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1972/03/29 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第8号
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1972/03/29 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 文教委員会 第8号

#1
第071回国会 文教委員会 第8号
昭和四十八年三月二十九日(木曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 田中 正巳君
   理事 内海 英男君 理事 西岡 武夫君
   理事 松永  光君 理事 木島喜兵衞君
   理事 長谷川正三君
      有田 喜一君    上田 茂行君
      坂田 道太君    床次 徳二君
      中村 拓道君    林  大幹君
      深谷 隆司君    山崎  拓君
      小林 信一君    嶋崎  譲君
      栗田  翠君    有島 重武君
      高橋  繁君    安里積千代君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 奥野 誠亮君
 出席政府委員
        文部政務次官  河野 洋平君
        文部大臣官房長 井内慶次郎君
        文部省初等中等
        教育局長    岩間英太郎君
        文部省管理局長 安嶋  彌君
 委員外の出席者
        文教委員会調査
        室長      石田 幸男君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 学校教育法の一部を改正する法律案(木島喜兵
 衞君外七名提出、衆法第八号)
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律の一部を改正する法律案
 (木島喜兵衞君外七名提出、衆法第九号)
 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数
 の標準等に関する法律の一部を改正する法律案
 (木島喜兵衞君外七名提出、衆法第十号)
 教育委員会法案(木島喜兵衞君外七名提出、衆
 法第一一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
 する法律案(内閣提出第三九号)
     ――――◇―――――
#2
○田中委員長 これより会議を開きます。
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。高橋繁君。
#3
○高橋(繁)委員 昨日に引き続きまして質問をいたしたいと思いますが、昨日の統合問題の残りがありますものですから、初中局長に質問いたしたいと思います。
 統合が推進をされて、その結果長欠児童がふえてきている、このようなことを私は認めるわけですが、そうなりますと、統合の欠陥というものが、そうした長欠児童となってあらわれてきている。きのう申し上げましたように、ほんとうに教育という立場から統合問題を考えないで、ただ単なる財政だけの問題でやっておるところにこうした欠陥が出てくるやに私は認めますが、その辺の、統合後の一つの例でありますが、長欠児童ということについてそうした欠陥が出ているが、そういう欠陥についてどのように認識をされておりますか。
#4
○岩間政府委員 ただいま先生のお話でちょっとびっくりしたんでありますが、いままで私どものほうで、統合のために長欠の児童生徒がふえたというようなことは聞いたことはございません。もちろん私どもは、長欠児童生徒が存在するということ自体に非常に問題を感じておりまして、そういうようなものの解消につきましては、これは鋭意努力していかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。
#5
○高橋(繁)委員 ちょっと統計が古くなりますが、小学校の場合、全国の長欠の児童の平均が、〇・五二%、ところがそうした僻地における学校については〇・七一%というふうに実は若干多くなっておる、このように理解をするわけです。したがって、どうかひとつ、文部大臣が最終的にはこの統合を認めるということになっておりますので、ただ単に市町村の財政的な理由からの統合ということだけではなくて、きのう申し上げましたように、教育的立場から推進をしていただきたい。それと同時に、きのうもおそくなったものですから若干申し上げただけでありますが、統合によって、バスで通学する子供の安全といいますか、単なる学校安全会だけではこれは微々たるものでして、いま事故がないからいいようなものですが、もしあった場合には、一村の、一家をしょって立つ子供全部がなくなるという事態も起こらないとも限らないという点で、どうかひとつその点について御考慮をお願いいたしたいと思います。
 それでは、次に移させていただきます。
 養護学校の問題につきまして、三分の二校舎については補助をいたしておりますが、これは過日参議院の予算委員会で文部大臣がこの問題で答弁をいたしておるようであります。ところが、四十七年度二十校分の養護学校の建設を予定いたしておる。ところが十二校で終わってしまっておる。この計画がたいへん最初からうまくいかない、その十二校に終わってしまった、二十校できなかった最大の理由というものは一体何でございますか。
#6
○岩間政府委員 私どものほうでは、四十六年におきまして、四十七年、四十八年の二カ年の計画を持ちまして、未設置県の解消をしたいということを計画いたしたわけでございます。それに応じまして各都道府県に対しましても、その実現方につきまして協力方をお願いしたわけでございます。各県のほうでも、事情を聞いてみますと、二カ年ということでやや安心した面もあろうと思いますし、またちょうど四十七年度は地方財政が少し落ち込んでおりまして、そういう悪条件が重なりまして二十校が十二校ということになりました。その点につきましては私どももたいへん恐縮に存じておるわけであります。
 いま大ざっぱに申し上げたわけでございますけれども、個々の具体的な問題につきましては、やはり土地の問題とか、あるいは厚生省関係の養護施設、あるいは病院、そういうものとの関係の調整がなかなかむずかしいようでございまして、その点につきましては私どもも将来のことを考えまして慎重に対処してまいりたい。ともかく二カ年で解消してまいりたいというふうな方針であったものでございますから、そこで初年度につきましては若干おくれたというような事情でございます。
#7
○高橋(繁)委員 確かに養護学校については、病院と養護施設、医師の問題がかかってくると思うのです。したがって、都道府県の財政負担というのは、養護学校一つについてもかなり負担が多いわけです、教師の問題とか。したがって、前に文部大臣がおっしゃっているように、五十三年ですか、それまでには一〇〇%未就学児童をなくして、そして二百四十三校ですか、そのような計画があるやに聞いておりますが、その辺の見通しについて……。
#8
○奥野国務大臣 養護学校の建設を促進したいということで努力しているわけでございますけれども、なかなか進行がはかばかしくない、そういうこともありまして、都道府県の設置義務も、保護者の子弟を就学させる義務も、実施時期を延ばしているわけでございます。しかし、そういうこともあって、一そう促進させ得ない傾きもあるんじゃなかろうかという心配もありますので、四十七年から七カ年計画で養護学校の設置を充実したいという計画があったことでもございますので、それの完成します五十四年四月からこの義務を働かせるということに先に踏み切ったらどうだろうか。そうしたら、かなり本腰を入れて養護学校の設置にかかってももらえるのじゃなかろうか、こんな気持ちも持ちましたわけでございます。そういうことでいま関係省、同時にまた各都道府県、そういうことについて理解を求める、その努力をしているところでございます。そして、それに基づいて各府県が年次計画をどのように立ててくれるだろうか、照会をしているところでございます。したがいまして、予算の充実をはかりますと同時に、一つの目標をもう固定してしまったらどうだろうか、こういうことで話し合いをいたしていきたい、かように存じているわけであります。
#9
○高橋(繁)委員 そうなりますと一〇〇%未就学をなくしていくと、学校教育法を改正をしなくちゃならない。この辺についてはどのようにお考えになりますか。
#10
○奥野国務大臣 現在御指摘のように、法令で義務の施行を延ばしているわけでございますので、それを改正いたしまして五十四年四月一日から義務制にするんだというふうに改めなければならない、かように思うわけでございます。そういうことについていま関係者間の話し合いを進めているところでございます。
#11
○高橋(繁)委員 学校教育法の二十三条の就学猶予、免除、この項目はしたがって五十三年以降はなくなる、このように理解をしてよろしいですね、第三条に照らして。
#12
○奥野国務大臣 それじゃございませんで、都道府県が養護学校を設置しなければならぬという義務を課しております。もう一つは、そういう重度の障害を持っている子供さんたちでありましても、父兄は、保護者は就学させる義務を負っているわけでございます。負っているわけでございますが、その両者をいますぐそう持っていけないものですから、暫定的に政令で定めるときまでは施行を延ばすのだ、こう考えているわけでございます。いまおっしゃいましたのは特別な事情がございまして、そういうこととは別にどうしてもいますぐ就学できない、そういう方があります場合に就学の免除とか猶予とか、それを願い出る道が開かれているわけでございまして、これとは別個の問題であろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、養護学校が整備されますと、就学の猶予とか免除とかいうことを申請する方々は激減する、また大体なくなるだろうという方向にいくものだ、かように考えております。
#13
○高橋(繁)委員 しかし、いわゆる教育基本法の第三条から照らして、こうした就学猶予、免除ということについては実際にはあり得ない、当然教育を受けなくちゃならない。もし通学できない場合は訪問教師制度をつくって、そしてこれらの子供たちにも教育を与える義務を与えるべきである、こういうように考えるわけであります。したがって、学校教育法の二十三条については将来もう必要ない、私はこう考えるわけですが、この辺について。
#14
○奥野国務大臣 実質的にはそのような方向に持っていきたいということでございますが、しかし、全くどうにもならない病人がなお非常に苦しい状態にある、教育どころではないという子供さんもあり得ないわけじゃございませんので、制度は制度として残る。実態的にはおっしゃるような方向に持っていくということだろう、かように思います。
#15
○高橋(繁)委員 ひとつそういう方向でこの項目については検討を願いたいと思います。
 したがって、五十三年から一〇〇%実施したいということでありますが、さらに計画を短縮してやるべきであると私は考えるわけですが、この辺について大臣はどのようにお考えですか。
#16
○奥野国務大臣 できれば私もそうしたいと思います。河野政務次官などは熱心な主張者でございます。実際問題として学校を建てるということはなかなか簡単にいきませんので、あまりあせりますとみんなから反対を食らってしまう。こういうこともおもんばからなければなりませんので、やはり七年計画でというてきたわけだから、この線でいくことが事を成就させる道ではないか、こういう判断をしているわけでございます。お気持ちは全く同じでありますが、そう急ぎますと反対を食らいまして、先に義務制を高々と掲げることができなくなってしまうのじゃないか、それを私は心配しているところであります。お気持ち全く同感でございます。
#17
○高橋(繁)委員 養護学校については先ほど局長がおっしゃったように、単に文部省だけではなかなかうまくいかないと思うのです。医師を伴う。養護施設と病院とからんでおりますので、そうした総合的な計画のもとに推進しなければなかなか推進できないような現状です、地方では。やろうと思っても病院の協力がない、医師がいない。学校はつくったけれども、先ほど言ったように医者が来ないという点があります。どうかひとつ連絡をとりながら推進をしていただきたい。
 次に、昭和四十四年度から第三次五カ年計画の文教施設の進捗状況の資料をいただきましたが、なるほど計画されたものについて、たとえば小中学校校舎新増築事業は一二六%達成をいたします。しかしながら、急増地域につきまして不足の教室数が七千九百三十二、昭和四十七年度においてはある。これが特別教室の転用、仮設校舎、その他、こういうことで一応応急措置をやっておるわけですけれども、年次が進むに従って、不足の教室はだんだんふえていくというのが現状です。なかなか追いつかない。さらに四次計画でこの施策を進めていくということでございますが、一体この不足の教室というものは四次計画の中で解消されるのかどうかということについてお答えを願いたい。
#18
○安嶋政府委員 不足教室の実態につきましては、ただいまお話があったようなことでございます。四次計画の全体といたしましては、不足教室を解消するという計画を立てておるわけでございますが、しかし実際問題といたしまして、これが完全になくなるかと申しますと、これは若干は残るかと思います。と申しますのは、その不足教室が、御指摘のような数あるわけでございますが、たとえば一定量の工事範囲にならないと工事が現実に行なわれないというような事態があるわけでございます。たとえば一教室不足であるとか、二教室不足であるといったような場合におきましては、鉄筋の三階建てでございますと、二スパンくらい建てるのが普通でございますが、上に延ばしますとそれが六教室、そうした工事の適正な量が確保された場合に、初めて町村としてはその建築に着手するというような事例が多いわけでございます。ですから若干の教室はやはり将来とも残るかと思いますが、計画といたしましては全部解消するだけの予算は用意してまいりたいというふうに考えております。
#19
○高橋(繁)委員 この応急措置の内容ですけれども、「特別教室転用」、これはわかります。「仮設校舎、その他」とありますけれども、たとえばプレハブを使用しているとか、あるいはどこかの公民館を使っているとか、そういう内容についてはどういう状況になっていますか。
#20
○安嶋政府委員 「その他」の内訳でございますが、たとえば屋体を間仕切りをして教室に使いますとか、あるいは会議室等の管理室を転用いたしますとか、それからほかに土地を借用いたしますとか、場合によれば若干詰め込み授業をやるとかいったような方法が「その他」の中に含まれております。
#21
○高橋(繁)委員 そうしますと、四次計画で「その他」の分についてはほとんど解消されますか。
#22
○安嶋政府委員 先ほど申し上げましたように、四次計画におきましては不足教室の全部を解消したいということで計画の全体を立てておるわけでございますから、当然「その他」の部分も計画としては解消するに足るだけの用意はいたしたいということでございます。
#23
○高橋(繁)委員 次に、屋内運動場の充足状況がありました。未保有校が、小学校で二五・六%、中学校で一六・四%、このような計画でありますが、今後の整備計画、何年ごろまでにこの未保有校がなくなるか。
#24
○安嶋政府委員 四十八年度を初年度といたしまして、第四次の五カ年計画を考えておるわけでございます。
 その内容といたしましては、屋体につきまして、現在屋体を保有していない学校の全部、それから新設校の全部について屋体を整備したいというふうに考えております。さらに、中学校につきましては、現在保有している学校の不足面積を整備したいということで、全体といたしましては約二百六十一万平米を五カ年で整備したいという計画を持っております。
#25
○高橋(繁)委員 四次計画の中で全部なくしたい、こういうことですか、あるいはここ二、三年のうちになくしたい、こういう考えか、どちらですか。
#26
○安嶋政府委員 四次計画全体の期間中にということでございますから、四十八年度を含めて五カ年間にという計画であります。
#27
○高橋(繁)委員 昨日も質問がありましたが、児童生徒の急増市町村におけるところの義務教育の施設、また改善措置が、その地域における義務教育施設の整備事業、これはこの計画にもいまもお話ありましたが、四十八年度に事業計画を例にとりまして具体的に御説明を願いたいと思います。
#28
○安嶋政府委員 具体的な計画は、四十八年度分につきましてはこれから町村並びに府県の教育委員会と御相談をするわけでございますが、お手元に差し上げてございます資料の一ページに「小学校校舎」といたしましては、四十八年度百二十五万平米の整備を予定をいたしております。「中学校校舎」につきましては三十六万平米の整備を予定をいたしております。ほかに「小学校屋体」が二十六万平米、「中学校屋体」が十万平米ということでございますが、従来の執行の経験的な数字から申しますと、これの約六割ないし七割が急増地域に回るわけでございます。したがいまして、具体的にどういう整備が行なわれるかということは、さっき申し上げたようにこれからの課題でございますが、これの相当部分が急増地域における学校施設の整備に充当されるということがいえるかと思います。
#29
○高橋(繁)委員 その急増地域が新たに政令で指定をされるというように聞いておりますが、具体的にその政令の内容についてわかればお答え願いたいと思います。
#30
○安嶋政府委員 現段階で私どもが一応考えておりますことは、従来、土地の購入費につきまして考えておりました基準を一応踏襲したいということでございます。
 内容といたしましては、過去三カ年間における児童の増加が一〇%以上、かつ実数で五百人以上である場合、または五%以上で千人以上である場合――これは小学校の基準でございますが、中学校につきましては、同様過去三カ年の生徒の増加数が一〇%以上で、かつ実数が二百五十人以上である場合、または五%以上で五百人以上である場合の市町村を、急増の市町村というふうに指定したいということで、一応検討いたしておる次第でございます。
#31
○高橋(繁)委員 それは来年度あたりから大体適用になりますか。
#32
○安嶋政府委員 ただいま御審議をいただいておりまする法案が通過成立いたしましたならば、それに基づく政令として制定をしたいということでございます。
#33
○高橋(繁)委員 急増地域における小学校の施設の問題については三分の二に引き上げられた。ところが、屋内運動場は従来二分の一ですね。これもやはり同様に、校舎と同じように三分の二に引き上げるべきだ、こう考えるわけですが、その考えはないかどうか。
#34
○安嶋政府委員 今後の課題といたしまして十分検討させていただきたいと思います。
#35
○高橋(繁)委員 これはひとつ検討でなくて、早く実施をしていただきたいと思うのです。
 もう一つ、きのうも問題になりましたが、やはり問題は、重ねて質問するようになりますが、土地の問題ですね。この学校用地の確保がたいへんにむずかしいことは御承知のとおりです。したがって、現行の校地取得費に対する助成措置をやはりここら辺で抜本的に考えなくちゃならぬときが来ていると思うのですが、もう一度文部省の見解を、どのようにお考えになっておるか、お聞きいたしたいと思います。
#36
○安嶋政府委員 その点につきましては私ども年々努力はいたしておるつもりでございますが、本年度予算におきましては、まず取得の坪数でございますが、これを三百九十七万平米というふうに増加をいたしております。昨年はこの面積が三百六十三万平米でございました。また単価につきましても、昨年度は平米一万六千円でございましたが、これを約三一%引き上げまして、平米当たり二万一千円というふうにいたしておるわけでございまして、予算の総額といたしましても、昨年度は五十二億円でございましたが、四十八年度は九十八億円というふうに増額をいたしておるわけでございます。
 この九十八億円の内容でございますが、四十六年度の国庫債務負担行為の現金化分が二十億、四十七年度の国庫債務負担行為の現金化が三十二億、それから四十八年度の初年度分が四十六億ということでございますが、これは三カ年にわたる国庫債務負担行為の初年度分でございますから、四十八年度の補助の規模、予算総額といたしましては百三十九億ということになっております。そうした努力を続けておる次第でございます。
#37
○高橋(繁)委員 昨日も問題になりましたが、やはり超過負担の問題ですね。これは結論だけだいぶ論議がされましたので重ねて同じような質問はいたしませんが、考え方としてこの超過負担の問題は、私は官僚的ないわゆる恩恵主義ですか、それと地方からの物ごい的なそうした陳情政治の結合から生じておる、それが地方財政をことさら貧困におとしいれておる、このように考えるわけです。国は持っておる財源をちらつかせながら陳情を誘発しておる。そして地方は、その陳情をモットーにしてありがたく国の補助をもらう。このようなことで地方に非常な超過負担を生ぜしめておるわけです。さらに今後、この国庫負担法ができましても、先ほどもいろいろ御意見ありましたように、物価の高騰によって超過負担がますます大きくなる。こういうことから考えて、超過負担をなくしていくという方向についていま一度大臣の積極的な考えをお聞きしたいと思います。
#38
○奥野国務大臣 仕事によりましてはその経費を国と地方とで共同負担をしていく、そう定められておりますものについて、国の負担に属するものを地方に転嫁する、こういう超過負担、これはもう当然なくしていかなければならないと思います。そういう意味では、積極的に解消に努力していきたいと思います。
 ただ、何でもかんでも補助金制度を続けていくことは実は私は賛成ではないのでございまして、補助金の手綱を通じて地方行政のあり方を中央が自由自在に振り回していく、こういう形になるものでございますので、でき得るなら財源を地方団体全体に与えまして、その中で必要な仕事は十分やっていける、こういうあり方が一番好ましいのではないか、かように考えているものでございます。そうしますと、国民の拠出します税金を国と地方とでどう割り振っていくか。それだけでは偏在するから、まとめて国税としては取るけれども、一定部分は何に使ってもいい金としてぽんと地方に与える、地方交付税交付金として配分していく、こういうことで運営していくことが理想だと思いますけれども、ナショナルミニマムは確保していかなければならぬという点についてはやはり国も負担の面で一役買いまして、二分の一を負担するんだ、三分の二を負担していくんだ。そしてどの地域におきましても大体同じような施設が住民のために確保されていく。そういうことにつきまして、おっしゃっているような超過負担が残りますようなことがありませんように、われわれも一そうの努力を払っていかなければならぬと思います。ただ、そういう規模をこえて地方団体が熱心におやりになる。これはありがたいことでございまして、やってもらわなければならないと思いますが、その分も超過負担だ、こう言われますと、これはやっぱり違うのではないか。これだけはぜひ御理解賜わっておきたいと思います。国がやらなければならぬ部分を地方に転嫁する、これは将来ともいささかもないようにさらに努力を続けていきたいと思います。
#39
○高橋(繁)委員 これは義務教育諸学校施設費国庫負担法という法律ですね。国庫負担法ですから、この法律の趣旨からいって補助するとかということはまずいじゃないか、私はこう判断するんです。それに対する大臣の意見をお聞きしたい。
#40
○安嶋政府委員 確かに義務教育諸学校施設費国庫負担法ということでございますが、先生お手元にお持ちの第三条をごらんいただきますと、「国の負担」ということで「国は、政令で定める限度において、次の各号に掲げる経費について、」二分の一なり三分の一を負担するということが法律の規定でございます。「政令で定める限度」と申しますのは、昨日も申し上げましたように、標準仕様を前提とする標準単価と標準的な基準坪数の総面積の範囲内において国が補助するということでございます。大臣の答弁にもございましたように、地方団体が実施されました工事費のすべてについて、そのまま二分の一なり三分の一なりを負担するというたてまえにはなっていないわけでございます。
 ただ、問題といたしまして、標準的な仕様なりあるいは基準的な坪数が、今日の教育の進展に対応して十分であるかどうかという問題は、これはあろうかと思います。そうした点に対応するために今回は基準面積を二〇%引き上げる、あるいは標準仕様を昨日申し上げましたような形において改善をし、引き上げをはかる、こういうことで努力をいたしているわけでございます。
#41
○高橋(繁)委員 そうしますと、義務教育諸学校施設費国庫一部負担法という名称にすべきじゃないか。まあこれは、いろいろ問題も持っておりますが、この程度にいたします。
 それから四十八年度から小中学校校舎の補助金の面積を二〇%引き上げるとありますが、一体この二〇%で文部省は満足しているのかどうかということですね。したがって、屋内運動場あるいは統合による寄宿舎の補助基準面積、これについても引き上げるべきではないか、こういうふうに考えるわけですが、その見解をお聞きしたい。
#42
○安嶋政府委員 今回の基準改定は、御承知のとおり校舎について行なう予定でございます。校舎につきまして二〇%の引き上げを行なうということでございまして、その内容といたしましては、十八学級の学校の場合でございますと、理科、音楽、図工、家庭科等の特別教室の準備室を新設する。それから視聴覚教室、図書室の面積を増加する。それから児童生徒の更衣室をふやしたり、児童会活動に必要な特別活動室を新設する。それから中学校の場合は教育相談室あるいは器材器具の格納室を新設するといったようなことが内容になっておるわけでございます。私どもは、校舎の基準につきましてはさらに改善をはかりたいと思いますけれども、さしあたりはこの程度でしばらく運用をしてみたいというふうに考えております。
 それから屋体と寄宿舎等につきましては、本年度はこれを見送っておるわけでございますが、今後の課題といたしましてぜひ前向きで検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#43
○高橋(繁)委員 私は、やはり屋体も寄宿舎も同様に引き上げるべきである、こう考えるわけであります。
 それと、定時制の建物が減額をされております。これはどういう理由で減額をされたのか。
#44
○安嶋政府委員 定時制の建物整備でございますが、これは御承知かと思いますが、定時制の生徒の数自体が減少しておりまして、昭和四十七年度の高等学校関係の補助金におきましては四万一千平米の補助面積を用意したわけでございますけれども、実際の申請は二万六千平米ということで、ほとんど半分に近い程度の申請しかないというのが実情でございまして、それに合わせて予算面積を来年度は減少させるということでございます。
#45
○高橋(繁)委員 そうしますと、各地方では定時制に通う生徒が少なくなってきた、こういうことですか。
#46
○安嶋政府委員 そのとおりでございます。
#47
○高橋(繁)委員 それもあると思うのですけれども、私は、やはり定時制の施設あるいは場所によっては非常にこれが利用されて喜ばれているところもあるわけで、あるいは施設の問題、教員の問題等でどうもおろそかになっている面があって、どうも定時制に通わせるのはいやだ、こういった関係で少なくなっている事実も認めるわけです。この辺について、もう少し定時制高校についてしっかりした指導なり施設の充実をすれば、もっと充実し、子供も安心して通学できるというふうに考えるのですが、この辺についてはどうお考えですか。
#48
○岩間政府委員 仰せのとおりだと思います。現在、高等学校に就学してない子供たち、適齢の者が大体四十万人と推定されております。私どもとしましては、そういうふうな人たちをできるだけその定時制あるいは通信教育でも収容したいというふうな方針で、定時制通信教育の振興というものをはかってきたわけでございます。しかしながら、一時期、たとえば急増時期におきます定時制高等学校の子供たちは、むしろ昼間の高等学校からはみ出したと申しますか、収容能力が十分でないために定時制のほうに回ったというような子供たちがおりまして、そういう意味では、現在減っているということは、ほんとうに定時制教育を必要とする子供たちに大体しぼられてきたというふうな見方もできるんじゃないかと思います。しかしながら、私どもは、その四十万人のまだ就学してないその子供たちをそういう方向に引きつけていくという努力をしたい。したがって、本年度から教科書の無償なども始めました。そういうことも、私どものそういう気持ちのあらわれの一つだというふうに御理解を賜わりたい、こういうふうに考えます。
#49
○高橋(繁)委員 私は、次の特別委員会があるものですからこれで終わりますが、どうかひとつ定時制の問題についても十分今後考慮して充実をしていただきたい、こう思います。
#50
○田中委員長 次回は来たる四月四日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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