くにさくロゴ
1972/05/09 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第23号
姉妹サイト
 
1972/05/09 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第23号

#1
第071回国会 商工委員会 第23号
昭和四十八年五月九日(水曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 浦野 幸男君
  理事 稻村左近四郎君 理事 左藤  恵君
   理事 羽田野忠文君 理事 山田 久就君
   理事 板川 正吾君 理事 中村 重光君
   理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    稲村 利幸君
      内田 常雄君    小川 平二君
      越智 伊平君    大久保武雄君
      木部 佳昭君    近藤 鉄雄君
      西村 直己君    増岡 博之君
      松永  光君    岡田 哲児君
      加藤 清政君    加藤 清二君
      上坂  昇君    佐野  進君
      竹村 幸雄君    渡辺 三郎君
      近江巳記夫君    松尾 信人君
      玉置 一徳君    宮田 早苗君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      小坂善太郎君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       橋口  隆君
        経済企画庁総合
        計画局長    宮崎  仁君
        科学技術庁計画
        局長      長澤 榮一君
 委員外の出席者
        経済企画庁長官
        官房参事官   喜多村治雄君
        経済企画庁長官
        官房調査官   加藤 和夫君
        通商産業大臣官
        房審議官    牧野 隆守君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
五月八日
 発電用施設周辺地域整備法案(内閣提出第一一
 七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 総合研究開発機構法案(内閣提出第五七号)
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、総合研究開発機構法案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 本案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、参考人の人選及び出席の日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○浦野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
#5
○渡辺(三)委員 理事会の申し合わせで、午前中は三、四十分で、午後からまたということでありますから、最初全体的な問題についてお聞きしておきたいと思います。
 昨日も若干の説明がありましたが、この総合研究開発機構の問題について、政府としては、いつごろから具体的に構想を立てて準備を進めてきたのか、それから、その準備の状況は大体どういうふうなぐあいに進んできたのか、まず最初にその点をお伺いしたいと思います。
#6
○宮崎(仁)政府委員 この問題について昨日もいろいろ御議論がございましたが、アメリカあるいはヨーロッパにおいて、こういったいわゆる先進社会の諸問題というような問題が非常に重大になってまいりました。そういうことに対して、いろいろの研究なりあるいは調査が行なわれつつある、その成果も出てくるということでございまして、こういうことについて、国内でも非常に関心が高まってまいりました。政府の中でも、こういう問題に取り組まなければならないという声が三、四年前からずいぶん高くなったと思うのであります。そういうことを受けまして、新しい形でのいわゆる研究開発の機構というようなものが民間にも生まれ、また政府でも、そういう問題の検討が始められたということだと思います。
 政府側の問題といたしましては、昨日もちょっと申し上げましたが、四十五年の産構審の答申、いわゆるシンクタンク構想というべきものを出したわけでございますが、それからさらに科学技術庁におけるソフトサイエンスについての研究所の構想、こういったものが四十五年に出てまいりました。そういったことを受けまして、何か新しいひとつ機構をつくろうではないかということが四十六年度予算をめぐりましていろいろ議論がございました。最終的に経済企画庁に一億五千万円の調査費をつけまして、そしてそういった科学技術庁、通産省等の構想もあわせて、どういうものをつくり、どういうことをやったらいいのかということを検討しよう、これにはもちろん民間シンクタンク等の話も十分ひとつ取り入れてやっていこう、こういうことになったわけでございます。
 そして四十七年度でも引き続きこの調査をやってまいったわけでございますが、この間アメリカあるいはヨーロッパのそういった関係機関等の調査も行ない、また研究方法等の調査も行ないまして、わが国にふさわしい形はどういうものがいいかというようなことも検討してまいったわけでございますが、大体こういった今回お出ししておるような形のものがわが国の場合にいいのではないだろうか、こういうことに関係省の意見もほぼ一致してくるというようなことになりましたので、四十八年度の予算においてこの実施に踏み切るということで三十億円の出資を要求し、そして法律もつくる、こういうことになった次第でございます。
#7
○渡辺(三)委員 そうしますと、いま提案をされておりますこの法案は、産構審のいわゆる答申を中心にして、大体そこで出されたものを骨子としてこの法案というふうな形で提案をされておる、このように理解してよろしいですか。
#8
○宮崎(仁)政府委員 産構審の四十五年における答申というものは一つの提言として出されたわけでございますが、いま現実に法案としてお出ししているものは、四十五年のときに産構審のいわゆるシンクタンク委員会で出されました産業政策科学センターというものとはだいぶ形式は変わっておりますが、取り上げる問題その他は相当一致しておる点が多い、こういうことになろうかと思います。
#9
○渡辺(三)委員 予算の問題についてお聞きしたいわけですが、いまもちょっと説明がございましたが、四十六年度予算に、当初は経済企画庁に一億五千万が計上された。それを経済企画庁それから通産省、科学技術庁、この三つに分けて、それぞれ五千万円ずつが調査のために使われておるわけですが、これは同じように四十七年度も予算のとり方としてはいま言ったような形になっておると思うのですね。これはどうして当初一括して一億五千万というものを計上して二年も続いて三つに分けられて移しかえられておるのか、その点ちょっと疑問の点がありますのでお聞きしておきたいと思います。
#10
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のような形になっておりますが、経済企画庁の場合はこういった予算がかなりございます。と申しますのは、言ってみれば、通産省、科学技術庁ともにそれぞれ予算を実は要求されたわけであります。それから経済企画庁のほうとしては、自分のところにそういう直接の予算を要求するかどうかということについてもちょっと議論がございました。しかし、予算編成の過程において、同じような目的についての要求でございますので、これはやはり関係省が十分調整をする必要があるのじゃないかということがございまして、内容についてきちっときめるということもまた時間的にむずかしい点もございまして、それならば経済企画庁に一括計上して、実行の段階で支出委任でやっていったらどうか、こういう大蔵省のほうの考え方もございまして、一億五千万という金額が一括計上された、こういう経緯でございます。
 四十七年度は二年目でございますから、分ければ分けられないことはなかったと思いますが、前年を踏襲した、こういうことでございまして、四十八年度にいよいよ実行に移ることになりましたので、今年度は、大体上半期に使うというつもりでございますが、五千万円ずつ今度は別途に計上してございます。このほうが普通でございます。
#11
○渡辺(三)委員 経過はわかりましたが、いま局長もおっしゃるように、四十六年度予算の使い方、いわば実績としては三つに分けられておるわけですが、同じように四十七年度も、最初一括しておいてあとは三つに移しかえるというふうなやり方については、どうもちょっとおかしいのじゃないかという気がしたわけです。
 まあそういうことは別としまして、そうしますと、経済企画庁、通産省、科学技術庁、このようにそれぞれ三省にわたって四十六年、四十七年は三等分されておるわけでありますから、当然四十六年度、四十七年度と二年にわたって引き続き三省それぞれ特徴を持った調査費の使い方と申しますか、調査のしかた、研究のしかた、研究するテーマの設定、こういうものがあると思うのですけれども、その概要をお知らせいただきたいと思います。
#12
○宮崎(仁)政府委員 四十六年度から申し上げますが、経済企画庁関係では、いわゆる調査費として使われたものが四千六百万円でございますけれども、そのうち総合研究開発調査委託費ということで使われた分が約三千万円でございます。これは経済企画協会その他関西経済研究センターとか、そういったところに委託をしております。
 内容としては、たとえば総合研究開発のネットワークをどういうふうにしてつくったらいいだろうかとか、あるいは西日本という地域について特にネットワークをつくる場合にどういうふうにしたらいいかというようなこととか、生活時間とかレクリエーションの問題あるいはシンクタンクにおける国際的なネットワークの問題、いわば組織論あるいは方法論的な面について、かなりいろいろ調査をいたしております。
 それから科学技術庁につきましては、社会関連研究開発課題の発掘というような問題あるいは情報科学技術者の流れの調査分析とか、情報システムの設計とか、こういうような問題で大体四千二百万ほどを委託費に出しております。これは全体としますと、日本型の科学技術システムの設計をどうするかというような項目になっております。
 それから通産省系統ではやや具体的な問題が多うございますが、プラスチック等資源有効利用システムであるとか、あるいは産業の国際的展開の評価の問題でありますとか、多国籍企業の行動に関する調査分析でありますとか、そういったような課題について約四千四百万ほど委託費として使っております。
 四十七年度も引き続きこういった問題が多うございますが、通産省については、産業活動とエコロジーシステムとの接近の問題というようなことについて、あるいは産業の国際的展開の評価とか、多国籍企業の行動に関する調査とかいうような引き続きの問題のほかに、知識集約型産業構造におけるブレーンパワーの需給ギャップ、えらいむずかしいのですがブレーンパワーの需給の問題、そういったことについての調査などをやっております。
 それから科学技術庁におきましては、やはり継続的な項目が大部分でございまして、これも委託調査としてやっておる新しい問題としては、全地球的視点及び国際的視点から見た日本型の科学技術システム、こういった問題について調査委託をいたしております。これは未来工学研究所に調査委託をいたしております。
 経済企画庁はやはり同じようなものでございまして、総合研究開発ネットワーク構想に関する調査、それから地域開発における畜産のシステム設計というようなやや特殊な問題を調査をいたしております。それから新しい都市交通システムの評価、さらに総合研究開発機構をつくる場合の立地条件とか研究施設等環境条件に関する基礎研究、こういった問題を取り上げて検討をいたしております。
 あと、こまかい項目が若干ございますが、大体そういったことでございまして、最後に海外コーディネーターとの国際会議というような問題について約一千五百万ほどの調査費を計上いたしております。
 大体内容はそんなことであります。
#13
○渡辺(三)委員 そうしますと、四十八年度に新たにいわゆる総合的な研究開発というものが進む、こういうふうになるわけでしょうけれども、この場合、いま両年度にわたって三省それぞれ特殊のテーマを対象にして研究を進めてこられたわけですが、四十六年度ないしは四十年度で各省がやってきた研究テーマあるいは調査活動、これはそのままもう打ち切ってしまって、そして四十八年度新たにこの機構が設置をされるとすれば、全く新たな観点からテーマの設定などが行なわれて、いわゆる研究開発というものが進められるのかどうか、あるいはいままで各省にわたって行なわれてきておったテーマを引き継いで、それを総合したあるいは総括した形で行なわれようとするのか、その関連はどうなるのでしょう。
#14
○宮崎(仁)政府委員 いま御説明申し上げましたように、たとえば科学技術庁における日本型の科学技術システムとしての研究機構はどういうふうなものがいいのかということを二年にわたってやっておりますが、当然これは今度の機構をつくるためのいわば準備になったわけでございまして、さらにこの機構ができてそのあとも研究を深めていく、こういうことになるかと思います。通産省あるいは経済企画庁における調査も、そういった準備的な問題が多うございますが、中には特定の課題をいわば事例研究的にやったものがございます。こういうものはそれなりの成果として一応打ち切っていく。大部分は、新しい機構をどういうふうな形でつくっていったらいいのか、どういう組織でやったらいいのか、あるいは人的な条件その他をどういうふうに使ったらいいのか、こういうようなことを結論を出したいためにやったわけでございますから、それなりに今度の構想に取り入れられている、こういうふうなことでございます。
#15
○浦野委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#16
○浦野委員長 速記を始めて。
#17
○渡辺(三)委員 どうもこま切れで、前との関連がはっきりしなくなると思いますが、この総合研究開発機構をつくって具体的に何をしようとするのか、これはもうきわめて、ある意味では初歩的な、しかし基本的な問題であると思いますけれども、ここには一応の目的が書いてあります。しかし、これだけではどうもはっきりしない面があるわけです。たとえば総合的な研究開発の実施、助成、情報の収集、整理及び提供、これが国民福祉の増進に資するためになされる、こういうふうにあるわけです。具体的には一体どういうことなのか。いま申し上げた点だけではきわめて抽象的、包括的でありますし、たとえば「経済、社会、技術等に関する各種の専門的知識を結集して行なわれる基礎的、応用的及び開発的な調査研究」こういうふうにいってみましても、まだきわめてばく然としておると思うのです。できるだけわかりやすく幾つかの例示をして具体的に示してもらいたい、こういうふうに思います。
#18
○宮崎(仁)政府委員 確かに法案の書き方としてはどうしてもそういうふうな抽象的な表現にならざるを得なかったわけでございまして、恐縮でございますが、そこに書いてある二つの趣旨、つまり現代の経済社会の諸問題、言ってみれば、現代先進社会の諸問題ということがよくいわれておりますが、そういった問題として、たとえばクリステンセンの報告書であるとか、あるいは最近におけるローマクラブ、マンスホルト委員長の報告とか、そういったことが問題として出されておるのは御承知のとおりだと思います。
 さらに、国民生活の問題というと、これまた非常に広範でございますが、言ってみれば、第一の課題と非常に密接でございまして、わが国がこれだけやはり豊かな社会になってまいりますと、いままで私どもが追い求めてきた貧困の解消とか、あるいは完全雇用とかいうことは達成できたのでありますけれども、その反面、たくさんの問題が出たということは御承知のとおりでございます。そういうことを解明していこう、このためには、経済学とか社会学とか単一の学問ではなかなかやっていけない分野というのが非常にある。それがいわゆる「専門的知識を結集して」ということが書いてある点でございます。
 具体的にはどんなことが考えられるかということでございますが、たとえば、よくいわれておることですが、価値観の変化に対する対応というような問題について、結局物的な価値観から多様な人間的な欲求といいますか、そういう問題に対応していかなければならない。そのためには市場システムというようなものをどうするとか、あるいは社会におけるルールをどうするかというような非常に大きな基本的な問題がございます。あるいは環境資源といいますか、環境と成長の問題、こういうことも非常に大きな問題でございまして、これは内容の御説明は要らないと思います。それからさらに物的な資源と成長の問題、これもローマクラブ等で指摘されておるような問題があるわけでございます。
 さらに、巨大開発の停滞と高級技術者の失業問題というようなことがいわれておりますが、これは主としてアメリカでの問題でございまして、わが国ではこんな問題はあまりありませんが、しかしこれから生じてくる可能性はございます。大学院卒業の学生の働き先をどうするかという問題がわが国でもだんだん問題になってきておるようでございます。
 それから、現在非常に大きな問題になっておりますインフレーションの問題、こういう問題も経済問題として取り扱われておるわけでございますけれども、一歩突っ込んでいくとあちらこちらの分野に非常に大きな関係を持ってくると思うのでございまして、それも一つの問題であろうと思います。
 さらに、都市問題とか、地域社会形成の問題、地方中核都市のような問題でございますが、こういうものについても新しいシステムを応用して研究をしていく必要があるんじゃないか、あるいは余暇と教育の問題とか、そういったような問題がいろいろ出されております。
 さしずめの問題としては、たとえば石油の問題を中心として、環境資源、人類の文化というようなことに関連して相当広範な研究をやってみたらどうか、こういう提案がいま出されておりますけれども、実際にどうするかは機構が発足してからの問題である、こういうことに考えております。
#19
○渡辺(三)委員 いま説明があったような問題は、それぞれ専門的な各分野におけるテーマの取り扱い、仕事の内容だと思います。そこで私は、法案の二十三条に関連をして業務の内容について少し具体的にお聞きをしたいと思うわけであります。
 「第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。」ということで七項目あげられておるわけですが、最初の「総合的な研究開発の実施及び助成」これについては、開発機構がみずから実施をするものと、もう一つは委託を受けて行なう仕事、この二つに分類されると思うわけです。時間があまりございませんからこれはあとで詳しくお聞きをしたいと思うのですが、「実施及び助成」はこの二つに分類される、このように認識をしてよろしいかどうか。まずその点をお伺いしておきたいと思います。この点だけでいいですから答えてください。
#20
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおりでございまして、機構が実施するにあたって自分の財源で実施をする場合と、それから政府各省、公共団体等から委託を受けて実施をする場合があると思います。そしてまた自分の財源から民間の機構に助成をすることもある、こういうことになっておるわけでございます。したがって、実施するにあたっての機構のやり方は外部委託と自分の財源の両方がある、こう御理解願いたいと思います。
#21
○渡辺(三)委員 次に、「研究者に対する研修及び総合的な研究開発の企画調整に当たる者の養成」いわゆる研修、養成の問題が出ておるわけであります。「研究者に対する研修」というのはわかるわけですが、「総合的な研究開発の企画調整に当たる者の養成」、ここでいう「企画調整に当たる者」は研究者を兼ねるのかどうか。全然別個にいわゆる管理者としての資格を持ち得る人を養成する、こういうふうな意味なのか。研究者であり、かつそれを統合指揮し、あるいは管理をする、こういうふうな人というふうに解釈をしておるのかどうか。この点も、時間の関係もありますので簡潔でけっこうですからお答えをいただきたいと思います。
#22
○宮崎(仁)政府委員 この「企画調整に当たる者」というのはいわゆるプロジェクトリーダーということをいわれておるものでございまして、一般的に研究者として活躍をされてある程度の経験を持たれてこういうリーダーになられるというケースが大体普通である、こう思っております。
#23
○渡辺(三)委員 各項目少しこまかい聞き方でやりますけれども、さらに「総合的な研究開発に関する研究者に対する研究施設その他の施設の提供」というふうになっておるわけであります。この施設の問題は、きのうも質疑応答の中で若干触れられていたように思いますが、当面あるいは近い将来どの程度の施設を構想されておるのか。これは全体的に読ませていただきますと、環境の問題なども相当重要視して考えておられるようであります。ですから、そういう環境なども含めて当面は一体どの程度の施設を考えておるか。あるいは近い将来といいますか、やや長期的に考えた場合にはどういう環境のどういう施設がほんとうは望ましい、必要だというように考えておられるのか。その点、あとで財政の問題とも関連をしますから、お聞きをしておきたいと思います。
#24
