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1972/06/05 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第27号
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1972/06/05 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 商工委員会 第27号

#1
第071回国会 商工委員会 第27号
昭和四十八年六月五日(火曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 浦野 幸男君
  理事 稻村佐近四郎君 理事 田中 六助君
   理事 山田 久就君 理事 板川 正吾君
   理事 中村 重光君
      天野 公義君    稲村 利幸君
      内田 常雄君    小川 平二君
      越智 伊平君    大久保武雄君
      木部 佳昭君    小山 省二君
      近藤 鉄雄君    笹山茂太郎君
      塩崎  潤君    島村 一郎君
      田中 榮一君    西銘 順治君
      八田 貞義君    増岡 博之君
      松永  光君    渡辺 紘三君
      岡田 哲児君    加藤 清政君
      加藤 清二君    上坂  昇君
      佐野  進君    竹村 幸雄君
      藤田 高敏君    渡辺 三郎君
      野間 友一君    近江巳記夫君
      松尾 信人君    玉置 一徳君
      宮田 早苗君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  中曽根康弘君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       橋口  隆君
        経済企画庁長官
        官房参事官   北川 博正君
        経済企画庁調整
        局長      新田 庚一君
        経済企画庁国民
        生活局長    小島 英敏君
        経済企画庁総合
        計画局長    宮崎  仁君
        通商産業政務次
        官       塩川正十郎君
        通商産業省通商
        局長      小松勇五郎君
        通商産業省貿易
        振興局長    増田  実君
        通商産業省企業
        局長      山下 英明君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    齋藤 英雄君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局交通課長   栗山 昌久君
        経済企画庁総合
        開発局離島振興
        課長      青木 良文君
        環境庁大気保全
        局企画課長   河野 義男君
        運輸省海運局参
        事官      見角 修二君
        商工委員会調査
        室長      藤沼 六郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月五日
 辞任         補欠選任
  島村 一郎君     西銘 順治君
  西村 直己君     渡辺 紘三君
同日
 辞任         補欠選任
  西銘 順治君     島村 一郎君
  渡辺 紘三君     西村 直己君
    ―――――――――――――
六月四日
 中小業者の営業と生活擁護に関する請願(渡部
 一郎君紹介)(第五九〇六号)
 中小小売商業振興に関する請願(山田太郎君紹
 介)(第五九〇七号)
 小企業経営改善資金の融資制度創設に関する請
 願(山田太郎君紹介)(第五九〇八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 総合研究開発機構法案(内閣提出第五七号)
 通商産業の基本施策に関する件
 経済総合計画に関する件
     ――――◇―――――
#2
○浦野委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件及び経済総合計画に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤清二君。
#3
○加藤(清二)委員 大臣を要求しておきましたが、どういう御都合か知りませんけれども、いらっしゃらないようですが、私がこれから質問いたそうとしていることは事務レベルで可能な点もございまするが、政治的に高度の判断と対策を要することが多うございます。したがって、御答弁のできない向きは、おそれいりますけれども、大臣とよく相談していただくか、ないしは大臣が御出席のおりにもう一度質問をお許し願いたいと存じます。委員長よろしゅうございますか。
#4
○浦野委員長 先ほど理事会の申し合わせによりまして、大臣の御出席が十二時から十三時までということで、それぞれまた各党に時間も割り当てておりますので、御質問で答えられない面が事務当局でありましたら、これについてはよく相談して加藤委員のほうへ御報告を申し上げるようにいたします。
#5
○加藤(清二)委員 わかりました。
 それから企業局来ておられますか。――呼んであるのに来てない。最初が企業局への質問ですから、来るまで待とう。大臣も来ていなければ局長も来ない。だれが答弁するのか。
 最初に質問します。政府は、三品取引、特に羊毛の件についてインデント取引をオファー取引にしようとしているが、いずれがいいと思っていらっしゃいますか。
#6
○齋藤(英)政府委員 お答え申し上げます。
 羊毛の買い付けにつきましては、私どもは、インデント買い付けのほうが適当である、そのほうが日本の国のためになるというふうに考えております。
#7
○加藤(清二)委員 これは担当は企業局のはずであります。企業局の意見を聞きたい。
#8
○山下(英)政府委員 インデントのほうが実需に合っておりますので、取引所の取引としてはそのほうがいいということで、繊維局長の意見と同じでございますが、おそらく昨今の実際の状態を御指摘になるのだと思いますけれども、それが羊毛の市場値段が高騰する過程で、商社側がオファー取引を相当にやったという実情のあることも承知しております。
#9
○加藤(清二)委員 私がなぜこのようなことを質問しなければならないかと申し上げますと、このルート違反、ルール違反ということは御存じのとおり、商法第一条にも示されておりまするとおり、法並びに商慣行、いわゆるルールを非常に尊重しているわけなんです。これは民法よりも商慣行のほうを優先させているということは商法第一条で明らかなことでございます。それを通産省はよく御存じのはずでございます。法律違反、ルール違反、ルート違反とおぼしき案件が続出しているにもかかわりませず、それに対して適当な処置をとっておられません。あるいはおられても私が知らないのかもしれません。あるいはとっておられてもそれを商社が聞かないのかもしれません。もしそうだとするならば、ただいまちょうど商法改正案が法務省から提案されております。したがって、その場において、経理のあり方よりはむしろ法第一条違反を犯していると思われる案件についての交通整理をしなければならぬと思うのでございます。同時に、そのルール違反、ルート違反が国民生活に及ぼす影響は重大でございます。何となれば、三品市場における、大体一キロ千円前後の羊毛、それから加工されたところの毛糸、
 これが三千円から四千円近くはね上がりました。豪州の原毛の場合は、日本円に直して一時八百円前後になりました。それが何と、向こうの値にいたしますと、二百セント前後のものがだんだんはね上がって六百セントのようになりました。その原因は、一にかかって日本商社の横暴だといわれている。その詳細については順次御質問申し上げますが、その結果、日本の消費物価、これが先月の経企庁のトータルを見ましてもさようでございますけれども、繊維を筆頭に、毎月毎月卸売り物価も、小売り物価も、前年度比一〇%以上上げ続けている。まことに異常な状態であると同時に、その異常さは国民生活を圧迫するものである。物価値上げによる国民生活への圧迫は、やがて田中内閣の下落になっていくわけです。上がるものは物価だけで、下がるものは田中内閣の人気だけだ、こういわれている。したがって、国民生活に及ぼす影響の重大さにかんがみて、いままでどのような手を打ってこられたか、それをまず第
 一番に聞きます。
#10
○齋藤(英)政府委員 お答え申し上げます。
 原毛の買い付けにつきまして、従来はおおむね八割から九割程度インデント買いでございましたものが、本年の一月−三月には、商社筋、メーカー筋からいろいろ聞くところによりますと、場合によりましては五〇%ないしそれを下がった場合もあり得るというふうに聞いております。
 それで、私どものほうといたしましては、そういう事態は望ましくない事態であるというふうに考えましたので、一月の十日にメーカー並びに商社に対しまして、原毛の平均買い付けとそれからインデント買いのことにつきまして、私ども注意を申し上げた次第でございます。しかしながら、一月十日にいたしたのでありますけれども、その後の模様は、二月ぐらいまではやはりその傾向はかなり見られたというふうに見られました。私どもは再度、その次は口頭でございましたけれども、やはり注意を与えた次第でございます。
#11
○加藤(清二)委員 注意を与えても効果がないから私があえてこういうことを質問しなければならぬわけです。商法の第一条を担当で読んでいただきたい。
#12
○齋藤(英)政府委員 商法の第一条には商事適用法規のことが書いてございまして「商事ニ関シ本法ニ規定ナキモノニ付テハ商慣習法ヲ適用シ商慣習法ナキトキハ民法ヲ適用ス」でございます。
#13
○加藤(清二)委員 そのとおりです。商慣習は、商法の示すところによれば民法よりも優先しているということでございます。その商慣習が、日本国内ならばまだしも、アメリカ市場において、豪州市場において、英国市場において、日本の商社によって破られている。これがアメリカからも、豪州からも、あるいはEC諸国からも、ペナルティーを要求されている原因であることは、先刻あなたたちのほうがよく御存じのはずなんです。ですから、繊維の取引においては、アメリカはこれを規制し、EC諸国はまたそれにならってガット三十五条第二項の援用で罰則を適用されている。平等の扱いではない。にもかかわりませず、いままた豪州市場においてルール違反、ルート違反が行なわれている。すでに、商法第一条において規定されていることが日本商社によって踏みにじられているという現状にかんがみて、監督当局としてはどうなさろうとしていらっしゃるか、大臣の答弁が聞きたい。
#14
○塩川政府委員 中曽根大臣が十二時からお越しになると思いますので、その際に、先生からそういう御意向をもう一度お聞きいただければと思うのでございますが、私は政務次官といたしまして、通商産業省のいわゆる貿易政策の一環として、そういう輸入なりあるいは繊維製品の輸出、こういうものにつきましては、業界に秩序ある取引をということを盛んに要請しております。にもかかわらず、最近の特定物資に関する買い付けの状況を見てまいりますと、何と申しましても、一つは十分な商品知識のなさがそういうことに追いやっておるような感じも非常に強く持っておるのであります。従来でございましたら、そういう重要な原料買い付けは相当な知識経験を持って、何十年とそれに関係しておる人がその衝に当たっておったのでございますが、いま日本のそういう商社を見てまいりますと、あまりにも商社が業務拡大をし過ぎたために、そういう人材を持っておらない。でございますから、経験の浅い人がそういう買い付けに走っていっておる。そこで、先生から先ほど御指摘ございましたインデント買い付けをしていくべきが本筋であるにかかわらず、何でもいいから量だけ確保したらいいというので、オファー取引でもかまわぬ、とにかくまあ買い付けてしまえということになってまいりまして、これが国民生活に及ぼす不利というものは、私たちも十分いま承知できるのであります。
 そこで、こういうことに対しては、政府は、きびしくそういう関係商社に姿勢を正させるとともに、今後具体的に何か対策を考えていかなければならぬ段階に来ておる、こう思います。しかし、絶対量の確保ということも一方におきましては重大な使命でもございますので、その点につきまして業界ともう一度よく懇談をし、指導していきたい、こういう姿勢で臨んでおる次第でございます。
#15
○加藤(清二)委員 きのうきょう、また三品市場の羊毛が値上げを続けておりますね。これが諸外国に及ぼす影響は重大でございます。御存じでございましょうが、先般豪州のこの道のエキスパートが豪州を代表して日本へやってまいりました。サー・ウィリアム・ガン氏で、私の前からの友人です。この人が私に尋ねて、こう言うのです。日本は羊毛買い付けを盛んと行なっておる、前年度比三割も四割も多い、これは世界の羊毛工業を征服するに足る量である、一体日本は世界の羊毛工業を征服するつもりではないかと言うのです。たくさん買ってあげたんですから喜んでいただけるかと思ったら大間違いなんです。そういう危惧の念を抱かせるほど、日本商社が豪州において買いまくっているということなんです。それだけではない。トップを二万トンも買い付けている。トップ二万トンという量は少ないように聞こえますけれども、オールトップの生産量、この貿易数量からいったらこれはたいへんな数で、かつて日本ではないことなんです。また、糸を六千トンも買っている。日本は羊毛の糸を買った経験はないのです。トップの経験はあっても羊毛の糸を買った経験はない。日本の歴史にないことをルート違反、ルール違反をやって買い付けている。いま次官がお答えになりましたが、日本の必要量はこんなにたくさん要るのですか。こんなに高く買い付けたものを輸出できますか。これはどうするのです。内地需要量をはるかに上回っているのです。この上なお日本はイギリスとの貿易において、日英通商協定によって洋服生地をこれまた買わなければならぬことになっている。一体どこへどう始末するのですか。
#16
○齋藤(英)政府委員 昨年のトップの輸入はおおむね一万四千トン余でございました。これはかなり大量の買い付けであったと思います。それからなお原毛は、俵数にしましておおむね二百六十万俵ぐらい輸入をいたしております。これも前年度に比べますと二割以上三割近いのじゃないかと思いますが、そういうふうに相当大量の輸入が行なわれました。したがいまして、そういう大量の輸入をいたしましたが、一方消費のほうもおおむね七、八%ぐらい伸びております。しかしながら、この輸入高は相当大量のものでございます。したがいまして、これが羊毛の相場なりあるいは値段なりというものに当然影響が出てまいっておりますが、いっとき三千円余いたしました毛糸が現在は二千四百八十円くらいでございます。いっとき二千二百円くらいでありましたのが、いま二千四百八十円くらいになってきております。ただ、来年度の羊毛、原毛の市況はどうなりますかわかりませんが、一般の地合いといたしましては、やはりかなり堅調ではないかというふうな見通しもございます。したがいまして、来年度、本年度と合わせまして、その辺につきましては、やはり輸入商社あるいはインデントいたします紡績の人に対しまして、平均的な買い付けをするように私どもとしては要請をいたしておりますし、また、そういう警告もいたしておるわけでございます。そういうことで、今後その方面の需給のアンバランスがないように私ども注意いたしたいと存じております。
#17
○加藤(清二)委員 大臣がいらっしゃいませんが、よく聞いていただきたい。羊毛、トップ、毛糸、これは過去にないほど、しかも、日本の経済の伸びに比例してせいぜい一〇%程度伸びたというなら話がわかるのです。しかし、三〇%も四〇%も、特に毛糸のごときは過去にない、その習慣を破り、歴史を破って余分に買い付けている。それだけたくさんあれば値が安くならなければならないにもかかわらず、価格がこれまた三倍、四倍にはね上がっている。これでは政策があるとは言えない。だからこそ需給関係ではなくて、先ほど申し上げましたサー・ウィリアム・ガン氏は、日本が羊毛を独占するその目的は、日本の合繊の値上げをするつもりではないかと言っておる。日本の合繊の輸出価格を値上げするために、羊毛を独占しようとしているのではないかと言われておる。これに対してどう答えられますか。経企庁どうです。あなたが答弁者になったらどう答えられます。豪州に向かって答えてください。
#18
○橋口(隆)政府委員 ただいまの御質問でございますが、合繊の値段をつり上げるために羊毛の大量買い付けをする、そういうような趣旨はないのではないかとわれわれ考えております。
#19
○加藤(清二)委員 子供の使いみたいだ。そんなことで向こうは承知しませんよ。ことばの先だけでは承知しない。具体的事実を突きつけてきておるのですから。しからば、何がゆえにそんなに買っているのか。常識で言えば、需要と供給の関係で安くならなければならないのに、なぜそんなに高く買い上げているのか。商社は、インデントであれば、普通加工して売る値を知っているのです。メーカーが買うのですから。ところが、そのメーカーが買う値段より常に五セントから七、八セント、多きに至っては十セントも高値で商社が買い付けている。何の目的であるかと問われたときに、どう答えるのです。ここは予算委員会でないから、遠慮なく答えてください。
#20
○新田政府委員 具体的な詳細なことは通産省でなければわかりませんけれども、私ども考えますのに、今後の羊毛の先高を見越しまして商社の買い急ぎということが、やはり豪州の羊毛の値上げに相当の影響を与えているというふうに思うわけでございます。同じ繊維でございますので、そういった結果が国内の合繊の市況に与える影響ということは当然考えられますけれども、商社としまして、あるいは国内の業界としまして、それを引き上げるために原毛の買い付け値段を高くしているというふうには考えておらないわけでございます。
#21
○加藤(清二)委員 大臣はいらっしゃらぬけれども、いまに栄転の予定されている局長さんばかりおそろいですから、それに傷つくといかぬから気をつけてものを言ってくださいよ。一体羊毛の先高を見越してというのですが、だれがそんなことをきめたのです。羊毛の先高はだれがきめたのです。羊毛の値上げは日本の商社がやっているのですよ。何か他人の影響で日本の商社が動いたようなそういう認識では、これはあなた、それで企画庁はそんな考え方でいいのですか。しばらく考えてみて、あとで答弁し直してください。
 次に、ルール違反、ルート違反があった場合、つまり商法第一条違反の場合どうするかという答えがまだ出ておりません。
#22
○塩川政府委員 商慣例を尊重せずしてそういうルール違反でやっておるということでございますならば非常に遺憾なことでございます。つきましては、それが先生の調査なりその豪州の方の発言等からいろいろ判断されまして、万一そういうことになっておるようでございましたら、私どもでよく実情を聴取いたしまして、今後そういうことのないようにきびしく指導してまいります。
#23
○加藤(清二)委員 ルール違反、ルート違反があれば、それに対して今後きびしく対策をとる、こう受け取っていいのですか。
#24
○塩川政府委員 十分な指導をしてまいりたいと思います。
#25
○加藤(清二)委員 商法には罰則がありますね。指導してなお聞かない場合はやむを得ませんね。そうでなければ、さっき申し上げましたように、いまちょうど商法の改正案が提案されている最中ですから、わが党としては、これにぴったり合うように修正案を出す用意がございます。それでなければ商法を通しません。
 そこで、これは覚悟して答弁してもらわぬといけませんぞ。すでにインデント取引がくずされ、オファー取引、いわゆる大阪の現場流にいえばオッパ取引、これが行なわれつつある。これは終戦後、昭和二十六、七年前後に三菱商事がやって失敗したことなんです。あのときの社長は腹を切ったのです。腹切りものですよ、これは。にもかかわらず、今日インデント取引がオファーに切りかえられて、紡績にそれを強要している。そういう事実がある。何商社とは言いませんが強要している事実がある。この事実に対してどうなさいます。わからなければここで資料を出してください。
#26
○山下(英)政府委員 去年の暮れからオファー取引が相当広範になってきているという事実を私どももつかみまして、商社及びメーカーの両側から事情を聴取したことがございます。そして先ほど繊維局長も答えられましたように、従来ならば一〇%内外でありましたオファーものが相当にふえておりましたが、その際、商社が自分のリスクでそういう高値のものを買って、いま過去の事例が御紹介ありましたように、ほんとうに責任をもって、自信があるのか、単独買い付けしてもいいのかという点につきまして事情を聴取したことがございますが、かたがた去年の暮れ以来、相場が豪州羊毛につきましても、日本の三品市場につきましても一本調子に上がってまいりましたので、その過程で、商社が単独買い付けたものを結局紡績側が玉不足のためにあとから買わざるを得なくなったという事例もあったようでございます。また反面、紡績側からせっかくのさし値をしましても、商社としてはそのさし値では買えない、そのかわりに自分がオファー取引で買ったこういう玉があるからそれでどうだろうかというような話し合いの結果、商社のオファー取引が紡績に、いまのおことばを使えば、押しつけられたという結果になっておるものもあるようでございます。相場の高騰する過程において起きた商取引上の実情だと思います。しかし、私どもとしては、インデント取引が慣行上も主要であるべきであると思いましたし、また、羊毛買い付けに関しては可能な限り平均買いをしてほしいという政策的な観点からも一月十日に通達を出しましたほか、三月三十日にも、また四月二十四日にも、毛糸の中央需給協議会の場におきまして、そういう行政指導をしてまいったわけでございます。
#27
○加藤(清二)委員 行政指導をなさってもなおそれが行なわれている事実にかんがみて、いわゆるオッパ取引をインデント取引に戻す、そういう指導をする用意がございますか。
#28
○山下(英)政府委員 先ほどの御指摘の商法第一条からじかに罰則が適用されるかどうかは私どもに検討させていただきたいと思いますが、現在やっております行政指導の強化によって、また商品取引所法の権限の範囲内において、再び昔の正常な状態に戻してみたい、また戻し得るだろうと考えております。たとえて申し上げれば、一時豪州羊毛をつり上げました日本商社の豪州における買い付けというのも、実際には三月までが山でございまして、四月以降は日本商社による買い付けというのは異常な状態を脱しております。また最近少し、この五月末以来値上がり傾向にありますけれども、私どもが入れている情報では、日本商社の現地におけるふるまいはその直接の原因になっていないのではないかと思っております。したがって、全般が正常化してくる過程にありますので、インデント取引も徐々にもとに戻し得るのではないかと考えております。
#29
○加藤(清二)委員 行政指導やあるいは取引所の権限強化によってもとの姿に返す、すなわちオッパ取引の邪道に入ったのをインデント取引のもとの姿に返す、こういうことですか。それでよろしいですか。――では、そういう合い図がありましたのでそう受け取ります。これはひとつ大臣とよく相談しておいていただきたいのです。ということは、あなたたちが約束なさっても、約束がすぐ変わってしまうのですよ。約束が変わると、あと約束がほごになるおそれが十二分にあるからです。
 なぜ私がこんなことを言わなければならないのか。それはこのルール、ルートが変わりますと、今度は取引所のルート、ルールを変えなければならぬという結果になるからです。ますますギャンブル、スペキュレーションが行なわれる、かようになるからです。なぜかならば、これはもう釈迦に説法でございまするけれども、毛糸に限らず綿糸に限らずですけれども、三品でバイカイをする、受け渡しをする。このときにはきちっと銘柄の格づけがあるのです。銘柄品、格付品をつくるには材料が必要なんです。ですから、格づけになっている糸のメーカーは、その糸をつくるための材料を買うわけなんです。
 ところが商社は、そんなことはかまってはいないのです。かまってはいないから青田買いをやる。羊毛は青田買いでは何になるかわからないのです。羊毛だけで八百種類もあるのです。青田買いをしてきた羊毛でもって格付品をつくれ、そんなことができますか。具体的に言えば、モチ米でもちをつくことならできるけれども、ウルチ米でもちができますか。もっと極端に言えば、麦を材料にビールならできますけれども、麦を材料にお酒ができますか。どんな技術をもってしたってそれはできないわざなんです。商社がかってに青田買いで買いつけてきたところの原料で格づけされた、規定づけられた糸をつくることは何人をもってしても不可能なんです。全部が格以下の品物におちいるおそれがある。それは市場混乱のもとであると同時に、今度は輸出の場合に、毛の場合は糸から指定してかかるのです。柄から指定してかかるのです。イギリスのウールを買おうとすれば、一年半か最低一年前に注文をしなければできないわざなんです。同様に日本がアメリカへ輸出する場合も原料から吟味してかからなければならない。たとえば日毛のAG、東洋紡の千五百番、その中の六十番の双糸、こう指定しているにもかかわらず、それがもとが狂ってきたらどういうことになるか。輸出先においてこれは仕様書と違うからというので、それこそもうペナルティーものになるでしょう。国内のお客にもうそを言って値を上げて質の悪いものを売る。外国との契約においては契約違反を疑われる原因になる。これは事重大である。さっき塩川政務次官がいみじくもおっしゃったように、その規格品をつくるための材料は三年や五年の修業ではできないわざなんです。商社マンではできないわざなんです。専門家を必要とする。だからここで申し上げる。
 先ほど企業局長が取引所の権限を強化するとおっしゃられましたが、取引所の規格品がくずれてくるのです。そういう原因がここに包含されております。これはどうなさいますか。日本の技術でもってカバーできますか。
#30
○山下(英)政府委員 いま御指摘の点は二、三私どもも重大な関心を払っておる事項が含まれておりまして、一つは、昨今の商社の羊毛買い付けが従来の慣行からはずれればはずれるほど、規格外のあるいは品質その他に関して、専門家から見るならば思わしくない買い付けになっておるのではないかという点がございます。これは私どもも心配しておる点でございますが、従来までの私どもに対する説明では、相当量買い付けて量はふえ、また値段も高く買っておるけれども、品質に関しては、現地と本社及び需要家との間で連絡をとっておるという一通りの説明でございますが、しかし私どもは、それで満足しておるわけではございません。
 さらに、それが取引所の格づけ、規格等の関係を乱すのではないか。これは加藤先生のほうが御専門でありますので、私からるる申し上げる必要もないのですが、取引所の目的である十分の情報のもとに流通を円滑にしていく、そのためには売買に関して相当量の広範な範囲で入ってきてもらわなければならないということと、それからあまり広範になりますと品質、規格の悪いものも入ってきては困るという面と、二つの調和点におきまして取引所ごとに格づけをしておるわけでございまして、その決定は格付委員会できめております。この格付委員会が、現状におきましては糸商の意見が比較的反映する形になっておりますけれども、ほんとうを言えば、毛糸のメーカーあるいはさらに毛糸を使う織物業者、そういう御意見も十分反映した上で適当な格づけをきめていくべき性質のものだと思います。この点に関しては、私どもも現状で満足しておるわけではございませんで、その格づけの範囲をどうしたらいいかということは引き続き検討してまいりたいと思っております。御質問の点に直接お答えすれば、確かに去年の暮れから現在まで羊毛買い付けが異常でありますだけに、格付委員会の運営におきましても検討を加えなければならないと考えておる次第でございます。
#31
○加藤(清二)委員 格付委員会の話は、いずれあとで質問しようと思っておりましたところ、局長がそちらの話に移されましたので申し上げますが、あなたたちは、ほんとうに規格品をつくっているメーカーの意見を格づけに関して聴取されたことがありますか。それが第一。
 第二に、なぜそういうことを聞かなければならないのか。この格付委員会は、商社や仲買い人、すなわち悪事を働いておると目される、あるいは値上げの犯人である、ルール違反、ルート違反の犯人とおぼしきそういう連中だけでできておる。それが格付委員会になっておる。そんなものの言うことを聞いておって、どうして価格操作ができますか。どろぼうがどろぼうの番人をしているようなものです。なぜメーカーの意見を聞かれないのです。なぜ格付委員会の中へメーカーを入れられないのですか。商社尊重なんです。メーカーを軽べつしたやり方なんです。また、商社や仲買い人の上に銀行が控えている。金融横暴なんです。それが格付委員会を構成しているものだから、三品市場でかってな操作ができて、どんどん値上がりをしてしまうわけなんです。それに便乗したスペキュレーション、ギャンブルメーカーたちがここへあばれ込んできて、つなぎの場であるところの三品市場は、やがてギャンブル市場に変わってしまっておるわけなのです。
 もう一度要点をお尋ねする。メーカーの意見が格付委員会に反映するよう、あなたたちは過去にそのための意見聴取をされたことがあるのかないのか。あったとするならば、格付委員会にメーカーを入れられたことがあるのかないのか。わかりやすく言えば、ちょうど相撲の番付と一緒なんです。相撲の番付は、番付委員会がありまするけれども、相撲のことをよくわかった人がするわけなんです。前の実績でするわけなんです。お客さんがそんなことをしていいですか。お客さんが相撲の番付をつくるのですか。ちょうちんをつけたり、応援団が野球の三冠王をきめるのですか。常識はずれもはなはだしいのです。お答えを願う。
#32
○山下(英)政府委員 メーカーの意見を聞いて格づけをきめるべきだと思います。現在は、残念ながら、御指摘のとおり糸商を中心に構成しておりまして、メーカーが入っておりません。かつて御承知のことを繰り返すことになりますが、昭和二十年代にはメーカーも入っておった時代がございましたけれども、それからメーカーが出ていかれたときの大きな理由は、メーカー別の格づけであるから、どこそこの何銘柄ということになると、メーカー同士で言い合ってもまずいからということで退席をされて、それ以来だんだん片寄って糸商になっておるわけでございます。現在、全くそういうメーカーの意見を聞いたことがないかというと、これは制度的ではございませんが、間接的にメーカーの方は、三品取引に関する格づけ等について、ときには繊維局に、ときには企業局にも意見を言ってこられますし、そういう間接話法をもって御意見は聞いておるつもりでございますけれども、直接的にメーカーが格付委員会に参加していない現状でございます。したがいまして、私どもとしては、糸商、かつメーカーも紡績、織物、両方入りました毛糸定期市場対策協議会におきまして、今後格付委員会をどうしたらいいかということを検討中でございます。私の意見は、メーカーの御意見がもっと直接反映するようにすべきだと考えております。
#33
○加藤(清二)委員 格付委員会のあり方は不十分である、だからこれは目下検討中である、政府の意思としては、メーカーの意見がこれによく反映されるように改善したい、こう受け取っていいですか。次官さんからお答えいただきたい。そう受け取っていいですか。
#34
○塩川政府委員 大筋といたしまして、先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、この問題につきまして、現在毛糸の定期市場対策協議会というのがございまして、この対策協議会で現在そういう方向で検討しております。ついては、その検討の結論を待って、すぐにそういうふうにいたしたいと思っておる次第でございます。
#35
○加藤(清二)委員 実は実物をここへたくさん持ってきて、皆さんに認識を深めていただき、適切な対策を立てていただきたい、こう思ってまいりましたが、委員長が五十分までにやめろ、こういうことでございまするので、残余の質問はあとにいたしまして、残り五分ありますから、一つだけ、羊毛あっせん所をつくることについてどうお考えか、承りたいのですが、その前に承りたい。綿糸あっせんを繊維局から要求されたことがありました。これは一向に実らなかった。ところが、そういうやさきに、私はあえて羊毛のあっせん所をつくるべきであるということを申し上げる。その理由、局長にお尋ねする。市場に上場されている量ですね。全体の量から見て、市場に上場されている量のパーセントは、羊毛、綿、絹、こう持ってきて、何%になっていますか。
#36
○山下(英)政府委員 正確な資料に照らしますと、あとで多少修正さしていただくかもしれませんが、羊毛の場合には、全生産量を分母にいたしまして、非常に小さくて三、四%、綿の場合には約六割という実情でございます。(加藤(清二)委員「絹は」と呼ぶ)絹につきまして、さらに調べて御連絡いたします。
#37
○加藤(清二)委員 お答えしましょう。絹の場合は、これは八〇%のようでございます。綿と同じように六〇%程度でございましたが、これは二十一中だけの場合と、今度は二十七中を供用品としてではなくて上場品にいたしましたので八〇%のようでございます。にもかかわりませず、政府の買い上げ機関がございます。したがって、中国からの輸入がありましても、内地のコンスタントな相場をくずさなくても済むようにルールができ、構造ができておる。ところが、これは農林省の関係、商売専門、それの指導育成強化をしなければならぬ。通産省傘下の綿はどうか、これは六〇%。いまあなたがおっしゃるとおりであります。しかも、これは御案内のとおり、二十番から三十番から四十番まで、この銘柄が多いにもかかわりませず、羊毛市場においては一体どうなっているのか。四八の双だけなんです。あなたのおっしゃるとおりなんです。わずかな数量しかない。しかも全体を包括するような絹の買い上げ機関というような安全弁はない。ここにギャンブルが行なわれ、短時間に急に値上げが行なわれる原因があるわけなのです。その対策をせずして三品市場を強化したってどうにもならない。三品市場の強化ということを、先ほどあなたはおっしゃった。取引所の権限を強化するともおっしゃった。しかくさようとするならば、この根本の問題から直してかからなければ、砂上の楼閣になるおそれがある。したがって、上場される量をふやすか、ないしは供用品をふやす必要があると思います。さきに企業局が打たれました供用品を拡大するための措置は、私もたいへんけっこうな措置であったと存じております。ゆえにこそ急激にあの薬がききまして値下がりがきたわけでございますが、また値上がり傾向にきている今度は根本的な治療を要すると思うのです。したがって、この上場される量は、四八双にとどまらず、供用品をふやすか、ないしは四八、六〇ともに上場されるようにはかるべきだと思いますが、どうお考えでございましょう。
#38
○山下(英)政府委員 基本的には供用品上場銘柄をふやすべきだと私も考えております。これに関して紡績、織物等には、あるいは三品取引所における暴騰、暴落に振り回されることをきらう御意見もあり、特に暴落の場合に供用品が多いと困るという御意見の向きもありますが、私どもとしては、機会をつかんで市場安定化のためには供用品をふやし、番手格差等も縮めていきたいと考えております。
#39
○加藤(清二)委員 ギャンブルが多過ぎる、スペキュレーションが多過ぎる、それは需要と供給の関係からいって日本の国内あるいは買い付け先にはたいへんな量があるにもかかわらず、勝負をする場所においては非常に量が少ない。これはますます市場の安定化、コンスタント化、これを阻害する原因になっている。ゆえに上場銘柄ないしはそれに対する供用品をふやす用意がある、こう受け取ってよろしいですか。念を押しておきます。当然の答えだ、ほんのわずかですよ、あなた。絹は八〇%ですよ。綿は六〇%もあるのですよ。毛は何ぼあるのです。もう一度言ってもらいたい。
#40
○山下(英)政府委員 この毛も、先ほど申し上げました定期市場協議会でいま相談をしていることでございますけれども、私どもとしては、私も繊維局長もそういう方向で考えております。
#41
○加藤(清二)委員 時間が約束の時間ですから委員長の命令どおり従います。そのかわり残余のほうが多いのですから、証拠物件を持ってここでこれから糸の格づけをやろうと思っておったのですが、それができませんので、残余の質問はあとにします。委員長において適当に私にその残余の時間を与えていただきますようお願いいたしまして、本日は、この程度にいたします。
     ――――◇―――――
#42
○浦野委員長 この際、内閣提出、総合研究開発機構法案を議題といたします。
 御質疑はありませんか。――御質疑がないようでございますから、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#43
○浦野委員長 本案に対し、田中六助君外一名から、自由民主党及び民社党共同提案にかかる修正案が提出されております。
#44
○浦野委員長 この際、修正案について、提出者より趣旨の説明を求めます。宮田早苗君。
#45
○宮田委員 総合研究開発機構法案に対する修正案につきまして、提案者を代表しで趣旨を御説明申し上げます。
 修正案はお手元に配付いたしましたとおりであります。
 修正の第一点は、目的の規定におきまして、この機構は、「平和の理念に基づき」、「民主的な運営の下に」任務を遂行するとともに、「総合的な研究開発の成果を公開」すべきことを明文化することであります。
 なお、この修正に伴いまして、設立の認可要件に「民主的な運営」を加え、また、業務として「総合的な研究開発の成果の公開」を加えることとしております。
 第二点は、附則におきまして、政府は、本法の実施状況に検討を加え、必要な措置を講ずる旨の規定を新たに設けることであります。
 以上の修正は、当委員会における審議を通じて明らかにされました点を条文化することにより、この機構が本来の目的に沿って健全に運営されるとともに、時代の推移に応じて、常に国民の要請と期待にこたえ得る体制にあることを期する趣旨でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いする次第であります。
#46
○浦野委員長 以上で修正案の趣旨説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#47
○浦野委員長 これより討論に入るのでありますが、本案並びに修正案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、田中六助君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#48
○浦野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#49
○浦野委員長 起立多数。よって、本案は田中六助君外一名提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#50
○浦野委員長 次に、本法律案に対し、田中六助君外一名より、自由民主党及び民社党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。田中六助君。
#51
○田中(六)委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    総合研究開発機構法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、次の諸点について万全の措置を講ずべきである。
 一 機構に対する民間出資者が特定の企業、団体にかたよることのないよう指導するとともに、機構の役員及び研究評議員の人選については、機構の中立性が確保されるよう、慎重を期すること。
 二 機構における有能な人材の結集体制を確立するため、研究者の身分、処遇等について定款その他により明確にさせるとともに、研究者の待遇及び海外との交流、研究環境並びに機構の地方組織等について適切な指導援助に努めること。
 三 民間のシンクタンクが機構の目的に準じた趣旨のもとに健全な発展を遂げるよう、諸般の適切な施策を講ずること。
 四 附則第四条の規定による検討は、五年をこえない期間ごとに行なうこととし、機構に対する出資のあり方、機構の機能及び研究開発の課題等に重点をおくこと。
以上でございます。
 これらの各項目は、いずれも当委員会におきまして論議がなされたところであり、その趣旨は十分御承知のことと存じますので、個々の説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#52
○浦野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#53
○浦野委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。橋口経済企画政務次官。
#54
○橋口(隆)政府委員 長官がOECD出席のため海外出張中でございますので、かわってごあいさつを申し上げます。
 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして善処してまいる所存でございます。ほんとうにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#55
○浦野委員長 おはかりいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○浦野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#57
○浦野委員長 引き続き通商産業の基本施策に関する件及び経済総合計画に関する件について調査を進めます。
 質疑を続行いたします。藤田高敏君。
#58
○藤田委員 通産大臣に質問しますが、質問時間がきわめて短時間のようでございますので、問題点をそのものずばりでお尋ねしたいと思うわけであります。
 質問の要点は、キューバに関する貿易問題、朝鮮民主主義人民共和国との貿易問題、なかんずく輸銀使用の問題についてお尋ねをしたいと思うわけであります。
 私も、この問題につきまして少しくいろいろ調べてみました。特にこの国会におきましても、昨年田中通産大臣のとき以来、キューバの輸銀問題を中心とする貿易問題につきましては、政府、特に通産当局におきましても、いわば前向きの姿勢で検討を進めてきておるように私は理解をするわけであります。しかしながら、その成果が具体的にあがっているかどうかという点については、われわれの立場からした場合、遺憾ながらこれを認めることはできません。
 国会の質疑の経過を見てみます場合に、たとえば前通産大臣でありました田中通産大臣の言をかりれば、日本がキューバから輸入をしておる貿易総額は、これはラフな数字でありますが、約一億三千万ドル程度、ところが、日本から輸出をしておるものはわずか五千万ドルそこそこだ、きわめてこれは不自然というか、片貿易の代表的なものだ、これはバランスのとれるようにしていかなければいかぬ、輸銀問題についてもケース・バイ・ケースでやっていきたい、いわば前向きの姿勢で取り組んでいきたい、こういう答弁であります。加えて国際的な情勢、なかんずくアメリカとキューバを中心とする、あるいはアメリカと中南米を中心とする国際的な条件も、昨年の二月、三月の段階ではいまなお好ましくない条件もある、こういうようなところが大体輸銀使用を中心としたキューバとの貿易問題に関する大きなネックであったというふうに理解しておるわけであります。
 その後政府は、いま申し上げたように、通産当局を中心として前向きの姿勢で取り組んできたと思うわけですけれども、その成果は具体的にあがってない。そこで、このキューバ問題に対する輸銀の取り扱いについて、政府の方針はその後具体的にどう進歩をしておるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#59
○中曽根国務大臣 キューバと日本との貿易関係は、一九六一年七月二十日の通商協定締結以来順調な発展を遂げてまいりまして、昨年の貿易額は協定締結当時に比べると五倍に達し、一億九千五百万ドルとなっております。わが国としては、砂糖の輸入に依存するところきわめて大でもあり、若干の貿易上のインバランスはございますけれども、さらに貿易を拡大してまいりたいと思っております。
 キューバの輸銀使用についてはケース・バイ・ケースで判断していく方針でございますけれども、御指摘のような事情も十分考慮した上で結論を出したいと思っております。私の基本的態度は、国際的な摩擦を少なくしながら、この問題は前向きに処理していきたい、そういう考えでおります。
#60
○藤田委員 中曽根通産大臣にしては珍しく原稿を持って答弁をされた。本会議あるいは委員会を通して私はいろいろ閣僚の答弁要領も聞いておるわけでありますが、その答弁の内容のいかんは別にして、中曽根大臣なりあるいは二、三ほかの大臣もおりますが、原稿を持たないで所管大臣としての定見に基づいて答弁をする大臣に対して、私はやはり一種の期待感といいますか信頼感を持つわけでありますが、きょうはきわめて似つかわしくないことをおやりになった。これはある意味では、芝居をやっておるようにしかわれわれ判断できないわけであります。もっと大臣御自身の定見に基づいた、しかも、今日ただいまの情勢に即応して、キューバのこの輸銀問題を中心とする貿易問題について新たな方針、具体的な方策、こういうものがあればお聞かせ願いたい。
#61
○中曽根国務大臣 いまの答弁の中で、最後の部分は原稿にないことを申し上げたのであります。つまり国際的摩擦の少ない状態において前向きに処理する考えです、そう申し上げたのは私の政策でございまして、日本とキューバとの貿易額及び両国の関係等を見ますと、輸銀問題は早晩踏み切るべき段階に来ていると私は考えておるのです。ただ、その場合に、できるだけ国際的摩擦を少なくするということが賢明なやり方でございますから、いまそういう情勢を勘案しながら、そういうような政策を前向きに進めようと考えておる段階でございます。
#62
○藤田委員 早晩踏み切るべき段階に来たと考えている。これは解釈のしようでありますが、従来のケース・バイ・ケースで処理していきたいというものよりは、具体的に前進をしておるというふうに理解してよろしいかどうか。
#63
○中曽根国務大臣 国際的摩擦の少ない状態においてという注がついておりますが、私が最後に御答弁申し上げた全文をお考えいただけば、いままでよりはもう一歩前進しているとお考えになっていただいてけっこうだと思います。
#64
○藤田委員 いまは抽象的な言い方でありますけれども、具体的に前進をしているということを大臣御自身も認められたわけであります。私も経済外交の問題については、いま言われておりますように国際的な摩擦をなくするというか、極力少なくした形の中でそういう問題の解決に当たりたいということは、時の政府の立場として理解ができるわけであります。しかし、問題は積極的にやるかどうかということです。待ちの政治ではないけれども、周囲が動くのを傍観的に待ってやっていくのかどうかという点については、違いがあると思うのです。
 これは一般的な情勢でありますが、昨年の田中通産大臣以来一年余り経過しておりますけれども、それではいまあなたがおっしゃったような国際的な摩擦という面から見ますると、日本とアメリカ、キューバとアメリカというふうに限定したものだけでなくて、世界全体の情勢はきわめて緊張緩和の条件が強まってきておる。なかんずく、これは新聞にも出ておるところでありますが、あれだけ仲の悪かったアメリカとキューバにおいても、ことしに入ってハイジャック協定が締結をされた。そうしてアルゼンチンとキューバとの間においても国交の樹立がなされた。アジアを中心に米中あるいは米ソ、日中、ベトナムの和平協定というふうに、一つ一つあげてみましても、今日国際的な摩擦をあまり心配するようなことがないところまでキューバとアメリカとの関係も改善された。日本とアメリカとの関係を考慮しながらやるにしても、もう今日の条件の中では、いま大臣が御心配になっておるようなことは大体解消されたというふうに判断をしてよろしいのじゃないか。そういうことになれば、いまの大臣のことばではないですが、早晩踏み切るべき段階に来たということは、近くそういう輸銀使用の問題について踏み切る、こういう裏づけがあるというふうに理解をしたいのですが、そのように理解してよろしいかどうか。
#65
○中曽根国務大臣 待ちの政治をしているわけではありません。積極的にそういう摩擦が起きないような努力をいまやらしておるところでございます。
 キューバとの関係につきましては、貿易をさらに拡大して、アンバランスを是正していきたいという考え方を私は持っておりますから、そういう方向に進むようにいま善処をしておるところでございます。
#66
○藤田委員 いま善処をしておるということですから、現在ただいま善処すべく努力しておるというふうに理解をしたいわけです。
 そこでお尋ねしますが、大臣、けさのジャパンタイムズなりあるいはデーリー毎日をお読みになられたでしょうか。
#67
○中曽根国務大臣 けさノーカーデーで早くうちを出たものですから、あまりよく新聞を読んでおりません。
#68
○藤田委員 それではこれはひとつ紹介をいたしますが、ジャパンタイムズなりデーリー毎日によりますと、日本政府のキューバに対する輸銀の問題について具体的な記事が出ておるわけであります。これは六月二日の読売に出ておりました。この記事はお読みになっておると思いますけれども、これでは、政府はキューバに対して輸銀使用の方針を固めた、こういう記事であります。けさのいま紹介しました二つの新聞によりますと六月四日、きのうですね、日本政府はアメリカ政府に対し、非公式に輸銀使用についての通告をしたということが一つであります。二つ目の条件としては、二、三週間以内に技術レベルの話し合いに入る、きわめて具体的に、いま善処する、早晩踏み切るべき段階に来たということを裏づけている記事が出ておるわけでありますが、これはもうそのとおり、そういうところまで来ておるというふうに理解してよろしいか、どうか。
#69
○中曽根国務大臣 この問題は目下微妙な外交案件でもございますので、その点に関する発言は差し控えさしていただきたいと思います。
#70
○藤田委員 そこまで気がねをしなければならぬ理由はないんじゃないでしょうか、どうでしょう。
#71
○中曽根国務大臣 この問題を適切に処理するためには、いま言わぬほうがいいだろうと私そう思っているからであります。
#72
○藤田委員 私は、それでは、言えないというよりも言わないほうがいいだろうというように善意に理解をしたいわけであります。善意に理解をしたいというのは、キューバの貿易について輸銀使用を先ほどの答弁にありましたように善処していく、踏み切るべき段階に来た、こういうことばの中にそれを裏づけるようなことを私なりに理解をしたいわけでありますが、ここまで緊張緩和の条件が国際的にも成熟をしてきた以上、キューバについても朝鮮についてもあるいはベトナムについても、もうそんなに日本が特定な国に気がねをする必要はない。わが党は常に自主外交を主張しておるわけでありますが、こういった貿易の面についてももっと自主的に判断をして、そうして定見のある方針というものを打ち出してもらいたいと私は思うわけであります。
 そこでお尋ねしたいのですが、それでは、これからキューバとの取引をしておる業界なりあるいは商社が輸銀使用について具体的に申請をしてきた場合には、いままではケース・バイ・ケースで認めるという方針だったのだけれども、適切なものであれば認めていくという方向で検討される用意があるかどうか、これをひとつお尋ねしたいと思うのです。
#73
○中曽根国務大臣 プロジェクトの内容をよく検討いたしまして、それが合理的なものであるかどうかをよく見きわめまして、ケース・バイ・ケースで前向きに考えたいと思います。
#74
○藤田委員 それ以上積極的に進んだ発言はできませんか、できませんか。――できないというものを口を割って言わすわけにはいきませんからこれはやむを得ないと思うのですが、最近、メーカーの名前をあげることは差し控えますけれども、フェリーボートやあるいは冷凍機とか漁船についてあるいは製かん工場について、具体的な輸銀申請をやろうという動きがあります。これはひとり私いま申し上げた品目だけでなくて、キューバとしてはあれだけ砂糖を日本に輸出して、そうして砂糖を積んできた船が、から船で帰っておるわけですからね。この船をから船で帰さないようなことをやるべきじゃないかと私は思うのと、それからいろいろなプラントの問題や船ですね、その他キューバ側としては幾つかの問題について、積極的にこの輸銀使用についての強い熱意を持っておるわけですから、これだけ日本の場合に砂糖という国民生活にとってきわめて重要な物資を輸入しておる以上、それに見合う程度のものは輸銀の対象にしていく、そういう前向きの姿勢で、先ほど大臣が答弁された方向でひとつ積極的に輸銀使用ができるように取り組んでもらいたいということを私の強い要求として申し上げておきたいと思うのですが、少なくとも私の気持ちをくんで検討するというぐらいの答弁はできると思うのですが、どうでしょうか。
#75
○中曽根国務大臣 藤田さんのお気持ちをよくくみ取りまして、検討いたします。
#76
○藤田委員 私も政治家の一人として、もう少しずばりそのものの答弁をもらいたいところでありますが、やはり今日の段階において、デリケートな面もあるように判断をしますから、これ以上キューバの問題については具体的には触れませんが、ぜひひとついままでのようなケース・バイ・ケースというようなことでなくて、大臣が先ほどおっしゃったような具体的に踏み切るべき段階に来たということを実現する方向で取り組んでほしいということを要請をいたしておきます。
 続いて、朝鮮との貿易の問題でありますが、これまた同じようなキューバ問題に関連するような問題があるわけでありますが、その前に、大臣の基本的な姿勢としてお尋ねをしておきたいのですが、昨年の一月に、現在郵政大臣であります久野忠治代議士が団長で朝鮮に参りまして、日本国と朝鮮民主主義人民共和国との間に貿易促進に関する合意書が締結されましたが、この合意書を大臣としては歓迎する、この合意書を実現する方向で朝鮮との通商関係を発展をさせていきたい、こういう考え方を持たれておるかどうか、考え方についてお尋ねしたい。
#77
○中曽根国務大臣 民間団体の御努力を多といたします。
#78
○藤田委員 民間団体の努力を多とするということは、歓迎というか尊重をする、こういうことだと思うわけでありますが、そういうことであれば、この合意書に盛られておる幾つかの条件、これはたくさんありますけれども、なかんずく日朝間の貿易を発展さすためには設備類の長期払い、商品の展覧会の相互開催、貿易代表団、技術者の相互往来、そうして貿易代表部の相互の設置、こういうようなものが一つの中身になっておることは御承知のとおりであります。
 そこで、これもこの七十一特別国会の予算委員会なりあるいは予算分科会でも質疑をしておるところでありますが、通産当局としては、ことしの予算の中に二十数カ所貿易関係の事務所をつくるための予算を計上しております。この事務所を設置する予算の中に、朝鮮との貿易代表部といいますか、これは名前にはこだわりませんけれども、通商代表部というか、そういう事務所をつくる予算として、朝鮮の貿易代表部的なものの予算がこの中に入っておるというふうに理解してよろしいかどうか、お尋ねしたいのです。
#79
○中曽根国務大臣 これは、民間団体で駐在員を置くというような場合に、それに対する補助金を交付する可能性を留保しておるものであります。
#80
○藤田委員 朝鮮との貿易関係は、一昨年と去年あるいは去年とことしはまだ暦年でいきましても半年ほどですから、その統計の数字も十分でないかもわかりませんが、飛躍的に発展しておることは大臣も認められると思うのです。たとえば一昨年までの倍ぐらいになって、大体去年七二年度で一億ドルぐらいの貿易量になってきたと思うのですが、この合意書の趣旨によりましても、一九七六年までには、日本の金にして千二百億から千六百億程度の貿易量を拡大する、こういう方向で取り組んでおるようでありますが、かれこれ一億ドル以上の貿易量になってまいりますと、通商代表部的なものを置く必要が生じてきておるのではないか、こう思うのでありますが、大臣の見解を聞かしてもらいたいと思うのです。
#81
○中曽根国務大臣 民間団体の適切な交流は私も評価いたすところでございますが、通商代表部という形になりますと、まだ時期尚早の感がしないでもありません。
#82
○藤田委員 それでは、民間代表部を設置した場合には政府として補助金を出す、そういう考えですか。
#83
○中曽根国務大臣 この問題は、韓国と北朝鮮のいわゆる南北の友好交流の情勢がどういうふうに推移するだろうかということと、そういう国際関係をよく注目しながら判断いたしたいと思っておるところでございまして、まだそのように決断しているわけではございません。この間WHOの問題がございましたが、その後この南北関係がどういうふうに推移していくか、そういう点をよく注目しながら検討していきたいと思っております。
#84
○藤田委員 この代表部の設置はそこまでいかないにしても、いま言ったように民間の通商代表部的なものができれば、それに向けて政府は、民間の通商代表部的なものをつくるために誘導的な政策をとる用意があるかどうか。
#85
○中曽根国務大臣 その点も含めて、いまの南北関係の推移において検討しておるということであります。
#86
○藤田委員 昨年からいま開かれている国会に向けて政府の答弁しておることもずっと検討したわけでありますが、特に中曽根通産大臣は、たしか昨年の八月二十二日の衆議院商工委員会で、貿易代表部の問題にも関連をして、朝鮮との貿易に関する輸銀取引について、キューバとの貿易問題ではありませんが、同じようにケース・バイ・ケースで弾力的に取り扱っていきたい、こういう答弁をしております。
 その後、大平外務大臣が去年の十一月あるいは澄田輸銀総裁が同じく十一月に、この中曽根通産大臣の発言に符合するような、そういう輸銀の取り扱いについて発言をしておるわけでありますが、朝鮮の貿易の問題についても、昨年のこの合意書ができて以来、通産大臣の発言に代表されるように、輸銀取引についても弾力的に運用したいと言いながら、現実的にはいまだその具体化を見てないわけであります。この通商代表部との関連も含めて、輸銀の取り扱いをする用意が今日の段階であるかどうか。これは私自身あとでも申し上げたいと思いますが、大臣は、キューバとの関係においても国際的な条件をかなり強調されております。朝鮮の場合も韓国のことを気がねをされておると思うのですけれども、朝鮮においてはああいう南北の平和統一の問題が論議されておりますし、先ほど大臣自身も言われましたように、WHOの関係なり、私自身もこの間出席をしたわけでありますが、IPUの会議においても、朝鮮を国際機関の中に認めていこうというような形で、朝鮮を取り巻く情勢というものは、これまた非常に緊張緩和の方向に動いてきておると私は思うのです。そういう点からいって、一方貿易の実績、動きから見ましても、貿易の通商代表部的なものを設置すると同時に、この輸銀使用を通じて両国間の経済的な発展をさらに強化していく必要があると思うのですが、それに向けての大臣の見解を聞かしてもらいたい。
#87
○中曽根国務大臣 私の答弁は前にも申し上げたとおりでございます。南北間の融和というものがどういう程度に進展していくか、非常な関心をもって見詰めておるところでございます。その情勢をもう少しよく見きわめましていろいろ判断を固めてまいりたいと思っております。
#88
○藤田委員 あと二、三分ですからもう一つで質問を終わらざるを得ないと思うのですが、この問題も、私はいろいろな面の動いておる実態について少しく材料を持っております。先ほどのキューバの問題に対して、けさのジャパンタイムズなりその他の報じているような、そういう動きが実際の業界筋にあるわけでありまして、そういう点からいくと、こういった公式の場における大臣の答弁というものは、ある意味においてそれであればあるだけにデリケートな面がありますから、発言もおのずから慎重にならざるを得ないという点については私もわかるような気がするわけであります。しかしながら、先ほどのキューバの問題ではありませんが、やはり具体的に、もっと積極的にこの輸銀問題について善処していく、こういうかまえは何としても必要じゃないか、そういう情勢が大かた成熟してきておるのじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、最後に大臣の誠意を持った御答弁をひとついただきたい、このように思います。
#89
○中曽根国務大臣 国際的摩擦をできるだけ起こさないようにしながら措置をしていくということが日本のような外交姿勢を持っている国のやる方針であると思っております。そういう面からいたしまして、キューバの問題でも北朝鮮の問題でも、国際関係を非常に注視しながら日本の方針もきめておるところでございます。キューバの問題につきましては、先ほども申し上げましたように、早晩踏み切る段階に来ていると私は判断をしておりまして、成熟度が高いというような気がいたしております。
 朝鮮のほうは、キューバに比べてみてもう少し検討を要する段階ではないかと思っております。
#90
○藤田委員 これで終わりますが、この朝鮮との関係については若干時間的なズレがあるように思いますが、私は少なくとも同一レベルで、いわばキューバだけの問題でなくて、キューバ、朝鮮、ベトナムといったような対共産圏、いままでココムの対象になってきたような国に対しては、少なくともキューバ程度のところまで全部条件アップをして、そうして輸銀の対象にしていく、そうしてそれぞれの国と平和的な交流なり貿易の拡大を通じて、相互主義に基づく平等互恵の条件が成熟できるように今後の積極的な努力を要請して、私の質問を終わります。
#91
○浦野委員長 野間友一君。
#92
○野間委員 私は、大臣から沖繩海洋博の問題について、時間がありませんので一、二点まず見解をお聞かせ願いたいと思うのですけれども、その前に委員長、与党の委員の出席が非常に悪いわけですね。二十三名ばかりおられると思うのですが、審議の促進ということを言われますけれども、これだけ委員の数が少ないということは、私はやはり遺憾だと思うのです。その点について委員長はどういうように考えられるのか。私たちも、こういうような状態の中でやるのは遺憾だと思うのです。きょうは大臣の時間の関係もありますから、先例にしないということで質問を進めますけれども、ぜひ委員長において、こういう状態をなくするようにしかるべく措置をとっていただきたい。
#93
○浦野委員長 極力努力いたします。まことにこういう状況は遺憾でございますので、さらに督励をいたしまして委員の出席を直ちに求めるように連絡をとります。
#94
○野間委員 では大臣にお伺いいたします。
 五月の下旬、沖繩海洋博の問題について沖繩に行かれた、こういう報道にも接したわけですけれども、行かれた趣旨、目的、それから直接視察なり調査されて得られた問題点、こういう点について最初にお伺いしたいと思います。
#95
○中曽根国務大臣 沖繩海洋博担当大臣といたしまして現地をよく見て、また知事さんあるいは県庁その他の要員の方々にもお会いをし、沖繩総合事務局の諸君にも現状をよく教えてもらい、今後の施策の資にしたいと思ったわけであります。
 問題は、一つはやはり労務の問題と物価の問題、物資の問題が心配されております。ただ、海洋博の開催につきましては屋良知事、宮里副知事等が非常な熱意を持って、情熱を傾けて推進しているのに感銘してまいった次第であります。
#96
○野間委員 琉球新報、これは五月二十四日付で記者会見されたときの報道が記載されておるわけですが、その問題として、一つは「本部半島、伊江島など会場周辺地を視察してみて自然破壊がかなりあることが目についた、」これは新聞の報道ですが、特に採石場それから海水の汚濁あるいは道路の問題、それからいま言われた物価、労務の問題ですね、こういう点について指摘されておりますが、具体的にひとつ大臣が感じられた点について、もう少し報告していただけますか。
#97
○中曽根国務大臣 会場の本部半島に立ちまして見た場合に、採石場の岩を削ったはだがかなり見えておりまして、これは海洋博開催までに何とか処置しなければならぬ、それから、現在採石している場所につきましても、海岸通りから採取しておりますが、裏側から入る方法はないものかどうか、そういうような点も指示してまいりました。
 それから、労務の問題につきましては、内地からいろいろな大手の建設業者等が入ってまいりますけれども、この大手の業者が現地の技術者をひっこ抜いたりすることがないように、入る場合には本土から連れていかなければならぬ、そういう原則を徹底的にやらしたいと思いまして、帰ってまいりまして建設大臣にも強く要請したところでございます。
 資材については、セメント以下が多少ゆるんでまいりまして、一時のような情勢はなくなってまいりましたけれども、しかし今後ともいろいろ注意を要する、深甚なる関心を持って手当てをしていくべき問題であると思っております。
 労務の問題で、沖繩の復帰に際して農業関係の季節労働者を台湾から入れておったのをそのまま継続して認めるということでございましたが、去年は日中国交回復等の余波を受けてそのことがなかったので、そのためにパインやその他の労務者の賃金がかなり高くなったということがございまして、やはり季節労務者を農業関係については入れるということは引き続いてやったほうがよろしい、私そういうように思いまして、本年度はそういうことを実施して労務需給を緩和したらいい、そういうように思ってきたわけでございます。
 それから、土地買収が問題でございますが、土地買収につきましてはわりあいに住民の皆さんが御理解をしていただき、県庁当局も非常な努力をしてわりあいに順調に進んできておるように思います。大体六月から七月の初めくらいには大かた終わるであろう、そういう報告を受けまして、それで終わるならば公共事業関係の工事も間に合う、そういう確信を強めて帰ってきたわけであります。
 北部開発公社という第三セクターの問題がございますが、この問題については沖繩県議会当局においていまいろいろ論議されている由でありますけれども、やはり本部半島を中心にするリゾートゾーンを今後維持発展させていくためには、そういう第三セクターが好ましいと私は思いまして、その点について議会当局の御理解をぜひ得たいと念願をしておる次第でございます。
#98
○野間委員 いま物価とかあるいは労務の諸問題について御発言があったわけですけれども、私たち共産党も沖繩人民党と一緒になりまして、この海洋博の準備にまつわるいろいろな矛盾について調査したわけです。その結果、開催延期と計画の再検討についてという申し入れをたしか政府にいたしておると思いますが、いま非常に深刻な事態に見舞われておると思うのです。いま言われた問題だけではなしに、土地の取り上げ、買い占め、投機、これが非常に深刻だと思うのです。調べてみますと、七〇年五月から七二年十一月までの間に、伊藤忠、丸紅をはじめ約百一社の手によって県面積の三・四%、八千ヘクタールの土地が買い占められておる、こういうふうにもいわれております。
 さらに、本土を上回る物価上昇、悪性インフレ、これが県民の生活、それから農業、それから中小企業、これに深刻な打撃を与えておるというのも事実だと思うのです。
 さらに、海洋博の関連事業に伴う財政圧迫、それから建設資材の高騰、このために県あるいは市町村の福祉、教育などの公共事業、これらの遂行はほとんど不可能だ。県の予算の四十七年度の執行状況は二月末で実に五〇%だ、こういうような状態になっているといわれています。
 サトウキビについても、キビ価格が生産費を保障しないような低価格に押えられた。その上に労働力が、いまの海洋博の建設に関連する労働力に人手がずいぶん食われて、キビそのものに働く労務者がほとんどない。だから壊滅的な打撃を受けておる。これも私たちの調査でも明らかになっておるわけですね。
 こういうような非常に深刻な事態を踏まえた上で考えますと、この沖繩海洋博の開催そのものは私たち反対はもちろんしておりませんし、これは国際的な科学技術等との交流、さらに沖繩が平和な島として今後発展する、そういう経済的な土台を築くということについて、私たちも全面的に協力する立場ではありますけれども、ところがいまのこの深刻な状態から考えまして、これはやはり何らかの手直しをしてやらなければ、本来の海洋博の開催する趣旨、こういうものがそこなわれるんじゃないか、こういうふうに考えるわけですけれども、これについて私たちは、計画を再検討すべきだ、延期すべきだ、こういうふうに思いますけれども、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#99
○中曽根国務大臣 いろいろな問題がございますが、現地の知事さん以下非常な御努力をいただき、また、沖繩総合事務局も非常な努力をしておりまして、順次それらの問題は一つ一つ片づきつつあるところであります。あるいはいままでのような緊張が次第にゆるんできているという状態でもございます。
 それで、屋良知事さん、宮里副知事さんのあの異常な熱意、また、沖繩の大多数の皆さんの願望を考えてみますと、この計画は延期したり中止すべきではない。現在の情勢を見ますと、オリンピックのときの前の東京、これは水の手当てから始めて、河野さんがいろいろ苦労をなすったところでございますが、そういうときの時点あるいは万博における情勢あるいは前の時点等を考えてみますと、なるほど沖繩県の場合は距離が遠いので、また局地的に狭いので、いろいろ複雑な問題も起きてはおりますけれども、努力してできないことはない。日本人の能力は必ずこれをオリンピックや万博のとき以上に、これをりっぱな海洋博に仕立て上げるであろう、私はそう思いまして、考え方を変えるという方法をとることはございません。
#100
○野間委員 では、この問題については午後の委員会の中で十分詰めてただしたいと思うのですが、最後に一点だけ。
 同じ琉球新報の五月二十四日の記者会見の記事の中に、「物価、労働力問題については農林省にその対策を要請する」こういう趣旨の発言がありますが、具体的にこの要請をされたかどうかということと、どのような要請をされたか、どのような手当てをされたか、この点が一点と、それから海洋博協会、これは那覇に移設する、こういうような見解の発表もありますけれども、これはいつごろどういう趣旨で移転されるのか、このあたりひとつお答え願いたいと思います。
#101
○中曽根国務大臣 物価と労務の問題につきましては、特に生鮮食料品の問題について、帰ってきて櫻内農林大臣に対して、私は屋良さんにこう言ってきた。生鮮食料品については、本土においては、昔、米を供出してもらうというときに、知事さんがみんな行脚してお願いをした、そこで九州あるいは四国の辺について、知事さんができ得べくんば出向いて、生鮮食料品の供給等を協同組合等に懇請されていただいたらいかがだろうか、農林省にも連絡して、そういう面については協力してもらうように私からも農林大臣に話します、そういうことを申し上げて、櫻内農林大臣にそのことを連絡して協力してくれと言ってきたところでございます。それから、労務の問題についても、いまの農業関係の季節労務者については、ことしはぜひ入れて需給を緩和してくれるようにということも申し上げておきました。
 それから、海洋博協会の本部を持っていくということは、もう公共事業に着手し始めておりますから、東京に本部を置くよりも現地に前進させて、一面においてはそういう決意を示すと同時に、仕事を能率的に行なうようにさせたい、そういうので、大体一カ月をめどになるたけ早く行けるように段取りをしなさい、そういうように指示したところです。これにはやはり建物、ビル、部屋が必要でございますので、その点は知事さんにお願いをしてまいりました。それらの部屋がとれる状態になれば前進できるだろうと思っております。
#102
○野間委員 それではこれで一応終わりますけれども、先ほど申し上げたように、百万県民の生活、特に農業あるいは中小零細企業、これらがいま深刻な打撃を受けて、このままの状態で放置しておくとたいへんなことになると思うのです。したがって、私たちとしては、ぜひこの際、手直しをして延期すべきであるということを重ねて要望して、一応この程度で質問は午後に回したいと思います。
#103
○浦野委員長 近江巳記夫君。
#104
○近江委員 きょうは国連初の世界環境の日、わが国としましても五日から一週間、環境週間、このように定めて、それぞれの立場でかけがえのない地球と生命をスローガンに環境行事を繰り広げられる、このようになっておるわけでありますが、今日御承知のように、各種の公害等が発生をいたしております。
 そこで、汚染源の大半をかかえておられる、そういう立場に通産省はあると思うのですが、その最高責任者として大臣にひとつ、きょうのこの意義ある日に、今後どういう決意でこういう公害問題に取っ組んでいかれるか、それをお伺いしたいと思うのです。
#105
○中曽根国務大臣 私は通産大臣に就任して以来、無公害社会の建設という方向に通産行政を大きく切りかえていきたいと思いまして、一面においては、そういう意味の機構改革までやりながらいま努力しておるところでございます。いろいろ問題を点検してみますと、やはり非常に周到な、ものごとを看過しないという精神で行政をやる必要があると痛感しております。PCBの問題にいたしましても、あるいは水俣病の問題、有機水銀の問題等にいたしましても、まあこれでいいんだろうというような安易な考えを持たないで、とことんまで突き詰めて行政措置に万全を期して営々と努力する、そういうやり方が必要だということを最近非常に痛感しております。
#106
○近江委員 大臣がそういう決意をおっしゃったわけですが、そういういままで見過ごされてきた一つの事例としまして、大東市のマンガン製錬工場の汚染問題、これは連続マスコミでも大きく報道されたわけですが、京大、阪大の災害研究グループの調査におきましても、わが国で最大級にあげられる被害である、このことを明らかにしておるわけでございますが、通産省及び環境庁は、その実態についてどういうような報告を受け取っておられるわけですか。
#107
○河野説明員 御指摘の大阪府の大東市にございますマンガン製錬工場の周辺におきますマンガン中毒といわれる問題がございますが、現在大東市と大阪府によりまして健康調査が行なわれているというふうに聞いております。近くこの調査の結果が出るというふうに聞いておりますが、その結果を待ちまして早急に調査の結果を聴取いたしまして、今後の対策につきまして、環境庁として指導してまいりたい、かように考えております。
#108
○近江委員 この工場は年間六千六百トン製造しておりまして、全国生産量の二八%に達しておるわけです。御承知のように、ここは非常に密集地帯でありまして、しかも十年前から特に住民から幾多のそういう苦情というものが出ておったわけです。それにもかかわらず、なぜいままで放置してきたか。やはり行政上の責任というものが非常に大きいと私は思うのですが、この点について大臣はどのように思われますか。
#109
○河野説明員 マンガン製錬工場付近におきますばいじん、粉じんの問題に関する対策でございますが、昭和四十六年の六月に大気汚染防止法によりまして粉じんあるいはばいじんに関する規制が大幅に強化されたところでございます。また、同年の九月におきましては、大阪府によりまして、条例によりましてマンガン及びその加工物の規制基準を設定しておるわけでございます。したがいまして、当面これらの規制の徹底をはかることによりまして、大阪府に対しまして指導を強化してまいりたい、かように考えております。
 なお昨年の六月でございますが、汚染の状態につきまして測定した結果によりますと、これらの基準の範囲内であるということは確認しておるわけでございます。
#110
○近江委員 環境庁は、大阪府なり大東市の調査をよく聴取して今後指導するということを言っておりますが、このように京大、阪大の権威あるグループが、わが国最大級の被害を出しておるというように言っておるわけです。環境庁自体が出向いていって調査する、通産省と合同していく、そういう強い決意は持たないのですか。いままで結局政府の言う指導を聞かなかったわけでしょう、大阪府にしても大東市にしても。だからこういう被害が出てきておるのです。それをあえて向こうの報告だけを聴取して指導する、そういう従来のパターンではいけないのです。環境庁や通産省が乗り込んでいって、当然そこで調査して指導すべきではないですか。
#111
○河野説明員 マンガンによる中毒問題につきましては、先ほど申しましたように、大東市と大阪府によりまして健康調査が実施されております。これにつきましては近くその調査結果がまとまるというふうに私ども聞いておりますが、その結果を十分聴取いたしまして今後の対策について指導してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#112
○近江委員 それで問題は、この工場を移転するというようなことも言ってきておるわけですが、それも同じ市内の準工業地帯である。そうなってくればまた同じ被害が出てくるわけですね。そういうことは当然あなたは聞いておると思うのですが、要するにこういうような通産行政のあり方ですよ。環境庁にしたって、こういうことを二度、三度同じ愚を繰り返していいかということなんです。当然聞いておるでしょう。そういうような、今後目ざしておるような方向につきまして通産省と連絡をとりましたか。
#113
○河野説明員 今後の対策につきましては、先ほど申しましたように、調査の結果等十分に聴取しまして、またいま御指摘がございましたように、工場の移転等の対策についてでございますが、そういったことを含めまして調査の結果を十分聴取いたしまして、その結果に基づきまして必要な指導をしてまいりたい、かように考えております。その際、通産省とも十分連携をとってまいりたい、かように考えております。
#114
○近江委員 このマンガン工場は商業地域にあるわけですね。それでこれだけの被害を出しておるわけですよ。こういうばかげたことを――十年前から住民が泣くように通産省に言いに来ておるわけでしょう。それを今日まで放置してきた。しかも、今回移転地というのが同じ市内の準工業地帯のところに入る。ほんとうに真剣に国民の健康なり環境保全等について考えておるのかどうか疑わしいわけですよ、こういう一つ一つを見ておりますと。そういうことで、全国にもこのような市街地等における製錬工場であるとか、そういう汚染工場というものが非常にたくさんあると私は思うのです。こういう点、通産省はいつも総点検するとかなんとか言っておりますけれども、一向に効果が出てないわけですよ。少なくともこういう環境週間を迎えておるわけでありますし、ただ行事だけではなくして、真剣に実践の段階に入らなければだめだと私は思うのです。この点、大臣としての今後の具体的なそういう方針なり考え方をお伺いしたいと思うのです。
#115
○中曽根国務大臣 確かに御指摘のように実践との戦いであるだろうと思います。公害発生源となる工場等につきましてはしさいに点検をいたしまして、環境基準、排出基準等を守るように環境庁とも連絡をとって監督をしていくつもりでございます。
#116
○近江委員 それで、この被害者は、いまちょっと調べただけでも八人が激痛や麻痺で苦しんでおりますし、三十四人が尿に非常に異常があります。この工場のそばに小学校がありまして、ここのプールの水から許容基準の〇・三PPMを大幅に上回った一・一PPMのマンガンが出ておるのですね。そういうように被害の状態にしましても非常にたくさんあるわけですし、これを綿密に調査をしますと、相当出てくるのではないかと私は思うのです。こういう被害の救済につきましても、どうしていくのかという問題もあるわけですね。そういうようなことで、一日も早く通産省、環境庁の調査班を出していただいて、その対策をひとつ強固なものにしていただきたいと私は思うのです。現地のそういうある程度の事情を聴取してからということも言われたわけですが、それはひとつすみやかにやってもらいたいと思うのです。向こうからの報告なりなんなりがあり、ここと思うときには、そのように環境庁、通産省で現地に対して調査班を出されますか。もう一度確認しておきます。
#117
○中曽根国務大臣 現地の通産局に指示いたしまして、すぐ係員をやるようにいたしたいと思います。
#118
○近江委員 それでは、きょうは一時に大臣が退席されるそうでありますのでこれでおきますが、あとまた昼から質問したいと思います。いずれにしても、環境週間にも入っておりますし、公害問題について真剣に取り組んでいただきたい、このことを強く要望して終わります。
#119
○浦野委員長 中村重光君。
#120
○中村(重)委員 いつも理事会で申し上げておりますが、与党の出席は、先ほど野間君の指摘もありましたが、委員長、何人ですか。こういう状態で委員会の運営ができるのかどうか。委員長の答弁はあえて求めませんが、明日からの審議には、こういう状態では委員会の審議は行なえないということをはっきり申し上げておきたいと思います。
 経済企画庁にお尋ねをいたしますが、離島振興法を制定いたしまして二十年でございます。離島の振興に際しましては、公共事業を中心として高率補助で事業を行なってきている、それだけではなくて、文教、厚生関係に対しても、離島の振興のために高率助成を行なうべきであるという方向で私どもは法律の改正等を行なってまいりましたが、離島振興法を制定いたしました。そしてそうした助成を行ないます前と現在の本土と離島住民の所得の比率はどのようになっているのか、伺ってみたいと思います。
#121
○北川(博)政府委員 先生よく御承知のとおり、ことしをもちまして離島振興法について二十周年を迎えたわけでございます。公共事業費もおかげさまで相当の伸びを示しまして、本年度は三三%増の四百二十五億という当初七億の予算に比べまして非常にすばらしい伸びを示してまいったわけでございます。しかしながら、ただいまお話がございましたように、本土との格差は相変わらず著しいものがございまして、われわれの四十四年度の調査でございますが、本土に対応します離島の方々の就業者一人当たりの所得の比率は、約その半分にとどまっておるわけでございます。
#122
○中村(重)委員 離島振興法を制定いたしました趣旨は、離島と本土との所得格差をなくしていく。これはそういう経済的な問題だけではなくて、文化関係も言うまでもありませんけれども、にもかかわらず、ただいまお答えがございましたように格差はなかなか縮まらない。その原因はどこにあるとお考えになっていらっしゃいますか。
#123
○北川(博)政府委員 この格差がなかなか縮まらないというのは、先生方同様われわれも非常に苦慮しているわけでございますが、やはりその経済は第一次産業が主体でございます。農林水産業がそのほとんどを占めておるわけでございます。一方、どちらかと申しますと、本土関係は第二次産業、第三次産業の伸び率が高い、したがってその所得の格差というものはなかなか縮まらない、むしろ乖離こそすれ縮まらないというような形でございますが、一方いろいろな公共事業等の努力によりまして、どうやら従来よりは少しずつその格差が縮まりつつあるということだと思います。
#124
○中村(重)委員 お答えがございましたように、離島は農業、漁業、林業と第一次産業である。そのことが、生産性が低いというゆえをもって離島と本土との所得格差が縮まらないということであると思うのです。であるとするならば、その所得格差をなくするための施策というものが当然考えられなければならない。ただ単に公共事業に対する高率補助というようなことではなくて、総合的な離島振興策というものを講じていかなければならないのだと思うのでありますけれども、それらの点に対して、経済企画庁としてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#125
○北川(博)政府委員 経済企画庁といたしましては、やはり離島振興のためには、この第一次産業をさらに効率あるものにしていきたい。たとえば船の大きさにいたしましても、漁船の補助あるいは融資等を拡大いたしまして、大型化するとか漁業方面に力を入れる、あるいは農業改善をどんどん行なっていく。道路整備をすることによっても、やはりその所得に影響があるわけでございまして、そういった意味の公共事業を行なうと同時に、あるいは観光等が最近盛んになっております。もちろん屎尿とかそういったものも十分考えなければなりませんが、離島における特質、特に観葉植物等の栽培等も行なわれております。そういった意味の施策を講じまして、いわば第三次的な産業の性格をあわせて進めていくべきではないかと考えております。
#126
○中村(重)委員 基本的な問題につきましては大臣御出席の際にお尋ねをすることにいたしますが、いつも私どもが指摘をしておりますように、公共事業といたしましては、道路であるとか、あるいは港湾の整備ということでなければならない。道路も離島なるがゆえに国道というものはない。これは適当ではないと私どもは考えるのです。沖繩の復帰というものが実現をしたならば、これを契機にして離島の道路も国道に昇格させる方向で進めたいという答弁を得ておることもあるわけでありますけれども、離島振興審議会の中の申し合わせもありますけれども、なかなかそういう方向に進まない。やはり経済企画庁が担当の省であるわけでありますから、精力的に、ただ単に高率補助というようなものの計数整理みたいなことだけではなくて、離島の振興のためにもつとお取り組みをしていただきたいというふうに思うわけです。
 そうした公共事業の関係以外に、離島の住民の福祉を増進させていくためには、航路の問題あるいは医療の問題等重要な問題点があるわけであります。離島の航路はどうあるべきか。その点に対する考え方は、経済企画庁としてはどう思っていらっしゃいますか。
#127
○北川(博)政府委員 確かに離島の一番の問題は航路じゃないかとわれわれ思っております。そういう意味で、実は先年度から大いに離島航路の調査をやろうということで調査費をつけまして、また今年度も引き続き離島航路の調査をやりたい、このように考えております。できれば、本土と近いところは極力橋をつくることによりまして架橋の整備をしていきたい、そうすることによって本土との距離をなくすということが必要かと思います。しかし、遠隔孤島におきましては、航路そのものが問題でございます。そういう意味で、船舶整備公団等々から大幅融資を受ける、あるいは航路補助をもっと拡大していただくということによりまして、船の近代化あるいはスピード化をはかって、そうして本土との距離を極力少なくするという方向に持っていくべきではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#128
○中村(重)委員 離島の場合は、航路運賃というものがあるわけでありますから、生産費プラス運賃、また消費価格プラス運賃ということで離島住民の負担は非常に大きいわけですね。なかんずく離島航路で配慮をしなければならないことは、身体障害者等の離島航路運賃の割引という問題についてはむしろ無料化の方向に、経済企画庁は、離島振興の立場から特に強力に推進をしていかなければならないと思いますが、私の見る限り、あまり関心はお持ちのようではないのです。そうした身障者等に対する離島航路運賃の問題については、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。経済企画庁にまずお尋ねをするのです。
#129
○栗山説明員 運賃の割引制度につきましてはいろいろなものがございます。その中に一種の公共割引としまして身体障害者割引という制度がつくられております。これはいろいろな交通事業全般の問題として、いわゆる公益事業としてある程度企業として負担し得る範囲内のいわゆる社会政策に準拠した運賃制度というものがつくられております。ただいまそういう割引制度につきましては、物価安定政策会議でもやはり割引制度というものはどうあるべきかというような議論がなされております。その中に運賃割引制度については合理的限界――運賃の割引制度はあまり大きくしたりそういうことをしますと、需要調整というような面で、ある程度本来の割引制度というのは需要調整の面に生かされるべきだという考え方があったわけですけれども、それ以外に社会目的のために割引制度を活用しているということは、需要を一時期に集中させたり、それから偏在させたり、そういう面の問題もあるのだということ、それから社会保障問題としては身体障害者の社会福祉の問題として全般の中で位置づけて考えなければならぬというようなこと、それから企業として負担し得る限界というものがございますので、その限界を越えたような社会政策というものを企業に押しつけることについてはいろいろ問題があるので、特別の助成措置というようなものも関係省庁の中で検討していくべきではないか、そのように考えております。
#130
○中村(重)委員 身体障害者の運賃の無料化であるとか、あるいは割引であるとか、企業の負担の限界を越えるという程度はどういう程度ですか。
#131
○栗山説明員 お答えいたします。
 限度というものについて明確なものがわかりませんので、その辺を関係省庁もまず企業として負担し得る限界というものがどの程度のものであるか、その辺から詰めていかざるを得ないと思います。完全に無料にするということ自身はやはり限界を越えるのではないか。これは個人的な考え方で、はっきり限界はどこであるということはちょっとお示しできないということでございます。
#132
○中村(重)委員 離島の住民だけが、離島の身障者だけが船を利用するのではない。本土から離島に行く人も身体障害者は割引の対象というものになっている。私が質問することに対してもう少し明確に的確に御答弁ができなければならない。これは運輸省の所管であるけれども、経済企画庁も、離島振興という面から福祉行政というのは重要な行政なんだから、大体どの程度身体障害者がこの離島航路を利用しておるというデータをお持ちですか。
#133
○栗山説明員 離島についての資料は持っておりません。国鉄についてだけ年間の利用人員等について把握しております。国鉄の人数でよければ答えさせていただきたいと思いますけれども……。
#134
○中村(重)委員 国鉄の運賃のデータを持っていて離島航路の利用についてのデータがないということは、いかに経済企画庁というのが離島振興の担当省でありながら、それら身体障害者の福祉対策というものに真剣に取り組んでいないかということを立証している。
 そこで、運輸省にお尋ねいたします。身体障害者の割引の状況は、どうなっているのか、見角参事官からお答えいただきましょう。
#135
○見角説明員 先生御指摘の旅客船に関します身体障害者の割引の現状でございますが、これは大まかに申し上げまして、九州地区と九州以外の地区とにおいて若干の差がございます。九州以外の地区におきましては、第一種の身体障害者に対しまして五割引き、第二種につきましても同じく五割引きになっております。それから九州地区につきましては、目下のところ、全業者を通じまして第一種の障害者に対する割引が五〇%、第二種については割引なし、こういうことになっておるわけでございます。
 それで、九州地区とそれ以外の地区とについてこういう差がある現状でございまして、これを何とか全国的に調整をはかろうということにつきまして、目下九州の海運局と協議をいたしまして業界をそのような方向で指導しておるわけでございます。
#136
○中村(重)委員 九州ブロックを除く地域においては第一種、第二種とも五割の割引である。どうして九州だけが第一種が五割で第二種は割引がないということになっておるのか。運輸省はなぜにそういう状態を放置しておるのか。どういうことですか。
#137
○見角説明員 どういう理由で九州地区とそれ以外の地区とが異なっているかという御質問に対しましては、いろいろ複雑な歴史的な変遷がございますし、これは各業者の申請を待って認可をするのがたてまえになっておりますので、その各業者の姿勢あるいはその地区の協会の方針等によって今日までまちまちであったのではないか、かように推測されるわけでございまして、先生御指摘のように、こういった全国的に統一をはからなければならないような公共割引政策ということにつきましては、全国的にその率について統一したほうが望ましいということで、目下鋭意業界を指導いたしまして統一化の方向に進めているわけでございます。
#138
○中村(重)委員 九州ブロックでは、かつて第一種の無料、介添え人は五割引きという方針を決定したことがありました。この点について運輸省は難色を示したことがありますね。
#139
○見角説明員 ただいま先生御指摘のような動きが九州地区の一部にあったことは私も存じております。ただ、先ほども申し上げましたように、身体障害者の割引率につきましては、国有鉄道をはじめといたしまして一種、二種ともに五割引きという一応の定着した線がございますので、一応その線にそろえるようにということを海運局が指導したということでございます。
#140
○中村(重)委員 九州地区が第一種に対して無料化をはかっていこうという態度をとりました際に、運輸省がきわめてこれに難色を示したということは事実であります。ところが、その後九州ブロックは、第二種についても五割引きにしようというような動きが出た事実はありませんか。
#141
○見角説明員 そのときの九州地区の動きとしては第二種も五割引きにするというふうであったと承知いたしております。
#142
○中村(重)委員 そうではないのです。第一種だけを無料化をはかっていこうという態度を一応きめたのだけれども、運輸省の本省の態度は別といたしまして、九州海運局はきわめてこれに対する抵抗の姿勢を示した。それは海運局がそういうことなものだから、旅客船協会としては、なるべく運賃を下げないほうがいい、幾からでも収入減になるから、そういうことをいいことにして、ついに第二種の五割引きというようなものは実現をしなかったし、第一種も五割引きのままで、いわゆる無料化というものは消え去ってしまった。ところが、九州ブロックといたしましては、やはり全国的に第二種も五割引きであるということから、九州だけが第一種だけを五割引きにして第二種をそのまま放置することは適当でないということで、全国の各ブロックの旅客船協会の状況を調査をした。ところが、あなたがお答えのとおり、全国的には第二種も五割引きにしているという事実で、九州もやらなければならぬだろうというような空気が出てきている。いま私の質問に対して、あなたはそういう指導をしたいということをおっしゃったんだけれども、運輸省は、積極的にそういう指導をやって身体障害者の福祉をはかっていこうとする考え方なんてみじんもない。むしろこれに水をかけるといったような態度をとっておると私は思っている。あなたはそのようにお考えになっておられませんか。
#143
○見角説明員 先ほどもお答えを申し上げましたように、こういった公共的な立場からの割引というものは、そういう制度をつくります場合には、全国的に一貫した制度が望ましい。先ほども申し上げましたように、国鉄をはじめとして九州以外の他地区につきましては五割、五割という線が出ている。それにとりあえず合わせるということが最も合理的な形ではないかということでそういう指導をしているわけでございます。
 さらに、そのあとの将来の問題といたしまして、はたして一種、二種五割が適当であるかどうかということは、これは旅客船の割引問題だけにとどまりませんで、あらゆる交通機関の割引問題、さらにはほかの省で所管しておられます福祉政策との関連等々の関係を考慮いたしまして慎重に検討しなければならない、将来の宿題として検討さしていただきたい、かように考えておりますが、とりあえずのところ、全国的な統一化をはかりたいということで指導しているわけでございます。
#144
○中村(重)委員 とりあえずのところ、全国的な統一化をはかっていきたいという考えがあるとすれば、九州を除く各ブロックにおいては第一種、第二種ともに五割引きを実施しているわけだから、九州ブロックに対しても第一種、第二種ともに五割引きを実施させるということのほうがいまのあなたの答弁に沿うことになる。そういうことで指導なさいますか。
#145
○見角説明員 御指摘のように指導したいと存じますし、また現在指導いたしております。
#146
○中村(重)委員 いまから七、八カ月前に九州ブロックは、先ほど私が申し上げましたように、全国と同一行動をとる必要があるということで、九州旅客船協会において第一種、第二種ともに五割引きにするということを決定をしたわけであります。現在その決定に基づいて五割引きの申請をしている業者が幾業者あるのか。また、これに対して認可をした業者は幾業者になっているのか。
#147
○見角説明員 お答えいたします。
 ただいまお話しの九州旅客船協会の決定に基づきまして申請を出してきた業者は、きょう現在で四社ございます。しかし、九州の旅客船業者はもっと何百と数多くあるわけでございまして、九州の海運局といたしまし七は、全業者の申請をそろえました上で一斉に認可したい、かように準備をしている最中でございます。
#148
○中村(重)委員 一年近く前にそういう決定をしながら、何百もある航路業者がわずか四社だけしかその申請をしていないという原因はどこにあるのでしょうか。
#149
○見角説明員 お答えいたします。
 九州海運局からの連絡によりますと、九州の旅客船協会が五割、五割の線に決定をされたのがことしの二月であるということであります。しかし、申請書等の準備に時間がかかって、現在四社しか出てこない、あとの各社につきましては、漸次申請書が出てくるものということを期待いたしております。
#150
○中村(重)委員 二月とおっしゃるのは、これは事実に反する。なかなか遅々として進まないので、再確認をしたのが二月であるのではないかと私は思います。あなたがおっしゃるようにかりに二月であったにしても、もういま六月でございます。もう四カ月にかかっている。なぜに決定をしながらこんなに申請が出ないのでしょうか。
#151
○見角説明員 お答えいたします。
 おそらくその決定は大まかな大方針の決定でございまして、それに基づいて各会社に周知徹底をし、さらに零細な業者もございますので、その申請書の書き方等いろいろこまかい準備に時間がかかっているのではないか、これは推測でございますが、そのようなことが考えられます。
#152
○中村(重)委員 総会で決定をしているわけであります。各社総会には出席をするわけであります。周知徹底をさせるためにそう時間がかかるわけではない。
 そこで、後段にあなたがお答えになりました申請については、いろいろこまかい事務手続上の問題がある。その後段が問題なんだ。あなたのほうでは、運賃の値上げを申請させるときには、運賃の収支予想というものを出させるでしょう。たいへん複雑な手続、資料というものを添付しなければならない。データが必要なんだ。身体障害者の一種はもう実施しているわけだが、二種の五割引きを実施するのに対しても同様の手続をあなたのほうはさせる。わずらわしくてしようがないんだ。いいですか。大体この航路を利用している身体障害者が何人いるのです。どれだけの減収になるのですか。なぜにそんなにうるさい運賃収支予想のためのデータを添付させるのですか。もっと簡便な方法をおとりにならないから、あれも出せ、これも出せ、そんな複雑な手続を要求されるから、そんなめんどくさいことだったらもうやめた、こういうことで申請をしないのですよ。これが実態なんだ。それが適当な行政のあり方ですか。いかがです。
#153
○見角説明員 運賃の申請手続につきましての御批判でございますが、今回の身体障害者の割引率の改定だけにとどまらず、運賃の改定申請一般について非常に手続が複雑であって煩瑣であるという御批判は、業界等からいただいているわけでございまして、運輸省といたしましては、差しつかえのない限り極力申請書類、申請手続の簡素化ということに今日まで努力してきているわけでございますが、今後さらに一そう努力をしたいと思います。身体障害者にいままで割引率がなかったのが五割引きになるということは、第二種という身障者は、御存じのように、指一本なくされた方でも第二種の身障者になるわけでございまして、一体どれくらいの適用人員があるのか、これも見通しの問題でございますけれども、そういったことから一応収支予想というものをつくらせて出させるというたてまえになっております。しかし、極力運用上は簡素化して、早く認可ができるようになお地方局を督励したい、かように考えております。
#154
○中村(重)委員 ほんのわずかの利用者ですよ。それに運賃申請のときと変わらないような収支予想の表をつくらせて、分厚い資料を添付させて申請をしなさいといったってだれがしますか。値上げをしてくれというのではなく、割引しろというのだからいい幸いですよ。運輸省がうるさいからできません、こういって、やらないのです。九州ブロックで何百というような旅客業者があるのにかかわらず、わずか四社が申請をしておるにすぎないということはそのことなのだ。しかも、みんなそろってから認可をいたしましょう、何を考えているのだ、あなた方は。福祉政策なんというようなことは運輸省は毛頭頭にないのですか。そんなわずらわしいことをやらせないで、運輸業者に二種の身体障害者も一種同様五割引きにいたします、この届け出をさせれば、それでいいじゃありませんか。どれほど影響というものがあるというのですか。お役所仕事もほどほどにしてもらいたいと私は思う。私がいま申し上げているようなことくらいは何も大臣決裁も要らないでしょう。見角参事官、これはあなたの所管なのだから。私も承知して質問しているわけだ。承知いたしました、こうきっぱりとお答えになったらいかがですか。そうして、そういう指導をなさったらどうですか。
#155
○見角説明員 ただいま先生の御発言の御趣旨に従いまして、極力早く実現するように地方局を指導いたしたいと思います。
#156
○中村(重)委員 ただいまのお答えは、私が申し上げましたような方向で指導するということだと受け取ってよろしいですか、もう一度お答えいただきます。
#157
○見角説明員 手続上、法律の許される範囲内で極力簡素化をしてまいりたい。その意味においては、先生のおっしゃる趣旨どおりにやりたいと思います。
#158
○中村(重)委員 どうもお役所のお役人さんの答弁というのは紋切り型でしようがないんだな。極力法律の許す範囲内とおっしゃるのは、どういうところまでやれるのですか。私の申し上げたことは法律の範囲外になりますか。いかがです。
#159
○見角説明員 私お答え申し上げましたのは、法律に定めた認可申請の手続の範囲内で、極力書類の数を少なくし申請をスピード化するということによって、御趣旨に十分沿えるものだ、かように御理解を願いたいと思います。
#160
○中村(重)委員 申請ではなくて、形式は申請であっても実態は届け出、そういう扱いはできるでしょう。そういう簡便な方法をおとりになる御意思がありますか。いかがですか。
#161
○見角説明員 お気持ちの上では全く同感でございまして、そういうお気持ちを体しまして十分処理に当たらせたいと存じます。
#162
○中村(重)委員 私は旅客業者と会ってきているのですよ。何が隘路ですか、こういうことですとはっきり言っているのです。だから私が申し上げたとおり、処置したら申請書がぱあっと出るわけです。また、出すように指導なさることです。くどいようですけれどももう一度、そういうことにするならする、こういうことでお答えいただきましょう。
#163
○見角説明員 ただいまの先生の御発言どおり、いま役所に帰りましたらさっそく九州の海運局をさらに一そう督励をいたしたい、かように存じます。
#164
○浦野委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後一時三十三分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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