くにさくロゴ
1972/04/12 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第14号
姉妹サイト
 
1972/04/12 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第14号
昭和四十八年四月十二日(木曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 小山 省二君 理事 谷垣 專一君
  理事 中村 弘海君 理事 三ツ林弥太郎君
   理事 山本弥之助君 理事 林  百郎君
      今井  勇君    片岡 清一君
      亀山 孝一君    島田 安夫君
      前田治一郎君    保岡 興治君
      山中 貞則君    渡辺 紘三君
      岩垂寿喜男君    佐藤 敬治君
      山田 芳治君    吉田 法晴君
      小川新一郎君    小濱 新次君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        自治政務次官  武藤 嘉文君
        自治大臣官房審
        議官      山下  稔君
        自治省財政局長 鎌田 要人君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
 委員外の出席者
        通商産業省公益
        事業局公益事業
        課長      間渕 直三君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
四月十二日
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法案(内閣提出第
 一一八号)
同月七日
 ドライブイン等における酒類の販売禁止に関す
 る請願外一件(河上民雄君紹介)(第二二五〇
 号)
 市街化区域内農地の宅地並み課税阻止等に関す
 る請願外二件(小濱新次君紹介)(第二二五一
 号)
 同(伏木和雄君紹介)(第二二五二号)
 同(近江巳記夫君紹介)(第二二九五号)
 同(木下元二君紹介)(第二四〇七号)
 松江市立病院に対する財政援助等に関する請願
 (大橋武夫君紹介)(第二二九四号)
 特別区の区長公選制実現に関する請願(金子み
 つ君紹介)(第二二九六号)
 固定資産税の免税点引上げ等に関する請願(近
 江巳記夫君紹介)(第二二九八号)
 同(北側義一君紹介)(第二二九九号)
 同(岡本富夫君紹介)(第二四〇六号)
同月十日
 ドライブイン等における酒類の販売禁止に関す
 る請願(愛知揆一君紹介)(第二四八六号)
 同(奥野誠亮君紹介)(第二四八七号)
 同(山中吾郎君紹介)(第二四八八号)
 地方財政の強化に関する請願(鈴木善幸君紹
 介)(第二四八九号)
 市街化区域内農地の宅地並み課税阻止等に関す
 る請願外一件(丹羽兵助君紹介)(第二四九〇
 号)
 同(山口鶴男君紹介)(第二五六五号)
 同(田中昭二君紹介)(第二六四八号)
 固定資産税の免税点引上げ等に関する請願(荒
 木宏君紹介)(第二四九一号)
 同(東中光雄君紹介)(第二四九二号)
 同(多田光雄君紹介)(第二五六六号)
 同(村上弘君紹介)(第二五六七号)
 地方財政の危機打開に関する請願外三件(土井
 たか子君紹介)(第二六四九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四五号)
 地方税法の一部を改正する法律案(山口鶴男君
 外七名提出、衆法第五号)
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案、山口鶴男君外七名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。小川新一郎君。
#3
○小川(新)委員 私は、地方税法の問題で、特に、固定資産税の問題について質問したいのでございますが、この前の質問のときに、聞きたいことがまだ少し残っておりましたので、お許しをいただきまして、残りの質問をさせていただきます。
 特に、今回、負担調整措置をはずして、固定資産税を評価に近づける。その評価に近づける場合には、地価の急騰が非常な社会問題化している今日、そのまま評価に近づけることは、固定資産の非常なる負担増になりますので、改正法案については、これを二分の一に押える。また、法人、会社、企業については、そういう二分の一の歯どめがなく、評価そのものに近づけていくが、年度割りについて、三分の一、三分の二というように漸次これを上げていく。こういう趣旨のものであると理解しておりますが、たとえば、そのことをやったことによって、一般の勤労大衆の固定資産税がどのような変化をしていくか。この変化が、減っていくのか、ふえていくのか。そのことが生活に及ぼす問題はどうか。または、社会の全般から見たときの物価騰貴や、その他の問題にどうはね返ってくるのか。特に、私が心配いたしますことは、便乗値上げの一番最たるものである固定資産税が上がったことの理由によって、それが、地代、家賃、特に零細所得の方々の家賃にはね返ってくることは、日本の住宅政策、なかんずく憲法の基本に触れてくる問題でございますので、私は、あえてこの問題について再度お尋ねしたいわけであります。
 特に、今回の法改正によっての、この前御質問いたしました影響についての問題でございますが、固定資産税制度の改正によって、住宅用地にどのような影響が出るのか。特に、住宅用地にかかる税額で、最も値上がりする市町村や地域は一体どこなのか。こういう問題が大事な問題じゃないかと私は思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#4
○佐々木政府委員 今回の評価がえに伴いまして、その評価額の上昇傾向というものを見ますと、地価の上昇が次第に地方に及んできたというような傾向が見られると思うのでございます。前回の四十五年度の評価がえの時点におきましては、大都市地域を中心にした評価額の上昇が相当高かったのでございますけれども、今回の評価がえにおきましては、むしろ、大都市の上昇率がやや鈍化をして、その反面、地方都市の評価額の上昇が大きかったように思います。それから、大都市周辺の人口急増地域の評価額の上昇はなお依然として高いというような傾向が見られるように思います。
 そういうような全般的な評価の傾向と、それから、一面における固定資産税の負担調整の措置が現在のままでいいのかどうかというような問題とのかね合いから、結局、今回の場合は、住宅用地について二分の一の特例措置を講ずるということにいたしたわけでございますけれども、しかし、この措置を講じましても、平均的に見ますならば、住宅用地の固定資産税の負担増というのは、従来のケースで負担がふえていくという傾向は免れないというふうに考えております。
 ただ、今回の措置によりまして二分の一の特例措置をとると同時に、現在の負担調整措置が、同一の評価額に対応して課税標準額がいろいろ差があるという点は、今回、これを、昭和五十年を目標にして二分の一の線にそろえるという意味におきまして、負担の均衡を回復をするという措置が講ぜられ得るようになったことは一歩前進したことであるというふうに考えておりますが、ただ、従来のような負担増の傾向がなお五十年まで平均的には続いていくという点から、確かに、地代、家賃に対するはね返りということは、従来と同じような割合で予想されるところでございます。確かにこの点は問題のところでございまして、私どもも、建設省が昭和四十五年に調べました地代、家賃実態調査の傾向線というものはなお継続的であるということを考えるわけでございますが、ただ、現在の国民の所得水準の上昇というものをながめてみますと、大体固定資産税の二分の一にいたしたことによって、土地、家屋合わせての地代、家賃の総額の上昇傾向というものは、大体所得の上昇によって吸収が可能な程度の上昇割合ではなかろうかというふうに考えております。
#5
○小川(新)委員 三千市町村の自治体の区分割りはまだつかんでおりませんか。
#6
○佐々木政府委員 市町村のほうにおきましても、いま、評価が進んで、縦覧が終わって、課税事務にかかる段階のところでございますので、まだ具体的に市町村ごとの数字というものはつかんでおりませんけれども、先ほど申しましたように、地価の上昇は次第に地方都市に及びつつあるということと、それから、人口急増地域の上昇はなお依然として高く続く傾向にあるという、大体の全体的な傾向は私どももつかんでおりますけれども、具体的な町村名はまだはっきりしておりません。
#7
○小川(新)委員 東京二十三区と、それから三多摩を入れまして、東京都内の平均増減、これのデータはどうでございますか。
#8
○佐々木政府委員 大体、宅地の場合、全国平均が一・八倍の上昇と考えておりますが、東京の場合には、その一・八よりやや低目の一・七程度であろうというふうに推定いたしております。
#9
○小川(新)委員 大臣、ここは大事なところなんです。昭和四十五年から四十八年までの間に平均一・八倍、地価の評価が上がっているわけですね。ところが、東京が一、七というのですけれども、全国平均一・八で、昭和四十八年から五十一年までの三年間に上がったといたしますと、東京都二十三区及び三多摩の額はどうなるかということを聞いているのです。これは予想でありますけれども、四十五年から四十八年までの間に一・七倍評価が上がったわけでしょう。その評価が上がったと仮定をして、そのままそっくり四十八年から五十一年に同じ状態でかけてみると、東京の都区内の、今度の改正によって負担調整措置がとれたもの、それは、改正された場合にはどのように増減が出るかということを聞いているわけです。
#10
○佐々木政府委員 ただいまの数字を具体的に申しますと、四十五年の評価でございますが、東京都の場合が八万二千五百円、これは宅地の一坪当たりの値段でございます。それが、四十八年の評価見込み額が大体十五万円ということでございます。こういう割合で上がってまいりますと、同じ割合でもし上がるということになりますと、五十一年の段階で約二十六万円というふうな数字になるだろうと思います。
#11
○小川(新)委員 そうしますと、その四十八年のときに十五万円の評価をされた土地が、昭和五十一年に二十六万円になりますと、どのくらいの差が出るのですか。上がった額は――私の質問、わかりませんか。
 じゃ具体的に申し上げますと、この間も質問しましたように、昭和四十七年のときに五十坪で、たとえばこれが五十倍に評価が上がったところ、昭和三十八年のときから四十八年の十年間に五十倍に評価が上がったところの例をとりますと、これは三年間平均が大体一・八倍になるのです。それが昭和四十七年のときに五十坪で現行四千七百八十円の税金を納めた人が、昭和五十一年には、この計算でいきますと三万五千円になるのです。四千七百八十円の固定資産税を五十坪で納めた人が、いまのように一・七倍、一・八倍ずつ固定資産税の評価が変わっていきますと、この三年間で、昭和五十一年に三万五千円になる計算になりますが、その計算で、東京二十三都区内の高低を、いまあなたのほうでは、資料を出していないのですが、計算はされていませんか。約八倍からになりますね。
 じゃ、答弁する前にもう一ぺん詳しく申し上げますと、港区六本木五丁目、これは高級住宅街です。昭和三十八年のときに評価額が一万三百五十円ですね。これが昭和四十八年の十年間で、実に三十三二四倍、評価が上がったのです。その四十八年の十年目には、三十四万三千円になったのです。昭和三十八年のときの固定資産税が一万三百五十円であったものが、三十三・一四倍の平均倍率になりますと、これが三十四万三千円になる。これが、昭和四十七年のときに納めた固定資産税が七百九十二円と、都市計画税三百七十二円で、合計いたしまして一千百六十四円になる。これが昭和五十年にはどうなるかと申しますと、いまのペースで行っただけでも、固定資産税が二千四百一円、都市計画税六百八十六円で、これが三千八十七円に上がるのです。これは約三倍になりますね。それから、板橋区の稲荷台、普通住宅街ですが、これが大事なところです。普通住宅街です。いま言ったのは高級です。普通のところは、昭和三十八年の五十坪にかかるのが二千六百二十円の評価が、昭和四十八年、十年たったら、実に十二万七千五百円に評価が変わってきた。そうしますと、ここがどういう計算になるかといいますと、固定資産税と都市計画税で納めた額が、昭和四十七年で一坪当たり三百八十六円だったのが、昭和五十年には千百四十七円になる。これが約三倍ですね。三倍近くなる。これがもっと上がりまして、商業地域の新宿戸塚町では、いま言ったような例で申しますと、昭和四十七年のときに二千七百三十七円納めていた固定資産税と都市計画税が、昭和五十年には一万二千四百八十円にはね上がる。東京都の一番土地の上がらないところでもこうだから、これが埼玉県の川島町のように、対前年度比の地価公示額が九九・六七%も上がるようなところの評価については、これはもうばく大な固定資産税の上がりになっていくわけですね。それが埼玉県の場合では、川島町をトップとして十番までずっと並んでいる。これはどういうことをあらわしているかと申しますと、ドーナツ型にふえて、結局、人口急増地帯の土地の高騰に伴う地価の評価に近づけるためには、固定資産税の評価もそれにつれて上がっていくわけですね。当然、その評価が上がることにつれて、負担調整措置をとった場合には二分の一として押えられますけれども、これは調整措置で上がっていくカーブよりも、その調整措置をはずして評価額の二分の一の額までに押える措置を講じても、急速にそのカーブのほうが直線に上がっていくわけです。そうなってまいりますと、人口急増地帯の地価高騰地帯においては、東京二十三区の平均よりも上がる。そういう場合どうするかということを、重大な問題としていまここで提起しているわけです。いかがでございましょう。
#12
○佐々木政府委員 今回の評価がえによりまして、具体的にどの市町村のどの地域がどれだけ上がったかという点につきましては、まだ、私ども具体的にすることができませんけれども、今回の評価に伴いまして、全国的に大体一・八倍の上昇が見込まれるというようなことから、住宅用地につきましては、従来程度の負担に押えておくというような観点で、二分の一の課税標準の特例を設けたわけでございます。ただいまの御指摘のような、非常に上がった地域において、地価公示額と固定資産税の評価額との間においてはたしてどれだけの開きがあったかという点がやや問題でございますけれども、おそらく、そういう地域におきましては、従来の負担調整措置が四割の区分の適用になる地域が相当ふえたというような結果が出るだろう。それで、四割の調整分の土地が非常にふえるという問題と、それから、三十八年度の評価額に対する倍率が非常に高いために、現在のところ、課税標準の割合がそういう地域におきましては非常に低い地域になっているであろうというふうに考えられます。そういたしますと、この負担調整措置の特例として、一五%、三〇%という課税標準割合の特例措置を設けたわけでございますが、そういうところでは、この一五%、三〇%という、あの最低限の規定が適用になる土地が相当ふえてくるというような形になるんじゃなかろうか。そういう意味では、ほかの土地に比べますと、やや負担の上昇割合が――現行の負担調整措置でありますと四割というのが最高率でございますが、そういう町村の、非常に値上がりをした住宅用地については、まず、課税標準の一五%になる段階でどれだけ上がるか。それから、一五から来年三〇になるわけでございますが、その場合に、倍額に上がるというようなことで、負担の上昇率は非常に高くなるという結果が出てくるだろう。ただ、現実問題としまして、そういうふうに非常に上がります地域の場合は、もとになります三十八年度からの評価額、それに負担調整措置を講じました課税標準額という額が、絶対額としては非常に低い地域でございますので、絶対額の負担額としましては、いまの大都市地域なり、あるいは、すでに前の三十八年度までに相当な地価上昇があった関係で、すでに固定資産税において相当な負担が求められている都市との間においては、むしろ絶対額の上では低い地域であろうというふうに考えております。
#13
○小川(新)委員 大臣、局長の答弁は、絶対額が低い低いと言っているのですけれども、絶対額が低いから上がってもしようがないのだという考え方は、私はいただけない。これは地価対策上、また、固定資産税の負担能力の問題から言っても、大体、そういう住宅に行く人たちは、東京都のような土地の高いところに住み切れない人がどんどん行くんじゃないですか。川島町なんて、二時間半も三時間もかかるようなところに好んで行く人はいませんよ。どうなんですか。たとえば東京都は、もとの評価が高いから、上がる比率は確かに低い。でも、こちらが二割上がるのと、向こうが四割上がるのとはとんとんにいきますよ。たとえこちらは二割であっても、もとが高いのですから、額も高くなりますね。川島町は、東京都から見れば、坪当りの評価は低いでしょう。確かに低いけれども、私は、ここに問題があると思うのです。そこらに行かれる方は、要するに、みんな年収百五十万から二百万円ぐらいの方々が住宅を求めて移動を続けているわけです。最初は三十キロ圏から五十キロ圏、五十キロ圏から、いまでは七十キロ圏へどんどん拡散している。そこへ行っているわけです。そういうところへ行った人たちの倍率が上がるために、そういうところで、所得がなくて、ささやかに年金生活を営んでいる方々は、そういうためにスライドで比例されて、また上がっていくわけです。私は、ここに大きな問題があると思うのでございますが、大臣、この四十五年――四十八年の間には平均一・八倍、それから、東京都の場合は一・七倍という評価の額が上がったわけですが、まず、一体、どれくらいに見ていらっしゃいますか。四十八年から五十一年までの間に、不動産の現行取引額に近づいていくために、土地の評価というものが平均どれくらいに倍率が上がると見ていらっしゃいますか。大事な問題です。聞いておきたい。これが第一点。
 二点目は、いま言ったような、川島町のような遠いところが、倍率が――三千市町村の個々にわたって、ここはふえる、ここは減る、ここはどれくらいふえるのだ、ここは今度の改正によってどれくらい税率が上がるのだということを明確に資料を出してくださいとこの前から私が言っているのは、それを見れば、ここにいらっしゃる方が、一律に、私の説明以上によくわかるわけです。これは一体いつできるのですか。
 それから、さっき言った東京二十三区の、都下も含めての、こういう問題がはっきりしなければ、この審議がただ机上の空論に終わるおそれが出てくる。現実にそこに住んでいらっしゃる方々の影響を考えたときに、明快な資料がなければ、本委員会においてこの地方税法の改正という問題を審議するのに、あまりにもわれわれに対してお粗末過ぎるのではないかという点が二点目です。
 この二つについて御答弁いただきたい。
#14
○江崎国務大臣 地価がとめどなく上昇するという現在のこの状態を、やはり変えていかなければなりません。そういうことが今度の一連の政府としての土地政策であります。おそきに失するとか、いろいろ批評はありましょうけれども、とにもかくにも、こんなに地価が上がることをどうしてとめたらいいかということで、国総法をはじめ、今度の税制対策その他で懸命に押えようとしておるわけです。あながち投機対象というだけではございません。したがって、もとより、この投機対象になることがとまれば、それだけ土地も安定をし、横ばい状況ということになりましょう。これが私どもの望むところでありまするし、田中首相がよく言います日本列島改造の根拠もそのあたりにあると思うのです。したがって、自治省としては、今後気がまえられるところの地方中核都市を整備充実して、都会集中の体制というものを変えていかなければならない。これには全力をあげる必要があると思います。したがって、さてまた、三年経過したあとの五十一年には一体どの程度伸びがあるか。これは横ばいでありますというふうに答えなければなりませんし、また、そうしていく責任があると思います。全力をあげたいと思います。
 それから、第二点につきましては、なるほどこれはごもっともで、事務当局としましては、一応モデル的な地区の試算をすみやかに積算しまして、この審議が進められておりまする間にできるだけ資料を提供するようにいたしたい、こう考えております。
#15
○小川(新)委員 大臣、この問題は、いろいろな立場において審議がおくれてきました。これがいいか悪いかは別といたしまして、参議院に閣僚が引っぱられてやめたり、いろいろな問題で、私どもの委員会は二週間近く休業状態でしたね。その間にさえも、そういう審議をさせる側に対する努力がなされていないということは、私は、ほんとうに遺憾だと思うのです。この点は、時間が十分あった。二週間も三週間もストップの間に幾らでもできた。これは、私は厳重に注意しておきたいと思うのです。これが一点。
 それから、そういうふうに上がってくるということが、いまここで、御答弁ではっきりしました。今度の負担調整措置がとれれば、確かに、地価の上昇に伴って、評価が上がることによって負担が増大するということは明確になってきました。しかし、このことは地価対策じゃないでしょう。これをやるから地価が安定するというために今回の調整負担措置をはずすわけじゃないのですね。これは違う立場から、固定資産税というものを評価にだんだん近づけていこうというシステムのもとにやるのですが、これをやっていきますと、社会のいろいろな底辺にいらっしゃる方、ひずみにいらっしゃる方が、一律に波をかぶることになる。これを私はおそれるわけです。特に、一番おそれることは、たとえば地代家賃統制令というものがございますが、地代家賃統制令というものも、これに引きずられて有名無実になってしまう。
 二番目は、老人や年金でお暮らしになっておられる方々は一体どうなってくるのか。自分の持ち家の、わずかな五十坪足らずの生活の本拠にかかってくる土地の固定資産税が上がることによって、生活に与える影響は重大であります。
 そこで大臣に特にお願いしたいことは、住宅用地に対する税率、この一・四%をどうするかということが問題になってくると思います。これはどういうように根本的にお考えでございましょうか。
#16
○江崎国務大臣 だんだん地価が暴騰し、暴騰した結果として、固定資産税がまさに非常な重荷になる。しかも、それが、広壮な邸宅を持っておる人にならばいざ知らず、零細な、全く古い家に住んでおる人々にまで容赦なくその税金の増加の波が押し寄せるということについては、これは深刻に考えていくべき問題だというふうに思います。今日までも、課税最低限の問題等いろいろ考慮されてきましたが、これはもう、固定資産税の場合は微々たるものでございます。したがって、今後は、租税特別措置による減免の問題等々ともからみ合わせて、いろいろ洗い直しをしなければならぬのではないかという点なども、これは、自治省としては十分検討してみたいと思います。
#17
○小川(新)委員 ありがとうございました。この洗い直しをすぐやってもらいたいですね。そして、どこに一体一番この負担がかかってきて苦しむ人が出るのか、私は、これは明快にしなければなりません。
 もう一つは、課税標準が評価額の二分の一で頭打ちされておりますが、そういう方々に対しては、三分の一とか四分の一とかということを考えられないかどうか。
 二つの点から、いまぼくは御質問しているわけですね。税率の一・四%の変動はどうか。もう一つは、評価額の二分の一に押えておりますが、それを三分の一とか四分の一に変動することは考えられないか。この点どうですか。
#18
○江崎国務大臣 一・四%の問題は、これは普遍的にかける税金ですから非常に低いところに押えられておるというふうに思いますが、ごく必要最小限の住宅というものについては、これはやはり、今後何らかの検討を加えなければならぬというふうに考えます。
#19
○小川(新)委員 何らかの検討ということは、二分の一よりも下げるという意味ですか、上げるという意味ですか。
#20
○江崎国務大臣 これは、いまにわかにどれだけ下げるということは言明の限りじゃございませんが、これはやはり洗い直していく必要がありますね。ひとつ、十分検討を加えて、御趣意の存するところが何らかの形で生かされるように努力してみたいと思います。
#21
○小川(新)委員 非常に前向きな御答弁をいただいたわけです。いま、洗い直しをすると言われただけでも、非常に考えてもらったと私は思うのですが、さらに、その二分の一を三分の一とか四分の一に考えるということを示唆されたわけです。そういう理解を私はしているのです。大臣はそのように理解させたかどうかは疑問であるというお顔をしておりますけれどもね。私が先ほどからるる述べておりますように、少なくとも税金は公平でなければなりません。税金が悪税であってはならない。政治というものは、われわれ人間がつくるものであり、また、運用するものであり、また、法というものは解釈されるものでありますから、当然そこに弾力的な考え方というものが存在したっていいと思う。私はいま大臣のそのお答えをいただいたわけですが、そういう立場に立ってこれは御検討を十分していただいて、私の考えがどこにあるかということは、聡明なる大臣はもうおわかりでございますから、これ以上のことは申しませんが、どうかひとつよろしくお願いいたします。
 私の持ち時間がありませんから、最後に一点だけ伺いますが、租税特別措置として、電力会社の固定資産税がまけられております。特に、火力発電の軽減措置というものが問題になってまいりましたが、これは地方税法第三百四十九条の三の第一項の規定によっております。たとえば電力は、昭和二十九年三月五日の地方行政委員会における地方税法の一部改正の趣旨説明によりますと、固定資産税に関する改正事項については「わが国の経済再建上重要な機械設備等について課税標準の特例を設けた」ということを言っております。これは要するに、昭和二十九年時代の、産業を優先させていく、振興させていく、発展させていくという時代的背景からこういう問題が出てまいりましたが、昭和四十八年の今日、時代が約二十年間流れたわけですが、その間に、企業一辺倒で、いろいろな面でいろいろなひずみが、公害等で出ております。そういう昭和二十九年の時代と現在とは、もう社会情勢においても、すべての点において、GNPの問題を論じても、これは変わっております。
 そこで、火力発電所等におけるところの建設に伴う租税特別措置という減免措置、三分の一、三分の二、こういう問題については考えなければならない事態が来ております。そのことについてわが党の坂井君が質問しております。三月二十九日の決算委員会で、中曽根大臣にこのことを質問いたしております。ちょっと読んでみます。前のほうは、いま私が言ったような意味のことでございますから省略いたすとしまして、「これは去る予算分科会におきまして中曽根通産大臣、あなたとこの問題について論議したわけでありますけれども、つまり新しく設けられた発電所、変電所等の特別措置、これを存続している理由として一つあげられたことは、料金だ、つまり電力料金の安定に資するためであるということを盛んにおっしゃった。」料金を上げないために、こういうふうにかかったものに対して固定資産税をまけてあげるのだというやりとりがあって、ここへ来たわけです。そのときに、中曽根さんのお答えはこういうことを言っている。「固定資産税を現地に還元するということは、やはり電力施設をつくるところの住民、地元に対してそれだけのメリットを与える必要がある、そういう意味で現在固定資産税の二五%が行っておるわけでございますが、それを五〇%くらいにふやしたいというのが私たちの要望でございまして、その点についていろいろ自治省その他と折衝いたしておりますけれども、なかなかこの問題は解決いたしません。」これは質問と答えがちょっと食い違っちゃって、これでは何を言っているんだか全然わからないのです。聞いた方もわからないと思います。固定資産税の減免措置を講じているのはどういうわけだと中曽根さんに聞いたら、中曽根通産大臣は、それは料金にはね返らないための措置だと言っておいて、今度の答弁では何を言っているんですか。「固定資産税の二五%が行っておるわけでございますが、それを五〇%ぐらいにふやしたい」と言って、これが私たち通産省の声だ、そして、それについて自治省と研究しているんだけれども、自治省ががたがた言っているからできないのだという言い分ではないですか。
 きょう通産省の方は来ていらっしゃいますか。これはどういうわけですか。何の声ですか。
#22
○江崎国務大臣 私からお答えしましょう。
 これは、予算委員会でもしばしば問題になりまして、中曽根通産大臣も、最後には誤解が解けたようです。同君の言っておる意味は、十年にわたって固定資産税が減免措置をされておる、これについてはそのまま継続する、それは電気料金の極端な値上がりは困るんだ、しかし、固定資産税がすでに入る分については基準財政収入額に七五%を計上することになっておりますが、それを計上しないでおきなさい、こういう意味を言われたものだと思いますが、これは地方税法の根本を乱る話ですから、私どもは、通産大臣が何とおっしゃっても了承するわけにはいかない。さりとて、われわれ自治省としては、地方公共団体が非常な困難をしておるときであるから、建設省や農林省に対して、国の補助措置をかさ上げするように全面的に協力しましょうということで、協力体制に立ってまいったわけであります。本来、その中曽根答弁というものを推し進めてまいりますならば、なるほど、固定資産税の減免措置というものは、広い意味で電気料金にはね返ることも当然考えられます。しかし、発電量も多くなり、需要も高まり、むしろ需要に追いつかないというような場面に追い込まれた今日の状況で言うならば、むしろ、この固定資産税の前五年、あと五年、合わせて十年間の三分の二、三分の一の減免措置を再検討する場面が来ておるのではないか。これは私、先頃来、通産大臣とも私的にいろいろ話し合いをいたしておりますが、先ほどの小川さんの御提示等を含めまして、こういう問題を至急に検討したいと考えております。
#23
○小川(新)委員 大臣、まことに明快な答弁ですが、お互いに議事録を取り寄せたら、なんだ、おれはそんなこと考えていないということになりませんか。こんな通産大臣の認識では、わが党の坂井君の質問を全然理解していないのです。いまあなたが言ったような固定資産税の租税特別措置と、地方交付税算定基準という地方税法の根幹に問題をすりかえて――それは意識して言ったのか知らないで言ったのか私は知りませんし、答弁をつくった通産省が、どういう意図でこういうことを大臣に言わせたのかもわかりませんけれども、こんな無理解な、この程度の理解しかしていない方が、大臣がいま租税特別措置を前向きに検討しなければならぬという大事な発言をなさっていることを理解し、それに協力してくれるかどうか、私は疑問ですよ。田中内閣の大臣の言っていることがまた食い違ってくる。これは、予算委員会でやられたら大問題ですよ。この委員会だから、まだこの程度で済んでいるのです。大臣の明快な頭脳で、通産大臣の気持ちまで代弁して言っているが、これはまことに、仏法でいうところの大慈大悲ですよ。思いやりが深過ぎますよ。通産大臣はそんな意図で言っているんではないですよ。はっきり言ったら、自治省はなめられているんです。七五%を、大臣が知らないわけはないじゃないですか。それを五〇%にするなんて言って、これを自治省と相談しているのだけれども、なんて言っている。「自治省その他と折衝いたしておりますけれども、なかなかこの問題は解決いたしません。」なんて、これはナンセンスもいいところです。局長、こんなことを言われて、おこりなさいよ。
#24
○佐々木政府委員 地方交付税の措置は、いまの制度の仕組みというものは、基準財政収入額を適当に変動して交付額を決定するというような仕組みじゃございませんので、こうした制度を地方交付税制度の中に持ち込むことが実は問題なのでございまして、私どもとしましては、こういう問題を交付税制度の問題として議論をされるということにつきましては、絶対に反対であります。むしろ、電源開発という仕事が確かに非常に重要な仕事であるということは、昭和二十年代と現在とは変わりがないわけでございますけれども、ただ、そうした電源開発に伴うところの地方団体の財政需要というものは、非常に大きな変化を遂げてきておるわけでございます。この点につきましては、私どもは、いま大臣が述べられましたように、現行の固定資産税の特例措置自体を洗い直し、再検討すべき段階に当然来ておるというふうに考えております。
#25
○小川(新)委員 それが当然の措置ですよ。それこそ、大企業の電力の問題は、昭和二十九年時代ともう確かに違っている。そういう認識の上に立って租税特別措置の洗い直しをやる。これは当然です。それを、この根幹に触れたところにすりかえて、しかも、地方税法の問題は、自治省が頑迷だからこういう問題が解決しないやの答弁をしていることについては、まことに遺憾です。
 きょうは通産省から来ていらっしゃいますが、この点はちゃんと大臣に伝えてください。それに対して、通産省から何か一言あってしかるべきです。
#26
○間渕説明員 本委員会の討論の内容を、よく大臣に伝えます。
#27
○小川(新)委員 どういうように伝えるのかわからないけれども、ただ伝えるだけでは困る。伝えてもらいたい一番大事なことは、江崎自治大臣の言ったことを伝えてもらいたい。いいことを言ったですからね。わかりましたね。江崎さんの言ったことが筋論なんです。中曽根さんの言っていることは邪道なんですから、これはいかぬです。
 そのことを明快に踏まえた上で、きょうは、電力会社等の租税特別措置について、洗い直しをして、前向きにこれを検討するという御答弁をいただきましたので、私の時間が来ましたから、これで失礼させていただきます。
 ありがとうございました。
#28
○江崎国務大臣 ちょっと念のために申し上げておきますが、中曽根さんも、初めはちょっと誤解があったようです。その時期がいつでございますか、私に対してもちょっと不満らしいことを言った時期がありましたが、それはとんでもないことだということで、私がいろいろ説明しまして、もう今日では十分わかって、むしろ、自治省の協力に感謝しておる。こういうわけです。これは、ひょっとすると、事務当局が大臣に対して、そのあたりの消息を十分わきまえないで説明したのじゃないか。ちょうど課長がおるから、これはよく聞かせておかなければいかぬと思うのです。
 そればかりか、この火力発電所の周辺整備の法律をいま御審議に供しておりますが、なるほど発電所はできても、とりあえず十年間は、固定資産税は減免措置で思うように入らない。そこで発電する電力は、はるかに遠い、どこかわからない大都会で消費される。きわめてメリットが少ないのですね。下請企業の誘致などということも考えられない。だから、周辺整備をしなければならぬということは、私ども地方公共団体を持っておる立場からすれば、これは重要な大問題だと思うのです。これにようやく通産省が着目をされ、法制化されたことは、それでも一歩でも二歩でも大いに前進されたことですね。そこで、私は、小川さんがさっき提示された発電所等の減免措置もさることながら、鉄鋼にしろ、何にしろ、まず産業振興第一主義というときと、今日対等の条件で世界の経済と戦っていかなければならぬという日本の置かれた経済の必然的な立場、これなどを考え合わせると、この租税特別措置によるいろいろな減免措置は、一ぺん全部洗い直す必要がある。その洗い直しをしようとするときに、地方税法の根本に触れてまで議論を展開される通産省が一番抵抗するわけですから、これは矛盾だ。むしろ、私は、そこに矛盾を感ずるのですね。ですから、今後は、通産省においても、このことを契機にして、十分認識を改められて、わがほうと話し合いに入ってくれるであろうということを期待をしておりますし、先頃来、予算委員会で、質問が参りませんときに、隣合わせでしきりに通産大臣にこのことを相談をかけておきました。
 したがって、ことしの重要課題ということで、これは十分努力をしてみたいと考えておりますので、念のためにお答え申し上げておきます。
#29
○小川(新)委員 私はいまの質問でやめようと思ったのですけれども、大臣がいみじくも申された発電用施設周辺地域整備法案というのを通産省が出しましたね。このことで電源立地問題がほんとうに片づくかどうかという問題です。世論では、この法律では、電力会社側が地元の同意を得られる保証がないと心配しているし、市町村側としても、この法律では住民に納得させる自信がないと言っている。そういうことで、いま、最高レベルの通産大臣と自治大臣の間にも矛盾と誤解とが渦巻いているのですから、まして、末端地方行政においては、それこそ矛盾と誤解が大渦を巻くのは当然です。この問題について、あなたは、この出された発電用施設用地域整備法案というもので説得できるかどうか。これはいま非常に問題があるところなので、これをお答えしていただいて、私は終わります。
#30
○間渕説明員 今回提出して御審議をお願いいたしております電源立地の周辺整備法でございますが、この法律は、電源立地円滑化対策の一環をなすものでございまして、ほかの施策と相まって電源立地の円滑化に寄与するというふうに期待しておるわけでございます。電源立地難の大きな原因でございます環境問題につきましては、燃料の低硫黄化の推進というようなことを通じまして、万全の対策をとる。それから、その他の公害規制というものにつきましても、すでに法体系が整備しておりまして、その運用の強化、改善をはかるということによりまして、発電所周辺地域における公害問題につきましては、別の完備した体系でやっていく。それからもう一つの、発電所ができましても地元にメリットがないというようなことにつきましては、今回の法律をもちまして、公共用施設を整備するということの体系をつくっていきたい。こういう趣旨で今回の法律案を提出しておるところでございます。
 今回の法律は、発電所の設置、運営と地域社会の健全な発展との調和をはかるという立場から、地方公共団体等から非常に強い要望がございまして、これに応じて立案されたものでございまして、他の公害対策等の施策の推進と相まちましてこれを実施していくことによりまして、発電所の立地の推進ということにつきまして相当な効果を有するものと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#31
○上村委員長 折小野良一君。
#32
○折小野委員 最初に、一般的なことにつきまして御質問いたします。
 地方税が、それぞれの地方団体にとって最も基本的な収入であることは当然でございます。そういう意味から、地方税収入がその地方団体の財源の中に占める比重、これは、それぞれの地方団体においても非常に関心を持っておるところでございます。
 その推移を数字で見てみますと、昭和三十六年度の数字からいきますと、地方の歳入の中に占める税収入というのは三五%ございます。ところが、それが四十六年度になりますと三三%に減ってまいっております。その減ったものは、もちろん交付税あたりでもある程度措置をされておりますが、その多くは地方債によって措置をされている。地方債が三十六年度当時六%であったものが、四十六年度になりますと一二%というふうに、地方債の比重というものが非常に大きくなってまいっております。このことは、結局、財政的に地方団体が非常に不健全化しつつある、あるいは、その反面、自主性を失いつつある、こういうことが言えるのではなかろうかと思いますし、さらに、これを極端に言いますならば、中央集権化が進んでおるのだ、こういうふうな言い方もあるいはなされようかと考えております。
 しかしながら、いずれにいたしましても、今日、地方行財政の比重というものは非常に大きくなってまいっておりますし、これに伴いまして、特に、自主財源の充実というものは非常に必要な問題だというふうに考えております。しかも、その中におきまして、都道府県のほうの財源はわずかながら上がってまいっております。これは、三一%が三四%にふえておる。その反面に、市町村の税収入のほうは、四一%から三二%、これは非常に大きな減りようでございます。こういうような数字から見まして、私どもは、地方団体の自主財源を増加したい、これを健全化したい、そうすることによって地方自治を伸ばしていくべきである、かように考えるわけでございますが、自治省として、こういう問題についてどういうふうにお考えになっておるのか、特に、将来に対してどういうふうな構想をお持ちになっておるのか。大臣の御答弁をお願いいたします。
#33
○江崎国務大臣 地方の一般財源は、やはり、どうしても充実をさせなければならないと思っております。特に、このごろは、社会環境整備費等の要請が急がれておりますときだけに、実情ははなはだ困難なものがあろうというふうに察しております。幸い、本年度の場合は、順調な収入の伸びを示しておりますので、私ども、何とか支障なくそれぞれの政治の推進ができるのではないかというふうに考えておりますが、今後、長期展望に立ちまして、この財源の充実をはかると同時に、地方債の大幅な活用という面にも留意いたしまして、努力をいたしたいと考えます。
#34
○折小野委員 税収入がそれぞれの地方団体において占める比重と申しますか、四十六年度は三三%という数字でございますが、大体どの程度あったらいいのか、あるいは、今後地方財政を健全化していくために、どの程度ぐらいを目標にしてその充実をはかっていこうとされておるのか、お考えがございましたら、お伺いいたします。
#35
○佐々木政府委員 税収入の割合がどの程度が望ましい姿であるかという点は、いま非常に議論のあるところでございます。これまで、税制調査会などで、過去においてその辺の議論がございましたときにおきましては、一応、地方税収入五〇%というものを一つの目標にして試算をしたらどうなるであろうかというようなことの試算をしたことがございますけれども、まだ、具体的に、ここまで持っていくべきだというような結論的なものは出ておりませんけれども、ただ、いろいろな議論の過程におきまして、五〇%比率というものを、少なくとも何とか確保したいものだというような話が出たことがございます。
#36
○折小野委員 いまのお話で、話が出たことはあるということでございますが、自治省としてのお考えは、大体五〇%ぐらいを目標に努力をする、一つの目標として考えている、こういうふうにお考えになっておるのでございますか。
#37
○佐々木政府委員 そこまで十分に詰めた議論ではございませんけれども、地方交付税制度の議論あるいは税源配分の議論の過程におきましては、一つの目標としての五〇%というもの、自治省の正式な目標ということではございませんけれども、一応その辺をめどにしながらいろいろなものを検討していこうというような考え方でございます。
#38
○折小野委員 いずれにいたしましても、ここでどれだけなければならないということはなかなか出ないと思います。しかし、地方行財政の中におきまして、税収入の占める比率を大きくしていかなければならないということは当然の方向だというふうに考えますので、そういう面でひとつ御努力を願いたいと思います。
 ところで、税金というのは、当然公平でなければなりません。しかしながら、先ほど来小川委員からも質問がいろいろ出ておりましたように、現実には、いわゆる特別措置というものがいろいろ行なわれております。すなわち、一つの政策目的を達成するための操作、これがいわば不公平ということになるわけでございますが、現実にはそういうことがいろいろございます。これにつきまして、先ほど、大臣は、近い将来にこれの洗い直しをやりたいというふうにおっしゃっておりますが、現在ございますいろいろな租税の特別措置というものが次から次に重なってまいりまして、全体的な租税の公平という原則を阻害するような形にまでなってまいっておるんじゃなかろうかと考えるわけでございます。もちろん、これは租税全般について言えることでございますが、地方税法の関係におきましても、やはりそのことは言えるんじゃなかろうかと思っております。したがって、地方税法の関係におきまして、租税の公平ということ、政策目的を達成するための特別措置、こういうものにつきまして、自治大臣として、基本的にどういうふうにお考えになっておられるのか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#39
○江崎国務大臣 国民の消費等に直接影響のある基幹産業、主としてそういったものに焦点を当てて特別措置がなされてまいったわけでありまするが、これは一つの考え方として大切なことであったし、また、今日まで、有効に、国民のためにもいい意味で働いてきた。そのメリットは評価できると思います。しかし、たとえば輸出貢献企業に対する減免措置などというものは、今日の、むしろ同じ条件で世界の商品と競争しなければならぬというふうな場面から言うならば、当然考え直していい性質のものではないかというふうに思っております。
 地方税法の非課税措置による減収額というものを見てみましても、四十八年度千九百六十八億円というふうな、非常に多額なものになっておりまするので、こういうものを十分洗い直す。そういう場合に、それぞれの省庁におけるセクト主義等があって、なかなか自治省の思うようにならないというのが現実でありまするが、たとえば、先ほどの火力発電所をはじめとする原子力発電所等々の周辺整備の問題等、こういった現実の困難な問題とからみ合わせて、この減免措置を各省庁と話し合いをして十分詰めてみる一つの時期が来ておる、この時期をはずしてはならぬというふうに考えるわけであります。前途相当困難は予想されまするが、ひとつ十分努力をしてみたいと考えておるような次第でございます。
#40
○折小野委員 もう一つ、考え方といたしまして、本来租税というものは公平でなければならぬ、しかし、それを政策目的に使う以上は、その政策の実効というものを当然あげなければならぬ、それに十分な施策が必要である、こういうことが言われるわけでございます。そういうような面からいたしまして、今日ありますいろいろな特別措置が、政策的な面においても必ずしも有効でないんじゃないか、こういう面もあるような感がいたします。今回の地方税法の改正の中にも、いろいろと、一つの政策を達成するための租税の減免措置というのがございますが、はたしてこれで効果があるのかというようなものもあるわけでございますが、そういうような面については、大臣としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#41
○江崎国務大臣 当然、御指摘のように、その効果が顕著でなければなりませんですね。あいまいであるものに減免の理由というのはもとよりないわけですから、私どもも、この減免の措置を受けておるものについては十分監視をいたしまするとともに、固定資産税をはじめ、先ほど来提起されておるような問題についても、たとえば必要最小限の家屋、土地、こういったものに対しての課税措置をどうするか、これらと合わせて今後慎重に検討して、何らかの結論を得るようにひとつ努力してみるつもりでございます。
#42
○折小野委員 その問題に関連いたします具体的な問題につきましては、後ほどまた御質問を申し上げます。
 そこで、現在の地方税法、主として所得に関する税目に関連をいたしておるわけでございますが、これを見てみますと、ほとんどそのすべてが所得税法あるいは法人税法に関連をして地方税法の改正も行なわなければならない、また行なっておる、こういう実態があるわけでございます。たとえば、四十八年度の所得税法の改正に伴ってこうこうするとか、あるいは、租税特別措置法において事業主報酬制度ができたから事業税のほうをこうするとか、いろいろ国の税制との関連において改正が行なわれておるのでございますが、こういう点につきましては、やはり、これは、どういう税目を選ぶかということに関連があるのでございますが、地方団体の対象になる地方税というものはもっと独自性があっていいんじゃなかろうかということも考えますし、また、反面、現在のようなこういう制度のあり方であるということになりますならば、むしろ、所得税あるいは法人税の付加税制度を採用してしまったほうが簡単じゃないか、私はこういうふうにも考えるわけでございます。そういう点について、大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#43
○江崎国務大臣 付加税制度の考え方は、やはり
 一つの考え方であろうと思いまするが、今日では、まだ、それについて検討はいたしておりません。事務能率をあげる上から言いましても非常に能率的でありましょうし、検討の余地はあると思いますが、今日の段階では、まだ、それは考えておりません。今後の検討課題であろうかと思います。
#44
○折小野委員 私の立場から、あるいは考え方からいたしますと、現在はほとんど所得税関係に追随的な地方税になってしまっておる。それならば、付加税のほうがましじゃないかというふうに一応考えます。しかし、地方税の本来からいたしますと、やはりそうではなくて、地方には地方独自の財源というものがあっていいんじゃなかろうかというふうな気がいたすわけでございます。こういう問題につきましては、国の税制全般の改正に関連をいたしますので、今後とも、地方自治というものを、他の財源の面においても十分配慮した検討がなされてしかるべきであるというふうに考えます。
 次に、いわゆる納税、反面から徴税と言ってもいいのですが、この仕事につきましては、国は国の徴税機関がございます。都道府県は都道府県の徴税機関があり、市町村は市町村の徴税機関があります。それは、実は、多くは、一人の国民に対して、国あるいは都道府県、あるいは市町村、それぞれ別個の立場で調査をして、別個の立場で税の徴収をするというような形になっております。最近は、それが、いろいろな合理化というものが組み入れられてはおります。しかしながら、基本的には、やはりそれぞれの立場で、それぞれの納税者の調査をして徴税をする、こういう形になってまいっておるわけであります。
 ところで、こういうような徴税機関、あるいは反面から言えば納税機関、こういうものをむしろ一本化してしまったほうがより効率的じゃなかろうかというふうな考え方もあるわけでございますが、事実上は交付税制度というものがございますので、結局、国税も、都道府県税も、市町村税も、ある面におきましては一緒に徴収をしておるということがございます。それから、都道府県税と市町村税の中で、いわゆる住民税関係は、市町村が一緒に税を徴収しておるということもございます。こういう点から見ますと、全国的な徴税機構というものを一本化するという一つの方向があっていいんじゃないかというふうに考えますが、大臣としてはいかがでございましょうか。
#45
○佐々木政府委員 税の問題につきましては、一面は、徴税側から見た場合の合理化の問題と、それから一面は、納税者側から見た場合の合理化の問題と、両面からの検討が必要であろう、そのほかに、地方団体のいわば自主性というものをどういうふうにして確保していくのかという問題が、また別の観点から検討される必要があるだろう、というふうに思うわけです。
 現在は、昭和二十五年以来、現行税制が組み立てられましてから、国税、地方税、それぞれ独立税主義をとりながら、それぞれの行政主体の自主的な判断に基づいて税制を運営していくという方式をとってきておりますけれども、これは、それぞれの行政主体の自主性を主張するあまり、納税者についてあまりにも事務的な負担がかかり過ぎるというような面が見られるものにつきましては、お互いに徴税機関同士が協力しながら、そうした納税者についての事務的な負担をできるだけ軽減をしていこうという措置をとってきております。これは、国税、地方税の共同納税相談方式、あるいは税務調査について、これを二元的にならないように、できるだけ一元的にしていこうというようなことで、そうした同じような形で徴税できるものについては、そういう方式をとってきているわけでありますけれども、しかし、それでもなお、納税者側から見た場合に非常にわずらわしいのではないだろうか、むしろ、徴税機構を一本化したらどうだというような声が聞かれているということは御指摘のとおりでございます。
 ただ、現実問題として、たとえば事業税を一つとらえてみましても、事業税は、その地方団体、各都道府県の中での事業活動というものを中心にして課税をしていこうというたてまえをとっておりますから、たとえば、海外活動における所得というものはとらえないというたてまえをとっております。ところが、国税は法人についての所得課税というたてまえで課税するわけでありますから、これは、国内活動であろうと、海外活動であろうと、所得に連なる場合にはすべて課税対象にするということになっております。
 同じような所得をとらえます場合におきましても、その考え方に相違がありますし、また、地方団体から見ますならば、地方自治団体としての行政権限の一定の限界から、その権限外のところまで課税源を延ばしていくということはできないというふうな問題もあるわけでございます。その点は、私どもも、常に、納税者側に立っての検討も同時にしていかなければならない。日常的な検討がなかった問題でございますけれども、やはり、現行制度から見ました場合に、この税目も、それぞれ独立税のたてまえをとり、そうして、その間において、納税者の不便をできるだけ除去するということを検討しながらやっておりますけれども、現行のような三本立ての徴税方式というものはなお維持していかなければならないのではないだろうかという感じがいたしております。
#46
○折小野委員 それでは、次に、住民税について御質問申し上げます。
 いただきました資料によりますと、個人住民税の納税義務者数の推移という資料がございます。これを見てみますと、昭和三十八年度におきまして、均等割りの納税義務者が二千八百二十六万、その中の所得割りの納税義務者が千九百四十一万、大体六八%が所得割りの納税義務者ということになっております。ところが、四十七年度になりますと、大体十年経過したあとでございますが、均等割りの納税義務者数が三千五百七十万人、これに対して所得割りの納税義務者数が三千百十三万人、八七%ということになるわけであります。すなわち、所得割りの納税義務者数が六八%から八七%にふえてきた。非常に大きくふえてきたということ。これに対しましては、自治省としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#47
○佐々木政府委員 所得割りの納税義務者数の増加は、やはり、国民の所得水準の上昇ということが反映をしているものというふうに考えております。これと同じような傾向は、国税の所得税におきましても同じような傾向で、納税義務者数がふえておるわけでございます。その点は、やはり、結果的には、所得水準の上昇がもたらしたものであるというふうに考えておるわけでございます。その場合に、課税最低限というものが、その上げ方が非常に少なかったために、そういうように、所得割りの納税義務者数あるいは所得税の納税義務者数がふえているというような考え方も一面にあるかと思いますけれども、しかしながら、住民税の場合はともかくといたしまして、所得税の課税最低限というものの水準も、諸外国の例に比べましても相当高いところまで来ておりますところを見ましても、やはり、全体的な所得水準の上昇がもたらしたものだというふうに判断せざるを得ないのではないだろうかと思います。
#48
○折小野委員 確かに、今日まで、名目所得が非常に大きく上がってきた。これがこういう面に反映をしておるということは言えると思います。しかし、その結果、この間の質問でもありましたのですが、事実上の最低生活費に食い込むというようなこともございますし、また、毎年毎年多少なりと上がってきております住民税の課税最低限の限度がはたしていいのかどうかという問題もいろいろあろうかというふうに考えております。まあ、しかし、この数字だけから見ますと、ちょっとこれは取り過ぎじゃないか、というよりも、むしろ、当然の減税というものを忘れられておるんじゃなかろうか、その面の制度の改正の怠慢じゃなかろうか、こういうふうに考えるのでございますが、いかがでございますか。
#49
○佐々木政府委員 住民税の課税最低限も、ここ十年ばかり、もっぱら減税の重点を課税最低限の引き上げということに求めてまいりまして、過去におきまして所得税の課税最低限の七〇%水準にありましたものが、去年、ことしの姿におきましては、大体八〇%の水準まで高まってきておるというようなところでございまして、住民税におきましても、できるだけ課税最低限の引き上げには努力をしてきたわけでございます。
 この課税最低限の最低生活費との関係においてなお問題があるのではないかというような御指摘もあるわけでございますけれども、過去におきまして、国税の所得税あるいは住民税の両税を通じまして問題となりました、いわゆる最低生活費との議論、そのときの数字を現在にまで伸ばして計算をしてみますというと、住民税の課税最低限におきましても、すでに、過去の最低生活費の数字とは、もう比較にならないほどの水準に来ておるような状況でございます。むしろ、課税最低限は、いわば標準的な生計費との関係においてどう見るべきかというような議論の立て方に変わってきておるという点は、課税最低限の引き上げについて相当努力をしてきた、その結果であろうというふうに思いますし、また、一面におきましては、生活水準がそれだけ変わってきておる。そういう生活水準の変わり方というものについて、十分配慮しながら課税最低限というものも考えていかなければならない。そういう時代になってきているというふうに私どもは理解をしておるわけです。
 ただ、課税最低限は、各課税主体の中において、その税の負担をどういう所得階層に配分をしていくかという一つの基準でございます。その点は、国税、所得税の課税最低限と、住民税の課税最低限を見ます場合に、必ずしもこれは同じような数字でなければならないということにはならないだろうと思います。やはり、地方団体の中には、相当住民の経済水準の高いところもございますし、低いところもあるというようなことでございます。たとえば四十七年の課税最低限で、各市町村ごとに所得割りの納税義務者がどういう状況にあるかということを調べてみますと、納税義務者数が人口の二〇%以下の市町村が四五%もあるというような状況が見られるわけでありまして、この課税最低限の問題につきましては、その辺からの、いわば住民税の性格というものを考え合わせなければならない面も、いまの地方団体の現状からすれば出てくるというふうに判断せざるを得ないわけでございます。ただ、納税義務者数が全体的にふえてまいりますのは、やはり、大都市を中心にいたします都市部において相当ふえておる。そうして、過疎地域においてはむしろ減少ぎみである。こういうような現在の日本経済の、いわば地域的な不均衡さにこうした住民税のいわば不合理な面があるのではないかというふうに指摘されている。その点にあらわれているんじゃなかろうかという感じがいたすわけでございます。
#50
○折小野委員 いまの御答弁、わからないじゃありませんが、それにもいろいろと疑問がございます。もちろん、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限を一緒にしなければならぬという理論的な根拠はあまりないかと思っております。しかしながら、地方税におきましては、申し上げるまでもなく、その住民税の性格をあらわすものとして、一面均等割りというものがあるわけなんであります。均等割りは、当然住民税の性格というものをあらわした一つの課税制度であるというふうに考えますので、やはり、所得割りのほうは十分に生活の実態というものを考慮すべきじゃなかろうか。確かに、名目的な所得水準というものは上がってまいっております。しかしながら、それがはたしてほんとうの生活水準の上昇につながっておるのかどうかという点になってまいりますと、多くの疑問があるわけでございます。そういう面から、私どもとしましては、もっともっとこの点は課税最低限を引き上げるという点において解決がはからるべきではなかろうかというふうに考えます。
 それから、いまの御答弁の中に、地域的な不均衡というものがございました。確かにそれはあるわけでございます。特に、最近のように過密、過疎が進んでまいりますと、この地域的な不均衡というものはますます大きくなっていく。しかし、税金が、いわゆる財源という形において不均衡であるから、その賦課が不均衡であっていいということにはならないと思います。やはり、税金というものは、国民にとって一応公平でなければなりません。それぞれの地方団体の財源において不均衡であるというならば、これは税制の問題で解決すべきでありまして、個々の住民に対する課税において、不均衡な課税があっていいということにはならないのではないかというふうに考えるわけでございますが、そういう点、もっと御答弁を願います。
#51
○佐々木政府委員 確かに、御指摘の点はごもっともなところでございます。住民税におきましては、均等割りと所得割りがあり、広く住民に地域社会の費用の分担を求めるということで均等割りという制度があるわけであるから、当然、所得割りについては、もっとも生活の実態に対応する負担を求めるべきであるという点は、御指摘のとおりの考え方も十分私どもは考えておるわけでございます。ただ、均等割りは、御承知のとおり、ここ二十年その額が据え置きになっている。これにつきましては、一面において、いまの物価水準あるいは所得水準から見て、もっとこれを引き上げるべきだというような議論がある反面、頭割りの税負担というものは、むしろその税負担が逆進的になる、そういう意味では、均等割りというものはこの際廃止をすべきではないかというふうな議論もあるというふうに、考え方において非常に分かれておるところでございまして、この取り扱い方については、私ども非常に苦慮しておるわけでございますけれども、均等割りについて、過去昭和二十五年ごろ設けられましたときと同じような負担感を持つ程度にまで均等割りを引き上げるという場合におきましては、もう少し所得割りの面において割り切れるのではなかろうかなというような感じもいたすわけでありますけれども、その辺がどうもすっきりと割り切れないでおるのが現状でございます。
 それから、所得割りにつきましては、確かに御指摘のような議論もあるわけでございますが、住民税の性格は、その地域社会の費用をその所得に応じて分担をしてもらうというような性格を持ったものがやはり住民税であろうというふうに考えます場合に、あまりにも課税最低限を引き上げてしまって、所得に応じて分担をする部分が、あるいは納税者の数が非常に減ってくるというようなことになりますと、やはり、所得に応ずる費用の分担という住民税の性格がどうも実現されない面が出てくる。こういうことで、この課税最低限につきましては、一面において、生活の実態というものを見ながらできるだけ引き上げをはかるということと同時に、住民税の性格というものを全市町村的に維持していけるような、そういう二つの要請を見ながら課税最低限の引き上げを行なってきておるというのが私どもの現在の立場でございます。
#52
○折小野委員 所得に応じて分担をするという考え方、これは一応当然な考え方だというふうに考えます。しかし、その所得に応ずる分担が不均衡であっていい、あるいは、それが生活をはなはだしく圧迫をしていいということにはならないわけでございます。そういう面から見ますと、現在の住民税の課税最低限につきましても、もっともっと考えていただく必要があるのじゃなかろうか、少なくも現段階におきましては、もっともっとその引き上げをはかっていくということが一つの解決の道である、こういうふうに考えております。そういう点から、本年度も、標準世帯におきまして八十六万円に課税最低限が引き上げられたわけでございますが、今後につきましての大臣としてのお考えをお伺いいたしたいと思います。
#53
○江崎国務大臣 先ほどから税務局長が詳しく答弁をいたしておりまするが、課税最低限の引き上げにつきましては、国民生活の所得の伸び、その他いろいろ勘案しまして、なお今後引き上げていく必要がある。これは、税制調査会の長期答申におきましても、はっきりその方向を明示いたしております。当然引き上げをしていくべきであるということで考えてまいりたいと思います。
#54
○折小野委員 その引き上げに際しまして、最低生活費には課税をしないという原則は一応確保されるというふうに考えてよろしいでしょうか。
#55
○江崎国務大臣 御承知のように、もともと所得税とは違いまするので、いつも、私ども、所得税の免税点とは同一視するわけにまいりませんという御答弁を申し上げてきておるわけでありまするが、いま御指摘のような人たちに対しましては、当然課税をしないという方向で考慮されてしかるべき、だと考えております。
#56
○折小野委員 生活費という問題は、これは、とり方によっていろいろございます。まあ、私どもがせめて考えておりますのは、政府が発表いたしております標準生計費、それくらいのものは当然課税最低限で十分考慮されていくべきだというように考えますが、本年の場合も、必ずしもそれが考慮されておるというふうには見られないわけでございます。そういう点から申しまして、今後それらのことを十分考慮されての配慮が望ましいというふうに考えております。
 ところで、住民税に関しましては、所得税に関連をいたしましたいろいろな控除制度があるわけでございますが、その中で一つお伺いをしてみたいと思います。
 寡婦控除というのがございます。宴婦控除の「婦」は婦人の「婦」なんですが、もう一つの寡夫、「夫」のほうの寡夫ですが、こういうものについては考えられないのでしょうか。どうでしょうか。もちろん、基本的には、地方税のほうで先に考えるということは、現在の制度の中ではなかなかむずかしい問題がありますが、夫がなくなって困っておるという婦人はもちろんございます。しかし、同時に、奥さんがなくなって、あとの子供の扶養その他に非常に困っておる、子供が足手まといになって十分に働けないということで、非常に難渋をしておる人も相当あるわけです。そして、また、それに関連して、この間からちょっと事件がございましたね。子供を置き去りにしたとか、あるいは子供を殺したとかいう事件があった。こういうような面から見ましても、それは男子としてまことに恥ずかしいという面もあるかもしれませんけれども、現実の問題として、やはりある程度考慮さるべき事態にあるのではないかというふうに考えますが、いかがにお考えですか。
#57
○江崎国務大臣 男女同権というたてまえから申しますると、御指摘のような寡夫控除ということも、やはり十分考慮の対象であろうというふうに思います。これは、今回の場合も、自治省においていろいろ検討をしたわけでありまするが、まあ、女性の場合のほうが、稼働するといいますか、生活費をかせぐ能力に比較的欠ける。これは比較的の話でありまするが、男性の場合よりは比較的欠けるということで、今回はとりあえず女性の「婦」のほうにし、男性のほうは加えなかったというわけでありまするが、折小野委員のおっしゃる意味はよくわかります。そういう特殊な人をどうするかということを含めまして、今後の研究題にいたしたいと思います。
#58
○折小野委員 いろいろと検討もされ、また、今後の研究課題にするということでございますが、お考えになって、近い将来実現する見込みがあるんですか。どうですか。
#59
○佐々木政府委員 この問題につきましては、税制調査会におきまして、今回寡婦控除の範囲を広げるかどうかということがありました際に、一応議論になったことがございますけれども、まだそれほど突っ込んだところまでいっておりません。いま、外国等の所得税の扱い方がどういうふうになっておるかというようなことを調査している段階でございます。
#60
○折小野委員 ひとつ、十分御検討を願います。
 次に、事業税についてちょっと御質問をいたしますが、今回、所得税につきまして、これは完全ではございませんが、事業主報酬制度というものが採用されることになりました。これに伴いまして、事業税において、事業主に対してどうするかということが当然問題になってくるわけなんでございましょうが、所得税でとられるような事業主報酬制度というものは、事業税においてはなじまない、こういうようなことによりまして、事業主控除を引き上げるという形で解決をされておるように見ておるわけでございます。はたして事業税については、この制度はなじまないのか、どうなのか。あるいは、これを採用してはいけないのか、どうなのか。所得税あるいは法人税がこうなったから、それに伴って地方税のほうも改正になるというのが多くの場合でございます。この点だけについて事業主報酬制度を拒否しようというふうにお考えになっておられる、その理由をお尋ねいたします。
#61
○佐々木政府委員 事業主報酬の制度につきましては、税制調査会におきましても、あるいは地方制度調査会におきましても、いろいろ御議論をお願いいたしたところでございます。私どもの考え方でございますが、これらの調査会の答申も、事業主報酬制度を事業税に入れるということについては否定的でございましたが、現行の事業税というものが一体いかなる税かということになりますと、やはり、各事業がその事業活動を営むにあたって、いろいろな地方公共団体の行政施設あるいは行政そのものとの関係において、相当な受益関係を生ずる。したがって、その事業の活動量に応じて事業税負担をすべきではないかという考え方のもとにつくられました物税という体系をとっておるわけでございます。そういう意味からいたしますと、事業税の課税標準は、国税の所得税とかあるいは法人税とは別に、むしろ、外形標準的なものを課税標準にいたしまして課税をする。最も事業の活動分量をあらわす標準をとらえて、これを事業税の課税標準にするということが望ましいというふうに考えられるわけでありますけれども、戦後のいろいろな経済状態から、事業税を赤字の企業にまで負担をさせるということについてはいろいろ問題ではないだろうか。しかし、また、一面においては、外形標準課税というのは、赤字の企業であっても、地方団体の行政施設をそれだけ利用するわけだから、ある程度の税負担を求めるべきだという議論であったわけでありますけれども、その反面、赤字企業はそれだけ担税力がないではないかという議論、これらの議論の妥協線といたしまして、いわば、担税力をあらわす意味で所得というものを課税標準にしたらどうか、こういうことで現在まで至っておるわけでございます。過去におきまして、外形標準として付加価値基準というものを事業税に取り入れるべきではないかといった議論もあったわけでありますけれども、現在に至っておるわけであります。
 その場合に、個人事業税におきまして事業主報酬制度を取り入れるべきかということになりますと、この点は、事業税がいわば事業所得のみを課税対象にした税であるということから見て、総合的な所得課税としての所得税と同じ制度を取り入れていくべきものかどうかという点についてはきわめて疑問であると言わざるを得ないわけであります。しかも、この事業主報酬制度というものの事業主報酬額というものが、その納税者自身がその報酬額を決定するということになりますと、事業税の額というものが――その事業の活動分量にかかわりなしに事業税負担というものが相当変動できるということになりますと、やはり、事業税の性格というものが非常に変わってくる。そしてまた、税負担に非常に不均衡を生ずるというようなことになるわけでございます。そういう意味では、現在、すでに、個人事業税におきましては事業主控除という制度を設けまして、いわば、勤労部分について概算的に控除をするという方式をとっておるわけでありますから、さらに事業の実態に応じて、この制度を、事業主控除の額というものを検討をしていくことによって、事業税におきましては、むしろ税負担の均衡という面を確保すべきではないだろうか。こういうことで、私どもは、事業税には事業主報酬制度は導入すべきではないというふうに考えておるところでございます。
#62
○折小野委員 事業主報酬制度を採用するにつきましては、いろいろな議論があったというふうに聞いております。その中で、たとえば現在クロヨンとかトーゴーサンとかいうようなことばで表現されるような課税の実態、こういうものが考慮をされたというふうに聞いておりますのですけれども、そういう点につきましては、税務局長さんのほうではどういうふうにお考えになっておりますか。
#63
○佐々木政府委員 税務の実態から申しますと、一般の事業所得等が、給与所得に比べますと、その捕捉が十分行なわれておらないという点は確かにあるだろうということは認めざるを得ないと思います。そういう意味で、青色申告者というものが、その記帳を完全にして、そうした家計と事業というものとの経費の区分が明確にされている以上は、少なくとも捕捉問題は相当程度解決されていいわけでもある。そういう意味で、青色事業主について採用した事業主報酬制度を認めるべきだということになった。そういう議論が出てきたということは私どもも理解ができるわけでありますけれども、ただ、税務の執行面において、青と白との間においてその捕捉に差があるということを前提にしながら、青色申告者についてのみ事業主報酬制度を認めるということは、やはり問題ではないだろうかと考えております。
#64
○折小野委員 これは、この問題だけに関連した問題ではございませんが、クロヨンとか、そういうようなことばが流布されておる。また、そういうふうな考え方で税の執行を国民が見ておる。こういうところに問題があるわけでして、しかも、それを、そういう実態であるからということで、制度の創設あるいは制度の改正というような場合にいろいろと考えていくということは間違いだと思うのです。むしろ、そういう実態をなくすこと、これが一番大切なことでございまして、そのためには、応分の負担は当然なことであるというふうに国民が納得をする、こういうような納税制度というものが確立をされるということが一番大切なことじゃなかろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、この問題は今後さらに検討もされることだろうと考えますので、十分ひとつ御配慮を願っておきたいと思います。
#65
○江崎国務大臣 いまのクロヨンとかトーゴーサンという税負担率の話は、現実に私どもも見ておりまして、そう言われてもいたしかたないような実際差があると思うのです。したがって、いま折小野委員も仰せられるように、そういう不公平をなくすることに今後どう対処するかがきわめて重要な問題だと思います。したがって、九といわれ、十といわれる勤労所得者の税の減免、このことをまず次の政治課題として取り上げ、これが軽減されるように持っていく。そして、国税負担が、また、地方税もしかりでありますが、あまねく公平に行なわれるように処置しなければならぬと思います。全く同感でございます。
#66
○折小野委員 次には、固定資産税についてお伺いをいたします。
 今回、三百四十九条の三の二という新しい規定ができまして、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」というものが行なわれることになりますが、この規定の中で、「人の居住の用に供する家屋」で、「政令で定めるものの敷地の用に供されている土地で政令で定めるものに対して課する固定資産税の課税」というふうに、「政令」「政令」となっており、政令に委任されておるわけであります。したがって、この内容というのが十分に私どもに理解されないのでございますが、その政令の内容をひとつお示しをいただきたいと思います。
#67
○佐々木政府委員 最初の「政令」の「その一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるもの」の、この「政令」につきましては、いわゆる併用住宅のどういうものを住宅と見るかという基準でございます。要するに、住居部分が一定割合以上であるものについては、併用住宅でありましても住宅と見ていくという規定でございます。大体、二分の一以上居住部分があります場合には、専用住宅と同じ取り扱いをしていくという考え方でございますが、なお若干いま実地に調査もしておりますけれども、最近の複合的な併用住宅といいますか、下の部分に店舗を持ち、上のほうに住宅を持っている大きいビルなんかの場合にやや例外的なものがあるようでございます。例外的に四分の一以上が住宅になっておるものについても、同じようにこれにひっくるめることをいま検討いたしております。
 それから、次の「政令」でございますが、この「政令」は住宅の敷地の計算でございますけれども、専用住宅の場合には、もちろん、その住宅の敷地が全部住宅用地になるわけでございます。ところが、併用住宅の場合におきましては、先ほどの政令で当然に専用住宅と扱いますものにつきましては、その敷地全部でございますけれども、先ほど申しました複合的な、店舗と住宅とが全然関係のない複合ビルのような場合におきましては、居住部分の割合に応じて面積案分をしていこうという規定を設けるつもりでございます。
 なお、住宅に対応いたしまして、敷地があまりにも大きいというような場合には、大体十倍ぐらいのところで、十倍以上の面積の部分については住宅用地の課税標準の特例は適用しないという規定をこの政令で入れるつもりでございます。
#68
○折小野委員 この政令の前のほうは大体わかるといたしまして、あとのほうの「政令で定めるもの」ということなんですが、これは非常に大切な規定でございます。むしろこれは法律の本文で定むべきものであって、政令に委任すべきものではないのじゃないかというふうに考えます。特に、いまの御説明では、住居の敷地の十倍くらいのところで、というふうにおっしゃいますが、その何倍くらいのところで、というのは非常に重要な問題だと思います。これは当然法律事項にすべきだというふうに考えますが、いかがでございますか。
#69
○佐々木政府委員 この政令は、どちらかといいますと、前の政令を受けて書かざるを得ない部分があるわけでございます。
 それから、もう一つ、住宅用地というものを規定いたします場合には、現に住宅が建っている敷地ということをこの特例の適用を受ける住宅用地ということにいたしておりますが、未利用地等の場合に、単に物置き程度のものを、あるいは簡単なプレハブ的なものを建てて、住宅用地で二分の一の軽減措置の適用を受けるというような通脱行為というようなことも考えなければなりませんので、そういう意味で、一応十倍というところで線を切ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 確かに、一面から見ますならば、その辺は、考え方によりましては法律事項ではないかという御意見もあるかと思いますが、まず、さしあたりの問題としましては、そうした逋脱行為の防止というようなことを重点にいたしまして私どもはきめていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#70
○折小野委員 敷地の計算で、専用住宅は一応全部だ、これが原則でございますね。ということになりますと、どのような広大な敷地でも、やはり、これによって減税をされるということ。それをさらに十倍くらいまでのところでということで、税を免かれようとするものを何とか除外をしよう、こういうふうにされているわけでございますね。しかし、この原則からいきますと、そういう逋脱的な行為がなかったといたしますと、すべての住宅の敷地は一応この規定の適用によって減税をされるということ。そうなりますと、たとえばこういう例がいいかどうかわかりませんけれども、田中総理の三千坪の宅地、また、一般庶民の三十坪、五十坪という住宅用地でも、ひとしく二分の一の減税がなされる、こういうことになるわけですか。その辺いかがですか。
#71
○佐々木政府委員 住宅用地の特例措置は、現に住宅の用に使用されている土地を住宅用地として軽減措置の対象にしようということにいたしておるわけでございます。ただ、その反面に、いわば未利用地的なものにつきましてはこの特例措置は適用しない、通常の事業用地と同じ扱いにするという考え方があるわけでございます。
 そこで、非常に広大な敷地の中に小さい家を建てているという場合におきましては、その一部は未利用地的な考え方をとっていっていいのではないか。それがまた同時に、いま申しましたように逋脱行為の防止ということにもつながるというふうな観点からこの考え方をとったわけでありますが、その場合に何倍程度のものがいいのかという点は、確かに、地域によって差がございます。大都市地域などの場合におきましては、むしろ十倍という線は広過ぎるのではないかというような御議論もあるかと思います。いなかのほうに参りまして農家住宅等を見ますと、十倍という線でもちょっと追い切れないものもあるのではないだろうかというような感じがいたしておりますが、現在、これらについて、各市町村等につきましても、それぞれの実態に応じた意見の聴取もしておるわけであります。大体、平均的なところが十倍という線であれば、農家などの場合にも問題はないのではないか。そしてまた、常識的に考えましても、敷地がその建物の延べ坪数の十倍以上あるというようなものは、やはり、その一部は未利用地的な考え方をとっていっていいのではないだろうか、空閑地としての考え方をとっていっていいんじゃないだろうかという感じがいたすわけでございます。
#72
○折小野委員 庭園の場合には、いわゆる未利用地あるいは空閑地というふうに考えていいのですか。
#73
○佐々木政府委員 それが庭園になっておるということでございましても、やはり、税負担の上からいたしますと、それが一定規模以上の部分については二分の一の特例措置は適用しないという考え方をとっていきたいと思います。
#74
○折小野委員 先ほどの説明ですと、小屋とかなんとかがあって、逋脱的な行為を防ぐ、そういう意味において、居住用の敷地の十倍くらいというふうにおっしゃいました。ですから、そういうようなことがなくて、ただ庭園に使っておるという場合でも一応十倍くらいというふうにお考えになっておるわけですね。
#75
○佐々木政府委員 そういうことになりましても、一体、これが逋脱行為なのか、そうではないのかということもいろいろ判断をしていかなければならない。そしてまた、その部分だけ課税をするということも逋脱であるのかないのかというのは、なかなか外形的には判断をするということがむずかしい場合が多いだろうと思います。そういう意味では、やはり取り扱いを同じにするということで、単に建物の延べ坪数対その敷地面積ということで割り切っていかざるを得ないのではないかということで、同じような扱いにしていきたいと思っております。
#76
○折小野委員 そうしますと、大きな邸宅をかまえておられる方は――邸宅といいますか、家ですね。大きな家を持っておられる人は、それによって敷地が大きくなる。同じ十倍であったにいたしましても大きくなるわけでございますから、減免の恩典を受ける広さが大きくなる、こういうことになるわけですね。
#77
○佐々木政府委員 結局、建物の延べ坪数に対応しての倍率でまいりますので、その家屋が大きくなれば、その二分の一の適用を受ける部分の面積が大きくなるという結果には相なろうと思います。
#78
○折小野委員 ということは、端的に言いますと、結局、お金持ちのほうが減税される分が大きくなるということに結果的になってまいりますね。それでよろしいですね。
#79
○江崎国務大臣 これはいかがでしょう。私、ずっとやりとりを聞いておるわけですが、要するに、固定資産税というものは一律普遍的にかかるわけでございますね。そこで、たとえばどこまでが庭で、どこまでが作業場であるかという判定がなかなかむずかしい。これをやかましくこの段階を設けることにしますると、農家などの場合に、非常に過重な負担を強制せられることにならないか。たとえば農家の場合ですと、庭にやや類するものと、米を干したり麦を干したりという作業場に類するものと、これをどう区別するか。これは、たとえば今度の土地保有税の場合にも言えることでありまするが、本来、未利用地税というもので、高率な税金をかけることが税の形態としては最も望ましいわけでありまするが、この未利用地というものの判断に非常にむずかしさがある。そんなことから、一律一様に特別土地保有税というものをかけるという形に決定をせざるを得なかった。したがって、固定資産税というものの性格から見まして、いま税務局長が御説明を申し上げておるようなことにならざるを得ないのではないか。おっしゃる意味はよくわかるのです。それを詰めていった場合に、さて、徴税の事務能力の問題もありましょうし、この査定をどこに置くかという非常に困難な問題にぶつかるというようなことで、現在のような制度になっておる、このように御理解を願いたいと思うわけでございます。
#80
○折小野委員 私は、住宅用地の減税は非常にけっこうなことだと考えております。また、未利用地税あるいは空閑地税の対象としてそういうものを捕捉するということが非常にむずかしいということもよくわかります。したがって、住宅用地の減税という形において反面の効果をおさめようという考え方につきましては、一応原則的には私どもは賛成をいたします。しかし、その結果として、現在考えておられるような、こういうような具体的な方法を講じていかれますと、結局、端的に言って、金持ちのほうが減税の恩典をよけい受けるということになってまいるわけです。こういう点は、今回ここで採用されようとしているこの制度の趣旨からいきましても、私は適当でないと思います。
 そういう点から、私は、一つの案をお示しして、御批判をお願いいたしたいと思うのでございますが、人の居住の用に供しておる敷地、宅地、それが二百坪なら二百坪というものを限定をしておいて減税をするということにいたしましたらどうでございましょうか。これはもう、いろいろな事情がありまして、二百坪より上もあれば、下もある。しかし、大体そういうことになりますと、お金持ちとそうでない者との差というものはあまり表面には出てまいらない。ですから、むしろ、そういうような制限をここではっきり法律の本文のほうで出して、さらに、それのこまかい点は政令でいろいろきめられることもけっこうかと思います。政令で建物の敷地の十倍ぐらいということをきめられるよりは、そのほうがより公正であるというふうに考えますし、庶民の住宅用地を何とか配慮するのだという趣旨に合致するのだと思うのでございますが、いかがでございますか。
#81
○江崎国務大臣 一つの御提案として私どもも承りまして、検討題にいたしたいと思いますが、ちょっと先ほど私も申し上げましたように、そういう場合に、農家などの場合をどうするのかとか、それから、このごろは専業農家というものがだんだん少なくなってまいりましたので、そういうときにまた農家を別に処遇するというようなことにした場合、一体その区別をどうするかとか、いろいろむずかしい問題はありますが、折小野さんの言われる意味はよくわかりますので、一つの貴重な御意見として十分承って、自治省としても、今後の検討題にいたしたいと思います。
#82
○折小野委員 今後の検討題ということでございますが、これは、この改正案が出ますと直ちに実行されるということになるわけであります。検討されるということでございますならば、この案が審議される過程においてはっきり検討をしていただきたい、修正をする必要があるならば修正をしていただきたい、こういうふうに考えます。
#83
○佐々木政府委員 いま政令で予定をいたしております方式につきましては、確かに御批判があるであろうと考えておるのでございますけれども、ただ、固定資産税がすべての住宅用地が対象になって、その取り扱いを同じように扱っていかなければならないという問題がございます。そこで、私どもも、この十倍で切るということが最も合理的な制度であるというふうには考えておりませんし、今後、これから検討していく過程で、大都市地域などにおきましては、おそらく、ただいま御提案の二百坪でも広過ぎるというような批判も出てきましょうし、いなかのほうにおきましては、やはり五百坪くらいにしてほしいというようなことも出てくるだろうと思います。そういうことで、この住宅用地の取り扱い方につきましては、なお私ども詰めていかなければならない問題が幾つもあると考えておりますけれども、何ぶんにも、この改正案が出まして、実務の上で直ちに今年度からの税務の執行に当たらなければならないということになりますと、ただいま御提案のような形で修正をいたしますならば、四十八年度でそれを実施をしていくということはまず不可能に近いだろう。特に、大都市地域等におきましては不可能であろうと考えております。そういうことで、私ども自身も非常に不十分だとは思っておりますけれども、ことしやれる事務処理の範囲内において、非常に広大な敷地の場合には二分の一の特例は適用しないということをまずしぼっておいて、それについて、またさらに次の段階で――ことしこうした住宅用地、事業用地のいろいろな区分がまずできますので、その次の段階として、今後この住宅用地について、場合によっては地域を分けて措置を考えるのか、あるいは、最小限度の坪数部分について特別な制度をつくるのか、そういうものを、こうした基礎的な分類ができたところでさらに検討を進めていくべきではないだろうか、こういうところでいまのようなことを考えておるわけでございます。
#84
○折小野委員 私は必ずしもそう考えません。住宅用地の十倍くらいのものを調査する時間、住宅用地の百坪未満なり、二百坪未満なり、それを拾い出す作業としますと、かえって一定の限度を示したほうが仕事はやりいいと思います。農家等についての特別な考慮もあるでしょうけれども、それに農家の作業場を加えるとかなんとか、そういうやり方をすれば、そうむずかしいことではないでしょう。いまおっしゃったこの政令の予定、これによってやられるよりか、もっともっと簡単にいける、私はこういうふうに考えます。こういうものをやって、その次の年はまた違ったことをやるというようなことはあまり望ましいことじゃないのでして、できるだけ早急に検討をしていただいて、十分効果のあるような、そうしてまた、いろいろな問題点をなくするような努力をすべきだと考えます。
#85
○江崎国務大臣 十分承りました。
#86
○折小野委員 その問題については、十分まだ時間があるようでございますから、御検討をお願いしておきます。
 それから、今度新しく特別土地保有税ができることになっておりますが、この特別土地保有税におきまして、課税標準といたしまして取得価格をとられた理由をひとつ教えていただきたいと思います。
#87
○佐々木政府委員 取得価格ということにいたしましたのは、現在の固定資産税の評価額、あるいはまたその課税標準額というものが、実際の取引されます時価に対しましては、残念ながら相当低い水準にある。そういうことで、現実の取引価格をとります場合には、その固定資産税の負担に比較いたしますと数倍の負担になるであろう。そうした固定資産税の税負担との比較において、この税がその政策的効果を実現し得る可能性が十分あるのではないか、こういうことで取引価格、取得価格ということにいたしたわけであります。そしてまた、同時に、固定資産税の手法をとりながらこの取得価格ということにいたしましたのは、最近の地価の状況から見て、そうした自分の支払った土地価格については、それに対応する税負担をしてもらう、要するに、取引価格について、税負担の面においても責任を持ってもらう、こういう趣旨で取引価格、取得価格にいたしたわけでございます。
#88
○折小野委員 固定資産税におきましては、評価額を課税標準にするというのが一応原則になっておりまして、これは例外的な規定になるわけでございますが、この取得価格とされたことによっていろいろと問題が起こってくると私どもは考えるわけでございます。まず、一つは、取得価格ということになりますと、結局、納税者のほうは、全部が全部とは言いませんが、実際の取引価格と課税の対象になるであろう取得価格というものをできるだけ別にしようという動きが出てくる。これは税制に対する不信感をあおるというようなことで、決していいことじゃございません。そしてまた、それを調べるにつきましては、徴税機関もいろいろと苦労もあると思います。こういうような面も決して好ましいことではないというふうに私は考えます。
 それから、もう一つ、取得価格を課税標準にしてまいりますと、特に、昭和四十四年からこっち、いまの土地ブームの前と申しますか、そのころに取得されたものを対象にいたしますと、今日のように急激に地価が上がってくるということになってまいりますと、それに伴いまして、当然固定資産の評価額も上がってまいります。ところが、前に取得されたその価格というものは、いつまでも変わらないわけであります。といたしますと、相対的にこれを基礎にした土地保有税というものはなくなってしまうということが考えられるわけであります。少なくも、現時点において、四十四年ごろに取得されたものを対象にして考えますと、ここ数年の間にこの土地保有税というものがなくなってしまうということになってくると思う。ということは、ここしばらく何とかがまんしておけば、もうこういうものがなくなっていくぞということで、結局、土地保有税というものをつくった理由というものが全然なくなってくるということになるんじゃありませんか。そういう点を私どもは心配いたすわけでございますが、そういう点についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#89
○江崎国務大臣 多少政治的な問題ですから、私からお答えいたしますが、これは、土地投機の対象になっておるこの現状は困るということと、土地の吐き出しを促進させようという時限立法的な意味にも解せられるわけでございます。したがいまして、とりあえずいま一番不足をしておる宅地供給を、他の土地政策と相まってここで充足をしようというわけでありまするから、もし、これによって思うような成果が得られなかったということになりますと、これは、総理も言っておりまするように、政府としてはやはり一つの責任を問われる形にもなってまいりましょうし、このままではいけないということになるわけでございます。
 現在、この特別土地保有税と他の土地政策とのかね合いで相当な成果を期待し得るものと私どもは考えまして、じんぜん日を延ばしていけば知らぬ顔で過ごされるというものではない。特に、取引価格の捕捉は、御指摘のように困難な面もありましょうが、これを市町村にゆだねたところに法律としての一つの味があるわけでありまして、一番捕捉しやすい現場を持っておる市町村がこれを捕捉するということでありまするので、相当な成果が期待できるものというふうに考えておるわけでございます。
#90
○折小野委員 せっかくこういうようないろいろな土地政策に関連する方法を講ぜられる、そして土地がもっともっと有効に活用される、これは望ましいことだと私どもは思っております。そのためには、せっかくのこの特別土地保有税というものの効果をあげなければ何にもならない。ところが、さっき申し上げたように、これが取得価格ということであるがために効果があがらないのじゃないかというふうに私どもは申し上げておるわけでして、ここ四、五年がんばれば結局特別土地保有税というものはなくなってしまうというふうになってまいりますと、これによっての土地のいびり出しの効果も出てこない。すなわち、宅地供給の効果もない。まあ、大臣は大いに効果をあげたいとおっしゃいますが、事実は効果がなくなってしまう、効果が何にもないという結果になるのじゃなかろうかというふうに私どもは心配をいたしますので申し上げておるわけなんです。
#91
○江崎国務大臣 十分効果をあげ得るように、土地政策全般をからみ合わせて、これによって十分措置をしてみたいというふうに考えております。
#92
○折小野委員 もちろん、税制だけで土地政策の効果がすべてあがるということは言えません。そういう点につきましては、むしろ税制が先行して、その他の土地対策に関する制度がおくれておる。こういう点は私どもはたいへん遺憾だというふうに考えます。
 ところで、これは局長にお伺いをいたしますが、新しいこういう税をつくって、それがいつの間にかやらなくなってしまうというような税制というものはいいものでしょうか。そしてまた、そういうものがいままであったでしょうか。
#93
○佐々木政府委員 一つの課税対象になる土地なら土地について、その税負担が次第になくなっていくというような、ある程度課税年度が何カ年か継続して、次第になくなっていくという税制は、おそらく初めてだろうと思います。ただ、現在の不動産取得税のように、一つの課税対象の土地については一回限り課税されるというような税金はあるわけでありますけれども、この税制は、どちらかというと、ある一定年度課税がなされて、それが自動的になくなるというような意味で、一時的な税ではないけれども、恒久的な税でもない。そういう意味で、政策税制という趣旨で、そういう方式も一つの方法ではないだろうか。むしろ時限を切って設けるべきでありましょうけれども、この制度の仕組みとして、何年かたてば必ずなくなっていくということで、そういう税の仕組みから年限が切られるというのも一つの方法だろうと思ったわけであります。
 ただ、非常に高く買った場合には、その課税期間というのは長くなる。それほど高く買わないという場合には、課税期間が短くなる。政策税制としては、そういう意味での政策的な税負担があり得るという点で、一つの行き方ではなかろうかというふうに考えております。
#94
○折小野委員 私は、むしろ逆だというふうに考えます。将来になればなるほど負担がかさむと思えばこそ吐き出す。将来になればなくなる、明るい希望が持てるというなら、それまで苦労してでも確保していこうというのが人情の自然だろうと思います。そういう意味においては、せっかく出された特別土地保有税なんですけれども、政策目的に沿わないやり方だろうというふうに考えざるを得ないわけなんです。ですから、それをもっと私どもの立場で効果あらしめるためには、むしろ現在の固定資産の評価の何倍にして、税率を上げてもいいでしょう。一・四というのは非常に低いじゃないかという意見もありますので、これを五、六倍に上げてもいいでしょう。あるいは、そうでなければ、評価額の五倍とか六倍とか、いわゆる取得価格に大体該当することになるといたしますと、それを課税標準にして、一・四にしてもいいでしょう。そのほうが将来だんだん高くなる。したがって、早く出さなきゃ損だということになるんじゃありませんか。せっかくの政策目的のためにつくられた制度であるならば、その政策が十分達成されるような効果をねらうべきであるというふうに私は考えるのですが、いかがですか。
#95
○佐々木政府委員 その点は、私どもも確かに期待をしたいところでございますけれども、この特別土地保有税は、昭和四十四年以降取得されました土地について、すべて課税対象とするということにいたしております。したがいまして、その取得が、あるいは投機的な目的のために取得された人もありましょうし、そうではなくて、むしろ自分の事業計画に基づいて取得された方もありましょう。したがいまして、四十四年ごろ買った土地については、自分はもう工場を建てて稼働しておるというような、いわば本来の目的に従って取得をした人もあるわけであります。それらをみな合わせて一緒に課税対象にするというような形にした関係で、この特別土地保有税の税負担を極端に重くするということは非常に困難な面がある。確かに、投機的なものだけをねらい打ちできる税制ができますならば、課税標準を相当重くし、あるいはまた税率でこれを重くするということができたわけでありますけれども、未利用地課税とか、あるいは投機目的の土地という判定が現実問題としてはなかなかできない。こういうことでいまのような組み立て方をしたわけであります。そういう面からいたしますと、確かに、政策効果はそれだけ減殺されるではないかと言われれば、そういう点もあることはやむを得ないだろうと思っております。
#96
○折小野委員 四十四年以降に大きな土地を買った、しかし、その後事業目的に使ったということがはっきりわかったときには、それでストップしてしまえばいいわけなんです。いつまでも使わないものはだんだん税金が高くなるということでいいんじゃございませんか。そういう点は、私は、そうむずかしいことだとは考えません。個々に取得価格を出し、そしてまた税率も低いということのほうがむしろ問題は大きいというふうに考えます。
#97
○佐々木政府委員 買った土地を企業目的に使ったかどうかという点の判断ですが、実は、空閑地税の問題以来、私どもも実地についていろいろ調査もし、あるいは市町村のほうの課税当局にも協力してもらって、具体的な土地の認定等についても、その実現ができるような対策はないだろうかということで何回かやってみたわけでありますけれども、実際問題として、そうした未利用地を捕捉していくということが税の実務からいたしますと非常にむずかしいということで、空閑地税を断念せざるを得ないということになっておるわけでございます。
 これは税制調査会でも議論があったわけでありますけれども、未利用のまま保有しておる土地を何とか捕捉できないだろうかという点は私どもも努力をしてみたわけでございますけれども、結果的にはどうも実現が不可能であるという結論に達したわけでございます。
#98
○江崎国務大臣 先ほどからの御意見の存するところは、私、一つの貴重な御意見というふうに承っております。ただ、問題は、税務局長が申し上げておりまするように、未利用地を捕捉することがきわめて困難であった。それじゃ、未利用地はいつまでも放置していいのかということですが、今回の場合は間に合わなかったわけであります。こういう形で一律一様にかける。したがって、税率も比較的低い保有税の形になったわけでありまするが、今後未利用地をどう区分することができるか。これは、地方公共団体の意見あるいは税制調査会の意見等も十分参酌しまして捕捉することができれば、近い将来の課題として、十分検討に値するものだと思っております。
 しかし、今日まででも、この問題は、自治省、大蔵省、関係省庁と話し合いをしてまいりましたが、いかにも捕捉がむずかしい。未利用地が的確に把握できれば、それに高率な課税をしていく、これが一番急のこの場面の目的に沿うわけでありまするが、それが事実上捕捉困難であり、また、徴税上の非常な不公平をそこに現出したりして、現実にそぐわないのではないかということで、これにとどまったわけでございまして、未利用地をどう区別するかという問題は、なお今後も十分検討をいたしてまいりたいと思います。
#99
○折小野委員 未利用地をいろいろと定義づけたり、頭から未利用地だ、空閑地だということで捕捉することは非常にむずかしかろうと思います。しかし、それは、裏からやっていったらそうむずかしい問題じゃないと思う。とにかく、効果があるから一応特別保有税をかけておく。そして、その後、使うようになったら向こうから届けを出さしたらいいんです。これこれの用途に使いますと届けを出して、それを確認して、よかろうというなら、それでやめちゃえばいいし、いつまでもそういうものが出てこなければ、未利用地でずっとかけていく。将来にわたってだんだん税が高くなっていくということになれば、使うか、あるいは売ってしまうかしなければしようがないでしょう。そのほうがむしろ政策的には私は有効だと思います。頭から未利用地だ、あるいは空閑地だということを定義づけて、そしてつかもうとするような、そういう労苦は要らないんだと思います。むしろ、向こうが使おうと言ってくれば、それについて、十分これは利用されるんだなという判定でその税を落としていけばいいのでありますから、それが出てこなければ、いつまでたったって税金はかかる。それが結果的には未利用地だということになるわけです。むしろ、未利用地を定義づけることよりは、そのほうが容易に捕捉ができる、そして、その捕捉のしかたはむずかしいことはないというふうに私は考えます。
#100
○江崎国務大臣 それも一つの方法だと思います。しかし、そういう場合には、たとえば、これは別宅であるというようなことで、プレハブなどの簡単なものをこしらえて別荘地を装うとか、あるいは住宅を装うとか、いろいろ抜け道もおのずと出てくるわけでございまして、そういうものをひっくるめてどういうふうに措置したらいいかという点については、今後十分検討し、また、いいお知恵がありましたらぜひ積極的にお聞かせをいただきたいと思います。
#101
○折小野委員 もちろん、いろいろと検討すべき問題はございますが、とりあえずこの制度が発足しようとしておるわけです。この中で、取得価格を課税標準にしてやるということだけは、これはやはりこの際改めていただきたい。そうでなければ、せっかくの政策目的というのが達成されません。この点はぜひそういうふうにやっていただきたいと思います。税率は低くとも、それならば何とかある程度の効果があがるでしょう。少なくもいまよりはましだということになります。こういう面はひとつ十分に、しかも早急に御検討をお願いをいたしておきたいと思います。
 それでは、終わります。
#102
○上村委員長 この際、暫時休憩いたします。
   午後一時一分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時五十五分開議
#103
○中村(弘)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員長所用のため、委員長の指名により、私が委員長の職務を行ないます。
 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案、山口鶴男君外七名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。吉田法晴君。
#104
○吉田委員 地方税法に関連をいたしまして、かねてから考えております矛盾について、その矛盾を解決する方策に関連をしてお尋ねしたいのであります。
 第一点は、憲法に保障されておる地方自治を裏づける税と税制についてであります。
 国が法律をつくって、行政をやってまいります。国がやる仕事、国道にいたしましても、義務教育にいたしましても、あるいは同和対策その他にいたしましてもそうでありますが、方針は国がきめます。しかし、実際には都道府県や市町村にやらせて、しかも、その所要経費の全部を国が負担をしないで、その一部あるいは相当の部分を、補助金だと交付税だとかで見ておるというのが実際でございます。それなら、地方自治体に憲法にいう地方自治にふさわしい財源を付与するか、あるいは、アメリカ、西ドイツがそうだと言われますが、自治体が税金を取って、国にその一定割合を上納するといいますか、移譲するという方法をとるか、税源の根本的な再配分をしなければ、実際には地方自治の名に値する税源あるいは財源が保障されぬということがございますが、これらの点について、大臣あるいは地方税を担当しておられます局長の御意見を伺いたいと思います。
#105
○江崎国務大臣 地方財政につきましては、従来とも、私ども、その自主財源をどう強化するかということに腐心をしてまいったところであります。特に、このごろ、住民環境の整備事業をはじめといたしまして、福祉関係の事業の拡充、サービス業務の拡充等々、地方公共団体の業務は非常に多岐にわたっております。それがひいては財源難におちいる。そして一方では、国が超過負担を心ならずもしいておるというような結果になっておることも事実であります。したがいまして、すでに両度にわたりまして、この超過負担の解消等も一方ではばかりながら、地方財政の運営に支障を来たさないように、国としてもあらゆる措置をとって今日に至っておるわけでありまするが、なお、今後にかけまして地方財源を強化するように努力をしていきたいと思っております。税制調査会等におきましても、その長期答申等において、地方の自主財源を強化しなければならぬということを強調いたしておりまするおりから、十分意を用いて、かりそめにも事業の推進に支障を来たさないように努力をいたしたいと思います。
#106
○吉田委員 最近、老人の医療無料化が実施されました。社会党のわれわれも大いに主張をしてまいりましたし、あるいは自治体で先取りをして実施をしてまいりましたから、国の施策として取り上げられましたことはもちろん賛成をするところであります。ところが、実際には、公立病院で老人の医療を受ける人がふえてきた、あるいはたまる。それから、国民保険の財政は赤字になる。さらに、たとえばある病院に参りますと、老人医療の無料化はけっこうですが、そして、私どもそのために努力をいたしますけれども、医療関係者あるいは看護婦さんの定員等は何ら増加されないで、医療を受ける老人と入院をする人がふえて、この医療無料化を促進する体制について、医療関係者あるいは看護婦さん等の定員の増加のためにも努力をしてもらわなければ、という話を聞きます。あるいは、本来、老人ホーム、特に特別養護老人ホーム等が国や自治体等でつくらるべきだと思いますけれども、それらの施設あるいは老人病院等の施設があわせて整備をされぬものですから、従来の医療体系に無理がいくといったような実態も起こっている。ですから、ほんとうに政策を進めるならば、それに伴う十分な財源を付与することが必要だということを、この老人の医療無料化を推進しながらもわれわれ痛切に感ずるところであります。
 最初は一般的にお尋ねをいたしますけれども、具体的に老人医療の無料化を進めるにあたって感ずるところからも、財源の付与等について特に考えられなければならぬ。交付税で見ておるからというようなことだけでは済まぬものがありますだけに、これらの点についてさらにお尋ねをいたします。
#107
○江崎国務大臣 御指摘のとおり、これはたいへんな問題を地方において惹起しておると、私どもも、いま御指摘のように認めております。もともと医師の絶対数が足りないわけです。そこへ福祉政策としての老人医療の無料化が実施された。まあ、六十九歳以上は寝たきり老人に限られておるわけですが、これは、地方によっては、六十五歳以上の無料化をすでに条例できめておられるところもあるわけでありまして、そういった負担が、特に地方公共団体による自治体病院に非常な重荷をしょわせておる。これが現実の問題だと思います。もともと、今日まで、自治省におきましては、非採算性の部門については交付税等々で見てまいったわけでありまするが、やはり、一つの公営企業として、今度の地下鉄等々をはじめとするこの次の問題解決の対象としては、当然、自治体病院をどうするかという問題の解決を迫られておるものと考えます。この無料化を背景にしまして、自治体病院の実態等々を十分調査いたしまして、今後前向きでこの対策と取り組んでいきたいというふうに考えております。
#108
○吉田委員 これは一月の末ごろでしたか、あるいは二月の初めごろでしたか、自治大臣のところに、社会党からとして、申し入れをいたしました。その中に、列島改造を推進される政府として、仕事を自治体にさせるが、交付税率の大幅な引き上げその他財源の付与を考えなければ、自治体の赤字はさらにふえるではないか、こういうことで、交付税率の大幅引き上げその他を申し入れました。この何年か、物価が値上がりをする。あるいはインフレ傾向もありますが、さらに、それが最近の日本列島改造ブームの中で大きな矛盾を露呈をしておることは、買い占めとかあるいは物価のつり上げ等とかいうことだけでなしに、深刻にあらわれておりますことは御承知のとおりです。地価の値上がりがあって、公共用地の取得が困難になったり、あるいは建設資材が足りないために、繰り越しをする工事の額が何百億になるということが報ぜられておりますが、これらの事態は、四十八年度になってから、少なくともいまのところではさらに傾向が強まっている。それだけに、一般的な地方自治体の財源付与という問題が、四十八年度については特に強くなっていると考えざるを得ませんが、これらの点について、若干の手当てがされていることはわかりますが、しかし、これでは、年度の後半になりますと、おそらくさらに窮屈になるだろうことは予想されるところでありますが、これらの点について、どういう対策をとっていかれますか、承りたいと存じます。
#109
○江崎国務大臣 地方の自主財源をもっと充実していくためにも、この交付税率を引き上げることが一番早道ではないかということは、まさに一番手っとり早い手段だというふうに私どもも考えますが、幸い、今日までは順調な伸びを示してまいっておりました。時間の関係もありますし、詳しいことは御存じのとおりですから、一々お答え申し上げませんが、いまのところ、順調に来たわけでございます。しかし、これでは足りない。特に、最近は、資材の値上がりのきびしいものがありまして、入札に出しても業者のほうが返上するというような異例の場面もあるやにも聞き及んでおります。こういう事態に対処して、今後どうするのか。これは、当然、交付税において今後もめんどうを見ていくことも必要でしょうし、もう少し現実の推移を見てみなければ、的確にこれに対してどう対処するかという結論は出ませんが、きめこまかに配慮をしてまいるつもりでおります。
 交付税率の引き上げ等につきましては、これは税制全般に及ぶ問題でありまするので、これなどは今後の問題として、税制調査会の熟議を経ますと同時に、社会情勢の推移、たとえば、いまの公共事業におけるいろいろな資材の極端な値上がり等々が一体どういうふうになるのかということについて、通産大臣等の話を総合してみましても、幸い、資材の値上がり等もどうやら頭打ちの傾向がある。それがぜひ望ましいわけでありまするが、しばらく推移を見守りたいと考えておりまするが、自治省といたしましては、地方財源確保のために今後とも格段の努力を払いたいというふうに思います。
#110
○吉田委員 四十八年度の物価の値上がりは五・五%と予想されておりますが、だれの目から見ても、五・五%をこえることはすでに明らかであります。先般、経済企画庁長官もこの点をお認めになりましたようでありますが、四十四年以来この数年、五%をこえた物価上昇が続いております。四十五年度が五%弱であります。四十六年、四十七年、四十八年も、この傾向はさらに増大するものと予想せざるを得ませんが、この打ち続いておる物価上昇下での国民の福祉に直結する税制といいますか、物価上昇のもとでの税制面で考えられなければならぬのは、物価調整減税といいますか、あるいは税制の中にこれを織り込む以外にないと考えられるし、木村禧八郎氏は、物価上昇に伴って、所得税、住民税の課税最低限を自動的に引き上げる仕組みをつくるべきだと提案をしておりますが、自治大臣の御所見を承りたい。
#111
○佐々木政府委員 確かに、物価の動向を見ますと、最近の年度におきましては、当初見込みましたものよりは物価上昇率がやや高いというような傾向が見られることは御指摘のとおりだろうと思います。ただ、ことしの税制改正におきましても、住民税の減税額というものを計算いたしますと、物価の上昇に見合う、いわば名目的な所得の増加に対応する減税額――この計算の方法はいろいろございますが、単純に物価の上昇率を計算をいたしまして減税額をはじきますと約四百六十億、それに税制としての弾性値を乗じまして計算いたしましても約七百五十億というような計算に相なっておりまして、ことしの減税額千六十億というものから見ますと、物価分は十分織り込んだ減税が行ない得たというふうに考えております。また、住民税の場合には、前年所得というものを基準にして課税をするというたてまえをとっておるわけでございますので、前年度における物価上昇分というものは、毎年の減税の際にこれを十分織り込むことが可能でございますので、年度の途中において物価上昇分を織り込むような弾力的な措置を特にとらなくてもいいのではないかというふうに考えられるわけでございます。
#112
○吉田委員 あとでそれぞれの地方税について具体的に伺ってまいりたいと思いますが、いまの御答弁によると、住民税のごときは昨年の物価の上昇率を考えて対処することができるし、実際の課税最低限の引き上げその他でこれに対処し得ている、こういう説明のようであります。
 そこで、国税においては事業主報酬制度を認められました。ただし、地方税への採用といいますか、これは遮断をされたようであります。従来、所得倍増政策の結果、企業の育成あるいは資本の蓄積、輸出の振興に重点を置いてこられましたし、また、税制もその方向を推進するといいますか、その線に沿っておったと思います。現在の弊害を見ますと、私が指摘するまでもございませんが、企業の育成、資本の蓄積、あるいは輸出振興に重点を置いた税制は再検討さるべきだと考えられます。法人の地方税負担増加についてもっと措置すべきではなかったかと考えられますが、それと、国税の事業主報酬制度を認めたこととの関連について、どういうぐあいに考えられますか。
#113
○佐々木政府委員 この点につきましては、税制調査会におきましてもそういう御指摘もございますし、本年、国税の特別措置の改正におきましては、輸出振興税制というものについて相当大幅な整理が行なわれております。なおまた、地方税におきましては、特に事業税の面におきましては、輸出関係の税制は原則として遮断をするという方式を従来からとっております。そういうことで、いままで非常に大きな政策の柱にしておりました輸出振興の部分というものは、租税特別措置の関係から見ますと、相当部分は整理されたものというふうに考えておるわけであります。
 なおまた、企業の体質改善あるいは体質強化というような観点からとってまいっておりました、いわゆる特別償却の制度というものにつきましても、本年、国税におきましても相当な整理が行なわれておりますので、この租税特別措置のいわば洗いがえというものにつきましては、相当前進をしたものというふうに私どもは理解をいたしております。
#114
○吉田委員 税制から見ますと、階層についてそうアンバランスはなさそうに見えますが、実際に私どもが地方の自治体におりますと、市町村民の租税負担は、特に勤労者の地方税は必ずしも均衡を得ておりません。これは具体的に言いますと、たとえば町村でつくり酒屋があったとすると、その町や郡でも一番大きいつくり酒屋が法人の形態をなしておりますだけに、地方税は、私どもが浪人をしておっても、あるいはそこの町村長と――町村長と比較をしなくても、役場の課長と比較しましても、たいへんに税金の負担が軽い。それから、これはおわかりになると思いますけれども、お医者さんがそうである。あるいは捕捉の程度が違うのかどうか知りませんけれども、勤労者と農業所得者との間にもやっぱりアンバランスがあります。
 それで、これはだいぶ前の話でありますが、戦争中に勤労者のほとんど大部分に勤労所得税がかけられるようになりまして、それが戦後地方で――これは、民主憲法のもとにおいて、法の前における平等が保障されてからだから特に問題になったのだと思いますが、勤労給与所得者の団体あるいは通勤者の団体等をつくって、町村長と交渉をして還元をしたこともあります。その後、還元は自治省からおしかりを受けてやめましたけれども、いまもなお、このバランスをとるために、福祉のために支出をしている。まあ、一番合理的なのは、雨が降った場合に、通勤者が駅からかさをさしていく、通勤者のためにそのかさを備えつける金を補助したこと。ところが、いつまでもそのかさばかり補助しているわけにもまいりませんから、いまでは、その団体の福祉活動に対する補助をやっている。こういう実情がおそらく方々の町村であろうと思います。具体的に申し上げたら問題になるかと思いますから、具体的なことは申しませんけれども、やはり、そういう実態がある。それは町村のことですから、役場が公表いたしませんでも、お互いに町民税をどれだけ払っているかということは大体わかる。そして、それがあまりにアンバランスが見えますだけに、補正のためといいますか、それを直すためにいろいろな苦心が払われていると言わざるを得ないと思うのです。
 そこで、私はサラリーマン同盟ではございませんけれども、給与所得者の減税のためには、基礎控除を思い切って上げる必要がある。そのほかに、これは所得税の話になりますけれども、勤労者にとっても、必要経費を控除するということが必要ではないか。法人については、これは限度はあるかもしれませんけれども、それこそ、交際費あるいは政治資金まで必要経費に落とされる。勤労者がその労働力を再生産するために家に帰って休む、その場所、衣食住、あるいは子供を生み、子供を育て、教育をする費用のごときは、必要経費として控除をするていの制度が確立されぬと、このアンバランスは救えぬのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
#115
○江崎国務大臣 給与所得者、農業所得者あるいは事業所得者等の地方税におけるアンバランスがあるという御指摘だと思いますが、これは、それぞれ働く条件が違っておりますこと、それからまた、必要経費の見方等々が違っておりますこと等によって、それぞれの、自分の分野から見れば不公平があるように見える。そういう意味もありましょうが、午前中に折小野さんからお話がありましたような、クロヨンというようなことが公然とささやかれるというようなことであってはならぬと思います。したがいまして、今後にかけても、税の公平な負担ということがだれにもよくわかるように、これが十分納得のいく説明ができる体制づくりをすることは当然必要なことだというふうに思います。
 それから、勤労所得の源泉課税方式でありますが、これは、必要経費というものがなかなか算定しにくいということで、基礎控除の制度があり、その基礎控除額は年々引き上げられておるというわけでありますが、私は、必ずしもあれで十分だとは思っておりません。そういうことから、大蔵委員会で、田中首相が、法人税率のアップとともに、勤労者の必要経費減税といいますか、その方法はどういう形にするにしましても、必要経費に見合う相当な減税をしたいということを言ったものと思います。税そのものとしては、源泉課税方式というものは一番取りやすい方式でありますが、勤労者に対してはもう少し考慮が払われてしかるべきものであるというふうに私は思っております。その点は同感でございます。
#116
○吉田委員 実際に市町村民の世話をする自治体行政をやってみて思うことは、自治体行政の任務は、市民一人一人の、これは家族を含んででありますが、生命、それから生活の再生産、その快適な条件をつくるというのが任務じゃないかと私は思います。そういう意味では、生命と生活あるいは労働の再生産に必要な一切の平均的な条件、これは、健康にして文化的な最低限度の生活を保障すると書いてある憲法の原則との関連もあると思いますし、あるいは、水準というものが問題になると思うけれども、自治体の政治というものは、実際に長い意味での市民の生命と生活の再生産の保障だと考えますが、その辺はいかがでしょうか。
  〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕
 これは地方行政のたてまえと、それから、それを税制に移す場合との関連はあると思いますが、それを必然的に関連づけるからどうこうと言うのじゃなくて、地方政治の本質は、実際にこういうぐあいに思うがどうでしょう。こういうことです。
#117
○江崎国務大臣 全く同感でございます。
#118
○吉田委員 そうしますと、さっき言われたように、必要経費には課税をすべきではないのではないか、あるいは必要最低限度の費用は、無条件で、生活ができるように課税の対象からはずすべきじゃないか、それは商売をやっていくのに必要な経費、あるいは事業をやるのに必要な経費と同じ考え方で、個人生活の再生産に必要な最低限の費用というものは必要なのではなかろうか、それは課税の対象から、基礎控除を計算するときの額に関係するのではなかろうか、こういうように考えるのですが、いかがでしょうか。
#119
○江崎国務大臣 これは、そのとおりだと思います。したがって、給与所得者の場合、必要経費というものの算定がなかなかむずかしい。そこで、従来、基礎控除制度をとってきたわけでございますね。その基礎控除は年々引き上げられてきた。しかし、今後にかけて、その基礎控除をもっと増額するということは必要なことだと私も思っております。企業等の場合に必要経費が落とされていくのと、サラリーマンの必要経費を含む、いわゆる基礎控除額とを対照しましたときに、確かにバランスがとれていないなという感じがいたします。そういうことが毎年基礎控除額を増額させてきた理由にもなっておりますが、これが大幅増額を期していくということは大事なことだという認識に立っております。
#120
○吉田委員 四十八年度の税制のもとでそれが具体的にどうなるかということは、まだ、実際について実例をとっておりませんが、昨年までの実例をとってみますと、不十分な資料ですけれども、私どもが中都市あるいは市にならぬ程度の町村で比べてみますと、やはり、はっきりと勤労所得者の徴税が一番多い。そして、これは、自治体の政治の実際から言っても、あるいは自治の実際の姿から言っても、先ほど折小野さんの質問の中で言われておりましたように、あまり隔絶した差があることは望ましくない。そうすると、公表されぬにしても、おおむね階層別にその町民税の額がわかるだけに、このアンバランスはやはり急速に直されなければならぬと考えるわけであります。自治省からいただきました資料によると、これは、たてまえ論を税法に従って捕捉をした所得を前提にして税を割り出されましたから、あまりアンバランスがない。ところが、実際に町村の実例を数個の町村からとってみますと、明らかにアンバランスがある。したがって、基礎控除なり、あるいは家族控除なり、控除を大幅に思い切って引き上げなければならぬ必要が起こってくると大臣も認めておられるようですが、それを具体的に――それじゃことしはこれだけ基礎控除を引き上げたけれどもということについて、漸次引き上げていくという方針のようではございますが、いまのまだ足りない基礎控除の引き上げその他を必要経費も勘案しながら、さらに来年度については思い切って引き上げる決意であるのかどうなのか、それをひとつ承りたい。
#121
○江崎国務大臣 私は、思い切って引き上げるべきだという論者です。これは、私一人がそう申しましても、事、国税にも関することでありまするので、にわかにここできめ得ることではありませんが、先般の大蔵委員会で総理大臣がそういう方向で発言をしておるようでありまするし、十分大蔵大臣等とも相談をいたしまして、この免税点の引き上げには努力したいと思います。
 従来、サラリーマン自体もベースアップには熱心であったが、免税点の引き上げの問題には比較的――決して消極的ではなかったかもしれませんが、ベースアップほど力を入れなかった、団結しなかったということも、これは確かにあったろうと思うのです。ですから、今後はこういう面にも政府も十分配慮をしますが、同時に、ほんとうの税の公正な負担という見地からも、もう少し勤労者の免税点引き上げというものが重点的に扱われていいというふうに考えております。
#122
○吉田委員 前向きにといいますか、給与引き上げについては熱心だったけれども、減税について、特に、基礎控除やあるいは税負担のアンバランスを直すためには努力が足りなかったんじゃないかという話さえございましたから、具体的に、積極的に基礎控除の引き上げをなされることだと思いますが、税務局長、具体的な手順についてお尋ねいたしたいと思います。
#123
○佐々木政府委員 現在、課税最低限の計算にあたりましては、給与所得控除というものは、いわば給与所得者の必要経費の概算控除であるというような考え方のもとにおきまして、この給与所得控除の計算は、国税の場合と完全に一致させておるわけでございます。さらに、その他の所得控除部分につきましては、これは地方税の住民税のいわば性格から、住民税独自の判断をいたして所得控除の額を決定しているわけでありますが、この課税最低限の引き上げにつきましてはいろいろ御議論のあるところでもあり、私どももその引き上げにつきましては非常に努力をしてきているわけでありますが、来年度の具体的な引き上げ額の計算にあたりましては、まず、給与所得控除の額は、本年所得税法の改正によりまして改正された額を当然に使うということになると思います。
 その他の所得控除の額につきましては、来年度の財政の状況等も勘案しながら、税制調査会の答申も仰ぎまして、政府としての最終的な金額を決定するという段取りに相なろうと思っております。
#124
○吉田委員 所得控除の所得税との違い、これを具体的にどうされますか。
 それから、もう一つ、多少、インフレの中での勤労所得者の地方税のアンバランスを是正するために、勤労控除を大幅に引き上げる具体案として、サラリーマンの特別控除制を設けたらどうかという提案等もございますが、これらの点についてはいかがでしょうか。
#125
○佐々木政府委員 現在の給与所得控除という制度が、いわばサラリーマンの独自の控除額になるわけでございます。この給与所得控除の額の算定がこれで十分かどうかという点につきましては、さらに検討する必要があるだろうというふうに考えておりますが、これは、具体的に来年度の所得税の改正あるいは減税を検討される段階におきまして、税制調査会等を通じましていろいろ審議されるものというふうに考えております。
 住民税の場合には、その課税所得が前年所得を使っております関係で、所得税における給与所得控除額の改正分というものは、翌年の住民税の算定の際に使われるという形に相なるわけでございます。
#126
○吉田委員 勤労所得者の基礎控除あるいは配偶者控除、扶養控除等、思い切って引き上げることについては、大臣も局長も具体的に答弁をいただきましたから、期待をいたすところでありますが、それと関連をして、先ほど、大臣自身も、法人の地方税負担についても、これはもっと考えるべきだ、増税を考えるべきだというお話でございましたが、それに移ります前に、事業者の事業税についてちょっとお尋ねをしたいのであります。
 事業税の、所得税と二重課税的な印象はいまもなお残っておって、事業税の撤廃運動があったことは御承知のとおりだと思います。そのことが、青色申告か、あるいは青色申告の中で必要経費を認めるということになってきたと思うのでありますが、国税での事業主報酬制度は地方税には移されなかった。これらの理由と、それから、先ほどの給与所得者ではありませんが、国税の基礎控除の引き上げは来年で見るということになりますが、これらの関連はどういうことになるでしょうか、伺いたい。
#127
○佐々木政府委員 事業主報酬についての取り扱いは、地方税の上では、事業税と住民税、この両税においてどう取り扱うかという問題が出てくるだろうと思います。事業税につきましては、この税が、事業が地方団体から受けている各種の行政サービスに対する負担、行政サービスの経費を分担するという趣旨で、いわば事業に対する税として、物税として構成をされておる。したがって、事業税は、本来は、その事業の活動分量というものを表現するような所得税とは異なった課税標準を使うというのがむしろ望ましいのではないかというようなことで、本来の事業税の課税標準のとり方をどうすべきかということは、ここ二十年、いろいろな機会に論議がされてきたわけでありますけれども、特に、個人の事業税の場合には、その経営規模が小さい、その意味では、赤字の事業の場合に税負担を求めるということについてはやや問題があるのではないかというような観点から、いまなお、いわば事業所得というものを課税標準にするというようなたてまえにいたしております。ただ、これも、あくまでも事業所得というものがその事業の活動分量をあらわすという趣旨でとっておるわけでございますので、本来の所得課税ではないという観点から、事業主報酬という制度はこの事業税にはなじまないのではないかという考え方を持っております。そういう事業税の性格から、所得税の算定にあたりましては、事業税は必要経費ということで算入をされて、所得税計算の場合には差し引き計算されているわけでございます。そういうことで、事業税の場合には、この課税標準は、所得税とは違った趣旨で、所得額そのものが課税標準になるというふうに御了解いただきたいというふうに考えております。
 ただ、それにしましても、事業自体に対する課税として、事業主の勤労部分というものをやはりある程度控除しなければ、事業主自体の理解も得られないのではないかというような観点から、事業主控除制度というものが設けられておるわけであります。この事業主控除の額も、本年八十万円ということでお願いをすることにいたしているわけであります。これによって、一般的には、所得税の課税最低限よりは高いところまで事業税の控除額が上がってまいりましたので、まず、現段階におきましては、事業税としては、さらにこの事業主報酬制度はこの意味からも導入すべきでないというふうに私どもは考えているわけであります。
 住民税の場合におきましては、所得税と同じような所得課税の方式をとっております。国税が租税特別措置法の規定でこの制度を採用いたしてはおりますけれども、住民税の上では所得税と考え方の同じようなものをとらなければならないのではないだろうかということで、この点は、昭和四十九年度の改正の際に、税制調査会等でも十分御議論を願いながら、それを住民税に導入すべきかどうかさらに検討してまいりたいというふうに思っております。
#128
○吉田委員 地方税の場合には事業主報酬というものは認めないということですが、しかし、お話しの中にございますように、事業税を課税標準と違えると言いながら、実際には、やはり、所得課税にさらに地方税として課税するということでございますから、二重課税のにおいがやはり残っている。それから、市町村で、法人でない事業者の課税というものは、両方合わせまして、案外相当高いものになっている。したがって、法人とのアンバランスがたいへん目につく。それをどうしたらよかろうかというのが青色申告控除や個人所得税の中の事業主控除等にあらわれていると思うのですが、法人と違って、事業主報酬を認めないとするならば、青色申告控除や、あるいは事業主控除等ももっと引き上げることを考えなければならぬのではなかろうか。住民の中で、個々の税制上のたてまえでなしに、実際に住民税を課税されているアンバランスを見ますと、これは考えなければならぬのではなかろうかという気がするのでありますが、これらの点についてはいかがでしょうか。
#129
○佐々木政府委員 現在、所得の捕捉という問題について、事業所得につきましてはやや問題があることは事実でございますけれども、それを前提にした制度を考えるということは、税制としてはできないわけであります。ただ、現在、事業税の納税義務者から見ますならば、青色申告者と白色申告者というのはおのおの半分でございます。そういたしますと、事業主報酬制度というものを事業税に取り入れます場合には、青白の間におきまして、どうしても税負担に不均衡が出てくることはやむを得ないことであろう、特に、小さい地域社会においての税負担の差というものはよほど考えていかなければならない問題だろう、というふうに思っておるわけであります。そういう意味で、私どもは、事業主控除の制度は、青白とも同額の計算をいたしているわけでございます。青色申告控除は、青色申告者に対する特典として、別に計算をいたしますけれども、事業主控除は同額という計算をいたしております。今回八十万円まで事業主控除を引き上げました関係で、所得税の納税義務者であって事業税の納税義務がなくなる者が約二五%ほど出てまいりました。そういうことで、相当なところまで事業主控除の額は引き上げられたものというふうに考えておりますけれども、なお、一般の給与所得者の給与水準の上昇といったような点もございますので、それらの点もかみ合わせながら、事業主控除の引き上げについては将来も検討してまいる必要があると思っております。
#130
○吉田委員 勤労者の地方税負担の軽減、それから、事業主について事業主控除の増額について考えたい等のお話がございましたから、その負担割合がわりあいに重いと考えられますものの軽減についてはお尋ねいたしましたが、一方、目に見えて負担が軽い法人の地方税負担を相対的に増加する方策について承りたいと思います。
 これは大都会でもそうでありますが、地方でも、集中の利益というか、あるいは多くの従業員をかかえ、多額の資金を擁して、買いだめ、買いあさりまでやっておりますけれども、土地を買ったりいたしますのも、地方においては、やはりその辺の部分であります。それだけに、大都会における集中の利益を受けておる者が、不利益を受けておる市民のために税負担をさらにふやすべきだ、そのことがむしろ公平にかなうという議論は、地方税全般についても言えることだと思うのです。そこで、事務所税あるいは事業所得についての特別の考慮を払いたいという意向もあったやに承りますが、法人の都民税、府県民税あるいは法人の事業税等について、具体的に大幅に引き上げるべきではないかという意見等が出されておることは御承知のとおりでありますが、この法人の地方税負担を相対的に増加する具体的な方策について承りたいと思います。
#131
○佐々木政府委員 現在の法人の所得課税は、諸外国の法人所得課税の負担に比較いたしますとやや低い水準にあることは御指摘のとおりでございます。そういう意味におきまして、法人の税負担について、さらにもっと増額することが必要であるし、可能であるというふうに私どもは考えているわけでございます。その際の方法としまして、直接に法人の所得課税をふやしていく方法もありましょうし、それから一つは、昨年来私どもが検討いたしておりますところの事務所・事業所税。昨年は都市整備税という名前でその検討を進めてきたわけでありますけれども、こういう別途の形で法人の負担を求めるという方法もありましょう。また、ことしとりました措置は、固定資産税について、法人の固定資産税負担をふやすという方向でその方策をとったわけでありますが、大体この三つの方法が考えられるのではないだろうかという感じがいたします。
 その一つが、固定資産税の改正として、本年改正をお願いしているわけでありますが、来年年度末になりますと、ちょうど租税特別措置の期限切れになってまいりまして、法人税負担のあり方につきましても検討すべき時期になっておるわけでございます。その際に、その法人の所得課税の負担を、国税と地方税とでどういう分け方をすべきかということが、来年の場合には、どうしてもまず第一の検討課題になるであろうというふうに考えております。この点は、税制調査会等の審議をまちまして十分検討していきたいと思っておるわけでございます。
 なお、大都市地域における、特にこれらの集中の利益を受けている企業についての都市整備税というようなものにつきましては、さらに来年度その実現をはかるべく努力を続けたいというふうに考えております。
#132
○吉田委員 集中の利益を受けておる法人が都市整備税について特に負担をするのは当然だというお話がございましたが、先般来、これは同僚議員からも質問がありましたけれども、東京都で「大都市財源の構想」が出されました。御所見を承りますと、これには賛成しがたいような答弁があったやに覚えておりますが、ところが、あらためて読んでみますと、地方税を法定の最高限の範囲内、法律の範囲内で、と書いてあるところを見ますと、法律には何ら抵触しない――これは東京都の財源調整についてであります。この税制の範囲内で制限税率一ぱいまで取ることを考えたらということがどうしていかぬかという疑問が私は起こりますが、自治大臣、いかがですか。
#133
○佐々木政府委員 法人関係の税について、標準税率以上のいわゆる超過課税を行なうということにつきましては、私どもは別に反対をいたしておるわけではございません。ただ、その超過課税を行ないます場合の、超過課税のしかたについて、あの答申にありますものが、現行の地方税法の規定からするとやや問題があるということを申し上げておるわけでございます。地方税法は、やはり、憲法の規定にあります租税法律主義というものを前提にした税法になっているわけでございまして、その場合に、課税標準の算定方法なり、あるいは税率構造なりというものにつきましては、一定のルールをきめておるわけでございます。そうした税制の仕組みを前提にして、その税制の許す範囲内において、地方団体が判断をして超過課税を行なうということは、これは地方団体の意思によってできることでありますので、私ども、それ自体には反対でないわけでありますが、税率構造の仕組みを変えていくということにつきましては、税法のいまの税率構造を制定しているたてまえからいたしますと問題があるというふうに考えておるわけであります。
#134
○吉田委員 冒頭に地方自治を憲法で保障されておるのだから、その地方自治を可能にする、裏づける財源を考えることは当然ではないか。法律できまっておる税率の一ぱいを取っていくことについてはもちろん問題はないと思いますが、あるいは、超過する場合についても、たいして問題はない。あるいは、税率構造の変化云々ということでございますけれども、私どもは経過を見ておりますと、たとえば老人医療の無料化のごときも、最初は厚生省で反対をされました。国がきめないのに、市町村が、自治体が先にやるのは云々と。ところが、東京から始まって、地方自治体の大部分が、おととしの地方自治体の長の選挙にも関連をして、福岡でも実現を見たし、方々で実現をしてまいりましたから、とうとう国でも取り上げざるを得なかったということになりました。自治を認めて、そして、さっきあなたも認められましたけれども、集中の利益を受ける者が、その集中の弊害をこうむる都民に対して、環境整備のために負担をしなければならぬというのは当然であります。それから、あるいは独立税ということになるかもしれませんけれども、公害を受けておる者に公害を与えないために、企業それ自身が公害を出さないように規制するのも当然の話であります。公害何とか税というものを自治体の中で取ろうとしても問題ではなかろうと私は思う。重箱の隅をせせるようなことを考えるならば、それは、あるいは、自治省の指導に入るとか入らぬとかいうことがあるかもしれない。本来、地方自治というものを憲法で認めておいて、そして必要な行政をやっていく。必要な行政をやっていく財政的裏づけを地方自治の中で考えるについては、私は、これを通読しながら、なぜ自治省があまり賛成をしないのだろうかと思った。これ自身にも相当の障害があるだろうと、自治省を含めたものかどうかわかりませんが、書いてございます。そのこと自身を含めて、自治の中での、自治省の自治体に対する指導のしかたといいますか、それについてもやはり問題があるのではなかろうかと考えますが、これは政治的な判断の問題でありますから、大臣にお伺いをいたします。
#135
○江崎国務大臣 お説のように、老人の医療無料化が、東京都をはじめとして、各地方公共団体が取り上げるところになったが、これは、厚生省が老人の医療無料化そのものに反対したというのではなく、医師の数、病院、診療所施設の能力等々を勘案して、まだ時期尚早であるということで反対をしたわけであります。あえてそれを行なう自治体というものは、一般会計からそれを見るだけの財源のある市町村ということになりましょう。これは国家的に見れば、その地域その地域によって差があるということはきわめて不公平なことでもあり、残念なことでもありますから、国も、医師の養成とともに、これにならうべくだんだん年齢層を拡大していくということになっておるわけであります。その根本を反対しておるものじゃないわけです。
 それから、先ほど税務局長が申し上げておりますように、それぞれの都市において、かってにこの税率の構造まで変える、その仕組みを変えていくというようなことは、租税法定主義のたてまえから言いましても、とうてい考えられることではないわけでございまして、病院の問題等、この問題とはおのずから問題が別であるというふうに私どもは考えておるものでございます。
#136
○吉田委員 時間もございませんから、次に、法人の地方税負担を増加させる具体的な方法についてお尋ねをいたしたいのであります。
 租税特別措置の地方へのはね返りを遮断する、あるいは、地方税独自の減免措置を廃止する、それから、人口が急増する市町村の公共施設の整備や用地確保等のために、国の高率負担による助成の法制化をする等、具体的に意見が出されているのでございますが、これらの点についてはどういうふうに考えられるのでしょうか。答弁をいただきたいと思います。
#137
○佐々木政府委員 租税特別措置、あるいは地方税自体における非課税措置、その他特別措置によりますところの四十八年度の減収額の試算は、約三千二百億というような非常に大きい数字になっておるわけでございます。これらの租税特別措置につきまして、この内容について、その洗いがえをして、こういう特例によるいろいろな行政効果というようなものの判定をし直すということについては、当然に必要なことでございまして、私どもも、そういう内容についての洗いがえの作業をできるだけ毎年進めていきたいというふうに考えているわけでございますけれども、国の政治の姿勢全体についての転換が行なわれる時期になってまいりますというと、こうした特例措置によるところの効果の判断の基準というものも、やはり次第に変わってくるわけでございます。大臣からもいろいろと具体的な内容についての指示を私ども受けております。さらに、本年の場合には、この内容について、国税関係、地方税関係を通じまして、十分その再検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#138
○吉田委員 それじゃ、不十分ですけれども、また別の機会に譲って、これで終わります。
#139
○上村委員長 山田芳治君。
#140
○山田(芳)委員 私は、ちょっと次元の高い話を大臣としたいと思いますが、租税法律主義ということで憲法にあるわけで、新しく租税を課し、あるいはそれを変更するときは法律によるということになっているわけであります。また、地方団体の自治権というものの主要な内容というのは、課税をする課税権というものが地方団体に認められているというところに、具体的内容があるだろうというふうに思うわけであります。
 そこで、憲法のいう租税法律主義と、いわゆる自治権の内容であるところの地方自治団体における課税権との間の調整という問題が起こるのではないだろうかというふうに思うわけでありますが、そういう場合に、たとえば税を課し、あるいは変更する場合には法律によるけれども、一方、地方税法の規定によると、地方団体の課税権というのは地方自治法第二条にあるわけでありますが、形式としては、第三条で、条例によってそれを行なうというふうになっているわけであります。
 そこで、お尋ねをいたしたいのですが、たとえば、宅地並み課税をしたいというふうな形で政府が法律を出されて、確定をするわけでありますが、地方団体において、それははなはだしく適当でないという場合に、自治体の課税権として、条例を首長としては提案はするけれども、もし、議会においてそれを議決しないというような場合には一体どういうことになるか。ひとつ、大臣、お答えをいただきたい。
#141
○佐々木政府委員 ただいまお尋ねのございました内容は、固定資産税の課税標準に関する問題でございますが、現在、地方税法の規定は、課税標準の算定にあたりましては、すべて地方税法の規定によるということになっておりまして、その点は、地方税法の規定は強行規定であるというふうに解しております。その団体の条例の規定のしかたによるわけでございますけれども、その条例の規定が否決になりました場合には、その条例の内容によりましては、その部分に関する限り、課税標準の算定の根拠になる規定がないという趣旨から、その部分の課税はできないというようなものも生じ得る可能性がございます。条例の規定によりましては、当然、地方税法の規定によって課税さるべきものというふうになる場合があると思います。
#142
○山田(芳)委員 たとえば、高く課税すべきだという法律があった場合に、それを現行のまま据え置くという場合に、現行のままの課税が行なわれた場合、いまの私のお尋ねに対しては、強行規定だからそれは違法になるおそれがあるというお話のようですけれども、しかし、議会が議決を具体的にしない限りにおいては課税権が発生しないのではないだろうか。そういう場合はいかがなものであろうかということですので、もう少し具体的にお答えをいただきたい。
#143
○佐々木政府委員 現在、市街化区域の農地につきましては、その課税標準の算定は、従来のような、昭和三十八年度の課税標準によるという規定がもうなくなっておるわけでございます。課税標準は、あくまでも市街化農地としての評価をし、その評価額をもとにした調整措置を講じながら課税標準は計算をするという規定だけでございます。昭和四十七年の場合には、その特例を設けまして、もう一ぺんその三十八年の負担額が減額をするという特別な措置が設けられた。その関係で、四十七年度の課税は、昭和三十八年の課税標準額によって計算をする方式になったわけであります。そうした特例がない限り、現行法の規定からいたしますならば、三十八年の課税標準額にかえるべき根拠がないということになるわけでございます。
#144
○山田(芳)委員 具体的にそういう事例がもしあった場合はどうされるのか。まあ、はっきり言うと、長に対して再度提案すべきであると言われるわけであろうと思うのでありますが、議会が議決しないというような具体的な例がなかったわけではないんでありますが、そういう場合はどういうふうに考えられるか。考え方をちょっとお伺いしたいと思います。
#145
○佐々木政府委員 これは、その市町村の判断になるかと思いますが、課税すべき根拠がなくなるという場合においては課税ができないということになるだろうと思います。ただ、現行の課税標準に関する規定は強行規定になっておりますので、条例に規定がない場合には、通常の市町村の条例の場合には、地方税法の規定にかえるような条例措置になっておりますので、おそらく、ほとんどの地方団体、市町村の場合には、地方税法の規定に返ってくるというふうに考えております。
#146
○山田(芳)委員 返ってくるということは、地方税法で直接課税し得るというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
#147
○佐々木政府委員 これは条例の規定のしかたでございますが、通常、市町村の税条例の規定には「この条例に規定する以外の事項については地方税法の規定による。」というような一項が設けられて、いるはずでございます。そういう規定に基づきまして地方税法の規定に返ってくる、こういうことになるわけでございます。
#148
○山田(芳)委員 そうすると、税法へ返るのですから、税法で直接課税することもあり得るということでございますか。
#149
○佐々木政府委員 この場合も、直接に税法の規定によって課税されるということではなくて、一たん条例の規定に基づいて地方税法の規定が適用されるということになるだろうと思います。
#150
○山田(芳)委員 そうすると、よくわからないのですが、長は専決処分でもしてかけるべきだ、こういう御趣旨でしょうか。
#151
○佐々木政府委員 現在の市町村の税条例には、総則規定の中に、いま申し上げましたような規定が入っているのが通例でございます。そういう通例の形について申し上げたわけでございます。
#152
○山田(芳)委員 ちょっと私もよくわからないのですが、時間の関係があるのでこの程度にいたしますが、またもう少し勉強をして、次に質問をいたします。
 実は、これは参議院の予算委員会の三月十九日の会議録を持ってきたのですが、わが党の横川正市議員の質問の中で、週休二日制をやるかどうかということについて田中総理に聞いたわけでありますが、別段直接関係がないにもかかわらず、休日二日制の問題に関連をいたしまして、地方税を付加税にすれば、あるいは付加税にしなくても、同じところで徴収すれば何万人かがすぐあくわけであります、と、こう総理大臣が言われているわけであります。先ほどから、私は、地方団体の課税権の問題について、ちょっと意地の悪いような質問をして申しわけないとは思いますが、言うておりますのは、これを引き出すためにいま質問したわけでありますが、地方自治権というものの内容として、課税権というものが一番大きな具体的な内容であるとするならば、いやしくも、地方自治権を尊重するということが憲法の第八章にあるにもかかわらず、総理大臣の、その具体的な重要な内容であるところの地方税を国税の付加税にしたら何万人もの徴税吏員があいて、それによって週休二日制もできるのじゃないかというものの発想ですね。そういうことについては、私たちは最近いろいろなところで――たとえば税調の問題をおっしゃっているわけですが、税調の中でもそういうような意見が出ておるということを聞いておるし、あとからこれは触れますけれども、いわゆる三税協力事務というような問題に関連をして、言うならば、何か、地方自治団体の徴税権も国に統一をしていくというか、そういう考え方が非常に出てきているということは、われわれ地方団体で長いこと仕事をしてきた者にとってみると、非常に憂慮すべき事態ではないか。一国の総理が、地方自治権について、ある意味においては課税権をなくすようなことを、自治体の基本の権利にかかわるような問題を、軽々しく発言をされていることは非常に遺憾なことだというふうに思うわけでありますが、こういう点について、自治大臣としていかがお考えになるか、お答えを願いたい。
#153
○江崎国務大臣 これは、事務の能率化という点について、あくまでも仮定の問題として総理が言われたことであろうというふうに思い、私ども、この発言が地方税制度の根本を乱る発言であるという、あまり重い発言には考えておりません。
 これは御指摘のように、当然、独立税制度として、権威を保って今日に至っておるわけでありまして、これは自治権の尊重の上から言いましても、今後この独立税制度を継続すべきものであるというふうに考えております。したがって、徴税事務の合理化については、当然これは別途考えられるべきもので、たとえば課税所得の調査とか、共同申告制度の実施とか、いろいろなそういった具体的な問題については、現在でもすでに着手をしておるところでありますが、なお、今後、能率化、合理化を進めていく。これは必要でありまするが、付加税方式は反対でございます。
#154
○山田(芳)委員 この点については、自治権の擁護に当たられる自治大臣として、たとえ仮の話であるにしても、最近いろいろなところでそういう話が出てくるという傾向があるし、また、われわれも、いま大臣がおっしゃったように、仮の問題だというふうに言われても、非常に神経質にならざるを得ないという点がありますので、これは、今後そういう点がありましたら、閣議その他でも十分明確に発言をしていただきたいと思います。
 次に、それに関連をいたしまして、国税、都道府県税、市町村税がお互いに協力し合うという、いわゆる三税協力というのが行なわれておりまして、私も、地方自治体におったときには、その協力委員会の会長というか、委員長ということで議事を進行したりしておったわけでありますが、そういう点についていろいろと疑問点があるわけであります。
 まず、その三税がお互いに協力し合うという、いまお話のあった合理化をすべき点があるならば、合理化をお互いにしていくということは、その限りにおいては間違っていないと思いますけれども、三税協力という内容の中で、具体的には、国税側が地方側に対して、いろいろの要望をするなり、いろいろの点についての意見は言われるけれども、地方団体側から国に対していろいろと資料の請求をしても、なかなか出してくれないという具体的な事実があります。
 二、三例をあげて申し上げると、たとえば国税のほうでは、御承知のように、百五十万円以下の所得については、先ほどから話が出ておるように、国税においては所得税の対象ではないわけでありますから、これを積極的に調査をいたしません。しかし、市町村税、府県民税は課税最低限が低いわけでありますけれども、そういうものについての所得は、本来ならば国で把握をして、これは所得税にかからないのだということによってやっていくべきなんでありますが、そういうものを市町村長に、地方でひとつ把握してくれというようなことを言われると、若干国税のお手伝いをさせられるということでありますが、そういう事実がある。また、逆に、府県側が、特定の法人について、法人税の内容その他をひとつ見せてほしいということを言いましても、これはなかなか見せてくれない。たとえば料理飲食等消費税の問題との関連において、所得税をどういうふうに把握しておられるのかということで見せてほしいと言っても協力をしてくれぬというような形で、国のほうには非常に協力をさせられるけれども、地方にはあまり協力がないというような形になっているわけであります。そういうことで、三税協力の関係については、自治省としては、通牒その他で行なわれているのであろうと思いますけれども、どういうふうなお考え方であるか、お伺いをいたしたい。
#155
○佐々木政府委員 現在、所得税、事業税、住民税という関係で、ここ十年ばかり、三税の共同申告制度をとってまいりました。これは、課税標準等がほぼ同様であるにかかわらず、納税者が、税務署あるいは県の税務事務所、それから市町村の役場の、それぞれ三カ所に申告書を提出しなければならない。そういう納税者側の事務的な負担というものをできるだけ軽減をしようとすることのために、共同申告制度というものをとってきたわけでございます。その際に、同じような所得調査について、国からも所得調査、県からも所得調査、あるいは市町村からも所得調査というような形で、三者三様に所得調査を実施するということは、納税者から見ますと、いかにも繁雑にたえないという、こういうような納税者側からの非常に強い要請もございましていまのような制度をとったわけでありますが、その際に問題になりましたのは、課税最低限の相違から、地方税の場合には、どうしても所得税の控除失格者について所得調査を実施しなければならない部分が出てくるわけでございます。
 そういうことで、こうした三税の共同申告制度をとります際に、地方団体のほうがいままで十分行ない得なかった所得調査の方法等につきましても、国税当局者から指導を受けながら所得調査を実施する。特に、これらは、市町村等の関係におきましては、農業所得というような面について、税務署との間で指導をしてもらうというような関係も出てきたわけであります。そういうことで、いまのところ、残念ながら、地方団体の税務の執行体制において、具体的な所得調査というものは地方のほうがまだやや劣っておるというような関係から、だいぶ税務署のほうの協力をお願いした面もございます。ただ、そうした関係が、だんだん年を経てまいりますと、国税当局で少し手が回らなかった部分を地方のほうでやってもらえぬかというような問題がところどころに出てきておるというような話も私ども聞いておりますので、やはり、こうした面につきましては、各県ごとにやっておるわけでありますけれども、それらの間において、そうした三税の協力のあり方について、必要な部面におきまして、以前の協力体制のときに私どもが話し合いをした線というものをある程度もう一ぺん再確認をしながら、いま一度反省をしてみる機会を持つ必要があるというふうに考えております。
#156
○山田(芳)委員 もう一ぺん考え直していただくならばけっこうですが、全体の感じとしては、先ほど申し上げたように、国税のほうへの協力は、法律に何もないのにかかわらずやらされる。しかし、地方の側から国税へ言うと、それは法律がないからやれないというふうに断わられているわけでありますが、そういう意味では、先ほどの課税点の問題とも兼ね合って質問を申し上げたいのですが、法人事業税について、地方では、どうもあの法人所得が国税においておかしい、一ぺん地方自治団体も調べてみたいというふうに思っても、現在は、法人事業税については、国の資料に基づいて、法人事業税を所得に基づいて課税をしていく。言うならば、付加税は取らないと言いながら、具体的には、法人事業税については、付加税と同じような取り方をせざるを得ない。だから、ある県において、あの法人は一ぺん調査をしたいと言うても、現在の法律制度の中においては調査権がないわけであります。同じようなことをやるのはむだだと言うけれども、私は、そういう点についてはわかりますが、しかし、そういうようなおかしいという場合には、地方団体といえども、その法人について具体的に調査する権限だけは留保しておいて、伝家の宝刀を抜く場合もあるのだぞということを法制的に確保しておかないと、地方自治体の課税権というものが、国の課税権に従って付加税的な形になっているのではないかと思うのですが、この点についてはいかがでしょう。
#157
○佐々木政府委員 確かに、御指摘のような問題があるというふうに考えております。だんだんと地方段階における調査能力というものも充実をしてまいりますと、そういう面におきまして、住民税において現在市町村と府県がとっておりますぐらいの関係は、国税と地方税との間においてとり得るのではないだろうかというような感じも持ちますので、この点につきましては、さらに各地方団体の意向も聞きながら、私どもとしましては検討していきたいと思っております。
#158
○江崎国務大臣 これは政治的な問題を含んでおりますので、私からも念を押しておきますが、御提議の点は、きわめて重要な点だと思うのです。もともと、国税、地方税というものは一体であるべきもので、直接法人の事業税を扱っておるが、どうも法人所得の面においておかしい、調べられたいというときに、調査権を府県が持つことがはたしていいかどうかという点はまだ結論を得ませんが、そういうときには、やはり、すみやかに国税当局がそれを調べる、そして、地方の疑問に直ちに回答を出すということはあっていいわけですね。
 それをもう一歩前進させて、伝家の宝刀的に地方にもその調査権を持たせてはどうかという点等につきましては、今後国税当局ともよく話し合いをしながら、これは検討題として検討したいと思います。
#159
○山田(芳)委員 私の言うのは、伝家の宝刀というか、調査権だけ留保しておいてもらえば、国税に頼めば、私のほうで調べてもいいけれども、まあ、おたくが調べたのだから、ひとつもう一ぺん再調査してくれということが地方団体側としても言えるわけですから、調査権だけは――都道府県税については、こまかい条文はあげませんけれども、それができることになっておるのですが、そういう権限をやはり留保しておかなければ、ほんとうに付加税みたいなことになってしまうし、国税の言いなりだということでは、地方団体としても不満が残るので、大臣、この点はひとつよろしくお願いします。
 次には、これはいま税務局長さんがおっしゃったのですが、私は、府県におった人間として若干ふに落ちないのですけれども、市町村民税と府県民税との間で、市町村が独自で減税をしますと、府県民税は黙っていてもそれをかぶらなければならないという形になる。賦課徴収が、これはさっきの総理のお話のように、付加税方式で一つのところでやるというのと同じような形になっているので、市町村が府県民税まで徴収をする、そして、政令に定める金額を、一件幾らということで、徴税費として府県が市町村に交付する、という仕組みになっている。ところが、市町村が独自で減免をいたしました場合には、自動的に府県民税も減免をされるということになるわけであります。私は、徴税の仕事として一緒にやることを、先ほどから言っているように、一がいに否定しているわけではないけれども、少なくとも、減収になるようなことを市町村が独自でやった場合、黙っていても府県がそれをかぶるということは適当でないので、もし独自の減免をやるときには、府県と協議をした上でやるというような規定を税法上に入れるべきではないか。そうしないと、小さな市町村の減免ならばいざ知らず、大都市をかかえるようなところの府県において、市町村が独自に減免をやるということになれば、それの影響というものは、府県民税において相当のものが出てくる。これでは、都道府県の課税権というものが、いま言ったように、逆付加税みたいになって、侵されるのではないだろうかというふうに思うのですが、この点いかがでしょうか。
#160
○佐々木政府委員 現在、市町村民税と道府県民税というものは一体的に運用されておる。これは現行の道府県民税ができましたときの経緯から、税制としては二つの税制になるけれども、納税者にとっては一つの税制として理解されるように、また、道府県民税を創設したことによって納税者の事務的な負担をふやさないというたてまえで、現在、いわば住民税という形で、一体的な運用が行なわれておるわけでございます。したがいまして、この減免の事由というものは、市町村民税の場合も、道府県民税の場合も、同様でございます。減免を市町村民税について行なわれなければならないという事由がありました場合には、道府県民税についてもやはり同じような事情になっておるという判断から、住民税は市町村民税の課税のしかたに乗っていくという方式をとってきたわけでございます。
 確かに、厳密に解釈をいたしますと、その分、府県の意思が減免について反映しないという意味において、府県の課税権の一部までも市町村が行使をしているではないかというようなことになるかと思うのですが、しかし、いままで申しましたような経緯からそういう措置がとられてきているわけでありまして、この点はいまもなお問題が残っているかと思いますが、市町村側から府県に払い込む場合の手続関係その他、市町村におきましてもいろいろめんどうな事務が付加されておるわけでございますので、この辺の問題は、やはり、市町村の事務的な面の大きさ等も兼ね合いながら検討をしていかなきゃならない問題だろうと思います。
#161
○山田(芳)委員 私は、市町村が同じ事由で減免する場合に、都道府県が減免することがいかぬという意味でなしに、自動的に機械的にやられる点は、行政指導その他において、府県と相談した上でやってほしいというくらいのことは御指導を願いたいという趣旨の質問をしているので、遮断をしてしまえとか、あるいはあれをせいということを申し上げているわけではないのです。その点は、そうしていただかぬと、大都市をかかえるような府県は非常に大きな減収になり、それがそのまま交付税の基準財政収入の中には入らないという形になってくることによって、財政的な問題があるので、そういう点の協議は行なうという指導はぜひお願いいたしたいと思いますが、どうでしょうか。
#162
○江崎国務大臣 これは、県、市町村等の具体的な意見等を聞くことは簡単でありまするから、そういう意見なども十分徴しながら、今後の課題として検討をしてみたいと思います。
#163
○山田(芳)委員 話題を変えますが、先ほどから何べんか租税特別措置法に基づく問題が出ておるのでありますが、遮断をせよということで、これはもう一度洗い直しをされるということでありますが、税務局長さん、すみませんけれども、租税特別措置法に基づいて一体どのくらい減税がされているかということを、昭和四十六年の決算で――四十七年はもう大体出ていますが、まだおそらくまとまってないと思います。私はここに試算表は持っておりまして、国税の減収が四千七百三十億。これは四十七年の見込みでありますが、地方税、千四百五十八億という数字は見ているわけでありますが、決算で、昭和四十六年で、租税特別措置法に伴う地方税の減収額が一体どのくらいあるか。資料をお持ちになっておられますか。
#164
○佐々木政府委員 租税特別措置法による減収額は、矛の決算額がどれだけかという点につきましては調査をいたしておりませんので、資料は全くございません。
#165
○山田(芳)委員 国税についても地方税についても決算がないということは、実は、私もそう承知をしておるのですけれども、どうしてそうなるのか。見込み額はいつも出るのですけれども、あとの決算額はないのですね。これは一度調べていただいて、ここにおられる委員の方にも御配付がいただけないものでしょうか。
#166
○佐々木政府委員 この租税特別措置の内容をごらんいただきますとおわかりでございますが、たとえば、少額貯蓄の非課税あるいは配当所得の特例といったようなものを地方団体ごとに調査をするということは、いわば課税権の所在との関係から言いまして、事実上不可能でございます。ただ、たとえば地方団体が現実にやっております新築家屋の固定資産税の軽減措置といったようなものについては、これは調査をすれば調査が可能でございますけれども、項目によりましては、地方団体としては、現実問題として調査が不可能な面がございます。そういうことで、私どもは、総体の収入計算の際に、それぞれの課税標準を振り分けまして減収計算をやっておりますけれども、これを決算の形で捕捉することは、一部分はできますけれども、全体は不可能でございます。
#167
○山田(芳)委員 決算面では、いま事情を聞きますとわかります。ということは、逆に言うと、見込み額も、必ずしも確実ではない。これは、いまの利子所得の分離課税の分についてどうであるかというようなことは、所得に応じて累進するという場合もあるのでわからぬわけですから、見込み額それ自身も、でたらめと言うとしかられるかもしれませんけれども、どうも確実なものでないというふうに思われる。これは調べにくいですからね。私も、この利子なんかのものや配当を見ましても、見込み額だって、どういうふうにやるか。マクロ的に一定の数字をかけて出されるのだろうと思うのですが、そういうものも、具体的な額となかなか乖離があるのではなかろうかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#168
○佐々木政府委員 この点は、確かに決算が出しにくいわけでありますから、確実なものは幾らであるかということが出ないわけでございますので、これはまた、どれほどの差があるのかという点も、確認が非常にしにくいわけでございます。ただ、いまの例示がございましたように、たとえば少額貯蓄の利子の非課税分といったようなものは、別な面からの、たとえば銀行等における貯蓄額の推移といったようなものからの推定、あるいは配当所得の特例というものも、法人課税の面からの課税のほうからの資料で推計をするということで、実際の額とはそう大きい差が生ずることはないであろうというふうに考えております。
#169
○山田(芳)委員 この問題はこの程度にしておきます。
 次に、固定資産税の基本的な問題について若干お伺いいたしたいと思うのですが、固定資産税は、税法上は財産税の一種であろうと思うのです。前にほかの議員からも質問があったと思いますが、評価額と、時価と、公示価格と、三つがばらばらであるということの矛盾はお認めいただいているし、われわれもおかしいなと思っておるわけです。もし財産税ならば、財産税のかけ方はいろいろあるわけですが、それによって収益をして、収益にかけるのだというかけ方もあるかと思いますけれども、これは純粋財産税ですから、財産税の評価額というものは時価ということになるのだということになっているわけですから、固定資産税をほんとうに本来の税としていくならば、時価をはっきり出して、しかも税率は下げるという方向へ向けないと、固定資産税の税の性格というものがあいまいになってくる。それが現在いろいろの問題についていろいろ議論されているということになるのではないだろうかというふうに私は思うのですが、そこらあたりは一体どうでしょうか。
#170
○江崎国務大臣 これは、予算委員会等でもしばしば問題になった点でありまするが、御指摘のように、理想的な線としては、本来一体であるべきものだと思います。国の評価が相続税であったり、固定資産税であったり、また、その売買の現実を現実の参考に資するための地価公示価格が三様であるなんということは、国民の側からすればいたずらにわずらわしいだけであります。ただ、いまは調査能力等の問題がありまして、一致しないという現実でありまするが、くどい話は差し控えますが、そういう面で今後一本化ができれば、これは望ましいし、また、そういう努力を続けていかなければならない。そのときには、固定資産税の場合は税率でかげんをしていく。当然そうならなければならぬと考えます。
#171
○山田(芳)委員 固定資産税の問題についてはこの程度にいたしておきますが、とにかく、土地の問題に関連をして、いわゆる固定資産税の本来の姿というものを、原点に立ち返ってもう一度見直す時期に来ている。五十年に一ぺん洗い直すということになっているとは思いますけれども、五十年なんという先では困るのじゃないだろうか。いまお話があったように、それぞれの各省においても、あるいは各地においても、評価のしかたが非常にアンバランスであるというところに現在の混乱を来たす原因があるのだから、固定資産税自身の税の性格ということをもう少しはっきりさせていって、それに見合って国民の負担というものを税率によって調整するという方向で、早急にひとつ考えていただきたいというのは、地方におった者として、やはりそれを痛感するわけなんですが、これはげたを預けるということにいたして、次に移りたいと存じます。
 もう時間もございませんから、具体的な問題にいきますが、法人の民税の均等割りですね。これが六百円は二十九年以来据え置きで、千円は、四十二年から資本金一千万以上に適用されているという現状ですね。幾ら何でも、法人の均等割り千円はちょっと……。これは一体どういうふうにお考えになられるでしょうか。
#172
○佐々木政府委員 法人の均等割りは、府県民税、市町村民税を合算して考えなければならないわけでありますけれども、この均等割りは、各課税団体ごとに均等割りが課されるわけでありますから、一法人について、資本金が一千万円以上の法人が五千円だというような形にはならないわけでございます。各地方に相当支店等を持っております場合には、それらの額が合算をされるという形になるわけでございます。これは均等割り全体の問題でございますけれども、現在、個人の均等割りにつきましても、まだなおいろいろ問題がございます。
 均等割りの制度をどうすべきかということは、個人につきましては、まだここ二十年ばかり現実的には手がついておらない状態でございます。法人には、これまで均等割りの引き上げを行なってきておるわけでございますが、その事務所の大きさということよりは、むしろ、現在資本金の額でやっておりますので、いかに小さい事務所を設けておりましても、資本規模の大きい法人は高い均等割りということになっておるわけでございます。均等割り制度全体としてどういう方向にすべきかということは、私どもも、住民税の検討課題の一つであろうというふうに思っております。
#173
○山田(芳)委員 いかにも、法人であればもっと高くてもいい。これはさっきから話がありますけれども、特に大都市にある法人は、集中の利益というか、集積の利益を受けているわけでありますから、これはもちろん法人事業税の問題ともからみますけれども、いかにも、法人については均等割りをもっと考えてほしいというふうに思いますので、この点はこれ以上は申しませんから、ひとつよろしくお願いしたい。
 それから、次は、法人事業税は、先ほどからもお話にあるように、決して所得に対して課税する趣旨ではないけれども、税務技術の上から、所得金額というものを課税標準に使っているのだというお話でありますけれども、しかし、現実に、先ほどから申し上げているように、所得税の付加税的な形に形式的にはなっているわけでありますから、これももう少し個別的に、一二%をもっと上げるというような累進というようなことはお考えになるかどうか、ちょっとお聞かせいただきたい。
#174
○佐々木政府委員 現在、法人事業税は一二%を基本税率にいたしまして、六%、九%の軽減税率を定められておるわけでございます。この法人の税率について、所得税に見られるような累進課税をすべきかどうかという点につきましては、税制調査会でもいろいろ議論のあるところでございます。現在のような、いわば法人擬制説的なものを一応の基礎に置きながら法人課税の税率をきめます場合には、累進税率というものはそれにそぐわないということになるだろうと思いますが、現在は、そうした擬制説的な考え方から次第に実在説的な考え方に変わってきておる。いまその中間にあるだろうというふうに考えられるわけでありますが、こうした法人所得課税について、累進税率制度をとるべきかどうかということについては、さらに、税制調査会においても十分議論をしてもらわなければならない問題だろうというふうに考えております。
#175
○山田(芳)委員 今度はちょっとこまかくて申しわけありませんが、われわれが疑問に思っている点を申し上げて、質問をいたしたいと思います。
 政府は持ち家制度を推進をしておられるというわけでありますから、新築家屋に対しては、今回八十万上げて、百五十万プラス八十万、二百三十万までは控除していくということに改正されるわけでありますが、少なくとも、中古の家屋をいままで借りて入っていたという場合に、新たにそれを持ち主から買い取ったという場合には、それとの見合いにおいて、新築住宅の特例措置と対応して、中古住宅に対する特例措置をやはり設けるべきではないかと思うのですが、これはいかがなものでしょうか。
#176
○佐々木政府委員 現在の不動産取得税におきまして控除制度が設けられておるわけでございますが、これは、住宅の建設を促進するという観点と、ただいま御指摘のような持ち家制度を推進していくという考え方によったわけでございます。課税の現実から見ますると、最近の評価水準というものから見まして、新築家屋の場合には、税負担がそのままの課税でありますれば、どうしても相当高い水準になってまいります。古い家の場合には、評価の時期、建設の時期にもよりますけれども、新築家屋との間におきましては、評価額において相当な開きがあるわけでございます。この点は、むしろ、新築家屋の場合に急激に税負担がふえてくる可能性がございますので、不動産取得税において控除をし、そしてまた、固定資産税において三年間二分の一の軽減措置をとる。こういう方式をとっているわけでございます。
#177
○山田(芳)委員 持ち家制度を推進するならば、評価額の問題もさることながら、やはり、一定の特例措置をとってやることが、税制の面からの住宅政策にかなうゆえんではないかというふうに思っておるわけですが、考慮の余地はありませんか。
#178
○江崎国務大臣 そうたいへんな金額でもありませんから、これは今後の課題として検討します。
#179
○山田(芳)委員 その次は、料理飲食等消費税ですが、ホテルとか旅館等についてはわりに正確に把握し得るわけですが、いわゆるバーとか、キャバレーとか、そういうところは非常に把握しにくい。したがって、課税標準というか、所得が話し合いできまる。具体的には、前年度の何%増しというようなところで申告をしてくれば、それを受け付けるということでやられているのが各府県の実態なんですが、一体、自治省としては、そういうものについてどういうふうにして把握すべきであると考えられているか。通説によると、バーやキャバレーの所得の把握は大体三割か四割じゃないかというふうに言われている。まあ、これも具体的に徹底して調べたわけではないわけですし、夜中にバーやカフェーに徴税吏員が忍び込んでやるということも実際にはできないわけですが、どういうふうに考えておられるか。そこらあたりをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#180
○佐々木政府委員 料飲税につきましては、営業の事業者数と徴税吏員との関係で、その実態把握という面が、私どもが期待しているほどできておらないというのは御指摘のとおりでございます。そういう料飲業者の中におきましても、どちらかといいますと、領収証を必要といたしますような業態の場合には、その捕捉が比較的できているように考えられますけれども、個人が自分のふところから支払って飲食をするというような形態の場合には、日本の一般的な社会的な習慣として、領収証を受け取るということがまだまだ徹底し切れない。そういう面において、料飲税の捕捉漏れというものが出てくる可能性が非常に多いということでございます。また、そういう業態は、実際には、業態自体が規模が非常に小さくて数が多いため、徴税吏員のほうがなかなか調べ切れないという問題が出ておるわけであります。
 現在は、府県におきましても、たとえば自動車税といったような税目につきましては、できるだけ機械化をはかりながら、そして、機械化によって浮いた人員を、ある程度足でかせがなければならないという税目のほうへ配置する等によって、それぞれ各県なりに努力をしているところでございますけれども、確かに、御指摘のような面があるという点は認めざるを得ないというふうに考えております。
#181
○山田(芳)委員 そこで、私は、一つ大臣に提案をしたいんですが、われわれがいろいろ本を読んだり雑誌を読んだりすると、書いてあるのは、銀座やその他のバーでは、ほとんど九割ぐらいまでは例の社用族である。まあ、これは大蔵省の関係ですけれども、何かといえば、租税特別措置法による交際費の経理のしかたを、少なくとも遊興飲食については公給領収証を添付しなければいけないというふうにしてほしい。いまの交際費の落とし方は、とにかく領収証さえあればいいということになっている。だから、ああいうところで飲んだり食ったりするものについては、少なくとも、公給領収証がなければ租税特別措置法の交際費の損金として落とせないというようなことを制度として――もちろん、われわれとしては、交際費全体を課税対象にすべきだという主張を持っているけれども、それがそこまでいかないんなら、また、これは大蔵の所管であるならば、地方税の立場から言えば、少なくとも、交際費の中における遊飲等のものについては、公給領収証が添付せられているものを落としていくというような制度を提唱し、実現をしていただけないかどうか。それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#182
○江崎国務大臣 これは前からよく言われておる問題でありまして、これは貴重な御提案ということで、十分承って、また、国税当局と話し合いをいたしたいと思います。
#183
○山田(芳)委員 同じような問題で、いわゆる同伴旅館、アベック旅館、それからスナックというようなものは、把握がなかなかできないので、地方の職員は困っているということなんで、これについては、せめて、免税点の適用を排除した課税方法に改めてほしいというふうに思うのですが、この点はいかがでしょうか。
#184
○佐々木政府委員 現在、免税点の適用は、風俗営業取締法の適用がある店とそうでない店とによって、その適用を事実上区分をしているという方式をとっております。
 スナックというのは、通常は食品衛生法に基づく飲食店営業という形になっておりますので、免税点の適用をせざるを得ないような営業の形態であろうというふうに考えております。ただ、この営業の実態が、風営法の適用を受けるべき業態にあるという場合には、これは警察当局のほうとも連絡をしながら、風営法の適用を受ける店としての営業の許可をしてもらわなければならないというふうに考えるわけであります。
 また、いわゆるモーテル、同伴旅館というようなものにつきましては、これは風営法の問題が出てまいりましたので、私どもも、いま、その点についての検討をいたしておりますけれども、ただ、看板がモーテルといったようなところと、そうでない旅館業法の適用を受ける店との間に、その実態において一体どれほどの区分ができるだろうか。この辺が税務の実際上は非常にむずかしいところでございますが、ただいま御指摘の点は、私どももさらに検討を続けてまいりたいと思っております。
#185
○山田(芳)委員 時間がなくて、皆さんに迷惑をかけるんでもうぼちぼちやめますが、私製領収書制度をもっと大幅に認めてほしい。公給領収証は、御承知のように、公給するわけですけれども、最近は、会計機がどのところにも入っておりますから、そういう点で改ざんができないという点がありますので、私製領収書制度というものを、そういう会計機によって行なっていくということを前提として大幅に認めていくことが、いま言ったような問題における脱税というものを防ぐゆえんであるというふうに思うんだけれども、その点はいかがですか。
#186
○佐々木政府委員 領収証の取り扱い方につきましては、私どもも、できるだけ公給領収証自体の簡素化もはかりながら、私製領収書の利用ということも常に検討いたしておるところでございます。現在、会計機等を使用して領収書を作成しているようなところにつきましては、できるだけ私製領収書を認めていくというような方法もとっておるわけでございますが、また、公給領収証も飲食業者等に次第に浸透してまいりまして、公給領収証自体につきましても習熟をしてきたというような面もありますし、これらにつきましては、各県の実態あるいは業界等の要望等もさらに十分配慮しながら、この制度の合理的な運用ということについて心がけてまいりたいと思います。
#187
○山田(芳)委員 もう六時を過ぎましたから最後にいたしますが、個人事業税の少額課税者に対するものは年二回というのを、あとのほうの年一回の納付にすることによって事務の簡素化が相当できるというふうに思うのですが、これはひとつぜひ実現していただきたいと思います。
#188
○佐々木政府委員 現在、固定資産税におきましては、そういう制度をとっておるわけでございますが、これは年四回ということで、端数計算の関係で非常に不合理な場合が出てくるというような関係で、少額税額の一回納付ということを規定をしておるわけでございます。いま御指摘のように、事業税につきましてはございません。確かに、これは年二回ということではございますけれども、少額の問題はあるかと思います。各県の実情なり意見なりも求めながら検討してまいりたいと思います。
#189
○山田(芳)委員 検討がいろいろたくさんあるのですが、来年もありますので、ひとつ、もう一ぺんぜひ見直してやっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
#190
○上村委員長 次回は、明十三日金曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後六時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト