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1972/04/04 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第14号
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1972/04/04 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第14号

#1
第071回国会 商工委員会 第14号
昭和四十八年四月四日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 浦野 幸男君
  理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君
   理事 田中 六助君 理事 羽田野忠文君
   理事 山田 久就君 理事 板川 正吾君
   理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    稲村 利幸君
      内田 常雄君    小川 平二君
      越智 伊平君    木部 佳昭君
      小山 省二君    近藤 鉄雄君
      塩崎  潤君    島村 一郎君
      田中 榮一君    岡田 哲児君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      上坂  昇君    佐野  進君
      渡辺 三郎君    野間 友一君
      松尾 信人君    宮田 早苗君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       塩川正十郎君
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        通商産業省企業
        局次長     橋本 利一君
 委員外の出席者
        経済企画庁長官
        官房参事官   熨斗 隆文君
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 三浦 大助君
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 小島 康平君
        農林省食品流通
        局消費経済課長 堤  恒雄君
        農林省食品流通
        局食品油脂課長 籾山 重廣君
        通商産業省企業
        局消費経済課長 村岡 茂生君
        通商産業省化学
        工業局化学第二
        課長      小幡 八郎君
        通商産業省公益
        事業局技術長  和田 文夫君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 消費生活用製品安全法案(内閣提出第六八号)
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、消費生活用製品安全法案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選及び出頭日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#5
○浦野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。
#6
○板川委員 消費生活用製品安全法案について若干質疑をいたしたいと思います。
 まず、本法案と消費者保護基本法との関係について伺いたいと思います。
 消費者保護基本法が四十三年に制定されまして、その七条に「危害の防止」という項目がございます。「国は、国民の消費生活において商品及び役務が国民の生命、身体及び財産に対して及ぼす危害を防止するため、商品及び役務について、必要な危害防止の基準を整備し、その確保を図る等必要な施策を講ずるものとする。」こういう条文がございますが、本法案は、そうした消費者保護基本法を受けて制定されたものであるかどうか、まず伺いたいと思います。
#7
○山下(英)政府委員 そのとおりでございまして、消費者保護基本法は、消費者保護の基本をきめ、かつ個別の法律なり行政措置で実施していくたてまえになっておりますが、そのたてまえに沿いまして今回の法律をつくった次第でございます。
#8
○板川委員 そうしますと、当然のことでありますが、消費者保護基本法第十八条によって、総理府に付属機関として消費者保護会議を設ける、この会議が消費者の保護に関する基本的な施策の企画に関して審議をする、こういう規定となっておりますが、当然この法案は、消費者保護基本法十八条に基づいて、消費者保護会議にかけた上で提出をされたものと思いますが、そうですか。かけられておりますか。
#9
○熨斗説明員 経済企画庁でございますが、家庭用品の安全性確保は、申すまでもなく消費者保護上の重要課題でございまして、従来からいろいろ検討してまいりましたけれども、昨年十月二十四日の第五回消費者保護会議におきまして重点事項として取り上げられたわけでございます。
 そして、その保護会議におきまして、家庭用品等による身体、健康に対する危害を防止するため、家庭用品等に関する構造等の規制基準設定及び検査、監視体制の確立、民間における自主的安全基準作成、安全マーク制度、事故補償制度の導入などを内容とする法律案を次期通常国会に提出するということが決定されたわけでございまして、この法律も、この消費者保護会議の決定に基づいて立案したものでございます。
#10
○板川委員 わかりました。
 それでは法案に入ってみたいと思いますが、本法の目的、第一条ですが、この目的を要約すると、消費者の安全を確保する、万一事故が生じた場合には賠償する、それに必要な措置をとる、こういうふうに、本法の目的を要約すると規定されておると思いますが、そのように解釈してよろしいかどうか。
#11
○山下(英)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#12
○板川委員 この法律案を通読して感じますことは、どうもこの文章の上からですと、本法の本体といいますか、具体的にどういうことをやるのかということが出てこないのです。この本体が明白でないというのは、公法上の義務規定はあるが、私法上の契約関係は規定されてないということであろうと思います。これは立法上のそういう通例であるといわれておるわけですが、本法の組織、運用について、どういうことをどういうふうにやり、どういうものが適用されてどういうことをやるのだということを、ひとつ要約してわかるように説明してみてください。
#13
○山下(英)政府委員 私なりに要約いたしますが、本法は大きくいいまして二つの流れがございます。
 一つは、消費者にその製品を保証し、安全性を確保するために、国みずからが乗り出す体系でございまして、その体系に沿いますと、まず国がみずからやる必要があると思う品物を特定製品として政令で指定をいたします。これは法律通過後の問題でありますが、御討議のために参考に例をあげますと、飲料水用のびんですとか、圧力なべですとか、登山用のザイルですとか、そういうものを指定いたします。それは、それが危険であること、かつ、製造、販売、流通のいろいろな条件から、国がやるべきであると考えた場合に指定いたします。しかも、その安全基準はどうしたらいいかということも国がみずからこれを作成いたしまして、公表いたします。そして、その品物は安全基準に合致し、かつ合致しているということを国がマークをつけますが、そのマークをつけた商品でなければ販売していけないということになりまして、これは生産、販売について強い規制をしてまいるわけでございます。その指定された品物に事故が起きたらどうするか。それは必要とあらば、市場に出回った製品を回収いたしますし、また、被害者には損害賠償措置をしていくということでございまして、これが一つの体系でございます。
 もう一つのほうは、民間が自主的に安全を確保したい、確保せねばならないという努力が年々盛り上がってきておりますが、その努力を結集する意味をもちまして、ここに法律に基づいて製品安全協会というものをつくりまして、その製品安全協会へ加入した民間の関係者に対しては、一つの体系で製品安全を確保しよう。どういうことかといいますと、まずその協会で自主的に安全基準をつくってもらいまして、その基準に合格したものにはマークをつけてよろしい。それから、その協会が、事故が起きましたときに補償の責任も持つ。そして迅速に被害者に補償していこう、こういう立て方でございます。
 その二つが両方入っておりまして、かつ、民間のほうの補償措置には、政府でやります特定製品の検定とか表示あるいは型式の承認という仕事を協会に委任する仕組みにしておりますことと、かつ、その委任された範囲において協会の補償も活用できるという意味で、二つの体系が一部において錯綜しておりまして、先生御指摘のように多少わかりにくい形になっているかと存じます。
#14
○板川委員 どうもこの法律全体が読みづらいというか、読んだだけでは本体が頭の中へ浮かび上がらないという欠陥があるのです。一言に言ってくれといっても、専門家の提案者ですら、一言に言ったことがなかなかわかりにくい説明になっておるわけであります。
 これは、生活用製品に対して国が安全基準を設ける、そして基準に適合しないものは売ってはいけない、適合したものは安全マークをつけて売る、こういうことでひとつ生活用製品の安全を確保しよう、それから製品安全協会というものをつくって、業者が一体となって損保会社と契約をして、そして万一事故があった場合にはそれに対する補償措置をとる、こういうふうに私どもは理解しておるのですが、詳しいことは逐次中へ入って質問したいと思います。
 第一に、この第一条で「一般消費者」、こういっております。一般消費者とは――消費者保護基本法では、御承知のようにただの「消費者」であります。一般消費者とただの消費者と、法概念からいって、どちらがより包括的な規定なのか。要するに、どちらが広くしておる規定なのか。ただの消費者と、この法律でいう一般消費者、家庭用品その他でいう一般消費者、一体どちらがより包括的な概念規定でしょうか。それを承りたいと思います。
#15
○山下(英)政府委員 私どもは、消費者といった場合のほうが広くて、一般消費者といったほうが狭いと解釈しております。
#16
○板川委員 消費者とただいったほうが広くて、一般という字がつくと、ややそれから特定なものの範囲、こういうふうに解釈していいわけですね。――わかりました。
 この法律の名前に「消費生活用製品」といっておりますね。御承知のように、電気用品は電気用製品とはいわない。家庭用品も家庭用製品とはいわない。ここであえて「製品」ということは、特別の区別がありますか。意味がありますか。
#17
○山下(英)政府委員 特に意味はございません。ただ、類似のいろいろなことばを法制的にもいろいろ検討した結果採用したわけでございますが、特別の意味はございません。
#18
○板川委員 そうしますと、「生命又は身体に対する危害の発生」を防止するため――この「生命又は身体に対する危害」というのは、一体直接的な危害なのか、あるいは間接的なものを含むのか。たとえば、用品というと間接的なものまで含むように何かわれわれ感じとられます。製品というと、製品による危害とは何か直接的な危害という感じがしますが、この危害とは間接的な危害も含むものなのか。それとも直接的な危害だけなのか。この点をひとつ解明してください。
#19
○山下(英)政府委員 その事故が起きました製品の主要部品とか直接因果関係のあるものは含むと解釈しております。ただし、たとえばその構成要素であるPCBがどうとか、あるいは化学成分がどうとかいうことになりますと、間接的過ぎて含まないと解釈しております。
#20
○板川委員 間接的なものは含まないですね。――わかりました。
 次に移りますが、第二条で、「「消費生活用製品」とは、主として一般消費者の生活の用に供される製品(別表に掲げるものを除く。)をいう。」、こういう消費生活用製品についての定義がございます。法律というのは、特にこういうものは適用されるぞというときは適用されるものがその法律の定義の中で明確にされるというのが普通なんですが、ここの定義は「別表に掲げるものを除く。」という言い方で、どうもこの消費生活用製品というのが写真でいえばネガを見ているような感じでぴんとこないのです。消費生活用製品とは、具体的に何と何をこの法規制の対象にするか。どういうものか。ひとつそれを明確にしていただきます。
#21
○山下(英)政府委員 日用品あるいは通常われわれ国民が消費生活で使っておる品は全部入るという概念でよろしいかと思います。それが本来でございますが、第二条で特に法律上明記しておきたかったのは、そうではあるけれども、別表に掲げるような一号から八号、さらに政令で指定するけれども、そういうものは、従来の取締法との関係で消費生活用製品であるけれども除く。それで先ほど先生が御指摘になりましたように、それでは「一般消費者の生活の用」という場合に、それがユーザーとか、いわゆる製造販売のためにその製品を利用する人たちが求めた場合はどうかというと、それは入らない。国民が消費生活をする場合・に必要な品物はほとんど入る、こういう定義でございます。
#22
○板川委員 国民が生活する上に必要な製品はすべて入るのだ、ただし、別表によって、船舶安全法の船舶であるとか、食品衛生法による洗浄剤とか、消防法による消防用機械器具等とか、毒物及び劇物取締法による劇物であるとか、道路運送車両法による自動車、高圧ガス取締法による容器、武器等製造法による猟銃等、薬事法による医療器具、こういうものは除かれる。こういうことをいっておるわけですね。別表一から八までの間に、別表で除くといっているのですからね。
 別表の最後の九ですが、どうも九号の解釈がなかなかむずかしい。この九号の解釈を具体的に説明してみてください。この別表で除かれる九号というのは、どういうことでしょうか、わかりやすく説明してください。
#23
○山下(英)政府委員 これは根本の考えは、他の取り締まり体系で規制するものはこの法律の規制と重複することを避けようという趣旨でございますが、一から八までは、従来の実定法ではっきりしておりますので、これを明記したわけでございます。ただ九号は、そのほかに、たとえば昨日も御議論いただきました例を申し上げますと、電波法で電波操作によるおもちゃを規制しておりますが、そのおもちゃの取り締まりをどっちの法律でするか、はっきりと電波法が製品安全規制を明記して、従来ともそれでやっておるという場合は、もとよりそちらにまかせて差しつかえないのですが、現在のところは設置規制を主としておりますので、そういう場合には電波法との関係を十分整理しまして、そして、除く場合には、この九号による政令ではっきりと除外していくというのが一つの例でございまして、時代の推移、新製品の発達等に即して弾力的に調整ができるようにした次第でございます。
#24
○板川委員 そうしますと、この九号による除外するもの、政令でこれを定めると書いてありますが、この法律ができ上がれば、政令も同時に――すでに案としてできておると思うのです。現在、この除外するものは政令で定めるというのは、電波法による電波で操縦するおもちゃ、この程度しか具体的にその政令の骨子としてはありませんか。
#25
○山下(英)政府委員 私どもが現在検討をしていきたいと思っておりますのは、道路運送車両法で自動車等の安全は規制しておりますが、その運送車両の装置の部分、これをどうするか。また、船舶安全法につきましても、同じように、船舶用品の一部で日用品と関係のあるものがございますし、また、先ほど申し上げた電波法のほかに、有線電気通信設備の一部、電話機ですとか、あるいは通信録音機等でございますが、有線電気通信法との調整が要る品物、こういうものを考えております。
#26
○板川委員 九号の解釈がややこしいものですから、どうもはっきりしませんが、いずれにしましても、生活用品はほとんどこの法案の対象になるというふうに考えていいわけですね。――そう解釈いたします。
 次に、この第二条で、特定製品とは、消費生活用製品のうち、特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品で政令で定めるものをいう、こういっておるわけであります。ここで「特に危害を及ぼすおそれが多い」と、「特に」とあえて強調した理由はどういうことでありますか。
#27
○山下(英)政府委員 ここは私どもが公平を期するために特に判断を要した点でございまして、消費者の安全確保のための法律であるとともに、これが一たび特定製品に指定し規制に乗り出した場合には、製造、販売について相当広範な制限をするわけでございますので、製造業者、下請業者等に及ぼす影響はきわめて大きいので、慎重を期さねばならぬという点がございました。種々検討の結果、特に電気用品取締法の例文等を参照いたしまして、特におそれの多いものという表現にしたわけでございます。
#28
○板川委員 こういう解釈でいいのですか。本法は、消費生活用品として包括的に規制の対象になるのだ、だから、その中で特に危害のおそれがあるものを特定製品としてきめるんだ、それはちょうど、電気用品取締法に、電気用品のうちで特に危害があるものを甲種、それ以外のものを乙種とするという区分がございますが、ここで電気用品取締法と対比しますと、いわば甲種がこの特定製品に当たり、乙種が消費生活用製品に当たる、こういうふうに考えていいわけですね。
#29
○山下(英)政府委員 おっしゃるとおりでございます。特に電気用品取締法の甲種、乙種の区別等が参考になった次第でございます。
#30
○板川委員 それでは、特定製品を政令で定める、こういうことになっておりますが、この場合、特定製品とは、この政令の案としてすでに構想があろうと思いますし、予定しておると思いますが、何と何をこの特定製品として政令指定をする予定であるか、伺っておきます。
#31
○山下(英)政府委員 私どもの考えておりますのは、圧力なべ、ふたの安全性、その作動がいいか悪いかで事故を起こしておりますし、これを考えております。また、炭酸飲料のびんでございますが、これが御案内のとおり過去二、三年、非常に事故がふえております。三番目は登山用のザイルでございますが、これはきわめて致命的な被害を及ぼしますので、これも候補に考えております。水中ガン、ザイル、これはやはりレジャーブームに乗りまして広範に普及しつつあり、かつ事故が出ますので、これも考えております。さらにスポーツ用のヘルメットあるいはブレーキの液、こういうものを特定製品として考えておる次第でございます。
#32
○板川委員 いま指定を予定されている特定製品は、過去においてどのような苦情があり、どのような事故があったのか、その例をあげてみてください。
#33
○山下(英)政府委員 圧力なべで申し上げますと、ふたの安全弁の作動が不良のために事故を起こしたケース、それからふたとなべとの嵌合状態が不良のために起こした被害、それから材質からの有害物質の溶出した事例もございます。
 それから、炭酸飲料びんで申し上げますと、びんの傷あるいはひずみ、それがもとで熱衝撃のために爆発した、あるいは軽い物理的衝撃で破裂した、こういう被害でございます。
 登山用ザイルで申し上げますと、登山でスリップしました際に一時的な衝撃に対して強度が足りなかった、そのために先のとがったところが被害を及ぼした。また、先の摩滅のために転落した。こういう報告がなされております。
 次に、水中ガンにつきましては、安全装置が簡単にはずれるために、意に反して発射して傷害事故が起きている。
 スポーツ用ヘルメットにつきましては、強度不足のために、ボール、バットが頭部に当たった際に頭蓋骨骨折による死亡事故まで報告されております。
 ブレーキ液につきましては、沸点が低いために故障を起こしてブレーキがきかなくなる場合がある。また、金属腐食性が高いためにブレーキのきかなくなる例がある。こういう報告を受けております。
#34
○板川委員 そういう事故が過去にどのくらいありましたか。いま事故の種類を言ったんですが、そういう事故が起こって、それがどのようにいわば民事上の解決を得ておりますか。
#35
○山下(英)政府委員 いま申し上げた六つの品物についての苦情件数等はすぐ集計の上御報告いたしますが、その前に民事訴訟その他、その事後の解決の例として農林省から担当の方が来ていらっしゃいますので、飲料水のびんの例を御説明申し上げたいと思います。
#36
○堤説明員 私どものほうで調べましたところによりますと、炭酸飲料の中で非常に破裂事故が多いのはホームサイズというふうなことでございますが、四十六年の一−十二月でコカコーラの関係が三百一件、それからペプシコーラ九件で、合わせて三百十件となっております。それから四十七年には、一−十二月で報告を受けておるところによりますと、それが五十件程度に減っているというふうなことでございます。
 これらの事故の補償と申しますか、そういうことについては、その損害の程度に応じまして、メーカーのほうが保険会社等と契約しておりまして、それぞれ話し合いのもとで補償措置をとっているというふうに聞いております。その個別の内容については、私どもまだ詳しく承知していない、こういうふうな事情にございます。
#37
○板川委員 コカコーラの例で言うと、そういう事故が発生しておって、眼球傷害等の事件もあったが、それは業者が損害保険会社との保険契約をしておって、そういう中で補償措置がとられている、こういうことですか。
#38
○堤説明員 おっしゃるとおりでございます。
#39
○板川委員 通産省に伺いますが、今度の法律で特定製品については、いわば保険が――生産物賠償責任保険というのをかけられる。生活用製品については自主的に申し入れがあれば、それをこの中で保険に包括してかける、こういうことになっておりますが、この法律ができると、いままでこういうコカコーラの事件のように、実際はなかなか消費者に対して正当な賠償というのがなされてないのですね。こういう「不良商品を斬る」とか、消費者連盟等の著書の中にも、被害があってもメーカー側は何とかかんとかいって賠償を値切ろうとする、こういう傾向がありますが、今度この法律によって生産物賠償責任保険というのが正式に特定製品にはとられる、こういうことになりますと、万一そういう事故が起きて身体に障害が生じた場合には、従来よりいわばもっと手厚い解決方法をとられることは当然かと思うのですが、そういうことは保障されますか。
#40
○山下(英)政府委員 それが本法の目的、趣旨の一つでございます。特定製品につきましても、型式承認を受けて製造事業者の登録をされた人は、例外なしに損害賠償保険に入ってもらいますし、個々の製品で検定を受ける方々には、強制はできませんけれども、これまたできるだけ入ってもらうという行政的な勧奨措置によって補っていきたいと存じます。それから、自主的な形でいく方々は、協会に入ると同時に保険に入ったことになります。したがいまして、従来の事後措置に比べると、一定の基準もできてきますし、レベルアップされるものと信じております。
 先ほどの先生の御質問に答えますが、圧力なべにつきましては、十一件の事故及び苦情がございます。それから登山用のザイルにつきましては、新潟県の山、丹沢の例、また小丹沢金毘羅岩で起きました事故の三件の報告がございます。新潟県の場合は、ザイルが切断し転落したため即死をされております。水中ガンにつきまして、現在まで一件の事故報告がございます。東京江東区でございますが、二十八歳の青年が即死をいたしております。それからスポーツ用ヘルメットでございますが、これは東大のアメリカンフットボールで起きた事故、これは後日死亡しておりますし、早稲田の野球の例は、頭蓋骨骨折で後日死亡しております。二件、顕著な事故報告を受けております。
#41
○板川委員 このザイルの事件などは、私はその後裁判になっているんじゃないかと思っていますが、こういう圧力なべの事件、あるいはザイル、水中ガン、スポーツ用ヘルメット、これらの事故は、その後当事者間で、メーカーと被害者の間でどういう解決を見ておりますか。
#42
○山下(英)政府委員 おっしゃるとおりに、メーカーと被害者の間の訴訟になっているものもございますが、全部について報告はございません。原則的にメーカーの賠償責任をどこまで認めさせるかという話し合いが行なわれております。
#43
○板川委員 今度この法律によって生産物賠償保険がかけられた場合に、こういう事件が起きたときにはどういう解決を見ますか。いま、これらがメーカーと被害者の間で個々で争いがある、なかなか解決はしないという形になっておりますが、この消費者保護法である消費生活用製品安全法案が成立を見た場合に、消費者であるこれらの被害者がどういう保護を受けられるか、この法律の恩典を受けるか、従来と変わった保護を受けられるかという点を伺っておきたいと思います。
#44
○山下(英)政府委員 損害賠償の根本につきましては、この法律によって、民事、刑事ともに例外なり改正をするわけでございませんので、従来どおり、民事訴訟あるいは刑法の適用がどうなるか、そういう変わりのない方式で根本はきめられるわけでございますけれども、先ほど御指摘のように、損害賠償保険がほぼ普及する、全面的にかかっておるから、そうしてそれは一千万円までは損害賠償するというたてまえでございますから、保険が非常に取りやすくなる、これが一つでございます。
 それから、私どもは、この協会をつくりましたあとは、協会が何かとこの損害賠償について実際上消費者に役に立つように運営をしていくべきであり、そうなると思っております。特に諸外国と日本との保険制度の差等で、保険事故が起きましたときの査定とか審査とかというものについて、被害人当事者が加害者と直接やるということは非常に困難な場合がございます。本来、保険会社同士でやってくれれば簡単なんですけれども、困難であり、被害者にどうしても不利になることが多いと思います。そういう面につきましても、協会が消費者の立場に立って公平な助言をしていける立場にあると思います。
#45
○板川委員 安全協会の活動にまつほかないと思います。
 時間の関係で先へ進みますが、この第三条で、最後の部分ですが、「当該規格又は基準に相当する部分以外の部分について品質の基準を定める」、こう言っております。なかなかむずかしい定め方だろうと思いますが、具体的にどういうふうな定め方をいたしますか。
#46
○山下(英)政府委員 たとえば食品衛生法の器具、容器包装、おもちゃ、あるいは毒物及び劇物取締法の特定家庭用品等がございますが、これらの製品におきましては、二つ以上の観念からその安全性が問題になっている場合が多いわけでありまして、従来の既存取締法でその一部の安全性が規制されておりますが、この法律が目的としております安全性は、この法律によって基準を定めていこうというのが、第三条後段の趣旨でございます。
 それで、圧力なべに関しまして申し上げますと、その材質の中から溶け出てきた有害物質が食物に混入して人体に害を及ぼす、これは食品衛生法の領域でございますけれども、圧力なべの特に物理的な装置の不完全から爆発で事故を起こすというような場合には、本法によって基準を作成し規制をしていきたいと思っております。
#47
○板川委員 わかりました。
 次に移りますが、この安全を表示をする場合に二つありますね。登録業者が型式承認を受けて安全マークを表示する、検定を受けて安全マークを表示する。この場合に、検定を受けた者には表示義務があるが、型式承認を受けたほうには必ずしも表示することを強制してない。「附することができる。」こうありますが、その理由はどういうことですか。
#48
○山下(英)政府委員 型式承認で登録された人もやはり表示をしてもらわないと困るたてまえでございます。御案内のように、これは特に零細企業等のことも考慮いたしまして、個々の製品による検定という制度を設けてあるわけでございますが、政府側が一品一品検定をして合格したものはもちろん表示を張ります。と同時に、責任を持てる大きな製造業者の場合には事前に製造施設等を認定いたしますが、その場合はその認定はむしろきびしく、そこでもって認定しました以上は、その業者は保険にも入って損害賠償責任も一定の基準でとってもらうし、表示もしてもらうし、自分の責任でこの法律の体系の中にあるいろいろな条件は全部完備してほしい、こういう趣旨でございます。
#49
○板川委員 私の読み違いでしょうか。第六条では「第三条の規定により定められた基準に適合しているときは検定に合格したものとし、これに主務省令で定める方式による表示を附さなければならない。」こういうふうに表示の義務を課しております。しかし第二十七条では「第二十三条第一項の承認を受けた登録製造事業者は、当該承認に係る型式の特定製品を製造したときは、これに主務省令で定める方式による表示を附することができる。」、こういっております。第六条の表示は「附さなければならない。」二十七条の表示は「附することができる。」とありますが、二十七条は表示をしなければならないという義務を課しておりますか。
#50
○山下(英)政府委員 おっしゃるとおりに、この条文の表現は若干わかりにくくなっておりましてたいへん恐縮でございますが、この表示に関しては第四条が基本でございます。第四条の規定は、登録業者も検定を受ける人もいずれも表示しなければならない、この基本をここで定めまして、そして、もちろん検定の場合は政府が検定して政府が表示しますが、二十七条のほうは、そういう表示義務があるけれども、登録された人はそれが省令の基準に合えば自分で張ってもよろしいということで、二十七条のほうがむしろ付随条項でございます。
#51
○板川委員 四条には、そうしなければ販売してはならない、こうあるわけですが、二十七条にはそういう一つの緩和された規定があるものですから伺ったのですが、では、型式の承認を受けた登録製造業者も、四条によってすべてこれは表示する、こういうふうに理解していいわけですか。――わかりました。
 次に三十六条で伺いますが、製品安全協会の目的として、終わりの行に「消費生活用製品によって生じた損害のてん補を円滑に実施するための業務を行なうことを目的とする。」こういうふうに規定をされております。これは製品安全協会が中心となって生産物損害保険をかけて、事故が起こった場合にその損害をてん補する、こういうことをうたってあるのだと思うのですが、どうも立法技術上の問題だと思うのですが、そのものずばりを何か書いてない感じがするわけです。この三十六条の安全協会の目的は、ここではそういう損害保険の問題を言っておるわけですか。
#52
○山下(英)政府委員 この協会の仕事は、これまたちょっと複雑といいますか説明を要すると思いますが、関係業者は、協会に入り、一定の金額を納めて、そして事故が起きたときは直ちに被害者に賠償するわけですが、協会は、その集めたお金をもとにして保険会社と保険契約を結ぶ。したがって、事故が起きたときの賠償責任というものは、もとより加害者である製造業者及び直接関係した業者でございますが、その損害賠償に対して、この三十六条にございますように、協会は「生じた損害のてん補を円滑に実施するための業務を行なう」、言ってみれば、それを側面から助成、補助して促進していく、これが協会の趣旨かと思います。そして六十三条の三号が、さらに詳しくその業務内容を述べておる次第でございます。
#53
○板川委員 この六十三条の三号の説明をしてみてくれませんか。
#54
○山下(英)政府委員 ある製品におきまして、その製品を製造、輸入、販売する事業を行なう事業者が「一般消費者の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれがないと認められるものについて、その欠陥により一般消費者の生命又は身体について損害が生じた場合にその被害者又はその遺族が一定の金額の範囲内でその損害の賠償を確実に受けることができるようにするための措置をとること。」確かにわかりにくいあれでございますが、関係業者が自主的に協会に入り、政府の特定製品ではないけれども、自主的に安全性を確保したいとして安全基準を設け、表示してきたものが、欠陥があって事故が起きた。その事故によって損害が生じた場合に、その被害者または遺族が賠償金を確実に受け取れるようにしょう、これが三号の趣旨でございます。したがいまして、協会は通常の損害賠償交渉を消費者の側に立って助成、手助けをするという業務かと思います。
#55
○板川委員 ここでいう「消費生活用製品」というのは、当然特定製品も含まれていますね。それが一つと、「賠償を確実に受けることができるようにするための措置」というのは、具体的にどういう措置を安全協会はとられるのですか。書いてあることを読むのじゃ、だれだってわかっているのですよ。だから、具体的にこれがどういうことを意味するのか説明してほしい、こういうわけです。
#56
○橋本政府委員 第六十三条第三号の趣旨は、遺族またはその被害者が確実に賠償を受けるというところにポイントがございますので、ここで予定しております措置は、生産物賠償責任保険を協会が保険会社との間に締結するということを意図しております。
#57
○板川委員 そうしますと、契約は安全協会と民間の損保会社がやるでしょう。ですから、事故があった場合には、被害者になりかわって安全協会が損保会社と交渉するのですか。
#58
○橋本政府委員 御指摘のとおりでございまして、ここで申し上げる確実ということは、そういった措置が講じられておるということと、その措置に即しまして協会が表面に立ちまして保険会社とも交渉する、こういう意味でございます。
#59
○板川委員 ここに「事業を行なう者の申出を受け一般消費者の生命又は身体に対して」とありますが、「事業を行なう者の申出を受け」ということは、どういう業者が申し出を行なうのか、それを予定しているのか、どういう範囲を予定しているのか、伺っておきたいと思います。
#60
○橋本政府委員 先ほども先生御指摘ございましたように、消費生活用製品には特定製品と自主製・品を含んでおるわけでございまして、それぞれの製品を製造する人、販売する人、あるいは輸入する人が、協会に対して申し出る任意ベースの方式で考えております。
#61
○板川委員 どういう事業を行なう者が申し出るだろうと予定しておりますか。私が言いたいのは、よく通産省で、法律はせっかくつくったけれども、その適用を受けるのが三年たっても一つか二つだというような例があるから、申し出を受けてこういう措置をとるんだといっているのだから、申し出をどの程度受ける予定をしておるかということなんです。たとえば、電気用品関係の事業者などは、当然自主的に申し出をするんだろうか、こういう意味からも聞いています。
#62
○橋本政府委員 いわゆる特定製品を製造する者の中でも、登録なり型式承認を受ける人につきましては、登録する際の基準といたしまして、さような人たちがみずから保険措置を講じているかどうかということを確認することになっておりますので、こういった人たちは、どちらかといえば協会のほうには参加してこないだろう、最も多いのは民間の自主責任でやっておる、そういった人たちがこの申し出をなす場合が多いかと思います。あるいは法律上、既存取締法との関係で二重規制を排除するために、本法の適用を除外しているものもありますが、この保険措置につきましては、使用上の契約の問題でございますので、そういった人たちからの申し出もあるかと思いますが、数にしてどの程度出てくるかということにつきましては積算根拠はございません。
  〔委員長退席、田中(六)委員長代理着席〕
#63
○板川委員 そうですが、わからないんですね。ここで「一定の金額の範囲」というのは保険金額の上限をいっていると思うのですが、「一定の金額の範囲」というのは先ほど一千万ということを局長ちょっと触れられましたが、一千万という上限を考えられておる基準といいますか、それはどこから出ておりますか。
#64
○橋本政府委員 一千万円につきましては、最近の交通事故の事例あるいは経済の実勢等から判断いたしまして一千万にいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、損害てん補を確実に円滑に行ないたいというところから一定限度をつけておりまして、それをただいま申し上げた一千万円といたしたわけでございます。
#65
○板川委員 伺うところによると、この一千万円の保険金の上限をきめたのは、四日市裁判で死亡者一人に対して千二百五十万が限度であった、弁護士の費用を除くと、一千万円程度であるから上限を一千万円程度に考えた、こういう説明を聞いたわけでありますが、御承知のように水俣病の判決は千八百万、こういうふうになってまいっておって、人命の評価というのが年々歳々高く評価されるようになってきております。ですから、この一千万というのも、将来実情に沿わないという場合には改定する必要があるんじゃないかと思いますが、その点についての説明を伺っておきます。
#66
○橋本政府委員 御指摘のとおりでございまして、将来の経済情勢に即しましてこの一千万円の額を引き上げるにやぶさかではございません。
#67
○板川委員 この賠償を確実に受けることができるような措置として、民間の損保会社との生産物賠償責任保険をかける、こういうわけですが、電気用品などは、電気用品のメーカーが直接生産物賠償責任保険といいますか、これに入っておると思うのですね。そうしますと、電気用品のメーカーなどが本法に乗ってくることは予想されませんか。
#68
○和田説明員 電気用品の場合、御指摘の生産物賠償保険に入っている例は、われわれの調査が不十分なこともありましょうが、まだ少ないようでございます。それで、本法の損害賠償に入るかどうか、入り得るような形になっておりますので、今後必要に応じて検討してまいりたい、そういうふうに考えております。
#69
○板川委員 この法律ができると、安全表示をしたり、あるいはこの保証のマークをつけたり、さらにJISマークあるいは家庭用品品質表示マークと、いろいろこのマークがはんらんをいたしますが、こういう幾つも表示マークが続くというのは、何かこの場合、保証のマークと安全のマークを一緒にできるのは一緒にするんですか。それとも別々に二つ張るんですか。
#70
○山下(英)政府委員 まぎらわしいことを心配いたしまして、別々に二つつけてもらおうと思っております。
#71
○板川委員 時間が少なくなりましたから、手数料について伺いますが、実費を勘案して手数料をきめるといわれております。この手数料はどの程度のことであるのか、それから、この保険料はこの手数料の中に入っておりませんが、これは保険料と手数料、別々に取るんですか。
#72
○山下(英)政府委員 手数料は、国のほうがやります検定料あるいは型式承認の場合の登録料、型式承認料、こういうものを含めまして、私どもの計算では製品価格の〇・五%前後、一%以下に当たる金額に押えられると思います。それから、業者が協会に入る場合、この場合には保険料も含んで協会に納付してもらいます。
#73
○板川委員 これは大臣に伺います。
 この九十三条に、「何人も、消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生を防止するために必要な措置がとられていないため一般消費者の生命又は身体について危害が発生するおそれがあると認めるときは、主務大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。」と規定してあります。何人も大臣に申し出ることができる、この条項は非常に進歩的でいい条項だと思います。公取委員長にこれは読ましてやりたい条文だろうと思うのです。公取では、御承知のように、地婦連が当事者資格がないといって拒否されておるようなことから考えますと、何人も大臣に申し出ることができる、これはけっこうな条文であります。前向きな条文でありますが、ただ、せっかく大臣に苦情が直接できることになっても、本法に言う消費生活用製品安全法の対象となる部分というのは、他のものと非常に入り乱れているんですね。たとえば、コーラにしても中身は食品衛生法だ、爆発するびんは本法の適用を受けるとか、あるいは圧力なべにしましても、ふたのほうはこっちだけれども、あるいは材質は別だというふうにいろいろ入り乱れて、そして他の法律にない残ったところをこの法律で全部やるというものですから、いろいろ競合していますね。だから苦情を申し込んできても、消費者の一般国民はわからないので、農林省のことを通産省に持ってきたり、通産省の分野のことを農林省関係に持ってきたりする。主務大臣ですから、厚生省に持っていったり、通産省に持っていったり、農林省に持っていったりするだろうと思います。これは消費者行政の一元化という点からいいますと、通産省に苦情がきたならば、通産大臣は、農林省のことであったとしても、あるいは厚生省のことであったとしても、それに適当な措置をとってやることが望ましいのではないだろうか、これが国民に対して親切な行政じゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#74
○中曽根国務大臣 お説のとおりであるだろうと思います。農林省扱いのもの、あるいは厚生省扱いのものでありましても、お申し出があればこれを検討いたしまして、その主管庁のほうへこちらのほうからも連絡をとってあげて、そしてそれ相応の行政措置をこちらのほうとしても要望して、消費者本位に官庁間の連絡をとってサービスする、そういうことでやらしたいと思っております。
#75
○板川委員 これは通産省、農林省、厚生省、そういうところがおもだと思いますが、ぜひひとつ話し合って、相互に一元的な運営をしてもらいたい、苦情処理について本法の運用を期待いたします。
 最後ですが、事故があって、消費者が、業者なり販売業者なりに苦情を申し込む。たいていの場合は業者のほうがなるべく責任を回避している。しかし、消費者連盟とか、そういう団体が入ると、メーカーが入ってきて、わりあいに親切な解決になる、こういうように大きいところ、政府なりあるいは消費者連盟というような団体が出ないと、消費者一個ですと、販売業者なりメーカーなりというのは、苦情が出てもなかなか取り上げないきらいが多いですね。
 そこで、この法律はただに一つ欠陥があるのです。それはどういう点かというと、消費者が苦情を申し入れた、あるいは事故があって交渉した、そして業者と消費者との間で話し合いをして示談をしても、それを政府が知らない場合、行政が知らない場合があるということです。本来なら、そういう事件があったら、こういう事件がありました、これはこういう措置をして示談が済みましたということを行政官庁に報告させておかなくちゃならないと思うのですね。先ほど聞いても、農林省の方も、通産省のほうで、事故が起こった、それをどういうように処理したかという、その方法さえわかっていない。自動車の場合には型式承認で許可をして、そして万一故障があり、苦情があったりした場合には、業者から報告をさせております。これは法律的な根拠はないにしても、行政的に報告をさせておりますね。ですから、これも百円やった、二百円で示談が済んだという程度のものは別としまして、ある種の金額以上の事故の賠償あるいは当事者間の示談、そういうものがあったら、メーカーはこれを報告するように義務的な行政指導をされたらいいのじゃないでしょうか。産構審からはそういう点が答申をされておると思うのですが、法律上では除かれていますが、この点は大臣どうお考えですか。
#76
○山下(英)政府委員 大臣の御答弁の前に、いきさつを簡単に報告させていただきますが、事故報告をこの法律で強制づけるかどうかという点もたいへん議論した個所でございますが、何といっても、法定いたしますと、罰則がかかり、非常な強制力を持つものでございますから、今回はこれをやめまして、先生御指摘のとおり、行政指導によって事故報告、情報収集を完備させて、それと兼ね合わせて運用していきたいと思っております。
#77
○板川委員 時間となりましたから、終わります。
#78
○田中(六)委員長代理 神崎敏雄君。
#79
○神崎委員 では、質問をさせていただきますが、大臣が十二時三十分に出られるということを聞きますので、また後半にお越しのときに大臣に対する質問をさせてもらうとして、初めに消費生活用製品安全法案はきわめて重要な法案である点をまず指摘をしておきたい、こう思います。
 それは、この法案の目的、定義をはじめ法案要綱だけを見ましても、一般消費者の生命または身体に対する危害の発生の防止とか、生命または身体に重大な損害を生じた場合とか、こういう文言が、この小冊子の中だけでも十カ所も出てきております。したがって、事は非常に重大性を持つということになります。
 そこでまず第一に、定義の項に、カッコの中で、他法令の規定により安全性が確保されているものを除く、こういうふうにありますが、安全性を確保されているものというのは、現時点ではどのようなものであるかを聞かせていただきたい。これがまず第一です。
#80
○中曽根国務大臣 本法は原則として落ち穂を拾う。特別法によって、電気器具であるとか、そのほか幾つかあげられておりまする対象として規定され、規制されている、そういうものは、それぞれの特別法によってこれを規制いたしますが、それでカバーされない一般的な消費生活用品等について、落ち穂を全面的に拾おうという意図でつくられているものでございます。だから、 エアポケットをできるだけつくらないようにしていきたいという考え方に立って、基準とか、製品とか、そういうものについていろいろ法律的にも苦労しておるわけでございます。特別法による部分については、おのおの特別法によりましてその主務官庁がいままでどおり安全性を規制していく、そういう考え方に立って運用していきたいと思います。
#81
○神崎委員 この除くという中身については、大臣じゃなくて当局の責任のある方にゆっくり聞きますが、もう一点続けて大臣に聞いておきたいのは、「消費生活用製品安全法の必要性」というこの小冊子ですが、これの四ページの一の「従来の製品安全対策」これをひとつ見ていただくと、「政府においては、従来からも電気用品取締法、ガス事業法、食品衛生法等の取締法令あるいは各種の行政措置により製品の安全性確保、向上を図ってきたところであり、また、民間においても製品の安全性確保、向上に対し自主的な努力を払ってきたところである。しかし、遺憾ながら全体として国民が十分満足できる範囲と水準において製品の安全性が確保されているとはいいえない現状である。」こういうふうにいわれているのですが、こういう現状を認められた現段階で、特に最後の「遺憾ながら」以後の文言について、大臣の意見を聞いておきたい。
#82
○中曽根国務大臣 近時消費生活関係の政治を重要視する機運が高まってまいりましたが、通産省といたしましても、私は着任以来無公害社会の建設、それから消費者や社会福祉の重視、そういう行政方針をとってまいりましたが、いままでそれぞれ特別法に基づいて規制もし、あるいは業界もみずから協会をつくったり、検定基準をつくったり、検査システムをつくったりしてやってきておりますけれども、実際の状況を見ると、電気器具につきましても、特別法のいろいろな規制があるにもかかわらず、事故が起きたり故障が起きたり火事が起きたりしているというのもございますし、あるいはそういう網のない場合には、 コカコーラのびんのように、たいへん迷惑をかけたようなケースもございますし、あるいは小説の主題になった「氷壁」のナイロンザイルが切れるか切れないかというような、ああいうような問題も起きてきておるわけです。
 これからますます消費生活は万般の方向に伸びていく可能性もございますから、われわれの知らないいろいろな分野に伸びていきますし、国民の安全度というものにかかってくる分野というものが広がってきておるわけでございます。そういう面から見ても、行政当局として、規制する範囲を機動的に広げるように用意をしておく必要がございます。そういう面を考えまして、本法の制定ということになったわけでございます。
#83
○神崎委員 そこで大臣、この「遺憾ながら」というのは、われわれの常識から理解して、従来やってこられた当局のこういう問題についての行政上の監督といいますか、管理といいますか、そういうものが不十分であった、あるいは不徹底であった、こういうふうなことの認識が前提になって、遺憾ということばをここであらわしておられる、こういうふうに、反省を含めた意味がこの中に含まれておるというふうに理解してよいですか。
#84
○中曽根国務大臣 そういう意味も含まれておると考えます。それと同時に、社会事象一般としてそういう故障や事故が多くなってきているということは、これは国民としても、行政当局としても、まことに残念しごくであって、そういう意味も入っておるわけでございます。
#85
○神崎委員 そういうふうにお認めになった。国民としてもということばは少しぼくはひっかかるのですが、この場合は、国民はそれの影響による被害者の対象でありますが、行政当局が出している文書の中に「遺憾ながら」ということがあるのですから、これは結果として国民が被害の対象になったのであって、あくまでもこれは行政当局の行政措置の不十分さをみずから認めて、そうして遺憾であったというふうなことがむしろ謙虚に表現されたというように私は善意にとっているのですが、それでいいですか。
#86
○中曽根国務大臣 もちろんそういう意味も入っております。
#87
○神崎委員 では、第三に「安全法の必要性」、これについての質問に移っていきますが、この「安全法の必要性」の三ページですが、製品別苦情件数の表が出ています。ここで出ておりますのは、製品別で食器、容器、これは苦情件数が千三百九十六、電気器具が八百五十八、これが二番目に大きいですね。それから衣料品、寝具、これが二百七十七件、ガス及び石油器具が二百三十四件、家具、台所用調度品百七十七件、台所用調理器具が七十二件、その他雑品で六百二十二件、合計三千六百三十六件。これは、この数字的な件数を捕捉されただけなのか、それとも、これに対しての措置をおとりになったのか。もしおとりになっておれば、具体的にこの中身を報告してもらいたいとともに、その他雑品というのが六百二十二件もありますが、この雑品の中身もひとつ詳しく教えていただきたい、これはあとの質問とも関連がございますので。
 それと委員長にお願いしたいのは、大臣またあとでお越しになるので、認めましたので、次官にひとつ来てもらってほしいと思います。
#88
○山下(英)政府委員 ただいま御指摘いただきました年間三千六百三十六件の事故苦情件数の内訳でございますが、この苦情は、通産省と、そこにございますように、各都道府県消費生活センター等で受け付けたものでございまして、中でも通産省が受け付けたものは五百八十七件ございますが、これらのうち、それぞれ事後処理を要するものにつきましては、私どもとしても商品テストをやる、また関係業界に必要な行政指導をする等、事後処理もしてきております。
 一、二例を申し上げますと、ガス瞬間湯わかし器でございますが、これはいまお読みいただきました四番目のガス及び石油器具の一つでございますが、異常燃焼事故が相次いで発生いたしました。工業品検査所で直ちにテストを行ないましたところが、やはり内部構造に問題があるということがわかりましたので、その商品のメーカーと販売店に対して、全品点検をする、そうして異常の発見されたものは無償で修理し、取りかえるようにということを指導した次第でございます。
 また、検査所自身でも試買検査をするために町の中のガス湯わかし器を買い取りまして商品テストをやった次第でございます。
 圧力なべの例を申し上げますと、圧力なべを使用中突然爆発したという苦情が頻発いたしましたので、工業品検査所では直ちに試験を行ないました。苦情の中で消費者側が使用方法に間違いがあったというのも相当に発見されました。しかし、こういった器具でございますから、メーカーに対して、もっと使用者が間違いなく使えるように、その表示それから使用の方法等について完備をするようという指導をいたしました。御承知のように、あそこに二つノブがございますが、火のほうをあとからつけたりしますと、ガスが充満したところに点火して爆発するというようなごく初歩的な使用上のミスもございましたので、そういうものを除くよう徹底した次第でございます。
 その他、樹脂加工製品等についても事後措置をとっております。
 その他雑品六百二十二件の内訳につきましては、現在資料がございませんので、後ほど報告させていただきます。
#89
○神崎委員 まことに不十分な答弁で、一番大きな食器、容器の千三百九十六には触れられないで、また三番目に大きなその他雑品には触れないで、そうしてこの欄からいくとガス及び石油器具二百三十四ですか、これは五番目の数です。この中でただ二つだけ、ガスと圧力なべのことだけ言われた。そうして通産省がその中でも五百八十七件捕捉してある――あとはどうしていたのか。
 そこで、先ほど大臣に聞いたように、反省をしているのか、行政上の指導についてどうか、「遺憾ながら」という文字を使っているのは反省を含んでいるのかと言ったら、それを認めたので、そのことばをこちらも認めたわけですね。
 そこで、具体的にあとに問題が関連があるからというので、先ほどから聞いたのですが、その中でも、無償で取りかえた、あとまた買い取ったという、これはあとで問題になりますが、人体に非常に危険を及ぼすということは、先ほど言ったように、この薄いパンフレットの中に十カ所も出てきておるのですね。生命に危害――われわれの一番大事なのは生命なんだ。それに関連するもので、これだけの件数が出ている。これはもっと具体的に調べたら、おそらくこれの数倍どころか、数十倍の泣き寝入りがあると思うのですが、通産省当局には、よほどの人でないと訴えていかない。その訴えた件数だけでも三千六百三十六もあるわけですね。ところが、二つだけしかおっしゃらない。そして中で買い取ったというのは一体どこが買い取ったのか。それからもう一つはガスの瞬間湯わかし器ですか、無償でもとへ戻させたといえば、それから受けた被害というものが解消するのかどうか。そういうような不十分なことで行政監督官庁として責任を果たしたということになるわけなのですか。そういう答弁で事足れりと思っていらっしゃいますか。
#90
○山下(英)政府委員 ことばを簡略に説明いたしましたので、おわかりにならなかった点があると思いますが、試買検査は、通産省の付属機関であります工業品検査所が、国の予算に基づきまして、そういう制度がございまして、国がみずから市中にある品物をサンプルとして買い取りまして、自分の検査機関で検査する。先ほど申し上げましたように、事故報告のあったものは、その事故器具を検査所に持ってまいりまして検査するが、それ以外にも、町にあるものに危険なものがあるのじゃないかという場合には、予算の許す限りで試買をいたします。試買とは、試みに試験品を買うということでございます。
 それからメーカーが、ただで修理し、欠陥を直す、これはもちろん事故の処理の全体の中のごく一部でございまして、かりに爆発が起きて頭髪に縮れが出た、あるいはやけどが出たというような場合の損害賠償は、従来ともメーカーと被害者との間で行なわれておりますが、今回御討議願っております法律案は、民事訴訟による損害賠償を補強するという意味で法体系をつくっておる次第でございます。
 先ほどこの三千六百三十六件のうちの上のほうの例を省きましたので、追加させていただきますが、たとえば最近流行しておりますホルマリン食器戸だななどについて苦情がございますし、また、魔法びんについて苦情がございます。
 電気器具につきましては、これは従来とも電気用品取締法によって規制がきびしく行なわれておりまして、これの事故の内容及び事後措置は、後ほど公益事業局の和田技術長のほうから御説明を願うつもりでございます。
 以上でございます。
#91
○和田説明員 電気用品の取り締まり、あるいは事故の対処策について報告いたしますが、電気用品の取り締まりの一環といたしまして、従来から電気用品取締法によりまして製造事業所の登録でございますとか、あるいは型式認可あるいは技術基準、これは安全基準でございますが、それを定めまして技術基準の順序義務を課しておりますが、それをチェックする意味で、われわれのほうで工場の立ち入り検査あるいは市販品の試買検査等を従来から実施しております。遺憾ながら技術基準に違反するものも、年によって違いますが約十何%程度ありまして、それについては厳重なる改善命令あるいは回収指示等もいたしております。
 それから事故の状況でございますが、これはいろいろなものがございますが、たとえば数年前に問題がありましたカドニカを利用した充電式かみそりの事故等につきましては、メーカーに回収の指示を指導いたしましてほぼ回収を終わって、新しい、いい製品を交付しておるのが実情でございます。
#92
○神崎委員 最近ホルマリンの食器戸だなが非常に悪いということの苦情がよけい来ておる、それから魔法びんあるいは電気用品は取り締まり規制によってきびしく規制をしている、こういうことですが、きびしく取締法で規制しておるのにかかわらず、こういうように千三百九十六も食器やら容器で出てくる、あるいは電気器具には八百五十八も出てくる、こういうふうになっているのですが、これが取締法できびしく規制した結果なんだとしたら、野放しだったら一体どういうことになるのか。きびしいという中の性格はどの程度のきびしいも一のなのか。それから、いまあげられたかみそりもそうですが、一体これらの製造業者といいますか、きびしく取締法で規制しているのにこういうことを続けていることについては、当局としてはどういうふうにおやりになっておるのか。そしてそれはどのような業者なのか、どのようなメーカーなのか、きびしく取り締まり規制をやっておるのにきびしく受けないのだから、ひとつここで名をあげて発表していただきたい。
#93
○和田説明員 先ほどお答えいたしましたかみそりは、メーカーは三洋電機でございます。
 それから、いろいろな事故あるいはその消費の実態に応じましてわれわれのほうの技術基準と申しますか、さっき申し上げた安全基準でございますが、これも事故の実態あるいは消費の実態に応じて逐次改善をしております。たとえば、トースターでございますとか、電熱器でございますとか、そういうものは、従来スイッチを切るときに器具の中にスイッチがございますが、その器具のスイッチが片方が切れればいいような基準でございましたが、消費者の安全を考えまして、そういうものは電気が通ずる部分が露出する可能性がありますので、そういうものは両切りスイッチを義務づけるとか、そういう技術基準の改正を逐次いたしております。
 それから、われわれの試買検査で、いろいろ試買検査の結果を四十六年度にやりましたのを発表いたしておりますが、その技術基準に違反のあった製造者名等はあとで御報告いたしたいと思います。ただいま手元に的確な資料がございませんので、あとで御報告いたしたいと思います。
#94
○神崎委員 委員長からもひとつ警告を発しておいてほしいのです。いやしくも当局が法律案を議会に上程して、そうして国民の代表が、これが法律になるという過程で国民に安心を与え、そして政府の出した法律を守っていただく、こういうような過程で尋ねたら、資料はあとで報告するとか、いま握っておらないとか、そういうようなことでここに答弁にすわっておられるのは一体どういうことなのか。これ以外のことを聞いていないのだから、自分の出した書類の中にちゃんと数を書いているんだから、数の中身を聞いているのに、その数の中身が資料がないというのは、こんなものは議員は聞くことはないというふうに頭から思っておられるのか。こういうことでは非常に不まじめだと思う。まじめに質疑ができるとは思わないですよ。資料がなかったら資料が出るまで質問をとめなければならぬようなことになる。
 それで、初めに大臣から遺憾の意を表するということは反省を求めた立場かということを私は質問の前提として答弁を受けておるわけなんで、そのこともありますと言うているのだから、こうだから私はだめだと思うのですが、いまの答弁だって結果だけおっしゃっている。私は、結果はこれで知っているんですよ。私の知らないのは一あなたと私との違いは、結果を見たらあなたも私も数もわかっているししているんですが、この過程がわからないのです。当局はこの過程でどのような処置をおとりになったのか。どのような製品なのか。かみそりは三洋電機ということはわかったんですが、いま問題になっているホルマリン食器戸だなは、一体どこの製品で製造者はだれなんだ。あるいは電気製品、魔法びんは一体どこの何であったのか。それを聞いておるのにそれには触れないで、とにかく結果だけ言われて、そうしてあとのことは資料がございませんのでということであれば質問を続けるわけにいかないのだが、一体それで責任とれた立場なのかどうなのか。
#95
○山下(英)政府委員 ただいま和田技術長が答えられましたのは、電気製品取締法の関係でございまして、私のほうからホルマリンの食器だなの御報告を申し上げます。
 この例は、先生がいま御指摘になっております苦情処理の例でございまして、これもその中の一つでございますが、最近合板意匠をした食器だなが非常に流行して、これは御承知のように接着剤を多量に使って合板をつくっておるわけでございますが、その接着剤にユリア樹脂系あるいはメラミン樹脂系等が普通あるわけでございますが、ほうっておきますと、どうしても値段の安いユリア系のものを使われやすい。苦情のおもなものはそのユリア系の接着剤を使った戸だなでありまして、これの場合には接着剤の中からホルムアルデヒドという化学製品が出まして鼻を突く、こういうことでございます。
 この苦情に対しまして通産省はどうしたかといいますと、関係業界に対しまして、日本合板工業組合連合会及び社団法人の全国家具工業連合会に対しまして、今後ユリア樹脂系でなく、他の、たとえば先ほど申し上げましたメラミン系等、他の樹脂による接着剤にかえるようにという指導をいたしました。
 また、今回お願いしてあります法案を出す前でございましたので、そのとき家庭用品品質表示法という法律が別にございますが、その法律による指定品目に食器戸だなをしようかということで手続を考えたわけでございますが、むしろ今回の法案及び別に厚生省がやはり今国会に提出を予定しております法案等でこれらの事態は処理できるものと期待しております。また、従来食器戸だなにはJIS規格の指定がございませんでしたが、この点についても材質、寸法、品質などについてのJIS規格を指定するべく検討をしております。
#96
○神崎委員 どうも答弁と聞いていることとがかみ合わないのですね。そういうことを長々と聞いているんじゃないですよ。最近ホルマリンの食器戸だなが非常に悪いんだというのが苦情としてよく出てきている。魔法びんもそうだ。電気器具もそうだ。それで、それについては該当取締法できびしくやっているんだ、ところがこういうものが出てくるんだ、だから新たにこういう法律をつくるんだということなんでしょう。だからそういうことをやっているのは、きびしく取締法でやっている側が、どれだけきびしい中身を持っているのか、やられる側はきびしくやっているのになぜ聞かぬのか、聞かぬのはどこのメーカーが聞かぬのか、そしてその食器戸だなは一体どこの製品なのか、電気器具はどこのものかということを聞いているんです。
 なぜこんなことを聞くかといえば、あなたもお忙しいでしょうからあまりテレビなどごらんになるひまがないかもわかりませんが、私たちもそうですけれども、たまにテレビを見ておったら、いろんな形のコマーシャルで、もう魔法びんのごときは、十分に一回ぐらいそれを宣伝するでしょう、自分の買ったネットでは。そうすると、これはいいんだなと思って買いますよ。それが、通産省がきびしく監督しなければならぬほどの悪製品である場合には、被害をもろにかぶるのは買った一般消費者ですね。だから、どういう魔法びんが、どういう電気用品が、どういう戸だなが、通産省がきびしくやろうと思っているのに聞かないのかということを言ってくれ。結果は、これもさいぜん言ったように、ほんとうに勇気のある人だけが苦情を言い出して、泣き寝入りしている人がこれの数倍あるいは数十倍あるんだ、それだけでも三千六百三十六あるんだから。だから、こういうことをこういう公の場所ではっきりすれば、当分はそういうようないわゆる粗悪品や危険物は買わないようにするだろうし、それによって国民の命の危険を守ることができるんです。非常に命の危険におかされている者がたくさんあるということを、何べんも言いますが、この薄いパンフレットの中に十カ所も書いて、事はきわめて重要なんだ。ぼくは、この法案は非常に重要だ、われわれの命にかかわる問題なんだから、そういう立場で質問しているんですけれども、どうもその点が答弁として返ってこない。その点どうです。
#97
○山下(英)政府委員 たいへん恐縮でございましたが、少し先生御質問の趣旨がわかってきたように思います。冒頭に、昭和四十六年の苦情処理件数で御質問を受けましたものですから、その表からお答えをしておりましたのですが、むしろ、最近特に、この法案を提出するために、私どもが、危険な製品もしくは欠陥製品で、こういうものを対象にしてこの法律をやる必要があると考えておるというものを御説明したいと思います。
#98
○神崎委員 そんなこと要らぬのです。これだけでいいんです。簡略にしてもらっていいんですが、件数を聞いたらおたくのほうから、こちらの聞いていないホルマリンの戸だなやら電気用品やら魔法びんが答弁として出てきたんですよ。だから私が、それはどこのやつだ、どんなやつだと言ったのに、取り締まりをしておりますと言ったから、取り締まりを聞かぬような製造屋はだれだと、簡単に言ったらそういうことを聞いているのに、またもとへ戻って、あなたは、初め数から聞いたから数を言っておる。だからかみ合わないので、答弁によって聞くところが変わるのがまた一問一答のよさでもあるんでしょう。あなたのほうから、私の聞いていない戸だなが出てきたり、魔法びんが出てきたから、こちらとしては、その戸だなと魔法びんを聞いているんだから、それはどんな戸だなか、どんな魔法びんか、しかも、一生懸命きびしくやっておるのに聞かない業者はどこそこのだれだ、さらにこれをきびしく取り締まって、以後そういうことのないようにいたします、行政指導やら監督を強化しますと言えば、次のところへ行けるのですが、次のところへ行けぬような答弁をされるから、行けぬようになるのです。だから、これだけ聞いている。結果はもう出ておるんでしょう。
#99
○和田説明員 では、先ほど申し上げた四十六年度の電気製品の試買検査の一、二例を申し上げますと、電気温水器で、これは技術基準で安全を非常に考えまして、中に水がない状態で、しかも電気を通じまして――そういう状態は普通考えられないわけでございますが、そういう状態のあとでも、いわゆる電気の絶縁抵抗が〇・一メガオーム以上あることが技術基準できまっておりますが、試買検査した結果、三菱電気の製品と鳥取三洋電気の製品が、それぞれその技術基準に違反して、絶縁抵抗がほとんどゼロ、これは計器の読みの問題もありますが、ゼロになった品物が二つありました。これにつきましては、メーカーに厳重に注意をいたしまして、たとえば三菱電機でありますと、五千七百二十二台現在すでに売った品物がありますが、それをほとんど全部回収を完了いたしております。そういうのが実情でございます。
#100
○神崎委員 あなたが言うた食器戸だなはどうなんです。
#101
○山下(英)政府委員 食器戸だなにつきましては、メーカー名を調べて御報告いたします。現在メーカー名はございません。
 それから、先ほど御指摘の雑品の内訳でございますが、練炭、灯油、パンク修理剤、脱臭剤、合成洗剤、シャンプー、殺虫剤、蚊とり線香、化粧品、文房具、時計バンド、自動車用品、プレハブ住宅用品等が雑品の内訳でございます。
#102
○神崎委員 先ほど明らかにされたのは三洋電機と三菱電機の製品というのが二点出ました。三洋とか三菱といえば、これは日本の大企業、大メーカーですね。こういう大メーカーが人体に危険を及ぼすような製品を販売しておったという事実がここで明確になった。これだけ明らかになっただけでも、今後国民がこういう製品を買うときの相当利益になる、予防処置的なことが明らかになったと思いますよ。そういうふうに具体的に製品の名前を出して明らかにしていくことが、こういう重要法案をつくることであって、ただ法律だけできているが、常にその法律がざる法になったり、実施できなかったりするようなことが起こるのは、先ほどからいままでの質疑の中であらわれたようなことが過去においてあったということである、こう思います。
 では、これで休憩にしてください。午後また続けます。
#103
○田中(六)委員長代理 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時十八分開議
