くにさくロゴ
1947/11/06 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第13号
姉妹サイト
 
1947/11/06 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第13号

#1
第001回国会 水産委員会 第13号
  付託事件
○魚の自由販賈に関する陳情(第百三
 十二号)
○魚價引上げに関する陳情(第百三十
 六号)
○漁業法並びに漁業協同組合法の制定
 に関する陳情(第百六十七号)
○漁業用資材の確保に関する陳情(第
 百六十八号)
○資金融通準則の一部改正並びに水産
 金庫設置に関する陳情(第百六十九
 号)
○沿岸漁業者用加配米に関する陳情
 (第百七十一号)
○機船底曳網漁業取締に関する陳情
 (第百七十二号)
○海中沈没物速時引揚に関する陳情
 (第百七十三号)
○魚價引上げ並びに高級魚の自由販賈
 に関する陳情(第百七十四号)
○漁業用綱索原料マニラ麻の輸入懇請
 に関する陳情(第百七十九号)
○かつを、まぐろ、並びにさめの價格
 引上げに関する陳情(第百八十一
 号)
○漁業権の漁業組合共有に関する陳情
 (第二百四号)
○大衆向き魚類價格の引上げその他魚
 類の自由販賈に関する陳情(第二百
 五号)
○漁業用燃油の配給に関する陳情(第
 二百六号)
○魚價引上げに関する陳情(第二百八
 号)
○魚價引上げに関する陳情(第二百十
 二号)
○熊本縣牛深漁港修築に関する請願
 (第百三十三号)
○熊本縣牛深漁港修築に関する請願
 (第百四十五号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 四十三号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 五十四号)
○生鮮魚介の配給促進に関する陳情
 (第二百六十一号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 九十二号)
○八木漁港修築に関する請願(第二百
 十九号)
○江名漁港改修工事費國庫補助に関す
 る請願(第二百二十五号)
○中之作漁港改修工事費國庫補助に関
 する請願(第二百二十六号)
○魚價引上げ並びに高級魚の自由販賣
 に関する陳情(第三百二十九号)
○式見漁港浚渫に関する陳情(第三百
 四十号)
○兵庫縣柴山漁港改修工事に関する請
 願(第二百四十七号)
○燒津漁港構築に関する請願(第二百
 五十五号)
○伊東漁港改修に関する請願(第二百
 七十三号)
○かつを節等の公定價格撤廃に関する
 陳情(第三百六十一号)
○水産廳の設置に関する陳情(第三百
 六十二号)
○舞阪漁港修築費國庫補助に関する請
 願(第三百二十五号)
○臨時資金調整法による漁船建造資金
 借入に関する陳情(第四百五号)
○生鮮食料品並びに水産加工品統制撤
 廃に関する陳情(第四百三十五号)
○和田漁港整備に関する請願(第三百
 四十六号)
○鷹巣漁港整備に関する請願(第三百
 四十七号)
○あゆ漁法制定に関する請願(第三百
 四十八号)
○鴛泊漁港築設に関する請願(第三百
 五十六号)
○小濱漁港浚渫に関する請願(第三百
 六十六号)
○廣田漁港修築工事継続施行に関する
 請願(第三百七十四号)
○魚津漁港拡築に関する陳情(第四百
 九十三号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月六日(木曜日)
   午後一時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○和田漁港整備に関する請願(第三百
 四十六号)
○鷹巣漁港整備に関する請願(第三百
 四十七号)
○小濱漁港浚渫に関する請願(第三百
 六十六号)
○鴛泊漁港築設に関する請願(第三百
 五十六号)
○廣田漁港修築工事継続施行に関する
 請願(第三百七十四号)
○舞阪漁港修築費國庫補助に関する請
 願(第三百二十五号)
○あゆ漁法制定に関する請願(第三百
 四十八号)
○漁業法並びに漁業協同組合法の制定
 に関する陳情(第百六十七号)
○沿岸漁業者用加配米に関する陳情
 (第百七十一号)
○機船底曳網漁業取締に関する陳情
 (第百七十二号)
○海中沈没物速時引揚に関する陳情
 (第百七十三号)
○漁業権の漁業組合共有に関する陳情
 (第二百四号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今より水産委員会を開会いたします。
 新たに水産委員になられました川村松助君を紹介いたします。
#3
○川村松助君 どうぞよろしくお願いいたします。
#4
○委員長(木下辰雄君) それから皆さんに御報告いたしまして、御了承を得たいと思いますのは、今囘専門調査員を一人任命したいと思います。それは林達磨君と言いまして、朝日新聞に十五年ばかりおられた人で、早稲田大学の政治科を出た人であります。その後情報官として、最近まで情報局におられました。辞めてから日本経済協同組合の常務理事として、水産方面にもいろいろ関係しておられた人で、人物、閲歴も申分ないと思いまして、皆さんの御承認を得て決定したいと思います。よろしうございますか。
 それからこの際一言いたしますが、或る方面において、水産委員会をいろいろ非難しておる向があるようであります。というのは、別に法案もないのに、頻々と水産委員会を開いて、いろいろ経費を使つておるというような中傷らしい言辞を弄する人があるようであります。併し私ども法案の審議を委員会ですることはいと易いことで、現実に即した水産の諸問題を解決するということは、非常に重要なことで、憲法に規定した政府の施策を十分監督して、そうして國政の運行を図るということが、委員会の権能だと私ども信じておりますので、そういうことに耳をかさずして、どうぞ皆さんの熱心なる御研究御討議を切望いたします。
 それから請願の問題ですが、これは法案も重要でありますけれども、紹介議員によつてなされる國民多数の請願でありますからして、このことについては、特に私ども重要なる事項として今後とも取扱いたいと思います。そのことも一つ十分御了解の下に御審議を願いたいと思います。これだけちよつと申上げておきます。
 本日は片山兼任農林大臣が用事がありまして、御出席ができませんし、井上政務次官も他の方面に用事がありまして出られないそうであります。一般的の問題に対する質問その他は、月曜の日にこの委員会を開きまして、是非出席を求めて、いろいろの件についての御質問を願いたいと思います。
 本日は請願並びに陳情について議題として御審議を願いたいと思います。
 それでは順序を変更いたしまして、請願第三百四十六号を議題に供します。紹介議員松下松治郎君の御説明をお願いいたしたいと思います。尚続いて、同じものですから、次の三百四十七号と三百四十八号、それから三百六十六号を一括して御説明願います。
#5
○松下松治郎君 紹介議員たるの故を以ちまして、簡單に御説明を申上げます。若狹湾一帶は日本海方面における優秀なる漁場でありまして、越前、若狹、丹後各沿岸漁民の唯一の漁場として出漁するも、各沿岸には完全なる避難港の施設がなく、不安多きため、自然出漁囘数も少く、從つて増産に影響するところが甚だ多く、漁業振興上これが施設を要望すること切なるものであります。よつて時の福井縣知事白男川讓介氏は、縣下にわたりまして避難港と漁港に関し調査を進められ、その結果小濱湾の西方和田港は大島半島に囲まれ、風波の恐れも少く、加うるに半島の根基にありて内海と外海との距離は僅かに二百八十間に過ぎず、この地を開穿するときは、東方は小濱湾口より西方は和田外海よりするいわゆる東西両面に入口を有するを以て、漁船の避難には最好適地にして、又内海面には岸壁近く小濱線が走りまして停車場があり、漁獲物の集荷発送に便なるを思い、この地を縣下第一の候補地と定められ、大正十三年より翌十四年に至る約二ケ年間を通じまして、海浪の抵抗力並びに内外海の水位の落差等細密なる調査を進められました結果、外海には防波堤、防砂堤を築き、水深七尺、幅員二十間、長さ二百八十間を切り割れば、それより生ずる土にて一万六百四十坪の土地を得られるを以て陸上の重要施設用地もこれによつて得られ、内海外海の水位落差は約一尺なるも、長さ二百八十間に対する一尺はなんら漁船の通路には支障を來さず、これが実現化は沿岸漁民の福利増進を図る所以なりとせられ、遂に内務省の指定港湾に編入をみたるも、世上漁業に対する認識が浅きため、今日に至るも実現をみざる現状にありまして、甚だ遺憾とするところであります。食糧不足に悩む今日、漸くその一翼をなせるを認められまして。國会においては水産常任委員会を設けられ、鋭意調査を進めらるると聞く。誠に我ら漁民の喜びに堪えざるところにして、これがあらんか、当地の問題再燃して、最近本縣土木課の手により再調査を進められ、昨今漸く調査完了と聞き及ぶ次第であります。願くば初頭に述べし如くこの切割による漁民の福利は、ひとり和田村のみならず、若越丹を通じての漁民の福利増進を図るの途なるを以て、水産常任委員会において速かに御採択の上、全額國費を以て実現せられるよう格別の御詮議を相願いたく、伏して陳情する次第でございます。福井縣大飯郡和田村和田村長一瀬満近、どうぞ一つよろしくお願いいたします。
 次に請願第三百四十七号鷹巣漁港整備に関する請願について御説明申上げます。漁村鷹巣の現況、漁村鷹巣は本村の内和布、蓑、松蔭、長橋、北菅生、南菅生の六字の総称にして、鷹巣漁業会を構成し、会員三百五十名を有し、資材の共同購入、漁獲物の共同出荷、会員の貯金、金融等の経済事業と会員の福利増進に関する社会施設、その他漁村鷹巣の発展に資すべき公益事業においても協力一致、円滑に運営せられつつありといい、漁業として本村は越前沖唯一の礁たる玄達瀬に最も近き関係上、徳川時代においては越前における沿岸漁業の根幹をなし來れるところなりしが、発動機船漁業の隆興と共に漁港施設を有せざりしため、一時沈落して、出稼漁村に化したりしが、昭和七年以來漁民の熱誠報いられて、船溜の完成を見たるより、漁村の復旧漸く進み、昔日の面影を示すに至れり。現在における漁船数は動力付七十隻、無動力百三十隻にして、漁業の主なるものは底曳網漁業十隻、内七隻は船澗の関係にて三國港を根拠として出稼す。夏期における鰤大謀網漁業一統、柔魚鯖、鰺、鱈、鰤等の延繩、又は一本釣漁業、章魚空釣漁業、海膽和布、天草等の磯物漁業にして年漁獲高十五万貫五百万円に上る本村海産物中雲丹は古來越前の銘産として世に定評あり。又蟹も越前の銘産として賞美せられることは一般に知ることながら、この蟹を世に問うに至りたるは、実に旧幕時代本村漁業家により発見せられたるものにして本村の誇りとするところなり。
 上述せる如く、昔日越前漁業の根拠なりしが、機船漁業の発展と共に、漁業の樣式を改更させるべからずるに至れるも、附近に避難港を有せざるため次第に衰微するのみなりしを以て、漁民は常にその施設につき懇望を続け來りしが、昭和七年に至り漸く時局匡救事業として船溜の設置を見るに至れり。本工事は縣直営にて工事費十万円内訳國費五万円、縣費、村費共に二万五千円を投じ、海浜地三千坪を大汐干潮而下二米掘鑿し、海岸に防波堤を築き、理想的船溜を設置せり。
 更に本船溜を中心として昭和十年には燭光燈の新設、十一年には專用道路の開設、十二年には集荷場の新設、電話の架設等漸を追うて漁村設備の充実を図りたるため、次第に機船の増加を來し、漁業の成績も向上するに至れり尚越前海岸には三國港より敦賀港に至る間に、適当なる避難港を有せざる上三國港は川口の出入困難なるため、丹生郡四ヶ浦、越の、國見、坂井郡三國雄島等の漁船が時化に際し、本船溜に避難したる例も亦少なからず。日本海における時化は尖鋭にして、破壞力強きを以て本船溜の防波堤も時化ごとに多少の被害あり、昭和十三年及び十六年と二囘に災害後復旧工事を施行したるが、戰時中より資材労力の不足のため小被害の看過を余儀なくされたるところ、二十年、二十一年の両度の大時化により全防波堤及び周囲道路までも破損せらるるに至り、砂利の浸入を出來し將に漁船の出入は勿論、船溜としての機能を消滅せんとする状態に及べりこれにより縣の理解により防波堤復旧費として昭和二十二年度において十万円を計上せられたれど、物價の激騰により問題とならず、更に農林省及び縣に陳情して三十万円に増額計上せられたれば、本復旧工事を本村内塩田工事施行中の飛島組に対し、縣の設計による見積りを徴せるに、七十五万円を要すとのことなるを以て、止むを得ず一部設計を変更し、五十万円の事業として請負わしめ、目下工事進行中なり。
 今後における施策、沿岸漁業の安定は第一に港湾施設によらざるべからざることは、本村はその盛衰の経驗により老幼共にこれを疑う者なし、漁場に近く後方出荷路も他の漁村より有利なる本村としては、船溜の整備と、これを中心としたる設備の充実を眼目とし生産の増強を期せんとす。よつて我ら漁民の今後の願望を列記すれば次の如し。
イ、船溜の拡張をなし縣営避難場として玄達瀬、漁業漁船のために整備する事を理念とす
ロ、現在海兵築堤の外側に第一防波堤を造る事
ハ、現在船溜に推積中の砂利約二百立坪の除去並に周囲道路の修理
ニ、船揚場の設置
ホ、漁船修理工場の設置
ヘ、貯氷庫又は製氷工場の設置
ト、船溜專用道路を縣道に編入の事
右現況及び將來の希望を別紙の通り陳して北越前漁業のために特別の御配慮を被下候樣及請願候也
 昭和二十二年九月十二日
     福井縣坂井郡鷹巣村、鷹巣
     漁業会長 成瀬 忠
 次に第三百六十六号小濱漁港浚渫に関する請願について御説明いたします。小濱漁港は昭和三年内務省直轄施行に係る南川北川改修工事の実施せられた機会に、旧南川廃川地域を利用して漁港とすべく時局匡救事業で小濱橋下流両岸の一部を埋立て、その前面に水面幅八十メートルを有せしめ、繋船岸壁を築き港内は水面積二万七千九百四十一平方メートル、水深二・五メートルに浚渫をなし、発動機漁船の碇船に便ならしむる計画の下に昭和七年十一月着手し昭和九年七月に完成いたしたのであります。
 爾來同港の利用價値は増大し小規模ながらも他に類例を見ない良漁港として斯業振興上多大の成果を收め來りました。
 併しながら同港竣工以來十年余未だ港内の浚渫をなしたることなく、ために毎年出水時には河口に土砂を流出し沖合よりは波浪のため砂礫を打込み水深著しく浅くなり、且つ四五年前より六十トン乃至百トン級の大型漁船の出入激増いたしまして、漁具漁獲物を満載するときは吃水八尺余に及び干潮時の出入不可能の状態で、満潮時と雖も超スロー運轉で辛うじて出入しておる決状でございます。
 幸い縣御当局におかれては浚渫の必要を認められ、昨二十一年度において最も浅き小部分の浚渫を実施して下さいましたが、尚港口右岸には漂砂堆積して港口の幅員著しく狹小となり、入港に際しては直線コースで入港することはできず、出入に慣れた船舶は航路を迂囘して出入いたしておりまするが、同港の勝手を知らない船舶は、殆ど港口で擱坐すること一再ならん状態で、誠に憂慮に堪えないところでございます。
 又本年六月一日付を以て農林省より甲級陸上地に指定され、本漁港のますます重要性を加えらるるの秋、一日もこれを勿諸に附せず、速かに國費を以て別紙計画書のごとく港口、港内共三・五メートルの水深に浚渫下さいますよう特段の御配慮願いたく、地元民の夙夜念願して止まざるところでございまして、ここに請願いたす次第であります。
 今小濱漁港の水揚高出荷状況出入船舶を挙ぐれば次の通りでございます。水揚高及び出荷状況、昭和二十年の水揚高は二十五万千八百十四貫二百九十、昭和二十一年は五十六万千五百四寸四貫昭和二十二年八月末現在は五十五万四千百九十四貫七百八十でございます。
 本漁港を根拠として出漁せる船舶、巾着船三十二隻、七百五十トン、底曳船三十一隻、二百三十トン、その他三十隻、七百トンであります。設計書もついておりますが、省略いたしまして適当に御審議願います。
#6
○委員長(木下辰雄君) それでは請願第三百五十六号の鴛泊漁港築設に関する請願の御説明を願います。
#7
○委員外議員(堀末治君) お許しを頂きまして私は簡單に御説明を皆さんに申上げたいと思います。先ほど皆さんのお手許に請願の要旨を印刷したのを差上げてございますが、私から成るべく簡單に御説明申上げて、恐縮でございますがあとは文書表を御覧願いたいと思います。
 大体本請願の要旨は、北海道利尻郡鴛泊村に船入澗がございまして、それが主として沖合漁業の根拠地として、尚又附近の交通船舶の避難港として利用されておるのでございますが、港内の護岸設備は誠に不完全で、且つ狹小のため、毎年数隻の難破船を出しております。尚折角の漁獲物もたびたび放棄しているという現状でございまするので、速かに漁港の改築拡張をお願いいたしたいというがの、大体の趣旨でございます。
 只今申上げまする通り、詳細は請願書にございますので、御覧をお願い申上げたいと存じますが、一應その内容を簡單に御説明申上げますと、鴛泊の船入澗は大正九年に稚内の築港をいたします際、バラスを取る、そのために造りました補助の船入澗でございますが、その後数囘に亘つて突堤の改修、港内の浚渫を実施したのみでありましてそのまま今日に至つておる状況なのでございます。
 利尻、禮文両島はその近海に「にしん」、「ほつけ」、「すけそうたら」、「さめ」、「まぐろ」、「かれい」、「こんぶ」、「なまこ」等の魚族に惠まれておりまして、四季を通じて活溌なる漁業が行われております。これらの沖合漁業の根拠地といたしまして、盛んに利用されておるのであります。
 次に留萌港以北稚内間を唯一の避難港として、且つ船舶の給水地として利用されております。同村には皆さま御承知の通り中央に利尻富士という山がございますが、その麓から湧出する水は、誠に水質稀に見る良質のものであつて、これを利用して上水道の施設ができておるのでございます。
 御承知の通り北海道の「にしん」の総漁獲高の約四割を、利尻、禮文の両島で占めておりまして、その中心地をなしておりまする関係上四月、五月の盛漁期には、生「にしん」その他鮮魚の運搬のために、一日平均百艘以上の船が出入いたすような盛況を來しておるのであります。
 尚又運輸交通の点から見ましても、本港は小樽を基点といたしまして、利尻、禮文の寄航地であるばかりでなく稚内、利尻、禮文連絡の三角航路の定期船繋泊港として、船客の來住は、利尻、禮文六ヶ村中の主位を占めて、丁度利尻四ヶ村の玄関口の要衝に当つております。
 以上のようなことで四季を通じて利用の度がますます多いのでありますが現在の船入澗では先に申しげました通り、護岸の不完全と、港内の狹隘のために、非常にいろいろな損害をたびたび繰返しておるのであります。
 港内の狹いのと水深の浅関係上、折角とつた「にしん」の枠船を全部港外に繋留するというよななことでございますので、年々それがために沢山の漁獲物を放棄いたしておるのであります。昨年の春二十一年の春、港外で折角獲つた枠が二十枚、大凡四千石の「にしん」を北東の強風のために、全部放棄して、この價格は昨年の春で四百万円以上にも上つておるということであります。又今年の春も七、八枚を投げたという状況であります。
 尚又昭和三年四月には二十トン級の鱈つり漁船が、又昭和十四年十二月には、二十トン級の手繰漁船が一艘、北東の強風の大しけのために、轉復沈没して人命諸共海底の藻層になつたということでございまするし、定期船阿津丸という船が入港の際に同じく北東風の大時化に遭うて、船入澗附近に坐礁して、その修理にも三百五十四万円というような多額の金を費した、かような状況でございます。右の陳述の外に毎年数度に亘つて幾多の損害と惨状をきわめておりますが、幸に別紙図面のようなふうに、新たに外港として鴛泊漁港を築設されました暁におきましてはこれらの惨状は全く防止されるばかりでなく、外港には千トン以上の汽船も自由に繋留することもできますし、又「にしん」の枠船も悉く外港内に繋留されて、安全漁獲が保障されるのであります。尚又その豊富なる水量と相俟つて小樽、稚内間唯一の良港として利用價値が一層高まるような次第でございまして、同港の改修はひとり同島の開発に寄與するばかりでなく、我が國の食糧生活にも寄與するところが大なるものがあることを信じて止まないのであります。殊に禮文島の西海岸におきまする未開発の漁田並びに武藏堆この武藏堆という漁田は非常に大きい漁田だそうでございまするが、樺太漁田を夫つた今日といたしましては、これらの漁田を開発することは急務中の急務であろうと実はかように存ずるのでありますが、これらの漁田を開発するにつきましても、この根拠地が是非完全に修築されなければならない、かように存ずるのであります。
 以上の次第で國費多端の折柄ではございまするが、是非とも本請願の趣旨を御採用下さいまして、速かにその修築が成りまするよう、政府に対して請願の趣旨を徹底せしめられるように特にお願い申上げたいと存する次第であります。
 尚の機会におきまして、この請願と別問題に特に皆さま方のお耳に入れて御注意を喚起いたしたいという問題が一つあるのでございまするが、それは実は先般この請願のために四名程の人が私の下へ参りましたのであります。そのお方の一人の持つておりました青写眞の中に実に重大な問題があるのであります。この青写眞は北海道廳の港湾課にたつた一部あつた、できれば私も貰つて置きたいと思つたのでありますが、借り一來たのであるから置いて行くわけにはいかんというのでお持ち帰りになつたのでありますが、その青写眞の地図の中にポツダム宣言によつて決められた北緯四十五度三分という線が明らかに引かれてあるのでありますが、その線が、どうもこれはよく調査して見なければ分りませんが、宗谷の突端と利尻島に属しておりまする海馬島のトド島の一線にかかつておるのであります。丁度その地図だけで目測いたしてみますると。宗谷の岬のごときわ大凡四キロ乃至六キロくらいではなかろうかと私はその地図の上からでは認められるのでありますが、それがずつと線を引いてかかつておるのであります。誠にこれは重大な問題でありまして、私も是非調べてみたいとかように思いましたが、こちらの道廰出張所にはその図面もございません。尚又北海道の方にもその後帰りませんので、それらの調査をいたす機会を持ちませんでございますが、講和会議も間近に控えておることでございまして、若しもさようなことが事実であるとすれば、誠に由々しい問題だと実はかように思つてその図面を見たのであります。幸にしてその図面がなにかのために誤つておるのであればこれに越したことはありませんが、事実とすれば実に重大な問題だとかように存じまするので、この機会に皆さまのお耳に入れてこれらの問題について善処して頂くことを特にこの機会に附加いたしまして、私のお願いを終りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#8
○委員長(木下辰雄君) 御苦労さまでございました。この際なにか堀さんに御質問ありませんか。
#9
○加藤常太郎君 今の地図の話ですが外の地図にはそういうラインはどういうようになつておりますか。
#10
○紹介議員(堀末治君) よその地図は私見たことがないのです。それで丁度今申上げましたように突端に線を引いてこちらの方がずつとトド島の方にかかつておる。それが北道廰にある。北海道廰の港湾課と言つておりましたが、耳寄りな話であるから是非一部を呉れんか、呉れることができなければ貸して呉れと言つたが、たつた一部あるだけだ。私も無理に借りて來たのであるから、それじやなければ仕方がないが、じや帰つたら一つ調べて見ようということで実は別れたようなわけであります。
#11
○門田定藏君 防波堤は何メートルばかりでありますか。
#12
○紹介議員(堀末治君) 三百五十メールですね。埋立面積が千五百平方メートルとなつております。
#13
○門田定藏君 総工費はどのくらいですか。
#14
○紹介議員(堀末治君) 総工費は本年の春道廰の方で五万五千円かの予算で調査をして呉れたそうですが、今の物價では凡そ一億円くらいはかかるのじやないかと言つておつたそうであります。道廰の方ではわざわざ五万五千円も出して呉れて、すべての調査をして呉れたわけだそうであります。丁度この禮文の西方に武藏堆という非常に大きい漁田があるそうでありますが、これはまだ全然開発されておらないそうであります。さようなことで丁度四十五度三分の南になつておるものですから、この附近ではどうしてもこの漁田を開発するためには、相当に大きい漁船を出さなければならないので、それがためにはどうしても禮文の方にはその港ができないので、ここの港を開発するのが一番よろしいとこういうことを申しております。残念ながらまだ私はそちらの方に一遍も行つて見たことがありませんので、どうも地図のことはよく申せません。
#15
○門田定藏君 全額國庫でやつて貰はうというのでありますか。
#16
○紹介議員(堀末治君) それは向うの希望としては、今までは北海道では北海道開発のために特別会計が置かれておつたものですから、相変らずそんなことをこの間考えて來ておられたようでありますが、今度は北海道の開発は、全部農林省一本になつたということでございますので、どうしても國庫の方でやつて行かなければならん結果になるじやないかと私思つております。
#17
○委員長(木下辰雄君) 堀さん有難うございました。
#18
○紹介議員(堀末治君) どうも甚だ説明が不十分で恐縮に存じますが、どうぞよろしくお願いをいたします。
#19
○委員長(木下辰雄君) 次に請願第三百七十四号廣田漁港修築工事継続施行に関する請願、千田正君から御説明を頂きます。
#20
○千田正君 紹介議員としまして私から請願の趣旨並びに理由を申上げます。
 岩手縣氣仙郡廣田港修謹工事継続施行に関する請願であります。岩手縣氣仙郡廣田港修築工事を継続事業として続行実施し、以て利用價値を高めて頂きたいというのが請願の趣旨でありまして、請願の理由としましては、岩手縣氣仙郡のこの廣田港は、昭和九年小漁港に指定せられまして、第一期修築工事として同年着工しまして、同年の十二月これが指定せられたのであります。続いて昭和十三年第二期工事として六ヶ年の継続事業としまして施行しつつあつたのでありますが、御承知の通りその後戰爭が勃発して以來、資材の不足その他のことにおきまして只今のところ中止しておるような状態でございます。第一期工事としましては、南防波堤を施行しまして、当時國庫補助並びに縣費及び村費をかけて十三万円を以て施行したのでありますが、第二期工事としましては北の防波堤の施行でありましたが、大体昭和十三年度から昭和二十一年度にかけましてこれに費しましたるところの工事費は六十二万四千円でございまして、その中の三十七万五千円が國庫並びに縣費の補助でありました。後全部が村民の熱誠なる負担であつたのであります。以來工費の増加と資材の不足のために只今のところは工事を中止しておりまするので年々毎年の漁獲高が大体一億万円になんなんとして、岩手縣の南方としましては、この廣田港は優秀なる水揚場でありまするけれども、こういうような中止した状態でありまするので、十分にその利用效果を図ることはでき得ない。つきましては是非この際この復旧工事を実行して頂きたい。こういうのが請願の趣旨であります。先般來この問題につきましては縣当局及び農林当局に対しまして歎願してあつたのでありまするが、この接岸工事並びに南方の低部におけるところの土砂の浚渫をしなければならないので、その浚渫船がないからという理由の下で今まで延ばされておつたのでありますけれども、この村民の熱誠が附近の村民の協力を得まして、このたび浚渫船を借入れまして用意しておるわけであります。是非この浚渫とそれから復旧工事をこの際國庫の助成金を頂きまして、復活して現在の漁獲高の数倍に上るところの利用價値を発揮させて頂きたいというのが長年の間の村民の希望でありまして、この際この請願書を提出しまして皆さんの御協力を得まして政府当局に請願したいという理由であります。以上。
#21
○委員長(木下辰雄君) 請願第三百二十五号の紹介者が見えておりませんので、只今松下、千田両君の御説明に対して何か御質問がありましたらお願いいたします。御質問がなければ、請願第三百二十五号を專門調査員から説明いたします。
#22
○專門調査員(岡尊信君) 請願第三百二十五号は、舞阪漁港の修築費國庫補助に関する件であります。舞阪港は濱名湖口の東岸にありまする靜岡縣西部における唯一の漁港でありまして、漁船数も所属漁船数が六百隻あります。それから漁獲高も一億円余に上つており指定陸揚地として縣下では極めて有数な漁港であるというのであります。これが昭和十九年十月の暴風雨によりまして、港口、東端防波堤か決潰しまして、これが流砂は航路を埋没しまして漁船の航行が不能になつておる。爾來三ヶ年間幾多の犠牲を拂つて愼重に努力いたしましたが、思うようにできていない。從つて漁船は当地の弁天島及び新居弁天海岸を迂囘して出漁しておるという関係で極めて漁撈に不便であるから、この際國庫補助によりまして竣工をして貰いたい。これができまする暁には、鳥羽港と清水港との間における唯一の避難港であつて、單に漁港という役目をするばかりでなしに、避難港として幾多の船舶に便宜を與える。尚大型船の建造が段々進んで参りまして、遠洋漁業が発達しまして、漁獲高も年々増加して一億円以上になることを予想しておる。尚濱名湖内の潮流がよくなりまして、自然的に魚道が構成せられまして、魚族の蕃殖かできて、この湖岸十六ヶ町村の漁民の福利を増進するばかりでなしに、國家的に見ても重要なる所である。その外、外洋及び湖内漁獲高の増加は養鰻に飼料供給を容易ならしめまして、我が國第一と言われる養鰻事業の復活を見ることができる。こういうような利益が非常に多いので、この際農林省の國庫補助によりまして至急工事を完成して貰いたい。こういうのがこの請願の趣旨であります。
#23
○委員長(木下辰雄君) 次に請願第三百四十八号、「あゆ」漁法制定に関する請願、松下君より御説明を願います。
#24
○松下松治郎君 これが趣旨につきまして簡單に御説明申上げます。「あゆ」の漁業につきましては禁漁期間中でもいかなる理由とか困難がありましても稚「あゆ」の採捕を禁止し、その輸送及び販賣を禁ずる法令を制定して欲しいというのが趣旨でございます。その理由は、「あゆ」漁業は海面漁業に比較しまして、極めて小さい問題のように考えておりますが、左の重要な役割を担つておる。各種の禁止、各種の制約を受けておる近來の海面漁業の不振のために、山間部には殆んど鮮魚の供給がなく、本漁業唯一の蛋白質給源であり、又本漁期は海面漁業の夏枯期に当りまして、一般的にも貢献するところ大でありまして、「あゆ」漁業は入漁方法最も民主的に開放されているため都会民にも、農山村民にも本漁を行う者が多く、食糧増産の意味にも、体位向上の点にも利益を齎している。「あゆ」は魚類中味覚、栄養の王者であり各地の名産となつている。漁法が最も簡單で、海面漁業のごとき多量の資材を要しない。「あゆ」は天然繁殖のみに放置するを得ず、本縣においては左のように相当の経費を投じまして、増殖施設を実施中であります。滋賀縣の小「あゆ」配給協会から例年数十万尾の小「あゆ」を購入し移殖放流している。昭和二十一年度は二十三万尾、費用約十一万円、昭和二十二年度は四十万尾、費用、二十四万円の数字を示しておるのであります。昨年度より滋賀縣産小「あゆ」大暴騰のため、購入に非常に困難を生じて來たので、自主的に天然孵化場十ヶ所を設置し、禁漁区としているのであります。昨年度は五万円の経費を投じて、一千万粒の人工採卵を行い、入工孵化放流を行つたが、本年度も実施すべく準備は完了している次第であります。本年度の目標も、一千万粒であります。稚「あゆ」採捕の状況は申すまでもなく、「あゆ」の習性は一年生の魚族であり、晩秋河川で産卵孵化せる稚「あゆ」は直ちに海に下り、波静かにして、棲息適温攝氏十二三度の内湾で越冬、翌春川を遡り始めるのでありますが、その稚「あゆ」は何分にも小型であるため、他の魚の餌料となつて減少するのが多いのであるが、今や河川に遡つて成長せんとする寸前を、河口において「あゆ」の型もできておらん「しらす」期にとり盡くされるということが減産の最大原因であり、黙視できんのであります。往時より京阪地方において若狭の「ひうを」として賣出されている多量の小魚が稚「あゆ」であることが、如実に濫獲の程を物語つているところであります。この稚「あゆ」が河に遡上することができれば、半年も経たん解禁期には立派な「あゆ」として、而も海面でとるより極めて簡單で、資材も少量でよいから、國家的にも経済的にも大量に採捕することができるものであります。以上の稚「あゆ」濫獲防止のため、本縣においても漁業取締規則を以て、一應の禁漁期を設置してはいますが、いろいろと不合理があり濫獲が続けられており、多額の費用を要して実施中の増殖施設も効なきに帰している現状でありますから、この際國家的にこの問題をとり上げ、絶対に禁漁期には稚「あゆ」の採捕を禁止し、「あゆ」繁殖障害の防止措置を講ぜられたくお願いする次第であります。
#25
○委員長(木下辰雄君) 大体請願書に対する説明は終りましたが、この漁港に対する水産局の御意見を承りたいと思います。
#26
○説明員(林眞治君) 和田、鷹巣、小濱、この三つの漁港につきましてお答え申上げます。和田漁港修築問題、これは和田一港の問題と申しますよりもむしろ日本海における主として避難港としての問題から早急に実現したい、こういう意思が十分に認められるのでありますが、運河を開鑿する問題につきましては具体的に十分愼重に檢討をいたしました上で、この実現に向つて努力したい、こういうふうに考えております。
 それから鷹巣につきましては一應船溜はでき上がつておるわけでありますが、狹くなつて参りましたので、拡張につきましては、やはり財政の許します限り成るべく早い機会に実現して参りたい、こういうふうに考えております。尚、災害復旧の問題につきましては目下工事中でありまして、物價の変動その他によります工事費の追加というような問題につきましては別途に考えて参りたいと存じます。
 小濱の浚渫の問題でありますが、これは一應漁港としての体形は備えておるわけでありますが、港内が段々埋没いたしまして漁船の利用上困つておるわけであります。港内の浚渫、或いは土砂の侵入防止という点につきまして成るべく早い機会にこれも実現するように努力して参りたいと存じます。
 それから北海道の鴛泊の問題につきましては、これは勿論「にしん」漁業の上から見ましても重要な点でありますが、一般の船舶の避難、或いは運輸交通の面から見ましても、利尻島の中心的な港になつております関係上、そういつたような意味合で、先ず外廓を考えるという観点から運輸省の方で、一般港湾として外廓施設をやつて行くように考えられる模様であると思います。尚、内部におきます漁業的な施設につきましては將來これについて考えて参りたいと思います。
 それから廣田はこれも外廓、或いは内部の接岸設備というものを一應或る程度はでき上がつておるのでありますが、戰爭中以來いろいろな條件がちよつと惡くありましたので、一應中止と申しますか、計画を変更いたしまして中絶の形になつておるわけであります。勿論その既定の計画に対しまする残部については成るべく早い機会にこれを実現するように努力して参りたいと思います。
 尚、舞阪につきましては、これは航路の埋没の問題でありますが、十九年の災害の分につきましては一應復旧をいたしたのでありますが、その後数度災害も受けております。尚、又本年九月の災害もありますので、航路の掘鑿につきましては別途災害を復旧するという意味で災害復旧の面におきまして考慮いたしたいと存じます。尚、根本的な改修問題につきましては具体的に十分調査いたしまして、成るべく速かに実現できるように努力したいと考えております。
#27
○委員長(木下辰雄君) ちよつと伺います。農林省の計画に入るのはどれとどれですか、五ヶ年計画の修築予定…
#28
○説明員(林眞治君) 五ヶ年計画は、我々の方で極く内輪にざつと決めておりますものであります。五ヶ年計画でやりたいと思つておりまするものは、小濱漁港、廣田漁港、舞阪漁港、これだけは只今私ども考えております。原案として一應取上げておるわけであります。それから鴛泊につきましては先申しましたような次第であります。
#29
○委員長(木下辰雄君) 運輸省ですね。
#30
○説明員(林眞治君) そうです。
#31
○江熊哲翁君 この前、いつかの委員会で、農林省の持つておる漁港何年計画か知らないが、そういつた計画表を一應、一般的に示すわけにはいかんだろうが、委員会においてはなんとかして一つ表を作つて見せて貰いたいというような希望を申して置いたのですがどうも印刷物も下さらないし、又委員長もそれがあなたの方の計画に入つておるかどうかと聞かれるような実情なんで、私どもはこうして民間側からいろいろ重要問題として、漁村としては非常に大きな問題ですが、いろいろ陳情があつた場合には、ただその陳情のことを聽いただけで、聽いたのは全部取上げるということに終るだけではやはりいけない。私ども自身もう少し研究して行かなければならんと思う。要すれば現地も視察してそうして決定する、もつと積極的に委員会が活動をしなければ権威のないものになるから、ただ中間の郵便の役目をしておるのでは、通して行くだけで、陳情する方の側も張りがなかろうし、我々としてもそれじや申訳ないという氣持がします。やはりこれは公表するというわけにはいかんでしようが、農林省がいろいろ計画をし、その計画そのものが役人が計画したことをもつてすべて決定するのだということでなく、我々とともに一緒になつて行くという氣持になればお示しになることは敢えて重大な秘密の暴露というようなことにならんことと思います。その点はどんなのですか、林技官の一つ御意見を伺います。
#32
○説明員(林眞治君) 五ヶ年計画というものは別に確たるものはないのでありますが、この前も御要求があり、御希望がありましたので、目下資料作製中でありまして、近日にお手許に差上げられるようになると思います。ただ問題は、一應お断りして置きたいことは、我々が原案としてただ決めましたもので、全体の五ヶ年の修築目標というものを決めてやりましたもので、個個の問題につきましては、必ずしも五年後の最後の年までもその計画で進むかどうかということは、これは多少問題が存するものと存じます。その点はお含み置きを願います。
#33
○前之園喜一郎君 私は今江熊さんがお話になりましたことに、私の意見も同樣なことでありますが、申上げて見たいと思います。私は本職は弁護士でありまして、水産には全くの素人であります。ただ水産に一、二ゆかりの点を申上げますると、昭和十年頃に鹿児島市に中央魚市場を作りますときに私が提案いたしまして、私みずから建設委員長となつてあの市場を作つたというゆかりを一つ持つております。更に鹿児島港は昔のように狹いからこれを拡張しなければならんという議が起つたときに私が港湾調査委員長としていろいろな調査研究をしたというゆかりを持つております。最近におきましては鹿児島縣の水産興業協議会の顧問に推薦せられまして、深く水産の方に足を踏み込む機会を持つたのであります。併しながら何といつても全くの素人でありまするが、今囘参議院議員になり、縁があつて更に水産委員に推薦せられました。できるだけ皆さんの驥尾に附して大いに勉強して見たいという氣持を持つております。本日で三囘委員会に出たのでありまするが、最初のとき私は非常にこの水産委員会が活發に質疑應答せられたということを感じまして非常にうれしく且つ力強く考えたのであります。第二囘目と第三囘目、本日でありますが、この二囘におきましては請願と陳情とが取り上げられておるのでありますが、私の意見を率直に申上げますると、私は素人ながら水産立國ということについては相当に深い認識と熱意を持つております。私は鹿児島の郊外に相当手廣い農場と收畜をやつておりまして、約十五年程やつております。日本の農業、戰前における農業、又敗戰後におけるところの農業というものに対する大体の見透しは付いておるような氣持がするのであります。それだけに日本の農業の面で補うことのできないものを海によつて充して行かなければならんという強い氣持を持つておるのであります。そういうような観念からいたしまして二囘に亘る陳情、或いは請願、これらの請願の趣旨なり、陳情の要旨を承つておるとすべてこれはやらなければならないものじやないか。いわゆる海によつて日本が再建されるという今日の立場においてはすべてこれはやつて行かなければならないものじやないか、かように考えるのであります。併しながらこれは何と申しましても今日逼迫しておりまするところの國家の財政と睨み合せてやらなければできないことでありまして、おのずから陳情されておりまするものの中にも順序があるのではないか。只今江熊さんがお話になりましたように陳情され、或いは請願されるものがすらすらとここを通つて所管省に移される。それだけでは私は水産委員会の務めは果し終えたものではないと考えるのであります。少くもこの委員会を通過したものは我々は全力を傾注して責任を持つてどうしてもやらせる、やるようにする。本省に足を運び、当局と折衝し、そうして理解せしめて、これを実現せしめるという熱意と信念とを持たなければならないものではないかと考えるのであります。それには我々ここに來て初めて今日委員会をやるということを公報で知つたというようなことでなく、少くも二三日の余裕を置いてこういうような議案を私共にお示しを願いたい。そうして研究の余地も與えて頂くし、又十分なる調査資料も提供して頂いて、そうしてそれらの資料によつていずれを先にし、いずれを後にするかというような檢討を加える機会を與えて頂きたいとかように私は考えるのであります。そうしてここへ出て來たものすべてが直ちに実現されるものとは考えられんのでありまするから、どうしてもその中でやらなければならないというものに対して、凡そ委員会としては順位を決めて、そうしてこの順位を決めたものはどこまでも実行せしめるというような行き方でなければならないのではないかと私は考えるのであります。地元が非常なる熱意を以て陳情されたものが、ここですらすらと通つてそうして実を結ばないようなことでは陳情した趣旨にも反するし、又水産の向上発展にもならないというような氣持がするのであります。私は委員長なり、或いは当局の方にお伺いしたいのは、昭和二十三年度、或は二十二年度のこれらの修築その他の予算はどのくらいの予算を昭和二十三年度に見込まれるつもりであるか、そうして凡そどのくらいの漁港その他の修築、改築或いは浚渫、そういうものはできるものであるかということを、本日は御答弁はできなかろうと思いますが、調査研究せられて適当な機会にお示し願いたい。本日御答弁の中に成るべき早い機会にやるということが二つも三つもあつたようであります。早い機会ということは実にその場逃れの言葉であります。いつが早い機会なのか、來年が早い機会であるとも考えられ、或いは再來年が早い機会であるとも考えられるが、そういうような一時逃れの曖昧な答弁でなく、これは昭和二十二年度の予算に組んである、或いは昭和二十三年度の予算に組むのだということをはつきりと答弁ができるように私は御準備あつて然るべきものであると、かように考えるのであります。委員会にいたしましても、只今申上げましたように順序というものを定め、そうしてその順序によつて我々はこれを強行せしめるという強い熱意を以てやつて頂くように希望したいのであります。
 更にこの際私はもう一つ委員長にお願い申上げて置きたいことは、私共ほんの素人であります。水産の法規その他水産に関するいろいろなるものを調査したいと思うのでありまするが、そういう資料がないようであります。水産に関する法規その他或いは水産に関する著書というようなものも、若し專門員の所にでもお集め下さるようにできまするならば、私ども調査研究いたしますのに、非常に幸いではないかと考えておるのであります。私ども地理で習つてまだ本当に現場を知らないような所が日本の中にも多いのでありまして、適当な機会に現場にもやつて頂いて、そうして十分に職責を果すことができるようにお取り計いを願いたいと思います。巷間いろいろの非難があるということでありますが、そういう非難が若し当つておらないものであるならば、委員長がそれに対して説明を加えられて、そうしてそれらの非難を是正して行く。若し非難の中で我々がこれを改めなければならないものがあるならば、敢然として改めて行くというふうにお願い申しげたいのであります。一言私の希望なり意見なりを申し上げて置く次第であります。
#34
○説明員(林眞治君) ちよつとお答え申し上げます。予算の考え方とか、金額その他修築の口数、そういう問題につきましては、前の委員会で一應御説明申し上げたわけでありまするが、近く提出いたします資料に全部載るわけであります。それで一つ御了承願いたいと思います。
 それから請願に対しまするいつやるかはつきりしないじやないかというお話がありましたようでありますが、現実に二十三年度予算といたしまして、我々が我々の原案に組みたいと考えておりまするものについては大体そういうふうな御答弁といいますか、御説明をいたしておる次第であります。二十四年度以降につきましては全く今のところこれは將來の問題でありまするので「將來」というふうに申し上げておる次第であります。その点を御了承願いたいと存じます。
#35
○委員長(木下辰雄君) 二十三年度に予定したのはありますか。
#36
○説明員(林眞治君) この中には二十三年度中に予定しておるのはないのであります。
#37
○委員長(木下辰雄君) 何か御質問はありませんか。
#38
○千田正君 先程劈頭委員長からのお話の中に、当常任委員会は巷間いろいろな噂をしておる、余り效果的ではないというような非難が、若し院内にあるとするならば、誠にこれは怪しからん話であります。というのは、委員会の実際の成績を見ても、この水産常任委員会は各常任委員会の中の一番集りのよい、いわゆる出席率も百パーセントというのはこの水産常任委員会であります。而も常任委員会を開いて以來数十囘に亘るところの会合によつて幾多の今まで隘路であつたところの水産の問題に対して相当に研究と実際的な調査を遂げつつある途上において、そういうふうな非難がましいことを聞くということは我々としては遺憾千万でありまして、そういうことを言う人、その人達自体のむしろ参議院議員としての品位と各自の反省を促したいと私は思います。特に我々常任委員会としてお願いしたいと思う点は、先般來水産廳設置問題について果敢なる討議を続けて來ていまだにその成果を得ないという点も我々は深く考えさせられるのでありますが、今般内閣において平野農林大臣が罷免せられて次の農林大臣がいまだ職に就かない。併しながら先般平野農林大臣が我々と約束しておつたところのいわゆる水産廳設置問題に対していまだ確答を得ないうちに既に大臣が迭つた。そういうような匆々の間において政治的能力を実際的に発揮しなければならないのは、或る一面において協力的に我々水産常任委員会は水産問題については担当しなければならないのではないかということを痛感するのであります。この約一週間の休み中においてどれだけ水産廳問題、或いは魚價の問題、資材の問題、資金の面において多少でも休み前より進展しておるかどうか、又この内閣のそうした不安の中においてこの水産廳及び水産関係におけるところの問題はどういう方向を辿りつつあるかという点において実は今日主務官若くは農林大臣がおりませんから、それに代るべき次官その他から事情を聽取したかつたのでありますが、請願に終始した点においてはこの次の機会に讓りたいと思いますけれども、委員長としましてはこの点において今後政府当局に向つて懇請する点がありまするかどうか。その点を一應お伺いしたいと思います。
#39
○委員長(木下辰雄君) 月曜日の日に午後一時からこの委員会を開きましてその場合には是非大臣その他の出席を求めまして今までの千田委員の言われたような懸案につきまして徹底的に一つ質してみたい、かように思います。主務大臣が任命されなかつたならば、総理大臣の兼職でありますから、是非御出席を求めてやつて行きたいと思います。
 水産委員会におけるいろいろの噂はむしろ私は羨望的にやつておることと解しておりまして、今までは一笑に附しておりました。これは水産委員会が一番先に率先して実地調査員を派した、あとでこれを倣つてぼつぼつやらしたというようなことも率先しております。又証人喚問を相当数やつて大いにやつたということも、他の会に率先してやつておるということで、いろいろ羨望しておるのじやないかと思いまして、私は今まで一笑に附しておつたのであります。この際速記録につけて十分そういう人に見せたいと思つて初頭に発言した次第であります。それでこの次の委員会には十分皆さん御討議願いたいと思います。
 それから本日の請願に対しては、大体当局の説明と、それからこれに対する質疑がありましたが、尚これは皆さんも十分御研究下さいまして、この討論は次の委員会に延ばしたいと思います。それで今の説明によりますと、大体舞阪港、小濱港と廣田港は計画に入つておる、他はまだ考慮していないというようなお話がありましたし、鴛泊港はこれは運輸省の問題として既に計画しつつあるそうでありますからして、この四つの問題は計画があるが、あとの二つはまだ考慮していないという御説明でありましたから、この点について各委員の方にも十分一つ御研究下さいまして、この次の委員会で討論終結にいたしたい、かように存じます。次に陳情の問題ですが、これは小委員会において既に討議されて、何らかの経過が出ておると思いますからして小委員長から一應御報告願いたいと思います。
#40
○江熊哲翁君 それでは私から御報告申上げます。陳情第百六十七号漁業法並びに漁業協同組合法制定に関する件第百七十一号沿岸漁業業者用加配米に関する件、第百七十二号機船底曳網漁業取締に関する件、第百七十三号海中沈沒物速時引揚に関する件、第二百四号漁業権の漁業組合共有に関する件の小委員会の経過及び結果について御報告申上げます。以上の五件につき九月二十六日及び十月一日の二囘に亘り小委員会を開催し愼重審議しました。陳情第百六十七号は便宜上第二百四号と一括して審議しましたところ、青山委員より漁業法の改正、漁業協同組合法の制定を遅延せしむることは、漁業者の精神的不安を釀し、生産意欲の減退を招來する虞れがあり、又漁業権は漁業協同組合の共有とし、又これが開放は眞に働く漁民にすることが極めて適切であり、又漁業会の民主化を計ることも極めて必要なことであるから、本件はこれを採択し意見書を附して内閣に送付するを適当と認むとの意見があり、討論に入り更に採決しましたところ、全員異議なく青山委員の提案通り可決しました。
 次の陳情第百七十一号沿岸漁民の加配米に関する件は愼重審議いたしましたところ、沿岸漁業者も遠洋漁業者と同樣重労働であり、現在漁業労務者の加配米は二十トン以上のトロール漁業以西底曳網漁業、「かつを」、「まぐろ」業、三十トン以上の捕鯨業、魚類運搬業從事者については一人一日二合五勺の定量加配米がありますのに、沿岸漁業者に対しては單に鮮魚百貫供出に対して二升五合のリンク配給があるのみでありますから、この際沿岸漁業に対しても漁獲物に対して自家用消費を除き、完全供出計画配給を前提として、加配米制度の改善し、遠洋漁業同樣定量配給をなすの要があると考えます。よつて意見書を附して内閣に送付すベきであるという意見が青山委員からありました。討論に移り採決いたしましたところ、丹羽委員の賛成意見もあり又全員異議がありませんので、意見書を附して内閣に送付することに決定いたしまた。
 次は陳情第百七十二号機船底曳網漁業の取締に関する件を審議いたしましたところ、戰時中食糧不足と漁業労力不足のため禁止区域内の機船底曳網漁業が默認されておつたが、終戰後漁業労力も充実し、沿岸漁業者の保護、魚類の増殖の上からも禁止区域侵犯は嚴に取締の要があり、殊に瀬戸内海は重要なる海面であるから、関係府縣の取締船による取締のみに委せず、農林省が取締船を常置して、違反漁業の徹底的取締をするの要があるという意見に一致しました。これに対し水産局長の答弁を求めたるところ、水産局長も禁止区域侵犯を徹底的に取締る方針である旨答弁があり、討論に移りましたところ青山委員より本件は極めて重要であるから、これを採択し意見書を附して内閣に送付するの要がある旨意見があり、丹羽委員の賛成意見もあり、これを採択しましたところ、全員異議がありませんので青山委員の意見通り可決いたしました。
 次に第百七十三号、海中沈沒物速時引揚に関する件につき審議の経過を申上げます。本件についても愼重審議しましたところ、丹羽委員より瀬戸内海は我が國重要な漁場であるから、この漁場内に戰時中鑑船、飛行機等沈沒物が多く、これがために漁撈に甚しく支障を來し、漁具、漁網等の損障も甚しいので、速かに大型沈沒物の引揚を政府においてなすことは極めて必要であるから、これを採択し意見書を附して内閣に送付するよう決定すべきであるという意見があり、採決いたしましたところ、全員の賛成を以て可決いたしました。
 以上の通りでありまして、いずれも極めて重要でありますから、これを本委員会において採択し意見書を附し、参議院規則第百七十條に基き、議院の会議に附し、速かに内閣に送付するよう御決定をお願いいたします。
#41
○委員長(木下辰雄君) この陳情書は大体小委員長の御報告を聽きまして、本委員会における採択の分は次の委員会に延期したいと思います。本日の議題としまする請願並びに陳情の一應の説明、質疑はこれを以て終了いたしました。他になにか御意見がありましたら御発言を願います。別に御質問なり御意見なりありませんでしたならば、本日の委員会はこれを以て閉会いたします。
   午後三時二分散会。
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
          尾形六郎兵衞君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           松下松治郎君
           加藤常太郎君
           川村 松助君
           寺尾  豊君
          前之園喜一郎君
           小畑 哲夫君
           田中 信儀君
           青山 正一君
           江熊 哲翁君
           小川 久義君
           三好  始君
           千田  正君
  説明員
   農 林 技 官
   (水産局漁港
   課)      林  眞治君
   專門調査員   岡  尊信君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト