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1972/04/03 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第13号
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1972/04/03 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第13号

#1
第071回国会 商工委員会 第13号
昭和四十八年四月三日(火曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 浦野 幸男君
  理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君
   理事 田中 六助君 理事 山田 久就君
   理事 板川 正吾君 理事 中村 重光君
   理事 神崎 敏雄君
      稲村 利幸君    小川 平二君
      越智 伊平君    大久保武雄君
      木部 佳昭君    近藤 鉄雄君
      笹山茂太郎君    塩崎  潤君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      田中 榮一君    八田 貞義君
      松永  光君    岡田 哲児君
      加藤 清政君    上坂  昇君
      佐野  進君    竹村 幸雄君
      野間 友一君    松尾 信人君
      玉置 一徳君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
 出席政府委員
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        通商産業省企業
        局次長     橋本 利一君
 委員外の出席者
        郵政省電波監理
        局審議官    高田 静雄君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
三月三十日
 無登録織機対策の早期実施に関する請願(楢橋
 渡君紹介)(第一八七七号)
 円の変動相場制移行に伴う関連中小業者に対す
 る緊急施策に関する請願(谷口善太郎君紹介)
 (第一八七八号)
 同(津川武一君紹介)(第二〇三三号)
 小企業経営改善資金融資制度創設に関する請願
 (谷口善太郎君紹介)(第一八七九号)
 中小小売商業振興に関する請願(平田藤吉君紹
 介)(第一八八〇号)
 中小小売商店の営業保護に関する請願(米原昶
 君紹介)(第一九三八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月三十日
 繊維産業の振興に関する陳情書(愛知県議会議
 長神田效一)(第一七五号)
 金属鉱山の振興対策に関する陳情書(関東一都
 九県議会議長会常任幹事東京都議会議長富田直
 之外九名)(第二〇八号)
 円の変動相場制移行に伴う中小企業対策に関す
 る陳情書(東京都中央区日本橋茅場町二の四日
 本中小企業団体連盟会長豊田雅孝)(第二〇九
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 消費生活用製品安全法案(内閣提出第六八号)
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、消費生活用製品安全法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
#3
○左藤委員 この消費生活用製品安全法案について、いろいろな点をお伺いいたしたいと思います。
 最近、所得水準が非常に向上する、技術がいろいろ革新していく、それだけ消費者の欲望と申しますか、そういうものの期待にこたえた安全製品が次々と出てきますが、それだけにまた消費者によくわからないような多様化した安全性の問題について、非常に問題がある商品がたくさん出てまいっております。こういったものについて、従来いろいろな法律で規制されておりますけれども、それでは非常に十分でない面がたくさん出てまいっております。そういったことについて、消費者からの苦情もまたたくさん生じておると思います。これがこの法案を提出された理由だと思いますが、まず最初に、欧米のいろいろな状況について若干お伺いいたしておきたいと思います。
 アメリカでは消費者用製品安全法あるいはカナダでは連邦危険物法というような法律がすでに成立いたしておりまして、こうした消費者向けの製品の安全確保の向上に非常に努力をしておるという実態を聞いておるわけでありますけれども、こういった点につきまして、その他の国ではどういうふうな状況になっておるか、また、日本でいままでとっておられた対策でどういう点に一番問題点があったかということ、これがこの法律を必要とするかどうかという一番大きな問題点だろうと思いますので、まず最初にそれを伺っておきたいと思います。
#4
○中曽根国務大臣 諸外国におきましても、一般消費者の生活の用に供せられる製品の安全性の確保をはかるため、特定の製品を対象として種々の法規制を行なってきております。消費生活用製品の複雑多様化に伴い、従来の法規制の対象外となっている危険な製品を政令等により機動的、弾力的に指定し、規制を行なう法律を制定する必要が強く認識されるに至っており、すでにカナダにおいては一九六九年連邦危険物法が、アメリカにおいても一九七二年消費者用製品安全法が制定されております。
 また一方、民間の自主的安全確保施策も進展をしております。アメリカにおいては、非営利法人のUL、アンダーライターズ・ラボラトリーズ・インコーポレーテッドによってUL規格が制定されており、これに合格した旨のマークが貼付された製品は消費者から大きな信頼が寄せられており、官民一体となって製品の安全性確保がはかられております。
 なお、カナダにおいては連邦危険物法、これは対象製品としては塗料、玩具、家具、可燃性布、衣服、西独においては用具保護法で、鉛、亜鉛を含有する商品の取扱規制法、道路交通許可規制、日用品に関する有害塗料の使用規制法、爆発物に関することなど、それら個別取締法令でやっておりますが、包括的には用具保護法という法律によってやっておるところでございます。
#5
○左藤委員 ただいまいろいろ大臣から欧米の事情について御説明がありましたが、いまお話の中にありましたUL、アンダーライターズ・ラボラトリーズのマーク、こういったものが消費者から非常に信頼を寄せられており、また、そういった表示があるものについては消費者は安心して買っていくということであれば、わが国でもそういった問題について、そういうことを実施するということについて御検討いただいたであろうか、また、そういうことを一挙に実施することがむずかしければ、何か段階的に考えていく必要があるのじゃなかろうか、このように思いますが、その点について、局長の段階で検討されたかどうか、ひとつお伺いいたしたいと思います。
#6
○山下(英)政府委員 今回御審議いただきます法案にULの考え方と制度を非常に参考にいたしまして、特に自主的な安全規格、そしてマークをつけてそれが消費者に信頼されるようになるというこの仕組みを、今回の法案でできるだけ近いものに実現したい、こういう趣旨でございます。
#7
○左藤委員 そういった一つの民間に対する期待と申しますか、政府はそういうことを指導していって、なるべく民間の自主的な努力を引き出そうという考え方であろうと考えます。そのことについてはその線で進めていただいていいと思います。問題は、そういった消費者の保護法の内容を消費者に十分周知徹底しなければ、私は効果があがらないと思うわけであります。幾らりっぱな法律をつくりましても、消費者がそれを知らなければ何にもならないわけでありまして、そういった点についてどういったPRを考えておられるか。これはいろいろ方法があると思います。都道府県、市町村あるいは広報紙を有効に使うとか、そういったことだけでなくて、通産省自身も積極的にこういったPRを考えていただきたい。また民間の団体の力を活用すれば、民間を通じてもPRをうんと進めていける。要は、消費者自身に対します周知徹底をはからなければならないと考えます。その方策についてお伺いいたしたいと思います。
#8
○山下(英)政府委員 現在でも任意団体であります消費者の安全センターというのがございます。これをつくりました経過も、御指摘のとおりに政府と民間、民間の中でも、事業者が自分で製造したものに多少でも欠陥があったならば自分の経営にとってもたいへんだという認識が年々歳々深まっておりまして、反面消費者側におきましても、生活の多様化に伴って、消費財について安全であり、かつ有益な品物でありたいという需要がございまして、そういった意味の民間側メーカー、消費者の希望と、それから政府の政策とが一体になりましてセンターができてきた次第でございます。この線をさらに延ばしまして、今回の法律におきましても、協会を法律に基づく法人としてつくって、官民の一つの融合体の中心に持っていきたい、こう思っておるわけでございます。
 もとより、そのほか通常のPR活動といわれます手段は、私どもも相応の予算を取りまして、周知徹底方に努力してまいった次第でございまして、そのためにはテレビ、ラジオ、その他広報出版物もできる限り有効に使わしてもらっております。
#9
○左藤委員 少し法案の中身に入ってまいりたいと思いますが、この法律案におきまして、結局消費者向けの製品の安全性を確保する一般法的な性格があろうと思います。従来からもいろいろ、たとえば道路運送法とかいった法律そのもので、自動車なら自動車の安全性の確保をはかっておる、そういう法律があったわけでありますけれども、全体的にカバーすると申しますか、そういう法律構成になっていなかったわけであります。それを今回この安全法によって、そういった漏れることのないような体制をしこうというのがこの法案の提出された由来だと思います。
 その点から考えまして、公法的な規制であります以上は、二重規制になってはやはり国民に迷惑するのではなかろうか。つまり国民と申しますか、消費者の場合も影響は若干あると思いますけれども、特に製造業者の場合は過重な負担をかけることになるのではなかろうか、このように思います。そこで、従来のいろいろな取締法がございますが、これをどういう調整をはかっているかという点についてお伺いいたしたいのであります。
 その中味におきましてまず明らかにしていただきたいことは、別表の九号の政令で定めて本法の対象からはずすものが並べてございます。それは技術の革新とかいろいろなことで新しい事態が生じてくるということも予想されてでありましょうけれども、なぜ全部列挙しないで、そういった政令で定めることができるようにしてあるかという点をお伺いし、さらに第三条の「政令で定める法律」というものとの関係について明らかにしていただきたいと思います。
#10
○山下(英)政府委員 今回の法律は、製品安全に関する一般法として組み立てまして御審議願っている次第でございまして、その場合に、従来の取締法とどう調整するかというのが私どもの一つの大きな項目でございました。
 大ざっぱに申しまして、私どもは二通り調整の方法があると判断いたしまして、一つは、食品衛生あるいは自動車安全あるいは医薬品の安全、こういった従来の取り締まり関係につきましては、既存の取締法によって規制されております製品の場合には、その製品そのものを今回の法律から抜いたわけでございます。そのほか、同じ食品でありましても、それの器具ですとか容器ですとか、たとえば圧力なべ――食品関係ではありますが、製造するなべ、あるいは飲料水のぴんというような場合には、従来の取締法によります基準を本法においてもそのまま採用するという形で調整をはかった次第でございます。
 さらに、その点を条文に基づいてお尋ねがあったわけでございますが、別表第九号、これはここにございますように一号から八号まで掲げました既存取締法の製品のほかにも、従来の取締法によって安全性に関する規制が行なわれておるけれども、今回の法律の趣旨からいって――従来の法律によって安全性が確保されていると認められるものがある場合には、それを補足的に政令で追加指定できるようにしていこう、こういう趣旨でございます。たとえてみますと、船舶用機関及び船舶用品につきまして船舶安全法関係で指定していこう、あるいは道路運送車両の装置等につきまして従来の道路運送車両法によって規定されているものをこの政令で指定していこう、こういうことでございます。かたがた、第三条の政令は、既存取締法におきましては一部その安全性が規制されているという製品でございまして、その場合にも本法とその条文とが二重にならないような調整をしていこう、こういう趣旨でございます。
#11
○左藤委員 いろいろと従来ありますそういう取締法について検討されたと思います。そしてまたいまお話しのように、その商品ごとに判定して、商品のあるいは一部とか、そういった問題については個々のケース・バイ・ケースで検討しようというようなことから、もしそういう必要があるならば追加して政令で定める法律というものを指定していこう、こういうお考えであろうと思います。まあ十分検討はされたのだと思いますけれども、たとえば電波法に規定します無線設備とか、有線電気通信法の有線電気通信設備とか、電気的な危険性について設置規制が行なわれているものは、これは一体どういうことになるのでしょうか。設置規制でありましても実質的に安全性が確保されているものについて、何か二重規制にならないように十分配慮をしていただきたい。そして要は、私は、国民の皆さんが、たとえばこういった問題についてどこに苦情をどういうふうな形で持っていって、あるいはまたどういう対策を講じて弔らう、責任の官庁はどちらであるかというような点について明らかにしておかないと、国民は結局何か責任をキャッチボールされるようなことになりやしないか、そうして「政令で定める法律」というふうに抽象的に書いてありまして、いつ、どんな形で指定されるかということについて、国民の皆さんが理解し納得してもらう形でそういうことがはたして徹底することができるであろうかということについて非常に疑問に感ずるものでありますから、あえてこの点についてお伺いをいたしたいと思います。これについてまず通産省からお伺いして、さらに郵政省からもこのことについて見解をお伺いいたしたいと思います。
#12
○山下(英)政府委員 御指摘の電波法関係の規制を受けます消費生活用品というものは近来少しずつふえておりまして、私どもも関心を持っておる次第でございます。無線設備で動くおもちゃであるとか、電子レンジ、トランシーバー関係のものが電波法上設置に関して当然規制を現状で受けておりますが、そういうものを今回の法律の対象としてどうしたらいいか、この点につきましては、問題が両法律の接点としてきわめてデリケートな点もございました。政府部内としましては、郵政省と再三再四にわたって議論をし、意見交換をしてきた次第でございます。その結果、両省一致しております点では、安全性について先生が御指摘のように、使用者たる国民に迷惑のかからないように、二重行政を排してやっていこう、今回の法律がかりに施行になりました場合には、別表第九号の政令による製品抜きであるか、あるいは第三号による調整であるかは具体的に追って考えることとしまして、通産省、郵政省の間でそういう根本的な方針について意見が一致しておる段階でございます。
#13
○高田説明員 ただいま通産のほうからお答えがございましたように、無線設備あるいは有線電気通信設備におきましては、電波法または有線電気通信法におきまして、人体に危害を及ぼし、あるいは物件に損傷を与えることのないような保障をしておるわけでございまして、その点にかんがみまして、そうした保障で十分であると思われるものにつきましては、第二条の別表の九号のほうに掲げてこの法律からはずし、電波法あるいは有線電気通信法のほうの保障で行なう、あるいはものによりましてはそうした別表のほうに入らないというような製品につきましては、ただいま通産のほうからお答えがございましたように、この一般法によって律していくということに協議してまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、先生からただいま御指摘のありましたように、両者の間で意見が食い違うために一般の消費者に迷惑が及ぶということのないように十分協議してまいりたいと思っております。
#14
○左藤委員 ひとつ大臣にお願いを申し上げたいと思いますが、いまそういう単に役所の権限とかいうふうな問題で、結果的に国民に迷惑を及ぼすような形にならないように、そしてこの法律案を作成されます段階において十分事前にそういったものを両省の間で協議されて、要は、国民サイドから考えて、そういった役所の問題でキャッチボールされたり、いろいろなことで責任をなすり合い、あるいはまた権限の取り合いをするというようなことのないように、十分そういった法律の作成される段階において、時間的な余裕を持って提案されますことを御指導をいただきたい、このことをお願いを申し上げたい、このように思うわけでございます。
#15
○中曽根国務大臣 各省所管、専管等にかかわるものとの関係につきましては、御指示に従いまして連絡、協調等万遺憾なきを期しまして、消費者に対して迷惑のかからないようにいたしたいと思います。
#16
○左藤委員 次に、このような取締法が実際問題といたしまして、製造事業者、そういったところに対しまして規制されると申しますか、ということになるわけでありますが、その製造事業者が実際の活動、製造活動なり、販売活動なりそういったものをどうしているかという実情を十分把握しておられないと、こういった法律が結果的にはしり抜けになってしまうという問題があると思います。こうした製造事業者に対して、この法律を守らせるための、守っているかどうかということを監視する体制というものはどのように確保されておるか、また、どういうふうにもつていかれるつもりであるかということについてお伺いいたしたいと思います。
#17
○山下(英)政府委員 主務大臣は、指定された製品の製造、輸入、販売を業とする者に対しまして、必要に応じて報告を徴収されますし、また立ち入り検査もいたします。また、いわゆる型式承認の系統で本法に即していきたいという製造業者に対しましては、その製造設備あるいは検査設備、また製造工程における技術上の諸点、こういうものを定期検査いたしまして、法の施行に万全を期していく、こういう体制でございます。
#18
○左藤委員 次に、製品安全協会についてお伺いいたしたいと思いますが、製品安全協会がほんとうに消費者のために業務を円滑に遂行するためには、その財政的な基盤が確立していなければならないわけでございまして、政府は、この協会に二億円出資するということをきめておられますが、先ほどのお話のあった民間の盛り上がりに期待するという点から考えると、この協会はできるだけ民間から多くの資金を集めようという計画であるようにも伺っております。そこで、民間からどのような金を集め、幾らどういうところから集めてぐるのか、また集めるめどがあるのかどうかということについてお伺いいたしたい。
 そして、あらゆる業界からいろいろと金を集めるということにつきましては、協会の業務の中立性とか公正とかいう立場から考えますとむずかしい事情もあろうと思います。誤解を与えるような金の出資ということも考えなければならない、私はこのように思いますが、そういった民間の自主的な活動と、それから財政的な基盤という点についてどのようにお考えになっているか。こうした消費者のためには少しでも幅広いところから出資を仰いでもいいと思いますが、この点について政府はどのように考えておられるか、お伺いいたしたいと思います。
#19
○山下(英)政府委員 政府は二億円の出資をいたしまして協会の基礎をつくる方針でございますが、御指摘のように、この協会の性格から申しまして、民間の協力をどの範囲に、かつどういう仕組みで考えたらいいだろうかという点は、一つの大事な検討項目でございました。
 現在私どもは、約一億円の資金を民間から募集しようと考えております。しかも、その募集先といたしましては、できるだけ中立的なところ、といいますのは、この製品安全法によりまして規制を受ける製品のメーカー、輸入業者、販売業者等を避けまして、そういうものと関係のないところから集めていきたい。もとよりこの法律のたてまえからいきますと、より多く民間の責任、民間の負担というものを基礎にすべきである、そういう民間の負担面をふやすべきであるという考え方も成り立つわけでございますが、反面、国民的要望から消費生活を保護していくという観点からしますと、政府予算による支出でやるべきであるという点もございまして、私どもは、現在この両面を検討しました結果、いま申し上げましたような考えでおる次第でございます。
#20
○左藤委員 そういった点で、私は、やはり財政的な基礎というものについて政府が出資する金をふやすことは将来的にももちろんでありますければも、政府としても、そういった誤解のない形のものを幅広く集めていただく努力、指導というものをやっていただかなければ、何も手をこまねいて待っておったのでは、こういった資金というものは集まらないのではないか、このように思いまして、そういった意味においての政府の強力な指導というものをお願いいたしておきたいと思います。
 それから次に安全協会でありますが、これが製品の安全性を認定した結果、いわゆる欠陥商品によって万一事故が生じた場合に備えまして被害者救済制度を設けることといたしております。この事故を生じた本来的な責任というのは製造事業者に当然あると思うのでありますけれども、被害者救済をはかるということは、当面何をおいてもやらなければならない非常に喫緊の問題であるわけであります。そこで、事故を起こした製品の製浩事業者の原因者負担原則、いわゆるPPPというのはどのように貫いているのか、お伺いをいたしたい、このように思うのです。
 この法律案を見ますと、六十三条の五号ですか、ここに協会が行なう業務の中に「被害者又はその遺族が第三号に規定する措置によって損害の賠償を受けるに先だって、その被告者又はその遺族に対し、一定の金額の資金を交付すること。」ということを規定をいたしております。この資金は一体協会として返還請求権があるのかどうか。もしないとすれば――たとえば国鉄が事故を起こしたときには見舞金融いうような形で国鉄が支払っております。こういったものはもちろん返還請求権はないわけであります。法定されたものにこういった事例があるかどうかということもあわせて参考までにお伺いいたしておきたい、このように思うわけでございます。
#21
○山下(英)政府委員 第六十三条五号によります資金の交付は、私どもはその性格は見舞金であると考えております。事故が起き、被害を受けましたときに、その被害者に早急にとりあえずの必要資金を交付するという趣旨でございまして、金額も三十万円程度を考えておるわけでございますが、それは後ほど保険金が出た場合にどうするかといいますと、保険金額を交付するときに差し引きますので、その意味では保険金の一部を先にお渡ししたという形にもなろうかと思います。この金を支払う基礎になります基金は、その協会に、製造業者等各関係者が金を支払ってつくりました基金でございますし、かつ、その基金をつくると同時に、協会は、加入者のために再保険にかけておるわけでございますので、その点は、加入したときに納めます金は一部保険料、一部見舞金負担という形ではございますが、いわゆる直接原因者負担の原則は貫かれておる次第でございます。
 前例はどうかと申しますと、先生御指摘のとおり、国鉄に見舞金という制度がございますが、私どもの知識では法律上規定されたこの種のものは前例はまだ見当りません。
#22
○左藤委員 非常に膨大な法案でございますけれども、要は一つのそういった製品、製造業者のためだけでなくして、その最大の眼目として消費者の安全をはかろうということでつくられ、製品安全協会の設置法的な性格をこの法律案は持っておるわけでありますけれども、要はそういった点について、製品のほうは多様化しているけれども、国民の知識というものはそういったところになかなか及ばないという点について、そういったものを保護し、カバーしていこうというのがこの法律案を制定されたゆえんであろうと思います。そういった意味におきまして、この法律案につきまして、その運用は常に国民的なサイドから通産省としても十分PRをはかるなり、そういったことについて法を制定した趣旨を十分生かすような努力をしていただくことを特に要望いたしまして、本法案に対します質問を終わりたいと思います。
#23
○浦野委員長 岡田哲児君。
#24
○岡田(哲)委員 近年非常に複雑かつ高性能な消費者向けの商品が次々と製造され、売り出されております。四十六年度の製品の安全性についての苦情は、資料によりますと三千六百件余にのぼっていると報告されております。これは社会の常識から見ますと、報告されずに泣き寝入りをしているというものが相当多い数字を占めるというふうに私は推定をいたし、さらに今後の消費物資の多様な開発を考えてみますると、遺憾ながらこれらの安全性はまだまだ全体として国民が十分満足できる範囲と水準になっていない、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、この法案の提出になったものだろうというふうに推察するのでありますが、この法案をよく理解するために、従来から政府がどのような対策を講じてきたか、また、民間においてはどのような対策を講じ、指導してきたか、こういう点についてまず全体の問題としてお伺いをしておきたいと思うわけであります。
#25
○中曽根国務大臣 政府としては、従来から危険性の大きな特定の製品については、食品衛生法、電気用品取締法、ガス事業法等の取締法令によって製造、販売等の規制を行なってまいりました。また、これらの施策が円滑に実施されるように、対象品目について試買検査、立ち入り検査の充実等監視体制の整備をはかっております。
 一方、近年、一般消費者から製品の安全性を向上させることが強く要求されるに従いまして、民間においても企業独自で製品の安全性確保をはかるほか、玩具、石油燃焼器具等の例に見られるように、製品ごとに業界団体等を中心に学識経験者、消費者等の意見も入れて自主的な安全基準を作成し、これにのっとった安全マーク制度を実施しており、政府としてもこの指導を行なってきたところでございます。
 数多い消費生活用製品の安全性を確保し、安全な消費生活の実現をはかるためには、政府としては、民間の自主的努力のみでは十分安全の確保ができないと認められる製品については、国の規制によって製品の安全性を確保することとし、御指摘のように国、民間がそれぞれ持てる能力を生かしつつ、総力をあげてこれに取り組むべきであると思います。
 なお、中央官庁のみならず、府県、そのほかの民間団体についても十分緊密な連絡をとって協力していくように考えております。
#26
○岡田(哲)委員 いままでの対策については一応お聞きしたわけでありますが、数多い消費者向けの製品の安全性の水準を引き上げるために、国及び民間がそれぞれ特に持てる能力を十分に生かして総力をあげて取り組む、こういうふうに言われておるわけでありますが、その内容から見まして、特に民間の自発的努力を促進する、こういうふうに規定をしております。国の規制と民間の自主的努力というベストミックスというふうにいわれておりますが、それは必要であるということは十分わかるのでありますが、この知識の豊富な民間の活力と能力を十分に活用する、こういうことがこの法の中でどのような具体的な形で盛り込まれているか、こういう点が非常にわかりにくいのであります。具体的にどういうふうになっているかという点について明確にしていただきたいと思うわけであります。
#27
○山下(英)政府委員 従来とも民間では石油燃焼器具ですとか、おもちゃですとか、ほうろう食器については自主的な安全基準を設けて相当の実績をあげております。その実情から見まして、今回御審議いただいております法案では、大きく言って二つに分けまして、政府が指定した特定製品につきましてはみずからが基準を設け、安全マークを張り、検査をして政府が責任をもって消費者に保証していこう、こういう商品を指定いたします。ところが、それ以外に、いま申し上げましたように、広範に民間側が安全基準を設けてやろうというものにつきましては、それらの製造業者に今回法律で指定しました安全協会に加入してもらいまして、自主的に基準をつくり、かつ自主的にマークを張りまして、消費者に保証していこう、大きく言ってこの二つのやり方を同時に今回の法律で含ませておる次第でございます。
#28
○岡田(哲)委員 先ほどの御質問の中でもお答えになっておるようでありますが、PPPの原則、こういうことで当然製造業者がその責任の主体を持つということになっている。これは私ども考えてみまして、あくまで製造業者みずからがみずからの商品に対して信用を得ながらしていく、こういう立場に当然あるべきだ。それに対して政府が、非常に大きな――大きなといいますよりも相当な力で援助してこの安全性を確保しょう。そのミックスという点はわからぬではないのでありますが、政府、国の力のウエートが相当高い、こういう感じがこの中からするわけであります。この点について、いま言われました、民間でいままで自主的にやってきた、さらにこれを推進していくという点と、いま申し上げた政府がこれに強く乗り出していくという点について非常に矛盾を感ずるような気持ちがするわけでありますが、この点についての考え方を聞いておきたいと思います。
#29
○山下(英)政府委員 御指摘のとおり、二つの違ったやり方を同時にこの法律に入れておりますので、とくと御説明しないといけない点だと存じます。
 一つは、民間にまかしておいては不十分であるし、当然国が国民のために安全を確保せねばならぬという品物が現在でもございます。ではその理由は何か、どうして民間が自主的にやるのでは不十分かというその理由は、製品によって多々ございますが、そういう品物がありますので、それはまず政府側が製品を特定いたしまして、その特定製品につきましては政府みずからが安全基準を作成する。そしてでき上がりました製品そのものが基準に合っておるかどうか政府機関が検定をいたしまして、それから安全のマークを張りますけれども、それは政府が張りまして、そうしたマークを張ったものでなければ関係者は販売もしてはいかぬ、こういう強い規制をこの法律で一本いたしております。
 それでは、従来の民間の自主的努力をどうやってこの法律で育てていくかといいますと、それは法律に規定されました認可法人である製品安全協会にそれらの関係者は入ってもらいまして、そこで自主的な判断によって自主的な安全基準をつくってもらいます。もちろん、その場合その基準に関しては政府側も安全性を認定いたしますが、その基準によってみずからが、といいますのは協会がやるわけでございますが、みずからが安全マークを張り、かつその場合には、協会が法律に基づく補償行為、見舞金を出すとか保険金を出すという補償行為もいたしますので、そのことを示します保証マークというのも一緒に張ります。そして安全と保証とをその商品に示しまして、安心して消費者に買ってもらう、こういう二本立てになっております。
#30
○岡田(哲)委員 私のお尋ねしているのと少し違うような感じがするのでありますが、まず国の規制、これはよくわかります。それから民間の自主的努力を促進する、これも非常にいい。このいい同士のベストミックスというものが必要だということはわかるのです。よくいわれておりますような独立採算制ということばがありまして、公共性と採算制、経済性をミックスさせることばとしては非常によくわかるのでありますが、いま申し上げたように、具体的に考えてみますと、民間の自主的なものがいままで非常に積極的に進められてきておる。こういうものがあるとするならば、先ほど質問もありましたようにPPPの原則、製造業者がみずからやってい《、そういう精神をさらに促進をしていく、問題はあとの規制の点を国がどのようにするかという立場に立つとするならば、このような法案の内容にならぬのではないかという気持ちが私はいたしておるわけでございます。ですから、この主体が民間の自主的なものをさらに促進する点にどうも欠けているのではないか、こういう感じが強くするものですから、いまその点をお尋ねしたのでありまして、その見解だけ実はお答えを願いたいと思っておるわけであります。
#31
○山下(英)政府委員 この法律がそのどちらに重点を置いておるかということになりますと、これまたちょっと性質が違いますので、私どもとしてはいずれも重要だと思いますが、少なくとも法律の条文でごらんのように、相当の条文をさいて安全協会というものを法定機関として設立して、そこに自主的な努力を結集して、国の監督のもとに自主的な安全方針を広めていこうという点におきまして、私は従来の自主的努力をこの法律によって大きく助長、育成していくものだと存じます。
#32
○岡田(哲)委員 それでは、まだあと関連を生じますので、この程度にしておきまして、次に消費者保護またはその安全、こういう点について、従来も基本法をはじめとする数多い立法がなされておるわけであります。それは、それぞれの立場で必要上から立法されてきたことは当然だというふうに思うのでありますが、私どものようなしろうとの立場あるいは国民の立場といっていいかと思いますが、非常に数多い同じようなものがたくさん出ているような感じがするわけでありますが、当然こういうものはわかりよく一目見てもわかりやすい形に持っていくべきではないか、言うならば整理統合、集約をしていくという方向でぜひやっていただきたいというふうに実は私は思いますので、お伺いをするわけであります。今後こういう消費者の保護、安全というものについてそういうような方向はとれないのか、こういう点をお聞きしておきたいのであります。
#33
○山下(英)政府委員 私どもは、今回の法律は、製品安全に関する一般法として法体制を整備したいという方針でやってまいりましたので、先生がいま御指摘になりました根本的な方針はもとより私どもは賛成でございますし、その努力もしたつもりでございます。かりに、別表をちょっとごらんいただきますと、従来の各取締法規もそれぞれ理由がございまして、船舶安全法はもとより、食品衛生法にいたしましても、消費者のために製品の安全を保証するという面がその法律の大きな一つの筋であると同時に、それからまた衛生保健という別の大切な筋も持っておりまして、もしここで製品安全ということだけで全部各取り締まりをまとめようといたしますと、各法律を半分に割ったり、三分の一にしたりして持ってきて、そして膨大なものになるわけですが、その場合の利害得失は必ずしもまとめることのみがいいということではないという結論になりまして、今回のような次第になったわけでございます。
