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1972/03/13 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 法務委員会 第10号
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1972/03/13 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 法務委員会 第10号

#1
第071回国会 法務委員会 第10号
昭和四十八年三月十三日(火曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 中垣 國男君
   理事 大竹 太郎君 理事 小島 徹三君
   理事 福永 健司君 理事 古屋  亨君
   理事 稲葉 誠一君 理事 横山 利秋君
   理事 青柳 盛雄君
      井出一太郎君    植木庚子郎君
      住  栄作君    松本 十郎君
      三池  信君    保岡 興治君
      日野 吉夫君    沖本 泰幸君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 香川 保一君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 味村  治君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局総務局長  田宮 重男君
        最高裁判所事務
        総局人事局長  矢口 洪一君
        最高裁判所事務
        総局経理局長  大内 恒夫君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  西村 宏一君
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  牧  圭次君
        法務委員会調査
        室長      松本 卓矣君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○中垣委員長 これより会議を開きます。
 おはかりいたします。
 本日、最高裁判所田宮総務局長、矢口人事局長、大内経理局長、西村民事局長、牧刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中垣委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○中垣委員長 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。稲葉誠一君。
#5
○稲葉(誠)委員 ことし、四十八年度予算の関係でお聞きするわけですが、これは、全体の国家予算の中に占める割合がここ三、四年どういうふうに裁判所の予算が変化をしているか。何か全体の割合から見ると減少をしておるのではないか、こういうことが考えられるものですから、その点についてお聞きするわけです。
#6
○大内最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所予算が国家予算の中でどの程度の割合を占めておろかというお尋ねでございますが、昭和四十六年度の場合には〇・六二%でございました。昨年度、昭和四十七年度におきましては〇・六一%、ただいま御審議を仰いでおります四十八年度予算におきましては〇・五九%というふうに、国家予算に対する割合は若干ずつ減少しておるというのが実情でございます。
#7
○稲葉(誠)委員 ただパーセントだけで予算が多いとか少ないとかということを論議するのは、ちょっとあまり単純過ぎるきらいがあるわけで、そのことだけでは正確に論議が進まないという点があると思うのですが、それはそれとして、どうしてこう裁判所予算が国家予算の中で減少をしてきておるわけですか。
#8
○大内最高裁判所長官代理者 国家予算に対する割合から申しますと、ただいまお答え申し上げたとおりでございます。裁判所予算の中身について申し上げますと、昭和四十六年度が五百八十九億九千万、四十七年度が七百四億五千七百万、四十八年度が八百四十六億三千三百万というふうに中身がふえてまいっておるわけでございまして、ちょうど昭和四十四年度の予算が約四百二十三億でございました。四十八年度の予算が八百四十六億でございますから、ここ四年の間にちょうど二倍になったということに相なっておるわけでございます。
 もっとも、ただいまお尋ねのように、どういうわけで、それでは国の予算に対する割合が減少してまいっておるかということでございますが、私ども国の予算の全貌につきましてはもとよりその詳細を承知いたしてはおりませんけれども、一般的に私どもが受け取っておりますところでは、最近における国の財政、歳出の伸びが非常に目ざましく、特に社会保障関係でございますとか、あるいは福祉関係でございますとか、そういう方面に対する支出が非常に伸びてまいっております。裁判所の予算は、どちらかと申しますと、人件費を中心にした事務的な予算が大部分を占めておる。各官庁とも事務的経費に関しますと大体大同小異といったようなところでございます。事業費的な福祉関係でありますとか、社会保障関係でありますとか、その他いろいろな関係の経費が事務官庁でございます裁判所の場合にはそういう要素がございませんので、相対的に割合が若干減少いたしてまいっておる、こういうことであろうと理解いたしておる次第であります。
#9
○稲葉(誠)委員 最高裁判所の庁舎の建設の問題があるわけでしょう。そうすると、全体としては幾らで、年度別にどの程度の金額が計上されておるかということですね、それからそれが裁判所予算の中でどの程度の割合を占めておるかということ、聞きたいことは、それはきわめて臨時的なことですから、でき上がってしまえばその分の予算は減ってくるわけですから、そうなってくると、それを除くと裁判所予算というものがきわめて少ないものにしかすぎないという結論が出てくるんじゃないですか。それを引いてしまいますと、全体のパーセントというものもぐっと少なくなってくるんじゃないですか。
#10
○大内最高裁判所長官代理者 ただいまお尋ねのように、ただいま最高裁判所の新しい庁舎を建築しておりますので、当然それに相当の経費がかかることは事実でございます。年度別に申し上げますと、昭和四十六年度の歳出として十四億五千八百万円、昭和四十七年度におきまして四十一億九千三百万円、四十八年度において七十一億八千二百万円というふうに、それぞれ年度別に歳出予算が組まれてまいったわけでございます。総額約百二十六億ほどになるわけでございます。しかしながら私どもは予算折衝におきまして、最高裁判所の庁舎の新営は一つの国家的事業であるという観点から、これは一般会計に圧迫を加えないように臨時的に別にぜひ配慮を願いたいということで折衝をしてまいりまして、私どもが確信しておりますところでは、他の経費につきまして決して圧迫を生じていないという結果に相なっておると考えておるわけでございます。
 具体的に申しますと、予定経費要求額説明の別表として使途別分類表をお配りしておるわけでございますが、旅費におきましても三五%、庁費におきましても五八%云々といったようにそれぞれの経費が四十八年度の場合でも伸びているわけでございます。最高裁判所庁舎の新営費ももちろん前年度に比べて伸びておりますが、下級裁判所の営繕費につきましても、何ら支障なく六十数カ所の工事を今年度は行なうというふうになっておるわけでございます。最高裁判所の庁舎の工事費が相当多額を占めておることは事実でございますが、他の経費につきましても、それの影響がないようにできるだけ努力をいたしたつもりでございます。
#11
○稲葉(誠)委員 あるいは計算関係がすぐ出てこないのかもわかりませんけれども、お聞きしているのは、最高裁の庁舎の建設を全体の予算の中から引いた場合に、国家予算の中のいまおっしゃったパーセンテージが出てきましたよね。それが変化してくるわけでしょう。その変化がどういうふうになってくるか。これは常識的にいってパーセンテージがぐっと低くなってくるわけですね。それが一つ。
 それから四十七年度の予算と比べて今度のは増加があるわけですよね。最高裁の庁舎のあれが増加分の約三割になるのですかな、どうなるのかよくわかりませんが。だからそれを引いたときに、予算としてはパーセンテージはどの程度になるのですか。それをお聞きしたいわけなんです。ということは、最高裁の庁舎の建設というものはきわめて臨時的なものですから、それを引いた後でないとほんとうの予算はどの程度のものかということがわからないんじゃないかということでお聞きしておるわけなんですよ。
#12
○大内最高裁判所長官代理者 いま、最高裁判所の庁舎の新営予算を差し引きました国家予算に対する割合を正式に計算したものを持ってはおりませんけれども、ただいま稲葉委員のお尋ねのようにもしそれを差し引きますと、先ほど申しましたよりも若干下回ってまいることは事実だろうと考えます。
#13
○稲葉(誠)委員 私どもが裁判所へ行っていろんな人の話を聞いたりなどしますと、書記官の場合、転勤が非常にふえておるわけですね。たとえばぼくの住んでいる宇都宮でいうと、宇都宮にいた人が浦和や東京へ転勤になっておる。転勤になることによって格づけが上がるのでしょうけれども、朝五時に起きていかなければならない、こういうわけですよね。非常に転勤がふえておる。逆に東京のほうから、首席というんですかあるいは主任というのか、そういうような形になって来るわけですね。そういうふうに転勤が近来非常にふえているわけです。
 そこで四十八年度の予算としては、その転勤に伴う旅費というんですか、それらはどういうふうになっているんですか。この前よりもだいぶふえているんじゃないんですか。
#14
○大内最高裁判所長官代理者 赴任旅費でございますが、昭和四十七年度が一億四千三百万でございまして、四十八年度が一億でございますから、昨年度よりもふえておることは事実でございます。これは本年度、別に国会で御審議の予定と私ども承知をしております国家公務員の旅費法の改正によりまして、日当でございますとか宿泊料でございますとか、これを約三〇%ほど値上げをするというふうにも実は承っておりまして、そういう関係のものがこの予算の中に積算されて上積みになっておる、かように承知しておる次第でございます。
#15
○稲葉(誠)委員 では、その国家公務員の旅費や日当の規定ですか、それによって上がるというものを除いて計算をすると、まあ純増が出てくるわけでしょう。それはどういうふうになりますか。そこまで計算してなければいいですけれども、そのアップを除いても近年、配置転換というか転勤関係が非常にふえているんじゃないんですか。
#16
○大内最高裁判所長官代理者 お手元にお配りしてございます予定経費要求額説明の使途別分類表で、赴任旅費の伸びが三九・七%ございます。これは、申し上げましたように、旅費法の改正で予定されております日当、宿泊料等の値上げは約三〇%でございますので、約九%ほどが残りというふうになっております。しかしこれは、四十七年度における赴任旅費の実態その他を十分考えまして、やはりこの程度の予算が必要であろうというふうに考えて積算をして計上された経費でございます。御承知のように四十七年度には沖繩が本土復帰をいたしまして、それによりまして裁判所の管轄区域が広がり、したがって、そういう関係の赴任の範囲も前年度に比べて拡大したというふうな事情もございまして、四十八年度は当然それを引き継いで、そういう関係の要素も積算の基礎にして計上してあるということでございます。
#17
○稲葉(誠)委員 三九%の増で三〇%がベースのアップだ、こういうことで単純計算して九%ぐらいが増加だというふうに言えるのかどうか、ぼくにはちょっとわからないところがありますけれども、それはそれといたしまして、書記官あるいはその他の職員の場合にどうしてああいうふうに転勤をさせるんですかね。その格が上がる――あとでその内容は聞きますけれども、裁判所関係は非常に複雑な仕組みになっておるわけですが、同じ裁判所の中にいて、それが主任書記官とか首席書記官とかいうふうになるのは、これはいろんな弊害があるからいけないというふうなことにきまって、転勤をしないと上へ上がれない、それを断わるとあとで不利な扱いというか昇給がストップをされるとか、まあいろいろなことがあるかもわかりませんが、そういうふうなことでやられるということで、職員の人はあんまり転勤が多いんで困っているんじゃないんですか。どういう方針のもとにそういうふうな転勤関係がふえてきたんですか。
#18
○矢口最高裁判所長官代理者 御承知のように裁判所が戦前と変わりまして、今日の機構を整えてまいりましたのはごく最近のことであるわけでございます。当初終戦になりまして新しい裁判所制度が発足いたしましてから職員を大量に同時に採用せざるを得ないという事態がございました。その当時、職員の年齢等も非常に若かったわけでございます。しかし、その後二十数年を経まして、これらの職員もそれぞれ成長いたしましたし、各ポストの充実ということも相当努力をいたしまして今日の成果を来たしておるわけでございます。そうなりますと、今度は現在こういう充実した職員の適正な配置ということはどうしても問題になってくるわけでございます。この配置転換と申しますのはいろいろな意味がございますけれども、その職務に対する欠員を補充するということが第一でございます。しかし、そのほかにもたとえばどの庁にもできるだけ均質な職員というものを配置する必要があるということがございます。また具体的には、本庁に勤務する職員あるいは支部、簡易裁判所に勤務する職員もおりますけれども、いずれも本庁に勤務することを希望するということがございます。また、小さいところよりも大都会に勤務することを希望するというようなことがございます。そういうことがございますと、やはり任務につきましてもある程度職員の希望をかなえてやって職員のために均等な機会を与えてやりたいということが必要になってまいります。が一方、さらに長い間一つの仕事をやっておりますとどうしても仕事に飽いてまいりますので、そのために適当な間隔で気分を一新するというような観点かち職員の仕事場を変えてやるという必要も出てくるわけでございます。そういうようなことがございまして、職員が一般的に全国的にある程度充実いたしてまいりました近時、上のほうの官職の人たちに対していままでは行なっていませんでしたような高等裁判所管内における異動でございますとかあるいは全国的な異動でございますとか、そういった異動を行なう必要が出てまいったというのが現状でございます。
#19
○稲葉(誠)委員 同じ裁判所の中で一つところに長くいたり何かしては沈滞してくるから、もちろん新しい空気を注入したり各人のいろいろな立場もあるからある程度の交流ということはしなければならないのはわかるのですが、よくわからないのは、たとえば宇都宮の場合でも宇都宮から浦和へ通っている人ができるわけでしょう。そうなると、そのときに主任になるのかどうかわかりませんけれども、今度は逆に大宮のはずれのほうにいた人が朝早く大宮に出てきて宇都宮に通ってそれで主任書記官をやっているわけですよ。どうしてそんなようなことをしなければいけないのですかね。たいへんな負担で、役所に来るだけでくたびれちゃうようなことだと思うのですけれども。
 それからもう一つは首席書記官というのですか、これがいるわけですね。これはほとんどどこの裁判所でもそうだと思うので、どこの裁判所と特定するというと何といいますか話がおかしくなるから特定するわけじゃございませんから、その点は一般論としてお聞き願いたいのですが、首席というのは東京高裁管内では東京の地裁なり高裁にいた人からほとんど来るわけですね。首席書記官というのはいつごろから、何のためにそういう制度を置くようになったのですか。
#20
○矢口最高裁判所長官代理者 ちょっといつごろからかという御質問に対しましては正確な日時を記憶しておりませんが、相当前から首席書記官制度というものを設けてきておることは事実でございます。
#21
○稲葉(誠)委員 それは東京の場合はだいぶ前からかもしれませんけれども、地方の場合はそんなに前からじゃないでしょう。近来いわゆる裁判所の空気が変わってきたからというかもわかりませんけれども、そんなに前ではないように思うのです。
 それから首席書記官というのは何をするのかよくわかりません、部下を指揮監督するのかもしれぬけれども、率直な話、見ているとというと語弊があるかもしれないけれども、あまり必要ないんじゃないかと思うのですね。実際に法廷へ出るわけでもないでしょう。特別の場合は出るかもわかりませんが、ほとんど法廷へは出ない。記録を見て判この落ちているのをさがしている、その程度のものが多いのではないかな。それから民事の場合は、特別な調停、破産事件、あるいは農事調停とかそういうところにいま出る程度で、ほとんど何もしてないというとことばが悪いけれども、あまり仕事がない。あるのかもわからないけれども、部下を統率して部下の勤務評定をする必要があるのかもわからないけれども、あまりない。しかも違ったところから来るから、その中では孤立しているのが多いのじゃないですか。何のためにそういうふうな制度を設けたのですかね。
#22
○矢口最高裁判所長官代理者 先ほどお尋ねがございましたが、首席書記官の制度はこれは全国的に設けたものでございまして、二十九年ごろに全国的に首席書記官が置かれたのではなかったろうかというふうに記憶いたしております。大きいところでは民事首席、刑事首席というふうに分けております。当初は必ずしもそういうふうに分化していなかったところもあったようでございます。現在は民事、刑事あるいは家庭裁判所でございますと家事、少年というふうに分かれておるわけでございます。
 で、職務の内容でございますが、一般的な執務を指導監督するということが首席書記官の大きな職務の内容でございますが、中ぐらいの裁判所以下になりますと、やはりこれは具体的な事件にも立ち会って、いわゆる主任書記官が行なう仕事と同じような仕事もいたしておるということもあるわけでございます。
 こういうのを設けました趣旨は、実はこの書記官の仕事というのは、いままで御承知のように必ずしも書記官そのものにつきまして全国的な配置をしていませんでした関係上、各庁においてそれぞれ特異な扱い、ばらばらである面が非常に多かったわけでございます。しかしこのように裁判の制度が完備してまいりまして、たとえば書記官のやり方でございますとかいろいろな問題につきましても、全国的に均一であるという必要が出てまいるわけでございます。そういたしますと、一つの庁でそのままずっと主任になり、首席になるということになりますと、他庁との比較も実際上できなくなりまして、極端な言い方をいたしますと我流と申しますか、そういったものがどうしても入ってきやすくなるということもございます。また具体的な人の問題としては、その庁に適当な指導監督能力を持った人を得にくいという場合もございます。一方の庁ではそういう人が相当数おるというようなことがございますので、やはり適材適所に配置するという必要と、それからいま申しました全国的に他庁の経験というものを生かして均一化した書記官事務の取り扱いというものを確立していきたい。そういった機能からこの首席書記官制度が設けられ、またその首席書記官につきまして全国的な広範な配置と異動ということが行なわれるようになったわけでございます。
#23
○稲葉(誠)委員 ほとんどそれは高裁管内の――管内というか、高裁のあるところの裁判所、東京でいえば東京地裁、そういうところの人が東京高裁の管内の場合には出かけていって首席書記官になる。ほとんどが単身赴任が多いのではないですか。そこまで調べてないからあれですけれども、どうもそこまでする必要があるのかどうかちょっとわかりませんがね。実際にはあまり仕事をしてないのじゃないですか。退屈ということはないけれども、部下の監督をしているのでしょうけれども。記録を見て、検印が落ちておるかどうかさがしている程度のことが多いのじゃないか、場所によるけれども、孤立しているのじゃないですか。部下との間がうまくいかなくなって疎外されちゃって、何だまた上のほうからやってきた、東京からやってきた、どうして地方の人を上にしないんだろうかということで、どういうんですか、本人自身も孤立感を味わっているのが多いのじゃないかと思います。いま言ったのは、説明としては公式的な説明ですから、それはそうかもわかりませんが……。
 主任というのがまたあるわけでしょう。これもよくわからない。主任というのと主席。主任の下にまた何かいわゆる管理職みたいなものがあるのですか。
#24
○矢口最高裁判所長官代理者 主任というのは、各部に主任がおるわけでございます。非常に大きい部でございますと必ずしも一名とは限りませんが、通常は各部に一名主任がおるということで、その下には、別にそういった意味の管理職はございません。
#25
○稲葉(誠)委員 その主任というのは、具体的には何をやるのですか。それから、管理職としての手当、号俸調整というのはどの程度つくのですか。主席と主任とどうなんですか。
#26
○矢口最高裁判所長官代理者 主任は、その部に書記官、事務官、場合によってはそれが事務雇いである場合もございますが、それから速記官等が配置されております。したがいまして、その部に配置されます事件の事務の分配でございますとか、法廷の設定でございますとか、いわゆる部の事務の指導監督と申しますか、事務分配と申しますか、そういったものをいたしておる。行政官庁で申しますと課長に当たる仕事をいたすわけでございます。そういうことでございますので、管理職手当といたしまして、一二%の管理職手当を受けておるということでございます。なお主任の場合は、大きな事件、大体合議の事件等でございますが、みずから立ち会いもいたすわけでございます。
#27
○稲葉(誠)委員 その主任も、その裁判所で書記官をやっていた人からとらないで、東京なら東京から派遣をする、こういうのが大体の傾向ですが、そういうたてまえになっているのですか。
#28
○矢口最高裁判所長官代理者 主席の場合と異なりまして、主任の場合でございますと、必ずしもよそからとるという原則でおるわけではございません。ただ、実際問題としましては、適任者がいないというようなときには、近くに適当な人を手配するということはあり得るかと思います。
#29
○稲葉(誠)委員 主任になるためにもほかの裁判所へ一たん行くということが、実際には一つの条件になっているのですか。すぐその場所ではしない、遠くの裁判所へ一たん行ってそこで主任にする。それを断わると主任になれないというわけですね。二年か三年かしばらくいて、それが終わってからまたもとの裁判所へ帰れる人は帰ってくる。そのために生活の本拠を移さなければならないということで、単身赴任でやっている場合が非常に多いのじゃないですか。主任の場合も、ほかの裁判所から来るのがほとんどではないのですか。大体の大ざっぱな割合はどの程度ですか。
#30
○矢口最高裁判所長官代理者 主任は、これは裁判所によるわけでございますので、ちょっと一がいに申し上げかねますが、まあ中ぐらいの裁判所ということになりますと、かなりの数、がよその裁判所から来るということが考えられます。しかし大きいところでございますと、大体その内部でまかなうということになるのが通常でございます。そういった一度よそに出ていってよその仕事も見てくるということは、管理職等になります上においての一つの大事なことでございますので、そういう機会をできるだけ若いうちに与えてやりたいということは、実際問題といたしまして考えております。
 ただ最近、これは書記官に限らず、裁判官も同様でございますけれども、子弟の教育といったようなこともございまして、家族を連れないで、どうせ二、三年でまた戻れるのだからというようなことで、お互いに単身赴任するといったような傾向がないわけではございません。そういった問題は、子弟の教育の重要性ということを考えますと、一がいにいけない、ぜひ家族をどんなことがあっても連れていけというふうにも言えない要素を含んでおりますので、私どもそういった配転等の問題につきましては、その辺の家族と別居するかどうかといったような問題も十分考慮に入れて、できるだけそういうことにならないような配置転換を行なっていきたいというふうに考えております。
#31
○稲葉(誠)委員 いまの管理職の話なんですが、裁判所関係で管理職というのは、裁判官の場合、書記官の場合、その他あると思うのですが、どういうふうな者が管理職になって、どの程度の手当がつくわけですか。
#32
○矢口最高裁判所長官代理者 管理職手当の支給でございますが、最高は二五%、最低は一〇%ということで管理職手当が支給されております。大体申し上げてみますと、最高裁判所の主席書記官、それから事務総局の一般職の課長等は、二五%の調整をもらっております。また高等裁判所の主席書記官、課長、主任書記官等は、一二%から二五%の間でそれぞれ管理職手当をもらっております。地方裁判所におきましても、主席、局長、あるいは主任、課長、簡裁の課長等は、二〇%から一〇%の間で管理職手当をもらっております。家裁も大体同様である、こういうような状況でございます。
#33
○稲葉(誠)委員 裁判官を除く一般職員の場合で管理職になる者が、他の行政官庁と比べて裁判所の場合は非常に多い、ことにそのパーセンテージは、ほかの官庁と比べると裁判所のほうが非常に多いということがいわれているんですね。そこいら辺の比較をこの前どこかで見たことがあるんです。その数字がちょっとオーバーで間違っておったように思って、だいぶ前ですけれども確かめたことがあるんです。いずれにしても、裁判所関係は管理職が非常に多いというようなことがいわれておるんですが、その実態とその理由ですね。特にどういうことからそういうふうに管理職をほかと比べて多くしなければならないのか。ほんとうのねらいといいますか、それはどういうところにあるわけですか。
#34
○矢口最高裁判所長官代理者 管理職手当を受けておる職員の割合というものが裁判所は比較的多いほうに属するということは、御指摘のとおりでございます。これはやはり裁判所の仕事の特殊性というものからくるというふうに御理解をいただきたいと私考えております。と申しますのは、行政官庁でございますと、これは稲葉委員も十分御承知のように、組織で仕事をいたしております。上に行くほどピラミッド型になっておりまして、権限は多く与えられるけれども、組織そのものの機構としては小さくなってきておるということでございます。ところが、裁判所は御承知のように、簡易裁判所にいたしましても、地方裁判所にいたしましても、単独で裁判をするというのが原則でございます。いわば、裁判官の一人一人が、行政官庁でいいます組織の最小区分、通常課というふうに考えられておりますけれども、そういった課に当たるようなものでございます。したがいまして、裁判官が十名おりますと、実はそこには、行政官庁的な見方をしますと課が十あるというのと同じであるわけでございます。課が十あるということになりますれば、その課にはそれぞれの管理職というものが少なくとも複数はおるのが通常でございます。裁判所の場合はむしろ一つの裁判体というものに主任書記官一人でということで、一人の管理職しか置いていないというのが実情でございます。しかし、そうといたしましても、御承知のように単独体で裁判をしておるそのものが一つの課に当たる行政組織ということに相なりますと、たとえば主任書記官ということにいたしましても、たとえば主任家庭裁判所調査官ということにいたしましても数が非常に多くなってまいるわけでございます。そういうことはやむを得ないことではなかろうかというふうに考えております。
 私どもこの主任書記官というようなのが管理職であるということは、行政官庁でいいますと、いま申し上げたようなものでもございますし、また一面、各省にございます参事官でございますとか、審議官でございますとか、そういったその仕事そのものによって、組織の長ではないけれども、仕事の中身そのものはやはり課長と同じウエートを持っておるような職、そういった職というものにも一面当たることが考えられるということで、もしこれを拡張してまいりますと、一つの部の中に主任書記官という管理職、なお参事官的なものに当たる書記官というようなことで、複数の管理職を置くということも考えられるようなものであるわけでございます。しかし現在は、そういう意味で各部には一人しか主任書記官という管理職は置いていないということでございます。これが裁判所の仕事のやり方というものからくるやむを得ざる各省との相違ということにあるわけでございまして、そういうことから管理職の数がある程度ふえざるを得ないということであるわけでございます。したがいまして、これが、そういったことのない司法行政部門、事務局部門ということになりますと、管理職の数は各省並みあるいはそれよりもむしろ少ないくらいということに相なっておるわけでございます。
 もう一つは、これはちょっとそこまで申し上げていいかどうかと思いますが、やはり管理職ということに相なりますと、ここには当然昇格、級別定数上の上位等級への格づけというような問題もございますので、これは職員のためでもあるということはあるわけでございます。しかし、これは副次的なものでございまして、むしろ裁判所の機構というものがいま申し上げたような管理職的なものの割合を多くせざるを得ない機構に相なっておるということに由来する、このように御理解いただきたいと思います。
#35
○稲葉(誠)委員 機構上そういうふうなことになるということもまあわからないわけではありませんが、意識的にそれをふやして、そして非組合員を多くつくっていくという考え方がその底流にあるのではないかというふうなことも考えられないわけではない、こう思うのですが、その点はどうなんですか。
#36
○矢口最高裁判所長官代理者 一つの組織における管理職の設定といったような問題はそういった観点からなされるべきものでもございませんし、またすることはできない筋合いのものでございます。組織が万人の納得のいくような組織になって、その組織の長あるいはその組織における官職というものを見てみまして、その官職が管理職であるか、あるいは管理職に準ずるものであるかということによって、その管理職の有無ということはきまる筋合いのものでございます。職階、職務給というものをとっておりまする現状におきましては、そういった観念を入れる余地は全くないと私ども考えております。また現実の問題といたしまして管理職をふやすことによって、いわゆる職員組合に属する人たちの数を減らせるとかどうこうするというようなことは毛頭考えていないと御理解いただきたいと思います。
#37
○稲葉(誠)委員 裁判所の一般職員の組織というか、その中でよくわからないのは書記官のほかに前は書記官補というのがありましたよね、それがいまはなくなったわけですね。これはだいぶ前だと思うのですが、その間の経緯等、書記官補で何か試験をやったのですか、内部試験ですか、書記官になった人と内部試験を受けなかったのかどうかわかりませんが、書記官にならなかった人、これは現在どういうことになっておるわけですか。
#38
○矢口最高裁判所長官代理者 書記官補の制度を廃止いたしましたのは三十九年ころであったかというふうに記憶いたしております。
 それで、御承知のように書記官補は書記官の事務を助けるということでございまして、表向きはいわば見習いということで法廷の立ち会いもできないというのが本来の姿であったわけでございます。しかし、書記官の不足等のこともございまして、いわば一時書記官補に書記官の仕事の代行をさせるということで立ち会い等もできるというような特別の暫定措置を講じてまいっておりました。しかし、裁判所の書記官も充実いたしてまいりまして、書記官補のそういった意味の手助けをかりるということも必ずしも必要がなくなったということがございましたし、また書記官補というものを設けて、また書記官補から書記官になるということについてのいろいろの職務内容における差を設けるということはいかがであろうかということも考えられましたので、三十九年に思い切って書記官補の制度を廃止いたしまして、できるだけ多くの資格のある人はそれを書記官に任用する。しかしどうしてもしようのない人は、一応事務官に移しかえる。さらに部内の特別選考あるいは特別研修というようなことをやりまして、こういう人をできるだけ書記官の資格を与えるようにして、そうして書記官の仕事をさせるということにいたしたわけでございます。
#39
○稲葉(誠)委員 それはわかったのですけれども、書記官補がいてたしか全部が書記官になったわけじゃないでしょう。そこら辺のところで残っているのはどういうふうになったのか、人数的にどういうふうになっているのか、それがわかれば伺いたいと思います。
#40
