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1972/09/25 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号
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1972/09/25 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号

#1
第071回国会 農林水産委員会いも、でん粉等価格対策に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十八年九月十一日(火曜日)委
員会において、設置することに決した。
九月十一日
 本小委員は委員会において、次の通り選任され
 た。
      金子 岩三君    仮谷 忠男君
      佐々木秀世君    坂村 吉正君
      丹羽 兵助君    安田 貴六君
      山崎平八郎君    角屋堅次郎君
      美濃 政市君    湯山  勇君
      諫山  博君    瀬野栄次郎君
      神田 大作君
九月十一日
 坂村吉正君が委員会において、小委員長に選任
 された。
    ―――――――――――――
昭和四十八年九月二十五日(火曜日)
    午前十一時一分開議
 出席小委員
   小委員長 坂村 吉正君
      金子 岩三君    仮谷 忠男君
      丹羽 兵助君    安田 貴六君
      山崎平八郎君    角屋堅次郎君
      兒玉 末男君    美濃 政市君
      諫山  博君    瀬野栄次郎君
      神田 大作君
 出席政府委員
        農林省食品流通
        局長      池田 正範君
 小委員外の出席者
        農林水産委員  中川利三郎君
        農林省農林経済
        局統計情報部長 大山 一生君
        農林省農蚕園芸
        局畑作振興課長 本宮 義一君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
九月二十五日
 小委員金子岩三君及び丹羽兵助君同月十二日委
 員辞任につき、その補欠として金子岩三君及び
 丹羽兵助君が委員長の指名で小委員に選任され
 た。
同日
 小委員角屋堅次郎君及び湯山勇君同日小委員辞
 任につき、その補欠として島田琢郎君及び兒玉
 末男君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員兒玉末男君及び諫山博君同日委員辞任に
 つき、その補欠として湯山勇君及び諫山博君が
 委員長の指名で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 いも、でん粉等価格対策に関する件(いも、で
 ん粉の需給関係、昭和四十八年産春植えばれい
 しょ予想収穫量及び昭和四十八年産かんしょ作
 付面積等に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○坂村小委員長 これよりいも、でん粉等価格対策に関する小委員会を開会いたします。
 このたび私が小委員長に指名されましたので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 いも、でん粉等価格対策に関する件について調査を進めます。
 この際、いも、でん粉の需給関係等について政府から説明を聴取いたします。池田食品流通局長。
#3
○池田政府委員 それでは私からお手元に差し上げてございます横開きの「いも、でん粉の需給関係資料」、これについて一通り御説明申し上げます。
 最初にめくっていただきますと、この資料はカンショ、バレイショの全国的な生産事情、それから四十八年産のカンショの作付面積、さらに四十八年産の春植えバレイショ予想収穫量――これは北海道でございますが、及び都府県の収穫量というのを第一に、第二番目には、でん粉の年次別生産事情並びにでん粉の総合需給表というふうな項目から成り立っておるわけでございます。
 まず第一ページをお開きいただきたいと存じます。これはカンショ、バレイショのイモの年次別全国生産事情の時系列的な変化を見た表でございますが、左側がカンショ、右側が春植えのバレイショでございます。
 そこで、まずカンショでございますが、カンショにつきましては、御案内のようにすでに農林統計から四十八年の作付面積も出ておりますが、対前年で一万八千百ヘクタールの減となりまして、七万三千六百ヘクタールというのが本年のカンショの作付面積でございます。四十五、四十六、四十七とずっとごらんいただきますと、累年かなりの速度で減っていることがわかるわけでございまして、労力事情あるいは生産性等からカンショの作付面積の減がこのような形であらわれているというふうに解釈できるわけでございます。
 なお、十アール当たりの収量につきましては、これはそれぞれ栽培技術の改良等含めまして昭和三十八年ごろまではかなり順調にこの反収が上がってきたわけでございますが、三十九年以降頭打ちの状態に転じまして、ただいまのところではほぼ二トン前後というところで停滞をしているというのが現状でございます。
 したがいまして、収穫量は、作付面積の減というものを反映いたしまして、三十八年の収量以来ずっと下へ目を移していただきますと、四十六年が二百四万一千トンでございますが、さらに四十七年は百九十八万七千トンというふうに下がってきております。
 なお、収量のほうは、これは十月四日の予想収穫高が公表されませんので、数字としては入らないわけでございます。
 それから春植えバレイショのほうでございますが、これは左側が全国、右側が北海道でございます。北海道のほうは収穫量がわかっておりませんが、都府県のほうはわかっております。そういう意味で全国と北海道と対比してごらんいただきますと、全国のほうは昭和三十六年に作付面積が二十万八千四百ヘクタールというのが最高でございまして、それから以降二十万台が飛び飛びに出ておりますが、だんだんに減ってまいりまして、最近では十四万四千八百ヘクタールというのが四十七年の数字でございます。四十八年はさらにこれより減りまして、八月十五日現在で十四万五百ヘクタールというのが出ておりますが、いずれにいたしましても漸減しておるということが言えようかと思います。
 なお、十アール当たりの収量でございますが、これはここに出ておりますが、四十六年に二二四〇トン、四十七年が二・三六〇トンということになっておりまして、四十五年の二・三一五トンをピークにいたしまして、あと大体二・三トン前後のところで、四十六年の不作を別にいたしますと、頭打ちという現状でございます。しかしながら、これはカンショと違いまして、むしろ最近逆にこの十アール当たりの反収というのが高位に安定した、ふえてきて安定しておるというふうな見方ができようかと思います。
 したがいまして、全国の収量もほぼこの三十年代から四十年代にかけまして横並びでございまして、若干豊作凶作等の影響を受けまして、四十三年とか四十四年とか四十五年あたりは三百四十万トン前後でございましたげれども、四十六年で三百十五万六千トン、さらに四十七年に三百四十二万トンとふえまして、ことしは前年ほどはいかないと思いますけれども三百二十万トン台の生産があげられるというふうに予想されております。
 それから北海道でございますが、北海道につきましては、これは過去の作付面積は四十年の九万二千八百ヘクタールというのが最高でございます。
 それから反収では、四十五年の三・一トンというのが最高でございます。
 収穫量といたしましては、御承知のように、北海道は相当広範囲の畑作地帯を道南を中心にして持っておりまして、しかもかなり大規模な経営も可能な地域が多うございます。その意味でかなり内地とは、都府県とは違った様相を持っておると言うことができましょうが、特に最近では四十二、三年ころから以降二百万トンの大台に乗せまして、そして四十六年の不作を除きましてほぼ二百万トンの上を確保しておるというのが現状でございます。ただ、この数字は八月の十五日現在のいわば干ばつ時点でございまして、その後の気象の変化等を考えますと、はたしてこのままいくかどうか、詳しくは統計情報部長のほうから御説明があろうかと思いますけれども、あるいはもう少し低目に推移をするのではなかろうかというふうなおそれも考えられるわけでございます。最近では七月の干ばつのあと八月時点では雨が降りまして、二次生長等から反収によくない影響があらわれているというふうな見方もあらわれているわけでございます。
 それから次に、二ページをお開きいただきますと、これは統計情報部のほうでお調べいただいた九月十四日の公表分でございますが、まず作付面積は、先ほど申し上げましたように、四十八年産のカンショの作付面積でございますが、七万三千六百ヘクタール、前年に対して一万八千百ヘクタール、約二割の減でございまして、減少の傾向といたしましては、御案内のようなでん粉原料用のカンショの需要減退、需要の頭打ちというふうなことから、加工用の減少が非常に大きく出てきておる、あるいは自給用などについてもかなり影響力が出てきているというふうに、全体として思わしくない方向に向いているということが言えようかと思います。
 ただ、これは全国的な地域別の状況はどうかということになりますと、三ページの全国農業地域別をごらんいただきますと、いま申し上げましたように、全国的な減少率は八〇%、二割減でございますけれども、非常に大きなところとしては、イモどころである関東・東山及び九州という大どころがそれぞれかなり減っているのが特徴でございまして、関東・東山が一万五千八百ヘクタール、対前年に比べまして二千百ヘクタールの減、八八%、それから九州が四万二百ヘクタール、一万二千七百ヘクタールの減ということで七六%と、非常に大幅な減少を見せているのが特徴でございます。
 四ページをごらんいただきますと、都道府県別の前年との比較が出ておるわけでございますが、大どころのたとえば茨城県が四千八百四十ヘクタールとなりまして、千九十ヘクタールの減、対前年八二%、あるいは千葉県は五千九百二十ヘクタール、二百八十ヘクタール減、九五%、さらに長崎が同じようなことで二千三十ヘクタールの減で六八%、それから宮崎が六千百五十ヘクタールで二千三百ヘクタールの減、七三%鹿児島が同じように二万四千六百ヘクタール、これが六千九百ヘクタールという非常に大きな減で七八%、こういうふうなところがおもな減少県でございます。
 次に五ページをごらんいただきますと、五ページは春植えのバレイショの予想収穫量でございまして、都府県のほうはすでに収穫量が出ておりますが、北海道の場合には予想収穫量ということになります。
 これのおもなところを申し上げますと、昭和四十八年産の作付面積十四万五百ヘクタール、これに対して北海道が七万四千九百、都府県が六万五千六百でございますから、ほぼ半々よりやや北海道のほうが多いという比率でございます。
 それから十アール当たりの収量が二・三二〇トンで、これが平均でございますが、北海道が二・八五〇トン、都府県のほうが一・七〇〇トンということでございまして、これは四十七年の欄がその下に書いてございますが、ごらんいただきますと、都府県のほうは一・六六〇トン、これが一・七〇〇トンで幾らかふえたという形でございますが、北海道の場合には三・〇五〇トンが二・八五〇トンというふうに、明らかにこれは逆転しておるわけでございます。したがって、ことしはどうもジャガイモのほうは北海道は思わしくないということが全体として言えようかと思うわけでございます。
 それから対前年比はそこに書いてあるとおりでございます。
 次に六ページをお開きいただきたいと思います。六ページは地域別の予想収穫量でございまして、これをごらんいただきますと、まずいま申し上げたようなことで、北海道が全体として作付面積が対前年で一〇二、しかし収穫量は九五というふうに落ちておるわけでございます。
 それから都府県のほうは、作付面積の対前年比九二、しかし収穫量は九五ということで、いずれも大体九五というのが全国の平均の収穫量の対前年比でございます。なお、都府県の中で大きく落ちておりますのは中国地方の九〇%あるいは関東・東山の九三%あるいは東北の九三%といったようなところが大きく落ち込んでおるような地帯でございます。
 それから七ページは、これは中身の解説でございますので、後ほど統計のほうから補足をしていただきます。
 次に九ページをごらんいただきますと、これがでん粉の年次別生産事情でございます。二十八年から四十七年までのでん粉の種類別の生産事情を時系列として載せたものでございます。
 まず甘でんでございますが、カンショでん粉は昭和三十八年に七十四万トンを生産いたしましたのが最高でございまして、以降だんだんに減ってまいりまして、四十七年にはついに十七万四千トンというところまで落ちてまいっておりますが、先ほど申し上げましたように、本年も全体の作付面積の減あるいは反収の停滞というふうなことから、ほぼこれよりも二割近くのものがさらに減少するというふうな考え方で、現在私どもとしては十三万四、五千トン程度のところまで落ち込むのではないかというふうに見通しておるわけでございます。
 それからバレイショでん粉につきましては、これは逆に四十年に入りましてから、むしろどちらかと申しますと、大台を変えて比較的伸びてきつつございました。このところ最近二十三、四万トンというところでほぼ定着をしたかの情勢でございますが、四十七年が比較的豊作でございまして、二十六万一千トンというふうに、最近では未曽有の大増産になったわけでございますけれども、四十八年はそこまではとてもいかない、大体二十二、三万トンという普通のベースの程度の確保が見込まれるわけでございます。
 小麦のでん粉につきましては、これはもう御承知のようなことで、大体七万トン前後というのがコンスタントな傾向でございます。
 それから次にコーンスターチでございますが、コーンスターチのほうは逆に非常に伸びてまいります需要を背景といたしまして、昭和三十八、九年ごろから飛躍的に伸び始めまして、最近では大体六十万トン台をこえて、ついに四十七年には六十一万五千トンというところまで伸びてまいっておりますが、四十八年は全体の需要というものが非常にふえてまいっております。したがって、もし国内産のカンショ、バレイショよりつくりますでん粉というものの供給量が制約を受ける、つまり不作で十分供給できないということになりますと、当然コーンスターチに対する需要というものは従来よりは多目に計量せざるを得ない。御案内のように、コーンスターチにつきましては輸入トウモロコシからつくっておるわけでございまして、輸入トウモロコシは、関税割り当て制度ということで、暫定的に割り当て制度の対象にいたしております。したがって、需給計画から見て不足分をこれによって補うという形で需給計画を立てたいと考えておる次第でございます。
 合計いたしまして、前年が百十二万トン、本年も供給力は全体としてはほぼ前年度並みというふうなところを頭に置かざるを得ないと思います。
 それから、外でんがこのところふえてまいっておりまして、四十五年が四万一千トンから四十七年には七万七千トンまでふえてきておりますが、これもことしは国産ができが悪いということになりますと、若干検討しなければならぬというふうに考えられるわけでございます。
 それから一〇ページ、最後の表でございますが、これはでん粉の総合需給表でございます。一番右のほうが四十七年の見込みでございまして、これは四十七年十月から四十八年九月までということのでん粉年度を基準にした需給表でございます。
 まずカンショでん粉でございますが、これが全体としての出回り量は、この年度でございますが十七万四千トン。これは先ほど申し上げたとおりでございます。それからバレイショでん粉につきましても、先ほど申し上げましたように二十六万一千トン。そのほかに輸入トウモロコシからつくりますコーンスターチが六十一万五千トン。これに小麦でん粉の七万トン、外でんの七万七千トンを加えまして、百十九万七千トンというのが全体の出回り量でございます。下に書いてございますのは、大体政府払い下げはいたしませんでしたので、そのままの数字が載せてございます。
 これに対して需要のほうはどうかと申しますと、これは水あめ、ブドウ糖等のいわゆる糖化用と称するものとか、繊維とか紙、段ボールあるいは化工でん粉といった化工用のでん粉、それからその他を全部加えまして全体として六十万三千トン。その中で一番大口はコーンスターチ用でございまして、二十九万トン。この二十八、九万トンというのはここ四、五年動かない数字でございます。それから国産の甘でん、馬でん、これがそれぞれ二万二千トンと十七万一千トン。これらはいずれもこれらの化工用でん粉として固有の用途を持つ分でございまして、したがって、わりあいにかたい数字だと見ていいと思います。その他小麦でん粉の七万トン、あるいは外でん五万トンを加えまして六十万三千トンということでございます。
 したがいまして、全体としてはこれで需給バランスを本でん粉年度はとっておるわけでございますが、しからば来でん粉年度はどうなるかと申しますと、先ほども申し上げましたように、カンショでん粉が十三、四万トン。馬でんもまた全体の収量が落ちてくるということになりますと従来の二十五、六万トンベースからはかなりはずれて下がってくるということも予想されます。そうしますと、どうしてもそのしわはコーンスターチあるいは外でんといったような輸入ソースあるいは場合によりましては政府の手持ちでん粉の払い下げといったような形を含めて対応していかざるを得ないというのが現在の見通しでございまして、いずれ統計情報部のほうの数字が固まり次第、私どもとしては来年度の需給の改定の見込みを立てたいというふうに考えておるわけでございます。
 以上が、この「いも、でん粉の需給関係資料」の説明でございます。
#4
○坂村小委員長 次に、昭和四十八年産春植えバレイショ予想収穫量及び昭和四十八年産カンショ作付面積について説明を聴取いたします。大山統計情報部長。
#5
○大山説明員 ただいま食品流通局のほうから説明のありました「いも、でん粉の需給関係資料」の二ページ、これと同じものが私のほうから九月十四日公表、農林省統計情報部、「昭和四十八年産かんしょ作付面積」というかっこうで出ております。ただいま食品流通局長のほうからこの点につきましては説明がございましたので、特にこのことについて補足することはございません。
 ただ、現在のところ、予想収穫量につきましては九月二十日現在で調査中でございます。現在のところは情報としてお聞き取りいただきたいと思いますけれども、おもだった産地のうち関東・東山につきましては、並みないしややそれを下回るという情報がわがほうに入っております。それからもう一つ、一番大きな産地でございます九州につきましては、昨年と同様な気象条件のもとで推移しているので、作柄はいい。ただ、長崎だけはツルぼけでやや不良である、こういうふうな情報として入っております。いずれにいたしましても九月二十日現在の予想収穫量を現在取りまとめ中でございます。
 それからもう一つ、春植えバレイショ予想収穫量につきましては、先ほどの資料で申し上げますと五ページでございますが、同種のものが八月三十日公表の統計情報部の資料として差し上げてあるわけでございます。これも概略食品流通局のほうから御説明申し上げたとおりでございますが、都府県につきましては、食用で千葉県が一・五%ほど面積で増加している以外は都府県で全面的に作付面積が減少しているわけでございます。
 そして北海道につきましては、これは八月十五日現在の予想収穫量ということに相なるわけでございます。北海道については、ことしの場合に主産地の北見、帯広を中心にいたしまして作付面積が大幅に増加いたしているわけでございますが、作柄につきましては、当初気象条件が非常に順調でございましたので、初期生育はほぼ順調であったわけでございます。しかし、その後干ばつぎみに経過したというようなこと、そして網走なり十勝においてはバイラスが発生したというような事態を織り込みました八月十五日現在の作況が、ここにございますように一〇〇ということになっているわけでございます。そこで、その後干ばつが八月になりまして解消したという事態の中で、現在の状態といたしましては、気象条件がその後非常によくなっておりますので、多少上回ることも考えられるわけでございます。ただ、二次生長が発生している、特に覆土の薄い圃場では局地的には萌芽しているところもあるわけでございまして、でん粉用ということならいざ知らず、生食用という関係におきましては相当収穫量にも影響するのであろうということで、現在これが調査を行なっているというような現状でございます。いずれにいたしましても、作柄といたしましては、北海道は全体として一〇〇、それで地帯別には札幌がやや不良、それから函館が不良ということでございますが、北見、帯広は良ないし平年並みということで、全体としては一〇〇ということに相なっているわけでございます。
 それから都府県につきましては、全体的にはやや良ということで一〇二という作況に相なった次第でございます。地帯別に見ますと、東北が、いわば干ばつということのほかに秋田、青森等では五月下旬の低温というようなこともありまして、やや不良でございましたけれども、東北全体としては平年並み。
 それから九州におきましては、全般的に天候に恵まれたわけでございますが、福岡、熊本等では三月下旬から五月下旬の多雨によりましてイモの肥大が抑制されたというようなことから、平年並みになったわけでございます。
 あと北陸なり中国というようなところは大体良ないしやや良というような結果に相なった次第でございます。
 北海道につきましては、実収高は十月になりまして公表するというのが現在のスケジュールになっているような次第でございます。
 以上、簡単でございますが、補足して御説明いたしました。
#6
○坂村小委員長 以上で説明は終わりました。
#7
○坂村小委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。兒玉末男君。
#8
○兒玉小委員 農林省のほうにお伺いをいたしますが、特にカンショでん粉を中心にして、馬でんのほうは美濃さんのほうでお伺いすると思います。
 昨年十月に農林省が発表しました「農産物需給の展望と生産目標の試案」という資料によりますと、カンショの場合は昭和五十七年の総需要並びに生産量の目標は約百四十七万トンと目安を置いておるようでございますけれども、この十年間におけるこのような需給目標の策定というのは、どういう点からこういう数字を出されているのか、お伺いしたい。
 それから、先ほどの説明でも、主産地である九州の中でも宮崎、鹿児島県等ではかなりの比率で面積が減っておるわけですが、問題は、反収の増加ということが技術的に今後不可能なのかどうか、あるいはコンスとの関係における価格政策という点で、もう少し生産意欲を高めるようなことはできないものかどうか。
 この需給関係の策定と価格政策の面についてまずお伺いしたいと思います。
#9
○池田政府委員 ただいま御指摘のとおり、五十七年のカンショの目標は七万七千ヘクタール、百四十七万トンでございます。全体としてカンショの最近の作付面積の動き並びに収穫量の動き等を考えますと、カンショの作を今後とも維持していくというのはかなりむずかしい問題があるのではないかというふうに考えられます。特にその主産地が御案内のような九州の南部といった、でん粉用のカンショ等を中心にして考えますと、かなり遠隔の地帯でございます。したがって、全体として労働力の流出問題あるいは生産性の問題等を考え合わせますと、必ずしも他の作物に比べて大きい優位性が認められないというようなこともございましょうし、また最近の農業技術の進歩等からむしろこの際積極的にカンショから他の作物、たとえば野菜、お茶あるいは果樹といったような生産性の高い作目に転換するというような形がかなりあるわけでございまして、それらの趨勢から考えますと、カンショの将来の見通しといたしましては、大きい見込みを立てることはなかなかむずかしかろうというふうなことから、カンショの全体の見込みを十年後で百四十七万トン程度に置いたわけでございますが、ただ、最近は、ある意味で下がるところまで下がりつつあるという感じも一部でいたします。その意味で、カンショを積極的に他の作目に転換させていくんだ、減らして、いくんだというような対策はとらないで、現在残っておりますカンショ作というものを有利な形でこの地域に定着させるということがむしろ大事であるというふうに考えられまして、主としてこの南九州における台風常襲地帯としての特殊性、あるいは土壌の特殊性というふうなことから、いわゆる災害対応作物としての位置をもう一ぺん見直すことによって、安定した収量のあげられる作物体系の中にカンショを組み込んでいくというふうなことが今後の見込みとしては考えられるのではなかろうかと思うわけでございます。
#10
○兒玉小委員 いま局長から御説明されたわけですけれども、これに関連しまして、南九州の場合においては、もちろん他の野菜作物等に転換の可能性はあるわけですが、消費都市に遠いという観点と気象条件から、長年の生産の経験を持つカンショの位置づけというものが明確にされることによって、多収穫生産なり品種改良なり、そういう意欲が出るものと私は思うのです。現段階においてはそのような前向きの思慮というものに欠けておるのではないか。この点からも南九州地帯におけるカンショの位置づけについてもう少し明確な指導方針というものがとられてしかるべきじゃないかということが第一点。
 第二点は、農林省の統計によりましても、いわゆる飼料作物としてのパーセントというものが、たとえば昭和四十年を一〇〇とした場合に、随時見てみましても、二五・二%であったものが、昭和四十四年においては二八・一%、さらに昭和四十五年では三〇・五%、こういうふうに、いわゆるでん粉用としての比重と相対比しながらこの比率が高いということから見ましても、このカンショ生産の位置づけについて総合的な立場から、これ以上の低下をもたらさないような、一つの基幹作物の位置づけをどういうふうに考えておられるのか、この点再度お伺いしたいと思います。
#11
○池田政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、カンショの全体の位置づけというものは、いままで必ずしも十分でなかったようにも思います。ただ、るる申し上げましたように、カンショ自体の持つ、生産地帯としての場所とか経済的な諸条件とか、それらを全部考え合わせてみますと、必ずしも安易に、これを前向きにふやすとか積極的に拡大するとかいった形がとりにくいいろいろな条件もございます。したがって、私どもといたしましては、先ほど最後に申し上げましたように、かなり減ってまいりましたこの段階で、おそらくカンショが安定的に定着し、これを経営の中に取り入れていくべき条件の整ったいわば経営群というふうなものがそろそろ明確化しつつある段階ではないかというふうにも考えられますので、これらの農家というものを対象に、積極的な基盤整備とかその他の生産諸施策を、特に特産団地を中心にしたいろいろな施策を続けることによりまして、今後もう少し安定した形に誘導していくこともできるだろうと思います。
 それから、収穫面における機械化等の問題についてもそのとおりでございます。ただ、それらにいたしましても、最終的にはやはり販売いたしますイモの価格が十分に引き合うというものでなければ、農家もこれに対してなかなかついてきてくれないということもございます。したがって、カンショの消費先といたしましては、でん粉となま食と両方あるわけでございますが、最近の傾向を見ますと、従来カンショの持っておったでん粉の原料用としての優位性というものがだんだんなま食用に取ってかわられつつある。収量自体は低いけれども、生食に向く、早掘りに向くといったような形のカンショ作に移動する農家が非常にふえてまいっております。全体としての生産価値がそれだけ高いものに移動していくというのは当然だろうと思いますが、そういうふうな動きもございますので、一がいにでん粉用のイモを一定量どうするというふうな形に押しつけることはむしろ避けるべきである。全体としてのカンショ作の生産性というものを上げていく方向で誘導していくというのが正しい方向ではなかろうかと思いますが、所管は私のほうでございませんで農蚕園芸局でございますので、もしこれで不足でございますれば、また担当局のほうから御説明申し上げます。
#12
○兒玉小委員 その生食用の関係について……。
#13
○本宮説明員 ただいま食品流通局長から御説明がございましたが、大体それに尽きるわけでございますけれども、この「農産物需給の展望と生産目標の試案」で五十七年に七万七千ヘクタールというものを見通したわけでございますけれども、すでに今年度の作付面積はそれを下回ってきておるというのが現状でございます。いま作付の多い鹿児島、宮崎、長崎といった九州各県におきましては、現状としてはカンショ作からの転換ということを県当局が相当精力的に取り組んでおられます。その大部分のイモ作の転換作物は、南九州の鹿児島、宮崎県におかれては飼料作物、野菜といったような作物、それから長崎県においては養蚕といったようなことで、県が相当目標を立てまして、カンショ作付の転換をはかりつつございます。
 そういうこと等もございまして、当初われわれが見込んだよりも大幅な減少がここ数年きわ立っておりますが、現実問題といたしまして、そういうような転換のできる地域とまだできない地域というものが当然地域的にございます。また、農家の中でもそういう転換を希望する農家もあれば、また従来作のイモ作、カンショ作をより優位に生産改善しながらやっていこうといったような農家群もございます。そういった点等もございますので、いま局長が申されましたように、全体的にはこの程度で、今後とも減少はいたすとは思いますけれども、大体いままでのような急激な減少というのはある程度とまるのではなかろうかというような見通しは立っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、最近こういった地域で原料用のカンショから生食用といいますか、野菜用としてのカンショの需要というものがふえ、また、かつこれに対応していこうというような動きが旺盛でございますので、そういった点から収量等は、原料用のカンショに比べますと、早堀りいたします関係で多少は減少するというような傾向にございます。そういうことで、国といたしましては、そういう新しいイモ作への脱皮をはかっていこうとする地域また農家群に対しまして所要の施策を講じております。
 特にいま問題でございますのは、やはりカンショがバレイショなどに比べますと相当労働時間が大きいという点が非常に大きな問題でございますので、将来の問題としましては、大型機械化体系ということはこういった地域にはなかなか持ち込みがとうございますけれども、中小型機械化体系を、生産組織をつくりながらひとつ入れてまいるということで、将来は労働時間を大幅に下げていくということで努力してまいるべきだというふうに考えておるわけでございます。
#14
○兒玉小委員 時間の関係もありますから、あとしぼって申し上げますが、次に、競合関係にあるコンスのことをちょっとお伺いしたいと思うのです。
 年々コンスの比重というものはふえてきているわけでございますが、最近の情報では、ホワイトのほうの、いわゆる南ア方面の生産のトウモロコシがかなり不況、凶作だと聞いておるわけでございますが、コンスの関係についてはどういうふうな状況になっておるか。
 それから、例のいわゆる関税の対象になっていない糖化用、それからいわゆる一〇%の適用を受ける問題、これらの関係の数量と、それからアウトサイダーのいわゆる数量割り当て外のコーンスターチ部面の数量、これはどういうふうになっているのか。
 それから、おそらく今度の南ア等の凶作によってコンスの価格がかなり上がっているやに聞いているわけですけれども、これらの傾向は当然次の甘でんの基準価格の策定に影響をもたらすものではないかと私は思うのですが、こういうふうな価格の変動状況等についてお伺いしたいと思います。
#15
○池田政府委員 まずお尋ねの第一点は、コーンスターチの世界的な供給状況でございますが、これははっきり申せば、コーンスターチのもとになりますトウモロコシ、これがどういう形になっておるかというお尋ねだろうと思います。
 日本の場合には、先ほど申し上げましたように、でん粉の製品として輸入をいたしますものは六、七万トンから十万トンどまりが現状でございます。ほとんどでん粉では輸入せずに、大半はトウモロコシで輸入して、国内メーカーが加工するということでございます。
 そこで、トウモロコシの生産状況でございますが、これはよく御承知のように、新穀物年度のもとにおきましては、アメリカの増産というふうなことから、かなり様子が変わりつつございますけれども、一九七二年におきますところのおも立った国々の様子を申し上げますと、世界のトウモロコシの生産量の計は約三億トンでございます。そしてその三億トン中で約半分、一億四千万トン程度、これがアメリカでございます。さらにその次に、大体ほぼ同じような一千万トン台のウエートで続きますが、一千四百万トンというブラジルが米国に次ぎ、あとは一千万トンをちょっと切る段階で、ソ連、南アフリカ、フランスあるいはメキシコといったようなところがずっと並んでおるわけでございます。したがって、世界的なトウモロコシの需給状況のキーポイントは主としてアメリカということになろうかと思います。
 ただ、コーンスターチだけに限ってみますと、これは先生も御承知だと思いますけれども、トウモロコシには黄色い系統のトウモロコシと白い系統のトウモロコシと、俗にイエロー、ホワイトといっておりますが、そういう系統がございまして、コーンスターチをつくります際にはいわば色のつかないホワイト系統のトウモロコシが非常に望ましいわけでございます。その意味で、ホワイト系統のトウモロコシをつくっております南アフリカ、これは日本にとってコーンスターチ原料用のトウモロコシの実は大事なソースであるわけでございます。アメリカ大陸ではむしろメキシコあたりがホワイト系統を比較的つくっておる。アメリカはイエロー系統が大部分でございます。
 ところが、このアフリカがこの二年ほどの間いわゆる干ばつの常襲災害に近い影響を受けまして、従来ほぼ一千万トン近い九百五、六十万トンは常時とれておったわけでございますけれども、それがこの二年ほどほとんど半作というような状態でございまして、ストックの量もほとんど吐き出して、むしろ輸出どころではなくて、そのトウモロコシによって国内の食用をまかなうのにやっという状態になっておりまして、そのために日本側のコーンスターチ用の輸入というものがきわめて窮迫した状態に現在あるわけでございます。そこで、おのずからその輸入先は当然振りかわり先としてアメリカに向くということで、やや品質は望ましくないけれども、アメリカのイエローものというものの輸入を中心に現在のところは考えられておるわけでございます。
 これらの事情から、全体として世界的な輸出量はほぼこの生産量の一割ちょっとというふうにお考え願えばいいかと思いますが、三千数百万トンから四千万トン台くらいまでのところが七一−二年における世界の貿易量でございまして、その四分の三というものが大体アメリカの輸出にたよらざるを得ない。いわばトウモロコシの世界貿易の関係の中ではアメリカのトウモロコシというのが圧倒的ウエートを持つというふうに言えるわけでございます。
 そこで、そういった状況から世界的なトウモロコシの逼迫状態というものが出てまいりまして、価格面でも非常に大きくさま変わりをいたしてまいっておるわけでございます。たとえば従来のトウモロコシの、これは通関をいたしましたものをCIFで、ドルで直したものでございますが、これで見ますと、昭和四十七年ごろまでは大体高くも安くもほぼ六十五ドル前後、安いときは六十一、二ドル、高いときは六十八、九ドル、七十ドルをちょっとこえるときもありますが、大体六十五ドルを前後して過ごしてまいっております。ところが、これが四十八年、ことしの大体四、五月ごろから大豆と軌を一にいたしまして上がり出しまして、現在はほぼ百ドルといったところが現状でございまして、おそらく、現状のままでまいりますと、まだ少し上がるのではないか、見ようによっては百二、三十ドル見当まで上がるのではないかというふうに考える人もありますけれども、大体百ドル見当のものを輸入いたしますと、それにプレミアムあるいはフレートといったようなものをつけなければなりませんので、実際に実需者が消費をする段階になりますと、これよりほぼ四割見当は高くなるということになりますので、百ドル見当のものを使えば百四十ドル見当のものになるわけでございます。したがって、トウモロコシを原料にしてつくり上げますでん粉というものは、価格としては従来とはかなりさま変わりの高い価格で売らないと引き合わないというのが現状でございまして、その意味で、国産のイモからつくりますでん粉と従来は非常に格差があったわけでございます。たとえば一例を引いて申し上げますと、国産でん粉、特に馬でんは非常に安かったわけですけれども、馬でんが国産で大体トン当たり七万円くらい、それから甘でんが六万五、六千円というふうなときに、輸入いたしましたコーンスターチのトウモロコシ――これはいま先生御指摘の一〇%というものとそれからO%といった二つの段階の関税の低い水準で優先割り当て輸入をされているものがございますが、それからつくりましたコーンスターチというものをトン当たりに直しますと三万九千円くらいということで、大体半分とまではまいりませんが、それに近い、そういう感じの水準の差があったわけでございます。それがいま申し上げましたように、いわゆる六十五、六ドル水準のものが百ドルをこえるということになりますと、ある意味では国産のでん粉コストに非常に近づいてくるというふうなことで、むろんまたアメリカの増産が始まりましたから、価格そのものはいまの高水準でそのままいくというふうに考えるのはちょっと当を得ないというふうには思いますけれども、従来から比べますと、少なくともしばらくの間はかなり国内外のでん粉のコストの格差というものは縮まった条件になるというふうに言うことができようかと思います。
 それから、今度はトウモロコシの輸入量でございますが、これは割り当て量といたしましては、これは四十七会計年度でございますが、O%ものが四十八万三千トン、一〇%ものが四十二万五千トンというふうに出ております。それからそれ以外に二次税率という高い税率がございますが、その税率をこして入ってまいっておりますのが約八万トンほど入っておるようでございます。したがいまして全体としての数字からいいますと、約九十万トンの輸入の大体半々がO%と一〇%というふうに考えてよかろうかと思います。
#16
○兒玉小委員 そこで、現在まで私もしばらく休んでおった関係で、その後の経過がわからぬわけですけれども、一〇%のものにしても、いまの局長の御説明で、いま輸入ものがかなり高値になるということで、一般の国内産のでん粉市場等への、何といいますか、抱き合わせ等による市場の混乱、こういうことも懸念されるわけですが、そういうような点についてはどういうふうな分析をされているのか。
 それから、数量割り当て外のものが八万トンということでございますが、全体的な価格の値上がりによって、この比重というものがかなり変わってくるのではないかというふうな感じもするわけですが、その点についてはどういうふうな判断をされているのか。
 それから第三点として、現在の国内産の特に甘でんの価格等が、馬でん等に比較しまして非常に反収が少ないわけでございますけれども、要する労働時間は、先ほどの方が説明したように非常に長い。だから、単位時間の価格というものは非常に低い。これらの関連について、今後やはり一定数量は国内産のでん粉でまかなっていくためには、こういう単位時間の価格というものについて、もう少し検討していく必要があるのではないか。たとえばなたねなり、大豆あるいは麦、特に麦、大豆等は今後自給を高めるために、大豆の場合は六十キロ当たり二千五百円、小麦の場合も二千円の生産奨励金をつける、こういう方向等が指摘をされているわけでございますが、やはりでん粉等の場合も国内におけるある程度の自給度を保つ上には、このような価格面においてもう少し米なり、なたねなり、小麦等に対応するくらいの優遇措置というものはこの際検討する必要があるのではないか。
 こういうふうな国内における価格の問題等、コンスにおける問題点について最後にお伺いして、私の質問を終わります。
#17
○池田政府委員 いま申し上げたように、確かに最近の輸入雑穀の動きを見ますと、内外の格差が変わってくる。そうしますと、従来はかなり大きな格差があるということを前提にしての抱き合わせ方式というものを、関税割り当て制度をとっておる一つの基礎にしておったわけでございますが、それが非常に近づいてくるということになりますと、御指摘のような現行の関税割り当て制度に対する新たなる疑問点というものを持つ向きが出てくることは確かでございます。現在、関税割り当て審議会におきまして前年度に引き続きまして本年度は新しく小委員会を設けまして、そして現在審議中でございます。これは暫定措置としてことし一ぱいの間に何らかの形をつけるということで審議をされつつございます。ただ、私どもとしては、従来からのいきさつから考えまして、よほどじょうずな手でも編み出されませんと、これは軽々に動かすべきものではない。特に最近のような世界的な需給事情の動きというものを見ますと、どういう形で定着するかについては必ずしも明確でない面がたくさんございます。したがって、価格の動きにつきましても、たとえば今度アメリカがトウモロコシを五十八億ブッシェル増産するといったようなことになりました場合に、一体どういう価格水準になるかということは必ずしも明確でないわけでございますので、こういう変動時期に、こういう大きな影響を持つ関税割り当て制度というものを単純に直すのは、時期として必ずしも適当でないのではないかというような感じもいたしますので、いずれにしても関税率審議会が結論を出しますまでの間、私どもといたしましても精一ぱい勉強しまして、少なくとも国内産の甘でん、馬でんというものの優先消費という従来の原則がいささかも後退しないように、私どもとしてはこの制度の中で十分に検討を続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、そういうふうなことになってまいりますと、価格対策というふうなものについて、ある意味で生産を維持、発展させるための刺激的な要素を持った価格政策というものはやるべきだということは当然出てくるわけでございます。私どもといたしましては、従来から考えましても、必ずしもイモ作というものは生産性の停滞したものだけでもない。カンショは確かに問題点がございますが、バレイショあるいは中心的な地帯のカンショというものは、ある意味で生産性というものはなおなお上げられる余地のあるものであるというふうなこともございます。それから、いわゆる畑作地帯におけるイモ作というものは、ほかの作物との間の組み合わせというものの上に立って所得の維持をはかっていくという方法もございます。したがって、生産性が上がるという形を前提に置きます限り、パリティの持つ優位性もある程度あるわけでございます。したがって、これは生産事情とかあるいは再生産の問題とかの需給事情をよく考えてパリティをきめていきなさいというのが農安法の考え方でもございますので、それらの法律の趣旨をよく踏まえて、ひとつ適切な対応策を講じてまいりたい、価格対策についても十分そういう考え方を頭において検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#18
○兒玉小委員 どうもありがとうございました。
#19
○坂村小委員長 次に、美濃政市君。
#20
○美濃小委員 いろいろ兒玉委員の質疑応答を聞いておったわけでございますが、第一に、需給表を見ますというと、年々コーンスターチが増大してしまって、現実、バレイショでん粉というものが消えてなくなっていくというふうな結果になってきておるわけです。コーンスターチは年々増大の一途をたどっておる。特に甘でんが減退の一途をたどっておる。
 そこで、まず第一点に、前々からバレイショは十アール当たり収量もかなり増加しておるのですが、カンショでん粉に対する品種改良なり、あるいはでん粉工場の設備の大型化、合理化なんという課題はずいぶん出たんですが、それはどうなったのか、消えてなくなったのか、どうしてそれが今日達成されていないのか、これからはもう放棄してそういうことはやる気がなくなったのか、これをまずお聞きしたい。
    〔小委員長退席、山崎(平)小委員長代理着席〕
#21
○池田政府委員 カンショの品種改良につきましては、先ほどもちょっと兒玉委員にお話し申しましたが、全体としての需要の動向が生食に向きつつある。したがって、早掘りに向く、収量よりもむしろ早い時期に掘り出して高い価格で売れるような品種という形の選択傾向が非常に強く出てきております。そのことがむしろ逆にその地域における農家の所得増大に非常にいい影響を与えるということであるならば、むしろそのことは望ましいということで、カンショが減ること、カンショを減らして他のものに作付転換を奨励するという形から、むしろそうした生食に向く安定的作物としての品種の選択というふうなことで、今後奨励対象としては積極的に進めていくということになろうかと思います。
 でん粉そのものといたしましては、私どもは一定量のでん粉の自給というものをむろん保っていかなければいけませんけれども、全体としてのいまの品種の適格性という点から申しますと、必ずしもカンショの作は、いまの生産性から考えて、今後とも最も有利な作物であるというふうにも考えられませんので、したがって、カンショにつきましてはむしろ生食というものを中心に考えていく、しかし、生食だけで収用できないわけですから、当然そこに出てまいりますところのでん粉というもの、これは工場の合理化その他を通じて十分これを消化していくという体制はとっていく必要があるという意味で考えておるわけでございます。
 それから、工場の合理化の問題でございますが、最近は何と申しますか、公害問題を含めて、でん粉工場もかなりコストがかかるわりあいにはなかなか思うとおりにいかないという現状もございますが、御案内のように、すでに中小企業近代化促進法、いわゆる近促法に基づきまして第一次指定を行ないまして、近代化計画を策定してやっておったわけでございますが、さらに今回特別に第二次指定をいたしまして、構造改善事業に誘導するというふうなことで、現在そういった誘導措置を検討しつつあるわけでございますが、現在の段階では、昭和四十六年の八月、近代化基本計画を策定いたしまして、カンショでん粉製造業につきましては、四十六年を初年度に、特に茨城とか千葉とかあるいは宮崎、鹿児島といった主力の四県におきまして、これは業界ぐるみのかなり積極的な御協力をいただいて、現在取り組み中でございます。いわば積極的な転廃業を通じて、安定した工場設備の拡充をやるということでございますが、原料カンショの安定的な確保ということが期待されませんと、企業といたしましても必ずしも設備投資の意欲がわいてまいりません。そこで、現在の非常に減りつつある原料カンショの状況からいたしますと、必ずしも思ったほど、バレイショのでん粉工場における合理化ほど、カンショにつきましては合理化意欲がふるい立っていないというのが、正直なところ、そういう状態にございますけれども、私どもといたしましては、いま申し上げたようなカンショに対する対応のしかたというものを頭に置いて、そうして今後ともカンショでん粉工場の設備について特段の力をいたしていきたいと思います。
    〔山崎(平)小委員長代理退席、小委員長着席〕
 なお、農協系の工場等につきましては、これは御承知のような転廃業を促進する措置といたしまして、中小企業近代化資金等助成法に基づきます準備金制度というものがございますが、これを活用いたしまして、資金の積み立て、転廃業の見舞い金交付といったような一連の方途を講ずることによりまして、四十六年の十月から本年の三月までの間にでん粉の生産量に応じて一定の資金を積み立てて、これを四十六年から五十年の間に転廃業をいたしました工場に一定の基準で交付をするというふうな措置を講ずることにいたしておるわけでございます。
 全体といたしまして、四十五、四十六年を通じまして、鹿児島、宮崎両県におきましては、すでにそれぞれ、工場数といたしましては鹿児島において約五十数工場、宮崎においては約二十工場前後というものがこの整理の対象として減っておるというのが現状でございます。
#22
○美濃小委員 あと、できるだけ短い時間で二、三点質問したいと思うので、答弁は要りませんが、いまの局長のお話を聞いておって、カンショの作付面積が減らないで食用に変化したというのなら話はわかるのですが、食用イモの早掘りの奨励だといっても、ものすごく反別が減っているわけですね。三十万ヘクタールぐらいつくっておったのが今日七万三千六百ヘクタールになってしまった。いわゆる食用への変化ではなくて、だんだんつくらなくなってきているのじゃないですか。一面、そういう局長の言うこともわかりますよ。わかるけれども、大きな需要の変化で、どんどん食用がふえて、まあ三十万ヘクタールは別としても、せめて二十万ヘクタールぐらいの耕作があって、でん粉よりも食用イモの耕作をしたほうが農家のほうも有利で、ものすごく食用イモが増大して、そっちに需要が変化したというのなら話はわかるけれども、そうではなくして、問題は面積が減ってしまうのではないですか。食用の変化なんというものは、一部関東周辺におけるもので、一番最盛期につくっておった三十万ヘクタールということからいったら、一部の変化だ。カンショでん粉がこう激減してきたという原因は、食用に変化したことが大きな原因じゃないと思うのです。数字があらわしておると思うのです。ですから、次の機会に、そういう需給体制をどう見ていくか。たとえば需給の展望の中でどう位置づけするのか。いま短い時間できちっと答弁できるならしてもらう、できなければ次の機会までにきちっとした姿勢を示してもらいたい。これはどうですか。きょうめんどうであれば、次の機会までによく検討してもらいたい。食用に変化しましたくらいの答弁では納得できないわけです。だから、次の機会なら次の機会でいいのです。
#23
○池田政府委員 もし御不足であれば次の機会に補足させていただくことにして、一言だけ申し上げます。
 確かに御指摘のように、かつて昭和三十年ころに七百二十万トンから生産されておったわけです。その大きな原因は何かといえば、やはりこれは主食として食べておったものが、とにかくほとんどなくなってしまったというふうなことが言うまでもない何より大きな変化でございます。
 その後において一体減り続けるのは何かといえば、作物としての相対的な生産性というふうなものが他の作物に比べて劣っておるというのが原因であろうと思います。したがって、そういうふうにつくらなくなるイモを前提にして工場はまた成り立たないというふうなことで、悪い因果関係というふうなことがやはり工場の生産というものを停滞させ、減少させるという大きな原因になっていることは、御指摘のとおりだと思います。
 ただ、最近減りながらも農家の中で活路を見出すというようなことで、主として生食用のイモというものが比較的安定した形で需要を確保してきておりますので、そこでそういった方向に活路を見出すというふうなことになりますと、それはでん粉用のイモではないという形になりますので、ますますでん粉用のイモの確保がむずかしくなるという意味で申し上げたわけでございます。したがって、趣旨としていま先生のおっしゃったことと比較的似ておる分野もございますが、趣旨はそういうつもりで申し上げたわけでございます。
 それから、位置づけはどうかということでございますけれども、これはまだ正式には五十七年の目標といたしまして私ども明確にでん粉で幾らにするというふうなことは表には出しておりませんけれども、これは前回でしたかあるいは昨年の小委員会かに先生には申し上げたかと思いますけれども、カンショ、バレイショそれぞれにつきましてでん粉用の目標というものを一応腹づもりとしては持っておるわけでございます。それがいわば将来におけるでん粉用カンショ作の一つの生産計画の中の位置づけであるというふうにごらんいただけるといたしますと、たとえば先ほど申し上げました七万七千ヘクタール、百四十七万三千トンという五十七年の目標の中で、イモからどれだけ一体でん粉を導き出すかというと、約十一万トンと考えているわけであります。したがって、バレイショの二十五万トンの目標を含めまして約三十六万トンがこの五十七年におけるカンショ、バレイショから生産されるでん粉であるというふうに考えられます。したがって、これの歩どまりは、逆算した部分がほぼこのでん粉用イモとしての位置づけになるわけでございまして、ちなみに現在はカンショは三分の一がでん粉用のイモ、それからバレイショにつきましては三分の二程度が北海道ではでん粉用に使われております。したがって、それらが大きな変化を来たさないといたしますと、ほぼこの十一万トンのでん粉用の原料になるカンショというものが将来におけるイモの用途別位置づけというふうにも考えられますが、それで不足するようでございますれば、また資料等別途にお持ちして御説明申し上げたいと思います。
#24
○美濃小委員 この位置づけについてはきょうはお聞きした程度にしておきます。意見は次の機会にいたします。
 次に、価格制度上の問題ですが、引き続き関税割り当て制度を持続する、これはこれからことしのでん粉の集荷、価格の決定直前に制度を変えるということは、もう時間的に間に合わない、こう思いますが、何か去年のでん粉の関税割り当て制度についてかなりきびしい関税率審議会の議決事項がありました。あれは附帯決議とは承知していないのですが、それをちょっと読み上げてみてください。非常に短い文章だったと思いますが、それがことしだいじょうぶなのかどうか。これは当面もうこれで行くよりほかしようがない、野放しにはできない、議決どおり絶対だいじょうぶですと言い切れるかどうか。
#25
○池田政府委員 これはことしの一月十二日に関税率審議会の附帯決議として取り上げられたものでございますが、「今回政府から提出されたとうもろこしの関税割当制度の改正案は、当審議会のかねてからの要望にも拘わらず、この問題の根本的解決への前進のあとが示されていない点、遺憾である。
 このため、昭和四十八年度中においては、この問題の根本的解決を図るため、早急に本制度に代わるべき措置のあり方や、とうもろこしの正常な輸入量を確保するための施策について検討を行ない、制度改善の方向を明らかにすべきである。
 当審議会としては、政府において、これらの措置につき十分努力を行なうことを前提に、今回提出された改正案を了承するものとする。」という附帯決議がついております。
#26
○美濃小委員 ことしまた引き続き同じ様式で出して絶対だいじょうぶだということが言えますか、制度の存続は心配ありませんということを。
#27
○池田政府委員 実は、現在関税率審議会は、御承知のような調査部会の第二小委員会を持ってトウモロコシの関税割り当て制度を専門に討議されております。したがって、その過程において政府としていまのままでいいんだとかあるいはどうだとかいうふうな形で具体的に申し上げるのはむしろ時期としてはいかがかと思います。しかし、従来からの関税率審議会の中でトウモロコシの関税割り当て制度に対する批判的な御意見は、こういった価格政策というふうなものまで含めた問題点を関税制度の中に背負い込まされるのは不適当である、むしろこの際輸入を促進して安い原材料を国民に消費できるような条件をつくらせるために、関税割り当て制度というものはやめたらよろしいというのが、主として批判側の御意見のように承っております。しかしながら、私どもとしては、それは見ようによって、関税割り当て制度はやめる、そのかわりうんと補助金を出すとか、あるいは逆に今度は政府がうんと必要なものだけみんな買い上げてしまうということをすればいいじゃないか、いわばきわめて気の軽いものの考え方を一部にする人はありますけれども、現実問題として考えました場合に、財政的に限度も当然あることでもございますし、また、政府がかなりストックを持つということ自体が国内のでん粉市場に対する圧迫というふうな材料にもなってまいります。したがって、全体の考え方から考えますと、やはり国産でん粉優先消費ということのたてまえをくずさずに、いまの関税率、関税割り当て制度というものを改正するよりよい手段というものが見つからないとしますと、どうもいまの制度というものを軽々に手直しするとか、やめるというふうな形にはなかなか踏み切り得ない。したがって、去年も、北海道の農家全般を考えると、問題のいろいろ御指摘はあるだろうけれども、ひとつこれは延ばしてくれといって延ばしてもらったわけでありますが、特に本年は、先ほど兒玉委員からもお話があったように、世界的な穀物の需給事情の変動、価格の非常に大きなフラクチュエーションのさなかにございます。したがって、一体どういう形で手直しをすることが一番適当かということを検討する材料について、きわめて不安定な要件のもとで議論をしなければならぬという条件もございますので、私どもとしては、この問題の扱いについては慎重を期さなければならぬというふうに現在考えておるわけでございます。
#28
○美濃小委員 制度問題もいろいろ検討しなければならぬと思うが、きょうの話はこの程度にしておきます。ですから、ことしの場合は責任をもってこの割り当て制度は農林省としては存続しなければ、これから先の日程の中でそういう附帯決議もついておるわけですから、これはだめだと言われた場合にはかわるべき措置はいまないわけです。そうなった場合は、農安法によって国内産でん粉はみな買い上げる。そうすると、政府のストックになって、コンスはぐっとふえますよ。そういう現象が起きないように万全のこれからの対策――当面やはり関税割り当て制度の存続以外に方法はないと私は思っております。これを存続しておいて、恒久的な対策はどうあるべきかということでなければ、もう予算要求も終わったあとだし、制度の変更、急変な旋回はできないでしょう。ですから、それ以上答弁要りませんから、責任をもってやってもらいたい、こういうことです。
 それから次の問題点は、でん粉に限らず、いつも申し上げておるのですが、国際価格の高安の問題ですね。一例を申し上げますと、私は沖繩にこの問題は出てくるということを沖繩返還の時点からちゃんと見ておりました。私の予想どおり出てきました。これはでん粉じゃございません。しかし、砂糖もいわゆる甘味の中ですが、沖繩へ私どもが調査に行きますと、沖繩のサトウキビをつくっておる生産体系というものは、その農家の所得は、当時は本土、沖繩と言っておりましたが、当時の表現で言うならば、本土の所得体系から見た場合には、サトウキビの生産所得というのは全く生存所得である。文化生活に足る所得などというものじゃない。しかし、どうにか飢えと寒さ、まあ沖繩ですから、そう寒くもないけれども、貧困に耐える生存ぎりぎりの所得である。本土に復帰すれば問題になるだろう、こう見ておりました。今度海洋博をやる。そこへ行ってかせげば一日三千五百円ぐらいになる。サトウキビは収穫だけでも五アールしか収穫作業ができない。干ばつや何かで収穫量が四トン切れておるようなトウキビだと、五アール収穫しても、海洋博の土建現場なんかへ行って働く賃金よりも、一日三百円も五百円も収穫作業労賃だけでは足りない。
 この間も農水の委員会で、屋良知事と鹿児島県知事が来て、ことしは一万二千ヘクタール収穫しないで、サトウキビは投げます、来年からサトウキビのトン当たり価格を一万三千円もしくは一万五千円に上げてくれなければ、サトウキビの生産は放棄せざるを得ないというのです。つくらぬというのじゃない。つくりたいのだけれども、経済上つくれない。この問題は、私に言わせれば、沖繩だけの問題ではないと思う。沖繩だけの問題であればいいのですけれども、東南アジアの国々を歩いてみると、サトウキビで砂糖をつくって、そして日本あたりは二百万トン以上も買ってきておりますが、所得内容からいけば、沖繩の復帰前の生活以下で、生存どころか、ほんとうに原始的な――日本人は一年間に四十平方メートルの衣料を消耗して、ぬくぬくと生活しておる。それらの国々に行ってみると、二平方メートル、木の葉っぱを前に当てがって働いておった者が、かろうじてパンツだけはくようになった。当然はだしで裸である。食べるものだって、全くおそいものを食べておる。それらの国に文化生活が入っていけば、いつまでもそういう姿で働いて、そして安い原料を先進国と称するところへ供給して、高い工業製品を買ってがまんしておるかというと、そうじゃないと思うのです。そこらの見分けをしてかからぬと、私は安い安いというのでは非常に問題を感じておるわけです。
 沖繩にいい例が一つ出てきたのじゃないでしょうか。はっきり申し上げておきますと、あれらの言うとおり、せめて一万円以上にサトウキビの価格をやらなかったら、沖繩のサトウキビはぐっとなくなっていきますよ。今度、農水で沖繩調査をやろうというふうに国政調査の日程をきめましたが、もう一万ヘクタールも一万五千ヘクタールも、観光業者が入って土地の買い占めをしてしまっておる。みんな農業なんというのはめちゃめちゃにされてしまう。そして海洋博であれ、消費設備ですよ。いよいよ今回のような凶作だ、あるいは発展途上国に力がついて、文化生活をするようになって、もう高ければ買ってくれなくてもいいですよと言われた場合に、どうなるんですか、甘味にしても。何のために安いのか、そこまで政策というものは考えておかなければいかぬと思うのです。ただ関税率審議会が言うように、安いものを買ってきて、国民に供給すればいいじゃないか、関税割り当てなんかやめてしまえ、こんなばかなものじゃないと思うのです、食料政策というのは。そこらの検討もしてかからぬと、ただ単に、そのときの現象で高安論議をしておると、凶作で一本こういう問題が出てきたでしょう。あわてふためいて、来年は食用大豆だけは自給を確保しなければならぬ、大豆六十キロに対して二千五百円の予算要求をしたと聞いております。それは悪いとは言いません。けっこうなことだと私は思っております。そういうことはやはりやらなければならぬでしょう。私に言わせれば、安いというものはないということですよ。特に食料なんかというものは、なくなってきたら金を出しても買えないものだ。そういう頭の狂ったような審議委員がおるということにも私どもは憤りを感じておる。長期的な日本の将来のほんとうの民族の安定を考える。一時的な目の先で、関税の審議委員でありますと、えらそうな決議をしておるにも程度があると思う。農政というものはそんなものの決議に迷わされるようなことではどうにもならぬですよ、私に言わせれば。変な一時的な現象に幻惑されておるような、ものの判断のわからぬ者が関税審議委員である。その決議に農林政策が振り回されておるというのでは、一国の政策として話にならぬ。だから、そういう点をきちっとしてもらいたい。これは大臣に言いたいことです。あなた方以上に大臣に言うべきことですが、きょうは大臣はいないのですから、あなた方は大臣を補佐する局長であるならば、よく大臣にも話して、あなた方で手に負えないならば、大臣を先頭に立てて、けつをまくって――けつはまくらぬでもいいですけれども、政治の中で振り回されぬだけのことをやらなければだめです。
 それから次に、ことしのバレイショの生産事情、私は、今回二日間の連休にも帰って現地の生産事情を見ましたが、私の見たのは十勝における生産事情の一部です。全道的な視野はございませんから、統計のほうでまとめれば、全道的なものは多少違うと思いますけれども、まず全道的にも動向としては間違いない。しかし、一部的な現象を見た判断だけでものを申しますから、出てきたときには多少の相違が出てくると思いますけれども、まず、バレイショでありますから、量の減収よりも質の減退、どうなったのか、二次成長して。まず私の地元におけるでん粉は、ライマン価ではかったでん粉は二%低い。ライマン価ではかったでん粉が二%低いということは、でん粉の出来高に対する一〇〇%比率にすると一二%になるわけですね。大体、北海道のバレイショは、ここの表にもあるように、千ヘクタール作付が伸びて、これは食用もありますけれども、前年度、四十七年度よりも北海道のこの作付した比率の中で、食用イモがぐんと伸びるということじゃないのです。でん原に回るイモの作付反別が減るということではない、千ヘクタール伸びておるわけです。しかしながら、大体、いま私が考えておる生産量は二十三万トン台に終わるのではないか。量の減産よりも質的な後退が大きい。でん粉含有量がことしの場合はきわめて低い。一二%低い、こう見ておるわけなんです。これは私どももやはり九農協で、でん粉原料で、六十キロで百三、四十万俵のイモを処理する工場を持っておりますが、この工場のデータでありますから、そのデータには間違いないわけです。電話で全道各地域聞いてみても、大体二%低い、こう言いますから、そこで二%低いのではないか、こう思うわけです。そこから計算すると、大体二十三万トン、三万トンくらい減るんじゃないか。イモの量は一〇%までは減らぬのではないかと思います。量は五%なのか、六%なのかはひとつ統調のほうできちっと調べてもらって、その結果を見たいと思っております。私の予想では、量的な減産よりも質的なものが大きいと見ております。量は一二%も減るとは思いません。五%なのか六%なのか、おそらく十%以下なのではないかと思います。量も平年度を上回るということはないが、まず、質的にも低下が大きい。二次生長、それからバイラスやウイルスで発育阻害がありますから、量は確保できても、中身が悪いということですね。量の減産を伴うのは、そういう病害で減産しても、たとえば五%でも六%でも量が減産するようになってくると、質が低下してくる。バレイショの場合、でん粉含有にそれが響いてきますから、でん粉の出来高から見ますと、去年の二十六万トンとことし作付反別は千ヘクタールふえておるけれども、同様の作付体系がでん原いもに行なわれておる。その中に二十六万トン前年並みの生産ができるのかできないのかという比率を考えると、その一〇%以上が質低下である、それに量低下を伴う、こういう状況であります。ですから、そこらの問題。
 それから、次の段階には、加工費を出してもらいたい。あれだけ体系的に整えた合理的な工場でおおよそ処理する。非合理化工場は幾らもないわけです。ですから、加工費をきちっと出して、それらの問題を比較して価格決定の要素にしてもらいたい。価格決定目安の中でそのことを勘案して、ことしの価格決定をしてもらいたい、こう思います。
 以上、注文申し上げまして、私の質問を終わります。
#29
○坂村小委員長 次に、諫山博君。
#30
○諫山小委員 衆議院農林水産委員会の調査室がつくった「昭和四十七年産甘しよ馬鈴しよ等の価格決定の経過概要」という資料を見ますと、「九州の主産県では、甘しょに代る収益性の高い適当な作物がないためであり、甘しょはいぜんとして基幹的畑作物の地位を占めている。」ということが書かれています。私も九州の農業の実情を見ておりまして、まさにこのとおりだろうと思います。さっきの農林省側の説明では、現在つくっているカンショの面積を減らすつもりはないという御説明のようでありますが、だとすれば、それにふさわしい措置がとられているかどうかということに私は疑問を持ったわけです。同じ資料の中に、カンショの一日当たりの家族労働報酬というのが出ています。四十四年は八百十二円、四十五年が八百三十二円、そして四十六年が八百円という驚くような低い家族労働報酬が出ているのですが、一番新しい資料はどうなっているのか、またどうしてこんなに安い家族労働報酬しか出てこなかったのか、お聞きしたいと思います。
#31
○大山説明員 もっと新しい家族労働報酬はどうなっておるかという御質問でございますが、現在四十七年度の生産費を取りまとめ中でございます。われわれのいまの見積もりでは、今月中にはまとめ切れるだろう、こういうふうに思っておりますので、四十七年の家族労働報酬は目下のところまだ出ておりません。カンショの場合に、過去の経緯を見てまいりますと、労働時間が比較的多いというようなこと、それから粗収益が少ないということ、この二つのことが、原料用カンショの家族労働報酬を他に比べまして低いベースで、しかも低いなりに四十二年、四十三年ずっと六、七、八百円というふうなところに低迷している原因かとおもいます。
#32
○諫山小委員 いまの説明で、カンショをつくっている農家の人たちが、非常に長時間の労働をしている、そして報われるところがきわめて低いということが明らかになったと思います。そしてカンショ栽培の家族労働報酬というのは、おそらくあらゆる農業の労働報酬の中で最低に位置するものではなかろうかと思います。たとえば大豆、落花生などと比較してでありますが、それぞれ五〇%、二〇%というような数字が出ているわけです。この問題を解決しない限り、幾ら現在のカンショ生産は維持するつもりだと言ってみたところで、ますます農民がカンショから離れていくことは避けられないだろうと思います。そういう観点から価格がきめられてきたのかどうか。またこれからのカンショの栽培の見通しについてどういう予想をしているのかどうか、お聞きしたいと思います。
#33
○池田政府委員 カンショの生産者価格につきましては、現在のところ、御案内のように、その相当量は実はなま食用として自由な流通にゆだねられているわけでございます。そしてそのいわばなま食として売ることのできない部分、これが原料用としてでん粉用に売られるということになっておるわけでございますが、私どもの全体の考え方といたしましては、やはり農家の全体の収入源というふうなものが十分安定した形で経営費をまかなっていけるようにというふうに考えておるわけでございまして、御指摘のように、現在の一日当たりの労働報酬が極端に低いという現状にあることは私どもも率直に認めざるを得ないわけでございますが、いまのパリティ指数のとり方からいたしますと、これは御案内のように、一般的に大豆のような自由な流通市場というふうなものではなくて、でん粉原料用のイモといたしましては、このでん粉の全体の需給数字というものを政府がはじきまして、その需給数字の中で国産がまず優先して使われる、そしてその使われた残りが外国からのトウモロコシその他原料として入ってくるという仕組みになっておりますので、したがって、観点といたしましては、農家所得の安定という観点から、いわば実現価格と経営費の相対関係が十分に望ましい状態に維持されていくようにということが、現在のパリティ価格のやり方であるというふうに一応考えておるわけでございます。
 ただ、問題は、そうして出しました価格自体が、御指摘のように、きわめて労働報酬としては低い。そのことが、カンショ作のうまみがないということから、耕作をやめて他のものに転換をしていくというふうなことにつながるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、私どもは、やはりこのカンショ作というのはいわば防災作物としての一つの特殊性はありますが、作目そのものとしてはやはりかなり生産性の低い作物である。したがって、もし他の作物とコンビでローテーションの中に組み入れていい作物があれば、それはそれでやはりより収益性の高い作物と交代することはやむを得ないのだというふうに現在まで考えてきたわけでございます。
 その意味で、ある程度減っても、そのことが他の果樹なりあるいはお茶なり野菜といったようなものに転換できるなら、それはそれでいいという考え方をとってまいったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、そろそろある意味で安定と申しますか、減り目の底が見えつつある状況にもありますので、そこで、残ったこの経営の中のカンショ作というのは、これはどうも他に転換できない地帯であるということになりますと、当然そこではそれをつくることによって他の作物と組み合わせて経営が維持されていくということが政策的に出てこなければいけないということにもなりますので、私どもとしては、それらの点も十分考えまして、今後価格政策上についても十分慎重に対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
#34
○諫山小委員 さっきあげた資料の中では「甘しょはいぜんとして基幹的畑作物の地位を占めている。」という表現があるし、たとえば鹿児島県では普通畑面積の作付率がカンショ四四%、宮崎県が三〇%、長崎県が三一%、こういう数字が出ています。だとすると、やはりいまなお畑作物の中心を占めていることは明らかでありますから、これだけたくさんのカンショが栽培されているというのは、他にもっと利益のあがるものに転換しようとしても、なかなかそれがしにくいという事情の反映でもあるのではないかと思います。
 そして農作物の価格の場合にいつも問題になってくるのが例の農業パリティ指数であります。農産物価格安定法を見ますと、農業パリティ指数を基準としてきめるのだということが書かれているし、さらに生産費及び物価、需給事情その他の経済事情をしんしゃくし再生産を確保することを旨として価格をきめるという規定になっています。いまの価格ではおそらく生産費を割るような安い価格になっているのではないかと思いますが、その関係はどうなっていましょうか。
#35
○池田政府委員 ただいま御指摘の一日当たりの労働報酬というのは、統計情報部のほうで、現実に農家が販売をいたしておりますイモの価格からとった個別の調査の結果だ、積み上げだというふうに考えますが、私どもいまタッチをいたしております政策的な価格と申しますか、これは先ほどから申し上げておりますような原料用のイモの基準価格ということになるわけでございます。したがって、原料用のイモの基準価格というものと食用で現実に自由に農家が売っておりますところのイモの販売価格というものとの間には当然差が出てくるわけでございます。農家としては、それらの食用及び原料用のイモのつくり方、それから組み合わせ方、あるいは極端な場合には食用だけというようなこともございましょうが、そういうふうなことによって全体の生産費をカバーできるかどうかというふうなことになっていくのだろうと思いますが、現実に出てまいりました労働報酬自体、非常に他の作物に比べて著しく低いという現状でもございますので、私どもとしてはこれらをよく頭の中に入れて、今後とも南九州における、特に他に転換のきかないイモ作農家のこれらの地帯というものを、価格政策とあるいは生産政策とどのように振り分けてどういうふうに対応してこの生産を維持していくかということにつきましては、早急に検討して一応の方向をやはり見出すべき時期に来ている、やはりそれだけの条件が生産の場でかなり整備されてきている、そういうふうに私どもも考えておるわけでございます。
#36
○諫山小委員 私は農業の専門家ではありません。しかし、いまの実情を見てみますと、たとえば家族労働報酬が一日当たり八百円、これではどんなつつましい生活であってもやっていけないことは目に見えていると思います。そういう観点から見ると、いまのカンショの、原料用でありますが、価格にしましても、再生産ができるような状態とは考えられません。この人たちがいまなおたくさんのカンショをつくっているというのは、農林省の予想に反して、他に適当な転作がなかなか見つからない、だから、畑を遊ばすよりもカンショでもつくっておこうというのが実情ではないかと思います。それだけに農家が苦しい経営をやっているわけです。この点を考えて、特に法律に従って再生産を確保することを旨として価格をきめるということがこれから非常に大切になるのじゃないかと思いますが、その基本問題についていま農林省としてはどういうふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#37
○池田政府委員 他に転作の機会のない地帯におけるカンショ作ということでございますので、維持をしていくべき分については維持をしていかなければならぬということについては、私どもも同様に考えております。
 ただ、最近のカンショ作農家の概況を見ますと、調査農家ですら作付面積が一戸当たり十九アールという程度でございますし、また一般の栽培農家を平均いたしますとわずかに七・四アールしかないという状態でございます。したがって、こういうふうに分散した小さい耕地面積というものを利用してのカンショ作ということになりますと、これに引き合うための価格というのは非常に高い、いわば経済ベースから考えて非常に高いものにしない限りは引き合わないというのが現状でございまして、私どもといたしましては、これらの現状というふうなものを考えますと、やはり非常に零細な規模をそのままにして、価格政策だけでこれに対応していくという形は、やはり正しいあるべき姿ではない。
 しかし、そうはいっても、いま現に生きて、そこで仕事をし、経営を続けているという農民がいるわけでございますので、したがって、これを他に逃げ出すことのないような形でつなぎとめながら、やはりその方向を示して、その方向に誘導をしていくというのが、いわば農業の政策上の一つの責任であるというふうに考えるわけでございますけれども、そのためには、経過的に一体価格政策はどのような形でこの責務を果たすべきであるか、あるいは一般的な生産対策はどのような形でそれに対応すべきであるかというふうなことを考えなければならぬ。そのためには、いままでのように、非常に流動性の激しい、どんどんやめていく、耕地はどんどん流動していくというふうな形で、作付自体が定まらない状態のもとでは、どうもそういった落ちついた政策ができがたい面もございましたけれども、このところにきてようやく全体としての面積というふうなものもほぼ底が見えてきつつあるという状態でございますので、この際、農林省としても、イモをどういう形でどういうふうに落ちつけていくか、これは当然、先ほど申し上げましたような生産性というものをある程度引き上げていくという見通しを立て得るような、そういう経営に誘導していかなければなりませんので、したがって、特産的な団地経営というものを中心にしてこの問題を取り上げていく、この中でやはり価格政策というものは、誘導的役割を果たしていくというふうに、両者がそれぞれの機能を影響し合いながら、よい効果をあらわすような方向に持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、現状のままあの極端に零細な栽培面積というものを前提とした形ではなしに、やはり全体の構造改善事業等を含めた総合的な対策として考えていかなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。
#38
○諫山小委員 イモの生産性が非常に低い、だからこれを向上させる必要があるという点には私も賛成です。ただ、この政策を成功させるためには、一方で価格が確立してそれが十分引き合うというような状態がない限り、生産性を向上させるという努力もなかなか実らないのではないかと思っているわけです。
 それはそれとしまして、きょう資料をいただいて、北海道とか九州とか、いろいろな地域の数字が出ているのですが、沖繩県のことがないのに私ちょっと奇異な感じを持ちましたから、専門家に聞いてみたら、沖繩のカンショというのは生食が中心だからというふうな説明を受けて、なるほどと感心したわけです。それにしましても、沖繩が昔から非常にカンショの産地であったことは言うまでもありません。これに対してはどういう方針を持っておられるのか、お聞きしたいと思います。
#39
○本宮説明員 沖繩におきましてのカンショ作は、かつてはカンショが非常に食用としての価値も大きゅうございましたけれども、現在、もちろん食用として農家がつくっておられる量も相当なものと思いますが、私どもの表面に出てまいりますあれは、家畜の飼料としての形で、これはただいまここで議論になっております加工用であるとかあるいは生食用としてこれを流通販売に乗せるといったような形の数字として、そういったあれは現在の沖繩のカンショの作付はきわめて小さいというふうに伺っております。
#40
○諫山小委員 沖繩のカンショというのは加工用には全く使われていないのですか。
#41
○池田政府委員 農家の副業として、おそらく昔の石でまいてでん粉をつくる程度のものはあったし、現在もあると思います。しかし、いま先生のお話しのような、全体としては生食が中心の場合で、生食で売れるような場合には、でん粉用のイモというのは当然生食よりも安くなりますので引き合いません。したがって、生食で全部はける場合は、ほぼでん粉用のイモはないというように考えていいかと思います。
#42
○諫山小委員 終わります。
#43
○坂村小委員長 本日はこれにて散会いたします。午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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