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1972/04/24 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 大蔵委員会 第30号
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1972/04/24 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 大蔵委員会 第30号

#1
第071回国会 大蔵委員会 第30号
昭和四十八年四月二十四日(火曜日)
   午後二時四十四分開議
 出席委員
  委員長 鴨田 宗一君
   理事 大村 襄治君 理事 木村武千代君
   理事 松本 十郎君 理事 村山 達雄君
   理事 森  美秀君 理事 武藤 山治君
   理事 荒木  宏君
      越智 通雄君    金子 一平君
      木野 晴夫君    栗原 祐幸君
      小泉純一郎君    三枝 三郎君
      野田  毅君    坊  秀男君
      村岡 兼造君    毛利 松平君
      山中 貞則君    佐藤 観樹君
      高沢 寅男君    塚田 庄平君
      広瀬 秀吉君    堀  昌雄君
      村山 喜一君    山田 耻目君
      増本 一彦君    広沢 直樹君
      内海  清君    竹本 孫一君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  山本 幸雄君
        大蔵省国際金融
        局次長     松川 道哉君
 委員外の出席者
        外務省経済協力
        局外務参事官  菊地 清明君
        外務省条約局国
        際協定課長   堤  功一君
        大蔵省主計局法
        規課長     吉岡 孝行君
        大蔵省理財局国
        債課長     宮崎  尚君
        大蔵委員会調査
        室長      末松 経正君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する
 法律案(内閣提出第四四号)
     ――――◇―――――
#2
○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 アフリカ開発基金への参加に伴う措置に関する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしております。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。塚田庄平君。
#3
○塚田委員 これから基金の審議に入るのですが、その前に、アフリカ銀行とアジ銀について、大体同じような経路をたどっておると思いますので、少しの時間質疑をいたします。
 アフリカ銀行のほかに別法人としてアフリカ開発基金をつくることになったその経緯、あるいは両者の違い並びに役割りその他の点について、わかっていることをひとつ……。
#4
○松川政府委員 アフリカ開発銀行につきましては、一九六〇年に全アフリカ人民会議というのが開かれまして、そこでアフリカ開発銀行というのをつくってはどうかという構想が検討されたわけでございます。一九六〇年でございますから、アジア開銀よりも数年先の時点でのことでございます。その後、六二年に至りまして、国連のアフリカ経済委員会が特別委員会を設けまして設立の具体的作業を開始いたしまして、翌六三年八月、アフリカの財政担当閣僚会議において協定が作成されました。この協定は六四年九月に発効いたしまして、同年十一月に創立総会を開き、六六年の七月に業務を開始いたしております。
 これに対しまして、アジア開銀のほうは、簡単に説明いたしますと、エカフェ、すなわち国連アジア極東経済委員会におきまして設立が進められ、一九六三年末の第一回アジア経済協力閣僚会議でその具体策の検討方が決議され、その後、一九六五年十二月にアジア開銀に関する全権代表者会議が開かれまして、設立協定が採択されております。この協定は六六年八月に発効いたしまして、同年の十一月に創立総会を開き、六六年十二月に業務を開始いたしております。
 このアフリカ開銀とアジア開銀の目的はほぼ同じでございますが、アフリカ開銀につきましては、構成国であるアフリカの独立国の経済的開発及び社会的進歩に寄与する、こういう目的をうたっておりますし、他方アジア開銀につきましては、アジア及び極東の地域における経済成長及び経済協力を助長し、共同的なまたは個別的な経済開発の促進に寄与する、このようになっております。
 しかしながら、加盟国を見ますと、アジア開銀とアフリカ開銀の間には相当な差異がございます。すなわち、アフリカ開銀におきましては構成国は三十六カ国でございますが、これはいずれもアフリカの域内の国でございます。これに対しましてアジア開銀におきましては、域内の二十三カ国のほかに域外国十四カ国が加わっております。
 その他こまかいことは省略させていただきたいと存じますが、基本的な事項である、たとえば授権資本の額を比べてみますと、一九七二年の十二月末でアフリカ開銀は二億五千四百万ドルであり、これに対しましてアジア開銀は二十七億五千万ドルでございます。このように金額的に相当大きい開きがございます。また、アジア開銀におきましては特別基金というのを設けておりまして、ここで種々の活動をいたしておりますが、アフリカ開銀は、協定上規定はございますが、実際上活動はいたしておりません。
 これらの結果、融資活動におきましても、アフリカ開銀は、ちょっと計数が古くて恐縮でございますが、一九七一年の十二月末を見ますと二十八件、五千万ドル足らずでございます。これに対しましてアジア開銀のほうは、時点は一年違いますが、七二年の十二月末におきまして、通常資本で七十三件、七億五千三百万ドル、特別基金で四十四件二億百万ドル、こういった非常に活発な活動をいたしております。
#5
○塚田委員 そういう説明も必要ですけれども、ただ単にアジア開銀には特別基金があるというのじゃなくて、その特別基金は通常の資本金活動との間にどういう関係があるのか、どう違うのか、それからおそらくそういう事例にかんがみたのだろうと思うが、開発銀行のほかに基金を設ける意味はどこにあるのか、どういう貸し出しをするのか、そういうことを説明しなければせっかく聞いたことが何もならぬですよ。
#6
○松川政府委員 アジア開銀の例をとって御説明いたしますと、通常資本でやっております通常の融資活動は金利が七・五%、返済期間は十年ないし二十七年、このようになっております。これに対しまして、特別基金は金利が一・五ないし三%、返済期間は十二年ないし四十年、このようになっております。
 ここで特別基金というものをわざわざ設けてやっておりますゆえんは、開発途上国の種々の経済活動の中には、非常に大事な仕事でありながら収益性が低いために通常の貸し出しにはのってこないものもございます。また国によりましては、経済発展の段階が非常に低いために特別に緩和された条件による融資でなければ受けられないようなところもございます。こういった意味で通常資本と特別基金とは分かれておるのでございます。
 しかるに、アフリカ開銀におきましては、ただいまのところ通常資本の活動に当たりますもの、すなわち金利におきましては五ないし八・五%、返済期間におきましては七年ないし二十五年、このような融資活動をいたしております。これは先ほども触れましたが、アフリカ開発銀行におきましては域内国のみをもってメンバーといたしております。しかもその大部分の国は経済発展が非常におくれておる、いわば国力の低い層でございまして、その結果融資活動に充てるべき資本金の額も非常に小さい、そういう事情がございます。しかしながら、資金需要のほうから見ますと、その経済開発の段階が低いということは、条件の緩和された融資活動を受けてこれから発展していかなければならない部門がたくさんあるということを意味いたしております。その意味で、アフリカ開銀におきましても緩和された条件による融資活動ができるようにという声が非常に強くなりまして、その声が、各種の国際的な交渉を持たれました結果、アフリカ開発基金というものをつくろうということで結実し、本日御審議をお願いいたしておる次第でございます。
#7
○塚田委員 ここで確認の意味で聞きたいのですが、アジア開銀の場合、通常資本は何回に分けて、これはおそらく現金と国債に分かれるのじゃないかと思うのですが、その関係、同じように特別基金においてどうであったか、それと比較してアフリカ開銀はどうなるのかということについて説明してください。
#8
○松川政府委員 アジア開発銀行については、御案内のとおり当初十億ドルの資本をもって発足いたしました。その十億ドルの資本につきましては五〇%を現金で払い、五〇%を交付国債、しかも五年間に分けて払うということになっております。
#9
○塚田委員 日本の場合はどうなんですか。五年間均等で分けたかどうか。
#10
○松川政府委員 日本も、当初資本につきましては五年間均等で払い込んでおります。
#11
○塚田委員 特別基金はどうなっておりますか。
#12
○松川政府委員 アジア開発銀行の特別基金につきましては、これは総額をどうするという取りきめは初めにございませんで、毎年毎年その年にきめられました額をアジア開発銀行のほうに払い込むたてまえになっております。
#13
○塚田委員 時間がかかるので、まとめて聞いたらまとめて答弁してくださいよ。たとえば国債と現金の関係はどうかと聞いたら、それもまとめて答弁しないと、いつまでも続きますよ。
#14
○松川政府委員 初めに御説明申し上げましたとおり、当初資本金につきましては五〇、五〇で払い込む、そして特別基金につきましては全額国債をもって払い込んでおります。
#15
○塚田委員 特別基金は全額国債ですか。
#16
○松川政府委員 御質問に対しまして一つ落としましたが、技術援助という小さい項目がございますが、これにつきましては全額現金で払っております。ただいま御説明を続けてまいりましたいわゆる特別基金と呼ばれておりますものについては、交付国債をもって支払っております。
#17
○塚田委員 つまり農業多目的特別基金というのはこれは国債でやる、技術援助は現金でやる、そういうふうにぴたぴた答えなければだめだよ。
 そこで、先ほどアジ銀についての話があったのだけれども、確かにアジ銀は件数も多いし、貸し出し金額も多い。私の調べでは、アジ銀の場合は大体韓国、そして中国と称するところに対して四〇ないし五〇%くらい貸し出しが片寄っておると思うのですが、どうですか。
#18
○松川政府委員 先生御指摘のような地域に相当多額の融資が行なわれていることは事実でございます。計数につきましては四十七年九月末の数字でございますが、通常資本でなされました融資額合計六億五百万ドルのうち、韓国に対しまして一億五千百万ドル、台湾に対しましては約一億ドル。さらに特別基金一億二千四百万ドルにつきましては、これはこの二カ国に片寄っておるということはございませんので、韓国に三百万ドル、台湾には出ておりません。
#19
○塚田委員 これは明日大臣が来なければ質問にならぬのですけれども、そういうアジ銀の資金配分というのは、私の調べでは、あとで数字を出してもいいと思いますが、大体四〇ないし五〇ぐらい。しかも韓国、中国と称する地域は、これは資本金負担というのは非常に少ないのですよ。これは日本が圧倒的に多いのですけれども、しかし貸し出しは半分近く受けている。言いようによっては、アジ銀はイコール台湾と称するところと、それから韓国、これに限られたような印象といいますか、そのための銀行だというふうにしかとれないような実績なんですよ。一体これはどういう事情によるのか、いまアジ銀の理事長は日本でしょう、おそらく詳しくわかっておるんじゃないかと思いますので、ひとつ説明してください。
#20
