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1947/11/10 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第14号
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1947/11/10 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第14号

#1
第001回国会 水産委員会 第14号
  付託事件
○魚の自由販賣に關する陳情(第百三
 十二號)
○魚價引上げに關する陳情(第百三十
 六號)
○漁業法竝びに漁業協同組合法の制定
 に關する陳情(第百六十七號)
○漁業用資材の確保に關する陳情(第
 百六十八號)
○資金融通準則の一部改正竝びに水産
 金庫設置に關する陳情(第百六十九
 號)
○沿岸漁業者用加配米に關する陳情
 (第百七十一號)
○機船底曳網漁業取締に關する陳情
 (第百七十二號)
○海中沈沒物速時引揚に關する陳情
 (第百七十三號)
○漁價引上げ竝びに高級魚の自由販賣
 に關する陳情(第百七十四號)
○漁業用綱索原料マニラ麻の輸入懇請
 に關する陳情(第百七十九號)
○かつお、まぐろ竝びにさめ、の價格
 引上げに關する陳情(第百八十一
 號)
○漁業權の漁業組合共有に關する陳情
 (第二百四號)
○大衆向き魚價格の引上げその他魚類
 の自由販賣に關する陳情(第二百五
 號)
○漁業用燃油の配給に關する陳情(第
 二百六號)
○漁價引上げに關する陳情(第二百八
 號)
○漁價引上げに關する陳情(第二百十
 二號)
○熊本縣牛深漁港修築に關する請願
 (第百三十三號)
○熊本縣牛深漁港修築に關する請願
 (第百四十五號)
○魚の自由販賣に關する陳情(第二百
 四十三號)
○魚の自由販賣に關する陳情(第二百
 五十四號)
○生鮮魚介の配給促進に關する陳情
 (第二百六十一號)
○魚の自由販賣に關する陳情(第二百
 九十二號)
○八木漁港修築に關する請願(第二百
 十九號)
○江名漁港改修工事費國庫補助に關す
 る請願(第二百二十五號)
○中之作漁港改修工事費國庫補助に關
 する請願(第二百二十六號)
○魚價引上げ竝びに高級魚の自由販賣
 に關する陳情(第三百二十九號)
○式見漁港浚渫に關する陳情(第三百
 四十號)
○兵庫縣柴山漁港改修工事に關する請
 願(第二百四十七號)
○燒津漁港構築に關する請願(第二百
 五十五號)
○伊東漁港改修に關する請願(第二百
 七十三號)
○かつお鰤等の公定價格撤廢に關する
 陳情(第三百六十一號)
○水産廳の設置に關する陳情(第三百
 六十二號)
○舞阪漁港修築費國庫補助に關する請
 願(第三百二十五號)
○臨時資金調整法による漁船建造資金
 借入に關する陳情(第四百五號)
○生鮮食料品竝びに水産加工品統制撤
 廢に關する陳情(第四百三十五號)
○和田漁港整備に關する請願(第三百
 四十六號)
○鷹巣漁港整備に關する請願(第三百
 四十七號)
○あゆ漁法制定に關する請願(第三百
 四十八號)
○鴛泊漁港浚渫に關する請願(第三百
 五十六號)
○小濱漁港浚渫に關する請願(第三百
 六十六號)
○廣田漁港修築工事繼續施行に關する
 請願(第三百七十四號)
○魚津漁港擴築に關する陳情(第四百
 九十三號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十日(月曜日)
   午後一時十九分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○舞阪漁港修築費國庫補助に關する請
 願(第三百二十五號)
○小濱漁港浚渫に關する請願(第三百
 六十六號)
○廣田漁港修築工事繼續施行に關する
 請願(第三百七十四號)
○鴛泊漁港築設に關する請願(第三百
 五十六號)
○和田漁港整備に關する請願(第三百
 四十六號)
○鷹巣漁港整備に關する請願(第三百
 四十七號)
○あゆ漁法制定に關する請願(第三百
 四十八號)
○漁業法竝びに漁業協同組合法の制定
 に關する陳情(第百六十七號)
○沿岸漁業者用加配米に關する陳情
 (第百七十一號)
○機船底曳網漁業取締に關する陳情
 (第百七十二號)
○海中沈没物速時引揚に關する陳情
 (第百七十三號)
○漁業權の漁業組合共有に關する陳情
 (第二百四號)
○水産廳設置に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員會を開會いたします。この前の委員會で御了解置き頂きました專門調査員を御紹介いたします。林逹磨君。
#3
○專門調査員(林達磨君) 林でございます。宜しく。
#4
○委員長(木下辰雄君) この前の委員會で議題となりました請願、これは一應提出議員の説明が終りまして、審議は本日やりたいと思います。水産廳設置の問題は後廻しにしまして、請願の問題の審議に移りたいと思います。この前の政府委員の説明によりますと、請願第三百二十五號舞阪漁港、請願第三百四十六號和田漁港、それから請願第三百六十六號小濱漁港、請願第三百七十四號廣田漁港は、舞阪と小濱と廣田は農林省の計畫に入つておるが、和田と鷹巣は入つていないというような御答辯でありました。でこの漁港のことについての審議を一括して御討議願いたいと思います。いかがでございますか。農林省の計畫に入つております舞阪と、小濱と廣出、それから運輸省の計畫に入つております鴛泊、この四つの漁港は大體主務省の計畫にありますからして、この際請願を採擇することにいたしたいと思いますが、いかがでございましよう。御發言を願います。
 この四つの漁港を採擇することに御異議ありませんか。
#5
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないと認めまして、請願第三百二十五號と、それから第三百五十六號、請願第三百六十六號、請願第三百七十四號は採擇することに決定いたしました。
 次に和田、鷹巣、この漁港をいかがいたしましよう。これは目下のところ重要ではありましようが、農林省の計畫に入つていませんし、請願を全部採擇するということもいかがと思いますので、これはこの水産委員會において、政府にこういう請願があつたということを傳える程度でいかがでございましよう。
#6
○委員長(木下辰雄君) 御異議ありませんか。それではさよういたしたいと思います。
 それから次の請願第三百四十八號あゆ漁法制定に關する請願、これはこの前松下さんから詳細に御質問ありましたが、この取扱いはどういたしましよう。
#7
○松下松治郎君 「あゆ」の禁漁區の制定につきまして水産局長から……。
#8
○委員長(木下辰雄君) それに對して水産局長の發言を求めます。
#9
○政府委員(藤田巖君) 現在「あゆ」の禁正區間の問題につきましては、各府縣の漁業取締規則によつてこれを制定をして、大體各府縣とも一律的に同一歩調で取締りをしておるのでありますが、ひとり福井縣につきましては、若干の例外が認められておりますために、取締上非常に支障があるというようなことで、この請願が出ているものと考えます。現在漁業權制度の改正に伴いまして、これが漁業法の改正をいたしました際には、各府縣の漁業取締規則も、これに應じて、必要なるものは改めて行くというふうなことを考えております。たしか縣御當局の御意向につきましても、これは改正の際には、十分考慮するというような御意向のように伺つておりますので、尚縣ともよく十分打ち合せを遂げました上で、改める點がございますれば、これは改めて參りたいと、こういうふうに考えております。
#10
○江熊哲翁君 松下さん、その「おゆ」のそういうことは、よく御存じなのか知りませんのですが、ちよつと詳しく聞きたいんですが、御承知はないですか。
#11
○松下松治郎君 沿岸漁業だけやつておりますので、あまり詳しくないのです。それで非常にデリケートな問題になつておりますので、沿岸漁業者は、ぜひこの漁業をやらんと引合わん「いわし」と「あゆ」と一緒に入る。それを「あゆ」だけ捕ることは絶對にできない。こういう状態になつております。ところが河川漁業のお方は、ぜひこの「あゆ」を禁漁して呉れ。「あゆ」を禁漁すれば「いわし」が捕れんことはないというようなことで、非常にデリケートな問題になつておりますので、一つ水産委員會の方で適切な御判斷を願いたいと思います。
#12
○委員長(木下辰雄君) いかがでありましよう。この問題は、議院の會議に付するを要しないものとして、これを處理していかがでありましようか。
#13
○委員長(木下辰雄君) 御意見がないようでありますからして、請願第三百四十八號は、議院の會議に付するを要しないものとしてこれを決定する。委員會の方で政府に通達するくらいにして、本會議に付したいと、これは前の漁港のことは、議院の會議に付するを要するものとして、御贊成を得ましたが、尚内閣に送付を要するものとして、前と同様な決定にいたしたいと思います。さよう御承知願います。大體請願はこれで終りました。次はこの前の委員會において小委員長の報告のありました陳情の件を議題に供します。陳情百六十七號は、漁業法竝びに漁業協同組合法の制定に關する陳情、その他四件ですが、まずこの陳情の漁業法竝びに漁業協同組合法の制定に關する陳情、これを議題に供したいと思います。これは小委員長の報告は、本會議に付して政府に書類を送付するものという決定を小委員會で取られたそうです。併し私が考えますのに、漁業法竝びに漁業協同組合法の制定は、もうすでに農林省においては著手せられておりまして、先般も局長の言明で通常國會劈頭に提出するという用意があるという言明がありましたが、果してそうであれば内閣に送付するのもどうかと思いますが、いかかでありましようか、これは局長の一つの御答辯を願いたいと思います。
#14
○政府委員(藤田巖君) 漁業協同組合法竝びに漁業權制度の改正については随分前から私共の方で立案もしておつたのでありますが、まだ關係各方面の最後的の意見の決定を見ておりません關係上、現在まで延び延びになつておるのでありまして、現在の見透しとしてはまだ漁業權制度の改正の方面におきまして若干の問題は殘されておると思いますけれども、私共といたしましてはできるだけ急速にこの法案の準備を完了いたしまして、でき得れば來國會の初めにこれを上程するような運びにいたしたいものと現在急いで居りますような次第であります。
#15
○江熊哲翁君 私は水産局長の説明を以て必ずしも滿足ができないのであります。そのことは、この國會が始まつた當初においては、政府は時間が足らないからどうしてもこの國會には出せないが、併し次の國會には劈頭に出すと言つたが、併しその後、御承知の通り延長々々で随分會期も長くなつて出せるだけの日にちには十分あつたのです。それからその筋との了解の問題にしましても、私共はどこがはつきりした障碍になつておるのかということをよくわからないままで今日まで來ておるわけであります。私は一二考えられる點もありますけれども、併し大體こういう案であるということをはつきり最近は示してもくれないし、どうも私共としては割切れない氣持で今日まで來ておるわけである。その調子で行くと、次の國會の劈頭というともう直ぐですが、それまでにこんな調子で行くと準備ができるのかという不安を持ちますが、もつと積極的に水産局の方でも一つ御心配を頂いて、これは必ず責任を持つてやるということを約束して頂きたい。そうしなければ私共として歸つて漁民に報告のしようがない。話の仕方がないといつたような實情なんであります。御承知のように漁業權制度は確立しない、而も中水は何だか近日中に閉鎖機關に指定されるのだといつたような話がありまして、又本當か嘘か知りませんが、又中水が閉鎖機關になるということについては私共としては非常に遺憾です。同じような性格の農業會はああいうふうな状態でとんとん行くし、而も順調にこの國會でも協同組合法は通過しておる。然るに一方姉妹關係にある水産業會はとてつもない収態に中水のごときはならうとしておる。それに伴つて府縣の水産業會はお話にならん混亂状態であります。而もいろいろなデマがその中に入つて、下部の漁業會においても、何だか閉鎖されるのじやないか、考えられないことのような問題ですが、併しそういう話が頻りと傳わつておるわけであります。それからまだそれに輪を掛けたような話が、例えば現在の役員は次の新らしくできる團體には一切入られないのだというつたような話もある。嘘か本當かそれはわからんが、聞く所によれば、或る一派の人がそういうことを非常に強く主張しておる。ところがそれと水産局の一部は通謀して何か事を構えておるのだといつたような、これはデマだと思いますが、そういう話もある。それで事情がわからない地方の漁業者たちは非常に混亂しておる。これが一つも増産には役に立つておらない。だからこれは私共常任委員としても重大な責任があるのですよ。こんな状態で置いておるということが……それから水産局長がこの會合にはしばしば出席されて、私共の聞く範圍においては非常に眞面目にいろいろ御答辯をして下さる。併し實質においては何ら水産局長の眞面目さが反映しておらない。むしろ極端に言えば、水産局の一部の人間が丸でサボタージユをやつておるのじやないかとしか我々には考えられない點がある。そういうことを現に相當一部の人の中には強く主張しておる。そういうような状態にあることは止むを得ないのだ。又我々としては手がつかないのだといつたような態度に常任委員會があるということも、常任委員會としては怪しからんあり方じやないかと思う。これは私共としては何としてもこの問題を急速に解決しなければならん。これは混亂とかいうような言葉で今日言うただけでは漁村の實情をお知り願うことはできないと思うのです。まあ一度一つ水産局長も今度の通常國會までの休み中に地方の漁村を御視察願つて、漁業會の役員、職員或いは漁民達がドういうことを言うか、どういうことを考えておるか、地方水産業會がどんな状態におるか、地方水産業會の職員達がどういう氣持で仕事をしておるか、それが漁業生産に、或いは蒐出荷の方にどういう影響を及ぼしておるかということについてお調べを願うと、必ずや驚くべきことが發見されるだろうと思うのであります。今日までこの問題が延びましたということは、とにかくこれは重大な責任です。これは我々としては、局長は非常に平素から眞面目にこの問題を考えておられる一人として、こういうことを申上げることを非常にお氣の毒に思うのですが、私共の氣持としては實に残念に思うのです。これに加えて農林大臣は、こういうふうに思わざる事件で辞められた、我々は今まで他のいろいろな重要な水産問題についても、農林大臣が……惡くいえば農林大臣を今まで教育して來たのです。そうしておいて今それが取去つてしまつておる。尚この最も重要であると承知ておる問題が、どうなるかわからないような状態におかれておる、假りに閉鎖機關の問題にしましても、地方水産業會が閉鎖機關に指定されるだろう、されるかも知れないという状態に、このままおくことが如何に大きな影響を及ぼすかということをお考えになれば、農林大臣の名を以て、地方水産業會は決して閉鎖機關として指定にはならないということを聲明されるだけの熱心さがなければ駄目だと思います。これに對して水産局長はどういうようなお考えを持つておられるか、これを聲明することによつて非常に地方は安心して仕事ができると思うのです。このままにしておいて、次の國會の劈頭において何とかしようという程度におくことは、どうしても非常に私は不安でならない。なぜかというと、今までそういうようなことをずつといい續けて來て、今に何らの弁解だも聞くことができないのが、今日の状態ですから、私はこの問題の解決のためには、全力を擧げてやりたいという決意を以て當初から當つただけに、事ここに至つたことを非常に残念に思うのです。これでは本當の歸られない、この程度の話では歸つて私は話のしようがないのです。恐らく他の水産常任委員の方方もそういつたつき詰めた氣持におると思うのです。私は委員長にも一つこの問題については格段の御努力を願いたいと思います。
#16
○政府委員(藤田巖君) 漁業權の制度改正の問題が非常に長引いておる、從つてそれに關連した漁業協同組合法案も延び延びになつております。只今の江熊さんからお話のございましたように、地方では非常にこの問題の成行がわからないために、いろいろの混亂を來しておるということは、私もそのことは十分聞いて知つておるのでありまして、法案が長引いておりますことについては甚だ申しわけのないことと考えておるのであります。ちよつと速記を止めて下さい。
#17
○委員長(木下辰雄君) 速記中止。
#18
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#19
○千田正君 未だ漁業協同組合法案で漁業權の問題を解決し得ない中に、すでに漁民の中核體として、とにかくにも今日まで漁民の一つの希望の繋りを持つて來たところの中水が、正に閉鎖機關として解散の運命にあるということは、誠にこれは農業問題と比較した場合において、漁民の點においては實に政府としての考え方がどうか分らんけれども、漁民の立場が無視されておるということを我々は痛感するのであります。申すまでもなく我々の水産常任委員長は、少くとも漁民の代表として、又漁業機關の代表として我々は來ておるという建前からいたしまして、今の中水の解散というような問題が起きて來た場合において、そのあとをどうするかという問題を、只今のお話から聞くというと、何等善處する方法が見出されないような状況にあるのであります。農業會の方は解散と同時に農業協同組合法案に向つてそれに漸次移行するような方法をとつて、農民の福祉というものは考えられているに拘わらず、この漁民の方向においては、今中水が解散された場合に、辛うじて各縣の單位だけがそのまま存續して、いずれは法案の通過後において何とか善處するということを考えておられるようでありますが、その間においても相當の期間があると思いますが、そのブランクであるところの期間を、空白化した期間をどうして漁民の希望を繋いで行くかという點において、若しも何か政府當局において、その點において中水が解散された後において影響する點をどういうふうにして埋めて行くかという點を、所信を持つておられるとするならば、この際一つ聞かして頂きたい、こう思うのであります。
#20
○政府委員(藤田巖君) 漁業會の改組を前に控えまして、中央の指導團體でありまするところの中水について閉鎖の問題が起つておりますことは私共といたしましては非常に殘念に考えております次第であります。併しながらさような事態に相成りました場合の漁業會なり漁業者の指導をどうするかということについては、これはやはり何等か考えなければならんと思つております。併しながら、從來のいわば系統團體がそのままの形で或いは又それが轉化したことの明かな形で指導するという問題につきましては、私はこれは從來の水産業系統團體というものがともかく一應批判の對象になつておる際であります。そういうふうな意味合からいたしまして、新しい漁業協同組合を改組するところの運動を從來の既存團體の形で推進して行くということについては誤解を招く虞れもあろうかと思います。從つて私共といたしましては、やはりでき得べくんば下からの盛上る力によつてこの際新しい團體を何か別個の團體というものがこれを取上げて、そうして勿論從來の團體の役職員の方々においても指導的な地位に立たれ、十分將來の協同組合の性格なり目的というものを理解してこれを推進して行こうというところの熱意或いは實力を持ち、又その適當な資格等を認められる方もあるわけでありますから、そういうふうな方々が一つの別個の組織によつて將來の漁業協同組合の促進運動というものを展開して行くというふうにいたしたがいいじやないかというふうに思つておる次第であります。
#21
○千田正君 農業方面においては從來の農業會その他の指導機關における立場におられた人達は、新しい農業協同組合法案におけるところの協同組合實體の中に入ることを原則としては許さないが如く承つておりますが、漁業の方においてはそういうことなしに、今おつしやつたような方法において曾つての中水その他の指導におられた人が漁業協同組合の方に入つて指導できる立場が取れるという方法を採つて行かれますか。
#22
○政府委員(藤田巖君) 現在漁業會及び水産會の役員の方は、これは一應のいわゆる公職追放の関係でその資格が無くなりました方は一應おられないわけであります。すべてがもはや新しく適當なる人として認められておるわけでありますから、さような方々が新しく協同組合ができました場合に、その組合員の自主的な意向によつてそれらの方々が役員におなりになり、又指導的な地位に立たれるということについては、これは何等支障のないことと私は考えます。
#23
○青山正一君 今、局長さんからそういうふうにおつしやつておりますけれども、行政府である水産局内において相當そういうふうな問題を採上げて話しているような向きもありまするので、それで念のために千田君もそういうふうにおつしやつたのだろうと思います。これは念のために申上げておきます。
#24
○小川久義君 江熊さん初め各委員の方々から立場々々の御主張、至極尤もと思います。局長の今までの經緯、立場から言われることは肯ける點があると思います。いろいろさつきからお述べの點を綜合いたしまして、先程問題になりました漁業協同組合法の施行促進、漁業權の問題に絡んでの陳情書をここで採り上げて兩々相俟つて早く實現するようにはかつたほうが宜いのじやないかと、かように考えます。
#25
○委員長(木下辰雄君) それではこの陳情書は小委員の御報告は可決報告でありました。この陳情書五件を一括して問題に供します。これを可決して議院の會議に附するを要するものとして、内閣に送付するを要するものといたすということに御贊成の方は擧手をして頂きたい。
#26
○委員長(木下辰雄君) 滿場一致と認めます。それでは小委員會の報告通り全部これを議決いたしました。それでは請願と陳情は全部結了いたしました。
 一番最初に遡りまして水産廳設置に關する件を議題に供します。速記を止めて……。
   午後二時三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時二十二分速記開始
#27
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。昨日の衆議院との合同打合會では、委員長竝びに馬越委員等の主張は、とにかく漁船業者は別にして暫定的に水産廳を作つて、それから漁船の方に十分運動したらどうかというような主張であつたのでありますが、自由黨の石原君の主張は、自由黨としては、漁船業者を全部含めた水産廳を作るということに決定しておるので、青木委員長の説には反對だというふうなことであつたのですが、まだ衆議院内においても纒つていないように感じましたが、参議院としても大體の態度を決定して置きたいと思いますが、如何でしようか。
#28
○青山正一君 只今水産局長からいろいろ御意見も聽いて、大體の經過も分つたわけなんですが、只今委員長からのお話によつて、進んで行く時には、どうしてもやはり衆議院の馬越さんの御意見通りに、この漁船の關係と、それから或いは漁網綱の關係、詰り商工省の所管事項、或いは運輸省所管事項が一應これが問題になるとすれば、これに拘わらず進んで行つた方がよいんじやないか、こういうふうに考えております。何故ならば現在の状態におきましては、國民が餘りに、この水産廳というような問題が非常に、新聞紙なりその他のことになつて宣傳されておるようなわけですからして、行政府の水産廳の問題が若し失敗に終るというようなふうなことになるとすれば、少なくとも立法府におけるこの水産委員會、詰り二十一の中の一つを占めておる水産委員會、こういうものも、將來において、むしろ水産委員會は必要ないじやないかというふうないろいろな問題が出て來やせんかということを非常に心配しておるようなわけであります。實際上水産委員會で、各委員が非常な力で以て推進しておるわけなんですが、現在のところ現われた效果というものは殆んどないようなわけですからして、せめて一應はその水産廳というものを作るというふうな意味合に進んで行つて、後からそういうた漁船の關係とか、或いは漁網の關係とか、商工省、運輸省の關係を順次取つて行くいうふうな行き方で行つた方がよいんじやないか、こういうことを考えております。こういうことを言いますと、ここに詰り水産廳設置を主張なされておるお方も相當おられるわけなんですが、そういう、お方に對しては非常に何んだか力弱い意見じやないかというふうに言われる筋合もあるかも知れませんが、ただ私としての私見を申し上げて置きます。
#29
○三好始君 一昨日の合同委員會でも現われておりましたように、漁船或いは漁網綱の權限に關する問題が解決されない、現在の機構の儘で水産廳を設置するということになりますと、可なり反對があるのじやないかと思うんですが、又行政整理が問題になつておるような關係もありますし、現在の機構で水産廳を設置することにどういう積極的な長所と申しますか、必要があるか、こういうことを十分に考えることも必要じやないかと思います。そういう問題に關連いたしまして、先程来問題になつております權限問題が解決されないので、若し水産廳を設置する場合に、どういう御計畫が水産當局におありになるか、それをちよつと承りたいと思います。
#30
○政府委員(藤田巖君) これは現在大臣もお變りになりました時でありますし、まあ私の個人の意見ということでお聽き取り願いたいと考えております。結局こういうふうに問題が行詰つて參りまして、現在としては、やはり理想的な案で飽くまでも頑張つて、それが通らない場合には、他日を期して止めるか、或いはこの際できるだけの形で水産廳を作つて、そうして後の問題は水産廳ができてから又機會ある毎にやつて行くか、その二つの方法しかないと思います。私の氣持を申上げますれば、私はこの際やはりできるだけの形でもよいから水産廳というものを作つて、そうして理想的な水産廳の形というものは作つた後いろいろの機會にそれを又やつて行つて、立派なものにして行くということにした方がよいんではないだろうかと、私そう考えております。なかなか理想的な形というものは一擧にしてはできにくいと考えます。それから現在水産廳ができませんと、水産廳の問題についての一般の關心なり熱というものも亦醒めてしまうわけでありまして、これを又將來作るというふうな問題についてもなかなかむずかしくなつて來るのじやないだろうか。そうして又惡く行きますと、現在のこの水産局よりも更に惡いような、貧弱なように押込められて行くというふうな懸念もないではないと思うのであります。從つて私としてはこの際はできるだけのことでもよいから水産廳というものを作つて、そうして後の又機會を考えるというふうに思つております。それだただ新しい水産廳を作る場合の構想でありますが、私は漁業權制度の改正というものが將來どうして出て來る。これには特別會計がついているわけである。その時期まで待つならば私は立派に理由が立つと思う。漁業權制度の改正と、協同組合ができてきてそれに伴うての水産廳問題というふうになつて來れば、私は十分水産廳設置の理由がつくと思う。問題はそれ以前に作つて行く折にどうするかという問題であります。やはり將來の從前の行き方と考えて見ますと、水産の政策というものはもう少し生産部門に對する積極的な施策をして貰いたい。それが一つと、それから配給の改善をどうするかという問題でありますが、これはやはり結論的に申しまして、統制撤廢といつた方向はむずかしいのじやないかと思う。やるならやるで、もう少ししつかりした機構でやらなければ中途半端になつて行く。だから本當に主食に準ずるような扱いで水産物の配給ということが考慮されるならば、それに對應したような機構を考えて行くのではあるまいかと考える。それからもう一つ水産部の、ヘリングトンさんの言われたように、調査研究の部門というのが非常に遅れている。この部門についてやはりもう少し積極的にやつて行つてはどうか、從來我々が漁區の擴張にいたしましても或いは漁船の建造の問題にいたしましても、或いは又、その外、資材の要求にいたしましても、いろいろの要求をいたします時に感ずることは、非常に何と言いますか、我々の主張というものには科學的な基礎と言いますか、資料というものが非常に不足している。そういうような事柄から特にそういう方面を重んぜられる連合軍の水産部の方面の御理解を得るには非常にむずかしい場合が多い。それから又日本という國は從來とるだけとつて、とつたら、又その新しい漁場に行つて濫獲する、こういうふうな考え方が支配をしている、各國がそういうふうに考えている。でありまするからして、水産政策を立てる場合には、どうしてもやはり資源保護ということに重點を置いて、そうして對策を立てるというような行き方でありませんと、どうしても我々の主張というものが將來國際的に論議をされる場合に通りにくいであろうというふうに思うのであります。もつとそういうふうな方面に力を入れる。少くとも力を入れて行くんだという態勢をとることは必要じやなかろうかというふうに思つている。その外、又或いは漁船の問題その他についても、大いに研究をして行くというふうな部門を考えて行くことも必要だと思う。問題は何もないわけではないのでありまして、澤山水産局の内部でもあるのであります。ただそれを外へ主張いたします場合は、併しなから非常に弱いのでありまして、でありまするからして、私どもの懸念といたしましても、現在の林産局の機構のままで、これを水産廳にするという場合には、必ずそれでは意味がないという意見が大藏省なり、或いは法制局方面からも必ず出て來るのじやないかというふうに、私どもはまあ感じておりますけれでも、こういうふうな問題につきましては、從來の經過もよく説明して了承して頂きたいと思つておりますが、そういうふうな問題については、又參議院なり衆議院の方の又お力添えも頂かなければ、なかなか新たなる方面にむずかしい問題が出て來るというふうに感じております。
#31
○江熊哲翁君 私はこの委員會で前にも申したと思いますが私ども水産廳設置ということについては何十年か叫び續けて來たのでありまして、當時船のことも考えてはなかつたのでありますが、併し今日言われておるような意味において、船のことも考えていなかつた。それから資材の問題についても勿論當時ですから、自由に手に入るので、そういうことを問題にしていなかつたので、水産廳設置の問題は、日本の沿岸漁業という、この大きな世界の仕事をやつて行く上において、今日の水産局の程度では到底駄目だ、やり切れないといつたような意味から言つておつたのであります。今水産局長のお話を承つて私共非常に意を強くしたのであります。流石に私はアメリカの人の今のヘリングトンの言う資源問題でありますが、私共昔から水産局というものについて考えて行つた場合に、水産局は丸で一體何と申しますか、事務をやる所で、彼處は技術屋が何名かおりますが、これは丸で事務屋などで、そんなものを置くよりは、事務官を置いた方が宜いといつたようなふうにしか考えられない程度の技術者しかいない。本當の權威ある技術者は失禮ですが、水産局におられない。併し水産廳ができたならば私は資源局を置いて貰いたい。資源の調査ということは、これは水産資源ほど調査されていない世界はない。内水面關係にしろ、淺海關係にしろ、遠洋關係にしろ、殊に最近問題になつておる百三十度以西の漁場の整備擴張調査というものも皆目できていないのです。そたから資源の培養問題についても、ここに私が申すまでもなく一つの大きい問題になつて來たのでありますが、水産局は曾つてはそういつた空氣がちよつと芽を出しかかつたが、完全に芽を摘み取られておるのです。戰時中はそんな培養なんか暇がなかつたということも影響したのでありましようが、殆ど何處にそういうことを考えておるのかといつたような状態である。又そういつた方面に對する權威ある技術者なんか一人もいない。こういうことを考えました時には、水産廳の問題に素人にはなかなかお分りにくい點があろうが絶對に必要なのだ、今日各省に何とか廳、何とか廳というものができておるのであつて、やはりその方の側から見れば必要があるだろうと思いますが、私共から見れば、むしろ必要がないじやないかといく意見が出るくらいです。水産廳だつて、こんなに長い間我々專門にこれで生きて來た人間がこの強い叫びを、こういうふうに大變革をやることを要する時に、水産廳の問題がまだもつと低調に取扱われるということは、私は甚だ遺憾だと思つております。これは何としてもこの際に水産廳を作つて頂きたい。私は連合軍、軍政部は必ずや國民の切な要求を容れて呉れると思う。私はG・H・Qあたりに、資源局というか、資源課というか、ああいつた名前になつて連合軍にあることは、非常にえらいと思うのです。日本人ならばああいうようなことをなかなか考えないじやないかと思うのですが、私はヘリングトン氏の御意見は非常に有難い。私はそんなことは考えないじやなかつた。併しべら棒な戰爭で殆ど芽を摘み取られた。又そういつた考えも引込んでおつた。私は昔からそういうことを叫んでおつたが、今日程そのことに必要性を感ずる時代はないのである。日本が今後復興して行く、再建しい行く上において、水産資源問題程重要な問題は私はないと思う。私は資源調査の問題、資源培養の問題、こういうようなものも一局を設ける必要があると思う。こういうようなことについて先日の衆議院との合同の打合會の際においてどの程度の問題になつたか。私は後でいなかつたので分らなかつたが、私は長い間技術屋生活の結論として、これは私はこの點について專門的な意見を持つて、軍政部方面にも私個人としても話し得るだけの資料はあると思います。このためにも私は何としても水産廳を是非共設置して頂きたい。さらに局長の言葉の中にある漁業權制度の確立の問題、及び協同組合の仕事も、殊に新しく發足しようとするのでありますが、このことを合せて考えるときに水産廳の設置の問題は焦眉の急であると思います。そうしてこれはなんとしても次の國會においては實現するように、私は水産局長、農林大臣に御盡力して頂きたいのであります。
#32
○矢野酉雄君 會期ももうあと十六日しかありませんので、この問題はそう荏苒日を空しうしてはならんと思いますが、こういうような構想と態度で運んだらどうかと思うのであります。最前水産局長は、プライベートな私の意見として、というような一つの條件を附けての御意見があつたのですが、そういうような態度はもう根本的に、一切の問題をいつまでも紛糾させ、荏苒せしめて、そうして實現されない一つの大きい禍根だと思うのです。役人は得てしてそういうような態度を執る。そんなことではいけないと思う。水産局長が考えておるならば、その考えで大臣も必ず承服せしめるというような、一つの自分の識見と信念を持つて臨まなければならんと思います。だから水産局は水産局として堂々と獨自の一つの案を立てて、それで容れられようが、容れられまいが、とにかく日本の水産行政を眞に大改善し、そうしてそれを強化して行く途はここにあると考えたら、それで實現しなくても宜しいのです。國管案のようにあまり首吊りのように長い長い間曝されるというのは、實に國家の一つの私は醜態だと思うくらい殘念で堪らない。水産廳もややそうしたふうに運ばれつつありはしないかと思う。だから我が委員會においても、もう十數日しかないのですから、だからできなくてもよろしい。大きい構想に立てば行政改革を根本的にここに斷行して、そうして海運省か水産省を設立するという大眼目を、我が委員會はどつしりと肚を決めて、併し我々の目的とする所は我々の名譽を得るというのではなくて、水産業に携つておるところの人々の、その生産が少しでもよりよくなるための問題であり、而してそれは結局消費者が、この敗戰困窮の生活を少しでもしよくせられると同時に、多くの魚を、貝を得て、そうして生活を滿足して、そうして民主日本の建設に邁進する。その力を培養するというのが最後の目的である。でありますから、その大きい構想の下に肚を置きながら、この十數日しかない會期において、水産廳というものを實現ができるという見透しを立てて、最後はよしんば敗れてもよろしいが、この全國に痛切に叫ばれつつあるところの、水産業に携つておる人々の聲に、委員會としてはこれだけ努めたが、遂に刀折れてしまつた。併しそれを時期を超えては又明るき一つの途を開拓する、通らなければならない道筋であつたというような、私は荊棘の道を開いて行くというような態度は、是非委員會として早く決定しなければならんと思うのであります。でありますから水産廳設置に關する小委員會の諸君を鞭撻して、早急に毎日々々でも委員會を連續してやつて、いわゆる實際的立場から見た理想の案を先ずここに立てて行くというふうに運びたいと思うのであります。
#33
○委員長(木下辰雄君) 大體水産廳設置に關する皆さんの御意見は殆んど一致しておるように感じました。又水産局長もプライベートといわれましたが、大體において皆さんと同意見でありまするから、その意味において早急に小委員會の意見を纒めて、數日中に衆議院と再び合同委員會を開いてやりたいと思います。さよう御承知願います。本日の委員會はこれを以て閉會いたします。
   午後二時四十六分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           遠山 丙市君
          尾形六郎兵衞君
   委員
           門田 定藏君
           松下松治郎君
           加藤常太郎君
          前之園喜一郎君
           小畑 哲夫君
           田中 信儀君
           青山 正一君
           岩男 仁藏君
           江熊 哲翁君
           小川 久義君
           三好  始君
           矢野 酉雄君
           千田  正君
  政府委員
   農林事務官
   (水産局長)  藤田  巖君
ソース: 国立国会図書館
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