#104
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。神崎敏雄君。
#105
○神崎委員 それでは、午前中に引き続いて質問を続けさせていただきますが、午前中との関連で通産当局が発表された三千六百三十六件のこの苦情件数について、資料ができていないというお話でありましたので、そういますぐ直ちにということをいまここでは申しませんが、だからといって、十日も二十日も待たされるのも困りますけれども、少なくとも二、三日のうちにこの三千六百三十六件の品目名と製作所名、これを含めて資料としていただきたいと思うのですが、いただけますか。
#106
○山下(英)政府委員 できるだけ整備したものを提出いたしたいと思います。
#107
○神崎委員 それでは次に進みます。
 第四番目に聞きたいのは、これも「安全性」のパンフの九ページの「国による安全規制」の項の中で、「消費生活用製品のうち消費者の生命又は身体に対し危害を与えるおそれの大きい特定の製品」、それからカッコして、「(食品等他の取締法令により、安全性に関する規制がなされているものを除く。)」とありますが、問題はこのカッコ内ですが、この法案と関連してお尋ねいたします。
 現在、一般食品等について、私たちの生命または身体に重大な危害や損害を生じたりするような食品はないのかあるのか。あるとすれば、その品目及び製造業者名と、これらに対していわゆる当該取締法令に基づいてどのような処置をおとりになっておるか、これを具体的に聞かしていただきたいと思います。
#108
○三浦説明員 食品につきまして、ただいまの御質問の中で、危害を与え、または人の健康に害を及ぼすというものは食品衛生法で取り締まっておりますので、この取り締まりの範囲で、私ども、こういうものは出回っていないだろうと思っておりますが、なお全国の監視員にこれらの監視について十分指導を行なっておるわけでございます。
#109
○神崎委員 現在、私たちのまわりの市場で売っている食品は、すべて安全であるということはここではっきりできますか。
#110
○三浦説明員 あぶないものはないと考えますけれども、現に年間一千件程度の食中毒が発生しております。これらに対しても、私どもきびしい措置で臨んでおるわけでございます。
#111
○神崎委員 答弁が非常に抽象的ですが、監視員を派しておる、その監視員は何名ぐらい派して、一人当たり年間どのくらいの件数をその監視員はあげていますか。
#112
○三浦説明員 全国に約五千名の監視員がおるわけでございますが、この監視対象の施設は、全国で約三百万施設ございますが、これらは……(神崎委員「それは種類ですか」と呼ぶ)これは食品の一つ一つの施設、監視対象施設といっておりますが、三百万件あるわけでございますが、監視指導の延べ施設数は、昭和四十六年で三百七十万件ございまして、監視指導の実施率は、大体年間一・二回は監視に回っておる、こういう計算になっておりますが、これは昭和四十六年度の統計でございます。
#113
○神崎委員 四十六年のことを聞いているのではない。現在はないのかということを聞いている。
#114
○三浦説明員 監視員は各県で徐々に増加させておりますので、この監視率は年々増加しておるわけでございます。
#115
○神崎委員 このカッコの中で「(食品等他の取締法令により、安全性に関する規制がなされているものを除く。)」こういうふうにして、食品に対しては安全性に関する規制は除かれておるのです。しかし、われわれは、機械器具からの生命の危険もあるけれども、食品からも生命の危険もあるのです。あなたが言われたように、一千件からの食中毒を出している。だから、添加物その他でわれわれが非常に危険にさらされる場合があって、しばしばそういうことがニュースで流されて知るのですが、常にわれわれは事後において知るのです。それを事前に取り締まったり予防措置を施したりするのが当局側の責任だと思う。事後ならしろうとでもわかるんだから。
 だから、そういう形で特に身体に重大な危害や損害を及ぼすものが今日食品その他ではあるのかないのか。それを知りたいから、わざわざ当委員会に厚生省関係の方に来ていただいているわけです。ところが、四十六年の三百七十万件を言われたのですが、四十六年といったらおととしの話でしょう。私たちはきょうからあしたに向かって生きていくんだから、おととしは無事に生きてきたんだから、きょうとあしたに向かってのことが心配だから尋ねているのであって、そこを答えていただきたい。
#116
○三浦説明員 現在、私ども、そういうものはないと考えております。しかし新しい食品が、食品技術が非常に進歩いたしまして次々に出ておりますので、もしそういうことが予想されますと、それらのものに対する毒性試験とか、そういう研究もいろいろ行なっておるわけでございまして、現に食品衛生法の四条で有害なものは取り締まっておりますし、七条で食品の規格、基準等を設けまして、事前の措置も講じておるわけでございます。
#117
○神崎委員 期せずしてあなたのお口から出たんだが、四条では有害なものを取り締まる、その有害なものを聞いておる。現在はそういうものはございませんといって、そして有害なものは四条で取り締まるというんだから、有害の対象があるんでしょう。対象がなかったら、取り締まりの四条は要らぬことになるでしょう。その有害なものはいまあるのかないのか。
#118
○三浦説明員 その有害なものという中には、現在いろいろ話題になっておりますPCB等も含まれておるわけでございますが、ないかと聞かれましても、現にそういう汚染の可能性はあるわけでございます。したがって、こういうものは私ども適時取り締まっていきたいというふうに考えております。ございませんが、そういう可能性はあるということでございます。
#119
○神崎委員 時間ばかりたつので次に進みますが、どうかひとつ委員長のほうで配慮していただきたいのは、問題を進めていきたいのに、何べんも何べんも同じ問題でやりとりしておったら時間ばかりかかるので、できるだけ私を納得させてもらうような答弁をするように努力していただきたい。知らぬものは知らぬと言ってけっこうですから、知らぬのに何か知っているような、かっこうをつけるような答弁をするから、何べんも何べんも同じことを聞かなければならぬことになるので、知らないんだったらあしたから勉強してもらえばけっこうなんですから率直に……。
 これは冒頭にも言ったように、この法案というものが重要な法案だということは、二二、三ページしかないこの小冊子の中に十カ所にわたって生命と身体に重大な危害を及ぼすとか、損害を及ぼすとかいう文字が一ぱい書いてあるわけですね。これ数えたら十カ所ある。この法案を早く通したい、あるいはこの法案を早く承認させたいから過大に言われているという側面は、私はないと思うのです。それほど重大なものがいまわれわれのまわりには一ぱいあるのです。それはあとから具体的な事例をあげて立証しますが、現在はないけれども、将来はそういう可能性があるというような姿勢で対処しておったら、いまの政府、厚生省に国民は安心してたよっておれないような事態であるということをここでつけ加えて言っておいて、そして次に進みます。
 そこで次に五番目に伺いたいのは、この法案の定義、第二条の二項の「特定製品」と関連して具体的な問題をいま申しましたように取り上げてお尋ねをいたしますが、その具体的な事例はどういうことかといえば、消費生活用品の中の構造、材質、使用状況、特に問題としてあげたいのは、いま一般家庭で大きな問題になっておるのは中性洗剤、これが入っているのですね。これについて、中性洗剤が関連するいわゆる食器洗い、洗たく用洗剤また住宅用の洗剤、これは非常に使用範囲も広い。中でも中性洗剤には、いわゆるABSというのが混合されている。非常に危険なものであるというように学者では論評されておる。さらに、この有害性については追及しなければならないという学者もたくさんおられる。こういう段階で、中性洗剤等に関連して厚生当局はどの段階までこの問題を追及しておるか、現状を知りたい、こう思います。
#120
○小島説明員 私のところでは、現在食器及び果実、野菜の洗浄用の洗剤を規制しております。これは昨年の八月に、先生も御案内のとおり食品衛生法の改正がございまして、その際に、二十九条の改正によりまして、食器及び果実、野菜用の洗浄剤につきましては、食品衛生法の四条及び七条を準用する。つまり有毒、有害のおそれのある洗剤については販売を禁止できるように、あるいはまた七条によりまして品質の規格及び使用の基準を定めることができるようになったわけでございます。それによりまして私どもは現在作業を進めておりますが、食品衛生法の目的といたしますところは、飲食による危害の防止を目的としておりますので、私どもといたしましては、洗剤を使いますことによりましてそれが食器あるいは飲食物に付着いたしまして、身体に入りました際の安全性という観点から品質規格あるいは使用の基準というものを現在作業中でございまして、できるだけ早く告示に持っていきたいと考えているわけでございますが、先生御指摘のABSの安全性につきましては、実は当時はまだ食品衛生法の中にそういった法的規制の根拠がなかったわけでございますが、その安全性につきましていろいろ問題がありましたために、昭和三十七年に科学技術庁の特別研究調整費によりまして大がかりな試験を行ない、その結果をもとといたしまして、また諸外国の文献等をもとといたしまして、当時食品衛生調査会におきまして検討の結果、通常の使用では安全であるという御答申を得まして、私どもも、その線に従いまして使用方法の適正化ということを指導をしておったわけでございますが、私どもとしては、これは今後は法的な規制にのせましてやってまいりたいというふうに考えております。ただ、この間、私どものほうの大臣も申しましたように、手荒れ等の問題がありますので、そういった面につきましても、使用の適正化等の方法によりまして消費者の被害を防止するという広い観点から考えてまいりたいというふうに存じております。
 それからまた、衣料用の洗剤につきましては、別途家庭用品に関する取締法というものにおきまして、こういうものを規制するという考えで厚生省は現在作業をしておる次第でございます。
#121
○神崎委員 法律をつくる、これは社会秩序を維持するために法律をつくるのですが、問題は法律をつくってこれをつくりっぱなしにしておく。言うならば、当局側はつくって事足れり、守る人もあるし守らない人もある。ここに二とおりできますけれども、より問題なのは、当局はそれを厳格に守るように、また守らすように指導する。ここでいうならば行政指導でしょう。それが法律を生かすか殺すかであって、何か事が起こった事後に新しく法律をつくる。いかに法治国といえども、法律ばかりどんどんつくっておって、現実はその逆をいっておるというのが今日の状態なんです。いまあげた洗剤の問題にいたしましても、大臣も言われたように、単に手が荒れるというようなものではなく、手にぶつぶつができたり、かゆみができたり、いまこの被害について非常に問題になって、しばしば週刊誌だとか、あるいは一般紙に報道され、そういう批判がたくさん出ていますね。その段階でもなお、これが有害であるかないかということについて明確な答弁ができないで、研究中だとか検討中だとか言っておって、そうして一方では、テレビ、ラジオでは、どんどんとこれでものを洗ったら非常にきれいに落ちるとかなんだとかいう形で宣伝をされて、そして知らない人はそれを買って使う。そうすると手が荒れたりぶつぶつができる、こういうようなものですね。こういうことは、皆さんも私たちも同じ時代の同じ時点に生活をしているのですが、全然そういうことは皆さんのまわりには起こっておらないのですか。御存じないのですか。いまお答えになった方、どうですか。
#122
○小島説明員 先生の御指摘のような手の荒れの問題につきましては、私どもといたしましては、いろいろな苦情等の資料も入手いたしております。私どもとしては、洗剤につきましては、油よごれを落とす力が非常に強いものでございますから、非常に洗浄力の強いものの場合には、これを長時間いろいろ作業いたします方の場合にはどうしても手の荒れが起きるというような問題点がございますので、そういった場合には手袋をお使いいただくとか、あるいはあとでクリームをお使いいただくとか、そういった面の御配慮をお願いしたいということで、洗剤に対する表示等によりまして、消費者の御配慮をいただいた使用を願いたいということでやっておるわけでございます。
 それからまた、先生のおっしゃられるように、いま学者の方々の中で、ABS洗剤につきましては、あるいはまたほかの洗剤についてもございますが、種々の研究報告があるわけでございますが、これらにつきましては、最近も、実は先生御案内のとおり、三重大学の三上教授の御研究があったわけでございます。
 私どもとしては、直ちに私どもの担当官並びに国立衛生試験所の専門家を派遣いたしまして、先生の御研究につきましていろいろ御教授をいただきまして、これにつきましては先生の御勧告もありまして、それに続く実験を行なうということを先生にもお約束しているような次第でございます。
 私どもとしては、こういった問題について、先生御指摘のように真剣に取り組んでまいりたいと存じますし、また法律つくりっぱなしでで取り締まりをいいかげんにするというようなことではいけない、ぜひ法律に基づいた十分な取り締まりを行なって国民の安全を考えてまいりたい、努力したいというふうに考えておる次第でございます。
#123
○神崎委員 精神的な方向というか、あなたの考え方については積極性があるように聞こえます。しかし事具体的になると、よっぽど積極的な実践をやっていただかなければ、それは精神主義的な結果しか残らない。というのは、先ほどあなたがおっしゃったように、全国に五千名の監視員を派遣している。ところが、施設が三百万ある、四十六年だけでも三百七十万件それの対象があった、こういうふうにおっしゃっているのですね。そして三百万件を五千人で、三百六十五日いろいろなものをつくっているところで、年間一・二日ですか、ぐらいしか接触できないことは、これは実践的にも合理性が薄いということです。だから、そういうことを研究し、よくやっていかなければならぬという気持ちやら考え方については支持しますけれども、具体性については、これは支持できない。実際は残されておる。このことを私はしばしば言います。生命の危険、これはあえてオーバーでないとまで言っているのですね。至るところで生命に危害を及ぼして、これを読んでおっただけでも、生きていけるのかなあというほど、この法案の中に書いてあるのですね。まことに危険きわまりない世の中のようになっているわけですよ。われわれが一番大切にする命がこういうことになっていることを中心に質問しているのですから、そういう観点で答えてほしいと思うのです。
 これに一つ関連をしてさらに続けて申し上げますが、たとえば一九六八年、五年前ですね。北九州で約一万人に及ぶ被害者を出したライスオイル、いわゆるカネミ油症ですね。これで二十人が死んだ。これはあまりにも有名なので皆さん御存じのとおりだ。この犯人がPCBだ。これはカネミ油脂の株式会社から出された米ぬかですね。この米ぬか油が原因であった。
 これはどういうことになったかといえば、人体に皮膚炎症を起こして、そして肝臓に障害を与える。私はほんとうに心の底から怒りを持つのは、この障害にかかった母親から乳を飲んだ赤ちゃんは、あるいはこの母親から生まれてくる赤ちゃんは、皮膚が黒くて、そしてまっ黒な赤ちゃんができるというような悲劇があった。まことに不幸な事件があった。当時これも世に喧伝された事実です。
 そこで、これはこういうことになっているのですね。このカネミ油症事件が発覚する少し前に、一九六八年の二月から三月にかけて、九州、中国、四国地方のブロイラーのひなが、食欲減退を起こして活力が低下し、開口呼吸などの障害が起こって、二百万羽の鶏が発病した、四十万羽から五十万羽が死亡した、こういう事件が起こった。これはその年の六月にすでにカネミ油脂のダーク油が原因であるということがわかった。ところが、カネミ油が危険であるということについては、何ら当局からは警告されてなかった。先ほどから事前にいろいろとマークをつけるという話もありましたけれども、この段階では、そういうことがなかった。
 そして十月の三日に患者自身が保健所に届け出て初めて調査に入った。そうしてカネミ油症患者は、二月から十月までの八カ月、この間も知らないから食べておったわけですね。
 そうすると、先ほど紹介したように六八年の二月にダーク油で鶏が死んだ。この鶏が、全部事前に調べておれば、二百万羽も鶏を発病さすことにならなかったのです。そしてこのPCBというのは、一たん地上にあらわれると非常に分解がしにくい、半永久的になくならないという非常にやっかいな性格を持っている物質です。それがまた一たん体内に入ると排せつもしないで、いわゆる脂肪組織の中に蓄積されていくという物資です。したがって、手足や皮膚を通じて体内にずっと蓄積されていくのですね。このPCBがいま年間世界で約十万トンできている。そのうちアメリカが三万七千トン、日本では一万二千トンが生産されている。こういうふうにいわれているのですが、さらに二、三日前の資料をまたあとで紹介しますが、こういうものがいま横行しているのです。
 通産次官、こういうような現況で、過去の実績と現状をいま私がここで紹介したことについて、そしてそれのいわゆる所管当局といいますか、監督当局として、厚生省を含めて通産省としてもどういうふうにお考えになるか、ひとつ御意見をここで聞きたいと思うのです。
#124
○塩川政府委員 PCBのお尋ねがございましたが、結論を先に申し上げて恐縮ですが、PCBは有毒であり、また人体に非常な危害を与えるということでございましたので、昨年から製造を中止させております。そして先ほど来神崎先生の御質問をずっと承っておりましたら、要するに、いろいろな危険なものがあるのに、これに対してどう対処していくのかという姿勢、これがいままで非常に消極的ではないか、こういうことが終始一貫御質問の中にうかがわれたのであります。
 そこで、私たちも、このように、現在非常な技術革新が行なわれ、経済の成長、それに伴って消費生活も非常に多様化し複雑化してまいりまして、想像もできないようなものが次から次へとつくられてくるようになってまいりました。これらに対して、一つ一つ新しい製品に対しまして安全性を確かめていくという、的確にそういうものをつかんでいって、そしてそれを消費者がお使いになるように指導していくのが理想の形だと思っております。しかし、なかなかそこまではいままで手が行き届かなかったのでございまして、現在通産省も、いままでの産業育成、経済成長中心としての通産行政から、二、三年前から国民のニードを中心とした通産行政に大きく転換しようとしているときでございまして、その国民のニードの中で一番強いのは、やはりそういう製品の安全性とか、あるいは有利性とかいうような、消費者が使う場合のほんとうの安全とか有利というようなものに中心が移ってきておると思うのであります。したがって、今回提出させていただいております製品安全法につきましても、いわばおそきに失したと私は思いますけれども、いままでにやはりこういうことを行政指導の範囲内で処置をやってきたのでありますが、いまや、もうそれを行政指導だけではなくて、こういう土俵をきちっとつくって、その中でしか製造とかなんとかは許しませんよ、こういうきびしい姿勢で臨んでいこうということでございますので、その点もあわせてひとつ御理解賜わりたい、このように思います。
#125
○神崎委員 いま通産次官がおそきに失したと言われて、先ほどの中曽根さんの遺憾ながらというところと同じ立場に立った御答弁であるので、そのことについては、私はそれでよいと思います。
 これまた何べんも断わりながら言いますが、命が大事ですから強調するのですが、次官も御承知だと思うのですが、この法案についていかにわれわれが重要に思うかということについて続けて申しておきたいのは、たとえばPCBというのは、御承知かもしれませんが、大体百年ほど前に発明されたのですね。これが実用化したのは一九三〇年、これはアメリカが最初でございます。
 このPCBは熱や酸、アルカリに強く、また水に溶けにくいので非常に絶縁性に富むのです。そこで、人類の化学工業上の傑作で、技術的には理想に近い物質である、こういう評価がある。したがって、これの用途も非常に広い。たとえば、この法案と関連があるからここへ連れ出してきたのですが、螢光灯、塗料それから冷蔵庫、洗たく機、クーラー、電子レンジ、トランス、印刷用インキ、接着剤、床タイル、トイレットペーパーなどなど、これは数え切れぬほど利用されているのですね。
 そういうような形で利用されているが、しかし一たんこれが自然界へ出ましたならば、先ほどからあげているように非常に悪い影響を及ぼして、人体に及ぼす影響はきわめて大きく危険だ。そこで、この処置について、いま次官がおっしゃるように、この法律でほんとうに完全を期せるかどうかというところまではあとにしますが、そうなまやさしいものではないのだ。そうして現実は、このことは、一方では取り締まりをしようとする側面を持ちながら、さらに一方では野放しになっているという実際問題が非常に多いということです。
 これも続いて御意見を聞く前に紹介しますが、これは単なる一部分ですけれども、たとえば絶縁油の関係では、トランスの絶縁、コンデンサー、ペーパーコンデンサーも一緒ですが、中でも私は一番気にするのは、たくさんありますけれども、時間の関係で一つだけ言いますが、あの新幹線ですね。われわれが乗せてもらっているあの上の屋根にあるパンタグラフ、あそこにPCBの容器がついているんです、絶縁体で。これはある時期に来たら交換しなければならぬ、このことをひとつ覚えておいてほしいと思うのです。
 それからコンデンサーの絶縁体の中には、先ほど言った螢光灯、水銀灯、それから冷暖房装置、洗たく機、ドライヤー、電子レンジ、モーター、直流用・コンデンサー、蓄電用コンデンサー、こういうものに大体百カネクロールから五百カネクロール、ときには千二百五十四という一番最高の数字もあがっておりますが、これがあるということです。
 それからもう一つは、熱媒体、加熱と冷却のほうですが、これは食品工業、それからもちろん化学工業もですが、紙製品、紙製のいわゆるトイレットペーパーも含むのですが、製紙工業、それから薬品工業、プラスチック工業、アスファルト工業、船舶、暖房、パネルヒーター、乾燥機、こういうものはいわゆる熱媒体の中にある。
 それからもう一つは、絶縁用の可塑性のあるものですね。これについては電線やケーブルの被覆、これもそうでしょう。それから絶縁テープ、電気製品用プラスチック成型品、それから難燃剤では、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ゴム。その他では、いわゆる接着剤、化学といし、ニス、ワックス、アスファルト、床タイル。
 それから塗料、印刷のインキでは、いわゆる難燃性の塗料、防水性塩化ゴム塗料、塩化ビニール塗料、ポリウレタン塗料、セルローズ塗料、印刷インキ、ノンカーボン紙――われわれがよく使うカーボン紙もそうです。
 それから潤滑油の中では、高湿用潤滑油、作動油、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤。
 その他、紙や毛織物のコーティング、カラーテレビの部品、農薬のビルルダー、陶器の彩色、それから電子複写紙。
 これはあげれば、これを読んでいたら何ぼでもありますが、これが全部、いま言うPCBによってやられる。だから、一つの進歩の側面もありながら、人体に非常に大きな影響を及ぼす側面もある。
 こういう形から見て、最近このPCBについて通産省が基金二億円でその対策をお立てになって、研究協会を建設省が設置する、こういうことになっておるのですが、大臣も来られたので、ひとつ意見を聞かしてもらいたいのですが、昭和二十九年以来わが国において生産されたPCBは五万七千トン、そのうち輸出入を考慮しましても、わが国において消費されたPCBは五万三千トン、このうち電気機器関係、つまりトランス、コンデンサー等が、いま紹介したように圧倒的に多くて三分の二を使用している。それらに使われているのは大体三万六千トンというように評価しているのですね。
 そこで、この分析に当たった京都の衛生研究所の藤原邦達主幹は、いろいろ言っていますが、これについて、先ほど紹介した新幹線等で使っているあのパンダグラフのものを取りかえる場合でも、大体いま日本でこのPCBの廃棄処理ができるという焼却炉は、鐘化に二基とモンサントに一基あるだけだ。そして、現在年間約六百トンの処理しかできない。しかし、現実には千八百トン処理しなければならない、こういうようになっているわけですね。そうすると、その千八百トンから六百トンを引きますと、千二百トンの処理が、いまどこでされているのか。野ざらしになっておるのかどうか。これは聞くところによると、ものすごいカロリーの高い、熱度の高いもので焼却しないと消えないのですね。そうすると、今度できてくる官民基金二億円でやられるこのPCB対策の研究協会では、こういうことが消化できるのか。こういう形について、まずこの段階で御意見を聞きたいと思うのです。
#126
○塩川政府委員 PCBが百年前に発明されたということをお聞きいたしまして、啓蒙されました。それだけの長い歴史を持っておる化学物質でございますが、これがやはり相当な効果があるといいますか、利用するならば非常に有益に使えるというところに問題があった。けれども、これが有毒であり、またほんとうに人体に危害を及ぼすということになりまして、それで、あわててと申しますか、早急に製造中止をいたしまして、現在は製造を中止いたしておりますが、仰せのように、過去において製造したものが方々に使われております。おっしゃるように、日用品なりあるいは事務用器具あるいはまた一般の原材料としても使われております。
 そこで、このように広範に使われておりますものを極力現在回収をいたしておりますが、この回収が一ぺんにできにくいような状態でございます。それと同時に、一ぺんに回収はできないにいたしましても、これは年次計画を立てて早急に回収するという手段を講じておるのであります。それともう一つ、代替するもの、代替品、これを早急に開発していかなければならぬ。この二つの問題があると思います。けれども、代替よりも、とりあえず回収を先にすべきであるということから、昨年から鋭意これの回収につとめております。
 回収状況等につきましては化学二課長から詳しく答弁させますのでお許しいただきたいと思うのですが、ついては、こういう化学物質が、われわれの日常生活にいろいろなものが入ってまいりますので、今回、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というものを作成いたしまして今国会に提出さしていただいたようなことでございまして、こういう法律等によりまして、製造なり使用、こういうものに対する規制をきつくすると同時に、これが実際に使用される前に十分な事前審議をしていくべきだ、そして国民の生活の安全というものをこういう面からも守っていかなければならぬ、このように思います。
 つきましては、回収状況につきまして化学二課長から答弁させますので、よろしくお願いいたします。
#127
○小幡説明員 PCBを回収いたします場合に、そのPCBの使われている態様というものが幾つかの種類があるわけでございます。たとえば熱媒体に使われているPCBにつきましては、これは液状という形になっておりますが、トランスあるいはコンデンサーに使われているPCBというものは、液状部分もございますけれども、固形の部分に含浸された形になっているものもございます。
 それからまた、感圧紙に使われておりますものは、御承知のとおり紙の中に入り込んでいるというような形になっておるわけでございます。
 それでまず、トランスとかコンデンサーとかいういわゆる閉鎖系に使われておりますPCBは、もちろん御指摘のように量が非常に多いわけでございますけれども、これは使われている限りにおきましては、環境に流出することはない。ただし、これを廃棄します場合に、注意しませんとそれがそのまま環境に流出するということで、廃棄の際には確実な回収をしなければならないということでございます。しかしながら、トランス、コンデンサーは寿命が非常に長い製品でございますので、これは長期にわたりまして、廃棄の際に確実に回収するという手段を講ずることにしておるわけでございます。
 それから、感圧紙のような開放系のものにつきましては、これはすでに四十六年二月に生産をやめたわけでございますけれども、現在市中に出回っております在庫は、ほぼ五、六千トンというものが最終需要者の手元にある、こう推定されておりまして、これは現在、官公庁等で使用されているものは厳重に保管するようにお願いしておりまして、また一方におきましては、民間で使用するものについては、現在感圧紙メーカーが中心になって回収を行なっておりまして、二月末現在で約千二百トンが回収をされておるわけでございます。
 それから液状PCBにつきましては、これは主として熱媒体に使われているものを現在回収しておるわけでございますけれども、二月末で約三千トンが回収されておるわけでございます。そして御指摘のとおり、このPCBの液状のものにつきましては、現在その焼却炉が鐘淵化学と三菱モンサントの両社にございますけれども、能力が非常に小さいということで、昨年通産省におきまして、特に大きな量を生産していた鐘淵化学に対しまして、年間千八百トンの焼却炉を増設するように指示をいたしました。しかしながら、現在兵庫県のほうにおきましてPCBの焼却を待つようにという指示がございまして、いままでに約百三十トンの焼却をしておりますけれども、そういった指示がございますので、現在は約二千八百六十トンほど保管をしております。そしてその保管状況は、タンクに約二千六百トン、ドラムで約二百七十トン保管しておる状況でございます。
 それから固形の部分に含浸されておりますPCBの処理につきましては、これは液状PCBを焼却するような技術がまだ開発されておりませんので、先ほどお話のありました研究会等で現在研究している最中でございます。
#128
○神崎委員 この点についてはわりあいに具体的に焼却をされていると思うのですがね。御承知のように、九千度以上のものでないと焼却できない、焼却炉の少ないことはさておいて、PCBを完全に焼却しようと思えばね。
 一方では、日本列島改造で新幹線九千キロといわれておるように、新幹線をどんどんやっていく。そしてあの新幹線の電車のパンタグラフにはPCBの容器がついていますがね。ところが、あれが走っているうちにそこらへ拡散していくようなものですね。
 もう一つはカラーテレビで、最近は白黒よりもカラーテレビのほうが普及されているような状態ですが、これにもたくさん使われている。先ほどから言っているように、一面は、絶縁体として進歩の側面を持ちながら、人体に影響を及ぼす側面を持ちながら、とにかく使われている、こういうような状態ですね。そしてたとえば松下電器、これは一番代表的だから名前をあげるのですが、あそこらはカラーテレビに使うときにPCBなどをどのような処置をしておるのか、あるいは保管しているのはどのような保管をしているのか。いまお答えになったドラムかんに詰める、私は知っていますよ。だから具体的なことを御存じだなというのはそこなんですが、そのドラムかんに入れて保管していること自体も、非常に回りのものは戦々恐々だ。そんな状態なんです。言うならば、一面放射能みたいな物質的な性格を持っているものだから、そういうようなことについては、監督官庁のほうは、そういう電気会社、カラーテレビ等をつくったり、電車等をつくってPCBを使用するような業者に対しては、保管管理だとか、そういうものについては何か行政指導といいますか、この場合、行政指導というのは当たるか当たらないか知らないが、科学的な指導といったほうが適切かは知りませんが、それはどういうことになっていますか。
#129
○小幡説明員 まず国鉄新幹線用のPCB入りトランスにつきましては、これは現在まで他に代替品がないということで使われておるわけでございます。ただ、国内の製造のほうを昨年やめましたので、PCBの供給源というものはすでになくなっておるわけでございます。そこで国鉄のほうにおきましては、PCBにかわる代替品の研究開発をいま行なっているというように私どもは聞いておるわけでございます。
 それから電気製品等に、特にテレビ等に使われるPCBの問題でございますが、昨年三月、通産省におきまして、家庭電気製品のように回収が非常にむずかしいというものにPCBを使ったトランスをつけないように、つまりそういうトランスにはPCBを使わないようにという行政指導をしておりまして、現在ではもちろんそういう家電製品にPCB入りのトランスをつけられるというようなことはなくなっておるわけでございます。
 それから保管の問題につきましてどのような指導をしたかという御質問でございますが、確かにドラムに詰めて大量にこれを積んでおくということは、万一の危険ということも想定されますので、できるだけタンクに入れるようにという指導をいたしました。ただ、昨年タンクが十分でなかったために、通産省のほうにおきましてタンクを増設するように行政指導をいたしまして、一時は数千本のドラムが積まれていたわけでありますが、現在では、先ほどお答えいたしましたように大部分がタンクに入れられて、約一割程度がドラムの状況で保管されているということでございます。
#130
○神崎委員 これは四月三日の朝日新聞ですが、「滋賀・草津工場近く」「池では一万六千PPM」「PCB汚染田に鉛」というような題なんですが、わが国で一番初めにこういうことが問題になったのもやはり草津のコンデンサ工業ですが、私の住んでおります大阪周辺では、高槻に松下電器、ここでもいわゆる非常に高濃度の汚染問題が起こって、当時問題になりました。
 さらに、昨年の二月二十一日に環境庁が発表されたものには、世界第一の汚染度だということが大きくアピールして、これは静岡県の田方郡というのですか、ここの共和電器という、これは照明器をつくっている電気会社です。この会社が三百十一トンのPCBを使ったら、そこから排出している排水路、その中にPCBのヘドロがたまって、それがなんと八万二千六百PPMになった。これに驚いて手を打った結果が、通産省が近く準備される、こういうような一つの研究協会ですかこれは名前も仮称で書いていますから、ここでは仮称だといって逃げられそうだから言いませんが、じょうずに仮称とカッコづきで書いておりますが、もはやこのPCBに至っては、研究協会とか研究するというような段階ではないのだ。
 そして先ほども紹介したように、母体から出すいわゆる母乳で子供の皮膚が黒くなる、こういう人道上許されないような大問題がちまたに起こっておる。これからぼつぼつそれを研究するというような段階でないわけであります。法律をつくることは一歩前進で、このことについての評価は別といたしまして、さらにこういう現実があるということを一貫して午前中から言っておるわけなんですから、大臣、初めにも言ったように、非常に人体に危害を及ぼしたり生命に影響が大きいというのは、たった二〇ページほどの小冊子の中に十カ所も出てくるほど重大性があるといって評価しているのはここなんですね。したがって、こういう問題は、単なる弱点を追及することを主としたり、あるいは単なる質疑応答というような形式上の問題ではなしに、ほんとうに腹を据えてこの問題に取り組まなければ、ほんとうに国民の命と暮らしというものを安心をさせる――国民の暮らしはそれだけではなしにあらゆる面にたくさんございますけれども、この問題一つ取り上げても、われわれは非常な危険の状態のところにいま立っているという認識のもとに、私は、この官民基金二億円でやられる仮称ですけれども研究協会ですか、こういうようなことではまことに不十分だ、国民の生命を守るには責任が持てない、単なるこういう法律だけでは解決できない、これほど深刻な問題はないというように思うのですが、せっかく大臣、来られているので、この際、私の取り上げている問題について、ひとつ大臣の見解といいますか、この問題について将来に向かっての抱負といいますか、これをひとつ国民の前に安心をするように積極的な御答弁、意見をいただきたいと思います。
#131
○中曽根国務大臣 本法案を作成する考えの動機の一つは、やはりPCB問題がございまして、非常に刺激されてこういう発案の動機にもなってきたところでございます。PCBの問題は、約六万トン近くが生産されて、まだ未回収の分もあり、またこれが処理について、必ずしも大規模に処理する方法は確立されておりません。これらの問題を至急解明して、国民の皆さんに安心を願うということが政治としても非常に大事であると思っております。PCBの問題はPCBの問題として、われわれは国会でもいろいろ御注意をいただきましたから、真剣に処理していきたいと思っております。それとあわせまして、本法案につきましてもいろいろ御示唆を願いまして、いい法案として万全を期して、国民の皆さんにあわせて御理解と御支持を願うようにいたしたいと思っております。
#132
○神崎委員 では、PCBの問題はこの辺でおいて、もう一ぺん法案に戻りますが、これの一五ページの資料三、「昭和四十六年における炭酸性飲料びん破裂事故および被害状況」、これについて、コーラ、これはコカコーラのことだと思うのですが、三百十件、しかも眼球傷害二件、縫合手術四十三件、その他百六十八件、計二百十三件。ビール、これはどこのビールかわかりませんが八十七件、こういうような形で合計二百九十七件、こういう炭酸飲料びんの破裂事故が捕捉された。これは警察庁が調査しているのですが、こういう警察庁の資料だけをここへ転載されたのか、この過程で、関係当局はこの事件について何らかの手をつけられているのか、これをひとつ聞かしていただきたい。ただ単なる警察庁の調査資料をここへ並べられたのか、どういうことなのか。
#133
○村岡説明員 この資料は、私どもこの安全法を立案するにあたりまして、警察庁で調べておりますところによりましてこの表をまとめていただいた、こういう経緯でございます。
#134
○神崎委員 まとめていただいて、ここへひっつけたということで、この過程でどういう処理が行なわれたか、たとえばコカコーラの会社と眼球障害の二名の患者との間にはどのような処置をつけたこと等は御存じないのですか。数だけですか。
#135
○村岡説明員 炭酸飲料びんの破裂につきましては、昭和四十六年の夏ごろから非常にびんの破裂の事故が発生いたしまして、件数も非常に増加してまいったわけでございます。と同時に、負傷者も非常にふえてきたという経緯がございます。
 それに対しまして、私ども通産省といたしましては、四十六年の七月に日本製壜協会に対しまして、びんの強度検査基準、ガラスの破片の飛散防止等について研究をするように御依頼を申し上げました。同年七月には、工業品検査所という検査機関がございますが、そこにおきましてびんの破裂の原因の究明テスト、これは非常にむずかしい試験検査等を行なったわけでございますが、それを実施いたしました。
 その結論といたしましては、びんのそもそもの強度自体には大きな問題はないようでございますが、コカコーラの入ったびんをハンドリングする過程におきまして、いろいろかなり荒い取り扱い、ハンドリングをするというようなことから傷がつくケースが間々あります。その傷が深化いたしまして、温度の変化、内圧の変化等に伴いまして破裂事故を起こしているのではないか。それからもう一つは、びんの肉厚等の問題でございます。デザインがややくびれた形になっておりまして、比較的肩のところで破裂事故が多く起こっているというようなことから、どうもその辺に原因があるようだという究明をいたしました。
 それ以外にも、農林省におきましても、いろいろコカコーラボトラーズのほうに対します指導等をしたわけでございますが、それについては農林省のほうから御説明をするようにいたしたいと思います。
#136
○籾山説明員 お答えいたします。
 四十六年の七月時点におきまして、その以前にかなりのコカコーラその他破びんの事故が発生いたしました関係で、四十六年の七月には、ボトラーズ協会という形の協会ができてございますが、こういった人たちを農林省に招きまして、取り扱い上の注意あるいは製造業者が守るべき事項というようなものにつきまして注意をいたしました。それからさらに、流通過程での取り扱い等につきましても注意事項を周知徹底させるように、また、消費者のほうの扱いにつきましても、その取り扱いについての注意をするような指導をいたしまして、四十七年の一月ごろになりまして新しい方法といたしまして、びんをコーティングいたしましたり、あるいはポリエチレン製のものでキャップをかぶせるというようなことによりまして安全性をはかったものが開発されましたものですから、四十七年の一月からは新しいびんを使うように、特にホームサイズにつきまして指導をいたしました。
 四十七年の六月に入りましてからは、強度をさらに増強いたしました新びんが開発されて、びんの形もいまのお話に出ましたくびれの状態を若干改正いたしましたし、またびんの肉厚もふやし、したがいまして重量もふえ、かつ内圧に対する強度も強いというような新びんが開発されましたものですから、これを新しく使用するように認めてまいっております。
 しかしながら、昨年の八月時点でも、前年に比べまして事故件数ははるかに減少はいたしましたけれども、なお数件の事故が発生しておりますものですから、八月の時点でボトラーズ協会の幹部を農林省に招きまして、ガス入りびんの取り扱いについてさらに注意をするように指導いたしました。
 さらに、八月の後半に至りまして、八月の二十二日と記憶しておるのでございますけれども、コカコーラボトラーズ協会、それからペプシコーラボトラーズ協会あるいは麦酒協会、それから全国清涼飲料工業会というものがございますが、炭酸飲料に対する容器の事故防止についての農林経済局長名の通達をいたしております。
 通達の内容といたしましては、びんの回収から製品に至るまでの製造工程ごとに総点検をして、特に検びん体制の強化をはかるということ、それから第二番目は、人身事故防止の見地からびんのコーティング措置等をできるだけ採用するように検討してもらいたいということ、第三番目には、今度は、製品の運搬あるいはあき容器の回収、そういったようなびんの流通過程におきまして取り扱いの安全対策を特に強化してもらいたい。特にその中では、製品及びあきびんの取り扱いについては従業員及び販売店の教育を強化しなさい。それから入れる箱のほうでございますけれども、運搬容器の改善等についても検討してもらいたい。それからさらに第四番目は、一般消費者に対しましても、容器の取り扱いについて十分啓蒙徹底をはかるようにしてもらいたいという趣旨の通達を発しておる次第でございます。
#137
○神崎委員 いろいろ通達やら手を打っておられるらしいのですが、結局危険であるということは認められたのですね、コーラその他は。
#138
○村岡説明員 これだけの事故が起こっておるわけでございますから、われわれの認識も先生と全く同じでございます。
#139
○神崎委員 いや、危険であるということを認められたんですねと言っている。私の認識と一緒ということはどういうことか。あなたはぼくの認識がわかっているのか。
#140
○村岡説明員 現状のままでは危険であるということでございます。
#141
○神崎委員 そうですね。そうしたら、コーラが一時イタリアを中心にしてヨーロッパでこれによく似た事故が起こって販売禁止にされた、いまでも二、三の国ではコカコーラは売らさないというような国があるというふうに聞いておりますけれども、これは事実か、どうですか。
#142
○籾山説明員 お答えいたします。
 外国での発売禁止の例は、私、現段階で存じ上げておりません次第でございます。
#143
○神崎委員 なぜそれを聞くかといえば、次に、この資料の一〇ページに販売禁止項目というやつがある。この販売禁止項目の中で、「安全基準に合致しない特定の製品の販売等を禁止することとし、万一安全基準に合致しない危険な製品が流通した場合、製造業者等に対して回収を図る等危害を防止するための適切な措置をとる」、中身はこうなんだが、題は「販売禁止等」というのですね。こういうようなことで、いままで言われた中から見て、自今このような事故が起こるようなことがあった場合は、この資料の一〇ページの第三項に書いてある「販売禁止等」というやつを実施されるのかどうか。
 そして、時間もだいぶたっておりますので少しピッチをあげますからかためて答えてほしいのですが、たとえば、これもたくさんありますけれども、少しだけ紹介しますが、石油ストーブ用のタンクのドレン受け容器が破損して家屋が全焼した、北海道。電気髪ごてでやけどをした、静岡。ガスこんろのグリルでやけどをした、愛知。それからアルミやかんが黒変現象を起こした、茨城県。訪問販売で買った消防法違反の家庭用消火器、長野。こうしていろいろたくさんありますけれども、こういう一方では危険なのと、一方では不正品が出ているのです。こういうようなものを、ここに指摘している二百九十七件も同質のものだと思いますが、わざわざここに「販売禁止等」という項目を設けられておるのですから、安全基準に合致しないというような製造業者に対しては回収だけではなしに販売禁止もやるのだということは、法律でうたっておくだけなのか、実施されるのか、これを聞きたいのです。
#144
○山下(英)政府委員 今回の法律が実施されましたときは、炭酸飲料用のびんは特定製品として指定するつもりでございます。そうしますと、政府が直接基準をつくり、基準に合格したものには表示をいたしますが、その表示のない品物は販売することができません。もしも基準に合致してないものが市場に出回っておったというような場合に
 は回収を命令いたします。
 そのほか、いま先生があげられた品物の中で一部、たとえば電気用品取締法の対象で現在も規制されているものもございます。また消火器などは消防法で規制をしてもらうつもりでございます。電子レンジは電気用品取締法のほうでやってもらうつもりでございますが、石油ストーブあるいはアルミのやかん、こういうものは本法の対象として規制してまいります。その場合に、製造業者の自主規制の対象でいくか、あるいは先ほどの炭酸飲料びんのように特定製品として政府みずからが乗り出して規制するかは、その実情に合わして施行を検討していきたいと思っております。
 もしも特定製品に指定しなかった、たとえばアルミやかんは自主製品としてやってもらう、そうすると、法律に基づく協会がこれの基準を自主的につくりまして、そして基準に合格したものについては保証マークを張って販売してもらいます。事故が起きた場合には八十二条によりまして緊急命令を出し、回収をさせます。自主製品の場合には、その協会に入らない人はマークはつけられませんが、販売はできることになります。
#145
○神崎委員 いまの答弁はちょっと変ですね。その協会に入っているものは、危険であっても危険でなくても取り締まりの対象外だから規制のなにから除外されるように聞こえたのですが、そういうことですか。なかんずく私の聞いている重点は、せっかくここに法律ができるので、こちらの規制とかいろいろな注文どおりにやらぬような、危害を及ぼすようなものには、販売を禁止さす等――等というところがみそか知らないが、等がついているのだが、販売禁止をするのか、しないのかというところだけ聞きたいのです。いろいろなことをおっしゃらぬでもいいです。悪いやつは販売禁止さすのだということかどうか。
  〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕
#146
○山下(英)政府委員 二つのタイプを申し上げましたが、民間で自主的にやる部分につきましては、協会に入らない人は製造、販売は自由でございますが、ただし同時に、第八十二条にありますように事故を起こした場合には回収命令を出します。もしその品物が特に危険であってまかしておけないという場合には、先ほどのびんと同じように特定製品として政府がみずから指定をいたします。それで指定したものは販売は禁止でございます。
#147
○神崎委員 やっと販売禁止というところを聞かれたんですが、次に、続いて言いますが、九ページの「安全基準の作成」ですね。この中で、構造、強度、爆発性、可燃性、騒音性、刺激性、これについて基準をきめられているんですが、私の聞きたいのは、最低何を基準にするのか。何が基準なのか。
 それから続いて、検査をするというのは、その検査方法はどんな検査方法をやるのか。たとえば、その検査をする機関とはどういう機関であり、どういう機能を持ち、どういう科学的な裏づけでやられるのか、この二点を答えていただきたい。
#148
○山下(英)政府委員 何がどういう基準かという点を一言で申し上げるのはなかなかむずかしいのですが、大事な点から申しますと、通常の使用という状態においてその製品の安全性が確保されるもの、そういう基準でございます。(神崎委員「通常の状態……」と呼ぶ)はい。ですから、使用側に異常な状態とか誤りがあったところまで基準を高めるわけにいかないということでございます。
 それから次に、多くの商品についてJIS規格がすでにございますが、これは政府がみずからあり得べき規格を技術的に、相当長期間かかりまして、委員会制度で検討の結果、基準を公表してきているわけですが、それとこの法律とは法の目的が少し違うことは違いますが、そのJIS規格のあるものについては、これがたいへんな参考になると思います。
 検査機関でございますが、これは民間の検査機関を活用する方針でございます。というのは、現在すでに四十弱の、各品物別に輸出検査機関がございまして、かつそれが全国的に支所、支部等を持っており、職員がおって、経験があって、しかも輸出のほうの必要が少なくなってきておりますので、この機関を活用する、かつ、政府自身の工業品検査所等の検査を併用していく方針でございます。
#149
○神崎委員 それもなかなか抽象的なんですが、その検査の場合、二通りあると思うのです。いわゆる量目的な検査もあるだろう。二リットル入りに二リットル入っておるかおらないかという検査もあるだろうし、それから、たとえば飲みものでいったら、これを飲んだら有害か無害かということもあるだろうし、相当検査も科学的にあらゆる角度からやらなければならぬと思うのですが、そういう機能がどこで保証され――そういう権限等をこの協会が全部持って、政府は監督的にも行政的にもらち外にしたというならば、責任はその協会のほうに全部ある。あるならあるでよろしいが、それにはいま私があげたような機能全般が保証されているのかどうか。単なる金をやって組織をつくるだけに終わるのかどうかということにもなるから、聞いているんです。
#150
○山下(英)政府委員 第二章の「特定製品」は、国がみずから基準をつくりますから、これはつくるときから国が責任を持ちます。つくる過程では、審議会の意見も聞きますが、先ほど申し上げたような基準でつくってまいります。
 それから、業界のほうが自主的に基準をつくります場合には、協会の各条項が法律に載っておりますが、その条項に基づいて政府は指導監督いたします。
#151
○神崎委員 検査はどうなんですか。
#152
○山下(英)政府委員 検査の基準でございますが、これは製品によって構造的なもの性能的なもの、それぞれ違いますので一がいに申し上げられませんが、検査機関が検査して白黒をつけやすいような基準をまずつくってもらいまして、それでどこででも検査ができるような基準にしたいということでございます。
#153
○神崎委員 聞いている意図と答弁とがかみ合わないからおそくなるのですが、この九ページの最後に「検査方法を定める。」とうたってあるでしょう。「定める」でしょう。これから考えるんじゃないでしょう。もう定まっているのですか 「定める」ですから、これからきめるのですか。そうすると、その検査の方法にも、たとえば液体でいったら、量目の問題がある、あるいは有害無害の問題がある、そういうものを検査する機関は、あるいは機能は、どこでだれが保証して、そしてその中身としての科学性まで完備されているのかどうか。そうでなかったら検査にならぬ。検査とは目で見て、大体マークを張っておったらそれでよろしいという検査なのか、そこまで含めて言いますから、ひとつ簡潔に答えてください。
#154
○村岡説明員 具体的に検査を行ないます機関は三種類ございます。一つは、国みずから行なう場合、つまり国の検査機関。もう一つは安全協会。第三は、安全協会が委託した場合におきます指定検査機関でございます。
 特定製品につきましては、当然のことながら国が本来検査するのが原則でございます。安全協会、その指定検査機関、これを含めて検査をする能力がある、こう判断されます検査機関につきましては、法律の四十七条等によりまして、協会等に受け入れ能力があるかどうか十分審査の上、省令で製品を定めまして、定められた製品については協会及びその指定検査機関において検査ができる、こういう体制になります。したがって、十分検査体制があるかどうかということが一つの判断になります。この受け入れ体制のない場合におきましては、当然国みずから検査を行なう、こういう体制に相なります。
#155
○神崎委員 それと関連して、本法律案のいわゆる関係予算表に入りますが、これは人件費はわずかに二十人分です。それから試買検査は十品目。先ほどから相当時間をいただいていろいろお尋ねをし、お答えもいただいたのですが、これでほんとうに国民を危険製品の危害から守れるのか、いろいろ聞きましたからいろいろな形でお答えもいただいたのですが、こういう体制で、こういう現状で責任を持てますか、国民の期待に対して。
#156
○村岡説明員 四十八年度の予算におきまして、先生御指摘がございましたが、安全基準の策定に関しましては二十品目の予算を計上してございます。たいへん少ないではないかという御指摘だろうと思います。なるべくたくさんの危険な製品を特定製品に指定し、安全基準をつくり検査をしていくということは、当然われわれの責務でございます。ただ、この初年度の予算に関しましては、本法の施行自体が年度末になるという関係もございますので、余裕期間が二、三カ月しかございません。そういう関係から、初年度におきましては二十品目という形で予算を計上させていただいておるわけでございますが一次年度以降、大幅に拡大したいものと考えておる次第でございます。
#157
○神崎委員 先ほどからの数字、三千六百三十六でしたか、これだけの苦情が入ってきているときに、あと何カ月か知らないけれども、たった十品目や二十品目でこんなたいへんな法律をつくって、そして人体を危険から守ってやるのだというようなこととは――先ほど大臣が答えられたような気持ち、PCBに対する考え方についての発言もありましたが、ほんとうにこれで安心していいのかどうか。ただ、三カ月や四カ月だから二十品目しか手が回らぬ、予算が少ないからこれだけしか対象としてはあげられないのだというなら、あとの残された対象物は治外法権になっちゃうのですね。そうしたら、客観的には国民を被害から守れないということを裏づけていることになるのですが、この重要法案がこんな程度でいいのですか。
#158
○村岡説明員 二十品目の予算で十分かという御質問でございますが、私ども決して十分であるとは考えておりません。今後四十九年度における予算その他の動きを通じまして、十二分に国民の期待にこたえるような運用をいたしたいと存じております。
#159
○神崎委員 さいぜんからほんとうにざっくばらんに腹を割った態度で私は質問している。熱意を吐露したつもりなんです。お互いにあげ足とりの質疑応答じゃなしに、国民の命をいろいろな角度から守らなければならないが、この面からも守るという立場で情熱を傾けてやろうじゃないか、そのためには、この法案というものは不十分ながらでも一つの側面的な役割りを果たしている。その位置づけの評価もしているわけですが、しかし、やはりおざなりで、世論がやかましく言ったときだけ対処しているような中身しか具体的には保証されてないですね、機能的にも、それから人員的にも品目的にも。それはよほどの人でなかったら、警察とか役所へ苦情を言ってこないです。積極的な勇敢な人でなかったら、たいがいの人は泣き寝入りです。それでも三千六百三十六あるのですよ。そうしたことを予想するならば、少なくとも五千や六千の対象を考えて、法律の精神を生かすというような姿勢でなかったら、ぼくは何のためにこんな法律をつくるのだと言いたいくらいで、結局は一般的にはお役所仕事で法律をつくっただけじゃないか。悪いことするのはおまえらだ。法律に違反したものだけは引っぱっていく。中小企業は法律も十分に知らないし、機能もあまりわからない。そういうところは法律違反だ、命令違反だというような形でやっていって、そしてコカコーラは世界的にいまどういう傾向になっておるか、私はイタリアの例を出したが、それも御存じない。こういうような段階でやっておるから、こういう数字やこういう裏づけしか出てこないと私は思うのです。さらにこれを将来もっともっと拡充強化していくと言ったら――言わなくても答えるだろうと思うのです。それがいわゆる役人ことば、役所的処理というように一般にいわれ、国民があまり期待を持てない、信頼しない、こういう答えがずっと残ってきている今日の状態なんですよ。せめてこういうふうなものだけはさらに――たとえばそうしたら安全協会というところを取り上げても、国が二億円出して民間から一億円取るのですね。これは三億で安全協会というものをつくるのですよ。この一億円の金を民間から取るのはどこから取るのだ。時間がだいぶたちますので、それも気になりますから総括的に言いますけれども、結局保険会社だとか、金融機関から金を集めるでしょう。この金融機関とか保険会社というものはすべて大きな企業、こういう苦情を持ち込まれるような品物をつくっている企業と癒着しておることは事実なんです。そういうところから金を集めておいて、そうしてそういう機関をつくって、そういう機能が十分発揮できますか。塩川さん、どうですか。やらせますか。
#160
○塩川政府委員 そもそも製品の安全性を確保するということは、産業界みずからが努力してもらわなければならないものでございますが、さりとて現状においては、それを放置するわけにはいかない。そこで強力なる行政の網をかぶせていこう、こういうことでございます。したがって、これは国の責任においてあくまでもやるのでございますが、やはり業界の自主的な努力というものをそこに入れさせ、道を講じていくことが、産業界自体がこういうものに対する大きい関心と注意とを払ってくれる道であると思います。したがって、できるだけ業界の自主的な努力によって安全確保を講じていただきたい。けれども、それでは不十分でございますので、そこで通産省がこれを強力に指導し、監督し、実施していくということになるのでございます。
 そういたしますと、民間でということになりましたら、メーカーとか、あるいはそういうものにつながる人がこの協会に出資をするとかということになりましたら、これは何のためにつくっておるかわかりません。そこで、産業界において比較的といいますか、中立で公正な立場にある人に目途をつけまして参加を呼びかけておるのでございまして、金融機関なりあるいは保険会社といいますものに、ほとんど私どもは出資、出捐金をお願いする予定にいたしておりますが、こういうところは中立性というものを堅持してくれるであろうという期待が一番大きいということでございます。また、いままでの銀行の活動は、産業界につきましてやっておりましたのは、どの業界にも偏重することなくやってきておるように思いますしいたしますので、そういう点につきまして十分なる考慮、注意を払いながら指導していきたいと思っております。
#161
○神崎委員 では最後に、もう一回塩川さんに答えてほしいのですが、次官、銀行の得意というものは、われわれじゃないのですよ。銀行の得意といったら、大きな企業家とか金持ちなんですね。なかんずく企業家ですよ。その銀行から出資さしていると、そのお得意先をいじめるような形になることについては――資本主義の今日の構成では当然そうなるようなことが、許されないけれども、一般常識ですね。そこで、たとえば、家庭用品品質表示審議会の委員名簿あるいは財団法人製品安全センターの役員名簿、名簿はいろいろありますが、大体家庭用品品質表示審議会委員の方々が今度もこの委員会の候補に擬せられ、そういうふうに予定されておるということも伺っておりますけれども、二十二人中十四人が業界代表なんですよ。そうすると、六四%が業界代表、すなわちメーカー品を販売されている方。六四%がこういうメーカーの販売業者の幹部クラスが、店主とか社長というような人が委員に入っておって、そして中立性などというのはおよそ期待するだけ――期待してもよろしいけれども、具体的には期待できない。全く中立公正というのは、そういう産業界だとか、金融界だとか、そういうところから離れた有能な学識経験者、特に公害あるいはこういうような問題に通じて、いろいろな業者との癒着のない、接触のない人で構成されるべきだ。金は政府が出したらいいと思うのです。三億のうち一億円でも業界から金を集めるというようなことを考えていったら、先ほど来一貫して答弁されているある種の積極性、ある種のということばをつけますが、単にある種の積極性だけが反映するのであって、そして事実具体的には国民の命を守ってやるという気持ちはあっても、仏つくって魂入らずで形式的な法律に終わる。せっかくここまでやるのだから、もっと裏づけて、もっと強化して、もっと公害やら有害物から国民の命を守るという姿勢を考えるべきだ。これは国会議員の一人というような立場じゃなしに、ほんとうに人類の一人としてでも、日本の国民の一人としてでも、現状を改善していくという立場に立つ一人としたら、私は積極的に腹を据えてやらなければならぬと思うのですが、最後に一言意見を聞いて終わりたいと思います。
#162
○塩川政府委員 協会を設立いたします趣旨につきましては、先ほど申したようなことでございますが、出捐金を依頼したからといって、それで民間の意思を尊重するというのは、この法人に限りましてはさらさらいたさないように十分にこれを注意いたしまして、いわば政府の直轄機関であるという感覚でもって進めていかなければならぬと思っております。
 それと発起人につきましては、業界の方が実はこれに入っておりませんので、その点は御了解いただきたいと思うのであります。ただ、神崎先生のおっしゃっている、その業界の人が入っておるといいますのは、おそらく審査委員会のことであろうと思うのですが、その審査委員会は、私たち理想的な形と思っておりますのは、学者で、ほんとうに科学的に公平中立な判断をしていただく学者、それからまた、それをつくっております業者の代表、それからそれを消費いたします消費者代表、それからいままで検査の実務についてまいりました人たち、経験者、こういう四者で構成するのが理想的ではないか、このように思っておりまして、一方に偏するようなことのないようにいたしたい。そしてやはり一番意見を尊重しなければならぬのは、そういう学識経験者の意見であろうと思いますので、構成につきましてはそこらに厚い層をもっていきたい、このように思っております。
 最後に、先ほど来いろいろと御指摘ございましたように、現在のわれわれの家庭生活だけじゃなくして、生活一般を取り巻きますところの物資なり機材が非常に複雑になってまいりまして、これはうかうかしておったら、ほんとうにどんなところでどんな危害が出てくるかわからぬというのは、私も先生と同じような感情でございます。でございますので、こういうことの心配のないように、あらゆる努力を傾けてやっていかなければなりません。
 そこで、先ほど予算の問題にも触れておられたのでありますが、とりあえずことしは発足でありまして、年度内におきますところの日数も少のうございまして、それだけに一刻も早くこの法案を通していただきたいという気持ちでわれわれは一ぱいでございます。そして早急に準備をいたしまして、年度内にでき得ればその二十品目を目標にして進めていきたい。これが一応ことしじゅうにレールを引かれましたならば、そのレールに乗りまして来年はもっと積極的に軌道に乗せていきたい。そして再来年には、この協会をつくってほんとうによかったなというような成果が大いにあがるようなことにしていきたい、このように意欲を持って取り組んでおりますので、その点も御了察をお願い申し上げる次第です。
#163
○稻村(左)委員長代理 松尾信人君。
#164
○松尾委員 この消費生活用製品安全法案の質疑を重ねていくわけでありますけれども、最初に、先ほどもお話がありましたが、四十六年における苦情の件数、それから四十六年度における飲料用びんの破裂事故、それからこうむる被害の状況が出ております。このように苦情件数自体も三千六百件をはるかにこえておる。また、びんだけの事故、それらの被害が二百九十七件も警察庁の調査で明らかにされておる。このような事実、これは単に四十六年だけでありませずに、逐年、その前にもあったわけであります。次官から、非常に時期を失した感があるという先ほどのお答えがありまして、いまの気持ちはわかりますけれども、また審議会において一年数カ月、念を入れていろいろ審議をしておる。そういうこともありまして、このように法律の提出がおくれたとも思いますが、やはり事故や苦情の件数なり、この被害の発生状況等からいいますれば、このような安全法というものはすみやかにやるべきだったと私は強く感じます。ですから、そういう面を反省されまして、そして一年以上の念を入れた審議といえば審議でありますけれども、われわれから見れば、通産の諮問、それにこたえての審議会の答申という大きなズレがある。われわれはむしろそのように見るわけです。でありますから、もう一回そのような面の反省と、いまもおっしゃいましたけれども、本法を今後遂行していくための基本的な姿勢というものを次官からはっきり聞いておきたいと思います。
#165
○塩川政府委員 私たちの生活を取り囲みますあらゆる物資、機材、こういうようなものにつきまして、かつては部分的に、たとえば電気機器でございましたら電取法なりあるいは食品につきましては食品衛生法あるいはガス器具というふうなものにつきましてはガス事業法等、そういうふうに非常に危険性のあるもの、あるいはその懸念を持っておるものにつきましては個々に法律がございまして、そこで規制を続けてまいりました。
 しかしながら、最近におきましては非常に複雑なものがいろいろと考案されて、新しいものがどんどん出てくる。そこでこの法案が必要となったのであろうと思います。ところが、先ほど松尾先生のおっしゃるように審議に一年半かかってきたということでございますが、これは結局どのように規制していくのが一番的確であるのか、それから基準をどういうように定めていくのがいいのかというような準備を兼ねての審査、これに手間どったように思うのでございます。したがいまして、この法案が今日こうして上程される段階におきましては、そういう基礎となります問題はあらかじめ用意されて、その上で法案が提出されておるものでございまして、よくございますように、一応考え方を法律にして出して、そして法律が成立してから肉づけをしていくということではなくして、そういうあらゆるものが検討されて法律として出してまいったようなことでございます。それだけに時間がかかってしまいまして、これはほんとうに申しわけなかった、このように思いますが、それだけに法案が成立いたしましたら、その時間のおくれを極力取り戻してまいりたい、それだけの下地をして出させていただいた、こういうふうにひとつ御了解していただいて、時間のおくれましたことはごかんべん願いたいと思います。
#166
○松尾委員 非常に苦情件数も逐年多くなっている。それだけ一般消費者というものは実害を受けておるわけですよね。でありますから、いままでも消費者の利益を守るためにいろいろの措置をとってこられたと思うのです。その点で法案はいま提出されてありますけれども、過去何カ年というそのような苦情の件数、また一般消費者の被害を受けている実態、そういうところから消費者の利益というものを確保するためにどのように企業責任を追及してこられたか、どのように企業というものを指導してこられたか、この点はいかがでしょうか。
#167
○山下(英)政府委員 従来から各種の取締法令がございまして、食品衛生法、電気用品取締法等でそれぞれやってまいりましたことは御承知のとおりでございますが、それらからはずれた一般の消費生活用品についてどうしてきたかという点でございますが、これにつきましても、もちろん法律の根拠なく、特別の法律がなくても試買検査も予算をとってやってまいりましたし、また、業界に対して事故のありますたびに行政指導によって事故除去の指導をやってまいりました。
 反面、業界側におきましては、石油燃焼器具等の例にも見られますように、みずから安全確保のために自主的な基準をつくり、それなりのマークを張ってやろうということもやってまいりまして、これに対しては、政府は促進助成をしてまいりました、
 事故が起きましたときに個別の業者、業界にどういう指導をしてきたという詳細は、また御質問があれば御説明いたします。
#168
○松尾委員 事故が発生してから業界を指導する、こういう体制なんですよ。これはある程度一般消費者というものがテストされておるというようなことが言えるわけでありまして、これはたまったものじゃないと思うのです。事故が起こってからやる。ですから、何といってもこの法律の精神というものは未然防止というところに――むずかしい問題ではありますけれども、それだけに真剣に取り組みませんと、国民のほうが被害を受けてからずっとやっていくというようないままでの段階でありますから、これは大いにそこのところを変えていく、未然防止という点についてはどのように考えていらっしゃるか、これを聞きたいと思います。事故の未然防止の問題、いままで事後措置というものが中心であったということです。
#169
○山下(英)政府委員 まことに今回の法律の趣旨そのものが未然防止に重点を置いておりまして、特に危険のおそれがあるものは、政府があらかじめ品目を指定して基準をつくり、表示をして、表示のないもの、つまり基準に合格しないものはもう町に出さないということを主眼といたしております。自主基準による協会の場合も、根本は未然に防ぎたい、ただその協会の場合には、かりに事故が起きた場合にはその補償を迅速にやろう、確実にやろうということが重なっております。
#170
○松尾委員 それは未然防止ということを大いに心がけていく、こういうお答えでありますけれども、しからば特定製品という問題になりますね。これはお話しのとおりに品目は、数はたいしたものじゃない。ですから、結局参考書に載っておる品目、どういうものを特定製品としていくのかという、そういうはっきりとした品目はいかがですか。要するに、数が少ないであろうという私の疑問です。そうしますと、特定製品のほうは検定があり、登録とか、いろいろのことがありますけれども、そうでないものは相当やはり事後処理の形に落ちていくというようなことを心配するわけでありますけれども、その点は大部分のものが特定製品からはずれていくであろう、私はこう見ておるわけですけれども、いかがでしょうか。
#171
○山下(英)政府委員 法律の実施の初年度にあたりまして、私どもが特定製品に指定するべきであると考えているものは、おっしゃるように数はまだ少のうございます。従来の行政資料から特に急いでやるべきものとして六品目ばかりを考えております。そのほかに、私どもの見通しでは、数十品目にのぼるものが自主基準、自主的手段によるものとして協会のほうで追加されると思います。これは、先ほど予算についての御質疑もございましたが、私どもとしては、法施行の初年度の当面の目標でございまして、二年度、三年度と指定品目も追加していく方針でございますし、さらに、たとえ今年度中といいましても、特に危険なものがあれば六品目から上、追加はしていくつもりでございます。
#172
○松尾委員 初年度はわずか六品目ということでありまして、大部分のものは結局この規制対象外の分野に入るわけですよね。ですから、いまおっしゃったとおりに指定をしていこう、うんとふやしていこうということでありますけれども、これはほんとうにその作業をきちっとやりませんと相ならぬ。いまおっしゃったとおりに、もう大部分のものはこれで網をかぶせてしまった。それで、われわれも一般消費者も安心して暮らしていける状態をつくるのだ、このような決意でやりませんと、これは野放しが非常に多い。これはきちっと指摘しておきたいと思います。
 それから、いま質疑がかわされたわけでありますけれども、この法案では「構造、材質、使用状況等からみて一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品」、このようにあるわけですけれども、これについて、たとえばということでいまコーラのびんの話が出ました。結局、これは構造上の欠陥があったのか、材質的に欠陥があったのか、使用状況において欠陥があったのか、このような問題に帰着すると思いますけれども、先ほどのお答えでは、取り扱いのとき傷がついて、何かそれが事故につながったというお答えでありますけれども、これは本法案にいう「構造、材質、使用状況」という点から見ますると、どこに重点があったわけですか。これはまた指定製品になるかとも思うのでありますけれども、そういうことをはっきりしませんと――法律においてこの「構造、材質、使用状況」という大きな三項目によって指定していくわけでありますから、いかがでしょうか。
#173
○村岡説明員 コーラのびんについて、この指定要件の三項目についてお答え申し上げたいと思います。
 まず、危険あるいは欠陥の態様のほうから申し上げてみたいと思います。まず材質でございますが、非常に傷がつきやすいという問題が一つございます。それがもちろん取り扱いの問題ということに帰着するわけでございますが、もう少し材質として傷のつきにくいものがないだろうか、あるいは材質として爆発しても消費者側に危険を及ぼさないような方法はないものかというようなことを検討しておるわけでございます。具体的にはガラスの肉厚の問題であるとか、ガラスにコーティングをするというような問題が材質の問題に帰着するかと思います。
 それから、構造の問題と申しますのは、この場合におきましてはデザイン、中がくびれて肩が破れやすいというようなこともございます。
 それから、使用状況ですが、消費者が使います場合にはいろいろ冷蔵庫に入れたり、日なたへ出したりする。当然温度変化の問題がバックグラウンドにあるのであって、安全基準はそういうことを考えながら作成しなければならないとか、あるいは輸送、ハンドリング等の過程においてむちゃな取り扱いをしないような取り扱いの注意であるとか、あるいはコーラのびんの箱を改善する、あれは御案内のように、箱の背が非常に低うございまして、コーラのびんにそれぞれ荷重をかけていくような形になっておりますが、箱をもっと深いものにして、びんに直接荷重がかからないようにしたらどうか、そういうような点が検討さるべき項目かと存じます。
 なお、法律で「構造、材質、使用状況等」と書いてございますが、最後に「使用状況等」という「等」という字が入っておりまして、ここに書いてあることばはそれぞれ例示でございまして、そのほかにも可燃性の問題であるとか、強度の問題であるとか、いろいろな点について検討を加えられ得ることは当然のことでございます。
#174
○松尾委員 材質の説明がありましたけれども、そうしますと、ガラスびんの容器というようなものは特定製品に包括的になるわけですか。
#175
○村岡説明員 この特定製品の指定につきましては、製品安全及び家庭用品品質表示審議会の議を経て定められることになっております。私どもそこに諮問すべきものという形で検討している段階におきましては、ガラスびん全部というわけではございませんで、炭酸飲料用のびんというようなぐあいに考えて準備を内々勉強しておるような次第でございます。
#176
○松尾委員 それも将来はもう一つ考えを広げて検討すべき問題があるかもしれませんね。ありそうな気がいたします。いま事故が起こったのが炭酸飲料水の容器、ガラスびん、こういうのが事故のもとでありますけれどもね。
 それから新製品の場合でございますけれども、これも協会が検定したりしていくものは、ある程度事前の措置というものができるでありましょう。これが協会と何ら契約を結んでいないという特定商品以外のものにつきましては、なかなかそれをあらかじめ「検定等」ということが行なわれませんね。そうしますと、新製品につきまして事故が発生する、また苦情があるということは、やはり事故が起こってからの問題になるというような感じがするわけです。また、そうなるのじゃないかと思うのでありますけれども、そういう場合に、この新製品について消費者の利益と安全確保のために企業において安全の立証責任を考えたらどうかというような気もするわけですけれども、その点のお考えはいかがですか。
  〔稻村(左)委員長代理退席、委員長着席〕
#177
○村岡説明員 この法律におきまして、新製品が発生することを予定していろいろ対処するために考えましたのは、実は八十二条に規定されておる「緊急命令」でございます。特定製品になっていない、あるいは場合によっては安全協会の自主基準の対象になっていないもので、続々開発される新製品による危害が発生した場合においては、八十二条の規定によってカバーするようになっております。しかしながら、新製品につきましては、事故が起こったり、あるいは事故が起こる急迫した危険があってから対策を講じたのではおそいのではないかということは先生御指摘のとおりでございます。なるべくその事前の段階におきまして新製品については審査が行なわれることが望ましいということはもとよりでございます。私どもといたしましては、工業品検査所におきまして新製品、これはかなりの数にのぼるものが年々開発されておりますが、それを事前に検査をするという予算を千数百万でございますが、初年度分といたしまして確保してございます。新製品については工業品検査所で調べていく。いささかでも疑いがありますれば、十分その検査を行なうとともに、必要があれば本法に基づく八十二条の命令を発動する、こういう体系で考えてまいりたいと存じます。
#178
○松尾委員 それもうんと力を入れませんと、これは大事な問題だと思いますね。この「一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多い」、こういう問題ですけれども、この「多い」という判断ですね。たとえば損害が起こった場合、破損したとか火事にまでなったとか、こういう「多い」というのはどういうところで具体的にはきめていくのですか。
#179
○村岡説明員 「危害を及ぼすおそれが多い」ということにつきましての判断基準といたしましては、危害のひどさ、大きさと申しますか、それが一つ。第二番目は、危害の頻発度、比較的軽い事故であっても事例としてたくさん起こる、こういうような二つの要件によって考えてみたいと思います。この判断は、この法律に基づきまして審議会において十二分の議論をする、こういう予定にしてございます。
#180
○松尾委員 品質基準の問題では先ほどちょっと触れましたけれども、「使用状況等」とありますね。この「使用状況等」は家庭も含めるのか。家庭まで届く段階における使用状況か。これはあとで損害賠償の問題が起こった場合にどちらにその原因があるか、どちらが悪かったかというとき大いに論点になると思うのですけれども、たとえばびん等の場合、「使用状況等」というのはどこに触れてくるのですか、具体的に言えば。
#181
○村岡説明員 本法案第二条に規定されております使用状況の趣旨でございますが、これは直接的には消費者が使用するその使用状態をいうわけでございます。場所は、家庭内であろうと家庭外であろうと、当該商品を使用する状況をいうわけでございまして、消費者が使用する限りにおいてはその場所を問わないわけでございます。したがいまして、ここで言わんとする趣旨はたとえば登山用のザイルという商品がございます。使用されるのは岩場、しかも、それは厳冬の温度が非常に低い岩場とか、いろいろな場所で使用されるわけです。ザイル自身はそれほど危険だというものではもちろんないわけでございますが、そういう使用状況を勘案して「一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多い」かどうかということを考えるわけでございます。そういう使用状態を考えながら特定製品を指定するのだ、こういう趣旨でございます。
#182
○松尾委員 そうしますと、清涼飲料水のびんでありますけれども、これはやはり家庭における使用状況、そこで手荒な扱い方をしたとかなんとかいうことになりますと、これは立証義務者が家庭になりますね。−それでは困るのでありまして、やはり運送途中における取り扱い、そういう面において傷ができまして、家庭では何も使用上の誤りがないのに事故が起こる。このコーラのびん等は家庭の手荒な使用によって起こったのではない。むしろ家庭に届くまでの状態において何かの瑕疵、そういうものがあったのじゃないかと思うのですけれども、その点ははっきりしておきませんと、あとでもめてくると思うのですが、どうですか。
#183
○村岡説明員 御指摘の責任の所在の問題でございますが、この問題が非常に重要な問題になるのは、補償の問題をいたしますときに、一体だれの責任であるかということを明らかにする必要があるであろうかと思います。この場合におきましてはいろいろ責任の所在が区分されます。コーラのびんで申し上げますと、メーカーの責任、そのメーカーと申しますのも、そもそも傷ものを出したびんのメーカーの責任、それからコーラのボトラーの責任でございます。びんに詰める過程におきまして、工場の操作等において何らかの傷がついて、それが爆発等の原因になったのではないか、そういうある種のメーカーの責任、それから三番目には、安全協会の責任というのも場合によってはあり得るかと思います。
 これらの責任の所在というものは、民事法の体系によって責任の所在が明確にされるものでございますが、本協会が行ないます被害者救済制度におきましては、これら責任の所在のいかんにかかわらず、協会、メーカーひっくるめて被害者救済制度の対象にする、こういう予定にしております。
#184
○松尾委員 特定製品に指定するときに、結局「使用状況等」という問題が大きな一つの観点であるということからも、そのようなメーカーの段階、ボトラーの段階、または末端における輸送、取り扱い、そういう問題がありまして、一々それを明確にしていくことは実際上困難じゃないか。また、ほんとうに運送中、家庭にくるまでの取り扱い方もびんは荒っぽいですよ。そういうことは防げるのかどうか。「使用状況等」、そういうことによって特定製品としてこれは指定すると思いますけれども、いまおっしゃったとおりいろいろの段階がありますね。その段階を追っていろいろ調べていく。最後には損害賠償の問題もからんできまして、「使用状況等」の点においてどちらに責任があるのかということにもなってまいりますから、これはよくよく深く検討しておきませんと、家庭にくるまでに重大な問題があるであろう、このように私は思うのですがね。もう一回どうですか。
#185
○村岡説明員 特定製品を選定する基準、安全基準をつくる観点、それらを含めましてこの使用状況を一つの重要なファクターとしてわれわれ考えたい、かように考えております。
#186
○松尾委員 重要なファクターがありますけれども。非常にむずかしい問題ですね。しかし、それをやらなければいけない、こういうことであります。
 それから八条の二項六号で「その被害者に対してその損害の賠償を行なう場合に備えてとるべき措置」、こういうことがありますけれども、この内容は何でしょうか。
#187
○村岡説明員 第八条の第二項第六号で定められておりますのは、登録製造事業者の一つの登録基準にもなっている項目でございまして、ここに書いてありますように、当該製品に欠陥がありまして、それが原因で損害が発生した場合に賠償しなくてはいかぬ。当然民事法上メーカー等にその責任があります場合に、その賠償責任を全うできるような措置をとっておけという趣旨でございまして、具体的には製品安全協会の被害者救済制度に契約を締結しているというようなのが一つのティピカルな例でございますが、そのほかに保険契約をみずから行なう、その他の措置があり得るかと存じます。
#188
○松尾委員 結局協会に入れ、入った者はその条文に該当してくるんだ、協会に入れば保険に入る、こういうことになるわけであります。それ以外の者につきましても、いまちょっと触れられましたけれども、協会に入る、保険にも入るというのだったらこれは一応理想的であろう。しかし、そうでない者がやはり非常に問題だ。この法律でいう「備えてとるべき措置」というのは協会に入りなさい、また、保険に一緒にそのときは入るんですよということだけに尽きるのかどうかということをあらためて聞きたい。ほかに方法はないのかということですね。
#189
○村岡説明員 協会に入る、被害者救済制度に乗るというのが一つの方法でございますが、それ以外にも、先ほど申し上げました、みずから生産物賠償責任保険を保険業者と直接締結するという方法もございますし、それ以外にも、企業内でそのための積み立てをしておくとか、あるいは金融機関等の保証を受けておくとか、あるいは供託をしておくとか、いろいろな手段が考えられるかと思いますが、それらの中で省令によりまして適切な手段に限定をして定めてみたいと思っております。
#190
○松尾委員 要するに、聞いておりまするのはいよいよ事故が起こった場合の損害賠償の問題になるわけであります。そのときに協会にも入っている、保険にも入っている、または事故保険にかかっているのは比較的やりやすいでありましょう。しかしそうでない、協会にも入らない、したがって保険にも入っていない、事故保険もないというような、そういうのも相当政府の希望にかかわらず実在するであろう、こう思うわけです。そういう分野をどのように開拓するか――開拓というとおかしいですけれども、網の目に入れていくか。それはあくまでも入ってこないからしようがないというようなことに終わるのかということであります。
#191
○村岡説明員 この法律の体系、特定製品という体系と比較的自主的な製品の体系、二つございますのは御案内のとおりでございまして、特定製品のメーカーのうちの登録製造事業者につきましては、ただいま申し上げましたような賠償のための措置をとることが強制されております。これは必ずそのような措置がとられなければ登録製造事業者にはなり得ないということに相なります。それ以外の業者について強制する規定は残念ながらないわけでございますが、私ども強力な行政指導によりまして、危険な製品につきましては本協会の被害者救済制度に乗るように極力指導してまいりたいと存じております。
#192
○松尾委員 この前、ガス湯わかし器のガス漏れの問題で親子三人がガス中毒死した。これはその家庭でガス湯わかし器を買いまして六年間経過しておるという事実がわかったわけです。これは新聞記事にも詳しく出ております。普通ガス機器というものの寿命はどのくらいかというようなあなたたちの一つの基準、判断がありましょう。普通は四、五年とかなんとかいわれておりますけれども、それでこの耐用年数を越えたための事故、これはどういうふうになるのか。そしてそのような事故の起こった場合における賠償問題ということがいまのままであれば、結局家庭におけるガス機器というものはだんだん耐用年数を越えていくでありましょう。事故が起こってからみんなびっくりするわけでありますが、そのときにメーカー等における義務づけなり、またはそういうときの損害賠償問題の判定というものがこの法律上どのようになってくるか、それを聞きたいのであります。これは事例がありますので……。
#193
○村岡説明員 ある種の商品の中におきまして、耐用年数を経過していたために事故が起こるというケースがかなりございます。その場合、私どもの被害者救済制度におきますところの補償はどうなるか、これは民法上の損害賠償責任というものを確実に受けるための措置でございます。したがって、耐用年数を超過した場合における事故の責任の所在は一体どちらにあるかということは、民法等の法理にまかせられるということになります。その場合、往々にして消費者側にも過失があるということで、過失相殺というようなケースになり得る可能性がきわめて高いかと思います。したがいまして、このままでは消費者にとって非常に不親切であるということにもなりますので、私どもこの協会の被害者救済制度を運用するにあたりましては、当該製品の常識的な耐用年数というものを表示するというようなことによりまして、消費者側にもその辺の注意を喚起するというようなことにいたしたいと思います。ただし、耐用年数を表示したからといって、耐用年数経過のものについての事故、メーカーに全然責任がないかということになりますと、それは決してそうではございません。いままでのケースにおきましても、メーカーに責任があるというようなケースが相当ございますので、そのような場合にもこの被害者救済制度はなお生きる、こういうような体系にいたしたい、かように考えております。
#194
○松尾委員 この使用上の問題 一般消費者の場合に正しい使い方がされておるか、そこにも非常にむずかしい問題がございます。たとえば子供のおもちゃみたいなもの、これは単におもちゃを使っておるというだけでなくて、なめてみたり引っぱり合ってみたり、必ず子供がやっておる。こういう問題がありますけれども、このような点はどのようになっていきますか。使用上の問題に関連してです。
#195
○山下(英)政府委員 消費者の使用状況、それからいま御指摘の耐用年数等、実際の問題では非常にむずかしい均衡問題が出てくるわけでございますが、原則的に、今回法律をつくるにあたりまして、民法のいまの原則は変えないというたてまえでまいりました。したがいまして、売り手責任が従来以上過重されたわけでもなく、また、無過失賠償がこれによって一歩踏み出したわけでもございません。したがいまして、先ほど村岡消費経済課長から言いましたように、行政的な措置あるいは協会の実際の措置で耐用年数を表示したり、消費者側への情報提供等によって、できるだけ消費者の請求権利を確保していこう、その辺は指導行政になります。
#196
○松尾委員 その辺も非常にむずかしい問題がありますけれども、やはりあなたのほうのそういうものを固めておきませんと、私は具体的な問題で困られると思うのです。
 それから、いろいろ他の法令による取り締まり、そういうものが行なわれております。ですからいま私がおもちゃの例等を申しましたけれども、本法における取り締まりを受けるばかりでなくて、他の法令のやはりいろいろの取り締まり規定というものもあわせて受けなくてはできないという、要するに検定とか、そういうものをこちらでも受ける、あちらでも受けるというようなものが相当私は出てくると思うのですけれども、そういう見通しはいかがでしょうか。
#197
○村岡説明員 いろいろ既成の取締法令がございまして、各種の商品の安全について規制をしていることは御案内のとおりでございます。本法はそのような安全法体系の中で、消費生活用製品についての一般法、こういう立場をとっておるわけでございます。それに対しまして、既存取締法令は特別法、この両法令間の調整という問題に関しましては、第一点は、公法上の規制の領域に関しましては二重規制をしない、こういう原則を立てております。具体的に申し上げますと、当該法令によりまして、当該製品の安全性が一〇〇%カバーされている場合は、当製品安全法の対象にその製品がならないということが第一点でございます。