○山本(幸)政府委員 その前にちょっと……。なるほど、アジア開発銀行の融資先の国といいますか地域といいますか、それは確かにおっしゃるとおりでございます。いずれ後ほど詳しい数字も御説明申し上げることができると思いますが、要するに、これはアジアの経済的、社会的な開発のためという目的で運営されるものであり、またそれに、開銀としまして適切なプロジェクトというものがやはりどうしてもなくてはならぬ。そういうプロジェクトをそれぞれのところで具体的に計画を出して、そしてそれが開銀の融資としてかっこうなものとしてのってくるということが私は大切だろうと思うのですが、それが、わりあいそういう地域のプロジェクトがのってきたということで、いままではそういうことであったと思います。しかし今後は、そういういいかっこうのプロジェクトがどんどん出てきて、これからはもっと地域的に広がっていくことであろう。しかしいままではそういうプロジェクトがうまいぐあいに計画としてのってくるものがわりあいそういう地域に限られておった、こういうことであった、こう私は認識をしておるわけであります。
#21
○塚田委員 この件はまた、大臣が来ましたときに少し突っ込んで話してみたいと思います。
 外務省は来ていますか。――そこで、この基金に関する協定ですけれども、これはいつごろ交渉が始まって、いつごろに煮詰まりましたか。
#22
○菊地説明員 このアフリカ開発基金の協定に関しましては、一番最初に起こりましたのは一九六四年でございまして、アフリカ開発銀行というものが中心になりましてこの発足をやったわけですが、交渉の経緯といたしましては、一九六六年に、OECDの中に開発援助委員会というのがございますが、ここでもってアフリカ開発基金というものを設置しようということの議が出てまいりました。この委員会で一番活躍しましたのはカナダでございまして、カナダが非常に音頭をとりまして、それでその後、ラビディというアフリカ開発銀行の総裁が、わが国を含め各国を回りましてこの設立を説いて回りました。その結果、開発銀行とは別のこの開発基金というものができまして、先月末現在で十五カ国が署名の運びに至ったということでございます。
#23
○塚田委員 これはあとの問題にからんで重要なんですが、音頭をとったのはカナダだと言われたが、いち早くおれたちも一緒にやろうと言ったのは、これは私の想像では、カナダ、アメリカ、日本、この三つだと思いますが、どうですか。
#24
○菊地説明員 カナダとアメリカ、それから日本は比較的おくれてこの話に乗ってまいったようなかっこうになっております。
#25
○塚田委員 いまの発言で、アメリカとカナダが音頭をとった、日本は少しおくれて参加した。そのアメリカは一体、この協定に対していまどういう態度でおるかということなんですけれども、署名はしていないですね。
#26
○菊地説明員 アメリカはまだ、三月三十一日現在署名いたしておりません。基本的な態度といたしましては、一九七〇年にロジャーズ国務長官が、この協定に参加の意向であることを公に表明いたしております。ただし、アメリカの国内事情、これは主として国内手続の面でございますけれども、この面からおくれておりまして、まだ署名の運びには至っておりません。
#27
○塚田委員 三月三十一日現在でまだ署名してないということは、つまり協定の原本を開放しておる期間中は署名しなかったということですね。
#28
○菊地説明員 そのとおりでございます。
#29
○塚田委員 これはあとの質問と関連してきますが、原参加国という概念がありますね、規定があるわけですよ。これとの関係は、三月三十一日現在署名してない、つまり署名期間が終わってなおかつ署名してない、これはどうなりますか。
#30
○菊地説明員 この点に関しましては特別に規定がございまして、この附属書のAによりまして、アメリカ合衆国に関しましては少なくとも千五百万ドル以上出すということで、つまり原参加国になり得るという道が開かれております。
#31
○塚田委員 附属書Aの問題はあとでまた質問いたしたいと思います。
 そこで、アメリカの態度にしぼって質問したいのですが、アジア銀行のときに、アメリカはたしか二億ドルの負担を承認したはずですね。
#32
○松川政府委員 ただいま先生御指摘の二億ドルでございますが、これは二通りございます。一つは出資金のほうの二億ドル、これにつきましては二億ドルを受けております。もう一つは、先ほど申しました特別基金のほうでございますが、これにつきましては、初めアメリカが二億ドルを出そうじゃないかということで各国といろいろな話し合いをした事実はございます。しかし、その点につきましてはまだ実行されておりません。
#33
○塚田委員 最初の資本金の二億ドル、これは払い込み済みですか。
#34
○松川政府委員 払い込み済みでございます。
#35
○塚田委員 あとの一億ドルですね、これも話し合いといいますか、出すということは表明したわけですよね、出しますよと。
#36
○松川政府委員 非公式な話し合いの場でアメリカがそういうことを考えておるということは伝えられましたが、正式に二億ドルを出すという約束はいたしておりません。
#37
○塚田委員 そうすると、この二億ドルはいま何も出していないということですね。
#38
○松川政府委員 その後アメリカが二億ドルではなくて一億ドル、日本も一億ドル、その他の国本出してほしいということになりまして、二億ドルが、率直に申しまして一億ドルに減額されました。そしてその一億ドルにつきまして、国内でいろいろ手続を進めておる段階でございます。
#39
○塚田委員 そうすると、アメリカが一億ドル、これは確定ですね。もうこれ以上は出さないということですか。この辺、私はアジ銀の場合をちょっと調べましたら、二億の約束をしながら、しばらく出していないで、一億。あともう一億出すという考えであったのですけれども、それは違いますか。一億で確定ですか。それではこのアジ銀に対するアジ銀の協定書というのは数字的に訂正されなければならぬものですね。
#40
○松川政府委員 ただいま先生御指摘の二億ドルは通常資本のほうの二億ドルだろうと思います。二億ドルとうわさされながら一億ドルで国内手続を進めておると私が申しましたのは特別基金のほうでございます。この特別基金につきましては、いまの国内手続が終わりまして実行されました後またそれをふやすということは可能でございます。
#41
○塚田委員 いまの説明聞きますと、日本も一億ドルと言いましたね。アメリカが一億ドルで、日本も当初二億ドルだったけれども一億ドルに下げたという答弁でした。そうするとこの特別基金は半分キャッシュで半分国債でしょう。違うですか。
#42
○松川政府委員 通常資本と特別基金があるものですから、若干説明が足りなかったかもしれませんが、特別基金は全額交付国債で出しております。このほか若干マイナーな、金額の少ない技術協力につきましては現金で出しておる、このように御説明を申し上げました。したがいまして、特別基金は全額交付国債で出しております。
#43
○塚田委員 そこで外務省に聞くのですが、アメリカは署名してない。原本開放期間においても何ら態度表明、公式には署名をしなかった。もちろん批准行為は進んでないだろうと思います、署名もしてないのですから。
 そこで、先ほど附属書Aという話ですが、附属書Aは原参加国になれる――なれるといいますか、その資格を有する国があがっております。その中でユーゴ、これはあとでまた質問しますが、事情があるのだろうと思います。他の国はもうすでに当初から署名済みの国ですね。附属書Aの1、そこにアメリカ合衆国とこう入ってくるわけです。つまりこの附属書Aの前の部分です。原参加国の資格を有するのは次の国だ。これは当然あとのほうは署名しておりますから、アメリカに対してだけ開放された附属書Aの趣旨だというように考えていいですか、現実に。
#44
○菊地説明員 お答えいたします。
 前にユーゴスラビアは署名いたしております。
#45
○塚田委員 そうするとアメリカだけでしょう。
#46
○菊地説明員 そうです。
#47
○塚田委員 そうするとますますこの附属書Aというのはアメリカのために設けられておるものだ、こう解釈していいですか。
#48
○菊地説明員 その点はそのとおりでございます。その点につきましては、署名のみならず批准についても当てはまるわけでございますが、しからばなぜアメリカに関してこういう附属書Aの1の第二項にこういうことがのっておるかと申しますと、アメリカの署名その他がおくれるのではないかということが乙の協定作成の当時から見込まれておりまして、その点から、しかも他方なるべく多くの参加国を確保しよう、しかも大口の出資金を持った参加国の参加を確保しようという意味で、特にこの項目が設けられたということは事実でございます。
#49
○塚田委員 おくれるのじゃないかということをあらかじめ予想して、それに一応道を開いた。それではここでこつ然として米ドルという字の出てくるのはどういう意味ですか。他の国はすべて計算単位で出資がきめられておる。千五百万アメリカ合衆国ドルとこう出てきておるのは、これはどういうことですか。
#50
○菊地説明員 この点ほかの委員会でもたいへん問題になっておりますけれども、確かにここだけ突如としてドルが出てくるということは協定のていさいとしては確かにおかしいわけでございますけれども、これが実はアメリカ側の申し出の中にこういうことがたまたま千五百万米ドルということが出まして、しかも、その前に少なくともということが書いてありまして、本来ならばこれが千五百万計算単位とすべきことが当然ではございますけれども、しかもその当時におきましては、一米ドルと一計算単位というものがたまたま同じだったという事情がございまして、その後の変更が盛られてないということは事実でございますけれども、これが千五百万ドル以上、少なくとも千五百万ドルということになっておりますので、実際上は米国が千五百万計算単位というものを出す、実際に出資します場合には千五百万計算単位で出すということをわれわれは期待しておるわけでございます。
#51
○塚田委員 それはあなたが期待しても、条約というのは期待では通らないですよ。書いてある以上は書いてあるだけで、あなたの主張はそれは解釈留保ということで、これからいろいろ折衝する余地は残されるかもしれないですけれども、しかし、これはこういう条約をうたったのですから、この点は厳然たる事実として認めなければならぬと思うのです。
 私の言わんとするのは、まだ署名もしてない、公式に意思表示したということなんだろうけれども、署名もしてない、しかもアメリカについては米ドル、計算単位をうたってない、しかもそれに原参加国としての資格を与える、これではこのアフリカ開発基金というのは、とにかくアメリカに対しては相当の条件といいますか、緩和条件というか、一方的に付しておると思うのですが、どうですか。
#52
○菊地説明員 実際の現実の出資の場合には、わが国としても計算単位で出資するわけでございますので、これは特にアメリカを優遇したということはございません。ただしこういった規定が設けられているという事実そのものは確かに特異といえば特異でございます。ただし、これは先ほど御説明申し上げましたように、あくまでもなるべく多くの参加国を確保するということでございまして、しかも日本、カナダと並びまして、一番大口の出資国となるであろうアメリカに対して道を開いておくということは、これは開発基金の目的に照らしましてきわめて望ましいことであるという、そういった観点からこの規定が設けられたわけでございます。
#53
○塚田委員 そうすると、あなたの言うことを、やはりきちっとするためには、このアメリカ合衆国ドルというのは、これは千五百万計算単位、単位とわれわれは解釈する、つまりこういう態度を留保するわけですよ。そう受け取っていいですか。そうでないと趣旨一貫しないわけですよ。
#54
○菊地説明員 何度も申し上げておりますように、千五百万米ドル以上となっておりますので、何ら特に留保をしなくても可能なわけでございます。
#55
○塚田委員 それはまたさっきの答弁と違うと思うのですがね。これはあとでまた金との関係で質問しますけれども、私どもはそう解釈しなければ理屈は通らぬと思うのです。先ほどから特に優遇しているんじゃないのだ、そしてあなたはこの当時は一計算単位と一ドルとはこれはマッチするのだということをいま答弁したでしょう。そうしたら当然ドルというのは計算単位、こう留保していくのが当然じゃないですか。
#56
○菊地説明員 現実の払い込みの場合を考えますと、アメリカといえども計算単位で払うわけでございます。計算単位以外に計算のしようがないわけでございます。したがって、ここに千五百万米ドル以上と書いてありますけれども、実際の払い込みの場合には、幾らの計算単位を払うかということ以外、協定上は考えられないわけでございます。そのときは計算単位の、つまり一計算単位はちゃんと金のグラム数で、〇・八グラムということがきまっておりますので、その分を払い込むということでございますので、その点、矛盾は解決できるのじゃないかと考えております。
#57
○塚田委員 千五百万米ドルは、それではいまの時点で何ドルですか。
#58
○菊地説明員 千三百五十万計算単位に該当すると考えております。
#59
○塚田委員 そうしますと、千三百五十万計算単位を千五百万にするためには千七百万か――これは私はいまここで計算しているわけじゃありませんが、千六百五十万になるのか千七百万になるのか、とにかくそれだけの米ドルを払わなければならないということですね。
#60
○菊地説明員 私たちはそう考えております。
#61
○塚田委員 その点ははっきり約束できますか、ほんとうに。たいへんな責任ですよ。アメリカは千三百五十万単位はおろか千五百万以上のものを払い込む、こういうことで約束できるものかどうか。この点はっきりしないと、これはたいへんな問題になりますよ。
#62
○菊地説明員 この点に関しましては、外務省からも各関係の国、つまり附属書Aに列記されております主要諸国に対しましても見解を打診いたしましたけれども、各国まだ国会審議が始まってないところがありますので一様には申し上げられませんが、わが国がそれだけの計算単位を米国が支払うということを期待することは合理的であろうという回答を得ております。われわれもそう考えております。合理的な根拠があると考えております。
#63
○塚田委員 各国に照会というのは、それはカナダだけでしょう。
#64
○菊地説明員 カナダだけではございません。主要国、ヨーロッパの国その他打診いたしました。
#65
○塚田委員 この問題は、また大臣にちょっと聞きたいことがありますので留保しておきたいと思います。
 そこで、この協定ですけれども、この協定はどういう状態で成立しますか。
#66
○菊地説明員 計算単位にいたしまして五千五百万単位以上及び八カ国の批准書寄託でもって発効いたします。
#67
○塚田委員 五千五百万単位、八カ国、この協定によると。アメリカはいままだ署名はしていません。そこでカナダと日本、これは域外なんですけれども、これが抜けるといいますか、資本の払い込みがなければ、これはいつまでたっても成立しないふしぎな条約になっておるということを計算してみたことがありますか。
#68
○菊地説明員 ただいま申し上げました五千五百万単位以上及び八カ国というものを計算単位のパーセンテージで見ますと、大体六〇%くらいが出資いたしますと発効できる計算になりますので、日本とカナダが、入らないということはないと思いますが、かりに批准しないという場合でも六〇%は到達し得るということでございます。
#69
○塚田委員 そんな計算になるんですか。八カ国以上ではないんですよ。とにかく八カ国で五千五百万以上なんでしょう、条約の意味は。八カ国で、八カ国以上じゃないですよ。わかるでしょう。
 では、これは日本とアメリカを除いてどういう組み合わせで五千五百万以上になりますか。
#70
○菊地説明員 八カ国以上になることは当然考えられますので……。
#71
○塚田委員 どうしてですか。原文上八カ国以上ということはないんじゃないですか。英語の正文を読んでみなさい。八カ国と限定しているでしょう。
#72
○菊地説明員 発効要件の場合は、常にこれは最低という意味に解釈いたします。少なくとも八カ国が……
#73
○塚田委員 最低ですか。
#74
○菊地説明員 はい、八カ国が批准書を寄託すれば、それから発効するわけで、それ以上は幾らでもかまわないわけです。
#75
○塚田委員 資本金で五千五百万、八カ国が持つんでしょう。そうでしょう。八カ国が五千五百万以上を持たなければならぬのでしょう。そういう意味でしょう。われわれ日本語としてはそう解釈するのです、五千五百万以上、八カ国なんだから。
#76
○菊地説明員 御説のとおり八カ国だけではなりません。ただし、八カ国でとどまるということは期待していないという意味でございます。
#77
○塚田委員 それは八カ国みんな入ればいいんですよ。だけれども、ぼくの質問したのは、これはどういう状態で発効するのか、こういうことなんですよ。それは八カ国、五千五百万以上の署名があったときですね、そういうことじゃないかという質問なんですよ。それ以上は、これは約束しているんですから、入ってくることはかまわぬわけですよ。発効条件はそうじゃないかというんです。
#78
○菊地説明員 そのとおりでございます。最低の発効条件としてそのとおりであります。
#79
○塚田委員 そうすると、最低の条件として、日本、それからカナダが入らなければだめだということですね。
#80
○菊地説明員 どちらか一国が入ればなると思います。
#81
○塚田委員 どちらか一つ入ればなります。だけれども、やはりアメリカ、日本、カナダ、この三つの柱がこの条約ではきわめて重要だ。そこで、アメリカの柱が折れたと言ったらなんですが、いまのところこれはないわけですよ。だからこれはもう日本とカナダの肩にかかっているのですよ。
 それで、どっちか欠けてもいいのですけれども、しかし両方欠けた場合には、これはもうとんでもない事態にまで発展するわけなんです。そういう条約なんだというふうに解釈していいですか。
#82
○菊地説明員 理論的にはそのとおりだと思います。
#83
○塚田委員 理論的にはそのとおりだとおっしゃるが、実際上はどうなんです。
#84
○菊地説明員 実際的には、カナダがいわばイニシアチブをとったことでございますし、また、この御審議を通じて日本も批准に至れば、そういう事態はないというふうに考えております。
#85
○塚田委員 カナダは批准していますか。
#86
○菊地説明員 批准の手続は完了しております。
#87
○塚田委員 そこで計算単位は〇・八一八、まあたくさん数字が並びますけれども、めんどうですから私の場合は八一八と言います。これは〇・八グラムですね。これは先ほどあなたの答弁では、当時の状況としては一ドルに読み直すことができる、こういうことですが、したがっていまの状況は変わりますね。ドルは下がったのですから、つまりいまの状況は一ドルと読みかえられないですね。
#88
○松川政府委員 当時の、私どもはいわゆるスミソニアンドルと呼んでおりますが、この一ドルと等価でございまして、現在の一ドルとは等価でございません。
#89
○塚田委員 そうすると各国の負担も、これはドル換算の場合は、自由交換通貨で支払うことができるのですから、自国通貨、典型的にはドルでしょうね、交換可能通貨というのは。
#90
○松川政府委員 この協定の第一条でございますが、ここに自由交換可能通貨の定義がございます。「「自由交換可能通貨」とは参加者の通貨であって基金が国際通貨基金と協議した後に」云々と書いてございますが、参加者の通貨ということになっておりますので、米国が参加いたしました後には、先生御指摘のように米ドルがこの自由交換可能通貨になると思います。その以前では含まれないのではないかと思います。
#91
○塚田委員 ちょっと派生的な質問になりますけれども、チェコの通貨、自国通貨、これは名前何というのか私はわからぬのですけれども、これはどうですか。これは自由交換通貨ですか。
#92
○松川政府委員 ただいまの御質問、まことに申しわけないのですがユーゴの間違いじゃないかと思います。
#93
○塚田委員 ああ、ユーゴです。
#94
○松川政府委員 ユーゴの通貨はディナールという単位でございますが、ユーゴスラビアは現在八条国に移行しておりませんので、自由交換可能通貨ではございません。
#95
○塚田委員 そうすると、これはどういうあれで出すのですかね。
#96
○松川政府委員 したがいまして、ユーゴの場合には、何らかのほかの参加国の通貨と交換した上で拠出することになると思います。
#97
○塚田委員 ユーゴの場合はと、どうしてそれを限定するのでしょうかね。つまり、ここにはそういうあれは何も条約上はない。だからウエートは自由交換通貨というところなんです。おそらく、ユーゴというのは、相当出かせぎの多い国で、特にドルの入る国なんですよ。だから現実的にはドルで払うのだろうと思うのですが……。
#98
○松川政府委員 先ほど一条のあとのほうをちょっとはしょってしまったのですが、「基金が国際通貨基金と協議した後に基金の業務のため他の通貨に十分に交換可能であると認めたものをいう。」一条の自由交換可能通貨のところにそういう定義がございます。この条約の印刷物の二ページの最後の行でございます。ここで十分に交換可能であるかどうか、そのめどが、おそらくはIMFの八条国の通貨かどうかということがめどになると思いますので、ただいまのように御説明いたした次第でございます。
#99
○塚田委員 ユーゴはIMFには入ってなかったのですね。
#100
○松川政府委員 入っております。
#101
○塚田委員 ここで先ほどの質問ですけれども、現在一オンスは大体何グラムになっておりますか。
#102
○松川政府委員 ただいま数字をチェックさせておりますが、一トロイオンスが四二・二二二二米ドルということになっております。
#103
○塚田委員 いま幾らになっておるのですか、目方は。
#104
○松川政府委員 一トロイオンスが三一・一〇三四八グラムでございますので、先ほど申し上げました四二・二二二二を三一・一〇三四八で割った数字でございますが、ただいま至急計算させたいと思います。
#105
○塚田委員 そこでまた米ドルへ戻るのですが、つまり千五百万米ドルというのは、これは払い込むときには計算単位で払うのだ、こういう外務省の答弁ですね。そうするとこれはドルに換算してどのくらいになりますか。これは変わってくるでしょう。
#106
○松川政府委員 千六百六十六万六千六百とまあ六がずっと続く数字になりますが、そこの辺はきめ方によると思います。
#107
○塚田委員 千六百六十六万ドルのドルを払わなければ、千五百万計算単位にはならない。
#108
○松川政府委員 米国が千五百万計算単位を払うときめれば、それは現行の米ドルではただいま申し上げました数字になる次第でございます。
#109
○塚田委員 きめればということは、まだ期待の範囲ですか。先ほど外務省がそう言いましたね、期待の範囲で。これ以下になる場合もあるということですね。私は、附属書Aというものをわざわざつけて、そういう不確定な、アメリカがきめればそうなるのだという、一方的なアメリカに対する緩和条件というか、これはどうですか、外務省、私は大臣がいると一番いいと思うのですが、そういう条約というのはあまり私もいままで見たことがないのですよ、アジ銀の場合も。これはやはり私どもアメリカに対して不当に遠慮というか、とにかくアメリカさまさまの条約だというふうに解釈されるのですが、この点もう一ぺん見解を表明してもらいたいと思うのです。
#110
○菊地説明員 この点、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、その点は省略しますけれども、さきにつけ加えますことは、こういった米国の参加というのはぜひ確保したいということは、アフリカ開発銀行自体の希望でもございますし、それは換言すればアフリカの諸国三十六カ国の希望でもあるということでございますので、この千五百万という大口の単位を確保するためにはこの程度の便宜供与ということはいたし方ないであろうということ、それからもう一つは先ほど申し上げましたアメリカの国内事情、若干時間がかかるという国内事情を勘案いたしましてこういう規定を設けたということでございますので、特に、特殊な規定ではございますけれども、そういったアフリカの被援助国の希望がここに盛られているというふうにわれわれは見ているわけでございます。
#111
○塚田委員 あす、それは佐藤同僚議員がいろいろまた質問するだろうと思います。
 そこで外務省に再びお聞きしたいのですが、この自由交換可能通貨ということですが、ユーゴの場合はこれはおそらくドルというか、その他ほかの参加国の金だと思うのですが、いずれにせよ自国外の金で払わなければならぬ。日本の場合、これはどうしても円で払わなければならぬものですかね、解釈上。
#112
○松川政府委員 ただいまの御質問、外務省のほうから協定上の問題として御答弁があるかもしれませんが、私どもの立場を申し上げておきますと、御案内のとおりわが国の円は、昭和三十九年、わが国がいわゆるIMFの八条国に移行いたしておりますから、その意味でこの協定とは別な意味での自由交換可能通貨でございます。わが国がこの協定に参加いたしますと、参加国の通貨で自由交換可能でございますから、この協定にいう自由交換可能通貨になる次第でございます。したがいまして、私どもこの協定に参加いたしました暁には、円表示の証券をもって参加いたしたい、このように考えております。
#113
○塚田委員 いや、私の聞いたのは、もっと具体的に言うと、日本が手持ちのドルで払ったらどういうことになるかということです。
#114
○松川政府委員 その場合に問題は、おそらく二つの面から見られようかと思います。
 一つは、かりにドルで払いまして、将来またドルの価値に変更がありました場合に、日本が、他国の通貨政策の結果、それがふえた減ったということによりまして調整を求められることがあり得るのではないか。もし、そういうことであれば、自国の通貨で払っておけば、この分につきましては自国の通貨でございますから、もしそのような調整がかりに求められましても、当然やるべき責務の一端として受け得るのではないか、このように考えられます。
 もう一つの面と申しますのは、いわゆるドルの外貨減らしという問題がございます。この意味で、現在ドルがあるから、それで払ってもいいのではないか、このようなことがあろうかと思います。ただこの場合にも、ドルで払うにいたしましても、現在政府が持っておりますドルは、それなりの対価を払って購入したものでございます。その上、ドルで拠出いたしましても、これがわが国に帰ってまいりましたり、その他いろいろな形で日本に帰ってくる場合があろうかと思います。かりに円で払いましても、円で払われましたものが日本国以外の国からの調達に充てられる場合には、当然それが他の国の通貨に交換されますから、その意味で円で払っても減るときには減る、ドルで払っても入ってくるときは入ってくるということで、外貨減らしという観点からいいますと、長期的に見ればドルで払っても円で払っても同じであろう。これらを総合勘案いたし、さらに現在まで日本のいわゆる開発途上国に対する援助ないしは国際的な開発金融機関に対します出資あるいは拠出というものは円建てでやっておりますので、それによってやっていきたい、このように考えております。
#115
○塚田委員 私も、いま第二外為というようなこともいわれておるさなかである。つまり外貨をどう有効に使っていくか、そういう一つの方法としてこの種のものについては外貨でいまのところやる。それから最初に答弁された調整問題ですね、これは私、条約何条かわかりませんけれども、この種の条約には調整はしなければならぬのですよ、いずれ変われば。そうじゃないですか。
#116
○松川政府委員 若干理屈に走ったことを申し上げまして恐縮でございますが、この種のものは、おそらくは調整をするというよりは資金がさらに足りなくなって追加拠出をしろという事態を想定するほうが自然なのかもしれないと思っております。ただし、この協定自体、十三条でございますが、「保有通貨の価値の維持」という規定があることは御案内のとおりでございます。
#117
○塚田委員 そういう意味では、十三条でいま言った最初の懸念というのは解消されるというか、いずれ変化しますと、価値が変わると調整の作業が行なわれるわけですよ。
 第二の外貨減らしの問題ですけれども、これは政策的な観点からいってそういう立場がどうか。これも大臣に聞くべきところですけれども、あなたのあれでは、いずれ日本に玉が帰ってくるという事態も考えて円でやるのだということですが、これももう少し見解をまとめて大臣にひとつ質問をしていきたいと思います。
 そこで、今度の資本金の払い込みですけれども、これは今度の法律で「全部又は一部」とこうなっていますね、それを国債で払うことができるということになっているわけですよ。そうですね。この場合「全部又は一部」というのは、いま日本はこれからどっちの方向をとるのか、一部現金一部国債、あるいはこれから全部これは国債でやるんだという心がまえでおるのか、その辺ひとつ……。
#118
○松川政府委員 本件の当初出資につきましては全額国債によって拠出いたしたいと考えております。
#119
○塚田委員 つまり、千五百万計算単位というのは全額国債でやるということですね。
#120
○松川政府委員 そのとおりでございます。ただし三年間にわたって行なわれます。
#121
○塚田委員 私は、先ほど冒頭の説明の中で、アジ銀とアフリカ開発銀行と比較してやはり一番顕著に違うところは、構成国といいますか、構成者が違うという点もありますけれども、内容的にアフリカ開発銀行のほうが非常に資金に困っておる。しかもそれをあえてやるということになれば相当高利の資金を貸し出さなければならぬ。したがって借りるほうも二の足を踏むということで、資金量の不足というのはアジ銀の比較にならぬと思うのですよ。
 そこで、いま必要なのは、国債というのはおそらくいま払い込んでも、さしあたり現金の必要がないいう意味がやはり一番有利な点だと思うのですけれども、いまアフリカ開発基金でほしいのはむしろ現ナマでなかったでしょうか。特にアメリカが脱落というか、はっきりしない。だからカナダと日本が大黒柱、頼みの綱ということになれば、せっかく出すのであれば国債で出すという方法はいかがかな、こう私は思うのですが、どうでしょうか。
#122
○松川政府委員 ただいまの先生の御意見は私どもも十分に拝聴いたしますし、またそのような思いやりがなければならないとは思います。ただ国債で出すということが、国債であるからすぐには使えないのだという誤解が万一あるとすれば、それは訂正していただきたいと存ずるのでございます。私ども、この拠出いたします国債につきましては、これに必要な現金化につきまして所要の予算措置を講じておりますので、極端な話を申し上げれば、要望があれば翌日にでも現金になる、このような性格のものでございます。
#123
○塚田委員 さてそこで、国債というふうなものであっても、あすにでも要求があれば直ちに払うのだ。それで、これはこの国会に現にこの条約は批准を求めておるし、それからそれに基づく法律というのはいま出ておるわけですね。だからそれが発効すれば、あるいは極端な話いつでも払う用意がありますよという。そこで予算化しているというのですが、私、しろうとでよくわからないのですが、どこにその予算項目があるのですか。
#124
○宮崎説明員 国債整理基金特別会計予算の債務償還費の項目の中に含まれております。
#125
○塚田委員 国債整理基金特別会計ですけれども、このどこにあるのですか。
#126
○宮崎説明員 国債整理基金特別会計の債務償還費のところに八千五百二十二億計上してございます。
#127
○塚田委員 ちょっと突き合わせたいので休憩を宣してください。
#128
○松川政府委員 その前に……。先ほどの宿題が一つ残っております。
 計算が完了いたしました。現行の一ドルは〇・七三六六六二グラムでございます。
#129
○鴨田委員長 速記はちょっととめておいて。
    〔速記中止〕
#130
○鴨田委員長 速記を始めて。
#131
○塚田委員 これは非常に不親切だと思うのです。こういう新しいものでしょう。アジ銀だって毎年毎年予算説明の中でことしは限度額何ぼだ。去年百二十何億ですか、ことしは百五十四億ですね。どうして一体アフリカだけは何らの説明もないのですか。ここにこういうふうに含まれているのだと聞いてみて初めてわかるようなことをどうしてするのですか。
#132
○松川政府委員 ただいま御指摘のような予算の計上の方法は、あるいは世界銀行あるいは第二世銀あるいはアジア開発銀行に対します当初の出資は、いずれもそれぞれの設立協定上わが国の応募すべき額が定められておりますので、そこで加盟措置法の中に具体的な金額を規定いたしております。そして増資決議に応募すべき金額が定められております場合には、その法律を改正する際に、そのつど具体的な金額により追加出資の規定を法律のほうに設けております。しかしながら、他方アジア開発銀行の特別基金に対する拠出につきましては、法律上では「予算で定める金額の範囲内」という表現を使っておりまして、具体的な金額を定めておりません。したがいまして、これは拠出額を確定するにつきまして不確定な要素があるため、具体的な金額を毎年度の予算で御承知いただくのが適当と考えてその措置をとっております。しかしながらこれは予算総則の中に文言で入れております。具体的な金額の処理につきましては、国債で拠出する場合にはただいまのような形で全部処理をいたしております。
#133
○塚田委員 予算総則の文言はどういうことですか。何条、十条ですか。
#134
○松川政府委員 ただいまの例といたしまして、アジア開発銀行の特別基金に対する拠出、これは法律上「予算で定める金額の範囲内」とございますので、四十八年度一般会計予算総則の十条、この中にその金額を掲記いたしております。
#135
○塚田委員 それは一般会計予算総則にのっているのですね。どうしてそれをそういう特別会計にのせるのですか。
#136
○松川政府委員 それは国債を発行いたしまして債務を負う次第でございます。したがいましてその権限を予算総則の中で御承認いただいておる。その現金化につきましては国債整理基金特別会計を通じて行なわれますので、この特別会計のほうに一括して計上いたしておる次第でございます。
#137
○塚田委員 私は、これはこういう方式をとるべきだと思うのですよ。これは経済協力費でしょう。そうじゃないですか。経済協力、つまりアジ銀がそうですね。同じ性質のものでしょう。どうしてこれだけを経済協力という関係からはずして、こういうめんどうなわからないことをやるのですか。アジ銀の場合はこれも限度額を毎年きめるわけですよ。総体計画はありますが、中で限度額をきめてやる。これも同じような方式をとるべきだと思うのですよ。そうでないとこれは予算が非常にわかりずらい、わからない。いま言われて私はわかったのです、ここにあるということが。あると言われても込みであるのですから、ただ説明だけのあれで、黙っていたら審議ができないですよ。どうですか。
#138
○宮崎説明員 ただいま先生の御指摘のありました経済的な性質についてはそのとおりだと思いますが、現行の制度におきましては、少なくとも国債で何ごとかをやろうとする場合には、その国債の発行、償還、利払いというのはすべて国債整理基金特別会計を通じてやるという仕組みになっておりますので、おっしゃるようなことになるのだろうと思います。
#139
○塚田委員 国債でやるというのは、私はさっきのようにこれは経済協力ではっきりあらわすべきだと思いますよ。
 さて、国債というと、これは将来にわたって国が債務の負担行為をなすことになるのでしょう。これはどうですか。
#140
○宮崎説明員 おっしゃるとおりでございます。
#141
○塚田委員 それであったら、私はその面でも当然説明というか資料を出すべきだと思うのですよ。たとえば財政法二十八条の予算の添付書類というのがあるわけですよ。われわれのところにも配ってきますね。その中の第八号で、国庫負担行為をやった場合に、それに伴って本年度一体どういう負担になるのかという見込み等について、事業計画とともに事業の進捗状況を予想したそういう調書を出さなければならないことになっているでしょう。
#142
○吉岡説明員 財政法二十八条八号に、国庫債務負担行為についてさような調書を出すことになっているのはそのとおりでございます。
#143
○塚田委員 いまの答弁では、これは国庫債務負担行為だ。それでは、同じように、その分についても当然調書を出さなければならないのじゃないですか。
 それから、ついでですから……(「発生しないからいいじゃないか」と呼ぶ者あり)発生しなくても、支出予定額ということについて調書を出さなければならないわけですよ。それからもう一つ、ここまで下らぬでも第七号。基金というのは、この出資するのは法人でしょう。どうですか。局次長、答弁してください。
#144
○松川政府委員 直接の担当者である主計局の法規課長が来ておりますので、法規課長に説明いたさせます。
#145
○吉岡説明員 ただいま先生のおっしゃいました財政法二十八条第七号の国が出資している法人にもちろん該当いたします。ただし、この七号で書類の添付を要求しておりますのは、国が出資している主要な法人の資産、負債、損益その他についての調書ということになっております。この主要な法人というのを一応基準を設けて、この二十八条による書類を提出しておるわけです。それで、その主要な法人の基準といたしまして、その出資額が、従来ですと百億以上とか、それからいわゆる財政投融資の対象になっておる、そういう一定の基準でこういう主要な法人を選定しておりまして、いわゆる日本の予算の会計年度に合わせた体系になっておりません国際機関とか、それから主として現物出資のものとか、そういうものはこの主要の法人から除くということで、二十八条書類の対象法人にはなっておりません。
#146
○塚田委員 確かに主要というのはあるのですね。だから主要という以上はすべてということではないということはわかっております。だけれども、外国法人といいますか、アジ銀も同じ、それからアフリカ開発基金も同じ、こういった重要な対外行動に対しては、やっぱり国民の前に明らかにしなければならないものだと思うのですよ。調べてみたら、アジ銀も出ていないのです。調べても、出てないのですよ。こういうものは総じてやはり出すべきものだと思うのですが、どうですか。
#147
○吉岡説明員 この主要出資法人の基準につきましては、今年度の衆議院予算委員会のほうでも問題になりまして、それで予算委員会の理事会の申し合わせによりまして、来年度から若干追加することにしておりますが、一応その場合も、国際機関というものは、やはり日本の国内法人と違いまして、会計制度も違い、それから国会に資料を提出する際の統一した基準で資料がとれないということもありまして、それは除くということで、予算委員会の理事会の申し合わせで一応基準がきまっております。
#148
○塚田委員 私は、いまのような情勢では、国際機関こそ、国民の前にむしろ明らかにしなければならぬものだと思うのですけれどもね。しかも、アジ銀にしてもアフリカにしましても、たとえばアメリカはへっぴり腰だ、あれはこうだという、当初の予算からずいぶん狂った事態がどんどん発生しているわけですよ。おそらくやっておるのは、日本が額面どおりといいますか、おまけに今度は新基金さえアジアにつくろうというようなことまで腰を入れているようですが、いずれにせよ、そういったものをぼんぼんやる。それは国民にはよくわからぬ。あるいは議会の審議が及ばない、資料がないから。そういうことでは私はいかぬと思うのですよ。財政の民主主義の立場からいっても、それは許されないことなんですね。この点は一体どうですか。
#149
○吉岡説明員 ただいま申し上げたことの繰り返しになるのですが、一応国会の御意思も尊重しまして、予算委員会の理事会の申し合わせによりまして、一定の基準を設けて、それで出すということになっておるわけでございますので、御了承願いたいと思います。
#150
○塚田委員 私どもはきつくこの調書の提出を求めます。そこで、この問題等についてはなお今後理事会等で煮詰めて、ぜひ希望に沿うように決定をしていただきたいと思います。これは委員長に……。
#151
○鴨田委員長 また理事会ではかります。
#152
○塚田委員 それから、財政法二十六条との関係はどうですか。
#153
○吉岡説明員 二十六条は、いわゆる国庫債務負担行為の区分についての規定であります。ただいま問題になっております出資国債、交付公債、これはここにいう国庫債務負担行為とは違うわけでありまして、一般に国が債務を負担しますについては、憲法八十五条にありますように、国会の議決に基づくことを要する。そして、その国会の議決の形式としまして、法律による国会の議決、それから予算という方式による国会の議決、財政法十五条にあるわけですが、法律による場合、それから歳出予算も、その中に契約権限を含んでいる、それから継続費、それからそのほかに独特な、予算の上で契約権限だけ付与される国庫債務負担行為という形式があるわけであります。この二十六条でいっておりますのは、その狭い意味で予算で議決を求める国庫債務負担行為についての区分を規定しておるのでございます。
#154
○塚田委員 それでは国債を発行してやる今度の行為は二十六条には該当しない、二十六条の国庫債務負担行為じゃない。十五条はどうですか。私は一般的に債務を負担する行為だという面からいうと、十五条に当てはまると思うのですが、どうでしょうか。
#155
○吉岡説明員 十五条に直接当てはまるといいますよりも、十五条には、ただいま申し上げました予算の上で契約権限だけを求める国庫債務負担行為について規定しておるわけです。ただ、頭書きのところにありますように「法律に基くもの又は歳出予算の金額若しくは継続費の総額の範囲内におけるものの外、国が債務を負担する行為をなすには、予め予算を以て、国会の議決を経なければならない。」これがいわゆる国庫債務負担行為。ですから、そのほかに法律に基づく債務負担権限というのが当然予想されているわけです。それは憲法八十五条で、先ほど申しましたように、国が債務を負担するには国会の議決に基づかなければならないという場合の議決方式として、予算以外に法律というものが当然考えられるわけですから、その法律に基づく債務負担、こう考えておるわけでございます。
#156
○塚田委員 それでは、その第十五条を受けて、第二十二条の予算総則でそういう国庫債務負担行為に関する総括的な規定を設けなければならないというところに来て、第五号で、国庫債務負担行為の限度額というものを総則できめなければならぬ、こういうことになるのじゃないですか。
#157
○吉岡説明員 この財政法二十二条五号でいっています十五条二項の規定による国庫債務負担行為といいますのは、これは十五条に一項と二項とがありまして、一項が、これはいわゆる特定的議決に基づく国庫債務負担行為と称しておりますが、一定の工事をやるとか防衛庁の航空機を買うとかというような場合にはそれぞれ、いわゆる予算書の上で丁号という形であらわれますが、そこにあらわれてくるのがこの一項に基づく特定的議決に基づく国庫債務負担行為、二項に基づきますのは、言うならば債務負担権限の予備費のようなものでございまして、毎年度予算総則に、今年度予算では四百億を予定しておりますが、予算総則で議決を求めまして、災害等が発生しました場合に、その債務負担権限だけがすぐできるように、歳出予算の場合ですと予備費から支出するわけです。歳出予算は要らないけれども、債務負担権限だけができるようにというために設けられたのがこの二項の国庫債務、それについての限度を設けよと規定しているのが二十二条の五号の規定でございます。
#158
○塚田委員 いずれにせよ、その五号からさらに一つ下って六号、これは諸般の予算の執行に必要な事項をとにかく明示しなければならない、掲げなければならぬということなんですが、そういう趣旨からいって、今回の場合のアフリカ開発基金の予算の組み方というのは、非常に、私どもはもちろん国民にもわかりずらくなっておると思うのですよ。私はやはりアジ銀と同じように、予算総則の中で第十条は六つか七つあると思うのですよ、囲いの中に。その中にアフリカ開発基金というものを入れて限度額を定める、そして毎年予算の議決を得ていくという方式がやはりいいのじゃないか。特に今度の法律では限度額だけ定めているわけです、千五百万計算単位と。一体いつその中からどれだけいくのかということについては、一たんきめてしまえば、あとはもう限度額をきめたんだからこの調子でどんどんやっていいんだということになれば、私はやっぱり、予算のこの原則からいってもおかしいのじゃないか、こう思うのですが、どうでしょうか。
#159
○松川政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、ただいまアジア開発銀行の特別基金の例をお引きになっておられますが、この部分につきましては、法律上「予算で定める金額の範囲内」となっておりますので、それを受けて予算総則に入れております。ただいま御審識いただいております当初の出資、これに当たりますものにつきましては、アジア開発銀行であっても、また世界銀行であっても、これは金額が法律という形で御審議をいただくというたてまえになっておりますので、あらためて予算のほうには載せない、このように処置いたしておる次第でございます。
#160
○塚田委員 いまの説明よくわからぬ、ちょっともう一ぺん答弁してください。
#161
○松川政府委員 基金の設立協定の場合には、日本の負担が幾らということになります。これは、その中にきめられました日本の拠出分全体につきまして債務が発生いたします。これは狭い意味の国庫債務負担行為とは違います。しかしながら、その債務負担全体につきまして明示的に法律の御審議の際に御審議いただいておりますので、これはあらためて予算にはのせない。しかるにアジア開発銀行の特別基金の種類のものにおきましては、法律の中には予算の定める範囲内と、このように書いてございますので、予算の中にあらためて金額を特掲いたしておる。その差があるわけでございます。
#162
○塚田委員 ぼくは大体言わんとする趣旨はわかるのですけれども、法律で金額が定められておる。私は、千五百万計算単位ときちっときまっていればいいのですけれども、以内となっているでしょう。以内となっている。まあ極端な話、千万でもいいし、十万でもいいしということなんですよ。だからそれはそういうふうに法律で限度を定めておきながら、毎年出す金額については予算で出すべきだと思うのですよ。どうですか。
#163
○松川政府委員 従来からこの種の国際協定は、ただいま御審議いただいております形式で提案し、御審議をいただいておる次第でございます。協定自体のほうは、日本の出資額が千五百万計算単位とこのように確定いたしております。
#164
○塚田委員 それじゃ、どうしてそこで以内となっているのですか。
#165
○松川政府委員 国内の立法の場合にはいわゆる権限規定でございますので、最高限を定めるという趣旨で以内という字を使用いたしております。
#166
○塚田委員 まあその点はあすまた同僚議員からの質問等にからめてやっていきたいと思いますが……。
#167
○佐藤(観)委員 関連して……。
 いまの塚田委員の質問を聞いておりまして、どうもはっきりしないのは、まず国際金融局にお伺いをいたしますけれども、これから国際協力というのはいろいろの機構ができてくるわけでありますけれども、一体銀行と名のつくものと基金と名のつくもの、これは性格的にどう違うのか。その違いというのは、日本が出資する場合、これはそれに従って出資のやり方を、いま塚田委員からありましたように、アジア開発銀行に出資する場合と、アフリカ開発基金に出資する場合と、国内の手続としては書式が違うわけでありますけれども、銀行というものと基金というものと書式を変えなければいけないものなのか。そもそも基金と銀行というものは一体どういうように性格が違うものなのか、どういうものには基金という名前をつけ、どういうものには銀行という名前をつけるのか、まずその点お伺いしたいと思います。
#168
○松川政府委員 現実に金銭が拠出されまして、これが運営されるという経済的な機能におきましては、銀行も基金も差がないと思います。ただ、銀行の場合には融資活動をする本体がございまして、これが融資活動をする。基金の場合には必ずしもそういう本体自体が必要条件ではございません。私どもはそのように理解いたしております。
#169
○佐藤(観)委員 融資活動の本体というのは、事務局があるとか、そういう意味ですか。
#170
○松川政府委員 お説のとおりでございます。
#171
○佐藤(観)委員 今度のアフリカ開発基金の場合には、アフリカ開発銀行と事務局は一緒にあるわけですね。総裁は兼務をする。ただし、理事会なり総務会というものは別個にあるわけですね。本体というのはきわめてあいまいな概念だと私は思うのですが、理事会なり総務会というものはたいへん大きな権限を持つわけでありますけれども、結局そうしますと事務局があるかないかということが銀行と基金という差になるのですか。アフリカ開発銀行には独自に理事会というものがあるわけですね。それからアフリカ開発基金には、独立した一つの法人でありますから、総務会、理事会というものがあるわけですね。ただし、事務局は共管するという協定になっているわけであります。そうしますと、その事務局があるかないかということが、機構としてこれは基金である、これは銀行である、こういう差になるのですか。
#172
○菊地説明員 国際的にいわゆる地域開発銀行と称されるものと、それから基金というものの定義というものは特にございません。ただ、しいて差異ということを申し上げますれば、先ほど松川次長からお話のありましたように、目的はいわゆるバンキングオペレーションと申しますか、そういった業務自体は同じでございますが、差異をさがすとしますと、一つはアジア銀と特別基金、アフリカ銀行とアフリカ特別基金、アフリカ開発基金というふうに、大体銀行がありまして、何かそれに事務局、総裁、そういうものを兼ねまして基金というものが別にあるという形式上の差異がございます。
 それから実質的な差異をしいてまたさがすならば、基金というものは銀行の本体よりも若干違った融資の目的を持っております。たとえば米州銀行にいま特別基金、信託基金というのがありますように、それから今回のアフリカ開発銀行に対して開発基金というのがありますように、基金のほうがどちらかといいますと特殊目的、特殊目的のうちの最たるものは融資条件が寛大であるとか、そういった銀行の本体が果たし得ないような、ないしはその銀行に期待されていないようなファンクションをやるという場合に基金というものをもう一つ設ける、それで特別という名前がついているわけであります。特別基金ということじゃなかろうかと思います。
#173
○佐藤(観)委員 後段の説明はわかるわけですよ。前段の説明はいまあげられた二つの例ならいいですけれども、たとえばIMF、国際通貨基金、これは基金という名前はついていますけれども、一体これは本体というのはどこにあるのですか。
#174
○菊地説明員 このIMFの基金という場合と、この開発のための地域的開発機関についている、付属している基金というものとはちょっと違うと思います。IMFの場合はIMF自体が、そのものがファンクションを持っている、十分な本体も機能も両方持っておるというふうに考えてよろしいのじゃないかと思います。
#175
○佐藤(観)委員 ですから、銀行か基金かというのは、松川さんの言われたのは私はあまり正鵠を得ていないと思うのですよ。やはり後段で言われた融資の条件がソフトかハードか、やはりこれが基本的に銀行なのか基一金なのかということをきめる条件になると思うのですね。どうですか。そう理解してよろしゅうございますか。
#176
○松川政府委員 国際的な開発金融機関に関します限り、ただいま先生御指摘のとおりでございます。
#177
○佐藤(観)委員 それで実際にどこかの国が、たとえば日本なら日本が、基金にしろ銀行にしろ、いろいろな形で出資をするわけですね。つまりお金をそこにプールしておくわけですね。そのプールするという行為については、そのことについては銀行であれ基金であれ違いはないわけですね。
#178
○松川政府委員 さようでございます。
#179
○佐藤(観)委員 そうしますと、日本の国内的な手続の場合に、銀行に出資するといった場合と基金に出資する場合というのは、どういう理由で出資の国内的な手続を分けなければいけないのか。どういう理由ですか。
#180
○松川政府委員 ただいま先生の御質問は、経済的なファンクションからきての御質問でございますが、法律的な形は出資におきましては両方とも同じでございます。
#181
○佐藤(観)委員 ですから、国内的な国債を発行するやり方、あるいはそれを予算総則にのせて完全に予算化してやる出資のしかた、これは別に相手が、出資する先が基金であろうと銀行であろうと、私は国内的な手続というのは変える必要はないのではないか、こう思うのですけれども、あえてアジア開発銀行の出資の場合と今回のアフリカ開発基金の場合と、国内的には手続が違うわけですね。これは一体どこからきているのですか。
#182
○松川政府委員 国内的な手続は一緒でございます。アジア開発銀行の場合もアフリカ開発基金の場合も、通常資本の出資につきましては、法律の中に金額を特掲いたしております。ただいま先ほどから申し上げておりますのは、アジア開発銀行の中に設けられました特別基金、これはしいて差をさがすならば、法人格のない基金でございますが、これに対しますわが国の拠出というのは任意の拠出でございますので、それができるという権限規定は、予算の範囲内でできますという権限規定だけいただいておきまして、その現実の金額は予算総則において定めていただく、こういう形をとっておる次第でございます。
#183
○佐藤(観)委員 そうしますと、結局国際協定の中に出てくる条件によって、つまりそこではっきりと額をきめてくるか、あるいはある程度の範囲内だけきめてくるか、それによって国内の諸手続が変わってくる、こういうことになりますか。
#184
○松川政府委員 今後のことになりますといろいろなバリエーションも考えられますので、今後とも全部そうなるとは断定し切れない面があろうかと思いますが、現在までのケースでは先生の御指摘のとおりでございます。
#185
○堀委員 ちょっと一つ関連させてください。
 非常に表現が、さっきの「範囲内」ですが、この法律の第二条は「協定第一条1に規定する計算単位による千五百万計算単位に相当する金額の範囲内において、」ということになっている。そうして今度は協定の附属書のAでは、当初の出資は、いま松川次長の言われたように千五百万計算単位となっていますが、その前に「これらの国については、千五百万アメリカ合衆国ドル以上の出資を千九百七十三年十二月三十一日後に行なう場合においても、千九百七十四年十二月三十一日までにこの協定に署名しかつこれを批准するときは、原参加者とみなす。」こういう規定があります。そこで、協定の問題は外務委員会だけれども、ここでは「千五百万アメリカ合衆国ドル以上の出資」とこうしてある。だから、千五百万米ドルと計算単位は現実に違いますよ。違うものがこうなっているところに私は以上と以内の問題がひっかかってくるのではないかと思うのです。だから、千五百万計算単位というのは、金がリンクしているのだから、その金のいまの価格の問題というものがまた動いてくるから、一体この金の価格というのはそれでは何かということです。自由価格の金ではなくて、おそらくいまのアメリカがIMFできめるところの金の価格でしょうから、そうなると、こっちのドルというのはうしろがないのです。千五百万アメリカ合衆国ドル以上の出資を一九七三年十二月三十一日後に行なうというのなら、いつ行なってもいいのですね、実は。協定だけは、「千九百七十四年十二月三十一日までにこの協定に署名しかつこれを批准するときは、原参加者とみなす。」だから七四年十二月三十一日までにこの協定に署名、批准しておけば、これは以後いつ払ってもいいのだ、千五百万米ドルいつ払ってもいいという協定になっているわけです。そうでしょう。外務省ちょっと答えてください。
#186
○菊地説明員 附属書Aの一の原参加者の最後のところにございますけれども、署名も批准も来年の十二月三十一日までにやらなければいかぬ、出資も行なわなければいけないわけでありまして、この点はアメリカも例外ではないわけであります。
#187
○堀委員 協定はそういうふうに書いてないのです。要するに「これらの国については、千五百万アメリカ合衆国ドル以上の出資を千九百七十三年十二月三十一日後に行なう場合においても、」いいですか、「後に行なう場合においても、」というのは、うしろに区切りがないのです。次に「千九百七十四年十二月三十一日までにこの協定に署名しかつこれを批准するときは、原参加者とみなす。」協定に署名をして、批准することと金を出す話は二つに分けて書いてあるわけです。これをこのままに読めば、金は、協定に署名をし、批准がしてあれば、いつ払ってもいいと書いてあるわけです。千五百万米ドル以上払えばいいと書いてある。千五百万米ドルというのは、金との関連においては非常に動くわけです。
#188
○菊地説明員 第六条の第一項をごらんいただきますと、「各参加国は、参加者となる際に、自国に割り当てられた額を出資する。」ということが書いてあります。この場合、参加者となる、参加者とみなされるためには、その時点で出資をしておかなければならないということでございます。
#189
○堀委員 これはこうなっていますね。いま外務省が言ったのは、参加国のほうだ。参加国と原参加国とは違うのでしょう。あなたがいま言ったのは、あとから参加する参加国の話をしておるのであって、私がここに提起しているのは原参加国なんだ。第六条二項にこう書いてあるわけです。「各原参加国に割り当てられる当初出資は、附属書Aにおいてそれぞれの国名に対応して掲げる額とし、計算単位で表示され、また、自由交換可能通貨で払い込まれる。払込みは、次のとおり三回の均等年賦で行なう。第一回の分割払については基金が第六十条の規定に従って業務を開始する日の後三十日以内に又は原参加国がその期間の満了の後にこの協定の締約国となる場合には締約国となる日に、第二回の分割払についてはその後一年以内に、第三回の分割払については第二回の分割払が行なわれた日又は第二回の分割払の期限の満了の日のいずれか早い方の日の後一年以内に」、うしろへうしろへとずらされているわけです。原参加国の場合はだからここでこういう形になって、そのスタートの期日は協定参加のところをスタートにするということになっている。あなたがいま言ったように、参加がきまったらすぐ払うようになっていない。違いますか。
#190
○堤説明員 ただいま先生がお読みになった段の、八ページの四行目から始まりますが、「又は」から始まるところです。「原参加国がその期間の満了の後にこの協定の締約国となる場合には」と書いてありますが、その場合がちょうど附属書Aの一項の後段に該当するわけでございます。これは先ほどからアメリカの場合ということになっておりますけれども、今年末を過ぎて明年末までも、この協定に署名し、批准するときは原参加者と見なす、その場合には、その払い込みについてはどの規定が適用されるかと申しますと、先ほどの六条二項の八ページ四行目からの「又は原参加国がその期間の満了の後に」、「その期間」というのは「業務を開始する日の後三十日以内」というのが「その期間」でございます。「締約国となる日」に第一回を払い込み、払い込まないで締約国となるということはできないということでございます。
#191
○堀委員 私が言っているのは、第一項で、参加者となったら出資額を払い込まなければならないといって、外務省がいま答弁したのでしょう。参加国になるときは出資額を払い込まなければならないから、協定の日は出資額を払っているはずだと言っているから、そうはなっていないと私はここで言っているわけだ、これは二項を受けているのだから。二項というのは、要するに協定をした日からスタートするのであって、協定したあとから二年ぐらいにわたって払っていけばいいということになっておるということを私は言っているので、あなたのさっきの答弁は間違っているわけだ、六条一項でやるというのは。私が問題にしているのは原参加国を問題にしているのだから、答弁が間違っているぞということを私は指摘したのだから、いま条約局のほうで第二項でございますというのは、私が指摘したとおりなんだから、別にその答弁をする必要はない。間違ってましたと言えばいい。
 そこで、間違ってましたはいいけれども、この千五百万ドル以上ということです。それが一体この金の計算単位と――国際通貨はこれから動くわけだから、ここの関係がどうなるのかということです。こっちのほうにはそういう形での幅が残されているわけだ。要するに協定参加が一九七四年十二月三十一日までに協定すれば原参加国になれるわけだ。そこから金を払うのはスタートするわけだから、現在一九七三年四月だから、いまから一年半ぐらい先に協定に参加していいのだ、それからさらに二年間くらいいい、一年一年という時間があるということなら、四年ぐらいの時間でも原参加国になれるんだ、こういうことになっているのです。
 そこで、そうすると千五百万ドル以上ということには、計算単位との関係でここでは意味があるのだろうということを私は言っているわけですよ。それでなければ「以上」と書かなかっただろうし、そうなると、こっち側の「範囲内」というのとこっちで「以上」というのが同一の原参加国に対して求められているというのはちょっとおかしいんじゃないかということを私は言っているわけなんです。
#192
○松川政府委員 この条約の条文を文理的にずっと解釈してつなげ、またただいま御審議をいただいております措置法の表現を、これもまた冷たく文理的につなげて読みますと、ただいま先生の御指摘のような読み方も可能ではないかと思います。しかしながら、私どもが御審議いただいておりますこの参加に伴う措置に関する法律に「相当する金額の範囲内」と書きましたのは、私どもこの種の法律を御審議いただきますときは、予算の場合でも同様でございますが、権限をいただくという意味で、最高の金額を置いてそれに「範囲内」というのをつけておりますのが用例でございます。したがいまして、私どもが、「千五百万計算単位に相当する金額の範囲内」とあるから、たとえば千四百万計算単位に相当するものを払おうとか、そういうことを考えておる趣旨ではございません。
#193
○堀委員 まあそれはそういう表現だと言うのだけれども、それは必要ないんじゃないかな。これは法制局に伺わなければならぬ話ですけれども、要するに、協定のほうにはちゃんと千五百万計算単位と書いてあるのなら、千五百万計算単位を払うことができると書いていいんじゃないですか。協定に書けるものがこっちにはこれでなければ書けないというはずはないわけで、それは読む者に誤解を与えることになるわけですね。だから、これは条文作成上の問題だから、もしそれが慣行だというなら、そういう慣行を改めるべきでしょうね。協定のほうにははっきり「当初出資」として「銀行及びこの協定の次の署名国は、次の額を出資する。」と書いてある。それはきちっと千五百万計算単位となっているのだから、書けるものを、なぜこんなふうに誤解を招くようなおそれのある書き方をするのか。これも「金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができる。」こうあるわけです。この書き方は、言うなればこの以下でもいいということを実は法律上は明示してあると思うのです。最高はここまで払っていいですよ、しかし以下でもいいんですよ。だから、もしこの協定を受けているのならば、政府は、基金に対し、協定第一条1に規定する計算単位による千五百万計算単位に相当する金額を本邦通貨により出資するものとする。これが正当な書き方じゃないですか。
 だからこれは誤解を招くから、中身の話は、あなた方は千五百万計算単位と言うのなら、今後は法律を出すときは、いま私が言ったように出してちっともおかしくないんですよ。何かこれをこう書かなければならぬ積極的な理由があるのかどうか。法制局でなくて皆さんとやってはまずいですけれども、こう書かなければならぬ積極的な理由があるなら答えてください。
#194
○松川政府委員 ただいま堀先生の御指摘のような、ほかに積極的な理由というものは別に考え当たりません。私ども、慣行でございますので、権限をいただく立法だけがこのような表現であるべきである、そういう理解のもとにこういう表現をとっております。
#195
○堀委員 これは一ぺんあしたでも法制局を入れてやってください、私がやるのじゃなくてだれか。これはおかしいと思うんだ。法律の書き方としては、だれでもわかるように書かないと。これならば、範囲内で幾らでもいいんじゃないかともし言われたときにどうしますか。要するに、この法律は協定があるから別だけれども、この法律だけに関しては、一千万計算単位払え、それでもいいじゃないか、どこに瑕疵があるかと言われたときに、最高限度をきめて払うことができると書いてあるだけだから、一千万計算単位払ったって、この法律に違反するかといえば違反しないでしょう。だから、そういうことは誤解を招くから、皆さんで、千五百万計算単位払うと協定に書いてあるなら、こっちのほうにそろえるのが筋だと思うけれども、何か積極的な理由があれば……。
#196
○松川政府委員 繰り返しになりますが、積極的な理由はございません。ただ、用例として、ただいま手元にございますものを引用させていただきますならば、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律、昭和四十一年の法律でございますが、これに「本邦通貨の金額が七百二十億円に相当する協定第四条第一項に規定する合衆国ドルの金額の範囲内において、」この場合にも「範囲内において」という表現を使っております。
#197
○堀委員 いや、これまでがそうだったら今後もそうでなければならぬというのは、あなたの言うように積極的な理由がなければ、改めたらいいと思うのです。これはできていることだからいいけれども、今後は協定との関係ではっきりするものが出ておる場合には、そうすることが相当だと思う。これが一点。
 二点目は、さっきからひっかかっている千五百万米ドル。どうしてここだけ千五百万米ドルになるのか。これは千五百万計算単位ということなら、常に確定するわけだ。「以上」がついているからということかもしれないけれども、この「以上」も、言うなればいまの「範囲内」と同じということになったら、これは千五百万米ドルなら――通貨がどうなるのかわからないけれども、ここは協定としては千五百万計算単位を払った場合とあっていいんじゃないでしょうか、どうですか。なぜここは千五百万米ドルなんですか。
#198
○菊地説明員 前にも御説明申し上げましたように、この附属書Aにおいて、アメリカ合衆国ドルが用いられました経緯につきましては、アフリカ開発基金が十分な融資活動を行なうためには、できるだけ多くの国が基金に参加することが望ましいことでございます。しかも、米国政府自体も本件基金構想には積極的に賛意を表明しております。ただし、米国の国内手続からおくれておりますが、その際に米国が示唆したものが千五百万アメリカ合衆国ドルという数字がありましたので、たまたまここに千五百万ドルというドル表示になっておりまして、これは特に以上とか以下とかいう、つまり以上としたから米ドルにしたという経緯ではございませんで、むしろこの点は、本来ならば計算単位としたほうがすっきりするわけでございます。しかしながら、協定作成の過程におきまして、米国が示唆したものが千五百万米ドルということでございましたので、ここにこういうようなドル表示になっておるわけでございます。
#199
○堀委員 ほかの国は計算単位で拘束されて、アメリカだけが米ドルでよろしい。ということは、この協定そのものはまさに入っていないアメリカを中心につくられたものといわなければならぬ。原参加国で最初から入るものだけは計算単位で拘束しておいて、あとから入るものは、おれの言いなりでなければ入らぬぞと言われて、彼らがそう言っているから千五百万米ドルということは、協定そのものとしては全くおかしな協定ですね。そこまで申し上げて、私は関連質問ですから終わります。
#200
○塚田委員 さっきの答弁で、国債め件だけれども、一〇〇ページの国債整理基金支出の中に十五億四千万円入っているという答弁ですね。これは国債償還に必要な四十八年度の経費で、四十九年度以降はこういうことになるんだよということで、財政法二十八条による参考書類の中で年次別にずっと償還計画が出ていますね。この年次別計画、四十八年度がこれ、四十九年度からはこのようだ。
 そこで、この償還年次表では国際開発協会通貨代用国庫債券、アジア開発銀行特別基金拠出国庫債券及びIMF、これは除くとなっているんですよ。つまり償還計画からこれは除いたんですよ。四十八年度に限りこの中にアフリカも入っているんだ、これはちょっとおかしくないですか。一般的にこういう償還計画からはいま言ったアジ銀とか何かは全部除いているのだと思うのですよ、除くと書いてあるのですから。それはどうですか。
#201
○宮崎説明員 アフリカ開発基金の国債の出資と償還に関連する関係を申し上げますと、先ほど先生御自身おっしゃいましたように、十五億四千万円に当たる国債を出資として出しますが、四十八年度中にその全額が償還されるであろうという計算で償還費を予算に盛っておりますので、差し引きなくなりますから、自動的にこの中には含まれていないということになります。
#202
○塚田委員 もう一ぺん答弁してくださいよ。
#203
○宮崎説明員 四十八年度中にアフリカ開発基金に対して国債で十五億四千万円に当たる額を出資いたします。しかし、アフリカ開発基金が発足した場合には、発足当初のことでもあるし、種々の資金需要があろうということで、その償還費を出資額満額予算に計上しておりますので、四十八年度末には出資した国債はなくなりますから、償還されてしまいますから、差し引きゼロになりますので、除く以前の問題で入らないということになるのです。
#204
○塚田委員 それだからおかしいと言うのですよ。大体国債で出すのは、つまり資金がさしあたってどうかということで、とにかく国債を出していくんだ、これが一番大きな理由だと思うのですよ。ことし出してことしすぐ払うんだったらどうして現金で払わないのですか。一体なぜ国債というものに切りかえていくのですか。これが私はわからないのです。ことし国債を出してことしそれを現金化するから年次償還計画にはのらないんだ、そういうことでは、国債で払う意味がないじゃないですか。
#205
○宮崎説明員 これは私が御答弁申し上げるのは適当かどうかちょっと疑問に思いますけれども、一応アフリカ開発基金というのは、法律の規定によりまして、十五億四千万の出資を仰いでその出資金を加盟国のプロジェクトその他の融資に使うということが眼目でございます。発足当初から、たとえば日本が現金で出資するということになりますと――国の財政の資金運用の面からいいますと、国債でしたら、出資をしておいて向こう側が現実に需要があったときに償還請求があって、それをそのつど現金化すれば足りるわけでございますから、したがって、日本の国の財政資金の効率的運用からいきますと、予算でそれだけいただいて、国債整理基金でいつでも償還できるように持っておって、その間は運用できるということになりますから、国内の財政の資金の効率的運用からいくとこちらのほうが得策であろう、そういうことではなかろうかと思います。
#206
○塚田委員 それは、償還しない場合には予算が不執行になるわけでしょう。
#207
○宮崎説明員 国債整理基金特別会計法の八条にいうように、償還費を予算に計上いたしましてそれが償還されなかった場合には、翌年度に法律の規定によって自動的に繰り越されることになります。したがって、先生御指摘のように、かりに四十八年度に償還されなかった場合には、おそらく四十九年度以降償還されるということでございますから、その償還資金として整理基金特別会計法の八条によって自動的に繰り越されるということになります。
#208
○塚田委員 どうもこれはなかなかむずかしいので、だんだん議論していくうちにあれなんですけれども、そこで、そうなりますと、全体的にいえることは、法律で千五百万計算単位以内ときめたから、財政法にいう諸手続というか、調書あるいは参考書類までも出す必要はないのだ、つまり法律できめるのだという趣旨、それからいま言ったように国債でやるのだ、これは例の二兆三千四百億ですか、これとは別ワクで国債でやるのだ。そうすると、その国債はすぐ現金化しなければならぬ、つまり現金化請求があるから、だから償還年次というものは考慮の外なんだ、そういうことですね。これは一年間で消えてしまうのですから、償還年次というものはないわけでしょう。そういうことなら、およそ金はあるいは予算は、一体どこを突いたらその芽が出てくるのか、つかみどころがあるのか、いわば議論の対象になるそのきっかけがあるのかといったら、何もないわけですよ。これは財政民主主義の立場からいってとても許されない、これはいかぬと思うのですね。
 それじゃ、たとえばことし十五億四千万円ある、来年はどうなのですか。どういう計画で一体払い込みがきめられているのですか。
#209
○松川政府委員 協定の原参加国の出資の規定に従いまして、三回の均等年賦で払うことになりますから、もしこの協定が本年度内に成立し、本年度内に第一回の支払いが行なわれる、われわれはそれを期待しておるわけですが、そのとおりになりました場合には、来年度は初年度と同じに、第二回目の均等払い分が国債の形で交付されることになります。
#210
○塚田委員 それじゃ来年度は同様に償還される計画はあるわけでしょう。だからこれは当然かわるべきじゃないでしょうか。
#211
○松川政府委員 証券をもって拠出いたしますのは、現金にかえて拠出するわけでございますから、現金化の要望があればいつでも現金化できるだけの予算措置をしておかなければならないものと理解いたしております。
#212
○堀委員 ちょっと関連させてください。
 いまの十五億四千万円の国債を発行するでしょう、国債を一応渡すわけですね。これは四十八年度末現在における国債発行の額とそれに見合うところの償還計画になっているわけだから、この中の内国債の中にこれが入っているわけですか。内国債の八千二百二十一億三千百万円というのは昭和四十九年度とあるのが、これが四十八年度末の内国債の発行総額、そうでしょう、ここに書かれておるのは。この中に入っておるわけですが、あなたのさっきの話を聞いておると、ともかくおそらく年度内に償還要求があるだろうから、もう出しておく必要はないのだというふうに聞こえるわけだ。しかし、それはあなたがそう思うだけであって、相手が償還しない場合だってあるわけだから、だからそれは当然それに対する償還基金を整理基金の中に置いておくことも必要ですよ。置いておくことも必要だけれども、同時に、国債発行額が内国債の中に入っているならそれでいいと思うのだけれども、さっきの答弁を聞いていると、年内に償還をされるんだから、もう入れなくてもいいのだという答弁になっているわけだから、そこのところをはっきりしてもらいたい。
#213
○宮崎説明員 先生は二十八条関係書類の九ページにございます国債及び借入金償還年次表の四十九年度の欄をごらんになって八千二百二十一億とおっしゃっているのだろうと思いますが、これは四十八年度の現債額を基礎にして翌四十九年度以降どれだけ償還されるかという数字をあげたものでございますから、これは一応見込んでおりますように、十五億四千万円の国債出資をして、四十八年度中に全額償還されるであろうという予算を組んでいるわけでございますが、四十八年度で消えてしまっておりまして、四十八年度の現債額を基礎にして四十九年度以降どういう償還が行なわれるかというこの額の中には含まれないわけであります。
#214
○塚田委員 私はわからないのですよ。それで、四十八年度にとにかく国債を発行するわけでしょう。それには償還年次というのは書いてあるでしょう。書いてないのですか。
#215
○宮崎説明員 先ほど次長からも御説明がございましたけれども、この出資国債というのは期限の定めがございませんで、出資を受けた国際機関が、自分の資金需要が生じたときにいつでも現金償還を要求することができることになっておりますから、本来この国債の性格として、年次別の償還額を想定できる性質のものではございませんから、この年次表にはなじまないということで落としているわけでございます。
#216
○塚田委員 これには含まれていないけれども、こちらのほう、四十八年度償還分には含まれておるということなんでしょう。
#217
○宮崎説明員 おっしゃるとおりだと思います。四十八年度において償還されることを見込んだ予算を組んでおるわけでございますから、考え方として四十八年度の発行、償還ということがあるわけで、当然四十八年度の償還計画の中に入っております。
#218
○堀委員 私がいま聞いているのは、四十九年度に繰り越すときには、それは表裏に書いて、落ちてもいいんだとあなたは言うけれども、少なくとも四十九年度の償還に立っていていいのではないか。要するにこれは、実際にはわからないわけでしょう。いまあなたが言うように、いつ出てくるかわからないわけだ。いつ出てくるかわからないのは、両建てにして出しておかなければ、実際には正確を期することはできないのではないですか。
 いまあなた方は、質が違うんだから償還計画は要求があればすぐ変えますというけれども、これは何ですか、外国債じゃないから、これは内国債でしょう。内国債としてあって、今年度のうちに償還要求が半分あるかもしれない。そうすると来年度の内国債の償還の中に残るわけでしょう。言うなれば。そうすると、ことしも両建て、来年も両建て、そうやって両建てになっていて初めて正確は期せられるのではないですか、この償還計画という関係から見たら。両建てになっているなら、いつ落ちてもよろしい。ところがことしは、一応両建てにしたつもりなんでしょうが、来年はやらないわけだ。ことし全部両建てで落ちるという前提で、来年は償還計画にはなじまないという表現は別としても、ルールとして見れば当然来年に十億円残るかもしれない。来年の償還になるかもしれない。それはいつでもできるわけだから、金は入れてあるから、それはできるけれども、これの取り扱い上としてはそれを両建てであげておかないと、あげておけば両建てなんだから関係ないわけだ。要するに、資金としてはいいわけだけれども、そういう処理にしてないと、年を越したときにはおかしくなるのではないか。償還計画のあなた方が考えているものの上にプラスアルファが乗っかってくるのではないか、来年度の償還のところは請求があれば金を払うという形では。そういう点はどうなんでしょうか。
#219
○宮崎説明員 それは先生のおっしゃるとおりだと思いますけれども、少なくとも四十八年度の予算におきましては、十五億四千万に当たる出資をいたしますが、アフリカ開発基金は発足当初でもあり、いろいろ資金需要もあるだろうから、おそらく全額償還要求してくるであろうというふうに予算そのものを組んでおるわけでございますから、あるいは先生のおっしゃるように、実際にはそれを実行する段階で十五億四千万というものではなくて、五億四千万しか償還がなくて十億残ることもあるかと思いますが、少なくとも四十八年度予算は、全額償還を前提にしているわけでございますから、四十九年度以降に残るであろうということを前提にした償還年次表を組むことはできないと思います。
 それからあと四十八年度以降にも出資があるだろうということに関連して、いま御質問があったかのように思いますが、四十九年度にどれだけ出資を、何でやるかということは、松川局次長が申しましたように、おそらく国債でやることになると思いますが、それは四十九年度の予算で計上されまして、計上されたところで、それに合わせて二十八条関係の書類をつくるわけでございますから、前もって、四十九年度以降出資されるであろうから、これを両建てにするとかあるいは半分償還されるであろうという形で盛り込むことは、本来この資料の性質上できないと思います。
#220
○松川政府委員 ただいまの国債課長の説明を若干補足させていただきますが、この協定第九条に「出資の払込み」という条文がございまして、この条文をちょっとはしょって大事なところだけ読みますと、その手形その他の債務証書は、要求があり次第、その額面価額で払い込みが行なわれるものでなければならない。いつでもキャッシュ化できるものでなければない。このような規定がございます。
 したがいまして、現在の予定といたしまして、本年度内にはそのうちの一部分は現金化の要求が来ないのではないか、そういうことを予定いたしますと、かえってそのことが不自然であり、この協定の文書の性質からいいまして、私どもが代用証券で払い込みますことがかえっておかしなことになりはしないか。
 今年度に払い込まれるものはいつでも現金化ができる体制をとっておくことが望ましいことであり、かつ適当なことである。しかも実際問題といたしましては、堀委員御指摘のとおり、あるいは現金化の要求が来ないかもしれません。これは制度上の逓次繰り越しの制度でもって救われておると思うのでございますので、その点は資料の上には、いずれにしましてもまだ確定しておらないために、はっきりあらわれてきてはおりませんが、繰り越しを予定するということはかえっておかしいのではないか、このように考えます。
#221
○塚田委員 繰り越しを予定するのはかえっておかしい――アフリカ開発基金の現在の状況からいっても、おそらく即時全額現金化という要求があるのではないか。それを、なぜ国債というめんどうな手続を経て出資をするのか。そういう状況であれば、たとえば半分現金、半分国債ということはしばしば行なわれてきているわけです。今度のアフリカ開発基金についてだけ、全額、しかも非常にきびしい情勢の中で国債を発行する。私は、そういう情勢が予想され、償還年次まで表示しなくていいんだという情勢であるならば、当然これは現金でやるのがたてまえだと思います。
#222
○松川政府委員 現金で払い込むかまたは国債によって出資するかということで、一つ大きく違いますことは、現金で払いますと、それなりの金額が動きまして、もしかりに国庫にその金額が残っておったのであれば、それなりの経済目的に使えたであろうという活動がそこなわれるわけでございます。そしてまた、これは理屈の上の問題でございますが、かりにその他の主要拠出国が同様に国債で出すというような場合がございますと、もしわが国のみが現金で出しておけば、これはその分が先に使われる。全体として見まして、金利その他の関係からいいましても、各拠出国が拠出額に応じた負担をするということが好ましいのではないかと思われますので、各国全部が現金であるということであれば、これは現金で払うのもまた一つの考え方かと思いますが、各国の出方を見ながら、そしてまたわがほうの国庫の国益ということも考えまして、許されておる姿である国債による出資という道を選んだ次第でございます。
#223
○塚田委員 意味はわからないことはないのです。それじゃアジ銀の資本金のときに使ったように、半分は現金で半分は国債、そのぐらいの弾力があっていいのではないですか。いまの局次長の議論を突き詰めていけば、相手国といいますか、ほかの国がもし国債で出す場合には、うちの金が先に使われる、こういうばかな議論は私はないと思います。使われる、使われないは、一たん入ってしまえばプールなんですから、そういう議論は成り立たないのではないか、こう思うのです。
#224
○松川政府委員 アジア開発銀行の通常資本につきまして、半分現金、半分国債というのは、当初の協定そのものでそのように決議されたからでございます。今回の協定そのものは、先ほどもちょっと引用いたしましたように、無利子の債務証書をもって払い込むことが許されておりますので、これは私どもといたしましても、納税者その他国益のことも考えて行動しなければいけないということで、国債による出資の形をとることとした次第でございます。
#225
○塚田委員 私は、こう考えておるんですよ。今度できるアジア開発基金というのは、先ほど同僚の佐藤君から質問があったとおり、基金の性格はどうなのか。私は、やはりアジ銀の実例というものを踏んまえて、ちょうどアフリカ銀行とアジア銀行とのあいのこの基金という形で押えた、だから別法人にしたと思うのですよ。そういう面からいえば、私は現金が必要だというのは非常に大きなポイントだと思うので、こういう方法は、それは各国のいろいろな趨勢を見なければならぬと思いますけれども、私どもとるべきじゃないんじゃないか、これは私どもの主張ですから、そのように考えております。
 大体、質問をしてきましたが、若干のまだ私どもふに落ちない点等もございます。あすもありますので、この点で一応私の質問をおいて、あすなお大臣も出るような予定になっておりますので、他の質問とも関連して深めていきたい、こう思っております。
#226
○鴨田委員長 次回は、明二十五日水曜、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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