○宮崎(仁)政府委員 実はこの機構の形として、こういう四号のようなものをつくろうかという提案も初めあったわけでございます。ホームステッド型のリサーチセンター、こういうふうなことを言うんだそうですが、研究施設それから宿泊施設、いろいろの施設を備えて、そして研究者の方々にそれを利用していただく、こういうような形のものをつくってみたらどうかというような発想があるわけでございます。したがいまして、こういう施設は、環境条件のいいところで、しかも情報その他の面から見てあまり不便なところでは困るというような条件の場所にかなりりっぱなものをつくらなければ、これは十分使えないと思います。したがって、今度の基金構想の中からすぐこれに必要な財源が出るというような形には考えておりませんので、これは若干将来の構想というふうにおとりをいただいていいと思います。こういうものをつくるときには、またそれに応じてやはり相当資金的な準備をしてやっていかなければならない。借り入れ金の規定がこの中にございますが、これを使ってやっていけるかどうか、この辺はさらに検討を要する問題であろう、こう思っております。
#25
○渡辺(三)委員 そこで、いま御質問申し上げました三号、四号との関連でお聞きをするわけでありますけれども、私自身も十分に理解できない面もあるわけですが、いわゆるシンクタンクあるいはここでいう総合研究開発機構、これはさまざまな分野の専門家を常に結集できる、そういう体制を確立しておくことが必要なんだ、こういうふうにいわれておるようであります。そうしますと、先ほどの研究者あるいは研究開発の企画調整に当たる者、こういう人々を常に、必要な場合にはいつでもそのテーマごとにプロジェクトを編成できる、結集できる、そしてまた、そういう人々がきわめて自主的に、しかも十分に整備された施設の中で研究が進められる、こういう体制がいわば理想的な体制だと思いますけれども、そういうものがつくられるというふうなことが、一応前提といいますか、いますぐにはできないにしても、近い将来にはやはりそういう体制をつくり上げていかなければならない、こういうふうな構想だと思うのです。これは言うはやすくしてなかなかたいへんなことだと思うのですけれども、これに至る一つの、何といいましょうか、確たる計画といいますか、見通しといいますか、そういう点についてはどのように考えておられるのですか。
#26
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおり、そういったことを考えておるわけでございますが、この二年間の準備の期間に、すでに二十ほどある民間のいわゆるシンクタンクといわれるようなものについて委託調査をしたり、あるいはこういうものをつくっていく場合にどうしようかというようなことでいろいろ協議をしたりというようなことで、かなり人的な交流をやっております。
 それから、若い人たちが中心でありますけれども、将来こういった仕事に御協力をいただけるだろうと思われるような方々の養成のようなこともやってまいっております。
 そういうことで、わが国は、まだアメリカやヨーロッパの一部に比べると、こういう体制は非常におくれておりますけれども、何といいましても、これだけ研究費もふえ、研究者の数もたくさんあるわけでございまして、相当のことができるということはわかっておるわけでございます。これをいかにうまく組織し、そして、いかにこれを動員できるかというところが、結局この機構の仕事がうまくいくかどうかのみそであろうと思います。
 それにはやはり、一つは、きのうから長官もお答え申し上げておりますが、会長、理事長というような方々は、それにふさわしいりっぱな方になっていただくということがまず一つ必要でありましょう。それから、この研究評議会等の構成も、そういう意味で非常に重要である、こう思っております。
 そしてまた、政府なり公共団体等が十分これに肩入れをしていくということも、これはやらなければならないと思います。また、民間出資についても積極的に出していただく、そういうことが積み上がってまいりますと、基礎はもう相当できておると思いますので、だんだんに動いていくのではないか。しかし、これも一年間ですぐにということもあまりせっかちでございますので、大体三百億基金構想というのは、三年ないし五年という時間を見たのも、その間にだんだん整備をしていきたい、こう思っておるわけでございます。
#27
○渡辺(三)委員 午前中申し合わせの時間もありますから、二十三条だけをお聞きして、あとは他の委員に譲って、午後からまた質問させていただきますけれども、いまもお話しございましたが、民間のシンクタンクが相当先行的に進められておる、こういう状況と関連をして、第五号の「総合的な研究開発に関する研究機関との提携及び交流」、これは制度、機構的に、あるいは慣習的にたいへんむずかしい問題だというふうに私どもは想定をするわけです。それぞれすでに設立をされておる民間のシンクタンク、これとの提携及び交流、これは国際的な問題も、ある意味では関連をすると思うのですが、実際の運営としてはたいへんむずかしいのじゃないか、こういうふうに思うのです。
 しかし、四十六年、四十七年、いろいろな角度で検討をされてまいったと思いますし、それからまた、先ほど局長から説明のありました三省のそれぞれの研究開発、これとはまた別個に、全体の、民間を含めたシンクタンクとの提携、交流をどう進めていくべきか、こういう問題について、ある一定の結論を得られたのではないか、あるいは見通しを固められたのではないか、こういうふうに思うのですが、私どもの今日の考えでは、非常にむずかしいだろう、悪く言えば、大学の研究室にしてもあるいは民間のシンクタンクにしても、それぞれの特徴があり、またセクトがあると思うのです。そういう点との提携や交流というものについてどういう確信を持っておられるのか、この点をお聞きをしたい。
#28
○宮崎(仁)政府委員 確かにその点につきましては、従来法律的、制度的にいろいろと障害がございまして、なかなか思うようなぐあいにいかないというところがあったのは事実でございます。今度のこの法律におきまして、自主的な運営とかあるいは政府の監督規定等において、給与その他の基準についての規定を明記しておくとか、そういうことをやっておりますのも、言ってみれば、交流あるいは人的な出向等をやりやすくするための措置でございますが、現実には、いまできておる民間シンクタンクのおもなる方々といろいろとこの二年間に研究開発の過程を通じまして意見を交換し、そして人的な接触も深めてまいりました。
 そういう過程を通じて、大体いま御提案申し上げておるような形のもの、つまり言ってみれば、シンクタンクの中のシンクタンクというようなものになるかもしれませんが、基金的な構想のもので、いろいろと関連を持ちながらネットワークを組んでいく、こういうことならば相当活躍ができるのではないか、こういう一応の考え方に立ちまして、今回の御提案をしておるような次第でございます。確かにこの点はむずかしい点がございますから、実行にあたっていろいろ心せねばならぬと思いますが、そういうことでやってまいりたいと思っておる次第でございます。
#29
○渡辺(三)委員 では、この項については最後に一つだけお聞きをして、午前中の質問を私、一応打ち切りたいと思いますけれども、同じ二十三条の第二項、これは法文の形としては当然こうなるでありましょうけれども、「機構は、前項第七号に掲げる業務を行なおうとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。」こういうふうにあります。この「前項第七号に掲げる業務を行なおうとするときは、」これは、たとえばその一つ一つのテーマについて内閣総理大臣の認可を受けなければならない、こういうふうに非常にきびしい、シビアな意味で書かれておるのか。さらには、その研究開発の手法についてもいわれておるのかどうか、この点を一つだけお聞きします。
#30
○喜多村説明員 機構が行ないます業務は一号から七号までございますが、一号から六号までは、法定いたしましたものは法文上できる、こういうことでございますが、七号にありますものは、この「第一条の目的を達成するために必要な業務」となっておりまして、たとえば文献の出版事業でありますとか、あるいはそのほかの啓蒙事業等々がございます。そういう場合は、それは一条の目的を達成する事業ではございますけれども、場合によっては、これは営利的な事業内容をあるいは持つという可能性もございます。したがいまして、そういう場合には、一つ一つについて内閣総理大臣の認可を受けるということになっておりまして、大体この種の認可法人、あるいは特殊法人の場合もそうでございますが、例文になっておるものでございます。
#31
○渡辺(三)委員 それでは一応質問を午後に留保いたしまして、午前中は終わります。
#32
○浦野委員長 近江巳記夫君。
#33
○近江委員 私は、一昨年ランド、スタンフォードあるいはバッテル・メモリアル等を見てまいりまして、今回わが国でこうしたシンクタンクができるということについてはそれなりに評価ができるわけであります。
 そこで、まず初めにお聞きしたいのは、このシンクタンクの定義につきましてどういうような見解を持っておられるか。それからまた、どの程度の機能、組織、体制を持つものがシンクタンクと称されると考えておられるか。この辺のところについてまず初めにお聞きしたいと思います。
#34
○宮崎(仁)政府委員 若干釈迦に説法のようなことを申し上げてたいへん恐縮でございますが、シンクタンクということばの定義はそう明確ではございませんが、一応いわれております基準といいますか、考え方ということで申し上げますと、一つは、いわゆる単一の学問ではなくてインターディシプリナリーな取り組みが必要な問題であること、それから第二は政策目標、目標指向的な課題と取り組むものであること、第三はその成果並びに研究の方法等について自主性、独立性を十分持っておるということがいわれておるようでございます。大体その三つくらいの性格を兼ね備えたもので、いわゆるシステムズアナリシスというような手法を使って研究をやっていくという組織を大体シンクタンクといっているように理解いたしております。
 これは外国の事例、日本の事例等を見ておりますと、相当大きな何千人というような組織から、小は二十人とか非常に小さいものもございますが、おのずから取り上げる課題の大きさによりましてやはり最小限どのくらいということはあるんだろうと思います。特にわが国の場合では、まだでき上がりつつあるものもあるというような状況でございますので、比較的規模の小さいものが多うございますけれども、これからだんだん大きくなっていくのではないか、こう思っておる次第でございます。
#35
○近江委員 これもアメリカの場合は少なくとも二、三十年の歴史があるわけです。それで機構におきましても非常に大きいわけです。たとえばスタンフォードの場合二千八百名、そのうち専門家が千五百五十名、博士号を持っている人が三百七十五名、修士号を持っている人が五百十二名、学士が六百六十三名、もう御承知と思いますけれども、こういうような内容になっております。それからランド・コーポレーション、ここは総数で千二百名、研究者が六百名、外部コンサルタントが八百名、その他人事交流がひんぱんに行なわれておる。バッテル・メモリアル研究所、ここなどは総数で六千九百人、コロンバスで二千七百、リッチランドでは二千七百、フランクフルトに九百、ジュネーブに六百。うち大学卒が四八%、博士号を持っている人が六百人、こういう非常に大きな規模になっておるわけですね。今回政府が考えておるそうした規模というのは大体どの程度を考えていますか。
#36
○宮崎(仁)政府委員 今回の機構の性格は、中心を基金構想に置いておりますので、直接職員としてこの機構に属する者は二十数名という非常にわずかなものでまいりたいと思います。これ以外にプロジェクトリーダー、その他研究者の方々に随時問題によって参加をしていただく。そうしてそれは課題についての結論が出たならば解散をするというかっこうでやっていったらどうか、こう思っておる次第でございます。したがいまして、研究者の方々は相当多数御参加を願うことになるかと思いますが、機構そのものの人員は、この基金の運営管理、庶務というようなことをやる人間だけに一応とどめておる。そうして実際の研究に当たる方々は、ただいま申しましたような形で外から研究課題に応じて入っていただく、こういうことでやってまいるつもりでございます。
#37
○近江委員 バッテルの場合は、韓国のほうでもいろいろ援助をしてシンクタンクをつくったわけですけれども、韓国のほうは調査しましたか。日本とかなり似通ったような、そういうようなところもあるんじゃないかと思うのですが、調査をしたならば大体のそうした特徴についてひとつお知らせいただきたいと思うのです。
#38
○宮崎(仁)政府委員 この点については調査団を組織いたしまして、アメリカ、それからヨーロッパ、特にバッテルについてもヨーロッパの機構も調査をいたしております。
 その特徴等につきましては、実際の調査のほうに参加をいたしました福士調査室長からちょっと説明させます。(近江委員「韓国ですよ」と呼ぶ)KISTについても調査をいたしておりますので、参事官のほうから説明させます。
#39
○喜多村説明員 韓国の調査につきましては非常に不備でございます。ただ、係員をKISTとKDIに派遣いたしまして若干のことを聞いてまいりました程度でございます。KISTは、御承知のように出資の半分がアメリカ政府から出されておりまして、あと半分が韓国から出されるというように聞いておりますが、これは日本で申しますならば、主として工業技術院的な性格を持っておるようでございまして、ハードの研究が相当大きく行なわれておるようでございます。人間の数も五百人でございまして、このうち、先ほど先生御指摘ありましたPh・Dをとっている者が一割程度おるということでございまして、なかなかしっかりした研究機関であるように報告がきております。
 KDIのほうは、これは多少小さい研究機関でございまして、これがまさにソフトな研究機関のようでございます。百人程度でございますが、これの中のPh・Dをとっております者が十人くらいで、スタッフは大体大学院を卒業程度の優秀なスタッフと聞いております。
 両者にわたりまして共通なのは、民間委託調査は比較的少のうございまして、ほとんどは国家の委託であるというような調査が参っております。
 以上でございます。
#40
○近江委員 それで、調査団でずっと行かれて、今後わが国でこのように設立をしていく。やはり欧米芝日本という立場は、おのずといろいろな点において違うわけですが、いまいわれておりますことは、特に日本的なシンクタンクが必要であるということがいわれておるわけですが、日本的なシンクタンクの特質というものは、具体的にはどういうものでありますか。
#41
○宮崎(仁)政府委員 問題は二つぐらいあるかと思います。
 第一は、御承知のとおり、アメリカは特にそうでありますが、いわゆるシンクタンクというものの発生の過程を見てまいりますと、軍事研究等を中心にこういった技術が開発され、そしてそれをさらに社会開発の分野その他にだんだん適用してきた、こういう経緯をたどっております。わが国の場合には、直接こういった社会開発的な、あるいは社会問題ということに取り組んでいくわけでございますから、したがって、そういった目的指向の形において最初に違いがある。それに応じたような組織なり人員というものを考えていかなければならぬという点があると思います。
 それからさらに、わが国の場合、科学技術の面その他では相当の水準に達しておるわけでございますが、こういった社会科学の問題等についてややおくれがあるということでございまして、特にこういう組織については、ここ二、三年の間に民間の機関ができてきておるというような状況でございますので、アメリカのように民間の、たとえば財団というものが中心になって独自の力で伸びていくというのを待っているわけにもまいりません。そういうことから、政府が出資をして特別の機構をつくって、そして全体としてうまくまとめていったらどうであろうか、こういうことを考えたわけでございまして、この点が一つの特色になる、そういうことではないだろうかと考えております。
#42
○近江委員 機構のほうは、まあ当初スタートはもちろん小さいということになるわけですが、将来これをどのくらいの規模にまでしていかれる構想を持っておられるのですか。
#43
○宮崎(仁)政府委員 基金構想は、先ほど申し上げたようなことで、比較的こじんまりとした機構でやってまいりたいと思いますが、なおかつ研究活動としては相当大きなものができると思います。
 そのほかに、この二十三条にもございますが、さらに付属機関というかっこうになりますか、あるいはこの機構の一部になりますか、独自の研究所を持つということを将来は考えるようになると思います。そういう際には、これは課題によってきまってまいると思いますが、かなり大きなものを持つようなことを考えていってもいいのではないかと私ども考えておりますけれども、いずれにいたしましても、これはまだ将来の問題でございますので、現在確たる構想を持っているわけではございません。
#44
○近江委員 取り上げる課題ということが問題になるわけですけれども、外交とか国防問題ということになってきますと、やはりイデオロギー等も非常にからんでくるというようなことで、これはふさわしくない。ですから、取り上げるべき問題というものは、住宅であるとか、交通であるとか、流通機構であるとか、健康管理であるとか、教育制度あるいは都市開発、公害あるいは行政制度の問題等いろいろあげられるわけですけれども、課題についてはどういうように考えておりますか。
#45
○宮崎(仁)政府委員 大体いまおあげになりましたような、当面の課題について取り上げていくということになると思います。
 さらに申し上げるならば、いわゆる価値観の変化とその対応というようなことを言っておりますが、人間の問題ということについていろいろ社会的に問題が起こっております。こういうことをどういうふうに取り上げて対応していったらいいのかというような問題がありますし、それから環境と資源問題というようなことも一つの問題になろうかと思いますが、大体いまおあげになりましたような問題に取り組んでまいりたいと思っておる次第でございます。
#46
○近江委員 それから問題提起と調査の自由ということでありますが、政治的な、また企業的な意図というものが介入をしてくる、こういうことになってきますと、本来シンクタンクのそういう使命ということを果たしていくことが非常にむずかしいことになるのじゃないかと思うわけですが、そういう点からいきまして、発表の自由であるとか、あるいはまた研究者同士のそういう平等性の問題であるとか、いろいろな問題が出てくるわけですけれども、そういう問題の提起あるいは調査の自由ということについてはどのように考えておりますか。
#47
○宮崎(仁)政府委員 これは法律の条文でも、第一条、第二十五条等に自主的な運営とか、自主性の尊重とかいうことが書いてございますが、それがいま御指摘になりましたような、結局研究における課題の選定、それから研究方法、成果の発表、そういった面について自主性を持ってやってもらうということを考えておるわけでございまして、大体お考えのような方向で運営してまいりたいと思っておる次第でございます。
#48
○近江委員 それで、特にランドなんかは軍事研究、これは政府からの委託を受けておるわけですが、そういう点は、われわれとしては非常に心配するわけです。それで、目的を見ましても、そういうような歯どめといいますか、そういうものが見られないわけですね。したがって、こういう公的なシンクタンクについては、原子力基本法と同じように、平和利用を基本として、自主、民主、公開のこういう三原則というものをやはり適用されるべきじゃないか、このように思うのですけれども、目的の中になぜこういうようなことを入れなかったのですか。
#49
○宮崎(仁)政府委員 この点は、きのう長官から御答弁があった問題でございますけれども、第一条に書いてございますように、「現代の経済社会及び国民生活の諸問題の解明に寄与するため、」という限定をつけておりまして、この点で、御心配のような軍事目的というようなことは、これはもう入ってこない。しかも、一番最後に、「もって国民の福祉の増進に資することを目的とする。」と書いてございますので、私どもとしては、そういう点については規定として縛りはかかっておると考えて、こういった条文にした次第でございます。なかなか書きにくいところでございますので、あるいは不十分という御議論もあるかもしれませんが、そういうところでお読み取りを願いたいと思う次第でございます。
#50
○近江委員 たとえばエネルギー一つの問題を見ましても、この前にニクソンのエネルギー教書が出ましたけれども、非常にやはりアメリカの考えというものは国防という問題が大きくからんでくるわけですね。そういうエネルギーという問題を単純に考えれば、現代の経済社会、これは重大な問題であるわけですね。ところが、裏には国防、軍事ということが大きな一つのからみ合いになっている。こういうことからいきますと、なるほどいまの説明もまあ一応の説明としては通ると思うのですけれども、しかしよくずっとこう見てみますと、やはり経済社会ということ自体は、大きくまたそういう問題にもつながってくるということになってくると思うのです。そういう点で、やはりみんなこのように懸念しておるわけでありますから、当然はっきりした――そういう心配がないと言われるなら、やはり私がいま申し上げた、平和を基本としたそういう原則というものを当然うたうべきじゃないか、このように思うのですが、大臣はどのようにお考えですか。
#51
○小坂国務大臣 原子力基本法の場合でございますと、原子力の研究開発それ自体が軍事目的に直ちに利用可能の面があるわけでございますので、そういう特性に対しましてやはり平和、民主、公開というのがはっきりすることが必要であろうと思うのでございます。このシンクタンク機構というものの研究は、先ほど局長も申し上げましたように、第一条及び第二十六条に明らかになっておりますように、特に第一条におきまして「国民の福祉の増進に資する」と書いてあるわけでございまして、「国民の福祉の増進」ということを考えます場合に、戦争をして国民の福祉が増進されるわけはないのでございますから、そういう点で平和目的というものは読み取れるというふうに私ども考えておるわけでございまして、御議論のあるところは十分私ども肝に銘じておりますわけで、いやしくも戦争目的等にこの機構が利用されないように、十分法律をつくるときの根本的な理念として考えておるわけでございます。
#52
○近江委員 これは直接であるとか間接であるとかいうことはそう関係がないことでありまして、将来にわたるそういう歯どめということはしなければいかぬと思うのです。当初はどんなものでもそんな心配ありませんということで発足して、現実は違うという形になるのですね。たとえば、わが党の坂井議員が予算委員会で日航製の問題を取り上げましたが、あれだけ民間航空機だと言っておきながら自衛隊の輸送機を現実に二機つくっておった。まるでだれが見ても、ほんとうによくこういうことをやっておったなということが平然として行なわれておるわけですね。いまはそうであっても歯どめをしておかなければ、そういう心配が出るわけです。そういう点で絶対にこれを入れないとまずいと思いますね。大臣、どう思いますか。
#53
○小坂国務大臣 強い御主張のほどはよく承りまするが、私どもは、いまの民間航空機製造の場合と違いまして、この場合は研究評議員というものができるわけでございますが、その場合、ここで取り上げるテーマは発表する、公開するわけで、直ちに軍事目的に関する研究が行なわれるかどうかということは、その採択されるテーマを見て判断できるわけでございまして、そこで十分歯どめができる、かように考えて、この法律を提案しておる次第でございます。
#54
○近江委員 この問題は非常に重要な問題でありますので、この点は今後各党とも一度よく話し合って何らかのはっきりとした形をとるようにしなければ私はいかぬと思うのです。
 それから、人材の結集という点におきまして、まあ欧米の場合には非常に流動的にうまくいっておるように思うのですけれども、その辺いろいろな背景もあろうかと思うのですが、この辺についての見通し、また具体的な方策としてはどういうことを考えておるのですか。
#55
○宮崎(仁)政府委員 特にアメリカの場合なんかは、御承知のようにわが国と雇用の形態が違っておりまして、終身雇用というようなことがとられていないというようなこともありまして、人材の交流ということが非常に自由に行なわれ、必要なところに必要な人が集まるというようなやり方になっておるようでございますが、わが国の場合には、御承知のような過去のいきさつもございますから、こういう新しい機構をやっていくにあたっては、非常にその点ではむずかしい点があるということは先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、具体的には第二十五条に自主性の尊重というようなことを書いて、言ってみれば、国の援助の規定がございますが、こういう規定によりまして国立の研究機関あるいは大学等からの出向ができるようにいたしております。
 それから民間の方々に対しては、先ほど申し上げましたような形でやはり御参加を願うわけでございますが、その際に、この機構の職員についての給与の基準というようなものについての行政的な干渉と申しますか、認可を必要とするというような規定は落としてあります。そういうことで、給与の点あたりにつきましても必要に応じて十分のものを払っていく、こういうことでやっていきたい。そういう幾つかの具体的な措置をとりながら、実際にはやはり機構の役員あるいは研究評議会等における運営ということが非常に重要になると思いますけれども、そういう方々の御努力をまた一方では十分にお願いをいたしまして、そしてりっぱな方々に御参加願うようにやっていきたい、こう思っておる次第でございます。
#56
○近江委員 わが国の場合、最近はだいぶ変わってきたように思うのですが、日本というのは、ものの価値というものは認めるけれども、こういう無形の知識とか知恵というものについての評価は払わないというような風潮がまだ多分に残っておるように思うのです。やはりそういう土壌というのは今後の運営等に非常に大きな問題じゃないかと思うのですが、こういう点についてはどう考えていますか。
#57
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおりでございまして、こういった新しい機構をつくってそしてこの問題を取り上げていこうというのも、そういうことに対する一つの試みをここでやっていこうということでございまして、だんだんものの考え方は変わってまいってはおると思いますけれども、やはりこういう新しい機構をつくった機会にルールなり何なりをつくっていってはどうだろうか、こう思っておる次第でございます。
#58
○近江委員 それから財政的な基盤ということが大事になってくるわけですが、この研究テーマに不足して運営に困るということは私はないと思う。日本はあまりにも問題が多過ぎるわけですからね。財政的な基盤として今後いろいろ考えておられるわけですが、地方公共団体あるいは民間からの出資等もいろいろお考えになっておられるようでありますが、今後そのめどというものをどのようにつけておられるか、この点をお聞きしたいと思うのです。
#59
○宮崎(仁)政府委員 一応今年度三十億円の政府出資がついておりまして、これに大体同額くらいの民間の出資をお願いしようと思っておる次第でございますが、将来の問題としては、先ほど申し上げましたように、三ないし五年の間に三百億の基金というものを一応のめどといたしております。これによって大体年間二十億程度の資金が使えるということになります。このほかに、政府各省においてあるいは地方公共団体において、現在いろいろの問題について使われておる調査費、研究費というものは相当大きなものがございます。
 そういうもので、問題の性格によってこの機構に委託をされるというようなものがかなり出てくるのではないか。これはどの程度になるかはちょっと予測ができておりませんけれども、そういうものも引き受けてまいりたいと思っておる次第でございます。それから、民間からの委託も場合によっては受けることもあり得る、こう思っております。
 そういう形でございますので、これから政府の出資をこの予算で措置をしてまいりますと同時に、民間側につきましては、この法律の成立を待ちまして発起人、さらに中心となって推進をしていただく方々をお願いをいたしまして、そうして全体の構想を固めてまいりたい、こういうふうな考え方でございまして、大体の腹づもりはいま申し上げたようなことでございます。
#60
○近江委員 それで民間からのそういう寄付金といいますか、そういうものを期待されておるようですが、そういう場合、税制上の問題もあろうかと思うのですが、こういう点については、政府としては話し合いはどのようになっておりますか。
#61
○宮崎(仁)政府委員 民間から出資をお願いするというのを一応原則に考えておりますが、公共団体は別にいたしまして、民間企業の場合は、出資は税法上はもちろん損金扱いということはできません。それ以外に、こういう機構でございますので、一部寄付金でやるということもあり得るものと考えております。そういう際には、この寄付については指定寄付として税制上の取り扱いをしていただくというつもりでございまして、税務当局、大蔵省のほうと相談をいたしております。まだ結論というところまでいっておりませんが、法律に基づくものでございますから当然配慮してもらえるもの、こう考えておる次第でございます。
#62
○近江委員 それで民間のシンクタンクも幾つかできておるようでありますが、本法によるシンクタンクのそうした使命、そういうものとこの民間シンクタンクとの役割りの分担、これは基本的にどのように考えておられるか、担当すべき研究分野が原則的にはどういうようになるのか、それはどのようにお考えですか。
#63
○宮崎(仁)政府委員 民間シンクタンクといわれるものは大体二十くらいあるようでございますが、これはもうそれぞれその成立の経緯、それかしら目的が違いますから、一がいにどうとは言えませんけれども、たとえば日本工業立地センターあるいは運輸経済研究センターでありますとか、未来工学研究所でありますとか、それぞれ特異の分野を持っております。そしてこれは大体独立採算的に動いておるわけでございまして、そういう分野でさらに今後とも大いにひとつ発展をしてもらいたい、こう思っておるわけでございます。
 この機構で考えますのは、言ってみれば、先ほどから御議論になっておりますように、やや一般的かつ公共的というような性格の課題が多いわけでございますので、この民間の機関のそういう関連のある分野には委託をしたりあるいは助成をしたりしてやってまいりたいと思いますけれども、問題の範囲はおのずから分かれてくるのではないか、こう思っておる次第でございます。つまり特定の課題について独立採算的に報酬をもらってやっていくというような形の問題は、これは大体民間のシンクタンクにお願いをするということになります。それで、そういったものでない、比較的一般的で、公共的で、また結果についての利益といいますか、報酬を期待するというものではない、国民全体の利益に関係するような、そういう問題をこの新しい機構で取り上げていく、こういうやり方で運営していくことになるであろう、こう考えておる次第でございます。
#64
○近江委員 このシンクタンクのこういう研究成果が特定の人物であるとか組織によって独占される、そうしてその立場を正当化する手段として使われると、国全体としてはかえってマイナスになることがあると思うのです。特に公的なシンクタンクの場合は、こういう弊害というものを未然に防止する必要があると思うのですけれども、これについてはどういう対策をお立てになっておりますか。
#65
○宮崎(仁)政府委員 この機構の重要な特徴といたしまして研究評議会というものをつくることになっておりますが、この研究評議会については、その人選につきまして内閣総理大臣の承認を必要とするというかっこうにいたしております。この評議会は、実際問題として非常に重要な役目をしていただくわけでございますが、これは各方面の有識者でりっぱな方々に評議員になっていただく、こういうつもりでございます。それが片寄ることがないように、一応内閣総理大臣の承認ということにもなっておるわけでございますし、また、この成果については、先ほど申しましたように自主性を持たせるということになっておりますが、形式的には、内閣総理大臣が監督をする規定が全部条文としては入っております。行き過ぎなりあるいは御心配のような事態が起こった場合には、政府側からこれに対して必要な改善命令なりあるいは監督をしていくという形でそういうことのないようにしていく、こういうつもりでございます。
#66
○近江委員 それから、こういう公的なシンクタンクの研究成果というものは、政府与党に独占されて、その政策に対する野党の反論を封ずる武器として使われる、こういう国家的に非常に大きな弊害を生むのではないかと思うのです。この提案者たる政府としてどういう歯どめを持っておるか。また、政府が政策的なプロジェクトについて公的なシンクタンクに研究を発注したときは、その成果を秘密にして独占するというようなことは絶対しないように、広く公表をすべきであると思うのですけれども、これについてどう思われますか。これは大臣にお伺いしたいと思います。
#67
○小坂国務大臣 この成果をできるだけ国民に活用していただくという趣旨におきまして、当然これは公開すべきもの、かように考えております。
 なお、御指摘のような政府、ことに総理大臣が認可をするというようなことは、これはあくまでも公正な人にやってもらうということを担保する意味でございまして、何も政府がその調査結果を独占するとか、かようなことを考えておるわけではございません。
#68
○近江委員 そういう機関として果たす役割りというものは、言うなら、これは国家の最高方針を決定するわけですから、そこで国会みずからがシンクタンクに対して高度な情報の収集、それから分析を発注するような機能を持つべきであると思うのですけれども、これは大臣にお聞きしていいかどうかと思いますが、大臣の感想をお聞きしたいと思うのです。
#69
○宮崎(仁)政府委員 ちょっと事務的な点を先に申し上げておきたいと思いますが、この機構に対して課題を御提言いただくのは、どういう方面からでも広くいただきたいと思っております。ただ、現実の委託契約とか、そういうことになってまいりますと、これは政府とかあるいは公共団体とか、場合によっては民間の団体というようなことが考えられるのではないか。したがって、国会でのそういった御提案というようなものは、ひとつ政府なりあるいは行政府のほうにおっしゃっていただきたい、そうしてそれを受けて各省がこういった機構に対する委託をしていくという形でやっていくのが一番いいのではないかと思っております。
#70
○近江委員 それから人的な構成を見ますと、会長と理事長を一名ずつ置くということになっておるわけですが、それぞれの役割りの違い、そしてまた、そのそれぞれの人選について具体的な構想があるのかどうか。この二点についてお伺いしたいと思います。
#71
○宮崎(仁)政府委員 法十六条、十七条に書いてありますように、会長はいわば機構の代表であり、非常に広範な認識、見識を持った方になっていただかなければならない、こう思っておる次第でございます。
 それから、理事長は、実際の実務の推進者であるとともに機構の代表でもありますから、これはそういった意味で、専門的な知識も持ち、国際的にも相当認識、見識のある方であって、なおこういった実務について推進役になっていただける、こういう方をお願いしたい。理事につきましても、そういった見識を持った方々で、りっぱな方がやっていただきたいと思う次第でございます。具体的な人選等につきましては、まだこの法案が審議中の問題でもございまするし、全くまだ進んでおりません。
#72
○近江委員 それから、常勤の理事の三人はどういう分野を分担されるのか。
 それから、待遇につきまして、従来の特殊法人ですと一つ一つ大蔵省のチェックを受けるというようなことになるわけですが、その辺のところについて同じようになさるのかどうか。この二点についてお伺いしたいと思います。
#73
○宮崎(仁)政府委員 この役員の待遇等についてはかなり優遇をしていく必要があるのではないか、こうわれわれ考えておりますが、具体的には、職員についての給与の基準に関する規定等は、先ほど言いましたように、行政府の認可にかけないようにいたしておりますので、ある程度自主的にきめ得るわけでございますが、予算という形を通じてやはりある程度政府側の目も通していくということになります。しかし、考え方としては、こういった機構の役員にふさわしい相当いい待遇をしていきたい、こう考えております。具体的にどのくらいにするかということはまだきめておりません。
#74
○近江委員 それから、この理事の三人の分担ですね、これはどういうふうになるのですか。
#75
○宮崎(仁)政府委員 理事の職務分担等につきましては、法人の性格から見まして定款で定めることになっておりまして、具体的には業務の内容と対応してきめていく、こういうことになると思います。
#76
○近江委員 それから、研究スタッフというようなものはほんとうに有能な人を確保しなければならないと思うのですが、この身分の保証、それからまた反面、固定的な年功序列制であれば、これはやはり行き詰まってしまうが、このかね合いをどうしていくか。
 それから、やはり何といっても二十代、三十代の若々しいそういう頭脳というものを大いに伸ばさなければならぬわけですが、これはもちろん待遇の問題等もからんでくるのですが、それだけじゃないと私は思いますし、その辺についてはどのように考えておるか。この二点についてお伺いしたいと思います。
#77
○喜多村説明員 人材確保につきましては、御指摘のように最も重要な部分であると考えております。したがって、人材をどのようにして集めるかについて、これから非常に大きな問題が残っているかと思いますけれども、現在私どもで用意いたしております制度的な改善と申しますか、そういうところは、たとえば、国家公務員でありました場合には、国家公務員は原則として兼業ないしその他を禁止されておりまして、身分を持ったままで外に出ていくということが原則的にはできないわけでございます。そこで、こういう研究機関ができましたときにどのようにしてその人を出していくかということで、年金でありますとか、あるいは退職金とのかね合いで非常に大きな問題になってまいりますので、一つは、退職の方法によった場合でも政令指定をしていただきまして、そして年金及びそのほかの厚生関係の条件が悪くならないようにしていく方法を考えております。それからまた、休職というのが人事院規則でございますが、研究休職の道を開く、あるいは先ほど条文にもございましたように、法令の規定によりまして国が必要な限り援助するということになっておりますために、公共的機関の設立に伴うところの臨時的必要に基づいて、これらの人事院が指定する機関に対して出向させることができる、こういう規定がございますので、そういうものを活用いたしまして、できるだけ身分を保持しながらそこへ出ていくような方途を考えております。そういうものが一つございます。
 それからもう一つ、先ほどございましたように、給与その他の経済的な条件をどういうふうにするかということでございますが、給与基準につきましては機構そのものがそれを考えるということにいたしまして、内閣総理大臣があらかじめ縛るということはいたしておりません。
 それから、そのほかに特に必要なのは、研究環境が非常に重要であろうかと思いますので、先ほど局長からお答え申し上げましたように、研究所等々は、非常に便利で、比較的研究環境が豊かで、のんびりのびのびと研究ができる体制をとるというようなことを考えております。
 以上でございます。
#78
○近江委員 いま大体公務員等のそういう活用ということが主として頭にあるようでありますが、これはやはり天下りという見方が非常にあるわけでありまして、あまり多いと問題があると思いますし、また同時に、民間からの大口の出資者、そういう特定の大企業の代表を多数送り込んでくるということも、これまた大きな弊害が出てくる、こういうような点についてどのように考えていますか。
#79
○宮崎(仁)政府委員 確かに出資をしていただくと、それに伴って成果その他の面で、一種の何といいますか、反対給付を期待するというような形になってまいりますと、いろいろ弊害も出てまいるかと思います。そういうことでございますので、この点については、機構の設立の過程を通じまして、十分にそういった点についての御理解を願って、そしてこういう機構がつくられてくる、こういうようなことにしなければならないと思います。すでにこの二年の準備期間の間においていろいろそういう意見交換等も行なわれておりますので、十分御理解はいただいておると思いますが、なお、いま御指摘のようなことが起こらないように、われわれとしては考えていきたいと思います。
#80
○近江委員 そういうことが研究所の性格というものにつきましても非常に大きな影響を与えているわけですから、十分これは配慮する必要があると思うのです。
 それから、この研究評議会、これが非常に重要な機関になると思うのです。そういう点でどういう分野からこういう人たちを集めてくるか、また、ともすれば評議会のメンバーというものは、古参のいわゆる権威者といわれる人が集まるわけですが、やはりそこには若々しいエネルギーが必要だと私は思うのです。そういう審議会であるとか評議会というのは大体年配者が多いので、やはり若い人もどんどん入れていかなければいかぬ。そういう非常に重要な立場にあるこの評議員でありますので、その辺についてどういう基本方針でいくのですか。
#81
○宮崎(仁)政府委員 この研究評議会のメンバーは御指摘のように非常に重要でございます。したがいまして、これはやはり非常に広い見識を持って、しかもとらわれない立場にある方々、学界それから経済界あるいは各方面、いろいろこれはあると思いますが、広くりっぱな方々になっていただくようにしなければならない、こう思っておる次第でございます。もちろんこういった機構のやる仕事についての御理解もまた深い、そういう専門的な知識を持った方々も一部入っていただかなければならないと思いますが、同時に、必ずしも専門にとらわれない広い視野の方に入っていただくということも考えていきたい、こう思っておる次第でございます。
#82
○近江委員 そういう若いということだけが何も決定的なものではありませんけれども、いま申し上げたように、従来のそういう審議会なり何なりというものはやはりどうしても年配者ということになってくるわけでありますが、こういう点については、従来の固定的なそういう考えにとらわれず若い人もどんどん入ってもらう、こういう幅広い柔軟性を持って考えておるのですか。
#83
○宮崎(仁)政府委員 ただいま申し上げましたように、研究評議会の一部には、当然いわゆるシンクタンクというような問題についての専門的見識を持った方にも入っていただかなければならぬということになると思います。いま現にあります民間シンクタンクの指導者になっている方々は比較的若い方々が多うございます。そういうこともございますから、当然この選択にあたりましてその専門知識を持つ方々ということになりますと、かなり若い人が入ってくるということも考えられるのではないか、こう思っております。
#84
○近江委員 自主的な立場から研究開発を行なうということになっているわけですが、しかし、総理のそういう監督を全面的に受けるという一面から見ると非常に矛盾したような点もあるわけですね。しかし、先ほども申し上げたように、片寄ったとんでもない方向に走る場合なんかは、やはりこれはチェックをする必要があると思うのです。この辺のかね合いというものはむずかしいと思うのですが、運用面でこの自主性をそこなわないということは非常に大事なことなんですが、それについて、これははっきりと明言してもらわなければ困ると思うのです。この辺についてはどのように考えておりますか。
#85
○宮崎(仁)政府委員 監督規定等は例文でございますので一応入っておりますけれども、やはりいまおっしゃいましたように、自主性尊重という面からいきますと、関係行政機関が一々こまかいことまで口を出すということになってまいりますと、これはぎくしゃくしてまいります。
 そういうこともございまして、一つは、関係省庁の事務次官会議における申し合わせになっておりますが、総合研究開発機構の協議会というようなものを次官レベルでつくりまして、そうして円滑に動くように協議をやっていく、こういうことを考えていこうということが一応内定をいたしております。
 それから規定そのものとしましても、一、二、通常の場合でありますと行政的な許可を受けなければならないものがはずれておるというものがございますけれども、これはわずかなものでございます。やはり一切の運営にあたって自主的にやっていく。それにはやはりこの会長、理事長という方々はりっぱな方を選定するということが大事でございますし、また研究評議会そのものの構成が大事である。こういうことによって、これならばだいじょうぶと皆さんに考えていただけるようなものにできれば、当然それに応じたようにこれは動いていけるものだろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
#86
○近江委員 それで、このシンクタンクが、この法案を出されるまで科学技術庁なり通産省、経企庁といろいろやってこられたわけですが、所管としては科学技術庁にするのがほんとうじゃないかというような声もあるわけですね。きょうは科学技術庁の局長も来ておられますし、その辺については、政府としてどういうようなことでこういう結論になったのか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
#87
○宮崎(仁)政府委員 科学技術庁のほうからも御意見がございますかもしれませんが、御相談をいたしました点は、この第一条にもございますように、やはり問題の性格が科学技術という範囲を越えた非常に広範なものでございますので、こういったものに対応して各省間の問題をうまく調整できるという点からいくと、経済企画庁のほうがやや窓口が広いからいいのではないか、こういうことで、御相談の結果まとまったようなわけでございます。しかし、もちろんこれは重要な関係者として、この機構の運営にあたりまして、特に科学技術面についてはいろいろと御援助、御協力をいただく、こういうことでやってまいりたいと思っております。
#88
○長澤政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、科学技術庁は科学技術に関する総合官庁でございまして、かねがねシンクタンク構想につきましては関心を持っておりました。
 御承知のとおり、シンクタンクで現代の経済社会問題を解明するための手法といいますか、ソフトサイエンスの振興という面で大いに努力をしてきたところでございます。ただ、このシンクタンク、総合研究開発機構が総合的な研究開発、先ほども宮崎局長からお話がございましたとおり、経済、社会、技術、この非常に幅の広い各種の専門的知識を結集して行なう機構でございまして、私ども大いにその技術面につきましては蓄積がございますし、これに協力いたしまして、この研究開発機構の目的を十分果たすようにいたしたいと考えているわけでございます。
#89
○近江委員 それで、研究環境の整備ということが非常に先決問題になるわけですが、具体的にはまだ決定されておられないのじゃないかと思いますけれども、この設置の場所とか、そういうことについては、大体の地点等はもうほぼ構想があるのですか。
#90
○宮崎(仁)政府委員 たとえば筑波研究学園都市はどうかとか、あるいは富士山ろくあたりはどうかとか、若干の御提案があったこともございますけれども、先ほども申しましたように、まだ将来の問題ということにいたしておりますので、全くきまっておりません。
#91
○近江委員 それでは約束の時間が来ましたので、質問を留保しましてきょうはこれで一応終わります。
#92
○浦野委員長 午後二時から委員会を再開することとして、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時八分開議
#93
○浦野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。渡辺三郎君。
#94
○渡辺(三)委員 午前中は二十三条関係を中心にお聞きをいたしましたが、この機構の性格について引き続いて若干お聞きをしたいと思います。
 先ほど局長からも御答弁ありましたが、政府としては三百億円の基金を持つものとしてこの機構を準備しておるわけでありますけれども、先ほどの質疑にもありましたが、「政府及び政府以外の者」、これが資金を出すことになるわけですが、その場合に民間と地方公共団体、この中の地方公共団体に対するいわば資金割り当てといいましょうか、あるいは政府が考えておられる期待といいますか、それは大体どのくらいと考えておられるのか。まあ昨日来の局長の答弁では、三年ないし五年で三百億円の基金、こういうふうにおっしゃっておりますから、その三年ないし五年の間に政府以外の出資者に予定している百五十億円のうち、どの程度を地方公共団体に考えておられるか、これをまずお聞きしたいと思うのです。
#95
○宮崎(仁)政府委員 政府以外の者としては、民間企業あるいは各種団体、地方公共団体が考えられるわけでございますが、地方公共団体につきましては、特にこの問題の性格から見まして、国の出資額に対してある程度一定の割合を持ったようなものを考えてはどうかというようなことが作案段階では議論になったわけでございますが、結局は、問題の性格がそう明確に予定できないということもございまして、そういう予定をつけないことにしたわけでございます。したがいまして、これはどれだけ公共団体に期待するというような総額での議論はいたしませんで、この法案が成立いたしましたならば、全国知事会でありますとか、そういった地方六団体等にお話をしてまいりまして、同時に自治省あたりとも御相談していく、こういうことにしたいと思いますが、おそらく取り上げる問題の性質によって入ってくるようなことになることが多いのではないかと思っております。したがいまして、そう多くを期待するつもりはございません。
  〔委員長退席、稻村(左)委員長代理着席〕
#96
○渡辺(三)委員 地方公共団体がいま地域開発あるいは都市開発、都市改造、こういった問題で、たとえば都道府県においては、開発の総合審議会を設けたり、あるいは総合審議会の中にそれぞれの専門別、部門別のいろんな小委員会を設けて、都市開発その他の問題についてのいろいろな研究をこれまで重ねてきているわけです。こういったところから、新しくつくられようとしておりますこの機構に対する委託といいますか、事業の委託、研究開発の委託、こういうふうなものが当然今後考えられてくるだろう、このように予想されます。これを受ける機構側の体制といいますか、これはテーマにもよりましょうけれども、そういう点をどのように想定しておられるのですか。
#97
○宮崎(仁)政府委員 これは、準備段階の四十六、四十七年度においても、そういった地域的な問題、地域開発にかかわる問題あるいは西日本におけるネットワークの問題等、先ほど申し上げましたが、実際に取り上げてやってみております。
 そういうことから見まして、今後出てまいります地域社会に関する新しいシステムの研究でありますとか、地方中核都市のシステム的設計の問題とかいうようなことが当然議論になってまいると思いますので、そういうものにつきましては当然この機構が対応していかなければならないと思います。現在あります二十のシンクタンクのうちでも、そういった問題に対応して仕事ができると思われるものが二つ、三つございます。
 それから今度できます国土開発庁なりあるいは関係省等において、こういった問題についての専門家等が相当これまた利用できると思いますので、そういう方々にうまく協力していただくというようなことも考えて体制をつくってまいりたいと思っておるのでございます。
#98
○渡辺(三)委員 いまの問題に関連をしましてお聞きしたいのですが、これは機構側の能力の問題あるいは体制の問題とかかわると思うのですけれども、たとえば、いままでの経過を見ますと、各都道府県なりあるいは都道府県の中の幾つかの都市あるいは都市周辺を含めた比較的広い地域、こうしたところの開発なり研究という問題については、いまも御答弁ありましたように、一部は民間のシンクタンクを利用してきた、こういうふうな傾向もあるでしょうが、たとえば、シンクタンクとまではいえないにしても、大学の研究室なんかに委託をして、そういうマスタープランをつくる、こういうことが往々にしてあったと思うのです。ですから、国とは独立しておるわけですけれども、今度でき上がるであろうシンクタンク、いわば総合研究開発機構、それが機能するようになれば、これらに対する委託というのは、いま言ったような意味では非常に多くなるのではないか、こういうふうに想定されるわけです。これらに対する一つの規制なり、あるいは取り上げる基準というものが当然出てこなければならぬと思うのですけれども、これは受け入れ側の能力の問題、仕事の範囲の問題、これとかかわり合いが出てきますけれども、その点は、いままでの討議の中ではどのように整理されておるのでしょうか。
#99
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のように、この地域開発計画あるいは各種のそういった地域的構想をつくるにあたりまして、たとえば工業立地センターでありますとか、あるいは日本開発構想研究所でありますとか、いろいろ、そういう現にありますシンクタンクが使われておるという例もございますけれども、大学の研究所あるいは教室の教授を中心にそういうチームをつくってやっていただくという場合もございます。したがいまして、そういった特定の計画といいますか、そういうものをつくるのは、従来からやっております、そういう各種の組織なり機構を使ってやっていただくということが中心になると思います。
 この機構で考えておりますのは、そういう個別に何々という計画をどうつくるかということよりも、むしろいままでと違った方式、違ったシステムでやる、そういう開発を考えていくという場合に、従来のこの機構も含めまして、新しいチームをつくって取り組んでいく、こういうことが考えられぬか。それが、先ほどちょっと申し上げましたが、地域社会形成のための新しいシステムということを考えておるわけでございます。
 二十五万都市とか地方中核都市とかいわれておりますけれども、これもいろいろ人によって考えが違っておるようなものでございまして、ほんとうにやっていこうとすると、やはりこういうところであるいは議論したほうがいいかどうかというような問題ではないかと思います。これは、国土開発庁ができますと、そちらのほうの問題になるかもしれませんけれども、大体そういうことでございまして、若干従来の方式では解決できない新しい問題であって、しかも、特定の地域だけではなく、ある程度それがあちらこちらの問題に応用できるというものを開発していくことがいいのではないか。若干私見もございますが、そういうふうに考えております。
#100
○渡辺(三)委員 そうしますと、やはり資金の問題とかかわってくると私は思うのでありますけれども、そう過大なものは期待をしておらないといいますか、あるいは明確にその額を想定しておるわけではないんだ、こういうふうな話が先ほどあったわけですが、地方公共団体でもしこうした新しい総合研究開発機構の基金になる金を出資をするような場合には、やはり現在の地方公共団体の財政事情から見た場合には、具体的なメリットがないとなかなか応じにくい、こういうことがあると思うのです。
 それからもう一つの点は、この機構が地方公共団体にどの程度理解をされて、このほんとうの意味というものをつかんで、積極的にここに資金を出して運営をはかっていくという面についていえば、いまの段階では非常な困難性があるのではないか、私はこういうふうに考えます。
 そういう点について、一体政府としては、先ほどは知事会議等でいろいろお話しをしてというふうな話がありましたけれども、それではまだまだ理解されにくいのではないか、こういうふうな気がするわけです。
    〔稻村(左)委員長代理退席、山田(久)委員長代理着席〕
そうしますと、三百億円という基金を想定しておっても、地方公共団体の金なんかは頭から当てにしないということであれば別ですが、これが相当の部分として期待されておるのだとすれば、なかなかそれが理解しにくい面が出てくるのではなかろうか、こういうふうにも思うわけです。ですから、その辺、地方公共団体に対する手だてといいますか、これは単に知事会にはかって理解を得るという程度のものではなくて、もっと具体的に何かあるのかどうか、その点も含めてひとつ重ねて御質問してみたいと思います。
#101
○宮崎(仁)政府委員 確かにごもっともな御指摘でございまして、公共団体側に対して、先ほど申し上げましたように、都市問題でありますとか地域社会の問題でありますとかいうことで問題はたくさんあると思うのでございます。そして四十六、四十七年度ではこういうことをやりましたとか、あるいは外国の事例ではこういうことができるというようなことを申し上げることはできると思いますが、まだそういう点について十分にお話し合いをし、そしてその上でどの程度の金額を出していただきたいということを申し上げる段階まで実はいっておらないものでございますから、そこで少しそういう点で努力が不十分という点もあるかもしれませんが、この法案の進行と合わせまして、これは自治省とも十分御相談しながら、これからひとつ固めてまいりたいと思う次第でございます。
 特に四十六、四十七年度にやりました内容等について、これはリポート等も出ておりますから具体的に御説明をいたしますと、この機構が地方公共団体側にとってみても非常に有効なものである、有益なものであるということが御理解願えるのではないか、こう考えておる次第でございます。
#102
○渡辺(三)委員 長官にお伺いをしたいと思うのですが、この総合研究開発機構の機能と運営にもかかわるかもしれませんけれども、より基本的な問題として、いま本国会に提案をされております国土総合開発庁設置法案、これとこの機構とのかかわり合いについて、ひとつ長官から所見をお伺いしたいと思うのです。
#103
○小坂国務大臣 国土総合開発庁ができますと、これは独立の庁でございますので、この研究開発機構との関係は、ちょうど厚生省とかあるいは通産省とか、そういうものに対すると同様の形になる、かように考えております。
#104
○渡辺(三)委員 これは開発ということばがあるから関連させるという無理な質問のしかたをしているわけじゃないのですが、私どもの考え方としては、この研究開発機構がいわば頭脳面での役割りを果たす、そしていま審議をされております国土総合開発庁が行政実施面での役割りを果たす、こういうふうな関係になるのではないか、どうもそういう気がするわけですけれども、その点はどうなんでしょうか。
#105
○小坂国務大臣 国土総合開発庁という役所ができますと、国土総合開発に関する計画なりあるいはそれに要するいろいろな実施の手だて、資金その他の関係というものは全部国土総合開発庁がやるわけでございます。このシンクタンク機構、総合開発機構というものは、名前は似ているわけでございますけれどもそれとは全く別のものでございまして、国家の将来にとって、国民生活充実、国民福祉の向上に必要と思われるテーマをここで検討して答えを出していく、それを必要とされる方面でそれぞれこれを利用しいただく、こういうふうにはっきりこの機能、職能が分かれているわけでございまして、国土総合開発庁ができますと、これはもう言うまでもないことですが、企画庁から別の庁になるわけでございますから、この関係は全くないわけでございます。
#106
○渡辺(三)委員 このこの総合研究開発機構は、きのう来言われておりますように、いわば政府機関からは独立したたてまえを明確にとるわけですね。それできわめて自由に現在当面しておる非常に大きな問題についての各分野の研究開発をやるわけですけれども、この間、国土総合開発庁設置法案を提案された際の趣旨説明の中にも明確にありますように、国土の総合開発に関する計画をはじめ、大都市の機能の改善、それから地方の都市及び農山漁村の整備あるいは総合的な交通施設の体系の整備、こういったものが、国土総合開発庁が設置されるいわば目的といいますか、そういうものとして説明をされておるわけです。ですから、いまわれわれが審議をしております研究開発機構、これは、いま申し上げた点に限定をされるのではなくて、もっともっと広範な諸問題について検討されるということは理解できますけれども、しかし私が先ほど読み上げたような部分に限って検討してみますと、やはり新しくでき上がるであろうシンクタンクが今後の国土総合開発、これを進めるにあたって非常に大きな役割りを結果的には持つことになるのじゃないか、こういう気がするわけです。その点は一体どうなんでしょうか。これはここでそういうことを言うと変ですけれども、国土総合開発庁設置法案に社会党の立場としてどういう態度をとっておるからとかなんとかということとはかかわりなく、いま言ったような、純粋に両方の法律というものの関連においてはどう考えておられるか、この点、明確にしていただきたいと思うのです。
#107
○小坂国務大臣 国土総合開発庁といたしましては、行政官庁として、その所管の行政の範囲内でいろいろの計画を立て、これを実行していくわけでございますね。そこで、この総合開発機構というものはこれと全く別個の、政府も出資しますが、民間も出資をして政府が認可する認可法人でございますから、これが簡単に言いますとアイデアというようなものをまとめ上げるわけですね。まとめ上げるにつきまして、たとえば通産省がいろいろな依頼をするとか、それと同じような意味で国土総合開発庁が依頼をしてそれに対する答えが出るということは、これはあると思います。しかし、必然的にこの機構と総合開発庁が結びついていくということはもう全くないと申し上げてよろしいと思います。
    〔山田(久)委員長代理退席、稻村(左)委員長
  代理着席〕
#108
○渡辺(三)委員 それでは次の質問に移りたいと思いますが、これは午前中近江委員からもこれに関連しては質問があったわけでありますけれども、特にこの問題についての先進国でありますアメリカの場合に、局長答弁にもありましたように、シンクタンクをはぐくんできた条件の一つには、アメリカの国防計画あるいは宇宙開発計画、こういった非常に巨大なナショナルプロジェクトが背景になっておる。このことは無視できないと思いますし、これは局長答弁の中でもそういうことを肯定しておられると思うのです。
 そこで、財政の問題にかかわるわけでありますけれども、たとえば、このこともちょっと具体的な名前が出ましたが、ランド・コーポレーションの財源の状態を見てみますと、アメリカ空軍の委託研究費、それから軍需会社の空軍軍需契約のリベートあるいはアメリカ航空宇宙局、それから連邦航空局、原子力委員会、こうした政府機関や国家科学基金あるいはフォード、カーネギー、こうした財団などの科学技術開発費が非常に多額に補助金として出されておる、こういうふうな事実が明確です。そういうふうな点から考えますと、日本の場合には当年度は三十億、しかし三年ないし五年の間に三百億、そのうちの半分は民間、こういうふうな計画になっておりますけれども、はたしてアメリカとの比較で考えた場合に、こういったもので十分な、考えられておるような総合研究開発機構というものが機能していくんだろうかどうか、十分な機能を発揮できるんだろうか、こういうふうに考えるわけです。裏返しにして考えますと、アメリカが、いま言ったようなバックになる財源があるということがシンクタンクを発展させてきた一つの基礎になっておるとするならば、日本も、もしこれと同じような形で進むとすれば、これはたいへんなかっこうになるわけでして、その辺一体どのように考えておられるのか。これは局長でもけっこうですが、御答弁いただきたいと思う。
#109
○宮崎(仁)政府委員 確かにアメリカのシンクタンクの成立いたしました経緯はいまお話しのとおりでございまして、そういう形で非常に急速な進歩を遂げてきたということでございますから、わが国の場合とはたいへんその辺は実情が違うわけでございます。
 この機構では、先ほど申し上げましたような政府と民間による基金というものを一応基本にしてやってまいりますが、これ以外に当然委託研究ということが行なわれるわけでございまして、現在政府、各省あるいは地方公共団体も含めますと、研究費に使われておる金というのは相当膨大でございます。
 それから、民間研究費も入れますとGNPの二・三%くらいになるというような巨額な研究費をわが国の場合も使っておるわけでございまして、今度の経済社会基本計画ではこれを三%くらいに上げるということも考えておるわけでございますが、そういうことから考えますと、この機構の能力という問題もあると思いますが、やり方いかんによっては委託研究で相当大きなことができる、こういうふうにも考えておる次第でございます。
 また、それがさらに発展すれば、この機構を一応根城にいたしまして特定の研究所をつくっていく、これは二十三条の第四号に書いてあるような施設をだんだん発展させていく、こういう形で民間の育成もやり、またこの機構に付随しての機関も育てていく、こういう形でこの需要に対応していくことにしてはどうだろうか、こういうような考え方で一応おるわけでございます。
#110
○渡辺(三)委員 午前中も議論されましたからそれに関連してまたお聞きするわけでありますけれども、とにかくアメリカの場合には、日本よりもこの種の研究開発というのは非常に進んでおる。そのことはそのとおりでありますけれども、その進んでおるアメリカの場合でも、私どもの認識があるいはおくれておるかどうかわかりませんが、教育あるいは都市開発、この面では思うようになかなか進んでおらない、こういうふうに聞いておるわけであります。いろいろな歴史を持ち、あるいは膨大な資金を持って進められておるアメリカのシンクタンクの場合でも、いま申しましたような面になるとなかなか思うような効果を発揮しておらない、こういうふうに私どもは聞いておるわけです。
 社会問題解決のための公共システム開発、こういう面では政治からの独立といいますか、あるいは権力からの独立といいますか、そういうことを言われておりながらも、政治上、財政上の問題があまりにも多過ぎる、こういうふうに識者の論説が一致していると私どもは思うのであります。そういう点から、簡単にこの問題がここで審議されているように大きな効果を発揮し得るのかどうか、こういう点では非常に疑問です。
 この点では、きのうもわが党の岡田委員が同じような趣旨の見解を述べながら質問を申し上げたわけでありますけれども、都市開発についていえば地価の高騰の問題があります。あるいは労働力、それから労賃の問題もあります。それから住民の考え方も当然あるわけです。さらに、現在ある法律的ないろいろな規制、こういうふうな面がありまして、新たに設置される総合研究開発機構の中で一つの理想的なものが、かりにその研究の成果としてでき上がったにいたしましても、それを取り巻く社会的な制約というのは、いま言ったように非常に大きいのじゃないか。ですから、ほんとうにそれを効果あらしめるためには、諸条件というものをいま言ったような各種の面にわたって整備をしないことにはほんとうの意味の成果はあげられない。単に机の上のプランというものができても、それが実施面に移ってほんとうの意味で人間の福祉に貢献をする、社会の福祉に貢献をするというふうなかっこうにはなかなか到達し得ない各種の複雑な諸条件、規制されるもろもろの条件というものがあるのじゃないか、こういうふうに思うのです。この点などについては、どのようにこれまでの議論が深められているんだろうか、あるいはどういう考えをお持ちなのか、その点もお聞きしておきたいと思うのです。
#111
○宮崎(仁)政府委員 まことにそのとおりにわれわれも考えております。非常にそういった問題がむずかしくて、しかも、従来のやり方ではなかなか解決できておらない。アメリカでも確かにそれの成立の過程では軍事関係が非常に大きかったわけでございますが、巨大開発なんかもだんだん終わりになるということもございまして、いわゆる社会開発の面に相当切りかえております。特に都市再開発の問題等には積極的に取り組むという姿勢のようでございます。
 しかし、たとえば都市の交通システムの問題であるとか、廃棄物のシステムの問題であるとか、そういう具体的なものについていろいろの成果があることを承知しておりますけれども、こういう問題について包括的に政策を提案していくということは、おっしゃるように非常にむずかしい、いろいろの制約があるということは、日本の場合もアメリカの場合も同じような事態であろうと思います。特に教育の問題等になりますと、これは問題の性格から見ましてもなかなかそう簡単に方向を出すということができにくいものもありましょうし、また、かりに一つの考え方が出たからといって、急にではそれを採用して切りかえるということは困難なものもあると思います。
 しかし、どちらかといいますと、そういう困難な問題に取り組むためのやり方はどうかというと、こういうような機構をつくって非常に広範な、専門の学者の方々を集めてシステム的にやらなければできない、そういう問題が、言ってみれば、一番おくれておる、残っておる、こういうふうにわれわれ聞いておるわけでございまして、したがって、今度の機構ができますと、問題は、言ってみれば、比較的おくれた問題について集中的に取り組んでいくという姿勢で問題の打開をはかっていく。これはアメリカができないからといっても、わが国で独自の方法があり得るわけでございますから、そういうことも考えながら今後やっていきたいと思う次第でございます。
#112
○渡辺(三)委員 午前中もいわば日本型の研究課題といいますか、そういうふうなものが言われました。私ども、どうしてもこれはこだわらざるを得ないわけでありますけれども、やはりシンクタンクの発祥といいますか、そして日本が一応いまこの法案を審議している段階でもひな形として見詰めるのは、どうしてもやはりアメリカの発展過程あるいはでき上がっているシンクタンクの機能、そういうふうなものを想定するわけでありますから、対象にしておるわけでありますから、どうしてもその中でいわゆる軍事、国防、そういうふうなものと非常に密着して進められてきたということを議論しないわけにはいかないわけなんです。そういう点で繰り返し質問をしておるのでありますけれども、これはきのうもきょうも相当明確な答弁がありました。
 私は、それに関連をしまして、そこで研究開発された問題についての公開の問題、必要な場合にはこれを公開する、こういう原則があってしかるべきだというふうに考えておるのであります。それについては、その公開をする場合の基準といいましょうか、あるいは条件、それをどのようにお考えになっておるのか、この法案でいえば、どの条項でそういう点が明確化されておるのか、その点をひとつお聞きしたいと思います。
#113
○宮崎(仁)政府委員 この機構の性格から見まして、国民全般の利益になるような、そういう課題が取り上げられるということが当然でございますので、したがって、その成果につきましては原則として全部公表する、過程も含めて公表する、こういうたてまえをとるということをきのう長官も申し上げた次第でございます。したがいまして、むしろ公表しない場合ということがどういうことかということが例外的に問題になるわけでございますが、これは、この機構が場合によって民間の団体等から特定の委託を受けるという場合があり得ると思います。そういう場合に、その成果は一応委託者にこれは返していくということになると思います。しかし、この機構の全体の目的から見まして、企業機密になるようなものを引き受けるということはまずあり得ないと思いますけれども、たてまえ論としては、そういう場合には公開しないこともあるかもしれないと一応考えられるわけでございます。
 法律上はどうかということでございますが、これはやはり第一条の「国民の福祉の増進に資する」という、この全体を考えた目的、全体を規定した目的、第一条の精神に照らしまして、成果の公開ということをやっていきたい。また、自主的な運営ということもございますが、こういった点からも、当然この研究評議会等を通じてそういった成果の公開等について規定が定められてくるのではないか、こう思っておる次第でございます。
#114
○渡辺(三)委員 大事な問題ですからもう一回確認をしておきたいと思うのですが、そうしますと、いま局長がおっしゃいましたのは、第一条のこの精神からして、公開をするのがむしろ原則である、非公開の場合にどういうものを非公開にするかということについていわば例外的なものが出るかもしれないけれども、しかしそれは非常に限られたものであって、原則的にその成果というものはすべて公開をするのだ、これが第一条で明確に保障されておるのだ、このように受け取っていいのでしょうか。第一条はこのまま読んでみますと、条文だけではそういうふうにはっきり保障はされてないと思うのですよ。ですから、いろいろ質問をしておるわけなんですけれども、しかし第一条はそういうふうな精神なのだ、これは長官もおっしゃった。これで間違いないのだ、こういうふうに確認してよろしいでしょうか。
#115
○宮崎(仁)政府委員 第一条はそういう精神をうたっておるとわれわれは考えておるわけでございますが、具体的には第十五条で定款記載事項が書いてございます。この中に、特に第六号で「研究評議会に関する事項」、第七号「業務及びその執行に関する事項」、特にこの「業務及びその執行に関する事項」というようなところで、いま申したようなことを原則として定めるということであれば定款に書いていく、こうすれば非常に明確になると思います。研究評議会等においてもそういった方針を確認していただくようにするのがいいのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#116
○渡辺(三)委員 十五条の六号、七号、この中で具体的な業務あるいは執行、この方法書というものが当然出てくると思いますけれども、この中で定めるとすれば、定めたほうがいいという程度だとすれば、私はやっぱり問題が残ると思うのです。ですから、長官もおっしゃったように、あるいは局長もいま言われたように、その成果についてはむしろ公開が原則だ、そしてわれわれがある意味では危惧しておるような心配は一切ないのだ、こういう点を明確にするとすれば、これは本来は条文の中であらわされたほうが一番いいと私は思うのですけれども、しかし、何かいまの十五条の説明のように、定款に、記載するとすればその辺で記載したらどうかというような、そういう消極的なものじゃなくて、これはやっぱり一つの原則として明確にしておくんだ、そうしなければならぬ、こういうふうな立場をもう少し明らかにできるような、あるいは保障できるような、そういうふうな点について一歩進んだお考えはございませんか。
#117
○宮崎(仁)政府委員 若干繰り返しになって恐縮でございますが、第一条において、現代の経済社会の問題、それから国民生活の問題の解明に寄与するために研究開発をやり、さらに情報の収集、整理、提供等を行なって、もって国民の福祉の増進に資する、こういうことに規定しておるわけでございまして、したがいまして、こういった研究開発の成果については、これを提供し、そしてそれによって国民の福祉の増進に資していく、こういうことでございますから、法律的にきっちりというわけではございませんけれども、十分その精神は出ておるんではないか、こういうふうに私ども考える次第でございます。
#118
○渡辺(三)委員 その問題についてはまたの機会があると思いますから、いずれもう少し詰めていきたいと思いますけれども、あと残された時間が二、三分でありますから、あと一、二の問題についてちょっとお聞きしておきたいと思います。
 それは、条文の十八条関係でただし書きがございます。これは、役員の場合に、「営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」ということが十八条にありますけれども、これは条文のていさいとしてはわかるんですけれども、具体的にどういう場合を想定しておられるのか。もし具体的な想定があれば、この点をお聞きしておきたいと思います。
#119
○喜多村説明員 十八条は「役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。」という原則を掲げておりますが、これを一律に禁止いたしますと、人材登用上不都合がございましたり、あるいはまた、兼職いたしましても機構の役員としての職務執行上支障が生じないという場合もございますので、そういう場合には個別的な承認にかかわらしめておる、こういうことでございまして、個々別々にチェックいたしました上で承認をいたす、こういうことでございます。
#120
○渡辺(三)委員 十八条は「役員(非常勤の理事を除く。)」というふうになっておりますから、これは常勤の役員というふうな形になると思うのですよ。そうしますと、いまお話がありましたように、人材登用の面で支障があるかもしれない、ですから、その人が非常に好ましいといいますか、どうしても委嘱をしたい、こういうふうな人である場合には、逆にいえば営利を目的としている団体の役員となっておっても、あるいはその人が営利事業に従事しておっても、人材登用のためにはやむを得ない場合がある、いまの御答弁はこういうふうに反対解釈してよろしいのですか。
#121
○宮崎(仁)政府委員 この十八条の精神はいま申し上げたとおりでございまして、いわゆる兼職禁止ということでございますから、すなおにその方向で原則は考えていくということでございますが、たとえば、この機構の場合で会長というようなことを考えました場合に、おそらく常勤ということになるにいたしましても、理事長が実務をやりますので、実際には非常勤的扱いに近いことになるのではないかと思われます。そういう際に、非常に広範な視野を持った、しかも国際的な視野もあるというような方をさがしてまいりました場合に、これが営利を目的とするような事業の関係で、またそういうほうの指導者になっておられるというような場合も想定できないわけではございません。したがいまして、そういう際には内閣総理大臣の承認を受けてやっていく、もちろんこの機構との関係から見ましていろいろ支障があるというようなものは、これは承認はできないわけでございますが、そういうことが全くないというようなポストについておられるような方で、この役員になられる、こういう場合には差しつかえないのではないか。こういう考え方を持っておる次第でございます。これはいろいろほかの場合にも事例がございますから、そういった点で、運用上は十分ただいまの御指摘の点を踏まえてやってまいりたいと思っております。
#122
○稻村(左)委員長代理 申し合わせの時間が来ましたから……。
#123
○渡辺(三)委員 終わります。
#124
○稻村(左)委員長代理 松尾信人君。
#125
○松尾委員 いままで大臣からも長官からも答弁のあったことでございますけれども、やはりはっきりさせておきたい、こういう意味でお尋ねするわけでありますけれども、この総合研究開発機構はどのような性格のものであるか、何をしようというのか、これは本法の提案理由、それから第一条の目的を見ればおおよその見当はつくわけでありますけれども、具体的には非常にばく然としておりましてつかみどころがない、こんな感じであります。本法の目ざすものは何か、その根本精神は何か、こういう点をあらためて大臣からお答えをいただきたい。
#126
○小坂国務大臣 よく七〇年代は激動の時代というふうにいわれるわけですが、確かにいろいろな問題が錯綜して、われわれの環境の中にあるわけでございまして、従来経済の成長ということ、あるいは完全雇用というようなことを考えておったところが、今度は公害の問題あるいは物価の問題というものがそれに劣らない大きな問題となって出てきておる。一方価値観といいますか、人間の生きる環境に対する感受性の問題、そういうようなものもかなり年代によっても変わってきておる。これからでも、われわれが住みよい社会をつくり、国民の福祉というものを考えていく場合に、やはり広範な分野から各種の人材が寄り合って問題を探求していくということが必要である。これは従来の官庁機構とか、あるいは民間の機構だけでできないものがあるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
 そこで、政府も出資、民間も出資して、そうして新しい機構をつくって、これを認可法人とすることによって政府が責任を持つ、その機構の価値を担保づけるということによりまして、ひとついまのむずかしい時代に処する各種の問題に対する処方せんを書いてもらおうじゃないか、頭脳集団と申しますか、シンクタンクとよくいわれるそういうものを総合開発機構という名前でつくりたい、それを運営してまいって、いま申し上げたような役に立てたい、こういう考え方でございます。
#127
○松尾委員 そのような根本精神から、少し法文に書いてあるところを言いますれば、「現代の経済社会及び国民生活の諸問題の解明に寄与するため、」これもいろいろありましょうけれども、この表現ではばく然としておりますね。それからまた「経済、社会、技術等に関する各種の専門的知識を結集して行なわれる基礎的、応用的及び開発的な調査研究」このようにもありますね。これがいま長官のお話しなされました根本精神からだんだんこのように経済社会及び国民生活の諸問題の解明というふうに入っていくのだし、また経済、社会、技術等に関する各種の専門的知識を結集して行なわれる基礎的、応用的それから開発的な調査研究をやる、こうだんだん入っていくわけですね。このようになっておりまして、具体的には何をどういうふうにやっていかれようとするのかということに今度ははっきり次の段階としては入っていくわけでありまして、これを明確にしないといかぬと思うんですよ。でありますから、まずこの機構をつくるということについては発起人ということになりまして、これは長官のお答えでありますけれども、やはり何といいましても政府が大きく出資いたしまするし、民間からも出資を求めてきまするし、民間の分につきましては、顔の広い、金集めのじょうずといいますか、あの人だったらというような人がなるであろう、このようなお答えがあったのでありますけれども、このようなことはやはり発起人について変わりありませんか。
#128
○小坂国務大臣 私は、その民間の出資というものはできるだけ広い範囲から、あまり片寄らないということで集めていくのが一番よろしい、こう思うのでありますが、それにはやはり発起人代表になる人の信用と申しますか、単なる金集めということではなくて、あの人ならばりっぱな人だと思われるような人、そういう人を得ることが必要であると考えておるわけであります。
#129
○松尾委員 顔が広くて通りのいい人ですね。それは何といっても現在政府に密着しておる人というようにわれわれはとるわけです。そうしますと、やはり何といってもあの人の言うことだからこれは聞いていこうというふうになるわけであります。また、発起人というのは、役員との関係、それから出資者の関係はどうですか。発起人が役員なりまた出資者としての関係はどうなるかということであります。
#130
○宮崎(仁)政府委員 発起人に機構の成立にあたって十五人以上がなっていただくわけでございますが、いま長官のお答えもございましたように、非常に広範な部面から資金等も集めていきたいと思いますので、そういう広範な部面を代表できるような方に発起人に入っていただくことが一番いいと思います。その発起人になられた方が出資をするということは、これは当然考え得ることでございまして、おそらくそういった方には出資をしていただく場合がかなりあるのではないかと思っております。また、発起人の中から役員になっていただくことがあり得るかどうか。これも具体的にはわかりませんけれども、そういう場合も予想できないわけではない、こう考えております。
#131
○松尾委員 そうしますと、発起人というのは、何としても機構の創設者ということになるわけでして大きな功労者であります。おまけにそれが相当力を入れて出資者ともなるというようなことも当然考えられまするので、ますますこれは政府がそういう人にはやはり恩義を感ずるわけです。そういうところで、要するに総理大臣がどうだとか、または役員、評議員というものもそれぞれ任命については規定がありますけれども、自然とそういう人選というものは、抽象的には、説明的にはいま局長もおっしゃったようになりますけれども、これが具体的にはだんだん固まってきて、そしてやはり発起人として尽力をし、また出資者として大きな出資をした人というものとの何かつながりというものが起こりそうな感じがしますけれども、そういう点についての配慮はいかがですか。
#132
○宮崎(仁)政府委員 これはすでに先ほども申し上げましたことでございますが、四十六、四十七年度と準備段階におきましていろいろの方々と意見を交換し、折衝をしてまいっております。そういう過程を通じましてわが国にも二十ぐらいのシンクタンクもすでにできておりますし、それから今後また相当大きなものをつくっていったほうがいいのではないかというような構想がいろいろな方から出されておる。こういう事態でもございます。したがいまして、私どもは、単に出資をしたからすぐにそれに対応して見合いの反対給付を期待する、こういうような考え方で出していただくお金は望ましくないわけでございまして、むしろこういうこれからの非常に大きな重要な問題について社会的な責任という面から資金を出していこう、こういうことに期待をかけ、またそういうことが十分できる時期になっておる、こういう判断でやっておりますので、御心配のような、大口の出資者がそれによっていろいろまた機構の実際の運営なり、あるいは成果について私するというようなことは絶対あってはならない、そういう方針でやってまいりたいと思います。具体的には内閣総理大臣の認可問題というものが一応全部そろっておるわけでございますから、そういう雰囲気があるような場合には、いつでもこれは監督ができるわけでございますので、そういう点で善処してまいりたいと思う次第でございます。
#133
○松尾委員 この点は、うちの近江からも申しましたが、評議会、評議員の人選の問題、いろいろそのような問題につきましても、現実に具体的にそれをきめていく段階において、いまおっしゃったことを証明しなくちゃいかぬわけですね。大臣も答えていらっしゃるし、局長も答えていらっしゃる。それはわれわれも納得いたします。しかし、いよいよ人選が具体的になった場合に、それがきちっとあらわれませんと、ここだけの話で終わるわけですから、そういう点は長官はっきり念を押しておきますから、お答えを願っておきたいと思います。
#134
○小坂国務大臣 私どもも、今回限りでなくていつでもこうやってお目にかかる機会が今後長く続くわけでございますから、ここで申し上げたことが違ったようなことになることに対しては非常に恥ずかしいことになるわけで、そういうことがないようにするということをかたくお約束をするわけでございます。
#135
○松尾委員 会長、理事長、理事とかいう役員と評議員、評議会の問題でございますけれども、これはどういう関係になるのですか。要するに機構を動かしていくのはだれか。そしてテーマをきめていくのはだれかということと、そしてそういう関連の中から役員と評議員、役員と評議会というものに何かの密接な関連があるかどうか。いろいろ決定をするときにどういうふうなやり方があるのかというふうなことを聞いておきたいと思うのですけれども、局長いかがですか。
    〔稻村(左)委員長代理退席、左藤委員長代理
  着席〕
#136
○宮崎(仁)政府委員 役員は十七条に規定がございますように、当然にこの機構の実施する業務につきまして、あるいは予算、事業計画、業務方法書等の原案を決定し、そして執行の責任に当たるわけでございます。そのような重要な問題について決定をするにあたりまして研究評議会におかけをして、ここで御審議を願う、そして重要な案件は研究評議会における審議の結果きまる、こういうことになると思います。この点は、執行機関と運営協議会とか、あるいはいろいろ似たような形でのやり方をしている場合がございますが、今回の場合は、研究評議会というものが、特に問題の性格から見て、非常に自主的にこの機構を運営いたしてまいりますから、そういう点から見ましても重要性を帯びてまいるであろう。したがって、人選その他もそういう点を十分念頭に置いて研究評議会の構成をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#137
○松尾委員 そうしますと、いよいよ研究テーマの問題でありますけれども、この研究テーマというのは、原案はどこでできて、決定はどこでやるのですか。
#138
○宮崎(仁)政府委員 たてまえは、この機構において事業計画、予算というようなものをつくるときに、研究テーマの問題もきまってくるということになると思います。しかし、特に発足早々の場合なんかについて考えてみますと、いままでたとえば四十六、四十七年度と科学技術庁、通産省、経済企画庁等が調査をやってまいった経緯もございますし、関係各省いろいろ御計画をお持ちだと思います。そういうことを先ほどもちょっと申し上げましたが、たとえば関係次官の協議会というような場を通じてこういう問題はどうかというような提案をしていく。それから政府以外のところからも御提案をいただきたいと思っております。そういうものをいろいろ背景にいたしまして、そしてこの機構として自分で案をきめていく、こういうことでやってまいりたいと思っておる次第でございます。
#139
○松尾委員 役員会というのは、その年度の、たとえば四十八年度であれば四十八年度の予算ワクといいますか、実行ワク、そういうものを示す、それによっておのずからテーマが限定されてまいりましょう。今度はプロジェクトチームというものの編成ということで、役員会で決定したその予算と申しますか、その限度内においてプロジェクトチーム等の編成をする、テーマの決定というものは評議会でやる、その評議会におけるテーマのきめ方はいろいろ意見も聞いてやる、こういうことですか。
#140
○宮崎(仁)政府委員 大体そのとおりでございますが、要するに、事業計画、予算というものがやはりその機構の具体的な業務の内容を決定するものになると思います。その原案作成は当然この機構において行なうわけでございまして、そしてその決定の責任をとるのは役員である、こう思います。しかし、そういった問題を決定するにあたりまして研究評議会というところに御審議をお願いする、そこでいろいろ御意見があって、場合によれば修正するということもあり得ると思います。そういう形で運営が行なわれていく、こう考えておる次第でございます。
#141
○松尾委員 そうしますと、役員会というのは、研究評議会のテーマの決定等に対しても相当チェックできる、こういうことなんでしょうか。あくまでもそれは研究評議会というものに重点を置いて、何をやっていくかということは、研究評議会におけるその評議の結果にまつんだ、それともそういうことによって出てきたけれども、役員会においてそれは修正されることもある、このように入り乱れておるわけですか、テーマの決定等につきましては。
#142
○宮崎(仁)政府委員 この機構の行なう業務の内容、それから具体的なテーマの問題等については、定款あるいは業務方法書というようなもので、大ワクは単年度でなくきめられると思います。そしてそれに基づいて事業計画とか予算というものがきまってくる、こういうことになると思いますが、その場合においては、この機構の役員会というものが、言ってみれば原案作成者である、そしてそれの御審議を願うのが研究評議会であり、原案どおりでよろしいということであれば、そこできまるわけでございますし、御意見があれば修正もあり得る、こういうふうに理解しておるわけでございます。
#143
○松尾委員 話を研究テーマだけに限りますけれども、その研究テーマの決定につきましても、いま局長がおっしゃったようなことになるのですか。
#144
○宮崎(仁)政府委員 研究テーマ等についても、たとえばこういう問題を加えてやったらどうかというようなことがありまして、この予算その他の面でできるということであれば加えることも当然あり得ると思います。
#145
○松尾委員 それはテーマの内容によっての論議じゃなくて、要するに事業計画、予算ワクという、そういう一つの制限されたワクの中における発言でありまして、テーマ自体を決定していくというその主体はどこにあるかということですね。そしてその主体がかりに研究評議会にあるとするならば、その主体できめたものも変更される可能性があるのか、テーマですよ。
#146
○宮崎(仁)政府委員 テーマ決定の主体ということになりますと、一応法律上の問題としてはこの機構の役員会そのものということに理解しておいていいと思います。
 実行問題としては、先ほどから申し上げておりますように、各方面からの御提案をいただき、そういうものを土台にしてやっていくということになると思いますけれども、私はそういうふうに理解をいたしております。
#147
○松尾委員 そうすると、研究評議会というのは、テーマの決定という基本的なものも役員会のほうで握られておりまするし、具体的に与えられたものを何か各方面に交渉したり、折衝したりしてプロジェクトチームをきめていくということをやるように感じられるのでありますけれども、役員会と評議会との関係がどうも私は不明確なような感じがするのですが、実際の運営というのは、やはりこの機構全体の役員会ですか。プロジェクトチームということでシンクタンクとしての動きというものは、研究評議会に私は主体があるように感ずるのでありますけれども、それはどうもいまの御説明では、このシンクタンクとしての研究評議会というもののウエートが何か弱っているような感じがするのですよ。要するに、研究評議会の自主的な決定がなされないような感じがするのです。役員会のほうで全部基本的なものをきめていって、きめたものによって研究評議会がそれを軌道に乗せるというかっこうのような、これはぼくの聞き方が悪いかもしれませんけれども、そのように受け取ったわけでありますけれども、もう一回念を押しておきますけれども、いかがですか。
#148
○宮崎(仁)政府委員 若干説明不十分で申しわけございませんでした。
 やはり機構というものは独立した責任あるものでございますから、その役員会というものがやはり原案をつくり、そうして執行の責任をとるということは、これは当然だと思います。ただ、重要事項について、この研究評議会で御審議をいただく。ここにりっぱな方にぜひ参加をしていただいて、そうして御指導いただこう、こういうわけでございますから、その点は原案作成あるいは執行という法律上からいった責任は全部機構の役員が持つわけでございますけれども、具体的テーマの選び方なりあるいは大きな方向というような問題については、研究評議会の御審議の結果というものが非常に大きく影響してくるのではないか、こういうふうに申し上げておる次第でございます。
#149
○松尾委員 そうすると、役員会における基本のいろいろのそのような考え、それをチェックするものはないわけですね。役員会できめたものはそれが研究評議会のほうにかけられていく、それを実施していく機関である、役員会できめたそういう基本的なものが、これは事業計画等になってくるでありましょう。それをチェックしては見ていく手段になっていくでありましょうけれども、特にこの研究テーマにつきましていろいろわれわれも希望があるわけです。
 いまから申し上げますけれども、そういうものの取り上げ方等で、研究評議会というのでありますけれども、そういう決定権があってやっていく、それをある程度役員会のほうでチェックしていくというなら、何か私は筋道がすっきりしてわかるような感じがするわけですけれども、役員会のほうですべての基本をきめていって、その中の一つの実行機関としての研究評議会ということになりますと、役員会というのにすべての決定権があるわけでありますから、役員会で決定されたことがすべてを動かしていくということになりますと、役員会というものをよくよく見ていきませんといけない、このような感じがするわけです、テーマの選び方等につきましても。ですから、テーマについては研究評議会でどんどん出して、予算ワクその他でことしはこのようにやっていこうとかなんとかいうのが評議会であればわかるわけでありますけれども、やはりそこは、くどいようでありますけれども、役員会というものがそのように権限が強いとするならば、役員会の決定というものが非常に重大な意味を持ってくる、このように感ずるわけですよ。役員会の決定、そのようなものは、今度はどのようにこの法上チェックできるわけですか。
#150
○宮崎(仁)政府委員 やはり機構も独立の機関でございますから、役員会で原案決定をし、執行の責任を負うということは、これは他のこういった類似の法人の場合とも同じでございまして、そういうことでなければならないと思います。しかし、それをチェックする機関として研究評議会があり、さらに行政府のチェックとして内閣総理大臣の認可が必要である、こういう形でいろいろの問題について間違った方向にいったりあるいは行き過ぎがないように担保していく、こういうことでございます。したがって、この研究評議会の運営は、確かに御指摘のように、ここに非常にウエートを置いて考えていくというやり方もあるいはあるかもしれません。その辺は、実際につくられましたあとにおいて、定款で研究評議会の問題等もきめることになりますが、その際に十分御議論いただきまして、そしてどの程度その評議会のほうにウエートを置くかというようなこともきめてまいりたいと思います。私が申し上げましたのはやや形式論を申しておりますのでちょっと御理解願えなかったかもしれませんが、実際問題としては、研究評議会を非常に重視してまいりたいということは先ほどから申し上げておるとおりでございます。
#151
○松尾委員 重視するとおっしゃいますけれども、具体的にはその原案等の決定権がない。役員会において決定したものの単なる執行機関みたいな感じで、その原案を作成していく、どういうテーマをとっていくというのが研究評議会のおもな仕事じゃないですか。役員会できめたことを実行していくならば、役員会のメンバーにもなりましょうし、評議会のメンバーにもなるわけでありますけれども、メンバー的にいえば、この評議会というのは、やはり学識豊かな学者であるとか、そういう人々が中心に入ってくるであろう、そういう人々がやはりテーマという基本的なものをそこで立案し、決定していくであろう、示されたワク内において今年度は何をやっていったらいいかというようなことは、むしろ役員会はそういうワクを示すのであって、研究評議会というのがすべてのテーマをその示されたワクによって決定し、それを役員会のほうでもう一回見るというぐらいのものでなければぐあいが悪いのじゃないかというような感じが強いのでありますけれども、その点は、運営上からもいってどうですか。
#152
○宮崎(仁)政府委員 研究評議会にかけられるものは、毎年度の事業計画その他機構の運営に関する重要事項ということになっておりますので、事業計画というようなものが、やはりテーマ等についても内容があるものがつくられることになるだろうと思います。したがいまして、原案は役員会といいますか、この機構のほうでつくられるわけでございまして、それについて審議をするわけでございますから、その審議の結果でこれが修正されたり変更せられるということは一向かまわない、こういうふうに考えておるわけでございます。形式はそういうふうになっておりますが、いまおっしゃられる趣旨も十分わかりますので、この定款作成等にあたりまして、そういったお考えも十分参考にさせていただいてつくってまいりたいと思います。
#153
○松尾委員 現実的にはこの研究評議会にいろいろのエキスパートと申しますか、定見もあり、そしてこういうことが必要だという、そういう識見のある人々が集まってくるだろうと思うのです。役員会というのは、この機構自体の運営の問題でありまして、そこですべてをきめていくというようなことにならないように、いま局長がお話しになったように、この研究評議会というものの自主性、そこにおけるほんとうに国民の必要とするテーマの取り上げについての役員会の受け入れというようなものがなくてはいかぬのじゃないか。オールマイティーが役員会であるというようなことでなくて、やはりそこには三権分立的に、シンクタンクとしての一番重大なものは研究評議会だというようにはいかないのですか。
#154
○宮崎(仁)政府委員 大体お考えのようなことになるだろうと思いますが、一番重要なということがなかなかそう簡単に言えないと思いますけれども、御趣旨は十分わかっておりますので、そういう方向で私ども考えておりましたし、運営をしていくように定款その他の場合に考えていきたいと思います。
#155
○松尾委員 くどくなりますのでやめますけれども、よく御留意を願いたいと思います。
 それから、自主的にやること、それから助成、その他情報収集、このようになっておりますけれども、御説明では、予算の都合で自主的にはなかなかやりがたい。機構設置自体も、いま場所の問題も当面はどこかに――事務所はつくるわけでしょう。どこかの事務所を借りて、オフィスを借りて収容していくということでありまして、自分が建物を建て、そして、いろいろ付属機関、研究機関をつくっていくということはうんとあとの段階でありましょうけれども、当面、自主的なものはほとんどない。すると、助成とか、情報の関係のほうに力を入れていく、こういうふうになっていくわけですね。どうですか。
#156
○宮崎(仁)政府委員 大体御指摘のとおりでございます。
#157
○松尾委員 それからテーマの決定の問題、取り上げ方の問題でありますけれども、何といたしましても、これは基本計画にもありますけれども、適正なる経済成長の策定ですね、それから適正なる経済成長に伴う資源の確保の問題、それからそのような経済成長に伴う公害、その実態の掌握と防除対策、物価安定に対する一つの総合施策、国民福祉というものの早期実現、産業構造の変革、これは懇談会等の提案がありますけれども、こういう問題は、国民的な立場からして、第一条の目的からしましても、速急に取り組んでいかなければならないテーマと思います、また、私が申し上げたのはその一部分である、このようにおっしゃると思いますけれども、その他水資源の開発等もございます。ですから、そういうテーマの決定に対する各界の要望だとか、いま日本の国民の要望というようなもののとらえ方というものは、どこでどういうふうにやっていくわけですか。
#158
○宮崎(仁)政府委員 大体いま御指摘になったような問題、さらに、それ以外にも問題があると思いますが、非常に広範になります。したがいまして、発足早々からあまり手を広げるということもできないと思いますので、この発起人ができ、そして機構が発足するという際に、われわれいままで調査をやってきた経済企画庁なり科学技術庁、通産省というようなところから従来の成果を引き継ぎますし、また、関係各省からも問題の提起をしていただきまして、同時に、民間側からも御提案があれば、それらもいただく、そういう中からやはり能力等を考え、予算の規模等を考えて、そして適当と思われるものを幾つか選定していく、そういうことから始めていくということになるだろうと思います。
#159
○松尾委員 そういう中から、ほんとうに無理な経済成長のないように、それから適正な経済成長に見合った資源の確保、そういう問題、それから、それに伴う公害の防除、こんなものを早くやってもらいたいと思います。それから、国民福祉の早期実現ですね。こういう問題はひとつ早く提案していただきたい。その提案するというのは、きめていくのは役員会でしょうね、先ほどのお話では。そういうことがありますから、要するに、役員会というものと、そういう各界の要望、そういうものとのパイプをぴしっと通しておきませんと、これが閉鎖的になりますと、いろいろの意見というものが恣意的に行なわれるおそれがあると思います。これは申し上げておくだけにいたします。
 それから、この研究成果の実施の問題でありますけれども、これはいま言ったようなテーマを取り上げますると、政策的な要素が非常に多いわけです。ですから、これはどういうふうになるでしょうか、政府や企画庁がそういうテーマを取り上げて、また各省からテーマを出すのか、それともこの機構自体できめていくのか、要するに、できた成果というものは、相当政府が政策決定上のものになるわけですよ。そういうものはどういうふうになっていくんですか。
#160
○宮崎(仁)政府委員 このテーマの提案、それからさらにそれを決定していくという場合に、政府、各省のほうから提案される場合もあると思いますし、それ以外のところから出た提案をこの機構のほうで受けてやる、あるいは機構独自できめて出してくるというもの、いろいろあると思います。そういうものについて、先ほども申しましたが、能力、予算といったようなものを考えて内容の決定をいたしてまいりたい。そして、その成果については、これを原則として公表していく。したがって、たとえば一つの政策というようなものについて、成果としてこういう政策をとったならばいいではないかというものが出てくると思います。それを実際に採択するかどうかということは、これは今度は行政府なりあるいは公共団体なりの責任で問題を処理していく、こういうことになってくると思っている次第でございます。
#161
○松尾委員 みずからやることは当分の間はほとんどない。大体助成を中心に置いておくわけでありますけれども、この助成先の決定でありますけれども、これはどこで原案をつくって、どこで決定するわけですか。
#162
○宮崎(仁)政府委員 助成につきましてもやはり一応原案の作成はこの機構のほうでやる、こういうことに考えていいと思います。現実に四十六、四十七年度においてすでにあるシンクタンク等について委託調査等もやってきておりますので、どこがどういう能力を持っており、どういう人を持っておるというようなこともわかっております。したがって、この助成をしていくというような場合には一応テーマその他を考えて、機構の目的から見て適当と思われるものに合致している場合にこれを助成していくというような原案をつくることになるだろうと思います。当然これがまた事業計画として評議会にかけられ、そこでいろいろまた御意見があってきまっていく、こういう過程になるのではないかと思います。
#163
○松尾委員 このようにごたごたと聞いておりますのは、結局これは現時点ではいたし方ないことでありますけれども、発起人の問題、役員の問題、研究評議会、その評議員の問題、そういうものがいまお話しのとおりに現実に実現されていけばいいわけです。それがいつの間にやら、発起人の大きな功績、大口出資者のそのような発言権というものが癒着してきますと、いまお話のあったようなことから異なった方向にいくおそれがある。いわば建物はできたけれども、この中に入ってくる人たちがはっきりしない。それは全部今後にまかされておる問題でございまして、いままでのお話はすべて今度は具体化していくわけでありますから、具体化するときにいまのお話を現実にきちっとしていかなくてはできない、こういうために申し上げておるわけであります。
 特にたびたび話が出ましたけれども、平和的に利用していく。それから成果というものが大企業に優先的に利用されては相ならぬということですね。そういういろいろの要請というものがあります。ですから、いつの間にか、いまお話しの方向から変わっていく、そのような傾向がないようにひとつしっかり運営をしていかなければならぬ、このように思います。ですから、これは繰り返しでありますから何もお答えは要らないわけでありますけれども、よくよく評議員の選定、役員の選定、そういう問題は具体化するときにお話のとおりにしていただきたい。
 それから先ほども出まして、長官もお答えでありましたけれども、これは何といいましても原子力利用の場合には平和である、民主的である、自主的である、公開、国際協力という五原則がございます。でありますから、少なくとも第一条に書いておりますけれども、そういうあれはいろいろの関連がありまして明確ではありません。定款等に盛り込んだらというようなお話も先ほど局長おっしゃっておりましたけれども、そうじゃなくて、これは会社と違うのでございますから、いやしくも認可法人として国から百五十億というような出資もあるわけでありますから、やはり本機構というものも少なくとも平和的にこれを利用していく。また、公開といまおっしゃいましたね。この平和であり、公開するという原則は、はっきりと明文化しておかなくちゃいかぬのじゃないか。くどいようでありますけれども、これはいままでの議論を繰り返すようでありますけれども、もう一回、これは平和的に使うのだ、そしてあくまでも公開していくのだ、こういうものを条文の中に明文化する必要があると強く感ずるわけでありますけれども、いかがですか、大臣。
    〔左藤委員長代理退席、委員長着席〕
#164
○小坂国務大臣 松尾委員のお話はよく私も承りました。私どものお答えは、先ほども申し上げておりますように、第一条並びに第二十五条にございます点で、いまの要請は達成せられておるという見解をとっております。すなわち、第一条でもって「現代の経済社会及び国民生活の諸問題の解明に寄与するため、自主的な立場から」「総合的な研究開発に関する情報の収集、整理及び提供等を行ない」提供を行なうということは、これは公開という前提になっております。「もって国民の福祉の増進に資することを目的とする。」すなわち、戦時目的などは国民の福祉に合わぬことでございますので、そこで平和的ということはおのずからこの中に入っておる、こういう考えをとつておりまするが、お話はまたよく承っておきます。
#165
○松尾委員 国民の福祉の増進ということをおっしゃいますけれども、これは当然ですよ。
 もう一つ、こういういろいろ心配があることについては、このような抽象的なことばだけでなくて、明確に公開というものと平和利用というようなものはやはり表に立てていく、これはにしきの御旗みたいな、これは一番大事なことであろう。当然国民の福祉に反することは一切やってはならぬことでありますから、特にこのようなシンクタンクの問題、そして心配されておるようないろいろな議論が出るということを考えますと、明確にしたほうが一そうあなたたちのお考えがはっきりする、こう言っているわけです。あくまでもこれは国民の福祉の増進に寄与するのだということだけで押されていきますと、いまの審議では、いろいろここで質疑を重ねておりますからわかるでありましょう。でありますけれども、一たんこれが離れていった場合には、その内容というものを見ないで法律だけを見ていきますから、これは心配しておるような日航製の問題でもそうですからね。やはりこれは明確にしていくべきである。これは強く私は重ねて要請しておくものであります。
 それから出資の問題でありますけれども、これは金銭以外の出資がありますか、局長。
#166
○宮崎(仁)政府委員 政府についても金銭以外に現物の出資をするということも想定をいたしております。
#167
○松尾委員 民間のほうからそういうことは全然いまお考えになっておりませんか。
#168
○宮崎(仁)政府委員 当面は考えておりません。
#169
○松尾委員 それから出資者でありますけれども、これはだれでもいいわけですね。出資に賛同するということであればだれでもいい、こうとれますが、それはそのとおりでいいかどうか。好ましからざる出資者というものはないと思うのでありますけれども、これは念のためでありますけれども聞いておきたいのであります。
 なお、それに関連いたしまして、外資系企業というものが相当現在日本にあります。そういうものからの出資の申し入れ、こういうものについてはどのようなお考えであろうか。また、先ほどお答えがありましたけれども、出資というものが片寄ってはいけないということがありますね、広くこれを各界に求めていく、こういうことは徹底されていくであろうと思いますけれども、あらためてここで聞いておきたいと思います。
#170
○宮崎(仁)政府委員 政府以外のものとしましては地方公共団体、各種団体、民間企業等いろいろ考えられるわけでございまして、別に制限はございません。ただ、御指摘がございました外資系とか外国人が入って出資をしてくるというようなことは想定をしておりません。これは出資原簿をつくってやっていくわけでございますが、発起人会での考え方、それから定款のきめ方等によってきまってまいりますけれども、ただいまのところそういうことでございます。
#171
○松尾委員 それは、申し出があったら考えるということですか。それと、発起人というのは事業計画書を作成する、その記載事項は総理府令で定める、十条の三項でありますけれども、これはどのようなお考えですか。
#172
○喜多村説明員 第十条の三項に述べております事業計画書に記載すべき事項は、おおむね次のようなものでございます。一つは業務開始の時期をいつにするか、それから業務に関します計画の概要、第三番目は資金調達の方法及び使途はどういうぐあいに行なうのか、第四は機構の組織をどのようにいたすのか、その他重要な事項になろうかと考えております。
#173
○松尾委員 どうしてもこれは大企業が成果を利用していくんじゃないか。中小企業につきましても、いろいろいま転廃業等の問題があります。これは非常に重大な問題でございまして、通産省としても助成措置等を予算的にもいろいろ講じておりまするし、また税務対策上もいろいろ考えておるわけでございますけれども、このようなテーマは、中小企業に対する考え方というものはどのように考えていますか。それと、成果というものを中小企業が利用する範囲はどうか。成果がある、それを中小企業が利用する、相当そこにはやはり有償、対価というものが必要じゃないかと思うのでありますけれども、その対価のきめ方によりましては手が出ないということで、研究テーマとしても中小企業対策関係は盛られない、おまけに公害その他の成果というものが出た場合に、利用しようと思うけれども利用しにくいというような面はあるのかないのか、どのような配慮があるのか、これを聞いておきたいと思うのです。
#174
○宮崎(仁)政府委員 このテーマの選択にあたって、特に中小企業対策というような問題をあまり意識してはおりませんけれども、研究された結果の成果というものは、非常に中小企業のほうでも御利用になれる面が多いのではないかと思います。この法では、先ほど申しましたように、原則として公開でございますから、公開されたものをひとつ利用していただく、こういうことで広範に国民の利益に資してまいりたい、こう思っておるわけでございます。御指摘のような点も確かにあろうかと思いますので、今後また通産省等とも十分打ち合わせてまいりたいと思います。
#175
○松尾委員 その場合に、その成果を利用する、これは有償になるわけでしょう。有償になるとして、そこで対価が相当高いということになりますと、現実にはこのものを中小企業、零細企業等が利用しがたい、そういう面における配慮はどうか、こういうことであります。
#176
○宮崎(仁)政府委員 この機構で実施いたしますあるいは助成いたしますテーマについての成果の発表、それからその利用については、これは無償ということになると思います、公表してしまうわけでございますから。したがいまして、特殊の企業等から委託研究の形で受けたような場合には有償ということになるわけでございます。ですから、中小企業であっても、特殊の問題でこの機構の目的にふさわしいというような問題を委託の形でやってもらいたいという場合には有償でやることになりますけれども、一般的には、先ほど申しましたように公表してまいりますので対価を取らない、こういう考え方でございます。
#177
○松尾委員 この六条の二項は、持ち分を譲り受けた者が「機構その他の第三者に対抗」、「対抗」ということばがありますが、これはどんなことですか。
#178
○喜多村説明員 出資者の持ち分は当事者間の意思によってきまるわけでございますが、その場合にも、出資者原簿に記載したという事実がなければ第三者に対して自分の持ち分を主張するわけにもまいりませんし、ほかに譲ったということもできない、こういう意味でございます。
#179
○松尾委員 十九条でありますけれども、これはいかなる場合に起こるか。「機構と会長又は理事長との利益が相反する事項については、」というのがありますね。これはどういうことを想定しておるわけですか。
#180
○喜多村説明員 これはきわめてレアケースであろうかと思いますけれども、機構という機関と、会長または理事長との間の利害が衝突する場合がございます。たとえば会長、理事長が持っております土地等につきましてその売買契約をしなければいけないというような場合が起きました場合の利害衝突もございましょうし、あるいはまた、訴訟に関しまして抗弁を機構が会長、理事長に対してしなければならないというような事態があるいはあるかもしれません。こういった場合には、機構と会長または理事長との間の利害が相反しますので、その場合には「監事が機構を代表する。」こういうことになっております。
#181
○松尾委員 施行期日の問題でありますけれども、これは公布の日から六カ月以内、これは要するにその間発起人としてはいろいろ活動をしなくちゃいかぬわけでありますが、これはだいじょうぶですね。
#182
○宮崎(仁)政府委員 新しい機構でございますので、いろいろむずかしい点もあろうかと思いますが、出資、事業計画の決定、その他定款の問題等、ある程度原案をきめてまいらなければならぬと思いますが、そういうことを考えて六カ月以内とし、一応十月を想定いたしておる次第であります。
#183
○松尾委員 自信ありますか。
#184
○宮崎(仁)政府委員 その予定どおりやってまいりたいと思っております。
#185
○松尾委員 では、これはひとつしっかりやってください。
 それから三十二条の規定でありますけれども、この機構が重要な財産を譲り受ける場合と書いてありますけれども、これはどういう場合か、その場合に対価を払うのか、また、機構が貸し付けたり譲渡したりするものはどういうものを考えておるのか、その場合有償か無償か、こういう問題であります。
 それからもう一つは、「担保に供しよう」ということがありますけれども、これはどういう場合か。融資を受ける場合の担保物件、こういうことを意味するのかどうか、あわせて伺いたい。
#186
○喜多村説明員 第三十二条によります「重要な財産」というのは総理府令できめることになっておりますが、土地、建物が主眼になろうかと存じます。この土地、建物を譲り受けますケースは、有償、無償いずれもございます。それは相手方との契約によるものでございますので、有償、無償いずれもございます。「貸し付け、譲渡」これも「重要な財産」にかかっておることばでございます。
 それから「担保に供しようとするときは、」というのは、先生御指摘のように担保物件を意味するのでございます。
#187
○松尾委員 三十四条でありますけれども、これは事務所の立ち入り検査をやる、こういうことになっておるわけでありますけれども、これはどういうことを想定しておるわけですか。立ち入り検査を必要とするというような想定ですか。
#188
○喜多村説明員 内閣総理大臣は、この法律を施行させるための監督権限を持っておるわけでございます。この法律に基づきまして機構が円滑に事業を行なっているかどうかということについて、その監督権限を発動いたしまして行なう方法に報告が一つございます。必要があります場合には、機構に対しましてどういう業務をどういう形でやっておるかということを報告させることが一つと、もう一つは、内閣総理大臣が内閣総理大臣の職員に命じまして事務所その他に立ち入り検査をいたします。その立ち入りまして検査をさせる、この条文は続いて読んでいただく、こういうことでございます。「立り入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件」につきまして検査をする、立ち入り検査をする、こういうことでございます。
#189
○松尾委員 何かこの機構自体に対しまして立ち入り検査というような感じがするわけですね。これはもう第一条の目的にいわれたとおりの必要の機関であるし、そういうものを立ち入り検査するというようなことはどうもぴんとこなかったわけでありますけれども、これは運営の問題だと思います。
 最後の問題でありますけれども、このようにして日本のシンクタンクというものがだんだん確立されていくわけであります。また、しっかりこれは確立されなければ相ならぬと思うのでありますけれども、いまの現状からいえば、外資のシンクタンクですね、これはやはり日本のマーケットというものをねらっておるんじゃないか。このようなことがあるかどうか。外資の資本進出、シンクタンクとしての資本進出、そういうものは認めていくかどうか。
 それから、この機構というものと外資系のシンクタンクとの技術、情報等の提携、こういうものはどのように考えておるのか。これは経済企画庁並びに通産省のほうからあわせて御答弁いただいて、終わりにしたいと思います。
#190
○宮崎(仁)政府委員 外資系のシンクタンク、特にアメリカ等につきまして、最近軍事的な面での利用が少なくなったというようなこともございまして、相当失業者がある、こういうようなこともございます。そういうことから、わが国の需要に対して応じていきたい、こういう希望がいろいろあるようでございまして、現実にどういったものが出ておるということはまだ聞いておりませんけれども、今後は相当そういうものが入ってくる可能性があるのではないか、それはそれなりによろしいと私は思っておるわけでございます。この機構そのものも、国際的にもいろいろ交流してまいりたいと思っておりますから、問題の性格によっては、外資系といえども提携をしてやっていってもよろしいのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#191
○牧野説明員 現在日本のシンクタンクと外資、主としてアメリカでございますが、最近になりまして、数社の提携が行なわれております。しかしながら、技術提携と申しますか、ノーハウの相互提携ということでございまして、直接日本に出てきて営業活動を行なっているというような状態にはいまだなっておりません。
 他方、外資法の運用でございますが、外資系のこういうシンクタンクが日本に入ってきて営業活動をすることにつきましては、すでに一〇〇%自由化されております。かつ、こういうシンクタンクは、先ほどから御議論いただいておりますように、今後日本にとっても非常に大切でございますし、通産省といたしましては、こういう外国のシンクタンクがどんどん日本に来るということは歓迎いたしたいということで現在進めております。
 ただ、いま私どもが必要といたしておりますシンクタンクは、やはりどうしても日本の国土に適しなければなりませんし、日本固有のニーズというものがございまして、すべて外国のシンクタンクに依存するということはとうていできませんので、通産省といたしましては、日本の民間シンクタンクの助成に最大の努力をいたしたい、こういうことでございます。
#192
○松尾委員 終わります。
#193
○浦野委員長 上坂昇君。
#194
○上坂委員 きのうバックグラウンド的な点をお伺いしましたが、きょうは少し条文その他について立ち入ってお伺いをしたいと思うのです。
 シンクタンクが日本ではたして発展の可能性があるかどうかということについては、非常に疑問を持たれている点があります。国が大きなプロジェクトに対して十分な予算措置ができるかという点が、やはり一番問題になる点ではないかというふうにも思うのです。シンクタンクというのは元来金がかかるものだというふうにいわれておりますが、多少の――多少といっても、かなりのむだになるというふうに思われることでも、将来のものを引き出すためにはやはりそうしたものは金を出していかなければならないというふうに思いますが、現在の日本のようなこうした予算の機構の中で、特に大蔵省がすべての予算割り当てを握っている、そうしたシステムの中で、いろいろな環境づくりや個人の能力による報酬の保証というものが一体できるものかどうか。それらについて、この機構をつくることを提案するにあたって、長官は、大蔵省との間にどの程度これを詰めているかということをまずお伺いをしたいわけであります。アメリカでは、何か一人の専門家について年額五万ドルぐらいを出しているというふうにいわれておるわけでありますが、日本では一体そういう点でできるのかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。
#195
○宮崎(仁)政府委員 確かに、従来の予算等の考え方でいきますと、その辺に頭の切りかえが必要になってくることは間違いございません。したがいまして、今度の機構についても、職員の給与に関する基準を許可の範囲からはずしておるというようなことからもおわかり願えますように、従来のそういった考え方ではやっていけない、考え方を少し変えていくということについては、大蔵省ももちろんこれは了承して、そういうことで三十億の予算もつけたわけでございますから、これは私どもが考えているような線に沿ってこれから動かしていけるように、今後ともさらに十分説得をしてまいりたいと思っております。
 特に、研究者に対する給与の問題でございますが、これは先ほどから何べんも申し上げておりますように、具体的な研究のプロジェクトに応じて人を集め、予算をきめていくというやり方で、言ってみれば、事業費の一環としてこの給与をきめていくというようなやり方にしたいと思っておりますので、したがいまして、従来の給与の基準のような考え方ではなく、それにふさわしい給与が払えるように計らってまいりたい、こう思っている次第でございます。
#196
○上坂委員 思っているということでありますが、まあ思っているだけではなかなかうまくいかないのが日本の官僚機構の持っているものだと思うのです。
 そこで、こういうものをつくる上においては、やはりそうした財政的な裏づけというものが一体あるのかどうかということをある程度詰めていく、そしてまた、そういう詰めていく中で、いま言ったようなシンクタンクに参加をしてこれる人たちに対する保証をやっていくような、そういう点まで詰めてこなければ、私は、おそらくうまくいかないのじゃないかというふうに思うわけです。そういう点、長官がこれを起案する場合に、はたして大蔵省との間で詰めてこられているかどうか、その点をお伺いしたいわけです。
#197
○小坂国務大臣 確かに御指摘のような点は重要な点だろうと思いまして、私もこの点では大蔵大臣といろいろ話をいたしております。また、御承知かと思いますが、二階堂官房長官は非常に熱心でございまして、従来党におりますときからこの問題を手がけてきておるわけでございます。三十億の予算をつけるにつきましても、そうした非常に例外的な人事管理をやらなくてはいかぬということで、この法人は特に認可法人として出発しようじゃないかということにもしたわけなんでございます。
 ただ、率直に申しまして、民間の出資がどのくらい出るかという点が実は問題だと思うのでございまして、いま法案の御審議をいただいておるさなかでございますので、そういう点で実際上の活動をすることは差し控えなければならぬと思っておりますが、この点に実は非常に難問があると考えております。
#198
○上坂委員 財政的な問題が先ほどから出ておるわけですが、民間がはたして金を出すかどうかということについて、これはいま長官もなかなかはっきりした形は出てこないというふうなお答えでありますが、私も、はたして出すのかどうか、なかなかむずかしい問題があるだろうと思います。これはやる以上は極力努力をして集めなくちゃならぬと思いますが、問題なのは、一つは地方公共団体だろうと思います。地方公共団体は、いま財政的に非常に窮屈になっております。したがって、いろいろなことをやりたいと思ってもなかなかできない、やる前の計画を立てようと思ってもなかなかできないというような状態だろうと思うのです。したがって、地方公共団体は、むしろ国がこういう形での地方の開発なり何なりの研究をやって、その研究の成果を地方にも十分利用させてくれというのが、私は実のところ本音ではないかというような感じがするわけであります。そういう面で、あまり地方公共団体には期待をかけないで、むしろそうしたところにはこういうものを大幅に利用させてやるというような方向でいくことのほうが、やはり国の施策としては大切なことではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
#199
○宮崎(仁)政府委員 その問題についてはいろいろ意見がございまして、やはり国がこういった問題を取り上げる以上、特に地域開発等にかかわる問題も相当ございますから、地方公共団体がむしろ国とある程度一定の割合を持ち合うというほうがいいのではないかというような意見もありました。しかし一方では、いまお話しのように、地方公共団体の財政状況から見まして、そういうある程度強制的になるようなことになってはまずいという御意見もございます。むしろ後者の意見が大体とられまして、特に公共団体ということばを出さないことにしたわけでございます。運用にあたりましては、自治省とも十分相談をいたしますし、また知事会その他の地方公共団体の組織とも御相談をいたしてまいりまして、無理のないようにしたい、こう思っておる次第であります。
#200
○上坂委員 この「総合研究開発機構法案の要点及び問題点」というパンフレットの中で、システムズエンジニア研修の本格的機関の整備などが必要であるというふうに出ておるわけでありますが、もしこうした本格的な機関というものができるとするならば、そういう機関は一体どこに所属をさせ、あるいはまた、どこでそうした整備をはかっていくというふうにされるつもりなのか。また、こういうふうなものは、答申に書いてあるだけの話で、そこまではいかないんだというふうに考えられておるのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
 これは人材の養成というところで問題になるわけでありまして、実際には、人材の養成ということは簡単にできないと思いますが、具体的にどういう形で人材の養成というものに政府として取り組んでいかれるつもりであるか、その点もお伺いしたいと思います。
#201
○宮崎(仁)政府委員 これは二十三条の業務にも書いてありますように、この機構においても、そういった点を十分考えて仕事をしてやっていかなければならないと思っておるわけでありますが、こういう大事業でありますから、大学教育、それからさらに各種の民間の機関、適当なものはいろいろできておると思いますが、そういった広範な部面での御協力のもとにやっていかなければならないと思っております。機構においても、そういう意味で四十六、四十七年度に若干人材養成的な仕事をやってまいりましたけれども、これは相当たいへんな仕事であるということは十分承知しておりますので、今後各方面の御協力を仰ぎながらやってまいりたいと思います。
#202
○上坂委員 各方面の協力を仰ぎながらということで、いままでは大学の教授であるとかあるいは文化人であるとか財界であるとか、そういうところからいろいろな審議会の委員になってもらって、いろんなことを研究調査をしてきたというふうに思うわけですが、今度はそんなことではとてもだめなんで、まさに専門的な形でこれに没頭していくという形でなければ、これを成果あらしめることはできない。
 特に、答申にもありますように、大規模かつ長期的なプロジェクトに取り組むためには、複雑なシステムを多角的、総合的に分析するいわゆるインターディシプリナリーなアプローチが要求される。そのためには、さまざまな分野の専門家を常に結集できる体制を確立していくことが必要であるというふうにいっているわけであります。
 こういう体制を確立していくということになると、従来のような大学にたよるとか、特に大学は現在のところ、非常に秘密的であるし、閉鎖的である。そういう大学の機構の中に、それだけでたよっていくということでは、とてもこの人材を集めることはできないだろうというふうに私は考えるわけです。そうした人材は、また、すぐにはとても養成できない問題でありますから、その機構は発足する以前からも取り組まなければならないと同時に、発足するなれば、もうすぐにでも外部からその環境をつくり出していくということで、特にこれに対しては力を入れないと、近い将来において、シンクタンクが機能を発揮し始めた時点において全く困ってしまうような、目的に即さないようなものができ上がってしまうのではないかというふうな気がするわけであります。
 そういう点で、いまのように単に大学に依頼をしていくとかなんとかいう形ではとてもだめなんで、いまのうちから、そうした体制というものをつくり出す必がまえはどうしても必要である。そうためには、それを裏づけるための財政的なものが確立されていかなければならないのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点いかがでしょう。
#203
○宮崎(仁)政府委員 大体御指摘のとおりだと思います。わが国がそういう面において相当立ちおくれておるということは率直に認めなければならないことであります。しかしながら、とにかくこれだけの大国になってまいったわけでありまして、大学にも、また官庁あるいは官庁の研究機関等にも、民間の研究機関、それから民間のいわゆるシンクタンクといわれるようなものにも、相当数のそういった研究者なり学者という方々がおられるわけでございます。また研究費も、先ほど申し上げましたように、全国的に見ればかなり大きなものが実際に使われておるというような状況でございますから、これをうまく組織し、そしてこれを集めていくということができれば、私どもはかなり大きなことがやれるのではないかと思っておるわけでございます。その辺については、いまの御指摘について十分考えながらやってまいりたいと思います。
#204
○上坂委員 このプロジェクトチームをつくっていくということでありますので、そのチームの中にもやはり官庁の出身者なり何なりが入っていくと思うのですが、政府のほうから職員がシンクタンクに出向いていく場合に、復帰してからの身分、待遇ということが非常に問題になってくるのではないかと思うのです。特にシンクタンク等に出向させる人物というのは、非常に将来性のある有能な人材でなければならないというふうに思うのです。そういう人たちが、こうした非常に重要な役割りを持つ機構の中に喜んで入っていくという状態をつくり出していくことが必要だろうと思います。これは報酬とかなんかの問題ばかりじゃなくて、三年なり五年なり先にまた官庁に帰ってきたときに一体その身分が保障されているのかどうかということも非常に重要な問題になってくると思うのです。そういう点で、これらについてどういうふうに対処されていくのか、それから、これらのものはどういう規則なり何なりでこれをつくっていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#205
○喜多村説明員 一般職の公務員は、その身分を保有しながら他業につく、つまり兼業するということは、一部の例外を除きまして、その場合には人事院の承認が必要であったり、あるいは内閣総理大臣及び所属長の許可を得たりしますが、そういう特別の例外を除けば原則的には認められておりません。したがいまして、一般職の国家公務員がこういうシンクタンクに参ろうといたします場合には、先生仰せのとおり、退職して参らなければならぬということに相なるわけでございます。そういたしますと、給与の面はともかくといたしまして、復職できるかどうか、あるいはその場合の退職手当とかあるいは年金がどうなるかということが実際的に問題になろうかと存じます。
 こういうことを救いますために、いろいろの手だてを考えておるわけでございますが、まず第一番目は、現在、公団、公庫の場合には、特にこれは政令指定がございますけれども、政令指定がされております公庫、公団のとき、国の要請があります場合には、共済年金は引き続いていくということ、その場合には厚生年金と重複してかけられるということがございます。したがいまして、復職いたしましても、多少計算上の違いはありましても不利益になることはないというようなことがございます。したがいまして、これは共済組合法の施行令との関係がございますので、そちらのほうを動かしていただきまして、こういう手だてが一つ講じられないかということで検討いたしております。
 第二番目は、退職という形ではなくて、休職して行けるという形がないかということでございます。御承知のように、国家公務員法及び人事院規則によりまして、学校、研究所、病院その他人事院の指定いたしますこれらに準じます公共的施設におきまして、その職員が職務に関係があると認められます学術に関します事項の調査、研究または指導に従事する場合には研究休職とすることができます。これは大体三年程度でございますが、特別の場合五年まで認めることもあると聞いておりまして、この場合は身分が保有された休職ということになっております。
 それからもう一つの例は、この法令に基づきまして国が援助するという法文が明記されております場合には、その公共機関、今度の場合ですとシンクタンクでございますが、設立に伴います臨時的な必要性に応じましてこれを休職とするということがありまして、これも身分を保有したまま休職にできます。
 この三つの手だてを講じまして、その辺の不利益がないようにいたしたいと存じておる次第でございます。
#206
○上坂委員 次に、各条文についてちょっとお伺いします。
 この認可の問題でありますが、第十二条、総理大臣が審査をして認可をするという形になるわけでありますが、その場合、三項に「事業の運営が健全に行なわれ、」と書いて、最後に「確実であると認められること。」こういうふうに書いてありますが、こういう「確実である」というのは、どうやって審査をするのですか。
#207
○宮崎(仁)政府委員 これは例文でございますが、事前に審査をするわけでございますから、やはりその発起人の構成それから定款、事業計画の案、その他それに至るまでのいろいろな背景等も考えまして、そしてこれならば大体この法律で考えておった研究開発機構として十分対応できていくであろうということを判断してそしてきめていく、こういう趣旨に理解をいたしております。
#208
○上坂委員 例文というのは、これは絶対に直したりなんかしてはいけないものなんですか。
#209
○宮崎(仁)政府委員 私も法律の専門家でございませんが、決してそういうことはないと思います。ただ、たとえば認可法人というような場合に、一定の形式をとってまいりますので、そういう際に内閣法制局の審査の過程で、従来の例を参考にしてとっていくという場合が多いわけでございまして、そういう意味で例文ということを申し上げた次第でございます。
#210
○上坂委員 それから第二十三条の業務のほうに「助成」という問題があるわけなんですが、この「助成」というのはどんな範囲になるのですか。これは金銭的な助成あるいは人的な助成、その他ということになるのだろうと思うのですが、この内容というのはどういうものなんですか。
#211
○喜多村説明員 この「助成」と申しますのは、主として金銭的な助成でございます。そのほかに技術的な助成ということもございます。技術的な助成と申しますのは、データを貸してやるとかあるいはデータの使い方について教えてやるとか、そういうような内容でございます。ここであげております「助成」は主として金銭的な助成でございます。
#212
○上坂委員 日本に日本ソフトウエアというのが設立されていると思うのですが、それに対して政府がお金を出しているというふうに聞いているのですが、この点については事実なんですか。
#213
○宮崎(仁)政府委員 一応私どもの調査で現在二十ほどのシンクタンクがある。その他の機関等についての調べもございますが、いま御指摘のものはちょっと手元にございませんので、後ほど調査をいたしまして申し上げます。
#214
○上坂委員 二十三条のところでちょっとお伺いしますが、「施設の提供」ということがあります。この「施設」というのは先ほどからかなり大きなものをつくるのだというふうにいわれているわけですが、ここで施設を提供するということになれば、この研究施設というものは機構がやはり持たなければならないという形になると思うのですが、そういう場合に、これは三百億程度まで進んだ場合に、いわゆるデータバンクとか何かたくさんあるだろうと思いますが、そういう施設については、そのうちの出資金以外でこういうものをつくっていくようになるのではないかと思いますが、これは出資金の中からそういうものをつくっていくことができるし、また、それ以外でもこういうものはつくっていけるということなんですか。
#215
○宮崎(仁)政府委員 政府及び政府以外の者の出資金につきましては基金として運用しようと思っておりますので、これを取りくずして研究所をつくってしまうというようなことは一応考えておりません。したがって、これを相当大きなものをつくろうという場合には別途財源措置を考えなければならない、こういうことになります。借り入れ金の規定等もございますが、やはりそれだけでは済まないと思いますので、いろいろ知恵を出したい、こう考えております。
#216
○上坂委員 次に、第二十五条でありますが、国が「適当と認める人的及び技術援助について必要な配慮を加える」、こういうふうに書かれておるわけですが、この「必要な配慮」というのは具体的にどういうことなんですか。お答え願いたいと思います。
#217
○喜多村説明員 二十五条に「適当と認める」と申しますのは、その機構の事業が円滑に運営できるかどうか、それが運営がはかられるかどうかということを基準にいたしまして、データ、文献等の情報の提供もいたしますし、あるいはその利用の方途、そういったものを行ないますこと、あるいは先ほど申し上げました人的な出向等についての援助を行なう、こういうことでございます。
#218
○上坂委員 次に、二十七条の問題であります。先ほど参事官のほうからちょっとお答えをいただいたのですが、事業計画について、特にこの項は科学技術庁長官と協議事項になっているというふうに思います。そこで、この事業計画というのは非常に重要なものになるわけですが、この事業計画というものは具体的にどういうものを計画として出すということになるのか。というのは、これはいま言ったように関係行政機関としての技術庁と協議をしていかなければならない。その上で認めるというようになるものですから、この内容についてある程度こうしたものは認められるのだということがあるだろうというふうに思うのです。そこで、この内容についてお答えをいただきたいと思います。
#219
○喜多村説明員 ここにいいます事業計画は、当該事業年度において実施いたしますところの事業の種類及びその内容を記載したものでございます。いろいろ性格を異にした業務がございましょうから、それを区分して作成することになるだろうと考えます。
#220
○上坂委員 次に、三十二条でありますが、先ほどもこの問題はちょっと出ましたが、出資の目的となった財産の場合、この条文には当てはまらないのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#221
○喜多村説明員 政府から土地、建物を譲り受けました場合にも当てはまります。そういうことでございます。
#222
○上坂委員 第六条との関係でお聞きをしているわけなのですが、出資の場合、土地、建物の場合もあるだろうということでお聞きしているわけです。
#223
○喜多村説明員 出資されました土地、建物につきましても当てはまる条文でございます。
#224
○上坂委員 第五条との関係ではどうですか。――もう一回ちょっと言わしてもらいますが、第五条では、機構は出資者の持ち分を取得してはならないというふうになっているわけであります。そこで、出資者がお金でなくて、いわゆる財産を、土地、建物等を出資の目的として出した、そういう場合について、その土地、建物というものは、いわゆる出資額に見積もってそのまま出資として認めるものであって、重要な財産というかっこうでは認め得ないのだ、こういう意味なのですか。
#225
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 この出資につきましては、政府以外のものは金銭のみ出資するという規定でございます。四条でそのようになっております。政府は、土地、建物を出資することができますが、政府以外のものは、金銭のみに限っております。したがいまして、この持ち分の払い戻し関係につきましても、その金銭関係だけが残るわけでございます。
#226
○上坂委員 そうすると、第五条に書いてある「出資者」というのは、これは政府以外の出資者という意味なんですか。
#227
○加藤説明員 第五条の「出資者」は、このままではもちろんすべての出資者を含むわけでございます。二項で「機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。」という場合には、第六条で持ち分の譲渡ができる持ち分をさしておりますので、第二項に至っては全く政府以外の出資者を実質的に意味するわけでございます。
#228
○上坂委員 第五条の出資者の持ち分を取得することができないということになりますと、政府であろうと民間であろうと、とにかく出資者の持ち分は機構では持ってはならない、こういうことになると思うのですが、重要な財産を譲り受けるということになりますと、これは機構がその財産を取得することになるだろうというふうに思うのです。そこで、もし政府が土地、建物等を出資している場合、その出資についても絶対に動かしてはならないということになってこの条文は当てはまらない、こういうことなのかというふうに聞いているわけです。
#229
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 政府から土地、建物等の出資がありましたときに、重要な財産として当然譲り受けの制限にかかるということは事実でございますが、絶対に処分できないというものではございません。譲り渡した場合にそれだけの有償のものがございますれば、それが出資に見合うものでございますので、法の趣旨には沿っておるということでございます。
#230
○上坂委員 いまのようなお答えですと、出資者の持ち分を取得することができないということになるのです。これとひっかかりませんか。
#231
○宮崎(仁)政府委員 専門家の御説明でやったほうがよろしいかと思ったわけでございますが、この五条、六条並びに三十二条の関係は、申し上げるまでもなく第五条というのは資本維持の原則ということで、ここに出資したものについて出資者に対して持ち分を取得するというようなことになってしまいますと、現金が減ってしまうということになりますから、そういうことにならないようにしようということでございます。財産として出資されたものをかりに譲渡するというような場合が考えられるといたしますと、この際には有償譲渡で行なわれると思いますので、金銭で出資された金額の評価額以上にそれが譲渡されれば、それはそれなりに資本の維持ができるわけでございますから、そういう場合には内閣総理大臣として認可をするということもあり得ると思います。大体そういうふうに御理解願ったらどうかと思います。
#232
○上坂委員 次に、三十四条でありますが、この点についてはきのうも質問をしたのですが、どうもこの条文はおかしいと私は思うのです。どう考えて、どう読んでみても「内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務に関し報告をさせ、又はその職員に」こうなってまいりますと、「その職員」という「その」というのは、内閣総理大臣はささないというように思うのです。「その」というのは、どうしてもやはり機構を受けるのが文法上は正しいというように私は思うわけです。例文であるから改められないというようなことではないと先ほど局長からお話があって、これはあくまでも参考であって、これは改めてもかまわないのだということでありますから、おかしければやはり改める必要があるだろうと思うのです。「その職員に」ということになると、「その」というのは一体どこの職員かということになるわけですね。「その職員」というのは、内閣総理大臣が職員を持っているのかどうか。もちろん内閣総理大臣に属するのは、官庁の職員は全部これは内閣総理大臣の職員だということになりますれば、これはそういうことにもなるだろうと思うのですが、その点で私は、非常にこの条文はおかしいと思うのです。この点についてもう一度ひとつお答えをいただきたいというように思うのです。
#233
○喜多村説明員 昨日先生からおしかりを受けましたので、法制局にも非公式に御相談にあがりまして、その上でのお答えでございますが、重ねて申し上げますが、「内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務に関し報告」をさせることができるという文章と、内閣総理大臣はその職員に立ち入り云々させる、この文章を「又は」で連結したものでありまして、法文としてこのように表現することは適切である、妥当である、そういうふうに考えております。
#234
○上坂委員 私はそれは詭弁だろうというふうに思うのですね。そういうところにいまの官庁機構の問題があるだろうと思うのです。だから、さっきから言っているように、大蔵省と幾ら折衝したって結局はお金が出ないし、職員の身分なんか保障されないような形になってしまうし、これはだめになっちゃうだろうと私は思うのです。ですから、シンクタンクそのものの機構というのは、ほんとうは生かされてこないような状態が必ず将来出てくるだろうと思うのです。たったここだけ一つとって、これはだれが考えたって、「内閣総理大臣は、」といった主語が来て、「機構に対し」ということになれば、「その」というのは機構をさすのがあたりまえだというように解釈するだろうと思うのです。これは民間のほうの常識だといわれれば民間のほうが正しくなると私は思うのですよ。そういう形の中で私は非常に心配するわけです。ただ法制局がどうだ、こうだ。法制局に聞かなくたって、この程度のことは、経企庁なり通産省なりが法律を出す以上は、この程度のことは出せるのではないかというふうに私は思うのですよ。その点はどうですか。どうもそういうのは納得できないのです。
#235
○宮崎(仁)政府委員 この点は昨日も御指摘をいただきましたので、国民生活センターでもこの同文の前例があることを申し上げましたが、さらに内閣法制局のほうにも確かめたわけでございまして、この文脈でよろしいということになっておるわけでございます。やはり政府として法律を出すときには、これは内閣法制局という専門の機関がございますから、その専門の機関における参事官その他の御意見によりまして、条文を整理し、審査していただく、その結果によって法律を書く、こういうたてまえにいたしておりますので、ひとり御理解を願いたい、こう思う次第でございます。
#236
○上坂委員 そういう言い方は絶対に理解できないですね。たとえばこの例文、この中にいろいろな条文を加えたり何かするようなことだってあり得るだろう。たとえば目的だって、きのうの近江さんの質問では、ここにもつと違ったものを書き込むべきだ、目的に平和利用ということで。そういうことができなくなってしまう。それではそれは柔軟性はないし自主性もないし、全くおかしいと思うのです。そういう自主性のないような企画庁が中心になってシンクタンクを進めても、これはどうもあまり信用できないといわざるを得ないのです。その辺のところは、私は納得いたしませんから、ひとつもっと研究をしてもらいたいというふうに思うのです。こればかりやっていたってしょうがないですから次に進みます。
 次に、これは三十八条でありますが、内閣総理大臣は、「その権限の一部を経済企画庁長官に委任することができる。」ということになりますが、「その権限の一部」というのはどういうものであるか、御説明をいただきたい。
#237
○喜多村説明員 この委任いたします権限は政令で定めることになっておりますが、財務会計に関します権限は委任されるものと考えております。あるいはその他、これを行ないますにあたっていろいろな庶務事項がございますが、それは権限委任になろうかと存じております。しかし、人事につきましての権限委任はないものと考えております。
#238
○上坂委員 時間が参りましたので、これで終わります。
#239
○浦野委員長 次回は、明後十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト