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1972/06/27 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第35号
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1972/06/27 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 社会労働委員会 第35号

#1
第071回国会 社会労働委員会 第35号
昭和四十八年六月二十七日(水曜日)
    午後六時十八分開議
 出席委員
   委員長 田川 誠一君
   理事 伊東 正義君 理事 塩谷 一夫君
   理事 竹内 黎一君 理事 橋本龍太郎君
   理事 山下 徳夫君 理事 川俣健二郎君
   理事 八木 一男君 理事 寺前  巖君
      大橋 武夫君    加藤 紘一君
      小林 正巳君    住  栄作君
      田中  覚君    高橋 千寿君
      戸井田三郎君    増岡 博之君
      粟山 ひで君    枝村 要作君
      島本 虎三君    田口 一男君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      村山 富市君    石母田 達君
      田中美智子君    大橋 敏雄君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 齋藤 邦吉君
 出席政府委員
        厚生省社会局長 加藤 威二君
        厚生省児童家庭
        局長      穴山 徳夫君
        厚生省年金局長 横田 陽吉君
        社会保険庁年金
        保険部長    八木 哲夫君
        自治省行政局公
        務員部長    植弘 親民君
 委員外の出席者
        議     員 八木 一男君
        大蔵省主計局総
        務課長     渡部 周治君
        文部省初等中等
        教育局特殊教育
        課長      国松 治男君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
六月二十六日
 生活できる年金制度の確立等に関する請願(辻
 原弘市君紹介)(第七七五七号)
 同外二件(竹村幸雄君紹介)(第七八五九号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第七九二二号)
 同(山田芳治君紹介)(第七九二三号)
 医療事務管理士法制定に関する請願(根本龍太
 郎君紹介)(第七七五八号)
 同(根本龍太郎君紹介)(第七八一七号)
 同(野田卯一君紹介)(第七九一四号)
 保育所事業振興に関する請願(金瀬俊雄君紹介)
 (第七七五九号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第七八一一号)
 同(坂本恭一君紹介)(第七八一二号)
 社会保険診療報酬の引上げ等医療制度改善に関
 する請願(浦井洋君紹介)(第七八一三号)
 健康保険法等の一部を改正する法律案反対等に
 関する請願(米田東吾君紹介)(第七八一四号)
 同(金子満広君紹介)(第七八五五号)
 同(平田藤吉君紹介)(第七八五六号)
 健康保険法の改悪反対等に関する請願(田中美
 智子君紹介)(第七八一五号)
 同外一件(木島喜兵衞君紹介)(第七八五七号)
 同(寺前巖君紹介)(第七九二四号)
 国民健康保険組合に対する補助金の定率引上げ
 等に関する請願外二十九件(塩川正十郎君紹介)
 (第七八一六号)
 同外一件(宇野宗佑君紹介)(第七九一七号)
 同外二十七件(渡海元三郎君紹介)(第七九一八
 号)
 同外十二件(前田治一郎君紹介)(第七九一九号)
 同(前田正男君紹介)(第七九二〇号)
 戦傷病者の援護に関する請願(羽生田進君紹介)
 (第七八一八号)
 同(宮澤喜一君紹介)(第七八五三号)
 同(宇野宗佑君紹介)(第七九一六号)
 保険診療経理士法制定に関する請願(河野洋平
 君紹介)(第七八五一号)
 同(野田毅君紹介)(第七九一三号)
 リウマチ専門病院等設立及び治療費の公費負担
 に関する請願(宮澤喜一君紹介)(第七八五二号)
 建設国民健康保険組合に対する国庫負担増額に
 関する請願(八百板正君紹介)(第七八五四号)
 同(土橋一吉君紹介)(第七九二一号)
 戦災被爆傷害者等の援護に関する請願(田中美
 智子君紹介)(第七八五八号)
 同(野田卯一君紹介)(第七九一五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部
 を改正する法律案(内閣提出第五二号)
 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五一号)
 国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正す
 る法律案(八木一男君外十六名提出、衆法第一
 四号)
 国民年金等の積立金の運用に関する法律案(八
 木一男君外十六名提出、衆法第一五号)
     ――――◇―――――
#2
○田川委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部を改正する法律案、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、八木一男君外十六名提出の国民年金法、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、及び国民年金等の積立金の運用に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
 申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
#3
○村山(富)委員 時間もだいぶ下がっておりますから、簡明率直にお尋ねしたいと思うのです。したがって答弁のほうも、できるだけ簡明率直にお願い申し上げます。
 まず厚生年金法からまいりますと、五人未満の事業所は除外をされているわけです。いろんな経過があったと思いますけれども、五入未満の事業所が厚生年金から除外されている理由は一体何なのかについて、まずお尋ねします。
#4
○横田政府委員 ただいま御質問の五人未満の事業所につきまして厚生年金法を強制適用していないのはどういうことかという点でございますが、申し上げるまでもございませんように、この五人未満の事業所は零細企業が非常に多いわけでございます。そういったことから事業所の変動が非常に多いとか、あるいは従業員の方の移動が非常に激しいとか、あるいはまた従業員ということでございましても、家族の従業員等につきましては、はたして被用者保険の適用をするような、そういった雇用関係というのがあるのかないのか、そういった点についていろいろ問題が多いわけでございます。
    〔委員長退席竹内(黎)委員長代理着席〕
 そのほかに、いろいろ保険料の徴収でございますとか、あるいは標準報酬の改定でございますとか、そういった事務能力の点もございますが、主としてはいま申しましたように雇用関係の実態というものが被用者保険の対象になるような雇用関係なのかどうか、そういった問題がございます。ただ最近五人未満の事業所につきましても適用すべきであるという御意見が非常に強うございますので、その方向でいろいろ検討はいたしておるという段階でございます。
#5
○村山(富)委員 私はいま説明された答弁だけでは、これはやはり問題があると思うのです。と申しますのは、この五人未満の事業場は、いま言われたように零細企業が多い。したがって賃金も安い、あるいは退職金ももらえない、あるいはまた老後のたくわえもできない、こういう状態にある労働者が多いのです。そういう労働者こそ、やはり厚生年金でその老後を見てやるというのがたてまえではないか。なぜ大企業の労働者と、そういう零細企業の労働者を区別して扱わなければならないかということになれば、私はいま答弁があったような理由だけでは、やはり納得できない。
 そこで、言われた理由からいたしますると、これは労働省が管轄しております労災保険も、あるいは失業保険も同じではないか。労働省ができて、なぜ厚生省ができないのか。明らかにこれは厚生省の怠慢ではないかというふうに思うのですけれども、どうですか、この点は。
#6
○横田政府委員 特に厚生年金の場合は、申し上げるまでもないことでございますが、長期保険でございますので、その間におきまして事業場の変動とか雇用関係の変動とかが非常に激しいというようなことがございますと、なかなか長期保険である被用者保険を即刻適用することについては、いろいろ問題があるわけでございます。
 労災等につきましてのやり方等も私どもよく承知いたしておりますが、とにかくこれを即刻強制適用をいたしますことにつきましては、問題が非常に多いということでございます。
#7
○村山(富)委員 変動が激しくても、それはたとえば雇用が不安定だから転職する場合が多いかもしれませんけれども、しかし転職する場合だって厚生年金は継続できるわけですからね。ですから私は、そんなことでは理由にならないのではないかと思います。
 そこで、これはもういろいろ申し上げなくても十分おわかりだと思いますから申し上げませんけれども、社会保障制度審議会の答申を見ましても、その点は指摘をしておる。いろいろな条件を考えてみて、私は五人未満の事業場の労働者に厚生年金が強制適用されておらないというその理由は薄弱であるというように思いますが、幸いにいまつくられている五カ年計画の中でこういう問題について、どう考えていくのか、厚生大臣からひとつ御答弁願いたいと思うのです。
#8
○齋藤国務大臣 五人未満の労働者につきましては、社会福祉長期五カ年計画というものを策定することに相なっておりますので、どういう方式でいつから実施するか、そういう問題も含めまして懇談会において十分検討していただきまして、結論を出していただくようにいたしたいと考えております。
#9
○村山(富)委員 ひとつ五カ年計画の中で、そうした五人未満の事業場の労働者も強制加入ができるように措置されるよう強く要望いたしておきます。
 それから年金の通算制度について若干お尋ねしたいのですが、現行法では老齢年金は通算が認められておるけれども、遺族年金や障害年金の通算制度がないわけですね。したがっていろいろ不合理な点があるのではないかというふうに考えられるわけです。
 そこで具体的に私は事例をあげてお尋ねしたいと思うのですけれども、第一番に厚生年金の場合、遺族年金や障害年金は大体被保険者の期間が六カ月以上あればいいわけですね。同時に被保険者期間中死亡した場合に支給されるわけです。ところが国民年金の場合だけはこれは一年ですね。なぜ厚生年金が半年で国民年金は一年なのか、その理由をお聞かせ願いたいと思うのです。
#10
○横田政府委員 なぜ片一方が半年で、片一方が一年かという点につきましては、問い詰められますと、片一方が六カ月でなければならない、一年でなければならないということはないと思いますけれども、できるだけ短い期間でもって、こういった障害でございますとか、それから夫の死亡でございますとか、そういった不慮の事故にあいました場合には、なるべく早く年金権が発生するような、そういった期間をできるだけ短くするという努力は必要だと思います。
#11
○村山(富)委員 これは説明を聞けば、厚生年金が半年で国民年金が一年であるという理由は何もないわけですね。したがっていま答弁があったように、できるだけ短くするということがいい。それならば、それはやっぱり厚生年金が半年なら国民年金も半年にすべきであると思うのですけれども、どうですか。
#12
○横田政府委員 それは御趣旨はよく理解できるのですけれども、それぞれの年金のいろいろな財政の設計なり何なりということもございますので、それなりの検討は必要だと思います。
#13
○村山(富)委員 その理由も私は納得できませんが、ひとつこういう点は早急に是正されるようにしてもらいたいと思うのです。
 同時に、先ほど申し上げましたように、通算制度がないためにいろいろな不合理が結果的には生まれてきておる。例をあげて申し上げますが、たとえば主人が厚生年金に入っておって十九年かけた。十九年厚生年金に入って掛け金をかけてきて、そしてつとめ先がつぶれた。そこでやむを得ずやめて自分で自家営業を始めた。それで国民年金に入った。こういう場合に、かりに九カ月かけて主人がなくなったという場合には、遺族に対してこれは何にもないわけですね。同時に、一年以上かりにたっている場合でも、国民年金の一時金はもらえるけれども、十九年かけた厚年生金はまるっきりかけ捨てですね。
 同時にまたかりにある奥さんが、今度は逆に厚生年金に入っていた。そして主人は自家営業で国民年金に入っている。奥さんが結婚してやめた。かりに十年なら十年かけて奥さんがやめて国民年金に入った。こうした場合の奥さんの厚生年金も、これは主人が死んだ場合は何ら効果を持たないですね。
 さらにまた、主人がかりに厚生年金に入って、十五年なり十九年なりかけた。そして国民年金に入って、一年以上かけて死亡したという場合に、国民年金の遺族年金があるだけですね厚生年金のかけた掛け金というのは何ら効果を働かさぬわけです。
 こういう制度になっていることについて、遺族年金、障害年金の場合なんか考えてみても、私は通算が老齢年金だけ認められて、最も必要とする遺族年金や障害年金に通算がないというのは不合理ではないか、こう思うのですがどうですか。
#14
○横田政府委員 通算の問題は、御承知のように昭和三十六年にこの制度をつくったわけでございますが、その際老齢年金だけを通算の対象にいたしまして、障害、遺族についてしなかったのは、確かにいろいろ問題があると思います。おそらくこの老齢年金のように、二十年ないし二十五年という長期加入を前提とする制度については、こま切れにいろいろな制度に加入いたしました際に、それを通算する実益が非常に大きいということはいえますけれども、いま先生御指摘のような事例の場合でございますと、ほんとうにちょっとしたことで、もらえるもらえないの差が出てまいりまして、これは非常に問題だと思います。
 ただ問題は、たとえば国民年金で遺族年金をもらうといった場合に、厚生年金のほうでかけた分はかけ捨てになる、その面だけを取り上げてみますと、そのとおりでございますが、遺族年金の支給を受けます場合には、御承知のようにそれぞれの制度におきまして最低保障の裏打ちがあるわけでございます。これは御承知のように厚生年金の定額部分の二十年相当分を最低保障にいたしておりますから、したがって受給権のある方につきましては、その最低保障のほうが相当問題を解決する歯どめになっておりますが、ただ六カ月未満でなくなられたとか、あるいは国民年金の場合では一年未満でなくなられたという場合には遺族年金が出ませんので、そういった点についての問題は依然ございます。
 したがって、この問題につきましては実は公的年金制度全般の問題でございますので、今回の改正にはちょっとここまで手が及ばなかったわけでございますが、問題の所在は御意見のように非常に大事な問題でございますし、何とかしなければならない問題であるという意識を十分持ちまして、ひとつできるだけ早い機会にどういう形で解決するかの問題はいろいろ検討させていただくといたしまして、何らかの形での解決をはかりたいと思います。
#15
○村山(富)委員 これは極端な例を申し上げますと、さっき申し上げましたように、たとえば十九年間厚生年金をかけた、そして会社がつぶれてやめて自家営業に変わった。国民年金に五年間かけてかりになくなった。こうした場合に、遺族に対しては国民年金の一時金があるだけですよ。十九年間かけた厚生年金というのは全くかけ捨てですね。そういう扱いというものは、これはいまいろいろな年金制度があるけれども、どの年金制度を見てもきわめて不合理じゃないか。私は、老齢年金だけが通算制度があって今度改正案が出ているわけですけれども、しかし五万円年金というところにあまり頭が進み過ぎて、そしてこの通算制度は置き忘れたのではないかというくらいに思っているのですけれどもね。大臣どうですか、いまの問題は。
#16
○齋藤国務大臣 この問題は厚生年金、国民年金その他公的年金全般に通ずる問題でございまして、先般もどなたかの御質問にお答えいたしたと思いますが、この通算制度は非常にむずかしい条件の中にありますけれども、私は検討して解決すべき問題だ、私は実際はそう考えております。したがって、先般どなたかの質問に対しましても、できればできるだけ早い機会に結論を出して、来年の春の通常国会にでも何とか解決策を法案として出すようにしたいということを申し上げたのでございますが、この問題は非常にむずかしいと思います、実際問題。いろいろなケースがございますから、その全部のケースを何もかも全部というわけにいきませんでしょうが、通常起こるであろう事例を頭に描きながら障害年金と遺族年金の通算、厚生年金、国民年金ばかりじゃなくて、公的年金全部に通ずる問題になるわけですから十分検討をいたしまして、結論を出すようにいたしたい、かように考えております。
#17
○村山(富)委員 来年までには何とか解決したいという答弁もございましたので、ぜひひとつ来年中にはこの問題が解決するように御尽力を願いたいというふうに思うのです。同時に、これは私はいまの年金というものは単に通算だけの問題ではなくて、たとえば共済年金あるいは厚生年金あるいは国民年金、そのそれぞれの年金制度の中に相当の不均衡がある。これは一つの例を申し上げますけれども、こういうことがいわれているわけですね。たとえば主人が二十五年も厚生年金保険をかけてなくなった、遺族年金は年額十万五千六百円、これは最低保障ですね。ところが隣の御主人は国鉄に二十年ほど勤務して年額六十万円の年金をもらっていながら、国鉄退職後嘱託として会社に勤務する。そして厚生年金保険を六カ月かけたわけです。そして病気でなくなった。この場合に、遺族年金は国鉄から三十万円、厚生年金保険から十二万円支給されるわけですね。何でこんなに違うのだろうかといって隣の厚生年金をかけておってなくなった奥さんのほうが悔やんでぼやいておるわけです。
 こういう事例というものは私は全国にたくさんあると思うのですよ。ですからもうここまで年金制度が確立されますと、私はやはり被用者年金というものは、ここらで一元化する必要があるのではないか。あるいはまた国民年金もこれは地域年金として不均衡をできるだけ是正していくということが必要ではないか。そうしますと、通算の問題なんかも比較的解決が早いのではないかというふうに思うのですけれども、何回も申し上げますが、いま五カ年計画をつくっておられる、そういう五カ年計画の中でそうした問題も十分検討していくというようなお考えがあるかどうか、大臣にお伺いしたいと思うのです。
#18
○齋藤国務大臣 非常にむずかしい問題を御提起になったわけでございますが、なかなかそれぞれの年金というのはいわく因縁さまざまございまして、全部一本にするということは、なかなかこれ困難な問題があるわけでございますが、少なくとも給付についてはできるだけ同じ方向に持っていくことが必要だと思います、その統合とかなんとかということは別にしましても。
 そこでやはりこういう問題は仰せのごとく五万円年金というところまで来たわけですから、やはりこういう問題を懇談会において十分検討していただくようにしたいと思います。この懇談会においては、どうせ年金については四、五年の間に再計算期をやるということで、私はできるだけ早めたいということを考えておるわけですから、当然五カ年計画の中にはひとつそういう問題が出てくるわけですから、そういう問題とあわせてお述べになりましたような問題、先ほどの障害年金の通算の問題、各公的年金における給付の斉合化と申しますか、そういう問題について十分検討するようにいたします。
#19
○竹内(黎)委員長代理 関連質問の申し出がありますので、これを許可いたします。田邊誠君。
#20
○田邊委員 いまの村山委員の質問と全く同じなんですが、実は私の県で正月二日に四十五歳の人が、警備員でもって地方公務員共済組合に加入しておったのですが、なくなりました。胃ガンでなくなった。この人はしたがって、この共済組合に七年七カ月加入しておりましたが、それ以前に会社を転々しておりまして、三つの会社を合計して十九年二カ月つとめた。ところが遺族が受け取った金は、退職金の四十万円と共済組合からの死亡一時金約五十万円、それで二十七年もつとめたんだから、年金がおりるであろうと奥さんは思ったところが、遺族年金の支給がない。すなわち共済組合は十年以上でないと遺族年金支給にならない。ところがこれは逆の場合どうでしょう。この人が共済組合に七年七カ月加入しておって、その後会社を転々として厚生年金十九年二カ月つとめておって死亡された場合には、これはどうなんですか。これは遺族年金が支給になりますね。
 ですから、いま村山委員が言われたように、制度上実はいろいろな差があることを現実に知って、これはどう説明したらいいのか。逆の場合ならば支給になる。このことに対して私は実は説明がつかぬのですよ。なくなったこの奥さんを私は目の前にして、一体どういうふうにこれを――ただ制度上の違いであるといま大臣も言われたけれども、違うことは承知しておるけれども、少なくともこの遺族年金の支給の場合、それから老齢年金の通算制度の場合ですね、われわれとしては、こういう事例に対して何らかの打開の道がはかられなければならない。したがって、抜本的な改革が必要であり、あるいはまた、共済年金を通じて、これが同一水準にあるいはまた統合が必要であるけれども、とりあえず、こういった具体的な場面に遭遇して、われわれは一体どのように制度上の問題に対して国民に申し開きができるかということに対して、実は私は窮しておるので、ちょっと年金局長さんお答えしていただきたい。
#21
○横田政府委員 ただいま御指摘の問題は、国家公務員共済、地方公務員共済ともにそうでございますが、従来は、遺族年金につきましては、十年の被保険者期間を必要とすると、こうなっておりまして、厚生年金、国民年金と比べまして非常に格差があったわけでございます。今回、国家公務員、地方公務員につきましても、一年に短縮をするという法改正が国会で御審議中でございますので、それが通りますと、その意味での格差はなくなる、こういうことでございます。
#22
○田邊委員 これは完全に格差がその面でなくなるわけですか、そうじゃないですね。まあ格差は縮まってきますけれども、なくなるわけじゃない。ですから、私は、共済やそれから厚生年金、国民年金のいろいろな格差があるのはわかるのですよ、額の面やその他の面で。しかし、通算制度なり、あるいは遺族年金がもらえる権利なり、こういうものについては、私はどういう仕組みであっても、どういう場面になっても、これはやはり同じであるというそのたてまえだけは貫かなくちゃいかぬのじゃないか、こういう気がしているのですけれども、大臣、どうでしょうか。これだけですから、私の質問は。
#23
○齋藤国務大臣 お述べになりましたとおりでございまして、こういう制度間に通ずる内容について、統一的な運営ができるようにしなければなりませんし、できるだけ通算もさせるようにしていかなければならない。そういうふうなことで、ひとつ何とかすみやかに結論を出すように努力をいたしたいと考えます。
#24
○村山(富)委員 それでは、その点はひとつ精力的にやられることをいま期待をいたしております。
 次に、これはもういままでの委員会でたびたび指摘されておりますが、厚生年金にしても国民年金にしても、非常にこれはもう難解でわかりにくいですね。自分がいまかけておる厚生年金が、あるいは国民年金が、老後になったら大体幾らになるのか、もう一つは、そのときにもらえる年金の額というものが大体どの程度の生活を維持するに足るものになるのかといったような問題については、全くもうわかりませんね。そこで、私は、たとえばいつか出ていましたように、健康保険が改正されるとすれば、こんなによくなりますというような行き過ぎた宣伝なんかするよりも、やはり厚生年金や国民年金なんかをもっと国民に平易にわかりやすく知らしてやるというようなことが必要じゃないかと思うのです。同時にまた、難解な点はできるだけ平易にわかりやすくする必要があるというように思うのですけれども、その点はどうですか。
#25
○横田政府委員 確かに制度自体が入り組んでおりまして、一つの制度の中でも、年金額の計算が非常にむずかしくて、私なんかもよくわからない面が多いくらいでございますので、何とかもっとわかりやすくという努力はいたしたいと思いますけれども、ただ、厚生年金を例にとりますと、言いわけを申し上げるわけではありませんけれども、定額制、報酬比例のその組み合わせというものによりまして、いろいろなことをその年金によって実現しようとするというふうなことがございますので、なかなか簡単にすると申しましても、限度はあると思いますけれども、可能な限り簡単にする努力、それからまた、どういうふうなことで大まかな年金額が計算できるというふうな、そういった周知徹底の問題、可能な限り努力をいたします。
#26
○村山(富)委員 これはひとつぜひお願いしたいと思うのですね。いつかもわが党の多賀谷委員から指摘されておりましたけれども、保険に入って金をかけている人が、一体この掛け金は何ぼで、もらうときには何ぼになるのかということが全然わからずにかけているなんてことは、これは私は許されぬと思うのですね。ですから、この点は、ぜひともそういうふうにお願いしたいと思うのです。
 そこで、いま厚生年金に入りますと、被保険者証というのをもらいますね。これはちっちゃなカードみたいなものですね。この扱いは、通常の場合、もう本人には渡らずに、雇い主にまかせっきりという場合が非常に多い。ですから、かりに退職をする場合に、もうそのまま忘れて紛失をしたというようなこともあり得ますし、同時に、転職をする場合に、その番号を使わずに、また新しく番号が設定されるというんで、二重にも三重にもなるというふうな例もあるのじゃないかと思うのですね。これは本人自身もやはり困るし、これを担当している事務から考えても、やはり非常に困るのじゃないか。できればやはり番号が一連番号で一人に一つの番号ということになれば一番いいわけでしょう。それで、こういう場合も考えられると思うのです。
 たとえば主人がなくなった。奥さんは、主人と結婚して後の勤務先はよく知っておる。だけれども、結婚前の職場というものは全然知らないという場合に、その遺族年金をもらうのに、一体うちの人は遺族年金が何ぼもらえるのかという場合に、聞きにいってもすぐ返事はできない、なかなかわからない、こういったような事例も生まれてくるのじゃないかというふうに考えますから、私はこの際、相当長期にわたって年金はかけるわけですから、したがってそういうふうな薄っぺらな一枚の紙ではなくて、やはり年金手帳ぐらいこしらえて、そうしてその年金手帳の中に、さっき申し上げましたような平易にわかりやすく理解できるような解説みたいなものを入れて、そうしてずっと転職しても、その年金手帳一冊で通せるというふうなものを考えてみる必要があるのじゃないかと思うのですが、そういう点はどうですか。
#27
○八木政府委員 先生御指摘の年金手帳の必要性につきましては、社会保険審議会をはじめ従来から各方面から御要望があった問題でございまして、私どもも、その重要性につきましては考えておった次第でございますが、本年度予算要求が認められまして予算化されましたので、厚生年金、国民年金、船員保険、この三制度を通じましての一本の年金手帳を発行いたしたいと計画しておりますので、できるだけ早い機会にこれを実施いたしたいと考えておる次第でございます。
#28
○村山(富)委員 その点は了解します。
 さらに、最近、これは総選挙で各党とも年金問題をぶちあげて、同時に、老人がだんだんふえてきて、この年金問題というのは、単に年金を受給されるお年寄りだけではなくて、若い人もやはり非常に関心を持って考えているわけです。私が承知している範囲で、最近、各市町村の窓口や、あるいは社会保険事務所なんかに年金問題の問い合わせが殺到するというふうな事例がたくさんあるように聞いておるのです。その場合に、たとえば市町村の窓口に参りますと、国民年金のことについては事務を扱っているから詳しい。ところが、厚生年金やら共済年金になると、さっぱりわからぬ。社会保険事務所に行きますと、厚生年金のことは詳しい、比較的国民年金も理解しているようですが、しかし共済年金になると、さっぱり関係がないからわからぬ、こういう事例がたくさんあるわけです。
 これでは私は、ほんとうの意味で住民に対するサービスにならぬというふうに思いますから、少なくとも社会保険事務所の窓口あるいは市町村の窓口の担当に行けば、大体そういうもろもろの年金問題について理解ができるというふうなものにやはりする必要があるのではないか。窓口の相談員なんかをやはりもっと教育をして、そうして十分大衆の要望にこたえられるような、相談に乗れるようなそういうものにやはり完備していく、充実していく必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、その点はどうですか。
#29
○八木政府委員 先生御指摘の、従来、国民年金あるいは厚生年金それぞれの制度の分野だけしかわからないということでは、第一線の窓口なり相談体制というのは適当ではないということで、私どももこのような時代では、厚生省関係の所管の年金だけではなしに、すべての、共済年金まで含めた相談体制というものを考えなければいけないのじゃないかということで、全国会議等でも指示しておりますし、最近のPR資料等につきましては、できるだけ年金制度全般を通じましてのPR資料をつくりたいというふうに考えております。
 なお御指摘のように、最近は市町村の窓口なりあるいは事務所に相談が相当殺到しておりますし、相談体制の強化というのは現業庁の立場でも最大の重要事項であるというふうに考えております。そういうような面で社会保険相談員でございますとか、あるいは事務所に最近では新たに年金関係の年金専門官というような職種も設けまして、御指摘の方向でできるだけ相談体制あるいはPR体制の強化に努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#30
○村山(富)委員 それでは次に老齢福祉年金の問題について若干お尋ねしたいと思うのですが、国民皆年金ができましてから、その網の目からこぼれておる人たちに、七十歳以上のお年寄りに老齢福祉年金を支給する、同時に、この委員会でもたいへん問題になっておりましたが、六十七歳、八歳、九歳の落ちこぼれた人たちに対して何らかの措置をしたい、こういう問題が出ておりますが、私はここでお尋ねしたいのは、老齢福祉年金と老齢年金とは同じ年金という名前がついておっても、その概念は一体違うのかどうかというその考え方についてお尋ねしたいと思うのです。
#31
○横田政府委員 御指摘のように国民皆年金体制になりましてからの年金の体系でございますが、拠出制年金を中心に年金体制をとっておりまして、ただ拠出制年金を実施いたしました時点において、ある程度の年齢以上の方については、拠出制年金は御承知のように相当長期の拠出期間を必要といたしますので、そういう年金に御加入いただいても、あまり実益がないということで二つの制度をしつらえておるわけでございます。一つは高齢者につきまして短期間でもって年金がつく、いわゆる十年年金、五年年金の制度でございますし、それからもう一つは、さらにその年齢を越えた方につきましては全額国庫でもって負担いたします福祉年金、したがってその年金の性格論といたしましては、中心になるものが拠出制の年金であり、それを経過的ないしは補完的に補うものとして福祉年金というものがある、こういうふうな体系づけだろうと思います。ただそれによって支給されますその年金の性格につきましては、拠出制であれ無拠出の福祉年金であれ、老後生活をささえるようなものでなければならない、その点においては共通だろうと思います。
 ただ問題は、無拠出の福祉年金については、長い目で見ますと、拠出制の年金と老後生活のささえになるという点においては同じ性格ではございますけれども、年金制度が発足いたしました際、すでにいろいろな社会福祉の政策があるわけでございます。その最もティピカルなものは御承知のように生活保護制度でございますが、それとの関連でございますとか、それからまたその後、いろいろ政策として太ってまいりました医療費の公費負担の問題でございますとか、いろいろなものとのかみ合わせがございまして、それぞれが主として国費、あるいは国費並びにその地方の公費を財源といたします関係上、福祉年金だけでもって老後生活をささえるという、そういうところまでは至っておらないという点が拠出制年金との大きな差ではないかと思います。ただ、この問題につきましては、これから先の老後保障というものを何を重点に置くかという点につきましては、やはり相当政策的に再検討する時期には参っておるということでございます。
 一例を申しますと、現在老齢福祉年金は、御承知のように生活扶助を受けておられる世帯につきましては老齢加算という形で、いわゆる加算のかっこうでこれが支給されるということでございますが、年金を中心に老後生活をということになりますと、年金が中心になりまして、それを補うものとして生活扶助というものを体系づけるというふうなことも一つの考え方でございますので、これから先の問題といたしましては年金に重点を置くという政策に可能な限り重心をかけてまいりますと、いろいろそういった他の社会福祉関係の諸施策とのいろいろな関連づけ等の再検討が必要である、こういうことでございます。
#32
○村山(富)委員 そうしますと、老齢年金も老齢福祉年金も拠出制、無拠出制の違いはある。老齢福祉年金の場合は全額国庫負担といったような財源上の違いがある。しかし老後の生活を保障するというたてまえからすれば、老齢年金も老齢福祉年金も区別はないということは確認していいですか。
#33
○横田政府委員 あるべき姿といたしましては、そのようなことであろうと思います。ただ、先ほども申し上げましたように、生活保護との関係、いろいろなものがございまして、これのみによって生活をささえるということまでは、老齢福祉年金はそういった任務は負わされておらないということは言えます。したがって、あるべき姿はおっしゃるとおりでございますので、そういった方向へ可能な限り、この年金というものが成長を続けていくべきものと考えます。
#34
○村山(富)委員 その生活扶助を受ける場合、やはりいろいろなきびしい条件があるわけですよ。ですから生活扶助も受けられない、わずかに老齢福祉年金しかもらえないといったようなボーダーライン層というのはたくさんあるわけですよ。そういうものを無視して、そして生活扶助の関連だけを強調されるようなものの考え方というのは、私は問題があると思うのですよ。これはさっきから御説明がありますように、全く福祉年金もあるいは老齢年金も老後の生活を保障するというたてまえからすれば共通するものである、同じものであるというふうに考えられるならば、私はいままでの老齢福祉年金の額というものは、あまりにも少額であると思うのですね。
 これは私はもっと考えてもらいたいと思うのは、自分の意思で国民年金に入らなかったわけじゃないのです。国がつくった制度の中に入れなかったわけですね。したがって、年金に入る、入らぬは自分の意思ではないのですよ。それが一つです。それからもう一つは、いまのお年寄りというのは、まだ年金制度が確立しておらない時期ですから、したがって若いときに自分の親は自分の力で扶養してきたんですよ。同時に自分が老後になったら子供に扶養してもらおうと期待をして努力してきているわけですよ。そういう人たちに対して、その老後の生活をみんなで見てやろうではないかということについては、国民だれも異論はないと私は思うのですよ。
 同時に、まあ最近のように、これは社会経済の変動に応じて核家族化が進んで、せっかく楽しみにしておった子供から切り離される、あるいは国の経済政策から雇用構造が変わって、どんどん都市に出ていくというので、年寄りは農村に残される、こういう状態に置かれておるお年寄りというのがたくさんおるわけですね。これは全く自分の責任でも自分の意思でもないわけですよ。そういう立場に置かれた年寄りに対して、いまの老齢福祉年金の考え方というものは、あまりにも薄情過ぎるのではないか。最初に確認しましたように、年金というものが拠出、無拠出にかかわらず、老後の生活を見るべきものであるとするならば、私はこれではあまりにも施策として足りないと思うのですね。この点、大臣どうですか。
#35
○齋藤国務大臣 冷たいとかいろいろなお話、私も十分その点は理解できるわけでございますが、私は、これはたびたびお答えをいたしておりますように、年金法が十二年前に施行になりました当時から、いわゆる福祉年金というものは、老後の老人生活において多少のゆとりを持たすような考え方でつくりましょうということで全額国庫負担ということできたわけでございます。それから拠出制年金というものは、これは年金というものは、保険制度ということを言うとおきらいになるかもしれませんが、保険制度ということであるならば、やはり拠出制年金というものが本体なんです。将来はみんなそうなるんですから。いまは中途の経過的な時期でございますから、無拠出の老齢福祉年金というものがある。そういう制定当初のいわく因縁から、ほんとうにこれ同じようなことばかり申し上げて申しわけないですが、きておるわけでございますので、老後の生活を全部なり、大半をささえるという老齢年金とは、どうしても私は性格が違うんだ。これはもう制度上やむを得ないんだ。制度というものをつくりますときには、そういうように割り切らなければできないのです、実際のところ。
 あの当時五十五歳以上の方をそれじゃ拠出制年金に入れられるかということを考えてみれば、拠出する年数がないんですね。そういうこともあって、こういうことになっておるわけでございまして、無拠出の年金というものは老後の生活に多少のゆとりを与えるということできておるわけでございますので、その点は、私は全部同じにしなければならないとは必ずしも考えておりません。しかし、来年は七千五百円になり、昭和五十年には一万円にもなる。夫婦で二万円にもなるということになってきますと、この辺で性格についてもう一回現在検討をする必要があるのではないかということが言えると私は思うのです。
 ですから、五十年、五十一年後にどうするか、その際に私は本質を本格的に考え、そして金額等についても、いまのような定額でやっていくのがいいのか、その辺で私は考えるべき時期である、こういうふうに考えておるわけでございます。したがって、その性格の根本的な検討は五十年度以降の問題として私は検討を続けていきたい。その意味において福祉五カ年計画の中でも一つの研究項目として研究していただく、これは提案をいたしておる次第でございます。
#36
○村山(富)委員 これは五十年、五十一年のときに性格を考えるということでしょう、あなたは。ところが局長は、これは全く性格は同じである。大臣と局長と見解が違うじゃないですか。局長は全く性格は同一のものである。大臣は性格は違うと言う。その性格は五十年、五十一年に考えたいと思う、これはどうしてですか。
#37
○横田政府委員 私の説明が舌足らずで誤解をお受けしているようでございますが、要するに、この全額国費の年金は、年金という意味では同じでございますけれども、いろいろ全額国費なりあるいは国費と地方の公費でもって支弁される、そういったもろもろの政策と相まって老後の生活をささえる、そういう側面がございますので、それら諸制度との関連においては、当然そういったこととはかかわりのない拠出制の年金とは、おのずから異なった役割りを果たす、こういうこともひとつ御理解をいただきたいと思います。
 ただ将来のあるべき姿としてどうかという点になりますと、やはり所得の調査でございますとか、そういったことをあまり言わずに、一つの権利として支給される年金によって老後の生活がささえられるということは、あるべき年金像としては当然のことである、こういうことを申したわけでございます。
#38
○村山(富)委員 大臣が答弁したらだんだんまた後退した。私はこれはここで固執をするようですが、やはりその性格づけと認識というものは、きわめて大切だと思うのですよ。ですから、老齢福祉年金というものは、これは一銭も掛け金をかけてないんだから、この程度でいいじゃないか。これだけで老後を見るなんというのは無理な話だ。もっと補完的なものとして、ほかの要素でまかなえばいい、こういう考え方に立っておるのか、それともそれはもちろんいまの厚生年金あるいは国民年金なんかにしても、決して老後の保障は完全にできるものではないですよ。やはりいろいろな要素を加味してかろうじて老後を送っているわけですから。
 しかし、老齢福祉年金と老齢年金との性格と認識が全然違うということになると私は問題じゃないかと思うのですね。これは現にこの厚生白書の中にこう書いてあります。「年金制度は、老齢、障害、死亡など」「困難な事故によって生活の安定がそこなわれるのを社会連帯の考え方に立って公的に救済し、国民生活の安定を図ろうとする制度である。」「従来、個人の力や家族の共同意識によって支えられていた老後等の私的扶養を社会連帯の思想に基づく公的な扶養に切り換えるための仕組み」である。
 この考え方からするならば、老齢福祉年金も老齢年金も何ら変わりないんですよ。当時、私が先ほど申し上げましたように、老齢福祉年金の支給を受けている人たちは自分の意思で年金に入らなかったわけじゃないですよ。国のつくった制度から落ちこぼれておるわけですよ。全く本人の責任じゃないわけですね。同時に社会がこういうふうに変わってきて、そして子供が扶養する義務がなくなった。だから私的な扶養でなくて、公的に老後を扶養していこうではないかというたてまえから年金制度ができているとするならば、私は大臣が答弁したように、掛け金をかけてないから、まあ経過的な措置としてあめ玉くらいやればよかろうというような気持ちで老齢福祉年金を考えておるとするならば、たいへんな認識違いであると思うのですが、大臣もう一ぺん答弁お願いします。
#39
○齋藤国務大臣 これは制度を新しくつくるときにはこういうふうなことで、やはりある程度思い切って割り切らなければならない問題があると思うのです。あの当時十二年前に、それじゃこういう方々について拠出制年金に入れようといっても、拠出する期間というものはほとんどない。でありますから、どうしてもこれは本人の意思でないことは確かです。これは国の制度としてできたわけでございますから、この制度というものをつくるときには、何かしらそこに割り切りが必要であるわけでございます。
 そこでそういう方々には全額国費で多少のゆとりを与えるような考え方の年金というものを出すことにしましょう。こういうことになったわけでございます。それがご承知のように昭和五十年には夫婦で二万円、相当大きな金額にもなってくるわけでございます。
 そこで、それならば、このままのような老後の多少のゆとりをひとつ考えましょうやという福祉年金のような姿で行ったがいいのか、あるいはまたこの際思い切って老後の生活をほんとうにささえるような、生活全部でないにしても、相当の部分をささえることのできるような年金制度に性格を変えていくべきか、そこで問題になってくるわけでございます。現在のところはまだ五千円ですから五千円の段階のときに老後の生活をささえる年金でございますと、私は何としても言えません。ただ夫婦二万円くらいということになりますと、多少そっちのほうに向いているかなというきざしが出てくるわけでありましょう。しかし、それもはたして、全額国費でございますから、いますぐに、もうそうなったら、五十一年からは老後の生活を大半ささえるような拠出制年金と同じような性格にいたしますというようなことは、いままだ私は言えません。これは何ぼ追及されても言えない。
 そこで、こういう問題について将来の性格をどう持っていくべきか、そういうことについて五カ年計画の中で、その性格論争を含めて検討をしてみたいと私は申し上げておるわけなんです。永久にそれに同じにしてはならぬなんということを言っているのではない。きょうのいまの段階で、それは性質が違います。しかし、金額が上がるに従ってこういうふうになってまいりますから、そういうふうな時点になれば、性格を根本的に再検討する時期が来るのではないか、こういうことを私は申し上げているのです。さように御理解いただきたいと思うのです。非常にわかりにくいような説明かもしれませんが、御理解をいただきたいと思うのでございます。
#40
○村山(富)委員 何か委員会で質問が行なわれるたびにその言うことが違ったり、後退したりするのです。
#41
○齋藤国務大臣 私は違わない。
#42
○村山(富)委員 いやいや、違っています。前回の委員会では、いまここに議事録を持っていませんけれども、議事録を見ましたら、いままでの経過としては、できるだけ老人にゆとりを与えたいというふうな気持ちで扱ってきた、しかしこれからはもうそんなことじゃ済まされないのではないか、だから、老後を保障するというようなものに変えていく必要があるのではないか、そういう考え方で今後は努力したい、こういう答弁をしているのですよ。
 いまあなたの答弁を聞いていますと、性格についても、これから十分検討したい、こう言っているわけですね。だいぶ違います。その中身はどっちがほんとうですか。
#43
○齋藤国務大臣 前にどういう答弁をいたしたか、あまり私もさだかに記憶いたしておりませんが、私はきょう申し上げておるように申し上げているつもりでございます。
#44
○村山(富)委員 それはもうだいぶ後退していますよ。しかし、きょうの答弁がどうであるにせよ、やはり老齢福祉年金というものはいままでの経過措置としての扱いが間違っておるのであって、さっきから何べんも言っていますが、いまのお年寄りが年金からこぼれておる。そういう人たちに対して国民全体として老後を見てやろうではないか、こういう気持ちについては、私は何も異論がないと思うのです。当然やるべきだと思うのです。そういう考え方に立って、これからやはり考えてもらう必要があるというふうに私は思うのです。五千円だけれども来年は七千五百円ですか、その次は一万円にする、こういうところまで明らかにされていますね。しかし五十年、五十一年にはもっと性格を考えていく、社会保障、生活保障になるようなものに変わるように努力をしていきたい、こういう答弁をしていますから、したがって五十年、五十一年にはどの程度まで引き上げる考えなのか、その考え方を明らかにしてもらいたいと思うのです。
#45
○齋藤国務大臣 来年は七千五百円、五十年度は一万円、そこまでははっきり政治的にきめておるわけでございます。五十一年になるときに、先ほど言った性格の検討とあわせてその金額をきめる、こういうことになるわけでございまして、五十一年度につきましては、だいぶ先のことでございますから、いまのところ何も申し上げ得ないわけでございます。そこで、五十一年度のときに幾らの金額にするかということも含めてその性格を再検討するということで、いわゆる懇談会において答申を出していただくようにしたい、こういうふうにしておるわけでございます。
#46
○村山(富)委員 それでは重ねて聞きますが、五十年になって初めて性格を検討するというのではなくて、いまの時点であなたはどう考えておりますか、先のことは別にして。老齢福祉年金というものが年寄りに潤いを与える程度のものでいいんだ、あめ玉を与える程度のものでいいんだという性格のものであるというふうに考えておるのか、あるいはやはり年金という名がつく限りにおいては最小限老後の生活を保障できる程度のものにすべきであるということを考えておるのか。先のことは別にして、いまの時点ではどう考えておりますか。
#47
○齋藤国務大臣 いまの時点でどう考えるかというお尋ねでございますが、そうした問題は、いわゆる五カ年計画懇談会において検討してくださいといま申し上げておるところでございます。したがって、私は、こうしたい、ああしたいということを、いまだかつてどこでもしゃべったことはございません。懇談会において、五十年度には一万円になりますといった事実も提供してあるわけでございます。そこで、こういう状況でございますが、どういうのが一番適当でございましょうかということを、いま長期懇談会で検討していただきたいとお願いしておるのです。そういうことに御理解いただきたい。
 私がいま五十一年度からはこうする、ああするということを言ってしまえば、懇談会は何をやるんだ、こういうことになりますので、私からはそういうことを申し上げるべきものではない。懇談会で自由に結論を出すようにしてください、こうお願いしておるのです。そういうことは十分わかっていただけると思います。
#48
○村山(富)委員 ですから、そういうことを聞いておるのではなくて、いまあなたは少なくとも厚生省の最高責任者ですね。その責任者が、その年金の性格づけについて何も言うわけにいきません、何も考えはありません、懇談会にお願いしておるだけですというのは、あまりにも情けないじゃありませんか。ですから、その年金の性格づけについて、いま大臣はどう考えていますか。先のことは問いませんよ。
#49
○齋藤国務大臣 そういうわけでございますので、五十年度には夫婦で二万円ということになれば、従来のような考え方でいくのは相当無理じゃないかというふうな感じを私は率直に持っております。このままで毎年、月に二千円、三千円、五千円ずつ上げていくという、こういう仕組みでいいのかということについては、私はこれはちょっとどうかな、この辺のところがきょうの段階だと思います。
#50
○村山(富)委員 もうあまり時間がありませんから、これ以上なにしませんけれども、ひとつその点も十分――やはり年金という名がつく限りにおいては、そういうあめ玉的なものではなくて、ある程度老後のめんどうを見る、そういうところを見るということにならなくちゃならぬと思うのです。私は、この点も今後格段の努力をしてもらいたいと思うのです。
 次に、この年金問題と関連をして老人福祉の問題について若干お尋ねしたいと思うのです。
 私は、老後の安定というものは、もちろん最低生活が保障できる程度の年金を差し上げるということも大事なことであるし、それが柱ですが、それだけでは老後は解決せぬと思うのですね。たとえば医療の問題とか、住宅の問題とか、あるいはまた働く能力のあるお年寄りに対しては職業のあっせんをするとか、そういうもろもろの政策が総合的に出されるということに老後の安定はからんでいくと思うのです。同時にまた同じ年金も、お年寄りがほんとうに老後の安定のために使っているかどうかといったような問題も含めて考えてまいりますと、そういう点はきわめて大事ではないか。ですから与えられた年金は、ほんとうに老人のために活用されて、少なくとも老い先短い将来が何とか安定して行なわれるということのためには、そういう政策も必要ではないかと思うのですそういう意味で、ここでいろいろなことは申し上げませんが、ただ一つ居宅老人のめんどうを見てあげるホームヘルパーの問題についてお尋ねしたいと思うのです。
 厚生省の厚生白書を見ますとこう書いてあるわけです。「老人家庭奉仕員の派遣は、在宅の老人に対する中核的な施策として重要な位置を占めるものである」中核的な施策として重要な位置を占めておる、こういう重要な位置を占めておる家庭奉仕員はどういう現状に置かれておるか、具体的に御説明願いたいと思うのです。
#51
○加藤(威)政府委員 ホームヘルパーにつきましては、先生いま御指摘になりましたとおり、私どもといたしましては在宅老人対策の中核的なものというぐあいに考えております。
 その現状でございますが、四十八年度予算におきまして人員が七千六十人、前年度四十七年度が六千四百六十人でございましたので、六百人の増ということでございます。それから給料につきましては四万五千円、前年が三万七千円でございましたので八千円の増、こういうことで毎年ホームヘルパーの人員増と、それから処遇の改善につとめておるところでございます。
 勤務の状態といたしましては、大体市町村ないし市町村福祉協議会に所属いたしておりまして、常勤の方が大体七七%、非常勤が二三%ぐらいでございます。年齢は大体四十六歳平均ぐらいでございます。それから家庭奉仕員を設置している市町村は大体八三%ぐらい、こういうような現状でございます。
#52
○村山(富)委員 そうすると、市町村の常勤職員、これは地方公務員法でいう正規の定数内の常勤職員ですか、それとも十七条でいう定数外常勤職員ですか。もう一つは社会福祉協議会に所属している人は正規の社会福祉協議会の職員になっておるのか、非常勤になっておるのか、どうですか。
#53
○加藤(威)政府委員 所属は、市町村に所属しておるのが六五%、社会福祉協議会に所属しておられるのが三五%ということでございます。
 常勤につきましては、あるいは地方公共団体によって若干違っているかもしれませんが、私どもは一応市町村の正規の職員と考えております。それから社協におきましても、常勤の者は社協の正規の職員というぐあいになっておると考えております。
#54
○村山(富)委員 こういう重要な位置づけをされておる家庭奉仕員が、市町村の嘱託になっておる人もあれば、あるいは非常勤職員になっておる者もある、あるいは社会福祉協議会の非常勤職員になっておる者もあり、あるいはまた常勤職員になっておる者もある、こういうふうな扱いになっておることはきわめておかしいと思うのです。運営要綱を調べてみますと、「老人家庭奉仕事業の経営主体は、市町村とする。ただし、やむをえない理由がある場合には、市町村はこの事業の一部を当該市町村社会福祉協議会等に委託することができる。」こうありますね。「やむをえない理由」というのは一体どういうことをいうのですか。
#55
○加藤(威)政府委員 市町村等におきましても、まあ定員の問題その他というようなことで、私どもの指導といたしましては、なるべく市町村の職員であったほうが望ましいという指導をしておりますわけでございまして、定員の関係その他で社協のほうに委託するというようなケースもある。先ほど申し上げましたように、約三五%ぐらいが社協ということになっております。
 それから常勤、非常勤の問題でございますが、これも私どもできるだけ常勤が望ましいということで、そういう指導をしておりますし、社労の委員会におきましても、この問題に関心を持っている先生から、そういう方向で指導すべきであるという御意見もございますし、その方向でやっておりますけれども、しかしそれにはパートタイムとしてつとめたいという人もおられるわけでございます。絶対数がまだ非常に少ない段階でございますので、とにかくパートタイマーでもこういう仕事に協力していただける方はできるだけ協力していただくということで、諸外国でも全部が常勤ということはないようでございますので、そういうようなことで、方向としては先生御指摘の方向で持っていきたいと思いますけれども、現状は以上のような現状でございます。
#56
○村山(富)委員 私がいま聞いているのは、「やむをえない理由」というのは一体どういう理由かと聞いているわけです。これは市町村職員の定数職員になっていないでしょう、全部定数職員に。そうすると定員の関係なんというのは、ないじゃないですか。「やむをえない理由」というのは、ちょっと理解できませんね。どういうことですか。
#57
○加藤(威)政府委員 定員の理由と申しますか、さっき申し上げましたように、国から出しますものは一人当たり四万五千円でございますから、そういうようなことで、市町村の職員の給与との関連で、場合によってはそれに上のせをしなければいかぬというようなことになりますと、財政的な問題になるかもしれません。あるいはまた、地方公共団体としてはあまり職員の数をふやすということについては、抵抗を感じておるところもあると思いますので、そういうことで社協の職員になっておる者が相当あるということでございます。
#58
○村山(富)委員 市町村でそんな扱いを受けるような立場に家庭奉仕員を置いておいて、そしてさっき言ったような重要な位置づけをしておるというようなことで済まされるわけですか。私はどうも「やむをえない理由」というのは納得できないのです。しかも、さっきから、あなたのほうから答弁されていますように、市町村に位置づけるように行政せよというのでしょう、行政指導。そんなただし書きは撤廃すればいいじゃないですか、運営要綱の中から。私は一つも不都合はないと思うのですよ。むしろこれだけ重要な役割りを持っておる仕事であれば当然市町村に位置づけしてやるべきであるというように思うのです。これはあとでいろいろな例を申し上げますが。
 そこで「やむをえない理由」というただし書きを撤廃する意思があるかないか、その点をはっきり御答弁願います。
#59
○加藤(威)政府委員 私どもといたしましては、現状からいたしまして、いま直ちに撤廃ということはお約束できませんけれども、市町村等の意向も十分聞かなければいかぬ問題でございますので、頭からそれを全部市町村でしなければいかぬというふうに国が一方的にきめつけるのも問題だと思いますけれども、よく実態を把握しながら、方向としてはそういう方向で努力したいと思います。
#60
○村山(富)委員 それでは次に移ります。
 今回四万五千円に引き上げられたわけですね。この四万五千円の中には、たとえば各種社会保険料あるいは年金とか労災とかというような社会保険料の負担分は見てあるのか。あるいは、訪問する仕事ですから、訪問する場合の旅費なんかは見られておるのか、どうなんですか。
#61
○加藤(威)政府委員 これは四万五千円ぽっきりということでございますので、このほかにそういうものを見ているわけではございません。まあ必要な活動旅費的なものは別に見ておるということでございます。
#62
○村山(富)委員 もう時間がありませんからいろいろ申し上げませんがね、こういう事例があるわけですよ。これは長野県のある町、臼田町というのですか、できたことですが、横山さんという家庭奉仕員ですね、「横山さんは先月二十四日正午ごろ、仕事を終わった老人家庭からバイクで昼食に戻る途中、トラックと衝突。頭を強打して、手術のかいもなく二日後なくなった。」このおかあさんが、この横山さんという人が、娘さんとこういう話をしているのですよ。「「母は寝たきり老人の力になれるこの仕事に誇りを持っていました。でも身分保障には不安をもっていて、事故の起きる前日も、母たちは上司と話し合ったと言っていました。その夜“誇りのもてる仕事なら、一層身分保障が必要だ”って二人で話し合ったばかり」のときになくなったというのですね。
 いいですか。この横山さんという人は、四十四年の九月に家庭奉仕員になったわけです。そしてそのときに町の臨時職員として辞令が出たというが、町の社会福祉協事務局では、「当時、辞令が出ていなかったために、身分がはっきりしていなかった。」この全く身分があいまいな立場で仕事しているわけですよ。そして四月一日に社会福祉協議会が発足し、その社会福祉協議会から、身分には触れないまま辞令が出ているわけです。任命されているわけです。そして初めて厚生年金に入ったのです。ところが入ってわずか三カ月後にこの人はなくなったのです。ですから、もう一切救済される道はないのです。もちろん年金もなければ労災もない、退職金ももらえなければ何もないわけですよ。こういう状態に置かれているホームヘルパーが私はたくさんあるのじゃないかと思うのです。
 こういう人に対して、こういうように言っているわけですね。県の当局は「勤務が一カ月二十二日以上の常勤者であれば、当然一般職として給与や諸手当てを支給し、社会保険などにも加入させなければならない。現状の家庭奉仕員制度は、給与、保障の財源措置が非常勤としてしかみないで、仕事内容は常勤となっている。制度上根本的な矛盾があるといえる」こう言って、県の関係者もその矛盾は指摘しているわけですよ。
 こういう家庭奉仕員を、冒頭に申し上げましたように、老人福祉対策の重要な位置づけをして、中核としてやってもらっておる、というものがこういうひどい目にあうのですよ。こういう制度をそのままにしておいていいのかどうかということは、私はたいへん大きな問題だと思うのです。
 そこで、これは大蔵省のほうに聞きますが、厚生省のほうから具体的な社会保険なんかの負担をする予算要求をしておりますね。してないのですか。どうなんですか。
#63
○加藤(威)政府委員 まあ予算要求といたしましては、全部ひっくるめまして、四十八年度の予算には六万四千七百円という要求をしたわけでございます。
#64
○村山(富)委員 そういう厚生省の予算要求に対して、いまのような現状認識というものを考えた場合に、大蔵省の見解を聞きたいのです。
 もう一つは、こうした市町村の中に置かれておる家庭奉仕員のあり方というものについて、自治省では一体どういう行政指導をしておるのか、それを聞きたいのです。
#65
○渡部説明員 お答え申し上げます。
 家庭奉仕員の処遇の改善の問題につきましては、家庭奉仕員の果たしております社会的機能、これが老人対策以外に、身障者対策等いろいろな面で非常に重要な役割りを果たしておられるということは、われわれも十分承知しておるわけでございます。家庭奉仕員の立場につきましは、従来はいわゆるホームヘルパーという語感からいたしまして、一種のボランティア活動の一環というぐあいに見ておったわけでございます。したがいまして、四十六年度予算までは、これは他の相談員制度、そういうものと同じような給与といいますか、謝金というようなかっこうで予算上の措置を講じておったわけでございます。
 しかしながら、その後家庭奉仕員の果たしておられます役割りが、そういういわゆるボランティア活動ということでなくて、むしろ市町村の職員というようなかっこう、あるいは社協の職員というようなかっこうで、いわば公的なかっこうでお年寄りのめんどうを見るというような機能を果たされておられるというぐあいに変わりつつあるというような機能に着目いたしまして、四十七年度以来、家庭奉仕員の処遇の改善というものにつきましては、厚生省と御相談の上、その改善につとめておるわけでございます。四十七年度予算でそれを三万七千円の給与にいたしましたし、四十八年度で四万五千円といたしたわけでございまして、四十六年度の二万三千九百円に比べますれば約二年間で倍にしたということでございます。
 なお、全体のニードからいたしまして、もっと引き上げるべきではないかという御意見であろうかと思いますが、われわれといたしましては、当初の厚生省の御要求は養護老人ホームの寮母並みというようなことを基準とされておるわけでございますけれども、これはいろいろ予算折衝の段階でのお話でありまして、実態を伺いますと、先ほどもちょっとお話がございましたように、非常勤というかっこうでやっておるものもございますし、そういうものを総合勘案いたしまして、四万五千円という予算の単価の決定をいたしたわけでございます。
#66
○植弘政府委員 お答えいたします。
 先ほど来お話ございましたように、実態からいいますと、常勤化しているような形のものもあるようでございますが、やはり制度的には非常勤であるというように理解しているわけでございます。したがいまして、非常勤の嘱託というようなかっこうになりますと、地方公務員法上これはあくまで特別職の公務員でございます。したがいまして、いまのようないろいろな問題が起こってくるわけでございます。いま大蔵省のほうからもその仕事の重要性にかんがみまして、財源措置等については相当思い切って前進をしていただいているようでございますけれども、少なくともいまの財源構成から考えますと、これは報酬的なものでありまして、いわゆる非常勤の嘱託手当といったようなものでしかございません。現に私どもの地方交付税法におきましても、そういった報酬というかっこうでやっておりまして、いわゆる一般職の給料というかっこうをとっておりません。しかしながら、いま御指摘のような問題もあるようでございますので、制度的にどのように割り切るか、この制度がはっきりいたしますならば、当然それに従って定数問題等も、これは地方団体で考えなければならぬだろう、こういうふうに思っております。
 念のため申し上げますと、先ほど横山さんの例で事故があったようでございますが、非常勤の職員といたしましても地方公務員災害補償法によりまして、それぞれの地方団体の条例で公務災害の適用は受けるようになっております。しかし、いまのような例は帰途でございますから、いまの国会に提案いたしております通勤災害の法案を通していただきますと、そういった場合には適用になるかと思いますが、いわゆる公務災害でございますと、公務災害補償法が現在適用されるわけでございます。
#67
○村山(富)委員 身分がきわめて不明確ですね。非常勤職員と言ってみたり、常勤職員と言ってみたり、まちまちなんですよ。しかも、市町村から位置づけられたものもあるし、社会福祉協議会の職員であったものもあるし、まちまちなんですね。しかも四万五千円に思い切って上げたといっても、四万五千円で訪問の旅費なんか全部自己負担でやっている者もあるのですよ。しかも公的年金とかあるいは社会保険なんかというものは全部自己負担でやっておるわけでしょう、入っておっても見てくれないから。こういう状態でこれだけ重要な仕事をさせられるのは、私は非常に問題があると思うのです。だから、政府は社会福祉という制度はつくるけれども、形はつくるけれども、中身がないといわれるのは、全くこれがいい例じゃないですか。私は少なくともこれだけ重要な仕事を持っている人たちに対しては、当然市町村の職員に一元化して、身分も労働条件も待遇も改善をして、そして十分その役割りをはたしてもらう。そして厚生省がいうように、政府がいうように、老人福祉をもっと充実したものにしていくということが、当面何よりも大事ではないかというように思いますから、その点をひとつ強く要望して、私の質問を終わります。
#68
○竹内(黎)委員長代理 田口一男君。
#69
○田口委員 私は、児童扶養手当、特別児童扶養手当法の問題について、だいぶんおそくなりましたから、ごく簡単に質問したいと思います。
    〔竹内(黎)委員長代理退席、伊東委員長代理
    着席〕
 まず初めに厚生省に二つほどお伺いをしたいのですが、この法律のワク組みはいまさら私は言う必要はないと思うのですが、児童扶養手当の場合は端的にいえば母子世帯、父親がないか、あってもない状態、そういう場合の児童に対して今度の場合六千五百円ですね。特別児童扶養手当の場合は、両親がそろっておっても、その子供が法定の何らかの障害がある場合、こういう場合にそれぞれ六千五百円を基礎にして支給されるということになっておるのですが、金額六千五百円、これは少ないとか多いとかそういう議論は、私はいまここでしょうとは思わないのですが、法律の目的からいった場合、これは御承知のように児童扶養手当の場合は、第二条に「児童の心身の健やかな成長に寄与する」それから特別児童扶養手当の場合は「児童の生活の向上に寄与する」こういうふうにうたってあるのですが、その目的に照らして考えると、私は十ぱ一からげという表現はちょっと適当でないかと思うんですが、一歳から十五歳または二十歳まで、すべて四千三百円なり六千五百円という金額は、どうも当を得ていないんじゃないか。
 これは先ほど福祉手当の問題のやりとりでも、そういった性格論議があったんですけれども、たとえば生活保護法の場合に、保護の基準が第一類一歳から何歳まで幾ら、何歳から何歳まで幾らというふうに年齢に応じて金額がきめられておる。生活保護のたてまえとこの扶養手当のたてまえと違うといえば、それまでなんですけれども、いま言った法律の目的に照らしてみれば、十ぱ一からげ六千五百円という金額はこれは筋が通らないじゃないか。
 ですから、その辺のところを、それぞれの成長に寄与したり、生活の向上に寄与するというのであれば、一歳から何歳までは六千五百円なりまたは五千円なり、金額は一応別ですけれども、年齢に応じて金額のランクをつけるのが、それぞれの扶養手当の趣旨にかなうんじゃないか。またそういう意味のことを私はずっとこういった関係で、それぞれの地元の組織があるんですが、そういった代表の方に会ってみると、やはり年齢に応じて金額をきめてもらったほうが妥当だ、こういう意見が多いわけです。それについて、なぜ十ぱ一からげの金額ということになっておるのか、その辺のところの御解明をいただきたいと思います。
#70
○穴山政府委員 お答えいたします。
 児童扶養手当の問題は、御承知のようにいわゆる年金のサイドでは死別の母子世帯に対して年金を支給するという制度ができた場合に、生別の母子世帯を中心としますそういった人たちには年金の対象からはずれるというようなことで、福祉のサイドのほうから類似した制度をつくって手当を支給するというような措置をとったわけでございます。そのときに、これは結局いわゆる母子福祉年金に類するものとして、母子福祉年金の額というものをこちらの制度にも適用いたしまして、従来福祉年金の引き上げと同時に、それとあわせて内容の改善をはかってきたわけでございます。
 そういう意味で、本年の十月から八千五百円に引き上げられるということになったわけでございます。そういう制度をつくってきた過程という問題もございますし、それからまたいわゆる公的扶助というような、それぞれの具体的なニードに具体的に対応していくというようなことでなくて、むしろ所得保障の一環として一定の手当を支給して、所得の不足に対応していくというような制度の本質がありますので、従来は一括して、たとえば四千三百円でありますとか六千五百円でありますとかいうような額のきめ方をしてきたわけでありまして、ほかの制度その他を勘案しながらいままでは段階的な金額ということではなくて、一括した金額ということで制度を立ててきたということでございます。
#71
○田口委員 制度の違いから、そういった金額になってきたんだということは、その限りでは私も理解するのですけれども、しかし、それぞれの制度のおい立ちをずっと調べてみた場合に、この児童扶養手当なり、特に特別児童扶養手当の場合に私は基本的に、これはちょっと俗っぽい言い方をするのですけれども、特別児童扶養手当の場合には、幾ら政府がめんどう見ても、将来そのめんどうを見たものに対するお返しがないじゃないか。世の中に対する、生産なり何なりというものに対して、あまり貢献をしないじゃないかという、はっきりいえば身体障害者、そういったものは生産という面からいって除外をされておるのが現状でありますから、そういうところに金をほうり込んだってしょうがないという気持ちがあるんじゃないかという、これは邪推かもしれませんけれども、そういう気持ちがするわけです。
 それはそれとして、いまそういうお話がありましたけれども、じゃさっき言った生活保護の基準を見た場合、一方に生活扶助という一つの項目があって年齢別に金額がきまる、それ以外に教育扶助という金額も学年に応じてあるわけですね。この特別児童扶養手当をもらっておる児童が小学校に行く行かぬはいろいろ違いがあるでしょうけれども、やはりいまの義務教育という観点に立つならば、当然に教育扶助という観点でそれだけの金額はまたプラスしなければうそではないのか、四千三百円、六千五百円という金額をかりに置くとしても。そう考えれば考えるほど、いま局長がおっしゃったように、それは制度の違いというものがあるにしても、これはやはり年齢的に金額をきめなければならぬ。六千五百円を七千八百円にしろ、多々ますます弁ずということで私は言うんじゃありません。
 たとえば一歳から五歳までは四千円、たとえばなんですが、そういった金額のランクをつけることが、この法律の目的に照らしてもふさわしいということを言っておるのでありますから、制度の違いはそれとしても、当然にそういう該当する児童、それを扶養する父兄、母の意見というものがそのように変わってきておるということに着目をして、これは早急に研究をしてもらう必要があると思うのです。その辺の研究課題について、どう考えてみえるのか。
#72
○穴山政府委員 いまの一つの御提案と申しますか、一つのお考えではあると思います。ただ私どもとしては、いま申しましたようにいわゆる公的扶助的な考え方に立ったということでなくて、むしろいわゆる年金類似制度としてそういった意味の所得保障的なものの一環として、この制度を考えてきたということでございまして、どういう方法で充実していくかということは別として、私どもとしても今後ともこの金額その他、制度の充実ということにはさらに検討を加え、充実をはかっていかなければいけないというよう考えております。
#73
○田口委員 じゃ、そのことについては時間の関係で深く触れませんが、次に、これは大臣にどうしてもやりますという返事をもらいたいのですが、それは精神薄弱者について、私は重度とかいろいろな身体障害者、程度の差があることは知っておりますけれども、とりわけ精神薄弱者について国鉄その他私鉄なんかの交通機関の運賃の割引というものについて考えてもらいたい。
 これはなぜかといいますと、身体障害者については、すでに身体障害者手帳の交付を受けておる者に限っては運賃の割引があるわけですね。ところが精神薄弱者については、今回精神薄弱者手帳というのですか、ざっと百九万交付をされたそうなんですが、まだ交付をされておりません。もちろん国鉄の運賃の値上げなり国鉄の財政再建といった問題があることは承知をしておりますけれども、身体障害者対策基本法二十三条にはっきり書かれておるように、日本国有鉄道は云々ということで、介護者を含めて運賃等の軽減について配慮するようつとめなければならない、こう規定してあるわけですね。数からいって私は百九万人、幾らつくようになるか知りませんけれども、これをいま実施をすることによって国鉄財政の再建にそう大きな支障を来たすとは考えられぬと思うのです。きょうちょっと手違いで国有鉄道を呼んでないのですが、これについてひとつ厚生大臣、福祉元年といわれておる、これぐらいのことについてはやりますと胸をたたいてお答えをいただけないか。
#74
○穴山政府委員 ただいまの精神薄弱者に対する運賃割引の問題は、私ども全くそのとおり――そのとおりと言っては失礼でございますけれども、同じように考えているわけでございまして、先般、六月の末に運輸省とそれから国鉄に対しまして、私の名前で強く申し入れをしたわけでございます。
 これはかねてから再三精神薄弱者に対する割引というものを身障者と同じようにやってくれということは申し入れをしておるわけでございまして、なかなか実現をしていないわけでございますけれども、先般また重ねて運輸省と国鉄に申し入れをしたわけでございまして、私どももぜひこれについては実現をするために努力をしたいというように考えておるわけであります。
#75
○田口委員 努力をしておるということはわかるのですが、大臣、あかんあかんと首を振ったのですが、これは見込みありませんか、早急には。
#76
○齋藤国務大臣 国鉄財政もなかなかいま御承知のような状況にあるわけでございまして、いますぐ国鉄がオーケーを言えるかどうか非常にむずかしい問題であると思います。しかしながら、これは精薄の方が非常に多年要望しておる問題、手帳が本年実現した、こういうわけでございますから、私としても最大の努力をいたします。
#77
○田口委員 いまの問題、ひとつ早急に実現をしてもらいたいという要望を加えまして、次に今度は文部省に三点ほど質問をしたいと思います。
 これは文部省に限らず、この児童扶養手当、特別児童扶養手当を受けておる児童なり、幸か不幸か受けていないそういう精薄の児童を含めて、単に援護だけではなくて医療、教育という三位一体となってやらなければだめなんだということは、
 いまさら私が申し上げる必要はないと思うのです。
 そこで、これはいろいろといわれておるのですが、私は特に知恵おくれといわれておる精神薄弱児を対象にして言いたいのですけれども、最近は小学校にあがる前に保育所、幼稚園に行きますね。そこである程度の社会生活を身につける、それから小学校に入ってよりそれが練られる。それがあたりまえになってきておるのですが、こういう精神薄弱児については幼稚園、保育所に行くことすら、ほとんどが不可能だといわれておるのです。普通の状態よりもハンディがついておって、それにまた保育所、幼稚園に行かないことについてハンディが重なってくる。こういう問題から精神薄弱児の幼時といいますか、そういう対策について一体具体的にどうやろうとしておるのか。
 それからまた、いま義務教育といわれておるのですけれども、私どもが調べた範囲では、なかなかまだ未就学児が多い。一体どのくらいあるのかということについて文部省が把握をしておればその数と、その未就学対策をどのように進めようとしておるのか、それからちょっと時間が過ぎてきましたから、なんですけれども、中学へそういった精神薄弱児が、私は特殊学級という名前を使いますけれども、中学の特殊学級へ通ってさらに卒業をして、普通でいくと高校に進学をいたします。ところが、高校の特殊学級ということはまだ私寡聞にして聞いたことがないのですが、一体高等学校、高等部というんですか、そういう問題について、特にこういった精薄の子供については文部省はどう考えておるのか。問題になっておる中教審を見ますと、たいへんいいことを書いているんですけれども、また紙の上に書かれても、こういう子供の問題については一向にはかばかしく進展をしていない。ですから、その辺のところをお答えをいただきたいし、きょうは労働省おりませんから、いまこういった子供を持った親御さんの一番の心配は、両親が健在なうちは心配はないというんですね。ところが、年をとって自分たちが死んでしまう、子供が大きくなってはたして経済的に自立ができるだろうか、そのことが一番心配だといっているのですが、職業選択の自由がないといっても私は過言でないと思います。こういった子供には、その精薄の児童について職業補導、そういった教育が一体文部省として真剣に考えられておるのかどうか、こういう点についてひとつお答えをいただきたいし、もう時間がありませんから、あと一つだけ。
 これはまたこの委員会ではっきり答えをもらいたいのですが、どうも特殊学級という名前が、これは父兄もいやがるし、子供もいやがる。この「はばたき」という、三重県の鈴鹿市の「手をつなぐ親の会」というのが文集を出しているのですけれども、これを読んで見ますと、全部が全部言っていますのは、あれは特殊の子だ、特殊級の子だといって、同じ家の兄弟にすら変なことを言われるというんですね。ですから特殊学級なんということばを文部省が公認をするのはおかしいんじゃないか。
 現場の学校では、何々先生の組とか、何々先生学級というふうなことを使っておるそうですが、依然として公の文書は特殊学級ということになりますと、私はいま適当な名前を考えていないのですが、養護学級という名前はあるんですから、こういう特殊学級――私はいま委員会の中では、特殊学級という表現を使いますけれども、この特殊学級という表現は抹殺をすべきじゃないか。あえて差別を持ち込むような表現でありますから、これについては使わないということで、文部省としても指導をしてもらいたい。このことについてのお答えをまず承りたいと思います。
#78
○国松説明員 いま先生から御質問がありましたことについてお答えを申し上げます。
 まず幼児段階の教育の問題でございますが、私どものほうで考えますことは、養護学校の幼稚部で教育をするという問題と、それからもう一つは幼稚園等におきまして教育をするという問題と二つございます。それぞれ障害の程度等に応じまして、より適当なところで教育をするというふうな就学する場所の判断等が必要なわけでございますが、一応養護学校の幼稚部というものにつきましても、設置を奨励するということで補助金等も組んでおります。
 しかしながら、先ほどおっしゃいましたように、現在まだ義務教育段階でも未就学のものが多くて、養護学校の増設を呼びかけておるところでございますので、幼稚部のものも設置するようにということで言っておりますが、全国的な数といたしましてはまだわずかということになっております。それから幼稚園のほうも、幼稚園全体がまだ数が不足いたしておりますので、なかなかこういうふうに障害のあるお子さんを受け入れるというふうなところまで行っていない。中には特に障害児だけを受け入れて幼稚園を経営するというふうなことでやっていただいておる幼稚園もございます。そういうところに私どものほうはいわば文部省の実験学校というふうなことでいろいろ幼児段階の教育方法等も研究をいたしてもらっておるわけでございますけれども、そういうふうなところを指定いたしまして、その波及的効果をねらうというふうなことをやっております。しかしながら幼稚園のほうも、最初に申し上げましたように、絶対数が不足なものですから、まだまだ普及しておらないというふうなことで、私どものほうも残念に思っておりますが、一生懸命に旗を振っておるというような段階でございます。
 それから未就学児でございますが、学校教育法の制度の中に、就学猶予免除という制度がございますが、その制度で就学猶予免除を受けております児童生徒の数は二万一千六百六十三人という数字を指定統計で押えております。そのうち先生のお話のありました精神薄弱の子供は一万二千四十六人というような数字になっております。これも全く療養専一とかいうふうなことでやむを得ない者はさることながら、やはり教育の場がないというようなことで、もしそういうことになっているならば、たいへん遺憾である、先生御承知かと思いますけれども、養護学校がまだ義務教育制になっておりませんので、早くそれだけの学校をつくりまして義務制にしたいということで、補助金等も上げまして地方公共団体に呼びかけておるところでございます。養護学校ができますことによってこの数がだんだん減っていくというふうに私ども期待をいたしておるわけでございます。
 それから義務教育段階を終わりましたあとの教育でございますが、養護学校に高等部を設けるということもございますし、それから職業訓練所のようなところにも行くというようなこともございます。あるいは中学部段階を終わっただけで、就職するというような方もあるわけでございますけれども、私どものほうの当面の所管としては、養護学校の高等部を増設するというようなことで、これも幼稚部と同じようなことで補助金その他の助成措置を講じております。しかしながら、これもやはり義務教育段階がまだ十分でないというようなことがまず当面の問題になっておりまして、高等部までも及んでおらないというようなことでございます。数でいいますと、精神薄弱の高等部段階、養護学校の高等部に就学しておる者は全国で千九百四十八人というような数字がございますけれども、まだまだ数が不足しておるというふうに私どもは承知をいたしております。
 次に、先生申されました職業指導というような問題も、あわせて高等部の職業教育課程をどうするか、それから職業訓練所等の充実と相まって、義務教育段階を終わりました段階の子供についての職業指導をやっていかないといけないのではないかというふうに考えております。高等部に置かれます職業教育の学科というようなものは、なかなかこれが一番いいのだというふうなことになりませんで、やはりそれぞれの子供の状態に応じてやっていくことになろうかと思います。
 現在の状態では工芸関係でありますとか、それから女子のほうでございますと、和洋裁のほうの関係というふうなものが多いわけでございますけれども、私どものほうとしては、なおこれがいい学科であるということであれば、そういう学科を設けることもいいのではないかということで、養護学校でのそういう学科の開発といいますか、そういうことも研究課題としてお願いをしておるわけでございます。
 それから最後に特殊学級という名称でございますが、これは学校教育法の中で、こういうふうに障害のありますお子さんのためには、たとえば学級編成というようなものも、障害のないお子さんの学級編成よりも少ない人数で編成しなければなかなか行き届かないというようなこともございますし、それから教育内容につきましても、また特別の配慮をしなければいけないというふうなことがございまして、制度上ある種の配慮をしなければいけないというふうなことで、こういう特殊学級というふうな名前で、いわば濃密な配慮をするということで制度上こういうふうにいたしておるわけでございます。
 これは制度上は結局取り出してものをいわなければいけませんのでこういう名前になっておりますが、先生もお話ありましたように、現場ではいろいろ担任の先生の名前をつけるとか、あるいは花の名前をつけるとかいうことで、そういうふうな名前の学級になっておるわけでございます。ただ特殊学級というふうな名前が、それにしても、やはりいろいろ人々の受け取る問題として問題であるというふうなことがいわれておりますので、これはいい名前があれば、いずれまた法律改正その他のときもあろうかと思いますが、そういうときにはあわせて検討しなければならない問題というふうに私ども承知をいたしております。
 ただ名前の問題につきましては、どういう名前をつけましても、一応やはりこれは特別の配慮をしなければいけないんだということで取り出さないといけないというふうな問題がありますために、結局どういう名前をとることがいいかというよりも、そういう名前をとったとしても、社会の人々がそれを何か特別な目で見るというふうなことであってはならないということで、一般社会におきます啓発ということを十分考えていかなければならないんじゃないかということで、それぞれいろいろな機会にそういうことを申し上げておるわけでございます。
 以上先生のほうのことにとりあえずお答えいたしました。
#79
○田口委員 では終わります。
#80
○伊東委員長代理 多賀谷真稔君。
#81
○多賀谷委員 私は、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当法の一部改正に関する法律案に関して若干質問いたします。
 実は朝日訴訟があり、老齢年金の併給禁止に対する牧野判決があり、またこのたびは堀木判決がありました。そうしていわば憲法違反という判決が地裁ではありましたけれども、出されたということは、これは立法者としては非常に恥ずかしい次第であります。
 そこで、一体政府はこれらの問題について、最初からこの事案は負けそうだというのに、なぜ抗弁をしているのか。むしろ積極的に第一審の出ない前に法律改正をすべきではないかと思うのですよ。私はそれに対する厚生大臣の心がまえをお聞きしたい。
#82
○穴山政府委員 この前、法律の問題になりました条項につきましては、私どもといたしましては、やはり国会の御審議をいただいて制定されました法律でございますので、それが合憲であるということを信じてこの施行にあたってきたわけでありまして、確かに地裁のああいう判決があったわけでございますけれども、やはり私どもといたしましては、事法律の合憲かいなかという問題でございますので、これは慎重に対処していかなければいけないということを考えて控訴を現在いたしておるわけでございます。
#83
○齋藤国務大臣 その当時のいきさつのことは私も実はあまり承知をいたしておりません。しかし、いまになって考えてみますと、やはりもう少し早く法的改正の手続をとるべきであったのではないか、かように私はいまは考えております。
#84
○多賀谷委員 これは堀木訴訟だけでなくて、その前の牧野訴訟だって同じでしょう。とにかく十勝平野におるお百姓さんがわざわざ東京まで出てきて、そうして老齢福祉年金の併給に対して、当時確か一人千三百円だったと思いますが、それに対して年間六千円の控除をするという法律、これが訴訟になった場合に、これはやはり問題だということに気づかなければならぬですよ。地裁の判決が出て、のこのこ直してくる。しかも立法で一回きめたからといって控訴までする。これは立法の問題と行政の問題のかまえの違いはあるでしょうけれども、訴訟をして負けて、そして控訴をしながら法律を国会に再提出する。それもちゅうちょをしてやるという、その考え方がいけないのじゃないですか。いま社会保障に対して憲法違反その他で大体どれだけの訴訟が出ておるのですか。
#85
○穴山政府委員 私どもの所管しております児童扶養手当についてはいま問題になっておるわけでございますが、ほか全体につきましては、ちょっといま私お答えする資料がございません。
#86
○多賀谷委員 きょうは法務省を呼んでおるのですけれども、局長も課長も出ておらないので、これは後に質問をすることにして、では具体的に、今度の堀木判決に基づいて法律改正をなさろうとする児童扶養手当と障害福祉年金との併給問題についてお尋ねいたしたい、こういうように思います。
 被告である国は、堀木訴訟に対して次のように抗弁をしておりますね。というのは、本来国民年金法による母子年金の補完とする無拠出母子福祉年金は、夫が死別した場合に死別した母子家庭において行われる、そこで現在の法律では、障害福祉年金とそれから母子福祉年金は併給しないから、児童扶養手当はさらに母子年金にかわって、主として生き別れの場合に出した手当であるので、いわば障害福祉年金とそれから母子福祉年金が併給されない状態において、その均衡を保つために児童扶養手当は支給できない、こういう抗弁をしておるわけですね。
 そういたしますと、今度の改正で児童扶養手当が併給されるということになると、障害福祉年金と母子福祉年金は併給されるのかどうか、これをお聞かせ願いたい。
#87
○穴山政府委員 今度の改正で、いわゆる児童扶養手当をもらっている人も、障害福祉年金または老齢福祉年金、この二つについては併給をするということに法律を改正しようとしているわけでございます。
#88
○多賀谷委員 児童扶養手当というのは、本来母子年金、さらに母子福祉年金、これのない人に児童扶養手当が支給されるという考え方ですね。これは年金局長、間違いないですか。
#89
○穴山政府委員 先生がおっしゃるとおりでございまして、結局死別の母子世帯というような場合には年金が出ますけれども、生別の場合は出ませんので、その谷間を埋めるというような意味で福祉のサイドから制度を立案したということでございます。
#90
○多賀谷委員 そうすると、いわばこの障害福祉年金と児童扶養手当が併給ができるならば、障害福祉年金と母子福祉年金は併給されてしかるべきでしょう。それを年金局長に聞きたい。
#91
○横田政府委員 併給の問題につきまして、児童扶養手当を併給するということになりましたが、この年金同士の併給の問題につきましては申し上げるまでもないことでございますが、一つの制度の中の年金は併給をしないで、それぞれの年金額を引き上げる、そういうふうな方角でやっておるわけでございまして、今後ともそういったやり方をとりますので、手当の併給ができるようになったから年金の併給ができる、そういうものではないと考えております。
#92
○多賀谷委員 それはちょっと立法上、精神的にはおかしいことはないですか。大体母子年金とそれから障害年金は併給ができない。障害福祉年金と母子福祉年金は併給できない。だから本来ならば母子年金あるいは母子福祉年金をもらうべきであったけれども、残念ながらこれは生き別れであるから年金が出ないから、児童扶養手当を出すんだ。そうすると児童扶養手当のほうは併給ができる。こういうことになれば、さらに先はど申しましたこれらは、いわば補完的なものですから、その補完的なものでない基本の年金は併給できる、こういうようにすべきでないか。この二十条改正あるいはまた六十五条改正をなぜおやりになっていないのですか。
#93
○横田政府委員 繰り返し同じことをお答えしておしかりを受けるかもしれませんが、やはり手当の問題と年金の問題というものは別の制度でございますので、年金については、やはり年金についての考え方というものを貫く必要があるというふうに考えております。
#94
○多賀谷委員 ちょっと私は調べたのを言いますと、国民年金が一番併給についてはきびしいですよ。五つの類型に分けて、老齢と廃疾を見ると老齢年金と障害年金は、これは厚生年金・共済、国民年金とも支給停止です。それから次は、老齢年金と障害手当金、障害年金と脱退手当金、これは国民年金にはそういう制度はありませんから、省略いたします。それから障害手当金と脱退手当金は、厚生年金は一部併給です。共済は全部併給ですね。国民年金はありません。廃疾と死亡でいいますと、障害年金と遺族年金、これは厚生年金は一部併給で、共済は全部併給で、国年は全部支給停止ですよ。これは非常に違うのですよ、この点は。それから障害年金と遺族一時金は、厚生年金はありませんが、共済は全部併給です。国民年金もこの点は同じです。障害手当金と遺族年金、これは国民年金にありません。厚年と共済が併給である。それから障害手当金と遺族一時金は共済のみが全部併給、他は制度がない。その次に非常に変わるのが死亡と老齢で、遺族年金と老齢年金、これは厚生年金は支給停止か一部併給、共済は全部併給、国民年金は支給停止または禁止、ここも非常に違うでしょう。もう読みませんけれども、大きいところを言いますと障害年金と遺贈年金ですね。これは両方がなくなったという場合、厚生年金は一部併給です。共済は全部併給です。それから国民年金は支給停止ですね。
 かように考えてまいりますと、国年が一番いわば冷遇をされておる。これは私は制度の違いとかいうような結果じゃないと思うのですよ。制度が違うから、これは違っているんだという仕組みではないと思うのです。ましてや国民年金は御存じのように、あとからできたのですからね。なぜかように、共済は全部併給、それから厚年は一部併給、国民年金は支給停止というのが多いのか。ですから今度児童扶養手当を併給するならば、当然障害年金とそれから母子年金は併給してしかるべきじゃないか、こういうように思うのですが、どうですか。
#95
○横田政府委員 御指摘のように各制度によりまして、よその制度との併給それから同じ制度の中における併給、扱い方が一緒ではございませんで、いろいろ相違はございます。そういった点につきましては今後十分検討いたさなければならない問題だとは思います。さしあたっての問題といたしまして福祉年金の問題につきましてのただいまの併袷の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、これを併給するということは、いまのところ考えておりません。
#96
○多賀谷委員 いまのところ考えていないのですか。それとも現行制度はそうなっているのですが、将来において検討したいというのですか、どうなんですか。
#97
○横田政府委員 それはただいまも申しましたように、各制度について必ずしも合理的な不均衡と申しますか、ということではございませんで、いろいろ問題がございますので、そういった問題の一環としては考えなければならない問題だとは思いますが、福祉年金同士の併給というものは、そういった一環の問題としての検討はいたしますが、いまのところは考えておらない、こういうことでございます。
#98
○多賀谷委員 大臣、母親が傷病になって年金をもらっておる。それは母子家庭だといえば、本来母子年金をもらう資格があるわけでしょう。それが母親が障害年金をもらっておるからといって、母子年金を併給しないというのはおかしいでしょう。どう思われますか。
#99
○齋藤国務大臣 実は私、国民年金が制定されました当時のいきさつをいま考えてみますと、あの当時は御承知のように国民年金を非常にやりにくい制度だがつくろうというので、思い切って考えた。そのときによその年金とは併給しないという考え方がたしか非常に強かったのです。御承知だと思います。そこでそれの例外が公務扶助料との併給だけを認める、文官恩給の併給は一切認めない、こういうふうに非常にシビアな立場で出発しておったことを思い出します。そういうようなことでよその年金の併給はできるだけ避けようということでございましたが、その後公務扶助料との併給の範囲がだんだん大きくなって金額がふくれましたものですから、そこで恩給との併給という問題が出てきて、そして恩給の併給だけはやるように、限度がたくさんありますが、なってきたわけでございます。これはもう御承知のとおり非常にシビアで発足した。
 そこで、それは別としまして、今回いわゆる児童扶養手当と障害福祉年金の併給ということを認めるということになれば、母子福祉年金と障害福祉年金、そちらも併給したらどうだという意見は出てくると私は思います。ただ、いままでの性質が、児童扶養手当のほうはいわゆる母子福祉年金の補完的な――生き別れでございますから、というふうなことで年金のワク内に入れてないという考えなんですね。ワク内に入れてないんです、これは。ですから、これは児童家庭局がやるわけなんで年金局じゃない。
 こんなことを言うと実際へ理屈みたいな話ですよ。へ理屈みたいな話ですが、いわゆる児童扶養手当は母子福祉年金の補完的な作用として生き別れを考えましょうという福祉の面から出てきたわけです。そういうようなことで、年金との併給はよかろう、こういう考えになって、今度は法律改正しよう。しかし、そうなったものの実態は違わないじゃないか。生き別れと死に別れで、死に別れのほうは母子福祉年金、名前こそこっちは年金ですね、間違いなく。それと障害年金、こういうふうに同じようなことじゃないかという意見がまた出てくると思います。ところがそうなってくると、同じ年金体系の中で今度は二つ併給してやるということになれば、これはまたいろいろな保険数理の計算上、併給は認めてない計算で実はやっているのだというような理屈が出てくるわけなのです。ということで、結局結論的には同一の法律体系の中における併給は認めない、こういうふうな結論に大体いまのところ落ちついておるわけでございます。
 しかしながら、今後こういうことの態度を押し切っていけるかどうか。特別児童扶養手当といったって母子福祉年金と生き別れ、死に別れの差で、中身は同じじゃないか、こういう議論は現実的にあるんです。ありますから、私はやはり将来の問題としては、こういう問題が起こってくるんじゃないか。しかし、併給といっても、その場合にはまるまる全額というのじゃないだろうと思うのです。一部ということに私はなると思うのです。そのときには同じ法体系の中の併給は一部ということになると思いますが、この児童扶養手当と障害福祉年金の併給ということになれば、私は将来そういう問題が起こってくるであろう、私はこういう問題意識を持っております。おりますが、いますぐ従来のような考え方、オーソドックスな考え方を改めるということは困難ではないか、こういうふうに私は考えております。
#100
○多賀谷委員 それは、厚年は一部併給で、それから共済は全部併給、国年のほうは全部禁止、おかしいでしょう、皆保険の中で。しかも、その併給をしないという理由は、保険事故が二重になっても、所得能力の喪失は比例的に加重されることにはならない、こういうことを言っておる。しかし、母子世帯が、しかも母親が障害になっておるのとは違いますよ。それは明らかに加重ですよ。私は老齢についても同じだと思うのです。老齢でもわりあいに健康体の人が老齢になったのと、障害を持っておる人が老齢になったのとはやはり、私は全部が全部併給せいとは言わないけれども、やはり一部併給という、それは年金の中における社会保障的な面が出てくるわけです。ですから、欧州においてはそういう面が出てきておる。現実に、ILOではもう社会保障の百二号条約と百二十八号条約では変わってきておるでしょう。併給については、家族給付的なものはもうこの併給禁止から除外しておるんですよ。
    〔伊東委員長代理退席、竹内(黎)委員長代理
    着席〕
母子年金というのは、これは家族給付的なものなんですよ。ですから、世界の大勢はそうなっておるのですから、これはやはり二重の事故ですから、当然その方向で検討してしかるべきではないですか。大臣の答弁はちょっと冷たいですよ。
#101
○横田政府委員 御指摘の点の細目については、時間の関係もございますので、くどくど御答弁申し上げなかったわけでございますが、この厚生年金につきましても、たとえば老齢年金と障害年金、これは併給ではございませんで、本人の選択でいずれか一方を選ぶ、それから老齢年金と遺族年金についてもいずれか一方を選択させる、こういうふうなことでございます。このように、先ほど大臣も申し上げましたように、一つの制度の中での年金というものは原則的には併給しない。というのは支給事由が二つ三つ重なった場合でも、それによっての所得喪失の度合いというものが二つ三つ重なったことにはならないのだ、こういう考えでございますので、原則論はそういうことだろうと思います。
 ただ問題は、各制度によって、先ほど先生御指摘のように、細目にわたってはいろいろなふつり合いもございますので、こういった点の検討というものは将来にわたって大いに検討すべき問題である、こういうことでございます。
#102
○多賀谷委員 大臣、これは時間がありませんから、あまり質問しませんけれども、別の機会に時間のあるときにゆっくり質問したいと思いますけれども、これはやはり今日のように年金時代と言われるならば、当然検討をしてしかるべきではないか。ですから、いままでのようにしゃく定木に、国年については併給禁止だというふうに一律にはいかないのだろう、現実にも矛盾が出て、そうしていま大臣みずからが言われましたように、児童扶養手当は、いわば母子年金の補完的なものである。その補完的な分は今度は併給になることになったけれども、名前が手当と年金が違うというだけで、一方のほうは併給しないというのは非常におかしい、こういうように考えるわけです。ひとつ至急に検討してもらいたい。
#103
○齋藤国務大臣 確かにこの国民年金体系の中においても、老齢福祉年金を受けておる人が障害を受けたときどうするか、これは併給しませんね。老齢福祉年金でずっといくわけですね。今度、障害福祉年金をもらっておった人が、かりに七十歳になったときに、老齢福祉年金をもらえるか、それはもらえないですね。しかしそういうふうなことは、いろいろな場合を想定しますと、やはりいろいろな問題があると思うのですよ。その場合に、私は完全併給がいいとも思っておりません。一部併給のようなものとか、あるいは選択制で、今度は額の高いほうを選ぶことができるとか、やはりそういう選択制の問題にするのか一部併給にするのかいろいろあると思うのですね。
 私は今度の児童扶養手当というもの、これは手当ですから年金ではない、こう言いますが、一般受けるほうの国民からいうと、実質は年金的なものでございましょう。ということであってみると、やはりこういう問題については相当考える余地のある問題ではないか。ですから私は、いますぐどうという、そんないい知恵はございません。ございませんが、いろいろな年金の理論を踏まえて、将来の問題意識というものは私は十分持っておりますから、その意味においての検討は続ける考えでございます。
#104
○竹内(黎)委員長代理 川俣健二郎君。
#105
○川俣委員 理事会で確認した良識のある時間が来たように考えられますけれども、最後に三点ばかり、大臣並びに野党四党案の提案代表の八木委員に質問したいと思います。
 まず、野党四党案の提案者八木委員に質問したいのですが、この委員会の年金というのは、率直に言って野党四党案と政府案とが対比されて非常に審議の参考になったと思います。ところが、あまりにも両案がかけ離れて、これに対する意見が世論になって、いま東京都の選挙戦が火ぶたを切った中でやられておることは非常に幸いだと思います。そこで政府のほうは政府のほうで提案してみたものの、野党四党案をぶつけられて恥ずかしかったのか、それとも少し早まって、あまりにも公約から違ったものを出して困ったということで、修正をどんどん出してきたのかわかりませんが、それに対して、野党が私のように質問するのじゃなくて、与党も質問をしておったのを私も聞きました。与党のほうの、この野党四党案に対する代表的な質問は、非常に理想的であるのだが、どうも現実離れしておる、将来像にはなるのだが現実化しないだろうということの一点に集中しておりました。
 そこで、そうなるとどうしても資金の運用の面、それからいまの制度全体の面、社会情勢の面等々考えますと、野党四党案というのは単なる理想図であったのか、それともこの審議が煮詰まって最終段階に来ても、やはりこれは現在現実化して何らおかしくないというように率直な意見を、野党四党案の代表的なお気持ちを知らしてもらいたいと思うのでございます。そうではなくて、政府案を見たあとで野党四党案が出ておりますから、政府案をさらに大きく改善させるための一つのてこ入れで提案しておるのか、その辺を少し八木委員に御見解を伺わしてもらいたいと思います。
#106
○八木(一)議員 年金制度の確立のために熱意を込めた御質問に敬意を表します。
 いま野党四党案がほんとうにできるものかどうかという御質問がございました。この野党の案は完全に十分に実現できるものと提案者一同は確信をいたしておるわけでございます。
 そのために少し具体的に申し上げますが、将来の問題で、たとえば賦課方式の問題に関して自民党の橋本龍太郎委員から御質問がありました。その際に、野党案の内容は非常によい、しかしその問題について将来、昭和八十五年度くらいの国民がその保険料負担、あるいは保険料、国庫負担を通じての負担でも国民の負担になりますが、その負担にたえられないのではないかという御質問がございました。それに対して野党のほうは、そうではない、将来はいまの低賃金、重労働あるいはまた高物価、大衆重税というようなものがなくなって当然国民の生活が十分に保障されるという時代になる。先輩のための年金の負担に対して痛痒を感じない状態になるというのが野党案の考え方でございます。それに対して橋本委員のほうから、それには仮定があるということがあって、そのように労働者やあるいは零細な自営業者の生活がよくなることに対しては疑いを持つと言われたわけでございますが、その後本委員会の討議におきまして、実は野党四党がどういう形にしろ政権を担当すれば、そのような労働者や零細自営業者の生活を高める政策をとるから、これは十分可能である。しかし残念ながら田中内閣や自民党内閣がもう少し続いた場合にはどうかということで、内閣を代表された二階堂官房長官に伺いましたところ、二階堂官房長官も、労働者や零細な自営業者の生活をよくする政策を一生懸命にやっていくのだと言っておられるわけであります。
 したがって、現在日本にある、国会に議席のある五つの政党のどれが政権をとられても、その政策が実行されれば、昭和八十五年度における国民生活は非常に高くなって、そのような保険料負担に十分にたえられると確信をいたしておるわけであります。そして当面の問題といたしまして、来年度に野党四党案は一兆五千億の支出を必要といたします。これは特に福祉年金を飛躍的に増大をいたしまして、そのような年金制度の発達がおくれたために、年金制度から実際上すっかりか、あるいは大部分ほうり出されておる国民の方々に対して、私どもは即時生活のできる年金を実現したいということで、特に福祉年金について程度の高い年金制度を提案しておるわけであります。それは満年度で一兆五千億必要でございます。しかし、これは政府の姿勢が直れば、そうしてまたいまの政権が交代をされれば、当然そのくらいの支出は十分可能でございます。昭和三十七年に、政府に対して社会保障制度審議会が勧告をいたしましたが、その勧告では昭和四十五年に――いまより三年前であります。どんなに少なくても社会保障に対する国の直接の支出は予算の四分の一以上でなければならないということになっておるわけであります。四十五年の目標を過ぎておりますから、実はもっと高くならなければならないわけでございますが、同じ率といたしましても、本年度で三兆八千億くらいの社会保障費の支出にならなければならない。そうなりますると、いま二兆くらいでございますから、本年でも一兆八千億の余裕が出てくるわけでございます。この年金制度は確実に実現できるわけであります。なお残り三千億ございますし、率はもっと、社会保障制度審議会では、本年度では三〇%くらいにならなければならないわけでございますから、医療保障の拡充なりあるいは児童手当の拡充なり、あるいはあらゆる社会保障制度の拡充に並行してできるということを確信いたしておるわけでございまして、以上お答えを申し上げます。
#107
○川俣委員 ありがとうございました。
 そこで齋藤厚生大臣に、五万円年金を標榜する政府の年金改正案は、年金に対する国民の関心の高まりに押されて、従来のおざなりな年金法案に比べると、ある程度は評価はできると思います。しかし今回の政府案の内容では、とてもとても老後は暮らせるというしろものではないということがはっきりしたわけでございます。
 そこで私は、本会議でも提示したのですが、簡単に申し上げまして、五千万人のいま働いておる労働者が一千万人の老人を国全体で親孝行しようではないか、五万円ずつ出せば――一人で一万円ずつ出せ。しかし一万円は国と折半すれば五千円だ。さらにそれに事業負担が出れば一人で三千円で、自分のじいちゃん、ばあちゃんに五万円が来るのだということが、これはやはり国民的なコンセンサスが受けられるのだという――年金制度というものは、今回政府案と四野党案の対比の結果、非常に高まってきたわけでございます。
 そこで私は、先ほどもちょっと触れたのですが、大臣に聞きたいのは、一応政府案が出た、ところが、直ちに厚生大臣が、はっきり方々で発言したかしないかという問題じゃなくて、十分にこの審議を通じて修正する意図があると言わんばかりの発言をしておるところから見ると、いかに政府案というのはお粗末なものであり、単なるたたき台であったかということを思っておるのですが、それに対して途中で橋本私案が出た、さらに窓口折衝の修正案が出た。こういうのが一応私らの理事ばかりではなくて、この委員会ばかりではなくて、全国民の頭の中に入った。そうなると大臣、あの修正案というものは修正度がまだ足りないと私は思う。そこでこの修正案を前提にして審議をしたいのだが、自民党のお家の事情か知りませんが、まだ私らの手元にその修正案なるものは、まぼろし的な存在になっておる。しかし、それは許されぬ。
 そこで大臣に伺いたいのは、率直に修正案というのは、どのような見解であるのか、ひとつ修正程度その他を所管大臣として伺いたいと思います。
#108
○齋藤国務大臣 政府が現在の法案を提出いたしましたあと、予算委員会において例の谷間論争がございまして、谷間については委員会の審議において十分決着をつけていただきたいということを申し上げておったわけでございますから、その点については、一日も早く結論を出すようにしていただきたい、かように考えております。
 なお、橋本私案には、そのほかはも二、三点触れておるようでございますが、こういう問題はまだ橋本私案の段階でございまして、与野党が意見の一致を見るということが前提でございます。すべて法案というのは出した以上は、国会の御審議におまかせするわけでございますから、国会においてどういう結論になるのか。その結論が出た段階において政府としての考えを申し述べる、こういう手順になるのではないか、かように考えておる次第でございます。
#109
○川俣委員 大臣は非常に国会ずれしているから、そのとおりなんです。政府が提案しているから、政府以外のものはまだ見解を出す段階じゃないとおっしゃる。だとすれば、過日の春闘共闘委員会と大臣が年金の折衝に入ったあの確認事項は、単なる春闘の収拾策の一環として苦しまぎれにああいう回答を出したのか。それともやはりこの審議を通じて、改善をはかっていきたいという意欲でああいう回答を出したのか、その辺いかがなものでしょうか。
#110
○齋藤国務大臣 先般の春闘において、労働組合の団体と年金改善についてお話し合いをいたしました。たしか二、三点の内容であったかと思います。すなわち、賦課方式につきましては、そうしたことを言う気持ちもよくわかりますが、老齢人口激増の現段階においては困難でございましょう。しかし、その趣旨は十分理解いたしまして――理解することになると言ったか、いま文章を覚えておりませんが、将来の問題として十分検討するということを申し上げております。これはまさしくそのとおりでございまして、春闘をおさめるからというような不純、不純というのもおかしいですが、そういうようなことだけで私は申しておりません。国会の審議の際にも私は、老齢人口急増の現段階においてはできません、しかし、将来の問題としては十分検討いたします、こういうことをこの場においても申し上げております。
 それから、賃金スライドの問題につきましては、労働組合団体が賃金スライド制を主張されておる気持ちは十分理解をいたしておりますので、財政再計算期をできるだけ早めるようにし、そして賃金、物価、生活水準等に見合った水準の改定を行なう必要があるといったふうな趣旨のことを私は申し上げたことがございます。その点についても、私は国会において皆さま方の御質問にお答えをいたしまして、財政再計算期は五年ごとということになっておりますが、現在出しておる法律は四年目に水準の改定を出しておるわけでございますから、早めるということであれば、常識的には四年よりも先になるではないでしょうか、しかし、二年というわけにはいかぬでしょうということまで私は申し上げておるわけでございまして、年金改善については精力的な意欲を持っておることは、皆さま方に答弁の中で申し上げておるつもりでございます。
#111
○川俣委員 そうすると厚生大臣の回答ということでプリントされておるのですが、これは五項目にわたって行なわれております。これは大臣はこの交渉に立ち会って回答したのか、局長段階で回答して、大臣があとでそれに判こを押したというかっこうなのか、その辺どうですか。
#112
○齋藤国務大臣 私はみずから回答をといいますか、私の気持ちを申し上げておるわけでございます。
#113
○川俣委員 そうすると財政再計算期を早めるということは一応三年にするという含みで答えておるのかどうか。
#114
○齋藤国務大臣 こう申し上げてあります。「賃金スライド制の実施については、ご要望の趣旨は理解できるので、財政再計算期等を早め、賃金、物価、生活水準等の動向にマッチするよう考慮する。」このとおりを申し上げておるわけでございます。
#115
○川俣委員 そこで局長のほうにも聞きたいのですが、これは一応文章であって、いろいろとそこでことばの質疑応答があったと思いますが、一応何年くらいをめどに答弁しておるのか、回答しておるのか、聞かせてもらいたい。
#116
○齋藤国務大臣 そのときには年金局長は何の回答もいたしておりません、私一人答えております。
#117
○川俣委員 それから財政方式を三年以内に賦課方式にする、これをめぐってかなり煮詰めたようですが、これは野党案も根底思想は賦課方式なんで、この辺はどうですか。
#118
○齋藤国務大臣 財政方式の問題については「老齢人口の急増が続く現段階においては、賦課方式に移行することは困難であるが、ご要望の趣旨を了とし、将来の問題として十分検討を進めたい。」と申し上げてありまして、具体的には何にも申しておりません。このとおりです。裏も何もございません。
#119
○川俣委員 積み立て金の管理運用を民主化するということで、労使の意見が反映する場をつくりたいというのだが、はたしてどういう具体案を考えておるのか。
#120
○齋藤国務大臣 「積立金の管理運用については、労使の意見がよりよく反映できるよう改善に努力したい。」こう申し上げておるわけでございまして、その方式はどういうやり方にするかという、今度は具体的なお尋ねでございますが、これもどなたかの御質問にお答えをいたしましたが、厚生大臣のところに意見がよりよく反映できるようにするため懇談会をつくりまして、労使の方、公益の方入っていただきまして、管理運用についての意見を十分に承って、その意見が資金運用部資金の運用に反映できるようにしよう、こういう考え方でございます。
#121
○川俣委員 こうやってみると大臣、春闘共闘委員会ですから、一応ゼネスト的な規模のストライキをかまえての真剣な場であるわけですね。そういうおざなりな返答でこういう確認ができるはずはないのです。だからこれは非常に期待していると思いますよ。年金改善について努力することを表明したが、これについて誠意を非常に期待していると思います。これに対して大臣、ある程度ここで具体的に表明してもらいたいのです。だから、さっき言った積み立て金運用についてどういうような構想をいま持っておるか、表明してもらいたい。
#122
○齋藤国務大臣 いま申し上げましたように、厚生大臣のところに積み立て金に関する懇談会を設けまして、より具体的に申しますならば、その懇談会の会長は、公益委員から選ばれるわけでございますから、その公益委員である会長を資金運用部関係の審議会の委員に推薦をする。そしてそちらになってもらう――そこまで言うていいかどうか、ちょっと早過ぎたかもしれませんが、そういう考え方でございます。
#123
○川俣委員 それじゃ二つ目の財政方式ですね、そのような考え方で三年以内に賦課方式に変える、一応三年をめどに出したわけですね。これに対して、政府のほうはどういうように考えておりますか。
#124
○齋藤国務大臣 向こうからまさしく三年以内に賦課方式に切りかえたらどうでしょうかという御意見に対しましては、三年以内などということは一切申しておりません。この字句のとおり、「老齢人口の急増が続く現段階においては、」「移行することは困難である」「将来の問題として十分検討を進めたい。」これは三年とか五年とか十年とか、一言も申しておりません。
#125
○川俣委員 そういうような答弁で、春闘共闘委員会の、総理大臣以下の春闘収拾の場になっただろうかね。これは非常におかしいですね。
 そこでもう一つ申し上げますと、さっき言った賃金スライド制なんですが、あなたは、賃金スライド制を主張するのは理解できる、こう言っておる。マッチするように考える、こう言っておる。これはやはりここで、ある程度大臣の表明がないんですか。あなたの話は聞きおく程度ということだったのかね、どうですか。
#126
○齋藤国務大臣 御承知のように、私どもの方式は、毎年物価スライド方式を採用いたします。しかしながら、賃金に合わせて水準の改定等をやっていただきたいという趣旨でございますから、この字句を読んでおわかりいただけるように「財政再計算期等を早め、」――「等」というところに水準を含んでおるというふうに御理解をいただければ、けっこうだと思います。
#127
○川俣委員 そこで、この回答を受けた団体組織は、年金交渉を定期的にやろうじゃないか、こう言っております。それから、いままでのずっと長い審議で、年金というのは、やはり国民的な合意がどうしても必要だということから、これは政府、特に厚生大臣を窓口とした当局といろいろと意見の交換をする場が、常に定期的にあっていいんだろうと私は思いました。それは大臣、どう思いますか。
#128
○齋藤国務大臣 労働団体のほうからは「定期的な「年金交渉」」こういう、いかにも団体交渉みたいな文字を使っての御意見でございましたが、私は、そういうふうな定期的な交渉とかいう文字は一切使っておりません。すなわち「改善については、十分ご意見をいただく機会をもつことは賛成である。」と申しておりますから、この法律が成立しました後において、労使団体の十分な意見は聞くつもりでございます。そしてまたそのことは、いろいろな審議会等もございますが、審議会は審議会として、いろいろな御審議をいただくことはもとよりでございますが、それ以外においても、労働組合の側の方がおいでいただくこともありましょうし、こちらからお越しいただいて、いろいろ改善について意見を聞くこともありましょうというわけでございまして、今後とも年金改善については労働団体のみならず、経営者側の団体の意見も聞いてまいりたいと私は考えておるものでございます。
#129
○川俣委員 年金改正というのは、やはりこのような社会情勢の変化に伴って、年々やるという必要があるのだと思います。これに対して、大臣はどう思いますか。
#130
○齋藤国務大臣 毎年年金の改正をやるというお約束は、どなたにもいたしておりませんし、どういうことになりますか、わかりませんが、必要があれば、私どもは、改善に改善を加えることは、政府の当然の責任だと考えておりますから、必要があれば、毎年でも改正案を出す、それはもう当然のことでございます。必要がなければ出しませんから……。さように御理解をいただければ、けっこうでございます。
#131
○川俣委員 そこで、野党四党案を出された八木委員に伺います。こうやってみると、私はやはり政府案、これは落第、はっきり言って。みずから修正しようという態度に――これは自民党政府案でありますから、そういうような考え方で落第、それから提案している政府をつくっておる与党から見ると、野党四党案は、まだ時期尚早、こうなれば一番理想的なことは、共同提案があってよかったと思う。だから、もっとそういうようなあれがあれば、折衷案みたいなものですね。
 そこで八木議員、いかがでしょうかね。これはやはりこういうようなインフレ状態でもあるし、それから年金、手当、さっき児童手当の問題もありましたが、やはりあまり政府が、特に厚生省は主管庁でございますから、かたくな旧ならないで、年金というものは、もっとやはり国民に投げかけながら、合意を受けながらやらなければならない制度ですからね、拠出制のものもあるだけに。その辺を野党四党案を出された八木先生としては、来年度の展望――ぼつぼつ来年度の予算もこれありですから、予算時期でもあるので、その辺の見解をちょっと伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#132
○八木(一)議員 年金制度をよくしようというお気持ちを込めた御提案について、私もほんとうに決意を込めてお答えをしたいと思います。
 野党四党案は、私どもはもっとよくしてもよいと思いますが、ほんとうにいまの国民の要望にこたえるものであって、実行の完全に可能なものであると信じております。しかし政府案を出された政府のお立場、あるいはそれを支持しておられる自民党のお立場では、野党四党案に一ぺんに近づくということが御無理なような状況であることを川俣さんと一緒に非常に遺憾に存ずるわけでございますが、この野党四党案の内容も、この社会労働委員会における熱心な討議の中で、当然政府として、この点は欠けておった、これはやらなければならない、この点は不十分だった、これはやらなければならないということを体得されたものが確かに十分にあると思うわけであります。このことを、当然、野党の提案を参考にされて、討議を尊重されて、来年度はよい改善案をぜひとも出されなければならないと思うわけであります。その中で、当然全体の年金を高める。それを保険料を上げないで高める。これは賦課方式の問題を考えると言われたわけでございますから、修正積み立て金方式の修正度を高めていけば十分に可能なことであります。そのことは当然出されなければならないし、ことに谷間の問題と、それから現在すぐ生活できる年金を望んでおられる人たちに対しての対処が少ないということを当然いま考えておられると思うわけであります。
 したがって、福祉年金の改正案は、来年度は、どんなことがあっても出されるべきである。出されると私は信じたいと思うわけであります。福祉年金の制度が少ないから、これを多くしなければならないという一番大きな問題と、福祉年金制度にスライド制がないから、その分をまた重ねて多くしなければならないという問題は、ぜひとも対処されるべきであると考えているわけであります。
 それと同時に、谷間の問題でいろいろ論議がされました。いま考えられておる橋本さんの案は、ないよりはましでございますけれども、これはまだまだ足りないことは、この論戦の中で明らかであります。谷間の問題は、六十五歳以上も当然七十歳以上の老齢福祉年金の方々と同額にされなければならないと思いますし、また二級の障害福祉年金は創設されるであろうと期待をいたしておりますが、その金額もうんとふえてこなければならないし、国民年金の拠出制で免除を受けた方々の問題、その問題は、当然一番年金を必要とする人でございますから、現在の三分の一のような年金ではなしに、もっとずっと大きなものが政府みずから提案をされるということを期待をいたしているところでございます。
 さらに五人未満の事業所には当然厚生年金を適用しなければなりませんし、先ほど御質問で、たとえば障害や遺族の方々の関連の問題について、通算を確実に実現をするという制度は、御答弁があったそうでございますから、確実にやっていただくことを期待をいたしているわけでございます。
 そのほかいろいろの問題ございます。たとえばかけ捨ての問題、あるいはまた脱退一時金でそのままにされた人たちの問題、こういう方々の問題を、年金権を、確立をしていかなければならないと思うわけでございます。
 さらに積み立て金の運用の問題については、いま川俣委員と厚生大臣との間に質疑応答がありました。そして国民はこの問題について非常に大きな期待と関心を持っております。このことについて、年金というものは本来被保険者並びにその家族にしかいかない、被保険者のものである、積み立て金は被保険者のものであるという立場において、その人たちの意思に従って、その人たちのために運用されるということが、ぜひとも具体的に保証されるような制度を推進をされ、そのための法案その他を出されるということが期待をされるところでございます。
 賃金スライドの問題、あるいは賦課方式の問題で、いま川俣委員がおっしゃいました。この問題についての厚生大臣の御答弁はそばで聞いてまいりまして、まだ非常に手ぬるい問題でございます。少なくともそれを確実にされる、そのような賃金スライドをほんとうにやっていく、あるいは賦課方式のほうに大きく早く変えていく、そういう問題を内容とした改正案が出されることを期待を申し上げる次第でございます。
 まだ不十分な点がございますが、一応これだけの御答弁にしまして、なお御質問がございましたら、重ねて時間をいただきまして、十分にまた私どもの期待と意見を申し上げさせていただきたいと思います。
#133
○川俣委員 終わります。ありがとうございました。
#134
○竹内(黎)委員長代理 次回は明二十八日木曜日、午前十時理事会、十時半から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後九時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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