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1972/06/06 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 法務委員会 第30号
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1972/06/06 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 法務委員会 第30号

#1
第071回国会 法務委員会 第30号
昭和四十八年六月六日(水曜日)
    午前十時十七分開議
 出席委員
   委員長 中垣 國男君
   理事 大竹 太郎君 理事 小島 徹三君
   理事 福永 健司君 理事 古屋  亨君
   理事 稲葉 誠一君 理事 青柳 盛雄君
      井出一太郎君    植木庚子郎君
      千葉 三郎君    松澤 雄藏君
      三池  信君    保岡 興治君
      正森 成二君    山田 太郎君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 田中伊三次君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 香川 保一君
        法務省刑事局長 安原 美穂君
        公安調査庁長官 川井 英良君
 委員外の出席者
        警察庁警備局参
        事官      中島 二郎君
        文部省初等中等
        教育局審議官  諸澤 正道君
        法務委員会調査
        室長      松本 卓矣君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 法務行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中垣委員長 これより会議を開きます。
 法務行政に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますのでこれを許します。正森成二君。
#3
○正森委員 きょうは私は破防法の問題について質疑を行ないますが、その前に、六月三日付の朝日新聞朝刊に、尊属殺重罰規定の削除、法改正案流産の危機、自民猛烈な反対、法務省も説得に苦しむ、宙に浮く違憲判決、こういう大きな見出しで報道されております。
 御承知のように、尊属殺については、先日、最高裁判所から、違憲であるという判決が出まして、社会党から、関係する五つの条文について削除を求めるという刑法一部改正案が出ております。本日はその審議をするつもりではございません。国政調査の一環として伺うわけですが、私ども共産党・革新共同も、もちろん社会党の案に賛成でございます。ところが、法務省が法制審議会の答申を得て、二百条のほか関連の尊属重罰規定をすべて削除しようとするということで閣議決定までされておる、国会提出を待つばかりだったところが、自民党側がストップをかけた、こういう記事の内容なんですね。しかもそれを見ると、「刑法出でて孝行ほろぶ」との道徳論が延々と続く。私は他党の内部問題に干渉する気はございませんが、法務部会に文教関係の方まで出てこられて延々と道徳論をおぶちになる。法務省側は「道徳を法律で強制するのは間違いだ」とか「尊属殺人の実例をみれば、むしろ被害者の親が非難されるべき場合が多い」とか、「親殺しだけが重くて親の子殺しの刑が軽いのは不釣合い、などの理由をあげて、」いろいろと説得したけれどもこれはらちがあかなかった。中でも気の毒なのはそこにおられる安原刑事局長で、「今は親が親たらざれど子は子たれの時代ではない」、君君たらずとも臣もって臣たらざるべからずというような時代ではないというような意味のことを言えば、かわいそうに「親不孝の張本人」、こうやられたということが書いてあるわけですね。
 そこで伺いたい。私は他党の内部問題に干渉する気はございませんので、その点は御配慮の上御答弁願いたいと思います。
 いやしくも最高裁の違憲判決があり、そして違憲判決には御承知のように八対六対一ということで、判決の内容にニュアンスはございますけれども、法務省がすでに法制審議会の答申も得て、重罰規定関係は全部削除しようと閣議決定もしたというのにこういうかっこうでストップがかけられておるというようなことはいかがなものか。特に最高裁の判決を尊重するという立法府の立場から見ても、会期が六十五日も延長しているのにこのままずるずるとほうっておくということは許されないと思いますが、法務大臣として政治的な所信を伺いたい。
#4
○田中(伊)国務大臣 最高裁から四月四日にただいまお話しのような違憲判決が出ました。出ましたことは最高裁裁判事務処理規則、これは最高裁の規定でございますが、最高裁の規定に基づきまして両院の議長さん、内閣総理大臣に対してこの旨が通告されております。そうなっております以上は、法務省の立場といたしましては、そのままこれを見過ごすわけにはむろんまいりません。まず方針といたしましていろいろ検討いたしました。改正のやり方いろいろございます。どうすることがよかろう。まず第一に最高裁の出す意見に従って刑法二百条の下限を上げる――下限を上げるということばはこれは間違いで、上限を下げるということが妥当でございましょうが、三年なら三年、五年なら五年ということに下限を上げまして、そして二百条を改正するのもこの違憲判決に沿う一つの方法であろう。
 それからもう一つの方法は、そうでなしに本来裁判所の違憲判決というものに照らして二百条は思い切って削るべきではなかろうか。この二百条を削るということになりますと、二百条に関連をする条項もまた同時に削ることが必要である。どんなものかと申しますと、御承知のように尊属傷害致死罪、それからもう一つは遺棄罪といういやな条文がございます。それからよく世の中にありがちな尊属に対する逮捕監禁の罪などというものが、いずれも文字を見てもぞっとするような内容のものがございます。こういうものは削る必要がある。これは二百条を削るという方針をとればこれは削らなければならぬ。これは理の当然でございます。それで改正しておくべきか、あるいは削るべきか、二途いずれを採用すべきかということについて私自身も非常に慎重に検討をしてみたのでございます。両様に妥当性の意味がある。そこで、しかしながら結論として申しますと、二百条を削り関連条項を削るということが一番適当であろうとの結論に達しましたが、法務省には権威者のおそろいになっておる法制審議会というものが私の諮問機関にございますので、諮問機関にかけてみろということでかけさせてみましたところ、いろいろこれも論議がございました。いろいろ論議はございましたが、結論を申しますとほとんど満場一致の姿で法務省の考えはよろしい、それは削除の方針をとりなさいということの御意見をいただきましたので、二百条本文並びに関連法条削除の方針でこれを国会に提出すべく検討をしておるわけでございます。
 国会に出す検討をいたしますと同時に、実は当初きめられました会期末にちょうどそのとき当たっておりました。会期末までになるべくこれを出したい、こう考えたのでございますが、土曜、日曜がひっかかるものですから、翌週ということでなくて今週の間に一足先に閣議で決めておいてもらいたい。閣議はそういうきめ方が昔からございます。与党の了承が得られるということを前提にしまして、得られたならば提出してよろしい、こういう意味の条件のつきました閣議決定でございます。閣議で先に決定しておるじゃないか、決定してから何まごついているのかというおしかりは当たらない。党の了承が得られれば、つまり準備が整うならば出してよろしいということの閣議の了承を受けております。それは事実でございますが、条件つきでございます。そこで、その条件となっております準備が万端整えば出すわけで、準備のどこが整わぬのかということは、これは党の内部関係であり私の法務省のほうの内部関係で、法務省が決意をして出すに至りますまでの苦心、そういう内部の関係はここでお答え申し上げる自由はない、またそれをお尋ねにならぬほうがよかろう。こういうことでこれをやっていくわけでございますが、その趣旨はあなたの仰せになることのような趣旨だけで混乱をしておるわけではない、それだけではないのでございます。最高裁判所のほうもわけのわからぬことは仰せになっておらぬので、親子の関係を無視する、そんなことは裁判所はいうておりません。むしろ裁判所は逆のことをおっしゃっておるので、親子の関係と純風美俗を尊重して、それを破って親に不孝な結果におとしいれた者があるならばそれを重罰にすることは当然のことであるというおことばが最高裁の判決の中にも出ておるわけでございます。それは当然のことである。親を殺した場合においてこれを重罰にするということについては認められておる。ただ一つ最高裁判所が苦労なさったところであると思いますが、世の中の親子関係のこの種の事件を見てみると、普通殺以上に同情すべき事項が意外に多い。これも私も後に調べてみて意外に思うのでございますが、普通人を殺したよりもっと加害者に同情をしたいと思う、そういう実体の事件が多い。普通人を殺したよりもっと軽く処罰をしてやりたいと思うことが多い。そういう事例が多いのにかかわらず、何ごとか、二百条を読んでみれば死刑、無期以外は出ていない。一体こういう規定は憲法にいう平等の原則という原則の大理想に照らしても無理ではなかろうか。これがその違憲判決をいただいております根拠でございます。そういう根拠でございますので、いま自由民主党云々ということがありましたが、自由民主党も決してそんなことばかりいうておるのではございませんので、なかなかこれはむずかしい。そうでしょう。親子の純風美俗をめぐりまして非常にむずかしい問題でございますので、何といいますか、ごく一部の条文ではございますけれども、いやしくも刑法改正というものでございますから、法務省としては万全を尽くした、手落ちのない、理を尽くした審査を経まして、そして諸般の準備を整えて国会提出をする努力をしようということで、目下努力中でございまして、見込みがない、宙に浮いているなんてことはございません。これは準備が整いましたら、少し時期はおくれてまいりまして申しわけはございませんが、おわびとともに急ぎ国会に提出することを運びたい、目下その準備中で、その寸前にある、こういうふうに御了解をいただきたい。
#5
○正森委員 いま、閣議決定とはいうものの条件つきでございます――その昔、民法で習った停止条件つきというのを思い出しましたけれども、いま閣議というものもそういう停止条件つきがあるなんということは、これはいまお聞きしてわかった次第ですけれども、しかしいまのお話、伺っておって、私どもも親子の愛情を否定するというのは社会党さんもおっしゃらない、共産党も言わない。私だって親もあれば子もある。しかしそれを法律で重罰を科することによって守ろうとするのがいいかどうか、ここに道徳と法律との区別というのがあるので、たとえば姦淫罪を削除する場合でも、だれだって姦淫がいいとは思っておらないけれども、それを男子の側だけを有利にああいうことを強制するのはどうかということで削除になったのですね。ですから、自由民主党の内部問題に私どもはどうこうしようと思いませんけれども、決して最高裁にしろあるいは野党にしろ、これで親子なんというのは赤の他人だ、大いにチャンチャンバラバラ殺し合え、そんなばかなことはいってないのですから。ですから、すみやかに処置をされるのが当然ではなかろうかというように私ども思うのです。
 そして特に申し上げたいのは、むずかしい方もおられる、それはきら星のごとく学者がおりますから、その法制審議会でほとんど満場一致通ったということになりますと、刑法の改正案としてだけでなしに、今度の一部改正としてもほとんど満場一致だったということになりますと、いよいよもって私は政府・与党の態度は一貫しないと思うのです。たとえばこの間の小選挙区制などは、第七次選挙制度審議会が、これははっきり答申ではない、報告にすぎないというておるのに、これは尊重しなければならないというようなことで、半分にちょん切ってでも出そうというようなことを、総理大臣みずから陣頭指揮でやろうとなさった。幸い、自民党の中のいろいろの御意見、野党の私どもの反対で、そういう暴挙は行なわれなかったけれども、一方では、そういうようなことをやりながら、こちらでは、むずかしい学者もおられる法制審議会も通り、最高裁判所が違憲判決を出したというものについて、今国会の中で当然処理すべきであるにもかかわらずそれができないというようなことは、はなはだ首尾一貫しない。これは決して審議会一般を尊重するなどということではなしに、党利党略のために、自分の有利なものは大いにやるが、自分が少し気に入らないものは平気で握りつぶし無視する、あるいはそれをおくらすという考えだといわれても、いたし方のないことではないか、こう思うのです。
