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1972/04/26 第71回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第21号
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1972/04/26 第71回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第071回国会 地方行政委員会 第21号

#1
第071回国会 地方行政委員会 第21号
昭和四十八年四月二十六日(木曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 上村千一郎君
   理事 谷垣 專一君 理事 中村 弘海君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 土井たか子君
   理事 林  百郎君
      愛野興一郎君    片岡 清一君
      亀山 孝一君    島田 安夫君
      保岡 興治君    渡辺 紘三君
      小川 省吾君    佐藤 敬治君
      多田 光雄君    三谷 秀治君
      小川新一郎君    小濱 新次君
      折小野良一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 江崎 真澄君
 出席政府委員
        自治政務次官  武藤 嘉文君
        自治大臣官房審
        議官      森岡  敞君
        自治省財政局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  内田 常雄君     古屋  亨君
  西村 直巳君     高鳥  修君
  山中 貞則君     永山 忠則君
    ―――――――――――――
四月二十四日
 ドライブイン等における酒類の販売禁止に関す
 る請願(唐沢俊二郎君紹介)(第三一七九号)
 同(木村俊夫君紹介)(第三一八〇号)
 同(菅波茂君紹介)(第三一八一号)
 同(羽田孜君紹介)(第三一八二号)
 同(粟山ひで君紹介)(第三一八三号)
 同(箕輪登君紹介)(第三三六三号)
 固定資産税の増税反対に関する請願(折小野良
 一君紹介)(第三一八四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四六号)
     ――――◇―――――
#2
○上村委員長 これより会議を開きます。
 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 これより質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、これを許します。渡辺紘三君。
#3
○渡辺(紘)委員 私は、まず地方財政計画及び交付税制度についてお伺いをいたします。
 昭和四十八年度の地方財政計画を見ますと、次の三点を特徴としてあげることができると思います。
 その一つは、財政規模がたいへんに大型化したことであります。すなわち、総額十四兆二千八百四十一億円と、国の一般会計を上回る規模になっております。
 特徴の第二点は、道路、住宅、下水道、都市公園、廃棄物処理施設など、生活関連施設の整備に重点を置くとともに、児童及び老人対策を中心とする福祉の向上に努力していることであります。
 第三の特徴といたしましては、このような大型の福祉財政をまかなう財源として、九百五十億円の国からの借り入れ、国庫支出金の大幅な増額とともに公債費の構成比が増大する等によって、国に対する依存度を深めるとともに、借金の依存度を高める結果となっております。
 すなわち、昭和四十八年度地方財政計画が住民福祉優先という立場で大型化していることは賛成するものでありますが、そのために必要な財源調達の面において、地方財政の自主性及び健全化という点ではなお問題を包蔵していることであります。これらの諸点につきまして、自治大臣は今後どのように対処なされようとするのでありましょうか、御所見をお伺いしたいのであります。
 なお、現行の国、地方団体間における財源配分の秩序を維持する観点からすれば、公債発行下における地方交付税制として、国の公債発行額のうち、国税三税に相当する額に交付税率を乗じた額を地方交付税とする特別措置を講ずべきであるという意見もあり、また、政府の政策減税による地方交付税の落ち込みについては、交付税率の引き上げによって措置すべきであるという意見もあります。
 地方財政がこのような現状にある以上、当然、交付税率の引き上げに踏み切るべきではないかと思われるのでございますが、政府のお考えをお伺いいたすものであります。
#4
○江崎国務大臣 今度の地方財政規模が国の予算を上回る――もっとも国の予算とダブる面もありまして、まあ、十四兆二千億程度というものは、今度の国民総生産が百兆から百十兆が見込まれるわけでございますからそういう見地からしましても、この程度のものは、大型ではあっても、さまで均衡を失したものということにはならないというふうに思います。
 地方財政需要はだんだん増加する一方でありまするが、特に、その財源措置については、自治省として細心の配慮をはかってまいりましたが、四十八年度には相当な地方税収入が見込まれます。
 ただ、問題なのは、資金運用部資金から九百五十億円の借り入れを行なった、そうして所要額を確保するということをやったわけでありまするが、これは四十七年の自然増収分を決算時において必ず生み出すであろうという予測に立って、これを来年度には完全に補てんすることができるというたてまえで借り入れて措置をしたわけでありまして、これも不健全な姿になっておるものというふうには決して思いません。
 それからまた、地方交付税につきましては、四十一年度以来その税率が据え置かれてはきましたが、四十五年度まで、その間の経済成長に伴いまして、地方交付税の総額というものは毎年約二〇%以上の伸びを示して今日に来ております。そういうことから、地方財源がこれで十分足りておるとは私どもも必ずしも考えておりませんが、まあまあのところに来ておるんではないか。今後、地方債その他を大幅に認めて、地方財政規模というものもだんだん大きくはなってまいりまするが、健全化に努力をすることによってできるだけこれらの地域住民の要請にこたえていくということで、今後も努力をしていきたいというふうに思います。
#5
○渡辺(紘)委員 次に、円の再切り上げと地方財政との関連についてお伺いいたします。
 円の変動相場制の現況から見まして、結局かなりの再切り上げが予想されるのでありますが、その場合の地方財政に及ぼす影響についてどのようにお考えでございましょうか。また、これによって地方財政計画を修正する必要は生じないでしょうか。政府の御所見をお伺いいたします。
#6
○江崎国務大臣 これは予算審議の間にもしばしば議論されたところであります。要するに、円のフロート制に伴って、国の本予算に、相当なひずみといいますか、見積もり誤りが出てくるのではないか、ひいては地方財政に相当な影響を及ぼすのではないかという御質問であります。これはごもっともな御質問でありまするが、御承知のように、日本の経済は昨年来きわめて順調な伸びを示しております。ここに来てむしろ金利を引き上げたり、金融を引き締めたり、景気調整に出なければならないほど、実は経済が上向きになっておる。日本も世界的なインフレの波にのみ込まれてはたいへんでありまするから、極力そういう傾向におちいることを避ける意味から、いまのような金融調整や金利の引き上げ等に出ておるわけでありまするが、このことは、経済の実勢が相当伸びておるということだと思うのです。四十六年のニクソン・ショックに始まって、いわゆる年末の円の切り上げ、一六・八八%ですか、あの切り上げの時点はきわめて不況のさなかであったということ、それから、日本人が国際的ないわゆる為替相場というものに比較的関心が薄かった、浅かったというようなことでたいへんなショックを受け――不況のさなかの切り上げということは、経済の常識から言いましても、これは非常に困難を伴うものです。ドイツがマルクの切り上げを再度にわたっていたしました当時は、ことごとく好況を背景にしておったわけですね。そこでいろいろな落ち込み等も相当吸い込まれたし、また、バランスがとれたということで事なきを得ておったという実例があるわけです。それに比較しますと、今回のドルの切り下げ、またフロートによる事実上の円の切り上げ的現象、こういったものも、本年全体から見るならば、中小企業や、輸出産業として被害を受ける業種があることは私どももよく知っております。これらには、それ相応の資金手当てや税の繰り延べ等の延期払いですか、そういう措置をとることによって対策をするわけですが、地方財政にしろ、国の財政にしろ、全体の影影から見ると、これは微々たるものであろう、むしろ、この経済の実勢が非常な上向きを示しておりまするから、混乱は起こらない、そればかりか、予定どおりの税収は当然見込まれる、こういうことを確信をもって申し上げることができるというふうに私ども見通しておる次第であります。したがって、現時点で地方財政計画を変更したり、また、近い時点でこれが改変を迫られるというようなことはないというふうに思っております。
#7
○渡辺(紘)委員 次に、超過負担の解消問題についてお伺いいたします。
 国庫補助負担事業にかかる、いわゆる超過負担については、昭和四十七年度に、公立文教施設、公営住宅、保育所等主要六事業について関係各省庁で実態調査を行ない、その結果に基づいて、四十八年度、四十九年度の二カ年度間にわたって国費ベースで二百八十三億円の超過負担額を解消することとされております。
 しかし、現実は、知事会等の調査によりますと、超過負担額は二千億円余りにも達するといわれております。このような超過負担は、地方財政にきわめて重圧を与えるばかりでなく、国と地方を通ずる財政秩序を乱す原因ともなるのであります。
 とりわけ、最近のように物価の上昇が引き続いている場合には、国庫補助負担事業全体について毎年実態調査を行ない、超過負担の抜本的な解消措置を講ずるべきであると思うのでありますが、政府の御所見を伺いたいと思います。
#8
○江崎国務大臣 この超過負担の問題はきわめて重要な問題だというふうに思います。これは国、地方の財政秩序を乱します。また、地方団体の財政運営に大きな影響を及ぼします。ほんとうは、政府側として何とものを言いましても、私も長いこと議員をしておりますと、この超過負担の実情についてはよくわかるような気がするわけであります。
 そこで、政府としても、昨年は公立文教施設等の六施設のいわゆる整備事業等を対象にして、関係各省庁協力のもとに実態調査をいたしました。そして、その実態調査に基づいて、本年度と来年度の二年度でこの解消をはかるということにしたわけであります。しかし、これだけで足りるわけではありません。いま言われるように、二千億という数字には、人件費であるとか、事務費であるとか、そういったものも入り、いわゆる政府の助成事業全部をひっくるめたものが二千億だという、これは県知事会といいますか、その側の積算として出てきた数字をいまあげられたわけですが、これは政府側の見方と、助成を受ける仕事を現実に遂行しておる側との立場の相違等もあって、その積算の基礎には多少食い違いもありましょう。ありましょうが、それに近い、また、その程度の赤字、超過負担というものが現実にあることはやはり考えていかなければならぬと思います。したがって今後も、将来には、人件費であるとか、事務費であるとか、そういう面もやはり十分考慮して、この超過負担というような事態を極力避けるように、自治省としては十分努力をしなければならぬと思います。そんなことで、閣議等におきましても、しばしば、関係各省庁の大臣にも声を大にしてこのことを実は申し上げております。また、それぞれの関係省庁においても、事態の重要性等は認識して、今後地方に迷惑をかけない形で事が処理されるように十分努力をしようということを言っております。これは大蔵省などもよくよく考えてくれませんというと、特に若い主計官にまかせて、それで完ぺきだなどというようなことじゃ困るので、大臣はじめ幹部が、こういう問題については、やはり現実の事業遂行の様子を踏まえて指導してくれることが望ましいというふうに思います。私もできるだけ努力をして、これら超過負担の解消には今後とも熱意をもって努力をいたしたいというふうに考えます。
#9
○渡辺(紘)委員 次に、過疎対策についてお伺いいたします。
 現在の過疎・辺地対策を見ると、そのおもな柱は、過疎債、辺地債による道路等の施設対策が中心となっており、所得源である生産振興対策に欠けるところがあります。過疎、辺地の振興開発が重要な国の政策課題である以上、国みずから、過疎、辺地の振興開発などの事業に対する総合的かつ高率の助成を行なうべきであると考えられるのであります。特に、私の選挙区の新潟、また、新潟に限らず全国的な傾向として、過疎地域では、人口の減少やモータリゼーションの進行等により、バス路線の休廃止が年々ふえ、住民の足の確保が大きな問題となっております。また、しばしば新聞をにぎわす過疎地域における医療の確保もきわめて重要な問題であります。医療の確保につきましては、国としても十分な対策が当然はかられるべきであると思いますが、以上の点について、どのようにお考えでございますか。
#10
○江崎国務大臣 過密、過疎の問題は、自治省としてはきわめて重要な問題ということでとらえております。この根本をどう解消するかということは、いわゆる日本列島改造といいますか、国総法に基づいて、都会へ安易に流入してくる人の足をとめる、これは言うことは簡単でありますが、なかなかたいへんなことだというふうに思います。しかし、これは放置できる問題じゃありませんから、交通、通信のネットワークをまず整備すること、工場の再配置を推進すること、また、地方の中核都市といったようなものを旺盛につくり上げていく努力を傾注すること、いろいろあろうかと思います。こういったことは今後の対策ですが、いまあなたがおっしゃるように、あなたの選挙区のように過疎現象を来たしたところを一体どうしてくれるかという、これも重要な問題であります。そのためには、地域産業の雇用の拡大をはかる、所得の向上をはかるといいましても、港はない、交通は不便だということになれば、工場再配置などと、ことばは簡単ですが、事実なかなか工場が移ってまいりませんね。それだけに、この過疎地域対策というものは地方自治の非常に大きな政治問題になっております。
 したがいまして、私どもとしては、あらゆる努力をこれに傾けまして、過疎地域というものを何とか自治体として立っていけるように十分助成方途を講じたり、また、国として適切な指導をしたりしていかなければならぬというふうに考えております。したがって、農林漁業の経営近代化の施設については、過疎債の対象事業ということで、その部門における拡大を具体的にもはかっております。また、地方交付税におきましても、農業行政費及びその他の産業経費について単位費用の引き上げを行なう、産業振興のための財源措置の充実をはかるというような措置に出ておるわけです。
 それから、住民の足を確保するための交通対策についてどう考えておるかということでありましたが、この問題は、四十八年度におきましても、その重要性を認識しまして、地方バス路線運行維持対策ということで国庫補助の措置の充実を行なったわけであります。また、地方団体におきましても、国と同様の助成措置を講じまするほか、民間のバス事業の休止あるいは路線廃止というようなことに伴いまして、代替バスの運行を行なっております。これらの事業の実施に伴いまして必要となる地方団体の所要経費等については、特別交付税、過疎債、辺地債というものを重ねて措置することによって財源に充てておるという状況であります。
 それから、医療確保をどうするのかということですが、これも非常に大きな、重要な問題であります。過疎地域におけるいわゆる医師不足の実情をどう解消するのか。これは、御承知のように、根本的には、自治医科大学というものを県知事会等々の同調を得て、まず医師不足を解消する。しかも、また、辺地に勤務することをいとわない気概のある医師を養成するということによって根本的な解決をはかろうというわけです。
 私も実は、この問題は深刻な問題ですから、先ごろ来、個人的にいろいろな医学界の権威から――これは学問の権威というより、病院経営その他のいろいろな人の意見を聞いておるわけですが、ある人からは、政府がとりあえず診療室を過疎地にどんどんつくって、そして定期的にそれを巡回する、せめてそんなことにでもして、この医師不足や医療機関の不足というものをカバーしたらどうかという説があります。これはもとより恒久措置じゃございません。暫定措置でありまするが、やらないよりは、そういうことにも一歩も二歩も進めて、そして今日の医師不足の状況というものを緩和させる努力が必要ではないか、これはやはり政府全体の問題として、関係各省庁ともよくよく話し合いをしてまいりたい、こういうふうに考えております。
 僻地の病院等における医師の充足をはかるために、いまの自治医科大学を設けたわけでありまするが、一般会計から病院事業会計に対するいわゆる繰り出し金、これは僻地の診療所の医師の確保及び僻地巡回診療に要する経費の一部、それから僻地の不採算病院の赤字の一部、こういうものにつきましては、地方交付税の中から積極的に財源措置を講ずることにいたしております。
 それから、いまの診療所、巡回診療車、離島なんかにおいては診療船もありますね。それから医師の住宅、そういった診療施設、先ほど申し上げましたようなものを含めて、そういった整備、運営につきましては、これまた過疎債、それから辺地債、地方交付税などで財源の措置をしておるわけでありまするが、実は、意余ってなかなか実行及ばずということを認めないわけにはまいらないと思います。したがって、これらの問題は、早急に関係省庁と連絡を緊密にしまして、少なくとも経済大国といわれる国がこの状況でいいはずはありませんから、今後とも十分対策に熱意を燃やしてまいりたい、こういうふうに考えております。どうぞよろしく御協力をお願いいたします。
#11
○渡辺(紘)委員 次に、大都市及び人口急増都市の財源対策についてお尋ねいたします。
 御存じのように、大都市では、人口の増加に伴って、幼稚園、保育所、下水道、清掃、都市公園の整備のほか、児童、老人に対する福祉対策等による財政需要が激増するとともに、交通問題、公害問題、土地開発等抜本的な対策を必要とする深刻な都市問題に直面しているのであります。しかしながら、現在の大都市に対しましては、このような問題を解決するために必要な税財源が十分に付与されているとは言えないのであります。政府は、法人課税の強化、事務・事業所税の創設、租税特別措置の整理をはかるほか、国庫補助制度についても十分な措置を講ずべきであると考えるのでありますが、政府の御所見はいかがでございますか。
 次に、人口急増都市の対策も現下の大きな問題であります。これらの市町村は、大都市の場合以上に、公共施設の整備のため、短期間に集中的に巨額の財政支出を余儀なくされ、財政運営に悩んでおります。したがって、これらの公共施設の建設に対する国庫補助負担率についても、かさ上げ等の財政措置を早急に実現する必要があると考えられますが、その対策はどうなっているでございましょうか。
#12
○武藤政府委員 ただいま先生御指摘のとおりでございまして、都市におきましては、道路の整備だけでなく、いろいろの公共施設、また生活環境施設など、整備しなければならないところがたくさんございます。そこへもってまいりまして、いま御指摘のように、過密と申しますか、人口が急増しておりまして、特に、大都市における地方公共団体は、その財源確保には非常に苦労されておるわけでございます。この点につきましては、地方制度調査会におきましても、従来から何べんとなく答申がなされておるところでございまして、これは抜本的に解決をしなければならぬ問題でございます。私どもといたしましては、その財源確保を税制の面におきましても鋭意やってまいりましたつもりでございますし、その足りないところは地方債で補っておるわけでございますけれども、決して十分であるとは思っておりません。いま御指摘のございました、たとえば従来から話題の出ております事業所税あるいは都市整備税といったような税を設けましてでも、何とか一日も早くその財源を確保しなければならないと私どもは考えておるわけでございます。
 なお、次に、人口急増地域につきましてもお話がございまして、人口急増地域に対しましては、いま御指摘のございました小中学校だけでなく、保育所その他の問題につきましても、国庫補助率のかさ上げをいろいろ自治省といたしまして検討いたし、でき得るならば法案も提出していただきたいという方向でわれわれも努力をしてまいったわけでございますけれども、それが日の目を見ることがなかったことはまことに残念でございますが、とりあえず、昨年実施をいたしました校地取得の三分の一の国庫補助に加えまして、本年度は、御承知のとおり、義務教育の学校施設の建築費につきましては、従来の二分の一の補助を三分の二に補助率アップをいたしたわけでございます。これだけでは決して十分でございませんので、今後とも、先ほど申し上げましたように、いろいろのその他の公共施設につきましてもできる限りの補助率アップをわれわれはぜひ実現をしていきたい。なお、それにあわせて、超過負担の解消という面で、これもご承知のとおり三百何十億――先ほど大臣から御答弁があったと思いますが、超過負担の解消というものも、これはどちらかといえば大都市のほうが多いのではなかろうかと私どもは考えております。今後とも超過負担の解消につとめていけば、それがそのまままた人口急増地域の財源を国でもって――実際は立てかえてもらっているわけでございますから、国がよけい出すということではないのでございましょうけれども、超過負担の解消をすることによってその人口急増地域の地方自治体の財政の健全化をはかっていきたい、こう思っているわけでございます。
#13
○渡辺(紘)委員 次に、義務教育教員の給与引き上げと、その影響についてお伺いいたします。
 義務教育教員の給与改善措置として、四十九年一月実施一〇%アップの所要経費はすでに財源措置をされております。問題は、今後、人事院が教育職員全体のバランスを考えて、義務教育以外の教員についても同率の引き上げを勧告した場合に、予算にあらかじめ計上されていないだけに、その影響はきわめて大きいものと思われますが、高校、幼稚園あるいは私学助成費などを含めると一体どのくらいの財源が必要になると見込まれているのでございましょう。また、それについての後年度の財源対策をどのように考えておられるか、お伺いするものであります。
#14
○武藤政府委員 御指摘のございましたように、いまとりあえず義務教育職員につきまして一〇%アップの法律案が提出をされ、それに基づきまして、とりあえず義務教育職員の分だけが予算に計上されておるわけでございます。これが所要額が、いま御指摘のとおり、一月実施という初年度におきましては二百八十億、それで、それに伴いまして、地方負担が百四十五億でございます。しかしながら、いま御指摘がございましたように、もし万が一、均衡という立場から、ほかの教職員につきましても人事院勧告がなされて、それに伴って給与改定が行なわれるといたしますと、それに要します金額が、初年度で、その他の教員で八十七億、これは全額地方負担でございます。それから、私学関係が九億ございまして、これも御承知のとおり地方負担になるわけでございます。そうなりますと、これだけで九十六億の新しい財源をまた考えなければならないということでございます。正直言いまして、この四十八年度につきましては、そういうことで金額がそんなに多くございませんので、でき得るならば現在の財源の中でやりくりができればいいのでございますが、ただ、そういう場合も非常に不確定でございまして、万が一人事院の勧告でそういうことがなされたときには、十分な財源措置を国においてとってもらいたい、こういうことを強く大蔵省にも私どもといたしましては申し入れておるわけでございまして、もしそういうことになった場合には、何としてでも地方財政に負担のかからないようにという考え方で進めていきたいと思っております。
 特に、問題は、来年度からのいわゆる平年度ベースになりましたときの問題でございまして、先ほどの義務教育以外のその他の教員、あるいは私学全部を含めますと、千百五十億地方で負担をしなければならなくなるわけでございます。それだけの金額を地方財政が現在の制度の中で確保するということはとても不可能でございます。そういう面になりますれば、いろいろ議論がなされておりますように、たとえば地方交付税率の引き上げとか、何か、そういうことまで考えなければそれはできないことではなかろうかという感じでございまして、その辺の点につきましては今後の問題でございますけれども、ことし人事院勧告がなされたならば、それに伴ってしっかりしたものをつくり上げなければならない。そして、地方自治体が、こういう千百五十億も負担がふえることによって財政が圧迫されるということのないように、これはわれわれが責任をもってやらなければならない、こう考えておる次第でございます。
#15
○渡辺(紘)委員 次に、公営企業対策についてお伺いいたします。
 公営企業のうち、公営交通事業の赤字対策については、今回、国の援助のもとに抜本的な再建施策が講ぜられることになりましたが、一方、病院事業につきましても、同様に多額の累積欠損金と不良債務をかかえておりまして、今後の地域医療の確保に困難を来たしつつあります。昨年八月、自治体病院財政対策特別委員会は、自治体病院の財政改善について意見を報告しておりますが、自治省としては、この意見書についてどのように対処するつもりであるか、お伺いいたします。
#16
○鎌田政府委員 自治体病院の経営悪化の現状は、ただいま御指摘のとおりでありまして、昨年八月に自治体病院財政対策特別委員会から意見書が出されました。私どもそれを参考にさせていただいておるわけでございます。この意見書の指摘しておりますところは、経営悪化の原因といたしまして、御案内のとおり、診療報酬の不適正及び改定の遅延、あるいは自治体病院の在存意義から発しますところの高度医療、特殊医療、先駆的な医療、こういったもののための施設の整備が必要であること、あるいはお医者さんが足りない、あるいは看護婦さんが足りない、また、その人たちの人件費がどんどん上がっていくということ、あるいは、経営合理化が一部におきまして必ずしも徹底しておらない、親方日の丸的な経営というものが行なわれておる、あるいは病院の配置及び規模の不適正、こういったような諸点があげられておるわけでございまして、これに対します改善対策といたしまして、社会保険診療報酬の適正化をはかる、あるいは自治体病院の、先ほど申しました先駆的な医療あるいは高度の医療というものにかかわります部分につきましては、当該地方団体の一般会計あるいは国庫負担というものの導入を考えるべきではないか、あるいはまた病院配置の適正化、あるいは医師、看護婦の充足、確保、このためにも国なり一般会計からの助成の制度を拡充すべきである、そういったような諸点があげられておるわけでございます。この自治体病院の六割から七割に及びますものが累積の赤字を出しておる。結局は、その点が回り回って、地域住民の保健衛生という大事な命にかかわる問題に響いてまいるわけでございますので、私どもも、何とか経営健全化の方途に取り組みたい。
 ただ、問題は、御案内のとおり、病院の収入の基本は社会保険診療報酬でございます。四十六年度の決算を見ておりましても、人件費が二〇%ふえる。人件費が病院の経費の大体六割でございますが、ところが、収入は一二%しかふえない。結局、ここにすべての問題が集約されておると申しますか、そういう面もございまして、社会保険診療報酬のあり方の問題、それから国民の全医療体系の問題、公立、国立あるいはその他の公的医療機関、それと個人のお医者さん、病院、こういったもの等の合理的な配置の問題。あるいは、先ほども大臣からお触れになりましたように、私ども、乏しい地方団体財源の中から自治医大というものをつくりまして、医師の確保をはかっておるわけでございますけれども、医師の確保ということについてももっと重点が置かれなければなりませんでしょうし、そういったもろもろの点を振り返ってみますと、自治省だけではございませんで、医療を担当しておりますところの厚生省、あるいは医学教育を担当しておりますところの文部省等と緊密な連携をとりまして、明年度に向けまして有効適切な対策を早急に講ずる必要があろうというふうに考えている次第でございます。
#17
○渡辺(紘)委員 次に、第七次道路整備五カ年計画に関連してお伺いいたします。
 第七次道路整備五カ年計画が四十八年度から新たに実施され、その事業総額は十九兆五千億と、第六次計画の約二倍近い規模となっております。その財源措置は、四十九年度予算編成時までに所要の検討を行なうものとされておりますが、地方道路整備の緊急性が高まっている一方で、地方自主財源の不足が懸念されているおりから、問題は、その財源をいかに確保するかであります。
 第六次道路整備五カ年計画の道路目的財源の割合を見ますと、国が八二・二%、都道府県は七三・一%、市町村はわずかに二四・四%にすぎない状態であります。さらに、整備水準におきましても、地方道、特に市町村道は著しく立ちおくれておるので、生活関連道路としての市町村道の道路目的財源等については思い切って拡充すべきであると思いますが、御所見はいかがでございますか。
#18
○武藤政府委員 いま御指摘の第七次道路整備五カ年計画の中でも、たとえば地方単独事業だけで四兆七千億ということが五カ年計画の中にもございますし、いまお話しがございましたように、地方道の整備というものは非常におくれておるわけでございます。改良率につきましても、市町村道はわずか一五・五%しか改良されていない。舗装に至っては一二%である。こういうような状態で、しかも、実際には車も通れないような市町村道も現実にある。こういうことでは、いま御指摘のとおりで、その住民にとっては、これは生活からいっても決して好ましいことではないと私は思います。この意味において、この財源をいかにするか。いま御審議をいただいております地方交付税法の一部改正案の中におきましても、多少なりともということで、その算定単位費用の改定をいたしまして、少しでも交付税の中においても従来よりは見させていただきたいと思っておりますが、この程度ではもちろん不十分でございます。
 いま御指摘がございましたように、四十九年度の税制改正におきまして、この間皆さま方の御協力で成立をさせていただきました地方税法の改正案の附帯決議の中にも、四十九年度からの市町村道の整備についての財源を十分考えろというありがたい附帯決議もちょうだいをいたしております。自動車から取るのか、あるいは燃料から取るのか、いろいろ取り方はあると思いますけれども、来年度、四十九年度からは、思い切った地方道の整備のための目的税であるものを何らかひとつぜひお願いを申し上げたい、こういうことでおりますし、私どももそういう方向で検討を進め、来年度の税制改正の中で、何らかの形で地方の道路財源確保のための新しい財源を確保していきたいと考えておるわけでございます。
#19
○渡辺(紘)委員 次に、広域市町村圏の財政措置についてお伺いいたします。
 広域市町村圏の指定は、昭和四十七年度で三百二十九圏域となり、面積では、国土の九四・六%、市町村数では八八・七%となっております。広域市町村圏対策は、過疎地域の振興や新都市圏の整備とも関連する問題であり、今後とも広域市町村圏の振興整備をはからなければならないことは申すまでもありませんが、そのための財源措置について、交付税上どのような措置が講じられているか、お伺いしたいと思います。
#20
○鎌田政府委員 広域市町村圏に対しまする地方交付税上の措置といたしましては、まず、額から申し上げますと、四十八年度千六十五億を算入することといたしております。四十七年度が七百三十八億でございましたので、三百二十七億の増加に相なっておるわけでございます。その内容といたしましては、市町村道の整備に要する経費といたしまして、一圏域当たり三億円を措置をいたします。それから、清掃、下水道等の広域処理のための施設の整備につきましても、従来どおりの算定措置によりましてこれを拡大してまいる。一例を申し上げますと、道路の延長分で、人口一人当たり千四百円、それから道路延長一メートル当たり三十円というやり方で算定をしてまいるというふうに考えておるわけでございます。
 なお、ちなみに、広域市町村圏に対しましては、そのほかに、地方債、これが四十七年度当初計画百十億でございましたけれども、これを四十八年度は百五十億、一般、単独事業として計画いたしておるところでございます。
#21
○渡辺(紘)委員 最後に、公害防止対策についてお伺いいたします。
 水俣病判決を締めくくりとする四大公害裁判の決着で、公害行政の強化が叫ばれておりますが、公害防止に万全を期する見地から見て、地方公共団体の現状はきわめて不十分であります。公害防止対策の経費は、本来原因者負担であるべきものと考えられるのでありますが、民間企業と地方自治体の負担割合について見ますると、民間に比べ、地方団体の負担割合が高過ぎるため、地方自治体の費用負担については洗い直しを行なう必要があると思われるのでありますが、御所見はいかがでございましょうか。
 同時に、地方公共団体の公害防止体制そのものがきわめて不十分でありますが、そのための対策についてはいかがでございましょうか。
#22
○武藤政府委員 いま御指摘のとおりで、公害防止対策の経費は、いわゆる原因者負担、それを起こすであろう人間が負担すべきことは当然でございまして、しかも、公害防止事業費事業者負担法によりましてきめられておりまするけれども、いま御指摘のように、将来への方向といたしましては、私も、もっともっと民間側が負担をすべきであろうと考えます。
 そこで、現在、地方団体の行なう特定公共下水道の設置、緩衝緑地の設定、公共用水域のしゅんせつ事業、導水事業、農用地の土壌汚染対策事業などの公害防止事業の費用につきましては、事業者の事業活動が公害の原因となると認められる程度に応じて原因者負担という原則でありまして、そういうことからいって、地方公共団体が、現在までの具体的な数字で申し上げますと、昭和四十六年度の決算額では五千八百六十六億円、うち、都道府県が二千百九十億円、市町村が三千六百七十六億円、こういう形で負担をいたしておるわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、将来の問題といたしましては、なお一そう公害を事前に防止するという観点からいたしまして、より積極的にこういうものは進めていかなければならないわけでございます。その間にあって、民間の負担もより多くしていただくという方向で私どもは検討を進めていかなければならない、こう考えております。
#23
○渡辺(紘)委員 終わります。
#24
○上村委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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