#34
○岡田(哲)委員 次に、特定製品の定義についてでありますが、二重規制をしない、他法令にきめられているものを除き「一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多い」、すなわち、この「特に」というのと「おそれが多い」、こういうことがいわれているわけであります。私は、いまお話がありました中にも感ずるのであります、が、私の気持ちからいっても、なぜ「特に」「おそれが多い」)、こういう点をうたっているのか。二重規制をしない、いままでの法律でできなかったもの、すべてがこれに関係するのだというふうにすべきだと思うのでありますが、その中で「特に」あるいは「おそれが多い」、こういうことをあげておりますのはどういうような見解から出てきておるか、お伺いをいたします。
#35
○山下(英)政府委員 「特に」「おそれが多い」という点は私どもも多々議論いたしましたが、もとよりこれによって対象の製品を厳選して幅を狭めていくという趣旨ではございません。ただ反面、これは関係者、製造業者、輸入業者、販売業者におきましては、ほかの経済法律では見られないようなきびしい重大な規制を受けるわけでございますので、その公平判断につきましては、実際の運用上も慎重を期さなければならないという面がございます。この二点を考慮しつつ前例も参考にした次第でございますが、電気用品取締法におきましても同様な例文がございましたので、それを参考にして、今回のように「特に」と、そうして「おそれが多い」ということにした次第でございます。
#36
○岡田(哲)委員 それではこの特定製品というものですね、「特に」「おそれが多い」というものの特定の製品の指定のしかた、これは政令できめるということになっておりますが、政令できめるというその場所あるいはどういう状態でこれを特にきめていくか。このきめ方、指定のしかた、これについてお尋ねをいたします。
#37
○山下(英)政府委員 私どもが考えております一、二の例を申し上げますと、たとえば圧力なべですとか、あるいは炭酸飲料のびんですとか、すでに御案内のように過去二、三年に多くの事故発生が報告されておりまして、地域的には相当の措置もやり、かつ当該業者も真剣に取り組んでいるというような品物でございますが、その例の場合、たとえば圧力なべのふたの安全弁がよく作動しない、そのために事故が起きるとか、あるいは炭酸飲料水のびんに傷があったり、ひずみがあったりするというものでございまして、そういう場合には国がみずからこれを特定製品として指定していって、飲料のびんなどというのは、子供、それから全国に対して非常に広範でございますので、そういう点を考慮して指定してまいりたい。
 先生の御質問ございましたどこでというのは、どういう手続でということかと思いますが、技術資料は政府側で責任をもって集めますが、最終的には審議会の専門家の御意見によって判断をいただき、参考にしてきめていきたい、こう思っております。
#38
○岡田(哲)委員 二重規制をしない、これはまあ当然だと思うのでありますが、従来の立法の中で規制してきているものを特にこの特定製品として取り上げるべきだという場合には、この立法の配下に入ってくる、こういうふうに理解をしていいのですか。
#39
○山下(英)政府委員 そのとおりでございまして、従来の取締法でも、この法律でいう製品安全のための規制が実際にダブってない部面につきましてはこちらのほうでやっていこう、こういう趣旨で、一号−八号、かつ、九号、政令等で調整をしてまいるつもりでございます。
#40
○岡田(哲)委員 次に、問題がちょっと変わりますが、緊急命令についてであります。
 本法は、消費者向けの製品の安全を確保するための一般法であり、危険な製品については、特定製品に指定して必要な規制を行なうことになっている。しかし、この消費者向けの製品は、冒頭申し上げましたように非常に多種多様であります。最近の状態から見ますと、今後さらに新製品というものが多くつくり出されて市場にはんらんする、こういうような状況が私は当然考えられると思うのであります。そこで、特定製品以外の製品の欠陥によって消費者に重大な事故が発生するような場合が多く出てくるのではないか、これは非常に残念なことでありますが、多く出てくるのではないかという心配をいたすわけであります。このような状態が起こった場合に、政府は、常にその監視体制をとる必要がある、必要な場合には緊急命令を発動して、消費者向けの製品の安全性確保に万全を期さなければならないと思うのでありますが、この特定製品以外の製品、これとの関係について明確にしておきたい、こういうふうに思います。
#41
○山下(英)政府委員 緊急命令の条文によりまして、必要な場合には、政府が市場に出回りました製品の回収を命ずることができるということになっておりまして、これも今回の法律の特色の一つだと存じます。御指摘のとおりに新製品が次々と出てまいりまして、政府の措置としましては、これの監視、それから事故報告によるチェック、あるいはサンプルを買います試買検査、こういう方法によりまして、特定製品以外でも危険なものはないかということを常時やってまいりますけれども、なお網の目を漏れて新製品がきわめて危険な事故を起こすこともあり得ると存じます。そういう場合には、この条項によりまして緊急命令を出して市場に出回ったものを回収してしまう、こういう趣旨でございます。
#42
○岡田(哲)委員 新製品が市場に出回って、それが消費者に使用されて、欠陥によりて重大な事故が起こる。起こってからびっくりして手当てをする。従来あらゆる問題についてそういう方向だと思うのでありますが、私は、事故の起こらない先にそういう予防の措置をとるということが非常に大切なんで、せっかくこのようなりっぱなものができて、その新製品の製造過程を通じて市場に出回らない先に事前のチェックができる、こういうことがなければならぬというふうに思うのであります。いまの答弁でありますと、市場の中で監視をして起こりそうなものを見つけてくる、あるいは起こってから手を打つ、こういうような感じを持つわけでありまして、事前の問題として具体的な措置対策というものを明確にすべきではないか、私はこういう気持ちでありますので、その点についての見解をお伺いしておきたいと思うわけです。
#43
○山下(英)政府委員 御指摘のとおりでございまして、緊急命令を出す前の段階で最大の努力をすべきだと私どもも存じております。私どもの管下の工業品検査所の例を申し上げますと、新しく商品テスト部を新設いたしまして、ここで市場へ出回ってまいります新規に開発された新製品については、情報を入れてはここでテストをするということもやっておりますし、その他先ほど申し上げました試買あるいは監視体制その他の予算といたしまして私どもは昭和四十八年度で一千二百三十八万一千円を計上いたしておりますが、これらの予算の使用は御指摘のような事前のチェックに使う方針でございます。
#44
○岡田(哲)委員 次に、資本金についてでありますが、この法によりますと、政府及び政府以外のものの出資、いうならば両者の出資によって資本金とする、こういうふうになっておるわけであります。政府以外とは当然民間をさすというふうに思うのでありますが、この民間が出資をするメリットといいますか、そういうものがどこにあるだろう。私考えてみまして、こういうようなものにわざわざ出資をしてそれでみずから規制する――まあ国家的、社会的に趣旨としてはいいことでありますから寄付金として協賛するというような立場ならわからぬでもないのでありますが、わざわざ出資をしてそれでみずからを縛っていく、こういうように感ずるわけであります。ですから、民間の出資というものが一体どういう形で起こってくるだろうか。メリットのないものに民間資本というものが出資をしてこないのではないか、こういうふうに考えるものですから、その辺についてどのようにお考えになっているのか、お伺いをいたします。
#45
○中曽根国務大臣 民間は一見金だけ出させられてあまり発言権もないので損するほうではないかというような感じもいたしますが、やはり現代社会は製品について消費者が非常に大きな関心を持ってきておる時代でございますから、そういうオーソライズされるということは、商品の売れ行き等についての非常に大事な使命を持つものだと思います。民間はお金を出しても協会の運営等につきましてはいわゆる共益権というものは持たないようであります。つまり発言権はないようでございます。しかし、そういう協力をすることによって、自分の商品についてオフィシャルな権威づけといいますか、オーソライゼーションが行なわれる。これは商品の信用を非常に増して売れ行きがよくなるだろう、そういう予想も一面においていたします。
 また同時に、万一いろいろ事故が起きたという場合の補償等についても、ふだんからそういう認定料等によって金を出しておけば、そのときにも救済される、そういうメリットもあるだろうと思います。特に中小企業のような場合は、そういう事故が起きた場合には救済するということがかなり金もかかることでむずかしいと思いますが、こういう制度の中に入っておれば、中小企業も万一の際にかなり助かるというメリットも出てくるだろうと思います。そういう面から見ますと、現代のような消費者の意識が非常に発達した社会にあっては、認定料を出すというようなこと、寄付金を出すというようなことは必ずしも業者の不利にはならない、むしろプラスになるのではないかと思います。そういうふうに思います。
 現に民間団体で検定協会とかいろいろなことをやっておりますが、それらがかなり活発に行なわれておるということは、そういう目に見えない利益が一面においてあるのではないだろうかと思います。国が公にやる場合には、メリットは目に見えないけれどもあるのではないかと思います。
#46
○岡田(哲)委員 大臣、私の言っておることと違うのですが、その協会に入って保険といいますか、補償してもらうという意味ではいろいろ中小企業から入ってくる、それはわかるのでありますが、この法の中で資本金、これに対して国が二億、民間が一億、大体三億の形でつくろう、こういうふうになっているわけですね。国は二億出すことは別として、民間にも大体一億出資をしてもらう、この場合出資金ということで、しかも持ち分という権利――持ち分というのは私は権利だと思うのですが、これの譲渡まで規定をしたわけですね。中小企業から全部出資させるというのでなしに、おそらくそう数は多くないだろうと思うのでありますが、どこかから一億の出資金を仰いでくるということになると思うのです。その出資示する人がいかなるメリットがあるのか、こういうふうに思えてしかたがないのであります。ですから、先ほど言ったように、何か株式会社に出資をするという場合には、あくまで企業のあれで戻ってくるという利益があるのですが、おそらくこのような協会に出資をしても、企業でない以上金銭的な面では返ってこない、こういうふうに私は思うのです。あくまでこういうものは寄付金のようなものならばわかるのでありますが、出資ということで、しかもこれは持ち分として譲渡をする、こういうふうになっているものですから、出してくれる民間は一体どういうような気持ちであろうかと考えると、先ほど言いましたように、私はほんとうにおつき合いというか、あるいは天下国家、社会のために出すのだというような気持ち以外にはないように考えるのです。しかし、ほんとうにそういうもので一億の金が集まるのであろうか、こういう気持ちもいたすものですから、いま申し上げたように、資本金というたてまえについて聞いておるわけであります。もし困難だとするならば、寄付金のような名前になぜ変わらぬのか、こういうことについてお伺いをしておるのであります。
#47
○中曽根国務大臣 実質的にはこれは一種の寄付金みたいな性格だろうと私は思います。それで、この団体自体が非常に公益性を持っておる団体でございますし、この団体が円滑に機能するということは非常に消費者のためにもなりますし、また、現在の自由経済を運営していくためにも、これは発展する一つの刺激にもなると思うのです。そういういろいろな面がございまして、オリンピックとか海洋博に対して寄付金を出すというのは、そういう社会公共性にかんがみて出してくれるのですが、それと違った意味で、やはり自由経済社会の中におけるそういう公益的要素を持っている仕事に対して、出資金というような形で実質上寄付金に近いようなものを出すというところまでくらい、日本の企業者の意識というのは成長しておると思うのです。
 中立的機関からこのお金を出してもらうようにしたいとわれわれも念願しておりますけれども、いまこういうようなものはつき合いでそういう公益性のところに金を出さぬと、協会やあるいはそういう団体から村八分にあって、あいつはけちんぼうだ、そういうふうに言われるくらいまでに公益というものを考えるように現在の企業社会というのは成長しておると思うのです。そういうような力といいますか、意識が盛り上がって日本の経済も発展してきておるので、これが昔の小商人みたいに自分の利益ばかりにきゅうきゅうとしておるのでは、これだけ国際的にも拡大していく日本の経済というのは出てこないだろうと私は思います。そういう点から、いま消費者パワーということが非常に叫ばれて、生命安全ということが非常に叫ばれておりますおりから、こういう仕事に対しては民間の団体も企業も十分協力してくれると私は思います。
#48
○岡田(哲)委員 大臣は非常に安心してこの一億の金はすんなりと集まってくる、そういうふうに言われておるので安心でございますが、私は、なかなかむずかしいのではないかというような気持ちで実はおるわけであります。ですから、国は二億出し、民間が一億もし集まらなかったときには、これは事実問題として今後運営ができるのであろうか、ここら辺まで心配をいたしておるのでありまして、もしそれが心配ない、こういうことならば、それはそれとして聞いておきたいと思います。
 それで、そういうふうに考えていきますと、あくまで寄付金のようなものだ、こう言いながら非常にむずかしく、持ち分の譲渡をすることができる、こういうふうにあるわけであります。手続上何々とたくさん書いてあるわけでありますが、この持ち分というものがある以上、当然これには権利が伴うものだというふうに私は解釈をするのでございます。そこで、持ち分の権利というものは一体どういうものなのかという点をここで明確にしておきたい、こういうように思うわけです。
#49
○中曽根国務大臣 民間の一億というお金は、国が出す二億に伴うてどうしても強制的に義務的に出さなければならぬというものではない。五千万でも八千万でもいいことのようになっておるそうです。しかし、一応一億というめどをつくって、それくらいは出してもらえるだろう、そういう考えでやっておるということであります。事業費補助ということも国では考えておりますし、寄付金が五千万でも協会は発足させる、そういう考えに立脚してやるということでございます。
#50
○岡田(哲)委員 その次の問題についてまだお答えがないのであります。
#51
○山下(英)政府委員 確かに法律上出資をしていただく以上そこに権利義務の規定を置かねばなりませんので、持ち分、出資者としての財産的な権利を規定しております。しかし、その具体的な内容になりますと、実際のところは、協会から経理その他の報告を受ける権利があるというだけでございまして、ごらんのように協会の役員人事、運営等に関する規定が別にございまして、持ち分所有者にはほとんど発言権はございません。もしこの協会が最終段階で解散になりますときは、出資に応じた財産請求権はございます。
#52
○岡田(哲)委員 報告を受ける権利、これは当然公なものですから、こんなものは見ようと思えばできるものですし、解散をした場合には返ってくる、こういうことは権利の中に入るかどうかわからぬくらいのものだというふうに思うのです。私はやはりその出資をする人の気持ちの中に、先ほどのメリット論が少しあるとするならば、やはり人事権やあるいは運営権やこういうものについて非常に関係が深くなっていくのではないかと思うのであります。先ほど大臣も、あくまで中立的な、全然関係業界から実は切り離れたものに持っていくというふうには言われておるわけでありますが、最近の商社の関係を見てもわかりますように、表の看板と裏のほうのやり方は違うということでありまして、やはりこの評議会やその他の役員会の運営、人事について相当な権限を持つ方向に行くのではないか、これは私だけの危惧かもしれないのでありますが、そういうものを絶対に阻止できるのだという具体的な方途といいますか、措置といいますか、あるいは具体的にこうなっているという、そういうものが明示されませんと、私どもはどうもそこに危惧を持つのであります。その辺が明確にできましたらしていただきたい、こういうふうに思います。
#53
○山下(英)政府委員 御指摘のとおり、最近の社会では隠れみのあるいはダミーというような形の会社関係あるいは人的関係が非常に多いことは私どもも心配しておる一つでございます。そういう点も含めまして、私どもは厳格に審査して中立機関から募金していきたい、こういう方針でおりまして、実際上はもちろん設立の認可にあたっては出資者の一人一人を通産省が審査する立場にございます。それからまた、発足時の発起人会はもとより、そこから先の協会の会長、理事長、監事、この三種類は通産大臣の直接任命でございますし、一般の理事の方々につきましても通産大臣の承認を得て理事長が発令することになりますので、人事についても十分の監督、そして事前審査ができるものと確信しております。
#54
○岡田(哲)委員 たとえば一億のうち相当分をある民間が出した。それが通産大臣のところにいって、ああいう人をやれ、こういうような発言や工作がなされてもそういうことにはならないのだ、こういうふうにいまのお話を聞きますと理解をするのでありますが、そういうふうに解釈していいのですか。
#55
○中曽根国務大臣 この協会の人的構成というものは、この協会の信用に関する一番大事なポイントでございまして、そういう点は、おっしゃるとおり厳正公平な人選をやるようにいたします。
#56
○岡田(哲)委員 次に、本法の対象となる消費生活製品の製造事業者、これがおそらく中小企業者が非常に多くを占めるのではないかというふうに私は思うのでありますが、この法の施行によってこれらの中小企業者に対して及ぶであろう影響、こういうものについてどのようになるだろうか、どういうふうになっていくんだろうかという考え方をまず聞きたいのであります。その点だけお答えを先に聞いておきます。
#57
○山下(英)政府委員 近来の経済社会におきまして私どもが非常に配慮しておる一つはそこでございまして、公害防止とか製品安全という社会公共性の要求と、先ほど中曽根大臣も申されましたが、昨今の自由主義経済の中における公共性の要求が日々増しております反面、そういったものに対する対応策が中小企業に対してもそのまま要求していいのかという点でございます。この法律はできるだけその点を配慮したつもりでございますが、同時に反面、たとえば今回の財政投資の関係でも、二つの金融機関から、中小公庫から製品安全性改善貸付資金というものを十億円、国民公庫からまた同じ目的のものを五億円つけて助成していくつもりでございますが、法律自体はどういう効果を持つかという御質問の点につきましては、多少手前みそかもしれませんが、私どもは中小企業にもプラスであると考えております。といいますのは、大企業なり中堅企業が自己製品に相当の安全確保をしつつかつ相当の広告費を使って宣伝されていく事態に比べますと、今回政府が特定製品と認めたものはもちろんでございますが、協会が公にかつ公平に保証した製品であれば、中小企業者はそれだけコスト安に自分の製品の安全性を保証し、宣伝できる。もとより協会が扱いの上で大企業と中小企業とを区別するというようなことは、これは法律のたてまえ上許されないことでございます。
#58
○岡田(哲)委員 私はこういう心配をするのでありますが、手数料を取る、この手数料は、検定を受けるときあるいは登録を受けるとき、承認または承認の更新をするとき、登録証の訂正または再交付、登録簿の謄本または登録簿の閲覧、こういう場合に手数料を取られる、そういうふうになりますと、当然中小企業の場合にはこういうような料金が製品の中にかけられていく。この手数料はどの程度のものか、どうもまだ内容がよくわからないのでありますが、非常に過多になりますと当然しょいきれないという問題が出てくる。ですから、一体この手数料は、どの程度のものが中小企業でしょいきれるものなのか、もしこれがしょいきれないとするならば、負担能力にたえられないとするならば、どこかにそれがはみ出してきて製品のほうにかかってくるのではないか、こんな心配をするわけでありますが、その辺の関係についてお伺いをいたすわけであります。
#59
○山下(英)政府委員 今回の立て方が、先ほど御討議いただきましたように、協会には出資をすると同時に、かつ保険をかけつつやっていくという体制にございまして、そしてその両面から検定、登録、型式承認等に必要なコストは最小限に押えていこうという方針で組み立ててきた次第でございます。現在私どもが考えております諸経費を概算いたしました場合には、販売価格に対する割合として、全体をひっくるめまして多くても〇・五%程度、少なくとも一%以下であることは明らかでありまして、〇・五%程度ではないかと考えておりますし、従来のマーケッティングの実情からいきまして、中小企業者といえども、この程度の費用であればかえってプラスであると存じます。
#60
○岡田(哲)委員 この問題については、きつい負担になるとたいへん影響するところが出てくるのじゃないか、こういう気持ちがありますので、極力きつい負担にならないようにお願いをいたしたいと思います。
 それから次に、いま申し上げたように、より安全でより高級な製品製造が推進されてくる、こういうことでまことにけっこうだと思うのでありますが、そういうふうになってまいりますと、当然業者側からいいますと、そういうものを理由に、先ほども大臣からちょっと触れましたように、信用もついてくる、権威があるのだ、こういうようなことで便乗値上げをするおそれが非常に強く出てくるのではないか、こういう感じがするわけであります。私はそのようなことがあってはならないというふうに思うのでありますが、これに対して十分監視体制といいますか、そういうものが必要になってくる。ほっておきますとやはりそういう危険性が強いと思うのでありますが、その辺の見解と、それに対する対策、措置、こういうものが具体的に考えられておるかどうか、この点についてお伺いをいたしたいのであります。
#61
○山下(英)政府委員 私どもは、消費者に対する価格の高騰を防ぐという意味から、この法律が決して悪い影響を与えないようにやっていきたい、こう思っております。
 それでは、この法律自体でどこまでいま御指摘のようなものが防げるかといいますと、きわめて基礎的な部分だけでございまして、あわせて、この法律が施行されますときには消費者の価格モニター等を従来もやっておりますが動員しまして、いまの御指摘の便乗値上げ、これを防いでいきたいと思います。安全費用として当然コストが上がる部分、これはもちろん容認できますが、それに便乗して値上げをしていくことには行政上万全の措置をあわせてやっていきたい、こう考えております。
#62
○岡田(哲)委員 次に、協会にわたる問題でありますが、やはり相手方は、中小企業の製造業者が先ほど申し上げたように数が多い。こういうふうに相当な数を占めるというふうに考えますと、全国的に考えてみて窓口をどのようにすることが一番よろしいか、こういう立場で考えてみますと、この窓口をできるだけ多くつくることが必要だし、先ほどの話の中にもありました民間機関の十分な活用といいますか、そういうことから考えてみますと、この検査機関をどのように考え、活用していくか、この点についてお伺いをしたいわけであります。具体的にはどのような検査機関に協会としてはその業務の一部を委託することになるのか、またどのような業務がこれらの検査機関に委託されることになるのか、こういう点についてお伺いをいたしたいのであります。
#63
○山下(英)政府委員 おっしゃるとおりに全国広範に及びますので、私どもは検査機関のネットワークについて完全を期していきたい、こう考えておりますが、まず原則的には、そのためにも民間検査機関を活用していく、こういう方針でございます。
 たとえて申し上げますと、現在輸出検査法の指定検査機関として各品種別に三十九機関ございますが、御案内のとおり、この法律の制定時とはたいへん事情が変わってまいりまして、輸出検査の必要量も漸次減ってきているという状態でございますので、それを利用いたしまして、今回の製品安全法の施行に協力してもらおう、その場合には三十九機関、検査所にして四百カ所、四千人の職員の協力を得られると考えております。また、協会そのものは、本店、事務所でございますが、そういった地方の検査機関の協力を得るために、必要であれば地方事務所も設定していきたいと考えております。
#64
○岡田(哲)委員 非常に小さい問題でありますが、その検査の一部を委託した場合の手数料、こういうものは当然協会からそれぞれ委託した場所に落とす、こういうことになるわけでございますか。
#65
○山下(英)政府委員 そのとおりでございます。
#66
○岡田(哲)委員 私は、いまの問題にも触れるのでありますが、やはり中小企業の場合、わざわざ相当な時間をさいて、検査その他がたいへんだろうというふうに考えるのであります。そういう点から見ますと、非常にサービスよく協力を仰ぐという立場から見ますと、当然出張検査といいますか、こちらから出向いていくというようなこともひとつ考えるべきではないか、こんなふうに考えるのでありますが、この点についてお答えをいただきたいのと、それから今度の予算の中におきまして、こういう検査の中に出張だとか、こちらから非常に積極的に中小企業製造業に協力できるというような予算的な裏づけがどのように加味されているか、こういうことをあわせながらお伺いしておきたいと思います。
#67
○山下(英)政府委員 御提案いただきました出張検査は、ぜひ組み込んでいきたいと思います。
 現在、四十八年度政府関係予算としては一千万円の安全基準調査委託費のほか、立ち入り検査、試買検査等の政府関係費用を入れておりますとともに、今回協会ができましたときは、協会は当然委託時に検査料のお支払い、かつ、必要な場合には、中小企業に出張していって検定をするという費用も組み込んでもらいたいと思っております。
#68
○岡田(哲)委員 ぜひ、いま申し上げたような点お考えをいただいて、十分な措置がされることを望んでおきたいと思います。
 それから次は、協会が安全性を認定した製品の欠陥で万一事故が生じた場合、当然この保険制度でやるわけでありますが、被害者の救済をはかることはもちろんでありますが、事故を起こした製品の製造業者が、先ほどの質問にもありましたように、当然、製造業者、原因者負担という、PPPの原則で貫かれていくというふうに思います。これは先ほどの御答弁を聞いておりまして、そう思いますが、そういうような立場に立って判断いたしますと、また一つの心配が出てくるわけであります。それは保険でいける、あくまで企業者が保険にたよれる、こういうことになってまいりますと、まあ保険でやってもらえるからいいや、こういうような気持ちになるおそれがあって、安全に対する努力が怠りがちになってくるのではないか、そういう方向に向かっていくのではないか、こういうふうに思うのでありますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
#69
○山下(英)政府委員 事故が起きました場合に、保険金で支払って責任が済むという種類のものではないと存じます。その点は御指摘のとおりでございまして、法律のたてまえ上は、とりあえずの見舞金は協会から出しますが、その後の損害賠償あるいはもしそこに刑事訴訟法上の問題があれば、それは従来の刑法、民法にまかしてございまして、それによって製造業者は当然責任を追及されるわけでございます。
 私どもの判断では、大小を問わず、事故を起こした製造業者は当然社会的責任を負うと同時に、それにあわせた被害を受けるわけでございまして、行政上必要とあらば公表の措置もあわせて行なっていきたいと思いますし、また、その欠陥の態様によっては、この法律に基づいて回収命令を出すつもりでございます。回収命令を出された場合を考えますと、その業者が製造、販売に受ける被害というものは一方ならないものがあると思います。したがいまして、保険金を取って被害者に払えばそれで済むというような問題ではないと思います。
#70
○岡田(哲)委員 それから、この保険については、製造業者は加入することは義務づけられていない。当然保険のたてまえからいって、強制加入といいますか、そういうことはできないものだと思うのであります。
 そこで問題は、当然、業者の自己判断、自発的にこれは加盟することが自分の得になるのだ、こういうことでなければならぬと思うのでありますが、義務づけられていない以上入らない人もある。それについて、当然監督指導をしていく立場として、今後どういうような見通しのもとに、どのような方向でこれがいくものか、お考えになられている気持ちを実は聞いておきたいと思うわけであります。
#71
○山下(英)政府委員 私どもとしては、行政指導でできるだけ付保するように指導してまいりたいと思います。そういった指導がしやすい環境がこの法律によって当然できてくる、こう私どもは期待しております。
#72
○岡田(哲)委員 時間もだいぶ過ぎてきましたので、大体締めくくりの方向でいきたいと思いますが、本法は、一応消費者を大切にする、保護を十分にするという立場に立っておるというふうに思います。四十七年十二月十二日の産業構造審議会の消費経済部会の答申を見ましても、本法のような消費者保護法の内容を消費者に周知徹底する、それでなければどんなりっぱな法律をつくっても、その価値を発揮することができない、こういうふうに答申の中にも書かれているわけであります。これの精神から見まして、りっぱな法律をつくって自画自賛をしておるだけでは、しょせん絵にかいたもちということになるわけであります。
 そういうことでありまして、また一方予算のほうを見ますと、こういうものについてはPRといいますか、中小企業に相当理解、納得させるという手段、方法を講じなければならないと実は思っておるわけであります。政府は、あらゆる手段を通じてやるとおそらく言われるだろうと思うのでありますが、私の聞いておる限りでは、通産省というところは非常にPRがへただ。どうも中小企業というのはなかなかむずかしい相手だと思うのでありますが、そういう人たちに十分理解、納得できるPRの方法というものがとられる必要が実はあると思うのでありますが、その決意と具体的な方法、こういう点についてお伺いをいたしておきたい。
#73
○中曽根国務大臣 この制度を有効に生かしていくためには、一面において、消費者の皆さま方に周知徹底して御協力をいただくということが大事であると同時に、また一面においては、メーカーのほうについても示達して周知徹底させるということが必要であります。
 そこで、消費者等につきましては、消費者団体とかあるいはマスコミ媒体を通ずるとか、あるいは都道府県と連絡をするとか、そういうやり方によりまして周知徹底させるようにいたしたいと思います。やはり欠陥商品というようなものは消費者の発言から発見されるものが非常に多うございますから、そういう意味において、家庭の皆さま方に、こういう制度が生まれ、皆さん方のために存在しているということを知ってもらうことが一番大事なことであると思います。
 それから、いろいろなメーカーその他につきましては、業者団体等を通じまして、商工会議所とか、いろいろそういうものも活用いたしまして協力願うようにいたしたいと思っております。
#74
○岡田(哲)委員 私も、先ほども触れましたように、そういう決意は積極的にとかいうことで非常によくわかるのでありますが、この予算を見ますと、一から八までのそういうPR的な予算が全然組まれていないわけであります。私は、最近のPR的なものから見ますと、いながらにして飛び込んでくる、非常に進んできている現状の中で考えてみますと、相当な費用というものをかけないと、いま大臣が言われたようなことができないのではないか。だから先ほど言いましたように、幾らりっぱなことを言っても実効があがらない、通産省は宣伝がへただ、こういうふうに言われるゆえんだと思うのでございます。ですから、今後権威を高めるために、こういうような予算で実際これが十分いま大臣の言われたようなことにいくのかどうか、私はよく聞いておきたいのであります。
#75
○山下(英)政府委員 御指摘のとおりに、お手元にございます予算書では五首三十一万二千円しか普及指導が組んでございません。これは従来の説明会、それからリーフレット、パンフレットその他、役人の常識的な範囲で精一ぱい組んだつもりでございましたが、いま先生の御指摘をいただきますと、さらにテレビ、ラジオあるいは全国の公共団体、学校等、広範にやってしかるべきだという御意見かと存じますし、私どものふなれな点と自省いたします。予算上、来年度にまたどれだけ確保できるか別でございますが、全力を尽くして普及指導には努力したいと存じます。
#76
○岡田(哲)委員 それでもまだ心配なんであります。その普及指導といっても、本年度こういうことで、はたしてそういうような費用が出てくるのか、そこら辺が心配なんであります。ですから、もしできないとすれば、これはやはり絵にかいたもちということになるわけでありますから、その措置を講ずることが必要だ、こういう立場で実はおるものですから、その辺のことをお伺いしておきたいと思います。
#77
○中曽根国務大臣 その予算のほかに、協会のほうで多少のお金も予算としてとってございます。それから、やはり一番効果があるのはテレビだろうと思うのです。テレビにつきましては、こういう公共性のある消費者保護の機関でございますから、NHK等にも御協力を願おうと思っております。NHKもああいう公共性のある機関でございますから、よく頼めば一緒にやってくれるだろうと思います。
#78
○岡田(哲)委員 これで終わりますが、十分いままで申し上げた点について措置、御配慮等をしていただくことを申し添えて、質問を終わります。
#79
○浦野委員長 次回は、明四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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