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1972/09/11 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第51号
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1972/09/11 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 農林水産委員会 第51号

#1
第071回国会 農林水産委員会 第51号
昭和四十八年九月十一日(火曜日)委員会におい
て、次の通り小委員及び小委員長を選任した。
 いも、でん粉等価格対策に関する小委員
      金子 岩三君    仮谷 忠男君
      佐々木秀世君    坂村 吉正君
      丹羽 兵助君    安田 貴六君
      山崎平八郎君    角屋堅次郎君
      美濃 政市君    湯山  勇君
      諫山  博君    瀬野栄次郎君
      神田 大作君
 いも、でん粉等価格対策に関する小委員長
                坂村 吉正君
―――――――――――――――――――――
昭和四十八年九月十一日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 佐々木義武君
   理事 仮谷 忠男君 理事 坂村 吉正君
   理事 山崎平八郎君 理事 渡辺美智雄君
   理事 柴田 健治君 理事 美濃 政市君
   理事 津川 武一君
      吉川 久衛君    熊谷 義雄君
      島田 安夫君    正示啓次郎君
      丹羽 兵助君    西銘 順治君
      長谷川 峻君   三ツ林弥太郎君
      森下 元晴君    角屋堅次郎君
      島田 琢郎君    竹内  猛君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      湯山  勇君    中川利三郎君
      瀬野栄次郎君    林  孝矩君
      小沢 貞孝君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 櫻内 義雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  中尾 栄一君
        林野庁長官   福田 省一君
 委員外の出席者
        林野庁林政部長 平松甲子雄君
        通商産業省貿易
        局農水産課長  豊田  整君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月十一日
 辞任         補欠選任
 米内山義一郎君     芳賀  貢君
  稲富 稜人君     小宮 武喜君
  神田 大作君     小沢 貞孝君
同日
 辞任         補欠選任
  芳賀  貢君    米内山義一郎君
  小宮 武喜君     稲富 稜人君
  小沢 貞孝君     神田 大作君
    ―――――――――――――
九月三日
 食糧管理制度の完全実施等に関する請願(神門
 至馬夫君紹介)(第一〇〇三一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
九月五日
 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融
 通に関する暫定措置法の改正に関する陳情書
 (東海北陸七県議会議長会代表愛知県議会議長
 白羽正一外六名)(第六八三号)
 農産物の価格対策等に関する陳情書(北海道議
 会議長高橋賢一)(第六八四号)
 優良農地確保のための農地転用許可基準改正に
 関する陳情書(中国五県議会正副議長会議代表
 岡山県議会議長南田忠人外四名)(第六八五号)
 圃場整備事業の通年施行に伴う補償措置に関す
 る陳情書外四件(二本松市議会議長高橋岩司外
 四名)(第六八六号)
 食糧管理制度の堅持に関する陳情書外二件(滋
 賀県東浅井郡びわ町議会議長酒井研一外二名)
 (第六八七号)
 食糧管理制度の堅持等に関する陳情書外二十六
 件(徳島県議会議長佐藤章一外三十二名)(第六
 八八号)
 国民食糧の安定確保に関する陳情書外二件(北
 海道上磯郡知内町長大野重樹外二名)(第六八九
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会設置並びに小委員及び小委員長選任の
 件
 森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一一九号)
     ――――◇―――――
#2
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、森林法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
#3
○野坂委員 農林大臣がおいでになれば基本的なことをただしてそれから具体的に林野庁長官にお尋ねをしたい、こういうふうに思っておりました。政務次官もおいででございますが、できるならば農林大臣の御出席をいただいて後、基本論についてお答えをいただきたい、こう思います。
 それでは、まず林野庁長官にお尋ねをいたしますが、いま森林資源そのものは国民にとって非常に重要な役割りを果たしておることは御案内のとおりでありますが、最近における伐採は、生長、そういうものを勘案いたしましてもちろん伐採が行なわれるわけでありますけれども、生長量に対して伐採量というのは大体どの程度なのか、また生長量は具体的に数量としてどのくらいなのか、最近伐採をしていらっしゃる数量というのはどの程度なのか、それを比較対照して具体的にお答えをいただきたい、こう思います。
#4
○福田政府委員 お答えいたします。
 生長量に対して伐採量がどのような状態になっておるかというお尋ねでございますが、これは国有林と民有林とを比較して見ますと、若干相違がございます。国有林におきます場合と民有林におきます場合と分けて申し上げてみたいと思います。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
 国有林の昭和四十七年度の実績でございますが、その伐採量は約一千九百万立方メートルでございます。これに対しまして生長量は約一千二百万立方メートルでございますので、伐採量が生長量を約六割上回っておるという現状にあるわけでございます。しかしながら、今後においては生長量は急速に増大してまいりまして、約十年後におきましては、伐採量は約一千七百万立方メートルに対しまして生長量も約一千七百万立方メートルというふうにほぼ均衡がとれる状態に達する見込みでございます。
 また、国有林がこのように生長量を大きく上回っておりますところの大きな原因でございますけれども、これは国有林は比較的奥地にございますので、相当老齢な森林が多いわけでございまして、老齢な森林というのは、御承知のように、ほとんど生長していないというふうな状態でございます。したがいまして、こういった森林を若い森林に切りかえていくためにはある程度伐採をしなければならないわけでございます。そういう意味で、ある一定の期間、森林を伐採して若返らせていくというためには、当分の間は生長量を伐採量が上回っておるわけでございます。
 それから民有林におきますところの伐採量と生長量の関係でございますが、昭和四十六年度におきます生長量は八千百二十三万立方メートルでございまして、これに対しまして伐採量は四千百七十三万立方メートル、伐採量は生長量の五一%にしかなっていないのでございます。生長量の今後の推移は漸減してまいります。昭和六十六年度をピークにしまして、この昭和六十六年度は一億九百十七万立方メートルとなる見通しでございますが、このように齢級が非常に不法正なためにその後次第に減少してまいりまして、昭和六十九年度には九千九百二十三万立方メートルとなるわけでございます。
 一方、伐採量は年々増大いたしまして、昭和九十六年度には九千四百三十四万立方メートルとなりまして、ほぼ生長量と均衡する見通しでございます。
 このわけは国有林と逆でございまして、民有林はいわゆる薪炭林が非常に多かったわけでございまして、そういった意味では天然林も樹齢が若いわけでございますし、また造林地も比較的多いわけでございますけれども、非常にそういった幼齢の造林地が多いという点が特徴でございます。したがいまして、生長量は比較的旺盛でございますけれども、まだ伐採できる樹木が非常に少ないというところが生長量を下回っておるという理由でございます。
 国有林と民有林とを分けて申し上げましたけれども、概略を申し上げますと以上のとおりでございます。
#5
○野坂委員 お話がございましたが、これの約六割、国有林の伐採量が生長量を上回っておることはそのとおりだと思います。しかし、一応計画として九十六年ということで四段階に分けて林野庁は計画を提出していらっしゃるのですが、原則的に伐採量というのは生長量と同じような比率といいますか、生長量だけ伐採するというように各県なり森林組合に御指導をなさっておりますか。どういうふうな指導をされておりますか。
#6
○福田政府委員 原則といたしまして、生長量に見合う伐採量が望ましいわけでございます。ただし、その場合には一年生の木から、伐採できますたとえば四十年生、五十年生までの各年齢の段階の木がまんべんなく同面積にあれば、これはいわゆる法正林と申しておりますけれども、そういう状態にございますれば生長量イコール伐採量ということになるわけでございますけれども、国有林のように非常に伐採に適した年齢をこえた木が多いところ、逆に民有林のように非常に若い樹齢の林が多いという状態でございますと、必ずしもそういったよう連想的な生長量イコール伐採量というわけにまいらぬものですから、適正な、いま申し上げた法正な状態に持っていく間、暫定的に伐採量が生長量を上回ってみたり、あるいはそれを下回ってみたり、前者は国有林の場合でございますけれども、後者は民有林の場合でございます。ただし、これは日本全国をおしなべて申し上げたわけでございますから、それぞれの地域におきまして国有林の場合は八十、民有林の場合は二百五十六の地域に分けまして、さらにそれをいろいろと細分いたしまして、具体的に現地に即しまして、全体としてはそういう方向に持っていくために計画的な施業をするよう指導しているところでございます。
#7
○野坂委員 全国的に各県とも十分承知をしていらっしゃるように、また掌握をしていらっしゃるようにお答えをいただきました。非常に明快なお答えだと思いますけれども、それぞれの、たとえば私は鳥取県の出身ですが、鳥取県にはそのような指導をして、生長量が幾らで伐採量は大体昭和四十六年度でどの程度だったか、民間の場合。それと、あなたが指導されたとおりになっておるだろうか。私は十分承知しておりませんが、いまのお答えをいただきますと、全体的に非常に具体的に明確に把握をしておられるようでありますから、お答えをいただきたいと思います。
#8
○福田政府委員 ただいまここに鳥取県の場合の資料は持ってきてはおりませんけれども、鳥取県の中におきまして、民有林の場合におきましては、その地域の地域森林計画というものをつくりまして、知事が具体的に施業の方針を定めております。また個々の山を持っております人たちは、それに基づきまして森林施業計画というものをつくらせまして、それで計画的に伐採し、計画的に造林するような指導をしておるわけでございます。ただ、個々の人たちがつくりますところの森林施業計画というのは、必ずしもまだ一〇〇%いってはおりませんですけれども、そういったものが共同してできた場合には、補助なり融資なりそういった税制で優遇するような措置をとりながら、こういった計画的な伐採なり造林ができるようにすることを私たちは念願し、指導しているわけでございます。
 国有林の場合におきましては、ただいま申し上げましたように、それぞれの地域の計画に基づきまして、営林局長あるいは営林署長が業務計画というものをつくりまして、これに基づきまして計画的な伐採あるいは造林をしているわけでございます。
#9
○野坂委員 それは掌握をしていらっしゃるのですか、営林署の業務計画、伐採計画というものをあなたは全部。
#10
○福田政府委員 五年に一度、地域施業計画というものを国有林の場合はつくりまして、これは十カ年計画でございますが、それに基づきまして営林局長が営林局五カ年計画をつくりますし、また営林署、三百五十一ございますが、それがそれぞれの営林署の業務計画をつくるわけでございます。これは営林署がつくりますのは五カ年計画でございますけれども、それは毎年つくるようにいたしております。いわゆるローリングシステムというようになっておるわけでございますが、それに基づきまして伐採、造林、林道、治山等の仕事を営林署の場合は実施しておりまして、その全体は、林野庁の業務部業務課で掌握しているところでございます。
#11
○野坂委員 業務課が把握をしておられるということは、あなたは全部掌握をし承知をしておると、こういうふうに確認してよろしいですか。
#12
○福田政府委員 三百五十一の営林署の伐採、造林が、私自身の頭の中に全部入っているというわけじゃございませんですけれども、林野庁におきまして予算を決定いたします場合には、必ず三百五十一の営林署の計画を各営林局が、十四ございますので、それを通してあげておりますから、そういった資料は全部準備し、その内容に基づいて予算を決定し、指導しておるところでございます。
#13
○野坂委員 それでは、書類的にも現実的にも把握をしておるというふうに了解をします。
 あとで具体的にそれらの開発の問題なり売り上げの問題なりお尋ねをしたいと思いますが、たとえばわが県、鳥取県の場合は生長量は百七万ですね、切られておるのは大体三十万程度ですね、民有林の場合。すると三分の一になりますね。全国的なながめと経済面なりあるいは国土保全、水資源涵養あるいは観光、こういうものの二つの側面を持っておる森林資源、林業というものに対して、今日も木材価格は高騰を続けておるわけですが、そういう民有林の指導――国有林はあせってそういう抑制策として切られる場合がありますけれども、いままでに天然林を切って人口造林をしても失敗したという経験を林野庁は持っていますね。したがって、そういう民有林は、なぜあなた方が指示し指導しておるように生長量と伐採量というものが並行していかないのか。九十六年の計画はどうでも立つと思うのですよ。どうでも立つ。しかし、今日の現状から見て、そういう方向、若年林とばかりは言い得ないと思いますね。そういう県別に適正に行なわれておるかどうかは御検討になったことがございますか。民有林の場合はもっと切られるではないか。切らない原因は一体何なのか、こういう点についてお尋ねをしたい。
#14
○福田政府委員 先ほど申し上げましたことは、全国一般的な傾向として生長量と伐採量の関係を御説明申し上げたわけでございますけれども、ただいま先生御指摘のように、個々の場合について見ますならば、民有林は若齢な森林が多いとはいいながら、やはり適伐――たとえば杉でございますれば四十年生、場所によって違いますが、四十年ぐらいたちますと、それを過ぎた五十年あるいは六十年、七十年という森林もあるわけでございますが、そういったような森林は計画的に伐採し、それを計画的に造林すべきではないかという御指摘であろうと存じます。これにつきましては、民有林の場合におきましては、鳥取県なら鳥取県の地域森林計画、それぞれの県がつくります地域森林計画に基づいて、それぞれ個々の山持ちさんが森林施業計画をつくるわけでございますけれども、このつくる度合いはまだ一〇〇%ではございませんし、また、つくりました場合には、特に数人共同してこれが計画をつくった場合には、さらに先ほど申し上げましたような助成の道をいろいろ講じているわけでございます。
    〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
 しかし、なかなかその伐採あるいはそれに従う造林が進まない原因としましては、たとえば労働力の不足であるとかあるいは外材の輸入に押されての材価の低迷という時期もあったとか、あるいはその他いろいろと原因があるわけでございます。そういったようなことの一番大きな原因の一つはやはり労働力の不足でございますので、民有林の労働力対策ということにつきましても鋭意指導あるいは予算措置等を講じてまいっておるところでございますが、確かに御指摘のように、計画どおりに伐採され、計画どおりに造林されていないという現実のあることは否定できない問題点でございます。
#15
○野坂委員 民有林の場合はどういう人が切らないのかということを聞きたいのです。たとえば民有林の場合は全国的に千四百万ヘクタールぐらいですかね、国有林が八百万、公有林が二百万として。その中で二百五十六万戸の林家数があるというふうに林野庁は示しておられます。この中で一ヘクタール未満の方々が百四十二万戸、五ヘクタール未満の皆さんが八十五万戸、林家数は五ヘクタール未満の皆さんが大体八八・七%と承知しております。そのとおりだと思いますが、そのとおりかどうか。違ったら指摘をいただきたいと思うのですが、その方たちが切らないというのではなしに、わずか一二%程度の林業家の皆さんの木が切られていない。その原因は労働力の不足と、そしてもう一つは何ですか、二つ言われたと思いますが。今日の木材の高騰、しかも産地国の輸出制限というような実情から、国の政策としてどうあらねばならないか。また、そのためにはどうしなければならないか。その対策と指導性はどのように具体的に浸透しておるのか、その度合を数字をもってお示しいただきたい。
#16
○福田政府委員 ただいま数字をあげてお話ございましたが、先生御指摘のとおりでございます。確かに九割近くというものは、約九割でございますが、零細つまり五ヘクタール未満の山林の所有者でございます。いま申し上げました計画を比較的よくつくっているのは比較的規模の大きい人たちでございます。こういう人たちは二十年とか三十年単位で伐採できますから、相当大きい面積を持っているならばそういう計画伐採ができるわけでございます。したがって、こういう計画のでき方も、計画的な仕事の実行のやり方も、わりあいに大きい規模の山林の所有の人たちはよくいっておりますけれども、いわゆる五ヘクタール未満、一町歩程度というところはなかなかそういう計画施業が適用しにくい問題があるのでございます。
 そこで、どういった対策を講じているかという問題があるわけでございますが、一人では少ないわけでございますけれども、何人か集まればその面積は比較的多くなるわけでございます。そこで、従来は数人共同して施業計画をつくった場合にはいろいろと補助なり税制なりあるいは融資なりについて優遇する条件を与えておったわけでございます。ところが、数人共同と申しましても、一人の人が持っておる山を全部出さなければならぬという制度でございます。そこで、一人の人が五、六カ所に分散して持っている場合もございます。あるいは十数カ所持っている場合もございまして、集めても団地が飛び飛びになるので、なかなか施業計画がうまく進まなかったという問題もございました。親会社、子会社とかあるいは親類関係だけはまとまりますけれども、なかなかまとまらぬというので、四十八年度から全部出さなくてもいい、一部でもいいから団地としてまとまっている――具体的に申し上げますと、約三十町歩くらいあれば計画施業はできるというふうに判断できますので、持っている森林の一部でもいいから出し合って、属地的にまとまれば、少なくとも三十町歩程度まとまれば、計画的な施業ができるということを考えまして、四十八年度からは、そういったものに対しても同じように優遇措置を講ずる制度を実施しておるところでございます。したがいまして、今後はそういった零細な人たちにつきましても、この計画制度が浸透していくというように期待しているわけでございます。
 その場合に、いまお話がございました山を持っている人が、みずから労働力を提供しても間に合わぬ場合はお互いに労働力を提供し合おう、たとえば森林組合の労務班のような組織を強化してまいらなければならぬ、こう思うわけでございます。
 そこで、現在はそういったことでだいぶ森林組合の労務班の数もふえておりますし、その組織率も上がってきておりまして、こういった面で雇用の長期化、安定化ということも促進されつつありますので、いま申し上げた零細な人たちに対しては、特にそういった組織を通じて計画伐採と計画造林を遂行してまいりたい、こう思っておるところでございます。
#17
○野坂委員 私の質問以外のところを非常に御丁寧に御説明をいただきましたが、私が特に質問をいたしましたのは、約九〇%の方々は小林家です。その九〇%の皆さんの持ち山というのは約二百三十一万ヘクタールにしかならない。だから、千四百万町歩持っておる皆さん、具体的に言うと、公有林を差し引いて千二百万町歩持っておる大きな山林地主、山林家、林業家、こういう皆さんについては、具体的に生長率と伐採量というものが合っていないじゃないですか。だから、そういう方々に対する指導性がどこまで徹底しておるのだ。言うなれば、あなたは一応は全国のそういう点についても業務課等を通じ、林政部等を通じて総括していらっしゃるのですから、そのことについて、大きな林業家に対して、今日の社会情勢から見て、国土の保全なりあるいは水資源の問題なり環境保全の問題等を含めて十分に切り出すことができるではないかということが常識的に考えられますし、私たちが歩いてみても、百年、百五十年たった民有林の大木というものがそびえ立っています。生長量というものは百年もたてばそうあるわけじゃないですから、それについての処置、指導、そういうことがどのように徹底をしておるかということを私は聞いておるのです。その方たちの伐採量は少ないのです。
#18
○福田政府委員 いま御指摘の相当大規模の森林の所有者、その中には個人として持っている人もございましょうし、会社組織もあるわけでございますけれども、こういう大規模の森林所有者のほうは、むしろ施業計画の編成率は零細なものよりは高くなっております。したがって、その計画的な施業に基づいて計画伐採、計画造林をしているという統計もあるわけでございますが、ただいま御指摘ございました百年、百五十年たっているというふうな例は、主として造林地等の場合にはきわめて少ないと思います。むしろ天然林などの場合にはそういったところがあると思いますが、広葉樹林とか、針葉樹も一部まざったようなそういった地帯につきましては、施業林は別としましても、林道等の施設がございますれば、やはり改植計画等に基づく造林を進めておるのが実態でございます。そういう個別の計画をつくる人たちに対しましても、計画伐採の認定がございますれば、やはり同じように優遇措置は講じているわけでございます。やはり百年以上、二百年というようないま御指摘のありましたところは、天然林が主であろうと思います。造林地につきましては、そういう百年以上というのはきわめてまれなケースしかないというふうに私は記憶しておるのでございます。
#19
○野坂委員 そういう施業計画に基づいてなかなか実施ができないというお話もありましたが、それは労働力の不足が一番大きな原因だ。なぜ労働力が不足しているのですか。
#20
○福田政府委員 重要な点の御指摘でございますが、私たちの判断では、労働力が最近減少してまいります原因は、特に山村地帯におきますところの林業労働に従事しております人たちの賃金の水準なりあるいは社会保障制度の適用なりというものが、ほかの産業に比較いたしますとおくれておるという点が大きな原因であろうと思います。都市から森林に遊びに行く人は多いわけでございますけれども、森林地帯の中で働くということの希望が少ないというのはまことに遺憾な問題でございまして、そういう意味では、この山林において働く人たちの労働条件、労働環境の整備ということに全力をあげていかなきゃならぬということは、御指摘の点については基本的な点であろうというふうに考えております。
#21
○野坂委員 労働条件の整備と労働環境の整備をしなければ労働力の不足は充足できない、こういうお話がありました。
 そこで、労働条件は今日幾らでこれからどのようにするのか、労働環境というものをどのようにこれから現実に指導を具体化されようとしておるのか、伺いたい。
#22
○福田政府委員 ただいま私どもが各県に対しまして指導しております要点を申し上げますと、一つは、森林の作業に従事する期間をできるだけ長期にするということでございます。御承知のように、林業労働は、春の植栽時期、夏の刈り払いの時期は非常に忙しくて労働力がたくさん要るわけでございますけれども、冬の時期には逆にそういう労働力は必要でなくなるということもございまして、季節的な原因によってその需要のアンバラがあるというところに一つの大きな原因がございますので、この季節を通じていろいろな作業を組み合わせて、年間働けるように、つまり長期間働けるようにということで、現在では百八十日以上働いた者に対してはいろいろとその退職の際に手当を支給するという制度も一つございます。
 それからもう一つは、ある場所からある場所に移動していく、そして年間働けるようないわゆる流動化の問題が一つございます。林業労働に従事する人はその場所からなかなか動きたくないという一つの家庭的な条件もございますので、できるだけ隣の村とかあるいは隣の近い県のところへ移動して働くということによって、年間働けるような条件をつくり出そうということに対しての指導の予算もつくっているわけでございます。
 それからまた、この労働する場合に、いろいろと施設の関係、たとえば宿泊の簡易な設備であるとか、あるいは移動する際の車の問題であるとか、あるいは安全作業を考えてのチェーンソーに対するいろいろな対策とかいう点での、そういう環境改善について予算措置も講じておるところでございます。
 そういったようないろいろの対策を講じまして、できるだけ長期間安定して作業できるような環境をつくりたいというふうに考えておるわけでございます。
#23
○野坂委員 百八十日間の労働日数、これを目標にしておるということでありますが、民有林を中心に働いておる山林労務者の皆さんは、労働条件といえば、社会保険ですね、厚年とかあるいは失業保険とか。労働災害は、これは強制加入ですから。したがって、この隣の村というものへ移っていく場合には、事業主もかわってきますから一応切られますね。そういう林業労働者の社会保険というのは、今日全国的にどの程度入っておるのか。掌握されておるのか。
 それから、今後、林業労働者の名のつく者が全部社会保険を享受する――いまあなたがおっしゃるように、労働環境と労働条件の改善は自信をもって進めるということでありますから、いつごろそれは完全にやれるのか。問題は、労働力が不足になれば資源の確保は困難になるわけでありますから、具体的に大体いつを目標にしておるか。いつやるか、ことしですか。聞きたい。
#24
○平松説明員 先生御指摘のように、林業労働者に関する社会保障の適用につきましては、適用の状況が非常に不十分でございまして、先生御指摘の労働者災害補償保険につきましては、強制加入でございますから、ほとんど全部が加入しておるという状況でございますけれども、失業保険につきましては四十六年の九月末現在で約四万名足らずというふうな状況でございますし、それから政府管掌の健康保険が、これは統計の関係で農業、漁業も含んでおるわけでございますけれども、大体六万名程度、厚生年金保険がやはり六万名程度というような状況でございます。
 それで、先ほど長官から御説明いたしました就労長期化対策ということで、現在は百八十日以上の就労をしておる人に退職する際に手当を支給するというような制度をやっておるわけでございますが、これは四十五年に発足をいたしたわけでございまして、御存じのとおり、失業保険については年間二百五十日以上就労しないと対象にならないというような状況でございますので、林業労働者をできるだけそういう状況に近づけていくということで、最初百五十日以上から始めまして、毎年、年間十日ずつ繰り上げるというようなことで、二百五十日に近づけてまいりたいというような形で運用をいたしてるわけでございまして、失業保険につきましては、五十一年の一月までに、どういうふうな形で農業、漁業とともに林業について失業保険を適用できるように改善するかというようなことについて、結論を得るというようなことになっておるわけでございますから、私どものほうのほかに労働省とも協議をいたしまして、その方面の準備を進めておるわけでございます。
#25
○野坂委員 失業保険は、五十一年度までに労働省と話して善処する、こういうことでございますね。
 いまの賃金なのですけれども、いまの賃金は非常に低賃金だと私は思っておりますが、あなたはどう思いますか。
 それから、老齢化、婦女子化ということが最近非常に進んでおる。それは、低賃金であるし、労働環境が悪い、労働災害が多い、こういうことに起因しておると思いますが、そうですか。
#26
○福田政府委員 賃金の水準について申し上げますと、先ほど申し上げましたように、ほかの産業に比べて条件が悪いというふうにお答えしたわけでございますが、民有林労働者の賃金の実態につきましては、労働省の林業労働者職種別賃金調査、それから屋外労働者の職種別賃金調査、それから農林省の農村物価賃金調査、林野庁の民間林業労務者の賃金実態調査等ございます。これらをもとにして、この推移を見てみますと、民有林労働者の賃金の、伐木業の四十三年の平均が千八百六十五円、これが四十六年では二千六百八十一円となっております。ただ、造林手の平均は、四十三年が千五百四円で、四十六年が二千二百五十七円というぐあいに上がってきておりますが、伐木に対して造林は低いという状態でございますし、参考までに建設の屋外作業というものが、昭和四十三年千七百五十六円、四十六年の二千六百五十円というのに比べて、おおむね伐出業についてはこれに近い数字でございます。なお、参考までに農業労賃の平均は、四十三年が千二百四十一円で、四十五年までしかわかりませんが、四十五年は千六百十一円というふうになっておるのが実態でございます。
 なお、これは民有林の関係でございますが、国有林野事業につきましては、いわゆる基準内賃金と基準外賃金とございますが、基準内賃金については、民有林労働者と大体バランスがとれておる模様でございます。
#27
○野坂委員 高齢化、婦女子化ということについて……。
#28
○福田政府委員 平均いたしまして毎年一歳ずつ高齢化しておるのが現状でございます。私の記憶では、大体平均四十一歳から四十二歳くらいになっておるというふうに記憶いたしております。なお、男性が少なくなって、女性の占める割合が多くなっておることも実態でございます。
#29
○野坂委員 いまのお話がありましたように、白書も述べておりますが、だんだん老齢化しております。四十歳以上というのが六三%にもなっておる。こういう事情は、後継者に対して非常に疑問を抱かなければならぬ。それは、いまおっしゃったように、非常に労務費が安い、そして、社会保険等がそれにかかっていないというところに一つの大きな問題がありますし、他の産業の労働者の賃金と比較して安いために、異常に県外にその地域から流出をして、過疎化現象を招いておる。こういうこともやはり林政の根幹に触れる問題であると同時に、国全体の問題として考えなければならぬ、こういうことになると思います。
 いま林野庁長官からお示しをいただきましたように、建設業者とほとんど同じ、こういうことです。この間から何回も本委員会で、きょうは申し上げませんが、いまチェーンソーを使って白ろう病になっている。だから、そういうきたない、しかもきびしい、しかも労働災害の非常に多い林業労働者をやめて、安全な場所へ逃避するのは人間の当然の姿だと思うのです。そのためには、いまの二千六百八十一円では、二十四日間で六万四千円にしかなりませんね。さすれば、ほかの業種の場合はそれに加えてボーナスというものがありますね。いわゆる生活一時金といいますか、補給金といいますか、そういうものが全然ない。そうすれば異常なほど他の産業の労働者に比べて賃金の格差がある、こういうことになると思うのです。それについては、国有林も民有林の労務者の皆さんと同じ程度だということですけれども、全体的にボーナス等含めてレベルアップをしていかなければならぬじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。
#30
○福田政府委員 先ほど民有林のことを少し詳細に申し上げまして、最後に国有林のことにちょっと触れたわけでございますが、国有林の場合は常用作業員、次いで定期作業員という制度があることは先生御承知のとおりでございますが、大体国有林の場合の基準内の賃金、つまり手当を除いたものが、いま民有林の賃金に、大体職種別に見ますと匹敵しているわけでございます。ただ、常用作業員あるいは定期作業員等につきましては、程度の差はございますけれども、手当の制度がいろいろございます。それを比べますと、国有林と民有林を比較して、民有林のほうが劣っているというのが実態であります。したがいまして、昭和五十一年までにそういった問題についての解決をはかるべく、四十九年度はその調査費を実は計上しているのもそのためでございます。そういう内容でございます。
#31
○野坂委員 喫緊の問題ですから、いまは昭和四十八年でございますから、目標は五十一年ですと非常に問題があろうと思いますね。いまの問題は、労働力が不足するわけですから、五十一年といわず、できるだけ早目に、そういう点については来年にでも問題を解決する、一つずつ解決をする、こういう姿勢のほうが林野庁長官としては正しい姿勢だ。調査を待ってというよりも、毎年将来の施業計画なり業務計画等についても全体的に把握されているあなたなんですから、その骨幹である、もとであるのは林業労働者だと思いますね。そういう方々の実態を知らないはずはないと思います。あと三年もかからなくても、来年からそういう点については、少なくとも失業保険等は全国的に実施をする、こういう姿が望ましいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 もう一つ、国有林の常用の皆さん――定員内の皆さんは非常に違うわけですが、常用の皆さんも必要であるわけですから、しかも民有林の場合でも百八十日を将来二百日あるいは通年というようなかっこうに持っていきたい、こういうあなたの考えですから、国有林に従事しているそういう常用の方は、定員内に繰り入れるべきではないか、こう思うのですが、どうでしょう。
#32
○福田政府委員 調査しておると申し上げましたのは、失業保険の問題でございまして、主管官庁としては御承知のとおり労働省でございますので、その辺との連絡を十分保ちながら、ぜひ五十一年度には発足できるようにという調査をしているというのが、いまの失業保険の問題でございます。
 なお、退職手当の問題につきましは、先ほど三項目あげて最初に申し上げました百八十日以上だんだん上げておりますが、離職率の二五%という問題がございますので、だんだんに年間に働く日数を多くして、今度は百八十日以上となっておるわけでございますが、そういった人たちに対しましては、国、県、市町村、事業主等が持ち寄りで退職手当は支給している。少しずつ、実はそういったことをやっておるわけでございます。基本的にいま申し上げたように、労働省との連絡をとりまして、実現できるような調査を実はいまやっておるところでございます。
 国有林の問題につきましては、ただいまのところでは、定員内職員に繰り入れておりますのは、主として機械に従事いたしておりますところの作業員を二千七百名繰り入れたわけでございます。なお若干残っている問題がありますので、これも早急に繰り入れを実施したいと思っておるわけでございます。
 それから、常用作業員全般の問題につきましては、これは関係各省ともただいまいろいろ折衝しておるところでございますけれども、常用作業員全般の問題につきましては、常勤制を付与する問題と、定員内に繰り入れる問題と、二つの解決方法がございますので、関係各省と折衝しておるところでございます。
#33
○野坂委員 林野庁長官としては、あなたの所管下にいらっしゃる労働者の皆さんですから、定員内に繰り入れるという立場で関係諸官庁と話し合いをされておるでしょうね。これが一点。
 それから、確かに失業保険の問題については労働省の所管です。たいへん失礼をいたしました。しかし、それに対して実態を労働省以上にあなたのほうは把握をされ、掌握をしておられるわけですから、すみやかに資料等を提供して善処することが国の行政としては望ましいと思うのですが、その点、具体的にどのような努力をされているか。五十一年といわず、四十九年にでも実施をするという体制は、親である林野庁の長官としては進めていないのかどうか。他の所管であってもあなたに一番大きな責任がある、こういうように私は思っておるのです。
#34
○福田政府委員 御指摘のとおりでございまして、定員内の繰り入れの問題につきましては、私は定員内職員と定員外の現場作業員と比べまして、現場で働く人たちの労働力の強さとかあるいは環境の問題を考えるならば、先ほど申し上げましたように、山に若い人がとどまらないという実態がそこにあるわけでありますので、これはむしろ、定員内職員以上に処遇の方法を考えてやらなければいけないというくらいに思っておるわけでございます。
 それから第二の問題につきましては、労働省の所管事項でございますから、労働省にまかせて私は知らぬというわけではございません。ただいま労働問題の小委員会も林政審議会の部会の中につくりまして鋭意検討を開始しておるところでございまして、早急にこれは結論を出していただきたい、こう思っております。
#35
○野坂委員 農林大臣がお見えになりました。お尋ねをいたしますが、いま林野庁長官からお答えをいただきましたように、国有林に働く定員外の労働者、特に民間の林業労働者も、これから通年労働という姿に変えて、少なくとも長くて五十一年には実施をするということであります。できるだけすみやかに実施をするということでありますが、そういう定員内繰り入れの問題については、これから閣僚会議等で問題になろうと思いますが、林野庁長官が姿勢を示されたように、そういう必要な人員といいますか、現在働いておる労働者の皆さんは合理化をするということではなしに、定員内に繰り入れる、そうして将来の林業経営の遺憾なきを期する、こういう立場で定員内繰り入れを実現するように農林大臣としては胸をたたいて責任をもって善処されますか、どうでしょう。
#36
○櫻内国務大臣 林野庁長官のほうよりお答えをいたしておるので尽きるのでございますが、私としては、定員内であろうが定員外であろうが、林野関係の労務者の処遇改善の上に常に細心の注意を払い、向上につとめるという姿勢をとるのは当然のことであると思います。
 ただ、機械要員の定員内に持っていくことにつきましては、これは方針をはっきりさせておるわけでございまするが、その他の作業員につきましては、他の場合にも同種の労務関係者がございまするので、特に林野関係だけを別に扱うというところにむずかしい点のあることは、野坂委員にも御了承いただきたいと思うのであります。
#37
○野坂委員 農林大臣はいつも比較的姿勢は正直でいいんですが、何か自信のなさそうな答弁ですね、常に。だから、私は努力します、しかしこういう点についてはどうもぐあいが悪いというようなことではなしに、やはり農林大臣というのはそういう意味の最高責任者なんですから、明確に、林野庁長官もあなたを補佐する立場で、その点についてはついては善処したい、こう言っておるのですから、すっきりした御答弁をいただきたいと思うのですが、どうでしょう。
#38
○福田政府委員 ちょっと前もってお話ししておきます。
 これは公務員制度全般に関する問題でございます。私は先ほど前例を尽くして申しましたが、機械要員の問題については先ほどお答えしたとおりでございますが、非常に公務員制度全般に関する問題でございますので、大臣もこのようなお答えをしたと思います。よけいな御説明かもしれませんけれども、私からも一言申し上げておきたいと思います。
#39
○櫻内国務大臣 お答えしにくいところをずばりとお答えしなければならないようなことなんでございまするが、ただいま長官から言われたように、公務員制度の中で考えなければならない点もございまするので、気持ちとしては処遇の改善、向上につとめたいということでございまするが、ただ自分の所管だけがいいということでなく、私としては全般的な向上を望む中で解決をしていきたい、こういうふうに考えます。
#40
○野坂委員 いま、農林大臣、あなたもおいででお聞きをいただいたと思うのですが、労働力が不足をしておるために林業の振興がはかれないし、そして国の資源というものがさらに充実強化できない。しかも外材等の輸入は規制をされる。そういう事態のあるときに、その原因が労働力の不足にあるということになれば、一体なぜなのか。それは賃金が低いからだ、労働環境が悪いからだ、条件も悪い。したがって、その条件を引き上げ、環境をよくしなければ林業労働者というものは集まってこない。さらに国が直営をしておる国有林に働く労働者がそのような姿であるならば、さらに問題は大きいであろう、こう思うのです。そして、それを引き上げて、他に働く民間林業者、そういう労働者の皆さんも同じ業種でありますから、高めていかなければ、将来の林政というものに重大な結果が出てくる。九十六年までの計画策定があったにしても、いつも計画どおりになってこないというのが今日の農林省がすべて掌握をしておる実態なんです。だから、そういう点について計画どおり進めるその根本である労働問題を解決することは何よりも私は重要だと思うのです。そのことはわが委員会で何回となく与野党を通じて同僚の委員がきびしく追及をし、あなたの善処を求めてきたんです。だから、そういう公務員全体の問題がある、こういうことでお逃げにならないで、少なくとも農林省は大蔵省よりは上だというくらいな、胸を張って、総理府なりあるいは大蔵省なり関係省庁に対して、櫻内農林大臣を信頼して働いておる多くの農林労働者の皆さんにこたえていただきたい、私はそう思うのです。それの期待にこたえますかと、こう聞いています。
#41
○櫻内国務大臣 林野行政の中の問題点は野坂委員が御指摘したとおり、また本委員会でしばしば論議をされておるとおりで、私はその点は全く同感であります。
 しからば、その中で最も重要な労働力を確保する問題、その処遇の改善についてはどうか、こういうことになってくるわけでございまして、その改善のために鋭意努力しておることは実績が示すのでございまするが、皆さま方の御満足を得ておらないということも十分承知をしております。しかし、鋭意努力しておるということは、これは皆さん方のほうでも、その努力が多いか少くないかは別として、努力をしておるということについては御了解がいただけると思うのであります。
    〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
 しかし、いま非常に私がお答えしにくいのは、ここで何か非常に理想を高くお示しをして、しかもそれがすみやかに解決ができるように申し上げていくのがいいのか、しかし、私としてはあらゆる努力をいたし、処遇の改善、向上につとめていくというじみちな方向で答えるのがいいか、これは私としては答弁に非常に苦慮するところであります。しかし、私としてはじみちにお答えしながら、そして成果をあげるほうがいいんではないか、こういうことで、そのお気持ちの点は十分わかりまするし、方向についても御指摘のとおりだと思っておるのでございまするが、ただ、行き方が遺憾ながらじみちな行き方をお示ししておるので、皆さん方から御批判をちょうだいするのでございまするが、それかといって、ここで何か非常に飛躍的な方向をお示しするというのはかえっていかがかという気がするので、御了承をいただきたいと思います。
#42
○野坂委員 成果をあげるという答弁がありました。したがって、農林大臣のいままでずっととってこられた正直さを信頼して、本年中その成果を期待します。
 それから、国有林の場合は原則的に直営だと思います。直営をすることが正しいと私は国有林の場合思いますが、これからの方向というのはどういう方向をたどっていくようにお考えでございますか、また指導されるつもりですか。
#43
○福田政府委員 国有林の経営につきましては、いろいろな機会におきまして審議をお願いし、あるいは私どもも鋭意検討してきたところでございます。最終的には昨年の十二月に総理大臣の諮問機関でございますところの林政審議会からその経営の大綱についての答申をいただいたわけでございまして、今後の方向といたしましては、その答申を尊重いたしまして、これを実施に移してまいりたいということでただいま鋭意検討中でございますが、その一部につきましては四十八年度の予算で実施し、なお四十九年度の予算でもこれを要求しておるところでございます。
 で、直営が原則であるかどうかという問題につきましては、逆に直営直用の問題と直営請負の問題があるわけでございます。これはやはり一般論として、原則として直営であるとかあるいは原則として請負であるとかという点につきましては、いろいろと林政審議会の中でも論議されたことでございますし、この委員会の場においてもたびたび、あるいはほかの委員会でもお答えし、御意見をいただいたところでございます。
 その結論は、この現地の実態に即して、いずれの場合におきましても国民全般の皆さんの納得のいくいい直営直用であり、いい請負でなければならぬということでございます。要するに、これは日本全国一律にきめる問題じゃなくて、その地域地域の実態に応じてその沿革を考え、今後の方向をきめてまいりたいというふうにいま考えているところでございます。
#44
○野坂委員 私は今度の法律等の動きから見まして、大体民間に、たとえば伐採にしても、造林にしても、労務班というのを森林組合合併助成法等から見てつくって、それへ移行していくという傾向が強くて、できるだけ人数を減らしまして、国の場合、そうして下請に出すという傾向が強まってくるではないか。そういうことになると、決して信頼をしないわけではありませんが、たとえば手抜きとか、いろいろなことを御心配にならなければならぬ。それよりも、直営直用のほうがはるかに信頼性もあるし、安心をして労働力の確保ができる、こういうぐあいに私は思うのです。だから、その方向を、地域地域の特殊性と実情によって違うと思うのですけれども、原則的にはその方向がいいのではないかということを提言しておるわけです。どうでしょう。
#45
○福田政府委員 この問題につきましては林政審議会におきましても非常に時間をかけて議論されたところでございます。結論についてはただいま申し上げたところでございますけれども、ただ、いま御質問のございました森林組合の労務班については、これを導入する考えかという御質問でございますが、これはそうは考えておりません。森林組合の労務班については、森林組合の育成強化のために必要なものでございまして、国有林にそれを積極的に導入するという考えはただいま考えておりません。
#46
○野坂委員 私は原則を一つ一つきちんとしておきたい。そうしなければ、ああでもない、こうでもないという役人さんのそのときそのときに応じた対応策というよりも――原則はこうだけれども、こういうメリットがあってこうしました、こう言っていつも大臣はメリット制を盛んに強調されますね。だから、あなたは言うなればそれの補佐官なんですから、そのメリットも考えてやる。
 原則は直営直用ですか、その点どうです。
#47
○福田政府委員 これは非常にむずかしい御質問でございまして、原則論へいきますと、森林は国営にすべきか、民有にすべきかということが非常にむずかしい問題であると同様、経営形態につきましても、直営直用を原則とするか、あるいは地元関係の労務を主体にした従来からある請負を原則にするかという反対の議論が出るわけでございまして、したがって、私の考えとしては、その原則論というのはそういうところにあるのでなくて、やはり直営直用が持っていますいいところもございます。しかし、硬直的な面もございますから、そういう点は実態に即して判断しなければいけない。それは直営直用を無理にふやすとか、請負を減らすということは考えていません。やはり国営の経営については、国営の中に働いている公務員ばかりではございません。やはり昔から国有林に対して働いている地元の人たちがそれで生活してきたという実態も現にあるわけでございますから、やはり国有林の公務員だけが国営の仕事をするという原則は考えなければならないと思うのでございまして、昔から働いている地元の労務関係、その組織もよく考えて両方の立場を尊重していかなければなりません。やはり地域の実態とその地域の沿革に基づく判断であるというふうに思いますから、能率性の原則であるとか、あるいは公益性の原則というものがございますから、直直か請負かということは、原則というふうに考えたくないと実は私は思っておるところでございます。
#48
○野坂委員 時間がありませんから、そう議論をしようとは思いません。ただ、私は、国の仕事は国家公務員がやるし、県なり町村の仕事は原則的には地方公務員がやって、足らざるところは他から補って、臨時その他下請で行なう。たとえば清掃もそうだけれども、他の下請に出さざるを得ない、こういう実態があるということは私は否定をしていないのです。だから、地域の特殊性なり地域の実情とその地域の労働者なりの生活権の確保という意味では、私は決してあなたの意見というものは否定しておりません。しかし、国有林全体の経営は国が責任を持つんだから、これを施業し進めていくというのは、国家公務員なりあるいはその直用という原則を踏まえながら他で補完をしていく、そして地域の実情でそれに合わせていく。数学でも定理もあれば公式もあって、それを当てはめていくというのがわれわれが学問をしてきた原則なんですから、そういう意味で私は原理原則をお尋ねしておるのですよ。どうです。
#49
○福田政府委員 その仕事の内容を見ますと、国有林の場合は伐出事業というものがやはり問題でございますから、仕事がいろいろございますので、ただいま御指摘ございましたように、国有林のたとえば経営計画全般あるいは事業計画全般については国が責任をもって行なわなければならぬ、こう思っております。しかし、実際の作業の経営形態については、いずれの部門が担当するかということは、仕事の性格によって造林事業もございますれば治山もございますし、あるいは林道工事もございますし、現に治山事業であるとか林道事業というのは請負形態が主体でございます。そういった面を勘案いたしますと、いま御指摘のように、計画部門については責任をもって国がやらなければならぬということは当然でございますけれども、作業の実行はどうするかという経営形態の問題につきましては、ただいまお答えしたとおりでございます。
#50
○野坂委員 いずれ議論はいたしますが、私はそういう考え方で進めるべきだ。責任を持つならば、その責任をさらに強化をして、むだのないように、またいらうことのないように措置をすることが国有林行政としての基本的な態度であろう、私はこう思います。十分御検討いただきたいと思いますし、善処をしていただきたいと思います。
 それでは、あなたがそういうことをおっしゃいますからお尋ねをしますが、たとえば下請に出されると十分そういうことが措置をされておるかということになると、下請業者は――いわゆる国土保全なり環境保全ということが中心に直営直用の場合は考えられますね。そうだと思いますが、どうですか。下請業者の場合は、そういう国土保全なり山をいためない、こういうことが原則でいけますか。それとも利潤ということが考えられますか。どっちなんでしょう。
#51
○福田政府委員 下請という場合におきましては、下請を受けた業者のほうから見ますならば、企業形態でございますから、一応これを野放しにしておきますならば、利益追求ということに走りやすいだろうというのは通常の形態だろうと思います。ですけれども、治山事業におきましては、特にこれは仕事の内容自体は公益的な性格の最たるものでございまして、一般会計導入についても、治山事業につきましては、一〇〇%一般会計財政負担によらなければならぬと考えているくらいでございます。したがいまして、その実行の計画につきましては、御承知のとおり、五カ年計画に基づきまして非常にこまかにこれを計画いたしております。実行する場合には、監督指導を厳重にしてこれを指導しておるところでございますから、そういう治山事業のような場合におきましては、いまただいまそういった指導監督、管理と申しますか、そういう点に配慮していかなければならぬ、こう思っております。
#52
○野坂委員 私は原則を聞いておるのに、ずいぶんおこだわりになりますけれども、公益的機能を有する山林ですから十分管理指導するということなんですが、公益的機能を有するために、銭金に目をくれないで一生懸命に山の意義を知っておるのは、そういう下請の皆さんよりも直営直用、そして命令どおり、あなた方が心配ないようにまかせきりでできる直営直用のほうが利益がありますね。そうだと思うのですよ。下請の場合は、何か手抜きでもありはせぬかというふうに、目を三角にして見ていなければ自信が持てないということになると、国有林を造林するのにどっちがいいでしょうね。
#53
○福田政府委員 いま治山事業についての御指摘がございましたけれども、造林事業につきましてもやはり同じことが言えると思うわけでございます。造林事業につきましては、直営直用の形態もございますし、やはり昔からのそういう地元の人たちを中心とした請負の形態もございます。特に造林の場合につきましては、会社形態もございますが、愛林組合というぐあいに、昔から山火事の場合に発動協力してくれたり、災害の場合に協力してくれたり、特に地元の人たちは国有林を非常に大事にする、愛する気持ちを持っていることは、これは定員内、定員外の国有林野事業に従事する公務員にも負けないものがあるんじゃないかと思っております。やはり先祖代々山を守ってきた人たちの団体でございます愛林組合は相当造林の面にも協力しておるものでございますから、そういったことも考えますと、この形態につきましては必ずしも直営直用ばかりではなくて、山を大事にするという点からいくならば、地元の関係はもちろん、山へ行く人たち全部がそういった意識を持ってもらわなければならぬと思うわけでありまして、少し言い過ぎではございますが、最近都会から山へ行く人たちが高山植物をとったり、いろいろなものをとったりする、ほんとうに山を愛しているのかという気持ちを持っております。それは取り締まるというよりはやはり教育の問題でございます。国民全体がそういった面について関心を持って、山を愛し協力してもらわなければならぬと思うわけでございまして、これは直営直用、請負以前の問題でございます。
#54
○野坂委員 山を愛するという意味でなかなかきびしい態度でけっこうなんですが、そういう下請業者もいると思うのです。そうでない下請業者もいると思うのです。直営直用の場合は、そういう心配はないということはまず一〇〇%言えますね。下請をする場合は、国としては失業保険や厚生年金のそういう社会保険関係のいわゆる労働条件も入れて契約をされるでしょう。契約をなされますか。どうですか、そういうことも勘案をして。
#55
○福田政府委員 御指摘のとおり、契約いたします場合には、いろいろとそういう条件がございます。
#56
○野坂委員 下請業者が労務者の皆さんをお使いになるときには、その厚生年金なり社会保険の分はあなた方が見て下請に出すわけですから、それが支払われていないという事実がありますが、御存じですか。
#57
○福田政府委員 ただいまそういう具体的な事例は承知いたしておりませんけれども、そういう点があれば、これは是正していかなければならぬ、かように思います。
#58
○野坂委員 そういう事実があります。あとでお調べをいただければよくわかると思いますが、非常にそれは多いのです。だから、社会保険をかけないままにあなたのほうから下請の場合はもらって、そしていまお話があったように、五十一年までに失業保険等をつけるというような事情もこれあって、そういう労務者に対しては厚生年金なり失業保険なりそういうものはつけていない、これは下請業者の中に入っておる、こういう事実があります。ありますから、そういうことを考えると、あなたが先ほど言われた、ほんとうに山を愛するという気持ちなのか、やはり業者の長たるものは利潤の追求ということを考えておるというふうに私は言わざるを得ない、こう思うのですよ。その点については十分検討されて善処をしていただかなければなりません。そういう点は約束できますか。
#59
○福田政府委員 それは御指摘のとおりでございまして、そういう点は指導し、善処してまいりたい、かように思っております。
#60
○野坂委員 具体的に申し上げますと長くなりますから、また失礼に当たりますから、あとで十分調査をしていただきたいと思っておるのです。
 それから、いまの林業労働者ですが、国有林の労働者を含めて非常に合理化のことを心配していますね、首切りを。年々人数が計画の中でも減るように書いてありますね。それでは困るのです。
 その原因としては赤字だということが盛んにいわれておるのです。いま特別会計もありますが、赤字、黒字でいうと、大体どのようになっておりますか、六十四億円程度ですか。現金の場合はそう関係ないと思いますが。
#61
○福田政府委員 お答えいたします。
 四十五年から特別会計の収支がアンバラになってまいりまして、現金収支差は四十五年は二億の黒字でございますが、損益では百二十一億の赤字、四十六年は現金収支差では二百二十五億の赤字でございまして、損益では三百五十六億の赤字となっております。四十七年の決算によりますと、現金収支差は五十億の黒字でございまして、損益では四十三億の赤字というふうになっております。
#62
○野坂委員 累計はどの程度ですか。
#63
○平松説明員 四十七年度末の現金剰余金の累計が百七十七億でございまして、損益上の利益の積み立て金累計は四百四十六億になっております。
#64
○野坂委員 それは赤字ですか。
#65
○平松説明員 黒でございます。
#66
○野坂委員 それでは特別会計には十分余裕があってばたばたしないでもよい、こういうことになりますか。
#67
○福田政府委員 利益が出ました場合には、いま損益の上で二分の一は利益積み立て金に入れることになっておりまして、その累計をいま申し上げたわけでございますが、これは相当大災害が出たときとか何かのときに取りくずすという制度になっておるわけでございます。現金の積み立てにつきましてはそう大きな余裕はないわけでございまして、四十七年度は材価の高騰もございまして、現金収支差は黒でございますが、損益の面では相当赤字になっております。現金の積み立てはさほどございません。
#68
○野坂委員 私はしろうとですからよくわかりませんが、そういう黒字の半分は災害のための積み立て金ということですが、赤字とおっしゃったのは、何の赤字ですか。
#69
○福田政府委員 利益積み立て金とそれから特別積み立て金と二種類ございまして、利益が出ました場合には、半分は利益積み立て金、残りの半分は特別積み立て金としまして、前の利益積み立て金の場合におきましては、たとえば伊勢湾台風とか大きな災害が出たときにそれをくずすというような制度になっているわけでございます。特別積み立て金のほうは、これに見合う現金をためておき、それが持ち越し現金でございますが、それの累計でございますが、そういう制度になっておりまして、これはいろいろと翌年の予算編成の際には一般会計に繰り入れるなりあるいは特別会計に繰り入れるなりして活用するものでございます。ですから、利益の半分をいま申し上げたように利益積み立て金あるいは特別積み立て金とする制度に実は特別会計制度はなっているのでございます。
#70
○野坂委員 特別積み立ても黒ですね。で、国有林をよく払い下げをしたり売られたりしますね。丸太あるいは製品等も売られますね。その点については、ここ数年間どの程度売られて、民有林をどの程度お買いになっておりますか。
#71
○福田政府委員 これは国有林野の活用に関する法律の第八条によりまして、売り払いをいたしましてその収入を民有林野の買い入れに要する経費に充当するという規定がなされておるわけでございます。
 そこで、四十六年度と四十七年度を申し上げますが、売り払いの実績は、面積にしまして四十七ヘクタールと三百八十四ヘクタールとそれぞれなっております。金額にしまして四十六年が四億七千二百万、四十七年が三十億六千五百万でございます。
 一方、民有林野の買い入れの実績でございますが、これは民有林野整備と保安林整備と両方の事業がございまして、累計で申し上げますと、面積としまして四十六年が五千二百十ヘクタール、四十七年が二千六百九ヘクタール、価格にいたしまして四十六年が八億七千四百万円、四十七年が四億四千六百万円、以上のとおりでございます。
#72
○野坂委員 あなたの御説明によると、売ったほど買ってはいない。そういうことになりますね。四十六年に活用法というのが国会で通っておりまして、売っただけは買えと書いてありますが、そういう点についてはどうお考えですか。売り手がないのですか。
#73
○福田政府委員 活用法のあれでいきますと、売った場合にそれを財源にしまして、それで保安林の買い入れの経費に充当するということになっているわけでございます。また、それに付帯した事業も行なえるというふうになっております。
 これは四十六年に比べますと四十七年は、面積にすると、売った面積よりも買った面積が大きいのですが、金額にすると比較的減っておるわけであります。これは四十七年の財政の事情が相当困難であったという点にも原因はございます。しかし、これは一年、二年の問題ではございませんで、全体をプールして長期的にはやはり国有林野を出した分と購入した分とがバランスがとれるように考えていかなければならぬというふうに思っておりまして、単年度よりもむしろ長期的な視野でこの問題を解決していきたい、こう思っておるわけでございます。
    〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕
#74
○野坂委員 私は専門家のあなたからそういうことを聞くとは思わなかったのです。いま一番国民の中で関心事であり問題になっておりますのは、与野党を通じてゴルフ場の問題がここ何回となくこの委員会で議論されました。土地の買い占めですね。たとえば栃木県等は渡辺さんからお話がありました。ゴルフ場が社会問題になってきた、こうあなた方もこれに書いておるじゃないですか。そういう問題について将来の見通しをしてということですけれども、一般の諸君も金がなくなって売らなければならぬという姿が部落有林等にはたくさんある。そういうものを買ったらどうかという話をすれば、これは十億円しか予算がないから買えない。また、前のほうは買えないし、うしろの人跡未踏というところでなければなかなか買えない、こういう話なんですよ。そうすれば、もし金がないとしても、現金も利益積み立て金も特別積み立て金もないにしても、いま経営がたいへんであれば、再評価をすれば国有林野というものはものすごい値段になりますね。だからそういう意味で一般会計から繰り入れるなら繰り入れをしてやる。公共事業の八%も繰り延べをする時代なんですから、そうしなければ物価の抑制はできぬのですから、そして民有林の虫食い状態になっておるのを国有林で埋め合わしていく、こういうことになれば、最も国策なり国民の期待にこたえる道だと私は思うのです。そういう意味で、将来の計画と言われますけれども、将来の展望をするためにもそういう民有林があれば、また売った値段がそういうことであれば買うべきだ、こう思うのですが、どうでしょう。
#75
○福田政府委員 その点はまことに御指摘のとおりでございまして、国有林がこの土地を売ります場合の原則は、活用法にもございますように、公共事業、具体的な例を申し上げますと、道路の場合であるとか墓地であるとか最近は公園緑地もございますが、そういう公共的な面においてのその地域の市町村なり県なりの施設に提供する場合でございます。しかし、農業のいわゆる構造改善事業に対する活用であるとかあるいは畜産に対する草地の活用ということが大部分でございます。ですから、ただいまお話がございましたゴルフ場とか、そういう私企業のためにする土地の売り払いなり貸し付けなりということはただいま行なっておりません。
 将来の問題といたしまして、現在保安林整備臨時措置法というのがございまして、これは来年の四月一ぱいで切れるのでございますけれども、そういう制度もございますので、これを延長して、むしろ脊梁山脈地帯の保安林の買い入れ等についてはこれを積極的にやってまいりたいと思っておるわけでございます。
#76
○野坂委員 民有林の場合がそういうふうにゴルフ場等に化けておりますから、そういう点については林家の皆さんが財政的に非常に苦しくなってきて売らなければならぬというようになったときには、あなたは指導して、そういう点については大幅に少しは借金をしてでも買う、こういう姿勢がありますか。
#77
○福田政府委員 特別会計制度がしかれてからもう二十数年になるわけでございますけれども、ただいまでは、独立採算の制度ということから見まして、赤字だから土地を売るんだとか、赤字だからどうこうということではございません。もうすでに治山事業にしましても、来年度の予算にはそれ以外の大幅な一般会計の負担を要求しておるところでございまして、基本的には赤字だから売るということでなしに、先ほど申し上げたように、公共的な面については土地利用の全般の総合判断の上から、そういうことを営林署あるいは営林局だけの判断でなくて、国有林の管理審議会というような第三者を入れた機関で決定をいたしまして、森林経営上支障がない場合出しておるわけでございます。ですから、そういうことを考えまして、民有林を買い上げる問題につきましても、特にそういった治山治水上必要な、ただいま一号から三号までは国土の保全あるいは水資源涵養の重要な地帯でございますので、その買い入れの措置の法律の延長なりあるいは予算措置を講じてまいることを積極的に考えておりますし、四十七年度の予算にもそれを編成いたしております。
#78
○野坂委員 林業の専門家が聞きますと、あなたの意見は非常によくわかると思うのですが、この委員会の議場を通じて国民にもわかってもらいたいと思いますので、私は農林大臣に非常に平易にお尋ねをしますからお答えをいただきたいと思うのです。
 いまの日本の社会情勢というのは、非常に物価が上がって国民は政治不信におちいっておる。、それはここにいらっしゃる皆さんでもそうだと私は思うのです。だから、抑制をするために公共事業の繰り延べもやむを得ない、こういうのが実情だと思うのです。そこで、部落有林等お持ちの民間の林業家は、特に小林家は、その林野について非常に苦しんでおる。しかし、それを企業等に売れば、利潤追求が先に立って、国のために、国民のためにならない、そう考えている。したがって、できるならば公共性、公益性のあるところに買ってもらって、そして林業を続けてもらいたい、そして経済面では木材の需要にこたえてもらうほうが国民として正しい道であろう、こういうふうに考えております。しかし、自分の経済が窮迫し逼迫をすれば、財産をも離さなければならないという時期がありますが、その場合に地方自治体なりあるいは国がそれにどう対処をするかということについて私は聞きたいのです。国の場合は、そういう面で、ある程度時価で引き合う引き合わないという場合もありましょうが、将来の展望で、ここに書いてありますように、そういう木材等の国土資源あるいは国土の保全、こういうことを含めて林野行政を推し進めることが正しいと私は思いますが、そういう場合には思い切って国有林として民間の森林を買い上げる、原野を買い上げるという措置に踏み切っても、田中内閣の人気はよくこそなれ、悪くなることはないと思いますが、櫻内農林大臣の見解を承りたい。
#79
○櫻内国務大臣 ただいまの御質問に直接お答えする前に、ちょっと御参考までにお聞きを願いたいと思うのであります。
 それは先ほどから御質問のございました国有林野の活用に関する法律に伴う措置でございまするが、昭和四十七年度において売り払って収入を見たものが三十億六千五百万円ある、買い入れは四億四千六百万円である。非常に不均衡でございます。こういうような面から、いま御指摘のような小林家の民有林の売り払いがあれば、この点からいえば買い入れの余地が十分あるのでございまして、これは私としてはどんどん買うべきものであると思います。また、基本的に、ただいま御質問のように、民間において国あるいは地方自治体等で民有林を買ってもらいたいということについてどうこたえていくか、私としてはそれは国として買い入れる財政力があれば買うほうが好ましい、このように見ております。
#80
○野坂委員 非常に明快でありました。
 それで、話がぎりぎりになってまいりますとすぐ金の話になりまして、えらい申しわけありませんが、四十七年度三十億程度も売られたのですが、売られる場合にはそれぞれ立ち木、用材ですね、あるいは製品、これは三つの種類がありますね。一般競争入札、そして指名競争、随意契約とありますね。私は県会におるときには一般競争入札が原則だと法律で定められておるというように承知しておりましたが、そういうふうに考えてもよろしゅうございますか、どうでしょうね。
#81
○福田政府委員 会計法の原則によりまして、売る場合には入札が原則でございます。したがいまして、指名競争による場合あるいは随意契約による場合はこういう場合に限るというふうに法律で限定してございます。
#82
○野坂委員 一般原則は競争入札だということをいま確認をしました。
 ここに資料を持っておるのですが、これは四十五年しかありません。この間たしか衆議院の農林水産委員会に要求しようとして四十六年まで出たと思うのですが、これの一般競争入札というのは四十五年で全国的には一七・六%だと私は思っておるのです。それから指名競争入札というのは一〇・六%で、随意契約は七一・八%で、随意契約がほとんどを占めておる、こういうことになっておるようですが、一般競争入札が原則であるにもかかわらず、なぜこのような姿になっておるのですか。ほとんど用途指定だけが随意契約ということに聞いておるのですけれども、用途指定ばかりなんですか。
#83
○福田政府委員 確かに御指摘のように、その内訳を見ますと、原則である一般競争入札よりも随意契約が多くなっておるという場合がございます。特に、立木で売ります場合とそれから素材で売ります場合と二色ございますが、立木で売ります場合のほうがその随意契約の比率が多くなっておるのでございます。
 その理由といたしましては、最近、いわゆる林相改良事業としまして広葉樹林の中で比較的品質の悪いものを、早く針葉樹林のような品質のいいものに切りかえようという、いわゆるそういう拡大造林を実施しておるケースがございますが、それを促進してきた結果が、そういったような結果に出ているわけでございます。
 それから素材につきましても、これは立木処分ほどではございませんけれども、やはり随意契約の比率が、原則論という点から見るならば、比較的多いわけでございますが、その中で特に地元工場に対する廃材であるとか、あるいはパルプ材に対する供給であるとか、あるいはその他の用途の指定材、これが比較的多く占めておったものでございます。
 先ほど申し上げましたように、販売問題については改善計画の中の非常に大きな柱でございますので、この公売と指名競争と随意契約のあり方について、基本的な改善計画をただいま立案しているところでございます。
 ちょっと御説明申し上げますと、単純な一般公売ということになりますと、最近、国有林が公売するために木材価格をつり上げて困るじゃないかという意見があるわけでございます。したがいまして、これに対してはいろいろな方法で限定公売等を実施してまいりたい、こう思っておるわけであります。
 それから随意契約につきましては、用途指定材については非常に批判もございます。しかもこの制度というのは非常に古くからありまして、最近は非常に事情が変わっているということもございますので、この用途指定材の大部分については廃止したいというふうに考えております。
 したがいまして、一般公売のあり方、随意契約のあり方については、四十八年度以降できるだけ早い機会にこれを改善したいと思うわけでございますが、急激なる改善というと、やはり地元に対する一つの死活問題になりますので、でき得ればここ三年ぐらいを目安にしてこれを切りかえてまいりたい、こう考えておるところでございます。
#84
○野坂委員 いまのお話では、具体的にいうと、随意契約というものがだんだんなくなってくる、用途指定をやめて。また一般競争をやると問題だから指名競争でいきたい、こういうことですか。
 それから製品の販売の場合は、そういう用途指定もないと思うのですが、一般競争が三三・八%、指名競争が一八・六、随意契約が四七・六、こういうかっこうになっておりますね。林野のこういうふうな販売方式については、会計検査院からまで指摘をされていますね。そういう点については、やはり混乱をしたときは原則を踏まえる、このことが一番正しいのじゃないですか。むしろそのことによって木材の高騰を招くということであるのかどうか、その点もあわせ伺いたい。
#85
○福田政府委員 御指摘のとおりでございます。原則といたしましては、一言で申し上げますと、やはり販売につきましては競争原理を導入していくという考え方でございます。一般公売につきましても、いま申し上げましたように、全国一本の一般公売というのはなかなかむずかしい問題でございます。というのは、大資本が来てこれを独占するという危険もあるわけでございますから、やはり地元対策を考えますと、たとえばアウトサイダーに限定した、従来もらっていないような人たちに対する公売であるとか、あるいはある一定規模以下の人たちに対する公売であるとかいう、そういう意味での限定公売というのは研究する必要があると思っております。
 それから随意契約につきましても、これは地元対策としてやはり必要なことでございます。ただ、従来のような、いままでやっていたからやるのだという単純な考え方ではなくて、やはりそこにも見積もり合わせ等の一つの競争原理を導入した随意契約という方法を検討していきたいというふうに考えております。
#86
○野坂委員 わかりました。わかりましたが、随意契約等で悪い木材で買わないような人たちがあるので、そういう用途指定で、たとえばパルプ材とかそういうものは限定しておるということですが、一つ申し上げますと、りっぱな、たとえば秋田杉ですね、青森営林局の大鰐営林署管内にある、こういうものは、用途指定の品目というかっこうで、地元の業者でなくて東京のほうに流れておるということがわかっておるのです。手元にあります。あとからお示ししますがね。そういう点については、たくさんこの随意契約の中に包蔵されておる。あるいは会計検査院が指摘するように、問題点が非常にあるのです。しかも七二%、おそらく大半は随意契約なんですからね。一方では赤字で困っておる、こういうことなんです。たとえば一般競争入札は、昭和四十五年で、計算を私はゆうべしてみますと、一立方メートル当たり七千七百九十七円、指名入札は三千九百二十八円、随意契約は二千八百三十八円。随意契約等は約三分の一程度にしか金額はなってこない。それから、製品販売の場合も、一般競争は一万七千五百二円なんです。指名競争が一万三千四百五十八円、随意契約が一万三千三百七十四円、こういうかっこうになっておるのですよ。だから、なぜこういうふうに価格の差があるだろうか、指名競争の場合と一般競争の場合は、立木でこんなにも差があるのだろうか。一体なぜだろう。だから、敷札その他について、高ければいいというようなかっこうで、昔のことばでいう談合といいますか、話し合いといいますか、そういうことでこうなっておるのだろうか。国民はこういう点については非常に疑惑を持つと思うのですね。だから、会計検査院等も、非常に不明快だ、不明朗だ、こういう指摘があっておるわけです。だから、そういう点についてはどのようにするのか。いままでずっと数年間あったことなんです、全部これを見ますとね。これをどういうふうに直し、善処してこられようとしておるのですか。金額が違い過ぎるような気がしてなりません。
#87
○福田政府委員 確かに御指摘のように、指名競争というのは、従来の例を見ておりますと、談合を誘発する危険があるわけでございまして、したがいまして、公売、随契、指名のうち、指名は徐々にこれを整理しておるところでございます。できるだけ一般公売――と申しましても、いま申し上げたようないろいろな方法を考えておりますけれども、原則に従って公売の数量をふやしていく。そういう方法でいくことを検討しているわけでございます。ただ、随意契約で売りましたものと公売で売りましたものと、価格の問題の御指摘がございますけれども、それは、時と場合によりますが、概して競争に出しますものは素材の場合ですと、銘木に近い、いいものはできるだけ公売に回す、買い取りのない質の悪いものは随意契約でいくという、結果から見るとそういう傾向が相当あるわけでございます。ですから、公売に回すものと随契に回すものとの間には、物の違いがあるということが価格に影響している場合がございますが、これは一般的な言い方でございまして、御指摘の点についてもし問題があれば、それは十分検討してまいらなければならぬと思っております。確かに、販売方法につきましては会計検査院からいろいろと指摘を受けている点はございます。これについては早急に改善してまいりたい、こう思っておるところでございます。
#88
○野坂委員 いろいろ抗弁はされますけれども、随意契約の中でも、いま私が秋田杉の問題を例にあげましたように、七二%のうちには非常にりっぱなものも相当あるのです。だから、私は、あなたは何でも把握していますかと最初に聞いたのです。そういう点については、それは林野庁長官といえども万能の神でないから、何でも掌握しておるわけではないと、腹の中では思っておられると思うのですよ。しかし、これはいま私が言うことじゃないのです。何年間も続いておるのですからね。だから、あなた自身も変に思われますよ。だから、そういう点については、公明正大、明快にするために、そういうことをきちんとしなければなりません。
 これをたとえば指名競争入札もあるいは随意契約の数量も合わせて一般競争入札方式で計算をしますね。これは単純計算で、あなたが言われるように、良質な木材も悪質な木材もあるのだから、いろいろ語弊がありますが、一年間で四百五十億円も差が出るのですよ、いま私が読み上げた数量計算だけでも。
 そうすると、たくさんに――もちろん平面的な計算では、単純計算では違うのだということは百も承知なんですよ。しかし、大きな矛盾をはらんでおる。そして林野行政をさらに突き詰めて進まなければならぬ。しかも林業労働者は泣いておる。もうけておるのは一体だれなのかということが問題として大きく浮かび上がって、政治不信につながってくる。しかもその元凶は国有林にもあるということになれば大きな問題ですから、これは来年度中にそういう公正で国民が納得できるような説明と施策を必ず出していただきたい、こう思いますが。どうでしょう。
#89
○福田政府委員 その点はまことに御指摘のとおりでございます。特に随意契約の販売材につきましては、会計検査院の指摘を受けておるところもございます。特に用途指定材についてそういった問題があるということは承知いたしております。その点につきましては、ただいま先生の御指摘がありましたように、速急に改善計画を実施したいと思っています。その案の一部につきましてはすでに実施しているところでございますけれども、抜本的に改めてまいりたい、こう思っております。
#90
○野坂委員 それでは、この間、六月の七日と五月の十日に、福田林野庁長官がおいでにならなくて、林政部長からも外材輸入の問題について私はいろいろお話を聞いたのです。特に去年の十一月ごろからことしの三月にかけて、私たち山陰ことばでいう、ほらんなもうけを商社の皆さんがしておった、膨大な利益を得ておった、不当な利得を得ておった、こういうことを指摘してまいりました。その点については、林政部長も長官にかわって林野行政の貧困を嘆いた答弁をされましたね。これについていまも、たとえば入札問題について林野庁長官は明快にするということでありましたが、この外材についても、たとえばフィリピン等は輸出規制をする、やめる。あるいはカナダ等は製品でなければ送らない、こういうように状況が今日変わりつつございますね。たとえばラワン材、私たちがポスターを張るベニヤ板ですね、ああいうのも百五十円程度だったのですが、一時四百五十円になってまた二百九十円までなったのですが、最近また一枚が四百円もするようになってきました。私たちは、外国の木材の輸出規制という姿がさらに上げを非常にあふっておる、こういうふうにさえ思われるわけでございます。今日、業者を十分指導するということでありましたけれども、その指導は徹底をして、このようにソ連材がたとえば九千八百円で仕入れて一万八千九百円で売り、アメリカの米ツガが去年の十二月は一万七千円のものが二万四千円にも売る。こういうふうにおそらく五〇%から一〇〇%の利益を得ているということがはっきりしたのですから、そういう点についてはどのような対処をしていらっしゃるのですか。
#91
○平松説明員 ただいま先生御指摘のように、外材につきましては輸出国のほうでも木材が不足物資であるというような観念がかなり行きわたっておりますし、またアフリカ等で輸出規制をするということから、ヨーロッパあたりでも不足をするということで、東南アジアに買いに出るというようなことでございまして、先生御指摘のように、外材の需給というものも一ころと比べますとかなり窮屈になってきておるという実態にあるわけでございます。昨年の十一月からことしの三月くらいまでの間における外材の輸入価格と国内の価格との関係につきましては、当時の需要主導型の価格高騰でございましたために、外材丸太の輸入価格はそれほど上がっていなかった。ことにソ連材は通年契約でございますので、その間にかなり開きがあったということで、先生御指摘のような利益を生んだという実態があったわけでございます。その後、需要がある程度鎮静をいたしました関係もございまして、四月以降製材価格は鎮静をいたしたわけでございます。
 他方、先ほど申し上げましたように、外材の需給が窮屈になってくるということから、産地における外材の価格が相当上がってまいったということで、国内における丸太と製材との関係につきましては、むしろ物によっては向こうで仕入れた価格ではこちらの製材価格では赤字が出るというところまでまいったというふうなこともあったわけでございますが、最近また建設の需要期になってきたということもございまして、多少値上がりをしてまいっておりますけれども、昨年の秋からことしの三月までの価格に比べますと、まだ外材による製材につきましてはかなり下回った水準にあるというような実情にあるわけでございます。
 私どもは、先般私がお答え申し上げましたように、昨年の秋からことしの春にかけましての木材の取引における暴利というふうな形のものにつきまして、輸入商社はもちろん、取引をいたしております流通関係の業者にも十分指導を行なってまいりましたし、またその後投機防止法もできておりますので、そういう非常の際にはその法律も使うというような形で対処をしてまいりたいということでございます。
 最近の合板の価格の上昇につきましては、先般私どもで合板の業界の代表を呼びまして厳重に注意を喚起したところでございます。
#92
○野坂委員 誠意をもって善処をしておるということですが、そういう注意をされて値段が下がったような傾向を見せておりませんが、注意されて具体的にどういうふうな実績が上がりましたか。
#93
○平松説明員 先ほどお話し申し上げましたように、昨年の四月ごろから製材価格は下落をいたしましてかなりなところまで下がったわけでございますが、このつゆ明けから建築の需要期に入ったということで多少上昇いたしましたけれども、これは例年季節的な変動というふうな範囲に入り得るのではないかというふうにも考えるわけでございます。何ぶん先般の上昇のあとでございますので、私どもといたしましては、極力その上昇を押えるというような形で指導をしてまいっておりますので、昨年の秋からことしの春にかけましていわゆる思惑と申しますか、仮需要と申しますか、そういうふうな形による価格の上昇と申しますか、そういうふうなものについてはある程度防げたのではないかというふうにも考えているわけでございます。
#94
○野坂委員 通産省の方、いらっしゃいますか。――木材の輸入につきまして、これは大蔵省の関係になるかもしれませんが、貿易の窓口はおたくですから。
 この輸入木材について税関で申告をするCIF価格というものがございますね。しかし、このCIF価格も申告金額でございますから、幾らの仕入れ値段であったか、販売値段は一応わかるといたしましても、仕入れに一番問題があって、かつて四、五月ごろには反社会的行動の商社というふうに私たちがらく印を押したわけです。それに対して林政部長は、指導力が弱かった、指導性が低かった、今後十分対処するということなんですが、窓口が二つあるような気がしてなりません。したがって、農林省と十分協議をされて輸入業者についての指導なりそういうものは進めておられるのか。また今日、木材は売り惜しみ買い占め防止規制法の対象品目でもございますから、それについてどのような指導をして、今日どの程度の利益を得ているものだろうか、国民の知りたいところであります。したがって、これについての指導性と、仕入れ値段に対する把握がどうすればでき、われわれが承知することができるのか。というのは、これは最近刑事犯にまで発展をしました豚肉の輸入の問題、税関で値上げした申告価格を書いて、ついに警察庁に引っぱられた、こういう業者も神戸のほうでたくさんあったわけですから、そういうことがないように事前に十分に配慮する必要があろうと思いますが、それについての考え方と、それから林野庁とどのような連絡をとっておるのか。そして今日の暴騰は木材の輸入量が足らないのか。そしてまた自主規制を一〇%行なっておるわけでありますが、その割り当てについては林野庁と十分に相談をしてきめられたものなのか。そして工場に二〇%配分するということでありますが、その工場は一体何軒なのか。そういう資料をわれわれに提出をしていただきたいと思いますが、一応答えられるだけ答えていただきたいと思います。
#95
○豊田説明員 お答えいたします。
 まず商社が海外で行ないます仕入れ値段でございますけれども、この点につきましては、個別の企業の問題でございますので、私ども十分には把握しておりませんけれども、現在の税関の通関の統計で出ます単価というものが、木材につきましてはほぼ仕入れ値段に運賃その他をかけた値段に相当するのではないかと推察している次第でございます。
 それから自主規制の問題でございますけれども、これは十分林野庁と相談しておりまして、林野庁と同意のできた範囲内で現在最終的な詰めを行なっている段階でございまして、まだ最終的には終わっていないという段階でございます。
 それから工場に対する二〇%の需割りの問題でございますが、この点につきましては林野庁長官のほうから内示が出るわけでございまして、その内示の最終的な一般ワクは終わりましたが、保留ワクはまだ終わっていないという段階でございます。
 以上でございます。
#96
○野坂委員 時間もございませんが、通産省の方にお尋ねをしますが、CIF価格というのは仕入れ値段に運賃その他をかけたもの。その販売についても十分指導していらっしゃいますか。
#97
○豊田説明員 先ほど林野庁のほうから御答弁ございましたように、私どもといたしましても、商社があまりにも暴利をむさぼるということは問題でございますので、この一月の段階におきまして、世間の疑惑を招くことのないようにという指導は十分やっております。
 それから、先ほど出ましたように、投機防止法が成立した段階でございますので、十分林野庁と相談しながら、この法律の運用をやってまいりたい、そのように考えております。
#98
○野坂委員 最後ですから農林大臣に伺いましょう。
 この外材輸入の問題、さらにわが国の需要の伸びと国内生産の状況等から考えて、ある程度外材に依存しなければならぬ、しかも今日では六〇%にもなっておるというのが現状ですが、この外材の価格というものが国民生活に一つの大きな影響をもたらしています。したがって、たとえば非常にめんどうなことですが、国あるいは地方団体が中心になった公営木材市場というものを設置して、輸入木材といえども、まあ丸太はなかなかむずかしいとしても、製品、できるならば素材もそういうところに出して、利益が大きくとれないような方向、こういうものを打ち出していったらどうなのか、こう思うのですが、どうでしょう。何かほかにお考えがありますか、大臣、値段を下げる方法ですね。
#99
○平松説明員 大臣がお答えなさる前に私から事務的に一応答えさせていただきたいと思います。
 木材の取引につきましては、先生御指摘のように、丸太と製材というふうに分かれておるわけでございますが、製材につきましては、公設ではございませんけれども、業者による市場というものがあるわけでございます。丸太につきましては、業者間取引ということだけにたよっておるというふうな状況でございまして、その問現在の木材の国民生活に占めるウエートという点から考えまして、現在の流通状況でいいのかどうかというふうな点について、私ども非常に疑問を感じておるわけでございまして、四十九年度の予算で、木材の価格対策として備蓄を考えていこうかというふうなことを検討いたしておるわけでございますが、そういうような状況でございますと、なおさら木材につきましての市場というふうな形のもの、特に先生御指摘のような形で、地方公共団体が関与した形で公正な価格形成ができるような市場というふうなものを何とかして確保するということが必要ではなかろうか、そういう段階に来ておるのではなかろうかというふうに考えておりますので、四十九年度の予算におきましては、そういう市場制度というものの確立についての調査というふうな形のものに取りかかりたいということで、そういう予算要求をいたすことにいたしまして、概算要求書に織り込んでおるわけでございます。
#100
○野坂委員 大臣にお答えいただきます前に林政部長からお話が前向きにございました。したがって、私はこの際あなたに提案をします。
 たとえば、いま木材、土地というものが一番高騰しておりますから、あなたの手元にある木材について、木材需給安定法というような法律というものを検討して、それぞれ各界の皆さん方によって木材需給審議会というものを設置する、そういうような姿を公にしながら、国産材やあるいは外材の標準価格をきめていくという姿になれば、国民はもっと安心できるじゃなかろうか、そして買い占め、売り惜しみというものを防ぐ方途ができるではなかろうか、私はこう思いますが、農林大臣の見解を聞きたい。
#101
○櫻内国務大臣 木材の安定供給について鋭意配慮をいたしておるわけでございますが、それについては明年度予算で備蓄の方策とか、あるいはただいま御説明を申した新しい市場制度を考えるとか、いろいろ勘案しておる際でございまするので、ただいまの御提案もまた参考にいたしまして、御質問の御趣旨に沿っていろいろ検討をしてまいりたいと思います。
#102
○野坂委員 検討するということは研究することで、善処するということは実施することだ、私たちは先輩の皆さんにこういうふうに聞いております。検討して来年度には善処されますか。
#103
○櫻内国務大臣 私は木材の価格安定対策として、国内対策もさることながら、御承知のように、輸出国のほうにおいても非常に高騰しておっていろいろ事情があるようでございます。したがいまして、輸入先を多角的にするとか開発輸入方式をとるとか、いろいろ考えていかなければならない面が一面あると思います。それと並行して国内的にはどうしていくかということでお答えを申し上げておるわけでございまして、幸い案がまとまれば、これはもう当然実施をしていくべきものだと思います。
#104
○野坂委員 最後に、要望しておきます。
 坂村理事から時間を非常に制約を受けておりますので、この際終わりたいと思いますが、今日の森林、林業というものについては、木材資源の生産、そういうものと、農林大臣がおいでになる前にいろいろ論争いたしましたように、水資源の涵養とか国土保全とかあるいは環境の保全、こういう公益的機能と両面持っております。そういう意味で、この資源――水、空気というものを十分配慮をされて、国内の森林行政というものを強く進めていただくと同時に、この基幹になる労働者の労働条件を改善するという約束をいただいております。これと相まって、過去四十六年の林興決議というものに触れたいと考えておりましたけれども、これについて時間がなくて触れることができません。いずれ機会を改めてこの実施を迫りたいと思いますので、それまでに完全実施をしていただくように強く要望して、私の質問を終わります。
#105
○佐々木委員長 津川武一君。
#106
○津川委員 ただいまの野坂委員の質問に対する林野庁長官の答弁にかなり気になることがありますので、この点だけ一点触れてみたいと思います。
 国有林野の払い下げに対しては、後日中川委員がかなりきびしく民主的な払い下げについて質問いたしますけれども、この間木曽谷の国有林野地帯を地域の人たちと一緒に歩いてみて痛切に感じましたのは、あの地域の国有林野はあの地域の人の生活に密接に結びついて不可分である。あそこの木曽谷十万の住民は、国有林野を抜きにしては仕事が、生活が営まれない、それほど深く結びついているわけであります。したがって、この国有林野の払い下げや活用に対して非常に大きな関心を持ち、命をかけておる。
 こういう状態のときに、林野庁長官の答弁で非常に心配になる点は、あれを育ててきた、あれと関係してきた地元の人、地元の木材、木工の関係業者、ここを中心に払い下げるべきである、こういうことであります。したがいまして、国有林野事業特別会計法の中においても――施行令の第二十七条の四、随意契約の二号を読みます。「国有林野の所在する地方において製材又は木工を主たる業務とする地元工場で、当該国有林野の経営と相互に密接な関係を有するものを保護する必要がある場合において、当該国有林野の立木を、製材用又は木工用として直接に、その製材又は木工を営む者に売り払う」、これが随意契約であります。
 このことは、あの地帯においても、秋田においても青森の現地においても、全く欠かすことのできない立場で、これが侵されそうなふうに聞こえる返事だったので、この点を尊重しこれを積極的に進めていく必要があると思うのですが、いかがでございます。
#107
○福田政府委員 御指摘のように、木曽谷の十万の住民のことを考えて、またあそこに、木工業を中心としてきわめて零細な人たちが百数十軒あるわけでございます。また、営林署がそれに対応して十一営林署あるわけでございます。秋田の北部も大体そういったことで似たような状態にあるわけでございますが、やはり先ほどの質問にお答えしましたように、一般的な公売ということ、それから、従来の惰性による随意契約は非常に問題が指摘されているわけでございまして、この国有林の改善計画の中では、販売改善が重点的な大きな柱と考えております。
 したがいまして、端的に申しますと、やはり国有林というのは、そういう木曽谷の地元の住民の皆さん、また地元において工場を営んでおる零細な木工の人たち、これは構造改善を考えながらそれを重点に考えていかなければならないと思うわけでございます。
 したがいまして、随意契約と申しましても、個々の業者に対す販売契約じゃなくて、全体としてそこが育成されていくような方法を考えるべきだと思います。したがいまして、この販売改善の中の一例といたしましては、一般公売といたしますと木曽谷以外から、たとえば愛知県とか岐阜県から相当大量に入ってまいります。そこでこれを防止する――防止するということばは適切であるかどうかわかりませんが、地元のためを考えまして、その地区だけに限っての公売というような措置もとっておりますし、秋田におきましても一定の――秋田の業界というのを見ましても、やはりそういう零細な人があると同時に、また大規模な人もございます。ですから、この販売の方法につきましては、ある一定規模以下の人たちのことを考えての売り方というのを限定公売の一つとして考えてまいりたいと思っております。
 そういう形等を考えて、その地元の工場全体が構造改善をしながら将来栄えていくという販売方法をとってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#108
○津川委員 農林大臣、いまの長官の答えはほんとうにそのとおりで、そうしなければいけないと思うのです。ところが、長官の説明の中にも出たとおり、あの木曽谷に岐阜もしくは名古屋、このかなりの者が入ってきて、公売入札のときに大部分を持っていってしまって、地域の関係者、地場産業の人をふるえ上がらせているという状況なんです。櫻内農林大臣、こういう点で、いままで山林を育ててきた地元の関係者の地場製材、木工を育てていくということがはしなくも林野庁長官から出ましたが、非常によかったと思うのです。大臣もこの点について決意があるかと思うのですが、伺わせていただきます。
#109
○櫻内国務大臣 入札の方法につきまして種々御論議もあり、あるいは会計検査院の御指摘もございますが、ただいまお示しになりましたような限定公売の必要性もまた認めておるものでございまして、その点は地域地域の実情に応じて考えてまいりたいと思います。
#110
○津川委員 そこで、この前の質問でまだ問題が解決されない点を……。
 今度の改正案の第十条の二の二項の一、二、三についてでありますが、これは林野庁から企画課長が私のところに見えまして、かなり詳しく説明してくれました。立法の趣旨も説明を聞いていると私にもわからないわけではありません。しかし、ここは国会の委員会なので、この十条の二の二項の運営に対してはやはりかなり心配がございますから、議事録にも載せておかなければならぬと思うわけです。
 私はこの間、十条の二の二項の一で「災害を発生させるおそれがある」ときはこれを除いて認可しなければならぬ。ところが、三で、環境を悪化させるおそれがあるときは、「著しく」がついているので、「著しく」を除くと、認可しなければならなくなるわけです。したがって、何で二と三にだけ「著しく」をつけて、災害を発生させるおそれのあるときには「著しく」をつけないか、こういうことを質問して林野庁と農林省の統一見解を求めたのでございますが、農林大臣、この点いかがでございます。その後皆さんで論議されたでしょうか。まず農林大臣にその事実があるかどうかを聞いて、統一見解を答えていただきます。
#111
○櫻内国務大臣 よく検討をいたしました。そして、これはなかなか表現もむずかしい点がございますから、ひとまず林野庁から統一した見解を申し述べさせますので、お聞き取り願いたいと思います。
#112
○平松説明員 先生御指摘の、一号、二号、三号とあるわけでございますが、一号のほうは災害が発生するということでございまして、二号、三号は「著しく」ということばがついておるので、二号、三号にどうして「著しく」ということばがついたかというお話でございます。文言をごらんいただきますと、一号の「災害」ということばがございますが、災害ということばは、それ自身が生命、財産に影響を及ぼすと申しますか、生命、財産に危険を及ぼすというふうな形のものであるということでございまして、片方は「環境」あるいは「水資源」ということで、そこのところで影響を及ぼすというふうな形のものをもし災害と同じ程度のもので表現するといたしますならば、水資源の場合は枯渇、環境の場合は破壊というふうな形の表現を使うといたしますならば「著しく」という表現なしで済むという形のものではなかろうかと思いますけれども、通常の用語に従いまして水資源の確保と環境に影響を及ぼすというような形にいたしたものでございますが、そこのところに「著しく」という形のものをつけたということでございまして、一号、二号、三号を通ずる思想といたしましては、いま申し上げたようなことで、私どもとしては共通の基盤に立っておるというふうに考えておるわけでございます。
#113
○津川委員 そこで、もう一つは、この十条のところで、開発するときに、国有林野はいわゆる十条の認可を受けなければならぬという開発行為からは除外されるわけです。そこで、国有林野の実態を見ると、「著しく」をつけてあるとやはり不安がある。水資源の涵養を障害するおそれがある場合は許可しなければならぬ、環境保全をそこねるおそれがある場合は許可しなければならぬ、こう読めるかっこう。そこで、次の三号に該当するものは許可してはいけないというならば、ある程度まで乱開発を阻止できる効果が出てくるのじゃないか。強引な人が出てきて、水資源の涵養を障害するおそれがないと自分から言ってきて申請した場合に認可しなければならぬ、こういうことになる心配があるのです。
 きょう理事会で長沼裁判のことを問題にしないことにしたので、後刻また理事会で相談して適当な場所でやりますけれども、現実にあの長沼なんですが、あれを解除するときの申請書を見ると、公判の申請書に基づいて調査した調査項目によると、「保安林解除調書」技師真鍋鉄雄「昭和三十九年六月三、四日、四十年九月六――十八日、四十一年八月十九日の集中豪雨で排水施設不備による道路の一時的溢水があったが特記するほどの被害はない。」こういうふうに現実にここで被害が出ている。これに対して皆さんのほうでは、施設をつくって、ダムをつくって問題は解決したと言っているが、公判の判決が出た次の日の日本農業新聞を見たら、土田栄さんという水田十一ヘクタールを耕作する農民も、「同地では、八月十八日から十九日にかけて百三十ミリ、二十二日から二十三日に五十六ミリの雨があったが、土田さんが、二十三日午前九時ころに見回ったところ、」この新聞では一・五ヘクタールが冠水しておったというが、私たちの党の多田議員が現地に行って調べてみたら、二ヘクタール以上浸水しているのです。これが実態なんです。保安林を解除するときに、国や県がとった態度がこのとおりなんです。こういう場合に、これは著しく水資源に影響しないから許可できるということになると、こういう状態がこれからしょっちゅうこの法律でできていく心配があるわけです。したがって、専門家なり、かなり善意の世論なり、長いことそこに住みついている人たちの意見、そういう関係者の意見が、これは「著しく」でなくてその「おそれがある」といったときにこの項目を適用できるならば私は安心なんだけれども、この長沼の実態を見たときに依然として心配があるわけです。ダムをつくったけれどもなお浸水している。それを保安林解除をしている。この場合、これは国有林だから、民有林がこのような状態にあるときに、「著しく」とついているために許可しなければならなくなる、そういう心配が具体的にあるわけなんです。したがって、農林大臣がこの議事録に載せることによって、そういう場合はとめる、断々固としてそれでいくということがあるならばまた問題は別です。この点はいかがでございますか。
#114
○平松説明員 私どものほうから事務的にお答えを申し上げたいと思いますが、今回の森林法の改正案におきましては、森林法には御存じのとおり保安林制度というものがあるわけでございまして、今回規制の対象にしようといたしておりますのは、保安林以外の普通林でございます。普通林について規制を加えるということでございますので、これは森林の所有者が、社会通念上所有権の内在的な義務として受忍すべき範囲の規制、つまり開発行為をすることによって社会的に迷惑をかけるというふうな形のものが、その森林を所有する者としてある限度を越えればやってはいけないのだというふうなところで、それを越してやるというものについては規制を加えていこうということでございまして、そういうふうな受忍の中にまで立ち至って規制をするという森林につきましては、これは私どもは当然保安林として運用してまいるべきものであろうというふうに考えておるわけでございます。
 そういうふうな前提に立ちまして、森林法の体系といたしましては、保安林の条項をごらんいただきますと、許可権者が任意に運用しないようにということで「許可しなければならない。」というふうなくだりが、たとえば保安林の解除の二十六条一項であるとか、あるいは作業許可の三十四条五項であるとかというところに出ておるわけでございまして、そういうものと平仄を合わせまして、今回の普通林の開発規制について「許可しなければならない。」というふうなていさいをとったわけでございます。
 そういう点につきまして、先生御指摘のような形でそういう事態が起こることについてどう考えるのだというお話でございますけれども、その点については、私どもといたしましては、たとえば水資源の涵養にいたしましても環境の悪化にいたしましても、行政基準と申しますか、許可基準についての行政指導を行なうというようなことで対応をしてまいると同時に、また個々の案件については都道府県の森林審議会にはかるという形のものを義務づけるというようなかっこうで、規模にもよりますけれども、そういうような形のもので対処していくというようなことによりまして、いま先生が危惧しておられるような形の弊害が起こらないというふうな運用をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#115
○津川委員 答弁は、保安林と普通林だから、民有林の規制があるからいい。これは保安林の規制があるからいいと言うが、保安林を読んでみましょう。これは森林法の第二十五条「農林大臣は、左の各号に掲げる目的を達成するため必要があるときは、森林を保安林として指定することができる。」その中に「一 水源のかん養 二 土砂の流出の防備 三 土砂の崩壊の防備」その次は「十 公衆の保健」こういうものがございます。これといま皆さんが提案しておる一号は土砂の流出、崩壊、二号は水資源の確保、三号は環境の保全、内容はどこも違っていません。その点で、保安林と民有林だから差しつかえないなどと言っては事が済まない。保安林と同じ内容を持っていると言えることは言える。
 そこで、この間ここで質問してから、私はもう一回問題の岩木山の登山道路の実態を見に行きました。これは、皆さんの保安林解除のときの弘前大学の酒井軍治郎という地質学の教授の診断書が出ています。これは三十七年。その診断書は何を診断したかというと、これは登山バス行路の安定性について診断した。診断の結果「本予定路線の地盤地質は一応安定している」、だから開通してよろしいだろう。ここには水資源のこと、一言も鑑定していません。ここには国土の保全のこと、一言も鑑定していません。ここでは環境保全のこと、一言も鑑定していません。したがって、だいじょうぶだという診断書を出した。もう一回私は行って見ました。ひどかったです。登山バスの両側に赤土と岩石が露出し、草木がはえていることができないところがあまりにもたくさんある。がけくずれが何カ所も出ておる。この保安林解除の申請のときには、捨て土がなくなるからだいじょうぶだという。捨て土がなだれて谷を埋めておる。この間も話したミチノクコザクラという植物がなくなっている。ケーブルの下の保安を解除しました。その下は植えたのだけれども、冬のあの寒さで全部根が死んでしまった。どうしても根がはえない。ケーブルに乗っていく人がガムや何かを落とす。ネズミが来る、カラスが来る。たいへんな状態です。こういう状態を皆さんのところで、この保安林解除でやっているのです。だからこそ、この項目が、皆さん出してきた「著しく」が私は心配になる。
  そこで、見てみたら、こういう形で保安林が解除になっているわけです。そうすると、この解除された保安林の中には、水資源のことも保安林だからあるけれども、環境保全、ここでは、保安林の項目は「保健」ということを書いてある。生物の生態の変化なんて一言も半言もいってない。今度はこの法案で生物の生態が出てくるとすれば、やはり心配なのは、いままでやってきた態度からいうと、あぶなくてしようがない。
 そこで、もう一つ今度は具体的な質問になってくると、こういう形でいまこの法案の趣旨に出てくる環境保全や水資源の保全ということを――問題にならないときにこの保安林が解除されているところがたくさんある。そこで水資源が破壊されている。そこで環境が破壊されている。いままでやった保安林の解除の部分を、こういう立場でもう一回見直すべきじゃないか。現に、三十七年に解除したものが、今度は保安設備をしなければならないので、いま一生懸命工事しているのです。したがって、過去において保安林解除をしたものを、いま皆さんの提案しているこの立場からもう
 一回見直して、必要な関係者に、この環境保全、水資源保全という点で改善を命ずるか協議するか、そのために必要な処置をとらなければならない、こう思ったわけです。まさにこの「著しく」という解釈、おたくの企画課長が一生懸命私に説明してくれた、そのときわかったような気がする。だけれども、このことはどうしても委員会の議事録に載せておかないと、あとで問題が起きたときに私は事が済まないと思うのです。この点、岩木山の実態をどう直していくのか、こういう場合があるので、すでに保安林を解除したものをもう一回点検し直す必要がある。その立場から教訓を見直して、この十条の二の二項というものを検討する必要がある、いかがでございます。
#116
○平松説明員 今回の森林法の改正によりまして、普通林の開発規制をするというふうなことをやるわけでございまして、その点について私は一歩前進であると考えておるわけでございますが、先生御指摘のように、保安林制度の運用という点につきましても、この機会にもう一ぺん振り返ってみるという必要があろうというふうに考えるわけであります。
 と申しますのは、一応保安林として必要なものについては保安林の指定を終わったというように考えておるわけでございますけれども、その後の社会、経済情勢の変化もございますので、いままでに終わりました保安林の指定のほかに、またさらにたとえば四十七年の災害の際に、災害多発ということの原因を探るために調査をいたした、そういうことからくる保安林の指定の必要という問題もございますし、先生御指摘のような問題もございますので、そういう意味から保安林制度の運用についてもいま一度検討してまいりたいというように考えております。
#117
○津川委員 林野庁長官、いま林政部長が言ったように、岩木山の登山道路を調べて、水資源の関係で、国土保全で、環境保全でどのくらい問題があるか調べて、必要なことを林野庁と弘南バス両当局で相談して直してみる、そういうことによって、すでに解除した保安林点検の一つの例をつくってみる、こういうお気持ち、こういうことをやってみませんか、いかがでございます。
#118
○福田政府委員 御指摘の点は具体的な問題でございますので、さっそく管轄の営林局に調査させまして、対策を講じてまいりたいと思います。
#119
○津川委員 まだ明確な答弁が得られないので、この法案が採決になるころ、もう一回若干のだめ押しの点を農林大臣それから林野庁長官にすることを、私、留保しておいて、きょうは少し時間を余して質問を終わります。
     ――――◇―――――
#120
○佐々木委員長 この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、小委員十三名よりなる、いも、でん粉等価格対策に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。
 よって、委員長は小委員に
      金子 岩三君    仮谷 忠男君
      佐々木秀世君    坂村 吉正君
      丹羽 兵助君    安田 貴六君
      山崎平八郎君    角屋堅次郎君
      美濃 政市君    湯山  勇君
      諫山  博君    瀬野栄次郎君
      神田 大作君以上十三名の方々を指名いたします。
 なお、小委員長には坂村吉正君を指名いたします。
 次に、小委員及び小委員長の辞任の許可及びそれに伴う補欠選任、委員辞任に伴う小委員及び小委員長の補欠選任並びに小委員会におきまして参考人の出席を求め意見を聴取する必要が生じました場合は参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、明十二日、水曜日、午後二時理事会、午後三時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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