くにさくロゴ
1947/11/18 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第15号
姉妹サイト
 
1947/11/18 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 水産委員会 第15号

#1
第001回国会 水産委員会 第15号
  付託事件
○魚の自由販賣に関する陳情(第百三
 十二号)
○魚價引上げに関する陳情(第百三十
 六号)
○漁業用資材の確保に関する陳情(第
 百六十八号)
○資金融通準則の一部改正並びに水産
 金庫設置に関する陳情(第百六十九
 号)
○魚價引上げ並びに高級魚の自由販賣
 に関する陳情(第百七十四号)
○漁業用綱索原料マニラ麻の輸入懇請
 に関する陳情(第百七十九号)
○かつを、まぐろ並びにさめの價格引
 上げに関する陳情(第百八十一号)
○大衆向き魚價格の引上げその他魚類
 の自由販賣に関する陳情(第二百五
 号)
○漁業用燃油の配給に関する陳情(第
 二百六号)
○魚價引上げに関する陳情(第二百八
 号)
○魚價引上げに関する陳情(第二百十
 二号)
○熊本縣牛深漁港修築に関する請願
 (第百三十三号)
○熊本縣牛深漁港修築に関する請願
 (第百四十五号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 四十三号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 五十四号)
○生鮮魚介の配給促進に関する陳情
 (第二百六十一号)
○魚の自由販賣に関する陳情(第二百
 九十二号)
○八木漁港修築に関する陳情(第二百
 十九号)
○江名漁港改修工事費國庫補助に関す
 る請願(第二百二十五号)
○中之作漁港改修工事費國庫補助に関
 する請願(第二百二十六号)
○魚價引上げ並びに高級魚の自由販賣
 に関する陳情(第三百二十九号)
○式見漁港浚渫に関する陳情(第三百
 四十号)
○兵庫縣柴山漁港改修工事に関する請
 願(第二百四十七号)
○燒津漁港構築に関する請願(第二百
 五十五号)
○伊東漁港改修に関する請願(第二百
 七十三号)
○かつを節等の公定價格撤廃に関する
 陳情(第三百六十一号)
○水産廳の設置に関する陳情(第三百
 六十二号)
○臨時資金調整法による漁船建造資金
 借入に関する陳情(第四百五号)
○生鮮食料品並びに水産加工品統制撤
 廃に関する陳情(第四百三十五号)
○魚津漁港拡築に関する陳情(第四百
 九十三号)
○澁佐漁港船たまり工事に関する請願
 (第四百七十八号)
○四倉漁港整備に関する陳情(第五百
 六十号)
○漁業法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○松川浦漁港第二期修築工事促進に関
 する請願(第四百八十六号)
○燒尻漁港の築設に関する請願(第五
 百七号)
――――――――――――――――
昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
   午後一時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
 漁業法の一部を改正する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。予備審査のために廻つて來ました漁業法の一部を改正する法律案を議題に供します。政府委員の提案理由の御説明をお願いいたします。
#3
○政府委員(井上良次君) それでは只今予備審査を願います。漁業法の一部を改正する法律案の提案の理由の大体を御説明を申上げたいと存じます。
 この法律案は漁業法に基く命令中、罰則に関する條項の効力を、昭和二十三年一月一日以降も引続き有効ならしめるためにその命令の違反者に対する罰則を漁業法中に設けようとするものであります。即ち漁業法に基く命令の罰則の中には、明治二十三年の命令の條項違犯に関する罰則に関する法律に基いて規定された條項があり、この根拠法律は昭和二十二年十二月三十一日限り無効となりますので、新たにこれに代るべき條項を本法たる漁業法中に設ける必要があるのであります。これが本法案を提出する理由であります。何卒愼重御審議の上速かに御賛同あらんことを切望する次第であります。
 尚法律案の細部の説明は、局長から説明をさすことにいたしますからどうぞよろしくお願いいたします。
#4
○政府委員(藤田巖君) それでは法律案の各條項に関する細部的の御説明をいたします。一應ちよつと初めに御参考までに読み上げたいと思います。
  漁業法の一部を次のように改正する。
 「行政官廳」を「行政廳」に、「勅令」を「政令」に改める。
  第三十四條第一項中「地方長官」を「都道府縣知事」に、「命令ヲ発スル」を「規則ヲ制定スル」に、同條第三項中「前第二項」を「第二項」に改め、同條第二項の次に次の二項を加える。
  前項ノ規定ニ依ル命令ニハ必要ナル罰則ヲ設クルコトヲ得
  前項ノ罰則ニ規定スルコトヲ得ル罰ハ三月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千円以下の罰金若ハ科料トス
第五十八條ノ二 第三十四條第一項ノ規定ニ依ル規則ニ違反シタル者ハ五百円以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ処ス
  前項の場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル漁獲物、製品、漁具及第三十四條第一項七号ノ水産動植物ハ之ヲ沒收スルコトヲ得但シ犯人ノ所有シタル前期物件ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハサルトキハ其ノ價額ヲ追徴スルコトヲ得
    附 則
 この法律は、公布の日から、これを施行する。
 先ず第一に漁業法の第三十四條関係のものを御説明申上げます。第三十四條の第一項に関する改正は、これは地方自治法の施行に伴う字句の修正でございます。これは何ら実質上の変改ではございません。
 それから次に新らしく同條第二項の次に加えようといたします二項は、これは先程提案理由の御説明にございましたが、從來漁業法に基いて発せられておりました主務大臣の命令中の罰則の條項が、これが憲法の関係で本年末限り無効と相成りますので、新たに漁業法中に罰則の根拠規定を設けよう、こういうわけであります。これがこの「前項ノ規定ニ依ル命令ニハ必要ナル罰側ヲ設クルコトヲ得」、これでありますが、漁業法の第三十四條の第二項又は第三十五條の第二項に基いて、現在汽船トロール漁業取締規則、或いは機船底曳網漁業取締規則、或いは瀬戸内海漁業取締規則、その他の農林省令が出ておるのでありますが、これらはいずれも明治二十三年法律第八十四号命令の條項違犯に関する罰則に関する法律というのが、御参考に差上げてございます中に書いてございますが、これに基いて罰則を附けておる。この根拠法律が昭和二十二年法律第七十二号の日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律によりまして本年十二月三十一日限り無効と相成ります。從つてこのままに放つて置きますと、現在農林省令で附けております罰則が來年一月一日以降はこれは無効と相成つてしまいます。つまり罰則規定がなくなつてしまうわけであります。從つて取締をいたすことができなくなります。それで新らしくこの漁業法の三十四條の中にこれに代るべき罰則の根拠法規を設けまして、そうして「前項ノ罰則ニ規定スルコトヲ得ル罰ハ三月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金若ハ科料トス」というふうにこれを書きたいということであります。
 次に第五十八條の二の関係を御説明いたします。これは從來漁業法の三十四條第一項の規定に基いて各都道府縣知事が漁業取締規則を制定しておるわけであります。その中に規定されております罰則も、先に述べましたと同じ理由で本年末限り無効と相成るわけであります。併し地方自治法の第十五條の規定によりまして、都道府縣の規則に違反したものに対する罰則というものは、これは原則として法律中に直接規定しなければならん、こういうことに相成つておりますので、この各都道府縣知事の出しました漁業取締規則の罰則につきましては、これは直接この法律の中に、第五十八條の二といたしまして具体的にその刑罰の規定を設けるという趣旨で、これを立案いたしたわけであります。
 大体以上がこの法律案の細部に亘る御説明でございます。
#5
○委員長(木下辰雄君) 御質疑があつたら、発言を許します。
#6
○丹羽五郎君 今の局長の説明で、この根拠法律を拵えるということで一部の改正をされることは了としましたが、刑罰主義でこれを行うというのについては、非常に罰金なり科料の金額が少いような氣分がいたします。今日千円又は五百円以下の罰金というようなことは、これは刑罰の目的に対しては効果が少いように我々は考えるのですが、これはただ刑罰主義でこれをやるというなら、僕は刑罰の目的を達せられる金額にこの罰則或いは科料というものの金額を、相当数額にこれを現わすという必要はないかと、かように考えるのです。その点政府当局の意見を聞いて見たいと思います。
#7
○政府委員(藤田巖君) 御尤もな御意見と考えております。実は漁業法の中で、罰則の書いてある規定が外にも沢山あるのです。從つてこれに対する罰則だけを高めますと今度は漁業法に書いてあります他の規定の一般の前の罰則と又均衡が取なくなるのです。で、從來は非常に安い罰金その他で刑で漁業法が全部できております。今度この分だけを特に多くするということは全体との均衡の問題もございます。從つて今回の改正におきましては、取敢えずその根拠法規を直接こちらに設けるというだけの程度に止めまして、全体の罰則が非常に低い問題は、これは漁業法の改正、漁業権制度の改正に伴いまして、当然やらなければならぬ機会もありますので、そのときに全面に亙つて又均衡のとれておりません点はこれを是正したい、こういうふうな趣旨であります。
#8
○丹羽五郎君 もう一つお尋ねをして見たいのは、今日までこの罰則によつて罰せられた犯罪件数というものの極く最近の統計というものはでき上つておりますか。昭和二十一年度はどれくらいの犯罪件数がありましたか。
#9
○政府委員(藤田巖君) これは実は司法省方面にあれば、その資料があるのでございますけれども、最近この種の漁業法違反に対する違反件数というようなものの調べにつきましてはちよつと手許に持合せておりません次第でございます。
#10
○丹羽五郎君 私の仄聞しておるのには、この漁業法によつて罰せられたというものは極く僅かなもののように聞き及んでおるので、昭和二十一年度のごときは総件数としても殆んど僅かな件数であるように考えております。且つ昭和二十年度においても、戰時中においても、これによつての罰則というものは、規則はありますが、まあそれだけ國民がよくこの漁業法を守つたということによつて犯罪者が少かつた、こういうように我々は考えておりますが、この刑罰主義で行くということが法の目的であるならば、ここに少い金額を上してあるということは、他の罰則の金額と均衡をとらなければならないから、今ここでこういうような僅かな金額を掲げたのだという提案の理由であつたのですが、他の罰則と均衡をとらなければならんからここでこの僅かな額の罰金金額を表わしたということは、少し僕は根拠が薄弱で、理由が成立たないのではなかろうかと、かように考えます。我々新らしくこの改正法律に向つて、而もこれは根本法律として重大なことでありますので、もう一つよくこの点は考えて見たい。又政府当局においても、ただ他の條項と均衡がとれないというような事務的なことによつて、この法を設けて行くということは、甚だ我々は立法者の立場においての精神としても面白くないのではないか、かように考えます。
#11
○政府委員(藤田巖君) 実は今お話にございました点は、司法省と御相談をいたしました際にも起つた問題であります。全面的に現在の事態に合わすためにやろうといたしますと、單に現在憲法の関係で失効をいたします規定のみならず、その外漁業法に直接刑罰の書いてございます規定も、全面的に当りまして、これを上げて行くということをいたさんければならんのであります。さようなふうにやつて参りますと、今度は漁業法自体の内容について、全面的に改正を要する点が沢山あるのであります。單に罰則だけ又いじるということについては、非常に一部だけの改正に止まるというような点で、又問題が出て來るわけであります。私共といたしましては、この漁業法の全面的な改正は、この漁業権制度の改正が当然起ります際に、全面的に触れなければならん問題でございますので、從つてその際にこれを変えて行く。今回の改正はただ憲法の関係で、罰則の根拠法規がなくなる結果困ります点だけを差し当り改正をするというように、最少限度の提案にいたしました次第であります。それで御意見のございました点は、私共といたしましては、この次にやります漁業法の改正の際に、十分考慮いたしたい、こういうふうに思つております。
#12
○丹羽五郎君 もう一点、第三十五條に「汽船トロール漁業、母船式漁業、汽船捕鯨業又ハ」云々とありますが、その母船式漁業というものは現在日本で営んでおりますか。仮りに営んでおりますと、どういう漁業をやつておるか。私は今日本の母船式漁業というものは、在來も母船式漁業というものは少なかつたと思うのですが、現在は母船式漁業というものはありますか。
#13
○政府委員(藤田巖君) これは現在唯一の例と申しますのは、御承知のように南氷洋の捕鯨、これは大きな母船を持つて行きまして、そうしてキヤツチヤーが捕捉いたしましてやるのであります。お話のように從來の例えば母船式の「さけ」、「ます」漁業でありますとか、「かに」漁業はございません。母船式捕鯨業というものがございます。
#14
○丹羽五郎君 それは汽船捕鯨業の中に入つているのではありませんか。
#15
○政府委員(藤田巖君) 汽船捕鯨業というのは沿岸の捕鯨業でございます。つまり根拠地を利用いたしまして、單に捕鯨船が操業いたしまして、漁獲物の処理は母船によらずに、陸上の施設による。その業態のものだけを汽船捕鯨業というように規則は分けております。
#16
○丹羽五郎君 そうすると、現在の南氷洋のあれは母船式捕鯨業というようにこれを解してやつていられるように解釋しますが、私は今までの母船式漁業というものは「さけ」「ます」の漁業それ以外には母船式「まぐろ」漁業という、この三つのものが即ち日本の漁業だというように解しておつたのですが、今の局長の御説明でその点はよく理解いたしました。
#17
○委員長(木下辰雄君) 外に質疑はありませんか。別にありませんか。質疑がなければ本日はこの程度で委員会を閉会いたしたいと思います。これで閉会いたします。
   午後零時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君

           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           丹羽 五郎君
           松下松治郎君
           寺尾  豊君
           田中 信儀君
           岩男 仁藏君
           江熊 哲翁君
           三好  始君
           千田  正君
          前之園喜一郎君
  政府委員
   農林政務次官  井上 良次君
   農林事務官
   (水産局長)  藤田  巖君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト