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1972/07/13 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 外務委員会海外子女教育等に関する小委員会 第2号
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1972/07/13 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 外務委員会海外子女教育等に関する小委員会 第2号

#1
第071回国会 外務委員会海外子女教育等に関する小委員会 第2号
昭和四十八年七月十三日(金曜日)
    午後二時五十六分開議
 出席小委員
   小委員長 西銘 順治君
      石井  一君    稻葉  修君
      小林 正巳君    深谷 隆司君
      河上 民雄君    堂森 芳夫君
      柴田 睦夫君    渡部 一郎君
      永末 英一君
 出席政府委員
        外務政務次官  水野  清君
 小委員外の出席者
        外務大臣官房領
        事移住部長   穂崎  巧君
        大蔵省主計局主
        計官      禿河 徹映君
        外務委員会調査
        室長      亀倉 四郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 海外子女教育等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○西銘小委員長 これより会議を開きます。
 海外子女教育等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。渡部一郎君。
#3
○渡部(一)小委員 海外子女教育問題につきまして、引き続き御質疑をいたしたいと存じます。
 まず、昨日の海外子女教育等に関する件についての文部省、外務省並びに海外子女教育財団等に対する御質疑の途上、予算の問題がたいへん大きな問題になっているという側面が伺われたわけであります。すなわちこれらの海外子女教育に関する財政的な政府の決定というものは、非常に少なきに過ぎたのではなかろうかと思われる節がきわめて多いわけでございます。
 まず財政当局よりこの件に関しての考え方その他をお伺いしたいと思うのです。これから先の問題をお伺いするのが本意でありますが、いままでの文部省あるいは外務省あるいは文化庁あるいは海外子女教育財団等に対する予算措置、そうしたものはどういう考え方で行なわれてきたのか、その辺まずいままでのいきさつというものを聞かしていただきたいと思っているわけであります。
#4
○禿河説明員 お答えいたします。
 私、外務省のほうの担当の主計官でございまして、事柄が外務省関係だけにあるいは限定されることになろうかと思いますが、御了承願いたいと思います。
 海外子女教育の外務省計上の予算につきましては、いままで先生の御指摘がございましたとおり私ども決して現状で満足いたしておるわけではございませんが、海外に勤務する本邦邦人の数もふえてまいりまして、それに従いましてともに海外に居住する子女の数もふえてまいっております。予算面で申し上げますと、四十三年度におきましてこの海外子女教育予算、外務省の分でございますが、これが一億七千九百万でございました。それが教育内容の充実あるいは海外子女の増加というふうなものに即応いたしまして逐年ふえてまいりまして、四十四年度で二億四千六百万円、四十五年度は三億をこえ、四十六年度は四億をこえ、四十七年度は六億をこえる、こういう状態にはなったわけでございます。先生御指摘のとおり私どももちろん海外子女教育の問題はきわめて重要な事柄であると考えております。外務省当局におかれましても、たいへんこれを力を入れておられまして、いろいろ四十八年度の予算の策定にあたりましても種々御協議いたしまして、これも先生御承知のとおりだと思いますけれども、私どもといたしましては、かなり大幅な五〇・八%の増というところまで実は踏み切ったわけでございます。その辺、まだ決してこれで十分とは申し上げられないと思いますけれども、私どものこの問題に対します姿勢、その辺をひとつ御了承いただきたい、かように考えておる次第でございます。
#5
○渡部(一)小委員 たいへん前向きな御答弁いただいておりまして、私は感謝しておるわけでありますが、それではひとつ外務省関係の予算に関しては先日あまり明確でありませんでしたので、もう一回お伺いするわけでありますが、外務省の予算の中につけられておる派遣教員旅費・在勤手当料というものについて、私はお伺いをしたわけであります。そうしましたら、滞在費と交代費、交代のための費用というものが含まれておるとのことでございまして、二百十七名に対する滞在費と行くほうが九十四、帰ってくるのが五十七の交代費、交代交通費ということでございました。二百十七名に対する平均の滞在費は、年間で二十五万円であると伺いました。つまり、一人当たり二十五万円で一年間暮らせるかどうかについては、大幅な疑問があるわけでありますが、どういう計算なのか、ちょっとその辺をもう一回言っていただきたい。
#6
○穂崎説明員 先日一人当たり二十五万円と申し上げましたのは、一カ月でございます。その中身は、もちろんこれらの方々、日本において本俸いただいておるわけでありますが、それは入っておりません。二十五万円の中身は在勤手当とそれから妻加俸、それから住宅手当でございます。それからこれは平均でございますから、中には単身の先生で家族を連れていっていない方もおられますので、そういう方々はあるいは平均より少なく、それから家族のおられる方あるいは年配の方はそれよりずっと上回っておる、こういうことになるかと考えます。
#7
○渡部(一)小委員 じゃ、日本人学校校舎借料についてはどうなっていますか。日本人学校は全体で約六十校くらいあるわけでありますが、これは補習学校と全日制の学校を合わせて、一体校舎の借料に何校に何円くらいを出されているのかお伺いします。
#8
○穂崎説明員 校舎借料は、全体で三十二校ございます。ただし校舎借料は全日制の学校だけでありまして、補習校には校舎借料は支出しておりません。
#9
○渡部(一)小委員 そうすると、一校当たり幾らくらいになるのですか。
#10
○穂崎説明員 四十八年度予算は全部で二億一千九百万、約二億二千万でございますから、三十二で割りますと一校当たり七百三十万、これは年間の経費でございますが、七百三十万くらいになろうかと思います。
#11
○渡部(一)小委員 そこで大蔵省の方に聞いていただきたいのですが、日本人の行っている外国というのは世界で百数十カ国あるわけであります。またアメリカの場合なんかは一つの学校でとても済むものではなく、州別あるいは州に二つくらいほしいところもある。またニューヨークのように、六カ所、九カ所予定しなければならぬところもあるわけですね。そうすると三十二校に対する校舎借料を用意しておくなどということでは、全くけたが大幅に違うのではないかという問題がまず出てくるわけであります。また、したがって、こういう借料の算定のしかたで少しずつ上げていくというだけではだめではないかと私は思うんですが、いかがですか。
#12
○禿河説明員 いま領事移住部長からお答えしましたとおり、三十二校は全日制の学校でありまして、この借料を全額国が見ておる、こういうことでございます。それ以外に、実は補習校が現在二十八校ございます。これは週に原則として一回くらいの補習授業を現地で行なっておるわけでございますが、この補習校は主として先進地域、そちらに設けられてございます。これも先生御存じのとおり、そういう先進諸国におきましては、高い教育水準の学校が大体そこにそろっておる。しかしやはり日本語を忘れてはいけない、日本の歴史も忘れてはいけない、あるいは帰国後の上級学校の進学に支障があってはいけないということで、補習授業を行なっておるところでございます。そこで補習校につきまして、確かに全日制に比べましてそれの助成が薄いということは事実でございますけれども、そういう実態を踏まえて従来からやってきたものでございます。
 で、残りの全日制三十三校ございまして、それに借料の補助を三十二校行なっておりますけれども、これはどちらかと申しますと後進地域でございまして、やはりある程度の生徒の数がないと、なかなかそちらのほうに教員も派遣しにくい、こういうことがございまして、この全日制の数三十三校と申し上げましたが、四十八年度は三校ふやしてございます。そういうことで、私ども今後ともその実情を見まして、必要な学校の設立等につきましては今後ともその方向で努力してまいりたい、かように考えております。
#13
○渡部(一)小委員 そうすると、禿河主計官は外務省関係のことだけだと先ほど言われましたけれども、文部省や子女教育振興財団の件に関しては、お答えになる大蔵省の方はいらっしゃらないのですか。
#14
○西銘小委員長 来ておりません。
#15
○渡部(一)小委員 それじゃ禿河主計官、大蔵省を代表なさるおつもりで、ひとつお聞きになっておっていただきたいと思うのであります。
 あなたはいま三十二を三つふやすので、たいへん進歩されたみたいなことを言われましたけれども、あなたがもし在外公館勤務か何かにおなりになった場合、またあなたのお子さんをお連れになったとして、三十二の国に当てはまればようございますよね。しかし世界の国百五十からあるわけでありますから、確率としては非常に悪い形になりますね。そこに在外邦人の非常に心配している問題が起こっておる。実はきのう、私いろいろなことを伺ったわけでありますが、たとえばスクールバスの援助はどうなっているかと言いましたら、二十五台借りるので千八百万円であるという御返事でした。そうすると一台当たりの費用なんというのは、とんでもないほど安い費用ですね。教員の研修事業なんというのは何人ですかというと、十一人の先生が集まるので、四十七年度百万つけておいた、こんなことでした。また帰国後の子女の受け入れというのはどうなっていますかと私伺いました。そうしたら、これは波多野勤子さんのファミリースクールというのを借りまして、三カ月で十人以内というような状況でござますという御返事でした。海外子女受け入れなんという問題ではないと思うんですね、数字的にいって。たった十人ばかりに日本語をちょっと教えてくれたってどうにもならぬ、もう何千という単位で毎月帰ってくるわけでございますから。それから補習学校の講師謝金にしても、通信教育事業の問題にしても、それはもうけた違い、二けたくらい違うような印象を先日受けたわけなんです。先日海外へ参りまして、当委員会にも資料提出してございますけれども、いろいろ海外における日本国民の多面的な活躍が開始されたりいたしまして、教育の問題は日本人の最大の弱点になっている、足をすくわれている実情であります。この日本国民の大きな悩みに対してこたえられる行政が必要だと私はるる申し上げたわけであります。委員会において四回申し上げ、この当小委員会においてもこれで二度でありますが、申し上げたわけであります。私は、財政当局として前年度比五〇%アップなどというランクの問題ではないとさんざん申し上げたわけであります。つまりけた違いであって、そういう考え方がなかったところに問題点があったのではないか。しかも、外務省という予算を取るのも非常にへたくそな、何かというとお金なんというものに対して非常に無感覚的なセンスの多いといわれておりまする外務省が、あるいは文部省などという、大蔵当局に対して非常にものの申しにくいところらしいのでありますけれども、うわさによれば。こういうところからの要望に対してもっと前向きに処理しませんと、国際的に見ての日本の立場というものをきわめて傷つける大きなものとなるのではないか。私は、その点、大蔵当局に対しましてこの問題については本格的な、ちょっと進めるなどという段階ではなくて、私はけた違いだと言うのはそこなんですが、金額的に言ってけた違い、取り組み方から言ってけた違い、この問題を直すように御努力願いたいと思っているのですが、これは大蔵大臣にお答えいただくのがほんとうなんでしょうけれども、お一人しかいらっしゃいませんから、主計官に少なくとも主計局長のかわりぐらいなおつもりで御答弁をいただきたいと思います。
#16
○禿河説明員 一主計官といたしまして、あまり口はばったいことを申し上げるのはいかがと思いますが、先生の御趣旨、十分私ども体しまして、来年度以降の予算におきましては、関係各省とも十分相談をしてできるだけの努力はしてまいりたいと思います。
 ただ、これも私から申し上げるまでもなしに、国全体の財政の問題といたしましては、各種の需要がございます。社会保障の問題、その他もろもろ実はございますので、全体といたしましては、どうしても財政はある程度平準化というふうなことも私どもの立場からは考慮せざるを得ない面がございますが、その中でも海外子女教育の問題につきましては、先生の御趣旨も十分頭に入れて、今後関係各省とひとつ協議してまいりたい、こう考えております。
#17
○渡部(一)小委員 それから主計官に特に申し上げておきたいのですが、ワシントンにおいて、大使館があるわけでありますが、ワシントンの大使館の地下をこの海外の子女の教育のために使って、提供されておるわけですね。そのために外交交渉をやっている最中に子供が下からかけ上がってくるなどということが起こり得るわけですね。大使館夫人の献身的な努力がありましたし、大使館の大使の非常に好意的というよりも、むしろ非常な同胞に対する配慮によりまして、ワシントンにおいてはその問題が進んでいたわけではありますが、大使館の中の施設を使って補習学校の敷地を確保しなければならないような財政措置というのは、財政上の平準化という点から見ても非常に不穏当だと私は思うわけです。いろいろ当委員会でも申し上げましたけれども、そのために大使あるいは大使夫人に対して小言を言うというような筋合いのものでもなかろうと私は思うわけです。その点はきつくお願いしたわけでありますが、こういう問題については特別の予算措置等をとられて、これは補習学校がないためにこんなことが起こるわけでありますから、予算がないわけでもないわけであるし、こういったことは少し緊急にお考えになったらいかがかと思いますが、いかがでございますか。これは大蔵省がお答えになるのか、外務省がお答えになるのかわかりませんが、ひとつお願いいたします。
#18
○禿河説明員 具体的な個々の問題につきまして、あるいは財政当局でございます私どものほうからお答えするのはあまり適当でないかとも存じますが、ワシントンにおきまして大使館のあの地下室を土曜日、日曜日、その教育補習校のために提供しているということは、私ども外務省からも聞いております。
 それで、確かに大使館の業務運営の面から見まして、必ずしも望ましくない面があろうかとは思いますけれども、大体ワシントン以外の各地の補習校におきましては、それぞれの父兄が毎月何がしかの資金を出しまして、そしてどこかしかるべき場所を借りて、そこで土曜日あるいは日曜日に補習学校を開いておるということでございます。ワシントンにおきましてそういうしかるべきどころがないのか、その辺ちょっと私どもつまびらかではございませんけれども、そのしかるべき場所があった場合に、それに対して財政的な補助をぜひしてもらいたい、こういう要望があることは私ども、聞いてございます。ただ、これにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、私ども、やはり教育の絶対的な水準が低いと思われます後進地域の全日制の学校、それの充実ということに重点的に従来実はやってまいりまして、そういう意味で、先進地域のワシントンとかあるいはその他の北米地域あるいはヨーロッパ地域等に対する補習校の補助というものが低かったという点はあるかと思います。この辺を今後どういうふうに持っていくのか、十分外務省あるいは文部省とも今後協議をして検討を加えまして、適切な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#19
○渡部(一)小委員 海外にいる子弟というのは大体一万三、四千人あるいは一万五千人というようなデータが提出されておりますけれども、その中でこういう日本語教育あるいは日本教育あるいは情操教育等の恩恵に浴している者というのは、ほんの二、三千であります。この予算の中に見込まれている人数というものもまたそのとおりの形になっているわけであります。これは私は、費用がかかることは当然でありますけれども、この子供さんたちのことだけでなくて、その両親にもたらす影響性の多大であることにかんがみ、十分の御配慮をいただかなければいけない。来期予算においてはこれに対して圧倒的な、前向きな、根本的な前進をひとつお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
#20
○禿河説明員 先ほどもお答えいたしましたとおり、先生の御指摘の点を十分ひとつ頭に置きまして、関係各省とも協議をして適切な予算措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#21
○渡部(一)小委員 私は、ワシントン及びニューヨーク等において陳情を受けました要望書あるいはこの問題に関する書類等を印刷の上御提供をいたしましたが、小委員長に対しこれをあらためて提出をいたし、今回議事録の中にとどめていただくようお願いをしたいと思います。
#22
○西銘小委員長 わかりました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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