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1972/04/20 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第19号
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1972/04/20 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第19号

#1
第071回国会 商工委員会 第19号
昭和四十八年四月二十日(金曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 田中 六助君
  理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君
   理事 羽田野忠文君 理事 山田 久就君
   理事 板川 正吾君 理事 中村 重光君
   理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    稲村 利幸君
      小川 平二君    越智 伊平君
      大久保武雄君    木部 佳昭君
      近藤 鉄雄君    塩崎  潤君
      島村 一郎君    田中 榮一君
      西村 直己君    八田 貞義君
      増岡 博之君    松永  光君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      上坂  昇君    渡辺 三郎君
      荒木  宏君    野間 友一君
      近江巳記夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     高橋 俊英君
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        公正取引委員会
       事務局経済部長 三代川敏三郎君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 熊田淳一郎君
        経済企画政務次
        官       橋口  隆君
        通商産業政務次
        官       塩川正十郎君
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    齋藤 英雄君
        中小企業庁長官 莊   清君
        中小企業庁計画
        部長      原山 義史君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  相川  孝君
        農林省食品流通
        局商業課長   岩野 陽一君
        通商産業省企業
        局商務第二課長 荒尾 保一君
        通商産業省繊維
        雑貨局原料紡績
        課長      堺   司君
        通商産業省繊維
        雑貨局繊維製品
        課長      真砂 博成君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  米原  昶君     荒木  宏君
  渡部 一郎君     近江巳記夫君
同日
 辞任         補欠選任
  荒木  宏君     米原  昶君
    ―――――――――――――
四月十七日
 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調
 整に関する法律案(内閣提出第一〇九号)
同月十九日
 中小小売商店の営業保護に関する請願(阿部助
 哉君紹介)(第三〇七二号)
 同(田中美智子君紹介)(第三一五四号)
 中小小売商業振興に関する請願(木島喜兵衞君
 紹介)(第三〇七三号)
 同(田中美智子君紹介)(第三一五三号)
 小企業経営改善資金の融資制度創設に関する請
 願(竹村幸雄君紹介)(第三〇七四号)
 同(山田耻目君紹介)(第三〇七五号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第三一五一号)
 同(田中美智子君紹介)(第三一五二号)
 中小企業の経営安定に関する請願(東中光雄君
 紹介)(第三一五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申し入れに関する件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済総合計画に関する件
 中小企業に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○田中(六)委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長所用のため、その指定により、私が委員長の職務を行ないます。
 この際、連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。
 物価問題等に関する特別委員会において審査中の内閣提出、生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律案及び松浦利尚君外三名提出にかかる生活関連物資の買占め及び売惜しみに対する規制措置等に関する法律案について、同委員会に連合審査会の開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田中(六)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会日時につきましては、委員長問において協議の上決定いたしますが、来たる二十三日午前十時から開会の予定でありますから、御了承ください。
     ――――◇―――――
#4
○田中(六)委員長代理 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、中小企業に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上坂昇君。
#5
○上坂委員 商品取引所の関係でありますが、いまたいへん投機がひどくなっておる。その投機で大商社の投機が問題になっておりますが、私の質問したいのは、取引所を利用する一般の人がおるわけでありますけれども、その一般の人を取引に参加させる場合に、参加をする人の中に非常に被害が出ておるという問題について質問したいと思うのです。
 通産省は来ておられますね。――いま申し上げましたように、繊維の取引所あるいは穀物の取引所で一般のいわゆるしろうとの人が投機に参加することがあると思いますが、それを利用して、各商社あるいは商社の仲買い人といいますか仲介人といいますか、そういう外務員の人が勧誘をし、そのことによって、これに参加した一般の市民の人たちが非常に大きな損害を受けておるという事実がたくさん明るみに出ておるわけであります。これらについて、いま通産省ではどの程度に把握をしておられるのか、まずその点をお聞きいたしたいと思います。
#6
○荒尾説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、商品取引所で売買をいたします場合に、商品取引員というのがございまして、その商品取引員は、一般の部外の方々からの委託を受けて商品取引所の中で売買を行なうことができるということになっておるわけでございます。この商品取引に関係をいたしまして、その場合に各種の紛議あるいは苦情がございます。
 これにつきましては、方法といたしまして二つございまして、直接通産省に対しまして、こうした損害を受けた、あるいはこういう事例があるというふうなお申し出がある場合と、それから商品取引所にそうしたお申し出がある場合とがございます。通産省に参りますものにつきましては、その実情等につきまして取引所に依頼をいたしまして、ここで各種の調査をしてもらいまして、その上でこの苦情を調停の形で解決をするという方法をとっておるわけでございます。取引所に参ります場合につきましては、取引所自身が事務局の段階で調査をいたし、ものによりましては調停委員会という形でこれを解決するという方法をとって
 おるわけでございます。
#7
○上坂委員 私の手元にたくさんの被害者の届けが来ておるわけでありまして、一々申し上げると、これはたいへんなことになります。この前、ある程度の点については、通産省のほうから来られた人に対して、こういう業者、こういう業者について調査をしておいてくれというふうに話しておきましたが、そのことについては、ここで発表していただけますか。
#8
○荒尾説明員 お示しいただきました案件につきましては、先ほど申し上げましたように、各取引所におきまして申し立てをされた方々あるいはその反対側の委託を受けました取引員からその実情を聴取しておる状況でございます。この中には、たとえば申し立て人のほうで病気のために現在まだその実情を取引所に話をする時間がないというふうなことで調査がまだ十分できていないものもございますし、それからものによりましては両当事者を呼びまして円満に問題が解決をしたというふうな事例もございます。
 個々の案件等につきましては、これは固有名詞等が出てまいりますので、この場で御説明申し上げるのが適当であるかどうかという点はございますが、現在そういう形で調査あるいは調停が進行しつつある状況でございます。
#9
○上坂委員 いま私の手元へ来ている取引員の勧誘のしかたでございますが、これは非常に巧妙をきわめているというふうに言えると思うのです。実は新聞などに利殖の方法というようなチラシを入れたり、あるいはこれはと思う人に手紙の中にはがきまで入れてアンケートのような形式で届ける、そうしますと、そういう利殖の方法とか何かとあるものですから、何となくその手紙を書いてちょっと出すということになりますと、すぐに取引員がそのうちにやってきて、それから巧妙な勧誘が始まるわけでありますが、そういう手口については、いままでもかなりあったという事実を通産省のほうではつかんでおられるのかどうか。
#10
○山下(英)政府委員 従来ともそういう不当な勧誘の事例は集めておりまして、無差別に電話で軒並みに勧誘してみましたり、それからこの取引をすればもう必ず一〇〇%もうかるものだといった種類の勧誘をしてみましたり、あるいはいまおっしゃるように、手紙で世論調査のような形から出発してずるずる引き込んだり、特に家庭の婦人を対象にした勧誘は慎重を期さなければいかぬ、こういうことで、農林省とも相談いたしまして、両省一緒に全取引所に対して取引員の勧誘の方法に関する通牒を二月下旬に出しております。
#11
○上坂委員 通牒を出して、注意を促すといいますか、そういうことをやってもあとが絶たないということになりますと、通牒なんかではもう問題にならないというふうに考えるわけですが、その点についてはどうでしょうか。通牒でこと足れりというふうに考えておられるのかどうか。
#12
○荒尾説明員 御指摘のとおり、もちろん通牒を出しまして、それだけで解決するわけではございませんで、そのあと、それについてそうした事実がないかどうかということを十分把握をし、必要があります場合にはこれに対して処分を行なうということが必要かと思います。ただ、実は私どもそうした苦情等に接しました場合に非常に問題がございますのは、委託、受託ということが通常口頭で行なわれる、場合によりましては電話で行なわれるわけでございます。また、そうしたことでございますので、第三者の証言等を得るということが非常にむずかしいという状況にございます。したがって、違反事実というものを法的な証拠によって明らかにするということが非常にむずかしいという悩みがあるわけでございます。もしそうした事実が明確になりました場合におきましては、この通牒をもとにいたしまして、それに伴って必要な処分その他を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。
#13
○上坂委員 被害者のほうからは、いろいろなことを通じて、通産大臣とかあるいは農林大臣のほうにもいろいろ事情についての問題の提起をしているというふうには思うのですけれども、そういうことについての事実の調査というのは、通産省なり農林省なりはどういうかっこうで調査をするわけですか。
#14
○荒尾説明員 私ども現在通常とっております調査の方法といたしましては、そうした紛議の事例が出てまいりました場合に、これを担当いたします取引所に引き継ぎまして、取引所におきまして、申し出人から事情をお聞きしますとともに、一方取引員に取引所に来てもらいまして、この事実関係の究明に当たっておるわけでございます。
 この場合、先ほど申し上げましたように、両当事者の問で、その事実についての言い分に非常に食い違いがあるということが間々ございます。そしてその事実の確認が非常にむずかしいという面がございます。そこで、これを法的証拠によって明らかにすることがなかなかむずかしい場合に、調停という形で和解をすすめるというようなやり方をやっておるわけでございます。そのほか、通産省あるいは農林省におきまして立ち入り検査を定期的に行なっておりまして、そうした機会には、そのような事実がないかどうか、たとえば、無登録の外務員を使用していないかとか、あるいは婦人客の勧誘の状況はどうであるかというようなことを調査をいたしております。
#15
○上坂委員 被害をこうむったというふうに申し立てている申し立て本人については、どういう形で調査をされるのですか。
#16
○荒尾説明員 先ほど申し上げましたように、通常の場合は、取引所に来所を依頼いたしまして、取引所で申し立て人の方から、その間の委託に至りました勧誘等の経緯、それから委託後の売買の状況等、実情を詳しくお伺いをしておるわけでございます。
#17
○上坂委員 取引所というのは大体会員によって組織をされておるわけですね。したがって、取引所にそうした調査を依頼したり何かするということになれば、それは会員に対する擁護といいますか、そういう形になってくるのが私は当然だというふうに思うわけなんです。そうしますと、被害者の言い分よりは、やはり取引所の会員あるいはその会員に属しているところの取引員、そういう人の立場を尊重するというようなかっこうでの調査というものがされてしまうのではないかというふうに私は思うのです。したがって、被害者である申し立て人に対するところの公平を欠くというような点があるのではないかというふうな感じがしますけれども、その辺はどうですか。
#18
○荒尾説明員 先生御指摘のように、取引所は会員組織でございます。この会員は、生産業者、流通業者あるいは需要者、さらに商品取引員が会員になっておりまして、会員組織になっておるわけでございます。ただ、会員組織ではございますけれども、商品取引所法に基づいて設立される法人で、これは中立的な機関として設立が認められておるわけでございます。したがいまして、会員組織ではあるけれども、会員のための組織ではないという、そういう運用をすべきであるというふうに考えますし、また、そうした運用をするように取引所等を指導いたしておるわけでございます。
 ただ、実際問題といたしまして、いままで全く縁もゆかりもない委託者が突然取引所に行きました場合に、その取引所が会員組織であるということから会員の立場に立って調停を進めるのではないかという、そういう印象を持たれるということもまた自然にあり得ることかと思います。私どもといたしましても、特に非常に経験のある委託者の場合はともかくといたしまして、いままで経験がない、あるいは家庭婦人の場合である、こういうような場合につきましては、この制度に十分熟知をしていないそういう委託者のことを十分考えて、その側に立って調停を進めるようにということを取引所に対しまして指導、要請をいたしておるわけでございます。
 実際のケースにつきまして、そうした印象を与えるような事例があるといたしますと非常に遺憾でございます。私どもといたしましては、従来からそうした指導をしておるつもりではございますが、再度あらためて取引所に対しまして、そうした公正な調停あるいは調査を行なうように指導をいたしたい、かように考えます。
#19
○上坂委員 この被害というのは東京付近ではなくて全国各地にまたがっているわけですね。私のところで、北海道でもと炭鉱につとめておって、御主人がなくなられて未亡人になっている人、それで老後の貯金を持っていた。そこへやってきて、これに、悪く言えばひっかかってしまったというような形の人がおります。
 全国各地にそういう形のものはとられておるわけでありますが、先ほど電話や口頭で簡単に委託ができるというような話であったわけでありますが、そういう通常口頭や電話で委託するというようなことは、取引所に対してかなりの知識を持っておるということが前提になるんではないかというふうに思うのですよ。ところが、実際に取引所についての知識というのは、そう全国的、全般的にあるわけではないだろうというふうに思います。特に被害にあった人たちを見ると、ほとんどが、何といいますか、自分の持っている印鑑のとうとさというようなもの、それから人に通帳を預けたり何かするということについても人を信頼してしまうというような形の人が実際におる。そういう人たちが被害にあっている。こういう事実が出た場合には、これは簡単に、その人が取引所のことを知らなかったのが悪いんだという形だけでは片づけることのできない問題を持っているんじゃないかというふうに私は思います。
 そういう点で、先ほど回答がありましたが、委託をする人の立場でなくて、無理やりに委託をさせるような方向に持っていっているというところにやはり一番の問題の素材があるだろうというふうに思うのです。そういうことについての取り締まりというのは、いま言ったように、通帳や、それから紛議が起きたときに紛議の調停を取引所に依頼するというようなことでは防いでいくことはできないのではないかというふうに私は考えるわけですが、その点についてはどうですか。
#20
○荒尾説明員 各種の紛議でございますとか、あるいは苦情が出てまいります原因としまして、先生からいま御指摘がありましたように、過当な勧誘が原因であるという場合が多いということは、そのとおりであろうかと思います。電話等によりまして無差別に勧誘したり執拗な勧誘を行なう、そしてもともと委託の意思がなかった人に、制度に無理解なままに委託をさせてしまうというようなことがやはり一番大きな紛議の原因ではないかと思うわけでございます。
 この電話による委託の点でございますが、私先ほど御説明しましたのは、あるいはことばが足りなかったかと思いますが、通常のケースで考えますと、当初の委託の段階におきましては外務員がそれぞれの自宅を訪問する、その委託の過程におきましていろいろ問題はございますが、委託者のところを訪れて当初の承諾はとってくる、その後、いつ売ってくれとか買ってくれとか、そうした注文が電話によって行なわれるということが多いわけでございます。その点は、ちょっと先ほどことばが足りなかったかと思いますが、いずれにしましても、そうした電話による不当な勧誘、無差別な勧誘でございますとか、あるいは執拗な勧誘というのは非常に好ましくないことだと思います。
 そこで今回、二月の末に通達を出しまして、その通達に基づきまして、各取引所は電話による無差別な勧誘、電話番号を上から順番にかけていくとかいうような無差別な勧誘でございますとか、職業を有しない婦人を勧誘する、あるいは夜間あるいは早朝非常に執拗な勧誘をする、そうしたことは、今後各取引所とも共通にこれを禁止しようということにまずいたしたわけでございます。
 次に、そうした通達の実行の問題が重要であるということは、これも御指摘のとおりであります。そこで、これにつきましては、各取引所が共同の監査を行なうというような形で、取引所自身がまず第一次的に監督を行ないますし、また、役所におきましても、立ち入り検査その他の機会におきまして、そうした事実がないかどうかを十分チェックいたしたいというふうに考えるわけでございます。
 さらに、こうした問題が起こってからあとでその処理を行なうということではなくて、そうした事態が生じないように十分事前にその予防措置を講ずることが必要かと思いますが、これは何と申しましても、やはり外務員の質の向上ということにまたざるを得ない。それが一番効果がある方法ではないかと思いますが、この外務員の質の向上につきましては、現在社内研修期間を置き、さらに試験を行ないまして、合格をいたしますと登録をいたします。さらに、その登録をしました後におきましても、その後三カ月間は指導外務員をつけるというような形で、新しい外務員であるがゆえにいろいろな問題を起こすことがないようにいたしておるわけでございますが、その面もさらに充実をいたしたいというように考えるわけでございます。
#21
○上坂委員 この被害が起きた場合、外務員に対して、その所属している商社はやめさせてしまえばそれで済んでしまうというようなケースが非常に多いと思うのです。そうなりますと、責任の所在がなくなって、結局勧誘を受けてそれに飛びついたほうだけが悪いというかっこうになってしまうわけでありますが、いままでは、そういう例があった場合には、外務員を商社がいわゆる解雇してしまうのですが、そのあとの商社に対してはどういうふうな措置をとってきたのか。
#22
○荒尾説明員 いま御指摘のように、紛議その他が生じまして外務員の側に非があるということが明らかになった場合に、これが解雇されたり、あるいは転勤をさせられるというふうな事例があるわけでございます。しかし、それによってその商品取引員としての責任は免れるわけではない。外務員の行為につきましては、その会社が使用してそうした行為があったわけでございますから、その外務員の行為については会社として責任があるということで処理をしてまいっておりまして、たとえばいま御指摘のような事例がございました場合におきましては、これについての被害者に対する救済は、その会社が行なうように調停その他の段階においても行なっておるわけでございます。特に古い事例になってまいりますと、二年、三年たちますと外務員がいないという場合がよくあるわけでございますが、そうしたケースにつきましても、会社としての責任は追及をいたしておるわけでございます。
#23
○上坂委員 委託をして取引に参加するような形になるわけでありますが、その場合に、最初は三十万とか五十万とかという少額の金額を預けるわけです。そうしますと、それを持っていって取引をしている間に、まあ少しもうかったようなかっこうで、一回か二回は利益金を届けてよこす場合がある。そのあとは、もう何回電話をかけても、とにかくこちらの通知のとおりやらないで、全くもうかってに取引を行なっているという例、各申し立て人、被害者のほうからの申し立てば大体そういうことになっておるわけです。
  〔田中(六)委員長代理退席、山田(久)委員長代理着席〕
その場合、普通いま御答弁になったような会社が損害の金額をある程度賠償するというようなかっこうになる場合にも、手数料程度しか損害賠償に応じないという例が非常に多い。ところが、最初は三十万だ、あるいは五十万だったものが、だんだん多くなってきて、何百万という被害を受けるような状態になっている人もおるわけです。そういう人たちに対して、それが不当勧誘の原因によってそうなったということがはっきりした場合、いわゆる三十万なり四十万なりの損害を会社が、商社が賠償するというような例がいままであったのかどうか、それから、そういうふうな形での指導を通産省なり農林省なりがしてこられたのかどうか、その点をお伺いしたい。
#24
○荒尾説明員 先生のお示しの各種の紛議の事例、私どもも実は全部拝見をしたわけでございますが、おっしゃいますような事例が非常に多いかと思います。初めは小さい額で始めまして、その後若干利益を上げたというふうな報告をして、その後さらに逆に損害額が非常に大きくなるというふうなケースが多いわけでございます。そうした場合に、損害の救済の限度について、手数料の範囲の中で支払うというふうな場合もございますが、これは両当事者の間において、委託、受託の関係の中におきまして、完全に商品取引員のみに責任があったかどうかという点と非常に関係があろうと思います。完全に商品取引員の側のみに責任があった、実際の責任ということで申し上げますれば、たとえば法律の第九十四条にいいますところの利益保証、これは必ずもうかりますという形で勧誘をいたしまして、その後委託者の指示を受けないで、いわゆる無断売買と称しておりますが、かってに売ったり買ったりをしていくというような形をとっておる、こういうケースがございました場合には、これは手数料の範囲にはこだわりませんで、損害額全額を当然返すべきであるということで指導しておりますし、また、そうした事実が出てきました場合には、これはケースとしてはそう非常に多くございませんが、損害額全額を返さしておるわけでございます。
 ところが、実際の紛議の状況を見ておりますと、ものによりましては、たとえばそうした取引員側の非も認められるけれども、委託者の側におきましても、やはりその人の意思に基づいて売ってください、買ってくださいという指示をしたという場合もあり得るわけでございます。そういうふうに両方の側に責任がある場合、その一部に商品取引員に非があるという事実があったといたしましても、そのためだけに全額を返せということは、実際の問題としてそれが適切な解決であるかどうかという点については問題があろうかと思います。したがって、そうしたケースにつきましては、その責任の程度を勘案しながら、ものによりまして両者の中間におきまして調停が行なわれ、これを両当事者が一応不満であるけれども、その形で和解が成立するということでその紛争が解決される場合が多いわけでございます。
#25
○上坂委員 いま御答弁になった自分の側にも落ち度があるということの場合には、それは本人が一番よく知っていると思うのですよ。したがって、この落ち度があったということを自分がよく知っている場合には、これはたとえば紛議の調停に出ても、あるいは通産省なり農林省等で調査をしても、そのことはある程度はっきりしてくる問題だというふうに思うのです。ところが、その落ち度というのは自分でもうけようと思う中での落ち度という形になってしまうわけですが、実をいいますとそうじゃなくて、全く取引所に対する無知といいますか、知らないというような点から、あくまでもその取引員、外務員等を信用して、あるいは取引所に会員としている商社それ自身を信用してしまって、信用せざるを得ないような形に追い込まれて、そして損害を与えられてしまっているというような事例の場合には、これは全額賠償して救済するというような方向がやっぱり必要であろうというふうに思うわけです。それはやること自体が違法行為という形になっているから、したがって、そうすることが私は妥当であろうというふうに思うんですが、そういうふうな形で処理をされてきているのかどうか、その点についてお伺いしたい。
#26
○荒尾説明員 いま御指摘の点は、実はそういう形で従来の紛争が全部解決されておるとはいえない実情にございます。先生お示しのその商品取引員の会社自身あるいは外務員を信用した、その制度自身については無知である、しかし信用してそれに完全に預けたという場合でございますが、このケースもはたして委託者側に完全に落ち度がないかどうかという点は、必ずしもそのことだけでは落ち度なしというふうに判定するのはなかなかむずかしいのではないかと思います。もちろん、この制度は非常に複雑な制度でございますし、したがって、この制度はどういうものであるかということを十分委託者に納得させた上で委託を受けるというのが筋道でございますし、そうしたやり方をするようにということで指導しております。
 たとえば、商品取引の仕組みはどんなものであるかという、これは各取引所合同のパンフレットをつくりまして、このパンフレットを事前に見せた上で、これを読んでもらって、それから委託を受けなさいというふうな指導をいたしておるわけですが、そのパンフレットの中には、これは非常に妙味もあるけれども、しかしリスクも大きいというようなことも説明をしておるわけでございます。しかし、そうしたことが十分に浸透しない間に委託が行なわれるというケースが間々あるわけでございますけれども、その場合でも、たとえばその委託者が、とにかく制度はわからないけれども、自分の意思でもって預金を引き出してそれを渡しておる、あるいは店に出かけてこれでお願いしますというふうな形になっておる、そういうケースについて、全部商品取引員あるいは外務員に責任があるというふうに見て全額賠償させるということが妥当であるかどうかという点でございます。この点につきましては、従来、そのときの委託の状況、それからその後における売買についての指示の状況その他を見まして一〇〇%の場合もございますし、そうでなくて解決をしておる例もあるわけでございまして、これをすべて外務員等の責任というふうに断定することはなかなかむずかしいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#27
○上坂委員 取引を一たん委託した場合には、そのつど指示をする、こういうかっこうになっておるわけですね。それがやられていないのが非常に多いのですが、最初三十万なら三十万で始めたのが、いつの間にか三百万だ五百万だというふうになるというのは、どういう形でそこまで大きくなっていくわけですか。
#28
○荒尾説明員 二つの場合があろうかと思います。お示しの三十万が三百万になるということはなかなかないわけでございますが、一つは、初めには委託証拠金として一定の金額を出しておる。ところが、その後損が重なりまして、これを追い証拠金という形でその損に当たる分を追加をしないといけないということの場合でございます。
 それから、もう一つのケースといたしましては、お示しのように商品取引員がその委託者の指示を得ないで無断で売買をしておる。たとえば、初め十枚買っておったものを無断で二十枚買ったり三十枚売ったりというような形で、無断で売買をしておるという場合でございます。
#29
○上坂委員 無断売買というのは禁止されておるわけですね。禁止をされているのに無断売買をしているという事実がはっきりした場合には、これはもう全額賠償させる、救済をする、そういう方向でやっておるわけですか。
#30
○荒尾説明員 無断売買が明確になりました場合には、法律の第九十四条の違反でございます。その際におきましては、もちろん損害額の全額を賠償させるということが必要でございますし、また、別途の処分として、法律百二十三条による各種の処分を行なうことができますし、また、そうした処分を行なうべきであると考えます。
#31
○上坂委員 いわゆる不当介入なり無断売買なり、やってはいけないということになっていることをやった場合に、それを行なった仲買い人、取引員ですか、あるいは商社に対しては、いままで厳罰というのですか、そういうものほどの程度になっているのですか。
#32
○荒尾説明員 過去におきます処分の事例につきましては、いま申し上げました法律百二十三条による処分でございますが、一番重いものといたしましては、これは他の原因等もたくさんございまして、昭和四十六年に許可の取り消しを行なったという事例がございます。そのほかのものといたしましては、二十日程度の営業停止命令をかけたというものもございます。そのほか、二日ないし四日、ものによりましては一週間くらいの営業停止をかけておるというふうな事例もあるわけでございます。
#33
○上坂委員 許可取り消しをした事例というのは幾つありますか。
#34
○荒尾説明員 許可取り消しをいたしました事例は昭和四十六年に一件だけでございます。
#35
○上坂委員 もう一つ、紛議の調停問題でありますが、この紛議の調停をする場合に、調停員というのはどういう人がなるのですか。
#36
○荒尾説明員 紛議調停の方法として二つございまして、定款に基づく紛議調停と簡易調停という二つの方法がございます。定款に基づく紛議調停の場合につきましては、調停員が任命されるわけでございますが、この調停員は、取引所の職員及び取引員、それから学職経験者ということで第三者が入っておるわけでございます。それから簡易調停の場合でございますが、これは取引所の事務局が行なっておりまして、取引所の職員がこれに当たっておるわけでございます。
#37
○上坂委員 紛議調停をする場合に、いままでの例としては、定款によるものと簡易によるものとどちらが多いのですか。
#38
○荒尾説明員 ほとんどのケースは簡易調停による場合が多いわけでございます。
#39
○上坂委員 そうしますと、結局は、事務局段階で処理をされてしまうという形になっておると思うのですね。結局第三者が入って公正な形での紛議調停というものがなされていない、そういう例が非常に少ないというふうに考えます。それではほんとうの調停にならないのではないか。取引所の事務局で調停をする場合には、紛議の相手が何といってもこれは取引員でありますから、会員でありますから、会員に対して寛大な措置をとるとか、あるいはいろいろな言いわけといいますか、方法というものを是認するというようなかっこうになってしまうのではないかというふうに思うのです。こういう簡易調停のやり方をこれから全部改めていくというような方向にすることは一体できないのかどうか、その点についてお答えいただきたい。
#40
○荒尾説明員 簡易調停によるかあるいは定款に基づく正式の調停にするかというのは、これは、いまのように第三者といいますか、会員外の被害を受けた人がある場合には、その人の選択によってどちらを選ぶかが選べることになっておるわけでございます。正式の調停の場合、取引員の側から第三者を相手に調停をします場合には、その第三者の同意が必要であるということになっておりますが、第三者といいますか、部外の委託をした人からの申し出による場合は、商品取引員は必ずこれに応じなければならないということになっておりまして、その選択権は委託者の側にあるわけでございます。正式の調停になりますと、どうしても期日の指定その他手数がかかるという面があって、迅速な解決を望むという面から簡易手続を選ぶ傾向があるのではないかと思いますが、ただ、実際問題といたしまして、取引所の制度に熟知していない場合に、定款に基づく正式の調停があるということを御存じないで事務局だけの調停によっておることもあるのではないかというふうに考えられます。
 そこで、今後私どもは、取引所に対しまして、そうした申し出がありました場合においては、制度としては二つ方法がある、その選ぶ場合に、定款に基づく調停の場合にはこういう形で調停が進められる、簡易手続の場合はこういう形で手続が進められる、そのどちらを選ぶかを選択するようにということを事前に申し出があった人に対しましてよく周知をさせまして、その自由な判断に基づいてどちらを選ぶかを選択してもらうという形をとりたいというように考えます。
#41
○上坂委員 この紛議調停の場合、いわゆる農林省なり通産省なりが、役所のほうでこれに参加していくという方法はとれないものなのですか。
#42
○荒尾説明員 紛議の調停に対して役所が参加をし、役所が実施をするということでございますが、公式の政府機関の一機関として役所が入るということになりますと、これは裁判ほどではないと思いますが、しかし契約上の責任を証拠によって明らかにすることが必要になろうかと思います。ところが、先ほど申し上げましたように、この売買の委託が物証を残さない形で委託、受託が行なわれたというケースが非常に多くて、実際の物証といたしましては、たとえば契約をすることについての承諾書でございますとか、あるいは売買契約が成立したときの通知書が委託者のところに送られておるとかいう形で、書証の形で証拠が取引員側に残っておるケースが非常に多いわけでございます。そういたしますと、それだけを見てみますと、どうしても実態に即した弾力的な調停ということがなかなかむずかしくなる面もございまして、そこをある程度心証を加味しながら委託者の側に立った調停を進めるということにいたしますと、公的な機関というよりも取引所に行なわせることが適当ではないかということで、従来からこれを行なわせておるわけでございます。私ども、そうした形のほうが弾力的な解決が得られるのではないかというふうに考えておりますが、しかし、取引所の調停のしかた等につきましては、取引所に対して、ふだんからその調査の結果等を聴取いたしまして、どうもこの点を調べていくべきでないか、ここに取引員側の落ち度があるのではないかというふうな指導は従来からいたしておるわけでございますが、これは今後とも強化をいたしたいというふうに考えます。
#43
○上坂委員 いま弾力的な調停ができないというふうなお話だったわけですが、裁判所と通産省あたりは違うので、これはそうした公正な取引をさせるということが前提になってそうした紛議に入るということなので、裁判所なんかとは性格がやはり違うのじゃないかと私は思うのです。そういう点では、通産省なり農林省が中に入っても、私は何ら差しつかえないと思うのですが、いままでそういうことは全然考えてはこなかったということなのですか。
 それからもう一つは、警察の方がおいでになっていると思いますが、いま言ったような点について、裁判所ではありませんから、通産省なり農林省が入るということについては、警察署なんかは、こういう調停に参加をしていくということについてはどういうふうにお考えになっているか。その点についてお伺いをしたいと思います。
#44
○荒尾説明員 従来におきましても、役所が行なってほしいというふうな委託者からの申し出でございますとか、あるいは第三者からそうした意見が出た場合もございまして、検討はいたしておるわけでございますが、先ほど御説明しましたような理由と、もう一つは、委託者が、先ほど先生の御質問の中にもございましたが、全国各地に散らばっておるわけでございます。そこへ役所が参加をするということになりますと、どうしても中央で行なうということになるわけでございますが、そこに一々出席をしてもらう、申し出人に出頭してもらうということになりますとかえって御不便もあるということもございまして、全国に十九の取引所が各地に存在するわけでございますが、そうした委託者に比較的近い場所において調停が行なわれるほうがかえって便利であるという面、さらに率直に申し上げまして、役所の人員の問題等もございまして、それが実現の運びに至っていないわけでございます。
#45
○上坂委員 取引所が各地にあると同様に、通産省なり農林省なりの出先といいますか、そういうものも各局が各地にあると思うのですよ。そういうところから出れば、そういう点は十分に補っていくことができるのではないかというふうに私は思うのです。
 それからもう一つ、警察の方にもお答えを願いたいと思いますが、物的な証拠の問題でありますが、これは最初は承諾書なり何なりになってしまうわけで、あとは電話とかなんとかというものは、これは証拠が残らないわけですね。ところが、委託する場合は電話でかまわない、あるいは口頭でかまわないということになりますと、これは一切物証は残らないという形の取引だというふうに解釈していいと思うのですよ。そういたしますと、電話をかけたか、かけなかったかということがやはり一つは問題になっていって、それで、一体電話がかかってきたかどうかということについて、取引員なりあるいは商社がちゃんとそれを控えにとっておくというようなことがどうしても必要になってくるのじゃないかというふうに思うのです。そういう点についての指導は、どういうふうにやっておられますか。
#46
○荒尾説明員 最初の点でございますが、確かに通産省、農林省とも出先機関を持っておるわけでございますが、これも、たとえば通産省の場合で申し上げますと、通産局が全国八地域に存在をするわけでございます。それで、取引所の地域と必ずしも一致しないという面がございます。もちろん、先生御指摘のとおり、不可能ということはございませんけれども、なかなかそこにおります職員の数等も考えますと、実際問題といたしまして、これがむずかしい面もあるということでございます。
 それから第二番目の物証の点でございますが、当初の段階を過ぎて売買が実際に行なわれる場合、電話あるいは口頭によって、売りあるいは買いの指示が行なわれた。そういたしました場合には、それに基づいて売買が成立をいたしますと、売買の成立の通知書というようなものを取引員から委託者に発送をするわけでございます。そしてその売買が成立したことについて異議がある場合は、委託者の側から遅滞なく申し出をするということに、これは受託契約準則で定められておるわけでございます。そうした売買成立の通知書が送られました場合、それについて異議の申し立てが出てきていない、そうして何カ月、あるいは一年なり二年なりたったあとになりましてその通知書だけが残っておるということになりますと、それが一つの書面による証拠としてあとに残るという場合があるわけでございます。
#47
○相川説明員 先生御指摘のように、口頭や電話等による申し込みですか、やりとりにつきましては、確かに後に証拠が残らぬわけです。したがって、私どもは、そういう水かけ論については、証拠として自後の捜査に活用することができませんので、取引所会員あるいは外務員の取引所法違反なり、詐欺なり、横領なり、そういう容疑が濃厚になりました場合には、いわゆる捜索を行ないます。そしてそこで押えた証拠書類と先ほど御答弁のありました売買の成立通知書だとか、あるいはお金――証拠金ですか、証拠金を入れた関係の書類だとか、そういうものをもって、いろいろ証拠として立てて、事件の成立といいますか、容疑を明らかにしていくというやり方をとっております。
#48
○上坂委員 いまの物証の問題で、たとえば電話で取引を依頼されたという場合に、いつ幾日の何時ごろその電話がかかってきた、そのことによって取引をしたというような形がないと、これはもうしょっちゅうこういう問題が起こってくると思うのですが、そういうことについては、これは煩瑣だからできないというふうにお考えなんですか。
#49
○荒尾説明員 実は私も、その商品取引員等が実際に電話で売買の委託、受託をしております現場を見ておりませんので、必ずしもそういうふうにはっきり申し上げることはできないのでありますが、実際には、その日の相場の状況が何円であるとか、前場の第一節は何円であるという状況を電話で話をしながら、これで売ってくれ、買ってくれというふうな注文をとるというケースが相当あるようでございまして、特に取引員と委託者との間に継続的な委託、受託の関係があります場合に、そうした形で電話による注文の行なわれるケースが非常に多いようでございます。そういたしますと、非常に時間を争うということがございまして、それを物的な証拠という形で残すことが非常にむずかしいという面が従来からあったのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#50
○上坂委員 この取引所の市場案内によりますと、非常によく書いてあって、そういうことは絶対にないというふうにとれるわけですね。それにもかかわらず、こうしたことが非常にたくさん起こってきておるというところにやはり非常に問題があるだろうと思うのです。したがって、問題なのは、新聞折り込みや利殖のしかた等の単行本を一緒によこすとか、いわゆる勧誘のしかた、そのことについてこれは徹底的にやはり取り締まるという形がないと、これは防ぐことができないのではないか。この点について、徹底的な取り締まりをするようにするためにはどうしたらいいかということについてひとつお答えをいただきたいというふうに思うのです。
 それからもう一つは、そういう事実が発生をした場合については、これはやはり役所のほうがこれに対して入って、そしていわゆる取引所だけにまかせるということのないような形での解決のしかたを今後検討をしていくということがどうしてもやはり必要だろうというふうに思います。
 それからもう一つは、こうした損害を与えたものがはっきりした場合には、これはもう処分の点できちんとしたものをしていかなければだめなんじゃないか。聞くところによりますと、一日か二日は営業は停止できるのですか、それで済ましているという例が非常に多い。これではあとを断たない。半年なり一年なりこれはもう完全に営業を停止するとか、あるいは許可の取り消しをしてしまうというようなかなり厳罰をやらないと、私は防ぐことができないのではないかというふうに考えるわけであります。その点についてちょっと……。
#51
○荒尾説明員 第一点のこうした紛議、苦情の絶滅体制の問題でございますが、私ども、もちろんこうした苦情、紛議が商品取引所の一つの大きなデメリットでございますし、そういうことを絶滅するために各種の検討を行なっておるわけでございます。
 これを絶滅する方法という御質問でございますが、もちろん私どもも従来以上に商品取引員に対する立ち入り検査その他を十分活用いたしまして、こうしたケースが発見されました場合には、これに対して厳重な処分を行なうということをまず考える必要があるかと思います。
 それから、取引所におきましても、会員自治のたてまえでございますけれども、同時に取引所は商品取引員を監督するという立場にございますので、取引所当局による検査というものも十分実施をさせるようにいたしていきたいというふうに思うわけでございます。
 これから二番目の損害につきましての紛議解決の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、特にこの制度を熟知しない委託者の場合につきましては、委託者側に立った調停を進めさせるということを今後とも指導をいたしていきたいと思います。
 さらに、そうした調停の過程におきまして役所がどこまで参加をするかということでございますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、種々困難な問題が実はあるわけでございますけれども、今後検討させていただきたいというふうに思います。
 これから最後に処分の問題でございますが、処分につきましては、確かに過去の事例としては一日ないし二日というふうな事例が多いわけでございますが、この一日ないし二日の処分をいたしております理由といたしまして、先ほどから申し上げております証拠の問題が実はございまして、十分な証拠がとれないというケースが非常に多いわけでございます。しかし、そうした証拠はないけれども、信義則に対する違反だ、誠実に説明をし、その納得を得た上で委託を受けなければならないという、そういう信義則に違反をしたということでそうした処分を行なっておるわけでありますが、今後とも先ほど申し上げましたような違反事実の確認につきまして一そう厳重にいたしまして、違反事実が確実につかめたという場合におきましては長期の処分もあえて辞さないという態度でまいりたいと思うわけでございます。
 以上、お答えいたします。
#52
○上坂委員 時間がありませんから結論に入りたいと思います。
 いまのことともう一つは、被害が完全に取引所側の落ち度によって行なわれているという形で会員あるいは取引員のほうに問題があるというふうな場合には、これを全額賠償させるという方向に進めるべきであるというふうに思いますので、そういう方向にできるだけ指導をすることが必要だろうというふうに思います。
 それからもう一つは、そうした勧誘にひっかからないようにこれは教育宣伝をしていかなくちゃならないというふうに思うのですが、これについてはなかなかたいへんだとは思いますけれども、テレビなんかの報道機関を十分使いまして、そうしてこれについて徹底をしていくということが必要であるというふうに思います。被害者の状況を聞いてみますと、承諾書の裏にいろいろ書いてあるようでありますが、そういうものを読むということがなかなかない。これはわれわれ自身が銀行取引をやったりなんかする場合でも、なかなか完全に全部読むということがない。それと同様に、知識のない人においては非常にめんどくさがるというような状態もあると思うのです。これは何か聞きますと、あまり小さくて、ごちゃごちゃ書いてあるのでよくわからないということも一つの原因になっておるというふうに思うのです。したがって、勧誘をするというような場合には、これは大きなもので書いていくという形でなければいけないというふうに私は思うのです。とにかく取引所は、公正な立場で公正な市場相場を決定していくというところでありますから、そういう線に沿ってひとつこうした問題が将来生じないように農林省なり通産省で十分取り締まりを強化していただきたいというふうに思うわけであります。
 それから警察庁にお願いをしたいのは、こうした、先ほど御答弁がありまして、詐欺事件の疑いが非常に濃厚であるというような場合には、十分調査をして捜索をしながらやられるということでありますが、これについては物的な証拠なり何なりがあがった場合には、これは徹底的に取り締まっていただくようにお願いをしたいというふうに思うのです。
 それから、農林省の方には質問は特にしなかったわけでありますが、通産省のいまの取引所の関係と同じことでありますので、そういう点についても、農林省としても十分いままで申し上げた線に沿って考慮してくださるようにお願いをしたいというふうに思うのです。
 いま申し上げたことについて一言だけ御答弁をいただければ、これで終わります。
#53
○山下(英)政府委員 不当な勧誘をはじめるる拝聴いたしました事柄は、従来とも取引所行政の重要な行政目的としておったところでございまして、結論としてお申し越しくださいました点は、今後私どもの行政の指針としてよく頭に入れてやっていきたい、こう思います。
#54
○相川説明員 先ほどから先生御指摘のありましたように、商品の先物取引をめぐりまして、最近といいますか、このところ、悪質な業者が善良な市民を食いものにしているような状況が実はうかがわれるわけでございます。そこで、私ども警察といたしましても、一般の国民、そういう被害者になったという市民の方からいろんな苦情なり相談を持ち込まれるわけです。そういうものを端緒といたしましていろいろ内偵を進めて、外務員から入りまして、会社ぐるみでいろいろ悪質な営業をやっているところもないわけではないわけです。そういうものに対して、警察としましては取り締まりを強化してまいりまして積極的にやってまいりたいと思います。
 過去のいろいろ扱いました事件の例を見ますと、御指摘もございましたが、特に、こういう商品取引の知識のない一般家庭の主婦なりあるいは一般の方、農家の方などですが、そういう方をねらい撃ちをしているような傾向も見られるわけです。その背後に会社ぐるみというような傾向もうかがわれます。したがって、私どもは、そのような事犯の国民生活に与える影響は非常に大きいわけですから、最近特に力を入れましてこれが取り締まりに当たっているという状況でございます。
 なお、商品取引所法違反というケースもございますけれども、実は不当勧誘だとか無断売買だとかいうようなものにつきましては、それ自体罰則がないわけです。したがって私どもは、そういう個々のケースにつきましては、横領とか詐欺とかあるいは背任とか、そういうものを一々立証していきまして取り締まりを進めているような次第です。そういう方向でやっておりますということを一応御了解いただければと思います。
#55
○上坂委員 今度のこういうケースの場合には、いま預金なんかしていても物価のほうが高くなって預金の利子のほうが安いというようなところから、いまの生活環境の中からそういう問題が出てくるというふうに思うのですが、委託するような形になってしまった場合でも、これは気がついたときにはすぐに取り消しができるというような形の法制化といいますか、クーリングオフというのですか、そういう形のものが取引所の形のものではできないのかどうか、これについては研究していただきたいというふうに思いますが、どうでしょう。
#56
○荒尾説明員 割賦販売等の場合におきましては、先生御指摘のクーリングオフの期間を設けておるわけでございます。商品取引の場合、通常の場合でございますと、委託を受けますと直ちにこれを取引所にそのまま売買につないでしまうということになっておるわけでございます。したがいまして、クーリングオフを設けることは、この検討はいたしたいと思いますが、非常にむずかしいのではないかと考えます。むしろその場合に、すぐ気がつきましたときは反対売買を行なう、買いを押えたい、やめたいと思う者は反対売買を行なう形を徹底させる。御指摘の例の中にも、そうした反対売買の申し出をしたけれども、なかなかそれを切ってくれないということで、損害額が大きくなったというケースがございますが、そうしたことがないように指導を強化いたしたいというふうに考えるわけでございます。
#57
○山田(久)委員長代理 中村重光君。
#58
○中村(重)委員 公取委員長にお尋ねをいたしますが、前回の質問の際、何しろ十七分間の質問でございましたから、往復十七分間では全く質疑にもならなかったわけですが、最近の商品投機の問題に伴って、大きく浮かび上がってきたのは、大商社、特に六大商社が支配力を強めるために、関連企業の株式を取得するという傾向が非常に強まった。これは大きな弊害をかもし出してきているところの要因の非常に重要な問題点であろう、私はそのように思います。公取はこれらの点に対しましてはもちろん関心を持っていらっしゃると思いますが、独禁法の観点から、どの程度これに関心を持ち、この実態を把握し、また、これに対処しようとお考えになっていらっしゃるのか、伺ってみたいと思います。
#59
○高橋(俊)政府委員 お尋ねの点、まことに私どもも重要な関心を持っておることでございまして、公正取引委員会は、これは法律の規定に基づきまして五〇%をこえる持ち株率になるものについては、すべて報告を徴しております。ただし、この目的はあくまで系列支配と、それから系列支配そのものは直ちに独禁法違反にならない場合が多いのでございますが、そうではなくて、その下部の競争関係にあるものを支配する。たとえば、三社なら三社競争会社があるのに、それらについてすべて一つの商社が支配力を及ぼすということになれば、これは独禁法上当然問題になるわけでございます。そういう観点から、比較的株式を通じて支配をしている状況については、この特別に設けられた制度によりまして従来とも十分に監視しているところでございまするが、最近の状況におきまして、特別にその系列支配を強めるために買い入れたというのがまだあまり目立つところまで来ていないけれども、それは実際はあるのだろうと思います。
 こまかく見ますと、何も五〇%をこえるものだけが子会社というわけではありませんで、もっと持ち株率が低くても、実質的に支配し得る場合が多うございますから、確かに昨年中における――これは商社に限りませんが、法人が非常に多く株式を取得したということの中において、特に商社が豊富な資金力を利用して株式を買い入れたのじゃないかという点がありまして、それらについては十分関心を持ってなおいま検討中でございます。特に著しくふえたというふうにもなっていないが、しかし、従来の持ち株をさらにふやしておるというふうなことはざらに見られることではないかと思います。
 それで、私どもの公取の態度としましては、この商社の問題というのは、今回の商品投機についてはたして商社が投機を引き起こした、買い占めなどをやった帳本人であるのかどうか、なかなか突きとめ得ない面も多いのでございまするが、そういうこと等は別にいたしましても、とにかく巨大な、いまや非常に大きく成長してしまいまして、それだけに輸出とかの貿易面だけでなくして、国内面についてもたいへんな影響力を持っておる。国内経済では、いわゆる普通の商社としての当然の活動のほかに企業支配、産業支配をするという感じが出てまいっておりますので、これはたいへん問題とすべき点でございますが、一つ一つとらえると必ずしも独禁法違反とは言えないようなものが多いのでございます。全体として総合的な支配力、影響力を強めてきておるというのは、日本の商社というのは一種独特の存在でございます。これはどうしても独禁法の立場からも放任しておけない問題であると私ども考えます。
 それで、御承知のとおり、これは非常に複雑でございますから、どこがどうからんでいるか、ずっと系列に至るまでメスを入れていかなければならない。そういうことで、相当の時間はかかるとしましても、これからの重要な課題の一つとして取り上げまして、全体としてこれは規制を要するのじゃないか、弊害があって何らかの規制を必要とするのじゃないかということになれば、それに対してどう対応するか。現行の独禁法でそのままいける面も私はあると思います。あると思いますが、なお足らざるところをどうするかというふうな点にもいくのじゃないかと思いますが、総合商社の問題は、確かに今回の投機だけでなくて、日本の経済全体の中に占める影響力から考えて放置できない問題であると考えております。
#60
○中村(重)委員 大商社、なかんずくその中でも六大商社であるということがいえようかと思うのでありますけれども、この株式取得の問題、系列支配の問題に対しては重大な関心を持っておるということでありますが、関心を持っておるということだけではなくて、具体的にこの問題に対して取り組んでおられるのか、また調査を進めていくというような考え方をお持ちなのかどうか、その点いかがでしょう。
#61
○高橋(俊)政府委員 具体的に調査を進める方針はすでにきめております。ただし、これについては、いかなる方法をとればいいのか、どこでそれを担当させるか。どうもある特定の課だけで不十分ということであれば、他の課は分担する仕事をどういうふうに分け合って調査を進めていくか。ことにこれは非常に複雑でありますので、たとえば一つの課だけでやるのでは不十分ではないか。別な方面からお互いに掘り下げていって、そしてそれを突き合わせるというふうな方法をとらなければならないし、相当の時間はかかりますけれども、具体的に調査をし、抽象的な答えではなしに、私は、いまや公正取引委員会の中でそういうような掘り下げをするための準備に取りかかっている、これは必ずやるというつもりでおります。
#62
○中村(重)委員 商品投機が原因と結果ということになってくると、公取の委員長がいまお答えになったように、なかなかこれはむずかしいですね。原因は過剰流動性にある。この過剰流動性というものをたくみに利用して商社が買い占めあるいは売り惜しみをやったことが結果として出てきておる。この商社が衆参両院に出席をいたしましていろいろ発言をしておるのを聞いてみましても、商品投機ということが目的ではなかった、しかし、相当な買い占めをやり、また売り惜しみをやった事実は頭から否定をしていないということですぬ。売り惜しみをやり、買い占めをやったということが商品投機を促したということだけは、これは否定することのできない事実である。このことを考えてみると、公取委員長としても、たいへん複雑であり、むずかしい問題ではありましょうけれども、これが国民に重大な損害を与えておるという事実の上に立ってきびしく調査に乗り出し、取り締まりをやっていただきたい、こう思うわけであります。公取委員長も、これまた各委員会に出席になられまして、いろいろ質疑に対するお答えをしておられるようでありますけれども、なかなかむずかしいということを言っておられる。共同行為であるかどうかというようなことの判定がむずかしいということであろうと思うのですけれども、ここで平面的に公取委員長に考えてほしいことは、商社が買い占めをしたりあるいは売り惜しみをしている同一商品、しかもその価格というものは大体共通しておるということですね。共同行為をしておるかどうかという事実をつかむということはたいへんむずかしいでしょうけれども、やっておるであろうかやっていないであろうかという疑問をもって臨むのと、これはやっているんだ、何としてもこの事実をつかみたいということで取り組むのとでは、かまえが違ってくるんじゃないでしょうか。だから、その事実をつかまなければならない、そして国民の利益を守っていかなければならないという考え方の上に立って公取は対処してもらいたいと思うわけであります。まずその姿勢の問題ということになってまいりましょうが、ひとつ委員長はそれらの点に対してのお考え方はいかがでしょうか。
#63
○高橋(俊)政府委員 私どもも、いやしくも調査をするといたしました以上、これは中途はんぱな考えでやっているのではありません。ただ目的が、今度新しく法律ができるわけでありますが、そういった目的そのものと独禁法とは少し性質が違う、これはすでに御承知のとおりです。ですから、初めから私どもは、たとえば羊毛の買い付けについて共同行為があったかどうかという点はただしておりますけれども、買いあさり、いわば過当競争の結果オーストラリアにおける羊毛の相場をとんでもない高い値段につり上げてしまった。これが先行しておるわけです。先にこういうものがあり、そしてこういうことがたちまち国内相場の上に反映して、先にいけば羊毛が実際には足りなくなるんだというルーマーといいますか、ルーマーではないかもしれませんが、そういうことが先に伝えられて投機行為としてつり上がった。
 ただ、私ども疑問に思っておりますのは、そういうこともありますが、投機の上でのことになりますけれども、非常に高い現地相場を一体だれが指示したのか。大体商社の場合に、現地法人になっているのがオーストラリアには多いのですけれども、現地法人といいましても、実際に指示権を持っておるのは親会社である日本の総合商社でありますから、これは同じと見ていいですけれども、そういう高い値段で、二倍でも三倍でもいいというふうな買い付けをどうしてしたのかという点ですね。他の国では、そういうときにはむしろ手を引いておるというふうな情報もあるわけです。そうしますと、委託するとすれば、これは羊毛でもって糸をつくる紡績会社が値段を問わずオファーしたのかという点、こういう点はどうもはっきりしない。しかし、突き詰めていけば、値段を問わない注文に途中から切りかわった。最初はインデントと申しますか指し値で注文した。指し値では買えないということになったら今度指し値なしの値段でいいという、かなり値幅をまかしたというような形で……(「それは商社がしたんだ」と呼ぶ者あり)だからそこの点、はたして委託する側が本気でそういうものを注文したものか、あるいは商社が自分でかってに買い付けをしてしまって、あとからつじつまを合わせるためにそういうオファーをしてもらったというのか、その辺のことを突きとめるのが公取としてはたいへんむずかしい面がある。立ち入り検査権があればいいが――これは独禁法の問題ではないんですね。それは投機をしてつり上げたやつはだれかという問題に対するもので、その辺で、私どものほうでは、ですから新しい法律が必要だと申し上げたわけでございまして、他の問題についてもそれぞれある程度の現象的なことはわかっておりますが、はたしてどちらがつり上げを策しておるのか、品物をだれが持っておるか、商社は自分では在庫を持ちません。これは原則でございます。だから右から左に売ったことになっておる。その買い取った先々まで調べていかなければ、どこかに滞留しておりまして、流通段階で放出がおくれておる。
 そういうことから、たとえば木材が非常に足らない。木材は輸入不足がございます。並びに昨年の途中まで輸入を少し減らしておるということ、これは実はいろいろな政府側の事情も入っておるのでございますが、とにかく木材の輸入が普通よりも少し低いくらいのテンポで入っておるのに、需要のほうは急に秋口から大きく出てきた、非常に強くなった、そういうことが非常に騰貴した原因をなしたということもありまして、はたしてどこでどうなっておるかということを突きとめるについては、片一方の言い分だけ聞いたのではなかなかわからないし、もちろん公取へ呼んで事情を聴取しましても、正直にありていに言う人はいないわけであります。そういうことから、私どもは十数名を使って調査をしておりますが、非常な困難性があるということを申し上げた。ただし、調査を打ち切ったわけではございません。今後も不明な点はさらに突きとめていきたいと思っております。
#64
○中村(重)委員 委員長お答えになったように、商品が騰貴した要因というのはいろいろあるだろうと私は思うのです。前段にお答えになった点が私は非常に重要だと思うのです。私どもから公取は何をしておるのだ、なぜに商品投機の問題について調査しないのかとけつをひっぱたかれて、不承不承公取は立ち上がっておるような印象を受けますね、いまの御答弁の中から。特に私は、前段の答弁の中からそういう印象を受けるのです。ことばじりをとらえるのではありませんが、商品投機が行なわれてきておる羊毛の問題についていろいろ例を引いてお答えになったけれども、そうしたことは独禁法の問題ではないのだという考え方、これは公取委員長、そもそも間違っておるのじゃありませんか。独禁法の問題であるのか、独禁法の問題でないのか、共同行為をしておるのか、していないのかということは十分調査をし、これをきわめて、実態を把握して初めて答えとして出てくる問題ではありませんか。頭から独禁法の問題じゃないのだというあなたの考え方は間違っている。あなたはやる気がないのですよ。あなたはやむを得ず立ち上がっている。――立ち上がっているのかどうかわからぬ。立ち上がっていないのかもしれない。私は前回もあなたに対して御指摘を申し上げましたが、独禁法の目的、その目的も前段と後段というようなものは、これは非常に幅があるように思います。
 それから、それぞれの条文は、関連はありますけれども、独立して働いているということが言える。第四十条の問題にいたしましても、私はこれは前回も読み上げましたからきょうは読みませんが、共同行為の実態、共同行為であるということをはっきりつかんでいなくても、これの四十条に基づいて調査をしているときに共同行為をやっているかやっていないかということが初めてつかめるのではないでしょうか。ならば、あなたがいま調査しておられるというならば、具体的にどのような調査をお進めになっておられるのか、条文としては何条に基づいてやっているのか、そしてその方法は、具体的にどういう方法でお進めになっていらっしゃるのか、そこらあたりをもっと詳しく御説明いただきたい。
#65
○高橋(俊)政府委員 たいへんきびしいおしかりを受けておるのですが、私としては、先ほども申しましたように、やると言った以上はやっているのです。しかし、これはそういうふうに――なぜかと申しますと、あまり詳しく調査しなくても、たとえば総合商社等が悪いのだ、この騰貴はそういうところに原因があるのだということで、たとえば発表するとしますれば、それは一般的には何か調査して指摘したように見えるかもしれませんけれども、私は初めからその点をお答えしておりますが、独禁政策というのはやはり競争維持政策である。したがいまして、御指摘のとおり共同行為があれば、これは独禁法上問題になる。
 そこで、共同行為があるかないかは確かに調査してみなければわかりませんから、四十条による調査をとりあえず行なう。もしその共同行為の疑いがあれば四十六条に切りかえます。それは当然四十六条に切りかえて、立ち入り調査を含めて、いまのやり方よりはもっと強い方法をとれますから、その点では共同行為を行なったと見られる何らかの証拠らしきものが得られればやるつもりでおりますが、いままでのところはなかなか手がかりが得られなかった。
 調査の方法といたしましては、各商社並びに商社だけではございませんが、関係業者と見られるものに対しまして、一定期日内にこういう資料を提出しろ、それは買い入れと売却と在庫とか、こういうのが原則でございますが、いつどれだけ買い入れて、それをどれだけ販売し、そして在庫の変動はどうなっているかというふうな点をまず把握するということが中心でございますが、これはかなりの数の相手方から、それぞれ品目によって違いますけれども、商社についても十数社からいろいろ取っておる例が多うございます。
 そして、それだけでは困りますから、業界の代表といいますか、業界の責任者と思われる者に公取へ来ていただいて、そこで事情聴取をする、これは四十条にいう調査の限界でございます。もちろん四十条も、おわかりのとおり、これはほかの調査をするのじゃないので、公正取引委員会がその職務を行なうにつき必要があると認めるときでございますから、何でも使えるというわけではございません。やはりこれは何か公取が調査上必要がある、問題に関連して必要があると思ったときでございます。
 それは何かというと、やはり共同行為等がありはせぬかというふうな点に重点を置いて調べる。その前提として、いかなる買い付けを行なったのか、どういうふうに物を引き渡しているのか、どこへ売っているのかというふうな点でございますね。たとえば大豆の例なんかで言いますと、一つの例を申しますれば、船に乗せて、そして洋上で直ちに八〇%を売却し、それから途中で一五%を売却する、五%しか商社自身はこちらに着いたときには持っていないというふうなしきたりになっておる。しかし、さらに突き詰めて言うならば、向こうで買い付けて、どこかで船に乗せることをおくらせる行為があったかなかったか、しかも、それを共同で行なったかどうかというふうな点がつかめないと――共同でわざと出荷をおくらせるような措置をとったかどうか、これらについては、私どもいままで見たところでは、買い付けをして、それを船に積むことを共同して故意におくらせたというふうな事例は、これはなかなか把握できない、なさそうに思います。
 そこで、逆にいえば、私どもが、商社には今度の買い占め問題についてそういう責任がないのだというふうな言い方を曲がりなりにもいたしますと、これは私は非常に弊害があると思います。そういうことがあるかないかは、これからもっと新しい法律に基づいてそれぞれの省が徹底的に調べるということでなければ、これはわからないわけでございます。私どもは、いまのところ、四十六条は使い得る段階にない。しかし、もし何かうまい申告でもありまして、確かに業者が何らかの共同行為で、買い占めばかりでなくて売り惜しみをしている。買い付けるときには競争でありましたけれども、――買い付けば一斉に高値を申し合わせて買い付けているとは思いません。そういうことはないけれども、それぞれの社がみんな共同行為を行なってやったかどうかについてはまずなかろうと思いますが、売り惜しみの点ではあるのではないか、つまりどこか自分でないところに品物を持たしておけばいいわけですから、それらのことについては相当な深い調査が必要ではないか、こう考えておるわけでございまして、決してやる気がないというふうに――これはそう受け取られても私はいたし方ないと思います。自分では、部下の者が、非常に極端に言えば、すき間がないほどこき使われている面もあると思うのです。だから、私としては相当やらしているつもりでありますけれども、問題にできる限界はあると思います。そういうことでございます。
#66
○中村(重)委員 私はあまり耳ざわりの悪いことばを使いたくないのだけれども、あなたの答弁を聞いていると、あなた、やる気がないですよ。共同行為はないであろう、やっていないだろう、やっていないんだ、大体ほんとうにやる気があるのだったら、頭からやっていないであろうというようなことを考えていること、そのものが間違っているじゃありませんか。あなたはジュースの問題にしても、逃げばかり打っているのですよ。それじゃ公取委員長としての任務を果たしていることにならない。あなたの場合は職務放棄なんだ。けしからぬことだと私は思う。あなたはいま四十条でやっているのだということを明らかにされたのだが、四十条でやります場合、九十四条の二によって罰則規定もある。四十条に基づいてそれぞれの規定があるわけでありますが、どのような報告を求めておるのですか。九十四条の二に基づいて罰則もあえて辞さない、そういうような態度で臨まれるということになってくると、相当きびしい報告を求めておるであろう、私はそのように思いますが、そこらあたりはいかがですか。
#67
○高橋(俊)政府委員 どのような資料か、いましさいに申し上げれば十分その内容がわかると思いますが、その前に、私が商社等にいままで共同行為があったということが確認ができないということを申し上げて――確認ができないということであって、頭からないときめているのではなくて、いままでの間に事務当局で相当調査をいたしました、その調査を私が聞いて、そしてそうか、そうなのか、残念ながらいままで確証を得るに至らないという点を申し上げているのでありまして、初めからやる気がなくて、きめてかかっているというふうに受け取られるのは、私としてはたいへん残念に思います。そうではないので、その疑いを持ってかかれ、調査をしろということを言ったんだけれども、商社等の供述等は、むろんこれは否定するばかりでございますから、そうではなくて、反対のほうからも十分聞いて、そうしておかしなことになっていないかということを、投機そのものの、犯人さがしみたいなことを本務とするのではないんだけれども、それも、もしできることなら私どもはしたい。しかし、共同行為をして商品買い占めをしたのじゃないか、そういう点に疑いのポイントを置いて四十条を使っておるわけでございます。そうでなければ四十条はおかしなことになるのでありまして、やはり公取の職務を行なうにつき、必要がある範囲において使うということでございますから、それに重点を当てて調査していることはもちろんでございます。
 なお、ただいまどういう資料をどのように要求したかについては、調べた上でお答えいたします。資料そのものについて、非常にこまかな題目はいままだ私自身持っておりませんので、たいへん申しわけありません。これはどういう事項を調査したか、でき得るならば直ちにでもお答えいたしたいと思います。
 ただし、たとえばどういう相手からとったかとか、調査先等を申しますと、木材につきましては十三社を相手にやっております。それから米もやっておりますが、これは五社を対象にして調査資料を要求しております。大豆の場合には商社が十一、それから精油のメーカーが六社、羊毛の場合には十三社、生糸の場合には十五社、こういう相手方から、それぞれ一定の様式に基づいて、先ほど申しましたが、その仕入れの状況、販売の状況、在庫の状況等を、それらを中心に資料をとっておった次第でございます。
  〔山田(久)委員会代理退席、左藤委員長代理
  着席〕
#68
○中村(重)委員 私は、あなたの答弁を聞いて、それに対してあなたの態度を批判したわけだ。いま調査中なんでしょう。結論は出てないんでしょう。それならば、共同行為がないであろう、やっていないであろうという答弁がいまあなたから出てくることがおかしいんだよ。いまやっております、まだ確認はいたしておりませんということだけでいいんじゃありませんか。あなたは、そういうことをやっていないであろう、していないであろうというような考え方を持って取り組むのでなく、この投機の問題は全く社会悪なんだ、要因はいろいろあろうけれども、通産省までも商社を呼んできびしくこれに注意を喚起しておるというこの事実、そういうことを考えるならば、公取は独禁法の番人として、消費者保護の立場から売り惜しみ・買い占めというものを断じて許してはならない、そういう考え方の上に立ってあなたが取り組むということになってまいりますと、先ほどのような答弁は出てこない。
 それと、いまあなたは、どういう調査報告を求めているのかわからない、ただ材木が何社だ、何が何社だというようなことだけをおあげになった。どのような報告を求めているかということと同時に、四十条でやる場合においては九十四条の二によって罰則の規定もある。その求めておる報告に対して、指示に対して従わなかったというような場合、九十四条の二の規定に基づいてあえて罰則を辞さない、こういう態度でお臨みになるのかどうか。また九十四条の二の罰則を適用されるような調査報告を求めてきているのか。資料がなくとも、あなたがほんとうに取り組んでおるならば、私のこの質問に対してお答えができるはずなんだ。どうなんですか。
#69
○高橋(俊)政府委員 調査報告書を求めまして提出されなかったものは一件もございません。全部提出はされております。しかし、確かにおっしゃるとおりまだ調査不足でございます。ですから、たとえば商社のサイドあるいは精油メーカーを調べるだけでは不十分である、それ以上に突っ込んでいかなければならぬということで、もっと調査の方法及び対象を広げるように私は指示をいたしておりまして、事務当局はそれをいまやりつつあります。そういうことでございますから、罰則の適用そのものはいたしておりません。実際には全部提出はしております。ただ、返ってきたものがすべて事実であるかどうかということの裏づけについては、もっとこれを突っ込んでいかなければならぬであろうと思います。
 なお、商社がこの投機にあたって共同行為がないであろうというふうな表現を用いることにつきまして、私自身も多少ためらっておるのですが、いままでの調査の過程におきましては、そういう行為をこちらはできるだけ把握するように、指示を事務当局にしておりましたが、遺憾ながらまだそこまでは至っておらない。しかし、ないということは断言できません。確かにそれは共同行為がないということはできませんし、これからの場合でもあり得る問題ではないかと思います。ほんとうは十分に品物があり、下がるべきものが下がらないというふうな場合には、これは何かおかしなことがあるという疑いの目をもって見るのが私どものつとめでございますから、おっしゃるとおり、そういうふうな態度でこれからも処してまいりたいと思います。
#70
○中村(重)委員 先ほどあなたは四十六条の発動もあり得るということをお答えになったのだが、四十条に基づいて調査報告を求めた、その報告をしなかった場合、四十六条の強制処分というものがあり得るのではない。四十六条は四十六条として独立してこれを適用していくことができる。そこでどうですか、四十六条の適用をして強制処分をやって、徹底した調査、検査をおやりになる御意思はありますか。
#71
○高橋(俊)政府委員 四十六条による調査権、立ち入り検査権は、これは明らかに法律の上でも読み取れますが、独禁法違反の疑いあり、独禁法に抵触する疑いありという何らかの心証を得た場合に使うものでありまして、何かわからないけれども立ち入り検査をするというふうにはまいらない。相当容疑が濃い――たいていの場合、私どもは職権による探知もございます。こういう実情があるのではないかという申告がある場合に動く例が多いのでございますが、ただ、申告がなくても、私どものほうで、独禁法違反の疑いが濃い、ありそうだということになれば立ち入り検査もいたしますが、そうではなくて、ばく然としてよくわからないけれども徹底的に調べるために四十六条を使うというのはいかがなものかと考えておる次第でございます。
#72
○中村(重)委員 現段階においてはいかがですか。
#73
○高橋(俊)政府委員 現段階においては、それを発動して調査権限を行使するには、若干不十分な点があるというふうに思います。
#74
○中村(重)委員 先ほどあなたは、疑いの目をもって調査に当たらなければならないと言われた。四十条を適用してやったところでは確証を得るに至っていない。しかし通産省が、先ほど申し上げましたように、商社を呼んでこれに警告をする、注意を喚起するという事態まで発展しておる。衆参両院に六大商社の代表が呼ばれて、全面的ではなかったけれども、やはり陳謝をしなければならないという面も出てきた。これはもちろん共同行為という形でそういうことをやっているのではない。しかしながら、商社が買い占めをやったり、売り惜しみをしているということは事実であるし、しかも、木材の価格にいたしましても、その他商社が取り扱っておる同一の商品が同じような価格で売られておるというこれらの事実を考えてみると、数少ない商社が共同行為を行なっておるであろうことは、大体あなたにも判断がつくだろうと私は思う。ならば、四十六条を適用して強力な調査を展開されるということが国民の期待にこたえるゆえんであるし、また、独禁法の番人としてのあなたの職責を全うする道につながってくると私は思いますが、あなたはそう思いませんか。
#75
○高橋(俊)政府委員 独占禁止法に基づいて公正取引委員会は行動するわけでございます。そういたしますと、独占禁止法にある条文、それらの条文について私どもは相当程度に忠実でなければならない。まあ解釈の問題はございます。でありますから、絶対にこうであるというふうなことはなかなか言いにくいのでありますが、四十六条は「事件について」云々と書いてありまして、この「事件」というのはほかの場所でも使っております。それはつまり独禁法違反事件であると一応推定されるものについてこの権限を発動することができるということでありまして、たとえば他の省がいち早く疑いありとして公表いたしましても、御承知のとおり、独禁法の上では、証拠あるいは状況証拠でもよろしいのですが、最終的に証拠が得られなければこれを不問として扱わざるを得ない。ですから、まああまり不確かな状態において四十六条を使って騒がせてみましても、それは非常に調査不十分のままで結局何らの証拠も得られないということになることは慎まなければならないことではないか。
 公正取引委員会というものははたして何だろうかというと、行政機関でもあり、一方で準司法機関でもある。司法機関ではございません。はっきり申しまして、それは行政処分なのでございますから。ただし、これに不服があれば地方裁判所に係属する法律問題でございます。法律問題でございますから、それらの点を頭に置かないで、ただ行政指導というふうな意味とか、警告を発するという意味において法律に書いてある権限を行使するということは慎むべきことであると思っておりまして、この点は窮屈とお考えであるかもしれませんが、従来その線で一貫してそうなっておりますから、御了承願いたいと思います。
#76
○中村(重)委員 私は、あなたにいたずらに職権を乱用しろとか、法律を拡大解釈をして強権を発動しろと言うのではありません。商社もまた国民の一人として権利というものが守られていかなければなりません。しかしながら、今日の商品投機というものが社会悪であるということだけは間違いありません。国民に対して重大な損害を与えているこの社会悪に対してあなたが取り組んでいかなければならない、ただしていかなければならないという場合、私は、いまあなたの四十六条に対する解釈と申しましょうか、考え方は納得いきません。私は、やはり国民の利益を守っていく、社会悪を除去していくということは何ものにも優先をして、この問題に対してあなたが取り組んでいくという意欲がなければならないと考えます。
 ジュースの問題に対しましても、一応あなたはその申請を却下いたしましたが、その事実を無視することはできなかった。このジュースの不当表示の問題は、競争契約に基づいてやはりまぎらわしい、適当でない表示であるということをあなた自身が認められた。それらのことに対して、あなたは実質的にこれを追認しなければならなかったということなんです。問題はそこなんです。しかし、それでも主婦連はついにこれが法廷闘争に踏み切るという結果になってまいりました。この重大な問題に対処していくのに、私はいままでのような公取の姿勢では国民の期待にこたえられないのだという反省の上に立って対処してもらいたいということを強くあなたに要求をいたしておきたいと思います。まだこの問題でいろいろと突っ込んであなたにお尋ねしたいことがありますけれども、また時間をかけてお尋ねをいたします。
 拘束預金の問題についてお尋ねをしておきたいと思いますが、超金融緩和の時代に際してさえ拘束預金というものが低下を見られないということについては、あなたはどのようにお考えになっておられるのか。特に銀行局長の経歴をお持ちであるあなたでありますだけに専門的な知識もありますから、そういう点からひとつあなたの考え方を伺ってみたいと思います。
#77
○高橋(俊)政府委員 拘束預金の最近の趨勢を見ますと、狭義、広義、どちらを見ましてもあまりたいした変化を示しておりません。それは御指摘のとおりであります。金融緩和にもかかわらず、実は逆に金融緩和であったことが債務者の預金をむしろある程度ふやしているのではないかとさえ私は思います。これは借りているほうから聞いた話でございますから私の推測でございますが、商社の場合も同様でございますが、一部は確かに、金がだぶついたから銀行に返すと言いましてもすなおに受け取ってくれない、銀行としてはそんなに返されては困るというふうな態度があった。とにかく日銀券の発行についても問題があって、たいへんむずかしい。私は、どうしてあんなに大きな伸び幅を示したのかと思いますが、預金についても、昨年は前半は少なくとも非常な不況であったわけです。だから九月までの段階をとらえればこれはあまりよくなっていないはずなんです。
 ただ、いわゆる過剰流動性といいますか、外貨が非常に大きく日銀に売られた。実際は政府といってもいいのですが、その結果、見返りに金がどんどん民間に出た。それで非常に水びたしと言っては何ですが、それほど金融が超緩慢になった。そういうことで、返しに行きますと銀行のほうがいい顔をしない。そこでその間にいろいろ交渉が行なわれ、じゃ利子をつける云々ということ、しかし、いよいよどうにもならなくなれば土地を買ったり株式投機をあえて行なったりということが実態ではなかったろうかと思います。なぜ金融超緩慢をわざと続けたかという点については、これはあくまでも円対策として、金融を締めたら円対策に逆になるからという懸念が働いたと思います。そういうふうな状態でありますから、拘束預金、これはたいへん事実の認定はむずかしいと思います。
 私ども公取は債務者の側からは取っておりますが、銀行局はそれをやらない。したがって、銀行のほうの言い分を聞くということについては、やはり銀行局が主になって、これをどういうふうに規制していくか。日本だけの現象ではございませんが、日本のほうが非常にひどい、その程度が大きいので、こういう拘束預金制度は好ましくないことはわかりますが、実際の金利との関係もございます。そういうことを考えて、表面金利が上がっても定期預金を取って拘束するというふうなことはやめる。それは何のことはない、ただ預金を見かけだけ大きくしているだけでありますから、たいへん好ましくないということは確かでございますが、昨年の状況について、私どもはまだ九月現在ではとっておりません。まだ十一月現在でとっておりませんが、五月の現在のところでは減ってない。確かにおっしゃるとおりでございますが、その不況下においても、金融の点では非常に金があふれるほどであったので、銀行と借り入れ者の間に実質金利の低下ははかられたと思いますけれども、拘束預金という形では減らなかった、債務者預金も減ってないんじゃないか、だからこそ二十数%も不況の間に預金が伸びるというふうな現象があったのではないかと思います。
#78
○中村(重)委員 超金融緩和の時代において、債務者は金を返すんだけれども、銀行側が返さないでおってほしいというのは、それは拘束預金とはいいませんよ。拘束預金というのは、言うまでもなく、債務者の意思に反して、銀行の利益を守るために、実質的には債務者に損害を与えてこれを拘束していくというところにあるわけです。
 それから、いまあなたは、狭義の場合も広義の場合も大体横ばいであるということでございましたが、広義の場合においては、私はむしろ拘束というものはふえているような感じがいたします。それに対して、超金融緩和の時代であるから債務者は金を返すというんだけれども、銀行は、返さなくてもいいから一応そのまま使っておってくださいというのまで入っておるのかどうかわかりませんけれども、これはなかなか減らないということでございますね。こうした情勢の中に、今回、金融引き締めという形が出てまいりました。私は、広義の意味でも狭義の意味でも、この拘束性というものは非常に強まっていくのではないかというように思います。
 この拘束預金の弊害という点から、私は特殊指定をいままで主張してまいりましたが、あなたはこの特殊指定ということについてどのようにお考えになっておられるか。現段階においてはその必要がないとお答えになるのでございましょうが、従来の拘束預金のあり方、また将来を展望するときに、債務者の意思に反した拘束性というものが強く出てくるであろうということは考えられますが、今後どう対処していこうとお考えになっておられるのか、考え方をちょっと伺っておきたいと思います。
#79
○高橋(俊)政府委員 私は、中村先生のただいまの御意見に対して、たいへんさからうようなふうにお聞きになるかもしれませんが、銀行局長であった当時に、拘束預金の問題が公取のほうから提起されたわけでございます。私は銀行局長といたしましては、それを公取が特殊指定をするということは反対したのでございます。それは困るんだ、それは銀行行政上、非常に困ったことになる、そういう問題に銀行局が追い回されるといいますか、個別の問題になりますから、一つ一つの問題が、たとえば公取に出てきて、これはけしからぬ、これはけしからぬということになってきたのでは、とても銀行行政はできたものじゃない。銀行局として責任をもってやるべきだと思います。しかしそれには、大体債務者預金という問題から手をつけていかなければいかぬのだという考えがございまして、債務者預金そのものをいかに規制するかということを考えたいと言ったのだけれども、特殊指定ではないが、公取のほうでこういうふうに拘束預金の実態調査をするということで、その実態調査をされることについてはあえて反対するわけじゃないが、特殊指定ということになりました場合に、私が今度逆の立場になりまして、公取のほうをやっているんですが、皮肉にもそういうお話が出ますと、今度は特殊指定をしますと、それに違反したものは、私どもは全部、言ってみればシラミつぶしに取り上げていかなければならぬ。これは実際問題として不可能に近いんじゃないか。一つや二つの例あるいは十や二十の例を追いかけることは幾らでもできます。できますが、そういったことで銀行行政を批判するといいますか、あり方についてどうこうするということは、はたしていかがなものであろうか。むしろ正面切って、これは銀行局当局に対して、どういう方法でこういう問題を解決してくれるのか、これは債務者預金の面から入っていかなければ、つまり、わかりやすく言いますと、拘束するということについて両方の合意があってこうするという場合もあるでしょう。しかし、一般的には債務者が好まないものであります。ですから、債務者がある程度の預金を持つということは、これは銀行取引上当然だと思いますけれども、さて、それを銀行がいいことにして、債務者預金が多いことを喜んでばかりいてはいけないのだ、債務者預金がふえれば、当然その債務の返済に充てる方式、ルールをつくって、なるべく減らす方向に持っていく。金利の面では差別するのはやむを得ません。信用の高いものと信用の薄いものとが同じ金利ということはいけませんから、金利の面でもって差をつけることはいいのではないか、こう言うのですけれども、一方に、銀行自身が預金の拡大競争をしているという根強い姿勢があるものですから、なかなかこの問題は簡単にいかない。したがって、銀行局もこの問題に手をつけることをあまり好んではおりません。おりませんが、私としましては、実際にこの始末をつけるのはやはり銀行行政そのものではないか、公取のサイドからいっても、今後は銀行局に対して何らかの措置を講じてもらうように申したいと考えておるのでございます。大蔵当局は決して喜んではおりません。おりませんが、私は銀行局のほうで行政上さばいてもらわなければ、永久にこんな問題は解決しないのではないかというふうに思っております。ただ、批判する意味での調査は、依然として従来どおり続けることはいたします。
#80
○中村(重)委員 あなたは銀行局長であった関係から、この問題については関心が最も深い、それだけにあなた自身の反省として何ものかがあるだろう。まかしてほしいと言っている銀行局が銀行に従属してきたというこの事実は否定することはできませんよ。銀行局はいままで何をやってきましたか。やってきた、こういうような通牒を出した、何だかんだと言ったって、この拘束性というようなことをどうすることもできなかったじゃありませんか。今日まで銀行を公取の特殊指定にしていないところに問題があるんですよ。公取に呼ばれたっていいじゃありませんか。チェックしていっていいじゃありませんか。あたりまえですよ。少なくとも銀行は公共性の高い機関であると私は考えている。百貨店にすら特殊指定があるじゃありませんか。ならば、私は銀行は当然特殊指定にすべきである。私はこの考え方は曲げません。あなたは銀行局の大先輩であられるので、銀行局に対しましてもあまりきびしいことは言いにくいのかもしれません。まあ親分のような気持ちになって受けとめておきたいというようなことであるかもしれません。しかし、そういう態度であってはいけないので、きびしく特殊指定までいくというぐらいのかまえでもって調査を進める、そうしてこの拘束性の弊害をなくしていくという態度で取り組んでもらいたいと思います。
 予定の一時が参りました。きょうは大蔵省主計局のほうから、あるいは中小企業庁から御出席をいただいておりますが、時間の関係がありましたので、火曜からの質問に回させていただきたいと思います。
 これで終わります。
#81
○左藤委員長代理 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時五十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十五分開議
#82
○田中(六)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。神崎敏雄君。
#83
○神崎委員 まず第一にお伺いしたいのは、定期市場では綿糸の品薄、これが一時ほどではない、こういうふうに一部ではいわれておりますけれども、しかし実需段階では綿糸不足によるいろいろな弊害が続いております。たとえば、メーカーや染色業者、縫製業者、小売り店の綿糸不足の実態を調査されたのかどうか、通産当局にお伺いをいたしたい、これが第一であります。
#84
○齋藤(英)政府委員 お話がございましたように、最近の綿糸の商品取引所の相場は、いっときに比べましておおむねポンド当たりで百円ぐらい下がっております。三月二十六日に三百八十円ぐらいでございましたものが、現在でございますと、たとえば昨日の相場でございますと二百八十七円程度でございます。これは大阪の相場でございますが、おおむね百円ぐらい下がっております。しかしながら、この定期相場のいわゆる価格と申しますのは、経済情勢の変動を敏感に反映をいたしまして、かつこれが場合によりましては、諸種の情勢によってやや実勢を離れて行き過ぎたり、あるいは拡大したりする傾向がございます。したがいまして、商品取引所の相場は、すぐ実態を反映しないといううらみも実はあるわけでございます。
 それから糸不足の状況でございますが、先月の末ごろから私どものほうにも、糸が不足であるという話が非常にございました。私どものほうは、統計による在庫しか実は調べてございませんですけれども、統計の数字では、末端のほうはかなりある数字になっておりますけれども、実情は地方によりましてかなり品がすれがあるというふうに私ども感じております。
 以上でございます。
#85
○神崎委員 相場が昨日で二百八十七円、ところが現実は相場とは直接密接なかかわりはなく不足しているということの認識段階にある、いまお答えになったのはこういうことですね。違いますか。
#86
○齋藤(英)政府委員 最近に至りまして私どもが感じておりますのは、いっときよりは品がすれの状態が緩和しつつあるのではないかというふうに感じております。
#87
○神崎委員 それは調査を具体的にされた上での結論ですか、それとも大体の推定なんですか。
#88
○齋藤(英)政府委員 私どものほうで精密に調査をいたした結果ではございません。私どもが通産局を通じて聞いておるところからの推定でございます。
#89
○神崎委員 それではあとで、推定でない具体的な実情を私のほうから詳しく御紹介をして、また御意見を聞きたいと思いますが、今回のいわゆる売り惜しみ、買いだめの弊害から国民生活に直接非常に悪影響を及ぼしておる。たとえばワイシャツなんかは、洗えばすぐ縮んでしまうというような粗悪品がどんどん出回っておる。末端の糸小売り店も非常にこれによって困っておる。こういう事実が幾らでもあるわけです。たとえば、糸がないということで原材料高でピンチに追い込まれている繊維品、雑貨業界では、このところ、さらに副資材である縫い糸、しん地などが品不足となり、中小業者の間では、その日の生産に使う量も確保できない。したがって、自然休機に、いわゆる機をとめるのですね、休機におちいるところも出てきた。絹糸の値段は一月後半から上がり始め、特に三月後半から上げピッチを早め、昨年末に比べて一倍半から二倍にも高くなっておる。
 縫製業者の集中する四国では、従来安ければ買うという当用買いを続けていた零細業者が、現地の糸問屋から供給を断わられたと大手メーカーにいま泣きついておる。これが四国の現状です。
 もう一つは、これもそうですが、香川県でも、県内の問屋に見切りをつけ大阪まで絹糸を買いに出ている業者もおる。メーカーでも、綿糸については、たとえば洋がさメーカーでも同じであって、綿糸の一括購入を依頼するメーカーが続出しておる。これが香川県の状態です。
 次は大阪の現状ですが、袋物の業者で、特に絹糸の品不足が激しいために、絹にかわってナイロン、テトロン糸で代用しているが、それでも必要量が確保できない。一業者二巻きと限って共同購入方式で配給しているのが現在の状態で、その合繊糸では横糸がかけられないのですね。そこでやはり綿糸がほしい、こういうような状態が現在の――いまお答えになった推定ではだめであって、現実はこうだということをまず知ってもらいたい。
 それからもう一点、時間の関係で続けて言いますが、日東紡、ユニチカなどのメーカーの営業マンはどういうことを言っているかというと、縦糸があっても横糸がない、すだれ屋かのれん屋みたいだ、こう言っておるのですね。縫製業者の間では、縦糸がこの色、横糸はこの色、これをもらったら一体どんな色になるかわからない、こういう形で、ただ染色だけをしてそのままに抱いておる。したがって、そういう色のものを縦にしたり横にしてこしらえると製品としては価値のないものになるので、ただ糸で持っているということですね。
 一方では小売り屋はどうかといえば、糸がないので、最近はふとん屋さんまで行って、ふとんを売っている店に行って、おたくには糸がありませんかといってたずねてきておる。こういうのが現状なんですね。
 こういうようなことまで当局は具体的に調査された上でいまのこの事態に対処されておるのかどうか、これをひとつ聞いておきたいと思うのです。
#90
○齋藤(英)政府委員 ただいまお話がありました件につきまして、この中の一部の件につきましては、私どものほうに地方の通産局を通じまして耳に入っております。私どものほうは、全部これまで精密な調査をいたしておりませんが、ある部分のものにつきましては、三月のちょうど半ばから三月の後半くらいだったと思いますが、私どもの耳にひんぴんとしてそういう声が入っております。
#91
○神崎委員 ぼくはそのひんぴんとして耳に入っておることを聞いておるんじゃなしに、当局としてこれにどう対処されておるかということを聞いておる。現状は、聞いて聞き流しですか。
#92
○齋藤(英)政府委員 私どものほうは、そういう声を耳にいたしましたものでございますから、綿糸のあっせん相談所を早急に設けようということで、三月の末に綿糸のあっせん相談所を設けたわけでございます。
 それともう一つ、これは綿糸と競合関係にございます合繊でございますが、合繊の増設、増産というものを要請しまして、これを最近において実現するように努力をしておる次第でございます。
#93
○神崎委員 先ほどからの、午前中の答弁でもそう感じたのですが、常にあと追いだけではなく、現実にぶち当たっておっても非常に緩慢であって、ほんとうに一般の消費者の状態に応ずるような政府や当局の対処方ではないということをいまあなたの答弁の中から深く感じるのですが、たとえば二百八十七円、これはきのうの相場だけ見られて、これで落ちついたというように言われているのですが、いま綿糸というものはどういう状態になっておるか。たとえば、八十番は価格としていまどのくらいしておるかということを御存じですか。知っておられたら答えてほしいのです。
#94
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。
 八十番手は私どものほうで統計がございませんので、的確な数字をつかんでおりません。
#95
○神崎委員 きのうの相場が二百八十七円ということは、これは新聞を読んでおったらだれでもわかることで、それは決して監督あるいは行政の責任ある当局の立場でなくたってわかるわけなんです。しかし、たとえば綿糸の八十番というのはいま一巻き何ぼしているんだ。たとえばこれを言うと、昨年の秋は一巻きで大体百六十円、今日はそれが二百二十円になっておる。そういうようなことまでもお調べになるのが当局の立場であり、そういうことを知っておらなかったら行政指導もできないと思うのです。
 また逆に、先ほど絹糸のことを言いましたけれども、この絹糸というのは、御承知のように絹糸の性質上、セメントと同じように、これは質が変化するからあまり買いだめできないのです。ところが、買いだめできない絹糸も、これがどんどん便乗されて、二月現在で一巻きが三百五十円です。ところが四月になったら、これが五百五十円になった。おそらく秋には八百五十円になるだろう。いま絹糸の一巻きを取り合いをやっておるのです。先ほど紹介したように、一業者で二巻きしか売ってもらえない。こういうような現状なんです。ところが、責任ある当局の局長が値段もわからないというようなことでは、一体何をやっておられるのか。これでよくも調査資料などをお出しになっているんだなというように思うのですが、これは次官、こんな調子でいいんですか。
#96
○塩川政府委員 綿糸にいたしましても、生糸にいたしましても、これはそういう各番手につきましての調査はやっておらなかったということでございまして、これは早急に各番手についての状況調査をいたそうと思います。つきましては、そういう番手の調査は実は非常にむずかしい状況だと私は思うのでございますが、最大の努力をいたしまして調査して、その実態、いわゆる各品種ごとの実態調査というものをいたしたいと思います。
 そこで、先ほど来神崎先生の御質問を聞いておりましたら、要するに、私は二つの問題が含まれておるように思うのです。一つは、相場そのものが非常に高くなってきておるということに対して、これにどう対処するかということと、それから、品不足が特定のところにしわ寄せしてきておるのでありまして、品不足が全面的に品不足として商品が出回っておらないかといいますと、そうではなくして、特定のところにしわ寄せがきておる。この対策をどうするか。この二つの問題に集約されるように思います。
 そこで、まず相場の問題でありますけれども、これは何といたしましても、供給をふやしていくこと、これにもうわれわれも全力をあげますし、もちろん買いだめしておるとかいうようなことがありましたら、これは手きびしく摘発もし勧告もし、流通の段階に流さなければいかぬ。これをやってまいりたい。それと同時に供給の増加、そしてまたそれに代替し得るものはやはり代替していただきたい。合繊の中でまだ需給の余裕のあるものもございますし、そういうもので代替し得るものはしていただくようにお願いいたしたい。これにはやはり消費者の側の御協力もいただきたい、こう思うのです。
 それから特定の部門におきます品不足、これはおもにいわゆる当用買いと申しますか、スポット買いをやっている業者が一番やはり困っておられる。しかも、これはみんな零細なので、長期の契約をしてどかっと買い入れをするということのできる能力のない人たちでございます。でありますから、こういう人に対しては、やはり絶えず供給の体制をとりやすいようにしていかなければならぬ。それには先ほど言いました綿糸につきましては、とりあえずあっせん相談所というのをつくったのです。これはつくったって、すぐにこれが導火線となって流通がスムーズにいくというようには思いませんけれども、しかしとりあえずそうしてそのあっせん相談所を通じて実態をつかんで、そういう要求、要望があるものに対しては、それを一つの資料として、情報として通産省としては積極的に手を打っていきたい、こう思っておるのであります。
 まあ何といたしましても、最近生糸とか綿糸というようなものは、いわゆる天然繊維に対する見直しが起こってきたので、需要が膨大にふえてきたということで、この需要予測というものに対しては、われわれは多少甘かったと思ったりいたしております。しかし、まだいまからでもおそくない。この面に対する対策というものを十分に講じて、そういう特に零細業者が困るようなことのないようにつとめていきたいと思います。
#97
○神崎委員 いま次官が、あっせん相談所をつくるんだと言われるのは、この綿糸――ぼくはきょうは時間の関係で綿糸に重点を置いて聞きますが、あっせん相談所を置くと言われたんですが、あっせん相談所というのは、いつごろから、どんなところに置いて、これは一体何をあっせんするのか。まあ文字どおり見ていけば、たとえば綿糸で困っている人が困っていますと訴えてきたら、いま相場はこうだから、もうちょっと待っておったら安くなってくるのと違うかというような返事をするところなのか、それとも十巻ほしいと言われれば十巻、そこで世話をやいてやるのか、いつごろからこれが開所されて、あっせん所の持つ仕事の中身というのはどういうものですか。
#98
○塩川政府委員 非常に専門的でありますので、繊維局長からとりあえず先に答弁させます。
#99
○齋藤(英)政府委員 綿糸のあっせん所は三月の二十六日に開設をいたしました。窓口といたしましては、東京、大阪、名古屋を中心にいたしております。それから内容でございますが……(神崎委員「大阪でも広うございます。どこなんですか」と呼ぶ)窓口でございますが、大阪は東区の備後町三丁目八番地、大阪の綿業会館の中でございます。東京は中央区の日本橋でございます。名古屋は中区の大和生命のビルの中でございます。三カ所でございます。それでやっております。
 対象でございますけれども、業務の内容といたしましては、綿糸の需要者から綿糸の購入あっせん依頼を受けまして、それを一応審査をいたしました上、従来どこから買っておるか、あるいはどういうふうな経路で買っておられるかというふうなことを一応審査をいたしまして、なるべくならば従来買っておりますところから買うようなことであっせんいたしたいというふうな方向で業務をやっておる次第でございます。
#100
○神崎委員 いま伺ったら三月二十六日からそのあっせん所なるものが開所された、あるいは開設されたということなんですが、これは今度のいわゆる買い占め問題が起こってから急遽こういうような開設をおとりになったのですか。そしていま性格をちょっと聞いたのですが、大阪でいったら綿業会館、そこへ行けば具体的にどうしてくれるのですか、糸のない人には。それは答弁ありましたか。話を聞くだけですか。
#101
○齋藤(英)政府委員 お答えいたします。
 綿糸の需要者から申し出がございまして、これは組合を一応通じて申し出をすることになっておりますが、申し出がありましたならば、それをあっせん所の中の委員会で取り上げまして、従来の買い付けの数量、経緯あるいは希望の価格等をお聞きをいたしまして、それを持っておる生産業者あるいは場合によりましては卸商でございますが、それに取り次ぎまして、そこから糸を供給してもらうように依頼をする、こういうことが業務の内容でございます。
#102
○神崎委員 三月二十六日に委員会ができたといまお答えですが、そういうことはどこかで直接に通産省がそういう委員会をつくることはできるのですか。もし直接できるのだったら、その法的根拠と現在、三月二十六日からまだあまり日がたたないのですね。どういうメンバーの方が委員なのか、何名でそういう委員会をつくっておられるのか、これもあわせて聞かしてほしい。
#103
○齋藤(英)政府委員 あっせん所を組織をいたしておりますメンバーはそれぞれの関係団体でございまして、紡績とそれから卸商の方とが集まりまして、需要者の申し込みを受けるということになっております。
 それからもう一つ、いま組織の問題について御質問がございましたが、これは私どもが関係団体にお話を申し上げたわけでございますけれども、組織といたしましては民間のあっせん所ということで、組織的に申し上げますとそういうかっこうになっております。
#104
○神崎委員 抽象的な答弁で、民間のあっせん所ということはどういうことなんですか。いやしくも相談所なんですよ。相談所というものは困っておる者の相談を受けるのでしょう。そしてそこへ申し入れに来たら聞くのでしょう。聞いたらどう対処するのか。具体的に、委員会をこしらえて、その委員会がたとえば五人か七人か十人か知りませんが、その委員が一緒になって聞くのか。そこの委員会で審議をするというのは一体何を審議するのか。この相談は受け付けるべきである、あるいはこの相談はけるべきであるというようなことをそこの委員会がきめるのか、そういうものをきめるような権限を持ったような委員会なのか。それを通産当局は任免あるいは構成の具体的行政指導の範疇に入っておるのかどうか。業者がかってにきめるというのだったら、どんな業者なんでしょうか。糸を持っている業者が集まって、そして困っている人が相談に来たら自分たちの持っている糸を分けてやるための委員会なのか。そこらあたりはあなたは一つも中身をおっしゃっておらないのですね。それは民間の構成でありますでは、答弁になっておらぬと思うのですがね。
#105
○齋藤(英)政府委員 あっせん所の中に運営委員会というものを設けてございますが、主たるメンバーは、日本紡績協会のメンバーと、それから日本綿糸商業組合のメンバー各六名より運営委員がなっております。それで組織をいたしております。これはもちろん法人格もございません。それが二つ寄りまして、それで運営委員会を組織をいたしておるわけでございます。
 それから、いまの業務の内容でございますけれども、綿糸の需要者が需要者団体を通じましてその運営委員会――結局あっせん所でございますけれども、申請をいたしました場合におきまして、審査の内容と申しますのは、いわゆる従来その方が、たとえば月当たりでもあるいは三カ月でもいいのでございますけれども、どのくらいの糸を使用しておられるか、それから従来どれくらいの価格であるかというふうなことにつきまして一応お聞きをいたしまして、それで適当と思うメーカーなりあるいはその綿糸商なりへのあっせんをいたしまして、そこでその両者で話し合いをさせましてあっせんをいたすというふうなことをやっておるわけでございます。
#106
○神崎委員 こちらが予定して質問しようと思っていることでないことばかりが答弁の中で出てきておる。だから枝葉にどんどん伸びていくのですが、たとえばそういうことはこの事件が起こって、いわゆる買い占め問題が起こって、急遽通産当局から、いまあなたが出された地域にそういうものをつくってほしい、相談所をつくってほしいというような立場でつくらしたのか。あるいはみんなが困っておるから、寄り寄りかってに一ぺん相談しようといってつくったものなんですか。どっちなんですか。
#107
○齋藤(英)政府委員 私ども通産省が要請をいたしまして、要請をいたしました結果、いま申し上げましたような各団体が集まりましてつくりましたものでございます。
#108
○神崎委員 そうすると、その委員会できめたことについては、通産省は頼んだのだから責任はありますね、きめたことについては。
#109
○齋藤(英)政府委員 政府側といたしましては、その審査委員会にオブザーバーとして出席をいたしております。
 それから、そのあっせんをいたしました内容につきましては、私ども事後に報告をいただくような仕組みにいたしてございます。
#110
○神崎委員 聞いたときに、そういうことを先に一緒に言っておったら、何べんも聞かなくていいのですから、知っておることは思い切ってどんどん答えてもらいたい。
 そこで、先に進みますが、たとえば四月三日付の「大手商社の営業活動の実態調査について」というものを通産当局が発表されて、この中で調査を継続する方針である、こういうふうにはっきり書いてありますけれども、調査を継続されておるのかどうか。されておったら、この四月三日以後きょうまでの調査の結果を具体的にひとつここで公表していただきたい。
#111
○齋藤(英)政府委員 今回の商社の調査は、短期間でございましたためにまだ十分でないところもございます。したがいまして、これは追跡調査をする必要があるのではあるまいかと考えておりまして、中心の部局は企業局でございますが、それが中心になりまして、主として糸関係、ことに毛糸の関係につきまして追跡調査をする予定になっております。しかしながら、まだ調査の途中でございまして、実質的なあるいは具体的な成果はあがっておりません。
#112
○神崎委員 私が初めに断わっておるのは、きょうは主として綿糸のことで聞いておるので、毛糸のことじゃないのです。綿糸についてはどうです。
#113
○齋藤(英)政府委員 綿糸の関係につきましては、綿花の問題につきまして調査する予定になっておりますが、まだ具体的な成果はあがっておりません。
#114
○神崎委員 結局何にもわからぬということであり、何もやっておらぬということになるわけですが、局長に伺いますが、いまたとえば綿糸というものはほんとうに不足しておると思いますか。いわゆる需要と供給の関係なんですが、現在綿糸というものはほんとうにないのだ、供給よりも需要のほうがうんとオーバーしてほんとうにないのだというような認識でおられるのか、どっちのように思っていらっしゃいますか。
#115
○齋藤(英)政府委員 日本全体の総体を考えました場合には、私どもは需要が非常にオーバーであって品物が足りないというふうには考えておりません。時期的にあるいは地域によっては問題があるかもしれないと思いますが、全体としては、需要が非常に多くて品が不足してどうにもならないというような感じではございません。
#116
○神崎委員 需要が非常に多くて供給があとからついていけないような状態でない、こういうように認識されておる。そうすると、なぜ、先ほどから読み上げたように、各地各所で相談所までつくるなどというほど綿糸供給の声があがっておるのでしょうか。考えておられることとやっておることと矛盾を感じないのか、こういうふうに思ってくるわけです。しかし、事実はあなたが言われたようにほんとうに綿糸なるものが、いまそれほど不足しておるというものではない、このことはそのとおりなんです。ただ、その根源に迫らないで現象だけを、そういう一つの機構を設けて、中身はかいもくからっぽの調査あるいは資料くらいなものしか持っておらないところに、行政指導の不十分さと根本的な弱点がある。だから、ただあなたが見られておるところのいわゆる綿糸というものは、ほんとうは不足しておるとはいえない。それはもう通産の統計を見てもはっきりわかるわけなんですね。それはどういうところから裏づけられるかといったら、あの糸の中に――次官聞いておいてください。木管というのがあるのです。木のしんですね。ほんとうに糸というものが消費されていったら木管というものは返ってくるのです。あれは十円だというのですね。たとえば糸が一巻き千円だったら千十円で渡す。木管が返ってきたら十円を換金する。これでずっと消費されたりあるいはそれが使っていかれたり製品化していく過程もわかってくるのです。ところが、これは新聞や――企業局も来ておられるらしいのですが、企業局の話を聞いても、このごろはその木管が返ってこない。したがって流通は円滑にいっておらぬ、とまっておるということです。糸は、あなたのおっしゃるようにほんとうに不足してない。ところが、木管が返ってこないということは、製品のままどこかで姿をとどめておる、あるいは隠されておる、こういうふうに数字から見ても思うのですがね。そういうことからも、通産当局は究明をされたのか。ただ、調査しましたけれども不十分でわからぬわからぬと言っておるけれども、私はしろうとですよ。また、そういう行政指導する立場でもない。それでも少し研究してこれをいわゆる追跡調査すれば、消費されたら当然木管が返るということまでわかってくるのですね。本職で、しかもその指導監督の立場にあるあなたが、そういうことまでも御存じない、値段もわからない、ただ相談所だけつくる、それで何とかするだろう、こういうことでは、先ほど午前中からも問題になって、いまほんとうに世をあげて社会悪だ、社会責任だといわれておる現在の買い占め、売り惜しみ問題に対する通産当局としてのほんとうに責任ある態度なのかどうか。次官、これはどうですか。
#117
○塩川政府委員 私は綿糸の需給バランスにつきまして、十分供給余力があるというふうには思えないのです。かすかに需給のバランスを保っておる程度だろうと思います。と申しますのは、この数年間におきますところの綿糸に対する需要は非常に伸びてきておりますし、それに対する、一方綿花の手当て買いの傾向を見てさましたら、それに呼応したものでも必ずしもないように思います。だからといって、需給のバランスがくずれて、非常に供給不足になっておるか、品不足になっておるかといいましたら、そうではない。とにかく需給のバランスは、現状ではとれている。けれども、これが市場に出回ってこないので、局部的に供給不足の事態が起こっておるということになっております。
 そこで、この原因をじっと見ましたら、来年、再来年という先行きに対する綿糸の非常な――綿花のといいますか、原料の強気の姿勢がどうもあるように思うのであります。そこで、こういう強気の姿勢を持たしておいてはいかぬ、それがための対策をやはり講じていかなければいかぬと思いますので、来年度の綿花の買い付けを大幅にふやしていくということと、合繊の開発によってそれをカバーするものはしていくということをまず一方においてつくらなければいかぬと思います。
 それともう一つ、現在供給の面におきますギャップが出ております原因の中に、品不足になるであろうということを予測して、ある程度の在庫増をみな見込んでおるように思うのです。これが極端になりましたら、おっしゃるように、買い占めになってしまう。その在庫増を私たちも業界に指導いたしまして、そう心配したほどの、在庫増をふやす必要がないではないかということの説得は、現在でもいたしておるのでありますが、どうもそういう面に相当な量の停滞があるように私は思うのであります。こういうことは、いわば各企業、これは企業の大小にかかわらず、その企業が少しずつ在庫増をふやしましたら、たいへんな量になってしまう。だからして、これを流通過程に乗せさせ、それがためには、来年を見越しても決して強気ではないぞというような体制を至急にとらしていくべきだ、いまこそ繊維行政につきましてはそういう総合的な面から考えていく必要がある、このように思っております。
#118
○神崎委員 それはまたあとで具体的に次官に質問しますが、製品にしても、原料にしても、在庫増イコール何かということですよ。これはカッコをつけたら買い占めになったり、いわゆる意識的な売り惜しみになったり、その在庫増がございますということが問題なんですよ。それが流通がうまくいっておらぬということにもなっておるわけです。それがいわゆる利益を視点に置いた場合社会悪になって、いまのような状態が、きょうは綿糸だけだけれども、材木でもモチ米でも大豆でも、ありとあらゆるところに出ているでしょう。
  〔田中(六)委員長代理退席、左藤委員長代理着席〕
それを、在庫増がございますということで考えられているところが、非常に甘い。
 次に、三月十三日から十五日に大手商社を調査された、その結果を商工委員の全員に資料として出してほしいと思うのですが、出してくれますか。
#119
○齋藤(英)政府委員 まことに申しかねますが、企業の調査をいたしましたのは当省の企業局でございまして繊維局ではございませんので、私としては、ちょっと答弁いたしかねます。
#120
○神崎委員 次官、どうですか。出させますか。
#121
○塩川政府委員 企業局のほうで調査いたしましたので、企業局に、御参考になるような調査したものを出すように、相談してみます。
#122
○神崎委員 それは必ず出してもらうことにして、次に進みます。
 これは通産省の資料なんですが、これによりますと、今回の調査も商社の協力を得て行なわれたということになるのですが、買い占めの疑いのある商社に協力を得て調査したら、結果はどういうことになるのだろうかと思うのです。調査する相手に協力を求めてやって、調査の結果をわれわれがわかるのですか。
#123
○塩川政府委員 それは神崎先生も御承知のように、いま企業を調査いたします場合に、犯罪行為がある、あるいは脱税行為がある等、何か違法行為が明瞭であり、ある程度確証のある場合でなければ、民間企業、あるいは個人の企業でも同様でございますが、直接調査ということができにくいのであります。
 そこで問題は、そういう商社があるいは買い占めしておるのではないかという見方でもって調査にかかったのでありますが、そういう調査をしようといたしましたならば、調査をすることについての了解を得る、これが要するに協力を要請した、こういう形になったので、調査の内容を出すのに協力しろ、こういったものではないということでございます。その点、実は協力のしかたが違うということでございますので、御了解いただきたいと思います。
#124
○神崎委員 そうしたら続いて聞きますが、これの四ページに、綿糸だけですが、「最近の著しい値上りについては、天然繊維見直しに伴ない需給がタイトになっていることが主な原因であると商社は主張しているが、昭和四十七年度上期および下期(昭和四十八年一月末現在)の買付けおよび売渡しの契約残高(数量ベース)の動向等からみて、商社の買急ぎ傾向がみられ、それも原因しているとみられる。また、加工流通段階における仮需要の増大、現物価格形成の指標となる商品取扱所における投機的動き等も、その要因にあげられよう。なお、売却益は昭和四十七年度下期には相当増加する見込みである。」こういう報告をされているのですが、先ほどからの質疑の中では、こういうような現象があらわれる根拠は、一体どういうことなんですか。「売却益は昭和四十七年度下期には相当増加する見込みである。」これは一体どういうことですか。
#125
○齋藤(英)政府委員 ただいまお示しいただきましたものにつきまして、四十七年上期及び下期の買い付け及び売り渡しの契約残高が、要するに買い付け及び売り渡しの契約がかなり多くなっているということから、まず商社の買い急ぎ傾向が見られるのじゃないかということでございます。
 それから加工段階におきます仮需要の発生と申しますのは、先ほど政務次官もおっしゃいましたように、一般的な強気観ということからやはり流通段階においてかなりここで物を持っているということをあらわしておるのじゃなかろうか、こう思います。
 それから、商品取引所の話は、先ほど御質問ございましたとおりでございます。「売却益」は云々と申しますのは、当然買った値段より売った値段のほうがかなり高いということでございます。
#126
○神崎委員 それでは続いて六ページの一番上に、「商社の段階で明白な買占めおよび売惜しみが行なわれたと断定できるものはないが、羊毛、毛糸、綿糸および生糸について買占め(少なくとも買急ぎ)が行なわれ、あるいは、商品取引所における投機が行なわれた疑いはある。」こういうふうに断定されていることと、いまの答弁とはどういう関連を持つのか。
#127
○堺説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。
 六社の商社の調査につきましては、商社側の自主的な資料に基づきまして、私どもそれぞれここの資料にございますように、仕入れであるとか、販売であるとか、売却益について、数字上の増減によって判定したわけでございます。したがいまして、明白に数字の伸びが、買い占めであるとか、売り惜しみであるということの断定をできる確固たる根拠は持ち合わせないわけでございます。しかしながら、ここで「羊毛、毛糸、綿糸」と書いてございまして、綿花は抜けておりますけれども、綿花につきましては、前年、前々年と何ら買い付け量、売り渡し量は変化しておらないわけでありますが、羊毛、毛糸、綿糸につきましては、相場も上がっておりますし、実際の販売金額も上がっておるわけでございます。このようなことからいたしまして若干買い占め的な行為が行なわれたのじゃないかという疑い――これはあくまで疑いでございまして、行なわれたと断定しておるわけではございません。
 商品取引所についても同様でございまして、特に昨年暮れ、ことしから急騰いたしておりますが、これが投機が行なわれたという明白な根拠は必ずしもないわけでございますけれども、原毛の輸入価格もしくは綿花の輸入価格、生産量等に比べて取引所の取引価格が急騰したというような点から疑いがあるというふうに書いてあるわけでございます。
#128
○神崎委員 次官が公害委員会のほうから盛んに呼び出しがきているということですから、いまの問題に反論するのはあとにしまして、先ほどから言っているのは、今日このように買い占め問題が起こっている非常に重大な問題、これは社会責任といいますか、流通機構だとか、あるいは資本主義経済だとか、自由経済だとかいう問題の一歩前に、非常に重大な社会性を持っている問題である。ところが、これはいま中曽根大臣おりませんので、次官からひとつはっきりしたことを言ってもらって、次の一般質問にも私は聞こうと思うのですが、単なる消費者の不買運動、買わなかったらそのうちに下がります、こういう呼びかけをやっているのですね。
 それで、先ほどからの話では、調査のあと押しも不十分だし、そうして中身もできておらない。ただ、何かできたなと感じたのは、三つの場所をあげられたけれども、あっせん所をつくった。それも委員会まかせだ。そういうことになっているのです。事態の重要性と、国民が受けているいまの大きな被害について、行政の責任者である通産当局はほんとうに責任を感じておらないということをここではっきり裏づけたことになる。
 そこで、私は特に塩川政務次官に伺いたい。これは卑近な例ですが、あなたの選挙区だからあなたにお聞きしたらよくわかると思うのです。
 東大阪市の、前は大蓮といったのですが、いまは大蓮とそのとおり呼ぶ。そこに奥田数商店というのがありますが、御存じですか。
#129
○塩川政府委員 カズヤですか。
#130
○神崎委員 カズヤだったら知っておりますか。
#131
○塩川政府委員 奥田商店というのは知っておりますが、本人はカズヤという名前だろうと思いますが、知っております。
#132
○神崎委員 知っておるということを認められたら、それでけっこうなんです。
 これについて申しますが、この人は現物委託商なんですが、この奥田商店が大量の綿糸を扱っておる。これが二月末で大阪埠頭倉庫に約一万トン在庫しておると聞いておる。ところが、この人は三月から売り手に回った。二月末で一カ月約三十トン埠頭倉庫から出庫しておるのです。それから三月一日から二十四日の間に百九十四トンを出庫しておる。つまり高値で巧みに売り逃げしておる。だからいままで買い占めていた分を、巷間やかましくなって、そうして綿糸の需要と供給の関係が先ほどから見られたような状態で、いまのうちだという形でどんどんと出しておるのですが、しかし三月一日から二十四日、この間に百九十四トンも出しておる。こういうようなことからいわゆる綿糸の相場も変動が起こるという機運にもなるのですが、こういうものについては、たまたま通産次官御存じだといわれるのだったら、こういうやり方は正常なやり方なのか、どういうふうにお考えになっているか、意見をひとつ聞かしてください。
#133
○塩川政府委員 おそれ入りますが、その奥田商店の住所をちょっとお聞かせ願いたいと思いますが、住所わかりますか。
#134
○神崎委員 大蓮……。
#135
○塩川政府委員 大蓮の何番地か。と申しますのは、あの辺は奥田一族がたくさんおりまして、もしわかりましたら……。
#136
○神崎委員 知っておられるというから……。
#137
○塩川政府委員 私からもよく言いますから、番地わかりますか。
#138
○神崎委員 特にあなたの親しい方です。
#139
○塩川政府委員 わかりました。それではおそらく奥田カズヤというのだと思います。それでしたら、そんな資力はございません。はっきり申し上げます。一トンどのくらいになるか知りませんが、いま綿糸一コリ二〇単で換算いたしまして十万円くらいじゃないかと思いますが、そのコリ数にいたしましても、百何コリというようなものを動かすような資力はないことを私は知っております。また、ましてやトン数にいたしまして百何トンとおっしゃっておりますが、それだけのものを動かすような力はとてもある業者ではございません。でありますから、それは名義を貸せとか何か言われておるんじゃないかなという感じもいたします。だから、私もよく知っておりますから、一回呼んでみまして、どういうところからそんなことが出たのかということを私の地元でもございますしいたしますから、それは聞いてみます。また追って神崎先生のほうに返事をいたすようにいたします。
#140
○神崎委員 それでは最後に、いま綿糸で、先ほどからあげたように、消費者が非常に困っているときに、一万トン大阪埠頭倉庫に入っておると聞いておるが、それが二月末までの一カ月の間に三十トン出庫をして、三月一日から二十四日の間に百九十四トンが出ておる。こういう問題によって、下では糸がないといっておる中で、こういう操作が行なわれている。特に次官が御存じなら、ひとつよくそういうことまで――あなたは資力がないというふうにおっしゃるが、これは資力があるとかないとかという問題ではなしに、いわゆる思惑といいますか、ブローカーといいますか、あらゆる形でそういうこともでき得る。そういうようなことが末端では直接消費者に対して非常に大きな影響を及ぼすようなことになるということも知っていただいて、十分配慮あることをやっていただいて、先ほどあげたような形で中小企業やら一般の人が、ふとん屋まで糸をさがしに行くというような事態の起こらないように、強力な行政措置をとってもらいたい。一般消費者が綿糸のために困らないような状態に早く復元されるようにしていただきたいということを申し上げて、終わっておきます。
#141
○塩川政府委員 承知いたしました。さっそく電話ででも聞いてみまして返事を申し上げます。
 しかし、一万トンと先生おっしゃるけれども、五万何千コリになるそうでございまして、五万何千コリは、たとえば二〇単に換算いたしましても五十億何千万円になるので、それはおそらく名義を借りられたか何かで……(神崎委員「そこを調べてください。私もでたらめに言うてるんじゃないのです」と呼ぶ)ええ、そうでしょう。だから名義をちょっと貸せというようなことでやられているのじゃないか。といいますのは、そこの店――私はその店だと思うのですが、それでしたら従業員が二人くらいなところですし、ダイハツの車に積んで走り回っているいわゆる現物屋というやつです。先生御承知のとおり、私のところは、より糸の産地ですから、より糸のつなぎ売りというのがよくありますが、そういう当用買いをやっている現物屋というので、ちょこちょこと半コリくらいあるいは二コリ、そんなのを持って走っている業者ですから、五万何千コリというのは、おそらく何か名前を貸せというのでやられているのだと私は思うのです。ですから、その点の真相をよく聞いてみまして御返事いたします。
#142
○左藤委員長代理 荒木宏君。
#143
○荒木(宏)委員 織機の登録問題についてお尋ねをしたいと思います。
 今日、この問題はいわゆる無籍の問題として予算委員会でも取り上げられ、この委員会でも再々質疑になったことは御承知のとおりでありますけれども、この問題は、一つはいままでこれに関する通産行政というものがこの取り締まりを主体としてやられてきておる。また一方、構造改善なるものが大手本位に進められる、こういったことが積み重なって、小規模零細業者の人たちの営業はたいへん困難になっている。これはいままで再々指摘があったとおりでありますけれども、そこへもってきて登録制度の運用がまた著しく適切を欠いている。そのために業者の人たちの営業は一そう困難が加わっている。
 そこで、登録制度の運用ということについて政府委員にお尋ねをしたいと思います。この登録の申請書を出しますね。申請書を出して、これでよろしい、登録になったということになりますと申請者のほうにはどういうふうに処置がとられるのか。許可書とか登録書といいますか、そういったものが交付されるのか。手続上のその問題をまず初めにお聞きしたいと思います。
#144
○真砂説明員 お答え申し上げます。
 業者の方から申請が参りますと、その申請は産地の組合に届けられるわけでございます。その理由といたしましては、通産大臣が登録事務を事務委任している先は工業組合連合会でございますが、工業組合連合会は東京にありまして、各産地の皆さま方の便宜、それから実情を熟知しているというような事情から、事実問題といたしまして産地組合に届けられまして、産地組合から工連のほうに送られ、そして最終的には登録票が交付されるというのが手続でございます。
#145
○荒木(宏)委員 そうすると、こういうことになりますね。業者としては、登録申請書を提出した、登録票が交付された、これで登録が終わったな、こう確認してよろしいわけですね。つまりいまのお話では、登録票が交付され、取りつけられた、これで登録が終わりましたと業者の人が確認をするということになると思いますが、それでよろしいのでしょうか。
#146
○真砂説明員 お答え申し上げます。
 若干先ほどの説明に補足させていただきますが、登録は登録台帳に記載されることが一番重要なことでございまして、登録台帳に記載され、登録された後において登録票が交付されるということでございます。
#147
○荒木(宏)委員 そうすると、登録票が交付されたということは、当然その台帳記載といった手続がなされた後に行なわれる。ですから申請した業者のほうとしては、登録票を受け取ればこれで一切手続が終わったな、こういうふうに受け取ってもよろしいでしょうか。あるいは申請者としては別に何らかの手続をしなければならぬのか、これをお聞きしておるのですが、いかがでしょうか。
#148
○真砂説明員 私も登録事務の詳細まで完全に熟知しておるわけではございませんが、登録票が交付されれば、それで一応登録手続が終わったものと了解されて差しつかえないと思います。
#149
○荒木(宏)委員 いまのお答えはたいへん常識的だと思うのですが、登録票の取りつけがあった、これで登録が終わった、もちろん番号もきまったということで、安心して登録票を取りつけ、機械を動かしておったところが、たまたまある機会に組合のほうの内部の手続を調べてみると、実は自分の機械に取りつけて、これがりっぱに通用する登録票だと思っておったところが、その登録は実は抹消されていた、これは少しおかしいというのでちょっと調べてみると、まだ名義が他人になっている、抹消された理由は何かとさらに追及をすると、プレート、登録票が紛失された、こういうことで、もうすでに抹消になった、こういう事態が起こっておるのであります。こういうときには、この登録票を取りつけておる業者の人たち、この人たちは登録を受けた者というふうに扱うべき筋合いだと思うのでありますが、政府のほうではどのようにお考えになりますか。
#150
○真砂説明員 先生の御質問がきわめて一般的な形で出されておりますので、具体的な事例に徴しませんとはっきりしたことは申し上げられませんが、実は、登録手続と申しますのは、登録申請から始まり、登録台帳への記載を経て登録票の交付ということに相なるわけでございまして、そういう各段階を正規に経た手続であれば、その登録票をいただいた方はそれで登録手続が終わったものと了解されて差しつかえないように思う次第でございます。
#151
○荒木(宏)委員 お尋ねした意味がよくのみ込めておられないようなので局長からお答えいただきたいのですが、申請をする登録票をもらった、これで正規の登録が終わったと思って使っておったところが、たまたまある日台帳を調べてみると、実はもらった登録票は他人の名義になっておって、しかもそれがすでに抹消されてしまっておる。どうでしょうか、局長。こういう場合には、業者としては自分の手続に何らの手落ちはないと考えておるのですけれども、どうお考えになりますか。
#152
○齋藤(英)政府委員 登録票をもらいました業者のほうに手落ちがあるというふうには考えられません。
#153
○荒木(宏)委員 だとすれば、その場合に業者の登録の権利はこれは台帳に登載されたと同じように保護されてしかるべきではないか、このように思いますが、局長はいかがお考えですか。
#154
○真砂説明員 お答え申し上げます。
 登録は、先生十分御存じのように、台帳に記載があるかどうかということが一番大事なことでございまして、登録票というのはそれを一応あらわす、示すべきものでございますが、ただ、現実問題といたしまして、業者の方は登録票の交付があれば一応手続は終わったというように理解されるのが通常だと思います。
#155
○荒木(宏)委員 組合の人が登録票を現実に取りつけた。そして長年それをずっと使ってきて、産地組合もそれを認めている。もちろん登録票には大臣の名前もありますよ。これを登録として認めるか認めないのか。これは局長どうですか。
#156
○齋藤(英)政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、登録票が正規の登録票であるということでございますので、それともう一つは、真砂課長が申しましたように、登録台帳に載っておる名義が違っておるといういま御指摘がございましたので、したがいまして、そのいずれを真正とするかという、そういう問題ではなかろうかと存じます。私どもいまのお話でよくわかりませんですが、組合がその間の手続において多少の瑕疵があったような気が私はいたします。したがいまして、本件名義が違ったことが判明した時点においてどういうふうにするかということを検討しなければいかぬ問題じゃないかと思います。
#157
○荒木(宏)委員 業者の利益をどのようにして守るか、これについての政府のお考えを伺っておるわけですが、実際にそういう登録票が数多くあり、産地ではそのことが問題になっておる。ここに現物がありますよ。実際に組合からもらった登録票、それを取りつけてずっと使っておった。この業者には何らの手落ちがないということはあなた方もいま確認をなさった。だとすれば、これをどのようにして利益を守るか。これは政府当局としてもぜひ考えていただくべき筋合いじゃなかろうかと思うのですがね。どうです、局長。この関係についてすぐ事実を調べて、そして業者の利益・を守るという方向で事を処理する、この約束はできますか。
#158
○齋藤(英)政府委員 ただいまの件につきまして、法律的に申し上げますれば、登録台帳に記載がない人でございます。したがいまして、その辺の問題があろうかと思いますが、これは私どもとしても至急に調査をさしていただきまして、善後策を講じたいと存じます。
#159
○荒木(宏)委員 局長はどういう立場でお答えになっておるのでしょうか。私はこれらの人々の利益を守る、営業を守るということでひとつお考えを願えぬか、こうお尋ねをしておるわけですよ。法律の解釈を、法律専門家として伺いたい、こんなことを言っているのではない。あなたのお考えが、ほんとうにこの業者の人たちを、所管官庁の政府委員の一人としていろいろ実情も聞きましょう、営業を守る立場でひとつ御相談にも乗りましょう、こういう腹がまえで事にあたっていただけるかどうか、これを伺っているわけです。いかがですか。
#160
○齋藤(英)政府委員 事情を十分調査いたしまして、それでいま正規の登録票を持っておられる方が、かりにそういう事態であれば、その方のことを十分考えたような処理をいたしたいと思います。
#161
○荒木(宏)委員 調査をして委員会に報告をしていただけますね。そのお約束はしていただけますな、局長どうですか。
#162
○齋藤(英)政府委員 調査の結果、御報告を申し上げるようにいたします。
#163
○荒木(宏)委員 では、調査の便宜のために事実関係を若干申し上げておきたいと思うのですが、ほかの地域でもいろいろあるように聞いておりますけれども、私が現実に調査をしたのは、泉州織物工業組合、俗に泉織といわれている地域でありますが、ここで約十年前にこの登録問題に関して、いろいろといわゆる取り締まりがありました。裁判問題にまでなったことは担当関係者も御承知のとおりでありますが、そのときに私も当時関係をしまして、いろいろ業者の方々の営業を守るという立場から御相談にあずかって、組合の関係者の人たちとも話をいたしました。皆さん方の事情もわかるから、よろしい、権利をつけましょう、こういう話になって、単位組合のほうから実際にこの登録票を持って機械に取りつけに来られた。もちろん手数料も払いましたよ。ですから正規の金を払って、正規の担当の人が機械に登録票を取りつけた。だれしも、まさかこれがいま課長や局長が言われたような内部で台帳上の処理がどうなっておるかということまで、普通の人なら疑うわけにはいかぬだろうと思うのですよ。ところがその後に、この権利の譲渡の問題が、あるいは買い上げの問題が起こる、そういうことが起こってきたときに、実は台帳を調べてみると台帳に登載がない、これは一体どうしたことだということでなお詳しく追及すると、それが他人の名義になっておる。五台や十台じゃありませんよ。三けた四けたという台数が全部他人の名前になっていて、しかも、それがその後、登録票紛失ということで全部抹消になっている。織機の滅失で抹消というならまだ話はわかりますよ。プレートの紛失ということで登録が抹消になって、今度は別の人に再交付をされておるのですよ。ですから私は、こういう事態が現実に取り扱いの組合の中で起こっておるということは――皆さん方がそこへ委託をした、こうおっしゃっておるけれども、しかし事務の委託は、特に関係の事務を円滑に処理をするためになされる。これは法律に明記されてあるとおりです。円滑に処理するために特別の必要があるときにはこれを委託する。ところが、委託をした結果やられておることは、いまのような中でからくり操作ばかりやられておる。局長は、いま、調査をされて、業者の人たちの利益を守るという方向で早急に処理をする、調査結果はこの委員会に報告する、こういうお話でありましたから、善処されることを大いに期待をしたいと思うのでありますが、事情はそういう形になっておる。
 私は、これから先の話は直接確認した話じゃありませんけれども、あとでいろいろな関係者の話を聞きますと、遊んでおった遊休織機のプレートをはずしてきて、便宜に一時しのぎにどっさりそこへ置いて、そしてプレートをはずしたあとの織機の買い上げが問題になったときに、前のプレートは滅失しましたということで再交付をして、このプレートを張りつけて、今度は大手のほうが買い上げに回った、こういうふうな話を聞いておるわけであります。ですから、登録制度の公正な運用ということ、そのことを監督官庁としてもよほどしっかり腹を入れて、小規模零細業者の利益を守るという立場で事に当たってもらわなければ、組合の運営の民主化ということもできないし、まして登録制度がそれこそ弱い者いじめということになりかねない。このことを強く申し上げておきたいと思うのです。
 関連して、先日来本委員会でもたびたび論議になりました今度の届け出織機の問題に関する確認の問題でありますが、局長は、例の告示による確認は経済的負担を含まない、法律上の根拠がないということを確認されたというふうに聞きましたが、関係の組合に対してその趣旨を徹底するための処置はすでにおとりになりましたか。
#164
○齋藤(英)政府委員 私どものほうといたしましては、いまの負担金が法律的な基礎がないということにつきましては、関係者を集めましてそういうふうに申し上げまして、徹底をはかっておるつもりでございます。
#165
○荒木(宏)委員 そうしますと、確認に関連して、これから金銭徴収がされることはまずなかろう、こう思いますが、すでに金を集めてしまっている分、これについてはどのようになさる方針ですか。今度の確認には経済的負担が要りますよ、文書も予算委員会で読み上げてお聞かせしたとおりですけれども、これを出さなければ確認はできませんよ、こういって集めた金は、現にいま組合の手元にあるのです。これはどうしますか。
#166
○齋藤(英)政府委員 いままで組合が集めました金があるわけでございますが、これは私ども現在、これからの問題につきましていろいろな角度から検討をして、収拾策を考えております。したがいまして、私どもすべての措置は現在凍結をしておるわけでございます。したがって、私どもは、そのまま凍結をする、少なくとも現時点においては凍結するということでございます。
#167
○荒木(宏)委員 わかりました。いま凍結されておるということはよくわかりましたが、これは未来永劫凍結し続けるわけにはいきません。しかも、事はいろいろなところで大きな問題になっておりますから、早急に解決しなければならない。どっちの方向へ向かって解決をはかるのですか。集めていない人たちからは今後は取らないということになっている。これはもう確認なすったとおりです。一たん集めた分は、これはどっちへも動かさない、しばらく凍結だ。しかし凍結し続けるわけにいかない。返すか、それとも取っちゃうか、一体どっちの方向で解決をはかる方針ですか。
#168
○齋藤(英)政府委員 先行きの問題につきましては、現在いろいろな角度から検討いたしております。私どものほうでは、現在いずれの方向かということにつきましてはまだ検討中でございまして、もちろんきめてございません。
#169
○荒木(宏)委員 十分御検討いただきたいと思いますが、その検討の一助にもなればということで一、二お尋ねしたいのです。
 経済的負担に法律上の根拠がない、したがって、これから徴収することはしない、ここまではっきりしたわけですね。だとすれば、すでに徴収したお金も法律上の根拠がない、こう考えていいんじゃないでしょうか。そういうふうな、集めていま組合が持っている金は、法律上の根拠があるのかないのか、この点はいかがですか。これからどうするという方針は別ですから、この考え方について、これは私は法律上の根拠がないと思いますが、いかがですか。
#170
○齋藤(英)政府委員 いま組合が一台当たり平均五万円とかいうふうなことで、地区によって多少違うようでありますが、集めております金がございます。これは組合が集めたものでございまして、それらの法律的な基礎云々というのは、これは何が何でも強制的に集めるということについて法律的な基礎があるかないかという問題であると思うのでございます。私どもは、組合が集めますものについて、これはそういう強制をする意味の法律的基礎はないというふうには考えますけれども、それが全く違法のものであるというふうな見解ではございません。
#171
○荒木(宏)委員 事をはっきりさせておきたいと思うのですけれども、強制的に集めたかどうかという事実認定の問題が一つございます。こういう確認の場合には経済的負担が要りますよというふうなことで集めるのがいいか悪いかというたてまえの問題が一つあります。局長に伺いたいのは、確認の場合には経済的負担が要りますよといって集めるようなことに、法律上の根拠があるのかないのか、このたてまえを伺っているのです。事が強制であったか任意であったか、そういう事実認定の問題を伺っているんじゃないのです。たてまえとしては、確認の場合に経済的負担がついて回りますよ、こういうたてまえで集めることがいいかどうか、法律上の根拠があるかないか、この点はいかがですか。
#172
○齋藤(英)政府委員 組合がどういうふうな方向で、あるいはどういうふうな方針で集めておるかというふうなことにつきましては、事実認定の問題であろうと思いますが、そういうふうな組合が自主的に集めましたものにつきまして、事実上ある程度そこに金が集まっておるという事実がございます。しがたいまして、私どものほうとしましては、そういう問題も含めて今後どうするかということを現在検討いたしておるわけでございます。
#173
○荒木(宏)委員 先ほどの例で言いましたけれども、組合の運営、組合員との関係、これは大いに改善する余地があると思うのですね。皆さん方は委託したということで、直接のことについてはどうもお話が逃げに回られる傾向があるけれども、法律上のたてまえは、通産大臣が責任をもって処理すべし、こうなっているわけです。ですから、業界のあり方についても、先ほど言いましたような登録の取り扱いについてもですが、いまお尋ねしておるこの金銭の問題についても、業界内部の組合の運営の実態をよくつかんで、小規模零細業者の人たちが決してしわ寄せを受けることのないように十分心して処置をしていただきたい、こう思うわけです。
 そこで、いまいろいろな点で検討中だ、こういうお話ですけれども、それは大いに検討していただいたらいいのですが、大体いつごろ結論が出ますか。
  〔左藤委員長代理退席、田中(六)委員長代理着席〕
その時期のめどを、告示との関係も含めておおよその見通しを言っていただきたい。二年も三年もそのまま検討しっぱなしにしていろいろな形でどんどんやられる、こういうことじゃ困ると思うのです。時期はいつごろですか。
#174
○齋藤(英)政府委員 届け出織機といま呼んでおりますもの、アウトサイダー規制命令炉かかっておりますこと、先般先生も御指摘のとおりでございます。その届け出織機が設けられております期間は本年の十月三十一日でございます。したがいまして、私ども現在にわかにと申しますか、鋭意いろいろ各方面から検討はいたしておりますけれども、いま急に云々というふうなところの解決策を持っておるわけではございません。したがいまして、私どものほうといたしましては、まだ時期を明示する段階まで検討が進んでいない、こういうことでございます。
#175
○荒木(宏)委員 三十分ほどというお約束ですから、時間が来ましたので、最後に先ほど伺った登録票の取り扱いの問題ですね。調査して業者の人たちを守る方向で回答する、こうおっしゃったのですが、それがいつごろできるかという時期の問題と、それから今度の経済的負担についての金の集め方、これについても十分調査をしていただきたい。その調査結果をやはり本委員会に資料として提出をしていただきたい。その際には、いまも言いましたように、そういうことが行なわれておるような運営の実態だから、単に理事者から話を聞くということではなくて、実際がよくわかるような適切な方法を調査にあたっては考慮していただきたい。この希望を申し上げて、調査結果の回答時期のめどの返事を重ねて伺って、質問を終わりたいと思います。
#176
○齋藤(英)政府委員 ただいま、組合の実態もよくつかんで調査をせよというお話でございました。私どものほうも、これは組合の実態をよくつかんで調査をいたす心がまえでおります。
 それから、いまお尋ねがございました大阪泉州の登録票の問題と、それから負担金の集め方の問題がございました。これは私どもも鋭意できるだけ早くやるように心がけたいと存じております。
#177
○荒木(宏)委員 終わります。
#178
○田中(六)委員長代理 次回は、来たる二十四日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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