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1972/05/10 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第20号
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1972/05/10 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第20号

#1
第071回国会 社会労働委員会 第20号
昭和四十八年五月十日(木曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 田川 誠一君
   理事 伊東 正義君 理事 塩谷 一夫君
   理事 橋本龍太郎君 理事 山下 徳夫君
   理事 川俣健二郎君 理事 八木 一男君
   理事 寺前  巖君
      小沢 辰男君    大橋 武夫君
      加藤 紘一君    粕谷  茂君
      瓦   力君    小林 正巳君
      斉藤滋与史君    住  栄作君
      田中  覚君    高橋 千寿君
      戸井田三郎君    中村 拓道君
      羽生田 進君    増岡 博之君
      枝村 要作君    大原  亨君
      金子 みつ君    島本 虎三君
      田口 一男君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    村山 富市君
      山本 政弘君    石母田 達君
      田中美智子君    大橋 敏雄君
      坂口  力君    小宮 武喜君
      和田 耕作君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
        郵 政 大 臣 久野 忠治君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官      小宮山重四郎君
        公正取引委員会
        事務局長    吉田 文剛君
        環境庁企画調整
        局長      船後 正道君
        大蔵省主計局次
        長       吉瀬 維哉君
        厚生大臣官房会
        計課長     木暮 保成君
        厚生省公衆衛生
        局長      加倉井駿一君
        厚生省医務局長 滝沢  正君
        厚生省薬務局長 松下 廉蔵君
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省児童家庭
        局長      穴山 徳夫君
        厚生省保険局長 北川 力夫君
        社会保険庁医療
        保険部長    江間 時彦君
        郵政政務次官  鬼丸 勝之君
        郵政省人事局長 北 雄一郎君
        労働省労政局長 石黒 拓爾君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      渡部 周治君
        厚生大臣官房企
        画室長     岸野 駿太君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月九日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     小山 長規君
  戸井田三郎君     高見 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  小山 長規君     瓦   力君
  高見 三郎君     戸井田三郎君
同月十日
 辞任         補欠選任
  島本 虎三君     大原  亨君
  田邊  誠君     江田 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大原  亨君     島本 虎三君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申し入れに関する件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四七号)
     ――――◇―――――
#2
○田川委員長 これより会議を開きます。
 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出があります。順次これを許します。山本政弘君。
#3
○山本(政)委員 健康保険法の法案の提案の理由について、政府のほうは医療保険制度の充実ということをうたわれている。そして法案の提案の理由の説明については、関係審議会の意向を尊重する、とこういっております。
 ところが、社会保障制度審議会の答申を見ますと「今回諮問された案は、従来たびたび示されたものと同じく、単に保険財政における総支出と総収入のつじつまあわせの程度以上に、ほとんど出てはいない。」こういうふうに言っておられる。しかも給付の面については次のように指摘しております。それは「家族療養費の給付割合は、昨年の諮問のとおり七割に引き上げるべきである。高額医療に対する負担軽減の措置はよいとしても、これが在来のような各種の公費医療の肩代りにおわることは好ましくない。また、国民健康保険の場合、三カ年計画で実施するということは、国民の期待にそうものでないから繰り上げて実施することを配慮されたい。」「支払い方式については、患者の便宜をはかるため、今後とも一段と工夫を進めるべきである。」こういっております。そして社会保険審議会にも同様な趣旨がうたわれておると思います。
 しかし現実に出された法案というものは、一体どういうことになっているかというと、こういう社会保障制度審議会並びに社会保険審議会の趣旨というものを十分に反映をしている形にはなっておらぬ。つまり政管健保における赤字のつじつまを合わしているんではないだろうか、そういうふうに感じるわけであります。政管健保の赤字発生の原因は一体何かということについては、私はこの前の改正のときにも指摘をしたと思います。
 それは被保険者集団の平均の所得水準あるいは平均標準報酬というのが相対的に低いということがあるだろう。もう一つは、被保険者集団の年齢構成、五十五歳以上の被保険者の構成割合、組合健保と比べてみても年齢が高いのじゃないか。したがって、医療需要が年齢の高まるにつれて急速に高まる傾向にあるだろう、これはもう皆さん方周知だと思いますけれども、まあ財政対策というのは、こういう二つの赤字発生の原因に対して適当な考慮を含んで初めて安全性を確保することができるのではないだろうか、こう思うのです。しかし、現実にはそうはなっておらぬ。
 そこでお伺いしたいのは、大臣は、健保、年金についての全国保険・国民年金課長会議において俗論だと、こういうふうに言われておる。われわれの批判に対して、俗論に惑わされるなというような意味の発言をされておる。しかも、保険局長も「医療保険改正で三度目のチャレンジができることは幸せだ。」こういうふうにおっしゃっている。「三度挑戦する健保の春はまだ遠いが、全知全能を傾けて努力する。」こう言われている。とすると、まず大臣にお伺いしたいのですけれども、私どもの批判というのが俗論であるとお考えになっておるのかどうか、その点、まずお伺いしたいと思います。
#4
○齋藤国務大臣 私どもが今回提案いたしました法律案は――昨年、おととしと二度提案いたしました法律案は、すでに先生御承知のように、完全なる財政対策だけであったわけでございます。私どもは、こういう財政対策だけでお願いするということにつきましては、過去二回廃案になりましたいきさつ等もございますので、こういうふうな財政の問題だけを取り上げた健保法というのは、やはり国民の要望にこたえてない。やはりこの際、給付の改善というものを行なうのが筋ではないか。特に昨年来の福祉優先の政治を要望する国民の声というものもございますので、やはり福祉という面から考えてみれば、給付の改善ということを中心として、それとにらみ合わせて、財政が苦しいその原因は別といたしまして、財政というものをこういう考え方で考えていくべきではないかということで、御承知のようにいままで手をつけることのできなかった家族給付について、五割を六割にし、高額療養費というふうな問題あるいは分娩費等について、実際に合わない、そういう問題を解決し、それと見合って財政問題を御検討いただく。その財政問題を考えるにあたっては、中小企業というものを対象としておりまするために、基盤が脆弱だから、この際思い切って国も補助を出すべきではないか、しかも定率の補助をはっきりと出すべきではないか、つかみの金のような金ではいけないのではないか、こういうような考え方でいたしたわけでございます。
 すなわち私どもは、今日まで二回国会に提案をし、一回は衆議院を通りましたが、参議院で廃案になった。こういうふうな経過を踏まえて、財政だけで問題を解決しようというのでは、これはもう世論が許さない、皆さん方の御意見にやはり従って給付というものを前面に打ち出し、それと見合いで財政を考える、こういうふうにすべきではないかということを提案をいたしたわけでございます。
 しかし、この提案をいたしました当時は、名前が健保法ということでございますので、去年と同じではないかといったふうな御意見、御批判も多少あったわけでございます。そんなふうなことで、私、課長会議で俗論ということを言うたかどうか、私もあまり記憶もありませんが、私はそういう失礼なことは言わなかったのではないかと思いますが、ただ名前が同じだから去年と同じもの、ただ財政だけの法律だというふうに誤解があってはいけない。お互いにそういう点は趣旨の徹底をはかりながら、この法律の成立を私としてははかりたいということを、確かに一月でしたか初めのころに、全国の課長会議に話をしたことがございますが、その意味は、私は俗論だとかそういうことを言うつもりはございません。昨年とは趣旨が違うのだということを十分御理解いただきたいのだという意味でございますから、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#5
○山本(政)委員 なるほど大臣のほうで「従来の単なる赤字対策とは性質を異にするものだ。」こういうふうなことをおっしゃっておることを私は確認いたします。それはここにも書いてあります。しかし「タメにする世上の議論に惑わされず、ことの真実を理解して法案成立に協力し、国民のために精進ねがいたい。」最後の「国民のために精進」願うことはけっこうですけれども、「タメにする世上の議論に惑わされず、」ということは穏当じゃない。しかも「赤字対策とは性質を異にする」というけれども、私はやはり依然として赤字対策ではないかという疑念を払拭できないわけであります。
 したがって、そのことについて、いまから質問を申し上げるわけでありますけれども、質問に入る前に、労働省の方にお伺いをしたいのでありますけれども、春闘が大体山場を越しまして、そしてかなり大幅なアップ率が予想されるということになりますと、この制度改正後の予算案について標準報酬の上下限の改定ということで、ここに四月実施の場合には四百五十四億という金が、予算に見込まれておる。それから保険料率の改定についても、七%から七・三%アップするということにして、三百六億というものが計上されている。そうすると、もちろん春闘はまだ山場を越したとはいえ終わっておりませんから、はっきりとした数字は私はつかめないと思うけれども、傾向としまして、どれくらい見通しと違ったといいますか、幅が上がったはずですが、どれくらい要するに予算の増が見込まれるだろうか、この点ひとつお聞かせいただきたい。
#6
○江間政府委員 四十八年度の積算におきましては、標準報酬最高限を二十万にしました関係もございますが、大体において一二・四%くらいは対前年比で保険料の増収があるというふうに考えて積算いたしております。春闘の結果、どれくらいベースアップがあるかということは、もう少し時間の推移を見なければわかりませんけれども、若干の増収がさらにあるということは事実かと思います。
#7
○山本(政)委員 標準報酬だけでなく保険料率のアップ、それから特別保険料ということもあるわけですから、私はこの三つのものについて、かなり大きな影響を及ぼしてくるのではないかと思うわけですね。
 労働省のほうで、いまはっきりとした正確な数字は、私は把握できないと思います。しかし、少なくとも政管健保が適用される組合について、大体どれくらいな春闘のアップ率が予想されるだろうか、この点をお聞かせいただきたい。
#8
○石黒政府委員 ただいまお話のございましたように、春闘の集計はまだできておりませんし、特に中小企業につきましては、これはかなりおそくなるのもございますので、集計はかなりおくれると存じますが、従来の傾向を申しますと、大企業では昨年は一五・〇%に対して中小企業は一六・五%、その前の年が大企業が一六・六%に対して中小企業は一八・三%というふうに、いつも率で申しますと中小企業のアップ率のほうが大企業をこの数年上回っております。額は大企業より低うございます。
 本年の場合は、大企業につきましては山が見えたといわれておりまして、額、率ともに昨年を上回るであろうというふうにいわれております。その傾向は中小企業につきましても、今回だけそれが逆転するということは、まずないんじゃなかろうか、同じように大企業並み、あるいはそれを上回るアップということが起こる可能性が大きいというふうに考えております。
#9
○山本(政)委員 私どもですら予想しておったのは、一五%をこえるであろうという予想だったんです。あなた方の見積もりというのは一二・四%、そこからいたしますと、一%上がればどれだけ、要するにこの三つ、いま申し上げた項目について、どれぐらいふえるんだろう、ちょっと聞かしていただきたい。
#10
○江間政府委員 確かにいま労働省の方がおっしゃいましたように、昨年の大手のベースアップ一五%、おそらく中小のほうは、それに一%ちょっと加わるぐらいの率になるだろう。ただわれわれの制度には、標準報酬の最高限という制度がございまして、そのアップ率は若干低下いたします。
 大ざっぱに申しますと、二ないし三%くらいそのアップ率が低下することになろうかと思います。したがいまして一五%大手のベースアップがあった、中小企業は一六・五になる。われわれの制度のもとにおきましては、たとえば標準報酬の最高限二十万になったという場合にも、それから二ないし三%低下をアップ率で考えなければならない。したがいまして、昨年の実績に照らしまして一二・四%とった。それほどわれわれとしては低いとは思っておりません。
#11
○山本(政)委員 それでは中小企業で二十万円をもらうという層はどれくらいありますか。私はそんなにたくさんないと思うのです。
#12
○江間政府委員 四十八年の状態で大体われわれは二・六%くらいはそういう人があろうかというふうに推定しております。
#13
○山本(政)委員 中小企業の場合に、要するに二十万円の給与をもらうという人は、数からいえば、そんなに多くはないと私は思うのですけれども、まああなたの御意見というのを一応信用いたしましょう。二・六%ですね。そうすると、大まかな見通しであるけれども、ことし一八・三%ということに一応なれば、なおかつ二・二八でも、一六をこえるものがある。つまり四分の一あなた方の見積もりより多いということになりますね。
#14
○江間政府委員 いま先生のおっしゃったように一八・何%というベースアップがあったと仮定して、それで中小企業については若干検討する余地があるかと思いますが、それにもう一・何%加わる。大体一九・何%くらいのアップ率になったといたしまして、先ほど来申し上げておりますように、標準報酬最高限その他の結果、低下する部分が大体二ないし三%あるとしますと、一六ないし一七%くらいのものになろうかと思います。したがいまして一二・四%との差、これは明らかに増収分になろうということは予想できるかもしれませんが、ただわれわれは財政収支を組みますときに若干のアローアンスも見なければなりませんし、現在まだ即断はできかねるかと思います。
 なお大ざっぱに言いますと、大体ベースアップの一%弱、いま申し上げた差というものは三十億近くくらいのものになるんじゃないか、大体そんな感じでございます。
#15
○山本(政)委員 労政局長にお伺いいたしますけれども、過去五年くらいの間でいま申し上げた中小企業のアップ率の平均値は大体どのくらいでしょうか。
#16
○石黒政府委員 中小企業の春闘アップ率の平均はちょっと暗算できませんが、過去五年で大体一六%くらいと思っております。
#17
○山本(政)委員 そうしますと、過去平均一六%くらいということになれば、そういうものを参照して厚生省は予算をお立てにならないのですか。つまり一二・四%という数字というものは、あなた方が予算をお立てになるときになぜそういうふうに過小にやっているのですか。常識的に最底一五%くらいは見積もったって一向ふしぎじゃないと私は思うのです。しかし収入の場合には、常に低目低目に押えていく。
#18
○江間政府委員 私は、決してこれは当初から意識的に過小に見積もったとは思っておりません。と申しますのは、一六%だったと仮定いたします。先ほど来申し上げます現実の春闘のアップ率よりも、われわれのほうの収入は低下する面がございます。それが大体二ないし三%したがいまして、一二・何%というのは若干のアローアンスはあるにしても、意識的に低いというふうにわれわれは考えておりません。ただ、この春一六・何%というより、さらに高いものがあるとすれば、その部分とはやはり増収部分として考えざるを得ないのじゃないかということを申し上げておきます。
#19
○山本(政)委員 そうすると、これは一つだけ確認したいのですけれども、つまりこのままでいけば増収の可能性というものは、きわめて濃いということは言えますか、言えませんか。
#20
○江間政府委員 先ほど申し上げましたように、一二・何%というものよりも若干の高い収入があるであろう、あるかもしれないということは言えると思います。
#21
○山本(政)委員 今度の法案の、政府が言っている目玉というのは二つあると思うのです。一つは給付率をよくする、こう言っておられる。もう一つは高額医療だ、こういうお話がありますね。
 家族療養費の給付率を五割から六割に一割上げる、こう言われておる。そして高額医療の新設についても、これは新しい目玉、こう言われるのですが、これは収支の表を見ますと、私が一つふしぎでならないのは、つまり高額医療の新設についてだけ、なぜ十月に実施をするのだ。他はすべて四月実施になっておる。これは老人医療の無料化の場合にも私はふしぎに思っておったのですが、なぜ十月という時点をおとりになったか。これがある場合には六月というくらいのことなら、私は理解ができるのですけれども、十月という時点をなぜとったのだろうか、これがわからないわけですが、この点、一体どういう理由によって十月にしているのか。まずその点だけ聞かしてください。
#22
○北川(力)政府委員 ただいま仰せのとおり、高額療養費の支給は、今回の改正におきまして現在の疾病構造の変化に対応したもので、時宜を得た改正だと私どもは考えております。ただ、先ほどのお話に関連して申し上げますと、非常に新しい制度、また非常に実効が期待されておる制度でありますだけに、専門の審議会におきましても、あるいはまた社会保障制度審議会におきましても、あらゆる角度から、いろいろな議論があったわけでございます。そういった議論もございましたし、また新しい制度であるということでございますので、どういうような支給要件を設定して、どういう手続を踏んで、どういう手順でわれわれが制度を設定した目的に合致するような効果をおさめ、結果をもたらさせるか。このためには、かなり多角的な検討を必要とするのでございます。
 この点は先生も御理解いただけるかと思いますが、そういう点がありますし、また法律案にも書いてございますとおり、そういった実施の細目につきましては、政令でございますけれども、専門審議会である社会保険審議会で十分に検討をいただきまして、各界の御意向を尊重する、また、それを実施しようとする場合には、私どもの第一線の担当機関である社会保険事務所、あるいは医療機関、あるいは関係者のほうにも、その趣旨、方法を十分周知をいたす必要がございますので、そういった関係上十分かどうか、いろいろ御意見もあるかもしれませんけれども、その程度の実施の準備期間を置きまして正確な実施をはかる、そういう意味合いで十月といたしたような次第でございます。
#23
○山本(政)委員 春闘の場合には大幅なアップ率に対して、私は厚生省は過小評価をしていると思うのです。高額医療については、出すことについては、四月実施ではなくて十月ということで出し惜しみをしているのではないか。いろいろと手続があるというけれども、そんなものは法案が提案される前にすべて私はある程度の準備が整えられるはずだと思うのです。必ずしも法案が通ってからでないと、すべてそういう準備はできませんということでもないはずだろうと思うのです。ある程度の準備というものはやるべきだし、そして目玉商品だといって、あなたたちが俗論に惑わされるなとまでおっしゃっておるならば、そういうことについて、なるべく早く支給をするような努力をするということのほうがあたりまえじゃないのですか。
 にもかかわらず、常に新設をしてあなた方が宣伝をなさっている事柄については、老人無料化といい、あるいは家族療養費の高額医療といい、すべて常に半年おくらしておる。見てごらんなさいよ、過去のことを。ずっと見てもらったら常に半年、十月実施です。なぜ私は十月実施にこだわっているのかふしぎでならないのです。あなた方がそんなに、要するに医療の充実化ということを本気になってお考えになっておったら十月よりか九月、九月よりか八月というのが私は至当じゃないだろうかと思うのです。そうじゃありませんか。大臣、ちょっとその点、いかがですか。
#24
○齋藤国務大臣 お述べになりました趣旨、私ども十分理解できます。由来、法律も予算もできるならば年度当初から実施する、これが私は一番望ましい姿であると考えております。
 ところで、いま申し述べましたように、家族給付率の引き上げのようなものは、これはもうはっきりわかっておるわけでございますから、これは年度が変わったら、すぐやれる、私はそうだと思うのです。ただ、こういう新しい制度をつくりますときには、役所にはやはりいろいろな国民に対する趣旨の徹底、それからいろいろな手続、請求方式の様式、まあやはり趣旨を徹底させるということが一番大事なことでございますために、高額医療だけではございません、そのほかの年金の問題ででも、大体はしばらく実施準備期間を置くということで、こういうふうに慣行としてきておるわけでございますが、できるならば、やはり予算と法律というものは年度当初からやる、これが私は望ましいと思います。
 しかしやはり全国民に、しかも高額療養費の問題は政管健保だけじゃなしに、国民健康保険についても三カ年計画ということでございますが、やはり全国民を対象としてやっていくといったふうな制度でもありますので、相当実施準備がかかるのじゃないか、こういうふうに考えておりますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
#25
○山本(政)委員 それでは高額医療についてお伺いいたしますが、要するに一カ月間に医療機関に支払った自己負担が三万円以上の場合、三万円をこえた分について療養費払いで償還をする、こういうことですね。
 そうすると診療点数では七千五百点以上でないといけないわけですね。つまり七千五百点といえば七万五千円、それの〇・六ですから、四万五千円については、これは給付があるわけですね。そうすると、あとは残りは三万円ですから、それをこえた場合に療養費払いをする。こういうことになると思うのですけれども、高額医療の該当件数というものは一体政管健保でどれくらいなのか。つまり算出の基礎資料というものをちょっと聞かしていただきたいのです。
#26
○江間政府委員 四十八年度の高額医療費の対象件数、予算の積算基礎は四十九万一千件というふうに見ております。
#27
○山本(政)委員 件数で四十九万一千件ですね。そうすると点数ならば、どれくらいになりますか。
#28
○江間政府委員 点数と申しますと、御質問の意味がちょっと理解しかねるのでございますが、一人当たりでございますか、それとも……。
#29
○山本(政)委員 つまり一件当たりの点数が七千五百点以上の疾病というものの、疾病別の状況がおわかりになりますかどうかということです。
#30
○北川(力)政府委員 最近のデータで申し上げますと、昨年四月の診療分でございますけれども、ただいまお話のありました一件当たりの点数が七千五百点以上の疾病別の状況は次のとおりとなっております。
 すなわち総数中七千五百点以上のものの占める割合は件数にいたしまして一九・五七%、点数にして四八・八%でございます。したがいまして、おおよそのところ、大体件数が二割、点数にして五割弱、こういうことが言えようかと思います。
#31
○山本(政)委員 いま保険局長がおっしゃったのは四十七年の四月ですね。――そうすると四十八年の四月の時点では、私は医療費の伸びというものがあるだろうと思うのです。医療費の伸びというものが当然考えられるだろうと思う。それは一体どれくらいになりますか。
#32
○江間政府委員 先生の御質問の意味がちょっと取りかねるのでございますが、率に関する限りは、先ほど保険局長が申し上げたとおりでございます。
#33
○山本(政)委員 私がお伺いしたのは、一件当たりの点数の七千五百点以上の疾病別の状況というものを知らしてほしいということで、局長から四十七年の四月の段階で件数と点数の割合を知らしていただいたわけですね。ですから、四十八年の四月の段階では一体どういうふうになるのだろうか。あなた方は見通しを持っておられるはずですよ。つまり高額医療というものを設定されるのですから、そういう見通しなしにやることはないはずだ。要するに、そのパーセンテージを聞かしてほしい、こう言っているのですよ。
#34
○江間政府委員 理論的には、率に関する限りは、診療報酬の額がそのままである限りは大体同じであろうかと思います。ただ先生のおっしゃることは、おそらく高額医療が実施されるようになれば、それに伴って医療需要の伸びがあるであろう、それを考えたかということだと私は推測するわけでございますが、そういうものにつきましては、われわれ若干の需要の伸びというものを想定いたしております。
#35
○山本(政)委員 高額医療を設定することによる医療需要の伸びというものがあるというのは、高額医療を設定したことによって需要が誘発されるということですか。
#36
○江間政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#37
○山本(政)委員 誘発されるということのほかに、高額医療は、何といいますか、つまり七千五百点以上のそういう疾病というものが誘発される以外に、疾病構造が変化をするとか、あるいはいろんなことで自然増というものも考えられやしませんか。ですから、そのことによる需要の伸びというのが四十八年の四月の段階では、一体どれくらいになるというふうにあなた方は認めておられるのだろうか、こういうことなんです。
#38
○江間政府委員 自然増の点でございますけれども、これにつきましては、昭和四十六年度から四十八年度にわたっての自然的な医療需要の伸びというものも事前に積算の中に入れております。したがいまして、それにプラスして高額医療が実施されることによって誘発される波及効果、この二つが予算積算上にあるということはいえると思います。
#39
○山本(政)委員 だから、それは何%に見ておられますか。
#40
○江間政府委員 自然増の点につきましては、四十六年度との対比でございますが、大体四一%ほど見ております。それ以外に波及効果でございますが、これにつきましては大体これが実施される結果、一・七%くらいのものが波及効果としてあるだろうというふうに思います。
#41
○山本(政)委員 くどいようですけれども、いまのところ、ぼくは問題になるからお伺いするのですけれども、保険局長は件数で一九・五七%、点数で四八・八%が該当しますという御返事がありましたね。そうすると、四十七年の四月では四一%の伸びというのは、これにプラスされるわけですか。それから一・七%というものは、それにプラスされるわけですか。
#42
○江間政府委員 自然増に関しましては、四十六年度との対比を基礎にいたしまして、先ほど申しました四一%自然増があるだろうというふうに考えております。
 それから波及効果の点につきましては、これは従来から給付率と、それから医療需要の相関係数、これはいろいろ調査のしかた、数式のとり方によりまして変わってまいりますけれども、それについての計数をわれわれは持っております。最もリーズナブルだと思われる係数を使いまして、波及効果一・七というものを使ったわけでございます。
#43
○山本(政)委員 どうも質問と答弁がかみ合わぬような感じがするのですけれども、これはちょっとのけておきまして、四十八年度の所要額というのが高額医療については四十一億円になっていますね。これは一体どういうふうにして、それではお出しになったのか。つまり家族の総医療費について、あるいは家族の医療給付費についてというような問題が出てくると思うのですよ。その四十一億円を出した計算の基礎をひとつ聞かせてもらいたい。
#44
○江間政府委員 積算をここで申し上げますと、たいへん長い数式になりまして、非常に正確なものをお求めならば資料として差し上げたいと思いますが、要するに考え方としましては、先ほど来の自然増の問題は別といたしまして、基本的に高額医療費の計算につきましては、まず自己負担額が三万円をこえているもの、先生がさっきおっしゃった六割給付の場合に七千五百点をこえているものの割合を調べてまいる、そしてそれが全体との給付率でどのくらいになっているか。すなわち六割給付のもとで三万円をこえているもの、そういうふうなものが六割給付に対して、どれだけの給付割合になるかということを計算してございます。これは六割給付の場合に大体六割三分ぐらいになると思います。それに先ほど申し上げました波及効果というものを加えまして、そして必要な月数の計算をしたというのが中身でございます。その数式はきわめて複雑でございますので、もし詳細なものをお求めでございましたら、資料として提出いたしたいと思います。
#45
○山本(政)委員 江間さんにちょっと確認したいわけですけれども、四十一億円というものを出す場合に詳細な計算があるというお話でしたけれども、きわめて簡単にいえば、家族の総医療費というものが高額医療の実施の前には三千三百四十七億円、実施後は三千三百九十四億円、これは確認してございますか、そういうふうにあなた方はお考えになっておるということを。あなた方の資料ですよ。
#46
○江間政府委員 そのとおりでございます。
#47
○山本(政)委員 そうすると、家族医療の給付費については、高額医療というものを実施する前は、これは要するに三千三百四十七億円に六割をかけるわけですね。それが二千八億円、そして家族医療の給付費は、高額医療を実施した後には今度は三千三百九十四億円に〇・六二八をかけるわけですね。そうすると二千百三十二億円。ですから二千百三十二億円から二千八億円を差し引いたものか百二十四億円になる。これが平年度でしょう。その三分の一ということで、実は四十一億円というお金が出ておるのだろうと思うのです。
 そこで私がお伺いしたいのは、要するに高額医療の実施後、家族医療の給付費ですね。これは三千三百九十四億円に〇・六二八をおかけになっておる。つまり〇・〇二八というのが、これが波及効果による需要なのかどうなのか、この点聞かしてもらいたいわけですよ。
#48
○江間政府委員 これは高額医療を実施した場合に、従来の六割給付であったものが六割二分八厘になる、そういうふうな意味でございます。
#49
○山本(政)委員 だから高額医療を実施した場合には、従来六割だったものが六割二分八厘になるということは、波及効果による需要の増なのかどうなのかということを聞いておるのですよ。
#50
○江間政府委員 結局、三万円をこえる医療費が保険給付として支給される、それを給付の中に入れまして、従来の六割というものと対比しましたら、その割合は六割二分八厘になるということでございまして、それは必ずしも波及効果ではないというふうに考えます。
#51
○山本(政)委員 そうすると、〇・〇二八というのは波及効果というものを全く考慮しておらぬということなんですか。
#52
○江間政府委員 おっしゃるとおりでございます。
#53
○山本(政)委員 そうすると、あなたは先ほど一・七%ですか波及効果があるんだ、こういうふうにおっしゃったけれども、この予算の中には、波及効果というものは全然考慮されておらないで、そしてその数字は〇・六二八とされているのかどうか。
#54
○江間政府委員 その点は総医療費のほうに根っこから入っておりまして、いま申し上げた積算の中には入っておりません。
#55
○山本(政)委員 そうすると総医療費の中に入っているということは、三千三百九十四億円の中に波及効果の一・七%を含めておるということですね。そういうふうに理解していいのですか。
#56
○江間政府委員 おっしゃるとおりです。
#57
○山本(政)委員 じゃ一つ具体的な問題についてお尋ねしますが、三万円までは自己負担だ、三万円以上は国庫で負担をいたしますというその三万円というものは、一体どこを根拠にして三万円というものをお出しになったのか。これは保険局長のほうにお聞きしたほうがいいかもしれませんね。
#58
○北川(力)政府委員 三万円の根拠につきましては、いろいろなファクターがあろうと思います。もとより決定的に三万円という、そういう最も決定的なものは、あるいは必ずしもないかもしれませんけれども、私どもは最近の実情から考えまして、大体次のようなことを考えたわけでございます。
 つまり高額医療というものにつきましては、大体これに該当する方々は、ほとんど大部分が入院患者であろうと思います。入院患者につきまして最近の実績によりますと、その一件についての大体一日の平均所要額が、もちろん家族の場合でありますが、千円くらいが大体おおよその実績なのでございます。その意味で一カ月間ということを考えますと、大体通常の保険で要する入院費という程度のものは、平均的なものはひとつ御負担を願って、それをこえます分については、いわゆる高額療養費として償還払いをしていく、こういうような基本的な考え方を一応持っておるわけでございます。
 なお三万円という点につきましては、もとより法律の段階では出てまいりません。政令事項でございます。でございますが、昨年の国会に御提案申し上げましたいわゆる抜本改正案におきましても、高額療養費の支給の場合に三万円をこえるというようなことを一つのメルクマールといたしておりますので、そういった過去の例をも考えまして、また最近の実績も考えまして、高額療養費というものは大体そういうところのレベルで設定をしてみてはどうか、このように考えたのが大体の理由でございます。
#59
○山本(政)委員 千円というと、そうすると六割給付だったら、もっと少なくなるでしょう。少なくなるはずじゃありませんか。
#60
○北川(力)政府委員 これはいま申し上げましたのは六割給付にいたしまして、それからその四割相当分が帰納をしてみると千円ということになる、そういう意味でございます。
#61
○山本(政)委員 それじゃちょっとお聞きしてみますけれども、標準報酬の下限は今度あなた方の改正案によると三千円から二万円にすると、こう言うのですね。そうですね。そうすると標準報酬が二万円で、そして自己負担が三万円というのは、たいへん矛盾すると思うのですよ。二万円しか給料が入ってこないのに、三万円の自己負担をしなさいというのは、あなた方はどうお考えになっているのか知りませんけれども、たいへん矛盾することじゃありませんか。二万円しか自分の収入がないのに三万円は自分で負担しなさい、それ以上は国で負担しますというのは、たいへん私は不合理な話だと思うのです。筋としてはそうなりませんか。
#62
○北川(力)政府委員 標準報酬との関連の御議論としては、そういうふうなものの見方もあるいはあるかもしれません。ただ、標準報酬につきましては、被保険者本人の所得ということで、そのワク組みの設定をしている、こういうことでございますし、片方家族療養費支給ということは被扶養者に関する問題でございますので、その辺を完全にリンクをさせて標準報酬の最低が二万円であるがゆえに三万円というのはおかしいというと、完全リンクというのは、どうも私どもは筋が通らないじゃないかという御意見でございましたけれども、そういうふうにペアにして考えることはどうか、やはり出るほうは出るほうで、先ほど申し上げましたような最近の医療費の実態から見て、高額というものをどこに設定をしたらいいかということで、家族のほうがより合理的ではなかろうかという、そういう考え方でございます。
#63
○山本(政)委員 ぼくは逆なんですね。二万円なら、それにリンクをするようにやるほうが、社会保障の観点からいったら、より合理的だと思うのです。標準報酬というものは、要するにインカムが二万円しかないのに、出るほうは三万円ありますけれども、それはがまんしなさいというのは、たいへん議論としては、常識的に考えたらおかしな話だ。最低二万円なら二万円、二万円をこえるというなら、まだ話はわかります。これは収入は出るところと同じですから、一応ゼロになる。これだってたいへんおかしな話だと思うけれども、しかし出るほうが三万円で入るほうが二万円だ、三万円出ることはやむを得ないのだ、それ以上は国庫で負担しますよということは、私は一般的な常識から考えたら、やはり不合理な感じがします。大臣、そういうふうにお考えになりませんか。
#64
○北川(力)政府委員 ちょっと補足的に申し上げておきますが、確かにそういうふうなお考えはあろうかと思います。しかし形の上だけではなくて、一体標準報酬二万円というような実情にある方々がどういう状態の方々であるかというふうなことの実情を考えてみますと、やはりこれはどうも家族を持っている方々はあまり考えられないわけでございまして、こういう方々について、標準報酬二万円という方々について高額療養費の償還ということが起こるケースが、そうあるということはあまり考えられませんので、私どもはそういう点でも三万円という線は、お説でございましたけれども、おかしくはないじゃないかというふうに考えております。
#65
○山本(政)委員 私は、高額医療についてはそういう標準報酬の下限ということから検討してみると、一つ矛盾がありそうな気がするのです。
 これはもう一つは一般的にいわれることですけれども、高額医療費の三万円の自己負担をこえる部分については国が負担します、こう言っているけれども、私自身の経験を申し上げますと、私の家内の母が七十三歳ですが、せんだって入院したのです。家内もそういう知識がありませんし、それから家内の妹もそういう知識がない。だから、老人の医療の無料化だから、全部ただで入って治療してもらえるのだろうからというから、ぼくはそんなことはないはずだという話でにやにや笑っていたのです。けれども人間のからだのことですから、いずれにしても、入院させることが必要だから入院させたらいいだろうということで、四十日ほど入院いたしました。十日ごとの支払い。そうしたら一入院料が四万五千円来たものですから、妹が母を預かっているので、おにいさんたいへんだ、こう言うのです。四万五千円かかってきた。もちろんその費用は私のはうで負担しましたけれども、しかし入る御本人も、それから私の家内も、その妹も全部ただだと思っているのですよ。入ってしまえば一切がっさい無料だと思っている。ところが現実に入ってみたら入院料だけで、部屋代だけで、一日四千五百円取られているという事実がある。
 しかも私はたいへん心外だと思ったのは、つまり該当する病気以外に全部要するに精密検査をする。これは私どもの負担にはもちろんなりませんが、そういうこともあり得るということ、そうしますと、高額医療費で三万円までは自己負担をしてください、三万円以上は国が負担をしますということで皆さん方がどんなにPRをしようと、三万円をこえたものについては国がすべて負担をしてくれるという観念を国民は全部持つだろうと思うのですね。むしろそのことによって、経済的な負担をこうむることによって、いま医療需要の波及効果ということをおっしゃいましたけれども、波及効果によって入った人たちは、そういう経済的な被害を今度は逆にこうむるということが、極端なことをいえばあり得ると思うのですよ。
 そうすると一体差額ベッドとか、あるいは付添看護婦に対する費用というものをどう将来考えるか、その展望なしに高額医療費というもので国が負担をいたしますということだけでは、私はたいへんおかしな話になるだろうし、必要以上の経費というものをある場合には国民に、つまり事実を知らないで入院をした人にかぶせることになりはしないか。そういうことに対する一体国が将来の展望をお持ちになっているのかどうか、具体的に考えがおありになるのか、ひとつ聞かしていただきたい。
#66
○北川(力)政府委員 非常に重要な御指摘でございます。事は医療保険だけにかかわる問題ではございませんで、ただいま例に出ました差額ベッドの問題でございますとか、あるいは付添看護の問題でございますとか、そういった問題に関連をしてまいりますると、医療保険独自の問題と、これに隣接する全体の医療体制あるいは看護体制あるいは医療機関の整備、こういうものに関連をしてくるかと思います。ただ私どもは高額医療費の、一応三万円といたしまして、償還払いということが、いまお述べになりましたように受診抑制になるというふうなことは考えておりません。
 これはこういう言い方がいいか悪いかわかりませんけれども、現在の疾病構造は、いまさら申し上げるまでもなく、健康保険制度が発足しました当時と比べて、特に最近のいろいろな社会、経済情勢の変化から考えますと、非常に変わっているわけでございますから、かりに現在白紙に健康保険制度というものをつくるなら 一つの考え方として高額医療の健康保険制度をつくるというふうなことも考えられなくはないと思うのです。そういう意味も考えますると、高額医療について、一番国民の需要の高いものについて一定の額を限度として償還をするということは、やはり国民の一番強い要望にこたえているということには、まあ間違いはないのではないかと思います。
 ただ、いまお話に出ました差額ベッドの問題、あるいは付添看護の問題、こういう問題は確かに現在あるわけでございます。
 差額ベッドにつきましては、一番基本的な問題は、大臣も本会議等でたびたびおっしゃっておられますように、被保険者あるいは家族が希望しないにもかかわらず、当然に差額ベッドにしか収容されないような病院があるということは好ましくない実態だと思います。もとよりかたがた差額を払っても多少ともいい部屋に入りたいというような要望もあることは、ある向きもそれはありますけれども、しかし皆保険下でございますから、そういうものは極力押えて、被保険者がそういう通常の保険のベッドに収容される機会が失われないように、これは十分に注意をしていかなければならぬ問題だと思っております。
 そういう意味合いで実は最近も、いろいろこの問題は審議会等でも御指摘を受けておりまするから、現在一定限度以下に押えてほしいということを行政指導でやっておりますが、こういう点をさらに今後十分に詰めまして、差額ベッドが乱に走らないように、けじめがつくように十分に留意をしてまいりたい。もちろんこの問題は、かたがた診療報酬という問題を適正化していくという問題にも関連をいたしております。また同時に、公的医療機関の差額ベッドという問題も問題になりますが、そういう面から考えますると、公的病院に対する公の資金の投入、あるいは公的病院といわないまでも、公的な機能に対する公の資金の投入を今後どのように強化、充実をしていくか、こういう問題ともかみ合ってまいります。
 また、付添看護の問題につきましては、現在の保険の行政実行上やっております基準がややシビアに過ぎないかということでございまして、私どもも現在これをどのように現在の実勢に合わせるかについて検討はいたしております。しかしながら、これまた議論を詰めてまいりますると、より基本的には病院の看護体制という問題に及んでまいりまして、そういう点で根本的に解決するためには保険も含めた医療全体、の体制、看護体制あるいは病院の整備、こういうことを並行してやらないと、基本的にはすっきりしない問題ではなかろうか。しかし、こういう問題は、いま先生おっしゃったように、高額医療の実施がわれわれが期待をするように、また国民の皆さん方が期待をされるような実効をおさめるように、並行をして当面必要な措置は十分に講じてまいりたい、このように考えております。
#67
○山本(政)委員 私は、高額医療を取り入れたということは、ある意味では進歩だと思うのですよ。しかし、高額医療を取り入れたけれども、その中の実態というものを、しさいに点検をしてみると、そんなにあなた方がおっしゃるほど進歩ではないのじゃないかということを私は実は申し上げたいわけです。たとえば高額医療を要する病気というものは、そういう病気ほど実は付添婦というものを必要とするわけでしょう。しかしながら、そういうことに対する対策は、いまのお話ではきわめて抽象的なんですよ。
 私は、今度の改正にこういうものをお入れになるとするならば、それと並行して、具体的にそれでは、いまはできないにしても、差額ベッドなり、あるいは付添看護婦の問題については、こう対処していく考えであるという具体的な提案がなければならないはずだと思うのです。それが何もないということが、たいへんおかしいではないかということを私、申し上げているんですよ。
 いま高額医療の保険制度というものを一つ考えておるとおっしゃった。だけれども、それは一体いつ発足させるのか。高額医療についての保険制度というものは一つの試案でははあるでしょうよ。しかし、あくまでも抽象的なものであって、具体的な展開といううものは、こここま示されてないわけです。そこに私は問題があるだろうと思う。だからいまお伺いしたいことは、一体具体的にはこの高額医療の問題と並行してどういう施策をなさるつもりなのか、そのことを実はお聞きしたいわけです。
#68
○北川(力)政府委員 ちょっと私が申し上げました中で、多少ことばが不足をいたしまして誤解を受けているといけませんので、つけ加えて申し上げておきますが、高額医療の保険の設定ということを申し上げましたのは、高額療養費というものが現在の実情に合ったものであるということを申し上げるための一つの例として申し上げたわけでございまして、それほど高額療養費の支給制度というものは現在的な需要の多いものではなかろうか、こういうことを申し上げたわけでございます。その点を追加して申し上げておきます。
 それから差額ベッドの問題でございますが、これは、皆保険になりました直後の三十九年に、やはり皆保険下の差額ベッドということでいろいろ問題がございましたので、その当時、これは先生も御承知のとおり、保険局におきましては、この問題を相当多角的に検討いたしまして、一つの基本的な考え方を示しております。
 それによりますと、一番基本的なことは、先ほども申し上げましたが、患者が欲しないにもかかわらず、差額ベッドに収容されることは避けるべきである。それからまた具体的な基準といたしましては、やはり若干の需要というふうなものも考慮しながら、二割ないし二割五分程度の差額ベッドというものにとどめるべきである。それをこえるものについては指導によってケース・バイ・ケースで早急にそういった基準に合うように指導をすべきである。こういうことを申しております。
 私は、それから十年たちました現在、この基準について、この考え方について、基本的に大きくこれを変える点はないのではなかろうかと思っております。しかしその後、たとえば四十三年の暮れに、医療審議会の審議の過程を通じまして医療審議会が公的病院の病床規制の答申をいたしました際に、少なくとも公的病院においては差額ベッドというものは極力抑制すべきである、こういうような答申もちょうだいをいたしております。そういったことを考えますると、基本的に私はこういう考えでいいと思うのでございますが、現在の実情が、先般からもいろいろなところで調査があったり、またいろんなところで伝えられておりますとおり、ややこういう傾向が放漫と申しますか、乱に走っておる。極端な病院では、私が申し上げるまでもございませんが、全病床についてまんべんなく差額を徴収している、こういう例も見られるわけでございます。したがいまして、こういったことは、どういうような理屈をつけましても、これは適正なものだ、あるいは合理的なものだといってふやしたりするわけにはまいりません。
 私どもはそういう意味で最近の実情から見まして、先ほど申し上げました三十九年当時のこの基本的な考え方というものを確認をして、できるだけそういう線に早急に近づけるように措置をいたしたいと考えております。現に、私どもの直轄病院でございます国立病院、療養所あるいはまた直轄ではございませんが、関係の団体が経営いたしております全社連あるいは厚生団あるいは船員保険会、こういった病院につきましては、その基準に合わない場合には、基準に合うように直ちに直すように、すでにこれはもう通知済みでございます。
 なお、それ以外の公的な医療機関あるいは公立病院、こういうものにつきましては、現在もちろんお願いをしておりまするけれども、先ほど申し上げたように診療報酬の問題というものもございますし、そういった点も十分考えながら、先ほど申し上げた基準を確認をして、さらによりこの問題を改善をして、改善をすべき点があるならば、そういう点をつけ加えて改善をするように指導を強化いたしたい、このように考えております。
 いまおっしゃったとおり、高額療養費の支給というような非常に現在的に要請の強い制度を実施いたしましても、これが結果的に差額ベッドとか付き添い問題によって薄められる、あるいはこれが抹殺されるということでありますれば、私どもは全く残念なことでございますから、この機会に十分にけじめをつけて、この問題の運用に当たりたい、このように考えております。
 なお付き添いの問題でございますが、この問題も先ほど抽象的だという御批判がございましたけれども、なかなか基本的に解決するにいたしましては、むずかしい点がございます。しかし先生も御承知のとおり、現在の運用上、基準看護を実施していない病院について認めております病人、すなわち病状が重篤で常時監視を要する者、あるいは病状は重篤ではないけれども、術後常時監視を要する者に限定しておりますが、現在運用いたしております基準について、現在のような寝たきり老人が多いとか交通事故の患者が多いとか、こういう疾病構造のもとで、基準をきわめてシビアに運用をすることがいいかどうか、こういう点は慎重に検討いたしておりますが、何ぶん議論はすべて基本的には根っこの看護体制の問題に波及をしてまいりますので、そういう点とも十分関連をつけながら、直ちに実行できる面から手をつけたいというのが現在の実情でございますことを申し上げておきます。
#69
○山本(政)委員 二つだけお断わりしておきますが、私はこの制度について受診抑制になるだろうというようなことは実は考えてないんですよ。もしそういうふうにお考えになるとすれば誤解ですから、それは訂正してもらいたい。
 それから付添看護においても、私はいまの段階では必要があるだろうと思うのです。だから、そういうことを含めて、ひとつ具体的な措置というものを速急に立てる必要があるのではないか。たとえばの話、差額ベッドがあるということで、要するに高額の医療については政府が、国庫負担でやってもらうということになれば、皆さん入院してくるけれども、現実に差額ベッドがあるわけですから、その場合にたとえば公的病院については差額ベッドはゼロにしてしまう、国でそういう費用については手当てをしていく――私は一つの考え方を示すだけですよ。そういう方法というものをきちんと出していって、年次計画でやっていかないと、せっかくあなた方が、皮肉じゃありません、りっぱなものとお考えになっておるにしても、それが実効を示さぬということがあるだろうと私は思うから申し上げるのです。
 もう一つお伺いしたいのは三万円、これもいろいろ言われておりますけれども、一つのレセプトで三万円、そうすると、かりに月半ばのときに一つの手術をする、それが翌月に行く、これが三万円以上かかるといった場合、かりに二万九千円で翌月に持ち越しが一万円になった、これは高額医療の適用を受けられないわけですね。ここにも私は一つの矛盾があるだろうと思う。これは指摘されておりますね。
 もう一つは、たとえば一つの世帯で二人の人が一ぺんに入院をした、これも三万円以上かかったという場合、しかし二人ですからレセプトは二つになりますね。これは高額医療の適用を受けられない。こういうことに対する救済措置というものはお考えになっておられないのかどうか、この点はいかがでしょう。
#70
○北川(力)政府委員 高額医療の制度は、実施の段階でもいろいろむずかしい問題が事務的にもあろうかと思います。私どもは、いま御指摘になりましたいわゆる一件三万円という考え方、確かに月半ばから受診をいたしまして、月をまたがって翌月に行った場合に、その月二万九千円では、現在の考え方では該当いたしません。それから家族が二人ある、三人あるという方々が、あるいはレアケースかもしれませんけれども、それぞれ二万九千円、二万九千円を月をまたがる、こういう場合にも該当はしないことになるような考え方を現在は持っております。
 でございますが、現在の医療費の支払いの流れ、仕組み、そういったものの上に乗っかって新しい制度を発足させるということで、何と申しますか新制度でありますから、私どもは一番正確な実施を確保できるのではないか、こういう意味合いで、現在まで考えておりますところ、また現在までに考えましたところは、現行の仕組みに乗っかって、この制度を円滑に運用するということでスタートするわけでございます。
 ただ、いま御批判がございましたように、この制度の実施のしかたにつきましては関係審議会でもいろいろ御意見がございます。いま先生の御指摘もございました。先ほど申し上げましたとおり、実施の実際的な方法は社会保険審議会で、政令段階で十分に検討するということになっておりますので、そういう際にそういった問題もあらためて議論されなければならぬと思いますけれども、やはり現在のこの医療の仕組みというものを、この機会に一挙に変えるということは、なかなかむずかしいことでありますから、そういう点を考えますと、私はこういうかっこうでスタートをすることは好ましいのではないかと思っております。
 現に共済組合あるいは健康保険組合等におきましても、いわゆる一定額を足を切って償還をするという場合には、今回私どもがとろうといたしております、こういった仕組みをとっておりまするので、そういった現行仕組みの上に定着した方法、この方法で正確なスタートを期したい、こういうことで考えたような次第でございますので、その考え方はひとつ御理解いただきたいと思います。
#71
○山本(政)委員 北川さんのおっしゃることは、私はある意味ではわかります。大臣にちょっとお伺いしたいのですが、政管健保における家族高額療養費の新設ということに対する意義というものは、一体どういうことなんでしょう。
#72
○齋藤国務大臣 これは先ほど来申し述べてまいっておりますように、この制度は全保険制度に及ぼしたい、こういうことでございます。
 結局それは最近のガンとか心臓病、そこで一月三十万も四十万もかかるといったふうな話を一ぱい聞くわけでございます。ですから、やはり医療による自己の経済負担というものを、できるだけ軽減してあげるというふうな、きめのこまかいところに手を伸ばすことが必要ではないか。たまたま健康保険法という法律の改正をやりますので、この機会に政管健保ばかりじゃなしに、国民健康保険のほうにも及ぼしていこうではないか、気持ちはやはり自己負担の経済負担をできるだけ軽減する、こういうことだと思っております。
#73
○山本(政)委員 経済的負担をできるだけ軽減をするという場合に、一世帯に、かりにレアケースであろうと、二人の人たちが入院して、その人たちがかりに合算をして、三万円をはるかにこえるような金額になった場合には、考慮をすべき点があるのではないだろうか。しかも、大臣のおっしゃるように、ガンとかなんとかというお話がありましたけれども、一件当たりの点数が七千五百点以上の疾病の状況を見ますと、循環器系統の疾患とか、あるいは消化器系統の疾患とか、あるいは新生物の疾患というものが非常に多いわけですね。それは大臣がおっしゃるように比重がたいへんかかるということを裏書きしていると思うのです。
 とすると、この点について、制度発足のときにはきれいにスタートをする、そのほうがしやすいということは私も理解できますけれども、では発足後に一体どう、こういう点に対する救済措置をするかということも、私はあわせて考える必要もあるのではなかろうか。だから、そういう点に対して一体大臣はどうお考えになるかという点を重ねてお伺いしたいと思います。
#74
○齋藤国務大臣 これは私、いま山本先生のいろいろな御質問を承りまして、非常に理解する点もたくさんあるわけでございます。確かに私が答えましたように、経済負担の軽減ということでございますから、月半ばに入って二万九千円、その次の月に一万円、これは高額医療の適用を受けない、あるいは一家族の中から二人といったような場合にはどうするのだ、私はこれは非常にわかるのです。わかるのですが、そこからはお気に召さぬかもしれませんが、こういう新しい制度というものをつくりますときには、やはり多少そういうむずかしい問題があると思うのです。
 そこで私の気持ちを率直に申しますと、この額の問題等は、御承知のように政令で御審議をいただくそれぞれの専門家によって額をきめていただくということが一つでございましょうし、それからその額というものをどういうふうに、いま月にまたがった場合に、あるいは家族の場合にどうするといった、こういうふうな問題もありましょう。それからまた高額医療ということになってまいりますと、高額医療のかかる、やはり疾病というものを対象として考えるべきじゃないかという、やはり議論もあると思うのです。私、いま、ガンとか心臓病とか申しましたが、そういうような高額の医療費のかかる疾病というものを頭に描いて考えるということがいいんではないかと、いろいろ意見が出ると思うのです。
 ですから、私としては、さしあたり、新しい制度をつくるときにはそういういろいろの問題があると思いますが、これでスタートさしていただいて、そして自後の段階でいろいろ専門家の方々の意見も承りながら、そしてやはりこういう問題を前向きに解決していくという方向に行くべきではないか、こういうふうに考えております。学者によっては、やはり病気で限定したらどうかというふうな意見もあるというふうにも聞いております。それからいま先生お述べになりましたような問題もあるわけで、こういう問題はやはり発足したあとにいろいろなそういう社会的な要請を踏まえて検討さしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#75
○山本(政)委員 ともかくも、しかし、そういう点についてはひとつできるだけ前向きに、そして速急に審議会にかけることが必要であれば、かけるというようにして取り組んでいただけますね。
#76
○齋藤国務大臣 もろもろのこうした、まあ最初私が申し述べましたような点で発足さしていただいて、そしてもろもろの社会的要請というものが出てまいりましょうから、そういう要請を前向きに十分検討いたしたい、かように考えております。
#77
○山本(政)委員 それでは、高額医療について具体的な問題の最後の問題になりますけれども、償還払いといいますか、療養費払いというのですか、つまり給付方式が療養費の償還制ということについて、私はたいへん疑問に思うことがあります。
 それは復帰前の沖繩で、たしか沖繩は一九六六年に医療保険制度がつくられたんではないかと思うのですけれども、これは給付方式は療養費の償還制でしたね。医療費の請求手続というものが非常にわずらわしいということで、そういうことがおもな原因だろうと思いますけれども、復帰前の沖繩では保険の黒字が二千五百万ドルだったと思います。
    〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕
 そうしますと、そういうことは、やはり今回の場合にも同じようなケースとして出てくるんではないだろうか。かりに三万円を千円こした、これは国が負担しますというときに、電車賃とかタクシー代を使っていくのはおっくうだ、わずらわしいという感じが出てくることはあり得るのですね。この辺は私はやはり政府としても一考をする必要があるのではないだろうか、こう思うのですけれども、なぜ現物給付ということになさらないのか、この点ひとつお考えを聞かしていただきたい。
#78
○北川(力)政府委員 この高額療養費の現物給付論という問題につきましても、先ほどから申し上げてております制度の円滑な発足ということとかみ合ってくるわけでございます。できるだけ私どもは関係者の事務手続を簡素化いたしまして、わかりやすい制度として発足をする、こういうふうに考えておりますので、かりに、いま先生がおっしゃいました現物給付ということになりますると、患者さんのほうで自己負担額が一定の額をこえたときには、医療機関は患者に対して医療費の支払いの請求ができないということになりまするし、また医療機関の側も絶えずそういうチェックをしていかなければならないという問題もあるわけでございます。そういうことを考えますると、事務的にはわずらわしい点が少なくないことがかなり見込まれるわけでございます。
 そういう意味で私どもは、先ほども申し上げました現在の医療費の支払い方式、請求方式というふうなものに乗って、その上でこの制度を運用していく。そういうことから、償還払い制度のほうが運用上も適切ではなかろうか、このように考えたわけでございます。
 先ほども申し上げましたが、こういう償還払い制度は現在共済組合あるいは健康保険組合のいわゆる付加給付としても、すでに定着をいたしておりまするので、それにならって、こういう方式をやることが、すなおではないか、こういう考え方でございます。
#79
○山本(政)委員 そういう意味では療養費払いについて、あとの方の御質問があるだろうと思いますから、先に進みますけれども、国庫補助一〇%というのがあります。その前に社会保障費の国庫負担というのを調べてみますと、狭義の社会保障という意味で公的扶助、社会福祉、社会保険、公衆衛生医療というものがあると思うのですが、この割合というのは昭和四十三年に三四・五%、四十四年は三三・九%、四十五年は三三・〇%、四十六年が三三・四%、四十七年が三二・二%、四十六年にちょっと上がっておりますが、四十三年から四十七年に至るまではずっと漸減をしております。それから広義の社会保障、つまりいま申し上げた四つのほかに、戦争犠牲者の援護とか、あるいは恩給とかいうものも入るのだと思いますけれども、これは四十三年四〇・一%、四十四年三九・三%、四十五年三七・八%、四十六年三八・二%、これがちょっと上がっております。そうして四十七年にはまた下がって三六・八%になっております。こういう事実が一つあります。
 もう一つは、国庫負担の国家財政に占める割合というもので、これも狭義と広義に分ければ、狭義の場合には四十三年が一四・七%、四十四年が一四・三%、四十五年に少し上がっておりますが、一四・六%、四十六年がまた下がって一四・四%。広義の場合は、四十三年一九・二%、四十四年一八・四%、四十五年一八・四%、四十六年一八・〇%。
 そうしますと、社会保障制度の運営の財源というものは、いま申し上げたように国家負担の割合というのは、わずかではあるけれども、だんだんと減少しておるという事実がある。このことを反映して国庫負担金の国家財政における割合も漸減をしております。少なくとも政府というのは社会保障の充実というのを口にしておるけれども、実際には国庫負担というものが少しもふえないというような結果になっておる事実があるということを見て、社会保障に対する政府の熱意といいますか、姿勢というものは、私は非常に疑問に思うわけですよ、いまのパーセンテージから見て。
 そこで、まず第一番にお伺いしたいことは、私が申し上げた数字を大蔵当局はお認めになるだろうか、どうだろうか。お認めになるとすれば、第二の質問として、政府の社会保障に対する熱意、姿勢というものを大蔵当局の渡部さんに、たいへん失礼ですけれども、どうお考えになっておるか、この点をひとつ聞かしていただきたい。
#80
○渡部説明員 ただいま先生お読みになりました数字は私の手元にございませんので、ちょっとフォローできないのでございますが、いずれにいたしましても、社会保障の給付の財源を国家が持つということは租税財源で負担する。それからそれ以外のものは社会保険料というかっこうで負担せざるを得ないわけであります。しかしいずれにいたしましても、いま国民の負担であることには変わりはないわけでございます。
 そこで問題は、社会保障給付のどの部分を一般財源である租税でまかない、どの部分を保険料でまかなうべきかということにつきましては、それはいろいろ御議論のあるところでもございますし、諸外国におきましても、いろいろ形態が異なっております。これにつきましては、わが国におきましても、かって昭和三十七年に社会保障制度審議会でいろいろ御議論がございまして、そのときに、それによりますと、租税による一般財源の配分にあたりましては、まず貧困階層に対する公的扶助を優先的に考えるべきである。次には、低所得階層に対する社会福祉対策というようなものが、これに次ぐのではないだろうか。それからすべての階層に対する施策ではございますが、その性格上税金でもってしか、まかない得ないようないわゆる社会防衛的な公衆衛生といったような経費、それがその次に次ぐであろう。そして最後に一般所得階層に対する施策ではございますが、いわゆる社会保険といったものは租税財源を充当する順番としましては劣後する。そうしてその社会保険に対する考え方は、年金にしろ医療にいたしましても、全所得階層を対象にいたしますので、これはいわば相互扶助というようなやり方で、目的税的な保険料財源をもってまかなうというのをたてまえにいたしておるわけでございます。
 しかしながら、個々の社会保険制度の中におきましても適用対象はいろいろございまして、たとえば日雇い健康保険のように低所得階層のグループの保険組合もございます。また政管健保と組合健保と比べてみました場合は、おのずからそこに被保険者の負担能力というようなものにおきましても違いがございます。また国民健康保険におきましては、たとえば事業主の負担がないといったようないろいろのバラエティーがございますので、先ほど申しました一般原則がございますけれども、社会保険につきましての国の態度といたしましては、やはりその各保険制度の中におきまして所得の階層なり、あるいは給付の程度といったようなものを勘案しながら、積極的に国が援助する必要があるものにつきましては、財政援助を投入していこうということを考えておるわけでございまして、今回の健康保険法の改正におきましても、政管の場合につきましては、御案内のように従来定額国庫負担にとどめておりましたのを定率一〇%ということで、今後は給付の伸びに応じまして国庫補助をふやしていくというシステムに変えて、これは一種の質的な転換であると思うわけでございます。
 それから全体で三千億になんなんといたします巨額の累積損失につきましても、本来は社会保険のたてまえでいいますと、その保険集団の自主的な努力で解消するのがたてまえでございますが、しかしながら政管健保の長期的な収支均衡をはかるという見地から、これにつきましては累積損失の部分は一般会計で負担するというようなことにいたしたわけでございまして、個々の内容につきまして、それぞれの緊要度に応じまして、応分の国の財政援助をするという仕組みをとっておるわけでございます。
#81
○山本(政)委員 昭和四十二年の保険給付費は三千五百七十一億円だったと思うのですが、それに対する国庫補助は二百二十五億円、保険給付に対する割合は六・三%、こう私は理解しておるのですが、それでよろしいでしょうか。
#82
○北川(力)政府委員 そのとおりでございます。
#83
○山本(政)委員 それじゃ大蔵省にお伺いいたしますけれども、四十二年に六・三%で出発したものが、四十三、四十四、四十五、四十六、四十七年というふうに年次を追っていきますと、定額の国庫負担になっておりますね。いま渡部さんは、政管健保については事情もあるというようなお話で、国庫負担を定率にしましたというふうにおっしゃった。要するに政管健保の事情というものは四十八年になったから変わったわけではないだろうと思うのです。ですから、四十七年に定率五%を出し、そしてこの委員会で一〇%というふうに変更になったと思う。そうしますと四十二年に六・三%であったものが、保険給付費の率に引き直してみますと、四十三年は五・四二%、四十四年は四・七〇%、四十五年は三・八六%、四十六年は三・六三%、そして四十七年は三%になるわけです。つまり定額ということだが、ずっとこれを率に引き直していけば、だんだん減ってきているのです。ということは、四十二年以降少なくとも四十六年ごろまでは大蔵当局としては定額を出していたのだ、二百二十五億円出していけば、あとはどうでもいいのだというふうには言いたくはないけれども、しかし二百二十五億円出しているからという姿勢があったのではないだろうか。政管健保は発足以来財政は急迫しているわけですよ。にもかかわらず、率からいえば六%から四十七年に換算しますと三%までずっと、この落ち方はかなり激しい落ち方をしているわけです。
 したがって、いまあなたのおっしゃるような考え方からするならば、四十三年、四十四年、四十五年、四十六年、四十七年と、年を追うに従って六・三%が七%になり、七・五%になり、八・五%になりというふうに、本来なら国庫補助というものは増額されるべきであったと私は思うのです。そうでしょう。それが増額をされないで依然として定額に、二百二十五億円ということでなってきた。それは一体どういう考え方に基づいてそういうふうになっておるのか。
#84
○渡部説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、四十二年度以降政管健保に対しまする国庫補助額は二百二十五億円で四十七年度まで推移いたしておるわけでございます。その間におきまして、政府といたしましては四十六年度に法改正の提案をいたしました。このときには定率五%の提案をいたしました。この際も、この法律が国会で廃案になりましたために、定率国庫補助への切りかえができなかったわけでございます。さらに四十七年度におきましても同様に、定率五%の国庫負担の改正を企図いたしましたが、これも実現を見ないまま今日に及んでおります。そういうことで定率国庫補助への切りかえがいままで実現しないということで、二百二十五億円の定額国庫補助に据え置かれているわけです。そこで、今回の改正におきまして定率一〇%国庫負担に切りかえたわけでございます。
 それで先生のお尋ねは、過去の国庫負担が二百二十五億円に据え置かれてきた、それはそのことによって国の財政援助というものが本来ならばもう少しめんどうを見ておれば、それだけ政管の収入に貢献したのではなかろうか、こういう御指摘であろうかと思います。確かに国庫負担だけではございませんが、これらも要因となり、政管に赤字がその後もずっと生じたことは事実でございます。しかしながら、それらの赤字は今度は累積損失といたしまして、全額国庫負担をいたしまして一般会計で負担をいたすということになったわけでございますから、いわばあとからのあれではございまするが、過去入れ足りなかった分は今後の一般会計負担においてめんどうを見るということに相なっておるわけでございます。
#85
○山本(政)委員 つまり一般会計という話がありましたけれども、それは事ここに及んだから、そういうことになっただけの話であります。そんな議論をあなたがおっしゃるのだったら、要するにこれは多分厚生省と大蔵省とそういう折衝があったと思いますよ。ぼくは何も厚生省の肩を持つわけではないけれども、四十二年度に六・三%だったものか――これは厚生省に聞きたいのですが、なぜ四十七年度の当初では五%というふうになるのだろうか。変えたのはこの委員会で一〇%に変えたわけですよ。あなた方のお出しになったのは五%でしかお出しになってないはずではありませんか。そうでしょう。ぎりぎり言っても六・三%は四十七年はあるべきなんです。しかしいま申し上げたようなことからいえば、これは本来ならば六・三%以上のものを要するに四十七年、昨年は提案をすべきだったと思うのですよ。しかし五%じゃありませんか。変えられたのは、この委員会で一〇%に変えたというだけのことなんですよ。
#86
○渡部説明員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、前回の国会に提案いたしました国庫負担の割合は五%でございました。これにつきましては、二百二十五億に増額された昭和四十二年度に比べまして下回っておるではないかという御指摘でございますが、御承知のように前回提案しました健保法の改正法案の中におきまして、国の政管健保の財政援助といたしましては定率の五%国庫負担のほかに、先ほど来申し上げておりまするように、過去の累積損失を一般会計で見るということをしておるわけでございます。これもいわば国の租税財源からめんどうを見るということでございまして、これは二百二十五億の定額国庫負担時代にはなかった新しい制度でございます。さらに弾力条項が発動された場合には、自動的に国庫負担率を連動して引き上げるというような措置も入れておるわけでございまして、それらの三つの措置を合わせまして、国の政管健保に対する財政援助のたてまえを御理解いただきたい、かように考えておるわけでございます。
#87
○山本(政)委員 いや問題をすりかえてもらっては困るのですよ。一般会計で負担をするということは、四十八年度の今度の段階になって、このままいけば政管健保が抜き差しならぬと、あなた方がお考えになったから、私から言わせれば、ある意味では多少の譲歩をしたということなんですよ。しかし、その前の基本姿勢というものは、ぎりぎり、どん詰まりになってどうにもできなくなったから、そういうふうになっただけの話であって、要するに四十二年から六年間は、あなた方は国庫補助率というものは、ずっと下げてきたということにしかならないではないかと言っているのですよ。いま一般会計で、これを負担するようになったから、いいじゃありませんかということは理屈にならぬでしょう。私はいまの段階は、これはあとから質問するわけですから。いままでの姿勢に問題があったんではないだろうか、そのことを是認なさるかなさらぬかということが問題なんですよ。そしてそのことが実は一〇%でなくて、もっと国庫負担が出せたのではないか。つまり六年間のこの大蔵省の怠慢、ぼくはあえて怠慢と言いますよ。怠慢というものが、わずか国庫負担が一〇%しかないということになりはしないんだろうか。
 四十八年に一般会計で負担をするとかなんとかいうことは、私はいまからその問題についてはお伺いするのです。その前についての議論を私はいましたいわけですよ。それは姿勢の問題であろうと思うのです。というのは、要するに国庫負担の国家財政による割合とか社会保障費の国庫負担に対する基本的な考え方というのは、どうも大蔵省としてははっきりしていないのじゃないかということを私は申し上げたいのですよ。そのことについてのお考えをもう一ぺんお伺いしたい。
#88
○渡部説明員 先ほど言いましたように、国庫負担につきましては四十二年度以降四十五年度まで、これは法改正も企図をいたしておりませんので、予算額も二百二十五億で計上し、実行額も二百二十五億でございます。それから四十六年度におきましては、これは年度途中からでございまするけれども、定率国庫負担への切りかえを予定いたしておりまして、予算額としましては二百七十五億を計上いたしております。それから四十七年度予算につきましては、これは年度当初から四月からでございますが、五%の国庫負担への切りかえを予定いたしまして、予算としましては三百七十三億、こういうぐあいに計上いたしておるわけでございます。御案内のようにこの定率への切りかえを企図いたしました法案が国会で成立いたしませんために、実行額としては従前どおりの二百二十五億で、四十六年度あるいは四十七年度が実行された、こういうことでございます。
#89
○山本(政)委員 だから問題があるでしょう。四十二年の二百二十五億というのは、先ほど申し上げたように六・三%の国庫負担です。これをずっと六・三%の率で四十三年、四十四年、四十五年、四十六年、四十七年に、引き直してみてごらんなさい。四十六年は、あなたがいまおっしゃったように二百七十五億円の国庫負担だというけれども、六・三%で負担した場合には三百九十億の負担になるわけですよ、パーセンテージからいけば。それがうんと下がっているわけでしょう。四十七年は三百七十三億だとおっしゃった。だけれども六%でいけば四百七十五億円になるはずですよ。つまり常に四十二年の六%から低目に低目にしか、あなた方は予算としては計上されておらぬという問題があるじゃありませんか。そのことが実は先ほど申し上げた社会保障の国庫負担とか、あるいは国庫負担の国家財政に対する割合ということにはね返って影響しているのですよ。あるいは逆な言い方が正しいかもわかりません。
 とすれば、政府の社会保障に対するというよりか、大蔵省の社会保障に対する姿勢というものがきわめて後退的でしかないだろう、こう言わざるを得ないというのですよ。上げたとおっしゃっている。上げたとおっしゃっているけれども、六・三%で引き直してみたら、はるかに低い金額じゃありませんか。四十六年は百億以上少ないですよ。四十七年だって百億以上少ない金額になっておる。問題はまさにそこにあるんじゃないでしょうか。私はそれをまずあなたにお伺いして、それからもし辻さんかお見えになるようでしたら、あわせてそのことについてお伺いして、あとの問題を進めていきたいと思うのです。
#90
○渡部説明員 お答え申しあげます。
 六・三%でかりに引き直しますと、四十六年度と四十七年度がそれぞれ先生のおっしゃいましたように、三百九十億ないし四百七十五億ということは、そのとおりでございます。問題はそれに対して、その当時の提案は五%でなかったかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、国の財政援助といたしましては定額国庫負担時代は定額の二百二十五億、それきりであるわけでございますが、一昨年及び昨年度提案いたしました両法案におきましても今回と同様、定率国庫負担のほかに、先ほど言いました一般会計の負担となります累積損失の補てんということもあわせいたしておるわけでございますので、そこら辺あわせまして、われわれは前回は五%という提案をいたしたわけでございます。
 しかしながら国会の御議論におきまして、五%では低過ぎるという御議論がございまして、衆議院で一〇%という修正がされたことも事実でございますので、今回におきましては、衆議院の修正されました経緯というものも踏まえまして一〇%の国庫負担を行なうと同時に、さらに手をつけな
 いままに累積損失がどんどんふえておるわけでございますが、全額一般会計から負担するということを今後とも堅持するということにいたした次第でございます。
#91
○山本(政)委員 それでは四十六年、四十七年については、あなたがそうおっしゃるんだったら、四十四年、四十五年に対する金額を出してください。この場合には定率の問題は出てきていないはずでしょう。
#92
○渡部説明員 かりに六・三%で先生のおっしゃるようなことで計算をいたしてみますと、四十三年度は二百六十二億、現実に二百二十五億との差額は三十七億であります。四十四年度は三百二億で七十七億、それから四十五年度は三百六十七億で百四十二億ということに相なろうかと思います。
#93
○山本(政)委員 ですから、私が申し上げたように、ずっと少ないものになってきているんじゃないかというのですよ。それが要するに政管健保に対するあなた方の姿勢ではなかったかというのですよ。つまり四十六年、四十七年は私が一歩譲ってあなたの意見をのみましょう。しかし四十三年、四十四年、四十五年についてはそういうことがないはずだ。基本的に少なくてもいいんだという考え方で押し通されてきておる。そしてそれが実は政管健保の財政を苦しくさせてきているという事実も私は否定できないと思うのですよ。
#94
○渡部説明員 四十三年度から四十五年度までの予算におきまして、なぜ二百二十五億に据え置いたかという過去のいきさつにつきましては必ずしもさだかではございませんが、一応計数的に申し上げますと、四十三、四、五当時は現在よりもまだ累積赤字はそれほどにも達しておりませんし、単年度収支といたしましても、その当時は一時的にしろかなり好転した時代がございました。そういうこともございまして、おそらく二百二十五億に据え置きましたのは、ある程度国庫負担をはね上げますと、それをある程度据え置いてきているというのが従来からのやり方でございますので、おそらく慣習的にそういうやり方を踏襲してきておったのだと思います。しかしながら四十六年度以降政管の収支は依然として悪化の一途をたどっておるということでございますので、そこで従来の考え方を改めまして定率国庫負担にするとともに、累積損失の一般会計負担という新たな考え方を導入いたしたわけでございます。
#95
○田邊委員 関連して。いま質問しております国庫補助に対する、いわばいままでの政府の定見がないというこのことが、実は今後の保険財政の行くえと関連して、私は非常に重要な意味を持っておると思うのです。いま大蔵省からの答弁は、きわめて皮相的な答弁ですね。四十二年に二百二十五億、その前百五十億、四十年三十億、これもいわばつかみだということですね。あなたはつかみだということをまず認められる必要があると思うのです。そしてその後においても、それほど累積赤字が出ていなかった年もあるということも、いま言われましたが、これは四十二年なり四十四年の保険料率の改定によって一時しのいだかっこうなんで、国の補助の導入の可否をこのことによって論ずることは、私はこれは間違いだと思うのです。あくまでもやはりつかみであって、その場しのぎの形であるし、しかも国庫補助の導入が、この累積赤字の解消に一体どういう役割りを果たすのか、どのくらいの解消に役立っているのかという、こういう見込みについてもないのですね。
 ですから、その両面から見ても、これは私はいままでの国のやり方というものは、あまりにも場当たり的なものだ、これが今日の累積赤字を生んだ大きな要因であるというように言わざるを得ない。いま山本委員は給付費の増加の状態に比べて、四十二年を起点としてそれを六・三%と見た場合、それにおける六・三%で引き直せば、どのくらいかという質問をされた。そもそも実はこの四十二年の二百二十五億、たまたまこれは六・三%で、このとき自体もわれわれの記憶をたどれば、このことによっていままでの累積赤字が解消し、あるいは将来にわたって解消する見込みが立つという考え方に立っていない。そもそもの起点が大体間違いだ、その後は定額でもってきている、こういう状態ですね。
 まあいろいろ見方がありますけれども、私は一つは、給付費の増加の状況に見合って国の補助を導入するという、これも一つの見方である。もう一つは政管健保の赤字の増加の状態、これに見合っていまの給付費の増加を一つの基礎とすれば、それが一つ考え方のほうに上積みになる。もう一つは、いわゆるマクロ的に言えば、国の予算は大体非常に増加の傾向にありますね。一般的にいって、いろいろな国の補助というのは、国の予算の増加に見合いながら年々歳々ふえておる。たとえば四十二年度の当初予算は御承知のとおり四兆九千五百九億円、それからずっとふえてまいりまして、四十七年度は十一兆四千六百七十六億円、当初予算。この間だけでも二・三倍、四十八年になると三倍の国の予算規模という状態です。
 ですから、国の予算の状態から見ても、社会保障に投入する状態というものは、これを増加しろという国民の要望をわれわれは一応おいでおいでも、これは当然この政管健保の面における国の補助をふやしていっても、何ら支障がないという状態なんですね。ですから、こういった面で見ても、約三倍ぐらいの国の補助が投入されてもいい。これが第三番目の考え方です。
 以上、三つばかりの要素を申し上げたけれども、どの面をとらえても、どの面を相乗的に考えてみても、この国庫補助のいままでのやり方というものがいかに定見のない場当たり的なものであり、しかもそのことが、この政管の赤字対策に、何というのでしょうか、恒久的に役立つような考え方として出されてないということは、おわかりになっていただけると思うのです。
 ですから、あなたはいま何か赤字が年々歳々いろいろとでこぼこがあったというけれども、これはあなたいま言った国民の負担増でもって、齋藤厚生大臣も御存じの、四十二年、四十四年のあの強行採決によって、これでもって押し切ってきた結果によって、若干の赤字が減ったに過ぎないのでありまして、このことをもってして国の補助は定額でよかったなんていう言い分は、これは全く通らない話だというように思うわけですし、いま山本委員の質問とあわせて、私が申し上げたことをもってして、いままでの政府の考え方というのは、全くこういった面に対する定見がないということは、もう断定していいんじゃないかと思うのです。何か私の言い分に対して抗弁することがありますか。
#96
○渡部説明員 特に抗弁ということではございませんが、考え方だけは申し上げさせていただきたいと思います。
 先ほど来言いましたように、根本的に、こういう社会保険に対しまして、国庫負担の増額で対処するのか、保険料の増額で対処するのか、いろいろ議論のあるところでございます。保険料の負担、国民の負担とおっしゃいましたけれども、租税財源も国民の負担であることは間違いございません。したがいまして、われわれといたしましては、国の税金でございまするので、それをどういうかっこうで投入するべきかということについては、いろいろ基本的に考え方はあるわけでございます。
 社会保障制度全般につきましての国庫負担の考え方は、先ほど御説明したとおりでございます。
 本来的に、社会保険というものは、いわば相互扶助の考え方で保険料の財源を基礎にすべきものであるというふうに考えておるわけでございます。そういう考え方で、従来もずっと行っておったわけでございますし、おそらく今後ともこれは基本的な考え方としては変わりはない、かように考えておるわけでございます。
 ただ、政府管掌健康保険、これはいわば被保険者の保険の中核をなすような制度で、非常に重大な制度でございます。したがいまして、これが財政上ピンチにおちいっているということにつきましては、国としてももちろん看過することはできないし、社会保障全体のあり方の中でも、この財政の立て直しというものは焦眉の急であると、われわれは考えておるわけでございます。そういう意味で、従来二百二十五億の定額補助でございましたものを、四十六年度以来、定率国庫負担の考え方を投入すべく、われわれは企図いたしましたし、さらに今回の予算におきまして定率一〇%ということで、二百二十五億に比べましては三・六倍の予算額を計上いたしまして、大いに財政的な考慮をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#97
○田邊委員 あとで私自身またゆっくりこの問題を聞きますので、きょうはあまり多く申し上げませんけれども、では、国庫補助はどういう考え方で出すのですか。これは政管健保の赤字をにらんで国庫補助を出そうというのですか。いやそうでなくて、いわゆるいまの社会保険の体系から見て国庫補助、すなわち租税による投入というのはかくあるべきだという考え方で出すのですか。両方が加味されて出しているのですか。これがいまなかったということを、われわれは指摘しているのです。
 ですから、過去の四十二年の二百二十五億自身も、この年度の累積赤字一千億の状態から見れば、われわれとしては、これは大いに非を難じなければならぬところなわけですけれども、いずれにしても、過去の国庫補助の投入のしかたについては、たいへんな誤りと定見のなさを、ここでもってあなた方は暴露している。したがって、誤りを改めるにきわめておそかったけれども、それがよく理解ができたから定率に切りかえるのだ、こういうことになるのですか。
 私は決して皮肉で言っているわけではなくて、今後も、何か定率を出したらいいのだというようなことで、考え方をまとめて言いますと、これ自身も私は誤りをおかすと思うのですよ。やはり政管健保の財政の状態、これも大事です。しかし政管健保が持つところの一つの性格、それから医療保険の持つところの性格、それを考えたときに、国の補助のあり方ということに対して、われわれはこの際やはり、一つの見通しと定見を持たなければならないという考え方で、山本委員も私もいままでの状態について質問をしたのですから、したがって大体、総じて言えば、いままでのこのやり方というものについては、まことに無定見な形でもって、その場しのぎの形をやってきた、こういう形に私はならざるを得ないと思うのですけれども、一体どういう理論的な考え方を持ってやってきたのかということがさっぱりわからぬ。これは国民の不信を買い、今後の財政対策上、政府の考え方の誤りに対して国民が大きな疑惑を持つ要因になっているわけですから、これはやはり明らかにしておかなければならぬ、こう思っておるのですが、どうでしょうか。
#98
○渡部説明員 政管健保に対する国庫負担の考え方につきましていま御指摘でございますが、まず、社会保障全体につきましての国庫負担の考え方につきましては、先ほど御説明したとおりでございます。原則的に、社会保険というようなものは保険料財源を重点にいたしまして、保険集団のお互いの相互扶助というかっこうで運用されていくというのがたてまえでありましょうし、諸外国におきましてもそういうかっこうで、社会保険は運営されているようにわれわれは理解いたしておるわけでございます。
 ただ問題は、社会保険の中でもいろいろ制度が分かれておりまして、この個々の制度の中によっては、その保険料だけでは社会的に要求される最低限度の医療なら医療の需要をまかなうことはできないというようなことが考えられる場合、あるいは被保険者の範囲が負担能力の低い面にまで及んでいるというような場合、あるいはその事故の性質上、被保険者や事業者の保険料で負担することが無理であるというような、いろいろな場合がございます。そこで、それぞれの保険の性格に応じまして、必要に応じまして、財政的な一般会計によります国庫の負担を投入するというたてまえをとっておるわけでございます。
 従来からも、そういうような各制度間のバランスを見ながら、基本的には国庫負担のそれぞれのバランスを念頭に置いて計上いたしておるわけでございますが、政府管掌健康保険の場合におきましては、特に最近におきましては、政府管掌健康保険の収支が非常に悪化しておる、累積赤字がきわめて巨額に達しておる。本来であるならば、われわれは政管健保の保険集団が自主的に努力して、保険は運営されていくべきものであるというふうに考えるわけでございますけれども、このような巨額な赤字をかかえております政管健保の財政をこのまま放置しておくということは、被保険者の健康保険の中核をなします制度であるだけに、わが国の社会保険の将来のために非常に悪い影響をもたらすのではないかという危惧の念から、積極的に、国としましても、従来に増した国庫負担の投入をいたしまして財政援助しょう、そのような考え方のもとに定額の補助を定率に切りかえ、さらに過去の累積赤字を一般会計で負担し、さらに将来の保険料率の引き上げにつきましては国庫負担を引き上げる、こういう三本柱からの財政援助のたてまえを出したわけでございます。
#99
○山本(政)委員 大臣にお伺いいたします。
 いまの渡部主計官のお話、あなた方の解釈でもそのとおりですか。要するに、六・三%の話を私申し上げましたけれども、いま主計官から説明がありましたけれども、厚生省も大体そういうふうにお考えになっておるのか。この点、あとの議論のあれになりますので、聞かせていただきたいと思います。
#100
○齋藤国務大臣 先ほど来の山本委員の御意見、御質問、十分承ってまいりました。そこで、そもそも発想において被用者保険というものを考えたときに、被保険者の集団においてお互いに助け合っていく、保険料でまかなうという原則できておったと私は思うのです。それがいいとか悪いとかという批判は別として、そうであったと思うのです。ところが四十二年、あるいはその前のときもだったと思うのですが、赤字になった。そこで、これはたいへんだ、何とかしなければなるまいというので、私は率直に言いますが、これはある程度のつかみだったと思うのです。要するに、定率じゃないんですから。赤字というものを何とか考えなければなるまいということで、極端な言い方ですと、そういうことであったと私は思うのです。
 その辺まではずっと相互連帯で保険料でまかなう、これが日本の社会保険というものの発足以来の一つの原則みたいなものであったと私は思うのです。これがいいとか悪いとかは別ですよ。ですから、十年前の人々は、ことしになって一〇%定率補助をもらえるなんということは考えてなかったと思うのです。ところが、中小企業を対象としておる保険であるということ、それから赤字もだいぶふえてきているということ、そういう社会的要請に応じて、やはり社会保障を拡充しなければなるまい、それではどの程度のものにしたらいいか、二百二十五億のような定額ではどうにもならぬじゃないか、やはり医療費の伸びに従ってふえていくという定率にしたらいいんではないか、こういうことに変わってきたと私は思うのです。
 そこで四十六年度、四十七年度、五%がいいとか何とかということは別として、定率ということで、医療費の伸びに従って国の負担もふやそうという方向に変わってきた。そこで四十七年度においては、この社労の委員会において非常に御論議の末に、四十七年度は七%ぐらいでもいいが、四十八年度は一〇%にしろよ、こういうことで、それを定着した補助率として四十八年度はそういうことに進んでいこうではないか。
    〔塩谷委員長代理退席、山下(徳)委員長代理着席〕ですから、定率をとったというところに、考え方がだいぶ変わってきていると私は思うのです。五%がいいとか一〇%がいいとかということは別として、定率をとるというところに社会保障の一つの方向の転換が四十六年、七年あたりから徐々に出てきたものである、私はこういうふうに理解しております。
 しかし、その当時の厚生省は少し弱腰であったじゃないかということの御批判、御叱正であるならば、私はそれも御批判として受け取りますが、その当時の厚生省としても定率にもっていこうとしたところが一つの進歩であったのではないか、こういうふうに評価していただきたいという感じもするわけでございます。
#101
○山本(政)委員 大臣のお話では、ある意味ではつかみ金であったということも否定できないというような発言がありました。主計官のほうでは、私いまメモを書きとめたのですけども、四十三年、四十四年は赤字が少ない、だから六・三%というものそのままもっていったんだ、こういう話があった。それなら、なぜ昭和四十二年に強行採決をしたのです。政管健保の赤字が非常に大きいからということで強行採決をしたのじゃないんですか。しかも四十年には収支の累積不足は六百六十九億円だけれども、四十二年は千九十九億円になっているのですよ。四十三年は千百八十七億円、四十四年は千三百十九億円、そして四十五年は千七百八十六億円です。四十六年、四十七年というのは赤字が大きくなったからとおっしゃっているけれども、四十四年と四十五年を比べてごらんなさい、四百億以上赤字がふえているわけです。四十五年と四十六年の間は、二百億を切った赤字がふえているだけですよ。
 そういうことからいえば、赤字が少なかったから六・三%という、要するに二百二十五億円というものでやっていったのだという理屈に合わなくなるでしょう、あなたのおっしゃるのは。少なくとも六・三%からずっとふやしていかなければならなかったはずでしょう。論旨が一貫してないじゃありませんか。どこに赤字が少ないという現実があるのです。実際問題としては、四十二年に強行採決をやったし、数字の上でもここに赤字というものは出ているじゃありませんか。四十四年は四十年に比べてほぼ二倍の赤字になっているわけですよ。それなら、赤字が少ないからというあなたの理屈は、理屈としても成り立たぬはずなんです。
#102
○北川(力)政府委員 ただいまいろいろお話がございました財政状態の推移と国庫補助の関係でございますが、大臣からもお答え申し上げましたので、私から重ねてお答え申し上げる必要もないと思いますけれども、われわれもいろんな点を反省をしながら重ねて申し上げておきたいと思います。
 私どもは皆保険という時点以後、やはり医療の実態は変わってきたと思っているのです。皆保険になりまして、先生も御承知のとおり、その直後にいわゆる制限診療というものが撤廃されました。また医療費の地域差というものもなくなりました。そういったことで、受診の抑制というようなことがございましたのがなくなりまして、医療費の伸びが非常に顕著な状態になってきたことは、まぎれもない事実でございます。
 したがって、私の記憶では、それまでは政管健保の収支というものはどちらかといいますと、その時々の景気変動によって、ある程度左右されておりました。しかしながら、この皆保険以後は、とにかく歳入の面で景気変動がございましても、歳出の面で非常に大きな伸びがあったものでございますから、先ほどから御議論のございました政管健保の、いわゆる常時逆ざや的な体質というものが三十七年ごろからは定着をいたしまして、それ以後経常的な赤字が累積をしてまいった、このように考えております。三十六年に皆保険でございますから、三十七年度から実質的な赤字があらわれ始めまして、それでいま先生がおっしゃったような赤字になっております。
 それで、主計官のほうにお尋ねでございました、赤字が年度によってばらつきがあって少ないというお話でございますが、なるほど四十二年度あるいは四十四年度は、それぞれいろんないきさつがあったにいたしましても、法律改正がございまして、その法律改正の効果がきいて予測よりは赤字が減って、結果的には少額の赤字になっております。また四十六年には保険医の総辞退という異常な事態がございまして、これまた赤字が激減しております。これはしかし、法律改正なり保険医の総辞退といったような事柄によって出てまいりました結果的な赤字の減少でございまして、私が申し上げたいことは、やはり皆保険以後の歳入面の状況あるいは歳出面の伸びを考えますと、政管健保は本質的に逆ざやの体質を持っておる。したがって、これに対してはやはり定額を増額していくということではなくて、定率でもってベーシックに国庫補助がふえるようなシステムを取り入れていく、これが政管健保の財政の運営としては最も好ましい姿ではないか、こういうことで四十六年度以後において五%、率には問題がございますけれども、こういうものを提案を申し上げた、このように考えております。
 したがって私どもは、現在の時点で過去のいろいろな赤字の状況というふうなことは、そのときどきの状況との関連で議論がございますけれども、少なくともいろいろな反省に立ってみて、皆保険下の最近の十年間の状況、それから今後の賃金、物価の伸びとか、あるいはまた医療技術の進歩とかそういうことを考えまして、政管健保のいま申し上げました常時逆ざやの体質、こういうものは定率の国庫負担で補てんをしていく、これか政管健保に最も好ましい状況ではなかろうか、こういうふうに考えておりますので、はなはだ話が重複いたすかもしれませんけれども、皆保険前と皆保険後に分けまして、また私どもの反省も込めて現在の考え方を申し上げたような次第でございます。
#103
○大原委員 関連質問。去年もこの問題は非常に議論をして、若干の前進はあったわけです。今度は定率で一〇%ということでやったわけですが、しかしいままでの議論の問題は、厚生省も私は悪いと思うのです。きちっとしなければならぬ。大蔵省も、まるで自分の金みたいなことを考えておるけれども、考え方をきちっとするのにどこが問題かというと、あれほど皆保険下において話のとおり議論になって、政府が管掌しておる中小企業を対象としている政管健保、たとえば大きな企業のほうは五十五歳が大体定年だったわけですよ。五十五歳じゃだんだん寿命が延びているから、六十歳、六十五歳まで働いているわけです。それはどこで働いているかというと、下請企業とか中小企業で働いているわけです。
 その定年制の問題を一つとってみても、結局は一番働き盛りのところを大企業が労働力を食べていって、そして高度成長してきたわけです。日本みたいな定年制のいびつなところはないわけです。それを、年をとって働くという段階で疾病率が高いわけですから、どんどん医療が必要になってくるわけですから、そういうこと等を含めて、中小企業の労働者の生活の条件や賃金や労働条件や環境というもの、すべてを考えて、中小企業の保険については政府管掌しているわけです。そこで皆保険下からそういう矛盾が露呈した、あるいは猛烈なインフレですよ。そういうところで問題が出てきたわけです。ですから、いま私どもが議論しているのは、昨年から議論をし続けてきたけれども、一〇%までたどりついたけれども、しかし一〇%以上一五%、二〇%、われわれは二〇%といっているが、そういう国庫負担を、他の保険制度との関係を考えて、国費を導入する必要があるのではないかという議論をしているわけです。
 そこで、議論はいままでの経過を踏まえながら、なぜ中小企業を対象としているこの政府管掌の健康保険において定率の国庫補助が必要であるか。国保や組合保険や共済との関係で定率の国庫補助が必要である。なぜ必要なのか。客観的にどういう理由があるのか。こういうことをきちっと計算して定率補助をしてげたをはかせて、そして労働者保険と自営者の保険のそういうバランスをとっていく必要があるだろう。こういう議論をわれわれは全体の保険制度の中でしているわけです。
 ですから大蔵省側の答弁もおかしいというふうに山本委員も指摘されているのは、昭和四十二年に二百二十五億円だったのですね。たとえばインフレとか生活水準が上がっている、予算規模が拡大している、こういう議論がありましたが、それから考えてみたって、同じような定額を続けておって赤字が累積するというのは、これは当然のことじゃないか。その当時の定額を非常にいびつであるけれども二百二十五億円認めてやった。そういう経過から見ても、これを据え置いておいて赤字が増大するのは当然じゃないかという議論をしているわけだ。それで、いろいろな論議をわれわれがずっとやった末に定率になってきたけれども、その定率自体もいまの実態から考えて、客観的なそういう基礎があるのかどうか。保険制度を憲法上の平等の原則に従って運営する場合に、これでいいのかどうかという議論をしているわけです。
 ですから、私は関連質問で要求したいことは、一〇%の定率補助をこの制度として確立をする、総医療費の増大の中で確立をしていく、こういうことは、これはなお少ないのではないか。これで十分なのかどうか。この根拠はどうなんだ。こういうことを厚生省がきちっとデータを示して大蔵省に突きつけて、大蔵省がそれを予算上吟味をしながら全体の保険制度の中で公平に運営をしていく、こういうことが必要である。でないと、たとえば主計官が従来からずっと言っておられるけれども、私どもは納得できないけれども、赤字を今度はたな上げしているのですよ、たな上げ、たいへんなことですよ、こう言っているわけです。たいへんなことじゃないわけですよ、それは。
 政府が管掌している保険が中身のやり方が一番悪いのですよ。政府のやっているのが一番悪い典型なんです。だから社会主義がいい、国営がいいということは、私どもは保険でも言わない。組合管掌とか共済のほうは、ある意味では労働者が参加しているわけです。しかし、これは審議会があるけれども、ほとんど参加はしていないのだ。親方日の丸だからね。だから保険庁の役人もそういう能力がないし、そういうことと重なっておるわけですけれども、いずれにしても、やはり定率補助をしてげたをはかせて、それで保険主義をやるにしても、保険制度を採用する範囲においてどういうふうに公平にやっていくかということを、そういう本質的な問題を議論していると思うのです。
    〔山下一徳一委員長代理退席、委員長着席〕
 ですから、その経過についての説明をすると一緒に、定率補助の根拠をきちっと厚生省出して、そして大蔵省もそれに対応して、いままでの赤字の問題、その問題について公の費用、一般財源で負担すべきものは負担するということは当然ですよ、国民の立場から見て。そういう点については四の五の言わぬでやることはやる、いろいろなことについての条件をつけない、こういうことが必要ではないかという議論をわれわれはしている。前向きの議論をするために、いま山本委員が議論を提起されていると思うのです。
 ですから、いろいろなことについて言いわけがましいことを言わないで、厚生省で、主管省として、定率の一〇%でこれで十分なのか。この根拠は何なのか。根拠があるとするならば、私どもは一五%、二〇%が必要ではないか、去年の議論を発展させて、そういうことが必要ではないか。それで国民健康保険は総医療費の四〇%ですよ。こっちのほうが給付に対する負担率ですよ。その議論は去年もしたわけですよ。ですから、こっちの四割の中には、四割と五%の国民健康保険の中には、自営業者の中でもいい人もおるわけですよ。その中には、土地を売って最高所得のベストテンになった、そういう人もおるわけです。そうかといえば、五人未満の労働者を放棄しておいて、ここへ五人未満の労働者を国民健康保険に投げ込んでおるわけです。労働者保険の趣旨が、政府管掌も貫徹していないわけです。日雇い健康保険はあるわけですよ。
 だから定率補助はこれでいいのか。この根拠は何なのだ。これではわれわれは足りないということの議論をするためにも、定率になった以上は、その根拠をきちっとして資料として出しなさい。出すことできますか。答弁することができますか。こういうことをひとつ私はこれに関連して一点、厚生省の考えを聞いておきたい。それに対して大蔵省の考えを聞きたい。いかがですか。
#104
○北川(力)政府委員 たいへん貴重な御意見をちょうだいいたしまして、私どももつらつら過去のこともいろいろ振り返ってみて、定率補助ということがおそらくこれは非常に大きく評価されると思いますけれども、やはり一〇%というものについてかなり明確な根拠がなければならぬという、まことにごもっともだと思います。
 私ども、そこで、詳細なデータはいずれまた社会保険庁のほうとも相談をいたしまして提出を申し上げます。申し上げますが、先ほど申し上げました皆保険直後の三十七年度から四十六年度までの政府管掌健康保険の被保険者の一人当りの保険料と保険給付費の差というもの、要するに逆ざやとしての差というものの資料はあるわけでございます。これを大体積み重ねて平均をいたしてみますと、ならして大体一〇%前後というふうなことになるわけであります。
 ただ、もう一点だけ申し上げておきたいことは、今度の法律改正案ではお願い申し上げております標準報酬の上限の上乗せがあるわけです。しかしこの標準報酬の上乗せは四十一年改正以来現在まで七年間やっておりませんので、そういう意味で、いま申し上げました三十七年から四十六年までの平均大体一〇%程度の一人当りの逆ざやというものにつきまして、今度の改正案に盛り込まれた標準報酬の上乗せというものを加味をして考えますと、私どもはいま大原先生御指摘の、きわめて正確なものとはいえないかもしれませんけれども、大体のところいたしましては一〇%の国庫補助でもって今後も経常的な逆ざやというものは補てんしていけるのではなかろうか、かように考えております。
 なお、いまお話がございました、詳細なデータができますかどうかも含めまして、保険庁のほうとも十分相談をいたしまして、提出ができれば提出をいたしたいと思います。
 それから、もう一つの問題といたしましては、そういう状態で、それでは今後どう対処するんだ。今後の運営があるわけです。今後の運営について、国の補助との関係は先ほど主計官からもお話がございましたが、いわゆる各種医療費の改定等の場合に保険料の調整方法というものを今度お願いを申し上げておりますが、調整によって保険料が上がります場合には、それにリンクをして〇・四%の国庫補助が上へ乗かっていく、こういうことで一〇%というベーシックな国庫補助以外に、そういった今後の運営上の国庫補助も積み重なってくるわけでございますから、これでもって、かなり長期的に財政の安定を期しながら給付の改善等も盛り込めるのじゃないか、あるいは医療の改善等もやっていけるのではないか、かように考えておる現状だけを御報告申し上げておきます。
#105
○渡部説明員 定率一〇%の根拠についてのお尋ねでございますが、これにつきましては各方面の多面的な検討を要する問題であろうかと思いますが、われわれといたしましては、今回の政管の収支を見ました場合に、単年度で千百七十九億の赤字を、対策を講じない場合には生ずることになっております。これにさらに今回の給付改善におきまして五百九十三億の赤字が生ずることになります。それから従来の定額国庫補助二百二十五億を差し引きますと、差し引き所要財源が千五百四十七億になるわけでございます。これを被保険者、国、事業主三者の間でほぼ均等に負担するという考え方に立ちますと、今回の健康保険料の負担の引き上げは九百七十一億、被保険者四百八十六億、事業主四百八十六億ということになります。国庫補助の引き上げは五百八十六億でございます。
 そういう意味で、この三者構成の上でも国の負担を一〇%にするということによりまして一番多く見ることになるわけでございますし、さらに今後の国庫負担におきましては、保険料率の引き上げにつきまして、保険料一に対しまして国庫補助三分の一という考え方で引き上げていきますならば、長期的に収支も均衡するであろう、こういう考え方でまず一〇%を考えたわけでございます。
 さらに他の社会保険とのバランスでございまするが、先ほど市町村国保とのバランスを申されたのでございますが、市町村国保の場合には事業主負担がございませんので、それを加味いたしますと、国庫補助プラス事業主負担で考えてみますと、対総医療費四六・七%になりますので、これはほぼ市町村国保の四五%に均衡するのじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#106
○山本(政)委員 私がなぜそういうことを言うかと申しますと、要するに、全国保険・国民年金課長会議の中で、「標準報酬の上下限の改定は、行政当局の今までの怠慢を是正するということだ。上限は四十一年以来十万四千円で据置かれているため、十万円の報酬の人は三・五%の保険料負担であるのに二十万円の人は一・七五%の負担にしかならないというひずみを生じている。」そして今度は標準報酬の上下限を上げるというふうにして、これを被保険者の負担にかぶせていこうとしておる。つまり行政当局の怠慢だというのだったら、先ほどの話に戻りますけれども、四十二年度の定額二百二十五億円からこれを換算すれば六・三%、それがずっと四十七年まで漸減傾向に、事実金額としては若干は上がっておるとしても、パーセンテージからいえば三%くらいに落ち込んでいる。これは本来ならば、すでにもう一〇%くらいはいっているのじゃないだろうか。そして今度の改正で一〇%と出していることは、先ほど大原委員が言ったように、もっと国庫の負担というものを大幅にしなさいということを私は言いたかったから、その前段として申し上げたわけです。
 ところが主計官のお話では、どうもちぐはぐな御答弁をいただいたような気が私はしてなりません。給付の改善を五割から六割とやるというわけでしょう。そうすると給付は一割上がるわけです。それによって実は公費負担というのがありますが、公費負担というのは軽減されるわけです。つまり国が出しているお金というのは、政管健保に肩がわりをされるということですよ。ことばとして悪いけれども、国はそれだけもうかるはずなんです、ぼくに言わせたら。
 そこで、お伺いしたいのですけれども、厚生省の公費負担に一体どんなものがあるのか、どなたかお聞かせを願いたいと思います。
#107
○岸野説明員 現在厚生省で関係しております公費負担医療といわれますものは、およそ二十八種類ある、こういうぐあいに考えております。たとえば社会防衛のための伝染病予防法だとか、結核予防法だとか、原爆医療だとか、あるいは児童福祉法、あるいは身体障害者福祉法、そういうようなものに入っております特定の対象者のための福祉的な医療、こういうものを含めまして大体二十八種類ある、こういうぐあいに考えております。
#108
○山本(政)委員 私が申し上げるのは、五割から六割に給付改善することによって公費負担は軽減されるはずだ、その影響を受ける医療というものは、一体どういうものがあるのだろうか。たとえばの話ですが、老人医療はこれは全額国庫負担ですね。ですから、政管健保については影響はないわけでしょう。そうじゃないんですか。その点どうなんですか。
#109
○岸野説明員 いわゆる社会保険の相乗り方式といわれております公費負担医療、たとえば老人医療であるとか、あるいは身体障害者の更生医療であるとか育成医療であるとか、本人が被保険者の家族であれば根っこに五割の保険がききまして、そのあとの五割につきまして公費負担が働く、こういうような制度は、すべて今回の給付率が、社会保険の根っこの五割が六割に上がるということになりますと、四割分につきまして、それぞれ若干の所得制限はございますけれども、大なり小なりすべてみなかかってくる、こういうぐあいに考えております。
#110
○山本(政)委員 給付改善によって国庫負担が軽減をされる、要するに公費負担の医療というものについては一体どんなものがありますか、項目で。たとえば結核の医療費とかいろいろあるでしょう、結核の医療費が当てはまるかどうかは別としまして。そういう意味で一体どういうものがあるかということを項目別にあげてほしいと私は申し上げているのです。
#111
○木暮政府委員 お答え申し上げます。
 今度の医療保険の給付改善に関連がございます公費負担制度でございますが、大きなものは生活保護の医療扶助費、老人医療費、身体障害者の更生医療費、それから措置児童の医療費、身体障害者の育成医療費、それから特定疾患の治療研究費、それから小児慢性じん炎、ネフローゼ治療研究費小児ぜんそく治療研究費、それから小児ガン治療研究費並びに原爆医療費、こういうものがございます。
#112
○山本(政)委員 そうすると、それは要するに、ことばが悪いけれども、肩がわりするわけですね。いままでは公費負担になっていたんだけれども、政管健保が一割上がったから、政管健保でカバーするものがあるわけですね。そうですね。
 そうすると、その金額は、幾らになりますか。
#113
○木暮政府委員 四十八年度の予算で九十六億円減額になるわけでございます。
#114
○山本(政)委員 生活保護とか老人医療等のそういう公費負担医療制度に対する国庫補助金というものが、四十八年度については全部で四千二百八十五億五千万円ですね。その予算額の中で、いまお話のあった給付改善によって高額療養費の実施に伴う、健康保険のほうにはね返るといいますか、その金額が九十六億円、つまり国庫負担というのは、そういう意味では減額されるわけでしょう。そうですね。
#115
○木暮政府委員 四十八年度の予算編成は医療保険におきまする給付改善を前提といたしたわけでございます。それで四千二百八十五億円を計上いたしておりますが、先生のおっしゃる趣旨は、もしそういう給付改善がなければ、さらにどのくらい予算が必要であったか、こういうことになろうかと思いますが、その額が九十六億円ということでございます。
#116
○山本(政)委員 そうすると、九十六億円というものの中には、高額医療費と、それから政管健保の家族のはね返り分というのですか、その二つが入るというのですね。
#117
○木暮政府委員 さようでございます。
#118
○山本(政)委員 それでは、その九十六億円の二つに分けた金額というのは、幾らになりますか。
#119
○渡部説明員 五割から六割に引き上げます給付率の改善によります部分が七十四億、高額療養費による部分が二十二億であります。
#120
○山本(政)委員 じゃ厚生省にお伺いしますけれども、私が資料として要求をした金額とは合わないような感じがするのですがね。この点違っておると思うのですけれども、どうなっておるのですか。
#121
○木暮政府委員 九十六億の内訳でございますが、七十四億が六割給付によるもの、それから二十二億が高額医療によるものでございます。
#122
○山本(政)委員 そうしますと、それだけ、九十六億円という金は、つまり国庫としては出すべき金を出さないで済んだということですね。そうでしょう。結果的にはそうなりますね。
#123
○渡部説明員 おっしゃるとおり、医療保険の今度の給付の改善は、別に公費負担の肩がわりをする目的ではございませんけれども、結果的に、先ほどお話がございましたように医療保険の裏負担を見ておるという公費負担分につきましては、医療保険の給付がかかることに伴いまして、その部分だけ公費負担の負担額が減ってまいります。その金額が先ほど申し上げましたように、四十八年度で九十六億になるわけでございますが、一方、この給付改善に伴います部分だけで見ましても、医療保険の国庫補助の増額が五十二億ございます。
#124
○山本(政)委員 だから、その給付改善に伴うお金が五十二億だからということで、それを結局差っ引くというわけですか。
#125
○渡部説明員 別に差し引くという意味ではございませんか、先ほど家族給付率の引き上げ等の給付改善に伴って国庫負担にどういう影響があったかというお尋ねでございますので、公費負担の面におきましては九十六億の減がございます。一方におきましては、この家族給付改善に伴います国庫補助の増額が五十二億ございます。差し引くというわけではございませんけれども、家族給付率の引き上げに伴う、あるいは高額医療実施に伴う国庫補助の影響額についてのお尋ねと思いましたので、そのように申し上げたわけでございます。
#126
○山本(政)委員 結果的には、しかし、そうなるのでしょう。九十六億減額されるけれども、片一方で給付改善に伴って、これだけ金が要ります。給付改善に伴うお金というのは別個に――これはさいふは一緒ですよ。さいふは一緒だけれども、給付改善に伴う金というものは金として別個に出さなければならぬはずでしょう。そうすると、国庫負担によって九十六億円というものが減額をされたのだったら、この九十六億円というものは、当然政管健保のほうに回していいはずじゃありませんか、浮いた金だから。
 だから、私が先ほどから言っているのは、四十二年以来四十七年までの数字をあげるけれども、六・三%にこだわるわけじゃないけれども、非常にけちっているわけだ。今度も九十六億円は要するに減額されたけれども、片一方では増額されます五十二億円ですか、それが理解ができないのですけれども、九十六億円というものが浮いたのだったら、なぜ九十六億円というものをまるまる政管健保のほうに、別のほうに回さないか。高額医療のことも私先ほどお伺いしたでしょう。いろいろな問題があると思うのですよ。ベッドの問題とか、あるいは付添看護婦の問題とか、なぜそういうところに回すような方向をたどらないだろうかというのですよ。片一方で減額したから片一方で増額した、差し引きでこれだけ違う、つまりそういう算術計算をやっているのですよ、現実は。
#127
○渡部説明員 まず政管健保だけについて見ますると、国庫負担は従来の二百二十五億に比べまして八百十一億でございますので、五百八十六億の国庫負担増になります。この中に給付改善に見合うものももちろん入っておるわけでございます。一方、公費負担の減は先ほど申し上げましたように九十六億でございますが、公費負担全体の医療費の額は、前年度の三千三百二十億から四千二百七十億ということでありまして、約千億近い増を見ておるわけでございます。
#128
○山本(政)委員 それじゃもう一ぺん言いましょう。九十六億減額になる。五十二億給付改善によって増額される。そうすると、九十六億から五十二億引いてみましょう。四十四億になりますね。四十四億というお金が実は家族の高額医療の給付になって、四十一億円になってあらわれてきている。そして、まだおつりが来ているのですよ、ぼくに言わしたら。実に巧妙な計算だと思うのです。そうなりませんか、現実に考えてみたら。
 いいですか、もう一ぺん繰り返しますよ。給付改善によって公費負担医療費は減額をされる。その金額は九十六億円です。給付改善によって実は五十二億円ですか増額されております。だから片一方で減額されたものが片一方で増額をされておるのです、こういう御説明であった。そうすると残りは四十四億になる。あなたのほうも計算でおやりになるから、私も計算でしますが、そうすると九十六億から五十二億引いたら四十四億円。ちょうどまるまる家族の高額医療費の負担分というふうになりはせぬだろうか。私の考えは違いますか。四十一億円は別個に予算で計上しているから、四十四億円は別に余っているのだとすれば、もっと悪いと思うのですね。
#129
○渡部説明員 ちょっと、四十四億というのは保険給付のほうではないかと思うのでございますが、国庫負担、これはその分につきましては一〇%ですから、約四億ということになろうかと思います。先ほどの四十二億でございましたか、高額医療の分というのは保険給付の増の分でございます。したがって国庫負担の増の分ではございません。国庫負担は、その分の一〇%相当額でございます。
 それから計算上九十六億と五十二億の差額四十四億でございますか、これをどういうぐあいに回したのかということでございますが、別にわれわれは、どこに回したということではございませんで、国全体として、それを運用いたしておるわけでございますが、結論的に申しまして、政管健保に対しては五百八十六億円の増と見ておりますし、公費負担のほうにおきましては、九十六億の減はございますけれども、他の公費負担の増におきまして約一千億近い増ということでございます。
#130
○山本(政)委員 それは、だから一〇%のほうで増になったということは、これは別なんですよ。ぼくの言いたいことは、俗っぽいことばで言えば、減額でもうけましたけれども、片一方で出す分があるのです。計算してみると幾つか残った、その残った分がちょうど金額的には高額医療に当てはめられはせぬかと、たいへんじょうずな、要するに財政収支のやりくりをしているのじゃありませんかと、ぼくはこういうことを言っているのですよ。ぼくの考えが違っておるなら、ぼくの指摘が違っているのなら違っているでけっこうなんですけれども、違っているという指摘をしていただきたいのです。
#131
○渡部説明員 政管の財政収支という面をお尋ねでございますが、公費負担の国庫補助の額というものは、政管の財政収支には全然影響ございません。これは社会保険国庫負担外のものでございますから。したがって、お尋ねの保険給付の高額医療分の四十一億とは全然関係のない数字であろうかと思います。
#132
○山本(政)委員 定額から定率にいって五百八十六億円増額した、こう渡部さん、おっしゃっておるわけでしょう。そしてそのうちに給付改善に伴うものが四十億円あります、こうおっしゃっておるのでしょう。だからぼくは、その四十億円というのは、実はいまさっきの話に戻るわけじゃないけれども、九十六億円から五十二億円引いてしまったら四十四億円残ったけれども、そっちのほうに回したんじゃありませんか、あるいは高額医療に回したんじゃありませんか、金額としてはちょうど見合う金額だけれども。
 そういう金額があるのだったら、あなたが給付改善とおっしゃるけれども、この中で見ている高額医療ということについて、これをプラスしていったらいいじゃありませんか。四十一億円に四十億円プラスをすれば、いまさっきの話に戻りますけれども、一世帯二人のレアケースの場合だって救われはしませんか、こう言っているのですよ。おわかりになりませんか、ぼくの説明は。実にみみっちいと思うのだな、政府の考えは。
#133
○渡部説明員 まことに申しわけございませんが、ちょっと私よくわからないのでございますけれども、われわれのほうは別にこの公費負担医療で減った部分で、それを単純に医療保険の中でどうこうというようなことは全然考えておりません。これは要するに国全体の予算の中で考えておるわけでございまするが、先ほどから言いましたように、公費負担の減少は九十六億ございますけれども、一方におきまして公費負担としましては、ほかの面での拡充が約一千億ある。だから政管健保のほうにつきましても、この部分は国庫負担が助かるじゃないかという点は、これは一方におきまして五百八十六億の増だ、こういうことでございまして、それを、この九十六億円余った分をどこに投入するというぐあいに、われわれは考えておらないわけでございます。
#134
○山本(政)委員 ちょっと先ほどの話に戻りますけれども、給付改善による、あるいは高額医療費支給による波及効果というものは、要するに予算の中に見込んでおるわけですか。
#135
○江間政府委員 先ほど申し上げましたように、高額医療費支出増に伴う波及効果分は一・七%と見込んでおります。でございますので、大ざっぱに言いますと四十七億と見ております。
#136
○山本(政)委員 それは給付率の引き上げによる波及効果でしょう。
#137
○江間政府委員 いま四十七億と申し上げましたが、それは総医療費の一・七でございまして、それは一年間の計算でございますから、それの四カ月分、すなわち三分の一といたしますと十六億円ぐらいということになります。
#138
○山本(政)委員 だから、それは療養費の家族の給付率の引き上げでしょう。
#139
○江間政府委員 高額医療実施に伴う波及効果であります。
#140
○山本(政)委員 そうすると、療養費の給付率の引き上げに伴う波及効果というものはないのですか。それは考えていないのですか。
#141
○江間政府委員 ございます。これの波及効果は、五割を六割にします結果の波及効果は、大体四・九%ぐらいのものを見ております。
#142
○山本(政)委員 金額は幾らですか。
#143
○江間政府委員 金額的に見ますと大体百五十億前後でございます。これは年間でございます。
#144
○山本(政)委員 そうすると、ちょっといま四十億円のことはもう一ぺん考えてみますが、給付改善によって九十六億円という、国庫補助金の減額ができる、できるという言い方はおかしいが、生じる。これは十月実施ですから平年度に直しますと、どれくらいになりますか。
#145
○木暮政府委員 平年度になります場合には百七十一億でございます。
#146
○山本(政)委員 そうしますと、政管健保の場合は、先ほどの主計官のお話では給付改善に伴って四十億円、こういうことでありましたね。そうすると、国民健康保険の給付改善というものも当然あるわけでしょう。この改善に伴う金額というのは幾らになりますか。
#147
○渡部説明員 四十八年度で十二億でございます。
#148
○山本(政)委員 そうしますと、この四十億円の給付改善というものですが、政管健保の高額医療の給付というものが十月実施ですね。平年度になると、これは幾らになりますか。それから国民健康保険の場合にも、平年度になるとどれくらいになりますか。
#149
○渡部説明員 平年度ベースで申し上げますと、政管健保は四十億が五十二億になります。それから国民健康保険は十二億が百六億になります。トータルで百五十八億でございます。
#150
○山本(政)委員 そうすると、四十八年度に四十億円というお話がありました。政管健保は大体千三百万人ぐらいですね。それから国民健康保険は四千万人くらい。その中で、四十億円のうちに政管健保の場合に高額医療に充てられるお金というのは、一体どれくらいになるのですか。それから国民健康保険の十二億円のうちの高額医療負担ですか、これは幾らくらいになっておるのか。
#151
○江間政府委員 政管健保の場合には四十一億円の一割くらい、大体四億くらいです。
#152
○北川(力)政府委員 国民健康保険の場合には全額高額医療にかかる部分でございまして、その金額はいま申し上げました十二億円でございます。
#153
○山本(政)委員 そうしますと、国民健康保険の場合は三年間にわたって実施をする、措置を完成する、そういうぐあいになっておりますね。そうすると、四千万人のうちの大体三分の一、この人たちが実は該当者になってくる、適用を受ける。大体千三百万人くらいになるでしょう。政管健保の同じくらいな人たちが適用されることになりはしないか、そうですね。
 そうすると、片一方は高額医療が四億円、片一方はまるまる十二億円ですか、そうすると、少し計算が合わないようになってくるのではないのですか。
#154
○北川(力)政府委員 これはいろいろ要件がございまして、ひとつ御理解願いたいのは、国民健康保険の場合には三ヵ年計画ということがあるわけでございます。いま先生おっしゃったとおりです。それからもう一つは、十月実施でございますから、その意味で十月実施から四ヵ月分であります。したがって、さっきお話のありましたように、これは満年度に引き直しますと、百六億円になります。それが一つと、それから政管健保の場合には、申し上げるまでもなく、家族の場合の高額医療費でございますから、千三百万人というお話がございましたが、政管の場合は家族は大体一千万弱でございますので、そういった基本的な数字をお考えいただきますと、少し計算の結果は違ってくるのではないかと思います。
#155
○山本(政)委員 けれども、十月実施というのは両方とも十月実施でしょう。両方とも十月実施であって、なおかつ一千万、一千三百万ということであれば、そういう比率で考えても金額に少し違いがあり過ぎるのではないだろうか。
#156
○北川(力)政府委員 いま申し上げました中で、政管の家族は、大体扶養率は〇・九を上回っておりますから、一千万ではなくて、大体一千二百万くらい、それから国民健康保険の場合に対する補助率は二分の一を見込んでおりますから、補助率も違っておりますので、そういう関係で御理解を願いたいと思います。
 なお、実施面で申し上げましたのは、両方とも十月実施でございますので、その点は訂正いたします。
#157
○山本(政)委員 くどいようですけれども、そうすると、十二億の国民健康保険についての波及効果は見込んでおるわけですか、見込んでいないのですか。
#158
○北川(力)政府委員 もちろんこれはこの分だけ給付がふえるわけでございますから、波及効果は見込んでおります。
 なお、つけ加えて申し上げておきますが、見込んでおりますが、国保の場合には七割給付でございますので、先ほどのデータに関連をして申し上げますと、七千五百点以上云々というような、そういうことではなくなってくるわけであります。
#159
○山本(政)委員 四十八年度については、高額医療については波及効果を見込んでいないのではないのですか。波及効果を見込んでいないというように聞いているような気がするのですが……。
#160
○北川(力)政府委員 高額療養費の制度は、政管、国保、もちろんバランスをとって実施しなければなりませんので、計算の根拠といたしましては、もとより波及効果を見込んでおります。
#161
○山本(政)委員 それじゃ、この点につきましては、もう一ぺんあとで質問させていただくこととしまして、弾力条項についてちょっとお伺いしたいのですけれども、定率の国庫負担、料率が〇・一%上がれば〇・四%上げます、こういう話かあるわけですけれども、昨日大臣のほうから、参議院の質問で、診療報酬の改定や給付の改善が行なわれた場合に限って行なう、こういうふうにおっしゃっておったと思いますけれども、この点については間違いがございませんでしょうか。
#162
○齋藤国務大臣 昨日の参議院で御答弁を申し上げましたのは、診療報酬の改定、給付の改善に限ると申し上げた場合もありますし、その他、緊急な場合を入れた答弁もあったかと思いましたが、私の気持ちとしては、診療報酬の改定、給付の改善、こういう点に限って運用されるべきものである、その他、緊急な場合もあると思いますが、そういうときに限って行なわれるべきものである、私はさように考えております。
#163
○山本(政)委員 そうすると、〇・一%かりに料率を上げるとした場合には、どのくらいの金額になるのでしょうか。
#164
○北川(力)政府委員 百十億円でございます。
#165
○山本(政)委員 そうすると、〇・四上げた場合には幾らになりますか。
#166
○北川(力)政府委員 約三十五億円でございます。
#167
○山本(政)委員 〇・一%上げた場合には百十億円ですね。百十億円ということは、労使の折半だから五十五億円、五十五億円。先ほどから、ぼくはこだわるわけじゃないのですけれども、〇・四%国庫補助がある。〇・一%上げれば〇・四%上がるというのですが、その金が三十五億、三者負担にならぬじゃありませんか。五十五億円、五十五億円。そして国庫負担は三十五億円。五十五億円、五十五億円、五十五億円になるんだったら三者負担になる。ここでも大蔵省、ちびっているわけです。どこに三者負担ということがいえるのですか。
 厚生省はそういうことに対して疑問感じないのですか。たいへんふしぎなんですよ。〇・一%についてせめて〇・六%くらい上げたら、それに近い数字が出ると思うのです。けれども、〇・四%だったら三十五億円しか出ないから三者負担ということにならぬ。厚生省は、そういうことに対してふしぎを感じないのですか。ぼくがふしぎを感じるのに、なぜ厚生省はふしぎを感じないのですか。たかが二十億とおっしゃるかもわからぬけれども先ほどの四十何億か、それを合わせれば、この二十億でもう六十億出てきますよ。ぼくは、大臣がふしぎをお感じにならないのが、ふしぎでならないのですが。
#168
○北川(力)政府委員 この保険料率を調整的に変更して保険運営に柔軟に対応するという仕組みがあるわけでございますが、私どもは第一に申し上げたいことは、料率を上げるときに必ず国の補助がリンクするという、政府管掌健康保険にプロパーな、ほかの保険には見られない特色のある仕組み、この点については先生もそれなりの相当な御評価をいただけると思っているわけであります。
 ただし、いまおっしゃったように、〇・一%で百十億上がるということになりますと、労使折半でございますから五十五億円ずつでございます。その場合に五十五億円、五十五億円ということであるがために、国がこれにリンクして補助金も必ず五十五億円でなければならない、そういう理屈までは、私どもはまだ実はクリアカットには考えているわけでもないわけでございます。
 〇・四についていうと、〇・四が絶対的に正しい、あるいは〇・六でなければならない、あるいは〇・五でなければならないという絶対的な理由はない、しかし私は、その基本的な料率の調整変更に伴う国庫補助のリンク、そのときのリンクのしかたとして、〇・四というふうな率でもって国庫補助が出る、この点の御理解をまずいただきたい。五十五億、五十五億、五十五億でなければならないかどうかについては、これは議論のある点かもしれませんけれども、とにかく相当な御評価をいただけるのではないか、こう考えておりますが、いかがでございましょう。
#169
○山本(政)委員 ここに三者負担と書いてあるのです。だから、ぼくは、政府のほうで三者負担とかなんだとかいいながら、何で三者負担なら三者負担らしいことをやらないかというのです。三十五億という数字、〇・四%という数字は、千分の七十三を千分の七十四に上げた結果としてで、数字からいって、ひとしいことになりますか。ぼくは、三者負担というのは公平に三者が負担するという意味に理解するのですか、――あなたか言っていると言っているのではないのです。大蔵省は一体どうお考えになるのですか。
#170
○渡部説明員 弾力条項を発動いたします場合の国庫補助の連動規定の率の根拠のお尋ねでございますが、これにつきましては、先ほど保険局長も申し上げておりましたように、〇・四だというものについての根拠につきまして、特別に、絶対にこれでなければならぬという根拠はないかと思いますが、われわれといたしましては、千分の七十の場合に国庫負担が千分の十であるということは、保険料率千分の一に対して、千分の〇・一四でございます。したがいまして、今後上げます場合には、千分の一について〇・四ということでございますが、限界的に約三倍の負担をするというめどのもとに、〇・四を定めたということでございます。
#171
○山本(政)委員 ぼくは重ねてお伺いしますが、これは〇・六にすれば大体五十四億か五十五億近くになるのですが、そういう点が、たいへんぼくには計算はみみっちいという感じがするのです。
 もう一つは、これは弾力条項、たいへんな問題になるのです。私どもの考え方としては、いま国会の議を必要とするというようなものに対して、なぜ今度は――いろいろな要するに歯どめがある、こうおっしゃっておるけれども、ワクをはずそうとしておるのか。つまり大臣の裁量で、たとえ一定の限度であろうと、そういうことをなさろうとするのか。
 しかもいまお伺いすれば、診療報酬の改定とか給付の改善のほかに、私はこれはあとで参議院から速記録をいただこうと思いますが、緊急の場合ということを言っている。そういう入れたような気もいたします、こう言っておる。緊急の場合ということの判断というのは、場合によれば大臣の判断で、これが緊急の場合ということは幾らでも藉口できるわけでしょう。もし、それが大臣のほうで、緊急の場合も入れたつもりなんですけれども、ということなら、なおさら私はたいへんだと思うのですよ。
 だから第一は、もう一ぺん確認いたしますが、そういう入れたというつもりであったがということが間違いないのかどうか、もう一つは、弾力条項の発動ということについて再考する余地がないのかどうか、この二点をお伺いしまして、午前の部の質問を終わりたいと思います。
#172
○齋藤国務大臣 私は、きのうお答えいたしましたのは、診療報酬の改定及び給付の改善に限る、こういうふうに言った場合があります、はっきり。それと同時に、その他緊急の場合と言ったかもしれぬ場合も――五人質問を受けましたものてすから……。
 しかし、私の気持ちは、その他緊急の場合とかりに言うても、私は経常的な赤字に対して発動させる、こういう考えは全然ない。経常的に、ただ五億か十億ちょっと赤字になった場合に発動するようなつもりは、全然私は考えておりません。これだけははっきりさせておきたいと思います。
 ただ想像されることならば、たいへんな大規模な伝染病予防とか伝染病とか、ものすごく給付費がふえる、こういうことはあるかとも思いますが、私はほとんどこれは考えられない。ですから、現実問題としては診療報酬の改定と給付の改善、これに限るように運営をすべきだ、これが私の気持ちでございます。
 それからもう一つの問題は、御承知のように過去の赤字は一応全部たな上げにしまして、そして定率一〇%の補助というものをすることによって、単年度収支のバランスをとっていただくようにお願いをしたいということであってみれば、私は診療報酬の改定がどういうふうに行なわれるかは別といたしまして、そういう事態に対処して、単年度収支とんとんにしておくという法的措置を講じておくということは必要ではないか、そういうことは現在でも失業保険、労災、共済組合、こういうふうな短期保険には全部あるわけでございます。
 そこで、できるならば、そういうことをしていただきたい。しかもよその短期保険には上限、下限、制限がないものもございます。そこで私どもの提案いたしておりますのは、上限、下限という限度をきめて、その間において単年度、動かすのは社会保険庁長官が独断で動かすというのではない、社会保険審議会の意見を聞いて、そして厚生大臣が動かしていくという道があっていいのではないか、その点は私は憲法違反でも何でもない、よその失業保険なり、労災なり全部そういうふうな手続をとってやっておるわけでございます。共済組合もしかりでございます。一定の限度のワクをはめて、そしてそのワクの範囲内ならば、社会保険審議会の意見を聞いてやってよろしいという授権をしてくださるという法律が通れば、私は少しも憲法違反でも何でもない、よそもみんなそういうふうにやっておるというふうに考えております。
 しかもまた、今度の料率の調整につきましては、国の負担を上乗せする。こういうことで、この制度はよその共済制度や失業保険等にはない制度である、こういうふうに考えておるわけでございまして、御理解をいただきたいものだと考えております。
#173
○山本(政)委員 もう一点、弾力条項というものを短期保険だということをおっしゃるのだったならば、たいへんぼくは矛盾しておると思うんです。それならば定率というのは、なぜ定額を定率にしたんです。定率制というものを導入をするというのだったら、定率を入れたということは政管健保というものの性格であるがゆえに、定率制を導入したわけでしょう。短期保険だという理屈じゃないはずですよ。しかし性格から見れば、定率というのは短期保険にはぼくは適用すべきでない性格のものだと思うんです。しかし政管健保なるがゆえに、定率制というものを導入したんだと思います。
 ですから、あなたが弾力条項というのは短期保険だから、弾力条項を入れるのは大筋としてはおかしくないということは、ぼくは理屈にならぬと思うんですよ。
 それだけ申し上げて、午前の質問を終わります。
#174
○田川委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十九分開議
#175
○田川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 休憩前の質疑を続けます。村山富市君。
#176
○村山(富)委員 きょう、午前中わが党の山本委員から種々御質問がありまして、あるいは重複する面もあるかもしれませんけれども、その点は、それだけ問題があるんだというふうに御理解をいただきたいと思うのです。
 まずお尋ねをいたしたいことは、先般社会保障長期計画懇談会が発足をいたしました。そこに厚生大臣が出席をいたしまして、あいさつをされていますが、そのあいさつの中に、こういうことがあるわけです。「十年後の社会経済の変化およびこれに伴う国民意識についてのヴィジョンのもとに、五年後の社会保障の目標を設定し、その目標を達成する具体的諸施策」を講ずべきである、こういう意味のことが述べられているわけであります。
 言うならば、これから五年後の社会保障の長期計画を立てる、こういうことのためにこの懇談会が持たれておると思うのでありますが、私は、この懇談会に対して、厚生大臣は全く白紙の立場で臨んでおるのか、あるいは大臣として、厚生省として、何らかの具体的な目標設定をしながら臨んでおるのか、できればこの基本計画の中に示されると思われる主要な柱について御説明いただければ、御説明を願いたいというふうに思うわけです。
#177
○齋藤国務大臣 先般、厚生大臣の私的懇談会といたしまして、社会保障長期計画懇談会が発足いたしたわけでございますが、この懇談会の主たる目標とするところのものは、去る二月、内閣において閣議了承をいたしました経済社会基本計画、これは四十八年度を初年度といたしまして、昭和五十二年度までの五カ年計画の総論的な案ができておるわけでございますので、その総論的な計画に基づいて、今後五カ年間の年次別計画を策定していただこう、これがねらいでございます。
 そこで、このねらいとするところのものにつきましては、一つの大きなワクがあるわけでございまして、振替所得と国民所得に対する比率が、四十八年から八・八に振替所得の分を高める、これが一つの目標になっております。
 それから、もう一つの問題は、この懇談会において策定いたします内容は、年金部門と医療問題、それから社会福祉施設、こういうふうな大体大ざっぱに言って三つの部門に分けて、今後五カ年間の年次別計画をつくる、こういうことになると思うのでございますが、もともとこの計画なるものは、具体的には振替所得六%を八・八%に高めようということではございますが、最終的には今後十年後に西欧先進諸国並みの社会福祉というものを実現したい、それの前期の計画として今回の五カ年計画をきめていく、こういうことになろうかと思うのでございます。
 したがって、さしあたりの案としては、今後五カ年という年次別の計画でございますが、それはぽつりと、それだけ切り離された計画ではない。将来の、あとの五カ年、すなわち十年後ということを目標としながら、十年後、西欧先進諸国並みにという一つのビジョンのもとに、四十八年から始まる五カ年間の年次別計画をきめていただきたい。こういうことで懇談会を発足いたしました次第でございます。
 したがいまして、長期的には今後の十年のビジョンというものを抱きながら、具体的に五年の計画をつくっていただく、こういうことがこの懇談会の使命であると考えております。
#178
○村山(富)委員 それは、いま私が申し上げました、あなたのあいさつの中に、そのことは言われているわけです。
 問題は、年金とか医療とか社会福祉といったような三つの項目について、それぞれ年次別な計画を策定してもらう、こういうことで懇談会が持たれたと思うのですけれども、一つは、この五カ年計画は一体初年度はいつになるのかということが一つです。それからもう一つは、千年後に現在の西欧並みに達したい、こういう一つの目標を設定しておるわけですけれども、具体的に医療なら医療はどういうものを想定しておるのかということがあれば、御説明願いたいと思うのです。
 それから、私が三月一日にこの社会労働委員会で、公的病院のベッド規制の問題について質問したことがあります。そのときに大臣はこういう答弁をしているのです。「経済社会長期計画というものができまして、それに基づいて厚生省も各論的な五年間の長期計画をつくりたいと実は考えております。その長期計画において、年金、医療保険におきましては一応の軌道に乗っておりますが、一番の問題は医療供給体制がさっぱりしてないということなんです、」こういう答弁をしているわけです。ここでははっきりと年金と医療保険については一応軌道に乗った、こういう答弁をしておるわけですけれども、この軌道に乗ったというその中身は一体どういうことなのか、具体的に説明が願いたいと思います。
#179
○齋藤国務大臣 この五カ年計画は、昭和四十八年度を初年度にいたすものでございます。そこで、西欧先進諸国並みということをよく申し上げておるわけでございますが、結局西欧先進諸国並みといっても、これを比較いたしますものさしとしては、現在ありますのは社会保障給付費と国民所得との関係、これが大体西欧先進諸国と比較いたします一つの指標になるわけでございます。これは一九六六年であったと思いますが、わが国の社会保障給付費と国民所得に対する比率は六%程度であった、西欧先進諸国は大体一四、五%から一七%、こういうわけでございます。
 そこで、現在の経済社会発展計画によりますと、振替所得を八・八にいたしますと、大体国民所得との比較は一〇%、こういうふうになるわけでございます。大体経済社会発展計画によりますと一〇%になるわけでございます。そこで、私は、これにつきましては、一〇%で甘んずることなく、一一%程度に五年後に持っていきたい。それと同時に、十年後に大体一五%、こういうことを計画としてもくろんでおるのでございまして、経済企画庁の作案いたしております基本計画によりますと、この社会保障給付費と国民所得の比率は五年後に一〇%になる、こういうことをいっておることは御承知のとおり。それから十年後には大体一五%あるいはそれ以上になる、これは経済企画庁もそう明言をいたしております。
 そこで、経済企画庁と私たちの多少違いますのは、五年後に経済企画庁は一〇%になるというわけです。私は一一%ぐらいまで持っていきたいのだ、こういうことを努力目標として、厚生大臣として、そのくらいのことをやらなければ将来のあれがないから、そこまで持っていきたいということを、私しばしば申し上げておるわけでございます。
 そこで、大体年金の問題が一番その中心になるわけでございますが、今回提案しております五万円年金というものが実現いたしました暁には、これが成立いたしました暁には、大体こうした方向で進んでいくであろうということを見通されるわけでございます。そういうふうな考え方、それから医療のほうにおきましては、御承知のように保険制度も一応軌道に乗ってまいりますれば、一番の問題は医療供給体制の確立、これが一番大事な問題でございます。
 そこで、この長期計画の中の年金、医療、社会福祉という三部門について研究いたしますとすれば、医療供給体制の確立をどうするか、すなわち医療施設の整備、医療従事者の養成計画をどうするか、こういうところがこの長期計画の中の一番大きな問題になるのではないか、そういうことを重点に置いて、医療問題についての計画の大綱をきめるようにしたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、審議会において各方面の御意見を承って、そして政策の大綱をきめていただく、こういうふうにいたしたいと考えておる次第でございます。
#180
○村山(富)委員 抽象的な説明はいいですから、もっと具体的に答えてもらいたいと思うのです。私が先ほど申し上げましたように、一応軌道に乗った、この軌道に乗ったという意味はどういう意味なのか、それが一つ。
 それからもう一つは、この改正案は四十八年度が初年度になるわけですが、あなたは、けさの新聞を見ますと、きのう本会議の質問に対して、四十九年度は七割給付にしたいと思っているというような意味の答弁かありますね。――あなたは首を振っているけれども、新聞にはそう書いてある。いいですか。そうしますと、たとえば五年計画ならば、五年後にはどの程度の給付水準になるというふうに想定しておるのか、お答えいただきたいと思います。
#181
○齋藤国務大臣 厚生年金につきましては、五万円年金が成立いたしますれば、これが軌道に乗ってまいりますし、それから健保につきましては、きのうも、ただいま御提案申し上げております健保改正が成立した暁において、七割給付を実現するように最大の努力をいたします、こういうことを申し上げておるわけでございます。したがって、ただいま五割から六割給付に引き上げるという提案をいたしております、この法律が成立いたしました暁におきましては、七割給付を目ざして、この五年間に必ず実現するように努力する、これはもう当然そうなるわけでございます。
 私の答弁は、提案いたしております法案が成立いたしました暁においては、七割給付を実現するように最大の努力をいたしたいと考えておりますということを、衆議院においても参議院においても同じように答弁をいたしておる次第でございます。
#182
○村山(富)委員 いまの答弁を聞きますと、五年後に七割給付が実現するように努力をしたい、こう言いましたね。
#183
○齋藤国務大臣 五年の間に……。
#184
○村山(富)委員 五年の間に……。少し違いますけれども、五年の間に七割給付。
 ところが、四十九年度から七割給付になるように引き上げたい、こういう意味の答弁をしていますね。――委員会のたびに変わったんじゃ、これは困りますよ。
#185
○齋藤国務大臣 お答えいたしますが、私の速記録をごらんいただいてもおわかりいただけると思いますが、提案をいたしております現在五割から六割に引き上げようというこの法律案が成立いたしました暁においては、七割給付にするように努力をいたします、こう申し上げて、はっきりしております。四十九年度に必ずいたします、法律が成立するかしないかにかかわらずいたしますとは申しておりません。成立いたしました暁においては、なるべく早く七割給付になるように努力いたしますと、はっきり申し上げておりますから、速記録をごらんいただきましても、私は一つも後退でも何でもございません。申し上げたとおりにお答えをいたしておるわけでございます。
#186
○村山(富)委員 これはいずれ議事録ができれば明確になることですから、そのときにまた機会があれば確認したいと思うのです。
 そこで次に移りたいと思うのですが、午前中の質問で、高額医療の問題についての質問がございました。この高額医療の問題については、三万円の額が妥当であるかどうかという論議もあるでしょう。しかし、もう一つの問題は、午前中も指摘がございましたが、これは療養費払い制度なんですね。したがって、患者が見てもらって、一ぺん金を払って、あとからもらうことになるわけです。
 そうしますと、沖繩の例のごとく、そういう事例がたくさん生まれてくるのではないか。もらった給料の中から三万円の療養費を払って、しかもそれから五万円、六万円かかるか知れない額を自己負担をしなければならない。なかなか金のできぬ者もあるでしょう。そうしますと、金の準備ができないために療養にかかれないという者も出てくるかもしれないわけです。そういう者に対しての何らかの救済措置を考えているのかどうかということが一つ。
 それから、もう一つは、これは午前中もちょっとございましたけれども、たとえば一カ月入院して十万円かかったと仮定します。患者のほうには、どの部分が保険に適用され、どの部分が保険の適用外かということがわからない場合がしばしばあるわけです。それで、三万円の額をこした七万円の分は見てもらえると思って請求をする。そうしますと、計算をしたあげく、これは保険を適用する以外のものがだいぶあるというので、結局本人は三万円しかもらえなかった、あとの四万円は保険の適用外だということがあり得るのじゃないかと思うのです。そういう事例に対して一体どういうふうに考えておるか、そのためには療養費払いでなくて、現物給付にする必要があるのじゃないかと思いますが、その点はどう思いますか。
#187
○北川(力)政府委員 高額療養費の支給のしかたといたしまして、現物給付がいいのではないかという御意見は、午前中もございましたし、また関係の審議会等でも出た議論でございます。これに対しまして、午前中もお答えを申し上げましたが、私どもは、やはり新しい制度でもございますし、これを正確な形でスタートさせて、患者さんとか、あるいは医療機関の側に新しい負担がかかるというふうなことがないように、スムーズにこの制度を運用し始めたいわけでございます。そういう意味合いで午前中申し上げましたことは、要するに、現在の医療費の支払いのシステムの上に乗っかってこの制度を発足するということを実は考えておるわけでございます。
 ほかの例で申し上げますと、共済組合でございますとか、あるいは健保組合でございますとか、いずれの場合も一定の額をこえた場合に給付をいたしますいわゆる付加給付というものが現在もあるわけでございますけれども、そういう場合にも償還払いになっているわけでございます。したがって、現物給付ということになりますと、いつの時点で一定の額をこえるか、患者さんのサイドも医療機関のサイドも非常にわずらわしい場面かたくさんございますから、そういうことがないように、また現在すでに定着をしておるほかの制度のこともにらみながら、償還払いの措置をやろうという趣旨に出るものでございますので、その点はひとつ御了解を願いたいと思います。
 この問題の処理のしかたによって、受診の抑制が出るのではなかろうか、あるいはまた受診の抑制の問題に関連をして、必要な現金が用意できないのではないかというようなお尋ねでございますが、私もその点はまことにごもっともな点があるかと思います。思いますが、やはりいま申し上げたような制度の円滑なスタートという意味合いで、私どもは償還払い方式の、一応三万円を予定した支給方法でこの問題を処理したい、このように考えておるような次第でございます。
 なお、医療内容といたしまして保険が適用になるものと、適用にならないものと両方があって、非常に困るではないかという御指摘でございますが、一般論として申し上げますと、現在大体必要な医療というものは保険診療として取り入れておりますから、もとより例外もございましょう、新薬等で採用のための時間的なズレがございまして、保険のきかないものもあるかもしれませんけれども、そういったケースは高額医療だけに限らず一般にあるわけでございますし、またきわめてレアケースである場合が少なくないと思いますので、そういう問題は一般的な問題としてチェックをしながら今後も留意をしてまいりたい、大体以上のように考えておる次第でございます。
#188
○村山(富)委員 いま答弁の中でわずらわしいという答弁があったですね。これは患者のほうの立場に立ってわずらわしいのか、あるいは厚生省の立場に立ってわずらわしいと思うのか。これはだれのための制度ですか。そういう点を前提にはき違えておると、やはりそういう解釈になると思うのです。
 これはもう沖繩でいろいろな実例があるわけですよ。出来高払い制度でないために、子供が入院したり親が入院したりした、その療養費を払うために、娘や嫁が売春行為をやっていろいろな問題を起こしておる。こういう事例がいろいろあるわけですよ。こういう現実を踏まえた場合には、お互いの社会だってそういうことが十分想定をされるわけですから、したがって、わずらわしいなんという立場ではなくて、ほんとうに困っている患者を救ってやるのだ、こういう気持ちからするならば、当然出来高払いにすべきであると思うのですが、もう一ぺん御答弁を願います。
#189
○北川(力)政府委員 ただいま村山先生のお話は、まことに私もそういう気持ちは十分持っているわけでございます。沖繩の事例が出ましたけれども、沖繩の場合にそういった医療保険制度の運用といたしまして、いわゆる療養費払いということで、結果的には、表現は適当でないかもしれませんが、相当多額にのぼる黒字が出た、こういうことは私どもも実績として承知をいたしております。
 ただ、いまも申し上げましたように、わずらわしいということは、高額な医療について患者さんとお医者さんと、こういう非常にデリケートな人間関係でございますので、どの時点で三万円をこえるか、またはどこまでお医者さんのほうでチェックをしなければならないか、そうでなくても現在医療機関のほうには事務的にむずかしい問題、煩瑣な問題が多いわけでございます。
 でありますから、そういうことを考えますと、この問題を、現在の医療費払いのシステムとは離れて新しい方式をつくって、それを医療機関にも導入をしてやっていくということは、まことに複雑なことになるわけでございまして、将来の問題としては、私どもは改善の方法というものをもちろん考えなければならぬと思います。よりベターな方法があればそういう方法をやりたいと思いますけれども、問題は一刻も早くこの高額医療費制度の支給ということを発足させる、そういうことになりますと、現在の支払いのメカニズムの上に乗っかってスタートするのが一番早いのじゃないか、こういうことで、発足の当初はとにかくこういう方法でやることが一番望ましい、こういうふうに考えた次第でございますので、その辺の実情はひとつ十分御理解を願いたいと思うわけでございます。
#190
○村山(富)委員 くどく申し上げますが、私はわずらわしさという立場に立てば、両方にあると思うのです。しかし、そのわずらわしさは患者のほうがもっとわずらわしいのですよ、もっと困るのですよ、実際のところをいいますと。さっきから言っておりますように、三万円以上の金を用意して療養を受けるということは、たいへんな層がたくさんあるということなんです。しかも、その金の準備もできない者もたくさんありますよ、同時に、かりに借金をして払った、そしてその払った金、三万円をこした金を請求する場合に、いまのところどうですか、患者か――これは公立病院の場合なんかには比較的わかると思いますけれども、私的病院の場合には間々、かりに八万円払った、その八万円は、何と何と何にかかったのだということがわからないまま金を払う者もあるのですよ、実際に。患者のほうからしますと、この部分とこの部分が保険に適用される、この部分は適用されないなんということは実際のところ、なかなかわからないのですよ。
 ですから、さっき例を申し上げましたが、十万円払った、三万円をこす七万円はあと払いで払ってもらえるのだろう、こう思って請求したら、いろいろの審査の結果四万円は保険の適用外で、三万円しか返らなかった、こういうことになってまいりますと、患者にとってはたいへん迷惑なんです。わずらわしさ、患者の立場に立ってのわずらわしさを解消するためには、もっと親切に出来高払いにすべきではないか、こう言っているわけですよ。どうですか。
#191
○北川(力)政府委員 私もたびたび申しておりますように、先生のお気持ちもよく理解をいたすものでございます。ただ、医療機関あるいは関係者がこの高額療養費ということの施行にあたって、全く新しい方法を取り入れる事務処理上ということにつきましては、なおしばらくいろいろ研究もいたしまして、また関係者の合意等も必要でございますので、現在のベースに乗っかってこの制度を一刻も早くスタートするということが好ましいと思いますので、このようなしかけをとろうと思っておるような次第でございます。
#192
○田口委員 いまの問題に関連してですが、わずらわしいという言い方をされて、ことばじりをつかまえるのではないのですけれども、実はこういう問題になったときに、高額医療がかりに実施になった場合に、どういう事務手続をとるかということを医者と、それから現在の社会保険事務所の係員あたりに聞いてみたのです。
 これは村山委員のお話にもあるのですが、基金の事務所で今日までの大体三万円以上の高額医療費を抜き出してみた場合に、たとえばじん不全という病気なんかは二十万から三十万毎月払っておるわけです。それがざらなんですね。五万、六万というような三万円以上の金額ではなくて、二十万、三十万という高額の医療費が毎月払われておるわけです。そういった場合に、高額医療費の制度ができた場合に、いま御質問がありましたように、かりに二十万なら二十万をAという医者に払った、そこで何でもいいから領収書を医者からもらいなさい、何月何日、こういう病気で二十万払いました――まず払わなければならぬ。その領収書をもらって社会保険事務所に患者が、実はこういう病気で二十万払いました、その証拠はこの領収書です、こう出すわけです。それ以外に医療費の請求は、今日やられておるのは、医療機関から支払基金に対して請求をする、基金が社会保険事務所にまた持っていく。そこで社会保険事務所では基金から持ってきたカルテ、請求書というかレセプト、本人が差し出した領収書とを突き合わして、そこでチェックするわけです。
 これはまだそういう事務手続が、おろしていないといえばそれまでですけれども、大体そうなるのではないかという言い方で話を承っておりますと、領収書、レセプトをチェックする、チェックすれば、当然にという言い方はなにでありますけれども、従来の経験からいって、相当削られるわけですね。二十万払ったと簡単に計算をしますと、三万円がなにですから、十七万返ってくると期待をしておったけれども、チェックをされれば十五万であったり十四万であったりということがなきにしもあらず。
 そうなってくると、借金なり、やりくりして二十万払った患者の気持ちというものは、三万円以上全額弁償してもらえますよと聞かされておりながら、結局値切られる、こういう問題は、これは現実に起こってくる可能性が強いわけであります。そういう点について、これはまだ審議の最中でありますから、通ったらどうするのだという言い方は、やや早いのですけれども、今日の事務手続から考えて、そういう問題が一つ起こってくる。
 さらにもう一つは、かりにスムーズに金を払ったといたしましても、そういう状態は少ないのですけれども、じゃ、払って、その金が自分の手元に返ってくるまでに一体どれくらいかかるでしょうか、それを聞きますと、いまの陣容では――こういった担当職員は、百五十万の県で平均しますと、大体百二十四、五名というところですね。その全部をぶち込んでみても、金が元に戻るまでには早くて三月かかるというのです。一方でお医者に三月前に金を預ける、金利までは言いませんけれども、三月たって返ってきたその金はまるまるじゃない、値切られることは火を見るより明らかであります。
 こうなってくると、結局わずらわしいという問題は、二、三の係の者に聞きましたけれども、単にわずらわしいというだけでは、この問題を放置することはできないのではないか。であるならば、本会議でも金子議員が言ったように、なぜ現物給付ができないかということに実は帰するわけであります。ほんとうにわずらわしいという真の原因は何なのか。いま言ったように、事務手続ということが予想されるならば、どのように考え直していくのか、そういう点について従来の経験から、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#193
○北川(力)政府委員 事務の流れにつきまして非常に専門的なお話を承りまして、私も大体そういうことになるだろうと思います。どういう要件、手続を経て施行するかということにつきましては、先ほども申し上げましたが、政令段階の問題でございますし、また社会保険審議会で十分審議をちょうだいをすることになっております。
 そうは申しましても、大体どういうことを考えているかということの大ざっぱなことを申し上げますと、保険医療機関でこの高額医療に該当するような方々は償還払いでございますから、当然いまのお話しのように払います。今月ならば、今月のさようならきょう受けた場合には払います。それにつきましては月末までに締め切って、来月の初め、十日ぐらいまでに基金に請求する。基金のほうはそれを審査いたしまして、大体来月の十四、五日までに審査をいたしまして月末までに支払う。支払いましたものは、請求明細書は七月の半ばころまで、あるいは下旬ころ――いろいろバラエティーがありますから、さまざまでありますけれども、大体七月の半ばごろには事務所に返ってくる。事務所に返ってくるときには、現在われわれが承知しております手続では、基金の段階では三万円以上と三万円以下と仕分けいたしまして、事務所へ行きますれば、そこで三万円以下の分についてはすぐにわかる、こういう状態にしておきまして、それから事務所から当該被扶養者の属する被保険者のつとめている事業所に対して通知をし、事業所から被保険者に通知をして、そこで請求に応じて払う、こういうかっこうになろうかと思います。
 もちろんこの手続は、さっき申し上げましたように、さらに詳細に検討いたさなければなりませんけれども、大ざっぱな流れはそういうことでございます。そうしますと、仰せのとおり大体三カ月程度のものはかかるかもしれません。
 しかし、この問題は、さっき申し上げたように、そうかといって初めから全く新しい仕組み、現在の一件払い、レセプト一件についてというこの一つの定着した事務の仕組みの上に、別な方法で現物給付するという仕組みを取り入れるということは、なかなかむずかしい問題で、検討を要する点が多々ございますし、また医療機関等といろいろ相談をしなければならない点もございますので、そういう点を考えますると、償還払いであって、償還するまでには多少のタームは必要でございますが、とにかく制度を早く発足させるという意味で現在の機構の上に乗っかってやりたい、こういうことでございますので、どうかその点は、ひとつ十分に御理解を願いたいと思います。
#194
○村山(富)委員 これはまた、いずれ問題になると思いますから、これだけ聞いておきます。
 患者の立場に立って、あるいは国民の立場に立って、この制度を運用するあなた方の解釈としては、この案がいいと思うか現物給付がいいと思うか、その解釈だけひとつお聞きしておきます。
#195
○北川(力)政府委員 現物給付がいいか現金給付がいいかという問題は、いろいろ議論があろうと思います。しかし私どもは、新しい制度を円滑に発足させるためには療養費払い、償還払いという制度、こういうしかけでスタートすることが好ましいと考えております。
#196
○村山(富)委員 これはいずれあとでいろいろ問題になると思いますから、次の問題に移りますけれども、私はこういう高額医療の問題は、いま申し上げましたように、給付の方法についてもいろいろ問題があると思いますが、一番問題が大きいのは健保適用外の額が非常に大きいということですね、たとえば差額ベッドの問題がいろいろありましたけれども。したがって健康保険の場合に本人は十割給付、家族はこの案でいくと六割給付、国保の場合は七割給付ですね。だから十割給付だから一銭もかからぬだろうと思って行っても予想外にかかるわけですよ。そういう問題を抜きにして、この高額医療の問題を何ぼ論議しても、私は、ある意味で意味がないと思うのです。
 そこで差額ベッドの問題だけを取り上げてお尋ねしたいと思うのですけれども、現在公的な病院、国立病院あるいは民間の私的病院、そういう病院に差額ベッドがそれぞれどの程度あると把握されておりますか。
#197
○北川(力)政府委員 昨年の六月の調査結果について申し上げます。
 それによりますと、公的な性格を有する医療機関について調査を行ないました結果、総病床数に対する差額徴収病床数の割合は平均して二〇・〇二%、国立病院は一〇・一八%、公的病院は一七・一六%、その他の公的医療機関は二八・一一%、その他は四二・四%、これが昨年六月の調査の結果でございます。
#198
○村山(富)委員 その他の法人ですか。――そうすると、これ以外の私的病院というのは、わからぬわけですね。
#199
○北川(力)政府委員 実はこの問題は、四十三年のときにはその他の私的医療機関につきましても調査したのでございますけれども、まことに残念ながら、昨年の六月におきましては、ちょうどその一年前に総辞退等のこともございまして、関係団体等の協力も十分得られなかったものでございますから、昨年六月の調査では、実は国立、公立、公的医療機関、その他の法人ということで、一般の民間のいわゆる私的医療機関につきましては調査が行なわれなかったものでございます。その点お断わり申し上げます。
#200
○村山(富)委員 私は、さっきから高額医療の問題なんかを問題にしておりますけれども、一体国民は医療費をどの程度負担をしておるのかということの計算と根拠がなしに保険料を上げてみたり、あるいは高額医療の給付をきめてみたりすることにはならぬのではないか。一体国民はどの程度の医療費の負担能力があるのかというようなことを計算した上で、そんなものも出てくるのではないかと思うのです。そうしますと、単に国立病院や公的病院だけではなくて、一般の開業医、私的病院が圧倒的に多いわけですけれども、そういう私的病院で差額ベッド等保険外の医療費を国民は一体どの程度負担しているのかということはわかりませんか。
#201
○北川(力)政府委員 保険以外の負担といたしましては、いま話題になっております差額ベッドあるいは付き添い問題等がございます。お尋ねでございますけれども、私も現在の段階で保険外負担が正確に幾らであるかということは、実は数字をもってお答えはできません。しかしながら、この際申し上げておきたいことは、現在、抑せのとおり差額ベッドが、午前中に申し上げましたが、かなり放漫になっておる。乱に走っている。あるいはまた付き添い問題につきましても、現在の疾病構造から見て相当に見直さなければならない段階に来ている。そういう実情を私どもも痛感をいたしております。
 でございますから、そういう問題はそういう問題で、これはもう保険の改正とは並行をして早急に具体的な措置を講じていかなければならぬと思います。その措置のしかたといたしましては、行政指導として乱に走りがちな差額ベッドというものについて、これのけじめをつける。けじめをつけるためには、実際上病院経営の一番大きな財源になります診療報酬について、その問題を適正化をしていく、あるいはまた公的な機能を持っておる病院につきましては公の資金を投入していくとかいろいろな方法を講じまして、いまおっしゃいましたような保険外の負担というふうなものが減っていくように十分な留意をしていきたいと思っております。
 ただし、いろいろ言われておりますとおり、差額ベットあるいは付き添い問題等のそういった問題が改善をされないままの状態で、それじゃ健康保険の改正をしてはいけないのかといいますと、私どもこれは、やはりおのずから別問題でございまして、健保のこの大きな赤字のさなかでもございますけれども、それにもかかわらず給付の改善をしようということでございますから、この家族の給付率の引き上げと、それから高額療養費の償還払いというのは、いろいろ別途解決を要する問題はあるにいたしましても、この際、早急に実現すべき問題である、このように考えておることだけは御理解願いたいと思います。
#202
○村山(富)委員 いま答弁がありましたように、これだけの健康保険の改正をするのに一番前提になるものは、保険料の計算をする場合には、一体国民がいまどの程度の医療費の負担をしておるのか、その負担能力はどの程度あるのかということの基礎の計算なしに、かってにその収支の都合できめられたのでは迷惑すると思うのです。
 この問題は、またあとで引き続いてやりますけれども、郵政省の政務次官が見えておりますから、それをこの間に先に入れて質問したいと思うのです。
 実は、私は四月の中旬ごろ四国の郵政関係のマル生調査に行ったのです。ある郵便局に行きましたら、こういうポスターが局の掲示板に張ってあるわけです。
 読みます。「健生ニュース」「四国郵政局」「健保法政正はみんなの幸せ」「家族の医療費負担の軽減へ」いいですか。この指導は健保連がしている。書いてある。(発言する者あり)いいですか。だけれども、これは「四国郵政局」と書いてあるのですよ。何で郵政局が――国会に提案をされて、まだ法案も成立をしない。しかも国論が二分されて、大きな論議を巻き起こそうというものについて、郵政省はこんな宣伝をしておる。何でこういうことをするのか、ちょっと答弁してください。
#203
○鬼丸政府委員 ただいま村山委員から御指摘の、またお見せくださいました「健生ニュース」これは壁新聞でございますが、ふだんは病気の予防とか保健衛生の基礎知識をわかりやすく簡明に説明しておるというもので、大部分の郵政局におきまして昔から購入し、配布いたしておるものでございます。たまたま、ただいま御指摘のような記事が掲載されたというのが実情でございます。
 そこで、これは特に政治問題となっておるものを郵便局等に掲示するのは好ましくないので…(発言する者あり)これは一〇五二号という「健生ニュース」でございますが、直ちに取りはずすように措置をいたしました。
 なお、四国郵政局の名前が入っておるというのも、これは別に他意はございません。(発言する者あり)郵政局の施策、軽い意味の施策の一つとして、この壁新聞を使っておるということから名前を掲載しておるのであります。
    〔発言する者あり〕
#204
○田川委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後四時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時二十九分開議
#205
○田川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、郵政大臣及び総理府総務副長官から発言を求められておりますので、これを許します。郵政大臣久野忠治君。
#206
○久野国務大臣  「健生ニュース一〇五二号」につきましては、その表題が、現に国会で御審議を願っております大きな政治問題についての持定の意見を端的に示すものでありましたにかかわらず、部内関係機関におきましてその点のチェックをなさず、また郵政局名を入れて各郵便局にそのまま掲示させましたことは、まことに遺憾でありまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。
 関係者につきましては、調査の上、それぞれ処置をいたしたいと存じます。
#207
○田川委員長 総理府総務副長官小宮山重四郎君。
#208
○小宮山政府委員 今回の「健生ニュース一〇五二号」に関連し、政府広報担当の立場といたしまして、各省に対し、再び同様の事態を起こさないよう、厳重注意をいたします。
 また、各官庁で購入いたしております刊行物についても十分注意をいたさせます。
#209
○田川委員長 休憩前の質疑を続けます。村山富市君。
#210
○村山(富)委員 いま郵政大臣、総務副長官からそれぞれ陳謝のおことばがありました。私は今回のこのポスターにつきましては、全然関係のない郵政省が何でこんなことをする必要があるのか、しかもその内容はきわめて一方的で公平を欠いておる。しかも先ほどお話がございましたように、国会でいま世論が二つに分かれて重要法案として日々論議をされておる過程にこういうことをやるということは、ある意味では審議権を無視しておるということになる。このことは、やはり主権在民にまで影響するような事態になるのではないかと考えられますので、今後きびしく姿勢を正してもらいたいということをつけ加えて、一応了解したいと思います。
 それからなお、理事会の決定もございましたので、私の質問は、次回に保留をいたします。
#211
○田川委員長 寺前巖君。
#212
○寺前委員 私は、今回出されたところの健康保険のいわゆる改正案、去年も問題にしたのですが、どう考えても、赤字財政だということがいつも問題になって、財政の健全化のためには患者の皆さんにも、被保険者の皆さんにも、ひとつ応分の負担をしてもらわなければならぬという話になるのですが、一体薬の問題というのをどういうふうに考えているのか、私はいつも聞いておってわからない。きょうは薬務局長来ていますね。総医療費の中に占める薬剤費の位置というのは一体どのくらい占めているのですか。一番新しい時点の資料と昭和三十五年の段階の資料と比較して、総医療費の中に占めるところの薬剤費がどういう状況にあるか、ちょっと説明してください。
#213
○北川(力)政府委員 ただいま三十五年からというお話がございましたが、現在のところ三十五年のデータを持ち合わせておりませんので、三十七年からについて申し上げたいと思います。
 三十七年から四十六年までのデータでございますが、三十七年で二八・七%、これが四十六年の段階では四三・七%、このような数字を示しております。
#214
○寺前委員 なかなか数字を言ってもらうのに時間がかかったということは、あなたの認識が、やはり薬の位置において私は少ないのじゃないかと思うのです。いや、私は皮肉を言っているわけじゃないのです。昭和三十五年のお話が出なかったけれども、昭和三十五年の薬剤費というのは大体二一%ぐらいなんです、総医療費の中に占めている薬剤費の位置というものが。それが十年たった昭和四十五年になると、四三%ぐらいになるのです。倍になるのです。これはいやしくも保険財政を云々するならば常識なんです。たいへんな位置を総医療費の中で薬剤費が占めている。半分近くが薬剤費になってきている。だから、ここにメスを入れぬでおいて、保険財政を云々しておってもだめじゃないか。私は前国会でも、この問題について強調したのですよ。そういう一番大どころですよ、これ。赤字になぜなっていくかということを考えるときに、一番最初にメスを入れなければならないその薬剤費について、さっと出てこないということ自身、私はたいへんなことだというふうに正直に言って思うのですよ。
 私は、この薬剤費を見てつくづく最近思ったことがあるのです。新聞にだいぶ載りました。何が載ったかというと、イギリスで四月十二日、「英独占禁止委員会の報告に基づいて、同国内の精神安定剤製造販売を一手に引き受けていたロシュ・プロダクツ社に対し、六割から七割五分の大幅な価格引下げと、これまでの不当利益分の返還を要求した。」という記事が、四月十三日に日本の各紙に一斉に載りました。「ロシュ・プロダクツ社は「ロシュ」の名前で世界的に知られるスイスの製薬会社、F・ホフマン=ラ・ロシュの英国における会社。英政府でも不当価格追及の運動が盛上がることを期待しており、ロシュ製品がはいっている日本にも波紋を及ぼすものとみられる。」
 これは事実だと思うのです。総医療費の中の半分近くが薬剤費になっておって、その薬剤費の中におけるところの薬の値段の問題について、イギリスでべらぼうなもうけをやっているという問題が起こる。その薬は日本にないのか。日本にもある。こうなったら日本の政府は、一体この大きな部分を占める薬の問題に対してどのようにメスを入れるか、だれもが関心を持つところだと私は言わなければならないと思うのです。
 新聞の情報によると「英独占禁止委員会の報告によると、ロシュ・プロダクツ社は、精神安定剤として「リビリウム」「バリウム」の二種類の錠剤、カプセル剤を一九六一年から製造しはじめ、英国における精神安定剤市場の九九%までを独占するに至った。しかしこの独占のため値段も一方的に決め、七〇年の計算によると、ロシュ本社はイタリアの製薬会社には「リビリウム」の成分を一キログラム当りわずか九ポンド一約六千三百円一で売ったのに、英国の子会社には三百七十ポンドの値で売り、「バリウム」もイタリアでは一キログラム二十ポンドに対して英国では九百二十二ポンドと、イタリアにくらべなんと四十倍から四十五倍の法外な値で英国からさく取していたという。英保健省は、社会保障政策で薬品購入に税金を使っている立場だけに、国によって大きくちがう値の開きを重視、ただちに同社に対して今月二十三日から「リビリウム」については七〇年当時の値段の四〇%、「バリウム」については同二五%の値段にまで引下げるよう通告、さらにスイスのロシュ本社には英国の法的権限が及ばないため「交渉」のかたちで、不当収益の返還要求を申入れた。」
 四十倍から四十五倍の法外な値段で、七〇年当時の四〇%、二五%の値下げをせいということを、はっきりと会社に対していったという記事が流れました。私は、ここにその原文も持っています。イギリスのザ・タイムズに載っている。その記事について、私は、日本の新聞報道だけではなくして、その本文についても見ました。私はこれを通じて、ほんとうにどういうことになっているのだろうか。薬務局長、このような事実がイギリスで起こっているという事実について知っていますか。
#215
○松下政府委員 いま御指摘の問題につきまして、私どもも新聞で最初に情報を得まして、公式には、現在外務省を通じまして事実関係を照会いたしておりますか、内外の新聞等で報道されました内容については、概略承知いたしております。
#216
○寺前委員 それでは、この薬が日本に相当するものは一体何か、説明をしてください。
#217
○松下政府委員 日本で発売されております、いま御指摘のリビリウム及びバリウムは、一般名で申しますと、リビリウムがクロルジアゼポキサイド、バリウムがジアゼパムと称しておりまして、ロシュから入れておるものを含めまして、日本でつくっておりますクロルジアゼポキサイド製造メーカーが四社、ジアゼパムの製造メーカーが十六社、そういう数で、それぞれの商品名をもって発売いたしております。
#218
○寺前委員 そういう薬が日本にもあるということについて御確認になった。それでは、英国でああいう事態が起こっているんだけれども、日本では、少なくともあの製品については、どういう措置をとられましたか。
#219
○松下政府委員 先生御案内のことと存じますが、私どもの承知しております限りでは、イギリスの社会保険制度は、国の直営でございます。したがって、イギリスのナショナル・ヘルス・サービス、保健省が直接医薬品を購入するというシステムをとっておりまして、その購入につきましては、国が直接折衝して価格を決定するというシステムでございます。
 日本におきましては、御案内のように、薬価調査を実施いたしまして、一般の薬業界におきます実勢価格を基準といたしまして薬価基準を定め、それによりまして医療機関から社会保険に対して請求するというシステムをとっておりまして、イギリスとは薬価の決定、その要素が違うわけでございます。したがいまして、社会で通用いたしております薬価を基準にいたしまして、薬価基準を決定するというたてまえをとっております関係上、イギリスにおいて行なわれております方法をそのまま踏襲することは困難であろうと存じます。
 ただ、いままで得ました情報では、ロシュとイギリスの政府との間の話し合いというものも現在続けられておるということでございますので、外務省を通じて照会いたしております。公式の詳細な資料を得ました上で、さらに検討いたしたい、そのように考えております。
#220
○寺前委員 それではお聞きしますが、イギリスではイタリアと比較して、べらぼうに値段が高いではないかということを、まず明らかにしてください。その上に立って、日本とイギリスは違うから、イギリスの場合は自分のところの国のあれだというので、直接命令を出したということ。それで、違うということまではわかりました。
 それでは、イタリアと、イギリスと、日本の、それぞれの値段の状況は、一体どういうことになっていますか。
#221
○松下政府委員 クロルジアゼポキサイド錠五ミリ一錠の価格について申し上げますと、日本の薬価基準の価格が五円七十銭、それからイギリスにおきます価格が七円十銭、それからイタリアの価格が八円三十銭、そういう価格でございます。
#222
○寺前委員 いまの話は、クロルジアゼポキサイドだけですね。ジアゼパムのほうはどうです。
#223
○松下政府委員 失礼いたしました。ジアゼパムにつきましては、二ミリグラム一錠の価格について申し上げますと、日本の薬価基準が十二円三十銭、それからイギリスの価格が四円八十銭、それからイタリアではそれに該当するものは、規格はございませんので、もう一つ、それでは五ミリグラム一錠について申し上げますと……。
#224
○寺前委員 それでいいわ。
 これは原文に載っているのですよ。ザ・タイムズに、イタリアとイギリスの比較したやつがちゃんと書いてあるのです。私もそれを、ここに載っているのを、ポンドで書いてあるものだから円に換算するということで、両方やってみたのです。
 そうすると、この精神安定剤としてのジアゼパム、たとえば日本では武田のセルシンとか、あるいは住友のセレンジン、こういうものは一体どうなっているのかということで見てみると、日本の場合には、薬価基準が、一%ジアゼパム散で五十円ですかですから一グラムで見ると五十円に百倍をし、さらにこれをキログラム当たりに直すと千倍をする。これが大体原末のキログラム当たりは、日本では五百万ということになる。ところがイギリスでは、それに該当するのは何ぼになるかというと、五十九万四千六百九十円になる。イタリアでは一万二千九百円になる、ポンドで出ているのを直すと。
 そうすると、比較数字を見ると、イタリア一に対してイギリスは四十六・一なんです。日本は三百八十七・五九という関係になる。これは原末の話ですよ。原末のキログラム当たりでずっと出して見ると、イギリスと日本を比べたら、これは非常に違いがある。先ほどおたくの言われた二ミリグラムの錠剤の比較を見ても――いまこれは原末ですが、錠剤にしたところで、これは乳糖が入っても、乳糖というのは値段にすれば、たいしたことはないのですからね。
 問題は、イタリアの一に対して三百八十七・五九倍というのが日本の薬価基準にあらわれてくるところの――薬価基準という形で見るんだから。市場の実勢価格との関係で薬価基準がきまるわけ
 でしょう。ですから日本の市場価格というのは、イタリアの市場価格と比べて三百八十七・五九倍。それは数値の計算いろいろあるから若干数字は変わったとしても、すなわち三百倍からの値段になってくる。イギリスの場合は、イタリアと比べて四十六・一倍。これは新聞に数字でちゃんと比較しておるのです。四十六・一倍のところでも大騒ぎ。まして三百八十七・五九倍になったら、もっともっと大騒ぎしなければならない性格のものだろう、見たときに私はそう思ったのです。
 これはもう一つのりビリウムのほうの関係の薬の問題についても言えることなんです。ザ・タイムズによると、これは原末のキログラム当たりで見ると、イタリアの一に対してイギリスは四十一倍になるのです。日本円でいうと、イタリアが五千八百五円に対してイギリスは二十三万八千六百五十円という関係になる。これを日本の場合薬価基準で計算してみると、ざっと百四万円ぐらいになる。これはたいへんな違いが生まれておる。一対四十一対百七十九という関係になる。ずいぶん違いが起こってくる。五ミリグラム錠剤になると、また若干数字が変わってきますけれども、原末の計算で私は言っていますから。
 そこで、数字の計算上の少々のあれは若干あるにしても、イタリアとイギリスの間にずいぶん大きな違いが起こるし、日本の場合にはもっと起こっている。こういうふうに思ってくると、イギリスであの程度で大騒ぎになるんだったら、これは日本ではもっともっと大騒ぎになって、あたりまえじゃないか。いま薬務局長に聞いているけれども、これは財政に直接関係するんだよ。
 そこで今度は、財政のほうを考えている保険局長のほうにいろいろ聞くわけだけれども、こんな事態が起こっているということをあなたは知っていますか。
#225
○北川(力)政府委員 ただいまお話がございましたイギリスの薬の場合の価格の問題これは私も新聞記事を読みまして承知をいたしております。
#226
○寺前委員 それじゃ、あなたはこれを見て、イギリスとイタリアの関係でイギリスで大騒ぎになっている。イギリスと日本の関係においては、あるいはイタリアと日本の関係においては、薬価にたいへんな違いが起こっておるということは知っていましたか。
#227
○北川(力)政府委員 まあその理由というものも、いろいろあるかもしれませんけれども、いまおっしゃいました限りにおいては、そういう相違があるということは、新聞にも当時例が書いてございましたから、私も承知をいたしております。
#228
○寺前委員 そうしたら、あなたは薬剤費の中でこの種の問題について――これはロシュの問題たけですけれども、そうではなくして、あなたのところで昭和四十二年の九月に出された通達で新医薬品の許可をやりますね。昭和四十二年九月十三日に「医薬品の製造承認等に関する基本方針について」ということで、新薬の場合にどうするというやつがありますね。それでは、これは四十二年に出されたんだから、四十二年から今日までに出てきている新薬について――私がいまここで持っているやつで言うと、四十三年一月から今日までのを見ると、百六十一種になると思うのですが、この価格について、イタリアではこうだ、イギリスではこうだ、日本ではこうなっている――ほんとに薬剤費の占めている位置が高ければ、これは全部研究されたと思うんですけれども、研究されましたか。
#229
○松下政府委員 いま御質問の医薬品の国際価格の問題でございますが、医薬品の価格の決定は、イギリスにおきましては先ほど申し上げましたようなナショナル・ヘルス・サービスで使用いたします際の決定方式は多少特殊な事情があろうと存じますけれども、一般的には医薬品企業のそれぞれの立場におきまして為替関係あるいは輸出入の関係、いろいろな事情から医薬品の国際価格は、それぞれ高下がございます。
 それで、いま御指摘の全部につきましての対照の資料は現在手元に持ち合わせてはおりませんけれども、幾つかの医薬品の国際価格を対照いたしてみますと、御指摘のように日本のほうが外国よりも高いものもございますし、また外国のほうが日本よりも高いというものもございます。先ほど御指摘になりましたようにクロルジアゼポキサイドとジアゼパムについて比較してみましても、先ほど御説明いたしましたように、たとえばクロルジアゼポキサイドにつきまして、それぞれの国の薬価表につきまして調べてみましても、五ミリグラム一錠が、現行換算レートで日本は五円七十銭、それからイギリスが五円九十銭、御指摘のありましたイタリアにおきましても、イタリアの薬価表によりますと七円四十銭というように、かえってイタリアのほうが高いという資料もあるわけでございまして、外紙で報道されておりますものにつきましては、私どもが得ました資料によりますと、ロシュではなくて、イタリア国内のメーカーでつくっております同種の製品ということのように承知をいたしております。
 そのような事情がございますので、国際価格につきましてはそれぞれの品目あるいは製造会社の所在等によりまして高下がございまして、一がいには比較することが困難であろうと存じますが、全体的に見まして、必ずしも日本の医薬品の価格が諸外国に比べて著しく高いということはないというふうに考えております。
#230
○寺前委員 あなた、一がいにとこう言うけれども、さっきのロシュの具体的な価格のように、日本の市場で売っているのとイタリアのとあれだけ差があって一がいにはというようなことは通用しませんよ。これはもう明確にべらぼうな利益じゃないですか。べらぼうな値段でしょうが、すなおに言ってですよ。べらぼうな値段の違いを適当なところだけ比較したってだめなんで、べらぼうな値段になっているということを一回、全面的に分析してみる必要があるのと違いますか。
 保険局長、あんた、これ、薬務局長の仕事やと思ったらいかぬ、これは財政問題で私は言っているのだから。総医療費の中の四十何%、半分近くがこの財政になって、ふえていっているのだ、ここ十年ほどで倍になっているのだから、そこを真剣に調べなければいかぬじゃないか。少なくとも新薬について、初めは二年だったけれども、いまは三年間値段を固定して、ほかが使えないわけでしょう、あなたたちの通達で。われわれにもその間におけるところの検査をちゃんと報告しなさいというようなこともこの中に書いてある。初めは二年間となっていた。そうでしょう。その後三年に変わっていますね。
 少なくとも新薬の問題については、一体それが国際的に見てどういうことになっておるかということについては、全面的に分析して、日本の薬は市場カルテルの関係において薬価がきめられているけれども、これじゃべらぼうに値段ばかり上げられてたまらぬじゃないか。何とかしなきゃいかぬじゃないか。私は、保険局長は調べてあたりまえやと思う。
 公取の人おりますか。――公取の人はこの話知ってますか。知っておられたら、一体これをどういうふうに見られますか。
#231
○吉田(文)政府委員 これは新聞でも拝見いたしましたし、大体のことは存じております。独禁法との関係でございますが、現在の独禁法では、企業者の企業活動に何らかの拘束を加えるというような競争制限的な行為を規制する、それによって公正かつ自由な競争を推進するのが目的でございます。したがいまして、競争制限的な行為によらない、ただコストあるいはほかの国の価格に比べて非常に高いという価格そのものを独禁法で規制をする根拠はございません。そういう規定はございません。イギリスの場合におきましては、これは政府が直接介入をいたしまして、価格の引き下げ命令を出しているわけでございます。これはイギリスの一九六五年の独占及び合併法という法律がございまして、これの三条四項C号に、一定の場合は価格の規制命令、引き下げ命令が出せるという根拠がございまして、これによってやっているのであるというふうに理解しております。日本の独禁法におきましては、たとえば価格カルテル等の競争制限的行為があって、それによって価格がつり上げられたという場合に、直接価格を下げろという命令は、従来出しておりません。ただ、違法な協定を破棄しろ、その結果自由な競争が回復されて、下がるべき価格は下がるであろう、そういう期待を持っているわけでございます。価格に対して直接規制をかけた例はございません。ただ、現在管理価格の問題、いわゆる寡占価格の問題について、実態を調べ、その対策を検討中でございますので、例のロシュの例も非常に参考になりますので、あわせて検討してまいりたいというふうに考えております。
#232
○寺前委員 半分近くがそういうふうに薬剤費が占めているから、私は、少なくとも新薬について調べて、これでは何とかしなきゃいかぬということの態度で保険財政の法案を出すんやったら、これは基本的に考えていかなければいかぬと思うのだけれども、大臣どういうふうに思います。
#233
○齋藤国務大臣 先ほど来、薬務局長なり保険局長から御答弁申し上げましたように、国際価格においていろいろ差があるということ、私も新聞で承知しておりますし、イギリスは政府が直接買い上げるという制度でございますから、引き下げ命令を出しているというふうなことも聞いております。さらにまた、それが話がついてないということも承知をしておるわけでございますが、私は、国際価格で申しますれば、高いものもあり、安いものもあり、それは国によってさまざまあると思います。国によっていろいろな事情があると思います。
 しかし、日本ではどうしているのかというと、日本は自由競争によって形成される市場、その中における実勢価格、こういうことによって薬価基準というものをきめる、こういうたてまえでございますので、私のほうで国際価格がこうであるから、おまえのほうもこうせいというふうな命令を出す、こういうわけにはまいらぬ。あくまでも日本の保険においては自由競争によって形成される実勢価格、それは、私どもは毎年薬価調査によって薬価基準の改定をやっておるわけでございますので、自由競争によって形成される実勢価格によってきめていく、これが一番適当ではないか、こういうふうに私は考えております。
#234
○寺前委員 大臣、私は、財政を云々するのだったら、それは少し無責任だと思うのです。たとえば日本銀行の主要企業経営分析を、四十六年の下期について見ると、売り上げ高に対するところの総利益率、これを比較してみたら、医薬十二社の場合の総利益率は四九・三%、製造業一般を見ると一八・八%、化学工業というのは非常に高いもうけをしている、利益率が高いといわれているその化学工業を見ても二七・七%。そうすると、この医薬十二社の総利益率というのは非常に高いじゃないですか。化学工業が二七・七%で、医薬十二社が四九・三%というこの事実を見たら、これはたいへんな利益をあげているなとだれだって思うでしょう。
 総医療費の中に占めているところの薬剤費の位置が半分近くにも、この十年ほどの間に倍に上がっている。しかも一般産業の関係においていうならば、製造業一般と比べると、これは二・六、七倍ぐらいになりますか、ずいぶん高い利益率を医薬十二社というのはあげているのです。どうしたって、そこにメスを入れるということを考えざるを得ないのと違いますか。
 それを考えずに、今度は保険に加入している人たちに、あなたたちお金を出しなさい、政府のほうも税金から出させていただきましょう。それは税金によって国家の財政を動かす側から見ても無責任だ、政治をやられるところの被保険者に対しても無責任だ。イギリスの場合は国家が直接この保険をやるから、これは税金の使い方で、ちょっと問題だといって、政府みずからが製薬会社に対して下げろという命令に打ってでるという決意をした。イギリスはそういう決意をする。日本の政府がほんとうに日本の保険財政について責任を持つのならば、自由経済でございまして、もうけているのはしかたがございませんという態度で、大臣がこの問題に出ているとするならば、私は事は重大だと思いますよ。こんな無責任な提案のしかたはないと思いますよ。
 大臣、私は全面的には言いません。時間もかかるでしょう。おたくら、あまり調査もされていないようだから。少なくともあの新薬、これは一々ちゃんと審査したと言うのだから、この審査したものの値段について、一体イギリスでは、イタリーでは、日本ではどうだろうか。差があるところは、何でこんなに差がついたのだろうかということをメスを入れてみて、あなたのところの会社のこの薬については、国際的に見ても、ちょっともうけ過ぎるように思うけれども、どうじゃろかいなということを各会社に対して申し入れたって、私はいいだろうと思うのです。
 さらに言うならば、政府みずからが、ほんとうにこういうべらぼうな利益になっている、これに対してメスを入れるところの法律をつくるべきだと思う。その方向に向かって準備をしてこそ、初めてほんとうに保険財政を云々する資格があると私は思うのです。医療費の中で半分ほどに近く占めるところの薬剤費にメスを入れないという態度は、自由経済でございましてということでは、あまりにも無責任過ぎるんじゃないか。どうでしょう大臣。私は真剣に大臣にこの問題を提起したいのです。
 新薬について総点検をする。国際的に見て、あまりにも差があると見たものにはメスを入れてみて、いまの法律でできないというのだったら、いまの法律のワク内でできることだったら、少なくとも、あなたのところの会社は何倍の価格で売っていることになっているぞということを公表してみなさい。私は影響を与えることができると思いますよ。ほんとうに保険を云々されるのだったら、はっきりそういうようにすべきだ。さらに準備をして、この独占薬価にメスを入れていくという法的準備をすべきだと思う。どうでしょう大臣。
#235
○北川(力)政府委員 ただいま保険財政の面から、薬価、薬の問題が財政に占める割合が非常に大きい、また過去十年間以上にわたって、だんだんとその率がふえてきているという現状から見て、十分に留意すべきではないか、こういう御趣旨でございます。私どもはこの問題につきましては、御指摘もございましたが、すでに二八%あるいは三〇%、こういうふうに薬剤が占める割合がふえてまいりますにつけて、実勢価格と薬価基準の価格が乖離をしているという問題は、きわめて重大な問題だという意識は昔から十分持っております。
 そういう意味合いで過去のことを申し上げますと、最近では、その前にもやっておりますけれども、四十二年には一〇・二%の薬価基準の引き下げ、四十四年には五・六%、四十五年には三%、昨年四十七年には三・九%というふうにできるだけ減らして、使用いたします薬の価格、すなわち薬価基準が実勢価格に近づくように、保険財政を運営いたします者といたしましては、できるだけの努力をいたしているつもりでございます。
 なお、薬価の問題は、そういうことをやっておりますけれども、依然としてきわめて重要な問題であるということで、これは先生も御承知かと存じますけれども、私どものほうの診療報酬を扱っております中医協におきましても、昨年の二月改定の際に薬価調査について建議がございます。その建議におきましては、薬価基準がやはり依然として実勢価格と相当乖離がある、こういうことが診療報酬体系の適正化を阻害している。そこで薬価調査というものは毎年一回必ず調査を実施する。
 また、ただいまのお話に関連いたしましすが、その後の取引きの実態の経時的な変動というふうなものを調査するなどして、できるだけ実勢価格に近づくように常時把握をするように、こういう建議をちょうだいいたしておるような次第でございまして、いろいろ御議論はございましたが、私ども保険財政、保険をあずかる者といたしましては、診療報酬の中における薬価問題というのは非常に重要なシビアな認識をもって事の処理に当たっているつもりでございますので、なお今後とも十分そういう気持ちで事の処理に当たりたい、こういうように考えております。
#236
○松下政府委員 ただいま御指摘の薬価の問題でございます。保険におきます薬価基準の趨勢につきましては、ただいま保険局長から御答弁申し上げたとおりでございますが、なお四十二年以降の新規収載をされました、いわゆる新薬について、国際価格を比較して処置を講ずるべきではないかという御意見でございますけれども、まず独占価格という御指摘もございました。わが国の医薬品企業につきましては、他産業に比べましても、大企業のいわゆる企業集中度は低いわけでございまして、しかも最近は他産業からの新規参入も多いというようなことで、独占価格といわれるような価格形成は、医薬品につきましては現在ないというふうに一応考えております。
 したがって、日本の国内市場におきまして、自由な競争によって形成される実勢価格、それをできるだけ正確に把握いたしまして、そういう実勢価格に基づいて薬価基準を定めるということが私ども担当者としての仕事であるというふうに理解いたしまして、ただいま保険局長からも申し上げましたように、薬価調査につきましてはいろいろな手段を講じ、さらに中医協の御指摘等もございまして、四十八年度からは経時的な変化を追跡いたします調査もあわせて行なうというような手段も講じまして、正しい実勢価格を把握いたしたいと思います。
 なお、国際比較につきましては、先ほど申し上げましたように、その国におきます医薬品の実情、それぞれの疾病構造等によりまして使用量等も違うわけでございまして、二、三の例を申し上げますと、たとえばクロラムフェニコール、抗生物質でございますが、二百五十ミリグラムのカプセルが、日本では四十三円、アメリカでは百十九円、西ドイツでは七十二円三十銭、イギリスでは二十八円九十銭。それからデキサメサゾン、副じん皮質ホルモンでございますが、〇・五ミリグラム錠が、日本では八円、米国では四十六円十銭、西ドイツでは五十五円九十銭、安いといわれております英国でも二十円八十銭というふうに、国際価格は非常にバラエティーが多いわけでございます。
 アメリカの価格はいま申し上げましたように非常に高い価格、そのかわりアメリカの医薬品の開発能力は非常にすぐれておるというようなこともいわれておりまして、どういう基準をもって国際価格を比較するかということは、いまの情勢では、なかなかむずかしい問題があろうかと存じますけれども、御指摘のような点は、正しい薬価調査をいたします際にそういったことを参考といたしまして、より正確な薬価を把握するというような意味で、今後とも御指摘のような点も参考にさせていただきたい、さように考えております。
#237
○寺前委員 保険局長、あなたは実勢価格に薬価基準を近づけたい。いまぼくがさっきから問題を提出しているのは、実勢価格自身が問題だと言っているのだよ。そういうことです。わかりますね、薬務局長は。そうでしょう。国際的に見ても、日本の実勢価格というのに問題があるぞということを言っているのでしょう。わかりますか、言っている話が。
 要するにもっとわかりやすく言えば、蔵出し価格がべらぼうに高いじゃないですか。これを基準にして薬価基準をいったってだめじゃないですか。市場に持ち出している価格、それを基準にして薬価基準をきめられるのでしょう。だからそういう意味においては、市場の実勢価格自身にもうすでに問題を含んでいる。だから、そこを研究する必要があるじゃありませんか。ほんとうのところの蔵出しのときの値段と、それとの間の差というものをもっと研究しなかったらだめだ。その一例として、具体的に、外国ではこうなのに日本ではこうなっているじゃないか。イギリスで問題になったように、少くともその薬についてはきわめて国際的に問題になって、ECの諸関係の中にもこれは波紋を及ぼしている。
 だから、もっと端的に言ったら、ロシュの薬について明らかに国際的に話題になったときに、日本では参考にしますということでなくして、ほかの薬のことをああやこうや言う前に、まずロシュの薬については、べらぼうに日本でももうけています、そのために保険財政がこういうようになります、あなたのところは、これではちょっと高過ぎるんじゃありませんかということを、日本の政府自身がはっきり言ってもいいんじゃないでしょうか。保険財政を云々するならば、具体的に出た問題に対して、具体的な態度をとって、その使命を果たすべきだ。ロシュという形で具体的に出たことに対して、やはり具体的に出ていく。
 そして、私はこれは大臣に聞きたい、もう話はわかったから。
 具体的にロシュという問題において、イギリスではああいう態度をとった。日本では仕組みは違う。しかし違う仕組みのもとにおいても、やり方はあるじゃないか、それを考えないのか、これが一つです。
 それから第二番目の問題は、百六十何点ですか、新薬が出された。この新薬について、イギリスとかイタリアという形で国際的な問題になったから、少なくとも日本、イギリス、イタリア、一覧表をつくって比較することができる。そしてメスを入れてみる必要があるんじゃないか。
 私は、その資料を出していただきたい。資料を出してもらって、こういうふうに研究しておりまして、この薬については、べらぼうなことにはなっていませんと、はっきり示してもらわなかったら、財政を検討する上においても、財政の検討はできない。なぜかといったら、総医療費の中の四十何%、半分近くを占めるんだから、この問題について責任をもって国会は審議をしなければならぬと思う。だから、少なくとも百六十何種の新薬一つずつについて明確にわかるように、決して日本の薬はべらぼうなことになっていませんという資料を提出してもらいたい。そして、それは同時に厚生省自身も検討するということを明確にしてもらいたい。これが第二番目の問題です。いいですか。
 三番目に、こういうふうにここ十年の間に医療費の中に占めるところの薬剤費が倍からも上がってきた以上は、法的にもこの薬に対して規制をする準備をする必要があると思う。それについての大臣の見解、この三点について聞きたいと思います。
#238
○齋藤国務大臣 先ほど来お答えいたしておりますように、日本の保険制度とイギリスの保険制度というものは根本的に違います。
 そこで、先ほども申し上げましたように、日本の薬価基準というものは、自由競争によって形成される実勢価格に近づけるようにしなければならぬ、そういうことで努力をしております。
 ただ、先ほども保険局長が言いましたが、総医療費の中で薬が占めておる割合が相当高くなっておる。これは私は現実的に監視していかなければならぬ問題だと思っています。そういう観点からできるだけ実勢価格に近づける。
    〔委員長退席、橋本(龍)委員長代理着席〕
 その点は先生とは意見が違うかもしれぬ。やはり自由競争ということが日本の自由経済でございますから、それを破ってまで厚生省が命令をする、これは制度が違うのですから、私はできないと思うのです。しかし、私は何とかして実勢価格に近づけるように、一年一回の調査もいたしましょう、さらにまた追跡調査もいたしましょうということで、努力をいたしておるわけでございます。
 私どもは、そういう努力を続けることによって診療報酬の適正化というものを行なっていくべきものである、かように考えております。
 それから第二の資料につきましては、調査いたしまして、でき次第提出させるようにいたしたいと思います。
 第三番目の問題は、こういう点について何らか法的措置を講じたらいいではないか、これは私はいまの段階では法的規制を加えるということは適当ではない、こういうふうに考えております。
#239
○寺前委員 それじゃ他の角度からもう一度。私は日本貿易統計月報を見て、たとえばビタミンB12及びその誘導体の昭和四十七年の総輸入量とその価格について調べてみたのです。六十一万九千二百四十五グラム、価格で五億九千六十二万円、こういうふうに出ているのです。単純な計算になりますけれども、単純な計算をこれについてやってみると、このビタミンB12及びその誘導体はグラム当たり九百五十三・七七四四円、九百五十三円七十七銭という輸入価格になってくるわけです。
 これが日本の薬になってくると、シアノコバラミンとか、ヒドロキソコバラミンとかコバマミドという形になって出てくるわけです。これらの薬が三共とか武田とか中外とか山之内とかいうところで、それぞれの名前でもってまたできてくる。これを原末で薬価基準を換算して調べてみると――いま私の言ったのは四種類の平均値ですから。四種類の平均値のグラム当たりの計算をしたら、九百五十三円七十七銭ということになってくるのですが、このシアノコバラミンを見ると八万二千八百円ぐらいになるのですね。それからヒドロキソコバラミンになると九万円余りになってくるのです。コバマミドになってくると十八万円からになってくる。べらぼうな値段の違いが輸入価格との間には出てくるわけですよ。
 これはもうおそるべき数字の違いが起こってくるわけです。これは輸入してくるときの価格の平均値です、四種類ありますから。それが原末で入ってきますから、私は単純に、入ってきた総量をお金――年によっても値段がいろいろ違いますから、単純に一年間のあれをお金でもって割って計算してみた。そしてグラム当たりを出してみたら、輸入価格が九百五十三円七十七銭ということになる。それを今度は日本の薬価基準に照らして、それぞれのグラム当たりの原末で計算をしてみると、八万何ぼとか九万何ぼとか十八万何ぼという数字になって、輸入価格と出てきたしろものとの間には、べらぼうな値段の違いがある。これを見ると、輸入価格と日本におけるところの薬価基準、薬の値段はもうべらぼうな違いなんです。
 大臣、外国から買うのですよ。原末を買って、お金を払うわけです。これを錠剤にするといったって、乳糖だって知れたものですね。それぞれの会社がそれをいろいろまぜるのです。私はこれを計算しながら、つくづく思うのですよ。これは大蔵省がちゃんと医薬品の輸入実績という表を持っていますから、その輸入実績表に基づいて、私は平均グラム当たりの輸入価格と薬価基準によるところのグラム当たりとを私は比較してみて、輸入価格に比べて薬品の値段というのがべらぼうに高いということを調べてみて、その角度からも薬の値段を下げるという措置を考えなければいかぬと思うのです。
 私は、ここでひとつお願いしたいと思う。やはりこれについて財政を検討する立場から、医薬品の輸入実績表というのを大蔵省が出しますから、大蔵省でわかりますから、ちゃんと薬の名前全部出ていますから、それについてのグラム当たりの平均の年間の価格、それと、薬価基準に基づいて計算した――乳糖が加わるけれども、そんなものは考慮しなくてもいいです。単純に出してもらって、比較をしてみて、そしてべらぼうな利益じゃないかという薬については、私は調べてもらいたい。同時に、医薬品についての、やはり一体どうなっているかということを国会は審査をしなければいかぬと思うから、その資料についてあわせて提出をしてもらいたい。これが一つ。さき言った資料と同時に、いま言った資料。
 私は再度大臣にまた言います。ロシュという具体的な問題がイギリスで問題になっているのに、日本では違った形でやはり問題にすべきではないか。また、輸入価格の面からむメスを入れてもらって、やはり薬を下げるための具体的な――いまの命令権はないでしょう。命令権がなければ、違った形で値段を下げさせる措置を研究する必要があるんじゃないか。私は、いま言ったところの医薬品の輸入状況についてと、さき言った百六十一種のその状況を、資料を発表するだけでも、社会的にべらぼうなことじゃないかということがわかるだろうと思う。そういうふうにして私は、薬価を下げるために政府が、命令権がなければ違う形でも、その薬価を下げるための努力をすべきだと思う。その点について、大臣に私はもう一度お答えをいただきたいというふうに思います。
#240
○松下政府委員 ただいま御指摘の、ビタミンを例にあげての原末の価格と最終製品の薬価基準との比較につきましては、おそらく御指摘のとおりであろうと存じますが、ただ、医薬品の価格の決定につきまして、その原材料費がどの程度のウエートを占めるべきかという点は、これはいろいろな考え方があるであろうと思います。先生御指摘のような資料は、これはつくることはやぶさかではございませんけれども、原末、原材料費と製品価格をなまで比較いたしまして、はたしてそれで医薬品の価格の適正さというものが議論できるかどうかという点につきましては、相当これは問題があろうかと存じます。
 医薬品産業と申しますと、いわゆる生命関連産業であり、知識集約的なものでございますので、それまでの開発に要する費用、あるいは非常に厳密に有効性及び安全性を保証するための製造工程において要します費用、あるいはさらに流通過程においても、その品質を安定させるために特殊な経費を要する、また販売段階においてもそういう要素がある。いろいろな要素が複合いたしまして価格が決定されておるものでもございますので、原末との対比だけにおいて価格を議論するということは、必ずしも医薬品の適正なる価格を得る方法としては、それだけによるということは、かなりむずかしいのではないか、さように考えております。
#241
○寺前委員 それは、だから、私は単純に比較することは無理だと、こう言っているのですね。だけれども、単純に出してみるということが、非常に重要な位置を占めるというのですよ。それは、原末に乳糖を加えるぐらいは知れているでしょう。それはおたくにも御存じのとおり、そんなものは。
 問題は、そうじゃなくして、開発費という問題になってくるわけでしょう。ところが、日本の開発費というのは国際的に見て別に高くないんですよ。そうでしょう。まして輸入のこういう話ですよ。ですから私は、千円にも満たないところのものを入れて、八万とか九万とか十何万とか、これは平均値ですから、単純に比較するのはよくないでしょう。誤解を生んだらいかぬとおっしゃる点は、御心配の点はあるでしょう。それは否定しません。だけれども、あんまりにもこれではひど過ぎるじゃないかということは、だれだって思う話でしょう。日本におけるところの一般製造との関係から見ても、製薬会社におけるところの純利益率というのが非常に高いという点から見ても、ここにメスを入れなければいかぬということはみんながやはり考えてきているのです。しかも総医療費の中におけるところの占める位置が相当高くなってきている。こうなってくると、いやでも応でもこの分野にメスを入れなければならぬことは私はあたりまえだと思う。
 私は薬価基準について、あなたたちがメスを入れなかったとは言わぬですよ。だけれども、輸入価格が、薬になってきたときにはべらぼうなものになってきておったり、あるいは国際的にロシュが問題になったものを何にも措置せぬままに薬剤費の位置がどんどん上がってきておって赤字になって、それだけが赤字の原因とは言いませんが、赤字が大きくなってきているときに、保険財政を云々するときに、それについて全然手も打たないんだということでは、私は国民が納得せぬだろう。
 だから私は、次回の健保の審議をするときまでにさき要求した資料を提出してもらいたい。私は納得しませんよ、この問題については。留保しておきます。はっきりしなかったら、無責任だと私が言われますよ。保険財政について審議しておきながら、四〇何%を占めているこの薬剤費について何にもメスを入れることができなかったとなったら、私が責任をとらなければならぬことになるから、次回の健保の審議までに私は資料を提出していただきたい。あなたたちも当然、先ほどから大みえを切っておられるのだから、研究しておられるのだから、資料はすぐ出せるだろうと思います。出していただきたい。これが一つ。
 大臣、法律までの現段階においても、薬を下げさせるための措置を具体的に私はとっていただきたい。もう一度言います。ロシュの問題、きわめて具体的にイギリスで問題になった問題について、日本では違う形であろうと、これはイギリスよりも日本のほうがひどい以上は、それ以上の何らかの措置はとられるべきだと思いますが、この点についての大臣の見解を聞きたいと思う。
#242
○齋藤国務大臣 先ほど来申し上げておるわけでございますが、日本の総医療費の中で薬が占めておる割合が非常に高い、こういうことについては私も重大な関心を払っておるわけでございます。したがって、薬価基準の改定ということについては、実勢価格に合うように毎年できるだけの努力をしておる、これはもう十分御理解いただけると思うのです。ただ、日本とイギリスとはたてまえも違いますから、私のほうでその価格を下げろとかいう規制的な措置は講ずることは私はできない、これははっきり申し上げておきたいと思います。
 それから、いまお述べになりましたようなロシュの問題等についても、新聞に出ましたので、その行き先がどうなるか、私も十分関心を持っております。それと同時に、いまお述べになりましたような原末の輸入価格と、それから医薬品になったあとの価格との差がはなはだ激しく違うじゃないかという問題、これは医薬品製造上の特殊的なものでありますから、いろいろな事情があると思います。しかし御要求でありますから、必要な調査をいたしまして、できましたら提出するようにいたします。
#243
○寺前委員 必要な調査というのは、ロシュの問題について会社を呼んで調査をするとか、そういう意味ですか。
#244
○齋藤国務大臣 ロシュの問題については、先ほどもちょっと局長からお話があったかと思いますが、外交ルートにおいてその経過をいま調べておるのです。その話ではございません。輸入価格と医薬品の製造価格、それとの差において非常な違いがあるという問題ですね、第三番目でしたか、第二番目でしたか。その問題については薬務局のほうで調査をいたしまして必要な資料を提出いたします、こう申し上げておるわけです。
#245
○寺前委員 私の要求しておるのは、もう一度ロシュの問題に関して言うと、それの関連する日本の薬が先ほど十六社とかなんとか、いろいろおっしゃいましたね。国際的なやつは、いま調べているというようにおっしゃいました。日本でその薬がどうなっているのかということについて、国際的に問題になった以上は、日本で同種の薬をつくっているんだから、それについて調べられるのは、私はあたりまえだろうと思うのです。日本の問題について、外国のは調べぬでよろしい、国際的に問題になっているものを、日本でどうなっているのかということについて調べられないという手はなかろう。そしてやはり何らかの形で、命令ができなければ、違う形においても押えるということについて研究をする、私はそのぐらいのことは大臣、決意してもらってあたりまえだろうと思う。これについて再度お聞きしたい。
 それから、私は先ほど期限つきで資料の提出を要求しました。これについての御回答をいただきたい。
#246
○松下政府委員 ただいまのロシュの問題につきましては、まず公式の資料につきましては、いま大臣からもお答え申し上げましたとおり、外交ルートを通じて要求中でございます。
 それともう一つ、日本におけるロシュの製品につきまして何らかの手を打つべきではないかという御質問でございますが、先ほど大臣からも数次お答え申し上げておりますように、現在の日本の医薬品の価格の決定は、自由主義的な競争場裏における正当なる競争によりまして決定された価格を薬価基準に反映させるというシステムをとっております。そういった中で自由競争による企業を前提といたしております製薬企業の中で、特定の会社の特定の商品につきまして原価主義をとる、あるいはその価格の決定に立ち入って調査をいたしまして、それに対する特定の措置をとるということは適当でもございませんし、また技術的にも、行なうといたしましても困難であろうと考えております。
 もう一つ、いまのあとから御要求になりました輸入原末の原価と製品との対比としての資料は、できるだけ作成いたしまして提出いたします。
 それから前に御要求になりました新薬百六十一種、これは全部の国際価格が調査できるかどうかという点は、ちょっと現在手元に資料を持っておりませんが、可能なる範囲において作成いたしまして、御提出申し上げたいと思います。
 それから、次の審議までにという御要求でございますが、相当膨大な資料になると存じますので、できるだけ努力はいたしますが、あるいは間に合わなかった場合には、作成できたものから途中でも提出するようにさせていただきたいと思います。
#247
○寺前委員 これはあなた、いかにも全部調べたようなことをさっき言うておったけれども、いま聞いておったら、これから準備せんならぬというような性格でしょう。私は、こんなに薬剤費が高いのが問題になっておるときに、そういう準備もせぬといてこれを迎えておるということは、ほんとう言うと、不見識だと思いますよ。まあそう言うておったって、実態がそうだから、ともかくそれを出してもらってから、私は、これはもう一度メスを入れさせてもらいます。留保いたしますよ、この問題については。
 このままでは下がれません。イギリスで政府があれだけの態度に出ている。制度が違ったからといって、日本においても何らかの形に打って出てしかるべきだと思う。それについてもないということになったら、もう一度その資料を見た上で、これについては検討したいと思いますので、この件については留保します。委員長よろしく頼みます。
 それから、それでは次に、私はいろいろ聞きたいことがあるのですが、私は真剣になってこうやって保険のことも調べているのですけれども、保険を財政的にも健全化させて、保険は持ったわ、実際には医療の体制はないんだということになると、私は、これはまた別な角度から事だと思うのです。まあこの前にも原爆病院が長崎で閉鎖になったという問題もやりましたから、大きくあきベッドのままで病院がとまっているという姿があることについては、きょうはもう時間もあれですから、それについては、もうやめます。私は聞きたかったのです。そこの問題というのは、やはり看護婦問題であり、医師の問題があります。
 これは時間があれだから、私は、きょうは譲らしてもらって、ただ私は、国民が医療問題を論ずるときに、ふだんはお医者さんがいるからいい。だけれども、夜とか日曜日とか、あるいは街頭でけがをしたときとか、こういう救急体制のときに、はたして国や地方自治体が責任をもって保障する体制になっているのかどうか。これは私は、一般のお医者さんに夜も責任をもってめんどうを見てやれといって責任を負わすわけにいかないだろうと思う。公的機関が休日、日曜、夜間とかそういう問題についての責任を負わなければならぬだろう。そうすると、いまの体制がはたしてそういう責任ある体制になっているかどうか、私は心配でかなわない。
 そこで、ちょっと具体的に聞いてみたいのです。ことしの一月二十三日です。埼玉県の所沢市内で九歳になる男の子が工事中の穴に転落し、鉄筋が腰から肩に突きささるという事件が発生しています。事件は二十三日の午後六時ごろ、発見されたのは午後九時三十分というのですから、三時間半あとです。そこで市の消防署は直ちに救急車、作業車を出動させて、そして手を打とうとしたのだけれども、現場の状況から、自分らの手では救出できない。そこで、もよりのお医者さんに頼もうということで連絡をとったのだけれども、連絡がとれない。どこの医師も手が打てない。そういう状況の中で、この市には救急病院が国立でありました。これはただ一つしかない国の医療機関が救急医療機関として指定されている。
 ところが、国の救急医療機関に問題を持ち込んでみたところが、お医者さんから、きょうはだめです、私は外科ではできませんという返事、消防署のこの救急隊の指揮官はびっくりしてしまった、そしてお隣の狭山市の狭山中央病院という民間病院にやっとたどり着いて、そうして発見後一時間十五分過ぎた十時四十五分にやってきた。そして、突き刺さっているのですから切断するという、そういう措置をして病院に運び込んだ。今日、健在でほんとによかったと思いますよ。元気に、まだ手当てをしつつありますけれども、そういう状況になっておる。ところが、この所沢の病院はその後合併をしまして、いまは西埼玉中央病院ということになってしまった。そのために救急医療病院の看板を掲げている病院は一つもなくなってしまった。新しい病院で、その新しい病院は目下指定病院としての申請をやっている最中だ、こう言う。
 さて、そこでこの問題について、一体どういうふうに厚生省当局は感じているのだろうか、何を反省されたのだろうか、この事件を契機として一体どういう措置を全国的にとられたのだろうか、私はそこを聞きたいと思うのです。なぜこういうことになったのだろうか、一番の問題点は何だったので、そこでこういうふうな措置に、全国的に手を打つ必要があるというふうに考えて措置をとりましたという点をお聞かせ願いたいと思うのです。
#248
○滝沢政府委員 この問題につきましては、われわれも新聞報道がございまして、すぐ所沢病院に事情をただしたのでございます。先ほど先生、新聞報道そのまま御発言ございましたように、当時の新聞報道としては、国立所沢病院が救急病院であることは確かでございますが、国立の所沢病院が、古い機能のときには医療能力が必ずしも十分でこざいませんので、地域の医師会に――救急病院あるいは診療所というものを所沢医師会が持っておられません。そういうこともあって所沢病院としては機能が十分でないのにお引き受けするという実態もあわせまして、消防署と連絡の上、その当直の外科医なり内科医なりという事実を毎日通報し合うことになっておったのでございます。
 たまたまこの事件が発生したときには実は内科医であることを消防署に通報してございましたので、病院としてはこの事件は、所沢病院には事件現場からは通報がなかったのが事実でございます。これは決して言いわけではございませんが、われわれが事実を調べたいと思いまして調べましたところ、そのような事実がわかり、院長もこの新聞報道に驚いたということでございます。しかしながら、所沢のあれだけの市民があるところで医療機関が不十分である点については、われわれといたしましても、新しい医療機関の設置を考えまして、先生御指摘のように新しい四百五十床の地区的な中央病院を国立として設置いたしました。ここは場所もよいところでございます。すでに四月になりまして脳神経外科医二名、外科医二名、それから麻酔科医師一名、整形外科医師二名、その後外科医師がさらに三名というふうに確保できましたので、ただいま先生のお話のように、あらためて救急告示病院としての手続を申請中でございますし、夜間の勤務としての体制も内科、外科、産婦人科、それぞれ一名ずつ当直制にするように手配いたしております。
 これに対して、われわれがとりました措置は、全国の病院長会議におきまして、一般論といたしましても、従来国立の医療機関の救急患者の受付等について非常に不親切あるいは窓口などで適切な指導なしに、患者がたらい回しになるというような事例が毎年のように何件か発生し、新聞報道されるという事実がございまして、常に院長会議等においては――救急医療の問題については地域の医療機関としての国立の役割り、したがって、医師会が所沢市のように不活発で救急医療を引き受けないという実態のところと、医師会が非常に積極的に引き受け、あるいは地域の他の病院が共同で当番制で引き受ける、いわゆる地域医療体制というものは、それぞれの地域の実情によって、あるいは率直に申しまして地方の医師会の空気その他によりまして、体制に違いがあるわけでございます。その中で国立は何を果たすべきかということを地域の協議会に参画してきめておるのが大体の実態でございます。
 そういう意味で、全国の病院長会議には、病院課長並びに私よりこの所沢の例を引きまして、救急医療体制及び地域医療体制というものに国立がとけ込んで、そしてそれだけの与えられた使命を果たすように指示いたしたのが実態でございます。
#249
○寺前委員 ちょっと聞きますが、所沢でその日は通告してあった、救急病院というのは指定するんでしょう、申し出によって告示というのですか、するわけでしょう。そうすると、どこでも申し込んだら、できるというものでなくて、基準があるでしょう、その基準をちょっと言ってくれませんか。
#250
○滝沢政府委員 救急病院、診療所の基準でございますが、一つにはまず告示病院というものは、消防法によって厚生省がこれを受けて告示制度をつくったわけでございます。したがいまして、先生おっしゃるように、申請主義に基づいております。
 したがって、条件といたしましては、外傷が主になりますので、外科系の処理ができる医師が常時おることがまず第一点でございます。それから手術室あるいは輸血、輸液等の処置ができるという、いわゆる病院としての機能を持つということも条件の一つに加わっております。それから建物があまり不便なところになくて、救急車が横づけできるということが必要な条件になっております。それからベッドについては、救急患者を受け入れるだけのベッドの余裕を持っている。この四つの条件が指定の条件になっております。
#251
○寺前委員 そうすると、常時外科系の医師がおる、たまたまこの日だけおらなかったのですか。
#252
○滝沢政府委員 この点につきましては、常時ということは条件にはなっておらないのでございますが、先ほど御説明しましたように、過去の所沢病院は必ずしも十分な機能がなかった、そして責任をもって救急医療を引き受ける告示病院にはなったけれども、救急隊に対してこれを受け入れるための通報連絡組織というものを明確にしておくほうが、むしろ正しいのではないか。残念なことに旧所沢病院には多くの医師をその敷地内に収容しておくだけの官舎等がございませんで、いわゆる救急の場合に、その敷地内の外科医なりが常に応援できる体制であれば、もっと満足できた救急体制がしけたと思いますけれども、それも過去の所沢病院は不十分でございましたので、消防署に連絡の上、内科医である、外科医である、あるいは外科ができる産婦人科の先生、外科系統の先生がきょうは当直であるということをお互いに了承し合って運営しておったということは、先ほど申し上げましたように、告示病院の条件に、不十分でありますけれども、著しく違反しておったというふうには必ずしもわれわれは理解しないのでございます。
#253
○寺前委員 私、率直に言うてあげますよ。前の所沢は七人医者がおる。はっきり言って外科は一人だけですよ。この外科のお医者さんが二日に一ぺん宿直するということはできませんよね。七人の医者が、当直が一人だけということになると一週間に一ぺん当直なんです。一週間に一ぺんは常時とは言うわけにはいかぬ、そんなもの。そうすると、あとの六日間は通告しておる。看板だけは救急病院でございます。これは一体どういうことになるんです。私の町には救急病院があるから、事があったときはめんどうを見てもらえる、けっこうなこっちゃ。そういうふうに市民には見せておいて、実際には通告して、やれませんということが毎日連続のごとく起こっておって、たまに仕事をしてくれるということでしょう。これは看板に偽りありでしょう、正直いって。
 これは私、重大問題だと思いますよ。国民が一番不安なとき、日曜、祭日、夜間、万一の場合たよるべきところが、看板があるだけでも非常に大きなささえです。火事、どうですか。消防署があるということが持っているささえ、何もわれわれ火事を起こしてほしゅうないですよ。だけれども、火事があった、ぼやがあった、消防が動く、そのことが持っている意味は大きいと思いますよ。救急というのは、そういう性格と違いますか。しょっちゅうそんなものが起こってほしゅうないですよ、われわれは。だけれども万一の場合に、あの消防署と同じようにいつでも安心して世話をしてもらうところがあるということが重要な要件なんです。そのことが常時という問題の性格の中にあるわけでしょう。常にベッドをあけてあるということは、そのことを意味しているんでしょう。ところが、七日のうち一日だ。これは体制ありますということになりますか、あなた、正直いって。
 私は、こんなことで、救急病院の看板を掲げているということに対して責任を持ってもらいたいと思うのです。しかもそれが国立の病院の話なんですよ。一番責任を持たんならぬところです。ぼくはおかしいと思うのは、一般病院が救急病院になって責任を持てということは、これはそちらのほうが無理が多いと思うのですよ。国や公立の病院というのは、みずから背負ってでもやらなければならない一番大事な仕事になってきていると思うのですよ。ところが、そこが看板に偽りありでは、私はこんな大きな責任のある話はないと思いますよ、ほんとうのところ。そこを率直に反省せないかぬと私は言うのです。
 そこで、次に聞きたい。きょう朝、新聞を見ておったら、救急病院についての救急医療の現況概要が載っていました。さっそくそれをわしにもくれというて持ってきてもろうた。さっと持ってきたんで、私読むひまがないんであれなんだけれども、新聞にはしかし整理して書いてある。新聞が間違いなかったら、おそらくこれはそのことを書いておるのだろうと思う。あれを見ておったら、これまた正直いって、ぞっとする。私はすぐにそれがほしいと思ったのには理由がある。
 それは「病院」という本がある。その「病院」という本に大内正夫という人が救急医療センターの実態についての論文を書いておられます。四十七年の十月号です。これは済生会神奈川県病院・神奈川県交通救急センター院長さんです。前にテレビでも、この人が神奈川県のやつをやっておったから、たまたま私それをまた関心を持って見ておったんです。それで、これが出たもんだから、それをよく読んでおったわけです。
 これを読むと、ここは救急を一生懸命非常によくやっているところなんです。全国にアンケートを出したんだね。厚生省が出している資料によって、救急医療センターはどこで、救急病院はどこや、国公立がずっと名前が発表されている。そこのところに全部アンケートを出したというんだ。そしたら、アンケートの回答が返ってきたら、その回答にたいへんなことが書いてある。回答があったのは全国百十一カ所、その主力は国立及び県立などの自治体立で、その約半数の五十五施設から回答が来た。
 「まず驚いたことにはこの回答中「一般の救急告示医療機関でセンター的のものではない」「構想あるも実施せず」「一般リハビリ病院で救急はやらない」などの返事をいただいたものが相当数あったことである。」指定病院に出したんですよ。指定しているところに出したら、その回答が、わしのとこ違いますでというやつが返ってきたと書いてある。それの統計が書いてある。「一般の救急告示医療機関でセンター的のものではない」と書いてあるのが、センターやと厚生省に聞いたのに、国立の場合、四つのところは違いますという返事が来た。準備建設中やというもの一つで、合計国立関係で五つか、それこそ厚生省が言っているようにはなっていないというのが、実態として報告の中から返ってくる。
 それからずっとあとを読んでいきますと、「センター標榜三十七施設中医師一人当直が五か所、看護婦一人のところが七施設もあった。たとえば某国立(一般病床二百九十、救急ベッド十床)で親病院と兼務で、医一・看一、計五名のところがあり、あるいは自治体立で医一・看一、計六名の兼務当直のところがあった。」というふうにずっと状況が書いてあって、救急医療センターにおいては当然相当数であるべきはずであるのに、実際には五床以下という救急病床や、はなはだしいのは病床がゼロのところが十二施設もあった。「しかもこれか大部分国立や自治体立である。」と書いてある。国立や自治体立で先ほどのお話にあったようにベットをあけておかなければならぬと書いてあるのに、ゼロのところが十二施設もあったと出ている。これは大部分が国立で自治体立も含むというんだから、そのうち何ぼか知りませんけれども、そういう数字が出てくる。
 ところが、私はなるほどなと思ってこれを見ておったところが、きょうの朝の新聞、すなわち、あなたたちが調べられたところの救急病院の実態表、これを見たら当直医が一人というところがざあっと出てくるでしょう。たとえば、これは話が変わりますけれども、さっきの所沢の病院について、合併して、新しい体制では医者はこうこうこういうふうにやりましたと言ってさっき報告しておられた。だけれども、直接あの病院で聞いてみたら、実際にはどういう配置になっているんだということで聞いてみたら、お医者さんの数は二十七人おられて、診療科目十七科目、そのうち脳外科が二人、整形外科二人、一般外科二人の計六人おるけれども、当直医体制は一人。四百ベッドあるんだってね。内部の患者さんをその当直医がめんどう見ぬといて、救急体制でございますというわけにいかぬと言うてます。ほんとうに救急医体制のかまえになっていると言えますか、あなた。
 私、朝聞いたんだよ。あなたのところから資料を持ってきてもろうて、その後どうなっていると心配だから聞いてみたんだ、少なくともあそこは改善したじゃろうと思うて。そうしたら外科のお医者さんはようけなった。これはよかったなあ。それではそういうふうに当直医体制になっているのか。なんと当直医体制を聞いてみたら、またもとのもくあみだよ。そうじゃないんだ、やっぱし。それでは内部の体制を保障する体制にしかなりません。救急病院として責任を負う体制、やはり救急病院というのはそれなりに、消防署が火事がなかっても消防自動車を置いて、火を消す人が、司令もおればその他の人も火事がなかったっておらなあかぬで、あれは。同じように、救急病院というのは病人が発生しても発生しなくてもおらなあかぬのや。それでこそ責任ある体制というものだ。ベッドもあけておかないかぬ、それでこそ安心だ、そういう性格なんだ。ところが国立病院を調べてみたら、そういう調子でしょう。大部分が依然として宿直医は半分ほどは一人や言うんや。これでは私は保障にならぬだろうと思う。
 それから、あなたたちの資料によると、専用病床を持っていないという回答をしておるところがあの資料から見るとやっぱしあるじゃないですか。あるでしょう。これは一体どうなっているんだろうか。それでいて、国立でベッドも準備せぬといて。これは基準から言うたら、いけないのはわかっておるし、基準からだけじゃないですよ、かまえの面から見ても看板に偽りありという体制だ。
 しかも驚いたことに二、三日前に、ガンの病院の問題で、あの新聞から一斉にスローモーションの批判を受けた。ところが、この調査はいつや言うたら、相変わらずやっぱしこれも一昨年の暮れにやっている。これもいままで何しておったんだ。救急問題なんというのは、こんなものはほんとうにしょっちゅう知っとらなければならぬ話だと私は思うのですよ、ほんとうのところ。毎年ちゃんときちんと握っておって、問題をきちっと明らかにしておかなければならない性格のものやと思うのですよ。
 私はそういうふうに見るときに、現在都道府県で救急体制をとらなければならぬというのは消防法上ありますね、指定部市というのが。そういう指定をする都市があるでしょう。その指定している市町村の中の一体今度は病院を持っていないところ、これは別のものなんですね。あれはおかしなものですね、消防法で都市指定をやって、病院体制はまた別なんですね。あれはおかしなものだと私は思うのですよ。一貫すべきだと思う。ところが、この救急体制をとりなさいという指定をしておるところで、病院体制をそこの中に持っていないところ、一体どれだけあるんですか、ちょっと聞かしてください。
#254
○滝沢政府委員 この点の資料につきましては、消防法の義務を実施しています市町村は千三百二十ございます。その中で救急の病院、診療所の数は各府県ごとにわかっております。
 先生のお尋ねが非常にこまかい小地域と病院との結びつきのお尋ねだと思うのでございます。この点についてはどの程度の地域なり、あるいは市町村単位というわけにはまいりません。市町村に義務がありましても、病院というものがどの地域の範囲に持つことが適正かという問題もございますので、この点について的確な資料というものはございません。したがいまして、その府県ごとの市町村の数とそこにある病院の数と診療所の数はわかっておりますが、それがその市町村の、義務づけられた市町村の搬送していく先の病院の機能ごとにどの程度の地域を設定して基準とし、これを考えたらいいかという観点からは資料がないということでございます。
#255
○寺前委員 それではもっとしぼりましょう。一定の市、市というたら、規模は大きいですね。市くらいになったら、そういう施設は持たなんだら、うそでしょう。消防庁と同じこと。それは全国の市、指定される市ですよ。市の中で病院体制、救急病院、これは別なところの指定でしょう。都道府県知事の指定でしょう。こっちは消防法に基づくところの指定でしょう。一体どれだけのところが体制があって、どれだけのところが体制がないのかパーセントでいいですよ。どの程度のものです。
#256
○滝沢政府委員 いま申し上げたような事情でございますが、確かに市という単位でとらまえたら、義務づけられておる市と、その中にどういう機能の病院を持っておるかということは、これはほとんどわれわれとしては、病院機能というものを市は何らかの形のものを公私を含めてお持ちであると思うのでございますが、これが告示というものとどういうふうに結びつき、またセンター機能とどう結びついているかということについての実態資料はございません。
#257
○寺前委員 それでは私たいへんだと思いますよ。私が言ってあげましょう。全国四百八十一指定の市があります、沖繩を入れて。そのうち八十九は病院を持っておりません。大臣、どうです、これ。堂々と言い切ったのですよ。私は市――町村まで言ったらたいへんだろう、しかしそれでも明確にしてほしいと思うのですよ、ほんとうは。だけれども、少なくとも市単位には消防署とも匹敵するような性格でもって準備をしなければならない性格のもの、二割のところには全然救急のそれがない。すぐにでも私はこれを問題が出せなかったら、うそだと思うのです、ほんとうのところ。
 これは私は重大な問題だと思います。こんなものはすぐに答えられなうそだと思う。そこへ持ってきて、その次に、ないところに国立の病院ないしは診療所はないのか、私はなければ国のほうから打って出ても準備をしてやるという相談に乗ってしかるべきじゃないか。ないところで国立の施設のあるところ、ありませんか。
#258
○滝沢政府委員 先生お話しのいまの市あるいは町村における告示というものを受け、あるいは消防法の義務を果たす場合、その告示病院というものを中心に御質問があり、私も病院というものを中心にお話をいたしましたが、先生も御存じのように、診療所もこれは告示の対象になっております。したがって地方の市町村、特に町村においては診療所の機能というものもかなりの役割りを果たしておると思うのでございます。
 そういう意味で、市で、先生御指摘のように八十九の市が病院を持たないというような事実は、これは事実としてあると思いますが、これが少なくとも市として消防法に基づく義務を果たし、救急業務をやるというふうになりました場合に、その地域に診療所は必ずあるわけでございますので、市における診療所というものも救急体制の対象の施設に指定して実施しておる。したがってこれは診療所と病院というものを両方持って満足した状態であると論ずることは無理でございますけれども、実態としては告示を受ける、それから消防法の義務を果たす、こういう関連においては不十分ながら、そのつながりはあるわけでございます。
#259
○寺前委員 これはもうちょっと研究してくれよ、ほんとうのところ。何だったら、私全部名前を言うてやろうか。
 北海道、義務市は三十二、救急病院、診療所の全くない市一つ、根室。私でさえ調べられることですよ。病院だけじゃないんですよ。私は診療所を含めて言っているんです。ほんとうにこの問題はもう少し真剣に考えてほしいと思いますよ。あまりひど過ぎるじゃないですか。岩手十二、ないところ四、釜石、江刺、陸前高田……、ちょっと字が見えないのですが、何か名前が四つあります。ほんとうにたいへんですよ。沖繩なんか八つ指定されておって、八つともないのですよ。
 あなたたちは一昨年の暮れの発表の数字を出したけれども、一昨年のことがスローモーだというだけでは済まぬですよ。どういう実態になっているのか。はっきり義務市があって、片っ方では告示病院がそこにあるのかないのか、あわせて市ぐらいは研究しておかなければいかぬではないですか。さっと資料を出すのがあたりまえです。こんなことで医療体制十分でございますとどこから言えますか。みんなが一番心配するところの体制も伴なわないでおいて何が保険だと言うんですか。おれは腹が立ってしょうがない。大臣、これはどう思いますか。
#260
○齋藤国務大臣 抑せのごとく、町や村は多少別といたしまして、市は数が多く、これは私は御指摘のとおりだと思います。したがいまして、病院、診療所等でそういう救急医療体制を果たしていない市に対しましては、一刻もすみやかにその体制をつくらせるように指導いたします。この機会にはっきり申し上げておきます。
#261
○寺前委員 それはあたりまえのことですよ。
 それで、義務市でありながら救急病院が全然ない、しかし国立病院なり療養所なりが存在しておるところはわかりますか。
#262
○滝沢政府委員 国立病院がガンセンターを除きまして九十三ございますが、そのうち八十カ所が救急の告示を受けておりまして、あとの十三カ所がまだ残っております。このうち七カ所は病院の整備ができ次第、その地域の御要望、あるいは地域の医療機関としての機能というものを勘案いたしまして、可能なものは指定を受ける準備を進めておりますが、温泉病院等の施設につきましては、もともと病院の性格が救急医療を実施するには無理でございまして、交通障害後のリハビリテーションの機能を果たすわけでございますけれども、告示を受ける機能は持ち合わせませんので、すなわち六カ所だけは、将来とも告示を受けることは困難だと思います。
 先生御指摘の、その義務を受けているけれども病院がある、ないという問題と、国立の受けていないという問題との関連、これは資料的に突合して整理をすれば明らかになりますけれども、現在その六カ所なり、あるいは最初申し上げた十三カ所を突合した資料はございません。
#263
○寺前委員 それは調べればすぐわかることですから、すぐに調べてもらって、いまの大臣のお話ではございませんけれども、もよりの病院からの申請を待つだけではなくて、国自身が救急医療の施設として改善できるものならば、すぐに積極的に打って出るということを約束できますか。
#264
○滝沢政府委員 ただいま先生の御指摘もあり、また大臣からも、市というものを単位にして消防法の義務と、それを受ける病院機能を至急検討して、これが充足をはかれという御下命と受け取りますので、来たる十五日に全国の医務課長会議を用意いたしております。この資料につきまして、先ほど来先生からもおくれておるという御指摘がございましたが、実はこれは行政上の内部資料としてつくりましたもので、すでに行政的には活用しておるわけでございますが、十五日の医務主管課長会議を迎えるにあたりまして、調査に協力してもらった各府県にこれをお返しするという意味もあって、今回あらためて印刷して公表をいたしたものでございますので、確かに公表はおくれておるということで、これは反省を要するわけでございますけれども、内部的な行政資料としては予算要求等に活用してまいっております。
 したがいまして医務主管課長会議に、これに基づきまして、ガンの施設の問題もございますし、救急等につきまして、ただいま御指摘の問題を具体的に検討し、なお市によっては隣接の市等に病院があることによって、その市に市立病院を建てなくも、その機能が可能であるという地域の意見が出るかもしれません。そういう問題も整理いたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。
    〔発言する者あり〕
#265
○橋本(龍)委員長代理 島本君、発言者を妨害しないでください。
#266
○寺前委員 いやいや、私は大事な意見だと思うのですよ。予算要求だけのための作業じゃないことは、きわめて明らかですよ。救急という問題は、そのこと自身が重大な使命なんですから、そういうようなことではいかぬと思う。
 ところで、救急患者の専用ベッドというのですか、優先ベッドというのですか、これは非常に大事な位置を占めるわけでしょう。さっきも言ったように、それが国立の病院でゼロというところがあるという報告が出たくらいなんだ。そんな無責任な話はない。そうでしょう。そこで、告示病院
 の中で、国立、都道府県立、市町村立、日赤など一切の平均ベッド数というのを調べてみたら、一般的に告示病院の準備しているのは十三・四床ということになっておる。厚生省所管の国立の救急病院は平均何床か、御存じですか。
#267
○滝沢政府委員 この問題につきましては、実はゼロという回答を出しているものの中に――病院の利用率が全国平均で見ても八〇でございます。国立が八五でございますので、ベッドがいわゆる消防法に基づくような、御希望のような常時あけておくという姿ではございませんけれども、病床の利用から見てその病院としては受け入れる可能性があるというものを、この告示を受けるときの条件というものを忘れまして、いわゆるゼロだという意識を持っておる。この点がはなはだ問題点であるわけでございます。
 つまり病院機能としてゼロではない、その報告的な感覚、あるいは病院として、そういうものを用意しておく感覚がゼロであるというような形をとっておるという点があります。したがって、国立の場合もゼロだという回答を出す場合があるし、その点を詰めて、実際は受け入れられる可能性というものを詰めますと、それは五なり六なりという答えは出ます。しかしながら、この点については、いわゆるゼロだというような回答もございまして、先生のおっしゃった十三という数字に相当する資料は持っておりません。
#268
○寺前委員 私が言っているのは、あなたのところの資料です。どう書いてあるかといったら、一施設当たり告示病院全国平均は十三・四、厚生省の国立は三・八なんだ。文部省は十四・〇、その他四・〇、都道府県が十四・六、市町村が十三・二、日赤が二十・九。公的病院をずっと見ていくと、済生会十六・六、厚生連十一・八、社会保険団体七・〇、公益法人二十三・一、どこを見たって三・八というのは一つもない。一番前面に出なければならない国立がゼロという回答を出してくるぐらい、かまえ方自身がいかに後退しているかということを典型的に示している数字だと思う。
 理屈を言うて、いやそうじゃない、私のところは受け入れられるあれはあります、理屈は何ぼでもつけられる。実際に、病院から出てくるところの回答の数字の比較をしてみなさい。自覚の度合いもここには明確にあらわれているといわなければならない。ほんとうに国がこういう問題に対する責務を感じているか。私は、明確に、国がこのような恥ずかしい救急病院の看板を出す以上は、医者の面からも、病床の面からも、あるいは車もちゃんと持ち、常時国立の病院の場合は医者が乗って救急の自動車で飛んでくるというくらいの模範的な体制を全国的につくり上げるという、国自身が打って出るという、そういう態度をかまえるべきではないか。
 医療の全面的な責任を負う、一番最初に出発しなければならないのは、何といっても救急、夜間、休日、過疎、こういった問題に対する全面的な姿勢でかまえなければならない。その点で基本的に改善をする必要がある。局長、よろしいか。ベッドの面、医者の面、救急車を常備し、医者が看護婦さんとともに乗って出るという体制をぴちっとかまえる必要がある。これはどうですか。
#269
○滝沢政府委員 この問題につきましては、すでに消防法に基づきます事故患者の搬送という制度ができておりまして、実際に交通事故は統計的には約一〇%でございまして、先ほど先生がちょっと触れられた休日、夜間等あるいは時間外診療等を含めた家庭内における急病的な患者というものが、むしろ大部分でございます。
 したがいまして、消防法に基づくところの戸外における交通事故の搬送ということをとらえた告示病院の制度がございますけれども、実際に日常的に必要なのは、その告示病院以外の休日、夜間等の一般診療の体制というものが必要でございます。この点につきましては、休日、夜間診療所の設置というようなことを踏まえまして、これは地域の医師会等の地域医療関係者が関与して、かなりこなすことのできる問題でございます。神経外科あるいは救急のうちの外傷の重いような患者の処理というものこそ、いわゆるセンター的病院機能を備えていく必要があると考えます。
 先生御提案の、病院側からの救助体制というものを考えるべきではないかという提案につきましては、われわれも、特定な県あるいは一定の病院等においてはそのような、たとえば先ほど例に引かれた神奈川のようなところ、あるいは愛知県のようなところは、通報、連絡等を通じてほぼそれに近いような特殊な自動車を備えたような例もございます。特に名古屋市などは、そのような問題についてかなり積極的に検討しておりまして、私は、現段階は現段階としての体制で、もちろん先ほど来御指摘のように、まだ問題がございますけれども、将来の形としては医療機関側からの出動ということが前々から必要である。いわゆる救命のために、命を救うために必要である。命にかかわらないという判断がある程度できるケースについては搬送も可能でございますが、現場において救命する必要のあるようなものに対して、通報によって病院が出動する体制が必要だということについては、つとに御提案のある、あるいは各方面から御意見のある問題でございます。
 この点についてはわれわれとしては、その地域の医療機関の、いわゆる医師確保その他を含めた能力全体を考えませんと、現状ではすぐに全面的に移行することは困難だと思いますが、消防法に基づく制度が、いま申し上げましたように、事故の場合と家庭内に起こる場合とが若干そこに重複して、あるいは消防の搬送も過重になってきておりますので、これらの問題を含めまして消防庁と十分協議して、将来の考え方としては、病院側からの出動の条件というものを設定していくことを考えたいと思っております。
#270
○寺前委員 将来のことと言っておったら、いかぬと思う。すぐにこういう体制に入らなければいけない。全体のことも大切だけれども、まず国が救急医療機関としての仕事の任務にもっと積極的についてもらいたい。まずベッドの面において、ほかから比べても、あまりにも低過ぎるではないか。全面的に改善する必要がある。医師の当直体制のいまのあり方では問題だ。これについても救急病院としての指定をされた以上は、全面的に常時責任を持つ体制に入る。
 私はさっき所沢の問題で言いました。看板に偽りありではだめだ。しかも、消防署に連絡しておきましたではだめですよ。一般の市民は救急病院の看板を見ているのですから、それじゃいけない。全面的に保障する体制を必ず直ちにつくります、私は責任を持ってもらいたい。そしてその上に、国立なればこそ、ほかはともかくとして、まずみずからが、医者や看護婦さんを乗せて飛び出していく体制を国の側自身から持つということをすぐに検討して、準備をします、まず国の責任問題で、よそよりもあまりにもひど過ぎるじゃないか、私はそれをやりなさいと言っている。これに対する回答を聞きたい。大臣どうでしょう。
#271
○齋藤国務大臣 交通事故災害等による救急医療体制を整備するということは、わが国にとって当面きわめて重要な問題であると私も考えております。そういうふうな考え方から、今日まで救急医療センターとか、あるいは告示病院とかいうことをやってきておりますが、いろいろまだ不十分な点があることは、私も率直に認めております。
 したがって、先ほど申し上げましたように、指定市あたりに救急病院、診療所を含めて一つもない。これはやはりおかしいです。これはできるだけ早くそういうものを整備するようにいたしますということを申し上げましたが、それと同時に、救急医療体制のベッドの問題だとか、あるいは医師の派遣の問題だとか、あるいは医師の当直に当たる体制を整備するとか、これは緊急な問題でございますから、一刻も早くこういうものを具体的に調べて、そして整備させるようにいたします。
#272
○寺前委員 局長、どうです。
#273
○滝沢政府委員 国立が率先して各種の特殊な医療の問題について使命を果たすことは、私は国立の使命だと思います。したがって、きょうは救急の問題でございますが、もちろんその他の、地域におけるいわゆる一般医療は他の病院でもできるけれども、国立はこういうことをやってくれという御要望について、たとえば小児医療の問題その他も対応するように努力いたしております。
 救急については、一例ではございますが、宮城県と仙台国立病院とが相談いたしまして、従来のセンター以上の機能の病院を仙台国立に用意いたしました。大阪にも同様に用意しましたが、将来とも各国立に、その地域の事情あるいは日赤、県立その他の果たしておられる機能等を勘案して、県、市の御要望に応じて、国立施設をそれぞれの使命が果たせるように持っていきたい。特にきょうは救急医療の問題について御指摘がございましたが、救急医療の問題については当然のこと、その地域医療の再重要な問題として取り上げて、国立を地域の御要望に応ずるように整備していきたい、こういうふうに考えております。
 国立の仙台病院、大阪病院はそういう考え方の手をつけた一つの例でございまして、そういう考え方を持っておるということを示したわけでございますが、なお積極的に考えたいというふうに思っております。
#274
○寺前委員 東京都の消防庁が去年一年間に約二十万人の患者を搬送したけれども、そのうち十六万人は現行消防法、都条例に明確な規定のない、家庭など家屋内の急病人の搬送だった。そうすると、いまの救急病院の指定というのは、これは消防法に基づくところの関係のベッドをあけて医者を置いておる、こういうことになっているわけですよ。法的にも全面的に救急体制、休日体制、そういうものをつくっていくという法体制になっていないわけでしょう。だから、法的にも私はこの問題について整備をする必要があると思うのです、どうでしょうか。
#275
○滝沢政府委員 これは確かに先ほども御説明しましたし、先生ただいま御指摘のように、いわゆる交通事故を中心にした消防法に基づく消防救急隊の搬送、この業務以外に、家庭内等、あるいは休日、夜間等に起こる診療の問題がございます。この点については別に特別立法ということを考えなければいけないのか、あるいは医療法、医師法の十九条の医師の義務、こういうものと関連いたしまして、地域の休日、夜間診療所等を公的に設置することによって、地域の医師会あるいは病院等のスタッフの御協力によって、札幌市がやっておりますような例を具体的に各地に設けることによって、これが対策は講ずることができる、これは私はそういうふうに思いまして、それぞれのただいまある立法の精神を生かして、これを具体的に実行するということが問題だと思います。
#276
○寺前委員 いまの立法では、消防法に基づくところのは、全体から言うたら部分になっているのだから、法的にもきちんとこれは国の責務の問題としてかまえなければならないということを決意しなさいということを、私は具体的に提起しているのです。だから、そういうふうにして、きちっとやはり理解をしてもらいたい。私はこの問題について先ほどからもやかましく言いましたが、最後に、これは財政的にも国がやはり責任を持たなければいかぬ。
 たとえば東京都が現実のもとにおいて、各地区ごとに輪番制で各診療所の開業医に受け持ってもらったり、救急医療の体制ですね、休日の体制の問題、あるいは、福祉会館の診療室などをきめて、そこへ行ってもらうということをやるために、一カ所一日につき一万五千円、医師一万円、看護婦三千五百円、事務員千五百円の委託費を出して、そして国民にひとつお世話願いたい、いまわれわれのほうは体制を十分持っていないので、よろしくお願いします、こういう体制を自治体はとらざるを得ないし、とっているのです。
 ほんとういうたら、私は国自身がまず国の施設については、みずから全面的にやるというのが一つ。第二番目に、国でないところの救急の施設なり、あるいは自治体においてこういう計画をされた場合に、財政的にも都がこのようにやるものに対して三分の二なり、二分の一なりの援助をするということによって、国民に対する医療のこの分野に対する責任をぜひ果たしてもらいたい、そういうお考えがあるのかということについて聞きたいと思います。
#277
○滝沢政府委員 一番の問題につきましては、先ほど来お答えいたしますように、国としてその地域の国立病院では、設置主体が国立でございましても、病院機能としては地域の問題でございます。したがいまして、地域の医療需要あるいは医療の体制の問題等、十分お話し合いもし、それの求めに応じ、あるいは積極的な機能を提供いたしまして、国としての役割りを地域医療の中で果たしてまいりたいというふうに思います。
 二番の問題につきましては、確かに地方自治体がこれらの休日、夜間等の診療体制をしいております。これに対して地方自治体はある程度の責任を果たされ、また診療収入等の関係を考慮しながら、医師会との関連の契約等を結ぶなど、具体的な処理をされております。したがいまして、この問題につきましても、地方の実態というものを十分調べまして、ただ救急医療にはそれぞれの、先ほど来お話し申し上げましたように、比較的軽微な者でも不安になって夜間たずねてくる。したがって、いわゆる診療所の機能としては医師、看護婦等を常時置かなければなりませんけれども、やる内容については必ずしも重要な処置をしなければならぬようなケースは、むしろ国立病院のほうに行くというような、主として内科的な――休日、夜間体制というようなものには、内科的疾患が多いのであります。
 したがって投薬、注射等の比較的短時日の当座の処置をするというようなことになりますから、収入等の面についても比較的僅少になる傾向にある。しかし実際に、それだけの人員を常時雇用して、それに対して支払っていく場合については運営費に相当の費用がかかる、こういう関連から、この地方自治体の休日、夜間診療体制については、われわれとしては、ある程度実態をつかんだ上、理の通る範囲内で、いわゆる個々にそれぞれに違いがございますけれども、基本的に理の通る範囲内で私は助成措置を考えたい、こういうふうに思います。
#278
○寺前委員 私は、きょうは救急の問題という形で、医療の責任の一端の問題について国の姿勢を聞きました。先ほどから聞いていて、とにかく消防法に基づくところの指定都市、そして片一方は病院、診療所のこの体制、これすらもきちっと整備されていないということに対して、ちょっとりつ然たる思いをしました。そこで、さっそくもう一度調べ直していただいて、この指定の都市と、それからそこにおけるところの診療所の有無の問題、この一覧表を整理して提出してください。
 私は、こういう問題に対して、かまえができていなかったならば、もってほかのことについても知るべしだというふうに思うので、その資料を要求をして、この件に関しては、もう終わりたいと思います。
#279
○滝沢政府委員 先ほど申し上げましたように、近く各県の医務主管課長会議を開催いたしまして、地域性というものを十分とらえて、それぞれの先ほど来御指摘のように、市町村の義務と、それを受けて搬送していく先の病院機能あるいは診療所機能、こういうものの観点を整理いたしまして、指定は受けたけれども、医療についてきわめて難渋しておるというような点については、これが対策を県と相談の上樹立いたしますし、ある程度広域的にただいま搬送が可能でございますから、かなり広域的な範囲で、これがとらえられているということになれば、それはそれなりに地方自治体の判断もあろうと思います。こういうものを整理いたしまして、資料としてお出しいたしたいというふうに考えます。
#280
○橋本(龍)委員長代理 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#281
○橋本(龍)委員長代理 速記を起こしてください。寺前君。
#282
○寺前委員 本日は、時間がおそくなりましたので、次回に発言の機会を譲りたいと思います。よろしくお願いします。
     ――――◇―――――
#283
○橋本(龍)委員長代理 この際、連合審査会開会申し入れの件について、おはかりいたします。
 運輸委員会において審査中の国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、運輸委員会に連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#284
○橋本(龍)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会日時は、運輸委員長との協議により決定されますので、さよう御了承願います。
 次回は、明十一日金曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後十時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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