○矢口最高裁判所長官代理者 当初どの程度の切りかえをいたしたか、また残っておる書記官補がその後どのようになったかということにつきましては正確な資料を現在持ち合わせておりませんが、御承知のように書記官の本来の資格の取得の本道は、裁判所に事務官として採用されまして一定の年月を経て、これはごくわずかな期間でございますが、書記官研修所に入所いたしまして、一年または二年の修習をいたして、そうしてそこを卒業した者が書記官になるというのが本来の道でございます。しかし、いまも申し上げましたように、もと書記官補であった方とか、あるいは古くから裁判所の中で事務官の仕事をしておられた方とか、そういう方で必ずしも書記官研修所に入れないような方がございます、で、勉強は十分しておられる、こういう方に対して書記官の資格を与えることがやはり必要でございますので、部内の昇任試験というものを同時にやりまして、今日まで昇任試験というものはずっと続けて実施いたしてきております。
 そこでちょうど切りかえの前後で昇任試験を受けて採用された者の書記官になった者の数をちょっと見てみますと、三十五年では百七十三名、三十六年では五百十五名というようなことで、三十九年にも三百名近い昇任試験の合格者を出しております。こういったような人たちが結局書記官補から書記官になった、あるいは一度事務官に切りかえられたけれども、その後書記官になった人の数ということでございますので、相当数の人たちを研修所に入所せしめることなく書記官に任用しておる、このように御理解いただきたいと思います。
#41
○稲葉(誠)委員 その点は、何というのですか、書記官補から書記官になれなくて事務官のままというか、事務官になったといいますか、それはその人にとって不利な扱いになってきているわけでしょう。その点の数字を発表するのはいろいろな面で最高裁としては困るということなんですか、あるいは別に困らないということなんですか。何か発表するのをいやがるというじゃないですか。
#42
○矢口最高裁判所長官代理者 いまも申し上げましたように、相当な数の方を書記官に任用いたしてきまして、率直に申し上げますと、救える人はもうほとんど救ったというふうに考えております。しかし全国厳格に調査いたしますと、ある程度の数、残っておる者があるかと思いますが、現在でもそういったことは十分考慮いたしまして、部内の選考試験というものをやっておるわけでございます。率直に申し上げて、私ども救える方は大体救ってしまっておるというふうに考えております。
#43
○稲葉(誠)委員 事務官に残ったというか、事務官に落とされたといいますか、その人の人数というものをはっきり出すことはいろいろな面で困るというなら、ぼくはそれ以上のことは聞きませんけれども、現実には不利益な待遇を受けたことになるのじゃないですか。いままでの書記官補のときと事務官になってからというのは待遇上違うんじゃないですか。
#44
○矢口最高裁判所長官代理者 書記官補の当時、いわゆる書記官の代行をいたしております者はある程度の調整を受けておったと思います。八%であったかと記憶いたしております。しかしそれにも、ただ書記官補というだけでは特段に調整等の扱いはいたしておりませんでしたので、そういった方は特に不利益になったということではないというふうに思っております。
 それから数でございますが、これは正確な数でございませんので、もし非常に違っておりましたら、また後日訂正させていただきたいと思いますが、現在、大体の記憶では二百三十名前後が残っておるのではなかろうかというふうに考えております。決してこの数字を発表したくないとかなんとか、そういうような数字ではないわけでございます。
#45
○稲葉(誠)委員 書記官の場合は二等級まで行くわけでしょう。それから事務官は一般職として六等級で終わりじゃないですか。
#46
○矢口最高裁判所長官代理者 これは数、ポスト等によりますけれども、書記官の場合も大法廷に参りますと指定職まで参ります。それから事務官の場合もやはり指定職等に参りますので、その間の差はございません。
#47
○稲葉(誠)委員 その間の差はございませんと言ったって、一番上のほうだけ見れば差はないかもしれないけれども、あとのほうは差がうんとあるのじゃないですか。
#48
○矢口最高裁判所長官代理者 一般的なことで申しますと、事務官の場合は五等級になりにくいという問題がございます。書記官の場合は四等級になりにくいということでございます。したがいまして、そこで事務官と書記官と比較いたしますと一つ等級が違ってきておるということは一般的に言えるかと思います。しかしこれは書記官の職務の特殊性というものでございまして、私どもやむを得ないというふうに考えておるわけであります。そこで事務官の五等級の定数の増加、書記官の四等級の定数の増加ということにはここ数年非常に意を用いておる、むしろ全力をあげておる状況であるわけでございます。
#49
○稲葉(誠)委員 だから書記官の場合は五等級が圧倒的に多いですね。これは全体の七割以上が五等級かな。どういうわけで書記官の場合は五等級どまりが一番多くて四等級が非常に少なくなってくるのですか。――あとで質問が書記官と事務官との関係になってくるわけですよ。これはおそらく最高裁としては一番いやなところになってくるわけだ。あまりこまかく聞かれるとあなたのほうで困っちゃうこと、があるようにも仄聞するので、ぼくもそこのところは適当にしますけれども、書記官の場合はどうなのですか。五等級が非常に多くて、四等級が非常に少ないですね。いま人数はどの程度ですか。
#50
○矢口最高裁判所長官代理者 書記官の場合は五等級は大体四千五百ほどございます。四等級は千三百余りということでございます。御指摘のとおりでございます。ただこの書記官には事務官の経験の相当あるような人が入っておりますので、書記官の定数の五等級というのはかなりいいわけでございます。事務官はむしろ省庁並みに来ておるというふうに御理解いただきます。その事務官よりも書記官の定数のいい面は、裁判所の書記官の職務の特殊性、困難性ということを関係方面が御理解いただいてそのようないい定数を認めていただいていることによるものであるというふうに御理解いただければと思います。
#51
○稲葉(誠)委員 いまの書記官の四等級の千何名、そんなにいますか。
#52
○矢口最高裁判所長官代理者 大体千三百名ございます。もっともただいま申し上げましたのは、昭和四十八年度の級別定数の改定の折衝をいたしましてそういったものできまっておるところでございますので、厳格に申し上げますと、予算を御審議いただいて成立させていただいた暁にはこのようになるということであるわけでございます。
#53
○稲葉(誠)委員 書記官の人数が非常に欠員が多い。その欠員の逆に、今度は事務官のほうでは予算定員よりも実人員のほうが多い。それはやはり実際の姿なんですか。その書記官と事務官というものを通じて過不足がないという形にして実際運営をしているわけですか。
#54
○矢口最高裁判所長官代理者 御承知のように書記官研修所に入所いたしますと、いずれはそこを卒業しまして書記官になることが予定されておるわけでございます。そうした職員が現に入所中の人でも百五、六十人おるわけでございます。こういったのが実は事務官の身分で入っております。実質はもう書記官の卵でございます。これはいわば書記官的なものとして計算することも場合によっては可能であるわけでございます。それからまた書記官の資格を持っておりまして、実際に前に書記官をやったのだけれども事務局に参りまして課長をやっておるというような者もございます。ことに簡易裁判所の庶務課長等は庁が小そうございますので、庶務課長兼書記官ということで相当の人数が書記官立ち会いの仕事等もいたしておるわけでございます。そういったこと等がございますので、書記官と事務官の間はある程度彼此有無相通じて運営されているというように御理解いただきたいと思います。
#55
○稲葉(誠)委員 彼此有無相通じるのはいいのですけれども、有無相通じてもなおかつ相当大きな開きが現実にはあるわけですね。まあここら辺にしておきますけれども。
 そこで、事務官の場合にさっき五等までいけると言いましたね。いけるのは、これは主任事務官にならなければだめなんでしょう。主任事務官になるためには、非常にワクが少ないのじゃないのですか。
#56
○矢口最高裁判所長官代理者 事務官の五等級は、いま御指摘のとおり、主任にならないといかれないということでございます。
#57
○稲葉(誠)委員 そうすると、その五等級になる主任事務官というのは、いまどの程度いるのですか。
#58
○矢口最高裁判所長官代理者 これも四十八年度の新しい定数で申し上げさせていただきますと、大体二百六十名でございます。
#59
○稲葉(誠)委員 ほかの行政官庁では、事務官の場合に、主任とかなんとかつけなくても、五等級までいけるのだといわれているらしいのですけれども、裁判所の場合は、主任事務官という形がないと五等級までいけない、しかも主任事務官というのはワクが非常に少ないということで、ほかの官庁との間の差が相当あるというふうにもちょっと聞いているのですけれども、そこはどうでしょう。
#60
○矢口最高裁判所長官代理者 この等級というものは、人事院が標準職務表というものをつくっておりまして、その標準職務表に基づいて等級の設定が行なわれておるということでございます。この標準職務表と申しますのは、結局わかりやすく申し上げますれば、代表的な官職の仕事の内容がどういうものであるかということをきめておる、それに基づいて、それにタイアップして等級がきまっておる、結局職階職務給ということできめられておるわけでございます。したがいまして他省庁をどういうふうにお聞き及びか存じませんが、他省庁におきましても、主任でなくして五等級になっておるというものはないと私ども確信いたしております。
#61
○稲葉(誠)委員 それから本年度の予算の中で、退職手当が去年に比べて約二割以上ふえておるのですか、退職の勧奨というか、そういうのは事実上どういうふうに行なわれて、本年度はどの程度見込んでいるわけですか。
#62
○矢口最高裁判所長官代理者 退職手当の予算は、これはお手元にもあろうかと思いますが、本年度約二六%ほどの増ということで五十億五千万あまりの金額に相なっております。これはほとんどが制度改正分でございまして、御承知のように、御審議をいただいております公務員の退職手当法の改正、ある部分につきまして二〇%増という改正が行なわれるということを予定いたしまして、その分で増加しております。金額で申しますと十一億六千万円ほどでございますが、そのうちの八億あまりというものが、その制度改正による分でございます。またベースアップがございますので、ベースアップによる分として二億六千万円ほどということで、それ以外は特段に前年度と変わった予算が計上されておるというものではございません。
#63
○稲葉(誠)委員 何か内部的に基準というか、そういうふうなものはあるのですか。
#64
○矢口最高裁判所長官代理者 特に内部的の厳格な基準というようなものはございませんが、大体職員が六十を過ぎますと適当な時期に退職していただくというような一つのめどというものは考えております。
#65
○稲葉(誠)委員 廷吏と行(二)の場合は六十五歳ですか。
#66
○矢口最高裁判所長官代理者 いま六十歳というふうに申しましたのは、これはいわゆる行(二)の職員でございまして、行(二)の職員、それから廷吏の場合は、その特殊性を考えまして大体六十五歳というのを一つのめどにいたしております。
#67
○稲葉(誠)委員 行(二)の場合は昇格可能が非常に少ないのですか。どうなっているのですか。
#68
○矢口最高裁判所長官代理者 行(二)職員の場合は、裁判所におります職員の大部分と申しますのは大体庁務員、守衛等でございまして、これらの職員につきましては三等級というところが問題になるところでございます。これらの職員の三等級の定数の拡大ということに、先ほど申しました事務官の五等級、書記官の四等級ということと同様に主力を注ぎまして、四十八年度ではある程度三等級定数の増加という成果を得たのではなかろうかというふうに考えております。
#69
○稲葉(誠)委員 確かにその点は三等級が非常にふえている。これはずいぶん力を入れたということなんでしょうが、そのかわり一等級はゼロだ、二等級も非常に少なくなっている、こういうのじゃないですか。
#70
○矢口最高裁判所長官代理者 御承知のように裁判所は千百幾つというふうに、その支部それから簡易裁判所等にいたしますと組織が分かれております。したがいまして、そこに勤務しております庁務員等につきましては、どうしても規模が小そうございますので、大きな規模の中の管理的な地位にあるものというような意味で設定されます一等級、二等級という定数がとりにくいわけでございます。裁判所の組織は組織なりに、この辺のところにつきましても努力を常にいたしておるわけでございます。ただ、本年度といたしましては、むしろそういうことよりも全体を潤す意味においての三等級定数の拡大ということが主目標であったわけでございます。
#71
○稲葉(誠)委員 よく公安事件のときに見るのですが、見なれない人が裁判所の腕章をつけているわけですね。見たことないなというわけで、あなただれだと聞いたら、裁判所の者だ、こういうのです。非常にからだのがんじょうな者がいるのですが、あれは正式に何というのか、法廷警備員というのか、資格は何なのですか。それでどの程度人数はいるのですか。
#72
○矢口最高裁判所長官代理者 法廷警備員というふうに呼んでおります。裁判所の事務官でございます。職務が法廷警備で、定員が二百名で、現在二百名近い現在員をかかえております。
#73
○稲葉(誠)委員 これは普通の事務官なんですか。ふだん何をやっているのですか。聞くところによると、柔道の練習ばかりやっているというふうに聞いているのですけれども、何をやっているのですか。柔道が必須科目なんですか。
#74
○矢口最高裁判所長官代理者 二百名近い警備員を大体高裁所在地の裁判所に配置いたしまして、その管内の警備等がございますときにそちらに応援させるというふうにいたしております。したがって柔道ばかりやっておるというものではございません。
#75
○稲葉(誠)委員 柔道ばかりやっているわけでもないでしょうけれども、柔道が主要な科目になっていることは間違いないですか。
#76
○矢口最高裁判所長官代理者 主要な科目と申しますよりも、余暇と申しますか、そういったことでやっておるということでございまして、柔道ができなければ警備員に採用しないといったような性質のものではないことは当然のことでございます。
#77
○稲葉(誠)委員 ずいぶん体格のいい人が多いですね。が、ちりとした人がいて何か威圧感を覚えるようなのが多いのじゃないか。どういう前歴の人か知りませんが、そこまでこまかく聞かないけれども、おもに警察官をやっていた人が多いんですか。それをどこからどういうふうにしてとるんですか。
#78
○矢口最高裁判所長官代理者 必ずしもそういうわけではないわけでございまして、現在四十五年度の増員分で採用しましたのを見てみましても、約四分の一が裁判所の職員、それから会社員の前歴のある人がまた四分の一、その他が四分の一というぐらいで、残りの中で自衛隊出身者、消防出身者それから警察官出身者というのが全体を見ましても二十数名程度でございます。
#79
○稲葉(誠)委員 いま法廷警備員というのは、刑事裁判、ことに公安事件なんかの場合に多いんですが、その刑事裁判のことで、これは刑事局長に答弁求めることになるかと思いますが、よく会同が行なわれる。民事でも行なわれますが、会同の趣旨というのはどういうところにあるわけですか。どんなことでやっているんですか。
#80
○牧最高裁判所長官代理者 裁判官につきまして、法令の解釈、運用等について、討議し、研究する目的で開いているのが大部分だと思います。
#81
○稲葉(誠)委員 そこに法務省の役人が来ていろいろ説明したり何かするというのはどういうことなのですか。それが一つと、時間の関係で、問題をまとめてあれしますが、それから、高裁長官や地裁所長やそういう人もそれに列席するようですね。答えはおそらく弁護士が列席した例もあるといわれるかもしれませんけれども、だいぶ前に二、三回弁護士がどういう関係でか列席したことがあるという程度で、司法行政をやる高裁の長官や所長がなぜそこに列席をするのか、それから法務省の役人がどうして列席するのかということをお聞きしたいわけです。
#82
○牧最高裁判所長官代理者 最初のころは新しく制定されました刑事訴訟法の運用というようなことで両当事者にも関係がございますので、検察官側あるいは弁護士会側ということで会同に御参列いただいたことはございますけれども、その後はほとんどそういうことはございません。ただ、会同の内容によりましては、新しい法令の解釈、運用ということの問題が出てまいりますと、立案当局の一応の御意見も参考として討議の素材にするという意味で、立案当局の法務省から係官においでいただいて法案の立案過程等について御説明いただいたということはあろうかと思います。
#83
○稲葉(誠)委員 最高裁が会同をやるときに立案当局ということ、それは法務省が立案当局ではなくて、国会を通った法案なら国会が立法機関ですから、そこで審議が十分尽くされている――あまり尽くされていないかもしれませんが、この法案なんかでもさっぱり審議が尽くされていないけれども、それはそれとして、どうも法務省を呼ぶということ、最高検からも何か出たことがあるというんですか。そんなこともあるんですか。
#84
○牧最高裁判所長官代理者 立案過程の説明ということで、法務省の刑事局等が大体の中心だったと思います。最高検から出られたことはいままでございません。
#85
○稲葉(誠)委員 何か最高検から出たこともあるということを言う人もいますけれども、それはないということになれば、そういうふうにお聞きしておきますけれども、そこで、会同というものの性質ですね。そこでいままでは最高裁の長官なのか裁判官なのか訓示していたわけですね、最初は。ところが訓示をやめてあいさつになったんですか。それはどういう経過なのですか。それからまた最高裁判所の裁判官が、集まってきた裁判官に訓示ができる立場にあるんですか。司法行政上の問題だからできるのか、ちょっとわからないのですが。
#86
○牧最高裁判所長官代理者 裁判官の会同につきましては、主催者としての最高裁判所の代表的な資格で長官がごあいさつされて、会同開催の趣旨を述べられるということでございまして、訓示ということは裁判官の会同では行なわれておりません。司法行政の会同でございますと、司法行政については最高裁判所が監督権を有するということで訓示ということもあろうかと存じます。裁判官の会同ではそのような趣旨の訓示はございませんで、先ほど申し上げましたような会同開催の趣旨、あるいはそれに関連しての所感というような程度のことをごあいさついただいているだけでございます。
#87
○稲葉(誠)委員 いまの刑事局長の答弁がぼくは正しいと思うのだが、何か書いたものを見ると、とにかく最初は最高裁の裁判官の訓示という形になっていたけれども、途中からだんだん訓示ではまずいのであいさつになったというふうに読み取れるように言っている人もあるというのです。ぼくも変だなと思って聞いたわけです。ところがそこに列席している裁判官は、それを単なるあいさつとは聞かない人が私の経験ではだいぶおるわけですね。最高裁からこう言われた。だからこれを守らなくちゃいけない、こういうふうにストレートにとってしまう非常にすなおな純粋な裁判官もおられるわけですね。たとえば刑法の二百十一条の改正、これはぼくが参議院のときに、中垣さんが大臣のときですか、だいぶ難航して三回目に通った、そうですね。――これは懲役五年以下にしたのかな、何か法定刑を引き上げて、そのときに酔っぱらい、無免許、ひき逃げ、こういうようなものは厳罰にしなければいけないというふうなことが、何か最高裁の会同のときにあいさつがあった、こういうふうに言うのです。私はそういうふうに聞いていない。たしか横田正俊さんだったかなにか、刑法の二百十一条の改正があったけれども、事件の処理にあたっては寛厳よろしきを得なければいけないという意味のことを横田さんが言われたように記憶しているのです。これは記憶ですから間違いかもわかりません。ところがいまの酔っぱらい、無免許、ひき逃げ、交通三悪、これは厳罰にしろと最高裁から言われたというので、その三つがあるので、もうストレートに受けて執行猶予にしない方もいらっしゃるわけですね。それは裁判独立のことに言及するつもりはございません。誤解を招くといけませんけれども、話してみると、最高裁からそう聞いていると言う。そんなことを最高裁が個々の裁判の内容に関して言うわけはないと思うけれども、最高裁から会同のときにそういう話があったとかなかったとか言われる方もある、受け取り方によっては。これ以上の話はしないけれども、裁判の独立の問題に立ち入ってはいけませんけれども、どうもすなおな人は、それを最高裁から訓示というか、言われたようにとっていらっしゃる方もなきにしもあらずのようにとれるのです。そこでいまの刑事裁判の会同の中で、法案の説明その他を周知させるときに、こういう事件にはこういうふうに処理しなくてはいけないというふうな話、そこまでの話が出るのですか。出るとするとぼくはちょっとおかしいと思うのですけれども、法案の説明に付随してある程度のことは――やはりそこまで入ってしまうのですか、どうなんでしょうか。
#88
○牧最高裁判所長官代理者 法案の解釈というようなことにつきましては、一つの研究会というふうにお考えいただいたほうがよろしいかと存じます。したがいまして、そこでもちろん指示というようなことがあるわけではございませんで、通常書物等を参考にすると同じような各種の意見をただ参考にして自分の判断のときの資料にするというのにとどまろうかと存じます。したがいまして、そういうところで最高裁判所がこう言ってこういうふうにしろというようなことはあり得べくもないし、また、先ほど申し上げました長官のごあいさつというようなものも、そのような趣旨に受け取るということもあり得ないわけでございまして、裁判官の意識としては、それぞれ裁判の独立ということが身にしみておるわけでございますから、そういうように受け取るということはないだろうと存じます。
 それから、一つつけ加えますが、先ほど交通の問題でちょっと御質問がありましたけれども、それはいわゆる二百十一条について懲役刑が法定刑として加わったときのことだろうと存じます。そのときは私、直接担当しておりませんので詳細は存じませんけれども、いわゆる酔っぱらい、ひき逃げ、無免許、そういうような三悪が世の中で非常にきびしい批判にさらされるというような時代がございました。そういうようなことに対しまして、そういうことの犯罪だというだけで処罰するというようなことはやはり適当でない、そういうことは寛厳よろしきを得べきであるということが出たということでございまして、きびしく処罰すべきだというような趣旨の討議ではなかったように伺っております。
#89
○稲葉(誠)委員 いまのは会同の話なんですが、会同じゃなくて、協議会というのが、刑事裁判にというか、あるいは司法行政に関してか、あるらしいですね。そこで、協議会というものと会同との違いが一つ。それから、協議会というものがどういう目的で行なわれているかということですね。それから三つ目は、これは秘密会でやる場合が相当あるということを聞くのですが、この点。四つ目は、いつか、二、三年前かにやったときに、最高裁のほうから協議会の出席者をピックアップして会同をやったことがあるというふうに伝えられているわけですが、そこら辺のところをお聞かせいただきたいわけです。
#90
○牧最高裁判所長官代理者 会同も協議会も、裁判官の法令解釈についての研究、討論の場ということでは同じでございます。ただ、会同にもいろいろの種類がございます。たとえば新しい法令ができましたときの周知徹底であるとか、あるいは法改正をいたしますときの現場の裁判官の意見を吸い上げるというようなことも一つございます。そういうようなことになりますと、これは大体各裁判所の代表ということで、各庁から一名ずつお集まりいただくということになろうかと存じます。そういうのを大体会同と称しております。それとは違いまして、特定の、たとえば渉外事件というようなものがあってそれについての研究、討論をするというようなことになりますと、すべての庁に渉外事件がございませんで、ある特定の庁に、たとえば横浜であるとか広島であるとか、そういうところに渉外事件がかかっておるということでありますと、その庁の方にだけ集まっていただくということで、全国の庁からお集まりいただくのではない、限られた数の協議員に出ていただく場合がある、そういうのを称して協議会というふうに、便宜上分けて使っておるわけでございます。したがいまして、内容といたしましては会同と同様にお考えいただければよろしいかと存じます。
 それから、会同に出席する人の人選でございますけれども、これはその会同のテーマによることだろうと存じます。通常の立法についての意見を聞くというようなことでございますれば、その庁の代表でどなたがおいでになってもけっこうかと存じますけれども、たとえば渉外事件というようなことでやるといたしますと、それの討論については、それに類する事件の御経験のある方に出ていただかなければ、実際上討論が実を結ばないということもあろうかと存じます。そういうような場合には、担当された方ということで人選する場合もございます。それから、裁判手続の運営というようなことで、相当裁判実務の経験の深い方にお集まりいただきたいというような場合には、たとえば裁判長クラスの方であるとか判事の方であるとかいうようなことで、その中から人選していただくということもございます。したがいまして、会同のテーマあるいは協議会のテーマによって、それぞれそれに適当な人を人選していただきたいということでおきめいただくことが多かろうかと思います。
#91
○稲葉(誠)委員 昭和四十六年二月に司法行政協議会が開かれた。そのときはどういう目的で開かれたのかということが一つ。その場合、最高裁側で、この庁ではこの人というふうに、何か指名をして集めた、しかもその庁の中では、それをほかの人に全然しゃべらないで、わからないようにやったんだというふうなことを言う人もあるのですけれども、それはどうなんでしょうか。
#92
○牧最高裁判所長官代理者 司法行政協議会のときは、内容によりまして、ある程度、各裁判所の中堅クラスの人にお集まりいただきたいという趣旨でございましたので、その趣旨をお伝えして各高裁に人選を依頼したというふうに聞いております。
#93
○稲葉(誠)委員 これはだいぶ前のことかもわかりませんけれども、協議会の中で、一般的な司法行政の問題、たとえば法廷秩序の問題とか、一般的な問題を話し合うというのはそれでいいと思うのですが、具体的なことについて最高裁から指示があったというか、あるいは内容として出てきたこと、たとえば裁判を迅速にしなければいかぬとか公平にしなければいかぬとか、そういうことは一般論ですからそのとおりでいいと思うのです。これは別にどうということはないので、それについていろいろ意見が出てくるとか協議をするということは自由だろうと思うのです。そうじゃなくて、たとえば刑事で人定質問がありますね、その前には訴訟関係人の発言を許さないこととか、公訴取り消しの要求その他訴訟進行に関する陳述は起訴状朗読前にはこれを許さないこととか、刑事訴訟法第二百九十四条の活用については時期を失しないよう考慮することなど、こういうふうな具体的な訴訟の進行に関連しての話がその協議会の中で出てきているということを言う人もあるわけですね。その議事録というのは「刑事裁判資料第六十四号」に載っているということを言う人もあるのです。だから、会同なり協議会の中で、一般論はいいと思うんだけれども、いま言ったような個々の裁判の訴訟指揮に関連することまで話し合って、そこで一つの意見をまとめるということになってくると、これはもう相当問題がそこに出てくるのではないかというふうに考えるのですが、そういうふうなことが「刑事裁判資料第六十四号」に載っているのですか、あるいはそのときそういうふうな話が出たのですか。
#94
○牧最高裁判所長官代理者 いまお尋ねの「六十四号」というのはあると思いますが、私、直接いまここに持ち合わせておりませんのでわかりません。一般的な議論と具体的な議論の境界でございますけれども、だれそれの被告にかかる何々事件ということになると具体的でございましょうが、たとえば労働事件とか公安事件とかあるいは渉外事件とかいう形で議論されるということであれば、それもまた一般的な議論ではなかろうかと存じます。そういう意味で訴訟指揮の一般ということで議論することは、会同の場合でも協議会の場合でもあり得ようかと存じます。そして、それについて各会同員なり協議員の参加者が意見を述べ、それが討議され、全体として大体そういう意見のほうが多かったというような結論が出たような場合もあろうかと存じます。
#95
○稲葉(誠)委員 何が一般か、何が各論かということになってくると、それは見方によって違うし、それから、率直に言って流動的でもあるから一がいに言えないと思うのですけれども、どうもそこで訴訟指揮の内容というのですか、人定質問の前には訴訟関係人の発言を許さないこととか、いろいろなことが出てきているとこの資料の中でいわれているのですがね。ちょっとこれはおかしいと思うのですが、それはそれとして、そうすると会同なら会同、協議会なら協議会できまったこと、きまったことというのも内容がなかなかむずかしいと思うのですけれども、結論として出たこと、全員一致で出たのか多数決で出たのか、いろいろな出方もあると思うのですけれども、会同あるいは協議会の結論、これは各裁判官に対して、どうなんですか、拘束力があるのですか。それはどうなんですか。どの程度のものなんですか。
#96
○牧最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げました会同の目的がただ裁判官の研究討議ということでございますので、そこでたとえば結論が出るにしても、その結論が拘束するというようなことはもちろんあり得るはずはございません。ただ、いろいろな問題について研究討論いたしますので、それをただ会同の場だけでおしまいにするということはもったいないということで、会同の結果をあるいは議事録にしたりいたしまして、各庁に配付して裁判官の御参考に供するというようなことは当然いたしておりますけれども、そこでこういうふうにきまった、こういうとおりにやれというような指示は裁判についてあり得べきはずはないわけであります。
#97
○稲葉(誠)委員 これで終わりですけれども、いまの会同の場合、ほとんど出ていますね。市販されているわけじゃないけれども、会同の議事録というものは出ていると思うのですよ。協議会の場合は出ない場合もあるんじゃないか、こう思うのですけれども、これが一つ。
 それから、これは刑事局長だけにあれするわけじゃないのですけれども、会同がある、協議会があるということで、それがとにかくきまってから日にちがあまりない場合があるわけですね。だから、会同があるというのでよく裁判が職権変更になるのですが、職権変更になってこっちは助かる場合もあるのですけれども、だいぶ職権変更になるのです。だからもう少し前に、間を置いて会同があるということをきめるようにしたほうがいいのじゃないか、こう思うのです。
 もう一つ。いま何か書類を配るという話がありましたね。その配るという話の中で、これはだれに答えてもらったらいいのかわからぬのですが、いまでもやっているのですか。「全貌」という変な雑誌がありますね。変というと語弊があるけれども、「全貌」という雑誌がある。これをときどき買って最高裁では各裁判所に配っているの。この前、赤い裁判官じゃないけれども、青法協裁判官のリストが「全貌」に載ったことがある。そのときそれを全部最高裁で買って各裁判所に配ったんじゃないの。それ以上は聞かぬけれども、ただ事務局のほうじゃ、最高裁から配ったと言われると困るから、事務局長のポケットマネーで買ったことにしておいてくれということで、事務局長は自分のポケットマネーで買ったと言ってがんばっていましたけれども、ある人に聞いたらこれは最高裁から来たと言っていましたから、いまでもこんなことをやっているのですか。あるいはやっていないのかな。
#98
○田宮最高裁判所長官代理者 現在、そういうことはやっておりません。
 それから会同の日時の通知でございますけれども、一年間の会同計画というものを立てまして、あらかじめ何月ごろにはこういう会同があるというようなことについては、年度の初めに各庁に通知してございまして、具体的な日時等については、先ほど先生御指摘のように、各裁判官の事務処理上支障を来たさない程度で間隔を置きまして通知申し上げております。
#99
○稲葉(誠)委員 これできょうの質問を終わるわけですが、まだ質問はだいぶありますから、この次にやらしていただきたい、こう思うのですが、終わります。
#100
○中垣委員長 次回は、明日十四日水曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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