 第二点は、その既存法令によりましては、製品の安全性はその商品の一部の項目についてしか規制され得ないという問題がございます。これを私どもの安全法から適用除外いたしますと、谷間に落ちるものが出てまいりますので、この問題につきましては私どものほうの対象にいたしまして、谷間に落ちるべき安全項目というものは、私どものほうで規制できるような体系になっておるわけでございます。そのような意味におきまして、製品安全法は一般的な法律であるというようなことがいえるのではないかと存じております。
#198
○松尾委員 そうしますと、一つの法律で、ある一つの点を規制しておる、それで現在特別立法がされておる。ところが、こちらでそれでは不十分だ、何かやはり事故が起こりまして、この材質とか、構造だとか、使用状況等という新たな観点から指定していくとか、いろいろ検査、判定上の問題があるわけですけれども、両方またがってやらなくてはこれはほんとうに安全であるということがいえない場合が起こるんじゃないか、これを言っているわけです。絶対にありませんか。片方だけやれば、もう特別立法の分についてはそれに全部おまかせしていけば十分だ、そこにはもう安全でありまして危険はない、だから安全法に基づいて何ら規制する必要はないのだ、こういう断定はできますか。
#199
○村岡説明員 一つの製品につきまして、特別法に全部まかせきれるかどうか、この製品安全法でも規制すべきではないか、こういう御指摘でございます。安全項目が異なる場合、たとえば毒性の問題は食品衛生法で規制する、物理的な構造の問題、これは当製品安全法で規制をする、こういうようなケースは間々あろうかと存じます。そうしないと一部の安全項目に欠落が生ずるということになりますので、具体的には一つの製品について、二つ以上の法律が規制の面で関与するということはあり得るところでございます。
#200
○松尾委員 あり得たらどうするのですか。
#201
○村岡説明員 私が先ほど申し上げましたのは、二重規制を排除するということでございまして、同一の項目について、たとえばある法律がある物質の含有量一PPMときめ、他の法律がそれを〇・五PPMときめるということは、本来的にはおかしな話でございまして、それは一つの法律にまかせればよろしいということを申し上げたわけでございますが、項目が異なる場合は二つの法律で規制すべきであり、またそのほうが正しい。この製品安全法はそのような体系で成り立っておるわけでございます。
#202
○松尾委員 そうしますと中小企業の関係になりますと、いろいろ手数料とかなんとか取られるのですよ。また他法令でもやられておる、この法令でまたそのようなことでやられる。これはやらなくちゃできないということが一つあるのでありますけれども、そういうやはり中小企業の負担の過重、そういうものに対する配慮というようなものは、おのおの法律が別であるから料金は別にいただきます、このようにやはりきちっとなっていくわけでありますか。
#203
○山下(英)政府委員 ただいま村岡課長の御説明しましたように、かりに圧力なべを特定製品にした場合には、食品衛生法のほうでも、そのなべの中から出てくる毒性が食品に入ったらいけないという観点から、どうしても法の規制をいたします。ただし、それは食品衛生法にまかせますが、私どものほうは、かりにそこのふたのところの構造が悪くて爆発事故を起こすという点は、今度の法律で規制をいたします。したがって、そのなべをつくっておる中小企業にしてみますと、あっちの役所に行きこっちの役所に行くということになりかねませんが、その点はごかんべんいただくよりしようがないと思います。
 ただ私どもは、そういう協会に入ってない中小企業の方には、これは検定を受けてもらうわけでありますが、設備認定がありませんから、製品を一品一品検定するわけでございますが、もちろん抜き検定もいたします、サンプル検定もいたしますが、事情に応じて出張検定をするつもりでおります。指定の検査機関から所員が行ってやるつもりでございます。費用は検定料その他含めまして、私どもは大体製品の〇・五%程度、公の費用はその程度で済む、少なくとも一%以下で済むようにしたい。その費用の基準は中小企業が耐え得る基準、こう考えておりますし、かたがた公害にあわせてこういった安全設備という社会的な公共的な需要がふえておりますので、そのための設備費、そのための費用については中小関係三公庫から特別の融資ワクをつくっております。今回要求しております予算にも、この法律のためにそれぞれ十億円、五億円のワクをつくっております。
#204
○松尾委員 安全性の立場からいけば、いろいろ変わった角度からそれぞれの法律で見ていくということも現実にありましょうが、そのためにいままで一カ所で済んだのが二カ所、三カ所になる。これは中小企業としては、単に取られていく料金だけじゃなくて、相当な付帯費用といいますか、時間的なもの、それからやはり往復その他にいろいろ関連があります。ひとつ何か考えていったらいいんじゃないか。これは宿題として研究してもらいたいと私は思うのです。
 それから第四条の輸出用特定製品の販売についてでありますけれども、これは届け出によりまして検定と表示の規定をはずす、こういうことになっておりますね。届け出があればよろしい。そうすると、こういう輸出用特定製品というものの国内販売を必要とする場合には、どのようになりますか。
#205
○山下(英)政府委員 それを除きました趣旨は、日本における安全基準と外国、輸出先における安全基準が違うために輸出取引が不可能になる場合を救うためでございます。したがって、それではずしましても、その品物が輸出用に限られること、そしてそれがかりと国内に転売等をされる場合には、その条項ではございませんで、やはり一般条項に従って手続をとってもらうことになります。実際上は同じ倉庫から輸出用にいくものとそれから国内に出されるもの、そういうものがどうやって区分けされ、仕分けされるかというようなところにひとつの監視体制が要ると思いますが、その点はまざらないようにしていきたいと思います。
#206
○松尾委員 まざらないのもありますけれども、輸出用と本人が届け出たものがまざらないで、それが国内に転売という事例も起こってくると私は思うのですね。
#207
○山下(英)政府委員 その品物を国内に売れば四条違反になりますので、国内の販売はできません。
#208
○松尾委員 新たな手続がそれでは要るわけですね。これは二十九条の表示の禁止、それから三十条改善命令、三十二条の承認の取り消し等、これがなされていくわけでありますけれども、これが表示の禁止をしたんだけれどもはたして実行しておるかどうかとか、その後改善命令を出したんだけれども、それがはたしてそのとおり行なわれておるかどうか、承認の取り消しがあったけれども、はたしてそこできちっと取り消しに従っておるかどうか、こういうものの発見とか、そういうものは具体的にどのようにしてやられていきますか。
#209
○山下(英)政府委員 一般の法の施行のいろいろな手続を一緒にやるわけでございますが、格別この法律にはそういった意味の監視体制というものが要ると思います。情報を受ければ報告を徴収いたします。そしてまた、立ち入り検査もいたしますが、全国にわたりますので、監視体制にはくふうが要ると存じます。
#210
○松尾委員 まあそういうことでありましょうけれども、立ち入り検査をやる、苦情等のことで発見していく、こういうことはありますけれども、最近問題になっております苦情の多い電気用品でございます。これでは試買テスト等もやっておるのでありますけれども、昨年八月にあなたのほうから発表されました電気用品試買テストの結果というものを見ますと、問題を起こした商品というものは、通産省の型式承認を受けながら量産段階で手を抜いておる。このようなことをどうして発見するか。これもあとでわかったわけでありましょう。そして結局手抜きをいたしまして技術基準に違反した、こういう問題が現実に起こっております。でありますから、やはり通産省の安全確保に関する行政力というものが十分に発揮されておりませんと、このような問題が次々と出てくるわけでありますけれども、そういう点における通産省の見解、こういうことをどのように思っておりますか。
#211
○山下(英)政府委員 御指摘の過去の例から見ましても、私どもは十分な監視体制と情報網と苦情処理の受け付け、こういうものを完備して、できるだけ早く事前に処理していく必要がある、こう考えております。
#212
○松尾委員 同じく通産省の四十六年度の苦情処理報告書を見ますと、苦情処理の申し出に伴って行なわれた商品テストの結果、こういうものが出ております。その結果から判断しまして、安全性だとか品質、性能上で、メーカーだとか流通段階における責任があると認められたものが三三%、このように出ております。また、商品には異常はなかったけれども、表示だとか説明書に問題があるものが一〇%と出ております。どちらともいえないというものが六%と出ておる。合計五〇%というものが出ております。これは苦情処理の報告書でありますけれども、したがって、やはり消費者の苦情、この声というものは無視することができない。その結果の処理の報告書ではそのような声が出ておるわけであります。現在通産省が立ち入り検査をやっている、試買テストをやっている、このような消費者保護の体制でありますけれども、このような体制を今後どのようにやっていこうと思うのか。いまの状態であれば五〇%ぐらいの苦情処理の結果が出ておるわけでありますが、さらにテスト機器等の体制というものは現在どのようになっておるか、あわせて聞いておきたいと思うのです。
#213
○村岡説明員 この製品安全法を完全に運用するためにも、消費者の苦情ということを積極的にいただくということは非常に有益になろうかと存じます。この法律におきましては、九十三条におきまして「何人も、消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の発生を防止するために必要な措置がとられていない」というときは、主務大臣に適当な措置をとれという意見を申し出ることができるわけでございます。主務大臣は、その申し出を受けたときは必要な調査を行なわなくてはいけない。調査の結果、その申し立てが事実であるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならないというような義務づけをしているわけでございます。このような規定によりまして、積極的に消費者側から意見の申し出があるということを私ども非常に望んでおるところでございます。
 第二には、この苦情の申し出をもうちょっと一般的に広げまして、苦情の申し出というものが簡易にできないか何らかのくふうができないかという点に関してでございますが、この四月から、通産省といたしまして、関係省庁の協力を得た上で苦情処理のための特殊な私書箱制度というものを設けた次第でございます。中央郵便局の私書箱第一号というようなことで、はがき一枚でも苦情をいただきますれば、私どもはその苦情の解決に努力をいたしますばかりではなく、そこで集積されましたいろいろな苦情、事故等の態様を分析いたしまして今後の法律の運用に有力な参考資料にいたしたい、かように考えておる次第でございます。
 なお、テスト機械の設置につきまして、特に中小企業者がメーカーである場合に、いろいろ中小企業者にとって荷が重くなる可能性がもとよりあるわけでございますが、そのような点に着目いたしまして、先ほど局長が御説明申し上げましたように、中小公庫及び国民公庫の中にこの安全のための特別な融資ワクを設けまして、所要資金を融資するというようなことを考えております。そのほか、いろいろ中小企業対策関係の中に活用できますものについて十分これを活用してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#214
○松尾委員 私書箱一号とかなんとかいうお話が出ましたけれども、これはどのくらい徹底するか、どのくらい世間に知られておるかということが一つですね。
 それからいま検定機器の話で中小企業のことが出ましたけれども、これは共同的に使うとか、また、そこの組合に所属する中小企業がひっくるめて登録工場等に集団的に入れないか、その検定機器は一人一人が備えつけていかぬといけないのか。やはりものが違うからいろいろの問題がありましょうけれども、そういう共同使用とかなんとかということは考えていませんか。それから組合でやっている場合にはひっくるめて登録工場としてそれを認めていくような考え方はありませんか。
#215
○村岡説明員 登録事業者につきましては、特定検査設備を保有することが義務づけられているわけでございますが、その際、中小企業者が共同で検査設備を保有した場合、登録要件に合致するかという御質問と考える次第でございますが、その点につきましては、私ども弾力的に考えてまいりたいと考えております。
 それから第二点の、業者が何人か集まって登録事業者になるということでございますが、これは法律上はなはだ困難ではなかろうかと考えておる次第でございます。
#216
○松尾委員 現在一般的に製品の欠陥による事故、こういうものがどういう形で落着しておるであろうかということでありますけれども、先ほど私も一つ二つ事例に触れてまいりましたけれども、この事故の判定機関ですね、被害者はどこに訴えていくのか、こういうことが一般消費者としてはなかなかわかりにくいのじゃないか。そしてどこでそのような事故を取り上げて、どちらがどうだ、こちらがどうだという事故の原因、結果の判定機関――警察か、企業との交渉か、またはうやむやで泣き寝入りになっているのが私は相当あるのじゃなかろうかという心配もございますが、これは現在どのようになっておるのですか。この事故の解決方法ですね。
#217
○村岡説明員 現状を一般的に申し上げますと、消費者からメーカーに対して直接苦情を提起するというケースが最も多いかと存じます。それ以上に、数字としては不明ではございますが、泣き寝入りのケースも相当ある。一部の場合におきましては、通産省とか国民生活センターとか都道府県の消費生活センターに商品の欠陥という形で申し立てまして、これらの機関を通じて事故の判定をしてもらい、その上でメーカーと交渉をするというようなケースも、数は少ないかと存じますが、あるわけでございます。
 ただ、私どもこの製品安全法を立案いたしますに際しまして、この安全協会が事故の原因の究明をもっともっとすべきではないかという先生の御指摘だろうと思いますが、そういうような意味合いを含めまして、この協会が行ないます被害者救済制度におきましては、事故原因の究明、損害の程度の把握、これは協会が消費者のためにいろいろ援助もし、サゼストもする、そういうような役割りをになわせたいと考えておる次第でございます。
#218
○松尾委員 その点をもう少しはっきりしたいと思うのでありますけれども、結局事故が起こってからの解決がいままでもやはり問題になっているわけですね。でありますから、被害者というものはいまから先は安全協会にかけ込めばいい、こういう原則が一本はっきりしているのかどうか。そこに行けばすべて問題が解決する、全部そこで処理してあげますというような、被害者が安心して訴え出る場所、警察に行くのか企業に行くのか、そういうものじゃなくて、この法律を実施する機関としまして、そういう事故の処理体制、処理専門機関、これをはっきりさせたいと思うのです。
#219
○山下(英)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、今回法律に基づいて協会ができましたならば、協会は大きな一つの使命として、消費者側から、事故があればまずかけ込んでもらう、苦情があれば言ってきてもらう。そして、実際には損害賠償に関する保険その他裁判等の交渉は当事者間になりますけれども、外国の保険会社がやっておりますように、協会は消費者側に立ってその責任証明等を軽減する、手続を軽減する、そういう仕事を実際上やっていくようにしたいと思っております。
#220
○松尾委員 結局問題が起こってからの処理、これはやはり重大であります。ですから、一般消費者というのはどこに行ったらいいのか、そうしたらあとのことは全部引き受けてあげますからという、これはやはりはっきり確立しておいていそして知らせていかなくてはできない問題であろうと思いますので、明確にしておいてくださいよ。この点は、私は特に念を押しておきたいと思います。
 それで、因果関係の立証、ここは非常に問題になりますから、そういう点もやはりある程度専門家的な立場、そういう方々が安全協会にいませんと、全部また下請に出す、安全協会からまた次の段階に移るというようなことでは、消費者としては不安であります。そういう点は、安全協会の苦情処理、または事故発生の処理というものに対する体制は万全かどうか、いかでですか。
#221
○山下(英)政府委員 第六十三条で協会の業務を規定してございますが、私どもは当然その業務の一つとして、先ほど御説明したような体制を整えさせるつもりでございます。現在のところ、補償課という課を窓口にしていこうという案でございます。
#222
○松尾委員 本法がうまくいくかどうか、結局これは安全協会に検定の依頼というものがどんどん来るようになって、そしてたくさんの人が契約を結ぶということが望ましいのだろう。そうしませんと、補償の場合にも、協会に入っていませんと、やはり個々の問題になりますのでやりにくい。ですから、実際問題としますと、そのようなメーカー、企業が安全協会に喜んで入るようなこと、そしてアウトサイダーといいますか、外におる人を少なくする、こういう点における配慮、具体的にどのようにやっていってこの安全協会というものをがっちりと発動さしていこうとお考えになっておりますか。アウトサイダーが結局は多いんじゃないですか。
#223
○山下(英)政府委員 これはもちろん性質は行政的な勧奨、強制でございませんのですが、私どもの見通しとしましては、近年、かりに自分のところの製品が一つでも事故を起こしたり、まして裁判などになりますと、いろいろな意味から、営業的にも損失をこうむるわけでございますので、メーカーなり販売業者自身が自分のところから欠陥商品を出さないようにという努力またはそういう機運が非常に高まっておると思います。したがいまして、ある商品が指定されて、国の指定でなくても協会がそれを取り上げて自主的な基準をつくりましたならば、かりに当初相当数おりましたアウトサイダーも勧奨に応じて進んで入ってくるのではないか、こう見通しております。
#224
○松尾委員 進んで入ってくれば問題ないわけであります。ですから、進んで入れるようにやはりいろいろ配慮すべきであろうということを言っておるわけであります。
 それから、もう時間もおそくなりましたので、かけ足になりますけれども、本法でやっと補償制度ができます。私も勉強不足と思うのでありますけれども、電取法だとかガス事業法等、これにおける補償制度というものはどうなっていますか。損害賠償の問題です。
#225
○浦野委員長 だいぶ時間が経過いたしておりますので、当局、簡明に御答弁願います。
#226
○和田説明員 電気用品取締法及びガス事業法では、法廷の補償制度はございません。ただ、事故がありました場合に、それぞれ被害者と話し合って補償しているのが実態でございます。
 今後どうするかという御質問でございますが、いまのこの法案の被害者補償制度にも乗り得るような形になっておりますので、今後、必要に応じて検討してまいりたい、こう思っております。
#227
○松尾委員 いまガス、電気のほうのお答えがありましたけれども、他法令関係、これをやはり全部洗ってみて、そしてどうせ同じような被害を与え、同じような事故が起こってきておるわけであります。でありますから、やはりこの損害賠償の制度、補償制度というものはすべての法律に確立すべきであろう、本法だけが進んでおるけれども、あとは、いままでの特別立法というのはおくれておる。ですから、いいほうに全部あれして消費者を守るべきである、これは次官いかがですか、今後の考え方です。
#228
○塩川政府委員 松尾先生のおっしゃるように、他の関係との斉合性というものをよく検討してみたいと思います。
#229
○松尾委員 要するに、実現に向かってですね。そうしてやはり損害補償の制度というものは確立すべきであろう、このように私は思います。
 これは最後でありますけれども、三十五条の危害防止命令による回収、八十二条の緊急命令による回収、そういう回収権というものが明記されております。これがすみやかに発動されていかなくちゃいかぬわけでありますけれども、どういう場合にこれはすみやかに発動するのですか。いかなる状態、いかなる場合にこのような三十五条、八十二条の危害防止命令、緊急命令を出そうと考えておるのかということです。すみやかに出さぬといかぬと思います。
#230
○山下(英)政府委員 新製品が出て、そしてまだ基準もつくらず表示もしないときにそれが出回って事故を起こしたというような場合には、八十二条で直ちに回収をさせる、これは製造業者に命令をいたします。また、協会の基準をつくったけれども、アウトサイダーが値くずしをしながら劣悪商品を売っておるというような場合も直ちに発動いたします。
#231
○松尾委員 この回収権というものが制定されるということは非常にいいことであろうと思います。他の法令にもこの回収命令がありますか、ちょっとその点おっしゃってください。
#232
○山下(英)政府委員 食品衛生法等、他の法律にもございます。
#233
○松尾委員 衛生法だけですか。これは先ほど次官にもお答え願ったとおりに、損害賠償の制度の確立は、他法令の分についても実現に向かって努力する、こういうお答えであります。やはり回収命令というものも他法令に現在ないと思います。あるのは少ないのではないかと思うのです。でありますから、やはり回収命令のない他法令は、同じく回収命令というものをきちっと整備すべきであろう。本法のいいところはやはりいままでの特別立法についてもどんどん整備して、法体系全体をがっちりとやっていくべきであろう、こう思うのであります。この点は次官いかがですか。
#234
○塩川政府委員 仰せのように、消費者保護の立場からいたしますところの保護基準と申しますか、それの規制基準、これは確かにいままでは低かったと思います。これらは質的に向上していかなければならないと思うのでございまして、そういう基準の引き上げに伴いまして関連法案の斉合性というものを見直し、検討していくべきだと思います。
#235
○松尾委員 食品衛生法の関係で一言聞いておきたいのでありますけれども、いま非常にいろいろな食料品に着色剤が使われておる。政府のほういらっしゃいますか。――いま政府のほうが、私が最後だと言ったものだから、もう終わりだと思って帰ったそうでありますが、最後の最後だったわけですけれども、これは留保しましょう。担当官がいなければ、お答え願うわけにもいきません。
 以上をもって質問を終わります。
#236
○浦野委員長 次回は、明後六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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