 そこで、あとであらためて大臣にもう一度伺いますが、安原刑事局長、私は何も自民党の方がこう言った、ああ言ったという証言をあなたに求めようとは思わない。そうすれば、これは安原局長が自民党の内部問題を漏らしたとかいう小型増原事件が起こっては困るからそういうことは言わないが、あなたが法務省でどういう点を説明なさったかということは言えるはずだ、法務省の行政問題で。
 そこで、あなたがどういう点を説明なさったのか。親が親たらざれど子は子たれの時代ではないと説明した安原刑事局長などは親不孝の張本人呼ばわりされた、こうなっているから。これはしかし朝日新聞の記事だから、何も私がその場におって見たわけではないけれども、あなたはどういう立場で、どう説明なさったのか、それについては答える自由があるはずです。一応お答えください。
#6
○安原政府委員 どういう説明をしたかということは結局、法務省はどういう考えでこういう政府原案をつくったかということに相なるわけでありまするが、私ども、先ほど大臣が申されましたし、正森先生もおっしゃるように、親に対する尊重、報恩の観念というものが尊重されなければならないし、またこの点はお考えが違うようでございますが、私どもは、それは一般の場合には刑法上特別の保護に値することも間違いがない。したがって、法律に加重規定が置かれるかどうかは別といたしましても、一般の場合において量刑上親に対する尊重、報恩の念を、刑法上の特別の保護に値するものとして通常の場合より重く罰すること自体が憲法違反とは考えておらない。しかしながら、私どもが強調いたしましたのは、最高裁の違憲判決が出ましたが、それはあくまでも最高裁が憲法違反かどうかということをいったのであって、あの判決を受けてどういう立法をこれから将来に向かってすることが妥当かということは、行政府ないしは立法府が立法政策として考えるべきだ。そこで、今日の事態において、尊属殺人についてどういう刑罰をもって臨むことが立法政策として正しいかというあり方を検討したいということで、そのときにやはり何よりも尊属殺人の実態というものを客観的に見る必要がある。そうすると、今度の判決にもありますが、要するに上は死刑に値するようなまことに人倫の道に反するものから、今度の判決にありましたように、普通の殺人罪の刑の三年よりもまだ軽い二年とか二年六月とかいわれるような情状のものもある。つまり親殺しという事件は非常に千差万別である。しかもわれわれの統計あるいは実態の調査によれば、殺される親に責められるべき場合、つまり犯人である子に、罪は罪としても同情すべき場合というのが半数以上占めておる、そういう実態。つまり千差万別。上は死刑に値するものから、今度の判決のように二年、二年六月に値するものというようなのがあって、特に同情すべき場合が多いという尊属殺人の実態にかんがみるならば、普通殺人の刑罰で十分まかない得る実態であるということを何よりも前提にいたしまして、つまり尊属殺人の実態にかんがみるならば、立法政策としては普通殺人の刑である死刑と下は三年という刑で十分であろうということを主たる理由として強調した次第でございます。
#7
○正森委員 それなら非常に御苦労さんで、親不孝の張本人などといわれることはごうもないというように思って、安原局長に非常に同情する次第ですけれども、いまおっしゃったように実態の点を考えると、あの判決でもいっておりますように、一々ここでよく御存じの先生に講釈はいたしませんけれども、ある事件などは、十五歳の自分の娘を無理やりに強姦しておる。以後十数年にわたってそれを強要しておる。しかもそれは加害者である父の妻ですね、つまり強姦された人から見ると母親、それがおるんですね。それで、かばって逃がしてやったら、また連れ戻すということを続けておる。これは普通の人間なら強姦、そして処女であれば強姦致傷ということになるわけですね。しかもあの犯行の動機といえば、そういう人で、五人まで子供ができておる、二人死にましたが。そういう人を妻としてもいいという結婚の相手ができた。やれやれうれしやと思えば、それをまたおやじが酒を飲んで家へ監禁する。そしていろいろ無理難題を言うたあげく、酒を飲んでまた姦淫しようとする。それに対してやむなくこれを殺害するに至ったという事案であって、もう親子でなければ逆に殺されたほうが罰せられる、あるいはその加害者がやむなく殺害したとして、正当防衛もしくは緊急避難という理由がもう十分に通り得る事案だ。そんなものを死刑か無期という条文だけで処罰しようなんというようなことに刑法がなっておるから問題が起こる。また逆に考えれば、この間の新聞に載っておった、皆さん御承知でしょうが、赤ちゃん大きく出ておりましたが、かわいらしい赤ちゃんを自動車がぶうぶう通る道路のまん中へ捨てて、ひき殺されたらいいと思ったかしらぬが、おやじが横から見ておった。それを五メートル寸前でとまって助けたというのが新聞に出ておりました、大臣も御承知だと思いますけれども。一方では子供は自分のものだと思って、まるで自分の髪の毛でも切るように道路へほったらかす。そういうおやじに対しては特別の処罰規定はなしに、普通殺人もしくは殺人未遂だ。そんな親でも、赤ちゃんだから黙っておる。もし少しでももの心のついておる者なら、かなわぬまでもそんなおやじに対して抵抗するのはあたりまえの話です。それを今度抵抗すれば死刑または無期、そんなばかな法律をいままで残しておったことが恥ずかしい。それに対して自民党の中からいろんな異議が出るということについて、やはり大臣としては政治家として、行政府を預かる者として説得していただく。そして法案を提出するか、あるいはそれがむずかしければ社会党案に賛成して、満場一致で法務委員会で可決し本会議で可決する、そういう方法だってあるんです。そういうことをやはりやっていただきたいというように思いますね。きょうは法案審議でないから、あまり詳しく言いませんが……。
 純風美俗ということばが出ましたけれども、それについて、純風美俗にもいろいろある。戦前にいわれた純風美俗というのは大いに反省する必要があるということだけを一言申し上げて、大臣の御参考に供したい。
 これは御承知だと思いますが、川島武宜東大教授、いまはもうおやめになっておりますが、その方が書かれた「日本社會の家族的構成」という名著があります。その中に第九十議会衆議院本会議の速記録が載っておる。昭和二十一年六月二十七日に行なわれたものです。ここで保守党の議員がこういうおもしろい演説をしております。「戸主權ヲ中心トスル家族主義ヲ此ノ〔憲法の〕草案ハ根柢的ニ破壊致シマシテ、夫婦中心ノ個人主義ニ改正スル……結局此ノ改正ニ依リマシテ戸主權竝ニ親權ガ根柢的ニ動揺致スト思ヒマスルガ、如何デゴザイマスルカ……随テ道義ノ根本タル父母ニ對スル孝道ハ愈々衰ヘテ行ク……國家ガ戸主權竝ニ親權ヲ抹消シテ如何ニシテ家庭教育ヲ盛ンニスルコトガ出來マスカ、國家ガ戸主權竝ニ親權ヲ認メルコトニ依リマシテ、家族随テ父母ヲ尊敬スベキ理由ヲ知リ其ノ權利ヲ中心ト致シマシテ、父母ニ對スル孝道、兄弟ノ友情、夫婦相愛ノ道ガ立チ、一家相齊フコトニ依ツテ天下ノ泰平ヲ致シテ來タコトハ〔「修身齊家治國平天下」〕實ニ我ガ日本ノ傳統的特長デアリマス……」これが純風美俗というものなんですね。ところがその次が問題なんです。「草案ヲ讀ンデ見マスルト、従來ノ親族法、相續法ハ個人ノ権利ニ立脚シテ改正セラレマスルカラ、餘程注意ヲナサラナイト、子供ハ親ノ意ニ反シテ妻ヲ迎ヘ、住居ヲ憂ヘ、親ノ意ニ反シテ財産ヲ使フ、親ノ意ニ反シテ善良ナル妻ヲ離縁スル、斯ウ云フコトガ、憲法草案ノ認ムル所デアルト私ハ考ヘテ居リマス、是デ家庭教育ガ出來ルデアリマセウカ、御婦人代議士如何デゴザイマス、」とこう聞いておる。
 この代議士の考え方からすれば、逆にいえば子供は親の意に反する場合には妻を迎えることができない。憲法二十四条の「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、」なんて考えは全くありません。つまり親が同意しなければ結婚してはならない。親が同意しなければ住居を変えてはならない。親が同意しなければ財産を使ってはいけない。財産を使うから旅行にも行ってはいけない。親がいい女房だといえば、自分がどんなに気に入らなくても離縁することはできない。逆にいえば、親が離縁しろと言ったら離縁することになってくる。これが純風美俗だというのです。
 これがアナクロニズムだということで憲法は変えられ、民法は変えられた。しかし一部刑法は変えられなかった。こういうことになっておるのですね。したがって純風美俗にもいろいろあるということをお考えになって善処していただきたいというように思います。これは私の意見ですけれども、一言大臣の御意見を承りたいと思います。
#8
○田中(伊)国務大臣 純風美俗ということばは、時代、思想の変遷とともにその中身は変遷をするもの、こう考えるのでありまして、私がちらっと純風美俗ということばを使ったのを、現代における、現今における純風美俗とことばが同じだから、昔のものを思い出されて言われたのだと思いますが、(正森委員「大臣を責めたんじゃないのです」と呼ぶ)それはもう徹底した頭を持っておる男でございます。そういうふうに御理解をいただきたい。ただいま仰せになりましたことはたいへんよくわかります。
#9
○正森委員 それでは、きょうは刑法の法案審議ではございませんので、破防法関係に移らせていただきたいと思います。
#10
○田中(伊)国務大臣 じゃ、もうよろしゅうございますな。
#11
○正森委員 お時間がございますれば、統督なさる公安調査庁のこともお伺いしたいと思いましたが、お時間ございませんければどうぞ。
 たびたびお越し願って、公安調査庁長官御苦労さまでございます。きょうは石川で起こりました件について、おたくの局員がなさったことについて若干伺いたいと思います。なお時間があれば、この前の質問のときに少し聞き漏らした点もありますので、そういう点の追加もさせていただきたい。
 これはおたくの石川地方公安調査局の荒井宏晃氏にかかることでございます。私どもの手元に入りました調査書番号一五六六という資料によりますと、こういうことになっております。この文書を読ましていただきます。
         調査書
  本職は、金沢市内小学校の日共系教員名について下記のとおり調査した。
    昭和四十五年十二月二十二日
   石川地方公安調査局
           公安調査官 荒井宏晃
  本職は昭和四十五年十二月十四日午後二時頃金沢市長町所在の金沢市教育委員会学校教育課に赴き同課管理主事奥清と面接した。
  その際同主事は本職に対し「私の方で把握している金沢市内の日共党員又はその同調者とみられる小学校教員の名前を申し上げます。その根拠は現場の校長や現場の風評を頼りに日頃の言動を注意してみた結果確かな証拠はありませんが、ほぼ間違いないだろうという線でリストアップしたものです。」と言って同人所有の手帳をみながら次の通り述べた。
「記」と書いてあって約四十名の名前があがっております。
 本件につきましては、昨年の三月に本院の予算委員会におきまして社会党の中谷委員が御質問をなさったこともございます。私はその後、金沢市内等におもむいてさらに調査をいたしてまいりました。
 そこでこの点について伺いたいと思いますが、まず最初に、この調査書が石川地方公安調査局の公文書であるということはお認めになりますか。
#12
○川井政府委員 認めます。
#13
○正森委員 そうすると、あなたのほうの荒井という公安調査官はここに記載されているようなことを事実やったかどうか、それについてお答えを願います。
#14
○川井政府委員 ただいま御指摘になりましたようにすでに昨年の春、国会で一回論議された問題でございますが、その後私のほうでその関係につきまして調査した結果について、ごく概要を申し上げることにしたいと思います。
 この荒井調査官が当時奥主事から話を聞いたときの状況でございますが、これはかねて荒井調査官が調査の結果持っておった資料に基づいて、その若干の確認といいますか、その関係資料を得たいということで、かねて面識のありました奥主事に面会を求めましたところ、快く会っていただきましたので、用件を切り出して協力をお願いいたしましたところ、まあ経歴などのことでしたらというようなことで若干の説明を受けたということでございます。で、その用件が終わりましてから、それに関連いたしましてしばらく二人の間に雑談が行なわれたそうでありますが、その際に奥主事から現場に流れている個人的な情報であるがというようなことで、教師についてのうわさ話を耳にしているのでというような前置きでいろいろの御説明を承った、こういうことでございまして、その内容は公安調査官といたしましてはたいへん関心のある話でありましたので、その概要をメモにして持って帰って、そしてただいま御指摘になりました調査書に取りまとめて上司に提出をした、こういうふうな状況でございます。
 それから、その伺いました情報に基づいて、それを端緒としてその後局において調査を進めておりますけれども、その半数くらいが全然党に関係のない人であるというふうなことが判明したということも、その後報告に相なっております。
 概要は、その後の調査結果によれば、そのようなことでございます。
#15
○正森委員 なかなかお調べになってぼろが出ないようにお答えになっておるようですけれども、私どもが調べましたところと関連させながら伺いたいと思いますが、これを見ますと、あなたがいま御説明になったようには受け取れない。あなたの御説明では、かねて調査したことに基づいて若干経歴等を聞いたらおっしゃっていただいた。そのあと雑談として言っている間にいろいろ話が出てきたので、それを帰ってきてメモにして整理をした。こういうように大要言われましたね。ところがこの調査書によりますと、そうじゃないんで、ここにあがっている約四十名の人員は全部同人所有の手帳を見ながら述べた。しかもそれは自分がリストアップしたものだ、こういうことで荒井調査官がかねて知っておったかどうかにかかわりなく奥清主事から情報として、しかも手帳にリストアップしているものを得たんだ、こういうことになっておるのですね。そうすると、もしいまあなたがここで説明をなさったことが真実であるとすれば、この調査書の記載は非常に不完全なものである。あるいは誤解を招くものである。もっとはっきりいえば、うそがまじっておるというように聞かざるを得ないのです。それはそう伺ってよろしいか。
#16
○川井政府委員 積極的なうそがあるというふうには私も思いませんけれども、この前も毎々申し上げておりますように、調査官がこういう仕事に従事いたしまして、そうしてある協力的な立場の人からいろいろお話を聞いてきて、その中から自分の当面の職務に関係のあるものを端緒ないしは立証の材料として取りまとめるというのが調査書の性格でございますので、そういうような意味合いにおきまして、おそらくそこに書いてあります状況は、私どものほうといたしましては、荒井調査官の書いておるその状況はたぶん間違いのないものであろう、こういうふうに思っておりますが、こまかいいろいろな点につきましては、一々両者を合わせて確認をしていきませんと必ずしも確定できない場面もあるんじゃなかろうかというふうに思っております。
#17
○正森委員 長官、そういう答弁は前後撞着しますよ。ここに書いてあるのは長々と書いてあるのじゃない。奥清と面接したということと、その際同主事が本職に対して「同人所有の手帳をみながら次の通り述べた。」ということなんですね。だからここに書いてあることは全部奥主事が同人所有の手帳を見ながら答えた、こうなっておる。ところが長官が私の質問に対してその後の調査に基づいてとお答えになっておることは、これとは全然違って、むしろ経歴書なんかを教えてもらったのは何かを見たかもしれないけれども、その用事が済んだあとでたまたま雑談しておるときに関心のあることが出てきたので、いままでの自分の調査もまじえて、そしてこういう報告書をつくったということになれば、これは全部奥清からの情報である、しかも手帳を見ながらの間違いないものだという情報である、こういうことになっているから、これは横におられる安原刑事局長をわずらわすまでもなく、これはきわめて不正確なものである。あるいは半分、あるいは大部分うそであるというように言わなければならないと思うんですね。長官として部下のやったことをうそであるということは言いにくいかもしれないけれども、ことばは選んでいただいてもよろしいけれども、もう少しはっきり答えていただきたい。
#18
○川井政府委員 わかりました。どういうふうなきっかけ、事情でこういう話が出てきたかということに重点を置いて先ほどお答えいたしましたので、そういうふうな御質問になったと思います。そこに書いてあります奥主事がおそらく手帳を見ながら、雑談とはいいながら、手帳を見ながらお話をしてそれを聞いてきたであろうということは私も大体間違いないだろうと思います。と思いますのは、そこに書いてありますように、四十名にわたって名前もあがっておりますので、これはなかなか宙でそういうようなことをいろいろ雑談とはいえ話が出るということは一応考えられませんので、私、その部分は、調査官の書いてあることは間違いないだろう、こういうふうに思っています。きっかけはその雑談のさなかに出たことだというふうなことを申し上げたわけであります。
#19
○正森委員 それでは文部省に伺いますが、いま公安調査庁長官からそういう話がありましたが、あなたのほうはあなたのほうで調査をされ、――私どもの調査では、文初地、文部省初中局地方課という意味かな、第一六六号、昭和四十七年三月十七日付で「教職員の思想調査について」という通知を出しておられますね。これをお出しになるについてはその前後に調査をなさっていると思いますが、あなたのほうの調査ではどうなっておりますか。
#20
○諸澤説明員 文部省では、その通知を出します一週間前の三月十日に金沢市の教育委員会からこのことに関しまして石川県の教育委員会に公文書の報告がございました。その報告をいただいたわけでございますが、それによりますと、荒井調査官が二回ほど役所のほうへ見えたということは事実だけれども、日時等は記憶がない、そのときお尋ねに応じて四、五人の教員の年齢、住所、職歴を答えたことはあります。以上以外のことについては何も話しておりません。したがって、荒井調査官の報告書の記載事項は事実に反する、こういうような報告を受けておりますので、事実そうであったろうというふうに文部省は了承しております。
#21
○正森委員 公安調査庁長官、いま文部省がお答えになりました。あなたのお答えと著しく相違いたします。そこで私は、その両者の主張、あなたがきょうおっしゃったようなことは前の予算委員会でははっきり出ておりませんが、食い違いがあるということはわかっておりましたので、私は現地におもむいて奥清主事にじきじきに会ってまいりました。そのときの録音テープもございます。そこで彼の言うところを聞きますと、文部省の言うところに非常に近い。私に言うておりますのは、四名だったと思う、それについていままでに一度教育委員会が現在の場所に移転する前の建物があったそうですが、そこで会って、そのときに名刺をもらったことがある、顔なじみだったので、やってきて経歴等について話があったので、向こうから四名の名前が出た、そこで、それについてお答えをしただけであって、しかもそれは何人に対してもこの程度のことは答えられるということであったのでお答えした、それ以外のことは絶対に言うておりません、こういう答えなんですね。しかし、私どものほうは、まさか荒井さんがうそをおつきになるというようなことはなかろうというので、なお、警察のことばでいえば裏をとるといいますか、調べましたところが、手帳を見たと言っておるが、あなたは手帳を見たのか、いやそうではございませんということです。ここに私教員関係の、石川県で使っておる実物を教育長のお許しを得てもらってまいりましたけれども、学校名、それから本籍、現住所、職歴、勤務年数、現在おる学校での年数、それから家族、趣味、特技、研究というようなことを書いた一覧表があるのですね。これは全部備えつけてある。そこで、それのつづりというのはだいぶ大きなものですね、それを見てお答えをいたしましたということであって、だれが日共党員であるとか、同調者であるとか――日共党員というのは彼が言ったから私は言っているので、日本共産党でありますが、そういうことは申したことがない、こう言っております。
 そして、私は念のために地方議員にも会ってまいりました。そして、その問題になった記載をされているこのつづりですね、それを全部見てまいりましたが、この中に一点怪しまれる点として、所属団体役職名という項があるのです。万が一ここに何か記載されていないかというのを見ましたら、大部分は空欄でありまして、幾つかの点について、教職員組合の支部の役員をしておるというようなことが載っている程度で、この関係者だけでなしにほとんど疑わしいのは全部見ましたが、ほかのチェックというものはなかった。鉛筆でチェックがありましたが、それは関係者ではなかったということがわかっております。
 そうなりますと、これは公安調査庁のおっしゃることは誤りではないかと思わざるを得ないのですね。その点について長官はどう思われますか。
 ただ、四十名ほど載っているから、こんなものは宙で覚えられないからノートを見て言ったに違いない、こうおっしゃるけれども、しかし逆に言えば、あなたも最初の答弁で、従来からの調査結果、そういうものに基づいていろいろ聞いたりしたということを言うておられるわけですから、荒井さんがすでに自分自身がリストアップしていたというのについて、そのうち四名くらいを経歴だけについて聞いた、あとは御自分の研究結果に基づいて、ずいぶんりっぱな研究ですけれども、それで報告をしたという可能性もあるのですね。したがって、四十名ほどあるから奥清主事の手帳に基づいて雑談して聞いたのに違いないというのは、これははなはだ類推が過ぎるというふうに思います。これが私人の言明ではなくて、一方では教育をつかさどる文部省と教育委員会の答えであり、そして一方が同じ官庁である破防法を扱う公安調査庁であるから、食い違いがあろうはずはない、どちらか一方がうそであるということで私は聞いているのです。もう一度お答え願いたい。
#22
○川井政府委員 この点は私も非常に心を悩ましまして、同じ国家機関であってどうしてこういうふうに事実関係の見方が違うんだろうかということで、私の代になりましてまだわずかでありますけれども、かなりいろいろな人を調査させたり、またその間の事情を詳しく調査させましたけれども、私どもの調査の結果と私の心証といたしましては、冒頭にお答え申しましたように、この荒井調査官の調査書の記載が全く虚構のものであるというふうには考えられないわけでございまして、一つは調査官たくさんおりますのでいろいろの者がおりますし、そしてまたいろいろの場面でいろいろのことを聞いてまいりますので、調査書にいろいろな内容が記載されることは私もほぼ想像がつきますけれども、本件の場合につきましては、会うのは確かにこちらから数名の者を持っていって、経歴その他について教えてもらったんだけれども、あとの後段の面についても、雑談ではあったけれどもいろいろなことをお話があったので、調査官としては非常に関心が深いことであったからそれを持って帰って、そして調査の端緒にしてなにしたんだというようなことは、私はこれはある意味では自然なことではないかと思いますし、それから荒井調査官はつとめておりまして、その間のずっと従来の業績なりそれからほかの調査書なんかにつきましても、いろいろ調査させましたけれども、たいへん誠実な調査官でありまして、全く虚構のこと、たとえば他から聞いたこととか自分で調べ上げたことを奥主事から聞いたごとくに書いてそして上司に報告する、こういうふうな性格のものとはとても認められませんので、文部省のお答えとは全く対立するのでありますけれども、私のほうの調査の結果といたしましては、冒頭に申し上げたようなものが真実であろう、こういうふうに思っておるわけでございます。
#23
○正森委員 長官として部下をおかばいになるというのは、無理からぬ点があると思いますけれども、しかし長官自身がその後の調査で約半数は共産党と関係がないということをお認めになりましたように、私自身も調べてまいりましたけれども、はなはだ残念なことに私どもは何百万という党員を持ちたいと思っておりますけれども、まだそこまで行っておらない。ここでも四十名の名前が上がっておりますから、金沢はなかなかがんばっているな、こう思いましたら、あにはからんやぎっちょんちょん、これは共産党じゃなしに社会党員だとか社会党の同調者だとか、中には共産党に刃向かい、これをおとしいれ、勢力を減少させるトロツキストの親分まで入っておるというようなことで、これはとんでもない報告だというように思ったわけです。だから奥主事ともあろう者が、もし思想調査をほんとうにやり、現場の風潮や風評をたよりに言うたのであれば、幾ら何でも共産党にまっこうから対決しているその地域のトロツキストの親分だとか、そんな者まで共産党員であるといって報告するはずはなかろうという気もするんですね。現に私は、現地に行って新聞の切り抜きを持ってまいりましたけれども、北国新聞というのがあります。それの昭和四十七年三月九日付にこの問題が取り上げられておりますけれども、「リストアップされた二人の教諭 根の深い悪質行為だ 公安当局のやり方に危機感」、こういう見出しで記事が載っておる。それを見てみますと、一人は金沢市の諸江小学校の、これは新聞に出ておりますから名前も申します。松田正三氏の話として、「私のこれまでの教組活動」――これ分会長ですね、――「からそうみられてもしかたがないが、」つまり分会活動はやっておったというんですね。「第三者の完全な誤解だ。共産党とははっきり一線を画しており、党員ではないしグループにも入っていない。公安当局のやりかたには危機感を覚える。私自身は公安当局、共産党のどちらの影響も受けず、主体性ある組合運動を進め、父兄にも勇気を持ってアピールしていきたいと思っている。」、こう言うているんですね。それからもう一人は、金沢市内の小学校教諭で、女性でAさんということになっておりますけれども、今度の事件は、これは文部省に歩が悪い意見ですけれども、奥主事の代になって起こったことでなく、これまでずっと市教委が公安に協力して情報を流すのが不文律となっていたのではないかという意味のことを言うておられるのですね。ともかく私どもにとっていいことかどうかわかりませんが、確度が非常に低いという報告であります。そういうことになりますと、あなた方は破防法で共産党を調べるんだ、破壊活動の容疑団体だなんということをおっしゃる。それについての根本的な問題は、また日を改めて大臣御出席の上ゆっくりと伺いますけれども、あなた方のお書きになったもの、公安警備警察のものなどを読むと、イモ掘りと称して、共産党を調べ上げるにはイモを掘るようなもので、いきなりイモを掘るわけにはいかない。まわりの土をごっそりと掘って、やっとイモが出てくる。だから共産党を調べようと思えば、イモ掘りと一諸で土をうんと掘らなければいけないというのがあなた方のちゃんと言うておられることだ。したがって、そういうことで共産党だけでなしに、まわりのものを広く網を打って、そしてそれをふるい分けていくということをやっておるから、こういうことが起こってくるんではないかというように私どもとしては思うんですね。そこであえてもう一度伺いますけれども、文部省は調べたけれども、雑談の中でもそういうことは言ったことはない、手帳などを見て言ったことはないといったことは言い切れるかどうか、もう一度伺います。なおその際、文部省は、だれが報告したのか、それから公安調査庁長官は、私の心証として調査の結果そう思われますというが、あなた方は今度はだれを調査したのか、それについて相互にお答えください。
#24
○諸澤説明員 文部省はこの報告を、県の教育委員会の担当課長が役所へ見えて、所管課長に報告をいたしました。それで、いま申しましたように、このとおりであろうというふうに考えておるわけでありますし、現時点においても変わりはございません。
#25
○川井政府委員 昨年三月、予算委員会で質問が出ましてから、この問題については触れておりませんが、その後、今日荒井調査官は退職しておりますが、若干期間在勤しておりましたので、その期間に荒井調査官についてさらに詳しいその当時の状況を調べておりまするし、それから当時その上司でありました課長ないしは局長というようなものにも、荒井調査官の行状など、あるいは日ごろの性格なりあるいはその当時この件についていろいろ報告を受けた当時の状況とか、あるいはその後さらに御指摘の四十名について手分けをして調査をいたしまして、半数ぐらいは関係のないものだということがわかったという、調査の端緒にした風評等あるいはそういうようなものを調べて調査をしたというふうなものについて調査をした結果でございます。
#26
○正森委員 それでは、私は言いたくなかったけれども、公安調査庁に指摘しなければならない。これはこの間私が伺いまして、「村本宏之に係る窃盗被告事件」、これを調べに行ったところが、けしからぬことに、金沢検察庁は、メモはとってもいいが、コピーをしちゃいけないというようなことを言ったんで、安原さんに言ってもらって、ここに関係部分のリコピーがあります。したがってきょうは正確に申し上げることができるわけですけれども、それを見ると、あなたは上におられて長官で、部下はちゃんとやっている、こういうように思っておるかもしれないけれども、実際はなかなかそうではない。たとえばここには裁判に出ている上申書という記録がある。そこの第十四項を見ると、島崎という調査官が「城田課長や諸さん」というのは諸田という調査官です。「赤旗や資料を見て調査書を書くさかいなあ。ページ数ふやそうとして諸さんなんか協力者も入っておらん会議をさっと書いてしまうと感心するやらあきれるやらしておりました。」こう裁判官に言っております。あるいはその上申書の二を見ますと、「私が城田らから非人間的で不当な差別、いじめを受けたのは次の理由によるものと見ております。1 私が大学卒であったこと 2 私が実力主義の考え方で仕事をし、工作をしていたこと、城田等はゴマスリ主義で工作などは他の機関のをもらったり、ひどいときには架空の協力者をつくったりしたこと 3 城田らは私に目立ってもらっては評判に差しつかえ、人事面に困ったこと 4 私が盆暮れにつけ届けしなかったこと 5 城田は出世主義でいばりたく、だれかをいじめていなくては気が済まないタイプだったこと 6 私がおとなしく誠実過ぎたこと 7 城田の考え方、やり方が許容される役所の体質」とこう書いてある。これは裁判所に提出した書面です。これで見ると明らかに石川においては、全国はどうか知りませんけれども、協力者が入っておらぬ会議を、赤旗や資料を見てさっさと書いてしまう、架空の協力者をつくる。しかも城田の考え方、やり方が許容される役所の体質である、こう言っておる。こういうことを内部の者がちゃんと神聖な裁判所で言うておるのですから、そうなると、私は何も文部省をほめあげるわけではないけれども、あとで文部省にももっと姿勢をたださなければいかぬといって聞くつもりですが、少なくも心証としては荒井というのは村本と対立関係にあって、同じ課でお互いが競い合った、それがあの事件を起こした一つの原因です。そういう男だとすれば、現に裁判所でこう言っておるのですから、協力者が入っていない会議のことを、見てきたようなうそを書きというけれども、見てきたような調査書を書き、こう言っておるのですから、あなた方が何とおっしゃっても、この荒井氏の奥主事との面接の結果の報告書というのはずいぶん水増しがあるのではないか、そう疑わざるを得ない。それについて再思三省してもう少し調べてみるというようなことをなさる気持ちはありませんか。
#27
○川井政府委員 確かに仰せのとおりたくさんの調査官が調査をしておりまして、それを調査書に取りまとめるわけでございますが、調査書というのをつくったいきさつ、動機を私は入りましてからよく調べてみたのでありますが、これは口頭でこういう調査をしてまいりました、その結果こういうふうなことであるので、報償費を出してほしいということになっておったそうでありますが、それでは大切なお金の使い方に誤りがあっては困るということで、調査の結果を原則として必ず調査書に取りまとめて、そして入手した資料、情報、それから獲得したいわゆる協力者というふうなものの実存を確かめて、そして間違いないことを期した上で調査官に必要な実費報償費を交付する、こういうふうな手続の適正を期するために、それが主たる目的で調査書という制度が設けられた、こういうことでございます。趣旨はこういうことでございますので、私は一般論といたしましては上司が十分監督をし、調査書を十分に検討いたしまして、そして内容の間違いないことを確認した上で業務を遂行しているもの、こう確信しているわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたとおり、何ぶんにも大ぜいでやっている仕事でありますので、何十万かの調査書をその記載がすべて一字一句間違いない、こういうことをここで申し上げるだけの資料もまた持っていないわけでございます。
 ただ、本件につきましては昨年の三月以来一年以上経過しておりまして、そして今国会でも質問が出るということが私も予想されましたので、十分に検討して、頭で考えられるいろいろな調査をいたしました結果、この記載はただいま申し上げましたような、初めからそれをとるつもりで行ったのじゃないけれども、そういうふうなお話を聞いて、これは関心が深いということで調査の端緒になるということで持って帰ってきたということは、やはり今日の心証といたしましてもほぼ間違いないんじゃないだろうかという心証に変わりはないわけでございます。
#28
○正森委員 それでは、やむなく申し上げますけれども、荒井調査官はいつ退官されましたか。いまはもう公安調査庁におられないわけですか。彼の住所等はわかっておりますか。
#29
○川井政府委員 正確なことは私存じておりませんが、昨年の八月ごろ退職したことになっております。
#30
○正森委員 私どもは奥清主事に上司の教育長立ち会いのもとに会いましたけれども、四十七年の北国新聞三月の十三日あるいは十一日というのに載っておりますけれども、あくまで四名ほどにしか会っておらない。それも教員調査書、いま私が言いましたこういうのに基づいて、何びとにでも言える出身校――出身校は言わなかったと言いましたけれども、経歴、そういうことを申し上げただけで、ある政党に入っておるかどうかというようなことは全く言っておらない。また、それ以上の人数についても言っておらない。こういうことを言い、そして当時の新聞に載っておりますけれども、食い違いますので県会や市議会で双方対決させよ、こういうことが載っておるのですね。それについては金沢市の教育委員会の態度は、対決させることは市教委は管理主事に罪がないことがわかった以上、対決は本人の自由意思の問題だ、こう言っているのですね。つまり、自由意思で対決するというならしてもらってよろしい、こう言っております。そこで私が奥主事に、あなたは法務委員会に出てきて証言し、場合によれば公安調査庁と対決する気持ちがあるか、こう聞いたら、それはございます、私は申し上げたいけれどもCIAが人を殺すというようなことを聞いておりましたけれども、公安調査庁はどういう役所か知りませんけれども、つくづくこわい役所だと思いました、私は国会へ出てまいります、こう言っておる。それを私は録音テープで持っておる。そこで、かくも思想、信条の自由が関係することについて国家機関内部の間で意見が食い違っているというような問題について、事は非常に重大です。文部省が通知まで出しておるということについてでありますから、うやむやにすることはできない。一体言ったのか、それとも言わないものを自分の手柄にしたいために、裁判の文書でもあるように架空の協力者あるいはその他のものに基づいて報告書をでっち上げたのかということ自体がきわめて重大な問題、そしてその事実を明らかにした上で、このようなことが一体破防法の観点からどうなのかという次の問題に入ります。
 したがって、中垣委員長、私はお願いしたいと思います。当の教育委員会が本人の自由意思で対決させてもよろしいと言っており、本人は私に、法務委員会にお呼びがあれば参りますと言っております。これは私が調査した結果です。したがって、この問題について理事会を開いていただいて、対決させることができるように、この法務委員会に今国会の会期中に計らいをしていただきたい。私はその上で十分な質問をやりたい、こう思います。
#31
○中垣委員長 ただいまの正森委員の御要望に対しましては、次の理事会で相談することにいたします。
#32
○正森委員 いまそういうお話がございましたから、私は中垣委員長がいつでも――いつでもと言ったら失礼かもしれませんが、公正になさっていただいていますので、お計らい願えると思いますけれども、文部省、この地方新聞にも載っておるし、本人の自由意思次第である、こう言っているのだから、本人は上司の前で私は参りますと言っているのだから、本人がそういうように言う場合に、文部省のほうがとめるということはよもやないでしょうね。――答えないと速記に載らない。
#33
○諸澤説明員 本人の身分は石川県の教育委員会に所属するわけでございますから、私のほうがかれこれ言う筋ではないと思います。
#34
○正森委員 そんなことはわかっておる。文部省はこういう問題について通知まで出したんだから、地方教育行政の組織及び運営に関する法律でも文部省は一定の権限を持っておるんだから、そういう権限でこれを阻止するというようなことはしないだろうなと聞いているのです。
#35
○諸澤説明員 いたしません。
#36
○正森委員 公安調査庁はどうですか。
#37
○川井政府委員 すでに退職して私の所管の中にありませんので、本人の意思にまかせることになろうと思います。
#38
○正森委員 それでは、本人の住所についてあなた方のわかることを私に報告しますか。私どもが、本人の自由意思で出てくるかどうかを聞きます。あなた方には、いままでどこにつとめておったか、退職していまどこにおるぐらいのことはわかるでしょう。それについてフェアに私に報告されますか。
#39
○川井政府委員 いまどこに住んでおるか、私は知っておりませんが、おそらく調べればわかることではないかと思います。
#40
○正森委員 それは、わかればお知らせしますという含みでおっしゃったのですか。
#41
○川井政府委員 所在がわかればお知らせしたいと思います。
#42
○正森委員 いま微妙に、耳打ちした結果、所在がわかればなんて、また停止条件つきみたいなことをおっしゃったけれども、わかるのでしょう。いまわかるという意味のことを長官が言って、耳打ちしたら、所在がわかればというように、あとで何とでも言い抜けできるようなことを言ったけれども、そんなものはわかるのはきまっているじゃないか。(小島委員「そんなことはない」と呼ぶ)いや、わかりますよ。住民票だってあるでしょうし、公安調査庁は調べるのが名人じゃないか。私は、いろいろなことをあなた方がやっていることを知っている。人の党の地方幹部の奥さんがかけ落ちしたかどうかということまでちゃんと調べているのだから……。(小島委員「重要犯人がたくさん逃げているからわからぬよ」と呼ぶ)委員長、こういう不規則発言はとめてください。公安調査庁が重要犯人とは一体何ですか。警察に対して言うならともかく、公安調査庁は重要犯人とか犯人でないとかということを調べる役所じゃないじゃないですか。(小島委員「公安調査庁に言っているのじゃない。警察でもそういうのはわからぬぞと言っているだけですよ」と呼ぶ)いや、いまは公安調査庁に聞いているのだから……。わからぬことがあるから聞いているので、そういうことを不規則発言として言うのはやめてください。
#43
○中垣委員長 私語はやめてください。
#44
○正森委員 私は小島委員に対して、委員会外でも礼儀を尽くして言うているのだから、それをそういうふうに不規則発言をするようなことはやめなさい。ふだんのつき合いはつき合い、神聖な委員会の質問は質問です。
 そういうことで、いま横からいろいろ助言を受けたけれども、わかると思うからもう少しすなおに――意思がなければ、そんなことはわからない。自分の疑いを解くためにも、あるいは国権の最高機関である国会において国家機関同士で食い違うているということをなくすためにも、それはしたほうがいい。痛くもない腹を探られるということでなければできるはずだ。そこで、調べて報告するということをお答え願いたい。文部省ははっきりといいと言っているんだから。
#45
○川井政府委員 私いままだ未熟ですので、ここに来ておるベテランの係官に、その退職した人というのはわかっているのかということをちょっと確かめたわけであります。わかればここで即答してもいいと実は私は思っていたのです。そうしたら、やめた人というのは前に多勢の協力者を持ってかかわり合いがあるのでそう簡単にわからない。だから、わかればお知らせするというふうに私が答えたのは、そういうふうなやりとりがあってお答えしたわけでございまして、いまのことを二人で相談して何とかごまかそう、こういうような趣旨は毛頭ありません。わかればお答えいたします。
#46
○正森委員 それじゃけっこうです。共産党のことを調べるときだけ一生懸命にならずに、自分の役所の非違を正すあるいは非違であるかどうかを調べるという場合にも努力をするというようにしていただきたい。そうでなければ破防法の二条、三条の姿勢を正すというのが泣くというものです。少なくとも川井長官は、名古屋の高検の検事長までなさった方が政府の懇望にこたえて長官になられた以上は、それだけのことはしていただかなければ困るということを申し上げておきたいと思います。
 この問題については一応おきますが、しかし文部省は、教職員の思想調査についてという通知を出しておられます。そこで文部省に伺いたいのですが、公安調査庁というのはどういう役所であるかということぐらいは文部省の役人ともあれば知っておるはずであります。したがってそういう人がのこのこ入ってきて聞いた場合に、ここで現に論争になっておるのは、はたして職歴ぐらいを答えたのか、それとも日本共産党の党員もしくは同調者であるということまで答えたのか。そしてそれは四十名にもわたる者を手帳に基づきリストアップしたものかどうかということについていま国会で問題になっておる。しかも公安調査庁長官はそれが誤りであったとはいまだ認めておらない。こうなると、文部省はよほど姿勢を正さなければこういうことについて疑われる。あるいは事実だったかもしれません。李下に冠を正さずということばもあるけれども、公安調査庁とそういう接触をする――学術会議と接触するならいいけれども、公安調査庁と気やすく接触するということは今後一切しない、そういう通達を出すべきではないか。この思想調査についてというのは非常にあいまいもことしておる。そこで、公安調査庁などと関係のあるべきはずはないから、破防法二十九条では警察と公安調査庁だけは情報を交換することになっておるんだから、そういう通達を出すべきではありませんか。出す意思がありますか。
#47
○諸澤説明員 この通知の趣旨は、いまお話がありましたように、いやしくも教育委員会という行政機関がそういう意味の思想調査をするというようなことは本来あり得べきことではないから厳に留意するように、こういうことでございます。
 しかしいま先生おっしゃいましたように、およそ公安調査庁の職員とは一切接触するなというようなことになりますと、これはまた問題は別かと思うのでございます。公安調査庁も法律によって認められました政府の機関でございますから、いまおっしゃったような問題を起こさない限度で接触するということはあり得てもしかるべきことだ、かように考えます。
#48
○正森委員 いま、非常に公安調査庁に同情的と受け取れる意見を言われたけれども、それではあなたは、公安調査庁に文部省あるいは教育委員会が接触していい、接触するのは国家機関として当然であるとしてどういうケースを考えておるのか。
#49
○諸澤説明員 ただいま問題になりました件についても、奥管理主事は、通常の人に答えられる限度で教員の姓名とか住所をお答えしたということでございますので、そういうことが今後もあればそれはやはりその限度でお答えする、そういうことだろうと思います。
#50
○正森委員 それでは、それ以上については接触しないということは言えるわけですね。そしてその前提として、いやしくも教育委員会自身が思想調査を行なうということはやってはならない。したがって知ろうはずがないそういう問題については答えない、答え得ようはずがないというように明白に伺ってよろしいか。
#51
○諸澤説明員 おっしゃるとおり思想調査をするような役所ではございませんから、かりに聞かれてもお答えできるような立場ではない。したがってそういうことが話になることはない、こういうふうに考えます。
#52
○正森委員 それではけっこうですけれども、しかしそういうたてまえであるにもかかわらず国会で対決をさせなければならないような事態が現に起こっておる。したがって無用な接触というのはやめたほうがいいということを申し上げているんです。そうでなければわざわざ国会へ来てもらうというようなことになります。また、共産党を調べるということ自体が非常に問題だが、何ら関係のない人々がリストアップされるというようなことが現に起こっておるんだから、それについて厳重に注意されるように私から希望しておきます。
 それでは、次の問題に移らしていただきたいと思います。やはり石川県の教員関係で起こったことでありますけれども、島田勉という人物がおります。この人物がやはりスパイとして奇異なことをやっておりますけれども、この人に接触したのがやはり荒井という調査官であります。そこで、公安調査庁長官は、一地方のことですが、石川のことが問題になっておるということは御存じですから知っておられると思いますが、島田勉についていつごろから情報を提供させるようになったか、その担当者が荒井であったかどうか、そういう点について御存じですかお答え願いたい。
#53
○川井政府委員 私の承知いたしておりますところでは、四十四年一月ごろ荒井調査官がただいま御指摘の島田と接触をした、こういうことでございます。
#54
○正森委員 その四十四年一月というのは、島田がまだ大学在学中でございますね。
#55
○川井政府委員 そうです。
#56
○正森委員 その島田勉が卒業する前に石川県の教員試験を受けましたけれども、その教員試験で、私どもの調査によればA採用、B採用、C採用といって三ランクございまして、A採用にならなければ試験に通っても現実に空席がないから教員にはなれない。Bだと少しあぶない、Cは試験に通ってもまず見込みがない、こういうことですが、この島田勉というのは学生運動などをやっておって、石川では学生運動をやっておる者がA採用になるということはきわめてまれであるにもかかわらずA採用になり、しかも採用になったということを荒井調査官が電話をしてきておるという事実があります。これは私どもの調査では、島田勉自身が、電話をしたところもそれは知っておったということを言うておりますし、ほかに同僚の聞き取り書きもあります。そうだとすると、これは公安調査庁と文部省地方課関係の人に聞きたいわけですが、これが事実だとすれば、採用にあたって、スパイであるということのために公安調査庁は採用について手心を加えたかどうかという点はしばらくおき、採用になっておるということを外部一般の者が知らない間に公安調査庁には言っておる、こういうことになります。したがってそういう事実があるのかどうか、そういう便宜を計らっておるのかどうかについてお伺いいたします。
#57
○諸澤説明員 ただいま御質問の件につきましては、まず一般的に秋に採用試験をやりまして、合格者は、いまお話がございましたように、A、B、Cのランクをつけてそれぞれ本人に郵便で連絡をする、こういうことでございます。したがいまして、教育委員会としては当然この郵便発送まではどこにも合格したとかしないとかいうようなことを公表すべきではないし、またしていない、こういうことでございます。ただし、郵便投函後、本人なりあるいは近親者からこういう者だが自分の成績はどうであったかというような電話などの照会があれば、これは現在お答えしている、こういうように聞いております。
#58
○正森委員 そうすると、島田勉の私どもに対する供述が正しいとすれば、少なくとも私どもは採用の郵送、発送前だと思いますが、発送後だとしても、あなた方は荒井という男に対して、これは親戚でも何でもないのですけれども、近親者と同じような扱いで、採用したということを言ったことになるのか。あるいは荒井でなくても公安調査庁というような役所であればこれは言うという慣行になっておるのか。そういうことだとすれば非常に問題だと思うけれども、その点はいかがですか。
#59
○諸澤説明員 その点は教育委員会のほうの報告では、もちろん公安調査庁のほうの御依頼があってそのために便宜をはかったことは一切ないと、こう言っておりましたから、したがいまして調査官から照会があったから連絡したというようなことはないものと私どもは考えております。
#60
○正森委員 公安調査庁長官はいかがですか。
#61
○川井政府委員 私のほうの調査の結果によりますと、島田がたいへん採用のことについて心配をしていたので、相当それと特殊な関係にありました荒井調査官も人ごとならず心配になりまして、教委の事務局にその発表のあると思われるころに電話をして聞いてみましたら、ただいま文部省からお答えがありましたように、これは通常、採用試験結果の発表はいわゆる発信主義で、発信をすればだれが聞いてきてもその内容をお答えする、こういうことになっておるそうであります。そういうことを聞かされまして、それはいつごろですかと言ったら、もう数時間すれば発信が終わるということでありまして、重ねてそのころ電話を入れてみましたら、島田という人は合格になっている、先ほどというか、すでに内示をしてあります、こういう知らせがあったということで、非常に喜んで早く電話を入れて合格おめでとうと大きな声でこう言ったら、先ほどもう内示が来ていましたよ、ありがとうございました、こういうふうな話があったのだということでございまして、特殊な関係で事前に何とかしてそれを知って伝えたというようなことは全く事実がない、こういうことでございます。
#62
○正森委員 文部省に伺いますが、A採用ならA採用の合格の発信は電話でなさるのですか、それとも郵送するのですか。
#63
○諸澤説明員 石川県の場合は郵送と聞いております。
#64
○正森委員 長官のお話ですと、荒井調査官はA採用になったということをお聞きになってすぐ電話をなさったわけですか。
#65
○川井政府委員 電話を入れて教えてもらって、直ちにその本人に電話でまた伝えた、こういうふうになっております。
#66
○正森委員 そうすると、これは安原刑事局長などは専門家だからすぐおわかりでしょうけれども、数時間後に発送するということを聞いて数時間後に電話したら、それはA採用になっておるということで電話を入れたらこれは内示を聞いておりますというのであれば、どんなに日本の郵便がすばやいといったって発信したものがもう届いておるというはずはないんですね。ですから、あなたのおっしゃっていることには何らかの矛盾があって、実際上はもう少し早く知っておるか、あるいは島田とのやりとりの間に時間的なズレがあるというようなことではないかと思いますが、少なくとも公安調査庁がスパイについて非常に関心を持ち、いつごろ発表があるかというようなことを電話すれば、それがどういう近親者であるかということも調べずに、あなたはだれにでも答えるといいましたけれども、それはだれにでも答えるようなことはないと思うんですね。幾ら発信主義をとっておりましても、届くまでには少なくとも一日くらいはかかる。それを言うてしまうというのについては、これはおそらく身分を明らかにしたものだと思いますけれども、並々ならぬ関係が教育委員会と公安調査庁との間にあるというように疑われてもしかたがないし、もう一つ疑えば、あらかじめ、これはスパイだから学生運動をやっておっても心配ない男だというようにして頼んだのではないかという疑いを持たれてもこれはやむを得ないことだと思うのです。私が調べたところでは、この年度でかつて学生運動をやっておってA採用になった者は、受験者、数あれどこのスパイである島田勉ただ一人である、こう聞いております。だからそういうことを考えてみますと、文部省にも申し上げたいけれども、そういう疑われるようなことは、現にこの手帳を見て言うたと言っていることからしてそうですけれども、厳重に慎むべきではないですか、そのためにいろいろ思想調査をしてやっておるとかあるいはスパイになれば採用してもらえるとかいうことが起こっておるのだから。どう思いますか。
#67
○諸澤説明員 おっしゃるとおり教員の採用は非常に大事なことでございますから、関係者は十分その扱いに留意しなければならない。また同時に本人にとっても採用されるかどうかというのは非常に大事なことでございますので、いま申しましたように、われわれの考えとしてはすでに郵便を投函し、あとは本人に通知するばかりというような段階では、これは人情として早く聞きたいという人に知らせてやるのは認めてしかるべきだと思いますので、そういう限度でお話しするというようなことであればなんですが、特に公安関係のためにいまおっしゃるように協力するというようなことはしてはならないことだというように思います。
#68
○正森委員 そうすると、先ほどの答弁と変わって、何か近親者だとか関係のある人はと言ったけれども、いまは聞きたい人には、こうおっしゃったけれども、聞きたい人だったらだれでも電話をかけてくれば、発信しさえすれば、教えるというように伺ってもいいんですか。わずか十分前の答弁と違うけれども……。
#69
○諸澤説明員 私の申しましたのは、あるいはそのように御理解いただければなんでございますが、県のほうの方針としても、それは本人なり近親者には連絡しますということでございますから、私はそういう意味での連絡は認めてもいい、こういう意味でございます。
#70
○正森委員 そこで伺いますが、この島田勉という男は四十五年の秋に教員として採用になったということがきまったとたんに、これはその当時からスパイであったということは長官がお認めになったところですけれども、共産党に著しく接近をいたしまして、自分のほうから入党したいということを言うてまいりました。したがって、これが荒井の指示に基づいて入ったことは間違いない。スパイが日本共産党のために一生懸命やろうと思って入ってくるわけはないので、初めからスパイなんですから、共産党の情報をひとつとってやろうと思って入党の申し込みをしたというのに間違いはないわけですね。そこでこの男は教員になってから十一月ごろに風紀問題を起こしております。私どもの調べによりますと、子供を自分のうちに呼びまして、女の子に女ぶろでおとなの人がどんなことをしているかというようなエッチな話をいろいろさせて録音をとる、自分が裸になって、法務委員会で申し上げるのもいかがかと思いますけれども、事実だからしかたがないけれども、自分の性器を見せて、これは動くんだよというようなことを言うて動かしてみせる、そういうようなことをやっておる。そこで、こういうことが問題になったにもかかわらず、訓告処分という非常に軽い処分だということが起こっておるのですね。そして私どもの調査では、このときに荒井というのが島田のところに電話をしてきて、県や市に知り合いがいるから頼んでやる、こう言い、その後、たいしたことにはならないよ、こう言って電話をかけておる事実がある。そうするとあなた方は、スパイなら神聖な教育、そこでこういうことをやっておってもかばってやる、たいしたことにならないよというようなことをやってかばってやるということになれば、私がいままでこの委員会でいろいろ聞いておりますように、局長ともあろうものがよその奥さんのしりをさわる、あるいはポン引きまがいに女を世話をするということを言うておる。窃盗であろうとわいせつであろうと何でもいい、ネコがネズミをとってくるように情報さえとってくればいい、こういうことでやっておるのか、こう疑わざるを得ない。そこで、この問題について文部省及び公安調査庁からそのいきさつを、調査の結果伺いたい。
#71
○川井政府委員 だいぶ事実関係が私どもの調査と食い違っておるようでございますが、私のほうの調査の結果によりますと、島田が荒井に対しまして、何でもないことで校長からにらまれているので非常に学校にいにくいというようなことをふだんこぼしていたそうであります。それからいま問題になりましたいわゆる風紀問題のことについて、ほかのクラスの女生徒が下宿へ遊びに来たときにちょうど昼寝をしておった。ふとんの中で足をばたばたさして、そのとき裸の足なんかが外へ出たけれども、それを見て女生徒がきゃあきゃあとはやし立てたというようなことはあったけれども、そういうようなことについて非常に大きな問題にされて非常に困っておるんだということを荒井に対しておこったりこぼしたりしたということで、荒井はとりあえず何とか骨を折ってみるからそんなに心配するな、と当座の気休めを言って、島田を慰めて役所に帰った。役所に帰って、同僚の調査官の母親がもと教師をしていた関係で、学校の校長先生なんかにも知り合いがあったので、それを紹介していただいて、こういうふうなことでどういうふうな処分を受けるだろうかということを聞いてみましたところが、そのとおりの事実であるならばしばらくちょっと謹慎でもしておれば問題は解決するのじゃないかというような感触を伺った。そこでその次に島田に会ったときに、知り合いの者に聞いてみたところが、おとなしく謹慎でもしていればたいしたことにならないのじゃないかと思うぞということを伝えて慰めてやった、そういう事実があった。しかしそのほかに、荒井が直接教育委員会とか監督の方面に何かつてをたよっていって、特に処分を軽くしてくれというようなことを運動した事実はない、こういう報告になっております。
#72
○諸澤説明員 私どもの調べました結果によりますと、四十六年の十月ごろ、本人が住んでおりますアパートに五年生の女子の児童が四人ほど遊びに来て、そのときに子供のからだに手を触れたというようなことがあって、子供がそのことを日誌に書いておったのを担任の先生に見つけられ、子供の父兄にも話したことからそういう事実があったということが明るみに出た。そこで、その際はどういうような処置をするかということになったわけでございますが、本人に事情を聴取する際に、PTAや学校関係の人もそこに同席していろいろ聞きましたところ、本人が、自分が悪うございましたということで、その非を認めてわび状も書いたということでございますから、要するに、自分のしたことについて改悛の情を示したという一点もあり、さらに本人は若いことだし、あまり重い処分はしないでやってほしいという一部のPTAの人の要請等もあったというようなことで、この際は訓告処分にした、こういうことでおさめたように聞いております。
#73
○正森委員 そうすると、文部省のいまの御答弁では、子供たちの言うことがほぼ事実である、あるいは事実であるということを本人も認めてあやまったので、若いことでもあり、訓告処分にした、こう承ってよろしいですね。
#74
○諸澤説明員 いま私が御説明申し上げましたように、その事実というのは、私どもが受けた報告によりますと、五年生の女子の児童四人を呼んでからだに触れたというので、いま先生がおっしゃいましたように、本人自身がどういうことをしたかというのは、実は報告にございませんので、その点は確認されておりません。
#75
○正森委員 私どもが調べたのと若干異なっておりますが、しかし長官に申し上げたい。
 荒井調査官の態度ですけれども、これは安原刑事局長にもあとで伺いたいと思いますが、事はわいせつ行為ですね。わいせつ行為をやったとされている本人の言い分だけを聞いて、あずかっておる子供たちの言い分を聞かないで、それを一方的に真に受けて、ほいほいと知り合いに聞いてやるということで教育関係の人に聞く、そうすると聞かれたほうは、公安調査庁の役人がこういうことを聞いてくるというのは何らかの関係のある人だということで、一定の影響を受けることはきわめて明らかだ。そういう態度は役所として非常に慎むべきことではないか。本人がほんとうに私はこんなことをやりましたというようなことは、この種の事件の捜査ではなかなか言わない、こういうものなんですね。それを、軽々しくそういうことをなさるというのは、スパイである場合には、おとなじゃない子供たち、しかも自分が教えている子供たちにそういういろいろなことがあったと疑われても、加害者であるスパイの言い分だけを聞いてかばうととられてもしかたがない行為をやるということは、これはもってのほかじゃないかというふうに思います。安原刑事局長、こういう問題があったときに、加害者とされる者がこう言っておるということだけをほいほいと真に受けて、被害者である子供たちやその親がどういうふうに言っておるかということを聞かないで一定の結論を出し、あるいは行動に移るというようなことは、捜査の原則から見てもあり得ないですね。
#76
○安原政府委員 先輩の川井長官の前でこういうことを言うのも恐縮でございますが、職掌柄申し上げますと、やはりおっしゃるとおり、かりにこういう抽象的な一般問題として強制わいせつ事件というようなときには、いわゆる被害者というのを調べるのは常道だと思います。
#77
○正森委員 安原刑事局長がそういうようにお答えになりましたが、さらに文部省、私のほうは新たに言うことがある。それは教育委員会に対して、校長が十月段階の事件について報告書を書いた。そうすると、これは違うし、島田君の言うのは正しいというようなことを奥清主事を含めて管理主事が言うておる。そこで校長は頭にきて、訓告書をもらったあとで管理主事に、こんなに甘い処分では困ると私は言ったんですよ、これは校長が学校へ帰ってきてから言っておる。そうなると、教育委員会も島田の言うほうに重きを置いて、そして校長がこんなに甘い処分では困るというような扱いをしておるということになります。これは私は関係者から、お書きになったものを読んだんだから。そうすると、いろいろ積み重なっていくと、教育委員会というのは、石川県においては公安調査庁となみなみならぬ関係にあったのではないかということがどうしても疑われるのですね。えりを正してもらわなくちゃ困る。
 そこで、その答えを聞く前にもう一つ言いますが、この男は、これだけではない、もう一ぺんやった。翌年の昭和四十六年の二月ごろに、自分の担任の子供を次々に家に呼んでおる。今度はこれはあなたのところに資料があるはずだ。当然資料があるとは思いますけれども、どんなことをやったかというと、二十人ぐらいの女の子にいろんなことがあったというので作文を書かせたら、何もされておらない者のほうがまれである。家に呼んで、体育のテストをするからと称して女の子供をさか立ちさせて、腕や足やももやからだのあらゆるところをさわって、まだ筋肉が発達していないとかなんとか言って、ひどいのは、作文にちゃんと書いてあるのですけれども、メンスの出るところを手でさわった、こういうように表現されておる。父兄の間で非常な憤激が起こって、島田先生は先生と呼ぶに値しない、早急に適切な処置をしてほしい、社会的に葬らなければ気が済まぬということで問題が起こった。こんなことが起これば、一度ならず二度までもこういうことをやっておるということになれば、懲戒処分になるのがあたりまえだ。ところが何らの処分もされないで、本人が依願退職届けを出してやめておる、こういう事実がある。一体いかなるわけでスパイ島田勉をこういうぐあいにかばったのか、それについて文部省の見解を聞きたいし、また公安調査庁の見解も聞きたい。
#78
○諸澤説明員 私どもその点の調査があるいは十分でないのかもしれませんけれども、先ほど申しましたように四十六年十月の初めにおける事実は、私どもが受けた報告では子供四人を呼んでからだに触れた。翌四十七年の一月二十三日ごろ右と同じようなことがあったのだという報告でございます。したがってその具体的事実は、それ以上いまのところ私ども了知しておりませんので、その処分が、ただいまおっしゃるように校長と教育委員会の主事との間で評価が違ったということがかりにあったとしましても、それをどういうふうにそれぞれが評価したのか私どもわかりませんし、したがっていまの時点ではお答えできることは、教育委員会としては、それぞれ関係者に事実も聞き、それに対する評価もして、本人の処分なりあるいは退職を認めたということをしたものであるというふうに考えたのでございます。
#79
○正森委員 私は金沢の教育委員会へ行って自分で調べてきました。そして作文が約二十通あるということも調べてきました。そして、教育委員会ではありませんが関係者から、メンスのところをさわったということも調べてまいりました。しかし私は、一個人として調査に行っておるから、私が強く言えばその報告書を見られたかもしれないけれども、それはあらためて国会で文部省に伺ってから調べるということで、現地ではそのままで帰ってきました。しかしあなた方は、いまの答弁を見ると、そういう作文があるという事実すら知らない。幾ら教育はそれぞれの教育委員会が行なうにしたって、全く関与しないというのであれば、何も私は文部省の官僚統制をしろと言っているのではないけれども、文部省は何のためにあるのか。筑波大学法案みたいな悪い法律をつくるためだけにあるのか。あなた方はいい法律だとおっしゃるでしょうけれども、そういうことにならざるを得ない。そして現地では、なぜ処分もされないで依願退職になったんだろうかということで非常に疑問が起こっておる。これはきっと公安調査庁のスパイであるから教育委員会が遠慮をしてかばったんだろうというのがもっぱらのうわさだ。そういう点を考えると、あなた方はもう少しこういう点について姿勢を正すべきではないかというように思います。そこで私の希望を言う前に、公安調査庁長官に、あなた方はあなた方として調べたことがあるはずだ、それについて伺いたい。
#80
○川井政府委員 島田につきましてはいわゆる風紀問題が二度起きまして、第一回の風紀問題の内容につきましては、どういうふうなことをしたんだという事実関係については先ほど私答弁したとおりでございまして、御指摘になったような事実関係とはかなり私どものほうの調査の結果は食い違っておる。そこでその程度のことでありますれば、公安調査官といえども非常に行き過ぎた行為があったというふうな場合におきましては、もちろん協力者でありましても、国家公務員としての立場から適当な措置をとるべきことはこれは申し上げるまでもないことであると思います。問題はその行為がどの程度であったかということで、そのときとった調査官の行為が適法であったかあるいは不当であったかということになろうかと思いますが、私は第一回の問題につきましては、こういうふうな程度で謹慎しておれというようなことで、これでよかったのではないかと思っております。二度目のほうは、私どもが聞いたところによりますと、第一回とは違いましてかなり進んだ風紀問題を起こしたということで、その範囲も非常に大きいということでありますので、この点につきましては荒井調査官がその点について特に島田と折衝したとか、あるいは特に教育委員会に、その処分について特別寛大になるようにというようなことを申し込んだとかいう事実は全くありませんので、身分の監督の方面にそれはまかしておった、こういうことであります。
#81
○正森委員 もしそうだとすれば、なぜ現地の教育委員会がそういう処分もしないで退職だけにとどめたかという疑問が十分に残ってくると思います。
 私が、自分の担当した事件ですが、安原刑事局長はあるいは職掌柄御存じかもしれませんが、昭和三十四年に大阪で堺の臨海学校に行っておりましたときに、わいせつ事件と称するものが起こりました。それは私が弁護人でございましたからよく知っておるんですが、夏に臨海で子供たちを引率して海水浴に行った。そして夏の暑い時分ですから、みなもう寝相が悪くて寝ておる。そこで先生が寝ておりましたら、どすんという音がして――五十センチくらいの床にみなざこ寝をしておるわけですが、小学校の生徒が落ちた。それを抱き上げて寝さそうと思った。寝相が悪いから、一つの床に十人、十五人寝ておるから寝させるところがない。そこでからだを押して寝さした。ところが、それがわきの下をさわったとか、おっぱいをさわったとかあるいはおへそのあたりをさわったとかいうことになって、わいせつ事件でついに起訴されたという事件なんです。これは私は関係方面を全部調べましたけれども、実際はそのとおりであって、わいせつの意思はなかったということでしたけれども、残念ながら裁判では有罪になりました。私は有罪になったかどうかということについて言うているんではなしに、その点について、本人があくまで私はこういうことでやったんだということを言っており、起訴がまだ十分にされない段階で直ちに懲戒免職になっておる、そういう扱いだ。しかるに今度の場合にはそういうような弁明すべき事情は何にもない。次々に自分の下宿へ呼んで、二十人にもわたってそういうことをやっておるというようなことが作文にまではっきりしておるにもかかわらず、何らの処分もしていない。疑われてもあたりまえじゃないですか、公安調査庁との関係を。
 したがって、私は再度中垣委員長にお願いいたしたいと思います。文部省はそういうことすら知らない。しかもそれは公安調査庁のスパイであるがゆえにかくまわれた疑いがある。したがって、私はその事件についての関係書類、特に作文についてこの法務委員会に出していただいて、本人の名誉がありますから、その名前の部分は紙で隠していただいてもけっこうですけれども、そういうことをして、なぜその程度の処分しかされなかったのか。それと公安調査庁のスパイとの関係について私は究明する必要がある。そうでなければ、われわれは安心して自分の子弟を学校へまかしておくことができない。教師に対して接触をして、共産党員であるかどうか、全く共産党員でない者まで調べる。そしてスパイにしていく。そのスパイがわいせつ行為をやっても、それはかくまわれ、十分な処分がされないということになれば、そういう教師がどんどんふえていけば、日本の教育はゆゆしい問題だ。それこそ日本が破壊されることになる。したがって、これは法務委員会の人権擁護の見地からしても十分に調べる必要があると思います。それについてもあわせて当委員会の理事会で御検討をいただいて、しかるべき結論を出していただきたいと思います。
#82
○中垣委員長 正森委員の御要望に対しましては、他日理事会で懇談することにいたします。
#83
○正森委員 それではそういう委員長の御発言がありましたから、ここで休憩をして理事会というわけにもまいらぬでしょうから、質問を続行いたします。
 川井長官、私はあなたに何も恨みはない。たまたまあなたが運悪くか運よくか知らないけれども公安調査庁長官になられ、私が運悪くかよくかこの法務委員会に所属したためにこういう問答をしているのです。これは御理解願えると思いますが、お互いに私どもの子供がかわいい、ですからその子供たちに危害が及ぶということは絶対に避けなければならない、そう思うから聞いているので、あなたのほうも虚心にその関係について正すべきは正すということに協力していただきたい。
 そこで伺いますが、もちろんこの島田勉なる人物はもはやスパイとしての役割りを果たしておらないで、あなたのところから縁が切れておるでしょうね。そして二度とお使いになるということはございませんでしょうね。
#84
○川井政府委員 すでに縁が切れておりますし、もちろんまた特別な接触を持とう、そういうような考え方はありません。
#85
○正森委員 そういうお答えがありましたから次に進みますが、こういう例を見ましても、最初の四十五年の十月ないし十一月のときに、この男はちょっとおかしいなというようにわかって、外形的にはかばうというような行為がなければ、四十六年の一月のことは避けられたかもしれない。したがってスパイの言うことを軽々に信じて、教育関係者にそのくらいならたいしたことなかろうととられるようなことを言うということも、また軽率であったということは後の事件によって証明されておる。したがってそういう点についてえりを正すということをあなたの長官の代に部下に徹底させていただきたい。これはお互いの子供のためです。いいですか、答えてください。
#86
○川井政府委員 先ほどの御質問の冒頭にございました考え方でございますが、私も過去において、この役所のやり方が間違っておったとは申しませんけれども、かりに間違っておった点があるならば、私は私の信念で公正な運営につとめてまいりたい、これは一般的な私のたてまえ論でございます。ただいまの御質問でございますが、この問題が起きたときに、いろいろそのほかにもたくさん問題点が暴露されまして、そのことにつきまして一々当時当庁におきまして問題点を拾い上げまして、特にいわゆる協力者との関係については自今間違いのないように、こういう点について存分の注意をするようにというふうな指示をいたしております。なおまた最近全国の局長を集めて私が会議を開催することにしておりますので、そのような機会に、この国会で御指摘になりましたような事柄の中から特に参考となるべきような点についてはこれを示達いたしまして、万々誤りなきを期してまいりたい、こういう覚悟であります。
#87
○正森委員 それではあと一、二の点についてお尋ねしたいと思いますが、あなた方は同じく石川においてスパイ第二号といわれておりました今町忍という人とずっと接触をしておったということがあると思いますが、それについては間違いありませんか。
#88
○川井政府委員 城田調査官の関係で今町と接触があったように報告があります。
#89
○正森委員 城田というのは例の村本さんとの事件を起こした城田課長のことでありますが、その点について私どもは公安調査庁というのがどんなに、私どもの観点では人間性から見てどうかと思われるような、そういうスパイの使い方をしているということを申し上げたいと思います。
 これは、今町忍という人がスパイであるということがわかりました直後、昭和四十七年の四月ごろに、共産党に、自分の真心をこめて書いた書類でございます。全文自筆の書類です。これを読むと、私どもはこの人を除名したけれども、涙なくして読めないくらいの文章になっております。お時間を拝借して、公安調査庁がこういう人に対して接触してスパイにしていっているんだ、それでいいのだろうかということを明らかにするために簡略に申し上げたいと思いますけれども、この人は、昭和二十二年の春に共産党に入党しております。そして城田と接触を始めたのは昭和四十三年のお盆過ぎからでございます。このときには奥さんが非常に衰弱をしてたいへんな病気になっておった。なぜ奥さんが病気になったかというと、昭和二十七年十月一日投票の衆議院選挙、当時共産党は党勢がどん底の時代。衆議院選挙でさえ選挙事務所をかまえることができない。そこで小さな部屋であるこの今町忍のところを衆議院の選挙事務所にした。奥さんはからだが弱かったのに、連日いっぱいの人が押しかけるから、寒い土間のたたきのところに立っておるというような状況だった。ところがある日、底冷えのする夜十時ごろ、近所のおかみさんがけたたましい声をあげたので行ってみたら、流しに一面鮮血にまみれて奥さんが倒れておった。喀血をしたわけです。そして病気になって、共産党員で迫害されるために就職もろくにできない。非常な苦難の中で生活しなければならなかった。しかしこの人は世の中をよくしたいということで共産党員であることを続けた。ついに奥さんは精神分裂になってしまった。そこで健康保険もなくて、精神分裂にまでなった奥さんをなおすために、次々に病院に入れ、もちろん金がかかるということで非常に苦労をしておるというときにあらわれて、そして金をやるからスパイになれ、こういって、当時、月一万円を渡すということになったんだということを報告をしております。もちろんわれわれに対する報告ですから、あなた方の目から見ればうそだというかもしれないけれども、しかし、鳥の死なんとするやその声かなしといいますけれども、この人はもう党に訣別するにあたってといって書いてきておる。このことによってもう一度党に入れてほしいとか役職につきたいとかいうことはごうもいうておらない。ですから、私たちは文章を読んで、ほんとうのことだと思う。そして一定の情報を与えたあと、これでは悪かったと思って、一生懸命県外に出ようと、石川県におる以上は公安調査庁が接触してくるということで、何度となく県外に出ようとして、五十をこえ六十近くなった身でいろいろと努力をしておるというようなことがつぶさに書かれております。私は、きょう午後沖繩北方特別委員会で質問をしなければなりませんので、時間がありませんからやめなければなりませんけれども、私は、質問のために、いままで取り上げていた以外に幾つかの事件を調べております。そこで共通していえることは、公安調査庁あるいはそのうちに警察にも出てきてもらいますが、警備、公安は、わが党の党員が、交通事故を起こすとかあるいは家内に病気があるとか、非常に大きな不幸が起こって金銭で困っておるとかいうのに対して近づいてきて、そして、情報を提供しろ、こう言ってうるさくつきまとうということをやっておる。あなた方は破防法があるから当然だと言うかもしれないけれども、しかし、国会での答弁では、私どもは任意の調査ですからおおむね新聞記者が情報収集のために行なえる程度のことをいたしますというような答弁をしておられる方がある。関次長ですね。そういう観点から考えると、いまのように、島田勉のように、わいせつをしたのをかばうというのはもってのほか。しかしそれ以外でも、あなた方の情報提供を得るための手段というのは、いままで私が数々聞いた、島根の例にしろ、いろいろあるけれども、きわめて反省すべき点があるのではないかというように思いますが、今町の担当者であった城田という人間がきわめて非人間的で、部下からもああいう目にあわされたということは、この委員会で明らかにしましたけれども、あなたはこういう点についてもう少し、破防法二条、三条の本旨に従った調査を――私は何も調査してくれと言っておるのじゃありませんよ。かりにするにしても、すべきではないかというように思わざるを得ない。それについてあなたの御姿勢を伺いたいと思います。
#90
○川井政府委員 この城田課長というのは、課長というか、調査官ですが、これは、村本調査官からは非常に悪い批評を受けておりますけれども、同じ部下であるその他の調査官からはかなり慕われておる面もありまして、私は、やはり人間というものは総合的にいろいろな面から見なければ評価は的確なものはできないんじゃないか、これは別な問題でございますけれども、そういうふうに思っておりますが、監督者の立場といたしましては、調査官を、末端の一人に至るまで、間違いのないようにその性格と能力をつかんで指導を徹底してまいりたい、こういうふうに思っております。
 それから第二の、協力者を獲得するにあたって、相手側の弱みにつけ込んだり、それから相手方の経済的な困窮というようなことに乗じて、そして、いわばその自由意思を惑わせて調査官に獲得するというようなことがあるとするならばそれは適当でない、こういう趣旨の御指摘だ、こういうふうに思いますが、私も全く同じ考え方でありまして、弱みにつけ込んだりあるいは相手方の自由意思を何らかの詐言その他を用いて惑わせて情報提供させるというふうなことはあってはならない、私はこういうふうに思います。あくまで任意に、公正な方法で、相手方の自由意思に訴えて情報の提供を求める、これが限度だ、こういうふうに思っております。
#91
○正森委員 いま、城田課長は村本に対してはそういうことだったけれどもほかの人からはそんなに悪く思われていない、慕われておったという意味のことをおっしゃいましたが、そうではない。私はこの間、メモしかなかったので詳しく読み上げませんでしたけれども、ここに裁判所の記録があるから、その中での城田課長の評価を申し上げたい。
 こう言っておる。「本事件で私が一切のことを局で申し述べたあと、丹羽第二課長(現第一課長)は私に対し、城やんは」――城やんというのは城田さんのことですね。「城やんは毎日毎日村本君の悪口を局長に言うてた。おれが、部下の悪口をそんなに言うもんでないと注意すると、「いや、報告する義務がある」というてむきになって言うてた。城やんな、病的気違いだよ」――いいですか。「城やんな、病的気違いだよ。山田さん(総務係長)も城やんにやられたほうで、「この事件をおれがやりたかったぐらいだ」と言うてたし、荒井さんも」――いいですか、いま問題の荒井だ。「「局の中におるより外で協力者と会っているのがよっぽどよかった。城やんがおらんかったらこんなことにならんかった」と泣いて訴えてたよ。村本君はあとでみんなに感謝されるよ。城やんは局長が局の事情を知らぬことをいいことにして、いつも局長に「中部局の方式ですから」と言って、城やんの思いどおりにやらせていた。思いどおりにならぬと城やんはうるさいからのう。俺が局長室で上座にすわると、城やんの気に食わぬ顔ったらなかったよ。城やんは出世主義で、あの口は人の心を切る。切っておいて、あと、つぎしない男や。俺は中部局から城やんとうまくやれと言われてきたので、城やんと合わせていただけや。城やんには同情の余地がない。何であんなになったか知りたいもんだ。」それからさらに「城やんは部下なしの課付で、転勤になる。中部局外を本人も希望したが、受け取り手がなかった。」こういうことを言うておるのです。これは私が恣意的に言っているのじゃない、裁判所に出ている記録の中にちゃんと出ているのです。こういう男なのです。だから、あなたが、評価はいろいろございまして村本に対してはそうでございましたけれどもなんと言っているけれども、それはあなたが長官室で雲の上におるからそうなんで、もう少し下情にお通じにならないと、幾らこの法務委員会できれいごとの答弁をなさっても、それはだめだ。部下はいろいろ悪いことをしておる。しかもその悪いことをしておる者が課長である場合などは、どんなことをしでかすかわからないということを、これはもう明白に示していると思うのですね。しかもこれは下の者が言うたんじゃない、丹羽課長という、いま第一課長で、第一課長というのは共産党の係らしいから、私が金沢に行ったということを調べているかもしれぬけれども、そういう人が言うておる。こういうことなんです、長官。ですから、あなたはもう少し下情に通じるようにして姿勢を正すということが必要ではないですか。これを見たでしょう。
#92
○川井政府委員 私も一件記録をしさいに検討いたしましたので、ただいまの上申書は私もすみからすみまで熟読いたしましたが、これは村本が起訴されまして、そして窃盗させるというような大それたことをした動機は、もっぱらその上司である城田課長との関係でこういうことになったんだということを訴えたいというふうな心情から、こういうふうなことが述べられているわけでございますので、形は裁判所に提出した上申書でありますけれども、やはり供述調書の一種だと私は思うのであります。したがって、書かれておる内容をどの程度に、またどういうふうな角度から評価するかということにつきましては、これは申し上げるまでもないことでありますけれども、やはりおのずから的確な評価がなされなければいけない問題じゃないか、こういうふうに思います。
 そこで、ここに名前が出てくるいろいろな調査官ないしは職員というようなものにつきまして、私、部下を指揮いたしまして、一々、こういうふうな事実関係があったのか、こういうふうな趣旨の表現があったのかというようなことについて、調査させました。その結果は、総合いたしますと、必ずしもこういうふうなことではありませんで、それぞれいろいろなニュアンスがそこにあるわけでございまして、むしろ逆にまた、城田課長の部下に対するある意味のきびしさというようなものについて、これを推賞するといいますか、それをあこがれるといいますか、そういう点に引かれているという人もあるわけであります。それらを総合いたしまして先ほどのような答弁に相なったわけでありますが、なお、ここに書かれておることをいろいろ十分に検討いたしまして、ほかの役所でもいまそうですけれども、特に私のような役所におきましては、いろいろ酒の席なんかで、いろいろなお互いの友人や上司の悪口を言って酒のさかなにするということも最近はよくあるようでありますので、そのようなことにつきましては十分注意するとともに、また監督者の監督のしぶりにつきましても、また別の面から検討を加えて間違いなきを期さなければいけない、こう思っております。
#93
○正森委員 いま長官がいわれましたけれども、これは酒のさかなに一ぱい飲んでつい出たというんじゃなしに、逮捕されている者、最も綱紀粛正しなければならない自分の役所にどろぼうに入ったんですから、その者に対してこれはみなが何事だというような態度をとっていいにもかかわらず、こういうような同情的な発言があったということで、酒のさかなで一ぱい飲んでやったということとはうんと内容が違うんですよ。そして、この内容を読んで、また上の者が、おまえ、ほんとにこんなことを言うたか、はい、申しましたなんて言うばかはいないですよ。言うとしたら、公安調査庁をやめて十年ぐらいたってからでないと言えはしませんよ。だって、この事件はおれがやりたかったくらいだ、どろぼうをやりたかったと言っているんですから。そんなことを私が申しましたなんてことを言えるわけがない。だから、みなそれぞれニュアンスが違うでしょう。村本君はあとでみんなに感謝されているよということなら、どろぼうをして感謝されているなんということになると、いよいよもってどろぼう会社ということになるでしょう。そういうことを上司に調べられて、はい、私申しましたと言うばかが、およそ日本の賢い官僚の中におりますか。しかし、こういうことを上申書に書いたということは、根っから火のないところに煙が立つということではないんで、これのニュアンス的なことは、みながそれぞれ言うた、しかもそれはどろぼうになっておるのはかわいそうだというんじゃなくて、やはり心に思っておることを言うたという雰囲気があったからだ。それはやはり長官として、下情にお通じにならないと、部下は破防法という法律を利用してどんなことをやるかわからぬということになると思うんですね。
 もう少しやりたいのですけれども、時間の関係で最後に申しますが、安原局長に聞きたいのですが、この間、五月九日に私が伺ったときに、「いまお尋ねの最後の点については、詳しいことを存じませんが、先ほど川井長官も申し上げましたように、検察庁といたしましても、盗聴器を使ったとかあるいは窃盗を教唆したとかというようなことはゆゆしい問題でございましたので、重大な関心を持って、公安調査局に連絡をして、善処方を求めたということが検察庁でとった処置として承知しておるところでございます。」というふうに答えておるんですね。そこで、「善処方を求めた」ということを言われておりますが、それに対してどういう善処をしたという返事があなたのところにありましたか。もしなかったとすれば、公安調査庁はこういう善処方の申し入れを受けてどういう処置をとりましたか、その点を伺いたい。
#94
○安原政府委員 第一点の、盗聴器を使ったということにつきまして、村本の裁判所に対する上申書によってそのことがある程度明確になった次第でございますが、その際、先般も申し上げましたように、公安調査局の中で上司と下僚との間で、あるいは同僚同士の中で盗聴器を使ってスパイをするというのは、役所に対するまことにゆゆしい問題であるということで、そのことにつきましては、当時検察庁から、そういうFMラジオが設置されておって、それに合わせて盗聴器が使われておるのかどうかということを検察庁から公安調査局に照会をいたしましたところ、それについては、そういうものは使っておらぬという御答弁でございました。ただ、村本が上申書にいっておりますように、そういうふうなことはないにしても、かりそめにもそういうことによってお互いにスパイをやっているというような誤解を受けることがないように御注意をなさったらいかがですかと、検察庁から公安調査局には申し上げたということでございます。
 それから、窃盗を教唆するとかいう問題これはもう善処を求めたといいましても、事実を調査いたしまして、これはまさに窃盗の事件の本体でございますので、事件を調べまして、事実それを起訴する。そうしてその中で御指摘の鈴木がいわば従属的な立場であり、村本が主犯であるということで起訴したということでもって調査局の反省を求めたということになると思います。
#95
○正森委員 長官は……。
#96
○川井政府委員 検察庁が事件を調べまして、相手が行政官庁といいますから、官庁であったというような場合に、その事務の執行のしぶりにつきまして、違法、不当の行状があったというふうな場合におきましては、検察の立場から当該官庁に対しまして、こういう点については私どもも適当でないと思うので、今後はこういう点をしっかり監督し、また改めるべきは改めてはどうですかというようなことを大体申し上げるようにしておりました。というのは、私もずっと長い間、監督者として検察官をしておりましたので、おろらくそういうふうな指導が、当時、局といたしましても当然検察庁からあったものだと思います。それを受けまして、そのころ部内におきまして、会同その他の際におきまして、検察庁からの指導あるいは助言というふうなものを末端に伝えてあるはずでございます。
#97
○正森委員 最後に、時間の関係で一言申しますが、五月九日に私はウォーターゲート事件に触れて、盗聴をすべきでないし、しないでしょうね、部下がそういうことをやれば責任をおとりになりますねということを聞いて、それぞれ私の質問を肯定する、しないというお答をあなたと山本警備局長から伺ったと思います。そういう趣旨に読んでいいお答えだったと思いますが、しかし部下が何か問題を起こしたときに責任をとるということを言い得るためには、部下に、絶対にそういう盗聴をしてはならないという通達を出して徹底させておかなければ、これは部下はわからないという場合もありますので、それで、今後そういうことはやらないし、やってはならないという通達を警察庁及び公安調査庁はやはり明確になさるべきじゃないかというように思いますが、中島さんもお見えになっておるようですが、中島さんと川井長官からそれぞれ所信を承りたい。
#98
○中島説明員 盗聴器につきましては、前の機会に私のほうの局長からお答えいたしましたとおり、情報活動には使用しないということでやっておりますし、その趣旨は徹底いたしておると考えております。
#99
○川井政府委員 五月九日付の議事録にコメントをつけまして、盗聴器の関係についてはこういうふうな趣旨の方針でいくんだ、誤りなきを期せということで通知を出しております。
#100
○正森委員 それでは、ほかにあるのですけれども、昼からまた沖特で質問しますので、きょうはこれで終わらしていただきます。
#101
○中垣委員長 次回は 来たる八日金曜日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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