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1972/04/24 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第20号
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1972/04/24 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第20号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第20号
昭和四十八年四月二十四日(火曜日)
    午前十時十分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 小山 省二君 理事 谷垣 專一君
   理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 土井たか子君
   理事 山本弥之助君 理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    今井  勇君
      内田 常雄君    片岡 清一君
      亀山 孝一君    島田 安夫君
      西村 直己君    前田治一郎君
      保岡 興治君    山中 貞則君
      渡辺 紘三君    岩垂寿喜男君
      小川 省吾君    佐藤 敬治君
      山田 芳治君    吉田 法晴君
      多田 光雄君    三谷 秀治君
      小川新一郎君    小濱 新次君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        自治政務次官  武藤 嘉文君
       自治省税務局長 佐々木喜久治君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四五号)
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 去る四月二十日の委員会において、本案並びにこれに対する内田常雄君外二名提出の修正案、山本弥之助君外二名提出の修正案及び中村弘海君外四名提出の修正案についてはすでに質疑を終了しております。
 これより、原案及び各修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中村弘海君。
#3
○中村(弘)委員 私は、自由民主党を代表して、政府提案の地方税法の一部を改正する法律案に関し、わが党提案の市街化区域農地の固定資産税にかかる修正案及び附則にかかる修正案並びにこれらの修正案による修正部分を除く政府原案に賛成、日本社会党、公明党及び民社党の修正案に反対の討論を行なおうとするものであります。
 わが党は、従来から、国民負担の軽減をはかるための減税の実施につきましては、毎年格段の努力をいたしてきたところでありますが、昭和四十八年度におきましても、税負担の軽減合理化をはかるため、昭和四十八年度税制改正大綱及び新土地税制大綱を定め、国民の前に明らかにいたしております。このうち、地方税につきましては、個人負担の軽減をはかるための個人の住民税の課税最低限の引き上げ、税率の緩和、中小企業者の負担の軽減をはかるための個人の事業税の事業主控除額の引き上げ、大衆負担の軽減をはかるための電気ガス税の税率の引き下げ、料理飲食等消費税及び電気ガス税等の免税点等の引き上げ、宅地等にかかる固定資産税の課税の適正化、土地税制の一環としての特別土地保有税の創設をその重点といたしておるところであります。
 今回の政府提案にかかる地方税法の改正案におきましては、わが党が提唱いたしましたこれらの事項がその重点とされているのであります。
 すなわち、政府原案における主要な改正事項は、まず住民税の減税であります。政府原案におきましては、住民税の基礎控除額等の引き上げ、市町村民税の所得割りの税率の緩和により、住民負担の軽減を行なうこととしております。この結果、住民税の課税最低限は、夫婦、子二人の給与所得者で、現在の八十万円が八十六万円に引き上げられることになります。
 なお、退職所得控除についても引き上げが行なわれ、この結果、勤続三十五年で退職所得八百万円まで非課税となります。
 次は、個人の事業税についてであります。中小企業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除額を現在の六十万円から八十万円に大幅に引き上げることとしております。
 また、土地にかかる固定資産税につきましては、現行の負担調整措置に伴って生じている税負担の不均衡を是正し、保有課税の適正化をはかるため、住宅用地について軽減措置を講ずるとともに、税負担の激変緩和の措置を講じつつ、評価額に基づいて課税を行なうこととしております。すなわち、評価額課税への移行にあたっても、最近における地価の騰貴に伴い評価額が著しく上昇している現状に配意し、住宅用地については、税負担が過重にならないようにするため、その課税標準を価格の二分の一の額とする特例を設けるとともに、昭和四十八年度及び昭和四十九年度においては現行の負担調整措置を継続するものとしており、また、住宅用地以外の土地については、昭和四十八年度及び昭和四十九年度において、税負担の激変を緩和するための措置を講ずることとしております。
 さらに、昭和四十八年度において各般の土地法制が整備されることになりましたが、これらの総合的な土地対策の一環として、土地の投機的取得の抑制に主眼を置きつつ、宅地等の供給促進を目的とする特別土地保有税を市町村税として創設することとしております。政府原案においては、個々の市町村の区域内において、基準面積に満たない土地については、特別土地保有税を課さないこととするとともに、地域の振興、生活環境の整備等、国の政策に適合する用途に供する土地等については非課税とする等、きめこまかな配慮のもとに適切な措置が講ぜられております。
 以上のほか、大衆負担の軽減をはかるための電気ガス税の税率の引き下げ、料理飲食等消費税、電気ガス税及び固定資産税等の免税点等の引き上げ、不動産取得税等の非課税範囲の拡大等、その内容は、地方財政の現状を勘案しつつ、各税を通じて税負担の軽減合理化をはかろうとするものであると考えます。
 次に、わが党提案の市街化区域農地の固定資産税にかかる修正案についてでありますが、この修正案におきまして、市街化区域内の農地に対する固定資産税及び都市計画税について、周辺の宅地との税負担の不均衡が著しく、かつ、土地対策の必要性が特に強いと考えられる首都圏等三大都市圏の都市に所在する農地のうち、いわゆるA農地及びB農地について、昭和四十八年度ないし昭和四十九年度から、評価額を基礎として段階的に税負担の均衡化を進めることにしております。
 この措置に伴い、政府におきましては、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法案を提案して、市街化区域農地の宅地化を促進するための優遇措置をあわせ講ずることとしておりますが、これらの措置によって市街化区域内の農地に対する課税の適正化をはかることは、時宜を得た適切なものであると考えます。
 以上申し述べたとおり、今回の税制改正の内容は、いずれも適切妥当なものと考え、わが党提案の修正案及びこれらの修正案による修正部分を除く政府原案に賛成、日本社会党、公明党及び民社党三党提案にかかる修正案に反対の意を表するものであります。(拍手)
#4
○上村委員長 佐藤敬治君。
#5
○佐藤(敬)委員 私は、日本社会党を代表して、内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案並びに自民党提出にかかる修正案に反対、並びに日本社会党、公明党、民社党の共同提出にかかる修正案に賛成の討論を行ないます。
 わが国の地方自治体は、一方において、自治の確立と住民の福祉向上のためにますます財源の拡充強化を迫られ、他方においては、インフレから住民の生活を守るために逆に減税をしいられております。しかし、昭和四十八年度予算における地方財政収入においては、唯一の自主財源ともいうべき地方税の歳入全体に対する構成比を見るとき、相変わらず三割自治に停滞し、いよいよ中央依存の色を濃くしておるのであります。また、課税最低限の引き上げや各種控除の引き上げ等、多少見るべきものがあるとはいいながら、戦後最大ともいわれているインフレから住民を守るためにはほとんど取るに足らない額にすぎません。減税とは名ばかりで、実質は逆に一兆円余の増税とさえなっております。
 今日、この財源強化と減税という二律背反の命題を解決するためには、一つには、いままで大衆課税のもとに不当に優遇されてきた大法人に対する租税特別措置をやめること、一つには、自民党の産業優先政策の結果である極端なる過密過疎のために生じた財源の地域的不均衡に適応したところの国税、地方税にわたる抜本的な改革を推し進めることであります。しかし、今日の改正税制は、単に例年どおりの小手先の操作にとどまり、大資本尊重の姿勢を変えておりません。また、毎年繰り返されてきました附帯決議に対し、ことしも何らの進展が見られないことはまことに残念であります。特に、悪税として例年各党から迫られている個人事業税、電気ガス税の撤廃、大都市財源に対する配慮等がほとんど顧みられないことはまことに遺憾であります。
 土地税制については、わが党より強く指摘されたごとく、日本列島改造論に対する国民の強い批判にかんがみ、さらに根本的な検討を加える必要があります。特に、住宅用地の固定資産税については、課税標準をその評価額の二分の一としても、なお個人の税負担は約三倍以上となるので、居住用として不可欠な一定面積の宅地に関しては、都市計画税とともに、その税負担を、当面四十七年度の税額に据え置き、昭和五十年までに再検討する趣旨の修正案を、日本社会党、公明党、民社党の三党が一致して提出いたしております。
 今回新たに創設された特別土地保有税は、その実効がすこぶる疑問であるばかりでなく、最悪の場合には、逆に地価をつり上げかねないところの危険性さえ包蔵いたしております。
 また、このたび本委員会審議の最大の焦点となった市街化農地の宅地並み課税の問題に関しては、自民党修正案が提出されるまでの経過はまことに不明朗きわまるもので、これは、政党政治の否定につながるものと言わざるを得ません。わが党は、本問題に関して、政府及び自民党に対し、その責任を問うとともに、将来かかる背信行為のなきよう深刻なる反省を求めるものであります。
 市街化農地の宅地並み課税は、買い占め土地に対して何らの措置を講ずることなく放置し、宅地不足の責任をもっぱら市街化地域の農家に転嫁するものであります。わが党は、膨大な買い占め土地を早急に宅地化するとともに、密集市街地内のいわゆるA、B農地に関しては、貴重な空地として保存するよう、直ちに立法措置を講ずることを要求するものであります。
 以上申し述べました論点によって、わが党は、内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案並びに市街化農地の宅地並み課税に関して提出された自民党修正案に反対、日本社会党、公明党、民社党の共同提出にかかる修正案に賛成するものであります。
 以上をもって私の討論を終わります。(拍手)
#6
○上村委員長 林百郎君。
#7
○林(百)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、地方税法の一部を改正する法律案並びに自民党提案の修正案に対し、反対の討論をまず行ないます。
 その理由は、第一に、個人住民税及び個人事業税の改正についてであります。
 本改正案によると、個人住民税の課税最低限は、給与所得者四人家族で年額八十六万五千七百六十六円と、今日の物価高、生活難のおりに、年額わずか六万七百九十五円の引き上げにしかすぎません。重税と非難されている所得税の昭和四十七年度の同課税最低限に比べても、いまもって実に十七万二千円も低く、依然として低所得者に対する重い負担となっているのであります。本改正案は、依然として生活費に食い込む大衆課税としての個人住民税の性格を何ら改善するものではありません。
 わが党は、個人住民税の均等割りを廃止すると同時に、免税点を四人家族年額百五十万円まで、当面百三十万円までに引き上げ、税率を高度累進制に改めることを主張するのであります。また、個人事業税は廃止されるべきであり、当面、免税点を個人住民税と同様に引き上げるべきであると考えます。
 第二に、固定資産税についてであります。
 固定資産税は、大企業、大資本に対する各種の特権的減免を手厚く行なう一方、何らの収益も生じない国民の零細な生活用地、営業用地にも容赦なく課税しているのであります。本改正案によって、住宅用地の固定資産税は、課税標準を評価額の二分の一とし、昭和四十八年度、四十九年度のみ負担調整措置を継続することとしていますが、大資本による土地の買い占め、土地投機による地価の異常な上昇が国民生活上最低限必要な土地の評価額までに直ちに反映し、国民生活に重大な影響をもたらすものであることは明らかであります。
 たとえば、東京都の試算によれば、二十三区内の平均住宅用地三・三平方メートル当たりの税負担額は、昭和四十七年度二百七十八円、これに対し、昭和五十年度は一千五十四円と、実に三・八倍に達するものであります。このような固定資産税の大増税は、都市計画税の増税とともに、さらに地代、家賃の高騰を促し、結局借地、借家人に転嫁され、国民生活に一そうの困難をもたらすものであり、とうてい容認するわけにはまいりません。
 一方、本改正案によれば、当然企業の責任で設置すべき無公害化の施設、産業廃棄物の処理施設などへの固定資産税の軽減を行なうなど、大企業、大資本に対する優遇措置を引き続き行なおうとしているのであります。このような大企業に対する特権的減免税の制度は当然やめるべきであります。一方、大法人の所有する非住宅用地に対しては、直ちに評価額にそのままの課税を行なってしかるべきものであります。
 わが党は、固定資産税について、免税点の大幅な引き上げとともに、国民生活に必要な一定規模以下の土地や家屋に対しては、これを非課税とし、大企業の固定資産税に対しては、これを正当に評価して、累進税率を適用するなど、固定資産税制度を根本的に改正することを主張するものであります。
 第三に、特別土地保有税についてであります。
 今日、土地問題解決の基本は、言うまでもなく、大資本による土地の買い占め、投機をきびしく規制し、その買い占め土地を適正価格で放出させ、国民生活に必要な土地を確保することにあります。特別土地保有税は、昭和四十四年一月一日以後に取得された土地に課税することになっています。しかし、大資本による土地の買い占めは、本格的に高度成長政策が開始されました昭和三十五年、六年ごろから進行してきたものであります。したがって、当然、昭和四十四年一月一日以前に取得した土地にもさかのぼってこれを対象とすべきものであります。また、百分の一・四あるいは百分の三というがごとき低い税率による課税額は容易に売買価格に転嫁され、逆に地価をつり上げる作用をもたらすことになります。通産省の調査によれば、六大商社のみの所有する商品用土地だけでも、昭和四十八年一月末現在、簿価で一千百五十億円とされています。売り値にすれば五千億円に達するともいわれております。しかるに、特別土地保有税の土地取得にかかる税収見込み額は、初年度はわずかに十二億円、平年度は三十一億円にすぎません。しかも、五千億円に達する商品用土地所有は六大商社のみのものであります。他の企業を入れればさらにばく大な額に達します。それに比すれば、この特別土地保有税が土地放出対策の名にいかに値しないものであるかは明らかであります。
 さらにまた、この特別土地保有税は、従来の地域開発法による開発地域、工業誘導地域などにおける工場用地を非課税としています。これは国土を荒廃させ、公害を激化させた今日までの開発行政に何らの反省も示さず、引き続き高度成長政策を続け、公害と過疎過密の矛盾をさらに拡大する結果をもたらすものであることは明らかであります。また、いわゆる優良な宅地供給事業には、国税における譲渡益課税を適用除外することと相まって、民間デベロッパーなどに対する免税を規定するに至っては、まさに、土地を放出させるどころか、買い占めを擁護するものと言っても過言でありません。
 以上のごとく、本改正案は、国民に重い税負担をしい、大企業、大資本に対して手厚い優遇措置を定めようとするものであります。一方、地方自治体が従来から強く望んでおる地方の自主財源の確保、地方財政の改善のための改正は、何ら本案によっては行なわれておりません。
 わが党は、本改正案による電気ガス税、不動産取得税その他を含め、地方税制度を民主的に根本的に改めると同時に、地方の自主財源を強化し、ばく大な利益をあげている大企業、大資本に対しては高度累進の課税をし、一方、国民大衆には大幅な減税を行なうことを主張し、本改正案に反対するものであります。
 最後に、自民党提案の修正案、いわゆる宅地並み課税についての反対の意見を申し述べます。
 これは、当面三大都市圏内の都市のA、B農地にいわゆる宅地並み課税を実施し、これを足がかりにして、将来さらにC農地、さらには三大都市圏以外の市街化区域内の農地にも漸次適用しようとするものであります。
 わが党は、重税によって農民を営農が続けられない状態に追い込み、都市近郊農業を破壊するいわゆる宅地並み課税には一貫して反対してまいりました。
 それは、第一に、都市住民の重要な食糧供給源をなくすことになります。
 第二には、手放された農地を手に入れることができるのは、結局は民間デベロッパーなどの大資本であり、勤労者の住宅地となる保証は全くないからであります。それのみならず、そこに建てられる中高層住宅はとうてい勤労者が入居できるような低家賃住宅ではなく、逆に、勤労者を泣かせる高い家賃のマンションであります。また、それは都市の無秩序な膨張を推し進める結果となり、今日都市住民が苦しめられている都市生活環境を一そう悪化させるものであります。しかも、本修正案の政治的な意図を考えてみますと、これは、農民の反対運動を分断させるとともに、都市勤労者の住宅難につけ込んで、あたかも、農地に対するいわゆる宅地並み課税が住宅難を解決するきめ手であるような幻想を都市勤労者に抱かせることによって、農民と都市勤労者との対立を激化させるものであります。これは、今日住宅問題を困難にしている真の元凶である大企業による土地の買い占めから国民の目をそらさせようとするものであります。大資本本位の高度成長政策による大都市への入口集中、大資本の土地買い占め、投機を野放しにしてきた歴代自民党の政府の責任から国民の目をそらさせようとするものであります。
 今日、都市勤労者の住宅問題を解決するためには、直ちに、大企業が買い占めている住宅用地を地方自治体によって適正な価格で収用し、これを公共的に利用する道を講ずることであります。たとえば、今日、一都三県の五十キロ圏内における大企業二十社の保有する開発に着手されていない住宅用地のみでも、われわれの調査によれば、二万ヘクタールに及んでいます。これは実に二百万人の人口が住める面積であり、修正案によっていわゆる宅地並み課税を課せられるA、B農地の面積一万一千三百ヘクタールの実に一・七倍にも及んでいるのであります。このほか、千葉、神奈川、埼玉と、首都圏三県における都心から五十キロないし六十キロの範囲内の大資本が保有しておる非生産的なゴルフ場の面積を見ましても、一万七千六百二十二ヘクタールであり、首都圏内のA、B農地の実に一・五倍をこえているのであります。勤労者の住宅問題を真に解決するためには、これらの大資本が保有している膨大な用地を適正な価格で直ちに地方自治体が収用し、大資本の土地投機をきびしく規制すること、また、それによって都市勤労者の生活用地を確保し、国や自治体による安い家賃の公営住宅を大量に建設することであります。さらに、国有地や公有地を民主的に管理するとともに、米軍や自衛隊の基地の平和的転換も行なうべきであります。
 一方、国民の生活上必要な最低限の用地に対しては、これを非課税とするとともに、農民と都市地主層に転化している土地所有者を区別し、適正な課税を行なうために民主的な調査機関を設けて、これによって慎重な調査を行なうことをわれわれは主張いたします。
 わが党は、都市近郊農業が都市住民に相当多量に及ぶ新鮮な農産物を安く供給している生産的な役割り、また、今日の無計画的に形成された都市において果たしている生産的な緑地としての都市近郊農地の役割り、また、防災上の必要からしても、むしろこれを保護すべきであることを強く主張し、これを壊滅させようとする自民党提案の修正案には断固として反対することを表明し、私の本案に対する反対の討論を終わります。
 なお、社会党提案の固定資産税についての凍結の修正案でありますけれども、それは、その土地がどのような位置にあるかというような状態、また、その利用の実情がどのようになっているかということが考慮されておらずに、一律三百三十平方メートルの土地に適用するというような点で若干の問題点はありますけれども、賛成の意を表明いたします。
 以上をもって、私の討論を終わります。(拍手)
#8
○上村委員長 小濱新次君。
#9
○小濱委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております内閣提出の地方税法の一部を改正する法律案に反対、内田常雄君外二名提出の修正案に反対、社会、公明、民社三党共同の山本弥之助君外二名提出の修正案に賛成、中村弘海君外四名提出の修正案に反対する討論を行ないます。
 地方公共団体の使命である住民福祉の向上を強力に推進するためには、その裏づけとなる財源の確立が必要であることは従来から指摘されているところであります。ところが、昭和四十八年度地方財政計画に占める地方公共団体の自主財源である地方税の構成比率は、わずか三一・八%と、依然として低迷を続けており、三割自治の汚名を返上することができないのでございます。中でも、大都市においては、最近の急激な社会経済の変化に伴い、下水道、都市公園、市町村道などの公共施設をはじめとする社会資本の整備及び幼児、老人対策などの住民福祉対策の充実のための財政需要は年とともに増大しておりますが、これに見合った十分な税財源措置はなされていないのでございます。
 わが党は、かねてから、国と地方を通ずる事務、財源の適正化を主張してまいりましたが、本法律案では、依然としてこの不合理を改正しようとする姿勢が見られないのはまことに遺憾でございます。したがって、法人事業税、法人住民税などの法人関係税の負担強化などによって地方公共団体の財源強化をはかるべきであります。これが反対理由の第一でございます。
 次に住民税について申し上げます。
 住民税の課税最低限については、今回の改正によって、夫婦子供二人の標準家族では、現行の八十万五千円から八十六万六千円に引き上げられることになっております。しかし、最近の物価上昇は著しく、特に、田中内閣になってからは一段と諸物価の値上がりは拍車がかけられており、総理府統計局の調査によれば、夫婦子供二人家族の標準生計費は約百二十四万円となっております。こうしたことからも、住民税課税最低限八十六万六千円は明らかに生活費に食い込むものであり、貧弱な減税と言わざるを得ません。これが反対理由の第二でございます。
 次に、地方税の特別措置についてであります。
 法人等に対して、産業振興という名目で、政策減税として、固定資産税、電気ガス税などには減免措置がとられております。しかしながら、これらの減免措置は、最近における企業の競争力が高まっている実態などから、もはや、そのあり方自体について根本的に整理縮減すべきものであります。
 わが党は、従来から、産業優先の減税姿勢を福祉優先の減税に転換すべきであると主張してまいりましたが、今回もこうした姿勢が十分であるとはうかがわれないのでございます。これが反対理由の第三でございます。
 次に、固定資産税についてであります。
 今回、固定資産税の改正により、個人の住宅用地についての課税標準を評価額の二分の一に押えることとしておりますが、地価上昇の著しい地域、たとえば東京都内の土地などについては、昭和五十年に至っては、昭和四十七年の三倍ないし四倍の額となるのであります。
 このように、今回の固定資産税改正案によっても、地価が上昇したからといって何らの特別な便益を受けない住宅用地についても、地価の上昇に伴って固定資産税が急激に上昇することになり、一般サラリーマン、中小企業者、年金受給者などにとってはまことに過酷な税制となります。これがまた地価、家賃の便乗値上げを招き、国民生活はますます圧迫されることは明白であります。したがって、住民生活に最低必要な住宅にかかる宅地、建物に関しては軽減措置を講ずべきであります。
 この観点から、当面の措置として、社会、公明、民社党が提出した修正案にあるように、住宅敷地については、三百三十平方メートル以下の固定資産税、都市計画説については、昭和四十七年度の固定資産税額に据え置くべきであります。これが反対理由の第四であります。
 次に、特別土地保有税について申し上げます。
 改正案によると、特別土地保有税は、土地税制の一環として、土地の投機的取得を抑制することを目的として市町村税として創設されることになっており、土地の取得価格に対して、保有の場合は一・四%、取得の場合は三%の税率を課すことになっております。しかし、昨年の六大都市の市街地価格でさえ年率二〇%も上昇しており、持ち主は一・四%という低い税率では、借金をしてでも保有税を払い、値上がり待ちを続けることが十分予想されるのであります。また、優良宅地の供給、農業経営規模の拡大などの国の政策目標に従う事業については非課税になっておりますが、このような内容では、土地への投機抑制及び保有地の吐き出しという土地対策の目的が達成されるかいなかはきわめて疑問であります。これが反対理由の第五であります。
 次に、市街化区域内農地の宅地並み課税についてであります。
 従来から重要課題とされてきた宅地並み課税については、農家並びに諸般の情勢を勘案して、与野党が話し合いのもとに一応の合意点に達せんとしたとき、突如、自民党はいままでの態度を一変したのであります。これは、議会制民主主義のルールに従って、話し合いのもとに合意点を見出さんとしてきた与野党の善意が音を立ててくずれ去ったということであり、われわれは深い憤りを感ずるものであり、遺憾の意を表明するものであります。これはまた、ひとえに田中総理の独断と専横にほかならないものであって、これは政府・自民党の体質であり、政治の最大の欠陥であると言わざるを得ません。この責任の収拾は、ひとえに政府・自民党が負うべきでありますが、さらに、次の点によって反対の理由を明確にするものであります。
 まず、第一は、市街化区域内の国公有地の土地利用計画を明確にし、政府みずから住宅対策の手本を示すべきであるにもかかわらず、いまだ何ら国公有地の利用計画については示しておりません。しかも、昨年の行政管理庁の指導さえも十分に行なわれていないのは、土地対策に対する政府の怠慢と不誠実のあらわれと言わざるを得ません。
 第二は、日米安保条約に基づく米軍基地の土地利用については、日米合同委員会などにはかって、すみやかに米軍基地の遊休、未利用地については開放すべきであり、都市計画施行地域の基地返還を強く米軍に働きかけるべきであります。
 第三は、市街化区域内の土地は、大手企業によって巨大な買い占めが行なわれていることは、わが党の調査によっても明らかであります。土地を投機の対象、もうけの対象として買い占めに狂奔し、わが国の土地利用計画を混乱せしめ、土地高騰の要因となっていることは断じて許せません。すみやかに住宅困窮者のための土地の開放を働きかけるべきであります。
 第四には、農地の宅地並み課税によって農家が農地を手放した場合でも、一般大衆の手に渡るという保証が全くなく、むしろ、大手不動産業者や民間デベロッパーの手に渡ることは必定であります。これは、過去の土地対策上の欠陥を如実に物語るものであります。
 第五に、いままで新鮮な野菜やくだもの、花卉などを都市住民に供給し続けてきた大きな役割りを持っている都市近郊農家に対して政府の報いたものは、宅地並み課税という過酷なむちの打擲であります。
 これは、人間不在、農民不在の政策以外の何ものでもありません。これが反対理由の第六であります。
 以上、理由を申し述べ、私の討論といたします。(拍手)
#10
○上村委員長 折小野良一君。
#11
○折小野委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております地方税法の一部改正案並びにこれに関連する諸法案につきまして討論をいたします。
 まず、山本弥之助君外二名提出の修正案については賛成でございます。(拍手)
 次に、内田常雄君外二名提出の修正案については反対でございます。(拍手)
 中村弘海君外四名提出の修正案については反対でございます。(拍手)
 修正部分を除いた内閣提案にかかわる地方税法の一部改正案については反対でございます。(拍手)
 まず、私どもは、今回の地方税法並びにこれに関連する法案の審議にあたりまして、この法案は、それぞれの地方自治体の立場を考えますならば、本来年度内に成立さすべきものでございました。ところが、それが一カ月近くもおくれてくるということになってまいりまして、それぞれの地方自治体は非常に混乱をし、また、苦慮いたしておるのでございます。このような実情を考えてみました場合に、このように税法の決定がおくれたことはまことに遺憾に存ずるわけでございます。このことは、申すまでもなく、宅地並み課税の問題につきまして、特に自民党におけるその政策が一貫しなかったこと、こういう点に最も大きな原因があるわけでございまして、この点につきましては、今日までの経過によって明らかなとおりでございます。この点、まことに遺憾に考えております。
 次に、地方税は、地方財源の中の一番基本的な、しかも、自主的な財源でございます。これが充実されるかどうかということは、地方の自主性をどれだけ確保できるかということにかかってくるわけでございます。最近の情勢を見てみますと、今日まで、毎年毎年、地方財源の中における地方税の比重というものは下がってまいっております。しかも、その中で、市町村の地方税収入というものは極端に下がってまいっておるわけでございます。このような状態におきまして地方自治体の自主性を確保するということは不可能でございます。今後、これらの点につきましては、政府においてもさらに一そう検討をされまして、地方財源の充実をはかり、特に、今日多くの問題で困窮いたしております市町村の財源をより一そう確保することに努力していただきたい、かように考えるわけでございます。こういう点につきまして、今回の法案は十分な措置がなされていないというふうに申し上げざるを得ないのでございます。
 次は、住民税でございますが、住民税の課税最低限は、今回の改正案によりまして八十六万何がしということになってまいっております。しかし、今日、国民の生活を考えてまいりますと、公の立場で政府が発表いたしました標準生計費、こういうような数字を見ましても、百二十万前後というような数字になっておるわけでございまして、このような観点からいたしましても、八十六万の課税最低限は今日なお低きに過ぎるというふうに考えております。私どもは、生活費には課税をしないという原則を徹底いたしまして、住民税の課税最低限をさらに一そう上げていくことが必要であるというふうに考えるわけでございます。
 次に、今回の地方税法の改正案の中におきまして、一連の土地税制というものが行なわれました。今日、土地問題は非常に重要な問題になってまいっております。もちろん、税制だけで今日の土地問題のすべてを解決することはできないのでございますが、しかし、これとあわせて多くの施策を講じ、土地政策について有効な対策を進めていく、これは今日政治に課せられた一つの大きな課題でございます。そういう面から見まして、今回地方税法の中に盛られました土地問題に関連する税制に関する改正案、これはきわめて不徹底かつ粗雑でございまして、その有効性を疑わざるを得ないのでございます。
 その一つは、いわゆる市街化区域内農地における宅地並み課税の問題でございます。この問題につきましては多くの議論がなされてまいりました。しかしながら、大都市における今日の土地問題の実態、あるいは勤労国民大衆の住宅事情の実情、あるいは大都市周辺のスプロール、こういうような状態を見てまいりましたならば、これらの面についてもっともっと徹底的な施策が行なわれる必要がある、私どもはかように考えるわけでございます。
 自民党の修正案は、その面について、新たな立場に立ってこれらの施策に取り組むかと考えられたのでございますが、その内容を見てまいりますと、三大都市圏内の各地のA、B農地だけということでございまして、それは土地問題を解決する手段といたしましてはまことに不徹底でございます。そういうような面から、私どもは、一そうこの点については配慮すべきであるし、さらに思い切った施策が講ぜられなければならない、かように考えております。
 大都市内の市街化農地につきましては、今後一そうおくれておる都市計画を推進する必要があります。それによって優良住宅地を確保する。あるいは、大幅な緑地を確保いたしまして都市環境を整備する。特に、これらの施策を講ずるためには、公有地拡大の手法を強化いたしまして、しかも、それが実効があがるように、それぞれの地方自治体における財源を強化する、資金を強化することが必要であります。それによって大都市周辺の都市計画を進めて、そのための市街化区域内農地の宅地並み課税、これは大都市周辺においてはやむを得ない、むしろ、政策目的を達成するためにはもっともっと大幅に、もっと徹底した施策が必要だ、私どもはそのように考えます。そういう立場から、残念でございますが、自民党修正案につきましては賛成をいたしかねるわけでございます。
 次に、居住用住宅地についての固定資産税が今回減税されるということ、その考え方は一応けっこうでございますが、しかしながら、この面につきましてもきわめて不徹底でございます。減税につきましては、当然、その範囲は本法に明らかにすべきでございます。政令においていろいろ考慮されておるようでございますが、その考慮の内容は、私どもが期待するもの、また国民大衆が期待するものに必ずしもなっていないのでございます。そういう面から、今回、百坪以下の居住用宅地につきましては、固定資産税並びに都市計画税を四十七年度の段階に据え置くという、山本弥之助君外二名提出の修正案に賛成をいたすわけでございますが、しかし、将来は、この程度の宅地につきましては、国民の最低の生活の本拠を確保するという立場から非課税にするという方向に努力をすべきである、かように考えるわけでございます。
 次に、同じ土地対策といたしまして、今回の法案の中に新たに特別土地保有税というものが考えられました。これは、その発想そのものは私どもはけっこうであるというふうに考えます。しかしながら、これまた、その実効をおさめるような制度にはとうていならないのでございます。その一つは、取得価格を課税標準にしておるということでございます。数年間がんばっていけば結局これはゼロになってしまう、したがって、その後はいつまでも大きな顔をして多くの土地を保有することができる、あるいは、それによって今後の利益を壟断することができる、こういうような結果になってまいるわけでございます。私どもは、この制度をより効果的ならしめるためには、持っておれば持っておるだけ不利になるという体制をとっていく必要がある、かように考えます。そういう面から、課税標準はあくまでも評価額とすべきであると考えております。保有分について、今回、政府原案は一・三%でございますが、これをせめて一〇%くらいに引き上げる、取得分について三%でございますが、これを三〇%程度に引き上げる、こういうことによりましてその効果を確保すべきである、かように考えるわけでございます。
 以上の理由によりまして、民社党を代表しての討論にかえさせていただきます。(拍手)
#12
○上村委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。
 まず、山本弥之助君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#13
○上村委員長 起立少数。よって、山本弥之助君外二名提出の修正案は否決されました。
 次に、内田常雄君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#14
○上村委員長 起立多数。よって、内田常雄君外二名提出の修正案は可決されました。
 次に、中村弘海君外四名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#15
○上村委員長 起立多数。よって、中村弘海君外四名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#16
○上村委員長 起立多数。よって、修正部分を除いて原案は可決いたしました。
 したがって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#17
○上村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小山省二君、山本弥之助君、小濱新次君、折小野良一君から、四派共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。小山省二君。
#18
○小山(省)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、地方税法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
   地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、住民負担および地方財政の現状にかんがみ、次の諸点について善処すべきである。
 一 住民税については、引き続き、課税最低限の引上げ等の措置を講じ、住民負担の軽減をはかること。
 二 固定資産税および都市計画税の負担の増加の実情にかんがみ、住宅用地とくに小規模住宅用地等については、税負担の軽減がはかられるよう検討すること。
 三 市街化区域内の農地については、その実態にかんがみ、都市計画法に基づく生産緑地の制度を創設し、一般の農地と同様の税負担とするよう検討すること。
 四 都市とくに大都市ならびにその周辺都市における財政需要の増嵩に対処するため、法人所得課税の強化等都市税源の充実に努めること。
 五 地方道路財源とくに市町村の道路財源の充実をはかるため、必要な措置を講ずるよう努めること。
 六 地方税にかかる租税特別措置については、できる限り整理するよう、引き続き検討すること。
 七 特別土地保有税の創設は、土地対策の補完的なものであることにかんがみ、法人等の土地投機の規制を強化するとともに、地方団体による公共用地取得の拡大等総合的な対策を一層強化すること。
  右決議する。
 何とぞ皆さまの御賛同をお願い申し上げます。
#19
○上村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#20
○上村委員長 起立総員。よって、小山省二君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。江崎自治大臣。
#21
○江崎国務大臣 ただいま全員一致でいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、適切な措置を講ずるよう努力いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#22
○上村委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○上村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#24
○上村委員長 次回は、来たる二十六日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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