵庫県あるいはまた住民の皆さんの御意見だったわけです。
 こうなりますと、どうしてもこれは通産省のほうで、国のほうでやっていただかなければならない。しかも私は、通産省には責任があると思うのです。このPCBを技術開発して使わせたときにはJIS規格ですね、JISは通産省が許可しているわけですよ。ですから私は、責任が企業だけだというわけにいかないと思うのです。ですから、この点について政治的な配慮と検討、これをひとつ通産大臣からお聞きしたい。
#158
○中曽根国務大臣 これはやはり直接的には私企業が過失によって表へ出してしまって、製造の過程においてずさんなところがあったためにお客さまに迷惑をかけたという本質を持っておるので、PPPの原則というのが公害にありますけれども、この問題についてもやはりPPPという――これはそういう被害を与えた会社が処理し、責任を負担すべきものである、そういうふうに原則を確立しなければいかぬと私思います。
 ただ、PCBの処理技術を開発するとかいうようなことは国が大いにやって、そうして適用できるような処理技術を早く開発する、そういうことは当然国も関与してやるべきものだろうと思います。
 しかし、国家管理というような形で国が介入するということは、会社負担、−会社責任というものをあいまいにするものであって、私はそういうことはできないだろうと思います。まあ考えられることは、会社ができるだけ自分でそういうことをやるように金融のめんどうを見てやるとか、そういうようなことは可能ではありますけれども、国が介入するということは適当でない、そう思います。
 それから回収品の格納の問題でありますけれども、この問題は検討していい問題だろうと思います。これは散逸したりあるいは流れ出したりして住民の皆さんに迷惑をかけてはいけませんから、そういう保安という面については、これは検討してみる余地があると思います。
#159
○岡本委員 大臣の言うように、いまPPPの原則でみな逃げちゃうんですよ。PCBは、通産省が、工業技術院の人も入ったりして、通産省の関係でJIS規格にしているんですよ。その当時はこういった毒性がわからなかった、そういうことによってこの新しい法律ができておるわけですけれどもね。これは会社責任だから会社に、それは確かにそうだ。しかし、いま付近のあそこにいる人たちの健康管理あるいは万一のことがあったとき、これは会社が悪いんだから少々事故が起こってもしかたがない、これでは行政は要らなくなってしまいます。それだけのお金は出す、こう言っているわけですよ。ちゃんと求償はしていいと思うのですよ。また、向こうの社長も、ちゃんとそれだけのことは全部します、ヘドロの問題でも全部会社が出しますと言っていましたよ。したがって、当面の問題として――ただできないものに、しかもこの焼却につきましても、ではどういう指示を与えるか。ではそこでやってよろしい、こう言っておるわけでありますけれども、ところが兵庫県で調査すると、やはり基準以上が出ておるからこれはとても焼かすわけにいかないんだ、こう言っておるわけです。ですから、通産省でやはり責任を持って何とかしていくということがなければ、いまはまだ二千三百トン――ここへ五万五千トンつくっておるのですが、これがどんどん戻ってきますよ。こういうことになってきたときに、国民の健康あるいは国土の汚染から見まして、どういう処置をあなたはなさるのですか。もっと大きな事故が起こったらどうなりますか。あなた一ぺんごらんになったかどうかわかりませんけれども、こういった法律をつくらなければならないようになってしまったんじゃないですか。だからその点についてもう少し確たるところの御答弁をいただきたい。
#160
○中曽根国務大臣 御趣旨はわかりますけれども、やはりこれは第一義的に会社の責めに帰すべきことであって、そのことは会社はあらゆる努力をしてやらなければならないということであると思うのです。ただ、焼却その他の処理に関する技術開発については、いま通産省も、工業技術院に命じてかなりのお金を使って技術開発をやっているところでありまして、そういうものができたらその会社に適用させる、そういうことでいくべきものだろうと思うのです。
 それから格納の問題については、やはりこれは専門家がかなり注意してやらないと散逸する危険もあるので、三菱モンサントとか鐘紡とか、そういうふうな技術や知識、経験があるところならば安全ですけれども、これもよほど注意してやらないとかえって危険を散逸する、そういう点も出てくるだろうと思います。ともかくJISの認定があったから通産省が責任があるという御議論は、私はどうも率直にそのまま受け取るわけにいかぬと思うのです。なるほどJISというものはこういうスタンダードに合格したというそういう時点における判定ではありますけれども、その結果お客さまに迷惑がかかったとすれば、その点では多少通産省もお客さまには迷惑をかけたという感じはしますが、迷惑をかけた原因は、取り扱いがまずかった、あるいは粗漏なことをやった、そういうことから会社の直接の責任で起きておるのであって、そういうことがなければ危険もお客さんの迷惑もなかったのじゃないか、そう思います。そういう面から見まして、われわれがとにかく全然責任がないとは申しませんけれども、やはり第一義的責任というものは、資本主義社会にあっては会社がとるべきである、そう原則的に思います。
#161
○岡本委員 ずいぶんPCB問題については公害委員会とそれから科学技術特別委員会と連合審査もやりましたが、このJISをきめるときの審議会のメンバーあるいはまたこのPCBを採用するについての審議会のメンバーの中に、業界あるいはまた通産関係の者しか入っていなかった。健康のほうの立場の者が入っていなかった。こういうようなところから今度こういった法案をつくろうとしているわけですから、資本主義の社会であろうと、そういったときにJIS表示をするということは、この品物は間違いないんです、だいじょうぶなんですということだ。いまになって全部だめだということになって、全部回収して――これは取り扱いだけではなかったのです。昭和三十七年からずっとこうなっておるわけですが、これは大臣、あなたはこのPCBについての御認識が非常にないと私は思う。だからいま認識のないところでやかましく言ってもしかたがありませんが、もう一度検討してもらいたい。
 そこで次に、こういったPCBがこんなにも騒がれて、また事故も起こっておるのに、まだ有害物質に指定されていない。環境庁のほうでいつ有害物質に指定するのですか。この点について伺いたい。
#162
○岡安政府委員 PCBによります水質の汚染につきましては、私どももPCBを有害物質に指定をいたしまして規制をいたしたいと考えております。ただ問題は、PCBを分析いたします技術が、現在のところ清水または食品中のPCBの分析法は確立いたしておりますけれども、産業排水のようにいろいろなものがまじっておるところ、または公共用水域におきます排水の中からPCBを純粋に取り出す技術というものが確立いたしておらないわけでございます。これにつきまして、現在科学技術庁でいろいろ御検討いただいておりまして、近くこの結論が出るというふうに聞いておりますので、それが出ますれば、私どもも水質汚濁防止法の対象物質といたしまして規制をいたしたい、かように考えております。
#163
○岡本委員 PCBを有害物質に指定していないところにどういう問題が起こっているか、これについてこれから質問いたしますけれども、通産省の全国のPCB汚染状況調査が出ておるわけです。この中に底質から一〇〇PPM以上の高濃度の汚染が検出されておる。まずその辺について、あなたはいまどろとか、そういうところからはなかなか検出できないからと言うけれども、ちゃんと検出している。この一〇〇PPM以上の高濃度の汚染されたところが何カ所かありますけれども、一〇〇PPMにきめた基準というものをひとつお聞かせ願いたい。
#164
○岡安政府委員 まず分析方法がきまっていないのに分析しているではないかというお話でございますけれども、私ども確立はしておりませんでも調査はしなければならないということから、先ほど申し上げました清水中または食品中のPCBを分析する方法を準用いたしまして、それでいろいろ検査をさせているわけでございます。底質につきましては、昨年、水質、土壌並びに底質の調査をいろいろいたしました。私どもは、そのうち底質中に一〇〇PPM以上のPCBが含まれる場合はとりあえず早急にこれを除去すべきであるというふうに指示をいたしまして現在作業をいたさせておりますけれども、これはまだ一〇〇PPMという根拠が特別にあったわけではございません。これは底質中にPCBが何ぼありましたならばそれが環境中にどれだけの汚染を来たすか、したがってどの程度以上の含有量がある場合に除去すべきであるかという基準を私ども現在研究をいたしている最中でございまして、先般水銀につきましての除去基準はつくりましたけれども、PCBはこれからはっきりさせたいという段階でございます。しかし、昨年の調査の結果、ある程度PCBによります底質の汚染が明らかになったものでございますので、その中で特にはなはだしい汚染をしているというところから一〇〇PPM以上はとりあえず早急に除去すべきであるということを指示いたしたわけでございます。今後さらに基準が明らかになりますれば、その基準によりまして対策を講じてまいる、かようなつもりでおります。
#165
○岡本委員 いま全国的に一〇〇PPM以上が四カ所、これを除去する。この除去をするにつきましては、有害物質に指定――土壌汚染防止法の適用がなければ土壌の入れかえなんというものはまだできないわけでしょう。農林省に聞くと、そういった土壌汚染防止法のきちっとしたどこどこということを決定してくれなければ、私どもは構造改善もできない、こう言っているじゃありませんか。この点いかがですか。
#166
○岡安政府委員 いまのお話は土壌のほうは昨年の調査によりまして、一〇〇PPMをこえる土壌といいますか、農用地でございましたけれども、農用地は四カ所というふうに私どもの検査で出てきております。私どもは、やはりとりあえず土壌中に占めるPCBの割合が一〇〇PPMをこえるものにつきましては、これを除去その他の対策を講ずるという指示をいたしておりまして、これらの異常な汚染のところにつきましては、ほぼすべて加害者といいます、原因者が明らかでございますので、原因者の負担によりましていろいろな作業をさせております。先生おっしゃるとおり、土壌汚染防止法の指定物質にはなっておりません。したがって、土壌汚染防止法によりまして対策地域を指定し、対策計画を立て、対策事業を実施するというようなぐあいにはまいりませんけれども、少なくとも高濃度汚染のPCB汚染農用地につきましては、原因者に費用を負担させまして、それぞれの対策を実施させているというのが現状であります。
#167
○岡本委員 例を申しますと、草津市の日本コンデンサ、これは私たちが視察したわけですけれども、PCBの汚染が最高七八〇〇PPM、これは田とかあるいはあぜですね。農業用水路では一万六〇〇〇PPM。地元では四十八年の四月九日に土壌の入れかえを含んだ損害賠償請求を地方裁判所に提起している。さらに、大津地方裁判所から京都の衛生研究所の藤原先生に――この日本コンデンサ付近のこの地域のいま言ったたんぼあるいはまた農業用水路、こういうところを調査しますと、十万PPMあるいは十五万PPMというような結果が出ているわけです。こういうものがまだそのままになっている。訴訟しなければどうしようもない。こういうことではならないと私は思うのですね。
 この点について一つお聞きしたいのと、それからもう一つは、これは一〇〇PPMというのは、私は何の根拠もないと思うのですよ。まあよけい汚染しておるのだろうなというようなところで、兵庫県の加古川市におけるところの別府町、ここは兵庫県が検査しましたところが、別府川から、ヘドロの中から、二八〇PPM検出されておる。それから玄米、四十七年度産米ですね、これも実は〇・〇一五PPM、これは食べるものですよ。そうしてこの玄米は、調査しますと大体保有米なんですね。だからあちこちのやつがまじった分ですから、これはどれだけ含まれておるかということははっきりしないわけです。この点について厚生省、PCBのお米の中の基準、これは幾らになっていますか、これをひとつお聞きしたい。
#168
○岡安政府委員 草津市の日本コンデンサの周辺につきましては、ため池その他関係水路等を中心にいたしまして、汚染のヘドロの除去、土質の改良等につきまして県に指示をいたしましてやらせているところでございます。
 いま先生のお話で、何か訴訟が起こっているということでございますけれども、それらにつきましてはさらによく聞きまして、私どもは汚染されたようなところはすべてしゅんせつその他をするように指示をいたしておりますので、その間の事情はさらに取り調べてみたいというように考えております。
#169
○石丸政府委員 食品中に含まれますPCBの規制値につきましては、昨年八月魚介類を中心といたしまして乳製品等について暫定規制値を設けたわけでございますが、その際、米等につきましてはデータが乏しく、その時点におきましては暫定基準値を定めることができなかったわけでございますが、その後各種の調査も進んでおりまして、現時点におきましては食品衛生調査会の中にPCB特別部会がございますが、この部会にそれらの調査結果の検討をお願いしているところでございまして、近くその結果を待ちまして、米等の暫定基準値を定めたいと思っております。
#170
○岡本委員 私どもの調査によりますと、この別府川の流域の農家、この方々が、米をつくっても食べていいのだろうかどうか、こういうことで非常に不安になっておる。だからひとつこの点については早急に基準値をきめて、そして発表する必要があると私は思う。
 次に、この別府川の流域を見ますと、播磨化成加古川工場、秋毎ですか、ゴム製造。播磨工場は、いま被害を受けているところから上流六キロのところにある工場であって、三十七年ごろから昨年春まで三千二百キロ、それから秋毎ゴムですか、ここでは八百キロ、こういうのを使用しているわけですよ。そうしてその下流にこういうものが出てきておるわけです。したがって、私は全国のPCBを使用したところの工場、企業から出る水によって汚染されたお米、その水田、こういうものの調査を早急にする必要があるだろうと思うのです。これが全部できていないのではないか。まだまだたくさん例があるわけですが、それについて食糧庁。
#171
○森政府委員 ただいま御質問のお米の中に含まれている数量につきまして、食糧庁は直接これを検査し、調査するという職能を持っておりませんで、これは環境庁なり、あるいはその他の関係省でやってもらうことが必要かと思いますが、私どものほうは、そういう関係のあれによって定められた規制値が判明いたしますれば、それに従って処置をいたしたい、こういうことになっております。直接的に私のほうで、PCBがこの米に何ぼ含まれておるかというふうには調査をいたしておりません。
#172
○岡本委員 食糧庁の次長さん、あなたカドミはやっていますか。カドミはやっているでしょう。これは、PCBのほうはもっとすごいのですよ。魚介類よりも、もっと日本人はお米ばかり食べている。それについて、そんなむとんちゃくな考え方では話にならないじゃないですか。
#173
○森政府委員 環境庁でお調べ願えるはずでござ・います。
#174
○岡安政府委員 環境庁といたしましては、昨年PCBにつきまして全国の総点検をいたしたわけでございます。お説のとおり、PCBによります汚染のおそれのある水質それから底質、農用地等の土壌、それから関係の米等につきましてもやりました。その結果、昨年公表いたしましたとおりの結果でございます。たとえば、米について申し上げますと、玄米につきまして三十三件やったわけでございますが、その結果一PPMをこえるような含有が発見されましたのは一件にすぎなかったわけでございまして、それ以下はほとんど〇・一PPM以下というような状態でございました。もちろんまだ基準もきまっておりませんのでどれだけが安全かということは明らかではございません。私どもは、やはり厚生省が現在進めておられます暫定基準ではあるかもしれませんけれども、そういう基準づくりを参考にいたしまして、私どもは今後そういうような農作物からの発生を未然に防止するという意味合いから、必要であれば土壌汚染防止法の対象物質に指定をいたしまして対処してまいるというような考え方です。
 なお、今後の環境調査につきましては、今年度もさらに補完的な調査をいたしております。
#175
○岡本委員 食糧庁のほう、あなたのほうは被害者だ、あなた直接食べないから知らぬ顔しているかもしれませんが、私はあなたのほうが率先して――産省が、使っていた工場を発表していますよ。相当あります。九十何工場ある。その付近から流れているところの、この田からとれるところのお米については、積極的にあなたのほうで調査する必要があると思うのだ。それを環境庁にやってくれ、環境庁は見ておっても、お聞きのとおりほとんどしませんよ。だから、これはたくさん出てきた。食糧庁どうするんです。これはまたもう一ぺんあなたのほうから答弁をもらいたい。
#176
○森政府委員 PCBの汚染問題につきましては、ただいま私どもが承知している範囲におきましては、お米につきましては、少なくとも私ども一・〇PPM以上のものをあまり聞いておらないわけでございます。御質問の加古川地区におきましても、先ほど先生がおっしゃいましたように〇・〇一五、加古川の上流あるいは下流を調べると以上のとおり、お米を調べてもそういう程度でございまして、したがいまして、この汚染によるお米による人体に対する被害の問題については、厚生省の規制値といいますか、そういう許容基準、そういうものに従うということでございまして、まだそれが特別部会でさっき検討中だというお話もございましたが、そういうものがありまして、結論が出ましたらそれに従って私どものほうは措置をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#177
○岡本委員 食糧庁の次長さん、一PPM以下はだいじょうぶですか。食べていいですか。
#178
○森政府委員 だいじょうぶだと私のほうで言っているわけではございませんで、私どもが知り得ている情報の中では、草津地区において四十六年産米で一件あったということだけを聞いております。一・〇PPM以上が人体に害があるかどうかという問題は、私どもで考えるよりもむしろ専門家である厚生省のほうでどうだという御結論が出るはずでございます。
#179
○岡本委員 食糧庁次長、そういう基準を急がしたり、われわれはどうするんだということを、あなたのほうが被害者なんですから、毎日この米を食べている農家の方からしたらどんなになりますか。環境庁あるいは厚生省できめてくれませんから、じゃ食べずにおきます、こういうわけにいかないじゃないですか。むしろあなたのほうからもっと積極的にプッシュして、どれなら安全だ、また日本国中の米にはどこにどういうのがあるのだということをもっとあなたのほうが把握しなければならない。ただ、一PPM以上出たのは聞いていない、そんな情けない食糧庁がありますか。それでは国民は安心して米を食べられませんよ。もっと積極的にやりますか。いかがですか。
#180
○森政府委員 この問題につきましては、厚生省関係当局とも十分打ち合わせの上検討してまいりたいと思います。
#181
○岡本委員 いままで何もやってなかったのだ。そこで、環境庁もそれから厚生省も、もっと国民の健康というものに対して、通産省はいつも加害者なんだから、被害者の立場になって、そしてもっと進めてもらわなければ何にもならないと私は思う。一つだけ最後に答弁をとっておきますが、環境庁、これは加古川の別府町の問題ですね。これはわれわれ調査したのです。だからあなたのほうではっきり結論を出せるようにするかどうか、これだけひとつ答弁をとっておきたい。いかがですか。
#182
○岡安政府委員 兵庫県加古川市の別府川ですか、この汚染、それから周辺の玄米の検査の結果につきましては、いま先生のお話のとおりのことを私ども県から連絡を受けております。そこで、とりあえず別府川の別府橋近くの底質から二八〇PPMのPCBが検出されたということでございますので、これらにつきましては細密の調査をいたしまして、汚染範囲を確定し、早急にしゅんせつその他の措置を講ずるように指示をいたしたい、かように考えております。
#183
○岡本委員 通産省の基礎産業局ですか、現在までPCBを鐘淵化学と三菱モンサント、両方で幾らつくったか教えてもらいたい。
#184
○飯塚政府委員 鐘淵化学が五万六千三百二十六トン、三菱モンサントが二千四百六十一トンでございます。
#185
○岡本委員 四十八年八月四日、厚生省環境衛生局環境整備課長から各都道府県に対して通達が行っていますね。その中で、PCBは昭和二十九年以降四十六年末の間にわが国で五万三千トンが使用された。製造されたのが五万六千トンと二千百トンですか、五万三千トンが国内にあるのですか、これはいかがですか。あとの差額はどこへ行ったのですか。
#186
○石丸政府委員 先生御指摘の差額分につきましては輸出に回されたと聞いております。
#187
○岡本委員 これは通産省のほうできちっと数字を把握しておりますか、いかがですか。
#188
○飯塚政府委員 国内で出荷されました数字につきましては把握いたしておりますが、合計で申しますと、五万九千八百八十七トンが国内で出荷されたわけでございます。先ほどの生産量の中から輸出に回ったものが五千三百十八トンございますが、逆に、国内で生産されたもの以外に、輸入として入ってまいりましたものが千百五十八トンあるわけでございます。
#189
○浦野委員長 岡本君に申し上げます。予定の時間が経過いたしておりますので、結論を急いでください。
#190
○岡本委員 それでは結論を申し上げます。
 そこで通産大臣、まだまだたくさんあるのです。家庭用品あるいは感圧紙、こういうものの処理については、そこにおる元政務次官だった方から、通産省で責任をもってこの処理については技術開発をいたして、そして責任をもってやりますという答弁が、公害それから科学技術の連合審査であったわけです。だから数量についても、どうも一つ一つ聞いてみると、数量がそれぞれ動くわけですよ。そういうところを見ますと、ほんとうにこれは、あとの処理についてはずさんである、こういうように私は言わざるを得ないわけです。ですから、これを見ましても、テレビとかルームクーラーあるいは電子レンジとなっております。しかし、螢光灯の中にもあるわけですね。それをまたはずして処理するということにつきましても、これはいままでは地方団体では普通の焼却炉で焼いているわけですね。まあこれがわかってからはそうはしていないと思いますけれどもね。ところが、たくさんのごみの中に、入っておるわけです、ノーカーボン紙なんか。私は処理技術が――これを研究しております。もう何年かかっておるのかね。もう足かけ約三年ですよ。こんなことをしておりますと、ますます被害は大きくなってくるのではないかと私は思うのです。ですから、この処理技術を早く開発をして、そしてやはり国でもってもっと責任を持った体制を整えて、ただPPPの原則だから企業にまかしたらいいのだ――私はそういった企業は休止をしてもいいと思うのですよ。そういった強力な、いままで政府のとってきた公害に対する、環境問題に対する姿勢を改めるためには、相当きめこまかく、強力なあと処理をしなければどうしようもない、こう結論を出さざるを得ないのです。したがって、今度出てくる法案につきましても、こういったものを踏まえてやっていかなければならないわけでありますが、まだまだたくさん、いろいろな有害物質があるわけです。これについても処理についてお聞きしょうと思いましたけれども、この化学物質についての今後の取り組み方について、処理問題について、そういったものについて最後に大臣から確たる御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
#191
○中曽根国務大臣 いろいろ御質問を拝聴いたしまして、PCB等の物質について、非常に国民の健康をおもんばかられて、御心配していただいていること、恐縮に存じておりました。
 一番大事なことは、現在存在しているものを散逸させないということ、それから、これから出てくるものについても、たとえば市町村等の産業廃棄物等の処理について的確に行なうということ、それから、やはりいまの処理技術をできるだけすみやかに開発をして、早く実用化するようにするということ、こういうことがわれわれの大きな責任であると思います。その点につきましては、御趣旨を体して鋭意努力をいたすつもりでございます。
#192
○浦野委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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